幸運E-のIS学園生活


 

バゼットさんがマスター時のランサー兄貴のステータスが気になる

英雄という言葉を意味を皆さんはご存知だろうか、才知・武勇にすぐれ、常人にできないことを成し遂げた人の事を一般的に英雄という。化け物を退治した、今まで誰も考え付きもしなかった数式を解き明かした、今まで出来る筈も無い発明をした等々をやり遂げた人々の事も指す。

では、英霊という言葉はご存知だろうか?そのような英雄達の死後の魂が、神話や伝説により確かな知名度と信仰心を得た存在、世界と契約を結び代償として世界の要求をのんだ存在。以上のモノがあらゆるカテゴリーから除外され、世界の法則から外れた存在に押し上げられたのモノが英霊である。英霊という存在はどれも人知を遥かに越えた力を持った者達。

―――納得して頂けただろうか?まあ、英雄達の死後の魂が辿り着く一つと思って頂ければ良いかもしれない。何故そんな話をするかって?そりゃアンタ………

「俺が、持ちたくもねぇ英霊の力を持っちまったからだよ」



知っている人も中には居るだろう、これは有名だからな。無限の剣製、Fateシリーズを嗜んでいる人ならご存知である自らの心象風景を現実世界に具現化させる魔法に最も近い禁忌の大魔術、固有結界の一つ。Fate/stay nightの主人公である衛宮 士郎そして英霊であるアーチャーの象徴とも言える物。一度でも見たことのある宝具を「解析」し、己が内に記憶する。固有結界が発動した場合、自身が記憶しているすべての宝具を「投影」することが出来るという凄い物だ。但し、白兵武器に限るが。作中でもアーチャーはこの固有結界の能力を生かし、複数の命をストックしている最強の敵の命を5~6回奪うというとんでもない事をやらかしている。

こんな能力だけでも凄いのに、俺にはもう一つとんでもない物を宿している。これもFateファンな方々ならご存知なものだ。アーチャーのライバル的な存在であるランサー、神の御子 クー・フーリンの槍、ゲイ・ボルグ。簡単に説明してしまえばこいつは絶対必中する槍と思って頂ければ良い。正確に言えば心臓に槍が当たったという事実を確定させてから攻撃できる槍。つまり絶対に当たる槍である。わぁおチートすぎて笑えねぇ。

一方は剣、一方は槍のとんでもない物を引き下げて俺は他の世界へ行く羽目になった。何故かって?お察しください。どうせ解りきってる事でしょう?




ぶっちゃけ俺はこんな力なんて要らなかった、今まで通りの平凡な人間で良かったのさ。そう思いながら練習用の槍を振るう。俺はとある高校に通っている普通の高校生だった。まあある事情で女子嫌いではあったがそれ以外は普通な男だ。何時も隣には親友の二人の女の子がいた、この二人は特別さ、ずっと昔から一緒にいる。俺はそんな二人との毎日が続くものだと思っていた、何時か就職して、偶に顔を合わせて酒とか飲む付き合いをする物だとばかり思っていた。でもそれは違った、俺は突然突っ込んできたトラックに轢かれて死んだ。しかもそれは俺たちの持ち合わせている概念で言う神のせいだった。仕事のミスで殺してしまったから、お詫びに特殊能力を持って転生させてやると言ってきた。

「嫌だね」

まったくだ、人の人生をなんだと思ってやがるんだ。人の人生は一度限り、だからこそ美しくも儚い物んだ。だから一生懸命に生きるんだ。転生なんて真っ平御免だ。それだったらそのミスを帳消しにして生き返った方が良い、もっとあの二人と過ごしたかった。それを聞いた神は関心したように笑って、俺に改めて詫び、轢かれた後だが病院のベットで目覚めるようにするから少しの間他の世界に出張するように言われた。つまり、眠りに落ちているときに見ている夢のようなものだ。これから自分達は眠っている時のう夢に当たる世界に入り、死を目覚めとして生き返る。それが多忙なこの神が出来る精一杯の行為なのだ。だったら最初っからそう言えばいい物を。

そうして俺は転生?を遂げた。俺はとある家の長男として産まれた。両親も優しく、中々如何して悪く日々だった。そんな時、小学校のときに虐めの現場に遭遇してとある女の子を助けた。どうやら女の子は何時も一人でいて剣道にご熱心で周囲からは男のような女の子と認識されている。まあ助ける意味はないですが助けました。強いているなら虐め現場が五月蝿い事?うん、此処までは良いんだ。その時にマジック風味に投影を使って長めの棒を出して槍として使っちゃってね?

「ねぇねぇねぇねぇ!今のどうやったの!?それより君の名前は!?」

………すっごい興味持たれました。その子のお姉さんに、しつこく何度も何度も聞かれたりしましたよハイ。そんな時、そのお姉さんの名前を聞いて愕然としましたよ

「私?私は束、篠ノ之 束さんだよーん!!」
「………本気(マジ)で?」

俺の求める平穏が消え去った瞬間であった!!よく考えてみれば俺のクラスに織斑 一夏って奴居るやん!アカンパターンですやん!!ちょっとまって、この世界ってもしかしなくても、ISの世界ですか~いやだぁぁあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!嘘だよね!?嘘だと言ってよバァァアアアアアニィイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!! 

 

一番使役したいのはやっぱりランサー兄貴、あっでも赤王様でも良いなぁ

ぼ~っとしていると体の横に温もりのある布団が覆いかぶさった。そうだ、此処は自分の家で、此処は自分の部屋のベットだ。微かな寒気に身体を丸めて少しでも寒気から逃れようとする。んっまてよ?今の暦上、今は春だ。春は暖かい物ではなかったか?だが春でも朝っと言うのは肌寒く暖かさが欲しくなる物だ。

「布団布団………」

そう呟きながら周囲を寝ぼけながら手探りで布団を探る。中々見つからないが、手を横に向けたら案外あっさりと見つかった。最初からこうすれば良かったなっと思いつつ、布団を自分の身体に絡み付かせるようにかぶせる。優しい暖かさが身体を包み込む。ああ………やはり昨日干しておいた布団はいいな~………。っていうかもう朝?ああ、自分は滅多に夜更かしなんてしないしこうして起きているとしたらもう朝だろう、以前は徹夜はしていた。明日普通に中学校の授業があるというのに普通に翌日まで徹夜して学校で爆睡していた記憶が未だに鮮明に残っている。今考えれば何をしているんだと呆れてしまう。昨日は投影の練習にゲイボルグを使った本格的な練習をしていたから身体の疲労感が半端無い。さてじゃあ起きましょう、二度寝は勿体無い、そんな事より鍛錬だ!

「やっほ~」
「オハロー御座います、束さん」

はい、ISをご存知な皆さんには本当によく知ってますよね、そーですね。知ってるってレベルじゃねぇぞこのやろー!!ですよね。これは私とあろう物が失礼致しました。はい、改めて俺の目の前にいるのは今の世の中に蔓延するインフィニット・ストラトス、通称ISを生み出した大天災、篠ノ之 束氏です!ん?天災が違う?うんにゃあっとるよ~この人の場合は~

「今日のごっはっんはなっにっかっな~?」
「面倒くさいのでホットケーキにミルクセーキです」
「うわぁ~い♪」

面倒だからこのセレクトにしたって聞いていたんでしょうかこのお方。こんな人と一緒に世界中を転々としてもう長い事になります、ええそうです。私はこの大天災と一つ屋根?の下で一緒に生活しています。ちょちょちょ!?乖離剣エアはあかん!!落ち着いてくれ!!俺だって好き好んで生活しているわけではない、これにはしっかりとして訳がある。

あの日、俺が助けた少女は幼き日の篠ノ之 箒嬢だった。今思うと、あの時の場面は本来、おりむー事一夏がやるべき事だと改めて思い知らされた。これはアカンと直後は思った、案の定箒嬢が俺へと向ける視線は熱を帯びたものへと変化していた。なんでこんなわっかり易い物をあいつは解らないのか苦しむ所だ。やっぱり一夏はホモなんじゃないのか?あ、なんかケツがむずくなってきた………。そしてそんな箒嬢のお姉さんである束さんからも深く気に入られてしまい、中華系一夏曰くセカンド幼馴染の鈴が中国に帰国するタイミングで俺は束さんと行動をする事になってしまった。簡単に言えば拉致られた。中小企業とかに就職して普通の人生を送る筈だったのに、束さん目的に襲い掛かってくる各国の襲撃者の討伐or撃退をやっている私です。双剣と槍を使い分けて戦ってます、勿論双剣は干将・莫耶、槍はゲイボルグです。それで何時も双剣か槍かで見た目変えてる影響で紅騎士と蒼騎士って名前をつけられました。こいつはくせぇええ!!白騎士のパクリ臭がプンプンするぜ!!

「ほい出来やしたよ」
「わぁ~い美味しそう!いったっだきま~す」
「衛宮様、おはよう御座います」

おうふ、これはこれは俺とした事が。束さんの他にこの麗しくも可憐な少女がいることを忘れていたぜ!腰まで届く程の綺麗な銀髪をしているこの可愛らしい少女はくーちゃんである、束さんの娘?的なポジションな子である。それだったら俺はこの子のクソ兄貴って所か、おっといい忘れた、俺の名前は衛宮。衛宮 心!あっ"しん"って読まないでくれよ?読み方は"こころ"だから。

「食事の仕度はしてあるぜ、さっさと食っちまいな」
「はい解りました」

うむ素直で宜しい。頭を撫でてあげよう、あっ顔を赤くして席について食べ始めた。う~む、あれは違うよな。うん絶対に違う。さて俺はさっさと鍛錬に行ってこよう、今日は100人切りに挑戦しようかな?

「あっそうだ束さん、例のあれって何時だっけ?」
「う~ん?あっそうだったねえっとね、明日だね」


………えっマジで?


『世界初、ISを動かした男子!!』

「全くもってお前さんは話題に事欠けん男だよなぁ、いっさんよ」

いやぁ久しぶりに○ダコ食うけど美味いよなぁ。たこ焼きは久しぶりに食うと異常なほど美味いんだよこれだから止められねぇ。さてと、腹も膨れた所で行きますか。目標、IS学園!目指すは千冬さんの元!!

「あっ手土産に酒とか用意して持ってこっと」


っと言う訳で手土産に日本酒2本と、芋焼酎1本購入してきました。勿論お摘みも完備っす、この俺に隙など無いのだよ!!さてと目前へと迫ってきたIS学園、何が始まるんですか?原作スタートです。さあISの世界の始まりよ、貴様はこの錬鉄の騎士を撃ち滅ぼす事が出来るか?取り合えずだな、箒嬢に会わないと駄目ですか………?あの子、なんか病んできてたような気がするんですが………。  

 

blade worksルートに超期待中の俺が通りますよっと

はいどうも貴方の心にブロウ○ンマグナム、衛宮 心です。って知ってる人居るかな勇○王ガオ○イガー?漸く到着したIS学園の正門付近に佇む私です、先程守衛の人に千冬さんを呼んで貰える様にお願いして此処で来るのを待機しています。いやぁにしてもIS学園でかいなぁ。転生前に通ってた学校でも東京ドーム数個分の敷地はあったけど島丸ごと学校の敷地なんて驚き桃抜き山椒抜きだぜ。そんなこんなで暫し待っていると、奥から俺と同じくスーツ姿の美しい女性がこちらへとやって来た。

「久しいな、衛宮」
「全くです、お久しぶりで御座います千冬さん。いえ、織斑先生とお呼びした方が宜しいでしょうか?」

千冬さんって呼んだらこの段階でも叩かれそうだから先生って呼ぼう。あの約束された勝利の出席簿 (エクスカリバー千冬さんバージョン)にお世話になるのはごめんだしね。

「ああ学校では織斑先生と呼ぶように。それにしても何時もお前は礼儀正しいな、お前がまだ10代だという事を忘れそうだ」

あ~嫌、精神年齢的にはもう30代越えてるっす。やっぱり結構鋭いなこの人。まあそれが魅力でもあるんだけどね、束さんが慕う理由も解るってものだ。そんなこんなで千冬さんの後を付いていく俺、このまま俺が所属する事になるクラスに行くとか。あ~あ、一夏と箒嬢、高飛車お嬢様がいるのか………やべ、嫌になってきた。

「所で衛宮、その袋は何だ。教材は既にお前の机に入れてあるが」
「これは織斑先生への手土産です。数年ぶりの対面ですし手土産の一つでも持ってくるのが礼儀だと思いまして、中身は酒とツマミです、暇な時に味わって下さい」
「それは良いな、在り難く受け取っておこう。何処で買ったかは聞かないで置いてやる」

いや普通にお店で買いました。まあ突っ込まないって言ってくれてるんだし何も言わないでおこう、バれなきゃ問題ないし。さてと到着しました1年1組!!此処から俺のIS学園生ライフが始まる!帰って良いですか今すぐに全力で、だってもうここで逃げなかったら俺の平穏がががががが

「少し待て」

そう言って教室内へと入っていく千冬さん、その直後に打撃音が聞こえたがいっちーが約束された勝利の出席簿の餌食になったのだろう、なむなむ。そして女子の黄色い歓声、う~むやっぱり学園の女子ってレベル高いんだろうな~色んな意味で。まあ、ハニートラップが嫌だから気をつけよう。

「入って来い」

おっとお呼びだお呼びだ。さてと、ネクタイをきっちりさせて……おし行くか!!扉を抜け教室の中へと入ると、其処は女子の巣窟でした。いや女子高だから当たり前だけどよ、改めてみると凄い光景だな、転生前の俺が此処に放り込まれたら発狂して倒れてるな確実に。今はある程度改善されてるけど昔の俺は今より酷い女子嫌いだったかなぁ………しみじみ。さてとクラスの女子の皆さんが俺にご注目していますね、結構辛いわこれ。

「どうも皆さん、今日も良い天気ですね。この天気で皆さんの美しさと可憐さが更に際立つようですね。おっと名前も名乗ってなかったな、俺は衛宮、衛宮 心って言います。趣味は読書とアニメ鑑賞と料理、好きな物は………それは、俺を口説いてから聞き出して見てくれや。これから1年宜しく!」

こんな感じかな?丁寧な感じ一色でも良かったんだけどそれだと女子達が接しづらいだろうし一緒にいても息苦しいだろう。フランクな感じがあっても十分良いだろう。さてと皆さんの反応は………あ、あのシーンってなるのやめて貰えます!?俺がすっげえスべったみたいになってるからやめて!!本当にやめてくd

「「「「「キャアあああああああああああ!!!!!!!!!」」」」」」

ぐぉおおおおおお!!!??聴覚に会心の一撃?!

「カッコいい!!!すっごい私のタイプ!!」
「紳士的な素振りの中に接しやすい一面!!良い!凄く良い!!」
「私と付き合ってください!!」
「抱いて下さい!!」
「奴隷にしてください!」

一部可笑しいぞ一部、まずは手順というものを踏んでだな………。

「元気あって良いなぁ、まあ宜しく頼むわな。それと一部の人、付き合ってくださいって言うのは無理だな。まずはしっかりと手順を踏んでデートから始めてからそういう事に発展しような」

あ、殆どの女子が一斉に頷いてる。すげぇシンクロってレベルじゃねぇぞ。

「衛宮、そのぐらいで良いだろう。席に着け授業を始める」
「はいって織斑先生、俺制服貰ってないんですけど?」
「何?」

え何それ聞いてないみたいな顔は、俺学園でもらえるって言われたんですけど………。

「すまない、手違いがあったようだ。今日中にお前に届くようにするから今日はそのままで授業を受けてくれ」

………マジですか、スーツのまま授業受けろと?何これ羞恥プレイ?  

 

魔力下げて良いので幸運をせめてD、いやEにしてください!!

衛宮 心

真名:ココロ・エミヤ

年齢 16

身長 182

体重 78

ステータス 筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A++ 幸運E- 宝具E~A++
※このステータスは宝具の影響もあるが、心の鍛錬によるもの

生前は平和に暮らす学生であったが神の手によって死んでしまい、固有結界『無限の剣製 (アンリミテッドブレイドワークス)』宝具『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』手にして転生する。平穏な人生を、平凡な幸せを強く望み、必要以上の力や富を求める事が無い欲が無い少年。が、強すぎる力を持った為、その力を100%引き出せるだけの力を付けようとする、使えるものは最大限使うタイプ。

織斑 一夏の幼馴染であり篠ノ之 箒の初恋の相手でもある。が本人はこの二人と絡むと自分が望む平穏が遠のくのであまり接したくは無いようだが、完全に周囲に振り回されそれも無に落ちる。

気さくで接しやすいが少々女子嫌い、が現在はある程度解消されておる為大丈夫。目上の人間などに対しては敬語などを使うが立場が同じか下の人物には一切敬語など使わない。厄介事は嫌いだが必要な選択であれば覚悟を決めてそれに立ち向かう。本気で怒ると一気に口調が変わり、気障で皮肉屋な喋り方に変えながら怒りを露にする。実際はこちらが素の口調。



宝具
無限の剣製 (アンリミテッドブレイドワークス)
ランク:E~A++
種別:????
レンジ:????
最大捕捉:????

視認した武器(白兵武器に限る)を複製し、結界内にストックしておく。一度複製した武器は固有結界を発動せずとも投影魔術として外界に引き出すことができるほか、応用的に改良を加えることも出来る。ただし複製した武器はランクが一つ下がり。神造兵装といった極めて高レベルの武器は複製は不可能ではないが行った場合自滅してしまう為行わない。但し、心の桁外れの想像力により約束された勝利の剣エクスカリバーのみは永久に遥か黄金の剣エクスカリバー・イマージュとして投影可能。

突き穿つ死翔の槍 (ゲイ・ボルク)
ランク:B+
種別:対軍宝具
レンジ:5~40
最大捕捉:50人
由来:クー・フーリンが師匠スカサハから授かった魔槍ゲイ・ボルク。
魔槍ゲイ・ボルクの本来の使用方法。渾身の魔力と力を持って投擲して放つ。速度はマッハ2。一人一人を刺し貫いていくのではなく、炸裂弾のように一撃で一軍を吹き飛ばす。発動したと同時に「心臓を貫いたという結果」が成立しているため、仮に放った直後で彼が死んだとしても、槍はひとりでに動いて相手の心臓を貫く。回避に必要なのは敏捷性ではなく幸運の高さだが、その回避難易度は幸運のランクが高くて、ようやく稀に外れる程とされる。これを応用した対人用の刺突技『刺し穿つ死棘の槍』も存在する。

どの宝具も強力だが心の幸運の悪さゆえ、外れたり一撃でしとめられないという事が発生する可能性は高い。  

 

箒嬢のヒロイン力が上昇した!!

了解した、地獄に落ちろ朴念仁。本編のいっちーの行動やら言動やらを思い出しての発言をアーチャー風に直したらこんな感じかな?っというかこれだったらあいつが俺のマスターって事になるじゃねぇか、そんなの却下だ却下。あんなホモ野郎のサーヴァントなんて身の危険しか感じないわ。おっと現在授業なのにこんな事考えてたら確実に出席簿が飛んでくる、集中せんとな。にしても………

「衛宮、射撃する上で重要なポイントを答えてみろ。自分なりのものでも構わん」
「はい。目標への距離、使っている弾の特性を理解したうえでの位置、及び距離取り、反射神経だと思います(周囲の視線がいたい………)」
「中々良い答えだ、今衛宮が言ったように」

いやマジで痛い、スーツ姿なのも影響してるけども俺がISを動かせるっていう影響もあってメッチャ見られてる。最初の自己紹介で色々言ったからそれも関係してるんだろうなぁ……はぁ、欝だ。俺の平穏は本当に何処に行ってしまったんだろう、多分箒嬢を助けた辺りからガラガラと崩れ落ちて行ったんだろうな。

「む、一時間目は此処までとする」

おっと授業終わっちゃいましたか。まあ必要な事はノートとってあるし問題ないっしょ。考えるのと同時進行で手を動かしてたし、あ~でも退屈だ。束さんの所に居たせいでやってる事が幼稚に感じてしまうビクンビクン。んで、先程から廊下からこちらを見てくる女子でこちらを見る女子が増量サービスされたな。昔の俺ならとっくに発狂してるなうん。そんなこんなで時間を潰そうとネクタイを緩めた時に箒嬢が俺の前までやって来た。いやぁ、本当にボンキュッボンですね。

「す、少し良いか……心」
「ああいいですぜ箒嬢」

出来るだけ笑顔で答える、あっ顔を赤くして背けた。これは脈ありですわぁ、いやぁ暫く会わなければどうにかなるとは思ってなかったけど、自分への行為がはっきり解っちゃってる子との対応はちょっと気を使うな。

はいっという事で原作でもいっちーと箒嬢が話していた場所にやって来ました。本当に景色良いですわ、たまに此処に来て心を癒しに来るのも悪くないな。今、俺の名前でギャグとか言ったわけじゃないからね?

「ひ、久しぶりだな心………」
「ああそうだな、見違えたな箒嬢。余りにも美人になっちまってるから最初は誰かと思っちまったぜ」

ああ、よくもこんなに歯に衣着せた発言がぽんぽん出てくるもんだ。いや彼女は本当に美人だと思うよ?可愛いし黒髪ポニテだし俺の好み的には良い感じにストレートが決まってる訳ですわ。でもチキンな俺は平穏の為に生きるのだ。

「そ、そんな事を私の顔を見て言わないでくれ……は、恥ずかしい………」

あれ?なんか俺が知ってる箒嬢と違う?俺の予想だと強い言葉で

「そ、そんな事を言うな!!馬鹿者!!」

って言ってくる物だとばかり、俺が知ってる原作箒嬢と随分と食い違うな。なんかお淑やかになったというか丸くなったって言うの?今も顔を赤らめて両手を組んで胸の前でなんか親指を弾いたりしてるし、何この可愛い女の子。

「いやぁマジで美人になったなぁ」
「そ、それを言うなら、こ、心だってそ、その………カッコ良くなったじゃないか………」
「おっ本当か?」
「う、うむ。昔と変わらない綺麗で長い髪も良い……」

いやぁ褒められると嬉しいなぁ。この青い長い髪、ランサー兄貴みたいでカッコイイだよなぁ。まあ髪を伸ばし始めたのは餓鬼の頃に伸びた髪を切ろうとしたら箒嬢に勿体無いって言われた事が始まりなんだけどね。あっそうだ

「こ、心!?」
「前に言ったよね、また会ったらその状況で出来る事を一つやってあげるって」
「お、覚えていてくれたのか…?あんな私が勝手に言い出した約束を………?」
「勿論、箒嬢との約束だからねぇ」

否実際は今の今まで忘れてましたサーセン、でも顔はきっちりしておこう、顔にさえ出さなければ絶対にばれない筈だ。にしても、目の前で膝を突いただけでそんな慌てるかね?落ち着きたまえ^^

「な、何でも良いのか……?」
「勿論」
「で、では頭を撫でて欲しい………」

………へっ?まさか今の?それだけ?マジで?私と付き合って欲しいとか言ってくるかとばかり思ってました、もしかして原作よりもヒロイン力上がってるんじゃね?否それは言いすぎか。ほんじゃま立って、頭を撫で撫で。あっすっげえ髪がサラサラしてて良い匂いする。撫で心地が凄い良いじゃん、うわぁこのまま撫で続けてたいわぁ、箒嬢って癒し系キャラだったのか。いやそれだとのほほんさんと被るな、だから癒し系(物理)キャラか!!どうでもいいけど(物理)って付けるとどうして殴るとか蹴るとかに聞こえるよね。

「どうだい箒嬢、こんな感じで良いかな?」
「んっ~……ああ、とっても気持ち良い……もっとして欲しい………」

否マジでこれ誰、中身のほほんさんとか言わんよな。ってやべもう時間がやばいな、戻らないと先生の出席簿が落ちる!!それは受けたくないぁ避雷針絶対に効かんだろうし。

「ぁっ…もう終わりか…?」

そんなに目をウルウルさせないでぇ!!保護欲がぁ!保護欲がぁああ!!!

「もう休み時間が終わっちまうしな、今は此処までだ。また今度やってやるからさ」
「約束だぞ………?」
「ああ約束だ」

こうして俺は上機嫌になった箒嬢と一緒に教室に戻りました、仲良く手を繋いで。あれ、これもう傍から見たら完全なカップルじゃね?  

 

序盤のセッシーは結構キツイ

あの後教室に入った瞬間にチャイムが鳴ったので凄まじく肝が冷える感覚を覚えながら急いで席に着いた。その時に箒嬢がまた撫でてくれるよな……?と不安げな声で小さく聞いてくるのでウインクを返して答えてあげました。顔を赤らめながら嬉しそうな顔で戻っていき如何やら喜んでくれたようで何よりです。そしてその後直ぐに織斑先生が入ってきた。

「授業を始める、そうだな衛宮。号令をかけろ」
「はい、気をつけ、礼」

織斑先生が来た瞬間に空気が変わり緩みきっていた空気からピッタリと締め上げたベルトのように詰まったような空気になった、流石織斑先生だ。さて俺も授業に集中しよう、俺にとっては幼稚な事だが復習出来ると考えれば非常に大きなリミット、じゃなかったメリットになる。制限して如何すんだよ。

………ふむ、こうして復習してみると結構良いもんだな。基礎はどんな事をする為の強い力になる、基礎は大切ってハッキリ解るな。

「はい、織斑君♪」
「殆ど全部解りません……!」
「えっ……ぜ、全部ですか?」

……ってああそうか、いっちーは参考書を電話帳と間違えて捨てたんだっけ?ってか何で電話帳?厚さだけじゃねぇか似通ってる点。それにそういう系を捨てる時って何回も確認するだろ、俺、確認しなかったせいで買ったばっかの新刊捨てちゃった事あったし………。あっ出席簿射殺す百頭が落ちた。いったそう・・・。

「衛宮、この馬鹿の手伝いをしてやれ」
「ハァ………正直自業自得なのでご自分の努力だけで頑張って欲しい物なのですが」
「そう言うな、こいつが間違えたときは殴っても構わん。なんなら出席簿これの貸し出しも許可する」
「やります」
「えええええええええええ!!!??殴りたいだけだろ心!?」

何を当たり前な事を、お前のせいでどれだけ俺の平穏ライフ計画が崩壊したと思っているのだ。その恨みを合法的に晴らせるチャンスなのだぞ!?そんなビックウェーブにわちきが乗らん訳には行かん!!それと主人公の第一声がええええええええ!!!!??ってどうよいっちー。主人公にあるまじき一声だと思うのよアタイは。一人称変わりすぎ?おっとすみません。

「………」
「いっちーは犠牲になったのだ……自らの愚行の責任ゆえに……」
「いや死んでねぇからな!?」
「ちっ」
「今舌打ちしたよね!?しましたよねぇ!?」

あ~うるせぇいっちーだな、泉に投げ込んだら静かないっちーにならないかな?綺麗ないっちーになるか、どうなるのそれって。あっやべ試してみたい。

「っていうか心お前今まで何処に行ってたんだよ!?いきなり消えて、お前の家に行っても誰も出てこないし、心配してたんだぞ!?」
「そりゃ悪ろうござんした。あの日、あいつを見送りに行った帰りにちょいと束さんに拉致られてな」
「おいおい拉致って……」
「いきなり目の前に出てきたと思ったら俺を人参ロケットに押し込んだんだよ、それからは世界中を転々とする束さんの助手?みたい事をしながら過ごしてたんだよ」

いやぁ思い出すと鮮明に蘇ってくる束さんに拉致られた日からの事が、うん、主にラボの汚さに。三度の飯より研究する束さんは色々と無頓着だった。自分の身体も倒れない程度に栄養摂取と休憩を取って後は殆ど研究をしていた。風呂にも入ってなかったみたいだし。まずは束さんを風呂に突っ込んでその間に美味しい御飯を作って、食べて貰っている間にラボの掃除をしてた。あれ、俺ってISの研究の手伝いで試作品のテストとかやってたけど、殆どやってたの家政婦の仕事じゃね?

「助手ってどんな仕事なんだ?」
「ISの研究の補助。試作品のテストに実践での評価や批評、設計図から作成まで幅広いもんさね。ついでに家事なんかもやってたな」
「へっ~」
「ちょっと、よろしくて」

俺といっちーの会話に割って来るのは誰だい?いや入ってきてくれて良いんですけどね。髪は金髪、瞳は青、スタイルも中々。ああセッシーさんですか。最初の時は凄い傲慢チキな高飛車お嬢様感がプンプンしてるな。にしても声はやっぱりあの人なんだな、潜水艦の大佐さん。

「はい?」
「何か御用でしょうかレディ?」

上がいっちー、下が俺です。

「お一人は教養があるようですが、貴方何ですかその対応は私に話しかけられたのですから、それ相応の態度があるのでは?」
「いや、俺アンタの事知らないし……」
「私を知らない!?入試試験を主席で通過したこのイギリス代表候補生のセシリア・オルコットを!?」
「おう知らん」

いやなんでそこでドヤ顔するんやねん。自慢出来る要素一つも無いで?あれか、自分のアホさ加減を自慢しとるかそうかそうか馬鹿かこいつ。

「それと心、代表候補生ってなんぞ?」
「………それ、本気で言ってます?」
「おう勿論(ドヤァ)
「そのウザいドヤ顔はおやめなさい。読んで字の如く、その国のISの国家代表の候補生の事ですよ。国の次世代の代表を務めるかもしれない人たち、エリートといえば解りますか?」
「あ~なるほど」
「そうエリートなのですわ!!」

いきなり元気になりおってこの高飛車お嬢様は、これだったら箒嬢の方がよっぽどお嬢様らしいぜ。たぶんこうして思ってるのも原作のこの後のセッシーを知ってるからだろうなぁ、知らなかったらたぶんセッシーの第一印象は最悪になってると思う。第一印象って大切なんだなぁ。

「俺も試験官倒したけど、心は如何なんだ?」

おうもう其処?うっわ周りから凄い視線が集まるのを感じる、オラに視線を集めてくれ!!なんて言ってないぞワイ。

「さぁ?束さんの計らいで無しだったしなぁ。っというかな、織斑先生にお前の試験相手が務まる奴など私ぐらいしか居ないって言われて試験無しになった」
「それって試験官の人より強いって千冬姉からもう認められてるって事じゃない!やっぱ心はすげぇな!!」

おいこら余計な事を言うな!セッシーさんの視線が更に冷たく鋭い物に!!これはやべぇかもしれない(キーンコーンカーンコーン)おお!!救いの鐘の音だ!!

「くっ!また来ますわ逃げない事ですわね!!」

おおそんな大股で歩きなさるとはお嬢様とは思えませんねぇニヤニヤ。さて俺も席に戻るとしますか。さてさてこの後の展開が楽しみですねぇ。そして授業スタート、山田先生の授業、結構解り易いんだよな~。この人良い教師だよ。

「ああそうでした、実は、来月に開催されるクラス対抗戦に参加する代表者を決めようと思うんですけど、推薦したい者がいましたら、手を上げて言って下さいね」

マジで思い出しましたって感じですね。

「私は織斑君を!!」「私も!」
「お、俺!?」
「私は衛宮君を!!」「私も!!」

ウンシッテタヨ。そして箒嬢、顔を赤くするぐらいなら手を上げなくても良いんですよ?本当に可愛いな箒嬢。

「では推薦者は衛宮と織斑だな?ほかにいないか?」
「ちょっま!?」
「納得いきませんわ!!」

バァン!!!机を強く叩きながら立ち上がり、大きな声を張り上げる女子がいた。イギリスの国家代表候補生セッシーだった(笑)。

「このような選出などわたくしは認めませんわ!このような無粋な男が代表者など恥曝しですわ! このわたくしに!このセシリア・オルコットにそのような男に負けたという屈辱を味わえとおっしゃるのですか!?」

おうおう言ってくれますねぇ、其処までいうなら自己推薦すれば良いのに如何してしないんだろう。自分は他人に推薦されて当たり前だと思ってるのか?事情知らない人にとっては推薦のしようがないぞ。

「実力から行けば私がクラス代表になるのは必然の筈ですわ!それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困りますわ!私はこのような島国でIS技術の修練に来ているのです!大体こんな国にこの様な施設が有ること事態が可笑しいのです!極東のわざわざ遅れている国にこの様な重大な施設を作る事がおかしいのですわ!!こんな、駄目な国に!!」

おうおう好き勝手言ってくれちゃって、好い加減にブレーキかけてやらないともっとヒートアップするぞ。

「イギリスだって大したお国自慢無し島国じゃねぇか。世界一不味い料理一位、何年覇者だよ」

あ~あいっちー言っちゃったよ、まあこれはしょうがない。

「貴方!私の祖国を侮辱するのですか!!?」
「先に侮辱したのはそっちだろ!」
「ああもう―――!!決闘ですわ!!」
「おういいぜ、四の五の言うより解りやすい」
「口の減らない…貴方のような無礼な男などは小間使い、いえ奴隷にしてさし上げますわ!!二人まとめてね!!」

おーい俺をスルーしないでくれー。俺の意見は~?

「おい、俺いk「お前聞いていれば好き勝手言ってくれるなオルコット!!」ほ、箒嬢?」

あれ、原作の流れが………変わった?

「先程から黙って聞いていれば言いたい放題言ってくれるな」
「何ですの一体?貴方はこの会話には関係ないでしょう?」
「関係大有りだ、私は織斑と心の幼馴染だ。その幼馴染を深く侮辱しているのだ、それを黙って見ていられるほど私は穏やかでは無いぞ!!」

す、凄いカッコイイ!!すいません箒嬢!!もうモッピーなんていいません!!

「幼馴染だからといって私と其処の男二人との戦いには関係はありませんわ。口を挟まないでいただけますか?」
「だが断る、なら私もお前に決闘を申し込む。私が負けたらそうだな、この学園から出て行ってやろうではないか!!」

ほ、箒嬢ぉおおおおおお!!!カッコイイです!!マジクールビューティーです!!すげえ男らしい事言ってるじゃん!!貴方はもう箒嬢じゃありません、HOUKI嬢です!HOUKI嬢!!HOUKI嬢!!おっしゃあああ!!俺もやってやろうじゃねぇか!!全力で叩き潰してやる!!


授業後

「ど、どうしよう心………つい勢いであんな事まで言ってしまった……もし負けたらこの学園を出て行く事になってしまう………折角心と再会できたのに………(グスッ)」

さっきとのギャップがぁ……だが余計に可愛く見える、これがギャップ萌え!?

「安心しろ箒嬢、もしもの事態なんか起きやしないさ。君は強い女性だ、絶対に勝てる、一緒に勝つ為に頑張ろう、な?」
「うん………」
「ほらほら涙ぐまない、よ~しよし、頑張ったな~」
「んっ………心…有難う……」  

 

のほほんさんは癒し系、箒嬢は癒し系(物理)、似てるようで似てない

「………」
「死ぬなら棺桶の中にしろ、お前に触れたくない」
「おい心、お前俺にだけ接し方厳しくないか…?」
「気のせいだ」

放課後となった今、いっちーは机に突っ伏しながら唸っている。参考書を捨てるからだアホ垂れ、俺でもしない事を平然とやってのける、そこに呆れる反吐が出るぅ!!まあ反吐は出なくても最悪でもこいつへの恨みは大量に出るから宜しいんですけどね(笑)。あ~あ、箒嬢は部活とかの下見とか色々あるらしくてどっか行っちゃったしこいつと過ごさないといけないのぉ~?いやよぉ私ホモと思われたくないもの。私の中でいっちー=ホモになりかけているらしいな、いやもう固定で良いかな。

「ああ織斑君に衛宮君。良かったまだ教室に居てくれて」

おお山田先生、胸の谷間がもう別の生き物のような激しい動きをしてますねぇ。にしてもデカイ。

「如何したのですか山田先生?」
「えっとですね、寮の部屋が決まったので部屋の鍵を渡しに来ました」

あ~はいはい部屋の事ね、そう言えばどうなるんだ?やっぱりいっちーは箒嬢だとしたら俺はどうなるんだ?

「はい織斑君は1025室、衛宮君は1024室です」
「はいどうも~」

それじゃあさっさと部屋を見に行こう。これ以上いっちーの傍に居たくねぇ、菊門に危機を感じる。すったこらっさっさ~っと。


さてと此処までやって来たはいいが10241024……おっあった。そう言えばさっき山田先生から制服貰ったな、ああ~これでスーツで授業を受け続けるという心配がなくなったぜ。それじゃあ早速中へっとちょっと待てよ?いっちーもこんな感じで入ろうとして箒嬢のシャワー浴びたての姿を見たんだよな、俺もそんなことになりたくないし、ノックをしよう、ノックしてもしもーし。

「は~い、いまでますよ~」

おっこの間延びしたのんびりした声は…!!

「おっ~コロコロだ~、どうしたの~?」
「あら、確か布仏 本音さんでいいだっけ?」

のほほんさん!のほほんさんじゃないか!!っと言う事は俺の同室の女子はのほほんさん!?マジか最高じゃん!精神的な意味で

「それとコロコロは俺の事でおk?」
「もっちろ~ん。心だからコロコロだよ~」
「まあいいか、んじゃ俺は、のほほんさんって呼ばせてもらうわ。それと俺山田先生に俺の部屋は1024号室って言われてきたんだけど、もしかして同室なのかな?」
「かもね~、コロコロと一緒ってなんか楽しそうだな~。とりあえず入って入って~」
「んじゃお邪魔~」

おっ~やっぱり豪華だな~、これが本当に寮の部屋か?ベットもフカフカそうだな~にしても大量のお菓子があるんだな、流石はのほほんさん。

「俺はどっちのベット使って良いの?」
「窓側のほうが空いてるよ~」
「んじゃそちらを使わせて貰いますよっと、っていうか荷物は先にこっちに来てたのな」
「ああそれコロコロのだったんだね~」

そうですよ~、一足先に送っておいたんだけど此処にあったのでちょっと心配だったのよ。………開けられた様子も無し、弄られた形跡も一切無しっと良かった良かった。まあのほほんさんがそんなことするとは思えないけどな。

『キャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!』
「!?な、何今の声!?」
「隣からしたぞ!?行ってみよう!!」

って待てよ、隣っていっちーの部屋じゃ………まさか!?おいごらいっちぃいいいいい!箒嬢になにしやがったぁぁあああああああああ!!!!!!!!!

「どうした!?何が起きた?!」
「こ、心!!それがあの、えっと!?何がどうなってああなったんだ!!」
「訳が解んねぇよ!!主語を入れろ主語!!」
「こ、心ぉ………」

!!!??あ、ありのままに起こった事を話すぜ!俺は大声がしたから大急ぎで隣の部屋まで来たんだ!そこにはとんでもなく慌てているいっちーと、あられもない姿をバスタオルで隠しているとんでもなく色っぽくセクシーで涙目になってる箒嬢がいるんだ!頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとかそんなtって言ってる場合じゃねぇ!!くそっのほほんさんと同室のことに気を取られてこうなる可能性を忘れてた!!このままだったら騒ぎを聞きつけた女子達に箒嬢の姿を見られて箒嬢が傷ついてしまうかもしれない!

「の、のほほんさん大急ぎでドアを閉めて!!」
「もう閉めたよ!!」
「さっすが!そしていっちー、てめぇは寝てろ!!」
「ごふぅ!!?」

よし、腹を殴っていっちーを床に寝かせた。箒嬢のバスタオル姿を事故とはいえ見た罪はデカイ!俺はいいのか?いやこれはしょうがないだろ!?

「さあ箒嬢立てる?取りあえず洗面所で改めて身体を拭いて着替えた方が良いよ、ね?」
「ひっく……こごろ~……ごめんなさい、苦労をかける………」
「気にしないの、さあ」

ふう……出来るだけ身体を見ないようにしたけど破壊力半端ねぇ。にしてもまさかこれほどまでに箒嬢が原作と食い違っているとは……これ、下手したら箒嬢、いっちーの事トラウマになってんじゃね?

「ところでのほほんさん、このゴミ屑みたいないっちーどうしようかな?」
「う~ん、女の子の裸を見たんだし罪は大きいと思うよ」
「ちょ……待ってくれこれは事故だ……」
「うるせぇ!これで箒嬢の心に傷が付いてたら如何してくれんだよ!!」


「はぁ………まさか私の裸を最初に見られたのが織斑なんて……最悪だ……私は心に、み、見てもらいたかったのに……。あ、あれ?でも私見て貰ってないか…?み、見られているではないか!?どどどどどどどどど如何したら良いんだ!?このまま忘れるように努力すべきなのか!?それともこれを使って心に迫るべきなのか?い、いやそれは駄目だ、はしたないではないか!!」

洗面所で身体を拭きながら顔色をコロコロと変化させる箒、心に自分の身体を見られたことを思い出すと一気に熟れたトマトのように真っ赤にさせ慌てふためいている。顔に水を被って落ち着いてから、再び身体を拭き、部屋儀に着替えたが顔の赤みが抜けるまで暫く掛かってしまい、そこから出られたのは遅かった。なので心は箒が傷ついたと勘違いし、のほほんさんと共に一夏にお仕置きをしていた。  

 

チョロインではない筈なのに語呂が良いからついセッシーの事をそう呼んでしまう

「セイッハッハ!!」
「くっ!いやぁあああ!!」
「ふん!!」
「だぁああ!!」

ガキン!!ぽと

「勝負、ありだな箒嬢?」
「そうだな、まいったよ心」

ふう、センスあるなぁ箒嬢。もう打鉄の特性を自分の物にし始めてるし操縦技術も上がっている。本当に素人か?錬鉄の英雄ブレード・ウィザード相手に此処まで立ち回れるとは驚きだ。合計30分、見事に耐え切って見せたよこの子。マジですげぇ。

結局あの後はいっちーを断罪した後、箒嬢を慰めてその後に決闘の日までに行うメニューを決める事にした。いっちーには1週間でISの知識を山田先生に出来るだけ詰めてもらうことと、出来るだけ多くのイメージトレーニングと身体を動かす事を指示した。箒嬢には俺が付いてレッスンする事になった。それを初めてもう3日になるが箒嬢の成長ぶりには驚かさせてしまう、束さんが先天的な天才だとしたら、箒嬢は努力によって大きく早い速度で成長する後天的な天才かもしれない。

「ふぅ参ったなぁ、まだ一本も取れない。流石に姉さんの助手をしていただけはあるな心」
「嫌々、あっさり30分耐えた箒嬢方が凄いっての。もしかしなくてもあの金髪ドリルには勝てるぜ?」
「そ、そうかな……?心にそう言って貰えるとその、自信がつくな……(///)」

やばいすげぇ可愛いんですけど。顔を赤くして手をもじもじしないで頂けます?私が萌え死ぬ。

「それにしても心は専用機を既に持っていたんだな。なんと言ったか」
「錬鉄の英雄、ブレード・ウィザードだ。こいつには取って置きがあってな」
「取っておき?」

ああ!首をコテンと傾けてこっちを見ないで!!抱きしめたい!!抱きしめたいなぁ箒嬢!!!

「知りたい?」
「ああ」
「ひ・み・つ♪」
「むー、教えてくれても良いじゃないか」

ホッぺを膨らませても駄目な物は駄目なの。っていうかマジで可愛いなおい!代わりと言ってはなんですけど………撫で撫でしてあげよう

「ぁんぅ……!ぁぁぃぃ……ふみゅん………い、いきなりはずるい心……」
「んじゃいらない?」
「ぃゃ……」

ああ、可愛いよ可愛いよ箒嬢!!


そんなこんなで、箒嬢を愛でながら決闘当日がやって来た!!

今日までの修練で箒嬢はかなり強くなった。中遠距離からの攻撃の対応の練習も一杯したし、成長し続けている。途中から俺も結構マジで相手してたし、まあ30%ぐらいの力しか出してないけどね。さてとセッシーとの模擬戦と行きたい所なんですが、まあ予想通りでいっちーの専用機が遅れてやって来た。まあ白式なんですけど、戦いは如何だったか?最後は自滅しましたよwww。俺は千冬姉を守る(キリッ!!)だっておだっておwwwwあんだけかっこいい事言っておいて最後は自分の機体の切り札で自滅とかカッコ悪すぎでやんの!!ゲラゲラゲラゲラ!!!

「衛宮、笑って良いぞ」
「遠慮なく、だっはははははははは!!!!あんだけカッコいい事言って置いて最後は自分の切り札で自滅ぅ?だっせぇぎゃははははははは!!!!!!俺は千冬姉の名前を守る!!(キリッ)だってよ箒嬢!!」
「お、思い出させないでくれ(フルフル)も、もう駄目だ堪え、きれない……あはははははは!!!お腹が痛いじゃないかどうしてくれるんだもう!!あははははははは!!!」
「う、うるせぇええええ!!何時までも笑ってんじゃねぇえええよおおおお!!其処の二人どんだけ抱腹絶倒してるんだよ!!?特に心ぉ!!!」

だ、だってさぁwwww

「ひぃひぃ、心如何しようお腹痛いよぉ……」
「よーしよし、もう大丈夫だよ箒嬢~。さてと、次は俺の番か」

よし笑いも収まった、戦う時ぐらいは真面目に気持ちを切り替えないとな、否笑ったままでも良いんだけどさ。箒嬢の気持ちが引き締まるように俺がしっかりと舞台を作ってやらないと。セッシー、悪いけど箒嬢のこれからの踏み台になって貰うぜ。

「さてと行くぜ!」

錬鉄の英雄起動!!全システムオールグリーン!魔術回路正常に作動、問題なしだな。んじゃ

「箒嬢、君の為の舞台を整えてくるよ」
「ぁっ、私の為に……が、頑張って!!」
「おう!!」

ひやっほぉおおおおおおおおお!!!!!!箒嬢の応援があれば100人力じゃぞワイは!!アリーナへと飛び出すと既にセッシーは待機中、そして何故か顔を俯けてなんか呟いてる。あっそう言えばセッシーっていっちーの目とか言葉とか聞いて、いっちーを理想の男性として意識するんだっけ?んじゃもう堕ちてんじゃんセッシー。これだからいっちーは……そして、地味にもう試合スタートの合図鳴ってるから始まってるんだよね。どうしようかな。

「おいセシリアさんよ」
「織斑 一夏………知りたい……貴方の事を………」

あっ駄目ですわ完全にチョロインモードに突入してますわ完全に堕ちてますわ。っていうか何?試合場に出てるのに相手を目の前に気づいてない?挙句の果てに他人の事を考えてる?俺に対する侮辱か、はっ上等じゃねぇかチョロイン。お前、箒嬢に負けて来る前に俺に負けろ。

同調(トレース)開始(オン)、一度だけ言うぞセシリア・オルコット。いい加減にしろ、試合がする気が無いなら失せろ」
「はっ!?え、えええ!?何時の間に居たのですか!?」

………素で気づいてなかったのかよ、もう救いようが無いわ。俺はそういう事をされるが大っ嫌いなんだわ。

「………なんだね君は、既に戦いの場に足を踏み入れているというのに暢気に考え事か?良いご身分だな。それは君なりの私へのハンデかね、残念だがそれはハンデではなく私への侮辱だ。直ぐに終わらせて貰う」

箒嬢、君に捧げる花火だ。ささやかながら受け取ってくれ。  

 

箒嬢のオリヒロ説(この小説内)撤廃を要求する!

「あ、あれが心のIS………。赤い、IS……」
「錬鉄の英雄、ブレード・ウィザード、やっぱりかっこいい………」

織斑の白式とは違い、淡くも精錬された炎のような赤い機体色、その中央を穿つように伸びる黒いライン。それを纏った心の強さとカッコ良さは私が一番良く知っている。絶対に負けない英雄の身体、それが錬鉄の英雄。

「弓………?」

弓、と言う事はあれを使用するという事か。どうやら直ぐに終わりそうだ、そして心の手に剣が出されたから間違いない。

「け、剣を矢として構えた!?」
「射れる訳無いだろ!?」

やれやれ山田先生と織斑は少し落ち着く事を覚えた方が良いな。心に不可能など無い、それにしても………あ、あのキリッとした顔、カッコいい……また惚れ直してしまったよ。

「射った!?そしてオルコットさんに直撃した!?」
「そして隙も与えずに追撃した!!容赦ないしえげつない!!」

おっと私が惚れ直している間にもう試合が終わってしまったか。私も準備するとしよう。


「喰らいつけ、赤原猟犬フルンディング!!」

この赤原猟犬から逃れる事など出来ない。これは決まりきった事実だからだ。

「き、きゃあ!!しょ、少々驚かされましたがこの程度避けられて当然ですわ!!」
「そうか。頭上注意をしろ、出なければ慢心を抱き死ぬが良い」

油断しきっているオルコットの頭上に赤原猟犬が落ち、大爆発を起こさせ一気にSEを枯渇させたようだ。どうやら私の勝ちになったようだ、もう少し甚振りたかったが我慢するとしよう。螺旋剣使わなかっただけ感謝して欲しいよね。あれ使ってたら確実にセッシー蒸発するし、流石にそれはしたくないからね中の人的な意味で。そこ、そこかよ!?って突っ込みはノーセンキューよん?さ~てと終わった事だし俺は戻るとしますか。

「ただいま~」
「すっげぇな心!!どうなってんだ心のIS!?」
「取りあえず離れろ気持ち悪い」

勝利をこいつなりに祝ってくれているのは重々承知しているが俺は男に迫られて喜ぶ趣味など持ち合わせておらぬ。箒嬢とかのほほんさんに迫られたら喜ぶよ?癒し的な意味でね。流石に性的な目では見れないなぁ、ボンキュボンで性格も良いし可愛いし俺の好みにドストレートでストライクゾーンなんだけど、平穏云々よりも親友って感じで固定しちゃってるし。えっのほほんさん?愛玩動物ポジですけどなにか?

「次の試合開始はオルコットのSE回復を含め25分後だ、篠ノ之。準備はしておけ」
「はい、心それでだな……少しお願いがあるんだけど………いいかなぁ」
「お願い?なんぞや」

ん?指をクイクイ、屈めって事?おう箒嬢、貴方の吐息が耳に掛かってます!!血流が加速してるしてる、だってこんな美少女の吐息が耳に掛かってるだよ?興奮するなって方が無理だわ。

「こ、この試合で私が勝ったらそ、そのだな………一緒に出掛けてくれないかな………?」

っ、それはあれかな。デートのお誘いかな箒嬢っというか貴方絶対に勝つから出掛ける事は決定ですよね?成程抜け目ねぇな流石です。

「(勿論良いぜ、幾らでも付き合ってあげる)」
「(っ!!!!あ、ありがとう!絶対に勝ってくる!!)」

あ~らら更に元気になっちゃってまぁ。わっかり易い子だな本当に、まあそれだけやる気を出してくれてるんだからもう良いか(半分諦め)


既に男でありながらISを動かした存在である二人とイギリス代表候補生との模擬戦は終了し、注目すべき試合は全て終了したと言える。その二つの試合の後に、更に注目すべき試合が始まるというのに殆どの生徒はアリーナから退場していた。一方は織斑 一夏に勝利し、衛宮 心に瞬殺されてしまったセシリア・オルコット。そしてもう一方はこの試合で自らの退学を掛け金チップとした正真正銘のド素人であった少女、篠ノ之 箒。

だがその少女の纏っている覇気は素人ではなく一流の操縦士が纏う物に劣りはしない物。それもその筈、今日に至るまで心が直々に修練の相手となり腕を磨いていた。篠ノ之 束を先天的な天才とするならば、彼女は後天的な天才、努力によって大きな素質を秘めていた種を芽吹かせ成長する天才。箒は学園のISである量産型IS、打鉄の武装である剣を強く握り締めながら目の前の敵を睨み付ける。

「お前がどのように反省したとしても私はお前を許す気は無い、少なくとも私の気が済むまでは怒りを納める気は無い。心を貶した罪、私が断罪する」
「………それについては本当に失礼な事を申したと重々承知しております。今貴方に謝罪しても事実は変わりませんが申し訳御座いませんでした……」
「………オルコット、お前の謝罪の気持ちは受け取った、だが他にいる相手がいるだろう」

私に負けて謝って来いと剣を向ける箒、それに対し勿論です、ですが代表候補生として負けるわけにはいけませんわ!と気合を入れなおすセシリア。そして戦いの口火は切られた。

先手を取ったのは蒼い雫ブルー・ティアーズを纏うオルコット。打鉄を纏った箒は武士を思わせるのと対照的に彼女は麗しい貴婦人に思える。巨大な特殊レーザーライフルを構えそれを正射、エネルギーの弾丸であるレーザーは真っ直ぐ箒へと向かっていくがそれを最低限の動きで回避する箒。続けて2射、3射と放つが全てを見切ったように避ける武士。本当に操縦者として初心者なのか疑いたくなってくる。

「当たらない…!」
「右腕の左」

見える、ISのハイパーセンサーを駆使し箒はセシリアの視線、指の動きなどを見ていた。それで狙いって来る場所をある程度の目安をつけてからそこから身体を動かして退かす。それだけの事をしている。

「今!」

避ける、という行為のみを続けてきた彼女だったが遂に攻撃へと移った。自分を狙ってくるライフルの射線を考えながら大きく動きながらセシリアへと向かっていく。だがそれを用意許すほどお優しくは無い。蒼い雫という機体名の由来でもある武装、ブルー・ティアーズを展開した。ビット型の武装である独立機動するそれは様々な方面から箒を狙い撃っていく。それを避けようとしても掠ったり直撃しSEが減ってしまい思わず舌打ちをする箒、だがこの程度で諦めるほど彼女は大人しくない。

「―――貴方は、本当に素人ですの……?」

セシリアからしたらそれは悪い冗談にも思えた、完全に素人である一夏でさえこの4基のブルー・ティアーズにはてんてこ舞いだった。試合の様子を見て対処法を考えたとしてもそれを忠実に実践出来るとか限らない。だが目の前の少女は、最低限の損傷で自らの傷を抑えながらこちらへと向かってくる。一体どんな訓練をしたのか激しく気になったがそれ以上にこのままでは負けるという危機感が強かった。

「インターセプター!!」

刃が自分に届く寸前でショートブレードを展開して受け止めるがまさかここまであっさり辿り着かれるとは思いもしなかった。一夏、心とはまた違った危機感、だがそれは逆にセシリアにとって良い意味で刺激を与えた。

「残念ですわ!!」
「しまっ!!」

腰部装備されている残り2基のブルー・ティアーズからミサイルが発射され箒を襲った。なんとか一発は剣を縦にする形で防いだが、そこへ襲い掛かる追い討ちには対応しきれずにまともに喰らい続ける。もう残りのSEも少ない、このままでは負ける。そう思った箒は賭けに出た。落下する勢いを強引に掻き消して停止、急加速でセシリアへと迫った。当然其処にはセシリアの攻撃が襲ってくるがそれを全て無視して蒼い雫を切り裂いた。

「なん、ですって!?」
「これでぇええ!!」

そのまま上を取った箒はそのまま上から斬りかかった。それが決まったかに見えたが、同時にセシリアも最後の意地を見せライフルを箒へと向けトリガーを弾いて見事に命中させた。結果

篠ノ之 箒 VS セシリア・オルコット

SE(シールドエネルギー)全く同じタイミングで0になり、引き分けとなった。  

 

ヒロイン未定なのに箒嬢がヒロインに見えるあら不思議

……ちっ束さんめ、俺を信頼してくれている証拠だろうがこれはやりすぎだぜ、通常時と比べて1、5倍ってとこか。IS学園での初使用の赤原猟犬(フルンディング)でこれからよ、ゲーム的に考えれば赤原猟犬の消費魔力20程、今はだいたい35ぐらい持っていかれたな。こんなんじゃ永久に遥か黄金の剣 (エクスカリバー・イマージュ(なんて使ったらどうなるんだが、まあそれはいい。後で設定を弄っておけば良い事だ、今度あったときは覚えてろよ束さん。ちっ、二柱の英雄ダブル・ヒーローに妙な制約掛けやがって、これも俺の幸運が低いせいか?

「た、ただいま心………」
「お帰り、カッコ良かったぜ箒嬢?」
「だ、だが結果としては勝つ事が出来なかった……折角、心が、指導して、くぇたのに……」

おいおい涙ぐむ事は無いだろ?十分すぎるぐらいに君は善戦した、っというか勝っちまったらセッシーの代表候補生として面目が立たないだろうに。否別に勝ってくれても構わなかったけど、それに引き分けに持ち込んだわけだしこれで箒嬢は退学せずに済む。俺にとって親友に近い友人である箒嬢が居なくなるのは寂しすぎる。

「そんな事無いって、寧ろ代表候補生にあれだけ善戦出来たんだぜ?凄すぎるって、そこの自滅した馬鹿の何十倍もすごいって」
「うぐっ………そ、それを言うなよぉ」
「俺は今日まで君に鍛錬を付けて来た、正直代表候補生レベルに伸びているのには驚いた。俺は君を賞賛したい」
「ぁ、ぁぁぁ………ぁリがとぉ……」

はうぅ!胸の中に飛び込んでキタァ!あああ抱きつかないでぇぇえ!!たわわに実った果実が柔らかく形を変えていくぅ!!ああああああ!!これは辛い!生殺しだ!!絶えろっと間違えた耐えるんだ!!理性を保て、落ち着くんだ……!

「箒嬢、落ち着いて涙をぬぐって下さい。私の知っている貴方は強くて優しい女性なんだから」
「グス……ぅん……」
「そうだ、今回の戦いのご褒美って訳じゃないけど一緒に出かけないか?」
「ぇっ、ええええええええええええええええ!!!!!!???!?わわわわ、わたたたたたしが心とででででかける!!!?!?」
「嫌な別に良いけど」
「と、とんでもない!!是非とも行かせて欲しい!!」

よし、これで箒嬢も元気になる筈だ。あれだけの戦いを繰り広げてご褒美の一つも無いんじゃあんまりだからなぁ、鍛錬も弱音一つ吐かずやってくれたし一緒に遊びに出かけてストレスとか色んな物を発散させてあげよう。こういうのなんていうんだっけ?飴とギロチン?あっでも何処に出かけようかな。やっぱりショッピングモールとかかな?う~ん、ある程度経験はあるけど二人っきりのお出かけは初めて出しなぁ俺も。う~ん、どうしよう?  

 

何時の間にか雪片が剣の丘にブッ刺さってるですが如何したら良いでしょうか

「一組のクラス代表は織斑 一夏君に決定しました!」
「え?」

ワーパチパチ。クラス代表戦の翌日のSHR、いっちーはいきなりクラス代表は自分だと言われ混乱している!良いぞもっと混乱しろ、それともこの状況からもっとも混沌とした空気へと引きずり込んでやろうか。

「いや~織斑君と同じクラスで良かったよね~」
「うんうん、本当本当。強いもんね織斑君」
「これでクラス対抗戦は私達1組が優勝だね!」

うんうんいっちー強い(笑)だもんね。キリッ!だもんねww。

「あの先生、質問があるんですけど?」
「なんでしょうか織斑君?」
「俺、代表戦で負けたんですけど、それなのに何で俺が代表なんですか!?」
「それは俺と」
「私が辞退致しましたから」
「なしてそげな事をするんかえ!?」

ごめん何語?否日本語である事は理解出来るけど何処の方言だよそれ。

「そこで余り経験の無い"一夏"さんを代表にした方がさまざま面で宜しいと感じまして」
「何処が良いの!?」
「織斑先生の名前を守るんでしょ?それなら経験を積まなくては」
「うぐっ」

にしても一夏さんね、確実に落ちてるじゃねぇか。この唐変木が、これから更に2人の女性の心を落とすと考えると凄い腹立たしい。え3人じゃないかって?シャルにラウラで二人じゃん、リーリーは惚れていると仮定して既に堕ちているから2人だよ。いいよ俺には箒嬢がいるから……羨ましくなんて無いもん………。

「っていうか心はいいのかよ!?心のほうが相応しいだろ!?」
「もう決定事項だ戯け。今更の変更は先生も面倒だろうし俺もやりたくない、面倒だから任せるわ」
「そ、そんなぁ………理不尽だ………」
「社会なんてそんなもんよ」

結局いっちーが代表に決定しました。うん原作通りだね!


「ん~、これで行こうかな~?」

翌日であーる土曜日、外出許可も取り付けいよいよ出掛けようとしている所の前。現在は服を選んでいるところだったりする。ジーンズにグレーのTシャツ、Wジップパーカーでいいかな。っというか俺の私服ってまともなもの少ないし。黒のTシャツが多かったり無地の白シャツばかりだからなぁ。おしゃれとかには無頓着な訳な俺です。ぶっちゃけおしゃれに気を使えるような状況に居なかったしね。

「お~コロコロ如何したのお洒落なかっこうして?お出かけ?」
「おうのほほんさん、お察しの通りお出掛けさね」
「お~いいなーいいなー。私今日は用があって出掛けられないのに~」
「んじゃ今度一緒にスイーツでも食べに行くかい?」
「おっデートのお誘い?勿論行きたい~(`・ω・´)」
「それじゃ絶対に行きましょう(`・ω・́)ゝ」
「(`・ω・́)ゝ」

ああやっぱりすげぇ乗り良いわこの子。こういう妹が欲しかったなぁ、今からでも生徒会室に乗り込んで妹さんを妹に下さい!って言いに行こうかなまあ絶対に駄目だって言われるだろうけど。姉はいるけど妹とか弟とかいないから憧れるなぁ………おっとそろそろ出ないと拙いかな?

「それではのほほん少佐殿!衛宮軍曹は出掛けてまいります!!」
「うむ!大いに楽しんでくるのだ軍曹殿~!」

ああ、やっぱりすげぇ乗りが良いわぁ。うむ、この子が同室で良かったわぁ。ああでもその内俺一人になるんだよなぁ、それはそれでなんか悲しいなぁ。それでシャルが此処に来たら俺がフラグ立てる可能性があるの?うわぁ嫌だよ~平穏が遠のく的な意味で、いやまあここまできたらもう平穏が如何とか言ってられないだろうけど俺は平穏に暮らしたいんだ!!

まあんな俺の願望駄々漏れな思考を余所に待ち合わせ場所であるとある駅前の時計搭に寄り掛かりながら箒嬢を待っている。こういう時は男の方が早く着くのが礼儀だった母さん言ってたし、まあ親父は普通に15分ぐらい遅刻して行ってたらしいが…余裕を持って15分前にやって来ました。いやぁにしても、視線を集めますねぇ。あれか、髪が長いせいか。一応サングラスで変装してるんだけどねぇ流石に辛いか?

「こ、心~」

おっこの声はぐはっ!!!

「す、すまない待たせてしまったか……?」
「いや俺も今来た所さ」

な、なんだこの破壊力は!?箒嬢の私服姿可愛すぎるだろ!?白い上着は箒嬢の肌を更に美しく見せ履いている淡い青のミニスカートとマッチしてとんでもない破壊力を発揮している!!更に上から羽織っている黒い上着で大人っぽさも醸しだしている!!これは……卑怯だ………。

「えっと、その……す、すまない私はこうして男と二人っきりで出掛けた事が無くて……まず如何したたら良いのか……」
「なら」

自然な形で手を握って差し上げる、これってセクハラに入らないよね?入ったら俺オワタなんですけど?あれでも箒嬢の顔は真っ赤になって顔俯かせてるけど何も言って無いからいいのかな?

「俺がリードするさ、さあ行こうぜ?」
「ぁっ……不束者ですけどよろしくお願いします……!」
「箒嬢、それ結婚するときに言う台詞」


っと言うわけで俺たちはショッピングモールレゾヤンスもとい、『レゾナンス』にやって来たでやんすよ。此処を選んだ理由?気分によって色んな店に行けるし幅が広い、これは良いと思ったわけさ。そんな事よりも箒嬢さっきから俺の手を握り締めたまま離そうとしないんですが、嬉しいんだけど、嬉しい可愛いんだけど!!っというか抱きしめて良いかもう!?どっか物陰に連れ込んで抱きしめて良いかい!?

「おっ箒嬢」
「ふぇ!?な、なななんだ!?ってメ、眼鏡?」

そう伊達眼鏡。う~んやっぱり似合うなぁ、知的な美少女学級委員長みたい。

「やっぱりすげぇ似合ってるな、やっぱり元が可愛いと更に際立つなぁ」
「そんなに褒めないでくれ……恥ずかしい……(で、でも心が私の事を……可愛いだなんて……)」
「嫌マジで可愛いって」
「こ、心はこれが似合うんじゃないか?」

おお黒縁眼鏡っすね。どれどれグラサン外してっと。

「どうよ?」
「っっ!!!!」

………なんか凄い勢いで顔を背けられたんですが………そんなにドヤ顔キモかった?それならはっきり口頭で伝えて貰った方が良いんだけど、なんかすげぇ傷ついたかも。

「に、似合わないかな…?」
「そ、そういう訳ではないんだ………余りにカッコ良過ぎて顔を背けないと辛いんだ……」

なんですかそれ、それはそれでなんだかなぁ。まあキモいって言われるよりマシか。まあ外さないと箒嬢が辛いだろうし外してっと。

「ぁっ……」
「ほ、箒嬢?」
「は、外さないでくれ………そ、その……ぅぅぅぅ……」
「………」
「め、眼鏡掛けた心も素敵だからそのままでいてくれ!!(い、言った!言ったぞ!!言いたい事を言えたぞ!!)」

ちょ箒嬢!?そういうこと言って貰えるのは嬉しいんだけど周囲の人の目が痛いです!!すげぇニヤニヤしている人とすげぇ嫉妬の炎を燃やしている人に2分されてるんですけど!!?

「あ……そ、そっか。んじゃこれ買おうかな?」
「わ、私もこれを買う事にする……」

はよ!精算はよ!!おい店員ニヤついてんじゃねぇよ!!ぶった斬るぞ!!

「そ、それじゃあ行こうか箒嬢!!」
「ぁぅ………はい!!」

………この後、ショッピングモール中を回ったが箒嬢は常時笑顔で俺の手を殆ど握った状態だった。かなり役得だったが周囲の人には付き合いたてのラブラブカップルという認識をされ、かなり視線が痛かった。そして学園では俺と箒嬢のデート姿が撮影された新聞が新聞が発行し、俺と箒嬢が付き合っていると噂が出回った。なんでさ!?違いますからね!?付き合ってませんからね!?箒嬢も満更でもない顔をしてないで否定してよ!!お願いだから!!  

 

IS学園って部活ってどんなものあったっけ?

「という訳で、織斑くんのクラス代表就任を祝って!かんぱ~い!!!」
「「「「「かんぱ~い!!!」」」」」

っと言うわけで食堂では1組が全員揃っていっちーのクラス代表就任祝いパーティーが行われています。えっ如何してこうなったかって?感じて下さい、まあ言うと俺と箒嬢のデートがバレたりして質問攻めになったりして色々と大変な事になって開催が遅くなっただけなんですよ。まあ誤解は解きましたけど。

でもさぁ、今パーティを眺めてるとどう見ても1組以外の生徒も混ざってる人数なんだよなぁ。2,3年からも来てるなこりゃリボンの色的に。まあどうせ主役はいっちーだ、俺は端っこでジュースでもちびちび飲みながら過ごしてますよ。ええ、緑茶美味いです。ジュースじゃねぇかって?細けぇ事は良いんだよ!!さっきまでジュースは飲んでましたよ。でも今は緑茶です。

「なあ箒嬢、これって明らかに人数多いよな?」
「だな、明らかに他クラスからも来ているな」
「まあ俺には関係ないけどねぇ、そういえば箒嬢って部活は剣道部?」
「ああそうだが?」

まあそうですよね、全国大会優勝者だし。十分すぎるぐらいの才能と実力があるし生かさないし勿体無いしね~。実は学園特記事項の一つに、学園生徒は必ず部活動に参加するものとする。という物があってだな、未だにどの部活にはいるのか迷っているです。ぶっちゃけ剣道部でも良いんだけど剣道やった経験無いんだよなぁ。でも何か入らないと、学園祭で生徒会の餌にされるしそれは避けたい。あの会長と関わるとか絶対嫌!!!

「今度剣道部の見学行っても良いかな?入る部活まで決めてないからさ」
「も、勿論!!」
「良かった」

ってあやべ、また箒嬢が顔を赤くしちゃった。箒嬢の中の俺の好感度ってどうなってるんだろうね?なんか、自分のスケコマシ?っぷりが嫌になってくるわぁ。でも、俺は彼女作る気は無いから、だからと言って彼氏を作る気は一切無い。俺はホモではない!

「はいは~い、新聞部ですよ~。期待の新入生、織斑 一夏君と衛宮 心君にインタビューに来ました!」

うわぁ面倒臭そうなのが来たよ。俺インタビューって嫌いなんだよなぁ、しかも此処の新聞部って捏造する所じゃん。だから俺は嫌いだなぁ。

「箒嬢、俺インタビュー凄い受けたくないんだけど。箒嬢とのお出掛けの写真を無断で取った挙句新聞に掲載して発行するとかマジ非常識だし」
「私も好きにはなれないな、ならインタビューを拒否すれば良いのではないか?それに肖像権で訴える事も可能ではないのか?いざとなったら姉さんに頼んで社会的に抹殺すれば」
「それ以上いけない!まあ最終手段としては賛成だけど」

おおあぶねぇあぶねぇ、箒嬢は原作よりも束さんとの仲が良いしちょくちょく連絡しあってるのは良いけど、そういう事で連絡するのはやめましょうね!?

「さて衛宮 心君宜しいでショウカ?おっと失礼しました、私は新聞部副部長で帰国子女の金剛デース!インタビューさせてくだサーい!!」
「え~………」
「あっまずすべき事がありました、先日はうちの部長が勝手にお二人を撮影しただけでは飽き足らず人文に掲載した事を心から深くお詫び致します。申し訳ありませんでした……」

いきなり俺と箒嬢の所までやって来た副部長の金剛さんはその場に土下座して謝罪を始めた。オイィ、そこまでするか?否これはこの人の誠意の表しか、ここまでされたなー。ね?箒嬢

「そうだな、ここまでされてしまっては許さない訳には行かないな」
「だね。ですがこれからは絶対にしないで下さいね?掲載する写真にも逐一確認を入れておく事、OK?」
「有難う御座います、これからはこのような事が無いように努力致します」
「んじゃインタビューに移っちゃってください、金剛先輩だったらインタビューに答えますよ」

まあこの人なら信用出来そうだしな。ってか大丈夫ですか、足フラフラしてますけど。

「だ、大丈夫デース……。そ、それでは衛宮君、どウしテクラス代表にならなかったンデスかー?」
「面倒臭かったからです、それに俺は必要以上に目立つような事はしたくなかったので」
「成程……ではコれからIS学園での生活して行ク上でのコメントを貰えますカー?」
「そうですね……では………俺に必要以上に近づいてみな、その心ごと穿って俺のものにしちゃうぜ………?」

こ、こんな感じで如何かな……いっちーは部長さんに前時代的って言われてたからなるべくネタになりそうな事いったけど……ってあれなんで静かになるの!?

「「「「「キャアあああああああああ!!!!」」」」」
「カッコイイ!!カッコ良すぎる!!」
「ああ………もう私の心はあなたのものです……」
「もう蕩けちゃいそう………」
「な、中々刺激的でcoolでniceなコメントデース……サ、サンキュー!!!!(す、凄いドキドキしちゃった!!も、もしかして私、彼に恋しちゃったですか!?)」

顔真っ赤にされてダッシュで逃げられた……あれ、俺これやっちゃった?って箒嬢!?

「こここここころ……はわわわわわわ………ふにゅぅ………」
「箒嬢しっかりしろ~!!!誰か、水、水ぅうううううううう!!!!!!!!!!!!!!」



「ここに、あいつがいるのよね。待ってなさいよ心」  

 

今作のヒロインは本当に未定です

「なあいっちー。お前雪片だけでやり難くないか?」
「そりゃまあ武器が一つだけっていうのは辛いさ、銃とかは扱い解らないから望まないけど、せめてもう一本欲しいかな」
「なら作ってやろうか?」

パーティーの翌日、まあ何時も通りに登校してきた俺事衛宮です。のほほんさんはまだ寝てたけど、起こすのが忍びなかったからそのままで来ちゃった。しょうがないよねうん、だって寝顔が凄い可愛くて起こせなかったんだもん、その代わり爆音のめざましと書置きを残して来たから大丈夫でしょ。

「えっ作れるの!?」
「俺を誰だと思ってやがる?篠ノ之 束博士の助手だぜ?武器の開発ぐらいちょいちょいのちょいさ。設計から建造までお手のもんよ、んで要望は剣で良いのか?」
「ああ頼むぜ!!でも確か白式って武器入れるためにスロット無いから結局意味無いんじゃ……」

ああそ~いえば拡張領域バススロットを全部使って雪片弐型を押し込んでるから後付装備イコライザ出来ないんだっけ?だがその点は全くもって問題ないぜいっちー。そこら辺をなんとかするのも俺の専門でもある。

「そういう事ならだいじょーび。私に良い考えがある」
「失敗する気しかしねぇよ!!?」

うん知ってる、言ってみたかったんだこれ。毎回毎回束さんに言われてたからさ。

「まあ冗談はさておき問題ないさね、任せとけ。それとも腰に剣を差すみたいに常時展開状態にしとくか?それだと行動が制限されちゃうけど」
「それって侍みたいに腰に差すって事か?そうじゃなくても出来るんだろ?」
「勿論、プロですから(`・ω・´)」
「んじゃ頼むぜ!!カッコ良くて強い奴!!」
「おう!!」

よっしやるぞ~!しかも作るのは剣だ、俺の得意分野だ。無限の剣製の特性上俺にとっては剣を作るのは朝飯前さ。さぁ~ってどんなの作ろうかな~、カッコ良くて強いやつだろ?強いなら雪片と同じになっちゃうから継続戦闘に重点を置いて扱いやすくか。あっでもそれだとあまり強化するわけに行かないな、特殊なギミックを入れていっちーが喜びそうな物にするかな。少し使い難くなるかもしれないけど、結局どんな武器も慣れなきゃ使いにくいんだからそこらへんは勘弁してもらおう。

「よし、大体イメージは固まってきた。後は作るだけだな、明日には形にしておく」
「明日って早くないか!?そんなに早く出来る物なのか!?」
「あん?出来るぞ?んだったら今日やるお前の訓練までに仕上げてやろうか?」
「ん、んじゃ出来るんだったお願いします……」
「良し待ってろ」

俺を舐めるなよいっちー、俺は依頼人の要望には絶対に答える男だからな。それならあれがいいかな、あれを複製してランクを落とせばあの欠点も無くなるしあれが丁度良いだろう。よしき~めた。

「あっそうだ、転校生の噂織斑君知ってる?」
「転校生?今の時期に?」
「なんでも中国の代表候補生なんだってさ」
「ふーん」

おっともうそんなに話が進んでいらっしゃったのね。結界内を検索してたらもうリーリーの話になってきましたか。いやぁにしてもこの宝具は何時も解析してもあかんですわぁ。化け物級だよ本当に、どうやったらこんな剣作れるんだよ………束さんは。

「――その情報、古いよ」

ん?この声は………

「2組も専用機を持った私、鳳 鈴音がいるんだから。そう簡単に優勝を譲る気は無いから、クラス代表戦は二組がいただくわ」
「鈴…?お前、あの鈴か?」
「そう、中国国家代表候補生、 凰 鈴音。宣戦布告に来たわ。それと………心ぉ~!!!」

おおおお!!やっぱりリーリーだ!!すっげぇ久しぶりだぁああ!!

「おおおっリーリー!!お久しぶり~!!」
「本当に久しぶり~!会いたかったわ心~!!」

おっほ~この抱きやすさ、この軽さ、この元気一杯な可愛さ!やっぱりリーリーだ!!!

「貴方の心の恋人、鈴ちゃんが着たわよ!!」
「今のギャグ?」
「違うって!!」  

 

ISの中で最強なのは出席簿

「いやぁ本当に数年ぶりだねリーリーそれ~!」
「きゃ~♪相変わらず元気そうで安心したよ心!」

やっぱり軽くて抱き上げやすいな~リーリーは♪そ~れ~、って女の子を玩具みたいに抱き上げてたら失礼に当たるか、そろそろ下ろさにゃあかんな。ってなんでム~としているの?まだ抱き上げていて欲しかったの?子供かッ!!

「本当に元気そうで良かったよリーリー、会えなくて結構寂しかったよ?」
「それは私も同じよ!っというか何で連絡しても出てくれなかったのよ!?心に何かあったんじゃないかって……(グスッ)心配してたんだから………」

うおっ!?ヤベ泣かせちゃった!!っというか連絡来てたの!?俺初めて知ったんだけど!?束さんに拉致られてたからしょうがないとも言えるけどそれは良い訳でしかない!!今の俺に出来る事、それは!

「………」
「心……?」

こうしてやる事しかないな。謝る事しか出来ない、例え俺にどのような事があったとしても、彼女の願った筈の俺の声を聞かせてやる事は出来なかった。手を打たなかった俺の失敗だ。

「ごめん、今の俺には謝る事しか出来ない。ごめん、どんな言葉を重ねても君の過去を拭う事は出来ないけれどこれからは違う。君が望む時、俺は言葉をかけるよ」
「本当………?」
「ああ、約束するよ」
「ぅん………」

よし泣き止んでくれたな、リーリーに泣き顔は似合わないからな。元気な顔が一番似合う。

「それじゃあ、ちゃんと今使ってる携帯のメアドとか教えてよね!」
「勿論さ、っていうかリーリー早く自分のクラスに戻った方が良いよ?」
「なんで?まだ時間はあるでしょ?」
「いやね、このクラスの担任、千冬さんだから」
「ゲッそれマジ!?」

マジマジ、あの出席簿(ゴット・フォース)を喰らう前に早く逃げるんだリーリー!!

「そ、それじゃあまた時間が空いた時に絶対に来るからね!!待っててよ心!!」
「モチ!」
「良かった!絶対だからね~!!」

いや~相変わらず元気が宜しい事で、流石自称俺の恋人。俺は一切認めてないけどな!!っというかまだ貴方の恋人って言われるとは思ってもみなかったわ。っというかリーリーがいっちーにほの字じゃなくて俺にほの字だって事をすっかり忘れた………いや忘れてたわけじゃないけどうっかりしてた………ああ、これは平穏は諦めた方が良いのかな………?

「こ、心!?い、いいいいい今の事とはいいいいい一体どどどどどどどどんな関係ななんんんだ!?!?」
「お、落ち着いてくれ箒嬢!友人だよ!友達!!」
「わ、私は知らんぞ!?」
「箒嬢が引っ越しちゃった後に中国から来た子なんだよ!!箒嬢が知らなくて当然だよ!!」
「こ、恋人といっていたが本当に付き合っているのか!!!??」
「違う違う!!リーリーが俺の恋人って自称してるだけ!俺は一切そんなこと認めてない!!」
「そ、そうなのか……よかったぁ………」

若干首が絞まって苦しかったです………。

「っというか箒嬢も座らないと織斑先生の出席簿(ブリュンヒルデ・ロマンシア)が火を噴くよ?」
「そ、そうだな。ああ……」

………なんか、元気なくなっちゃったな………。目の前でリーリーとイチャついちゃったし箒嬢にはキツかったかな……。悪い事しちゃったなぁ。



凄く、仲が良さそうだった………もう何年も付き合っているカップルのように私には見えた。心は私にとって光だった、当時私は男のような女だと周囲から酷く虐められていた。もう本当に嫌だった、生きるのさえ辛いと思っていた。だけど、心は赤の他人である私を抱きしめてくれた。優しさで包んでくれた………。

『てめぇら、女を虐めてそんなに楽しいか?そりゃ良かったな、なら俺がお前らを虐めてやるよ』
『な、なんだよお前!関係ないだろ!!すっこんでろよ!!お前も同じ目に合いたいのかよ!!』
『確かに平穏が遠のくなぁこりゃ、でもなぁ。女が一方的にやられてて、それを見過ごすなんて唯の屑なんだよ糞餓鬼ィィィ!!!さっさと掛かって来い!!!』

一瞬だった、ハンカチから伸びるように出てきた棒を使い一瞬で私を虐めていた男子を蹴散らし、映像つきのレコーダーを学校と警察に提出し、その男子達は遠くに転校していった。その時から、私は心に恋をした。あの日々は何時でも思い返せるほどに焼きついている、本当に楽しかった。同時期に出来た友人である織斑ともよく心と一緒に遊んだ記憶がある。だが姉さんの影響で引っ越す事になり、心にはもう会えないと思っていたが、こうして出会えた。でも、

「(あの凰 鈴音という女の方が………私なんかよりも心とお似合いなんじゃないのか………?)」

どうも心は私にかなり気を使っている感じがある、それでは心も過ごし辛いだろうし気兼ねなく過ごせるあいつの方が心も喜ぶのではないか……?

「……、…い。おい篠ノ之」
「はっ、はい」
「顔色が悪いが大丈夫か」
「………大丈夫です………」

織斑先生であったことを忘れていた……集中しなければ……。…?千冬さん……?

「気をしっかり持て、今は授業中だ」

千冬さん………そう言いながら頭にデコピンするのはやめて欲しいんですが……ん?これは紙?

『私はお前を応援しているぞ、恋と言うものにはライバルが付き物だ。自身を持て、お前は良い女だ』

千冬さん………そうだな、ライバルが居るからなんだというのだ。私は私だ!よし絶対に心は私が堕とすぞ!!!

「ひっくしゅ!!」
「風邪か衛宮?」
「ああいえ大丈夫れす………」

誰かが噂してるのかな?束さん辺りかな


「はっくしゅん!!」
「大丈夫ですか大きなくしゃみですが」
「あ~大丈夫大丈夫、きっとこっくんが束さんの事を好きだって言ったんだよ!!」
「本当にそうでしょうか?」  

 

麻婆豆腐は激辛に限る

「おーい心、飯行こうぜ」
「ういーすってあれセッシーと箒嬢は?」
「一緒だぜ」

ああまあ俺と一緒なのがセッシーにとってはいや何だだろうなぁ……ほら若干溜息付いてるし、どういう誘い方したんだいいっちー?まあそんなこんなで食堂へとやって来ました。

「待ってわよ心!」

ババ~ン!!漫画だとこんなふうに擬音が立ちそうな感じで登場してきたリーリー、やっぱり元気印な女の子ですなぁ。元気印?昔やったゲームそんな肩書きの女の子居なかったけ?カレンだっけ?まあいいや

「おお~お待たせしましたリーリー。っとまだ食券とって無いからここにいる全員が座れる席を取っていて貰っても良い?」
「心の頼みだったら喜んで!!」

あ~やっぱり素直で良い子だわ~。原作とはえらい違う気がするけどな。えっと俺は何にしようかな………もう激辛麻婆豆腐で良いや、辛さは7倍っと。………おおこのマグマの如き赤さ、鼻孔を焦がすような匂い、脳髄を痺れさせるようなこの辛味、良い!すげく良い!!そして早速リーリーが取ってくれた席へ。

「いや~態々席取ってもらって悪いねリーリー」
「私と心の仲じゃない、この位お安い御用よ」

お~頼もしい。そしてリーリー、人目がある中でごろにゃ~んって良いながら俺に擦り寄るの止めて頂けます?周囲の視線が痛いっす。主に箒嬢の視線がすげぇ痛いの、凄い俺のハートに突き刺さってるの。

「ってあっちょっとリーリーじっとして、こんな所にラーメンのスープが付いてるじゃない」
「んっ………えへへへ、ここの御飯中々美味しくてついね」
「ごほん!!!心、そろそろそいつとの関係を話して欲しいのだが」
「私も気になりますわ」
「あ~だから箒嬢が引っ越した後に来た俺の「恋人よ!」だからそれは自称だろ!?」

まあ正確には未来の俺の恋人と豪語しているんだよなぁ。絶対に俺を惚れさせてやるという強い覚悟の上でそう語っているんだ。でもそれを言いふらすやめて欲しいかな要らん噂が立つから。

「まあそういう訳で今私の心に紹介して貰った"未来の心の恋人"且つ一夏の友人、そして中国の代表候補生、凰 鈴音よ宜しくね」
「にしても鈴が元気そうで良かったなぁ、でも如何して代表候補生になろうと思ったんだ?」
「なんとなくよ、二人に会えなくてやる事なかったから有り余ってたエネルギーを有効活用した結果よ」

それでなっちゃう辺りすげぇと俺氏は思うのである。

「にしてもリーリー成長したね~、昔は直ぐ物を投げ出したのに」
「ふふん!成長したのよ!!勿論背も伸びたし胸も少しだけど大きくなったのよ!!」
「それ色んな人がいる中言う台詞じゃねぇと思うんだ」
「心に対する誘惑的なあれよ!」
「単なる逆セクハラって言うんだよそれ」

まあ見た目的には変わってないかと……背は変わっているような変わってないような……まあ実際あうの数年ぶりだからあんまり記憶に無いけどね。

「んじゃこっちも紹介しようか、こちらのポニテで大和撫子みたいな子は篠ノ之 箒嬢、以前話したと思うけど剣道場とかでお世話になってた子ね。んでこちらはイギリスの代表候補生のセシリア・オルコットさん」
「初めまして心の"幼馴染"の篠ノ之 箒だ」
「初めましてただいまご紹介に上がりましたセシリア・オルコットですわ。私は一夏さんの"専属アドバイザー"ですわ(衛宮さんに惚れているみたいですが、それがフェイクという可能性は捨てきれませんわ)」

な、なんか箒嬢だけじゃなくてセッシーまで火花を散らせているように見えるんですが……如何いう事なの?フラグ建設したのいっちーでしょ!俺は関係ないよ!!!

「そういえばクラス代表って誰なの?」
「俺だけど」
「あれてっきり心だと私思ってたんだけど」
「面倒くさいし目立つじゃん?」
「あ~確かにね~、んじゃ一夏が相手か。楽勝ね」
「おいどういう意味だよそれ」

いっちー、君はリーリーに勝てた覚えがあるのかい?

「いっておくけど私は強いわよ?」
「だからって負けるつもりはさらさら無い!!」
「ふふふ良い啖呵ね、対決が楽しみだわ!あっ私そろそろ行かなくちゃ」
「あれもう行くの?」
「うん、職員室に来るように言われててね」

転校して来たばっかだからまた色々あるのかな?

「あっそうだ忘れ物(チュッ!)」
「んなぁ!?」
「えへへへ、ほっぺ戴き!!それじゃあね~!!!」
「おいおい………」

なんというか、更に積極的になったなリーリー………悪い気はしないけど。!?箒嬢が黒くなってる!?この世全ての(アンリマユ)に取り付かされて黒箒嬢になっちゃった!?

「心……の頬を………羨ましい……ぐぬぬぬぬ」
「箒嬢………恐いっす………」



「えへへへへへ。心のほっぺ、どんな物より美味しかったなぁ♪唇はきっともっと美味しいわね!何時か戴くんだから♪」  

 

宝具を投影するだけの簡単なお仕事です

「良し、これで完成形だな。後はいっちーに使って貰ってから調整を加えるだけだな」

放課後、整備室に訪れて空いているスペースを借りていっちーに注文(オーダー)された剣の作成に入った。っといっても宝具を投影してそれをISの武器として適応させているだけなんだけどね。作成したのは白光と黒焔の二つを作った、予備的な意味合いを含めて二つ製作してみた。まあ実際俺が作ってみたかったからその試作品をいっちーにテストして貰うだけなんだけどね………ん?

「何か御用ですかなお嬢さん」
「………っ、かっ勝手に見てごめんなさい。目に入ったらつい見入っちゃって………」
「別に構わないよ、俺にとって剣を作るなんて15分もあれば十分だからね。工程も簡単だし」

ってええええええええええええ!!!??まさかの!?マジッすか!?簪、簪さんじゃないですか!ってああそう言えば打鉄弐式を組み立ている時だっけ、いやぁ一人で凄いなぁ。俺でも一から完全にISを作ろうなんて気はならないなぁ、この子は本当にすごいと思うわ。

「さてと、こいつを一旦収納してっと。これで終わりだ」
「本当に凄かった、あんなにスピーディに剣を作る作業なんて初めて見た……」
「俺が異常なのさ。おっと自己紹介がまだだったかな?俺は」
「知ってる。衛宮 心、篠ノ之 束の唯一の助手であり専用機を持っている男。代表候補生であるセシリア・オルコットをたった一撃で屠ったとんでもない男」

あれま随分と俺の事をご存知で、って唯一?ああ世間的にはくーちゃんの存在は公開されて無いから俺が唯一の助手だと思われてるのか。正確に言えば最初の助手かな?

「俺のことを知ってるとは光栄です、さて貴方のお名前はなんと言うのかな?」
「簪、更識 簪」
「良いお名前で。では………簪、そう呼ばせて貰っても?」
「それでいい」

確か苗字で呼ばれるのは嫌ってる筈だしね、でもいきなり名前で呼ぶって抵抗あるなぁ。

「それで、少し聞きたい事がある」
「なんですかい?」
「………剣の以外の武装も作れる?」

おおっ!?これはあれか、俺の剣を作っている所を見て一緒に作って下さいって奴ですか!?展開早くね!?

「そりゃ勿論、剣よりは時間は掛かりますが銃ミサイル大鎌ガトリング爆弾ビーム兵器なんでも御座れよ」
「ビ、ビーム兵器……!?荷電粒子砲って事?」
「嫌々違う違う、アニメとかで良くあるビームライフルビームサーベルとかそういう系」
「そ、そんなものを作れるの!?」

うん作れるよ~元々は束さんのビームライフルの設計図を見てライフルを作って、その後にサーベルも自作したんだよな~。いや~大変だったなぁ粒子とかの計算とかその他諸々。でもサーベルが完成した時に束さん驚いてたな~

『うわぁあああこっくん凄い!!束さんでもまだ完成出来なかったビームサーベル作っちゃうなんて!』

って。まだ何処の国も開発出来ない且つ束さんでも作れていなかったビームサーベル、勿論俺のISにも付いてます。まあ使う機会は無いだろうけど、ってか使ったら色々とあかん気がする。絶対防御を貫通する的な意味で、まあ調整すれば良いんだけどさ。え?世界各国にバれてやばいからじゃないのかって?もうこちとら束さんに同行して世界各国のISの精鋭部隊を敵に回しとるんじゃい!!っというか今思ったけどこんな状態で平穏求めるって絶対に無理ゲーじゃねぇか!!!ちくしょおおおおお!!ただでさえこちとら長生き出来ねぇってのに!!

「す、凄い、そんなのまだどの国も開発出来てないのに………」
「これでも束さんの助手なんでね、このぐらいお茶の子さいさいよ。んじゃ俺は行くわ。なんか武装が欲しくなったら是非とも声を掛けてくださいな、力になりますよ?」
「ぁぅん………」

やっべメッチャ引いてたじゃん。キザ過ぎたか?ああ、自分にドン引きです………。もういいや、いっちーに剣届けにいこ。

「おーいいっちーってなんだこりゃぁあああ!!!??」

あ、ありのままに起こった事を話すぜ!俺はいっちーに出来上がった武器を届けにアリーナへと足を運んだんだ、だがそこではボロッボロになっているいっちーと酷く憤慨しているセッシーと箒嬢が居るんだ!頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとかそんなtって言ってる場合じゃねぇ!!あれ生きてるか!?白式纏ってるから生きてると思うけど!!

「おいいっちー大丈夫か!?どうしてこんなにボロボロに!?ここで何があった!!?」
「わ、わからねぇ………箒も手伝ってくれるって事になったんだけど………どっちでも良いから初めてくれって言ったら、ボコボコにされてた………」
「おいおい………」
「ガクッ………」
「い、いっちーしっかりしろ!!いっちぃぃぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!!」

織斑 一夏 死亡

「いや生きてるからな……?」
「あっごめんつい……って箒嬢!何やってるの!?後でお説教な!!」
「ぁ………はい」




「かんちゃん如何だった~コロコロは~?」
「凄い人だった………それと………」
「?」
「やっぱりヒーローみたいだった」  

 

いっちーは進化する!!………たぶん

「おおおっっっ!!!すげぇ、すげぇぜこの剣!!!」
「そりゃ良かった。依頼主(クライアント)のご希望に添えたようで私も嬉しい限りで御座います」
「爆裂上段斬り!!なんつって!!」

後日改めて白式に白光(びゃっこう)黒焔(くろほむら)を搭載し直し今はいっちーがその試運転をしている。白光は継続戦闘と燃費に重点を置いた剣、受けたダメージの一部を変換(コンバート)して自分のエネルギーにするという特異的な能力を秘めていて燃費が悪い雪片と差別化出来ている。まあ威力は零落白夜を使用した雪片の方が上なんだけど。もう一つの黒焔は素早く動かせば空気との摩擦で刀身に火が付いて威力を上げるという改良を施してみた。っというかこの改良しなかったら使えないからなこれ。元々は一振りであたり一面を焼き払うレベルもの炎を放つ代物だし、んなもん危なっかしくて使えねぇしな。

「どうだ使い心地は?」
「雪片と同じ感覚で振り回せるからかなり良いぜ。特にこの白光だっけ?エネルギーを回復してくれるなんて白式と相性抜群じゃねぇか!!」
「そいつは良かった。受けたダメージっつっても実際は受けた衝撃だ、そいつで鍔迫り合いすれば少しずつだが回復出来る。大切に使えよ」
「ああ!この黒焔も気に入ったぜ!!燃える剣なんてロマンじゃねぇか!!」

うんロマンは大切だよねぇ。現実ばかり見ていたら前に進む足のスピードが遅くなるからね、ロマンもしっかり頭に入れなきゃ。

「現実だけに目を向けちゃ見えてこない景色だってあるんだよ。視点を変えてみるっていうのが重要なのさ、さていっちー、その辺りにしとけ。まだ白光と黒焔は白式に馴染んでねぇんだから」
「あっそうだな、悪い悪い嬉しくてさ」
「お前は新しい玩具を買ってもらった子供かよ」

まあ気持ちは解らなくも無いけどなうん。そして拡張領域も無いのにどうやってこの武器を搭載したのか、結構簡単な事だったりする。拡張領域を使うのは後付装備(イコライザ)だ。なら後付しなきゃ良いって簡単な話さ、元から装備するようにすれば良いのさ。この白光と黒焔には、いっちーの雪片弐型と後の箒嬢の専用機になるであろう紅椿に使われる展開装甲を活用したのさ!

展開装甲とは現行している第3世代を更に越える第4世代型の技術であり、現在でこの技術を使用しているのは俺と束さんのみ。こいつは状況や用途に応じて即時切替可能なISアーマーおよび武装の事を指すんだ。こいつを応用して白式の腕部分の装甲を剣を埋め込んだ展開装甲に取り替えたのさ。これで拡張領域を気にせずに新しい武装をつけたって訳。ある意味の俺の固有結界に近い物はあるかもな。ん?勝手にこんな事やって良いのかって?束さんの許可と千冬さんの許可は取ったしね。

「後はじっくり馴染ませな。白光と黒焔は白式の一部だ、慣れるまで時間が掛かる」
「どのぐらい掛かるんだ?」
「そうだな、1週間だ」
「結構掛かるんだな」
「そんなもんだ、まあ気長に待ちな」

さぁ~て俺は部屋に戻るか、久しぶりに剣を作ったし展開装甲を採用したし色々と肩が凝った。ゆっくりと寝かせてもらうとするぜ。

「だいま~」
「あ~コロコロお帰り~」
「お~うのほほん狐さん」

本日は狐のモフモフパジャマですか、可愛いです!!

「あ~疲れた」
「お疲れなのだ~コロコロ、私が癒しあげるのだ~」

おっ?何をしてくれるんですかい?お兄さん結構楽しみなんですけど?

「(ダキッ)う~んやっぱりコロコロって大きい~♪抱きついてて気持ち良い~♪」

ふ、ふほおおおおおおおおおおお!!!!のほほんさんが俺に抱きついている!これは、これはなんという!!しかも胸が当たってますよ!?こ、これは結構キツイ!!

「こらこら」
「コロコロは嫌~?」
「いえ全然」
「ならいいよね~」

………これは良い。



あ、もう直ぐいっちー対リーリーだって事忘れてた 

 

束「よ~しゴーレム送っちゃうぞ~。え?送ったら一緒に寝てくれない?イヤだ!」

「うおおおお!!!」
「おっと!中々やるじゃない一夏!!」

第3アリーナでは、注目の大きな試合が執り行われていた。その対戦カードは世界で唯一ISを稼動させた男、織斑 一夏 VS 中国国家代表候補生、凰 鈴音。という物だった。古い友人同士との戦い、互いの正確などを知っている二人は攻撃傾向なども把握しやすく戦いは白熱していた。一夏は先日搭載された新しい武装、白光と黒焔を握り締めながら鈴に果敢に挑みかかっていた。

対する鈴は肩の非固定浮遊部位から、衝撃砲で牽制を行いながら接近しながら双天牙月で斬りかかっていくがそれは至近距離戦闘に特化している白式を相手にそれは悪手としか言いようがなかった。剣を打ち合う度に白式のSEは少しずつであるが回復していている。鍔迫り合いで今まで受けたダメージもある程度治癒し全快に近い所まで来ている。

「鈴、これから俺は本気で攻めるからな」
「やってみなさい。私が攻められるのは心からのアタックのみよ!!」
「………あいつ、お前にアタックした事あったけ?」

そう呟きながらも白光を消し黒焔だけに絞りスイッチを入れた。黒焔はブウウンと低い音を立てながらそれを振るうと、刀身が燃え上がりながら鈴へと襲い掛かった。

「な、何ですって!?」

燃え上がった刀身に驚きながらそれを弾き、自分も一夏から距離を取る。突如燃え上がった剣『黒焔』それは心が手掛けた白式の新しい武器。刀身自体が高温でありそれを高速で振るうと刀身が燃え上がるという剣である。一夏は今まで攻め続けた鈴が引いたことで自分に流れが向いていると悟り、加速して鈴へと向かった。

「燃える剣なんて聞いた事無いわよ!?」
「そりゃそうだ!心が俺のために作ってくれた剣だからな!!」
「それなら納得だわ!!っというか私だって欲しいわ!!」

羨ましながら双剣を振るいながら愛しの心が作った剣に立ち向かう鈴、そんな鈴に黒焔を力強く素早く振り更に燃え上がらせる一夏。既に純白の騎士に馴染んだ烈火の剣は、目の前に対する敵に力強く相手を焼き切って行く。更に剣自体も高温である為に鈴自体の息遣いも荒くなっていく。だがそれと呼応するように鈴の攻撃自体も激しさを増して行き、白式のSEも削られていく。黒焔には白光のような特殊能力は付いておらず純粋な燃える剣。その為に白光で回復したSEも既に半分以上削られている。

「ハァハァ………や、やるなぁ鈴……セシリアのお陰である程度は上達したからもうちょっといけると思ったんだけどな……」
「最近始めた初心者が、代表候補生を此処まで追い込んでれば十分でしょうよ………でも負けないわよ!!私はアンタに勝って心に頭を撫でて貰うんだから!!」
「そんな理由かよ!?自分の欲望に忠実だなおい!!」

おっしゃる通り、と客席で箒の隣で座る心もそれに同意した。一夏は少し脱力しながらも黒焔を消して白式の切り札である剣『雪片弐型』を展開した。

「……まあお前の強さは心に褒めて貰いたいとか一緒に出かけて欲しいとかそういう物によるからなぁ………取りあえず俺はお前に勝たせて貰うぜ!!」
「やってみなさい!!」
「越えて見せるさ!!」
「「おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」」

互いの意志の強さを示すような大声と共に激しい剣の鍔迫り合いが始まった。火花が飛び散り地面には斬撃で出来たと思われる跡が多く出来、猛烈な戦いが起こっている。客席のギャラリーはその一進一退の攻防に言葉を失い固唾を呑んで見守っている。

「いい加減に倒れたら如何なの!?」
「負けるかよ!!俺は、勝ぁあああつ!!」

強固な意志が身体を突き動かし腕を振るう速度も更に速くなっていく。もしも今振るっているのが黒焔ならば炎は最大までに大きくなっているだろう、だが雪片弐型は白式の象徴であり一夏にとっても思い入れの大きい武器。それを使用して勝つっと言う事には普通に勝つよりも大きな意味があるのだ。

ここで一夏はバク宙を後方へ引いた、鈴は好機と衝撃砲の準備をするがここで一夏がグンと加速し鈴へと接近した。

「イ、瞬間加速(イグニッション・ブースト)!?」

ISの後部スラスター翼からエネルギーを放出、その内部に一度取り込み、圧縮して放出する事で爆発的な加速をする技術の一つ。一夏はこのテクニックを千冬から教えられ、どのような場面で使用するか考えていた。実力が劣る自分がどうやって強敵を打ち倒せば良いのか、これを有効活用出来ないか。ならばこれを使用して不意を付き、零落白夜で仕留めれば良いと結論に至ったのだ。対策されてしまえば返り討ちになりやすいだろうが、初見の相手にとっては十分な脅威となりうる。

「うおおおおおおお!!貰ったあああああああああ!!!」
「ちぃいいいいい!!!」

舌打ちをしながらも鈴は衝撃砲を発射。それを喰らいながらも一夏は止まらない、その加速が付いたまま零落白夜を発動させ、鈴を大きく切り裂いた。それと同時に試合終了のブザーが鳴り響く、どちらかのSEが底を付いた証拠だ。一体どっちが勝利したのか、心も緊張していた。

『織斑機、鳳機、両機ともにSEエンプティ。よって今試合は引き分けとします!!』

ワアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!今日一番の歓声が響き渡り、その声はIS学園の外からでも聞こえるほどの大歓声となった。  
 

 
後書き
何故ゴーレムが来なかったのか、それは心が束さんに釘を刺したから

心「ゴーレム寄越したらもう二度と一緒に寝てあげませんからね」
束「い、いやだぁあああああああああああ!!!!!!!!!」 

 

この小説はげんさくとはキャラが異なる場合があります

「んでどうなんだよ一夏、心。女の園は」
「キツイ」
「発狂しかけた」
「予想通りの反応をありがとよ」

いやぁ白熱のクラス対抗戦の後日の休日、俺といっちーは外出し友人である五反田 弾の家へと遊びにやって来た。弾は俺といっちーの良き理解者でメールで愚痴があるなら聞くぜ?と送っていっちーや俺を気遣ってくれていた。原作では恐らく見られないダンダンの姿だろう、っというかこのダンダンすげぇ渋いんだよな、目付きも鋭いし声も低いそしてモてる。いっちーほどではないけどモてる。でも本人はウザがってるけど、原作だったら絶対喜んでるよね。

「四方八方を女子に囲まれて落ち着けるなんて部屋だけだろ、ってああまだお前ら女子と同室なんだっけか」
「嫌、最近部屋の整理が付いたらしくて一人部屋になったぜ」
「いっちーいいなー。俺はまだ一人部屋じゃないんだぜ?あと1週間ぐらいらしいけど」
「それでもまだ1週間もあるのか、辛いな。今のうちに愚痴吐いとけ、戻っても電話で俺が聞いてやれるが、それを女子に聞かれたら何されるか解らないぞ」

いやぁダンダンの気遣いが精神にくるわぁ、こんなに気遣いが出来て良い男だったっけダンダン?原作だと完全にいっちーのことを羨ましがってた筈なのに。

「悪りぃなダンダン、折角の休日なのに押しかけて愚痴ばっかでさ」
「気にするな、お前らの苦労に比べれば大した事じゃない。それと、っほいメテオっと」
「うがぁ!?ちょ弾、お前心と話しながら極悪コンボするんじゃねぇよ!!」
「おおっ!今のって攻略サイトに乗ってた難易度ルナティックの最強コンボ!!」
「初めて挑戦した割には簡単に出来たな」
「初めてかよ!?ええいまだだ、まだ終わらんよ!!」

いっちー、もう君のライフ少ないんだけど。息吹きかければ消えそうな位少ないんだけど。あっ

「あっやべ!自爆した!!」
「……お前、その使うと毎回自爆してないか?」
「うんうん、初めて白式使った時も自滅だったしね」
「………う~ん、やっぱり難しいなぁこれ」

因みにいまやっているのは『IS/VS』。正式名称は『インフィニット・ストラトス/ヴァースト・スカイ』という対戦格闘ゲームだ、俺はあんまり上手くないがダンダンはこのゲームの全国大会で優勝するほどの腕前を持つ。本人曰く暇潰しにやってたら出来るようになったらしい。

「心もやらないか?」
「いや俺は見てるほうが好きだし。それに俺はそれやるとさ、束さんの助手としての目線で色々考えちゃうから楽しめないんだ」
「そっか、なら他のやらないか?マ○パとか」
「おっそれいいね~。俺ヨ○シーね」
「んじゃ俺○リオ!」
「俺はドンキ○だ」

やっぱりパーティゲームは盛り上がるよね!!

「お兄、さっきからお昼出来たって。さっさと食べに――」

おっ?この声は………おお、ダンダンの妹君であるランランじゃないか。確か有名私立校に通ってるんだっけ?

「あ、久しぶり。邪魔してる」
「ランランおっひっさー♪」
「いっ、一夏……さん!?」
「おい、何時も言ってるだろドアは静かに開けろって」
「やっぱり俺は無視ですかそうですか」

うんしょうがないよね、ランランはいっちーにほの字だし………だけど目の前に居るのに無視てアンタ……

「い、いやっ、あのっ、き、来てらっしゃてたんですか……?全寮制のIS学園に通っているって聞いてましたけど……」
「あ~外出許可でたからさ、心と遊びに。んで偶々弾に会って上がらせて貰ったって訳」
「そ、そうだったんですか……」
「ねぇダンダン、俺もしかして居ない事にされて無い………?」
「だな、大丈夫か」
「うん、大丈夫………」
「……なんで、言わないのよ……」

おお、ランランの目付きが鋭くなった!いかくか!?あかん攻撃が一段階下がる!!

「一々お前に報告する義務なんてないな、それに二人とは俺が散歩したときに偶然会ったんだよ。どうやってお前に知らせろって言うんだよ、その時お前だって出掛けてたじゃねぇか」
「くっ………あのよかったら一夏さんはお昼いかがですか?まだ、ですよね?」
「ありがとう、頂くよ」
「そ、それじゃあ下で待ってます!」

………………。

「ねぇダンダン、俺泣いて良い?」
「すまん、愚妹が失礼な事をした。後でキツく言っとく」
「心なんで泣きそうなんだ?」
「一夏、お前一回死んで来い」
「なんで!?」

ダンダン………俺の味方は君だけだよ………。

「うげっ………」
「………っあれ可笑しいなぁ。目の前が潤んできたぞ~……」
「おい愚妹、今のうげっはなんだ。客人に対して失礼極まりないぞ、取り消せ」

やっぱり俺、ランランに嫌われてるんだなぁ………なんか知らないけど俺はランランに嫌われている。俺、何もしてないのに………ランランって呼び名だって本人の許可を取って呼んでるのに………。

「………どうもすいませんでした、さっ一夏さん、座って下さい」
「お、おう」
「ハァ………悪いな心、俺からで悪いが謝らせてもらう」
「いや、良いよ……ダンダンの気持ちだけで十分だよ………」
「何お兄と心さんは食べないなら外で食べてきてもらえます?」
「聞いたダンダン?ランランの言葉で俺もう泣きそう」
「愚妹、本当に死んで来い」

ダンダン、マジで俺の理解者ですたい………まあ食べますけど。にしても露骨に服変えたなランラン、純白のワンピースとか恋する乙女だってバレバレだよ。

「出掛けるのか蘭?」
「い、いえそういうわけでは……」
「ねぇダンダン、いっちーってワザとやってるんじゃないか思う事多々あるよね(モグモグ)」
「そうだな、激しく同意する(ムシャムシャ)」

ああやっぱりこの食堂の定食美味いわ。カボチャの煮つけも美味しいし、このダンダン特製ピリ辛ソースも行けるんだよなぁ。

「ぁぁ~………やっぱりここの食事は身に染みるっていうの?美味いわぁ」
「ふむ、ピリリと来る辛さが食欲をそそる。……豆板醤かな?」
「よく解ったじゃねぇか、おらお代わりだ」

おっ~!厳さん太っ腹~!この食堂の大将でありダンダンとランランのお爺ちゃんの厳さんの料理は本当に美味いんだよなぁ、特に今お代わりをくれたこの業火野菜炒めは本当に最高。レシピ欲しいなぁ。前に欲しいって言ったら笑顔で

「お前が跡継ぎになってくれるなら教えてやるぞ」

って言われた。真剣に考えようかな………。

「なぁこの後如何する?」
「そうだね~久しぶりにゲーセンでも行く?あっカラオケも行きたい」
「山積みだな、それじゃあ俺が金を持つぞ」

えっ良いのダンダン!?

「良いのかよ弾!?」
「お前達も自由に遊べなくてフラストレーション溜まってるだろ、偶には男だけで騒いでスッキリさせよう。いいよな爺ちゃん」
「ああ行って来い、後でレシートとか出せ。補充してやる」
「サンキュ、そういう事だ。愚妹、邪魔すんなよ」
「ぐぬぬぬ………」

この後滅茶苦茶遊びまくってスッキリした!!ダンダンマジイケメン!!  

 

一番好きな宝具は突き穿つ死翔の槍

「ダンダン今日はありがとね、いやぁ楽しかったぁ」
「本当だぜ!ストレスが大発散出来たぜ!」
「そりゃ良かったな。俺も久しぶりに馬鹿騒ぎが出来て結構楽しめたぜ」

本当に楽しかった!ご飯食べた後にゲーセンに行って遊びまくった後にカラオケで歌い通しだった。アニソンとか色々歌いまくったなぁ~最高の時間だった。楽しいと時間の流れって早いな、もう5時だから帰らなきゃいけないのかぁ

「んじゃ弾、俺達もう学園に戻らなきゃいけないから」
「そうか、気をつけて帰れよ。それと、また遊びに行こうぜ?」
「勿論さ、ダンダンまたな!」

そのまま俺といっちーは学園へと帰還した。楽しかった時間も終わって、部屋へと戻る事になった。

「ぁぁぁぁ~ただいま~」
「あっコロコロおかえり~」

っとのほほんさんが出迎えてくれた、って抱きついてきたな。だからそうするのはやめてくれって言ってるのに………胸に触れている果実が柔らかく変形して気持ち良いんですが、結構きついものがありましてな?

「遊びに行ってたみたいだけど楽しかった~?」
「そりゃもう、友人が気を使ってくれて最高だったよ」
「いいな~いいな~」
「のほほんさんとは今度二人っきりで出掛けるって約束があるんじゃない、それで勘弁してね?」
「は~い♪」

うむ可愛い。撫で撫でしてあげよう

「う~ん♪フニャ~ン♪」
「そ~れゴロゴロゴロゴロ♪」
「気持ち良い~♪んじゃ私もコロコロをもっと気持ちよくさせてあげるよ」

んがぁ!?つ、強く抱きつかないでぇ!?大きく発育した南国の果実が大きく形を変えながらお、俺に押し付けられて、色々と一杯一杯だぁ!!

「どぉ~?私は日々成長しているんだ~、主におっぱいが!」
「の、のほほんさんそういうのは逆セクハラって言うんだけど………それとあんまりこういう事はしない方が…」
「コロコロだからの良いの~♪」
「それだと俺がこういうことを強要しているみたいだからやめようか……」

本当にやめてくれ!束さんにも散々こういう事されて来たけどなれないんだよ!!っつうか寧ろ慣れたら駄目だと思うんだ俺は、色んな意味で方々から怒られそうな気がするんだ。

「コロコロって胸が大きい人の方が好きなの~?」
「な、なんでいきなりの俺の性癖の話になるんですかねぇ………?」
「胸の話から飛躍した!」
「訳が解らないよ………でもそうだなぁ、俺は胸はあまり関係ないかな?好きな人が出来たならその人が俺の好みって事だし」
「あっ誤魔化したね?」
「あはははバれたか。まあ、好きな人が居た所で俺は付き合う気は無いよ」
「どうして?」

そりゃね

「一緒に居られる時間が短いからね」
「えっそ、それってどういう………」
「おっとなんでもないよ。それじゃあ俺はちょっと出てくるよ」


ふぅ危ねぇ危ねぇ、口が滑っちまう所だったぜ。気をつけないとな。さぁ~って俺のさっきの発言如何取られちゃったかな。まあ滑っちゃったものはしょうがない、もういいや!開き直ろうっと!!

「ぁっ……こ、心」
「おっ箒嬢、こんばんわ」
「こんばんわ………は、話があるんだが良いか………?」

そりゃもう箒嬢のお話だったら幾らでもお聞きしやすぜ?あっ移動するの?人に聞かれるといけない感じ?あっもしかしてトーナメントで優勝したらなんたらかんたらって感じのお話かな?その可能性自体は高いよなぁ、箒嬢俺に惚れてみたいだし。

「そ、そのだな………えっと………ゎ、ぁ。ゎゎぁ」
「落ち着いて箒嬢、深呼吸深呼吸」
「わ、解った……ひっひっふー…ひっひっふー…」
「違う!それ出産の時にやる奴やでそれ!!!」

ま、まさか箒嬢がボケるとは………い、一体何の話なんだ!!

「と、兎に角落ち着いた……もう大丈夫だ、話せる」
「そ、そっか。それで一体何のお話でしょうか………?」
「そ、その………ゎゎ………ええいい、言うぞ!!わ、私は心の事が大好きだ!!!」

うん知ってた!!

「だ、だから私と、結婚を前提に付き合って欲しい!!!!!!」

ぇっ?えっ?ぬわぁぁんだってぇええええええええええ!!!!??? 

 

パフェが2500円って高いよね?

「ぬおおおおお!!!」

俺は如何したら良いんだぁぁあああ!!!!如何したら良いんだぁああああ!!!先程箒嬢から告白されてしまった!如何したら良いんだ!?正直言って彼女とか作る気は一切なかったししかも結婚を前提に付き合ってくださいとかどう言えば良いんだよ!?だけど彼女の好意を無碍にする事は出来ない、それも俺だって彼女の事は好いている、だから………

『時間を、貰えないかな……。今、この場じゃ答えが出せないんだ………少し時間を貰えるかな………箒嬢』

なんて言っちまったんだぁあああああ!!!あの場で言っちまえば良かったじゃねぇか無理だって!!でも箒嬢の気持ちは大切にしたい!優柔不断か!!だからそんなことを言っちまったからもやもやがすげぇ出来ちまったからこうやって連続投影をしながら鍛錬してんだけどよ!!あっ誰かに見られないかって?人避けの結界を張った!!なんか人が無意識に来たくないという気持ちを発生させる簡易な結界だけどこれで人は結構来ないんだよ、これがな!!


「――――投影(トレース)開始(オン)!憑依経験、共感終了。工程(ロール)完了(アウト)全投影(バレット)待機(クリア)っ―――停止(フリーズ)解凍(アウト)全投影(ソードバレル)連続層写(フルオープン)!!!」

ぬおおおもうヤケクソじゃああああああ!!!!


―――それは、偶然のうちにあるものだった。仕事を終えて部屋に戻ろうと歩いている時に妙な違和感が心を劈いた。何時は通らない人通りが少ない裏の方向から妙な胸騒ぎがした。そして何故か自分はそちらへと行こうとしていないことに気づいた。偶には道を変えてみるのも悪くないとそちらへと足を向けた。足を進めるたびに進むなという感情が出てくる事に疑問を思った、何故だ?そんな時に巨大な爆発音がした。急いでそちらへ足を向けて走り出すと、そこには

「あああああ!!!」
「な、んだこれは………?」

そこには私の教え子である衛宮が全方向を様々な剣に囲まれた状態で、迫り来る剣を白と黒の双剣で叩き落しながら砕いている衛宮の姿があった。更に驚いた事に砕かれた剣は破片を含めて全て消えている。目を疑った、だがそれは別の意味でだ。衛宮が握っている双剣、あれは、第2回モンドグロッソで誘拐された一夏を助けてくれた赤い外装を纏った肌黒な男が使っていた双剣と全く同じだ。何故衛宮があれを持っているのだ…?まさか、何か関係が………?

「!?ト、投影(トレース)完了(オフ)!(小声)。さて、身体を動かすのはここまでにしておくかな?」

や、やべぇ人避けの結界を張ったのに人が来るなんて思わなかった、っつうかどうして結界の効力を受けながら平然と此処まで来れるんだよ千冬さん!!普通の人はこの結界突破できねぇぞ魔術に心得がなきゃな!!

「覗き見とはお趣味が終わるいですよ織斑先生?」
「偶々通り掛かっただけだ許せ衛宮。それと、何故このような事をしていたのか今の何か説明をして貰えるか」
「………(バッチリ見てやがりましたよこの人!!しかも全投影連続層写まで見られてるよ絶対!!話さなきゃ駄目かなぁ、束さんにしか喋った事無いから抵抗が凄いあるわ。取りあえずどうしてこういう事をしたのかは話した方が良いな)解りました、お話しますので場所を変えませんか」
「……いいだろう」

流石にここで話すのは色々とねぇ、あれですから。

そしてやって来ました寮長室、あら意外と片付いてる。てか片付いてなきゃ入れんか流石に、んじゃ適当に座りますよっと。

「では話せ」
「はい、まずあそこであんな事をしていたのは………その、箒嬢に告白されまして………」
「………篠ノ之にか?」
「はい」

うわぁ千冬さんが口をポカンと開けてる、珍しい絵面だな。脳内フィルターに保存しておこう。束さんなら記憶もスキャンして、写真の形にしてプリントアウトする事なんて簡単だから見る事も出来るねやったね束さん!

「おいやめて!!」
「どうかしましたか?」
「な、なんだか言わなきゃいけない気がして………」


「あいつがお前を好いていることは知っていたが、遂に思いを打ち明けたか」
「はい、でも結婚を前提にって言われちゃって………それで俺、時間が欲しいって言ってその場は納得して貰ったんですけど、断ろうとしたんですけど、なんか如何したら良いのか解らなくなっちゃって……心の中がもやもやで一杯になっちゃって………」
「あんな事をしていたと、まあ気持ちは解らなくも無い。そういう時は身体を思いっきり動かすのが一番だからな。だが解せんな、衛宮お前は篠ノ之の事をかなり好いている筈だ。第三者である私が見ても既に長年交際している男女にしか見えん。何故断ろうとしているんだ?」

………まあいうしかないよな。絶対に納得してもらえないだろうし、良し言うか!!

「それは、俺がさっき行っていた事に関係しているんですよ。詳しくはいえませんが俺には生まれつき異端の力があるんです」
「異端の………力、剣を出現させる能力か」
「そう思ってもらって構いません、もう一つあるんですけど、それは別の機会に。俺は―――、――――――っ、――――――」
「!!!??そ、そんな………本当なのか………?」
「ええ。だから、俺は箒嬢と、いえ誰かと交際する訳には行かないんです。逃げだと思いますか、これが」
「………いや、そうは思わんが、だがお前はそれで、良いのか。本当に」
「良いんですよ、愛する人を失う苦しみはよく知ってるつもりです」
「そうか………これは私の胸の奥にしまっておく。誰にも話さん」
「有難う御座います、それでは俺はこれで」





「衛宮、最後に聞かせてくれ。お前は、愛されるのが恐いのか?」
「………いえ、愛する人が悲しむ姿を見るのが恐いんです」  

 

フラグが立ちましたよ皆さん

はぁ、全く良い断り文句も思いつかないまま次の日が来てしまった。告られた経験なんて無いに等しいからな俺、いや、寧ろありまくったらそれはそれで如何なの?って思うけどさ。身を固めるのも良いと思うけどそれだけだとなぁ、ぶっちゃけちゃうと俺の寿命はかなり短い。日本の平均寿命は82.6歳だと思うが俺の寿命はそれの約半分ほどしかない。テロメアが短いんだ、生まれつき。すいません言いたかったんです、でも短いのはマジだ。細胞分裂の回数を決める要素で、言い方を変えてしまえば命の回数券だ。まあテロメアが短ければその分早く死ぬという認識で間違ってない。

そんなわけで結婚を前提として交際をした場合、真っ先に俺は死ぬわけで箒嬢を残していく事になり彼女を悲しませる事になる。愛する人に先立たれて残されるというのは辛いことだ。

「よっ心!」
「おういっちーおっは~」
「?なあなんかあったのか?」
「なんかって?」
「いや、違和感って言うかさ。元気ないからさ」

………なんでこいつはこういう所は鋭いんだよ。はぁ、この鈍感は。

「さぁねぇ?寝起きが悪かったから?」
「そっか、まあ今日は日曜だしのんびりして元気出していこうぜ」
「だな」

いやぁ土曜日が本当に濃かったな。ダンダンと遊びに行って箒嬢に告白されて千冬さんに俺の秘密がバれて、何やってんだ俺は。字面だけ羅列したらすげぇ事になりそうだ。

「なあ心、お前さ。自由に生きてみたらどうだ?」
「なっ、いきなり何を言い出すんだお前!?キモッ!!?」
「ガチ引きするなよ!!!」

いやだっていきなり脈絡もなくそんなこと言われたら引くだろ普通!っつうかマジで何!?本当にいきなり何!?

「いや俺から見たら心って本当にすごいと思うんだ、勉強も運動も出来るし。挙句の果てに束さんの助手だしさ、俺の目標の一人さ」
「だからいきなりなんだっての」
「でもさ、自分の事を虚ろにしてる感じが強いんだよ。自分の事を理由にして他人の幸せを優先してる」

何………を、言ってん、だ……?

「例えばさ、心に付き合って欲しいって言った女子がいるけど、心は他の男と付き合った方が幸せだって断るって感じ?自分が幸せになろうとしないじゃん」

い、いっちーの癖に俺の確信を付きやがった!!今まで俺がやってきた他人優先を見抜かれた!!バレない程度にやってきたと思ったのに!………自分の幸せか

「そう、思うか?」
「ああ思う、相手が如何思うが自分が幸せになりながら相手を幸せにする方法だってあると思うんだ俺は。難しいとは思うけど出来ない事は無いさ、心ならやってのけると思うぜ?」
「………」
「まいった、ねぇこりゃ」

いっちーに此処まで言われて、しかも、もやもやが全部晴れちまった、愉快だねぇ、本当に愉快だなこれは。あはははは、自分が幸せになりながら相手を幸せにする方法は存在する、か。ちげぇねえや、よし決めた!

「サンキューいっちー、悩みが消えたわ」
「お、おう。そりゃ良かった」
「んじゃちょっと行って来るか」
「どっか行くのか?」

ちょっちね。

「ああ、ちょっと愛でも囁きに行こうかと思ってね」
「は、はあ。いってらっしゃい?」

うおおおおおお!!!いっちーサンキュー!!!!!悩みが消えたぜひゃっほーーい!!!!って箒嬢何処だ!?やべぇ何処だ、ってそうだ!こんな時の為に束さんが作った『箒嬢探査装置ぃ~』よし探査開始!!

『こっち!こっちに箒ちゃんの反応ありんり~ん!!』

束さんらしいな色んな意味で、そしてこっちか!!ウサ耳が向いている方向へ、全☆速☆前☆進だ!!………おっ!あのポニテは間違いなく箒嬢だ!よし装置の電源切ってしまってと。

「ほ、箒嬢!」
「ふぇい!?こ、心!!!??」
「さ、探したぜ………」
「な、何か用か……?」

流石に廊下だと誰に聞かれてるか解らないからな、ちょっとお手を拝借!

「ぁっ、心の体温が………って何処へ!?」
「俺の部屋!今はのほほんさん出かけてるから大丈夫だ!」

さて引っ張ってやってきました俺の部屋、鍵もしっかり閉めてっと。これでよし

「箒嬢、昨日の返事を今させて欲しいんだ」
「昨日、ぁっ……ぅ、ぅん………聞かせて欲しい……!?」

あっやっぱり箒嬢って暖かいわ、抱きしめてて気持ち良い。

「こっここっこここここここ心!?いいいいいいいきなりなななななんな何ををを!?」
「箒嬢、俺。衛宮 心は全力で君を幸せにします。だから、その、俺と付き合ってください!」
「―――っ!!!!!!!ほ、本当に良いのか……?」
「ああ、箒嬢。大好きだ」
「ぁぁぁぁ………ゎたしも、よろしくお願いします!!」

これで良いんだ、これで。いっちーありがとよ、俺頑張るぜ。

「箒嬢………」
「心………」

俺達はそのまま、流れるように唇を重ねた。互いが合意の上でのキスは初めてだから凄いドキドキした。唇を離したとき、箒嬢が顔を真っ赤にして気絶したのは驚いたけど俺は笑った彼女(ほうき)の頭を撫でていた。この事を束さんに言ったらなんていうかな?祝福してくれるといいなぁ。ちゃんとリーリーにも言っておかなきゃな。兎に角、俺に彼女が出来た!!  

 

ISで個人的に一番好きなキャラはセッシーとラウラウ

「~~っ♪」
「妙に機嫌良くない篠ノ之さん?」
「確かに、明るい笑顔してるし鼻歌まで歌ってる。良い事でも言ったのかしら?」

はぁ~い皆さん、遂に平穏を諦めて命が燃え尽きるまで精一杯生きてやろうと覚悟してやった衛宮、衛宮 心で御座います。そして先日箒嬢と交際を始めました。んでリーリーにこの事話したんですけど………

『………そうなのっ!?おめでとう心!』
『あ、ああ有難う………』
『なんか納得行ってないみたいだけど如何したの?』
『い、いやだってリーリーって俺の恋人になりたいって散々言ってたのに……』
『そうよ?結婚を前提に交際したんだから箒が正妻でしょ?』
『………いやちょっとまて、それってまさか………』
『だから私は恋人!これで万事解決ね!!』
『なんでさぁああああああああああああああああ!!!!!!!!?????』

もうマジでなんでさですよ、魂の底から叫んだ気がする。その後飛んできたテニスボールが顔面に直撃してその直後に腹部に超次元的サッカーの必殺技の火炎竜巻シュート的なものが突き刺さり、ふらふらとした10秒後

『そこの生徒!大急ぎでそこを退いてくださああああい!!!』
『ふぇ?ドルべヴァ!!!!』

自主練習していた2年の代表候補生のISのブースターが急に逝かれたらしく俺に落下してきた。正に不幸だ………。そしてすぐさま保健室送り、生憎俺の体内にアヴァロンは無いんだよ………。んで一日寝込んでましたはい。ってか良く一日寝込むだけですんだと思いますよ、あっそう言えば俺の体内には束さんが作ってくれた特殊多目的ナノマシンが入ってるんだ、そのお陰で一日で済んだのかな。助かりました束さん!!

「如何したんだ心、元気ないなぁ?」
「ん………いや、ただ自分の運命力のなさを改めて実感させられただけさ………」
「な、なんだか良く解らないけど頑張れ?」
「んぁ、サンキュ」

改めての俺の幸運がE-であることを自覚した瞬間でもあったな。これからも調子に乗らずに頑張っていく事としよう、慢心せずにいられるのもE-のお陰なんだが妙に喜べないのは何でだろうな。スペックマジキチインチキ財宝(絶対に慢心するセット込みです)と、スペック平均宝具は結界と深紅の槍、どっちが良い!?うんどっちも微妙!!!んで報告です!

「えっと、君が衛宮君で良いんだよね?僕シャルル・デュノア、宜しくね!」
「んっ。ああ、そこのいっちーから聞いたと思うけど俺は衛宮 心だ、宜しくなシャーリー」

うん俺がベットで寝ている間にシャーリーこと、シャルルが来てたみたいっす。そしてラウラさんも。あ~もうそんな時期なの~と思いましたよはい。正直言って俺個人としてはシャルル、いやシャルロットは可哀想だとは思うがそれは俺個人のほんの一部が抱いた感情だった、それ以外の感情で俺が抱いたのは"敵意"だった。まあシャルロットの本当の目的は俺かいっちーのISのデータの回収だからそう思ったんだろう。

「一夏から聞いたけど、衛宮君ってあの篠ノ之博士の助手って本当なの?」
「本当だ、助手兼家政婦兼束さん限定の正義の味方ってとこか?」
「あはははっなんだか凄いね」

今浮かべている笑顔も恐らく虚偽の物なのだろう。彼女の場合そうしなければならないのだろうが俺からしたら知ったこっちゃない、俺の二柱の英雄も白式のデータは絶対に貴様には渡さん。こう俺が此処まで好き勝手やっているのだから原作の流れなど崩壊していても可笑しくは無い。

「なぁシャーリー、提案があるんだが良いか?」
「それは良いけどさ。シャ、シャーリーって僕の事で良いんだよね?」
「ああシャルル気にしないでくれ、心は人にニックネームをつけて呼ぶ癖があるんだ。でもそれは友好的なサインでもあるんだ」
「へぇ~、にしてもシャーリーか。中々可愛いね、うんそれでいいよ、それで提案って?」
「なぁにちょっとしたもんさ、今日のいっちーの訓練を手伝ってくれ、そのついでに


――――――俺と試合死合いしないか?」

「う~んやっぱり銃って大変だな。でも剣とは違った楽しさがあっていいな!あ~あ、銃欲しいなぁ~」
「作ったりしねぇからな?」
「ちぇっ」

何でもかんでも自分で与えられてばかりではいけないのです!そう私のお母さんは言ってたのです!そしてまあやって来たましたよアリーナに。現在いっちーにまったく別の刺激を与える為にシャーリーの銃を使わせてます。生憎俺の錬鉄の英雄には銃はあるけど大型のライフルだからやめておいた方が良いだろう。銃を使った事が無い奴が俺が唯一愛用しているライフル、『束さん特製超高性能型なんでもぶっ飛ばせるぜ大型ライフル』は危険すぎると思う。このネーミングも危険だと思う。

「っていうかお前にはもう既に剣を二本作ってあんだろうが。我慢しやがれ」
「は~い」
「け、剣でも作れちゃうって相当すごいと思うんだけどなぁ………」

「ねぇ、あれって…」
「ドイツの第3世代型じゃない?まだ試験中だって聞いていたんだけど…」

おっこの会話は?遂に来ますか?来ちゃう?来ちゃうんですかいどっちなんだい!!

「おい、貴様も専用機持ちだそうだな」

キタアアアアアアアアアアアア!!!黒兎来た!これで負ける!!いやぁ生黒兎ですね、いやぁ黒い!色んな意味で!!

「なら、如何した?」
「丁度良い、私と戦え」

あ~、事情とか知らなかったらこの銀髪は戦闘狂なのか?って思うんだろうな~たぶん。

「やだ、今は訓練中だ」
「お前に拒否権など無い」
「人権無視かよ、いやだっての」
「そうか、なら嫌でも戦わせてやる」

あ~黙って聞いてたけど腹立ってきたな。うん解っちゃいるけどイラっと来るぜ!!俺の友人に好き勝手やろうとしているな。うんもう我慢の限界!本気出しちゃって良いですかいマスター?って誰だよ俺のマスター、立場的に束さんかな?まあいいややっちゃうぜ!!


ラウラ・ボーデヴィッヒは迷う事無くレールガンを起動させ即座に一夏に照準を合わせ引き金を引いた。一夏とシャルルの表情は驚きで凍るのを見ながらほくそ笑むラウラ、だがレールガンから放たれた弾は一夏に到達する事無く爆散した。

「何ッ!?」

ハイパーセンサーで目を凝らすと一夏の傍で弓を構えながらこちらを見ている男がいた。その男は恐らくISを起動させているのだろうが赤い外装に身を包んだだけの青髪の男だった。そして彼の足元に一本の剣が突き刺さった。

「貴様、何をした!?」
「何、私の友人が狙われていたのでね。少々射抜かせて貰ったよ」

射抜いた…だと……?あり得ない、レールガンから発射された弾丸を弓で撃ちぬいたというのか?発射されてからでは遅い、では照準や弾道全てを予測した上で射抜いたというのか!?ラウラの脳内では恐らく男、衛宮 心がしたであろう事を計算したが到底、常人では出来る事ではない。

「それとなんだね君は、自分勝手な意見を述べるだけ述べて最後には攻撃?私の友人に随分とふざけた事をしてくれたな小娘」
「ふん、貴様には用は無い。退け」
「やれやれ落ち着きが足りていないな。なら、用があるようにしてやろう」

そう言い心は足元に落ちた剣を拾ってそれを矢として弓に番え、そして射った。それは真っ直ぐラウラへ向かい、先程自分が使用していたレールガンと装甲の間を縫うように掠めた。

「っ!!」
「これでも、私を無視する気かね?」
「貴様、良いだろう。お前から叩き潰してやる!!!」
「来るが良い、格の違いというものを見せてやる」

プラズマ手刀を出現させ斬りかかるシュヴァルツェア・レーゲンに対するは白黒の双剣、干将・莫耶を握りブレード・ウィザードは微笑んだ。  

 

私に投影出来ない剣は無い!!

唸るは剣撃、響くは轟音。赤き魔術師、錬鉄の英雄は白黒の双剣を構えながら大きく振るい、黒い雨、シュヴァルツェア・レーゲンの攻撃を捌いていた。ラウラは防戦一方の心に疑問を覚えながらも攻め続ける。

「ふむ、パワーもスピードも悪くない。ならこれはどうだ」

右手に持つ莫耶を消し、一本の人間の背丈を越えるほどの日本刀を展開した。

「そんな馬鹿のように長い剣で私を倒そうというのか、愚かだな」
「誰もこれで君を倒すとは言っていないのだがね、反応を見るだけだ」
「反応……っ!?」

呟いた瞬間に心は動いた、そして同時に右手の日本刀が姿を消した。突如姿を消した刀、動揺するが何か冷たいものを感じ後ろに引く。すると先程自分がいた場所、丁度自分の首があった辺りに刀が添えられていた。あのままその場に居たら首が切り落とされていたかもしれない……という考えがラウラの脳裏を過ぎった。

「反応も悪くない、だがまだ二流だな」
「なんだと………?」

ビギリとラウラの額に青筋が走った。自分が二流だと侮辱された事にあからさまな怒りと、自分を侮辱したこの男を殺すという殺意が浮かぶ。

「君の戦闘技術は(スキル)であった(アート)ではない。この違いが解るか?」
「戦闘技術に(アート)など必要ない!!ただ敵を倒す(スキル)であれば十分だ!!」

激昂したラウラの言葉にやれやれと溜息を付く心。だから二流だというのだと呟く。

「確かに一般的には技で十分かもしれんが二流の技ではただ敵を倒す事しか出来ない暴力だ。いや、口に言っても無駄か、実際に試してやろうじゃないか、君のスキルが私を倒せるかどうか」
「ほざけ!!」

再び斬りかかるラウラに対し再び莫耶を投影し攻撃を受け止める。ラウラの痛烈な攻撃を捌き、プラズマ手刀を同時に振り下ろした瞬間に両腕を交差した状態から一気に開きプラズマ手刀を弾きながら、双剣をブーメランのように投げる。

「馬鹿か!自ら武器を捨てるとは!」
投影(トレース)開始(オン)

笑うラウラの余所に心は新たな干将・莫耶を投影しラウラを斬り付けた。

「な、にぃっ!?」
「気を抜いていて良いのかね?」

更に持っていた干将・莫耶も投擲、これで心の持ち手はなくなったとラウラは考えた。だがそれを裏切るように新たな投影。干将・莫耶が現れる。そして自らの身体を切り裂かれた。

「こ、れは先程投げた剣か!?」
「その通りだ」

まるでお互いがお互いを引き合うようにラウラを中心にするように弧を描きラウラへと襲い掛かる干将・莫耶。そしてそれに惑わされているうちに迫る心。

「調子に乗るなぁあああああ!!!!」
「―――っ?身体が」

突如身体が停止した、自分は身体を止めた命令を出したつもりだなど毛頭無い。まるで見えない何かに体を束縛されているかのような物に近い物を感じる。―――これは明らかに対戦相手ラウラによる所業だと解った、その証拠にラウラは笑っている。

「成程、話には聞いていたがこれはAIC、アクティブ・イナーシャル・キャンセラーか。一対一では反則的な効果だな」
「どうだ停止結界の味は、これで貴様は私に手も足も出せん。私を侮辱した事をたっぷりと後悔させてやる!!」

殺意と怒りが混同し憎悪に近い感情を浮き彫りにさせながらレールガンを心に向けるが心はいたって冷静だった。焦る事など無い、自分はこれの攻略法を知っている。

「憑依経験、共感終了。工程(ロール)完了(アウト)全投影(バレット)待機(クリア)!」
「な、何だこれは!!?」

ラウラは突如、心の後方に多数出現した剣に驚愕した。ISにこれだけの数の武装を施す事無く不可能な筈だからだ。だがこれは施された武装ではない、作り上げられた、複製された武器の山。この程度の投影など今の心にとっては何の負担にもならない。

「これならどうかな黒兎、停止(フリーズ)解凍(アウト)全投影(ソードバレル)連続層写(フルオープン)!!!」

一気に十、いや百はくだらない数の剣がラウラへ向けて発射される。これだけの数では流石に心に停止結界をし続けているのは無理だと判断し結界を解いて回避に専念する。一対一では絶大な効果を発揮するAICだが使用には多量の集中力が必要であり、複数相手やエネルギー兵器には効果が薄い。既にその事を束に聞いていた心は対策として全投影連続層写を準備していた。

「ぐっ!これはっ!!があああ!!」

剣を攻撃しながら回避をし続けるラウラだったが、遂にそれも不能なレベルに達し防御を試みるが馬鹿げた量の剣の防御など無理に等しく大きく吹き飛ばされてしまう。一夏とシャルルはその戦闘を見て目を丸くする事しか出来ていなかった。一夏はこれまで見てきた心の戦いが本気ではなかった事に、シャルルはドイツ軍人であるラウラを圧倒している事に驚きを感じていた。

「さてと、そろそろ終わりにしよう。取って置きの投影品でな。――――投影(トレース)開始(オン)

そう言い双剣が消え、代わりに一本の剣が握られた。それは一夏にとって見覚えがある剣だった。自分のIS、白式に搭載されている雪片弐型に似ているのだから。だが弐型よりも洗礼されたそのフォルム、刀身、明らかに弐型ではなかった。それは

「ゆ、雪片、壱型……だと!?」

嘗て織斑 千冬が世界最強の座を手にしたときに使われていた最強の剣。雪のように淡く、されど烈火の如く燃え上がる剣。

「な、ぜ、貴様がそれを持っている!!!!それは、教官が持ってこそ輝くものだ!!!」
「それは君自身の意見だろう、だがこれ以上に君を斬るのに皮肉で相応しい剣は無いだろう。君が尊敬して止まない教官である織斑 千冬の剣、そして私」

雪片壱型の形状が変化していく、それは一夏も相手をしとめる切り札として使用するものと同じだった。

「れ、零落白夜まで………それにあの構え………」

実の弟である一夏は知っている、あれは、千冬の構えだと!

「君を斬る」

零落白夜で切り裂かれた結果、みるみるシールドエネルギーが減少するラウラのシュヴァルツァ・レーゲン。

「(こんな奴に私は負けるのか?教官の言うようにこいつに私は負けるのか?)」

ラウラは朦朧としてきた意識の中で敗北を感じ取った。その時、ラウラに声が聞こえた。

(力が欲しいか?絶対的な力が)

漆黒の影のような、ドロドロとした不快感を与えるような嫌な声だった。

(欲しい…)
(敵を圧倒的な力で倒せる力が)
(よこせ!奴を完膚なきまで倒す力を!)

だが、ラウラはその声のままに手を取ってしまった。欲望に、心に勝ちたいという欲望に負けてしまったのだ。

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

ラウラの絶叫がアリーナに木霊する。

「何が起きた!?」
「なっなに!?」

狼狽えるシャルと一夏、心はすぐさま距離を取り雪片を構える。そして来てしまったかっと毒づく。黒い泥のような物は見る見るうちに絶叫を上げるラウラを覆って行き、ISも形状を大きく変化させていき全身装甲(フルスキン)の物へと変化していった。そしてそれは嘗ての世界最強、織斑 千冬とに酷く酷似していた。そして手には雪片。

「矢張り、VT(ヴァルキリー・トレース)システムか」

過去のモンド・グロッソの部門受賞者(ヴァルキリー)の動きをトレースするシステムで、アラスカ条約で現在どの国家・組織・企業においても研究、開発、使用全てが禁止されているシステムである。それが何故ドイツの軍人であるラウラのISの搭載されているのかは謎だが、面倒な事は変わりない。

『緊急事態発生!生徒と観客は速やかに避難して下さい!』

この事態を危険と判断した学園は避難指示を出した。中々良い判断だと思うが、心は動こうとしない、恐らくこのシステムの目標は自分だと解っているからだ。なら下手に動けば被害は拡大する。だが

「うおおおおおおおおおお!!!!」

突如一夏は加速しラウラへと向かおうとした。それを心は前に立ち塞がりなんとかそれを止めるが一夏は暴れながら千冬を象ったラウラへと向かおうとしている。

「この糞野郎おおおおお!!!千冬姉の、真似してんじゃ、ねぇえええよぉおおおお!!!」
「落ち着け一夏、返り討ちになるぞ」
「うるせぇ!俺を邪魔をするならお前からっ!!?」

倒すと言おうした時、一夏の全身が震え始め言う事を聞かなくなった。歯はガチガチと音を鳴らしながら顔は恐怖に染まっている。

「粋がるなよ小僧、私以下の実力しかない分際の貴様が私を倒すだと?随分と生意気な口を利くようになったな。では私を殺して先に進んで死んでみるか?」
「ぁ、ぁぁぁぁ」
「落ち着け一夏、お前の気持ちは解った」

殺気を解くと一夏の身体から震えが抜けていった。一夏は手を貸してもらって立ち上がり、模造品を見つめる。

「私が隙を作ってやる、その間に零落白夜で斬れ。チャンスは一度だ」
「解った!やってやるぜ!!」

雪片弐型を展開し意識を集中させる、零落白夜の為の準備に入った。そして心は弓を出し捻れきった奇妙な剣を投影した。そしてそれは矢としてつがえると更に細く鋭利なものへと変化した。

「一夏、私は一つ宣言しておいてやろう」
「えっ?」

心は大きく息を吸い込み口を開いた。

「私は宣言しよう。我が主人マスターである篠ノ之 束の為に私は世界最強となる。まず私はこの学園最強を下しその座に君臨する。そして、私は世界最強へとなると!!!!」

その場で聞いているものは凍っただろう。この男は世界最強になると言った、言い方を変えてしまえば全世界の国家代表を敵に回したという事になるのだ。だが一夏だけは笑っていた。

「お前らしいぜ心!!男なら目標はでっかくだ!!なら俺も宣言してやる、俺は絶対にお前を倒して千冬姉の後を継ぐ!!」
「フッお前らしい宣言だ、さて行くか。我が骨子は捩れ狂う!偽・螺旋剣(カラドボルグII)!!」

放たれた螺旋剣は空間を捩じ切りながら進んで行き、VTシステムが出した雪片ごと肩の一部をねじ切るようにズタズタにしながら貫通していった。

「いまだ!」
「おおおおおおおおおおおお!!!!」


それによって出来た隙を一夏が突き、零落百夜にてVTシステムを唐竹割りに切り裂いた。  

 

世界最強に、俺はなる!!

「全く、良い表情で寝てやがる。こっちはかなり神経使って疲れたって言うのに……」
「それは私が言うべきものだと思うだがね。まあ否定はしない」

本当に良い顔をして寝てやがるぜ、銀髪合法ロリの寝顔………ありだと思います!!だがそれでも私は箒嬢押し。一応俺は箒嬢の彼氏だし………そしてリーリーの恋人………うわぁ俺もう最悪やないかい。普通に二股なんだよなぁこれ、でも箒嬢は普通に快諾しちゃってるし………

『そ、それに、心は私を一番に愛してくれるんだろう………?そんな心が私は大好きだ………』

なんてこと言われたら拒否出来ないでしょうがぁあああああああ!!!ああやってやるよ!愛し尽くしてやんよ!!!

「あ~………ごめんな心、お前は一番疲れてる筈なのに疲れたとか言っちゃって」
「何、気にする事は無い。君も先程の一撃に随分と集中力を割いていたようだしな、これからあの程度の集中は直ぐに出来る様にしなくてはな」
「おう!見てろよ、何時かは零落百夜とか使わなくても胸を張って強い!って言える様になって見せるぞ!!」

お~言いますなぁいっちー、こりゃ俺もウカウカしてられないねぇ。まあ紅騎士、蒼騎士としての誇りはあるからね。全力で叩き潰してあげよう、いや、育ててから叩き潰すのも一興。うん育ててからだな、まずは美味しく育ててそれから美味しく頂こう。

「それでは彼女は私が医務室へ運んでおこう。一夏、君は休むと言い」
「えっ俺は良いよ。寧ろ心のほうが疲れてるだろ?俺が運ぶよ」
「君が女性を丁寧に扱えるとは思えないからな」
「なんだよそれ!?」

そういうことっすよいっちー。んじゃ後始末は頼んだ!!んちゃすたこらさっさ~♪医務室へレッツラゴ~。

「失礼します」

さてとやってきました。医務室にって担当の先生いないのかよ、しょうがない空いてるベットに適当に寝かせよう。よっこらっと、ってマジで軽いな。さぁ~ってこのまま起きるまで見守るかな?あ~でも一応治癒魔術使ってやるか。ある程度の普通の魔術は使えるんだよな、まあこれよりランクが高い魔術全く持って使えないけどさ。

「ぅぅん………」

おお、そんなに効いたかい治癒魔術。まあ疲労と痛みを俺の身体に移しただけだからな、直ぐに効果は出てくるか。ん、俺は大丈夫なのかって?全然大丈夫、ナノマシンも既に活動を始めてるしね。たぶん直ぐに効いてくる。んっ気配、ではないな。視線かな?態々こんな事をするって事は俺を消したいって奴か?

「俺を見ているの誰かな?気配を99,99%の精度で消しているのは流石だが、残り0,01%の気配を感じる」
「………流石ね、参った降参よ。気配遮断にはこれでも自信があったのにな~」

おおっ!!このお方は!!生徒会長!生徒会長ではありませんか!!私の目の前に出てきたのは簪のお姉様、更識 楯無さんだ、そしてこの学園の生徒会長でもある。でもなんでそんな彼女が俺の所に?

「気配の消し方は悪くないが視線を何とかした方が良い、私は色々と敏感でね」
「あらっそれはアドバイス有難う。それにしても流石ね、紅騎士さん?」

あれま気付かれてたか、いやまあ俺個人としては隠す気とか一切無いんですけど。っていうかその通り名だって勝手に付けられて呼ばれてるだけですからね?俺はそんな白騎士のパクリ臭がプンプンする奴なんて嫌です。

「あ~………それ勝手に着けられて呼ばれてるだけなんでやめてくれ。それと何の用だ」
「それは御免あそばせ♪当然、貴方は一体何者なの」
「質問の意図が理解出来ないな。俺は俺、衛宮 心だが」
「惚けないで、くれるかしら。連続的な武器の出現。極めつけにあの剣の掃射、普通のISでは搭載しきれない数よ」
「俺は束さんマスターの従者サーヴァントだ、容量の拡張はお手の物だ。束さんマスターの技術は全世界の何歩も先を行く」

実際そうじゃん、ISっという存在も当時の人間からしたらオーバーテクノロジーでしか無いんだから。今もそうだけど。

「………それで納得しておくわ、次の質問よ。何故雪片壱型を持っていて、織斑 一夏の白式及び織斑先生が現役時に使用していたIS、暮桜の単一能力、零落白夜を貴方は使えたの?」

そりゃねぇ、武装と単一能力というのは酷く関係している。能力に一番適した形の武器というものは幾らでもある。その武器には必ず能力の記憶というものがある、俺はそれから単一能力を引き出しただけだ。

「ノーコメントだ、第一にお前に答える義理は無い」
「そうね、確かにそうね。それじゃあ私も本来の目的を果たそうかしら」

本来の目的?

「私の名前は更識 楯無。2年生で、この学園の生徒会長よ。貴方の挑戦状を受けに来たわ」
「挑戦状…?私はそんなものを初対面の貴方にたたきつけた覚えは無いが?」
「しっかりと叩きつけてくれたじゃない。学園最強を倒す、そして世界各国の国家代表を倒すって。こう見えても私はロシアの国家代表なのよ?」

あ~そういう事か、いやぁ忘れてたわ。楯無さんって俺の中じゃ露出狂なイメージしかなかったから国家代表である事すっかり忘れてたわ。っという事は俺は二重の意味で挑戦状を叩きつけたって意味になるのか?あれ?でもそれだと一つの意味でしか挑戦状は叩きつけてない………ってああああ!!!

「確かにそれだと君に国家代表として挑戦状を叩きつけた事になるが、学園最強としては叩きつけては無いわ」
「どうしてかしら?生徒会長である私は学園最強なのよ?」
「それはあくまで"生徒の中では最強"の間違いだろう。私が思う学園最強は千冬さん以外あり得ない。他は千冬さんまでの前座で、眼中にはなかったよ」
「…………………」

そういえば生徒会長って学園最強って意味でもあったなそういえば。すっかり忘れてたわ、っと言う事はこの人は自分が俺が思ってる学園最強だと思い、勘違いして挑戦状受けに来たわよ!来たって訳か、うわぁすげぇ痛いよこの人。

「つまり、私の事はなんとも思ってなかったと………?」
「まあね。ロシアの国家代表には挑戦状は叩きつけたけどIS学園生徒最強には用は無いかな。っというか寧ろ勘違いしすぎて腹痛いwww」
「うわあああああああああああぁぁぁぁぁん!!この子かなり酷いぃぃいいいいいい!!!貴方なんて大嫌いだああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

なんだろう、某動画の某PC入力装置破壊者を思い出したよ俺。にしても良い感じに勘違いして泣いて去って行ったな………今度生徒会室にケーキでも持って謝りに行こうかな。やっぱ面倒だからいいや。

「ううん………何か、騒がしいな………」
「おっ起きたかい」

騒がしいのは絶対学園最強(笑)のせいだな。
↑お前のせいでもあるわアホが by作者

「こ、此処は………」
「医務室さ、覚えてないか?」
「私は………そうか、負けたのか……」

そうシュンとしなさんな、可愛いから。

「お前さんのIS、随分と面白いもんが搭載されてるな。世界的に禁止されてるVTシステムと来たもんだ、まあ既に取り外してこのUSBメモリの中だがな」
「織斑 一夏にやられたのだな………?」
「ああ、俺の作った隙を見事についてな。あの一太刀は見事だった」
「………一つ、聞かせて欲しい。どうしてお前は強いんだ?」

………この問答って、ラウラウがいっちーと心の中?的な感じでやった奴と同じ問答かな?確かそうだった気がするけど、まあいいや。

「俺は強くねぇよ。目標に向かって走ってる唯の男さ」
「では、その目標とは一体………?」
「遥か先にいる最強の自分だ」

そう言い残し俺は医務室を出て行く、フッ………決まった………。きめぇ、自分が凄いキモい………。


「こ、心大丈夫なのか!?鈴から話を聞いて凄い心配していたのだぞ!!!??」
「大丈夫だよ、何処も怪我なんてしてないから」

自分の部屋に戻ってのんびりしようとしていたら箒嬢が乗り込んできた。流石にビビッたわ。

「そ、それならよかっ!!?!?ほ、頬が切れているではないか!!」

えっ?あっ本当だ、浅いけど切り傷が出来てる。気付かなかったなぁ、まあこの程度大丈夫でしょ。

「大丈夫だよこの程度」
「だ、大丈夫なものか!!ま、待ってろ私がしょ、消毒してやる!!」

消毒ってどうやって………!!!?!?!?!??!?!?!

「ほほほほほほほほ箒嬢何を!!?!?」
「何を(ちゅぱ、くちゅ)と聞かれても(れろれろ)消毒だ………(///)」

しょ、消毒じゃないよこれは!!これは唯単に傷をエロく舐めてるだけだよ!!やめてぇええ今すぐにやめてぇぇえええ!!!

尚、この後の滅茶苦茶箒嬢にぺろぺろされ、気絶した  

 

暴走すると止められないのは束さんとバーサーカーだけにしてください

『ほうほう!箒ちゃんとこっくんが交際ですと!?』
「そうなんです!」
『んじゃこっくんのファーストキスを奪った束さんも』
「却下」

ったくこの人は本当に相変わらずなんだから。久しぶりの束さんに連絡をしてIS学園で起きたことを色々と話し終わったところだ。そしてこの人は………

『えっ~なんで~?』
「当たり前でしょうが、リーリーの時だってしっかりと箒嬢に許可を取った上だったんですから。っつうかあれだって俺が料理してるときに声を掛けて、振り返ったところを不意打ちで奪ったくせに良く言いますよ」
『えへへへ~そうでもしないとさせてくれないと思って』

当ったり前だ、普通キスさせてといわれて許可するわけないだろう。恋人なら別だろうが俺は束さんにそういう方面の感情は一切合切抱いていないのよ。尊敬とか憧憬的な感情ならバッチリ抱いてますよ?一応俺のマスターですから。でもなぁ恋愛的な感情はどうしても抱けなかった。ボンキュッボンでロングヘアーだし美人で一緒にいて楽しいし、でも何故か恋愛に発展することはなかった、何故だろうか?

『いいじゃん、もう束さんとこっくんは一緒にお風呂にはいるぐらいの中なんだし』
「ソーデスネ束サンヲ風呂ニ突ッ込ム時ニ風呂ノスペースニ一緒ニ入リマシタネ」
『ま、まさか此処までマジレスされるとは!?』

彼女のこういう所にマジでドン引きしている感情が何処かにあるのかもしれないな。

『そー言えばこっくん、最近学園で姿を見なくなったって生徒っている?』
「あ~そう言えば、仕事で依頼主(クライアント)と話してる時に最近になって2,3年から自主退学している生徒がいるって聞いたことありますね」

こっから出れればこの後の就職とか色々と有利だろうにね、勿体無い事してるなぁ。あれでもどうして束さんがその事を知ってるんだ?

「あれ?でもどうして束さんがそんなこと聞くんですか?」
『だってそいつ―――こっくんの悪口とか根も葉もない噂を流してた屑なんだもん』

あ・ん・た・かぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!なんか考えないように予想はしてたけど的中してたよこん畜生!!何やってんだよこの人!?俺の悪口なんて予想出来てた事だし無視し続けてきたわ!偶に机に落書きもされてたけど別学年の仕業だと判明して、千冬さんが他学年に乗り込んでボッコボコにしてた時もあったな。

"私の教え子にふざけた事をするじゃないか………生まれてきた事を後悔させてやる"

って言ってたっけ?流石に全力で止めたけど。その人は今は改心してちゃんとしてるけどこの人の場合はもっと立ちが悪い!更生とかさせる前に社会的に抹殺してるんだもん!!いやまだ抹殺されてるとは限らないけど恐らくこの人だったら抹殺してる!

『束さんの大切な大切なこっくんにありもしない事をぶちまけた上でこっくんが使ってる物を汚した奴らだよ、万死に値して当然なんだよ』
「た、束さん………そう思ってくれるのは本当に嬉しいんです。嬉しいんですけどで、出来れば社会的に抹殺するのは止めて頂けます………?目覚めが悪いですし………」
『そう………そうだよね!そんな屑のためにこっくんの夢身が悪くなるなんて良くないもんね!うん解った、もうそんなことはしないよ!』

ホッ………解ってくれたようで安心した……。ちゃんと言っておかなきゃなんかとんでもない事やらかしそうだからな。

「んじゃ今日はもうこれで切りますけどちゃんと3食とってお風呂に入って寝てくださいよ?」
『解ってるよこっくん、ちゃんと続けてるよ~。でも束さんこっくんの手作り料理食べたいな~』
「んじゃ一回そっちに帰るので、そん時に俺が出来る事であれば願いを聞きますよ」
『楽しみにしてるよ~^^』

ふう………なんか心労が増えた気がする………こんな時は食堂の激辛麻婆豆腐を馬鹿食いするに限るな。

「こっくんは優しいなぁ、こんなゴミにも劣る屑共に同情を掛けるなんて。私には、無理だなぁ

―――そんなに器用な事なんて」

あはっ、まだ生きてるんだね?最近の子って頑丈なんだね。いい実験台になるよ、こっくんの為だけに作ったナノマシンの試験体になってもらおうかな?

「た、たぁすけぇ、てぇ………おねがぃでぅかぁ………」
「屑は所詮屑なのさ、その汚らわしい口を閉じろよ」
「ぉんねがぁぁぁぃします………ぅぁ、なんでも、しますから………」
「ん?今なんでもするって言ったよね?」
「はぁぃ………そぅです………」

僅かに声が上がったね、解り易い屑。でも何でもしてくれるって言ったんだから有効活用しなくちゃ。

「それじゃあねぇ、このまだ未調整なナノマシンを打たれてくれる?まあ死ぬだろうけど」
「!!!?!??!?ぃぃやぁぁっ(ズブリッ!!!)ぁァぁsdbfjかsgflksdfばsdkだおkhぎあhん34@らfにしこghs!!!!」

う~んやっぱり失敗作だったなぁ。でももう少し調整すれば拷問用には使えるね、後で作ってみよう。あっやっぱり死んだね。なんでもするって言ったからこれをしたんだよ?自分を言った言葉には責任を持たなくちゃ。さてと次の試験体はっと。

「こっくんを侮辱し恥辱してきた屑共、お前らは此処で死ね」

社会的には殺さないよ、ただ、物理的に殺すだけだから、許してこっくん?こっくんの悪口を言うやつなんかこの世から消えればいいんだ、こっくんは私が認めた人間だけを見て生きて行けばいいんだよ?本当は今すぐにでも此処に連れ戻してずっと抱きしめて居たいんだよ?でもそれだとこっくんに嫌われちゃうんからしないんだ。だから


「―――――――――こっくんを馬鹿にしたり、危害を加えるような奴は、この束さんが殺してあげるからね?」
「へっくしゅ!!!ってだぁぁあああああああああ!!!!???あ、杏仁豆腐が麻婆豆腐に落ちたぁあああああ!?あぁぁぁぁぁんまりだぁあああああ!!!!」  

 

爆弾発言は控えめに&天災と馬鹿は混ぜるな危険

「お前を私の嫁にする!!決定事項だ、異論は認めん!!」
「よ、嫁?婿じゃなくて?」
「日本では気に入った相手を『嫁にする』と言うのが一般的な習わしだと聞いた。故に、お前を私の嫁にする」

………実際に目にするとすげぇインパクトだな。目の前ではいっちーに対して嫁宣言ラウラウと、宣言されてオロオロしているいっちーが居る。そりゃまあオロオロするわな、昼休みになっていきなりラウラウ登場してかと思ったら、いっちーに謝罪したかと思ったら今度はキスして嫁にする!だもんね。教室の空気も死んで当たり前だわな。因みにその後、セッシーが暴走しかけたけどなんとか沈めました。え?鎮めましたじゃないのかって?合ってるのよこちらで。

「というかラウラウも落ち着け、それは男が女に言う限定であってだな…っというかそれの使い所は二次元に対して限定だ」

あっでもここって二次元か、いや俺的には三次元だからいいのかな?ああもうわかんなくなって来たわ。

「そ、それと衛宮 心………ではなくお兄様!私を、貴方の妹にして下さい!!」
「………なんでさぁ!?」

やべぇ俺にまで飛び火した!!?っというかお兄様かよ!?ええい誰だこんな知識をある意味純粋なラウラウに仕込んだのは!?ああ副隊長さんだよ確か!!マジふざけんなよ!!リアルで痛々しいオタ知識が通用すっと思っちょるんか!常識つうもんを考えんかい!!

「日本では尊敬する男性にはお兄様と呼ぶのが習わしだと聞きました!だから貴方の妹になる!!」
「訳が解からん!そんな習わしなんて全く無いわ!」
「ですが異様にしっくり来るのでそう呼ばせて貰います!!」
「お前はイリヤかクロエかぁあああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

ああ………頭痛が痛いお話で御座います事………。なんでこうも平穏を諦めてなきゃもっと凹むような事が起きるんだよ………。っというか幸運E-って一応一般人よりは上だよな?それなのに一般以上に運が悪い俺ってなんなの?スキルで不運A+とかでもあるの?

「あ~………疲れた………」
「えっとお疲れ様衛宮君」

放課後、部屋に戻ってベットで項垂れてるとシャーリーが慰めてくれた。ありがと………それとシャーリーが俺の同室になりました。どうもシャーリーの転入は原作以上に突拍子も無い物だったらしく、どの部屋に入れるかまだ決まっていなかったらしい。そこで今までは教員と同じ部屋に居て貰ったが、一人部屋にいる俺と同じ部屋にシャーリーを入れようという事になった。いっちーではないのかよ!?って思って織斑先生に何故俺と同室なんですか?と聞いたら

『お前は織斑とは違って授業態度も良し成績優秀、問題行為も起こさん優等生だ。織斑だとまた問題を起こしそうだからな………頼む、頼まれてくれ』

といわれました。うん、解った俺やるよ織斑先生!

って事があって同室になりましたはい。それとボディソープの替えは既にしてあるぜ!!これで俺がラッキースケベをする心配は無い!!いやまあ正体はバラしますけどね。

「っつうかマジで誰だよラウラウにくだらん事吹き込んだ奴は………。マジで一回締めるか」
「あ、あははははは………」

笑うだけな奴は楽だな本当に!!他人事みたいに笑いやがって!!

「あっそれと聞いて欲しい事があるんだけど?」
「なんぞや?」
「僕、実は女なんだ。それと僕、衛宮君に恋してる」

ふぅ~ん………へやぁ!?

あ、ありのままに起こった事を………ってしつこいか、っつうか自分から暴露したぞこいつ!そして俺に恋してる!?マジふざけんな!!訳解らんぞ、割とマジで!!

「はぁっ!?如何いう事だ!?お前が女で、デュノア社の命令で此処に来たのは知ってるが自分から暴露するか普通!?デュノア社が今危ないからいっちーや俺のISのデータを取りに来たんじゃねぇのか!?」
「表向きはね、僕は初めから学園に来る事自体が目的だったんだよ」

つまり、どういう事だってっばよ?

「良く考えてみなよ衛宮君、篠ノ之博士が愛してやまない君にハニートラップを仕掛けようとしている男装した女を野放しにしておくと思う?違うでしょ?下手したら僕はもう殺されてても可笑しくないのさ」
「………確かにな」
「織斑君にハニートラップをしたとしても、恐らく同じ結果が待ってると思う。それに、彼には興味は無いしね」

こいつ、妙に達観してやがるな。っつかこのシャーリー何者だ?

「デュノア社から離れられて僕は清々してるんだ、大人しげで弱弱しい女を演じてるのも疲れたからね」
「お前………一体何なんだ?」
「僕はね………」

ゴクリッ

「紅騎士&蒼騎士ファンクラブ『紅蒼騎士の為なら死ねる会』の会員だよ!!」
「なんだぁぁぁぁそれっっ!!!??」
「世界中で活躍する紅騎士、蒼騎士に魅入られた人々が集う組織、それが『紅蒼騎士の為なら死ねる会』!!僕も君のそんな姿に恋しちゃったんだ!」

………つまり、あれか。世界中には俺のファンになった大馬鹿共がいるのか………。んでこのシャーリーもこの一人と………。

「だ、だがそれでも束さんが何もして無いはずが無い。あの人は事は良く知ってる、自分に興味がない人間には容赦が無い人だぞ」
「うん、でもね。君を魂の底から愛するという人間は認めてくれているんだよ?現に、このファンクラブはクラブというには大き過ぎるほどに肥大化している」

………類は友を呼ぶって、本当なんだな………。

「既に世界中には23という支部が作られているんだよ。そこでは日々衛宮君のために研究を続けているメンバーが多数いるんだ」
「俺ももう何も言えねぇよ……。馬鹿が徒党を組んで天災に認められた結果がこれか………」
「説明を続けるよ。もうクラブではなく組織として巨大化した組織は、憧れの騎士の主である篠ノ之 束の傘下に入る事を認められて更に勢力を拡大している。これは裏の世界では有名な話だよ、ある組織の勢力が急速に拡大中って聞いたこと無い?」
「あ、あああるな。確か学園に来る前だったかな、束さんに尋ねたら珍しく笑顔だけではぐらかされた事を覚えてる、あん時はもしかして亡国機業の事かと焦ったけどまさか………」
「それ、君の部下の組織でもあるんだよ?」

………頭がいてぇええってレベル超えてきたぁぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!もう手に負えねぇよ、なんでファンクラブが母体になって世界中に23も支部作るような馬鹿でけぇ組織になっとんじゃああ!!!!それも裏の世界で跋扈するような組織になっとんだよ!もう収拾つかねぇ!意味も解らない!!

「んじゃあ何か、お前は束さんと繋がってるとでも言いたいのか?」
「うんそうだよ、これでも僕は新組織、『天国の杯(レグナム・フィール)』のフランス支部のナンバー2なんだから!!」
「お前がかよ!!?っていうかなんだその組織名!?ラテン語混ざってんぞ!!」
「ってはっ!?僕、憧れの衛宮君と密閉された部屋で話してるぅぅぅううう!!!??感動だああ!!!ああああ、この部屋もきっと衛宮君が吐き出した空気で充満しているんだ!!最高!もう僕死んでも良い!!」
「って今更かよ!!?学園に来て数日は俺と普通に話してたよな!!?」
「――――――っ!!!!!!!!!僕、今衛宮君に………心配されちゃった………?ええええええええええ衛宮君にっ!!!ぁぁぁぁぁ………もしかして、ここはもう天国なのかもしれない……」
「もう駄目だこいつ!!!脳みそが逝かれちまってるよもう!!!」


「(キラキラキラキラキラキラキラキラ!!)」
「おい………なんで壁に隠れるんだよ、そして何故俺を凝視する………」
「(サッ!!)はぁぁぁ!!僕、今衛宮君に声を掛けられた……今日まで生きて来て良かったぁぁぁああ!!!」

世の中には馬鹿しかいねぇのかよ!!こんな馬鹿がまだ何十、何千人もいると思うと頭痛くなってくるぜ………。

「兎に角、お前は既にデュノア社とも関係性は無いんだな!?」
「は、はいありません!!フランス支部は政府ともパイプがあってぼ、僕とお母さんはもうまったく別の戸籍に変わってるんです!!(はっ!!?ぼぼぼぼぼぼぼく、今、衛宮君と会話しちゃった!!!!?)はぁぁ~~ん………」

お、俺の中のシャルロットのイメージがぁぁあ………ガラガラと崩れていく………。もうこれ原作の形とか完全に消え失せるな………。 

 

作「本物の恋はy「言わせるかこの駄作者がぁぁあ!!」

ハァ………。

「ど、どうしたのだ心?溜息など付いて………?」
「いやね、世の中には馬鹿しかいないって思い知らされてね……落胆してるんだよ」
「な、何があってそうなったんだ?だ、大丈夫、私も大馬鹿者だがお前が大好きだぞ?」

やっぱり俺にとって箒嬢は女神ですわぁ………。いや本当に女神です、すさんだ心を癒してくれる美しき女神、あああああビバ箒嬢!!

「お兄様!!嫁が何処にいるか知らないか!?」
「嫁………ああいっちーの事ね、いっちーなら部屋にいるんじゃない?」
「そうか有難う!!」

最近になって大馬鹿な妹まで出来ちゃったし、もう俺の人生って何処に向かって全速前進してるんだろうか。もうこうなったら!!

「なあ箒嬢」
「何だ?」
「明日、デートしないか?」

―――箒嬢とデートして忘れよう。なんか最低な気がするけど


ったく千冬さんめ………ニヤニヤしながら許可出すなっての……それにな「ヤり過ぎ無い程度にな、避妊はしろよ?」なんでそうなるんだよ!!俺と箒嬢の関係をあかん方向に持っていこうとするなよ!あっでも結婚を前提にしてるんだったらそうなるかな?

「さ、さあ行こうか心?」
「ああそうだな」

さて今日の箒嬢の私服も可愛いです事♪おおう!ちょっと強引だけど、自然に腕に抱きついてきたぁ!!な、南国の果実がぁああ!!

「そ、それで何処に行こうか………?こ、心の家とかか?」
「いきなりゴール!?じゃ、じゃあ映画館にでも行こうか?」
「う、うん………」

なんか、無事に終わる気がしない………。


さてと無事に映画館へとやって来たのは良いんだがどんな映画があるのだ?こういう日にカギって子供向けの映画ばっかだったら別のところに移動しなければいけない。

「はい、本日の上映は『ロマンス、戦場での殺し愛』『生徒と教師、禁忌の愛』『愛罠』『愛憎』などで御座います!」

………どれも恋愛物?なのか。どうしてこういう日に限ってそういう物ばかりなんだろうか。色々と可笑しいだろ、アクション映画系もあるが如何にもどろどろとした恋愛模様を描く作品っぽいし、なんか、誰かの策略を感じるな。

「え、ええっと。他の映画は………」
「ありません(キッパリ)」
「ど、如何しよう」
「そ、そうだな………」
「私のお勧めは愛憎で御座います」

よりによってそれかよ!!!??ええいしょうがない!!

「それを二人!!」
「はい、有難う御座います!!」


「はわわわわわっっっ………!!」
「…………」

うん、本当に凄い映画でしたよ………。主人公である高校生の男の娘がヤンデレな彼女との格闘の愛し合い、そして濃厚なんんんん!!なシーンで色々と凄かった………。何処の世界の男の娘って大変なんだな………うん。そしてね?

「チラチラチラチラッ」

すっっっげぇぇぇえ期待してるような目で俺を見てるんだ箒嬢!!何これ!?襲ってくれといってるのか!?そういってるのか箒嬢!!

「つ、次は何処行くかな」
「わ、私は心の家に………」

はいこれも決定ですわ!!


「だいまー」
「お、お邪魔します」

ああいいよ畏まらなくて、別に誰でもいないし。

「今お茶入れるから適当に座ってて」
「わ、解った」

はぁ、遂に此処まできてしまったが如何しようか………。束さんは別にやっちゃいなよYOU!!的な子といってから参考にならないし、ああもう一体如何したら………。

「ほいお茶」
「ど、どうも……け、結構なお手前で……」
「そ、そりゃどうも………」
「「………」」

………か、会話が続かない!!

「こ、心の部屋に来るのも本当に久しぶりだな!」
「そ、そうだね!!」
「「………」」
「テ、テレビでもつけようか!!」
「そ、そうだな」

ポチッとな!!

『本物の恋が出来そうk』
「「アウトッォオオオオオ!!!!!!!!!」」

ハァハァあぶねえおい!!なんであの人いるんだよ!!?っていうか可笑しいだろ、テレビつけたら唐突にこれって!!まだ画面が付いてなかったらよかったものの、ついてたらどうなってた事か!!って

「「あっ、手……」」

手と手が重なって………。ってわぁああああああ!!!??お、俺は何をやってるんだ!?俺は、健全で普通の交際をすると誓ったのだ!!何処で誓ったかって!?心の中!!

「さてと夕飯の準備でもしてくるかな?」
「わ、私を手伝うぅうう!?!?」

ほ、箒嬢!?そうか正座で足が痺れてバランスを崩してしまったのか!?くっ危ない!!

ドサッ、ドタタタタタッ!!!

「だ、大丈夫か箒嬢!?」
「だ、大丈夫だ……心が守ってくれたから………」
「えっ?あっ………」


箒嬢バランス崩す→俺が守ろうと手を引く→箒嬢がこちらに倒れこむ→俺を押し倒す形で助かる→箒嬢が俺を押し倒しているように見える

「こ、心」
「な、なに箒じょむぐっ!!?」
「ちゅる、うむ。んれろ………」

!!?!?!??!?!?!こ、これってどういう状況なの!?俺、箒嬢にキスされてるの!?し、しかも舌を絡ませたキスってことにゃデ、デデデディープキス!?!?!?!?

「プハァ………」
「ハァハァ………ほ、箒嬢!?」
「ご、ごめんなさい………で、でも私もう我慢が出来ないんだ!!」

って服を脱ぐなぁあああ!!ああ、下着が見え、って変態だあああああ!!って俺だあああ!!!

「ストップストップ!!」
「もう、止められないんだ!!んくっ!」
「むうう!!!」

ふ、再び口で口を塞がれた!!

「ん……ちゅ……」
「にゅぷはぁ、んちゅ」

も、もう何がなんだか解らなくなってきた………。もう、このままこの熱情と激情に身を任せてしまいたい………。

「プハァ………私は、心と触れ合えるだけで感じてしまうんだ………。撫でて貰えるだけで、もう興奮して、声を掛けてもらえるだけで歓喜するんだ……。お前とこうしてキス出来て、私はもう………狂ってしまっているんだ……」
「ほ、箒嬢………」
「もう、私の愛の波を止める事は出来ないんだ。もう何年も前から心とこうなりたかった。だから、私を抱いてくれ………」
「………でも………」
「大丈夫だ、鈴ものほほんさんも理解してくれている………」

の、ほほんさんも、かよっ!?

「私を抱いて、私に全て、脱ぎ捨ててくれ………」
「もう、止められないよッ!!」


ああ、天国の親父、母さん。衛宮 心、大人になってしまうようです
 

 

ストレスの溜め込みにはご注意を

 
前書き
今回、心は諸事情で暴走しておりますのでご注意下さい。
理由は後に判明致しますので 

 
「………簪、サーベルが完成した」
「ありがとう、次はこっちを手伝って貰っても良い?」
「了解した」

どうも皆さんオハロー御座います、貴方の後ろに這い寄る殺し屋キラー衛宮です。本日は此処、整備室にて簪さんの武装を作っております。えっ箒嬢とはどうなったかって?………お察し下さい。もういろいろあったんですよ、もうこの話は無しね!!勘弁してくれよ!!

「ん?」
「如何かしたの?」
「………すまんな簪、今日は此処までで良いか?」
「別に良いけど、どうして?」
「お客さんだ」

久々にきやがったな、丁度良い今俺は色々と溜まっちまって今にも爆発しちまいそうだったんだ。その捌け口になって貰うぜ………。数はざっと50ってとこか、すくねぇが少しマシな奴もいるみたいだな………おもしねぇ、最近知ったが、俺の身体は最早英霊とほぼ変わりないステータスだ。それを何時も抑えているのが二柱の英雄、束さんには感謝しねぇとな。

さてと、この辺で良いか。このあたりは木で視界が悪いがその分生徒どもにはバレ難いだろう、さぁて久しぶりに行くか。

「一人になってくれるとは何とも愚かだな衛宮 心」
「んだてめぇら」
「我々と共に来て貰おう。お前と篠ノ之 束は親密な関係にあるという情報は得ている」

ちっ、以前に一緒にアイス食ったのがばれたか。いや、俺が束さんの頬についてたアイスを舐めてたのが原因か。強要されたんだよ馬鹿野郎!!

「俺を使って束さんを呼び出す気か」
「そうだ、抵抗は無駄だ。幾ら紅騎士、蒼騎士と呼ばれる貴様でもこれだけの数では勝てまい」

俺が、勝てない………か、ククククク、クカカカカカカカ!!!面白い!!やってみやがれ!!俺の裏の顔、残酷な殺戮ショーの開幕だ!!

「捕らえろ」

木の上、草の陰、様々な場に潜んでいた亡国の特殊作戦実行部隊の面々が銃から鎖状の弾丸を発射した。それは真っ直ぐと心の身体に巻き付き、身体に食い込み動きを完全に封じる。

「意外に大人しいじゃないか、良い子だ」
「クキィ、クカカカカカ!!!」

狂気、突如不気味な声で笑い始めた心に部隊の人間も多少なりとも驚いた。だが恐怖で動転デモしたかと切り捨てたが笑い始めた瞬間、心の姿が異形なものへと変化していた。血糊で赤く黒ずんだ身体、両手には鎖がされながら巨大な鎌を持っている。まるでこの世の生き物の魂を狩りに来た死神を思わせる姿をしている。

「ウィィイハッハッハハハ!!!祭りだ祭りだァ!!どいつもこいつも血祭りに上げてやらァ!!」
「な、なんだこいつ。いきなり人格が変わったように!!」
「ウィヤァハァー!祭りだァ!!!!」

身体全体に力を込めると自身を拘束していた鎖全てを破壊し、狂戦士の如き狂気乱舞の雄叫びを上げながら敵へと向かっていく。

「それそれそれそれそれそれそれそれェ!!!」
「ぐはあああ!!!」
「ぎゃあああ!!!」

特殊作戦実行部隊の面々は次々と心が振るう巨大な鎌、デスシックルで命を刈り取られていく。相手の命を刈り取り生き血を鎌に吸わせる度に狂気に染まりきった笑みを浮かべる。正に死神、殺し屋、それらの言葉が似合う者へと変わっていた。

「なんだァ?歯応えの無い奴しか居ねぇのかァ?ヒィイイイイイ!!もっと、もっとだァ!!もっと、殺させろォォォォ!!!」
「調子に乗るなよ!!」

一人が携帯式のバズーカを展開しそれを心に照準にあわせた。

「馬鹿!殺しては使い物に!!」
「死ねぇ!!」

制止の声も聞かずに引き金を引いたが

「地獄の断罪ヘルズスラッシュ!!」

到底人間が振り回せる代物ではない筈の大鎌を片手で振り回し、繰り出した斬撃はそのまま空気を切り裂きながら進むカマイタチとなり撃たれたバズーカの弾を両断し、そのまま自分を攻撃した者の命を奪った。

「そ、そんな………」
「相手なんて誰でも良いんだァ!戦えれば俺は良いんだァ!!俺の主クライアントは最高だぜェ!!俺の望むのは抹殺ッ!命が自分から抹殺されに来るんだからなァ!!」

地獄の死神はそう狂喜しながらまた一人を一刀両断し命を刈り取った。既に特殊作戦実行部隊は半壊、46人もの隊員の命が刈り取られていた。

「き、キサマァ!!!よくも、よくも私の部下達を!!!」
「ヒィィィィヒャッハッハハハハァ!!!ならてめぇが俺が殺した奴の仇を討つってかァ!?やめときなァ、仇撃ちなんて出来っこねえだからなァァァ!!!地獄の送り火ヘルズキャンドル!!」

地面を勢い良く叩くと隊長と思われる人物の背後に居た3人の部下が一瞬で爆発炎上し、声を上げるまもなく全身が燃え上がり絶命した。

「ウィハハハハハ!!!これでまた仇撃ちする部下の数が増えちまったなァ!!ウィアッハァァアア!!!」
「貴様ァァアアアアアアアア!!!」

隊長は隠し持っていたと思われるISを展開し剣を構えた。どうやら剣が主力武器のようだ。

「もう容赦せん!腕の一本や足の一本は覚悟してもらうぞ!!」
「そりゃ良いィ!!掛かってきなァ!!」

凄まじい加速で心に接近し斬りかかって来るがそれをいとも容易く受け止める心。だがまだ加速が続いているからか徐々に押し込まれていく。

「カカカカカァ!良いね良いね最高だなァ!!中々良い殺気出すじゃねぇかァ!!」
「ぐはぁ!!」

鎌を一閃、隊長は吹き飛ばされ態勢を立て直すがISにバグが発生している事に気づく。飛行不能、拡張領域使用不能、今の一撃でシステムが破壊され深刻なバグが引きこされたのだ。彼女に残されたすべは現状出している剣で戦うことだけだった。

「な、何だこれは!!たった一度の攻撃でバグが起きるだと!?そんなIS聞いたことが無いぞ!!」
「馬鹿かテメェェ?誰がISを使ってるなんて言ったァ!?」
「で、でなければここまでの戦闘が出来るわけは無い!!」

間違ってはいない、だがあくまでそれは彼女の常識の範疇ではだ。

「中々楽しませて貰ったぜェ、良い憂さ晴らしになったぜ礼を言っておくゥ!!これで上がりだ、地獄の眼ヘルズアイ!!」

心は大鎌で大きな瞳を描き、其処へ自らの目にエネルギーを集中させて発射したビームを打ち込んだ。鎌で描かれた瞳は妖しく輝き始め極太のビームとなって隊長を襲った。彼女は一瞬で消し飛び、其処には何も残っていなかった。こうして衛宮 心を狙ってきた特殊作戦実行部隊は壊滅したのであった。

「これで上がりかァ。まあ良い憂さ晴らしになったぜェ、俺を人質にするなんて100年早ぇんだよォ!!」


………ふうすっきりした。あ~色んなモヤモヤが消えた!にしても人を殺すのにも躊躇しないとか俺ももう狂ってるな、慣れって恐いね。とある偉い人は言いました!

『人はすぐに慣れるんだ。戦い、殺し合いにも』

さて帰るか、んっ!!誰か来る!!木の上の枝に退避!&マスク展開!

「こ、これはッ!!………死んでいる………こいつらは確かアメリカの特殊作戦部隊か」

やっべ千冬さんだ。あと少し遅かったら俺の殺戮ショーを目撃してたって事になってたのか、危なかったなぁ。にしてもう~ん、初めての全開、中々だったな。自分の身体能力にびっくりしたぜ、これはセーブしてないとやばいな。

「そこに居るのは誰だッ!!」

あっさりバレた………これでも気配遮断Cぐらいの隠密スキルは持ってるのに………ショックだな。千冬さんはあれか、直感Bでも持ってるのかよ。いや持ってるなきっと、それと心眼もありそうだ。

「カカカカカカッ驚いたなァ、俺の気配を感じる事が出来る女がいるたァ」
「この惨状は貴様の仕業か?」
「ああそうだがァ?」
「何故このような事をした………?」

一応声域を変えてまったく別の声を出してるけどバレないんだな自信つくわ。う~ん、適当に捏造するか。

「そいつらは心を攫おうとしてたんだぜェ?それを実行する前に壊滅させてやったんだ感謝して欲しいねェ?」
「なっ!?衛宮をだと!?」
「ああァ。どうやら衛宮を使って篠ノ之 束を呼び出すつもりだったらしいぜェ、俺としては心を攫われるなんて気分が悪ィ。だから殺戮してやったのさァ」

あっ、おもろいこと考えた♪

「………礼を、言うべきなのだろうか………」
「言う必要はねぇぞォ。俺は殺したいから殺しただけだァ、じゃあなァオリジナルゥ。てめぇの殺戮依頼がこねぇ事を祈るぜェ」
「オリジナル!?待て如何いう事だ!!」

すたこらさっさ~っと♪全速で逃げる~!!!!あっでも最後はふざけすぎたな、これバレたらすげぇ怒られるぞ………。まっそん時はそん時だ!! 
 

 
後書き
心がこうなった理由

箒嬢と前回んんんん!!する予定だった、だけど心が箒嬢にキスしようとした時に箒嬢が気絶した!!

「色々と覚悟してたのにそれはねえだろおおおおおお!!!」

それで色んなものが溜まってしまい、爆発した 

 

この思い、正しく愛だ!!愛は全てを超越する!!

「うむ!こっくんそっちの機材とって貰っても良い~?」
「へいへ~い」

もう直ぐ臨海学校で楽しい海でのスイミングをしようと思っていたのに、そんなお楽しみの臨海学校の前日に俺は束さんに呼び出された。束さんからの召集に俺が応えないという選択種は無い。当然のように束さんの下へと急行した。要件は開発が最終段階の新型ISの調整の手伝いだった。新型、原作の流れ的に考えればこいつは『紅椿』。

「う~んとね、こっちはこうしてこうすれば………出力と安定性40%上昇!流石束さん!!」
「思いつきの構想で、ぶっ飛んだ理論を確立しないでくださいよ」

紅椿、それは、俺が白式に使った展開装甲をふんだんに使用したISであり、専用機持ち達の高度な戦いを目の当たりにし、自分を置いてどんどん前に進んでいくいっち―に対する不安や、共に並んで立つことができない自分への不甲斐なさ、彼に対する恋心、そういった箒嬢の想いによて生じる専用機がほしいという願いによって生まれるはずであったもの。だが妙だ、この世界での箒嬢はほとんど俺と共にいた。

「束さん、このISは一体なんなんです」
「何って?如何言う事かな?」
「明らかに装備の桁が違う、ゴーレムではない何か。誰にこれを渡すんです」

俺の考えが正しければ、恐らく………

「箒ちゃんへの、プレゼントだよっ♪」
「!!!」

矢張り………箒嬢の専用IS!!

「何故です、彼女が望んだからですか」
「ううん、違うよ。こっくんも知ってるでしょ?箒ちゃんの立場は危うい、私の妹ってだけで」

それは勿論だ、貴方の妹という事だけで幾らでも利用価値がある。彼女を人質にとって貴方を手にしようと考える輩もいるだろう。

「俺が傍に居るって事を忘れてませんか?俺にとって彼女は大切な人になっている。そんな彼女を守るのも俺の役目」
「うん解ってる、でもね。お姉ちゃんとして何も出来ないっていうのは辛いの………」

そう涙を零しながら呟く彼女の顔は、普段彼女からは想像できないほどの悲しみで覆われていた。束、さん?泣いてるんですか、貴方は………?

「本当だったらもっと、明るくて楽しくて良い未来が待ってたはずなのに、私が箒ちゃんの未来を壊しちゃった………。何時も、何時も何時も、恐かった……。私のせいで箒ちゃんが傷つくのが………だから私は箒ちゃんを傷つける奴を消してきた。どんな手を使ってでも!!あるときは社会的に、ある時は財産を全て奪って、ある時はこれ以上無い絶望を与えて……」

束さんがとった方法は正しい方法ではないはずなのに...でもなぜか………でも何故か正しいようにも感じられてしまっている。束さんに感化されすぎたか?いや、俺にとっての箒嬢はもう掛け替えの無い女性。そんな彼女に危害を加える奴は消えた方がいいと、何処かで思っているのかもな。

『ヘッヘヘッヘェ。やっぱりお前は俺の(クライアント)に相応しいなァ』

出てくるなよキラー。ややこしくなる。ったく前回の殺戮ショーが終わってから頻繁に出てくるようになったなぁキラー。

「でも、こっくんが箒ちゃんの傍に居てくれるようになってから安心出来るようになったの。こっくんは束さんも大好き、ううん愛してるから」
「へあぁ?!」
「でも、でもね」

でも?

「幾ら信頼に値するこっくんが傍に居てくれても、私は不安なの………。守られていてもそれは私がこっくんに箒ちゃんを守る役目を押し付けているだけ、だから………私は箒ちゃんがぁ、ひっぐ、あんじんしじて、いられるようなものをぉ、作っで……」
「束さん………」
「こっ……くん………」
「どうせ止めても聞かないんでしょ?すいません、長い時間一緒に居たのに気づけずに。ならさっさと完成させましょう、この箒嬢専用機!!」
「こっくん………!うん、束さんの最高傑作にするんだ!!」

そういって束さんはいつもの笑顔を浮かべてくれた。やっぱり束さんにはその笑顔が一番似合ってますよ。よぉ~しやるぞ~!!!

「ねえねえこっくん!これがこのISの目玉なんだよ!!!どう!?どう!?」
「ぼふぉ?!なんすかこれ!?なんつーもんを搭載してやがるんですかぁ!?だが其処が良い!もっとやばい物にしてやりましょうよ!!」
「ふぉおおおおおおおおおお!!!!まさかそんな物が!!んだったら束さんだって負けないもんね!これで如何だああ!!」
「ナンデストー!!!」

翌日………。

「ハァハァハァハァ………やり切りましたね」
「うん………もう最高の気分」

出来たぜ、箒嬢専用IS。こいつはすげぇぜ!!手伝った俺もドン引きするレベルの物だぜ!!

「では箒嬢に!!」
「うん!おっと、下へまいりまーす♪」
「へっ下?んぎゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

か、身体が浮いたぁああああああ!!?無重力!?ち、違う!高速で落下してるんだって冷静に解析している場合じゃなかったぁああああああああ!!!!!!!!

「さあこっくん!危ないから私の胸の中へ!!そしてキャッキャムフフフな事を!!!」
「んなこといってる場合かああああああああ!!!!!」  

 

変態は天災は紙一重

「わ~はっはっは!引っ掛かったね、いっくん!」
「た、束さん………お久しぶりです………」
「どう?びっくりした?びっくりした!?」
「心臓止まるかと思いましたよ!!」
「大丈夫、もし止まってもバッチリ蘇生して上げるから!ってあれ?お~いこっく~ん、出ておいで~♪」

………………し、死ぬかと思った……いきなり急降下してロケット型ラボを地面に突き刺さらせるとか頭可笑しいだろ……。

「ガハッ……ったく機材の下敷きになってたんですよ………」
「だから束さんの胸の中に居れば安全って言ったのに~」
「いや言ってねぇだろ!?あのまま飛び込んでたら俺アンタに捕食されてたぞ!?」
「いや~そんな事しないよ~たぶん」
「たぶんって言ったよ!たぶんってしかも結構でかい声で言いやがったよこの天災!!」

いたたたた………高度がある程度低くて助かったなぁ………もう少し高かったらたぶん俺何かしらの負傷してたぞ。まあこの人の滅茶苦茶な行動にも慣れてきてこんな風に直ぐに文句言えるようになってるんだけどな。慣れていいのやら悲しいやら………にしてももう臨海学校の時にまで来ちまったか。あっ俺の荷物ってどうなってんの?一応千冬さんには参加しますって連絡入れてあるけど。

「あっこっくんの荷物だったら此処にあるよ。着替えとかは前もってくーちゃんに纏めてもらってちーちゃんに渡してあるよ、水着はこれね」
「あっそれはどうも……へんな事、してませんよね?」
「し、してないよ!!したら凄い怒るじゃんこっくん!!それじゃあ私は箒ちゃんを探すから!いってきま~す!!」

いってらっしゃ~いっとそっと思っておこう、本心は早く行けよだけどさ。にしても海か、如何過ごそうか。

「い、一夏さん。今の方は一体?」
「束さん、箒の姉さんだ」
「と、という事はあの方が衛宮さんが助手をなさっているISの開発者で現在行方不明の!?」
「そ、その篠ノ之 束さん。俺の主マスターだな、さて着替えに行きますかいっちー?」
「おう!っというか心は何をしてたんだ?」
「束さんの手伝い」

これに尽きるから困る。いやガチでこれだけだからね?途中から色々と暴走して開発にも手を染めてただけどね。んで更衣室に到着、女子の更衣室の前を通り過ぎたときに色々な会話が聞こえてきたけど煩悩退散でアーキコエナーイっと良し。

「心って上着みたいな水着着るよな?」
「ん、まあな。落ち着くんだよ、こういうジャケットタイプの水着を上から羽織ると」
「泳ぐときは邪魔にならないのか?っというか脱げない?」
「メイドイン束さんだ」
「ああ、大丈夫だなそれなら」

なんという説得力、流石束さん!!転生前、俺アトピーだったから肌を晒す事に抵抗あるんだよなぁ、プールもウエットスーツの上だけみたいなの着てたし。さて泳ぎに行くか。

「あっ!あれ織斑君と、衛宮君じゃない!?」
「えっ嘘!?私の水着、変じゃないよね!?」
「胸で水着が若干パツパツな事以外はねぐぬぬぬ」
「織斑君の身体カッコイイ~、鍛えているんだね」
「衛宮君もすごいわよ!!引き締まった身体に割れた腹筋がチラ見してる!!」
「ああ、なんという大人の色気!!」

なんだか騒がしいな。そんな俺の水着が可笑しいか、まあいい。俺は適当に過ごさせて貰うぜ

「こぉ~ころ!」
「おっとっと!?ってリーリーあぶねぇな」
「えへへへ、お~高い高い~」

これはあれだな、原作でいっちーがリーリーにやられてた監視塔ごっこか。いっちーより俺のほうが背高いのに良く飛び乗れたな。感心するよ。っというかリーリーの水着姿可愛い過ぎ!!活発的なリーリーにピッタリ過ぎるほどに似合っているオレンジっぽい黄色の水着!!最高だよ!最高に可愛いよリーリー!

「さしずめ私が監視員で心が監視塔ね!!」
「俺無機物かよ!?」
「いいじゃない、例え無機物でも私が心を愛し尽くしてあげるから!」
「そういう問題じゃ………ええいもうこのこの~」

このままリーリーを振り回してやる!

「それ~!」
「きゃっ~♪あははははや~め~て~よ~♪」
「そう言いながら楽しそうじゃないの!」
「だって心と一緒なんだも~ん♪」

そう言ってくれると嬉しいな~。おっそうだ、海の家と言えば粉っぽいカレーに不味いラーメンとどっかの花の名前のアニメの整備班班長が言ってたな!!おっしそれやるか後で!!

「お兄様~!」
「心~!ビーチバレーやろうぜ~!」
「おおやるやる!!」

おおっ!俺がリーリーと遊んでいる間にラウラウが出てきていた!!そして恥ずかしがっていないだと!?そしてぐはぁっ!!く、黒いフリフリがついているあの水着を着たラウラウの破壊力は未知数だ!!だが俺は倒れている訳にはいかないんだ!この光景を目に焼き付けておく必要があるんだ!!

「必殺!!竜巻落としスパーイクッ!!」
「お兄ちゃん行きますよ!!それ!!」
「負けるかよ!!おりゃ!!」
「心いくわよ!!一夏の顔目掛けてボールをッ!!」
「シュウウウウウウウウウウ!!!!!!!!」
「ガフッ!!?」
「「超!エキサイティング!!!」」
「おりむーの顔に当たった!!」

そしてのほほんさん………君水着は本当にどうなってんの!?何で耳が動くの!?何で尻尾も動くの!?っというかそれきぐるみじゃねぇの!?だが可愛いから許す!!

「すいか割りやる人挙手!!」
「「「「「はいはいはいはい!!!!」」」」」

宜しい、では幸福で楽しいすいか割りを始めましょう!

あれ?そういえばシャーリーは?

「はぁぁ………え、衛宮君の水着姿………セクシーでかっこよすぎる………と、遠くから見るのが精一杯だよぉ………」

※シャルロットが衛宮を見つめいる地点、衛宮から約500メートルほど離れています

「そ、そうだこの写真を世界各国の同士に送らないと……僕一人じゃ駄目だよね………ブハァァアア!!」

その後、鼻血による出血多量で貧血を起こして倒れているシャルロットが旅館に運ばれた。シャルロットの手によって全世界の天国の杯レグナム・フィールに送信された結果



「うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
「す、素晴らしすぎるぅううううううううううううううう!!!シャルロット副支部長マジグッジョブ!!!」
「「「「「この思い、正しく愛だ!!!!!!!!!!!!!」」」」」
「私の名前はエミリア・ミーティアル=ヴァン。貴方の存在に心奪われた女なのです!!!」
「抱きしめたいなぁ!!衛宮様!!」
「乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられない!結婚して下さい!」
「おいそいつを査問委員会に連行しろぉ!!」

………この映像は、組織の手によって永久保存されたとかされなかったとか 

 

食事は静かにしましょう

現在午後7時頃、夕食の時間帯へとなった。昼間は砂浜で存分に遊んだなぁ、若干疲れたぜ。まあ戦場での戦闘に比べたら疲労してないから全然問題無いんだけどね。さてと浴衣に着替えてっと。あっそういえば俺はいっちーと千冬さんと同じ部屋になりました。女子生徒が勝手に就寝時間とか無視して入って来ないようにする為の処置らしいですよ。でも千冬さんと一緒か………押入れで寝るってありかな。まあ良いや、浴衣に着替えてっと。

「うぃーす」
「おーい、心の場所はこっちらしいぜ~」

おっいっちーサンクス。俺は此処かよっこらしょっと。んで隣は箒嬢とセッシーさんか。んでセッシーの隣がいっちーでその隣がシャーリーか。良し、シャーリーが遠いぞ!!これはかなり嬉しいぞ!あんな変態の傍に居てたまるか!!あ、簪嬢だ、そっか俺が色々と手伝ってたからもう打鉄弐式はほぼ完成してるから来たのか。うんうん思い出作りは大切ですぞぉ。さてそれでは頂きます。

「いただきます………ほう、中々美味いな」
「心の御眼鏡に叶っているのだから本当に美味いんだな、あっ本当に美味しい」
「はははっ俺はそこまでグルメじゃないよ箒嬢?」
「そう言って以前姉さんに貰ったチケットで行った三ツ星レストランの料理をボロクソ言ってコックの心を折って、尚且つ本当の料理を食べさせた人間が言っても説得力が無いな」

むぅ。箒嬢もそれなりに言うようになったな。まあそれは事実だけどさ。あっそうだ

「箒嬢」
「ん?」
「あい、あ~ん」
「んあ!?むぐぅ!?」

うむ大成功!不意打ち大成功なり!!

「こっここここここころぉ!?なななんあななななんてこことをぉ!?」
「静かにしないと怒られるよ?っというか他の子にばれる」
「ム、ムゥウ!!で、でもか、顔が真っ赤になって………」
「ごめんごめん、さっ続きをいただこう」
「………ぅん(さ、っさっきの事が頭から離れない!!)」

いやぁこの刺身美味いなぁ、なんだろうこれ?カワハギ?このお吸い物の最高だな、後で料理人の人にお吸い物のコツでも聞きにいこっと。

「お気に召しました?」
「あっはい、いやぁこのお吸い物美味いですね。優しげな中にも凛とした強い味がある!」
「ふふふっ有難う御座います」

あっこの旅館の女将さんかな?そう言えば俺は空から降ってきたから挨拶出来てなかったな、って字面だけ見たらどういう事だってばよ…?だな空から降ってきたって。俺は何処のオリジナル7だよ。って

「あっ~!!?鳳翔さん!?」
「お久しぶりですね心君」
「し、知り合いなのか心?」
「あ、ああ。俺の親戚のお姉さんだよ。まさかこんな所で再会するとは………」
「別におばさんで良いんですよ?」

いやいやいやいや、ぶっちゃけおばさんとか言えねぇよだって似合わないもん。っていうか俺の従姉妹でしょアンタ、叔母ではねぇよ少なくとも。っというか俺の親戚とか従姉妹ってなんでどれも艦○れ関係なんだよ!?この間の新聞部の副部長の金剛先輩も聞いてみたら俺の従姉妹って話じゃねぇか!!!なんなんだよ、IS鎮守府でも開くきかごらぁ!親父と母さんの兄弟姉妹って化け物揃いだからなぁ………。

「あっ間宮さんもいらっしゃいますよ?」
「マジッすか!?」
「ええ、厨房の方で料理長をしてますよ」
「おうふ………世の中は金魚鉢並にせまい事を実感した………」

そんなこんなで従姉妹さんである鳳翔さんと再会してワイワイと話をしている間にいっちーがセッシーにはいあーんして周囲の女子に騒がれてるな。俺はこっそりとバレないように箒嬢にしたからね。そしていっちーに天罰が下った、南無南無………。食事後は俺は直ぐに部屋に行って荷物を確認してから、入浴を済ませてから直ぐに就寝しました。明日は束さんとかのあれで疲れそうだから体力は温存するにこしたことは無いのです!

んで翌日!!俺たち専用機持ちは集合を掛けられました。遂に来るか、この時が!!因みに俺のISスーツはランサー兄貴のアオタイツだよ。勿論束さん製。

「篠ノ之。お前も来い」
「えっ?わ、私もですか?で、でも私は専用機持ちでは………」
「直ぐに説明する。お前には今日から専用機を――」「ちーちゃ~~~~~~~~~~ん!!!」

こ、この声は!!!

「やっっっっっほおおおおおおおおおおおお!!!!!ち~ちゃぁあああああああああああんん!!」

おおお!!飛び込んできた束さんを上手く受け流しながらそのまま地面に叩きつけながらそのまま持ち上げてのアイアンクローだと?!あれ、束さんじゃなかったら死んでるよなあれ。


「喧しいぞ束、貴様はもう少し落ち着きというものを学べ」
「ゴ、ごべんナざい………」
「お、織斑先生。俺の(マスター)をそれ傷つけないでいただけます?俺は一応束さんの従者(サーヴァント)なんですから」
「解っている」
「やぁやぁ箒ちゃん!元気だったぁ!?」

うぉっ!?って復活はっや!!?直ぐに元通りになって立ち上がったぞこの人!!って解りきってた事だったな。

「は、はい。姉さんもお元気そうでなによりです」
「うんうん束さんも箒ちゃんが元気そうで嬉しいよ~!」
「束さん、さっさと用事を済ませたらどうっすか?いっちー以外の専用機持ちがなんか脳内オーバーヒート起こしてますし」
「ん?ああそうだね、それじゃあ箒ちゃん改めて!!」
「はっはい!!」
「お姉ちゃんからのプレゼント、専用機を進呈します!!」

あっ箒嬢が大口を開けてポカンっとしてる。これはレアな場面だな。良しパシャっとな、保存っと。

「えええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!??????わ、私の専用機ぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいい!!!??」  

 

騎士の集合体、のようなもの

おおお空から降ってきた透明なクリスタル!ってあれ?あれって防護アーマーのままじゃ………確かあれって一回限りだけど強度半端無いものだよな……心臓とも言えるコアを破壊しないと永久に内部にあるものを守り続ける奴だよな………。

「っと言うわけでこっくん!ゲイ・ボルグでお願いね!」
「はいはい予想してましたよっと」

よし問題なく出せたな、最近出せなくて不満だったからな。こいつの性質上、学園での戦いで使用したらISコアか操縦者の心臓を貫くからな。そうなったら色々とあかんからな。

「うおっ!?なんだなんだ!?いきなり赤い槍が出てきたぞ!?」
「初めて見る槍だ……」
「ゲイ・ボルグ………確か神話に出てくる槍だった気がしますわ」
「なんだっけ?ギリシャ神話?」
「違うと思うぞ」
「ケルト神話に登場する半神半人の大英雄、光の御子 クー・フーリンが使っていたとされる槍」

おおっ流石簪嬢。お詳しいですね、クー・フーリンって知名度的に低いけどゲームには出てくる事もあるからね、簪嬢はご理解できてましたか。嬉しい限りですねぇ。さてと、魔力を込めるぜ………魔力消費も少なくていいよねぇ~対人戦闘にも向いてるし持続戦闘力も高いんだよねぇ。

「なんかすげぇ光ってるけど如何すんだ心?」
「決まってるだろ、あの防護アーマーのコアを穿つ。この一撃を手向けと受け取れ!刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)!!!」

魔力を込めた一撃を防護アーマーへと放つ!!ゲイ・ボルグは様々な方向へとその身を閃光となりて駆け巡りながらアーマーの一点、コアを穿った!!

「ふん、出来たぜ」

んで指パッチン、アーマーは四散して中にあったISが姿を現した!!っというかこの指パッチンいらなくね束さん?えっカッコイイから?さいですか………。そして中から姿を現したのは紅椿ではなかった。赤を誇張としているがまるで舞踏服ドレスのようにも見える赤い装甲、その中心と周囲を羽ばたくように煌く黄金の装甲。頭部には女帝の証と言うべき冠があった。俺と束さんの力作にして最高傑作!そして俺の力も加わったとんでもない最強IS!!

「じゃじゃじゃーん!!これぞ箒ちゃん専用機こと『守護の騎士(セイバー・オベリスク)』!全スペックが現行ISを上回るこっくんの二柱の英雄と同等以上のスペックを誇る束さんお手製ISだよ!なんたってこの守護の騎士は天才束さんとこっくんが仕上げた第五世代型のISなんだよぉ~!!」
「だ、第五世代!?」
「各国でやっと第三世代型の試験機が出来た段階ですわよ!?」
「な、なのにもう……」
「第四世代をふっ飛ばして………」
「す、凄すぎる……」

まあそんな反応になりますわな。原作でも紅椿ですら第四世代、蒼い雫ブルー・ティアーズや黒い雨シュバルツェア・レーゲンの上を行く物なのに、その更に上を行く世代だからなぁ。まあ俺の奴も第五世代だけどね。

「さあ箒ちゃん、今からフィッティングとパーソナライズを始めようか!私が補佐するからすぐに終わるよん♪」
「ちょ、ちょっと待ってください姉さん!!何が如何してこうなってるんですか!?何故私に専用機が!?い、意味が解りません!!私には重過ぎる力です!!!」
「そんなこと無いよ?だって箒ちゃん、そこの子との試合の後も必死に練習してたじゃない」
「な!?ど、如何してその事!?」
「束さんは衛星軌道上にある束さん衛星で色々見てたんだ~」

ああ、1年ぐらい前に打ち上げたあれか。んなことに使ってたのかよ……。まあ束さんも箒嬢の事が凄い心配だって言ってたしいっか。

「イメージトレーニングに高等テクニックの本を読み込んで、訓練機の貸し出し許可が下りたらそれを試してたでしょ?瞬間加速(イグニッション・ブースト)とか連続瞬間加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)とか円状制御飛翔(サークル・ロンド)とか」
「わ、私のプライバシーは一体何処に行ったんだ………」
「箒嬢、それ束さんに言うだけ無駄だぜ」
「そ、そうだった………」

うん。この人の場合プライバシーとか言うだけ無駄、一緒に行動してた時も俺が風呂入ってるときも隠しカメラで盗撮とかしてきたし。

「それにこれは私からの精一杯のお守りのような物なの。何も出来なくて迷惑ばっかり掛けてきた束さんのお詫び。受け取ってくれない?」
「………解りました、『守護の騎士』私が貰い受けさせて貰います!」
「有難う箒ちゃぁぁあああああん!!!」

うむうむ、仲良し事はよきかな♪でもこれで箒嬢も大変な事になるな。俺がしっかりしなくちゃな、彼氏なんだから。

「束さん、フォローとかも頼みますよ。俺もしっかりとやりますから」
「うん解ってる!それじゃあ箒ちゃん初めよっか!」
「はいっ!!」

嬉しそうに笑っちゃってまあ。やっぱり美少女は笑顔が一番だよな。

「キツくとかないよね~?」
「大丈夫です、身体にピッタリフィットする感じです」

やっぱりあれ、なんか見覚えある気が………うん。赤セイバーの神話礼装にクリソツってほどではないけど似てるなぁ。デザインは束さんに全部任せて、俺は武器しか担当してないのになぜだ?

「それでね~武器はこっくんが手掛けてくれたんだよ~、最終的な調整は私がやったんだけどね~」
「そ、そうなんですか………こ、心ァ、ァリガトォ………(///)」
「いえいえ、剣ならお手のもんよ」
「良し!飛んでいいよ~」

ってうおっ!?一瞬であんな高いところまで!?たった一瞬で1キロぐらいも上昇したのかよ!?俺の蒼い猛犬と同じ速度じゃねぇか!?あれだって色々と速度に特化させてあれだけの速度が出るのに!!ひ、日々束さんの技術が進化してやがる………。

「はやっ?!」
「これが……第五世代の加速……」
「どうどう?箒ちゃんの思っている異常にぬるぬる動くでしょ?」
『う、動きすぎのレベルです!!』
「んじゃ剣使ってみてよ~、その神の騎士には様々な用途の剣が搭載されてるんだよ~。データ送るね~」

殆ど手掛けたのは俺さ。まあ、一部は束さんが作ったものに俺が改良を加えたものもあるんだけどね。

「まずはエクスカリバーとガラディーン行ってみようか!!」

はい、いきなり出ました!!束さんが作った剣をベースにして俺が渾身の改良を加え、更に束さんがそれをアレンジした剣!!約束された勝利の剣エクスカリバーと転輪する勝利の剣エクスカリバー・ガラティーン、当然だけどモノホンの宝具には程遠い。だけどISに搭載できる武器としては破格の性能を持ってる。

「まずは、約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!!」

振るったのと同時に4つの光が飛び出し敵を殲滅する!!勿論光を出さずに使用する事も可能だよ。

「いいねいいね、んじゃ次はこれ打ち落としてみよっか!は~いいったよ~」

原作とアニメ見て思ったけど躊躇なく撃つもんじゃねえからミサイルって!!!

「次は、転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)!!!」

ガラディーンは真横への放射型の巨大なエネルギー刃が飛ぶという剣。まあエネルギー刃っていうよりも炎の刃だけどね。

『す、凄い………』
「凄いでしょ~!?んじゃ次は幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)燦然と輝く王剣(クラレント)行ってみようかな!!」

おっその二つが俺が一から仕上げた自慢の一品だな。流石に一からあのレベルの剣を作るのは苦労したぜ、それとあれはモノホンのジークフリードとモードレッドの剣じゃねぇぞ?流石にモノホンは見た事無いし俺の想像した能力を付与した。

「幻想大剣・天魔失墜バルムンクは普段は普通の大きめの日本刀だけど、覚醒させると周囲に拡散するエネルギー波を放つんだよ!燦然と輝く王剣《クラレント》は展開中だと攻撃に反応して電撃のバリアを展開するんだよ!!」
『す、凄すぎてもう何も言えません………』

ありゃ?やりすぎた?まあ当たり前か、名前を借りてるとはいえ元々は宝具だからな。

「あ、あのっ!篠ノ之博士のご高名は兼ねがね承っておりますっ。もしよければ私のISを見ていただけないでしょうか!?」

あっセッシーが

「へっ?あ~、見てあげてもいいんだけどそうすると君の国にだけ肩入れした事になっちゃうから面倒な事になるんだよね~。だから無理だね」
「そ、そうですか………」
「まあアドバイスぐらいはしてあげるから後でデータは見てあげるよ?」
「あ、有難う御座います!!」
「別に束さん何も言って無いのに変な子~」

あっ千冬さんが目を丸くしてる。自分の知ってる束さんじゃないからか、そりゃ俺が口がすっぱくなるぐらい言ったからね。それにセッシー、シャーリー、ラウラウ、リーリー、簪嬢は俺の友人って事で邪険に扱っちゃ駄目ですよ?って言っておいたからね。

「たっ、た、大変です!お、おお、織斑先生!」
「どうした?」

おっと、もう来ちまったか。大変な日になるなこりゃ。  

 

個人的に姉に欲しい英霊ナンバー1

「2時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ・イスラエルが共同開発していた第三世代型の軍用ISである『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が制御下を離れて暴走。監視空域から離脱したという連絡があった。その後の衛星による追跡の結果『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』はここから2キロ先の空域を通過することが分かった。時間にして50分後。学園上層部からの通達により、我々がこの事態を対処することになった」

普段とは存在が無かった確かな緊張が走っている。特にラウラウの真剣さが凄い、まあ本職の軍人さんだもんね。リーリーやセッシーなんかもかなり真剣な顔をしてるけど、やっぱり立場的なあれがあるのかな?

「現場の空域及び海域の封鎖は教師陣で行う。この作戦の要はお前達専用機持ちに担当してもらうことになった。・・・それでは作戦会議を始める。何か意見のあるものは挙手しろ」
「はい。目標ISのスペックデータを要求しますわ」
「わかった。ただし、これは2ヶ国間の最重要軍事機密だ。決して口外するな。情報の漏洩があれば査問委員会による裁判と最低でも2年間の監視が付けられる」
「わかりましたわ」

ふ~ん、これが福音のスペックか。広域殲滅を目的とした特殊射撃型ね、セッシーのティアーズに似てはいるけど違うな。それに性能差が圧倒的に違うし、近接での戦闘力も不明ね………学生さんにやらせるにはちょっち荷が重いんと違う?

「織斑先生、今作戦において必要なのは一撃必殺っという事ですよね」
「ああそうだ」
「ってなると、俺の零落百夜って事か………」
「織斑、これは訓練ではない。実戦だ。もし覚悟がないなら、無理強いはしない。さっきはお前も参加せざるを得ないと言ったが、最終的な決定権は私にあるから辞退しても構わん」

此処まで来てそれを言うか、言うのがおせぇな。戦闘慣れしてる俺なら兎も角戦争どころか人を斬った事が無いいっちーには荷が重い、それは理解している筈だ。

「………や、やる。やってやる、やってやるぞ!!」
「若干ヘタっぽいけどいい啖呵だ。やれやれ、俺も付き合うか。ゲイ・ボルグだって十分な火力になるからな」

友人が死なれちゃ嫌だもんね。

「良し、では攻撃担当(アタッカー)は織斑と衛宮とする。では専用機持ちの中で最高速度が出せる機体はどれだ?」

セッシーが手を上げたが箒嬢は手を上げなかった。確かに最高速度自体はぶっちぎりだがまだ自分の技量が話にならないから自分で相応しくないと考えたのだろう。謙虚なのは良い事だ、こんな状況なら不安にもなるし謙虚になって当たり前だな。

「待った待ーった。その作戦はちょっと待ったなんだよち~ちゃぁああん~!」

あっ千冬さんの顔が一気に恐くなった。

「ちーちゃん、ちーちゃん。もっといい作戦が私の頭の中にナウ・プリンティングー!
「出て行け………衛宮、私が許可する。たたき出せ」
「聞いて聞いて! ここは断・然! 守護の騎士の出番なんだよっ!」
「なに?」

あっこの展開は………っておい束さん、幾ら最高傑作を持ってるとはいえ妹を軍用のISとの戦いに出す気か?否、俺が一緒だから安心して送り出せるってことか、目がそう言ってる。

「衛宮、すまないがルーキー二人の面倒を頼むぞ」
「やれやれ全く、俺は保父じゃねぇんだぜ?まあやるだけやるだけさ………ってん?」
「如何した衛宮?」

あっ………

「い、いえなんでもありません」
「何か隠しているな、話せ」
「わ、解りましたから、睨まないで下さい!!おほん、思ったんですけど束さん」
「ん?なぁ~にぃ~こっくん?」
「束さんが暴走ISにハッキングして、止めれば万事解決なんじゃないのかな~って」
『『『『『あっ~!!言われてみれば!!!!』』』』』
「あっ………その方法あるのすっかり忘れてた………」

っておい気付けよ束さん!!っていうかこれ、束さんが仕掛けた事件じゃねぇのか!?

「と、兎に角やってみるね~!!」
「お、俺の覚悟って一体………」
「い、一夏さん気を落とさずに。危険な事をせずに済んだのですから喜ばないと!!」
「そうだけどさぁ~………」

まあ気持ちが解らんでもないが、折角覚悟決めたのにこんな形で終わっちゃって不満だよな。ねえ箒嬢?

「わ、私の顔に何かつ、付いているのか心?」
「いいえ?可憐でお美しいお顔でいらっしゃいます」
「か、可憐!?」
「はぁ、箒さんに語りかけるときの衛宮君の顔もいいなぁ………」
「変態は黙れ」
「へ、変態じゃないよ!!変態だとしても、変態という名の淑女だよ!!」

何時からこいつはシャル吉になったんだよ。

「ってあれっ!?う、嘘!?ま、全く制御を受け付けないし進入する事が出来ない!?た、束さんが勝てないなんて!?」

うわぁもう自体が収束しt………ってうそぉ!?束さんでも無理ってどういう事!?んじゃこれは原作通りでは無いって事か!?


結局作戦は原作通りに進められる事となってしまった。俺、箒嬢、いっちーは直ぐに準備を済ませて出撃、銀の福音の撃墜作戦を決行することになった訳だ。現在俺は蒼い猛犬(ランサー・ド・クラン)にフォルムチェンジして現場に急行中。

「に、にしてもは、速過ぎじゃね!?第五世代ってマジでどんだけだよ!?」
「まあ純粋な機械の塊じゃねぇからな」
「なんか言ったか心!?」
「うんにゃ?さてそろそろ見えてくるぜ」

さて、どこぞの人造人間を連想するISをぶっ潰しますか……っ!!!!!?????



「お、おいおい悪い冗談だぜ………何が軍用ISだよ」
「こ、心?」
「あ、あれが銀の福音か?」

見えてきたのは真っ黒い闇の塊、仮にも銀という名を冠するものとは思えないほどに黒く禍々しかった。それから伝わる畏怖の念、全身に鳥肌が走っていく。全身を包むほどの長い紫色をした髪は、ISとはまた違う別次元の物であると主張するようであった。額と思われる部位には一つ目があり、それが妖しく輝いている。

銀の福音がどのようなものなのか完全に理解していた心は、如何にこの場いる怪物(それ)が場違いであるか理解していた。あれはこの世界に本来存在(いて)はいけない存在なのだ。そして、どれだけ強力で危険な存在である事も。

「一夏ぁ箒ぃ!!今すぐ撤退しろ!!あれはお前ら二人じゃ手に負えない!!」

いきなり響いた怒声、普段聞き慣れない心の声に戸惑う二人。そんな二人に苛立ちを覚えたのか更に巨大な声で此処から早く離れろと叫ぶ。

「い、一体如何したんだよ心!?」
「そ、そうだ。いきなり撤退しろとは……」
「いいから俺の言う通りにしろ!!!織斑先生聞こえるか!?作戦は中止だ!!このままじゃあ全滅もしかねない!!織斑と篠ノ之を至急帰還させる!!」
『ど、如何いう事だ衛宮!?』
「良いから!!あれは俺じゃないと手に負えない!!」

そう言いながら自らの得物を出現させ、構えながら殺気を放出し相手を威嚇する。その殺気は銀の福音ではなく、一夏と箒に効果があった。

「さっさと離れろ!!死にてぇのか!!!」
「あぁぁぁぁ………」
「か、身体が………う、ぅごかなぃ……」
「ちっ恐怖に呑まれたか!!!」

すかさず心は銀の福音に挑みかかり、そのまま遠ざけるように攻撃を加えていく。そしてそれに応えるようにそのまま心に襲い掛かる福音。

「てめぇのデート相手は俺がしてやるぜ福音!いや、怪物メデューサ(サーヴァントライダー)!!」
「ゥォォォォォォォン………!!!」 

 

英霊(笑)をマジモンの英霊と一緒にするな

「でええいや!!」
「ァァァォォォオオオ!!!」

海上では一夏と箒から遠ざけるように、心と福音の激しい戦闘が繰り広げられていた、目に追えるような速度では交わされていない攻撃の数々。状況的には心が押されているように見えた。当然だ、彼の後ろには守るべき仲間(一夏と箒)がいる。今はそれから遠ざける為、撤退までの時間を稼ぐ為に戦っている。確実に相手の命を取るのではなく攻撃を捌きつつ、相手の体勢、攻撃のリズムを崩して時間を稼ぐ。それが今の戦術目的。

「ちっ!喰らえ、初の槌!!」
「っ!」

瞬間的に姿が消えるほどに加速し、的の懐に短く持った槍の一撃を叩きこむ、初の槌。だがそれを本能的に逸早く察知したのか、手足のスラスターを起動させバックステップをするように軽やかに移動し回避する。

「こいつ………完全に福音と融合してやがるな。ステータスは下がってるみたいだがISと融合した事で利点が幾つか生まれてやがるな?面倒な………」
「………」
「心ぉぉおおおおおおおおお!!!」
「なっ!?」

声に反応しハイパーセンサーで後ろを確認するとそこには撤退しろと大声で言った筈の一夏と箒がこちらに向かってくるのが見えた。

「何故だ!?何故撤退しなかった!!?」
「親友を置いてのこのこ帰れるかよ!!」
「そうだ!私だって、心の恋人なんだぞ!!」
「馬鹿野郎!!お前達を守る為に俺はっ!!!」

色々言いながらも思考よりも手を動かす槍兵、その顔に浮かんでいるのは責任と焦りだった。このまま戦闘を続ければ間違いなく一夏と箒の命が危ない。如何にかして二人を少しでも早く撤退させる必要がある。

「俺も加勢するぜ!!」
「おいやめろっ!!とまれ一夏ぁ!!!」

雪片を構えながら飛び出した一夏を精一杯の声を上げながら制止させようと手を伸ばすが瞬間加速を使用する一夏は手の届かない場所から離れていく。その時見えたのは、切り裂かれた福音の胸の一部の装甲と腹に途轍もない衝撃を受けて苦しみの表情を浮かべている一夏だった。

「一夏ぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
「い、今援護する!!」

箒は約束された勝利の剣を展開しそれを大きく振りぬき、レーザーを飛ばし福音を牽制する。一夏もなんとか離れる事が出来たが苦しげに顔をゆがめている。心が肩を貸してやり意識を保っている。

「だから言ったろ!撤退しろと!!」
「ガッ……グァァア………」
「!?こ、心!!織斑の様子が!!」

顔色が異常に悪い、ただの攻撃ではこうはならない。心が額に手を当てて体内をスキャンすると一夏の生命エネルギーが異常なほどに少ない事が解った。このままでは命が危うい。

「っ!!こいつは拙い、もう生命力が危険な位に無い!(生命力を吸って自分の魔力に変換でもしてやがるのカ!?だとしたら対魔力が無い一般人だと分が悪すぎる!!)」
「ど、どうしたら!!?」

このまま放置しては確実に命を落とす。どうする!?今この状況で如何したら良い!?一夏と箒、この二人を絶対に守りながら相手を倒す。絶対に無理だ、確実に一方が今より危険な状況に陥る。なら、今此処で取る手は………

「箒、一夏を頼む。そいつを抱えて直ぐに旅館に戻れ。そうすれば助かる」
「で、でも心はっ!?心は如何するんだ!?」
「どうやら奴さん、俺が目当てのようだ。だから、相手をしてやるんのさっ!!」

そう言いながら心は全身に掛かっているリミッターを外した。魔力開放による身体機能の制限解除、これによって得られるのは英霊が持つべきステータス。ISを展開した状態では危険だが、そんなものに構っている場合ではない。本来、人間のみである心にとって英霊のステータスをもつと言うのは命を危険に晒す事以外に無い。身体が耐え切れずにオーバーヒートしてしまうからだ。

「ぐっ!!」
「こ、心!?」
「大丈夫だ!!俺も直ぐに戻る!!いけっ箒嬢!」
「はっはい!!」

箒も今度は言う事を聞き最高スピードで旅館に向かう、それを見届けると心は強くゲイ・ボルグを握り直す。

「やれやれ、愉快だねぇ。さてぇ、殺し合うとするかァ!!!」


箒が旅館に戻ってから半時間後、戦闘中であった衛宮 心の反応が完全に消失したという最悪の知らせがIS学園関係者に届けられた。すぐさま捜索隊が出されたが、ボロボロになっている心が発見された。 

 

使えるものは使おうかな

「大小合わせて56の負傷、右腕、左足は複雑骨折。意識不明か………そんなになるまで、一夏と篠ノ之の為に戦ってくれたのか……心」

旅館の一室では人一人があっさりと納まるほどに巨大なカプセルが設置され、その中には銀の福音と激戦を繰り広げながらも撤退する一夏と箒の命を守り続けた衛宮 心が横たわっていた。人工呼吸器が装着させられ、束特製の生命維持装置によってなんとか命を繋ぎとめている状況だった。

「馬鹿者が………誰が其処までになるまで戦えと言ったんだ………私は言った筈だぞ、無事帰って来いと………」
「ちーちゃん」

立ち入り禁止になっているはずその部屋に心の(マスター)である束が入室してきた。その手には大きめのブレスレットがあり、それを治癒カプセルにセットした。

「それは?」
「こっくんの体内にあるナノマシンを活性化させるプログラムと新しいナノマシン。これでもう何度目だろう、ナノマシンの投与は………」
「ナノ、マシンだと?」

千冬は心の体内に超小型の機械群が入っていることを聞き、再び心を見つめた。活性化させるプログラムが入力され、新たなナノマシンが打ち込まれた事により彼の身体は異常ともいえる速度で傷が癒えていき、複雑骨折した骨も修復されていく。その光景を目の当たりにする千冬は言葉を失い、もう見慣れているような束は複雑そうな顔を作って見守っている。数分すると心は目を開き、カプセルを押し上げるように開けながら身体を起こす。

「ぁぁぁぁぁ………やっぱり何度やられても慣れねぇや、ナノマシンの急速活性後のこの気分の悪さ………」
「起きたこっくん?もう、心配させないでよ……」
「はははっすいません。それでまた新しく入ったんでしょ?これでどの位になります?」
「もう、腕一本分ぐらい」


「そう、ですかぁ~。もう俺人間じゃないと思うんですけど?」
「それ今更だね~」

ですよね~、まあ解ってた事だし気にすることは無いけどね。平穏とか色んな物を諦めた俺は強いのです!!

「あっでも束さんを心配させたんだから罰として茄子とこんにゃくをいっぱい食べてもらうよ?」
「ナ"ス"は"嫌"い"な"の"で"す"!!」
「拒否権はありません!」
「そんにゃ~!!!!」

ナ、ナスだけは勘弁を!!こんにゃくはなんとかなるんです!!あれはなんとかなるんですから。ナスだけはぁあああああああああ!!!!!!!

「待て待て待て待て!!何処から突っ込むか考えるから少し待て!!まず衛宮、お前は如何して直ぐに動けるんだ!?完全に重傷だっただろう!!?」
「あ~、束さんお手製のナノマシンのせいです終わり」
「なら納得せざるをえんな………次だ衛宮。つい先程だが銀の福音が大破に近い状態で発見された。操縦者は怪我を負ってはいるものの軽症で無事だ。そして、お前はあの福音が可笑しいという事に気づいていたのだな?」

あっ~やっぱりその質問来ますよね?まあそうだろうね、千冬さんに思いっきり

"良いから!!あれは俺じゃないと手に負えない!!"

って言っちゃったから俺があれの正体っというか本来の福音でないことに気付いているって解るよね?にしてもなんであんなもんがあるんだ?あれって如何見てもあれだよな、黒化英霊。そうすると自動的にこの世全ての悪(アンリマユ)に汚染されているかクラスカードの二択になるんだけど、俺が痛みわけになった最後の一撃の後、俺に手にはカードみたいな感触があった。っつう事は自動的にクラスカードになるな。面倒くせぇ事態になったぜ。

「ええ。知ってます、あれがどれだけ危険でこの世界に相応しくない事もね」
「………お前の知っている事を全て話せ」
「了解、んじゃその前にいっちー達を呼んでいただけます?あいつらにも聞いてもらう必要があります」


「「心大丈夫なの/なのか!?」」
「お兄様大丈夫なのですか!?」
「だいjry」

まあ皆からの心配の声は割愛で

「私の台詞が途中でカットされてません!?」

まあ、尺の都合だ。


「では話そう。まずは俺という存在の事から話さないといけないかな?」

まずは皆に俺の事を説明した。ゲイ・ボルグ、無限の剣製という特殊な力を持ってこの世に生まれた事。自分が人間以上の力を秘めていること。魔術を身に付けていることを全て話した。まあ転生自体は話してはいない、説明が面倒だし納得もしないだろう。

「ま、魔術って………言われてもなぁ………魔法とどう違うんだ?」
「そうだな、魔術とは常識的な現象を非常識な手段で引き起こす、魔法とは非常識な現象を非常識な手段で引き起こす事だ。大体はこれに当てはめる事が出来る」
「え、え~っと?つまり如何いう事だ?」
「わ、私に聞かれましても……」
「例えるのはかなり難しいが、そうだな………魔術がライターの火を増幅して、通常では考えられないような大火事を起こす物なら、魔法は手を叩いただけで街を2,3個を焼き払えるほどの事が出来るって所か」

例えとしては不適切かもしれないけど、魔法が魔術よりも遥か上の存在であるという認識を持ってくれればそれで十分だ。

「と、取りあえずとんでもないって認識をしておくぜ………」
「ああ、それでいい」
「それで魔術というものはどのような物があるのですか?」
「そうだな、同調開始(トレースオン)

干将を投影っと。

「っ!?な、何!?何が起きたの!?いきなり剣が心の手の中に!!?」
「こ、これが魔術なの衛宮君!?」
「そうだ、こいつは投影魔術。俺が一番使う魔術の一つだ」
「投影、魔術」
「オリジナルの偽物を、魔力で物質化させる魔術さ。前に俺が織斑先生が使ってた初代雪片を使ったろ?」
「あ、ああ私とお兄様が戦った………もしかしてあれも!?」
「そっ。俺が作り出した贋作だったってわけ」

そりゃ驚きますよね、雪片かと思ったら結局贋作だったんだから。

「じゃ、じゃあ心の投影は本物は作れないって事なのか………?」
「そういうこった、だが確かに俺が作り出せる剣は偽者だ。だけど偽物が本物に勝てねぇって通りねぇんだぜ?」
「な、成程………」
「衛宮、お前の力の正体は理解出来た。福音に起きた原因は解っているのだろう?」
「ええ、まあ憶測なので確実とはいえませんが間違いは無いと思います。束さん、俺カードみたいな奴持ってませんでした?」
「あっうん持ってた持ってた!これでしょ?」

そうそうこれこれ、やっぱり騎乗兵(ライダー)のクラスカードだ。にしてもこれってプラズマイリヤの奴だよな?これがメデューサだから他の英霊も面倒くさい事極まりねぇな。第五次の英霊ってとんでもない奴らばっかりだからなぁ。

「こいつが福音を狂わせた原因です」
「カード……?何か描かれてるけど」
「Riedr、騎乗兵と書かれていますわね」
「こいつはクラスカード、英霊と呼ばれる者の力が宿った危険なカードだ」
「英霊………確か、心の宝具って奴の話に出てきた英雄の死後の魂の行き着く場所の一つだっけ?」
「そうだ、このカードには特定の英霊の力が宿ってる。こいつ、ライダーのクラスカードに宿っているのはギリシャ神話に名高いゴルゴン三姉妹の末妹、メデューサだ」
「『『『『メ、メデューサ!!?』』』』』

良い反応だねぇ。

「ちょ、ちょっと待って心!」
「ん、どったのリーリー?」
「英霊って英雄の死後の姿みたいなものなんでしょ!?なんで怪物が英霊になってるの!?」
「英霊っていうのも人括りに出来ねぇものもあるのさ。忌み嫌われ、恐れられるあまり崇拝の対象となったもの。自らの悪行によって、結果的に世に善をなした者がなるのが反英雄と呼ばれる存在だ。面倒くさいがな」

英雄と反英雄。俺が敬愛するランサー兄貴ことクー・フーリンが英雄であるように、そんな英雄によって倒れた事で結果的に善をなしたのが反英雄。魔王みたいな奴らが反英雄って事になるな。

「何か質問は?」
「え、えっとじゃあ」
「簪嬢」
「今のカードにはライダーって書かれたけど、他にも種類があるの?それと何でISに融合してたの?」
「まずは最初の質問だな、カードは恐らく7種類。残っているのは剣士(セイバー)弓兵(アーチャー)槍兵(ランサー)魔術師(キャスター)暗殺者(アサシン)狂戦士(バーサーカー)だ」
「ま、まだそんなに………」
「特にセイバーとバーサーカーが鬼門だな。俺で勝てるかどうか………それと二つめの質問は解らない。たぶん動く為の身体としてISを選んだろうけど………ライダーはいっちーの生命力を自らの魔力に変換してたから、自分が現界出来るだけのエネルギーを確保する為に融合したんじゃないかな?」


そうだとするなら状況はやばいな、この世界において魔力の持っているのは俺だ。恐らく、これからもクラスカードは俺を狙って行動してくる。手を打つ必要があるな………

「シャーリー!」
「はっはい!?」
「天の杯の連絡先を教えてくれ」 

 

ヒロインって誰だっけ?

話を終わったから外に出て来たは良いものの、出来ればこいつは使いたくはなかったな。変態共と連絡なんぞ取りたくなかった。だけどこれからはクラスカード共は俺の肉体を狙ってくるだろう。残るクラスカードは6枚、特に鬼門なのはセイバーとバーサーカーだ。原作でもイリヤ達を圧倒するほどに化け物級な力を持っているしステータス的にもやばい。うん、後で絶対に連絡しなくちゃな。それより今は

「束さん、隠れてないで出てきたら如何です?」
「あはははバレてた?」
「バレバレですよ」

っというか隠れる気なかったじゃん。気配も何も隠す気無かったくせに何をおっしゃるのかこの人は。

「ねぇこっくん、やっぱり戦い続けるの?」
「俺はそうする事しか出来ませんから、それに束さんを守る為の力を付ける修行だと思えばなんとかなりますよ」
「………私の為、だったらもう戦って欲しくないかな…束さんは」

まあそういうと思ってたよ、箒嬢もたぶん同じ事を言うだろう。この人も俺に対して真実の愛を注いでくれている、愛する人を態々戦わせたくは無い。そう考えるのは当たり前だな、戦う側としても辛いものを見せる事になると思っている。でも俺が戦わなくてはいけないんだ。

「こっくんは、束さんが初めて本気で好きになった男の子なんだよ………?出来る事なら、ずっと抱きしめたまま、こうしていたいの………そんなこっくんがもう死んでしまうような戦いなら、もう戦わないで………」
「束さん………貴方の気持ちは良く分かります。でも、あのカードを放っておいたら大変な事になる」
「世界の為に戦うって言うの………?」
「いえ、俺の大好きな人を守る為に戦うんです」

そうだ、束さんのために戦っていたのも俺がこの人の事が大好きだから戦っていたんだ。恋愛感情なんて持ち合わせていないと思っていたけど俺はやっぱりこの人の事が好きなんだ。今、本当に解った。俺は好きだ、この人が大好きだ。

「大好きな人の為に世界を失う事があったとしても、世界の為に大好きな人を失う事は俺が許さない。だから俺は世界なんて如何でも良い、俺は愛する人達の為に戦います。だから信じて下さい」
「こっくん………うん、信じる。だから、キス………で証明して………」
「はい」

俺は、言われるがままに束さんと唇を重ねた。箒嬢とは違う、深く暖かみのある長いキスだった。そして俺たちは自然と離れ、もう一度唇を重ねた。

「うん、もう止めない。全力で束さんはこっくんをサポートするからね!」
「よろしくお願いします」
「んじゃ私はち~ちゃんと話してくるからね~」

いってらっしゃ~い、さてと俺は如何するかね?部屋に戻るか、これ以上外に出てたら心配されるだろうしな。



「こぉ~ころ!!大人しくしてた?」
「ちゃんと大人しくしてたって、全くもうナノマシンのお陰で全快したってちゃんと言ったじゃないの?」
「それでも私は心配なの!!もう、心は遠くに行ってほしくないんだから…あっそうだお腹空いてない?」
「うん?空いてるといえば空いてるよ?結局夕ご飯も食べられなかったからね」

あ~あ、またあのお刺身とかなんだろうなぁ~惜しい事したな。今度変装して朝の市場に乗り込んで色々と買い漁るか。

「じゃあ心が元気になるように愛を込めた酢豚を作ったんだけど食べない!?」
「おっマジで!?食べる食べる!!」
「ホント!?やった!!今すぐ持ってくるから待っててね!!」

待ってるよ~♪っていうか作ったってこの旅館で作ったって認識でいいのかな?良く厨房とか材料とか色んなものの許可をもぎ取ったな………。まあ俺の為に作ってくれたんなら食べない理由は無いな。

「持ってきたよ~!お代わりもあるからいっぱい食べてね!!」
「おお有難う!作ってくれたリーリーに感謝を込めて………頂きます!!(ガツガツガツガツッ!!)」
「ど、どう?美味しいかなぁ………?精一杯作ったんだけど……」
「う、美味い。すげぇ美味いよリーリー!こんな美味い酢豚食った事無いよ!!」

いやぁマジで美味い、何だこの味の深みは?深みの中にあっさりとした味もあってすっと溶けていって凄い食べやすい。この肉もジューシーだけどしつこさが無くてパクパク行ける!

「や、やったぁああ!!これはね、私が中国に行ってからずっと心に食べて欲しく練習して編み出した調理法で作った酢豚なの!こ、心に美味しいって言って貰いたくて………」
「いやぁ本当に美味いぜこれ!?いやぁこんな美味い酢豚を作れるんなら何処の嫁に行っても大丈夫だな!」
「なっ何言ってるのよ♪私は貴方の嫁☆だ☆よ☆」
「そうだったな、だって俺達って恋人らしい事してないから自覚が無くてさぁ。箒嬢とはそれなりにしたんだけど」

そうだよなぁ、リーリーも俺の恋人なんだよなぁ。でも箒嬢とばっかり恋人らしい事してるなぁ俺。もっとリーリーを構ってやらんとな。

「確かに………そうね」
「ングング………ぷはぁっ完食!」
「お粗末さまでした♪あっちょっと待ってねそこで汚れ落としちゃうから」

あっそれはすいません。いやぁマジでリーリーはいい嫁になると思うな。うん間違いない。あっそうだ

「お待たせきゃっ!」
「ごめん、ビックリさせた?」

こっそりと鍵をかけてから皿洗いを終えたリーリーを抱きしめる。途中で邪魔が入ったらリーリーにも悪いからね。

「こ、心!?」
「ちょっとしてみない?恋人らしい事」
「えっむうう!?」
「………ごめん、いきなりすぎた?」
「い、いきなりすぎるって!!も、もうは、恥ずかしい……(///)」

顔を真っ赤にさせながら俺の腕の中で顔を逸らそうとするリーリー、やばい凄い可愛い。んじゃちょっと力を込めて抱きしめて身体を向きを固定。

「リーリー、俺君の事も好きだ、友達としてじゃない一人の女性として好きだ」
「私も大好き……」
「俺さ、複数の女性を好きになるって駄目な事だって思ってリーリーの事を故意に見ようとしてなかったかもしれない。だから箒嬢とばっかり行動してた、でもこれからはそんな事はしないよ」
「心………きっと貴方ならそう思ってると思ったわ、結構純愛タイプだもんね。でもいいの、私を女として愛してくれるだけで私は幸せなの………」
「リーリー………」
「ねえ、もう一回キスしない………?最初はビックリしてよく解らなかったけど、きっと絶対に美味しいと思うから……」
「ああ、んっ………」
「んっ………心、大好き………」 
 

 
後書き
【審議中】
    ∧,,∧  ∧,,∧
 ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U (  ´・) (・`  ) と ノ
 u-u (l    ) (   ノu-u
     `u-u'. `u-u'

     T
    .|O
    .|」}; ドゴォ!〉ドゴォ!〉ドゴォ!〉ドゴォ!
    .|<<;
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
自分で書いてなんだが、何だこの口の甘ったるさはっ!!!くっそう!ブラックコーヒーを私にくれ!! 

 

変態でもまともな人もいる!!凄い希少価値だ!!!&変態集団はマジキチばかり

「衛宮っ、お前の客だ」
「客?」
「バスの外にいる、会ってこい」

何だろう、漸く臨海学校も終わって帰れると思ったら俺に客?あっもしかして………。なんとそこにはスーツに身を包んだオシャレ度全開で、胸元を少し開けている金髪の女性がいる。この人って確か。

「君がそうなんだ。へぇ。じゃあ君が衛宮 心君ね」
「そうですが、一体何の御用でしょうか銀の福音の操縦者さん?」
「あら知ってたのね?」
「そりゃ勿論、撃墜した相手の顔ぐらい覚えてますよ」

実際は原作知識ですサーセン。まあ実際銀の福音の操縦者ってので十分なインパクトあったし普通に記憶してましたけどね。結構行動も大胆だったしね、っというかちょっと待て、今更だけどいっちーの二次移行(セカンドシフト)イベント打ち消してもうた!!あかんやん!如何するんだよ!?雪羅どうなるんだよ?!あれ一応重要だろたぶん!

「一応言っておくけど私はナターシャ・ファイルス。『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』の操縦者よ。今日はちょっと君に言いたい事があってね」
「言いたい事?福音を傷物にしたから責任を取ってもらうわよ!的なあれですか?」
「違う違う、あれは流石にしょうがないでしょ?お礼を言いに来たのよ」
「ああ、別にいいですよ。俺はあれはやばいと思って行動したまでですからね」

実際あのまま放置してたら色々とアカン事になってただろうし。ライダーは対軍宝具は普通に保有してるし一対多の戦いだって有利だろうしこの世界の軍隊じゃどうにもならないだろう。まあ時間切れで停止するだろうけどさ。

「だからこそよ、思って行動したからといって自分が大怪我するかもしれないという可能性を差し引いても必死に戦ってくれた貴方に本当に感謝してるわ。ありがとうね衛宮君。私にとって貴方は正義の味方(ヒーロー)よ」
英雄(ヒーロー)か……悪くない響きですね」
「それに、銀の福音(あの子)は本来凍結される筈だったのに貴方は政府に交渉してくれたんでしょ?もう無問題だって」
「ええ一応、もう発生したバグは完全に払拭しましたからね。問題ないはずです」

クラスカードが福音を乗っ取らなきゃな、でも一度ライダーという存在と融合したISが他のクラスカードの拠り所として選ばれる事はまず無いだろう。やられてる訳だしな。

「それとこれ」
「これは?」
「私の連絡先よ、何かあったら言ってね。天の杯のアメリカ支部の幹部として力になるわ」
「アンタもあの変態集団の一員かよ~!?」
「へ、変態集団………否定はしないけど…まともな人もいるのよ?私の顔を立てるつもりで信じてくれないかしら?」

………まあこの人は見た目通りかなり大人の女性だし大丈夫だろう、信用に値する。千冬さんとは方向性は違うけど言葉に間違いは無い女性だ、信用してOKそうだ。

「………汝、我を主と崇めるのならば答えよ。汝、契約を結ぶか」
「(これは、成程。デュノア副支部長からね)YES、My master」
「宜しくお願いしますナターシャさん、親しみを込めてナタリアさんと呼ばせていただきます」
「私にとってその呼び名は誉れね、私こそお願いね」

良し決めた、協力要請はアメリカ支部のナタリアさんを経由して要請しよう。絶対にそうしよう。



太平上 名も無き島

自然で溢れ、人の手など一切加わっていない完全な野生の島を一つの影が島全土を飲み込んだ。黒い影は数秒で島全土を包み込み全ての生命を吸い尽くしただの土の塊へと変化させた。瞬時にあらゆる生命の息吹が枯渇したその島は徐々に朽ちていきながら、影の糧となっていく。

「ォォォォォォ………」

影は次第に形を変化させていき、人の形のようなものへと変わっていく。だがそれは人であって人にあらず。獣、その言葉が見事なほどに当てはまる存在であった。獣は円形の何かを取り出し自分を見つめるような動きをしてから朽ちてゆく島を見捨ててそのまま、何処かへと飛び去っていく。

「はぁ、頭痛いぜ………どっから情報が漏れてるんだ?どの世界にも穴はあるもんだな。穴がない情報規制なんて束さんネットワークぐらいか、どうせどっかの馬鹿が国のネットワークにハッキングして見付け出したんだろうな」

こちとら良い迷惑だ。それで俺に対して勧誘のメールとか書類が山ほど来てるんだよ。だが実際の目的は男性操縦者としての俺のデータと二柱の英雄のデータ。んな事はまる解りだ。国のお偉いさんってこんなに馬鹿な人間ばかりだったんだな。あっでもフランスとドイツは違うな、これは純粋な俺に対する手紙だ。ふむふむ………ああ、纏めると俺の戦術自体に興味があるから俺さえよければ国に来て指導してくださいって事か。まあやりませんけどね、自国のPRや俺が所属した際の高給待遇ばかりの馬鹿な国共よりも好感は持てるわ。

「取りあえずフランスとドイツ以外は糞喰らえっと………夏休みに入ったのはいいがクラスカードの事もあるからのんびりとしている訳に行かないなぁ……やれやれ、愉快だねぇ」

本当に愉快だねぇ、夏休みの宿題はまあ受け取ってから3日で終わらせたけどさ。本気出して徹夜してたら3日で終わったで御座るの巻。取りあえずクラスカードの件もあるし連絡するかぁ………天の杯。

『はいもしもし、連絡を御待ちしていましたわ衛宮君』
「俺は出来れば連絡はしたくありませんでしたよ。嫌な予感しかしませんもの」
『まあそうよねぇ………初接触がデュノア副支部長だったんでしょ?あれは一番可笑しいもの、でもアメリカ支部は比較的にまともな人の集まりだからあんs『衛宮様衛宮様衛宮ぁあああ!!ぅぅううう…ああ…あっあっー!あぁあああ!!!衛宮様衛宮様衛宮様ううぁわぁああああ!!! 』……』

………………。あんs、なんですか?

『こほん、安心してty『ぁぁぁぁあああ!なんという肉体美、艶やかな髪、この軟らかい中にも硬さがあって美味しそうな太股ぉぉおお!!!ぁぁぁん、またイっちゃった………下着替えてこなきゃ』ちょっと貴方達静かにしなさいよ、私の言葉の説得力が消えちゃったじゃない!!っというかなんで今ここにいるのが頭が逝っちゃってるメンバーしかいないのよ!?』

………これってアメリカ支部が比較的にまともって本当なのかな?これでまともだったら他の支部ってどんだけやばいんだろうか。天の杯ってちゃんと機能している組織なの?すんげぇ不安になってきたんだけど。

「ナタリアさん、スピーカーをONにしてもらえます?」
『え?良いの?』
「もう面倒なので」
『ごめん、苦労をかけて………皆静かにして頂戴!重要なお方からのありがたい言葉があるわ!!基地内のスピーカーと私が使っている通信機を同調させて!!』

おお、そんな事が出来るんですか?っというかこれ携帯とかの番号じゃなかったんだ。ナタリアさんの通信機の番号なのか。

『準備出来たわ。いいですよ』
「ああ、感謝しますよナタリアさん。さてと、初めましてと言うべきかな天の杯の皆さん。俺は衛宮 心、世間一般では紅騎士、蒼騎士と呼ばれている男だ。俺は君達組織の存在は最近知ったばかりだ、俺に協力してくれる意思があるのならば、俺は君達を認めよう」

さて如何出る、天の杯。素直に従うなんて事は無いだろう、いきなり俺があの二大騎士だって言っても信用されn

『『『『『きゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!衛宮様だぁあああああああああああ!!!!!』』』』』
『『『『『こちらこそ初めましてです衛宮様!!私達は衛宮様愛し隊!!…貴方様の存在に心奪われた者達です!!」』』』』』
「あっさり信用された!?少しは疑うとかしろよ!!!」
『『『『『ぁぁぁああああん!!衛宮様も叱られたぁぁあん♪』』』』』
「こいつらもシャーリーと同じレベルで脳みそ腐ってるのかよ!?」

頭痛くなってきた……。

『えっと………衛宮君、取りあえず何か無い?命令とか』
「あ、ああナタリアさんお気遣い感謝します………」
『『『『『ナ、ナターシャ様がナタリアさんと衛宮様に呼ばれている!?』』』』』
『『『『『圧倒的羨ましさ!!!!』』』』』
「んんっ!!!本題に入ってもいいかな、優秀な天の杯の諸君。君達が俺のファンならば静かに聞いてくれたまえ」
『『『『『承知致しました衛宮様(色々言ってたけど優秀って言われたっ!!!!はっまさかこれが噂に聞く、ジャパニーズツンデレ!?)』』』』』

…なんかいっせいに静かになったのは良いんだけどすっごい複雑なのはなんでしょうね。

「先日、銀の福音に起こった暴走。あれはとあるカードによって引き起こされたもの」
『それは貴方達も知ってる魔術に関する物よ、安心して衛宮君。私達は魔術の事は良く知ってるから』
「そうですか、なら話は早い。この世界には残り6枚のカードが存在していると考えられる。そこで皆には残りのカード、剣士(セイバー)弓兵(アーチャー)槍兵(ランサー)魔術師(キャスター)暗殺者(アサシン)狂戦士(バーサーカー)の行方を大至急調べて欲しい。いきなりの命令ですまない、だが皆なら確実に出来ると信じている」
『『『『『………』』』』』

あ、あれ?流石にマズッタかな………。

『『『『『え、衛宮様が遂に、我々を認めくださったぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!』』』』』
『いえ皆様違いますわ!これ試練ですわ!!衛宮様が私達を認めてくださるかの試練ですわ!!これを乗り越えてこそ真に衛宮様の傀儡として認められるのですわ!!』
『『『『『成程!!衛宮様/旦那!見ていて下さい命に代えてもご命令を遂行して見せます!!/遂行して見せるぜ!!』』』』』
「お、おう。頑張って?」
『『『『『ふぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!もう私達は無敵だぁぁあああ!!!』』』』』
『『『『『エ、エヘヘヘヘヘヘウヒョルヒヒィィイイィイィンヤジャハアッハホノッホホォ!!!!』』』』』


一部完全に壊れてね!?

『ま、まあこんなんだけど皆貴方に従順で優秀だから安心していいわよ?』
「不安しかねぇっす………」
『因みにさっき試練って言った人は遠坂 凛って言って先祖は魔術師だって噂があるわよ?』
「まさかの御三家がいんの!?」


30分後………。

『衛宮様!太平上に異常な島を発見しました!全ての生命が魔力に変換された痕跡が残っており、これはクラスカード、魔術師(キャスター)ではないかと!!そしてその1時間前にアルゼンチンの訓練用IS、マジック・パペットが一機消えている事が解りました!!』
「もう其処まで調べ上げたのか!?すげぇな………そうするとキャスターと見て間違いないな、有難うなえっと、遠坂さん」
『はうっ!!わ、私今、衛宮様に苗字を呼ばれたのっ!!!??ぁぁぁああああ今日はなんて日なの!はっ落ち着くのよ遠坂 凛、遠坂たるもの優雅たれ……』
「本当に助かったよ遠坂さん。これからも宜しくね(ピッ)」
『もうむりぃぃぃいいいいいいいい!!!!!優雅にいるなんて無理、全世界の憧れ、私達にとって神である衛宮様で苗字を呼んでいただけたのよ!?もう、萌死ぬしかないじゃない!!!』


う~ん、遠坂さんは結構まともな人だったな。ナタリアさんの言うとおりまともな人も居るんだな、安心したわ。あ~良かった良かった♪だけど事態は俺の想定以上に深刻みたいだな。島一つを飲み込むほどの膨大な力を持ってることになるぞ?歴代キャスターでんな事出来るキャスター居たか!?いやメディアなら在りえるな。確か本気になったメディアさんは某蒼崎でも勝わないらしいし。こりゃ苦戦しようだ、対魔力スキルを一時的にでも底上げするように強化しておくか………。 

 

人生、諦めも肝心

夏休みに突入した今でも俺は寮で生活を送っている。偶に家に戻って掃除と洗濯程度はしているが基本的に寮に居る事のほうが多い。家にはもう誰も居ないし、っというか家だとクラスカードが襲撃しに来た時に対処しづらい。寮なら大急ぎでアリーナに移動すれば迎え撃つ事が出来る。こちらに居る方が利益が圧倒的に高い。………まあ、お陰で夏休みなのに遊びに行けないという事実があるんだがな。本日も貸切状態のアリーナで、一人精神統一という名の待ち伏せ待機中です。

「………」


「やはり、今日もアリーナでああしていたが………」

クラスカードの襲撃に備える為に毎日のようにアリーナに座り込み待機し続ける衛宮、本来衛宮も他の生徒のように夏休みという学生にとって大切な時間を友との時間に費やしたり恋人と過ごしたりしたいだろうにそれを押し殺しながら、戦いの為にそれを諦める。そんな衛宮の姿は、私には見るには辛かった。結局臨海学校では力について語られたが、命については語る事はなかった。その時が来たら姿を隠してひっそりと死ぬと言っていたな衛宮。

「………絶対に、そんなことはさせんぞ衛宮………!!お前はもう一人の弟のようなものだ!!」


えっくしょん!!うう………誰か俺の事噂してる………?って誰かはするよな、俺ってそういう存在だし………。まあ今は戦いに備えるだけだ、どうせまた管制室には千冬さん居るだろうし。何故か俺がアリーナに居る時、必ずと言っていいほどに千冬さんが管制室に居る事が多い。後片付けとか鍵締めとかの管理は使った本人である俺がやっているのに、やっぱり心配してくれてるのかなぁ………。そういえば結局、俺の寿命の事皆に話せなかったなぁ……はぁ、まあそれはクラスカードが片付いてからで良いか。

「………身体は、剣で出来ている。血潮は鉄で心は硝子。幾たびの戦場を越えてっ!!千冬さん、アリーナのシールドをONにして下さい!!クラスカードが来ます!!」
『っ!!解った!!』

さぁて、きやがれっ!!


空間を食い破るように、侵食するように突如闇が心の前に出現した。その闇の黒色が空間を墨を垂らした水のようにじわじわと空間を喰らっていく。空間を自らの糧にして出現したクラスカードは、その姿を現した。

「さあ、姿を見せろ!!」

怨念に穢れた声を耳で受け止めながら呪いを槍を操る槍兵へと姿を変えた心は闇に対する為に全身に力と魔力を込める。闇から伸びる影、咄嗟に後ろへと跳ぶとそこは燃え盛る炎で包まれていた。まだ完全に実体化していないというのに攻撃を仕掛けてきた、しかも地面が融解しかかっている。なんという威力の炎。しかし、それが単純な魔力によるものである事には気づいている心であるが、それが魔術ではない事とは気付かなかった。

「クカァァァァァァ………」
「っ!!」

地面に根を下ろした植物のように、現世に現れた亡霊は泥で出来た身体を少しずつ実体化させながらその姿を露わにした。黒き和装を纏いながら血が滴るその腕の先には鋭く尖った爪、口からは隠しきれていない欲を表現しているかのような牙が覗かせている。そして頭の上には何かの耳のような物が生え、何本もの尾を揺らしながら、魔力の塊である心(極上の栄養源)に狙いをつけた。その姿を視認しながら心は考えていた、これはどの英霊なのかと。

「………魔術師(キャスター)である事には間違いは無い、だが一体何処の英雄だ?」
「………フフッ」
「笑ってやがっ!?」

刹那、本能的に防御姿勢をとった心を爆弾がさく裂したかのような常識では考えられない暴風が襲った。それは防御の壁を一撃で破壊しながら心の動きを止めた。(キャスター)は出現させた円状の武器を高速で回転させなが、心の懐に抉りこませるように叩き込んだ。

「ぐっ!!このぉおお!!」

痛みが走り痺れる身体に鞭を打ちながら槍を振るうが捉えたのは空のみ。既に射程圏外(槍が届かない距離)へと移動している敵を恨めしげに睨みながら強く歯軋りをする。だが心は落ち着いていた、ISを一時的な肉体としているクラスカードは、現界し続けるためにSEを消費し続けるということを心は掴んでいた。そこから、心は今とるべき戦術は持久戦であることを導き出した。

「行くぜっ、削ってやるぜ。お前の命!!」
「フフフッ」

―――可笑しい…可笑しい。疑惑の念で心の頭を埋め尽くされていた。。既に戦闘開始から1時間は経過している。それなのに、何故敵は普通に立っていられる?ライダーはここまで戦闘を長く続けられなかった。それは現界するためだけでなく攻撃にもSEを使ってしまっていたからだ。やつはキャスター、確かに貯蔵魔力はほかのクラスカードに比べ多く、魔力を用いない物理攻撃も用いているとはいっても、圧倒的に魔力を要する攻撃のほうが多いことを考えると、いくらなんでも貯蔵魔力の量が多すぎる!!

「てめぇ、本当に何処の英雄だ!?こんなにすげぇ魔術師は俺も知らねぇぞ!?」
「フフフッ」
「余裕こきやがって……」

優雅たれ、それ言葉が正に当てはまる貴婦人のように優雅にそして余裕の笑みを浮かべるキャスター。自分はまだまだ余裕がある、如何した私を倒すのではなかったのか?とでも言いたげな顔をしている。何か秘密があるのかと思考をめぐらせる、どれだけ名が高き魔術師でもここまで魔力を使った普通は倒れこむ。

「これで如何だっ!刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)!!」

遂に切り札を切った槍兵。あふれ出した赤い光は爛々と輝きながら、変則的で、鏡で反射させた光のように曲がりながらキャスターの心臓を穿った。確かな手応えに勝ったと微笑む心、だが

「フフフフッ」
「なっ!?」

キャスターは笑いを溢しながら現界し続けていた。余りの不気味さに距離を取る。距離をとったことにより槍が抜けたできた傷痕は、すぐさま塞がり、扇で口元を隠すように手で口を隠して笑うキャスターにある種の恐怖を感じる。

「(如何いう事だ………刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)を喰らいながら生きているだと?んな事出来るのか?原作の士郎だって凛に魔力で新しい心臓を……新しい心臓)?まさか!?」

そう、確かに心臓は破壊された。だがキャスターはすぐさま新規の心臓を魔力によって作り出し傷を塞いだのだ。水に何かを刺しても直ぐに塞がるように。だがそんな魔力が何処から…、これではまるで魔力を消費していないみたいではないか…魔力を…消費しない……?ここで心は先程まで打ち合っていたキャスターの武器に注目した。近接戦闘できるキャスターなど数えるほどしか居ない、そこから奴を割り出せると考えた。持久戦に必死になりすぎて真名を打破するのを忘れていた。

「あれは、武器っつうよりもまるで鏡だな………鏡ってまさか!?」

直感、っというそれは濃厚な確信だった。辻褄が合う、最後の一ピースがピッタリ嵌るかのような核心と恐怖が溢れ出してくる。

「まさか、ここはもう奴の宝具の中だったのか!?」

キャスターの真名を確信した心だがそれと同時に沸きあがったのは絶望感だった。

キャスターの真名は『玉藻の前』日本三大化生の一角。そしてその宝具は水天日光天照八野鎮石(すいてんにっこうあまてらすやのしずいし)。国すら覆う規模の対界宝具、そして既に奴はその宝具を展開していた。嘗て無い絶望を、心を襲う。 

 

世界の王に俺はなる!!

全身に重くのしかかる絶望感。キャスターの真名と宝具を突き止めたが逆にそれが精神的に重いプレッシャーを得る事となる結果を生んでしまった。敵クラスカードのキャスターはFate/EXTRAにて相棒として選べる三体のサーヴァントの内の一体であるキャスター。そしてその真名は玉藻の前、日本の平安時代末期に、鳥羽上皇に仕えたと言われる絶世の美女であり、白面金毛九尾の狐が化けたものであるとも言われた大妖狐である。その宝具、水天日光天照八野鎮石(すいてんにっこうあまてらすやのしずいし)は常世の理を遮断する結界を展開し、無限の魔力供給を行うというぶっ飛んだ効果を持つ。

「これはっ、力を出し渋ったのは失敗だったな………」
「フフフッ」

力なく膝を突く心、相手の体力を、魔力を大きく削る為の行動は全て裏目に出てしまった。キャスターは宝具を既に展開しており無限の魔力供給を受けていた為持久戦の効果は無に等しい。逆自分の首を絞めてしまったに等しい。加えて魔力消費が少ないとはいえ宝具も使用した為に魔力の消費が激しかった。心はサーヴァントではなく普通の人間。幾ら宝具を手にした影響で魔力が上昇したとはいえ、結局賄っている魔力は自力で生成している。魔力の生成は苦痛を伴う為、体力を使う。

「ハァハァハァハァ………ぐっ!!(傷が……くそっまだライダーとの傷が癒えていなかったか………)」
「(ニヤァッ)」

獲物が苦しんで居る事に愉悦を感じているのか、キャスターは口角を釣り上げながら一瞬で心の背後を取り、その首筋へと牙を食い込ませた。

「ぐああああ!!!こんのぉお!!」

身体を大きく振るってキャスターを振り解くが、首筋にはくっきりとキャスターの歯型が付いている。そこから血が滴り地面を赤く染める。其処から流れ出しているのは血液だけではない、魔力を補充しやすい人間のものは体液を指す。キャスターは極上の魔力を味わう事が出来、更にその血を飲みたい、その身体ごと我が物にしたいという欲が身体の奥底からあふれ出してくる。妖艶に微笑む女狐は、首の出血を止めようと治癒魔術を掛けている心にゆっくりと歩み寄っていく。

「くっそ…なんとか、宝具を打ち消せればいいんだが………(思い出せ!何度もあのゲームはプレイしてきた、平和男のパートナー時のキャス狐にどうやって勝ったか!!)」

槍を地面に突き刺しながら強引に身体を立たせながら、過去の記憶を必死に漁る。過去、心はキャスターが出ていたゲームを愛用していた。その時にキャスターと対戦する機会も当然のようにあった。その時の戦いの記憶を思い起こそうとしている。何かヒントがあると信じて。

「(思い出せ!!無限の剣製が上書きされてマジ切れした事もあっただろうがっ!?………待てよ、固有結界を上書き………?)」

はっとしながらも、キャスターの鏡を受け流し強烈な一撃を頭部へと叩き込む。だがそこにあったのは魔力によって形成された薄い膜のような防御壁。魔力供給、防御の面においても完璧。正に長期戦にこそ真の力を発揮するサーヴァントだと心は思った。だがそれを破る手を思いついた。心はすぐさま蒼い槍兵(ランサー・ド・クラン)から錬鉄の英雄(ブレード・ウィザード)にフォルムをチェンジし干将・莫耶を投影する。

身体は剣で出来ている(I am the bone of my sword)
「ッ!!」

刹那、キャスターは呪相による超波状攻撃。炎天、氷天、密天。爆炎、氷結、暴風の攻撃が、災害の如く襲い掛かっていく。それを幽霊の如きゆらゆらとしたら不思議な動きをしながらも、狂気に満ちた魔術師の猛攻を防ぎながら、呟き続ける。

血潮は鉄で心は硝子(Steel is my body,and fire is my blood)幾たびの戦場を越えて不敗 (I have created over a thousand blades)

己が目指すべき者、それは世界最強、即ち最強の自分。その為の挑戦、よもやこんなにも早く死に掛ける事になるとは錬鉄の英雄()も考えもしなかった。

ただ一度の敗走もなく(Unknown to Death)ただの一度も理解されない(Nor known to Life)

眼前に立ち塞がる最強の敵(キャスター)、それを切り捨てんと心に決めた。自分に負けという退路は無く、死という名の敗北しかない。己の中に蔓延る恐怖と絶望、それを払拭する為に自分は過ち(正さ)を取る。

彼の者は常に独り剣の丘で…勝利に酔う(Have withstood pain to create many weapons)

唯、突き動かされてきただけだ。今までは自分の意思でこれを使った事などなかったのかも知れない。全ては愛しき人達の為、身体を魔剣、邪剣、宝剣、聖剣へと変えてそれを振るう。

故に、その生涯に意味はなく(Yet, those hands will never hold anything)

今の自分が持ちえる上での最強の力で、それを世界最強(ブリュンヒルデ)へと証明する。

その体は、きっと剣で出来ていた(So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS)!!」

最後の一節が唱えられた途端、炎が奔り世界が変わる。炎は世界を燃やし尽くして行き、喰らっていく。キャスターは余りの炎で瞳を閉じ、数秒後には異界と化した世界に愕然としていた。その世界は、あまりにも寂しかったからだ。草木など一切生えていない赤い荒野。その荒野の色映すかのような赤く淀んだ空。空に回転する巨大な歯車、そしていたる所に突き刺さる剣、それらは凄まじい魔力を放ちながら自らの存在を主張するようだった。

「無限の剣が眠る、剣の墓場。この世界において、私は世界の王となる。これで、貴様の宝具の効力は消えた」
「………ッ!!」

狂気に染まった戦士の如く、怒り狂った叫びを上げるキャスター。自らが持ちえる最強宝具、それを世界を己の心象風景で塗りつぶす大魔術。ある意味で自らをも越える所業を行った心を憎悪の瞳で睨む。だが心は優しげな笑みでキャスターを見つめていた。

「さあ来い、私に出来るのは戦いの中で君という存在を受け入れる事だけだ、来るが良い。玉藻の前」
「ァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」


―――ああそうか、俺って、本当の大馬鹿者だ。


そう思っている手の中には、キャスターのクラスカードが握られていた。愛しげに胸へとしまい、俺の意識は、闇へと呑まれていった。 

 

ユリウスの中の人はズッコケ三人組

ぅぅぅ………いってぇ……って

「寝てる場合かあああああああああああ!!!!!!!!!キャスタァアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「っ!?お、落ち着け衛宮!!もう戦いは終わっている!!」
「ち、千冬さん…?ってあれ、此処は………俺の、部屋?」

あれ………俺、さっきまで戦ってた……よな?なんでベットで横になってるんだ?あれ?駄目だ、どうしても思い出せねぇ……頭でも強く打ったかな……。

「これを見ろ」
「?………そ、それはキャスターのクラスカード!?っつう事は俺勝ったんですか!?」
「如何やら完全に覚えていないようだな……。ああ、突然姿が見えなくなったが暫くしたら再び姿を現したお前は大事そうにこのカードを持っていた」

あっ段々思い出してきた………そうだ、俺は固有結界を展開して持てるだけの最大火力の超連続攻撃でキャスターが常時展開していた呪層・黒天洞で軽減しても無駄なぐらいのバ火力を与え続け俺は勝利した………永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)10連発はきつ過ぎる………。あの時の残存魔力、干将・莫耶の投影が3回しか出来ないレベルまで少なかったぞ………。

「取りあえず軽い治療はしておいた、ゆっくり休め」
「はーい」

そりゃ喜んで休みますよ、もうクタクタですよ俺………。

「まだ小娘達は学園に居るがこの事は話していない、ゆっくりする事だ。それにもう宿題は終わらせているようだからな」
「あっはい、貰って3日で全部片付けました」
「感心な事だ。ゆっくり休めよ(なでなで)

………否、今のすげぇ優しいお姉さん誰だよ。今の絶対にわんぱく盛りで手の掛かるけど可愛い弟を可愛がる系の姉の反応だぞ?!それに今俺の事を普通に名前でお呼びになりましたよね!?すっげえ久しぶりなんですけど!?大体4年ぶりぐらい!!

「ふぅ……まあゆっくり休ませて貰うか、結構疲れたし……」
「こぉぉおおころ~今良い~?」

ん?この呼び方はリーリーか。なんだろう、今の時間は……3時頃か。おやつのお誘いかな?あ~でも今は疲れて胃が何も受けそうに無いんだけどなぁ………。取りあえず開けるかぁ………っていうか俺何時の間に寝巻きに……もしかして千冬さんに身包み剥がされてこうなったのか………?いやぁん千冬さんの獣!ってまあ言うだけもう意味無いけど……。

「はいは~い今あけるよ~」
「こぉ~ころ!!」
「うおっ!?」

開けた瞬間に元気よく飛びついてきた元気印のIS操縦者のリーリー!ってなんだこの説明口調………まあいいか、大体俺の思ってた事は合ってる訳なんだし……。

「えへへへ♪心って暖か~い♪すりすりすりすり♪」
「こらこら年頃の乙女が男の胸に頬ずりするって如何よ」
「心だからするんだも~ん♪」

まあ可愛いからいっか!!可愛いは正義!これは真理だ!!

「ねえ心、何かして欲しい事な~い?私、心のためだったらやってあげられるよ?」
「ん~そだな~………んじゃ夕御飯にリーリーの酢豚が食べたいかな?」
「本当!?解った愛を込めて作るからね!!」
「んじゃ7時頃に俺の部屋ってことで」
「は~い♪それじゃあ私は仕込みとかしてくるね~♪」

元気で何より!!

「心と酢豚♪愛の酢豚♪7時に酢豚♪」

心と酢豚のとを、絶対に『を』に変えないでくれよ!?何かの拍子に言い間違えたら俺大変な事になるからね!!?



ハァ………一体何が如何してこのような状況になってしまったのでしょうか………何故私の手の上に手錠があるのでしょうか………。一夏さんとの仲が如何したら進展するのか悩んでいたら、丁度織斑先生と出くわして

『如何したオルコット、悩み事か?』
『えっその……それは……』
『どうせ織斑の事だろう?そうだ、今の私は機嫌が良い。良い物を貸してやろう』
『良い物、ですか?』
『これを貸してやろう、これで一夏を物にして見て』
『ってこれ手錠ですわ!?如何して織斑先生がこんな物をお持ちで?!』
『余り詮索するな!!』
『(如何してこうなったんでしょうか……)』

本当に如何してこんな物を先生がお持ちなんですの!?色々と可笑しくはありませんか!?普通手錠なんて手に入るものじゃないし先生がお持ちになるのは色々と拙いですわ!!

「ハァ……それにしてもこの手錠を如何しましょうか………」

っというか、こんな物を持ってるなんて事がばれた私、色々いけない事に成るのでは………い、一夏さんに私が変態だと思われてしまうのでは!?そ、それはそれで良いかも知れませんわ………(///)

ドカッ!!

「きゃっ!!」
「いたたたた………」

い、いきなりなんですの…!?って鈴さんではありませんか。

「いったいわね!!何処に目をつけてるのよ!?」
「それはそちらもですわ!!前方不注意も良い所ですわ!!!」
「何よっ!!」
「何ですの!?」
「「ムゥゥゥウウウウ!!!」」

………落ち着くのですセシリア・オルコット、貴族たるもの優雅たれですわ。

「まあ、今は怒ってる場合じゃないからこのぐらいで勘弁してあげるわ」
「偶然ですわね、私も同じ事を考えていましたわ。それでは」

と、兎に角この手錠をなんとかしないと………

がしゃん!!!



がしゃん?何今の音……?って

「ちょっ!?何よこれぇぇぇええええええ!!!??」
「ど、如何してこのような事に!?手品師も真っ青ですわ!!」

真っ青になってるのは私とアンタの顔でしょうが!!

「なんでこうなったのよ!?何で私がアンタと繋がれて逮捕されてるのよ!?セシリアアンタ何したの!?」
「し、したと言えばしましたし。してないと言えば何もして無いですわ……」
「どっちなのよ!?」
「私はただ、織斑先生から借りた手錠を持って歩いていただけですわ♪」
「とんでもなく仕出かてるじゃないのよ!?っていうかアンタが犯人じゃないのよ!?」

ち、千冬さんに借りたって何をする気だったのよ………っというかこれをもったまま歩いてたの!?

「よ、よくそんなものを持ったまま歩けたわね……しかも堂々と……羞恥心とかないの………?」
「確かに様々な方に見られて恥ずかしかったですわ……」
「ほらやっぱり」
「でも、その恥ずかしさが気持ちよく感じてしまって♪」
「ΣΣ(゚д゚lll)変態だぁああああ!!!」

もうやばいわこの子!!この危機的状況で痴女に目覚めちゃったんだわ!!これは、色々やばいわ!!酢豚の仕込みもあるのぃぃいい!!!

「一夏に変態って言われてもいいの!?」
「良いのです!っというか一夏さんにそう言われるのを想像すると最上級に興奮するんですわ!!」
「もう駄目だわこの子!!」
「そして、一夏さんに変態と言われた時は………一夏さんの心を逮捕しますわ!って言いたいんですわ!」
「今私とアンタが誤認逮捕されてるんですけど!!?」 

 

リーリーはリン(ボカロ)だった。

「ったく………よくも無駄な時間を使わせてくれたわね………」
「ぁぁぁぁぁぁっ………お、織斑先生にどういったらいいんですの………」

結局、部分展開で強引に手錠を破壊して外してしまったわ。っというか最初からこうすれば良かったしれないわね、ってもう5時じゃない!?急いで仕込みしないと!!

「ぁぁぁ………借りたものですのに………なんて事でしょう………」
「(ちょっと悪いことしたわね………だからって寝込む事無いと思うけど)」

全く世話が焼けるわねぇ………っていうか今更だけどセシリアって今一人部屋状態なのね、同室の子が帰省中だからか。っという事は………セシリア、一つ貸しとくわよ。

「………あっもしもし一夏?今何処で大丈夫?」
『おっ鈴如何したんだ?今なら食堂でうどんを食べてるんだ』
「うどんって今夏よ?まあいいわ、ちょっとセシリアが体調を崩しちゃったみたいから看病をお願い出来る?」
『えっセシリアが?何でまた?』
「さあ?夏風邪かもしれないから、くれぐれもアンタ一人で看病をお願いねっ!!私はちょっと忙しいから」
『ああ確かに風邪だったら俺引かないし、他の人に移ったら大変だもんな。解った、食べ終わったら直ぐに一人で看病しに行く』
「お願いね、メールで部屋番号は送っとくわ」

これでよしっと、セシリアも愛しの一夏に付きっ切りで看病されるんだから嬉しいでしょうね。さて、お邪魔な私は部屋番号を送りながらクールに去るわ………なんたって、7時には心と酢豚なんだから!



ううん………

「おっ大丈夫かセシリア?」
「い、ちかさん………?」

ど、如何して私の部屋に一夏さんが………!?

「ああ無理に起きるなって、具合悪いんだろ?」
「ど、如何して一夏さんが………」
「鈴から電話があってな、看病しようと思ってさ」

い、一夏さんが態々私の為に………!!か、感動ですわ!!っという事は暫くの間は一夏さんを独り占め出来ると言うことですか!?鈴さん、深く感謝いたしますわ!!

「さて、熱は如何かな?ちょっと失礼するぞ」
「なっ!!なななななな!!!!???」

いいいいいい一夏さん!?ななな何故おでこをくっ付けるのですか!!!??

「んっ~やっぱり熱があるなぁ。やっぱり千冬姉に言ってきて正解だったな」
「せ、正解……ですか?」
「ああ。セシリアの具合が悪かった付きっきりで看病して良いかって聞いて許可を貰ってきたんだ。明日まではこの部屋にいるよ」
「ほ、本当ですか!!?」
「ああ」

さ、最高ですわ………一夏さんが私の為だけにずっと傍についていて下さるなんて………!!

「さてと、ゆっくり横になってた方がいいぞセシリア。欲しいものがあったらなんでも言ってくれよ」
「な、何でもですか………?」
「ああ」
「そ、それじゃあ………私が眠るまで、手を、握っていて欲しいですわ……」
「ああ勿論いいよ(むぎゅ)」

!!!!!い、一夏さんの体温をじかに、強く感じますわっ!!もう血流が一気に加速してもう色んなものが爆発してしまいそうですわぁ!!!

「(ボンッ!!)キュウ………」
「あ、あれ?セシリア?もう寝ちまったのか?」



「さあ心召し上がれ!!!」
「うおおおお頂きます!!!」


―――…ヲ、……ル…ハ、…? 

 

ここまでのキャラ紹介 その1 ネタバレ注意!

衛宮 心

言わずと知れた今作の主人公。ひょんな事から命を落としてしまい、神の手によって転生する事に。その際に神に念の為と固有結界『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』と宝具『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』を譲渡されるが、宝具の影響で幸運がE-へと変化し、修羅の運命(フェイト・オブ・デビル):A+というスキルが追加されてしまう。

現在は篠ノ之 箒と鳳 鈴音と交際関係にあり、二人には強い恋愛感情を抱いている。当初は二股やハーレムというのは苦手で最低の人間がする事と思っていたが、彼女達の強い希望もあり全てを受け入れる覚悟を決める。

専用ISは錬鉄の英雄(ブレード・ウィザード)蒼い槍兵(ランサー・ド・クラン)の二つの顔を併せ持つニ柱の英雄(ダブル・ヒーロー)。どちらもISで宝具を扱い負担を減らす為に束が開発したもの。

友人関係になった相手には自分で考えたニックネームで呼ぶ癖があり、逆にニックネームで呼ばれることは彼から信頼されているor友人として認められていることを意味する。

一夏:いっちー 箒:箒嬢 セシリア:セッシー 鈴音:リーリー シャルロット:シャーリー 簪:簪嬢

ラウラ:ラウラウ 弾:ダンダン 蘭:ランラン ナターシャ:ナタリア

修羅の運命(フェイト・オブ・デビル)
RANK A+  : ココロ・エミヤ
本来人間が持ち得ない宝具を宿した事で発言した呪いのスキル。その宝具の価値を常に発揮させようとする運命が働き、幸運が3段階ほどのマイナス補正が掛かる。幸運E-でも一般人よりも運が良い筈なのに、何処かの幻想殺し並に運が悪くなってしまっている。

織斑 一夏

原作主人公、現在の立ち場は心の親友。心の強さには子供の頃から憧れており、彼のような強い男になり、姉である千冬を守れるようになる事を目指している。幼い頃に心に交通事故か助けられた事もあった為か心を目指しているというよりも(正義の味方)に成ろうとしているという方が正しいかもしれない。

篠ノ之 箒

恐らく今作で一番の変化があり読者を驚かせているであろう人物、幼い頃に心に救われてから恋心を抱いていた。原作で一夏に行っていた木刀などでの暴力沙汰は一切起こしておらず純情な乙女その者。綺麗になったと褒められれば頬を赤く染めて恥ずかしいと言い、頭をなでれれば気持ち良さそうに声を上げるなど、読者から驚きの声が殺到していた。姉である束とは仲は良好で、現在もちょくちょく連絡を取り合っている。

専用ISは心と束が共同開発した魔術を織り交ぜた第五世代型IS『守護の騎士(セイバー・オベリスク)

メインヒロインの第一候補。


織斑 千冬

一夏の姉であり元世界最強のIS乗り、戦乙女(ブリュンヒルデ)。現役を退いたとはいえIS用の武器を生身で振り回すなど、心からは『あの人の方が人間をやめてる(゚д゚lll)』といわれている。心とは一夏以上に長い付き合いであり、束経由で知り合った旧知の仲。唯一腹を割って本音を暴露できる男と本人は思っている。両親を年半ばで失った心をもう一人の弟のように可愛がっており、彼の内面の多くを理解している数少ない人物。何故か魔術が効き難い体質で、本人は知らないが15本の魔術回路を有している。

心の秘密をいち早く知った人物であり、人並みの幸せを手にして欲しいという願いの元、彼の寿命を延ばすために現在奔走中。


篠ノ之 束

篠ノ之箒の姉であり、また、ISの開発者。 『天災』を自称し(アンタはこっちだろと、災に変更させられた)またその自称に恥じないだけの能力を持つ科学者。箒を救ってくれた心に一番最初に興味を示し、ISの世界で初めて魔術の存在を知った。それからは心に指導して貰いながら、己にも魔術回路があることに自力で気付く。その数31本。魔術師として才能を開花させる。中学2年の心を半ば強引に拉致して自分の助手として逃亡生活を共に送る。

心に対して強い愛情を抱いており、自分の為に傷つく事に深い罪悪感を持っており「傍に居てほしいが自分の為に傷ついて欲しくない」と考えているが、彼の意思を尊重しサポートすることを決める。現在の夢は子を産む事とISの宇宙進出。

得意魔術は解析、転換、そして自力で編み出した魔術『重力変換』。重力を自由にコントロール出来るがその際に重力を変換する為の演算は自力でしなければいけないので、束以外が行うと脳がオーバーヒートして破裂する。束は一応保険として演算能力に特化したISを持ち歩いている。

今作一番のオーバースペック持ちである。 

 

見よっ!この鍛え抜かれたこのボディッ!!

「やめえええい!!そこまで!!勝者、篠ノ之 箒!!」
「よしっ!!」
「だっ~また負けた!!」

これでいっちーの10戦1勝9敗っと。そして箒嬢は10戦9勝1敗で記録っと。現在いっちーと箒嬢は自分の操縦技術を向上させる為の模擬戦が続けられていた。因みに俺は全勝です、早々簡単に負けてやるつもりは無いからね。でもいっちーは中々強くなった、二次移行(セカンドシフト)なんてしなくても十分に技術を向上させている。この前は俺との模擬戦で連続瞬間加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)をぶっつけ本番で成功させやがったし。一応あれって難易度Sクラスの超高等技術なんだけどなぁ………織斑の血、恐るべし!!

「くっそおおお!!今回こそ勝てると思ったのに!!新しい戦術だってあっさり破られるし!!」
「い、いやあれはかなり冷や冷やしたぞ。いきなり死角から凄まじい剣撃が飛んできたのだから。燦然と輝く王剣(クラレント)を出していなければまともに喰らって危なかった」
「ああ、技術も剣撃の速度もかなり上がってる。問題はそれを生かせるだけのパワーだな」
「うん、俺もそれは振ってて思ったんだ。唯速く振るだけじゃあ動きが速いだけの剣、それじゃあ強い技じゃない、でも下手に力を加えると剣がブレて狙いが定まらなくなるんだ」

う~ん、じゃあ課題になってるのは力を込めて振ってブレないようにする正確性、いや違うな。

「違うな。課題は力を抑え込むだけの身体作りと身体の動かし方だ」
「身体の動かし方と抑え込む為の身体?」
「ああ、どんなに強い力があってもそれに見合うだけの身体がなきゃその力を十分に発揮出来ない。だからこれからは筋力をつけるメニューをやってもらう」
「えっ!?ぐ、具体的には?」
「俺特製のパワーリスト・アンクルを付けて筋トレだ。ランニング5キロ、腕立て100、腹筋100、スクワット100、背筋100、ISの腕部をのみを部分展開し、ブレードの素振り200回だ」
「うへえええええええええ!!!!!????」

文句は言わないの、俺だって一緒にやるんだから。幸い天の杯からクラスカードの情報は入ってきていない、こういう時間はいっちーとかを鍛える時間に使って強くなってもらおう。

「わ、私もやるぞ心!!」
「え?箒嬢も?でも、筋肉とか付いちゃうし下手したら腹筋とか割れるから女性的に大丈夫?」
「私はそんなことは気にしない。健康の為にも、そして私はもう心の足手纏いになりたくない!」
「よしっやろうぜ箒!!」
「おう!!」
「………まあ本人が良いって言ってるんだから良いか」

その日から、いっちーと箒嬢の特訓が始まった!!

「よし、まずは足に500gずつの錘を付けてランニングだ」
「合計1㎏か」
「(ぴょんぴょん)確かに足は重いけど、走れるぜ!」
「よっと………良し、ランニングはウォームアップも兼ねてる。しっかりな、俺は後ろから走って二人の速度が落ちたら声を掛けるからな」
「解った!行こうぜ箒!」
「ああ!」

威勢は良いな。だけどいっちー、このランニングは結構辛いんだぜ?

「はぁはぁ、2キロ突破!まだ、大丈夫だな!」
「ああっ!この程度まだまだ大丈夫だ!!」

さて、そろそろかな?

「「後、半分ッ!!!??」」
「コラコラ速度が落ちたぞ~、走った走った~」
「な、なんだ急に足がっ!!」
「お、重くなった!?」

そう、まだ元気が有り余っている時は重さは強くは感じない。だけど疲労が溜まってくれば足に掛かっている重さを実感してくる。これが、キツいんだよねぇ………。冗談抜きで。

「ぐぉおお!!足、足が重いぃぃいい!!」
「これ、はっ!キツい!!」
「無駄口叩くとは余裕だね~んじゃ3キロぐらい追加しちゃおうかな~?」
「「だ、黙って走りますぅぅうううう!!!!」」

キッチリ10分後

「ゼェゼェゼェゼェ………」
「ハァハァハァハァ………」
「こ、これだけでも……十分キツい………」
「こ、これがウォームアップとは………」
「さて、5分後には腹筋を開始するぞ。その際には500のリストを両腕に付ける、そして厳しく逝くから覚悟しなさいよ?」
「「じ、字が違うと思うんですがそれは………」」

腕立て

「ごじゅうさぁぁぁん……ごじゅうよぉぉぉん……」
「ごじゅうごぉぉぉぉ……ごじゅうろくぅぅぅ……」
「ほらほら頑張れ頑張れ」

腹筋

「ろくじゅうななぁぁぁぁ……ろくじゅうはちぃぃぃぃ……」
「ろくじゅうきゅうぅぅぅ……ななじゅうぅぅぅぅぅ………」
「はい後30回」


スクワット

「ななじゅうさぁぁぁん……ななじゅうよぉぉぉん……」
「ななじゅうごぉぉぉぉ……ななじゅうろくぅぅぅ……」
「ほら若いんだから頑張る」

背筋

「きゅうじゅうななぁぁぁぁ……きゅうじゅうはちぃぃぃぃ……」
「きゅうじゅうきゅうぅぅぅ……ひゃくぅぅぅぅぅ………!!!」
「良しっ15分の休憩後、素振りを開始!!」

素振り

「ひゃくきゅうじゅうななっ!!ひゃく、きゅうじゅう、はちぃぃぃ!!!」
「ひゃっく、きゅうじゅう、きゅうっ!!!にっっひゃっくぅううう!!!」
「よしそこまで!よく頑張った!!」
「だぁぁああ!疲れたぁぁああ!!」
「も、もう駄目だ………」

うむ良く頑張ったな二人とも。努力すれば人間なんでも出来るもんよ。

「どうする?今日でやめるか?」
「や、やめてたまるかよ……今日乗り越えられたって事は明日も乗り越えられるって事だ!!」
「そうだ、私も毎日これをやるぞ!!」
「よく言った!俺もとことん付き合おう!!まあ取りあえず、今日はもう休もうか?」
「「そうさせて下さい………」」