運命の二重奏


 

・・・

 
前書き
プロローグを入れてみます。 

 

「どうして君が‼」

 燃え盛るホグワーツの中、僕は叫ぶ。そこには僕に杖を向ける友人の姿があった。

「俺が、お前と同じ考えだと思ったのか?そうならばとんでもないお人よしだな」

 ハッと嘲笑する彼は、楽しそうに笑う。

「ハリー、お前はダンブルドアを選んだ。俺は、帝王を選んだ。ま、ダンブルドアはもう死んだけどな」

 アハハと大きな声で笑う彼に、殺意が湧く。

「ま、今は殺さねぇよ。お前は、帝王の獲物だ。じゃあな、『ポッター』」

 彼は、アッシュはそう言って、僕の前から消えていった・・・ 

 

始まりの日

 
前書き
 ハリーポッターの夢小説です。文章力がないと思いますがよろしくお願いします。 

 
 
アッシュは、いつものように本を読んでいた。その本は童話集であり、幼いながらアッシュはこの話に出てくるような『英雄』や『お姫様』はいるわけがないと思っていた。

 そんな時、部屋を叩く音が聞こえる。

「アッシュ、あなたにお客さん。学校の方ですって」

 『学校』の言葉に疑問を感じながら、いつものように人の良いを微笑みを浮かべて扉を開ける。そこにいたのは、見慣れた院長と共に黒いローブらしきものを着た女性が立っていた。

「申し訳ありません。アッシュと二人きりにしていただけませんか」

「分かりました」

 女性だけが部屋に入った。

「初めまして、アッシュ・グレドール。ミネルバ・マクゴナガルと言います」

 女性は椅子に座り、アッシュはベッドに座る。そして、女性を見る。こういうタイプには礼儀正しくしなきゃいけないみたいだな。と思い、敬語を使う。

「あの人が呼んだんですか?」

「いいえ、そうではありません。」

「じゃあ、なんで」

「貴方の入学は生まれた時から決まっていたんです」

 そう言い、マクゴナグルはローブの中から一枚の手紙を取り出し、アッシュに手渡す。


『ロンドン ミッチュリー孤児院 302号室


  アッシュ・グレドール様』

 
 
 自分の名前が書いてあるを確認し、手紙中の紙を取り出す。そこには、

 
『親愛なるグラード殿

 このたびホグワーツ魔術魔法学校にめでたく入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。教科書並びに必要な教材のリストの同封いたします。新学期は9月1日に始まります。

                                    敬具

                          副校長ミネルバ・マクゴナル』

 と書いてあった。

「ホグワーツ魔術魔法学校?」

「ええ。貴方は魔法使いです」

 驚いて言葉が出ないアッシュは心の中で疑問が晴れた気がした。幼い頃から周りと違う『異質』であることを感じていたこと。心のどこかで『ここは自分の居場所じゃない』と思っていたことの全ての説明がつく。

 あぁ、俺は魔法使いだったのか。

「納得したようですね」

「あの、マクゴナガル先生。推測ですけど、魔法使いの存在はこっちの世界、僕が居る世界では秘密にされているんではないですか?」

「ええ、そうです。マグル、魔法使いではない人物を事を言うのですが、マグルの人間には秘密にしています」

「じゃあ、この教材はどこで買うんですか?」
 
 と二枚目の紙を広げて言った。そこにはロンドンで買えそうない物ばかりが書いてあった。

「『漏れ鍋』という店に行きます」

 マクゴナルから場所を聞き、メモをする。アッシュは人が嫌いな為、自分ひとりで行くことにした。

「ありがとうございました。あの、9月からよろしくお願いします」

「これを」

 そういい、アッシュに切符を渡した。キングス・クロス駅発9と3/4番線と書いてある切符をみてアッシュはまた首をかしげる。

「では私はこれで」

 マクゴナルの声で我に返り、一番聞かないといけないことを忘れたいたことを思い出す。

「最後にひとつだけ質問いいですか」

「ええ」

「魔法使いや魔女は、皆『蛇としゃべれる』んですか?」

 その言葉を聞いたとたん、マクゴナルは顔を付きを変えた。

「貴方は・・・いいえ、貴方にはまだ早い。質問に答えます。その能力は魔法使いでもそれほどいません」

 そして、慎重な面持ちで部屋を出ていった。アッシュはその姿を見て、まずいと感じた。

 蛇と喋れるのことは誰にも言わないほうがいいみたいだなと思った。それと同時に9月が待ち遠しいと感じる。

 机まで歩き、本を開く。その本にでてくる魔法使い、これが自分なんだ。そう思うと笑いが止まらなくなる。

 どうやら、これからの人生楽しくなりそうだ。





  

 

組み分け

 
前書き
  

 
 
『サラザール・スリザリン

 ホグワーツの創設者の一人。マグルに対する差別意識が高く、他の創設者と仲が悪かった。その後、ホグワーツから去った。蛇語を喋れることができた。現時点直系の子孫は途絶えていてる。』

 アッシュは、そこまで読み本を閉じる。

 『蛇語』は物凄く珍しいらしい。ホグワーツでは隠しておく必要があるな。

 本を横に置き、窓の外を見る。窓の外は都会の景色から何もない丘の景色に変わる。

 9と4/3番線なんて変なホームだと思ったけど、まさか9番と10番の柵の間に向かって真っ直ぐ歩くなんて思っても見なかった。さっきのハゲタカの剥製がてっぺんについた帽子をかぶってた変な服装のお婆さんと気の弱そうな少年がいなかったらずっとあのままだったな。感謝だな。

「あのさ、ここ空いてるかな」

 コンパートメートの戸が開き、さっき柵の前で見た気の弱そうな丸顔の少年がカエルを抱えて入ってきた。

「空いてる」

 そう言うと、少年はアッシュの向かいに座った。何も離さず沈黙していると、沈黙に耐え兼ねたのか少年が話しかけてきた。

「僕、ネビル・ロングボトム」

「アッシュ・グレドール」

 また沈黙が流れる。その沈黙を破るように、コンパートメートの戸がまた開き、栗色の髪をした少女が入ってくる。

「ここ空いてるかしら」

「うん、どうぞ」

 ツカツカと入ってきてネビルの隣に座る。

「私は、ハーマイオニー・グレンジャー。貴方達は?」

「僕はネビル・ロングボトム」

「アッシュ・グレドール」

 自己紹介をした後、ハーマイオニー話し始める。

「私の両親は魔法使いじゃないの。だから、私が魔女だって知って驚いてたわ。ネビルは?」

「僕は、家族みんな魔法使いなんだ」

 そうネビルが言った瞬間、ネビルの手からカエルが逃げた。

「あ、トレバー!!」

 カエルはコンパートメントを出ていなくなってしまった。

「探しに行きましょう、ネビル」

 ハーマイオニーは、ネビルの手を引っ張って探しに行ってしまった。静かになったコンパートメートで、またアッシュは本を開いた。

____________
______

「ホグワーツ入学おめでとう。新入生の歓迎会がまもなく始まりますが、大広間の席に着く前に、皆さんが入る寮を決めなければなりません。寮の組み分けはとても大事な儀式です。ホグワーツにいる間、寮生が学校での家族のようなものです。教室でも寮生と一緒に勉強し、寝るのも寮、自由時間も寮で過ごすことになります。

 寮は四つあります。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリン。それぞれ輝かしい歴史があって、偉大な魔女や、魔法使いが卒業しました。ホグワーツに居る間、皆さんの良い行いは、自分の属する寮の得点になりますし、反対に規則を違反し時は寮の減点になります。学年末には、最高得点の寮に大変名誉ある寮杯が与えられます。どの寮に入るにしても、皆さん一人一人が寮の誇りになるように望みます。

 まもなく全校列席の組み分けの儀式が始まります。」

 聴き慣れた声が聞こえ、目線を上げると説明に来たマクゴナガルがそこにはいた。生徒達はどんな組み分けをされるのかと口々に話し、一年生が詰まった部屋は緊張感に包まれている。アッシュも普段は緊張しないが、この時だけ少し落ち着かない気持ちになる。

「さあ、行きますよ。組み分けの儀式がまもなく始まります」

 一年生はゾロゾロと並びながら、二重の扉を通って大広間に入った。

 そこには、本で読み想像していたよりも、素晴らしい光景が広がっていた。おもわず息を呑み、ここで暮らせることに喜びを感じる。
 
 マクゴナガルは四本足のスチールを置き、その上にボロボロの帽子を置いた。その帽子をじっと見ているとつばのヘリの破れ目が、まるで口のように開いて、帽子が歌を歌いだした。



 私はきれいじゃないけれど

 人は見かけによらぬもの

 私をしのぐ賢い帽子

 あるなら私は身を引こう

 山高帽子は真っ黒だ

 シルクハットはすらりと高い

 私はホグワーツ組み分け帽子

 私は彼らの上をいく

 君の頭に隠れたものを

 組み分け帽子がお見通し

 かぶれば君に教えよう

 君が行くべき寮の名を
 


 グリフィンドールに行くならば

 勇気のある者が住まう寮

 勇猛果敢な騎士道で

 他とは違うグリフィンドール


 
 ハッフルパフに行くならば

 君は正しく忠実で

 忍耐強く真実で

 苦労を苦労と思わない



 古き賢きレイブンクロー

 君に意欲があるならば

 機知と学びの友人を

 ここで必ず得るだろう



 スリザリンはもしかして

 君はまことの友を得る

 どんな手段を使っても

 目的成し遂げる狡猾さ



 かぶってごらん!恐れずに!

 興奮せずに、お任せを!

 君を私の手に委ね

 だって私は考える帽子!



 歌が歌い終わり、全員が拍手喝采をした。そんな中でアッシュは、「グリフィンドールは騎士道」「スリザリンは狡猾」そんなことを言ってるから仲が悪いんじゃないか。と思っていた。

 俺はスリザリンだな。性格的に騎士道なんて持ち合わせてないし、正しくないし、意欲もない。スリザリン向きの正確だしな。

「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子をかぶり、組み分けを受けてください」

「アボット・ハンナ!」

 次々に呼ばれ、組み分けを始まる。みんな緊張しているのか、転んだり躓いたりして椅子に座っていく。

「グレドール・アッシュ!」

 自分の名前が呼ばれ、ゆっくりたけどしっかり歩き椅子に座る。そして頭に帽子をかぶせられる。

「フーム、面白い。狡猾で自分の目的のためなら手段を選ばない。頭が良く、才能もある。だが、他人を信じない。

 君はスリザリンに入るべきだろう。しかし、私は君をスリザリンに入れるわけには行かない。例えそれが、彼らを裏切ることになったとしても。君は、グリフィンドールに入らなければならない。未来のために。

 グリフィンドール!」

 最後の言葉は大広間全体に広がり、グリフィンドールのテーブルから歓声が上がる。アッシュは、帽子を脱ぎ、テーブルに向かう。

 そして、赤毛の眼鏡をかけている少年の隣に座る。

「初めまして、監督生のパーシー・ウィーズリーだ」

 話しかけられいることも上の空でさっき帽子に言われたことが頭の中で反響する。

 『君がグリフィンドールに入らなければならない。未来のために。』

 落ち着いた所で、初めて上座の来賓席を見る。そこで、アルバス・ダンブルドアと目が合う。ダンブルドアは自分を見ると、どこかほっとしたような顔をした。

 なるほど、マクゴナガル経緯で俺が『パーセルマウス』だってことが知っているな。それよりも、『彼らを裏切ったとしても』ってなんのことだよ。

 アッシュは、歓声が爆発するテーブルでただひとり俯いて考えていた。
 
 

 
後書き
 
 ほとんど、原作に書いてあるセリフが主体です。 

 

魔法薬学

 
前書き
 更新が遅くなってすみません。高校の受験があり、忙しくて更新できませんでした。これからはどんどん更新したいと思います。

 

 
 
 アッシュの最初の授業は上々だった。授業態度は悪くないし、変身術ではクラスでハーマイオニーと共にマッチ棒を針に変えることもできた。アッシュは、あと一ヶ月もすれば『優等生』の肩書きが手に入るだろうと考えていた。

 しかし、142もの階段や授業よりも面倒な問題が一つアッシュにはあった。それは、毎日毎日しつこく話しかけてくる存在だ。

「なあ、今日はスリザリンと魔法薬学だったけ?」

 フルーツを食べているアッシュの横にしっかりと座り、パンをもぐもぐと食べながら話しけてくる。

「そうだよ、イーランド君」

 愛想のいい作り笑いを浮かべ、答える。

「リアンっでいいって。それにしてもスネイプって、スリザリンをめちゃくちゃ贔屓するらしいよ。何かとつけてグリフィンドールを減点するんだって」

 そう言うのは、赤みがかった栗毛に灰色の目をしているリアン・イーランドだった。

 たまたま寮の同室になり、それ以来『友達』になろうと半分付きまとい行為をしている。この人物こそ、アッシュの頭痛の種だった。天然なのかバカなのか近寄らないで欲しいと不機嫌オーラを出しているのに、アッシュに話しかけてくるのだ。それは、食事に終わらず、授業中、移動中、寝るときさえいつも一緒に行動してくる。

 ああ!こいつのせいで自由に動けない!

 微笑みながらリアンと話をしているが、内心今にでもリアンを吹っ飛ばしたい気持ちだった。アッシュにはやりたいことがあったのだ。それは、ハリー・ポッターに偶然を装って接触することだったのだが、リアンが離れないせいで未だ出来ていない。

 一見みれば見た目麗しい少年が喋りあう仲睦まじい光景だが、アッシュは心なかで

 早く離れろ!このバカ!!

 と悪態をついていた。
___________

______

「あぁ、さよう。ハリー・ポッター。われらが新しい―スターだね」

 地下牢に猫撫で声が響く。その声の主は、魔法薬学の教授セブルス・スネイプだった。

「このクラスでは、魔法薬調剤の微妙な科学と、厳密な芸術を学ぶ」

 ふつふつと呟くような声は、シンとした地下牢に響く。アッシュが隣を見ると、冷や汗を浮かべたリアンが机の下で、十字を切っていた。それに内心苦笑いしながら、顔には出さずスネイプの声を、『優等生』らしく背筋を伸ばして聞いている。

「このクラスでは杖を振り回すようなバカげたことはやらん。そこで、これでも魔法かと思う諸君も多いかもしれん。フツフツと沸く大釜、ユラユラと立ち昇る湯気、人の血管の中をはいめぐる液体の繊細な力、心を惑わせ、感覚を狂わせる魔力・・・諸君がこの見事さを真に理解するとは期待しておらん。我輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえふたにする方法である―ただし、我輩がこれまで教えてきたウスノロたちより諸君がまだまだましであればだが」

 ずいぶん小説的な言い回しだな。意外とロマンチストだったりして。

 大演説の後、クラス中がシーンとなり、隣ではリアンが真っ青になっているのにも関わらずそんな全く関係無い事を考えているアッシュは、余裕だった。

「ポッター!アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になる?」

 いきなりポッターを指名し、質問する。その少し横でグレンジャーが高々と手をあげている。ツンツンとリアンはアッシュの腕をつく。

「なあ、解かる?」

 小さな声でリアンはアッシュに問いかける。

「眠り薬になるよ。でもあまりに強力だから『生ける屍の水薬』って言われてる」

 さも普通かの様にリアンに答えるアッシュは、勿論教科書を事前に何回も読み返し、暗記している。答えると驚いたような顔をして、「さすがだね」と呟いた。

「わかりません」

 ポッターは答えた。

「チッ、チッ、チ―有名なだけではどうにもならんらしい」

 グレンジャーの手は無視され、スネイプはせせら笑った。

「ポッター、もう一つ聞こう。ベルアール石を見つけてこいと言われたら、どこを探すのかね?」

 スネイプはまたそうポッターに聞いた。そしたらまたリアンが腕をつつき、顔を覗き込んでくる。それを、スネイプを少し指し、「ちゃんと聞け」とジェスチャーをする。

「わかりません」

「クラスに来る前に教科書を開いてみようとは思わなかったわけだな、ポッター、え?」

 隅々まで、ポッターが覚えてるわけないのに。と思い、大人げないと呆れていた。

「ポッター、モンクスフードとウルスベーンの違いはなんだね?」

「わかりません」

 そこまで行くと、堪えきれずにフッとアッシュは笑ってしまった。それをあざとくスネイプは見つける。

「グレドール、何がおかしい」

 冷たい声でアッシュに問う。隣のリアンはやばいよっという風に何度も腕をつついてくる。

「いえ。最初の授業でいきなり、一年生で習わない内容が出るとは思わなかったので」

 スネイプの冷たい眼にも臆することなくハキハキと言う。そう言うと目に見える様にスネイプの顔は引きつる。

「では、グレドール。君は解かるのかね」

「ええ。アスフォデルとニガヨモギを合わせると、眠り薬になります。でも強力な為、『生きる屍の水薬』と言われています。ベゾアール石は山羊の胃から取り出す石で、殆どの薬に対する解毒剤となります。モンクスフードとウルスベーンは同じ植物で、別名をアコナイトと言いますが、トリカブトの事です」

 どうですか?と言わんばかりにニコッと微笑むと、スネイプは苦虫を噛み潰したような顔をした。

「正解だ。諸君、何故グレドールが言ったことを全部ノートに書きとらんのか?」

 いっせいに羽ペンと羊皮紙を取り出す音が聞こえる。その音とかぶせる様にスネイプが言った。

「グレドールに一点やろう。ポッター、君の無礼な態度でグリフィンドールは一点減点」

 点入ってないじゃんと思いながら、何も言わない事にした。



 その後も魔法薬の授業はグリフィンドールとって良い物ではなかった。スネイプは生徒を二人一組にしたが、リアンと組むもんだと思ったのだが、無理やりネビル・ロングボトムと組まされてしまった。

「ねぇ、次は何をするの?」

「ああ、大鍋を火から降ろして・・・って‼」

 ネビルが、鍋から火を下さないうちに山嵐の針を入ようとしている。

「やめろ‼」

 そう叫んだのがいけなかったのか、ネビルはビクっと驚いて手を止めてしまった。そして、そのまま誰も止める事のなくなった山嵐の針は、鍋に入って行った。

 咄嗟にネビルを身体とローブでかばう。

「っつ」

 大鍋が割れた時に、アッシュは背中にぐっしょり薬を浴びてしまった。

「ア、アッシュ‼大丈夫‼」

 大丈夫なわけないだろ‼と叫びたかったが、そこはアッシュ

「大丈夫だよ。ロングボトム君こそ大丈夫?」

 と笑って見せた。

「バカ者‼おおかた、大鍋から火を降ろさないうちに、山嵐の針を入れたんだな?」

 その後、ネビルに連れられて医務室に行くことに為った。


「これを塗って少し経てばすぐ直りますからね」

 そう言って、校医のマダム・ポンフリーは背に薬を塗っている。その横でネビルは青くなって立っていた。

「ありがとうございます、マダム」

 そうベットに腰かけた状態で恭しくお辞儀をすると、顔を赤くしていえいえと居なくなった。

「あの~」

「大丈夫だよ、そこまで悪くないから。心配しないで」

 そうにっこり笑うとほっとしたようで、ネビルは顔に赤みが戻ってきた。

「アッシュ‼大丈夫か‼」

 次の瞬間、扉を凄い勢いで開け、リアンが入ってきた。

「ああ、見た通りにそこまで酷くないよ」

「よかったー。まじでどこも悪くない?」

 そう言って、アッシュの肩をがくがくと揺らす。

「うん」

 そう言うと、揺らすのをやめて抱き付いてきた。それをやんわり剥がし、心の中で思う。

 あぁ、面倒だ。

 と。


 






 
 

 
後書き