ゴッドイーターオリジン
始まり
何もない広い砂漠を一台のトラックがあるところに向かって走っていた
「ねぇ、ヤマトお兄ちゃん。何時になったら次の支部に着くの~?」
助席に座っている少女が運転席で運転しているヤマトと言う少年に聞いてきた
「後、30分ぐらいだよ、ナナ。」
「えぇ~まだそんなにあるの~」
「向こうに着いたら新しい服とか買ってやるから我慢してくれ」
「は~い」
トラックの助席に座る少女…ナナは不満げな顔をしながらも我慢するみたいだ……そこで、運転席についているセンサーのブザーがトラック内に響く
「ここで来るの~!?やめてよ~」
「怒っていても仕方ないだろ。いつも通り、片付ける!センサーにヒットしたのは東から三………オラクルは小さいから小型……オウガテイルだな。ナナ!スナイパーライフルで援護射撃よろしく!」
「任せてヤマトお兄ちゃん!」
ヤマトと言う少年はトラックの後ろに置いてある刀を一本だけを持って車から降りる。ナナと言う少女は自分の身長の倍はあるスナイパーライフルを持ってトラックの屋根を開いて構える
「ヤマトお兄ちゃん……来た……想定通りオウガテイル3」
オウガテイル……すべてを捕食する人間の天敵…荒ぶる神、荒神の一種……アラガミは突如として現れ世界を食らって行った……ほんの十年~二十年で世界の人口は一割近くまでに減少した。
厄介なのはアラガミにはそれまで使われていた兵器は一切効果は無く……唯一……アラガミに対抗する力はアラガミの細胞…《オラクル細胞》を使った生体兵器…《神機》とそれを操るフェンリルの《神を喰らう者》だけのはずだった
「よし、行くか!」
ヤマトは刀を抜刀し、オウガテイルに向かって走り出す
ゴッドイーターには片腕に神機制御の為に四角い腕輪がついているのだが……ヤマトとナナにはそれはない……それに、ヤマトとナナが使っているのは神機では無く……何の変哲のない刀とスナイパーライフル……この二つではいくらがんばってもアラガミに傷つけることはできないのだが……
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
『グオオォォォォオオォォォォ』
ヤマトは刀の間合い……一番近いオウガテイルの懐に入り込んで刀を振ると、斬れずはずのないオウガテイルが………
真っ二つに切れた
他のオウガテイルはターゲットをヤマトに絞り二方向から襲いかかってくる
「ヤマトお兄ちゃんはやらせないよ!」
トラックの屋根にいるナナがライフルを撃つ
打ち出されたライフルの弾は一匹のオウガテイルに直進する……だが、このライフルも見た目何の変哲も無いスナイパーライフルで弾も普通の弾丸……もちろん、オウガテイルには一切傷を付けられないはずだが……ライフルの弾丸はオウガテイルを………
撃ち抜いた
「これで!」
最後のオウガテイルをヤマトが切り裂いて戦闘は終わった
「ふぅ~」
ヤマトは一息ついてトラックの方に歩き出す。
「ナナお疲れ。」
「私は一発撃っただけだよ~ヤマトお兄ちゃんこそ、お疲れ」
二人はお互いに励まし?あってからヤマトはトラックに乗り込み、ナナはトラックの屋根から降りる
「それじゃあ、行こうか」
「うん………待って!広域センサーに反応!東十キロ先にオウガテイル反応二……それと、…大型種の反応一!近くに神機使いの反応二!どうするヤマトお兄ちゃん!」
ヤマトはおかしいところに気づいた……大型に神機使い二人ならベテランだと普通は思うが……ヤマトは一人で大型種と何度か狩っている……そのため、ベテラン二人なら可能なのは知っているが念のために他に神機使いを一人や二人連れて行くだろう…それが、今回は無い…それに最近、これから向かうロシア支部と極東支部でなにやら裏で何かをしていることを掴んでいた
「助けに行くぞ!ナナ、スナイパーライフルにオラクル爆裂弾を装填!それと念のために俺の『飛刀』を準備しておいて」
「うん!」
ナナが返事するとヤマトはトラックを東に向けてアクセル全開でとばす。
この時既に運命の歯車は回り出していた
神機使いの少女達
ヤマト達が向かっていた戦場では……二人の少女がトラを模様した姿の大型アラガミ…《ヴァジュラ》から逃げていた
「なにが、オウガテイル三頭よ!ヴァジュラなんて聞いてないよ!」
「そ……そうですね」
逃げている内の一人……赤い帽子を被っている少女の顔色が優れない……
それに気づいていたもう一人の少女は何かを決めたのかその場に立ち止まる
「オレーシャ?」
「アリサ……私が囮になるから…先に逃げて」
「そんなことしたら!」
アリサと呼ばれた少女は少女……オレーシャを止める
「わかってる……囮になれば死んじゃうと思う…だけど、このまま、逃げても二人とも死んじゃう!だから、せめてアリサだけ逃げて!」
「でも………!」
『グオォォォォォォォォンッ!!』
二人の直ぐそこまでヴァジュラが迫っていた
「アリサは早く逃げて!」
オレーシャは自分の新型神機のロングブレード《アヴェンジャー》を構える
「やあぁぁぁぁぁぁ!!」
「だめぇぇぇぇぇぇ!」
オレーシャはヴァジュラに突っ込んでいく、アリサは後ろで叫ぶしかなかった
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「オレーシャ!」
オレーシャはヴァジュラの電球を直でくらってしまいアリサの前まで吹き飛びスタンで動けなくなる
「あ、アリサ……早く…逃げて…」
「い…いや……」
アリサは腰を抜かしたのかその場から動けなかった……ヴァジュラは倒れているオレーシャにゆっくりと近づいていき、オレーシャの目の前で口を開き、補食しようとするが………
ドカン!
「「え?」」
オレーシャを補食しようとしたヴァジュラが爆発と共に横にふきとんだ
「なにが、起きたの?」
「わからない………アリサ!あれ!」
オレーシャが指差す方にアリサが顔を向けるとトラックがこちらに向かって走ってくる
「こんな所で…民間人?でも、助けてくれたの?どうやって……」
トラックが二人の前に止まり、運転席から、一人の少年……ヤマトが出てくる
「大丈夫か、新人神機使い(ゴッドイーター)さん方?」
「あ、はい………じゃあ、無いです!民間人は退避してください、ここは危ないです!」
「それはわかってるよ、でも安心してくれ。俺は、ゴッドイーターでは無いがヴァジュラは倒せる。ナナ、『飛刀』を」
「はい、ヤマトお兄ちゃん!」
車内からナナが刀を一本持って出てきてヤマトに渡す
「ありがとう、ナナ。ナナは二人を守ってて……俺がトラを殺るから!」
ヤマトは刀を腰に下げるとヴァジュラに向かって走る
「アラガミに普通の刀なんて!私たちも………「あなた達になにができるの?ヴァジュラから逃げていたあなた達になにができるのかな?ヤマトお兄ちゃんなら大丈夫だからさ、ここでじっとしていてよ」
ナナは行こうとするアリサとオレーシャを止める
「それに、ヤマトお兄ちゃんが持っている刀や私が持ってる銃が普通なんてあるわけ無いじゃん!」
ナナはそう言いながらライフルを構えて一発撃つ……その弾はヤマトを越え、ヴァジュラに当たり爆発が起こる
「今の……さっきの…」
アリサは先ほど、自分達が助けられた爆発と気づく
「ヤマトお兄ちゃん特製、爆裂弾だよ。そして………ヤマトお兄ちゃんのあれが……」
スパァン!
ナナがヤマトの刀のことを説明しようとしたとき何か堅い物が斬れた音が聞こえ、音がした方を見るとヴァジュラが真っ二つになって倒れていた
「す、凄い……」
「あれが、ヤマトお兄ちゃんの実力だよ……ヘタなベテラン神機使いよりは強いはずだよ」
ナナがそう言っているうちにヤマトが戻って来ていた。
「ヤマトお兄ちゃん、お疲れ様!」
「ありがとう、ナナ。で、神機使いさん達はコアを補食してくれないかな?」
「あ、はい!」
ヤマトの問に慌てて、アリサがヴァジュラのコアを補職する
「あの!助けてくださりありがとうございます。私は……「オレーシャ・ユーリ・エヴナ・ハザロヴァ
だろ?」なんで、私の名前を?」
オレーシャはヤマトが自分の名前を知っていたことに疑問に思っているとアリサがコアの補食を終えて戻ってくる
「今回は助けてくださりありがとうございます。私は「アリサ・イニーチナ・アミエーラだろ?」どうして、私の名前を?」
アリサもオレーシャと同じで疑問に思う。
「忘れたのか?俺のこと酷いな~アーちゃんにオーちゃん?」
二人はヤマトが言ったあだ名に驚いていた……自分達をそう呼ぶのは一人しかいないからだ
「その呼び名……」
「まさか……」
「そう、俺だよ。鬼神餓月ヤマトだよ…四年ぶりになるのかな……アーちゃん、オーちゃん」