ポケットモンスターズファンタジー~導かれし者達の軌跡~


 

前書き

 初めまして、そうでない方はこんにちは。今回から少しのポケモン不思議のダンジョン要素を含む小説を書き始めました。

なのでダンジョン、道具、イベント、場所が類似する箇所がありますが基本的にオリジナルストーリーで進行します。
 そしてこの小説には町、島や登場キャラクター個々のプロフィール、構成設定が執筆され、大きく変われば同じキャラクターでも その2のキャラプロフィ が執筆されます。つまりそのキャラクターの様変わりを読者様が簡単に?確認できます(少しは自分の為なんですがね;)
 ちなみにキャラプロフィール専用のページと町の紹介専用ページは分けて投稿する予定です。

最後の説明ですが、舞台になるのはオリジナル地方がメインで、現実世界、反転世界、異次元、過去未来を予定しています。
 が、急遽変更になる恐れもありますので予定程度です; 

 

中書き

 敵組織の名称は『ドリーム・メーカーズ』(DM)
 
 この組織の目的は“ポケモンを現実世界へ出現させること”。


 ポケボードから迷い込んできた元人間とは別の方法で現実世界からやってきた元人間と共に、現実世界にポケモンを出現させようとしています。
 彼らが目的を実現させるために取る方法は、『歴史を改ざんして太古の昔からポケモンが現実世界に存在していたことにする』というものです。ただし、彼らは絶対的な悪ではありません。
 あくまで『自分たちの理想を実現したい』という強い思いの元で動いています。ですが、並行して仮想世界(ポケモン世界)の征服も裏で起きています。そして、裏の作戦を阻止する為に動くのは元人間(ポケボードから迷い込んできた人たち)です。
 なので本来の目的の 人間世界の歴史の書き換えはストーリーが進むに連れて明らかになる っという事で執筆しています。

 それと時空間の歪みによる影響の説明などは、哲学・専門分野になりますのでそちらだけ分けて説明します。
でも、正確に証明されていないものばかりなので(ブラックフォール、時間跳躍など)浅く、分かりやすく説明します。 

 

後書き

 このページの次から本編に入ります。ですが先にこの小説内での記号説明です。


~~~~~☆~~~~~ 場面変更

~~~~~★~~~~~ 人称変更

~~~★☆★~~~ 場面変更及び人称変更


「」 基本セリフ

「()」心の声

《》 キーセリフ

() 補足説明

""  技名

以上特殊記号でした。では、そなたに星の加護があらぬことを・・・・・・ 

 

裏切り者

「ま、まずい・・・・・追いつかれる・・・」
「待てっ!!奴を逃がすな!!」
 夜の路地を体が黄色くてほっぺが紅いネズミのような体をしたポケモンが逃げている。その種族名はピカチュウ・・・なのだが、普通のピカチュウと違ってメガネをかけており、そして体の至る所に傷が。どうやらこの子は命からがらここまで逃げ出してきたようだった。

 それに、頭のなかでは早く逃げなきゃっと思っていても、身体が鉛のように重たく、ゆうことがあまり聞かない。途中途中でふらっと体勢が崩れたりもしたがなんとか耐えぬいていた。が、いずれ限界は来ると分かっていた。でもそんなすぐに起きようとは。

 その子は石畳の段差につまずいて派手にすっ転んでしまったのだ。その隙にピカチュウを追っていた5匹の犬のような軍団にジリジリと距離詰めりれ、立った時には4方を囲まれていた。種族名は4匹はポチエナ。それとリーダー格であるらしいグラエナだ。
「・・・ここまでだな」
 追っていた1人、グラエナがかろうじて立とうとしているピカチュウの前に出て、見下ろしながら勝ち誇ったように言う。だがその言葉と顔はまったくもって一致はしていなかった、なぜなら悲しみの顔なのだから。そして追いかけられていた方は、口をゴニョゴニョして何か言おうとしていているが、なかなか言い出せないでいた。だが決心を決めて今の状態で出せる限りの声量でグラエナに向かって言う。
「・・・なぜこんな事をするの!!?答えてよギラファ!!」
「ギラファと呼ぶな!!お前とはもう仲間では無い!! お前のことをもう一生仲間とは言えないんだ・・・言いたくてもな・・・・・・。 お前は俺たちを裏切り、外部に情報を漏らした。そのことを上層部は俺に外部に流れたデータの削除と・・・・・ライト、今まで研究を共にしたお前を抹殺をすることになった・・・。 だが俺は断った、否定した!!お前やったことじゃないことをっ!!!・・・・・・だが調べてみたら・・・」
 最後の言葉を言ったあと少し視線をずらし、
「お前のルーターのアクセス記録から情報を流したサイトを調べて、IPアドレスを調べてみたら完全に一致した・・・。 認めたくなかった、だがあいつらはリモートアクセスで俺が調べていたことを見ていたらしく、抹消しなければ家族を殺すと急き立てられた・・・・・・だから俺は・・・お前をこの手で・・・」
 ライトはそれを聞いて言葉を失った。最初はそれを投稿した後、自分で命を絶とうとしていたのだ。だが、いざしようとすると手が震え、死にたくないっと心から願ってその場所から逃げた・・・。殺されたくもなかった。だから全力で逃げた。でも、その自分が逃げだしたことが、他人の中のことまで飛び火するとは思ってもいなかった。それがまさかの仲間のギラファっと言うグラエナだったのだから・・・。
「・・・すまないライト。これは命令でやらなければ俺の家族、そして自分までが殺せれちまう・・・。・・・・・・許せ、研究を共にした俺の研究仲間で友達の・・・ライト・・・・・」 

 

導かれし者

 場所は変わって現実世界。外はすっかり秋模様で、道には茶色い落ち葉で所々で溜まっていた。そして、時々強い風が吹いてその枯葉を吹き上げては落とし、吹き上げては落とすを繰り返していた。そんなことを横目で見ながら課題にふけている自分。<ruby><rb>柴崎 弥生</rb><rp>(</rp><rt>しばざき やよい</rt><rp>)</rp></ruby>。正直嫌になるほどの課題の量で、せっかくの秋やすみだというのにどこにも行く時間が取れなかった。でもどんのな物事もやり続ければいつか終わるのだ。私は終わった課題をホッチキスで ぱちんっ と止めると、鞄の中に突っ込んだ。
「さて、これで課題終了っと。んー、やっと終わった」
 そういいながら私は、小学校から使っている机の引き出しの、最上段の右側からノートパソコンを引っ張りだして、電源コード、USBマウスとメモリを差し込んで電源を入れる。ちょっと古めだがスペックはまぁまぁあるものを、約二年分の貯金を銀行から下ろして父と母とで電気屋に行って買ってきたのだ。プロセッサがIntel i7の2.20GHzで、物理メモリは8GBのグラフィックボードなし。HDDの容量が500GBで、その時は出た当時だったUSBの新たな規格の3.0が入った中古品の現品限りで、6万円弱っという値段に飛びついて買ったもの。今思えばこんな幸運機が買えたのは奇跡だと私は思っていた。
「えーと・・・あれ?ブックマークに登録しておいたはずなのに消えてる? 検索かけるしか無いかな。検索ワードは『ポケボード』っと」
 ポケボード。それははポケモンが大好きの人に送る交流の場とも言われるところで、部屋と呼ばれる8つの掲示板で構成されている。
  1つ目はピカチュウ部屋。ここではポケモンに関係することをみんなで話すページで、私は毎回は来たらまっさきにこのページに訪れて話すのだ。
  2つ目はライチュウ部屋。こっちはポケモン以外のことを話すページで、私は利用したこと無いのでよくわ分からない。
  3つ目にソーナンス部屋。ここではいろいろな質問が出来るので、私は不思議のダンジョンシリーズの事をよく聞いたものだった。アンケートも出来るのでどのブイズが一番好きか?っと言うアンケートを出したら、投稿すごい事になったのが今でもはっきりと覚えている。ちなみに私は断然『イーブイ』派だった。
  4つ目にペラップ部屋。ここも開いたことがないので分からないが、言葉繋ぎして遊ぶ部屋らしい。
  5つ目にラティアス部屋。このページではポケモン小説を書いて投稿するページ。だけど私はすでに他の小説投稿サイトで公開しているので使わなかった。
  6つ目にラティオス部屋で、この部屋はラティアス部屋に書いた小説の管理とかを主にしている部屋。
  7つ目はポリゴン部屋。このページはポケモンバトルをしたい人が自分のフレンドコード、時間などを指定して対戦を予約したり、大会を作ったりするような部屋。
  最後に管理主に連絡や問い合わせを行うプクリン部屋。間違って投稿してしまったスレッド、消せなくなってしまったスレッドを消して欲しいが殆どのコメントだった。
 ちなみに私はと言うと、つい最近この掲示板を知って、ここでは《アーシア》っと言うペンネームでこのサイトを出入りし、交流していた。いろいろな人と同じ事で語り、楽しみ、たまには面白い話とか、色々なことを聞きくことが出来た。そして今回もピカチュウ部屋に入って何はなそうかなっと思ってみたのだが、すぐにとあるスレッドに目が止まった。それは トピック一覧の一番上のスレッドに助けてください とタイトルが付けられたそのスレッドがあった事。まさかっと不意に思って、他の部屋の全てのページを回ると同じスレッドが立っていた。どれを開いてみても本文にはURLが一行だけ書かれているだけだった。
 プクリン部屋にもこれを削除依頼が多発しているのだが、何故か消せないと頭を抱えているようだった。しかもやっかいなことに、その時間より遅い投稿のものがあっても、絶対に謎のスレットが一番上から動かないのである。
「これって・・・荒らし?」
 ネット上には、掲示板に不愉快な書き込みや意味不明な書き込みなどを繰り返し行う人たちがいて、そういう人たちを 荒らし と呼ぶ事を私は知っていた。でも・・・荒らしにしては手が巧妙すぎる。だってこのサイトを作った管理人ですら消すことが出来ないのだから。だから私は自然とその不思議なアドレスの上にカーソルを添えていた。このまま右手の人差指に力が入ればクリックされ、そのアドレス先に飛ばされることであろう。何かあってもすぐに戻ってくればいい、そう思ってマウスの左ボタンを押す。


カチッ


というマウスの音が部屋に響いた。だが次の瞬間、ありえないことが起きたのだ。身体が急に軽くなった感覚と、急激な加速感がし、目の前が急に暗くなり私の意識が遠くなったのだから・・・・・・。



 意識が少し戻ったのだが、身体に妙な浮遊感を覚え、今少し鮮明になった私の意識はまた確実に深い闇の中へに沈んでいく・・・・・・。
「あなたをポケモンだけの世界へと導きます・・・・・・」
 薄れゆく意識の中、頭の中に直接響くような不思議な声が聞こえた・・・・・・私は周りを見るが真っ暗でなんも見えない・・・・・・。
「ドリーム メイカーズを・・・彼らの暴走を・・・・・・」
 その不思議な声は、薄れゆく意識の中でもなぜかはっきりと聞こえる・・・・・・。
「あなた達が止めてください・・・現実世界に影響が出る前に・・・・・・」
 徐々に不思議な声も小さくなっていく中で、最後に聞こえてきたのは悲痛の叫びのようなものだった・・・・・・。
「お願いします・・・助けてください・・・・・・」
 その言葉を最後に不思議な声も聞こえなくなり、私の意識は闇の中へ完全に沈んだ・・・・・・。 

 

出会い

 場面は戻り夜の脇道。今まさにピカチュウがグラエナとポチエナ達に囲まれている場面。

 自分はここでもう終わりなんだ、生きられないんだ・・・っという気持ちが体全身を怖ばせ、ライトは芯から震えていた。でもそれと同時に殺されてもいいっと思った。なぜなら殺されなきゃギラファは友達っと言っても、僕にとっては友達以上、親友以上だと自分は思っていたのだから。でもおかしい、あの時は死にたくなかった、でも今は死んでもいいっと思ってる。だから最後は自分から今出せる声を更に引き絞り、
「・・・分かった。もう覚悟決める・・・よ・・・いままでありがとっ。 僕が死ねば君が助かるのならば、それで僕は・・・」
 僕は覚悟を決め、目を閉じる。今思えばい色々あったなっと昔の記憶を思い返す。その間にも足音は着々と大きくなり、ついに正面に・・・
「・・・・・・ふんっやぁ!!」 「ひゃぁっ!!?」
 自分は一瞬何が起きたか分かんなかった。ギラファは僕に近づくと、両手足で掴んで背中に乗っけて走りだしたのだから。ポチエナ達の焦った顔がその時よく見え、血そうを変えて追いかけてくる。僕にはギラファのしている行動は全くの疑問だった。そんなことしないでっ!!と言いたかったが、その時にはもう視点が狭まり、しばらくして完全な闇に包まれた。

 次に目覚めた時には2匹のポチエナが倒れており、僕の身体は床に寝かされていた。なんでこんなことにっと思ったが、すぐにどんな状況なのかは飲み込むことが出来た。ギラファが僕のことを殺させまいと戦っており、ギラファが途中で治療してくれたようで、自分の身体は気絶する前よりかなり楽になっていた。これならっと思って立ってすぐに僕は1匹に対して電撃を発射する。だが簡単に避けられてしまった。
「ばかっ、まだ動くな!!こいつはお前なんかじゃ倒せる相手じゃねぇ!! お前とのレベルが違いすぎるっ!!」
「そんなこと言われたって僕は戦うよっ!! ・・・"電光石火っ"!!」
 ギラファの言葉を無視してさっき電撃を避けた奴に一気に間合いを詰め、そのままスピードにの乗ったアイアンテールを繰り出す。そしてまたもや交わされ、逆にその尻尾を持たれて地面に叩きつけられた。どさっ、と鈍い音が響く。
「・・・ふんっ、こんなもんか。それにしてもやはり上層部の判断は正しかった。 やっぱりお前が足手まといになることは分かっていたようで、同時に始末することをお前の命令が下る前に俺たちは貰っていたんだ。 所詮にお前も上層部捨てられたってことだ」
「なんだと・・・。 じゃあ・・・あんのなこと言ってお前たちが何か言ったり、どついたりもしなかったのはそういうことだったんだな・・・・・・」
「ああ、そうだ。それとお前の俊足とパワーがあるならば、そこの子ネズミを担いで逃げることまでは分かっていた。だが、こっちの2人が倒されたのは予想外だったがな」
 黒い眼帯をしているポチエナは静かに言う。それを聞いてギラファは怒りが物凄い勢いでこみ上げ、そいつに今出せる全力で突っ込んでいく。ライトとは比べ物にならない速度で、そのままノーマルタイプの中でハイリスク&ハイリターンの"すてみタックル"の体制に入った。当たると思った瞬間、真横から衝撃が来てふっ飛ばされ、その時ギラファはもう1人居た事に気がついた、怒りでそいつの事しか眼中に無かったのが問題だった。
「・・・くっ・・・そっ」
「これまでだな、先にお前を殺させてもらう。生きてられると色々と面倒だからな。 安心しろ、お前を殺したその後にたっぷりとそこのネズミを可愛がってや・・・ぎゃあ!!!」
 言葉は途中で悲鳴で終わり、自分の身体にも衝撃が全身を走る。その理由はライト。ライトはそのポチエナに乗りかかって放電し、ありったけの電気を放電しているので、周りは青白い光と、ライトのきつそうに放電している顔が見て取れた。しばらく放電はし続けていると、そのポチエナは力なく地面に崩れ落ちた。
 同時にライトも荒い息呼吸を繰り返し始めたのだが、その顔が妙に青い。電気を使いすぎたのだ。すぐにでも横に行って大丈夫かと問いたかったが、力が入らない。それに徐々に視点が暗転していった・・・・・・

~~~~~☆~~~~~

その事が起こる一時間くらいの???地点


「・・・・・・うぅ・・・ここは?・・・」

 周りを見渡したところ、海。何でこんなところに・・・? 周りが暗く、空には星が広がって波の音が聞こえるから夜の海だと思われる。何が何だか状況把握ができていない所に、何を思ったのか立とうとして足に力を入れる。
 だが、立ち上がることも、ましてや足を曲げることすら出来なかった。なんだか足に鉛を背負われているような圧迫感と、痛さ。首と目は正常に機能しているようで、周りの視界が段々鮮明になってきた所で、自分の身体を見る。だがそれはそれはいつも見慣れている姿ではなく・・・足が3本指でスラっとしていて、茶色かった。えっ、と思って今度は頭を下に向けて言うことを聞かない両手を恐る恐る無理やり運ぶと、そこには人間ではありえない、触ると感覚がある突起物、耳のようなものがあった。いや、これは耳だ。っとなると・・・頭に浮かんだ名前はひとつしか無かった。7つの進化先を持つポケモンで、しかも私が大好きな個体名・・・まさか本当になっちゃうなんて・・・・・ポケモンのイーブイに。でもそんなことの前に、
「・・・身体が濡れてて寒い。何とかしないと凍死しそう・・・・・・。 う、動こうにも力はいらないし、視野もぼやけ始め、て・・・・・・」

~~~~~☆~~~~~

 同時刻の岸。この時間帯で夜の風を浴びながら飛んでいる子が1人。全身紫色で首から白色のオカリナをぶら下げたムウマだった。
「・・・・・・ふぅ、やっぱり夜の海岸の散歩は気持ちいい・・・。 この前の嵐みたいな雨が嘘のようね」
 ムウマは体全体で風を受けながらゆっくりと移動する。ゴーストタイプ全般に言えることだが、夜が一番行動しやすく、気分がいいのだ。ましてや1週間ほど前から雨が凄い勢いで降り続き、今日やっと晴れたのだから。それにまだほんのりと土の香りがし、その匂いは何故か彼女は好きだった。それに風が強くもなく弱くもなく、ちょうどいいくらいよそよ風だったのでこれは散歩するしかないと出てきた次第である。
「ふぅー・・・さて、そろそろ帰らないと。 ずっと飛び続けていもいいけど、今度は体冷やしちゃうしね」
そう言うと今まで地面から30センチくらいの位置を浮遊していたのだが、急上昇して上空50メートル付近までゆっくりと上昇していく・・・。そこまでの高さは上った事はなかったが、1週間ぶりの散歩なのだからって言う事で少し無茶をしたくなったのだ。
「・・・ふぅー、ここはここで街明かりが見えて、キラキラしててすごく綺麗ね・・・。ポートタウンやナルトシティ、グーレスタウンにエシュゼタウンまで。今度機会があったらまたいろんな町に行くのもいいわね。 ・・・さて、もう少し見たいけど今回は体冷えてきたし帰りましょ」
 そう言うと今度は目を閉じ、力をふっと抜いて地面へと自由落下する。ゴーストタイプ全般に言えることだが、体重が軽いので自由落下っと言ってもそんなに早く落ちるわけでもない。それに風を感じたいわけでもない。ただ単に浮遊感が好きなのだ。でも自分で浮く浮遊感ではなく、なんも力を入れない浮遊感を。
 いつもなら地面スレスレまで目を閉じたままで、近づくまで目を開けなかったのだが、今回は違い、逆さまから見える海に見える月明かりを見ていた。いつも普通の向きから見ているのでこれはこれでいいかもっと、と思った直ぐに、海岸によく分からない固まりが見えたような気がした。石だろうと思ったが、だとしたらかなり変な形の石。一応確認するために体を元に戻してブレーキを掛けながらゆっくりと近づいていく・・・
「・・・・・・茶色くて・・・小さくて・・・尻尾があってー・・・・・・尻尾っ!!?大変っ!!だ、誰か倒れてる!!」
 それはポケモンの姿だった。でもあの個体種はここらでは見かけないし、それに波打ち際で打たれて倒れているなんて何かがあったしかありえない。それに気温は肌寒いかな位なので、身体が濡れているのであれば更に寒く感じ、低温状態で最悪・・・。
 降り立ってすぐに行ったのは、首筋に手を当てて体温チェックと脈拍チェック。その時、揺らし起こしたり、大声を出して呼んでいるのに全くそのことの反応が帰ってこない。脈は弱く、それに予測通り体温が低い・・・危険な状態だ。
「うそ・・・早く何とかしなきゃ」
 そういうとムウマは目を閉じ、次に見開いた目は先程の紫色の眼の色ではなく青い色になっていた。それと同時にイーブイの体全体が青白い光が宙に浮き出す・・・そう、今使っている技はエスパータイプの技の一種の"サイコキネシス"。その技を使いイーブイを運ぼうとしているのだが、なぜこのようなことをするのかと述べると、エスパータイプは色々な物を通り抜けてしまう為に、何か触れたり、運んだりする為にはサイコキネシスを使わないといけない弱点がある。
 更に言うと技の威力は、どんなに弱い初期技の 葉っぱカッター でもレベルが上がれば葉を飛ばすスピードが増し、葉っぱの量が当然変わるので侮ってはいけないみたいな事。なので、このムウマの場合は推定20レベルと仮定するならば、持ち上げるのがやっとなはず。
 だがこの子は・・・
「とにかく運ばないと。今の時間は病院しまってるから無理だから・・・モルクの家ね。ここから2キロちょっと離れてるけど、飛ばせば10分もあれば行けるし」
 苦しい顔をせずに、ましてや2キロちょっとの距離をそんだけの時間で着くと見積もったのである。深く、ゆっくりと深呼吸すると、40km出ているのではないかと思うほどのスピードで全力で飛んでいったのだ。


 その時、首からぶら下げていたオカリナ自体から薄緑に弱く光を放っていた・・・・・・
 

 

とある家での出来事

「はぁ、はぁ・・・い、急がなくちゃ・・・。 何とか連れて行くことが出来れば・・・後は、なんとかなる・・・」
 ここは先程の場所から1キロ地点、速度はまだおとろえずにキープしていた。なんらかんらでここまで宣言通りの5分ほどしか経っていなかったのだが、最初とは違うことが一つだけあった。それは明らかにイーブイの浮いている高度が地面から20cm辺りまで落ちていることと、彼女、ムウマが時々ふらっとする事。だいぶキツイことが見て取れる。だが、そんな自分にムチを打って「・・・あとちょっと、あと、ちょっとなんだから・・・」っと心の中で叫ぶ。
 それからのなんとか家の前に到着し、呼び鈴を鳴らす。 珍しくまだ起きているらしく、窓から赤黄色い光が部屋の中から漏れ出している。おそらく火の光だろうか。ムウマは"サイコキネシス"を弱めて運んでいた子を、近くにあった椅子の上にゆっくり寝かせた。 ここまで来るのにだいぶ乾いたが、まだぐっしょりと濡れており、身体も更に冷え切っていて、脈もかなり遅い。
 
 お願い・・・無事でいて・・・・・・

 切実にそう思った。なぜなら死なせたら何ががなくなってしまいそうな変な感覚があったから。でも、自分がどうそう思ったのかはよく分からない、表現出来ない。そう考えていると カチャリ と小さな音が鳴って、彼女は顔を上げると、そこには青い耳に黄色い身体、そしてほっぺにマイナスの記号がある電気ポケモンの マイナン だった。
「レイエルどうしたの?」
「説明はあとっ!! ごめん!!」
「うわぁっ!!!?? ちょっとレイエルっ!!」
 マイナンの言葉を押し切って、レイエルと呼ばれたムウマは再び"サイコキネシス"を発動して、寝かせていたイーブイを浮かせて中に入る。そして、入って直ぐの右側の部屋にある暖炉の前にイーブイを同じようにゆっくりと寝かせた、っと同時に、
「レイエル!!話す前に人の家にずかずかと入らないでよっ!! しかもこれで三回・・・目・・・・・・そ、その子は誰?」
「さっき散歩してる時に海岸でずぶ濡れのこの子を見つけたの。 体温がとても低くて、脈も弱くて、病院行こうと思ったけど遠かったし、ましてや危ない状況だったし、木の実を取り揃えてるのモルクくらいしか宛がなくて・・・」
「・・・なんだかよくは分からないけど、そのイーブイが大変な状況なのは分かったよ。 それでボクは何をすればいいの?」
 モルクと言われたマイナンは事情を聞く前はいきなり入り込んできた時には怒っていたが、聞いたら驚いた顔をして自分は何をすれば良いのか問う。すると間を開けてレイエルは、
「とにかく体温が低いからナナシの実とかヤチェの実とか凍り状態になった時に効く実無い?」
「え?どうして。だったら辛い実を食べさせたほう「いいから!!」・・・はいぃ」
 レイエルはモルクの言葉を無理やり切り、はてなを浮かべているモルクにこう言った。
「確かにあなたの発言の通り辛い実を食べさせて体から暖めたほうっと思うでしょうけど実はその反対。 体温が低いのに辛い食べ物を食べさせてしまうと体の内側は暖かいのに外側は低いままだからあえて一種の 凍り状態を解いてから辛い実を食べさせて体全身を温める っていう方法がいいの」
「へぇ~・・・じゃなかった。話を聞く通りだとナナシとフィラの実かな? 後はー・・・オレンの実とかオボンの実とか、毛布やら持ってくるね。 それと、ここまで頑張って連れてきたんだから疲れてたり、お腹空いてるでしょ?今日は泊まってていいよ」
「ありがとう、じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。よろしくね」
 その言葉にモルクは 分かったよ っと言うと、足早にリビング、暖炉がある部屋を出て行った。モルクが木の実を持ってくる間にイーブイを改めてよく見てみると、濡れていた毛並みはいつの間にかに乾き切ったようだが、改めて見て気がついたことがあった。それは、そこらでみるイーブイより毛並みが綺麗で、整っていて、触ってみても引っかかりがまるでない。まるで、この世界に来たのが初めてみたいな・・・それに、身体の大きさも一回りほど小さく、自分はこれほど小さなイーブイを見たのは、幼いイーブイしか見たことが無い・・・。
 そして、そんな事をレイエルはあれこれ考えていると、モルクがナナシの実を2個と、フィラの実を1個と、オレンとオボンの実三個を浅いバスケットに入れた状態で持って現れた。それをレイエルは受け取る。ちなみにナナシの実が凍り状態回復で、次にフィラの実が辛い実で、最後にオレンとオボンの実が体力を回復させることが出来る実である。
「ありがとうモルク」
「このくらいならお安い御用だよ。 じゃあ僕は続けて毛布とか持ってくるよ」
「ありがと。あっ、一応この子には敷き布団持ってき・・・・・ううん、やっぱり私も行くわ」
 レイエルはそう言うと廊下の方へとモルクを追いかけてふわりと飛んでいく。最初は 任せちゃおかな などと考えていたのだが、改めて考えてみて、勝手に上がり込んできて何もしないのはどうかと思ったのだ。そして、廊下挟んで反対側の部屋のふすまの中から、敷き布団を1つ、敷き布団カバーと厚めの掛け布団と枕をそれぞれ3つ出すと、1セットはモルクが持ってきて残りはレイエルがイーブイをここまで運んでくるのに使った技、サイコキネシスを使って部屋に戻ると、一時全て置いて、今度は敷き布団カバーと敷き布団を浮かすと、慣れた手つきでセットして床に引く。セットするっと言っても、脇のゴムを引き伸ばしてはめるだけの簡単なものだが、手でやらないとなると相当難しいはずなのだが、簡単に彼女ははめてしまった。
「レイエル、疲れてるのにわざわざありがとうね」
「ふふ、こんくらいでバテてたら何も出来ないわよ。それにこのくらいは・・・簡単っと」
 レイエルは話しながらもう一個をはめてセットして床に引くと、今度はイーブイを浮かせてその布団の上にゆっくり寝かして、掛け布団をかける。そこで改めてイーブイの横顔を2人して見たのだが、連れてきた当初とは違って苦しそうな顔をしてなく、安心しきったような顔で小さな寝息を立てていた。
「・・・ふぅ、色々と何とかなったわね。ありがとうモルク、あんたのおかげよ」
「困ってる人を助けるのは当然の事だよ。またなにかあれば力になるよ、ぼく」
「さすが探検隊希望ね。 探検隊ねー・・・あんたなら出来るんじゃない?」
「ありがとう。じゃあ頑張ってみようかな?」
 そのような話からさらに一時間後。さすがに時間もいいくらいになってきた(20時くらい)ので、寝ることにした。


 そしてそれから1時間ほど経った頃。モルクの家から北の方角、海とは逆方向の遠くの場所で青白く、眩しいほどの光が地面からほとばしった。だが3人はそんなことに気が付くはずもなく、起きずに眠っていた・・・・・・。 

 

新たな一日

「・・・んーーーーーもう朝ぁー・・・?」
 いち早く起きたのはモルク・・・なのだが、まだ寝たり無いらしく、目が半分しか開いていない。よろよろしているあたりはやはり寝ぼけているようで、玄関に差し掛かる前のカーペットに盛大に引っかかって、まるでお笑いを見てるみたいな綺麗なヘッドスライディングを決めて、最後に玄関の段差から落ちて停止し・・・しばらく痛みに悶え苦しんでいた。
「・・・・・・いっつぁ・・・血は出てないけどー・・・今の音でもしかして起きちゃったり・・・?」
 そう思い、恐る恐る壁の縁からリビングを覗き込む・・・が、その心配をよそに2人はまだ寝息を立てて寝ていて心からホッとする。そして玄関の方に改めて向かい、ドアを開けて外に。家の前に刺さっている自分と同じ色の青色のポストから新聞を取り出して中に入り、リビングに戻りながら読み始めて、ソファーに腰をゆっくりと降ろしながら、
「それにしてもこの子どこから来たんだろう・・・? この辺じゃイーブイなんか見かけないし、どこか遠い地方から流されてきたのかな・・・」
 すぅ、すぅ、っと小さな寝息を立てながら寝ている女の子を見ながらそう呟く。他になにかあるか考えるが、やっぱり聞いたほうが早いと思い、改めて新聞を広げて読み始める。新聞の内容にはまずお約束の天気予報・昨日の出来事、それにいろんな商品の告知と広告、そして創作料理の作り方の写真付きでとても美味しそう(当然モノクロなのだが)。それに加えてちょっと変わった記事が入っており、それは《今日の予測電力供給量・電波混雑度・Link strength of the teleport station》っという謎の単語・・・最初は飛ばすとし、2つ目と最後。
 まず2つ目のことは、どれだけ今日は電波が飛び交うのかっという数値を通知したもの。数値が高い程様々な電波が飛び交いますよっという意味であり 1~10 まである。今日は数値8。かなり混雑する事が見て取れる。
 次にLink strength of the teleport stationは直訳すると《テレポート駅のリンク強度》という意味で、これは町の特定場所に必ず1つはある《他の街に瞬間移動ができる装置》自体の繋がりの強さを示し、コレも10段階表示だかさっきのとは逆で、この数値が低い程行きたい場所じゃなくて他の街に飛ばされてしまうのだ。今回の数値の値は6。10人に付き4人は他の場所に飛ばされてしまう事になる。
 ちなみに何でこんなものがあるのかというと、殆どはお年寄りや、身体が不自由の人がいろいろなところへと行けるように配慮して設置したもので、その他に、自分の街の病院では手の施し用が無い、緊急搬送が必要など、緊急車両もこれを使って主にナルトシティの中央病院に送られる。そして、こちらは専用回線なので出口が違うは絶対にありえないように設計されている。
 いつも通りにモルクはそんなページはスルーして昨日の出来事、最新情報、緊急速報ページに。今回は《不思議のダンジョン生成止まらず》と大々的に取り上げられていた。
 そして真ん中くらいの記事差し掛かった時に目に止まったニュースがあった。見出しには《ポートタウンの裏路地で巨大雷落下!?》と書かれていた・・・この町には何も無かったのだが、とうとう不可思議の事が起きたものだから、この街を含めて全部の街でトラブルが起きた事になった。
 ちなみにポートタウンは、モルクの家が建ってるここがそう。この町はこの地方《ミサラ地方》の最南端にある町で、海がすごく綺麗なのと、緑色に変色した海岸が特徴的のエメラルド海岸が真夏になると大賑わいするレジャースポットである。
「とうとう起きちゃったんだね・・・あっ、しかもその影響で5人が死亡で1人が重体か・・・・・・。 一週間前からこの地方も含めてなんか変だよね・・・」
 一週間前からこの他の街や場所で様々な事件・行方不明や、火事・地震・大雨など、自然災害が絶えなくなったのだ。理由も全くの不明。何故こうなっているのかを調査していると聞いた事ことはあるのだが、理由がやはり分からずじまい・・・それと急激にさっきも出てきた《不思議のダンジョン》が膨れ上がれあがってしまい、そして噂では今までそうでなかった場所も不思議のダンジョンになったとの報告もあり、一つの町を飲み込んで生成してしまったと。そこの住人も含めて未だその人達は見つかっていないのだと。
「・・・何かと物騒だよね。 ・・・あ、もしかしてこの子もその影響だったりするのかな・・・?ともかく今はこの子が起きないと何も始まらないし、聞けないかふぁー・・・やっぱりまだ眠いや・・・・・・」
 昨日よりもはるかに顔色が良くなったイーブイを見ながらモルクはあくびを一つ。モルクは朝が苦手なのだが、珍しくこんなに早く起きたのでまだ寝足りないのだ。
 あともう少し寝よう・・・二度寝しよう

そう心の中で決め、新聞を畳んでソファーに背を預けた。が、それと同時に・・・
「おはようモルク」
「うぁあっ!!?・・・いたぁっ!!」
 モルクの頭の上からお化け・・・いや、レイエルの顔が出てきたからびっくりしてソファーから落っこちた。それを見てレイエルは戸惑いながら、
「ご、ごめん・・・」
 謝りながらレイエルは心配してモルクを覗き込み"サイコキネシス"を使用して、起き上がらせる。
「あ、ありがとう。 ・・・じゃなくて!!レイエル酷いよっ!!」
「だからごめんって謝ったじゃない・・・それと声超え大きすぎ、起きちゃうわよ・・・」
「あっ、それはそうだったね・・・取り敢えず悪いって思ったならいいよ。 でも次はしないでね?」
「もちろん・・・それにしても相当疲労してたのね、この子は・・・・・・。こんなに騒いでも起きないなんて」
 レイエルはイーブイのところへ行き顔を覗き込む。すぅーすぅーと小さな寝息が聞こえ、その次はおでこをつけて体温確認・・・大丈夫らしく、モルクにウィンクを飛ばす。
「もうこれなら大丈夫ね。いきなりのお願い聞いてくれてありがと」
「ボクこそ助けられて良かったよ。昨日はたまたまもう少し起きてよかなって思って起きてたから、今思えばこの為だったんだなって・・・それはいいとして一つ問題が」
「え、なに? いきなりくらい顔してなんかヤバイ事あった・・・?」
「昨日は何とか持ったんだけど、昨日で木の実が無くなっちゃったから買い出しに行かないといけないんだよね・・・」
 モルクが聞いたことは 食料 の事だった。実はあまりにもレイエルが沢山食べてしまったために木の実が底を付いてしまったのだ。
「うーん、じゃあ取り合えずリンゴとか買ってくれば? この子もリンゴなら食べるでしょ」
「そうだね。じゃあついでだからグミも買ってこようかな~」
 その言葉にぴくっとレイエルは反応し、
「グミだったら むらさきグミ 買ってきて。 アレあたし好きだから」
「えっ!!?う、うん・・・分かったよ(お金無いのに・・・)」
 グミの注文に嫌だとは口に出せなかった。何故ならお願いを断ったら何されるか分からないからである。過去に頼まれごとを託され(無理矢理)やらなかった事があった。そうしたらレイエルから怒りのマジカルリーフを喰らい、全治3日の怪我をしてしまったから。(内容がお届けものだから尚更だったのだが)
 ちなみにレイエルが言った むらさきグミ とはゴーストタイプが好きなグミで、炎、水、草、電気、タイプが好む色とりどりのグミが存在する。
「えーと、確かイーブイってノーマルタイプだよね? じゃあ しろいグミ も買ってこようかな?どうせ買うなら」
「ありがとっ。じゃあアタシ
この子見てるから宜しくー!!」
「・・・分かったよ(ここはボクの家なのになー・・・)」
 そう思ったことを言えないことに耐えながら、モルクは今有るお金をかき集めて、バックを背負って買い出しに行った。

~~~~~☆~~~~~

そして


「お買い上げありがとうございます。また来てくださいね!!」「来てくれよ!!」
「うん、また来るよ!!」
モルクは少し町外れのカメレオンの形をしたところで木の実、頼まれたグミ各種、そしてリンゴなどを買っていた。この店はとは何度もモルクはお世話になっているらしく店主との交流もかなりある。そして礼儀正しそうな口調が兄のクスロで、タメ口の方のはクスロの弟のレガラ。弟の方はなぜか体色がピンク色で、なぜ体色が変わったかはクスロでも分からないよう。
 ちなみにクスロが食べ物系で、レガラは体に身に付けて使う リボン バンダナ 各種アクセサリー系 を売っている。
「今回は道具見ないの?いつも見ていくじゃん」
「あーそれなんだけど、今日は色々あって早く帰らないといけないからまた今度ゆっくり見ていくよ」
「ん?分かった、いつでも待ってるぞ」
「うん、じゃまた宜しくねっー!!」
 モルクは二人に手を振り走って家に戻った。ちなみに、レガラの言う通りモルクはいつも道具などを見ていくが、今回はレイエルが居るし、ましてや昨日レイエルが連れてきた子も居る為にゆっくりしてられない。そう思いながら帰りの道のりを行きよりも早く戻るのであった。

~~~~~☆~~~~~

一方モルクの家


「・・・うぅ・・・ここはー・・・?家の中? そうか、アタシ助かったんだ・・・。そうよね、これで死んじゃったらこの世界に連れ込まれた?ドリームメイカーズの野望を阻止する使命を果たせないもの。でもやっぱり姿はイーブイのままなのね・・・姿はどうでもいいけど・・・」
 辺りをくるりと見渡しながら、明らかに軽くなった身体を伸ばして軽く動く。昨日よりも明らかに身体が馴染んだような気がした。
「さて、ここから出て情報を集めなきゃ。お礼無しで出るのもあれだけど・・・」
 最後にもう一回伸びをしてから出口はどこなのかと探す。そして数秒後、家からイーブイは出て海のほうへ走っていった。
 しばらく走ると最初に自分が倒れていただろう海岸にたどり着いた。風がとても心地よく寝たらとても気持ちいいだろうなと思うくらいの天気と気温だった。それと同時にこの子の中には1つの決意が、
「・・・守らなきゃ、この世界をドリームメイカーズの野望で壊されたくないもの。・・・そう言えばあの時なんて言ってたけっけ?たしかー・・・『あなた達が止めてください。現実世界に影響が出る前に』だったっけ? でも現実世界に影響・・・ここで起きたことが私たちの世界でも悪影響が出るってこと?でも何で・・・?」
 頭をフル回転して考えるが、答えは導かれず、更に深い考えに入る。でも結局分からずに深い考えから戻ってきた時に肩に軽く触られたような気がして振り向く。そこには、
「ここに居たんだ。その様子だと体調は大丈夫みたいだね」
マイナンとムウマがこちらを見ていた。どうやら今の言葉は私に言った様で、一応恐る恐るだが、
「は、はい、大丈夫です。もしかして私を助けてくださったのはあなた方ですか?」
「うん、まぁ運んだのはレイエルだけどね」
「そう、アタシが運んできたの。 海岸に倒れてて、体温がすごく低かったからもうダメかって思ってヒヤヒヤしたわよー・・・でも良かったわ元気になって。 ・・・あっ、アタシの名前はレイエルよ。宜しくね」
「ちなみに僕の名前は モルク 君の名前は?」
 名前を聞かれて答えようとしたが名前が出ず、少し考えて出てきたのは、
「私の名前はアーシア申しますです。あの、私の事を助けて下さってどうもありがとうございました」
 アーシアと名乗ったはイーブイは丁寧にお辞儀をする。それに対して、
「お礼は良いわよ。困った時はお互い様でしょ」
「そうだよ。あっ、ところでどうして海岸で倒れていたの?」
「え?えーと・・・・・・驚かないで聞いてくれますか?」
「う、うん」「ええ、驚かないわ」
 さっきまでのほんわかしていていた空気が一気に固まる。数秒開いて、ためらっていたアーシアが口を開いた。
「ま、まず一つ目はここの世界の住人では無い事です」
「え?ここの世界の住人では無い?・・・」
「はい。私はこの世界に大事な使命を持ってこの世界に来たんです。いえ、来たと言うより導かれたっと言ったところでしょうか」
「導かれた?もしかして新聞に書かれていた事と関係が?」
 今度はアーシアが首を傾げる番だった。そしてどのような事が書かれていたか問う。
「うる覚えだからちゃんと合っているかは分からないけど、どうやら昨日の夜に私達が寝てから大きな雷が落ちたらしいんだ。死傷者はグラエナが一人、ポチエナが四人とドリームメイカーズの・・・」
 その一つの語句に反応し、大声を上げる。まさかいきなりドリームメイカーズの情報を掴めるなんて思ってもいなかったから。
「そ、そうだけど。どうしたのそんなに声を上げて・・・」
「私がこの世界に導かれた理由、それがドリームメイカーズの野望阻止なんです」
「え!?」「何よそれ!?」
「野望ってどんなことをするの!?あそこは今までも探検隊が使う 戻り玉 とか わざマシン とかとにかく色々な役立つ物を作ってくれる文字通りの夢の工場なんだよ!!?そんな事はありえないよ!!」
「え、どういうことですか!?」
 帰ってきた言葉にアーシアは前足を口元に持ってきて言う。もしそのことがほんとなら自分が来た理由が無いことになる重要なことだからだ。
「どう言うこともそう言うことだよ? えーと、それでさっきの話の続きだけど、どこまで話したっけレイエル?」
「死傷者の当たりよ」
それを聞いて ありがとう っとレイエルに返すと、向き直して話し始める。
「死傷者はグラエナが一人ポチエナの四人とドリームメイカーズの優秀な研究員だったピカチュウのライトで計六人。グラエナとポチエナの方は感電死だったけど、ライトは今ナルトシティーの大型病院に搬送されて治療を受けているんだって。あ・・・考えてみれば導かれし者達の事を言ってたのライトだったような気がする・・・」
「なら話が早いじゃないですか!! なら私はライトさんに直接会って確かめてみます。じゃあ私は失礼しますです!!」
重要な情報を手に入れ、走り出した瞬間。後ろから呼ばれたような気がして振り返る。
「待って!!僕もなんか気になって来ちゃったよ」
「私も、新聞だと嘘も書かれる可能性も大いにあるし。それに場所分からないでしょ?道案内するわ」
ウィンクを飛ばしながらアーシアに言う。
「じゃあそうと決まればナルトシティーに出発だね!」
「はい、お願い致します!」


そして アーシア レイエル モルク の三人は真相を確かめるべくライトが運ばれたナルトシティーの病院に向かった・・・・・・
 

 

強さとは?

 ナルトシティへ向かい始めて一定時間後のこと。エメラルド海岸、先程自己紹介した場所から北方向に歩いて行き《養老の森》へ。養老の森とはポートタウンとナルトシティの間にある森で、西東に長く連なっている。それとこの森には不思議のダンジョンになっている影響で迷ったり、強い者が敵意むき出しで現れたり、迷子になったりして、救助隊に助けて欲しいと依頼要請が多発しているらしい。なぜなら最近不思議のダンジョン化してしまった為に情報がまだ届いていなかったからである。ちなみにもう話が広がって当初より八割も減っており、当然モルクとレイエルも今から行くところは不思議のダンジョンだということは知っており、しかも戦闘は慣れていた。
でも今の言葉で ん? と思った方がいるだろう。じゃあ戦えない者はどうするかと。それはちゃんと安全に行く方法がしっかりと取られており、ダンジョンには必ず入り口があってそこには人口的に分かれ道が作ってある。一つはいうまでもなくダンジョンの入り口で、もう一つが不思議のダンジョンを迂回するルートである。なのでこちらを通れば安全にナルトシティに行けるという事である。

そして今回からはその分かれ道から話は始まる・・・。


「ふぅー・・・ここが噂の分かれ道だね。看板にも・・・って、矢印しかない」
「しかもコレ・・・私は信用まったく出来ないんだけど。ほら、なんか風でカタカタ動いてるし・・・」
「風で反転したとしたらアウトですね・・・」
三人は看板を見て本気で悩んだ。なぜならモルクが言った通り、突貫工事で木を矢印っぽくした物を地面に突き刺してあるだけなのだから。そうなると選択肢は1/2・・・どちらかが安全で、どちらかが危険なダンジョンかという、大げさにいうと生死を分ける選択・・・。
「ど、どうするモルク・・・?」
「ボ、ボクに聞かないでよ!! こういうの苦手だし、看板があるとしか聞いてなんだから・・・」
「あはは・・・それ私も同じだしー・・・じゃあ矢印が差してない方に行きましょ。なんかあってもそこまで敵意むき出しは無いでしょ。 それになんかあったら私の"サイコキネシス"で遠くに吹っ飛ばしてやるんだからっ!!あっ、当然アーシアちゃん優先で守るからモルクは守れる時に守るわね」
「うん・・・頼り甲斐あるよ・・・・・・。あっ、そういえばアーシアってなんか技使えるの?」
「えっ?えーとー・・・」
モルクに聞かれて考えてみるものの、まず前提にどうすれば技が発動するかも知らないし、何が使えるかも知らない。使えるとしたら・・・
「たぶん"体当たり"かなっと思いますです」
「体当たりね・・・確かに基本技だからそれなら大丈夫のはずだけどー・・・まぁ、使わないようにカバーするわね」
「ボクも得意の電撃でフォローするよっ!! じゃあ何かあっても大丈夫なように行こう」
「それは分かってるわよ・・・っというかなんで私が選んだ方が外れって思ってるわけ!? いつも予想が当たってることはモルク知ってるじゃないのよっ!!」
レイエルはそこで始めて信用されていないことに気がついた(自分もなんらかんらで話してはいたが)。だが次のモルクからの一言と、アーシアからの一言に逆に突っ込まれ、
「そんな事無いよ?安全っと言っても保証が分からないから保険ってことだよ?」
「私もそう意味で言っていたと思います。それに私はレイエルさんの事、疑ってはいませんよ?」
「あっ、そうだった・・・?だったらごめんなさいね。ともかくそろそろ行きましょ。抜けるの意外と掛かるんだからね」
「りょうかーい。 それじゃレッツゴー!!」
最後のモルクの一言で三人は矢印の方向に入って行くのであった。

それからしばらくして、
「これって・・・私やっちゃったかもねー・・・この階段って完全に不思議のダンジョンにあるフロア移動階段よね・・・・・」
「う、うん・・・。でもこれは実体験した人から聞いたんだけど全部で《3フロアしか無い》から大丈夫だよ。そこは絶対に保証するし、ここの敵は戦えれば問題ないってさ」
そうです。結局不思議のダンジョンの方を選んでしまった三人だった。もう起きた事は仕方が無いので進んで行くんだが、その間に何と出会わなかったかった事から、抜けるのは簡単と踏んだ。しかも急ぐならばダンジョンを抜けた方が圧倒時になぜか早いらしい(当然ダンジョンにもよるが 養老の森 は明らかに迂回するよりも遥かに早いとの事)。
「ホントに3フロア?まぁだとしたらあと2フロアって事ね。さっさと行けばにお昼過ぎるくらいには着くから、そうしたらご飯どこかで食べちゃいましょ」
「賛成っ!!流石にりんご一個じゃ足りないからね。 でも今回はオレンの実とか、色々な実を持ってるからある程度は大丈夫だけどね」
「そうよね。 それにしともトレジャーバックて凄いわよねー、何でも入っちゃうんだから。まぁこれはレプリカなんでしょ?」
「そうだよ。 だからアイテム上限は20個までだし、これ以上増えることもないよ」
モルクは背負っていたバックを前に回してアーシアに見えるように説明する。形は普通の肩掛けバックで、止め金具(ボタン)のところには卵型に羽がついたデザインで、真ん中には白い宝石みたいなものがはめ込まれていた。
「20個ってどんなに大きいものでもですか?」
「そうだよ、不思議だよね。しかも本物はランクが上がればバックの大きさが自動的に上限アップと、バッチの宝石の種類も変わるんだよ。でもこれにはまってるのはガラ・・・」
モルクがガラス玉だよっと言おうとした瞬間、近くの草むらから ガサッ と音が聞こえて言葉を切る。その音はレイエルにも聞き取れていたらしく、アーシアを自分の後ろに回す。それを横目で見ていたモルクは守るように後ろに回り込み、アーシアの前後ろを守った。守られた本人はブルブルと震えていた。
「・・・モルク、何か絶対居るわよね?」
「絶対に居る・・・レイエル、ちょっとお願い・・・"サンダーボール"!!」
モルクは不明な技名を言うと、上空に黄色くて丸いものを自らの電気で生成する。それをレイエルはサイコキネシスを発動してそのボールを操って音がした方向に飛ばして爆発させると、ビリビリっと音と共に ドサッ という鈍い音が。それが合図になったようにし方の茂みから様々のポケモンが飛び出してきてしまった。でも何だか様子がおかしい。怒ってるなら怒ってるならで分かるのだが、なんか最初から戦う気満々の血が飢えた獣見たいのだから・・・しかもよく見てみると目に光が無いではないか。
「なんか変じゃないこいつら・・・この人達から、酷い言い方だけど生身の気がしない。 簡単に言うと身体だけで心が無いみたいな気がする」
「・・・それってゴーストタイプだからなんと無く分かるっていう勘? だとしたら話は通じなさそうだね・・・」
「うぅ・・・」
レイエルとモルクの会話を聞いている間も震えが止まらないアーシア。だがそれをさらに加速させるように、
「・・・っ!!? モルク、ジャンプ!!」
「うわぁ!!?」「え・・・ひゃっ!!?」
 とうとう敵が攻撃を放ってきたのだ。技名は葉っぱカッター・ミサイル針・火炎放射・・・。その攻撃をモルクはジャンプで間一髪、レイエルは浮遊で回避、アーシアはレイエルのサイコキネシスで浮かせてもらって回避出来た。だか着地して一息付く間も無く次の攻撃が迫ってくる・・・。
「あーもうっ!!"サイコキネシス"!!」
前から放たれた三つの技を、またもやサイコキネシス発動して難を逃れる。しかもその放たれた技を活用し、放った張本人に同時に押し返した。
「モルク、戦うわよ!!」
「えーっ!!?こんな大群をボク達三人だけで!!?」
「無茶ですよレイエルさん!!」
「・・・無茶でもやるのっ!!"マジカルリーフ"!!」
その一言にモルクも もう、分かったよ!! と言いながら10万ボルトを繰り出して三体一気に仕留める(ちなみにレイエルは五体一気に仕留めた)。アーシアは回避し続けて、その敵をレイエルかモルクが攻撃して倒して行く。要はアーシアが囮になっているわけで、
「ひゃあっ!!・・・危なっ!!?」
「・・・避けるのうまいからどうにかなりそうね。って、言ってるそばから危ない危ない・・・」
「・・・"10万ボルト"!! ふぅ、それにしてもどうしようかなこの大群・・・」
「え?あっそうね、逃げれるなら逃げたいから突破口を無理やり開くー・・・あっ、ちょっと試してみよ・・・"マジカルリーフ"!!そして"サイコキネシス"!!」
レイエルはモルクにそう言うと、少しでも敵が群がっていない場所に技を放って敵を一掃した。その影響で抜け道が出来たので、発動したサイコキネシスを使ってモルクとアーシアを引っ張って次の階段を駆け上った。だが登ってすぐにはすでに敵がたむろしていた・・・。
ちなみに何故レイエルがマジカルリーフを使えるのかと言うと、そこらへんに落ちている葉っぱ(木の枝、石ころも含む)を高速回転させ、更にサイコキネシスで硬く生成させてからの高速で飛ばしていているのだ。そんなことはともかく、
「・・・今度は大きいやつが多いわね。じゃなくて!!なんでもう身構えてるのよ!!?」
「そんなのボクに聞かないでよっ"10万ボルト"!!」
「うぐぁ・・・」「きゃあぁっ&#8252; ・・・ちょっと!!私がサイコキネシス発動中に電撃放たないでって、来たぁーっ!!!!」
今度はエナジーボール・水鉄砲・電気ショックなどが浮遊している三人に襲いかかってきたものだから、又もやレイエルはサイコキネシスで対処する。ちなみにさっきのモルクの電撃で多少痺れたレイエルは、誤ってサイコキネシスを解除してしまいそうになり、もし解除してしまったら地面に落とすところだった。
そしてレイエルは開けた場所に二人を下ろすと、
「どうしようかこの軍団・・・」
「やっぱり戦うしかないね・・・アーシアは・・・酷いかもしれないけど、なるべくフォローするから頑張ってっ!!」
「そっ、そんなの無理で・・・ひゃあうっ!!?」
言ってるそばからいきなり横から攻撃が飛んできたので、紙一重で飛んできた技をジャンプで避け、そのまま体当たりをする。だが今回は不意打ちで、しっかり発動出来なかった為に全くダメージを与えられずにかえってこちらもダメージを受けてしまった。
「はぁうっ・・・あ、頭が・・・・・」
「な、なにクラクラしてんのよって危ない!! モルク援護っ!!」
「了解っ"10万ボルト"!! アーシア大丈夫!!?」
「な、なんとか・・・っ!! モルクさん後ろ来てま「"マジカルリーフ"!! 次来るわよっ!!」は、はいっ!!」
アーシアが体当たりでクラクラして居るところに敵が突っ込んできたのでレイエルが近くにいたモルクに助けを。そして助けたのは良いのだが、モルクに居た敵がアーシア達の方に一斉に集まったので、マジカルリーフで10匹程一気に倒した。

~~~~~☆~~~~~

そんなギリギリの戦闘が事がしばらく続くと、当然こちらがもっと不利になってきた。なぜなら相手は三人しか居ないのでそんなに技を撃つ機会が少ないが、逆にコチラは一度に何匹の敵を相手しなくてはならない関係で技のPPが切れるかは時間の問題だったのだ。しかもモルクに至っては、電気ショックや十万ボルト等の電気技系統は最初溜めてから放っていたが、今は貯める事も放つ事も失敗することが多くなってきた。そして攻撃をそのままガードにも使っているので不発すると、敵が突っ込んできたり、技が飛んできたりしてダメージを食らってしまう。
そして、とうとう恐れていた事が・・・
「"10万ボルトっ"!!・・・あれ?出ない!!?」
「モルクっ!! "マジカルリーフ"!!」
敵の技がモルクに当たる寸前でレイエルのマジカルリーフで技を相殺。だが目の前で相殺したので多少の爆風がモルクを襲い、ダメージを受ける。もう全身傷だらけで、それはレイエルも同じだった。ちなみになぜ10万ボルトが発動出来なかったのかを言うと、PPを切らしてしまったから。普通切れたら《PPマックス》っと言う非情に甘い液体を飲んで回復する事ができるのだが、結構な値段がするので買うとしたらお金に余裕がある時にしか買えない代物なのだ。
「うぐぁ・・・・・・はぁ、はぁ・・・レイエル、ボクそろそろ限界だよ・・・」
「私だって・・・そろそろ限界よ・・・あれ、アーシアはちゃんは?」
「え・・・っ!!?あ、あそこで倒れてる!!」
「う、うそっ!!?」
それを聞いて慌てて周りを見渡すと、ぐったりと地面に横たわるアーシアの姿が・・・。だが苦しい顔しているのではないし、近くにキレイハナが居るので"眠り粉"を浴びたのであろう
「・・・取り敢えず大丈夫、あのキレイハナは倒れてるアーシアに手を出す気はないみたい。にしても・・・やっぱりこの森おかしいよ」
「え、どうしたの・・・?」
レイエルは戦闘態勢を崩さずにモルクの話を聞く。どうやら単刀直入に言うと この森とポケモンの強さが合ってない ということ。試しにモルクがフラフラしている敵にマックスパワーで雷を落としたのだが何事も無かったかように起き上がったらしい。

しかも水タイプに対してなのに・・・

だから向こうがレベルが高いと推測したらしい。そしてそのまま話を続ける。
「それに色々な種類のポケモンが襲いかかって来るのもおかしいと思う。だってこの場所って
スピアーの縄張り のはずだし、それと最初に気がついたんだけど、やっぱりみんな 目に光が無い
まるで操られているように・・・」
「やっぱり私の予測は合ってたっということね・・・・・・」

~~~~~☆~~~~~

「・・・ここは? あれ、モルクさん!!?レイエルさん!!?」
 アーシアが目が覚めると全方向が真っ暗の空間に一人自分の身体が浮いており、そしてこの空間に見覚えがあった。それはこの世界に導かれたとき・・・
「(私は確か 戦闘中 だったはず・・・っと言っても避ける事しか出来なかったけど・・・。・・・私は何のために来たの?ドリームメイカーズの野望を阻止するためにこの世界に来たんじゃないの?なのに私は・・・)」
『気が付いたようですね・・・』
不意に声がして聞こえた方向を見てみると、白いロングスカートを着たようなエスパータイプのサーナイトがこちらを見ていたのだが、何と無く普通のサーナイトとは少し容姿が違うとアーシアはそんな気がした。
「え・・・あなたは・・・?」
『私は この世界にあなたを送り込んだ者。いえ、助けてもらう為にあなたを含めあなた達の 行動力、精神力、そして仲間を思う気持ち が高い子達を私と今、病院で治療中のピカチュウ ライト と共にこのことを』
「ライトってあの巨大雷の被害者のですか?」
『そうです。ライトさんはこの世界に導くいわば 架け橋 を作った人です』
「え?架け橋を・・・作った?・・・」
『そうです。ライトさんが居なければこの世界に貴方達を導くことも出来ませんでした。そして助けてもらう事も・・・』
少しの沈黙が流れ・・・また話し出した。が、それは少し衝撃的だった。
『・・・貴方、技が使えないって思っていますね?しかもそのせいで仲間に迷惑を掛けていると』
「え!?何故それを!?」
そう、心を読まれた?事だった。
ばれた事に少しほほを赤くしてあせっているのを見てサーナイトは少し笑いながら・・・
『ふふ、驚いていますね?理由を話したいですが無駄話はこれまでです』
笑っていた顔が一気に真剣になった。最後の言葉でアーシアも。
「・・・どういうことですか?」
『貴方の仲間が危険です』
「え!?二人がですか!!?・・・でも私は何も力は・・・」
『いいえ、そんなことはありません。信じればきっと報われますが、それは 諦めない心、信じる心と仲間への思いです。それが強ければ強いほど大きな力になり、自分の隠された力が解放されるのです』
「・・・自分を信じる心と仲間への思い・・・確かに私はこの世界に来てから今ひとつ信じる事が出来なかった・・・・・」
その言葉を聞いて考え出すアーシア。しばらく考えるとまた声がして、
『さぁ行きなさい。自分を信じて』
最後の一言の時に手を振り下ろした直後にアーシアは身体から力が溢れ出たような気がした。そしてまた少しすると、前のように視界が狭まりサーナイトの姿が見えなくなり始め、そして意識が切れる直前に あなたならやり遂げられる と聞こえて視界は完全に闇に閉ざされた・・・

~~~~~☆~~~~~

閉じていた目をゆっくりと開ける。ぼやけていた視野がだんだんと鮮明になりしっかりと見えるようになると視線の先に居たのは壁を背にして戦っているレイエルとモルクの姿が見え、アーシアは直ぐに起き上がってから地面を思いっきり蹴り出し二人の下へ。そして敵の壁をジャンプで飛び越えて二人の前に着地した。
「ア、アーシア!!?」「アーシアちゃん!!大丈夫なの!!?」
「はい、大丈夫です。レイエルさん、モルクさん、私の後ろに居てください」
「え!?なにする気!!?」
いきなり敵を飛び越えて現れたアーシアを驚きながら、そして言葉で更に驚いた顔をしてレイエルは顔を見る。それはモルクも同じことだった。
「一人じゃこんな量の敵は無理だよ!!しかも技も使えな・・・!!「使えます」え・・・?」
そう言い前に出て、地面を後ろ足で力強く蹴りあげて空へと飛び上がり目を閉じた。するとイーブイの尻尾が光りだし、そのまま光っている尻尾を敵一体にたたきつける。そして当たった瞬間宙に浮いていた スピアー は地面に叩き落とし・・・砂煙が晴れるとスピアーの他にぴくぴく痙攣していて 戦闘不能 になっていた。
「アイアンテール・・・」
レイエルは今、尻尾を叩き落とした様子を見てこの技だと判断した。
「アーシアどういう事!!?いつ覚えたの!!!??」
「覚えた訳ではありません。私自身を信じたからです」
モルクの質問を答えるとまた目を閉じた。今度はさっき走っていた時に出来ていた白い光がアーシアを包み込んだ。それを確認するとアーシアはすごい勢いで敵一体、二体、三体とぶつかっていく・・・ぶつかると同時に敵は遠方に吹っ飛ばされて目を回していた。そう、アイアンテールの他に高速で移動して体当たりする技 電光石火 も習得したのだ。

しばらくしてアーシアは電光石火をやめて元の位置に戻る。周りを見渡すと4匹程戦闘不能にしていて残りは四人になったが、連続でアイアンテールや、電光石火で走り回っていたので体力とスタミナを大量消費して肩で息をしていた・・・・・・。 

 

信じる力

養老のダンジョン、二階フロアに入ってからかなりの敵を残っていた居たのだが、もう既に残り四人となった。その四人は 一番厄介で攻撃重視の リングマ と、すばやさが意外と高い ハッサム ・・・他は マタツボミ と アゲハント の為に直ぐに蹴りはつくであろが油断は出来ない。なぜなら全体的に攻撃している関係で、多少の片寄りはあるがダメージが蓄積されて倒れる感じなので、なんだかんだで耐えたということは・・・それがマタツボミとアゲハントを油断出来ない理由である。しかも敵はそろそろ終わらせるつもりか技を溜め始め、
「はぁー・・・はぁー・・・アーシアちゃん、逃げてっ。私達はもう体力的にも・・・限界っ・・・」
「敵が技を溜め込んでるから早く・・・アーシアがあれ食らったら致命傷じゃ済まないよ・・・・・・」
「レイエルさん、モルクさん・・・。いえ、私は逃げない・・・置いては行かないっ!! 例えどんな状況でもあっても、2人は私の恩人で・・・私の大切なのですから」
最後の一言でアーシアは敵の方に電光石火を使って突っ込んで行き、その瞬間に敵の技が一斉に放たれて走ってたアーシアに・・・

バシィンッ!!

その衝撃で大爆発を起こし、砂煙が舞い、敵の姿が見えなく、レイエルとモルクにも多少の衝撃波と突風が襲って身体が軽く吹っ飛ばされる。そしてその吹き飛ばされている間の砂煙の中から黒い物が吹き飛んで行くのが見え・・・
「ま、まさか今のって・・・」
「っ!! バ、バカ言わないでっ!!言わないでよぉ!!!!」
未だ晴れない砂煙に向かってレイエルは叫ぶ。まさか、まさか、先ほどの影がアーシアならば・・・。そして、とうとう砂煙が収まってきて、だんだんシルエットが見え始める。影は一つ、二つ、三つ、四つ、五つ・・・あれ?一つ多かったので、目を擦ってもう一度数え始める・・・やはり何度数えても五つ。そうしているうちに砂煙が全て晴れると、レイエルとモルクは自分の目を疑った。なぜなら、
「はぁ、はぁ・・・なんとか・・・耐え切りました・・・・・」
あの攻撃から致命傷もなく耐え切ったのだから。なぜっと思ったその瞬間に ガッシャーン とアーシアの周りから緑色のガラスみたいな物が砕け散ったのが見えたのを見て、何があったのかを悟ったから。アーシアは"守る"を使ってあの強力な技を受け流し、しかもこのタイミングで技を使えるようになったということである。通常ならば"守る"なんてレベルアップか、技マシンと言われるプレートを使って習得するのが普通なのにも関わらず、アーシアはその常識を打ち破って見せ、しかも"電光石火"・"アイアンテール"も同様に覚えたのである・・・全くもって何が起きてるのかをレイエルは理解出来なかった。
記憶は無いし、本で読んだ仮想の生物と言われた人間だと言ったし、そして技をポンポン覚えていくし・・・。ホントこの子には驚かされてばかり。
「す、凄い・・・あれを耐え抜いちゃうなんて・・・・・・じゃない。モルク!!今の攻撃であいつら疲れてるから一気に行くわよっ!!」
レイエルの掛け声を合図でモルクは立ち上がり、トレジャーバックからタネを取り出して口の中に放り込むと、その途端モルクの身体から電気が迸った。その状態で右手を後ろに引くと迸っていた電気が右手に移動し、しばらくキープした後にその右手に溜まっている電気を前に投げる動作をする。すると手から凄い勢いで雷槌の矢が放たれ、スピードが早いハッサム以外は逃げきれずにそれを食らい、マタツボミとアゲハントは崩れてバンギラスは片膝をつく。その隙をアーシアは見逃さず 電光石火からスピードを生かした アイアンテール でお腹にクリーンヒットさせる。レイエルの方はマジカルリーフをハッサムに狙って放ったが避けられ・・・だがそんな事は承知だったらしくサイコキネシスで捕まえると、
「二人共伏せてっ!!」
その声に反応して二人は伏せると、レイエルは捕まえていたハッサムをバンギラスに思いっきり投げつけた。ぶつかった衝撃でバンギラスは吹っ飛ばされ、ハッサムはバンギラスに衝突した衝撃で戦闘不能になった。さらに追撃でレイエルはマジカルリーフをバンギラスへと集中放出・・・さすがにコレでバンギラスも耐え切れないだろう。
「お・・・終わったのですか?」
「いえ、砂煙が晴れるまで戦闘態勢崩しちゃダメ。 ちゃんと倒れてるのを確認」
「うん。でもコレで倒れてなかったらもう限界だよ・・・。だって《猛撃の種》までボクは使っちゃったんだから・・・・・・」
猛撃の種は一時的に食べた者の攻撃力を底上げする消耗品アイテム。これによりちょっと溜めただけでも限界までためたのと同じ威力が出せたり、貯めるのに時間がかかる技を直ぐに出せたり、通常は覚えるまで時間がかかる技を使えたりなど、メリットが凄い高い。その代わりデメリットとして、お高いのが難点なのだが・・・。ちなみに猛撃の種の他に色々と種があるのだが、それは別の機会に話すとしよう。
「あんたねー・・・あんな貴重な種を気軽に使わないでよね。高いのはモルクが一番知ってるでしょうよ」
「ま、まぁね・・・でも緊急だったから別に良かったんじゃないかな? でも、ボクの技すごかったでしょ!!?」
「はいっ、凄い電撃の槍でした!! モルクさん凄いんですね、レイエルさんも。私なんか足を引っ張ってばかりでしたから・・・」
「そんなこと無いわよ。アーシアちゃんのアイアンテールはすごい威力だったし、電光石火なんか最初よりすっごく早かったんだから!!」
レイエルはアーシアの技についてコメントをする。それに対してアーシアは照れながら そんなことは無いですよ と少し否定的に答えた。それを見て何を思い出したのかレイエルが突然真剣な顔になり、
「ところでアーシアちゃん、なんで技が使えたのよ?しかもいきなり」
「えっ!? えーと、自分を信じたからだと思います。自分ならやれると」
「ふぅーん、まぁ分かったわ。そのへんはあとでジックリと。 じゃあなんか大丈夫そうだから行きまし・・・・・・っ!!!! アーシア、モルク横に大きく飛んで!!」
その声に何も考えずにアーシアとモルクは横に飛び覗いた瞬間、まだ完全に晴れていない砂煙の中から赤いビームのような物が飛んできて・・・今まで自分が立っていた場所の地面が大きく掘り削られた。信じたくは無かった、だがこれに気がつかずに後ろ向いてこの場から離れようとしていたら間違い無く死んでいたと思うと、額に汗が流れる。しかも赤い光が見えてからこっちに向かって放たれてくるのは数秒も無かったとなると・・・もうこれ以上は考えたくもない。だがそんな事よりも、
「まだ立ち上がれるんだね、あのバンギラス。幾ら何でも強すぎだと思うんだけど・・・レイエルはどう思う?」
「どう思うもなんもチート級の強さなのか、それとも私たちの威力不足なのか・・・ともかくなんとか沈めないと、もし逃げたとしてもほって置いておくのは危険だし、ましてや私たちみたいに間違えた他の人に危険が及ぶんだから倒すしか無いわね・・・」
「た、倒せるでしょうか・・・?」
レイエルの呟きにアーシアは震え声で尋ねる。その問いに対してレイエルは難しそうな顔をしながら、
「わかんない・・・でもやるしか無いのわね・・・」

~~~~~☆~~~~~

ところ変わって同じ森の中で二人がさまよっていた。一人は草タイプのリーフィアで、もう一人は氷タイプのグレイシアだか、こちらは背中に体色と同じバックを背負っていた。
「ねえ、出口まだなの?」
「まだだ・・・・・・てか、くっつくな。恥ずかしいだろ・・・」
「良いじゃないのよ。別に誰か見てるわけでも無いし、居るわけ無いんだから」
どうやら二人のカップルが(片方が一方的だが)出口を探しているようだが、なかなか見つからないらしい。
「にしても、なんで私達こんな敵意剥き出しにされないといけないのよっ? でもリファルが居るなら安心ね!!」
「お、俺に任せる気かよ・・・」
「任せるわけじゃないけど、なるべくはリファルが前線して欲しいのよ。ほらっ、アタシはトレジャーバック背負ってるせいで機動性が落ちてるから。 しかも少女に前線に出ろって言いた「はいはい、分かった分かったっ!!」分かればよろしいー」
そのやり取りに嫌気が刺したようでリファルはことを承諾したが、正直面倒くさそうな雰囲気が顔に出ていた。
「ねぇリファル?」
「あ、なんだ? また要件追加か?」
「違うわよ。さっき攻めたところ案外セキュリティ強かったわね、まさか見つかると思わなかったから。それに引き換えリヨールシティのアジトは楽だったわねっ。 監視システムがメンテナスって何を弄ったらそんな事になるんでしょうね?」
「だから俺はプラグラムは無理だって言っただろうが・・・まぁ確かにあそこは簡単だった。ともかくこれであそこの街中心、その辺一帯の森にはおかしなレベルの奴等も、暴走する奴らも現れないだろう」
この二人が話していることとは一体・・・そしてアジトとは・・・
「にしても見つからなかったわね、時空間の歪みの原因。本当に早くしないとドリームメイカーズの野望が実現しちゃう・・・」
その娘は視線を下に下ろす。それを見てリファルはゆっくりと近づいてその娘を後ろから きゅっと 抱きしめ、
「心配するな。なんかあったら絶対に守ってやるから」
「リファル・・・」
そう一言。抱きしめる手も自然と強くなる。
「とにかく出るぞここから。だからお前はいつも通り明るくしてろ。俺の調子が狂うからな。あと、気づいているんだろう?この遠吠えを」
「ふふ、リファルも気付いていたのね。加勢する?」
「そうだな、加勢するか。もしこのダンジョンに見合わないレベルの奴が居たら危険だからな。しかもさっき大きい爆発音もしたもんな・・・とにかく走って向かうぞ!!」
そうフィリアに言うとその場所に行くためにアーシアより格段に早い、まさに電光石火で走って行くのであった。 

 

救世主

一方こちらでは、にらみ合いが続いているのだが、ジリジリと前に歩いてくる為に後ろに行くが、逃げようにも後ろにはいつの間に崖に逃げ道を失ってしまっていた・・・。
「このままだと本当にまずいよ!! いつの間にかに崖にどんどん追いやられてるしっ!!」
「そんなの分かってるわよ、っと言う前に何でこんな場違いのチートが居るの!!? 私たちはただナルトシティに行きたいだけだったのにっ!!」
「レ、レイエルさん落ち着いて下さい!!」
ジリジリと押されて三人はほぼパニック状態で、特にレイエルのパニック度が凄く、しかもゴーストタイプなら常時浮遊しているので落ちることは無く、しかもサイコキネシスでアーシアとモルクを浮かばせて逃げれば良いものの、先程のバカ太い破壊光線を見てしまうと・・・背を向けるのが怖い。
「も、もう諦めるしかないよ・・・もう真後ろは崖なんだし・・・・・・」
「・・・いえ、私はまだ諦めません。ここで終わったら何のためにここへ来たのか分からないですし、この世界を守れなくなっちゃうから。だから私は・・・」
「ア、アーシア?」
途中まで言うと、モルクの言葉を聞く前にアーシアは身体に風を纏まとって電光石火を使う体勢に、
「待って、アーシアちゃん!! まさかだと思うけど一人でバンギラスに突っ込む気じゃないでしょうね!!?」
「・・・・・・こんな場所で立ち止まれないのです。立ち止まっちゃいけないの、進まないといけないの私は。 それに・・・やっぱりレイエルさんとモルクさんを巻き込みたくないから・・・
「ア、アーシアちゃん・・・?」
レイエルは決して崩すことがなかったアーシアが敬語を外して言ったものだから、凄い不安心を抱いた。だからサイコキネシスで無理矢理止めようとした。でも出来なかった・・・手を伸ばせば届くはずなのに凄く遠いような気もした。
そしてアーシアは正面に
向き直して電光石火を使用・・・素早いスピードでバンギラスを翻弄し、隙があれば固くなった尻尾を叩きつけて攻撃の手を緩めない。そして、アイアンテールの連続攻撃についに両足から折れ、それを確認するとアーシアは大きく上へとジャンプ。そして頭に尻尾を威勢と共に振り落とし・・・
「っ!!?・・・ぐあっ!!」
振り落とした、だがそれよりも早くバンギラスが右手で落下してくるアーシアを殴り、モルクとレイエルが居るところまで無造作に転がってきた・・・。アーシアはピクリとも動かない。しかも綺麗な茶色い毛並みが赤く染まり始めていた。
「ア、アーシアちゃん!!」
サイコキネシスでアーシアを自分の下へ運んで傷の状況を見る。どうやらパンチだけではなく、その時に爪も引っかかって浅くえぐれていて、この威力はまさに狂気・・・それを食らった本人は息は弱々しく、荒く呼吸しており、とても辛そうで、痛みで全身が震えていた。
「も、もうどうすればいいのよぉ・・・あっ・・・・・・」
いつの間にかバンギラスは勝ち誇ったような顔で、両手の手の中にエネルギー体を生成し始める。この技は多分"気合玉"だと思われる。しかも球体の大きさが普通の大きさよりも莫大に大きく、なお今も大きくなり続けている・・・あれを食らったら終わりなんだろうなって。その事にモルクも思ったらしくて私にピッタリくっついてきた。いつもなら叩くなり、サイコキネシスでぶっ飛ばすけど、今回は躊躇なく、寧ろこちらから受け入れた。そしてアーシアに ゴメンね の気持ちより、一層力を入れて体をモルクへ委ね、いつ衝撃がいいようにと目を瞑った・・・。だけど、その目はすぐ開けることなった。
「自然の強さと雄大さを思い知るのよっ!! アイス・・・リーフ!!!!」
突如としてバンギラスの左側の草むらの中から声と、葉っぱと氷の塊が飛んできたから。バンギラスは不意打ちに驚きながら避けようと足を動かしたみたいだけど、歩けずに床に倒れこんで立ち上がる暇なく全弾ヒットして、200kgを超す巨体が吹っ飛ばされた・・・なんて凄いパワーなの?しかもアイスリーフってなに?氷の葉っぱ? ともかく思わぬ救世主に私とモルクは驚いた顔のままで草むらを見ると、二人の影が出てきた。その影はイーブイの進化系の草タイプ派生のリーフィア、同じく氷タイプ派生のグレイシア・・・。二人は右手に赤い時計のような、リストバンドのような物を付けていて、グレイシアの方は黄色い両掛けバックを背負っていた。そしてグレイシアは吹っ飛ばされたバンギラスを一目見てから私達の方へと向き直し、
「・・・リファルはバンギラスをお願い。 私は怪我を負ってるイーブイを手当するから」
「ああ、分かった」
来て早々グレイシアは、さっきまで三人で敵わなかった強敵を一人だけで相手してと言っているのである。だがそのリーフィアは何の抵抗も無く、その娘に言われた通りバンギラスの方に体を向け、体制を低くして戦闘姿勢をとる。そしてそれを言った本人はアーシアに近づき怪我の状況をしばらく確認すると背負っていたバックを下ろし、中をあさり始め・・・しばらくしてバックから瓶に入ったオレンジ色の液体を取り出すとアーシアの横に置いた。
「取り敢えず・・・ちょっと我慢して下さいね」
「「?」」
モルクとレイエルは頭にはてなを浮かべ、
「あっ、貴方は・・・?」
レイエルは見知らずのグレイシアに尋ねる。
「私の名前はフィリアですが、今は静かにしてもらえますか?」
何者かか聞こうと思ったら名前を言われ、怒られたせいで余計に頭上にハテナが出て、そしてレイエルはその受け答えにイラッとした。だがそんなことは知る由もなく、その間にもフィリアは更にバックから色々なものを取り出していた。
「ふぅ、相変わらず用意に時間がかかるわね・・・早くしなきゃ」
そう言うとフィリアは、バックから取り出した太陽と月が描かれた板を床に置き、足型の絵が書かれているところに手を載せると、
「・・・うぐぁ・・・・・・はぁ、はぁ・・・設定を最大のままにしちゃってた・・・」
突如にグレイシアの身体が赤紫色に縁取られ、手を話した瞬間にその縁取っていた光が手を置いていた板に吸い取られ、一瞬フィリアがふらっとしながらも、初めに取り出していたオレンジの液体が瓶に入ってるものをその板の上に垂らし・・・が、次の瞬間に目を疑った・・・

それは 液体が宙に浮いている ということ。

 その光景をみて 大丈夫そうねっ と言うと、浮遊している液体に冷たい吐息を当てて固める。今度はその凍った液体を鋭い爪で小さく砕くと、それをイーブイの口の中に入れ、自分の口の中にも入れて説明をし出した。
「それを舐めて。オレンの実を皮ごと磨り潰して作った回復薬を凍らせただから」
アーシアはいきなり知らない人に口の中に入れられて固まっていたが大丈夫という言葉と、本人も口に入れたのを見ていたので舐め始める。舐めてみるとほんのりと甘く、時々酸っぱい味が体の中を通り抜けてあっという間に溶けたしまった。そして同時に身体の痛みが少し癒えた様な気をアーシアは感じた。
「舐め終えたら次を舐めて下さい。痛みが癒えるまで。私はリファルと、あの自我を無くしたバンギラスを倒してきますので」
そう言うとフィリアは先に戦っていたリーフィアのリファルの元へ行き、かなりの数の氷の礫つぶてをバンギラスに打ち出していた。しかもかなりの量の礫をほぼ一瞬で生成して打ち出したのも凄い。阻止目それを受けたバンギラスは、自分達ではなかなか怯まなかったのにかなりの確率で怯んでいた。

つまり私達より数倍レベルが高いことになる。

そう三人は推測出来たが、一つ分からないことがあった。さっきレイエルが言っていた 本当にこの二人何者? という事。でも 探検隊か救助隊 なら助ける理由も頷ける。もしさっきのバックが本物ならばそうだし、証拠としてバックの留め具・・・バッチを見れば本物か、本物じゃないかすぐに判断ができる。
「ねぇ、あの人達草むらからいきなり出てきてバンギラスに攻撃するし、傷ついたアーシアちゃんを助けてくれたし・・・モルクは純粋にどう思った?」
「えーと・・・悪い人たちじゃなさそうか「レ、レイエルしゃん・・・」あ、ごめんアーシアちゃん(しゃん?)」
アーシアの震え声でレイエルはお馴染みのサイコキネシスで浮かせてアーシアの口の中へ。そして味が気になったので、モルクがよそ見した瞬間にパクリ。かなり美味しく、思わず美味しいっと言ってしまうところだった。
「ア、アーシアちゃん。どう?」
「はぁぃ・・・少しは楽になりました。なんだかんだで手間を掛けさせる事をしてしまってすみ・・・きゃっ!!?」

ドン!!

いきなり地面が揺れてそのさきの言葉が途絶える。ちなみにこの地震の意味は、
「ふぅ、一次討伐完了だな。後は二次討伐か・・・ミスるなよ?」
「分かってわよ。じゃあ・・・♪」
フィリアとリファルがバンギラスを倒したのだ。だが倒したというのにまだあの二人は何か使用しており、何をするのかと思いきや、フィリアは手頃な葉っぱを手に持つと、その草を両手で持って口元へ持っていき、草笛を吹き始めた。ゆっくりと穏やかに、ときに速く強く演奏していく・・・それを聞いて気づいた人が一人、
「このメロディ知ってる」
「え?どういうことアーシアちゃん?」
レイエルはアーシアの口から言われたことに驚く。
「聴いたことがあるんです、どこかで。確か曲名が・・・オ、オラシ・・・思い出せない。出掛かってるのに・・・」
この世界に来てから消えた記憶のかけらを探す。だか探せば探すほど記憶、思い出、元の世界の事、学校の事、そして自分の事もまるでパズルのようにバラバラに、そしてピースが無くなっていた。そのことに悲しくなり、とうとう耐えられず泣き出してしまい、それを見てモルクに近づいて一言言った。
「この世に偶然なんて無い、あるのは必然だけ・・・記憶が無くしたのも何か忘れないといけない理由があったからって思ったほうがいいと思うよ?」
「忘れないとひっくいけない理由・・・そうですね。消えてしひっくまったものでくよくよしひっくていても仕方が無いですよひっくね」
アーシアは泣きながら答える。途中途中で泣くときに出る声が出て聞こえづらいと思ったが、しっかりと聞こえていたみたいで、
「その通りよ、そんな考えていたら前が見えなくなるから。今は忘れていてもきっかけがあれば思い出せるかもしれいし・・・。あ、アーシアちゃん、もう立てるんじゃないの?傷が消えてるし」
レイエルの言葉に えっ? と思い、傷口を見てみると綺麗に塞がっていて、不思議と痛みも無くなっていた。が、毛並みにはまだ血の色が付いていた。次に前足に力を入れて後ろ足に力を入れた。さっきまで立とうとするだけで激痛が体全体を走ったのにすんなりと立てることができた。
「・・・ねぇ、なんで後ろ足だけで立ってるの?まるでピカチュウみたいに・・・」
「分からないですけど、やっぱりこっちの方がいいかなっと思いまして・・・さっきの砂浜でもこうしていたのですが、その時は結局普通に座ったほうがいいと思って止めました」
「ふーん、そうだったんだ。これも人間だっ「お、元気になったみたいだな」・・・」
言おうとしたが助けてくれたリファルとフィリアの言葉で途中で切られてしまった。そしてこっちに来てそうそうに、アーシアに向かって 無理しすぎ とフィリアに言われ、リファルには 頑張りすぎ っと言われてしまって言われた、本人は苦笑いする。
「あっ、でも、電光石火でスピードを上げたままでアイアンテールに入ったのは見事だったけど」
「あっ、ありがとうございます」
「・・・それと、そこのあなた。今なんて言った?」
アーシアの質問を聞いてからすぐに、フィリアはモルクを指差しながら説いた。
「なんてって・・・? ボク変な事言っちゃった?」
「いや、言ってない。俺は これも の後が聞きたい」
「あっ・・・」
横に居たリファル が教える。そうすると、モルクは急に考え込んでアーシアの方を一瞬だけちらっと見た。するとアーシアは、モルクが何をして欲しいかを悟り、自分から語り始めた。
「・・・あのっ、ここでの話しは他の人に言わないでくれますか?」
「ええ、言わないわよ。秘密は誰でもあるものだもの」
「ありがとうございます。では・・・フィリアさんとリファルさん、私を見て気がつく事がありますか?」
「気がつく事・・・? 特に無いと思うけど、あえて言うならば前右足に模様があるくらいかしら?」
フィリアはその腕を優しく持ち上げ、自分の目の前で近づけて言った。急にそんな事されたものだからアーシアは軽くビクッとする。
「あっ、ごめん。もしかして人見知りが入ってた?」
「い、いえ、別にありませんです・・・。あっ、それと正解です。リファルさんとフィリアさんはこの紋章が刻まれている方を見ませんでしたか?」
「見てないが?」
「そう・・・ですよね。私・・・実はここの世界の住人じゃないんです。そして、その方達すべてに同じ紋章が刻まれているはずなのです」
アーシアはその紋章がよく見えるように手を上にあげる。
「なるほどな、見かけたら声をかけておこう。っで、この世界の住人じゃないって事はどういうことだ? まさか、他の世界から飛ばされてきたとかか?」
「まさしくその通りです、私は・・・・・・人間です。この世界が危ないと聞き、この世界に導かれにきました」
「に、人間? 人間っておとぎ話に出ていた仮想生物だぞ?まぁ、仮想生物っと言っても、ここから南の海上にある水上都市《アルトマーレ》には遥か二千年前には居たらしく、その他の地方では人間とポケモンが共存して生きていたらしいが、既にもう居ない。理由も不明だ」
「二千年前・・・一体何があったのですか?」
アーシアの質問にリファルは頭を掻きながら、
「すまないな、俺は歴史には詳しくないんだ。まぁフィリアもそうだし、ましてや歴史系の書物も無いからな」
「その辺は私も気になってるのよ。モルクとたまに図書館行く時があるんだけど、歴史系の本だけやけに少なくて、聞いてみたりするんだけど答えてくれなくて。これって絶対なんかあるわ」
「歴史の本じゃなくても、色々と気になることだってあるよ。例えばボク達の町、ポートタウンにある《テヌラ神殿》だって毎回監視員が居て入れないでしょ? 前までは探検隊だったら入れるはずだったんだけど、今は探検隊すら入れないみたい。あの ダイヤモンドクラス でもね」
「ほぉー。そんなに危険な場所なのかそこは?」
「さぁ・・・情報がないから何とも言えないけど・・・・・・」
何かとがっくししながらモルクはリファルとフィリアに伝えた。


それからしばらくして、いろいろな情報交換したのは言う間でもなかった・・・・・・。 

 

心の鍵

 アーシアは現時点で知っている全てを話し終え、リファルとフィリアから様々な事を聞かされていた。イーブイが使える技から、技から技に繋ぐ事ができる攻撃法、それ以外に先ほどの草笛のメロディーの事、この世界の事・・・とくかくじっくりと話し合って、聞き入った。ちなみにそこにはモルクとレイエルは居なく、近くの木の根元に座って寝ていた。寝ている理由はアーシアが同じ内容だからっと言った事にあったし、リファルとフィリアは急ぐことがあるらしく、自分達の自己紹介はもっと後にするということもあったから。
そして、色々な情報を話し終えていたアーシア、リファルとフィリアの三人はモルクとレイエルのもとへ行き、
「起きて下さい。話し終わりましたよ」

 そう言いながらアーシアは揺り起こそうとして手を伸ばす。が、ちょっと躊躇って手を引っ込めた。なぜなら、ほとんどの敵をレイエルとモルクが対処していたし、自分が眠り粉と痺れ粉を受けて実質寝ている間も戦っていたのだから疲れているのは目に見えて分かっていたから・・・
「お、おい、どうしたんだ? 起こさないのか?」
「えっと、疲れて寝ているのに起こすのはどうかと思いまして・・・」
「・・・心配いらないわよ」
「きゃ!?・・・お、起きてたのですか?」
 寝てると思ったが、レイエルは ばっ と目を開けたのでびっくりしてアーシアはひっくり返りそうになったが、フィリアが支えたので倒れなかった。そして、やはり恥ずかしそうに頬をほんのり赤くして「ありがとう」と、フィリアに言うアーシアだった。それと謝るレイエルだが、別に気にしていないそぶりでアーシアは「大丈夫です」と答え、
「ほ、本当にごめんね?えっと、正確的には、こっちにくる足音で起きたのよ。 ちなみにモルクはダウン、完全に。ほんとにこんな自体のときにのんきね・・・ほら、おきなさ「別にいいぞ、寝かしたままで。まあ、とにかくまた逢ったときに・・・いや、その時はこの世界の異変を止めてからかもな」あっ、そう?」
 リファルにいいと言われ、レイエルは"サイコキネシス"を引っ込めた。そして同タイミングでリファルは後ろを振り返り、
「・・・さて、フィリア。そろそろ行くか?」
「そうね。んっじゃまた会える日まで、ね」
 そう言うと二人は、走ってアーシア達がもと来た道に走っていってしまった。三人は(正確には二人だが)その二人の影を見えなくなるまで見続けていた・・・


 そして見えなくなると、レイエルは硬くなった身体を伸びをしてほぐしながら、
「さてと、私達も行きましょ。多分もうお昼すぎてるわよ?」
「かもねですね・・・森の中ですと方向感覚が掴めないので、時間が分からないですし・・・」
「方角?流石に私でも分からないわね・・・まぁダンジョン抜けないと正しい方角を割り出せないし、方位磁石もここの磁場が狂ってるみたいで使い物になってないのよ、ほらっ」
 レイエルはそう言いつつ、それをアーシアに適当に放り投げた。投げられたものが自分の身長を越えそうだったので少し慌てたが、越えると思った時にはしっかりと自分の手の中で収まっていた。すっとんっ と落ちたので、多分取れないと思ってサイコキネシスで取りやすい位置に調整してくれたのだろう。だが、
「な、投げられましても困りますです・・・」
「別に取れたからいいじゃない。そんな事より、見てみて?」
「・・・分かりました。 ・・・・・・確かに針の位置が固定しないみたいですね」
 ケースは円形をしていて、下には東西南北を示す英単語一文字入っており、針は細長い菱形をしている一方に赤い印がついているごく普通の方位磁石・・・。普通は一定時間経てば安定して方角を示してくれるのだが、今はその針が時計回りに回ったり、反時計回りになったり安定がしていなかった。
「ねっ? 不思議のダンジョンの全ての場所でこうなるのよ。でも、無くても階段が見つけて先に進めばどうってことないんだけど」
「そうですか・・・覚えておきます。 ところで、そろそろ行きませんか? 遅くなると面会が出来なくなるかもしれないので」
「それもそうね。さてと・・・この娘どうしましょうか?」
「え、あ、あの、なぜ こ で声のトーンをあげたのです? それですと女の子みたいな男の子を示す方だと思うのですが・・・」
 アーシアのその問いに少し笑った感じに、
「だって女の子みたいじゃない、この娘。アーシアちゃんもモルクに可愛い服を来せたら似合うと思わない?///」
「それはー・・・・・・似合うかどうかは分かりませんが・・・か、可愛いのは確かだと///」
「あっ、ねぇねぇアーシアちゃん。アタシいい事思いついちゃったわ。街についたらなんだけど、ファッション関係の場所に行ってみない?そこでモルクに似合いそうな服を色々見てみましょっ!! それと今の話から飛ぶけど、アタシ達完全な絆では繋がりきれてないような気がするのよ、時間的に」
 急の話の変わりように えっ? と思ったが、その事に自分も感じていたので小さく頷く。そして、モルクを見てからレイエルはなぜか深い深呼吸をすると、
「・・・それと私、この場で最後までアーシアに付き合う、助けるって決めたわ。  色々と話したいし、ドリームメイカーズって隠している事も多いらしいから。それに、なぜ不思議のダンジョンが生成され始めているのか、行方不明者が多いのか、見つかったとしてもなぜ自我を失っているのか、それとこの世界の危機迫ってる理由とか・・・調べたい事は山ほどあるから。この事にはモルクも賛成のはずよ」
「あ、ありがとうございます。でも助けて下さるのはありがたいのですが、またお二人を巻き込むわけにはいか・・・きゃっ!!?」
「・・・なんで、なんで大きな事を一人で抱え込んじゃうのよ!!?もっと私たちに頼りなさいよ!! それにさっきも同じような事を言ったけど、自分たちが生まれ育った世界、町が壊れるのを指を咥えて見てるなんてアタシはまっぴらごめんよっ!!」
 いきなりレイエルが詰め寄ったので、アーシアはびっくりして身体も縮みこみながら、
「レ、レイエルさん・・・そう、ですよね。でも、これからもっと危ない事や大変なこ「その辺も承知の上よ。あと、危ないのはアーシアちゃんだと思うの。 だって知らない世界に送られてきて、色々と困る事もあるだろうし、人脈があるわけがないから左手?に紋章がある人がいたら教えてとか言えないでしょ?少なくとも私は結構人脈がある方なのよ?これでも。だから、役に立てるって私は思うわけ。 どう?助けてもらった義理もあるし」・・・そ、そこまでいうのでしたらお願いします」
「あったりまえよ、あともう少し自分の気持ちをさらけ出してねっ? ・・・はぁ、寝たふりはそのくらいにしましょうかモルク?」
「えっ?」
 レイエルが深いため息を付きながら名前を呼ぶ。するとぱちっとモルクは目を開けて「バレてたんだ・・・」と頭を掻きながら一言。
「当然バレるわよ。じゃ、モルクの締めの一言でナルトシティに行くわよ? それと、寝たふりした理由ってどうせ言葉が出なくて考えてたんでしょ?」
「えっ!!?そ、そこまで分かっちゃってたの・・・?」
 全てお見通しとでも言いたそうに、レイエルはモルクに問う。どうやら完全に図星だったらしくしてドキッとするモルクだが、その言葉に後押しされたように、
「うん、まずレイエルが言った通りボクらはアーシアを助けるよ。それと会ってる時間も、コミニュケーションもあまり取れてないけど、ボクは少なくともアーシアは大切な友達だからどんな困難でも一緒に乗り越える覚悟もあるよ!!」
「ありがとっ・・・」
 二人の言葉に顔を赤くしながら涙を流すアーシア。前足で涙を吹いても吹いても溢れ、明るいブラウンの毛並みが濃く色付き始める。
 私はなんでこんなに自分に正直じゃなく、臆病で、色々と抑えちゃうだろうか?こんなに良い人が居るというのに・・・
 そう思うと余計に涙が出た。人をいつまでも信じる事が出ずにいた自分に腹がたったから。それをレイエルさんは感じ取ったのか私に近づいて、
「ほらっ、泣かないの。このくらいで泣くなんて言ってくれる人や、そこまでの友達が居なかったって事ね・・・。 でも大丈夫、私たちがアーシアの最高の友達になるから。入れるまでずっとアーシアちゃんと居るから、元の世界に帰る最後まで」
 っと耳元で囁いてくれ、オカリナが白く発光したと思うと、私に強く抱きついてきた。自然と私も強く抱きしめ返した・・・自分とレイエルさんの心臓の鼓動がゆっくり波打っている音がはっきり聞こえる。
「・・・落ち着いた?」
「はいっ。おかげさまで」
「良かったー、ボクはレイエルがやってみた事は恥ずかしくて出来ないよ。女の子同士だからできる事だね。 さーてと、アーシアも元気になったことだしこのダンジョンを抜けるよっ!!」
 モルクの差し伸べた手をアーシアは取って立ち上がり、その時にレイエルも ふわり っと腕の中から出た。そして、ダンジョンから抜けるために駆け足で階段を探した。すぐにはやはり見つからなかったが10分もすれば見つかり、最後に全員でハイタッチしてから最後の階段を上がった・・・・・・。

~~~~~☆~~~~~

そしてナルトシティーの外れの森


「・・・ふぅ、色々あったけどなんとか抜けたわね」

 そう言ったのはレイエル。結局あまり時間が掛からない筈だったのに、イレギュラーで結局到着予想時刻の12時くらいをはるかにオーバした1時に抜け終えた。でも、今思えばあれだけのことがあってなんとかなったのは、あの謎のフィリアとリファルだろうっと思う。正直あのままだったら確実に今頃は自分達は天国に居るのだから・・・。
「・・・うぅ、えっと、取り敢えずこのまま真っ直ぐ行けばナルトシティーのビル群が見えてくるはずよ。その後にバス停さがしてからまず、ご飯を食べにセントラルパークに行くわよ?その後にライトのところに行きましょ」
「そうだねっ。 はぁー・・・ボクもうお腹と背中がくっついちゃいそうだよ・・・・・・」
「じ、実は私もです・・・」
 モルクとアーシアがお腹をさすりながらレイエルに訴える。だってあれだけ動きまわり、技をたくさん使ったのだからそれもそうだろう。
「じゃあさっさと行くわよ。 アタシが見つけたシチューが美味しい店を知ってるからそこに連れて行ってあげるわね」
「シチュー?今のお腹の調子にはピッタリだよ!! 早く行こうよ!!」
「せっかちねー・・・まぁ、私もお腹空いてて言い返せないけど。さてと、なんだかんだ言ってるうちに、森を抜けたわよ」
「・・・うわぁー!!」
 森を抜けた光景は最初の町(ポートタウン)とは比べ物にならないほどの建物、ビルが立ち並んでいて道路と歩道まで補整されており、その上を車が通ったり様々な人達が歩いていたり、公園で小さな子達が伸び伸びと遊んでいたり。それと街の中は草木が少ないと思われがちなのだが、その常識を覆して道路の橋には木が植えられていたり、花壇があって、場所によっては小川があって緩やかに流れて、その中に入って気持ち良さそうに水遊びしている子達、釣りをしている人が居たり、自然とうまく共存している件も素晴らしい件である。
「凄いでしょ? 私もここからの風景を見たのは始めてだけど、ここの場所も気に入りそうだわ。ちなみにちょっと細く説明すると、あそこでくるくる回っているのは風力発電機、風の力で電気を作ってるの。あと、あそこにある青い屋根はソーラーパネルって言って、太陽の力で発電するのよ。それと、見えにくいかもしれないけど、小川にある水車は小川の流れを利用した水力発電。最後に、ここからは見えないけど、地熱を利用した地熱発電。ほとんどの電気は地熱発電で安定給電されていて、この街の全体の電気を賄っているのよ」
「凄いですね・・・あっ、ではポートタウンの海岸にあったのも風力発電機だったのですね?」
「そうだよ。ボク達の町は小さいから風力発電機が8台あれば足りるし、潮風がいつも吹いてるから電力供給も間に合ってるみたい」
「なるほどです」
 確かにそうだった。自分が海岸に立った時に度々強い風が吹いて、自分の毛並みをかきあげた程。確かにあの風が吹き続けているのならばなんとかなると思った。
「さて、この坂を真面目に下るのは面倒くさいから・・・"サイコキネシス"!!」
「安定だね・・・おっとと」
「あわわ・・・ふぅ、ところでレイエルさんは結構サイコキネシスを多用してますけどPPは切れないのですか?」
「ええ、このオカリナのお陰で。 これを付けてからサイコキネシスがずっと使えるようになったり、ゴーストタイプとエスパータイプの威力が上がったりしたのよ。その代わりに今言ったタイプしか使えなくなるデメリットがあるけど・・・別に気にしないわ」
 サイコキネシスで浮かんでるオカリナを見せながら話す。大きさは小柄で色は全面真っ白なのだが、重要なふさぐ穴が見当たらなく、これでは音色を変えられない。
「あの、そのオカリナってどうやって音色を変えるのですか?」
「音色はサイコキネシスを込めた力によって変わるわ。仕組みはどうなってるかは分からないけど、このお陰で私も吹く事が出来るのよ。うーん、すぐバスが来ると思うけど少しだけ吹くわね・・・♪」
 一度サイコキネシスを解除して地面に二人を下ろすと、今度はサイコキネシスをオカリナへと注ぎ、口を吹き込み口に付ける。そして吹いた瞬間、透き通った柔らかい音色が辺りを包む・・・凄い。こんなに落ち着いた気分になるのは初めてかもしれない。
 その音色を聞いてしばらくして、
「ふぅ、こんなもんかしらね。ちなみにそろそろバス来るわよ」
「聞いててスッキリしたような気分になりました。また今度聞きたいです」
「ボクもかな。何回聞いても飽きないよ」
「ありがと、二人とも。じゃ、いい感じにバス来たから乗り込むわよ」
 バスが来たのをレイエルが確認し、乗り込みするところに待ち、来たバスに乗り込み座った。ちなみに発車タイミングが座る直前だったので座る時に少しよろっとし、少し強めに座ったせいで運転手がバックミラーでこちらを見たのを見て焦ったが。
「ま、まぁ何がともわれモルク、アーシアちゃんお疲れ様」
「お、お疲れ様です」「お疲れ様っ。一時はっと・・・ふう、どうなるかと思ったね」
 窓側からレイエル、アーシア、モルクと述べて行く。このタイミングでモルクは背負っていたバックは足元に置いて、背もたれに身を任せて座り、アーシアは両足を前に投げ出しており、両手はその投げ出した足の真ん中に揃えて置いて座っていて、最後にレイエルは浮遊かと思いきや普通に座っていた。
「あっ、確かセントラルパークまでは15分もあれば着くはずよ。それにしても久しぶりにそのお店に行くから楽しみだわ♪」
「そこまでレイエルを虜にしちゃうシチューなんだ。ボクも楽しみでたまらなくなってきたよ!!」
「私も楽しみです♪」
 お腹が空いてるものだから、早く食べたい、早く胃を美味しいもので満たしたい気持ちが加速し、それを知ってか知らずか、ゆっくりとセントラルパークに向かってバスは進んでいくのであった・・・・・・。
 
 

 
後書き
今度から チーム別ストーリー が発動するかもしれません。理由としては リファルとフィリア がパーティとして介入した(←そんな話しあったの?)のでそちらの描写も書くためです。
 それにリンクして 2人のストーリー を別ネタとして挟むかもしれません。
ちなみにこの二人のチーム名は【リライト】です。
 あと、フラグを立てて置きます。っと言いますか、次の節と章の内容を早めに予告です。




アーシア「うわぁー・・・シチュー以外にも色々あって迷っちゃいそうです」



モルク「ひっく・・・こんなフリル着させるなんってひっく・・・レイエル、アーシア酷いよぉ・・・///」



「君はー・・・うんっ、導かれし者みたいだね。始めまして、僕の名前はラ・・・」


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ココから下が新章
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「それにしてもここは何処?どうしてこんなところにボクは? それと、この子も同じ紋章があるって事はつまり・・・」



「ココがポケモンの世界・・・本当にボク・・・来ちゃった」



「み、道端で倒れててー・・・そ、その・・・びっくりしました。それと・・・他の世界から来たなんて・・・・・・」



レイエル「モルク、アーシアちゃん!!私の事は良いから早く逃げてッ!!!! モルク、あんたはしっかりアタシの代わりにアーシアちゃんを守るのよ!!」



『ふふふ、これで私の理想が実現する・・・・・・人間世界への干渉をッ!!」












光を求めし者、その膝下に集まりて協力せよ。

その光が集まりし時、この世界の運命・・・時空間の歯車が動くであろう・・・・・・ 

 

心の母

『お待たせしました。次は終点のセントラルパーク南口バスターミナルです。お乗りのバスは車庫に直行いたしますので、お荷物の忘れ物がありませんように、お気を付けて下さい』
 突如として、女性の声のバス内アナウンスが入り、目的地に近い事を知らせ、そのアナウンスが流れた途端に乗客達がすぐに降りれるように整理し出す。 それにつられるようにレイエルは、モルクの足元に置いてあったバックを自分の足元に持って来て、少し開いていたチャックを閉めて、最後にモルクが卵形のボタンを ぱちんっ 止めた。ちなみにアーシアはと言うと、先ほどの戦闘での疲労がやはり溜まっていたらしく、バスに乗り込んでから10分後にはモルクに寄りかかって すぅー、すぅー っと小さな寝息を立てて寝ていた。そして今、チャックを閉めるときに寄りかかっていたアーシアの身体がずり落ちないようにボタンを止めたのだが結局起きてしまい、
「っ・・・うん? ふぁぁぁ・・・おはよおぅ・・・」
「お、おはよアーシアちゃん。少し寝て疲れ取れた?」
「ふぇ・・・? はいぃ、よく眠れましたぁ・・・」
「は、はぁー・・・すごい寝ぼけさんなのね・・・・・・」
 大きなため息一つ付きながらレイエルは呟く。ちなみに、このため息には今の意味と、違う意味が含まれており、それはモルクも寝坊助さんで、起きてから完全に目が覚めるまでかなり時間を有するから・・・
「アーシア、寝ぼけてないでしっかりしてよ。もう着いたんだから」
「う、うーんっー・・・・・・よし、多分もう大丈夫です。なんだか寝たら余計にお腹空きましたです」
「・・・問題はまったく無かったわね」
 アーシアは伸びと、大きなあくびをしたくらいでしっかりと起きてくれた。ちなみにレイエルは身体の後ろで黒い渦巻いた球体を生成していたが、すぐに起きたのを見て収縮させて消した。

 それからしばらくしてバスは目的地に到着し、
「んー・・・行きますかっ、ついて来て。目的の場所はこの建物の三階だから」
「三階?この建物って何フロアあるの?」
「地下一階の三階建てだから四フロアね。地下一階は食品売り場、一階は雑貨屋さんで、道具などが売ってるわ。二階は一階と同じ道具だけど、技マシン関係が揃ってる。三階はレストラン街で、私達の目的地はここね」
 レイエルがサクッと説明をいれた。簡単に言うとここの中だけで色々な物品を揃える事が出来るらしい。それにしても、一フロアを使い切るほどとはどれほどのものだろう?
 食品売り場関しては一フロア使うのも分かる。レストラン街・雑貨屋さんも。ただ技マシンだけで1フロア割くのはどれだけの規模だろうか? ・・・もしかして技マシンはいっぱいあるからか、技を試すスペースがあるのではないかと考えた。それなら一フロア割くのも納得するが・・・
「アーシアちゃん? ぼーっとしてるとはぐれちゃうわよ?」
「は、はい。今行きますっ!!」
 考えて歩いているうちに気が付いたらかなり距離が空いていて、レイエルの声で慌てて追いついた。そしてそのままセントラルパークっと言われる施設内に入って行った。

~~~~~☆~~~~~

 入ってすぐから中は脅かされてばかりだった。上を見上げれば三階から地下一階まで吹き抜けていて、吹き抜けの一番下には植物が植えられ、天井からの光を受けて花も木も生き生きとしていた。しかも中の中心部に当たる場所に至っては噴水もあり、それを囲むように噴水よりもちょっと広めの吹き抜け・・・中なのに外にいるみたいだった。
 最初はただのショッピングビルだと思っていたのだが、ここまで各違いだったと知ると怯むし、申し訳ないという気持ちさえ浮かぶ。
「いつ見てもすごい凝ってるわねー・・・まぁ、コンセプトが森の中のショッピングタウンだから当然ちゃ当然よね。あっ、ちなみにここだけじゃなくて北館の方が色々と凄いけど、今日は用がないから行かないわよ。それと、明日付き合ってもらってもいい?」
「明日・・・ですか?」
「ええ、明日活動を一時停止してたシンガーの復帰ライブがあるのよ。いい歌ばかりだからアーシアちゃんも気に入ると思うわよ♪」
 そんな事をしてる場合では・・・っと言いたかったが、目を煌めかせて言われたんじゃ流石に行かないとは言えなかった。でも、逆に虜にするほど歌が良いっという事になる・・・何だかんだで気になるには気になったって考えた挙句に、
「・・・はい、ちょっと気になったので聞こうかなっと思いますです」
「そう来なくちゃ!! へぇー、クレアが復帰したんだー。ボクは知らなかったよっ」
「・・・アンタ新聞読まなかったの?大々的に取り上げられてたわよ・・・まぁ良いけど、足下気を付けてね」
「え、うわぁっ!? エ、エスカレーター・・・ちょっとレイエル、もっと早く教えてよっ!!」
 後ろを向きながら歩いて話していたので、そのまま段差につまずいてエスカレーターに座る形になって倒れた。そしてすぐに立ち上がりながらモルクは抗議する。
「しょうがないでしょうよ、私だって話してたんだから。って言うか、おっちょこちょいの小馬鹿なんだから自分で危機察知してよっと言うより、本当に危なっかしくて、ホントにまだ子供よねっ」
「あはは・・・」
「早い・・・」
 モルクの抗議に、レイエルは聞き取れるかギリギリの早さの言葉を返してきて、それに対して笑う事しかモルクは出来なく(他の事含まれて尚更)、アーシアはなんか慰めの言葉を言おうと思ったが、直感に感じたレイエルの早口の事しか言えなかった。
「・・・ボクの中で何がが折れたような気がするよ・・・・・・」
「うっ、あー・・・元気出しましょ?・・・ねっ? モルクさんっ」
「っ!? あ、ありがとアーシア・・・///」
 アーシアはエスカレーターの段差を一段上がり、そしてモルクの一段下から顔を覗き込みながらスマイルで勇気付ける。その行動にモルクはビックリしながらお礼を言ったのだか、妙に顔が赤いような気がして・・・
「・・・顔が赤いようですが、体は大丈夫ですか?」
「う、うん。大丈夫・・・だよ。 じゃ、じゃあ気を取り直して行こっ!!」
「・・・そうね。目的階はもう一つ登ったフロアの一番奥のお店よ。 それにしても、久し振りだから楽しみっ!!」
「(レイエルさんキャラが凄く変わってるような気が・・・そこまで楽しみにしてるんですね・・・・・・)」
 レイエルがクルクル空中で回ってるのを見て、純粋にアーシアはそう思った。だが逆に、そこまで美味しいと言う事だから・・・
「・・・私も楽しみかもっ」
「うんっ?アーシアちゃん、今なんか言った?」
「あ、はい。私も早く食べたいなっと。 レイエルさんがその様子なので結局ワクワクしてるんです」
「・・・ねぇアーシアちゃん。やっぱり一言言っていい?」
「なんでしょうか?」
 しばらく考えてから真剣な顔で問いてきたので、アーシアも話をよく聞けるようにレイエルの方へと向き直した。
「アーシアちゃん、やっぱり敬語やめてくれない? 敬語使われると溝があるような気がするのよね・・・モルクもそうでしょ?」
「・・・えっ? あー、うん。敬語は話しにくいからボクからもやめて欲しいかもねっ」
「そうですか・・・えっと、じゃあ・・・・・・。 あ、改めて宜しくお願いしま・・・ねっ!!///」
 よろしくお願いしますっと言いそうになり、慌てて変えた事によって言葉がぎこちなくなったので、笑ってごまかした。上手くごまかせたかは微妙だが、レイエルが「宜しくねアーシアちゃん」っと言ってきたので、問題はなかったらしい。もしかしたら気を利かせて言わなかっただけかもしれないが・・・。
「さーてっと、心機一転したところで目的の・・・って、お店の前にいつの間にかに到着してたわね・・・」
「えっ?ここの店って・・・まさかー・・・」
「そう、完全予約制の《フィアンドカフェ》!! ここのシチューがとびっきり美味しいのに安いのよねー!!」
「ちょっ、ちょっと待ってください!! 今、完全予約制って言いましたよね!?予約したのですか!!」
「予約?そんなものしてないわよ。まぁ、理由は入ってみれば分かるわよ♪」
 凄くニコニコしながらサイコキネシスでドアを押し開け、レイエルが先に中へ入って行き、少々おどおどしたモルクが二番目に入り、最後に高そうなお店だからという事でシャキッとした(礼儀を正しくした)アーシアが入って行った。中は木をベースとしたカフェ店みたいな落ち着いた顔持ちで、既に入ってる客がコーヒーカップ片手に雑誌を読みながら飲んでたり、ある者はやはりコーヒーカップ片手に話してたり・・・とてもこのお店がシチューを出すとは思えない。
「あの、レイエルさん・・・本当にこのお店なんですか?」
「そうよ。でもエレナさんが居ないのよねー・・・」
「エレナさん?」
「あっ、エレナさんはここの女将さんで、ここのフロアの管理人も兼ねてるからたまに居ないのよねー」
「フロア管理人と言う事は、この三階フロアの管理をしている方なのですね?」
「そうそう。ちなみに種族は・・・「あらっ、レイエルちゃんじゃない、久々ねー!! あらっ?その子がモルクくん?っで、そこのイーブイはー・・・」あっ、私の友達のアーシアちゃん。そして、こっちがモルク」
 レイエルからの自己紹介に合わせてアーシアはお辞儀、モルクはタメ口で 宜しくねっ!! と言った。
 正直 えっ? っと思ったのだが逆に・・・
「元気があってよろしいっ。 っで、レイエルちゃんがここに来た理由ってシチューでしょ?風の噂で来るって聞いて作ってあるわよっ♪」
「流石エレナさんっ!! 色々と一段落したから人訪ねついでに食べにこようかなって思ったか・・・あれ?」
「どうしたの?」
 周りを見渡しながら、厨房の方にも目を向けると、知らない人が厨房で大きな鍋をヘラでかき回していた。鍋淵に茶色いこびり付きを見る限り、多分シチューの鍋であることは確か。
「なんか見たことない人が厨房に立ってるって思って・・・。 でもなんで?雇わないって決めたんじゃ?」
「あー・・・色々と訳があってこの子は置いてるのよ。 一昨日の局地的の大雨覚えてるでしょ?その時に私がココに忘れ事を気が付いて家から傘持って向かってたんだけど、その通り道であの子・・・倒れてたのよ。 流石にこの光景に忘れ事なんか放り出して家に連れて帰って、怪我も少しあったから治療をしたわ。それで起きたのが昨日の朝で、色々と聞いて見ても記憶が無いみたいで、名前すら分からない重症タイプの記憶喪失だったのよ。だから記憶が残るまでここに置いておく事にしたの。まぁ、覚える事が凄く得意みたいで、精算や今やってるシチューの熱加減も昨日ちょっと教えただけでマスターしちゃってるから、私がフロア管理している間は任せちゃってるってわけ」
「なんか凄い人見つけたわね・・・なんか姉と妹が開いている店みたい」
「うーんー・・・妹かー・・・。確かに私はミミロップで、あの子はミミロルだし、言われてもしょうがないかなっ? あっ、ちょっとミミアン来て!!」
「ミミアンって・・・あの子? でもさっき名前がないって・・・」
「それは当然、名前が無いのも大変だから ミミアン って私が名前付けたのよ。 それと、今気が付いたんだけど、ミミアンと同じマークが貴方にもあるのはどういう事?」
「お、同じマークっ!!?」
 突然な事にアーシアは目を丸くして大声を出してしまった。その声に周りの客が ビクッ としたり、咳払いをする人も居て、アーシアは強い視線を感じる気がして顔が真っ赤になった。
「お、驚き過ぎ、声大きすぎ。他の客が居るんだから静かにして」
「ま、まことに申し訳ございませんでした・・・」
「はい、次から気をつける事。 っで、理由は何故かしら?」
「あっ、えっと・・・ミミアンさんは、なんと言ったらいいのか・・・えっと、私と同じグループなのは確かです。 こちらも色々とトラブルに巻き込まれてて・・・少なくとも、ミミアンさんと同様に私も記憶がありま・・・」
「・・・私と同じ模様を持っていて、同じ状態・・・・・・あなた何者・・・?」
 その声にアーシアが振り返ると、そこに居たのは 体色が焦げ茶色ベースで、モコモコの綿のような物を付けていて、そして両耳をくるんっと丸めているポケモンのミミロル・・・間違いなくさっきまで厨房にいたミミアンである。
「え、えっとー・・・私とミミアンさんが同じマークを持っている事は、ちゃんとした理由があります。 ・・・覚えていたら良かったのですが、このマークを持っている事は少なからず仲間で、同じ目的を持っているはずです。それに、今はまだミミアンさんしか見てませんが、まだ何処かに同じマークを持つものが居て、行動しているはずなのです」
「貴方以外にも居る・・・? それはどういう事?」
「そ、それはココだと話しにくいです・・・。この話は他の方に聞かれると色々と問題なので・・・」
「そう。なら私は失礼します。 まだシチューを煮込んでいる途中なので」
「えっ、あっ、ちょっと待っ・・・行っちゃっいましたね・・・」
 ミミアンはアーシアの呼びにも反応せず、奥の厨房へと見向きせずに戻って行ってしまった。その後ろ姿を見てアーシアは何と無く寂しいような気がした・・・。
「わ、悪く思わないでね。あの子、私以外にはあまり話してくれないのよ。 レジ打ちの時は最低限の事しか言わないし、感情を表に出さないしー・・・さっきも私には見られてないと思ってたらしいけど、隠れて泣いてたの見えちゃったのよね・・・」
「・・・分かります、その気持ち。私も記憶が思い出せなくて泣きたくなる事を抑えている事が・・・はははっ・・・だめ、考えるとまた涙が・・・ぐすっ」
「ア、アーシア・・・心配しないで。記憶は絶対に無くなってないはずだよ。 ただ、思い出せないだけだよ・・・たぶん・・・・・・」
 左手をアーシアの頭に載せて撫でながらモルクが、さっき自分が勇気付けられたように、アーシアを勇気付ける。その手と言葉に対してアーシアは、潤んだ目でモルクとレイエルを見て、エレナを見た。
「・・・ミミアンと同じで貴方も十分大変だったのね。 私なんかで助けられるかどうかは分からないけど、フォローするわ」
「私と同じ・・・アーシアさん、貴方は何を知っているのですか・・・? 私が此処にいる理由は・・・なんなの、ですか?」
「な、何故私の名前を・・・?」
 ミミアンが・・・少し頬を濡らした状態でアーシアの前に突然現れたのも驚いたが、そのまま問う。それと、名乗ってもいない自分の名前を知ってる事にアーシアは驚いているのを見て、その事にミミアンは自分の耳を指差してアピールした。ただ、両耳が真っ直ぐピンッと立っているだけだが・・・
「この耳になってから、よく声とか音が聞き取れるようになったので、アーシアさん達との会話を全部聞いていました。 それと・・・今、幾つか思い出せました。思い出せたのは何処か分からない風景・・・何処かの古ぼけた部屋の一室・・・何かに付けてあったミミロルのキーホルダー・・・これから察するに、私はこの世界の住人じゃないではっと。どうなのですかアーシアさん、私の推測は間違っていますか?」
 ミミアンの一言に周りの客が若干ざわめき、事実を知っているモルク・レイエル・アーシアは目を丸くし、お互いの顔を見合う。そして、俯きながらアーシアは次の一言をミミアンしか聞こえないような小さな声で言った。
「・・・・・・いいえ、あってます。マークの意味もその証です」
「やはり、そう・・・なのですね。あの、では、後で話を伺ってもいいですか?」
 声の大きさで聞かれてはいけないと分かったらしく、ミミアン自身もとても小さな声で伝え、後に来るようにとも伝えた。周りは「なんと言った? や 全然聞き取れなかった」っと言っており、だがエレナだけは聞こえてたようで、首だけで小さく頷いていた。
「そう・・・ミミアン、今日はもう良いからアーシアちゃんと話してきなさい。裏の休憩室使っても良いから」
「で、でも・・・」
「良いから、その方が貴方の為になるでしょ?」
「・・・はい、少し話してきます。 では、こちらに来て下さい。レイエルさんとモルクさんも」
 ミミアンは少し考え込んでから三人を厨房を通って裏に案内する。それを見届けた後、エレナは厨房に戻ってシチューを温めたり、会計したり、お店の仕事に戻った。四人分のシチュー皿とスプーンを鍋の横に準備しておいて・・・。

~~~~~☆~~~~~

「ここです。本当に簡易休憩室なので少し狭いですが、話すのには十分かと」
「なんか悪いわね・・・気を利かせちゃって。内容はまとめて話すから心配しないで」
「あの、アーシアさんが話すのではないのですか?」
「あー、それなんだけどね。 この世界の事は自分たちの事で言いたいし、アーシアから話も聞いてるから、ちゃんとした考えを出して言う事も出来るって思って」
 ミミアンはアーシアとレイエル・モルクを交互に少し不安そうに見る。それに対して直ぐにモルクが説明を入れると納得したらしく、ゆっくりと静かにミミアンは頷いた。

 そして、話し合いは30分以上を掛けて終えた。話している最中にエレナがシチューを四人分作って持ってきたりして、シチューの美味しさに少し話しが何回か中断したのは置いておいて(お陰でミミアンは心を完全に開いてくれ、食卓囲めば全員仲間とは本当のことだったらしい)。
「・・・ふぅ、ボク達が知ってるのはここまでかな。どう?この世界のことと、なんでここに居るのとか分かった?」
「うん、分かりました。成る程・・・ドリームメイカーズを何とかすれば良いのですが、表の顔は役に立つアイテムを作る工場・・・」
「そう。だから叩こうにも悩むし、アーシアちゃんとミミアンちゃんと同じ、人間の人達がまず集まるしかないみたい。ちなみに叩くなら、しっかりした証拠を取る必要があるから・・・忍び込むしかないわね」
「し、忍び込むの!!?それって見つかったら大変なことになるよっ!!? あー・・・そう言ったものの、なんか隠れて実験してるって聞いたこともあるし、結構前の新聞で電気・炎・水タイプの人達が誰かに誘拐されて、何人か戻ってきてないって言う事件に異常なほどの体制で探したのもドリームメイカーズだったらしいし・・・ちなみに本当に異常な動員だったらしいよ」
「あれねー・・・確かに怪しい匂いがするとは思ったわ。あと、秘密実験が行われているーって、都市伝説みたいな事も少し流行ったこともあって、私たちも考えて話し合ったこともあったわね、モルク」
「うん。それで、話していて本当に実現しちゃったのはテレポートマシン・・・確か四年前だっけ? 本当に二人でびっくりしたよね」
 話しは見事に脱線し、アーシアとミミアンは顔を見合わせて苦笑いするしかなかった。だがいつになっても、会話がどんどん続いていくので、止めようにも止められず、結局アーシアとミミアンも会話し始めた。
 話す内容は自分が今、まさにその姿になってる好きなポケモンの事や、他にどんなポケモンが好きなのか、この姿になって何をしたいか・・・色々と話していた。

 アーシアがイーブイが好きな理由は、直感で好きになってしまい、色々となにかしているうちにものすごく好きになった。ミミアンもだいたい同じ理由で好きになったらしい。
 次に、他にどんなポケモンが好きなのか。アーシアはブイズ系列に幼ポケにラティアスで、この子も正直一目惚れらしい。ミミアンはノーマルタイプ・電気タイプ・飛行タイプなら大体良いらしい。
 そして、やってみたい事はバトル・・・どうしてもやってみたいらしい。それと、自然を見て回りたいには多いに賛同した。

 そんな事を話していると、流石にエレナが顔を出してきて「もう2時回ったけどいいの?」っと言われ、慌てながらアーシア・レイエル・モルクはお礼を言ってカフェから出たのだが、ミミアンはもうしばらくはココに止まって居るっと言い出した。理由を訪ねたらエレナの手伝いしたいからだっと伝えた。エレナ自体もその言葉に驚いて「行かないないの?」っと聞き返したが「エレナさんと居ると、よく分からないけどとても安心する・・・なんだか、心がホッとするんです」と言いながらエレナに抱きついてきたものだから、それ以上エレナは言わなかった。いや、言えなかったが正解かもしれない。他人にここまで擦りつくと言えば、子供が母親を欲する時や、男と女が愛し合ってる時のみ・・・つまり、なんも覚えて居ないミミアンが、忘れてしまった母親を欲すって抱きついたと言えば・・・説明が通る。
 その行動を見て、なんとなくさみしい気持ちになって一瞬だけアーシアは下を見た。ほんとに一瞬だったのはずなのに、エレナはミミアンを片手で包み込みながら抱き上げると、今度はアーシアも余ってる方の手で抱き寄せた。
「アーシアちゃんも、さみしくなったら何時でもここに来なさい。私たち、ここで待ってるから・・・」
「・・・は、はい///エレナさん・・・ありがとっ、ミミアンさんも。 また、会おうね///」
「はい、必ず。その時はアーシアさんをサポート出来るくらいに頑張ります///」
「絶対来なさいよ?来なかったり、連絡よこさなかったら探しに行きますからね?」
 アーシアとミミアンを下ろし、エレナは二人の頭を撫でる。その光景をみて、レイエルとモルクは少々周りの目を気にしながら、
「レ、レイエル?なんか、あの三人、親子みたいにボクは見えてきたよ」
「親子ねー・・・今度は何時になったらお母さん帰ってくるのかしらね・・・でも、また一ヶ月経ったらぷらっと研究終えて帰ってくると思うけど」
「自分もそんな感じかな。一応メモ書き残しておいたけどね、ボクは。 あっ、レイエルの名前も一応書いておいたよ」
「ありがとね、なら安心だわ。 なんか毎回一緒にどっか行く時に・・・・・・あ、れ・・・?」
 レイエルは何かが引っかかり、少し振り返って見る・・・。

 今まで私は・・・どこに行くのも、モルクと・・・ずっと、一緒・・・どんな苦労や危険な探検などもしてきたし、遊びに行ったり、遊びに行くのも・・・しょっちゅうだった・・・。これって・・・他からみると、つ、付き合ってる・・・感じなんじゃないのコレっ!!?
 じょっ、冗談じゃないわよ!!こんな危なっかしくて、でも頼もしくて、たまには守ってくれて・・・あーダメダメっ!!いいところしか思いつかない!! 仮にモルクは幼馴染なのよ!!?・・・そうよ!!幼馴染と一緒に居るなんてよ、よくあることよ、う・・・ん・・・・・・
「・・・エル!!」
 あるのー・・・か、な・・・・・・
「・・・イエルさんっ!!」
「・・・えっ?あー・・・えっと、ちょ、ちょっと深い考え事・・・してたのよ/// っで、どうしたの?」
 アタシったら周りに気がつかなくなるまで考えてたのね・・・本当に、もうっ・・・このくらいで考え込んじゃうなんて・・・。この考えは記憶の片隅に飛ばしときましょ・・・
「レイエル、本当に大丈夫? なんかー・・・少しだけ頬が赤いような・・・」
「あらほんと・・・レイエルちゃん、少し熱あるんじゃない?」
「ね、熱なんてないわ。ほ、ほら、そろそろ目的地に行くわよ。早く行動しなきゃお楽しみの時間がなくなっちゃう♪」
「お、お楽しみ・・・?」
「レ、レイエルさん・・・本当に言ってた・・・こ、とを・・・?」
 アーシアはモルクも横目でチラチラ見ながらレイエルの方を見る。そして、少ししてから今度はモルクの事を見て、目が合うとすぐに少々頬を赤くしながらそっぽを向くと、
「レ、レイエルさんが・・・やりたいなら私は止めません///」
「そう。実質楽しみ、でしょ?」
「ねぇねぇねぇねぇ!!ちょっと待って!!!! 二人は何を考えてるわけ!!?」
「そうねー、何でしょうねーアーシアちゃん?」
「あっ、う、うぅ・・・///」
「・・・あーもうっ、じゃあもういいから行くよ。エレナさんとミミアン、また会おうね」
 モルクは少しは考えたようだが、すぐに考えるのはやめてアーシアを慰め、お世話になった二人に挨拶する。それに続いてレイエルもお礼し、アーシアは最後にミミアンにハグをしてから別れた・・・。 
 

 
後書き
お久しぶりです。
だいぶ更新遅くなりましたね・・・ごめんなさい。
そして、妄想が爆発して書き直し前より違うイベントが登場してしまいました・・・これもごめんなさい。

あっ、それと今日のうちに現時点までに登場したキャラ紹介を流しておきます。 

 

今までに登場したキャラクターと街の設定

Character setting data


メイン主人公

名前:アーシア
種族名:イーブイ
分類:元人間
性別:女の子
年齢:推定15才
性格:好奇心旺盛及び明るくて仲間思いな子
好きな色:オレンジ色 
好き:仲間と一緒に居ること 青空 リンゴ
嫌い:仲間が傷付くこと 暑いところ すっぱい食べ物
外見:どこにも居そうなイーブイだが少し大きさが小さいのが特徴で、導かれし者には共通だが 右手か前右足に紋章 が刻まれている。
口調:普通の女の子の口調だか結構言葉の最後に です を入れ、基本的に目上だろうが目下だろうが敬語を使うのも特徴のひとつ。
一人称:私 自分
二人称:あなた(始めてあったとき&敵にも) ~さん(名前が分かる時) 
三人称:あの方 あの人

現時点で使える技
体当たり 電光石火 アイアンテール

条件発動技[発動条件を満たせばいつでも使用可]
??る(仲間を守りたい気持ちが強いと発動可能)
?がい?と(仲間を助けたい気持ちが強いと使用可能)

バトルスタイル:ヒット&ウェイで戦うが、後半になるにつれ変化が起きる。

サンプルボイス
「私の名前は アーシア と申しますです。よろしくお願いいたしますです!!」
「仲間と一緒だと楽しいですし心強いですね」
「どんなときにも落ち着くのが一番だと思いますです。落ち着けば見えなかった道も見えるようになるはずだから・・・」
「困っている人が要れば助けるのが当然だと思います。だからその思いがあったから私は、ここに導かれたのだと思うの」

備考
 どこにでも居そうな明るくて元気で仲間思いの女の子で好奇心旺盛で何にでも興味を示す。だが、行きすぎてトラブルを起こすこともしばしばある・・・。
 元人間だったことと ポケボード で使っている名前しか覚えておらず いつになったら記憶が元に戻るのだろうかと いつも考えている模様。
 実はポケモンに成れた事に少し喜びを感じていたりする。



名前:レイエル
種族名:ムウマ
分類:ポケモン
性別:女の子
年齢:推定15才
性格:気強い 大胆
好きな色:薄い緑(若草色)
好き:日の光 夜の散歩 紫グミ 
嫌い:熱い場所 しつこい人 辛い食べ物
外見:首からオカリナをかけているムウマの女の子
口調:基本普通の女の子の口調(初めて合う人には敬語を使う)
一人称:私
二人称:あんた ~さん あなた
三人称:あいつ あの人

現時点で使える技
サイコキネシス リーフショット(特殊) 癒しのメロディー(特殊)

条件発動技[発動条件を満たせばいつでも使用可]
?きみ??(体力の危険を感じ、仲間の危険も感じた時に発動可能)
?にび(周りが熱いと使用可能。猛撃のタネ仕様で技の使用可能)
?ャ?ジ??ム(猛撃のタネ仕様で技の使用可能)

サンプルボイス
「私、レイエルって言うの。よろしくね」
「ほら、さっさと行くわよ。まだやることはあるんだから」
「リーフショット!! ふぅ、これで進めるでしょ?」
「あんたがドリームメイカーズの奴等ね?あんた達の思い通りにはさせないわよ!!」

バトルスタイル:サイコキネシスを器用に扱いその場にある葉っぱや、石、後は仲間の放った電気、炎などを操って攻撃する少し変わったバトルスタイルで戦う。

備考
 首からオカリナを掛けているムウマの女の子。まだレベルが低いが"サイコキネシス"が使え、しかもPPに縛られずに使えるというかなりチート級のレイエル。その理由は、どうやら彼女が持つ オカリナ が関係しているらしいっと言う噂で、しかも演奏すると人の 怒り・憎しみ・悲しみ を抑える力と、対象者を鼓動させる力もあるらしく、その力は彼女しか効果を発揮することが出来ない。
 そしてモルクとは幼馴染のようであるらしく、かなりの頻度で家に遊びに行っていて、姉ちゃんと弟の関係みたいに結構仲が良い。



名前:モルク
種族名:マイナン
分類:ポケモン
性別:男の子
年齢:推定16才
性格:純粋 わんぱく
好きな色:濃青色
好き:木の実集め 遊ぶ事 イアの実
嫌い:雨 渋い食べ物 
外見:首に濃青いバンダナを付けている事以外は普通のマイナンの姿。
口調:「なんだ~!!」とか「だよ!!」とか青少年?のような話し方
一人称:ボク
二人称:君 呼び捨て 
三人称:あの人の

現時点で使える技
電光石火 電気ショック 十万ボルト サンダーボール(特殊)

条件発動技[発動条件を満たせばいつでも使用可]
?みな?(怒りに身体が捕らわれている時に使用可能)

バトルスタイル:回り気をにせず一人ずつ着実に倒すバトルスタイルで、ちまちまレイエルのサイコキネシスで助けられる場合が多く、完全に突っ込んでいくバトルスタイル。

サンプルボイス
「ボクの名前はマイナンのモルクって言うんだよ。君の名前は?」
「君は何してるの?面白いこと?」
「ドリームメイカーズ!!君らはこんな事していいって思ってるの!!?」
「バトルは少し苦手だけど邪魔にならないようにがんばるよ!!」

備考
 とにかく元気なマイナンの男の子。ムウマのレイエルとは幼馴染でよく一緒にあそんでいるが、レイエルのわがままでいつもの世話を焼いているらしい。そして首に濃青いバンダナを付けていて、これには特別な思い出があるらしく、ほとんど毎日着けている。
それとモルクは"10万ボルト"を習得していてバトルではかなり重宝するが、PPが少ないためにPP切れを起こす回数が多い。なので"電気ショック"と交互使い分けて使用している。



名前:フィリア
種族名:グレイシア
分類:?
性別:女の子
年齢:推定18才
性格:負けず嫌いで明るいが、少々ドジな一面もある。
好きな色:黄色
好き:リファル 酸っぱい物 冷たい食べ物(アイス等が一例)
嫌い:辛いもの グミ(食感が駄目)
好きな食べ物:ナナシの実を使ったアイス
嫌いな食べ物:辛い食べ物
外見:首にパワーバンダナを身に着けている。(素でも強いのに着けてます)
口調:基本的に普通の女の子の口調だが、初対面にはしっかりと敬語も使う。
一人称:私
二人称:あなた あんた(敵には)
三人称:あの人

現時点で使える技
完全不明

条件発動技[発動条件を満たせばいつでも使用可]
完全不明

バトルスタイル:リファルとの息の合った見事な連携プレーで戦うが、さっきも言ったとおり素でも強いのでほかの子を守りながら戦う攻撃も守りも高い中立タイプ。

サンプルボイス
「始めまして、私はフィリア。見ての通りのグレイシアです」
「私に喧嘩売る気?やめておいたほうがいいわよ」
「私は弱くなんかない!絶対こんなの間違いよっ!!」
「・・・おいひぃーーー!!やっぱりアイスはすっぱいナナシの実を使ったアイスが一番ね!!」

備考
 アイスが大好きなグレイシアで、性格としては人付き合いが良くて誰にでも明るく振舞う子。なので話していて嫌になる人は居ないだろう。
そしてこの娘は リーフィアのリファルの恋人 らしく、いつも一緒に行動していて、無論リファルもレベルが高い。



名前:リファル
種族名:リーフィア
分類:?
性別:男の子
年齢:推定18才
性格:勇敢 慎重
好きな色:緑色
好き:フィリア 走ること 酸っぱい物 アイス(フィリアの影響)
嫌い:苦い食べ物 夜
好きな食べ物:何でも食べる
嫌いな食べ物:苦い食べ物
外見:普通の姿のリーフィア
口調:ちょっとそっけない言い方。だが自分はこれが普通の話し方だと思っているらしい。
一人称:俺
二人称:お前 あんた(敵には)
三人称:あいつ

現時点で使える技
完全不明

条件発動技[発動条件を満たせばいつでも使用可]
完全不明

バトルスタイル:回り気にせずに突っ込んで行って道を切り開くタイプ。

サンプルボイス
「俺はリファル。よろしくな」
「やめときな。俺とお前のレベルは桁違いだぜ?」
「ドリームメイカーズ!!俺はお前達がやっていることはいいことだとは思えない!!今すぐそんなことやめて前までの通りの夢を作る場所に戻ってくれよ!!」
「フィリア、お願いだからそんなにくっつかないでくれ。恥ずかしい・・・」

備考
 フィリアといつも一緒に居るリーフィアのリファル。フィリアとは昔からの中で二人を知っている人は 本当の兄弟みたい っと言われるほどいつも一緒に居る。そしてフィリアを泣かしたやつ には大変なことが降りかかる・・・。
 フィリアもリファルも相当のパワーの持ち主で コンビネーション攻撃 は大きな岩も崩す強さ。



【名前】ミミアン
【種族】ミミロル
【役割】元人間
【性別】女の子
【年齢】推定14才
【性格】冷酷で、かなり大人しい。
【好きな色】空色
【好き】星見 シチュー エレナ(好きと言うか、落ち着くと言うか)
【嫌い】特に無し?
【外見】普通の外見のミミロル。
【口調】敬語を主に使って話す。だが、少しでも自分の気持ちを信じてくれたり、認めてくれると分かると、敬語を徐々に緩くしていく。
【一人称】私 
【二人称】あなた ~さん(初対面・目上)
【三人称】あの人 あの方

【現時点で使える技】
完全不明

【条件発動技[発動条件を満たせばいつでも使用可]】
完全不明

【バトルスタイル】
完全不明

【サンプルボイス】
「私の名前はミミアンと申します」
「・・・うんっ。エレナさーん!!シチューの下ごしらえ終わりました!!」
「やっぱりこの丘から見る星達は綺麗・・・それに手が、届きそう・・・」
【備考】
 二人目の導かれし者。色々なことを忘れているのはアーシアと同じだが、ポケボードで使っていた名前すら覚えていないらしい。
それと、助けてくれたミミロップのエレナとお店のお手伝いをしながら自分の記憶をいつも辿っている。

~~~~~☆~~~~~

Town setting data


☆街の名前:ポートタウン

街の説明:海に囲まれている六つある町のなかで四番目に大きい町で、航海便の到着も多く、北側以外全て海に囲まれているとても豊かな港町。名所も少しばかり多くて観光客も多いのもこの町の特徴だろう。

星の灯台は夜に漁をする漁師にとって必要不可欠な建物でもし仮に海で迷子になっても灯台の明かりを頼りにすれば必ず戻ることが出来る。そしてその灯台に登ることが出来る。

テヌラ神殿はかなり昔に作られた神秘的な神殿でまだ明かせれていない謎が多くある為に探検隊がこの中に入っていくところを見るが、探検隊では無い人は危険な為に入る事は出来ない。(監視員が居る)

エメラルド海岸はゴミ一つ落ちていなくて、砂浜がまるでエメラルドの様に薄い緑色に輝いている為にこの名が付いた。毎年夏になると多くの人達で賑わいを見せる無くてはならない場所であろう。


☆ポートタウン方角詳細

北側:養老の森 ナルトシティー
南側:海.海岸
東側:海.海岸
西側:海.海岸

ポートタウン方角施設詳細

北側:テヌラ神殿 
西側:エメラルド海岸
南側:エメラルド海岸 星の灯台 船着き場

主な施設

ポケモンセンター 船着き場 アイテム&道具ショップ カフェ 銀行 郵便局


主な観光施設

星の灯台 テヌラ神殿 エメラルド海岸



☆街の名前:ナルトシティー

街の説明:ポートタウンのほぼ真北にある二番目に大きな街で有名な プクリンのギルド がこの街に存在するために探検隊が多く、木の実や少し変わった道具などが売っている。その変わった物を買う為に遠方から来る人が多いのももう一つの特徴だろう。
そしてこの街にはとても大きな病院(ポケモンセンター)があって探検隊が大怪我したり、病気になったり、もちろん個人も見てくれるとにかくオールマイティーな病院があり、普通は一つの街に一軒なのにも関わらずこの街は三軒ある。
そして、街自体がかなり自然と共存していて、結構美しくて、クリーンな大都市である。

街の西側のナルト駅は、エシュゼタウンの下町部分に接続される路線で、これにより行きづらかったエシュゼタウンに簡単に行く事とが出来ることから、地元民に凄い期待されている。
現在作成中だが、もう少しで完成するとのこと。
ちなみにエシュゼタウンとナルトシティーの間にエルドタウンがあるが、こちらも同様に途中駅としてつなぐ。

この街の南東には 星の降る丘 と呼ばれる空に一番近い場所があり、そこから辺りを見渡すとナルトシティー全体を見渡すことが出来る。
そして日が沈み、夜にその場所に訪れるととても綺麗な夜景と夜空を楽しめて絶好のデートスポットでもある。


☆ナルトシティーエリア方角詳細

北側:探検隊集中エリア(ギルドも含む)
南側:ポートタウン
東側:アファクトの森
西側:エルドタウン エシュゼタウン 養老の森

ナルトシティー方角施設詳細

北側:プクリンのギルド
南東側:星の降る丘
西側:ナルト駅
街中央:セントラルパーク ナルト総合大病院


主な施設

ポケモンセンター アイテム&道具ショップ 大型ショップ  

銀行 郵便局 プクリンのギルド


主な観光場所

星の降る丘  
 

 
後書き
こんなもんかなー?
ネタバレが含むので載せないようにしていたのですけど、やっぱりあったほうが読者が作品に親しみやすいので入れさせてもらいましたー。 

 

光と闇

ところ変わって、セントラルパークの西エリア。オシャレなお店や、奇抜なファッション店、電気屋、雑貨屋が軒を連ね、様々なポケモンで賑わっていた。
 しかもここに入ってから気がついたのだが、服を着ている人を結構見る。店員や従業員はもちろんの事、子供からお年寄りまで様々な服を着ていた。当然服なんて着ないノーマルの姿の人たちも半分くらいは居るが(三人も含まれる)。
「レ、レイエルさん。分かってると思いますが、あんまりこのあとの事に時間は無いと思いますよ?」
「分かってるわよ。大丈夫、30分で終わらせるから。ついでにアーシアちゃんもねっ」
「そうですか・・・って、私もですか!!? 嫌ですし、恥ずかしいです!!///」
「違うわよ。楽しみの方じゃなくて、その紋章をずっと見せびらかしておくつもり?少しは隠さなきゃ」
「あっ・・・」
 アーシアはこの世界に来てから前右足に付いているマークを咄嗟に隠したが、バランスが崩れて倒れそうだったので直ぐに手を引っ込めて、崩れたバランスを戻す。四足には慣れたとは思っていたが、片足だけあげるのはまだバランスがまだ取れないらしい。それに何で一日経ったか経ってないかで四足歩行に慣れたのか疑問した。
 それと、かなり今更なのだが、アーシアの身体の体色はちょっと焦げ茶色で、基本のイーブイの色より茶色が濃いと言われれば濃いし、普通と言われれば普通程度の色。そして、マークの色はその茶色に白色が何滴か入った茶色で、マークの形は丸二つに、その間を一本の波線が入っているマークをしていた。
「あー、そういう事だったんだ。確かに目立つから隠さないとだね じゃあ、リストバンドだね。紋章自体もそこまで大きいわけでも無いから多分隠れきるかな」
「・・・そうね。確かにマークが小さめだったのが幸いね」
 アーシアの右前脚をサイコキネシスで自分の顔に寄せながら、ついでに全身にもサイコキネシスを掛けて倒れないように支えながら見ていたのだが、その行動はアーシアにとっては気分を損ねた。だって、支えている=動けないということだということなのだから、
「それにしても不思議なマークよねー・・・丸が二つに、それを分けるように波線が一本・・・マークって案外意味があるものなのよねー・・・多分コレって『丸が世界、波線がその世界を分ける境界線』ってことじゃない?」
「あ、ありえるかも・・・っで、さ、レイエル。考えるよりも、早くサイコキネシス解いてあげて・・・アーシアが涙目になってるから・・・」
「えっ? あっ・・・ご、ゴメンねアーシア・・・ちゃん・・・・・・」
「ううぅ、酷いですよぉ・・・なんかじわじわ痛みとか、体全身が締め付けられて来まひっく・・・一番に動けないですしぃ・・・」
「だ、だからごめんごめん!! 泣かないで・・・泣かないで、ねっ!!?」
 レイエルが今にも泣き出しそうなのを必死に慰める。だが、どんどんアーシアの目尻に涙が溜まっていき、少しでも顔を動かしたら垂れちゃいそうだった。
 でもモルクが横から、いつ取り出したのか分からないハンカチを渡してあげ、アーシアはそれに気がついて目尻を拭いた。
「ふぅ・・・モルク、ありがとっ。本当にゴメンね・・・アーシアちゃん。今度からは絶対に気をつけるから・・・」
「はいぃ・・・」
「レイエル、本当に気をつけてね? 前に、ボクもそれがあってすごく痛かったんだから」
「そ、そうだったわね・・・本当にごめんねアーシアちゃん・・・」
「い、いえ・・・も、もう大丈夫です。 その事より、早く探しませんか?面会時間少なくなりますし」
「そうだねー。あっ、あそこの店にあるリストバンド良いんじゃないかな? ほらっ、あそこにある水色の水玉模様と黄色の星模様が入ってる物とかさ?」
 モルクは今、自分たちが居る場所の反対側のラグ関係のお店を指差しながら言った。
 その店には木で作られた食器・果物を入れるのにちょうど良さそうな編みカゴ・南国のホテルや客室にありそうな家具・守護石のストラップなど、様々な物が置いてある店で、雰囲気はすごく良さそうだった。
「ふーん、結構落ち着いたお店ね。あっ、このライトとかテーブルの手元光りにはもってこいかも。にしても、アンタにしては良い店見つけたわね」
「・・・なんかそれって、ボクは見聞きが悪いみたいに聞こえるんだけど・・・まぁいいや。っで、確かこの辺の引っ掛けにあったはずー・・・・・・」
「この辺なのね? えっとー・・・あっ、コレね。モルクやアーシアちゃんじゃ取れそうにないから、ワタシがサイコキネシスで・・・"サイコキネシス"!!」
 モルクが見つけた物は高いところに掛かっており、その他にも様々なリストバンドがぶら下がっていた。でも、モルクが見つけた物は他のと違ってラグっぽいものではなく、手編みしたような毛糸で出来た普通のリストバンドで、色は全体青色に、水色の水玉が点々としているシンプルな物だった。そして、さっそくアーシアはそのリストバンドを右手にはめてみると、妙にしっくりとし、サイズもきつく無く、緩くも無くベストサイズで、しかも残りは今アーシアがはめているこの一つだけらしかった。
「うん。似合ってると言うか、ばっちりね。何かおしゃれだけどピシッとしてる感じで、アーシアそのものって感じ。 っで、本人は気に入った?」
「・・・はいっ!!シンプルで、さりげなく飾る感じで気に入りました!!」
「シンプルねー・・・。覚えておくわ、アーシアちゃんの好み。 じゃっ、さっそくお会計しましょ。値段はー・・・あった、えーと500ポケね。じゃあ買ってくるからモルク、宜しくね」
「分かったよ」
「あの・・・ポ、ケとは?」
 レイエルが言ってしまったあとにアーシアは聞いたことも無い言葉をモルクに尋ねた。でも、何と無くこの世界のお金だと言う事は分かったのだが。そして、案の定、説明はお金のことだった。

 どうやらこの世界のお金単位はポケで統一されているらしく、コイン状に金製。だが今はデジタルマネー化し、給料も封筒の中に入って渡されるのではなく、直接銀行に数値だけカウントするシステムを取っている為、ほぼ無くなってしまったらしい。
 それと、一箇所に何万人分の銀行預け入れのお金がデータ管理されていて、しかも災害対策とバックアップに、そのバックアップを外部記憶媒体に保存、及び、その記憶媒体自体を本人も持っている為、もし何かあっても金額が0になるという被害を未然に防いでいる。それに、強力なアルゴリズムが組まれている為、中の数値をいじって預金を増やそうものならば、データがリセットされる機能と、誤って無くしたり、落としたりして誰かが拾ったとしても、指紋認証システムで持ち主でないと使えず、遠隔ロック機能付きっと言う、ある意味強力すぎるマネー通帳なのだ。ちなみに残高を調べるには、その機械に組み込まれているディスプレイに表示されており、機械の大きさも財布に簡単にはいる位の小ささになっているを
「じゃあ、私が買ってきちゃうわね。モルクとアーシアちゃんはちょっと二人で見て回ってて」
「分かりました」
「分かったよ。 ・・・さ、さて、なに見る?ボクは何でも良いよ?アーシアが行きたいとこにボクはついてくから」
「そう・・・ですか?でしたら、このお店の中をクルッと一周して見てみたいですね」
「この中? うん、そうしよっか。あっ、ちょっと待ってね」
 そう言い、チラッとレジをモルクが確認するとレイエルの前に五人ほど並んでおり、その中の一人はカートにいっぱい入っているのが見えた。あんなに買ってどうするつもりなのかっといった量だったが、そのカートにもう一人の人が近づいて来て話してるのを見ると、どうやらちょっとした家財道具をココで買い揃えたらしい。
「あんなに買うって事は、ココって有名な店という事ですか?」
「分からないけど、もしかしたらそうかもね。ボクはセントラルパークに来たのは久しぶりだから、店舗が入れ替わってて見応えあるかも。 えっーと、じゃあ色々見よっか?」
「はいっ。うーん、なに見よっかなー・・・あっ、なんか良さげなイスがある。なんか、涼しげと言うか、暖かみがあると言うか・・・ほら、モルクさんも見てみてっ?」
「・・・えーっと、アーシア?///」
「うんっ?どうしましたモルクさん?」
「いま・・・もしかして、素? 素のアーシアの振る舞い・・・なの?///」
「えっ、えっ? 私、何か変なことでも・・・?」
「えっ・・・な、何でも無いよ。 えーと、このイス?確かにこのデザインは良いね。木で編み込んであって、座るところはイスの色にあった色と菱形模様のクッションと・・・しかも軽いよ、これ。サイズもボク達には丁度いいね」
「うん。ちょっと座ってみても良いのかな、これ・・・店員さんに聞ければ良いのですけど。でも、ダメですよね。次見ましょうモルクさんっ」
「う、うん。あのさ今、敬語・・・外してくれてたね?敬語無しの方がやっぱり・・・良い、かなっ。 なんか接し易いと言うか・・・なんと言うか・・・うん///」
「・・・モルクさん、本当に大丈夫? さっきから顔が赤くて、もしかして熱でもあるんじゃ・・・ちょっと失礼します」
「ちょ、ちょっとまっ・・・!!///」
 そう言うとアーシアは自分の額をモルクの額に合わせてきた。急なことだったので流石に反応が出来ず、っと言うより動けなかった。
 そして額がくっついている本の数秒の間、モルクは完全に固まっていた。当然である。だって目の前に異性の・・・いや、アーシアを見ると自分でもよく分からない感覚に陥っている状態でこんなに接近されれば、誰でも固まるだろう。
 もし、会って間も無い人がこんなシチュエーションになったらどんな反応になるだろう。男だった場合は「や、やめろよ!!」とか言いながらも心の中では「こいつ、俺のこと好きなんじゃないか!?」「俺に惚れたのか・・・」とか、想像すると思う。一方女の子の場合は直ぐに払いのけたり「っ!!?/// いきなりなに!!?///」とか。心の中では「え、なにこの人・・・」とか「いきなりなに・・・怖い」とか、最初に防御本能が働く。
 でも、実行者がまず女の子だった時は少なからずきごちなくなったり、照れたり、ちょっとツーンとなったりするはず。だけど、アーシアはそんな事無しで普通に額を当てて、体温を測った。つまり、アーシアはモルクの事を好きでも無く、嫌いでも無く、ただ心配しただけと言う事になる。
 それはともかく、しばらくしてアーシアは額を話した。
「・・・うーん、少し体温が高いような気がしますね。やっぱり、あの時の戦闘の疲労で・・・」
「ちっ、違うよぉ!! ただ・・・!!///」
「な、なんでそんなに必死に?・・・それにただ、なんなのですか?」
「・・・/// ふぅー・・・ううん、なんでもないよ。多分少しだけ疲れてるだけだと思う。この位少し歩き回ってれば治るよ。心配あ、ありがと」
 そう言うとモルクはアーシアから目だけをそらしながら、自分の右手でアーシアの頭をポンッポンッと軽く撫でた。その事にアーシアは、ちょっと照れながらも気持ち良さそうな顔をした。
「なんか恥ずかしいですよ、撫でられる事・・・/// でも、悪い気もしないですね」
「あはは・・・/// あっ、レイエルおかえり!!結構レジ並んでたね?」
「そうなのよ!!でもレジ打ちは始めてだったらしくて・・・まぁ、新人に教えてなかった店員が悪いけど。それはともかくアーシアちゃん、さっそくバンドはめてみる?」
「はいっ!! あっ、出来れば"サイコキネシス"はやめて下さい・・・。ですので、どこか座れる場所でお願いします」
「分かったわ。店舗の外に出ればどこかに座れるところあるからそこで、ね」
 そうレイエルは言うと、袋から取り出していたリストバンドを一度しまい込んだ。そして店舗を出て少し歩くとちょうど良く席が空いたのでさっそくアーシアを座らせて、リストバンドを紋章が描かれてる手の方にはめた。
「うんうんっ、結構似合ってるよアーシア。マークも隠れてるし、バッチリなんじゃないかな?」
「うんっ、選んで下さってありがとうございますです!! 始めての友達からのプレゼント、大事にしますね!!」
「・・・わ、私も喜んでもらえて良かったわ。じゃあ、そろそろライトに会いに行くわよ!! 何がどうなってるのか片っ端から聞いてやるんだからッ!!」
「あはは・・・レイエル、お手柔らかにね・・・」

~~~~~☆~~~~~

 ところ変わり、何処かの室内。が、室内は部屋中に大小のコードが壁・天上・床に這っており、色々とすごい事になっていた。だがちゃんと人が通れるようにはコードがカバーで踏んでも大丈夫にしてあったり、通れるようにアーチ状になっていたりと、工夫もちゃんとしてあった。
 そんな部屋の中に人影が二つ。端末にひたすら文字を打ち続けている人と、画面とにらめっこしている人だった。画面と言っても自分の目の前にある小型のモニタ、その前にある壁を覆い尽くすサイズのモニタが正面に一つ、サイドに小さめのウィンドウが幾つか点在していた。どちらにせよ、どのウィンドウも普通人には全く意味不明な羅列が並んでいた。
1「・・・はぁ、そっちの理論データは今どんな感じだ?」
2「ほぼ終了よ。・・・ったく、はやくしてよね。そっちのハードシステムが無いとワタシが作ったソフトウェアを試せなじゃない」
1「そうカリカリするなよ・・・コッチだってかなり必死なんだ。少し間違えただけでお釈迦になっちまうんだからな。っと言うか、そっちには俺が作っておいた仮想デバッカーがあるだろうよ・・・」
2「はいはい、分かりましたよーっだ。えっと、あとはここをエラー解析用のにシステムフラグポイントをコピー&ペーストしておいて、一応全部のソースコード確認・・・『調子はどうだ?』-----様っ!! はい。あとはハードが完成した後にテスト稼働をし、データを算出後に送信ミス、エラーを確認するだけです」
『そうか、二人ともよく頑張った。すまない、大変な事を頼んでしまってな』
1「滅相もない!! 私は-----様から直々にやる事を頂き、嬉しい限りで御座います。必ずしもハードを完成させます」
2「ワタシも同様です。-----様、重要な担当をやらさせて頂き、ありがとう御座います」
『成果と、その言葉を聞いてやっぱりお前らに任せて正解だった。また何か頼む事があるかもしれないが、その時はまた頼むぞ』
1&2「かしこまりました」
1「ところで-----様、明日の計画はいかがなさいましょう?」
『そうか、明日だったな。そこで必ず見つけ出して捕まえる。そしてその者たちの記憶を全て引き裂く。そして《人間だった奴らをそのまま人間世界の歴史を書き換えの為の手駒》とするッ!!!!』 
 

 
後書き
はい、やっと二章目完結です。うーん、だいぶ抜けてた分を入れましたから長くなり、書き方も均等に直したので読みやすくはなったと思います!
そして今回の回で Reincarnation(転生・生まれ変わり) は終了し、新しい章に突入します。

では第三章 Collaborator をお楽しみにです! 

 

対面

 あれから直ぐに、アーシアは買ってもらったリストバンドをはめてもらった。でも、アーシア自身ではめることが出来なかったので、モルクがはめてあげた。そして、モルクに可愛い服を着させるメインイベント(レイエルが決めた)の事だが、結局時間の都合上無理だという事で、明日に回す事になった。
 っで今回の話は、リストバンドをはめてからナルト病院に向かう場面から始まる。

「ところで、今から向かう病院はどこにあるので・・・あるの?」
「セントラルパークの前、バスで来た反対側よ。今は西館のファッション関係のところに居るから、北館奥入り口まで。 ・・・アーシアちゃんはそこまで無理して敬語から離れようとしなくてもいいわよ?なんか敬語がアーシアちゃんそのものって感じなような気がしてきたのよね」
「は、はぁ・・・分かりました。でも、なるべく敬語は外すようにす、するね?///」
「うーん・・・もしかしてアーシア・・・恥ずかしいの?敬語使わずに普通に話す事が」
「えっ!!?そそそ、そんなことないゃないですか!!何いきなりそんなことをっ!!? そ、それにこうして普通に話せてますしっ!!!!///」
 アーシアが耳をピンッとし、顔を赤くしての慌てっぷりをクスッとレイエルは小さく笑って見ていた。
「ほ、本当ですよ!!信じてよっ!!///」
「あー、うん。し、信じるよ」
「あっー!!絶対モルクさん信じてないっ!!目が泳いでましたもん!!」
「・・・はぁ、そんなことよりそろそろ着くわよ。軽く説明いる?」
「うぅー・・・へっ?いま何か言いましたか? ちょっと今聞いてませんでした・・・」
「・・・えっと、ナルト病院は北館・東館・南館・西館・中央館の五つの練があるの。その館の中でどこなのか分からないけど、多分北館か東館だと思うわ。北館は入院患者の練だし東館も同じだけど、小さい子達や集中治療・特別患者が入ってる。南館はエントランスで個々から各連に行くことができる連絡通路と、生活上必要な外科・内科・眼科・皮膚科・耳鼻科まで一括で入ってて、それにプラスして《旅館》も入ってるのよ。西館は基本的に患者のカルテとか治療するところ。北館は大掛かりな検査とかするところで、ここの事は知らないわ。ふぅ、ざっとこんな感じね。最後に中央棟だけど、ここはファミリールームとか談話室とか、患者と患者の交流をするのを目的とした部屋や、患者と家族との話せるホームルームがあるみたい」
 後ろ向きに浮遊してアーシアとモルクの歩く速度に合わせながら説明してくれた。そして、旅館の事も多少と大体大きい全病院の事をある程度教えてくれた。
 どうやら旅館は遠方から来た患者の家族用と、純粋に泊まれる旅館があるらしく、しかも驚く事に一日だけならお金が取られないらしく、探検隊がよく使用しているのだとか。そして今回は早速利用するともレイエルは付け足しした。
「ところでさ、レイエル?何でそこまで知ってるの? それも知り合いからの情報?」
「そうよ。ちょっと面倒くさい人だけど・・・まぁ、いい子なのはいい子なのよ、うん。ちょっとおっちょこちょい過ぎるだけ・・・たぶん」
「たっ、たぶんって・・・別にどうでも良いけど。っで、病院どこ?いつの間にかに外に出たけど」
「目の前、さっきも言ったように五つの練になってるのよ。 エントランスは目の前だから、さっさとフロントでライトの場所を聞いて、さっと私たちの世界とアーシアちゃんの事を聞いちゃいましょ」 
「はい・・・行きましょう」
 胸の前に右手を添えながら「これで、やっと・・・分かる。私がここに来た詳しい理由と記憶がない事、私の他に居る方々の事が・・・」っと心の中で思う。やっと・・・っと言ってもあまり時間は経っていないが、モルクの家で目覚めてからずーっと考えていたものだから、もう考える必要が一応解放されたから、やっと、っと言った理由。最初に目覚めた時はいきなり海岸で倒れてて、どんどん視野が狭まっていく感覚と凍るような寒さに心底怖かった。次に目覚めてからはこれからどうすれば良いのかと悩み、モルクとレイエルが協力してくれるっと言ってくれた直後ははっきり言って怖かった・・・会って始めての人にいきなり一緒に行動しよう等と言い始めるのだから。そして次は、イーブイになってからの初戦・・・逃げてばかりだったけど、サーナイトさんの一言のおかげで技も使えるようになった、不安になってる自分にムチを打つこともできた。そして何よりも嬉しかったのは私と同じ、人間が居たこと・・・でも、記憶の消え方が私と違っ・・・
「アーシアちゃん?いつまで見上げてるのよ? そろそろ行くわよ」
「アーシア早く早くっ!!」
「あっ、はーい!!」
 レイエルとモルクに呼ばれて小走りに病院の中に入ってみると、屋上まで吹き抜けの開放感のあるエントランスに、その吹き抜けのど真ん中に木と囲うように花が植えられ、それを中心に入って左側が待つ為の5人がけのロングチェアーがずらっと、正面に受け付けとちょっとした売店があった。だが、そんなことよりも驚いたのは《空中に透けて浮いている病院案内図》っで、それをなんのためらいも無く操作して、身体が小さい種族が近づいたら案内図がその種族に合うように高さを自動調整したことも驚きだった。だが車椅子を乗った人に限っては、そのウィンドウが目の前に浮いている状態ではなく、車椅子を乗っている人の手の中に収まったことの方がもっとすごい。考えてみれば扉は自分からすると遥かに大きい物だったし、入り口の目の前は段差なしの全部スロープだったし、バリアフリー化に力を入れている事と、緑化にも力を入れている事が分かった。
 そんな事にアーシアと何故かモルクが驚きつつ、レイエルを先頭にフロントへと向かい、早速レイエルがなんの躊躇いもなくライトの病室の場所を聞いた。受け付けの人はデンリュウだった。
「すいません。ここにライトと言うピカチュウが居ますよね?お話したい事があって来ました」
「ライトさん?・・・しょ、少々確認致しますのでお待ち下さい」
「分かりました。えっと、1749番ね」
「はい。その番号券でお呼びしますので、呼ばれたら必ずその券を持ってお越し下さい。券が無かったり、三回呼んでも来なかった場合は次に回しますので、その場合は案内まで時間が掛かるのでご注意下さい」
「分かりました、お願いします。 さてと、時間までアーシアちゃん、モルク、ちょっと売店でも見てく?」
「ボクはいいよ。ちょっと疲れてるから少しだけ寝てたい」
「私もつ、疲れちゃったから・・・休みたい、かな・・・?」
「そっ、じゃあ私だけ行ってくるわね。呼ばれたら起こしにくるから」
 そう言い残しながらフワッとその場から浮き上がると、売店の方へと飛んで行った。そして、入る前に二人を確認して軽く微笑みながら入ったレイエルであった・・・・・・。

~~~~~☆~~~~~

Focus レイエル


「さてと・・・なに買おうかしらね。取り敢えず始めて会う人なんだから何かしら渡すのが礼儀ってもんよね。お菓子が良いと思ったけどー・・・それしかないのが現状なのよね・・・しょうがない、オレンクッキーでいいわよね」
 考えながらも結局お菓子にした。お菓子なら小袋に入ってる物も多いし、オレンの実が嫌いな人はまず居ないだろうっと考えた結果である。ちなみオレンクッキーとは、クッキー生地にオレンの実の果汁を加えたクッキーで、爽やかな後味とサクッとしてるのにしっとり感があるのが売りの商品である。
「さてと、他に何か買う物は・・・無いから会計済ましちゃおうかしらね。それにしてもモルク・・・アーシアちゃんの事好きになっちゃったみたいね。あえて二人にする環境を作ったけど・・・」

~~~~~☆~~~~~

Focus モルク


「レイエル行っちゃったね・・・・・・あ、あのさ・・・」
「はい?なんですか?」
「ア、アーシアって・・・本当に色々忘れちゃってるの?」
「はい・・・。覚えているのは、ポケボードと言われる掲示板での私の名前、誰かが泣いている声、夜空、そしてサーナイト」
「サーナイト? えっと・・・サーナイトってラルトスの最終進化の♀派生の?」
「はい、その人にこの世界を救って欲しいと。それと、技を使えるようになったのもその方のおかげで、会ったのは私がキレイハナさんに眠り粉を・・・ああっ!!」
「うぁっ!!?な、なに!?どうしたのいきなり立ち上がって!?」
 大声をあげたものだから、周りから冷たい視線を感じてすぐに二人は座って下を向いた。しばらくして視線が無くなったので話を再開する。
「えっと、私がキレイハナに眠り粉で眠らされていたのは知ってますよね?あのキレイハナさん・・・自我がきちんとあったんです・・・。それで、私が囲まれた時に割って入って来て「私だけでなんとかするからあっちに行って」と私に軽く眠り粉を振り掛けながら周りに強い視線で言ったんです。そして居なくなってから私の頭に軽く手を載せて撫でてくれて、気が付いたら・・・」
「眠り粉の効果で夢の世界。その世界でサーナイトに会ったんだね?」
「はい。なのでもしかしたらあのキレイハナさんは、サーナイトさんの変身なんじゃないかって。あの時はモルクさんとレイエルさんを助けることで必死だったのですっかり忘れてましたけど・・・」
「うーんー・・・っと考えると、そのキレイハナか、サーナイトにも接触した方がいいかもね。でも、場所が分からないから探しようが無いのが現状だけど・・・」
「そこなんですよね・・・。また戻るのはちょっと気が引けると言うか、怖いと言うか・・・」
「・・・だ、大丈夫だよ。何か無いようにちゃんと守ってあげる、から・・・///」
「えっ、最後なんて言いました?」
 徐々に小さくなる声に、最後は口が動いてるだけの言葉となった。真横に居ても全く聞き取れず、結局アーシアが聞き取れたのは「大丈夫だよ。何か無いようにちゃ・・・」までである。その先がとてもアーシアは気になっていたが、なんとなく聞かないことにして話を戻す。
「えっと・・・なので、あそこのダンジョンを探すのは・・・。それと、もしかしてなんですが・・・また、会えるんじゃないかって私は思うのです。それとも、夢の中で現れてくれたりとか」
「そうだと良いね。それだったら会いに行く必要もないし。あと、ずっと気になってたんだけど・・・なんで技をポンポンと覚えられるの? "電光石火"や"体当たり"と"アイアンテール"ならまだ分かるけど"守る"なんて技マシン使うか、あとは歳を取るって言い方もおかしいけど・・・成長の過程で増えていくのが普通のはずなんだよ。だけどアーシアはそんな事に縛られてない・・・本当不思議だよ。どうして?」
「ど、どうしてと言われましても・・・。ただ、護りたい・傷つけたく無いという気持ちが強ければ強いほど、力が出るのだと思います。一言で言うと言霊ですね」
 言霊・・・言葉に宿ると言われている霊的な力のこと。例えばこんなことが無いだろうか?
 応援や声援でいつも以上の力が出せたり、逆に悪口を言われたり、気にしてることを言われていつも以上の力が出せなかったり・・・言った言葉によってメンタルに影響すると言われているのが、言霊ということである。アーシアはそれをバネにして技を覚え、使ったと言いたいのである。
「そっ、かぁー・・・言葉の力は確かにあるね。火事場のバカ力もその例かな?っとなると」
「そうですね。多分そういうことだと。そう言えばさっき寝るっと言ってましたが、寝ないのですか?さっきは顔が赤かったですし」
「あ、あぁ・・・それは・・・た、たぶん暑かったからじゃないかなっ? ほ、ほらっ、あのお店の中は暑かったし・・・」
「うーん・・・そう言われれば確かに暑かったですね」
 モルクの意見に確かにそうだったと首を傾げながらアーシアは答える。そして、ふと気になってた事を思い出して聞こうと口にだそうした瞬間、
「お待たせー、ライトさんへの差し入れをちょっと買って来たわ。アーシアちゃんとモルクの分もあるのよ。はい、どうぞ」
「うわぁー!!ボクが好きなオレンクッキーだ!! ありがとレイエル!!」
「オ、オレンクッキー?オレンの実の味がするクッキーっと言う事でいいのです? あっ、クッキーありがとうですっ」
「どう致しまして。まぁ、アーシアの言葉で正解っちゃ正解ね。食べてみて?」
「う、うん・・・・・・っ!!?お、美味しいっ!! 何かしっとりしてるのに、サクサクしててなんか不思議・・・なんだか癖になっちゃいそうですね!!」
「でしょー?コレならライトさんも・・・食へるかふぁってっと思ふぁのよ」
 口の中に放り込んで食べながら喋った為、ちょっとなんて言ってるか分からなかったが、その言葉を聞いてる時に二袋目の袋の封をアーシアとモルクは切っていた事に、二人でクスッと笑った。

~~~~~☆~~~~~

 それから三十分ほど経った頃だろうか、自分たちの番号が呼ばれてカウンターに向かった。だが、やっと会えると思って期待と不安が交差していたが、現実は甘くなく、フロントの人に言われたのは、
「ごめんなさい。現在はライトさんに会うことは出来ませんので、お引き取りください」
「えっ、じゃあせめてこの子、アーシアだけでも話させてあげて下さい」
「レ、レイエルさん・・・?」
「そうだよっ!! ボク達は別にいいけど、アーシアだけは聞きたい事があるんだよ!!知らないといけない事があるんだよ!!」
「・・・だ、ダメな物はダメなのです。だって、ライトさんの家族やいとこでは無い部外者ですよね?」
「そ、それは・・・」
 聞かれた事に三人は返すことが出来なかった。ここで嘘を付いても良かったのだが、後が大変そうなのと、いずれバレるから嘘は付かなかった。その後は色々な案をレイエルが出して言ったが、
「いい加減にして下さい、何が何でもダメです。帰って下さい!!」
 等々怒られて、ガードマンに外に連れていかれる事になった・・・。ガードマンに連れられながら、周りに見られながら歩き、病院から出よう扉に差し掛かった時に後ろから不意に呼ばれた気がして振り返った。声の主は左耳が丁度真ん中からちょこんっと折れていているピカチュウがアーシア達の方へと息を切らして四つ足で走って来た。
「そのっ、子達を・・・はぁ、はぁ・・・連れて行くのは、はぁはぁ・・・ちょっと待って!! ふぅ・・・僕の名前はライト。僕に会いたいって言ってたのは君たちでしょ?」
「ラ、ライトって・・・えっ!? 本当にライトさんなのですかっ!!?」
「こ、ここで嘘ついてどうなるのさ・・・っと言う事でガードマンさん、この子達は連れていかなくて良いです。 さてと、とにかくココでは話しづらいからー・・・フリールームでいいかな、付いて来て。ムウマとマイナンの君たちもね」
 そう言うとライトは歩き始めたので、その後ろを三人は付いて行く。エントランスを抜けて、中央棟に行く為の連絡通路を通って中央棟へと入った。こちらはこちらでエントランスとは違う趣を放っていた。
 天窓から太陽の光が降り注ぐのは変わらないが、一階はまるで公園をそのまま中に持って来たような感じになっていて、床も短くて綺麗に草が手入れされていた。
 ちなみに、二階・三階・四階・五階とあり、真ん中に生えている大きな木を囲んでドーム型になっており、同じく囲うように透明な螺旋階段の手すり付きが備え付けてあり、床の点字ブロックも透明で作られ、木を見れなくなるのを防止して作られていた。
「す、凄い・・・ドームの中ってこんな感じになってたのねー・・・」
「いつ見てもココは僕も凄いと思うよ。何か考える時もここがもってこいだしね。さっ、空いてるフリールームを探さなきゃね・・・116号室が多分空いてると思うんだよね。あまり使われてるの見た事ないし」
「いま思い出したけど、116号室って・・・予約や使用許可書を取らないと使えないと私の友達から聞いたのですが?」
「あれっ、そうだったけ?まぁ、良いや、後で誤っとくよ。 さっ、入って」
「「「失礼します」」」
 ライトに案内されて中に入ると、至って普通の畳張りの部屋だった。ローテーブルがあって座布団があってエアコンがあるだけの。でも普通と違うと言ったら、ウォータークーラーが入ってすぐのところにどーんっと置いてあることだった。
「ふぅ、さてまずは導かれし者のマークがあるかどうか確かめさせてもらうよ。えーと、多分リストバンドにちょうど隠れてるはずだよね? あと、三人とも座って。僕だけ座ってるのも嫌だと思うし、外すのに座らないと外しにくいでしょ」
「あっ、はい。・・・・・・あれっ・・・うぅんっ・・・取れない・・・」
「アーシア、外してあげようか?」
「お、お願いします・・・///」
 着いていない反対の手で外そうとアーシアは手を動かしてみるが全く外れなく、四苦八苦してるとモルクから助け舟。
「えーと・・・よし、取れた。一応ぼくが持ってるね」
「お願いします。このマークはやはり、元人間だった者に付くマークだったのですね」
「ちなみに丸が世界を示していて、波線がそれを隔てる壁になってる。あと、見た目は風車みたいになってるでしょ?これは意味があって『風を纏いて主を守護せよ』って意味があるんだ。よーく見ると風車に見えなくもないでしょ?」
 アーシアは自分の右手の紋章を左手で摩りながら確認する。確かに風車の羽に見えなくもない。
「じゃあ、とりあえず自己紹介から始めようか。改めて僕の名前はライト・エナフールって言うんだ。君たちの名前は?」
「わ、私の名前はアーシアで、あなたが言う通り導かれし者です。あとこの名前は本当の名前ではなく、思い出せずに咄嗟につけた名前です・・・レイエルさんお願いします」
「私っ!!?・・・私の名前はレイエル。アーシアちゃんと会ったきっかけは、海岸で倒れている所を見つけたのがきっかけです。最後モルク」
「ボクの名前はモルクで見ての通りマイナンだよ。アーシアとのきっかけは、レイエルがボクの家にむ・・・連れてきたのがきっかけだよ」
 三人はそれぞれ自己紹介。アーシアは少し恥ずかしがりながら自己紹介したが、最後の方で声が小さくなったがその他は普通だった。
 レイエルはアーシアとは逆にポンポンと話し、至って普通の自己紹介だった。
 一方モルクは敬語無しのタメ口で話した。最後になにか言いたかったらしいが、強烈な視線を感じために言えずに変に切れて終わった。

 そして、ウォータークーラーから人数分の水をライトとレイエルが用意して紙コップに入れてテーブルの上に置くと、改まった顔をしてライトは語り始めたのだった・・・・・。 
 

 
後書き
・1
はい、投稿が遅くなってしまい申し訳ありません。
途中に中間テストやら鬼畜料のレポートと課題と戦闘中だったので全く執筆できなかったのです(; ̄ェ ̄)
ちなみに今回のお話は元々一本だったのですけど、あえて二つに分けて投稿しますとのお知らせと、二日で7000文字夜中に書き上げました・・・。これ以上待たせるのは読者にどうかと思いましたので・・・・・。

・2
気が付いたかと思いましたが@さんのキャラクターとのコラボ小説<絆の軌跡 ~過去と未来の交錯~>が開始され、短編小説も開始されました。
絆の軌跡は現在七割ほど昨日で書き上げました。
短編小説の<一匹子狐の儚き願い>は三割です。


では、待っていた方、新規で読んでくださった方(居ないと思うけど一応)、ありがとうございました! 

 

記憶の行方

 ライトに連れられて入った部屋で色々なことを聞き、知識をアーシアは得た。まず最初に話してくれたことは、ことの発端でもあるドリームメイカーズについてだった(以後DM)。
 ドリームメイカーズは表側は探検隊に使われる『不思議な玉・技マシン』を作る工場と発電所を兼ねている。が、それは表向きであり、裏向きは所々に点在する巨大な地下研究施設で色々な危険な実験を八割、しかも公開不能の事をしているのだという。それを知ってライトは私たち、人間世界に助けを求め、自分の助手でもあったサーナイトに情報を伝えてもらうように頼み、力を貸すように頼んで、自分は・・・命を絶とうと思っていたらしい。その時に、左拳が震えて微かに目尻に光ってるものが見えて心配しようと思ったが、ライト自らが静止した。
 そんなことがありながら、次に話してくれたのは純粋にこの世界のことだった。この世界の文明は私たちの世界に比べてかなり発達していて、バリアフリー・クリーンエネルギー・森林伐採の減少などなど、色々と力もいれているらしい。
 そして最後に・・・
「・・・っということだよ。それじゃあアーシアさん待たせたね。もう話すことは取り敢えず無いから質問どうぞ」
「はい。あの、私人間だった時のことを全く覚えていないんです。覚えているとしても、私は人間だった事くらいと、ライトさんが書き込んだアドレスを載せたサイトで使ってた名前だけなんです・・・理由、知っているなら教えてくれませんか?」
「っ・・・」
 アーシアは俯向きながら問うと、ライトは一瞬ビクッと身体を震わせた。しばらくの間無言が続いたが、少しして弱々しい声で静かにゆっくりと言った。
「・・・・・・ごめん。記憶は故意に消したんだよ・・・だけど理由も当然ある」
 そう、記憶を消した張本人はライトだったと言う事実・・・三人ともその事実に固まっていたが、徐々にすすり泣きの声が聞こえ始めてきた。その声はアーシアから発せられたものだった。
「・・・どうして?どうして、どうして消す必要性があったのっ!!? 私、私っ!!ずっと悩んでたことが目の前のあなたに、あなたのせいだったなんて・・・ううぅ、うわぁーーーーー!!!」
「ぐうぁっ!!・・・う、うぅ・・・」
「アーシアちゃんっ!!」「アーシア!!」
 アーシアは泣きながらライトに対して電光石火からのアイアンテールを出して壁に吹っ飛ばした後、部屋を出ていってしまった。その時にアーシアが落とした大粒の涙は畳に吸い込まれて大きなシミを残して消えた・・・。
 そして、アーシアが居なくなって数秒後にレイエルが倒れてるライトを見下ろしながら、

「・・・ライトさん、いえ、ライト、あなた最低ね。あの子がどれだけ悩んで、苦しんでるのを知らないで良く淡々と言えたわね。コレがあなたの立場だったら辛いの分かるでしょう。ここで辛くないって言ったら二度と私たちと、アーシア含めた他世界から来た人達と合わないで。それと、その為に今は話を聞くけど、全部聞いたらもう二度と会わないから・・・違うわね、会いたくもない」
「ボクも同じ意見。レイエル、ボクはアーシア探してくるから、ライトから話し聞いててもらってもいい?」
「私からもお願い。なんかあったらここに戻ってくるか、さっき待ってた場所覚えてる?そこで待ってるから」
「分かったよ」
 レイエルの言葉に頷くと、今まで背中に背負って来たバックを片手で持ち上げると、走って扉を開けてアーシアを追いかけた。そして、閉まる直前に 泣かせるなんて許せないよ っと、低い声でレイエルの耳に入ったような気がした・・・・・・。

~~~~~☆~~~~~

「そんっな・・・ひっく、なぁ・・・」
 しゃっくりをし、涙を流しながらクチャクチャになった顔を彼女ら気にぜずに病院の連絡通路を走り抜ける。途中何度か声をかけられて転びもしたが、早くここから立ち去りたい気持ちと、さっき言われた事が頭の中でがリピートとされ交差していて、訳がわからなくなっていた・・・そのくらいショックで、一言で言うと精神崩壊状態。
 その状態で彼女は全速力で病院の入り口を出ると見向きもせずに真っ直ぐ、大きな山が見えるに森の方向へと走った。病院が見えなくなるまで、疲れてフラフラになりながらも走り続けた・・・。

~~~~~☆~~~~~

 場所は変わって、病院からだいぶ離れ、病院から見えていたかなりの標高が有りそうな氷山もちょこんとしか見えない位置の森の中へとアーシアは踏み入れていた。今日は晴天で日差しが強くて眩しかったので、木陰で小川に乗って流れる冷たい風を受けて、熱くなった身体を冷しながらも、小柄な身体をキュッと丸めてさっきの事で泣いていた。ちなみに森の中と言っても、綺麗な小川が流れていて木の実が実る静かな開けた場所だったが。
「ふぇ・・・ぐすっ、ぐすっん・・・・・・このまま私どうしよう。 やっぱり一人で解決するべきなのかな?でも私が居なくても他の人がどうにかしてくれるのかな・・・。それとも私と同じように過去のキオクを探し求めてるのか・・・だとしたら・・・。今しなければならないひっく、るまでですね。よし」
 アーシアは自分にそう言い聞かせ、考えをまとめると立ち上がった。そして走ってきた方向、まだちょこんと見える病院の方を見ながら、
「・・・もう、私はライトを信じない。信じるのは同じ導かれし者達かその他。さっき言われた事も無かった事にする」
 アーシアは絶対にライトを信じないの事に決めた、言われた事もにも。そして彼女は取り敢えず、宛てもなく小川の上流に向かって歩き始めたが、直ぐに川が薄暗い森へと入っていたから。日の傾き具合も考えると少々まずいが、近くの看板に《グレースタウンは道なり1.5km》と書かれていたが、1.5kmなら"電光石火"を使えばなんとか日が沈むまでに間に合うと思い、ココを今日の目的地とした。
「グレースタウン、何だか森の中の町のような気がしますね。それと、泊めて下さる優しい方が居れば良い、なぁ・・・。 っでなきゃ野宿・・・無理無理っ!!怖くて絶対無理!!そ、そうならないように早く行かなくちゃ!!」
 最後に寝床の心配しつつグレースタウンに向けて、早く到着する為に"電光石火"を最初から使って目的地へと向かった。外なんかで寝た事も当然無い無いし一人だし、最初の森で数匹に襲われたし、何が起きるか全く分からない。
 そんな事を考えながら走って数分後、とっくに1kmは走ったというのに中々グレースタウンが見える様子が全くない。そして、あたりがだんだん暗くなり、視界が悪くなり、足元も見えなくなってくる・・・さっきまで明るかったのに・・・。
 でも、葉っぱが黄色く色付き始めているのを見ると季節は秋。冬に近づくとなると日没が早くなるのは当然な事である。どうやら四季の関係は元居た世界と同じらしい。
「だ、だいぶ薄暗くなってきちゃった・・・夜になる前にどうにかしないと・・・夜一人は絶対いや・・・。何処かに明かりが見えれば・・・・・・あっ、看板!!それに、道が赤煉瓦って事はっ!!」
 やっと見つけた人工的に作られたものを見て、とても嬉しく、やっと着いたの気持ちも合わさって安心して歩を緩めた。看板に書いてある文字は グレースタウン の一言と案内板。・・・やっぱり森の中にある町みたいだが、気になったことが一つだけあった。それは、ギルド・病院(中)と書かれていること。ギルドは何と無く分かったが、病院の(中)の意味が分からない。普通に考えれば大きさと思われるが、その文字の前に何か掠れて読めない一文字があったものだから、余計に分からない。
「・・・コレは目の前まで行けば分かる、かな。それにしても・・・かなりナルトシティから離れたみたい・・・」
 その村の中をくるりと辺りを見回したながら一言。道は人工的に作られた赤レンガが引かれていて、多方向にこじんまりとした家のようなものがあって、ちゃんと人も居たことにまずホッとする。そして今まで遠かった大きな氷山が近くになっていた事にかなり移動してしまったと感じた。普通ならここまで来れるまでにかなりの時間を費やすはずだが、やはり"電光石火"を最初から最後まで結局ずっと使っていたのでここまで来れたのだと感じた。
「そ、そういえば・・・どうやって泊めて欲しいと御願いしましょうか・・・。いきなり道に迷ったから泊めて下さいと言うのもなんかー・・・うぅ・・・どうしょ・・・・・・」
「・・・・・・っ!? そ、そこの子どうしたのですか!!?」
「ふぇっ!!? あっ、だ、大丈夫・・・です。ただ・・・ただ・・・・・・」
「大丈夫なのは大丈夫なのですね?良かった。・・・でも、頭をいきなり抱え込んで倒れ込むなんて大丈夫には見えなかったのですが・・・」
 急に身体を支えてきた女の子が心配そうな口調でアーシアに質問する。取り敢えず顔だけ振り返ると、そこには赤色の耳と頬っぺにプラスマーク・体色が全体的に薄黄色の、モルクと反対電極の電気ポケモンのプラスルが自分の顔の真隣に居た。そんなに接近されたのは初めてだった為、かなり赤面と耳がピーンっと立ちながら、
「ほ、本当に大丈夫です/// 支えなくても大丈夫ですので、はいっ!!///」
「・・・分かりました。で、でもそこまで赤面しなくても・・・いえ、初対面なのに近すぎる私のせいですね。すみません。ところで、さっき泊めて欲しいとか何とか言ってましたけど、家どこなのですか?」
「えーと・・・・・・家はありませんし、私一人です・・・」
「い、家が無い? 何かあって帰れる家が無いとかではなくですか?」
「いいえ、違います。帰りたくても帰れないのです・・・家族の顔を見たい、会いたいっと思ってぐすっ、会えない・・・帰れないひっく、の・・・・・・」
「えっ?えっ?な、泣いてるの・・・?えーっと、えーっと・・・」
 我慢出来なくなって泣き崩れたアーシアに、急なことに驚いて慌てるプラスル。どんどん鳴き声が大きくなっていくに連れ、周りがなんだ?なにがあったんだ?っと声が聞こえ始めるのをプラスルは聞いていた。ひとまずプラスルはアーシアの手を自分の肩に回すと、ゆっくり一歩一歩っと歩き始めた。初めの何歩かはアーシアは躊躇っていたが、プラスルの一言で支えながらなんとか自分で歩き出した。だが歩きがおぼつかない感じで、すぐに転びそうな感じだが。
 それから30分後くらい経った頃には、部屋の一室にあるテーブル越しに向かい合って話していた。そう、自分がどんな状況下に居るのかを話したのだ。やはり、モルクとレイエルが驚いたのと同じように驚いていた。
「・・・成る程。記憶を・・・大変・・・でしたね・・・・・・。 でも大丈夫。私がその人にガツーンっと言ってあげます!!聞いてて私も許せませんから!!」
「ありがとっ・・・ぐすっ。あの、ところでお名前を聞いてなかったですが、なんと申すのですか?」
「私の名前はレミ。探検隊であり救助隊でもありで、困ってる人を助けたり物事の探求をしたりしています」
「救助隊?私をえーと、助けた?のも救助隊だからですか?」
「・・・あなた、結構警戒してますね。流石に話してくれたことが起きた後に知らない人を信じる・・・なーんて、簡単なことじゃないですよね。 でも大丈夫。だって・・・」
 最後の言葉をゆっくり言い、レミはアーシアに近づくと、自分の両手で優しく、ゆっくりと包み込みこんだ。あの時は気が付かなかった、ほんのりと香る匂いに何故かすごく落ち着き、身体を預けてながら、だっての答えを説いた。すると、レミは少し虚ろな目をしながら『私は不意な事故で・・・一部の記憶がありませんから』っと答えたのだった・・・・・・。
 
 

 
後書き
はい。また新たな娘を追加です。
今回はかなり遅くなっちゃいましたね・・・ごめんなさい。
次はもう少し早くしますねσ(^_^;) 

 

紫の風

一方アーシアが居なくなった一室

「ねえ、本当にさっき言った言葉ってホントの訳?だとしてもこの場で言うのもないも思うわよ・・・。しかもアーシアちゃんの自己紹介の時に過去のことを言った時に耳も垂れて、明らかさまに気にしているいうのが受け取れるのに・・・」
「うん・・・でもいつかこの事を伝えなければならなくなるから・・・」
「そう・・・っで話し飛ぶけど、確かその転送装置で送られてきた人間達は約19人になるのね?そして見分け方の特徴として右手、あるいは前右足に紋章があるわけでしょ?」
「そうだよ、だからそれを目印に探せばいいと思う。あっ、その時にお願いがあるんだけど・・・いい? こんな僕の御願いなんて聞きたく無いと思うけど・・・」
 レイエルは少し考えたうちに、その問いに小さく頷いた。するとライトは、ちょっと待っててと言うと走って扉の外へと走って行った。しばらくしてライトは、白色の肩掛けバックを持ってきて机の上に置いて中をあさり始める。そして、リストバンドような物に機械が付けられた物をテーブルの上に取り出して置いた。個数は数えてみて10個あったが、この正体をレイエルは知っていた。
「これって・・・ライブキャスターじゃない。でも、なんか画面が大きいけど、本体が薄いから重さは変わらなそうね」
「軽いのはってるけど、名前はライブキャスターじゃないよ。名前はHギアって言って耐衝撃性と撥水性に防水性、防塵性に優れてて、充電もソーラーで電池切れしなくなってる。最大四人までテレビ通話出来る事は変わらないけど、新たに非ビデオ通信が追加してあって、これを使用すれば最大八人まで話せるようになってる。そしてHギア同士が近くにあると音とレーダーで位置を教えてくれる機能を追加して、音のON・OFFとバイブのON・OFFも、通話が来た時も、個別に設定出来るように改良を加えてある」
「・・・それって、この世界に来た人達の事を思って作ったって事? なんだかさっき言った人とはあり得ない事してるわね。・・・ねぇ、本当に消したって本当な訳?嘘付いてるしか思えなくなったんだけど。ちょっと、どうなのよ?」
 サイコキネシスでその機械をフワフワと空中に浮かべながらライトに問う。するとまた耳をピクッとさせて、
「・・・実は消してないだよ。ただ、記憶の優先順位を最下位までランク下げしただけで、思い出せないだけなんだ。あの時は、言い方を間違えたから誤解を与えてアーシアに辛い思いをさせちゃって、悪かったよ・・・。なんて僕はバカなんだろ・・・」
「そうね、貴方はバカよ。かなりの。でもライトさん、後悔するならアーシアちゃんを探して、誤って、許してもらいなさい。そして、全力でアーシアちゃんを含めて人間達をフォローしなさい」
「・・・そうだね、よし。じゃあココを出て早くアーシアを探そう・・・っと言いたいけど、僕はここに居ないといけなくなってるから、まずここを抜け出さないと。あっ、Hギアを取り敢えず箱にしまわなきゃ」
「箱?それもいちいち作っ・・・・・・か、かなり本格的ね・・・」
 ライトが持って来た袋から出て来たのは、説明書とHギアがすっぽりとはめ込む窪みがあるプラスチック製のデザイン性がある箱。本当に店頭に置けば売り物に成る程に精巧に作られていた。
「・・・これで良しっと。後は抜け出すだけだね」
「そこの窓から抜け出す気?そこの窓、グラインド式だからゴーストタイプ以外抜け出せない筈だけど」
「そりゃそうだよ。だからコレを使うんだよ。確か丁度ここが・・・えいっ!!」
 ライトはバックから青い球体を取り出すと、身体全身で振りかぶって青い球体を壁にぶつけた。すると、壁に大きな穴が空いて外が見えるではないか。だが、時間が立つごとに徐々に小さくなるところを見るあたり、時間が経てば元に戻るのであろう。
「成る程。まさか《あなぬけ玉》を使うなんて考えてなかったわよ」
「コレなら建物に影響無いしね。じゃあコップを捨てて、掃除して、身支度したら探しに行こう」

~~~~~☆~~~~~

 一方その頃。モルクは森の中の緩やかで綺麗な水が流れる小川の淵に座っていた。周りを見渡すと、何人かの水ポケモンが水遊びと日向ぼっこしている。それはともかく、あれからアーシアに似たイーブイを見たと、数名からの目撃証言があった為、それを頼りに探していたのだが、全く見当たらずに途方に暮れていた。
「はぁー・・・全然居ないよ・・・。目撃証言だとこっちの森に入っていったっていうけど、ほんとにココなのかな?もしかしてもっと上流に行ったのかも。だけど、もう走るのムリだよ・・・」
 草のカーペットに身体全身を預けて横たわり、疲れた身体を休ませる。それにしても、アーシアはどこまで行ったのだろうか。出て行ってから数分しか経っていないはずなのに追いつけず、見つからない。だがモルクの一番の心配は、さっきのダンジョンのように自我を失った者達に囲まれてる事・・・。
「アーシア・・・大丈夫かな?幾ら技を覚えてるって言ったって、覚えたの今日だし、ましてや元々違う世界から来た人だし、すごく不安だよ・・・。何かあったら助けるって誓ったばっかりだったの・・・ん?なんかバックから鳴ってる?可笑しいなぁー、ライブキャスター持ってきた覚えは無かったんだけど・・・」
 そう言いながらも起き上がり、バックの中を漁り始める。物があまり入っていなかった為にすぐに見つかったが、タオルに丁寧に包んであった事に疑問を感じながらも、
「えっと、相手はー・・・ Unknown って、非通知か公衆電話って事だったよね・・・誰だろ。ボクの番号を知ってるのは、ほんの数名しか居ないし・・・あっ」
 突如として、画面の表示がUnknownから留守番電話へと文字が変わり、少し甲高い機械音声案内が再生される。一言二言言った後に ピー っと音が鳴る。録音モードに切り変わったらしいが、いつまで経っても声が聞こえて来ない。不思議に思いつつしばらく待ってると、
『・・・んっ、っんん。えーと、私よ。レイエル。この番号で番号合ってたわよねモルク?モルク、アーシ「ごめんっ&#8252;&#65038;まさかレイエルとは思わなくて、出られなかったっ&#8252;&#65038;」・・・まぁ、そうよね。あたしもそう思えばでこの番号にコールしたから・・・」
 そう、ライトと今まで話していたレイエルだった。本人だということを確認し、画面に点滅している 顔表示 を右にフリックすると、レイエルの顔が表示された。映る背景から見える流れる雲を見ると、既に外に出ているようだった。
「既に外にいるんだね。何処に居るの?」
「私?私達は病院を出て南方向の街に向かってるわ。そっちは?」
「まだ見つかってないよ。なんか『アファクトの森』に全速力で入っていったって聞いたから、探してるんだけど・・・まったく見つからないんだよね」
「ちょっと待って、アファクトの森って反対方向じゃない・・・今から全力で戻るから、モルクはグレースタウンに行く為の入り口に居て。じゃあ後で合流よ」
「了解っ。心配なのは分かってるけど、無理して飛ばしてこないでね?」
「当然よ。じゃあ、通話切るわね」
「うん」
 その一言を最後に画面に写っていたレイエルの顔が消え、また文字が浮かび上がる。今度の文字は Signal Out と 連絡追加 の文字。モルクは迷わず追加許可の文字をタッチして右にフリックすると、更に選択肢が出現した。今度は新規追加と既在に追加っと出てきて 新規追加 をフリック。そんなことが何回か続き、名前とグループ選択し終えると レイエルさんを追加しました っと流れ文字で表示後、画面が消えた。どうやら 左で拒否・いいえ、右で許可・はい っと基本的になっていて、場面によっては文字入力もする事が出来るよう。
「グレースタウンへ行く為の唯一の道かある、アファクトの森か・・・あの辺りも不安定みたいだから、あまり近づきたくないけど、待ち合わせにはそこにか無いんだよね・・・この小川を目印でも今となったら良かったかもしれないね。 ふぅ、本当にどうしちゃったんだろうこの諸島は・・・。他の導かれし者達の軌跡、人間達がこの状況を打破してくれるのは嬉しいことだけど、少しばかりは不安定な状態にさらに負荷が掛かって更に影響がありそうで怖いよ・・・」
 左腕にしっかりとライブキャスターをはめながらポツリと一言。まさかそんなことはないと思うが、こんなにニュースが飛び交えば多少心配になるもの。
「・・・アーシアが来る前から色々と変だし、まずあり得ないよね。 うん?どうしたのキ、ミ・・・・・・」
「お兄ちゃん今・・・人間って言ってた、よね?ボ、ボクもそうなんだっ・・・」
「えっ・・・えぇーーーっ!!!&#8263;」
 先程まで反対側で日向ぼっこしてた者、容姿は尻尾がくるんと渦巻き、背中に甲羅を背負った少し小さめな水タイプ、ゼニガメだった。だが、かなり背丈がちっこく、声も高くて、モルクの大声でビクビクして怖がるほど繊細な子。ちなみに、そのゼニガメにも右手に導かれし者の紋章がしっかりと刻まれていた。
 正直驚きで数秒の間モルクは何も言えなかったが、流石に無言もどうかと思い、少し腰を低めてその子に訪ねた。
「こ、怖がらせてごめんね。ボクの名前はモルクって言うんだ。キミの名前はなんて言うの?」
「っえ?・・・ぼ、ぼくマートル。でも本当はちゃんとした名前があったけど覚えてないんだよ・・・」
「・・・やっぱり。じゃあ名前の他に覚えてる事はある?」
 やはりこの子も本当の名前を覚えていなかった。一応、他の記憶はあるのかと質問してみることにした。分からないっと帰ってくるのだと思っていたが、
「他に?うーん・・・ぼくの名前は分からないけど、分からないって事は無いよ? 変なお兄ちゃん」
「・・・分からないってことは無いって、えっ!? えぇーーーっ!!?」

~~~~~☆~~~~~

「ふぅー・・・。ところで、このHギアをあげるとか言ってるけど大丈夫なわけ? 特に数的に人数と釣り合わないと思うんだけど」
「別に大丈夫だよ。中の主幹プログラムをアプリケーション追加で書き換える仕組みになってるし、ハードは弄ってないよ。・・・正確には処理を行う為の中枢のハードウェアを良い物に置き換えてるよ。うん」
「・・・説明になってないんだけど。 なに?つまりライブキャスターをそのまま改造も一応出来るって事で言い訳?」
「そうそう、そういうこと。でも、中の基盤が乗っ変えた物と上手く動かない場合があるし、不安定なんだよね。 じゃなくてっ!!アファクトの森に行くんでしょ!?」
「そうよ。だけど今から行く先に一つ質問。ライトは高所恐怖症じゃないわよね?それとジェットコースター系は大丈夫?」
「・・・ジェ、ジェットコースター? 多分問題ないと思うし、高さも問題ないと・・・思う」
 質問に大丈夫と答えるが、ライトの両耳は思いっきり垂れ下がっていた。それを見てレイエルは大きなため息を一つすると、一つの悪知恵が働いた。
 それは、わざと騙されたフリをしてアーシアの仕返しをするというもの。方法として、結構高所に速いスピードでモルクの場所に向かうこと。ただそれだけ。
「・・・大丈夫なのね。じゃあカバンを背負ってくれる?出来れば前のフックもしっかりと止めて」
「う、うん・・・。でもどうして?」
「どうしてって・・・こう言う事よ!! "サイコキネシス"っ!!」
「えっ、ちょっ・・・うわぁっ!! お、降ろしてよ!!」
「どうしてよ?怖くないんでしょ?じゃっ出発するわよ。飛ばすから注意する事ね」
「えっ、もしかして今からやろうとしてることって・・・。 っ!!?ちょっと待って待って!!?なんなの今の小さな笑いはぎゃあぁぁぁぁあっ!!!!」
 サイコキネシスで浮かべされているライトにニコッと笑顔を送ると、今からやろうとしていることにハッと気が付いたのかいきなり暴れ始めた。だが、空中でもがいてもまったく意味はなく、暴れてるのを横目でクスッと笑いながらレイエルはモルクとの合流地点に電光石火で飛びながら、サイコキネシスでライトを引っ張り、紫の影と黄色の影が、雲一つない青空を駆けるのであった・・・・・・。 
 

 
後書き
今回は?少なめで5000文字行くか行かないかとなっております。
そして、新たなアイテム Hギア が登場しました。これの登場で物語の進み方が多少変わるかも?

PS
コラボ小説の[真実と絆の英雄]はもう少しで更新しますが、短編の[一匹子狐の儚き思い]はちょっと更新遅めになります。
案外こちらの2作が早く読みたいっと意見があってびっくりしてますf^_^;) 

 

拒絶

 上空にて、少し高めの悲鳴と怒ってる声がビル街にこだましていた。その声主たちは当然・・・
「うわぁぁぁぁぁあっ!! も、もう降ろしてぇぇぇえっ!!」
「アンタは男の子でしょっ!!?あと五分は我慢しなさいよっ!!」
「そんなこと言われたって怖いものは怖いんだも・・・ぎゃあっ!! い、いきなり降下しないで!!あと地面近いって!!」
「うるさいわねっ!!ライトが大丈夫って言ったから急いでるのよっ!!?」
「ごめんなさい嘘付いてましたっ!!もう付かないないので降ろして下さい御願いします!!!!」
 そう。サイコキネシスで浮かべさせられているライトと、その技を使っているレイエルである。その常識はずれの出来事に、周りの目が集まっていた。
 そして今、ライトが降参したのを聞いてレイエルは速度を緩め、サイコキネシスを解除して、流石に可哀想だと思ってゆっくり下ろしてあげた。場所は丁度さっきの病院より少し奥に行った場所だった。
「はぁ・・・はぁ・・・こ、怖かったぁ・・・・・・」
「さ、流石に調子に乗ってスピード出し過ぎちゃったわね・・・でも、あっちからここまで来るのに五分も掛かってないわよ?バスなら10分以上かかる距離を」
「ふぅ・・・それは良いんだけどさ、ここから先は走って入口まで行かせて? これ以上同じことされたら気絶しそうだから・・・」
「分かったわ、じゃあカバンは私が持つわね。その方が楽でしょ?」
「うん、凄く助かるよ。 ・・・じゃあ、行くよ?"電光石火"っ!!」
「きゃっ!!・・・は、はやっ!!? ちょっと!!少なからず人を浮かせながらサイコキネシスなんて案外疲れるんだから少しくらい遠慮しなさいよっー!!」
 ライトは呼吸を整えて走り出すと、辺りの草が大きく揺れ、その風に驚いて目を閉じて開けた時には既に5m以上は差が開いていた。その事に愚痴りながらも、レイエルも自分が出せる限界の移動スピードでライトを追っかける。
「・・・うん? へぇーっ、僕のスピードにレイエルは追いつけるんだね」
「な、何言ってるのよっ!!これでも結構限界なんだから!!」
「・・・分かった、少し下げるよ。 こんな感じでいい?」
「あ、ありがと・・・結構素直じゃない。 って・・・ん?確かこの辺がアファクトの森の入り口だったわよね?」
「だね。確か近くに川があったはずなんだけど・・・あれ、場所間違えたかな? うーん・・・あっ、もしかしてあそこに居るのってモルクじゃないかな?」
「・・・そうね。バックがそうだもの。 でも・・・モルクと居るあの子、だれかしら」
「ぼ、僕に聞かれても困るよ・・・・・・っ!!?」
 ライトは何かに気が付き、ダッシュでモルクの方へ。後からのレイエルの大きな声を出したものだから、その声でモルク本人が振り向くが、ゼニガメの方はモルクの後ろに隠れてしまい、レイエルがモルクのところに来た時には、モルクがゼニガメを左手で守るようにライトの事を睨みつけていて、右手に微妙に電気も帯びていた。それを見てレイエルは慌てた口調で、
「ちょっと!!その右手に溜めてる電気は何っ!!?」
「何って、守るためだよっ!! ボクはアーシアが出て行ってから、他の人達にライトに接触させないって決めたんだっ!!」
「そうなんだ。じゃあ、このまま僕が近づいたらどうするつも・・・」
 語り掛けながら近づくと、瞬時に右手を振り下ろした。すると、ライトの顔ギリギリをカミナリがすり抜けて行き、レイエルの驚いた悲鳴が小さく聞こえた。
「こうなるよって事。今は当てなかったけど、次は当てるからね」
「・・・分かった、その気ならバトルで蹴りを付けよう。僕が勝ったなら話しを聞いてもらうよ。そして、ボクが負けたのなら、本来死ぬはずだった事の通りこの世界から消える。 ちなみに、容赦はしないから覚悟してよ」
「っ!!!?? なに勝手に決めてるのよ!!あんたが居なくなったら他の人達どうするの!!?さっきまで話してた事はどうするのよっ!!?」
「君に・・・託すよ、レイエル。君なら僕の願いも気持ちも受け取って人間達に伝えてくれるはずだから。 さぁ、モルク・・・始めるよ。覚悟は良いね?」
「良いよ、受けて立つよ。 マートル、あのお姉ちゃんのとこに居て。大丈夫、僕の友達だから」
 モルクの言葉にコクリっと頷くと走ってレイエルの所に。そしてマートルが行ったのを見届けると、四つん這いになり、ほっぺの電気袋から多少の電撃が迸る。ライトの方はモルクからある程度距離を取るために少し走りながら離れて身体を向き直した。
 そして・・・
「ボクから先制させてもらうよっ!!"電光石火"っ!!」
「やっぱりそうきたね。こっちも"電光石火"っ!!」
 二人は一斉に電光石火で距離を詰め、近づくとモルクは電光石火で走りながら電気を放電。それをライトは飛んでくるカミナリを飄々と避けて行き、どんどん距離が縮まる。このことにモルクは焦ったのか、放電をやめてアイアンテールを繰り出す準備をする。だが、それを狙っていたかのようにライトは更に加速して体当たり・・・に見えたのだが、繰り出したのは"体当たり"ではなくて"アイアンテール"だった。
 その即時の技の切り替えに対応出来ず、スピードに乗ったアイアンテールをお腹にもろに受けたものだから、軽く5mは吹っ飛び転んで大きめの石にぶつかって静止した。
「モルクお兄ちゃんっ!!」「モルク!!」
 マートルとレイエルの声が同時に響き上がり、マートルがモルクの所に行こうとしたので、レイエルはサイコキネシスで連れ戻した。その事にマートルは なんで!?どうして行かせてくれないの!!? っと、空中に浮かべされたまま手足をバタバタさせてレイエルに涙目で訴える。
「・・・私だって止めに行きたい。でも止めたら、両方の心に複雑な気持ちを持ったまま別れるか、一緒に行動しなくちゃいけなくなっちゃうの。 それにアレは戦ってるんじゃなくて、自分の思いを拳に乗せて語り合ってるのよ」
「こ、こぶし? グーの事?」
「そう、じゃんけんのグーの手よ」
「そうなんだぁ。でも、そうしたらぼくも言うことあるっ!! だって、戦ってるのぼくのせいだもんっ!! ぼくがここに居なきゃ二人が戦わないですんだもんっ!!」
「ううぅ・・・。でっ、でも・・・どっちにしても避けられなかった事なの。あのね、実はマートルくんに会う前に一つ言い合いがあったの。それはマートルくんと同じ状態で、同側の腕に同じマーク、元人間だった子のアーシアについて。その時にどう間違ったのか、今戦ってるピカチュウが言っちゃいけないことを言っちゃったから、それを聞いて何処かに涙を流しながら何処か行っちゃって・・・。今まで探したんだけど、まだ見つからないの・・・」
 悲しそうな顔で説明し、その雰囲気にマートルも感じ取って、明るかった表情も暗くなる。そして右手のマークを上から左手でなぞりながらポツリと呟いた。
「ぼくと同じシルシ・・・なかま・・・かなしんでる・・・・・・」
「・・・えぇ? い、今なんて?」
「かなしんでるのなら・・・助けなきゃ。そのお姉ちゃんの姿の名前なんなの?」
「イーブイよ、ちょっと小柄の。でも、探すのは勝負が付いてから探しましょ。 心配しなくても大丈夫。どちらがどんな結果であれ一緒に行くように説得するつもりだから」

~~~~~☆~~~~~

「・・・もう終わりなの?なんか残念だよ。もう少し耐えられると思っ・・・っとと。 そうそう、そうでなくっちゃ。幾ら何でもこれじゃあ物足りないよ」
「はぁ、はぁ・・・・・・負けて・・・たまるかっ!!」
 最後の一言を言った後、またもや電光石火を使って吹っ飛ばされた距離を詰めながらアイアンテールの準備。だが、距離が1mの間合いに入った途端に素早く電気を纏い・・・
「"スパーククロー"ッ!!」
「えっ、あぶなっ!!? い、痛てて・・・まさか僕と同じ様に電気を反動に乗せて飛ばして来るなんてね。 使い方が僕と同じで、自分の現し身を見てるみたいだよ。フォームも、見てすぐに学ぶところも」
「き、君なんかと同じにするなっ!! なら・・・"サンダーボール"ッ!!」
「その電撃貰うよ・・・ぎゃあぁぁあっ!!? な、なんで・・・こんなに・・・痛い・・・の?・・・・・・」
 モルクの飛ばした電気玉を避けずにワザと食らったライトだが、放たれた電気をライトの身体が電気を受け付けず、もがき苦しんだ後にその場に倒れこんで動かなった。
 モルクにとっては少々威力を抑え気味に放ったのにも関わらず倒れたことに、疑問を浮かべながらもライトへと近づき・・・
「ぼ、僕の勝ちだね。 約束通り引いてもらうよっと言いたいところだけど、君の話をやっぱり聞いてからにするんだけど・・・だ、大丈夫?」
「ぅ・・・ぁ・・・・・・」
「モ、モルク!!ライトどうしちゃったわけ!!? 見る限り全力のサンダーボールじゃなかったわよねっ!!?」
「様子見で打っただけだよ!! でもなんで・・・も、もしかして怪我?」
「それよっ!!ライトは完治してないのに病院からアーシアちゃんを探して謝るために抜け出してきたのよ!! ともかく病院に連れてくわ!!」
「そ、そこまでして・・・。 ふぅ、しょうがない。このまま町に向かっても暗くなって危険になるから一旦引いて、明るくなってからアーシアを探そう。 レイエルはライトをお願い。僕はマートルとバックを背負ってレイエルの後を追掛けるよ」
 手短に指示を出し、レイエルはいつも通りサイコキネシスで浮かばせる。そしてモルクはライトが背負っていたバックと自分のバックを背負うと、マートルはそのバックに飛びついて振り落とされないようにしっかり取っ手を持った。重たくないの?っとレイエルは思ったが、別に満更でもないらしく、涼しい顔をしていた。
「じゃあ・・・行こう。マートル、しっかり捕まっててよ?」
「うん・・・でもアーシアお姉ちゃん、大丈夫かなぁー・・・」
「大丈夫よ、きっと。あの純粋な性格と人懐っこい明るい性格なら・・・ね」
 
 

 
後書き
今回も少なめの切り方変です(。-_-。)
執筆スピードと誤字脱字をもう少しなんとかしないとね・・・ 

 

様々な願い

「ね、ねぇ・・・?こっちで本当に合ってるの? アタシ心配なの・・・」
「だ、大丈夫ですよ。しっかりと道はあるんだから必ず辿り着けるばす。 ・・・にしても、月明かりがココまで助かるって思ったの初めてだよ」
 現在時刻は分からないが、夜の山道を二人で歩いていた。
 最初に話した女の子の方の特徴は、季節によって身体の色が変わる シキジカ で、現在の体色は朱色なので、季節は秋だということが見て取られる。
 男の子の方は、青い耳、尻尾に丸いボールが付いている マリル で、左手首にピカチュウとピチューが刺繍されている黄色いリストバンドをはめていた。シキジカの方は液晶が付いた時計みたいな物を同じく左手にはめていた。そして先ほど画面をタッチしたり、振ってみたり、色々したが結局変化なしで、
「・・・あっ、そういえばまだボクはその腕時計しっかり見てないんだよね。見せてくれないかな?」
「う、うん。ちょっと待っ「あっ、ボクが外してあげる。自分で外すのはちょっと難しいでしょ?」・・・う、うん。お願いしてもいい?」
「良いよ。じゃあちょっと手を出してくれる?」
 言われた通りシキジカは左手をマリルに出して三本足で立つのだが、あまりにもよろよろとするので、少し開けて明るい場所にあった切り株に二人で座って操作する事に。
 座った後に再びシキジカの手を取り、下側の真ん中にあるボタンを長押ししてみた・・・変化無し。次に本体右横のボタンを押してみる・・・なんかスクリーンが右にスライドして出てきたが、相変わらず付かない。ボタンを押しながら左にスライドして戻す・・・
「うぅーんー・・・もしかすると電池切れかな。もうボタン無いし」
「上にスイッチまだあるよっ?なんか丸に棒が刺さってるマークみ「それですよっ!! じゃあ押すからね・・・えぃ」・・・あっ、付いたっ!!」
 見つけたボタンをまた長押しすると、今度は正解でスクリーンに読み込み中と思われしバーが現れ、ゆっくりと左から右へと流れる。しばらくするとバーが満杯になり、白で何か表示された後に白と黒が逆転し、白で三文字映されていた。その文字は 構成中 で、まだ起動には時間が掛かるらしく、仕方なくて先に進むことにした。


 しばらく歩くと、道の途中で木の実が実っている気を見つけて幾つか持って行くことにした。因みに木の実の名前はオレンの実と言って、味は爽やかで体力回復に使われたり、お菓子の材料によく使われる代表的な木の実である。それとこの情報はマリルから言われたもので、横で「そうなんだっ!!」とか「木の実のことならお任せっ!!って感じだね」とか、話しながら歩いていた。
「でもさ、いくら月明かりがあったとしても、二人居ても夜道は怖いよね。でもさ・・・ドリームメイカーズって何者なんだろうね。それとポケボードで使った名前しか覚えてない理由と・・・右手のマークの意味はなんだか分かる?」
「何と無くなら・・・。えっとね、二つの円に隔てるように波線だから、円が世界を示してて、波線がそれを隔てる壁・・・かなって」
「それじゃあ僕達がポケモンの世界に居る理由は変になっちゃいますよ?だけど普通に考えるとそうし・・・・・・よけてっ!!」
 マリルが草むらが揺れた音を聞いてシキジカを抱えてよけた。すると、さっきまでいた場所の土が深く抉り取られて・・・いや、陥没していた。何が起こったのか驚いて、考える暇を与えることもなく暗闇の草むらから色々なポケモンが飛び出してきて、技を二人に放ってきた。いきなりの襲来者に驚きながらも飛んできた技を全てギリギリでかわしながら、
「な、なんなのこの人たち!!?」
「この人たち自我失ってるみたいですよ!! 囲まれましたし、戦うしかっ!!」
「でもアタシ達はまだ技は使えないし、使い方分からないのにどうやって!!」
「・・・隙をついて体当たりするか、逃げるしかないよ!! スイレンさんは後ろをお願い!!僕はスピア達をなんとかするからッ!!」
「わ、分かった!! マコトさんも無理しないで!!」
 自分に向かって飛んでくる技を避けつつ、避けた技が当たらないように注意をしながら声を掛け合って回避する。左から飛んで来たものを前ジャンプでマコトは避けつつスイレンに右から飛んでくると注意し、それを聞いてスイレンは避ける場所を若干きつい体勢ながらギリギリ回避して、直ぐに体勢を元に戻して、行けるようなら体当たりして倒して行く。マコトも同様にこのパターンで回避して攻撃をしながら、こちらは行ける時には深追いして体当たりしたり、交わしたのを見て身体を回転させて尻尾を振り回してみたり、時にはスイレンのフォローに入ったりとサポート兼アタッカーの立ち回りだった。

 それからちょっと経つと、考えてからでは無くて感覚で避けれるようになり、必然的に技を喰らわなくなって攻撃が当たるようになるまで急成長した。そして、主力の体当たりが安定するようにもなったのも大きな利点でもあった。
「このくらい減らせば大丈夫かもっ!! スイレンさんっ!!」
「こっちも大丈夫ナノっ!!」
「了解っ!!じゃあ活路開くから、その後付いて来てっ!!」
「分かっ・・・ひゃあっ!!?」
 悲鳴が聞こえ、マコトは振り返るとスイレンが倒れていた。その原因は彼女の後ろ左足に絡まっている"蔓のムチ"・・・逃れようと脚をバタつかせるが、全く解けそうにない・・・。しかもその後ろには 勝ったっとばかりに 技を溜め込んで放とうとしていた。すぐに助けようと向かうが、残っていた敵がマコトの進路を邪魔をする・・・。
「スイレンさん早く蔦から逃げっ・・・ぐはぁっ!!?」
「マコトさん!! う、うぁわ・・・だ、誰か・・・誰か助けてっ!!!!」
 夜の月明かりしか光源手段がない森にスイレンの声がまわりに木霊する。もうだめ・・・そう思い瞼をぎゅっとスイレンは瞑り、いつ来るか分からない衝撃と不安に溢れた思いが涙として床にポタッと落ちたのと、技を放たれたのはほんの数秒経ってからだった・・・・・・。

~~~~~☆~~~~~

 場所は変わり、何処かの町の建物の中。ここで二人の女の子が何やら悩んでいる顔で話し合っていた。
「それはつ、つまりリトさんは私達の・・・世界の人では・・・・・・」
「ええ、そう言うこと。 でもヨーテルのお陰で私は助けられたし、本当にありがとう。感謝し切れないわ」
「ひ、人として当然のことをしただけです・・・/// そ、そんな事だけで褒めないで・・・ください・・・・・・///」
 もともと赤い顔を更に真っ赤にして、リトから目を逸らす。ヨーテルの姿は目立った特徴はないヒトカゲで、リトは珍しいポカブの女の子。性格もヨーテルは控えめの恥ずかしがり屋に対し、リトは明るく元気娘に見える。
「ところでヨーテル。貴方の話しはなんなの?」
「あっ、えーと・・・わ、私と一緒にリトさんが良ければ行動・・・しませんか?/// そ、それで帰ってこない母を探すのを・・・て、手伝って・・・欲しいんです・・・///」
「帰ってこない? それって何かに巻き込まれた・・・とか?」
「ふ、不安になること言わないでくださいっ!! ぁ・・・ゴメンナサイ・・・/// ま、巻き込まれたとは考えたくないですけど・・・その線でも考えなきゃいけませんね・・・帰ってこないことなんかぐすっ、なかったのに・・・どうしてっ・・・ぐすっ・・・・・・」
 不安顔になった後に、涙声になり、すすり泣き始めて、しまいには泣き出してしまった。いきなり泣き出したことにちょっとビクッとしながらも、リトはヨーテルが座っている椅子の方へと移動して横に座ると・・・
「ほ、ほら・・・泣かないの。私だって初めて起きた時、不安で怖かったし、なにより何処に行けば良いのか全く分からなかったし、私が・・・えーと、私の状態を知って怖がらずに助けてくれた強い心、持ってるじゃない。だからその時点でヨーテルを助ける、恩を返すのは決めてたわよ。だから・・・泣き止んで、一緒に探そ?」
 ヨーテルの頭を撫でながらリトはゆっくりと答える。終いには、周りを確認した後にだいて頭を撫でてあげた。
 10秒ほどそうすると、顔に涙のせいでほんのりと赤みが残っていたが、ヨーテルは立ち上がって ありがとう っと小さく言ってきて、その顔と動作に、もうリトに対して他人っと思わなくなったようだった。
 そのあと今まで話してたカフェ店を離れ、ポケセンで空いてる部屋を借り、2人しかいない部屋で改めてリトは自分のことを話し始め、ヨーテルのお母さんをどうやって探すか作戦会議・・・決めた時には時間は夜中に突入しようとして、驚きながらも最終まとめをして寝ることにした。
「リトさん、ありがとう。初対面の私にここまで協力してもらっちゃって・・・」
「なーに言ってんのよ。私とヨーテルはもう 友達以上 でしょ。ヨーテルがそう思ってなくても、私はそう思ってるわ」
「あ、ありがとう///」
「あっ、また炎強くなってるわね。ヨーテルちゃんって分かりやすーい」
「っ!!?か、からかわないで下さい!!/// いいです、もう寝ちゃいますからっ!!///」
 顔を真っ赤にしながら布団の中へとダイブ・・・ちょっとからかいすぎたかなっと頭を掻きながらもクスッと笑う。それからちょっとしてから部屋のライトを消して、寝ているヨーテルを起こさないように忍び足で自分の布団へ・・・向かわず、
「ヨーテル、今日はありがと。おやすみ」
 っと、一言かけてから自分の布団へと潜った。明日から始まる、この世界がどんなところか見える事にワクワクと不安、そしてヨーテルのお母さんを絶対に探し出すんだっと心に誓いながら・・・・・・。 

 

真実と絆の英雄 First-story

Ties and a true bonds

〔暦とは不思議な単位であり、絶対に無くてはならないもので、歪むことは決して許されない。もしも、もしも歪んだなのなら時間が調整されて歪みが無かった事になる。
 例えば、過去の世界から未来の世界に行ったとしよう。行くのは簡単、でも戻る場合はどうする?ピッタリ未来に飛んだ時刻に合わせなければ歪みが生じる。何故なら未来に行ってる間は元の世界に自分は居ないのだから。起こりゆる出来事が始まらないのだから。
 それで、もしそこで歴史を変えてしまうのとをしてしまったら如何なるだろうか?偉業を成し遂げてしまったら如何なるだろうか?明らかに起こりゆる事のない出来事を起こしてしまったのだから歪み、絶対的な力を持つ時間が元に戻そうとする。結果、時間軸が逸れ時の崩壊へと繋がり、全てを吸い込んで取り込む次元の狭間はざまが出来る事になる。狭間はざま・・・一度吸い込まれたら生きていけぬ場所・・・。
 じゃあ逆に未来から来て歴史を変えたのなら?当然タイムパラドックスが起こり、未来からきたもの達は消える事になる。はるか昔、この世界を救った英雄がその道を辿った・・・。だか時を守りし者のディアルガの力で戻ってきたものの、未来から消えたもの達からのお念、怒りが乗り移ったように英雄は・・・〕
 ここから先は何故かページが破り取られていた。厚さから見ると20ページから30ページほど破られているらしく、断面を見る限り丸くなっていたので相当前に破られたみたいだった。でも、見つかった場所も結構深い場所の奥の保管室にあった古めかしくて埃を被っていた本なのだから。
 そして、その本を見ながらため息を付いてる人が一人。イーブイの多くある進化系の一つ・・・エーフィー。姿はエーフィーそのものだか、首に水色のスカーフを巻き付け、耳にはマイクとイヤホンがセットになった黒いインカムを身に付けていた。
「・・・・・・時の狭間はざま・・・タイムパラドックス・・・時間の修正力・・・・・・時空の狭間はざまはもう現れてる・・・絶対何処かに根元が居るはず。・・・それにしても、人間がこの世界を救ったなんてあり得ないこと。この世界は私たちがいた世界より何千年先の世界で、英雄が世界を救った時代から逆算すると・・・計算が合わない
・・・・・・」
「なにブツブツ言ってるの~?」
 そんなところに更にもう一人エーフィーに近づいて話しかけてきた。どうやら仲間か知り合いらしい。姿はミズゴロウで、シルクと同じく首に白色のスカーフを巻き、同じく首に巻かれた銀色のリングネックレスが日光に反射してキラキラと光っていた。
「え、あーっと、この時代の事よ。どうやら時空の狭間はざまの出現条件は普通じゃあり得ない人がこの世界に要ることなんですって。あっ、ところでそっちは情報まとまった?」
「まとまったよ~。この島はぼく達の島と違ってかなり文明が進んでることは見てわかるけど、まさか不思議玉とか、技マシンを作ってる工場があるなんてびっくりしたよ!!後は医療関係もレベルが凄くて、ぼく達の島にもあったプクリンのギルド三号があるのはこの街で合ってるみたいだよ?」
「そう、ありがとっ。ところで島の総面積と、この島の事件はどのくらいあった?」
「総面積までは分からなかったけど事件は最近急激に増えたみたいだな~。まずは不思議のダンジョンが拡大したこと。どうやら一つの町を飲み込んだらしくて、そこの住人が全員行方不明になってるみたい。後は時空の狭間はざまに吸い込まれる事件が多数で、吸い込まれた者が戻ってきたこともあったけど自我を完全に失ったみたいだよ。・・・ラテとベリー、大丈夫かな?一応ギルドの方でも話が出てたから問題はないと思うけど」
「二人なら大丈夫よ、近づかないはずだし。それよりもさっさと《ルデラ諸島》の情報をまとめて、ラテ達が要る島に戻るわよ」
「了解だよ~!!一週間の間、全力でこの島を調べて、この島の親方にも挨拶しないとね~」
「ええ。じゃあそろそろ時間も良い頃だからお昼ごはん食べましょ。ウォルタ、片付けるわよ」
 そう言うと机に何十冊も重なっている本をエーフィーは"サイコキネシス"で全部浮かすと、そのまま所定の場所まで行って一気にしまった。ちなみにようやく名前が出てきたが、ミズゴロウの名前はウォルタと言い、エーフィーの名前はシルクという名前である。
 そして会話から分かる通り、二人は元々この諸島の者では無く《ラスカ諸島》と呼ばれる自然豊かな島から遥々フェリーに乗ってここまできた。二人の目的はルデラ諸島の歴史を調べる事と、起こっている様々な出来事を調べること。っと言いつつも、実際はこの諸島の親方に挨拶して、そこで活動している探検隊・救助隊と交流ついでに観光をするつもりなのだ。
「・・・ふぅ。ウォルタの方は片付け終わった?」
「終わったよ~。使ってた机周り調べてみて忘れ物もなかった」
「確認ありがと、じゃあ行くわよ。ところでウォルタは何食べたい? 私はなんでも良いけど、お金かけたく無いなら持ってきた木の実だってまだあるし」
「残ってるならそうしようかな?ラテとベリーとかにお土産も頼まれてるしね~」
「了解よ。じゃあ何処か良い木陰でも探してそこに腰掛けましょ」
 図書館の出入り口を押し開け、二人は三時間ぶりに外の空気を体内に取り込む。気温は秋になり、太陽の光と空気の気温もちょうど良く、自然の草の絨毯に寝っころがればすぐにあくびが出そうな心地良さだった。
 そんな事をシルクは思いながら辺りを見渡し、良さげな場所を探す。案外場所はすぐに見つかり、そこで食べる事にした。場所は一本の木を囲むように円形にベンチが置いてある場所だった。
 ちなみに今ある食べ物は、オレンの実とリンゴとウォルタが好きな甘い分類に入る木の実と、シルク好きな、甘さと酸っぱさが丁度いい分類に入る木の実。それがウォルタが背負う青色のバックの中には入っていた。
 そして軽いお昼ご飯を済ませ、しばらく腰掛けてるといつの間にかにウォルタが寝息を立てて寝ていた。やっぱりこの、心地よい天候には勝てなかったのであろう。実際資料をまとめているシルクも軽くうとうとしていたのだから。
「私もちょっと寝ちゃおっかし・・・ん?なにかしらこのメロディ・・・あっ、あそこでオカリナ吹いてるムウマが居るのね。それにしても、あのオカリナ何かしら?ゴーストタイプの子が吹けるなんて・・・見たところ抑える穴は見えないし」
 自分から少し離れた場所のバス停のところに居るイーブイとマイナンとムウマの三人組。その一人のムウマがオカリナを吹いて綺麗な音色を奏でており、それを見て不思議でしょうがなかった。
 見た限りだとサイコキネシスの強さで音色の高さを変えているらしかった。
「あれ、欲しいわね。ちょっとこの島を出るついでに買おうかしら、ね・・・うぅ、急に眠気が・・・うん、ちょっと寝よう・・・・・・」
 重たくなった目をこすりながらシルクはまとめてた資料をクリアファイルに入れ込むと、ベンチに寄りかかってまぶたを閉じた。
 眠りの世界に行ったのはムウマのオカリナが鳴り止んだと同時だった・・・・・・。 

 

真実と絆の英雄 Second-story

Ties and a true bonds


「・・・うーん? あれれ、いつの間に寝ちゃってた~・・・。あっ、シルク起きて。日が傾いちゃうよ」
「・・・・・・すぅ・・・すぅ・・・」
「あー・・・すごく気持ち良さそうに寝てるよ・・・これ、起こしちゃうの可哀想だな~・・・。でも、起こさないとギルドしまっちゃうし・・・」
 シルクも眠りに落ちてから約二時間後、ウォルタが起きた時の空は薄ら夕焼けもようになっていた。これほど深く眠れてスッキリしたのは、多分飲まず食わずで六時間も図書室で調べっぱなしの、書き出しぱなしだったからだろう。っとは言え、図書室は元々飲食は禁止だが。
 そして、ギルドが閉まるっていうのは見張りがいなくなるから開けられなくなるっという事。この位ならまだ、扉は空いていると思うが、これ以上遅くなってしまったら面倒くさい検査をし、ここの親方からきた許可書を提出し、本人と断定出来る証拠を答えなければならなくなる。・・・そんなところまでする理由は一つの事件からである。
 メタモンのお尋ね者がとあるチームの団員に化け、ギルド内をめちゃくちゃに荒らして行ったっという事件がここで発生したのだ。それでナルトシティーの警戒レベルが上がり、必然的に他のギルドも危ないという事になり、島全体のギルドがセキュリティをあげたのである。
 今までは下から覗き込んで足型を判別し、団員メンバーの足型である事の確認か、予定で入ってくる人である事の確認と判断、最後に知っている人なのかの判断など、いろいろな項目がある。それと・・・ギルド入団したいか。おもにこれらだった。
 でも今は、足型検査が無くなったものの、ライセンスが何重のプロセスによって守られたセキュリティキーが必要になって近代化した事。見た目は今までのバッチと同じなのだが、その中にメンバーの顔写真やランク情報と、こなした数と救助した回数にお尋ね者退治回数、GPS機能と申し訳ない程度にコンパスが付いている。ともかく、このセキュリティーキーが絶対必要と大事なものになり、配布させるのは《ルデラ諸島》の全ギルドだけである。その他の諸島だけは今までと変わらず。

 っで、何で早く行かないといけないのかと言うと、ここの親方がそのライセンスキーを封筒にうっかり入れ忘れたからである。入るためには必ずバッチが無いと入れないため、入場書だけあっても無駄なのだ。・・・なんとおっちょこちょいな・・・重要なものを入れ忘れるなんて・・・・・・。
「ごめんねシルク。・・・シルク!!起きて!!もう夕方だよ~!!?」
「・・・・・・うぅ?おはよ・・・あっ、ちょっと!!夕方じゃない!! どうしてもっと早く起こしてくれなかったのよ!!?これで今日は入れなかったらただでさえお金少ないのに宿屋になっちゃうじゃない!!」
「ボクだって今さっき起きたんだよ~!! ここからギルドまで直線距離で10kmはあるんだから、この際しょうがないからバス使うよっ!!」
「・・・分かったわよ。乗ればいいんでしょ・・・はぁー・・・」
 バスと言う言葉を聞いて、シルクは耳がピクッと立ったと思ったら、今度は垂れ下がった。実はシルク、ナルトシティーの外れにある図書館にくるまでに一度ポートタウンに船で来た後、バスでナルトシティーに入ったのだが・・・揺れで大変気持ち悪くしてしい、バスが嫌いになってしまったからである。いや、嫌いと言うか、苦手になった。
 結局、シルクは渋々来たバスに乗り込んでギルド目指してが、案の定気持ち悪くなり、もう二度とバスなんかじゃなく、自分の足で歩いて帰ると誓ったシルクだった。

~~~~~☆★☆~~~~~

Side シルク


 ・・・はぁ、ひどい目にあったわね。結局私たちはギルドが閉まる時間ギリギリに滑り込みで入る事が出来たものの、色々な事は聞かれてしまったわけ・・・。あまりにもの押しで、入場書を出す事が出来ずに、結局散々聞かれて最後に入場書が有るのかと聞かれてやっと出せたわ・・・次は気をつけなきゃ。


 そして、私たちの自己紹介は夕ご飯の時にしたわ。始めてのギルドのチームとの顔合わせ・・・っと言っても、色々聞かれてる時に見られてるからなんとも言えないわね・・・。

「えー、始めまして。私はラスカ諸島から来た、考古学者をしてるエーフィーのシルクよ。一週間のギルド滞在の間よろしくお願いします」

 まずは、簡単に。考古学者のワードに多少ざわめいたけど、まぁ、あまり居るはずが無いから驚くのは当然よね。でも、情報を知ってるはずのギルド長のプクリンが目を丸くしたのが心配だわ・・・あっちの、ギルドと同じ感じで・・・なんだか、見た限りは。

「それで、ぼくがウォルタ。同じくよろしく~!!」

 っで、相変わらずの自己紹介ね・・・逆にえっ?と、周りがざわめいたわ。

「遠い場所からわざわざ来て下さってありがとう御座いますね。私がナルトタウンのギルド長のシュエリ。本当に申し訳ないことをしました・・・コレも、私がライセンスキーを送付し忘れたせい・・・」

 このシュエリさんと言うプクリンがギルド長の人。まさか女の子だとは思ってなかったし、第一印象はあっちと同じだったものだから、声と喋り方を聞いた時にウォルタくんと共に腰抜けしたわよ・・・。

「そして私はギルドの副長及び、ギルド管理兼外来担当のリンネ。先程は質問責めしてしまって申し訳ありませんでした・・・」

 ぺこりと頭を下げながら話して来たトゲキッスのリンネさんね。本当に申し訳ないことをしたと言う顔をしてるわ・・・悪いのは早く来なかった私達にもあるのに・・・。

「貴方達が客人の方ですね?疲れてると思うので、疲労回復のメニューにしておきましたよ。 遅れましたが、私の名前はキルリアのルリです。一週間の朝・昼・晩の食事は任せて下さい」

 この人は食事用意担当みたいね。非常に落ち着いた性格で、エプロン姿がよく似合ってるわ。

「俺は掲示板担当のアグアだ。困ったことがあればなんでも相談乗るからな」

 んで、このラクラージが掲示板なのね。にしても体が凄い鍛えられて、腹筋割れてるわ、腕と足も太いわで、パワーは脅威的そうね・・・。
 そして、この後は幾つかのチームの紹介がリンネさんからしてもらったけど、どうやらベリーとラテのギルドと同じ大きさだけど、所々に点在してるから実質は凄い大きいと説明してもらったわ。食事に入っても色々なことを聞かれたけど、話す話し全て聞いてくれて色々と意見を出したり討論したりして本当に楽しかったわ!!

 食事が終わった後はアグアさんに一週間使う部屋に案内してもらったけど・・・凄い。冷蔵庫もあればテレビもあって、しかも完全に部屋。えーと、なんと言うか、ちゃんと玄関があって、私達がもと居た時代の部屋って感じだったの現代的な部屋。・・・元の時代、なんだかもう懐かしいっと言うより、この時代が好きで、みんなとの絆を繋いだのに、元の時代に戻ったらなくなっちゃうんじゃないかって心配なのよね・・・。だから、イマイチ戻れるとしても考えちゃう。ラテくんの事もあるし。でも・・・ユウキも・・・心配してるわよね・・・。

「・・・っという感じでここの説明は以上だ。ここの食事は基本的に勝手に決まるんだが、オーダーする事もできる。メニューはここにある冷蔵庫の上に注文用紙と一緒に置いてあるから、書いておけばそれが晩御飯になる。朝ごはんはパンかご飯か選べっから好きな方にチェックを入れてルリに晩御飯前を食べ終えてから渡してほしいらしい。あと、取り敢えず今日は今決めてくれとの伝言だ」
「へぇ~、オーダー制なんて始めてだねっ!! シルクはどうする?ぼくはパンに決まったよ~!!」
「えっ、私はー・・・ウォルタくんと同じくパンで良いわ」
「分かった。二人ともパンで良いんだな?じゃあルリに伝えてくるからな。 ちなみに、消灯時間まで30分を切ってっから気を付けろよ」
「分かったわ」「了解だよ~!!」
 30分切ってるって・・・あっ、10時半をいつの間にかに回ってたのね。気が付かなかったわ・・・楽しい時間はやっぱりあっという間ね。

 そして、ここまで来るのに長く疲労した身体をベットに預けると、直ぐにあくびが出た。でもそれはウォルタくんも同じだったわ・・・・・・。 
 

 
後書き
今回はちょっと少なめです(; ̄ェ ̄)
時間がちょっと色々と足りなかったもので・・・。

あっ、今回は本家作品通りにシルク視点から執筆しました。途中から。
多分こんな感じで良かったかなσ(^_^;) 

 

真実と絆の英雄 この小説でのキャラ設定

シルク

作成親:@
投稿サイド:味方/考古学者
作品大元名
絆の軌跡~過去と未来の交錯~


名前:シルク

種族名:エーフィー

分類:ポケモン

性別:♀

年齢:19才

性格:冷静で大人しい

好き:化学実験 薬品開発 旅 調査
嫌い:虫タイプ 絆を壊す行為

外見:黒のインカム(ディレクターの人が付けてる)を常に装備している。また、首に水色のスカーフ(絆の従者の証)をつけている。

口調:常に大人びた口調を使う。ちなみに最初は敬語を使うが、それだと絆を深める事ができないので、深める為にも敬語はあまり使いたく無いらしい。

一人称:私
二人称:あなた ~さん・~君 名前呼び
三人称:あの方

現時点で使える技
瞑想 サイコキネンシス シャドーボール 目覚めるパワー(竜)

条件発動技[発動条件を満たせばいつでも使用可]
現在無し

バトルスタイル:特殊技を配合して、その効果によって多岐にわたる属性で遠距離攻撃を仕掛けるテクニカルアタッカー。スカーフの影響により技の威力がかなり上昇しているようだが、スカーフと絆の従者によって自然治癒が封印されているため、長引く戦闘やダメージを受け続けると危険となる。

サンプルボイス
「始めまして。私の名前はシルクよ」
「絆の名の下に・・・みんな、行くわよっ!!」
「モルクの電気とレイエルのリーフショット、ちょっと借りるわね」
「コレが、私の全力よ!! "シャドーボール"ッ!!!!」

備考
 年のわりに大人びている[絆の軌跡~過去と未来の交錯~]の主人公兼ヒロインで、絆の従者である。仲間との絆をとても大切にしている為、絆を守るために無茶をすることもしばしばあったり、子供らしさも見せることも稀にある。そして、一見完璧なように見えるが、実は涙もろい一面も実はあったり?
 そして暇な時は、調査内容の整理や薬品の開発をしている。何年も前に化学を学んでいて、この事に関する知識は豊富であるために、回復薬や状態異常回復やら攻撃する為の道具やら作成している時がある。



ウォルタ

作成親:@
投稿サイド:味方/考古学者
作品大元名
絆の軌跡~過去と未来の交錯~


名前:ウォルタ

種族名:ミズゴロウ

分類:ポケモン

性別:♂

年齢:15才

性格:マイペース

好き:仲間 旅 甘い物
嫌い:喧嘩 苦い物 乾燥した気候

外見:首に白いスカーフと、銀のリングのネックレスを着けている。

口調:語尾に「~」とつける癖あり。

一人称:ぼく
二人称:君
三人称:あの人

現時点で使える技
地震 水の波動
 
条件発動技[姿を変えた時]
ツバメ返し ジャドークロー

バトルスタイル:道具の扱いが上手なので遠くなれば道具を使って攻撃したり、一気に近づいたりして相手を翻弄する。そして、スカーフの力、真実の英雄によってウォーグルに変身すれば、元々高い俊敏性を生かして相手を攻撃するテクニカルスピードアタッカー。

サンプルボイス
「ぼくはウォルタ、よろしくね~」
「真実の名の下に・・・いくよ~!!」
「モルクが木の実の事をよく知ってるんだね~? ぼくは道具の扱いをよく知ってるよっ!!」
「他人にぼくの未来を決められる筋合いはないよ!!」

備考
 自然回復するのにかかる時間が他のポケモンに比べて2倍以上。相手の隙をつく。また、道具(種など)の扱いが上手い。そして真実の英雄あるゆえ、好きなタイミングでウォーグルに姿を変えることが可能になるが、変化後は水の波動と地震は使えなってしまい、守りが極端に極端に下がる代わりに素早さがさらに早くなるなど、相手になったらかなり厄介なウォルタ。
 首からかけているネックレスは、母親からもらった物で、本来は同型で金でできた物と対になっていて、それは行方不明になっている父親が持っている。なので父親を捜すことも旅の目的の一つ。 白いスカーフは真実の証で、テレパシーと似たような感じで同じスカーフ系列を持って人と話すことが可能。 
 

 
後書き
これが設定となります。
送信して頂いたデータを元に、こちら側の設定に少し情報を加えて書き足ししました。 

 

真実と絆の英雄 Mixed capability

☆同タイプ


△小球×大球

・衝突の後、4方に拡散。
・数量は速度に比例。

△大球×小球

・大球を核とし、付けるごとに巨大化。
・速度は大きさに比例。


☆異タイプ

△相性 通常

・タイプに固有の効果。
・合わさった反応。

△相性 強×弱

・相性で弱いものを中心に強いものが螺旋運動。
・一定時間後に前者が消滅。

△炎

・一定時間後に小爆発。

△水

・一定時間後、進行方向に向けて一直線に拡散。

△草

・一定時間後、横一直線に拡散。

△雷

・一定時間後、縦一直線に拡散。

△氷

・一定時間後、進行方向に扇状に拡散。

△竜

・反応直後から膨張。

△鋼

・威力の増加作用。

△超

・加速作用。

△霊

・飛散数の増加作用。

△闘

・圧縮と効果の倍化。

△無

・一定時間後、弧状下向きに拡散。

△岩

・混合後、物理効果追加。

△地

・命中後、相手の素早さDown。

△毒

・命中後、相手の防御Down。

△虫

・命中後、相手の特徴攻撃Down。

△飛

・命中後、相手の物理攻撃Down。

△悪

・配合後、混乱効果追加。 
 

 
後書き
技の配合例で、エーフィーのシルクとムウマのレイエルが扱います。
あくまで、レイエルは予定ですがσ(^_^;) 

 

絆と真実の英雄 Third-story

「・・・・・・くぅーーー・・・ふぅ、よく眠れたわね。 さてと、目覚めて頭がスッキリしてる間に資料をまとめちゃいましょっと」
 ベットから跳ね起きると早速鞄の中から昨日図書館で書いていた資料を取り出し、ローテーブルに広げて真新しい紙にまとめ上げ始める。因みに書いてる文字は足型文字ではなく日本語で、しかも漢字も所々使われており、そして驚くほど字が綺麗で、シャープペンシルと消しゴムの使い方も心得ているではないか。あと、書くのもある程度早い。
 ちなみに現在時刻は日の出と丁度の6時を回る少し前である。太陽ポケモンであるエーフィーは朝はとても早く、日が上り少し前か、上るあたりに起きることが多い早起きの子なのである。
「えっとー・・・うん、成る程ね。ウォルタくんがコッチをまとめてくれてて助かったわ。それにしても凄いわねコッチの諸島の科学力・・・元の世界よりも遥かに進んでるのね」
 うんうんっと首を縦に振りながら紙の上をペンが滑って行くごとに、ウォルタがまとめたものを更に簡潔に仕上げ、重要だと思う場所はアンダーラインを引いたりしてまとめる。一時間もすると、最初はA4用紙が20枚くらいだったのが五枚くらいに圧縮され、見やすくもなっていた。
「うぅーんー・・・ふぅ、コレで地理情報と歴史と、この諸島の異常を書き纏め完了ね。 あとは諸島の異常をどう対処しようかしらね・・・」
「その辺は全ギルドが全力で当たってる。あと、扉が微妙に空いてたから聞こえてたぞ・・・」
「えっ・・・さっきちょっと外の空気吸うために外に出た時、ちゃんとしまってなかったのね・・・あっ、アグアさんおはようございます。 あの、ギルド全体が調べてるって本当ですか?」
「ああ。諸島全てのギルドで調べてるが、活発に調べてるのはここのギルドと、ここから西に行ったエルドタウンだけだけどな。 それと、敬語はちょっとやめてくれないか?俺は敬語で話されるのが苦手でな」
「・・・分かったわ。敬語じゃ確かに硬くなるし、仲間同士関係が築きにくくて・・・だから私も好まないの。 じゃあ、改めてアグアさん宜しくよ」
「そ、そこは変わらないんだな・・・別にさん付けでも悪いってことはないが。 んで、何の話だったっけか?・・・あぁ、そうだったな。ともかく今調べてるのはごく少数のみだから、情報が足りないってレベルじゃない。そこで、何処かの地方で考古学者って名乗ってる人達が居るって小耳に挟んだシュエリが・・・」
「私達当てに依頼書を送ってきたわけね」
 アグアが言おうとした先をシルクが相打ちを打つように答えた。ちなみにこの依頼書が届いて見たとき、いたずらじゃないか迷っていてすぐに行動出来なかった。理由として、宛先が 考古学者の2人様へ で、依頼書の送り出し人の名前も封を切って中を読むまで分からなかった。そして最後まで読んだ後に今までいたギルドの長に この名前を知ってるの? っと聞いてみたら・・・案の定。この人が他方のギルドに情報を回してて、それを聞いてわざわざ依頼書を送ってきた。
「・・・それにしてもここのギルドは早いし、みんな早起きなのねー。前のギルドは10時ごろの朝礼の少し前に起きてたわよ?」
「噂に聞いてたがそんなに遅いのか・・・やはりあっちの諸島は平和なんだな」
「いえ、そんなでもないわよ。お尋ね者は少なからず居るし、救助依頼も多いし、なによりこの諸島の半分の・・・あっ、ウォルタ君おはよう」
 半分の先を言おうとしたときに布団を剥いだ音がしたので見てみたら丁度ウォルタが右手で目をこすっていた。やはり起きたてはまだフラフラするのか、布団の上でまだゆらゆら軽く揺れていた。
「おお、起きたか。おはようウォルタ」
「おはよウォルタ君。資料はいつも通り纏めといたわ」
「・・・うぅーんー・・・・・・よし、アグアにシルクおはよ~!! さっそくだけど、なんでアグアがここに居るの?」
「ああ、ちょっと話してただけだ。 ウォルタも起きたことだし言うが、あと10分後に朝飯出来るぞ。・・・うん、多分今盛り付けあたりか配膳途中だろうな」
 鼻をクンクンとさせながらシルクとウォルタに話すのを見てちょっと笑いながら、
「ふふ、お腹が減ってたからちょうど良かったわ。 じゃあ資料を片付けて行きましょ」
「そうだね~っ!! 僕はもうお腹空いちゃったよ~」
「そうか。んっで、資料?の内容を良かったら朝飯の時でいいから教えてくれないか?」
「ええ、良いわよ。でも、今話してた内容は違うものだけどいいのかしら?」
「ああ、別に構わない・・・っと言いたいところだが、何のことだ? 流石に知ってることを聞いても意味は無くはないがあまり意味無いからな」
「それもそうね。内容はこの諸島の地理情報と科学の事、今起こってる異変の少しだけよ。異変の事は何が起きているくらいしか調べられてないから、あまり意味ないかもしれないわよ?」

~~~~~☆~~~~~

「全員揃いましたね。では、戴きますっ!!」
「頂きますっ!!!!」
 シュエリの号令の元、全員が手を合わせて挨拶する。二つ別れたテーブルにご飯の人用のメニュー、パンの人はパンの人用のメニューがそれぞれ用意され、大皿に御菜やらドリンク、デザートがそれぞれ盛り付けられていた。
 そしてそこから皆は自分の小皿に盛り付けて食べ始めて、届かないや寄せない人は届く人が寄って上げるなどとして、ギルドメンバー全員和気藹々と食事を楽しんでいた。当然シルクとウォルタの二人もである。
 そして食べ始めからしばらくすると、やっぱりシルクとウォルタの周りに人が集まって話しをしており、ウォルタは様々なチームから話しかけられていて、シルクはアグアと何やら討論していた。
「へぇーっ、ウォルタさんは結構お強いのですね!! 良かった今度お手合わせを頼んでいいですか?」
「そこまでじゃないけどー・・・うんっ、イイよ~!! いくら僕の苦手の属性だとしても容赦無く全力で行かせてもらうよっ!!」
「ええっ!!じゃあ約束ですからねっ!!」
「うんっ。約束だよ~!!」

「・・・っというわけなの。私たちが調べたのはこのくらいよ」
「さ、流石だな。たった一日でこれ程情報をまとめられるなんて・・・。これじゃ、俺も情報を集める身としてはシルクとウォルタには手が上がらないな・・・」
「そんな、まだまだよ。じゃあ今度はアグアさんが知ってる事を教えてもらってもいいかしら?」
「ああ、いいぞ。まず最初にな・・・」
 それぞれが楽しく話する中、シュエリとリンネは楽しく話すシルクとウォルタ、ギルドメンバーを見ながら話をしていた。最初は資料片手にギルドの運営やら何やら話していたのだが、2人が来たことによって賑やかになったことにより、場の空気に合わないと思って話を切り替えて話題も2人のことを話していた。
「ふふふ。あの子達すっかり私達のギルドメンバーみたいに馴染めたようね。 馴染めなかったらどうしようかと思ったけど・・・無問題で良かったわ。ところでリンネはあの子達どう思う?」
「そうですねー・・・取り敢えず言いたい事は、シュエリさんは心配しすぎですよ。 っで、どう思ってるかと言うと、純粋で真面目な良い子達っていうイメージですね」
「あら、私も同じイメージよ。でも凄いわねー、あんな若いのに考古学者だなんて。 さてと、時間も時間だからそろそろ・・・ふぅ、やりますか」
「そうですね。 みなさーん、朝礼を開始するので静かにしてくださーい!!」
 リンネが一息付かせたあと、周りのガヤガヤ声に負けない声でみんなを静め、全員がリンネの事を見る。完全に静まったことを確認すると咳ばらいをし、
「えー、昨日に引き続き 時空の亀裂 についての報告ですが、シルクさんとウォルタさんの為に改めて説明しますね。時空の亀裂は時空空間の乱れによって生じる 入ったらもう出られない危険な亀裂 です。基本的に霧が発生している場所での目撃証言が多いですが、霧が発生していない場所でも目撃証言が増えています。っで、特徴は空間が歪んで見えたり、ぽっかりと空間に穴が空いたようにその場所がないようです。しばらくすると勝手に消えるだけで影響はないですが、新たな情報で 吸い込み型 が確認されています。こちらは非常に危険で、近づくと吸い込まれ始めるもの、吸い込みと吹き出しを交互にするもの・・・そして一番厄介なのが、なんも拍子も無くいきなり現れながら吸いこんで消えるタイプです。これは事前に気を付ける事が出来ないのと、他の吸い込み型より強力な吸引力だということで、既に何人か吸い込まれたという事件が出回っています。なので、それを踏まえて気を付けて調査をするようにお願いします。 では最後に親方から一言」
「今リンネが話してくれた通り非常に危険ですので、何か変だなっと思ったらそこには近づかない事を約束してください。それと奇跡的に亀裂に吸い込まれずに生還したチームによると 爆発のタネ シャドーボール などの爆発系統の道具や技は、爆発の影響によって亀裂が消滅することが確認されていますので、各自 爆発のタネ は携帯することを忘れないでください。 じゃあ今日も一日頑張りますよっ!!」
 最後の一言でシュエリが右手の拳を上げたのを見て、他のみんなも拳をあげて おー!! っと掛け声。
その後、用意された食事を全て空になってご馳走様を言った後そのまま解散。シルクとウォルタも食堂から出て自室へと戻りながら、
「ふぅ、美味しかった~!! 今日の夜ご飯も楽しみだよ~」
「確かに美味しかったわね。じゃあ食べられるように早くいろいろと調べないと。 今回調べることはさらに深くこの諸島で起きていることを調べることよ。私は時空間の乱れから来てる時空の亀裂を調べるから、それ以外を宜しくよ」
「了解だよ~。くれぐれも近づきすぎて吸い込まれないように注意してよ?」
「そうね・・・最悪そうなったら説明してくれた通り爆発のタネで自分もろとも吹っ飛ばすわ。 それか・・・あまり使いたくないけど、強い風を吹き出す 暴風のタネ でも使うことにするわ」
 暴風のタネ・・・シルクが爆発のタネを実験中によく分からない失敗液体に落ちてたまたま出来上がった代物で、当初の予定は爆発のタネの爆発力上昇だったのは秘密。ともかく利点は爆発した時に風しか起き出さないことで仮に当たったとしてもダメージが無い・・・のだが、やっぱりタネが爆発した破片はダメージがしっかりとあったりし、しかも当たると声にならない程に痛かったりする投げて使うオリジナルアイテムである。
「シルク・・・本当に大丈夫?やっぱり僕も行くよ」
「大丈夫よ、細心の注意を払うわ。だからウォルタ君はウォルタ君で頑張って。 だから・・・」
「・・・だから?」
「だから、どちらが分かりやすく纏められるか勝負よっ!! じゃお先に行くわね!!」
「あっ、シルクずるい!! ・・・紙持った、ペン持った、バック持った、木の実持った、よし。絶対に負けないからね~!!」
 バックの中に必要なものを確認し、全て使えることを確認すると、一足先に行かれたシルクを追いかけるウォルタであった・・・・・・。 
 

 
後書き
 最近遅かったので連続更新です。今回は結構説明が多い回ですが、結構本編にも関連する情報となっております。
 次はもう少しストーリー展開を進めたいですね・・・。 

 

一匹子狐の儚き願い First-story

もう、ここに閉じ込められてから何日経っているのかな・・・ワタシには名前も、記憶も、何者なのかも分からない、覚えていない。気が付いたらこの、コンクリートの壁に鉄製の扉、お日様取り込み用の金網入りガラス、錆び付いているスチール机にほぼ新品のロウソクが何故か二つ、机と同じ状態のスチールベットがあるだけ・・・食事も満足に食べさせてもらえず体力的に、特に精神的にワタシの身体は衰弱しっていた。今、ワタシはベットの上で包まって、手足をギュッと縮こまって力無く横たわってる。特にすることも無く、喜びも、楽しみも、出来ることも、やりたいこともまったく無く。

 ワタシはこのまま死ぬのかな・・・誰にも悲しまれず、自分が何者か知らないまま、知りたいことを知れずに・・・・・・。
 実際ワタシは、毎日二回だけの配給される心細いボソボソで硬いロールパンを、一昨日から一切口にしていない・・・理由は当然ある。今までに言ったことに矛盾することだけど、生きたいと思ってもこのまま変わらならいっそ、衰弱死したら苦しまずに死んで、あるか分からない天国に行った方が楽しい事が待ってるじゃないかなって。アハハ・・・可笑しい、よね・・・生きたいと思っててもこんな気持ちになっちゃうんだから・・・。

 でも、今日はちょっと新しい事に気がついた。だからと言って何か変わるわけでは無いけど・・・。
 気がついたと言うか、何と言うか・・・ワタシがふと、大きなため息を出した時に口から炎が出たことだった。その時は思わずびっくりして直ぐに口を塞いでしまったけど、何回も同じことを繰り返したら出したい時に出す事が出来るようになって、大きさも自由自在に扱える位にもなった。良かった事と言えば、それの練習で時間を潰す事ができた事。それと、手に直接炎が当たっても火傷とかもしないみたいって事も分かった。

 だからって、やっぱりここから出られないのは変わらない事。初めてこの部屋に居て、意識がはっきりし出した時には、ドアにタックルしてみたり、窓を調べてみたりと色々した。けど結果は・・・この通り。

 あっ、もう薄暗くなってきた。いつもはずーっと、時間の流れが遅いのに。相当な時間を潰す事が出来たみたい。それに、日記も書き止め始めてみたから尚更時間を潰せるようになった。
 日記は昨日の夜に机の中から見つけ、書くものも見つけた。でもこの手、《肉球の付いた三本指に姿が狐で、しかも尻尾がなんか多い?》っという狐とはかけ離れた生き物・・・そう、私の個体名はロコンで、ポケモンのロコンで炎タイプ・・・・・・。


Under writing... 

 

一匹子狐の儚き願い Second-story

うんー・・・・・・ふぅ、これで何度目の朝だったっけ。昨日は日記に数日と書いたけど、もう実質何日ここに居たのか全く覚えていない。でも、そこまで長い日にちは入ってないことだけは知ってる。二週間超えた位か、越えないくらいだったはず。それと色々と振り返ってから始めて気がついた、いや、見落としてた件があった。
 なぜ騒音が全くしないのか、逆に騒音を鳴らしても誰もこないのか、あと誰がパンを配給しているのかと・・・。もしかしたらドアを壊して逃げても問題は無いのでは無いかと。
 だから一応ベットのシーツを無理やり引きちぎって持ち、その中にロウソクを折れないようにくるんで入れた。当然鉛筆と日記にしてるノートも持って。
「ふう、これで用意は出来たけど、どうやって脱出しよう・・・まずは・・・"火炎放射"っ!!」
 そう言いながらドアに向かって強烈な炎を口から吐き出した。扉は鉄なので、どんどん扉が真っ赤になって行く・・・。
「くっ!!・・・あともう、ちょっと・・・。あとちょっとで、熱で溶けて脆くなるはずっ・・・!! これで・・・どうだぁぁ!!!!」
 最後の一言で炎の火力を一気に上げ、広がってしまう炎をなるべく細く、一点集中に変更する・・・。ロコンの頬に汗が伝い始め、部屋の温度もどんどん上昇して行き、空気もだんだん薄くなって息苦しくなってくる・・・でもその事を振り払い、今を集中する。ここで辞めたらもう機会が無いっと・・・そんな気がしたから。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・炎が・・・・・・でもこ、ここで・終われない・・・追われないんだからッ!!!!」
 その威勢のあとに尻尾が白く光出して、その尻尾をドアに思いっきり叩きつけた。すると、熱で脆くなっていたところに大きな衝撃でドアがくの字に折れ、畳まれるように倒れた。が、倒れたのを目で見て、なんで倒れたのかが分からないでいた。
「・・・あれ、今ワタシ・・・何を? なんかいきなり力が満ち溢れて来てそれから・・・・・・あれ、もしかしてワタシ・・・本能的に技を出した?アイアンテールを・・・。 うん、今の感じはアイアンテールで間違いない。コレで使える技が火炎放射とアイアンテールの二つになったから、使える技が心細く無くなった。にしても・・・ふぁ」
 ロコンはペタンと床に座り込む。当然、一分間ほど連続で技を出し続けたのだから疲労で座り込むのはしょうがないことである。でもそんな自分にムチを売って立ち上がると、シーツで作った風呂敷もどきを背負うと足早にその部屋を脱出するのであった・・・・・・。


Under writing... 
 

 
後書き
短編その二です。
本編は80%書き上がったので、本当に良いつなぎになったのかなf^_^; 

 

一匹子狐の儚き願い Third-story

何とか私はよく分からない部屋からの脱出が出来た。今手持ちにあるのはロウソクx2とパンがx6と、それを包んでいる布団のシーツで作った風呂敷一枚。使える技が"火炎放射"と"アイアンテール"の二つのみで、私のタイプは炎で弱いのが水・・・だから水を飲まなくても大丈夫だったのかもしれないし、バサボソパンだったのかもしれない・・・いえ、偶然よね、偶然。
 それにしても・・・監禁しといて見回りなしの監視カメラ無し、オマケにボロボロ・・・本当に何かの施設だったのか分からないじゃない。施設じゃなくて、廃墟の答えもあるけど・・・どちらにしよ、ここから抜け出すのが正解。早くしなきゃ。

~~~~☆★☆~~~~

 しばらくして、建物の中をくまなく探した。だが、入り口と思われるものが一つも見つからなかった。いや、あるにはあった。あったが・・・
「なにコレ・・・扉の取っ手に草が巻き付いてる・・・これって、開く・・・かな・・・? うぅーんー・・・・・・!!!!」
 草が絡みついたまま、まずは扉を押してみる。一応少しは動いて外がうっすらと見えたが、光は差し込むほどまでは開かなかった。何度もチャレンジしてみたが、結局変わらず・・・。
「はぁ、はぁ・・・しぶとい、ツタね・・・・・・ん、ツタ?あっ!! すぅー・・・・・・"火炎ッ放射"!!!!」
 少し埃っぽいが、空気をしっかりと身体に取り込んでから思いっきり息を吐き出し、炎を吐き出す。何で最初ツタに気が付かなかったのだろうかと自分をバカにしながら。
 炎は扉の草のツタにピンポイントで当てると、ツタは一気に黒焦げに燃え始める。そして、やはりある程度燃えると"アイアンテール"を扉に叩きつける・・・が、今回は壊れなかった。二度全力でやってもギシッ!!と、ものすごい音をたて、黒焦げたツタが床に落ちただけだった。
「・・・壊れなかった?そ、そんなぁ・・・・・・でも、あれ?・・・もしかして、三度目の正直でまさか、壊れたり・・・? 一か八かで・・・"アイアンテールッ"!!!!」
 硬くした尻尾を、半分タックル交じりに全力で扉に叩きつける。すると最後はバッギシッ!!!!と奇怪音が辺りに大音響で響き渡たり、流石にこの音で誰か来るとヒヤっとしたが、至って変わらずに静まり返っていた。ここまで来ると、本当に誰も居ないのかもしれない・・・。
「・・・ダメ、ね。もう壊れそうなんだけどとっとっと!!?・・・ひゃあっ!!」
 二本足で立って、右手で扉に少し力を加えたら・・・そのままドアが倒れ、それに反応出来なかったロコンはドアと同じく倒れた。ともかく、体を張ったせいで結構身体が痛い結果オーライである。
「あたたた・・・うぅ、思いっきり頭打った・・・クラクラする・・・・・・んっ!!? あ、あなた達何者っ!!?」
「・・・何者って言われても、エルドタウンから来た、探検隊兼救助隊のノーマルランクチームのリスターズ・・・っという説明しかできないわよ? あっ、私の名前はツタージャのメルカで」
「私はピカチュウのエルンです。私たちは救助依頼書を頼りにここまで来たのですが、入り口が全く見当たらなくて悩んでたんです。そんな時に大きな物音がしたのでこちらに回ってきたのです」
「そう・・・確かに入口は中から見つけたのはココだけだったのはそうだったんだけど、助けも呼べる状況じゃ無かったんだけど・・・」
 扉壊して突如現れたのは救助隊とか言う2人組の女の子で、声のトーンから考えると歳は同じくらいか少し若いくらい。それはイイとして・・・
「えっと、私の名前なんだけど・・・覚えてないの、色んな記憶全部。記憶喪失になっちゃったみたいで・・・」
「「記憶喪失!!?」えっ、じゃあ・・・ホノンさんはここに居た理由も分からないなけね?」
「ホ、ホノン?」
「あなたの名前よ。名前が無いと困るでしょ?だからその場で咄嗟に考えたわ」
「ホノン・・・うん、その名前気に入ったっ!!改めて宜しくねメルカにエルン!!」 
 

 
後書き
はい、三話目の更新です。
やっと決まりました、マルチストーリーの主人公でロコンの女の子のホノンちゃんです。

ホノンのキャラプロフィールとチーム リスターズは早めに更新しておきます。
・・・なんだかんだで、本編より更新が早いというマルチストーリーですが(え
もうそろそろ本編も更新されますよー!