クリスマスの帰宅
第一章
クリスマスの帰宅
クリスマスの朝だ、夫と子供達をそれぞれ仕事と学校に送り出してからエイプリル=イタカニューヨーク州在住の黒髪と青い目が印象的な主婦は自分もパートに出ようと思った時に。
自分の携帯が鳴ったので出て連絡先の相手に驚いた声で聞き返した。
「本当ですか!?」
「はい」
その通りという返事だった。
「そうなんです」
「そうですか、じゃあすぐです」
「ここに来て頂けますか」
「そうさせてもらいます」
こう応えてだった。
エイプリルはすぐに出発した、そして。
そちらに行って一旦自分の仕事に向かってそこからまたそちらに戻ってあるものを受け取ってだった。小学校に通っている長男のカーターと長女のジューン、次男のビル三人共父親そっくりでブロンドと青い目の子供達を迎えに行った、そのうえで。
三人にだ、小学校の校門で笑顔で言った。
「クリスマスプレゼントが増えたわ」
「増えた?」
「増えたっていうと?」
「どうしたの?」
「見なさい」
自分の言葉に怪訝な顔になった子供達に後部座席を指差して応えた、すると。
子供達特にカーターがだった。
その後部座席を見て驚きの声をあげた。
「バイバー!?」
「パイパーよね」
「見付かったんだ」
「ええ、今朝連絡が来たの」
行方不明になっていた愛犬のうちの一匹がというのだ。
「生きものの保護シェルターからね」
「そうだったんだ」
「見付かってそうして」
「保護されたんだ」
「そうなの、じゃあ一緒に帰りましょう」
まだ驚きを隠せない子供達に笑顔で言ってだった。
カーターの誕生日プレゼントとして家にやって来たバイパーと共に家に帰った、すると。
「ワン!」
「ワンワン!」
「ワォン!」
白いパグのジェイク、もう一匹黒でやや大きなオリバー二匹共雄の彼等がだった。
玄関まで来て家族を迎えた、そしてバイパーを見てだった。
三匹で再会を祝った、夫のマイケルが家に帰ると子供達にクリスマスプレゼントを贈ったがもうだった。
子供達はもう一つのプレゼントに夢中だった、家に帰って来たバイパーとジェイクそれにオリバーと一緒になって遊んでいた。
その光景を見て妻から話も聞いてだった、ブロンドの髪に青い目できりっとした顔立ちで長身の夫は言った。
「ずっと探してフェイスブックでも情報を求めていたのに」
「それでも見付からなくて」
「心配していたけれど」
それでもというのだ。
第二章
「シェルターに保護されたんだ」
「シェルターにも見付けたら連絡をお願いしていたけれど」
「今日連絡があるなんてね」
「見付かったのは昨日らしいわ」
「そうだったんだ」
「ええ、それでね」
妻は夫にさらに話した。
「子供達にはね」
「バイパーもプレゼントになったね」
「そうね、まさに奇跡よ」
「クリスマスのね」
夫婦でも話した、そしてこの年のクリスマスを心から喜びSNSでもこのことを書いたがその書き込みに対して。
アラバマ州から連絡があり時間があるなら会いたいとウォルマートというスーパーマーケットの店員のジェーン=ラヴンツリーから連絡があったのでエイプリルは時間のある時に実際にニューヨークからアラバマまで子供達と犬達を連れて旅行を兼ねて彼女に会いに行った。連絡があったその家に行くと。
茶色の髪の毛で鳶色の瞳に眼鏡をかけた太った女性が出て来た、そして。
「ワンワン」
「アビーっていうの」
その女性ジェーンは一家を入れてそうしてだった。
黒い垂れ耳のやや大型犬を自分の横に連れて来てそのうえでエイプリルに話した。
「この子は」
「それでその子がなのね」
「三週間ずっと行方知れずで」
そしてというのだ。
「心配していたら」
「貴女が働いているスーパーに来たのね」
「私の勤め先に一度お買いものの時に連れて来たけれど」
それはあったがというのだ。
「そこで勤め先の場所を覚えていて」
「その時に」
「それでクリスマスにね」
その日にというのだ。
「来たの」
「私達がこの子と再会したその日に」
エイプリルはそのバイパーを見ながら応えた。
「再会出来たのね」
「まさにその日にね」
「奇跡はそちらにもあったのね」
「そうみたいね」
「神様の奇跡ね、じゃあもうクリスマスじゃないけれど」
それは過ぎたがというのだ。
「このことをお祝いしましょう」
「そうね、再会を祝福して」
ジューンも応えた。
「一緒にね」
「これからね」
「お祝いしましょう」
こう話してだ、そのうえでだった。
ジューンとエイプリルの一家は家族がクリスマスに戻ったことを乾杯した、この時ジューンの家族も来て一緒に祝った、そこにはそれぞれの犬達もいた。彼等もそうしたのだった。家族とクリスマスに出会えたことを喜んで。
クリスマスの帰宅 完
2021・6・24