Love Death 雨宮 燕と佐倉椿の場合


 

第1話 Love Death

周りからは可愛くて、運動もできて、ピアノも弾けて、絵も上手で...
完璧だ!!! なんて言われたことだってある。
だがちっとも嬉しくなかった。だって私は恋をすることができないから.....
私が恋した人はみんな死んでしまうから......
一人目はトラックに轢かれて 二人目は瓦礫の下敷き
三人目は......... もう、思い出したくもない。
この噂はすぐに広まって.......私は周りからは避けられた。
そう。私は空気だ。周りから構われることのない。ただの空気。
私は呪われた子供なんだ って。
だから私は 青春を 人生を捨てたんです。

市立霧ヶ峰中学校 ここに通う中学二年生の私... 佐倉 椿
まぁ、こんなこと知ったってね..... どうでもいいですね....
教室に着くと 一つだけ隔離された机。 そう。そこが私の席です。
いつも通り席に腰掛け、授業の準備を始める。

「はいはい。静かに...!!」
担任教師の声が響き渡る。何かあったのかな??
「今日はみんなに転校生を紹介します。 」
入ってきたのは男子生徒。
「雨宮 燕です。よろしくお願いします!!!」
高い声ではきはきとしていたのは覚えている。
「じゃあ、席は 佐倉の隣だな....」
クラス中がざわつき始めた。
何も知らない雨宮君は私の席の隣へ移動する。
「佐倉さん?? かな。 よろしくね!!!。あ、燕でいいよ」
私は彼を全力で無視した。中学校に入ってから人と関わる気は全くなかった。
彼は少し不思議そうな顔をしていた。

一時間目の授業。彼はまだ教科書を貰っていないらしく
私に教科書を見せてくれと頼んできたが私は無視した。
隣の男の子が彼に色んなことを吹き込んでくれた。
そう。私は呪われた子供だってことをね。
彼は少し悲しそうな目でこちらを見つめてきた。哀れまれるのは慣れていた.....

なんやかんやで1日が終了し、帰宅部の私はさっさと家に帰る。
といっても、一人暮らしですけどね.....
「佐倉さん!!!!!」
雨宮君だった。私は気にせず歩き続けた。
「あ、あのさ。今日はごめんね... 女子に物を借りるって、な、なんかおかしいよね。
俺、そんなこともわからずに..... ごめんね」
「それだけ?? もういいでしょ。帰ってよ。あと私と話してるとみんなに嫌われるわよ。」
「佐倉さん.... 何かあったの?? 人が死ぬやらどうたらクラスのみんなから聞いたけど....
そ、そんな俺は信じないよ。 付き合った人が死ぬなんて...」
ッ.....
「死んだのよ.....」
「え.....??」
「私の目の前で死んだっていってるのよ!!!!!!!!!! も、もう、あっちいってよ......」
私は自分でも驚くくらい怒鳴っていた..... そして私は後ろを見ずに家へと向かった.....
 

 

第2話 共通点 そしてゴール

 
前書き
彼女に恋した人間は必ずしんでしまう。
彼女の名前は佐倉 椿。
彼女のクラスに転校生、雨宮 燕が現れて..... 

 
学校が始まってもう3ヶ月。
え? 印象に残った出来事?? そんなの空気の私にはないよ。
けど、相変わらず雨宮君は私に話しかけてくる。

今日は音楽のテストです。出席番号順にテストは行われます。
テストは自分で選んだ課題曲を演奏するというなかなかハードなものです。
最初は運悪く私からでした。
私の演奏を雨宮君だけが子供のように聞いていました。
その後、私が触れたピアノには触りたくないという人々が続出。
その日の音楽の授業は丸つぶれになってしまいました。

そして帰り道、
「佐倉さん!!!!!!」
またお前かよ....と心の中で呟き私は振り返る
「あの、佐倉さんの演奏、すごかったよ!!!!!
あとさ俺さ、バイオリン習っててさ俺の演奏聞いてくれないかな??」
ダメっていっても無駄だろうし、私は諦めて彼の演奏を聴くことにした。


私は仰天した。
彼の熟練したハーモニーはまるで私を包み込むかのように優しくて.....
「ダメ!!!!!!!」
私は叫んだ。これ以上聴いたら、これ以上聴いたら、これ以上聴いたら、
彼のことが............
「え?? やっぱり下手だよね。」彼は少し悲しそうに言った。
「もう、もう、これ以上、私に近づかないでよ...」
「わかった。けど、一つだけ、一つだけ僕の昔話を聞いてよ。」
彼は公園の椅子に腰掛けながら話を始めた。
「俺にはさ、小さい弟と妹がいたんだ。 ある日、公園で遊んでたらさ
怖い大人に俺たちはさらわれちゃったんだ....
そしたらそこに中学生の兄貴がやってきてさ、こういったんだ。」
「 このバイオリンと、俺のもってる全額、これで、これで見逃してください...
お願いします!!!!!!」
「そのバイオリンはさ兄貴が大事にしてたバイオリンだったんだ。
結局兄貴も、弟も、妹も死んじゃってさ..... 俺だけが生き残ったんだ....
どうしようもないクズだろ?? 兄弟置いて一人だけ逃げるなんて....
でさ、このバイオリン弾くと兄貴のことを思い出すんだ....
学校ではヘラヘラ笑ってるくせに内面はこんな弱い男なんだぜ....
情けないだろ.....
佐倉さんはみんなの為にみんなと関わるのを避けてる。
なのに俺は自分のために逃げたんだよ.....」
違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。
「燕はクズなんかじゃない!!!!!!!」
思わず叫んでしまった。
「フフッ ありがと... やっと下の名前で呼んでくれたね..... 椿..」
「椿。好きだ。 君の全てをぼくは受け入れられる。
君の全てを僕は受け止められる。だがら.....!!!!!」
(そんなこと言われたら....私..... 私.....)
「す、 き。」
「え??」
「わ、私も す、好き!!!!!!!!」
恋をしちゃいけないのに、私は、彼に、燕に恋をした....
今まで背負ってきた重荷がいっきに軽くなったような気がした。


だけど.....
「ブーーーーーーーーー」
なにかの音が聞こえた.... この音は... 車だ!!!!!!
え?? まさか.... このままじゃ.... 燕が...... 死んじゃう!!!!!!!!
「燕ーーーーーーーーーー」私は急いで燕の元へ走り出した。
燕はニコッと微笑んで私を遠くに突き飛ばした。
私を庇ったのだ。 私なんかのために......
そして私が目にしたのは血まみれの燕
「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「この状況だと いつ命を落とすか......」
私は医者から絶望的な言葉をきいた。
私はまた..... 人を....
私は燕のいる部屋へと向かった.....
二時間、三時間、四時間と彼は目を覚まさなかった...
私なんかいても.... 私は病院から出ようとした。

「待って.....」
「?!」
燕の声だった。
「俺はまだ生きてる..... 君が好きになった人はここに生きてる。
君は呪われた子供なんかじゃない。 ただの... 僕の彼女だ!!!!!」
私は泣くことしかできなかった。
「 それとも、僕が生きてるのは君が僕を好きじゃなかったってことなのかい??」
「 そんなわけ、グスン ないじゃない。私は、私は、
燕のことが..... 大好きだもん!!!!!!!!!」
「よかった.....」
「どうして?? どうして私のために....」
「フフッ.. 彼氏が....彼女の為に... 命を張るのは... 当然のことだろ...」
「燕ーーーーーーー。」
私は気づくと燕に抱きついていた。
「椿。ちょっと.... 痛いかな....」
「バカ......... 空気読みなよ......」
そういって私は燕に..... キスをした。
「 椿。今日だけは、今日だけはもう少しだけ、一緒にいたい...」
そういっておきながら燕は眠ってしまいました.....

数ヶ月後
燕は退院し、私と燕は毎日行動を共にするようになりました。
すぐ、変わるのは大変だけど、
少しずつなら変われるよね。

彼と一緒なら......♡

 

 

第3話 日常系とフラグ

 
前書き
雨宮燕は佐倉椿と付き合っている。
これはそんな二人の物語。 

 
「君は呪われた子供なんかじゃない!!! ただの ただの 俺の彼女だ!!!」
彼、燕が私に言ってくれたこの一言を昨日のように覚えている。
彼は自分の命をかけて私が人だってことを教えてくれた。
私を燕の彼女にしてくれた....
燕の怪我はとても酷かったけど三ヶ月と経たないうちに完治した。
そして今は、私と一緒に登校しています。
彼と一緒の時間はとても楽しくて....♡
特に印象に残ったことは?? うーん。 そうだなぁ〜...

回想
「ピンポーン」
いつも通り燕は私の家まで迎えに来てくれます。
そしてドアから出てきたまだ寝癖のある私。
そして二人で登校する。
教室に入り私たちは席に着く。まぁ、隣の席なんだけどね...
私はいつも笑顔の彼の姿を一番近くで見ることができて....
だけどその日は図書室で調べ物があって.....
彼と一緒に変えることができない日でした
調べ物が終わり、外へ出ると雨が降っていました。
土砂降りです。私は幸い傘を持ってきていました。
あれ?? 横には雨宿りをする燕。
「燕!!!! はい、傘」
「椿?! 傘二つ持ってたの?!」
違うーーーーーー。なんでこんなに天然なの?!
「違、違くて、その二人で...帰ろ??」
彼は少し驚いた顔をしていたがすぐに満面の笑顔で
「うん!!!! 帰ろ!!」って言ってくれた。

だ、け、と!!! 狭い!!!!!!!!!!
肩と肩は密着し、会話も凍結。沈黙が続いた。
その時だった。
「ほら。肩濡れてんぞ。もっと寄れよ。」
そんな妙に大人っぽくて、頼もしい声に私の顔は赤面し
何も返答できませんでした。
「何照れてんだよ〜。可愛いとこあるな〜。」
「意地悪.....」
「ははっ、ゴメンゴメン、あっ、もう椿ん家だな。じゃっ、またな!!」
「送ってく。」
「ん??」
「燕の家まで、送ってく!!!」
「椿.... ありがとな♪♪」
そして私は燕を家まで送った後、自分の家に帰りました。

回想(花火大会にて......)
今日は霧ヶ峰祭りというこの街での大規模なお祭り
というのも、昨日メールで燕からお祭りにいかないか??
って誘われたんです。もちろんオッケーしましたけどね...
そして待ち合わせ場所へ行くと浴衣姿の燕。
かっこいい.....と私は思ってしまいました。
「じゃっ、行こっか。はい、手。」
差し伸べられた手を握りしめ私たちはお祭りを楽しみました。
金魚すくいで金魚を一匹もすくえずに悔しがる彼。
その姿はとても可愛くて......
他にも色んな彼を見ることができたように思います。
そんな彼と一緒に入れたらな....って思っちゃいます。

だけど私はまだ、彼の異変に気づいてはいませんでした。

.
 
 

 
後書き
いや〜。青春ですね。
中学生といえば青春です。
ですがそれを捨ててしまっていた椿の悲しみは凄まじいものでしょう
ですからこの日常系のお話を儲けさせていただきました。
いかがだったでしょうか??
感想を書いていただけると嬉しいです。 

 

第4話 異変

 
前書き
佐倉椿の彼氏。雨宮燕。
だが、燕には大きな秘密があって..... 

 
「ゲホッゲホッゲホッゲホッゲホッゲホッ うぐッ....」
まただ、謎の痛みが俺を襲う。椿と付き合い始めてもう2ヶ月
このことは絶対に椿に知られちゃダメだ。
「ゲホッゲホッゲホッゲホッ 」
俺は大量の血を吐いた。

そして二週間もしないうちに俺の容体は急変した。
今日は学校を休まざるを得なくなってしまったのだ。
椿にはメールで伝えておいた。
だが1日会えないのがこんなにも辛いなんて。

(椿視点)
燕からのメールが届く。
ぇぇ?! 今日は学校こないの?!
1日彼氏に会えないだけでこんなにも辛いなんて。
お大事に っとだけメールを返信し、
学校へ登校した。だが私は登校の途中に病院へと足を運ぶ燕の姿を目にした。
よーし。後ろから驚かせてやろ〜、っと思い私は燕の後をついていくことにした。
そんなことのために私は学校を欠席しました。
妙に人目を気にする燕に違和感を覚えながらも私は病院まで彼を尾行した。
熱でもあるのかな?? すごい辛そうだけど....
尾行を続ける間に病院に到着した。
「雨宮さん〜??」 燕が診察室へと入っていった。
燕が帰ってきた。
「燕!!!!」と私が呼んでも
燕は私に気づくことなく家へと戻っていった。なにかおかしい....
「君?? 少しいいかね??」 病院の先生に呼び出され私は診察室へと入った。
「君を呼んだのは他でもない。彼の。燕君についてのことなんだ...」
何かとてつもなく嫌な予感がした。それが私の胸を締め付ける。
「燕君は、あと、長くて一年、そして最短であと一週間しか生きられない...」
「え..........??」
何を言っているのかわからなかった。
「そんな?! いつも私の前では笑顔で、元気なのに...どうして?!」
「君の前でだけは絶対にこのことを知られたくなかったんだろう..」
「そんな、そんな、そんな..... 私、どうすれば....」
再び訪れた絶望。それに私はもがくことしかできない。
「彼の寿命を伸ばしてあげたいかい??」
「はい!!!! 私にできることならなんでも!!!!.」
「非常に言葉が悪くなってしまうんだが....彼とは別れてはくれないか??」
「え.......??」
そのあとのことは全く覚えていない。いや、思い出したくないだけなのかもしれない。
ただ私のせいで彼は.......私のせいで彼はもうすぐ死んでしまう....
私は泣きながら家へと戻った。
やっぱり私は呪われた子供だったんだ....
こんな私が.... 呪われている私が... 人を好きになるのが間違ってたんだ...
今の私にできること.... それは.....
私は彼に 最後のメールを送り、
ナイフを自分の心臓に突き立てた。
さよなら....
だが、彼との楽しい思い出が頭の中を駆け巡る。
「ダメッ ダメッ 私は...私は...ここで死ななきゃいけないの!!」
そして私は.....


 
 

 
後書き
急展開ですね。
今は言えませんが次に期待していてください。
感想を書いていただけると嬉しいです 

 

第5話 天国

 
前書き
燕の秘密を知ってしまった、椿。
彼女がとった行動とは?! 

 
急げ....動け....俺の体....!!!!!
彼女からの最後のメール。どうやらばれちゃったみたいだな...
彼女は絶対に死なせはしない。
俺は土砂降りの中、傘もささずに彼女の家へと走り出した。

(椿視点)
「さようなら。燕。いままでありがとう。大好きだったよ... 幸せに生きて...」
そして私は一気にナイフを心臓に突きつけ...'
「椿ぃぃぃいいいいいい!!!!!!!!!!」
燕だった。どうして、どうして来ちゃったの....
「お前、何してんだよ...何考えてんだよ!!!!」
「だって、だって、だって!!!!!!!! このままじゃ燕が死んじゃうって...
私と一緒にいると死んじゃうって... だがら私は...!!!!!!」
「自分を粗末にするんじゃねぇ!!!!!! 」
「じゃあ私はどうすればいいの?! 私は燕が死んじゃうなんて......
そんなの嫌だよ!!!!!」
「なぁ、椿。パラレルワールドって知ってるか??
簡単に言えばもしもの世界さ。俺が死んでもまた俺たちは出会える」
「出会えないよ.... 出会えないよ!!!!!!!」
「俺さ。もしもの世界ではさ野球やってるんだ。
ある日友達と野球してたら椿の家のガラスをパリーンって割っちゃうんだ
ドアを開けてたら案の定、椿がいてさ、俺は一目惚れをする。
ほらな、出会えたろ??」
(そんなこと言うなんて本当にもう燕は.......)
「最後に、最後に燕のバイオリン、聴かせて....」
「うん、いいよ....」
燕は最後 という言葉を否定しなかった。 本当にこれが最後なのかもしれない。
燕の奏でるバイオリンのハーモニーは私の心を包み込み、私の涙を誘った。
そして私はすぐさま燕に抱きついた。
「愛してる 愛してる。燕。私は燕のことを....」
「わかってる..... けど、もう.... ダメみたいだ....」
「燕だけ、死なせはしないよ.....
一人きりっていうのは悲しいよ。寂しいよ。だから一緒にいてあげる....
私なんかで悪いけどさ...」
「バカ...... 君じゃなきゃダメなんだ....」
「燕。もう一つの世界で私には親がいて、兄妹もいて....
もう一つの世界ならきっと幸せになれるよね.....??」
「当たり前だよ。もしも、君がその世界で目が見えなくても
顔が違っていても、君と付き合って死んでしまうとしても
俺は君を必ず見つけ出す。そして君と付き合ってやるよ。
椿と 結婚してやるよ....」
「ありがと..... じゃあ、行こっか....」
「あぁ....」
二人はキスを交わし そして




天国へと旅立った。
 
 

 
後書き
現実は冷たいものです。
どこかに幸せな人がいればどこかに不幸な人がいます。
そんな思いを私なりにまとめた作品です。
親のいない燕と椿の葛藤。
周りから見た自分の劣等感。
などなど、彼らの悲しみは計り知れません。
この二人がパラレルワールドで再び巡り会えることを願っています。

感想を書いていただけると嬉しいです。 

 

第6話 二人

ここはとある世界。そこに一組のカップルの仲睦まじい姿。

その2人の名は


雨宮燕と佐倉椿。 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか??

Love Death 第二作品目終了いたしました。

書いて欲しい題材等ありましたら感想欄にてお知らせてください

読んでくださった読者の皆さん誠にありがとうございました。

では、またどこかでお会いしましょう