NARUTO うずまき兄妹伝~天の書~


 

設定

 
前書き
主要キャラの設定 

 

うずまきボルト

ナルトとヒナタの息子で今作の主人公。両親については死んでいるということぐらいしか知らない。成績は優秀でヒナタの遺伝で白眼を使える。体術も得意でありその実力はリーのお墨付き。

うずまきヒマワリ

ボルトの妹でもう一人の主人公。何故か時折お腹に手を当て『クー』と独り言をしゃべっている。成績は優秀だが歴史が苦手(本人曰く過去は振り返らないかららしい)。兄とは違い白眼は使えない。体術はボルトに劣るものの剣術は大得意でありヒアシですら敵わない。極度のブラコンであり将来の夢を『お兄ちゃんのお嫁さんになる』と常に言い続けている。

日向ヒアシ

日向家の元当主。ナルトとヒナタの死をきっかけに自分は孫であるボルトとヒマワリの世話をしており二人を可愛がっている。その可愛がり方は異常でありハナビ曰く自分に対してここまで愛情を注いでもらったことがないらしい

日向ハナビ

日向家の現当主。ヒアシの引退後当主となったがまだ経験が少ないため他の者に協力してもらっている。ボルトとヒマワリを自分の子供のように可愛がっており昔二人を賭けてヒアシと勝負したことがある。

うちはサスケ

ナルトの親友。ナルトが死んでからは仇を討とうと殺した犯人について調べている。里に戻ってきたときは基本的にサクラに家に居候している。

うずまきナルト

ボルトとヒマワリの父親。十二年前の襲撃事件において死亡している。本来は七代目火影に就任する予定だったが就任前に死亡している。そののちに多くの人からの署名が届き彼の死後半年後に七代目に就任している。

うずまきヒナタ

ボルトとヒマワリの母親。ナルトと同じく十二年前に死亡している。かつては日向家の落ちこぼれだったが彼女の死後多くの日向の者から本当に落ちこぼれだったのか?という疑問が上がり未だ解決していない。

九喇嘛

ナルトに封印されていた尾獣。ナルトの死後行方不明になっている。

???

ある日ボルトとヒマワリの前に現れた人物。自らのことを死に遅れた亡霊と名乗っている。 

 

No.1過去へ

とある場所。ここに二人の男がいた。回りに光はなく月だけが二人を照らしている。
「分かったな?」
「何故お前がこんなことをする?」
一人の男がもう一人に問いかける。
「俺にも俺の道理があるお前には関係ないことだ後は頼むぞ・・・サスケ」

人通りの多い町を二人の子供が走って行く。二人は大きな屋敷に入ると軒先でお茶を飲んでいる男のもとにいく。
「じいちゃーん」
「ただいまー」
「おかえり、ボルト、ヒマワリ」
じいちゃんと呼ばれた男ーー日向ヒアシは先程帰ってきたばかりのボルトとヒマワリをみて顔に笑顔を浮かべる。
「ジィジ今日アカデミーの試合でお兄ちゃんに勝ったんだよ」
「試合?また剣術の授業か?」
「違うってばさ!!もうすぐ卒業だから実戦を想定して何でもアリってルールでやったんだってばさ!!」
ヒマワリの剣術とボルトの柔拳はほぼ互角の実力であるため互いに得意なもので勝負した今回の試合はどっちが勝つかはやってみるまで分からない。
「でもお兄ちゃん卑怯だよ何でもアリって言っても流石に回天は無しだよ」
「そう言うお前も影分身使ってたじゃないかそれにチャクラ流しも」
ボルトとヒマワリはまだ12才ではあるが両親の遺伝のせいかこの年にしていくつかのアカデミーでは教わらない術を使える。ハナビの修行を真似てボルトが一発で回天を成功させ教えてもいないのにヒマワリが影分身を使えるようになっているのを見て少しばかり驚いたのは記憶に新しい。
「そーいや俺達の親ってどんな人なんだ?」
「貴様らにはまだ早い!!」
ヒアシを含め日向の皆はボルトとヒマワリの両親の事を教えてくれない。今回みたいに上機嫌な時に聞いても直ぐに怒鳴られる。一度両親の友達に話を聞いたけどやはり教えてくれなかった。しかし二人とも両親の事は1つだけ知っていることがある。それは既に死亡していると言うことだ。

「結局ダメだったな」
次の日ボルトとヒマワリは帰り道どうするか悩んでいた。両親に繋がるの手掛かりは日向家の人間であることとうずまき性であること。この二つを調べると何故か毎回七代目火影に行着く。そのたびに流石にこの人は違うと調べ直して既に四年がたつ。
「ここも変わったんだな・・・」
町中を歩いていると一人の怪しい男がいた。鎧を身に付けた、その男は町を見渡しながら何かを懐かしんでいる。怪しいのは鎧を身に付けているということだ。今は結構平和な世の中であるため町中で鎧を身に付けることなどまずあり得ない。それどころか明らかにめだっているのに誰も気にしていない。二人が怪しいと感じ目を合わさないようにしているとその男は二人に近づいてきた。
「少年よ・・」
「ヒマワリ!!」
「逃げよう!!」
怪しい人がいたらまず逃げるようにアカデミーで教えられているため一目散に逃げる二人。二人は必死に走りあえて遠回りをし近くの公園に逃げ込んだ。そろそろ皆帰る時間のため公園には二人しかいない。
「俺を舐めるな!!」
さっきまいたはずの男がすぐ後ろにいた。
「少年よ俺はただお前たちと話がしたいだけだ」
「俺達はお前なんかと話すこと何でないってばさ!!」
「なら少年よもしお前達の両親の事といったら聞くのか?」
目の前にいる男の言葉に二人は耳を疑う。今この男はずっと調べていた。両親の事を教えてくれる、と言っている。
「おじちゃん名前は?」
「あえてなのるなら死に遅れた亡霊と名乗っておこう。」
そう言うと男は二人の両親について語り始める。
「お前たちの父の名はうずまきナルト・・・今の七代目火影だ。母はうずまきヒナタだ」
二人とも名前は聞いている。忍界の英雄でいくつもの昔話や伝説に名前が載っている。
「その二人って・・・昔話の・・・」
「知っているか・・・なら話は早い『十尾と英雄の子』という昔話を知っているか?」
もちろん知っている。ボルトとヒマワリが好きな昔話だ。内容は、昔喧嘩ばかりしていた五つの里が大きな厄災十尾に皆で協力して立ち向かうというものだ。ナルトはその中でピンチに陥ったみんなを導いて十尾を封印したと描かれている。実はこの物語は実在した出来事でありしかも十数年前の出来事であることをボルトは知っていた。だからこそこの男は何が言いたいのかが分からなかった。
「・・・その物語がどうしたんだってばさ?」
「かつて六道仙人はいつ、どうやって死ぬか、それは生まれた時から決まっていてその部分だけを運命だと説いた。その運命は決して変えられない。しかし時間が経つにつれて運命は人の一生で頑張れば変えられると変わってきた。変えられぬ運命・・お前たちの両親はその運命をねじ曲げられ殺された」
ボルトはともかくヒマワリは頭がついて行ってないようだ。
「両親は死ぬはずのない時間で死んだ・・その二人を助けたいならサスケの元を尋ねろ」
そう告げると男はその場から音もなく消えた。

「・・・そうか」
ボルトとヒマワリは話の後サスケのもとに行き謎の男から告げられたことを伝える。最後まで聞いた後サスケは懐から巻物を取り出すとその場に広げた。
「これには俺が十二年探し続けたとある術が書かれている」
「術?」
「時空・反転の法・・簡単に言えばタイムスリップだ。この術を使えば過去に行きナルトとヒナタを助けられる。今いる未来をちゃんとした未来に書き換えることでな」
今いる未来をちゃんとした未来に書き換える・・つまり歴史を変え二人が生きているーー恐らくサスケや謎の男からしたらそれこそが正史なのだろうーー未来を作る事が両親を助けることだろう。なら話は早い過去に行ってちゃんとした歴史に書き換える。
「二人共覚悟は決まったようだな・・二日後に過去に出発するぞそれまでにこれを読んでおけこれには俺やナルトが何をしたかが書かれているちゃんと予習してから来いよ」
それから出発までの間二人はその内容を頭に叩き込んだ。

そして迎えた出発の日。二人はみんなに黙って過去に出発することにし夜明け前に家を出ようとした。
「どこに行くの?」
突然声をかけられ後ろを振り向くとそこにはハナビがいた。ハナビは二人を見ると二人が使用としていることを察したのか少し微笑んだ。
「二人共ちょっときて」
そう言ってハナビは二人をつれて自分の部屋にいく。ボルトとヒマワリはハナビの部屋に入ったことがないためハナビの部屋を見るのは始めてだ。色んなぬいぐるみなどがあるなかハナビは机の上にある箱を持ってきて二人に渡した。なかには赤い布切れと形の変形した指輪が入っていた。
「これはあなた達の両親の形見よ・・二人とも気を付けてね忘れないでよ私達のこと!!」
ハナビから形見を受け取った二人は約束の場所に向かう。もうこの世界の皆には会えない。でも自分達にはしなければならないことがある。二人は流れる涙をふきながらサスケのもとに向かった。

「さていくか・・」
ボルトとヒマワリとサスケは準備をし印を結ぶ。その瞬間回りを光が包み。光が晴れるとそこにはさきっきまで三人がいた形跡は跡形もなく消えていた。
サスケが目を覚ますとアカデミーにいた。かつてこの時代にいた自分はその自分の意識を上書きしてタイムスリップしている。回りを見るとボルトとヒマワリの姿もある。どうやら成功したみたいだ。しかし安心はできない。自分達がここに来たことで何かしらの変化が起きる可能性がある。回りを見て面子に変化が無いことを確認する。どうやら今は授業中のようだ。内容は地球最後の日に誰と一緒にいたいか名前を書くと言うものだ。横を見るとナルトが名前を書くのに悩んでいるのが目に入った。しばらく観察しているとナルトは誰かの名前をその紙にかきはじめた。 

 

No.2ねじれた過去

とある洞窟の中。
「ねぇ大丈夫?」
「クソ・・・あのガキども!!必ずブッ殺してやる!!」
二人の男がいた。一人は全身を包帯で巻いており、もう一人は何かトゲのようなもので体を覆っている。包帯を巻いた男はずっとある人物への恨みごとを言い続けている。
「ソンナニニクイナラコロシタラドウダ」
「あいつらのせいでチャクラがまだ回復し終わっていないせめて後二年はかかる」

サスケ達が過去に来て数ヶ月。この日は自分たち下忍の説明会だ。とりあえず何かしらの協力を求めこの時代で信用できる三代目火影に事情を話し(一応信じてくれた)、いろいろと探っていた。その結果この時代ではいくつか違うことがあった。まず日向家はナルトにたして温厚に接している。さすがにネジとナルトはあったことがないらしい。そしてものすごく大きなことが変わってしまっている。この時代のナルトはサクラではなくヒナタのことが好きなのだ。さらに何故かナルトの父親が生きている。詳しくはわからないが生きているのは父だけであり母は死亡している。もちろん四代目火影ではあるが九尾事件の影響で忍としてやっていくことはできず火影の座も降りている。
「これより皆は三人一組で担当上忍のもと任務にあたってもらうこれからそれぞれの班を発表するが今回、人数の関係により四人一組の班が二つある」
イルカは総説明するとそれぞれの班の紹介をはじめる。
「では次うずまきナルト、うちはサスケ、うずまきボルト、日向ヒナタ」
イルカの言葉にサスケは絶句した。確かかつてのサスケの班はナルト、サスケ、サクラのはず。そこにボルトが加わってもなにも問題はない。しかし告げられたのはサクラではなくヒナタの名前。サスケにとってこの班は大切な思い出がある。自分が里抜けしてからは自分を探し続けさらにかつての忍界大戦においてもかぐやを封印するきっかけとなった仲間たちだ。一応アカデミーではサスケ、サクラ、ナルトでよくつるんでイタズラトリオと呼ばれてはいるがそれでもこれだけは納得いかなかった。
「おい何でこの班わけになる?ヒナタとボルトは同じ白眼使いだ班のバランスが崩れるぞ」
未来では崩れているというツッコミはしないでおこう。
「この班分けは学校の成績に合わせている誰がどんな術を使おうと関係ない」
そう告げるイルカだが内心では・・
(ナルトとヒナタを同じ班にしないと後が怖いからな)
と思っていた。実は日向家ではヒナタとナルトの仲を一族を上げて応援している。そのため下手をすれば半殺しにあう可能性がある。あげくのはてにナルトの父親は四代目火影でもちろんナルトの恋の相手も知っている。だからこそ成績に関係なくこの二人を同じ班にする必要がある。
「分かったな?では次油目シノ、犬塚キバ、春野サクラ、うずまきヒマワリ」
どうやらヒマワリは別の班のようだ。

それぞれの班の紹介が終わりそれぞれの担当上忍がきたがやはりというべきかサスケ達の班はまだきていない。そして昔のようにナルトは黒板消しをドアに挟む。
「ナルトそれよりもっと面白いイタズラがある」

アカデミーの廊下をカカシが歩いていた。かつての親友オビトの墓参りをしていたら予定の時間を二時間ほどオーバーしていた。
「いやーごめんね遅くなって」
ドアを開けて直ぐに謝罪するカカシだが教室には誰もいない。
(遅いから帰った……って訳じゃないなこれ)
「おい隠れてるんだろだったら出てこい」
話を聞くとイタズラトリオの二人がこの班にいる。だからこそこんなイタズラをすると予想はついた。
「・・あれ?」
しばらく待つが誰も出てこない。仕方なく教室を探すカカシ。やはりどこにもいない。
(本当に帰っちゃった?)
仕方なく教室を出て三代目に相談しようとしたカカシ、外に出た瞬間あるものが目に入った。教室の札が302になっていた。
(……やられた)
集合する教室は301、今いるのは302。つまりカカシが来たとき既に教室の札を入れ換えていたのだ。そしてカカシが入ったあと札をもとに戻した。どうりで教室にいないわけだ。直ぐに隣の教室に行くとやはりナルトたちはいた。

「じゃあ一人づつ紹介してもらおうか」
カカシを含めた五人はアカデミーの屋上に移動し自己紹介を始めていた。
「俺はうずまきナルト、趣味は植物を育てること好きなものはラーメンと・・・な、何でもないってばよ!!将来の夢は火影を越す!!」
途中で誤魔化したのはヒナタのことが好きだといいかけたのだろう。
「うちはサスケ、趣味は色々あるが特にない好きなものも嫌いなものもだ。夢は俺の大切な存在を守ること」
サスケの夢が兄にたいしての復讐でないことに内心驚くカカシだが直ぐに次の自己紹介が始まる。
「私は・・日向ヒナタです・・趣味は押し花で好きなものはシナモンロールで嫌いの物はカニです」
実はカカシにはミナトとヒアシから二人の恋が上手くいくように応援するように言われている(ミナトに関しては職権乱用)。
「俺はうずまきボルト好きなものは母ちゃんと父ちゃんとヒマワリ嫌いなものは納豆趣味は読書」
ボルトとヒマワリ・・・この二人はカカシは愚かイルカでさえ正体がわからない。二人は兄妹、両親は既に他界しておりナルトとヒナタに面影を感じて父と母と呼んでいる。またボルトは日向ではないのに白眼を開眼している。二人の正体を探るのもカカシにとっては一つの目的だ。
「さて任務を受ける前にお前たちにはやってもらうことがある」
「失格率66%以上の演習だろ?カカシ」
「サスケの言うとうりだ明日忍具一式を持って第三演習場に集合だ朝飯抜いてこいよでないと履くぞ」 
 

 
後書き
せっかくだからちょっとしたアンケート。
原作で死亡したキャラで生き残ってほしいキャラ、またこんなif展開が見たいというリクエストがあれば教えてください。頂いたリクエストはできるだけ叶えますのでよろしくお願いします 

 

No.3演習

説明会の次の日
第三演習場にカカシの姿があった。集合時間は既に1時間過ぎているがサスケ達はまだ来ない。
「カカシ今日は早かったんだな」
しばらく待つとサスケ達がやってきた。どうやらどうせ遅刻すると考えてあえて遅れてきたのだろう。集合五分前に来ていたカカシはもう遅刻するのをやめようと誓うのだあった。
「さて十二時セット完了これからお前たちにはこの鈴を俺から奪ってもらう」
そう言ってカカシは鈴を3つ取り出し腰につける。どうやらここは変わってないらしく試験の説明も全く同じだ。そして合図があり演習がスタート、それと同時に全員隠れる。

演習開始から約十分それぞれが気配を隠して隠れている。
「いざ純情に勝負!!勝負!!」
しかしナルトだけが気配を隠さずに突っ立っていた。
「あのさお前ちょっとズレてない」
「んなわけねぇってばよ!!」
そう言うとナルトはカカシに殴りかかる。しかしそれをカカシは簡単にかわす。
「火遁・豪火球の術!!」
今度はサスケが豪火球でナルトごとカカシを焼き払う。なんとかかわしたカカシ、しかしその目の前にボルトが迫る。なんとか受け流し体制を整えると再びナルトが殴りかかってくる。さっき焼き払ったのは影分身のようだ。殴りかかってきたナルトの攻撃をかわすと今度はヒナタが死角から攻撃してくる。それもかわすが今度はサスケが殴りかかってくる。
(キリがない・・)
かわし、受け流すその度に四人はカカシに殴りかかってくる。四人の完璧な連携にカカシは本を読む暇もなかった。攻撃の要はボルトとナルトでそれをヒナタとサスケが援護する。カカシがこの試験で教えようとしていたチームワークをこの四人は完璧に理解している。本来ならこの時点で合格にするべきなのだが今まで全くこの試験を理解しなかった者達に退屈していたカカシはものすごく暑くなっていた。攻撃の中カカシは額当てをずらし左目の写輪眼を出す。それを使い四人の攻撃を先読みしかわし続ける。ナルトの攻撃をかわしたカカシはその足を掴み攻撃をしようとしていたヒナタにぶつける。その瞬間に事件は起こった。ぶつかった際にナルトとヒナタの唇が触れ合う・・つまりキスしてしまったのだ。一瞬で顔をゆでダコにし気絶するヒナタ。一方のナルトはものすごく混乱しておりどうしたらいいか分からないでいた。その後目を覚ましたヒナタたちはカカシから合格を言い渡され第七班として活動を始めるのだった。


遡ること数時間前第八演習場
ここではヒマワリ達が演習をしていた。試験の内容は四人でバトルロイヤルをし下忍にふさわしいかわ見極めるというものだ。戦闘開始から約一時間が経過しまずサクラがほかの皆についていけず脱落それから三十分後にシノがスタミナ切れで脱落し残るはヒマワリとキバだけだ。
「通牙!!」
キバがヒマワリに回転しながら突っ込んでくるがそれをヒマワリはかわし剣をかまえる。この剣は木ノ葉の近くに偶然落ちていて結構しっくりきたのでそのままヒマワリが使っている。目立った装飾はないがヒマワリのチャクラを吸収し剣を強化している。どうやらチャクラ流しを強大化する能力のようだ。炎を纏ったその剣と戻ってきたキバの通牙がぶつかり合い互いに弾き飛ばされる。
(演習開始から三時間・・・サクラは優秀だけど相手が悪すぎたこれからの努力次第でさらに伸びるわね。シノは聞いた通りスタミナが少ないわねそれを秘伝忍術が補っているスタミナしだいでは化けるわね。キバはスタミナがあるけどそれにものを言わせた戦い方・・もう少し頭を使わないとね。この三人はいいけど問題はこの子よ・・・この子が持つのは霧隠れの刀・・能力的にはヒラメカレイかしら・・でもヒラメカレイはこんなに細くないそれにこの子のスタミナは異常ね今まで戦って全く疲れた様子はないわ)
この戦いを見て紅は四人に合格を出し第八班が発足。今年は11名の下忍が誕生した。 
 

 
後書き

下忍として任務を続けるサスケ達、そんな中ナルトが駄々をこねCランク任務に行くことになる。内容は橋大工のタズナを波の国まで護衛すること。サスケの記憶どうりに再不斬達と接触するもそこに謎の男があらわれる。果たして彼の正体とは!!次回より波の国編スタート 

 

No.4Cランクへの挑戦!!ミナトの隠し部屋を探れ!!

 
前書き
今回から波の国編です 

 
第七班発足から二週間。この日もナルトたちは任務を受けに来ていたのだが・・・
「そろそろ俺らにももっといい任務くれってばよ!!」
Dランク任務ばかりにナルトが文句を言っていた。
「俺もナルトの意見に賛成だ」
この時期はサスケにとって大きなことがある。それが波の国での戦いだ。そのためにはまずタズナの護衛任務を受ける必要がある。そのためには今のDランクではなくCランクの任務を受ける必要がある。
「サスケさんや父ちゃんの言うとおりもう少しいい任務受けさせてくれってばさ!!」
「あの・・・私からもお願いします!!」
ボルトとヒナタも三代目に懇願する。三代目はため息を着くと
「そこまで言うならお前たちにCランク任務を与えようただしわしにその自信のだけの力を見せろ」

「アレ?ナルト・・今日は任務じゃなかったの?」
三代目から言い渡されたのはミナトが木ノ葉に隠してある秘伝・皆の書を探しだすこと。そのためにまずナルトは家に帰りミナトから何か情報を聞き出そうとしていた。ミナトはかつての九尾襲来事件において里を守るため封印術を使い九尾の半分をナルトに封印し残りの半分を自分に封印し道連れにしようとした。しかし気がつけば残りの半分は行方不明、ミナトも封印の影響かチャクラをうまく練る事ができなくなりまた車椅子での生活を送ることになってしまった。
「今日は休みだってばよそうそうカカシ先生が父ちゃんの持ってる秘伝・皆の書がみたいって言ってたってばよ」
自然な形でミナトに聞くナルト。
「あの巻物を?いいよそのついでで頼みたいんだけど頼めるかな?」

第三演習場にある慰霊碑、そこにある『うずまきクシナ』の名前にミナトの血族のチャクラを流すと奥にミナトの隠し部屋が存在する。それがミナトから教えられた場所だ。ナルトたち第七班は隠し部屋に向かていた。ミナトに頼まれたのはその隠し部屋に存在する書物すべてを処分することだ。この部屋にはミナトが集めた禁術や強力な術について書かれた巻物がある。
「凄いな・・これ全部禁術クラスの術だ・・」
「ミナトさんてスゲーってばさ」
第七班全員がその巻物に驚いていた。
「凄い・・・八卦ノ奥義についての書物もある」
「八卦ノ奥義?なんだってばさそれ?」
「日向家に伝わる特別な奥義で全部で十個あるの・・・一の奥義絶対防御『回天』、二の奥義柔拳を足に込める『柔足』、三の奥義六十四の点穴を付きチャクラを止める『六十四掌』、四の奥義一と三を組み合わせし奥義『守護八卦六十四掌』、五の奥義両手に獅子をまとう『柔歩双獅拳』、六の奥義五と三を組み合わせし奥義『柔歩・六十四掌』、七の奥義手に収縮した柔拳『八卦午砲掌』、八の奥義点穴を射抜く『八卦六十四砲』、九の奥義己の性質をまといし『柔拳』、十の奥義全てを極めし最後の奥義・・全部書物に書かれている内容ですけど・・」
日向家に伝わる全十種の奥義、ヒナタも修行しているのだがまだ一つも会得できていない。また日向ヒアシでさえ三までしか会得していない。
その後ナルトたちは目的の秘伝・皆の書を手に入れ残りをサスケの火遁・豪火球の術で焼き払い任務完了、改めて次の日に任務を言い渡されることとなった。




















「メアテノモノハミツカッタノカ?」
「うん見つかったよゼツそれに僕がトビに誘拐された四代目の息子ってことも分かったよ」
「そこまで・・・」
「関係ないよ僕はトビの計画のために働くからさてまずは情報収集だね」
「それより聖刀・月泉花はどうした?」
「気なる子がいてね・・あげてきたよ」 

 

No.5波の国へ

ナルト達がミナトの隠し部屋を見つけた次の日第七班はCランク任務を言い渡されていた。内容は橋職人のタズナを波の国まで護衛することだった。
「カカシ先生・・波の国に忍っているんですか?」
「いやいないよ基本的に五大国や一部の小国の持つ隠れ里に忍がいる。波の国には隠れ里がないよ」
そんな話をしながらナルト達は進んでいくしばらく進むと水たまりがあった。ここ数日この周辺には雨が降っていない。つまり・・・
(カカシ・・)
(気づいたかサスケ)
アイコンタクトで会話するカカシとサスケ。次の瞬間水たまりが二人の人影に変化、その二人から現れた鎖はカカシを絡め取り二人の爪に切り裂かれた。
「二匹目・・」
二人はすぐに次の標的としてビビって動けないナルトに向かっていく。サスケは二人を繋ぐ鎖を手裏剣とクナイで近くの木に固定する。二人はすぐに鎖を切り離しナルトに向かっていく。一瞬二人の動きが止まった。すぐそこにボルトが柔拳で二人を吹き飛ばす。吹き飛ばされた二人カカシが捕まえる。変わり身で死んだふりをしているだけだったのだ。
その後二人を捕縛し進みだす第七班。実はこの任務、Cランク任務ではなくAランク任務だったのだ。Cランクはほかの忍との戦いを措定していない任務。波の国にタズナを護衛する任務は盗賊からの護衛と考えていたからCランクに設定されていた。しかしタズナはあることを隠していた。闇企業ガトーコーポレーションが波の国を牛耳っているうえに橋を建設しているタズナを始末しようとしていた。ガトーは抜け忍を雇っている。それがこの任務がAランクになる理由だった。
「タズナさんはどうして内容を隠して・・」
「波の国は超ビンボーでな大名ですら金をもっとらん今わしらが作っとる橋は波の国の希望なんじゃ」
今タズナが作っている橋ができれば貿易がしやすくなり波の国の特産品などを他国に出しやすくなる。そうすれば波の国は潤うことができる。それを聞きナルト達はその任務をCランクのまま続行することを決意した。その会話の中でサスケだけがあることを考えていた。さっきの戦闘の時あの二人は一瞬動きを止めた。なかなかの手練ならナルトのもつ九尾チャクラを感じて動きを止めるかもしれない。しかしサスケの記憶だと二人は動きを止めずにナルトを襲っている。それに一瞬だけサスケはナルトからかつてダンゾウから感じたチャクラに似たチャクラを感じた。再び波の国に進み出す七班の中でサスケだけが少し不安に感じていた。


「鬼兄弟程度じゃ荷が重すぎたな・・写輪眼のカカシは」
「再不斬どうする?またガトーのじじいに怒れれるぞ」
「今度は俺たちが出る・・俺たち鬼人コンビがな」 

 

No.6鬼人の襲来

波の国に入ってしばらく歩いた第七班。
「あのーすみません・・この辺で一番近い宿場町ってどこですか?」
少し開けたところで誰かが話しかけてきた。少しぼさっとした髪に見た目は二十代に見える。
「それなら超近くじゃ一緒に行くか?」
「あのねぇ・・・そんなバレバレの変装して何がしたいの君」
「あ、バレた?」
そう言うとその男が変化を解く。ぼさっとしていた髪は整えられ、背中には刀がある。
「わりぃ再不斬バレた」
「だからてめぇに変装は向いてないって言ったんだ」
今度は草むらから一人の男が出てきた。
「鬼人桃地再不斬まさかお前が出てくるなんてね・・・」
かつてサスケ達が戦ったことのある相手、しかしもうひとりはサスケの記憶にはない。これも時間がねじれた影響なのだろうか?
「あの刀・・・三刀か!?」
「ああそうだ、封刀・咲夜がコイツの名だ」
忍刀が二人、うち一人は七人衆を超える三刀の一人だ。今のサスケ達には荷が重すぎる。恐らくカカシでも二人相手はきついだろう。
「再不斬気になる奴が二人居るもらっていいか?」
「またか一檎・・分かったただしカカシは俺が殺る」
「了解!!」
そう言うと一檎はナルト達に突っ込んでいく。
「まずは一人!!」
迎撃しようとしたカカシの攻撃をかわし一檎はヒナタの襟首を掴む。
「二人目!!」
今度はナルトの襟首を掴むと遠くの気に放り投げる。
「水遁・水童夢の術!!」
一檎が印を結ぶとナルトとヒナタ、そして一檎の周りを水が包みドームを作り出す。
「あのガキどもか・・・さてこっちもやるかカカシ!!」
そう言うと再不斬はカカシに向かって断刀・首切り包丁を振り下ろした。

ドーム内

「孤立しちゃったねナルト君」
「ああやべぇーってばよ」
ドーム内に閉じ込められたナルトとヒナタ、その前には刀を構えた一檎がいる。
(日向一族にもう一人は・・なんかワクワクすんな)
「行くぞ!!」
一檎がナルト達に向かって攻撃してくる。それをナルトはクナイで受け止めヒナタが後ろから柔拳で攻撃する。一檎はそれを飛んでかわしヒナタの攻撃はナルトに命中する。
「そらぁ!!」
一檎はそのまま刀をヒナタの左手に向かって振り下ろす。一檎はヒナタを切ったあと反撃に備えて一旦二人から距離をとる。
「ナルト君大丈夫?」
「ああ、ヒナタこそ大丈夫か」
「私も・・・アレ?」
切られてから何故か左手の感覚がない。
「封刀・咲夜は刀全体が封印術を帯びている。切ったもののその場所の感覚を封印する。俺の意思で感覚を戻せる」
それだけ説明すると一檎は再び二人に攻撃を開始した。

「さてこれで詰みだな」
ナルトとヒナタが戦い始めて数分が立っていた。その間にカカシが再不斬の水牢の術に捕らえられていた。目の前にいるのは水分身で本体は水牢のところにいる。もちろんこれを助ける方法は知っているため既にボルトと打ち合わせ済み、準備も整っている。
「風魔手裏剣・影風車」
サスケは再不斬に向かって風魔手裏剣を投げる。
「甘いな」
それを再不斬が掴んで止める。その影から別の風魔手裏剣が飛んでくる。手裏剣の影にもう一つの手裏剣を隠す影手裏剣の術だ。その手裏剣は真っ直ぐに本体の再不斬に向かっていくがそれもかわされる。しばらく飛んでいくと手裏剣がボルトに変化した。ボルトが変化した風魔手裏剣を影手裏剣で投げたのだ。ボルトは再不斬の腕に向かってクナイを投げる。再不斬はすぐに手を引っ込めクナイをかわす。
「このガキなかなかやるな・・俺がこの術を解いちまうなんてな」
「いや解かされたんだろ」
水牢から出てきたカカシは再不斬と向かい合い互いに印を結ぶ。カカシは写輪眼で再不斬が発動しようとしていた術を先読みし発動、大きな水を叩きつけ大きな自然災害が起きたような荒波が辺りを包む。あまりの威力に水童夢の術も解ける。そして流された再不斬の首元に千本が刺さり動かなくなる。千本を投げたのは木の上にいるお面をつけた少年だ。
「霧の追い忍かよ!?」
その少年に反応した一檎はその場から撤退する。目の前の少年が抜け忍を始末する特別な部隊、追い忍であることを確認するとカカシ達は再不斬を引渡し一檎と戦闘していた二人のもとに向かう。二人共ケガをしているが見た限り重症ではなく少し休めばまた動けるようになると判断ししばらく休んだあとタズナの家に向かった。 
 

 
後書き

暗部の調査報告書〜三刀について〜

霧隠れの里に存在する部隊忍刀七人衆、それを超える部隊として存在するのが忍刀三刀衆通称三刀である。三刀の刀は刀自身が使用者を選ぶとされている。刀の概要は、相手の感覚を思いのままに操る『封刀・咲夜』、自分のチャクラを流すことで形状を自分の好きに変えることができる『聖刀・月泉花』、使用者の憎しみによって強さが変わる『怨刀・不倶戴天』である。この部隊は数年前突然姿を消している。現在行方がわかっているのは霧雨一檎の持つ封刀・咲夜、最近の調査ではヒマワリが聖刀・月泉花を所有していることが判明。しかし怨刀・不倶戴天の行方は未だに不明である。 

 

No.7ハンVSミクト

 
前書き
ナルトとイナリの話〜ナルト大橋の戦い開始までの話はほとんど原作と変わらないので飛ばします。 

 
ナルトが目を覚ますと見慣れないところにいた。周りに見えるのは木の根っこのようなものでそこからはいくつものみのが伸びている。地面は荒れていてさっきまでそこで戦闘があったような様子だ。しばらく歩くと突然突風が吹きナルトは吹き飛ばされる。

「目が覚めたか」
どうやらさっきの光景は夢だったようだ。起き上がるとどこかの部屋の中のようでほかの皆がいた。
「これで全員目を覚ましたなさて修行・・はじめるか」
そう告げるとカカシはみんなを連れ森の中に向かう。カカシは写輪眼の影響か、松葉杖をついている。
「さて今からお前たちにはある事をしてもらう」
「あること?」
「うんチャクラがあるって言ってもお前たちはまだそれを使いこなせてないその修行だ」
そう言うとカカシは近くの木に向かって歩き始めそのまま木を登り出す。手を使わずに。
「うまくコントロールできればこんなことだってできるさてお前たちには適当な木に足だけで登ってもらうこのクナイで自分が登った高さに目印を付け次に登るときはそれを超えるようにしろ」
そう言うとカカシは四人の目の前にクナイを投げる。それを拾い四人はそれぞれの木に登る。ナルトは吸着できず、サスケは半分あたりで弾かれ、ボルトは天辺近くまで登ったがサスケと同じく弾かれてしまう。ヒナタは天辺まで登ったがスタミナ切れで疲れ果てている。
(ヒナタの弱点は体力の無さだね・・)

岩隠れの里の外れ

「何者だ貴様?」
「僕の名前はミクト、君を迎えに来たよ五尾の人柱力ハン」
二人の男がにらみ合っていた。一人は真紅の鎧を着た男、もう一人は黒い衣に赤い雲模様の服を着ている。
「僕と一緒に行こう、そうすれば今までみたいに・・・」
「お前の目的は俺の中の五尾だろ?それに俺はたとえ兵器だとしても必要としてくれるこの里を離れる気はない」
「それは君の自己満足だよさて話は終わりだ・・・力ずくでも連れて行くよ」
そう言うとミクトは周りにクナイをばらまく。
「ここはもう僕のテリトリーだよ」
「それがどうした!!」
ミクトに殴りかかるハン。ハンの戦闘スタイルは体術、それも蒸気を利用した体術だ。その力で里の皆から嫌われ迫害されていても他里からは蒸気忍者として恐れられている。そのハンの攻撃がミクトに当たり後ろにあった岩も粉砕し周りに土煙が立ち上る。
「たわいもない」
「蒸気忍者ってのも大したことないんだね」
先ほど殴り倒したはずのミクトがハンの真後ろにいた。
「この程度なら君は僕に勝てないよ」
そう言うとミクトの体からでたチャクラが鎧のようにまとわりついた。すぐに攻撃するハン、しかし再びかわされる。そこにミクトのパンチが命中、ハンはたった一撃でその場に倒れた。
(これだけのチャクラで岩隠れは動かない・・コイツがどうでもいいんだね)
「貴様のような輩にやれれる俺ではない!!」
ミクトがハンに近づいた瞬間別の方向からハンが現れミクトを殴り飛ばす。さっき倒したハンは変わり身だ。
「その程度のパンチじゃ僕の雷遁チャクラモードは破れないよ」
ハンの攻撃をくらっても無傷のミクト。
「やっぱりこの程度じゃ僕には勝てないよ」
そう告げると今度はミクトの体から鎖が飛び出しハンを拘束する。
「金剛封鎖・・うずまき式の封印術だよ五尾の人柱力ハン君は殺さない・・生きたまま暁に連れて帰る」
ミクトから出た鎖から逃れようとするハンだったが結局逃げることができずミクトのパンチをくらい気を失った。

その後岩隠れではハンを探すものはおらずハンを連れ去ったミクトに感謝する者もいた。

 
 

 
後書き
おまけ

・時系列はTha Lastの後
・本編とは違い会話文のみの台本書き
・以上の内容でこれから時々やります(時系列は話によって変わります)
木ノ葉女子会その1

サ「にしてもヒナタやっとその恋報われたわね」
イ「ホントあんたアカデミーの頃からナルトのこと大好きだったし」
ヒ「三人ともありがとうございます」
テ「にしてもナルトのやつずっとサクラが好きだって言ってたのに急にヒナタラブになっちゃったんだからびっくりするわね」
イ「そうそうこの前なんかナルトのやつ任務で知り合った雲隠れの女の子から告白されて断るとき『俺ってば彼女いるんだ』って言ったあと小一時間ヒナタのことばっか話してて見てるこっちが恥ずかしかったわよ」
ヒ「ナ、ナルト君////」
サ「それシカマルが『ナルトは意外と押しに弱い』って入れた知恵よ」
テ「そういうシカマルも砂のテマリさんと結構いい関係だしもうすぐベビーブームが来るかもよ」
ク「確かにもうすぐきそうだってばね」
ヒ(早めに子供用品買ってたほうがいいかな・・)
サ(私も早くサスケくんと・・)
イ(サイ君にこの前告白されたけどどうしようかな・・)
テ(そういえば明日リーに食事に誘われているのよね・・)
ク「みんなそんなに慌てることないってばね自分の運命の人なら必ずいるってばね」
サ「確かにそうですね・・・」
テ「さすが既婚者・・・」
イ「アドバイスもわかりやすいし・・・・」
ヒ「お義母さん私の運命の人はナルト君です」
「「「いや、誰?!」」」
ク「自己紹介が遅れたってばね私はうずまきクシナ、ナルトの母親だってばね!!」

   その2へ続く 

 

NO.8橋上の決戦

ナルト達が修行を開始して一週間、全員が課題をクリアし本格的に護衛が再開された。先日の疲れからかナルトは爆睡しておりここに居るのはナルトを除いたメンバーだ。カカシの推測だと再不斬は生きており霧の追忍も再不斬の仲間である。
ヒナタとボルトの白眼で辺りを経過していた時だった。
「十時の方向に三人・・再不斬と霧の追忍、一檎だと思われます」
「・・来たか」
ヒナタが敵を感知し作業は中断、作業員たちは避難していく。
「おい白・・話が違うぞ!!金髪の小僧がいねぇ!!」
「一檎さんもしかしたら彼はタズナさんの家に残ったんじゃないですか?」
「前と同じだカカシは俺が殺る」
避難が終わったタイミングで現れた三人。カカシの推測はやはり当たっていた。
「奴らの目的はタズナさんだ再不斬は俺が殺る三人はタズナさんを守りつつ残りの二人を迎撃しろ」
カカシはそう告げると写輪眼を出し再不斬に向かって突っ込んでいく。
「あの小僧いないなら俺はパス白勝手にやっとけ」
そう告げると一檎は橋の欄干に座り込む。
「一檎さんが目をつけている人以外は僕がもらいますよ」
そう告げると白はサスケ達の目の前に移動する。
「俺もお前とやりたかったんだよ!!」
目の前に現れた白を蹴り飛ばすサスケ、そのあとにボルトが続く。
「氷遁秘術・魔鏡氷晶!!」
白が印を結ぶと周りにいくつもの鏡が現れ二人の周りを囲んだ。
「そんなに警戒してもあのガキが来ないなら俺は戦う気ねぇよ」
ずっと欄干で座っている一檎を警戒するヒナタ。一方の一檎は座ったまま動かない。その一檎に向かってクナイが飛んでくる。
「木ノ葉の忍うずまきナルト!!あ、ここに見参!!」
「来たか!!」
橋での戦いに乱入したナルトの姿を見て一檎は武器を構える。
「ナルト君!!」
「ヒナタはおっちゃんを守ってろ」
ナルトは一檎に向かって突っ込みながら印を結び影分身を3体作る。まず一体が殴りかかるもかわされ逆に蹴りを入れられ消滅、2体目は刀に切られ消滅する。3体目は本体とともに攻撃するが刀で薙ぎ払われ消滅する。ギリギリ攻撃をかわしたナルトだが走り込んできた一檎に真上に蹴り飛ばされる。わずかに上昇したナルトの体はすぐに落下、それに合わせ一檎は刀で斬り蹴り飛ばす。
「左足から右手にかけて斬った・・こいつの能力は前に教えたよな」
左足と右手の感覚がなくなりその場に倒れるナルト。そのナルトに止めを刺そうとゆっくりと近づく一檎。必死にナルトの名前を呼ぶヒナタ。感覚を封印され急所に近いところを切られたナルト。その意識がゆっくりと闇に沈んでいく。

『ナルトよ・・お前はこんなとこでは死んではならんわしを封印した四代目の息子だろ?このくらいワシの力をやらんでも勝てるお前の眠っている力を解放させてやる』

闇に沈んでいたはずのナルトの意識が突然ハッキリしてくる。それに合わせだんだん体の感覚が戻ってくる。
「?!まさか・・・この刀の弱点に気づいたのか!?」
「ああ・・あくまで封印されるのは感覚だけ難しいが封印されても制御はできるってばよ!!」
咲夜には斬った相手のその部分の感覚を封印する能力がある。味方の体を斬り痛みや寒さを感じなくするのもアリ、相手の足を斬り動けなくして拘束するのもアリ。使い方によっていくつでも使い方のある能力だ。しかしあくまで封印するのは間隔だけ、相当難しいが感覚がなくともその部分を動かすことはできるのだ。
(いくら弱点がわかったとしてもいきなりやるのは無理・・・!?この目・・これが本当なら木ノ葉は何を考えているんだ)
一檎に殴りかかるナルト。その攻撃を刀で受け止めようとするが防御を読まれスライディングで懐に潜り込み一檎の顎にアッパーが突き刺さった。 

 

No,9英雄の橋

「八卦掌回天!!」
鏡から放たれた千本が回天により弾かれる。白との戦いはあまりにも劣勢だった。サスケ自身白の氷遁を破ったことはなくかつては気を失っている間にナルトが倒していた。今の戦闘も始めにカウンターで面をくだいた八卦空掌以外の攻撃は当たっていない。その上疲労がたまり攻撃を防ぐのがやっとだ。次の攻撃に身構えている時だった。突然大きなチャクラが膨れ上がった。それに白が反応し突然鏡が割れた。

カカシと再不斬の戦いも大詰めを迎えていた。口寄せ・追牙の術で再不斬の動きを封じたカカシ。そのカカシは手に雷を帯電させていた。ーーかつて雷を斬ったとされた術、雷切だ。カカシは再不斬に向かって走りだし再不斬の胸を突いた。

しかしそれは再不斬ではなく白の胸だった。

胸を貫かれた白はカカシの腕を掴む。
(この子・・・もう死んでる)
おそらくほぼ即死だったのだろう。しかし最後の力を振り絞りカカシの腕を掴み力尽きた。その上身代わりになる前に口寄せに使った巻物を攻撃され再不斬の拘束が解かれてしまった。拘束が解かれてしまった再不斬は首切り包丁を振りかざす。
(この子ごと俺を斬る気か!!)
白を抱えカカシは必死に後ろに飛ぶ。間一髪かわしたカカシは白を寝かせ目を閉じさせるとクナイを構え再不斬に向かっていく。そこからは一方的だった。先ほどの戦いに比べ再不斬の動きは圧倒的に鈍っていた。カカシはその隙を逃さず攻撃あっという間に両手を使えなくした。
「情けない格好だな再不斬」
突然カカシの後ろ側から声が聞こえ振り向く。そこには何人もの人がいた。全員が武器を持っている。真ん中にいる男は武器を持っていないが服装からしてこの男たちのボスだろう。
「ガトー・・これはどういうことだ!?」
「ちょっと事情が変わったんだよ・・あの方の命令だ再不斬と白にはここで消えてもらうってもう白死んでんのかよ」
ガトーは白の死体に近づくとその顔を蹴り始めた。
「やめろ!!」
カカシたちのところにナルトが走ってくる。どうやら他のみんなも無事みたいだ。
「そいつはな!!自分の夢を見ないで道具になって死んだんだぞ!!可愛そうだと思わねぇのか!!」
木登りの修行中ナルトは白とあっていた。一檎を倒したあとぼんやりとした意識の中今までのことを見ていたのだ。なおも白のことを訴え続けるナルト。
「もういい小僧」
そう告げた再不斬の目には涙が浮かんでいた。
「小僧クナイをかせ!!」
ナルトが投げたクナイを再不斬は口でくわえガトー達に突っ込む。再不斬は集団の中に突っ込むとただひたすら切り続けた。背中に刃物を刺されても横から殴られてもただひたすら斬り続けた。そして集団の中に逃げたガトーの首を切り飛ばした。しかしその再不斬も限界を迎えておりその場に倒れこむ。
「おいよくもやってくてたな!!」
「依頼者が死んだおかげで報酬なしだ!!」
「こうなったら波の国で暴れまわるぞ!!」
ガトーが雇った連中が騒ぎ始める。その連中の足元に一本の矢が飛んでくる。振り返るとそこには波の国の人達がいた。全員がボウガンを手にして鉄の板などを装備している。
「波の国に行きたいのなら俺達を倒せ!!」
「貴様らには負けんぞ!!」
次々と叫ぶ波の国の住人たち、それに残党たちが圧倒されている。
「よし俺もやるってばよ」
ナルトも影分身を作り加勢しようとする。それを見たカカシも影分身を作る。
「さーてやるか?」
「や、や、やりません!!」
「お邪魔しましたーー!!」
もはや勝ち目がないと考えた残党たちはどんどんと逃げていく。その場にいた残党が全員去ったあと再不斬は一人白の元に来ていた。
「白・・俺もお前と同じ所に行きてぇな・・・」
まるで白が泣いているように雪が降りだした。
再不斬と白が初めてであったのは霧隠れのはずれ、空腹の白に再不斬が気まぐれで食べ物を恵んだお礼に白は氷遁で雪の結晶を再不斬に渡した。それを見た再不斬は白に忍の基礎を教えた。やがて白も再不斬の道具になることを決めた。しかし再不斬にとって白は道具ではなく大切な仲間だった。
いろんなことを思い出しながら再不斬はその目を閉じた。

「本当にもう行くのか」
橋の上の戦いから一周間が経ち橋は完成しナルトたちの任務も終了、木ノ葉に戻ることとなった。
「でもなんで俺を手当してくれたんだ?」
「あんたを雇ってた奴がいないからわしらが雇たんじゃ」
そう言うとタズナは一檎に金を渡す。
「それよりあんたはどうするんだ抜け忍である以上捕縛対象になるが・・」
「そうだな・・もう一度俺の目的を追ってみることにするよそれよりヒナタあんた可愛いんだからオシャレしないとダメだぞでないと忍界大戦で女だとなめられないように男装して元にもでれなくなった俺みたいになるぞわかったな」
「はい・・・・今なんて言いました?」
「わかったな」
「いえそうじゃなくていま女って・・・」
「ああ、俺は女だぞ」
そう言うと一檎は薄着になる。そこには女性特有の体つきがあった。
「さて俺はもう行くよまたな」
その場を去っていく一檎。しかし一同はあまりの衝撃に呆然としていた。

その後波の国にできた橋はナルト大橋と名付けられ波の国は裕福な国へと変化を遂げた。







「なんのようだ?ミクト」
「ペイン木ノ葉で中忍試験があるから僕参加してくるよ少しでも人柱力の情報が欲しいでしょ」
「ならこちらからメンバーを・・」
「必要ないよどーせ二人いるしね」
 

 

No.10中忍試験

「・・というわけで今回の中忍試験お前達を推薦しておいた」
波の国の戦いから一週間、ナルト達はカカシに集められそこでもうすぐ木ノ葉で行われる中忍試験に四人全員を推薦したことを告げられた。
「カカシ先生って気前いいよなーこれでもう少し遅刻グセ何とかしてくれたらいいってのに」
「ナルト君、先生にも都合があるからそんなこと言っちゃダメだよ」
「おいこの試験、三人一組じゃないのか?」
「サスケの言うとうり参加できるのはこの中で三人だ」
やはり三人でないと参加できないつまりこの中で一人は参加できないということだ。
「俺今回はパスさせてもらうってばさ」
この中忍試験ではナルトたちのそれぞれ大切なものをかけたりしている。だからこそほとんど関係ないボルトは自らこの試験を降りた。

一時間後・公園でボルトは一人悩んでいた。本音を言えば試験に参加し自分がどこまでいけるか試したいだが三人でないと参加できないので諦めるしかない。悩んでいると突然誰かに抱きつかれた。
「お兄ちゃんの匂いだぁ」
「ヒマワリ何してんだってばさ」
妹のヒマワリだ。違う班ということもありなかなか会えないでいる。
「お兄ちゃん悩んでるの?もしかして中忍試験?」
完全に図星をつかれいい返せなくなるボルト。そんな時あることを思い出す。
「ヒマワリお前のとこはどうなんだってばさお前のところも四人だろ」
「キバおじちゃんとシノおじちゃんとサクラお姉ちゃんが参加するよ」
過去に来る前サクラにおばちゃんと言ってそれを笑ったサスケが半殺しにされたのはまだ記憶に新しい。
「・・もしかしてお兄ちゃんあのこと知らないの」
「あのこと?」
「うん中忍試験の参加条件は担当上忍がいて三人一組であることだから私とお兄ちゃんで二人後はもう一人下忍と担当上忍がいれば参加できるんだよ」
カカシからそんな話は聞いたことがなかった。おそらく伝え忘れていたのだろう。
「悩んでいるようだな」
突然声が聞こえ振り返るとボルト達が過去に来るきっかけを作った亡霊がいた。
「亡霊のおっちゃん過去に来れんのか!?」
「俺をなめるなと言っているこれくらいのこと簡単だそれより何に悩んでいるのだ?」
亡霊に聞かれ中忍試験のことを話すボルトとヒマワリ、それに対し「お前たちの時代で信用できる者はこの時代でも信用できる」と告げて消えた。

「・・それで私に担当上忍をやってほしいということか」
亡霊に告げられボルト達は祖父であるヒアシのもとを訪れていた。
「あと一人は私たちでちゃんと見つけますじ・・ヒアシさん」
「お願いします!!」
ヒアシは二人を見て軽くため息をついた。
「私で構わないのなら引き受けるがなぜだかわからぬがお前たちに名前で呼ばれると変な気がするから好きに呼んでくれ」
「ありがとうジィジ!!」
「ありがとうだってばさじいちゃん!!」
まだ四十四のヒアシはいきなりそう呼ばれ顔を引きつらせながら承諾し報告のため火影邸に向かった。

「・・であと一人は目星ついてんのかあと一人」
「まだだよ」
さらに三十分後ボルト達は残る後一人の下忍を探していた。あてもなく歩くしかない二人はそこらへんで都合が良さそうな下忍を探しているが見つからない。
「ねえ君たちラーメン一楽ってどこかな?」
声をかけられ振り向くと男が一人いた。長い赤い髪をし額当ては腰に雨隠れのがある。二人と同い年くらいだろうに見えるが目元が少し大人びた雰囲気を見せている。
「その額当てもしかして下忍ですか?」
「?そうだけど・・」
「チームメイトは?」
「雨の里は好きにメンバーを組めるから今はいないよ」
ついに見つけた。チームメイトのいない下忍。ボルト達はすぐに事情を話す。
「ちょうど良かったよ僕もメンバーを探していたんだ僕の名前はミクトよろしく頼むよ」 

 

No.11一次試験筆記問題

中忍試験に参加が決まってから一週間ボルト達は一次試験の会場に来ていた。
「ボルト!!お前なんでここにいるんだ?」
部屋に入るとナルトが真っ先に反応した。よく見るとナルト以外にもヒマワリのチームメイトや別の班のシカマル達がいる。真ん中にはメガネをかけた木ノ葉の忍びがいる。その輪に加わり事情を話すと皆わかってくれたようだ。
「でもみんな集まって何してるんだってばさ?」
「僕が皆にこの試験のことを説明してたんだ。君たちも聞くかい?」
どうやらメガネをかけた青年はカブトというらしい。カブトに試験の説明を聞くボルト達、説明されたのはカブトは何度も中忍試験に落ちていること、受かるにはそれぞれの試験の概要を把握することだ。そこまで説明を受けた瞬間一人の男がカブトに殴りかかる。それをミクトが腕をつかみ受け止める。殴りかかってきた男は額当てからして音隠れの忍のようだ。
「君話しているのに邪魔するなんて面白いね」
(・・どういうことだ!?)
殴りかかってきた男ーードス・キヌタは音波を利用した攻撃を得意としている。もちろんさっきのパンチにも音波がしくんである。普通なら何かしらの症状が出てもおかしくはないのだがミクトにはなんの症状もない。
「おいそこ!!勝手に喧嘩をするな!!」
思いっきり怒鳴られその方向を見ると顔のいかつい木ノ葉の忍がいた。
「俺が中忍試験第一の試験を担当する森乃イビキだ。受験者はそれぞれ受験票を持って俺のとこに来い受験票と交換で答案用紙ともう一つ紙を渡す。皆それぞれ紙に書かれた席に座るように」
ボルト達はイビキに言われたとうり受験票と答案用紙を交換し席に着く。全員バラバラになりナルトとヒナタが隣り合わせぐらいしか近くの席はない。
「よしみんな席に着いたようだな・・ではこれから一次試験の説明を開始する・・・といっても簡単だ答案用紙の問題を解くだけだ。ただしいくつかルールを加えさせてもらう。まずこの試験は持ち点十点の減点方式とし一問間違えるごとに-一点とし0点になればそのものは失格、チームメイトも道連れ失格だ。次にカンニングの禁止、もしカンニングに見られる行為をした場合は-二点とする。そして問題の第十問めは試験開始四十五分後に出題する。そして試験に対する質問は一切受け付けない。以上では試験開始!!」
その合図と共に全員が答案用紙をひっくり返し問題を見る。そして手が止まる。
(・・なにこれ!?)
(・・なんだってばさコレ?!)
(なるほど・・)
答案用紙には四角が十個あるだけで問題は何一つとしてない。
(・・何か仕掛けがあるのか・・・白眼!!)
ボルトは白眼で答案用紙を確認するも何も仕掛けもない。周りを確認するもやっぱり混乱している。
ーーただ一人ミクトだけは表情一つ変えず鉛筆を動かしていた。確認すると、『問題に意味はない。意味があるのは第十問目とカンニングをバレずにすることだ。それと多分その紙は時間経過で問題が現れるようになっている』と書かれていた。そう確認した瞬間クナイがボルトの頬をかすめすぐ後ろの受験者の答案用紙に突き刺さる。
「三十三番カンニング行為により持ち点ゼロ!!百五番と六十三番道連れ失格!!」
それから連鎖が起き始めた。どんどんとカンニング行為で脱落するものがあとを立たなかった。幸いにも木ノ葉の同期のメンバーは脱落していない。問題もミクトの言う通り試験開始二十分で紙に現れた。それと同時に解き出す受験者たち。内容はとんでもなく難しくカンニングに走り脱落するものがあとを絶たかった。そして試験開始四十五分が経過した。
「試験開始四十五分が経過したのでこれより第十問目を出題する・・・がその前にお前たちにこの第十問目を受けるか受けないかを選択してもらう。もちろん受けないを選択すればその場でその受験者は失格チームメイトも道連れ失格だ・・そして受けるを選択し間違えた場合・・その受験者の中忍試験受験資格を剥奪する!!」
イビキが告げた内容に周りがざわめく。それもそうだ間違えれば一生下忍のままでいなければならないからだ。そのリスクに怖気付きどんどんと自体を始める受験者たち、そんな中突然ナルトが手を挙げた。そして机を叩き叫んだ。
「俺は逃げねぞ!!もし間違えて一生下忍のままでも別にかわまねぇ!!下忍のまま火影になってやる!!まっすぐ自分の言葉は曲げねぇ・・それが俺の忍道だ!!」
ナルトの言葉を聞いて全員の顔つきが変わる。もうここから逃げるものはいないようだ。
「ではここにいる全員に第一の試験合格を言い渡す」
その後イビキから告げられたのは試験の概要だった。偵察や待ち伏せに必要な忍耐力、敵にバレずに相手を調べる手段、そしてどんな任務でもうけなければならないということを試していた。
「さて二次試験についてだが・・」
「そこからは私が説明するよ!!」
突然窓から誰かが入ってくる。
「私が第二の試験の試験官みたらしあんこだ!!・・ってイビキのやつ結構残したんだね159名・・53チームか・・まぁいいわどーせ次の試験で半分以下になるから」
 
 

 
後書き

 

 

No,12死の森のサバイバル

第一の試験を突破したナルトたちが次に案内されたのは第四十四演習場、通称死の森。ここで行われる二次試験は巻物争奪戦。それぞれのチームに天の書か地の書が配られそれを他のチームから奪い両方持って死の森の真ん中にある塔にメンバー全員でたどり着けば突破となる。もちろん森の中には虎や巨大ムカデなどの危険動物もいる。午前九時、制限時間120時間の試験が始まった。

「ここで一旦作戦をねろうボルト君白眼で周りを警戒してくれないか」
ミクトに言われ白眼で周りを警戒しながら作戦会議を始める。
「僕たちが持っているのは天の書、つまり地の書が必要になる。それに制限時間の関係もあるし僕たちは待ち伏せをしないか?」
「待ち伏せ?」
「そうとりあえず僕たちは塔の近くに行きそこに来た他の受験者を襲撃し巻物を奪う。地の書手に入れればそのままゴールできるし天の書なら別の受験者との交渉材料に使えるどうかな?」
塔の近くなら戦闘や奪い合いで疲れ果てた他のチームが相手となる。うまくいけば相手から簡単に奪える。感知タイプのボルトがいるからこそあみだせた作戦だ。
「早めに移動して罠を仕掛けよう・・それともしはぐれたら塔の南側出口を合流地点にしようそれともう一つ合言葉としてそれぞれ自分の好きなものを言うようにしよう」
作戦会議を終え移動しようとした瞬間突然突風が吹きミクト達を吹き飛ばした。

「すげぇ風だったな・・大丈夫だったか?赤丸」
「ワン!!」
先ほどの突風はボルト達だけだはなくキバたちも巻き込まれていた。
「キバ大丈夫か?」
「あああとはサクラだが・・」
周りを見渡してもサクラの姿はない。逆にキバの鼻には別の匂いが感じられていた。
「アレ・・君たちは・・・確かキバ君とシノ君だったよね?」
ミクトだ。周りにはこの三人の匂いしかなくほかの誰かの匂いはない。
「ねぇ君たちよかったら僕と一時休戦しない?今ここで争っても互いに天の書だしそれに今ここで二人になるのはきついよね」
確かにサクラがいない今シノとキバだけでこの森を抜けるのは厳しい。だがそれより気になる発言をミクトはしていた。
「お前なんで俺達の巻物が天だってわかったんだ?」
「感知能力の一種だよ違うチームだから原理を明かすのはできないよ」
これは二人にとってありがたいものだ。なぜなら相手の巻物がわかるなら無駄な戦いを避けられるということだ。しかしミクトがなかなかの実力者なら自分たちを利用し地の書を奪う可能性もある。
「そんなに信用できないならこの巻物を君達に渡すこれで君たちから巻物を奪い返さないと君たちを裏切れない」
ここまでされたら二人はこの条件を飲むしかない。キバたちはミクトから巻物を受け取り三人で移動する。道中別の受験者達と出会うがミクトの能力で基本的に回避しミクトが指定したチームだけを狩り巻物は必要数そろい後ははぐれた仲間と合流するだけとなった。
「ミクト?」
突然ミクトが止まり不審に思う二人。
「この先は危険だ迂回しよう」
「何か見えたのか?」
「・・いやこの先からとんでもないチャクラをかんじるんだ」
(この感じ・・一尾か)
「なら様子だけ見にいかねぇか?戦闘疲れを襲撃して巻物を多めに手に入れておくのもいいんじゃないか?」
そう告げるとキバはミクトの静止を振り切って先に進む。
「さっきとんでもないチャクラを感じたって言ったがどれくらいなんだ?」
「・・影のレベル以上かな?」

「おいキバどうしたんだ?」
先に行ったキバに追いつくとキバは震えていた。
「あの砂のやつやべぇ・・さっきそこで雨の忍を瞬殺しやがった・・アイツは・・バケモンだ!!」
(やっぱりいるんだね・・・・一尾)
なとか平常心を取り戻したキバの傍らでミクトはわずかに笑った 
 

 
後書き

暗部の調査報告書〜ミクト〜

今回の中忍試験に参加している雨隠れの忍。年齢は十二歳、誕生日は十月九日。容姿は赤い長髪に頬には特徴的なヒゲが一本ある。年齢に対して考えは我々の範疇を超えており、第一次試験を試験の概要を書いた上で突破している。また感情を表に出さず木ノ葉に来てから他の受験者とのイザコザにおいても怒ることはなかった。また試験前に仮面をつけた男と接触している姿を発見した。今後も彼については警戒を続けていくこととする。 

 

No,13雨ときどき雷のち炎

 
前書き
ナルトたちのルートは原作どうりなのでカットします。 

 
強風で吹き飛ばされたボルトたちは同じくはぐれたヒナタと合流、互いに巻物を持っていないため休戦し互いにはぐれた仲間を探している。互いに緊急時の集合場所が同じだったためとりあえず塔を目指している。現在雨が降っており他のメンバーが活動を避けている時を狙って移動している。
「やっぱりボルトの読みどうりみんな雨の活動を避けているみたい」
ヒナタが白眼で周りを確認しみんなの活動が停止しているのを確認して進んでいる。
「母ちゃん雨の中活動している奴がいるってばさ!!」
ボルトたちが立ち止まると三人の忍がいた。額当ては見たことがない里のものだ。
「巻物を渡せば古くからのしきたりで貴様らは見逃してやろう」
「ミーたち古の里に逆らわないことネ☆」
「さてあんたたちこいつらが天の書なら一気に塔に向かうよ!!」
そう言うと三人は印を結ぶ。
「古くから人は天候を操るために試行錯誤を繰り返してきた・・そしてこれこそがその結果!!」
「「「忍法・天候操作術!!」」」
突然雨雲が黒くなり始めた。そして次の瞬間目の前に豪音と共に雷が落ちた。
「サンダーはどこに落ちるかわからないネ☆」
「あんたたちに勝ち目はないよだからさっさと巻物をわたしな!!」
さっきの雷で勝ちを確信したのか余裕を見せる古の里の三人。
「火遁・豪火滅却!!」
「「「「「・・・・え?」」」」」
ヒマワリがなんのためらいもなく積乱雲に火遁を放つと一瞬で積乱雲が消えた。
「お兄ちゃん回天で私たち守って」
「わかったってばさ!!」
ヒマワリに言われ回転で防御するボルト。次の瞬間とんでもない量の炎がまるで雨のように降り注いだ。雨が止むと目の前には地の書が転がっており三人とも倒れていた。
「ヒマワリ・・・今のどうやったんだってばさ?」
「雲の主成分は水だから火遁で全部蒸発させただけだよ」
ヒマワリは歴史以外は完璧にこなせる。だからこそこんな芸当もできるのだ。

試験終了約二時間前
ボルト達ははぐれた仲間と合流するため塔の入口で待機していた。
「ここに誰か来る!!」
すぐに戦闘態勢をとるボルトたち。すると目の前に二人の忍が現れた、二人共木ノ葉の忍だ。
「・・待ち伏せか?」
「ちょっと待った!!!」
そこに一人の男が飛び込んできた。ーーナルトだ。
「おいウスラトンカチ勝手に先走るな」
ナルトだけでなくサスケにサクラもいる。
「二人共悪いけどの三人には手を出すのをやめてくれ」
さらにもう一人、カブトもいる。そのカブトに誰かが殴りかかる。
「悪いけどこの子達僕のチームメイトなんだ」
「大丈夫彼らに危害を加える気はないから」
ミクトだ。後ろからはキバたちも来ている。
「お、サクラじゃねぇかお前ナルトたちのとこにいたのか」
「ボルトたちといると思っていたなぜなら俺たちはミクトと行動していたからだ」

死の森で行われた第二次試験はナルトたちを含めた二十七名が合格した。
























「大蛇丸!!」
「あらあら元気そうね」
「なんでお前がここにいるんじゃ」
「少し用があってね・・それよりあなたもなんでここに?」
「ワシはちょっと・・」
「どうせあの九尾の子を見に来たんでしょ・・ならいいことを教えるわ・・九尾の子は三人うち一人は感知にひっかからないわ」
「どういうことだ!!」
「後は自分で探ってみることね・・自来也」
 

 

No,14第3次予選ボルトvs犬?

 
前書き
基本的に原作のバトルはカットします。 

 
二次試験を突破したボルト達に衝撃的な内容が告げられた。それは三次試験に進む者たちがあまりにも多すぎるため予選を行うというものだった。内容は一対一の個人戦で相手が戦闘不能か負けを認めることで勝利となり本戦に駒を進めることができる。ここからは今まで続いたチーム戦ではなく個人戦となる。また始める前にカブトが棄権し二十六人で予選が行われることとなった。第一試合は赤胴ヨロイvsサスケでサスケが勝ち続く第二試合は山中いのvs春野サクラでダブルノックアウトにより引き分け、第三試合は日向ネジvs日向ヒナタでネジが勝利した。

『うずまきボルトvs狗吉』
第四試合はボルトのようだ。相手は音の忍でどこか犬を連想させる格好をしている。
「先手飛翔だわん!!!」
「それを言うなら先手必勝だってばさ!!」
狗吉は試合が始まると手足を地面に付け一直線に突っ込んでくる。
「四脚・突撃の陣!!」
「回天!!」
突っ込んでくる狗吉を回転で迎撃するボルト。回転に触れた瞬間狗吉の姿が消える。
「油断小敵!!」
いつの間にかボルトの背後に回っていた狗吉の蹴りをくらい飛ばされるボルト、そこにものすごい速さで狗吉が走り込んできて蹴りあげる。さらに飛び上がりボルトを地面に叩きつける。
「これでお前は戦闘可能だわん」
「さっきから四字熟語並べてるみたいだけど全部間違ってるってばさ!!」
勝利を確信した狗吉をボルトが蹴り飛ばす。
「柔拳法・八卦六十四掌!!」
蹴り飛ばしたボルトが狗吉に激しい付きを放つ。相手のチャクラの流れを止める柔拳法・八卦六十四掌だ。攻撃をくらい吹き飛ばされる狗吉、壁に衝突しその動きを止めたその瞬間。
「小僧!!このわしを怒らせたなぁ!!」
突然狗吉が叫び首から顔が二つ伸び顔つきもどこか犬に近くなっている。
「火遁!!」
「風遁!!」
「油!!」
「「「五右衛門!!!!!!」」」
狗吉の頭からそれぞれ術が放たれ一つの巨大な炎がボルトを襲う。回転でガードしようとするが炎の勢いにガードしきれず炎に包まれてしまう。
(ヤバイってばさ・・)
圧倒的な攻撃範囲と回天をも破る破壊力、どうにかしてそれを防ぐ必要がある。だがそうなるとそれ以上の術が必要だ。回天を超える防御の術は唯一つ、守護八卦六十四掌しかない。だがこれは未来でもヒナタしか会得していない。ボルトと仲の良かったヒアシやハナビでさえ習得できていない。だが狗吉を倒すにはこれが必要なのも事実。
(アナタなら出来るわ・・・ボルト)
頭の中でそんな声が響くがボルトには聞こえなかった。
「燃え尽きろ!!」
再び巨大な炎がボルトをおそう。
「守護八卦六十四掌!!」
頭に浮かんだイメージ道理体を動かす。すると周りに青いチャクラの線が見え始めた。それはボルトを包み込むようにボルトを囲っていく。そして狗吉の炎をかき消した。
「出来たってばさ・・・」
守護八卦六十四掌を成功させるもチャクラはつきかけている。恐らく次の一撃が最後になるだろう。
「これで決めるってばさ!!」
一気に狗吉との距離を詰め点穴をつく。先ほど使った六十四掌ではなくその上、チャクラを乱す百二十八掌だ。攻撃をくらい倒れる狗吉、増えていた頭も元に戻っており苦しそうにもがいている。
「狗吉戦闘不能!!勝者うずまきボルト!!」
 
 

 
後書き
木ノ葉女子会その2

い「でもなんでナルトのお母さんが?」
ク「気づいたらここにいたのよ」
サ「でもクシナさんってどうやって四代目を振り向かせたんですか?」
ク「ミナトは一目ぼれっていってたてばね」
テ「一目ぼれってなんかヒナタみたいね」
ヒ「私の場合一目惚れじゃなくて助けてくれたから・・・」

〜2時間経過〜

「・・・の時だってナルトくんが・・・・」

〜さらに4時間経過〜

「・・・・もしナルトくんが・・・・」

〜さらに2時間経過〜

「・・・だから私はナルト君が・・・ってアレ?」
その日ヒナタに絶対ナルトとの恋愛話を聞かないことを誓うサクラたちだった 

 

No,15ヒマワリvsキジ

中忍試験第三次予選、激闘は続いていた。第五試合はナルトvsキバでナルトが勝ち第六試合はカンクロウvsスミスでカンクロウが勝ち。第七試合はシカマルvsキン・ツチでシカマル第八試合はテマリvsテンテンでテマリ、続く第九試合は我愛羅vsリーで我愛羅、第十試合はドス・キヌタvsチョウジでドス・キヌタ、第十一試合はザク・アブミvsシノでシノが勝利した。

そして第十二試合はミクトvs申之介なのだが・・・
「おいアイツふざけてんのか?」
互角に戦っているがミクトの戦いを近くで見ていたキバやシノは今の状況に怒りを覚えていた。相手を瞬殺するのは余裕なのだが今は完全に手を抜いている。結果はダブルノックアウト。
「ではまだ試合をしていない人出てきてください」
その言葉で下に降りてくる二人、一人はヒマワリ、もう一人は音の忍だ。
「では第十三試合うずまきヒマワリ対雉子丸始めてください」
合図とともに距離を取るヒマワリ、一方の雉子丸は空を飛んでいた。
「あなた可愛いけど私の好みじゃないわ♥」
「・・・キッモ」
「な・・・それどういう意味よ!!」
雉子丸の目が突然光る。それと同時に周りのみんなーー上忍や試験管は無事ーーが倒れていく。
「これは強力な幻術よ光を見ただけで・・・て、アラ?」
「なんともないよ」
何故かヒマワリには効いていなかった。ヒマワリだけでなくボルトにも効いてなかった。
「今度はこっちから行くよ!!」
ヒマワリが周りを回り始める。それを追撃する雉子丸。
「火遁・鳳仙火の術!!」
いくつもの火球を飛ばすヒマワリ、それらは全て交わされるが一発が地面に当たったとたん周りを火が包む。
「あなたの術は風遁の類で体の周りに気流を作って飛んでいるだけ・・だからこれで気流を乱しました」
ヒマワリは走っている間油を巻き続けていたのだ。さっきの火遁はその油に引火させるためのものだ。
気流を乱されバランスを崩し落下する雉子丸。下には燃え盛る炎。その中に落ち炎に包まれる雉子丸。
すぐに消火作業始まり数分後気を失った雉子丸が出てきた。
「勝者うずまきヒマワリ」

「さて一人いないみたいだけどこれで全員だね」
試合の後しばらくしてサスケを除く本戦出場者が整列していた。いま説明しているはミナトだ。
「さてまずはそれぞれくじを引いてくれるかな?」
そう言うと予選の試験官月光ハヤテが箱を持ってくる。それをナルトたちがそれぞれ一枚づつ引く。
「本戦は勝ち抜き戦で行う今君たちが引いた紙に書かれている番号が同じ相手と戦う試合順番は数字の通りだよちなみに二回戦は残った者たちでもう一度くじ引きをして組み合わせを決めるよ」
ぞれぞれ対戦相手を確認するナルトたち確認の結果、第一試合うずまきナルトvs日向ネジ、第二試合うちはサスケvs我愛羅、第三試合油女シノvsカンクロウ、第四試合うずまきボルトvsうずまきヒマワリ、第五試合奈良シカマルvsテマリ、シードとしてドス・キヌタという組み合わせとなる。
「さて本選のルールだけど基本的に予選と同じ、ただ違うのはたとえ最後まで勝ち残っても中忍になれるのかはわからないよ全ては試験管しだいだよ」
つまり例え負けても評価がよければ中忍になれるということだ。
「本戦開始は今から一ヶ月後それまでは修行するのもありだし休憩してもいいよ」
 

 

No.16妙木山のガマ仙人?自来也登場!!

 
前書き
「なぜこの私、エビスの出番がないのですか?」 

 
第三次予選の次の日、ナルトは木ノ葉病院に来ていた。目的は予選でネジに敗れたヒナタのお見舞いだ。
「申し訳ありませんが日向ヒナタ様はご家族以外の方の面会をお断りしていまして・・」
「かまわぬこの者は将来のむ・・・ゴホンまぁ特別な人物だ」
面会を断ろうとしていたところに助け舟を出したのはヒナタの父、日向ヒアシだ。

「ヒナタ元気か?」
「うん元気だよ」
ヒナタとナルトが仲良く楽しげに話している様子を見てヒアシはアカデミーのことを思い出していた。アカデミーの頃はナルトを見ただけで気絶していたヒナタ、今は至近距離で見ても気絶することはなくなった。さらに自分のある考えが本当なら二人未来は安心だとヒアシは思っていた。

「カカシ先生修行付けてくれってばよ」
「悪いけどそれは無理だ」
お見舞いの帰り道、受付でカカシの姿を見つけたナルトは本戦までの一ヵ月間の修行を頼んだのだが見事に断られた。
「アレパパ?どうしたの?」
振り向くとそこにはヒマワリがいた。
「ヒマワリこそどうしたんだってばよ?」
「ママのお見舞いに来たんだけど断られちゃって・・・」
ヒマワリに手に握られている向日葵の花、ヒマワリが好きな花だ。
「そういえばヒマワリはこれからどうするんだ?」
「もちろん修行だよでもみんな忙しいみたいだから修行見てくれる人がいないみたいで・・」
「ならいい人を紹介してあげるよ」

カカシに指定されたのはラーメン一楽、そこに行くと一人の男がいた。
「おぬしらかのォカカシが言っていたのは」
「あーーーー」
「おじちゃんあの時の・・・」
「「変態覗きオヤジ!!!」」
「誰が変態覗きオヤジじゃ!!わしには自来也ちゅうちゃんとした名前があるんじゃ!!」
遡ること二週間前、任務で里外に出ていたヒマワリは近くの宿場街で一泊した。その時この男ーー自来也の覗きを発見し火遁(この時に習得)で焼いたのは記憶に新しい。ナルトもミナトの師匠ということで時折あっているが基本里で見かけるのは覗きをしている時だ。
「にしてもまさかお前らとわのォ」
「まさかエロ仙人が修行見てくれるのか?」

自来也に修行を見てもらうこととなったナルト達は川に来ていた。
「これからお前たちに教える術は二つ、まずはそのための基礎としてチャクラコントロールの修行をやってもらう・・ほれこの川を水面を歩いてわたってみろそれができんかったらこの術は教えられん」
そう言われ川を渡ろうとする二人、木と違い水面の上を歩くチャクラコントロールは難しい。二人共半分ほどわたって川に落ちた。
「意外に難しいってばよ」
「確かに・・・ねぇ『クー』なんとかならない?」
その難しさに二人共早くも困り果てていた。
「よしもう一回!!」
もう一度挑戦する二人ヒマワリはさっきより遠くまで行けたがナルトはさっきより記録が落ちた。
「おいナルト上半身裸になってチャクラをねってみろヒマワリはそのまま続けるんだのォ」
自来也に言われたとうりにする二人。
(ミナトの八卦封印、その上に五行封印・・・大蛇丸ぼやつじゃの)
「ほれちょっとばんさいしてみろ・・うんそうじゃ五行封印解!!」
指にチャクラを込めナルトの腹を突く自来也。ナルトは吹き飛ばされ川の反対側に飛ばされる。
「おいこらエロ仙人!!いきなり何すんだってばよ!!」
「パパ!!水面歩けてる!!」
「え・・ホントだーーー!!ってヒマワリも出来てるってばよ!!」
ヒマワリも上手く出来ていることに気づきなんとかチャクラコントロールを身に付け一旦休憩することとなった。



























「・・・・そこまで事態は進展しているのか?」
「ああ今未来を変えようとしている影響で時間が不安定になるつつある」
「ってことはあんたの言った第四次忍界大戦は戦い方によっては俺たちが負けるってことか?」
「さすが未来の六代目火影だ物分りが早い」
「でもそれをどうやって変えるつもりだ変えたそばから戻されたら何の意味もないぞ」
「安心しろ手はうってある・・お前たちはお前たちのできることをしろ。全体に起こさせたはならないぞ・・最悪の戦争第五次忍界対戦を」 

 

No.17未来

 
前書き
気のせいか話がだんだんズレている気がする 

 
「これからお前たちに教えるのは口寄せの術というものじゃ」
そう言うと自来也は巻物を取り出した。
「この巻物に一人ずつ自分の血で名前をかけ」
自来也に言われた通り名前を書くナルトとヒマワリ。
「さてわしがお手本を見せる口寄せの術!!」
自来也が印を結ぶと足元に蝦蟇が現れる。
「ホレやってみろ」
それに合わせナルトとヒマワリも印を結び口寄せするが互いにオタマジャクシを出すだけだった。
「もう一度!!」
「口寄せの術!!」
もう一度口寄せを行う二人。今度は煙とともに二入の姿が消えた。

「ココドコだってばよ?」
気づくと二人は街の中にいた。
「・・・・え・・嘘・・」
何故かヒマワリは街の光景をみて涙を流していた。すると後ろでドサっと何かが落ちる音がした。そこには一人の男性がいた。見たことはないが目の感じからして日向一族だろう。
[ヒマワリ・・・様・・・?]
「コウ兄・・」
ヒナタの付き人の一人にそんな奴いたなぁと考えるナルトの手をヒマワリが引っ張る。
「パパ逃げるよ!!」
ヒマワリに引っ張られ逃げるナルト。何故かヒマワリは気づきにくいような裏路地を通って逃げていく。まるで最初からこの街を知っているみたいに・・。ふと大通りに抜けた瞬間見慣れた光景がナルトの目に映った。歴代の火影の顔岩だ。左から里を作った初代火影、千手柱間、弟の二代目火影、千手扉間、現在の火影である三代目火影、猿飛ヒルゼン、ナルトの父である四代目火影、波風ミナト。ナルトが知っているのはここまでで目の前にはさらに三つ顔岩がある。もちろんその先の顔岩に見覚えはない。ただ誰の顔かはわかりミナトの横が時折ナルトを訪ねていた綱手、その横はナルトの担当上忍であるカカシだがその横の顔岩は見たことがない。

なんとか逃げ切った二人は顔岩の上に来ていた。ナルトは時々ここで里を眺めるがやはり自分の知らない場所だ。それにここに来てからヒマワリの様子がおかしい。
「ヒマワリどうしたんだってばよさっきから黙って」
「ゴメンねパパ・・少し昔のことを思い出して・・」

パパは私のこと天才って思ってるんでしょ?私は天才なんかじゃないよ・・天才なのはお兄ちゃん。私は落ちこぼれ、私ねみんなと比べてスタミナだけはいっぱいあるんだ・・疲れたって感情も知らないんだ・・私それに物を言わせて毎晩勉強したり修行してたんだ。お兄ちゃんに負けたくなかったから・・でもお兄ちゃんは私の前を常に歩いてる。白眼だって私は使えないのにお兄ちゃんは使いこなしてる・・影分身だって火遁だってみんなに隠れて修行して会得したんだよ。いっつも失敗したらここに来て里を眺めるんだ・・ここだと心が落ち着くんだ。

そう告げたヒマワリの目には涙が浮かんでいた。
「私ね・・・もうここには戻らないって決めてたの・・あの時の弱い自分を思い出すから・・・」
ナルトは四代目の息子だ、だがどべの落ちこぼれでみんなからは実の子供じゃないと言われ続けている。だから家族のいないサスケや両親と喧嘩ばかりしているサクラとつるんでイタズラをした。その間だけみんなから嫌な目で見られていたナルトでない時間を過ごせた。そして下忍になり仲間が再び嫌な自分でいる時間を忘れさせてくれた。
「ヒマワリ!!お前には仲間がいるだろ!!そんなにつれぇなら仲間に頼れよ!!」
「・・・パパ・・うんそうだね私にはみんながいるんだそれに今度の本戦の相手はお兄ちゃんだし絶対勝つ!!」
「俺もヒナタをあんな目に合わせたネジを必ずぶっとばすってばよ!!」
互いに決意を決める二人だが大きな問題を抱えていた。
「・・・でここからどうやって帰るんだってばよ?」
「・・・あ」
「こんなことだとは思っていたよ」
二人の後ろから声をかけたのは覆面をした男だ。額当てをしておらず両目を出しているがその顔はよく見る顔だった。
「カカシ先生!!」
「ヒマワリこれはどういうことだ?」
ナルトの言葉を無視しヒマワリに話しかけるカカシ、その手にはアカデミーの自主退学願があった。
「全く事情を聞こうにもヒアシさんが二人は修行の旅に出たって言って会わせてくれないし探してもどこにもいないし、見つけたと思ったら泣いているし何してるの?」
「それにはちょっと事情が・・ちゃんと話すから許して六代目!!」
「あのねヒマワリもボルトも忍になってもらわないと困るの」
「・・・カカシ先生今六代目って・・え?」
一番バラしてはいけない男にバレた瞬間だった。

「・・・ってわけなの」
三人は応接間に移動し話していた。ナルトに告げられたのはどれも信じられないものばかりだったが現に目の前にいるカカシや顔岩を見れば全部真実であることは間違いない。
「事情はわかったけどどうやって戻るの?」
「そこなんだよなぁ」
時空・反転の法は六道仙人の時代の術であるためリスクなどの力が分かっていない。それゆえに今回の件についても一切変える方法がわからないのだ。
「ならもう一回口寄せしてみたらどうなの?」
「それだってばよ!!」
カカシの提案でもう一度口寄せを行う。するとその場に赤い鎧を着た男がいた。
「・・どこだここは?」
「あ、亡霊さん」
「うちは・・・マダラ!!」
ボルトとヒマワリを過去に贈るきっかけを作った亡霊に反応するカカシ。
「この感じ・・どうやら未来に戻ってきたみたいだなヒマワリ」
「うんどうにかして戻れないかな?」
「コイツから離れろ!!」
亡霊を警戒し睨み続けるカカシ。そのカカシの口からはマダラが今まで起こしてきたことが語られた。マダラを知らないナルトでさえ怒りを覚える内容だ。
「俺に当時の野望などないさ・・あるとすればこの世界をあるべき姿に戻すことぐらいだ」
そう告げるとマダラはカカシをすり抜けナルトとヒマワリに近づく。
「安心しろお前たちを過去に戻してやる・・がその前にお前たちに伝えておく必要がある・・・・第五次忍界大戦だ」
「第五次・・」
「忍界大戦・・」

今お前たちが行っている改変の影響により時の流れは乱れている。俺が敗北した第四次忍界大戦も事の進み方では俺が勝つ可能性だってある。そして第五次忍界大戦はこの未来と改変に成功した未来の中間に存在する・・ナルトだけが死んでそれを引き金とし忍連合は崩壊、やがて五大国は最悪の戦争を起こしてしまった。最悪だ・・戦争に参加した忍はほぼ全滅、各国隠れ里も滅び五大国以外の小国も壊滅する。だがそれだけの被害を出してもなお戦争は終わらない。忍が始めた戦争は盗賊が引き継ぎ、それをダシにした商人が民間人までも巻き込んだ。俺が見てきたのは開戦から百年たった時代だが戦争は終わっていなかった。

「・・本当なの・・それ・・」
マダラから告げられた言葉に言葉を失う三人。
「本当だこの戦争を回避するにはちゃんとした形で改変しなければならない頼んだぞ」
「ちょっと待ってくれマダラ二人に託したいものがある」
マダラが二人を過去に戻そうとしたカカシがそれを止める。部屋から出たあと五分くらいしてカカシは戻ってきた。
「これはナルトが着る予定だった火影の羽織だ・・大したもんじゃないがお前たちに託すぞ」
そう言うとカカシは羽織を巻物にしまいナルトに手渡す。
「さてお前たちを過去に戻すぞ・・その前に二人に少しばかり力を分けてやる。まずお前たちの口寄せはちゃんとできるようにしておいた。それからナルトお前の中に眠っているとある力を目覚めさせておいた。ただし多用するなよ」
「私にはもうひとつないの?」
「あることにはあるがお前にはまだ早い・・だがいずれ渡しに行く」
マダラが二人の額に指を当てると二人の体が光りだす。
「いいなこのことは絶対に他言するなよ・・ただヒナタにだけは話してもいい未来を変えるキーの一人だからな・・それとお前たちの都合のいい時間に戻してやる後はお前達の頭に入れているからな」
だんだんと二人の意識は薄れていく。
「二人共・・・頑張れよ」
カカシの笑顔になった瞬間二人の意識は途絶えた。

「二人共早くしないと遅刻するよ」
目を覚ますと目の前にはヒナタがいた。
「ほらナルト早くしないとヒナタちゃんの手料理食べちゃうよ」
その言葉を聞いてすぐに食事に手をつけるナルト。どうやらここはナルトの家のようだ。
「にしてもいよいよ今日だね本戦」
「ああ、そうだってばよ!!ゼッテーネジに勝つから見てろよヒナタ!!」
「私も絶対お兄ちゃんに勝つからねママ!!」
互いに決意を決めるボルトとヒマワリ、そして運命の中忍試験本戦はこの2時間後に始まった。





















































「・・だからなの?」
「ああこれでかつてカグヤを封印した者のうち二人がこの時代にいることになる」
「私を除いたあとの一人って?」
「うちはサスケだ」
「サスケくん・・勝手に出て行って姿も見かけないと思ったら」
「ああ」
「ってことはナルトとカカシ先生はまだなのね」
「ああカカシの方はともかく、ナルトは何故かこっちに呼べなくてな」
「・・で私は何をすればいいの?」
「誰にも悟られず未来をあるべき姿に戻すこととナルトを呼べない原因を探れ但しこの事はボルト達にも知らせてはならん」
「わかったわ」 
 

 
後書き
NARUTO一言物語第一弾橋の激闘の果てに 

 

No.18炎の花

中忍試験本戦が始まり第一試合はナルトが勝利した。そのナルトは医療室に来ていた。
「よぉネジ大丈夫か?」
「・・俺を笑いに来たのか?」
「いや・・お前と少し話がしたくてな・・お前天才なんだからあまりイジイジすんじゃねぇってばよ」
「それ試験管に言われたんだが・・」
そう告げると先を越されたと落ち込むナルト、それを見てネジは少し笑う。日向家で時折名前の出るナルト、大体がヒナタの好きな相手ということで話に出るが今のナルトを見てなぜヒナタがナルトに惚れたのか少しわかったような気がした。
『シードのドス・キヌタと第三試合のカンクロウが棄権、第二試合のうちはサスケがまだ到着していないので試合順番を変更します。第三試合うずまきボルトvsうずまきヒマワリ、両者はすぐ集合しろ』
会場からそんな声が聞こえ慌て出すナルト、それもそうだナルトにとってこの試合は大事な一線なのだ。
「わりい観客席に行くってばよ!!」
「俺も行こうこの試合は個人的に興味があってな」

観客席より下に作られた闘技場。ここにボルトとヒマワリが向かい合っていた。
「ヒマワリ・・俺は修行して強くなったんだってばさ!!」
「私だって・・絶対お兄ちゃんに勝つ!!」
『試合開始!!』
試験管の合図ともに突っ込むボルト。一方のヒマワリは印を結ぶ。
「火遁・鳳仙火の術!!」
ボルトに向かって火球を飛ばすヒマワリボルトはそれをかわし壁に張り付く。そこに向かっていくつもの火球が飛んで来てそれを走ってかわす。しばらく走るとヒマワリに向かって飛び距離を埋める。
「柔足」
ボルトがヒマワリに蹴りを放つがそれをヒマワリは刀で防御する。ボルトはすぐに距離を取る。
「火遁・豪火滅失!!」
「守護八卦六十四掌!!」
広範囲を業火で焼き尽くしそれをボルトは防御する。業火の中で防御していたボルトが突然豪華に包まれる。恐らく何らかしらのはずみに防御が解けたのだろう。
「八卦・六十四掌!!」
ヒマワリが振り返るとそこにはボルトがいた。変わり身の術であたかも自分が豪華に包まれたように見せかけたのだ。不意をつかれたヒマワリに攻撃が命中するがヒマワリは煙になって消滅した。術の最中に影分身と入れ替わっていたのだ。
「火遁・業火之向日葵!!」
「水遁・捩子螺旋陣!!」
互いの火遁と水遁がぶつかり合い会場は水蒸気に包まれる。だがそれでも二人の攻撃は止まない。観客の見えない中二人は戦闘を続けていた。視界の悪い中感知タイプではないヒマワリは影分身を使ってボルトの位置を確認しようとする。一方のボルトは白眼を使いヒマワリの影分身をどんどんと消していく。圧倒的に不利な状況の中ヒマワリは決して諦めない。そんな時だった、偶然にも本体を見つけたボルトの攻撃をヒマワリが防御した。すぐにヒマワリは残っている影分身を集め袋叩きにしようとする。
「回天!!」
その気配に気づいたボルトが回転で防御する。回天は守護八卦六十四掌に比べ防御力に劣るものの発動にかかる時間が早い。だからこそこのタイミングで発動したのだ。回天で大きく飛ばされ壁に着地するヒマワリ。だがこれで振り出しに戻った。また視界の悪い中ボルトを探さなければならない。そう考えた瞬間ある考えがヒマワリの頭に浮かぶ。見つけれないのなら・・・
「火遁・豪火滅失!!」
広範囲忍術で再び焼き払うヒマワリ。見つけられないのなら片っ端から攻撃すればいい。そう考えたヒマワリは広範囲忍術で焼き払ったのだ。火遁で水蒸気は全て飛び視界が開ける。そこには無傷のボルトがいた。恐らくまた防御したのだろう。
(チャクラコントロールを修行で身につけたけどチャクラ消費の激しい豪火滅失に未完成だった業火之向日葵、チャクラを分散する影分身の多様・・まだスタミナはあるけどやっぱり『クー』からチャクラを借りてない分もうチャクラがない・・・使えて炎弾一発・・でもお兄ちゃんだってもうチャクラが・・・)
(さっきのは危なかったってばさ・・あの時回天にチャクラを込めてなかったら確実に消し炭になってたってばさ・・でももうチャクラが・・使えて変わり身ぐらいしかないってばさ・・・)
((これに賭けるしかない!!))
ボルトに向かって炎弾を放つヒマワリ、ボルトはそれをかわさず炎に包まれる。ヒマワリがチャクラを使いきり膝をついた瞬間後ろにボルトが現れる。変わり身でかわしていたのだ。ヒマワリを殴ろうとするボルト、ヒマワリは防御より攻撃を優先しボルトを殴る。互いに拳が当たり壁から落ちる。二人共地面に落ちると互いに動きを止める。しばしの静寂のあと試験管が告げる。
「第三試合互いに戦闘不能のため・・」
結果を告げようとするが言葉が止まる。二人共立ち上がったのだ。僅かな間の後ヒマワリが膝をつく。
「・・・ヒマワリ・・・俺の・・・負けだってばさ・・」
地面に倒れるボルト、一方のヒマワリは膝をついているだけだ。
「第三試合勝者うずまきヒマワリ!!」
結果が告げられ観客席が一気盛り上がる。ヒマワリは観客席のナルトの姿を見つけると笑顔で手を振った。

「なかなかの試合だったな・・」
「ヒアシ様!!」
ナルトとネジの元にヒアシが来る。
「ヒアシのおっちゃん!!ヒマワリスゲーだろ」
「ああすごかった」
ナルトの言葉に何故かネジが返事する。顔をよく見ると少し赤い。
「ネジ・・もしかしてヒマワリに惚れたのか?」
「・・・・・ああ/////」
「ネジって意外と人間らしい感情もあるんだな」
「なんだと!!」
ネジをからかいそれを追いかけるナルト。少し前まで敵どうしだった二人を見てヒアシは少しばかり微笑んだ。


































「どう見る?」
「ヒマワリは強いがまだまだだあれじゃ中忍は無理だな」
「ボルトの方は?」
「ボルトはこの戦い常に考えていたな。ヒマワリのチャクラ量の多さを見極めそれを空にするため攻撃より防御を中心に戦っていたな」
「なら・・」
「ああ今回の中忍試験一人目の合格者が決まったな」 
 

 
後書き

NARUTO一言物語第一弾『一檎の敵を探して』
No.1情報求めて水の国 

 

No.19木ノ葉崩し始動!!

 
前書き
それぞれの思惑を中心に書いているので木ノ葉崩しは申し訳程度です 

 
「ヒマワリ大丈夫か?」
「うん大丈夫だよ」
中忍試験一回戦も残るはサスケの試合だけとなった。テマリとシカマルの戦いはシカマルが降参しテマリの勝利となった。そして現在は会場に遅れてきたサスケと我愛羅の試合が行われている。
「そういえばボルトは?」
「お兄ちゃんなんか気になることがあるって言ってどっかに行っちゃったよ」
先ほどのヒマワリの試合を見たあとナルトとネジは観客席で試合を見ていた。そして先ほど医務室からヒマワリが合流してきたところだ。
「にしてもあの砂のやつとんでもないチャクラだ」
現在我愛羅が砂で卵のような物を作ってこの中にいる。そしてそれを破るためにサスケが手にとんでもないチャクラを練ってそれを我愛羅に向かって突いた。

中忍試験本選会場近くでこの試合をミクトと仮面をつけた男が見ていた。
「この試合に興味あるのか?」
「この試合に興味はないよ・・あるのはこの試合の後にあるものだけだよ・・」
「そうか・・お前の仕入れた情報を楽しみにしている」
そう告げると仮面の男の右目のあたりを中心に渦が現れその中に消えていった。
「さてどうなるかな?」

「・・・よいなこの先起こることは事実だ決して火の意志を絶やすでないぞ」
木ノ葉のとある建物の地下。ここには何人もの暗部が杖をついたある男に膝をついていた。
「ダンゾウ様・・・今回の件を利用し火影になれれてはいかがでしょうか?今回の発端は三代目の行なった同盟が原因なのですし・・」
「根に光を当ててはならん・・我々は木ノ葉という大樹を支える根・・いずれわかる時が来る。それとこれから先わしが死んだ場合根はうずまきナルトをリーダーとして動け」
よいなと念を押しダンゾウは暗部を散開させた。
「ヒルゼン・・木ノ葉は・・お前に意思は守る・・」

サスケの突きーー千鳥が我愛羅を守る卵に突き刺さる。
その瞬間卵にヒビが入りそれを中心に割れた。その直後だった。突然周りに鳥の羽がひらひらと舞い落ちる。幻術であると見極めたサスケはすぐに幻術を解くと目の前には我愛羅の他にテマリやカンクロウ、バキがいた。しばらく何かを話したあとバキを残してほかの3人はどこかに去っていきそれをサスケを追う。

「これはどういうことじゃ!!」
突然会場全体にかけられた幻術を見たヒルゼンは護衛の忍一人を状況確認に向かわせる。その瞬間隣にいた風影がヒルゼンの首元にクナイを当てていた。そして突然煙があたりを包む。そこに何人かの暗部が突っ込むがヒルゼンと風影は屋根の上に移動していた。それを追う暗部、その先頭には何故かボルトがいた。
「「「「四紫炎陣!!」」」」
突然現れた四人の忍が印を結ぶと二人を中心に紫色の結界が現れる。後を追っていた暗部の一人が結界に当たった瞬間炎に包まれる。
「ギリギリセーフだってばさ・・・」
ボルトは運良く結界に滑り込めた。

「カカシ先生!!」
観客席ではヒマワリが周りの状況に驚いていた。それもそうだ試合を見ていたら突然周りのみんなが倒れたのだから。
「ヒマワリ!!ネジとナルト、それにサクラを起こしてちょうだいやり方はわかるな」
ヒマワリの担当上忍は幻術のスペシャリストでもある紅。そのため幻術に対する対処法は嫌というほど叩き込まれている。ヒマワリは近くに倒れていたネジとナルトと自分で幻術を解いたサクラと合流する。
「さてお前たち四人に任務を与える・・口寄せの術!!」
カカシが口寄せしたのは一匹の犬だ。
「パックンの鼻を頼りにサスケを追え・・気を抜くなよこれはAランク任務だ」
 
 

 
後書き
NARUTO一言物語第一弾『一檎の敵を探して』
No.2偶然発見大名を襲撃する盗賊 

 

No.20物見やぐらの死闘

 
前書き
NARUTO一言物語第一弾『一檎の敵を探して』
No.3大名救出

 

 
(何この胸騒ぎ・・・)
波の国のなると大橋にいる二人の暗部が何かを感じていた。
「この感じただ事ではなさそうですね・・鈴蘭さん」
「確かに・・早めに里の戻ったほうがいいかもねテンゾウ」
(パパ・・ナルト無事でいて・・)

「ボルト!?何故貴様がここに!?」
木ノ葉崩しが始まってすぐ風影ーー正確には風影に変装した大蛇丸に屋根の上に連れて行かれたヒルゼン。現在は結界の中にいる。そこには暗部より先に反応し追いかけていたボルトの姿があった。
「カンクロウさんがせっかく本選に進めたのに試合前に棄権してそれで少し気になってたらヒマワリとの試合中に今日が木ノ葉崩しだって思い出したんだってばさ!!」
忘れているとは思うがボルトとヒマワリとサスケは未来から来ている。だからこそ木ノ葉崩しのことを知っていたのだ。
「三代目援護するってばさ!!」
ヒルゼンに加勢するボルト、ヒルゼンも火影衣装を脱ぎ忍装束になる。
「やる気ですね・・猿飛先生・・なら私も本気を出させてもらいますよ口寄せ・穢土転生!!」
大蛇丸はその場に四つの棺桶を口寄せする。棺桶にはそれぞれ、『一』、『二』、『七』、『白』と書かれている。そしてまず一と二の書かれた棺桶の蓋が開きそこから二人の人物が現れる。
「?!初代様!!二代目様!!」
初代火影と二代目火影だ。穢土転生は二代目火影が作った術で一人の生贄と引換えに一人の人間を生き返らせることができる術だ。大蛇丸はその術を使い二人を生き返らせたのだ。
(まさか初代様と二代目様が・・じゃが残りの棺桶はなんじゃ?『七』ということは七代目火影・・いやそれは未来の話じゃほかの里も七代目の影がおるなど聞いたこともない・・)
「猿飛先生そんなに警戒しなくても残りの二人は未完成でしてね・・うまくいくかわかりませんよ」
残る二つの棺桶も蓋を開けるがそこには塵の山があるだけだ。
(今・・一瞬・・)
穢土転生には失敗したようだがボルトの目には一瞬何かが見えた。何かまではわからないが一瞬見たことがあるもののような気がした。
「あら失敗だったみたいね・・うまくいけばあなたたちに勝ち目はなかったってのに」
そう言うと大蛇丸は二人に近づくと頭の中に札のついたクナイを入れた。
「あやつが穢土転生を使うなら対抗策は封印術しかないわしがやるボルト援護を頼む!!」
「分かったってばさ!!水遁・水獣戦牙!!」
「水遁・水陣壁!!」
ボルトと二代目の水遁がぶつかり合う。その横から初代がヒルゼンに向かっていく。
「火遁・火龍炎弾!!」
「木遁秘術・樹界降誕!!」
ヒルゼンが初代に向かって火遁で攻撃するが木でかき消されてしまう。
(あの子・・・まさか白眼を持っているなんてね・・せっかくだら頂いていこうかしら)
ボルトと組合っていた二代目がヒルゼンの方に向かう。それを追いかけようとしたボルトの目の前に大蛇丸が立ちふさがる。
「潜影蛇手!!」
「回天!!」
大蛇丸がヘビを呼び出し攻撃してくるがそれをボルトは回天で防御する。
「隙だらけよ!!」
回天のやんだ瞬間大蛇丸は、首を伸ばしボルトの首元に噛み付く。
「隙だらけはお主の方じゃ!!」
そこにヒルゼンが飛び込んでくる。その後ろではヒルゼンの影分身が初代と二代目を止めていた。
「封印術・屍鬼封尽!!」
ヒルゼンが印を結ぶとヒルゼンの後ろに死神が現れた。死神が手を伸ばすと影分身のヒルゼンの体を貫通し初代と二代目の魂を引っ張り出し封印した。それと同時に影分身が消え二人の魂があたりを漂う。そしてそれを死神が食べた。
「お前の師としてのせめてもの償いじゃ・・一緒に逝こう!!大蛇丸!!」
「じょ・・冗談じゃないわよ!!あの世に行くのはお前一人よ!!」
あまりの光景に恐怖を感じていた大蛇丸をいつの間にかヒルゼンが捕らえており自分の魂が少しずつ引っ張られていた。ボルトは首元を抑えておりチャクラが安定していない。大蛇丸が指を動かすと木に紛れていた剣がヒルゼンに向かって飛んでいった。

 
 

 
後書き

おまけ
うちはサスケの質問コーナーその1

「このコーナーはこの俺うちはサスケと」
「私春野サクラがいろんな質問に答えていくコーナーよ」
「今回の質問はこれだ」
「えーと・・過去の世界と未来の世界との違いについて詳しく教えてくださいペンネーム夏の花」
「違うところは色々とあるな」
「ナルトがヒナタを好きなこととか四代目が生きていることとか」
「一応全部何が影響を及ぼしたかは説明できるがな」
「それ本当なの?サスケくん」
「ああ、まずナルトがヒナタを好きな理由はボルトとヒマワリが二人の子供であることが関係している」
「それってボルトとヒマワリがナルトとヒナタの子供=ナルトとヒナタは両想いっていうのが過去に反映されたってこと?」
「ああ、四代目が生きている理由は俺が四代目が生きていたらうちはの悲劇を回避できたかもって考えていたから四代目が生存している」
「でもその割に陰の九喇嘛は四代目が持っていないのよね」
「ああ恐らくそれも四代目が生きているという時代のために起きた歴史の修正だろうな」
「そういえば結局うちはってどうなったの?」
「何も変わらなかった」
「・・お気の毒に」
「別に構わん」

※質問は募集中です 

 

No,21宗家と分家

 
前書き
NARUTO一言物語第一弾『一檎の敵を探して』
No.4助けてびっくり水影様




 

 
「後ろから敵だ!!それにこの数・・200人近くいるぞ!!」
サスケを追っているナルトたち。その中で感知を担当していたネジが背後から来る追っ手の存在に気づいた。しかしあまりの数に全員驚いていた。たった数人に対して追っ手の数は200、あまりにも数が多すぎる。
「どうするってばよ!!もし追いつかれたらヤバイってばよ!!」
「俺が囮になるお前たちは先に行け!!」
「ネジさん!?」
この状況でネジの判断はいいかもしれない。敵の数が多いうえどんな連中かわからない以上ネジの白眼でチャクラを見極めそれぞれに対して対抗するのが得策だ。だがこの作戦には大きなリスクとして死がつきまとう。
「別に死んでも構わない・・里を守れるならな!!」
そう言って来た道を引き返すネジ。
追いかけようとするがパックンに止められるナルトたち。やむを得ず三人は先に進む。

「多いな・・」
一人敵を迎え撃つため引き返したネジ。追ってきているということは追跡タイプの忍がいると考えたネジは近くにある第8演習場に移動した。敵はやはり全員ネジに付いて行った。これでナルトたちの追跡がうまくいく後はこの敵を倒すだけだ。
(・・この人数相手に普通に戦っていたら勝てないな・・)
圧倒的な人数差で戦う以上一瞬の隙が致命傷につながる。ネジはそう考え敵の突っ込むと回天で敵を攻撃しすぐに距離を取り空掌を叩き込む。敵が火遁で攻撃してくるがそれも回天で防御する。敵に囲まれ次々と攻撃してくる中隙の少ない攻撃を多用し数を確実に減らしていった。だがやはり数が数、半分ほど減らしたあたりでネジのチャクラは底をついた。そのネジに向かって火遁が放たれた瞬間だった。その火遁が突然何かに弾き飛ばされそこに誰かが飛び込んできた。
「ヒナタ様!?」
中忍試験でネジと戦いネジが殺しかけた相手ヒナタだ。
「なぜです?!私はあの時あなたを・・それにまだ体が・・」
「・・確かにネジ兄さんは私を殺しかけました・・でもそれは日向の呪われた運命が起こした悲劇・・でも・・・私はそれを変えたい!!そして昔みたいにウジウジしている自分は嫌なの!!やらなくて後悔するなら・・やって後悔する!!」
「ヒナタ様・・・」
ネジは昔ヒアシにいわれヒナタの修行を手伝ったことがある。その際ずっとウジウジしていたヒナタに腹を立て本気の殺気を放ったことがある。それ以降ヒナタはどこかネジを避けていた。だが今、ヒナタはネジを助けに来た。
「ヒナタ様背中を頼みます俺が倒れない限りヒナタ様は大丈夫です!!」
そう言ってネジとヒナタは敵に向かって突っ込んでいく。互いに目の前の敵に攻撃を仕掛ける二人。残る敵は百人ほどだが二人からすればその数はシャレにならない。そんな中ただ二人は互いに目の前の敵を倒し続けた。
 

 

No.22嵐の如き戦い

 
前書き
NARUTO一言物語第一弾『一檎の敵を探して』
No.5一檎逃走 

 
「いたぞあそこだ!!」
サスケを追いかけていたナルトたちはついにサスケに追いついた。サスケは全身にアザのようなものが広がっており一方の我愛羅は化物のような姿になっている。
「サスケ!!」
二人の戦闘に割り込む三人。周りを見るがいるのは我愛羅とサスケだけでテマリとカンクロウがいない。
「サクラちゃんはサスケを連れて下がっててくれってばよ!!」
「ココは私とパパでやります!!」
「私もやるわ!!今度は・・」
「小娘下がっておれこの戦い荒れるぞ」
パックンと共に渋々下がるサクラ、ヒマワリとナルトは互いに構える。
「行くぜヒマワリ」
「うん」
「「多重影分身の術!!」」
ナルトとヒマワリが印を結ぶととんでもない量の影分身が現れる。
「ナルト忍法帖四方八方手裏剣の巻!!」
ナルトの影分身が我愛羅に向かって大量の手裏剣を投げつける。我愛羅はそれを砂をまとった腕でガードする。
「パパ!!術借りるね!!」
そう言うとヒマワリの影分身が我愛羅に向かって突っ込んでいく。そのうちの数体が我愛羅を蹴り上げそこに向かって残りの影分身が殴りかかる。殴り飛ばされた我愛羅に向かって二人の影分身が殴りかかかる。

その瞬間だった。
我愛羅のチャクラが変化した。それと同時に我愛羅の姿が変わり始めた。体はどんどん大きくなりやがてその体は一本の尾をもつ化け狸に変化した。二人の影分身は変化に巻き込まれ全て消えた。
「なんだってばよこいつ」
「死ね砂漠柩!!」
突然足元から砂が現れ二人にまとわりつく。
「「口寄せの術!!」」
砂に押し潰される瞬間二人の砂が弾けそこから大きな蝦蟇が現れる。
「なんじゃいナルト!!わしをこげんなとこに呼び出すとは!!」
「ブン太さん手伝ってください」
二人が口寄せした大蝦蟇ーーガマブン太は煙管を銜え、腹にさらしを巻いて法被を羽織った親分肌の大蝦蟇である。自来也でさえ手を抜いた蝦蟇なのだが・・・
「・・であの守鶴を倒せばええんじゃん」
何故かヒマワリには逆らわない。曰く『逆らったら殺される』らしい。
「ならあの膨体を起こしゃいい行くぞ!!」
そう言ってブン太が守鶴に向かって突っ込んでいく。
「水遁・鉄砲玉!!」
「風遁・連空弾!!」
ブン太と守鶴の術がぶつかり合いあたりに突風を雨を降らせる。
「月泉花・弓!!」
ブン太の背中でヒマワリが弓を構え守鶴の頭にいる我愛羅を狙う。それを守鶴が風遁で打ち落とす。
「行くぞナルト!!」
「準備オッケーだってばよ!!」
ナルトが印を結ぶとブン太の姿が変わる。九つの尾を持つ狐の姿になったブン太は守鶴に急接近すると腕をつかみその変化を解いた。
「行け!!ナルト!!」
ブン太の腕を伝ってナルトが我愛羅に向かって突っ込む。守鶴の体に乗った瞬間足元を砂が絡め取りナルトの動きを封じる。そこに向かって砂が飛んでくるがそれをヒマワリが弓矢で弾く。
「火遁・鳳仙火の術!!」
ヒマワリが火遁でひるませようとするも砂でガードされる。そしてその隙をついてヒマワリは一本の矢を放った。
「!?」
「・・・・パパお願い・・」
力尽きたのか倒れるヒマワリ。先ほどの矢は守鶴ではなくナルトに向かって放っていたのだ。その矢は先程までの炎の矢ではなく青いチャクラの矢、つまりヒマワリは自身のチャクラを全てナルトに渡したのだ。一気に膨れ上がるチャクラに呼応するように服のチャックが弾け額当ても吹き飛ぶ。だがナルトはそれに構うことなく我愛羅に向かって走っていく。そして我愛羅に到達し殴りかかるがすなにはばまれる。
「こん・・ちくしょうがぁぁぁぁ!!!!」
ナルトの渾身の頭突きが我愛羅に命中、それと同時に守鶴の体が崩れ去る。
(このガキ・・まるであの忍のようじゃな・・最後までこの戦いを見れんがまあ心配はないじゃろ・・)
口寄せの時間が切れ消えるブン太。背中にいたヒマワリもサクラがキャッチする。一方のナルトと我愛羅は互いににらみ合っていた。既に二人共立っているのがやっとだ。そして全ての決着をつけるため二人が互いに跳躍した。 

 

No.23木ノ葉崩し集結

 
前書き
NARUTO一言物語第一弾『一檎の敵を探して』
No.6追っ手追従まさかの侍


 

 
第八演習場

ここではネジとヒナタが音忍を相手に戦っていた。ヒナタ加勢時に百人近くいた敵はその数を二人まで減らしていた。だがチャクラはもう底をつきたっているのもやっとだ。
「ここまでやられるなんてな・・」
「だがチャクラが底をついてんならもう終わるな!!」
そう言って音忍が突っ込んでくる。かわすことすらできない二人が死を覚悟した瞬間間に誰かが入ってきて二人を吹き飛ばす。
「お義父さん!?」
「四代目!?なぜここに!?」
忍として戦えにいはずのミナトだ。
「悪いけどここは引いてくれないか・・今引けば命まではとらないよ」
「何言ってんだ!!お前が四代目なら今ここで殺れば・・」
その瞬間あたりをとんでもない殺気が包み込む。ヒナタとネジはその殺気を向けられていないためなんともなかったが敵の二人は気を失う。
「二人共大丈夫かい?」
「あなたナルトくんのお父さんじゃないですね・・誰ですか?」
「もう気づかれるなんて・・まぁ君たちの敵じゃないよ・・あえて言うなら転生者と名乗っておくよ」
そう言うと偽ミナトはその場を去った。

決着をつけるため互いに跳躍した我愛羅とナルト、我愛羅が突き出した拳をかわし我愛羅を殴りつけるナルト。そして互いに力尽き地面に倒れる。
「我愛羅・・お前はいままでみんなから嫌われてたんだよな・・・でもおまえを認めてくれるやつが必ずいる・・お前もきっと・・」
そう言って気を失うナルト。
かつて我愛羅は父である風影に六度殺されかけた。生まれてすぐに母を失い愛情を知らずに生きてl/きた。守鶴を封印され里から化け物扱いされてきた我愛羅。
その我愛羅を誰かが背負った。カンクロウだ。横にはテマリもいる。思い返せば二人は自分を何度も守ってくれた。二人がいなければ自分は心を失っていたかもしれない。我愛羅は二人に対しすまないと告げ気を失った。

「久しぶりだね大蛇丸」
激戦を繰り広げる三代目火影のもとに突然現れたのはミクトだ。ヒルゼンに向かって飛んできた草薙の剣も受け止めている。
「ミクト!?なぜここに・・」
「例の実験成功したか聞きに来たんだよ・・でもこの様子だと失敗したみいだね」
「確かに失敗はしたわ・・でも面白いことがわかったのよ」
「面白いこと・・」
「ええ助けてくれたら教えるわ」
ミクトは大蛇丸と取っ組みあっているヒルゼンに目を向けた。
「お久しぶりです三代目・・といってもあなたは僕のことを覚えていませんでしょうが・・」
「わしを馬鹿にするでない!!ボルトやヒマワリとともに中忍試験に参加していた雨隠れの忍じゃろ!!」
「それは書類上のデータだよ・・・・・僕の本当の正体を教えてあげるよ」
そう言ってミクトは自分について語り出す。
「なんじゃと!?そんな話は聞いておらん」
「トビに記憶を操作されてるからね何も覚えていないのは当たり前だよ・・さて三代目そろそろ眠ってもらうよ」
そう言うとミクトは死神を睨みつける。すると死神は初代、二代目を封印したように大蛇丸の腕だけを封印した。大蛇丸の腕を封印し倒れるヒルゼン。その傍らでミクトはボルトのもとに行く。
「封印術・時析保浦」
印を結び気を失ってるボルトの首元に手を当てるミクト。するとそこに何かの模様が浮かび上がるがすぐに消える。
「?!ミクト・・話が・・違う・・」
「生きているだけマシだよ・・それより行こうか」
そう言うとミクトは大蛇丸と共に木ノ葉をあとにした。

木ノ葉側、死者二十五名うち民間人十三名
砂側、死者四十五名
また大蛇丸との戦いで三代目火影が死亡、また砂隠れの里も大蛇丸に利用されたうえに四代目風影が殺害されていたことが判明、これを理由に砂隠れ上層部は満場一致で木ノ葉に降伏を決定、それを木ノ葉は同盟を新たに結ぶ直すことを条件に受け入れた。
こうして木ノ葉崩し、後に伝説として語られるこの戦いは双方大きな犠牲を出し集結した。
しかしこの戦いでの傷跡はあまりにも大きかった。
三代目火影と戦ったボルトは戦い終結後も目を覚ましていない。大蛇丸が白眼を狙って呪印をつけそれをミクト封印術で隠したためボルトの呪印は誰も気づいていない。
悲しみに明け暮れる木ノ葉に近づく二人の忍・・・この忍が木ノ葉にさらなる試練を持ち込むことをまだ誰も知らない。
 

 

ヒナタ秘伝

 
前書き
映画公開記念ということでちょっとした番外編 本編とは一切関係ありません 

 
とある森の中。何人もの忍が走っている。突然後ろで何かが光るとそこから電撃が飛んで来て走る忍の一人に命中する。するとその忍は地面に倒れる。体が痺れているため動けないのだ。彼らの仲間は50人近くいたがこの電撃で動けなくなりそのまま敵に拘束された。
「止まれ!!お前たちに逃げ道はないぞ!!」
後ろから追ってくる旅人のような服装をした男が叫ぶ。その後ろには雲隠れの忍が二人ついてきている。どれも見たことある顔だ。
「隊長!!間違いないですよ!!こいつらうちはサスケに雲のダルイとオモイです!!」
仲間の一人が隊長らしき男に報告するがサスケの電撃で動きを封じられる。
「先に行くといいよ~♪」
目の前には大きな体をした男がいた。
「すまない」
「いいよ仲間だからね~♪」
「サスケ!!あれは砂の抜け忍東口のジャグだ!!」
「関係ない!!」
勢いを止めずジャグに突っ込むサスケ。
「~♪~♪~♪」
一方のジャグは歌い始める。そしてその瞬間その歌はとてつもない轟音になり回りを吹き飛ばした。

「やっとついたね」
木ノ葉隠れの里の門、ここに四人の影があった。日向ヒナタ、奈良シカマル、山中いの、秋道チョウジである。四人は岩隠れの里の要請で先日の隕石騒ぎの復旧を手伝っていた。その任務が終了し現在里に戻ってきたところだ。
(ナルト君帰ってきてるかな?)
長年の思いが実りナルトと付き合いだしたヒナタだが二週間前ナルトは里の郊外の抜け忍捕縛の任務に出ており全く会えていない。そろそろ戻ってきてもいい頃だと思うヒナタ。すると肩に黒い鳥が止まる。サイの超獣戯画だ。シカマルが巻物を取り出すと鳥は巻物の中に入り文字になる。
「もしかして六代目が急かしてるんじゃない?予定より遅くなったから」
「いや………それ以上の事態だ」
シカマルはヒナタに巻物を渡す。そこには衝撃的な事が書かれていた。

「サクラちゃん!!」
「ヒナタ……」
木ノ葉病院に来たヒナタをサクラが迎える。サクラに案内された病室のベッドには最愛の人であるナルトが横になっていた。身体中には色んなコードがつけられており口には呼吸器、また心拍計も数字を弱く表示している。
抜け忍捕縛任務において敵のアジトを発見し突入したナルト達、だがそこに敵の姿はなく変わりに罠が仕掛けられていた。ナルトはその罠から仲間をかばい瀕死の重症をおい意識も戻らずさらに未だに気を抜けない状態となった。最愛の人の変わり果てた姿に涙するヒナタ。
「怪我はナルトの生命力もあって大丈夫でも問題は毒………見たことないもので何とか解毒しようとしてるけど効果は……」

ヒナタの帰還から約2日、ナルトはなんの進展もなく目を閉ざしたまま。ヒナタも悪夢を見てしまいほとんど寝れていない。丸2日ナルトに付きっきりのヒナタ、時折図書館にいっては薬草の図鑑を見て何か治療に役立ちそうな薬草がないか探している。
「ヒナタじゃないか」
声をかけられ振り向くと先代の火影である綱手がいた。
「ナルトの事は聞いたそれで少し調べてみたが解毒を成功させる可能性を秘めた薬草を見つけたんだ」
「本当ですか?!」
綱手の発言にすぐに食い付くヒナタ。
「白蓮草って言うんだがとても稀少でな雷の国との国境近くに存在する幻楼の森に咲くと言われている」
「分かりました!!」
綱手から白蓮草の話を聞いたヒナタはその場を去っていった。

「話は分かった」
白蓮草の話を聞いたヒナタは六代目火影であるカカシのもとに来ていた。
「その白蓮草があればナルトを助けられるのねならヒナタ頼めるかい?」
「はい元からそのつもりです!!」
「……では日向ヒナタに任務を言い渡す春野サクラ、奈良シカマルと共に幻楼の森に向かい白蓮草を入手し戻ってくること、ただしこの任務は極秘であるため決して口外するな」
カカシから任務を受けシカマルとサクラ共に幻楼の森に向かうヒナタ、白蓮草を探すだけの任務だがその行く手には強敵が立ち塞がっっていた。

幻楼の森についたヒナタ達は早速白蓮草探しに取りかかっていた。幻楼は薬草の宝庫と呼ばれるだけあって辺りには珍しい薬草がたくさんあった。白蓮草は別名変わり身草と呼ばれており男女で匂える臭いが違うらしい。男だととんでもない激臭だが女だととても安らぐ臭いらしい。それを手掛かりにして探しているが一向に見つからない。そんな中ヒナタ達はとある遺跡を見つけた。
「ここの感じからして何百年もまえのものだな」
遺跡は石造りだが至るところに草やツタが絡み付いている。その遺跡をどんどんと奥に進んでいくヒナタ達、奥の大広間につくとシカマルが反応した。
「おい何かへんなにおいしねぇか?」
「何いってんのよシカマル?へんなにおいなんてしないわよそれよりいいにおいがするわ」
「安らぐにおいと激臭………もしかして白蓮草?!」
すぐに臭いのもとをたどるヒナタ、臭いの先にはーー目当ての薬草白蓮草がたたずんでいた。
「これで任務完了だ後は里に戻るだけだ」
「少し待ってくれ」
後ろから声をかけられ振り向くと雲隠れの忍がいた。
「ここは雷影公認の薬草研究所だすまないが薬草は別の場所を当たってくれないか?」
「分かったがどうしてもこの薬草が見つからなくてなどこかいい場所はないか?」
「幻楼の森は薬草の宝庫どこにでもある」
「そうそうそっちの里に被害は大丈夫か?あれだけの規模だから大変だっただろ?」
「ああ、ここの研究員もほとんど復興に出払っていてなここには俺しかいない」
雲の忍の言葉を聞きシカマルはニヤリと笑う。
「悪いがこのままこの薬草を諦めることは出来ないお前は雲隠れの忍じゃないからなだって雲隠れに隕石は落ちてないんだよ」
少し前の隕石の騒動で多くの里が被害を受けた。だが采配が優秀なのか雲隠れの里だけは隕石の被害を受けていない。
「ああ、お前の言う通り俺は雲の抜け忍、ネムイだそれよりその白蓮草を俺にくれないか?そうしたらお前達は見逃してやる」
「何いってんの!!こっちにはこの薬草が必要なんだから!!」
「ならあの金髪のガキみたいになるか?」
ネムイがあくびをしながら告げた言葉にヒナタは少しばかり引っ掛かりを覚える。金髪のガキ……。
「そういやあのガキ傑作だったな仲間をかばって白蓮草の毒を食らって死ぬなんてな……せっかくだから教えてやるよ白蓮草の毒について」
そう告げるとネムイの回りに三人の忍が現れる。一人はフードを被っていて顔はよく見えない。残りの二人は見たことがある、砂の抜け忍、ジャグと岩の抜け忍、セバンだ。
「この毒は作ったやつとのチャクラの呼応して他人の意識を奪い取れる。それがこいつだ!!」
その言葉と共にフードの忍のフードがとられる。そこにいた忍の顔に見覚えはない。
「眠れ闇の彼方で」
その瞬間その男の顔が変化した。顔だけだなく体とチャクラもだ。黒かった髪は金髪になり顔には三本の特徴的な髭、目は青色。木ノ葉で意識の戻らないヒナタの彼氏、うずまきナルトだ。
「まあ毒っていっても呪印術の方が近いなこの毒を食らったやつの力を別のやつに移しかえる、その上こいつは俺の支配下にある」
「ここは僕がやるよ~♪口寄せの術!!」
ジャグが巻物を取り出し印を結ぶと大量の傀儡かヒナタの回りに現れる。
「ここは俺がやる……お前達はあのネムイとかいうやつを倒せ!!」
そういうとシカマルは印を結ぶ。
「影真似・人形劇!!」
シカマルの影が伸び回りの傀儡の影と一体化する。それと共に傀儡が同士討ちを始める。かつて月に行ったときトネリの傀儡を操り仲間割れをさせたのと同じだ。
「僕の傀儡で遊ばないで~♪」
「なら傀儡に名前でもつけてろよ」

シカマルにジャグの相手を任せたヒナタとサクラは他の三人を追っていた。薬草は手に入れたが敵が呪印術を使っているならそれを何とか解除しなければ毒を治療したところでナルトの意識は戻らないかもしれない。三人を追う二人の前に突然壁が現れる。
「しやーんなろー」
その壁にサクラの渾身のパンチを叩き込み砕く。
「私の壁を砕くなんてさすがです」
「ヒナタ先に行って!!」

セバンの相手をサクラに任せたネムイとナルトを追うヒナタ。何度か巻かれそうになるが白眼と自分の勘で追跡を続けている。しばらく進むと入り口近くの大広間に出る。そこにはナルトがいた。
「ナルト君!!」
ヒナタがナルトに呼び掛けるが返事は反ってこない。そのままナルトはヒナタにたいし攻撃を仕掛けた。

「お前コウモリか何か?」
シカマルはジャグの姿に驚きを隠せなかった。先ほど傀儡を仲間割れさせたシカマルだがジャグが傀儡をしまい自分の体を変化させた。手の部分からは羽が生え天井に逆さでぶら下がっている。
「僕は昔迷い混んだ変な施設で体に注射を打ったらこんなことになったんだよ~♪」
そう告げるとジャグが歌いだしそれにあわせ空気の玉のような物がシカマルの頬を掠める。
「……コウモリだけに超音波か……めんどくせー」
そう告げるとシカマルは印を結び影を伸ばす。影真似で拘束するつもりだ。だがジャグはそれをすぐにかわす。
「食らわないよ~♪」
「ならこれはどうだ?」
再び印を結ぶシカマル。その瞬間ジャグの体が地面に落ちる。
「ど、どういうこと?」
「どっかの風影の言葉を借りるなら影さえあれば何でもできるだな」
影真似は自分の影が相手の影にさえ触れれば相手の動きを止められる。しかも回りの影を利用して範囲を伸ばしたりできる。かつての中忍試験でシカマルはトンネルを通って相手を拘束した。さらにこの広間は建物の中にあり四個ほどある窓から光が差しているだけ。つまり自分の影と広間の影を一体化させジャグの影を捕まえたのだ。ジャグを拘束したシカマルは一言めんどくせーと口にしサクラたちの後を追った。

「私の土遁をあっさり破壊するとは中々の怪力ですね」
ヒナタを先にいかせセバンの相手をするサクラ。セバンは土遁で壁を作り安全なところから岩を飛ばして攻撃してくる。
「正々堂々正面から来なさいよ!!」
「そんな安い挑発にのるわけにはいけません」
そう言うと再び岩を飛ばしてくる。それをサクラはかわしたり破壊したりしている。
「あーもうめんどくさい!!」
そう言うとサクラは地面を殴る。その瞬間地面が割れ通路だった場所は崩壊した。
「とんでもない怪力ですね私も少しばかり本気を出しましょう!!」
そう告げ印を結ぶセバン、すると回りの瓦礫が浮き上がる。
「潰れてしまいなさい!!」
「しやーんなろー!!!」
同時にサクラを襲う瓦礫、それを近くにある柱をヌンチャクのように振り回し破壊する。
「…………え?」
呆気に取られたセバンの顔面にサクラの拳が突き刺さり大きく吹き飛ばされその動きは止まった。

「お願い目を覚まして!!」
入り口近くの大広間で戦うナルトとヒナタ。ヒナタはナルトにたいして傷つけたくないため攻撃しないがナルトは攻撃をしてくる。まだ忍術は使われてないがもし使われたらヒナタは大怪我ではすまされない。何度もナルトを呼び掛けるが応答はなくその上容赦なくヒナタを攻撃してくる。どうにかして元に戻そうと考えているとある考えが浮かんだ。昔読んだことのある絵本に毒リンゴを食べて死んだお姫様に王子様がキスをしたら生き返ったというのを見たことがある。もしかしたらと考えるがそもそも難易度が高い。そもそもそれは絵本の話で現実にそんなことは起きない。その上キスするためにはナルトの動きを止めなければならない。いや、それは可能かもしれない。ナルトとヒナタの実力の差なら、そもそも目の前にいるのはナルトの意識だけだ。攻撃してもナルト自身が傷つく訳ではない。そう考えたヒナタはダメもとで攻撃を繰り出す。たった一瞬隙を作ればいい。まずは接近して足払いを仕掛けるが飛んでかわされる。すぐナルトの体に攻撃を繰り出すがそれも受け止められる。ヒナタはすぐに後ろに倒れこむ。予想しなかったのかナルトはヒナタと共に倒れ混み二人の唇がふれあった。

気付けは何時も一人ぼっちだった。回りのみんなは誰も自分に声もかけないし話そうともしない。それどころか殴ったり物を投げてくる。

ー何でみんな俺のことを……もう嫌だ!!苦しい!!死んだ方がましだ!!

ーそんなことないよ。ナルト君が死んだら私が悲しいんだよ

ー誰だよ……俺なんか誰からも必要とされてないし愛されてなんかないんだ…………

ーそんなことないよ……私はナルト君が必要だし……私がナルト君を愛してるよ!!

そういわれ振り返るとそこには自分にとって愛しい人がいた。

ーヒナタ……ありがとう

二人がキスしてからわずかな間のあとナルトの体が光だしただ一言ありがとうとつげナルトの体は元の男の体に戻った。その男はまだ息はあるもののほとんど瀕死だった。ヒナタはその男を横目で見るとネムイを追いかけた。

「そこまでだネムイ」
遺跡を抜けしばらく進んだ先にある草原。ここにネムイがたどり着いたのと同じ頃目の前が二人の忍が現れた。ダルイとサスケだ。
「雲の忍が他里のやつと組むなんてな」
「こいつは確かに木ノ葉の忍ッスけど実力と信頼はボスのお墨付きッス」
そういってダルイとサスケは剣を構える。すると後ろからまた人影が現れる。
「追い付きました!!ネムイ!!」
「ヒナタ?!」
出てきたのはヒナタだ。
「どういうことだ?お前はあのガキと戦ってたはずじゃ……」
「あなたの思い道理いくほど甘くないってことです!!」
そういって構えるヒナタ、それにあわせダルイとサスケも構える。
「zzz」
一方のネムイは寝ている。寝ていても容赦なくサスケが千鳥で攻撃する。それをネムイはかわし逆にサスケに攻撃し吹き飛ばす。
「サスケ!!こいつは眠拳の使い手だ!!眠っている間はこいつの思うつぼだ!!」
「私が行きます!!二人は援護を!!」
今度はヒナタが攻撃するがやはりかわされる。そこに黒い雷で出来たパンサーが飛んでくるがそれをネムイは殴って消滅させる。そのネムイの一瞬の隙をつきヒナタが蹴りを入れるがそれも受け止められる。そこにサスケが千鳥を放つが受け止められる。すぐさまヒナタは天穴をつこうとするがかわされる。その瞬間ヒナタとサスケの位置が入れ替わる。輪廻写輪眼の能力、天手力だ。いくつかの制限はあるが自分と対象の位置を入れ換えることができる。ヒナタと入れ替わったサスケはジャグの腕を掴む。
「零距離千鳥流し!!」
千鳥流しをくらいのけぞるジャグ。
「嵐遁・励挫鎖苛素!!」
そこにダルイが誘導忍術で攻撃しサスケとジャグの間に隙間を作る。
「柔歩双獅拳!!」
その隙間に入り込んだヒナタが即座に攻撃しジャグを吹き飛ばす。飛ばされたジャグは地面に倒れ動きを止めた。
「これで任務完了だな……それでヒナタは何でここにいるんだ?」
任務のことをはなそうとしてヒナタは口を紡ぐ。ナルトを助けるための薬草探しは極秘事項、サスケでも話すことが出来ない
「悪いがそれは極秘事項だいくらお前でも話せない」
後から追いかけてきたサクラとシカマルも合流してきた。サスケはその面子を見て何かを悟ったのか僅かに微笑んだ。
「極秘事項なら仕方がない………サクラこの任務が終わったら里に一回帰るまた手料理を作ってくれ」
「こいつの仲間はこの先の遺跡に拘束してるわ……サスケくん必ず帰ってきてよね」


幻楼の森から帰ってきてから二日、白蓮草で作られた解毒薬がナルトに投与され解毒に成功。後はナルトの目が覚めるだけとなった。ヒナタは相変わらずつきっきりで看病している。
「ナルト君……」
いまだ目を覚まさない愛しい彼の名前を呼んだ瞬間ナルトの瞼が僅かに動く。それと同時にナルトの体が動き始めそして起き上がった。それを見てヒナタは我慢できずナルトに飛び付く。
「よかった……ナルト君の……目が覚めて……」
自分に抱きつきながら泣き続けるヒナタの頭を撫でると一言ありがとうとナルトは呟いた。

ナルトが退院した次の日二人はデートに来ていた。
「そういえばナルト君あのときのこと覚えてる?」
「あのときのこと?」
「あ、何でもないよ!!」
あのときはヒナタにとっては物凄く恥ずかしいことだ。キスしただけでなく『愛してるよ』とナルトに対して告白したのだから。ヒナタはそれ以上聞かれないためにナルトを急かして一楽に向かった。
(忘れねぇよ……ありがとなヒナタ)

(了) 

 

No.24動き出す影

 
前書き
NARUTO一言物語第一弾『一檎の敵を探して』
No.7一檎VSミフネ
 

 
木ノ葉崩しから一週間がたち里は少しながら平穏を取り戻していた。その里の一角で望遠鏡を除いて鼻の下を伸ばしている男がいた。中忍試験の際ナルトとヒマワリに修行をつけた自来也だ。その自来也に杖をついた男が近づいてきた。
「今更古狸が何の用かのぉ」
「五代目火影にお前が決まった」
「わしの知らん間に勝手に決めおって・・ミナトがおるだろ」
「ミナトは忍としてはやっていけんワシはナルトを押したのだが若さを理由に断られた・・」
「ワシ以上の適任がおるそいつを連れてくる事で手を打ってくれんかのぉ」

「ラーメンおかわり!!」
「私も!!」
「もう無理だってばよ・・・・」
一楽ではナルトとヒナタ、ヒマワリがラーメンを食べていた。最初はヒマワリがボルトのお見舞いに行きお腹がすいたので一楽に向かう途中ヒナタとナルトに出会い一緒に来たのだが、気づけば大食い対決になっていた。ヒナタが十三杯、ヒマワリが十杯目を食べ終えたところでナルトが五杯目半分でリタイヤした。
「やっぱりここに・・なんじゃこの状況は・・・」

「待てそこの二人」
木ノ葉の里の外れの川でアスマと紅が二人の男を引き止めていた。黒い衣に赤い雲模様の服を着ており頭は傘をかぶっており顔は見えない。
「お久しぶりですねアスマさん紅さん」
男の一人が傘をのける。
「お前は・・」
「うちは・・・イタチ・・」
かつて木ノ葉の忍でありサスケの兄であるイタチ、里を抜けたはずなのに里になぜかいる。
「この方々イタチさんの知合いでしたか」
「霧隠れの怪人干柿鬼鮫・・どうやらヤバい奴らと関わってるってのは本当だったんだな・・」

薄暗い洞窟の中、そこに一人の忍が入ってきた。肩には誰か担いでいる。その忍がしばらく進むと目の前に一人の男が現れる。
『帰ってきたようだな小南・・首尾はどうだ?』
「七尾の人柱力フウ・・間違いなく本物よ」
『ならはじめるとするか口寄せの術』
男が口寄せすると大きな像が現れる。
『集合しろ』
男が声をかけると像の指の上に人が現れる。
『鬼鮫とイタチがいねぇな・・どういうことだ?』
『二人は少し用事があるらしいから来ないみたいでね』
『人が祈りしないで来てんのによォ・・』
『飛段、お前の悪趣味な祈りと違ってあの二人はちゃんとした仕事だ』
『ジャシン様への祈りを冒涜すんじゃねーぞ角都!!』
『二人共・・少し黙ってくれないか?』
喧嘩を始める二人をミクトが睨みつける。すると二人はすぐに喧嘩をやめる。
『サソリの旦那あれって・・』
『ああ、ミクトのやつ珍しく怒ってやがる』
『ミクト何かあったのか?』
ミクトは普段笑い以外の表情を表に出さない。昔ふざけてデイダラと飛段がちょっかいをかけたのだが笑って流されている。
『いや少し理論を立てていてね・・あの穢土転生にはやっぱり血縁者の遺伝子が必要なのかもしれないな・・・・』
ブツブツと独り言を続けるミクト。
『それよりさっさと封印をはじめるぞ』

「よっしゃー行くってばよ!!」
木の葉の門ではナルト、ヒナタ、ヒマワリ、自来也の四人がいた。
「自来也様、これから会いに行く人ってどんな人なんですか?」
「それは後で話すとして・・よいのかのぉ?さすがに次の術はお嬢ちゃんには教えられんぞ」
「構いませんその術でなくても私は強くなりたいんです!!」
一楽でラーメンを食べていた三人を連れ自来也はある人物を探しに行く事になった。その途中かつて中忍試験の際教えられなかった術をナルト達に教えることにしている。

四人が旅立った後を見る人影があった。
「………のやつもチャクラ切れの癖によくこんなこと出来るよな」
「いいんじゃない?僕たちの目的の一つだし」
「そうね・・でもこれであなたの九尾が必要なくなったんだからいいんじゃない?」
「そうだけどさぁ」
「せっかくパラレル世界から来たんからね僕は封印しなきゃならないし後は頼むよ」
「分かってるてばよ!!」
「報告待っていてくださいねミクトさん」

「なかなか強いな・・」
イタチと鬼鮫と戦うアスマと紅は完全に手も足もでないでいた。
「イタチ・・お前の目的はなんだ・・」
「俺の目的は一つうずまき・・・」
「そこまでだよ」
イタチの声を遮ったのは仮面を着けた男だ。
「・・・ミクト何のようだ?」
「封印に顔を出さないなんて何かあったのかって見に来たけど・・心配することなかったね」
「・・その件については悪かった」
「二人とも引き上げよう彼らのところにはあの二人が向かったから」
「そう簡単に逃がさないよ」
イタチ達が引き上げようとしたのを止めのはカカシだ。
「二人は先にいって・・ここは僕がやるから」
イタチと鬼鮫はミクトをその場に残し消える。
「ミクト・・・お前は何が目的なんだ?中忍試験参加したと思えば今度は抜け忍を助ける」
「君達には関係無いことだよ」
そう言うとミクトは当たりにクナイをばらまく。そしてその瞬間ミクトの姿が消えた。 

 

No.25ミクトvs木の葉

 
前書き
NARUTO一言物語第一弾『一檎の敵を探して』
No.8一檎惨敗 

 
木の葉の里の一角、ここに二人の忍が倒れていた。アスマと紅だ。約10分前、ミクトと対峙した二人は十秒とかからずミクトに倒された。ミクトはどこか別の場所に向かって移動している。
「ちょいまち君木の葉の者じゃないよね?」
ミクトを引き留めたのはカカシだ。直接話したことはないがなかなかの実力者であることは写輪眼のカカシと呼ばれていることは分かる。
「まさかカカシさんに見つかるなんて・・・あれ?サスケくん?」
ふりかえるとカカシの横にはサスケがいる。サスケの方は、里でのんびりしている時に呼ばれたのか額当てはしていない。
「ミクト・・・3次予選で明らかに手を抜いているのは分かった。なんの目的で中忍試験に参加したのか吐かせてやる!!」
そう言うとサスケはカカシと共にミクトに攻撃を仕掛ける。互いに写輪眼を使っていることから本気であることが分かる。
「仕方ないから相手してあげるよ」
そう言うとミクトは二人の攻撃をかわすと周りにクナイをばらまく。その瞬間ミクトの姿が消え今度はカカシの背後に現れる。そこにサスケが蹴りをいれミクトの攻撃を止める。写輪眼を使いミクトの動きをよんだのだ。
「先生の術・・お前は一体・・・」
「君達には関係ない事だよ」
そういってミクトは再び構える。
「サスケ千鳥だ次で決める」
サスケとカカシが手にチャクラをためる。千鳥と雷切だ。片方がミクトに突撃し飛雷神の術で飛んだところをもう片方が写輪眼でミクトの動きをよみ攻撃する作戦だ。一瞬の間の後サスケがミクトに突撃する。千鳥が当たる瞬間ミクトの姿が消える。現れたのはカカシの真後ろ、そこにすぐさま雷切を放つ。
カカシの雷切は確かにサスケの胸を貫いていた。
「どういうことだ?!俺は確かに・・」
「まさか飛雷神が自分だけを飛ばす術なんて思ってないよね?この術は使い方によってはマーキングしたものを飛ばすことができる」
最初にサスケが攻撃したさい、ミクトはサスケにマーキングをほどこし先程の雷切をくらう瞬間自分とサスケを入れ換えたのだ。
「カカシさん君にはしばらく眠っていてもらうよあの子成長の邪魔だからね」
サスケの脈があることを確認したカカシはすぐさまミクトの方に意識を集中する。しかしすぐその場に倒れこむ。
「五感の感覚を奪っておいた例え綱手さんでも治せないよ」
薄れゆく意識の中かすかに誰かの声がカカシの耳に届いた。

カカシとサスケを倒したミクトは木の葉病院に来ていた。目の前のベッドにはボルトが眠っている。
「目的のものは手に入った、後は・・」
ミクトが振り向く瞬間誰かに蹴られ吹き飛ばされる。勢いのまま窓を割り外に飛び出すミクト。体勢をすぐに立て直すが周りはすでに暗部に取り囲まれている。
「お前達気を付けろ!!こいつはカカシやアスマ、紅といった上忍連中を倒している!!」
暗部の指揮をとっているのはガイだ。ガイは木の葉の誇る体術のスペシャリスト、恐らく今のミクトには勝ち目はないだろう。
「悪いけど君達と遊んでる暇はないんだ。そろそろ術が切れる」
そう言うとミクトの体は煙になり消滅した。

とある渓谷にミクトはいた。
「口寄せ分身が切れたか・・・まぁでも目的のものは手に入ったし」
そう呟くミクトの手の中には血液の入ったカプセルがあった。 

 

No.26影の襲撃

 
前書き
NARUTO一言物語第一弾『一檎の敵を探して』
No.9ミフネからの申し出 

 
木の葉から西にしばらく向かったところにある宿場街。そこにナルトたちはいた。自来也は少し散歩をしてくると言って何処かに出掛けておりナルトたちは宿でのんびりと過ごしていた。ナルトは街で見つけた歴史書を読んでおりヒナタは趣味の押し花、ヒマワリは刀の手入れをしていた。そんなとき突然誰かがドアをノックした。ヒマワリがドアを開けるとフードを被った二人がいた。
「お前じゃねぇな・・」
一人がそう発した瞬間ヒマワリは反射的に飛び退く。それを片方が捕まえる。
「ヒマワリ!!」
入口の出来事に気付いたナルト達が駆け寄ってくる。
「見つけた・・・」
ヒマワリを捕まえてない方がナルトに向け突きを放つがそれをヒナタが止める。
「あなた達は誰なんですか!?」
「絶対に交わることのない世界、私達はそこから来た影」
声からして襲撃者はどうやら男女のようだ。
「あなた達の目的は一体なんなんですか?!何でパパを!!」
「パパ?そうかお前が・・」
「そこまでにして早くしないと・・」
「だな」
男はヒマワリを放すとナルトに向かって走り出す。
「影分身の・・」
「遅い!!」
ナルトが術を発動するよりも早く男がナルトに殴りかかる。
「八卦空掌!!」
ヒナタが男を迎撃するとその後ろから女が攻撃してくる。
「ママ!!」
それをヒマワリが刀で防ぐ。
「こいつらここまでチームワークが言いなんてな・・このままじゃこいつを連れて帰れねぇな・・・」
「そこまでだのぉ!!」
交戦する部屋に入ってきたのは自来也だ。
「お前達、何の目的でコイツらを襲ったのか教えてもらうぞ!!」
「時間切れだ」
突然襲撃者の体の輪郭が揺らぐ。
「またいつか会おう・・・九尾の人柱力」
二人の体が眩しく光る。光がおさまると二人の姿はなかった。

何処かの里の顔岩の上に二人はいた。
「後一歩だったのにね」
「しかたねぇってばよ・・今度はこっちに引きずり込んでやってやる」
「ここにいたんですね!!さがしましたよ!!」
その二人に一人の忍が話しかける。木ノ葉の額当てとベストを来た忍だ。
「少し散歩してただけだってばよ」
「書類が貯まってるんですから早くなんとかしてくださいよ!!七代目!!」

とある場所
ここでは大蛇丸がある人物とあっていた。
「綱手、私の腕を治してくれないかしら?」
「大蛇丸・・悪いがその話は断らせてもらう!!」
木ノ葉崩しの際に封印された両腕、それを直せる唯一の人物である綱手に腕を治すように頼んでいた。
「あなたの愛する人にあわせてあげるわ」
「そんなこと出来るはずないさっさと・・」
「綱手様、緊急事態です今すぐ里にお戻りください!!」
二人の会話に入ってきたのは木ノ葉の暗部だ。
「どうした?鈴蘭?」
「里が何者かの襲撃を受け重傷者が多数出ています!!」

ーー伝説の三忍の再会まであと四日 

 

NO.0受け継がれる意志、変わらないもの前編

 
前書き
BORUTOのDVD発売記念と言うことで時系列は原作沿い
すみません前後編に分けます後編はいつか書きます 

 
「行って来るってばさ!!」
ヒナタとヒマワリに見送られボルトが家から飛び出す。今から約一年前の中忍試験でボルトは父であるナルトの胸に秘める思いや過去を知った。そして自分にとってナルトがどんなに大切かを知り今は父が忙しくとも何も文句は言わない。何かの記念日でも本体が来なくとも父を攻めることはなくなった。
「ボルト、おはよう」
集合場所に来ると同じ班のミツキが声をかけてくる。
「時間には早いけどこれで全員揃ったね」
どうやら集合場所に来たのは自分が最後らしくサラダや班長の木の葉丸までいる。

「今回の任務は木の葉の外れのイノシシ退治だ」
「全然納得いかねぇってばさ!!」
ナルトが告げた任務の内容を聞き文句を言うボルト。それもそのはず木の葉丸班はミツキとサラダが中忍に昇格している。ボルトも試験には合格したが試験中の不正(敵の襲撃の影響で仕切り直しのため不正は無かったことになっている)を理由に自ら辞退している。そのためさすがにもう少し難しい任務を与えられてもおかしくはないのだが与えられるのはいつも草抜きや迷子の猫探しといった簡単なものばかり、さすがに不満も爆発するだろう。
「今回の任務はお前の考えているほど甘くはない……抜け忍が関係してるかも知れないんだ」
ナルトの顔が真剣になる。そして任務の詳細を聞こうとした瞬間ナルトが消える。影分身だ。

「結局なんだったんだってばさ………」
その後シカマルから任務の詳細を聞き現場に向かったが抜け忍のなんの関係もなかった。結局は無駄足だった。
「ただいまー」
「ヒマワリ!!!」
家に帰るとヒナタが走って来た。少し様子がおかしい。
「母ちゃんどうしたんだってばさ?」
「ヒマワリが………ヒマワリがまだ帰って来ないの!!」
ボルトの妹であるヒマワリ、昔兄妹喧嘩で半殺しにされたこともありヒマワリを怒らせるのだけは絶対にしなくなった。そのヒマワリがまだ帰って来てないことを知り探しに行こうとした瞬間、今日見たおかしな光景が脳裏を過る。ナルトは普段影分身を使い里で色んな事をこなしているが今日はその姿を見ていない。更に突然消えた火影室のナルトの影分身、帰って来ていないヒマワリ。嫌な予感が頭を過る。
「母ちゃん一緒に来て欲しい所があるってばさ!!」

ボルトはヒナタを連れ妹が通うアカデミーに来ていた。
「油女先生!!今日ここでなんか特別な授業しなかったってばさ!?」
「……ああ、七代目を呼んで実際に生徒との交流会を行った」
「そこに来た父ちゃんって影分身か?!」
「いや本体だ、なぜなら授業のなかで実際に組手を行ったからだそれより何かあったのか?」
「シノ君実はヒマワリがまだ帰ってこなくて………」
ヒナタはシノにヒマワリが帰って来ないことやナルトの影分身の姿を1日見ていないこと等を話す。
「なるほど事情は分かったがヒマワリは放課後にきちんと七代目と帰った。確か12時頃だったな」
「……12時?」
「ああ、今日は午前授業だからな」
ヒマワリは午前授業でも昼から友達と遊ぶ等の理由がある場合ヒナタに午前授業であることを伝えないことがよくある。最も最近は平和で大きな事件と言えば去年の中忍試験の時くらい。そのためヒナタもその辺についてはなにも言わない。その上ナルトも一緒にいるため大丈夫であると油断した。
「油女……先生……」
三人で話をしていると一人の子供が入ってきた。確かヒマワリのクラスメイトで名前は……よくわからない。
「折鶴かどうした?」
「私見ちゃったんです七代目とヒマワリちゃんが変な人達に連れていかれるのを」
「変な人達?」
「はい、みんな額当てにキズがあって、背中には傘の模様があって……」
「それって………神楽………」
神楽。色んな里の抜け忍を集めた、犯罪組織だ。メンバーは傘の模様のついた服を着ている。

夜、皆が眠り里の中を歩くのは酔っぱらいや野良猫や野良犬位となった頃一つの影が門に向かって走っていた。
「待つってばさ……母ちゃん」
その影ーーヒナタをボルトが呼び止める。
「父ちゃんとヒマワリを助けに行くんだろ?なら俺も行くってばさ!!」
「ボルトこれは遊びじゃないのよ!!」
「悪いがここにいる連中はそれがわかってるやつばかりだ」
ボルトの影から何人もの人が出てくる。シカマル、チョウジ、いの、サクラ、サイ、サスケ、キバ、シノ、リー、テンテン。ヒナタと親しい者たちだ。
「それにそれはパパ達だけじゃないのよ」
更にサラダ、ミツキ、チョウチョウ、シカダイ、いのじんが合流した。
「ヒナタ、ナルトとヒマワリを助けたいのはお前だけじゃないと言うことだ」

暗い牢屋の中、ヒマワリが縛られていた。火影の娘であるため木の葉を狙う連中に何かされる可能性がありアカデミー以前からいくつかの護身術を身に付けていた。着ている服は基本的に長袖を来ており袖もとには口寄せの術式、靴のかかとにはクナイをまた去年ヒナタからもらった髪飾りの裏にも口寄せの術式を仕込んでいる。縄抜けも会得している。冷静ならこのくらいの縄は簡単に抜けることができる。しかし時おり聞こえる父のうめき声の影響で冷静にいられない。そのため縄抜けをできないでいた。何度も聞こえる声にヒマワリは恐怖と悲しみ、絶望に心が染められていった。

木の葉の東、ここにはかつてどこかの一族が使っていたとされる古城がありそこを神楽のメンバーがアジトとして使っている。その古城が突然爆発する。そこにシカマル達が間髪いれず攻撃を仕掛ける。見張りをしていた忍と戦闘を開始するなかその影を通ったものが何人かいたがそれに気づけた者はいない。

古城の中をボルト達が走っていた。外の襲撃の隙をつき古城に潜入したのだ。しばらく走ると道が二つに別れていた。ボルト達はそれぞれの班ごとに別れる。シカダイ達がしばらく走り続けると坑道の入り口が見えてきた。よく見ると一人の男が立っていた。
「最悪だ………岩の抜け忍ツチノシン!!」
「ここに来るのはガキだけか……他の連中は伝説の世代と戦えるのに………」
あっという間だった。シカダイが影真似でツチノシンを拘束しようとするがそれをツチノシンはかわす。そこに間髪いれずいのじんの超獣戯画が襲う。それをかわした先にチョウチョウの攻撃が飛んできてツチノシンは吹き飛ばされる。
「神楽の連中もたいしたことなかったね」
「これが新生猪鹿蝶のちからか?」
チョウチョウの攻撃を食らったはずのツチノシンが何事もなかったかのように立っていた。
「私は踊るこの大地と共に」
ツチノシンが踊り出すと地面がまるで生きているようにうねりだし三人を飲み込んだ。

一方の陽動部隊も見張りの忍をある程度減らしそれぞれの城内に潜入していた。シカマルがしばらく進むと大きな広間に出た。
「ようこそ奈良シカマル君私の名前は恭本ワタル、草隠れの里の抜け忍だ。さぁまずは座りたまえ」
「敵にそんなこと言われて座るやつがいるか?」
「安心してくれ何も罠は張っていない」
信用したわけではないがシカマルもだてにナルトの補佐をやっているわけではない。ナルトを騙して自分のいいようにしようとするやからの言葉を見抜いてきた。だからこそ罠はないというのは本当であることがその言動から分かった。しぶしぶと椅子に座るシカマル。するとワタルはシカマルの手元にカードを渡す。カードは全部で五枚、それぞれ1、2、3、4、5、と書かれている。
「これからやるのは簡単なゲームです。あなたに渡した五枚のカードから二枚選んで下さい。それを私に見えないように裏返しにしてください。もちろん私も同じ事をします。そして交互に質問し先に相手の数字を当てた方の勝ちです。質問にたいしてははいまたはいいえのみで答えて下さい」
そういうとワタルは自分の手元にある五枚のカードをシカマルに見せる。シカマルと同じ数字が書かれておりカードには仕掛けもない。どうやらイカサマをする気はないらしい。
「では始めましょうあなたには子供がいますか?」
「おいそんな質問でいいのか?」
「構いません質問は質問ですから」
「はいだ、お前の数字は1と4だ違うか?」
「はい」
そう言うとワタルは自分のカードをひっくり返す。シカマルの言うとうり1と4がカードに書かれていた。
「何故分かったのですか?」み
「簡単な事だ人間誰でも何か数字に語呂合わせを考えたくなる。だからその数字でできる組み合わせのなかでイチゴを連想できる1と5兄さんを連想できる2と3の組み合わせはないとかんがえた。お前素直じゃなさそうだし……まぁ後は勘だな」
それだけ告げるとシカマルは部屋を後にした。

「そんなダンスじゃのれねぇな」
ツチノシンの土遁を食らったシカダイ達。あまりの衝撃にいのじんとチョウチョウはどこか別の場所に飛ばされここにいるのはシカダイだけだ。一人でも何とかしようと構えた時だった。ツチノシンの後ろから人影が現れた。
「?!お前は?!」
神楽のメンバーに囚われているはずのヒマワリだ。
「ヒマワリ!!そいつから離れろ!!」
誰かに助けてもらったのか?それとも自力で脱出したのかは分からないがシカダイはゆっくりとツチノシンの方に向かっていくヒマワリに声をかける。その瞬間突然ヒマワリがツチノシンに突きを放つ。油断していたのかツチノシンはかわさずその攻撃をくらう。その瞬間ツチノシンは動きを止め地面に倒れた。
「ヒマ……ワリ……?」
何があったのか分からなかった。本当に突然すぎる出来事だ。ゆっくりとシカダイの方を向くヒマワリ。その目には白眼があった。ヒマワリと目があった瞬間一気に寒気がシカダイを襲った。もし自分が忍ではなく普通の子供だったら気絶していたかもしれない。
「影真似の術!!」
本能的にヒマワリの動きを止めないと自分がやられると感じたシカダイはヒマワリを影で拘束しようとするがことごとく影をかわされる。あっという間に接近されたシカダイはヒマワリの柔拳をくらい吹き飛ばされる。
「おい!!どうしたんだよヒマワリ!!」
返事はない。完全に我を失っているようだ。ヒマワリが再びシカダイに殴りかかる。それをシカダイは受け止める。それと同時にヒマワリの動きが止まる。受け止めた時に影真似で動きを止めたのだ。
「お前に何があったかは知らねぇが、お前は七代目の娘でボルトの妹だろ!!正気に戻れ!!」
その言葉を聞いたヒマワリの目から白眼が消えその場に倒れる。どうやら眠っているようた。シカダイの言葉がヒマワリの心に響いたのか疲れはてて眠ったのかは分からないがかすかにヒマワリの口が動いた。

「七代目!!ヒマワリちゃん!!どこですか!!」
城の中をリーとテンテンが二人を探し進んでいた。
「すみませんが図書室では静かにしてもらえませんですか?」
「あ、すみません」
「リーここにいるってことは敵よ!!」
いつの間にか図書室に来ていた二人。図書室にいた女性に注意されリーは立ち去ろうとするがそれをテンテンが止める。ここは敵の本拠地、ならこの女性も敵である。
「まさかこんなに早くバレるとは思っていませんでした」
「テンテンいきますよ!!」
敵に向かってリーが突っ込み攻撃を仕掛けるが敵はそれを踊るようにかわす。リーの攻撃は当たらない。その合間をテンテンがクナイを投げ攻撃するがそれもかわされる。
「私はセイラ、文字と踊るもの」
セイラが空中に斬と書く。するとそこにそこに触れたリーの足から血が出る。
「空中に書かれた文字に触れたらその文字の意味のことが起きる今のは斬だから体が切れるってこね」
「そうよでもわかっても私には勝てない」
セイラが砲の上に爆を書く。すると大砲の玉みたいに爆が飛んでくる。
「セルフで大砲ですか……やりますね」
それをかわしセイラに突撃するリー。
「表蓮華!!」
「鉄!!」
自らの体に鉄と言う字を書きそれをリーが蹴りあげるがセイラの体はびくともしない。そこにテンテンが起爆札のついたクナイを投げるが全てセイラにはきかない。
「あなた達は私に勝てない」
「いえ必ず勝ちます!!剛!!」
リーは自分自身の体に剛と言う文字を書く。 その瞬間セイラがリーの体に無と書こうとするがわずかにリーの方が早くセイラを蹴り飛ばす。
「テンテン!!」
「りょーかい!!」
テンテンが巻物から剣を出すとそれをリーに投げる。リーはそれを受けとるとセイラに切りかかる。それをセイラが壁と書き防御する。
「なかなか攻撃が当たりませんね」
「なぜあなた達もこの術を使えるのですか?!」
「簡単なことよあんたの術はただの結界忍術!!だから私達にも使えるのよ!!」
セイラの術は結界の中にいる者が字を書くとその字の通りになる結界忍術。だからリー達にもこの術が使えたのだ。
「テンテン!!」
「りょーかい!!」
リーとテンテンが同時にセイラに向かって突っ込む。テンテンが剣を呼び出しセイラに斬りかかる。それをかわすセイラの目の前が突然煙に包まれる。テンテンの姿を見失った瞬間セイラの体が突然宙に浮く。リーだ。リーはセイラを蹴り上げ体を包帯で縛りそのまま地面に叩きつける。その一撃をなすすべなくくらったセイラは全く動かなかった。

(後編に続く)