仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~


 

第1話『出陣!凪絶つ風の守護者』

一面が紫色の世界に、二人の少年少女が居る。一人は高校生程度の少年、もう一人は小学校高学年程度の少女。その内、少年は少女に質問した。
「どうした梨花、また死んだのか?」
質問の内容は一般的には有り得ない内容、しかし少女、古手梨花は戸惑うことなく返答する。
「雅、あなたが死ねば世界は崩壊し、必然的に私も死に、こちらへ来るわ。400年も同じことをしているのよ。流石に学習しているわ。」
こちらの返答も、日常では発せられない内容。
「さて、今回でもう821回目。今までの統計から行くと──」
雅が過去の状況を纏めようとすると、透明な三角錐の物体が雅の前に現れる。
「今回は早いな。後一時間位は作戦を練りたかったが仕方がない。」
雅はその物体に触れ、
「行こう!僕達の次の可能性へ!」
雅が宣言すると、三角錐は光り出し、雅達を本来有るべき日常へ送り出す。

『僕の名前は凪風雅。城南大学付属高校に通う16歳。僕の世界は皆さんの居る世界と同じでショッカーや紅世の徒のような悪の組織も、仮面ライダーや戦隊ヒーローのような正義の味方が一切存在しない世界です。でも、一つだけ、不思議な都市伝説があります。その名前は新月の悪魔。何でも、6月の新月の夜に月に鏡を当てると悪魔が出現し、願い事を2つ叶えてくれるということです。しかし、月の見えない新月でどうやって月に鏡を向けるのか気になり僕は今日、実行します。しかし、僕の家は室町から続く古流武術、凪風流の本家で現当主の龍道はとても厳格な性格なので慎重に行わなければなりません。』
雅は普段通りの学校生活を終え夜も0時になる手前、雅は鏡を取り出し、準備していた。
「やはり、所詮は都市伝説。信用するだけ馬鹿馬鹿しい内容だよな。」
雅がそう言った途端に、月があるであろう場所からうっすらとした光が雅の持つ手鏡に線を結ぶように当たり、0時になった途端手鏡が発光し、
「我を呼ぶのはお前か?」
騎士のような、一角の異形が現れる。
「なるほど、本物だったのか。」
雅は結果を確認し、
「願いを叶えるらしいが、その前に何らかの代償はあるのか?」
雅は質問する。
「用心深いな。もちろん願いに釣り合う対価を失うことになる。かつて、全ての世界を破壊する力を求めた男は記憶をなくし、いくつもの多元世界をさ迷った。当然、その程度の代償はついて来る。だが、本来は叶えられない願い。それくらいはどうともないだろう。」
異形はそう答えた。
「なるほど、なら僕の願いは決まった。僕は、この世界に居たって自分の実力の所為で虐められ、もう限界だ!だから、別の世界に行く力が欲しい。そして、そこで友を作りたい!」
雅は切実な願いを告げる。
「先程の内容を聞いてもなおそれを求めるか。ならば良かろう。この堕天一族のバァルの名の下に、この少年の願いを叶えよ!」
一角の異形、バァルは叫ぶ。辺りは光り、雅の手元に何かの道具が渡される。
「それはディロードライバー。使用者を装填の守護者ディロードに変身させる物。カードを読み込ませることで戦う力を使える。現在はカードは10枚程度だが、その中の撮影機能を使えばカードは増える。ではさらばだ。装填の守護者ディロード!」
バァルは消えてゆき、雅は旅立つ朝に向け就寝した。

翌朝、雅は轟音と共に目覚めた。なんと、この世界では仮面ライダーシリーズにしか登場しない大ショッカーが雅の世界をリアルタイムで侵略し、人々を殺して行っているのだ!
「何故!どうして大ショッカーが!?」
驚く雅に、大ショッカーは更なる追い討ちをかける。
「まったく、この世界の人間は弱すぎる。俺に簡単に褒美を与えようとしているのか?それにしても今殺したこの女はつまらなかったな。何が『兄と父の道場を守る』だなど、俺には関係無い事なのに。」
ライオンファンガイアが殺した少女は、雅にとって大切な妹の望実(のぞみ)であった。雅はその瞬間悟った。自分の願いの代償は『自身の世界と家族を失うこと』であると。雅は、自分の願いはとんでもない罪だと思い、大ショッカーを倒すことが、唯一残された罪を償う方法だと思い戦いに行こうとする。しかし、階段を下りた時に父、龍道が雅の前に現れる。
「雅、本来は戒に反することではあるが、今は非常事態だ。よって、今をもって雅を凪風流十七代目当主に継承させる。さあ、頭首はお逃げ下さい。あとは我々にお任せを。」
龍道は雅を裏口から逃がす。しかし、雅は立ち止まり、
「父よ、無礼をお許し下さい。」
雅はディロードライバーを装着、中からディロードの変身用カードを取り出しディロードライバーに装填する。
【-DELOAD-】
「変身!」
雅は装填したディロードのカードを読み込ませ、装填の守護者ディロードに変身、大ショッカーの所へ向かう。
「大ショッカー!お前達の悪事もここまでだ!」
「何!この世界に戦士は居ないはず。貴様、何者だ!」
大ショッカーは、この平凡であった世界に現れた戦士に驚きを隠せない。
「僕はこの世界を救う装填の守護者、ディロード!」
「貴様が名乗った以上私も名乗ろう。私は偉大なる大ショッカーの大幹部、地獄大使。またの名を─」
地獄大使は自身の鞭で煙を立てると、ガラガラ蛇の怪人に変身した。
「ショッカー三代目大幹部怪人、ガラガランダ!」
「行くぞ、ガラガランダ!」
ディロードはガラガランダに向かう。ガラガランダは戦闘員を差し向け妨害するが、
「ならばこれだ!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
「ゥオラァ!」
ディロードはパンチ力を上げるブラストのアタックライドを使い戦闘員をみるみるうちになぎ倒してゆく。
「ええい、埒あかん!私が直接引導を渡してやるわい!」
ガラガランダはディロード相手に突進する。
「倒されるのはお前だ!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「食らえ!ディメンションブラスト!」
ディロードはガラガランダにカウンターパンチを決め、ガラガランダの腹部に風穴が空く。ディロードは拳を引き抜き、後ろに下がる。ガラガランダは地獄大使に戻り、
「ショッカー軍団─万歳!」
爆散した。
「か、、、勝てた!?」
ディロードは一瞬安堵する。事実大ショッカーは現状に困惑している。しかし、ローブを纏った賢者のような男が現れる。
「私は大神官ダロム。奴の力は我々の妨げとなる。全勢力を費やし、奴を倒すのだ!」
ダロムの言葉で大ショッカーの志気は向上し、ディロードはいとも容易く地面に崩れる。
「今は、、、逃げるしか、、無いのか。」
【ATTACK RIDE-WORLD WARP-】
ディロードは、別の世界に行くワールドワープを使い、その先で意識を失った。
続く

次回、仮面ライダーディロード
雅が行く最初の世界、それは同じ夏を繰り返す百年魔女の物語。次回『邂逅』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
装填の守護者 ディロードの設定
身長:198cm
体重:95kg
パンチ力:6t
キック力:4t
ジャンプ力:一跳び35m
走力:100mを6秒 

 

第2話『邂逅』

雅が意識を取り戻すと、山道に倒れ込んでいた。
「僕は確か、大ショッカーと戦い、負けて僕の救いを求めている世界へ逃げ込んだはず。世界移動は成功したか。」
雅はディロードライバー内部の世界を映すレンズ内から、
『現状世界 ひぐらしのなく頃に解
役職 雛見沢分校臨時講師』
そう映し出された。
「教師か。僕の憧れていた仕事だったな。とりあえず、ディロードライバーの力で傷は癒えたか。」
雅が過去を懐かしんでいると六人の子供達が雅の所へ向かってくる。
「あっ!?雅先生が倒れてる。大丈夫かなぁ?かなぁ?」
その中のオレンジの髪の少女が雅を心配する。
「ああ、僕は大丈夫だ。ちょっと転んでね。この位平気だよ。えと、、、」
雅雅は、知らぬフリをしてよそよそしい態度をとる。
「まあ、雅先生もここに来て日が浅いんだし、俺たちだけでも自己紹介しておこうぜ。俺は前原圭一。こっちの一番年上の奴が園崎魅音、さっき雅先生に話しかけたのが竜宮レナ、このワンピースを着た生意気なのが北条沙都子、沙都子と同い年のボクっ子が古手梨花ちゃん、それで梨花ちゃんの親戚で変わった髪飾りをしているのが古手羽入ちゃんだ。」
圭一は雅に簡単な説明をした。
「ちょっと圭ちゃん!?おじさんの説明雑過ぎない!?」
魅音は圭一に文句を言う。
「そうですわ圭一さん。私の説明もテキトー感が抜けませんわ。」
沙都子も独特の口調で講義する。
「ボクの説明の意図については後で圭一に問い詰めるのです。」
梨花は表情を変えず静かに起こっていた。
「なるほど、圭一君に魅音さん、レナさん、沙都子さんに梨花さんに羽入さんだね。名前は覚えたからみんなのことは少しずつ覚えて行くようにするね。さてみんな、段々空も暗くなってきた。」
雅の言葉を聞いてみんなが振り返ると空は既に夕焼けになっていた。
「やばい!魅音、レナ!早く帰るぞ!雅先生は沙都子達と帰って下さい!」
圭一の言葉を聞いて雅は驚くが、
「わかった。圭一君達も夜道には気をついて帰るんだぞ!」
「「「はぁい!それじゃ、さよなら!」」」
圭一達は自転車に乗って帰って行く。
「ごめんね、沙都子さん、羽入さん。梨花さんと成績のことでちょっとお話しがあるから先に帰ってもらえますかな?」
「解りましたわ雅さん。羽入さん、先に帰りましょう。」
「はいです。」
沙都子と羽入も帰り、雅と梨花の二人だけとなる。
「さて、今回はディケイドに勝てると思うか?」
「いきなり運任せとは、装填の守護者も堕ちたわね。」
「そういう意味での話じゃない。今回、僕を必要としている世界がどれくらいあるかって話だ。」
「少なくとも、雅の力は仮面ライダーの力よ。あなたのいた時間は?」
「僕が元々いた時間は2012年の6月でちょうど仮面ライダーフォーゼを放送していた。」
「そこまでは最低限、助けが必要になると思うわ。」
「でも、僕を必要としない世界もたまにはあったぞ。まあ、仮面ライダー全て回って初めてディケイドと同じラインに立てるから、結構長い旅になるかもな。それはそうと、僕は今回のこの世界では梨花の家の居候となっているが、教師と生徒が同じ屋根の下で暮らしちゃまずいだろう。」
「何、雅?私達の寝顔を見て欲情でもするの?」
ここまでの会話を聞いて解ると思うが、梨花は普段の可愛らしい性格は作り物で、一人称が私で大人びた性格が梨花の本来の性格である。
「馬鹿言え!僕は装填の守護者ディロード、そんな俗世の事は大ショッカーを滅ぼす使命が終わるまで忘れたつもりだ。」
「雅ならそう答えると思ったわ。」
「それにしても、また僕の助けが必要な状態なのか?」
「多分、今のままでは確実に私は死ぬわ。」
「そうなると厄介だな。それなら、ある程度作戦を立てておこう。行動はそれからでも遅くはないと思う。」
「そうね。それは一つの手段ね。」
百年の時を巡った少女は不適な笑みを浮かべた。雅と梨花はそのまま二人で家に向かった。
この雛見沢には、人間の疑心暗鬼から発症する風土病、雛見沢症候群が存在している。そのウイルスが発症すると第一段階で他人の言葉を信用出来なくなり、第二段階で他人から襲われるのではないかと被害妄想が膨らみ、第三段階で他人を傷つけるようになり、最終的に極度の恐怖心から喉元をかきむしり死に至る病である。このウイルスには蜂の女王蜂と一般蜂の関係があり、ベースとなる女王感染者が何らかの外的要因で死に至った場合、村人全員が48時間以内に最終段階で発症し全滅するような作りになっている。その女王感染者は古手家の女性第一子が必ず受け継ぐ形となる。つまり、現在は梨花が女王感染者ということになる。また、東京からはこのウイルスの存在を発見するべく何人かの団体が入って来ている。雅の使命は、東京から来た団体から梨花を救うことである。

「「ただいま!」」
雅と梨花は古手神社の掘っ建て小屋に着く。
「お帰りなさいまし。本日の夕食は焼き鮭とお味噌汁ですわ。」
「やっぱり日本人は和食だよな!それじゃ─」
「「「「いただきます!」」」」
四人は明るく夕食を食べた。
続く

次回予告
梨花は何故狙われ、何故同じ時間を繰り返すのか?そして、梨花と雅の作戦は?次回『48時間』 

 

第3話『48時間』

この雛見沢では毎年祭りの夜に一人が死に、一人が行方不明となる事件が五年前から発生している。始まりはダム建設の作業員一人が惨殺死体で発見され、犯人はもう一人の作業員であったが、その作業員は逃走し、そのまま行方不明となる。二件目の事件は、沙都子の両親が川へ転落し、父親が遺体となって発見され、母親は未だに行方不明。三件目の事件では古手神社の神主、梨花の父親が謎の奇病で死に、母親も後を追うように自殺したが、底無し沼に投身自殺したため、遺体は未だに行方不明となる。続く四件目の事件では沙都子の叔母が撲殺された状態で発見され、沙都子の兄の悟史が雛見沢を出ると言って行方不明になってしまう。無論この4つの事件に関連性は無く、ただ偶然に重なっただけであるが、雛見沢の村人はダム建設に反対し、ダム建設に賛成した北条家を村八分にし、東京から来た団体を歓迎した古手家に疑問を抱いていた。その所為もあってか、村人はこの土地の神、オヤシロさまが村に害をなす者を排除する祟りだと噂し、今年は誰が犠牲者となるか楽しんでいる始末である。しかし、オヤシロさまは本来祟り神では無くその昔村が奇病に襲われた時に人柱となることでその奇病を治めた一人の人間の女性である。その女性は古手家の先祖で名は羽入。つまり、古手羽入とはオヤシロさまが神秘の力を使い、肉体を具現化させた姿である。また、三件目の事件の神主の奇病の正体は、東京の団体が古手神社の祭具殿を見たいと言い、神主は当然拒否したが、東京の団体は既に雛見沢症候群を強制的に発症させる薬を開発し、神主に強制投与したことで神主は死に至ったのである。元々、雛見沢症候群のウイルスは、東京にいたウイルス学者の鷹野一二三が発見したが、その時は学会に握り潰され、闇の中に消えていった。しかし、一二三が養女として向かい入れた三四が大学の卒業論文に雛見沢症候群を題材にしたことで東京の団体の目に着き、多額の出資額と施設を用意してもらい、三四は現在雛見沢症候群の研究を行っている。また、鷹野達の活動拠点は入江京介という東京から来た医師が開いている入江診療所を利用しているため、迂闊に手を出すことが出来ない状態にある。
「まあ、そんなことを村人に打ち明けても無意味どころか、かえって悪影響かぁ。」
雅は夜、梨花と今後のことで話していた。
「まあ、そうでしょうね。きっと羽入の祟りで殺されるわ。」
梨花はお気に入りのワインを飲みながら冗談めいた口調で話す。
「まったく、百年以上生きている以上そういった酒とか飲みたいだろうが、その小さい身体で酒なんか飲んでいると将来育たないぞ。それはともかく、最低限のことはみんなに教えるんだろ?」
「ええ、そのつもりよ。」
「でも流石に梨花がオヤシロさまの生まれ変わりだってこととある条件下で死んだ場合は綿流しの祭りの約半月位前まで羽入が時間を巻き戻すことは言わないつもりだろ?」
そう、梨花が百年も同じ時間を繰り返すのは今年の綿流し以降犠牲者を出さないようにし、梨花曰わく『敗者のいない夏』を目指しているからだ。
「当然でしょ。みんなが一気にレベルⅤになったらどうするの!?」
「まあ、だろうな。そうなんだよな、雛見沢症候群ってこの土地に住んでいれば無条件で保菌者に、当然僕もその一人だが、自分に理解出来ない状態になると最終非常状態、所謂レベルⅤになって強制隔離が必要となるからな。とりあえず、沙都子には悟史がレベルⅤの状態で発症したから入江先生の病院の地下隔離施設で療養を受けていることは話していないだろう?」
「もちろん話していないわ。沙都子にその現実は重すぎる。」
「おっと!もうこんな時間だ。明日は身体検査で入江先生が来るから、それを踏まえて話を進めるとして、今はもう寝よう。」
「そうね。おやすみ。」
時刻は3時を過ぎていた。
翌朝、梨花達は学校へ行き、早めの授業が終わり、身体検査が始まり、梨花の番が来る。
「入江、その後の調査は?」
「はい、間違いないなく鷹野さんは雛見沢症候群と古手家第一子には関係性があると踏んでいるみたいです。」
実は、入江は雛見沢に来て沙都子のことを保護者として大切に思い、雛見沢を守りたいと思うようになり、東京には協力してはいるものの裏では裏切り、こうして梨花に力を貸しているのである。
「そう、そろそろ、部活メンバーと雅には話しても大丈夫かしら?」
「おや?梨花さんが名前で呼ぶとは、よほど信頼しているなら大丈夫でしょう。」
「分かったわ。相談に乗ってくれてありがとう。」
「いいえ、皆さんの安全が、今の私の一番の幸せですから。」
「なら、そろそろ戻るわ。みんな心配するでしょうし。」
「解りました。こちらでも進展があれば報告いたしますね。」
梨花はそれを聞き、保健室を出る。
「梨花ちゃん遅かったな。まさかあの入江先生から変なことでもされた?」
みんなが心配する中、
「違うのです。ただ、僕が今書いている小説の相談に乗ってくれていたのです。」
梨花は作り物の表情で話す。
「へぇ。梨花ちゃん小説なんて書いていたんだ?」
「なのですが、丁度話が煮詰まっちゃったのです。もし良かったら魅音の家でみんなからアイデアを貰いたいのです。」
「良いよ。それじゃ、放課後はおじさんの家に集合だ!」
そそうして、あっという間に放課後となり、雅を含めいつものメンバーは園崎邸に行く。みんなが座り、一段落着くと、梨花はみんなに真実を告げ、助かる方法を求めた。
「梨花ちゃん、それは本当のことか?」
圭一は驚きながら質問する。
「紛れもない事実だ。梨花本人が言うならともかく、そんな嘘を言う利点の無い僕が言うからには、事実だ。」
雅が助言する。
「もしそうなら、梨花をどこかに隠さないと!」
レナが提案するが、
「それは無理がある。彼等はこの村を隅々まで調べたから、そこらに逃がしてもすぐバレる。」
雅は無理だと言う。
「ならばいっそのこと梨花を殺してしまう、というのはどうでしょう?」
沙都子は突拍子にとんでもないことを話した。当然みんなふざけているのかと思う中、
「なるほど、東京の狙いがその病気の立証なら梨花ちゃんが死んで2日経っていれば計画が失敗になって自然と手を引くって訳か。」
圭一の説明でみんな納得する。
「だがそれを実行するには、大人の手助けが必要になる。大石刑事の力でも借りられれば─」
雅がそう言うと、
「私がどうかしましたかぁ?」
雛見沢を出てすぐの街、興宮の刑事、大石倉人が警視庁の刑事、赤坂衛を連れて現れる。園崎家はヤクザと繋がりがあるため捜査に来たという名目で実際は魅音の母、茜と麻雀をして遊び、帰るところであった。
「あれ?梨花ちゃん、久し振り。」
「赤坂、お久しぶりなのです!」
梨花はかつて赤坂に助けてもらい、それ以後懐いていたため、再開を喜んでいる中、雅は大石に事の事情を話す。大石はそれを聞き、
「なるほど、私一人の力では難しいですがぁ、私ももうじき定年です。最後に一花咲かせてやりましょう!」
大石はその提案を受け入れる。赤坂も手を貸す旨を伝える。物語は、確実に梨花達の方に追い風が吹き始める。続く

次回予告
ついに始まる48時間計画。果たしてその結末は?そして、雅は次の世界へ。次回『流転』 

 

第4話『流転』

 
前書き
今回でひぐらしのなく頃に解編が終わります。 

 
入江は、同じく東京から派遣された二尉で有りながら裏切り行為を行った富竹ジロウと計画の最終調整を行い、日は進みいよいよ綿流しの祭の前日、古手梨花と思しき少女が死後48時間以上経過した状態で発見されたという情報が興宮警察署から発表された。無論、この情報はデマである。雛見沢部活メンバーの計画した『48時間計画』の内容はまず、古手梨花が死後2日経過した状態で発見されたというデマを流す。ここで運が良ければ撤退し、梨花は無事暮らして行ける。
「嘘よ!仮に古手梨花が死んで2日経っているなら、何故誰も雛見沢症候群を発症しないの!?まさか、私の研究は間違っていたの!?」
部活メンバーの予想通り鷹野は混乱している。しかし、
「三佐、これはきっと罠でございやすぜ。きっと、古手の嬢ちゃんは園崎家の旧拷問室跡に匿っているに違いないでしょう。」
東京の抱えている非正規部隊『山狗』の隊長の小此木が混乱する鷹野を征する。
「なら、どうすればいいのよ。」
「そうですね~、そうだ!明日は綿流しの日。なら手はありやすな。」
もはや、東京の主導権は小此木が握っていた。
そして翌日、村人が待ちに待った綿流しの日。開催の花火はいつもより大きな音をあげた。それもそのはず。実は花火の音に合わせて山狗が旧拷問室跡を爆薬で破壊していたからだ。しかし、
「そう来ると思って待っていた。食らえ、凪風流『桃撃』!」
煙の中から雅が現れ突入した山狗の脇腹と鳩尾を同時に攻撃し、他の隊員ごとはじき出しながら現れる。
「ここに古手梨花はいない!諦めろ!」
雅は諦めるように促すが、山狗の隊員は拳銃を向ける。
「これはヤバいな。」
【ATTACK RIDE-SPLIT-】
雅がカードをスキャンすると同時に山狗は7方向から銃を放つが、雅のスキャンしたカードは使用者が攻撃された時に分裂し、カウンター攻撃を放つスプリットのカードであった。当然、効果の判定中に食らった七発分に合わせ雅は8人に分身する。分身した雅はそのまま山狗に向かいそこにいた30人を気絶させ、縄で取り押さえておき、園崎家の門まで向かう。
門に行くと、魅音の双子の妹の詩音がリムジンの中から出ようとしているのを確認し、
「伏せろ!」
雅が詩音に対し叫ぶ。詩音は慌てて伏せると、丁度詩音の髪を横切るように弾丸が掠った。
「出て来い!」
雅が叫ぶと、小此木が梨花を人質に現れる。
「へへ、バレてやしたか。だが生憎、嬢ちゃんはこちらが手に入れた。おい!こいつを運べ!」
小此木が山狗の一人に渡すと、
「梨花ちゃん、もう大丈夫だ!」
その山狗は梨花を雅のところに連れて行く。そしてマスクとサングラス、帽子を外すと、
「赤坂ぁ!!」
なんと、その正体は赤坂であった。これは大人達が考えた案で仮に東京が梨花を捕まえた時の事を考え、事前に赤坂を潜入させていた。公安警察の赤坂にとって潜入行為は簡単であった。ましてや、こんな自警団レベルの部隊を壊滅させることなど、朝飯前であり、小此木は激怒し赤坂の胸部目掛け渾身の一撃を当てるが、
「そんなものか?拳とは、こう出すものだ!」
赤坂は衝撃で車のガラスが割れる程のパンチを放ち、小此木は掠った程度であるが、気絶する。
「さて、みんながいつもの丘で待っている。葛西さん、梨花さんを送って下さい。僕は入江先生と詩音さんと、少々話さなければならない事情があります。」
雅は、詩音のガードマンの葛西に頼み、葛西は了承する。その場に居るのが雅と詩音、遅れて来た入江だけとなり、
「実は、悟史君は生きています。ただ、緊急隔離しないといけない状態でしたので、全ての方に内緒にしていたのです。入江先生、それで間違いは?」
雅は行方不明となっていた悟史の所在を明らかにした。
「はい、間違いないありません。その隔離している施設は、診療所の地下にあります。」
入江も、真実を認める。
「そんな!出来れば、一目だけでもいいので、合わせて下さい!」
詩音は、泣きながら頼む。
「入江先生、すみません。詩音さん、僕は元より、悟史君をあの場所から救うために話したのです。」
雅が言うと、
「しかし雅さん、あの場所は今や山狗が占拠しています!どうやって─」
入江は当然反発するが、
「何のために僕が居るのですか?入江先生、詩音さん、僕に捕まって下さい!」
雅の言葉に入江は驚く。詩音と入江は恐る恐る雅の服の裾を掴み、
「それじゃ、少々危険でやりたくなかったことですが!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は、空間内を行き来するワープのアタックライドを使い、地下隔離施設の入り口にワープする。
「驚きましたね。まさかそんなことが出来るとは、あなたは魔法使いか何かですか?」
「ただの正義の味方です。それより、扉の解除を。」
雅の言葉に反応し、入江が扉のロックを解除し、扉を開けると、寝たまま特殊な病室で機材を取り付けられた悟史がいた。
「悟史君!雅さん、悟史君をどうやって助けるのですか?」
「まあ、見てて下さい。」
雅は病室に入り、悟史の心臓がある辺りに、右手を添える。
「入江先生、雛見沢症候群は、死者の肉体からおよそ三分で死滅するので間違いありませんね?」
「ええ、その通りですが。」
「なら簡単な話です。電気ショックでなんとかなる話だ!」
【ATTACK RIDESHOCK-】
「よいしょ!」
電気ショックを右腕から流すショックのアタックライドを使い、悟史脈拍数はどんどん低下し、そのまま脳死に至る。
「雅さん、なんてことを!」
入江は怒る。詩音は、現状が整理出来ておらず、困惑している。そして五分経ち、
「入江先生、先生なら人間の脳波は電気信号を放っていることはご存知ですね。ですから、もう一度その電気信号を流します!」
【-SHOCK-】
雅はショックのアタックライドを再度スキャンし、悟史に電気ショックを流す。悟史の身体はビクンッと跳ね上がり、徐々に脈が安定化し、通常の脈に戻る。
「脳死と共に死滅するなら、一度脳死の信号を送ればいいだけです。」
「なるほど、その手段がありましたか。」
入江は関心する。
「さて、あとは。」
雅は悟史の機材を外し、病室を出て、詩音達とワープで外に脱出した。
「皆さんとはここでお別れです。僕は、梨花達の救助に向かいます。」
雅は、再びワープのアタックライドを使い、部活メンバーのいる岡まで行く。
鷹野は、次々に消えて行く部下を見て怯えながらも登って行く。途中、意識を取り戻した小此木が鷹野の所に向かう。
「三佐、うちらの部隊は壊滅。東京の連中ももはや三佐の研究は妄想としか思っていやせん。もう諦めましょう。」
「そんなことは出来ないわ。」
「そうですか。」
小此木は拳銃を一丁、鷹野に渡す。
「言っときますが、そいつは自決用ですんで、野暮なことは考えないで下さい。」
小此木は呆れながら鷹野の下から去り、
「俺も、見納めか。」
大人しく投降した。それでも鷹野は諦めず、喉元をかきむしりながら部活メンバーの所にたどり着く。
「見つけたわ。これで、私たちの、おじいちゃん、研究が完成するわ!」
鷹野は小此木が渡した拳銃を向ける。しかし、その焦点は定まらずにいた。それを見て、
「さあ撃て、人の子よ!その押し付けずにはいられない罪を放て!」
羽入は勇気を張って鷹野にその言葉を放つ。
「解った─解ったわ。死ね!?」
鷹野はその言葉を聞き、羽入に照準を定め、拳銃に残った最後の一発を放つが、羽入に当たることなく、弾は木に当たる。鷹野は愕然とし、鷹野は取り押さえられ、この事件は解決した。
雅は、この世界を救ったため、新しい世界へ行くことをみんなに伝える。
「そうかぁ、おじさんは残念だな。雅先生と会えなくなるなんて。」
「魅音、俺だってつらいぜ。でも、それでも笑顔でお別れをするのが、仲間ってもんだろ?」
「圭一さんにしては見事なことを言いましたですわね。」
みんなが別れを惜しむ中、
「雅、ディロードライバーを貸して欲しいのです。」
羽入は雅にそう言った。
「悪いが、僕以外が触れた途端に大爆発を起こし半径200mの生物を全滅させる。直接渡すのは無理だから地面に置くぞ。」
雅は、ディロードライバーを地面に置く。羽入は自身の持つオヤシロさまの力を用いて、劣化コピーのように、ディロードライバーを復元する。
「これがあれば、何時でも雅と話せます。」
「ありがとう羽入。それじゃ、僕を待っている世界はまだあるから、行ってきます!」
【ATTACK RIDE-WORLD WARP-】
雅は、『ひぐらしのなく頃に 解』の世界から旅立った。
雅の向かった世界には、空を舞う白い魔導師と、空を駆ける黒き魔導師が、ある事件を追っていた。
続く

次回予告
雅は、次の世界で魔法の力を開花させる。そして、主人公達は深い傷を負っている状態で─次回『希望の光、誕生なの』 
 

 
後書き
ようやくひぐらし編が終わりました。とりあえず、ここまでの使用カード説明
ディロード変身用カード:使用者を装填の守護者ディロードに変身させる。
ブラスト:パンチ力を強化させる。
ワープ:その世界の中なら、どんな場所にでも瞬間移動出来る。
ワールドワープ:空間内の移動は出来ないが、世界から世界へ移動出来る。
ショック:右腕から電気ショックを放つ。
スプリット:相手の攻撃に合わせ分裂し、カウンターアタックを決める。
ファイルアタックライド ディロード:ディロードの必殺技を発動させる。
他のカードの説明はおいおいやってゆきます。次回からなのはA's編が始まります。 

 

第5話『希望の光、誕生なの』

 
前書き
今回からなのはA's編、始まります。 

 
それは、小さな願いでした。越えられない惨劇、迷い込む時間。現れた救世主は、人々を助け、消えて行く。そして、今度は私達の所へ。仮面ライダーディロード、始まります。

第5話『希望の光、誕生なの』
(さて、今回のこの世界は僕のことを知っているみたいだから、ある程度話を合わせないとな。)
雅は、今居る施設、艦船アースラの通路を歩いている。どうやら、この『魔法少女リリカルなのはA's』の世界は、過去の世界に一度来たらしく、雅のことを知っている人々がほとんどいた。その為、雅はある程度慎重にことを運ぼうとしている。すると、
「雅、その、、ひさしぶり。」
かつて、別の事件の重要参考人であったが、実際は被害者であった少女、フェイト・テスタロッサと会う。
「ひさしぶり、フェイト。あれから調子はどうだ?」
「母さんのことは、まだ整理出来てないけど、なのはが友達になってくれてから、私は頑張れるようになった。私、雅とも友達になりたい。友達になっても、大丈夫?」
「大丈夫に決まっているだろう?僕はフェイトを助けたんだ。そのフェイトが、友達になりたいって言ってくれて嬉しいかぎりだ。」
「本当?ありがとう!」
「それはそうと、リンディ艦長は?」
「雅、今はリンディ提督だよ。リンディさんは今、なのはのことを看ています。私は、腕を痛める程度で済んだけど、なのははリンカーコアを奪われて。今意識を失っているの。」
「そうか。僕はリンディ提督の所に向かわないといけないから、ついでになのはに会ってくるよ。」
「本当?ありがとう!」
「ああ、行ってくるよ。」
雅はメディカルルームに向かう。
この世界は、魔法を使う素質、リンカーコアの有無によって魔導師になれるかが決まる。もちろん、雅の中にもリンカーコアが眠っている。現在、主人公の高町なのはとフェイト・テスタロッサが追っている事件は魔導師およびリンカーコアを持つ原生生物のリンカーコアが奪われる事件が相次いで発生。魔術パターンから、犯人はなのは達の扱うミッドチルダ式のライバル、ベルカ式の使い手の犯行と判明。また、ベルカ式の攻撃パターンは、カートリッジを使用することでパワーを上げ、破壊力を上昇させる戦法が得意である。
そうこうしているうちに雅はメディカルルームの前に着く。
「失礼します。リンディ提督、お久しぶりです。」
「あら、お久しぶりね、雅さん。」
雅の目の前にいるのは、時空管理局提督(分かり易く言うと、警察署の所長)のリンディ・ハラオウンが、現在意識不明の高町なのはの前にいた。
「リンディ提督、僕に急用とは?」
「実は、今回の事件の担当がうちに来てね。雅さんには事件の解決に協力して欲しいの。」
「もちろん、そのつもりで来ました。」
「それはありがたいわ。なら、早速だけど。」
リンディは雅に、この世界の魔導具、デバイスの待機モードを手渡す。
「それはね、レイジングハートさん達がベルカ式カートリッジをどうしても導入したいと言っていうことを聞かなかったの。それで、レイジングハートさん達のようなインテリジェントデバイスにカートリッジが導入出来るか試験的に作ったデバイスなの。見て解るようになのはさんとフェイトさんは戦える状況に無いわ。そこで、雅さんにこのデバイスを使ってもらおう、てなったの。雅さんはまだ自分のデバイスを持っていないでしょう。この際持ってみたら?」
雅は、四角形の緑色の宝石のようなインテリジェントデバイスを受け取る。
「ありがとうございます。早速、トレーニングルームで練習して来ます!」
雅はそのまま出て行き、アースラのトレーニングルームに向かう。
「ところで、君は名前が決まっているのか?」
[いいえ、一切のデータがブランクです。]
「解った。今日から君の名前は、セイクリッドグリッターだ。さて、初期認証の詠唱を開始。『導け!守護者の名の下、禍々しき闇を撃ち払え!セイクリッドグリッター、セットアーップ!』」
雅の呼びかけに応じ、セイクリッドグリッターは魔力円環リングが出現し雅の身体を包み込む。セイクリッドグリッターは魔法衣に形を変え、雅に装着される。
「予定通り、デバイスの形状は設定完了だ。」
[マスター、練習用の敵が八方向から出現しました。]
雅が動作確認をしていると練習用の偽敵が現れる。
「行くぞ。カルテットバインド!」
[quartet bind]
雅は4方向を取り押さえるカルテットバインドを放ち、偽敵四体の動きを抑える。
[マスター、残る四体は?]
「こうするんだ。チェーンラッシュ!」
[chain rush]
雅は、カルテットバインドで抑えた地点に魔力光で形成したチェーンを放ち、向かってきた偽敵をチェーンで絡め取る。
「それで、最後の仕上げに!」
【-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、
【ATTACK RIDE-SLASH-】
「こうして頭部ユニットを破壊する!」
ディロードはチョップを手刀に変えるスラッシュのアタックライドを使い、偽敵のコンピュータを破壊し、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディメンシヨンスラッシュ!」
ディロードは必殺技を放ち、八体の偽敵を撃破する。
[お見事です、マスター。]
その光景にセイクリッドグリッターは誉める。こうして、雅は正式に今回の事件、『闇の書事件』に参加する。
続く

次回予告
ついに始まる闇の書事件の解決策の模索。しかし、クリスマスイヴの夜、悲劇が起き─次回『夜天の空、出現なの』に、ドライブイグニッション! 

 

第6話『夜天の空、出現なの』

それは、小さな祈りでした。新たな出逢い、傷だらけの仲間。でも、だからこそ!この手でみんなを救いたい。仮面ライダーディロード、始まります。


雅は、攻撃用の魔法が弱く、種類も乏しいが、補助に長けており、珍しいことに回復系の魔法が多彩で、度々なのは達をサポートし、雅が事件に入ったことで、現場から得られた情報も多くなった。今回の事件の犯人は、ベルカ式の魔法の使い手で、闇の書からリンカーコアをベースに製作される防衛システムの一環、守護騎士システムの犯行と判明した。守護騎士システムは全部で四人。将のシグナム、鉄槌の騎士ヴィータ、癒やし手のシャマル、守護獣のザフィーラである。本来、彼女ら守護騎士システムは主の命令にのみ従う擬似人格しか搭載されていないが、彼女らの話を聞くかぎりでは、彼女らは自らの意思で今回の犯行を行い、主はこの事件に一切関していないらしい。また、雅達が捜査している時に守護騎士に味方しているミッドチルダ式の魔法を使う仮面の戦士については、彼女らは思い当たる節が無い、ということまで判明。また、時が進む中、なのはに魔法を教えた少年、ユーノ・スクライアが闇の書について分かり易く説明した。本来、闇の書の正式名称は『夜天の魔導書』というもので、本来の使用方法は、その時代において、優秀な魔法を記録として保存し、後世に語り継がせることが目的であったが、かつて所持した者が、私利私欲の為にこのシステムを改竄し、破壊行為以外の使用が不可能となり、守護騎士システム自体も、過去の記憶の一部が破損、更には闇の書の管制人格が制御出来ないという最悪の事態となってしまった。
そして時はクリスマスイヴにまで進む。なのはの親友の一人、月村すずかが図書館で出会って友人となった少女、八神はやてのお見舞い兼クリスマスパーティーになのはとフェイト、雅も招待され、はやての居る病室に入る。
「メリークリスマス!」
なのはのもう一人の親友、アリサ・バニングスがそう言って全員で入ると、雅達は驚く。なんと、闇の書の守護騎士がその病室にいたからだ。ヴィータは咄嗟にはやての所へ向かい、なのはを睨む。
「あの、、そんなに睨まないで。」
なのははヴィータに控え目に話すが、
「睨んでねーです。こういう目つきなんです。」
ヴィータは謎の口調で返す。
「こぉら、そんな嘘言うたらあかん。悪い子はこうやぁ。」
はやては、普段と違うヴィータの態度を見てヴィータの鼻を弄りながら注意した。
「通信が入らない。」
「シャマルは、こういうことに関してはプロなのでな。」
「奇遇ですね。僕も通信妨害を行っていたところです。状況を見たところ、はやてさんは実際に事件のことを一切知らないようですし、何より今ここで何か行えばみんなが悲しむ。せっかくすずかが友達と楽しく過ごしているのに、大人の都合でそれを壊していい訳が無い。」
フェイトと雅がコートをかけている時、シグナムと思念通話で会話し、
「ごめんなさい、はやてちゃん。なのはちゃん達とお話がしたいので、私達は席を開けてもいいでしょうか?」
「かまへんよぉ。」
シャマルがはやてから許可を貰いなのは達ミッドチルダ組とシグナム達ベルカ組は屋上へ出る。
「それで、お話とは?」
雅が聴いた瞬間、ヴィータは自身のデバイス、グラーフアイゼンでなのはを狙うが、なのはは避ける。同じくシグナムも、太刀型のデバイス、レヴァンティンでフェイトの脇腹を狙う。
「話がしたいんじゃないのか!」
雅は叫ぶ。
「もうお終いだ。どーせおめーらは管理局にここの事を連絡してんだろ?だったらもうお終いなんだよ!」
ヴィータは泣きながらそう言う。
「自分達で通信妨害していてよく言うよ。」
「だが、あと少しで、我らの悲願は達成する。闇の書は、あと数十ページで全て埋まり、主はやては完全な覚醒をする。それに、お前たち管理局には、闇の書を破壊する手段も、主はやての呪いを解く手段も無い。ならば、我らが守護騎士が、主はやての苦痛を解く以外、他に手はない!」
「だから!それが間違っているんだ!管理局のデータベース内に、闇の書に関するデータがしっかりあった!」
「だが、もう遅いんだ。ここまで来たら、もう止まれない。それに、管理局のデータなど、信用出来ない。」
シグナムと雅が話したあっていると、
〝キィン!〟
六人全員、バインドをかけられ、雅達を妨害していた仮面の戦士が現れる。
「二人!?」
なのはは、仮面の戦士が二人いたことに驚く。
「やはりな。遠距離の妨害魔法と、完璧な接近戦、両方行える奴はいる訳が無い。それに、僕は二人に出会ったが、二人とも魔力反応が微妙に違うから怪しんでいたが、二人だったか。」
「やはりお前にはバレていたか。だがもちろん手遅れだ。」
仮面の戦士の所に闇の書が渡る。そして、シャマルのリンカーコアを闇の書に吸収させ、シャマルはリンカーコアを失い消滅する。
「貴様!何のつもりだ!」
シグナムは吠える。
「闇の書の最終ページは守護騎士自らがリンカーコアを捧げ完成する。今までもそうであっただろう。」
仮面の戦士は更にシグナムのリンカーコアを吸収させ、シグナムも消滅する。すると、
「ウオォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
盾の守護獣ザフィーラが突進して来る。
「そう言えば、もう一匹いたな。」
仮面の戦士はザフィーラのリンカーコアも吸収させる。
「お前たちはしばらく動くな。」
仮面の戦士は六重の結界でなのは達を閉じ込め、仮面の戦士はフェイトと雅に変身魔法で変身し、はやてを転移魔法で転送させる。そして、その目の前で、ヴィータのリンカーコアを奪い取り、ヴィータを消滅させ、闇の書をはやての所に渡し、偽雅と偽フェイトは姿を消し、その最悪のタイミングでなのは達は結界を破壊し、外に出る。しかし、時既に遅し。
「うちの子達を、、、返せぇ!」
[起動]
闇の書は666ページ全て埋まり、はやての悲しみによって起動、黒く禍々しき光がはやてを包み、それが放たれると幼いはやての姿はなく、凛々しい女性がそこにはいた。彼女こそ、今まで多くの主を死に追いやった闇の書の管制人格である。
「また、私は目覚めてしまった。この世界を破壊し、次の世界に渡るまでもうあと少し。それまで、私は主の望みを、叶えるまで。主には、悠久の安らぎと安心を。そして、」
[diabolic emission]
「主を傷つける者には、永久の苦痛を!」
闇の書の管制人格はバリア発動の封印効果のある広域範囲攻撃型魔法、デアボリックエミッションを放つ。雅となのはは強固なラウンドシールドを展開し、防御の低いフェイトを守る。デアボリックエミッションに合わせ、結界が展開され、舞台は戦闘区域に変わる。
「スレイプニル、羽ばたいて。」
闇の書の管制人格は飛翔用魔法で羽ばたき、
「咎人達に、桜花の槍を─」
闇の書の管制人格は収集魔法で残留魔力を収集する。
「スターライト、、ブレイカー!?」
なのは達は今放とうとしている魔法に見覚えがある。かつてなのはがフェイトを助けるために使った砲撃魔法、スターライトブレイカーのチァージを行っている最中である。
「このままじゃ危ない。すぐ逃げよう。」
雅の案でなのは達は遠くに向かう。なるべく遠くへ向かう中、
[300ヤード先に一般人がいます。]
フェイトのデバイス、バルディッシュが問題を提示する。
なのは達が確認すると、確かに子供の影が2つ見える。次の瞬間、
「えっ!?アリサちゃんにすずかちゃん!!」
その2つの人影はアリサとすずかであった。なのは達はアリサ達の所に向かい、
「一般人の方、これから危険ですので、そこで止まっていて下さい!」
そう言ってバリアを張る。フェイトもプロテクションを発動。雅はラウンドシールドとバリアのアタックライドで防御を安全なものにする。それと同時に、
「穿て、スターライトブレイカー。」
闇の書の管制人格はスターライトブレイカーを放つ。その威力は凄まじく、雅達も耐えるのがやっとであった。やがて砲撃は止まり、アリサ達を安全な場所に非難させる。闇の書の管制人格はなのは達の所に着き、涙を拭う。
「主は、愛しい騎士を奪ったこの世界が夢であって欲しいと願った。私は、暴走が始まる前に、主の願いを叶えるまで。」
「待って下さい。ヴィータちゃん達を攻撃したのは、私たちじゃありません!だから話を聴いて下さい、闇の書さん!」
「お前も、その名で呼ぶのだな。」
「それは─」
「だが、私は闇の書、主の願いを叶える道具にすぎない。」
「なら何で、泣いているの!?辛かったり、痛いから、心があるから、泣いているのですよね!」
「これは主の涙だ。本でしかない私に、感情はない。」
闇の書の管制人格がそう言うと、
「そうやって、何時まで駄々をこねているの!」
フェイトは叫ぶ。
「そうか。これ以上は時間の無駄だな。暴走する前に、主の願いを叶えなくては。」
闇の書の管制人格がそう言うと、
「何時までそうしているんだ!この駄々っ子!」
フェイトはバルディッシュのハーケンを構え向かうが、
「お前も、私の中で眠れ…」
[収集]
フェイトは、闇の書の収集魔法で闇の書の中に閉じ込められてしまう。
「なるほど、お前のような駄々っ子は、一度ひっ叩かれないと解らないみたいだな。なら食らえ、凪風流『蒼角』!」
雅はジャンピングキックを放つ。しかし、
「なら、お前も。」
[収集]
闇の書の管制人格は雅をも収集してしまう。
守護者、消滅する。
to be continued

次回予告
雅が目を覚ました景色、それは雅が望んでいたもの。そして、覚醒したはやての決断は─次回『夢の終わり、理想との決別』に、ドライブイグニッション! 

 

第7話『夢の終わり、理想との決別』

雅が眼を覚ますと、見慣れた光景が広がっていた。その場所は凪風流道場内、凪風宅二階、要するに雅の部屋であった。
「おかしい。僕は、リィンフォースと戦っていたはず。どうしてここに?それに仮面ライダー用のライドカードが全て使用可能になっている。どういう事だ?」
雅が疑問に思っていると、ある人物が雅の部屋に入って来る。
「兄さん、おはようございます。」
「望実、どうして!!」
入って来た人物は雅の妹、望実。しかし、あの日望実は大ショッカーに殺された事を覚えている雅は驚く。
「どうしてって、母から起こしに行くように頼まれましたので。もう下では朝食の準備が整っていますよ。でも、その前に、安心したいからギュッてして?」
望実は甘えて来る。
「いいよ。ほらおいで。」
「ありがとう、兄さん。」
望実は雅に抱き付く。
(懐かしい。実に400年ぶりだな。家族の暖かさに触れたのは。)
雅は、久し振りの感覚を噛み締めていた。

その頃、なのはは闇の書の意志と空中戦を行っていた。
「全く、何故無駄な足掻きをする?」
闇の書の意志はなのはに問う。
「まだきっと、フェイトちゃんも雅君も戦っているから!」
なのはは答える。
「無駄だ。あの二人は、永遠に覚めない夢の中に居る。自分から、覚めることを拒む夢の中に。そして、お前には永遠の苦痛を。変身。」
[snow rain from]
闇の書の意志は雅の力を使いディロードに変身。しかし、その姿雅の変身する黒と銀では無く、銀のカラーが燻し銀となり飛行魔法のスレイプニールが展開された姿、スノーレインフォームに変化していた。
[quartet bind]
[plasma smasher]
なのはは四重の拘束を受け、雷の魔法で大ダメージを受ける。
(雅君、早く眼を覚まして!)
なのはは、守護者の覚醒を願う。

雅はその頃、弟以外の家族と朝食を採っていた。
「父上、流夜はどこへ?」
「奴は朝練とやらで先に行った。」
「そうですか。」
雅が父、龍道と話していると、外から悲鳴が聞こえて来る。なんと、大ショッカーの怪人が人々を襲っていた。
「雅、何をしている。早く戦いなさい!」
龍道は雅に指示を出す。
「はい!今すぐ!」
雅はディロードライバーを持って出て行く。
「大ショッカー、そこまでだ!」
雅の声に反応し、大ショッカーの怪人、ドクロ少佐は振り向く。
「何者だ!」
「お前を倒しに来た男だ!」
【CHANGE RIDE-ELECTRER-】
雅はストロンガーのベルト、エレクトラーのカードをディロードライバーにスキャンする。
「行くぞ!変~身、ストロンガー!」
雅はエレクトラーの動力を使い仮面ライダーストロンガーに変身する。
「天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ。悪を倒せと僕を呼ぶ。聞け!僕は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
ストロンガーは高らかに名乗りを上げる。
「おのれ、ストロンガーに変身したのか!」
「行くぞ!チャージアップ!」
ストロンガーはチャージアップにパワーアップし、ドクロ少佐に向かって行く。
「超電、連続パンチ!」
ストロンガーは通常形態から十倍に膨れ上がったパワーでドクロ少佐を殴り続け、
「終わりだ!超電、ドリルキック!」
ストロンガーは必殺技のキックを放ち、ドクロ少佐の頭を吹っ飛ばす。
「デルザー軍団に、栄光あれ!」
そう言い残してドクロ少佐は爆発した。
「さて、朝食の続きだ。」
雅は変身を解除し、朝食に戻る。

「何時まで諦めないつもりだ。」
「まだ、諦めない!」
「何故だ?」
「まだ、私は終わっていないから!」
「人が一生を終え、眠りに着くまでの間の夢、それは永遠だ。」
「永遠なんて、無い!夜の終わりは、必ずどこかにあるんだから!」
なのはとディロードスノーレインフォームは未だに魔力弾を打ち合っているがディロードの攻撃がなのはに少しずつ入り、なのはは苦戦している。
「それでも、私は諦めない!」
「一つ覚えの砲撃、通ると思ってか。」
「通す!レイジングハートが、私に応えてくれている!」
[マスター、エクセリオンモードの承認を。]
「だめだよ!そんなことしたら、レイジングハートが壊れちゃう!」
[大丈夫です。私はマスターを信じています。ですからマスターも私を信用して下さい。]
「解った。レイジングハート、エクセリオンモード、ドライブ!」
なのははレイジングハートのカートリッジをロードし、フルドライブのエクセリオンモードにモードチェンジさせる。

「ここは?」
はやては闇の書の内部で意識を取り戻す。
「今は、あなたは夢の中に居ます。」
「あなたが、私に話しかけてくれたの?」
「はい。ですから、どうかそのまま御眠り下さい。きっと、騎士達がずっと何時までもあなたの側に居ます。」
「せやけど、それは夢や。何時かは覚めなあかん。」
はやては、闇の書の意志にそう告げた。

「どうなっている。これでは埒が開かない。セイクリッドグリッターも無いから結界の破壊も出来ない。どうしたものか。」
雅は部屋に戻り対策を考える。すると、
「兄さん、いい?」
望実が入って来る。
「兄さん、どうしたの?」
「望実、この状況は、僕の中に在る後悔の念が生んだ世界、家族を幸せにしたい祈りが生んだ世界、それであっているか。」
「大体は。」
「そうか。」
「でも、私は嬉しいかな。だって、兄さんとこうして居られるし。」
「だが、僕は行かなければならない。」
「使命だから?」
「………ああ。」
「誰が決めたの?」
「決まっているだろう。僕自身の決別だ。」
「解っていた。それが兄さんだもんね。私は応援するしか出来ないよ。」
「御免な。兄らしい事をしてやれなくて。」
「いいよ。はい、これ。」
望実は雅にセイクリッドグリッターを渡した。
「望実、これは!」
「その子の傷、治しておいたよ。」
「ありがとう、望実。」
雅は望実を抱きしめる。
「ありがとう、兄さん。愛していたよ。」
望実は最後にそう呟き消滅する。

[accel shooter]
「アクセルシユーター!」
なのはは再びアクセルシユーターを大量に放つ。
「その程度か。」
[photonrunser genocide sift]
【ATTACK RIDE-SONIC-】
ディロードスノーレインフォームはフェイトのフォトンランサーを拡散型に変化させたジェノサイドシフトをディロードのソニックのカードで速度を上げて発射する。しかし、なのははプロテクションを展開して突進。魔力弾を粉砕しながらディロードスノーレインフォームにレイジングハートを突き付け、
「エクセリオォン、バスタァーーーッ!」
なのははゼロ距離で特大の砲撃を放つ。辺りは爆風が舞い何も見えなくなる。
「バリア無しのゼロ距離でエクセリオンバスター。これで無理なら─」
なのははそう言うが、煙が晴れると、無傷のディロードスノーレインフォームがいた。
「ちょっと、頑張らないとかな。」
なのはは再び闘志を燃やす。

「名前をあげる。もう闇の書とか呪われた魔導書とか呼ばせへん。これからは、幸運の追い風、祝福のエール、リィンフォース。」
その瞬間、はやての足足下に銀の魔法陣が浮かび上がる。
「新認証、リィンフォースを確認。守護騎士システムの再構築を行います。」
「リィンフォース、外はどうなっている?」
「はい、現在管理局の魔導師が戦闘を行っています。」
「解った。止まって。」
はやてはそう念じた。

ディロードスノーレインフォームと戦闘を行っていたなのはは驚いた。何故なら、ディロードの動きが急に止まったからだ。
『外の方、管理局の方?私はその子の保護者、八神はやてです。』
はやてはなのはに話しかける。
「はやてちゃん!?」
『えっ!なのはちゃん!?今、その子の動きは内側からロックをかけときました。今のその子は、ただのデッカい魔力の塊です!』
はやてはなのはに説明をする。
「融合騎の覚醒後にマスターの意識が残っている。これなら。なのは!今から僕が言う事を的確に行って!そうすればフェイトと雅さんを助けられるはず!とにかく手段は何でもいい!魔力攻撃で派手に攻撃して!全力全開、手加減抜きで!」
なのはの魔導の師匠、ユーノ・スクライアはなのはに説明する。
「流石ユーノ君、分かりやすい!」
[まったくです。]
なのは達は納得し、ディロードに狙いを定める。

「行けるかい、セイクリッドグリッター?」
[大丈夫です。]
「了解。ガトリングカートリッジ、セット。」
雅はセイクリッドグリッターにガトリングタイプのカートリッジを装填、36の空薬莢が飛び散り、
「旋風烈線、レフトブレイカー!」
雅は敵の左半身を粉砕する魔法、レフトブレイカーを放ち結界を粉砕する。

「エクセリオンバスター、フォースモード!」
なのははディロードを拘束し、魔力をチャージし、
「届いて!」
今の自身が出せる最大火力の砲撃を放ち、ディロードスノーレインフォームを撃破する。その証拠に、捕らえられていた雅とフェイトが解放され、なのはに親指を立てていた。しかし、戦いはまだ終わらない。
to be continued

次回予告
ついに現れた闇の書の闇。迎え撃つのは私達管理局チームと、そして!?
そして、ついに始まる、終わりへの一歩。次回『夜の終わり、悲劇の始まり』に、ドライブ・イグニッション! 
 

 
後書き
ディロードスノーレインフォームのスペックを載せておきます。
パンチ力:18t
キック力:15t
走力:100mを2秒で走る。
リィンフォースが雅の持つディロードライバーの力を使い変身した姿。ディロードのアタックライドと闇の書の魔法を駆使して戦闘を行う。

久し振りの仮面ライダーディロードの投稿、感覚を取り戻すのに苦労しました。とりあえず、本家を読んだことのある方、こちらの方と違いがあっても気にせず、読んでいただけるとありがたいです。それでは次回でお会いしましょう。 

 

第8話『夜の終わり、悲劇の始まり』

 
前書き
今回でなのはA's編が終わります。 

 
それは、大きな志でした。戻れない日々、挫折の念。それでも、大切な人が思い出させてくれたこと。今、刃に変えて夜空に放つ!仮面ライダーディロード、始まります。

「大丈夫だったか、みんな!?」
雅はなのは達の安否を確認する。
「私は大丈夫!」
「雅の方こそ平気?」
「ああ。だが待て、あの白い光は何だ。」
雅が指を指した先には、眩く輝く光があった。

「リンカーコア修復、守護騎士システムの再構築を開始します。」
「おいで、私の騎士達。」
光の中ではやては守護騎士達のリンカーコアを抱きかかえてから元の位置に戻し、
「リィンフォース、私の杖と甲冑を。」
「はい、我が主。」
リィンフォースは何も纏っていないはやてに騎士甲冑のインナーを構築させ、夜天の主の杖であるシュベルトクロイツを持たせる。そして─

その頃、地上ではより一層光が強くなり、砕け散ると、シュベルトクロイツを構えたはやてを中心に四人の守護騎士が立て膝を着いて伏せていた。
「ヴィータちゃん!」
「シグナム!」
「シャマルさんも!」
驚くなのはにはやては微笑む。
「我ら、闇の書を守りし騎士。」
「汝如何なる時も、この身は御身と共に在り。」
「例え、この身が砕けようと、この身は主の為に在り。」
「夜天の王、八神はやての名の下に!」
守護騎士達がそう宣言し終える。
「夜天の光よ、我が手に集え!祝福の風、リィンフォース、セェーット・アアァップ!」
はやての宣言によってリィンフォースは融合騎の力を発揮し、はやてを守る装甲と翼に変わる。それによってはやての武装が完成する。
「はやて!はやてぇ!」
夜天の主として覚醒したはやてを見て、ヴィータははやてに抱き付く。
「主、誓いを破り申し訳ありません。」
シグナムがそう言うと、
「解っとったよそんな事。それより、お帰り、みんな。」
はやてがヴィータを撫でながら答える。
「皆さん、無事だったのか!?」
雅は守護騎士達に話しかける。
「いえ、我々の方こそ、とんでもない間違いをしてしまっていた。謝っても謝りきれません。」
シグナムは代表して雅に話す。すると、
「みんな、水を差して済まない。時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。今、あの海上にある黒い淀み、あれは闇の書の主から切り離された暴走した防衛プログラミングだ。あれをどうにかする方法はこちらは2つ。一つは極めて強力な氷結魔法で結晶世界に封印する。一つが軌道上で待機している艦船アースラのアルカンシェルで消滅させる。この2つしか無いが、騎士のみんなにも、意見を出してもらいたい。」
この事件の担当官であるクロノがやって来て、説明をした。
「我々も、覚醒の際に居合わせたのは今回が初めてなので、参考にはなれないと思います。申し訳ありません。」
シグナムは真っ先に事情を話す。
「あの~、最初の方は、多分無理だと思います。防衛プログラミングには、氷結魔法の解除も、結晶世界からの脱出も簡単に行えてしまうので、問題を先送りにするだけになっちゃうと思うんです。」
更に、シャマルが案の一つに無理だと説明する。
「アルカンシェルも絶対ダメ!こんな所でぶっ放したら、はやての家が吹っ飛んじまう!」
そして、ヴィータが2つ目の案に反対する。
「ユーノ君、アルカンシェルってそんなに凄いの?」
「半径120kmを蒸発させながら消滅させる魔導砲って言ったら、分かりやすいかな?」
なのははアルカンシェルの威力が気になりユーノに質問すると、恐ろしい答えが返ってきた。
「ええっ!?それは私も反対!」
なのはは威力を聞いて反対する。
「解っている。だから困っているんだろう。」
クロノがそう言うと、
『みんな!防衛プログラミングの暴走、あと五分で開始するよ!みんなでしっかり考えて!』
アルカンシェルで待機しているオペレーターでクロノのパートナーのエイミィが伝達する。
「てゆうかさ、そんなに難しく考えないで、一気にぶっ飛ばせないの?」
一同が困っている中、フェイトの使い魔であるアルフがそう言う。
「そうか!?クロノ執務官、アルカンシェルの砲撃って環境に左右されますか?例えば、無重力だと彎曲したりとか!」
雅はクロノに質問する。
「いいや、アルカンシェルはその空間に合わせて角度と威力を的確に調整する。問題は無いが。」
「それなら簡単な話だ。まず、防衛プログラミングを転送魔法で転送できる質量に減らし、僕達補助魔導師の転送魔法でアルカンシェルの発動範囲に飛ばし、蒸発させる。これなら地球に被害を発生させずに防衛プログラミングのリンカーコアを破壊出来る。」
「確かに、理論上はそれが可能だ。」
クロノの説明を聞き、雅は提案。クロノは納得した。
「暴走した防衛プログラミングのバリアは物理と魔力の複合四層式。的確な攻撃を当てなあかん。」
はやては防衛プログラミングについて説明し、雅達は陣形を整えると、
『みんな!防衛プログラミング、暴走開始するよ!』
エイミィから連絡が入った。
「夜天の魔導書を、呪われた魔導書、そう呼ばせた所以、闇の書の、闇。」
はやてがそう呟くと、黒い淀みが崩壊し、中から半人半獣の魔物、スキュラに似た巨大な魔力物質、闇の書の闇が現れる。
「チェーンバインド!」
「ストラグルバインド!」
「カルテットバインド!」
防衛プログラミングは活動開始と同時に触手を動かすが、アルフ、ユーノ、雅の拘束魔法で切断する。
「縛れ、鋼の軛!」
更にザフィーラが追撃をかけるように敵を貫く魔法で残る触手を撃退すると、なのはとヴィータの準備が完了する。
「ちゃんと合わせろよ、高町なのは!」
「ヴィータちゃんもね!」
ヴィータとなのははタイミングを確認する。
「鉄槌の騎士ヴィータと、鉄の伯爵、グラーフアイゼン!」
[gigant from!]
ヴィータはグラーフアイゼンをギカントフォルムに変形させる。
「轟天爆砕!」
ヴィータはグラーフアイゼンを振り上げる。するとその大きさは数十メートルになり、
「ギカントシュラァァァーク!」
ヴィータは巨大化したグラーフアイゼンを振り下ろし、魔力用バリアを粉砕する。
「次!高町なのはと、レイジングハートエクセリオン!行きます!」
[all light.]
「エクセリオォン、バスタァァァー!」
なのははエクセリオンバスターをフルパワーで放ち、復活しかけた触手ごと物理用バリアを粉砕する。
「烈火の将、シグナムが剣。炎の魔剣、レヴァンティン。刃と連結刃に続く、もう一つの形態。」
シグナムはそう言うと柄と鞘を合体させ弓矢型のボーゲンフォルムを変形させ、矢を防衛プログラミングに合わせる。
「駆けよ、隼!」
[sturm falke]
シグナムは魔力でパワーをブーストさせた矢、シュツルムファルケンを放ち、魔力用バリアを粉砕する。
「フェイト・テスタロッサと、バルディッシュザンバー、行きます!」
フェイトはバルディッシュを振り上げる。
「打ち抜け、雷神!」
[jet zanber!]
「ハアァァァッ!」
フェイトはバルディッシュを振り下ろし、魔力で構成した刃で物理用バリアを粉砕。更にその力で防衛プログラミングを一刀両断する。すると、防衛プログラミングは破損した肉体を修復するが如く新たなパーツを出現させる。
「盾の守護獣ザフィーラ!攻撃など、撃たせん!」
ザフィーラは修復した触手を再び粉砕する。
「彼方より来たりて、やどりぎの枝。銀月の槍の下、撃ち貫け!石化の槍、ミストルティン!」
はやては強力な石化魔法で防衛プログラミングを石化させる。すると、防衛プログラミングの人型の部分は崩れ落ち石化した部分を修復させようとする。
「凍てつけ!」
それを見てクロノはデュランダルを起動。氷結魔法の準備を終わらせ、
[eternal coffin]
「終わりだ!」
クロノは対象を絶対零度の中に閉じ込めるエターナルコフィンを発動させ、防衛プログラミングの動きを封じる。
[starlight breaker!]
「全力全開、スターライトォ─」
「疾風迅雷、プラズマザンバー─」
「強者必滅、スパイラルバースト─」
「ごめんな、お休みな。響け終焉の笛、ラグナロク!」
「「「「ブレイカァァァァァァァァァー!」」」」
なのは、フェイト、雅、はやては同時に最大火力の魔法を放つ。なのはの桜色の砲撃が、フェイトの金の斬撃が、雅の透明な螺旋を描く攻撃が、はやての三本の銀の砲撃が、防衛プログラミングの肉体を粉砕し、リンカーコアが露出する。
「捕まえ、た!」
シャマルは防衛プログラミングのリンカーコアを取り押さえる。
「長距離転送!」
「目標、軌道上!」
「「「「転送!」」」」
ユーノ、アルフ、シャマルに雅が協力し、防衛プログラミングのリンカーコアは肉体を修復しながらも無事軌道上に到達。アルカンシェルの直撃によって、見事消滅。今回の事件は幕を下ろしたが、
「やはりか。」
リィンフォースは呟く。
「リィンフォース、どないした?」
「我が主、やはりまだ私の中に防衛プログラミングの残滓が残っています。」
「リィンフォース、どういうことや?」
「ですから、私が消えない限り、防衛プログラミングが復活すると言うことです。ですので、管理局の方に頼み、私の封印を頼みます。」
「そんな、せっかく幸せに慣れたのに、そんなん嫌やわ!」
リィンフォースが事情をはやてに伝えると、猛反対した。
「時間的にやや早いが仕方ない。悪いが、悪く思うな!」
猛反対するはやてを見て、雅ははやてを気絶させた。
「さあ、はやてが気絶している今のうちに終わらせるぞ。」
雅は号令をかけ、なのは、フェイト、守護騎士と雅は封印用の結界を制作する。
「準備が出来たな。」
雅、なのは、フェイトの三人は配置通りに立つと、はやてが目を覚まし、近づく。
「みんな、何しとるんや!」
「はやて!家族の決心にいちゃもんをつける主がどこに居る!その前に、最後に言い残した事はあるか、リィンフォース?」
「雅、お前には世話になった。お前にこれを託そう。」
リィンフォースはそう言うと、一枚のライドカードを渡した。そのカードには【UNISON】と書かれており、裏面にはベルカの剣十字型の魔法陣がマークに施されていた。
「それは私の持つ融合騎の力だ。きっと、お前を強く支えてくれるはずだ。」
「ありがとう、リィンフォース。」
雅は礼を言う。
「嫌や、せっかく会えたのにお別れなんて、嫌や!」
「我が儘はご友人に嫌われますよ。私は、小さな雪の一欠片になります。ですから、私の名と、祝福の風の誇りは、新たに生まれる主の融合騎に、受け継がせて下さい。それでは、頼む。」
[気になさらず。]
[良き旅を。]
[行ってらっしゃい。]
デバイス達はそう言い、リィンフォースは消滅。その粒子は雪のように消えて行き、リィンフォースの力が宿った剣十字がはやての下に落ちて来て、全てが終わった。
「さて、ぼちぼち僕も動くか。僕を求めている世界は、他にもあるからな。」

その頃、雛見沢は大ショッカーの怪人に襲撃されていた。
「雅、助けて!」
梨花は羽入に渡されたディショットシステムに願いをかける。すると、ディロードが居る『魔法少女リリカルなのはA's』の世界とディショットシステムが存在している『ひぐらしのなく頃に解』の世界が融合してしまい、梨花達を追って来た怪人が海鳴町に放たれてしまう。
「どうやら、これを解決するのが先のようだな。」
雅は、梨花達と合流する。
to be continued
次回予告
融合した私達の世界。そこからは見たことも無い怪物がうじゃうじゃ!更に、雅君の言っていた世界の破壊者が出現!次回『ディケイド出現!結成、チーム・ディロード』に、ドライブ、イグニッション! 
 

 
後書き
とりあえず、ずっと忘れていたセイクリッドグリッターの説明をします。
タイプ:インテリジェントデバイス
主人:凪風雅
形態:スタンバイとローブ型のデバイスフォームのみ
カートリッジ最大装填数:36
凪風雅がリンディより託されたインテリジェントデバイスで魔力光は透明。
使用可能魔法
カルテットバインド:対象を四重のバインドで拘束する。
シールバインド:バインドブレイク無効のバインドを放つが、威力と効果は弱め。
ポイントバインド:空間自体にバインドを放つ設置型。
クイックバインド:3秒のみの短い間かける強力なバインド。
ドレインバリア:自身以外を対象にとるバリア。対象の魔力を吸い取り、維持する。
スフィアバリア:360°に纏うバリア。
クイックバリア:弱攻撃を回避する為の緊急用で左右または背面に使用可能。
ライトトルネード:左腕で放つ、右半身を重点的に攻撃する竜巻。
レフトブレイカー:右腕で放つ、左半身を破壊する砲撃。威力は低い。
スパイラルバースト:両腕を交差させて放つフルドライブの一撃。砲撃自体の攻撃では無く、周辺の物質で威力を上げる。
そして、今回の世界で登場したライドカードの説明
スラッシュ:ただのチョップを手刀に変える。
ユニゾン:ミッドチルダ、またはベルカの魔導師と融合し戦う力を得る。

とりあえず、次回は融合した世界の話で、ようやく雅が仮面ライダーディロードになります。 

 

第9話『ディケイド出現!結成、チーム・ディロード』

「何があった、梨花!」
「私にも解らないわ。いきなり大ショッカーの怪人が現れて雛見沢を攻撃して来たの。」
「そうか。あの量を一人ではきついな。誰か手伝ってくれ。」
雅はスフィアバリアを展開し、梨花達から事情を聞いているが、大ショッカーの怪人の攻撃によって、既にバリアは破壊されかかっている。
「雅、ここは我らベルカの騎士に任せて、お前はテスタロッサ達と共にこの子達を避難させろ。」
「いいのか!?」
「はい。沢山の方に迷惑をかけちゃいましたし、今はこうすることが私達に出来るせめてもの事です。」
「ほんなら、私も行く。私はみんなの主や。騎士のやる事は私もやる!」
「そうか。ならば僕も残ろう。仮にも騎士達は容疑者だ。逃げ出す可能性も考えて、執務官の義務を果たそう。」
「クロノ君、そんな言い方ひどいよ!」
「待て、なのは。クロノの体裁を考えると、この言い方は一番妥当だ。それに、シグナム達が逃げ出すと、クロノは本気で思っているか?」
「それじゃあ!」
「そういう事だ。それじゃあ海鳴町の方は任せます。僕となのは達は雛見沢の方を対象します。」
雅がそう言うのに合わせて、バリアは砕かれるが、
「飛龍、一閃!」
シグナムが斬撃を放ち、道を空ける。
「ありがとうございます、シグナム!」
「礼はいい。雅、早く行け!」
「解りました。御武運を!なのは、みんな、行くぞ!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はなのは達を抱きかかえ、ワープを使い雛見沢へ向かった。
「さて、あたしらも一丁やるか!テートリヒ、シュラーク!」
無事を確認したヴィータはテートリヒシュラークで大ショッカーの戦闘員を次々粉砕していった。

「とりあえず、境内は無事みたいだな。」
雅達は古手神社の境内に入り無事を確認した。
「でも、このままじゃ時間の問題だよ。」
なのはが雅に言う。
「そうだな。ところで、魅音達はどうした?」
雅が尋ねると、
「魅音達は、私達を逃がす為に囮になったわ。それが三時間前の事だから、もう─」
「そうだったのか。悪いことを聞いた。」
梨花が状況を説明し、雅は謝る。
「とにかく、大ショッカーをどうにかしないと!」
フェイトがそう言うと、
「なら、ボクに任せて下さい。」
羽入がそう答えた。
「何をする気だ?」
「雅、ディロードライバーを置いて下さい。」
「ああ、だが触れるなよ。」
「解っています。はぁぁぁ─」
羽入はディロードライバーに力を注ぐ。すると、梨花の持つディショットシステムの別カラーを2つ作る。
「圭一、沙都子、これを受け取って下さい。」
羽入は圭一達に渡すと、再びディロードライバーに力を注ぐ。そして、先程とは違う、ディロードライバーに酷似した変身ベルトを作り出した。
「ボクは行って来ます。皆さんは動かないで下さい。」
「待って、名前を教えて!」
「ボクは羽入と言います。」
「なら羽入ちゃん、私も戦うよ。私はなのは。高町なのは!よろしくね、羽入ちゃん。」
「分かりました。行きましょう。変身!」
【KAMEN RIDE-DARK CHAOS-】
羽入はディロードに酷似した全身藤色の戦士、ダークカオスに変身する。
「雅さん。最後に私からこちらを。」
ダークカオスは雅に七支刀型の宝剣、鬼狩流桜を託す。
「きっと、それはあなたを支えてくれるはずです。行きましょう、なのはさん。」
「待って!なのはが行くなら私も!」
出ようとするなのはを見てフェイトも出ようとするが、
「フェイトちゃんはここに居て。何かあっても雅君と二人だから安全性も上がるから!」
「解った。気をつけて。」
「うん!」
なのはは静止させ、フェイトは二人を見送る。

「何だコイツら!倒してもキリがねえ!」
ヴィータ達はその頃、何千とやってくる戦闘員に苦戦していた。
「お前たち、やれ!」
魔神提督が号令をかけると、戦闘員達は自爆し、騎士達の甲冑は崩壊してゆき、
「終わりだ。みんなまとめて爆発だ!」
魔神提督は自ら大爆発し、辺り一面を焼け野原にし、心臓から復活した。
「ふむ、この程度だったか。」
魔神提督は納得し、去っていった。

「アクセルシューター!」
なのはは魔力弾で確実に怪人達を倒して行く。
「行きますよ!」
ダークカオスも自慢の拳で倒して行くが、
【ATTACK RIDE-BLAST-】
その音声と共にマゼンタのビームがなのは達を攻撃した。
「誰ッ!?」
「俺か?俺は世界の破壊者で、大ショッカーの首領。仮面ライダーディケイドだ!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディケイドは名乗るとスラッシュのアタックライドを使い、ライドブッカーでなのはのバリアジャケットに傷を与える一撃を放つ。
「形勢逆転だな!」
ディケイドがそう言うと、かつての悪の組織のリーダークラスの怪人達が現れ、なのは達を攻撃し、
「終わったな。」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DECADE-】
ディケイドは必殺技のディメンションブラストを放つ。

「みんな、よく聞いてくれ。大層な事を言っていたが、今の僕では大ショッカーを倒せない。だから僕はこれから別の世界へ渡る。そして、力を取り戻して大ショッカーに挑む。そうすれば、世界は元に戻る。みんなは、僕の旅に協力してくれるか?」
雅は今居る子供達に問いかける。しかし、旅の協力と言えば聞こえがいいが、力不足だからみんなの世界に背を向けると言う事。圭一達は悩み、
「俺達が生きていれば、世界は無事なんですか、雅さん!」
「ああ。」
「なら、俺達の考えはただ一つだ!」
ある答えに辿り着く。
「俺達は雅さんの旅について行きます。ここに居るより、俺達が生き残る方が重要ですから!」
圭一は全員の意見を代表して言う。
「そうか。なら決定だ。今から僕達は、世界の希望を紡ぐ装填の騎士団、チーム・ディロードだ!」
雅がそう言うと、本堂は崩れ落ち、梨花とフェイトはディメンションブラストを受けて消滅するダークカオスとなのはを目の当たりにする。
「羽入!」
「なのは!」
二人は互いのパートナーの名を呼ぶが、消滅してしまい、泣き崩れる。
「お前か、地獄大使を倒したって奴は!」
ディケイドは雅を睨む。
「ああ!その通りだ!」
「どうせ死ぬ前だ。名前くらい聞いてやる。」
「確かに、今の僕では、お前たちを倒せない!だが!やがて力をつけ、お前たちを倒す者の名を聞け!僕の名は凪風雅!装填の守護者、いや!仮面ライダーディロードだ!変身!」
雅が宣言すると、ディロードのカードに【MASKED RIDER】の名と、カメンライドの印が追加され、
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅は仮面ライダーディロードに変身した。
【ATTACK RIDE-WARP-】
ディロードはワープを使い、チーム・ディロードと共にその場から離脱した。
「勝った………俺はあいつに勝ったんだ!」
ディケイドは奇声に近い笑い声を上げていた。

一方、雅達は古手神社の宝物庫に逃げていた。
「これからどうするの?」
フェイトが雅に尋ねると、
「これを見てくれ。」
雅は宝物庫にあった絵巻を広げる。そこには、空から降って来る大量のメダルと赤い手に手を伸ばす青年が描かれていた。
「これって?」
「ああ。ここが僕達の拠点。そして、最初に僕達が進む世界は、『仮面ライダーオーズ』だ!」
雅達は、仮面ライダーの世界を救いに行く。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
雅達が最初に向かった世界。雅はある人物から贈り物を得る。しかし、グリード達も危険なメダルを生み出す。
次回『移動と贈り物と合成獣ヤミー』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新ライダー紹介
仮面ライダーディロード
身長、体重、走力に変化無し
パンチ力:8t
キック力:6t
ジャンプ力:一跳び40m
仮面ライダーとして覚醒した装填の守護者 ディロード。見た目等に変化は見られないが、基礎能力は向上している。

仮面ライダーダークカオス
身長:175cm
体重:75kg
パンチ力:20t
キック力:25t
ジャンプ力:一跳び45m
100mを3秒で走る
羽入が変身するディロードとそっくりなライダーで全体が藤色。ディケイドの攻撃によって倒されてしまう。
そして、新しいカードの説明
仮面ライダーディロード:雅を仮面ライダーディロードに変身させる。
白紙のカード:現在用途は不明
竜が封印されているカード:もう一つの用途不明なカード。

とりあえず、次回から平成ライダー編に入ります。 

 

第10話『移動と贈り物と合成獣ヤミー』

仮面ライダーディロード、これまでのダイジェスト
雅は、都市伝説を元手にディロードへの変身能力を得て世界に旅立つ。雅は異なる2つの世界を救うが、2つの世界は融合。大ショッカーを倒す為、雅は仮面ライダーディロードとして立ち上がる。

「さて、この仮面ライダーオーズの世界についてだ。今から800年前、日本でいうなら鎌倉時代に西洋で錬金術を行っていた科学者が居て、その科学者が生み出したのが、この世界の仮面ライダー、オーズが使うオーメダルだ。このオーメダルには人間の欲望を増幅させる力があり、この世界の怪人であるグリードはそれを増やす事を目的としているんだ。そして、オーズは人間が欲望に飲み込まれないように人々を守っているんだ。だが、どうやらこの世界は危機に直面しているらしい。今から絵巻を読み上げる。『完全な復活を遂げたアンクは英司の下を離れてしまう。英司は伊達と協力してアンクの行方を探すが、凍結能力を持つアンキロサウルスヤミーによって倒されてしまう。』つまり、このままだとオーズ達は只の怪人に倒されてしまう。僕達の役目はこのピンチを打開することだ。」
雅はフェイト達に説明をした。
「なるほど、時代が変わると、仮面ライダーも変わりますね。」
圭一は雅の話を熱心に聞き、
「それなら、俺達は残りますから、雅さんとフェイトちゃんで行って下さい。」
雅に出るように促す。
「僕はともかく、何故フェイトまで。」
「戦力は少しでも多い方がいいって思いました。」
「そうか。」
[マスター。私と先程の宝剣を近付けて下さい。]
雅と圭一が話していると、セイクリッドグリッターがあることを頼み、雅は足下に2つを置く。すると、2つは合体し、銃剣型の武器に変わった。
「よし、これなら戦える。行くぞ、フェイト。」
「うん。」
「行ってらっしゃい!」
圭一達は雅を見送る。

宝物庫を出てすぐ、雅の携帯にテレビ電話がかかる。
「誰からだ?」
雅が通話を開始すると、
「ハッピィバァースデー、仮面ライダーディロード!知っているとは思うが、私は鴻上ファウンデーション会長、鴻上光生だ。君の事なら鳴滝という男から聞いている。とりあえず、私の所に来たまえ。話がある。」
鴻上はそれだけ言って連絡を切ってしまう。
「今の人は?」
「あの人は800年前のオーズの子孫でオーズのサポートを行っている鴻上光生さん。ケーキ作りが大好きな変人って覚えておけばいい。」
雅はフェイトに説明をする。
「しかし、何故鳴滝がこの世界に関わっているんだ?まあいい。フェイト、これから鴻上ファウンデーションに向かう。掴まっていてくれ。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
フェイトは雅の服にしがみついて雅はワープを使い鴻上ファウンデーションの会長室に移動する。

「それで、僕に話とは?」
会長室に着いた雅はすぐさま鴻上に尋ねる。
「そう焦る必要はない。里中君、例の物をこちらへ。」
「はい。」
鴻上は秘書の里中にバイクといくつものアタッシュケースを持って来させた。
「雅君、君も移動用のバイクが無いと不便だろう。このマシンディローダーをまずはプレゼントしよう!」
「ありがとうございます。」
「何、君の誕生は私にとって嬉しい事だ。それから、このカンドロイド達もプレゼントしよう。」
里中がアタッシュケースの一つを開けると、タカ、タコ、バッタ、ゴリラが四本ずつ入っていた。
「確かに、カンドロイドがあるとこれからの旅にはとっても役立つ。」
雅は、中からタカを一本引き抜いた。
「そして!君も長旅になるだろう。過去四十年分の紙幣、計500万円を譲渡しよう!」
「まあ、昭和ライダーの世界に行く時には便利だ。ありがとうございます。問題は、どうやって運ぼう。」
「それなら問題無い。後藤君!」
鴻上は後にバースを引き継ぐ後藤進太郎を呼ぶ。
「会長、どうしましたか?」
「このアタッシュケース全て!彼の家に運びなさい。」
「またか。解りました。」
後藤は嫌そうに運んで行った。
「それでは雅君、頑張りたまえ!幸運を祈っているよ。」
鴻上はそう言い、雅はマシンディローダーに乗り、フェイトを後ろに乗せてワープを使い外に出た。
「さて、試運転の時間だ。」
「ところで、雅って免許持っているの?」
「本来、ここに来るまでの僕は15歳だ。持っているはず無いんだけど、ここに来た瞬間いつの間にかこれが入っていた。」
雅は、フェイトに自身の免許証を見せる。
「なら、安心だね。」
「ああ。」
雅はそう言ってマシンディローダーを動かした。

その頃、グリード達の事実上のリーダーとなった真木の家では─
「本当に、これで無限の欲望のヤミーが生まれるのか?」
「ええ、理論上は。」
昆虫系グリードのウヴァが真木に半信半疑で聞く。グリード達の目の前には、それぞれのグリードの頭部の力を宿したセルメダルが置かれていた。
「後は。」
真木はそう言うと、それらを握りつぶし、一つのメダルにした。
「おい、もはや元の絵柄すらわからねーじゃねえか!」
アンクはややキレる。
「別に絵柄に意味は在りません。後は、この欲望を生み出す人が必要です。」
真木はそう言うと、蝋燭にセルメダルを投入し、プテラノドンヤミーを生み出す。
「それでは、お願いします。私は英司君と話がありますので。」
真木は先程のセルメダルをプテラノドンヤミーに渡し、出て行った。

一方、雅はマシンディローダーで市内を回っていた。
「基本的にこういうのって移動シーンがカットされるから実際に移動しないと解らないからな。」
雅がそう言いながら運転していると、雅は飛んでいるプテラノドンヤミーを発見する。
「そう言えば、こちらの方も試さないと。来い、ロードスラスター!」
雅の声に反応し、今朝誕生した銃剣が雅の手元に現れる。それを雅はマシンディローダーに添えて、ブラストのアタックライドと取り出し、ロードスラスターにスキャンする。
【ATTACK RIDE-BLAST-】
雅はブラストの力でロードスラスターから追尾弾を発射。プテラノドンヤミーの翼膜を貫き、プテラノドンヤミーは落下する。
「貴様、何者だ。」
立ち上がったプテラノドンヤミーは雅に言う。
「何者か…強いて言うなら装填の守護者だ!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードはブラストでパンチ力を強化し、プテラノドンヤミーを殴り続け、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ライダーパンチ!」
必殺技を発動。ライダーパンチがプテラノドンヤミーの腹部を貫き、プテラノドンヤミーは撃破される。しかし、一切の欲望を集めていなかった為、メダルは生成用の一枚と、真木から渡された一枚しか落ちて来なかった。雅は変身を解除し、それに合わせてこの世界のライダー、オーズに変身する火野英司がやってくる。
「君は一体?さっき変身していたみたいだけど。」
「申し遅れました。僕は凪風雅。仮面ライダーディロードです。それにしても、さっきのヤミーは変でした。まるで、何かを運ぶのが目的みたいな。」
雅はそう言って、プテラノドンヤミーを生成していたメダルを拾い、英司に渡す。
「それにしても、このメダルは変だな。まるで、無理矢理作ったみたいな。」
雅はそう言いながら真木の作ったメダルを拾い上げる。すると、そのメダルは雅の中に入り、雅は白いヤミーを生成してしまう。
「何ッ!どうして今の状況でヤミーが!?」
雅が驚くと、その白ヤミーは姿を変え、鷲、蜂、白虎、犀、エイの特徴を持つ合成獣のヤミーが誕生する。
「我が名はキマイラ。ディケイドと大ショッカーを倒し、世界を救う者!邪魔をするならお前達も敵だ!」
キマイラヤミーはそう言うと、鷲の翼で飛び去ってしまうが、雅はタカカンドロイドを使い、尾行させる。
「とにかく、この世界がピンチなんです!協力して下さい!」
雅は英司に頼み込む。
「大丈夫。雅君だっけ?俺は英司。よろしくね。」
雅と英司は互いに握手をすると、タカカンドロイドからデータが送られて来て、雅と英司は現場に向かう。

撃破に向かうと、キマイラヤミーはデパートで行われていたディケイドショーを襲撃し、ディケイドの中に入っていたスーツアクターを襲っていた。
「やはり、こいつは力を制御出来ていないか。」
雅がそう言うと、
「やはり来たか、仮面ライダー!」
キマイラヤミーはスズメバチの猛毒の針を英司に向けて飛ばす。
「火野さん、危ない!」
雅は咄嗟に英司を突き飛ばすが、キマイラヤミーの毒をその身に受けてしまう。
「雅君、大丈夫!?」
火野は雅を心配する。
「言っておくが、我を倒してもその男の毒は消えないぞ。もっとも、放置しても二日後には毒で死ぬがな。我はこの世界の怪人、グリード達を倒す。邪魔はするなよ、仮面ライダー!」
キマイラヤミーはそう言うと、去ってしまった。
「とにかく、伊達さんにみてもらわないと!」
火野は、バースに変身する戦場医師、伊達明の所に雅を連れて行った。
to be continued
次回、仮面ライダーディロード
グリードを襲撃するキマイラヤミー。雅達は、ある事を条件に一時的にグリードと結託する。そして、ディロードの持つ最強の力が具現化される。次回『治療と再会と世界の希望』 
 

 
後書き
今回登場したアイテムと怪人の説明です。
マシンディローダー
最高時速:750km/h
雅が鴻上から渡されたディロード専用のバイク。現在はライドベンダーのカードしか無いが、カードスロットにマシンのライドカードをセットすることで、そのマシンに姿を変えて走行出来る高性能。しかし、飛行や潜水は不可能な為、他のマシンに頼るしか無い。

召銃剣ロードスラスター
セーブモード状態で35tの破壊力を誇る大日本帝国時代に使われていた銃剣がベースの武器。武器用のアタックライドでその武器に変換、銃スロットに召喚カード(カメンライドかライダー以外を召喚するサモンライドカード)をスキャンしての援軍召喚、ブラストやスラッシュをスキャンしての強化が行える。ただし、ブラストは一発撃つとリロードしないと次弾が装填されない。

キマイラヤミー
凪風雅の持つ『世界を救いたい』という欲望から生み出された合成獣のヤミー。各生物はかつて存在した仮面ライダーのモチーフとなっている。
鷲→羽撃鬼
蜂→スーパー1
白虎→タイガ
犀→ガイ
エイ→ライア


とりあえず、時間軸的にオーズ本編の40から42話辺りを基準に考えてくれたら分かり易いです。それでは、次回で会いましょう? 

 

第11話『治療と再会と世界の希望』

仮面ライダーディロード、前回の3つの出来事!一つ、オーズの世界に着いた雅は、鴻上からバイクとサポートアイテムを受け取る。二つ、雅の欲望から、キマイラヤミーが生まれてしまう。そして三つ!雅は、キマイラヤミーの毒に倒れてしまう!

カウント・ザ・ワールド!現在、雅が向かった世界は
ひぐらしのなく頃に 解
魔法少女リリカルなのはA's
仮面ライダーオーズ


「伊達さん、どうですか?」
映司は、意識を失っている雅の様子を伊達に聞く。
「悪いが、ヤミーの毒は専門外だ。それに見たことも無いタイプだから治しようがない。」
伊達が映司にはっきり言うと、同じタイミングで雅が目を覚ます。
「大丈夫でしたか、火野さん?」
「俺は問題ないよ。それより、雅君の身体の事だけど─」
「大体解っています。でも、火野さんを護る為なら、諦めるしか出来ませんよ。」
雅がそう言うと、
「雅は、なんでなのはの時や梨花の時もそのだったの?」
フェイトが雅に尋ねる。
「そうか、フェイトにも話していなかったな。まあ、僕が別の世界からやってきた異世界の人っていうのは言わなくても解るだろう。」
「うん。どんな世界でも、多分雅のディロードライバーはオーパーツ扱いされると思う。」
「それで、このディロードライバーはただ異世界を渡り歩く訳じゃ無い。僕の世界で作品として放送や公開された世界、それらにしか渡る事が出来ない。」
「それじゃあ、雅は私達の事を知っていたの?」
「ある程度は。」
「それで、火野さんを庇った理由は?」
「簡単な話だ。火野さんはこの世界で最も重要な存在だ。もしもの事があった場合、何が起きるか解らないからだ。」
「でも、それで雅が戦えなくなったら!」
「ああ、だからフェイトにも来て欲しかった。」
「雅、どうして?」
「フェイト、僕のコートに注射器が三本ある。取ってくれ。」
病室で安静にしていなければならない雅はフェイトに注射器を取ってもらう。
「ありがとう。この二本は、ッ!」
雅は、三本の内二本を割り、
「伊達さん、この注射器でフェイトの血を採ってもらえますか。」
雅は伊達に頼む。
「いいが、何故だ?」
「これを使って、フェイトをディロードに変身出来るようにしたいのです。」
「そういう事なら、嬢ちゃん腕出しな。」
伊達に言われフェイトは腕を出し、注射器で採血をし雅に渡した。
「ありがとうございます。後はこれをディロードライバーの追加システムにセットすれば。」
雅はよく見ないと解らないディロードライバーの窪みにセットし血液を注入した。
【適合者を新たに設定しました。以後、使用を許可します。】
「フェイト、これでフェイトも、今日から仮面ライダーディロードだ。頼む、僕が完治するまでの間はディロードとなって火野さんをサポートしてくれ。」
「解った。火野さん、キマイラのヤミーを追いましょう。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
フェイトはディロードに変身し、映司と共に外に出る。

その頃、キマイラヤミーは真木の家を襲撃していた。
「この世界の怪人グリード、貴様達の野望もここまでだ。貴様達は我が倒し、この世界を救って見せる。」
キマイラヤミーはそう言うと、犀の角を使い突進して行く。グリード達はなんとか回避するが、回避に遅れたガメルが多少の痛手を負う。
「誰だ!救世欲なんていかれた欲望を注いだ奴は!」
アンクはぶちきれる。
「とにかく、今は危険です。一旦逃げましょう。」
恐竜グリードの提案によりグリード達は拠点から逃げて行く。
「逃がすか!」
キマイラヤミーは追いかけようとするが、
「待て!」
〔シャチ!ウナギ!タコ!♪シャ!シャ!シャウタ~!シャ!シャ!シャウタ~!♪〕
「行かせません!」
【ATTACK RIDE-LAEVATEIN-】
オーズシャウタコンボのボルタームウィップとディロードがアタックライドで変化させたレヴァンティンの連結刃形態に取り押さえられた。
「ディロード、何故貴様がそこに居る!」
「私が、雅の代わりに戦っているから!」
「だが、今の我はお前達に構っている暇は無い!」
キマイラヤミーはそう言うと突風と雹を使い眼くらましをして逃げる。
「逃がしたか。」
「追いかけましょう。」
オーズとディロードは逃げたキマイラヤミーは追いかける。

「ここまで来れば大丈夫でしょう。」
真木がそう言うと、
「鬼ごっこはもうお終いか?」
キマイラヤミーは追いついた。
「仕方在りませんね。」
真木はそう言うと、アンキロサウルスヤミーを呼び寄せ、マネキンからプテラノドンヤミーを、ポップコーンの生成機からユニコーンヤミーを生み出す。
「行って下さい。」
幻獣のヤミー達はキマイラヤミーに立ち向かう。そこにフェイトと映司が現れる。
「アンク!大丈夫か!?」
映司はアンクを心配する。
「オイ映司!お前あのヤミーの親が誰か知っているだろ!」
「ああ。でもそのヤミーの親が毒にやられて危険なんだ!手を貸してくれ!」
「アホか!そう言われて貸す馬鹿がどこに居る!」
アンクは映司の提案を蹴るが、
「アンク君、そういうわけには行きません。あのヤミーは我々だけでは勝てません。ここは一時的な協力が必要でしょう。」
真木は提案を飲み込んだ。
「それなら、まず雅君の毒をなんとかしないと!」
「それなら、そのヤミーの親の所へ連れて行ってよ、オーズの坊や。」
水棲生物のグリード、メズールはそう言う。
「今病院に居るから案内するよ。」
フェイト達はグリード達を連れてその場から立ち去り、グリード達は逃げる前に屑ヤミーを生み出し壁にして逃げて行く。
「おのれ、また逃げたか!」
キマイラヤミーはそう言うと、白虎の爪でユニコーンヤミーを、犀の角でアンキロサウルスヤミーを、蜂の針でプテラノドンヤミーを撃破し、翼から放った突風で屑ヤミーを全滅させてフェイト達を追う。

「伊達さん、雅の様子は!?」
扉を開けてフェイトは伊達に雅の容態を確認する。
「大丈夫だ。意識もある。」
「まあ、体力が徐々に衰弱していますが。」
伊達は説明し、雅は追加で細かく話す。
「あら、坊やね、あのヤミーの親で毒を受けたのは?」
「ええ。」
「少し動かないでくれるかしら?」
メズールは雅に確認を取り雅に水流を流す。
「これで毒素は流れたはずよ。」
「ああ。さっきまでの衰弱が嘘の様です。それで、話は解っています。あのヤミーは僕の純粋な願いが生み出した結果。僕がけりを着けます。」
「そういうわけには行きません。我々とてあのヤミーを倒したい気持ちは同じです。ですから、あなたとの協力を取り付けに来ました。」
「真木さん。解りました。そうとなれば─」
雅がそう言った瞬間、
「見つけたぞ、グリード!」
キマイラヤミーが現れる。
「ここは一旦飛び降りよう!」
雅達は今居る二階から飛び降りる。
「逃がすか!」
キマイラヤミーも続くように飛び降りて来た。
「グリード、そして我の邪魔をする凪風雅。最後に言い残した事があるなら、今の内に言っておけ。」
キマイラヤミーは余裕を見せる。
「皆さん、このカードを受け取って下さい。」
雅は映司と伊達、グリード達に白紙のライドカードを渡す。
「このカードに、今成し遂げるべき願いを一つ込めて下さい。」
「一つだけか。しけてるな。」
ウヴァが文句を言い、
「確かに、それには同意だな。」
アンクも便乗するが、
「みんな、こういう時は文句も言えないよ!」
映司の一言で全員が静まり願いを込めると、雅の持つ白紙のライドカードが光り出す。
「今だ!集え、世界の願い!」
雅がそう宣言すると、映司達が持っていたライドカードが雅のライドカードに集約され、仮面ライダーオーズのタイトルロゴが描かれたライドカードが誕生する。
「話し合いは終わりか?」
「ああ終わった。火野さん、伊達さん、みんな!行きましょう!」
「ああ!」
「オッケー!」
雅の合図に火野と伊達は応える。
【KAMENRIDE-DELOAD-】
「「「変身!」」」
〔タカ!トラ!バッタ!♪タ・ト・バ!タトバ!タ!ト!バ!♪〕
“クルッ クルッ カポン!”
雅、映司、伊達は仮面ライダーに変身し、
「願いを紡げ、ワールドホープ!」
ディロードは先程出来たカードをスキャンする。
【WORLD HOPE-KAMENRIDER OOO-】
すると、グリード達の腰にオーズドライバーが出現する。
「オイ、これは何のつもりだ!」
アンクはディロードに突っかかる。
「ワールドホープは読んで字の如く、世界の希望の根源。この世界の根源たる物がオーズの力その物という事です。皆さん、オーズの力で戦って下さい!」
しかし、ディロードはグリード達に力の説明を行った。
「なるほど、そうですか。変身。」
〔プテラ!トリケラ!ティラノ!♪プ・ト・ティラァノザウル~ス!♪〕
真木はそう言うと自身の中からコアメダルを取り出し、オーズドライバーにセット。オースキャナーに通しプトティラコンボに変身した。
「チッ!こいつの言うとおりに動くのは釈じゃ無いが、今はあのヤミーを倒す方が優先だ!変身!」
〔タカ!クジャク!コンドル!♪タ~ジャ~ドル~!♪〕
アンクも続くようにタジャドルコンボに変身する。
「ここは、あいつに従う方が都合がいいな!」
それに続きウヴァはガタキリバコンボに、カザリはラトラーターコンボに、ガメルはサゴーゾコンボに、メズールはシャウタコンボに、それぞれ変身した。
「ふん、いくらオーズが増えようと同じ事!」
キマイラヤミーは飛び立とうとするが、
「させません。」
プトティラコンボは凍結能力を使いキマイラヤミーの翼を凍らせる。
「テメェ、さっきはよくもやってくれたな!」
更に、落下するキマイラヤミーをガタキリバコンボは本来より強力な電撃で攻撃し、
〔タカ!クジャク!コンドル!ギン!ギン!ギン!ギン!ギガスキャン!〕
「食らえ!」
そして、追撃を行うようにタジャドルコンボが必殺技のマグナブレイズを放つ。
「このまま、終われるものかぁぁぁ!」
オーズの全コンボによる攻撃を受けボロボロになったキマイラヤミーはそう叫ぶと、身体が引き裂け、中から竜の姿のヤミー、ドラゴンヤミーが現れる。
「友を求めて、何が悪い!」
ドラゴンヤミーは叫ぶ。
「なるほどな。こいつ、欲望の二重構造だったわけか!」
タジャドルコンボはそう言う。
「アンク、どういう事だ?」
「解らないのか?こいつの場合、世界を渡り歩く理由は世界を救う為じゃ無い!慕う友が欲しかっただけだ!ったく、こんな下らない事が事の顛末か!」
タジャドルコンボがオーズの質問に答える。すると、
「欲望の根源であるグリードが人の欲望を否定しないで下さい。さて、終わらせましょう!」
ディロードは反論しその後、カードを一枚スキャンする。
【WORLD ATTACK RIDE-KAMENRIDER OOO-】
ディロードがカードをスキャンすると、ディロードの手に金色の三枚のメダルが現れ、ディロードはオーズに渡した。
「火野さん!そのメダルを使って下さい!」
「うん、解った!」
オーズは渡されたメダルをスキャンする。
〔スーパー!スーパー!スーパー!スーパータカ!スーパーイマジン!スーパーショッカー!♪ス・ー・パー!タマシータマシィ!ライダー魂!♪スーパー!〕
オーズはスキャンしたメダルの力でスーパータマシーコンボに変身。更に、
〔スキャニングチャージ!〕
グリードオーズ達は必殺技を発動。サゴーゾインパクトとプロミネンスドロップによってドラゴンヤミーは引きずり下ろされ、ガッシュクロスとガタキリバキック、オクトバニッシュを受けてボロボロになった所をブラスティングフリーザで凍結されてしまう。そして、
〔スキャニングチャージ!〕
「セイヤー!」
スーパータマシーコンボは必殺技を発動。スーパータマシーボンバーが放たれる。
「馬鹿な!そんなことがぁぁぁぁぁ!」
ドラゴンヤミーは断末魔を上げて爆発した。
「皆さん、大変御迷惑おかけしました!」
変身を解除した一堂に雅は謝る。
「結局、無限の欲望は不可能という事が解っただけで、こちらは収穫です。」
真木はそう言う。
「雅君、気にしなくていいよ。あのメダルが俺の中に入ったらって考えると、どうしてもね。」
映司もそう言った。
「それでは皆さん、お元気で!」
雅はマシンディローダーにフェイトを乗せ、古手神社の宝物庫に帰って行った。
「お帰りなさい雅さん!」
「ああ、ただいま、圭一。」
雅は圭一に挨拶をし、ディロードライバーを置いて座ると、ライドカードケースから一枚のカードがディロードライバーにスキャンされた。
【SOUL RIDE-KAMENRIDER OOO-】
「またこの時間が来たか。」
カードがスキャンされた事を確認すると、雅はそう言った。すると、ディロードライバーから映司と伊達、アンク、鴻上の立体映像が映し出される。
『雅君、これから新しい所へ旅立つんだって?大丈夫、何処へだって行けるさ。明日のパンツさえあれば。』
『あぁっ!そう言えばお前から入院費貰うの忘れていた!まあ、世界を救ってくれたんだ。その件はチャラにしておいてやるよ。まあ、頑張れよ!』
『ったく、もうあんなイカレタ欲望はもう持つな!こっちがボロボロになる!』
『それでは雅君、頑張りたまえ。鳴滝に会ったら、宜しく伝えておいてくれたまえ。』
それぞれ一言メッセージを言い終えると、先程のカードがディロードライバーが排出される。
【ATTACK RIDE-RESET-】
更に、ディロードライバーは別のカードをスキャンし、先程のカードとワールドホープ、ワールドアタックライドのカードは白紙のカードに戻った。
「雅さん、今のは?」
「あれは、僕が世界を正しく救い、世界の中にある僕の記憶が消滅した証だ。まあ、文字通りリロードされたって事だ。」
「雅さんは、辛く無いんですか?」
「辛く無いと言えば嘘になる。でも、ディケイドを倒すまで、僕達の旅は終われない。さて梨花、絵巻を取ってくれ。」
「解ったわ。」
雅に言われ、梨花は絵巻を雅に渡す。すると絵巻は光り出し、納まると雅は絵巻を広げる。そこには巨大ですタワーからばらまかれる大量のUSBメモリが描いてあった。
「みんな、僕達が次に向かう世界は、『仮面ライダーW』だ!」

その頃、仮面ライダーダブルは銀と赤、二体のホッパードーパントと戦っていた。
〔プリズム!マキシマムドライブ!〕
ダブルは必殺技を放ちホッパードーパント達のメモリを破壊した。
to be continued
次回、仮面ライダーディロード
ダブルの世界に着いた雅達。雅は、シュラウドからある依頼を受ける。次回『Dを乗り越えろ/戦士の名はディスペア』 
 

 
後書き
ワールドホープとワールドアタックライドの説明
ワールドホープはゴーカイジャーに出てきた大いなる力が世界規模になったもの。ワールドアタックライドは単純に必殺技で、存在しない世界もある。
仮面ライダーオーズ(ワールドホープ):グリード達をグリードオーズに変身させる。
仮面ライダーオーズ(ワールドアタックライド):オーズをスーパータマシーコンボに変身させて必殺技のスーパータマシーボンバーを放つ。

新カード
リセット:世界を救った時に雅の足跡を消す為の救済処置。発動させると、その世界の人々は雅の事が記憶から消える。
ソウルライド:リセットが発動される前の兆候。発動が終わると白紙のカードに戻る。 

 

第12話『Dを乗り越えろ/戦士の名はディスペア』

これまでの仮面ライダーディロードは
オーズの世界を救う為に動いた雅。自分を媒介に誕生したヤミーの毒を受けて倒れたが、グリード達との協力により、見事キマイラヤミーを撃破し、雅達は次の世界に向かった。


「みんな、僕達が今居る世界は『仮面ライダーW/ダブル』だ。この世界では、人々は自ら進んで怪人、ドーパントに変身しようとするんだ。」
「どうしてですか?」
「ある者は究極のマネーゲームの為に、ある者は過去の罪を隠す為に、ある者は人類を進化させる為、理由は様々だ。圭一逹はUSBメモリが何か解らないだろう。そこから説明しないとな。パソコンがあるだろう。そのパソコンに一定量のデータが溜まった場合にはどうする?」
「邪魔な奴や使わないデータは消します。」
「その消すデータを保管する機材がUSBメモリだ。」
「雅さん、なんでそんな話を?」
「人々がドーパントに変身する際、USBメモリ型の変身アイテム、ガイアメモリを利用するんだ。ガイアメモリには一つ一つに決まった現象や物体のデータ、例えば恐怖とか空間とか武器とかみたいに、ガイアメモリ一つにそのデータが隅々までしっかり同封されていてそれを人体にセットして自身にそのデータを流し込んでドーパントに変わる。簡単に言うなら凶悪な麻薬みたいな物だ。しかも、ガイアメモリとの適応力が高い場合には中毒症状が出てくるんだ。」
「完全に薬物じゃないか!なんでそんな物を買おうとするんですか?」
「さあ、使う理由なんて僕には解らない。大体が私利私欲だな。」
「そんな理由で─」
「おっと、忘れていた。ガイアメモリをばらまいている組織は滅んだんだ。」
「なら良かった。」
「いや、圭一。そうでも無い。どうもガイアメモリを利用して悪事を働こうとしている組織があるみたいなんだ。」
「そんな!」
「だから、僕の役目はその悪者を退治することだ。さて、そろそろ食材も尽きて来た。圭一逹には買い物を頼みたい。多分敵の大きさを考えると5日はかかる。これで買えるだけ買ってくれ。」
雅はアタッシュケースから2009年の一万円を三枚取り出し圭一に渡した。
「圭一、インスタント食材で済ませるなよ。食事くらい僕で作るから野菜と肉を適度に買って来てくれ。」
「雅さん、日本人なんですし魚を食べましょうよ。」
「圭一、そうは言っても変に魚を買うより肉の方が安いんだ。この時代は円高で肉の値段が安くて、グラム98円で牛肉のバラが買える時代なんだ。」
「解りました。それじゃ、行って来ます!」
「梨花、沙都子、圭一に着いて行ってくれ。危なっかしい。」
「解ったわ。行くわよ、沙都子。」
梨花と沙都子は雅に言われ圭一と買い物に出て行った。
「さてフェイト、僕達も出よう。」
「そうだね。」
雅とフェイトは外へ出る。すると、草村のような所に黒のコートに包帯で顔を隠した女性が現れる。
「あなたが鳴滝の言っていた仮面ライダーディロード、凪風雅ね?」
「───あなたは、シュラウド。」
「雅、知っているの?」
「ああ、彼女こそ、仮面ライダーダブルのダブルドライバーを生み出した科学者だ。」
「そんな大それたものではないわ。私はあなたに依頼したい事があって呼んだのよ。」
「依頼、ですか?」
「あなたも知っているでしょう。ガイアメモリを不正に利用している組織を。」
「あの絵巻に書かれていたな。」
「奴らの名はレジェンダーズ。何でも、戦士の記憶を伝える者と言っているわ。私からの依頼は一つ。来人達と協力してレジェンダーズを壊滅させて欲しいの。」
「こちらは元よりそのつもりです。」
「なら安心だわ。凪風雅、報酬はこれよ。受け取りなさい。」
シュラウドが指を指すとDを象ったドライバーと二本のガイアメモリが置かれていた。
「これは?」
「それはディスペアドライバー。あなたの最高のパートナーと仮面ライダーディスペアに変身する為の物よ。」
「ディスペアドライバー──」
「くれぐれも、ガイアメモリをセットする場所を間違えないようにしなさい。それはダブルやアクセルと違い二人の肉体と魂を一つにするドライバー。ベースに入る方の衣服までは入って来ないわ。気を着けなさい。レジェンダーズが迫って来ているわ。」
「ありがとうございますシュラウド。いえ、園咲文音さん。」
「とりあえず、せいぜい頑張りなさい。」
そう言い残し、シュラウドは消えていった。
「とりあえず、一度装着してみよう。」
雅がディスペアドライバーを装着すると、フェイトの腰にもディスペアドライバーが出現する。
「そうか、フェイトがパートナーか。フェイト、頼むぞ。」
「うん。頑張ろう、雅。」
雅とフェイトが話していると、
「お前達が仮面ライダーだな。」
横から声が聞こえて来る。
「誰だッ!」
雅が振り返ると、そこには二十代半ばの男性が居た。
「お前は何者だ!」
「俺は稲森敬介、栄光あるレジェンダーズの一員。そして─」
敬介はそう言うとガイアメモリを取り出し、ガイアウィスパーを響かせるスイッチを押す。
〔サイボーグ!〕
ガイアウィスパーを確認した敬介はサイボーグメモリを顎にセットする。
「仮面ライダーを倒す為の刺客だ!」
敬介はそう言うと、サイボーグメモリの力でサイボーグドーパントに変身した。
「行くぞ、仮面ライダー!」
サイボーグドーパントはそう言うとロッドを持って雅にロッドを振りかざす。
「そうは行くか!行くぞ、フェイト!」
〔ディスペア!〕
雅は素直に回避し、ディスペアメモリのガイアウィスパーを響かせる。
「うん!」
〔ブレイク!〕
フェイトもそれに合わせてブレイクメモリのガイアウィスパーを響かせる。
「「変身!」」
雅はディスペアドライバーのボディを司る上部分のスロットにディスペアメモリを、フェイトはダブルのソウルサイドに相当する下部分のスロットにブレイクメモリをそれぞれ装填し、ブレイクメモリにフェイトが吸い込まれ、ブレイクメモリが雅のディスペアドライバーにセットされる。それと同時にフェイトの衣服が落下する。そして、雅がディスペアドライバーのグリップを引く。
〔ディスペア!ブレイク!〕
ピアノを奏でるようなメロディーが鳴り響き雅の肉体は仮面ライダーディスペアに変身。大鎌型の武器、ディスペアサイズが出現する。
「行こう、フェイト!」
『うん!』
ディスペアはディスペアサイズを振り、サイボーグドーパントはロッドでガードするがパワーファイターのディスペアの力で振り下ろされたディスペアサイズの力でロッドは真っ二つに折れてしまう。
「やるな。だが接近戦はどうかな。」
サイボーグドーパントはフェンサーを取り出し、ディスペアの懐に入り込むが、
「さっきのパワーを忘れたのか!」
ディスペアは聖拳突きを放ち回し蹴りを放ってサイボーグドーパントを弾き飛ばす。
「こいつ、かなり手ごわいな。」
サイボーグドーパントは立ち上がるが、
「フェイト、終わらせよう。」
『うん。』
ディスペアはディスペアメモリを引き抜き、ディスペアサイズのマキシマムスロットにセットする。
〔ディスペア!マキシマムドライブ!〕
「『さあ、絶望を越えられるか!』」
ディスペアは必殺技を発動し、ディスペアサイズにエネルギーが充填される。そして、
「『ディスペアバニッシュメント!』」
ディスペアはDを象ったエネルギー波を放ち、サイボーグドーパントに直撃する。
「よくもやってくれたな!レジェンダーズに、栄光あれ!」
サイボーグドーパントはそう言い、爆発。サイボーグメモリは敬介から排出され、砕け散った。
「メモリブレイク成功だ。よく頑張ってくれた。ありがとう、フェイト。」
『大丈夫だよ、雅。』
ディスペアはフェイトの衣服を拾い上げ、古手神社の宝物庫に帰って行く。そのタイミングで敬介の所にドーパント対策課の警察がやって来る。
「もうガイアメモリは破壊されているのか。稲森敬介、ガイアメモリ使用の容疑で逮捕。」
敬介に手錠がかけられる。

宝物庫に帰ったディスペアは変身を解除し、雅の後ろにフェイトが実体化する。
「フェイト、すぐに着替えろ。圭一逹が帰って来たら危ない。」
「解っている。」
フェイトは一分で着替えを終わらせる。
「雅さん、フェイト、ただいま!」
丁度そのタイミングで圭一逹が帰って来る。
「雅、今日の夕食は肉じゃがでいいかしら?」
「ああ、フェイトもいいだろ?」
「大丈夫だよ。」
梨花の質問に雅とフェイトは答える。
「それにしても、本当に安いですね!でも、海外の肉って美味しいんですか?」
「そうか、圭一逹は不味い肉しか知らないのか。なら今日は僕が料理しよう。」
「本当ですか!ありがとうございます!」
圭一逹は喜んだ。

「敬介がやられたのか。茂、雄介、総司、お前達の出番だ。」
「先輩の敵討ちか。望む所だ。」
「ああ。」
「当然の事だ。」
トカゲを連れた謎の老人は三人の男に指示を出していた。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
次々に現れるレジェンダーズの幹部。そして、ディスペアメモリとの別れの時。次回『Dを乗り越えろ/さらばディスペア』これで決まりだ。 
 

 
後書き
新ライダーの紹介
仮面ライダーディスペア ディスペアブレイク
身長:195cm
体重:80kg
パンチ力:20t
キック力:20t
凪風雅が絶望の記憶(Despair memory)を、フェイトが砕く記憶(Break memory)を使い変身する『絶望を砕く者』。ダブル以上の出力を出せるが簡単に変身を解除出来ない難点がある。

ディスペアメモリ
絶望の記憶を内封したガイアメモリ。雅の後悔の念とそこから来る精神的な絶望を乗り越えた魂に同調し、本来の力を発揮する。
ブレイクメモリ
砕く記憶を内封したガイアメモリ。フェイトの持つ全てを終わらせる覚悟と、未来を斬り開く決意に同調し、本来の力を発揮する。


時間軸で行くとMEGA MAXから半年後くらいと考えて下さい。それでは、次回また会いましょう。 

 

第13話『Dを乗り越えろ/さらばディスペア』

仮面ライダーディロード、今回の依頼は
ダブルの世界に着いた雅とフェイトを待って居たのは既にデータとしてしか残っていなかったシュラウド=園咲文音であった。雅は、シュラウドからガイアメモリを使用するドライバーを受け取り、フェイトと共に仮面ライダーディスペアに変身。追っ手の一人を無事逮捕させた。


「さて、そう簡単にディスペアは使えないな。ここは一度ライドカードを撮っておいておこう。」
雅はそう言い、ディロードライバーの撮影機能を使用しディスペアドライバーのライドカードを精製するが、出来上がったカードはディロードライバーを変身アイテムに変換させるチェンジライドでは無く召喚を行うサモンライドのカードであった。
「何故だ?本来予想していた結果と違う。まあ、今は気にしている暇は無いな。フェイト、明日は朝一番で鳴海探偵事務所に向かうぞ。」
「うん、解った。」
「さて、フェイトも疲れただろう。今日はもう寝よう。」
雅とフェイトは二人、0時に就寝した。

翌日、雅はマシンディローダーの後ろにフェイトを乗せて山道を走っていると、三人の男が妨害した。雅はマシンディローダーから降りる。
「何者だ!」
「お前か、敬介さんを倒した仮面ライダーは!」
「なるほどな。お前達もレジェンダーズのメンバーか。」
「俺は旋茂。」
「俺は凩雄介。」
「俺は松本総司。消えてもらうぞ、仮面ライダーディスペア。」
〔ビートル!〕
〔スタッグ!〕
〔ビートル!〕
レジェンダーズのメンバーは名乗り、茂はビートルドーパント(赤個体)に、雄介はスタッグドーパントに、総司はビートルドーパント(銀個体)に変身する。
「仕方が無い。そう簡単にディスペアは使えないからな。」
雅はオーズドライバーが写っているカードを取り出す。
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
そのカードをスキャンし、雅はディロードライバーをオーズドライバーに変える。そして、緑のメダルを三枚セットし、
「変身!」
メダルをスキャンする。
〔クワガタ!カマキリ!バッタ!♪ガ~タガタガタキリバ!ガタキリバ!♪〕
雅は仮面ライダーオーズ ガタキリバコンボに変身する。
「何ッ!別のライダーだと!」
ビートルドーパント(赤個体)は驚く。
「さて、甲虫の王者でも決めようか。」
ディロードオーズ ガタキリバコンボは三人に分裂し、それぞれ戦い始める。
「行くぞ!」
スタッグドーパントは大剣を振り下ろし攻撃するが、ディロードオーズは更に分裂し回避する。
「今度はこちらの番だ!」
ディロードオーズはそのまま殴り続ける。
一方、ビートルドーパント(赤個体)と戦っているディロードオーズは最初の三人から更に五人に分裂し、追い詰めていた。
「流石に、こいつのパワーを考えると一気に攻めないとなっ!」
ディロードオーズは一斉に殴りかかり、ビートルドーパント(赤個体)をスタッグドーパントの所まで押しやる。
「こいつッ!」
一方、ビートルドーパント(銀個体)はディロードオーズの放つ雷撃を高速移動で回避していた。
「その程度では、俺には追いつかない。」
ビートルドーパント(銀個体)はそう言いながら接近するが、
「今だ!」
近づいて来た瞬間にディロードオーズは雷撃を当て、ビートルドーパント(銀個体)を吹き飛ばし、
「一気に決める!」
〔スキャニングチャージ!〕
ディロードオーズは必殺技を発動。ガタキリバキックを一斉に放ち三体のドーパントのガイアメモリを一気にメモリブレイクした。
「悪いが、今はディスペアは使えないんだ。」
雅は変身を解除しマシンディローダーに乗り、鳴海探偵事務所に着く。
「フェイト、緊張しないで、ゆっくりしていればいいから。」
雅はフェイトにそう言って鳴海探偵事務所に入る。
「すみません、ドーパント関連で依頼したい事があって来たのですが。」
雅がそう言うと、派手な色のシャツを着た女性がやって来る。
「は~い!って、なんでそんな小さい子供を連れているの!」
その女性、照井亜樹子は『ロリコンか!?』と書かれた緑色のスリッパで叩こうとするが、
「オイ明子!大事な客、しかも仮面ライダーに何しようとしてんだ!」
帽子を被った男性に止められた。
「待っていたよ、仮面ライダーディスペア。凪風雅君にフェイト・テスタロッサちゃん。」
更に中からフードパーカーを羽織った少年がやって来る。
「こちらこそお会い出来て光栄です。仮面ライダーダブルの左翔太郎さんに園咲来人、いえフィリップさん。」
雅は翔太郎とフィリップに握手をした。
「雅君、君の事は母さんから聞いているよ。それで、レジェンダーズの動きはどう何だい?」
「ええ、早速こちらに刺客を送って来ました。」
雅とフィリップが話していると、
「なるほどな。昨日逮捕した稲森敬介はお前が相手をしたのか。」
赤いレザーコートを着た対ドーパント対策課の警官、照井竜が雅に質問をした。
「はい。シュラウドから託された、このディスペアドライバーの確認と自己防衛を兼ねて。」
「そうか。協力に感謝する。」
「こちらこそ。それよりも、皆さんが戦ったレジェンダーズのメモリを教えて下さい。」
「俺逹はホッパーを7体だ。」
「俺の方はライダー、ワスプ、ドラゴン、ウルフ、ヴァンパイアの五体だ。」
「やはりですか。僕の方は先程話に出た稲森敬介の使っていたサイボーグに二種類のビートル、サン、スタッグ、ヘラクレスビートル、ライナーの七体です。」
「それで、解ったことはあるのか、雅?」
「はい。まずは結論から。レジェンダーズの使うガイアメモリは仮面ライダーのイメージ、またはモチーフを利用しています。照井さんの戦ったドーパントは多分ライダーマン、スーパー1、アギト、ファイズ、キバを、こちらが戦ったドーパントはX、ストロンガー、BLACK RX、クウガ、ブレイド、カブト、電王を比喩していると思います。」
「雅君、つまり君はレジェンダーズはレジェンドライダーズの略称と考えているのかい?」
「ええ。そうなると他のメンバーのガイアメモリもあらかた目星が─」
雅がそう言った途端、三人の男が入って来る。
「お前達が、仮面ライダーか。」
「先輩達の敵をとらせてもらう。」
男達がそう言い、雅達は外に出る。
「翔太郎さん、フィリップさん、照井さん、行きましょう!変身!」
〔ディスペア!ブレイク!〕
「フィリップ、サイクロンジョーカーで行くぞ!変身!」
「オッケー、翔太郎。変身。」
〔サイクロン!ジョーカー!〕
「変、、身!」
〔アクセル!〕
雅とフェイトはディスペアに、翔太郎とフィリップはダブルに、照井はアクセルに変身。三人の男はそれぞれデストロイヤー、ツインズ、キメラのドーパントに変身。ディスペアはデストロイヤーと、ダブルはツインズと、アクセルはキメラと戦闘を始める。
「俺は全てを破壊する。お前達のガイアメモリ、全てをな!」
デストロイヤードーパントはディスペアに殴りかかるが、
「させるか!」
ディスペアはデストロイヤードーパントの拳を掴み、一本背負いで投げ飛ばす。

「クソ!こいつッ!」
ツインズドーパントはハンドガンとロッドを持ってダブルを撃つがダブルは華麗に回避してゆく。
「お前の攻撃、見切ったぜ!」
ダブルはそう言うとハイキックを決めてツインズドーパントの武器を全て蹴り落とし破壊する。

「どうだ!これならお前の攻撃は当たらない!」
キメラドーパントはジャンプしながら両手の爪で攻撃しようとするがアクセルは回避しキメラドーパントは再びジャンプするが、
「今だ!」
〔エンジン!ジェット!〕
アクセルはエンジンメモリのジェットをアクセルブレードで使用し、キメラドーパントを撃ち落とし、
「決めましょう!」
〔ディスペア!マキシマムドライブ!〕
「オッケー。」
〔ジョーカー!マキシマムドライブ!〕
「全力で振り切るぜ!」
〔エンジン!マキシマムドライブ!〕
三人は必殺技を起動する。
「『ディスペアバニッシュメント!』」
「『ジョーカーエクストリーム!』」
アクセルは必殺技のエースラッシャーを放ち、
「絶望がお前のゴールだ─」
そう呟き、三体のドーパントはメモリブレイクされ、照井が警察に連れて行く。
「さて、僕達も変身を解除するか。翔太郎さん、フィリップさん、決してこちらを見ないで下さい!」
雅はそう言い変身を解除する。雅は、そのままフェイトを室内に入れて着替えさせる。
「マジかよ。」
「そのドライバー、興味深いね。」
翔太郎とフィリップはそれぞれ感想を述べていると、
「遂に見つけた!俺と合うメモリ!」
突然物陰から男が現れ雅のディスペアメモリを奪って行く。
「何者だ!」
「そんな事はどうでもいい!」
雅の質問に男は答えるが、男はディスペアメモリをガイアメモリを装填するコネクタセット用の装置にセットし、ディスペアメモリ用のメモリコネクタを生成。そのままディスペアメモリを装填しディスペアドーパントに変身。そのタイミングでフェイトがやって来る。
「丁度いい。お前達も、俺の絶望を味わえ!」
ディスペアドーパントは毒々しい波動を放つ。
「その中には俺が生きて来た経験が刻まれている。貴様等仮面ライダーにとって、耐えられる筈も無いだろう!」
ディスペアドーパントはそう叫ぶが、
「それは違うな!」
雅は反論した。
「何故だ!何故平気なんだ!」
「俺逹も、どうってこと無いぜ!」
「私も、大丈夫です!」
「何故だ!何故なんだ!」
ディスペアドーパントはパニック状態に陥る。
「簡単な話だ!ディロードとして四百年も戦っている僕に、通用するものか!これくらいで絶望していたら前には進めない!」
「じゃあ、他の奴らはどうして!」
「決まっているだろう!翔太郎さんは自分の浅はかさから恩師を無くし、フェイトはそれ以上の過去を背負っている!お前のそんな身勝手が生んだ結果なんて、絶望とは言わない!翔太郎さん、ロストドライバーを貸して下さい!」
「いいぜ、派手に決めてやれ。」
翔太郎はメモリスロットが一つのロストドライバーを雅に渡し、雅は装着する。。
「フェイト、ブレイクメモリを渡してくれ。」
「はい。それで、どうするの?」
「決まっているだろう。あの男の絶望を砕きに行って来る!変身!」
〔ブレイク!〕
雅はブレイクをロストドライバーにセットし、仮面ライダーブレイクに変身。大剣のブレイクザンバーを装備し、ディスペアドーパントを斬り続ける。
「何故!どうして俺が!」
「そうやって他人の所為にしているお前に、僕達仮面ライダーは、絶対に負けない!」
〔ブレイク!マキシマムドライブ!〕
「ブレイクデストラクト!」
ブレイクはブレイクザンバーにメモリをセットし必殺技を発動。ディスペアドーパントを縦一文字に両断し、ディスペアメモリをメモリブレイクする。男の変身は解除され、それと同時にブレイクメモリとディスペアドライバーは消滅してしまう。
「なるほどな。片方のパーツが破壊された時、全て消えるようになっているのか。」
雅が考えていると、
「雅、さっきの話に出てきたが、四百年戦っているってどういう事だ。事情を聞かせてもらうぜ。」
翔太郎が雅に尋ねる。
「解りました。この事は、いずれフェイトにも話そうと思っていました。」
雅は答え、一同は事務所の中に入って行く。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
明かされるディロードのシステム、そして雅は戦力強化の為に別の世界に行くが─次回『Wの在り方/雅は渡航中』これで決まりだ! 
 

 
後書き
登場カード&敵紹介
レヴァンティン:ロードスラスターにスキャンする事でロードスラスターをシグナムが使っていたアームドデバイスのレヴァンティンに変え、その力を使用できる。
オーズドライバー:ディロードライバーをオーズドライバーに変え、仮面ライダーオーズに変身する為のカード。

ディスペアドーパント:浮浪者の男が雅から奪った絶望の記憶(despair memory)を使い変身した姿。自身が生きて来た絶望的な経験を波動にして相手に押し付ける能力を持つ。劇中明かしてはいないが、この男は結婚詐欺に遭い、その際に多額の負債を負った過去がある。ディスペアメモリとの適合率は65%。


というわけで、ダブル編はあと二話あります。やっぱり、一つの事件を一話でやるのはダブル的に違うと思いました。それでは、次回をお楽しみ下さい。 

 

第14話『Wの在り方/雅は渡航中』

 
前書き
今回から、設定と能力のみを出す世界が出てきます。 

 
一通りの戦いを終え、雅達は鳴海探偵事務所に入り一度座りコーヒーを飲んで身を落ち着かせ、翔太郎が話を切り出した。
「ところで雅。さっき言っていた400年戦っているって、どういう事だ?説明してくれ。」
「待ちたまえ翔太郎。ある程度の説明なら僕がしよう。まず、そもそも雅君は好きでそんな長い年月戦っている訳では無い。彼の戦いの秘密は彼の持つ本来の変身用ドライバーにある。」
「フィリップ、どうしてお前が知っているんだ?」
「簡単な話さ。これについては雅君達が僕達の世界に来たことに理由がある。今、僕達の世界に異変と危機が迫って来ている。それは僕達の世界が原因では無く、ある世界の崩壊が波及して来た結果だ。その結果、僕の『地球(ほし)の本棚』にも影響が現れ、今は異世界の地球の事も調べられるようになったんだ。」
「で、その崩壊した世界は、どんな世界なんだ?」
「翔太郎、君は話の流れで解らないのかい?雅君の世界さ。彼は自分の世界の影響が出ている世界を元に戻す為に戦っているのさ。」
「まっ、大体の流れは解った。で、なんで雅はそんな長い時間戦っているんだ?そもそも、雅はどう観ても高校生だ。数百歳の老人には見えないぜ。」
「それは先程も言ったように彼の持つドライバー、正式名称ディロードライバーに理由がある。」
「おい、雅のドライバーはディスペアドライバーだろ。何だ、そのドライバーは?」
「翔太郎、僕は雅君は異世界から来たと言った筈だ。その雅君が、僕達の世界の技術だけしか無いなんて事は無い筈だ。何故なら、僕達の世界に異世界へ渡る技術は無いからね。で、そのディロードライバーには世界を渡り使用者に強力な力を与える力があるが、とてもでは無いが釣り合わないデメリットがあるのさ。それは、使用者が立てた目標を達成出来ずに志半ばで倒れた時、ディロードライバーを所持した瞬間に世界が巻き戻ってしまうのさ。」
「それじゃあ──」
「ああ、雅君は自身の掲げた『大ショッカーを滅ぼし世界を救う』という目標を達成出来ず今もこうして戦い続けているのさ。さて、心境の方は雅君から直接聞こう。雅君、お願いできるかい?」
フィリップは一通りの説明を終え雅に詳しい事情を尋ねる。
「説明していただきありがとうございます。僕が戦い続けている目的は先程フィリップさんが説明してくれた通りです。ですが、その理由は、その信念はもっと別の所に在ります。それは、ここでは無い別の時間で皆さんに許されない程の事をしてしまいました。その罪も償うために、この信念を曲げる気は有りません。そして、僕が戦うもう一つの理由は、皆さんと、楽しく話したいからです。始めは、ただ僕の憧れていた人達と、仲良く平和に話せれば、そう思ってこの力を手にしました。ですが、そんな都合よく力は手に入りませんでした。この力の代償に、僕は自分の世界と家族を大ショッカーに奪われました。だから誓ったのです。この力で、僕の利己的な望みで手に入れた力で!誰かの平和を護ってみせると!そう誓い、今はこうして戦っています。フェイトにも、嘘をついてしまってごめんなさい。あの時、はじめましてなんて言って。本当は、繰り返す中で何度も逢って、何度も巻き込んで、何度も苦しめたのに、まるで何もなかったかのように近づいて。」
「いいよ。雅も、それだけ辛い思いをしたんでしょ?なら、そんなに思い詰めないで。」
雅の謝罪の言葉を聞き、フェイトは雅の手を握り締め、そう言った。
「フィリップさんが言ったように、このディロードライバーの力には、使用者の願いを叶えるまで、何度もやり直す力が在ります。一度、別の世界で一生を終えた時、僕は再びこの戦地に立たされました。だから、何度も戦っていますが、それでもディケイドに勝てません。無理を承知で頼みますが、僕に力を貸して下さい。」
雅は頭を下げる。
「あんな話の後だ。拒否出来る訳無いだろう。いいぜ、ところで何をすればいいんだ?」
翔太郎は雅に聴く。
「まず、今回の事件。レジェンダーズの黒幕ですが、ガイアメモリの流通組織、ミュージアムの元営業部所長の奥田十兵衛という男です。奴はレコードのメモリを持つ男で、目的は風都にガイアメモリをばらまく事です。」
「何だって!」
「それで、翔太郎さん達にお願いしたい事は、僕はこれから少しの間別の世界に向かいます。その間にフェイトと一緒にレジェンダーズの動きを抑えて下さい。」
「待って。雅が居なくなったらみんな雅の事を忘れちゃうんじゃ。」
「大丈夫。そのためのロードスラスターだ。」
雅はロードスラスターをフェイトに渡す。
「これはディロードの剣。これがこの世界にある間は僕は何時でも戻って来れるし、みんなも僕を忘れない。フェイト、頼めるか?」
「解った。ここは私に任せて、雅は行って来て大丈夫だよ。」
「解った。それでは翔太郎さん、フィリップさん。フェイトをよろしくお願いします。」
【ATTACK RIDE-WORLD WARP-】
雅はワールドワープのカードを使い世界を移動した。
「本当にディケイドそっくりなドライバーだな。」
翔太郎はそう言った。
「ところでフェイトちゃん、君は雅君の事をどう思っているんだい?」
フィリップはフェイトに質問した。
「どうって、優しい人だと思います。自分の事を捨てていて、私達の事を優先していて、誰かがいないと、まるで折れてしまいそうな。」
フェイトはそう返すが、
「そう言う話じゃ無い。君の世界は雅君の世界による異変に巻き込まれ、君は大事な親友を失った。そのはずだ。」
フィリップはそう返す。
「でも、それでも雅は今、私達の為に戦っています。私達は信じる事しか出来ません。」
フェイトは、フィリップの言葉に強く返答した。

その頃雅は、『超光戦士シャンゼリオン』の世界に居た。
「という事で、暁さんの内部に宿ったシャンバイザーと、現在クリスタルベースで待機している超光騎士の写真、これで撮らせていただけませんか?」
雅はシャンゼリオンの発明者、宗方猛に現金50万円を見せる。
「しかし雅君、これは我々の技術と私の全財産の結晶。流石に写真だけと言われても無理があるよ。」
宗方は拒否する。
「そうですか。すみません、こちらもこれ以上は生活に関わるので出せませんが。」
そう言って雅は更に50万円を取り出した。すると、
「100万!順当割で一人25万、いいね~。解っているじゃん。宗方のおっさん、これでいいでしょ。」
シャンゼリオンに燦然(変身)する涼村暁は一人納得した。
「それなら、シャンバイザーの撮影に対してこの金額でどうでしょう?」
雅は更に交渉を持ち掛ける。
「雅君、君のシャンゼリオンに対する熱意はよく解った。いいだろう。」
雅の交渉に宗方はついに了承した。
「ありがとうございます。そうだ。実は僕の居候先の娘さん達が梅干しをどうぞと言っていました。今からこれでも食べませんか?」
雅は礼を言い、梅干しを取り出した。
「雅君、俺は今モーレツに感動している!暁も君くらい真面目ならどれだけ嬉しいことか。」
宗方の部下の一人、速水はそう言いながら梅干しを食べる。
「それにしても、ザ・ブレイダーはどこに居るのだろう。」
雅がそう言うと、速水は立ち上がり、
「誰かが俺を呼んでいる!バァージョンアップ!」
そう叫び緑の戦士、ザ・ブレイダーに変身した。
「まさか雅君、君はこの事も!」
宗方は驚き、
「ええ、その通りです。」
雅はそれをディロードライバーの撮影機能でシャンバイザーとシャンゼリオンと共に撮影し、ライドカードをを制作する。
「では、こちらの用事は済みましたので。」
雅はそう言って涼村探偵事務所から去り、ワールドワープで別の世界に移動した。

その頃、翔太郎達は─
「フィリップ、雅の言っていたレジェンダーズの情報、間違いは無いか?」
「翔太郎、検索の結果では間違い無い。雅君の言っていた事は本当のようだ。どう対策をするつもりだい?」
「とりあえず、照井も来たし、これから話す所だ。」
翔太郎は竜の到着を確認しフィリップを呼び戻した瞬間、一人の老人が鳴海探偵事務所に入って来た。
「ここが、鳴海探偵事務所か?」
老人は翔太郎に尋ねる。
「ああ、そうだが?」
翔太郎がそう言うと、
「気をつけるんだ翔太郎!奴が奥田十兵衛だ!」
フィリップはそう叫ぶ。
「何だって!」
翔太郎は驚く。
「流石は来人様。地球(ほし)の本棚もしっかり機能していますね。だが!」
奥田はガイアメモリを取り出す。
〈レコード!〉
奥田はレコードメモリを使い、レコードドーパントに変身した。
「やべえ!フィリップ、照井、行くぞ!」
〈ジョーカー!〉
「言われなくても!」
〈トライアル!〉
「翔太郎、相手はきっと強敵だ。エクストリームで行こう。」
「オーケー。」
「「「変身!」」」
〈エクストリーム!〉
〈トライアル!〉
翔太郎とフィリップはダブルの最強形態、サイクロンジョーカーエクストリームに、竜もアクセルの最強形態のアクセルトライアルに変身。アクセルトライアルは高速で行動するが、
「クロックアップ。」
レコードドーパントはそう言うと音速で動きアクセルトライアルを相手に終始優勢に戦い変身を解除させてしまう。
『検索出来たよ、翔太郎。奴はかつての仮面ライダーの戦闘を記録していたらしく、仮面ライダーの技が全て使えるようだ。』
「マジかよ!一気に決めるぞ!」
ダブルは話し合い、プリズムビッカーに四本のガイアメモリをセットする。
〈サイクロン!マキシマムドライブ!ヒート!マキシマムドライブ!ルナ!マキシマムドライブ!ジョーカー!マキシマムドライブ!〉
「『ビッカー!ファイルイリュージョン!』」
ダブルは必殺技の光線を放つが、
「ビッカー、ファイルイリュージョン!」
レコードドーパントは同じ技を放ち相殺させる。

その頃、雅は『強殖装甲ガイバー』の世界で戦闘を始めていた。
獣化兵(ゾアノイド)がこんなに!雅君、一緒に闘おう!ガイバァー!」
この世界の主人公、深町晶は生態装甲のユニット、ガイバーを纏う。
「解りました。シグナム、力を貸して下さい!レヴァンティン、セットアップ!」
【CHANGE RIDE-LAEVATEIN-】
雅もレヴァンティンを起動させて騎士甲冑を纏う。
「行きましょう!紫電、一閃!」
「はい!食らえ、胸部粒子砲(メガスマッシャー)!」
雅は紫炎の斬撃で、ガイバーⅠは胸部装甲を開放して放つ砲撃で敵を倒して行く。

「さて、仮面ライダーもこれで終わりだ。キングストーンフラッシュ。」
レコードドーパントは強力なビーム攻撃を放ちダブルを変身解除させ、フェイトも戦闘不能に陥ってしまう。
「さらばだ。仮面ライダー。」
レコードドーパントは去って行った。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
レジェンダーズはついに、真の目的のために動き出す。雅は、この世界の希望を紡げるのか!次回『Wの在り方/お前の罪を数えろ!』これで決まりだ! 
 

 
後書き
世界観説明
超光戦士シャンゼリオン:闇次元が住める環境ではなくなり地球に住み着こうとしている怪物、ダークザイド。それを迎え撃つためにS.A.I.D.O.Cはクリスタルパワーを作り戦おうとするが、偶然にもその力を取り込んだのはしがない探偵事務所の探偵、涼村暁であった。かくして、バブル期の遺物のようなヒーローと人間界にストレスを感じる怪物の戦いが始まった。

強殖装甲ガイバー:ある日火山が噴火し、小さなユニットが流出した。その正体を知らなかった高校生、深町晶はそのユニットに接触。そのユニットは深町の肉体と融合し生態装甲、ガイバーⅠが起動。それを狙うクロノスとの戦いが始まる。


雅によるあとがきコーナー
雅「しかし、作者は今回加筆し過ぎだろ。確かアットノベルス時代は1850文字程度だから2.5倍位に増やしたのか。とりあえず、次回もよろしくお願いします。」 

 

第15話『Wの在り方/お前の罪を数えろ!』

「何だ、この状況は!」
『バイオレンスジャック』の世界での戦いを終えた雅はダブルの世界に戻った時驚きに身を隠せなかった。何故なら、街はゴーストタウンのように静かで荒い風が吹きすさんでいたからだ。
「一体どうして?」
雅がそう呟いていると、後ろから奥田が現れる。
「お前さん、この街の奴じゃ無いな。」
「ええ、風都に観光で来たのですが、何かあったのでしょうか?」
雅は、奥田を相手にしらを切る。すると、
「何、風都はこれから昔の風都に、ガイアメモリが出回っていた頃に戻るだけだ。それよりも、お前さん仮面ライダーだろ?」
奥田は雅の事を見抜いて話した。
「おや、どうしてそう思われたのでしょうか?」
「簡単な話だ。俺は長きに渡って仮面ライダーを調べていた。大体見れば解るさ。行け、志郎、良、真司。」
奥田はレコードドーパントに変身しドラゴンフライ、ロングホーン、ドラゴンドーパントを呼び出し、雅に仕掛ける。
「レコードドーパント、奴に仮面ライダーの攻撃はあまり期待出来ない。となれば!」
【CHANGE RIDE-CHANVISOR-】
雅はシャンゼリオンの世界で手に入れたシャンバイザーを頭部に装着する。
「燦然!」
そして、雅はバイザーを下ろした。
燦然、それは凪風雅がクリスタルパワーを発現させ、超光戦士シャンゼリオンになる現象である。
「行くぞ!来い、砲陣輝!」
シャンゼリオンはサポートマシンの砲陣輝を呼び出し搭乗。砲撃でドーパント達を攻撃し、
「陸震輝、空裂輝も来い!」
シャンゼリオンはバイク型の陸震輝とブースター型の空裂輝を呼び出しレコードドーパント以外のドーパントを一カ所に集め、
「超光合体!」
3台の超光騎士を合体させた。
「食らえ、バスターグレネード!」
シャンゼリオンは合体した超光騎士の必殺技を放ち三体のドーパントのガイアメモリを破壊するが、
「ボルタームウィップ。」
レコードドーパントはオーズシャウタコンボの電磁鞭で超光騎士達を攻撃する。すると、超光騎士達の内部配線はショートしてしまい動かなくなってしまい、シャンゼリオンは飛び降りる。
「やっぱりこんなおんぼろでは限界があるか。ならば、シャイニングクロー!」
シャンゼリオンは爪型の武器を取り出しレコードドーパントに攻撃するが、
「エレキ光線!」
レコードドーパントはスーパー1の武器で反撃し、
「俺が記録していたのは仮面ライダーだけだと思うな!」
そう言うとレコードドーパントの周りに大量のドーパントが現れる。
「貴様はこいつ等の相手でもしているんだな。俺はこれから風都タワーの入り口でガイアメモリの即売会をやらなければいけなくてな、お前の相手をしている暇が無いんだ。」
レコードドーパントはそう言いながら去ってゆき、シャンゼリオンは大量のドーパントを前に一度変身を解除する。
「さて、数が多いな。それなら、レイジングハート、力を貸してもらうぞ。」
【CHANGE RIDE-RAISING HEART EXELION-】
雅はディロードライバーをレイジングハートエクセリオンに変える。
[雅さん、マスターのバリアジャケットでは不都合があるでしょう。私の方でサポートし易いバリアジャケットを構築しました。どうしますか?]
「その方がいいだろう。行こう。レイジングハートエクセリオン、セットアップ!」
雅はレイジングハートを起動させ、白い一張羅のようなバリアジャケットに身を包んだ。
「なるほど、確かにこっちの方が機動性に優れているな。さて、早速行くか。ディバインバスター!」
雅はレイジングハートの高火力砲撃を放つ。しかし、ある程度のダメージは通った様子だが、撃破までにはいたらなかった。
「同じ魔法でも、資質が違えば威力も変わるか。仕方ないか。なのはは砲撃魔導師で、僕は補助魔導師だからな。それなら!」
雅はバインドをかけてドーパント達を一カ所に纏め、
「ディバインバスターであの火力ならこれを使っても街の被害はほとんど無いな。行くぞ、レイジングハート!エクセリオンモード!」
レイジングハートをエクセリオンモードに変形させる。そして、
「エクセリオン、バスター!」
必殺技のエクセリオンバスターを放ち、ドーパント達を撃破する。雅はバリアジャケットを解除し、
「翔太郎さん達が心配だ。すぐ向かおう!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープで鳴海探偵事務所に向かった。

「翔太郎さん、この状況は!」
事務所に入った雅は、手当てをしている翔太郎達を見て驚く。
「雅が行ってすぐ奥田が攻めて来た。あいつ、仮面ライダーの技を使って俺達を攻撃して来やがった。許せねぇ。仮面ライダーの力は、みんなを守るためにあるのに、みんなを泣かすために使っている奥田を、それを止められなかった俺の弱さも!」
「そうでしたか。済みません。」
「別に謝らなくていい。それより、なんとかなりそうか。」
「はい。レコードの能力はとても強力で、僕も逃げられました。それから、レジェンダーズの目的も解りました。奴ら、この街に大量にガイアメモリをばらまくために風都タワーでガイアメモリの即売会をやるのが目的です!」
「雅、それは本当か!」
「はい、奥田自身が言っていました。」
「マジか。雅、なんとか出来ないのか。」
「無いわけではありません。レコードの能力には、ガイアメモリを使用した記録もあるようですので。あとは、この世界の希望がどう答えるかです。」
「それより、行くぞフィリップ、照井、雅!」
「左、何のつもりだ。」
竜は翔太郎に質問する。
「決まっているだろ。奥田を止める。奴を止めないと、沢山の人が涙を流す。何としても阻止しねえと。」
「解りました。行きましょう。大丈夫です。仮面ライダーは何があっても絶対に勝ちます。」
雅は翔太郎の後押しをし、フィリップ達も動き出す。

「さぁさぁ!本日の即売会、目玉となるのはこのウェザー!今日はセール価格で200万円!早い者勝ちだぞ!」 
風都タワーに向かうと、奥田は既にガイアメモリの販売を始めていた。
「そこまでだ!奥田十兵衛、ガイアメモリ不正使用及び販売の現行犯として、逮捕する!」
「果たして、仮面ライダーに出来るのかな?」
「出来るかじゃ無い!やってみせるんだ!翔太郎さん、フィリップさん、竜さん、亜樹子さん、予定通りに。」
雅は白紙のカードを翔太郎達に渡し、
「集え、世界の願い!」
雅はコールし、ワールドホープとワールドアタックのカードを生み出す。
「後は上手く行くことを願うだけだ。」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER W-】
雅はワールドホープをスキャンするが読み込んだだけで反応がなかった。
「まったく、ただの虚仮威しか。なら、こいつ等に任せるか。」
奥田はレコードドーパントに変身し三人の人影を呼び出す。
「翔太郎、ようやく帽子が似合うようになったな。」
「おやっさん。」
「まったく、仮面ライダーが居ながらこの体たらくとは。」
「園咲霧彦。」
「風都か。この街は俺達NEVERが解放する。ガイアメモリなんかに支配されてたまるか!」
「大道克巳!」
レコードドーパントが呼び出したレプリカ達は鳴海荘吉、園咲霧彦、大道克巳の三人であった。
「やれ。仮面ライダーを倒すんだ。」
レコードドーパントがそう言った途端、
「何を言っている。お前は風都を泣かせた。許す訳には行かない。」
「風都の未来を奪うつもりですか、奥田製造課主任。私が許す訳無いでしょう。」
「俺はな、ガイアメモリが嫌いなんだ。ふざけるな!」
荘吉達は反旗を翻す。
「上手く行った。やはりガイアメモリを召喚する能力だったか。皆さん、力を貸して下さい!」
「いいだろう。おい翔太郎、久々にコンビ復活だ。」
「おやっさん、今日はフィリップも合わせてチームですよ。」
「いいだろう。」
「皆さん、行きましょう!」
〔サイクロン!〕
〔ジョーカー!〕
〔スカル!〕
〔ナスカ!〕
〔アクセル!〕
〔エターナル!〕
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
"変身!"
雅はディロードに、翔太郎とフィリップはダブル サイクロンジョーカーエクストリームに、荘吉はスカルに、霧彦はナスカドーパントに、竜はアクセルトライアルに、克巳はエターナルに変身する。
「今日はみんな、あの言葉を言いましょう。」
「いいだろう。」
"さあ!お前の罪を数えろ!"
ナスカとライダー達はダブルとスカルが多くの悪に投げかけたあの言葉を言い、レコードドーパントに向かって行く。
「こうなれば!行って来い、大介!」
レコードドーパントの呼び声に反応し、待機していたリザードドーパントが現れる。
「こいつ等の相手は俺達に任せて、翔太郎はそこの坊主と一緒に親玉を潰せ!」
スカルとエターナルはドーパント・レプリカ達を倒しながら活路を開きダブルとディロードを通す。
「さて、俺達はこの雑魚達を潰して行くか!」
〔ルナ!マキシマムドライブ!〕
エターナルはマキシマムスロットにルナメモリをセットし、腕を鞭のように振るい、レプリカ達を撃破するが、リザードドーパントの奇襲を受けてしまう。
「こいつ、かなり素早い!」
アクセルトライアルは追いかけるが、リザードドーパントの素早さに翻弄されてしまう。すると、
「仮面ライダー、ここは私に任せて下さい!」
ナスカドーパントがマフラー状の翼を伸ばし、リザードドーパントの身体を絡め捕ってしまう。
「皆さん、今です!」
「ああ!」
〔スカル!マキシマムドライブ!〕
〔エターナル!マキシマムドライブ!〕
〔トライアル!マキシマムドライブ!〕
ライダー達は身動きの取れないリザードドーパントに必殺キック、エターナルレクイエム、マシンガンスパイクを叩き込み、リザードメモリを破壊、そこには可愛らしい蜥蜴が居た。
「また、人ではなかった。」
アクセルトライアルはその場に膝をついてしまった。

「いくらレコードが仮面ライダーの記録をしていても、ディロードのデータは無いはず。このまま一気に押し切りましょう!」
【WORLD ATTACK RIDE-KAMEN RIDER W-】
ディロードはワールドアタックライドをスキャン、ダブルの身体が2人に分かれる。
〔サイクロン!エクストリーム!〕
〔エクストリーム!ジョーカー!〕
分かれたダブルはサイクロンエクストリームとエクストリームジョーカーに変わるそして、
〔〔エクストリーム!マキシマムドライブ!〕〕
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「「「トリプルプリズムエクストリーム!」」」
ダブルとディロードは必殺技を発動。三人のキックはレコードドーパントを直撃。ガイアメモリは粉砕され、奥田は変身が解除される。
「改めて、奥田十兵衛。ガイアメモリ不正使用及び販売の現行犯で逮捕する!」
竜は奥田に手錠を着けて風都署に向かった。
「翔太郎、お別れのようだ。」
レコードドーパントに呼び出された荘吉達は光になって消えて行く。
「おやっさん!」
翔太郎は泣きながら近づくが、
「泣くな!やっぱりお前はまだ半人前だな。フィリップ、この阿呆を頼んだ。」
荘吉はそう言い残して消滅し、今回の事件は幕を下ろした。

「それにしても、雅さんってそんな長い間戦っていたんですか。」
雅は、宝物庫に帰り圭一達に自分の事を話していた。ソウルライドは既に発揮し終わり、今は危機が迫っている世界を待っている所である。
「フェイト、絵巻を取ってくれ。さっき光ったから反応があるはずだ。」
「うん。」
雅はフェイトから絵巻を受け取り、広げる。すると、そこには大広間に一脚の椅子があり、ヴァイオリンが飾られ、薔薇の花弁が散っている絵が描かれていた。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
人類とファンガイアが共存するようになった世界。しかし、再びファンガイアが動き始める。次回『シャープ♯守護者イン・ザ・ワールド』これで決まりだ! 
 

 
後書き
新カード説明
レヴァンティン(チェンジライド):ディロードライバーにスキャンさせることで騎士甲冑を纏い、レヴァンティンの力を引き出すことが出来るようになる。
レイジングハートエクセリオン(チェンジライド):ディロードライバーにスキャンさせることでレイジングハートエクセリオンの魔法を使用出来るようになる。
シャンバイザー:ディロードライバーにスキャンさせることで超光戦士シャンゼリオンに変身出来るようになる。
仮面ライダーダブル(ワールドホープ):レコードドーパントが仮面ライダーと風都の戦士を召喚する。
仮面ライダーダブル(ワールドアタックライド):ダブルを分裂させて必殺技のトリプルプリズムエクストリームを放つ。

オリジナル怪人
レコードドーパント
奥田十兵衛が記録の記憶(Record memory)を使い変身した姿。かつて仮面ライダーと戦ったドーパントのレプリカの召喚とかつて仮面ライダーが使った技の再現が行える 

 

第16話『シャープ♯守護者イン・ザ・ワールド』

『みんな、儚いって漢字は、人に夢って書くんだぜ。人の夢は儚いだなんて、皮肉が効いているよな。俺達が今から出会うこいつの旅も、虚しく儚いモノだな。』


「なるほどな、状況は解った。」
新たな世界を映した絵巻を読み、雅はそう言った。
「雅さん、次の世界はどんな仮面ライダーが居るんですか?」
圭一は雅に聴く。
「仮面ライダーキバの世界。どうやら戦いが全て終わった後の事のようだ。この世界のライダーは3人。まずはこの世界の主人公、紅渡さんが変身する仮面ライダーキバ。渡さんは、一晩で何億もの大金を稼ぐバイオリニストの父親と、この世界の怪人ファンガイアの女王の間の産まれた人で、2つの種族の掛け橋になった人なんだ。それから、悪人退治をする傍らで機械の鎧を纏って戦う仮面ライダーイクサ。そして、渡さんのお兄さんが変身するダークキバ。最初はファンガイアは人間の事を家畜としか思っていなかった。でも、渡さんがイクサに変身する名護さんと、ファンガイアの王である大牙さんを説得して、二つの種族の争いは終わったんだ。でも、この絵巻を読んでみたところ、人を襲うファンガイアが再び現れたらしい。僕とフェイトで今から渡さん達に合いに行く。圭一達には買い出しを頼みたい。そろそろガストコンロを替えた方がいいかもしれない。よろしく頼む。」
雅はフェイトをマシンディローダーの後部に乗せ、カフェ・マルダムールに向かう。

「多分、渡さん達はここに居るはず。」
「雅、どうして解るの?」
「基本的に、イクサのシステムを作った組織、素晴らしき青空の会は作戦会議をする時にここに集まっているんだ。さて、入るか。」
二人は店に入る。
「嶋さん、それは本当ですか!?」
店内に入ると、一人の青年が壮年の男性にそう言った。
「名護君、落ち着くんだ。大牙も、状況を説明してくれ。」
「その話、僕達にも詳しく聴かせて下さい。」
その男、素晴らしき青空の会の会長、嶋護の話を聞いた雅はすぐ飛びつき、テーブルの近くに立っていた。
「君達は何者だ。私達の話を聴く必要は無い。」
先程嶋に話していた青年、名護敬介が雅にそう言うと、
「そう頭ごなしに言わないで下さい。僕達も、聴く必要の無い話に割って入る気はありません。」
雅は名護にそう言う。
「そんな事はありえない。君達のような子供はこんな所で大人の話に口を出す必要は無い。」
「それは、僕が仮面ライダーでも、ですか?名護さん?」
話を聞こうとしない名護を相手に雅はディロードライバーを取り出した。
「仮面ライダー?何の話だ。そんな玩具には騙されない。」
名護はディロードライバーを取り上げようとするが、雅は軽やかなステップで避ける。
「何をする気ですか。あなたが触れれば、ここ一帯が焼け野原になる所だったのですが。」
「なら何故、そんな危険な物を持っている!早く捨てなさい!」
「出来れば苦労しません。それに、こんな風に怪物退治をする必要もありません。それが出来ないから、これを失う為に戦っているのですから。」
「何の話だ。」
「漸く話を聴いて貰えました。僕達も、渡さんや名護さん、大牙さんと同様に人々の平和の為に、世界を旅しながら悪と戦っている身で、今は人を襲うファンガイアを追っているのです。それで、キバとファンガイアの王、そして素晴らしき青空の会が集まっている今を狙って話をしようと思ったのです。」
「なるほど。嶋さん、どうしましょう?」
「話に混ぜなくても、彼らは独自で調べるだろう。そうなれば大牙にも迷惑がかかる。話にいれよう。君達、名前は?」
「僕は凪風雅、またの名は仮面ライダーディロード。隣にいるのは僕のサポーターの」
「フェイト・テスタロッサです。私達がここにいる間、ご迷惑おかけしますがよろしくお願いします。」
雅とフェイトは自己紹介をし、椅子に座る。
「さて、話が大分逸れた。大牙、改めて説明してくれ。」
「ああ。あれから3ヶ月、俺達ファンガイアは人を襲わず我が社で開発した人工エネルギーを採ることで人間社会に溶け込んでいった。だが、半月ほど前から、俺達の計画から離反したファンガイアがいる。最初は奴一人の戯言だったが、段々と賛同者が増え、今では五千人に増えている。」
「大牙さん、その主犯は?」
「既に調べは済んでいる。ビーストクラスに所属している『球体が催す、狂喜と酒池肉林の宴』、ウルフファンガイア。奴は人間体の姿として、神谷 (ろう)と名乗っている。神谷は、我々ファンガイアに取って害悪を及ぼしていた。だから俺達の世界から追放したが、こちらで犯罪に手を染めていたらしい。とにかく、今回の件は俺達ファンガイアに責任がある。頼めた義理では無いが、協力して欲しい。今の奴は、俺一人では解決出来ない。」
「大丈夫です大牙さん。僕達もそのつもりで来ました。」
「雅は、これまで三つの悪と戦って来ました。安心して下さい。」
大牙の頼みに雅とフェイトは応える。
「ありがとう。まだ幼い君達を戦いに巻き込んでしまい、済まない。」
「こちらこそ、こんな見ず知らずの子供を信用していただき、ありがとうございます。」
雅と大牙は互いに握手する。
「それで、これからの動きだが、神谷露が動くまでこちらは下手な動きをしない方がいいだろう。凪風君も、自分が戦士として戦っている以上解るだろう。」
「相手の挑発に載った方が負け──というわけですね。ですが、もし先に相手が仕掛けて来た時は、いかがいたせば?」
「その時は、殺す事無く自警してほしい。」
嶋は渡達に伝える。
「解りました。僕達は、これから家に居る子達の様子を見るために一度帰らせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ああ、問題無い。」
「ありがとうございます。マスター、ご馳走様。」
雅は自身の会計を済ませて出て行った。
「さて、彼のことはどう思う?」
「僕は、真面目な人だと思います。」
「私も、渡君に同じだ。」
「俺は、少し危ないと思う。」
「大牙、どうしてだ?」
「何故、あそこまで他人の事に気を使えるのか気になった。」
「まあ、それはおいおい聞くとして、戦力の上昇は大きな一歩だ。」
嶋は、雅達が去った後で渡達に質問していた。

「とりあえず、まずはいい出だしだ。」
雅は、マシンディローダーを押しながら歩いて進む。
「そうだね。でも、なんだか気味が悪い。」
フェイトはそう言う。それもそのはず。街には、『ファンガイアに人権を!』『人に裁かれるファンガイアに愛を!』『ファンガイアを差別する人間は危険な民族』などのプラカードを持ったファンガイアによるデモ活動が至る所で行われていた。
「だと思う。僕も嫌な気持ちだ。でも、これは仕方のないことだ。異なる種族が同じ土地に生きることは、出来ないんだ。」
雅がフェイトと話していると、いつの間にかファンガイアに囲まれていた。
「雅、どうするの?」
「ディロードの力じゃファンガイアを倒してしまう。それなら!」
【CHANGE RIDE-ACCEL DRIVER-】
雅はディロードライバーをアクセルドライバーに変化させる。
<トライアル!>
「変身!」
雅はトライアルメモリを使い、仮面ライダーアクセルトライアルに変身。
「全力で振り切らせてもらう。」
高速で動き、その軽いダメージで近づくファンガイアを気絶させていった。
「フェイト、もう大丈夫だ。」
雅は変身を解除し、フェイトと供にその場を去る。

翌日、フェイトはカフェ・マルダムールで驚いていた。何故なら、全ての新聞が昨日のファンガイアによる襲撃事件を捏造し、『人間によるファンガイアへの無差別暴行傷害発生!協定決裂まであとわずかか?』と大きな見出しで載せていたからだ。
「やはりそうなったか。」
「雅、なんで落ち着いているの!?」
「考えみるんだ。別の種族と共存しようとすれば、まず相手はマスメディアに入り込んで、捏造記事を載せる。長い間信頼されてきたそれらを国民は疑わず、いずれそのせいで肩身が狭くなり、国は乗っ取られる。僕の住んでいた世界でもそれはあって、おかげで僕の民族はそいつ等に根絶やしにされる寸前まで追い込まれたんだ。」
「待って、雅の住んでいた世界には、怪人みたいな敵はいないって──」
「僕がいつ、怪人がやったって言った?その主犯は僕達の国の隣国の奴らだ。解るか、フェイト?同じ人間でもこれだけ争うんだ。人間とファンガイアが共存しようとすればいずれこういう事件は起きるものだ。」
「でも、雅が本当の被害者なのに、雅が悪者にされて襲って来たファンガイアが絶対的な被害者になっている。」
「本当、手口がかの国のやり方と一緒だな。フェイト、今は怒りを抑えるんだ。そうしないと、奴らの思うツボだ。」
「──解った。」
フェイトはしぶしぶ頷いた。
「雅君、迷惑をかけて済まない。やはり、俺のやり方は甘かったのだろうか。」
大牙は、雅に謝った後にそう言う。
「そう言わないで下さい。大丈夫です。こういう事にはもう慣れましたから。」
「そうか。」
「それでは、今日はこの辺で。」
「気をつけるんだ。多分雅君達は狙われている。」
「解っていますよ。」
雅とフェイトは、転移魔法ですぐ帰っていった。

更に翌日、新聞の一面は『ファンガイアによる被害者、半月で3000に』となっていた。
「やられた!これは悠長な事は言っていられない。行こう、フェイト!」
雅は、フェイトと二人で出て行った。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
ついに始まる人とファンガイアの抗争。果たして、治める(すべ)はあるのか!?
次回『フォルテッシモ♬過去からのメッセージ』ウェイク、アップ!運命(さだめ)の鎖を解き放て! 
 

 
後書き
新カード紹介
アクセルドライバー:ディロードライバーをアクセルドライバーに変化させることで、雅を仮面ライダーアクセルに変身させるためのカード 

 

第17話『フォルテッシモ♬過去からのメッセージ』

『レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた有名な絵画、モナリザの微笑み。あの作品にはダ・ヴィンチの秘密が隠されているという。それを研究してゆく内に、実はダ・ヴィンチは女性だったという説が湧いてきた。みんなも、自分の知っていることが全てだと思うかな?』


「クソッ!先を越された!フェイト、僕達であのファンガイアを倒すぞ!」
雅はフェイトをマシンディローダーの後ろに乗せ、デモの中心地に向かう。

雅が向かった先には、何千というファンガイアの市民がいた。
「ここは人間の土地だ。お前達の好きにはさせない!」
雅はディロードライバーを装着するが、
「雅君!今はまだ早い!」
何者かの声が聞こえ、変身を戸惑っていると、煙幕が張られファンガイアは見えなくなり雅とフェイトはマシンディローダーに乗ってその場を去る。

「嶋さん、何故止めたのですか?」
「雅君、大牙のことを考えてくれ。今私達が争えば、ファンガイアの王である大牙に責任が行く。今は神谷露を探すことが先決だ。解ってくれ。」
カフェ・マルダムールで雅は嶋達と話していた。
「ですが、ニュースを観たなら解っているはずです。このままではより多くの人に被害が出ます。そうなってからでは手遅れです!」
雅が話していると、ニュースが流れて来る。
『続いてのニュースです。政府は、ファンガイアによる度重なる被害に対して、3WAと提携し、防衛システム、レイキバットの量産を決定しました。政府関係者の情報によりますと─』
「嶋さん、どうやら手遅れのようです。こうなれば、僕達の方で先手を取り、神谷露を倒すしかありません。」
「それには俺と渡も賛成だ。」
「俺も、今回は雅君の意見に賛成だ。」
雅の提案に大牙と渡、名護も賛成する。
「そうか、大牙が納得するなら、その作成で行こう。ところで、雅君は何千といる神谷露の賛同者と戦う手段はあるのか?」
「ええ。僕には強い味方がいます。皆さん場慣れした歴戦の勇士です。必ず、今回の事件も収束してみせます。」
「そうか。それでは君達に任せよう。頼むぞ。」
「はい。」
嶋の言葉に雅達は頷き、カフェ・マルダムールから出て行く。

「手遅れだったか。」
雅達が外へ出て少し移動していると、政府が導入した量産型のレイがファンガイアの軍勢と戦っていた。
「ウェイクアップ」
量産型レイは必殺技を発動し数体のファンガイアを一気に倒れて行くが、不利と考えたファンガイアは合体して行きシャンデリア型の怪物、サバトに変わってゆく。そんな中で狼のようなファンガイアはただ一人で量産型レイ十人を相手に遊びながら戦っている。
「ほらほら、どうした?このままじゃお前達俺に殺されるよ?」
ファンガイアはそう言うと、量産型レイの一人に噛みつく。すると、噛まれた量産型レイは変身が解除され、倒れたと思うと突然立ち上がりラットファンガイアに姿を変えた。
「何ッ!」
そこにいた量産型レイの隊員は驚くがラットファンガイアは先程まで共に戦っていた量産型レイを攻撃して行く。
「グァァァッ!」
一方、サバトと戦っている量産型レイはサバトの放つ光線に焼き払われ、全滅してしまう。
「やめろ!来るな!」
「ウェイクアップ」
量産型レイの隊長は必殺技を発動しウルフファンガイアに攻撃しようとするが、ウルフファンガイアは軽々回避し、量産型レイの隊長を後ろからその爪で首を切り裂き、殺してしまう。
「やはり、お前の仕業だったか、神谷露!」
大牙はウルフファンガイアにそう叫ぶ。
「おやおや、誰かと思えば家畜の配下に成り下がった腰抜けキングか。俺は調子づいている家畜を処分していたんだ。褒美の一つくらいくれよ。例えば、キングの座とか。」
「ふざけるな!この俺が、王の判決を直々に下す!貴様のような人の屑は万死に値する!」
「そうかよ!でも、俺達市民を相手に勝てるのかよ?」
神谷は大牙にそう言うが、
「勝てる!いや、勝たないといけない!」
雅が反論する。
「皆さん、このカードに願いを託して下さい。これが、切り札となってくれます。」
雅は渡達に白紙のカードを渡す。
「わかった。名護さん、兄さん、大丈夫?」
「勿論だ。」
「俺も大丈夫だ。」
三人の言葉を聞き、雅は自身で持っている白紙のカードを掲げる。
「集まれ、世界の願い!」
渡達に渡したカードは雅のカードに集まり、ワールドホープのカードに変わる。そして、
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER KIVA-】
装着しているディロードライバーにスキャンする。すると、
「おいおい、折角俺と真夜がつないだ人とファンガイアの輪を、壊そうとする不届き者がいるとはな。」
そんな声が聞こえ、渡達が振り向くと、そこには現代に居るはずの無い渡の父親、紅音也がそこにはいた。
「お前は何だよ!」
神谷は音也の言葉にキレる。すると、
「おいおい、まだ俺のことを教科書に載せていないのか?俺は紅音也。二千年に一度の天才で、とっても偉い人さ。」
音也はそう自己紹介する。
「ふざけるな!」
神谷は怒る。
「父さん、なんでここに?」
「さあ?体が光り出したらいつの間にかここにいた。」
渡は、久しぶりの音也との再開に喜んでいるが、
「皆さん、とにかく奴を倒しましょう。これ以上被害が出る前に!」
雅が号令をかける。
「解っているって。おいコウモリモドキ、また俺に力を貸せ。」
「仕方ない、済まない大牙。奴のところに行って来る。」
「ああ、久しぶりに俺もこちらを使おう。」
「来て、キバット!」
「よっしゃー!俺様の活躍、見てくれよな!」
「神谷露、その命、神に返しなさい!」
[レ ディ ?]
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
『変身!』
渡はキバに、名護はイクサに、大牙はサガに、音也はダークキバに、そして雅はディロードに変身する。
「こいつらは僕に任せて、皆さんは大元を!」
ディロードはロードスラスターでファンガイア斬り倒しながらそう言う。
「はい!」
キバ達は、ディロードが倒して作った道を進んで行く。
「数が多い。それに巨大な奴もいるな。それなら増援を呼ぼう。」
【SUMMON RIDE-CHANGELION VIOLENCE JACK GUYVERⅠ-】
ディロードはロードスラスターからシャンゼリオン、バイオレンスジャック、ガイバーⅠを召喚した。
「暁さんはあっちの協力を、晶さんとジャックはあの巨大な奴を頼みます!あいつらは人類を滅ぼそうとしています。」
「オッケー。とりあえず、倒せばいいんだろ?」
シャンゼリオンはそのままキバ達のところに向かった。
「雅君、君にはクロノスを壊滅してもらった御礼をしたい。協力しよう。」
ガイバーⅠはそう言うと額からビームを放ち、的確にサバトを倒して行く。
一方ジャックは無言でファンガイアを殴り倒して行く。
その頃、シャンゼリオンはダークキバと意気投合し協力してウルフファンガイアの周りにいるファンガイアを倒して行く。
「あんた、かなりやるねぇ。」
「あんたもな!だけど!」
シャンゼリオンは近づいて来るファンガイアを殴り倒し、
「あんたが天才なら俺は大天才だ。」
「おお、面白いじゃん。」
シャンゼリオンはそう言い、ダークキバは笑う。
「二人とも遊んでないで真面目に戦って!」
キバはエンペラーフォームに変身しながら二人に近づくが、
「「いいか、人生は短い、でも一日は長いんだ。そうピリピリしないで、ほんわかいこう?」」
二人はぴったり合わせてそう言い、キバは呆れていた。
「さて、僕の方も終わらせて、渡さん達と合流しないと!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE
DELOAD-】
ディロードはブラストとファイルアタックライドの二枚のカードをロードスラスターにスキャンする。
「これで終わりだ、ディメンションボルケーノ!」
ディロードはロードスラスターの引き金を引き、特大の火球を放ち、ファンガイアを倒し、キバと合流するが、
「ウェイク、アップ!」
「ウェイクアップⅡ」
『ウェイク アップ』
[イクサ ライザー ライズ アップ]
四人のライダーはジャンプし、同時キックを放ち、ウルフファンガイアを撃破する。すると、残っていたファンガイアはステンドグラスになって砕け散ってしまう。どうやら、ファンガイア達はウルフファンガイアが作り出した偽物だったようだと大牙は結論付けた。
「さて、俺はそろそろ帰らないとな。」
音也はそう言うと、体が光り出す。
「父さん、待って!」
渡は消え始める音也に泣きながら近づくが、
「泣くな渡!強く生きろ!」
近づく渡を音也は止める。
「でも─」
「大丈夫だ。お前は強い。何せこの、紅音也の息子だからな。そうそう、俺を呼んだそこの少年。渡に会わせてくれてありがとう。それじゃ。」
音也はそう言うと光に包まれて消滅した。
「では、僕達もここら辺で。僕達を待っている世界はまだ沢山あります。それでは、短い間でしたが、ありがとうございました。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅とフェイトはワープのアタックライドでその場を去った。

「自分が産まれる前に死んじゃった父さんに会えて、渡さんも嬉しかったみたいですね。」
「ああ。さて、渡さん達の世界ともお別れの時間だ。」
【SOUL RIDE-KAMEN RIDER KIVA-】
『雅さん、父さんに会わせてくれてありがとうございます。僕には僕の音楽が、雅さんには雅さんの音楽がある。その音楽を、未来に繋げましょう。』
『君達の旅は始まったばかりだ。安心してくれ。私がついている。この正義の味方が。』
『俺達の争いに巻き込んで済まなかった。俺達の力は、きっと君達を支えるはずだ!』
渡、名護、大牙の映像はそう言い残して消え、
【ATTACK RIDE-RESET-】
雅達とキバの世界との繋がりは断たれる。
「さて、次の世界は仮面ライダー電王か。」
雅が絵巻を広げると、トンネルを抜けようとしている電車が描かれていた。
to be continued


次回、仮面ライダーディロード
雅の前に現れる謎のイマジン。そして強敵の襲来。次回、『私達に勝てるの?』ウェイク、アップ!運命(さだめ)の鎖を解き放て! 
 

 
後書き
新カード紹介
シャンゼリオン:超光戦士シャンゼリオンを召喚する為のカード
ガイバーⅠ:ガイバーⅠを召喚する為のカード
バイオレンスジャック:バイオレンスジャックを召喚する為のカード
仮面ライダーキバ(ワールドホープ):キバの世界の根源、過去から未来へ受け継ぐ力が最大級に上がり、一時的に過去から紅音也を呼び出す。

世界観説明
バイオレンスジャック:関東を日本から引き剥がす程の巨大地震が発生し、関東は政府を失い、力が支配する世界となる。ジャックは、そんな世界を倒す為に歩く。時には小さな子供と共に。

怪人設定
ウルフファンガイア:ビーストクラスに所属する狼のファンガイアで真名は『球体が催す、狂気と酒池肉林の宴』。ウルフファンガイアはかつて他のファンガイアをも食らう同族殺しを何とも思わない卑劣漢であった為、キングによって追放された。しかし、人間社会に溶け込む際に新聞記者兼やくざの構成員となって悪事を繰り返していた。 

 

第18話『私達に勝てるの?』

前回の仮面ライダーディロードは─
互いの未来の為に戦う人間とファンガイア。しかし、ディロードの活躍によって、それが仕組まれた事だと分かり、二つの種族は、再び手を取り合う道を選んだ。

時の列車、デンライナー。次の駅は、過去か、未来か─

「電王の世界か…」
雅は意気消沈していた。
「雅、どうしたの?」
「フェイト、仮面ライダー電王の世界は、未来から来たエネルギー生命体、イマジンが人の願いを曖昧な形で叶えて、その人の一番大切な過去に入り込んで時間を滅茶苦茶にする。それを止める為に特異点と呼ばれる時間の干渉を受けない人が電王の力を使って世界の時間を護る世界なんだ。」
「それのどこが辛いんですか?」
「圭一、人の思い出を観る事って幸せな事か?」
「…いいえ。」
「そう。電王と一緒に戦うって事はイマジンによって時間が破壊されないように人の思い出を観て戦う事なんだ。」
「そうだったんですか。」
「と、いうわけだ。仮面ライダーである僕は契約する気は無い。諦めるんだ、カグヤ。」
雅は、自分に取り憑いたイマジン、カグヤにそう言う。
「どうして?あなたの記憶を見させていただいたけれど、あなた、人間では叶えられない願いを持っているじゃない。」
「カグヤ、お前の力でディケイドを倒す事は不可能だ。諦めろ。それとも、今ここで実体を持って僕に倒されたいか?」
「─はぁ。やっぱり、仮面ライダーに憑いたのが運のツキだったわ。だってかなり頑固だし。」
「嫌なら出て行け。」
「出来れば苦労しないわ。」
「そうか。なら少し黙っていてほしい。これから僕は電王に会いに行かないといけない。」
「その、ところで、電王ってどこにいるんですか?」
雅とカグヤが話していると、圭一が質問して来た。
「ああ。電王は時間の狭間を旅する列車、デンライナーに乗っているから、まずは時間の狭間に行かないと行けないが、その方法はたった一つで、時間、分、秒の全てが同じになったとき、例えば13時13分13秒とかみたいに。今なら9時9分9秒だな。」
雅は携帯の時計を見る。時間は9時8分52秒を表示していた。
「さて、今から電王に会って来る。」
雅は、9時9分9秒に扉を開き、時の狭間に入り込む。

雅は、一面が砂の殺風景な空間にいた。
「さて、デンライナーが来るまで待つか。」
雅がそう言って五分程経ち、赤いヘッドライトに白いボディのデンライナー、業火がやって来る。
「すみません。チケットを拝見いたします。」
止まったデンライナーから駅員が現れ、雅はカグヤが描かれたライダーチケットを見せる。
「はぁい。それでは、どうぞ。」
チケットを確認してもらい、雅はデンライナーに乗る。
「ようこそ、雅君。お久しぶりですねぇ。」
雅が客室に入ると、デンライナーのオーナーはそう言った。
「オーナー、お久しぶりですね。それから、申し訳ありませんがナオミさん、コーヒーは結構です。」
雅はオーナーと挨拶を交わす。本来、一度リセットが起動されると、世界から雅の記憶が失われるが、時間の管理を行う電王の世界は、例外的にその影響を受け付けず、世界がリセットされても、電王とその関係者は記憶が保護される。しかし、
「ですが、オーナー。何故良太郎さんは、特異点であるにも関わらず、僕の記憶が欠けているのですか?」
仮面ライダー電王、野上良太郎は雅を見て初対面のような態度をとった。
「実は、良太郎君は先の牙王の一件で記憶を一度無くしてしまいまして、モモタロス君以外のイマジンも消えてしまいましてねえ。そこで、雅君には電王として戦っていただきたいのですが、いかがでしょうか?丁度イマジンもいるみたいですしねえ。」
オーナーは雅に提案を持ち出す。
「僕でなれるのなら、喜んで。」
「ちょっと、私の意見は無視?まあ、やる事も無いし、いいけど。」
その提案に雅は賛成し、カグヤも文句を垂れながらも納得した。
「そうですか。おぉっと、どうやら早速出番ですねぇ。」
「分かりました。行って来ます。」
雅はオーナーの言葉に反応し、出て行こうとするが、
「雅君。忘れ物ですよぉ。」
オーナーは雅を呼び止め、電王ベルトとライダーパスを渡す。
「オーナー、ありがとう御座います。」
「何のことですか?私はただ、忘れ物を持ち主に渡しただけではよぉ?」
「ありがとう御座います。それでは。」
雅はデンライナーから降りる。

雅が降りた地点には、ホースイマジンが町中で暴れていた。
「そこまでだ!」
雅はホースイマジンを止める。
「あぁん?誰だ、てめえ?」
「僕は、電王の代理だ!」
雅は電王ベルトの試作機、ゼロ電王ベルトを装着する。
「変身!」
雅はライダーパスをゼロ電王ベルトにスキャンさせる。
“Spear From”
雅の身体は電王プラットフォームの姿に変わり、薄桃色の装甲が装着され、五本の竹を割ったような仮面が装着され、ゼロ電王スピアフォームに変身した。
『ねぇ、私達に勝てるの?』
電王はイマジンを憑依させて変身し、変身中はイマジンが精神を維持する。ゼロ電王も例外では無く、カグヤが精神のベースとなる。
「てめえ、俺をおちょくったな!」
ホースイマジンは怒り、レイピアを取り出して突進して来る。
『あなたの勝ち目はなくなったわね。』
ゼロ電王はそう言い、腰に携帯しているデンガッシャーを組み立て、スピアモードに変える。
『全然当たらないわね。』
ゼロ電王は身軽なステップで攻撃を避け続け、一撃を確実にホースイマジンに当ててゆく。
「カグヤ、そろそろ決める方がいい。」
『そうね。』
ゼロ電王はライダーパスを再びゼロ電王ベルトにスキャンする。
“Full Charge”
『強者必滅 九連突!』
ゼロ電王は必殺技を発動。斬と刺の連撃でホースイマジンを撃破する。
『それじゃ、疲れたから私は休むわね、雅。』
カグヤはそう言い、変身を解除。そこにフェイトも現れる。
「雅、大丈夫?」
「ああ。カグヤが上手く戦ってくれたから、大丈夫だ。」
雅がそう言って落ち着いていると、灰色のオーロラが現れ、仮面ライダーダブル ルナメタルが現れる。
「お前が仮面ライダーディロードか。」
「『さあ、お前の罪を数えろ!』」
ダブルは雅にいつもの問いかけを行う。
「翔太郎さんにフィリップさん。どうしたのですか!雅は味方です!」
フェイトが必死にダブルに話しかけるが、
「フィリップ、嬢ちゃんは何を言っているんだ?」
『翔太郎、彼女はディロードの協力者だ。何か知っているのだろう。』
「そういう事だ。鳴滝の依頼、達成しないとなっ!」
ダブルは話し合い、メタルシャフトを雅に振る。
「そんな、どうして!」
フェイトは動揺するが、
「フェイト、これがディロードとして戦うという事だ。例えどれだけ仲が良くなっても、一度世界を離れれば赤の他人。今の翔太郎さん達は依頼で僕達を倒そうとしている。だけど、僕もここで倒されるわけには行かないんだ。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅もディロードに変身し、ロードスラスターで応戦するが、鉄の鞭と化したメタルシャフトに寄ってまともに近づくことも出来ず、
〔メタル!マキシマムドライブ!〕
「『メタルイリュージョン!』」
ダブルは必殺技を発動し、ルナのエネルギーで構築した光輪をディロードに放ち、大ダメージを与える。
「このままでは、負けてしまう。伊達さん、シグナムさん、力を貸して下さい。」
【KAMEN RIDE-BIRTH- SUMMON RIDE-SIGNUM-】
ディロードはロードスラスターにバースとシグナムのカードをスキャンし、召喚する。
「さて、あん時の礼をしないとな。」
「凪風、ここは我らに任せてお前は治療を。」
「お願いします。」
ディロードはロードスラスターで辺りを撃ち、煙幕に隠れて逃げる。
「逃げられたか。」
「何、あんたの相手は俺達だ!」
[ドリル アーム]
バースはドリルアームを装着し、ダブルを攻撃、更にバースバスターで射撃する。
「さて、一気に決めますか!」
[セル バースト]
バースはバースバスターの必殺技を起動させる。
「オォラ!」
「飛竜、一閃!」
バースとシグナムの一撃を食らったダブルは、やって来た灰色のオーロラに弾き飛ばされ元の世界に帰って行った。そして、それを確認してバースとシグナムもカードに帰る。

「そう言えば、翔太郎さん達は鳴滝の依頼と言っていた。鴻上さんやシュラウドさんに僕のサポートを任せた鳴滝が何故…」
雅は歩きながらそう呟いた。
to be continued


次回、仮面ライダーディロード
大切な仲間を失い、失意の良太郎。しかし、今こそ立ち上がる時!次回、『俺達、クライマックス』 
 

 
後書き
オリジナル怪人紹介
カグヤイマジン:凪風雅の中にある『竹取物語』のかぐや姫と『東方永夜沙』の蓬萊山(ほうらいさん)輝夜(かぐや)のイメージを元にしたイマジン。比較的身勝手なお嬢様性格であるが、仲間を思う気持ちは人一倍である。

ホースイマジン:ある男性の中にある『オルフェウス』の馬がモチーフのイマジン。町中で暴れ、ゼロ電王と交戦し、撃破される。

オリジナルライダー紹介
仮面ライダーゼロ電王
身長:190cm
体重:82kg
雅がゼロ電王ベルトとライダーパスを使い、カグヤを憑依させて変身する電王でイメージカラーは薄桃色。性能は電王と変わらず、デンガッシャーを連携している。 

 

第19話『俺達、クライマックス』

前回の仮面ライダーディロードは─
電王の世界に着いた雅達。雅は、電王の代理として自身に憑依したイマジン、カグヤと供に敵を倒すが、思いもよらない人物から襲撃を受けてしまう。


時の列車、デンライナー。次の駅は、過去か、未来か─


「さて、事態は厄介な状況になったな。」
古手神社宝物庫の内部で雅はそう言った。
「あら、その怪我どうしたの?」
先程の戦闘での負傷にカグヤは驚く。
「何、これくらいの怪我はディロードライバーが治してくれる。厄介なのは、電王が戦える状況に無いって方だ。」
「それのどこが厄介なんですか?」
「確かに、ワールドホープの発動には戦闘を交いする必要は無い。けれど、一番発動に適しているのは、やはり戦闘時だ。そうなると、良太郎さんには立ち直ってもらう必要がある。カグヤ、もう一度デンライナーに行くぞ。」
雅は、カグヤを連れて再びデンライナーに行く。

「オーナー、あれから良太郎さんの様子は、どうでしょうか?」
「やはり、ウラタロス君達を失ったショックは大きいみたいですねぇ。今は、ウラタロス君達の残した物を抱えていますよぉ。」
オーナーは、旗を立てたチャーハンを食べながら雅に話す。雅が良太郎の方を見ると、赤い特殊な装飾の施された携帯電話を持ちながら泣いていた。
「良太郎さん、大丈夫ですか?」
雅は、良太郎に近づく。
「…みんな─ッ!?ごめんなさい。僕は大丈夫。雅君、だっけ?僕の替わりに戦わせて、ごめん。」
良太郎は雅に謝る。
「それは大丈夫です。ですが、辛いお気持ちは解ります。それでも、やはり時間を護れるのは良太郎さんしかいません。今は辛いでしょうが、僕に力を貸して下さい。」
雅がそう言うと、良太郎は黙ってしまう。
「おい、雅とか言ったな?おめぇ、良太郎の気持ちが何も分かっていねぇだろう。俺があいつから生まれたように、熊以外はあいつが生み出した。熊だって、良太郎は熊の気持ちや心意気を観て、救ってやった。そんな大切な子供みたいなもんだ。そんな亀達が消えちまったんだ。そう簡単に立ち直れるわけねえだろう!俺だって、本当はすげえ辛ぇよ。亀は確かにナンパ野郎だが、何時でも俺達に合わせてくれた。熊は、俺の名前をちゃんと言わねえけど、良太郎の強さを理解している。小僧は、俺の事を馬鹿にするし、自分の遊びが最優先だ。けど、なんだかんだでほっておけねえ。解るか?お前は上辺の辛さは分かっても、本心までは分かっていねぇんだよ!」
モモタロスは雅にそう言う。
「─すみません。身勝手な考えを押し付けてしまいました。」
雅はモモタロスに説教されて謝る。
「お、おう。分かればいいんだ。それと、あのハナクソ女には話すなよ。」
その後で、モモタロスは雅にそう小さな声で言った。
「おっと、お話しに水を差すようですみませんが、そうも言っていられないみたいですねぇ。どうやら、また街でイマジンが暴れているみたいですよぉ。っ!」
オーナーは旗を立てたチャーハンを食べながら話していると、旗が倒れ、オーナーは客室を後にした。
「雅、てめえの出番だ。早く行けよ。」
モモタロスがそう言うと、
「モモタロス、僕はもう大丈夫。雅君、僕がやらないといけない事、やらせてごめん。」
良太郎は立ち上がる。
「大丈夫です。それより、早くイマジンを倒しましょう。」
雅と良太郎はデンライナーから降りる。

二人が公園に行くと、ブラッドサッカーイマジンが暴れていた。
「そこまでだ!」
雅の言葉でブラッドサッカーイマジンは振り向く。
「ゲッ!?電王に、今噂の仮面ライダー!もう来やがったのかよ!電王、てめえが牙王を倒した所為で、俺の立場はボロボロなんだよ!だからとっととくたばりやがれ!」
ブラッドサッカーイマジンは良太郎に向かって行く。
「僕だって、ウラタロス達の為に、戦う!変身!」
“Sword From”
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
良太郎は電王ソードフォームに、雅はディロードに変身する。
「俺、参上!言っておくが俺に前ぶりはねえ。最初から最後までクライマックスだぜ!」
「モモタロス、人はそれを前ぶりと言います。」
『モモタロス、僕も前からずっと思っていた。』
「雅、良太郎!そりゃあ無いぜ!」
電王は決めポーズをとるが、ディロードと良太郎に指摘されて返事を返していた。すると、
「てめえ等、俺を放置するな!」
痺れを切らせたブラッドサッカーイマジンがディロード達を攻撃する。
「その程度で、僕達は負けない。」
ブラッドサッカーイマジンの攻撃をディロードは受けたが何ともない。しかし、
「バ~カ。俺が用があるのは電王の方だっつうの!」
ディロードへの攻撃は目眩ましで、ブラッドサッカーイマジンは電王に重めの攻撃を放つ。
「グハァッ!」
その攻撃が電王に直撃し、電王は地面に打ち付けられる。
「良太郎さん、モモタロス、大丈夫ですか!」
ディロードは近づく。
「俺は何ともねえ。良太郎は大丈夫か?」
『僕も平気。』
「さて、てめえ等を倒せば、俺の株は最高潮だ。消えてもらう!」
ブラッドサッカーイマジンは力を込める。すると、
「タイム!5分だけ時間をくれ!」
ディロードは急にそう言った。
「おい、雅!おめぇ正気か?」
ディロードの行動に電王は驚く。だが、
「いいぜ!死ぬ前に仲良くしゃべっていな!」
ブラッドサッカーイマジンは提案を受け入れた。
「さて、良太郎さん、モモタロス、チャンスは今しかありません。このカードに願いを込めて下さい。」
ディロードは電王に白紙のカードを二枚渡す。
「なるほど、俺と良太郎で二枚ってわけか!良太郎、ちょっと耳を貸せ。」
電王は内部の良太郎に小声である提案をした。
「いくぜ、雅!」
電王は白紙のカードに願いを込める。
「今だ!集え、世界の願い!」
ディロードは白紙のカードを上に翳し、電王の世界のワールドホープを完成させる。
「大丈夫だ!話は済んだ!」
ディロードはブラッドサッカーイマジンに合図を送る。
「待っていたぞ!さて、これで終わりだ!」
ブラッドサッカーイマジンは武器を振り上げ、電王を叩き斬ろうとするが、ディロードが盾となって護り、ディロードはワールドホープのカードをスキャンする。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER DEN-O-】
すると、ウラタロス達の砂を集めて誕生した携帯電話型アイテム、ケータロスから着信音が鳴り、電王は電話に出る。
「はい、もしもし。」
『先輩、何やっているんですか?』
「亀…」
『まったく、モモの字は何しとるんやか。』
「熊…」
『バ~カ。本当、モモタロスって僕達がいないとだめだよね。』
「はな垂れ小僧…」
電王は、ウラタロス達の言葉を聞く。
『さて、先輩。僕達、そろそろ一緒に戦いたいんだけど。』
「どうすりゃあいいんだよ!」
『多分、分かりやすいボタンでも付いていると思いますよ。』
ウラタロスに言われ、電王は探すと、それぞれのイマジンに対応したボタンがあり、順番に押す。そして、電王ベルトに装着する。
“CLIMAX From”
すると、ロッドフォームの仮面が左肩に、アックスフォームの仮面が右肩に、ガンフォームの仮面が胸部に装着され、電王はクライマックスフォームに変身した。
「うおっ!どうなっているんだ!?」
モモタロスは驚く。
「とにかく、あれをやっつけましょうよ、先輩。」
ウラタロスはそう言い、電王はライダーパスを電王ベルトにタッチする。
“Charge and Up!”
電王は必殺技を発動。三人の仮面が右足に集中し、
「必殺、俺達の必殺技!クライマックスバージョン!」
電王はジャンプし、必殺技のボイスターズキックを放ち、ブラッドサッカーイマジンを撃破する。
二人は変身を解除し、
「良太郎さん、この世界の危機は、これで去りました。悲しいですが、これでお別れです。」
「やっぱり、雅君は変わらないね。」
「そうですか?」
「おい、それより!良太郎、記憶が戻ったのか!?」
「うん。モモタロスにも、迷惑かけたね。」
「へっ、俺は別に何ともねえ。」
「よかった。雅君も、これから頑張ってね。」
「はい。それでは、さようなら。」
雅は、良太郎とモモタロスに一礼して電王の世界を去った。

「ところで雅、この世界の他のライダーは?」
梨花は雅に質問する。
「ゼロノス達とは、別件でここに来た時に手に入れているから大丈夫。」
雅は、ゼロノス達のカードを見せる。
【SOUL RIDE-KAMEN RIDER DEN-O-】
『雅君、お別れの前にも言ったけど、世界を救う旅、頑張ってね。』
『おい雅!てめえあのイマジン置いて行きやがったな!今度あったときは覚悟しておけ!』
良太郎とモモタロスから最後のメッセージを聞き、雅達と電王の世界の繋がりは完全に途絶える。
「みんな、次の世界は、仮面ライダーカブトの世界だ。」
雅が絵巻を広げると、赤と黒、二人のカブトムシのライダーが向き合い、黒いライダーの隣に女性が描かれていた。
to be continued


次回、仮面ライダーディロード
ZECTの作った対ワーム用警告ペンダントを破壊するカブト。そして、二人のカブトの対決。次回『お前の居場所』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダー電王(ワールドホープ):電王がクライマックスフォームに変身可能になる。 

 

第20話『お前の居場所』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
記憶を一度失い、戦えなくなった電王の替わりに戦う雅。しかし、電王は再び立ち上がり、世界の希望の力で、クライマックスフォームに変身した。

ゴツンッ!
雅が外に出ると、頭に何かが衝突し、落下した。
「一体、何がぶつかったんだ?」
雅が落下物を拾い上げると、蟷螂のような機械であった。
「これは、ゼクター?だが、蟷螂のゼクターなんて聞いたことないが…」
雅は言う。このカブトの世界では、仮面ライダーはゼクターと呼ばれる昆虫型アイテムで変身する。しかし、雅の言った通り、ゼクターはカブトムシのカブトとダークカブト、クワガタムシのガタック、スズメバチのザビー、蜻蛉のドレイク、蠍のサソード、そして飛蝗のホッパー。蟷螂のゼクターは存在しないのだ。雅が考察していると、
「君、大丈夫か!?」
相応な年齢の男性の声が聞こえ振り向くと、厳つい顔の男性と、その部下らしき女性、そしてガタックの適合者である加賀美新がいた。
「はい。大丈夫ですが。それにしても、これはゼクターのようですが─」
雅がそう言うと、
「君、ゼクターを知っているのか!?」
男性はそう言う。
「はい、僕は凪風雅。仮面ライダーディロードとして、世界を護る旅をしています。」
「そうだったのか。私は田所修一。よろしく頼む。」
雅は自己紹介をし、厳つい顔の男性、田所も名乗る。
「田所さん、そんな簡単に教えて大丈夫ですか!?」
加賀美はそう言うが、
「大丈夫です。皆さんは記憶に無いと思いますが、以前にもこの世界に来たことはあります。勿論、田所さんがネイティブだということも存じております。」
雅はそう言う。この世界には二種類の怪人がいる。一つはワーム。7年前に渋谷隕石に乗ってやって来た侵略者。そして、もう一つがネイティブ。35年前にやって来て、人類と共存することも考えている種族。
「なんで田所さんがネイティブだって事を!やっぱり、信用ならないな!」
雅の言葉で、加賀美は不信感を抱いていた。
「話がそれましたが、この蟷螂のゼクターは一体?僕の知りうる限りには、蟷螂のゼクターはいないのですが、試作のゼクターでしょうか?」
雅は田所に質問する。
「やはり、マディクスゼクターが選んだだけのことはあるな。」
「マディクスゼクター?」
「そうだ!それはZECTで新規に開発していた試作段階のゼクターだ。」
田所がそう言うと、どこかからか、ワームのサナギ体が複数現れる。
「雅君、このマディクスプレートに、ゼクターをセットして変身するんだ!」
田所は雅に逆刃の剣を渡す。
「解りました!ありがとうございます!変身!」
[henshin  change!mantis!]
雅はマディクスプレートにマディクスゼクターをセットして、仮面ライダーマディクスに変身する。
「ハァッ!」
マディクスは刃でワームサナギ体を攻撃する。
「クロックアップ!」
[clock Up!]
マディクスはクロックアップを発動する。
クロックアップを発動した仮面ライダーは、常人を遥かに超える速度、音速での行動を可能とする。
「どうだ!」
サナギ体でクロックアップが行えないワームを相手にマディクスは猛攻撃を仕掛け、
「ライダースラッシュ!」
[rIder slash!]
マディクスはマディクスプレートにマディクスゼクターを押し込んで必殺技を発動。ワームサナギ体を横一文字に両断し、ワームサナギ体を全滅させる。そして、
[clock over!]
クロックアップが解除され、戦闘が終わるすると、マディクスゼクターは火花を散らし、爆発。雅の変身は強制的に解除されてしまう。
「そんな!」
雅は驚く。
「やはり、負荷がかかったか。済まない雅君。未調整の物を使わせて。」
「こちらこそ、負荷がかかる戦いをしてしまいました。」
「いや、いいんだ。あの程度の戦いで負荷がかかるなら、改良の必要がある。特に、カブトとの戦いを想定するならば。」
「カブトと、ですか…」
「ああ、今、カブトは我々が開発した対ワーム用の警告ペンダントの配布地点を襲撃し、破壊している。我々も反対したのだが、上は認めてくれなかった。」
「やはり、そうでしたか。そのはずです。あのペンダント、以前に一度成分を調べてみましたが、35年前に落下した隕石の一部が埋め込まれていました。それが何を意味しているか、田所さんなら解るはずです。」
「何ッ!?そんなことをすれば隕石の影響で人間がネイティブになってしまう!上は何を考えているんだ!?加賀美、岬、すぐ本部に向かうぞ!雅君、貴重な情報をありがとう!」
田所はそう言うと、加賀美達を車に乗せて去ってしまう。
「しまった!加賀美さんからガタックゼクターの写真をもらうのを忘れていた!」
雅は一人、そう言っていると、灰色のオーロラが出現し、ライジングイクサが現れる。
「お前が仮面ライダーディロードだな。その命、神に返しなさい!」
ライジングイクサはそう言うと、イクサライザーで雅を攻撃する。
「今度は名護さんか!仕方がない。また元の世界に帰さないと!」
【CHANGE RIDE-LOST DRIVER-】
雅はディロードライバーをロストドライバーに変え、装着する。
〔スカル!〕
「変身!」
〔スカル!〕
雅はロストドライバーにスカルメモリをセットし、仮面ライダースカルに変身する。
「さあ、お前の罪を数えろ。」
スカルがポーズをとると、
「俺に罪があるはずがない!罪はお前だ!」
ライジングイクサは問答無用で攻撃してくる。
「やはり、名護さんは相変わらずか。」
スカルはライジングイクサの攻撃を躱しながら間合いを詰め、
「凪風流、桜龍!」
スカルメモリで強化された身体能力を駆使して膝蹴りでライジングイクサを打ち上げ、もう片方の脚でジャンプ。再びライジングイクサに膝蹴りを放ち、
「これで決まりです!」
〔スカル!マキシマムドライブ!〕
スカルマグナムにスカルメモリをセットし、必殺技を発動する。
「何ッ!?」
その状況にライジングイクサは驚くが、スカルの放つスカルパニッシャーを受け、現れたオーロラに戻される。
「これで一段落か。」
雅は変身を解除する。
「また、鳴滝の仕掛けて来た仮面ライダー…。僕を支援していた鳴滝が何故?とにかく、一度戻ろう。クロックアップの中で戦えないと、最悪この世界で死ぬ危険性がある。」
雅は帰路に向かう。

「みんな、この世界で僕が勝てる可能性は今の所限りなく低い。そこで、また別の世界で力を集めてくる。フェイトは、仮面ライダーのみんなと協力してワームと戦ってくれ。フェイトのソニックフォームなら、仮面ライダーのスピードに付いていける。任せていいか?」
「うん。こっちは大丈夫。雅こそ、一人で大丈夫?」
「ああ。こっちは慣れている。それじゃあ、頼んだよ。」
【ATTACK RIDE-WORLD WARP-】
雅は、フェイト達に一通り話した後、ワールドワープで別の世界に移動した。
雅が移動してから数日間の間、フェイトはドレイクとともにワームの殲滅を行い、数を限りなく減らしていった。そして、
「っぐ!?」
フェイトが帰って来ると、そこには血だらけの雅がいた。
「大丈夫、雅!?」
チームディロードのメンバーは雅に寄り添う。
「ああ、なんとか。ディロードライバーのリカバリーシステムと、僕の持つ回復魔法を最大限に駆使したからなんとかなった。」
雅はチームを安心させる。
「雅さん、その左手の痣は何ですか?」
圭一は疑問に思う。
「これか。これか礼呪と呼ばれる、『Fate/zero』の世界でサーバントと呼ばれる霊体を使役する為の物だ。おかげで、死にそうにはなったけど、クロックアップに追い着く手段は手に入った。」
雅は、一通り説明する。すると、
「そう言えば、漁港内の辺りで黒いカブトムシの仮面ライダーを見たんだけど…」
フェイトはそう言う。
「本当か!このままでは僕が着く前にカブトとダークカブトの戦いに決着が着いてしまう!悪いが、すぐ行くぞ!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのアタックライドで漁港に向かった。

雅が漁港に着くと、既にカブトとダークカブトは戦闘を始めていた。
「遅かったか。始まった以上、僕達には観ていることしか出来ない。」
雅がそう言っている間にも、二人のカブトはカブトクナイガンのクナイモードで打ち合っている。
(きっと奴のことだ。俺がハイパーゼクターを取り出した時点でクロックアップを行うはずだ。それなら、俺は奴がクロックアップするのに合わせてプットオンして守りを固めればいい。)
カブトは考える。
(きっと、天道はそう考えているんだろう。なら、僕は今のまま攻めれば大丈夫だ。)
ダークカブトもそう考えて落下するカブトに追い撃ちをかけようとする。
(それが奴の考えか。なら、予定通りに行くか。)
カブトは更にダークカブトの動きを読み、ライダーフォームからマスクドフォームに戻り、ダークカブトの攻撃をガード。そして、
「ハイパーキャストオフ。」
[hyper cast of!  change!hyper beetl!]
カブトはハイパーフォームに変身し、同時にパーフェクトゼクターを取り出してダークカブトを切り裂き、
[Kabuto power!thebee power!drake
power!sasword power!all zector combine!maximum hyper typhoon!]
対応する全てのゼクターを集結させて必殺技の斬撃、マキシマムハイパータイフーンをダークカブトに放ち、ダークカブトの変身を解除させる。
「ひより、居るんだろう。」
カブトも変身を解除し、ダークカブトと供に去った妹、ひよりを呼んだ。
「天道、いつから気づいていたんだ?」
ひよりは天道に聞く。
「妹のことくらい、分からない俺じゃない。」
天道がそう言うと、遅ればせながら加賀美がやって来る。
「漸く、皆さんが集まってくれました。」
そして、加賀美の到着に合わせて雅が出てくる。
「雅、いつからいたんだよ。」
「二人が戦っている頃には、いました。」
加賀美の質問に雅は答える。
「加賀美、そこにいる子供は何だ?」
「天道、こいつは試作段階のゼクターをテストしてくれた子で、世界を旅しているって言っていた。」
「初めまして、天道さん。僕は凪風雅と申します。お願いがあります。ひよりさんがどちらの世界を選ぶか早く決めないと、この世界の全てが崩壊してしまいます。なので、決めてもらう為にこのカードに願いを込めて下さい。加賀美さんと、日下部さんも。ひよりさんの為に、僕に協力して下さい。」
雅は、天道と日下部、二人の総司と加賀美に白紙のカードを渡し、
「集え、世界の願い!」
カブトの世界のワールドホープを完成させて、ディロードライバーにスキャンする。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER KABUTO-】
「ひより、俺とあいつ、そろそろどっちの方に行くか決めるんだ。」
「天道、何でボクにそこまで…」
「お前は俺の大切な妹だ。だが、妹の決断を、俺は否定しない。だから、選んでくれ。ひよりは、まだ迷っている。俺には解る。」
「天道…。まったく、何で天道は素直になれないんだ。」
ひよりは、そう言いながら天道の方に歩いて行く。
「ひより、行かないで!ひよりがいなくなったら、僕の居場所は、僕はどうすれば!」
日下部はそう言う。すると、
「おばあちゃんが言っていた。自分が信じる場所に、自分の居場所はある。誰かに定められず、自分がここだと思う所に居れば、世界は楽しめる、ってな。」
天道はそう言い、雅に一礼だけしてひよりをカブトエクステンダーの後部座席に乗せて帰って行き、雅も、カブトの世界を後にした。

ソウルライドの確認を終え、既に雅は絵巻を広げていた。
「次の世界は響鬼の世界か。」
絵巻には、無数の妖怪に向かう、三人の鬼が描かれていた。
to be continued


次回、仮面ライダーディロード
オロチを鎮める為に協力する雅。そしてついに、あの男が現れる。次回『静まるオロチ』天の道を往き、総てを司る。 
 

 
後書き
時間軸は43~47話が混在した感じと思って下さい。


新ライダー紹介
仮面ライダーマディクス
凪風雅がマディクスゼクターをマディクスプレートにセットして変身する蟷螂のマスクドライダーシステム。不完全変態を行う蟷螂の特性が反映され、 マスクドフォームを介さず直接ライダーフォームに変身する。

ライダースラッシュ:マディクスゼクターを深く押し込み、横一文字で敵を切り裂く。
ライダーカッティング:マディクスプレートを二手に分け、内刃で相手を刺して引き裂く。劇中未使用。
 
新カード紹介
ロストドライバー:ディロードライバーをロストドライバーに変化させて、スカル、ジョーカー、エターナルに変身する。
仮面ライダーカブト(ワールドホープ):ひよりにどちらの総司に付くか決断させる。


カブトの世界は都合(ましゃく)によって、元19話『蟷螂の刃』と元20話『お前の居場所』を一つに合わせました。もしかしたら、こういったケースが、間尺の都合でいくつか出来るかもしれません。 

 

第21之巻『静まるオロチ』

前回の、仮面ライダーディロードは─
ガタックの一派にカブトの動向を伝えた雅は、クロックアップに対抗する為に世界を移動。しかし、戻って来た頃には手遅れで、カブトの戦いに決着が着いていた。


「ザンキさんのカード…ということは、この時間軸は僕と面識があるのか…」
雅は、仮面ライダー斬鬼のライダーカードと変身アイテムの音枷のカードを見ながら呟いた。
「雅さん、今度は、どんな世界何ですか?」
圭一は雅に質問する。
「この、『仮面ライダー響鬼』の世界には、魔化魍と呼ばれる妖怪がいて、それを退治出来るのは鬼と呼ばれる清めの音を奏でる戦士しかいない。響鬼とは、その清めの音を奏でる仮面ライダーのことなんだ。」
「妖怪って、そんなにやばいんですか!?」
「ああ。妖怪の多くは、自然現象や古くからの因習、捨てられた物が殆どで、人間が太刀打ち出来るようなモノではない。とにかく、僕は今からヒビキさん達の所に行って来る。ここで待機していてくれ。」
雅は一人出て行く。

「いらっしゃい。って、雅君!久しぶりだねぇ。調子はどうだい?」
雅は、鬼達の拠点である甘味処『たちばな』に寄ると、鬼達をサポートする組織『猛士』の関東支部のリーダー、立花勢地郎が挨拶をする。
「お久しぶりです、立花さん。ヒビキさん達は?」
「ああ、ヒビキ君は京介君の指導をしているところだよ。」
「あの京介さんが…。」
「とりあえず、イブキ君達はいるから先に話しておこう。」
「ありがとうございます。」
雅は、立花とともにたちばなの隠し扉を潜って地下に降りる。

「お久しぶりっす、雅君!」
「久しぶり。」
雅達が地下に入ると、イブキとトドロキも挨拶をする。
「お二人とも、お久しぶりです。」
雅も握手を交わしていると、ヒビキと弟子の京介も帰ってくる。
「お、久しぶり。」
「こちらこそ、お久しぶりです。」
ヒビキと雅は互いに挨拶をするが、
「お前誰?」
京介は雅に露骨に嫌な態度をとる。
「京介、彼は凪風雅っていう人で以前俺達をサポートしてくれた人だ。」
「それじゃあ、鬼になろうとして失敗して逃げた奴か。」
ヒビキの説明を京介は誤解して受け止め、
「そうじゃなくて、俺達以外の人のサポートもしないといけないのが雅の役目なんだよ。ほら、雅も何か言ったらどうだ。」
ヒビキは京介を叱る。
「京介さん。僕がどんな人か、後でよく観ているといいです。それで、僕が再びここに来た理由は、オロチ現象を終わらせる為ですが、立花さん、資料はありますか?」
「ああ。これを観て欲しい。」
立花はオロチ現象に関する古文書を見せる。
「これって!」
「そう。オロチを鎮めるには宗家の跡取り、つまりはイブキ君に行ってもらう必要があるんだ。イブキ君、出来るね?」
立花はイブキに問う。
「……はい。……必ず、成し遂げてみせます。」
立花の質問に、イブキは怯えるように答えた。
「日程としては明日の朝を予定している。頼んだよ、イブキ君。」
「…わかりました。」
「みんなも、明日は頼んだよ。」
立花はそう言い、書庫に籠もった。
「ヒビキさん、こちらでの感覚を取り戻したいので、稽古をつけてもらってよいですか?」
会議が終わり、雅はヒビキに頼み事を言う。
「おっ、いいぞ。京介、丁度いい機会だ。雅の戦い方を観て損はないぞ。」
「わかった。それなら観てあげるよ。」
雅の頼みにヒビキは応え、京介もついて行った。

「よし、じゃあ始めるか。」
ヒビキは自身の変身アイテムである音叉、音角を鳴らし紫の炎に包まれ、仮面ライダー響鬼に変身した。
「それでは、よろしくお願いします。」
【CHANGE RIDE-HENSHIN KIGEN ONKA-】
雅はディロードライバーに音枷のカードをスキャン。音枷を左腕に装着して弦を奏で、仮面ライダー斬鬼に変身した。
「おっ、ザンキさんになれるようになったんか。それじゃ、遠慮せず行かせてもらうぜ。」
響鬼は桴型の音擊武器、烈火を両手に持ち、斬鬼に烈火弾を放つが、斬鬼は雷のパンチ、雷撃拳で全て撃ち落とす。
「やるなぁ。それなら、これならどうだ!」
響鬼は烈火に炎のエネルギーを溜めた刃、烈火剣を作り攻撃しにゆくが、斬鬼は音擊武器の烈斬を盾のように扱い烈火剣の炎を消し去る。そして、響鬼が間合いに入ると同時に斬鬼は烈斬の柄で響鬼を攻撃し、響鬼は変身を解除した。
「とりあえず、こっちでの感覚は取り戻せたか?」
「はい!ありがとうございます、ヒビキさん。」
雅も変身を解除しヒビキに礼を言う。
「なるほどね。たしかに君は強いみたいだ。」
二人の稽古を観ていた京介は悔しそうにそう言った。
「さ、明日は早い。とりあえず今日は帰るか。雅は、たちばなに寄るか?」
「いいえ、帰ってあの子達のご飯を作らないといけないので。」
「そうか。じゃ、明日は遅れるなよ!」
ヒビキはそう言って、京介を引っ張って帰る。それを確認すると、灰色のオーロラが出現し、G電王が現れる。
「不正な次元渡航を行う仮面ライダー、ディロード。お前を逮捕する。」
G電王は問答無用で攻撃を仕掛けてくる。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「いきなりか。変身!」
雅はG電王の攻撃を避け、ディロードに変身する。
「G電王の必殺技は防御。変な攻撃さえしなければ。」
ディロードはロードスラスターで攻撃を続け、G電王に攻撃の隙を与えず、オーロラに詰め寄ってG電王をオーロラの中にたたき返し、オーロラを消滅させて変身を解除する。
「さて、早く帰らないと。」
雅はワープのアタックライドで帰ってゆく。

「ただいま。」
「おかえりなさい雅さん。」
雅が帰ると、圭一が出迎え、中に入ると既に夕食の準備が済んでいた。
「みんな、これは?」
「そろそろ俺達も、久しぶりにご飯を作りたくなったってだけですよ。」
「ありがとう。そうだ、フェイト。」
「どうしたの、雅?」
「明日のオロチ現象の解決に、協力して欲しい。空からの攻撃に対処できるのはフェイトしかいない。」
「わかった。私でよければ、雅の力になる。」
「ありがとう。それじゃあ、長引かせて悪かった。ご飯にしよう。いただきます。」
雅達は夕食を食べ、翌日に備えた。

翌日、雅はマシンディローダーの後部にフェイトを乗せ、ヒビキ達と合流する。
「では、いきましょう。」
雅達はオロチ現象を封じ込める事が可能な巨大鬼石のある場所へ向かう。

「ん?あれは。」
移動中にヒビキはイブキ達を止め、魔化魍がいたと伝える。
「少し数がいたみたいだから、イブキとトドロキの方で頼めるか?俺達は先に向かっているから。」
「ありがとうございます、ヒビキさん。」
ヒビキの言葉で、イブキとトドロキは十字路を曲がり、ヒビキの指した方角へ向かう。
「行くぞ、雅。」
ヒビキと雅はそのまま現場に向かう。

「ここが、巨大鬼石のある場所か。」
雅達は辺りを見渡す。すると、
「ようやく逢えたね、仮面ライダーディロード!」
何処からか声が聞こえ振り向くと、そこにはコートに帽子といった、いかにも旅人ルックの中年男性がいた。
「鳴滝!何故あなたがここに!」
「決まっているだろう!君を排除する為さ!君の持つワールドホープは世界のバランスを乱す。放置する訳にはいかないからね。さあ、君には来てもらおう!」
鳴滝はそう言うと、雅を灰色のオーロラで連れ去ってしまう。
「雅!」
フェイトは雅を探すが、
「仕方がない。俺達二人でやるか!」
ヒビキはそう提案し、戦闘態勢に入る。
「俺が清めの音を叩く!援護はまかせた!」
響鬼は早くも装甲(アームド)響鬼に変身し清めの音を巨大鬼石に流す。そのタイミングで伊吹鬼達がやって来る。
「やっぱり、ヒビキさんは自分でやるつもりで!」
伊吹鬼はそう言うと響鬼の援護にまわる。
そうして、響鬼達に圧倒的な消耗戦から五分が経ち、雅が灰色のオーロラから現れる。
「皆さん、済みません!フェイトも、ありがとう!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、響鬼達に白紙のカードを渡し、
「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER HIBIKI-】
響鬼の世界のワールドホープを発動。ディロードライバーから清めの音が音波となって放たれ、響鬼に近づく魔化魍を一掃してゆく。
「よし、これならいける!」
響鬼は清めの音を叩くのに集中する。魔化魍は再び大群で押し寄せるが、ディロードの音波によって撃破されてゆき、
「これで、終わりだ!」
響鬼が清めの音を叩き終え、オロチ現象は完全に封印される。
「さて、僕の役目も終わりですね。」
雅達は既に変身解除し、話している。
「やっと久しぶりに会えたのに、寂しいっすよ!」
トドロキはそう言うが、
「雅君には、まだ行かないといけない所があるから、仕方ないですよ、トドロキさん。」
イブキはそう返す。
「それでは皆さん、お元気で!」
雅は、ヒビキ達に別れを告げて世界から去っていった。

「ただいま。」
雅とフェイトが帰ると、
「おかえりなさい!」
待機していた圭一達が出迎え部屋に入ると、普段よりも豪華な食事が用意されていた。
「みんな、これは?」
「私達、雅がいない間に仮面ライダーの事を調べていて、丁度平成ライダーの折り返し地点だから、雅にご馳走してあげようと思って。」
雅の質問にフェイトは答え、
「料理は私と梨花で作りましたので、味は保証できましてよ。」
「たまには、雅も息抜きくらい必要よ。カブトの世界の時に、随分大変だったみたいだしね。」
沙都子と梨花がそう付け足した。
「ありがとう、みんな。ありがたくいただくよ。いただきます。」
雅達は食事を摂る。

「そう言えば、あの時鳴滝って人に連れ去られて雅はどこに行っていたの?」
フェイトはそんなことを聞く。
「ああ、かなり過酷な世界に飛ばされていた。その時の事でも話そう。」
雅は、口をあける。

静まるオロチ 終


次回、仮面ライダーディロード
雅が飛ばされた世界、それは仮面ライダー同士を無理矢理戦わせる世界。次回『ハイパーEXステージ』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダー響鬼(ワールドホープ):ディロードライバーから清めの音を放ち魔化魍を倒し、響鬼をサポートする。 

 

第22話『ハイパーEXステージ』

「ここは、どこだ?」
雅は、真っ白な空間にアーケードカードゲームの筐体が置かれた空間にいた。
『仮面ライダーバトル!ガンバライド!』
「これは!」
雅は驚く。
「気づいたかね?君にはこれで戦ってもらう。」
「鳴滝!何のつもりだ!」
「何。ただの調査だよ。ただし、君の使うライダーはそのまま君自身の肉体と繋がっている。負ければ、勿論君の旅は一からやり直しだ。」
「鳴滝!何故お前がディロードのシステムを知っている!」
「そんなことはどうでもいい。それでは、健闘を祈るよ。」
「待て、鳴滝!」
『鳴滝はもう居ない。ボタンを押して、ゲームスタート!』
「仕方がない。このディロードのカードで戦うしかないか。」

相手チームの登場だ!
「………」
仮面ライダークウガ ライジングアルティメット(ブラックアイ)
「さあ、その身を捧げよ!」
シャドームーン

「いきなり強敵だな。」
『プレイヤー1、ゼンエイにするカードをスキャンするんだ!』
「よし、それなら。はやて、力を貸してくれ!」
雅は、ベルトボタンを押しながらディロードのライドカードをスキャンし、
『ライドスキャンチャンス!もう一枚、カードをスキャンしてくれ。』
雅ははやてのサモンライドカードをスキャンする。
【FORM RIDE-DELOAD SAINT SNOW RAIN-】
『カードスキャン、成功!』
コウゲキ+300 ヒッサツ+250
『コウエイにするカードをスキャンしてくれ!』
「ザフィーラも、力を貸してくれ。」
『盾の守護獣 ザフィーラ』
ゼンエイとコウエイが決まり、筐体は待機画面に変わり、
ゼンエイの仮面ライダーが登場する。


「夜天の主、ここにあり!」
仮面ライダーディロード セイントスノーレイン

ライダースキル
装填の守護者  コウゲキ,ヒッサツ+250

「私の方でサポートしよう。」
盾の守護獣 ザフィーラ

ライダースキル
盾の守護獣  コウゲキ,ヒッサツ+250

ベストパートナーだ
コウゲキ,ヒッサツ+300

いよいよバトルが始まると思った瞬間、画面はEXステージへの移動を表示し、更に、その画面が引き裂かれハイパーEXステージに突入した。
『今こそ、君の勇気が試される時が来た。この戦いに勝利し、真の栄光をつかむのだ!行くぞ!ガンバライド!』

「テディ。」
「幸太郎、気を抜くな。」
仮面ライダーNEW電王 ストライクフォーム

「行くぞ!」
仮面ライダースーパー1
『かなりの強敵だ』
『いよいよライダーバトルが始まるぞ!』
1P
ゼンエイ 仮面ライダーディロードセイントスノーレイン
コウゲキ 1700 ボウギョ 500 タイリョク 1100
ヒッサツワザ ラグナロク  3600 ゾクセイ 超技
コウエイ 盾の守護獣 ザフィーラ
コウエイスキル サポートハマカセロ

CPU
ゼンエイ 仮面ライダーNEW電王 ストライクフォーム
コウゲキ 1600 ボウギョ1200 タイリョク 3600
ヒッサツワザ カウンタースラッシュ 4200 ゾクセイ 速
コウエイ 仮面ライダースーパー1
コウエイスキル アイテヲブットバセ

『ラウンド1』
ボタンを押してスロットを止めろ!

1P ゲキレツ ゲキレツ  CPU 100 80

『プレイヤー1、ゲキレツアタック!』
『さらに、オイウチコウゲキ!』
999ダメージ オイウチコウゲキ+50%
ライドパワー+48%

『ラウンド2』
『プレイヤー1、ヒッサツワザのチャンスだ!』

1P 100 90  CPU 100 80+10


互いのアイコンは同じ数値となり、互いのゼンエイはぶつかり合う。

『ライダーラッシュだ!どんどんボタンを押せ!』

雅はボタンを連打してゆき、制限時間のカウントがゼロになる。


1P 895.2  CPU 827.4

『プレイヤー1、ゲキレツアタック!』
『プレイヤー1、ヒッサツワザ!』
ラグナロク

「行くぞはやて!」
「分かっとる!」
「「響け終焉の笛、ラグナロク!」」
3452の強力なダメージ!あいてを倒した!

「夜天の翼は、永遠に不滅だ!」
EXステージ
ハイパーEXステージ

「まだ続くのか!?」
ガンバライドをプレイしていた雅はそう驚いた。


「…といった形で、11回も戦わせられた。」
「だから、雅は疲れていたんだね。」
雅は、食べながら話し、フェイトは労う。
(それにしても、最後に戦った相手、仮面ライダーディロード ラストホーリーナイト。あれは一体、何だったのだろう?)
雅は考えていると、響鬼の世界との別れの時が来た。
【SOUL RIDE-KAMEN RIDER HIBIKI-】
「雅、俺の力、使えるようになったか?頑張れよ。」
「今回の件、本来なら僕がやるべきはずの所をヒビキさんと雅君に任せてしまいすみませんでした。」
「雅君、別の世界でも、元気でいて欲しいッス!」
ヒビキ達から最後のメッセージを聞き、雅と響鬼の世界の接点は断ち切れた。
「次の世界は、仮面ライダー剣の世界か。」
世界を記す絵巻には、52の怪物が戦いあい、それを上空からモノリスが監視している絵が描かれていた。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
BOARDの理事長、天王寺が開発したケルベロスⅡを止めるため、雅は走る。その時、一人の青年が雅を妨害しようとする。次回『空色の快盗』 
 

 
後書き
能力設定
仮面ライダーディロード セイントスノーレイン
キック力 10t
パンチ力 12t
ディロードがはやてとユニゾンすることで変身する白と黒のコントラストがボディカラーのディロードの力の基本形態。スレイプニールが封印されているため、飛翔は行えない。 

 

第23話『空色の快盗』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
ついに姿を現した鳴滝。鳴滝は雅をガンバライドの世界へ連れて行き、雅を戦闘させた。


「仮面ライダー(ブレイド)の世界。今から一万年前の太古に53の生物が種族の繁栄を賭けて不死生命体、アンデットとなり、バトルファイトという戦いに参加。最終的に人類が勝利し、今日に至る訳だが、何者かによって大部分のアンデットが強制的に解放され、それを再度封印するためにいるのがブレイド達だ。」
雅は、チームにブレイドの世界を説明している。
「そして、そのアンデットの封印を解放し、裏で全てを操っていたのはブレイドのシステムを開発した組織、BOARDの理事長だ。」
「どうしてそんなことを?」
フェイトは雅に質問する。
「理事長、天王寺の目的はただ一つ。人造アンデットを生み出して、世界を支配する事が目的であったが、ブレイドの活躍によって阻止することには成功。しかし、天王寺は諦めず、人造アンデットのケルベロスと融合し、自らバトルファイトに参加してしまったんだ。僕のこの世界での役目は、ブレイド達と強力して天王寺を倒すことだ。みんな、ここで待っていてくれ。ブレイド達は、話せば解ってもらえる人達だ。すぐ終わらせられるから。」
雅は説明を終え、マシンディローダーに乗り、ブレイドに変身する剣崎一真の所へ向かう。

雅が人気の無い道を進んでいると、突然一人の青年が雅の前に現れ、雅は止まる。
「君が仮面ライダーディロードかぁ。」
青年は雅に対し、そう話しかける。
「あなたは、海東大樹!何故この世界に来た!この世界はあなたの世界に極めて近い。最悪その影響であなたの世界は崩壊してしまいます!」
「僕には関係ない。この世界のお宝、ケルベロスのカードさえ手に入れば。」
「そんな事、僕がさせない!あなたの目論みは僕が止めます。」
「それが出来るならね。変身!」
【KAMEN RIDE-DEEND-】
海東はそう言い、仮面ライダーディエンドに変身する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「やって見せます!変身!」
雅もディロードに変身する。
「早速だけど、君はここで足止めだ。」
【KAMEN RIDE-SABAKI GAOH KIVA-】
ディエンドはディエンドライバーにライダーカードをスキャン。裁鬼、牙王、キバを召喚する。
「そういうわけにはいかない。僕には世界を護る使命がある!」
【SUMMON RIDE-VITA GUYBERⅢ KIKAIDAR-】
ディロードはそれに対し、ヴィータ、ガイバーⅢ、キカイダーを召喚する。
「こいつらはアタシらに任せろ!雅はあいつを追え!」
「ありがとう、ヴィータ。」
ヴィータはそう言い、ディエンドが召喚したライダーと戦い、ディロードを先に進ませる。

「海東、待つんだ!」
先に進んだディエンドにディロードは追い着く。
「しつこいなぁ。」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディエンドはディエンドライバーにブラストをスキャンし、ディロードを攻撃する。
「仕方がない。これだな。」
【ATTACK RIDE-SPLIT-】
ディロードはスプリットで分裂し、二人でディエンドに斬り掛かり、ディエンドに大きなダメージを与える。それにあわせて、ヴィータ達が駆けつける。
「大丈夫か、雅?」
「ああ。ディエンドを何とか出来るか?」
「構わねぇけど?」
「ありがとう。何とか倒して欲しい。それから巻島さん、殺さないで下さい。相手はただの人間です。」
「そうか…」
ディロードはそう言い、マシンディローダーに乗り剣崎(ブレイド)達の所へ向かう。
「さて、いなくなったか。俺は奴のいうことを聞く気など無い。一気に行くぞ!」
ガイバーⅢは高周波ブレードでディエンドに攻撃しようとするが、ヴィータが止める。そして、
「何故あなたは、悪い事をするのですか!?」
キカイダーはディエンドになるべく怪我を負わせないように攻撃してゆく。
「僕は自分の欲しい物を手に入れようとしているだけさ。それの何が悪いんだい?」
「自分の都合で誰かの大切な物を奪ったり、それ処か世界を危機にさらすことなんて許されない!」
キカイダーはディエンドの右腕を狙って攻撃し、ディエンドライバーを落とす。そして、
「そこの黒い奴、おめーは危険なことをするからもう戦うな!あたしとあいつでやる。テートリヒシュラーク!」
ヴィータはガイバーⅢに釘を刺し、ハンマー型デバイスのグラーフアイゼンを変形させて突進し、ディエンドの装甲を破壊。更に、
「デン・ジ…エンド!」
キカイダーは両腕にエネルギーを蓄えて放つ必殺技でディエンドの変身を解除させる。
「なかなかやるね。…でも、君たちは甘すぎる!」
海東はそう言いながらディエンドライバーから弾丸を放ち煙幕を張って逃げる。
「ちっ、逃げられたか!」
ヴィータは愚痴る。
「だから言ったはずだ。敵に情けをかける必要も、生かす必要もないと。」
「だけど、僕達の役目は足止めだから、目的は果たしています。あとは、雅君に任せよう。」
三人はそう話し、ライドカードに戻る。

「ようやく会えました、剣崎一真さん。いえ、仮面ライダーブレイド。」
雅は剣崎達に追い着き、話しかける。
「あんた、何で俺の事を。」
剣崎の質問に、雅は説明する。
「俺達の世界が危ないから協力したいって言われても、天王寺は危険だ。」
剣崎は雅の安全を考える。
「それに関しては安全して下さい。僕は既に八つの世界を救って来た経験があります。そのどれもが異なる危険が迫っていました。なので、僕に協力させる下さい。お願いします。」
雅は頼み込む。すると、
「自らの願いのために、進んで死地に赴こうとする勇気。悪いとは思えないな。」
一時的に共闘関係にあるギラファアンデットの人間態、金居はそう言う。
「剣崎さん、一緒に戦ってもらいましょう。仲間は多い方がいいですし。」
レンゲルに変身する上城睦月も後押しし、
「確かに、天王寺を倒すのに、味方はいて助かる。」
ギャレンに変身する橘朔也もそう言い、
「みんな…わかった。一緒に戦おう、雅!」
「はい!」
剣崎は納得し、雅と握手する。
「それでは、皆さんにこのカードを渡します。皆さんがこのカードに願いをこめれば、それが力になって現れます。それでは、いきましょう!」
雅は白紙のカードを渡し、剣崎達と共に天王寺が待ち構える廃工場に向かう。

「ほう。自ら倒されに来るとは。」
天王寺は剣崎達にそう言う。
「簡単には負ける気は無い。あんたを倒して、あんたの野望を挫いて見せる!」
剣崎は天王寺にそう返し
「これ以上は時間の無駄だ。ここで消えてもらう。変身。」
天王寺はケルベロスⅡに変身する。
「行くぞ!」
剣崎、橘、上城、雅はベルトを装着、カリスに変身する相川始は変身アイテムのカリスラウザーを出現させる。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
[turn up!]
ライダーとアンデットは変身する。
「一気に行くぞ!」
[evolution king!]
ブレイドは最強形態のキングフォームに変身する。
[evolution!]
カリスもカリスラウザーにキングのカードをスキャンし、ワイルドカリスに変身。近距離をブレイド、ディロード、レンゲル、ギラファアンデットが、遠距離をギャレンにワイルドカリスが担当し、ケルベロスⅡを攻撃する。
「このまま倒れてなるものか!」
ケルベロスⅡは負けじとレーザーで反撃する。
「くっ、今だ!集え、世界の願い!」
ディロードはケルベロスⅡの攻撃をよけながら白紙のカードを集約させてワールドホープに作りかえる。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER BLADE-】
ディロードはブレイドの世界のワールドホープを発動。ライダー達の手元にキングフォームの武器、キングラウザーが出現し、手に取る。
「一気に決める!」
【WORLD ATTACK RIDE-KAMEN RIDER BLADE-】
ディロードはワールドアタックライドを発動する。
[spade ten Jack queen king ace!loyal street flash!]
キングラウザーは五枚のラウズカードをスキャンし、五人のライダーは必殺技のロイヤルストレートフラッシュを放つ態勢に入る。ケルベロスⅡは上空へ逃げようとするが、ギラファアンデットがそれを邪魔し、五方向からのロイヤルストレートフラッシュを受けケルベロスⅡは爆発。天王寺の変身は解除させる。
「まだだ。まだ終わりでは!」
天王寺がそう言うと、ギラファアンデットが目の前に現れ、
「悪いが、そのカードはもらって行く。」
そう言うと、ギラファアンデットは双剣で天王寺を殺害し、ケルベロスのカードを奪う。
「何で!どうしてそんなことを!」
上城はギラファアンデットにそう言うが、
「まさか、ただ協力したと思っていたのか。最初から目的はこのケルベロスのカードだけさ。私にも、アンデットに志願した誇りがあるからな。」
ギラファアンデットは金居の姿になり、そう言い残して去って行く。
「とりあえず、一番の危機はこれで去りました。協力していただき、ありがとうございました!」
雅は剣崎達に一礼し、去って行く。

「ただいま、みんな。悪い知らせがある。」
雅は海東の存在をチームディロードに説明する。
「そんな、仮面ライダーの力で悪事を働くなんて!」
圭一は驚く。
「ああ。しかもただの泥棒ではなく、世界の根幹を担うような物を盗もうとするから厄介なんだ。さて、次の世界は仮面ライダー555か。」
ソウルライドの発動を確認した雅はそう話す。絵巻には、水色の衣装に身を包んだ女性と、飛び交う多数のモルフォチョウが描かれていた。
to be continued
次回、仮面ライダーディロード
アークオルフェノクの力によって、カイザとデルタの元装着者が奇妙な姿のオルフェノクとして復活。そして迫り来る、主人公乾巧の寿命。次回『夢人』 
 

 
後書き
神新カードの紹介
鉄鎚の騎士 ヴィータ:ヴィータを召喚するためのカード
キカイダー:人造人間キカイダー(アニメ版)を召喚するためのカード
ガイバーⅢ:ガイバーⅢを召喚するためのカード
仮面ライダーブレイド(ワールドホープ):ブレイドの世界の希望。ライダー達にキングラウザーを与える。
仮面ライダーブレイド(ワールドアタックライド):ブレイド キングフォームの必殺技を五方向から放つ。


申し訳ありません!こちらの手違いで、下書き状態のまま一度投稿してしまいました。今後は、このようなことが無いように気をつけます。 

 

第24話『夢人』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
雅は、世界の宝を奪おうとする海東大樹=仮面ライダーディエンドを退け、強敵ケルベロスⅡを撃退した。


「仮面ライダー555(ファイズ)の世界。人は死ぬと、一定の条件下でオルフェノクと呼ばれる動植物の特性を持つ異形に進化する。オルフェノクは最初は生まれて間もない種族であった為細々と隠れるように生きていたが、スマートブレインという会社がオルフェノクを守る武器を作って以降はその動きを活性化させた。オルフェノクの特徴は、自分が殺した相手を一定の確率で同族にする力だ。そして、そのオルフェノクを守る武器というのが、この世界の仮面ライダー、ファイズ達だ。」
雅は世界の説明をしている。
「それで、なんでそんな説明をしたんですか?」
圭一は雅に質問する。
「さっきも説明したように、ライダーシステムはオルフェノクを守る武器であると同時に、オルフェノクを倒せる数少ない力だ。ただ、その力を使えるのは、オルフェノクか、オルフェノクに極めて力遺伝子でないといけない。勿論、ファイズに変身する乾巧さんもオルフェノクだ。だからこそ、敵の王、アークは巧さんを狙う。そして、今度は完全復活を狙っている。とにかく、僕はすぐ出る。みんなは危険だから待機していてくれ。」
雅はそう言い、出ていった。

マシンディローダーを走らせ、少しすること、スーツ姿の老齢の男性が雅を呼び止める。雅はその男性の顔を見て驚く。
「貴方は、花形さん!?」
呼び止めた男性の正体は、かつて孤児を集め、流星塾という私塾を開いていた男、花形であった。
「いかにも、その通りだ。」
「しかし、貴方は既に寿命で…」
そう、花形は既に寿命で、ゴートオルフェノクとしての命を終えているのである。
「ああ。その通りだ。しかし、木場君達の活躍で死に体となったアークは、かつてカイザギアとデルタギアでを利用した者達を自身の配下として蘇らせ、その中で一番強い者の肉体を利用して復活しようとしている。私は、強い精神力で支配に抗っていたが、それも限界に近い。そこで君に頼みがある。」
花形はそう言うとアタッシュケースを雅に渡す。そして、雅が開けると、そこには見たことの無いライダーギアが1台入っていた。
「これは…」
「それはシグムスギア。オルフェノクに成りえる可能性の無い、純粋な人間のみが扱えるギアだ。これで、真理達を助けてくれ。来るぞ!」
花形は説明し、短く告げると雅は振り返る。すると、仮面ライダーカイザ、デルタの姿をした奇怪なオルフェノクが一体ずつ現れる。
「こんな姿じゃ、啓太郎さんに会えない…」
「たとえどんな姿でも、僕が一番強いんだ!」
「なるほど、確かに、カイザとデルタの装着者だな。」
雅はそう言い、シグムスギアを装着し、シグムスフォンを開き、4、9、6のコードを入力する。
[stunning by?]
「変身!」
雅はシグムスフォンをシグムスギアにセットする。
[complete]
認証許可によって雅の身体を覆うように緑色のフォトンブラッドが駆けめぐり、雅はΣの記号を持つ仮面ライダー、シグムスに変身した。
「行くぞ!」
シグムスはその拳でオルフェノク達を攻撃し、着実にダメージを与えてゆく。
「なるほど、もともと復活の為のつなぎなだけあって、大した力は無いか。なら、これで一気に終わらせる!」
シグムスはオルフェノク達を蹴り飛ばして距離を取り、シグムスポインターを左脚に装着する。
[exceed charge]
シグムスはジャンプする。
「ハァッ!」
シグムスは2体のオルフェノクにマーカーを合わせ、それぞれに一度ずつ必殺のキックを当てる。そして、オルフェノク達はΣの文字が現れると、崩れるように撃破された。そして、
「よくやった。私の役目は終わりだ。」
花形はそう言うと、デルタオルフェノクの姿になり、自らの手でその偽りの生を終わらせる。
「花形さん、ありがとう御座います。さて、巧さんの所に向かおう。」
雅は変身を解除し、マシンディローダーに乗ろうとすると、灰色のオーロラが出現し、カブトとブレイドが現れる。
「おばあちゃんが言っていた。不味い飯屋と、悪が栄えた試しは無い。世界を滅ぼす悪は俺が倒す!」
「誰かを哀しませるなら、俺は立ち上がる!例え、相手が誰でも!」
カブトとブレイドははやくも戦闘態勢に入る。
「これはやっかいな相手だ。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「さて、力を貸してくれ。フェイト!」
ディロードはバルディッシュ・アサルトのアタックライドをロードスラスターにスキャンする。
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
ライドカードの力でロードスラスターはバルディッシュ・アサルトに変わる。それと同時に、
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
ディロードの身体に閃光が走り、ディロードはライトニングフォームにフォームチェンジする。
「行くぞ。」
ディロードは短く言うと、凄まじいスピードでカブト達に近づく。
「クロックアップ。」
[clock up!]
「俺も行くぞ!」
[much]
カブトはクロックアップを、ブレイドはマッハのラウズカードで加速する。
「やはり、一筋縄では行かせてもらえませんか。なら!プラズマランサー、スパークショット!」
ディロードは弾魔法を使いブレイドを攪乱。その隙にカブトに向かう。
「ひよりさんの時はお世話になりましたが、今は本気でやらせていただきます!」
「何の話だ?俺は俺の力で、ひよりを取り戻した。そこにお前は関係ない。」
「それは嬉しいことです。世界が、正しく動いてくれたのなら、僕はそれで充分です!ですから、すみません!」
ディロードはそう言うとバルディッシュアサルトをザンバーフォームに変えてフルスイングし、カブトをオーロラの中へ叩き帰す。
「剣崎さんも、すみません!」
ディロードはカブトの時と同じ要領でブレイドを叩き帰した。
「さて、早く巧さんの所に向かおう。」
雅は変身を解除し、マシンディローダーに乗り、巧達の生活している西洋洗濯舗 菊池に向かう。


その頃、巧とデルタに変身する三原の前に、それぞれカイザオルフェノクが現れる。
「三原、なんで君が生きていて、俺がこんな姿にならないといけないのかな?」
「その声、草加か?」
「ああ。気に入らないんだよ。君みたいに、平和に暮らしている君が!」
カイザオルフェノクは問答無用と言わんばかりに攻撃してくる。
「仕方がない。変身!」
[stunning by?complete]
三原はΔの記号を持つ仮面ライダー、デルタに変身する。
「3821!」
デルタは、変身アイテム兼武器のデルタムーバーにミッションコードを入力し、大型ホバーバイクのジェットスライガーが出現し、デルタは搭乗し搭載されているミサイルポットからおびただしい数のミサイルをカイザオルフェノクに放つ。いくら姿が違うといえど中身はカイザを一番使いこなしていた草加雅人。最初の15発は応戦しミサイルを破壊してみせたが、物量攻めには適わず撃破される。
「草加…許せ…」
デルタは仮面の内側で泣いていた。

その頃、巧は戦友でもあった木場勇治=ホースオルフェノクの記憶を宿したカイザオルフェノクと対面していた。
「乾君、世の中はやっぱり理不尽だね。なんで俺はこんな姿になって、君は平気なんだ?」
「木場、お前は相変わらずだな。でも、今の俺には守るものがある。だから、俺は戦う。」
[stunning by?]
「変身!」
[complete]
巧は仮面ライダーファイズに変身する。
「乾君、頼みが一つだけあるんだ。」
「どうした?」
「今はまだ意識はある。でも、いつそれが消えるかわからない。だから、あの時みたいに、ひと思いに…」
カイザオルフェノクは無抵抗の意を示す。
「木場…」
[exceed charge]
「分かった!」
ファイズはファイズポインターを右脚に装着し、必殺技を発動する。必殺のキック、クリムゾンスマッシュを当ててカイザオルフェノクを撃破する。それと同時に雅がやってくる。
「乾…巧さんですね?」
巧は変身を解除し、雅の居る方に振り向く。
「誰だ?」
「僕は凪風雅、ある者は仮面ライダーディロードと呼びます。」
「仮面ライダー?そんな奴が何の用だ?」
「実は、協力して欲しい事がありまして、それも、乾さん一人では無く、皆さんに。」
「お前、スマートブレインの関係者か?」
「いいえ。僕も先程のオルフェノクに襲われました。その事で、お話したいのです。」
「何!?複数いるのか?」
「はい。それも、カイザだけでなくデルタの姿をしたオルフェノクもいました。」
「…分かった。来い。」
巧はそう言うと、雅を案内するように帰る。

雅は西洋洗濯舗 菊池に着くと、三原も到着し、中に入る。
「たっくん、その子誰?お客さん?」
この店の店主、菊池啓太郎は雅に質問する。
「いいえ。僕はこのギアを託されて、ここまで来た者です。」
雅は花形との会話、この世界の危機を話す。
「異世界から来た─にわかには信じがたいが、現にこうしている時点で納得するしか出来ないな。それに、その話が事実なら巧さんが危険だ。」
三原は状況に納得する。
「三原君、どうして巧が?」
巧の協力者で、ファイズギアの持ち主の園田真理は質問する。
「巧さんは、前にデルタに変身したことがある。それに─」
三原は巧の手を見る。巧の手は少しずつ灰に変わり初めていた。
「それで、皆さんにはこれを持っていて欲しいのです。」
雅は、白紙のカードを巧達に渡す。
「これは?」
巧は雅に質問する。
「御守りみたいなものです。きっと、それが皆さんの希望の光になるはずです。」
雅が話していると、
「悪い。海堂の奴を呼ぶ。あいつもいた方がいいだろう。」
巧はそう言うと、ファイズフォンを開き外へ出る。
「確かに、海堂さんは貴重な戦力になりますね。」
雅は既に親しい関係かのようにその輪の中に溶け込み、話しをしていた。しかし、巧が何時まで経っても戻ってこない為一同が外出ると、驚くべき事が起きていた。巧は、身体が灰となり、崩れ初めていた。
「やっぱ限界だったか。あとは頼んだ。」
巧はそう言うとオルフェノクとしての一生を終えてしまい、その灰は、姿を変えてデルタオルフェノクとなり、それから脱皮するかのようにアークオルフェノクに変化した。
「ようやく見つけた。最も強固な肉体を。」
アークオルフェノクはそう言う。
「やはり、最初から巧さんが狙いだったのか!」
雅は叫ぶ。
「別に、それはどうだってよかった。」
アークオルフェノクの言葉に、雅達の右手は必然と拳を握っていた。そして、それに呼応するかのように白紙のカードは光輝いていた。
「今なら行ける!集え、世界の願い!」
雅は自身の白紙のカードを天に掲げコールし、ファイズの世界のワールドホープを完成させて、スキャンする。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER 555-】
「何をしても無意味だ。ッ!!」
アークオルフェノクは驚く。何故なら、突然自身の胸部が輝き、その中から巧が現れたからだ。
「悪かった。とりあえず、あいつの命をごっそり貰って来たから大丈夫だ。」
巧がそう言うと、それに合わせてスネークオルフェノクに変身する海堂直也が現れる。
「おう、乾どうした?」
「わからないのか?アークが復活した。」
巧が指を指して海堂がそれを見る。
「ってマジかよ。」
「だから言っただろ。」
巧は若干キレる。
「とりあえず、海堂も戦って!後でお茶でも奢るから!」
真理は、預かっていたカイザギアを海堂に渡す。
「あ、そう。悪ぃな。」
雅達はベルトを装着する。巧は5を3回、海堂は9、1、3のコードを打ち込む。
[stunning by?]
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
[stunning by?complete]
雅はディロードに、巧はファイズに、海堂はカイザに、三原はデルタに変身する。
「来い。」
アークオルフェノクはそう呟くとカイザオルフェノクとデルタオルフェノクの軍勢を呼び出すが、その殆どがデルタ型であった。
「本当にデルタに変身していた人って多いんだ…」
ディロードが呟いていると、
「私の事も忘れないで欲しいわ!」
ロブスターオルフェノクが現れ、ディロードを攻撃する。
「お前の相手はこの人だ!」
【SUMMON RIDE-KIKAIDER 01-】
ディロードはキカイダー01を召喚する。
「おう、なんだ?俺はあのおかちめんこをぶっ潰せばいいんか?」
「はい、お願いします!」
「任せろ!ゼロワン、ブラスト!」
キカイダー01はそう言うと胸部から出た砲門から爆撃を放ち、呼び出されたオルフェノク達を一掃する。
「行きましょう!」
ディロード達はアークオルフェノクに向かう。アークオルフェノクは光弾を放つが、ロードスラスターによって弾かれ、あらぬ方向で爆発する。
「ハァッ!」
ディロード達は力を込めた拳でアークオルフェノクを怯ませる。
「今です!」
【ATTACK RIDE-SLUSH-】
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
[exceed charge]
ディロード達は必殺技を発動する。
「行くぞ、ディメンションインフェルノ!」
「ゥオラァッ!」
ディロードのディメンションインフェルノ、ファイズのスパークルカット、カイザのゼノスラッシュがアークオルフェノクの身体を切り刻み、デルタのルシファーズハンマーがアークオルフェノクの頭部を貫く。本来ならこの程度で倒されるような弱さでは無いが、復活して間もない所為か撃破されてしまう。そして、
「ブラストエンド!」
残るロブスターオルフェノクもキカイダー01の攻撃を前に撃破される。それを確認すると、キカイダー01はカードに戻った。

雅達は変身を解除し、巧達は雅を見る。
「もう行くのか?」
「はい、救いが必要な世界は沢山ありますから。それから、啓太郎さん、こちらを。」
雅はシグムスギアを啓太郎に渡そうとするが、その間を誰かが通り過ぎる。それは次の瞬間誰か気づいた。
「へぇ、この世界には、まだこんなお宝が隠されていたんだぁ。」
海東大樹はシグムスギアを持ちながらそう言う。
「海東さん、それはあなたの物ではありません!返して下さい!」
雅は近づこうとするが、ディエンドライバーからの威嚇射撃に目を伏せる。そして、
「でも、君の物でも無い。」
そう言い残して海東は去っていった。
「あいつは?」
「奴は海東大樹。ライダーの力で窃盗を繰り返している悪人で、僕も追っている男です。」
「なら、さっさと行った方がいいんじゃないか?」
巧は雅にそう言う。
「それでは皆さん、ありがとうございました。」
雅は一礼し、マシンディローダーに乗ってファイズの世界を去った。

「次の世界は、仮面ライダー龍騎の世界か…」
ソウルライドの起動を確認した雅が絵巻を広げると、そこには何かの壁に貼られた、様々な生き物の絵が描かれていた。
to be continued

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突然復活したミラーワールド。そして、存在出来るはずの無い仮面ライダーナイト。次回、『神崎兄妹』
 
 

 
後書き
新カード紹介
バルディッシュアサルト:ロードスラスターをバルディッシュアサルトに変化させ、ディロードをライトニングフォームにフォームチェンジさせる。
キカイダー01:キカイダー01を召喚するカード。
仮面ライダー555(ワールドホープ):555の世界のワールドホープ。死んだ巧を復活させる。

新フォーム紹介
ディロード ライトニングフォーム
パンチ力:12t
キック力:10t
100mを0.5秒で走る。
ディロードの速さを司る基本形態。速さとパワーが上昇した代償として耐久性が落ち、90tの衝撃までしか耐えられなくなっている。


今回の時間軸は最終回からおよそ1週間後頃の話です。それでは次回もお楽しみに。 

 

第25話『神崎兄妹』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
ワールドホープの力で、復活したアークオルフェノクから、巧を救出した雅は、協力してアークオルフェノクを倒し、ファイズの世界を救った。


「みんな、映る物は全部覆い隠したか?」
「うん。」
雅の指示通り、映りこむ物をチームディロードは総出で包み隠した。
「ところで、どうしてこんなことを?」
フェイトは雅に質問する。
「さて、これで全部だね。」
雅達は座る。
「仮面ライダー龍騎の世界は、少々厄介なことに、人々を襲うミラーモンスターは鏡が水面などの映りこむ物全てに潜んでいる。少しでも気を抜けば鏡の世界、ミラーワールドに取り込まれて2度と帰ってこれなくなる。」
「それじゃあ、その龍騎って仮面ライダーはそのミラーモンスターから人を守る為に戦っているんですね。」
圭一は雅に質問する。
「いや、厄介なのはここからだ。ミラーワールドに入れる仮面ライダーは、全部で13人。それぞれが皆、自分の願いを叶える為に、その力を振りかざしている。ある者は植物状態の恋人を救う為、ある者は不治の病を治す為、ある者は怒りのぶつけ処として、ある者は力を求めて、ある者は幸せを求めて、理由は様々だが、明確に人を守っていたのは龍騎だけだ。」
「何で仮面ライダーが戦い合うんですか!仮面ライダーは人を守る為に戦うんじゃないんですか!」
「それは、この世界のルールの所為だ。この世界の仮面ライダーは、変身出来る権限を得る前にミラーワールドのマスターから一つ質問を受ける。戦ってでも勝ち取りたい願いはあるか?と。それを受け入れた者のみが本来仮面ライダーとなって戦う資格を得る。そして、同時にその仮面ライダー同士で殺し合いをするライダーバトルに参加させられる。」
「どうしてそんなことを!人を殺してまで、叶えたい願いなんて無いはずです!」
「それでも、そんな罠に引っ掛かるのが、人間の感情ってものだ。」
雅と圭一が話しをしていると、
「雅、気になったんだけど、そのミラーワールドのマスターは、何でそんなことをしようと思ったの?」
フェイトが雅に質問してきた。
「そうだな、ミラーワールドのマスター、神崎士郎には妹がいた。それがミラーモンスターの生みの親、優衣だ。あの兄妹は親から虐待を受けていて、ある部屋に監禁されていたんだ。その時に、当時子供だった士郎は押し入れから画材を取り出して、優衣に絵を書かせた。人は外に出ないと会えないけど、今から書く生き物達は鏡の世界のお友達。鏡があればそこから現れるんだ。と言って。そうして鏡の世界の生き物は増えていった。しかし、ある日神崎邸は火事になり優衣は多量に煙を吸ったことによって呼吸器疾患を起こして命を落としてしまう。士郎はその時願った。たとえどんなことをしてでも優衣を取り戻したい。その願いに呼応するようにミラーワールドと現実世界の扉が開き、ミラーワールドの優衣が現実世界の優衣と入れ替わった。ただし、二十歳になったら完全に消滅することを条件に。その日から、士郎の戦いが始まった。まずはミラーワールドを開く方法。そして、そのエネルギー。研究を続けた士郎はついにミラーワールド内に命を具現化させる事に成功した。そして、それを基に様々な生物を作り出したが、生まれたのは理性の無い怪物だけであった。士郎は考えた。どうすれば優衣に新たな命を与えられるのか。そして士郎は閃いた。このシステムを利用し、ミラーワールドの中でも生き残れる強靭な精神と命をミラーワールド内で物質化し、それを優衣に与えようと。士郎はミラーワールドに関する実験を何度も繰り返し、ミラーワールドと現実世界を行き来するシステム、ライダーデッキを13個完成させた。しかし、その実験の途中で士郎は事故で命を落としてしまい、その想いだけが、ミラーワールドに残った。その時に士郎は思いついた。このモンスター達と自分が選定した12人を戦わせて、最後にこちらで用意した番人と戦ってもらう。負ければやり直し。勝てばそいつの命を優衣に渡せばいい。そうして始まったのがライダーバトル。ミラーワールドだ。全ては、一人の男が、妹を救う為に─」
雅はフェイト達に説明をした。
「それで、今は?」
「どうやら、ライダーバトルは終わりを告げ、ミラーモンスターがいる事を除けば、平和な世界になっているらしい。僕の役目は、そのミラーモンスターの駆除のようだ。行ってくる。」
雅はそう言い、出ていった。

「さて、状況を確認するならあそこかな。」
雅は、マシンディローダーを走らせ、かつて龍騎とナイトが住み込みで働いていた喫茶店、花鶏に向かった。
「いらっしゃい。」
雅が店に入ると、中年の女性が出迎えた。
「ダージリンのセカンドフラッシュで。」
雅はカウンター側の席に座り、注文をする。
「はいよ。」
店員はそのまま作業に入る。その間、雅は横に目を向けると、仲の良い男女が写った写真が何枚か飾られていた。
「あちらの写真は、息子さんですか?」
雅は答えを知りながら質問する。
「私の甥と姪よ。今頃、どこで何をしているやら。」
「きっと、元気でやっていると思いますよ。」
「あら、気の利くことを言うのね。それに一見さんでしょ。今日は半額でいいわ。」
店員は注文の品を出す。
「そんなわけにはいきませんよ。」
「いいのよ。私がいいって言っているんだから受け取りなさい。」
「ありがとうございます。」
雅は、店員の好意を受け取る。
「美味しいですね。」
「あら、それはどうも。前に同じ注文をしたお客さんがいたけど、口も付けずに帰ったわ。お兄さん、口が上手いのね。」
「いえいえ、僕は口下手ですよ。」
雅は店員と世間話をしながら一息つき、
「どうも、ごちそうさま。」
雅は勘定を終えて、ミラーモンスターの捜査を続行した。
「こうやって見ると、映る物って多いんだな。」
雅は呟く。すると、ビルのマジックミラーが揺れ、中から何かが飛び出したかと思うと、雅はマシンディローダーごとその中に吸い込まれていった。

「痛っ。」
ミラーワールドに吸い込まれた雅は叩きつけられる瞬間に受け身を取って直撃は避けたが、やはり完全にダメージを消すことは出来なかった。
「さて、これは少々厄介だな。」
雅が立ち上がると、目の前には白鳥のミラーモンスター、ブランウィングと、コブラのミラーモンスター、ベノスネーカーがいた。
「この二体か。それならこいつの出番か。」
【CHANGE RIDE-UNIT GUYBER ACT Ⅰ-】
雅はディロードライバーにガイバーⅠの殖装(変身)アイテムのカードをスキャンし、ディロードライバーは雅と一体化する。
「来い、ガイバー!」
雅が叫ぶと、その体からアクアブルーの生体装甲が出現し、雅を覆い包み、雅はガイバーⅠの殖装を完了させる。
「行くぞ、高周波ブレード!」
ガイバーは右手首に刃を出現させてベノスネーカーに挑む。
「いくらミラーモンスターが強くても、これならいけるはず!」
ガイバーは高周波ブレードを振りかざす。ベノスネーカーは尻尾のサーベルで弾こうとするが、量子分解を行うガイバーの刃に為す術も無く切り裂かれ、ベノスネーカーは悲鳴のような鳴き声を挙げる。
「今がチャンスだな。」
ガイバーは高周波ブレードでベノスネーカーを切り刻んでゆき、
「とどめだ。ヘッドビーム!」
ガイバーは額の球体から量子分解のビームを放ち、ベノスネーカーの頭部を破壊し、ベノスネーカーを撃破。そのままヘッドビームを撃ち、ブランウィングの翼を撃ちぬき、ブランウィングを撃ち落とす。
「一気に終わらせる。胸部開口砲(メガスマッシャー)!」
ガイバーは胸部装甲を開き強力な熱線を放射。ブランウィングを消滅させる。
「さて、どうやって帰ればいいのだろう。」
雅は変身を解除し、辺りを見渡す。すると、
「お前が、世界を破壊するライダー、ディロードか?」
声が聞こえ、雅が振り向くと蝙蝠の仮面ライダー、ナイトがいた。
「何故?ライダーバトルは終わり、ライダーデッキも無くなったはず…」
「ある男が教えてくれた。この世界にある男が現れ、世界を破壊すると。そして、俺はその男からこれをもらった。」
ナイトは話しつつも雅を攻撃しようとする。
「鳴滝か。あなたはその男に騙されているだけです!」
「仮にそうだとしても、俺がせっかく手にした恵理との日々を邪魔する奴を放置する気は無い!」
〈SWORD VENT〉
ナイトはソードベントのカードで槍型の武器、ウィングランサーを召喚し、雅を攻撃する。
「話を聞いてもらえそうに無いようですね。」
雅はロードスラスターでその攻撃を受け止める。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「こうなれば、一度叩き伏せるしか無いみたいですね。」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはロードスラスターにスラッシュのカードをスキャン。ロードスラスターの刀身の両側にエネルギーの刃が出現する。
「どうだ!」
ディロードは横薙ぎの一閃を放つがナイトは軽々と避け、
〈NASTY VENT〉
ナスティベントをスキャン。契約モンスターのダークウィングが現れる。
「やばい!」
【ATTACK RIDE-ARMED SABER-】
ディロードは装甲声刃(アームドセイバー)のアタックライドをスキャンし、ロードスラスターを装甲声刃に変える。
「ハァッ!」
ディロードは装甲声刃の音擊増幅装置に声を放ち、ダークウィングも同時に超音波を放つが、音同士がぶつかり合い、音波は消滅する。
「なかなかやるな。さすが、世界を破壊しに来ただけのことはある。」
「ですから、僕は世界の崩壊からこの世界を救う為に来たと何度言えば納得していただけますか!」
「そんな言葉、信用できるか!」
「あなたにそのデッキを渡した男は信用出来て、ミラーモンスターに襲われて自衛した人のことは信用出来ないのですか!」
ディロードとナイトの刃が激しくぶつかり合う。すると、
「止めるんだ、ナイト。」
「蓮、やめて!」
神崎士郎、優衣の兄妹が現れ、ナイトを止める。
「神崎士郎!それに優衣!どうして止める!」
ナイトは士郎の言葉を聞き、戦いの手を止める。
「その男は、再び開いたミラーワールドと現実世界の扉を閉じる為に来てくれた。本来、お前と共に闘うべき存在だ。」
「じゃあ、このデッキを渡し、俺の記憶を復活させた男は!」
「ナイト、お前は根底からずれている。そのデッキは、この世界のパラレルワールドから持ってきた模造品。今頃、そのデッキの世界が大変なことになっているだろう。」
「だが、それでも恵理は救える。」
「無駄なことだ。パラレルワールドが崩壊すれば、この世界も近い将来同じ結果になる。こちらの世界にはもう無いデッキがあるんだ。当たり前だろう。」
「そんな…騙されていたのか!」
ナイトは叫ぶ。すると、
「ディロード、余計なことをしてくれたな!」
鳴滝と、アスムが現れる。
「鳴滝!蓮さんにデッキを渡して再び仮面ライダーにさせたり、その蓮さんを僕と戦わせたり、何が目的だ!」
「ディロード、君の存在は危険そのものだ!消えてもらう!いけるか、アスム君?」
「はい。あれがディロード…なんて禍禍しいんだ。変身!」
アスムは音角を鳴らして仮面ライダー響鬼に変身する。
「そうきたか。パラレルワールドの模造品が相手なら、本物の強さを教えてやろう。」
【CHANGE RIDE-ONKAKU-】
ディロードは音角のカードをスキャン。ディロードライバーは音角に変わり、雅の変身は解除されるが、雅は音角を共鳴させて、仮面ライダー響鬼に変身する。
「僕と同じ姿に!負けるものか!」
響鬼(アスム)は走ってゆくが、
「言ったはずだ。本物を見せてやると。響鬼、装甲!ハァァァァ~…」
ディロード響鬼は装甲声刃を起動させ、ディスクアニマルが響鬼を攻撃しながらディロード響鬼の装甲となり、ディロード響鬼は装甲響鬼にパワーアップする。
「その姿は一体?!」
響鬼(アスム)は立ち上がりながら驚く。
「これが本物の力だ。さて、時間も無い。一気に終わらせる!鬼神、覚声!ハァ~ァァァアッ!ハァッ!」
装甲響鬼は声の波動を放ち、響鬼(アスム)をその勢いで次元のオーロラに叩き返した。
「なるほど。そこまで強くなったか。今日はこの辺で退こう。さらばだ!」
鳴滝も次元のオーロラに入り、出て行く。
「やばいな。時間がもう無いな。」
雅は自身の手が粒子化し始めるのを見て呟く。
「ディロード、これを使え。」
士郎は、雅にブランク状態のデッキを渡す。
「片道切符にはなる。早く出るんだ。」
「ありがとうございます。」
雅は一礼だけして、ミラーワールドから脱出する。
「危なかった。」
雅は呟く。
「お前、子供だったのか!」
ナイトも変身を解除し、雅の姿をよく見て蓮は驚く。
「はい。」
「何故戦っている。」
「僕の本来いた世界は、僕の願いの所為で崩壊してしまいました。だから、崩壊しそうな、救いを求めている世界を救う為にこの力を使う。そう決めただけです。」
「そうか。」
蓮は短く言う。すると、
「あれ、あんた達さっきあのビルの鏡から出て来たよね?説明してもらえる?」
かつて龍騎として戦った青年、城戸真司が現れ、雅達に質問する。
「ここはこれの使い時か。蓮さん、城戸さんに真実を教えて大丈夫ですか?」
「大丈夫だろ。城戸は馬鹿だし。」
「わ、解りました。この白紙のカードを持って、願いを込めて下さい。蓮さんも、お願いします。」
雅は真司と蓮に白紙のカードを渡す。
「集え、世界の願い。」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER RYUKI-】
雅は龍騎の世界のワールドホープを発動。すると、
「…あれ?蓮、俺、あの時モンスターから子供を守って死んだよな?どうなっているんだ?」
真司はかつて龍騎だった時の記憶を取り戻した。
「城戸、話したいことは山ほどある。だから少し付き合ってもらうぞ。」
「ああ。ありがとな。」
真司と蓮はそのままどこかへ行ってしまった。
「こういうのも、ありか。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのカードで古手神社の宝物庫に帰った。

【SOUL RIDE-KAMEN RIDER RYUKI-】
「今回は早いな。」
雅が帰宅すると、座る暇も無くソウルライドが発動した。
「俺の記憶を取り戻してくれてありがとう。おかげで知りたいことが全部わかった。」
「次来る時は迷惑かけるな。とりあえず、礼は言っておく。」
「蓮、もっといい言い方無いの?私とお兄ちゃんの世界を守ってくれて、ありがとう。」
「ディロード、気を付けるんだ。今、様々な世界に謎の負荷がかかり初めている。注意しておくんだ。」
士郎の言葉を最後に、ソウルライドは終了。リセットの力で龍騎の世界とのリンクは途切れた。
「次の世界は、仮面ライダーアギトか…」
絵巻には、白い服の青年と黒い服の青年が向かい合う絵が描かれていた。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
闇の青年によってアギトの力を奪われた翔一達。雅は、希望の力で救えるのか?次回『取り戻すアギトの力』戦わなければ生き残れない! 
 

 
後書き
新カード紹介
ユニットG ACTⅠ:ディロードライバーをユニットGに変え、ガイバーへの殖装を可能にする。
装甲声刃:ロードスラスターにスキャンすることで、ロードスラスターを装甲声刃に変える。
変身音叉 音角:ディロードライバーを音角に変えて、仮面ライダー響鬼に変身するためのカード。
スラッシュ:ロードスラスターにスキャンすると、刀身の両側に次元エネルギーの刃、ディメンションプレートが出現する。
仮面ライダー龍騎(ワールドホープ):ライダー達がかつてのライダーバトルの記憶を取り戻す。 

 

第26話『取り戻すアギトの力』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
再び開いたミラーワールドとの接点を閉じる為に雅は戦うが、またしても鳴滝の妨害にあった。


「早いものだ。もうアギトの世界か。」
「この世界には、どんな仮面ライダーがいるんですか?」
対策を考えている雅に圭一は質問する。
「仮面ライダーアギトの世界は、後に行くことになるある世界の続きだ。もっとも、世界は繋がっているだけで、中身は別物だけれど。この世界では、かつて光と闇の大きな戦いがあった。」
「じゃあ、光が勝ったんですか?」
「いいや。闇は人や命を生み出した存在。そして、光と闇の戦いは闇の勝利に終わったんだが、光は死の瞬間に分子となって飛散し、その時一番弱くて脆い人類に自分の力を植え付けた。すべては、やがて自分の力に覚醒した人類で、闇に復讐するために。」
「もしかして、光って─」
雅の説明にフェイトは勘づく。
「ああ、その光の力に覚醒したのが、仮面ライダーアギトだ。そして、この世界の怪人、アンノウンは闇から天命を受けアギトの力を持つ人々を抹消しようとしている。アギトではない人類を、アギトから護るために。」
「なんで怪人が人を守っているの?」
「人類にその感覚はなく、ただの無差別殺人にしか思っていないが、アンノウンは人類が生まれる前に闇が生み出した子供。アンノウンにとって人類は兄弟のようなもの。敵の手に染まった仲間から兄弟を護っているだけだ。ただ、今いるアギト達は人類に友好的であり、闇はアギトからその力を奪い、ただの人間に戻したにも関わらず危険だからという理由で殺そうとしている。こうしてはいられない。僕は出て行くからフェイトは圭一達を頼む。」
雅はそう言って出て行く。

雅がマシンディローダーを走らせていると、3人の男性がハリネズミの怪人、ヘッジホッグロードと梟の怪人オウルロードに襲われていた。そして、オウルロードはアギトに変身する津上翔一に突進しようとするが、
「どけ!」
アナザーアギトに変身する男性、木野薫が翔一を突き飛ばし、その攻撃を受けてしまう。
「しまった!」
雅は素早く近づき、ヘッジホッグロードが飛ばす針をロードスラスターで弾く。
「君は?」
翔一は尋ねる。
「詳しい話は後でします。今は任せて下さい。」
【KAMEN RIDE-FAIZ ZERONOSS-】
雅はロードスラスターから仮面ライダーファイズとゼロノスを召喚する。
「巧さん、桜井さん、お願いします。僕は彼らの避難を行います。」
「わかった。とっとと行け。」
ファイズは雅達を逃がす。
「最初に言っておく。俺達はか~な~り、強い!」
ファイズとゼロノスは武器を構え、アンノウンに向かって行く。
「何故人間がアギトを守る!」
オウルロードは突進する。
「決まっているだろ!襲われているからだ!」
ゼロノスはゼロガッシャーをサーベルモードに変えてオウルロードを切り裂き、墜落させる。
[exceed charge]
[Full charge]
「ゥオラァッ!」
「ハッ!」
ファイズはファイズショットを装着して放つ拳、グランインパクトを、ゼロノスはゼロガッシャーの斬擊、スプレンデッドエンドを放ちオウルロードを撃破するが、ヘッジホッグロードは逃げてしまう。
「逃げられたか!」
ゼロノスはいらつくが、
「目的は果たせただろ。」
ファイズがそう言うと納得し、二人はカードに戻る。

「説明してもらおうか。」アギトの亜種、ギルスに変身する葦原涼は雅に説明を求める。雅は自分が何者なのか、何故戦えるのか、何故この世界に来たのか説明した。
「異世界から来た?信じられるか。」
葦原はそう言うが、
「葦原さん、雅君のさっきのあれを見てそんなことを言うんですか?」
翔一が宥める。
「それで、世界を正しい方向へ修正させると言っていたが、何をすればいい?」
「皆さんに、アギトの力を取り戻してほしいんです。この世界は、皆さんがアギトの力を取り戻せないことが原因で崩壊してしまいます。なので、大変不躾なのは承知の上ですが、お願い出来ますか?」
雅は頭を下げる。
「雅君、頭を下げないで。俺達こそ、協力してもらっちゃう感じでごめんね。」
翔一は雅と握手する。
(本当は、その後木野さんに死んでもらう必要があるけど、そんなことは言えないから黙っていよう。多分、もうその未来は決まったことだ。)
雅は一人考えていた。すると、翔一の携帯が着信する。
「はい。ああ、氷川さん?本当ですか?ありがとうございます!」
翔一は通話を終わらせる。
「俺達からアギトの力を奪った人の居場所、解りましたって。行きましょう。」
翔一は電話の内容を伝え、闇の青年がいる倉庫に向かった。


倉庫では、既にG3-Xが先程のヘッジホッグロードと戦闘を行っていた。
「しまった。カートリッジが。」
G3-Xは大型ガトリングのケルベロスを乱射していたが、用意していたカートリッジが無くなり、短剣のスコーピオンで応戦する。そこに、雅達がやって来る。
「津上さん!ところで、その子は?」
「彼が、話に出した人です。」
「初めまして、氷川さん。詳しい話は後で、今は津上さん達もただの人間です。まずは奪われたアギトの力を取り戻す事が一番です。皆さん、これを受け取って下さい。そして、願いを込めて下さい。」
雅は自己紹介をし、白紙のカードを渡す。すると、
「君も人間、私の子供のはず。どうしてアギトに味方する?」
人類やアンノウンの親である、闇の青年が現れる。
「僕が護るのは人やアギトとか関係ない。世界の在り方だ!それに、今の津上さん達はただの人間だ!それを殺そうとする時点であなたは間違っている!集え、世界の願い!」
雅はコールし、アギトの世界のワールドホープが完成する。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER AGITΩ-】
雅はアギトの世界のワールドホープを発動する。すると、
「っぐ、私に何をした!」
闇の青年は苦しみ出す。
「大方、あなたが津上さん達から奪った光の欠片が、反抗しているんだろう。」
「馬鹿な!彼らは望んでいるというのか!人間とアギトは共存できない!できるわけがない!」
「それはあなたの願望だ!こうして、アギトと共存している人だっている!あなたは現実から目を背けているだけだ!津上さん、葦原さん、木野さん!もう手を伸ばせば届く距離です!後は、手を伸ばせば!」
雅が言うと、翔一達は手を伸ばし、掴み取る。己が望むもの、アギトの力を。
「皆さん、行けますか?」
雅は質問する。
「うん、大丈夫!」
翔一は答え、変身ベルトのオルタリングを出現させる。
「ああ、平気だ。」
葦原も答え、変身ベルトのメタファクターを出現させる。
「俺も、問題ない。」
木野も、変身ベルトのアンクポイントを出現させる。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅達は変身する。
「氷川さん、ありがとう御座います。後は僕達に任せて下さい。」
ディロードはG3-Xにそう告げるとロードスラスターを手にヘッジホッグロードに向かう。そして、四人のライダーは初めて共闘したとは思えない連携でヘッジホッグロードを攻撃してゆく。
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードは一歩引き、ロードスラスターにブラストのアタックライドスキャン。徹甲弾でヘッジホッグロードを攻撃する。
「皆さん、今です!決めて下さい!」
ディロードはアギト達に呼びかける。
「はい!」
アギト達はその声を聞き、エネルギーを溜める。そして、アギトのグランドキックとアナザーアギトのアサルトキックが炸裂し、ヘッジホッグロードが立ち上がった瞬間にエクシードギルスのダブルヒールクロウが放たれ、ヘッジホッグロードは光輪が出現し、撃破される。
「馬鹿な。人間が私に歯向かうなんて!」
闇の青年は驚いているばかりであった。そして、ヘッジホッグロードが倒されたことを知ると、去っていった。
「氷川さん、大丈夫でしたか。」
雅は氷川に近づくが、
「君、事情はわからないけど、君は銃器を持っていた。君には署まで来てもらいたい。」
氷川は警視庁の人間として雅を逮捕しようとする。しかし、
「いいえ、そういうわけにもいかないので、ここでお別れとさせていただきます。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのアタックライドで戻っていった。

「何とか助かった…」
雅は入り口でため息をつく。まさか、いきなり銃刀法違反で逮捕されそうになるとは誰も思わないだろう。
「ただいま!」
雅は帰宅すると目の前の光景に驚いた。何故なら、そこには芽キャベツの装飾が施されたケーキが1ホール置いてあったからだ。
「誰、これを用意したのは?」
雅は質問する。
「わたくしと梨花の二人で作りましたのよ。」
「沙都子が、日頃戦っている雅に何かしたいって言っていたから、フェイトに頼んで創作料理の検索をしてもらったの。」
雅の質問に、沙都子と梨花が答える。
「…そうか。」
雅は、そう言うしか無かった。
「どうしたの雅?」
フェイトは雅に質問する。
「いや、そのケーキは…アギトに変身する津上さんが考えたメニューなんだ…」
雅は質問に答える。
「アギトに変身する方って、とても家庭的なんですね…」
その答えに圭一も固まりながら感想を言った。
「そのケーキが出来た時の話だけどな、津上さんは居候先の子供の芽キャベツ嫌いを直す為に模索して、そのケーキを作ったんだが、その時津上さんはアンノウンの毒で余命僅かって時に作った挙げ句、みんなが心配する中、ケーキの食べ過ぎで体重が増えたって笑っていた時のケーキなんだ…」
雅が説明すると、流石にみんな笑うしか無かった。
「さて、せっかく作ってもらったことだし、みんなで食べようか。」
雅は慣れた手つきで五等分し切り分ける。
「それでは、いただきます。」
雅達は芽キャベツケーキを食べた。因みに、感想は、
「健康的な味だね…」
であった。

芽キャベツケーキを食べ終え、一段落していると、
【SOUL RIDE-KAMEN RIDER AGITΩ-】
アギトの世界のソウルライドが発動される。
「雅君、助けてくれてありがとう。俺達の分も頑張れ。」
「凪風君、逃げたね。次あったら銃刀法違反の容疑で逮捕するからね。」
「とりあえず、済まなかった。」
「君、隠し事を一つしたか?俺の勘違いならいいのだが。」
雅は役目を終え、アギトの世界との繋がりは絶たれた。
「雅、隠し事って本当?」
「ああ、木野さんはあの戦いの後、戦闘前にアンノウンから受けた傷が致命傷となってその命を落とす。そして、形は違えど、それは実行された。」
「じゃあ…」
「今頃、木野さんはその命を終わらせているだろう。とにかく、僕の旅は幸せな事ばかりではない。こうやって、死なないといけない命を死なせるのも、僕の役目だ。さて、次の世界は、仮面ライダークウガの世界。平成の最初の仮面ライダーの世界だ。」
絵巻には、黒い戦士と白い戦士が吹雪の中で燃えあがりながら殴り合う絵が書かれていた。

少し戻ってアギトの世界の話。
自身が住むマンションの部屋に戻った木野はソファにくつろぎ、
「浩二、コーヒーを淹れてくれ。」
共に住み、ギルスに自身のアギトの力を託した青年、真島浩二にコーヒーを淹れるように頼む。
「はいっ!」
真島は元気よく返事をしてキッチンに向かう。
(思った通り、彼は嘘をついていたか。なるほど、俺の死に関して、あの場で言う訳にもいかないから、黙っていたわけか。その気持ち、今ならわかるな。)
木野は一人思っていると、
「木野さん、俺、医者を目指す事にしました!それで、木野さんみたいな立派な医者になります!」
真島が話しかけた。
「そうか。お前ならきっとなれる。」
木野はそう言い、目を閉じる。
「本当ですか!ありがとうございます!」
真島は喜びながらコーヒーを持って来る。そして、
「木野さん、コーヒーできました。…木野さん?…ッ!」
既に木野は、その命を終えいた。しかし、その顔は何故か晴れやかであった。それもそのはず。彼は、最後に死に別れた弟と一緒に雪山を登り切る夢を見ていたのだから…
to be continued


次回、仮面ライダーディロード
復活した0号を相手に戦う雅と雄介。そして、目覚めるはずの無い力。次回『雷神』目覚めよ、その魂! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーファイズ:ファイズを召喚するカード。
仮面ライダーゼロノス:ゼロノスを召喚するカード。
仮面ライダーアギト(ワールドホープ):アギトの世界のワールドホープ。翔一達がアギトの力を取り戻す。 

 

27話『雷神』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
闇の青年によって奪われたアギトの力を、雅達は協力して取り戻すことに成功した。

古手神社宝物庫
-am8:00-
「もう、10の世界を救ったのか…」
「ううん、私の世界と圭一達の世界を含めると12だよ。」
「いや、圭一達の世界も、フェイトの世界もまだ救えていない。僕の旅はまだまだこれからだよ。」
雅とフェイトが話していると、
「今度の世界は、どんな世界なんですか?」
圭一が質問する。
「今いるこの仮面ライダークウガの世界は、平成ライダーの始まりの世界で、この世界はアギトの世界に繋がっている。」
「そう言えば、アギトの世界でそんなことを言っていましたね。」
「ああ。この世界の怪人、戦闘民族のグロンギは己にあるルールを敷いて、それに合わせて人を殺して楽しんでいる。」
「どうしてそんなことを!」
「グロンギにとっては命を奪うのはゲームでしかない。故に、言葉が通じても話しは通じない。そして、グロンギの殺人ゲームはグロンギの位が上がれば上がるほどより残虐性を増してきた。それでも、クウガは人々の笑顔を護る為に戦い続けて、ついにグロンギの王、ダグバを倒した…はずだった。」
「…もしかして!?」
雅の説明でフェイトは勘づく。
「ああ。世界の歪みはここ。ダグバが復活した。ダグバの霊石にはクウガの霊石と同等以上の回復能力があり、ダグバはそれで復活した。僕の役目は、クウガと一緒にダグバを完全に倒すことだ。こうしてはいられない。もしかしたらこうしている間にもダグバによる被害が出ているかもしれない。行って来る。」
「待って!私も行く!」
雅が出ようとすると、フェイトは共に出ようとするが、
「フェイト、ダグバは危険な相手だ。僕だって、かつてダグバとの戦いで何度も命を落としている。」
「なら、尚更!」
「そういうわけにもいかない。ダグバの力は桁違いだ。それに、フェイトを失うわけにもいかない。今、なのはの世界はフェイトが支えている。そのフェイトが消えれば、手遅れとなる。だから、耐えてくれ。それよりも、ダグバの手から逃れたグロンギが来てもいいように、圭一達を見守っていてくれ。」
「…わかった。行ってらっしゃい。」
「行って来る。」
雅は説得し、フェイトは納得した。


喫茶店ポレポレ
-am8:25-
雅はクウガに変身する五代雄介の活動拠点である喫茶店に行き、雄介がいないか探そうとする。
「いらっしゃいませ。オリエンタルな、味と香りのポレポレにようこそ。」
雅が入ると、店主が挨拶をし、雅はスーツ姿の男性の隣に座る。すると、
「もしかして、君が凪風雅か?」
男性は雅に質問する。
「どこでそのことを?」
雅は質問で返す。
「鳴滝という男が言っていた。これから未確認の王、0号が復活する。それに合わせて0号を倒す為に私と同様に異なる次元から戦士がやってくる。共に戦ってくれ。と。」
「鳴滝が!?はい、僕が凪風雅です。一条薫さん。」
「俺を知っているなら話は早い。五代ともここで落ち合う話になっている。直に来るはずだ。」
一条は説明する。
「なんだい、刑事さんの知り合いかい?」
「ええ、今起きている未確認の事件の捜査協力者です。」
店主、飾玉三郎の質問に一条は答える。すると、
「一条さん、0号が復活したって本当ですかっ!」
雄介が慌てるように入ってくる。
「おう、雄介。おかえり。」
店主は雄介に挨拶する。
「ただいま!それで、一条さん、その子は?」
「彼が、今回の協力者の─」
「凪風雅です、よろしくお願いします。4号、いいえ、クウガ。」
雅は手を出す。
「一条さん、本当に大丈夫なんですか?」
雄介は小声で一条に質問する。
「ああ、彼に任せても大丈夫だろう。五代の居場所で真っ先にここに来ないでわかば保育園を経由してここに来たらしいからな。」
一条も雄介に小声で答える。
「それじゃあ、大丈夫ですね。雅君、これ。」
雄介は雅と握手を交わし、『2012の技を持つ男』と書かれた名刺を雅に渡す。
「五代、凪風、急ぐぞ。0号が動きを見せた。」
「わかりました。急ごう。」
「はい。」
一条の言葉で雄介と雅も動き、ダグバの出現地点に向かう。

警視庁前
-am9:05-
雅達が着くと、既に何十という警官が被害にあっていた。
「ようやく来てくれた。ボクを楽しませてよ。」
表情は見えないが、ダグバは嬉しそうに雄介に話す。
「雅君、行こう。変身!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに、雄介は黒の金のクウガ、アメイジングマイティに変身する。
「今回は二人が相手か。なかなか楽しめそうだ!」
ダグバは無邪気な声で手を翳す。
「やばい!」
ディロードはダグバの視界に入らない位置へ回避すると、ディロードが動いていた場所がプラズマ発火を起こす。
「これでは迂闊に近づけない!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードは車の影に隠れてロードスラスターにブラストのアタックライドをスキャンし、
「これなら!」
追尾弾をダグバに放つが、
「そこにいたんだ!」
ダグバはクウガの攻撃を軽々と受け止めながら射撃の後で隙が出来たディロードをプラズマ発火させる。
「グアァァァッ!」
ディロードは車の影から出てもがき苦しむ。
「じゃあ、いくよ!」
ダグバは右手に暗黒のエネルギーを集めてディロードに向かって走り、そのままディロードを何発も殴る。防御の堅いディロードといえど、ダグバのパンチに何発も耐えられるわけもなく、その場で変身が解除されてしまう。
「雅君!」
クウガは雅がダグバの攻撃を受けないようにダグバに攻撃しようとするが、プラズマ発火によって、止められてしまい、
「もっと本気を出して、ボクを楽しませてよ。」
ダグバはクウガの脚を掴み、地面に叩き付けて変身を解除させる。
「五代さん、ここは一旦隠れて、対策を考えましょう。」
【-BLAST-】
雅はロードスラスターからガス弾を放ち、一条のいる所へ逃げる。
「一条さん、0号かなり強くなっています。俺も雅君も、なんとかここに着くのがやっとでした。」
「そうか。凪風、何か打開策はあるのか?」
「はい。五代さん、一条さん、これを受け取って下さい。」
雅は白紙のカードを渡す。
「これは?」
雄介は質問する。
「それは、この世界の希望を紡ぐ為の鍵です。それに、願いを込めて下さい。後は、世界が帳尻を合わせます。」
雅は説明する。
「一条さん、やりましょう。」
「ああ。」
雄介と一条は白紙のカードに願いを込める。
「今だ!集え、世界の願い!」
雅は自身が持つ白紙のカードを掲げ、願いを集約させ、クウガの世界のワールドホープを完成させる。そして、そのタイミングでダグバがやってくる。
「ようやく見つけたよ。さあ、ゲームの続きをしよう。」
「ダグバ、もうゲームは終わりだ!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER
KUGA-】
雅はクウガの世界のワールドホープを発動する。すると、辺りは黒雲に覆われ、雄介は雷に打たれる。
「五代!」
一条は叫ぶ。
「一条さん、大丈夫です。雅君、ありがとう。超、変身!」
雄介はクウガに変身する。しかし、そのクウガの姿は雄介では絶対に成り得ない姿、ライジングアルティメットであった。
「面白い。最高に面白いよ!」
ダグバは嬉しそうに走って行く。そして、クウガを殴り飛ばそうとするが、クウガはその拳を受け止める。
「そうでなくちゃ、楽しみ甲斐が無いよ!」
ダグバは殴られながら言う。
「俺はちっとも楽しく無い!」
クウガは殴る。
「なんで、命を奪って!」
更に殴る。
「みんなの笑顔を奪って!」
殴り続ける。
「それで楽しいんだ!自分が同じ目にあっても、同じことが言えるの?!」
そして、フィニッシュと言わんばかりに殴り飛ばす。
「ボク達は楽しいさ。それがボク達と、君達リントとの差さ!埋められるわけも無い!」
ダグバは再びクウガを殴ろうとするが、クウガによって再び抑えこまれ、殴り飛ばされ、間合いが出来る。
「俺は終わらせる!こんな悲しいだけのことは」
クウガは右脚にエネルギーを溜めて走り、跳び上がり、必殺技のライジングアルティメットキックをダグバに放つ。ダグバはその攻撃を受け止めきれず、直撃を受けて蹴り飛ばされる。
「やっぱり、君とは最高のゲームが出来る。ボクは満足だ!」
ダグバはそう言って爆散し、撃破される。クウガは雅達の方を振り向き、親指を上に立てる。
「一条さん、雅君。俺、やりました!」
雄介は変身を解除する。すると、海東が現れ、ダグバの霊石を拾い上げる。
「グロンギの王が使っていた霊石。このお宝は僕が頂く。」
「待て!」
雅は呼び止めるが、
「待たない。」
海東は次元のオーロラを通って去ってしまう。
「今の男は?」
一条は雅に質問する。
「彼は海東大樹という男で、様々な世界の秘宝を狙うトレジャーハンター。言わば世界クラスの泥棒です。」
「詳しいな。」
「僕も追っていますから。では、僕はそろそろこの世界から出ていかないと。」
「あの男を追う為か?」
「それだけではありません。世界が安定した中で僕が居れば、僕自身が歪みとなります。そうなる前に、僕は去らせていただきます。それに、僕の救いを求めている世界は沢山ありますから。」
雅は礼をして去って行く。
「ついにオリジナルの世界にまでディケイドの影響が…これは私もなり振りかまっていられないな。」
鳴滝は、物陰から雅達を観て、雅がクウガの世界から去るのを確認すると、ディケイドライバーを見ながら次元のオーロラを通っていった。

古手神社宝物庫
-am10:37-
【SOUL RIDE-KAMEN RIDER KUGA-】
クウガの世界から戻り、雅は座ると即座にソウルライドが発動される。
「五代をサポートしてくれてありがとう。」
「一条さん素っ気無すぎですよ。そうそう、この前アフリカのある地域に行った時にパンツを旗みたいにしている旅の人と出会って、話が弾んだんだよ。それじゃ、雅君も旅、頑張ってね。」
ソウルライドが終わると、雅はフェイト達を前に姿勢を正して話し始める。
「みんな、次が僕達が回る平成最後の仮面ライダー、フォーゼの世界だ。気を抜かずに頑張ろう。」
絵巻には、月面に設置された基地が描かれていた。

つ づ く

次回、仮面ライダーディロード
天の川学園に転校した雅。友情を最優先に思う弦太朗に雅は試練を出す。そして、ディロードの新たな力が覚醒する。次回『究・極・集・結』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダークウガ(ワールドホープ):クウガの世界のワールドホープ。クウガが一時的にライジングアルティメットに変身する。 

 

第28話『究・極・集・結』

前回の、仮面ライダーディロードは─
クウガの世界を救う為に奮闘した雅。その光景を、鳴滝は影から観ていた。

宇宙、無限のコズミックエナジーを秘めた、神秘の世界。若者達は、アストロスイッチでその扉を開き、未来を作る。Space on your hand!その手で、宇宙を掴め!

「とうとう、この世界に着いたか…」
「雅、どうしたの?」
「いや、この世界にはそんなに長く居たくないんだ。」
「何かあったの?」
「いや、個人的な理由からだから深くは聞かないでほしい。この、仮面ライダーフォーゼの世界は、僕の知っている最新の仮面ライダーの世界で、天の川学園という学園にある日、一人の不良生徒が転校生としてやってくるのだが、それと同時期に生徒があるスイッチを押して怪物、ゾディアーツに変身して暴れだす。その転校生、如月弦太朗はクラスメイトから変身ベルトを借り受けて仮面ライダーフォーゼとなり、ゾディアーツに変身した生徒を更生させて仲良くなってゆく世界だ。」
「確かに、今までの世界とは何か違う。」
「さて、僕のこの世界での役目は天の川学園の転校生だ。今から学校に行って来る。フェイト達には、留守を頼みたい。」
「わかった。行ってらっしゃい。」
「行って来る。」
雅は、天の川学園に向かった。

「失礼します。本日より転校します凪風です。園田先生はいらっしゃいますか?」
天の川学園の職員室に着いた雅はゾディアーツの幹部で、担任の園田先生に話しに行く。
「あなたが凪風君ね。丁度ホームルームの時間ですから、一緒に行きましょう。」
「わかりました。失礼しました。」
雅は先に出て、少し待っていると、日誌を持って園田先生が出てくる。雅は案内してもらう為に園田先生に先に行ってもらう。そして、教室に着くと園田先生は先に入る。
「先日の如月君に続いて、本日よりこの学園に一人、転校生がやって来ます。凪風君、入って大丈夫です。」
園田先生の確認を取り、雅は入る。そして、黒板に名前を書き、
「本日より、この天の川学園に御世話に成ります、凪風雅です。皆さん、よろしくお願いします。」
雅は礼をすると、
「お前、雅っていうんだっ?!俺は如月弦太朗、この学校の奴全員とダチになる男だ!」
フォーゼに変身する青年、如月弦太朗は自己紹介をして、握手をしてくれと言わんばかりに右手を出すが、
「確かに僕はお願いしますとは言いましたが、そうそう意味ではありません。園田先生、僕の席は?」
雅は弦太朗の行動をものともせず園田先生に質問する。
「あの奥の席で大丈夫ですか?」
「問題ありません。」
雅は指定された席に着席する。
「それでは、一限目は英語なので、各自準備をしておいて下さい。先生は教材を取りに行ってきます。」
園田先生は一度教室を出る。雅は一限目が始まるまで本を読もうと思い、鞄から本を取り出してしおりを挟んでいるページを開くと、弦太朗がやってくる。
「雅、さっきのあれはなんだよ。」
「如月君、馴れ馴れしいです。人が本を読もうとしているのに邪魔しないで下さい。」
「そんなの後でもいいだろ。俺の質問に答えろよ。」
雅は本を閉じる。
「僕が一番信用出来ない言葉を教える。それは友情だ。仲良く遊んで楽しむのは勝手だけど、友を持つと、人は心が弱くなり、すぐ頼り、堕落する。そして、その友人とやらは何の責任も取らない。確かに幼少期の交友関係は大切だ。でも、この歳になればそうは行かない。友情なんて幻影、夢幻(ゆめまぼろし)。もう授業が始まるから邪魔しないでほしい。人の読書の時間を潰してまで話しかけてくれてありがとう。」
雅は皮肉を込めて言うが、
「おう。また休み時間に話そうぜ!」
弦太朗は理解していなかった。
雅は英語の教科書とノートを取り出す。それと同時に始業のチャイムが鳴り、園田先生が入ってくる。
「如月君、また着席していませんね。それでは、57ページを開いて下さい。」
そのまま英語の授業は進んで行く。

授業が終わり、雅は弦太朗に絡まれないように即座に教室を出て、廊下を歩いている。すると、三体のゾディアーツが生徒を襲っていた。
「この位置なら行けるな。」
雅は窓を開けて飛び降りて着地する。そして、ゾディアーツのいる所に向かった。

「その星座の並び、蛇座─スネークに盾座─シルト、子馬座─エクレウスか。」
【CHANGE RIDE-KIVATT BELT-】
雅はディロードライバーをキバットベルトに変えて、キバットバットⅢ世に左手を噛ませる。
「変身!」
雅は仮面ライダーキバに変身する。
「さて、一気に片付けるか。」
「ドッガハンマー!」
キバはドッガフエッスルで鉄鎚型の武器、ドッガハンマーを召喚して豪腕なドッガフオームに変身する。そして、その力で力任せにドッガハンマーを振りかざしてシルトゾディアーツを攻撃する。
「グァッ!」
キバの攻撃にシルトゾディアーツはよろめく。すると、
「大丈夫か、ザフィー!」
「私達を忘れるな!」
エクレウスゾディアーツは馬の頭部を模したハンマーを、スネークゾディアーツは蛇型の鞭を手にしてキバを攻撃するが、キバはドッガハンマーを振りかざして受け止める。
「まずはシルトゾディアーツから倒そう。」
「ドッガバイト!」
キバは必殺技を発動。キバの周りを新月の夜空が覆いキバはドッガハンマーの拳状の鎚を開いて、中から巨大な瞳が出現する。
「シグナム、ヴィータ、後ろに隠れろ!」
シルトゾディアーツは他の二人に指示を出して後ろに避難させるが、ドッガハンマーの瞳を見てしまったシルトゾディアーツは動きを封じられてしまう。キバはドッガハンマーから巨大なエネルギーを出現させて、それを勢いよく振り下ろす必殺技、ドッガ・サンダースラップを放ち、シルトゾディアーツの変身を解除させる。
「次はお前達だ!」
「バッシャーマグナム!」
キバは拳銃型の武器、バッシャーマグナムを召喚して、バッシャーフオームに変身する。
「はっ!」
キバは適格な弾道で二体のゾディアーツの最輝星を狙い撃つ。すると、エクレウスゾディアーツの最輝星は粉砕されて、変身が解除させる。
「これで終わりだ!」
「バッシャーバイト!」
キバは必殺技を発動。キバの周りを半月の夜空が覆う。そして、キバは敵の動きを止める弾を放ちスネークゾディアーツの動きを止める。そして、
「そこだ!」
スネークゾディアーツの最輝星を叩き、必殺技のバッシャー・アクアトルネードが炸裂し、スネークゾディアーツの変身も解除させる。
「大丈夫か?一旦退くぞ!」
シルトゾディアーツに変身していた青年は二人の女子生徒を抱えて去っていった。
「さて、そろそろ次の授業が始まるな。」
雅は変身を解除し、教室に戻って授業を受ける。その日はゾディアーツがこれ以上現れることなく、放課後となる。

放課後、弦太朗達は使われていないある教室に入り、ロッカーを開く。そして、その中のワープドライブシステムを通り抜ける。
「よ、ジェイク。雅のこと、わかったか?」
弦太朗はワープドライブシステムの先にある月面基地、ラビットハッチに着くと後輩の神宮海蔵に雅のことを調べてもらっていた。
「弦太朗さん。あれは大変ですよ。凪風雅。IQは210、運動神経は抜群。この学校に転校したことが不思議に思えるほどですよ。成績だけは。」
「どうした?」
「彼、小学校のころから虐めにあっていまして、中学時代に精神科に通って、対人恐怖症を治そうとしたほどですよ。」
海蔵は雅に関するレポートを弦太朗に出す。
「なんで!こんなすげえ奴なのに!」
弦太朗は驚くが、
「当たり前だ。それが人間の本質。自分より上の成績の人間を妬み、憎しむ心だ。」
雅はラビットハッチに入りそう言った。
「雅、なんでここに!」
弦太朗は驚くが、
「跡を付けられていることに気づかなかったのか?それでも仮面ライダーか?」
雅は質問する。
「なんでそのことを!」
「知らないと思うか?ここまで来ていて。その様子では、一限目が終わった休み時間にゾディアーツがいたことも知らないようだな。」
「マジで!?」
「ああ。僕の方で一度懲らしめておいた。」
雅はディロードライバーを見せながら言う。
「あなたも、仮面ライダー?」
弦太朗の協力者の一人、野座間友子は雅に質問する。
「そう。僕は仮面ライダーディロード。この学園のゾディアーツ事件を終わらせる為に来た。」
「それなら、俺達はダチじゃねぇか。」
「そんな軽く言われても、僕には届かない。それより、明日までに課題を出したい。僕と友達になりたいんだったら、今までの友人全てを捨てろ。そうすれば、僕はきっと君と友達になる。期限は明日の放課後までだ。それじゃあ、僕は帰って夕食の準備をしないといけないからこれで、失礼。」
雅はそう言ってラビットハッチから出て行く。
「如月、気にする必要はない。」
フォーゼドライバー及びラビットハッチの提供者である歌星賢吾は弦太朗に言うが、
「いいや、あいつを絶対ダチにしてみせる!」
弦太朗はそう言うとレポートを読みながら考え事をする。

雅は帰ろうとすると、今朝ゾディアーツに変身した三人が現れる。
「我々が全能部に居られる最後のチャンスだ。消えてもらう!」
「その前に、名前を教えてほしい。理由も知らず、名前も知らない人から襲われるのは心外でね。」
「ならば名乗ろう。俺は全国柔道高校生大会優勝者、狼騎(ろうき)ザフィーラ!」
「弓道全国大会優勝者、夜霧(よきり)シグナム!」
「全国ゲートボール大会優勝者、鉄ヴィータ!」
雅はその名前を聞き、
(もしかして、ヴォルケンリッター達のパラレルワールドの姿か?それならある程度対策が取れる。)
そう思う。
「では、行くぞ!」
全能部の部員達はゾディアーツスイッチを出す。
《ラストワン…》
ゾディアーツスイッチには使用制限があり、ラストワンになって起動すると、スイッチから構築された肉体に魂が入り、人の肉体は昏睡状態に陥る。しかし、全能部の部員達はものともせずスイッチを押してゾディアーツに変身する。
「仕方がない。弦太朗達の代わりに僕が戦うしかない!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、ロードスラスターを持ってゾディアーツに挑む。
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはスラッシュのアタックライドを使ってロードスラスターの刃を増やしてゾディアーツ達を攻撃してゆく。
「我々は三人、なのにどうして圧されている!」
スネークゾディアーツはたじろぐ。しかし、
「こちらは忙しいんだ。早く終わらせる!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「セェイッ!」
ディロードは必殺技のディメンションインフェルノでゾディアーツ達を撃破し、スイッチの起動を解除。三人は気絶する。
「さて、事情を聞くためにも、待つか。」
雅が近づこうとすると、
「その必要はありませんよ。」
着物姿の女子生徒が現れ、雅の前に立つ。
「君が、その全能部とかいうのをまとめているのかな?」
雅はロードスラスターを持ちながら女子生徒に聞く。
「はい。全能部部長、神流(かんな)はやてと申します。それでは、本日はこの辺りで。」
はやてはそう言うと、三人を持ち上げて去っていった。
「さて、僕も帰るか。」
その姿を見て、雅も帰る。

「ただいま。」
「今日の雅、様子がおかしかったけど、大丈夫?」
雅のリンカーコアを基にした探索魔法で雅の動きを見ていたフェイトは雅に質問する。
「何が?」
「だって雅、普段ならすぐ協力を求めるのに、今回は普段と違う。」
「僕だって、世界によって動き方は変える。それに、今回はちょっと感情的になっていた。明日のために落ち着きたい。お茶を淹れたい。」
「大丈夫、もう淹れてあるよ。」
フェイトは、ほうじ茶を雅に渡す。
「ありがとう。とりあえず、夕食の準備を始めるか。野菜はどの程度ある?」
「今キャベツがありませんわ。」
雅の質問に沙都子が答える。
「それ以外がこれだけあるなら、今日は煮物にするか。じゃあ、今から作り始めるよ。」
雅は夕食を作り、そのまま食べて、翌日に備えるためにすぐ眠りについた。

翌日、ゾディアーツは一切現れず、放課後を迎える。
「如月君、答えを聞きたい。」
雅は弦太朗に質問する。
「答えは決まっている。雅、俺はダチを捨てない!」
「それは、僕と友達になる気が無いと受け取っていいのかな?」
「いいや。その必要が無いってことだ!何故なら雅、お前は既に友達だからだ!」
弦太朗は、小学校の頃の寄せ書きを見せる。その中には、確かに凪風雅の名前が入っていた。
「悪い、雅。久しぶりでお前のことを忘れていた。ゴメン!」
「よくわかった。合格だ。」
雅は右手を出す。そして、弦太朗と握手を交わし、
「仮面ライダー部、隠れていないで出て来てほしい。重要な話があります。」
雅が言うと、教室の色々な所から仮面ライダー部のメンバーが現れる。
「話というのは、僕は昨日ゾディアーツと戦ったが、そいつらは自分たちの事を全能部と言っていた。何か知りませんか?」
雅は尋ねる。すると、
「それ、ヤバい奴らッスよ。」
海蔵が答える。
「全能部。ありとあらゆるジャンルのプロを集めた同好会で、リーダーの神流はやてを崇めているカルト教団まがいの集団って話で有名ですよ。」
海蔵が話していると、
「その通りです。よくお調べになられましたね。時に、凪風さん。昨日はご挨拶だけでしたが、今日は獲りに行きますよ、あなたのその首。」
《ラストワン…》
はやてはゾディアーツスイッチを押して、カシオペアゾディアーツに変身する。
「いきなりか。ここでは学校に被害が出る。外へ移す。」
雅は外へ出る。
「それじゃあ、お望み通り、始めるか!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
[three two one…]
「「変身!」」
雅はディロードに、弦太朗はフォーゼに変身する。
「宇宙、キターーッ!仮面ライダーフォーゼ、今回はタッグでやらせてもらうぜ!」
フォーゼは決めポーズをとるが、ディロードは見向きもせずロードスラスターを構えてカシオペアゾディアーツと戦っていた。
「おい、無視するな!」
[ガトリング オン]
フォーゼはガトリングモジュールを右脚に装備してカシオペアゾディアーツを攻撃する。すると、まるで脆いガラス細工かのようにカシオペアゾディアーツはあっさりと倒されてしまい、はやては意識を取り戻す。しかし、その手にはゾディアーツスイッチが握られたままだった。
「何ッ!まさか!」
ディロードは驚く。
「その通りです。倒してもらうことが目的でした。これで、私は更なる高みへ!」
はやてのゾディアーツスイッチは紫色の禍々しいスイッチに変化し、スイッチを押すと、先程とは別のゾディアーツに変身した。
「あの星座…気をつけろ!あれは蛇遣い座、オヒュークスゾディアーツだ!」
賢吾はディロード達に警告するが、
「遅いですわ。」
オヒュークスゾディアーツは地面から大量の蛇を出現させてディロード達を攻撃する。
「これはヤバい。弦太朗さん、皆さん、このカードに願いを込めて下さい!」
ディロードは白紙のカードを仮面ライダー部のメンバーに渡す。そして、
「集え、世界の願い!」
フォーゼの世界のワールドホープを完成させる。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER FOURZE-】
ディロードがフォーゼのワールドホープを発動すると、その手に小型端末が出現する。
「これは…ディロード用のケータッチ!これなら!」
ディロードはライトケータッチを起動させて、アイコンを押してゆく。
【KUGA AGITO RYUKI FAIZ BLADE HIBIKI KABUTO DEN-O KIVA FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
ディロードはライトケータッチの起動を確認すると、ディロードライバーに装着し、コンプリートフォーム サイドライトにパワーアップ。更に、一度ケータッチを取り外し、ディロードのアイコンを二度クリックする。
【OOO】
そして、cと書かれたアイコンをクリックする。
【KAMEN RIDE SUPER TATOBA】
ディロードが再びケータッチを装着すると、仮面ライダーオーズ スーパータトバコンボが現れ、オヒュークスゾディアーツの蛇を切り裂いてゆく。
「今だ!」
【WORLD ATTACK RIDE-KAMEN RIDER FOURZE-】
ディロードはフォーゼの世界のワールドアタックライドをスキャン。フォーゼの手に、二つのスイッチが現れ、フォーゼは右腕用と左脚用のスイッチを入れ換えて、起動させる。
[フォーゼ オン ディロード オン]
すると、フォーゼとディロードの右腕にフォーゼを模したフォーゼモジュールが、左脚にディロードを模したディロードモジュールが出現する。
「自分の右腕に自分の顔って気持ち悪いな!」
「左脚に自分の顔があるよりマシだ。行くぞ!」
「ああ!」
ディロードとフォーゼはジャンプし、
「「ダブルライダーディメンションロケットキック!」」
必殺技を叫んでオヒュークスゾディアーツに放ち、撃破する。
「このスイッチは危険だ。」
ディロードはそう言うと、蛇遣い座のホロスコープススイッチを粉砕する。
「僕はこれから、他の人たちを救わないといけない。皆さんとは、これでお別れです。」
雅はそう言うと、礼をして去っていった。

「さて、これで全ての平成ライダーの世界を救った。次は昭和ライダーの原点の世界、『仮面ライダー』の世界のはずだけど、隣の絵は一体?」
雅は絵巻を広げて不思議に思う。そこには、鷲のマークが施された基地の絵と、四人組の女子高校生の絵が描かれていた。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
雅が語る己の過去。これは物語から外れた断章。次回、『風の断章 凪風雅という男』青春スイッチ、オン! 
 

 
後書き
ディロード コンプリートフォーム サイドライト
基礎能力に変化なし
ディロードがライトケータッチを使って変身したディロードの強化形態。ケータッチ同様ライダーのアイコンをタッチして最強形態を召喚出来るが、ダブル、オーズ、フォーゼのみ、ディロードのアイコンのタッチ回数で変動する。

新カード紹介
キバットベルト:ディロードライバーをキバットベルトに変えて仮面ライダーキバに変身するためのカード。
仮面ライダーフォーゼ(ワールドホープ):フォーゼの世界のワールドホープ。ディロードにライトケータッチを与える。
仮面ライダーフォーゼ(ワールドアタックライド):フォーゼとディロードに二人のモジュールを装備させて同時キックを放つ。


正直、敵の変身前に関しては考えるのが面倒だったので、はやて達のパラレルワールドの姿ってことにしちゃいました。 

 

風の断章 凪風雅という男

これは、チームディロードがフォーゼの世界にいた頃の話。
「雅、雅の世界って、どんな感じの世界だったの?」
食事中、フェイトは雅に質問した。
「…どうして、そんなことを?」
雅は箸を止め、フェイトに尋ねる。
「雅は、私達の世界を調べて、知っている状態で世界を回っている。」
「うん。」
「でも、私達は雅の住んでいた世界も、雅の事もよく知らない。だから、教えてほしいんだ。」
フェイトは質問の理由を話す。
「確かに、俺も興味あります。」
フェイトの話に、圭一も賛同する。
「…あまり、楽しい話は聞けない。きっと、気分を害すると思う。それでも、いい?」
雅は質問する。
「うん。何があっても、それは目を背けちゃいけないことだから。」
「やっぱり、フェイトは変わらないな。かつて、共に行動していた時にも、同じ質問をして、同じ理由を言っていた。だから言える。今からする僕の身の上話、しっかり聴いてほしい。」
雅はそう前付けして、話し出す。
「僕の世界は、ある都市伝説を除けば、圭一達の世界とほとんど変わらない、みんなが普通に暮らしていて、何かに脅えることもない、そんな世界。ただ、武術家はその身そのものが一つの凶器だから、一切の自衛が行えない法律さえ無ければ。」
雅は呼吸を整える。
「ジェイクが調べた資料に、僕は学生時代に虐めにあっていて、精神科に通っていたって話が出ていたよね。あれは事実なんだ。」
「どうして!」
フェイトは声を荒げる。
「僕は凪風という家を継ぐ事が決まっていて、その為に常に成績の頂点で有り続けた。それこそ、文武両道とよぶのに相応しくあるように。ただ、僕は実家の稽古がある都合上、運動部には一切入らなかった。家での稽古があるのに、運動部の活動は体に響くからね。当然、運動部の人たちは納得していなかった。どんなスポーツでも、やればキャプテン以上の成績をだす。試験の結果は常に満点。そんな奴が、自分のところに来ないのが。それで、きっかけは小学校三年生の頃だった。その頃日課にしていた休み時間の読書を終えて教室に戻ると、僕のノートは全て破かれていた。その時僕は怒ってやった奴らに殴りかかった。すると、担任の先生は僕を止めた。そして言ったんだ。『凪風君は誰かをぶっては行けません。』その言葉を聞いたクラスの子達はまるで溜め込んでいた何かが出てくるかのように、翌日から色々なことをしてきた。上履きが引き裂けているなんてかわいい方。砂を口に詰められた事もあった。理由は一つ。気に入らないから。それで、僕が反撃出来ない話はあっという間に広まって、中学に入ってからは悪辣なのが増えていった。階段の上から突き飛ばされるなんて日常茶飯事、ひどい時にはボロボロな机と椅子で授業を受けた事もあった。それでも、またいつもか、って思って耐えられた。そんな僕にも、味方は出来た。その子は僕ほどではないけど、虐めにあっていてね、強くあろうとする僕と仲良くなりたいって言ってくれた。その時は僕も気が滅入っていて、喜んでいた。でも、それは僕を苦しめる罠だった。彼は、ある日僕を虐めていたグループのリーダー達を連れてきて言ったんだ。『今すぐ凪風流なんて辞めちまえ』って。僕は理解が出来なかった。彼には色々してあげた。勉強だって教えた。スポーツのコツだって教えた。でも、それは僕を利用する為の演技でしかなかった。そして、彼は言った。『先生に言ったって無駄だ。俺達の後ろには先生が付いている。逆にお前が他の生徒に暴力を振るっているってことにすることも出来る。』って。それでも、僕は必死凪風流を捨てなかった。その翌日から虐めは更にエスカレートしていった。その時に思ったんだ。甘い言葉で近づく人は僕を利用し、最後には裏切って捨てるんだって。でも僕は家族の前で口にはしなかった。しなかったけど、家族以外とは、それこそ凪風流の門下生とも会話ができなくてはなっている僕を見て母上は僕を精神科に連れて行った。結果は報われず、僕の対人恐怖症が治る事はなかった。そのうちに、この世界そのものが、人と人とを争わせる為にあるのではないかと思いながら、高校に入った。高校には中学までの知った顔の生徒はいなかった。でも、逆にそれが怖かった。どうして僕に話しかけてくるのだろう?また僕を利用するつもりなのか?そんな風に考えていたある日、僕はある都市伝説を耳にした。『6月の新月の深夜に月に鏡を当てると冥界の門が開けて悪魔が現れ、願い事を叶えてくれる』って。僕は願った。こんな怖い世界から出て行きたい。その一心で悪魔と契約し、このディロードライバーを手に入れた。ただ、その契約には代償が付いてくる。僕の場合、世界を出たいという願いだった。その代償は、僕の世界の崩壊。大ショッカーによって、僕の世界は侵食された。僕は戦ったが、一人では勝てなかった。僕は大ショッカーを倒す為に世界を旅する決意を決めた。そして、みんなと今こうしている。それが、僕の今までの歩みだ。」
雅は話し終える。雅が顔を上げると、フェイト達は泣いていた。
「みんな、どうした?」
雅は心配する。
「雅は、そんな中で頑張ってきたんだ…何も考えないで、こんなことを聞いてごめんなさい。」
フェイトは雅に謝る。
「なんで謝るんだ?僕はただ、質問に答えただけなのに…」
「当たり前ですよ!そんな辛いことを無理やり言わせちゃったんだ。フェイトちゃんの反応は当たり前ですよ、雅さん!」
事態が解っていない雅に圭一は説明する。
「辛いこと、か…確かに、最初は辛かった。実は、初めてなのはの世界に行った時、なのはとは友達って言葉一つで衝突したな…」
「そうなの?」
「ああ。僕もまだ、人を信じられなかった頃は、なのはの友達って言葉が信じられなくて、傷つけてしまったことがあった。今思うと、矛盾していると思うよ。」
「矛盾って、どうしたんですか?」
「僕がこの力、ディロードの力を望んだのは、自分の世界から逃げる為。そして、別の世界なら、本当の意味の友達が出来るかもしれない。そう思ってこの力を手に入れたのに、結局、最初の頃は積極的に協力しようとしなかった。自分一人で全て解決しようとしていた。」
「それはきっと、そこまで雅の心が、傷ついていたんだと思う。私も、母さんが絶対だった時、なのはの言葉は心に響かなかった。だから、本当に心配してくれる人の大切さに、しっかり気づけるんだと思う。」
「そうか…傷つくことが当たり前だと思っていた僕ととっては、その大切さにすら、気付けなかったのか。ありがとう、フェイト。」
雅は、フェイトに感謝の言葉を贈る。
「こんな悲しい話は終わらせて、雅さんの家族ってどんな人だったんですか?」
圭一は次の質問に移る。
「僕の家族?さっきも出たけど、僕の家系は武術『凪風流』という室町から続く防衛武術の家系で、僕は17代目の当主でもあるんだ。」
「雅、室町から続くのに、17代目だとすると、一代がすごく長くなるわ。」
梨花は雅に質問する。
「何故かはわからないが、当主になると、次の当主─つまり、自分の長男が当主の器になるまで、謎の長寿となる。きっと、血を絶やさないように天からの加護があったのだろう。それで、僕の家族構成だけど、父上の龍道と母上の藍音との間に長男として生まれて、その下に2歳下の弟の流夜、それに6歳下の妹の望実がいた。流夜以外は、僕の目の前で大ショッカーに殺され、流夜の行方は解らず終い。上手く逃げていればいいんだけど…」
雅は顔を曇らせる。
「大丈夫ですよ。きっと何時か、会えますって。」
圭一は雅に言う。
「そうか。僕の家族について話すのに、僕の流派の事は話していなかった。僕の流派、古流武術凪風流は元々農民や町の人が盗人などからその身を護れるよう護身の為に作られ、現在ではその技術が枝分かれし、世界の様々なスポーツの一部となっている。言わば体術の祖と呼ぶべき武術だ。ただ、長い歴史には、凪風流を戦闘の為に進んで使おうとする者もいた。その者達は、護りより殺しに特化した技を作り上げた。それらは、『闇風式』と呼ばれ、禁じ手となり、身に着けた者は破門にした。実は、流夜も闇風式に手を染めて、破門にされたんだ。」
「すごい…」
武術を詳しく知らないフェイトは、ただそう呟いた。
「僕の世界、僕の事、よく分かったかな?」
雅は質問する。
「はい。すごく辛い事があって、今の雅さんがあるんですね。でも、なんでそんな辛い毎日だったのに、耐えられたんですか?」
圭一は質問する。
「僕がみんなの事を知ったのは中学時代のことだった。一番辛かった時にみんなの世界を知って、思ったんだ。『この子達は、僕より辛い境遇にある。きっと、僕の住んでいる現実にも、それくらい辛い境遇の人はいるだろう。だから、僕はそういう人達を護りたい。その為に、凪風はあるんだ。』って思えたからだよ。」
雅は、圭一に説明した。すると、
「雅、これからはチームのメンバーじゃなくて、友達にならない?」
フェイトが雅に提案する。
「確かに、いい考えかも!」
圭一も賛同する。
「…みんな、いいの?僕は、友達を作っても、いいの?」
雅は真剣な顔で聴く。
「うん!もちろん。」
雅の質問にフェイトは答える。
「それじゃあ、これからはチームディロードのメンバーとしてだけじゃなく、友達としてもよろしく、フェイト、圭一、梨花、沙都子。」
雅達の絆は深まっていった。

風の断章 完
第1章終了 Go to next stage.
次回、仮面ライダーディロード
世界はついに融合を始める。平和な世界を取り戻せ、仮面ライダーディロード!次回『9人の仮面ライダー/雅のカラオケ絶唱』 

 

第29話『9人の仮面ライダー/雅のカラオケ絶唱』

仮面ライダー、本郷猛、一文字隼人は改造人間である。彼らを改造したショッカーは世界征服を企む、悪の秘密結社である。仮面ライダーは、人間の自由と平和の為に、ショッカーと戦うのであった─


雅達が新たな世界に着くと、突然扉が叩かれた。
「どちら様ですか?」
雅は扉越しに尋ねる。
「雅君か。私だ、鳴滝だ。君に協力を仰ぎたい。」
扉の外にいる鳴滝はそう言う。
「何故今更協力を仰ぐのですか?」
「世界の危機に、悠長なことを言っていられるか。」
「それなら、話によっては協力しますが、僕達を攻撃しない保証は?」
「それなら、君達と話している間、私の持つオリジナルのディケイドライバーを預けよう。それならどうだ?」
鳴滝は提案する。
「なるほど。命と同等の物を担保にするということですか。」
雅が納得すると、
「雅、もしかしたら罠かも。もし、ディロードライバーと同じ仕組みだったら─」
フェイトが雅にそう言った。
「大丈夫だ。僕の知りうる限り、ディケイドライバーにその機能は無い。安心して大丈夫だ。鳴滝、入っていい。」
雅は扉を開ける。すると、傷だらけの鳴滝がそこにはいた。
「鳴滝!みんな、寝かせられる場所を作ってくれ!」
雅は指示を出し、鳴滝を移動させる。
「背中は大丈夫ですか?」
「なんとか。」
雅は鳴滝を寝かせる。
「雅、治療道具を持ってきたわ。」
梨花は雅に渡すが、
「大丈夫だ。ロードスラスター、ユナイトアウト。」
雅がそう呟くと、ロードスラスターは鬼狩流桜とセイクリッドグリッターに分離する。
「届け、光風の癒し。」
雅は治療用魔法を用いて鳴滝の傷を癒してゆく。
「これで、外傷は塞がった。後は、血や膿を拭かないと。消毒液とガーゼを渡して。」
雅は梨花から道具を受け取り、治療を終わらせる。
「ロードスラスター、ユナイト。」
雅は鬼狩流桜とセイクリッドグリッターを再びロードスラスターに戻す。
「ありがとう。まさかア……雅君の魔法がここで役にたつとは。約束だ、ディケイドライバーを預けよう。」
鳴滝は雅にディケイドライバーを渡す。
「一体、何があったのですか?」
「ああ。大ショッカーはZXの世界の兵器、時空破断システムを使い、世界を破壊し始めた。私は必死に止めたが、やはり多勢に無勢。この有様だ。奴らは、時空破断システムを利用し、複数の世界を一体化させることで滅ぼそうとしている。既にいくつもの世界が被害にあっている。」
「つまり、時空破断システムの影響で、この『仮面ライダー』の世界と、『らき☆すた』の世界が融合しているということですか?」
「ああ。それで、私一人では手に手に負えないから助けてほしい。」
「なるほど。では何故、今まで僕に協力したり、刺客を差し向けたりしていたのですか?」
「それは、君の力を試す為のことだった。済まない。」
「事情さえ分かれば大丈夫です。これからは、ともに世界を護りましょう。」
雅は手を差し出す。
「いいのか?私は君を試していた男だぞ?」
「だからこそ、信頼しているのだと思います。」
「そうか。ありがとう。」
鳴滝は雅の手を握ります、握手を交わす。
「雅君、ありがとう。私はそろそろ行く。融合した世界を救うには、片方の歪みを正せば解除される。この世界で例えるなら、ショッカーライダーによって1号と2号が倒される未来を変えれば救える。私は今から『宇宙刑事シャリバン』の世界に行ってくる。雅君も、検討を祈る。」
鳴滝は雅からディケイドライバーを受け取り、次元のオーロラを通って行った。
「さて、僕も行くか。この時代のお金は少ない。ちょっと稼いでくるよ。」
「雅、どうやって?」
「これを使う。」
【CHANGE RIDE-ZBATT SUIT-】
雅はディロードライバーにズバットスーツのカードをスキャンし、ディロードライバーはギターに変わる。
「よく、路上でライブを開いている人がいるだろう。それをやる。どの道長く居ないなら二千円程度集まればなんとかなる。」
雅はズバットスーツケースを背負って行ってしまう。

「さて、始めるか。」
雅は足下に笊を置いてギターを弾き始める。
「♪赤い 夕日に 燃え 上がる 君と 誓った 地平線 嗚呼 愛しても 憎んでも ルールルー ルールルルルルー 帰らないぃ君とふたり… 遥か 果てない 地平線んんん」
雅が1曲歌うと、そこには四人組の女子高生がいた。
「お兄さん、いい曲を歌っているね。今から私と歌わない?」
その中で一番小柄な少女は雅にそう言った。
「歌うって?」
「カラオケに行かない?ってことだよ。」
「お金が無いから、こうして路上ライブをやっているのですが。」
「いいよ、私が出してあげよう!」
少女は、無い胸を張る。
「こなた、あんた何言っているの!いきなり見ず知らずの男の人にそんな。」
「いいのいいの。だって私の話に付き合えるかもしれないんだよ?それは珍しいって、かがみも思わない?」
こなたと呼ばれた少女は普通の反応をした少女、柊かがみに反論し、その場にいる全員が黙ってしまった。
「分かりました。代金は自分で払いましょう。」
雅の提案でこなた達は納得した。

「それじゃあ、僕から始めますね。」
雅は曲を予約し、機械から音楽が流れる。
「♪遥か次元に隠された 君のジュエリー 狙い来る 帝王 ゲンバー 悪い奴 地球の平和 守るため 正義の声で 戦うぞ! スラッガー 真っ赤な拳 スラッガー ローズの勇気 オーオー 緑の大地 青い空 絶叫!シュババババーン! ボイスラッガー」
「いきなりボイスラッガーとは、コアだねぇ。」
かがみ達が引いている中、こなたは大はしゃぎであった。

「今日はご迷惑おかけしました。」
雅は一言謝る。
「いいよ。どうせ今日はカラオケに行くつもりだったし。」
こなたは親指を立ててそう言う。
「それでは、失礼します。」
雅は去り目的の場所、アンチショッカー同盟の拠点に向かう。

「行くぞ、一文字。」
「ああ、本郷!」
仮面ライダー1号、2号のダブルライダーは翌日に迫ったショッカーライダーとの決戦に向けて新技の特訓をしていた。2人は互いに適度な距離で互いを追いかけるように円を描き走る。そして、
「「トウッ!」」
2人はジャンプするが、タイミングが合わずぶつかって落下する。
「猛、隼人!そんなんじゃ勝つなんて夢のまた夢だ!」
2人を支える理解者でありサポーターでもある壮年男性、立花藤兵衛はダブルライダーは叱る。その時、
「互いが対角線に立っているのが、原因ではないでしょうか?」
雅が現れ、ダブルライダーに言う。
「坊や、なんでこんな所にいるんだ!ゲルショッカーのスパイか!?」
藤兵衛は雅に言う。
「いいえ!皆さんに協力したいのです。」
雅はそう返す。
「詳しく、話を聞かせてもらえないか?」
ダブルライダーは変身を解除し、雅に質問する。
「本郷先輩は、空間多元論、世の中には今いる世界とは別の世界があると信じられますか?」
「俺のいた研究所でも、その話は出ていたが、君は別の世界から来たというのか?」
「その通りです。」
雅は本郷の推測を肯定する。
「そんな馬鹿な話があるか。」
藤兵衛は否定するが、
「僕の住んでいた世界は、ショッカーの残党が他の悪の組織を吸収した大組織となって、侵略してきました。僕は、悪の組織を倒して、全ての世界を救う為に世界を旅していました。」
「それじゃあ、証拠は?」
雅は説明し、一文字は証拠を求める。
「分かりました。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「僕はこの力を使い、様々な悪と戦ってきました。」
雅は変身を解除する。
「先ほどの姿は?」
「あれは、あの力に僕が選ばれ、僕が護ることを選んだ姿です。ショッカーを倒しても、悪は絶えず、人々は救いを求めます。そして、その願いは正義と平和を護る戦士、仮面ライダーを生み出しました。」
「悪はショッカーだけでは無いが、悪がはびこる時に、仮面ライダーは誕生する、ということか…」
「はい。そうして僕も、仮面ライダーディロードとして多くの悪と戦ってきました。」
「君のことはよく解った。今は我々に協力し、ショッカーを倒そうということか。」
「はい。その為にも、僕に協力させて下さい。」
雅は頭を下げる。
「わかった。一文字、彼なら大丈夫だろう。」
本郷は雅を受け容れる。
「それなら、どうやって今の問題を解決する?」
「あれは、対角線上で同じタイミングでジャンプしたのが原因です。つまり、僕が入りショッカーライダーをふたりずつ引き連れて走り、タイミングを合わせて本郷先輩、一文字先輩、僕の順番で飛び、ぶつかるタイミングで身体をそらせることで軌道から逸れれば大丈夫です。」
「なるほど。それで試してみよう。」
一文字の質問に雅は答え、本郷は実験に移ろうとする。

「今だ!」
1号の合図に合わせ、一人ずつ飛ぶ時間を2秒遅らせてジャンプ。すると、人数は2人から3人に増えたにも関わらず誰もぶつからずに成功する。
「これだ!」
1号、2号、ディロードはコツを掴み、変身を解除する。
「本郷先輩、一文字先輩、そして、立花さん。このカードを受け取って下さい。」
雅は本郷達に白紙のカードを渡す。
「これは?」
本郷が質問する。
「これが僕の力の源。人々の想いが、仮面ライダーを強くします。そのカードに、想いを込めて下さい。」
雅の言葉を聞き、本郷達はそれぞれの想いを込める。
「集え、世界の願い。」
雅のコールによって、ワールドホープのカードが完成する。
「これが、明日の戦いの切り札となります。」
雅はそう言うと、戦士達は翌日の戦いに備え、休息をとった。


翌日、雅はマシンディローダーに、本郷と一文字は新サイクロン号に乗って、ショッカーライダーの指定した場所に向かう。
「ショッカーライダーNo.1!」
「ショッカーライダーNo.2!」
「ショッカーライダーNo.3!」
「ショッカーライダーNo.4!」
「ショッカーライダーNo.5!」
「ショッカーライダーNo.6!」
雅達がたどり着くと、六体のショッカーライダーは名乗る。
「量産型か。だが、所詮は俺達の姿をした偽物。本郷、凪風、本物の強さ、見せてやろう!」
「ああ。ライダー…」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「「「変身!」」」
「「トウッ!」」
本郷と一文字はジャンプして変身ベルトのタイフーンに風のエネルギーを与えて仮面ライダーに変身する。
「行こう、一文字、雅君!」
「おう!」
「はい!」
打ち合わせ通り、1号はNo.1と2を、2号がNo.3と4を、ディロードが残る2体を相手にする。
「ライダーパンチ!」
先制を仕掛けたのはNo.5であったが、
「凪風流、止水!」
その拳をディロードはあっさりと防いでしまい、
「凪風流、一角!」
ヘッドバットでNo.5のOシグナルを攻撃する。
「グギッ!」
No.5呻き声をあげる。
「本郷先輩、一文字先輩!Oシグナルが弱点です!」
ディロードは1号と2号にショッカーライダーの弱点を伝える。
「わかった!ライダーチョップ!」
「ライダーパンチ!」
1号はライダーチョップでNo.2を、2号はライダーパンチでNo.3を攻撃する。
「よし。そろそろだろう。行くぞ、一文字、雅君!」
1号はNo.1と2を連れて走り出す。
「おう。」
「分かりました!」
2号とディロードも続いてゆく。9人の仮面ライダーは目の前を追いかけるように輪となり、
「今だ!」
1号はジャンプ。No.1と2は1号を追うようにジャンプ。それを確認した2号はジャンプ。No.3と4も同じように行動し、ディロードも同じように行動。そして、
「絶対これを成功させて見せる!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER-】
ディロードは仮面ライダーのワールドホープを発動。トリプルライダーの新技、ライダー車輪は成功し、ショッカーライダーはぶつかり合う衝撃で互いを攻撃し合い、空中で爆発。機械片となって落下してくる。
「よかった。うまくいった!」
ディロードは動きが小さいながらも、喜んでいた。

「雅君、もう行ってしまうのか?」
本郷は雅に尋ねる。
「はい。僕を求めている世界は、まだ沢山、それこそ両手で数えられないほどあります。この世界の危機は、この戦いの勝利によって去りました。なので、これ以上僕が居続けると、僕自身が歪みとなって、危機を招いてしまいます。なので、もうお別れをしないといけません。」
雅は言う。
「雅君、きっと君は、これから多くの困難に差し掛かるだろう。だが安心するんだ。我々は必ず、君を見守っている。」
「ありがとうございます。それでは、短い間でしたが、ありがとうございました。」
本郷の言葉を聞き、雅は一礼をして去って行った。

「さて、次はV3の世界だが、厄介な世界と融合しているな…」
絵巻には、骸骨に向かってゆく赤い仮面の仮面ライダーの絵と、五人の子供がスズメバチを退治したことを載せた新聞の一面が描かれていた。
つづく

さぁて、次回の仮面ライダーディロードは?
雅です。焼き芋が美味しい季節になりましたね。知っていますか?焼き芋の皮って本当は発癌性物質なんですよ?さて次回は、『さらばライダーマン/世界の秘密』 
 

 
後書き
新カード紹介
ズバットスーツ:ディロードライバーをズバットスーツに変え、怪傑ズバットに変身するためのカード。
仮面ライダー(ワールドホープ):仮面ライダー(1号2号)の世界のワールドホープ。ライダー車輪が成功する。 

 

第30話『さらばライダーマン/世界の秘密』

仮面ライダーV3、風見志郎は改造人間である。謎の秘密組織デストロンに重傷を負わされたが、仮面ライダー1号2号によって改造手術を受け、仮面ライダーV3として蘇ったのだった─

「また不安定な世界と融合したものだ。とりあえず、リトルバスターズの世界の様子を見に行かないと。ついでに学校にも行かないといけない。」
雅は『リトルバスターズ!』の世界の制服を着て準備をしていた。
「私達は?」
「今までのように僕の留守の間、守っていてほしい。それじゃ、行ってくる。」
雅は扉を開けて出て行った。
「雅は、なんでワープのアタックライドがあるのにわざわざ徒歩やバイクで行くのかしら?」
梨花は疑問に思っていた。

「やべえ、遅刻だ遅刻!」
「一体誰の所為だと思っている。」
「お前たちうっさい!」
雅が玄関口に着くと、がたいの良い少年と何故か指定制服を着ないで道着を着ている少年が走りながら喧嘩し、その後ろでそのメンバー唯一の女子生徒が指摘していた。
「このままでは全員遅刻だ。真人、謙吾で鈴を教室に投げ入れろ!」
その中で唯一の上級生が、先ほど喧嘩していた2人に指示を出す。
「どうやって!?」
がたいの良い少年、井ノ原真人が質問する。
「互いに腕を組んでその上に鈴が乗る。後はお前たちの力で鈴を上に投げ入れる。すると、そこはもう教室ってわけさ。」
上級生─棗恭介が説明する。
「つまり、ショートカットってことか。」
真人は納得する。
「時間が無い!急げ!」
恭介は指示を出す。
「仕方が無い。いっちょやるか、謙吾の先生よぉっ!」
「ああ!」
道着を着た少年、宮沢謙吾は先ほどの指示通りに真人と腕を組み合う。そして、組み合わせた腕に恭介の妹、鈴が乗り、
「行っくぜぇぇぇ!」
「うぅおらぁぁー!」
真人と謙吾は互いに力を加減し、開いている窓に鈴を投げ入れる。
「よし、ミッションコンプリートだ。」
恭介はそう言い走っていると、雅が目に入る。
「お前たち、早く行け。」
恭介が言うと、
「恭介、それはこっちの台詞だよ。」
『リトルバスターズ』の世界の主人公、直枝理樹が呆れるように恭介に言う。
「いや、もしかしたら一人メンバーが増えるかもしれない。だから先に行ってほしい。」
「わかった。後で結果を教えてね。」
「どーせ無理だろうけどな。」
恭介の言葉を聞き、理樹と真人は恭介に一言残して玄関に入ってゆく。
「さて、お前が凄まじい運動能力で噂の凪風雅か。」
「そうですが?」
「ズバリ、俺達が作る野球チーム、リトルバスターズに入ってくれないか?」
恭介は雅に質問するが、
「毎回、僕がこの世界に来る度にするこの会話、やめませんか?言ったことがあるとおもいますが、僕はこの世界の秘密、虚構世界のことは知っている。そして、この世界は貴方達自身の手で救わないと崩壊することも。」
雅は恭介に話の核心を突く。
「なら何故俺達の世界に来た?」
「来たくて来たわけではありません。この虚構世界の方が、別の世界と融合し始めているので、被害が出ていないか確認に来ただけです。」
「そうか。それで、お前はどうするんだ?」
「変わりません。今まで通り、野球対決を行い、僕が勝ってリトルバスターズにはそれ以上関わらず、立ち去るだけです。」
「わかった。じゃあいつも通り、昼休みにグラウンドに来てくれ。」
「分かりました。」
雅と恭介はその場を後にした。

チャイムが鳴って昼休み、グラウンドに着いた雅の前には謙吾を除いた今朝の四人がいた。
「それで、この人が、恭介の言っていた凪風君?」
理樹は恭介に確認をとり、恭介は頷く。
「なんか筋肉が薄っぺらいな。大丈夫なのか?」
「それには及ばないさ。」
真人の感想に恭介は真面目に答える。
「正直どーでもいい。」
鈴の感想は無視される。
「で、凪風はとても強くてチームの即戦力になり得るのだが、嫌がっている。だから野球で勝負をつけようと。」
「相変わらずだね、恭介。」
「ルールは、先に相手をバッターアウトにするか、グラウンド越えを3本出すかだ。凪風も、それで納得した。凪風、先攻と後攻、どちらがいい?」
「先攻で。」
「中々、珍しい判断だな。それじゃ、始めるか!」
対決は、雅の先攻から始まる。投手の鈴は一球目を投げる。ボールはあらぬ方向へ流れかけるが、
雅は腕を伸ばして力いっぱいに振り、早くも1本先取する。続いて、リトルバスターズの攻めは恭介が担当。雅は投げる構えをとり、
(─息吹け、風の導き─)
速度上昇の魔法をボールにかけて投げる。虚構世界のマスターとして、様々な特権を持つ恭介だが、時速250kmの球道を一瞬で捉えられず、ストライクとなる。
「珍しいな。恭介が不利になるなんてな。」
真人は感心している。雅はその後も同じ手法を使って恭介をバッターアウトにしてしまう。
「無理だ。これ以上は時間の無駄になる。勝負は俺達の負けだ。凪風、迷惑をかけた。」
「けどよ、恭介。あんなにあっさり退くなんて、らしくないぜ。」
恭介はリトルバスターズ連れて去ろうとするが、真人は恭介にそう言う。
「勝てない敵も世の中にはいる。それを超える為に特訓をする。展開的に燃えないか?」
「いや、まったく。」
恭介の言葉を鈴は即座に否定する。
「そうか…」
後ろ姿を見せながら歩いてゆく雅を見ながら、恭介は鈴にそう言った。

学校を去り、雅は仮面ライダーV3=風見志郎とあっていた。
「君が、本郷さんと一文字さんが言っていた未来から来た仮面ライダー、ディロード。凪風雅君だね?」
「はい。お初にお目にかかります、凪風雅です。明日、ヨロイ元帥はプルトン爆弾を落とす作戦を実行するはずです。その為に、事前の打ち合わせをしたいので本日は来ました。」
雅と風見は握手を交わす。
「雅君、俺のつかんだ情報では、ヨロイ元帥はプルトン爆弾の発射を成功させる為に俺達仮面ライダーを足止めしながら都市を制圧するD作戦というのを同時に行うらしい。どちらがD作戦を対処する?」
「それは僕に任せて下さい。風見先輩はヨロイ元帥と、デストロンの本拠地をお願いします。」
「ああ。お互い、検討を祈ろう。」
雅と風見は翌日の打ち合わせをして、その場で別れて行った。

「ただいま。」
雅は帰宅する。
「雅、リトルバスターズの世界を救うんじゃなかったの?」
フェイトが質問する。
「だから、ああやって救ったんだ。」
「あれじゃあ、何もしていないように見えるけど…」
「ああ。何もしないで立ち去った。」
「でも、さっき…」
「あの世界は特殊で、僕の干渉を拒絶するんだ。」
「どうしてわかるの?」
「そうだった。みんなには話していなかったね。あれは僕が旅を始めて、四年目の頃だった。僕はリトルバスターズの世界に始めて行った。僕はその頃、リトルバスターズの世界をよく知らなくて、あることがきっかけで、彼らの世界を崩壊させてしまったんだ。」
「…いったい、何をしたの?」
「彼らの仲間になった。それだけだ。」
「どうして。だって雅の救いを求めているんじゃ─」
「フェイト、彼らの世界は特殊なんだ。それから話そう。リトルバスターズの世界は、一見平和な世界に見えただろうけど、あの世界はリトルバスターズのメンバー達が作った、偽りの世界。彼らは修学旅行の時にバスが事故を起こして全員死ぬはずだった。しかし、真人さんと謙吾さんが、理樹さんと鈴さんを庇った事で2人は意識を失う程度の軽傷で済んだ。しかし、目を覚ました瞬間の絶望的な光景を前に、それが無駄になってしまう。そこで恭介さんは願った。2人に強くなって欲しい。こんな残酷な現実を見ても、心が折れず、絶望しないように。その時、リトルバスターズのメンバーの願いが集まり、一つの大きな夢の空間が生まれた。それは、理樹さんがリトルバスターズを再開しようと言った5月13日から事故が起きる前日の6月20日を繰り返し、理樹さんと鈴さんの心を鍛えようというみんなの思いが纏まった空間。そして、理樹さんが抱えている眠り病をその一部に組み込む事で、それは実現した。つまり、あの世界はリトルバスターズのメンバー十人で戦わないと崩れる世界なんだ。そして、僕が行く時は、その偽りの世界では無く、現実世界の恭介さんのサポートしか、僕に出来ることはない。」
雅は説明を終える。
「それなら、今回も現実世界のサポートに行けば─」
「いや、それが、今回融合したのが、虚構世界だけだから、僕も半端に手出しが出来ないんだ。」
雅は、その無念を伝える。
「そうだったんだ…」
フェイトは、話を聞いて落ち込んでいた。
「大丈夫。風見先輩の世界を救えば、みんなを救えるから。僕はその為にも、明日は頑張らないと。」
雅はそう言って、夕食の準備を始めた。

翌日、風見と雅はデストロンの再生怪人を前にしていた。
「ここから先へはいかせない!」
オニヒトデはそう言いながら雅を攻撃しようとするが、雅はロードスラスターでオニヒトデのヒレを切り裂く。
「風見先輩、ここは僕に任せて、先輩はヨロイ元帥の所へ!」
「ああ!」
風見はバイク、ハリケーンに乗って先に進む。
「行かせるか!」
デストロン怪人は追いかけようとするが、雅が妨害する。
「ここからは、僕が相手だ。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。

ディロードが戦闘をしている頃、風見はプルトン爆弾の発射場所に着いた。
「よく来たな、風見志郎、仮面ライダーV3!」
ヨロイ元帥はそう言うとマントを翻してザリガニの怪人、ザリガーナに変身する。
「行くぞ。ふんん、変~身、ブイスリー!トウッ!」
風見はV3に変身する。
「私の目的はV3、貴様の足止め。プルトン爆弾さえ発射すればこちらのものさ。」
ザリガーナはその鋏でV3を攻撃するが、片手で受け流してゆく。

一方、ディロードは数圧しに苦戦していた。
「こういう時は!」
ディロードはライトケータッチを取り出す。
【KUGA AGITO RYUKI FAIZ BLADE HIBIKI KABUTO DEN-O KIVA FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
ディロードはコンプリートフォーム サイドライトにパワーアップ。
【FAIZ KAMEN RIDE-BLASTER-】
ディロードはファイズ ブラスターフォームを召喚し、2人の射撃でデストロン怪人を殲滅してゆく。

「ふっふっふっ、その程度でどうにかなると思わないことだな。」
その頃、V3は徐々にザリガーナに圧されていた。すると、プルトン爆弾が発射してゆく。
「馬鹿な!まだ時間ではないぞ!何をしている!」
ザリガーナは内部と連絡をする。すると、
「俺は、自分で作った史上最悪の兵器を、安全に破壊するだけだ!」
その連絡に応じたのは、デストロンの裏切り者である結城丈二が変身する戦士、ライダーマンであった。
「貴様、何故そこに!」
「デストロンは悪魔のような組織、そして俺はそこに魂を売ってしまった。これくらい、罪の償いにすらならないが、プルトン爆弾を正しく破壊出来るのは俺くらいだ!」
ライダーマンはそう言うと、プルトン爆弾の安全装置を外す。
「ああ!ロケットが飛んでゆく!」
ザリガーナは唖然とするしかなかった。

「とうとうこの時が来ましたか。結城先輩、あなたにも、希望を届けます!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER V3-】
ディロードはV3の世界のワールドホープを発動。プルトン爆弾は上空で爆発する。

「ライダーマン!よくやってくれた。君は人類を守った。君は英雄だ。俺は君に、仮面ライダー4号の名前を贈るぞ。ライダーマーン!」
V3は空でに散ったライダーマンに賞賛の声をあげる。
「おのれ!こうなれば、必殺!甲羅崩し!」
ザリガーナは、自身の装甲を粉砕し、その破片をV3に投げつけるか、見事に躱されてしまい、
「行くぞ!V3反転、フルキック!」
V3はザリガーナに必殺のキックを放つ。装甲を失っていたザリガーナは体液を散らしながらデストロンの基地へ逃げてゆく。

「僕の役目は終わりか。再生怪人も倒したんだ。長居は出来ないか。」
雅は変身を解除し、帰ってゆく。

「なるほど、Xの世界はまだ被害が出ていないのか。早いうちに決着をつけよう。」
絵巻には、巨大なロボットに挑もうとする銀の戦士が描かれていた。
つづく


次回、仮面ライダーディロード
まだ融合していない世界。しかし、RS装置を狙って、あの男が現れる。『GOD機関の最後』だ。ミッションスタート! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーV3(ワールドホープ):V3の世界のワールドホープ。ライダーマンに仮面ライダー4号の称号が贈られる。 

 

第31話『GOD機関の最後』

巨大な悪の組織GODに父と共に殺された神敬介は、瀕死の父の手によって仮面ライダーXとして甦った。
その使命は、世界の平和と正義を守る為、敢然と謎のGOD機関を相手に戦うのである─

「Xライダーの世界は、まだ無事なのか。」
雅は状況を確認すると、顔色を曇らせる。
「どうしたの?」
「Xライダーの世界には凄まじい力を秘めたRS装置というものがあるんだが、もしかしたら海東大樹が狙ってくる。早くGOD機関の基地に向かって、海東がいつ来ても対処出来るようにしないといけない。」
雅は準備を整えて出て行ってしまう。

雅がGOD機関の基地に着くと、雅の予想通り海東はいた。
「せっかくいい所だったんだ。もう少しでこの世界のお宝、RS装置が手に入るところだったんだ。邪魔はさせないよ。変身!」
【KAMEN RIDE-DEEND-】
海東はディエンドに変身する。
「この世界を崩壊させたりさせない!」
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
「変身!」
雅は、早くもディロード コンプリートフォームサイドライトに変身する。
「君もその力を手に入れたんだぁ。でも、それで僕に勝てるかな?」
ディエンドもケータッチを取り出す。
【G4 RYUGA ORGA GLAIVE KABUKI CAUCASUS ARC SKULL FINAL KAMEN RIDE-DEEND-】
ディエンドもコンプリートフォームにパワーアップする。
「これならどうかな?」
【ATTACK RIDE-GEKIJOBAN-】
ディエンドは劇場版のアタックライドで劇場版ライダーを召喚する。
「なれば!」
ディロードはライトケータッチの自身のアイコンを一度クリックする。
【DOUBLE KAMEN RIDE-CYCLONE
JOKER GOLD EXTREME-】
ディロードはライトケータッチの力で、仮面ライダーダブル サイクロンジョーカーゴールドエクストリームを召喚する。
「行こうぜ、雅。さあ、お前達の罪を数えろ!」
「こちらには君たちの師匠がいるんだ。」
ダブルを前にディエンドはそう言うが、
「翔太郎、検索は済んだ。あの仮面ライダースカルは、僕達と同様に召喚された偽物だ。」
「オッケー、フィリップ。それなら、手加減する必要はないな!」
ダブルはその解決策を見出してしまう。
「だが、この数を前にどうするのかな?」
「なら、こうするだけだ!」
【KAMEN RIDE-AXEL ETERNAL-】
ディロードは、仮面ライダーアクセル、エターナルの2人を召喚する。
「照井、それに大道。」
「左、フィリップ。奴を倒さない限り、世界の危機は去らない。さあ、振り切るぜ!」
「仮面ライダー、お前達を倒すのは俺だ。奴らにはやらせない。さあ、死神のパーティータイムだ。」
アクセルとエターナルはそう言うと、劇場版ライダーに向かってゆく。
「そこだ!」
〈エンジン!エレクトリック!〉
アクセルはエンジンブレードにエンジンメモリをセット。電撃のエネルギーでG4、オーガ、グレイブ、コーカサスといった装着型ライダーを攻撃してゆく。
「ガイアメモリ…お前も風都の仮面ライダーか。」
〈ダミー!マキシマムドライブ!〉
エターナルは分身してスカルを攻撃。更に、
〈ナスカ!マキシマムドライブ!〉
〈ウェザー!マキシマムドライブ!〉
分身したエターナルはそれぞれ別のガイアメモリを利用した必殺技を発動。ナスカの力でスカルは拘束され、ウェザーの力で雷と吹雪を受け、スカルは撃破される。
「やっぱ、3対1はキツイか!」
『翔太郎、照井竜を見習うんだ。彼は4人を相手にしている。』
「そうか!それなら!」
〈トリガー!マキシマムドライブ!〉
ダブルはトリガーメモリをプリズムビッカーにセットする。
「『トリガー、プリズムシューティング!』」
ダブルは必殺技を発動し、乱反射する光線を放つと、ベルトに攻撃が直撃し、リュウガとアーク、更に攻撃に巻き込まれてコーカサスが撃破される。
「こちらも行くか!」
〈エンジン!マキシマムドライブ!〉
アクセルもエンジンメモリの必殺技を発動。必殺の斬擊、エースラッシャーを放ち、オーガを撃破する。
「さて、一気に片付けるか!」
〈エクストリーム!マキシマムドライブ!〉
「ああ!」
〈アクセル!マキシマムドライブ!〉
「いいだろう!」
〈ユニコーン!マキシマムドライブ!〉
3人の仮面ライダーは必殺技を発動する。
「『ゴールデンエクストリーム!』」
「ハァッ!」
「フンッ!」
ダブルのゴールデンエクストリームがグレイブに、アクセルのアクセルグランツァーがG4に、エターナルのユニコーンストライクが歌舞鬼に当たり、劇場版ライダーは全滅する。
「これは、かなり厄介だね。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DEEND-】
ディエンドは必殺技を発動する。
「フィリップ、行くぞ!」
『ああ、翔太郎。』
〈プリズム!マキシマムドライブ!〉
「『ビッカー、ゴールデンチャージブレイク!』」
「決まりだ!」
ダブルの必殺技の発動に合わせてディエンドも必殺技のコンプリートディメンションシュートを放つが、ダブルは低空飛行しながら、ディエンドのコンプリートディメンションシュートをプリズムソードで切り裂き、その七色の光と金色の輝きが宿った刃でディエンドを切り裂き、ディエンドの変身を解除させる。
「参ったね。これじゃあ諦めるしかないか。でも、次の世界のお宝は、必ず僕が手に入れる!」
海東はそう言うと、次元のオーロラに逃げてゆく。
「さて、俺達の役目も終わりかな?頑張れよ、雅。」
ダブルはそう言うと、アクセル達と共にカードに戻る。

少し経ち、Xライダーに変身する青年、神敬介がやってくる。
「君が、一文字先輩と風見先輩が言っていた仮面ライダーディロード、凪風雅君だね?」
敬介は雅に尋ねる。
「はい、恐れながら、仮面ライダーディロードと名乗らせてもらっています、凪風雅です。」
雅と敬介は互いに握手を交わす。
「雅君、そんなに謙らなくていいよ。話は先輩達から聞いている。雅君も、やはりGOD機関を追ってここへ?」
「はい。調べたところ、ここがGOD機関の基地だと…」
雅が言いかけると、
『いかにも、そして、ここがお前達の死に場所だ!』
地中から声が聞こえたかと思うと地面が震動する。
「しまった!キングダークがついに!」
雅はそう言いながら回避すると、GOD機関の首領にして超巨大ロボット兵器、キングダークが出現する。
「馬鹿な!RS装置は完成していないはず!」
そう、キングダークの巨体を動かすには、RS装置という特殊な装置が必要だと、GOD機関の怪人は言っていた。しかし、
「馬鹿め、そんなもの、時間稼ぎの囮に過ぎない。さて、遺言はそれまでかな?」
キングダークはそう言うと、その巨腕を振りかざして2人を攻撃するが、すんでの所で回避し、
「行こう、雅君。大ぃぃ変身!トウッ!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
敬介はXライダーに、雅はディロードに変身する。
「しかし雅君、あのキングダークを相手に、どうやって戦う?」
「確かに、まともに戦えば確実に2人とも死ぬでしょう。なので!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードはロードスラスターにブラストのアタックライドをスキャン。更に、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ファイナルアタックライドをロードスラスターにスキャンする。
「こうします!ディメンションヴォルケイノ!」
禍々しい火焔弾がロードスラスターから放たれ、キングダークの左足に直撃。その足に穴が空く。
「後は、内側から破壊するだけです!」
ディロードとXライダーは先ほど出来た穴からキングダークの内部へと侵入してゆく。

「やはり、構成員の数が多いですね!」
ディロードはロードスラスターでGOD機関構成員を切り裂きながら進んでゆく。
「雅君、上を狙って撃ち抜けないか?」
Xライダーはディロードに聞く。
「出来ます!」
ディロードはロードスラスターで天井を撃ち抜く。
「ライドロープ!」
Xライダーは自身が携帯している万能武器、ライドルをロープに変えて先ほど空けた天井へ投げ入れ引っ掛ける。
「こうして登ろう。」
Xライダーの提案に合わせて、ディロードも進み、2人はキングダークの管制室にたどり着く。
「ここが、キングダークの操縦者のいる部屋か。」
ディロードがロードスラスターで扉を破壊し内部に入ると、キングダークを操縦している真の首領、呪博士とそれを守るようにGOD機関の怪人、サソリジェロニモJr.がいた。
「よくぞここまでたどり着けたな、Xライダー。いや、神敬介!そして、未来から来た仮面ライダー!私は君たちを許さない。行くのだ!」
呪博士はサソリジェロニモJr.に指示を出す。狭い管制室においてサソリジェロニモJr.の槍術は脅威なり、Xライダーもディロードも間合いに入れなかった。
「神先輩、ライドルをロングポールに!」
しかし、ディロードは咄嗟に判断した戦術をXライダーに話す。
「わかった。ライドルロングポール!」
XライダーはサソリジェロニモJr.の心臓部に合わせてライドルを構え、ライドルを長さ6mのロングポールに変化させる。本来ならそのような持ち方では体制を崩してロングポールは地面に落ちるが、ディロードが下で支えることで位置を維持したまま凄まじい速度で伸びてゆき、サソリジェロニモJr.の心臓部を打ち貫いてしまい、サソリジェロニモJr.は呆気なく倒されてしまう。
「おのれ!やはり仮面ライダーは我々GOD機関最大の壁!こうなれば!」
呪博士が何かの装置を弄ろうとしたその時、
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER X-】
ディロードはXライダーの世界のワールドホープを発動。呪博士は装置のボタンを弄るが一向に反応が無い。
「神先輩、今です!」
「ああ!ライドルホイップ!」
Xライダーはライドルをサーベルに変えて呪博士を一突きで突き刺す。
「おのれ、あの時、お前達親子をしっかり殺しておけば─」
呪博士はそう言い残して死ぬ。すると、
“爆発まで、二分”
そうアナウンスされる。
「雅君、あと二分しかない。どうする!」
「神先輩、しっかりつかまっていてもらえますか?」
ディロードがそう言うと、Xライダーはディロードの肩につかまる。そして、
【ATTACK RIDE-WRAP-】
ワープのアタックライドを使って脱出。キングダークは崩れるように爆発し、謎のGOD機関はついに壊滅。雅と敬介は互いの次の旅に幸運があることを祈りあい、別れていった。

「次の世界は、やはり大ショッカーの手が進んでいるか。」
雅が絵巻を広げると、そこには十の顔を持つ鬼に向かう斑模様の異形の絵と、『団長』と書かれた腕章を着けた女子学生が正面に指を指している絵が描かれていた。
つづく

次回の仮面ライダーディロードは─
アマゾンライダーの世界に着いた雅に待ち受けていたものは、SOS団からの勧誘であった。そして、ゲドンを壊滅させる為に奔走する雅の運命やいかに?次回『ゲドン壊滅/ブレイクテンション』ご期待下さい。 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーアクセル:仮面ライダーアクセルを召喚するためのカード。
仮面ライダーエターナル:仮面ライダーエターナルを召喚するためのカード。
仮面ライダーX(ワールドホープ):Xライダーの世界のワールドホープ。キングダークの機能が一瞬の間だけ麻痺する。 

 

第32話『ゲドン壊滅/ブレイクテンション』

「ようやくアマゾンライダーの世界か。先が見えてきた。」
「雅、分かるの?」
「ああ、ここ数十回は仮面ライダーの世界は全て回っている。その通りに行けばあと僕達が行く世界はストロンガー、スカイライダー、スーパー1、ZX、BLACK、BLACK RXシン、ZO、Jの世界だけだ。この中で注意しないといけないのはRXの世界だけだ。慎重に行動すればなんとかなる。」
雅が話をしていると、
「アマゾンライダーは再放送で見たことがあるんですけど、この『涼宮ハルヒの憂鬱』ってどんな世界なんですか?」
圭一が質問してくる。
「その世界か…その世界も慎重に行動しないと崩壊しかねない世界だ。」
「そんなに不安定なんですか?」
「いや、不安定というよりは混沌としている、という方が正しいかな。その世界は一応は普通の世界なんだけど、その世界の主人公は年頃の少年にとってごく普通な空想をしていた。自分にある日不思議な力が宿って宇宙人や未来人、超能力者とかと戦ってみたい。しかし、現実にはそんなことは起きないし、自分が戦うのは怖い。なら、自分はそういう人に巻き込まれてパートナーになればいい。そう考えた。そして、この少年が高校に入って事件が起こる。かつて自分がした空想を具現化したかのような少女が現れた。その同級生は言った。『ただの人間に興味は無い。宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら自分のところに来い。』と。そして、少年は何故か少女が作る団体に巻き込まれてゆく。おおざっぱに纏めるとそんな感じの世界だ。」
「じゃあ、雅さんは異世界人として仲間になればいいんですね?」
「いや、さっきも言ったようにこの世界は不安定だ。通常通り世界が進んでいるように見えて、実質世界はたった三年しか歴史が無い。その中で僕の存在は許容量を大きくオーバーしている。迂闊な行動は崩壊を招く。そうなれば融合しているアマゾンライダーの世界に被害が出る。リトルバスターズの世界の時と同様に放置するのが無難な答えだ。僕のこの世界での役目はアマゾンと共にゲドンを壊滅させながら、ディエンドの攻撃を防ぐことだ。時間的にのんびりもしていられない。すぐ行ってくる。みんなは買い出しに行ってくれ。そろそろ食糧が減り始めている。お願いする。それじゃあ。」
「頑張って下さい。」
出て行く雅を圭一達は見送り、買い物に出る支度をしていた。
「雅さん、俺達のこと、本当に必要だと思っているのかな?」
圭一は言う。
「どうしたのかしら圭一さん?」
「ほら、俺と沙都子と梨花ちゃんはこれ貰っただろ?」
沙都子に質問された圭一は、崩壊する世界から脱出する際に羽入が作り、雅から渡されたディショットシステムを取り出す。
「圭一、どうかしたの?」
梨花が質問する。
「これを渡して、仲間だって言ってくれたけど、本当は俺達のことが重荷になっているんじゃないのかって思って。」
「そんなこと、ないと私は思う。」
圭一の言葉にフェイトが反論する。
「多分、雅は大切だから、私達を危険な所に連れて行かないんだと思う。だって、私がいれば、雅はもっと戦う時に苦戦しないことがあった。それでもなるべく戦わせないのは、それくらい私達を大切に思っているからだって、私は思う。どうかな、圭一?」
「なるほど、フェイトちゃんの考えもあるかもな。それなら、俺達は雅さんが帰ってくる前に買い物を済ませるか。」
圭一達は食糧を買いに出た。

「それじゃあ、今日は幻の巨大生物、マダラオオトカゲを探し出すわよ!」
左腕に『団長』と書かれた腕章を着けた女子高校生、涼宮ハルヒは自身が作った同好会、『SOS団』のメンバーに本日の目的を伝えた。
「なんだ、その間抜けな名前の生き物は?」
ハルヒが最初にメンバーに加えた少年、通称キョンはハルヒに質問した。
「なんでも、アマゾンでかつて絶滅したって生き物らしいんだけど、それが見つかって日本に移送したのはいいけど逃げ出したらしくて、賞金がかかっているのよ。とにかく、今日一日で探し出すわよ。探す時のチーム分けは私とみくるちゃん、有希と一樹君、あんたは一人で捜しなさい。それじゃあ、四時にここに集合。解散!」
ハルヒはSOS団のマスコット的存在の朝比奈みくるを連れてどこかへ行ってしまった。
「仕方ないですね。我々も行きましょう。涼宮さんのことです、探すふりでもしないと後で何をされるか。」
超能力者、小泉一樹は外宇宙の思念体が送った端末、長門有希を連れて行動を開始する。キョンはたった一人、ふらつくことにした。
「まったく、なんでこんな休日に下らないことにしないといけないんだか…」
キョンはぼやきながら歩いている。すると、
「それでも、なんだかんだで気に入っているのですよね?」
後ろから雅が質問する。
「まあな、って!誰だ、俺達と同じ制服を着ているけど?」
キョンは驚きながら振り向く。
「申し訳ありません。しかし、これはあなたの望んだ毎日ではないのですか?謎の美少女に振り回され、宇宙人や未来人、超能力者の仲間になる。」
「なんで知っているんだ。」
キョンはイラつきながら聞く。
「SOS団、ふざけた名前ですよね?」
「だから、なんで知っているって聞いているだろ。」
「これは済みません。僕は凪風雅。分かりやすく言いますと、異世界から来ました。」
雅はキョンに自己紹介をする。
「異世界人、ってことはお前もハルヒ関連の何かか?」
キョンは更に質問する。
「いいえ、確かに先程スカウトされましたが丁重にお断りしました。」

~回想~
『ねえ、あんた?』
『僕ですか?』
『他に誰がいるのよ?なかなかいい顔をしているわね。私達SOS団のメンバーになりなさいよ。』
『いいえ。お断りします。』
『いいじゃない。』
『僕にはやるべき事がありますので。』
『そう。今入団したら特別に』
『済みませんが、新聞、洗剤、歯ブラシ、タオル、お米、飲料水は間に合っています。これ以上は脅迫行為で訴えますよ。』
『わかったわよ。そこまで言うなら入れてあげないわ。後で泣いて謝っても入団させないから覚悟しておくことね。』
~回想終わり~

「─といったことがありまして、入団はお断りしました。」
「そうか。ハルヒ関連じゃないなら、なんでこんな所にいるんだ?」
キョンは興味無さそうに雅に聞く。
「あれです。」
雅が指を指すと、そこには大ショッカーの戦闘員がいた。
「なんだ、あれは!」
キョンは驚く。
「あれを駆除するために来たのです。とにかく、今から起きることは忘れて、どこかに行って下さい。」
雅はキョンを追い払う。
「さて、一気に終わらせるか。」
【CHANGE RIDE-DARK KIVATT BELT-】
雅の腰にダークキバットベルトが装着され、右手にキバットバットⅡ世が握られる。
「ガブリ」
キバットバットⅡ世は雅の左手を噛みダークキバットベルトに装着され、雅は仮面ライダーダークキバに変身する。
「一気に終わらせるか。」
ダークキバは波状結界を展開し大ショッカーの戦闘員を一気に駆除する。それでも数人は生き残り、ダークキバに向かって走ってゆく。
「残ったか。」
ダークキバはその速さを利用して間合いを詰め、大ショッカーの戦闘員を全滅させる。そして変身を解除し、
「さて、もう一つの目的地に向かうか。」
雅はマシンディローダーに乗り、アマゾンライダーのいる場所として向かっていった。

「おう、雅!久しぶりだな!」
「立花さん、お久しぶりです!」
アマゾンライダーのいる場所に着いた雅は藤兵衛と握手を交わす。
「藤兵衛、この子は?」
アマゾンライダーに変身する青年、山本大介、通称アマゾンは藤兵衛に質問する。
「アマゾン、前に話したことがあっただろ?猛や隼人、志郎に丈二、敬介と一緒に世界を守ったライダーだ。」
「アマゾン、初めまして。雅です。」
藤兵衛は大介に質問の答えを話し、雅は自己紹介をする。
「雅、どうして来たんだ?」
「ゲドンの首領、ゴルゴスを倒す手伝いがしたいのです。」
大介の質問に雅は答える。
「雅、それがな、ゲドンの裏切り者が味方についたんだ。」
「しかし、味方は多いにこしたことはありません。それに、裏切り者は元々ゲドンの獣人。いつこちらを裏切るか分かりません。」
「確かに、そうだな。アマゾン、雅と一緒に戦えるか?」
「ああ。雅、一緒に戦おう!」
大介は古代インカ帝国における仲間の合図を送り、雅も返す。
「これで、アマゾンと雅、友達。藤兵衛、行こう。」
大介は自身のバイク、ジャングラーを走らせ、雅達も後を追う。

「よくぞ来たなアマゾンライダーに未来から来た仮面ライダー。そして、ゲドンの裏切り者。」
ゲドンの首領が指定した場所に向かうと、雷と共にゲドンの首領、10面鬼ゴルゴスが現れる。
「雅、行くぞ。アァァァマァァァ…ゾーーーン!」
“アーマーゾーン”
大介は古代インカの秘宝、ギギの腕輪を共鳴させてマダラオオトカゲの仮面ライダー、アマゾンに変身する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅もディロードに変身する。
「ゴルゴスの顔は任せて下さい!」
【ATTACK RIDE-SILVER FLEURET-】
ディロードはロードスラスターにカードをスキャン。キューティーハニーが扱うサーベル、シルバーフルーレに変化。更に。
「行くぞ!ディロードレインボーイリュージョン!」
ディロードはシルバーフルーレに組み込まれた小型の空中元素固定装置を利用して六人の分身を作り、ゴルゴスの七つの顔にシルバーフルーレの先端を突き刺し、ゴルゴスを補佐する十の極悪人の顔は三つとなる。
「アマゾンもやる!」
アマゾンライダーも残る顔に噛みつき、ゴルゴスの十の顔は二つとなる。
「俺も負けていられるか!」
ゲドンの裏切り者、獣人ヘビトンボもその爪でゴルゴスの顔を破壊する。
「残る一つは僕がやります!2人はゴルゴスをお願いします!」
【ATTACK RIDE-MEITO HAYAKAZE-】
ディロードはアタックライドでロードスラスターを変身忍者嵐の変身道具兼武器の名刀疾風(はやかぜ)に変えて少し距離を取り、疾風を時計回りに回しながら進み、
「くらえ!ディロード旋風斬り!」
疾風の一撃でゴルゴスの全ての顔が破壊される。しかし、
「おのれ!ブラック、オンゴールドォー!」
ゴルゴスが呪文を唱えると、辺りは暗闇に包まれる。
「くっ、グアァッ!」
すると、獣人ヘビトンボはもがき苦しむ。
「馬鹿め、ゲドンに逆らえばどうなるか、その身で知るがいい!」
ゴルゴスの闇はヘビトンボを蝕んでゆく。
「だったら、その力の源を断ち切るまで!」
ディロードはロードスラスターでゴルゴスの右腕を切り落とし、ギギの腕輪と対をなす存在、ガガの腕輪を失う。すると、ゴルゴスが展開したブラックオンゴールドは消滅するが、それと同時にヘビトンボはガガの腕輪を拾おうとする。
「これさえあれば充分だ!アマゾンライダー、協定はここまでだ!」
ヘビトンボが宣言すると、
「そうはさせない!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER AMAZON-】
ディロードはアマゾンライダーの世界のワールドホープを発動。ガガの腕輪がゴルゴスの右腕ごとアマゾンライダーのギギの腕輪と合体する。そのインカの超パワーは凄まじく、ヘビトンボは逃げ出すが、
「待て!お前の相手は僕だ!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディメンションインフェルノ!」
ディロードの必殺の斬擊でヘビトンボは撃破される。
「ゴルゴス、バゴーの仇だ!スゥーパァァァ、大ッ、切ッッ断ッッッ!」
アマゾンライダーはどんな敵も切り裂く必殺のスーパー大切断を使い、ゴルゴスを撃破。古代インカ帝国の末裔を滅ぼした悪の組織、ゲドン帝国は滅びた。それに合わせてガガの腕輪が落下する。すると、ディエンドが現れる。
「そのお宝は、僕のものだ!」
ディエンドは手を伸ばすが、ディロードはロードスラスターでガガの腕輪を撃ち弾いてしまう。
「言ったはずです。世界は崩壊させないと!」
「何故君は僕の邪魔ばかりするのかな?」
「あなたが、僕の妨害をしているだけです!」
「とにかく、ガガの腕輪を見失った。この世界に用はない。さよなら。」
ディエンドは去って行く。
「申し訳ありません。ガガの腕輪を取り返せる所だったのに…」
「大丈夫。雅は頑張った。今はそれだけでいい。」
雅と大介はその場から去っていった。

「次の世界はやはりストロンガーの世界か。」
絵巻には、高台の上に立つカブトムシの仮面ライダーの絵と、かまくらの中に入った2人の高校生の絵が描かれていた。
つづく

次回、仮面ライダーディロード
新エネルギーを追うブラックサタンの魔の手。雅は碧陽学園で何を思う。次回『新エネルギーを守れ/欠ける生徒会』 
 

 
後書き
新カード紹介
ダークキバットベルト:ディロードライバーをダークキバットベルトとキバットバットⅡ世に変えてダークキバに変身するためのカード。
シルバーフルーレ:ロードスラスターをシルバーフルーレに変えるカード。
名刀疾風:ロードスラスターを名刀疾風に変えるカード。
仮面ライダーアマゾン(ワールドホープ):アマゾンライダーの世界のワールドホープ。ガガの腕輪がアマゾンのギギの腕輪と合体する。 

 

第33話『新エネルギーを守れ/欠ける生徒会』

仮面ライダーストロンガー、城茂は自ら進んで改造手術を受けて電気人間となり、日本の平和と正義を守るため、世界征服を狙う悪の組織ブラックサタンを倒すべく、敢然と立ち上がった─

「コウモリ奇っ怪人、北海道で新エネルギーが開発された。お前には、その新エネルギーの奪取をしてほしい。頼めるな?」
「勿論です、1つ目タイタン様!」
悪の秘密結社ブラックサタンの基地。幹部の1つ目タイタンは部下のコウモリ奇っ怪人に指示を出していた。
「コウモリ奇っ怪人、仮面ライダーストロンガー、そして未来から来た仮面ライダー、ディロードには気をつけるのだ。」
1つ目タイタンはコウモリ奇っ怪人に念を押していた。

「詳しい話は後でフェイトにメールで送るから、フェイトはみんなにこの世界のことを伝えてほしい。僕のこの世界での役目は、碧陽学園の生徒会役員。すぐ行かないと遅刻じゃ済まない。行ってくる。」
雅は慌てて出て行った。
「それにしても、今回の雅さんは慌ただしかったな。」
雅を見送った圭一は言う。
「まあ、普通じゃないかな?私も、本局から仕事が来るとあんな感じだし。」
フェイトは圭一にそう言った。

「よし、間に合った。」
雅は教室で授業を受けていた。
昼休みになり、雅はフェイトにメールを送る。

「雅からメールが来たから、説明するよ。」
フェイトは圭一達に確認をとる。
「ストロンガーの世界は、七人目の仮面ライダーの世界で、一度はこの世界で仮面ライダーの世界は止まっちゃうんだって。」
「ああ。俺も見た事があるのはスカイライダーからだし、それは分かっている。それで、雅さんが今いる世界は?」
「その、『生徒会の一存』って世界は、本当に平和で何も変わった事がない日常が続く世界だって。」
「なら、どうして雅は慌ただしく出て行ったのかしら?生徒会がとか言っていたけど。」
「梨花ちゃん。生徒会っていうのは、学校行事の実行や部活動の資金や器材の了承とかを行うところで、生徒の不満とかを解消したりする場所でもあるんだ。ところでフェイトちゃん、なんでこんなに寒いの?」
「ええとね、ここは北海道なんだって。」
「ええぇーっ!どおりで寒いわけだ!」
フェイトの説明を聞き圭一が驚く。
「それで、帰ってくるのは夜になるから、お昼はみんなで適当に食べてくれって。一応、まだ資金は300万くらい残っているから、外食でもいいって。」
「マジで?どこへ食べに行こうか?」
圭一が言うと、
「駄目だよ圭一。お金は出来る限り使い控えないと。雅、あとで鴻上さんに返済するつもりなんだよ。」
フェイトが説明する。
「そっか。じゃあ、スーパーでお弁当でも買うか。」
結局、そう結論が出てフェイト達は買い物に出た。

授業が終わり、雅はこの世界の役目である碧陽学園生徒会の書記としての活動を始める。
「みんな、杉崎がいないんだよ!」
生徒会室で、一番背の低い女子生徒、生徒会会長の桜野くりむははしゃいでいた。
「ああ、だから今日の活動は中止だろ?」
「そうね。いくら議事録をとっていると言っても、役員が欠けた中での議題の解決は、運営に問題があるものね?」
副会長で主人公、杉崎鍵の同級生である椎名深夏は興味無さそうな態度を取り、書記でくりむのクラスメイトである紅葉
知弦は理由をつけて説明していた。
「でも、考えてみようよ。杉崎がいないんだよ。普段の会議を邪魔する杉崎が、今日はいないんだよ!」
「けどさ、会議を滅茶苦茶にしているのは、会長さんも同じじゃないか?」
「私のどこがよ!」
「まず、鍵の無駄話に一番付き合っているし。」
「それに、アカちゃん自身で話を脱線させているときもあるわよね?」
「うっ、それは…」
深夏と知弦の指摘にくりむは返す言葉も無かったが、
「そもそも、真冬よりもちまちました会長さんがばたばたしても、杉崎先輩は微笑ましく思って遊ぶことを優先するに決まっていると、真冬は思います。」
「真冬ちゃん、それどういう意味?」
深夏の妹で会計の真冬の言葉にくりむは食いついた。
「それで、会議するんじゃないの?」
その様子を見て知弦は呆れていた。
「そうだ、会議!」
くりむはそう言うとホワイトボードに書き始めるが、会議を漢字で書けずに指摘される。
「それなら、学園内で話題が挙がっているアルバイトのことなどどうでしょう。それくらいの議題ならどこまでが許可範囲か議論する程度で終わる内容ですし。」
雅はくりむを納得させるように提案する。
「そうね、それで行きましょう!」
くりむは納得した。
「会長さんは、アルバイトなんてしたことないだろ?」
「あるわよ!保育園で!」
「子供が子供の面倒を看るなんて、画期的な保育園ね。」
「それ以前に法律的にどうでしょうか、紅葉書記。」
「別に、普通の保育園よ!一緒に歌って、一緒におやつを食べて、一緒にお昼寝して。先生は褒めてくれたよ?私、出来る女よね?」
「それは…」
雅は呆れていた。
「深夏は力仕事?」
「短絡的過ぎだろ。喧嘩の助っ人だよ。」
「誰かを殴るの?それは流石に…」
「違う違う。誰かが争っていたらそこら辺の岩を粉砕して解散させるんだ。」
「それはそれでどうかと思うけど…」
「知弦は?」
「私は、経営アドバイスや教育改革とか。別に校則に違反しているとは思えないけど。」
「そもそも法律に抵触しています。」
「あとは浮気調査ね。」
知弦が言うと、
「「探偵かっ!」」
くりむと深夏がツッコミを入れる。
「真冬ちゃんは、バイトしていないよね?」
「真冬ですか?していますよ、ブログのアフィリエイトですが…最近では、真冬の日常を載せつつもゲームやBLの広告を載せた『内臓破裂』というブログがメインです。」
「それは、流石にタイトルに問題が…」
雅がツッコミを的確に入れていると、
「てゆうか、凪風はさっきからツッコミを入れてばかりで話していないじゃん!」
「僕ですか?ボランティア活動を行っていまして、アルバイトはしていません。」
「おいおい雅、ボランティア活動なんてしていたのかよ!」
「はい。」
雅の言葉で会議は終わる。
「どうだ!鍵抜きで会議を行ったぞ!」
「でもなんだろ。すごい疲れた。」
「普通、キー君はそれだけしゃべっているってことね。意味も無い事も含めて。」
「雑務もありますのに…」
真冬の言葉でくりむ達は閃き、雑務を始めた。

一日の雑務が終わる頃、日は落ち始めて夕暮れになっていた。
「ようやく終わった…」
くりむは伸びていた。
「あいつ、これ全部一人でやっていたのか…」
「それは、杉崎が一人でやるって言うから!」
「それだけ、私達との時間が大事なのね。それが終わってバイトもして…」
「勉強をして…」
「ギャルゲもやって…」
くりむ達がしんみりしていると、
「今から、杉崎先輩のお見舞いに行きませんか?」
真冬が提案する。
「真冬、お前男が嫌いなんじゃ!」
「でも…」
「きっと、ギャルゲの山でいっぱいかも!」
「でも…」
「男のひとり暮らしでしょ?もしかしたらキノコとか生えていたりするかもしれないわよ?」
「でも…」
「せっかく、普段率先して誰かのために頑張ろうとしない椎名会計が勇気を振り絞ったんです。行きませんか?」
雅が諭すと、納得した。

生徒会一同は買い物を済ませて歩いていると、2人組の高校生に絡まれる。
「君達、碧陽の生徒だよね?今からカラオケ行かない?」
男のうち一人が言うと、
「お姉ちゃん…」
真冬は深夏の後ろに隠れる。
「おいおい、そんなに怯えないで。」
男がそう言うと、
「私達は碧陽の生徒会。今すぐ貴方達の学校へ電話しましょうか?」
知弦が対応する。
「生徒会!ってことは、杉崎のことは知っているよな?あいつ、ずっと成績最下位だったのに、馬鹿みたいだよな。そうそう、気をつけろよ。あいつ、中学時代に二股かけて、精神的に追い詰めるような奴だぜ。しかも、一人は義理の妹だぜ?気をつけなよ、あいつ、変態だから。」
男はくりむの頭を撫でようとするが、くりむはその手を払う。
「知っている。女の子にだらしないし、会議そっちのけにするし、事あるごとにハーレムハーレム煩いし、ウザいし、馬鹿だし、全人類の敵だよ?でも、あいつは言ったんだ。その2人は幸せかって質問に、はいって言ったんだよ。」
「何?あいつの味方するの?きっと、壊されちゃうよ。」
男はくりむの目線に合わせて頭を撫で回している。すると、
ゴッ!
鈍い音がした。真冬が鞄で男の頭を叩いた。普段から複数のゲームが入っている為、重い鞄で殴られた男はよろめく。
「ふざけるな。痛ぇだろうが!」
男は真冬を叩こうとするが、その手は深夏に抑えられていた。
「私の妹に、手を出すな…」
「椎名副会長、この2人は僕に任せて下さい。会長達は、杉崎副会長の所へ!」
雅は男を抑えて、くりむ達を先へ進ませる。
「お前達、男らしく無いな。ハッ!」
雅は拳を一発ずつ放ち、その場を離れる。すると、碧陽学園の新聞部部長、藤堂リリシアが男達の前に現れる。
「あら?どうかしましたか?」
「お前も碧陽の生徒か?」
「新聞部部長、藤堂リリシアでございます。」
「新聞部?実は、お前の所の生徒会の奴らに暴力を振るわれて、この様だよ。」
「そうですか?これはスクープですわね。碧陽学園生徒会、今日もだらだら何もせず。」
「てめえ!」
男は手を挙げようとするが、リリシアが抱えていた猫が邪魔をした。
「ご生憎様、我が新聞部は生徒会の記事をでっち上げるのが仕事でして。それでは、ごきげんよう。」
リリシアはそう言って去っていった。

その頃、雅はストロンガーに変身する城茂と落ち合っていた。
「さて、奴を倒しに行くか!」
研究所に入るコウモリ奇っ怪人に茂は石を投げつけた。
「貴様らは!」
コウモリ奇っ怪人は驚く。
「行こうか、雅。変ん~身、ストロンガー!」
茂は両手のコイルを発電させて改造電気人間、仮面ライダーストロンガーに変身する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅もディロードに変身する。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。聞け!俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
「仮面ライダーディロード!」
ストロンガーとディロードは名乗る。
「今は貴様らにかまっている暇は無い!」
コウモリ奇っ怪人は逃げようとするが、
「ストロンガーマグネット!」
ストロンガーは自身の電磁回路を使ってコウモリ奇っ怪人を引き寄せる。
「城さん、コウモリ奇っ怪人の相手は任せて下さい!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER STRANGER-】
ディロードはストロンガーの世界のワールドホープを発動。すると、ライドカードケースからショックのアタックライドが飛び出す。
「これを使えばいいのか。」
【ATTACK RIDE-SHOCK-】
すると、本来は右手にしか宿らないショックの電撃エネルギーがディロードの体全体に宿る。
「これならいける!ディロードボルテックスパンチ!」
身動きの取れないコウモリ奇っ怪人を相手にディロードは電撃エネルギーを帯びたパンチを繰り出して、コウモリ奇っ怪人の翼を破壊する。
「城さん、一気に決めましょう!」
【WORLD ATTACK RIDE-KAMEN RIDER STRANGER-】
ディロードはストロンガーの世界のワールドアタックライドを発動。コウモリ奇っ怪人はストロンガーから離れ、逃げようとするが、
「逃がさん!行くぞ、雅!」
「はい!」
ストロンガーとディロードはジャンプする。
「「ダブルライダー、電キック!」」
ストロンガーとディロードは互いの電撃エネルギーを頂点まで高めたキックをコウモリ奇っ怪人に放ち、コウモリ奇っ怪人を撃破する。
「城さん、こんな見ず知らずの子供の話を聞いていただき、ありがとうございました。」
「何、立花のオヤジが言っていた奴だ。任せられるだろう。雅、お前はこれから別の世界へ行くんだろう?」
「はい。長居も出来ませんので。」
「そうか。頑張れよ!」
茂と雅は変身を解除し、別れていった。

「次は、やはりスカイライダーの世界か。」
絵巻には、空を飛ぶ深緑の戦士の絵と、桜才学園と書かれた校門に立つ四人の生徒の絵が描かれていた。
つづく

次回、仮面ライダーディロード
次の世界は雅にとって一番苦痛と呼ぶべき世界と融合していた。次回『打倒ヤモリジン/イキヌキも必要だ』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーストロンガー(ワールドホープ):ストロンガーの世界のワールドホープ。ショックのアタックライドの効果が全身に宿る。
仮面ライダーストロンガー(ワールドアタックライド):ストロンガーの世界のワールドアタックライド。互いの電撃エネルギーを相互上昇させてダブルキックを放つ。 

 

第34話『打倒ヤモリジン/イキヌキも必要だ』

仮面ライダー、筑波洋は改造人間である。人類の自由のために悪の秘密結社ネオショッカーと戦うのだ─

「スカイライダーの世界と融合したのはこの世界か…」
早朝、雅はいつになくやる気を失っていた。
「どうしたの?雅らしく無い。」
フェイトは、偶然にも早く起きていたため雅の言葉を聞き、雅に話し掛けた。
「実は、スカイライダーの世界と融合した世界、『生徒会役員共』の世界は、僕にとってすごく会話し辛い世界なんだ…」
「何か、いやな事でもあったの?」
「これは僕の方に責任があるんだけど、あの世界の主要な人達は、ごく一部を除いて大体だ下品な会話にもっていくんだ。」
「下品な会話って?」
「こんなことを女の子であるフェイトに話したくはないけれど、俗に言う下ネタって言われるやつだ。」
そう、雅は下ネタが大の苦手、というよりはそう接してくる人が怖いのだ。
「どうして?私も学校に行っているときにクラスの男の子達は普通に話していたよ。」
「フェイトはわかっていない。男子よりも、女子の方がそういうのを話していて、その空間にいる辛さが。」
ディロードになる前の雅は、学校で虐めにあっていたが、当然、性的な虐めも多かった。雅にとっては、人前で下ネタを話す人に対して、もはや拒絶反応を起こすようになっていた。
「そんなに酷いの?」
「ああ。フェイト達の情操教育を考えればみんなを彼女たちには会わせられない。彼女たちは、相手が子供だろうとお構いなしだから。」
「そうなんだ…」
「それでも、僕はその中に行かないといけない。そろそろ行ってくる。フェイト達はいつものように待機してくれ。」
「わかった。」
雅は桜才学園の制服を着て学園に向かった。

桜才学園は作中において、主人公が入学する年に共学化した元女子高で、男女の比率が1:18といった割合になっている。
「さて、あとは彼女たちにバレないように…」
雅は声を極端に小さくして呟き、校門を通り抜けるが、
「そこの男子、待ちなさい!」
黒髪の綺麗な生徒会長、天草シノが雅に声をかけた。
「僕のことでしょうか?」
「ああ。制服の一番上のボタンが外れている。それは立派な校則違反だ。」
シノは雅に注意するが、
「シノちゃん、もしかしたらあえて着崩してプチ露出の入り口に立とうとしているのかもしれないよ。」
シノと同学年で書記の七条アリアがシノにそう言うと、
「そうか。なら問題ないな。行っていいぞ。」
シノは雅を離し、雅はシノ達から逃げるように玄関へ向かうが、走りながらであったため、何かにぶつかるが、その正体は会計の萩村スズであった。
「あんた、少しは前を見なさいよ!」
「済みません。しかし、あの人達が怖くてすぐ教室へ向かおうとしていまして。」
「会長達がどうかしたの?」
「僕が慌てていてボタンが外れているのに気づいていなかったのを露出の始まりみたいに言いまして。」
「またいつものね。気にしないで大丈夫よ。」
「そうでしょうか?」
「会長達には、あとで言っておくわ。」
雅とスズが会話していると、
「私達のことは避けるようにしているが、萩村のことは平気なようだな。」
「シノちゃん、きっと彼はロリコンさんなのよ。」
シノとアリアの話し声が聞こえると、雅は怯えるように玄関の中へ消えていった。
「あいつに何かしたのですか?」
「いや、特に何もしていないが。」
シノの言葉を聞き、スズは不思議そうにしていた。

一限目が終わり、『生徒会役員共』の主人公、津田タカトシが雅の前にやってくる。
「凪風、今朝はどうした?なんか酷く怯えていたけど。」
「副会長、会長と書記のあの下ネタ、どうにかなりませんか?本人達は楽しくてやっているのかもしれませんが、僕は怖いのです。」
「まあ、いつものことだし。」
「僕、ああいった虐めを受けて対人恐怖症を患ったことがあるのです。」
「そうだったんだ…会長達には、後で言っておくよ。」
「ありがとうございます。」
津田と雅の会話を、シノとアリアは観ていた。

放課後になり、雅は生徒会室に呼ばれていた。
「─というわけで、凪風は普段のような会話をしている会長達が怖いんです。だから、せめて凪風にそういった話を振らないでもらえませんか?」
「なるほどな。津田の話はよくわかった。凪風の前でディープなネタを言わなければいいのだな。」
「行動はもっと駄目ですからね。」
津田が念を押すとシノはふて腐れた顔をする中、
「それにしても、珍しいわね。津田以外にまともな男子がいるなんて。」
「僕の方こそ、普通な人がいて助かりました。」
雅もスズも、互いに頭脳明晰であるため、話が盛り上がっている。すると、
「スズちゃんをお話しが出来るのって、雅君はやっぱりロリコンなのかしら?」
アリアがそんなことを言う。
「誰がロリじゃーーー!」
スズはキレてそう言い、
「もう限界だ。もういやだ。この学校にいたくない!」
雅は出て行ってしまう。
「あら、どうしたのかしら?」
しかし、そんな発言をしたアリア自身はあっけらかんとしていた。
「もしかして、自覚がなかったんですか!」
津田は驚く。
「タカトシ君、どうしたの?」
「さっき凪風にそういった話はしないで下さいと言ったばかりじゃないですか!」
「えぇ?ただのジョークじゃない?」
「なら余計タチが悪いですよ!もし凪風が不登校とかになったらどうするんですか?」
「アリア、確かに、これは津田の言うとおりだ。明日、みんなで今日のことを謝ろう。」
シノは津田の肩を持った。 

桜才学園を出た雅はスカイライダーに変身する青年、筑波洋と出会っていた。
「初めまして筑波さん。いえ、仮面ライダー。」
「何故そのことを!まさか、ネオショッカーの怪人か!」
筑波は身構えるが、
「違います。僕はネオショッカーを追ってここまで来て、筑波さんの協力を仰ぎたくて来ました。」
雅は事情を話す。
「そうだったのか。それで、何故君のような子供がネオショッカーを追っているんだ?」
「実は、僕は未来から来た者でして、仮面ライダーディロードをやらせてもらっています。」
「仮面ライダーディロード?」
「はい。」
雅はディロードライバーを装着する。
「それは?」
「これが、僕を仮面ライダーに変身させるものです。」
「それが…」
筑波はディロードライバーに触れようとするが、
「触らないで下さい!」
「どうした?」
「これは、僕とパートナーの一人以外が触れると、半径200mを更地にする爆発が起こります。」
「どうしてそんなものを。」
「それが、僕の手にしたものだからです。話がそれましたが、僕はゼネラルモンスターを追ってここまで来ました。」
「本当かっ!実は、明日ゼネラルモンスターと決着をつけるんだ。」
「そうですか。もしよろしければ、その戦いに僕を参加させて下さい!」
「ああ。2人なら、心強い。」
雅は筑波から場所と時間を聞き、雅はスカイライダーの世界のワールドホープを完成させて別れた。

「ただいま。」
雅は疲れた顔で帰宅する。
「雅、大丈夫?疲れた顔をしているけど。」
「済まない。明日のことを考えて、今日はもう寝たい。食事は朝どうにかする。」
「疲れているなら、そうした方がいいよ。」
フェイトに言われて、雅は9時も回らぬうちに眠ってしまう。
「本当、安らいだ顔で眠っていますね。」
圭一がやってきて雅の顔を見て言った。
「ところで圭一、聞きたいことがあるんだけど。」
「どうした?」
「今日雅が学校で言われたロリコンって何?」
「ブッ!フェイトちゃんはどうしてそんなことを聞くのかな?」
「雅がどうしてあんなに傷ついたのか知りたくて…」
「わかった。フェイトちゃん、落ち着いて聞いてほしい。ロリコンっていうのは、大人の人がフェイトちゃんくらいの子供に恋愛感情等々を抱くある種の精神的な病気の一種なんだ。」
「そんな病気って本当にいるの?」
「ああ。入江先生がそうだったな。」
圭一は、雛見沢にいた頃を思い出す。
「そんな…私、明日雅にそんなことを言った人達の所に行って話してくる。」
フェイトは言う。
「わかった。じゃあ、今日はもう寝るか。」
圭一の言葉で、フェイト達も眠りにつく。

翌日、筑波と雅は砂丘のような土地にいた。
「よくきたな。筑波洋!そして未来から来た仮面ライダー!」
「ゼネラルモンスター、今日こそ決着をつける!雅君、行くぞ!変身!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「わかりました!変身!」
筑波はスカイライダーに、雅はディロードに変身する。
「未来の仮面ライダー、貴様の相手はこいつらだ!」
ゼネラルモンスターはネオショッカーの戦闘員、アリコマンドの大軍をディロードに向かわせる。
「雅君!」
スカイライダーもディロードの所へ向かおうとするが、
「仮面ライダー、貴様の相手はこの私だ!」
ゼネラルモンスターはヤモリジンに変身し、スカイライダーの妨害をする。

「くっ、次から次へと!」
ディロードはロードスラスターでアリコマンドを切り裂いてゆくが、倒したそばから次の群が現れる。そうして、ディロードの体力を徐々に奪っていく。そして、ディロードはついにロードスラスターを落としてしまい、アリコマンドの大軍に囲まれてしまう。その時、
「あれはなんだ。」
シノの声が聞こえディロードが振り向くと、桜才学園の生徒会をつれたフェイトがいた。
「フェイト!どうして連れて来た!融合した世界の人達を巻き込めばどんな被害が出るか分からない!フェイトだってわかっているだろう!」
「それでも、雅のことを知って欲しかった!みなさん、見えますか。あの大軍の中に一人戦う戦士。あれが雅です。」
「あれは何かの撮影か?」
「いいえ、天草さん。あれは現実のことです。雅は、崩壊しそうな世界を救う為に一人戦っているんです。それで、その世界を救っても、みんな雅のことを忘れてしまうんです。たとえどれだけ雅を傷つけても、雅という人がいたことがなくなってしまうんです。それでも、雅はみんなの為に戦うんです。そんな雅に冗談でもあんなことを言って雅を傷つけたあなた達を、たとえ雅が許しても、私は、許しません。」
フェイトはシノとアリアに怒りをぶつける。
「フェイト、もういい!早くみんなを安全な場所へ!」
ディロードはアリコマンドの攻撃を受けながらもフェイトに指示を出す。そして、
「くっ、こんな時、空を飛べれば!」
ディロードは地面に叩き伏せられる。
「雅君!今こそ俺の世界の希望を使うんだ!」
「わかりました!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER-】
ディロードはスカイライダーの世界のワールドホープを発動。すると、ディロードの右手に黒い光が集まり、一枚のカードになる。
「これは!」
ディロードは驚くと、アリコマンドの間を縫って動き、ロードスラスターを取る。そして、そのカードをスキャンする。
【SUMMON RIDE-REINFORCE-】
そのカードの力で、闇の書の管理者、リィンフォースが現れる。
「雅、久しぶりだな。」
リィンフォースは群がるアリコマンドを一掃し、ディロードを引き上げる。
「雅、あの数は大変だ。私の力を使うといい。」
「リィンフォース…わかった!夜天の光よ、我が手に集え!祝福の風、リィンフォース、セットアップ!」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードはリィンフォースとユニゾンし、正義のスノーレインフォームになる。
「これならいける!」
ディロードはスレイプニールで空を飛ぶ。そして、
「ジェノサイドシフト!」
かつて闇の書の管制人格が使ったフォトンランサージェノサイドシフトを上空で放ち、アリコマンドを全滅させる。
「ありがとう、雅君!行くぞ、ヤモリジン!スカイキック!」
スカイライダーは必殺技のスカイキックを放つ。そして、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードも必殺技を発動。ディロードに紫の雷が降り注いで力となり、
「『ディロード雷天キック!』」
降下しながら狙いを定めてヤモリジンに必殺のキックを放つ。
「おのれ、仮面ライダー!」
ヤモリジンはゼネラルモンスターに戻り、最後の手段である自爆を放とうとするが、雷に打たれ、その場で爆発し、失敗に終わる。
『ネオショッカーに失敗は必要ない。これからは、私が仕切らせてもらう。』
すると、謎の幻影が現れ、そう宣言する。
「何者だ!」
『我が名は魔神提督。覚えておくのだ、仮面ライダー!』
魔神提督の幻影は消滅し、スカイライダーは去って行った。
「さて、ゼネラルモンスターを倒した。僕達も長居出来ない。直に正しく修正される。それに巻き込まれれば二度と戻ってこれない。早く行こう。」
「雅、待って。天草さん達が言いたいことがあるって。」
「どうしました?」
雅は怯えながら聞く。
「昨日は済まなかった。これは、我々が反省を込めた粗品だ。これで許してもらえないか。」
シノは、両手で抱えている箱を雅に渡す。
「…開けてもよいですか?」
「ああ、もちろん。」
「フェイト、一応、後ろを向いていてくれ。」
雅はフェイトに指示を出し、箱を開ける。中には、雅の想像していたものが入っていた。
「返却させていただきます!」
雅は箱をシノに返してフェイトとともに帰って行った。

「次はスーパー1の世界。ZXの世界まであと少しか。」
絵巻には、何かの改造人間の設計図の絵と、ローラースケートを履き、金属バットを持った少年の絵が描かれていた。
つづく

次回の仮面ライダーディロードは!昭和ライダーの世界もあと少し。次は謎の事件に雅が挑む。次回、『掴み取れ、梅花の型/少年バット』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダー(スカイライダー)(ワールドホープ):スカイライダーの世界のワールドホープ。リィンフォースのカードが復活する。
リィンフォース:リィンフォースを召喚し、単騎戦闘、またはユニゾンしてスノーレインフォームに変身する為のカード。 

 

第35話『掴み取れ、梅花の型/少年バット』

「また、珍しい世界と融合したな。」
「どうしたの、雅?」
「スーパー1の世界と融合した世界、『妄想代理人』の世界は、僕の世界でもそこまで有名ではない、むしろマイナーな世界だった。」
「でも、雅は知っているんだよね?」
「14年前に一度行ったことがあるからね。その世界の説明をしよう。この世界には、かつて少年バットと呼ばれた連続通り魔傷害事件が発生したんだ。少年バットと呼ばれた容疑者の特徴は小学校高学年程度の背丈で金属バットを持ち、ローラースケートで走り、ターゲットの後頭部をバットで殴って去ってゆく。おおまかにまとめるとこういった状況だ。」
「それって、普通に普通の事件ですよね?」
「無論、警察も真面目に捜査をして容疑者を逮捕したんだ。確かに容疑者は犯行を行っていたんだ。だが…」
「もしかして、模倣犯?」
「違うんだフェイト。留置所に本物の少年バットが現れ容疑者を殺し、去って行ったんだ。」
「どうして!?」
「まず、少年バットが現れる条件を説明しよう。少年バットの正体はある女性クリエイターが生み出した現実逃避の手段だ。しかし、ニュースで事件が流れた結果、様々な人がその架空の存在を利用して現実逃避をするようになった。当然、容疑者の場合はただ後頭部を殴られても逮捕された事実は変わらない。一番逃げる道は死以外なかった。というわけだ。」
「でも、存在しない架空の少年がどうやってそんなことを?」
「あの世界は変わっていて、人の想いがある程度実体化してしまう。そして、様々な人が少年バットを利用した所為で、少年バットは実体を持った。」
「でも、実体を持ったのなら、逮捕できるんじゃ?」
「相手は人間ではない。逮捕は不可能だ。それに、出現する条件はかなり特殊で、精神的に追いつめられた人の前にしか現れないんだ。」
「それじゃあ、捜しようがない。」
「そうだ。最初の事件の被害者は職を失うかの瀬戸際、次の被害者は慰謝料が支払えない記者。その次は少年バットの容疑をかけられた児童会長候補。次は二重人格の女性。その次は家族がうまくいかない男性。様々な人が被害に遭うのだが、追いつめられた被害者にとって少年バットに襲われることは救いになってゆき、それは世界を侵食するようになっていった。もっとも、その事件は最初の被害者が全てを受け入れることで終息したが。」
「そんな世界も、世の中にはあるんだね。」
「ああ。さて、僕はそろそろ行かないといけない場所があるから行ってくる。夜も遅いからみんなはここで寝る準備をしてほしい。」
雅は出て行った。

「誰か、助けてくれ!」
石橋の辺りで悲鳴が聞こえ、雅が向かうと、スーパー1の敵、ドグマ帝国の改造人間ライギョンがいた。
「ドグマの改造人間、そこまでだ!」
雅はライギョンに襲われている人を逃がす。
「貴様、何故ドグマを知っている!消えてもらう!」
「消えるのは、お前の方だ!」
【CHANGE RIDE-FOURZE DRIVER-】
雅はディロードライバーをフォーゼドライバーに変える。
[three two one-]
「変身!」
雅は仮面ライダーフォーゼに変身する。
「ライギョンは魚の怪人。それなら!」
[ファ イヤー オン]
フォーゼはファイヤーステイツにチェンジする。
「これでどうだ!」
フォーゼは専用武器のヒーハックガンでライギョンを撃ち続けると、ライギョンはあっという間に倒れて動かなくなった。
「やったのか?いや、気は抜けないな。」
[リミット ブレイク!]
フォーゼはファイヤースイッチをヒーハックガンにセットしちゃう必殺技を発動する。
「ライダー爆熱シュート。」
フォーゼの必殺技を受けライギョンは燃え上がる。
「これで大丈夫か。」
雅は変身を解除し、去って行った。そして、少し経ち、ライギョンの体は崩れるように無くなり、その中から別の姿が現れる。そう、ライギョンは戦闘データを収集する為の姿で、その正体は寄生虫の怪人、ギョストマであった。
「仮面ライダーめ、貴重なファイターの祖体を逃がしてしまったではないか!」
ギョストマはドグマ帝国の基地に向かっていった。

「ファイター達よ、次の指令を与える。スーパー1との戦闘でファイター達の数が激減している。補充は利くが限度がある。そこで、お前たちにはその祖体となる人間を誘拐してこい。もちろんバレることの無いように今流行りの都市伝説、少年バットは振りをしろあとは我々が建てたドグマ病院で祖体をファイターに改造する。それから、これが誘拐する人間のリストだ。少年バットは苗字に動物の名前が入っている人間しか襲わない。気を付けるのだ!」
ドグマ帝国の幹部、メガール将軍はドグマの戦闘員、ドグマファイターに指示を下し、ドグマファイター達は少年バットに変装して各自行動を開始した。

翌日、ニュースは大騒ぎであった。
『連日話題に上がっていた少年バットの事件。ついに被害者は20人を超えました。徳間病院に入院されました棋士の─』
「おかしい。確かに少年バットは誰の前にでも現れる。だが、頻繁に現れない。様子をみてくる。」
雅はニュースを観ると飛び出すように出て行った。

「あれは!」
雅が驚いてマシンディローダーを止めて歩み寄ると、スーパー1に変身する青年、沖一也が倒れていた。
「あなたは!確かスーパー1ですね?」
「きみは、何故そのことを?」
「詳しい話はあとです。まずはあなたのメンテナンスを。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は沖を背負い、ワープのアタックライドでスーパー1のメンテナンス基地に転移した。

「操作はこちらで行います。」
雅はチェックマシーンを作動させて、沖の機械部分の修復を行う。
「ありがとう。きみは一体、何者なんだ?」
「紹介が遅れました。僕の名前は凪風雅。武術凪風流の当主。またの名を、仮面ライダーディロード。」
「仮面ライダー?」
「はい。仮面ライダーとは、正義と平和を守る戦士のことです。」
「それで、雅君はどうして俺を?」
「実は、ある事件を追っていまして、協力していただきたくて。それで、沖さんは一体、何があったのですか?」
「俺は昨日、ドグマ怪人のライギョンと戦ったんだが、それを基にしてギョストマという怪人を作り、俺の赤心少林拳が破られてしまったんだ。」
「そうだったのですか。」
「それで、雅君が追っている事件は?」
「はい、今話題となっています、少年バットによる事件ですが…」
「どうしてその事件を?」
「実は、その事件がドグマと関係があるようなので。」
「何か、証拠を掴んでいるのか?」
「当然です。まず、今回の被害者は皆、徳間病院という病院に搬送されましたが、この徳間病院、実は事件が始まる1週間前にできて間もない病院です。それからこの病院、何故か少年バット関連の患者しか入院を受け入れていないのです。それだけでも十分に怪しいのですが、この病院、患者に面会出来ないのです。」
「なるほど。それで、どうするんだ。」
「今夜、病院に潜入します。」
「その作戦、俺にもやらせてくれ。」
「沖さんもですか?」
「雅君の推測が正しければきっと、ギョストマはその病院にいるだろう。」
「分かりました。では今夜決行で。」
「それで、雅君にお願いがあるんだ。」
「僕に出来ることならいくらでも。」
「赤心少林拳の一つ、梅花の型を身につけたい。協力してほしい。」
「分かりました。僕も凪風流の当主。その言葉に全力で協力させていただきます。」
メンテナンス基地は道場ほどの広さがあったため、沖と雅はすぐ稽古を始める。
「雅君、俺を殺す勢いで攻撃してくれ!梅花の型は相手の攻撃を受け流す力。その力が強いほど真価を発揮する。」
「分かりました。期待に沿えるか分かりませんが、出来る限りやってみます!」
雅は普段の戦闘のように沖に拳を放つ。
「グッ!清んだ拳をしているね。」
「そうですか?」
「ああ、あとで一度、真剣に手合わせ願いたいほどだ。」
雅と沖は、日が落ちて、夜空になるまで稽古を続けた。

暗い夜空の中、雅はマシンディローダーに、沖はVマシンに乗って徳間病院に着く。
「では、計画通り裏口から行きましょう。」
雅と沖は従業員が出入りする裏口に向かう。
「では、入りましょう。」
雅がロードスラスターを取り出すと、扉は開き、中から少年バットが現れ、雅の後頭部を狙うが、雅は軽やかなステップで回避し、少年バットの足を払う。すると、少年バットは転けて変装が解除され、ドグマファイターの正体を曝した。
「やはりドグマの仕業だったか!」
雅と沖は構える。すると、
「バレてしまったか。」
中からドグマファイターを連れてギョストマがあらわれる。
「いこう、雅君。変身!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「はい!変身!」
雅はディロードに、沖は惑星開発用改造人間、仮面ライダースーパー1に変身する。
「雅君、ファイターは任せた。俺はギョストマをやる。」
「分かりました!」
スーパー1はギョストマと一騎打ちに持ち込み、ディロードはドグマファイターローラースケート部隊と戦闘を開始する。
「くっ、動きが読めない!」
一人なら先ほどのように足払いで対処出来るが数が増えればそうもいかない。ディロードは次第に翻弄される。
「リィンフォース、力を貸してくれ!」
【SUMMON RIDE-REINFORCE-】
ディロードはリィンフォースを召喚する。
「夜天の光よ、我が手に集え。祝福の風、リィンフォース!セットアップ!」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードはスノーレインフォームに変身し空を舞う。
「今回はこれだ。」
『紫電一閃!』
リィンフォースはかつてシグナムから強制的に収集させられたリンカーコアの力を引き出し、ロードスラスターから爆園の一閃を放ち、ドグマファイターを焼き払う。

「これでどうだ!」
ギョストマは素早い拳でスーパー1を追いつめてゆく。
「くっ、このままでは!」
スーパー1は回避し続けている。すると、ギョストマの後ろからローラースケートの音が聞こえてくる。
「おおっ!増援か!」
ギョストマは歓喜するが、次の瞬間、そこにいた誰もが驚いた。何故なら、その少年バットはギョストマをバットで殴り去っていったからだ。
「まさか、あれは!」
ディロードはハッと気がつく。そして、
「おのれ!こうなれば!」
殴られたギョストマは怒りの矛先をスーパー1!向けて拳を振りかざす。
「させない!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER SUPER1-】
ディロードはスーパー1の世界のワールドホープを発動する。
「くらえ!」
ギョストマの拳はスーパー1の心臓部に延びる。しかし、
「赤心少林拳、梅花の型!」
ギョストマの拳はスーパー1に受け止められた。
「沖さん、そのままでお願いします!くらえ、石化の槍、ミストルティン!」
ディロードはロードスラスターから1本の光線を放ち、ギョストマの動きを止める。
「雅君、決めよう!」
「はい!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「トウッ!スーパーライダー、閃光キック!」
「『ディロード雷天キック!』」
スーパー1とディロードの必殺のキックがギョストマに直撃する。
「テラー、マークロー!」
ギョストマはドグマ帝国の忠誠の言葉である、ドグマ帝国の首領の名を叫びながら爆発した。
「雅君、中にいる患者を救出しよう!」
「はい!」
ディロードとスーパー1はドグマ病院に入ってゆく。
「静かですね。」
ディロードとスーパー1は慎重に進入し、病室を覗く。すると、中には入院していた患者いた。
「大丈夫ですか!」
ディロードは患者に声をかける。すると、患者はドグマファイターに変わり、ディロードに襲いかかる。
「そんな!」
ディロードはロードスラスターでドグマファイターを切り裂き、倒す。
「雅君、どうやら、患者は皆ファイターに改造されたようだ。諦めよう。チェーンジ、パワーハンド!」
スーパー1は自身の腕を近接戦闘特化のパワーハンドに変え、壁に穴を開けてディロードと共に脱出し、
「チェーンジ、レーダーハンド!レーダーミサイル、発射!」
スーパー1は探査用の腕に変えて、装備されたミサイルを発射してドグマ病院を爆破し、事件を終息させる。
「ありがとう雅君。雅君のおかげで、ギョストマに勝てた。」
「こちらこそ、協力していただきありがとうございます。」
雅と沖は分かれていった。

翌日、雅はある病院に行き入院している一人の男性に会っていた。
「馬庭刑事、いえ今は馬庭さんと呼ぶべきですね。少年バットが再び現れました。後はどうするか、解りますね。」
雅はかつて妄想世界で少年バットと戦闘を繰り広げた男性、馬庭にそう言うと、馬庭はピクリと反応し、それを見た雅は去って行く。馬庭の病室の壁には何かの数式が書かれていた。何の数式かは不明であるが、その数式のイコールの先には9と書かれていた。そして、その隣にはスズメバチとドラゴンの絵が描かれていた。 

「よし、次は異変の元凶、仮面ライダーZXの世界だ。」
「ついに来たんだね。」
絵巻には、10人の仮面ライダーが描かれていた。
つづく


次回予告
巡り巡った守護者の旅。次はいよいよ異変の元凶。さて次回は─『10号誕生!異変を砕け』
 
 

 
後書き
新カード紹介
フォーゼドライバー:ディロードライバーをフォーゼドライバーに変えて仮面ライダーフォーゼに変身するためのカード。
仮面ライダースーパー1(ワールドホープ):スーパー1の世界のワールドホープ。赤心少林拳 梅花の型をマスターする。 

 

第36話『10号誕生!異変を砕け』

「ついに来たか。」
「ZXの世界ですか?」
「ああ。正しくは『10号誕生!仮面ライダー全員集合』の世界だけど。」
「あれ?これまでと何か違う。」
「ああ。元々ZXは仮面ライダーの放送休止中に子供向け雑誌で展開されていた仮面ライダーで、ZXが初めてテレビに出たのはお正月の特番放送の時だった。今まで昭和ライダーの世界を破壊するために使用していた時空破断システムは、この時に出た兵器で、対処物質を歪曲させながら完全消滅させる極めて危険な兵器で、それを破壊するために仮面ライダーが全員集まるという話だ。そして、ZXを改造したバダン帝国は仮面ライダーがかつて戦ったショッカーからジンドグマまでの組織の残党が集まった組織という設定ができた。」
「それじゃあ、雅さんの今回の仕事はその時空破断システムを破壊することですか?」
「ああ。昭和ライダーの世界でソウルライドが発動せずに移動できたのは、きっと世界が繋がっているからだったのだと、今では思える。それじゃあ、僕は今から行ってくる。みんなは待っていて。」
「任せて下さい!」
圭一に見送られて、雅は出て行く。

雅がマシンディローダーを走らせて少し経ち、崖道に着くと、時空破断システムの起動に必要なバダンニウム84をめぐって、バダン帝国の戦闘員、コンバットロイドとV3、ライダーマン、スーパー1の三人の仮面ライダーが戦っていた。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「皆さん、僕も参戦します!変身!」
雅はディロードに変身し、コンバットロイドを攻撃してゆく。
「雅君!来てくれたのか!」
V3が反応し、戦いながら戦況を説明する。
「なるほど、分かりました。ありがとうございます。」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
「ハァッ!」
ディロードはロードスラスターによる斬擊でコンバットロイドを全滅させ、バダンニウム84に近づくが、
「そこまでだ!バダンの改造人間!」
四人の仮面ライダーは何者からか爆撃を受けて振り向くと、そこにはバダン帝国に改造されたが、洗脳が解除されて自力で脱出したパーフェクトサイボーグ、ZXがいた。
「待て!話を聞いてくれ!」
スーパー1がZXを落ち着かせようとするが、
「問答無用!マイクロチェーン!」
ZXは話に応じず、電磁鞭をライダーマンに絡めて電流を流す。
「ライダーマン!」
V3が叫び、三人でZXに近づこうとするが、
「衝撃集中爆弾!」
間接部に装着されている爆弾を三人に投げつける。
「危ない!」
ディロードはV3とスーパー1に当たらないようにその身で全ての爆撃を受ける。
「大丈夫か、ディロード!」
スーパー1の言葉を聞き、ZXは止まる。
「バダンにそんな名前の改造人間はいない。君たちは一体?」
「我々は人類に自由と平和の為に戦う正義の味方、仮面ライダー!」
「仮面…ライダー?」
V3とZXが話していると、バダンニウム84を積んだトラックが移動をする。
「しまった!伏兵がいたか!」
ディロードが気づくがすでに遅く、トラックは見えなくなっていた。
「仕方がない、諦めよう。君の名は?」
「俺はバダンに改造されたZXだ。」
「では君は、仮面ライダーZXだな。」
V3が言うと、
「俺を仮面ライダーと呼ばないでくれ!俺はすでにバダンの兵士として戦ってしまった。今更仮面ライダーだなんて…」
ZXはそう返す。
「一度落ち着こう。」
既に変身を解除した結城はZXの肩に手を置いた。
「そうだ、結城の言うとおりだ。一度、仮面ライダーというものを教えよう。」
風見と沖、雅も変身を解除し、ZXに変身する青年、村雨良を連れて活動拠点へ連れていった。

「まずはこれを見てくれ。」
風見はビデオデッキを起動して映像を村雨に見せる。
「これは?」
「仮面ライダー1号。悪の秘密結社ショッカーに目をつけられた本郷猛が改造された仮面ライダーで、多彩な技を持つことから、技の1号と呼ばれている。」
風見は歴代仮面ライダーの映像を説明してゆく。
「仮面ライダー2号。1号を倒すためにショッカーに改造されたが、1号に助けられた青年、一文字隼人が変身する仮面ライダーで、その凄まじい力から力の2号と呼ばれている。仮面ライダーV3、これは俺のことだが、俺は家族をデストロンという組織に殺され、復讐するためにデストロンの基地に乗り込んだが、1号と2号を守る為に盾になり、俺の命を救う為に1号と2号によって改造された。それに恩義を感じた俺は世界の平和を守る為に仮面ライダーとなった。」
「風見、次は俺の番だな。ライダーマン、すなわち俺のことだが、俺は元々デストロンの科学者で世界の為と思ってデストロンに手を貸していたが、騙されていたと知り、この研究の結晶であるカセットアームを使い、ライダーマンとして戦った。」
「結城、代わろう。仮面ライダーX。深海開発用改造人間で、GOD機関の攻撃で瀕死の重傷となった神啓介が父親によって改造された仮面ライダーで、ライドルという万能武器で戦う。仮面ライダーアマゾン。古代インカの秘術で改造された山本大介が変身する仮面ライダーで、野生の本能を駆使してゲドンとガランダー、二つの悪の組織と戦った。仮面ライダーストロンガー。親友をブラックサタンに殺された城茂がブラックサタンに改造させてその力を正義の為に使う改造電気人間だ。スカイライダー。筑波洋が変身する空を飛べる仮面ライダーで、ネオショッカーと戦った。」
「次は俺は説明しよう。仮面ライダースーパー1、これは俺のことだが、俺は元々惑星開発用に改造されたんだが、その技術を狙うドグマによって宇宙基地は破壊させ、ドグマが地球を狙っていることを知り、地球で学んだ赤心少林拳を駆使して戦ったんだ。」
「僕に関しては資料がなくて申し訳ありません。僕は仮面ライダーディロード。僕の世界はショッカー達の残党が集まった組織、大ショッカーによって滅ぼされ、その前に手に入れたこの変身技術を用いて、様々な世界を守ってきました。」
風見達は村雨に説明を終える。
「驚きました。まさか、俺と同じような境遇の人が、十人もいたなんて…」
「君は仮面ライダーになれる。違うか?」
「俺でも、なれるのでしょうか?」
「ああ。君は仮面ライダー10号、仮面ライダーZXだ!」
村雨は風見に諭される。すると、突然轟音が鳴り響き風見達が窓を覗くと、なんと建物が歪曲しながら消滅していった。
「あれは一体!」
風見が驚いていると、
「ついに、時空破断システムが作動してしまったか!」
村雨が言う。
「こうしてはいられない!行くぞ!」
風見は雅達に言う。すると、
「皆さんは先に行って下さい。俺は、やらないといけないことがあります。」
「分かった。待っているぞ。」
雅達は、時空破断システムのビームの発生地点に向かう。

「結果は順調のようだな!」
外で観察しているバダン帝国の幹部、暗闇大使はデータを確認している。すると、
「そこまでだ!」
どこかから大きな声が聞こえ暗闇大使は振り向く。
「仮面ライダー1号!」
仮面ライダー1号が現れる。
「仮面ライダー2号!」
「仮面ライダーV3!」
「ライダーマン!」
「仮面ライダーX!」
「仮面ライダーアマゾン!」
「仮面ライダーストロンガー!」
「スカイライダー!」
「仮面ライダースーパー1!」
「仮面ライダーディロード!」
それに続き仮面ライダーが集結する。
「ぞろぞろ現れおって!」
暗闇大使が言うと、
「待てぇっ!もう一人いるぞ!」
何者かが叫ぶ。そして、その正体は自身のバイク、ヘルダイバーに乗ったZXであった。ZXはジャンプして仮面ライダー達の前に立つ。
「仮面ライダー…ZX!」
ZXは仮面ライダーとして暗闇大使に立ち向かう。
「おのれZX!来い!」
暗闇大使の号令で怪人達が現れる。
「バラロイド!」
「タカロイド!」
「アメンバロイド!」
「ドクガロイド!」
「トカゲロイド!」
「ジゴクロイド!」
「カマキロイド!」
「ヤマアラシロイド!」
「カミソリヒトデ!」
「獣人オオムカデ!」
「ガメレオジン!」
「カマキリガン!」
号令に応じてバダン帝国の怪人が仮面ライダー達に襲いかかる。
「行くぞ!ライダーチョップ!」
1号はバラロイドの脳天にライダーチョップを放ち撃破する。
「ライダーパンチ!」
2号のライダーパンチが炸裂し、ドクガロイドは数メートルにわたって飛ばされ撃破される。
「V3火柱キック!」
V3のキックによってカミソリヒトデは撃破される。
「ロープアーム!」
ライダーマンはロープアームでトカゲロイドを縛り上げ、地面に叩きつけてトカゲロイドを撃破する。
「Xキック!」
Xライダーは必殺のキックでタカロイドを撃破する。
「モンキーアタック!」
アマゾンライダーは度重なる体当たりを獣人オオムカデに放ち撃破する。
「電ショック!」
ストロンガーは電気エネルギーを流し込みカマキロイドを撃破する。
「99の必殺技の1つ、スカイフライングソーサー!」
スカイライダーは数多の技の1つでガメレオジンを撃破する。
「チェーンジ、冷熱ハンド!同時発射!」
スーパー1は冷凍ガスでアメンバロイドを、火炎放射でカマキリガンを撃破する。
「穿て、ブラッディダガー!」
スノーレインフォームに変身したディロードはリィンフォースの弾魔法を使いジゴクロイドとヤマアラシロイドを撃破する。
「地獄大使!お前の野望もここまでだ!」
「地獄大使?あんな奴と一緒にするな!こうなれば!」
暗闇大使は1号の言葉に反発しながら、自身に組み込まれた時空魔法陣を使い異空間を展開する。
「なんだ、これは!」
V3が驚いていると、
「その程度で儂は倒せんぞ!」
暗闇大使の猛攻によって仮面ライダー達の体力は疲弊していく。
「なんとか打開策はないのか。」
2号が言うと、
「僕達仮面ライダーの力を1つにしましょう!」
【WORLD HOPE-10GO TANJO!KAMEN RIDER ZENIN SHUGO!!-】
ディロードはそう返し、ZXの世界のワールドホープを発動する。
「雅君の言うとおりだ!仮面ライダーに、不可能はない!」
V3の言葉で仮面ライダー達は動き出し、肩を組み合う。
「ライダーシンドローム!」
11人の仮面ライダーは全エネルギーを集中させて暗闇大使を攻撃し、暗闇大使は弱体化する。
「皆さん、暗闇大使は俺に任せて下さい!」
ZXはそう言うとジャンプしてエネルギーを溜めて体が赤く発光し、
「ZXキック!」
必殺のキックを暗闇大使に放つ。それによって時空魔法陣によって誕生した異空間は破壊される。
「おのれZX。バダンは不滅だ!」
暗闇大使は両腕を挙げながら爆発し、撃破される。そして、晴れた青空に暗雲が覆い、仮面ライダー達が振り向くと巨大な頭蓋骨が現れる。
「さらばだ、仮面ライダー!また会おう!」
その頭蓋骨、バダン総統はそう言い残して暗雲と共に消えていった。
「村雨さん!」
「大丈夫か!」
バダンに囚われていた少女、一条ルミとルミの保護者で村雨の恩師である海堂博士が手を振りながらZXに近づく。村雨は変身を解除し、ルミを安心させる。
「みんな、ありがとう。昨日までの俺は、今日の為にある。みんながそれを教えてくれた。本当にありがとう!」
村雨は海堂博士とルミを連れて去って行った。
「雅君は、また別の世界へ?」
「はい。時空破断システムを破壊した以上、長居はできません。」
「そうか。気を付けるんだ!」
風見が代表して雅に言い、雅は去って行く。

「これで、一連の事件は解決した。」
「それじゃあ、昭和ライダーの世界は安泰ですか?」
「いや、バダンの脅威は去ったが、大ショッカーの脅威は去っていない。次の世界は、『仮面ライダーBLACK』の世界だ。」
絵巻には、壊れた文明の跡地に置かれた、黒い戦士の頭が描かれていた。

─仮面ライダーは改造人間である。人類の自由のために巨大な悪と戦うのだ─

次回、仮面ライダーディロード
雅が指名手配犯に?ゴルゴムに支配された町で一体何が起きたのか?次回『さらば、クジラ怪人』 
 

 
後書き
新カード紹介
10号誕生!仮面ライダー全員集合!!(ワールドホープ):ZXの世界のワールドホープ。11人の仮面ライダーによるライダーシンドロームを発動する。 

 

第37話『さらばクジラ怪人』

雅がこの世界に来る少し前、暗黒結社ゴルゴムの大怪人、海のダロムと地のバラオムは海辺の崖で言い争いをしていた。
「バラオム、この地上の人類はあまりにも数が多い。そこで、私は今からこの生物を絶やす毒をこの海に撒く。」
「やめろ、ダロム!何を言っているのか、解っているのか貴様!」
「しかし、人類をより早く滅ぼす手段には変えられない。」
「お前は海の大怪人。そんなことをすれば海の怪人達がどうなるか、わからないお前ではないはずだ!そんなことをすれば、海の怪人達は死滅してしまう!」
「そんなもの、人類を滅ぼしてから増やせばいい。」
「ダロム!お前には付き合っていられない!このことはシャドームーンと創世王様に伝える。わかったな!」
バラオムはダロムに念を押して去って行く。
(バラオム、愚かな奴め。私が既にゴルゴムを捨て、大ショッカーに寝返っているとも知らずに。さて、どうやらこの世界にディロードが来たようだ。少し小細工でもしておくか。)
ダロムは心の中で思っていた。

「BLACKの世界か…」
「ここは、どんな世界なんですか?」
「仮面ライダーBLACKの世界は、ゴルゴムという暗黒結社が、五万年に一度首領の創世王の肉体を換えるために月食の日に誕生したゴルゴムの子供を創世王の肉体に相応しい存在、世紀王に改造させ、改造人間の王にされる世界だが、この時に二人の候補が誕生し、ゴルゴムはそれぞれに太陽を司るブラックサンの、月を司るシャドームーンの石を与えた改造人間に改造した。しかし、ブラックサンの石を与えた南光太郎は間一髪で育ての親に助けられてその力を正義の為に使う戦士、仮面ライダーブラックとなり、最終的にシャドームーンの石を与えた自身の兄弟のような存在、秋月信彦が変身するシャドームーン率いるゴルゴムと戦う世界だ。」
「それで、雅の使命は?」
「ブラックに協力する、海洋学者が改造された怪人、クジラ怪人が殺されるようにすることだ。」
「どうして、協力者なのに?」
「クジラ怪人は、何度もブラックを助けた罪で殺される運命にある。死ななければならない命なんだ。辛いことだが、それも僕の使命だ。行ってくる。」
雅は説明を終えると、町へ出て行った。

雅がマシンディローダーに乗り、暫くすると不思議な張り紙があり、雅は張り紙を見る。
「なんだ、これは!」
雅が驚くのも無理はない。そこには、『この男を見つけたら捕まえろ!賞金を与える! 暁町自警団』そう書かれて、雅の人相書きが書かれていたからだ。
「一体誰がこんなことを?」
雅が悩んでいると、
「見つけたぞ!」
「悪党め!」
「金だ金だ!」
数人のヤンキーが現れる。
「なるほど。これは困った。」
雅はマシンディローダーから降りる。すると、ヤンキー達は雅に殴りかかる。しかし、雅は容易く躱し、
「一体何ですか!今日初めてここに来たのに、どうしてこんな張り紙が!」
雅はヤンキー達に聞こうとする。しかし、
「黙れ!お前を捕まえれば、ダロム様が俺達をゴルゴムの一員にしてくれる!」
「そうよ!だからとっとと捕まりなさいよ!」
ヤンキー達は雅に対する攻撃をやめなかった。
「何っ!ゴルゴムの仕業か!だが、生身の人、それも武術の心得一つない人に凪風流は危険だ。ここは逃げるしかない!」
雅は走って逃げるが、ヤンキー達は追いかけてくる。
「なかなか捲けないな。」
走れど走れど追いかけてくるヤンキー達に雅は困っていたが、その時、
「君、こっちだ!」
何者かの声を聞いた雅は横道にそれる。ヤンキー達も曲がり、その近辺を探すが、雅は見つからず、ヤンキー達は去って行く。
「助かりました。ありがとうございます。南光太郎さん、仮面ライダーブラック。」
「何故、僕の名前を?」
「僕は凪風雅。仮面ライダーディロードとして、別の世界から来ました。」
「別の世界?つまり、多次元宇宙からか?」
「広義的に言えば、その通りです。」
「なるほど。雅君、この町は既にゴルゴムに支配された土地なんだ。雅君は、ゴルゴムにとって都合の悪い何かがあるのか?」
「いいえ。これは推測ですが、ゴルゴムは僕の事を多分知りません。」
「ではどうして雅君を狙った?」
「きっと、ダロムの仕業だと思います。僕の世界は、様々な悪が集まった大ショッカーという組織に滅ぼされたのですが、僕の世界を滅ぼしたメンバーにダロムがいました。きっと、神官の時代から既に大ショッカーに寝返っていた可能性があります。」
「確かに、あり得る。雅君、教えてくれてありがとう。」
雅と光太郎が互いに状況を説明しあっている。すると、
「へえ~。そうなんだ。でも、そんなことはどうだっていい。この世界のお宝、キングストーンは僕がいただく!」
ディエンドが現れる。
「海東大樹!光太郎さん、隠れて下さい!」
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
雅はディロード ライトニングフォームに変身する。
「悪いが、今はかまっている暇はない!ブリッツアクション!」
ディロードは速度上昇の魔法でディエンドに近づく。
「ハーケンスラッシュ!」
ディロードはバルディッシュのハーケンモードで打ち上げるように切り上げ、
「ジェットザンバー!」
[jet zamber]
バルディッシュをザンバーモードに切り替えて必殺の斬擊でディエンドを変身解除させる。
「やはり上手くいかないか。仕方がない。諦めよう。」
海東はそう言って次元のオーロラに去って行った。
「彼は一体?」
「彼の名前は海東大樹。ディエンドという戦士に変身し、その力で様々な世界の宝、この世界でいうならば光太郎さんの中にある太陽のキングストーンのようなものを盗む為にその力を使っています。」
「何!雅君はそんな奴とも戦っていたのか。」
光太郎は驚いていた。

その頃、雅に逃げられたヤンキー達はダロムに報告していた。
「ダロム様、見つけはしましたが、逃げられました!」
「お前達、何をしている。まあいい。この町に仮面ライダーブラックも来ていることがわかった。お前達に次の役目を与える。」
ダロムはヤンキー達にある指示を出す。

裏路地で隠れている雅と光太郎であったが、辺りが騒がしくなり、気になり始める。
「一体何の騒ぎでしょうか?」
「雅君は隠れていないと危険だ。僕が様子を見てみるよ。」
手配対象となっている雅を隠す為に光太郎は覗き込むように顔を出す。すると、そこには網に囚われたクジラ怪人がジープのような車に括り付けられて引きずられていた。そして、それを運転していたのは先程のヤンキー達であった。
「皆さん、我々暁町自警団はゴルゴム自警団として、ゴルゴムという素晴らしい団体の為に働きます!ですが、我々は今まで通り皆さんの平和の為、自警団としての活動も忘れません!しかし、裏切り者には容赦しません。このクジラ怪人は、我々ゴルゴムを裏切りました!よって、その罪を償わせる為に、そして見せしめとして、処刑します!」
女性ヤンキーがメガホン越しに町民に伝える。
「クジラ怪人!」
「光太郎さん、行きましょう!」
雅と光太郎はヤンキー達を止める為に表に出る。
「そこまでだ!」
「君たちはゴルゴムの恐ろしさを知らない!ゴルゴムは君たちを利用するだけ利用して捨てる気だ!これは、ゴルゴムに改造された僕だから言える!」
雅と光太郎はヤンキー達を止めようとするが、
「ダロム様の言った通りだ!俺達の罠に気づかず、目先のクジラ怪人に躍らされるとは!ダロム様、お願いします!」
ヤンキー達の言葉を聞き、ツノザメ怪人とトゲウオ怪人を連れてダロムが現れる。
「現れたか南光太郎、そして装填の守護者ディロード。」
「今の僕は、仮面ライダーディロードだ。」
「そんなことはどうでもいい。」
「ダロム様、これで俺達もゴルゴムの一員になれるんですよね!」
「いかにも。我々も丁度困っていたのだよ。……………怪人達の実験台に。」
「どういうことだ!話が違う!」
「そもそもお前達は勘違いをしている。ゴルゴムに必要なのは優れた頭脳、運動神経、そして権力。どれひとつとして持ち合わせていないお前達はゴルゴムに必要ないのだよ。」
驚くヤンキー達にダロムは冷たく言い放つ。
「そんな…騙されていたのかよ…」
「さあ、お喋りはこれくらいで終わりだ。やれ、ツノザメ怪人、トゲウオ怪人。」
ダロムは怪人達に指示を出してクジラ怪人を攻撃させる。元々戦闘能力は皆無に等しく、その上今まで弱らせられていたこともあり、また、ダロムが用意した怪人は攻撃性能に特化していたため、クジラ怪人は為す術もなく2体の怪人の攻撃によって殺され、その亡骸は消滅してしまう。
「クジラ怪人!雅君、行こう!」
「はい!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「「変身!」」
光太郎はブラックに、雅はディロードに変身する。
「仮面ライダー………ブラック!」
「仮面ライダー……ディロード!」
二人の黒き仮面ライダーは高らかに名乗りを上げる。
「光太郎さん、ダロムは僕にやらせて下さい!」
「わかった!怪人達は任せろ!」
ディロードはダロムと、ブラックは2体の怪人と戦闘を始める。
「ダロム!父上を、母上を、望実を、流夜を、僕の世界を殺したお前を、僕は許さない!」
ディロードの拳は、三葉虫の改造人間で防御の硬いダロムにさえ着実にダメージを与えていた。
「何なのだ、この凄まじい力は!ディロードの力はあの時既に調べあげたはず。この力は予想外だ!」
「ダロム!お前には絶対に分からない!正義と人々の安寧を願う仮面ライダーの、悪への怒りの一撃を!」
ディロードの猛攻は続いていく。

「ライダー…チョップ!」
ブラックはライダーチョップでツノザメ怪人の頭角を破壊する。
「ライダー…パンチ!」
更にブラックはライダーパンチをトゲウオ怪人の腹部に当て、トゲウオ怪人はそのダメージで撃破される。
「ライダー…キック!」
ブラックはキングストーンにエネルギーを溜めて放つ必殺のキック、ブラックキックを放ち、ツノザメ怪人を撃破する。

「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER BLACK-】
ディロードはブラックの世界のワールドホープを発動。ファイナルアタックライドのカードがライドカードケースから飛び出す。
「これを使えばいいのか。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードがカードをスキャンすると、ディケイドを除くクウガからフォーゼまでの平成主役ライダーが出現する。
「ようやく使えるようになったか!ダロム、一気に決めるぞ!」
出現したライダーと共にディロードはジャンプする。そして、出現したライダー達がダロムにキックを放ってゆき、
「終わりだ!ディメンションヒストリー!」
とどめのキックをディロードが放ち、ダロムは吹き飛ばされる。
「おのれ、仮面ライダーディロード。」
ダロムは一言言い逃げて行った。
「ごめんなさい、俺達が間違っていました!」
雅を攻撃していたヤンキー達は雅に謝る。
「いえ、貴方達はダロムに騙されていただけの、被害者です。」
「でも、俺達はお詫びがしたいんです!」
「なら、本当にこの町の為になること、この町に貢献することをして下さい。それだけで、僕は充分です。」
「ごめんなさい。ありがとうございます!」
ヤンキー達は散り散りになって張り紙を剥がしていく。
「では、光太郎さん、僕もこの辺でお別れです。」
「そうか。雅君も別の世界に行かないといけないのか。」
「はい!」
「次の世界でも、元気にやるんだ!」
雅と光太郎は一度握手を交わして、雅はブラックの世界を去った。

一方、ゴルゴムの拠点に戻ったダロムは、シャドームーンに追いつめられていた。
「ダロム、よくもゴルゴムへの忠誠心を捨てたな。」
「何の事でございますか、シャドームーン。」
「惚けても無駄だ。貴様の裏切りに気づかぬ私と創世王ではない。貴様がどこまで裏切っているかと思えば、バラオムにすら怪しまれるほどとは。」
シャドームーンは世紀王に与えられる剣、サタンサーベルでダロムの首を切り裂き、ダロムを倒す。

「次はBLACKの続編、仮面ライダーBLACK RXの世界か。」
絵巻には一人の少女と、地面から湧く水を浴びる南光太郎が描かれていた。
つづく

次回、仮面ライダーディロード
クライシス帝国の最強怪人が雅を襲う。立て、フェイト。ワールドホープを繋ぐのだ!次回、『最強怪人現る!雅危うし』ご期待下さい 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーBLACK(ワールドホープ):仮面ライダーBLACKの世界のワールドホープ。ディロードの必殺技、ディメンションヒストリーが解禁される。 

 

第38話『最強怪人現る!雅危うし』

「ダスマダー大佐、仮面ライダーBLACK RXの戦闘能力は凄まじく、我々の力では勝てません。」
「しかし、その仮面ライダーBLACK RXが誕生したのはジャーク将軍、あなた自身のミスですよね?」
仮面ライダーBLACK RXの敵組織、クライシス帝国の指揮官ジャーク将軍は監査官であるダスマダー大佐に現状を報告するが、ダスマダー大佐に言われた言葉でジャーク将軍は黙ってしまう。ジャーク将軍は仮面ライダーBLACK、南光太郎を捕まえ、クライシス帝国の阻害にならないように変身ベルト、セルチャージャーの内部にあるブラックサンのキングストーンを破壊し、宇宙空間へ投棄した。しかし、その瀕死の状態となった光太郎は太陽の光を浴びたことでキングストーンが復活し、自己進化を遂げてRXになった。ダスマダー大佐の言うように仮面ライダーBLACKを正しく処理しなかったジャーク将軍に完全に非があるのだ。
「しかし、いくらお前を咎めた所で、結果は変わらない。クライシス皇帝は地球に最強怪人、グランザイラスを放ち、仮面ライダーBLACK RXの抹殺に動き始めた。」
「何っ!あのクライシスの四部隊を遥かに凌駕すると言われたあのグランザイラスですか!」
「ああ。お前達が未だに地上を制圧出来ぬ所為でな。」
ダスマダー大佐は呆れたように言う。無理もない。クライシス帝国もただ地球を制圧したいわけではない。クライシス帝国とは、地球と別空間に存在している同一地点で且つ同一時間の存在、いわゆるパラレルワールドの地球であり、地球の汚染が全てクライシス帝国に流れてゆき、かつては文明が栄え、緑豊かであったクライシス帝国も現在は生産が途絶え、砂の惑星となってしまい、民が滅びる前に地球を制圧しようと考え、現在に至るのであった。
「どうやら、グランザイラスが交戦を開始したようだ。」
ダスマダー大佐の言葉で、二人はモニターを見る。

その頃、雅はグランザイラスと交戦していた。
「貴様、仮面ライダーBLACK RXではないな。」
グランザイラスはそう言うと、左腕の砲門から火球を放って雅を攻撃する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身する。
「グランザイラスの力は凄まじい。それなら!」
【ATTACK RIDE-RAISING HEART EXELION-】
ディロードはレイジングハートエクセリオンのカードをロードスラスターに使う。
【FORM RIDE-DELOAD STAR LIGHT-】
ディロードはレイジングハートの力でスターライトフォームに変身する。
「アクセルシューター!」
ディロードは多数の弾魔法でグランザイラスを攻撃する。しかし、グランザイラスはその攻撃をものともせず突進し、ディロードに体当たりをするが、
「プロテクションパワー!」
ディロードは強化防御魔法で防ごうとする。しかし、グランザイラスの力は強く、軽々破壊される。
「危ない!」
ディロードは辛うじてグランザイラスの突進を回避する。
「こうなれば!レイジングハート、エクセリオンモード!」
[exelion mode.]
「エクセリオン……バスタァーーッ!」
ディロードは必殺の最強砲撃魔法を放ち、グランザイラスはその直撃を受けて煙が舞う。
「やったか?」
ディロードは様子を伺うが、その煙の中から巨大な火の玉がディロードに突進し、ディロードはその攻撃によって300tの衝撃に耐えられる装甲が一瞬にして破壊されてしまう。そして、グランザイラスはその右腕の鉤爪状のハンマーで装甲のないディロードの胸部を抉るように攻撃する。その攻撃によってディロードして体は宙に浮く。
「グッ!ガッ!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
ディロードは声にならない声をあげ、ワープのカードで古手神社宝物庫に退避した。

「グェッ!」
ディロードの体は転がるように古手神社に落ち、変身は強制解除されてしまう。
「雅さん!」
「雅!」
圭一とフェイトはいち早く気づき、雅に駆け寄る。
「酷い怪我!」
フェイトは驚く。
「雅さん、しっかりして下さい!」
圭一は雅の体を揺する。
「…てく……やめ……れ…」
雅から反応が現れる。
「雅さん!」
「雅!」
「ディロー…ドライバーの…使用者…修復…機能のおか…げで、何とか、助かったが、さっきまで…肺が潰れていた。危うく…死ぬところだった……」
雅はロードスラスターを分離させてセイクリッドグリッターを持つ。
「なんとか、一命は取り留めた。でも、こんな体では、戦えない。フェイト、ロードスラスターは使えないが、代わりに戦えるか?」
「大丈夫だよ、雅。」
「済まない。頼めるか、僕の代わりに、この世界の希望を、紡いでほしい。」
雅はフェイトにディロードライバーを渡す。
「わかった。雅は休んでいて。私が行ってくるから。」
雅は意識を失い、フェイトは出て行く。

フェイトが探して少し経つと、フェイトはグランザイラスを相手に戦っている昭和ライダー達を見つける。
「私も闘います!バルディッシュアサルト、セーットアーップ!」
フェイトはソニックフォームのバリアジャケットを纏ってグランザイラスに速攻戦をかけようとするがグランザイラスの防御は硬く、手数で攻めるフェイトの攻撃は通らなかった。
「そんなっ!」
フェイトは間合いを取り驚くが、そうしている間にも、昭和ライダー達はグランザイラスの攻撃によって叩きふせられていた。そんな時、南光太郎と光太郎がクライシス帝国の風の谷で救った青年、霞のジョーと、四国で助けた水を操る超能力少女、的場響子がやって来た。
「あなたは、南光太郎さん!」
フェイトは光太郎の存在に気づき、戦線離脱する。
「君は、確か雅君が言っていた、フェイトちゃんだね。」
「はい!」
「フェイトちゃん、雅君はどこにいるんだ?」
「雅は、すでにグランザイラスと戦い、負傷しています。」
「そうだったのか。」
「はい。でも安心して下さい。今は、私がディロードです。変身!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
フェイトはディロードに変身する。
「フェイトちゃん、俺も行こう。響子ちゃん、水を、命の水を俺に!」
光太郎は体内水分量を増やすために響子にその力を使うように頼む。
「わかりました!水よ、命の水よ!」
響子の超能力によりコンクリートの地面はひき裂け、大量の水が溢れ、光太郎を満たし、
「変身!」
光太郎はBLACK RXの変異形態の一つ、バイオライダーに変身する。
「俺は怒りの王子!R、X!バイオ!ライダー!」
バイオライダーは名乗る。
「皆さん!このカードに願いを込めて下さい!」
ディロードはライダー達と霞のジョー、響子に白紙のカードを渡し、渡された人達は願いを込め、
「集え、世界の願い!」
RXの世界のワールドホープが誕生する。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER BLACK RX-】
ディロードはRXの世界のワールドホープを発動する。そのとき、不思議なことが起こった。悪を憎むフェイトの正義の心が、ディロードに、ライトニングブレイブの力を与えた。
「プラズマランサー、ファイア!」
ディロードは鋭い弾魔法でグランザイラスを攻撃するが、グランザイラスは構わず突進する。
「ジェットザンバー!」
ディロードはグランザイラスの突進を軽々と避けてバルディッシュアサルトをザンバーに変えてグランザイラスを切り裂き、鉤爪状のハンマーを破壊する。
「おのれ!」
グランザイラスは即座に対応し、左腕の砲門から火球を放とうとするが、
「プラズマザンバー!」
雷撃を伴う斬擊をディロードは放ち、砲門を破壊する。
「こうなれば最後の手段だ!」
グランザイラスは何かを作動させる。
「今から俺を倒してみろ!そうすれば体内の爆弾によって関東は滅亡する!」
「そんなこと、俺がさせるものか!」
グランザイラスの宣言に対してバイオライダーは体をゲル化させてグランザイラスの内部に侵入し、グランザイラスの内部の機材を専用武器のバイオブレードで破壊してゆく。
「見つけた!これか!」
バイオライダーは爆弾のシステムを破壊する。
「フェイトちゃん、グランザイラスの動きは俺が抑える!グランザイラスにとどめを!」
「でも、それでは光太郎さんが!」
「俺は太陽の子!この世に太陽の光があるかぎり、俺は不死身だ!だから、頼む!」
「わかりました。」
バイオライダーの説得にディロードは応じる。
「装填一閃、ブラスティング…ザンバー!」
ディロードはグランザイラスを十文字に切り裂き、グランザイラスを倒す。その爆発エネルギーは凄まじく、周囲にまで広がった。
「光太郎さん!光太郎さんは!」
フェイトは変身を解除し辺りを見渡すが、光太郎の姿はどこにもなかった。
「兄貴…」
「光太郎さん…」
その状況に霞のジョーと響子は落ち込む。
「大丈夫だ。彼も仮面ライダー。きっと、再び現れるさ。」
落ち込む二人に1号は言う。
「1号さん。ありがとうございます。」
フェイトはそう言ってRXの世界を去る。

「ただいま。」
フェイトが帰ると、雅は元気を取り戻していた。
「お帰り、フェイト。済まなかった。僕の代わりに戦わせてしまって。」
「いいよ、雅。それよりも、光太郎さんが…」
「フェイト、大丈夫だ。あのコンクリートに若干だが水の跡があったはず。」
「うん。」
「あれは、バイオライダーの力でゲル化して飛散した光太郎さんだ。あの水は、後で別の戦いでバイオライダーに戻る。安心していい。本来のRXの戦いでもそうだった。」
【SOUL RIDE-SHOWA RIDER’S-】
雅がフェイトに説明し終えると、1号からRXまでのソウルライドが一気に発動される。
「雅君、君の旅はまだまだ遠い。悪が滅びるまで、我々仮面ライダーの戦いも終わらない。」
「ああ。俺達もこれまで様々な悪と戦ってきたからわかる。」
「ああ。時には、感情に身を任せてしまうかもしれないだろう。」
「もしかしたら、信じた道が間違っていて、相手のことがわからなくなってしまうかもしれない。」
「だが、自分を信じてくれている人達のことは忘れてはいけない。」
「忘れたら、友達の輪が壊れる。それだけは、絶対にいけないことだ。」
「そう。だから、俺達は互いを信じあう。そうすることで、より互いを信じあえる。俺達からまとまった意見は以上だ。筑波、沖、村雨、南、後は好きに言っていいぜ。」
「はい!雅君、夢は大きく持て!」
「雅君が俺の世界から出て行く前にした約束。今度別の機会で果たそう。」
「雅君、俺がバダンから解き放たれたのは君のおかげでもある。ありがとう。」
「雅君、たとえ大ショッカーが滅んでも、きっと雅君は仮面ライダーを続ける。俺はそう信じている。」
【ATTACK RIDE-RESET-】
光太郎の言葉を最後に、雅と昭和ライダーシリーズとの接点は途絶える。
「さて、これは大変だ。みんな、もしかしたら、今回は少し時間がかかるかもしれない。」
「どうしたの?」
「次の世界は、三つの世界が融合してしまっている。早く手を打たないと。」
絵巻には額に眼の生えた胎児と、テーブルに置かれた懐中時計、そして無数の異形と囚われの少女が描かれていた。
つづく

次回予告
すでに融合が始まっているネオライダーの世界。雅は世界を救えるのか?次回、『三大世界融合!世界を救え、仮面ライダー』ぶっちぎるぜ! 
 

 
後書き
能力設定
仮面ライダーディロード スターライトフォーム
キック力:7t
パンチ力:7t
ディロードがレイジングハートエクセリオンの力でフォームチェンジする守りの基本形態。その装甲は300tの衝撃に耐えられ、なのはの魔法を駆使して戦う。

仮面ライダーディロード ライトニングブレイブ
キック力:15t
パンチ力:17t
100mを0.01秒で走る
ディロードがBLACK RXのワールドホープで覚醒したライトニングフォームの強化形態。ライトニングフォームより遥かに攻撃性が増したが、その装甲は70tの衝撃にしか耐えられなくなっている。

新カード紹介
レイジングハートエクセリオン(アタックライド):ディロードがスターライトフォームに変身するためのカード。
仮面ライダーBLACK RX(ワールドホープ):BLACK RXの世界のワールドホープ。ディロードにライトニングブレイブの力を与える。 

 

第39話『三大世界融合!世界を救え、仮面ライダー』

「今いる三つの世界を救えば、僕達は仮面ライダーの世界を全て救ったことになる。」
「でも、どうして世界が融合しているの?」
「多分、あり得る線としては、時空破断システムの余波がきて、この結果になったと思う。」
「それで、この三つの世界は、どんな世界なんですか?」
「まず、仮面ライダーシンの世界は、兵器売買を行う死の商人、通称財団があるサイボーグ研究に手を貸していた。その研究は複数の段階に分かれていた。レベル1が部分的な細胞の変化。レベル2で肉体的を部分的に機械化。レベル3で他の生物との融合。この段階が仮面ライダーシンだ。そして、レベル4が肉体の完全な機械化だ。シンは、知らないうちに自分の体が仮面ライダーに改造され、その葛藤で苦しむが、最終的にこの研究に関わった財団の幹部を倒すんだ。」

雅が『真 仮面ライダー-序章(プロローグ)-』の世界を話している頃、シンに変身する青年、風祭真は自身の娘を連れて三人の男から逃げていた。
「お前達は何者だ?どうして俺を狙う。」
「我々は偉大なるフォッグの子供たち。我らが母、フォッグマザーを殺めた貴様ら仮面ライダーを抹殺するため、我々はいる。私はフォッグの第二王子、ロング。消え失せろ、仮面ライダー!行くぞ、スピア、スライス!」
ロングと名乗る男はそう言うと、肉体が変化し、オオカミ男に変身する。それと同時にスピアはサソリ男に、スライスはカマキリ男に変身する。
「ハッ!」
オオカミ男ロングの攻撃は鋭く、真は避けるので精一杯であった。
「この子だけでも、逃がさないと!」
真はバイクに乗ってオオカミ男ロング達から逃走する。

「ZOの世界は、ある科学者が全能の生物、ネオ生命体の研究を行い、その実験体となったのが仮面ライダーZOなんだ。ネオ生命体の完成形、ドラスには感情がなく、全ての命を消し去ろうとするが、改造人間であるZOはその精神力でドラスに立ち向かうんだ。」
「それで、この絵巻に書かれている懐中時計って何ですか?」
「その懐中時計は、ZOやドラスを生んだ科学者の息子が持っている今は止まっているものだ。」

雅がZOの世界を説明している頃、財団は廃工場からあるものを探し出していた。
「ついに見つけた!これがネオ生命体か!」
財団の一人は黄色い液体が入ったプールを発見し、それを特殊な機材で引き上げる。
「よし、研究所へ運べ。」
ドラスの本体が積まれた飛行機は財団の本拠地へ向かっていった。

「仮面ライダーJの世界は、なんと仮面ライダーが初めて巨大化する世界だ。」
「ええっ!」
「いや、もちろんいつでも巨大化出来るわけではない。Jの世界では、生物が一定以上進化すると別の惑星からフォッグマザーと呼ばれる捕食者が現れてその生物を滅ぼし、子供たちの栄養にしてしまう。フォッグマザーが次に見つけた捕食対象は人間であった。ネイチャーカメラマンで、環境の景観から公害の影響まで写真を撮影していた自然を愛する青年、瀬川耕司は公害問題で知り合った孤児と野営をしているときにフォッグに襲われて命を落とすが、自分の命を省みずにその子供を護る正義感と自然を愛する優しさを実感した地球の先住民族、地空人によって自然の力で戦う戦士、仮面ライダーJに改造されたんだ。仮面ライダーJは、その力で生物を滅ぼそうとするフォッグと戦ったんだ。」

その頃─
「瀬川さん、見て。木や虫たちが…」
「これは、まるであの時と同じだ。」
「あの時?」
「ああ。前に加那ちゃん、変な奴らに襲われて、変な所へ連れて行かれただろう?」
「うん。」
「あの時と同じなんだ。」
「それじゃあ…」
「ああ。加那ちゃんは安全な所へ隠れていてほしい。」
「わかった。頑張ってね、瀬川さん。」
仮面ライダーJに変身する青年、瀬川耕司は共に行動する少女、加那に指示を出して、バイクを走らせる。
「J、よかったの?」
「ああ。どうやら、死んだ自然は一本道になっている。きっと、俺を呼んでいる。」
耕司は地空人の使いのバッタと話している。すると、一人の男性が一つの異形と戦っているのを発見した。
「あれは!」
耕司が近づくと、その男性は耕司に気づいた。
「君は確か!」
「お久しぶりです。」
そう。その男性は仮面ライダーZOに変身する青年、麻生勝であった。
「行こう、瀬川さん。」
「はい、麻生さん。」
「「変身!」」
二人は変身し、財団が保持している改造兵士のレベル2と戦闘を始めるが、劣勢に感じた改造兵士は増援を要請し、更に三体現れる。
「一人二体か。大丈夫か?」
「はい。」
ZOとJは二手に分かれて改造兵士と戦闘する。
「ライダーパンチ!」
ZOは、強力な拳で改造兵士の頭部を粉砕する。
「ライダーチョップ!」
Jも負けじと手刀で改造兵士を破壊し、
「ZOキック!」
「ライダーキック!」
ZOとJは必殺のキックで改造兵士を撃破する。
「麻生さん、もしかしたら俺が戦ったフォッグの残党がこの先にいるかもしれないんです。」
「何!俺は財団が回収したネオ生命体を追っていたんだ。」
「そうなると、俺達の目的は一つですね。」
「ああ。」
麻生と瀬川はバイクを走らせて目的地まで向かう。

麻生と瀬川が戦い終わる頃─
「ここは?お前達は?」
ドラスは目を覚ます。
「おお!ネオ生命体が甦った!我々は君に無敵の力を与えたい。欲しいと思わないか?」
「もちろんだよ!」
「よし、いいだろう。早速始めよう。」
悪夢の兵器は、悪魔の組織と結託した。

一方、雅は財団が放った改造兵士のレベル3と戦っていた。
「レベル3の再生能力は極めて高い。だが、一気に燃やされる事には弱い!」
【CHANGE RIDE-ARCL-】
雅はディロードライバーをクウガのベルト、アークルに変える。
「超、変身!」
雅は仮面ライダークウガ アルティメットフォームに変身。その能力の一つである超自然発火能力を使い、改造兵士レベル3を燃やして撃破する。
「今回の件、財団が絡んでいるのか。」
雅は変身を解除して財団の本拠地に向かう。

麻生と瀬川が財団の本拠地に着くと、真が遅れて財団に着く。
「ここは、財団の本拠地ッ!君達は一体?」
「俺達はある研究を追ってここまで来た、仮面ライダーだ。」
「仮面…ライダー?」
真と瀬川が話していると雅がやってくる。
「やはりここか。」
「君は?」
「僕は仮面ライダーディロード。凪風雅といいます。」
「君も仮面ライダーなのか?」
「はい。実は─」
雅と真が話していると、突然財団の本拠地が爆発し、跡形もなく崩壊した。
「まったく、つまらなすぎる。彼らの兵器では、面白くない。久しぶり、お兄ちゃん。」
ドラスは麻生を見て言う。
「ネオ生命体、中の人達はどうした!」
「つまらなくて殺しちゃった。」
「なんだと!」
「でも、僕を強くしてくれた。なんでも、レベル4?とかいうのにパワーアップさせてくれた。もうお兄ちゃんには負けないよ。」
麻生とドラスが話していると、ロング達が現れる。
「見つけたぞ、仮面ライダーJ!我らが母、フォッグマザーの敵をとらせてもらう!」
ロング達は変身する。
「みんな、俺達も行くぞ!変身!」
「変身!」
麻生と瀬川は変身する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅もディロードに変身し、真も変身を完了させていた。
「仮面ライダーZO!」
「仮面ライダー、J!」
「仮面ライダーディロード!」
「………」
シンは変身すると声帯を失う。ライダー達が名乗る中、シンは口殻を動かしていた。
「行け。」
ドラスは自身の中にあるハエとゴキブリの遺伝子からハエ男とゴキブリ男を生み出して戦わせる。
「我らがマザーの敵!」
「地球の命を絶やすお前達を許すわけにはいかない!」
ロングは卓越した鞭術でJを攻撃するが、Jは見事に回避してゆく。
「やるな。流石はマザーと兄を倒しただけの事はある。」
「森の命を奪っていったのはお前達か。」
「ん?ああ、あれは壊れたのか?」
「やはり、お前も奴らと変わらないのか。」
Jは指でJの文字を作り、パワーを高める。
「ライダーキック!」
Jの必殺のキックがオオカミ男ロングに直撃する。
「おのれ、仮面ライダーJ!」
オオカミ男ロングは消滅した。

一方、シンはハエ男とカマキリ男スライスと戦っていた。
「…!」
シンはその鋭利な爪、ハイバイブネイルをハエ男の頭頂部に突き立て頭頂部を粉砕し、ハエ男を撃破するが、カマキリ男スライスの鎌によって左腕が切り落とされてしまう。しかし、シンは怯まず腕についている鋸状の刃、スパインカッターでカマキリ男スライスの首を切り落とし、それと同時に左腕は修復されていた。

ディロードはゴキブリ男とサソリ男スピアに苦戦していた。
「動きが素早い。それなら!」
【CHANGE RIDE-SUNRISER-】
「変身!」
ディロードはディロードライバーをBLACK RXの変身ベルト、サンライザーに変えてRXの変化形態、ロボライダーに変身する。
「悲しみの王子、RX、ロボライダー!」
ロボライダーはゴキブリ男の動きを見切ると、
「ボルテックシューター!ハードショット!」
エネルギー弾を放つハンドガン、ボルテックシューターから必殺の一撃を放ちゴキブリ男を倒すが、サソリ男スピアの攻撃がやってきてロボライダーは回避する。すると、スピアの尻尾から生えた槍が触れた場所が溶け出す。
「ロボライダーでは不利だな。」
ロボライダーはバイオライダーに変身する。
「怒りの王子、RX!バイオライダー!」
バイオライダーはゲル化してサソリ男スピアの攻撃を回避し、
「バイオブレード!」
実体化する際に尻尾を切り落とし、奪い取る。そして、その槍をサソリ男スピアに刺すと、溶け出して消滅した。
「毒を持つ動物は内部の毒には強いが、やはり外部からの毒には弱いか。」
怪人達を倒したディロード達はZOの所へ向かう。

ディロード達が戦っている頃、ZOは苦戦していた。レベル4の改造を受けたドラスはZOの攻撃を受けてもすぐに回復してしまい、ドラスの強力な攻撃がZOの体力を奪っていった。
「このままでは!」
ZOが苦戦を強いられていると、ディロード達がやってくる。
「加勢します!」
ディロードはロードスラスターでドラスを切り裂くが、ドラスすぐに回復すると、左肩から三本のビーム、マリキュレイザーを放つ。
「皆さん、一気に決めましょう。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ああ!」
「うん!」
シンはスパインカッターで左肩を破壊し、ディロードのディメンションヒストリー、そしてZOとJのダブルライダーキックがドラスに炸裂する。
「ぐあぁっ!」
ドラスは数十メートルほど吹き飛ばされる。
「このままでは…ん?これは!」
ドラスは立ち上がると何かを発見する。
「あれは!機械獣母艦フォッグマザー!」
Jはその正体に気づく。
『知っているのか?』
シンはテレパシーで質問する。
「ああ。俺が戦ったフォッグの親玉だ。」
Jが説明していると、
「ちょうどいい。この体、もらうよ!」
ドラスはフォッグマザーの亡骸と一体化して最強の敵、フォートドラスとなる。
「これはいい!生物は皆殺しだ!」
ドラスはその圧倒的な力にはしゃぐ。
「くっ、このままでは!」
ZOが言うと、
「皆さん、このカードに願いを込めて下さい。」
ディロードは白紙のカードを渡すと三人の仮面ライダーは願いを込める。
「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-SHIN KAMEN RIDER prolog KAMEN RIDER ZO KAMEN RIDER
J-】
三人の仮面ライダーのワールドホープが発動する。すると、三人の仮面ライダーは大地の精霊の力で巨大化する。
『俺が奴の武器を破壊する!』
シンはフォートドラスの攻撃をものともせず突き進み、フォートドラスの砲門と刃を破壊する。
「ありがとう、シン!」
「ZO、俺達も行くぞ!」
ZOとJは空高くジャンプし、
「「ジャンボダブルライダーキック!」」
必殺のキックをフォートドラスに放つ。
「そんな!僕が負けるわけが!そんな!」
フォートドラスは断末魔をあげて撃破された。
ライダー達は変身を解除する。
「雅君といったか?ありがとう。君がいなかったら、今ごろネオ生命体によって地球は滅ぼされていただろう。ありがとう。」
「こちらこそ。事情を察していただき、ありがとうございます。」
雅は麻生達と握手を交わして去っていった。

「なるほど。あの時フォーゼの世界でソウルライドが発動しなかったのはこれが理由か。」
三人の世界のソウルライドの発動を確認した雅が絵巻を広げると、39のアストロスイッチが宙を舞う絵が描かれていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
再びやってきたフォーゼの世界。ディロードは、対のコンプリートフォームを手に入れる。次回、『暗・転・集・結』 
 

 
後書き
新カード紹介
アークル:ディロードライバーをアークルに変えて仮面ライダークウガに変身するためのカード。
サンライザー:ディロードライバーをサンライザーに変えて仮面ライダーBLACK RXに変身するためのカード。
真・仮面ライダー-序章(プロローグ)- 仮面ライダーZO 仮面ライダーJ(ワールドホープ):ネオライダー達の世界のワールドホープ。三人の仮面ライダーがJパワーで巨大化し、超再生能力を得る。 

 

第40話『暗・転・集・結』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
時空破断システムの影響で融合していたネオライダーの世界。様々な悪が手を結ぶ中、ライダー達も手を取り合い事件を解決した。

─宇宙、無限のコズミックエナジーを秘めた、神秘の世界。若者達は、アストロスイッチでその扉を開き、未来を作る。Space on your hand!その手で、宇宙を掴め!

「再びフォーゼの世界に来たが、これはまた大変な状況だな。」
「どうしたの?」
「今回は、フォーゼが最強形態、コズミックステイツになるために死の淵をさまよわないといけないが、その手伝いをしないといけない。」
「それじゃあ…」
「ああ。また、敵のふりをしないといけない。いって来る。」
雅はフェイトと少し話すと出て行った。

仮面ライダーメテオに変身する学生、朔田流星の通っていた学校、昴星高校に雅は行く。すると雅は流星を発見する。
「あの、朔田流星さんですね?」
「ああ。君は確か、天の川学園で如月君の友達の─」
「はい。凪風雅といいます。ところで、折り入ってお願いがあるのですが。」
「何ですか?」
「あなたの所持しているメテオのシステムを、渡していただけませんか?」
「申し訳ありません。何の事でしょうか?」
「惚けますか。青心大輪拳の門下生、ゾディアーツスイッチの影響で昏睡状態に陥っている友人を救う為に仮面ライダーメテオとなってアリエスのスイッチを探している─」
「どこでその情報を得た!」
雅は流星に、煽りをかけると流星は食いつく。
「それは、秘密です。それで、僕としては、メテオに変身してアリエスのスイッチを安全に回収したい所存で。」
「スイッチをどうするつもりだ。」
「無論、あなたの協力者であるタチバナさんに渡すつもりです。」
「飲めない話だな。」
「なら、ある賭けをしませんか?僕と流星さんで戦い、僕が負ければあなたの行動を阻害せず、協力しましょう。しかし、僕が勝てば、この件が終わるまでメテオの権利を僕に譲って下さい。」
「待て。タチバナ、奴の話を聞いたか?」
『こちらタチバナ。私としては悪くない賭けだと思える。変身を許可しよう。』
流星はメテオをサポートしている組織、反ゾディアーツ同盟の男性、タチバナとコンタクトをとる。
「その話、乗ろう。」
「ありがとうございます。」
【CHANGE RIDE-CYCLOAD-】
雅はディロードライバーを装着し、それをスーパー1の変身ベルト、サイクロードに変える。
「なるほど。容赦する必要はないな。」
[meteor lady?]
「「変身!」」
雅は仮面ライダースーパー1に、流星は仮面ライダーメテオに変身する。
「行くぞ!」
「ホワチャー!」
スーパー1は構えを取り、メテオは怪鳥音と放ちながらスーパー1に向かってゆく。
「ハッ!」
スーパー1はメテオの拳を躱してゆく。
「これならどうだ。」
[mars lady? OK!mars!]
メテオは右腕に装着された手甲、メテオギャラクシーから火星の力を引き出し巨大な灼熱の塊、マーズブレイカーを具現化させる。
「炎か。それなら、チェンジ、冷熱ハンド!」
スーパー1は対抗するためにファイブハンドを緑色の冷熱ハンドに変える。
「ホワチャー!」
メテオはマーズブレイカーを振り回すがスーパー1は回避してゆき、
「冷凍ガス、発射!」
スーパー1は冷熱ハンドから冷凍ガスを放ちマーズブレイカーを凍らせて粉砕してしまう。
「なるほど、これはどうだ!」
[Jupiter lady? OK!Jupiter!]
メテオはメテオギャラクシーから木星の力を引き出し、高威力の武器、ジュピターハンマーを具現化させる。
「これでどうだ!」
メテオはジュピターハンマーでスーパー1を攻撃。スーパー1は回避しようとするがジュピターハンマーのエネルギーを避けきれず、弾き飛ばされる。
「それなら、チェンジ、パワーハンド!」
スーパー1はファイブハンドを500tの威力を誇るパワーハンドに変えてジュピターハンマーを殴る。すると、ジュピターハンマーはみるみるうちに崩れてしまう。
「ジュピターでも無理か!」
[saturn lady? OK!saturn!]
メテオは土星の力を引き出し、エネルギーの刃を飛ばすサターンソーサリーを具現化させる。
「これなら!」
「甘い!チェンジ、エレキハンド!エレキ光線!」
スーパー1はメテオが放ったサターンソーサリーを相手に、ファイブハンドを青いエレキハンドに変えて放電光線でサターンソーサリーの刃を破壊する。
「メテオ、これ以上は時間の無駄です。一気に決めましょう!」
スーパー1はファイブハンドをスーパーハンドに戻してジャンプする。
「いいだろう!」
[meteor limit break!]
「ホワチャー!」
メテオも必殺技を発動。必殺のキック、メテオストライクを放つが、
「スーパーライダー月面…」
スーパー1はそのキックを躱し、
「キック!」
必殺のキックをメテオに放ち、メテオの変身は解除される。
「では、当初の予定通り、メテオドライバーを借りさせていただきます。タチバナさん、問題ありませんね。」
『こちらタチバナ。よろしく頼むよ、凪風君。』
雅は去っていった。

雅は昴星高校の授業に違和感を覚え休み時間に学校を調べているとアリエスゾディアーツが現れる。
「君の噂は知っているよ、仮面ライダーメテオ。」
「何の話ですか?」
「君の友達、救ってあげてもいいですよ?ただし、僕のいうことを素直に聞けば。」
「何をすればいいのですか?」
「仮面ライダーフォーゼを倒す手伝いをして下さい。」
「分かりました。いいでしょう。こちらでも戦うように誘導します。」
「頼むよ。」
アリエスゾディアーツは去ってゆく。
「こちらメテオ。目標と接触。直ちにフォーゼと共闘の準備にかかります。」
『こちらタチバナ。了解した。』
雅は弦太朗のところに向かいアリエスゾディアーツの件を話した。
「マジか!」
「はい。先ほど脅されました。」
「オッケー。それさえ分かれば充分だ!」
弦太朗と雅が話していると悲鳴が聞こえて、仮面ライダー部が倉庫に向かうとアリエスゾディアーツが生徒を襲っていた。
「やっぱり雅の話は本当か!」
弦太朗はフォーゼドライバーを装着する。
[three two one-]
「変身!」
弦太朗はフォーゼに変身する。
「宇宙…キターーーー!仮面ライダーフォーゼ、タイマン張らせてもらうぜ!」
[N S マ グネェット オン]
フォーゼはNSマグフォンを使い磁力を操るマグネットステイツに変身する。
「オラッ!」
フォーゼはマグネットキャノンから磁力弾を放ちアリエスゾディアーツを攻撃する。
「次はこいつだ!」
[スタンパー オン]
フォーゼは左足にスタンパーモジュールを装着し、アリエスゾディアーツを蹴る。すると、カウントが三つ響き、足が触れた場所が爆発する。
「これならいける!」
フォーゼが戦う中雅は隠れる。そして、
「タチバナさん、変身の認証を。」
[meteor lady?]
「変身!」
雅はメテオの変身をサポートするコズミックエナジーの照射用宇宙ステーション、M-BUSからコズミックエナジーを受け取り、メテオに変身。フォーゼの前に現れ、 
[meteor storm!meteor lady?]
メテオの強化形態、メテオストームに変身するとメテオストームシャフトでフォーゼを攻撃する。
『メテオ、何をしている!』
「悪いが、これが契約でな。ホワチャー!」
メテオは、流星と同様の構えを取り、
[meteor limit break!]
「ホワチャー!」
必殺のメテオストライクをフォーゼに放ち、フォーゼの変身は強制的に解除され、弦太朗は倒れたまま動かなくなる。
『なんてことをしてくれた!』
タチバナはメテオドライバーへのコズミックエナジーの照射を断ち切り、雅は変身が解除される。
「どうして!弦太朗さんの友達なのに!」
友子は雅に言う。
「僕が如月弦太朗と友達なのはこの世界での僕の役割なだけで、僕自身は彼の人間性、解りあえない人間はいないという考えが許せない。」
雅の言葉に、仮面ライダー部のメンバーは黙ってしまう。すると、フォーゼのサポートメカ、パワーダイザーが現れる。
『歌星君、如月君を乗せて逃げるんだ!』
「あなたは?」
『私はメテオのサポーター、タチバナ。早く!』
タチバナはパワーダイザーをオート操縦で操作し、賢吾と弦太朗を逃がす。すると、
「お役目、ご苦労様。」
アリエスゾディアーツは、その力で雅と仮面ライダー部のメンバーの体力を奪い取る。

「如月~、大丈夫か?」
仮面ライダー部の自称顧問、大杉忠太先生はラビットハッチに運ばれた弦太朗に驚く。
「大杉先生、このコズミックスイッチを完成させる手伝いをして下さい。」
「ああ!俺の生徒は、誰ひとり死なせない!」
大杉先生は賢吾の言うとおりに動き、完成したコズミックスイッチを弦太朗に握らせられる。
「如月、目を覚ませ!」
「弦太朗、起きろ!」
大杉先生と賢吾は二人でコズミックスイッチを押す。

『ここは?』
弦太朗は意識の海を彷徨っていた。
『父さん、母さん?』
弦太朗は意識の中で死別した両親を見る。
『待ってくれ!俺も今そっちに!』
弦太朗は手を伸ばそうとするが、
「弦太朗さん!」
仮面ライダー部の声が後ろから聞こえ、そちらに手を伸ばす。そして─

そして、弦太朗は意識を取り戻した。
「如月、心配したんだぞ!」
「弦太朗、無事でよかった。」
大杉先生と賢吾は安堵の息を吐くが、
「こうしちゃいられねえ。みんなが危ない!」
弦太朗は一人、昴星高校に向かう。

その頃、雅は─
「ですよねー。」
仮面ライダー部のメンバーと共に十字架に張り付けられていた。
「さあ、彼らを燃やしなさい。命が惜しくなければ。」
アリエスゾディアーツの言葉で昴星高校の生徒達は松明を持ち近づく。その時、
「待て!」
流星が現れる。
「おや?何故昴星の生徒なのに術が効いていない?」
「それは、俺が本物の仮面ライダーメテオだからだ!」
アリエスゾディアーツの疑問に流星は答える。
「例え変身出来なくても、俺は仮面ライダーメテオ。お前の定めは、俺が決める。ホワチャー!」
流星は青心大輪拳の構えを取り、戦闘員 ダスタードを倒してゆく。しかし、アリエスゾディアーツの攻撃を受けて倒れてしまう。
「終わりですね。」
アリエスゾディアーツが錫杖を振り上げる。しかし、マシンマッシグラーに乗った弦太朗によって攻撃は妨害される。
「生きていたのか!」
「ダチのおかげでな。いいか、今から俺の体は、超強くなる!」
[three two one-]
弦太朗はフォーゼに変身。そして、コズミックスイッチを起動させる。
[コ ズ ミィック オン]
コズミックスイッチが起動し、すべてのアストロスイッチがフォーゼと一体化し、フォーゼはコズミックステイツに変身する。
「みんなの絆で、宇宙を掴む!」
フォーゼの手に、専用武器のバリズンソードが現れる。
「まずはこれだ!」
[フリーズ ランチャー オン]
フォーゼはランチャーモジュールを装着しランチャーを放つがその攻撃はフリーズスイッチの力で着弾物を凍らせてゆく。
「さて、僕もそろそろ行くか。来い、ロードスラスター!」
雅は右腕の上にロードスラスターを出現させてその重さで右腕の鎖を破壊してロードスラスターをキャッチ。左腕と脚の鎖を破壊して地面に立つと、空から箱が落ちてくる。
『こちらタチバナ。凪風君、それは君への贈り物だ。受け取れ。』
雅が箱を開けると、中には黒いケータッチが入っていた。
「これは、まさか!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身し、ケータッチを起動させる。
【RISING BLACK ANOTHER RYUGA XIA GRABE SYUKI DARK NEGA DARK FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE DARK-】
ディロードは、ダークライダーの力を集結させたコンプリートフォーム サイドダークに変身する。
「これで、光と闇のコンプリートフォームが揃った。」
【RYUKI DARK KAMEN RIDE-RYUGA-】
ディロードは龍騎のアイコンをタッチしてリュウガを召喚する。
「弦太朗さん、地上は僕に任せて、弦太朗さんはアリエスゾディアーツを!」
「オッケー!」
フォーゼはコズミックステイツのワープドライブシステムを使い、自身とアリエスゾディアーツを宇宙空間へ転送する。

〔STRIKE VENT〕
リュウガはドラグクローを装備し、ドラグブラッガーから放たれる暗黒の熱線、ドラグクローファイヤーでダスタードを殲滅する。

「行くぜ!バリッと開いて、ズンと伸びる!」
フォーゼはバリズンソードの力を解放し、
「抜いて、挿す!」
コズミックスイッチを再度バリズンソードにセットする。
[リミット ブレイク]
「ライダー超銀河フィニィーッシュ!」
フォーゼは必殺の斬擊でアリエスゾディアーツを撃破する。

「弦太朗さん、申し訳ありません。世界を救う為とはいえ、あのような─」
「構わねえ。俺達、ダチだろう!」
雅と弦太朗が握手していると、
「この世界のお宝は価値のないものか。」
海東が現れる。
「海東大樹!」
「雅君、仮面ライダーの世界には、もうお宝はない。だから、他の世界のお宝を狙うことにしたよ。それじゃあ。」
海東はそう告げると、次元のオーロラへと去っていった。
「それでは僕も、海東大樹を追いかけますので、この辺で。」
雅も、フォーゼの世界から去っていった。

「さて、みんな。厄介な事に海東大樹は仮面ライダー以外の世界のお宝を狙い始めた。僕達が次に向かわないといけない世界は、『灼眼のシャナ』だ。」
フォーゼの世界のソウルライドを確認した雅が絵巻を広げると、そこには高校生程度の男女が、人形に囲まれた男性に向かってゆく絵が描かれていた。
to be considered.

次回、仮面ライダーディロード
プレシア事件を解決する為に戦っていた雅は、ある日記を発見する。これは、物語から外れた断章。次回『雷の断章 非運の記録』青春スイッチ、オン! 
 

 
後書き
能力設定
ディロードコンプリートフォームサイドダーク
基本能力値に変動無し
ダークケータッチのクウガ ライジングアルティメットブラックアイ、アナザーアギト、リュウガ、カイザ、グレイブ、朱鬼、ダークカブト、ネガ電王、ダークキバをタッチして変身する闇のコンプリートフォーム。

新カード紹介
サイクロード:ディロードライバーをサイクロードに変えて仮面ライダースーパー1に変身するためのカード。 

 

雷の断章 非運の記録

『魔法少女 リリカルなのは』の世界でプレシア・テスタロッサ事件を追っていた雅は、時の庭園の書庫である日記を発見した。
「これは…」
その表紙には、『プロジェクトFATEに関する考察日記 ジェイル・スカリエッティ』と記されており、雅は飛ばしながら中を確認する。以下は、書かれていた内容である。

5月20日
稀代の魔道学者、プレシア・テスタロッサ女史は死者の脳波を他の器に転写する技術の研究を開始。我々は人類の悲願である『個』の完全保管が行えると思い所長へ申請。お偉方の目に止まり『プロジェクトFATE』として大々的にスタートした。

8月7日
テスタロッサ女史は才に恵まれていた。昆虫類での行動原理の転写は容易く可能で、昆虫類の大脳をマウスの肉体に転写した際、マウスは転写元と同一の行動を示した。これからが楽しみだ。

10月25日
やはり、ミッドチルダの技術では我々のように完全な記憶転写は不可能と思われる。しかし、テスタロッサ女史は未だに諦める気配がない。一体、何が彼女を動かしているのだろう。

5月4日
研究とは関係ないが、今日はテスタロッサ女史の娘さんが遊びにいらした。あのAAA+の娘とは思えない魔力資質の低さ。テスタロッサ女史は資質には恵まれたが娘には恵まれなかったようだ。

6月3日
研究は進まなかった。それもそのはず。絶対的に必要な物質が足りていないからね。しかし、彼女は別の方法を模索して研究を続けた。

8月15日
彼女は違法な物質に手を出して化合を開始した。これは面白いことになりそうだ。

12月13日
研究は打ち切り状態になった。違法な物質に手を出したことが発覚した。しかし、彼女は下に付く極少数を連れて研究を秘密裏に再開した。

-月-日
どうやら、研究の被験者として亡くなられたモンディアル氏の子息が選ばれ、その技術を行使したようだが、結果は失敗のようだ。モンディアル氏曰く「これはエリオではない。」とのこと。

4月30日
ついに研究所が爆発した。その爆発は悲惨であった。なんと、爆発に巻き込まれてテスタロッサ女史の娘さんが亡くなられた。テスタロッサ女史はどうやら精神を病んでしまったようだ。

5月20日
テスタロッサ女史はなんと亡くなられた娘、アリシアを対象にプロジェクトFATEの実験を行い、どうやら記憶転写には成功したようだが、誕生した少女はアリシアと全てが正反対であった。右利き、物静か、魔力資質、全てが正反対。魔導師としては素晴らしいが、やはりテスタロッサ女史は嘆いていた。

6月28日
結論をまとめよう。やはり、アルハザードの技術は現代では再現不能。私のような完全な記憶転写は出来ないようだ。これで、不安の種は消えた。

日記はこの項目を最後に記されていなかった。
「これは…フェイトには見せられないな。」
龍騎に変身していた雅は、変身を解除してその日記を懐にしまう。そして、書庫を去った。

second stage end.go to next stage.

次回、仮面ライダーディロード
止まる時間、現れる異形。雅は、炎の契約をする。次回、『因果継承の繰り手』希望を紡いで、全てを救え! 

 

第41話『因果継承の繰り手』

『再びやってきたフォーゼの世界で僕を待ち構えていたのは、牡羊座のゾディアーツだった。その時間を救い安堵したのもつかの間。仮面ライダーディエンドの宣戦布告によって、僕の新たな戦いが始まった。』

─無限の時が鼓動を止め、人は音もなく炎上する。誰ひとり気づく者もなく、世界は外れ紅世(ぐぜ)の炎に包まれる。


「事は厄介だ。」
「仮面ライダーディエンド、海東大樹さんがいろんな世界の宝物、私たちの世界で言う封印指定級ロストロギアを狙っているんだっけ?」
「俺達でいうところの祭具殿に封印しておくレベルのやつか。」
「ああ。そして、宝物を失えばその世界の根幹は崩れ、ディケイドが引き起こす世界の崩壊と同じようになる。」
「それって、羽入ちゃんを失った俺達の世界みたいに!?」
「ああ、そうなってしまう。だけど、そんなことは僕がさせない。この世界も、人々も、願いも、僕が救う。」
「それで、雅はこの世界の宝物に心当たりは?」
「…ある。おそらく、海東が狙っているのは宝具『零時迷子(れいじまいご)』だろう。」
「今まで海東さんが狙っていた宝物って、G4システム、ファイズドライバー、ケルベロスのA、音擊道の極意、マスクドライダーシステム、イマジン、RS装置、ギギの腕輪、それにキングストーン。その零時迷子っていうのも凄い力を秘めているの?」
「ああ。零時迷子は攻撃性は皆無だが、その本質は永遠の回復。名前の通り、毎夜零時に生体エネルギーを完全に回復させる力を秘めている。そして、その零時迷子はこの世界の主人公、坂井悠二に宿っている。」
「それじゃあ!?」
「ああ。奪われれば確実にこの世界は主人公を失い崩壊、最悪消滅する。」
「どうして、消滅するんですか?」
「そうだな、まずはこの世界の説明をしよう。この世界は、紅世と呼ばれる異世界が存在し、紅世では力が最優先され、弱者は強者に付くことでその身を守っている。紅世に種族は二種類いる。一つが(ともがら)と呼ばれる多数を占める紅世の住民。宝具を持つ者はあまり存在せず、生体エネルギーである炎も小さい。もう一つが王。大半が強力な力、もしくは多数の宝具を所持している。そして、炎も大きい。」
「ねえ、さっきから出てくる炎って?」
「炎というのは、当然物理的な炎ではない。この世界において、紅世と接点のある者には存在の力の証として心臓部に炎が現れる。その炎が明るく、大きいほどより強い力を持ち、より長き命を持つ。人間が紅世に関係する状況は二種類。一つは徒、もしくは王によってその命を食われ、その人間が急に居なくならないように生み出される残りかす、トーチとなること。」
「命を食べる?」
「ああ。紅世の住民は人間の命を食らい、その存在の炎を高める。」
「そんなことの為に…」
「ああ。そして、もう一つの手段が、その王と契約を結び、紅世の住民を狩る戦士、フレイムヘイズとなること。」
「王と、契約?」
「ああ。人間の数が減れば世界のバランスが崩れ、やがて紅世にも影響を及ぼす。王の中にはそう考える者も多い。そういった王達は世界の事など眼中にない王を消したく思っている。しかし、自身にはその力がない為、人間の力で干渉するシステムを開発した。それが人間との契約だ。契約している間は行動の自由は失われるが、存在の炎は消費されず、パートナーとなる人間と生活を共にする。」
「中には、世界のバランスを考える人もいるんだ…」
「いや、王達は基本的に自分の生活環境が破壊されると困るからであって、人間のことなど眼中にないのは、フレイムヘイズと契約する王達も変わらない。」
「そうなんだ…」
「とりあえず、悠二さんには一人手練れのフレイムヘイズがいてくれている。ひとまず、外の様子を見てくる。」
雅は外へ出る。

雅が外へ出ると、外は紅世の者達が扱える妖術、自在式(じざいしき)の結界である封絶(ふうぜつ)によって世界は止まり、赤く染まっていた。
「既に、誰かの食事中だったか。」
雅は封絶によって動けない。そして徒達が放つ使い魔、燐子(りんね)が雅を発見し近づく。
「これは、万事休すか。」
雅は諦めかける。その時、
『ねえ、助かりたい?』
何処からか女性の声が聞こえる。
「あなたは?」
『私?私は紅世の王、“風鈴”エリュゲイル。ちょうど今フリーでね、パートナーを探していたの。それで、あなたがピンチみたいだから助けてあげようって思ったわけ。どう、乗る?』
「選択肢があると思いますか?」
『分かっているみたいね。』
「命を狙われている状況で契約しない方を知りたいくらいです。」
『オッケー。それじゃあ、あなたは今日からフレイムヘイズ“因果継承の繰り手”よ。』
“風鈴”エリュゲイルはその存在を現界させる為に剣型の神器、クラウソラスを現界させ、雅は手にとり、透明の炎が宿る。
『さあ、くるわよ、雅!』
「ああ!」
燐子達は雅に向かって進んでくる。雅はクラウソラスを横薙ぎに払い、燐子達を倒してゆくが、それでも呆れるほどの量がいた。
「これだとこの方がいいな。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身する。
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE DARK-】
ディロードはダークケータッチを使い、コンプリートフォームサイドダークに変身する。
「軍勢相手なら、これだ。」
【KIVA DARK KAMEN RIDE-DARK-】
ディロードはダークキバを召喚。波状結界で燐子達を全滅させるが、封絶が解除されない為、ディロードはマシンディローダーで市街地を回る。
「どこに残りがいるんだ…」
ディロードが探していると、燐子達と戦っている炎髪灼眼の少女がその身にあわぬ大大刀を振りかざしていた。
「見つけた。奴らか!」
ディロードは変身を解除し、雅はクラウソラスで燐子達を全滅させる。
「あんた!何者!?」
「僕は紅世の王“風鈴”エリュゲイルのフレイムヘイズ“因果継承の繰り手”凪風雅。あなたこそ、お名前を教えていただけませんか?」
「私は紅世の王“天壌の業火”アラストールのフレイムヘイズ“炎髪灼眼の討ち手”贄殿遮那(にえとののしゃな)のフレイムヘイズ。」
「呼ばれ方を聞いているのではなく、名前を聞いているのですが、もしかして…」
「そんなもの必要ない。」
「名前は必要です。時には、名称での会話も必要ですから。」
雅が“炎髪灼眼の討ち手”と会話していると、
「シャナ、ここにいたんだ!」
この世界の主人公、坂井悠二が現れる。
「シャナという名前があったのですか。」
「だから、その呼び名は必要ない。」
雅の言葉にシャナが反応していると、
「ここにいたんだー。」
ディエンドが現れる。
「海東!紅世と関わりのないあなたがどうして!」
「君はディケイドとディエンドのシステムを忘れたのかい?」
「システム?…まさか!」
「そう。僕はこの世界の干渉を受けない。さて、そのお宝、零時迷子はいただくよ!」
ディエンドは悠二に向けてディエンドライバーからエネルギー弾を放つ。
「危ない!」
雅は咄嗟にクラウソラスでエネルギー弾を防ぐ。
「シャナさん、悠二さん、ここは僕に任せて、お二人は安全な場所へ!」
「あんた何を言っているの!」
「話は後でたっぷりします!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、ディエンドに向かってゆく。
「エリュゲイル、大丈夫ですか?」
「問題ないわ。それどころか、思った通り楽しい事が起きそうね。」
「僕は少しも楽しくないですけど!」
雅はクラウソラスでディエンドを切り裂こうとするが、ディエンドは怯まずディロードに銃口を向ける。
「そうはいくか!」
ディロードはロードスラスターでディエンドを切り裂き、ディエンドは怯む。
「海東、これでどうだ!凪風流、二刀流奥義!双迅!」
ディロードは二振りの剣をタイミングをずらした横薙ぎの一閃でディエンドを攻撃。ディエンドの変身は解除される。
「さて、今回は諦めよう。でも、この世界のお宝は後で必ず手に入れる。」
海東はそう言って去って行く。そして、封絶は解除された。
「この封絶は一体誰が?」
「おそらく、あの燐子達を放った王でしょうね。それよりも、さっきのあれについて教えなさい。」
「わかりました。ゆっくりお話したいので、僕の住んでいる場所まで来ていただけますか?」
「構わない。ミステス、あんたも来なさい。」
「シャナ、いい加減名前で呼んでよ!」
雅の言葉でシャナと悠二(こちらは半ば強引に)は古手神社宝物庫に向かった。

「みんな、客人が二人いるからお茶を出して。」
雅に連れられてシャナと悠二も入ってくる。
「まずはあんたは何者?」
『確かに、それは私も気になっていたわ。』
シャナの質問にエリュゲイルも便乗する。
「僕は凪風雅。この世界とは異なる次元、所謂異世界からやって来ました。」
「異世界なんて、本当にあるの?」
「悠二さんは、自分の状況を見てそれを言いますか?」
悠二の質問に雅は軽く答える。
「それで、何でこの世界に来たの?」
「理由は一つ。先程の男、海東大樹を追って来ました。」
「それで、あの男はそこのミステスの宝具を狙っていたみたいだけど、何が目的なの?」
「あの男はただ世界の根幹を担う宝物を集める厄介者で、彼を止めないと、最悪の場合大災厄クラスの被害を出しかねません。」
「こいつの宝具ってそれほどの物なの?」
「はい。“万条(ばんじょう)仕手(して)”の旧友達が作られた代物と言えばどの程度か分かりますね?」
「ヴィルヘルミナの旧友が?なるほどね。」
雅がシャナに説明していると、
「アプリコットティーでよかったでしょうか?」
フェイトが二人分の紅茶を用意してやってきた。
「雅、さっきから出てくるミステスって何?」
「みんなにはこの世界の事を完璧に教えていなかったね。ミステスというのは、トーチが出来上がる際に紅世から不確定な確率で宝具が宿る場合がある。大体はトーチの最後の願いに合わせた宝具だけど。要するに宝具を宿したトーチと覚えておけば大丈夫。」
「そうなんだ。」
フェイトはシャナと悠二にお茶を出して立ち去る。
「それで、あんたはそこの“王”とどうして契約したの?あんたは別に戦えるのに。」
「力があっても、封絶を相手には手も足も出ません。そのときにエリュゲイルが来て契約しました。」
『何!?“風鈴”だと!』
「アラストール、どうしたの?」
雅の言葉を聞きシャナと契約している紅世の王“天壌の業火”アラストールは反応し、シャナは尋ねる。
『“風鈴”と言えば我々の中で知らない者はいないほどの気分屋だ。かつては大戦の幹部をしていたかと思えばつまらないという理由で我々に着くほどだ。して“風鈴”よ。何故その男を選んだ?』
『相変わらずお堅いわねぇ、“天壌の業火”。そんなの面白そうだからに決まっているでしょう。だって異世界のフレイムヘイズって希少だと思わない?』
『だが、我々の役目は世界の調和。それを自ら破壊しようとは。』
『いいじゃない。それよりも、“炎髪灼眼の討ち手”ちゃん、実はこの町にいる“王”ってさっきの燐子の数でわかると思うけど凄くやばい奴なの。だから、少しでいいから協力しない?』
「…構わないわ。強大な王を相手に停戦協定を結ぶのはよくある話よ。乗るわ。」
雅は、エリュゲイルのサポートによって強力な味方を得た。

to be continued

次回、仮面ライダーディロード
ついに現れる紅世の王“狩人”フリアグネ。その攻撃で雅は大敗を喫する。今こそ、その封印を解く時。次回、『凪絶つ風』 

 

第42話『凪絶つ風』

『フレイムヘイズとして契約を交わし、燐子達と戦っていた僕の前に現れた海東大樹は予想通り零時迷子を狙っていた。僕は必死の攻防でディエンドを退け、シャナ達に協力を要請した。』

─無限の時が鼓動を止め、人は音もなく炎上する。誰ひとり気づく者もなく、世界は外れ 紅世の炎に包まれる。

「それでは、当の紅世の王が現れていない以上は手の出しようもない。今日は一旦解散し、後日逢いましょう。」
「そうね。でも、私は帰る場所がわからないわ。」
「それならシャナ、僕の所に来ない?」
「そうね。ミステスの監視も兼ねられるからいいわ。」
シャナと悠二は帰ってゆく。
「帰ったか。」
雅は落ち着く。
「それで、雅。その剣は?」
『ああ、私?私は紅世の王“風鈴”エリュゲイル。あなた達がこの世界にいる間は私もあなた達の味方よ。よろしくね、お嬢さん。』
エリュゲイルはフェイトに挨拶する。
「エリュゲイルさん、あなたはどうして雅と契約したのですか?」
フェイトはエリュゲイルに質問する。
『そんなの決まっているじゃない。楽しそうだからよ。私はね、この世界が無くなるのが嫌なの。この世界の、特に人間の心っていうものはとても素晴らしい。だから、私にとってはこの世界は楽しい旅行先なの。あなただって、旅行先がなくなったら嫌でしょう?それと同じよ。』
「そうですか。それなら、どうして雅だったの?」
『そうね、あなたは現代の紅世を知らないから教えるわ。封絶のことは雅から聞いているわよね?封絶が流行った結果、徒達は簡単にこちらに来れるようになった。そして、水面下で行動出来るようになった。その所為で私達は契約者を探すのが困難になって、私は封絶の中でも思考が動く人間なら誰とでも契約するようになったの。』
「そうだったのですか。」
『あとは単純に好みのタイプだったからよ。思わない?この子可愛いって。』
「私にはまだ分かりません。」
『あなたも女なら、何時か解る時がくるわよ。』
「なるほど。それで、今の雅の状況は?」
『別に、なんともないわ。雅の心臓の辺りを見て。』
エリュゲイルに言われてフェイトが雅の胸部を見ると、よく見ないと目立たないが透明な炎のようなものがゆらゆらとしていた。
「これが、炎?」
『そうよ。私、“風鈴”と契約したフレイムヘイズ“因果継承の繰り手”はみんな私と同じ透明な炎が生まれる。』
「雅の炎は、どれくらい大きいのですか?」
『これほどの逸材は中々いないわ。それくらいよ。』
「そうですか。お話、ありがとうございます。」
「もしかしたら、フェイトは将来執務官が向いているかもな。」
フェイトとエリュゲイルの話を聞き、雅は感想を述べた。

翌日、雅はシャナ達と授業に出ていた。
「では、次の問題は凪風君、解いてくれるかな?」
「は、はい…」
雅は教師に指されて教壇に上がり解を書く。
「素晴らしい。百点満点の回答ですね。皆さん、凪風君に拍手をして下さい。実はこの問題、高校卒業クラスの問題です。」
教師の言葉を聞き、シャナを除く全ての生徒が雅に拍手を送るが、雅は怯えるように席に戻った。
「あんた、中々やるわね。」
「せめて、苗字か名前で呼んでいただけませんか、平井さん?」
雅はシャナの言葉に返す。シャナは、この学校に入り込む為に、既にトーチであった少女、平井ゆかりの名前を借りている。
「さて、今日の授業はここまで。それでは皆さん─」
教師の言葉は封絶によってさえぎられる。
「やあ、異界のフレイムヘイズ、そして炎髪灼眼の子獅子ちゃん。」
そこには、白で身を固めた男性がいた。
「お前は!」
シャナは贄殿遮那を構える。
『奴は、“狩人”!あの燐子達を放ったのはお前だったのか!』
「いかにも。全ては私の可愛いマリアンヌの為だよ。」
「あいつがフレイムヘイズ殺しで有名な“狩人”!?」
『その通りだ。気を付けるのだ!』
シャナはアラストールの忠告を聞かずに突っ走る。
「見ていられない。僕達も行こう、エリュゲイル!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
『分かっているわよ!』
雅もディロードに変身してフリアグネに向かうが、マネキン型の燐子がディロードの行く手を遮る。
「こいつら、数が多い!」
ディロードが手こずる中、シャナもフリアグネに苦戦していた。
「さっきから避けてばっかり!少しは真面目に戦いなさい!」
「だから君は子獅子なのだよ、炎髪灼眼のお嬢ちゃん。」
フリアグネは纏っている白い帯でシャナの攻撃を受け止める。そんな時、
「大丈夫か!」
ディロードがフリアグネに刃を向けて切り裂こうとするが、突然カードからマネキン型燐子が現れて盾となる。
「ありがとう。でも、勝手にこちらに来てはダメだと言っただろう。私の可愛いマリアンヌ。」
フリアグネが後退すると、古ぼけたぬいぐるみがいた。
「フリアグネ様、ここは私にもやらせて下さい!」
そのぬいぐるみ、燐子“可愛いマリアンヌ”はコイン型宝具“バブルルート”から金色の鎖を放ち贄殿遮那を封じ込めてしまう。
「くっ!この!」
シャナは必死に贄殿遮那を使えるように努力するが、いっこうに使用出来るようにならない。
「だったら、僕が大元を叩く!」
ディロードのクラウソラスによる一閃でマリアンヌが吹き飛ぶ。すると、
「マリアンヌ!ああ…私の可愛いマリアンヌが!お前だけは、許すものか!」
フリアグネはカードから大量のマネキン型燐子を呼び出してディロードに向かわせると、ハンドベルを取り出し、
「“ダンスパーティー”!」
その宝具“ダンスパーティー”によって燐子を連鎖させるように爆発させ、ディロードは爆発に呑み込まれる。
「ぐあぁっ!」
幾十という爆発によってディロードの変身は解除させられ、雅は爆発によって吹き飛ばされる。
「う………」
雅は気を失う。
「フリアグネ様、大丈夫ですか!」
マリアンヌはフリアグネの様子を確認する。
「ああ、大丈夫だよ私の可愛いマリアンヌ。炎髪灼眼、それに因果継承!今は一旦さらばだ。」
「待ちなさい!」
シャナはフリアグネを追いかけようとするが、フリアグネの姿は既に無く、シャナは自在式で破損した教室と生徒を直す。
「とりあえず、あんたのことは名前で呼ぶわ。悠二、こいつを家まで運ぶわ。手伝いなさい。」
「わかったよシャナ。」
シャナと悠二は協力して雅を運ぶ。

「ん…ここは…」
雅が目を覚ますと、フェイトがいた。
「よかった。無事で。」
「僕は“狩人”と戦っていたはず。どうして?」
「シャナさん達が運んでくれたの。」
雅が横を向くとシャナと悠二がいた。
「シャナさん、悠二さん、ありがとうございます。」
「別に、いいわ。昨日の礼と思いなさい。」
「解りました。それで、“狩人”に対抗する為にある特訓をしたのですが、シャナさんに手伝っていただけないでしょうか?」
雅はシャナに尋ねる。
「一体何の。」
「これを見て下さい。」
雅は巻物を一つ取り出す。そこには『凪風流武術全書』と書かれていた。
「この中にある凪風流の奥義を会得したいのです。シャナさん、協力していただけないでしょうか?」
「別に、それくらい構わないわ。それで、内容は何?」
「この中に記されている奥義、凪絶つ風は百の軍勢を払うと言われています。シャナさんには、カウントを頼みたいのです。」
「わかったわ。任せて。」
雅の頼みにシャナは納得し雅とシャナ、そして悠二の三人は外へ出る。
「それでは、始めます!封絶、展開!」
雅は封絶を張り、その存在の力の一部を使いフリアグネが使役したマネキン型燐子のダミーを百体生み出す。
「凪風流、奥義!」
雅は右腕を広げて心臓の直線上まで動かす。すると、空気は吸い寄せられるようにその一点に集まってゆき、雅の身体は真空状態によって発生する裂傷で皮膚が裂けてゆく。そして、
「凪絶つ風ぇっ!」
その集まった空気を横薙ぎの刃ですして燐子に放つ。風の刃によって燐子達は次々に崩れてゆくが、煙が晴れると数体の燐子が残っていた。
「83体!次!」
「奥義!凪絶つ風!」
雅は再び放つ。しかし、
「68!ふざけているの!?」
その数にシャナは起こる。
「凪絶つ風!」
「74!次!」
「凪絶つ風!」
「52!諦めたら?」
「いいや、まだだ!」
「95!もう少し!」
「どうだ!」
「76!何しているの!?」
何度も雅は失敗を繰り返す。そして、
「これで、どうだ!」
「100体!出来るじゃない!」
シャナの言葉で特訓は終わり、休息に入る。
「シャナ、どうして嘘をついたの?」
悠二はシャナに質問する。カウンターには、67と記されていた。
「あの調子じゃ何日かけても無駄よ。それならさっさと終わらせる方がいいわ。」
シャナの言葉は冷たかった。

『何っ!都喰らいだと!』
雅の言葉を聞いたアラストールは驚く。
「シャナ、都喰らいって?」
「町規模での大規模な捕食活動のことよ。」
「そんなっ!シャナ、雅、どうにかならないの!?」
「なる!僕達で止めて見せる!」
雅とシャナ、悠二は夜の御崎デパートへ向かった。

「見つけたぞ、フリアグネ!」
「おやおや、因果継承に炎髪灼眼のお嬢ちゃん、それに珍しい宝具のミステス。」
「悠二には指一つ触れさせない。」
「おや?そのミステスを名前で呼ぶとは、変わったようだね。」
「御託はいい。その野望、挫いて見せる!」
「因果継承、出来るものならね!」
フリアグネは120の燐子を呼び出す。
「露払いは僕に任せて下さい!凪風流、奥義!」
雅は凪絶つ風の構えをとる。
「雅、あの時の特訓、実はクリアしていなかったんだ!だから」
「解っていました。だから、今回は百五十を狙います!奥義!凪絶つ風!」
雅は悠二の言葉を遮って凪絶つ風を放つ。放たれた風の刃はみるみるうちに燐子達を倒してゆく。
「シャナさん、悠二さん、今です!」
「させません!フリアグネ様の邪魔は、私が食い止めます!」
雅の言葉に反応してマリアンヌがシャナ達に立ちふさがる。
「マリアンヌ!君の相手は僕だ!」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
雅はディロード スノーレインフォームに変身してマリアンヌを殴る。
「シャナさん、悠二さん!このカードに願いを込めて下さい!」
ディロードは白紙のカードを投げ渡し、2人は願いを込める。
「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-SYAKUGAN NO SYANA-】
ディロードはシャナの世界のワールドホープを発動する。すると、シャナと悠二の身体が紅蓮の光を放ち、シャナに緋色の翼が生える。
「これは、もしかして悠二と一緒にいるから?」
「シャナ、僕はシャナを信じている。だから、頑張って!」
「わかったわ。悠二、私と一緒に戦って!私、悠二がいれば怖くない!行くわよ悠二、掴まって。」
悠二はシャナの腹部にしがみつく。
「行くわよ。」
シャナはそう言って紅蓮の翼で空を飛ぶ。
「これで、終わりだ!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディロード雷天斬り!」
ディロードの斬擊がマリアンヌを切り裂き、マリアンヌは爆発する。それによってバブルルートに封印された贄殿遮那が解放される。
「おのれ!マリアンヌを、私の可愛いマリアンヌを!」
フリアグネは拳銃型宝具“トリガーハッピー”でシャナとディロードを攻撃するがことごとく避けられ、ディロードの攻撃でトリガーハッピーは破壊され、
「これで、終わり!」
贄殿遮那の一閃によってフリアグネは討滅される。

「ありがとうございます。」
「礼をされることでもない。」
雅の礼にシャナはそっぽを向く。すると、
「仕方がないなー。その宝具は諦めてあげるよ。かわりに、別の宝具で我慢するから。」
両手にフリアグネが残した沢山の宝具を抱えた海東がいた。
「待て!それを置いていけ!」
「嫌だね。」
海東は雅の制止を振り切って次元のオーロラへ去って行った。
「それでは、僕はあいつを追わないといけないので、この辺で。」
『それじゃあ、私ともお別れのようね。』
「済まない、エリュゲイル。」
『謝らなくていいわよ。元々私の我が儘に付き合ってもらったんだしね。ありがとね、雅。』
エリュゲイルはそう言って、契約を解除し紅世へ帰っていく。
「それでは、僕もこの辺で。」
雅はシャナ達に一礼して去って行った。

「みんな、僕達が次に向かうべき世界は『ローゼンメイデン-トロイメント-』のようだ。」
ソウルライドの発動を確認した雅が絵巻を広げると、そこには紫の少女に立ち向かう金、緑、青の少女が描かれていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
海東の次なる標的は薔薇の乙女の核。雅は、本来有り得ない八番目の契りを交わす。次回『紫晶石-amethyst stone-』 
 

 
後書き
新カード紹介
灼眼のシャナ(ワールドホープ):シャナの世界のワールドホープ。シャナが紅蓮の翼を会得する。

エリュゲイルの元ネタはソロモンの悪魔の一柱、アルゴルです。神器が槍の名前である理由はアルゴルの武器が槍で描かれることが多いことに由来しています。神器が剣の形になった理由は、二刀流を行えるようにする為です。 

 

第43話『紫晶石-amethyst stone-』

前回の仮面ライダーディロードは─
紅世の王“狩人”フリアグネに敗れた雅は凪風流の奥義を身につけて再戦。見事に勝利するが、海東によってフリアグネの宝具の一部が奪われてしまった。


「それで、この世界のお宝の目星はついているの?」
「ああ。海東が狙うのは確実に『ローザミスティカ』だと思える。」
「それって、そんなに凄いものなの?」
「ああ。人形に命を吹き込むほどの力を秘めている。」
「そんなものがある世界なの?」
「ああ。このローゼンメイデンの世界はある人形師が完全なる美を求めて七体のアンティークドールを作り出すが、不完全が完全の正体であると悟った人形師は自前の錬金術で核となるパーツを作り出し七つに粉砕。その欠片を一体ずつに与えて命を与えた。そして、それらを世に放ち選ばれた一人と逢う約束をし、ドール達は戦いあって決着をつけることを決意した世界だ。」
「凄い世界だね。」
「僕も思う。ただ、今一番困っているのは…」
雅は一部の手紙を広げる。そこには、こう記されていた。
『ラプラス商店からお知らせ
ただいまアンケートにお答えいただきますと、世にも珍しい幻のアンティークドール、ローゼンメイデンが手に入るチャンス!下部のアンケートにお答えして、引き出しにしまえばエントリーは完了です。

        質問
   巻きますか?巻きませんか?』
「この手紙、これがその人形、ローゼンメイデンとの契約の第一歩なのだけど、既に既存のローゼンメイデンは契約者が決まっているんだ。だから、きっとこれは僕への挑戦だろう。」
雅は巻きますと回答を書き、引き出しにしまう。
「多分、さっきの手紙はもうなくなっているはず。」
雅が先程の引き出しを開けると、宣言通り手紙は消えていた。そして、
「お届けものです!サインお願いします。」
宅配物がやってくる。
「来たか。」
雅はサインを書き宅配物をフェイト達の前で開封すると、中から鞄が一つ出てくる。
「鞄?」
フェイトが疑問に思う。
「本体はこの中に入っているんだ。」
雅が鞄を開けると、巫女服を着た人形が一体入っていた。
「ローゼンメイデンの起動方法は、このねじ巻きを使って背中のねじを回し─」
雅はドールの背中にあるねじ巻きを回す。すると、閉じていたドールの目が開く。
「─ん、ここは?」
ドールはまるで命があるかのように動きだす。
「君の名前は?」
雅はドールに名前を尋ねる。
「あなたが私の主様になられるお方ですね?私はローゼンメイデン第八ドール、紫晶石にてございます。以後、お見知りおきを。」
紫晶石と名乗るドールは正座で雅に挨拶をする。
「僕は凪風雅と申します。紫晶石、契約を結んでもらえますか?」
雅も紫晶石に挨拶をし、本題に入る。
「このような見ず知らずの者にも動じず目的を的確に伝えるとは、お父様の言葉通りの方でございますね。分かりました。」
紫晶石は左手を差し出し、雅はその手に口づけをする。
「一体何を?」
フェイトは気になる。
「見ていれば解る。」
雅に言われてフェイトが見ていると、雅の左手に銀色の薔薇の指輪が現れる。
「雅、それは?」
「これはローゼンメイデンとの契約の証だよ。さて、ローゼンさんは僕の事を知っていて、紫晶石を僕の元へ送ったのですか?」
雅は紫晶石に尋ねる。
「はい。お父様は主様が追っていらっしゃる方がこの世界に来たことをいち早く察知し、私をお作りになられて主様の所へ向かわせました。」
紫晶石は雅の質問に答える。
「ありがとう。それなら真紅さん達が危ない。すぐ向かおう。」
「ええ。そうですね。」
紫晶石は先程の鞄に入る。
「それじゃあ、いってくる。事が解決したらフェイトに連絡するから、みんなは自由に動いていて構わない。」
雅は紫晶石を連れて出て行く。

雅はこの世界の主人公、桜田ジュンの住む家に着く。
「行くか。」
雅はインターホンを押す。するとジュンの姉、のりが現れる。
「ええと、どちら様ですか?」
「弟さん、ジュンさんにお話しがありまして。」
「ええっ!?ジュンちゃんにお友達!?嬉しいわ。」
雅の言葉にのりは早とちりをし、
「いいわ、あがってちょうだい。」
雅を家に入れる。
「何だよ、騒がしいな。」
すると、リビングからジュンの声が聞こえる。
「ジュンちゃん、あなたのお友達が来ているの!」
「友達なんて、いるわけ無いだろ。」
「でも、ジュンちゃんにお話しがって。」
「だから、有り得ないって言っているだろ!」
姉弟の会話を見て雅は口を開ける。
「ジュンさん、ローゼンメイデンの件でお話があります。ローゼンメイデンのマスターとして、会っていただけませんか?」
「何!?ローゼンメイデン!?」
雅の言葉にジュンは驚く。
「申し訳ありません。勝手に会っても構いませんか?」
「真紅ちゃんのことを知っているならいいわよ。」
雅はのりに質問し、のりの答えを聞いた雅はリビングに向かい入る。
「誰だ!」
「これを見れば解るはずです。」
ジュンの言葉に雅は指輪を見せて返答すると、
「あなた、何者かしら?」
ジュンと契約しているローゼンメイデンの第5ドール、真紅が反応する。
「実は、とある事情からローゼンさんの伝言を預かったのですが。」
雅はそう言って鞄を開けて紫晶石が立ち上がる。
「真紅お姉様、お初にお目にかかります。私はローゼンメイデン第8ドール、紫晶石にてございます。」
「第8ドールですって!?それよりも、お父様の言葉って何かしら!?」
普段は冷静な真紅だが、雅と紫晶石の言葉に動揺する。
「実は、皆さんが狙われていまして。」
「主様、その前に。隠れているのは解っています。姿を現して下さい、水銀燈お姉様、金糸雀お姉様。」
紫晶石の言葉でローゼンメイデンの第1ドールである水銀燈と第2ドールの金糸雀が現れる。
「ローザミスティカは七つしかないはず。それなのになんでローゼンメイデンを名乗っているのかしら?」
水銀燈は少し怒るような口調で紫晶石に質問する。
「お父様はお姉様達をお作りになられた時にローザミスティカを七つに砕きました。しかし、砕けば必ず破片ができます。私は、その破片を集めて作られました。」
紫晶石は己のローザミスティカを見せる。
「それで、お父様の言葉って?」
「お父様は、今は姉妹で争っている暇は無いと言っていました。私の主様が追っている男がこの世界に来たことをお父様はいち早く察知して私を作り出し、主様に託しました。」
「それで、あなたの主が追っている男ってどのような者なのかしら?」
「とてつもない悪党だと伺っております。」
真紅の質問し紫晶石が答えていると、
「まとまってくれてありがとう。おかげで探す手間が省けたよ。」
ディエンドライバーを構えた海東が現れる。
「海東!ローザミスティカはローゼンメイデンの命!それを奪うつもりですか!」
「人形に肩入れするんだ。でも、僕にとってはお宝でしかない。変身!」
【KAMEN RIDE-DEEND-】
海東はディエンドに変身する。
「皆さん、早く隠れて下さい!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅もディロードに変身してディエンドを外へ連れ出す。

「君の相手をしている暇は無いんだ!」
【KAMEN RIDE-RYUGA ODEN ZOLDA KNIGHT RYUKI LIA GUY OJYA ALTERNATIVE ALTERNATIVE ZERO-】
ディエンドは龍騎の世界のライダー達を召喚しディロードに差し向ける。
「数が多い。」
ディロードはサンライザーのカードをスキャンしようとするが、止むことの無い攻撃によってそのタイミングを逃してしまう。
「主様、私も行きます!」
紫晶石は鞄に入り少し経つと、紫晶石は巫女服から軍服に変えていた。
「行きますよ、ローラレイ。」
紫晶石は自身の使役する人工精霊の力を使い、所持していたライフルをガトリングに変えて王蛇を攻撃するが、片手で弾かれてしまう。
「まずは、その破片からいただこう。」
ディエンドは躊躇することなく紫晶石にエネルギー弾を放つが、ディロードはそれを防ぐ。
「グッ!」
「主様!」
倒れるディロードに紫晶石は近づく。
「紫晶石、逃げるんだ。君のローザミスティカが奪われれば、この世界は─」
「主様の危険に、そのようなことは言っていられません!」

ディロードと紫晶石のやりとりを見ていたローゼンメイデン達は戸惑っていた。何故マスターが命がけでドールを守るのか。そんな時、
「見ていられないわね。」
真紅が立ち上がる。
「あら、奇遇ね真紅。私も思っていたのよ。」
水銀燈はその背中の黒翼でディロードの所に向かってゆく。
「水銀燈さん。どうして─」
「守るんじゃなかったのかしら?それとも、本当はそんな力は無いのかしら?」
水銀燈の煽りに対してディロードは、
「守るっていうのは、力があれば出来ることではない。反対に、力が無くても守ることは出来る。例え僕の力がちっぽけでも、誰かを護れるなら、救えるなら充分です。」
ディロードはロードスラスターを杖のようにして立つ。
「雅さんと言ったかしら。お父様の言葉、信じましょう。」
真紅に続いてローゼンメイデン達が集合し、ジュンとのりもやってくる。
「では皆さん、このカードに願いを込めて下さい。」
ディロードはドール達とジュン、そしてのりに白紙のカードを渡し、
「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-ROZEN MAIDEN~TROYMENT~-】
ローゼンメイデンの世界のワールドホープを発動する。すると、ドール達は光だし、ジュンと同じ背丈になる。
「これは、何かしら?」
「きっと、ローゼンさんはあなた達に人らしく育って欲しかったのだと思います。」
「解ったわ。ジュン、力を貸しなさい。」
「命がかかっているんだ。気にするなよ。」
ドール達はライダー達に向かってゆく。
〔SURVIVE〕
リュウガは龍騎から烈火のサバイブを受け取りリュウガサバイブにパワーアップする。
〔ADVENT〕
リュウガサバイブは契約モンスターを召喚。ドラグブラッガーはサバイブの力で進化するが、
「黒龍ねぇ。私に勝てるのかしら?」
水銀燈はその黒翼を蒼炎の龍に変えてリュウガサバイブを締め付ける。そして、
「あなたも廃棄品(ジャンク)になりなさい!」
リュウガサバイブはバックルが破壊されて撃破される。その爆風に飛ばされたサバイブのカードはゾルダが手に入れる。
〔SURVIVE〕
ゾルダとナイトは互いにサバイブを使ってパワーアップ。ゾルダはマグナバイザーツヴァイで第3ドールの翠星石を撃とうとするが、
「伸びやかに、健やかに!」
心の如雨露の水を浴びた植物が壁となってその弾丸を防ぐ。ナイトサバイブはその植物の壁を剣で切り裂くが、その先に現れた第4ドールの蒼星石の選定鋏によって剣がはじかれる。
〔SHOOT VENT〕
ナイトサバイブはダークバイザーツヴァイの弓矢を使って蒼星石を射抜こうとするが、翠星石が伸ばした蔓によってゾルダサバイブと共に身動きが取れなくなり、
「そこが、弱点だ!」
蒼星石は選定鋏を分離させて双剣状にしてゾルダサバイブとナイトサバイブのバックルを破壊して撃破し、サバイブは龍騎とライアが手に入れる。手にしたサバイブを龍騎とライアは直接使用し、龍騎サバイブとライアサバイブは契約モンスターを召喚。ドラグレッダーはドラグランザーに、エビルダイバーはエビルスナイパーに進化する。
「ジュン、力を貸しなさい。」
「解っている!まだ死にたくないからな!」
真紅は契約の指輪からジュンの生体エネルギーを吸い取り、紅い薔薇の竜を生み出す。
薔薇の竜(ローズドラグーン)!」
薔薇の竜は薔薇の花弁の竜巻を放つ。
〔SHOOT VENT〕
龍騎サバイブはシュートベントをスキャンし、ドラグランザーから放たれるメテオバレットで花弁を焼き払うが、それらが粉塵爆発を発生させて龍騎サバイブはのみ飲まれてしまい、撃破される。
「来ちゃダメ!」
第6ドールの雛苺は薔薇の蔓でライアサバイブをがんじがらめにしてしまい、真紅の薔薇の竜の尻尾によってライアサバイブは撃破される。
「雅、大丈夫?」
オルタナティブとゼロの連携とガイの攻撃に疲弊しているディロードの所にフェイトがやってくる。
「フェイト、来てくれてありがとう。ユニゾンで戦おう。大丈夫かな?」
「私と雅で出来るの?」
「ああ!」
ディロードはユニゾンのカードを取り出す。
【ATTACK RIDE-UNISON-】
「「ユニゾン、イン!」」
【FROM RIDE-DELOAD LIGHTNING BRAVE-】
ディロードはライトニングブレイブにパワーアップする。
「行こう、フェイト。」
『うん!』
「プラズマザンバー!スプライトザンバー!」
ディロードは極大の魔力刃でオルタナティブを撃破し、斬り返しの速攻の刃でゼロを撃破する。
「主様、この銀の戦士は私にお任せ下さい。ローラレイ、モジュール メイメイ!」
紫晶石が叫ぶと紫晶石の人工精霊は黒く染まり、紫晶石に水銀燈と同様の黒翼が展開される。
〔ADVENT〕
その状況を見てガイはメタルゲラスを召喚する。
「ちょっと、何勝手に私のメイメイを奪っているの!」
「水銀燈お姉様、そのようなことはありません。」
水銀燈は自身の人工精霊がいることを確認する。
「では、行きます!」
紫晶石は黒翼を龍に変えてガイに食らいつかせる。その力は凄まじく、ガイはあっさりと倒されてしまう。

「風の旋律!」
金糸雀はヴァイオリンから放たれる超音波でオーディンのバックルを破壊し、オーディンは撃破されるが、オーディンのサバイブは王蛇に奪われてしまい、王蛇は契約のカードでエビルダイバーとメタルゲラスを自身のモンスターにしてしまい、
〔SURVIVE〕
先程奪った無限のサバイブで王蛇サバイブにパワーアップ。そして、
〔UNIT VENT〕
モンスターを合体させるユナイトベントで3体のモンスターを合体させて爆撃機型のモンスター、ダークサイダーに変わり王蛇サバイブはダークサイダーに乗って空を飛ぶ。
「フェイト、僕達も行こう。」
ディロードは脚力でダークサイダーの高度にたどり着き、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「『スピンザンバーストライク!』」
ザンバーを中心点としたトルネードキックでダークサイダーの頭部ごと王蛇サバイブを撃破し、ディエンドが召喚したライダーは全てカードに戻る。
「海東、いい加減諦めて下さい!」
ディロードはザンバーをディエンドに向ける。
「仕方がないなー。この世界のお宝は諦めるよ。」
ディエンドは一言言ってローゼンメイデンの世界から出て行く。
「海東が去ったことでこの世界の危機は去りました。それでは、紫晶石、お別れだ。」
雅は変身を解除し、紫晶石に左手を差し出す。
「主様、短い間でしたが、お使いできて私は幸せでした。」
紫晶石は雅の左手の指輪に口づけをして契約を解除する。
「それでは、お騒がせしました。」
雅はローゼンメイデンの世界から立ち去る。

「次の世界は、Fate/stay nightの世界か…」
ソウルライドの発動を確認した雅が絵巻を開くと、七枚のカードと泥が詰まった杯が描かれていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード、特別編
いよいよ年越し。チームディロードもすっかり正月気分。次回、『夢オチ』 
 

 
後書き
新カード紹介
ローゼンメイデン-トロイメント-(ワールドホープ):ローゼンメイデン-トロイメント-の世界のワールドホープ。ローゼンメイデン達が少女ほどの大きさになり、それにあわせて力が増幅する。 

 

番外編 どうして夢オチが出来たのか

 
前書き
今回と次回のみ投稿が随時更新となります。 

 
午前5時
雅「どうするんだ、この状況。もう時間がないだろう。」
作者「やばい、もうギリギリだよ。」
時は昨日まで遡る─

12月30日
雅「まだ年越しの準備が出来ていないだって!?」
作者「ああ。ローゼンメイデンの世界もまだ書き終わっていないんだ。」
雅「……なんで書き終わっていないか解っていますよね?」
作者「だって、年末で仕事が忙しかったし…それに僕がスーパーマーケットの店員だって知っているだろう?時間がカツカツなんだよ。」
雅「…それは知っている。それで、貴重な休憩時間を割いて、父親用の年賀状を作成する時間を割いて、あなたは何をしていましたか?」
作者「……エロ動画を観ていたり、LOを買って読んでいました。」
雅「そんな時間があるならさっさと終わらせなさい!」
作者「大丈夫。東京行きの道の途中で書き終えるから。」
雅「あなたの技術力で出来るんですか?」
作者「終わらせる。絶対。」
雅「約束だからね。」

12月30日午後10時
作者「…ほら、終わった。」
雅「結構ギリギリですがね。」
作者「これで、明日に備えられる。」

現在
雅「それで、あなたは今何処に居るのですか?」
作者「コミケ行きの電車。」
雅「こんな必要のない番外編を書いている暇があるならさっさと父親用の年賀状を作成しなさい。」
作成「……はい。」

6時22分
作者「や~っと、たどり着けたね ふ~たり、巡り逢えた場所に~」
雅「だから、何をしているんだ!」
作者「何って、コミケに着いた。」
雅「本当に大丈夫か?」

6時41分
作者「コミケの夜明けぜよ…」
雅「何しているのやら…」

16時40分
作者「勇~敢に、戦った 男がいた 人生と、戦った 男がいた」
雅「馬鹿なことを言っていない。」

18時36分
作者「無事帰宅。」
雅「本当に間に合うのかな…」

23時30分
作者「さて、全部終わって年越しの準備完了!」
雅「……………」
作者「寝たか。悪夢はこれからだ、雅。」 

 

第43.5話『夢オチ』

雅「皆さん、新年明けましておめでとう御座います。今年も1年、よろしくお願いします。」
フェイト「今回は特別編です。」
圭一「今まで登場した様々なゲストをお迎えし─」
梨花&沙都子「三が日でのライブ投稿となります。」
フェイト「それでは、最初のゲストです!」
?「入るぞ。」
雅「あなたは!」
?改め十兵衛「勝手に呼んでおいてその態度か。」
圭一「忘れている人も多いでしょう。彼はダブルの世界に出てきたミュージアムの後継組織、レジェンダーズのボス、奥田十兵衛さんです。」
雅「十兵衛さん、あなたは投獄されていたはず。」
十兵衛「何故かは分からないが出ることが出来た。安心しろ。危害は加えない。」
雅「それなら歓迎しましょう。十兵衛さん、どうぞ、ごゆっくり。」
フェイト「それでは、作者が寝ますので、一旦コマーシャルです。」
CM『DELOAD
仮面ライダーのカードで、変身!
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
更に、変身アイテムのカードで─
【CHANGE RIDE-GATACK ZECTER-】
更なる変身!
変身ベルトDXディロードライバー!』


フェイト「作者が起きたので、再開します。」
十兵衛「それで、俺はどうすればいいんだ。」
雅「作者から聞いていませんか?」
十兵衛「一切聞かされていないが。」
圭一「どうするんですか。一切企画がないんですよ。」
十兵衛「それなら帰るぞ。」
フェイト「それでは、作者が食事を摂るのでコマーシャルです。」
CM『DELOAD
斬擊でも!銃撃でも!
更に、武器を換装!
【ATTACK RIDE-METAL SHAFT-】
そして、仲間を召喚!
【SUMMON RIDE-SIGNUM BERSERKER-】
召銃剣DXロードスラスター!』

フェイト「それでは、再開します。」
?「入るぞ。」
?「入るぜ。」
雅「えっと、あなた達は?」
?改めプロット「分かりやすい言うと、同じ作者から生まれた奴って所ですね。」
?改めキョウヤ「ま、そんな所かな。」
圭一「ええと、作者から届いた資料によると、プロットさんは『仮面ライダーエグゼイド バグ技~仮面ライダープロット~』に登場する主人公で、同人ゲームサークルのサークル主さん。キョウヤさんは『戦姫絶唱シンフォギア~海神の槍~』に登場する主人公で、異世界にいるトライデントの装者とのことです。」
プロット「その通りですね。」
キョウヤ「ああ、あっているよ。」
雅「それで、僕達と接点のないお二方がどうしてここに?」
プロット「いや、5年上の先輩がお正月特別編をすると伺ったので、来ました。」
キョウヤ「よく分からないけど、面白そうだから。」
圭一「よく分からないことが書かれているのですが、作者から手紙を預かっています。」
つ手紙
プロット「…」
キョウヤ「おいっ!」
雅「どうされましたか?」
プロット「それが…」
キョウヤ「二人とも登場作品の宣伝をしろって。」
雅「まったく、何を考えているんですか、あの作者は。プロットさん、キョウヤさん、気になさらずにゆっくりとして下さい。」
プロット「いや、そういうわけにいきません。」
キョウヤ「ああ。そりゃあな。というわけで、俺から始めるぜ。ある日、地球に未知のエネルギー反応が出て風鳴翼が調べると、そこにはシンフォギアを纏って戦う俺がいた。翼は俺と交戦して俺は翼の叔父が率いる組織に抑えられるが、話の上で協力してノイズと戦う話だ。まあ、俺自身は若干身勝手だけど、ノイズとの戦いは必見だな。是非『戦姫絶唱シンフォギア~海神の槍~』をよろしくな。」
プロット「次は俺の番ですね。五年前にバグスターウイルスに感染した俺はCRで働くが、スナイプの不当解雇に不信感を抱いた俺は仲間を集めてバグスターウイルスを根絶する組織を作り、その力を作るために同人ゲームのサークル活動をしていたが、俺達のシステムを開発している親友がライドプレイヤーに殺されたことをきっかけに復讐を誓う作品です。俺達の活躍を是非閲覧下さい。」
梨花「そう言えば、あなたは本編と口調が全然違うわね。」
プロット「当たり前です。ここは俺達のサークルとは違いますから。社会人たる者、常識です。」
圭一「気にしなくても大丈夫ですよ。」
プロット「そういうわけにもいきません。」
キョウヤ「それよりも、この話って本当はもっと後のはずだけれど、どうしたの?」
雅「それが、作者が…」
守護者説明中
キョウヤ「…アホだろ。まあ、おかげで楽しめているけどな。俺は全てのヒーローとダチになる男だ。よろしくな!」
フェイト「それでは、一旦コマーシャルです。」
CM『DELOAD
ライトケータッチで、
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
ダークケータッチで、
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE DARK-】
二種の集結を使いこなせ!装填パネルDXケータッチセット!』

フェイト「記念すべき1月1日のゲストは奥田十兵衛さん、プロットさん。そして、キョウヤ・タカナリさんの3名でした。そして、この企画はあと2日間続きます。それでは、本日はこの辺で。」
雅「皆さん、本日はありがとうございました。」


フェイト「それでは、本日最初のゲストはこの方です。」
?「雅、久しぶり!」
雅「あの、どなたですか?」
?「もう、忘れちゃったの?」
雅「記憶にありません。というか、その…当たっています…」
?「そりゃあ、当てているんだもん。“風鈴”よ。そう言えば解る?」
雅「エリュゲイル?あなたですか?」
?改めエリュゲイル「漸く思い出してくれた!そうよ。」
雅「エリュゲイル、今日はゆっくりしていって下さい。」
エリュゲイル「言われなくてもそのつもりよ。」
フェイト「それでは、作者の仕事の都合により、一旦コマーシャルです。」

フェイト「作者が休憩時間に入ったので、再開します。」
雅「エリュゲイル、その深緑色、似合っていますね。」
エリュゲイル「そりゃあ勿論、選んだもの。私の属性、風にあわせてね。本当は、私の炎の色にあわせようと思ったんだけど─」
圭一「あれ、エリュゲイルさんの炎の色って確か─」
雅「透明だよ。って、ダメに決まっているでしょう!」
エリュゲイル「そう言われると思って、やめたんじゃない。」
碧陽学園生徒会一同「入るよ。」
?「入りますヨ。」
雅「皆さん、お揃いで。それで、あなたは?」
?「さて、私は誰でしょう?」
雅「その特徴的なサイドテール、三枝葉留佳さん以外いますか。」
?改め葉留佳「そうなのですヨ。」
圭一「雅さん、この人は一体?」
雅「葉留佳さんはリトルバスターズの世界の方で、ものすごく明るい方ですよ。」
葉留佳「おーおー、よく解っていますネ。ただ、はるちんは明るいだけじゃないのだ!なんと…」
一同「なんと…」
葉留佳「大のイタズラ好きなのだ!」
フェイト「あの、髪を三つ編みにしないで下さい。」
鍵「会長、ぷふっ、顔に落書きが、ふふっ」
つ鏡
くりむ「杉崎、人の顔を見て笑わないでよ!って、何よこれ!」
知弦「ぶっとい眉毛に左のほっぺに渦巻き、右のほっぺには情熱、それに顔全体にかけて書いてある星。可愛いわぁ~。」
葉留佳「おっ、はるちんの芸術が解るとは、なかなかやりますネ。なんだか姐御みたい。それに…」
知弦「それに?」
葉留佳「おっぱいボーーーーーン!」
知弦「えっ?」
エリュゲイル「大きさだけなら私の方が上なんだけど!」
雅「エリュゲイル、ただでさえ話がややこしいのにこれ以上ややこしくしないで下さい。」
フェイト「作者の休憩時間が終わりますので、一旦コマーシャルです。」

フェイト「作者が帰宅しましたので、再開します。」
雅「ところで葉留佳さん、そろそろ帰らないと、風紀委員に手酷い目にあわされますよ。」
葉留佳「ダイジョブジョブ。今日はお姉ちゃんはお父さんたちと一緒のはず…」
?「醤油取って。」遠くから
葉留佳「やば!はるちん猛ダッシュ!」
雅「さよなら。」

CM『日曜朝も要チェックだ。
仮面ライダープロット
復活した檀黎斗(ゲームマスター)。彼を相手に語られる、プロットのシステムとは?毎週日曜朝8時!』
フェイト「1月2日のゲストは紅世の王“風鈴”エリュゲイルさん、三枝葉留佳さん、そして碧陽学園生徒会一同でお送りいたしました。」
くりむ「確かに、そろそろ帰らないと。〆の挨拶、凪風やってよ。」
雅「会長、どうしてですか?」
くりむ「えっ?だって見たことないし。」
知弦「そうね。雅君、やってちょうだい。」
雅「…わかりました。それでは、本日の生徒会、終了。」
碧陽学園生徒会一同「…なんか普通過ぎ。」
雅「とにかく、皆さんはまだ未成年なのですから、早く帰りましょう。」
フェイト「それでは、コマーシャルです。」

フェイト「それでは最終日、本日には引き続きエリュゲイルさんと、碧陽学園生徒会から椎名深夏さんが来ています。」
エリュゲイル「は~い、よろしくね。」
深夏「応ッ!」
フェイト「それでは、本日最初のゲストはこの方です。」
紫晶石「主様、お久しぶりです。皆様、よろしければこちらを。」
圭一「すあまじゃないか!」
沙都子「蕨餅もありますわよ。」
フェイト「それでは、一旦コマーシャルです。」
CM『金曜夜も、見てくれよな!
戦姫絶唱シンフォギア~海神の槍~
現れる銀色の鎧、ネフシュタンを纏う少女。そして、それを見る一つの影。毎週金曜25時』

フェイト「作者が休憩時間に入ったので、再開します。」
キマイラヤミー(以下キマイラ)「入ります。」
雅「何故お前が復活したッ!」
キマイラ「何故と言われても、我も創造主に再び作られた故によく解らぬ。」
圭一「そう言えば、俺達がチームディロードとなって初めて行った世界、仮面ライダーオーズの世界でしたね。」
雅「あの時は武器も満足な状況ではなかったから窮地に陥ったな…」
エリュゲイル「えっ、本当?聞かせて聞かせて。」
雅「いや、恥ずかしくて言えませんよ。」
梨花「あの頃の雅はね─」
雅「梨花も言わないで下さい。」
深夏「それより、そこの怪人。」
キマイラ「我のことか?」
深夏「ああ!腕相撲で勝負しようぜ!」
キマイラ「人間の小娘如きに本気を出す気はない。遊んでやろう。」
数分後
キマイラ「何者だ、あの小娘。我の力を超えているとは…」
深夏「なんだ、怪人っていっても大したことないな!」
?「入るぞ。」
雅「あなたは!」
?改め木野薫「久しぶりだな。」
雅「木野さん、お久しぶりです。どうしてここへ?」
木野「お前の創造主は、俺の場面をしっかり書いてくれた。その礼をしようと思ってな。」
フェイト「それでは、作者の休憩時間が終わりますので、一旦コマーシャルです。」

フェイト「それでは、再開します。」
圭一「それにしても、雅さんは本当にいろんな世界に行きましたよね。」
梨花「融合した世界を別々にカウントすると、私達と一緒に行った世界だけでも20を超えているわね。」
紫晶石「主様、それだけの世界を巡り、辛かったこともあるのではないですか?」
雅「今は特に、大変なことはないかな。みんなもいてくれているのも、あると思う。」

フェイト「さて、三が日もあと30分となりました。ここで、最後のゲストです。」
望実「兄さん。」
雅「望実!どうしてここに!だって…」
望実「実は、伝えないといけないことがあって…」
雅「どうした?」
望実「実はこれ、夢オチなんだ。」
雅「えっ?」
フェイト「それではみなさん、今年もよいお年を。」





「はっ!」
雅は目を覚ます。今は深夜。
「夢か…でも、望実に会えたから、幸せな夢かもしれないな。」
雅は寝静まる中、呟いた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
雅は、十年後の世界でセイバーの宝具を護れるのか。そして、雅は召喚したサーヴァントは…次回『全てを備えし虚無』 

 

第44話『全てを備えし虚無』

「『Fate/stay night』の世界ということは、これが使えるか。」
雅は左手にある令呪を見る。
「令呪、だっけ?それ。」
「ああ。それで、これが残っているということは、当然僕が十年前に召喚したサーヴァントはまだ残存しているはず。今回はとても頼もしい戦力になる。呼んでおこう。礼呪が残っているんだ、来てくれガーディアン。」
雅が宣言すると、透明なミッドチルダ式魔方陣が展開され、三十代後半の男性が現れる。
「えっ……雅が、二人?」
フェイトは雅と男性を見て呟く。
「マスター、呼ばれた理由は解っている。でも、まずはみんなに説明をしよう。」
「そうだね、ガーディアン。」
「雅、そのガーディアンって何?」
「この世界では、七人の魔術師が互いの願いを叶える為にかつて存在していた英雄を使役して万能の願望器、聖杯を掛けて互いに命を奪いあう世界なんだ。そして、英雄にはそれぞれクラスと呼ばれる能力補正が与えられる。剣術に長け、魔法攻撃への高い耐性を持つセイバー。騎乗戦に長け、軍勢との戦闘に有利なライダー。俊敏性はクラス一で、個人戦に有利なランサー。単体の武器性能が極めて高く、マスター無しでの単体行動を得意とするアーチャー。魔術に特化し、陣地形成を得意とするキャスター。自身の理性を封印し、全てを力に変えるバーサーカー。そして、隠密行動で敵のマスターを暗殺することに特化したアサシン。この七騎を基準に聖杯を掛けた殺し合い、聖杯戦争が行われる。」
「待って雅。さっきの説明にガーディアンっていなかった。」
「勿論、さっきの七騎は基準であって、中には例外もある。かつて召喚された者で分かり易くいうと、復讐者、アヴェンジャーが該当する。」
「それで、どうしてガーディアンになったの?」
「この世界の前日譚にあたる『Fate/zero』の世界ではキャスターが最後に召喚されたサーヴァントだけど、僕はそのキャスターの召喚に寸分の一も狂わずに合わせて召喚し、その際に既に七騎が揃ったことで、それらに該当しないクラスを与えた結果、ガーディアンになったんだ。」
「そうなんだ……。それで、このガーディアンの正体ってやっぱり…」
「ああ、はるか未来、人々を護る中で死に、英雄となった僕だ。」
「そう。僕の持つディロードライバーがそのまま宝具として認識され、召喚に応じる形になったからね。」
「本当に雅さんなんですか?じゃあ、ファイズの世界で、雅さんが変身した仮面ライダーは?」
「シグムだろ、圭一?あの時気を抜いていなければ海東にシグムドライバーを奪われずにすんだのに、って今でも思うよ。」
「それでは、雅さんはV3の世界と融合したリトルバスターズの世界をどのように救いましたですか?」
「何もしなかった。僕が動けば虚構世界に支障をきたす。」
「お見事ですわ。」
ガーディアンは圭一と沙都子の質問を間違えることなく解いてみせる。
「言ったはずだ、僕は雅だって。」
「わかった。それで、この世界で海東さんが狙っているお宝って何か解る?」
「フェイト、この世界で海東が狙っているお宝はセイバーの宝具の一つ、全て遠き理想郷(アヴァロン)。魔力を用いた永久回復機関だ。」
「アヴァロンって、確かアーサー王伝説の─」
「その通りだよ、圭一。アヴァロンはセイバーとして召喚されたサーヴァント、アーサーの宝具だ。」
「アーサー王って、そんな凄い奴をどうやって!?」
「サーヴァントの召喚には幾つか小技があって、ある程度呼びたい英雄を特定する方法があるんだ。その一つに、触媒と呼ばれるその英雄縁の物を用いることで、その英雄が召喚される確率が格段に上昇する。僕の場合は、僕が生前に使用していたディロードライバーが宝具、『全てを備えし虚無(ディロードライバー)となり、マスターが所持していたことで、召喚されたんだ。」
ガーディアンは圭一達に説明をする。
「ガーディアン、そろそろ行こう。海東もいつやってくるかわからない。」
「そうだな、マスター。それじゃ、留守番頼んだよ。って、懐かしいな。」
ガーディアンはフェイトの頭を撫でながら言う。
「そうだ、マスター。」
「どうしたガーディアン?」
「久しぶりにディローダーに乗りたい。乗せるからそれで向かわないか?」
「しかし、海東の襲撃に備えないと。」
「大丈夫、少しなら時間はある。僕はマスターの未来。解るな?」
「解った。一緒に行こう。」
雅とガーディアンはマシンディローダーに乗ってこの世界の主人公、衛宮志郎のすむ家に向かった。

「懐かしいな。こうして運転するのは。」
「そうなの、ガーディアン?」
「ああ、世界が平和になって、乗ることがなくなって、そのまま死んだから、何十年と乗っていないよ。」
「大丈夫ですか?」
「忘れた?僕の騎乗スキルを。」
「そうでした。もうそろそろ着きますね。」
「ああ。十年前と変わらない風景だ。」
雅とガーディアンは目的地に着き、インターホンを押す。
「はい、って、あんたサーヴァントね!セイバー、敵襲よ!」
門が開くと、アーチャーのマスターであった少女、遠阪凛が出てセイバーに知らせる。
「一体何事ですか、リン!」
セイバーは甲冑を纏った状態で雅達と出会う。
「何事かと思えば、ガーディアン、それにミヤビではないか。何故今更こちらに来た。」
「何故と言われても、切嗣さんに線香をあげに来たのですが。」
「ああ、十年前の知人が亡くなったんだ。線香の一本でも、あげないのは無礼と思わないか、セイバー。」
セイバーの質問に、雅とガーディアンは答える。
「何?じいさんに線香を?それだったらあがってくれ。」
玄関口で問答を広げていると、志郎がやってくる。
「ちょっと、そんなにあっさり信用していいの!?」
「その通りです、シロウ。彼らはかつてキリツグに味方し、非道な戦闘をした者達。何が目的か解ったものではない。」
しかし、志郎の言葉を聞き、凛とセイバーは反対する。
「でも、昔のじいさんを知っている人達だ。俺自身話が聴きたい。それに、もし本当にやばい奴なら、こんなに長々と話していられないだろ?」
「確かに、シロウの言う通りですね。わかりました。」
「そうね、十年前の聖杯戦争の話は重要だわ。」
志郎の言葉を聞き、セイバーと凛は納得し、雅とガーディアンは敷地内に入り、居間に上がる。
「切嗣さん、あなたが育てた子息は、あなたが叶えられなかった正義を目指しています。それは、あなたが誇るべきことです。」
雅とガーディアンは線香をあげて座る。
「さて、セイバー。十年前に僕が出した問いは、解ったか?」
「ガーディアン、今更そんな質問に、意味があるのか?」
「セイバー、それよりもガーディアンって何!?だって、サーヴァントは七騎でしょ。今の話だと、八騎目のサーヴァントがいたってことになるわよね。」
「リン、その通りです。彼はガーディアン、本来ならばあり得ぬ、八騎目のサーヴァントです。」
「でもどうやって!?」
「僕がガーディアンを召喚した時、既にキャスターの召喚が開始されていました。しかし、キャスターとそのマスターは七騎目の為の数合わせで選定されました。それは遠阪家の現当主である凛さんなら分かりますね。」
「ええ。」
「僕はそのキャスターの召喚に合わせて正規手順で召喚しました。それによって聖杯は混乱しました。クラスとしてはキャスターに正当性が、召喚手順と触媒は僕の方に正当性があり、片方を弾けませんでした。その結果、八騎目のサーヴァント、守護者(ガーディアン)のクラスを割り振って召喚させて聖杯戦争に参加権のないマスターとサーヴァントになりました。」
雅は左手にある竜を象った3画の令呪を見せる。
「その礼呪、本物みたいね。話に横槍を入れて悪かったわね。」
「お気になさらず。ガーディアン、セイバーとお話ししていても大丈夫です。志郎さんと凛さんに、海東のことをお話ししておきます。」
「ああ、解った。それで、志郎さんと出逢い、契約して見つけられたか、セイバー?」
「ガーディアン、確かに、今の私なら、お前の言っていたことが解る。人にはそれぞれ正義がある。それゆえに誰が正しいとは言えない。」
「そうだ、よくたどり着けたな。マスター、セイバーと話がしたい。志郎さん達に話をお願いしていいか?」
「解った、任せて。」
雅は自分の出自とこの世界に来た目的を話し始める。
「セイバー、それでは十年前に僕が本当にしたかった質問をしよう。この聖杯戦争というシステムについて今のマスター、すなわち志郎さんはこの戦いを終わらせようとしている。それについてどう思う?」
「シロウは未熟なだけです。」
「それで?」
「世の中には、人智で解決出来ないこともある。それらを叶える為に、聖杯は必要だ。」
「セイバー、では志郎さんの願いはどうなるのですか?」
「それは願いを叶えた後に破壊すれば…」
「ではセイバー、あなたの願いである、選定の儀を振り出しに戻す願いはどうすれば叶う?」
「何故そのような質問をする。それは聖杯に叶えてもらうまで!」
「やはり、聖杯の真実を知らないか。僕とマスターは、切嗣さんと供に一度聖杯の内部に入った。だから言える。聖杯はあってはならないものだ。」
「ガーディアン、貴様はサーヴァントである己を否定するのか!」
「ああ。聖杯が叶えられる願いはその人間の中にある願いを叶える方法を基準に形成される。切嗣さんの場合、世界を平和にする方法を問いた時に、全ての命が消えた世界が出てきた。聖杯は人の知識を基に破壊の力で願いを叶える。セイバーの願いは叶えることが出来ない。それは、セイバー自身が願いを叶える方法を知らないからだ。」
「それでは、万能の願望器と言われている聖杯は…」
「聖杯とて人の作りし物。人智を超えることは出来ない。」
「そんな…」
セイバーはガーディアンから語られた聖杯の真実に落胆する。すると、
「皆さん、伏せて下さい!」
雅は叫び、ラウンドシールドを展開する。雅の言葉を聞いた志郎達は咄嗟に伏せると、エネルギー弾がラウンドシールドに直撃し、雅は怯む。
「来たか。」
ガーディアンが呟くと、目の前にはディエンドがいた。
「この世界のお宝、全て遠き理想郷(アヴァロン)は僕がいただく!」
ディエンドは雅達に近づく。
「シロウ、下がって下さい!」
セイバーは騎士甲冑を纏ってディエンドに向かってゆくが、
「その王の証、それもいただくよ!」
ディエンドは構わずセイバーの心臓目がけて攻撃するが、
「させない!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身してその攻撃を防ぐ。
「ミヤビ、一体何故!」
「言ったはずです。この世界を護って見せると。ここにいる誰も、死なせません!ガーディアン、ディロードがふたりいるんです。あれで行きましょう!」
「そうか、あの世界にはもう行った後か。」
「はい!」
【CHANGE RIDE-SUNRISER-】
【KAMEN RIDE-BLACK-】
「変身!」
雅はバイオライダーに変身する。
【CHANGE RIDE-SUNRISER-】
【KAMEN RIDE-BLACK RX-】
「変身!」
ガーディアンもロボライダーに変身し、仮面ライダーBLACKとRXが召喚される。
「仮面ライダー…BLACK!」
「俺は太陽の子、仮面ライダーBLACK!RX!」
「悲しみの王子、RX、ロボライダー!」
「怒りの王子、RX!バイオライダー!」
BLACK達は名乗りを上げ、4人のBLACKが揃う。
「ボルテックシューター。」
ロボライダーはボルテックシューターからエネルギー弾を放ちディエンドの動きを封じ、
「バイオブレード!」
バイオライダーの剣がディエンドを切り裂き、
「「キングストーンフラッシュ!」」
BLACKとRXはキングストーンフラッシュでディエンドを攻撃し、ディエンドは吹き飛ぶ。
「セイバー、最後は一緒に闘おう。」
雅とガーディアンはディロードに変身し、セイバー達に白紙のカードを渡し、
「「集え、世界の願い!」」
ふたりのディロードの掛け声によってワールドホープが誕生し、雅の変身するディロードがスキャンする。
【WORLD HOPE-Fate/stay night-】
ワールドホープが発動されて、ふたりのディロードの手にエクスカリバーが握られる。
「サークルバリア!」
ディロードはセイバーと供にディロードを囲い、それを包むように結界を展開する。
「カルテットバインド!」
ディロードはバインドでディエンドの動きを封じる。
【WORLD ATTACK RIDE-Fate/stay night-】
「行きましょう、セイバー!」
「うむ、世界に害を為す外道は、この手で絶つ!」
「「「約束された(エクス)……」」」
ディロードとセイバーは剣に魔力を込め、
「「「勝利の剣(カリバー)ッ!」」」
そのエネルギーをディエンドに放つ。
「このままでは!仕方がない。この世界のお宝も諦めよう。」
【ATTACK RIDE-INVISIBLE-】
ディエンドはエネルギー波が当たる直前に右腕のバインドを破壊し、この世界から立ち去る。
『轟ッ!』
表現するならばこの音が相応しい爆音が響き渡り、それが晴れるとディロードは変身を解除した。
「逃がしたかっ!」
セイバーは悔しがるが、
「だが、この世界を護る目的は果たせた。」
「僕の目的は、海東を殺すことではなく、世界の崩壊を防ぐことなので。さて、海東が去った今、僕もこの世界から出ていかないと。ガーディアンはどうするの?」
「僕はこの世界に残る。凪風雅はふたり居てはいけない。それに、僕はこの世界の住民だ。マスター、いずれマスターはこうなる。だから、頑張ってほしい。」
「解った。皆さん、ご迷惑おかけしました。」
雅は深々と礼をして去っていく。

「次の世界は、『装甲機兵ボトムズ』の世界か。」
絵巻には、巨大な機械を分解している男女が描かれていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
全能なるアストラギウス銀河の頭脳。異能生存体を管理せし者。雅はそれを破壊出来るのか?次回、『ワイズマン』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーBLACK:仮面ライダーBLACKを召喚するカード。
仮面ライダーBLACK RX:仮面ライダーBLACK RXを召喚するカード。
Fate/stay night(ワールドホープ):Fate/stay nightの世界のワールドホープ。ディロードがエクスカリバーを手に取る。
Fate/stay night(ワールドアタックライド):ディロードとセイバーが魔力消費ゼロでエクスカリバーを放つ。

ガーディアンの紹介
真名:凪風雅
年齢:38
血液型:O型
属性:中立 善
イメージカラー:透明
筋力:A
耐久:A+++
敏捷:B
魔力:A+++
幸運:E---
宝具:EX
特技:世界平和
好きなもの:平和、安寧
嫌いなもの:邪悪、破壊
天敵:悪魔神サタン
クラススキル
防衛:E-
ガーディアンの基本スキル。しかし、生前は先陣を切って戦うことで護っていた為機能しない。
騎乗:EX
仮面ライダー故に操縦の腕は人一倍。幻獣の類も操れる。
個人スキル
凪風流の心得:?
凪風流武術のマスター。それらは宝具に匹敵する。
邪竜の加護:A+
呪いの一種。ステータスの倍加を促すが、特殊な呪いを受ける。
回復:EX
回復に関するスキル。活動を行わないことで魔力の回復も行われる。
単独行動:EX
マスターが離れても単独行動が可能なスキル。魔力が尽きるまで単独行動が可能になるが、無尽蔵な魔力である為、永遠に活動できる。
宝具
全てを備えし虚無(ディロードライバー)
対自宝具:ランクA+++
雅が英霊たりえる宝具。雅をディロードに変身させる。ガーディアンはこれを触媒に召喚された。
手を繋ぎし英知と信仰(ロードスラスター)
対自宝具:ランクA
雅の武器。サーヴァントでありながらサーヴァントを召喚し得る宝具。召喚されたサーヴァントはクラス無し、能力『?』宝具無しとして使役可能になる。 

 

第45話『ワイズマン』

一面の砂漠の中で、ディロードはマシンディローダーに乗って走っていた。
「早くしないと。」
体長3メートル余りの黒い小型ロボットがディロードを横切るように、走り抜ける。
「間に合ってくれ。海東に追い抜かれる前に。」
話は、数時間前に遡る。

「ここは、装甲機兵ボトムズの世界か。」
「雅、海東さんが狙っているものに心当たりは?」
「海東はきっと、ワイズマンを狙っているに違いない。」
「ワイズマンって?」
「この世界の銀河系、アストラギウス銀河においてありとあらゆる理を総べる膨大なコンピュータシステム、と言えば解るか?」
「ありとあらゆる理って?」
「生態系、知性、風土、武力、力のバランス、風習、さまざまなことだ。」
「そんな凄いものが奪われればっ!?」
「ああ、フェイトの思っている通り、ボトムズの世界は秩序やルールを失い、崩壊する。」
「でも確かボトムズの世界って、最後にワイズマンを破壊しますよね?」
「ああ、圭一の言うとおり、確かに最後にはワイズマンを破壊する。だけど、ワイズマンはアストラギウス銀河の至る所にある。ひとつが破壊されても問題は無い。だが、破壊されるのと失われるのは意味が違う。破壊されれば残骸が残るが、消失は存在がなくなるから消滅してしまう。しかも、厄介なことに、この世界ではワープのカードが正常に機能してくれないんだ。」
「どうして?」
「この世界は地球のある銀河系とは異なるから、空間軸を算出して空間移動を行うワープは機能しない。思った通りのワープが可能なのは半径2メートルが限界だ。」
「それなら、次元跳躍も可能な私の魔法を使えば…」
「それは以前の時間で試してみたが、魔法の発動そのものができなかった。」
「そうなんだ…」
「それなら、早く急ぐ必要があるんじゃないの?」
「ああ。僕はもう行く。この星は大気が地球と異なるから、みんなは決して外に出ないでほしい。僕はワープで外に出る。」
「解った。いってらっしゃい。」
チームディロードに見送られて雅は出て行く。

そして現在、雅はこの世界の二足走行型戦車、通称ATの中で軍が一般的に使用している機体、スコープドッグのメルキア軍仕様の軍勢を縫うようにマシンディローダーを走らせ、ワイズマンが設置されている塔に進入する。
「間に合ってくれ。」
雅は塔の中を走って行くが、仮面ライダー西鬼、煌鬼、凍鬼、羽擊鬼、歌舞鬼が待ち構えていた。
「早速か。変身!」
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
雅は、ディロードコンプリートフォーム サイドライトに変身する。
【FOURZE KAMEN RIDE-COSMIC-】
「みんなの絆で、宇宙を掴む!」
ディロードはフォーゼ コズミックステイツを召喚する。
「雅、こいつらは俺に任せろ!」
「如月さん、お願いします。」
ディロードは煌鬼を轢き飛ばしながら先へ進む。
「さて、戦国時代の先輩達、順番に、タイマン張らせてもらうぜ!」
[net ラ ンチャー レー ダー オン]
フォーゼはネットをカスタムしたランチャーとレーダーモジュールを装備し、追尾する網で戦国時代の鬼戦士を捕縛する。
「まずは飛んでる先輩からだ!」
[stamper ドリル ジャイ ロ オン]
フォーゼは左腕のモジュールをジャイロに変更、更に左足にドリルを展開。浮上しながら羽擊鬼に近づき、ドリルを回転させながら羽擊鬼を蹴りとばし、ドリルが回転していた分だけ爆撃が羽擊鬼を襲い、羽擊鬼を撃破する。それに合わせて凍鬼が網を破る。
「次はがたいのいい先輩か!」
[ファ イヤー オン]
フォーゼはバリズンソードにファイヤースイッチをセット。剣先から炎を放つが、凍鬼は持ち前の念力で防ぎ、接近戦に持ち込もうとするが、
[リミット ブレイク]
「今だ!ライダー爆炎スラッシュ!」
フォーゼは必殺技を使い、炎の剣で凍鬼を切り裂き、撃破する。
「次はきんきらきんな先輩だ!」
[エレキ オン]
フォーゼはバリズンソードのスイッチをファイヤーからエレキに変更。電撃で煌鬼を攻撃し、
[beat ラン チャー オン]
ビートをカスタムしたランチャーで煌鬼を攻撃し、撃破する。
「次は虎みたいな先輩か!」
[ステルス hammer クロー オン]
フォーゼはステルスで体を透明化させ、ハンマーをカスタムしたクローによる重い一撃を西鬼に次々と放ち、
[リミット ブレイク]
その攻撃を連続で放ち、西鬼を撃破する。
「最後は派手な先輩だ!」
フォーゼはバリズンソードにコズミックスイッチをセットする。
「抜いて、挿す!」
[ リミット ブレイク]
「ライダー超銀河フィニーッシュ!」
フォーゼの斬擊によって歌舞鬼を撃破し、フォーゼも消滅する。

「見つけたぞ、海東!」
ディエンドが到着して間もなく、ディロードがワイズマンのある部屋に到達する。
「一体何が起きているんだ?」
この世界の主人公、キリコ・キュービィは事態が把握出来ずにいた。
「キリコさん、話は後です!奴の相手は僕が引き受けます。キリコさん達はワイズマンを!」
ディロードはディエンドを掴みながら下の階へ落下してゆく。
「海東、あなたの好きにはさせない!」
【SUMMON RIDE-TAKAMACHI NANOHA-】
ディロードはなのはを召喚し、
【ATTACK RIDE-UNISON-】
「ユニゾン、イン!」
【FORM RIDE-DELOAD STAR LIGHT BRAVE-】
ディロードはなのはとユニゾンし、スターライトブレイブに変身し、レイジングハートエクセリオンを手にする。
「アクセルシューター!」
ディロードは無数の弾魔法でディエンドを攻撃するが、雅のリンカーコアの性質により、ディエンドに大したダメージを与えられず、ディロードはディエンドの攻撃を受けるが、その強固な装甲により、防御しきる。
「やはり一気に片を付ける必要があるか!レストリクトロック!」
ディロードはバインドでディエンドを捕縛し、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「エクセリオン…バスター!」
レイジングハートの先をディエンドに突き付けてのゼロ距離エクセリオンバスターを放ち、ディエンドの変身は解除される。
「困ったね。仕方がない。この世界のお宝も諦めるか。」
海東は次元のオーロラの中へ去って行く。
「とにかく、キリコさん達の所へ行かないと!」
雅は変身を解除し、階段を上ってゆく。

[何をしている、キリコ]
雅がキリコの所に着くと、人造強化人間のフィアナと協力してワイズマンを解体しているキリコがいた。
「貴様、何をしているのか解っているのか!」
その場にたどり着いたメルキア軍の軍人、ロッチナはキリコを止めようと所持している拳銃でキリコを狙うが、鍛えられた軍人の的確な射撃でありながら、何故か弾はキリコを掠めることなく部屋に呑み込まれ、やがて弾が尽きる。
「ロッチナさん、諦めて下さい。これが、この世界の意思です。」
雅はロッチナを諭すが、
「何処の誰とも解らぬ小僧にこの銀河の、異能生存体の何が解る!?」
「調べたからこそ、この地に立っています。」
[キリコ…何を……ている]
雅が話している間にもワイズマンは解体されてゆく。
[何……し……る……リ…を……て]
そして、ついにワイズマンは機能を停止してしまう。
「終わったか。」
キリコは雅の顔見ると、挨拶もせずに去って行った。
「僕の役目も終わったか。」
【CHANGE RIDE-KABUTO ZECTER-】
「変身。」
[change!hyper beatl!]
[hyper clock up!]
雅はカブト ハイパーフォームに変身してハイパークロックアップを使い、古手神社宝物庫に戻った。

「次は、またスクライド世界か…」
絵巻には、隆起した大地で殴り合う2人の男が描かれていた。
to be continued.
次回予告
昨日、未来の自分との再会。今日、アストラギウス銀河での戦闘。明日、男達は、拳で語り合う。次回『ハート トゥ ハーツ』明後日、そんな先のことは分からない。 
 

 
後書き
新カード紹介
カブトゼクター:ディロードライバーをカブトセクターとカブトバックルに変えて仮面ライダーカブトに変身する為のカード。
装甲機兵ボトムズ(ワールドホープ):ボトムズの世界のワールドホープ。雅にワイズマンの加護が付与される。劇中未覚醒。

新フォーム紹介
ディロード スターライトブレイブ
基礎値は据え置き。
なのはとのユニゾンによって強化されたスターライトフォーム。堅牢な装甲は更に硬くなり、350tの衝撃にも耐える。 

 

第46話『ハート トゥ ハーツ』

─夢を、夢を見ていました。夢の中の私は、様々な困難と、みんなの危機を乗り越えていました。そして、ついに私達のいるここへ。でも、夢の中の私の心はもう、限界でした。もう止めて!これ以上は、あなたの心が壊れちゃう!それでも、あの人は辛い顔一つ見せず、みんなを助けています。今も!─


「雅さん、さっき言っていた『また』ってどういうことですか?」
「僕がこの『スクライド』の世界に来たのは今回の旅の中で二回目なんだ。」
圭一の質問に雅は答えながらサモンライドのカードを広げる。
「彼らは一定のタイミングでないとライドカードに出来ないんだ。」
「あれ?この人達みんな同じ制服を着ている。」
「そうだフェイト。彼らはこの世界に治安と秩序を作ろうとする組織、『Holy』の隊員だ。」
「治安と秩序、いい響きですね!」
雅の説明に圭一は嬉しそうに反応するが、
「とんでもない。彼らはその力を笠に悪政を敷いていたようなものだ。特にこの男は女性や子供を平気で殺せるような奴だ。」
「治安や秩序はどうしたんですか!」
「そうだね、この世界の説明がまだだった。この世界は、ある日、大地が突然隆起し関東地方の辺りが本土と離れてしまう。それによって本土から離れてしまった土地はロストグラウンドと呼ばれるようになり、交通機関や通貨の全てが機能しなくなってしまう。そして、ロストグラウンドで生きる人達の中に、ある力が宿った。周辺の物質を粒子レベルに分解し、武器に変換する力、通称アルター。アルターには様々なパターンがある。自身の装甲を作るもの、自立行動して使用者をサポートするもの、形に現れずに能力として付与されるものがある。アルターを得た者は荒廃したロストグラウンドで力を振り翳して食料を強奪したりもしていた。」
「だから秩序を作ろうとしていたのですか?」
「いや、本土は将来的にロストグラウンドを日本領土に取り戻そうとする為だ。だが、十年以上放置され何の通達も無い中いきなり押し寄せて反抗するなら殺すと言われれば誰だってアルターを使って抵抗する。ロストグラウンドの中には、アルターを使ってアルターを持たない人と真面目に地域復興に助力していた人もいた。しかし、そんな人もHolyにとっては悪と認識し、復興した街さえも破壊していた。」
「そんな…酷すぎる。」
「ああ、日本の手から離れて放置されたロストグラウンドは、もはや日本ではなくなっていた。主人公のカズマさんはその拳でロストグラウンドの生き方を貫き続けたんだ。」
雅はカズマのサモンライドカードを見せる。
「なんか随分ガラの悪そうな人ですね。」
「まあ、Holyからは反逆者(トリーズナー)と呼ばれていたくらいの人だ。カズマさんのアルターはシェルブリットという右腕に纏う装甲型のアルターで、戦いの中でアルターの塊を吸収したんだ。」
「それじゃあ、海東さんの狙いって!」
「ああ、カズマさんのシェルブリットだ。当然、主人公が消えれば世界はすぐさま崩壊する。とにかく、すぐに行かないといけない。」
雅は立ち上がり、すぐに移動しようとする。
「雅、私も一緒に行きたい。」
「フェイトが自分から行きたいなんて珍しい。わかった、一緒に行こう。」
「それじゃあ、俺達は留守番していますよ。雅さん、こっちは俺達に任せて下さい。」
「圭一、ありがとう。そっちは頼んだ。」
雅とフェイトは出て行く。

「本当にすごい荒れている…」
ロストグラウンドを歩くフェイトは感想を呟く。
「まあ、今は本土による武力行使が強まっている時期だからね。」
雅は話しながら市街地に入る。
「雅、何処に向かっているの?」
「少々、会いたい人がいるんだ。」
「どんな人だろう…」
「着いたよ。フェイト、どんな人が出てきても驚かないで。」
雅は扉をノックする。
「はい!」
子供の声が聞こえ、扉が開くと、フェイトと同い年程度の少女がいた。
「なのは?」
フェイトは驚くが出来る限り声を小さくした。
「フェイト、彼女は由詑かなみさん。カズマさんと一緒に暮らしているカズマさんの連れみたいな人だ。」
雅の紹介を聞き、かなみは照れる。
「雅さん、お久しぶりです。」
「こちらこそ、この世界の危機を教えていただき、ありがとう御座います。」
雅はかなみと握手する。
「えっと…雅に、教えた?」
「ああ、この世界のワールドホープはまだ発動していない。だから僕の記憶が残っているんだ。」
「でも、どうやって教えたの?」
「かなみさんのアルターは、夢を使って人の精神世界に入り込み、意識を共有する力で、僕にアクセスして海東の存在を教えてくれたんだ。それでかなみさん、カズマさんの居場所はわかりますか?海東はカズマさんのアルターを狙っています。」
「カズくんを!?分かりました。何処に居るか分からないですけど、頑張ってみます。」
かなみはそう言うと、体の輪郭が緑を主軸とした七色に光る。
「フェイト、あれがアルターの発動だ。地面を見てほしい。少し地面が抉れているだろう。」
雅の言う通り、かなみの周りの地面は少し抉れていた。
「雅さん、分かりました。カズくんの居場所。」
かなみは雅にカズマの居場所を教える。
「ありがとう御座います。フェイトはどうする?」
「私はもう少しここ観て回りたい。それに、雅一人で行かない意味が無い気がする。」
「わかった。かなみさん、もしよろしければフェイトにこの市街地を案内していただけませんか?」
「任せて下さい。雅さん、カズくんをお願いします。」
「はい。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのカードで目的地の付近に転移する。

その頃、荒野で二人の男が殴り合いをしていた。一人は橙と白の装甲を全身に纏い暴力的な拳で殴りにゆく男、カズマ。もう一人は青紫の鋭角的な装甲を纏い男の拳を素早く回避し、腕の刃で戦う男、劉鳳。
「いい加減くたばりやがれよ!」
「それはこちらの台詞だ。貴様も立っていられるのがやっとだろう、カズマ!」
「それはお互い様だろ、劉鳳!」
二人の殴り合いは続く。
「思えば、俺が秩序を乱すネイティブアルターに振り回されたのは貴様が初めてだったな。」
「そういやあ、あんときに言っていたNPなんちゃらってなんだ?」
「あれか。NP3228か、あれは貴様の犯罪者番号だ。」
「人間を番号で呼んで楽しかったんか?」
「あれが楽しかったように見えるのか?」
「馬鹿な俺にだって、つまらなそうに見えていたよっ!今こうやって俺と喧嘩している方が楽しそうに見えるぜ!」
「それは嬉しくない褒め言葉だな!」
馬鹿の殴り合いは終わらない。
「そういやあ、お前も変わったよな!前は人のことをゴミ溜めみたいに言っていたけどよ、今じゃ俺と何も変わらねえ!」
「それは違うな!俺はロストグラウンドに合わせた秩序を作るだけだ!」
二人の拳が伸びるが、
「いい加減にして下さい!」
雅は二人の拳を片手で受け止める。
「てめえは、雅じゃねえか!」
「凪風か!一体何の用だ!」
「かなみさんの伝言を預かってきました!」
「かなみから!?」
「何!?」
雅の言葉で二人の動きは止まり、
「カルテットバインド!」
雅は二人を拘束する。
「話す前に、二人とも怪我の手当てをします。話が終わればまた好きなだけ喧嘩をしていいですから、体が無事でないと喧嘩も出来ないでしょう。」
雅は治癒魔法で縛り上げた二人を治療し、二人に事の経緯を話した。
「なるほどな。泥棒がカズマを狙っているというわけか。」
「なんだよ。そんな簡単な事かよ。回りくどく話すなよ、雅。」
「そんな簡単な話ではないから順を追って話したんです。」
雅は呆れるように言う。
「難しいもんか!要するに、いつも通りこの拳でぶっ飛ばせばいいんだろう?」
「海東にはそんな単純な戦闘は通用しません。」
雅がカズマに説明していると、
「その通りさ。でも、そろそろ僕の邪魔をしないでほしいな。」
海東が現れる。
「凪風、奴がお前の言っていた…」
「はい、奴が海東大樹です。」
「へっ、俺を狙っているっつーからどんな奴かと思えば、ひょろっちい奴じゃねえか!」
カズマはシェルブリットを纏い海東に殴りかかるが、
「おっと、そうはいかないよ。変身!」
【KAMEN RIDE-DEEND-】
カズマの拳をディエンドライバーで受け止め、海東はディエンドに変身。そのままカズマの肩を狙って撃つが、カズマはシェルブリットの手の甲で受け止める。
「さて、これならどうする?」
【ATTACK RIDE-ILLUSION-】
ディエンドはイリュージョンのカードで分身する。
「劉鳳さん、僕達も行きましょう!」
雅はディロードに変身し、分身したディエンドと交戦。ロードスラスターによる斬擊で分身したディエンドを撃破してゆく。
「また君は、僕の邪魔をするのか。でも、この世界のお宝、シェルブリットのカズマは僕が頂く!」
ロードスラスターの一撃を受けて怯んでいたディエンドが立ち上がり、そう言うと、
「カズマさんがお宝?何を言っているんだ。カズマさんはお宝じゃない。馬鹿力な馬鹿だ!」
「確かに、カズマはただの馬鹿じゃない。凄まじい馬鹿だな。」
「お前ら、よってたかって人のことを馬鹿呼ばわりしやがって!でも、そんな俺にとことん付き合うお前らも、立派な馬鹿じゃねえのか?」
「ふふっ、そうですね。それなら、馬鹿は馬鹿同士、仲良くやりあいますか!」
「ああ、そうだな。」
カズマ、雅、劉鳳は仲良く並ぶ。
「さて、前に作っておいて結局使わなかったこれ。使いますか。」
【WORLD HOPE-s・CRY・eD-】
ディロードはスクライドのワールドホープを発動する。それによって、ディロードへの変身が強制的に解除され、シェルブリットと劉鳳のアルター、絶影が融合したような装甲に雅は包まれる。
「これならいけそうだ。カズマさん、劉鳳さん、大丈夫ですか?」
「おう、見せてやろうぜ、男の子の意地ってやつをよ!」
「ああ、馬鹿が三人集まれば、道理も無理で打ち砕ける!」
雅、カズマ、劉鳳の三人は一斉にジャンプする。
「わざわざ狙われるように動くとは!」
ディエンドは雅を攻撃するが、劉鳳が素早く動き、全ての攻撃を弾く。そして、
「これが俺達の!」
「自慢の拳と!」
「自慢の脚だ!」
劉とカズマの拳、それにはさまれる雅の片脚蹴りがディエンドに直撃。ディエンドの変身は解除される。
「またやられたか。仕方がない。この世界のお宝も諦めよう。」
海東は次元のオーロラに去ってゆく。
「さて、やるべきことは済みました。後は好きなだけ喧嘩していいです。僕は海東を追わないといけないので。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのカードで市街地に向かう。

「フェイト、こちらの用事は済んだ。帰ろう。かなみさん、フェイトの面倒、ありがとう御座います。カズマさんは相変わらず劉鳳さんと喧嘩していましたよ。」
「やっぱりそうですか。でもきっと、二人ともいいお友達だからでした大丈夫だと思います。ありがとうございました。」
かなみは雅に一礼し、雅とフェイトはこの世界を去った。

「次の世界は、また厄介な世界を選んだな…」
絵巻には、黒い悪魔のような異形に囲まれた少年を守るように、三人の男女が囲っている絵が描かれていた。
to be continued.

次回、スーパー邪神大戦α
次なる世界、それは凪風雅にとっては不真面目に思える世界。しかし危機は訪れる。狂気の神話の邪神は、雅と供に何を護るのか。男、一人気まずい空気の中で何を思う。 
 

 
後書き
新カード紹介
スクライド(ワールドホープ):スクライドの世界のワールドホープ。雅のアルター能力が覚醒(劇中未発動)し、シェルブリットと絶影を融合させたアルターを雅が装着する。


今回の次回系列は最終回からおよそ半月後位の話です。 

 

第47話『スーパー邪神大戦α』

「海東は何故この世界を狙ったんだ?」
雅は考え事をしていた。
「雅さん、急がないでいいんですか!」
「圭一、この世界なら問題ない。この世界の名は『這いよれ!ニャル子さん』という世界で、クトゥルー神話という創作作品の邪神がただの一般人しかいないんだ。」
「邪神が普通に居るって大丈夫なんですか?」
「この世界では邪神達は普通に人間に擬態している。それに、この世界では邪神が存在していることがルールだから口出しは出来ないんだ。」
「それならいいんですけど、雅さんのその役職って何ですか?」
「どうやら、僕はこの世界ではその邪神達の上司ってことらしい。とにかく、一度彼女たちに逢いに行こう。フェイト、来てくれるか?」
「うん、大丈夫。」
雅とフェイトは市街地に向かう。

「確か、この辺りだったはず…」
雅がマシンディローダーを走らせていると、『八坂』と書かれた表札が見えた。
「ここだ。フェイト、手はず通りで。」
「わかった。」
雅とフェイトはマシンディローダーから降り、雅がインターホンを押す。すると、
「一体どちら様ですか。私と真尋さんの愛の巣にくるどアホは。」
ニャルラトホテプのニャル子が現れる。
「見つけたぞ、ニャルラトホテプ。」
「なるほど。だいたい解りました。クー子!ハスター君!敵襲です!」
ニャル子の声でクトゥグァのクー子、ハスターのハス太がニャル子の所に来る。
「邪神達がこんなにいたのか。フェイト、行くぞ!」
【CHANGE RIDE-DOUBLE DRIVER-】
雅はディロードライバーをダブルドライバーに変え、フェイトにもダブルドライバーが出現する。
「「変身!」」
〔エクストリーム!〕
雅とフェイトは、仮面ライダーダブル サイクロンジョーカーエクストリームに変身する。
「ヤバいですね。ハスター君、ちょっとくすぐったいですよ!ファイナルフォームライド!ハ!ハ!ハ!ハスター!」
ニャル子によって、背中に腕を突っ込まれたハス太は本来の力を解放し、黄昏の王に変わる。
「光臨!満を持して!」
「待っていた!」
〔ヒート!マキシマムドライブ!ジョーカー!マキシマムドライブ!メタル!マキシマムドライブ!トリガー!マキシマムドライブ!〕
「『ビッカー、グレネードスパイラル!』」
ダブルは属性のガイアメモリをヒートのみにすることで、火のエネルギーを極限まで高めた砲撃を放ち、火属性を苦手とするニャル子とハス太に大ダメージを与える。
「アイムハスター…」
ハス太は防御の低さと風属性という欠点によって身体が保たず、普段の姿に戻り、失神する。
「ニャル子!どうなっているんだ!」
その時、この世界の主人公、八坂真尋があらわれる。
「真尋さん!危ないですから下がっていて下さい!あいつ、なかなかやりますね…クー子!私も結構ダメージを受けました。しばらく任せてよいですか?答えは聞かないですけど。」
「ニャル子、終わったらねっとりとした体液を絡め合う行為をしてくれるなら。」
「今はそんな世迷い言を受け入れますよ!」
「了解した。」
ニャル子とクー子は密約を交わし、クー子は戦闘態勢に入る。
「クトゥグァを相手にダブルは相性が悪い。フェイト、サポートに回ってくれ。」
【FIELD RIDE-MISAKISI-】
「封絶!」
雅は変身を解除し、地形を御崎市に変え、
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
ディロードライバーをオーズドライバーに変える。
「わかった。バルディッシュアサルト、セーットアップ!」
フェイトもバリアジャケットを纏う。
「変身!」
〔プテラ!トリケラ!ティラノ!♪プ!ト!ティラ~ノザウル~ス!〕
雅は仮面ライダーオーズ プトティラコンボに変身する。
「私の宇宙CQC、裏百式。」
クー子はビットを出現させ、オーズを狙い撃とうとするが、オーズは飛びながら避けてゆき、肩の角でクー子を串刺しにしようとするが、クー子が纏っている灼熱がそれを妨げる。
「やはり一筋縄では行かないか。」
〔スキャニングチャージ!〕
オーズは必殺技の準備に入る。
「その大技は回避が出来る。無駄な行為。」
「避けた先に何も無ければ、な。」
オーズの言葉を聞きクー子が振り返ると、直線上に封絶の影響で動かない真尋がいた。
「それが狙い?」
「そうだ。」
オーズは絶対零度の氷でクー子を覆う。
「ブラスティングブリーザ!」
そして、ティラノの尻尾でクー子を撃ち落とす。本来ならこの攻撃は対象を氷と共に粉砕するが、万物を燃焼するクー子の力が、表面を軟化させたことで、肉体の崩壊を防いだが、上空からの落下でクー子は気絶する。
「クー子、無念は晴らしますよ。いい加減名前を名乗ったらどうですか。」
「名前を聞くなら、まずは自分から名乗るのが礼儀だろう。」
「解りました。私は惑星保護機構の地球担当、ニャル子。あなたは?」
「僕は邪神ハンター雅。邪神粒子反応を確認し、破壊しに来た。」
【CHANGE RIDE-KABUTO ZECTER-】
「雅、これ以上の話し合いは不要ですね。」
ニャル子は、この世界の特撮作品『黒鋼のストライバー』に姿を似せた戦闘形態、フルフォースフォームに変身する。
「ハイパーキャストオフ。」
[henshin.hyper cast off!change!hyper beetle!]
雅は仮面ライダーカブト ハイパーフォームに変身する。
「行きますよ!」
ニャル子目にも止まらぬ早さで動く。
「ハイパークロックアップ!」
[hyper clock up!]
「クロックアップしたニャルラトホテプ星人は目にもt…」
ニャル子は能力の説明をしようとしていたが、ハイパークロックアップによって動きが止まって見える。
「片を付けるか。」
[maximum hyper power!one,two,three,]
「ハイパーライダーキック!」
[rider kick!]
カブトは必殺技を発動。ニャル子の頭部を必殺のキックを放ち、
[hyper clock over!]
元の時間に戻る。キックの衝撃は強く、特殊な攻撃以外に対する防御が堅牢なフルフォースフォームの装甲は砕け散る。
「さて、始めるか。」
地形は元に戻り、雅はニャル子達に近づく。そして、
【CHANGE RIDE-KLARWIND-】
クラールヴィントでニャル子達を治療する。
「一体何のつもりですか。」
「申し遅れました。僕の本職は、惑星保護機構の地球担当主任。貴方達が正しく仕事をしているか確認する為に来ました。まあ、概ね問題ありません。相性の悪い相手によく善戦しました。ところで、実はある次元犯罪者がこの世界の宝を狙ってここに来る情報を得まして。何か心当たりは?」
「いえ、特には…」
雅の質問にニャル子が答えると、
「次元犯罪者って言い方は酷くないかな?」
海東が現れる。
「色々な世界で盗賊行為を働いていて、よく言えますね。それで、今度は何を?」
「君には関係ない。この世界のお宝も八坂真尋をいただくだけだからね。」
海東が言うと、
「そんな伏線も無いノーヒントはやめてくれよ。ニャル子、いけるか?」
「もちのろん!当たり前田のクラッカーです!クー子、ハスター君、大丈夫ですね!?」
「当然。」
「ボクもいけるよ!」
ニャル子達の目は海東を睨む。
「そんなことをしても無駄さ。変身!」
海東はディエンドに変身する。しかし、
「行きますよ!必殺!私達の超宇宙CQC、クライマックスバージョン!」
「燃える炎の宇宙CQC108式。」
「とにかく、ボクが止めるよ!」
ハス太の疾風がディエンドの動きを封じ、長い槍状の炎がディエンドを攻撃し、どこから生やしたか分からないが、ニャル子は飛翔し、ディエンドに急降下キックを放ち、ディエンドの変身は解除される。
「まさか、この世界で負けるとは…僕の腕も落ちたね。」
海東は諦めて次元のオーロラを抜けてゆく。
「やはり、僕の助力は必要なかったか。」
雅が考えていると、
「まったくもってその通りですよ!あんた余計な体力を使わせなければ、もっと早く片付いていましたよ。まったく、これだから次元を越えて来る輩は…」
ニャル子が雅のことを散々罵倒していると、
「いい加減にしろ!」
真尋がニャル子の頭にフォークを刺す。
「フォーク、だけは、もう勘弁を~!」
「なら、あいつの話を真面目に聞け!」
「はい…それで、どうして雅さんはこんな所に?」
「はい、先程の海東大樹を追ってここに来ましたが、もう大丈夫なようですね。それなら、このワールドホープを使いきってしまいます。」
【WORLD HOPE-HAIYORE!NYARUKOSAN-】
雅はニャル子の世界のワールドホープを使う。しかし、
「あれ?何も起きない。珍しいな。それでは皆さん、本当にご迷惑お掛けしました。行こう、フェイト。」
何も起きず、雅は海東を追う為に、世界を去った。

「これが次の世界…この世界は何としても、僕の手で守り抜いて見せる…」
雅は強く決意する。絵巻には、森の中で赤子を抱き、二輪車に腰を掛けている十代半ばの女性が描かれていた。
to be continued.

さぁて、来週の雅さんはぁ?
「この世界は、僕がみんなに憧れた、僕の原点だ。旅の中で、彼女を守り抜いて見せる!次回『誇りの国-lost pride-』」 
 

 
後書き
新カード紹介
ダブルドライバー:ディロードライバーをダブルドライバーに変える。
カブトゼクター:ディロードライバーをカブトゼクターに変える。
クラールヴイント:ディロードライバーをクラールヴイントに変え、シャマルの魔法が使えるようになる。
這いよれ!ニャル子さん(ワールドホープ):ニャル子さんの世界のワールドホープ。効果は一切ない。


「アイムハスター…」のくだりは完全に加筆です。 

 

第48話『誇りの国-lost pride-』

 
前書き
今回の話は、完全にオリジナルの話です。 

 
 一面の砂漠を、一台のモトラド(注:モトラドは二輪車。空を飛ばないものだけを指す。)が走っていました。
 「ねえ、キノ。」
 モトラドは運転手である十代半ばの少女に話しかけます。
 「なんだい、エルメス?」
 キノと呼ばれた少女はモトラドに質問します。
 「あの商人の話、本当かな?この道を真っ直ぐ行った先にとても誇りを大切にしている国があるなんて。」
 「ボクも少し疑ってはいる。でも、そろそろ食糧も尽きてきたし、エルメスの燃料も補給したい。ボクにとっては、少しの情報も大切だから。それとも、エルメスは置き去りにされたいの?」
 キノはエルメスの質問に答えます。
 「それは勘弁だね。」
 「だから、ボクはその話を信じて向かってみるよ。」
 キノとエルメスは砂漠を真っ直ぐ進みます。

 「海東、この世界はお前の好きには絶対させない…」
 この世界に着いた雅は決意を固めるようにつぶやきました。
 「今まではそんなこと言わなかったのに、どうしたの雅?」
 そんな雅にフェイトは質問します。
 「この世界『キノの旅-the beautiful world-』は、かつて僕を救ってくれた─そんな世界なんだ。」
 「それで、ここはどんな世界なの?」
 雅は質問に答え、フェイトは更に質問します。
 「この世界は、キノっていう名前の少女が、エルメスと名づけられたバイクに乗って色々な国を旅している色々な考え方を知る世界なんだ。」
 雅は心が弾むように話す。
 「雅、すごく幸せそう。一体どうして、雅はこの世界に救われたの?」
 「これはまだ、僕がディロードになる前の話になる。僕が色々な目にあっていたことは、知っているよね?」
 「うん。」
 「あの頃の僕は、ただ怯えて隠れて、逃げることしか出来なかった。時には、その命を終わらせようと思った時もあった。」
 「そんな…」
 「大丈夫。だって今、こうやってフェイト、圭一、梨花、沙都子と一緒にいたいって思えるから。そう、あの日も図書室に逃げていた。図書室に逃げれば、奴らは何も出来ないから。いつものように、図書室で本を探していた時に、僕は一冊の本を見つけたんだ。」
 「それが、この世界…」
 「そう。表紙を一目見て、僕は咄嗟に取り、その本『キノの旅-the beautiful world-』を借りて、読み耽っていた。僕はこの世界に励まされて、生きる道を選んだんだ。だから、僕の命と心を救ってくれたこの世界は、僕の手で守りたいんだ。」
 「辛いことを、教えてくれてありがとう。それなら、雅が一人で行って。私達は応援しているから。」
 「フェイト…」
 「俺も、応援しています。」
 「私もよ。頑張りなさい、雅。」
 「私もですわ。」
 「圭一、梨花、それに沙都子も…ありがとう。行って来る。」
 雅はそう言うと出て行き、マシンディローダーに乗って砂漠を進みます。

 キノが砂漠を進んでいると、バイクに乗った一人の旅人に出会います。雅でした。
 「旅人さん、待って下さい!」
 雅の声に反応して、キノは止まります。
 「どうしました?」
 「この先にあると聞いた、誇りを大切にしている国について、聴きたくて。」
 「そうでしたか。実はボクも、この道を真っ直ぐとしか知りません。」
 「そうですか。それなら、目指している国は同じようですし、一緒に行きませんか?」
 雅は提案します。
 「そうですね。目は二人分あるにこしたことはありません。解りました。エルメス、問題ないよね?」
 「別にいいけれど、お兄さんのモトラド、なかなか喋らないね。」
 「ええ、こいつには人格が搭載されていないので、専ら運転しかできません。」
 「そうなんだ。」
 雅はキノの一緒に道を進むことにしました。

 「もしかして、あれって城壁ではないでしょうか?」
 しばらく走ると、雅がコンクリートで出来た壁を発見しました。
 「どうやら、あれが話に聞いていた国のようですね。」
 雅とキノは入国に向けて走ります。そして、1時間ほどで国に着きました。
 「貴方達、旅のお方でしょうか?」
 城壁の入り口で門番が訪ねます。
 「はい、そうですが。」
 門番の質問にキノは答えます。
 「では、入国の手続きをお願いします。」
 門番に書類を渡され、雅とキノはそれぞれ名前、入国目的、滞在期間の記入をし、入国します。
 「旅人さん達、運がいいね!今、丁度お祭りをしていてね、きっと楽しめるよ!」
 「ありがとうございます。それでは行きましょう。僕は雅。旅人さんの名前は?」
 雅はあくまでも初対面のように接します。
 「ボクの名前はキノ。こちらは相棒のエルメス。」
 「どうも。」
 「キノさんにエルメスさんですね。ここで出会えたのも何かの縁ですし、お祭り、一緒に見て回りませんか?お祭りなら、何か珍しい料理もあるかも知れません。」
 雅は提案します。
 「…解りました。大丈夫ですよ、ミヤビさん。」
 キノは、疑いながらも雅の提案を受け入れ、国の中に入ります。
 「…これは?一体…」
 雅が驚くのも無理はありません。そこには、パレードのような光景が広がっていました。
 「おっ、旅人さんだ!今日は、我が国が騎士道を世界に広めた日で、そのお祭りを開いているんだ!よかったらうちに寄るか?」
 フランクフルトの屋台を開いている男性が雅とキノに話しかけます。
 「では、お一つ。」
 雅はフランクフルトを一つ買い、キノと一緒に歩きます。
 「キノ、聞いていた話と全然違うね。」
 「エルメス、ボクも言おうと思っていた。」
 「キノさんとエルメスさんもですか?この光景を見る限り、とても騎士道とは関係無さそうに思えます。」
 歩きながらキノ達は話しています。すると、
 「旅人さん達!国王陛下が大変興味を示しておられる。明日の朝、お会い出来ますね?」
 王族直属の兵士が呼び止めます。
 「これは、一度行く方がいいかな?」
 「国王陛下に会えば、この国のことが解るかも知れません。解りました。明日の朝ですね。それで、移動の手順は?」
 キノと雅は意見を合わせ、雅が代表して兵士に聞きます。
 「それは、旅人さん達が宿から我々の王城に来れば大丈夫です。それでは、お待ちしております。」
 兵士は言う事を伝えると去ってしまいます。
 「やはり、どうも騎士道を履き違えているみたいですね。」
 「そうですね。とにかく、明日は朝一番で王城に行きましょう。それでは、お互いに宿を探しましょう。」
 雅はキノと分かれて宿を探します。
 「それにしても、本当に騎士道も誇りも感じられないな。」
 雅は屋台のありとあらゆる所に張られた騎士道という文字を見て呟きました。

 夕方になり、雅は漸く宿を発見して、宿泊の予約を入れます。しかし、
 「相部屋ですか?」
 「はい。現在、旅人さんが入れる部屋はこの部屋しかありません。」
 部屋の話で問題が起きましたが、
 「解りました。長期滞在しないので、その相部屋で大丈夫です。」
 雅は折れ、受け入れました。
 「それでは、こちらが鍵になります。」
 チェッカーは雅に鍵を渡しました。
 「ありがとうございます。」
 雅は鍵を受け取ると、階段を上り指定された部屋に向かい、扉をノックします。
 「すみません!受け付けの方に、相部屋になるようにと言われた者ですが。」
 雅が声を掛けます。すると、
 「ミヤビさんでしたか。この部屋は随分と広いので、大丈夫ですよ。」
 中からキノが現れ、雅を部屋に入れます。
 「どうも、この国の方は不親切で、独特の考え方を持っています。僕の知っている騎士道とは、何か違いますし…」
 「とても、誇りを大切にしているように思えません。」
 「そうです。とりあえず、長旅で疲れていますし、僕はお風呂に入ったらすぐに寝ます。」
 雅はそう言うと、浴室に入ります。
 二十分経ち、雅が出ると、キノが続くように浴室に入ります。
 「エルメスさん、お休みなさい。」
 「はいよー。」
 雅は身近にいたエルメスに挨拶をして寝ます。

 翌朝、雅が目を覚ますと、キノは既に起きていました。
 「キノさん、お早う御座います。ッ!済みません!」
 雅は朝の挨拶をしますが、薄手のシャツ一枚しか着ていないキノを見て、咄嗟に目を逸らします。
 「お早う御座いますミヤビさん。どうかしましたか?」
 キノは疑問に思いますが、
「お兄さんも、年頃の男の子って事。」
 エルメスが代わりに答え、二人は身支度を整え、王城に向かいます。

 王城に着くと、先日の兵士がいました。
 「旅人さん、国王陛下がお待ちです。」
 兵士は雅達を通します。
 「よく来たな、旅の者達。なんでも、我が国に疑問を持っておるそうだが、特別にこの国の事を話してやろう。この国はかつて、キムトスという一人の若者がいた。その頃はまだ国が荒れていたが、キムトスが唱えた礼儀と誇りを大切にする、騎士道と後に呼ばれるものが国を平和にし、その騎士道と誇りは様々な国に語り継がれた。それを語る壁画が、これだ。」
 国王は話すと、自身の後ろにあった壁画を見せます。
 「へぇ~、これは大体今から75年くらい前に画かれた壁画だね。」
 壁画を見てエルメスが言うと、
「エルメス、無礼なことは言わないで。」
 キノがエルメスを叱ります。
 「国王陛下、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。キノさん、エルメスさん、行きましょう。」
 雅は国王に深々と礼をして、キノと一緒に王城から出て行きます。
 
 「エルメス、さっきの話はどういうことだい?」
 キノは質問します。
 「画くのに使った画材の年代を調べたら大体それくらいの画材で、それくらいの年代に画かれたみたいだった。」
 エルメスがキノに説明していると、
 「誰か助けてくれ!」
 昨日の男性が助けを求めていますが、誰も知らん振りをしています。そして、
 「ようやく見つけたよ。」
 そこには仮面ライダーディエンドがいました。
 「海東!?」
 「この世界のお宝、ハンドパースエイダー(注:パースエイダーは銃。この場合は拳銃)の『森の人』は僕、頂く。」
 ディエンドは問答無用で乱射します。
 「そんなこと、させない!」
 【KAMEN RIDE-DELOAD-】
 「変身!」
 雅はディロードに変身します。
 「シャナ、力を貸して!」
 【SUMMON RIDE-SYANA-】
ディロードはカードの力でシャナを召喚して、息の合った連携でディエンドを攻撃し、変身を解除させます。
 「参ったね。仕方がない。この世界のお宝も諦めるよ。」
 海東は去ろうとします。
 「待て!このまま世界を渡っていても埒があかない。次の世界、あなたの出身世界で決着をつけましょう!お互いの成そうとすることを賭けて!」
 去ろうとする海東を雅は呼び止めて、ある提案をします。
 「僕は構わないよ。君に邪魔されるのもそろそろ嫌だったしね。」
 海東はそう言うと、次元のオーロラを通って自分の世界へ向かいます。
 「身分を隠して申し訳ありません。」
 変身を解除した雅はキノに近づきます。
 「貴方は一体?」
 先程の光景を見て警戒したキノはハンドパースエイダーのカノンを構えています。
 「先程の男、海東は色々な宝を奪う悪党で、僕が追いかけている者です。キノさんの森の人も海東に狙われていると聞いて、用心の為にこのような行動をしていました。ところで…」
 雅はキノに説明すると、国民の方を向きます。
 「貴方達にはがっかりです!騎士道も誇りもない!何故あの時誰も奴の足止めをしようとしなかったのですか!」
 雅は国民に話すと、マシンディローダーに乗って宿に向かいます。

 「ミヤビさん、お話があります。」
 相部屋であるため、キノが入ってきます。
 「どれから話せば良いですか?」
 雅が聞きます。すると、
 「お兄さん?単刀直入に聞くけど、お兄さんってもしかして多次元世界出身?」
 エルメスが真っ先に質問します。
 「エルメス、どこを間違えているのか分からないんだけど。」
 「キノ、どこも間違っていないよ。世界には、キノ達が存在している世界の他に、あり得る可能性の世界、ある事柄が起きなかった世界、これが起きた世界、様々な可能性とかがあるけど、それを大括りにして多次元世界って言うんだ。それで、どうなのお兄さん?」
 「エルメスさんの推測通りです。あの海東も、僕と異なる多次元世界出身です。」
 「やっぱり?通りであの時、あっちのお兄さんの出身世界って言っていたわけだ。」
 「はい。それで、キノさんから質問は?」
 「いえ、先程のエルメスの質問である程度の把握は出来ました。それで、カイトウさんが去りましたが、ミヤビさんは?」
 「滞在期間はあと一日ありますので、それを消化しましたら。」
 キノの質問に雅は答えます。
 「そうですか。」
 キノは一言言いますと、カノンの手入れを始めます。

 翌日、雅とキノが外に出ますと、一昨日とは違うお祭りをしていました。
 「これは…」
 屋台には至る所に『ヒーロー』と書かれていました。
 「もしかして…」
 雅が呟くと、
 「見つけました、旅人さん達!国王陛下がお呼びです!今すぐ来て下さい。」
 兵士が現れ雅とキノに伝え、雅とキノは兵士に付いて行きます。
 「よく来たな、旅の者達。ミヤビ殿の姿、ヒーローと呼ばれるものは我が国が発祥である。この壁画が、証拠でございます。」
 国王は昨日の壁画を見せます。
 「もういいです!予定を半日ほど切り上げて出国させていただきます。」
 雅はそう言うと、そのまま出国手続きを進めて出国してしまいます。
 「ボク達はもう少し観光して出国させていただきます。」
 キノはそう言って国を周り、出国しました。
 「お待ちしていました。」
 キノが国を出ると、雅が待っていました。
 「キノさん、僕と貴方はここでお別れです。その前に、このカードに願いを込めていただけますか?」
 雅はキノに白紙のカードを渡します。そして、
 「集え、世界の願い。」
 雅はこの世界のワールドホープを完成させます。
 【WORLD HOPE-KINO NO TABI-the beautiful world--】
 雅はワールドホープを発動します。
 「それでは、お互いの旅に幸運がありますように。」
 雅は別れの言葉を言い、この世界から去りました。

 「さて、次は正念場だ。海東と決着を着ける。」
 雅が言うと、フェイト達は頷きます。雅が手に持つ絵巻には、ディエンドに刃を向ける仮面ライダーグレイブが描かれていました。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
ついにディエンドとの決着の時。雅達チームディロードはディケイドの真実にたどり着けるのか!次回『決着!ディロード対ディエンド』 
 

 
後書き
新カード紹介
シャナ:炎髪灼眼の討ち手 シャナを召喚するカード
キノの旅-the beautiful world-(ワールドホープ):キノの世界のワールドホープ。お互いの旅に幸運が来ることを願う 

 

第49話『決着!ディロード対ディエンド』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
世界のお宝を狙う海東大樹、仮面ライダーディエンドが狙う仮面ライダーの世界以外のお宝。それを護る為に雅達は戦い、ついにディエンドとの戦いに決着を着ける時が来た。

─世界の破壊者、ディケイド。いくつもの世界を巡り、その瞳は何を見る?─

「この戦いは、今までの世界を護る戦いとは違う。この戦いに負ければ、最悪この世界に骨を埋めることになる。」
「でも、ディケイドを倒していない雅さんはまた始まりの夜に戻るんですよね?」
 「圭一、それでも、この世界で一度でも死ぬのは御免だ。」
「雅は、どうしてこの世界を嫌がっているのかしら?」
「そんなに嫌がっているように見えるのか、梨花?」
「雅、私にもそう見えるけど、どうして?」
「分かった。まずはこの絵巻を見てほしい。」
雅はディエンドの世界を示す絵を見せる。
「あら?この金色の仮面ライダー、ブレイドの仮面ライダーにそっくりですわ。」
「沙都子、よく気づいた。ここはブレイドの世界から分岐する『Missing Ace』の世界のパラレルワールド。かつて海東はこの世界でとても優秀な警官として戦っていた。」
「そんな人がどうして?」
「それは海東が発案したあるカリキュラムが原因だ。それは、暴力的な言動、行動を行う者を隔離する施設に入れて、人に優しく接する人に教育して平和にするカリキュラムだった。当然、一部を除いて全ての人が争わずに暮らしている。」
「それなら、素晴らしい世界じゃないですか。」
「圭一、これは表向きの話だ。その正体はとても非道であった。この世界の警視長、フォーティーンはローチという怪人を使役して該当者を幽閉、その人の脳内にローチの一度を打ち込み、ローチの傀儡にして帰す。」
「それって、ただの洗脳じゃないですか!」
「そうだ。そして、この世界の仮面ライダーはローチやフォーティーンと戦うレジスタンスで、ここに描かれているグレイブはチームのリーダーで海東の兄だったが、海東は捕まえ、何も知らずにカリキュラムを組んだが、フォーティーンに洗脳される映像を見せられ、警官を辞めて反逆者となった。しかし、海東に降り注ぐ悲劇はこれで済まなかった。実は海東の兄、純一は洗脳されていなかった。」
「それじゃあ、もしかしてフォーティーンを倒す為に捕まったふりを?」
「いいや、むしろ今まではフォーティーンがレジスタンスに仕込んだスパイで、純一自身はフォーティーンが死ねば自身が新たなフォーティーンになろうと画策するような男だ。」
「じゃあ、その所為で海東さんは…」
「そう考えると、何だか可哀想ですね。」
「フェイト、圭一、だからといって他の世界の宝を盗んだり、強奪していい理由にはならない。だから、ここで全てを終わらせる。」
「ていうことは、この世界の敵は海東さんだけじゃなくて、その仮面ライダーグレイブや、ローチ達、それに洗脳された人達ってことですよね?」
「そうだけど、どうした圭一?」
「雅さん、今まで黙っていましたけど、俺達もいつか雅さんの力になれるようにずっと訓練していたんです。」
「圭一、もしかして…」
「雅さんには、海東さんとの決着に集中してほしいですから、きっと邪魔しに来るローチ達は俺達に任せて、雅さんは海東さんとの戦いに集中して下さい。」
「…分かった。無茶はしないでほしい。それじゃあ、仮面ライダーディエンドとの決戦に向けて、出発だ!」
チームディロードは世界のことを確認すると、出て行く。

「確かに、こうして見ると、平和な世界ですね。」
「見かけはね。」
圭一と雅が話していると、
「異世界からの侵入者を発見!捕獲に入る!」
ローチ達のリーダー、ボスローチが現れる。
「早くも出てきたか!」
雅はディロードライバーを装着するが、
「雅さん、こいつらは俺達に任せて下さい!行こう、梨花ちゃん、沙都子!」
【KAMEN RIDE-SASWORD-】
「ええ。」
【KAMEN RIDE-OUJA-】
「分かりましたわ!」
【FROM RIDE-OOO PUTOTYRA-】
圭一が雅を止め、圭一はサソードに、梨花は王蛇に、沙都子はオーズ プトティラコンボに変身する。
「俺達がこの姿に変身出来るのは二分が限界だ。それまでに倒そう!」
【ATTACK RIDE-CLOCK UP-】
「分かっているわ。」
【ATTACK RIDE-STRIKE VENT-】
サソードは加速してボスローチを毒と刃で切り裂き、王蛇はメタルゲラスのストライクベント、メタルホーンでボスローチの装甲に穴を開け、
「行きますわよ!」
【FINAL ATTACK RIDE-O O O OOO-】
〔♪プ!ト!ティラ~ノヒッサ~ツ!〕
オーズが放つ必殺砲撃、ストレインドゥームがボスローチを消し炭にし、撃破する。
「どうですか、雅さん!」
残るローチ達を倒し、圭一達は変身を解除する。
「ありがとう。先に進もう。」
雅の言葉で、チームディロードはかつて、ディケイドがフォーティーンと激闘を繰り広げた場所に向かう。

「遅かったね、雅君。」
海東は待ちくたびれていたように言う。
「途中、ローチ達の襲撃にあった。始める前にお互いの勝利の獲得物を確認しましょう。貴方が勝てば、僕達が持つ全てのライダーカードを貴方、渡し、僕達はこの世界でローチ達の傀儡となって一生を終わらせる。僕達が勝てば、貴方には世界の宝を狙う旅を辞めてもらい、僕にディケイドの正体を話してほしい。それで問題ないですか。」
「構わないさ。けど、勝つのは僕だ。変身!」
【KAMEN RIDE-DEEND-】
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
海東はディエンドに、雅はディロードに変身する。
「悪いけど、さっさと終わらせるよ。」
【FINAL KAMEN RIDE-DEEND-】
【ATTACK RIDE-GEKIJOUBAN-】
ディエンドはコンプリートフォームに変身し、劇場版ライダーを召喚する。
「僕も負けるわけに、いかないんだ!」
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE DARK-】
【DEN-O KAMEN RIDE-NEGA-】
【SUMMON RIDE-SYANA KAZUMA SABER-】
ディロードもコンプリートフォーム サイドダークに変身し、その力でネガ電王を、ロードスラスターからシャナ、カズマ、セイバーを召喚する。
「お前達と違い、俺の強さは別格だ!」
「なんかあいつの声気に入らねぇな。けど、この乱闘には混ぜてもらうぜ!」
「今度はこいつらが相手?」
「世界には、このような者達がいるのか!」
ネガ電王はリュウガとスカル、カズマはネガ電王に悪態を吐きながらG4とオーガ、シャナは歌舞鬼とアーク、セイバーはグレイブとコーカサスに分断して戦闘を始める。
「結局、1対1になるのか。」
「当然です!」
ディエンドはエネルギー弾を放つが、ディロードは持ち前の防御性能を考えてものともせずに突き進み、ロードスラスターでディエンドを切り裂く。
「終わらせるわけにはいかないんだ。世界も!僕達の戦いも!」
ディロードはディエンドと撃ち合いを始める。
「言ったはずだ。強さは別格だと。」
“full charge”
ネガ電王はネガデンガッシャーにワインレッドのオーラエネルギーを纏わせて刃先を放ち、必殺技のネガストリームスラッシュを決めて、リュウガとスカルを撃破する。
「なかなか面白えじゃねえか!」
カズマはオーガを殴り続け、オーガドライバーが砕け散り、オーガはエネルギーを維持出来ずに消滅する。
「んじゃ、一気に決めるか。輝け!もっと輝けぇぇぇ!シェルブリット!バーストォォ!」
カズマは灼熱を帯びた拳でG4を殴り飛ばして撃破する。
「こいつらは確か、ベルトを破壊すれば倒せるはず!」
シャナは2mもある贄殿遮那を軽々操りアークを翻弄。巨体故にシャナの攻撃についていけず、シャナは隙を発見してアークキバットを破壊し、アークを撃破する。
「次はあんたの番ね!」
シャナが走ると歌舞鬼は音叉剣を精製し、贄殿遮那を受け止める。そして、受け止めたそれを脇に流すと烈火弾を放つ。しかし、シャナは紅蓮の翼で烈火弾を掻き消すと、炎の拳で歌舞鬼を攻撃。歌舞鬼は音叉剣で防ごうとするが、衝撃で音叉剣が破壊され、歌舞鬼は撃破される。
「なるほど、奴らの弱点は腰の帯か!」
セイバーは今までの戦闘で召喚されたライダーの弱点を探り、グレイブの懐に入り、
風王鉄鎚(ストライク・エア)!」
本来ならば遠距離で放たれる魔力の解放を至近距離で放たれ、オーガは撃破。その余波はコーカサスにもダメージを与え、カブティックセクターは破損。コーカサスは消滅する。
「あとはミヤビが戦えば問題ないか。」
セイバー達は各の任を終え、消える。
「やるね。でも、これで終わりだ!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DEEND-】
ディエンドはディロードに出来た一瞬の隙をついて必殺技のコンプリートディメンションシュートを放ち、ディロードに直撃する。
「やったかな…」
ディエンドが構えていると煙は晴れ、コンプリートフォームを解除したディロードとリィンフォースがいた。
「まだだ!夜天の光よ、我が手に集え!祝福の風リィンフォース…セットアップ…」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードはリィンフォースと一体化し、ディロード スノーレインフォームに変身する。
「ブラッディダガー!」
刃のように鋭い深紅の魔力弾がディエンドを襲う。
「その程度かい?」
【ATTACK RIDE-BARRIER-】
ディエンドはバリアのアタックライドで魔力弾を防ぐ。しかし、
「そっちは囮だ!フェイト、魔力を少し貸してほしい!」
「うん!」
「ドレインバリア!」
ディロードは対象の魔力を奪うバリアを展開してフェイト達を包み、
「デアボリックエミッション!」
暗黒の空間攻撃魔法を放ち、ディエンドは通常形態に戻る。
「これで、終わりだ!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「『超ッッッ!ディロード雷填キックッ!』」
ディロードは必殺技を発動。デアボリックエミッションによって発生したエネルギーを雷に変換したキックを放ち、ディエンドは変身が解除され、フェイトのバインドによって拘束される。すると、
「よくやってくれた。これで的が一つ減った。」
この世界の仮面ライダーグレイブ、海東純一が現れる。
「ありがとうございます。大樹を捕らえてくださって。だが、君も我々の一員にしてやろう。変身!」
[open up!]
純一は白いジョーカーのラウズカードを使い頭部にグレイブの上半身が融合したフォーティーン、グレイブフォーティーンに変身する。
「さて、あれを相手にまともに戦って、勝ち目は無い。なら!」
【CHANGE RIDE-SPARKLENS-】
雅はディロードライバーをスパークレンスに変え、ウルトラマンティガに変身する。
『ン゛~ヂャッ!』
ウルトラマンティガは高速戦と空中戦を得意とする紫の姿、スカイタイプにタイプチェンジする。
『ヂャッ!』
ウルトラマンティガは小さなエネルギー弾、ランバルト光弾を放ち、グレイブフォーティーンの腕を破壊する。
『ヂャッ!』
もがくグレイブフォーティーンをウルトラマンティガはティガフリーザーで凍結させる。
『ン゛~ヂャッ!』
ウルトラマンティガは赤い姿のパワータイプにタイプチェンジし、
『ヂャ~……ヂャーーーッッッ!』
必殺技のデラシウム光流を放ち、グレイブフォーティーンを撃破。グレイブは分断され、変身が解除される。
「おのれ!フォーティーンに楯突くとは。このままではすまさない。覚えているんだな!」
激痛が走る中、純一は態勢を整えるためにその場を去る。雅は変身を解除し、海東の所に向かい、
「では、約束通り今後世界の宝を狙わないように血液でサインをお願いします。」
雅は『Fate/zero』の世界で入手した契約書を使い、海東と契約を結ぶ。そして、
「それでは、今いるディケイドの正体を教えていただけますか。」
雅は本題に入る。
「どうしてそんなことを僕に聞くのかな?」
「理由は一つです。あなたはディケイド、門矢士を追っていた。それが今は追っていない。ということはその正体に心当たりがある。違いますか?」
「やっぱり敵わないなぁ。なら、教えてあげよう。」
海東は小さな声で雅にその真実を伝える。
「っ!?…ありがとうございました。…みんな、戦いは終わった。帰って作戦を練ろう。」
雅はチームディロードを連れて古手神社の宝物庫に帰る。

「みんな、よく聞いてほしい。海東が正しい情報を教えてくれた。現在、大ショッカーを率いて世界を破壊している者の正体は…かつて凪風流の門下生であったが力を求めるあまり、闇風式に手を染めて追放された男、凪風流夜…僕の弟だ…」
雅は、チームディロードに衝撃の真実を話した。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
凪風流の破門者、流夜。彼は何故力を求め、ディケイドになる道を選んだのか。これは、もう一つの始まりの夜。次回『夜の断章 流夜のビギンズナイト』全てを破壊し、全てを繫げ! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーサソード:仮面ライダーサソードを召喚、又はディショットシステムを使い2分間のみ仮面ライダーサソードに変身するためのカード
仮面ライダー王蛇:仮面ライダー王蛇を召喚、又はディショットシステムを使い2分間のみ仮面ライダー王蛇に変身するためのカード
仮面ライダーオーズ プトティラコンボ:ディショットシステムを使い2分間のみ仮面ライダーオーズのプトティラコンボに変身するためのカード
カズマ:シェルブリットのカズマを召喚するカード
セイバー:セイバー(アルトリア)を召喚するカード
スパークレンス:ディロードライバーをスパークレンスに変え、ウルトラマンティガに変身するためのカード 

 

夜の断章 流夜のビギンズナイト

俺は何時も兄貴に負けていた。当たり前だ。兄貴は次期当主として、凪風流の師範として他の門下生よりも優遇されていたからな。俺が知らない技も沢山身につけていた。だから俺は勉強した。兄貴達が身につけることが出来ない、歴代の当主達が残した人を殺める凪風、通称闇風式を。当然、それを堂々と練習するわけにはいかない。普段は通常の稽古をし、夜寝る前に闇風の練習をした。途中、親父(クソ)にバレそうになったが、なんとか誤魔化せていた。もちろん、ただ技を練習しただけじゃない。闇風が何故そう呼ばれるようになったのか、何が禁であったのか、書物と実際の動作で勉強した。そうして俺は解った。闇風式は、確かに人を殺める可能性がある。だが、それは使用者の技量に問題があるだけだ。よく読めば、凪絶つ風だって、天馬穿突を派生させて生み出された技。一歩間違えば奥義だって禁じ手だ。それを知って安心した俺は、殺さない闇風を究めた。大体、闇風を練習し始めてから半年くらい経ったある日、俺は兄貴と親父にある賭けを持ち込んだ。俺が兄貴に勝てば、俺に凪風の当主の座を譲れと。親父は了解し、翌日運命を決めることになった。
確かに運命は変わった。悪い方向に。
俺と兄貴は互角の勝負をしていた。だが、兄貴は軽く避けているようにも見えた。だから使った。避ける手立ての無い土地破壊の荒技、白虎咆吼を。けど、
「そこまで!この勝負、凪風流の掟に従い、雅の勝ちとする!」
どうしてだ!俺は確かに闇風式を使った。けど兄貴を殺さないように力を変えていた。
「流夜、人を傷つけなければ何をしてもいいわけでは無い。この畳を見てみろ。お前が討った技で隆起しているだろう。この畳を貼り替えないと稽古は出来ない。凪風流は、人だけではなく、その土地も守るためにあるのだ。」
だけど、俺はお前達に出来ない闇風をマスターしたんだ!凪風も、闇風もマスターした俺にこそ、当主の名前は相応しい。間違っているの!?
「人を守ることを忘れ、土地を穿ち、名誉に溺れるお前は、もはや凪風ではない。破門だ。もう二度と、凪風を操るな。いいな!」
親父は俺に言い、兄貴と門下生を連れて出て行く。
そのことをきっかけに、家族の態度も変わった。(カス)は俺と距離を置くようになり、望実はこれ見よがしに兄貴にくっつき、親父は普通の家族のように接するだけになった。そんな中で兄貴だけが変わらない態度だった。俺はそれが余計気にくわなかった。そんなに凪風流次期当主は偉いんかよ!だったら、俺はそれの上を行く。俺は死に物狂いで様々なものを調べた。そして見つけた。『新月の悪魔』っていう都市伝説。これなら、俺の欲しいもの全てが手に入る。俺は早速準備をした。運がいいことに今日は新月。俺は悪魔を召喚した。
「私は新生魔族のアトラック・ナクア。ぼくは何をお望み?」
決まっている。力と名誉だ!
「それなら、ちょうど良い場所があるわよ。」
悪魔はそう言うと、変なオーロラっぽい灰色の何かを出現させて、俺を落とした。
意識を取り戻した時、俺は大ショッカーの基地にいた。
「おお、ついに新たな大首領が現れました!」
しわくちゃのジジイ、後に名前を聞いたがダロムがそう言って歓喜した。そうか、俺はデカい組織のボスになれたんか。俺は献上されたディケイドライバーで大首領、仮面ライダーディケイドになり、世界を破壊し始めた。唯一の誤算は、まさか兄貴まで仮面ライダーになっていたとは。始めて知ったのは俺がディケイドになった翌日、生き残ったダロムとアポロガイストから聴かされた。そして、俺は融合した世界で兄貴を見た。
「確かに、今の僕では、お前たちを倒せない!だが!やがて力をつけ、お前たちを倒す者の名を聞け!僕の名は凪風雅!装填の守護者、いや!仮面ライダーディロードだ!変身!」
兄貴は仮面ライダーディロードに変身し、俺の前から去った。勝った………俺はあいつに勝ったんだ!俺は思わず大声を上げて笑っていた。
それから半年近く経つ。
「大首領、宇宙刑事シャリバンの世界を破壊しました。」
よくやったレオイマジン。次は炎神戦隊ゴーオンジャーの世界だ。
「畏まりました。直ちに向かいます。」
全ては順調だ。俺を破門にしたクソも、俺を嫌悪したカスも、ブラコンなゴミも全部殺した。後は兄貴だけだ。あいつさえ殺せば凪風は俺のものだ!待っているよ、あにき。

third stage end.go to last stage.

次回、仮面ライダーディロード
繰りかえされる悲劇。続いてゆく恨みの連鎖。次回『ラブリーヒルズの悲劇』 

 

第50話『ラブリーヒルズの悲劇』

ゆらりゆらりと棒の影。哀れな定め、迷い道。憎み憎まれひび割れた、合わせ鏡の二籠。時の交わる闇より来たりて、あなたの怨み、晴らします。

「雅の弟が…」
「ディケイドの正体?」
「ああ。海東は、盗みはやっても嘘はつかない。恐らく事実だ。それなら、僕を狙って僕の世界を攻撃した理由も解る。」
「でも、雅の弟なんだよね?どうして雅を殺そうとするの?」
「流夜は、僕のことを殺したいほど恨んでいたからね。」
「そんな…」
「とにかく、僕は凪風流の当主。闇風に手を染め、当主を殺めようとするならば、討たないといけない。そのためにも、この世界にワールドワープした。」
「それで、この世界は?」
「ここは、『地獄少女 二籠』の世界。ある区域の人々は、怨みのある相手を地獄に落とす、地獄流しというものを使い、一人の少年を苦しめている。」
「その子、何か悪いことでもしたの?」
「いいや、むしろ悪いことは駄目だと言っていた人の子供で、地獄流しをやろうとして、止まれるような子だ。」
「それなのに、どうして。」
「余所者だから。彼ら古参の住民には、余所者は悪魔だから、住民全員で苦しめていいという考えがある。」
「酷い話ね。」
「ああ。その子は、悪魔だと言われ地獄流しの理由をその子の所為にしている。」
「酷い話だ。悪魔はそんなことをするそいつらじゃないですか!」
「圭一の言うとおりだ。」
「それなら、そいつらを懲らしめましょう。」
「それは駄目だ。」
「どうして!」
「僕達チームディロードが出来ることは世界を正しく進ませること。それに、奴らはみんなのことを平気で地獄に流す。」
「なら、どうしてこの世界に来たんですか!」
「圭一、落ち着いて欲しい。僕がこの世界に来た理由が話せていない。ディケイドとの戦いは危険だ。たとえ僕が手加減しても、向こうは兄弟なんて気にせず殺しにくる。だから、僕はここで人と戦う術を磨きたい。」
「…わかりました。雅さんの好きにして下さい。俺達はここで待機していますから。」
「理解出来ないことは分かっている。済まない、圭一。僕が守るのは世界の秩序でないといけないんだ。」
雅は外へ出る。すると雅の服はライダーズジャケットに変わり外は夕暮れの丘、家族とは思えない四人組がいた。
「初めまして、私は閻魔あい。説明する必要は無いわね。」
中学生くらいの少女が雅に話しかける。
「それで、僕を呼んだ理由は?」
「俺達も人手が足りていないんだ。」
あいの共の一人、輪入道が話す。
「そこで、あんたに白羽の矢が立てられた。」
一目連が付け加える。
「あんた、私達に協力してくれるかい?この町の奴ら、私達のことも考えず、好き勝手に地獄流しをするから、そろそろ疲れてきてね。あんた、一瞬思っただろ。筋肉が無いのに疲れるのかって。私達だって魂があるの。疲労はくるわよ。」
骨女が説明の締めをくくる。
「どうする?」
「ここまで来て、ノーとは言いません。」
あいの質問に雅は答える。
「雅、早速だけど…」
あいが指を指すと地獄通信にアクセスした男性がいた。
「なあ、本当にあいつを消せるんだよな!?」
「可能よ。貴方が望みさえすれば。」
「なら早くしろよ!」
「雅、行って。」
あいは男性とある程度会話し、雅に指示する。
「…わかりました、お嬢。」
雅がジャケットを締めると、雅の体は深緑色の藁人形に変わる。
「その糸を引けば契約は完了。怨みの相手は速やかに地獄へ落ちるわ。ただし」
「そうか!この糸を引けば二股かけていたあいつは消えるんだな!犯人は悪魔の子になるし、一石二鳥だ!」
男性は赤い糸に手をのばす。
(駄目だ!そんな理由で人を殺してはいけない!)
雅は必死に説得しようとするが、藁人形であるため意思は届かず、男性は糸を引いた。
「怨み、聞き届けたり…」
契約は完了し、藁人形は消える。

「何がどうなっているのよ!」
怨みの相手となった女性は驚いていた。何故なら、今まで一緒にいた弟が骸骨となり、襲い掛かってきたからだ。
「ただ家族仲良くしていただけなのに、男って嫉妬深い生き物なんだな…」
遠くから雅は見つめている。そして…

女性が目を覚ますとあいが漕ぐ舟の上にいた。
「ねえ、これは夢よね?」
「いいえ、現実よ。貴方は地獄に落とされた。」
「何で、どうして私が!」
「さあ?男の人と一緒にいたから?」
「ふざけないで!」
「この怨み、地獄へ流します。」
女性は三途の川を渡ってしまう。

「どうだ、雅。今ならまだ戻れる。」
「いいえ、大丈夫です。」
心配する輪入道に雅が答える。
「これ、何時まで続くんすかね?」
「さあねえ。厄介なのは、私達は死ねないこと。それはここにいるみんながそうさ。」
一目連の質問に骨女は答える。彼女の言うように、輪入道は火車と同一視されることもある妖怪、一目連は刀の付喪神、骨女は地縛霊の一種であるように、それぞれ死ぬことが出来ぬ身であった。
「みんな、呼ばれたよ。」
束の間の休憩をしていた藁達だが、新たなアクセスによって活動する。
「怨み、聞き届けたり…」
「怨み、聞き届けたり…」
「怨み、聞き届けたり…」
「怨み、聞き届けたり…」
「怨み、聞き届けたり…」

夜が明ける頃、四人の疲労は限界にまで達していた。骨女が言っていたように彼らにも心はある。地獄流しと言えば聞こえはいいが、やっていることはただの人殺し。それを一晩で数十となれば三藁や、四百余年生きている雅とて限界はくる。
「雅、お前さんは休め。人間のお前に、これ以上は危険だ。身体を整えろ。」
輪入道の指示で雅は古手神社に帰る。

「…ただいま…」
玄関をくぐった雅はそのまま倒れる。
「雅、大丈夫!?みんな、雅を布団に!」
フェイトは圭一達に指示をし、雅を布団に寝かせる。
「…ありがとう、みんな。」
意識を取り戻した雅は圭一達に礼を言う。
「どうかしたのかしら、雅?」
梨花が質問する。
「流石に、疲労困憊なだけだ。」
「けど雅さん、凄い窶れていますよ。」
「そうか…心配してくれてありがとう。もう大丈夫だ、いろいろと。」
雅は立ち上がる。
「まだ駄目だよ、雅。もう少し休まないと。」
「フェイト、時間が無いんだ。今夜、悪魔の子と言われた少年、紅林拓真君が地獄流しによって殺される。」
「それじゃあ!」
「ああ、最後まで立ち会う。」
雅はそう言って、ワープのアタックライドで夕暮れの丘に向かう。

「どうした、雅。もう平気なのか?」
「お嬢、僕は藁であると同時に人間、つまり地獄通信を扱うことは出来ますか?」
「やろうと思えば可能よ。」
「わかりました。皆さん、このカードに、今叶えたいことを祈って下さい。」
雅は白紙のカードをあい達に渡すそして、
「集まれ、世界の怨み…」
普段とは異なる禍々しい光と共に、ワールドホープが完成する。
【WORLD HOPE-JIGOKU SYOUJO HUTAKOMORI-】
雅はワールドホープを発動する。
「雅。」
あいは雅と同じ深緑色の藁人形を雅に渡す。
「分かっていると思うけど、その糸を引けば契約は完了。怨みの相手は速やかに地獄へ落ちるわ。ただし、人を呪わば穴二つ。貴方自身も死後、地獄へ落ちるわ。それでもいい?」
「地獄へ落ちるか。今更な話です。」
雅は糸を引く。
「怨み、聞き届けたり…」
藁人形は消え、雅との契約は結ばれ、あいは禊ぎを行い、正装に着替える。そして、妖怪としての姿に変わった輪入道に乗り、ラブリーヒルズに向かう。

ラブリーヒルズでは、逃げた拓真を追って自警団が追いかけていた。が、十字路で見失ってしまう。
「悪魔の子め、どこへ行きやがった。」
自警団のリーダー、蓮江が悪態ついていると、お巡りさんに扮した雅が現れる。
「おお、お巡りさん。ここら辺で悪魔の子を見ませんでしたか!」
「悪魔ですか。それは退治しないといけませんね。」
雅はそう言うと、ロードスラスターの峰打ちで蓮江を攻撃する。
「お前、何のつもりだ!」
「ああ、帽子で解りませんでしたか。」
雅は帽子をとる。
「お前は、あの時の地獄少女の仲間!」
昨晩の男が驚く。
「よく鏡を見て見ろ。」
雅の言葉を聞き蓮江達はミラーを見ると、そこにはおぞましい異形の団体がいた。
「ここは真実の間。その人間の真実の姿が映し出される。己の身勝手な都合で人を殺め、それを一人の子供に着せる。悪魔はお前達だ!」
雅はロードスラスターを上手く扱い蓮江達を傷つけないように攻撃する。
「雅もエグいねぇ…」
「きっと、今まで抑圧されていた分が、この惨状にしているんだろう。」
一目連と輪入道は遠巻きに見ている。
「地獄少女の仲間だと思って黙っていればいい気になりやがって!」
ラブリーヒルズの住民達は雅に殴りかかるが、雅は無心で避ける。
「お前達、本当に自分達が悪事を犯したという自覚が無いんだな。」
雅は構わず攻撃をする。すると、
「お、俺達が悪かった!悪魔の子は見逃す!だから助けてくれ!」
蓮江は雅に交渉を持ちかける。しかし、
「断る!拓真君を悪魔の子と言っている時点で信用するわけにはいかない。それに、この地獄流しを依頼したのは僕自身だ。」
雅は交渉に耳を貸すこと無く蓮江を攻撃する。
「しかし、雅も案外大胆だな。まさか怨みの対象をこの地域で地獄流しをした奴ら全員にするとはな。」
「それも、あのワールドホープってやつの力か…」
輪入道の感想に一目連は意見を述べる。
「お嬢、そろそろ。」
「ええ。闇に惑いし哀れな影よ。」
「人を傷つけ貶めて。」
「罪に溺れし業の(たま)。」
雅とあいは片手を重ね、
「「いっぺん、死んでみる?」」
重ねていないもう片方を手をかざし、大量の花が舞い上がる。

そして、ラブリーヒルズの自警団達は舟に乗せられていた。
「おい!ここから降ろせ!」
「いいの?三途の川で溺れても。」
「何でだ!何で俺達が地獄に行かないといけないんだ!」
蓮江は騒ぐ。
「お前達がやってきたことは普通なら大罪だ。地獄流しを利用して悪事の限りを尽くしたお前達には相応しい場所だ。最も、地獄へ落ちるのが早まっただけだが。」
「俺達が地獄に?何のことだ!」
「お前達は遮って聞かなかったが、地獄流しを行う場合、契約した本人も死後、地獄へ落ちる。」
「あれ、本当のことだったのかよ!」
「そうだ。お嬢、後はお願いします。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのアタックライドで現世に戻る。
「この怨み、地獄へ流します。」
あいによって、蓮江達は地獄へ流される。

「お前さんとも、お別れだな。」
「はい。僕のやるべきことも終えましたので。それに…」
雅は胸元を見る。そこに地獄少女との契約の印が現れるが、まるで弾けるかのように消えてしまう。
「おや、珍しいこともあったものだ。」
一目連は驚く。
「それでは、不協和音となる僕はここら辺で帰らせていただきます。」
雅は一礼して去る。
「さよなら。」
あいも普段と変わらぬ無機質な言葉をかけるが、その言葉には、どこか悲しさがこめられていた。
「でも可哀相に。あの子、死んでも地獄に落ちることすら許されないなんて。」
骨女は悲しげな表情を浮かべる。
「いくよ。」
あいと藁達はその場を去った。

「圭一、済まなかった。僕が間違っていた。」
帰ってきて雅は言う。
「どうしたんですか?」
「私情に呑み込まれ、あいつらを地獄へ流した。装填の守護者失格だ。」
「雅さんでもそんな風になることがあるなんて…」
「それにしても、随分と禍々しいカードね。」
梨花は地獄少女のワールドホープに反応する。すると、
【SOUL RIDE-JIGOKU SYOUJO HUTAKOMORI-】
世界との別れを告げる時間がやってくる。
『雅、一つ言い忘れていたけど、貴方は死後、地獄に落ちることすら許されないわ。それだけ。』
やけにあっさりと、その時間は終わり、世界はリセットされるが、ワールドホープは消えずに残っている。
「何故、このカードは消えないんだ?」
雅が疑問に思っていると、突然、絵巻が光りだす。
「どうしたんだ?」
雅が絵巻を広げると、大ショッカーに立ち向かう二人の少年少女が描かれていた。

続く

次回予告
「名前は?」

「凪風、雅…」

「どうして思い詰める?」

「全ては、僕から始まったんだ。あの世界も!」

「そこまで責める必要無いが。…望みは?」

「いや、これは僕が自分の手でやらなければならない。」

「それでいい。」

「次回、もう一人のミヤビ」 
 

 
後書き
新カード紹介
地獄少女 二籠(ワールドホープ):地獄少女 二籠のワールドホープで、雅の強い憎しみと怨みによって誕生。雅の契約により、ラブリーヒルズで地獄流しを行った全ての住民の地獄へ流す。このカードは通常と異なる条件でないと消滅しない。 

 

第51話『もう一人のミヤビ』

「それにしても、このカードは一体?」
雅は『FINAL KAMEN RIDE-DARKS-』、『FINAL KAMEN RIDE-CHAOSD-』とそれぞれ書かれた二枚のカードを持っていた。
「今回の世界は絵巻にもストーリーが書かれていない。一度外へ出て確認しよう。」
チームディロードは外へ出る。

「酷い惨状ですわね。」
外へ出て沙都子は呟く。無理もない。辺りは瓦礫にまみれ、多くの人が死んだのであろう腐敗臭が漂っていた。
「沙都子、おそらく僕の世界もこうなっている。目を背けることは出来ない。」
雅はチームディロードと歩きながら話す。すると、
「この地域にもまだ人間が生きていたとはな!」
「全ては大首領様の為だ!この世界も消えてもらう!」
大ショッカーの幹部怪人達が逃げ惑う人々を襲撃する。
「みんな、行こう!」
雅の言葉でチームディロードは動こうとするが、
「そこまでだ、大ショッカー!」
「お前達の好きにはさせない!」
雅と同い年くらいの二人組の男女が現れる。
「行こう、ノゾミ。」
「うん!」
二人はベルトを装着する。
「雅、あの二人から羽入の感覚を感じるわ。」
「本当か!?」
そのベルトを見て梨花は話す。
「「変身!」」
【KAMEN RIDE-DARKS-】
【KAMEN RIDE-CHAOSD-】
ミヤビと呼ばれた少年は仮面ライダーダークスに、ノゾミと呼ばれた少女は仮面ライダーカオスドに変身する。
「行くぞ!」
二人は大ショッカーの怪人達と戦闘を始める。
「僕達も行こう。僕とフェイトで迎え撃つ。圭一達は人々の避難を!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身しながら指示を出し、フェイトもバリアジャケットを纏い、雅に続く。圭一達は人々を戦闘に巻き込まないように避難させる。
「おのれ、チームディロードまで合流したか!」
アポロガイストは変身し、ディロードと交戦する。
「お前達は一体何者だ!」
ダークスは質問する。
「詳しい話は後でします。今は目の前の敵に集中しましょう!」
フェイトはサタンスネークと戦闘を始める。
「アポロガイストが相手なら、敬介さんの出番だな。」
【CHANGE RIDE-MERCURY CIRCUIT-】
「大、変身!」
ディロードはマーキュリー回路を使い、仮面ライダーXに変身する。
「おのれ、アポロマグナム!」
アポロガイストはマシンガンのごとく銃を乱射するが、
「ライドル風車返し!」
Xライダーはそれらを全て弾き、
「ライドル脳天割り!」
ジャンプしてライドルでアポロガイストの頭部を強打し、
「行くぞ!真空!地獄車!」
Xライダーはもがくアポロガイストを抑えつけて地面を回転し、そのまま空中へ蹴り上げ、脚力を利用して跳ね上がり、
「Xキック!」
必殺のキックでアポロガイストを撃破する。
「ジンドグマ復活の為だ!消えてもらうぞ。」
サタンスネークはその八又の頭部でフェイトを攻撃しようとするが、その鈍重なスピードでフェイトに追いつくことが出来ず、攻撃は躱される。
[ring bind.]
全ての攻撃を避けられ隙を見せたサタンスネークをフェイトは拘束魔法で動きを封じ、
「雷光一閃、プラズマザンバー!」
サタンスネークを極大斬擊魔法で撃破する。
「おのれ、チームディロードめ。ダロムだけでなくアポロガイストとサタンスネークまで!」
大怪人ビシュムはチームディロードの活躍に驚くが、
「お前の相手は俺達だ!」
【KAMEN RIDE-BLACK-】
「そういうこと!」
【KAMEN RIDE-SHADOW MOON-】
ダークスはBLACKに変身し、カオスドはシャドームーンを召喚する。
「何故お前達がブラックサンとシャドームーンの力を!」
大怪人ビシュムは驚く。
「さあな。一気に行くぞ!」
【FINAL ATTACK RIDE-B B B BLACK-】
ダークスBLACKは必殺技を発動する。
「ライダーキック!」
「シャドーキック!」
ダークスBLACKとシャドームーンのダブルキックによって大怪人ビシュムも撃破され、雅とフェイトは戦闘態勢を解除する。
「雅さん、住民の避難、無事に出来ました。」
それに合わせて圭一達もやって来る。
「お前達は、一体?」
ミヤビ達も変身を解除する。
「僕達はチームディロード。大ショッカーを倒す為に様々な世界を回っているチームです。僕はリーダーの凪風雅。貴方達は?」
雅は自己紹介をする。
「俺は仮面ライダーダークス、炎囲(ほむらい)ミヤビ。んで、こっちが…」
「ミヤビの彼女で仮面ライダーカオスド、高月ノゾミです!」
ミヤビとノゾミも自己紹介をする。
「ミヤビに、ノゾミ…」
「奇遇だよな。俺達二人ともミヤビって名前で。」
「そうですね。」
雅は考え事をしている。
「ところで。この世界はいつから大ショッカーの侵略を受けたんですか?」
フェイトは質問する。
「君は?」
「私はこことは違う世界出身の魔導師、フェイト・テスタロッサです。」
「フェイトちゃんだね。オッケー。あの日はよく覚えている。6月24日、俺達がこのベルトを手に入れた日、その夕方に大ショッカーが攻めてきた。俺達はこの力でずっと戦い続けてきた。この力が何かは分からないけど、強いから助かるよ。」
ミヤビは端的に説明する。
「…そういうことか、なるほどな。ミヤビさん、ノゾミさん、落ち着いて聞いて下さい。先ほどミヤビさんは僕達の名前が被っていることを偶然であるように話していましたが、本当は偶然ではありません。」
「どういうことだよ?」
「この世界は、僕の世界のパラレルワールドだ。」
雅は衝撃の事実を口にする。
「何が言いたい?」
「二つの世界でそれぞれ仮面ライダーをやっているミヤビ。形は違えどミヤビと接点のあるノゾミ。」
「待て、雅の世界にもノゾミがいるのか?」
「いた、というべきだ。僕の妹、望実は大ショッカーによって殺された。」
「マジかよ…」
「互いに大ショッカーと戦う仮面ライダー。そして、僕がディロードライバーを手に入れた日と同じ6月24日。これだけ条件が集まっていてまだ否定しますか?」
雅はミヤビに考察を話す。
「もしそうだとして、俺達に何がしたいんだ!」
「一つだけお願いがあります。梨花、事情を話して。」
「解りましたのです。実は、その二つのベルトの中に、ボクの大切な友達が閉じ込められているのです。なので…」
「嫌だな。」
「同感。」
梨花は初対面の人と話す態度で接するが、ミヤビとノゾミは話を遮るように拒否する。
「どうしてですか?」
梨花は気にせず対話を続ける。
「だって、いきなり来た見ず知らずの奴らに俺達の力を貸せだなんてまっぴら御免だね。」
「帰ってこない可能性もあるしね。」
ミヤビ達はある意味では正しい対応をする。
「やはり、パラレルワールドの世界は僕と同じ思考ではないか。それならば、炎囲ミヤビさん、高月ノゾミさん。貴方達に勝負を申し込みます。」
「勝負?」
「僕がもし勝てば、貴方達二人のベルトをほんの一瞬でいいので貸して下さい。」
「それで、俺達が勝ったら?」
「その時は僕が所持している全てのライダーカードをお譲りいたします。」
「マジで!?めっちゃパワーアップ出来るチャンスじゃん。」
「そうだね。いいよ、その勝負受けて立つよ。」
「解りました。今はお互い戦った後で体力を消耗しているでしょう。今から四時間後の午後七時はどうでしょうか?」
「いいぜ。待っているよ。」
雅とミヤビは別れる。

「いいの、雅?あんな約束して。」
「雅さん、フェイトちゃんの言うとおりですよ。あんな身勝手な奴らを相手に下手にでて。」
「問題ないよ。僕の世界のパラレルワールドということは、ミヤビがああいう性格になる可能性は読めていた。後は、僕が勝てばいい。」
雅は戦いに向けて休息をとる。

時は夜七時となり、一つの影と二つの影が向かい合っている。
「来てくださり、ありがとうございます。」
「それより、勝てばカード全部くれるんだよな?」
「装填の守護者の名にかけて。では、お堅いことは抜きにして、始めるか。」
ミヤビとノゾミは構える。
「「変身!」」
【KAMEN RIDE-DARKS-】
【KAMEN RIDE-CHAOSD-】
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
三人は変身する。
「まずはこいつだ!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ダークスはブラストのアタックライドを使ってディロードに殴りかかる。
「やはり、そう来たか。」
ディロードは躱す。
【ATTACK RIDE-NIETONO NO SHANA-】
ディロードはアタックライドを使い、ロードスラスターを贄殿遮那へ変える。
「マジか!仮面ライダー以外のカードもあるんかよ!」
「なら、余計勝たないと。」
ダークスとカオスドは構わず向かってくる。
「これなら、どうだ。凪風流剣術、烈閃!」
ディロードはバックステップで間合いをとり、横一文字の斬擊で二人を攻撃するが、防御が硬く、怯ませることすら出来ずに二人のキックを受ける。
「力が二分しているとはいえ、やはりダークカオスを相手にするのはきついな。」
ディロードが立ち上がった瞬間、
「今だね!」
【ATTACK RIDE-BIND-】
ディロードは鎖で拘束される。
「しまった!」
ディロードは藻掻くが、藻掻けば藻掻くほど鎖は絡まる。
「いくぞ、ノゾミ!」
「オッケー!これでカード大量ゲットだ!」
【FINAL ATTACK RIDE-DA DA DA DARKS-】
【FINAL ATTACK RIDE-CHA CHA CHA CHAOSD-】
ダークスとカオスドは必殺技を発動し、二人のライダーキックがディロードに炸裂、ディロードは必死の思いで立ち上がる。
「まだ立てるんか。ノゾミ、やるぞ。」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
「オッケー。」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ダークスは両手剣型の武器、ダークスブレードにスラッシュの、カオスドはライダーカードを収納している銃、カオスブッカーにブラストをスキャンして次元の刃でディロードを切り裂き、多段ヒットの銃撃でディロードの頭部を狙い、ディロードのマスクは破損する。
「まだ立つのか?次の一撃で終わらせてやる。やり残したことがあるなら言え。」
ダークスはディロードの首筋にダークスブレードを突きつける。
「…二分だけ時間が欲しい…」
ディロードは言う。
「別にいいぜ。そんな即席で考えた作戦、俺とノゾミが華麗に破って、お前のカードをもらってやる。」
「…ありがとう。」
ダークスの許可をとり、ディロードはフェイトの所に向かう。そして、
「フェイト、このカードに願いを込めてくれないか?」
「雅、これってもしかして…」
「ああ、なのはの世界のワールドホープだ。足りない分は僕が願いを込める。うまくいく保証は無いが、これに賭けるしか無い。」
「でも、ワールドホープの起動には主人公(なのは)がいないと…」
「フェイトも、あの世界の主人公の一人だ。だから大丈夫。自分の世界と、希望の力を信じるんだ。」
「……わかった。上手く出来るかわからないけど、やってみる。」
フェイトは承諾し、願いを込める。
「集え、世界の願い!」
ディロードの持つカード願いの力が収束されるが、なのはにはやて、その仲間達の願いを肩代わりするには反動が凄まじく、装甲から火花が散る。
「…もう大丈夫だ。続きといこう。」
ディロードはダークス達の前に立ち上がる。
「おっ、終わったか?」
「ああ。これが、僕を信じて着いて来てくれた人の願いの力だ!」
【WORLD HOPE-MAHOU SYOUJO LYRICAL NANOHA A's-】
ディロードはなのはA'sのワールドホープを発動する。すると、なのはとはやてのカードが光り出し、ロードスラスターを介さずに召喚される。
「…なのは!はやて!」
フェイトはハグをする。
「オイ、仲間を呼ぶのは反則だろ!」
ダークスは文句を言う。
「大丈夫だ。戦うのは僕一人だ。だけど…」
ディロードはダークスに言うと、フェイトの方を向き、
「三人とも、僕に力を貸してくれないか?」
ディロードは質問をする。
「うん!」
「勿論や。」
「当然だよ。」
三人はそれぞれ答える。
「ありがとう。」
【ATTACK RIDE-UNISON-】
ディロードは一言答えるとユニゾンのカードをスキャンする。
「「「「ユニゾン、イン!」」」」
四人の宣言によって、なのは達の身体は光り、ディロードに収束され、ディロードはトライユニゾンへ姿を変える。
「行くぞ!」
ディロードの手には三人のデバイスが融合した武器、レイジングバルディッシュ シュベルトモードが握られ、ディロードはダークス達の所へ走り出す。
「姿を変えたところで、勝つのは私たちだよ!」
カオスドはディロードにエネルギー弾を放つが強化された装甲がそれをはじき、
「サイズスラッシュ!」
ディロードは巨大な魔力の鎌でカオスドを切り裂き、
「皆さんの希望の力をこの手に!」
ディロードはファイズアクセル、トライアルメモリ、ハイパークロックアップ、ソニックのアタックライドを掲げ、それらがひとつになり、スキャンする。
【ATTACK RIDE-HYPER LIMIT OVER ACCEL CLOCK
UP-】
その瞬間、世界が止まったかのようにダークス達の動きは止まる。
「アクセルシューター!」
「ブリューナク!」
「プラズマランサー!」
ユニゾンしているなのは達はそれぞれの弾魔法をダークス達に放ち、
「みんな、決めよう!」
「「「うん!」」」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードは分身するかの如きスピードで動き、
「終焉の笛よ、光と雷を交え、邪をなぎ倒す、剣へ変えよ!」
必殺技の詠唱をし、
「「スターライト」」
「「プラズマザンバー」」
「「ラグナロク!」」
「「「「ブレイカー!!!!」」」」
黄、白、桜色の特大砲撃、ディメンショントリニティブレイカーを全方位から放ち、
[hyper clock over!]
〔トライアル!マキシマムドライブ!〕
[time out.reformation.]
それぞれの高速化能力が終わり、
「グアァァァァァッ!」
「ゥアァァァアアアアア!」
ダークス達は悲鳴を上げる。やがて砲撃が収まると、変身が解除されたミヤビとノゾミがいた。
「僕の勝ちですね。」
「……ああ、雅の勝ちだ。好きにしろ。」
ミヤビとノゾミは雅にドライバーを渡す。
「梨花、カオスドの方を頼む。」
「わかったわ。」
雅はカオスドライバーを梨花に渡す。
「羽入、待っていてくれ。すぐに助けて見せる。」
「お願い、羽入。私達に応えて…」
雅は、ポケットに入れていたダークスとカオスドのカードを取り出した。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
二人によって遂に復活を遂げた羽入。しかし、雅に刃を向け…次回『復活のダークカオス』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
マーキュリー回路:Xライダーに変身する為のカード
仮面ライダーダークス:炎囲ミヤビを仮面ライダーダークスに変身させるカード
仮面ライダーカオスド:高月ノゾミを仮面ライダーカオスドに変身させるカード
シャドームーン:シャドームーンを召喚するカード
仮面ライダーBLACK(ファイナルアタックライド):仮面ライダーBLACKの必殺技を発動するカード
ブラスト(ダークス):ダークスのパンチ力を上げる
バインド:敵を鎖で拘束する
仮面ライダーダークス(ファイナルアタックライド):ダークスの必殺技を発動するカード
仮面ライダーカオスド(ファイナルアタックライド):カオスドの必殺技を発動するカード
スラッシュ(ダークス):ダークスブレードに次元の刃、ディメンションエッジを出現させる
ブラスト(カオスド):カオスブッカーのエネルギー弾を強化させる
魔法少女リリカルなのはA's(ワールドホープ):なのはの第二の事件のワールドホープ。ディロードがなのは、フェイト、はやてとトライユニゾンし、ディロード トライユニゾンにパワーアップする
ハイパーリミットオーバーアクセルクロックアップ:ディロード トライユニゾンの力でスピードアップを司る4枚のカードが融合。超光速で行動する

能力設定
仮面ライダーディロード トライユニゾン
パンチ力:31t
キック力:31t
100mを0.5秒で走る。
ディロードがなのは、フェイト、はやてとトライユニゾンした姿。ライトニングフォームと同じ速さで走り、スターライトフォームと同様300tの衝撃に耐える。武器はそれぞれのデバイスが融合したハルバード型のストレージデバイス、レイジングバルディッシュ シュベルトモード。必殺技は三人の魔力を乗せて放つ特大砲撃、ディメンショントリニティブレイカー。 

 

第52話『復活のダークカオス』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
己のパラレルワールドへ迷い込んだ雅達、チームディロード。かつてディケイドによって封印された羽入の鍵を握るミヤビとノゾミに雅は交渉を持ちかけるが失敗。雅は勝負を申し込むが、二人の連携を前に窮地に陥る。その時、フェイトの力を借りてワールドホープを発動。見事勝利を収める。そして、雅と梨花は二人のドライバーを手に取る─

雅がポケットから二枚のカードを取り出すと、カオスドのカードとダークスドライバーは藤色に、ダークスのカードとカオスドライバーは黒く光っていた。
「どうやら、互いに光っている方にカードを使えばいいようだ。」
雅はダークスドライバーを持つ梨花にカオスドのカードを渡す。
「始めよう。」
「…お願い羽入、戻って来て…」
雅と梨花はカードをスキャンする。
【FINAL KAMEN RIDE-DARKS-】
【FINAL KAMEN RIDE-CHAOSD-】
それぞれが持っていたドライバーは禍禍しい光を放ち宙に舞う。そして、ドライバーが合わさると、二つのドライバーはミヤビ達の所へ戻り、空から仮面ライダーダークカオスが現れる。
「羽入!?」
梨花は喜ぶ。しかし、
「待て、梨花。様子がおかしい。」
雅は様子をうかがう。すると、
「我はオヤシロサマ。古きより鬼ヶ淵を護りし者。我が手に戻れ、鬼狩流桜。」
ダークカオスが手を上げると、ロードスラスターが吸い寄せられる。
「危ない!ロードスラスター、モードアウト!」
雅はロードスラスターを分離させ、セイクリッドグリッターを手に取る。
「我が手で、民を護る。」
ダークカオスは雅に向かって刃を向ける。
「まさか、羽入の記憶が喪失しているとは。みんな、羽入にショックを与える方法を考えてくれ。僕の方で、羽入を抑え込む。セイクリッドグリッター、セットアップ!」
雅はセイクリッドグリッターを起動させてダークカオスに向かう。
「ショックを与えるなんて言われても…」
梨花は事情が掴めずに困惑している。
「カルテットバインド!」
「無駄だ。」
雅はカルテットバインドをかけるがダークカオスはその力で引き千切り、鬼狩流桜を振り下ろす。しかし、雅はプロテクションで攻撃を防ぎ、
「凪風流、桃擊!」
拳と膝蹴りの同時攻撃を放つが、ダークカオスは軽々と防ぎ、防御の手薄となった雅の腹部を殴り飛ばし、雅は地面に叩きつけられる。
「どうする、ミヤビ?」
「決まってんだろ。あいつをぶっ倒して、あのダークカオスってベルトを手に入れる!」
ミヤビとノゾミはドライバーを拾い上げて変身し、ダークカオスに奇襲攻撃を仕掛けようとするが、
「見えているぞ、外敵よ。」
ダークカオスは振り向きながら鬼狩流桜で横一閃に払い、ダークスを十文字に切り裂き、カオスドの腹部を蹴り飛ばし、二人の変身を解除させる。
「ミヤビさん!ノゾミさん!仕方がない。」
雅はディロードに変身する。
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードはブラストのアタックライドを使って攻撃を仕掛けるが、ダークカオスはその拳を受け止め、ディロードの腕をひねる。そして、
「終わりだ。」
ダークカオスはディロードの顔面を何度も殴り、ディロードのマスクは破壊される。
「雅さん、どうしてスターライトフォームに変身しないんだ?」
圭一が疑問に思っていると、
「ロードスラスターがないから、なのはの力が使えないの。」
フェイトが説明する。
「梨花、羽入さんの苦手なものは分かりますか?それがあればきっと羽入さんを正気にできますわ。」
「羽入の苦手なもの……わかった!取ってくるわ!」
沙都子に言われ、梨花は何かを思い出し宝物庫へ向かう。

「まだだ!まだ立ち上がれる!」
【CHANGE RIDE-RED CORE-】
「変身!」
雅はディロードライバーをレッドコアに変え、仮面ライダーZOに変身し、ダークカオスに向かってZOパンチを放つが、ダークカオスは避けて鬼狩流桜でZOを切り裂く。
「これならどうだ!」
【CHANGE RIDE-ANCK POINT-】
「変身!」
雅は更にアンクポイントを使ってアナザーアギトに変身する。
「凪風流、蒼角!」
アナザーアギトは飛び蹴りでダークカオスを攻撃する。
「ッグ!」
ダークカオスは怯み、体制を立て直す。すると、
「ングッ!」
ダークカオスは口を抑える。
「からい!からいのです!からいのです~!」
ダークカオスは地面に転がり回る。
「……そりゃあ辛いでしょうよ。私だって辛いもの。」
そこに顔を歪めた梨花が現れる。梨花の手にはあるビンが握られていた。そのビンには髑髏のマーク。所謂デスソースである。いくら辛党の梨花といえど、デスソースをそのまま飲むように口に含めば激痛が走る。梨花は自身がオヤシロサマの生まれ変わりで、神経がつながりあっていることを利用し、超甘党で刺激物が大の苦手である羽入の味覚神経にダメージを負わせることでダークカオスの正気を取り戻した。
「あぅ~……とても痛いのです………」
「羽入、少し大人しくしていなさい。雅、今のうちにダークカオスを。」
「ああ!」
アナザーアギトはポーズを取り、足に力を蓄えてジャンプする。
「アサルトキック!」
アナザーアギトの必殺のキックがダークカオスに見事命中し、羽入の変身は解除される。
「……雅、申し訳ありませんでした…梨花、とても痛いのです…」
「分かったわよ、後であんたの好物のシュークリーム食べてあげるわ。」
「本当ですか!ありがとうなのです~!」
羽入はすっかりいつもの調子を取り戻していた。
「よかった。これで一件落着だ。」
雅がぐったりとしながらも安堵する中、
「何が一件落着だ!?」
「私達をコケにしておいて!」
ミヤビ達は怒りを露わにしていた。
「それはただの言い掛かりです!」
怒るミヤビに雅は言う。しかし、
「ふざけるな!こうなれば力づくでその力を手に入れてやる!行くぞ、ノゾミ!」
「オッケー。ちょうど新しいカードも手に入ったし!」
ミヤビ達はカードを取り換え、ドライバーにスキャンする。
「「変身!」」
【FINAL KAMEN RIDE-DARKS-】
【FINAL KAMEN RIDE-CHAOSD-】
ミヤビは仮面ライダーダークス パーフェクトフォームに、ノゾミは仮面ライダーカオスド アルテマフォームに変身する。
「この力があれば、負ける気がしない!」
ダークスは羽入に飛び掛かる。
「させない!」
【ATTACK RIDE-BARRIER-】
それを雅はバリアで防ぎ、
「圭一、梨花、沙都子、羽入。今度はみんなの世界の希望を僕に託してほしい!」
雅は白紙のカードを渡す。
「オッケー。みんな、今度は俺達で、雅さんを助けようぜ!」
圭一は軽く言うが、
「でも、それってやっぱり雅に負担がかかるわ。」
梨花が反論する。なぜなら、雅の手にはレナや魅音達の他に鷹野や小此木、更には赤坂や入江の分まで握られていた。
「梨花、僕は大丈夫だ!今度こそ、みんなの世界を救いたいんだ!」
「……分かったわ。」
梨花は納得し、願いを込め、
「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-HIGURASHI NO NAKU KORONi KAI-】
雅はワールドワープを完成させてスキャンする。すると、辺り一面が闇に包まれる。
「うわっ!なんだ!?」
場面は園崎家の一室。狂気する詩音を前に梨花はあろうことか、自身の頭部に包丁を何度も突き刺していた。
「これは!何なんだ!」
ダークス達が手を伸ばすと場面は変わり、前原家の圭一の部屋。正気を失った圭一が魅音とレナの頭部を金属バットで粉砕していた。
「止めろ!止めるんだ!」
ダークス達が再び手を伸ばすと場面は再び変わり、レナが父を欺した美人局を鉈で分解していた。
「止めろ!やめてくれ!」
ダークス達が後退ると、場面は再度変わり、鷹野が圭一達を撃ち殺していた。
「何なんだ。一体何なんだよ…」
ダークス達はいつの間にか変身を解除して、脅えていた。
「梨花達の世界、『ひぐらしのなく頃に』は互いに助けあい、手を取り合い、奪い合うこともなく、惨劇を回避し、敗者のいない世界を目指し、梨花が奔走した世界。幾多にも及ぶ誤解が悲劇を生み、いくつもの嘆きが惨劇を生んだ。だが、最後に異なる考え方を持つ者達が助け合い、手を取り合って、梨花達の故郷の崩壊を防ぎ、幸せと平穏を勝ち取った。」
場面は変わり、鷹野は逮捕され、圭一達は泥まみれになりながらも笑顔でハイタッチをしていた。
「……俺達が間違っていた。本当なら、雅達のお願いに協力するべきだったんだ。だけど、突然もう一人の俺だって言われて、訳解らなくて、信用出来なくて、雅の勝負を受けて、負けたのが悔しくて、でも逆恨みで攻撃していい理由にはならない!ごめんなさい!」
「いいんだ。」
ミヤビ達は謝罪し、雅が許したことで、ワールドホープの効果は終わる。
「みんな、ミヤビ達にも解ってもらえた。戦いは終わったから帰ろう。」
雅達チームディロードは宝物庫へ帰る。

「圭一達とフェイトの世界、二つの世界はワールドワープを発動したことで分離して、安定した。みんなの世界は救われ、安全に暮らしていける。だから、お別れだ。僕がワールドワープで、みんなを安全に元の世界に戻す。」
雅は現状を説明する。
「そんな、もうお別れなんですか!?」
「今更水くさいですわよ。」
「まだ、雅にきちんとお礼も言えていません。」
「…そう、雅とはもう会えないのね。」
圭一達は思い思いの言葉を口に出す。そんな中、
「雅は、本当にそれでいいの!?」
フェイトは雅に質問する。
「ああ。それが装填の守護者の役目だ。」
フェイトの質問に雅は答える。
「雅、寂しくないの?」
「大丈夫。僕が回る世界はあと一つ。これ以上みんなを巻き込みたくない。友達と別れるのは残念だけど…」
雅が話していると、
〝パチンッ!〟
フェイトが雅の頬を引っぱたいた。
「嘘ッ!そんなつらくて、寂しい目をして、苦しそうに言って、誰が信用出来るの!?つらかったら泣いてもいい、縋ってもいい。寂しかったら仲間を頼ってもいいんだよ!」
フェイトは雅を説得する。すると、
「……っぅう、ぅうわ~!フェイト、本当は、僕だって泣きたい!せっかく出来た友達と、離れ離れになりたくない!でも、装填の守護者で仮面ライダーだから、自分が救わないと、護らないといけない人たちに、泣きついて、縋って、頼るのはいけないから!ずっと我慢していた!だって、泣いたらきっと、僕は弱くなる。みんなに甘えてしまう!」
雅は泣きながら言う。
「いいんだよ泣いても、縋っても、頼っても。仮面ライダーだって、人間なんだから。」
「いいの?まだみんなと一緒にいて、大ショッカーを倒すまで、友達でいても?」
「いいんだよ、雅。解るんだ、きっと、大ショッカーを倒さないと、私達の世界は完全に元に戻らない。だから、みんなで一緒に大ショッカーと戦おう?」
「ぅぅ、フェイトぉ~!」
雅は立て膝をついてフェイトに抱きつき、フェイトは雅の背中を摩って苦しくないようにしていた。
to be continued.


次回、仮面ライダーディロード
雅達が向かう最後の世界。その世界の正体は─
次回、『衝撃!?もう一人の魔法少女と謎の少年なの』希望を紡いで、全てを救え 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーダークス パーフェクトフォーム:ダークカオスの復活に必要なカード。ダークスドライバーに使うとダークスをパーフェクトフォームに変身させる。
仮面ライダーカオスド アルテマフォーム:ダークカオスの復活に必要なカード。カオスドライバーに使うと、カオスドをアルテマフォームに変身させる。
レッドコア:ディロードライバーをレッドコアに変え、仮面ライダーZOに変身させる。
アンクポイント:ディロードライバーをアンクポイントに変え、アナザーアギトに変身させる。
ひぐらしのなく頃に 解(ワールドホープ):梨花達の世界のワールドホープ。惨劇の中で人を説得させる力を持つ 

 

第53話『衝撃!?もう一人の魔法少女と謎の少年なの』

─それは、平凡な高校一年生、凪風雅に訪れた不思議な出会い。失ったのは自分の世界。手にしたものは希望の力。この力の代償はあまりにも大きすぎて…仮面ライダーディロード、始まります─

「フェイト、さっきはごめん。あんなに泣きついて、フェイトの服を汚して…」
「大丈夫だよ、雅。それよりも、雅が言っていた、最後に回る世界って?」
「その前に、フェイトに渡したい物があるんだけど、見つからないんだ。」
「それってどんなの?」
「ちょっとしたレコーダーの音声なんだけど、見つからないからこの世界でまた取ってくるよ。」
「それで、話を戻すけど…」
「ああ、この世界のことだったか?それは僕が出るまでのお楽しみにしておきたい。」
「…わかった。」
「それから、この世界で僕が活動している間、フェイト達は絶対、何があっても外へ出ないでほしい。」
「もしかして、私達がいない方がいいの?」
「まあ、みんなが外へ出て、安全でいられる保証が無いと言うのが正しいかな?」
「そうなんだ。」
「大丈夫。僕の行動は、みんなにも観てもらうから。」
雅はフェイトに説明すると、かつて鴻上会長から貰ったカンドロイドのうち、タカとバッタを2体、タコとゴリラを1体、電気ウナギも4体起動させ、タカとバッタを1体ずつ連れ、残りをモニターに接続する。
「これでカンドロイドを伝って僕の行動がモニターに映る。それじゃあ、行って来る。」
雅は外へ出る。

外へ出た雅の目に映るのは舗装された道と、一面の海。
「懐かしいな。半年ぶりくらいか…」
雅は感傷に浸る。

「ここって、もしかして!?」
モニター越しに観ていたフェイトは驚く。それもそのはず。そこには、かつて自分の友と再会を誓った場所が映されていたからだ。
『そうだフェイト。この世界は〝魔法少女リリカルなのは〟。ジュエルシードを巡る事件の始まりだ。』
「雅さん、ジュエルシードって何ですか?」
『ジュエルシードというのは、この世界のオーパーツの一種で、一度起動すると触れた者の願いを力に暴走する危険な宝石だ。』
「だから雅は出ちゃいけないって…」
『そうだ。この世界での僕の役目は、赤く優しい瞳をした、だけどどこか寂しい目をした少女を救うことだ。だから、フェイトは絶対に外へ出ないでほしい。』
「もしかして、同じ人が二人いたらやばいからですか?」
雅に対して圭一が質問する。
『それもそうだけど、今の時代だと、フェイトは指名手配犯。どんな結果になるか解るだろう?』
「はい。それで、どうしてフェイトちゃんが指名手配犯に?」
「それは…」
『フェイトは無理に言わなくていい。この時代では、フェイトの母親が既に滅んだとされる超古代世界に向かうために次元震と言う人為的災害を引き起こそうとしていて、フェイトは何も知らずに手伝っていたんだ。』
「雅、それでも、やっぱり母さんだけのせいじゃない。私が、もっと母さんを大切に出来ていれば…」
『それは違う。僕はそれも証明して見せる。』
雅はそう言うと、なのはの友達である月村すずかの家へ向かう。

月村邸に着くと、既にユーノが展開した結界が張られていた。
〝にゃぁ~お〟
そんな声が聞こえると、そこには木々をも超える巨体を誇る子猫がいた。
「あれって…」
「…おそらく、〝大きくなりたい〟って願いが具現化されたんだと思う。」
呆然とするなのはにユーノは説明する。
「でも、子猫だと迂闊に攻撃出来ないよ。」
なのはは狼狽える。すると、金の雷が光り、ジュエルシードによって巨大化した子猫は雷による攻撃を受ける。
「ぅわっ!」
雷を見てなのはは驚き振り向くと、黒いバリアジャケットを纏い、赤と黒のマントを着け戦斧を持つ少女がいた。
『あれって、フェイトちゃん!?』
圭一は驚く。
「そうだ。さて、僕も準備を始めるか。」
雅は圭一に話すと月村邸に入る。
「えっと、あなたは…」
なのはは話そうとするが、
[photon lancer.]
少女のデバイスは円錐型の魔力弾を発動しなのはと子猫を攻撃する。
「危ないなぁ。まったく、最近の子供の喧嘩は飛び道具も使うのか!?」
フォトンランサーを撃ち終えた少女と防御していたなのはに雅は言う。
「あなたは誰ですか!?」
なのはは質問する。
「ちょっとした理由でロストロギア、ジュエルシードを回収している。まあ、今ちょうどそこの子猫をやんわりと落ち着かせてジュエルシードを回収しようとしていたところだったけど…」
雅がなのはに説明していると、
「ジュエルシード、シリアルⅠⅥ、封印。」
少女は何もないかのように弱らせた子猫からジュエルシードを封印して回収する。
「そこの君!ちょっといいかな!君、地球出身じゃないよね!犯罪目的でジュエルシードを集めているなら、僕が相手になるよ!」
【CHANGE RIDE-HENSHIN KIGEN ONJOU-】
雅は少女に警告し、ディロードドライバーを変身鬼弦 音錠に変える。
「ッ!」
少女は雅に刃を向ける。
「わかった。それが君の答えか。」
雅は音錠を鳴らして仮面ライダー轟鬼に変身する。
「鬼闘術、雷撃脚!」
轟鬼は雷を纏わせた蹴りを少女に放つが、
[blitz action.]
少女は高速で回避し、轟鬼の背後を取り、
[scythe slash.]
斬擊魔法で轟鬼を攻撃し、落下する轟鬼に追撃するようにフォトンランサーを放ち、その衝撃で音錠は外れてしまう。
「しまった!」
轟鬼は驚くが、更に追撃として放たれたフォトンランサーが襲撃し、雅は意識を失い、変身は強制解除されていた。
「あの!?」
見ていたなのはは少女に声をかけるが、
「ごめんね…」
そう呟くとバインドをかけ、フォトンランサーを放ちなのはを気絶させてしまう。

「フェイトちゃん、凄い強いんだ…」
フェイトと雅の戦闘を見て圭一達は驚いていた。
「でも、あれは本当の強さじゃない。本当に強いのは、誰かを思いやって戦える、人を守れる強さ。私より、なのはや雅の方が、ずっと強いよ。」
フェイトは圭一に話す。

「………ん」
雅は目を覚ます。
「そうか、これはフェイトがかけてくれたのか…」
雅は自分にかけてあった少女のマントを見る。
「そうだ!?忘れていた!」
雅は思い出す。鬼戦士が戦闘中に意識を消失した場合、衣服の回収が行われずに変身が強制解除されることを。すなわち、今の雅は少女のマント以外一切の布を纏っていない全裸である。
「さて、辺りは暗いし、街灯も少ない。今のうちにここでの拠点に向かおう。」
雅は人通りの無い道を選び、事前に用意したアパートの一室へ向かう。
「予定通り、フェイトにディロードライバーを奪われた。」
『雅さん、予定通りってどういうことですか?』
「ここでフェイトにディロードライバーを奪われないと、僕とフェイトに接点が生まれない。これでようやく、僕はこの事件に参加出来るんだ。今の時点だと、ジュエルシードを一つも持っていないからね。」
『それで、雅はこれからどう動くんだっけ?』
「ああ、明日から少しの間聖祥大付属小の教育実習生として行動する。だから、こっちの行動は少し制限されるけど、我慢してくれ。」
雅は練習を終わらせて眠る。

翌日、なのはは驚く。なぜなら、昨日いた少年が学校の中で目の前にいたからだ。
「今日からしばらくの間教育実習生として皆さんにお勉強を教える凪風雅先生です。」
「皆さん初めまして、凪風雅です。今日から少しの間ですが、このクラスの一員として皆さんに勉強を教えさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。」
雅は礼をする。
〝驚かせてごめんなさい。僕もまさか君のクラスに赴任することになると思わなかったんだ。〟
〝本当にびっくりです。今日くる実習生の人が雅さんだと思いませんでしたよ!〟
雅となのはは思念通話で会話する。
〝僕もあの子に大切な武装を奪われて、取り戻さないといけない。高町さん達はあのジュエルシードってオーパーツを集めないといけない。僕達の利害は一致している。協力出来ないかな?〟
〝私でよければ、お手伝いします。〟
雅となのはは結託する。

「ここにジュエルシードがある。」
雅は事前に使っていた探索魔法で人気の無い場所に未覚醒のジュエルシードが落ちていた。
「なのは、お願い。」
なのはに協力を求めたミッドチルダのフェレット、ユーノがなのはに頼む。
「うん!レイジングハート、お願い!」
なのははバリアジャケットを纏い、雅とユーノは結界を展開する。
「君も補助系なんだ?」
ユーノは雅に言う。
「はい。僕達で高町さんをサポートしましょう。」
雅はなのはに防御の魔法をかける。
「ジュエルシード、シリアルⅧ、封印!」
雅達は着実にジュエルシードを封印してゆく。
「それじゃあ高町さん、また明日学校で。」
雅となのはは別れる。

「着実にジュエルシードは集まっている。確か、こちらが交渉に用いたジュエルシードは三つだったっけ?」
『うん。気をつけてね。確か私は通常形態を使わないでバルディッシュと一緒に戦うためにライトニングブレイブを使うはずだから。』
「覚えている。ディロードは自分が使う分には強力だが、敵にまわると手に負えなくなる。とは言え、僕が寸分狂わずに行動すれば間違いなく勝ってディロードライバーを取り戻せる。」
『だとしたら、今行っている通信って大丈夫なの?』
「問題ないよ。この行動も、この時間の中で行われていたことの一つだから。」
『あっ、雅さん一つ気になったんですけど、この通信って今俺達一緒にいる方のフェイトちゃんがいる組織、時空なんとかってのに傍受されていないんですか?』
「それなら大丈夫。時空管理局のセキュリティは大体把握出来ている。あとはそれに合わせた結界を二種類、僕の方と圭一達の方とで分けて使っている。片方を解除しただけではわからないよ。」
『なら安心ですね。』
「ああ。こちらも、そろそろ本格的に動く。それに時空管理局ももうじき動き出す。その時の対応次第だ。」
雅が物語に接触し、世界は動き始める。
to be continued.

次回予告
ついになのは達と接触した僕だが、その頃フェイトは……そして、時空管理局との共闘、フェイトとの決着。次回、『大変!新たな魔法使いなの』リリカルマジカル、頑張ります。 
 

 
後書き
新カード紹介
変身鬼弦 音錠:ディロードライバーを音錠に変え、仮面ライダー轟鬼に変身するカード 

 

第54話『大変!新たな魔法使いなの』

─それは、平凡な高校一年、凪風雅に訪れた小さな出会い。失ったのは自分の世界。手にしたものは希望の力。でも、その力は悲しい瞳をした少女に奪われた。だから取り戻す!その力も、少女の心も!仮面ライダーディロード、始まります─


雅がフェイト達と通信をしていた頃、赤い瞳の少女は集めた二つのジュエルシードとディロードライバー、そして土産のお菓子を持ち、魔方陣を展開していた。
「フェイト、本当に行くのかい?」
橙色の狼が少女─フェイトに質問する。
「うん、それにこのロストロギアについても報告しないといけないし。」
「だけど、またフェイトが酷い目に遭うのは見ていられないよ。」
「そんなことないよ。母さんは少し言葉が下手なだけだから。」
「だといいけれど。」
「それより行くよ、アルフ。」
フェイトに言われ、その狼─アルフは頷く。
「開け、いざないの扉。時の庭園、テスタロッサの主のもとへ」
フェイトは術者と対象を特定の地点へ転移させる儀式魔法を使い生まれ故郷へ向かう。

「ジュエルシード、シリアルⅩⅡ、封印!」
雅は封印魔法を発動し、新たにジュエルシードを回収する。
「高町さん、大丈夫ですか?」
雅は暴走していたジュエルシードの攻撃を受けて倒れていたなのはに手を伸ばす。
「そう言えば、今日もあの子来なかったですね。」
立ち上がりながらなのはは雅に言う。
「そうですね。ですが、ユーノさんのジュエルシードを回収するのに、邪魔が入らないのは助かりますね。」
雅とユーノは結界を解除する。

「あの時、こんな会話があったんだ…」
フェイトは雅となのはの会話を聞いて呟く。
「その頃フェイトちゃんはどこにいたの?」
圭一はフェイトに質問する。
「母さんの、所…」
フェイトは言葉が詰まるように返す。
「どうしたの?」
『フェイトにとって、母親のことはまだ整理がついていない。無理も無い。あの現実は、子供には辛すぎる。』
なのは達と別れた雅は通信で会話をする。
「それって、やっぱりその事件と関係が?」
『無い、と言えば嘘になるけど、百点とも言えない。フェイトがなのはに敗れて時空管理局に連行された時に、真実を知ることになると思う。フェイト、その時は通信は遮断しておく方がいい?』
圭一と話していた雅はフェイトに質問する。
「ううん、きっと圭一達も、真実を受け止めてくれると信じている。だから大丈夫だよ。それに、今の私は…」
『強いから、かな?』
「うん!」
『そうか。それならそろそろ通信を切る。確か、じきに時空管理局が動き出す。もしもの時を考えて、今日はこれまでだ。』
「頑張ってね。」
『ああ。』
雅は連絡を終わらせる。

「最近、ロストロギア関連の事件が舞い込んで来たって?」
「うん、それで反応としては五つ。実動で動いているのが三つ。補助が二つって所。話し合いが出来るといいけれど。」
「出来ない場合は捕らえる。僕が直接現地へ向かう。」
「気をつけてね。実動は二つがA+、一つは補助に関してはオーバーSだから。」
「何、慣れてはいる。それに、思考や対話はランクでは測れない。」
ここは時空管理局の艦船アースラの内部。執務官のクロノ・ハラオウンがオペレーターのエイミィ・リエッタと話をしていた。

その頃、フェイトは─
「母さん、まずこれが回収したジュエルシードです。」
自身の故郷、時の庭園に着き、大広間に入ったフェイトは二つのジュエルシードを渡す。
「それで、連絡で話したこのロストロギアだけど…」
フェイトは母、プレシアにディロードライバーを見せる。
「これね…」
プレシアはディロードライバーに触れる。すると、
『非適合者を確認、殲滅開始』
ディロードライバーから警戒音が鳴り爆発性の金属片が放たれる。プレシアとフェイトは咄嗟に離れディロードライバーを中心に防護壁を展開して爆撃を回避する。
「フェイト、これはどういうことかしら?」
「…そんな!?」
フェイトは驚く。
「まさか何も調べずに持ってきたわけではないでしょうね?」
「ごめんなさい、母さん…」
手元に戻ってきたディロードライバーを見てフェイトは謝る。
「それよりも…」
プレシアは声色を変え、自身が持つ杖型のデバイスを魔力の鞭に変え、あろうことかフェイトを打つ。
「あれだけの期間でたかだか二つ。ねえフェイト、あなたは母さんを悲しませたいの?」
プレシアは更に力強くフェイトを鞭打つ。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
フェイトはただ、謝ることしかできなかった。

プレシアが大広間から出るとアルフは人間態に変身し、プレシアを睨みながら大広間へ入り気絶しているフェイトに駆け寄る。
「フェイト、大丈夫かい?」
幾多にも及ぶミミズ腫れの跡を見たアルフはフェイトを抱きかかえる。
「…大丈夫だよ、アルフ。私、強いから…」
意識を取り戻したフェイトはアルフを見て言う。
「だけど…このままじゃフェイトの身が保たないよ!」
アルフは心配して言う。
「大丈夫。それよりも、次のジュエルシードを探さないと。」
フェイトは立ち上がり、地球へ向かった。

時は夕方、なのはとフェイトは向かい合っている。
「そのジュエルシードは、ユーノ君の物なの。だから…」
「母さんの為にも、それを回収しないと。」
なのはとフェイトは武器を構えて見合っている。そこには、未覚醒のジュエルシードがあった。そして、二人が突き進んだ瞬間、
「そこまでだ!」
転移して来たクロノが二人のデバイスを掴む。
「誰っ!?」
なのはは驚く。
「時空管理局だ!君たち、本部まで来てもらう!」
クロノは話すがフェイトは離れ、転移しようとする。その時、
「忘れ物だ!」
雅はフェイトに掛けてもらったマントを投げわたす。
「しっかりクリーニングはしてある。」
「ありがとう。」
フェイトはそう言うと、アルフとともに去る。
「君たちも、事件の重要参考人として来てもらうよ!」
クロノはなのは達を見ながら言い、なのは達は頷き時空管理局のアースラに向かった。

「君も、そろそろ元の姿に戻ってもいいんじゃないのか?」
クロノはユーノに言う。
「わかった。」
ユーノはそう言うと、薄緑の魔力光を光らせ少年の姿になる。
「えっ、えぇぇぇ~!?」
ユーノの姿を見てなのはは驚く。
「驚かせてごめん。こっちが僕の本当の姿。向こうは魔力が足りない時や、探索の時に使っているんだ。」
ユーノは驚く。
「君は驚かないんだな。」
クロノは雅に話す。
「あれより凄い敵と何度も戦っているので。」
「そうか。ところで、君の出身世界は?」
クロノは更に雅に質問する。
「えっ、雅さんって地球人じゃないんですか?」
なのはは疑問を口にする。
「そう。僕は地球人、当然地球出身。だけど、それだけだと百点ではないよ。僕は地球は地球でも、多次元世界の地球出身なんだよ。」
雅はなのはに説明する。
「そう言うことか。あの逃げた容疑者からも、僕たちの次元とは異なるエネルギーが観測された。君が関連しているのか。」
「はい。彼女との最初の交戦の際、僕が元々所持していた武装を彼女に奪われました。」
「なるほど。だから君たちは共闘していたのか。スクライアの方で紛失したジュエルシードの回収、それから自身の所有物の奪還で意見が一致して。」
「僕の方はそれで間違っていません。」
雅は認める。
「こっちは、単に協力者が欲しかったんだ。」
ユーノは概ね認める。
「さて、これからジュエルシード事件の対策室に入る。言葉は選ぶように。」
クロノに誘導されて対策室に入ると、緑の髪の女性が和のような空間で日本式のお茶を淹れていた。
「艦長、何をしているのですか。」
「あら、客人をもてなす準備だけど。あなた達の世界ではこれで問題ないかしら、高町なのはさん、それに凪風雅さん?」
アースラの艦長にしてクロノの母親、リンディは質問する。
「一つだけ間違いが。淹れた茶にシュガーとポーションミルクを入れるのは欧州式の紅茶で和式の緑茶には使いません。」
「雅、言葉を選ぶように言ったはずだ。」
「クロノ執務官、相手の国の文化を間違えるのは無礼に当たります。時にはそれが原因で諍いが起きるの。だから文化を間違えている場合は指摘してもらう方がいいわ。それで雅さんになのはさん、ユーノ君にお願いなんだけど、私たちの対策本部に入っていただけないかしら?」
リンディは質問する。
「本当ですか!?」
雅達は驚く。
「私たちとしては、悪い人を捕まえることより、事件の早期終息の方が大切なの。そのためにも、協力者が多い方が助かるの。」
「わかりました。こちらで協力出来ることがあれば、いくらでも。」
雅達はリンディの提案を受け入れ、時空管理局と合同でジュエルシードの回収を始めた。

フェイトがジュエルシードの回収に難航する中、雅達は時空管理局というバックアップを受けて回収が順調に進んだある日、戦闘の中で雅とフェイトは孤立する。
「君、名前は?」
「フェイト…フェイト・テスタロッサ。」
「きれいな名前だね。ところで、あの日、初めて僕にあった日に僕から奪ったあのドライバー、返してもらえないかな?」
「これのこと?」
【KAMEN RIDE-DELOAD-  FORM RIDE-DELOAD
LIGHTNING-】
フェイトはディロード ライトニングブレイブに変身する。
「それは僕の希望の力、人を護る為の物だ。返してもらえないなら勝負を申し込みたい。」
「勝負?」
「僕が個人的に回収した四つのジュエルシードと、君が僕から奪ったドライバーを賭けて、明日早朝に。」
「わかった。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
ディロードはワープのアタックライドで撤退する。
「逃げられたか。」
雅が戦っている頃、ジュエルシードを無事回収したなのは達が合流し、アースラに戻る。

「勝手な勝負を取り決め、申し訳ありません。」
雅はリンディに誤っていた。
「あの子、フェイトさんが持っていったあのロストロギアには、それだけ大事なものがこめられているのかしら?」
「はい、あれは僕と世界の絆の証。それに、世界や、人の心を護る為の物を悪いことに利用されたくないので。」
「確か、明日の早朝でしたね。必ず勝ちなさい。」
「はい!」
雅は対策室を出た。

翌朝、フェイトと雅は向かい合う。
【KAMEN RIDE-DELOAD-  FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
フェイトはディロードに変身する。
「これ以上、装填の守護者の力を悪用させない。トライフィン!」
ディロードは自身の魔力で、雅は透明な魔力光の足具を纏わせて飛ぶ。
「カルテットバインド!」
雅はメインとなる四重のバインドでディロードを拘束するが、
[bind break.]
バインドブレイクによって破壊され、ブリッツアクションで距離を詰められ攻撃を受けそうになるが、プロテクションで防ぐ。
「クイックバインド!」
雅は今度はバインドブレイクを無効にする即効性のバインドでディロードを拘束する。
「導け、鋼鉄の拳よ。」
雅は身体強化の魔法を使ってディロードに攻撃出来る防御を纏わせてディロードに拳を放つ。
「っ!?」
ディロードがその拳で怯んだ瞬間、
「ドレインバリア!」
雅はディロードを対象にバリアを展開する。
「これは?」
ディロードは疑問に思うが、その正体を知るのに時間はかからなかった。
「力が、抜けていく!?」
[どうやら、我々を防護する代わりに対象の魔力を吸収するバリアのようです。]
「ありがとう、バルディッシュ。」
ディロードはバルディッシュの説明を聞きディロードはバリアから脱出するが、
「カルテットバインド、ツインフォーメーション!」
雅はカルテットバインドを二重にかける。

「すげぇ、雅さんってやっぱり強い…」
モニター越しに観ている圭一達も唖然としている。

「高町さん、ユーノさん!多分この一発を撃ったら墜ちますので、拾って下さい!」
雅はなのはとユーノにお願いをし、
「悪いけど、勝たせてもらう!強者必滅……」
雅は己のリンカーコアの残りの魔力を全てチャージする。
「スパイラル!バーストォォォ!」
両手から放たれる螺旋状の魔力がバインドされているディロードに放たれる。通常形態のディロードでは無論この攻撃は防げる範囲である。しかし、フェイトの変身しているライトニングブレイブは速度を重視し、装甲が極めて脆くなっている。そして、雅のリンカーコアに内包されている魔力量はなのはとフェイト、そしてはやての合計値を遥かに超える魔力量がこめられている。それを全て放てばどうなるかは目に見えてわかっていた。
「ぅあああぁぁぁぁぁっ!」
螺旋状の魔力はディロードの装甲を砕いてなおディロードを攻撃し、変身が解除される。
「今だ…」
外れたディロードライバーを雅はつかみ取り、そのまま意識を失った。
to be continued.

次回予告
ついにディロードライバーを取り戻せた。今度はなのはが決着をつける番だ。そして明かされる、悲しい瞳の少女の、悲痛な真実。次回『決戦!全力全開の一騎打ちなの』リリカルマジカル、どこまでも 
 

 
後書き
温泉回なんてすっ飛ばしますよ!だってほら、映像として映らないし。なのは編もあと2話で終わりです。 

 

第55話『決戦!全力全開の一騎打ちなの』

─それは、平凡な小学三年生、高町なのはに訪れた小さな出会い。受け取ったのは勇気の心。手にしたものは魔法の力。友達は大切なものを取り戻せた。だから今度は、私があの子を助ける番。でも、その時の私には、事実を受け止める覚悟がなくて…仮面ライダーディロード、始まります─

「……ん」
雅が目を覚ますとアースラのメディカルルームにいた。
「目が覚めたか。」
「…クロノ執務官?……そうか、フェイトに勝って、ディロードライバーを取り戻せたんだ…」
雅は意識を取り戻す。
「そのディロードライバーだが、どういうことか説明してもらいたいんだが。」
「一体どうしたのですか?」
「どうしたも何も、そのロストロギアを調べようとしたんだが…」
「まさか、触れたんですか!?」
「そのまさかだ。まさかあんなシステムが組み込まれていたとは。封印魔法も通用しない。バインドで無力化も出来ない。一体どうなっているのか説明してもらう。それまでは出動禁止だ。」
「わかりました。このドライバーはかつて、悪魔との契約によって手に入れたもので、契約者に世界や希望の力を与えますが、特定の者以外が触れた場合、半径200mに渡って殲滅活動を行い、正規の使用者の所へ戻っていくシステムが組み込まれています。」
「なるほど、だからあの爆発のあと、雅の所へ戻ったのか。」
「はい。」
「ところで、どうしてフェイトが触れても何も起きない?」
「このディロードライバーは僕の他にもう一人だけ、使用出来る人がいました。」
「それは誰だ!?」
「…かつて、僕と一緒にいた妹の、望実です。」
雅はクロノの質問に対して嘘をつく。
「それで、雅の妹とフェイトに接点はあるのか?」
「おそらく、同じ遺伝子を読み取ったんでしょう。このディロードライバーの認証システムは遺伝子認証。遺伝子さえ確認すれば、使用は可能になる。」
雅は説明をした。

「雅、あの時私のことを庇ってくれたんだ…」
モニター越しに観ていたフェイトは呟く。

それから三日後、フェイトは海上にある四つのジュエルシードを強制覚醒させ、交戦していた。
「フェイト、四つのジュエルシードを一気になんて無茶だよ!」
アルフも最大限のサポートを行っているが手数が足りずに苦戦している。

「やはり過ぎた力は身を滅ぼすか」
モニターでフェイトの動きを観ていたクロノは言う。
「クロノ君、行っちゃ駄目なんですか!?」
なのはは言う。
「相手は指名手配中の容疑者だ。それに、向こうが戦闘能力を失ってからの方が、確保もジュエルシードの封印も都合がいい。」
クロノはなのはの言葉に返す。
「確かに、それは戦術としては正しい判断ですね。」
雅はクロノの冷静な判断を評価する。しかし、
「とは言え、彼女には話し合いの余地がある。」
雅は転送ポートを開き、なのはとユーノも出動準備をしていた。
「君たち!自分が何をしようとしているのか分かっているのか!?」
「はい解っています!それでも、今目の前で苦しんでいる人は見過ごせません!これより凪風雅!」
「ならびに高町なのは、命令を無視します!」
雅となのは達は現地へ向かう。
 
「……はぁ、はぁ…」
リンカーコアの残りの魔力が底をつき始めたフェイトは息切れを起こしている。すると、
「レイジングハート、お願い!」
[All right.Stand by lady.]
なのはが上空からバリアジャケットを纏って現れ、
【CHANGE RIDE-FORZE DRIVER-】
「変身!」
[ロ ケット オン]
雅はフォーゼに変身し、ロケットモジュールで滞空する。
「なっ!あんた達!」
アルフは驚く。
「フェイトちゃん、待っていて。今助けてあげる。」
[divide energy]
なのははディバイドエナジーを使い、自身の魔力をフェイトに与える。
「えっ?」
「きっちり仲良く半分こ。」
フェイトの疑問になのはは答え、
「勿論、ジュエルシードも!」
なのはは覚醒したジュエルシードにレイジングハートを構える。
「…わかった。」
フェイトもバルディッシュを構える。
「あんた達…」
アルフは穏やかな声で言う。
「話は後で、まずはジュエルシードの封印を!」
フォーゼはウォーターモジュールを装備してジュエルシードに向かってゆく。
「これは危ないな…」
[コ ズ ミィック オン]
フォーゼはコズミックステイツに変身する。
「人の希望(おもい)が、宇宙を創る!」
フォーゼはバリズンソードにロケットスイッチをセットし、
[リミット ブレイク]
その推進力で突進する。
「ライダーロケットストライク!」
フォーゼの突撃によってジュエルシードが一つ露出し、
「ジュエルシード、シリアルⅨ、封印!」
フォーゼはジュエルシードを封印する。
「ディバイン……バスタァァァー!」
なのはの砲撃魔法が炸裂し、もう一つのジュエルシードも露出。そして、
「ジュエルシード、シリアルⅩⅣ、封印!」
ジュエルシードは更に封印され、
「サンダー…スマッシャー!」
残る二つのジュエルシードはフェイトの射撃魔法によって封印される。
「やったね、フェイトちゃん!」
なのはは笑顔でフェイトの所に向かうが、
「なのは、危ない!」
ユーノが叫び、なのはが立ち止まるとフェイトの上空に暗雲が広がり、
「…母さん!?」
フェイトが怯えながら言うと、そこから紫色の雷がフェイトに降り注ぐ。
「フェイトちゃん!」
なのはは向かおうとするが、
「高町さん、危険だ!」
フォーゼによって止められ、雷がやむと、アルフはボロボロになったフェイトを抱きかかえ去って行く。

「貴方達、ここは組織で行動しているの。誰か一人が命令違反を行えば規則は乱れます。今回は結果が良い方へ向かいましたが、以後このようなことが無いように。」
「はい。」
「ごめんなさい。」
戦闘を終えアースラに帰還した雅となのははリンディに叱られていた。

その頃フェイトは─
「貴方は本当に、なんで母さんを悲しませるの!」
プレシアはフェイトを鞭で打っていた。
「ごめんなさい。ごめんなさい…」
フェイトは意識を失う。
「そろそろ限界ね…」
プレシアはジュエルシードを保管している部屋へ入る。
「この数で、果たして行けるか…」
プレシアが呟くと、アルフが殴り込むように入り、
「あんた、それでも母親か!?子供が一生懸命頑張っているのに、ありがとうの一言もなく道具みたいに扱って!」
プレシアの胸ぐらを掴む。
「主人が主人なら使い魔も使い魔ね…」
プレシアはフォトンバーストを使いアルフを攻撃する。
「どこへなりと、消えなさい!」
プレシアは更に複数のフォトンバーストでアルフを攻撃する。
(このままじゃ、フェイトの身が保たない。…そうだ!あの子になら…)
アルフは意識が途切れる中、次元跳躍で地球へ向かう。

「…母さん?」
「フェイト、アルフはあなたに見切りをつけて出て行ってしまったの。フェイト、あの子と全てのジュエルシードを賭けて勝負しなさい。いい?これが最後のチャンスなの。」
「…わかりました、母さん」
フェイトは涙を流しながら言った。

翌日、なのはは親友のアリサから不思議な大型犬を拾ったと聞き向かう。
「えっ!?」
なのはは驚く。そこには、ボロボロになった狼形態のアルフがいたからだ。
「アリサちゃん、ちょっとこの子と一緒にいてもいい?」
「うん、いいわよ。」
アリサは席を外す。
〝悪いね、こんな姿見せちゃって。〟
〝それで、どうしたんですか?〟
〝実は、あんたに頼みがあってきたんだ。〟
〝頼み?〟
〝あの子を、フェイトを助けてやってほしいんだ。あの子は悪くない。ただ、母親に悪いように動かされているだけなんだ。それに、フェイトが苦しんで、傷つく姿をもう見たくないんだ。だから、頼めた義理ではないのは解っている。でもどうか、あの子を救ってやってくれ。〟

「クロノ執務官、どう思いますか。」
「対象アルフから、敵意は感じられない。だが、指名手配犯の発言を鵜呑みにも出来ない。まずはアルフの確保からだ。」
なのはのやりとりをモニター越しに観ていた雅とクロノの判断により、アルフは時空管理局に保護される。

「あのっ!?」
帰り、なのはが歩いているとフェイトが声をかける。
「フェイトちゃん!?」
「明日、私とあなたのジュエルシードを全て賭けて、勝負してほしい。」
〝構わない。〟
なのはが悩んでいると、クロノが思念通話で許可する。
「解った。明日、フェイトちゃんと私のジュエルシードを賭けた一騎打ち、受けるよ。」
なのは承諾し、その日は別れた。

「見て、お母さん!お花の冠!」
フェイトは夢の中で、己の幼少期の記憶を見ていた。
「まぁ、すごいわね!」
プレシアは微笑む。
「お母さん、私の今度の誕生日、ほしいものがあるんだ!」
「なあに、アリシア?」
プレシアの言葉でフェイトは驚く。
(母さん、私はフェイトだよ!アリシアって名前じゃない!)
そこでフェイトは目を覚まし、なのはとの戦いに向かう。

「私のジュエルシードは五つ、君のジュエルシードは四つ。それを賭けて、私と戦ってもらう。」
「うん。」
フェイトの言葉を聞きなのはは頷きながらバリアジャケットを纏う。

「始まったね。」
「ああ。」
オペレーションルームでモニターを確認するエイミィと、エイミィの寝癖を直しているクロノが話している。
「でも、クロノ君にしては珍しいよね、こんなことを許可するなんて。」
「何。この戦いの結果に意味はない。それなら、好きにさせる方がいい。」
「だけど、なのはちゃんにあの話、してなくていいの?」
「今は話さない方がいいと思っただけだ。」

「ディバインシューター!」
「フォトンランサー!」
二人の弾魔法はぶつかり合う。
(初めて合った時より、はるかに強くなっている。この前よりも!それなら!)
フェイトはひたすらに回避行動を続け、不思議に思ったなのはが追いかけると、設置されていたバインドによってなのはは拘束される。そして、フェイトは呪文の詠唱をはじめる。
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。」
フェイトの詠唱によってなのはの周りに38のフォトンスフィアが展開される。
「やばいって!フェイトは本気だ!」
アルフがユーノと雅に警告する。
「なのは!」
ユーノがサポートしようとするが、
「やめて!これは一騎打ちなの!」
なのはは拒絶する。
バルエル・ザルエル・ブラウゼル。フォトンランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイア!」
フェイトは呪文詠唱を終え、フォトンスフィアから計1070発にも及ぶフォトンランサーを放つ必殺の魔法、フォトンランサー・ファランクスシフトを放つ。
「なのは!」
ユーノは叫ぶ。そして、煙が晴れると、ほぼ無傷のなのはがいた。
「攻撃が終わると、バインドってのも切れるんだ。」
なのはが言い、危機を感じたフェイトは逃げようとするが、なのはが仕込んでおいたバインド、レストリクトロックによって拘束される。
「今度はこっちの番!全力全開!スターライト…」
なのはは空間に残った残留魔力をレイジングハートに収束させる。その中にはフェイトは放ったフォトンランサー・ファランクスシフトの分も含まれていた。
[starlight breaker.]
「ブレイカァァァァァー!」
桜色の砲撃は海を割く勢いで放たれる。フェイトは咄嗟にバリアを展開するが、あっという間に砕かれ、スターライトブレイカーの直撃を受け、落下する。なのははそれを抱きかかえ、空へ飛ぶ。

「…私、負けちゃったんだ……」
意識を取り戻したフェイトは五つのジュエルシードをなのはに渡そうとするが、またもや暗雲が広がり、
「危ない!」
フェイトはなのはを突き飛ばすと、紫色の雷を受ける。その一撃は凄まじく、バルディッシュは小破してしまう。そして、ジュエルシードは暗雲に呑み込まれる。

「流石に、もう無理ね…」
術を放ったプレシアは吐血しながら言う。

「座標確認!時の庭園内、転送準備!」
アースラでは、プレシア逮捕の準備が始まり、局員は時の庭園へ転送される。
「ご苦労さま、高町さん。フェイトさん、今から貴方のお母さんが逮捕されますが、別の部屋で待っていますか?」
「…いいえ、ここで大丈夫です。」
リンディの質問に、手枷を着けられたフェイトは答える。
「プレシア・テスタロッサ、ロストロギア不正所持の容疑で逮捕する!」
プレシアは局員に囲まれるが、
「うるさいわね。」
広域魔法で周囲を囲う局員を倒してしまう。その時、
「なんだこれは!」
時の庭園を捜索していた局員があるものを発見する。そこには、フェイトによく似た幼い少女が何かの培養液の中で浮いていた。
「っ!?」
フェイトは驚く。
「私のアリシアに、手を、出さないで!」
プレシアは局員の頭部を掴み投げ飛ばし、広域魔法でなぎ払う。
「アリ……シア?」
フェイトは困惑する。
「プレシアは魔導実験の時に、娘のアリシアを事故で失ったの。その実験は記憶転写と死者蘇生の実験で、フェイトって名前は当時のプロジェクトの名前なの。」
「よく調べたわね、その通りよ。全てはアリシアの、私の娘のため。アリシアはいい子だったわ。時々我が儘も言うけど、元気で優しい子だった。だけど、記憶転写で作った偽物は所詮偽物。性格も利き腕も魔力資質も、全然違う作り物。」
「やめて!お願いだから…」
プレシアの説明になのは泣きながら言う。
「いいことを教えてあげるわ、フェイト。私はあなたを作った時からずっと、あなたのことが…」
「やめてぇぇぇ!」
なのはは叫ぶが、
「だいきらいだったのよ…」
プレシアは禁断の言葉を口にする。
「っ………………」
その言葉を聞き、フェイトは意識を失う。彼女の心とバルディッシュは、砕け散った。
to be continued.

次回予告
ついにプレシアさんが行動を開始。その時、フェイトちゃんは─次回『悲しい運命が、終わる時なの』リリカルマジカル、頑張ります。 

 

第56話『悲しい運命が終わる時なの』

─それは、平凡な小学三年生、高町なのはと、
高校一年生、凪風雅に訪れた小さな出会い。
受け取ったのは勇気の心。
手にしたものは希望の力。
勇気の魔法と世界の希望は交錯して、
一人の少女を救うため、
寂しい夜を終わらせます。
仮面ライダーディロード、始まります。─

「それが、フェイトちゃんの…秘密……」
雅の行動をモニター越しに観ていた圭一は言う。
「そう。私は、母さんにそうやって生み出されて、何も疑わないで、なのはや、みんなを傷つけていた。それから、みんなに助けられた私は、みんなに諭されて、フェイト・テスタロッサとして、一人の人間として接してくれた。だけど、やっぱりどこかで、まだ自分はアリシアの偽物で、望まれていない命なんじゃないのかって…」
「そんなことない!だって、あそこにいるのはアリシアって子でフェイトちゃんじゃないんだろ!」
「圭一…」
「だから自分のことを誰かの替わりだなんて思うなよ。」
「……ありがとう。」

「私は向かう!失われし旧世界、アルハザードへ!」
「アルハザードだと!?」
「次元震によって発生する狭間の世界、アルハザードは確かにそこにある!」
プレシアは集めた9つのジュエルシードを強制発動させ、次元を揺らす次元震を発生させる。
「時の庭園内、戦力増強中!どんどん増えてゆきます!」
プレシアは護衛用に傀儡兵を無数に召喚する。
「リンディ艦長、僕も現地入りします。なのは、雅、協力してくれ!」
「うん!」
「はい!」
「僕も行くよ!」
クロノは雅となのは達を連れて時の庭園へ向かう。
「アルフさんはフェイトさんを連れて救急室へ。」
「はい、わかりました。」
アルフは放心状態のフェイトを連れて救急室へ向かう。

「クロノ君、アルハザードって?」
なのはは走りながらクロノに質問する。
「アルハザードは、かつて膨大な魔術知識を所持していたが、その技術故に滅んだ旧世界。だが、例えどんなことがあったとしても死んだ者の命が蘇ることなど、あるわけないし、あってはならない。」
クロノはなのはの質問に答える。
「その通りです。僕達で、プレシアさんを止めましょう。」
雅達は時の庭園へ向かう。

「すごい数だ…」
雅達は入口に構えている傀儡兵の軍勢に驚くが、
「ぼーっとするな。行くぞ!」
クロノは軽い身のこなしで傀儡兵の頭部へ飛び移り、
[スティンガーカノン]
デバイス、S2Uから直射魔法を放ち、傀儡兵を撃破する。
「敵はこんなものじゃないんだ。どんどん進むぞ!」
クロノが扉を蹴り開けると、先程とは比較にならない数の傀儡兵がいた。
「クロノ執務官、ここは任せて下さい。」
【CHANGE RIDE-KABUTO ZECTOR-】
「変身!ハイパーキャストオフ!」
[hyper cast off!change!hyper beetle]
[maximum hyper cyclone!]
身雅はディロードライバーにカブトゼクターのカードをスキャンし、カブト ハイパーフォームに変身。マキシマムハイパーサイクロンで傀儡兵を薙ぎ払い、道を開く。
「先へ進みましょう。」
雅は変身を解除し、なのは達を通す。
「その地面の抜けた空間に足を踏み入れないで。」
「虚数空間。ありとあらゆる魔法が発動しない。落ちたら次元の彼方まで真っ逆さまだ。」
急ぎながらユーノとクロノはなのはに説明していると、階段にも傀儡兵の大軍がいた。
「みなさんの魔力は消費させません。変身!」
【CHANGE RIDE-V BUCKLE VERSION RYUUKI-】
〈SURVIVE〉
〈ADVENT〉
雅は更に龍騎サバイブに変身。ドラグランザーを召喚して傀儡兵の大軍を火焔弾で爆破する。
「ここから二手に分かれよう。僕と雅でプレシア確保へ、なのはとユーノは時の庭園の駆動炉を!」
「わかった!」
なのは達はクロノの指示を受け二手に分かれる。
「さてクロノ執務官、高町さん達が駆動炉を止めるまで、この大軍は僕が対処します!」
【CHANGE RIDE-FORZE DRIVER-】
[コ ズミィック オン]
[リミット ブレイク]
「ライダー超銀河フィニッシュ!」
雅はフォーゼに変身し、傀儡兵を必殺技で蹴散らす。
「やはり限界があるか…」
[ランチャー オン]
[スタンパー  ガトリング オン]
[レーダー sマグネット オン]
[nマグネット オン]
[リミット ブレイク]
フォーゼは右足にランチャー、左足にスタンパーをカスタマイズしたガトリング、左手にレーダーをカスタマイズしたマグネットモジュールを装備し、バリズンソードにNマグネットスイッチをセットし必殺技を発動する。
「ライダーロックオンフルブラスト!」
レーダーの力でロックオンされた傀儡兵は放たれる弾道砲撃によって爆散する。
「次へ行きましょう!」
雅は変身を解除し、クロノとともに先へ進む。
「まだ出てくるか!」
【CHANGE RIDE-HENSHIN ONSA ONKAKU-】
「鬼神ッ!覚声ッ!」
雅は装甲響鬼に変身し、清めの声を放ち傀儡兵を破壊。更に、
【KAMEN RIDE-ZX-】
「変身!ZX!」
ZXにカメンライドする。
「衝撃集中爆弾!マイクロチェーン!」
ディロードZXは両脚に装着された爆弾を投げ、電磁波を流す特殊チェーンを放ち傀儡兵を撃破する。

「フェイト、あの子達の所へ行ってくるね。」
フェイトを寝かせたアルフはなのはの救援に向かう。
「………っ」
アルフがいなくなり、フェイトは意識を取り戻す。
「アルフ……」
フェイトはモニターでアルフを確認し、なのは達と傀儡兵の撃退に向かっていた。
「あの子、私の為にあんなに必死に……逃げればいいってわけじゃない。捨てればいいってわけじゃ、もっとない。私達はまだ、始まってもいない。そうなのかな、バルディッシュ?」
[…yes sir]
バルディッシュは破損したコアを動かしながら答える。
「っぅぅ…」
その返答にフェイトは泣きながら抱きしめる。
「うまく出来るか分からないけど、やってみる。」
フェイトはバルディッシュは持ち直し、魔力を込め、
[recovery]
バルディッシュの破損を直す。
「終わらせよう。本当の私を、はじめるために!」
フェイトはバリアジャケットを纏い、転移魔法で時の庭園へ向かう。

「こいつら、数が多い!」
アルフは狼形態になり傀儡兵を破壊するが、圧倒的な数に苦戦する。
「だけならいいけど、このッ!」
傀儡兵は強大なパワーを持ちなのは達は苦戦を強いられる。
「なのは!?」
その時、ユーノがバインドで拘束していた傀儡兵の一体が拘束を破りなのはに武器を振りかざす。
「なのは!?」
ユーノとなのはが目を瞑ったその時、
[thunder rage!]
金の雷が傀儡兵を撃ち、
「サンダー…レェェェイジ!」
そのまま破壊する。
「フェイトちゃん!」
「フェイト!」
なのはとアルフは再び立ち上がったフェイトを見て驚く。そこに巨大な傀儡兵が現れる。
「装甲が硬い。一人じゃ勝てない。でも、ふたりなら!」
フェイトは自分の言葉で、なのはに伝える。
「うん!うんうん!」
なのはは感激し、レイジングハートを構える。
「ディバイィン…バスタァァァー!」
「サンダースマッシャー!」
フェイトも同時直射魔法を放つ。
「「シューーート!」」
二人は火力を上げて傀儡兵を撃破する。
「私、母さんの所へ行って、全てを終わらせたいんだ。」
「行って!駆動炉は、私とユーノ君で何とかするから!」
なのははフェイトを先へいかせる。

「これは!?」
雅は移動中、ある日記を拾う。そこには『プロジェクトFATEに関する研究日誌 ジェイル・スカリエッティ』と記されていた。
「これは、フェイトには見せられないな。」
雅はその日記を懐にしまう。
「まだ出てくるか!」
【CHANGE RIDE-KIVATT BELT-】
「変身!」
「来てくれ、タッつぁん!」
「はいは~い!バッシャーフィーバー!」
雅はキバ エンペラーフォームに変身し、エンペラーアクアトルネードで傀儡兵をぶつけ合わせて破壊する。
「雅、そこがプレシアの居場所だ!」
雅達は入り口に到着する。

その頃、内部では─
「プレシア・テスタロッサ、次元震は発生させません。私のディストーションシールドで抑えています。遥か昔に滅んだ旧世界、アルハザード。貴方程の魔導師が何故そのようなお伽話に縋るのですか?」
「アルハザードは実在する。次元と次元が交差して歪んだ先、アルハザードは確かにそこにある。」
現地入りしたリンディが次元震を抑制し、プレシアと対話していた。
「仮にあったとして、貴方はそこで何を?」
「無論、アリシアを蘇らせるわ。そして、失われた時間を取り戻すの。」
リンディの質問にプレシアが答えると、
「一度失われた時間を取り戻すことなんて、出来るものか!」
扉を蹴破り、クロノと雅が現れ、
「クロノ君、駆動炉は停止させたよ!」
なのはとユーノもやってくる。
「どんなにつらいことがあっても、それを逃げていい言い訳にしてはならない!失われた命も時間も、取り戻すことなんて誰にも出来ない!人は皆大事なものを無くしながら生きている。取り戻すことなんて、不可能なんだ!」
「くだらないわ。…ッ」
クロノの熱弁をプレシアは一蹴するが、持病により吐血し、隙を見せる。その時、
「母さん!」
フェイトとアルフもやってくる。
「あなたに、伝えたいことがあって来ました。」
「…今更何の用?」
「私、フェイト・テスタロッサは、確かに貴方の娘ではないかもしれません。貴方に作られた、偽物かもしれません。でも、私はあなたの為に、あなたを守りたい!それは私があなたの娘だからではない。あなたが、私の母さんだから!」
フェイトは手を伸ばしながら自分の意思を自分の言葉でプレシアに伝える。しかし、
「……ふっ、くだらないわ。」
プレシアはその言葉を一蹴する。そして、ジュエルシードを活性化させてディストーションシールドを破壊し、自ら虚数空間に飛び込む。
「このままじゃ!?」
雅は咄嗟になのは達に白紙のカードを渡し、
【WORLD HOPE-MAHOU SYOUJO LYRICAL NANOHA-】
雅はなのはの世界のワールドホープを発動。そして、
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
「変身!」
〔タカ!クジャク!コンドル!♪タ~ジャ~ドル~!〕
オーズ タジャドルコンボに変身し、虚数空間へ飛び込む。そして、しばらく経ちオーズは帰還する。
「プレシアは最後までこちらに抵抗し、次元の彼方へ消えました。」
変身を解除した雅は報告する。そして、ワープのカードを取り出す。
「君はこれから?」
「僕はもう去らないと。事件が正しく進んだ以上、僕がいればそれ自体が世界の異変となりますから。」
「まるで、プレシア・テスタロッサを死なせる方向に向かわせたみたいな言い方だな。」
「そう受け取っても構いません。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はクロノと会話を、なのはの世界から去る。

「ただいま。」
「…雅、お帰り。」
雅は宝物庫へ帰る。
「フェイト、これがフェイトに渡したかったものだ。」
雅はフェイトにレコーダーを渡す。
「このレコーダーって、もしかして…」
「そう、あの時の虚数空間での会話だ。」
雅はレコーダーを再生する。

「どうして来たの?」
プレシアはオーズに聞く。
「貴方の真意を知りたくて。」
「ふっ、私はただ、アリシアの為に生きているだけ。この子の存在だけが、私の心の支え。」
「見つけたんですね。アルハザードを。」
「ええ。だからこそこの座標に時の庭園を移動させたもの。」
「このまま行けると思いますか?」
「行けるわ。」
「そうですか。ですが、今の貴方を見て、アリシアさんはどう思いますか?」
「きっと、私を受け入れないでしょうね。アリシアの、ううん、私の幸せだけを考えて、アリシアの偽物を作って、あんなことをしていた。アリシアはそういうことを嫌う子だった。」
「そうですか。では、貴方が生み出して、貴方を救えなかったことを後悔しているフェイトのことは?」
「忘れていたわ。あの日、事故が起きる少し前、アリシアに頼まれていたお誕生日のプレゼント。」
「それって…」
「そう、アリシアは妹がほしいって言っていたわ。自分と同じできれいな金色の髪に赤い瞳。それでとっても素直な妹。きっと、フェイトはアリシアにとって、理想の妹だったわ。」
「そうですか。」
「でも、私はフェイトを愛せない。自分を痛めて産んでいないあの子は、やっぱり私の分身ではないわ。」
「それでも、フェイトは生きています。一体、誰の愛情を受けて生きて行けばよいのでしょうか?」
「貴方が愛しなさい。ううん、もう充分にいろんな人から愛されているわね。」
「貴方自身で愛してあげようとは?」
「無理よ。私はアリシアに縛られた亡霊のようなもの。あの子を愛する資格なんて…」
「人を愛するのに、資格なんて必要ない!その人大切に思えるかが重要なんだ!」
「そう…やっぱりあの子はもう、充分に愛されているわ。私は、アリシアと一緒にアルハザードへ向かうわ。」
「着けるといいですね。」
「止めないのね。」
「それは、装填の守護者にはできません。この世界は、プレシアさんが虚数空間に呑み込まれて消息不明となって事件が収束となります。僕の役目は救われない命を救うことではなく、世界を正しく進ませることなので。でも…」
〔プテラ!トリケラ!ティラノ!プテラ!トリケラ!ティラノ!プテラ!ギガスキャン!〕
オーズは恐竜のメダルをスキャンし、虚数空間の狭間にブラックホールを出現させる。
「これくらいは、自由がききます。」
「これは?」
「そのブラックホールに流れに乗って進めばきっと、アルハザードに着けますよ。」
「そう、感謝するわ。それなら私も…」
プレシアはそう言うと、本来虚数空間では展開出来ないフォトンスフィアを展開する。
「最低限貴方の顔を潰さないようにするわ。」
プレシアはフォトンバーストを放つ。
「協力、ありがとうございます。行ってらっしゃい。」
「ありがとう。さよなら。」
プレシアとアリシアの亡骸はブラックホールに吞みこまれる。
「プレシアは最後までこちらに抵抗し、次元の彼方へ消えました。」

雅はレコーダーを止める。
「どうして……どうして母さんを助けてくれなかったの!雅なら、母さんを助けられたのに!」
「フェイト、僕は最初に言ったはずだ。今のフェイトを守ると。あの時プレシアさんを助ければ、今フェイトはここにいない。恐らく、はやてや、守護騎士達とも出会えなかった。世界とは、誰かの命や、運命と一緒に歩んでいる。」
「……それで、アルハザードは本当にあるの?」
「ある。これは嘘ではない。フェイトはそう遠くない未来、アルハザードに関係するある人物が引き起こす事件に、深く関わることになる。」
ワールドホープの効果が終わり、雅はフェイトを宥めていた。
to be continued.

次回予告
ついに回るべき全ての世界を回った僕達。とうとう始まる最終決戦。次回、『壊す者と護る者』リリカルマジカル、頑張ります… 
 

 
後書き
新カード紹介
カブトゼクター:ディロードライバーをカブトゼクターに変え、仮面ライダーカブトに変身する為のカード。
Vバックル(龍騎):ディロードライバーをVバックルに変え、仮面ライダー龍騎に変身する為のカード。
変身音叉音角:ディロードライバーを変身音叉音角に変え、仮面ライダー響鬼に変身する為のカード。
仮面ライダーZX:仮面ライダーZXを召喚するカード。ディロードライバーにスキャンすることで、一分三十秒のみ仮面ライダーZXに変身出来る。
魔法少女リリカルなのは(ワールドホープ):雅を虚数空間の中で活動出来るようにし、プレシアの真意をフェイトに届ける。 

 

第57話『壊す者と護る者』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
今のフェイトを守る為に過去の世界を救い、異変が起きた全ての世界を回ったチームディロード。ついに、最後の戦いの時がきた。─

「みんな、これでディケイドによって改変されかけた世界は全て救うことが出来た。あとは、元凶たる仮面ライダーディケイド、そしてディケイドが率いる大ショッカーを倒せば、この旅も終わりだ。今まで、ありがとう。」
「雅、まだ早いよ。大ショッカーを倒すまでは、私達は一緒だよ。」
「その通り。それで、みんな準備は大丈夫?」
雅はワールドワープのカードを取り出す。
「はい!」
フェイト達は返事をする。
「では行こう、大ショッカーの拠点へ!」
【ATTACK RIDE-WORLD WARP-】
雅はワールドワープのアタックライドをスキャンし、宝物庫は大ショッカーの拠点がある世界へ向かう。

「ここって…」
宝物庫を出たフェイト達は驚く。
「今居る場所は元凪風流道場。すなわち、僕の出身世界だ。」
雅は現在の場所を説明する。
「炎囲さんの世界より悲惨な状況ですわね。」
「ああ。今は12月23日。半年もの間大ショッカーの好きにしてしてしまったんだ。仕方のないことだ。」
雅が説明しながら歩いていると、
「チームディロードだな!大首領様がお呼びだ。来い。」
大ショッカーの一員となったデスガロンが現れる。
「まさか大首領の方が呼んでくれるとは。」
「雅、罠かもしれないよ。」
「大丈夫。もし罠だとしても、その時は全精力を注いで敵戦力を壊滅に追い込む。デスガロン、案内してもらおうか。」
「いいだろう。来い。」
デスガロンは雅達の道案内をする。

「それにしても長いな…」
「お前達が遠い場所にいただけだ。」
「それにしても、かつて光太郎さんを苦しめた怪魔ロボットが一兵卒扱いとは。」
「俺とて納得いかん。だが全てはジャーク将軍、そしてクライシス皇帝のお考え。今は大ショッカーに身を寄せる方がクライシス帝国の未来の為とのことだ。怪魔ロボットという最下層の俺さえも引き抜いてくれたガテゾーン様、それを束ねるジャーク将軍に従うことが、今は一番重要なことだ。」
「そうだったのか…」
「くだらない話はいい。それよりあれが大首領様の拠点だ。」
雅とデスガロンが話していると、目の前に大ショッカーの拠点が見える。
「デスガロン、こいつらは!」
雅の顔を見た怪人達はざわつくが、
「こいつらが大首領様の言っていたチームディロードだ。」
「客人なら仕方ない。」
デスガロンの言葉を聞き怪人達は道を開ける。
「ついて来い。」
デスガロンは道案内をする。

「大首領様、例の者達を連れて参りました。」
デスガロンは傅く。
「よくやった。それにしても、久しぶりだな、兄貴。」
玉座には、雅の弟の流夜が座っていた。
「まさか、流夜が大ショッカーを率いていたとは。海東から真実を聞いた時はショックだったが、僕達の世界を襲撃した理由や納得がいった。だが、僕が憎いならどうして母上と望実を殺した!?」
「決まっているだろ。あいつらにも殺したい理由があった。凪風流ってのは、人を殺すのに使っちゃいけないんだろう?だから俺は大ショッカーを手に入れ、その力で全てを自分の物にしようと思った。だが、兄貴さえ殺せればどうでもいい。」
「流夜…」
「今までご苦労だったな、大ショッカー。もう用済みだ。」
流夜はディケイドライバーを装着する。
「大首領様、これは!?」
ジェネラルモンスターは驚く。
「お前達には死んでもらう。俺のことを利用するだけ利用して、裏切る可能性もあるしな。」
「流夜、一体何を…」
「兄貴、大ショッカーを潰したいんだったよな?俺も、こいつらに決着を邪魔されたくもないし、まずは準備運動だ。こいつらから先に片付ける。変身!」
【KAMEN RIDE-DECADE-】
流夜はディケイドに変身する。
「みんな、行こう!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
【KAMEN RIDE-X-】
【KAMEN RIDE-SUPER1-】
【KAMEN RIDE-KIVA-】
【KAMEN RIDE-DARK CHAOS-】
雅はディロードに、圭一はXに、沙都子はスーパー1に、理科はキバに、羽入はダークカオスに変身し、フェイトはライトニングフォームのバリアジャケットを纏う。
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディケイドはブラストのカードをスキャン。ライドブッカーからエネルギー弾を放ち、怪人達を撃ち倒してゆく。
「ライドルロングポール!」
Xライダーはライドルを伸ばす力を利用して怪人達を突き倒す。
【ATTACK RIDE-REINETU HAND-】
「同時発射!」
スーパー1は両手を冷熱ハンドに変えて二種類の直射攻撃で怪人達を粉砕する。
【FINAL ATTACK RIDE-KI KI KI KIVA-】
キバは早速必殺技を使い、ダークネスムーンブレイクを発動して怪人達を倒してゆく。
「雅!」
「はい!」
ディロードはロードスラスターを合体解除させ、鬼狩流桜をダークカオスに渡す。
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードはブラストのアタックライドを使い、その拳で怪人達を撃破してゆく。
「これで行きます!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ダークカオスはスラッシュのカードを使い鬼狩流桜を強化させ、怪人達を斬り倒し、大ショッカーの拠点を破壊。一部が崩れたことで瓦解する前にディケイドとディロード達は脱出する。
「まさか流夜が我々の目論見を知っていたとは!」
「こうなれば、チームディロードもろとも始末するのみ!」
拠点が崩れたことで大幹部怪人達が現れると、
「圭一、今だ!」
「わかってます!待っていたぜ!」
【FORM RIDE-J JUMBO FORMATION-】
圭一は更に仮面ライダーJ ジャンボフォーメーションに変身し、大幹部怪人達を次々に踏みつぶす。
「アルカス・クルタス・エイギアス。煌めきたる天神よ。いま導きのもと降りきたれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。撃つは雷、響くは轟雷。アルカス・クルタス・エイギアス。」
フェイトは儀式魔法、サンダーフォールを唱え、魔力と雷を使い怪人達を打ち抜く。
「一気に終わらせる!」
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
ディロードはコンプリートフォーム サイドライトに変身し、
【ALL RIDER KAMEN RIDE-FINAL FORM-】
ディケイドを除くクウガからフォーゼまでの最強形態のライダーを召喚する。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードは必殺技を発動する。
「ディメンションパーフェクトヒストリー!」
ディロード達13人のライダーはそれぞれ別方向に必殺の一撃を放ち、怪人達は殆どが倒され、
「俺を利用し続けていた罰だ。消えろ。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DECADE-】
ディケイドは必殺技のディメンションブラストを使い残る怪人達を全て撃破し、大ショッカーはあっという間に全滅してしまう。
「さて…」
ディケイドは変身を解除する。
「流夜…」
ディロードも変身を解除する。
「ちっ、やっぱり兄貴もカード補充の為に変身を解除したか。」
流夜は残念そうに言う。
「流夜、どうしても()けられないのか。」
「当たり前だ!邪魔な大ショッカーも消えた。俺を否定した奴らも殺した。後は兄貴、お前を殺せれば全てが俺のものだ!」
流夜はディケイドのカードを取り出す。
「…父上が言っていた流夜は凪風ではないという意味。理解が出来た。」
雅はディロードのカードを取り出す。
「雅、本当に戦うの!?」
フェイトは雅に言う。
〝ディケイドライバーさえ破壊すれば、きっと大丈夫だ。〟
雅は流夜に作戦が悟られないように念話で答える。
「行くぞ、変身!」
【KAMEN RIDE-DECADE-】
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「ディケイド、この世界で決着をつけて見せる!変身!」
雅はディロードに、流夜はディケイドに変身する。
「まずはこいつだ。」
【FORM RIDE-AGITO BURNING-】
「なら!変身!」
【CHANGE RIDE-J SPIRIT-】
ディケイドはディケイドアギト バーニングフォームに、ディロードは仮面ライダーJに変身する。
「なんだ?アギトが相手だからそれに変身したのか?」
ディケイドアギトは特筆すべき拳を放つ。
「そんなくだらない理由な訳ないだろ!」
仮面ライダーJは指でJの形を作りながらその拳をよける。仮面ライダーJは基礎的な力は高くはない。しかし、指でJの形を作る度にパワーが上昇する。雅の狙いはそこにあったが、
「今度は避けられると思うな。凪風流、白虎咆哮!」
ディケイドアギトは土地を隆起させる攻撃を放つ。アギトの強化された拳から放たれたそれは、流夜が初めて使用した時の更にはるか上の力となり、仮面ライダーJはジャンプして回避するが、
「それが狙いだ!凪風流、朱雀炎突!」
【FORM RIDE-HIBHKI KURENAI-】
ディケイドアギトはディケイド響鬼 紅に変身し、ジャンプして仮面ライダーJの前に向かい、急降下キックを放つが、
「やばい!?」
仮面ライダーJはディロードに戻り、その衝撃を抑える。
「…これが、闇風の力……」
ディロードは立ち上がる。
「だが負けるわけには、いかない!凪風流、奥義!」
ディロードは凪風流の奥義を打とうとする。しかし、
「凪風流、奥義・始祖!」
ディケイドも奥義を打とうとする。
「始祖だと!?だが、負けるものか!凪絶つ風!」
「天馬牙突!」
ディロードは横薙ぎの一撃を、ディケイドは直線で放たれる一撃を放つ。横薙ぎの一撃である凪絶つ風は一点特化で放たれた天馬牙突に貫かれ、その衝撃はディロードの装甲を破壊する。
「そんな……」
ディロードは死に物狂いの勢いで立ち上がる。
「どうだ!これがお前達が否定していた闇風だ!」
(やはり、流夜には、闇風には勝てないのか……)
ディロードにそんな考えが過ぎったその時、獣の牙のようなものが写された一枚のカードがディロードライバーに勝手にセットされる。
【ATTACK RIDE】
「…しまった!このカードをスキャンするわけには!?」
ディロードはそのカードが読み込まれないようにディロードライバーを押さえつけるが、
「なんだ?面白そうだな。」
ディケイドはライドブッカーからエネルギー弾を放ち、その手を弾いてカードをスキャンさせる。
【-BEAST-】
「ッガァァァアッ!グァアアアッ!」
ディロードライバーから紫色の靄が現れ、ディロードは唸り声をあげる。そして、その靄が晴れると、頭部のディメンションプレートが獣の牙のように引き裂け、ライドアイが赤黒く染まったディロード、激情態がいた。
「よぉ、流夜。お前は俺の逆鱗に触れた。殺すには充分な理由だ。」
ディロード 激情態は唸るように言う。
「おっ、ようやくその気になったか!」
ディケイドは楽しそうに向かうが、ディロードはいつの間にかブラックドラグクローは装着し、ドラグクローファイヤーを放ち、ディケイドを攻撃する。
「やべえ、すげぇ楽しいぜ!」
ディケイドは立ち上がって言う。
「そんなに楽しいんかよ!」
ディロードはフォトンバーストを放つ。
「あれって、母さんの!?」
その攻撃を見てフェイトは驚く。
「グアッ!」
フォトンバーストを受けたディケイドと吹き飛ばされる。
「流夜!てめえそんなんで俺に勝とうとしてたんか!」
ディロードはバブルルートでディケイドを拘束し、ダークキバが放つ波状結界を使ってディケイドを張りつけ、爆発性の独楽を落下させてディケイドを攻撃する。
「なあ、あれって全部雅さんが戦った敵の力じゃないのかな?」
圭一は言う。
「でもどうして!?だって雅は仮面ライダーだよ。」
「おそらく、ディロードのシステムの所為かと思うのです。ディロードは世界にある希望を救う力。当然、敵達の希望も含まれていると思うのです。そして、その敵達の希望が、雅に力を与えていると思うのです。」
困惑するフェイトに羽入は説明する。
「ほら、どうした!俺を殺すんじゃなかったんか!このままじゃ、俺が先にお前を殺しちまうぞ!」
ディロードはディケイドの頭部を鷲掴みにして瓦礫に激しく打ち付け、投げ飛ばす。
「雅!その人は雅の弟なんだよ!」
フェイトは叫ぶが、
「そうだ、仮面ライダーディケイド、世界の破壊者だ。」
ディロードはグラーフアイゼンでディケイドのディメンションアーマーを粉砕する。
「そのままじゃ、流夜は死んじゃうんだよ!」
「なんだ?ディケイドに味方するのか?だったら、まずはお前からだな。」
ディロードはレヴァンティンを持ちフェイトに向かう。
「雅、どうして!?」
「ディケイドに味方することは、既にディケイドに侵食されている証!」
「私だって、ディケイドを倒したい。なのはや、みんなを救いたい!」
フェイトの言葉を聞きディロードは立ち止まる。
「だったらややこしいこと言うな。」
ディロードは再びディケイドの方へ向かい、エターナルエッジを持ち、
「終わりだ。」
〔エターナル!マキシマムドライブ!〕
「フンッ!」
ディロードはエターナルエッジをディケイドライバーに突き刺し、そのまま押し込むようにエターナルエッジを蹴り、ディケイドを突き飛ばす。
「ッ…………」
ドライバーが破壊され、変身が解除された流夜の腹部にエターナルエッジが突き刺さり、流夜は血を吐きながらその命は絶える。
「やった!ディケイドを、破壊者を倒した!」
ディロードは笑いながら変身が強制解除される。
「………あれ?僕は、まさか、あの姿で流夜を!?みんな、早く!ディロードが暴走する前に、僕を殺してくれ!」
雅は混乱するが、時は既に手遅れな所まで来ていた。
【WORLD HOPE-JIGOKU SYOUJO HUTAKOMORI-】
雅の身体は黒い靄に包まれ、広がってゆく。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
ディロードの最凶の姿が覚醒。その力の前にチームディロードは─次回、『装填の邪龍』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーX:ディショットシステムにスキャンすることで仮面ライダーXに変身できるカード。
仮面ライダースーパー1: ディショットシステムにスキャンすることで仮面ライダースーパー1に変身できるカード。
仮面ライダーキバ:ディショットシステムにスキャンすることで仮面ライダーキバに変身できるカード。
冷熱ハンド:スーパー1への変身中にファイブハンドを冷熱ハンドに換装する。
仮面ライダーキバ(ファイナルアタックライド):仮面ライダーキバの必殺技を発動させる。
仮面ライダーJ ジャンボフォーメーション:Jのフォームライド。ジャンボフォーメーションに変身する。
Jスピリット: ディロードライバーをJスピリットに変え、仮面ライダーJに変身する為のカード。

新フォーム紹介
仮面ライダーディロード 激情態
身長、体重に変更なし
パンチ力:45t
キック力:52t
ジャンプ力: 一跳び63m
100mを4秒で走る
ディロードが目標直前で窮地に陥った時にビーストのアタックライドによって強制的に変身させられる形態。その力は悪に染まり、カードの所持を無視してディロードライバーを介さずに敵達の力を使えるようになるが、理性を失い、目的の為ならば手段を選ばなくなる。 

 

第58話『装填の邪龍』

「みんな!ディロードが暴走する前に、僕を殺してくれ!」
雅は叫ぶが時既に遅く、
【WORLD HOPE-JIGOKU SYOUJO HUTAKOMORI-】
消滅せずに残っていた地獄少女のワールドホープがスキャンされ、
「鬼狩流桜が!」
鬼狩流桜は再びロードスラスターへ融合し、二つのケータッチと共に黒い靄の中へ呑み込まれ、それらは一つの形へ変え、装甲になり、靄が収まると一体のドラゴンがいた。
「何なんだよこいつ!雅さんはどこへ!」
圭一達が探していると、
【SOUL RIDE-DELOAD-】
ドラゴンから電子音が聞こえ、チームディロードが振り向くと、頭部以外ディロードに変身し、鋼鉄の茨にがんじがらめとなった雅がドラゴンの心臓部にいた。
「雅!」
フェイトは雅の無事を確認して雅を呼ぶが、
「ついに、この時間でもこの姿になってしまったのか。」
「雅さん、今助けに行きます!」
圭一は雅に言うが、
「それは不可能だ。こいつは装填の邪龍、ディロードドラゴン。激情態となったディロードが目的を達成した時に覚醒する。みんな、ディロードドラゴンの心臓部を見てほしい。透明な存在の炎があるはずだ。」
「ありますけど…」
「その炎が尽きた時、ディロードドラゴンは自壊し、ディロードは始まりの夜に戻される。」
「雅さんの旅が、振り出しに…」
「それだけならいい。本当に辛いのはここからだ。その存在の炎を消費する際、ディロードドラゴンは自身が関わった世界のエネルギーを使って肩替わりする。」
「それって!?」
「ああ、死ぬ前に僕が関わった全ての世界を滅ぼすということだ。このまま放置すれば、みんなの世界も滅ぼして、僕は死ぬ。そこで、そうなる前に、チームディロードのリーダーとして、最初で最後の命令を与える。この命令には従ってほしい。現在、ディロードドラゴンは完全覚醒していない。そこで、完全覚醒する前に弱点である心臓を破壊するんだ。この際、ディロードドラゴンに囚われている人質の生死は問わない。」
雅は、自分ごとディロードドラゴンを倒すように言う。
「できるわけないよ!」
「雅、他に方法は無いの!?」
「フェイトちゃんと梨花ちゃんの言うとおりだ!」
「そうですわよ!」
「雅、みんなで手を考えましょう。」
チームディロードは思い思いのことを口にするが、
「それは不可能だ。かつて、72年前に初めてチームディロードを作った時、ディロードドラゴンに挑んだみんなは、ディロードドラゴンの圧倒的な力の前に敗れ…」
雅は無理だと言い切る。
「でもそれって、戦うからでしょう?私たちは雅を助け出したいの!」
「その時も、みんなはそう言って、何も出来なくて、結局完全覚醒したディロードドラゴンと戦い、そして僕の目の前で僕によって殺された。もう時間が無い!今ディロードドラゴンを倒せば、みんなと、僕が救った世界は守られる!頼む!僕を邪悪な怪物にさせないでくれ!」
雅は説明するが、ディロードドラゴンはついに動き出す。
「もう…手遅れだ……みんなの世界を…これ以上傷つけたくないのに……」
“グオォォォォォウ”
【ATTACK RIDE-PERFECT ZECTOR-】
ディロードドラゴンは咆哮をあげると、尻尾となったロードスラスター、ディメンションテイルをパーフェクトゼクターに変え、マキシマムハイパーサイクロンをフェイト達に放ち、フェイトはバリアを張って防ぐ。
「こうなったらディロードドラゴンを倒すことも、世界を救うことも不可能だ!」
雅は話す。
「諦めない!私たちは雅に救われたんだ!だから今度は、私たちが雅を助けるんだ!」
[plasma lancer]
フェイトはプラズマランサーを放つが、ディロードドラゴンはケータッチが変化しているディメンションウィングを使って飛翔。上空から火炎を放ちプラズマランサーを破壊する。
「俺達も行くぞ!」
【KAMEN RIDE-OOO-】
【FORM RIDE-OOO GATAKIRIBA-】
【FORM RIDE-OOO SYAUTA-】
【FORM RIDE-OOO BURAKAWANI-】
圭一達はオーズに変身するが、
【OOO KAMEN RIDE-TATOBA  POSEIDON-】
「命乞いはするな。時間の無駄だ。」
仮面ライダーオーズ 暴走タトバコンボと仮面ライダーポセイドンをディメンションウィングから召喚し、
【ATTACK RIDE-MEDAGABURYU-】
ディメンションテイルをメダガブリューに変える。
〔トリプル!スキャニングチャージ〕
暴走タトバはメダジャリバーにセルメダルを投入し、ポセイドンは武器を構えて必殺技を放つ。
「危ない!」
フェイト達は回避するがそこに、
〔♪プ!ト!ティラ~ノヒッサ~ツ!〕
ストレインドゥームが放たれる。
【FINAL ATTACK RIDE-O O O OOO-】
ガタキリバの分身が防ぐが、ダメージに脳内が処理しきれず沙都子は変身が解除される。
「雷光一閃、プラズマザンバー!」
暴走タトバとポセイドンが攻撃に当たらない安全地帯に逃げるのを見たフェイトはプラズマザンバーを放ち、暴走タトバとポセイドンを撃破する。
「戻ってきなさい、鬼狩流桜!」
変身を解除した羽入は叫ぶが、ディメンションテイルは変化しない。
「羽入、無駄だ。今ロードスラスターはディロードドラゴンを構成する肉体へと変貌している。鬼狩流桜はコントロールを失っているから反応しないんだ。」
雅は説明する。
【ATTACK RIDE-FAIZ BLASTER-】
【FAIZ KAMEN RIDE-BLASTER-】
ディロードドラゴンはファイズ ブラスターフォームを召喚し、ディメンションテイルをファイズブラスターに変える。
[[exceed charge.]]
二つのファイズブラスターからフォトンバスターが放たれる。
「危ない!」
羽入は咄嗟にバリアを展開して圭一達を守る。
「雅、ごめん!」
[jet zanber.]
フェイトはジェットザンバーを放ちディロードドラゴンの右腕を攻撃する。すると、雅の右腕を拘束している茨が少し緩んだ。
「ッ!みんな、もしかしたら、雅を救えるかもしれない!」
フェイトは希望を見出す。
「本当かフェイトちゃん!」
「うん。まず、誰かディスペアドライバーを出して。」
フェイトは手順を説明する。
「わかりました。」
【SUMMON RIDE-DESPAIR DRIVER-】
羽入はディスペアドライバーを召喚する。
「それから、私達で全力でディロードドラゴンの左腕を破壊して、雅の左手を自由にさせる。あとは私がディスペアに変身すれば、きっと雅を救えるはず。すぐに始めよう。」
「オッケー!」
【FORM RIDE-OOO TAJADOL-】
「わかったわ。」
【FORM RIDE-FROZE MAGNET-】
圭一はオーズ タジャドルコンボに、梨花はフォーゼ マグネットステイツに変身する。
「スプライトザンバー!」
【FINAL ATTACK RIDE-O O O OOO-】
【FINAL ATTACK RIDE-FRO FRO FRO FROZE-】
フェイトのスプライトザンバー、オーズのマグナブレイズ、フォーゼのライダー超電磁ボンバーがディロードドラゴンの左腕を直撃して破壊。雅を縛る左腕の拘束が解かれ、フェイトがディスペアドライバーを装着し、雅にもディスペアドライバーが出現する。
「雅、ブレイクディスペアで行くよ!」
〔ブレイク!〕
「あ、ああ!」
〔ディスペア!〕
「「変身!」」
雅はディスペアドライバーの下のスロットにディスペアメモリをセットし、雅はフェイトが装着しているディスペアドライバーに取り込まれる。
〔ブレイク!ディスペア!〕
フェイトはディスペアドライバーのトリガーを引き、仮面ライダーディスペア ブレイクディスペアに変身する。
“フェイト、ありがとう。”
内部で雅はフェイトに礼を言う。
“グオォォォォォウ!”
【ATTACK RIDE-ONIGARI NO RYUUOU-】
雅を失ったディロードドラゴンは暴れ、ディメンションテイルを鬼狩流桜に変えるが、
“今なら、ロードスラスターを呼び戻せる!”
「はい!戻ってきなさい、鬼狩流桜!」
雅は羽入に指示を出し、羽入は鬼狩流桜を呼び戻す。
“グオォォォォォウ!”
ディメンションテイルを失ったディロードドラゴンは苦痛で悶える。
“あとは、ディロードライバーさえ取り戻せれば。”
「わかった。」
雅が話し、ディスペアはロードスラスターを羽入から受け取る。
“このカードがあれば、きっと!”
ディスペアは、雅が変身に使うディロードのカメンライドカードをロードスラスターにスキャンする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
ロードスラスターによって、仮面ライダーディロードが召喚される。
「召喚出来るのは一分が限界だ。それまでにディロードライバーを!」
ディロードは跳びあがり、ディロードドラゴンの懐に潜り込むが、再生した左腕がディロードライバーを押さえて、ガードする。
「ディロード、これを!」
ディスペアはディロードにロードスラスターを投げ渡し、
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはスラッシュのアタックライドを使ってディロードドラゴンを攻撃し、そのガードを突破してディロードライバーをディロードドラゴンから引き剥がす。
「あとは、大丈夫だな…」
ディロードは活動限界を迎えて消滅する。
“さて、フェイト、ライトニングフォームで使っているマント、用意出来ている?”
「うん。」
雅は、変身を解除した時に、身を包めるものがあるか確認する。
「それじゃ、変身を解除するよ。」
ディスペアは二つのメモリを外し、変身を解除。フェイトは即座にマントを雅に渡し、雅はそれで身を隠す。
「もしもの為に、これを用意しておいてよかった。」
【ATTACK RIDE-YOGASA-】
雅はロードスラスターに夜笠のアタックライドをスキャンし、その中から自身の着替えを取り出して、着がえる。
「みんな、本当にありがとう。これが最後の戦いだ。一気に行こう!」
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード、最終回!
ディロードドラゴンの圧倒的な力に苦戦するチームディロード。その時、最後の奇跡が起きる!次回、『仮面ライダーのいる国』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
地獄少女 二籠(ワールドホープ):世界の恨みのワールドホープ。ディロードをディロードドラゴンへ変貌させる。
仮面ライダーオーズ:ディショットシステムにスキャンすることで、仮面ライダーオーズ タトバコンボに変身できるカード。
仮面ライダーオーズ ガタキリバコンボ:オーズのフォームライドカード。
仮面ライダーオーズ シャウタコンボ:同上。
仮面ライダーオーズ ブラカワニコンボ:同上
仮面ライダーオーズ タジャドルコンボ:同上
メダガブリュー:ロードスラスター/ディメンションテイルをメダガブリューに変える。
仮面ライダーオーズ(ファイナルアタックライド):仮面ライダーオーズの必殺技を発動させるカード。
ファイズブラスター:ロードスラスター/ディメンションテイルをファイズブラスターに変える。
ディスペアドライバー:ディスペアドライバーを召喚する為のカード。
仮面ライダーフォーゼ マグネットステイツ:フォーゼのフォームライドカード。
仮面ライダーフォーゼ(ファイナルアタックライド):仮面ライダーフォーゼの必殺技を発動させるカード。
鬼狩流桜:ロードスラスター/ディメンションテイルを鬼狩流桜に変える。
仮面ライダーディロード:雅がディロードに変身する時に使うカード。召喚用に使う場合、一分のみ召喚出来る。

次回、ついに序章の最終回です。 

 

最終話『仮面ライダーのいる国』

舞台は、12月24日に切り替わる。
「変身!」
雅はディロードに変身し、ディロードドラゴンへディメンションボルケイノを放つが、ディロードドラゴンは火球を放ち、打ち消す。
「やはり効かないか。」
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
ディロードはライトニングフォームに変身し、プラズマザンバーを放つ。しかし、これも通用せず、
“グゥゥゥグオォォォォォウ!”
ディロードドラゴンが叫ぶように吼えると、凄まじい地響きが起こり、なんとディロードドラゴンを中心に大地が隆起し、文字通り日本と離れてしまう。
「そんな!なんてパワーだ。」
地上に降りたディロードは率直な感想を述べるが、
“グオォォォォォウ!”
ディロードドラゴンは再び吼え、地面から今まで雅達が戦った敵達が現れる。
「あれって、もしかして…」
「恐らく、今まで僕達が戦った奴らをディロードドラゴンが召喚したのだろう。」
ディロードが考察していると、
「ねぇ、雅。この世界に、ワールドホープってないの?」
フェイトが質問をしてくる。
「あるにはあるが、対象は7人で、それに主人公もわからない。」
フェイトの質問にディロードは答える。
「雅、私ずっと考えていたんだ。雅の世界は、元から平凡な世界じゃなくて、雅が仮面ライダーになって、困っている世界を救う。そんな世界なんじゃないかって。」
「まるで、僕がこの世界の主人公みたいな言い方だな。」
「私は、そのつもりで言ったよ。きっと、この世界は雅が主人公なんだよ。そうじゃなかったら、雅は仮面ライダーになって、私達を救うなんて出来ないよ。」
ディロードはフェイトの考察を否定するが、フェイトは必死に説明し、
「仮にそうだとしても、この7枚のカードはどう説明がつく。僕達チームディロードは6人しかいない。」
「多分、その最後の一枚は、流夜の分だと思う。」
「流夜の分だとすると、もう使うことが出来ないだろう。だって、流夜はこの手で殺してしまったんだ。」
「雅、死者にワールドホープを叶える力ってないの?」
「一度もそんな事態に陥ったことがないからわからない。それに、そんなことは、死者への冒涜になる。」
「その願いを叶えるなら、それは冒涜じゃないと私は思う。」
「フェイト……わかった。みんな、このカードに、願いを込めてくれ。」
ディロードは変身を解除し、チームディロードに白紙のカードを渡し、流夜の死体にカードを握らせ、
「そうか、僕が主人公か…集え!世界の願い!」
ワールドホープを完成させる宣言をする。
「これは!?」
雅は、今までにない光を放つワールドホープに驚き、その光が晴れると、そのワールドホープのカードには雅達が今まで回った様々な世界のタイトルロゴが円を描き、中心に仮面ライダーディロードのタイトルロゴが描かれたカードが完成する。
「このカードに、全てを賭ける!」
【WORLD HOPE-ALL WORLD-】
雅がワールドホープをスキャンすると、雅の後ろに次元のオーロラが出現する。
「何故このタイミングで、次元のオーロラが!?」
雅は驚く。そして、
「ここは、一体?」
「一体何がどうなっているんだ?」
「フィリップ、事態が解らない。検索してくれ。」
「おや?どうやら別の国に着いたみたいだ。」
「どうも、アリスゲームは一時中断する方がいいみたいね。」
かつて雅達が救った世界の人々が現れる。
「本郷さん、翔太郎さん、それにみなさん!」
雅は驚く。
「君は何故、私の名を?」
仮面ライダー1号は雅に質問すると、途端に頭を抱え、
「そうか!思い出したぞ。ここが、雅君の言っていた未来の世界か。」
「本郷さん!その通りです。」
この世界に来た人々は雅との記憶が復元される。
「フェイトちゃん!」
その中には、なのは達もいた。
「なのは!?はやて!?それにシグナム達も!」
「テスタロッサ、無事か。」
「はい。ただ…」
フェイトはシグナムに話し、ディロードドラゴンを見る。
「なんじゃありゃ!?」
電王は驚く。
「あれが、このディロードライバーに封印されていた怪物です。あれさえ倒せればきっと、みなさんも安全に帰れると思います。」
雅は説明するが、
「水臭いぜ、雅。お前は俺のダチだ。よし、今度は俺達が、雅を助ける番だ!」
フォーゼが雅に言うと、
「弦太朗君の言う通りだ!私も力を貸そう。」
「そうだな。どうやら、ここにはモノリスも来ないようだし。始と一緒に戦えるみたいだ。」
「仕方ないわね。」
次々にその意見に賛同していく。
「みなさん……ありがとうございます!」
「俺があのデカいのをやるぜ!と言いてえが、雅、お前があれをやれ!雑魚は俺達が引き受ける!」
電王は再生怪人達に向かってゆく。
「なのは、力を貸して下さい。」
「えっ?いいですけど…」
【ATTACK RIDE-UNISON-】
「ユニゾン、イン!」
【FORM RIDE-DELOAD STARLIGHT BRAVE-】
雅は仮面ライダーディロード スターライトブレイブに変身し、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「全力全開!」
『えっ!スターライト……』
「『ブレイカー!』」
スターライトブレイカーEXを放つが、ディロードドラゴンは何事もなかったかのように飛翔し、その巨体でディロードを踏み潰そうとするが、
〔スキャニング チャージ!〕
オーズ サゴーゾコンボがディロードを中心に重力を操作してそれを防ぐ。
「雅君、大丈夫?」
「はい!っ!?日野さん、危ない!」
ディロードは立ち上がったディロードドラゴンの足がオーズに当たらないよう突き飛ばし、その足による攻撃を受けて吹き飛び、変身が解除される。
「なのは、大丈夫か!」
雅は立ち上がりなのはの所へ向かう。
「平気、ユニゾンが解除される前にプロテクションを使ったから。」
なのはは無傷で立ち上がる。
「駄目だ。今のディロードでは、ディロードドラゴンに敵わない。」
雅は策を練ろうとする。その時、
[ロードスラスターにユニゾンのカードを使って下さい。]
バルティッシュが提案を出す。
「バルティッシュ…わかった。やってみます。」
【ATTACK RIDE-UNISON-】
[device unison]
雅がユニゾンのカードを使うと、ロードスラスターとバルティッシュは光を放ち、一体化して薙刀状の武器に変わる。
【LOAD BARDICHE ASSAULT THRUSTER】
合体した武器、ロードバルティッシュ・アサルトスラスターから一枚のカードが出現する。
[貴方達二人で変身をして下さい。]
内蔵されているバルティッシュが指示を出す。
「そうか!僕とフェイトは互いにディロードの変身者。二人が一緒に戦えば、きっと勝てる。フェイト、一緒に戦おう。僕達二人の、本気の全力全開で!」
「うん!」
雅はディロードライバーを装着し、フェイトはロードバルティッシュ・アサルトスラスターを持ち、雅はカードをディロードライバーにスキャンする。
【FINAL WORLD HOPE KAMEN RIDE-DELOAD LAST HOLY KNIGHT-】
雅とフェイトの身体は白く眩い光に包まれ一つとなり、仮面ライダーディロード ラストホーリーナイトへ変身する。
「まずはこれだ!」
ディロードはクロックアップのカードをロードバルティッシュ・アサルトスラスターのコアに翳す。
【ATTACK RIDE-CLOCK UP-】
「これは!?」
仮面ライダーイクサは驚く。何故なら、ディロードが使った効果が自分にも現れたからだ。
「なるほど、僕達が使ったアタックライドが皆さんにも付与されるのか。」
「マジか!?よっしゃあ!これならいけるぜ!」
深夏はディロードによってパワーアップしたことで持ち前の馬鹿力を生かして一般人の護衛に入る。
「皆さん、こっちへ避難して下さい!」
その避難誘導に時空管理局も合流する。
「雅、やっちまえ!」
「はい!」
フォーゼの言葉にディロードは返し、
「行こう、フェイト。このカードで、ディロードドラゴンを倒そう。」
「うん!」
ディロードは飛行魔法で滞空し、ディロードライバーに必殺技のカードをスキャンする。
【FINAL WORLD HOPE KAMEN ATTACK RIDE-ALL WORLD-】
ディロードはロードバルティッシュ・アサルトスラスターにカートリッジをセットする。
「「人を想いを!」」
ディロードは詠唱を始め、薬莢が飛ぶ。
「「世界に願いを!」」
ディロードは更にカートリッジをロードする。
「「未来を繋ぐ、架け橋となれ!ディメンション……」」
【all loading!dimension spinning】
「「スピニング!」」セットした全てのカートリッジをロードし、ロードバルティッシュ・アサルトスラスターから螺旋を描く砲撃が放たれ、ディロードドラゴンの心臓を貫通し、ディロードドラゴンは撃破され、ディロードドラゴンによって召喚された敵達も、仮面ライダーを始めとする世界の守護者達によって全滅する。
「皆さん、本当にありがとうございました!」
ディロードが変身を解除すると、雅とフェイトは分かれ、雅は深々と礼をする。
「大丈夫だって。それより、これからどうするんだ?」
加賀美は雅に質問する。
「これから、皆さんを元の世界へ帰したいです。僕の所為で、皆さんを巻き込んでしまったので。」
雅はワールドワープのカードを取り出す。
「そう。なら早くして。」
シャナは雅に言い、御崎市の町中に向かう。
「それでは、行ってきます。」
雅はワールドワープのカードをスキャンしようとするが、
【ERROR】
エラーが発生し、カードを取り出すと、ワールドワープを始め、この世界に来た世界で手に入れたライダーカードが全て消滅してしまう。
「そんな!これでは皆さんを元の生活に戻せない!」
雅は驚くが、
「別に、仕方ないんじゃないのか?」
クロノが雅の肩を叩き言う。
「クロノ執務官!?」
「先程、日本政府からの声明で、この切り離された土地は、日本領から外すと宣言された。雅、どうやら僕達は帰ることも出来ず、この土地に残らないといけない。それなら、ここを僕達の居住地域にしないかって、様々な世界から提案されている。あとは、この世界の住民である雅が承諾すれば、全て解決だ。」
「もうそこまで話が進んでいたなんて。」
「クロノ君が、国連にも話を持ち込んでいたの。」
雅の驚きに、エイミィが説明をする。
「どうする?」
「もし、ここを一つの国家にするとして、政府はどうしますか?」
「無論、雅には初代国家代表になってもらいたい。」
クロノの言葉を聞き、雅は悩み、
「わかりました。暫定で可能な限りの政府を設立します。それから、第一公用語は日本語のままとして、国家樹立用の紙幣、及び貨幣の製造を行うにあたって、鴻上会長。確か造幣局はありましたね?」
「勿論あるとも!」
「では、通貨に関しては今後詳しく検討を。まずは、書類の提出が最優先です。国家の印鑑も製造する必要があります。それから、融合した世界の確認も行いますので、時空管理局の皆さん、住民の確認を。特に出身世界は慎重にお願いします。」
雅は役割を分担する。
「さて、もう高校生には戻れないか…」
雅はそう呟いた。

そして、三ヶ月後─
「皆さんのおかげで我が国家、次元保護国は平常に国家機能しております。」
国連の場において、雅は演説している。
「特に、物質の提供を行って下さった日本、そして米国には感謝だけでは、語れません。」
切り離された土地は『次元保護国』として国家樹立。今は建国三ヶ月の演説を行っている。国連に加盟している国家の大半は演説に立ち会っているが、元となった国が日本である為、参加を拒絶した国がいくつかはあった。
「現在は物価も安定せずにいる為、国内需要で留めておりますが、まずは後進国として進ませていただきます。」
雅が調べた結果、融合した世界は雅が回った全ての仮面ライダーの世界のほかに、
灼眼のシャナ
キノの旅-the beautiful world-
ローゼンメイデン-トロイメント-
スクライド
這いよれ!ニャル子さん
人造人間キカイダーthe animation
変身忍者嵐(漫画版)
生徒会の一存
生徒会役員共
ひぐらしのなく頃に 解
魔法少女リリカルなのはA's
が確認され、現在は公共施設も正常に作動している。こうして、雅達の新しい道が開かれた。
仮面ライダーディロード序章~全ての始まり、守護の刃~完







予告
あの激動のラストは、始まりでしかなかった。
「どうして雅が!」
「俺達のダチじゃ無かったのかよ!」
「大地の精霊が、反応しない!?」
「雅、君を逮捕する!」
そして、
「もう…いい人でいるのは疲れたんだ…」
【CHANGE RIDE-BLABUCKLE-】
凪風雅(ディロード)、堕天
仮面ライダーディロード 第一部 崩壊する楽園
1月、始動 
 

 
後書き
新フォーム紹介
ディロードドラゴン
体長:10m
体重:24t
ディロードが激情態の力で目的を達成した際に覚醒する怪物で、別名『装填の邪龍』。本来は体長も2.5m程度であるが、『地獄少女』のワールドワープによって恨みと憎しみの念をエネルギーにして巨大化し、この個体となる。翼と尻尾はそれぞれディロードのアイテムが使われており、この能力を自由に発揮出来る。また、心臓部の存在の炎をエネルギーとし、それが尽きるまで破壊行動を行う。

仮面ライダーディロード ラストホーリーナイト
身長、体重に変更なし
パンチ力:推定1225t
キック力:推定2012t
雅とフェイトがファイナルワールドホープカメンライドによって合体変身した姿。自身が扱うアタックライドは全て、味方にも付与される。

そう、この舞台である2012年のクリスマス前ってまだ民主党政権でしたよね。懐かしい話ですよ。
そして、はっきり宣言します。第一部はディケイド完結編みたいな流れになります。 

 

第1話『新たなる始まり』

「ハヤテさん、どうしたんですか!?」
オーズはメダジャリバーを構えている。
「秘剣、影写し!」
オーズの眼前にいる相手、変身忍者嵐はオーズの目を潰して、その隙にオーズの首を切り裂き、その命が絶たれるとライダーカードに変わっていた。
「王と欲望と奪い合いの世界、捕まえた。」
嵐に変身していたフードを被った者はそのライダーカードを拾い上げて呟いた。


「おう、朝倉。今日も来たのか。」
「カズマ、仕方ないだろ。」
ここは、次元保護国の特別養成施設。ここでは、基礎の学習を学んでいない者、現代の知識を持たない者の知識向上、情状酌量の余地のある者の更生を基本とした施設である。ロストグラウンドで勉強を学べず、朝倉は小学校中学年程度で勉強が止まってしまっているため、雅の指示によりこの施設での教育を条件に、一般生活を行わせている。
「そういや、最近ハヤテを見ねえな。」
「お偉いさんのガキか?」
「違えよ。忍者の方だ。」
「同じ名前の奴が近くにいると解らないな。」
カズマは嵐に変身するハヤテの話をした。ハヤテを始めとする旧時代の人も、この施設で現代技術の知識を学び、それに合わせた職種を探す手伝いも、この施設の役割である。二人が話していると、
「カズマ、朝倉、授業の時間だ。」
劉鳳が二人のいる教室に入ってくる。
「おい劉鳳。前から思っていたけど、なんでてめえは俺達を指導する側なんだ!?」
「そんなことも解らないからお前はそこにいるんだろう。このままでは、かなみに学力で追い越されるぞ。」
「ちっ、わかったよ!」
カズマは舌打ちしながら席に座る。
「今日は、必要最低限の法律を教えておく。忘れれば、ここより厳しい所へ行くことになる。覚えておけ。」
劉鳳は授業を始める。劉鳳は、この施設の運営を任されている。規律を学ばせるならばと、雅に選ばれ施設の区画を始め、教育要項を考案したのも劉鳳である。
「今日の授業は終わりだ。カズマ、今日の内容を大まかにまとめてみろ。」
「おう。乗り物を運転する時はクーガーみてえに馬鹿みたいなスピードを出したら警察に取っ捕まる。それから、運転するのに免許が必要。あとは道路に書かれたルールにはいうことをきく。」
「それだけ分かれば今日は充分だ。二人とも、仕事があるのだろう。今日はもう終わりだ。」
劉鳳の言葉を聞きカズマと朝倉は出て行く。現在、カズマは鴻上ファウンデーションの警備員として職務を務めている。一方、朝倉は雅が香川に資料提供を行って製造したライダーデッキを受け取り、ミラーモンスターの駆除活動を行っている。二人の職務はそれぞれ時間制である為、それを社会復帰に役立てることが、雅の目的であった。

一方、雅は─
「現在、諸外国は我が国が日本に返還されるのかということに焦点を当てていますが、国家代表、そこはどうなっているのでしょうか!?」
国会の法改正案において野党から見当違いな質問を受けていた。雅は手を挙げ、
「凪風国家代表。」
審議長から指名される。
「国際連合において、半年前に我が国は日本国からの独立する際には、米国の調印もされております。これは、旧日本国土である我が国と日本国との二カ国で議論できる内容でもなく、現在日本国政府は我が国の返還を議論していないとの事が、総理大臣の見解です。それから、今議論すべきことは選挙法の改正法案の件で、日本国の国土返還ではありません。」
雅は返答するが、
「国家代表、この問題からお逃げするつもりなんですね!」
野党議員は身勝手な持論を言う。
「ただいまをもって、本日の国会を終了させていただきます!」
審議長の言葉で今日の議論は終了し、雅は中央会議室を出る。すると、
「国家代表、日本と国交問題はどの様にするつもりですか!?」
今日の国会の内容を待っていたとばかりにマスコミが群がる。
「どの様にも、日本も我が国も、国交を回復させる予定も、返還する予定もありません。」
雅は答え、
【ATTACK RIDE-WARP-】
ワープのアタックライドで外へ出る。
「これは、近いうちに放送法も改正する必要性がありそうだな。」
雅は国家代表庁舎の中で呟いていた。

「おい、真司!この間の記事はなんだ!?」
「編集長…じゃなくて社長!まずかったですか!?」
「まずいなんて話じゃねえよ!飛ばし記事を書くな!うちは今は公共新聞社になっているんだ!海外の人も見ることを考えろ。」
真司は大久保に叱られていた。新聞会社の殆どを失っていた所からスタートした次元保護国はOREジャーナルを公共新聞社として引き上げていた。
「大久保社長、例の黒いフードの事件、目撃者がいましたので今から取材に行ってきます。」
一文字がやって来る。現在、海外との国交が整備されていない次元保護国において、一文字はニュースを追うのに都合の良いOREジャーナルに入社していた。
「ああ、行ってこい。真司、隼人について行け!」
「分かりました社長!」
真司は一文字と共に出て行く。

「乾さん!」
「渡か。」
「あれから調子はどうですか?」
「普通にやらせてもらっている。」
「よかった。兄さんのライフエナジー供給システムが、オルフェノクにも適用できて。」
渡は巧の意見を聞き安堵する。世界が融合してすぐ、巧の寿命は残りわずかとなっていた時、大牙は咄嗟に巧をライフエナジー供給システムにつなぎ、一命を取り留めたことで、非人類への医療システムは飛躍的発展を遂げたのであった。
「この方法が、より多くの種族を救えるように、僕も兄さんの協力をしているんです。」
「なんでも、紅世の奴らにも使えるから、人を襲う奴が激減したらしいしな。」
「それでも、ゼロにはならないんですよね…」
「そのために、俺達や、シャナみたいなのがいるんだろう?」
「そうですね。」
巧と渡は分かれる。

「おい鍵!また会議を茶化して。お前それでも会長か!?」
杉崎は深夏に羽交い締めにされていた。本来、椎名姉妹はこの春に引っ越す予定があったが、次元保護国となり、国交が無いため、二人は碧陽に残り普通に生活している。
「おい、深夏!そろそろやばいって!真冬ちゃんも見てないで助けて!」
「知りません。中目黒先輩を無視した罰です。」
杉崎は助けを求めるが、放置される。

「この国の国交法はいつ整備されるのでしょうか?」
キノは国交省に電話で質問していた。
〝現在は移動手段の製造が行われていないため、当面は海外旅行等は不可能です。申し訳ございません。〟
「そうでしたか。ありがとうございます。」
キノは電話を切る。

「ここら辺も、雑草が生え始めましたね。」
「ああ。まずは参考の写真と、植物のデータ採取だ。」
「香那ちゃんには見せられないな。こうやって研究の為に植物を傷つけるのは。」
「天音ちゃんも、あまりよく思っていない。だが、この土地が安定しているか確認する作業は必要だからな。」
耕司と始は同じカメラマンとして意気投合し、現在は生物学研究所に勤めている。
「この世界ができて、俺は本当に嬉しく思っている。」
「どうしたんですか、相川さん。」
「俺と剣崎は、ジョーカーという互いに滅ぼしあうアンデッドだというのは瀬川も知っているだろ?」
「はい。」
「だが、この世界ではモノリスは干渉する能力を持たないのか、そもそも出現出来ないのか解らないが、俺と剣崎がこの狭い国の中にいても戦わずにすんでいる。俺が相川始となって、欲しかった平和な日々だ。」
「そうですか。あっ、噂をしていれば。」
始が語っていると耕司は何かに気づき始が見ると、剣崎と橘がやってくる。
「よ、始。ここら辺の調査か?」
「ああ。剣崎の方はどうだ。」
「こっちは今日は42件のロストロギアの解析を頼まれたよ。」
現在、剣崎と橘は超越文明研究所でロストロギアの研究、解析を担当している。
「そうか。大変だな。」
「ホントだよ。始の方も、頑張れよ。」
剣崎と橘は去り、始と耕司もサンプルと写真を生物学研究所へ運んでゆく。

「このサンプルの特性からして、日本の種子が偏西風もしくは鳥類を経由してこちらに渡ってきたものとみて間違いない無いだろう。」
耕司と始から渡されたデータを本郷は解析している。すると、
「本郷先輩!」
雅がやってくる。
「雅君か。」
「本郷先輩、どうですか?」
「やはり、太平洋中部にあるこの国は、日本由来の植物が運ばれて気安い立地条件にあるようだ。それから雅君、その先輩と呼ぶのは一体?」
「僕の在籍していた城南大学附属高校は城南大学の一貫校ですので、本郷さんは僕の先輩にあたりますから。」
「そうか。それで、雅君の方は調子はいいか?」
「ぼちぼちですね。」
「わかった。こちらの書類をまとめたら、勉強をみてあげよう。」
雅の学力に合わせた技術的な勉強をみることが出来るのは数少ないため、本郷はそちらも協力的に行っていた。

「ジローさん、イェッサーを外してから、具合は大丈夫ですか?」
夕暮れ時、ジローを見かけた雅は声をかける。
「雅君か。まるで付き物が落ちたような気分だよ。風田君にイェッサーを止めてもらって、皆さんに外してもらえて、本当に感謝しています。」
ジローには善を司る良心回路が備わっていたが、プロフェッサーギルによって、人間の持つ邪悪な私利私欲を司る悪心回路、通称イェッサーを接合させられ、妹機であるビジンダーを騙して脱走し、兄弟機の01と00を殺し、最終的にプロフェッサーギルを殺害した事でジローの心は完璧な人間となれたが、その事で思い悩んでいた。しかし、あるときイナズマンにイェッサーを停止してもらい私利私欲に惑わされる事がなくなり、雅達の協力で、イェッサーを外すことに成功したのだ。
「そういえば、最近ミツ子さん達が帰って来なくて、探しているんですよ。」
「本当ですか!?こちらでも捜査してみます。」
雅はジローの言葉を聞き、別れて単独捜査を始める。
「本当に、どこに行ったんだろう?」
ジローは人気の無い路地裏に入る。すると、後ろから黒いフードを被った男が現れ、
〔タカ!クジャク!コンドル!♪タ~ジャ~ドル~!〕
仮面ライダーオーズ タジャドルコンボに変身する。
「日野さん?じゃない!スイッチ、オン!」
ジローはキカイダーにチェンジする。
「君は一体!?何故僕を襲う!?」
キカイダーは自衛を行うがオーズは軽々避ける。
「答えろ!」
キカイダーは両腕で電気エネルギーを纏わせるが、
「こいつらがどうなってもいいのか?」
オーズは野太い声で話し二枚のライダーカードを見せる。そこにはキカイダーの探しているミツ子達が描かれていた。
「まさか!?」
「分かったか?」
〔スキャニングチャージ!〕
オーズは必殺技を発動し、飛翔する。
「デン、ジ……エンド!」
キカイダーは急降下してオーズに必殺技のデンジエンドを放とうとするが、オーズのプロミネンスドロップがその腕を破壊しながらキカイダーの胸部を抉りキカイダーは爆発。黒いフードの男はキカイダーのライダーカードを拾い上げ、
「光明寺の人造人間の世界、捕まえた。」
そう呟き、懐にしまう。世界は、平和に見えて、少しずつ侵蝕されていた。
to be contInued.

次回、仮面ライダーディロード
「羽入が見つからないの。」
「この世界にいない人は探せないぜ、お嬢ちゃん。」
「もう、いい人でいるのは疲れたんだ。」
「戦ってくれ、アニキ!」
次回『反逆のディロード』希望を紡いで、全てを救え! 

 

第2話『反逆のディロード』

「本日の国会を終了とします!」
審議長の言葉で、議会を終えた雅が外へ出ると梨花が待っていた。
「珍しいな、梨花が来るなんて。」
「雅、大変なことが起きたわ。」
「梨花が慌てるなんて、余程の事が無い限りあり得ない。何が起きた?」
「それが、一週間近く前から羽入が見つからないの。」
「本当か!?」
「ええ、感覚そのものが消えたような感じね。」
「そうなれば、行く所は一つだな。」
雅はマシンディローダーに梨花を乗せて鳴海探偵事務所に向かう。

「羽入って誰だ?」
事情を聞いた翔太郎は開口一番にそう言った。
「えっ?」
梨花は驚く。
「翔太郎、知らないのかい?彼女の出身世界、『ひぐらしのなく頃に』の世界にいる土地神だよ。ただ、どうやら世界の融合には巻き込まれなかったようだ。」
「そういうことだ。この世界にいない人は探せないぜ、お嬢ちゃん。」
翔太郎に言われ、雅と梨花は外へ出る。
「おかしい。羽入はチームディロードの一員として、ディロードドラゴンとの決戦にもいた。…一度調べなおそう。もしかしたら羽入以外にも、被害にあっている人がいるかもしれない。」
雅は警視庁へ向かい、長官となったリンディに事情を説明し、かつて融合した全ての世界をリストアップして大規模捜査に乗り出した。

「予想以上に深刻だったな…」
雅はため息を吐く。ピンポイントで誰かが消えていたケースは羽入だけだが、それ以外に既に五つの世界が完全に次元保護国から消えていたのだ。
「戦える人がいない天草会長達の世界は納得がいくが、日野さんに剣崎さん、更にはジローさんやハヤテさんの世界まで消えていたなんて。」
「どうするの、雅?」
フェイトは雅に質問する。
「今回の事件の首謀者の捜索、及び逮捕を目的とした特殊チームを設立しよう。敵は国家内乱を起こした重罪人だ。みんな、犯人は剣崎さん達アンデッドを倒せる力を持っている。慎重に行動しよう。」
「はいっ!」
雅とリンディの相談によって、次元保護国警察を総動員体制にして犯人の捜索に乗り出した。

「その件ならうちでも調べていた所だ。」
隼人は雅に話していた。
「犯人の風貌は常に黒いフードを被って、背丈は185程度。顔立ちからして四十代半ばと思われる。」
「ありがとうございます。これを基にモンタージュを作成し、配ります。」
雅は隼人からの情報を基にモンタージュを作成し、国内に流布した。
「これで、捕まるといいね。」
「そうだな、フェイト。」
フェイトと雅は話していた。
「さて、僕の方で調べたいことがあるんだ。」
「どうしたの、雅?」
「この世界から消失した五つの世界が正しく進んでいるか。これは原作を知っている僕にしか出来ないことだ。」
「そうだね。雅は被害に遭った世界を調べて。捜査は私達でやるから。」
「頼んだ。」
雅とフェイト達は分かれて捜査を進める。

フェイトは防犯カメラの情報を手がかりにして、最初に事件が起きた現場へ向かった。
「捜査責任者、フェイト・テスタロッサ。ただ今到着しました。」
「テスタロッサさん、見て下さい。まるで土地ごと丸々無くなっているみたいで、何の痕跡もありませんでした。」
先付けで捜査に着手していた氷川が状況を説明する。
「ありがとうございます。……これって!?」
荒野と呼ぶべき土地の中で、フェイトは何かを発見する。
「テスタロッサさん、何も無いように見えますが…」
「氷川さん、これを通して見て下さい。」
フェイトは氷川にある機材を渡して、氷川はそれを通してフェイトが指した場所を見る。
「この粒子状の物は、なんですか?」
「これは、恐らく犯人の残した残留魔力です。これを調べれば犯人が特定できる可能性があります。私は、他の現場を捜査します。氷川さん達は、引き続きこの土地の捜査をお願いします。」
「解りました。お願いします。」
フェイトは次の現場へ向かう。

その頃─
[bullet rapid fire-burning shot]
仮面ライダーギャレンの放つバーニングショットを受けて仮面ライダーデルタは敗れ、ライダーカードに変わってしまう。
「三原君!?」
「そんな……どうして君が」
真理と啓太郎は驚くが、ギャレンは無言で二人を撃ちライダーカードに封印してしまう。
「この世界はカイザに変身する者がいなくて助かった。」
ギャレンに変身していた黒いフードの男はライダーカードを拾い上げ、
「記号持ちし、夢の守り人の世界、捕まえた。」
男は荒野の中を歩いてゆく。

「マリーさん、何か解りました?」
フェイトは集めた残留魔力を解析班のマリエルに尋ねる。
「うん…すぐに解ったよ…フェイトちゃん、よく聞いてね─」

フェイトは急ぐように国家代表宅へ捜査本部の特殊会議室へ入る。
「─やっぱり…」
会議室の中は、四つのモニターと一冊の本が置かれていた。モニターにはそれぞれ、窓拭きをしている桜才学園の役員共、イツツバンバラと戦うキカイダー、天皇寺を殺害するギラファアンデッド、自身の体が異形へ変わっていることを映司に話す真木が映っていた。
「それじゃあ…」
フェイトが呟いていると、
「どうしたフェイト?そんなに慌てて。」
雅が入ってくる。
「雅、どこに行っていたの?」
フェイトは質問する。
「どこって、御手洗だけど?」
「じゃあどうして…仮面ライダーファイズのカードを持っているの!?そのカードは、ディロードドラゴンとの戦いの後で消えたよね!?」
フェイトは話の確信に迫る。
「ばれたか…」
雅はフェイトにロードスラスターの銃口を向ける。
「皆さん!今です!」
フェイトが叫ぶと、捜査メンバー全員が現れる。
「いつ気が付いた?」
「雅は、事件現場に大切な証拠を残してくれた─」

『フェイトちゃん、よく聞いてね。この残留魔力は、変身魔法で精製された残留魔力なの。』
『それで、術者は?』
『それが…凪風国家代表の魔力なの。』
『雅の魔力!?何かの間違いじゃないんですか!?』
『凪風国家代表の魔力はとても特殊だから間違えようがないの。だから、今回の事件は、まず確実に凪風国家代表が関係しているの。』

「マリーさんから聞いた私は捜査メンバー全員をここへ呼び雅を待った。そして、失われたライダーカードを持って雅が現れた。雅、どうして雅が私達を襲うの!?」
「あの魔力、消えにくいのか。そうだ、今回皆さんを襲撃している反逆者は僕だ。」
「どうして…なんで私達を襲うの!?」
「皆さんの世界は危険だ。この世界はあなた方ヒーローの存在に耐えることは出来ない。だから、消えてもらう!」
「でも、今までの雅はそんなことしなかった!」
「もう…いい人でいるのは疲れたんだ。」
「えっ…」
「今まで僕は、皆さんの世界を救ってきた。」
「そうだよ。だからなんでその私達を!?」
「今まで救ってきたのは、僕の世界を救うため。だが、今のままでは皆さんの世界は救われて、僕の世界は崩壊を迎える。これは自衛手段なんだよ。」
「そんなの間違っている!」
「間違っているのは百も承知だ。だが、皆さんに消えてもらわないと僕にとっては都合が悪い。だから…」
【CHANGE RIDE-BLAYBUCKLE-】
「変身!」
[turn up!]
雅はディロードライバーをブレイバックルに変化させ、仮面ライダーブレイドに変身する。
[mach]
ブレイドはマッハをラウズし、高速で移動して霞のジョーと響子を捕まえる。
「雅君!?」
光太郎はBLACK RXに変身するが、
「動くと、二人の命は無い。」
ブレイドは喉元にブレイラウザーを突きつける。
「くっ…」
BLACK RX達は留まるが、
「戦ってくれ、アニキ!」
「この人は光太郎さんを殺したあとで私達も殺すつもりよ!」
人質となった二人は叫ぶ。
「二人には黙っていてほしい。」
[time]
ブレイドはタイムをラウズし、周囲の時間を止める。
「さて、始めるか。」
[slash thunder-lightning slash]
[tackle metal]
[beat kick]
「ここで、始さんのカードを…」
[shuffle]
ブレイドはシャッフルを使い、全てのラウズカードを使用可能にする。
[fusion absorb evolution]
ブレイドは上級アンデッドのカードを使ってラウザーのポイントを回復させる。
[kick thunder mach-lightning sonic]
[slash beat metal]
[tackle magnet]
ブレイドは更にカードをラウズし、合計六つの必殺技を放つ。BLACK RXに同じ技は通用しない。しかし、それぞれ効果の異なる技の集中砲火を受け、
「そろそろ動くか…」
ブレイドは呟き、時間が動き始める。すると、そこには凄まじい爆発が起こり、それが晴れるとBLACK RXのライダーカードが落ちていた。
「アニキ!?」
霞のジョーは驚く。
「しかし、よく僕の思考が解った。流石は超能力者と言った所か、響子さん。」
変身を解除した雅はロードスラスターを振り下ろし、霞のジョーと響子をライダーカードに封印する。
「雅、どうして……どうして無関係な人達まで!」
「無関係なものか。彼らはこの世界にいてはならない異端。攻撃の対象だ。」
3枚のライダーカードを拾いながら雅は言う。
「さて、本当はこれだけいれば大量に手に入るチャンスだが、如何せん多勢に無勢だ。なら、今は撤退して体勢を立て直すか。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープを使って撤退する。
「そんな…雅が、本当に犯人だったなんて…」
フェイトは真実にショックを隠しきれず、その場に泣き崩れる。
「至急、各放送局へ連絡を。次元保護国国家代表、凪風雅の国家代表資格を剥奪、第一級指名手配犯に指定します!」
リンディ長官の宣言により、雅は国家代表の資格を剥奪され、指名手配犯となる。

「やっぱり、この手段は辛いな…」
雅は携帯のメモから仮面ライダーBLACK RXの項目を削除する。
「進化せし太陽の子の世界、捕まえた。」
雅はBLACK RXの世界のカードをしまう。
「まだ世界は七つ。この4倍も残っているんだ。どんどん行かないと。」
雅は休息をとると、マシンディローダーを走らせた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「雅、ダチじゃなかったんかよ!」
「もしかしたら、私の時のように洗脳されている可能性は。」
「リツ子とマサヒコを返せ、雅!」
「碧陽学園生徒会、終了。」
次回『浸食の波紋』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
どんな世界が敗れたか皆さんにはこちらのコーナーで表示いたします。(以下敗れた順)
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー(ブレイド)
仮面ライダー555 ←new
仮面ライダーBLACK RX ←new 

 

第3話『浸食の波紋』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「羽入が見つからないの!?」
「この世界にいないものは探せないぜ、お嬢ちゃん。」
「犯人の捜索、及び逮捕を!」
「ばれたか…」
「もう、いい人でいるのは疲れたんだ。」
「凪風国家代表の国家代表資格を剥奪。第一級指名手配犯に指定します!」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

その日の夕方、各メディアは慌てふためいていた。
『警察庁より緊急連絡です。本日15時24分をもちまして、国家反逆罪の現行犯で、凪風雅国家代表の資格が剥奪され、指名手配の対象となりました。皆さん、見つけ次第すぐ避難して、警察庁が到着するのを待ちましょう。繰り返します─』
「やはり動きが速いな…」
ラジオ放送で情報を入手していた雅は、他人事のように呟いた。
「いずれ、世話になるかもしれません。その時は…」
雅は、リィンフォースのライダーカードを見ながら言う。
「さて、次のターゲットは…」
雅はメモを見ながら行動に移す。

その頃、次元保護国では、戦える人員を全て集め、特別会議が開かれていた。
「皆さんも知っての通り、この次元保護国に反旗を翻した犯人は仮面ライダーディロード、凪風雅です。まずは、かつて彼が設立したチームディロードの皆さんに、話を伺いたいと思います。前原さん、お願いできますか?」
「はい。雅さんは、いつも俺達の世界を救う事だけを考えて、自分のことは考えていないような人でした。そして、雅さんが次に救う世界は自分の世界で、その妨げになるから、俺達を倒そうとしているのかと、思います。」
圭一は辛そうな顔で答える。
「前原さん、ありがとうございます。私達は、確かに凪風さんに世界を救っていただきました。ですが、私達はどれだけ凪風雅という人物を知っているのでしょうか?」
リンディが提示した質問に沈黙が広がる中、
「雅、俺達のダチじゃなかったんかよ!」
弦太朗が苛立つように言った。
「もしかしたら、ワームとかが化けた偽者とか!」
加賀美は考えた末に案を出すが、
「ディロードライバーは雅さんかフェイトさん以外が触れたらディロードライバーの機能が作動して大爆発を起こして死んでしまいますわ。ですからあり得ませんわ。」
沙都子がその可能性を否定する。
「ミラーモンスターが生きているんだ。もしかしたら、かつて俺の鏡像が出てきたみたいに、ミラーワールドの雅だとか。」
真司が新たに可能性を示唆する。
「でも、あの時の雅の服は反転していなかったわ。間違いなく本物の雅よ。」
しかし、その可能性も梨花が否定する。
「もしかしたら、かつて私が死神博士にされたように、雅君も何者かに洗脳されている可能性は、あり得ないか?」
本郷が新たな可能性を提示する。
「あの時、雅のリンカーコアは安定していました。もし誰かに操られている場合、リンカーコアは波長が乱れます。だから、多分雅は自分の意思で動いていると思います。」
それをフェイトが否定する。
「そうか…」
本郷の言葉で全員が黙ってしまう。
「あのっ!雅君の考えが解らないなら、雅君の考えを見ればいいと思います!」
なのはが提案する。
「なのはさん、ですがどうやって?」
リンディは質問する。
「私に考えがあります。」
なのはが言うと、
「そうね、私も思い当たる節を見つけたわ。」
梨花も反応し、二人は立ち上がる。
「その人の説得、私と梨花ちゃんに任せてもらえませんか?」
なのはは質問する。
「…わかりました。なのはさん、それから梨花さん、無茶はしないで下さいね。それでは、その人の説得はお願いします。」
なのはの案にリンディは許可を出す。
「行こう、梨花ちゃん!」
「そうね、なのは。」
なのはと梨花は早速行動に移す。
「こちらでは、その間に対凪風雅用のチーム編成を行いたいと思います。」
リンディが議題を提示すると、
「なんだ!?雅と喧嘩できんのか?」
カズマが反応する。
「カズマさん、凪風さんが一筋縄で止められないことはあなたもご存知のはずです。」
「けどよ、やっぱり雅とは本気で喧嘩してみたかったんだよ。楽しんじゃいけねえか?」
カズマが話していると、
「そんな考えでは、先が思いやられるな。」
「まったく、先輩より考えることが苦手な人がいたなんてね。」
劉鳳とウラタロスが呆れる。
「おい、てめえら。雅をこのまんま放置していていいのかよ!」
カズマが二人の言葉に反論すると、
「まったくもってその通りだ!」
弦太朗が同調する。
「雅が何を考えているか解らないなら、一度真っ正面からぶつかれば雅が何を考えているか解るはずだ!」
「ですが、そのやり方は危険すぎます。如月さん自身もまた、雅さんに狙われていることをお忘れですか?」
「そんなことは解っている。けど、それなら雅との衝突は避けられない。だったらぶつかるしかないだろ!」
「如月さん、仮に戦ったところで、雅さんの考えが解らなかった場合は?」
「その時はその時だ!」
「それでは作戦になりません。私達は組織で行動しています。一時の感情で作戦の決定は行えません。」
「作戦作戦って、雅は俺達の敵なんかよ!」
リンディの言葉に弦太朗がキレると、
「今の所、それ以外に何があるんだ?」
「あれだけのことをしていて、まだ仲間だとか言っているのか?」
翔太郎とクロノが反論する。
「世界に異変が起きて、その原因を叩く。それを僕達に教えたのは他でもない雅だ。そして、今はその雅が異変の原因。なら雅を捕らえる為に隊の編成とその決心は必要不可欠だ。」
クロノは更に設立を付け足す。
「皆さん落ち着いて下さい。それで、最初の現場から何かわかったことはありますか?」
激化する討論をリンディは静める。
「はい。最初に発見された証拠ですが─」 
リンディの質問に須藤(シザース)が答える。

その頃─
「雅、今ならまだ引き返せる!だから早くリツコとマサヒコを返せ!」
仮面ライダーアマゾンがジャングラーに乗ってマシンディローダーに乗るディロードを追っていた。
「引き返す気は無い。返してほしいなら僕を倒せ!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードはブラストのアタックライドを使ってジャングラーの前輪を撃ち抜く。
「しまった!?」
アマゾンは咄嗟に飛び降り、コントロールを失ったジャングラーは大破し、ガガの腕輪と共にアタックライドのカードに変わる。
「これで、インカの超パワーは使えない。」
ディロードはマシンディローダーから降り、ロードスラスターを構える。
「あくまで、戦うつもりなんだな!」
アマゾンはディロードに跳びかかる。
「やはり、そうきたか。」
【ATTACK RIDE-SPLIT-】
ディロードはスプリットを使ってアマゾンのパンチに対応して分裂し、アマゾンを攻撃する。
「雅には、俺達の世界を救ってもらった恩がある。でも、その雅がどうして俺達を攻撃するんだ!?」
「全ては、世界を救うため。だが…」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
【ATTACK RIDE-BLAST-】
それでもアームカッターで攻撃するアマゾンに、ディロードはスラッシュを、分裂したディロードはブラストを使う。
「これで、終わりだ。」
【【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】】
二人のディロードは必殺技を発動する。
「行くぞ!アマゾン大回転キック!」
アマゾンも必殺のキックを放つが、
「ライダーチョップ!」
「ライダーパンチ!」
二人のディロードから放たれる必殺技の前に敗れ、ライダーカードに封印される。
「さて、まさかジローさんの記憶に、先に捕まえたはずのアマゾンの世界の人達の記憶が残っていた時は計画のチェックが必要かと思ったが、内部コンピュータにインプットされていただけだったから計画に支障をきたす内容ではなかったのが救いだった。とにかく、インカの秘宝を護りし世界、捕まえた。」
雅はアマゾンの世界のカードを拾い上げ、進んでいた道をマシンディローダーで進んでゆく。

「さて、着いたか…」
雅はマシンディローダーから降り、碧陽学園に入る。
「き、来たぞ!」
「こっちだ!」
「早く先生に連絡しないと!」
既に雅が指名手配を受けていることは国内に広まっているため、碧陽学園の生徒達は体育館に避難する。
「しっかり避難訓練の結果が実っているな。しかし、それ故にそれ以上のことは出来ないか。」
【CHANGE RIDE-UNIT GUYBER ACTΙ-】
雅はガイバーΙに殖装する。
胸部開口砲(メガスマッシャー)…」
ガイバーΙから放たれる砲撃によって体育館は消滅し、多数のライダーカードが落ちていた。
「次は校舎だな。」
雅は殖装を解除して校舎に進む。

「久しぶりだな、この廊下を歩くのも…」
雅が感傷に浸りながら歩いていると、
「私がいるこの学園で随分と好き放題してくれるじゃないの?」
生徒会の顧問である真儀瑠が現れる。
「これは真儀瑠先生、お元気そうで。」
「おいおい、私の大切な生徒達にあれだけのことをしておいてその態度か?」
真儀瑠は拳の構える。
「あなたが相手なら、手段を変えよう。」
雅はロードスラスターを構える。そして─

「ねえ杉崎、ここなら大丈夫なの?」
既に碧陽のOGとなっているくりむが杉崎に聞く。
「大丈夫ですよ会長。真儀瑠先生もいますから。」
杉崎はくりむをなだめる。すると、生徒会室をノックする音が聞こえる。
「真儀瑠先生でしょうか?」
真冬は質問する。
「多分違うだろ。」
「そうね、真儀瑠先生なら扉を開けずにこの部屋に入ることくらい簡単に出来るもの。」
その質問に深夏と知弦が答える。
「恐らく雅です。会長達は、その窓から逃げる準備を。」
杉崎が指示していると、
「やらせませんよ。」
いつの間にか雅が入ってきていた。
「雅、いつの間に!?」
杉崎達は身構える。
「ディロードの力があれば、ワープくらい余裕だ。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身。」
雅はディロードに変身する。
「雅、もう逃げ道がないのは解っている。だから、会長達だけでも、見逃してくれないか。」
杉崎はディロードに交渉を持ち込む。
「杉崎…」
「キー君…」
「鍵…」
「杉崎先輩…」
くりむ達は杉崎の心配をする。
「ハーレムを守るのは、主である俺の役目だ。何、心配しないで下さい。上手く何とかして、まt」
【ATTACK RIDE-SHOCK-】
杉崎の言葉を遮るようにディロードはショックのカードを使い、杉崎に高電流を流して杉崎をカードに閉じ込める。
「悪いが、無理な相談だ。」
ディロードはロードスラスターを横に振り、咄嗟に避けた深夏以外のメンバーをカードに封印する。
「会長さん、知弦さん、真冬!」
深夏は叫ぶ。
「あとは一人か。」
ディロードは深夏に近づく。
「雅、よくこんなことが平気な顔して出来るな!?それでも仮面ライダーか!?」
深夏はディロードに殴りかかるが、一般人の拳がディロードを傷つけることなど出来ることもなく、
「碧陽学園生徒会、終了。」
ディロードは深夏を切り裂き、カードに封印する。そして、変身を解除し、
「平気な顔で、出来るわけ無いだろ…」
雅は顔を歪めながら生徒会メンバー達が封印されているカードを拾い上げる。
「後は、残る生徒と、この学園だけか…」
雅はディロードに変身する。
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはスラッシュのカードをロードスラスターにスキャンする。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディメンションインフェルノ。」
ディロードは窓から飛び降りながら必殺技を使って碧陽学園の校舎を破壊して、中に残っていた生徒達と共にカードに封印する。
「これ、二つ追加か…」
雅はカードを拾い上げて、マシンディローダーに乗って、かつて碧陽学園のあった荒野を走る。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「雅君、どうして…」
「雅、そこまでだ!」
「ヒビキさん!」
「本当にお人好しだ…」
次回『消える音撃』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
撃破世界一覧
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー (ブレイド)
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーアマゾン ←new
生徒会の一存 ←new 

 

第4話『消える音撃』

これまでの、仮面ライダーディロードは!
「間違いなく本物の雅よ。」
「対凪風雅用のチーム編成をします。」
「雅、今ならまだ引き返せる!」
「よくこんなことが、平気な顔をして出来るな!?」
「平気な顔で、出来るわけ無いだろ…」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は、何を思う─

「手遅れだったか…」
本郷達昭和ライダーは行方知れずとなったアマゾンに対して呟く。
「それで、どうして本物さん達は、大介さんが消えたことがわかったのですか?」
はやては本郷に質問する。
「これは雅君が教えてくれた話だが、我々の世界は、光太郎君の世界まで、一つの世界として繋がっているらしい。それが理由かは不明だが、大介君の世界が消えたことに対して、我々のOシグナルが反応したんだ。」
はやての質問に本郷は丁寧に答える。
「ほぁ~、ありがとうございます。」
はやてはその答えを理解する。
「さて、僕達は消えた世界の調査が目的だ。雅が何か残していないか探そう。」
クロノの指揮で、昭和ライダーチームは捜査を始める。

「筑波先輩、どうですか?」
天道のチームに振り分けられた筑波と沖は上空から雅の捜索を行っていた。
〝こちら筑波、雅君は発見できません。〟
「この狭い国土で、よく隠れることが出来るものだな。」
「しかも、雅君に襲われた世界は、土地ごと無くなって、一部は荒野になっているのに。」
「それだけ、雅の隠密能力が高いということだ。」
「その分、油断が出来ないということですね。」
天道と沖は筑波からの情報を纏めながら雅について話している。
「そういえば、天道と雅君はどれくらい面識があるのですか。」
「俺の世界での雅の行動を聞くなら、俺より加賀美達の方が詳しい。俺の場合、ワームが擬態した俺と決着を着けて、ひより、妹がどちらの俺に付くか聴いてる時にあっただけだからな。」
「天道の方はそうだったのか。俺の方は、赤心少林拳の特訓の際に協力してもらったんだ。だから解らないんだ。何故そんな雅君が俺達を攻撃するのか。」
「解らなくても、やるしかないだろ。奴は俺達に刃を向けた。妹が危機にさらされているなら、その危機を全力で排除するのが、兄というものだ。」
「それも、御祖母様の言葉ですか?」
「そうでもあり、俺の言葉でもある。さて、筑波から送られた情報を纏めると、恐らく雅は襲撃する世界の何処かに潜伏して、襲撃を終えて世界が消えると、即座にワープを使って次の襲撃地点に移動している可能性が高いな。」
「そうですね。雅君の襲撃に規則性があれば対処も出来るけど、今の所不規則だから目星のつけようもないか。」
「ああ、それに俺達には加速は行えても転移は出来ない。例え追いつけても、こちらで押さえる前に逃げられる可能性が高い。それに合わせた対策も練る必要が出てくるな。」
天道と沖は雅の行動に対して考察を述べる。

「どうだ、一条?何か法則性でも見つかったか?」
警察庁でも、雅の行動の規則性が検証されていたが、
「チームディロードと電王の中に残っている記憶を基に襲撃された世界を順番に並べたんですが…」
一条は順番を纏めた紙を見せる。
「無関係な学生の世界の次に変身忍者。それから仮面ライダーオーズときて人造人間、ブレイド、ファイズ、昭和ライダー、昭和ライダー、学生の世界、か…確かに、何の規則性もないな。」
解析班も頭を抱えていた。

〝さあ、検索を始めよう。翔太郎、キーワードを。〟
「そうだな。仮面ライダーディロード。」
翔太郎はフィリップに検索してもらおうとするが、
〝駄目だ、翔太郎。先ほどと同じ一冊しか残らない。やり直そう。〟
地球(ほし)の本棚の本は、凪風雅に関する一冊を残して消えてしまう。
〝頼むよ、翔太郎。〟
フィリップが再び地球の本棚にアクセスすると、
「私達に任せてもらえませんか?」
梨花以外のチームディロードがやってくる。
〝わかった。それなら、キーワードを三つまで絞ってほしい。〟
「解りました。まず1つ目は、反乱。」
フェイトは、雅自身とは無関係なキーワードを選び、地球の本棚は少量減る。
「次は、維持。」
フェイトの2つ目のキーワードによって、本は棚二つ分に絞られる。
「最後は、救世。」
フェイトは最後のキーワードを発言する。しかし、
〝駄目だ、全て消えてしまった。〟
該当する本は存在しなかった。その後もチームディロードは一丸となって雅と間接的に関係のあるキーワードを選ぶが、該当する本は結局見つからなかった。

捜査班が手分けして調べている頃、ヒビキ達鬼戦士達は雅を発見していた。
「この辺りを探していれば、見つかると思っていましたよ。」
雅は自身を発見したヒビキ達を見てディロードライバーを装着する。
「僕達も思いませんでしたよ。まさか、かつて僕達の世界を救ってくれた雅君が、僕達に刃を向けるなんて。」
「雅君、何かの間違いッスよね!?」
イブキとトドロキは雅に話しかける。
「全ては、僕の世界の為。貴方達ヒーローには消えてもらう必要がある。」
「だとしたら、無関係な学生を襲う必要は無いよな?」
雅の言葉にヒビキが反論する。
「…さて、これ以上は探知されるから、お話はここまでです。…リスクが伴うが、仕方がない。これの出番だな。」
【CHANGE RIDE-FAIZ DRIVER-】
雅はファイズドライバーのカードを使う。そのことで、ディロードライバーから雅の体にオルフェノクの記号が流れ込む。
[standing by?]
雅は5を3回押してエンターキーを入力する。
「変身!」
[complete.]
雅は仮面ライダーファイズに変身する。
「どうやら、やるしかないみたいだな。」
ヒビキ達も変身する。
「3対1か。油断は出来ないな。」
ファイズはファイズフォンをブラスターモードに変えて狙撃するが、硬質感した響鬼達の身体はエネルギー弾を弾く。
「雅君、目を醒ますッス!」
轟鬼が振るう烈雷をファイズは軽々避ける。
「目を醒ますも何も、僕は元より正気です。」
【ATTACK RIDE-AUTO VAJIN-】
ファイズはあらかじめ用意していたオートバジンのカードをマシンディローダーにスキャンしてマシンディローダーをオートバジンに変える。
「ここは、こちらの方がいいか。」
[ready.]
ファイズはオートバジンのハンドルからファイズエッジを引き抜き、接近戦に切り替える。
「動きが速い!?こっちに反撃のチャンスを与えてくれない!?」
伊吹鬼は烈風を構える前に放たれるファイズの攻撃によって照準を定められない。
「響鬼、装甲。」
響鬼は装甲声刃を使って装甲響鬼に変身する。
「ヤバいな。」
[ready.complete.]
ファイズはファイズエッジにセットしていたミッションメモリーをファイズポインターにセットして右脚に装着。更にファイズアクセルのミッションメモリーをファイズフォンにセットしてエンターキーを押してファイズ アクセルフォームに変身する。
「鬼神、覚声。はぁぁぁぁ…」
装甲響鬼は必殺技を発動するために力を込める。
「それをくらうわけにはいかないな。」
[exceed charge.]
ファイズは必殺技を発動し、装甲響鬼に8つのポインターをセットし、
「はぁぁぁぁあああっ!」
「アクセルクリムゾンスマッシュ!」
装甲響鬼のいた場所で大爆発が起こる。
「響鬼さん!」
「雅君!」
伊吹鬼と轟鬼は爆発した二人を見て叫ぶ。
「二人とも、無事ッスかね?」
「そうであってほしい。」
二人が話していると煙が晴れ、力無く立っている装甲響鬼がいた。
「響鬼さん!」
「無事だったんスね!」
伊吹鬼と轟鬼は安心して近寄る。すると、
「鬼神、覚声!ハァァァァァァ………」
装甲響鬼は必殺技を発動し、
「ハァァァァァァッ!!!」
二人をライダーカードに封印する。
「本当に、お人好しな人達だ。」
装甲響鬼はライダーカードを拾い上げ、
「さて、仕上げだ。」
変身を解除した雅は更に、
【CHANGE RIDE-HENSIN ONIBUE ONTEKI-】
仮面ライダー伊吹鬼に変身する。

「ヒビキ君達、大丈夫かな?」
甘味処たちばなでは猛志の関東支部のメンバーは心配そうに話していると、傷だらけの伊吹鬼が入ってくる。
「イブキ君!?酷い怪我だ、大丈夫か?」
支部長の立花伊知郎が近寄ると、
「甘い。」
伊吹鬼は関東支部のメンバー達に鬼石を撃ち込み、
「音撃射、疾風一閃。」
烈風から放たれる高周波によって甘味処たちばなごと関東支部を壊滅させる。
「清めの音を奏でし世界、捕まえた。」
雅は変身を解除すると、マシンディローダーに乗って荒野を走り抜ける。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「雅君、これ以上君を見逃すわけにはいかない。」
「本郷、これも計算の内だ!」
「1度、使ってみたかったんだ。」
「俺はもう何も出来ない。」
次回『ディロード対栄光の仮面ライダー』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ファイズドライバー:ディロードライバーをファイズドライバーに変えて仮面ライダーファイズに変身するためのカード
オートバジン:マシンディローダーをオートバジンに変えるカード
変身鬼笛 音笛:ディロードライバーを変身鬼笛 音笛に変えて仮面ライダー伊吹鬼に変身するためのカード

撃破世界一覧
生徒会役員共
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仮面ライダーオーズ
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仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
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生徒会の一存
仮面ライダー響鬼 ←new 

 

第5話『ディロード対栄光の仮面ライダー』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「雅君を発見できません。」
「一条、何かわかったか?」
〝さあ、検索を始めよう。〟
「目を醒ますッス!」
「本当に、お人好しな人達だ。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は、何を思う─

「雅君、どうして─」
かつて甘味処たちばながあった荒野を見て、良太郎は言う。
「野上、解っているはずだ。もうあいつと戦う道以外残っていない。」
「義兄さん…」
侑斗の言葉に、良太郎は戸惑う。
「良太郎、これはあいつの言うとおりだよ。」
「せや、いつもの良太郎らしくないで。」
「そうだよ。良太郎がしっかりしないと、僕達だって迷っちゃうよ?」
「良太郎、おめえはこういう時ははっきり決められる奴だろ?違うか?」
イマジン達の言葉で、良太郎は何かを決める。
「それで、最初の事件が起きた時間に行って、義兄さんは何か見つかった?」
良太郎はゼロライナーで捜査をしていた侑斗に尋ねるが、
「いや、かなり厄介なことになっている。」
「どうしたの?」
「事件が起きた時間に入ろうとすると、時間がループしているのか、時の砂漠に出てしまう。」
「そうなんだ………待って!?」
侑斗の話を聴いて良太郎は何か思いつく。
「どうした、野上。」
「みんな桜才学園が最初の現場だと思っているよね。」
「そうじゃないのか?」
「うん。だって、そうなったら羽入ちゃんが消えたのは何時になるの?」
「…そうか!?羽入が何時消えたか調べないと、何時から異変が起きていたか調べられない。ありがとう、野上。俺はまた事件を調べなおしてみる。野上も気をつけろ。」
「うん。」
良太郎と侑斗は分かれて捜査に戻る。
「良太郎、すっかり元の調子に戻ったじゃねえか。」
「ありがとうモモタロス、みんな…」
良太郎はイマジン達に礼を言う。


「さて、そろそろ始めるか…」
「俺を捕まえて、どうするつもりだ、雅!」
立花藤兵衛を拘束している雅は、思念通話の魔法を発動する。
〝クロノ刑事、聞こえていますか?〟
「その声、雅か!?」
雅は自身を捜索しているクロノに念話を送った。
〝貴方が本郷さん達と一緒に行動していることは解っています。〟
「何っ!?」
〝それで、本郷さん達に伝言があります。海鳴岬において、立花さんを預かっています。本郷さん達のグループだけで来て下さい。以上です。〟
「待て!?」
雅は連絡事項を話すと念話を断ち切る。
「さて、これでどう出るか、だな。」

「それで、雅君はなんと言っていたんだ。」
「立花さんを預かっているから、僕達のグループだけで来るように言っていました。」
「明らかに罠だな。」
本郷とクロノの話を聞き、茂は考察を述べる。
「だが、ここは俺達だけで行く方が得策だろう。」
「あまりにもリスクが高すぎる!」
風見と結城は意見が割れるが、
「雅君の動きが解らない以上、たとえ後手に回っても雅君の策略に乗る方が得策だ。」
「私も、そう思います!」
啓介とはやてが雅の所へ向かう選択肢を選ぶ。
「それなら、選択肢は一つだな。」
「ああ。」
これまでの意見を一文字と本郷がまとめる。
「それで、雅君はどこにいるんだ?」
「海鳴岬だ。ここからならバイクを使えば15分程度で着く。すぐに向かおう。念のため増援も来れるように手配しておく。」
風見の質問にクロノが答え、はやてとクロノはそれぞれ本郷と一文字の乗る新サイクロン号の後部に乗って海鳴岬へ向かった。

「予想以上に早く着いたか。」
海鳴岬には、藤兵衛を縄で拘束している雅がいた。
「雅君、これ以上君を野放しにするわけにはいかない。」
「雅、君はもう、仮面ライダーを名乗る資格はない!」
「今の君は、力に溺れた怪人となにも変わらない。」
「君には感謝の気持ちがあるが、それとこれは別だ。」
「これ以上被害を出すわけにもいかないからな。」
「それにこれは先輩の弔い合戦でもあるんだ。手加減してもらえると思うなよ!」
本郷達は思い思いのことを口にするが、
「八神刑事と、クロノ刑事も来たのか。」
雅は聞き流すような態度をとる。
「雅君はそこまでやで!」
「国家反逆罪の実行犯として、逮捕させてもらう!」
はやてとクロノは警告する。
「二人は、もっと後で捕まえるつもりだったが、仕方がない。ここで捕まえるか。」
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
雅はディロードライバーをオーズドライバーに変える。
「変身!」
〔サイ!ゴリラ!ゾウ!♪サゴーゾ…サゴーゾ!♪〕
雅は仮面ライダーオーズ サゴーゾコンボに変身する。
「行くぞ、雅君!ライダー…変身!」
「変身!」
「変ん身…ブイスリー!」
「ヤァーッ!」
「大ぃ変身!」
「変ん身、ストロンガー!」
「夜天の光よ、我が手に集え!祝福の風、リィンフォース、セ~ット、アップ!」
「デュランダル、ゴー!」
本郷達は仮面ライダーに変身し、はやてとクロノはデバイスを展開する。
「これならどうだ!」
オーズは両腕に搭載されているゴリバゴーンを発射する。
「甘い!」
発射されたゴリバゴーンをV3と2号が撃ち落とす。
「ライドルホイップ!」
「エレクトローファイヤー!」
Xライダーは近距離から、ストロンガーは遠距離からオーズを攻撃する。
「危ないっ!?」
オーズはゴリバゴーンが無くなった分身軽になったことで、その攻撃を回避するが、
「ディレイドバインド!」 
クロノが放つ拘束魔法で捕らえられる。
「クラウソラス!」
更に、はやてが弾魔法で攻撃しようとするが、
「甘い!」
オーズはその馬鹿力でバインドを引き千切り、ドラミングを行って重力を操作してクラウソラスを撃ち落とし、更に、1号達を超重力空間で押さえつける。
「サゴーゾコンボは、ガメル由来の怪力と、重力の操作が行える。これで終わりだ!」
〔スキャニングチャージ!〕
オーズは必殺技を発動し、上空へジャンプし落下すると、その重力波によって地面が隆起する。
「今だ!」
1号達は超重力空間が解かれる一瞬を狙って回避するが、2号とはやてが引きずり込まれてしまう。
「一文字さん!」
「はやてちゃん!」
ライダーマンとXライダーがそれぞれのロープで二人を引き上げようとするが、
「これも計算の内だ!」
「せやから、任せて!響け、終焉の笛…」
2号とはやてはオーズへの反撃を狙う。
「雅君、受けるといい。ライダーパワー、フルパワー!ライダーパンチ!」
2号とはやてが攻撃の準備を整えた次の瞬間、
「やっぱりやめだ。」
オーズは重力を操作して、2号とはやての周りをほぼ無重力に近い状態に変え、二人は浮上し、その先にはクロノがいた。
「しまった!?」
2号が驚くころには既に遅く、ライダーパンチははやてに放たれ、暴発したラグナロクが2号とクロノを襲い、大爆発が発生し、2号達のカードが落ちてくる。
「さて…」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はオーズの変身を解除し、ディロードに変身する。
【ATTACK RIDE-DURANDAL-】
ディロードはロードスラスターをデュランダルに変える。
「一度、使ってみたかったんだ。」
ディロードはデュランダルを構える。 
「雅、いい加減にしろ!電パンチ!」
ストロンガーは電気エネルギーのパンチを放つが、
「待っていた!」
【ATTACK RIDE-SPLIT-】
ストロンガーの攻撃に合わせてディロードは分裂する。
「しまった!」
ストロンガーは驚く。
「向こうは任せた。」
「そっちは頼んだ。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
分裂した方のディロードはワープを使って何処かへ行く。
「何のつもりだ!?」
Xライダーはディロードに聞く。
「お忘れですか?自分達も標的だということを。」
ディロードはそう言うと、ジャンプして魔法陣を展開する。
「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ…」
ディロードが詠唱を始めると、周囲の外気温が低下し、
「凍てつけ!エターナルコフィン!」
ディロードの魔法発動によって周囲が凍結し始めるが、
「ここは俺達に任せるんだ!V3逆ダブルタイフーン!」
「ライドル風車返し!」
V3とXライダーがそれを防ごうとする。しかし、
「無駄だ。」
凍結の速度は速く、V3とXライダーはエターナルコフィンによって凍りつき、それが砕けると、ライダーカードに封印切される。
「雅!?貴様、許さんぞ!チャージアップ!」
次々に敗れる先輩を前にストロンガーは激昂し、超電子ダイナモを起動させる。
「なら、これだ。」
【CHANGE RIDE-TYPHOON VERSION 2-】
「変身!」
雅は変身を解除してタイフーンを使い、仮面ライダー2号に変身する。
「行くぞ!超電、ウルトラサイクロン!!」
ストロンガーは超電子エネルギーを高めて突進する。
「それをくらうわけにはいかない。ライダーパワー、フルパワー!ライダーパンチ!」
2号は突進するストロンガーをライダーパンチで吹き飛ばすが、
「まだまだ!」
ストロンガーはそれでも突進を止めない。
「このままでは、城さんが自壊してしまう!一か八かだが、仕方がない。フルパワー、ライダーキック!」
突進してくるストロンガーに、2号は回し蹴りを放ち、クレーターができるほどの大爆発が発生し、煙が晴れると、息を荒くした雅がいた。
「雅君、もう諦めるんだ!」
「まだだ!変身!」
【CHANGE RIDE-BIRTH DRIVER-】
[クルッ クルッカポン!]
雅はライダーマンの言葉を無視して仮面ライダーバースに変身する。
「スイングアーム!」
ライダーマンは鉄球のカセットアームを装備してディロードに攻撃しようとするが、
[キャタピラ レッグ]
キャタピラレッグによって機動力を確保して回避する。
「なら、ネットアーム!」
ライダーマンはネットアームでバースを捕らえようとする。
「そう来たか。」
[カッター ウィング]
バースは更にカッターウィングを装備して上空へ飛ぶ。
「まだだ!マシンガンアーム!」
ライダーマンはマシンガンアームを使ってバースを攻撃しようとするが、
[ブレスト キャノン]
バースはブレストキャノンを使ってライダーマンに攻撃の隙を与えず、
[クレーン アーム  ドリル アーム  ショベル アーム]
バースは残るバースCLAW′sを装備してバースデイにパワーアップし、
「バースデイ、フルバースト!」
全火力を注ぎこんだブレストキャノンの一撃を放ち、ライダーマンをライダーカードに封印する。
「まさか、こんな形で雅君と1戦まみえることになるとは、思ってもいなかった。」
1号は身構える。
「僕もです。ですが、始まった以上、やめるわけにもいきません。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅は再びディロードに変身し、
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
コンプリートフォーム サイドライトにパワーアップする。
「本気で行きます!」
【ALL RIDER′S KAMEN RIDE FINAL FORM】
ディロードは平成ライダー最強形態を召喚する。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディメンションパーフェクトヒストリー!」
ディロード達は1号目がけてライダーキックを放つ。
「ライダーパワー、フルパワー!ライダーキック!」
1号もディロードにライダーキックを放つが、平成ライダー達がその攻撃の露払いをし、ディロードのキックが1号に直撃し、1号は爆発。ライダーカードに封印される。
「そちらも終わったのか。」
本郷達の世界をカードに封印したディロードがやってくる。
「あとは、立花さんだけですね。」
ディロードは藤兵衛にロードスラスターを向ける。
「俺には何も出来ない。好きなようにしろ!」
「では、遠慮なく。」
藤兵衛の言葉を聞き、ディロードはロードスラスターを振り下ろして、藤兵衛をライダーカードに封印する。
「栄光の七人ライダーの世界、全て捕まえました…」
雅は変身を解除して藤兵衛達のカードを拾い上げていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「雅君、止まりなさい!」
「仮面ライダーなんて名乗って、ごめんなさい!」
「雅君は、駄目なんかじゃない!」
「一体、何があったんだ?」
「僕の過去を、話す時が来たみたいだね。」
次回『悲壮の告白』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
デュランダル:ロードスラスターをデュランダルに変えるカード
タイフーン(2号):ディロードライバーを2号用のタイフーンに変えて、仮面ライダー2号に変身する為のカード
バースドライバー:ディロードライバーをバースドライバーに変えて、仮面ライダーバースに変身する為のカード

撃破世界一覧
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーアマゾン
生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX ←new
仮面ライダーストロンガー ←new
仮面ライダーV3 ←new
仮面ライダー ←new 

 

第6話『悲壮の告白』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
〝本郷さん達のグループだけで来て下さい。〟
「これ以上君を野放しにするわけにはいかない。」
「1度、使ってみたかったんだ。」
「雅!?貴様!」
「栄光の七人ライダーの世界、全て捕まえました…」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「こちらスカイライダー、ディロードは発見できません。」
「気をつけて下さい。チームディロードからの情報で、先程本郷さん達が雅君にやられたらしい。」
「ありがとう。こちらは引き続き…」
スカイライダーがスーパー1と連絡をとっていると、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ダークネスディメンションヒストリー!」
ディロード コンプリートフォーム サイドダークが必殺技を発動しながらスカイライダーに急接近してくる。
「しまった!ディロードに後ろを取られた!」
スカイライダーはスーパー1とカブトに警告する。
「終わりだ。」
ディロードはダークライダー達と共にスカイライダーにキックを放ち、スカイライダーは爆発。ライダーカードとなって上空から落下する。
「スカイライダー!?」
スーパー1はディロードの前に敗れた先輩を見てショックを受ける。
【CHANGE RIDE-GATACK ZECTER-】
「変身!」
[henshin! cast off!change stag beetle!]
そんなスーパー1の前に、仮面ライダーガタックに変身した雅が現れる。
「なるほどな、俺の世界も、俺以外のライダーは全てやられているわけか。」
カブトがカブトクナイガンを構えながら言うと、
「ライダーだけではない。あなたの世界は、もうあなたしか残っていませんよ。」
ガタックはライダーカードにされている田所、樹花、そしてシシーラワームを見せる。
「ひより!?樹花!?よくも俺の大切な妹を!お前だけは俺の手で倒す!」
カブトは激昂し、ハイパーゼクターを呼び出すが、
「待っていた!」
[clock up!]
ガタックはクロックアップを使ってカブトより素早く行動し、ハイパーゼクターを横取りする。
[clock over!]
「ハイパーキャストオフ!」
[hyper cast off!change hyper stag beetle!]
ガタックはハイパーゼクターを使ってハイパーフォームに変身する。
「ハイパークロックアップ!」
[hyper clock up!]
ガタックは光速で動き、無防備となっているスーパー1とカブトを一方的に攻撃して一カ所に集める。
[maximum hyper power!one two three…]
「ハイパーライダーキック!」
ガタックの必殺キックがカブトとスーパー1に炸裂し、
[hyper clock over!]
光速移動が解除されると大爆発を起こし、二人の仮面ライダーはライダーカードに封印される。
「天の道を往く赤い靴の天使の世界、そして…」
変身を解除した雅がカブトのライダーカードを拾い上げ、スーパー1のライダーカードに手を伸ばすと、
「雅君、止まりなさい!」
かつてスカイライダーとスーパー1を支援していた男性、谷源次郎が現れる。
「自分から捕まりにくるとは…」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
雅はロードスラスターにブラストのカードをスキャンして、谷を撃ち抜く。
「これで、空を飛ぶライダーの世界、心鍛えし惑星開発用改造人間の世界、捕まえた。」
雅はスーパー1、スカイライダー、そして谷のカードを拾い上げて近くの林へ向かう。

その日の夜─
「今度は筑波さんに沖さん、それに天道さんの世界まで…ごめんなさい!こんな…こんな形でしか皆さんを救うことが出来ない…こんな駄目な奴が仮面ライダーで…ごめんなさい!」
雅はカードに封印されているスカイライダー達に答えの帰ってこなかった謝罪と懺悔を行っていた。すると、突然はやてとリィンフォースのカードが光り出す。
「はやて…それにリィンフォース…何か言いたいことがあるのか?」
【SUMMON RIDE-REINFORCE YAGAMI HAYATE-】
雅はロードスラスターを使って二人を召喚する。
「雅、君は駄目な男ではないよ。」
「せや、私達の世界の為に、一生懸命頑張っている。立派なヒーローや。」
リィンフォースとはやては雅を慰める。しかし、
「そんなことはない。本当にヒーローなら、もっと別の方法で皆さんを救う方法を見つけ出せる。だから僕は…」
雅はそれを否定する。
「それは違うよ。恐らく、この世界に起きていることはそんな簡単な問題ではない。そうなれば、雅の選んだ選択肢は誰も否定しないさ。」
それをリィンフォースが宥める。
「それに、昔だって私達や、他の世界のみんなの為に400年なんてえらい長い時間、一度も諦めないで頑張ったやろ?そんな大層なこと、誰にもできへん。せやから、雅君はもっと自分に自信を持って欲しいな。」
はやてが雅に話すと、
「実は、かつて2回程、僕はあの旅を諦めようとしていたんだ。」
雅はそれを否定する。
「そうなのか?」
「1度目は、フェイト達に話したことがあるけど、平穏な世界で寿命が来るまで隠れて過ごしていた時があった。結局、38で病に罹って死に、再び戦地に戻されたけど。」
「そうやったんか…」
「それで、もう1度というのは?」
「あれは今から275年前、僕が旅をはじめてから125年位経ったころ、海賊戦隊ゴーカイジャーの世界に行っていた時の話だった…」
雅はリィンフォースに質問されて語り出す。

雅はゴーカイジャーの世界で居住施設を確保出来ずに近くの公園で野宿することにした。
「この世界は、仮面ライダーがいない世界なだけあって、俺を拒絶する傾向にあるな…」
雅は愚痴のような独り言を言いながらテントを設置して、野宿の準備を進めている。すると、
〝本当に、このままでいいのかい?〟
謎の声立てる聞こえてくる。
「誰だ!?」
雅が後ろを見ると、そこには右翼は美しい天使、左翼は禍々しい悪魔の翼を生やした中性的な青年がいた。
「お前は、何者だ?」
雅は青年に質問する。
「僕かい?僕はアンリ、君達がいう所の天使ってやつさ。」
「そのわりには、悪魔か堕天使みたいな姿をしているみたいだが?」
「僕が天使に見えるか悪魔に見えるかは僕と契約する人の行動一つさ。おっと、話が脱線したね。君は今、あの惨劇をやり直したい。もし仮面ライダーにならなければ誰も苦しまないで済んだと思っているね。」
アンリと名乗る天使は雅の心境を読む。
「そうだな…どうせ俺の思考が粗方読まれているなら、変に嘘をつくよりは認める方がいいか。そうだ。俺は、あの時バアルと契約してこのディロードライバーを手に入れた。でも、今はこう思っているんだ。俺がこのディロードライバーを手に入れた所為で多くの世界が被害を受けたなら、やり直したい。この力を手に入れる前に戻って、ディロードライバーを手に入れる未来を変えたいと。」
「そうだよね。それなら、僕と契約する気はない?」
「契約?」
アンリは雅に質問する。
「僕はね、人の人生を2回だけ、リセット出来るんだ。」
「リセット?」
「そう。今の君のセーブポイントはあの日、君が仮面ライダーの力を手に入れた日の昼間。まだ契約に踏み止まれるわずかな間だ。勿論、そこからまた仮面ライダーになる道を選んでもいい。どうする?」
アンリは雅に説明し、質問する。
「あの悲劇をやり直せるなら、お前の契約にのる。」
雅は契約する道を選ぶ。
「そうか。それならカードの中にリセットってカードがあるよね?それを使えば、セーブポイントに戻れる。あとは君次第さ。」
「…分かった。」
【ATTACK RIDE-RESET-】
雅はリセットのカードを使う。

「…ここは…」
雅は、城南大学付属高校の制服を着て通学路に立っていた。
「…ディロードライバーが無くなっている。本当にあの日に戻れたのか。」
雅は下校の為に道を歩いてゆく。そして、その夜は何もせずに眠りにつき、そして…
「どうして…なんで大ショッカーが!?」
雅が目を覚ますと、大ショッカーの軍団が街を破壊して回っていた。
「今はディロードライバーも無い…このまま、世界が滅びるのを…待つしか俺には出来ない…」
雅は泣きながら呟く。
〝どうやら、君がディロードを捨てても、結果は変わらないみたいだね。〟
「アンリ!?」
雅が振り向くと、アンリが現れる。
「どうする、もう一回リセットしてみる?と言っても、もう一つのセーブポイントは僕と契約した時、つまり仮面ライダーディロードとして、戦いの連鎖の最中にいる。そんな状況だけど?」
「もう一度、リセットするさ。この光景を見て、目が覚めた。大ショッカーと戦うのは、誰がどう言おうと俺の使命だ。」
「どうしてだい?」
「それは俺が装填の守護者…仮面ライダーディロードだからだ。」
雅が宣言すると、アンリは笑う。
「君ならそう言うと思っていたよ。さあ、携帯のメールを開いてごらん。そこに書かれているリセットをクリックすれば、君はセーブポイントに戻れるよ。」
「分かったよ。アンリは悪魔でも、天使でもない。アンリは、人間の心そのものだ。だけど、おかげで大切なものを取り戻せた。」
雅はメールに添付されていたリセットをクリックする。

雅の意識が戻れると、公園に設置したテントの中にいた。
「…戻ってきたのか。この戦いの日々に。でも、俺はもう迷わない。今度こそ、この手でみんなを守ってみせる。俺は仮面ライダーディロードだ!」

「…ということがあったんだ。」
雅は話を終える。
「そないなことが、あったんか…」
「結局、みんなを救えたのは、それから250年後のことなんだけどね。」
「それでも、君は立派に仮面ライダーとしての使命を果たしただろう。だから私も、そして我が主も、君に協力しようとしているのだろ?」
雅の言葉に、リィンフォースは思いを伝える。
「そう言ってもらえると、すごく嬉しい。」
「雅君、すごいええ笑顔や。さっきまでのしょぼくれた顔とはえらい違いや。」
雅の顔を見て、はやても笑顔になる。
「…!?敵襲だ。はやて、リィンフォース、二人はカードに戻るんだ。この反応は─」
「湖の騎士に蒼き獣─」
「シャマルと、ザフィーラか…」
雅の言葉を聞いてリィンフォースとはやてはライダーカードに戻った。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「はやてちゃんを返して!」
「厄介な陣形だな。」
「俺は不死身だ!」
「攻撃など、通させん!」
「これに賭けるか。」
次回、『鉄壁の攻防』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ガタックゼクター:ディロードライバーをガタックゼクターに変えて仮面ライダーガタックに変身するためのカード

世界紹介
リセット:後悔のある人生を歩んだ人の前にアンリと名乗る堕天使が現れ、その選択とは異なる道を選ぶ権利を与える。戻った先の人生にあるものは…
因みに、今回の話で登場したアンリは昔ドラマで放送された方ではなく、原作の少女漫画の方の設定を優先しています。ただし、雅はゲームを持っていないので、どちらとも異なるイレギュラーな方法をとらせていただきました。

撃破世界一覧
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーアマゾン
生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト ←new
仮面ライダー(スカイライダー) ←new
仮面ライダースーパー1 ←new 

 

第7話『鉄壁の攻防』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「こちらスカイライダー、ディロードは発見できません。」
「こんな駄目な奴が、仮面ライダーなんて名乗っていてごめんなさい!」
「雅、君は駄目な奴なんかじゃないよ。」
「どうする、リセットする?」
「俺は、仮面ライダーディロードだ!」
「敵襲だ!この反応は…」

装填の守護者ディロード、幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「雅君、大人しく捕まって!それから、はやてちゃんを返して!」
既に騎士甲冑を纏っている社長が雅に警告する。
「他の民達も返してもらうぞ!」
人間形態に変身したザフィーラが言葉を付け足す。
「雅君、俺の子を返してくれ!」
「どうやら一発痛い思いをしてもらう必要があるみたいだな。」
更に風祭と葦原が雅に言う。
「シャマルさんとザフィーラはリンカーコアを通して分かっていたが、風祭さんと葦原さんは想定外だった。これは厄介な陣形だな。」
雅はそう言うとディロードのカードをディロードライバーにスキャンする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「俺達も行くぞ!変身!」
葦原はメタファクターを出現させて仮面ライダーエクシードギルスに、風祭は怒りの感情で改造兵士の細胞を活性化させて仮面ライダーシンに変身する。
「行くぞ!」
ザフィーラはディロードに拳を放つが、
「やはり、これの出番か。」
【ATTACK RIDE-SPLIT-】
ディロードはその拳を受けて分裂する。
「しまった!?」
「大丈夫よザフィーラ、雅君の本体は捕捉しているわ!」
ザフィーラのミスをシャマルはフォローする。
「まずは風祭さんと葦原さんを分断する必要があるな。」
分裂したディロードはエクシードギルスと交戦する。
「雅、お前の悪さもここまでだ!」
エクシードギルスは紅い触手、エクシードフィーラーを伸ばしてディロードを縛りあげる。
「まだだ!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはロードスラスターにスラッシュをスキャンしてエクシードフィーラーを切り落として脱出するが、ディロードが体勢を立て直すころには、エクシードフィーラーは再生していた。
「ここは、一気に片を着ける必要があるな。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディメンションインフェルノ!」
ディロードはロードスラスターを使って必殺技を発動するが、
「危ない!?」
エクシードギルスは咄嗟にジャンプする。しかし、次元の刃がエクシードギルスを切り裂き、腰から先が切り落とされる。
「俺は…不死身だ!」
エクシードギルスは内に秘める再生能力を最大限に発揮して直ぐさま再生させる。
「やはり、一筋縄では行かないか。」
ディロードはロードスラスターを構える。
一方、シン、ザフィーラと戦闘を行っているディロードも苦戦を強いられていた。
「これならどうだ!」
【ATTACK RIDE-ARMED SABER-】
「鬼神、覚声!」
ディロードはロードスラスターを装甲声刃に変えて必殺技を放つが、
「攻撃など、通させん!」
それをザフィーラが防ぎ、
「ザフィーラ、待っていて!」
シャマルが即座に回復させるためザフィーラの防御を突破出来ずにいた。無論、ディロードが苦戦している理由はまだある。
「だったらこれだ!」
【ATTACK RIDE-ONGEKIGEN RETURAI-】
ディロードはロードスラスターを音撃弦 烈雷に変えてシンを切り裂くが、その傷はまるで無かったかのように直ぐさま再生し、シンはディロードに攻撃を放つ。仮面ライダーシンは、資料によっては究極の改造兵士と称される時がある。その理由は、異様な再生能力による戦闘継続能力である。シンをはじめとするレベル3の改造兵士は身体を負傷した際、体組織の81%が無事な場合、わずか0.1秒で再生してしまう。即ち、一撃で倒しきらないとシンは再現なく再生するため、倒すことが非常に困難である。しかし、その一撃で倒せる攻撃はザフィーラが防御し、その傷をシャマルが即座に癒してしまうため長時間の戦闘は最終的にディロードに不利となる。
「まずはザフィーラを何とかしないと。」
ディロードは速攻でザフィーラを倒そうとロードスラスターで斬りかかるが、その細やかな攻撃はシンが防ぎ、即座に回復してしまう。
「それなら、カルテットバインド・ダブルトラップ!」
エクシードギルスと戦闘していたディロードはエクシードギルスとシンの二人をバインドで拘束する。
「そして、これを!」
【CHANGE RIDE-DELTA DRIVER-】
【CHANGE RIDE-HENSIN ONSA ONKAKU-】
「変身!」
[standing by? complete.]
「響鬼…装甲ッ!」
ディロードは仮面ライダーデルタと装甲響鬼に変身する。
「チェック!」
[exceed charge.]
「鬼神…覚声!」
装甲響鬼の斬撃がザフィーラを切り裂き、
「ルシファーズハンマー!」
デルタの必殺キックがザフィーラに直撃し、ザフィーラはライダーカードに封印される。
「ザフィーラ!?」
ザフィーラが敗れたことでシャマルは戸惑う。
「まだだ!行くぞ風祭!」
〝ああ!〟
しかし、エクシードギルスは咄嗟にシンと連携を組んで変身を解いた二人のディロードに飛びついて攻撃する。
「次はどちらを対処するか。」
「次は葦原さんの方がいいだろう。消耗戦になった時、葦原さんのパワーに圧される。」
「分かった。」
【【CHANGE RIDE-SUNRISER-】】
「「変身!」」
二人のディロードはロボライダーとバイオライダーに変身する。
「人の仲間をそうやって道具にして、何が楽しいんだ!?答えろ!雅!」
エクシードギルスはエクシードフィーラーとエクシードクローを展開してロボライダーとバイオライダーを攻撃する。しかし、
「楽しくて戦う仮面ライダーがいないことは、同じ仮面ライダーである葦原さんなら解るはずです。」
ロボライダーは持ち前の防御能力で、バイオライダーはゲル化能力を利用して攻撃を防ぐ。
「まずは、シャマルさんのサポートを断ち切る必要があるな。」
ロボライダーはクラールヴィントを見る。すると、クラールヴィントはシャマルから流れていた魔力供給を受けることが出来なくなり、停止してしまう。
「クラールヴィント、返事をして!?」
シャマルは必死に呼びかけるが、クラールヴィントは反応しない。
「やはり、アームドデバイスにも、多少の機材が入っていたか。」
なのは達の世界に存在するデバイスシステムは、魔導科学によって生み出された補助システム。当然、機械を多少積み込むことでその真価を発揮する。しかし、今回はそれが仇となった。ロボライダーは、隠された力の一つに、周辺にあるありとあらゆる機械のコントロールを得る能力を持つ。ロボライダーはその力を用いてクラールヴィントのエネルギーラインを強制的に遮断したのだ。
「しまった!?」
エクシードギルスは事態を把握して身構える。
「行くぞ!」
ロボライダーとバイオライダーはその身体能力を活かしてエクシードギルスを攻撃する。バイオライダーは、スマートな見た目から想像もつかないが、キックの力は全ライダー1番と呼ぶに相応しい力である。一方、ロボライダーは機械装甲故に一撃が強力である。
「くっ!」
BLACK RXの2形態からの攻撃を受けてエクシードギルスは圧されてゆき、
「ボルテックシューター!ハードショット!」
「バイオブレード!スパークカッター!」
ロボライダーの必殺の射撃とバイオライダーの必殺の斬撃を受けてエクシードギルスは敗れ、ライダーカードに封印される。
〝葦原さん!?〟
シンはバインドが解除されると変身を解除したディロードを攻撃する。
「おっと。済まない、そろそろ時間切れだ。」
分裂したディロードは攻撃を避けるが、スプリットの効果が切れて消滅する。
「やはり長時間の消耗戦は不利か。それなら、これに賭けるか。」
【CHANGE RIDE-CYCLOAD-】
「変身!」
ディロードは仮面ライダースーパー1に変身する。
「さて、スーパー1のスーパーハンドが、本当にドグマ帝国の調査通りなら、これで一撃のはずだ。」
スーパー1はシンに渾身の拳を放つ。その一撃は凄まじく、シンの身体を5メートルも吹き飛ばし、手足がもぎ取れるほどであったが、そんな損傷も2秒経つ頃には完全に再生していた。
「ドグマ帝国の調査も杜撰だな。本当に1万メガトンもあれば、どんな生物も負荷に耐えきれなくて肉体の形を失うはずなのに。」
スーパー1は再生したシンを前に拳を構える。
「チェンジ、パワーハンド!」
スーパー1はパワーハンドにファイブハンドを変える。
「行くぞ。スーパーライダー爆裂パンチ!」
スーパー1はパンチ力500トンから繰り出されるパンチを合計10発シンに放つ。流石のシンも、連続パンチに対して再生が追いつかず、最後の一発を受けてライダーカードに封印される。
「さて、残りはシャマルさんだけですね。」
クラールヴィントの復旧作業を行っているシャマルに、ディロードはロードスラスターを近づけ、
「終わりだな。」
それが振り下ろされ、シャマルはライダーカードに封印される。
「真の究極兵士の世界、捕まえた。」
雅はシャマル達のカードを拾い上げると、ワープのカードを使って移動した。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「私でお役に立てるのでしょうか?」
「何故お前が秩序を乱す!?」
「どれだけの国が、この国を狙っていると思う!?」
「「ユニゾン、イン!」」
「しまった!?」
次回『結成!リリカルフレンドシップなの』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
音撃弦 烈雷:ロードスラスターを音撃弦 烈雷に変える
デルタドライバー:ディロードライバーをデルタドライバーに変えて仮面ライダーデルタに変身するためのカード

撃破世界一覧
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーアマゾン
生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト
仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~序章(プロローグ)~ ←new 

 

第8話『結成!リリカルフレンドシップなの』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「俺の子を返してもらうぞ!」
「仲間を道具みたいに扱って楽しいのか!?」
「同じ仮面ライダーなら解るはずです。」
「クラールヴィント、返事をして!?」
「真の究極兵士の世界、捕まえた。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「まさか、シャマルとザフィーラまで敗れるとは…」
「雅の奴、ぜってえ許せねえ!」
シャマル達とディロードの戦闘をモニター越しに観ていたシグナムとヴィータは会議室で怒りを露わにしていた。
「シグナムさん、ヴィータさん、落ち着いて下さい。ここにいる皆さんが、同じ思いです。」
リンディは二人を宥めようとするが、
「お前らにあたしらの気持ちなんてわかんねえだろ!」
「我々は、既に主はやてを奪われ、その弔いをしたかった。しかし、仇討ちはおろか、それすら叶わずに我らが仲間を奪われ、我々は何も出来ず終い。今とて、憎しみで押し潰されるのを耐えるのがやっとだ。」
ヴィータは更に激昂し、シグナムは心境を話す。
「ヴィータさん、シグナムさん、申し訳ありませんでした。」
シグナムの話を聞きリンディが謝ると、なのは達が会議室に入ってくる。
「リンディ長官、お待たせしました。」
「彼女の説得に成功したわ。」
なのはと梨花が報告すると、かなみが入ってくる。
「あの、私なんかで本当にお役に立てるのでしょうか?」
「なるほど、なのはさん達が言っていた方は、かなみさんでしたか。」
自身を力不足と感じるかなみだが、かなみを見てリンディは納得した。
「大丈夫だよ、かなみちゃん。今回は、かなみちゃんの力が必要なの。」
なのはが立てた作戦、それは戦闘班がかなみを守り、かなみのアルター能力、(ハート・トゥ・ハーツ)を用いて雅の思惑を探ることであった。
「わかりました。出来る限り、頑張ってみます。」
なのはからの言葉を受けてかなみが頷くと、
“こちら劉鳳。今ディロードと交戦中だ。応援を要請する。”
劉鳳から通信が入る。
「かなみちゃん、早速出番みたい。行こう?」
なのはがかなみに右手を差し出す。
「はい。」
かなみはなのはの手を取る。
「私も行くわ。」
そこに梨花も加わる。
「梨花ちゃん、大丈夫なの?」
「忘れた?私もディショットシステムを持っているわ。嫌な話だけど、雅が倒れた人達のカードは、私達チームディロードも使えるわ。」
心配するなのはに梨花は答える。
「それじゃあ、私達はこの三人でチームだね!」
なのはは梨花を引き寄せて三人でディロードが戦闘を行っている地点へ向かう。

「雅、これ以上の破壊工作は止めろ!何故お前が秩序を乱す!?こんなことに意味があるというのか!?」
劉は絶影の最終形態を纏ってディロードと戦っていた。
「ありますよ。劉鳳さんはこの国が一体、いくつの国に狙われていると思っているのですか!?」
ディロードは劉鳳からの攻撃を防ぎながら話す。
「一体なんの話だ!?」
「この国は、貴方達ヒーローが存在することで脅威と感じて攻撃対象に認定している国家、この国の人達を洗脳して自国の戦力にしようと企んでいる国家がいくつかある。その実数が把握できていますか。」
「そんな国があるものか!?」
「調べた限りでは、この国を狙っている国は七ヶ国。内訳はドイツ、フランス、ロシア、韓国、北朝鮮、オーストラリア。そして貴方の故郷とも呼ぶべき中国です。どうですか、国交を未だ結べず、後ろ盾のないこの国は国土を考えれば制圧は簡単です。」
「…そんな…」
「だからこそ、この国を守る簡単な方法が、貴方達ヒーローに消えてもらって、元の不毛な荒野に戻すのです。彼等はこの国の国民に価値を見出している。そうなれば」
「だからといって、それで国民を殺していいことの理由にはならない!」
「そんなことは百も承知です!」
【SUMMON RIDE-YAGAMI HAYATE-】
ディロードは劉鳳の刃を弾くと、はやてを召喚する。
【ATTACK RIDE-UNISON-】
「はやて、行こう。」
「…うん!」
「「ユニゾン、イン!」」
【FORM RIDE-DELOAD SAINT SNOW RAIN-】
ディロードははやてとユニゾンしてセイントスノーレインにフォームチェンジする。
「行くぞ、ブリューナク!」
ディロードはシュベルトクロイツから弾魔法を展開して劉鳳を攻撃するが、劉鳳は持ち前の高速移動で回避していると、
「劉鳳さん、応援に来ました!」
かなみ達がやってくる。
「雅君、私達と一緒に来て!」
「雅も、本当は間違っていることくらい解っているはずよ!」
なのはと梨花は説得を持ちかけるが、
「クラウソラス。」
ディロードは問答無用に射撃魔法を放つ。
「かなみちゃん、私達リリカルフレンドシップの初仕事、頑張って。」
「なのは、その変な名前は何?」
「変かな?私なりに私達に合わせたチーム名にしてみたんだけど。」
なのはと梨花が掛け合いをしている中、かなみはアルター能力を発動する。しかし、
「……………ッ」
顔を真っ赤にしてしゃがみ込んでしまう。
「雅、かなみに何をした!?」
劉鳳が雅に問う。
「かなみさんが来た時点で大抵目的は解っていた。おおよそ、僕の思考を読み取って僕の動機を調べようとしたのでしょう。だから、考えていることをちょっと変えただけです。まあ、かなみさんくらいの年齢には、少々刺激的だったみたいですけど。」
『雅君、それならそうと言ってな。一瞬、雅君は戦闘中に何考えとるんや、て思ってもうたわ。』
「済まない。この方が自然に行くと思ったんだ。」
ディロードの作戦ははやてにも伝えていなかったため、はやて自身も驚いていた。 
「さて、これで隙が出来た。はやて、サポートを頼む。カルテットバインド!」
『了解や!レストリクトロック!』
ディロードは自身の魔法でなのはを、ユニゾンしているはやてはそれをサポートするために夜天の書が蒐集したなのはのバインド魔法で劉鳳を拘束する。
「しまった!?」
「そんな、はやてちゃんまで!?」
劉鳳となのはは驚く。
『どうする雅君。アーテム・デス・アイセスはすぐ使えるで!』
「いや、今回はかなみさんだけでいい。なのはと劉鳳さんはもう少し後だ。」
『了解や!ACS、ドライブ!』
雅とはやては相談をして、はやてはシュベルトクロイツの出力を最大級に上げる。
【FINALATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「『マニューバストライク!』」
ディロードはシュベルトクロイツの刃を構えて魔力エネルギーを爆発させ、かなみに向かって突進する。
「危ない!?」
【KAMEN RIDE-FAIZ-】
梨花は咄嗟にディショットシステムを使って仮面ライダーファイズに変身してかなみを庇うが、
「…仕方がない。このまま行くしかないか。」
ディロードはそのまま突進して、ファイズを突き刺しながらかなみのことも突き刺し、二人をライダーカードに封印する。
「さて、二人はまだ捕まえるのには早い。今は撤退だ。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
ディロードはライダーカードを拾い上げると、ワープのカードを使って離脱する。
「…クソッ!」
バインドが解除され、地面に落下した劉鳳は、地面を殴る。
「劉鳳さん…」
「雅め…絶対に許すものか!」
劉鳳は、普段は見せない怒りを露わにしていた。

「ここなら大丈夫か。ユニゾンアウト。」
ディロードはユニゾンを解除して、変身を解く。
「はやて、先ほどは戦闘中に迷惑をかけた。済まない。」
雅ははやてに戦闘での行為について謝る。
「大丈夫や。むしろ安心したで。やっぱり、雅君も男の子なんやなって。」
はやては笑う。
「どうしたはやて?」
「だって雅君いつも気難しい顔して辛そうにしていたやん。せやから心配していたけど、余計な心配やったな。それより…」
はやては笑う。
「なんだ?」
「雅君はああいうシチュエーション?が好みなんか?」
はやてはからかうように雅君に質問する。
「そんなわけあるか!?いくら何でもそれは心外だ。」
「冗談や。やっぱり、真面目な所は雅君は変わってないなぁ。」
「まあ、人はそうそうは変われないからな。」
「それで、結局どんなのが好みなんや?何やったらリィンフォースにやらせてもええで?ほら、リィンフォースくらいないと、できないこともあるし。それともあれか?私くらい無い方のがええか?」
 はやては再び雅をからかう。
「…はぁ。はやてが耳年増なのはこの頃からなのか…」
雅は呆れながら小声で喋る。すると、
「あれ、雅君どないした?」
はやてが話しかける。
「いや、それだけ悪戯が過ぎると、将来小狸と言われるぞって思っただけだ。」
「なんやそれ?変な雅君。」
雅とはやての会話はその後も続いた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「返してほしいんだろう?」
「あの一瞬へ戻れる鍵だ。」
「私は、プロのスパイだから!」
「ボクも、まだ旅を続けたいので。」
「そういうからくりだったか。だったら、俺達はここら辺で退場させてもらう。いいだろう?俺の大切な頂の(くら)ヘカテー。」
次回『戦士の消失-lost hero-』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーファイズ:ディショットシステムで使用した場合、2分間のみ仮面ライダーファイズに変身できる。

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仮面ライダーオーズ
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生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト
仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~ 序章プロローグ~ 

 

第9話『戦士の消失-lost hero-』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「こんなことになんの意味があるんだ!?」
「この国を狙っている国家がどれだけあると思っているのですか!?」
「間違っていることは百も承知です!」
「「ユニゾン、イン」」
「あの二人は捕まえるのにはまだ早い。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「おい、劉鳳!おめえがいながらどうしてかなみを守れなかったんだ!答えろ!」
会議室に入ってきた劉鳳を、カズマは胸ぐらを掴んで殴る。
「……それは」
「それは何だよ!さっさと言えよ!」
カズマは怒りを劉鳳にぶつける。
「カズマさん、そこまでにしなさい。」
リンディの言葉を聞きカズマは黙る。
「今は私達で争う余裕はありません。こうしている間にも、ただの一般人も凪風雅によって消されています。そして、凪風雅はそれを人質に私達に揺さぶりをかけてきます。」
「んなことは分かってる。けど、お前らも大切な奴が雅にやられて、黙っていられるんか!?」
「カズマさん、例え黙っていられなくても、それを事件解決に持ち込んではいけません。今、凪風雅と戦っている平井さんとキノさんも、同じ気持ちで戦っています。」
リンディはディロードと戦っているシャナとキノをモニター越しに観ながら言う。
「シャナとキノもかよ…」
次元保護国では、シャナは平井ゆかりとして国民登録されているため、公共の場では、登録名で話をする。

「やっぱり“逆理の裁者”(ベルペオル)のババアを一撃でやりやがっただけあって、俺達の攻撃も効かないな、俺の愛しい“頂の座”ヘカテー。」
「そうですね。ですが、私は貴方の物ではありません。」
紅世の王“千変”シュドナイと同じく紅世の王“頂の座”ヘカテーはいつものやりとりをしながらディロードの攻撃を避けていた。
「さて、さっきから僕の首を狙って狙撃しているキノさん。やはりあなたもエルメスさんを取り返したいのだろう?」
ディロードは遠方からパースエイダー(注:パースエイダーとは銃器。)のフルートで自身の首を狙って狙撃しているキノを見ながらキノに質問する。
「いえ。エルメスが貴方に捕らえられたのはエルメスのミスなので。ボクは、国から頼まれたので貴方と戦っているだけです。」
ディロードの質問にキノは答える。
「そうですか。それにしても、ちまちまと撃たれているのは意外と厄介だ。ここは彼女の出番か。」
【SUMMON RIDE-TOKIDO SAYA-】
ディロードはこの世界と融合しなかった『リトルバスターズ!EX(エクスタシー)』の世界の登場人物である凄腕のスパイ、朱鷺戸沙耶を召喚する。
「朱鷺戸さん、プロのスパイであるあなたに、一つ依頼があります。」
「ふーん。内容と報酬は?」
「先ほどから僕を狙撃している彼女の始末。報酬はこの鍵です。」
「依頼の内容は簡単だけど、その鍵は何?馬鹿にしているの?」
「この鍵はあの一瞬へ戻れる鍵です。既に物語が閉じられてしまった、永遠の1学期。」
「それって、つまり…」
「はい。あなたが求めていた、奇跡の時間です。」
ディロードが説明すると、
「っしゃきたー!みてなさい。こんな仕事ちゃちゃっと片付けて、すぐに理樹君の所に行くんだから!」
沙耶は急にテンションを変えて仕事にとりかかる。
「さて、あっちはこれで安心だから、僕はこの三人をどうやって捕まえるか、だな。」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはスラッシュのカードを使う。
「ほう。そちらも本気を出してきたというのか。それなら、こちらもこれでいこう。」
シュドナイは自身の能力を使い、漆黒の甲冑を纏った姿に変身する。
「これならどうだ!」
ディロードはシュドナイに斬撃を放つが、その攻撃は防がれ、
「今だ、ヘカテー。それから“炎髪灼眼”。」
「はい。(アステル)!」
「あんたに言われなくても!悠二は私が取り戻す!」
ヘカテーは杖から弾幕状の攻撃を、シャナは炎の拳でディロードを攻撃する。
「危ない!?」
【ATTACK RIDE-BARRIER-】
ディロードはバリアを使ってシャナとヘカテーの攻撃を防ぎ、
「ここは、これの出番か。」
【ATTACK RIDE-BLUTSAUGER-】
ディロードはロードスラスターにアタックライドのカードをスキャンして、かつてシャナが坂井悠二に渡した片手用大剣型宝具“吸血鬼”(ブルートザオガー)を手に取る。
「さて、一気に行くぞ!」
ディロードは跳びあがり、出来る限りの存在の力を込めてシャナに“吸血鬼”(ブルートザオガー)で斬りかかる。
「しまった!」
シャナは、まさかディロードが自身のいる距離までジャンプしてくるとは考えておらず、不意の一撃に対処が間に合わず、その一撃を受けてライダーカードに封印される。
「さて、このままでは危険だから…」
【CHANGE RIDE-KLARWIND-】
「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで…」
クラールヴィントの力を使って、ディロードの変身を解除した雅は、“吸血鬼”(ブルートザオガー)を使用するために使った存在の力を完全回復する。
「あのミステスのガキが使う宝具で一気に決着を着け、回復の魔術を隙なく使用して削った命の回復も同時に行うとは、流石は装填の守護者だ。」
シュドナイは雅の戦い方に評価をしていた。

一方、沙耶の方は─
「あんた、なかなかやるじゃないの!」
「いろいろな国を旅してきましたので。」
「そうなんだ。じゃあ、やっぱり死にかけたこともあるの?」
「そうですね。ボクの生まれ故郷で、一度。それから、ボクを救ってくれた旅人の御家族の家で、一度。」
「そうなんだ。どうりで強いわけだ。でも…」
沙耶は弾を湯水のように、キノは着実な一手を決めるように銃撃戦を行いながら話していた。
「私は、絶対に負けられない!私はプロのスパイだから!」
沙耶は腕の裾に隠していたマシンガンを取り出してキノを撃つが、間合いが悪く、キノに当てられない。
「そう言えば、雅さんが貴方に見せていたあの鍵は、一体何ですか?」
「あれはね、私の世界にとって大切な鍵でね、永遠に終わらない1学期に行けるの。」
「終わらない1学期、貴方は学生ですか?」
「ううん、違うわ。」
「それでは、どうしてその鍵が必要なのですか?」
「私が学園生活を送るには、どうしてもそこじゃないといけないの。」
「ではどうして、その世界にこだわるのですか?」
キノは話の核心に迫る。
「朱鷺戸沙耶っていう名前は、本当の名前じゃなくて、私の好きなスパイ漫画のヒロインの名前なの。私の本当の名前はね、あやっていうの。」
「では、あやさんはどうしてそのことをボクに話したのですか?」
「あなたは、誰かを愛したことってあるかしら?」
「いいえ。」
「誰かを愛する事ってね、呪いみたいなもので、結ばれないと、ずっと呪われたままになっちゃうの。でもね、それと同時に、もの凄く心を熱くさせるの。」
「では貴方は、その好きな誰かの所へ行きたいのですか?」
「それは理由の一つ。あなたはこれから私に殺されるから話すけど、あやって女の子はね、もうこの世界のどこにもいないの。」
「つまり、貴方は霊体ということですか?」
「そう。あの日、ある山道の工事に医師として動向した時にね、土砂崩れに巻き込まれて死んじゃったの。でもね、その場所で、偶然にも私の初恋の男の子が事故にあって、みんなでその子を救うために、1学期を繰り返す世界が生まれたの。私はその世界に迷い込んで、偶然にもその世界を作った人も読んでいた漫画の、朱鷺戸沙耶のふりをして、その子に近づいたの。だけど、その世界はもう、壊れる寸前でね、その世界のマスターは、私の魂を救うために、私の願いを叶えようとしてくれた。」
「では、そんな貴方が、どうしてその世界へ?」
沙耶の真実を知ってもなお、キノは平静を保って沙耶に質問する。
「だって…そこじゃないと…理樹君と一瞬に居られないもん!私は既に死んじゃっている。でも理樹君が死んで私に会えるまであと何十年あるの!?そんなに待っているなんて、私には無理!」
「ですが、その世界へ行っても、貴方に幸せはないと思われますが。」
「そんなの解っている!理樹君を殺そうとする所から始まって、一緒にスパイごっこをして、最後には細菌兵器で死んで、それが巻き戻って小さい頃に戻って、その十年後に事故で死んで、それを繰り返すことになっても!私には、もうそうするしか、理樹君と青春を謳歌する方法がないんだから!だから、まずはあんたを殺して、報酬を手に入れる!」
沙耶は戦闘機搭載用ガトリングを持ち出し、がむしゃらに弾を放つ。流石のキノでも、特殊ガトリングの弾幕、避けることは出来ず、カードに封印される。
「さ、これでいいんでしょう?早く鍵を渡して。」
沙耶はキノのカードを雅に渡す。
「ありがとうございます。それでは。」
雅が沙耶に鍵を渡すと、沙耶は綺麗な光の粒子となって消え、沙耶のカードは完全に消滅する。
「向こうが片付いたなら、あとはこちらだけか。」
【CHANGE RIDE-BLAYBUCKLE-】
「変身!」
[turn up!]
雅は仮面ライダーブレイドに変身する。
「装填の守護者、これまでの戦いで、お前の目的は解った。そういうからくりだったか。俺達はここら辺で退場しよう。そうだろう?俺の大切な“頂の座”ヘカテー。」
「私はあなたの物ではありません。しかし、あなたの言うとおりですね。」
シュドナイとヘカテーは、雅の目的を知ると、笑いながら降伏の意思を見せる。
「ありがとうございます。」
[kick tundra much lightning sonic!]
「ハァッ!」
ブレイドはライトニングソニックをヘカテーに放ち、ヘカテーをライダーカードに封印し、
[absorb queen!evolution King!]
キングフォームに変身する。
[loyal street flash!]
「あなたで、最後です!」
ブレイドは必殺の砲撃を放ち、シュドナイを封印する。本来、シュドナイは真名である千変が示す通り、個たる姿を持たず、存在の炎も自由に動かすことが出来るが、ロイヤルストレートフラッシュは対象に肉体を包むように放たれるため、いくら存在の炎を動かしても、確実に対象を捉えることが出来た。
「国を観る旅人の世界、炎髪灼眼の倒滅者の世界、捕まえた。」
雅は、変身を解除してシャナ達のカードを拾うと、マシンディローダーに乗って移動した。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「流石に、もって2分が限界か。」
「行くぜ行くぜ行くぜ!」
「さあ、お前の罪を数えろ!」
「Jパワーが反応しない!?」
「それ以上の詮索はお断りです。」
次回『脅威のGクラス』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
朱鷺戸沙耶:朱鷺戸沙耶を召喚するカード。現在は消滅し、再入手不能。
クラールヴィント:ディロードライバーをクラールヴィントに変えることで、騎士甲冑の展開とクラールヴィントの魔法を使用可能にするカード。
“吸血鬼”(ブルートザオガー):ロードスラスターを“吸血鬼”(ブルートザオガー)に変えるカード

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仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~ 序章プロローグ~
キノの旅~the beautiful world~ ←new
灼眼のシャナ ←new

ここからは『リトルバスターズ!EX(エクスタシー)』沙耶ルートに関する自己考察となります。
まず個人的な見解ですと、
沙耶は最後に細菌兵器の部屋に入って自殺→恭介がマスター能力を使って虚構世界の分岐を作って理樹と遊んでいた頃のあやの時間を構築してタイムワープ→しかし、あやが親の都合で日本を離れる未来は変えられない→十年後、再び日本に戻るが、虚構世界の構築のために死ぬ未来は変えられない→理樹と出会い沙耶ルートがスタート→何度も秘宝探検を行う→沙耶は最後に細菌兵器の部屋に入って自殺→恭介が(以下略
というループを繰り返しているというのが考察です。勿論、反論等は受け付けております。 

 

第10話『脅威のGクラス』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「プロのスパイであるあなたに、依頼があります。」
「っしゃきたー!」
「理樹君に会えないもん!」
「そうだろう?俺の大切な“頂の座”ヘカテー。」
「ありがとうございます。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「さて、そろそろ野上さん達の番か。」
デンライナーで雅を捜索する電王達を見て雅は呟く。
「雅、彼らは巨大な乗り物を持っているようだが、どうするつもりだい?」
マシンディローダーに乗る雅にリィンフォースは質問する。
「ここは、短期決戦で行く。野上さんはイマジンの憑依によってその力を最大限以上に発揮する。でも、それが弱点でもある。野上さんが単独で変身出来るのはどれだけ頑張ってもライナーフォームが限界。それなら、先にモモタロス達を捕まえれば済む話です。」
雅はライダーカードを取り出す。
「そのカードは?」
「これがどれだけ使えるか分からないですが、これを使えば、デンライナーも一撃です。」
【ATTACK RIDE-ZEORYMER-】
雅はマシンディローダーにアタックライドのカードをスキャンして『冥王計画(プロジェクト)ゼオライマー(漫画版)』に登場する超大型ロボット、ゼオライマーにマシンディローダーを変えて搭乗するが、
「やはり、超次元システムが完全再現されていないせいか、負荷が大きい。もって2分が限界か。」
ゼオライマーは既に全身から火花を散らす。
「見つけたよ!あっちに雅がいる!」
デンライナーイカヅチに乗る電王 ガンフォームがゼオライマーを発見し、戦闘に突入する。
「発見されたか。それなら、まずはDブラスト!」
デンライナーからの攻撃を確認した雅はゼオライマーの攻撃方法の一つである、手甲部分から放たれる光弾を放つ。
「うわっ!危ない!」
ガンフォームは驚いて避けるが、デンライナーイカヅチが避けたことでDブラストはデンライナーイカヅチの真後ろを走行していたデンライナーレッコウに直撃する。
「良太郎、モモの字!気を付けるんや!」
操縦している電王 アックスフォームは警告を促すが次の瞬間、凄まじい爆発と衝撃波が発生し、デンライナーレッコウは消失する。
「おい!熊!返事をしろ!」
デンライナー ゴウカを操縦する電王 ソードフォームは先ほどの一撃で困惑するが、
「先輩、キンちゃんはさっきの攻撃でもう…」
デンライナーイスルギを操縦する電王 ロッドフォームがそれを宥めようとする。
「行くぞ。」
雅はそれを何とも思わないかのようにゼオライマーを動かし、空間転移機能を使ってデンライナー イスルギの上に出現し、その自重を使ってデンライナー イスルギを押し潰し、
「良太郎、先輩、リュウタ、ごめん。雅君に釣られちゃった。後は任せたよ!」
ロッドフォームは最後に言葉を残してデンライナー イスルギの爆発に巻き込まれてライダーカードに封印される。
「おい!亀!…マジかよ。こうなりゃヤケだ!行くぜ!行くぜ!行くぜ!」
ソードフォームはデンライナー ゴウカを最高速度で走らせようとするが、
「待て、モモタロス!」
「早まるな!」
二つの声が聞こえて振り返ると、ゼロライナー ドリルとNEWデンライナーが現れ、
「最初に行っておく!心強い助っ人を連れて来た。」
「ふむ。お供が二人ほど減っているではないか。ならば、ここはプリンスたるこの私自ら戦おうではないか。」
ゼロライナー ナギナタと、ジーク用に緊急配備されたシルバーライナーが現れる。
「幸太郎、侑斗、おデブ、それに手羽先野郎!ありがとう!」
ソードフォームはゼロノス達を見てやる気を取り戻す。
「増援か。だが、おかげでまとめて捕まえやすくなった。Dブラスト!」
ゼオライマーはそれを気にせずに追加の攻撃を放つ。
「簡単に当たると思うな!」
NEW電王は華麗な操縦で攻撃を避けるが、
「それなら、当たるように動くまで。」
ゼオライマーは空間移動を行いNEWデンライナーの正面に立ち、
「これで、どうだ!」
その巨腕でNEWデンライナーを殴り、破壊する。しかし、
「幸太郎さんは逃げたか。」
目視した限り落下するライダーカードが三枚であったため、NEW電王を捕り逃がしたことに気づく。
「あいつ、青いクマちゃんまで!」
ガンフォームはデンライナーイカヅチを展開させて突進する。
「さて、このままだと時間が足りない。一気に決めるか!」
ゼオライマーはエネルギーをチャージし、それをフルバーストさせる。
「あいつ、マジかよ!」
ソードフォーム達はゼオライマーの必殺の一撃を前に、回避行動が遅れ、ライナーフォームが操縦するキングライナーを除いて全てが爆発。ライダーカードとなって落下する。
「モモタロス!リュウタロス!義兄さん!デネブ!ジーク!」
電王は叫ぶ。
「悲しみに浸る時間はないぞ。Dブラスト!」
ゼオライマーは止まっているキングライナーにDブラストを放ち、粉砕するが、
「やはり孫と祖父の間柄だけあって、こういう時の運の良さだけは人一倍だな。いや、大切な仲間と離れ離れにされた時点で、やはり運が悪いか。それにより…」
電王は間一髪で助かり、ゼオライマーの火花はより一層飛び散る。
「もう限界か。マシンディローダー、モードアウト。」
雅はゼオライマーをマシンディローダーに戻すと、マシンディローダーからゼオライマーのカードは飛び出し、火花を散らしながら消滅する。
「雅!テディ達の仇はとらせてもらう!」
幸太郎と良太郎が現れる。
「野上さん…」
雅が構えると、
「見つけたぜ、雅!」
「雅君、自然と平和を愛していた君はどこに行ったんだ!」
更に翔太郎と瀬川がやって来る。
「これは、なかなか厄介だな。」
雅はディロードライバーを装着する。
「行くよ、雅君。変身!」
[liner form.]
「変身!」
[ストライク フオーム]
「変身!」
〔エクストリーム!〕
「変身!」
良太郎達は仮面ライダーに変身する。
「こちらも行くか。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「ついに、この日が来たのか…お願いします。」
「分かったよ、雅。」
ディロードはリィンフォースを話をし、
「夜天の光よ、我が手に集え!祝福の風、リィンフォース!セットアップ!」 
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードはリィンフォースとユニゾンし、スノーレインフォームになる。
「ブラッディ・ダガー!」
ディロードは弾魔法を展開して電王達を分断させようとする。
「雅、お前の動きは読めている!」
〔プリズム!マキシマムドライブ!〕
しかし、ダブルはプリズムビッカーでそれを防ぎながらディロードの間合いに入り、
〔エクストリーム!マキシマムドライブ!〕
必殺技を発動する。
「『ダブルプリズムエクストリーム!』」
ダブルはジャンプする。しかし、
「今だ!カルテットバインド!」
ディロードは拘束魔法で捕らえる。
「やべえ!」
【ATTACK RIDE-SONIC-】
「詠唱省略!フォトンランサー・ファランクスシフト!」
ディロードは蒐集されていたフェイトの必殺魔法をゼロ距離でダブルに放ち、
「シュート、エンド!」
トドメの一撃を放つ。
「翔太郎、あとは任せたよ。」
〔ファング!ジョーカー!〕
しかし、フィリップは自立行動メモリ達を活用してファングジョーカーに変身。エクストリームによる融合は強制解除され、翔太郎は弾き飛ばされ、
「おい、フィリップ!?」
ディロードの攻撃を受けて仮面ライダーサイクロンのライダーカードに変わる。
「…ちくしょう。雅、お前だけは許せねえ!」
〔ジョーカー!〕
翔太郎はジョーカーメモリを起動させてロストドライバーに装填する。
「変身!」
〔ジョーカー!〕
翔太郎は仮面ライダージョーカーに変身する。
「さあ、お前の罪を数えろ!」
ジョーカーはディロードに殴りかかりにゆく。
「翔太郎さん、落ち着いて!それが雅君の狙いだから!」
電王はジョーカーを止めようとするが、
「落ち着けるか!俺の大事な相棒を…フィリップをあいつは!」
「だから落ちつかないといけないんです。」
電王はそう言うと、NEW電王と共にデンガッシャーのソードモードを展開する。
「行こう、じいちゃん!」
「うん!」
NEW電王と電王はジョーカーに続くようにディロードに向かってゆく。
「そう来たか。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「遠き地にて、闇に沈め!デアボリック・エミッション!」
ディロードは必殺技を発動し、広域攻撃魔法を使ってジョーカー達を攻撃する。その力は凄まじく、電王とNEW電王のオーラエネルギーを奪い取ってプラットフォームにしてしまう。
「これで終わりだ!」
ディロードはディロードライバーを一度展開して再び閉じ、ファイナルアタックライドを再装填する。
【-DE DE DE DELOAD-】
「仄白ほのしろき雪の王、銀の翼以もて、眼下の大地を白銀に染めよ。来こよ、氷結の息吹!アーテム・デス・アイセス!」
ディロードは更に広域攻撃の氷撃を放ち、咄嗟に範囲から回避したJを除き、射程に納めたジョーカー達をライダーカードに封印する。
「雅君、俺はずっと大地の精霊達に訴えかけている。だが何故だ、何故Jパワーが使えない!?まさか雅君」
「それ以上の詮索はお断りです。リィンフォース、確か道具精製の魔法はありますか?」
「ああ。」
[schaffen]
ディロードはJの言葉を遮りリィンフォースに頼んで魔法を発動してもらい、右腕にパイルバンカーを装着する。
「上手くいった。名付けて、ナハトバンカーだな。」
ディロードはナハトバンカーを構えると、そこから二本の触手状の鞭を操ってJを捕らえる。
「これで、終わりです!」
【-DE DE DE DELOAD-】
ディロードは再びファイナルアタックライドを再装填すると、ナハトバンカーの槍に紫色の雷が蓄積され、鞭は縮んで、ディロードはJに突進する。
「『夜天、紫突!』」
ディロードはナハトバンカーの槍をJに突き刺し、雷属性と闇属性のエネルギーをJに流し込んでJは爆発。そのままライダーカードに変わる。
「まさか、翔太郎さん達を先に捕まえてしまうことになるとは。これは予定を変更して先にダブルの世界を倒す必要があるな。確か、照井刑事はカズマさん達と共に行動しているはずだから都合が良いな。とにかく、列車で旅せし時の守護者の世界、大地と共に進化する仮面ライダーの世界、捕まえた。」
雅はライダーカードを拾い上げる。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「全力で振り切るぜ!」
「無駄だ、雅!」
「いい加減にしやがれ!」
「そんな…馬鹿な!?」
「今こそ、僕のアルター能力の出番だな。」
次回『ブックマーク』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ゼオライマー:マシンディローダーをゼオライマーに変えるカード。現在は消滅し、再入手不可能。

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仮面ライダー555
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仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト
仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~ 序章プロローグ~
キノの旅~the Beautiful world~
灼眼のシャナ
仮面ライダー電王 ←new
仮面ライダーJ ←new 

 

第11話『ブックマーク』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「もって二分が限界か。」
「行くぜ!行くぜ!行くぜ!」
「さあ、お前の罪を数えろ!」
「雅君、まさか」
「夜天、紫突!」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「さて、まさか予定が少しズレるとは。まあ、人の行動はデータでは分からないから、仕方がないか。」
雅は次元保護国の特別養成施設に来ていた。
「とはいえ、翔太郎さん達の世界は、カズマさん達の世界の次に捕まえる予定だったから、照井刑事がカズマさん達と同行していることは都合が良かった。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身して施設に入る。
「確か、反応はこの辺りのはずだが…」
ディロードが警戒しながら歩いていると、突然上から鉄格子が落下し、ディロードを捕らえる。
「何っ!?」
ディロードは捕らえられた瞬間に変身が解除される。
「どうだ、雅。」
劉鳳が現れる。
「これなら!」
雅はディロードライバーにサンライザーのカードをスキャンするが、エラー音声が鳴り反応しない。
「どういうことだ!」
「無駄だ!その檻は対仮面ライダーディロードを前提に設計した檻。ディロードの力は一切無効化される。」
劉鳳は雅に説明する。
「漸く会えたな雅!かなみは返してもらう!」
そこに感情をむき出しにしたカズマと、冷静に手錠を持つ照井が現れる。
「凪風雅、国家反逆罪の現行犯で、お前を逮捕する。」
照井は雅に近づく。
「仕方がない。僕のアルター能力の出番か。」
雅はそう言うと、アルター能力を発動させる光を放ち、檻を媒介にしてアルター能力を発動し、檻から脱出する。
「何っ!?アルター能力だと!?」
「おめえ、いつの間に!?」
劉鳳とカズマは想定外の事態に驚く。
「あなた達の世界でワールドホープを発動した時、僕はアルター能力を手に入れました。では、見せてあげましょう。僕のアルター能力、ブックマークを!」
雅はそう言うと、巨大な拳銃を出現させる。
「それは、立浪のビッグマグナム!?」
「まずはカズマさんに一発!」
驚く劉鳳を前に雅はカズマを射撃する。
「それの対処法は分かってんだよ!」
カズマは左に避けて弾道から逸れるが、
「それは散弾だ。」
突然、弾は小さくばらけて四方八方に飛び、カズマは数発受ける。
「ちくしょう!」
カズマはハイブリットを纏う。
「変…身!」
〔トライアル!〕
照井は状況改善のために仮面ライダーアクセルトライアルに変身する。
「全力で振り切るぜ!」
アクセルトライアルはエンジンブレードを構える。
「照井さんが相手なら、本気を出す必要があるな。ラディカル、グッドスピード!」
雅は両足にターボユニットを装着する。
「あいつ、クーガーの兄貴のアルターまで!」
「行くぞ、衝撃のファーストブリット!」
雅はアクセルトライアルより素早く行動し、キックを一発アクセルトライアルに放ち、吹き飛ばす。
「トライアルメモリの性能を考えると、こちらが防御しても時間切れになる前にやられてしまう。それなら、一気に決めるか。」
雅はラディカル・グッドスピードを全身に纏い、高速で動く。
「瞬殺の、ファイルブリット!」
アルター能力によって強化されたキックは、アクセルトライアルの防御を打ち砕き、アクセルはライダーカードに封印される。
「二人で一人の風の町の戦士の世界、捕まえた。」
雅はアクセルのカードを拾い上げる。
「雅、いい加減にしたらどうだ!」
劉鳳も絶影を纏って雅に突進するが、
「読めていた。」
雅は劉鳳の両腕を掴むと、ラディカル・グッドスピードを分解して更にアルターを再結合させる。
「究極の癒しを教えてあげましょう。」
雅は自身の生体エネルギーを劉鳳に流し込む。
「これは、シェリスの永遠の献身(エターナル・デボーテ)!?雅、貴様!」
劉鳳は雅が使った力に怒りながらも、捕まれている腕の装甲を分解することで、雅から脱出する。
「雅、お前はどれだけ俺達の心を傷つければ気が済む!?」
「それより、なんで俺達の考えが分かるんだよ!?」
劉鳳とカズマは怒りをむき出しにする。
「解らないのですか?あなた達にとって大切な、彼女のアルターを使っていることが。」
雅は二人を煽る。
「まさか、貴様…」
「かなみのアルターを!?」
「そうです。こうしている今も、あなた達の考えがよく分かりますよ。その冷静さを失う強大な憎しみも。」
勘付く二人を雅は更に煽る。
「…いいじゃねえか、雅。こんだけ怒ってんのはあの蛇野郎以来だ。劉鳳、雅の奴、ぶっ潰すだけじゃ済ます気がねえんだが、やってもいいか!?」
「ああ!相手はこの世界の反逆者だ。正当防衛の適応内だ!」
カズマと劉鳳はその感情によってアルターが進化し、カズマのハイブリットは灼熱の光を放ち、劉鳳は絶影の第一形態と第二形態を出現させる。
「来たか。しかし、その力のおかげで漸くこいつが呼べる。来い、ハイパーピンチクラッシャー!」
雅の宣言によって巨大ロボット型アルター、ハイパーピンチクラッシャーが出現し、
「それから、バーニングサマー!」
更に巨竜型アルター、バーニングサマーを呼び出す。
「おい、今更そんなのかよ。」
「その程度で俺達を止められると思うな。」
カズマと劉鳳は構えるが、
「正義の使者と灼熱の魔竜、今こそ一つになる時!いざ、ドラゴニック、フォーメーション!」
雅はハイパーピンチクラッシャーとバーニングサマーを分解し、二つのアルターを合体させ、それぞれの特徴を持つロボットになり、雅は乗り込む。
「完成!ピンチクラッシャー・ファイナルブレイブ!」
雅はピンチクラッシャー・ファイナルブレイブを動かす。
「へっ!何がファイナルブレイブだ!的が一つになってやりやすくなっただけじゃねえか!」
カズマはその拳で雅のいる操縦席を狙おうとするが、
「甘い!バーニングフィスト!」
灼熱の拳がカズマを殴り、カズマは地面に叩きつけられる。
「この速度なら、追い着けまい!」
劉鳳はその高速を利用してピンチクラッシャー・ファイナルブレイブを翻弄し、
「絶影、倒竜斬!」
その刃で切り裂こうとするが、
「効くか!」
硬い装甲は、劉鳳の刃を弾く。
「なんて硬さだ!」
劉鳳は体勢を立て直す。すると、
「あなた達二人が馬鹿で助かりました。」
操縦席から雅が話す。
「おい、いきなりなんだ!」
「このピンチクラッシャーはあくまで囮。本当の目的は、こっちだ!エタニティ・ツイン!」
雅は緑色球体を出現させて二体の絶影の頭上に展開し、それが回転すると、絶影はカズマと劉鳳の前に立つ。
「しまった!あれは橘のエタニティ・エイト!?」
劉鳳は事態を把握し、即座に絶影を分解し、自身の装甲に変える。
「おい、劉鳳。どうしたんだよ!」
「奴があれを展開している限り、絶影はコントロールを奪われる。」
「それって、つまり!?」
「そうだ!俺が再び絶影を呼んでも、また奴に奪われる。」
「だからか。」
「そうだ。」
劉鳳は、戦力削減を余儀なくされる。
「おしゃべりはそれで終わりか。行くぞ、ファイナルインパクト、発動承認!」
雅がボタンを押すと、胸部にあるバーニングサマの頭部ーを模した装甲が開き、ピンチクラッシャー・ファイナルブレイブは金色に光り輝く。
「劉鳳、ここは俺に任せろ!輝け!もっと輝け!俺の拳!ハァイブリットォォォォォォ!」
「ピンチ!ドラゴニック・ノヴァァァァァァァァ!」
「バァァァーストォォォォォォ!」
ピンチクラッシャー・ファイナルブレイブは金色の光線を放ち、カズマはその中を引き裂くように突進する。
「光になれぇぇぇぇぇぇぇ!」
「もっと輝けぇぇぇぇぇぇ!」
カズマの拳はピンチクラッシャーの光線発射口に到達し、凄まじい爆発が起こる。
「カズマ!?」
劉鳳が見守る中、煙は晴れる。
「はぁ…はぁ…正義は勝つ!」
そこには、服が焦げ付きながらも、カズマのライダーカードを持つ雅がいた。
「雅、貴様!」
劉鳳は高速で突進する。
「まだだ!」
【SUMMON RIDE-REINFORCE-】
雅はリィンフォースを召喚し、劉鳳の攻撃を防ぐ。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身…」
雅は立ち上がりながらディロードに変身する。
「雅、大丈夫かい?今癒す。」
リィンフォースはシャマルから蒐集した治癒魔法でディロードを癒す。
「行くか、リィンフォース、セットアップ。」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードはスノーレインフォームに変身する。
[schaffen]
ディロードは右腕にナハトバンカーを装着する。
「行くぞ、ナイトメアハウンド!」
ディロードは直射魔法を放つが、劉鳳はそれを縫うように避けてディロードに近づくが、
「待っていた!」
ナハトバンカーの鞭で劉鳳は捕らえられる。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「夜天、紫突!」
ディロードは必殺技を発動し、ナハトバンカーを劉鳳と突き刺すが、
「ここで、倒れるものか!」
劉鳳は攻撃が自身の肉体に当たる瞬間に装甲を分解して回避する。しかし、
「レストリクトロック!」
強固な拘束魔法によって捕らえられ、
【-DE DE DE DELOAD-】
ディロードは必殺技を再装填する。
「『ディロード雷天キック!』」
ディロードは必殺のキックを防御の無い劉鳳に放ち、劉鳳をライダーカードに封印する。
「ユニゾンアウト…」
ディロードは変身とユニゾンを解除する。
「拳で語り合う進化の世界、捕まえた…」
雅は劉鳳と絶影のライダーカードを拾い上げ、特別養成施設を出る。
「それにしても、この最悪の脚本(マッド・スプリクト)の力は凄まじいな。アクセス型のアルターを持っていなければ全員を対象に使えるとは。もっとも、僕もこんな悪ふざけをしないといけないのがつらいが。」
雅はそう言うと、次の目的地へ向かう。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「G5ユニットチーム、全員で守って下さい!」
「僕をどうするって?」
「なんでお前がドーパントメモリを!?」
「テラーフィールド!」
「城戸、死ぬな!」
次回『雅の強襲』希望を紡いで、全てを救え!
 
 

 
後書き
アルター能力紹介
ブックマーク
使用者:凪風雅
タイプ:アクセス型
能力:雅の知識にアクセスし、かつて目視したアルター能力の再現と応用

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第12話『強襲』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「国家反逆罪の現行犯で逮捕する。」
「僕のアルター能力、ブックマークを。」
「いつの間にアルター能力を!?」
「ピンチクラッシャー・ファイナルブレイブ!」
「拳で語り合う進化の世界、捕まえた。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

雅は警察庁の入り口に来ていた。
「対象、仮面ライダーディロードを発見!これより交戦します!」
『G5ユニットチーム、各員GX-05をアクティブ!現場の須藤刑事と連携をとって下さい!』
G3ユニットの後継機、G5ユニットのチームはオペレーターの御室からの指示を受け、GX-05 ケルベロスを装備してディロードを撃つ。
「効くか!」
ディロードの装甲はガトリング程度ではびくともせず、ロードスラスターを構えてG5ユニットに向かい、隊員を斬りつけようとするが、
「危ない!」
仮面ライダーシザースがその斬撃からかばう。
「須藤刑事、大丈夫ですか!?」
G5ユニットの隊員は近づく。
「大丈夫ですよ。皆さん、それよりも犯人の逮捕を。」
シザースは体勢を立て直す。龍騎の世界のライダーの中では、比較的弱い方といわれるシザースだが、その防御は硬く、Xライダーと同じく深海1万メートルの水圧に耐えられる強度を誇る。当然、地上での防御力も相応のものがある。手数で攻めるタイプのディロードにとっては強敵となりえるのであった。
「今回は攻撃重視だが、またこのパターンか。それなら!」
【ATTACK RIDE-DURANDAL-】
ディロードはロードスラスターをデュランダルに変える。
『あれは、ハラオウン刑事の武装!?総員、緊急退避を!』
御室はG5ユニットチームに撤退を指示するが、
「御室隊長を置いて行けません!」
隊員は指示に従おうとしない。
「皆さん、今はこうして戦っていても解決策はありません。私達だけでも撤退しましょう。」
シザースは隊員に指示を出すが、
「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ…」
ディロードは詠唱を唱え、
「しまった。手遅れでしたか。」
【FINAL VENT】
シザースは咄嗟に必殺技を発動する。しかし、
「凍てつけ!エターナルコフィン!」
シザースが体勢を整える前に氷結魔法が放たれますシザースと契約モンスターのボルキャンサー、そしてG5ユニットチームはライダーカードに封印される。
「次は、ここだな。」
ディロードは警察庁に乗り込む。

「雅君、待つんだ!」
ディロードが歩いていると、G3-Xが後ろから現れる。
「氷川さん。よく来てくれました。」
ディロードはロードスラスターを構える。
「御室さん、小沢さん、ここは任せて下さい!早く避難を!」
G3-Xはオペレーションルームに連絡を入れるが、反応がない。
「小沢さん!御室さん!応答を!」
G3-Xは連絡を送るが、
「オペレーションルームなら、先に対処しておきました。」
ディロードは二人が封印されているライダーカードを見せる。
「雅君…いい加減にしろ!」
G3-XはGM-01 スコーピオンを使ってディロードを撃つが、ディロードに通用することはなく、
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはロードスラスターにスラッシュを使ってG3-Xを斬り、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディメンションインフェルノ!」
必殺技を発動してG3-Xをライダーカードに封印する。
「さて、次は城戸さん達か…」
雅は変身を解除してマシンディローダーに乗る。

「今連絡があって、警察庁が襲われて、須藤刑事がやられたってさ。」
弁護士である北岡(ゾルダ)の所に警察庁での出来事の連絡が入る。
「別にいいだろ。俺を捕まえたような刑事だ…」
それに対して浅倉が話すと、
「そりゃ、気持ちは分かるけど、言っちゃいけないでしょ。そんなんじゃ、何時まで経っても普通の生活に戻れないよ?」
芝浦(ガイ)がからかうように言う。
「それより、あそこには確かアギトの世界の人達もいたはずだ。」
そこで蓮は話を戻す。
「既に香川先生もやられたんだ…」
東條(タイガ)はしょぼくれるように言う。
「そうだ!雅は次は俺達と津上さん、どっちを狙うと思う?」
その言葉を聞いて、真司は話をふる。
「どうやら、俺達を狙うらしい。」
手塚(ライア)は既に結果を占っていた。
「ならちょうどいいじゃねえか!あのガキの所為で、俺の株の一部上場が流れちまったんだ!手痛い思いをしてもらおうじゃねえか。」
高見沢(ベルデ)は雅討伐に乗り気を見せる。
「とにかく、俺達で雅を迎え撃とう!」
真司はなんとか意見を纏める。
「真司、あんた頼もしくなったじゃない!」
霧島(ファム)が真司を賞賛していると、
「僕をどうするって?」
雅が現れる。
「雅!?お前のやっていることは聞いている。あまりにも身勝手じゃないか!」
真司は身構える。
「それをここで言いますか?皆さん、自分達がライダーバトルをしていた時の記憶がワールドホープの力で戻っているはずです。だから、ライダーデッキでの戦い方が解る。違いますか?」
「それがどうした!?」
「独善的な正義、植物状態の恋人、不治の病、憂さ晴らし、友の仇、ゲーム感覚、ちっぽけな幸せ、名ばかりの英雄、人類の頂点、仮死状態の姉。それらのために他人を殺すことは身勝手ではないのですか?」
真司の言葉に雅は質問を投げかける。
「それは…」
真司は言葉に詰まるが、
「身勝手で何がいけねえんだ?」
「俺達の世界を知っているなら、俺が前に言った言葉を覚えているよね?確かに、あの戦いに勝てば最強かも知れない、けど最低な奴だ、って。」
高見沢と北岡が肯定する。
「つまり、あんたも仮面ライダーだってこと。」
芝浦が更に付け加える。
「そうですね。僕も、ある意味では貴方達と同じですね。」
雅は答えながらガイアドライバーを装着し、
〔テラー…〕
テラーメモリを起動させる。
「雅、どうしてお前がドーパントメモリを!?」
真司は驚く。
「ダブルの世界を捜索している間に、拾っておいたのです。」
雅はそう言いながらテラードーパントに変身する。
「俺達も行くぞ、変身!」
真司達は変身する。
「さて、最初から本気で行くぞ。テラーフィールド!」
テラードーパントは恐怖を司る黒い泥の様な空間、テラーフィールドを精製し、それに呑み込まれてライア、ガイ、インペラー、そしてゾルダは爆発し、ライダーカードに封印される。
「以外と残ったな。それなら、身体的恐怖を教えてあげましょう。テラードラゴン!」
テラードーパントは頭部の仮面からテラードラゴンを呼び出し、ベルデはテラードラゴンに食われ、タイガはテラードラゴンの爪に引き裂かれてライダーカードに封印される。しかし、それと同時にテラーメモリはガイアドライバーから排出され、砕け散る。
「やはり、適合率4%では限界か。それなら、適合率が89%で一番高いこのメモリの出番だな。」
〔タブー!〕
雅はタブーメモリを使ってタブードーパントに変身し、ファムに大量の光弾を放つ。
「真司!ちゃんと、靴の紐縛れるようになったんだね!嬉しいよ!」
ファムは爆発に巻き込まれてライダーカードに封印される。
「美穂!?おい!」
龍騎は嘆く。
「面白えじゃねえか、雅。それでこそやり甲斐ってものがあるんだ。」
【SWORD VENT】
王蛇はベノサーベルを召喚してタブードーパントに向かう。
「浅倉、雅は俺がやる!」
【SURVIVE】
龍騎は突進する王蛇をはね除けて龍騎サバイブになり、ドラグランザーに乗る。
【FINAL VENT】
上空でドラグランザーはバイクモードに変わり、タブードーパントに火球を吐きながら落下の勢いを利用して必殺技のドラゴンファイヤーストームを放ち、タブードーパントを轢き飛ばしてメモリブレイブさせる。
「どうだ、雅!」
龍騎サバイブは身構える。
「仕方がない。これを使うか。」
〔ユートピア!〕
雅は、更にユートピアドーパントに変身する。
「まだメモリがあったなんて…」
龍騎サバイブはドラグバイザーツヴァイからドラグセイバーを展開して構える。
「行くぞ!」
ユートピアドーパントは走って龍騎サバイブに近づき、ドラグバイザーツヴァイをバトンで払うと、右手で龍騎サバイブの頭部を掴む。
「っぐああああああ!」
龍騎サバイブは叫びながら変身が強制解除される。そこには、文字通り顔を奪われ、精気を失った真司がいた。
「城戸、しっかりしろ!」
ナイトは真司に近づく。
「へっ、面白えじゃねえか。」
【FINAL VENT】
王蛇は必殺技を発動してベノスネーカーを召喚し、ベノクラッシュをユートピアドーパントに放とうとするが、ユートピアドーパントはそれを迎撃するために龍騎サバイブから奪ったエネルギーを両足に纏わせて跳び、身体をひねりながら両足蹴りを王蛇に放ち、その両足蹴りは王蛇のライダーデッキを破壊して致命傷を与えるが、ユートピアドーパントもベノクラッシュの連続蹴りを数発受けて空中で両者は爆発し、雅は変身が解除されて落下し、王蛇はライダーカードに変わっていた。
「まさか、あの浅倉がやられるとは…」
ナイトは唖然としている。
「蓮…俺はもうダメだ……だから、こいつを…」
真司はナイトにライダーデッキを渡す。
「おい!城戸、死ぬな!みんなの平和を守りたいんだろ!?」
ナイトは真司を揺する。
「なんか…あの時と、同じだな」
真司は龍騎のライダーカードに変わる。
「後は蓮さんだけですね。」
【CHANGE RIDE-V BUCKLE VERSION RYUGA-】
「変身!」
雅はナイトを見ながらディロードライバーをVバックルに変えて、仮面ライダーリュウガに変身する。
「貴様、よくも城戸を!」
【SURVIVE】
ナイトはナイトサバイブに変身し、ダークソードを取り出す。
【SWORD VENT】
リュウガはドラグセイバーを召喚してナイトサバイブを斬る。
【STRIKE VENT】
リュウガは更にドラグクローを召喚して、ナイトサバイブにドラグクローファイヤーを放つ。
「これで終わりだ。」
【FINAL VENT】
リュウガは必殺技を発動してドラゴンライダーキックをナイトサバイブに放ち、ナイトのライダーデッキは破壊される。
「しまった!」
デッキが破壊されたことで、蓮は変身が解除される。
「終わりですね。」
リュウガは近付くが、
「まだだ。」
蓮はリュウガから距離を取り、水面に龍騎のライダーデッキを向けてVバックルを出現させる。
「なるほど。」
リュウガは変身を解除して、ディロードに変身する。
「城戸の仇をとらせてもらう。変身!」
蓮は龍騎サバイブに変身する。
【SUMMON RIDE-REINFORCE-】
「リィンフォース、セットアップ。」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードもスノーレインフォームに変身する。
【SHOOT VENT】
龍騎サバイブはシュートベントを発動してメテオバレットを放つが、
「ディバインバスター!」
直射魔法を使って威力を相殺する。
「これなら!」
【STRANGE VENT】
龍騎サバイブはストレンジベントを使ってサポート用のカードを精製する。
【FREEZE VENT】
龍騎サバイブは精製されたフリーズベントを即座に使い、夜天の書を凍結させる。
「これで魔法は使えないはずだ!」
龍騎サバイブはライダーデッキからファイナルベントを取り出すが、
「今だ!カルテットバインド!」
ディロードは、持ち前の拘束魔法で龍騎サバイブを捕らえる。
「何っ!?」
「このカルテットバインドは、僕自身が使える魔法。夜天の書が無くても使えます。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「『ディロード雷天キック!』」
ディロードは必殺のキックを龍騎サバイブに放ち、龍騎サバイブをライダーカードに封印する。
「望みを求めし鏡の戦士の世界、捕まえた。」
雅は変身を解除して、ライダーカードを拾い上げ、ワープのカードで移動した。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「ここで雅君を食い止める!」
「真尋さん、ここで待っていて下さい!」
「さすがはプロゲーマーだな。」
「伊達にルナティックをノーコンティニューでクリアしていない。」
「必殺、私の宇宙CQC。」
次回『幻想の森』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
Vバックル(リュウガ):ディロードライバーをリュウガのVバックルに変えて仮面ライダーリュウガに変身するためのカード

撃破世界一覧
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーアマゾン
生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト
仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~ 序章プロローグ~
キノの旅~the Beautiful world~
灼眼のシャナ
仮面ライダー電王
仮面ライダーJ
仮面ライダーW
スクライド
仮面ライダー龍騎 ←new 

 

第13話『幻想の森』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
『GX-05をアクティブ!』
「いい加減にしろ!」
「あまりにも身勝手じゃないか!」
「城戸、死ぬな!」
「望み求めし鏡の戦士の世界、捕まえた…」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「雅君、そこまでだ!ここで雅君を食い止める!」
仮面ライダーZXはディロードと交戦状態に入ろうとしていた。
「あなた一人で、何が出来るのですか、村雨さん?」
ディロードはロードスラスターを構える。
「もう、残っている仲間達は少ない。だが、たとえ俺一人となっても、先輩達の仇はとらせてもらう!虚像投影装置!」
ZXはベルトの虚像投影装置を起動させて十人に分身する。
「これならどうだ!」
ZXはそれぞれ、マイクロチェーン、十字手裏剣、衝撃集中爆弾、電磁ナイフを構える。
「やはり虚像も別の武器を持つか。」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードはロードスラスターにブラストをスキャンさせる。
「ZX陽炎崩し!」
電磁ナイフを持ったZXが三人、ディロードに接近する。
「全員虚像か。」
ディロードはロードスラスターから散弾を放ち、ZXの虚像を消す。
「十字手裏剣!」
「衝撃集中爆弾!」
今度は、投擲武器が飛んでくる。
「そこが本物か!」
【-BLAST-】
ディロードはブラストを再装填し、弾種をガトリングに変えて投げられた武器と虚像のZXを消して、本物のZXを撃ち、マイクロチェーンを構えていた虚像のZXを消滅させる。
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはディロードライバーにスラッシュをスキャンする。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードは必殺技を発動する。
「しまった!こちらも行くぞ!ZXイナズマキック!」
ZXは赤い電撃エネルギーを発生させて最強のキックをディロードに放つが、
「ライダーチョップ!」
ディロードはキックが当たる前の若干の隙を狙って手刀を放ち、ZXをライダーカードに変える。
「あとはあなた達だけですね、そこに隠れている海堂博士に一条さん。」
ディロードはZXの恩師と知り合いの少女にロードスラスターを向けて、そのまま切り裂き、ライダーカードに変える。
「完全なる、サイボーグ忍者の世界、捕まえた。」
雅は変身を解除してライダーカードを拾いあげる。すると、
「一足遅かったですか…」
ニャル子達が現れる。
「ちょうどよかった。次はあなた達を倒すつもりでしたので。」
【FIELD RIDE-KOUMAKAN-】
雅はロードスラスターにフィールドライドのカードをスキャンして、その地形を『東方紅魔郷』に登場する屋敷、紅魔館を出現させて内部に入る。
「私達に来いと言っていますね。」
ニャル子は警戒する。
「確実に罠だろ!」
真尋は言う。
「たとえ罠でも、行かないといけないでしょう。真尋さん、ここで待っていて下さい!なぁに、ちゃちゃっと片付けて、すぐ迎えにいきますから。」
ニャル子達は真尋を置いて紅魔館に入る。

「本物は随分と広いんですね。」
「ねえ、ここの本を借りていってもいいかな?お父さんの図書館に寄贈したいの。」
「ハスター君、それはダメでしょう。」
ニャル子とハス太が話していると、
「ここの本は貸し出し禁止だ。」
雅が現れる。
「雅さん。珠緒さん達は返してもらいますよ!」
「国家反逆の罪で、デリート許可。」
ニャル子とクー子が雅に話すと、
「郷に入りては郷に従え。この幻想郷のルールに従ってもらいましょう。」
雅は弾魔法の弾幕を展開する。
「うおっと!」
ニャル子達は雅が放つ弾幕を抜いながら、遠距離での攻撃を少しずつ雅に当てる。すると、
「さて、僕が幻想郷に居る時の能力『見たものを再現出来る程度の能力』でも使うか。」
雅はライダーカードとは違うカードを取り出す。
「あれは、スペルカード!?」
クー子は驚く。
「行くぞ。『欲符・パワー・トゥ・テラー』!」
雅はロードスラスターから赤、黄、緑が一体化したエネルギーの刃を放つ。
「やばい!」
ニャル子達は必死に避ける。
「そぅら!」
雅は更に緑の刃を複数放つ。
「私の宇宙CQC、裏百式。」
クー子がビットを展開すると、エネルギーの刃は炎に変わり、クー子のエネルギーに変わり、ビットから放たれる火球が雅に直撃する。
「くっ、もう効果が切れたか。なら、『炎符・夜明け生まれる少女』!」
雅の背中に炎の翼が生える。
「ハスター君、ちょっとくすぐったいですよ。痛みは一瞬です!」
ニャル子はハス太を黄昏の王形態に変える。
「喜べ、絶滅タイムだ。」
ハス太は突風を巻き起こして雅が放つ炎の弾幕をエネルギーに変えて雅にダメージを与えるが、その突風が消えると、雅の弾幕は再び精製され、避け損ねたニャル子は大ダメージを受ける。
「くっ、雅さんの弾魔法の攻撃性能は低いはず。」
ニャル子がダメージに疑問をもっていると、
「おそらく、幻想郷のルールである、一発で一点減点が適用されているのだろう。」
ハス太が考察する。
「迂闊に当たることも出来ませんね。」
二人が話している間にも、弾幕の展開は止まらない。
「ぐっ、がぁっ!」
必死に弾幕を回避していたが、ハス太は被弾してしまう。
「これで。」
クー子の一撃によって、スペルカードの効果が切れる。
「次のカードを使うには、少し時間がかかるな。」
雅は再び弾魔法の弾幕を展開する。
「さっきより速度が速いですね!」
ニャル子とハス太は避けるのに必死な中、クー子は余裕な顔をして避けつつ、雅にダメージを与えていたが、
「さて、次はこれだ!『速符・ロードオブザスピード』!」
雅はロードスラスターの刃先から黄色いエネルギーの針を弾幕にして射出する。
「ぬゎっ!」
素早い弾速にニャル子は反応が遅れてダメージを受ける。
「やばいですね。私はもうあとがありません。」
ニャル子は避けることに徹する。
「どうだ!」
雅はロードスラスターの刃先から青いビームを放つ。
「ぐっ!?」
ハス太は避ける範囲を見誤りダメージを受ける。
「それっ!」
雅はロードスラスターから紫のエネルギーの刃を飛ばす。
「それは避けるのは簡単。」
クー子は軽やかに避ける。
「これなら、どうですか!」
紅魔館の通路を埋め尽くすほどの極太のビームがロードスラスターから放たれる。
「クー子、あとはまかせましたよ!」
「我らの分まで、正義と、平和を、守ってな。」
ビームに巻き込まれ、クー子はダメージを受け、ニャル子とハス太はそれがトドメとなり、ライダーカードに変わる。
「ここまで弾幕を避けきるとは、流石はプロゲーマーだな。」
雅はクー子に感心する。
「伊達にルナティックをノーコンティニューでクリアしていない。」
「威張る内容ではないだろ。次元保護国の警察庁に所属しておきながら、出勤せずに家にこもってゲーム三昧していた身分で。」
「私が行かなかったのは自主規制。私が行ってもニャル子との愛の巣になるだけ。それに、私が出る必要のある事件が今までなかった。私はまだ本気を出していないだけ。明日から頑張る。」
「そういう戯言を言う人は、大抵何も行動しない奴の言う言い訳だ。」
「バレていた…」
雅は弾幕を展開し、クー子はそれを避けながら会話をする。
「これならどうだ。『命符・アイズグレイジングオーバー』!」
雅はロードスラスターの銃口からエネルギー弾の弾幕を展開する。
「仕方がない。私の宇宙CQC、クトゥグァトマホーク。」
クー子は雅が放った弾幕をエネルギーに変えて炎を纏わせたバールを出現させ、
「トマホーク、ブーメラン。」
クー子は全力でバールをブーメランのように投げ、雅にダメージを与える。
「くっ!まだだ!」
雅はクー子の攻撃を受けてもなおロードスラスターからエネルギー弾を放つ。
「しまった。」
クー子は弾幕を避け損ね、ダメージを受ける。しかし、ダメージを受けながらもクー子は雅を攻撃し、雅のスペルカードの効果が切れる。
「切れたか。それなら、これで終わらせる。『継承・スノーレイン』!」
雅は自身の用意した最後のスペルカードを発動する。
「…これは。」
クー子は驚く。何故なら、先程まで透明な魔力弾であった雅の弾幕が白く輝く雪のような弾幕に変わったからだ。
「行くぞ。」
雅はロードスラスターの構えを下ろし、右手の掌から氷柱型の魔力弾を複数展開する。
「…危ない。」
クー子はその弾幕を避ける。すると、氷柱が直撃した場所が凍りつく。
「…これは、絶対零度…」
クー子はその危機を見て身構える。
「先程までの威勢はどこに行ったのやら。」
雅は弾幕を展開し続ける。
「このままじゃ、ニャル子を取り返せない。それなら、必殺、私の宇宙CQC。108式。」
クー子は雅の弾幕のエネルギーを吸収して大量のビットを出現させて雅を撃ち抜く。
「これだけ攻撃すれば…」
クー子は攻撃に神経を集中していたため、その場に立ち止まる。しかし、
「これでフィニッシュだ。」
雅はスペルカードの最後に放つ三本のビーム状の攻撃をクー子に放ち、クー子をライダーカードに放つ。
「ここはゲームとは違うんだ。コンティニューは、出来ないんだ…」
雅はライダーカードを拾いあげる。

「ニャル子達、大丈夫かな…」
紅魔館の外で待っていた真尋は心配している。すると、紅魔館から一人の物影が見える。
「もしかして、雅か!?」
真尋は構える。
【ATTACK RIDE-SONIC-】
その影は真尋の予想通り雅であり、雅はソニックのカードを使って高速で真尋に近づく。
「よくわかったな。」
雅はそのままロードスラスターで真尋を切り裂き、ライダーカードに変える。
「宇宙を守る、名状しがたい邪神達の世界、捕まえた。」
こうして、また世界は雅に敗れる。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「その命、神に返しなさい!」
「その程度で勝てるとでも?」
「兄さんを返して!」
「貴様、まさか既に恵も!?」
「ここは、これの出番か。」
次回『英雄♭さらば愛しきヒーロー』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
紅魔館:雅の居る地形の一部に紅魔館を配置して、雅が幻想郷に居る時の力を発揮させるフィールドライド。

撃破世界一覧
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーアマゾン
生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト
仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~ 序章プロローグ~
キノの旅~the Beautiful world~
灼眼のシャナ
仮面ライダー電王
仮面ライダーJ
仮面ライダーW
スクライド
仮面ライダー龍騎
10号誕生!仮面ライダー全員集合 ←new
這い寄れ!ニャル子さん ←new 

 

第14話『英雄♭さらば愛しきヒーロー』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「虚像投影装置!」
「一足遅かったですか…」
「あれは、スペルカード!?」
「伊達にルナティックをノーコンティニューでクリアしていないな。」
「名状しがたい邪神達の世界、捕まえた。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「残る世界はあと8つか…」
雅は、メモを見直していた。
「雅君、そのメモは何や?」
はやては雅に質問する。
「これは、僕が倒す世界の順番を記したメモだ。」
雅ははやてに説明する。
「順番なんてあるんか?」
「ああ。はやても、僕の目的を知っているなら、この順番の意味が分かるでしょう?」
「あ、そっかぁ。その順番は」
はやてが雅に答えを言おうとすると、
「わかっているならいいんだ。兎に角、次の目的である渡さんの所へ向かう。はやてはライダーカードの中に戻って。」
「うん、わかったで!」
雅はそれを遮り、次の目的地へ向かう。

「さて、名護さんはパワードイクサーを所持している。それなら、これの出番だな。」
【ATTACK RIDE-SCOPE DOG-】
雅はマシンディローダーをスコープドッグに変えて乗り込むと、渡達が居城にしているカフェ マルダムールに向かう。

「仮面ライダーも、あとは麻生さんと伍代さんと津上さんと如月さん、それと僕達だけですね…」
渡は名護達と話をしている。
「ところで、恵がまだ来ていないようだが。」
「そう言えば、兄さんも来ていない…」
「まさか既に恵も!?」
名護の脳裏に一抹の不安がよぎる。
「名護さん、落ち着いてください。兄さんも恵さんも、きっと大丈夫です。ですよね、嶋さん?」
「だといいが…」
名護と同じ考えをもっていた嶋は対応に困る。すると、外から凄まじい銃声が聞こえ、渡達がマスターと共に裏口から逃げると、スコープドッグによってカフェ マルダムールは破壊され、フィールドライドカードに、取り残された飼い犬のブルマンはサモンライドカードに変わる。
「ああ…ブルマン…」
マスターは23年共に過ごしたブルマンの最後を見てショックを受ける。
「やはり来たか。神は過ちを犯した。お前のような邪鬼外道をこの世に野放しにしたこと。そして、そのような男が仮面ライダーを名乗っていること。その過ち、俺達が正す!変身!」
[レ ディ イ? フィ スト オ ン]
名護はイクサに変身する。
「その命、神に返しなさい!」
イクサはイクサカリバーを構える。
「神に返せるほど、僕の命は高くないですよ。」
雅はそう言いながらスコープドッグの銃口をイクサに向ける。
「行くぞ。」
雅はそのままイクサを撃つが、イクサは当たる前に回避し、
[パ ワ ー ド イ ク サー]
パワードフエッスルの力を解放して恐竜型マシン、パワードイクサーを召喚して乗り込む。
「名護君、雅君の狙いはパワードイクサーの破壊だ!迂闊な行動は命取りになる!」
嶋は雅の読みを察知してイクサに注意を促す。
「解りました!」
イクサはスコープドッグと距離をとる。
「僕達も行こう、キバット、タツロット!変身!」
「よっしゃー!キバって、ゴー!」
「ロマンティックに、行きましょう!」
「キャッスルドラン!」
渡はキバ エンペラーフォームに変身し、キャッスルドランを召喚する。
「これならどうだ!やっちゃえ、キャッスルドラン!」
キバットの指示によってキャッスルドランからドランミサイルが放たれる。
「ここは、かつて使わなかったこのワールドホープの出番だな。」
【WORLD HOPE-SOUKOU KIHEI VOTOMS PAILSEN FILES-】
雅はボトムズの前日譚の世界のワールドホープを発動する。すると、4のスコープドッグが出現する。
「何っ!?分裂した!?」
イクサは驚きつつも、スコープドッグに向けてパワードイクサーからミサイルを放つ。しかし、スコープドッグの分隊はそれらに当たる事も無く避けられる。
「名護さん、ここは1機ずつ倒して行きましょう!」
「ああ!」
キバはイクサと相談し、雅が乗っている緑色のスコープドッグにミサイルを放つが、
「やはりそう来たか。」
雅は分隊のスコープドッグを1機、盾にして避け、その際にその武器を取り上げて離れ、盾にされたスコープドッグは爆破する。
「まさか、仲間を盾にするとは!?」
イクサは驚く。
「彼も、彼も、彼も、僕の盾になるだけです。」
スコープドッグの分隊はパワードイクサーを取り囲み、所持しているマシンガンでパワードイクサーを撃ち、破壊する。
「しまった!?」
[ラ イ ジ ン グ]
イクサはライジングイクサにパワーアップしながら爆発から回避する。
「行くよ、タツロット!」
「はいは~い。ウェイクアップ、フィーバー!」
キバは飛翔態に変化して、キャッスルドランと共に雅の乗るスコープドッグを攻撃しようとするが、雅は軽く避け、その攻撃は対角線上にいた分隊に当たり、また1機撃墜する。
「あいつ、仲間を何とも思っていないのか!?」
キバットは驚く。
「彼らは一体、何のために集められたのか…か。」
雅は呟きながらキャッスルドランを狙撃する。
『グォォォ!』
キャッスルドランは叫び同種の幼体、シュードランを呼んで合体し、力を解放する。
「さて、次はキャッスルドランだな。」
雅は指示を出して残るスコープドッグはキャッスルドランの翼を撃ち抜き、キャッスルドランを地面にたたき落とす。
「やはりそう簡単にはいかないか。」
雅は呟き、キャッスルドランに接近して城となっている部分にスコープドッグのパンチを放ってキャッスルドランのライフエナジーを破壊し、キャッスルドランをシュードランを中にいたアームズモンスター共々ライダーカードに変える。すると、それにあわせてキバ飛翔態は残っていたスコープドッグ全てを体当たりで撃破し、エンペラーフォームに戻る。
「しまった!?」
スコープドッグの分隊が全て撃破された事で、ワールドホープの効果は消滅する。
「仕方がない。マシンディローダー、モードアウト。」
雅はアタックライドを終了させて、マシンディローダーから降りる。
「ここはこれで行くか。」
【CHANGE RIDE-SAGARK BELT-】
「変身!」
“ヘン シン”
雅はディロードライバーをサガークベルトに変えて、仮面ライダーサガに変身する。
「それは、兄さんの!?」
「行くぞ!」
キバは驚くが、サガはそれを無視しながら、ジャコーダービュートと使ってキバとイクサを攻撃する。
「動きが速い!?」
サガの素早い鞭術に、キバとイクサは翻弄される。だが、
「見えた!今だ!」
[イ ク サ ラ イ ザー ラ イ ズ ア ッ プ]
イクサは必殺技を発動し、イクサライザーでジャコーダービュートの妨害をしながら突進し、超高威力のキックを放つが、
“ウェイク アップ”
サガも同時に必殺技を放ち、その場で凄まじい爆発が発生し、イクサはライダーカードに変わるが、雅の変身は解除され、地面に叩きつけられる。
「やったか!?」
嶋は安心しながら雅に近づくが、次の瞬間に背後から何かを刺され、ライダーカードに変わる。
「まさか!?」
嶋がライダーカードに変わったことで雅に近づくキバだが、キバの目の前で雅は消滅する。
「そんな…」
キバが落胆していると、
「やはり、見抜けなかったか。」
仮面ライダーZXが現れ、雅に戻る。
「もしかして、村雨さんの!?」
「そうです。分隊で撹乱している間に僕はZXに変身して、スコープドッグには虚像投影装置で精製したデータの僕を乗せておきました。」
「そんな…」
仲間を失ったキバはその静かな怒りを雅に向ける。
「これで仕上げになりますね。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「ここは、一気に終わらせに行くか。」
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE DARK-】
【DARK RIDERS KAMEN RIDE-ALL DARKS-】
ディロードはコンプリートフォーム サイドダークに変身し、クウガからオーズの世界までのダークライダーを召喚する。
「これで終わりです!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードは必殺技を発動する。それによって、クウガ
ライジングアルティメット ブラックアイの暗黒掌波動が、アナザーアギトのアサルトキックが、リュウガのドラゴンライダーキックが、カイザのゴルドスマッシュが、グレイブのマイティグラビティが、音撃射・震天動地が、ダークカブトのライダーキックが、ネガ電王のネガストリームスラッシュが、ダークキバのキングスバーストエンドが、エターナルのエターナルレクイエムが、ポセイドンのディープスパウダーがキバを襲い、キバは抵抗することも出来ずにライダーカードに変わる。
「音が結び、運命の鎖を解き放つ世界、捕まえた。」
雅は変身を解除してライダーカードを拾い、次の目的地へ向かった。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「それで、私達の所へ来たのね。」
「ゴーカイ、レジェンドリーム!」
「主はやてを返してもらう!」
「ユーノ・スクライア君、君に取引を持ち込みたい。」
「お宝が欲しければ、好きなだけ持っていって下さい。」
次回『ディロード対ディエンド!再戦』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
サガークベルト:ディロードライバーをサガークベルトに変えて、仮面ライダーサガに変身する対のカード
装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ(ワールドホープ):ボトムズの前日譚のワールドホープ。キリコ以外が操るバーコフ分隊が現れ、行動を共にする。分隊が全滅した時点で効果が失われる。また、このワールドホープを所持している間は、ボトムズ本編のワールドホープは誕生出来ない。

撃破世界一覧
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーアマゾン
生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト
仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~ 序章プロローグ~
キノの旅~the Beautiful world~
灼眼のシャナ
仮面ライダー電王
仮面ライダーJ
仮面ライダーW
スクライド
仮面ライダー龍騎
10号誕生!仮面ライダー全員集合
這い寄れ!ニャル子さん
仮面ライダーキバ ←new 

 

第15話『ディロード対ディエンド!再戦』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「残る世界はあと8つか。」
「まさか、既に恵も!?」
「神に返すほど、僕の命は高くないですよ。」
「やったか!?」
「音が結び、運命の鎖を解き放つ世界、捕まえた。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「あんた達も大丈夫?さっきフェイトから連絡があって、今度は仮面ライダーキバの世界がやられたって。」
「そう。もう7つしか、世界は残っていないのね。」
バニングス邸の一室でアリサとすずかはローゼンメイデン達、そして真紅の契約者であるジュンと隠れていた。
「あら、冷たいのね真紅は。仮にも私達の仲間が消されたのよ?つらくないのかしら?私はつらい気持ちでいっぱいよ?」
水銀燈はわざとらしく真紅に言う。
「思ってもいないことを口にはしない方がいいわ、水銀燈。もし貴女に、本当につらいという感情があるのなら。」
「さすがよ真紅、私のことはお見通しなのね。それでこそ壊し甲斐があるのよ。」
真紅の返答に水銀燈は笑いながら話す。
「今は争っている暇は無いのです。早くあの空っぽ人間をとっ捕まえる必要があるのです!」
「大丈夫、ジュンは僕達で守るから。」
口争いをする二人を見て翠星石は呆れ、蒼星石は無視しながらジュンを落ち着かせる。すると、
「僕をどうするって?」
ワープを使って雅が現れる。
「来たわね、雅。」
真紅達は構える。
「この人達を取り返したいでしょう?ですから僕の方でこちらに来ました。」
雅は見せびらかすかのようにめぐ、巴、みつ、のり、柴崎夫妻、そしてラプラスの魔が封印されたカードを取り出して真紅達に見せる。
「それで、私達の所に来たのね。でもそうね、貴方をどうにかしないと、何も始まらないわね。」
真紅は立ち上がる。
「おや?予想以上に反応が薄いですね。水銀燈さんは予想通りでしたが、金糸雀さんはもう少し騒ぐかと。」
「お前の策略にはのらないかしら。」
雅の言葉に金糸雀は反論する。
「予想通りとは失礼ね。でも、そうね。所詮彼女は死にたがりのお馬鹿さん。私が命を吸い取ることを喜んでいたジャンクのように壊れた人間。はっきりいって思い入れも何も無いわ。私はそういうローゼンメイデンだもの。」
水銀燈は、軽薄に扱われたことに苛立ちを見せるが、それでもどうでもいいかのように振る舞う。しかし次の瞬間、
「でも、媒介人(ミーディアム)にした人間をそんな風に扱われて呑気にいられるほど、ローゼンメイデンとして、ううん、人形として落ちぶれていないわ。」
水銀燈は両翼を憎しみによって生み出される黒き双龍に変貌させる。
「そうきてもらわないと。」
【CHANGE RIDE-GOOKAI CELLULAR-】
雅はディロードライバーをゴーカイセルラーに変える。
「ゴーカイチェンジ。」
〝ゴ~カイジャー!〟
「ゴーカイシルバー!」
雅はゴーカイシルバーに変身する。
「まずはこれだ!ゴーカイチェンジ!」
〝ゴ~バスターズ!〟
「ビートバスター…」
ゴーカイシルバーはビートバスターにゴーカイチェンジする。
「一気に行くぞ!」
“Boost up for buster!”
ビートバスターはドライブレードを起動させて必殺技を発動し、
「ビートルスラッシュ!」
雛苺を切り裂いてライダーカードに変える。
「雛苺!?」
真紅は殺意を見せるが、
「次はこれだ。ゴーカイチェンジ!」
〝ジ~ャッカー!〟
ビートバスターはビッグワンにゴーカイチェンジする。
「ダイヤソード、稲妻斬り!クラブメガトン、メガトンパンチ!」
ビッグワンは超電力の斬撃で翠星石を、超重力のパンチで蒼星石を攻撃し、ライダーカードに変える。
「真紅、ボクに構わず戦うんだ!?」
雅に敗れるドール達を見てジュンは真紅に指示をするが、
「ここは私に任せたらいいのかしら!」
金糸雀の堪忍袋の緒が切れ、ビッグワンに向かう。
「次はこれで行くか。ゴーカイチェンジ!」
〝オ~レンジャー!〟
ビッグワンはキングレンジャーにゴーカイチェンジする。
「行くぞ!」
キングレンジャーはワープ能力を利用して金糸雀に近づき、彼女のヴァイオリンの弦を全て切る。
「しまった!これじゃあ何も出来ないかしら!」
「トドメだ!キング、ビクトリーフラッシュ!」
キングレンジャーはキングステッキから光弾を金糸雀に向けて放ち、金糸雀をライダーカードに変える。
「水銀燈、とうとう私達だけになったわね。」
「そうね。あんたにこんなことを言うのはしゃくに障るけど、ここは協力しましょう。」
「その枕詞がなければ素晴らしかったわ。」
真紅と水銀燈は互いに皮肉を言いながらキングレンジャーを見る。
「ここは、これで行くか。」
キングレンジャーはゴーカイシルバーに戻り、ゴールドアンカーキーを取り出す。
「ゴールドアンカーキー、セット!ゴーカイチェンジ!」
〝ゴ~カイシルバー!ゴールドモード!〟
ゴーカイシルバーは追加戦士の力を発揮してゴールドモードにパワーアップする。
「行くわよ。薔薇の竜(ローズ・ドラグーン)!」
「ジャンクにしてあげるわ!」
真紅は薔薇の竜を放ち、水銀燈の黒龍はそれを挟むようにゴーカイシルバーに向かうが、
「ゴールドアンカーキー、セット!」
〝ファ~イナルウェイ~ブ!〟
「ゴーカイ…レジェンドリーム!」
七人の追加戦士が放つ光弾によって竜は破壊され、その光弾が変化した八人の追加戦士が真紅と水銀燈を切り裂いて、ライダーカードに変える。
「おい!?真紅!?水銀燈!?」
2体が敗れたことにジュンはショックを受けるが、
「あんた、本当に人としての心を捨てたの!?」
アリサが雅に言う。
「子供のうちからそんな汚い言葉遣いをしていたら、将来家の顔に泥を塗るようになるぞ。」
雅はロードスラスターをアリサに向けて振り下ろすが、
「そこまでだ!」
「はやて達は返してもらう!」
シグナムがロードスラスターを受け止め、ヴィータがグラーフアイゼンで雅を叩こうとする。しかし、雅はバリアを展開して直撃を防いだ。
「烈火の将に鉄鎚の騎士か。それならこれで行くか。」
雅は構える。

雅がローゼンメイデン達と戦っていた頃、艦船アースラでは、ある取引が行われようとしていた。
「君達、困っているみたいだね。」
「貴方は、海東大樹さん!?」
次元のオーロラを通って、リンディの前に海東が現れる。
「よく知っているね、次元保護国警察庁長官、リンディ・ハラオウン。」
「貴方のことは凪風雅とチームディロードから聞かされています。この世界の宝が目的ですか?」
「ま、そうだけど。君達は雅君です捕まえたい。僕はお宝が欲しい。なら話は早いだろう。」
「ですが、ロストロギア管理は、警察庁とは別の部署になります。ですので、担当者のスクライア教授に話を通してみます。」
リンディはユーノに電話をかけ、海東の交渉の話をする。
「大丈夫だそうよ。安心して下さい、罠は仕掛けていませんので。」
「ありがとう、とは言っておくよ。」
【ATTACK RIDE-INVISIBLE-】
海東はインビジブルを使ってその場を去り、ロストロギア研究所へ向かった。

【CHANGE RIDE-UNIT GUYVER ACTⅢ-】
「殖装!」
雅はディロードライバーをユニットガイバーに変えてガイバーⅢに殖装する。
「高周波ブレード!」
ガイバーⅢは高周波ブレードを展開し、切り裂こうとするが、シグナム達は綺麗に避け、攻撃は命中しない。
「なかなか当たらないな。」
「当たるものか!」
「こっちははやてを取り戻すまで負けられねえんだよ!」
既に廊下で戦闘を行っていたシグナムとヴィータがガイバーⅢに言うと、
「それなら、力ずくで取り戻してみせるんだな。巨神殖装!」
ガイバーⅢは巨大な鎧を纏い、ギガンティックエクシードダークネスに巨神殖装する。その巨大な体躯ゆえに、バニングス邸は倒壊する。しかし、咄嗟にシグナム達がアリサ達を抱えて脱出する。
「逃したか。なら、それにあわせて動くか。」
ギガンティックエクシードダークネスは逃げたシグナム達に向かって歩き出す。

「ユーノ・スクライア君、君に取引を持ち込みたい。」
「リンディ長官から話は聞いている。雅の逮捕後にロストロギア5つを渡す。それならどうだ。」
「物わかりがよくて助かるよ。それでは、行こうか。」
ギガンティックエクシードダークネスが戦っている間、海東とユーノは取引を成立させていた。

「ここに隠れているんだ。」
「雅の奴はあたしらでとっ捕まえる。大人しくしていろよ。」
シグナムとヴィータはアリサ達を降ろしてギガンティックエクシードダークネスに向かう。
「雅、そこまでだ。」
「凪風、かつてとは逆の立場だな。」
ヴィータはグラーフアイゼンをギガントフォルムに変え、シグナムはレヴァンティンを抜刀して構える。
「そうですね。それでは行きますよ!高周波ソード!」
ギガンティックエクシードダークネスは高周波ソードを展開してシグナム達の所へ伸ばすと、そのままシグナム達を素通りしてアリサとすずか、そしてジュンを切り裂いてライダーカードに変える。
「雅、おめー!?」
「騎士の顔に泥を塗るとは、貴様!?」
ヴィータとシグナムは怒りを露わにするが、
「一度でも主との誓いを破った人達が、何を今更。行くぞ、ギガスマッシャー!」
ギガンティックエクシードダークネスは胸部から辺りを焼き消す粒子砲を放ち、シグナムとヴィータの反撃を許さずに二人をライダーカードに変える。
「誓いを結ぶ、小さな少女達の世界、捕まえた。」
雅は殖装を解除してライダーカードを拾う。すると、
「雅、そこまでだ!」
ユーノと海東が現れる。
「ユーノさん。何故海東がここに?」
「何故いるか、僕が聞きたいくらいだ。でも、ユーノ君からお宝がもらえるから、君を倒させてもらう!変身!」
【KAMEN RIDE-DEEND-】
海東はディエンドに変身する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「仕方がないな。変身!」
雅はディロードに変身する。
「海東、そんなにお宝が欲しければ、好きなだけ持っていって下さい。ただし、持つことが出来るなら!」
【ATTACK RIDE-GATE OF BABYLON-】
ディロードはカードをスキャンした。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「音撃打・救世連舞の形!」
「そろそろ諦めて下さい!」
「僕だって、通りすがりの仮面ライダーだ!」
「宇宙キター!」
「雅君、もうやめて!」
次回『白・友・共・闘』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ゴーカイセルラー:ディロードライバーをゴーカイセルラーに変えてゴーカイシルバーに変身するためのカード
ユニットガイバーⅢ:ディロードライバーをユニットガイバーⅢに変えてガイバーⅢに殖装するためのカード

撃破世界一覧
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーアマゾン
生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト
仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~ 序章プロローグ~
キノの旅~the Beautiful world~
灼眼のシャナ
仮面ライダー電王
仮面ライダーJ
仮面ライダーW
スクライド
仮面ライダー龍騎
10号誕生!仮面ライダー全員集合
這い寄れ!ニャル子さん
仮面ライダーキバ
ローゼンメイデン-トロイメント- ←new 

 

第16話『白・友・共・闘』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「ゴーカイチェンジ。」
「貴方のことは凪風雅とチームディロードから聞いております。」
「主はやてを返してもらう!」
「雅、そこまでだ。」
「変身!」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「お宝が欲しいなら、好きなだけ持っていって下さい。ただし、持つことが出来るなら!」
【ATTACK RIDE-GATE OF BABYLON-】
ディロードがアタックライドのカードをスキャンすると、ディロードの背後が歪曲し、様々な武器がユーノとディエンドに向かって放たれる。
「一体なんなんだ、あれは!?」
ユーノはラウンドシールドを展開しながら言う。
「あれは、古代メソポタミア文明の半神半人の英雄王、ギルガメッシュの宝物庫だ。一つ一つが宝剣を超える力を持っている。」
ディエンドは王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から放たれる武器を避けながら説明する。
「海東、宝具が欲しいんじゃないのか!」
ディロードは選定の剣の原点を取り出す。
回帰せし誇りと勝利の剣(エクスカリバー・アポカリプス)!」
ディロードは剣を振り、光り輝くビームを放つ。
「しまった!?」
【ATTACKRIDE-BARRIER-】
ディエンドはユーノに向かって放たれるビームを見て、それに割り込み、バリアを発動して防ぐが、その反動でのけぞる。
「待っていた。」
ディロードが言うと、宝物庫からヒビキアカネタカが飛び出し、ヒビキオンゲキコに変形してディエンドに貼りつく。
「これは、アスム君の!?」
「行くぞ!音撃打・救世連舞の形!」
ディロードはリズムよく音撃棒 烈火で叩き、ディエンドに清めの音を流し込んでダメージを与える。すると、
「ストラグルバインド!」
ユーノがディロードを拘束し、ディエンドはトドメの一撃から逃れる。
「やるな。これならどうだ!」
【CHANGE RIDE-KIVATT BELT-】
ディロードはドライバーをキバットベルトに変えて、キバアローを取り出して、キバアローをキバットに噛ませる。
「ウェイク、アップ!キバアローバイト!」
キバットは必殺技の発動を認証し、朧月、三日月、半月、満月の月が浮かび上がり、ディロードが弓を引くと、紫、青、緑、黄のエネルギーがキバアローの矢に収束され、
「ダークネスオールムーンブラスト!」
そのエネルギーの矢はユーノを貫き、さらに宝物庫の宝具が追撃をかけるようにユーノを串刺しにして、ユーノをライダーカードに変える。
「まるで、あの時の士みたいだね。」
【FINAL KAMEN RIDE-DEEND-】
ディエンドは、かつてディケイドが激情態になった時のことを思いながらコンプリートフォームに変身する。
「そうかもしれませんね。ですが、こちらも悠長なことを言っていられないので、一気に行きます!」
ディロードは宝物庫から英雄王の剣、乖離剣エアを取り出す。
「やばいね。」
【ATTACK RIDE-GEKIJOUBAN-】
ディエンドは劇場版のカードをスキャンするが、
天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!」
結界破壊の力を持つ宝具をディロードは発動する。劇場版のアタックライドは一度に8体のライダーを召喚し使役するが、その全てが既に亡き者となっており、召喚の際には各パラレルワールドとリンクすることで3次元化するため、結界破壊の力によって召喚されるタイムラグの間に無防備となる瞬間を狙って放たれた天地乖離す開闢の星は、ライダーが召喚される前にディエンドを攻撃し、発動を不発に終わらせる。
「いい加減諦めて下さい。」
ディロードが言うと、
「僕だって、通りすがりの仮面ライダーだ!」
ディエンドは通常形態に戻りながらも、立ち上がる。
「仕方がないですね。」
ディロードは追い打ちをかけるように宝具を放ち、ディエンドに突き刺す。
「このままでは貴方は死んでしまいます。こちらで治すので、この世界から立ち去ってもらえませんか?」
ディロードは更に宝具をディエンドに放ちながら話す。
「…確かに、背に腹はかえられないからね。いいだろう。立ち去らせてもらうよ。ユーノ君も敗れたことだし。」
ディロードの提案をディエンドはのみ、ディロードは王の財宝を解除してディエンドに突き刺さった宝具は消滅し、ディロードは回復魔法を使ってディエンドを癒すと、
「どのみち、僕がお宝を手に入れたところで、雅君に狙われるなら、この世界に用はないからね。」
海東は一言言って次元のオーロラを通って去って行った。
「…さて、次は弦太朗さんの所か。」
【ATTACK RIDE-MARVERA-】
ディロードはマシンディローダーをスパイダーマンが扱う巨大船、マーベラーに変えて乗り込むと、新天の川学園に向かった。

「少年少女の友情を粉砕する男、なんてな。」
マーベラーに乗っている雅は新天の川学園に目がけてカノン砲を放つ。
「雅、いい加減にしろ!」
雅がマーベラーを操縦していると、フォーゼ コズミックステイツが現れる。
「来たか。マーベラー、チェンジ・レオパルドン!」
雅の宣言により、マーベラーは巨大ロボット、レオパルドンに変形する。
「行くぞ。レオパルドン、ソードビッカー!」
レオパルドンは必殺の剣をフォーゼに投げるが、フォーゼはそれを避けてコズミックスイッチの持つワープドライブを発動させる。
「一緒に宇宙へ行こうぜ、雅!」
フォーゼはバリズンソードをレオパルドンに突きつけて、宇宙へワープしようとするが、
「これ以上は危険だな。マシンディローダー、モードアウト!スカイ、変身!」
【CHANGE RIDE-TORNADO-】
雅はレオパルドンをマシンディローダーに戻してそれを回避し、スカイライダーに変身することで、地上へ降りる。
「雅君、もうやめて!みんなを返して!」
雅が変身を解除すると、なのはが現れる。
「雅、もう終わらせよう。」
ワープドライブから弦太朗も帰還する。
「そういうわけにはいかない。この世界の不純物は、この世界の住民である僕の手で除去する。」
雅はディロードのライダーカードを取り出す。
「やっぱり、戦うのは避けられねえか。なのは、力を貸してくれ。」
「はい!レイジングハート、セ~ットア~ップ!」
[three two one-]
「変身!」
なのははバリアジャケットを纏い、弦太朗はフォーゼに変身する。
「宇宙キター!仮面ライダーフォーゼ、今回は、タッグでやらせてもらうぜ!ほら、なのはも!」
フォーゼは口上を述べ、なのはにもやらせようとする。
「えぇっ!?わ、わかりました。魔法キター!高町なのは、及ばずながら、助太刀させてもらいます!」
なのははなのはなりに口上を述べた。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身。」
雅はディロードに変身し、ロードスラスターを構える。
「行くぞ!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードは剣の構えを変え、ブラストを使ってガトリングの弾で二人を狙うが、
「それならこっちも!」
[ガトリング オン]
フォーゼもガトリングモジュールを発動して打ち消す。
「それなら、これだ。」
【-BLAST-】
ディロードはブラストを再装填し、追尾弾に変える。
「それなら、アクセルシューター!」
[accel shorter]
なのははアクセルシューターを使って追尾弾を破壊する。
「まずは手数重視の弦太朗さんから先に倒すか。」
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE DARK-】
【DEN―O DARK KAMEN RIDE-NEGA-】
ディロードはコンプリートフォーム サイドダークに変身し、ネガ電王を召喚し、
【FINAL FORM RIDE-DE DE DE DEN―O-】
「ごめんなさい!」
ファイナルフォームライドを使ってネガ電王をライナーネガ電王に変形させ乗り込み、各車両からギガンテスを展開してフォーゼを爆撃し、ライダーカードに変える。
「弦太朗さん!?」
なのはは驚く。
「リィンフォース、セットアップ。」
【SUMMON RIDE-REINFORCE-】
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードはダークケータッチを外して通常形態に戻り、そのままスノーレインフォームに変身する。
「さて、あの時の再来だな。」
ディロードはロードスラスターを構える。
「うん…そうだね…」
[exelion mode]
なのはは、ディロードの動きを見て、レイジングハートをエクセリオンモードに変える。
「本気でくるか。なら、鋼の軛!」
ディロードは敵の体を串刺しにして動きを封じる捕獲魔法、鋼の軛を展開するが、なのはは華麗に避ける。
【ATTACK RIDE-SONIC-】
「これならどうだ!テートリヒ・シュラーク!」
ディロードはソニックを使って高速で移動し、ロードスラスターで強力な打撃攻撃をなのはに放つ。しかし、
「ジャケット、パージ!」
なのはは破壊されたバリアジャケットを瞬時に再構築する。
「それなら、紫電、一閃!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはスラッシュを使って刃を三つに増やして斬撃を放つ。
[protection ex]
それをなのははガードする。
「流石は、世界の主人公というだけのことはあるな。」
[photon lancer genocide sift]
ディロードはフォトンランサー ジェノサイドシフトを展開し、射出する。
「やっぱり、雅君が相手だから、隙が少ない。」
[ですが、対処方法は必ずあるはずです。]
なのははディロードから放たれるブラッディダガーを避けながらレイジングハートと会話している。すると、
「クイックバインド!」
なのは体勢を立て直すためにターンした瞬間、ディロードの放つ即効性のバインドによってなのはは捕らえられる。そして、
「カルテットバインド!」
クイックバインドの効果が終わらせると同時にカルテットバインドで動きを封殺し、
[schaffen]
ナハトバンカーを装備する。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「これで終わりだ。夜天、紫突!」
バインドによって防御魔法の展開を封じられたなのはを刃は貫き、なのはをライダーカードに変える。
「リィンフォース、あとは天の川学園を閉じ込めれば終わりだ。」
『ああ。』
「すまないが、もう少しだけ力を貸してくれないか?」
『構わないよ。』
「ありがとう。咎人達に、滅びの光を。星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ。貫け、閃光、スターライト・ブレイカー!」
ディロードはナハトバンカーからスターライト・ブレイカーを放ち、新天の川学園をライダーカードに変える。
宇宙(そら)を夢見し、絆を束ねる世界、捕まえた。」
雅はライダーカードを拾い上げ、次の目的地へ向かう。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「宏君達を返してもらう!」
「雅君、もうやめてくれ!」
「まだ続けるつもりかい!?」
「許せない…」
「待っていた。」
次回『さらばライダー』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
マーベラー:マシンディローダーをマーベラーに変えるカード
トルネード:ディロードライバーをトルネードに変えて、スカイライダーに変身するためのカード

撃破世界一覧
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーアマゾン
生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト
仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~ 序章プロローグ~
キノの旅~the Beautiful world~
灼眼のシャナ
仮面ライダー電王
仮面ライダーJ
仮面ライダーW
スクライド
仮面ライダー龍騎
10号誕生!仮面ライダー全員集合
這い寄れ!ニャル子さん
仮面ライダーキバ
ローゼンメイデン-トロイメント-
仮面ライダーフォーゼ ←new 

 

第17話『さらばライダー』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「僕だって、通りすがりの仮面ライダーだ!」
「次は弦太朗さんの所か。」
「宇宙キター!」
「あの時の再来だな。」
「夜天、紫突!」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「宏君を返してもらう!」
仮面ライダーZOはディロードを前にして、クラッシャーを開放し、エネルギーを全開にする。
「やはり来たか。」
ディロードは跳びかかるZOを避ける。
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはロードスラスターにスラッシュをスキャンさせる。
「これならどうだ。」
ディロードはZOに斬りかかるが、ZOはディロードの腕を押さえて受け止め、ZOパンチをディロードに放つ。
「ぐっ!流石はネオ生命体の第一号。麻生さんに接近戦は厳しいか。」
パンチによって吹き飛ばされたディロードは体勢を立て直すと、ブラストをロードスラスターにスキャンし、エネルギー弾でZOを狙撃する。
「どうした、先ほどまでの威勢は。」
ディロードは怯むZOを更に撃つ。
「ぐっ!!」
ZOはよろめきながら立ち上がる。
「もう限界みたいだな。これで終わりだ。」
ディロードはファイナルアタックライドを取り出す。すると、
「雅君、もうやめてくれ!」
「まだ続けるつもりかい!?」
雄介と翔一が現れる。
「ちょうどよかった。残る仮面ライダーは貴方達三人。それなら纏めて捕まえる一番のチャンスだ。纏めてこい!」
ディロードはコンプリートフォーム サイドダークに変身する。
「どうして俺達を倒そうとするんだ!もう充分だろう!」
雄介は必死に訴える。しかし、
「それは無理な話だ。この世界は元々複数の世界との関わりを基準とした構築が行われていない。貴方達の世界は存在するだけで危険です。」
ディロードは説明をする。
「伍代さん、今の雅君には何を言っても通じない。今は取り抑えることが重要だ。」
ZOは悩む雄介を諭す。
「…わかりました。超変身!」
「俺も行きます!変身!」
雄介はクウガ アルティメットフォームに、翔一はアギト シャイニングフォームに変身する。
「来るか。それなら!」
【KIVA DARK KAMEN RIDE-DARK-】
「王の判決を言い渡す。死だ。」
「喜べ、絶滅タイムだ。」
ディロードはダークキバを召喚する。
「あとは、これだな。」
【ATTACK RIDE-CASTLE DRAN-】
ディロードはマシンディローダーをキャッスルドランに変える。そして、
【FINAL FORM RIDE-KI KI KI KIVA-】
「ごめんなさい!」
ディロードはファイナルフォームライドを使って、ダークキバをキャッスルドラン型の巨大要塞、ダークキバドランに変形させる。
“俺を城に作り替えるとは貴様、万死に値する!”
「今までご自身が行って来たことでしょう。好きに暴れさせてあげる分、温情があると思っていただきたいのですが。」
ディロードがダークキバドランに言うと、キャッスルドランがダークキバドランに近づき、横並びに合体し、ツインドランモードになる。
“よいだろう。お前たちに、死を宣告する!”
ダークキバドランは叫ぶと、その力を開放して翼を巨大な蝙蝠の翼に変えて飛翔する。
【FINAL ATTACK RIDE-KI KI KI KIVA-】
ディロードがキバのファイナルアタックライドをスキャンすると、ドランの二つの口からファンガイアの吸命牙に酷似したミサイルが放たれ、ZOとアギトをライダーカードに変える。
「麻生さん!津上さん!……許せない…絶対に……」
ディロードの行為を前に何も出来なかったクウガは強い憎しみにとらわれ、その瞳は漆黒に染まる。
「待っていた。流石に伍代さんを相手に普通に挑んでも勝ち目はない。だが、凄まじき戦士となれば話は別だ。」
「ふざけるな…」
凄まじき戦士はディロードに殴りかかるが、ディロードはそれを避ける。
【SUMMON RIDE-REINFORCE-】
「リィンフォース、セットアップ。」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードはスノーレインフォームに変身する。
「ぅあぁぁぁぁ!」
凄まじき戦士は自然発火能力を使って手当たり次第にディロードの移動する場所を燃やしてゆくが、ディロードは飛翔して避ける。
【ATTACK RIDE-SONIC-】
「フォトンランサー、ファランクスシフト!」
ディロードは動かない凄まじき戦士に速度を上げたファランクスシフトを放ち、爆風で土煙が立つ。
「どうだ…」
土煙が晴れると、辺り一面にアルティメットタイタンソードの破片を散らばせて、凄まじき戦士は無傷で立っていた。
「そうだった。これでは意味がないのか!?」
クウガ アルティメットフォームは、各フォームの武器の最終形を無限に作り出す力を持っている。凄まじき戦士は、飛んでくるフォトンランサーを全てアルティメットタイタンソードを使って防いでいたのだ。
「そうなれば、話は変わる。レストリクトロック!」
ディロードは拘束時間の長い強固な拘束魔法を凄まじき戦士に使って拘束する。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「『夜天、紫突!』」
ディロードはリンカーコアを最大限に使ってエネルギーを作り、凄まじき戦士に突進する。
「ぅああああああ!」
凄まじき戦士はアルティメットタイタンソードを盾にしてディロードの進路を塞ぐが、ディロードはそれらを突き破って突進し、凄まじき戦士のアークルに突き刺すと、そのまま魔力をオーバーヒートさせて大爆発を起こし、クウガをライダーカードに変える。
「…完全体を超えたプロトタイプの仮面ライダーの世界、進化する使徒達の世界、笑顔を守る旅人の世界、捕まえた。」
雅は変身を解除してライダーカードを拾うと、
「雅、リンカーコアの魔力が足りていないだろう。私の魔力を与えるよ。」
[divide energy]
リィンフォースは雅の魔力と体力を回復させる。
「リィンフォース、次の目的地はアースラと海鳴市だ。アースラの方は僕がやるから、リィンフォースは海鳴市をお願いできるか?リンディ長官とも話すことがあるんだ。」
「ああ、構わないよ。」
雅とリィンフォースは分かれて行動を開始する。

「凪風雅、止まりなさい!」
アースラに侵入したディロードを見て、魔導武装科の警察官はストレージデバイスから魔力弾を放ってディロードを攻撃する。しかし、
「サークルバリア。」
ディロードはバリアを展開してそれを防ぎながら進み、
【ATTACK RIDE-SLASH-】
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディメンションインフェルノ。」
必殺技を放って警察官達をライダーカードに変える。
「ここは、まずは局員の殲滅が優先だな。」
【CHANGE RIDE-SUNRISER-】
雅は変身を解除してBLACK RXに変身し、バイオライダーに姿を変えて警察官達を襲撃し、リンディ以外の警察官達をライダーカードに変える。
「あとは、リンディ長官だけか。」
雅は変身を解除してリンディの居る長官室へ向かう。

「待っていましたわよ、凪風雅。と言う方が自然かしら?」
「そうかもしれませんね。」
リンディの言葉に雅は答える。
「仮面ライダーの世界は全て貴方に敗れたのですね。」
「ええ。そして、この世界もフェイトを残して僕に敗れます。」
「あら、私が貴方に負けるとでも?」
「そうならないと困るのですよね。僕にとっても、なのはの世界にとっても。」
「そうだとしても、どうしてフェイトさんを残す必要があるのかしら?貴方の策略なら、フェイトさんもすぐに捕まえるはずですが。もしかして、フェイトさんに対して迷いでもあるのですか?それとも、チームディロードが特別なのかしら?」 
「リンディ長官が考えていることとは別に、特別ですね。彼らは後回しで構わない。僕の目的のためにはなのはの世界は一番最後にしたいですが、圭一達の世界を捕まえた瞬間に僕の方が捕まれば、全てが無意味になってしまいますので、今の内に戦力を減らす必要がありますので。」
「圭一さん達の世界でそこまで力を使うと言うのですか?」
「圭一と沙都子はディショットシステムを持っています。用心するに越したことはないでしょう。それに、フェイトの強さはリンディ長官もご存知のはずですが。」
「あれだけのメンバーを倒した貴方がそれを言いますか?」
「皆さんは僕を殆ど知らないから、奇襲攻撃も成功しました。しかし、チームディロードは僕のことをよく知っています。当然、僕の戦い方も。そうなれば、苦戦は避けられません。」
「そうですか。」
「ええ。…どうやら、リィンフォースが海鳴市の制圧に成功したようなので、貴方にも捕まってもらいましょう。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身する。
「そうですか。私は戦わないわ。貴方に勝てないことくらい解っているもの。それなら、素直に一撃で終わらせてくれると助かるわ。」
リンディは投降の意をみせる。
「ありがとうございます。」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディメンションボルケーノ…」
ディロードの必殺技はアースラごとリンディを貫き、出来た穴からディロードが脱出すると、リンディとアースラはライダーカードに変わる。
「あとは、圭一達だけか…」
ライダーカードを拾い上げ、雅は雛見沢へ向かった。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「皆さん、逃げて下さい!」
「やはり用心しておいて正解だった。」
「ここで、負けるわけには!」
『坊主、名前はなんていう?』
「一緒に逝こうぜ、雅さん!」
次回『究極の戦闘生物』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダー電王(ファイナルフォームライド):電王のFFR。電王を電王モモタロスに、ネガ電王をライナーネガ電王に変形させる。
キャッスルドラン:マシンディローダーをキャッスルドランに変える。
仮面ライダーキバ(ファイナルフォームライド):キバのFFR。キバをキバアローに、ダークキバをダークキバドランに変形させる。

撃破世界一覧
生徒会役員共
変身忍者嵐
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーアマゾン
生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト
仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~ 序章プロローグ~
キノの旅~the Beautiful world~
灼眼のシャナ
仮面ライダー電王
仮面ライダーJ
仮面ライダーW
スクライド
仮面ライダー龍騎
10号誕生!仮面ライダー全員集合
這い寄れ!ニャル子さん
仮面ライダーキバ
ローゼンメイデン-トロイメント-
仮面ライダーフォーゼ
仮面ライダーZO ←new
仮面ライダーアギト ←new
仮面ライダークウガ ←new 

 

第18話『究極の戦闘生物』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「許せない…」
「捕まえた。」
「リィンフォースは海鳴市をお願いできるか?」
「用心するに越したことはないでしょう。」
「あとは圭一達だけか…」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「もう、残っているのは私達チームディロードだけなんだ…」
フェイトは荒野の中で雅を探していた。

「済まない圭一、沙都子。僕の世界のために、消えてもらう必要があるんだ。」
【CHANGE RIDE-ALASTOR-】
雅はディロードライバーをアラストールに変え、“炎髪灼眼の討ち手”の力を発揮し、雛見沢の木々を燃やしてゆく。

「圭一さん、これって!?」
「おそらく、雅さんがシャナさんの力を使っているんだと思う。なんて卑怯なやり方なんだ!?」
「とにかく、みんなを逃がさないと!」
驚く沙都子とそれを宥める圭一に魅音は指示を出す。
「ああ!沙都子、俺達で消火活動に出るぞ!」
「圭一さん、どうやって!?」
「ディショットシステムを使うんだ!」
「…わかりましたわ。魅音さん達で避難活動をお願いできますか?」
「任せておいて。レナ、詩音、行くよ!」
部活動メンバー達は二手に分かれて活動を開始する。

「圭一さん、ここで始めましょう。」
「ああ、そうだな!」
【FORM RIDE-KIVA BASSHAA-】
【FORM RIDE-FOURZE FIRE-】
【ATTACK RIDE-WATER MODULE-】
沙都子はキバ バッシャーフォームに、圭一はフォーゼ ファイヤーステイツに変身し、フォーゼはウォーターモジュールを装備する。
「俺は東から、沙都子は西から頼む!」
「わかりましたわ!」
キバはアクアフィールドを展開して5ノットの速度で移動し、消火活動を進める。

「やはり水の力を使って消火活動を始めたか。」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
雅はディロード スノーレインフォームに変身する。
「仄白き雪の王、銀の翼以もて、眼下の大地を白銀に染めよ!来よ、氷結の息吹!アーテム・デス・アイセス!」
ディロードは氷結魔法を発動し、雛見沢を氷漬けにして、住民と雛見沢をライダーカードに変える。
「沙都子、大丈夫か!?」
消火活動を行っていたフォーゼはヒーハックガンを消火モードから火炎モードに変えることで氷結魔法を防ぐが、キバは凍りついてしまい、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「『ディロード雷天キック!』」
ディロードはキバに必殺のキックを放ち、沙都子をライダーカードに封印する。
「やっぱり、雅さんの仕業でしたか!?」
フォーゼはディロードを見る。
「そうだ。圭一、悪いが僕の世界のために、僕に倒されてくれ。」
ディロードはドレイクゼクターのカードを取り出すが、
「それなら!」
【KAMEN RIDE-DRAKE-】
圭一はドレイクに変身する。
「しまった!」
「雅さん、ディロードが使えるカードは、ディショットシステムでも使えることを忘れていないですよね!」
雅が持っていたドレイクゼクターのライダーカードはクラウンの壺に転送され、ドレイクへの変身を封じられる。
「そうだったな。なら、複数ないカードを使うか。」
【CHANGE RIDE-UNIT GUYBER ACTΙ-】
「ガイバー!」
雅はユニットガイバーΙのかを使ってガイバーΙに殖装する。
「やっぱり、融合しなかった世界のカードを使ってきましたか。」
ドレイクはドレイクゼクターのグリップを引き、
【ATTACK RIDE-CLOCK UP-】
クロックアップのカードを使って高速移動をしながらガイバーΙを撃つが、それが決定打となることはなく、ガイバーΙは破損した肉体を再生させる。
「やっぱり再生してきりが無い。なら、これだ!」
【KAMEN RIDE-SHIN-】
ドレイクはシンに変身する。
【FINAL ATTACK RIDE-SHI SHI SHI SHIN-】
そのままシンは必殺技を発動してハイバイブネイルとスパインカッターを活性化させてガイバーΙを切り裂くが、それは決定打にならず、
「高周波ブレード!」
ガイバーΙはシンの右腕を切り落とす。しかし、シンはわずか1秒でそれを再生させる。
「やっぱり強い…俺も、ガイバーに負けない力があれば…!」
変身時間が終了して、変身が強制解除された圭一は、ライダーカードホルダーからあるカードを取り出す。
「これなら、どうだ!」
【SUMMON RIDE-APTOM-】
圭一はライダーカードの力を使って、ガイバーΙのライバルでもある究極の戦闘生物(アルティメット・バトルクリーチャー)、アプトムに変身する。
「まさか、ディショットシステムはサモンライドのカードでも変身できるとは…」
ガイバーΙは身構える。
「行くぜ、雅さん!」
アプトムはその重厚感のある肉体からは想像もつかない早さで突進する。
「とは言え、やはり圭一が変身した偽物だけあって、戦い方が違うか。」
ガイバーΙはアプトムのタックルを避けて高周波ブレードでアプトムの胴体を切り落とすが、アプトムはすぐに再生する。
「こいつにも、再生能力があるのか!?」
アプトムは徐々に戦い方を学ぶ。すると、
『…小僧、戦い方がなっていない。』
何者かが圭一の脳内に語りかける。
「貴方は?」
『俺はアプトム。と言っても、それはコードネームで、本名は忘れた。お前は目の前のあいつを倒したいんだろ?』
「…はい。」
『俺も、深町の力をあんなふうに使われて癪に触っている。どうだ、手を組まないか?』
「ありがとうございます。」
『小僧、名前は?』
「前原圭一です。」
『行くぞ、前原。まず、この体は俺が吸収した獣化兵(ゾアノイド)の力が宿っている。お前が使った再生能力も、その一つだ。まずは、左腕を生体ミサイルにして飛ばせ。コントロールは俺が行う。』
「はい!」
アプトムは左腕をそのまま飛ばす。
「なるほど、そう来たか。」
ガイバーΙは左に避けるが、飛ばされた左腕は突然分解されて小型の追尾弾となってガイバーΙを撃ち抜く。
「グァッ!」
ガイバーΙに追尾弾が命中し、アプトムは左腕を再生させる。
『それから、ステルス能力を使え。ガイバーに熱源探知の能力はない。』
「わかりました。」
アプトムは透明化する。
「おかしい。さっきと戦い方が全然違う。いきなりアプトムの力を使いこなせる訳がない。」
ガイバーΙは立ち上がりながら考察をし、
「…そうか!そういうことか!」
ガイバーΙはあることに気づく。
「アプトム!いるんだろう!そして、圭一に助言しているな!」
ガイバーΙは見えなくなっているアプトムに言う。
『…チッ!バレたか。ああ、いるさ。』
「通りで急に上手く立ち回れるようになった訳だ。アプトムの力は強いが癖が強いから、扱うのは難しい。だが、獣化している本人がアドバイスしているなら、その戦術も納得がいく。」
『別に構わないだろ。凪風は何百年と戦っている戦闘のプロ。それに対して小僧は戦闘経験の少ないひよっこだ。これくらいのハンデくらい、必要だろ?』
「自分が敵と戦う時、相手が同じことを言ってきたらどうですか。」
『俺は楽しいさ。俺は究極の戦闘生物。俺が深町を倒そうと思ったのは、仲間の仇ってだけじゃねえ。深町みたいな強い奴と戦いたいからでもある。』
「あなたは、そういう人でしたね。いいでしょう。相手になります。ガイバー、ギガンテック!」
ガイバーΙは巨大な装甲を纏って、ガイバーギガンテックに巨人殖装する。
『前原、今だ!量子砲を使え!』
「はい!」
アプトムは胸部からエネルギーの砲撃をガイバーギガンテックに放つが、
「ヘッドビーム!」
頭部からの光線でそれを防ぐ。
「やはり、これくらいのハンデなら問題ないか。高周波ソード!」
ガイバーギガンテックは高周波ソードを展開する。
「行くぞ。」
ガイバーギガンテックは高周波ソードを伸ばしてアプトムを突き刺そうとするが、アプトムは避けながら当たりそうな部位を生体ミサイルにしてガイバーギガンテックを攻撃する。
「やはり、一筋縄ではいかないか。」
『当たり前だ。凪風だって、俺と共闘したときに俺の戦闘方法を見ていたように、俺も凪風の戦闘方法を見ておいたからな。』
「あなたほどの戦闘のプロともなれば、やはり味方の戦術も見ていましたか。でも、これは予想外なはずです!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
ガイバーギガンテックは殖装を解除し、ディロードに変身する。
【SUMMON RIDE-REINFORCE-】
「夜天の光よ、我が手に集え。祝福の風、リィンフォース。セットアップ!」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードはスノーレインフォームに変身する。
「やばい!」
『どうした、前原!?』
「あれは今まで俺達の仲間を倒していった姿です!」
『なるほどな。あいつに近距離戦は有効か?』
「今までスノーレインフォームが近距離戦をしたことは殆ど無いので、解りません。」
『そうか。』
アプトムと圭一が話していると、
「ディバインバスター!」
ディロードは直射魔法を放つ。
「危ない!?」
アプトムは回避するが、
「ライトニングロック!」
拘束魔法で動きを封じる。
「しまった!」
「今だ!クラウソラス!」 
ディロードは更に直射魔法でアプトムを攻撃し、バインドが解除される。
[shaffen]
ディロードはナハトバンカーを装備する。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「夜天、紫突!」
ディロードはアプトムに必殺技を発動し、ナハトバンカーの槍でアプトムを串刺しにするが、
「待っていましたよ雅さん!」
アプトムはディロードライバーを掴む。
「圭一!?まさか!」
ディロードは驚く。
【非適合者の使用を確認 殲滅に入ります】
ディロードライバーの自己防衛システムが起動する。
「俺がどれだけ頑張っても、雅さんには勝てない。なら、せめて仲良く、一緒に逝きましょう!」
ディロードライバーの爆発性のリアクティブアーマーによって、半径200mの地域が焼け野原となり、雅と圭一の姿はそこにはなかった。

爆発から50mほど離れた場所に、アプトムの生体ミサイルが三発刺さり、アプトムの姿が復元される。すると、
「一緒に逝きましょう、か。結局嘘をついていたか。」
雅がロードスラスターを持って現れる。
「雅さん!?どうして?」
「あの時、すでに圭一が生体ミサイルで逃げることは予想出来ていた。だから、変身を解除してバリアを多数に展開して防いだんだ。」
『そういうことか。前原、俺達の負けみたいだ。』
「そうですね。完敗です。」
『なかなか、楽しめた。礼を言わせてもらう。』
「こちらこそ、ありがとうございました。」
アプトムと圭一の会話を聞き、
「悪いな、圭一。許してほしい、とは言わない。」
雅はロードスラスターを振り下ろして圭一をライダーカードに変える。
「喜劇を求めし、百年魔女の世界、捕まえた。」
雅は圭一のカードを拾いあげる。残る世界はただ一つ。『魔法少女リリカルなのはA′s』、戦う相手はフェイト・テスタロッサ。雅の戦いの終わりは近い。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「お友達は何とか取り返せたよ。」
「雅、あなたを許すわけにはいかない。」
「許せ、テスタロッサ。」
「みなさん、どうして!?」
「この試練に打ち勝てるか、フェイト。」
次回『烈火繚乱』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ドレイクゼクター:ディロードライバーをドレイクゼクターに変えて、仮面ライダードレイクに変身するためのカード
仮面ライダードレイク:仮面ライダードレイクを召喚するためのカード。ディショットシステムで使うことで、2分間のみ、仮面ライダードレイクに変身できる。
仮面ライダーシン:仮面ライダーシンを召喚するためのカード。ディショットシステムで使うことで、2分間のみ仮面ライダーシンに変身できる。
仮面ライダーシン(ファイナルアタックライド):仮面ライダーシンの必殺技を発動するためのカード。
アプトム:アプトム フルブラストを召喚するためのカード。ディショットシステムで使うことで、アプトム フルブラストに変身できる。

残り世界
魔法少女リリカルなのはA′s 

 

第19話『烈火剣舞』

それは、小さな思いでした。私たちの英雄は、きっと誰かに脅されて、利用されて、私達と戦わないといけない状態にある。拳を握り締め、苦渋を噛みしめている。そう思っていた。でも、私の思いは、友達の消失を以て打ち砕かれます。私は、心に決めた言葉を思い出しました。もう迷わない、これからはきっと!仮面ライダーディロード、始まります─

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

フェイトは、全てが荒野となった一面を歩いていた。
「あの日は、この荒野の中でみんなで喜んでいたのに…」
大ショッカーとの決戦。雅の負の感情の表れ、激情の心で弟を殺めた、ディケイドとの決着。暴走するディロードドラゴン。チームディロードの願いと希望の力で、集まった36の世界。雅と一つになって生まれた、最後の聖夜の名を冠する最後の聖騎士、ラストホーリーナイト。そして誕生した、次元保護国。国の復興は困難であったが、みんなの協力で国政を機能させることは出来て、平和に暮らしていたはずだった。
「なのに、どうして雅は、みんなを…」
フェイトは苦しむ心を食いしばりながら雅を探している。すると、
「大丈夫かい、フェイトちゃん?」
何者かがフェイトに声をかけ、フェイトが後ろを振り向くとそこには、
「海東さん!?」
海東大樹がいた。
「この世界はどうなっているんだい?いきなり世界の融合に巻き込まれたとと思ったら、急に土地は消えだして、まるで人はそこにいた人達を忘れるみたいで。」
海東は呆れるように話す。
「挙げ句雅君に命は狙われる。僕だって、逃げてくるのがやっとのことだったけど、何とかフェイトちゃんのお友達だけは取り返せたよ。」
海東はなのはとはやてのライダーカードを見せる。
「海東さん…」
フェイトは身構える。
「とにかく、雅君をなんとかしよう。」
【SUMMON RIDE-TAKAMATI NANOHA YAGAMI HAYATE-】
海東はディエンドライバーを使ってなのはとはやてを召喚する。しかし、
「そうやって、私を騙すことができると思ったの、雅?」
フェイトはバルディッシュをザンバーモードに変えて自身に武器を向けていたなのはとはやてを切り裂き、ライダーカードに戻す。
「何のことだい、フェイトちゃん?」
フェイトの質問に海東は驚く。
「海東さんは確かにこの世界にいて、雅と戦っていた。でも、海東さんは雅の攻撃を受けてこの世界から出て行きました。」
「急にどうしたんだい?」
「私は、あの時の戦いをモニター越しに見ていました。雅、あなたを許すわけにはいかない。この国を破壊して、私の友達を利用して…凪風雅、あなたを国家反逆罪の現行犯で逮捕します!」
フェイトはザンバーを海東に向ける。
「流石だ、フェイト。将来、時空管理局の執務官になる素質があるな。」
海東は笑うと、その擬態を解き、仮面ライダーギャレンの姿を見せる。
「えっ!?どういうこと!?」
フェイトは目の前にいるギャレンに驚く。
「ギャレンのラウズカードには、他者に変身する能力を持つシーフというカードがある。流石にそれはわからなかったか。」
ギャレンは変身を解除して雅の姿に戻る。
「だが、まだフェイトを捕まえる時ではない。僕の刺客を全て越えた時、戦ってあげる。」
【KAMEN RIDE-AGITO RYUKI- SUMMON RIDE-SYANA SIGNUM-】
雅はロードスラスターから仮面ライダーアギト、龍騎、そしてシャナとシグナムを召喚し、アギトはフレイムフォームに変身し、龍騎はドラグセイバーを召喚する。
「雅君、ここは俺達に任せるんだ!」
「凪風、お前はやるべきことがあるのだろう。」
「ありがとうございます。それでは、お願いします。」
アギトとシグナムの言葉を聞き、雅はワープのアタックライドを使って転移した。
「みなさん、どうして!?」
フェイトは戸惑うが、
「許せ、テスタロッサ。全ては凪風の為だ。」
シグナム達はそれぞれ得物としている剣を構える。
「…そうだ、私は決めたんだ。もう迷わない、これからはきっと。次元保護国警察、警視、フェイト・テスタロッサ、行きます!」
フェイトはソニックフォームにジャケットを換装する。
「行くぞ、紫電、一閃。」
「セイバースラッシュ!」
シグナムとアギトによって、フェイトに炎の斬撃が二つ向かってくる。
「危ない!?」
フェイトはソニックフォームのスピードを使って斬撃を回避する。
「プラズマランサー!」
フェイトは直射型の射撃魔法を発動する。
「みんな、俺の後ろに隠れろ!」
【GIRD VENT】
龍騎はアギト達を集めると、ガードベントを使い、ドラグレッダーが炎を纏いながら辺りを回転し、竜巻防御によってプラズマランサーを防ぐ。
「これならどう!?」
シャナは炎の翼で飛び立ち、フェイトに接近すると、贄殿遮那に炎を纏わせて斬りかかる。しかし、フェイトはプロテクションを使ってそれを防ぐ。
「みなさん、もうやめて下さい!雅に利用されて、何とも思わないんですか!?」
フェイトは説得しようとするが、
「テスタロッサ、我々が戦うのは凪風に利用されているからではない。」
「私達にも事情があるの。」
シグナム達はフェイトに刃を向ける。
「そんな…でも、負けません。勝つのは私です!」
フェイトはバルディッシュのカートリッジをロードさせる。
「来るか、テスタロッサ!」
シグナムの言葉に反応し、フェイトは高速で動き、
「こうなったら!」
【SURVIVE】
【STRANGE VENT】
【FREEZE VENT】
龍騎はサバイブにパワーアップし、ストレンジベントを使ってフリーズベントを発動するが、
「ジャケット、パージ!」
バリアジャケットをライトニングフォームに戻し、瞬間的にソニックフォームに換装することでフリーズベントを解除する。
「ライトニングロック!」
フェイトは拘束魔法を発動し、アギトとシャナを拘束する。
「雷光一閃!プラズマザンバー!」
フェイトはザンバーでシャナを切り裂き、ライダーカードに戻し、
「疾風迅雷!スプライトザンバー!」
返しの刃でアギトをライダーカードに戻す。
「やるな、テスタロッサ。」
[schlangeform]
シグナムはレヴァンティンを蛇腹剣に切り替え、
「シュランゲバイセン!」
[schlangebeißen]
シグナムはレヴァンティンをコントロールしてフェイトの脚を捕まえ、引き寄せるが、
「サンダーレイジ!」
フェイトは防御を捨てたシグナムにサンダーレイジを放ち、ダメージを与える。
「ぐっ!」
その攻撃にシグナムは怯み、レヴァンティンを落としてしまう。かつて、無防備な状況でサンダーレイジを受けた経験のあるフェイトは、その威力を知っているが故にこの行動を行った。そして、そのまま引き寄せられる力を利用してシグナムに近づき、
「撃ち抜け、雷神!」
[jet zamber]
フェイトはジェットザンバーを放ち、シグナムをライダーカードに戻す。
「城戸さん、そろそろ教えていただけませんか?どうして、私と戦うか。」
「それはできない!俺達にも、やるべきことがあるんだ。」
【FINAL VENT】
龍騎サバイブはファイナルベントをベントインさせる。
「わかりました。ライトニングロック!」
フェイトはドラグランザーと龍騎サバイブを拘束する。
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。プラズマランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイアー。」
フェイトは必殺の魔法を放ち、龍騎をライダーカードに戻す。すると、四人のライダーカードは雅の元に戻るようにその場から消えた。
「自分が倒した人達を利用するなんて、許せない…」
フェイトは雅を探すために飛翔する。
「この試練に打ち勝てるか、フェイト。」
荒野のある所で、雅は構えていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「皆さんも、雅の為に戦うのですか?」
「伸びやかに!健やかに!」
「助太刀させてもらうぜ!」
「ごめんなさい、フェイトちゃん。」
「真空、地獄車!」
次回『水華夢想』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーアギト:仮面ライダーアギトを召喚するためのカード。
仮面ライダー龍騎:仮面ライダー龍騎を召喚するためのカード。 

 

第20話『水華夢想』

それは、小さな願いでした。まだ仲間がいてくれる。あの人を止めることができるかもしれない。でも、目の前の現実に、その願いは砕かれます。だから私は、みんなの正義の為に、この刃を振りかざします。仮面ライダーディロード、始まります。

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「宇宙、キター!仮面ライダーフォーゼ、助太刀させてもらうぜ!」
フェイトの目の前に、翠星石、仮面ライダーX、仮面ライダーキバ バッシャーフォーム、仮面ライダーフォーゼ ファイヤーステイツが現れる。
「皆さんも、雅の為に戦うのですか?」
「いいえ、僕達も事情がありますから。」
フェイトの質問にキバは答えながらアクアフィールドを展開する。
「渡、俺も手を貸すぜ!」
[ウォー ター スクリュー オン]
フォーゼは浅瀬しか精製出来ないアクアフィールドを補うようにスイッチのコンビネーションを利用してアクアフィールドの水量を大きく上昇させる。
「渡さん達が見えなくなった!?でも、まだ翠星石さんが見える。それなら!プラズマランサー!」
フェイトは翠星石にプラズマランサーを放つが、
「伸びやかに、健やかに!」
翠星石は庭師の如雨露か水を放つと、樹木が現れプラズマランサーを防ぐ。
「ライドロープ!」
翠星石を相手に手こずるフェイトを見てXライダーはライドルを伸縮自在のロープにしてフェイトを捕らえ、水中に引きずり込む。
(しまった!)
フェイトは気づくが、既に遅く、
「真空、地獄車!」
Xライダーは水中で必殺技の真空真空を放つ。本来、陸上戦を基準に使われるこの技だが、当然水中で放てば水圧がその体に押し寄せる。防護性の低いフェイトに対してはそれは有効であり、Xライダーは持ち前の耐水性でそれをものともせずに回転し、そのままフェイトを水上に蹴り上げる。
「くっ!」
突然水上に上げられた圧力でフェイトはダメージを受ける。
「Xキック!」
Xライダーはフェイトに対して必殺のキックを放とうとするが、
「プラズマスマッシャー!」
直射型の魔法を放ってXライダーを攻撃する。深海開発用改造人間であるXライダーは水中では無類の強さを発揮するが反面、耐水用の機械を大量に埋め込んでいることで雷撃に対する耐性は低くなっている。
「ぐぁっ!」
プラズマスマッシャーを受けたXライダーはそのままアクアフィールドに落とされ、水中にいたキバとフォーゼはXライダーに帯電していた雷魔法のエネルギーがアクアフィールドに帯電したことでダメージを受ける。
「ぅあああっ!」
特に、キバの場合は魔皇力による生体装甲である為、そのダメージは凄まじく、キバフォームに戻ってしまい、アクアフィールドは消滅してしまう。
「こうなったら!」
[エ レ キ オン]
フォーゼはエレキステイツに変身することで、帯電した電撃をエネルギーに変換する。
「しまった!」
フェイトはフォーゼの切り替えしで作戦を練り直す。フェイトの持つ攻撃用の魔法は全て雷の属性を含むが、それらは全てフォーゼによって吸収されてしまうからだ。だが、
「だったら、これでいくしかない!ライトニングバインド!」
フェイトは咄嗟に拘束魔法でフォーゼを拘束し、
[scythe slash]
サイズスラッシュをフォーゼドライバーに放つことで、維持に必要なエネルギー源をを破壊してフォーゼをライダーカードに戻す。
「弦太朗さん!?」
キバは驚くが、
「撃ち抜け、雷神!」
[jet zamber]
フェイトはザンバーを振り下ろし、キバをライダーカードに戻す。
「後は神さんと翠星石さんだけ。それなら!」
フェイトは魔方陣を展開する。
「アルカス・クルタス・エイギアス。煌めきたる天神よ。いま導きのもと降りきたれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。撃つは雷、響くは轟雷。アルカス・クルタス・エイギアス。サンダーフォール!」
フェイトは雷雲を操る儀式魔法を使い、耐久性の低い翠星石と弱ったXライダーを雷で撃ち抜き、ライダーカードに戻す。
「早く、雅の所に向かわないと。」
フェイトはそのまま雅のいる場所を探し続ける。

フェイトが空を飛びながら雅を探していると、
〔ブレイク!マキシマムドライブ!〕
突然、金色のエネルギーの刃が飛んでくる。
「危ない!?」
フェイトは避けながら地上に降りる。
「ねぇ、私達に勝てるの?」
「さあ、絶望を打ち砕けるかな。」
フェイトの目の前には仮面ライダーブレイク、ゼロ電王、マディクス、シグムスがいた。
「あれは、雅が仮面ライダーの世界で変身したライダー!?」
フェイトは驚く。
「フェイト、僕達が最後の追っ手だ。僕達を倒せれば、もう追っ手は来ない。約束しよう。」
マディクスはマディクスプレートを構える。
「ただ、僕達を倒せれば、の話だ。」
シグムスは拳を構える。
「ディロードではないとはいえ、仮にも四人の僕を相手にすることは覚えておく方がいい。」
ブレイクはブレイクザンバーを構える。
「ま、私は雅の体を借りているだけだけど。」
ゼロ電王はゼロデンガッシャーをスピアモードに変えてフェイトに向かう。
「プラズマランサー!」
向かってくるゼロ電王にフェイトはプラズマランサーを放つが、
「甘いわよ!」
ゼロ電王はそれらを弾き飛ばし、破壊する。
「クロックアップ!」
[clock up!]
マディクスはクロックアップを発動して高速移動を行うが、
「ソニックフォーム!」
フェイトはバリアジャケットをソニックフォームに換装して同じく高速移動で対応する。
「なら、これだ!ライダースラッシュ!」
[rider slash!]
マディクスは間合いを詰めながら必殺技を発動し斬りかかるが、
「疾風迅雷!スプライトザンバー!」
マディクスプレートを振り上げたことで無防備となったマディクスにフェイトは横一文字で切り裂き、
[clock over…]
クロックアップの解除と共にマディクスはライダーカードに戻る。
「あら、以外とやるのね。それなら、私も頑張っちゃお。」
“Full charge.”
ゼロ電王は必殺技を発動する。
(ゼロ電王の戦い方は受け流しが基本。それなら!)
フェイトはゼロ電王がゼロデンガッシャーを放つタイミングにあわせてバックステップで攻撃を避け、
「サンダー、スマッシャー!」
ゼロ電王ベルトにサンダースマッシャーを当ててベルトを破壊し、ゼロ電王をライダーカードに戻す。
「予想通りの結果になったな。」
「ああ。カグヤは単独行動を得意とする。それにマディクスの性能を考えれば手薄な防御と釣り合った攻撃性能ではなかったからな。」
ブレイクとシグムスは戦いを傍観しながら分析していた。
「それに、どの道人数的にこちらの攻撃がぶつかり合って不利になっていた。丁度いいだろう。」
シグムスは走りながらフェイトにパンチを放つが、フェイトはそれをバルディッシュで受け止める。しかし、
「お願い!」
「了解!」
シグムスの後ろから現れるブレイクに驚いたことでシグムスの後退を許し、体勢を崩したことでブレイクからの斬撃を受けてしまう。
「しかし、以外だったな。フェイトが僕を倒すことに躊躇しないとは。」
「ああ。フェイトはとても優しい。それが一番の長所であり、弱点でもある。」
バルディッシュを使って杖をつくようにフェイトは立ち上がろうとするが、シグムスがバルディッシュを払い、ブレイクがフェイトを蹴り飛ばす。
「だが、フェイトもここまでか。」
「流石に僕を四人相手には限界があったのだろう。」
[ready? exceed charge]
〔ブレイク!マキシマムドライブ!〕
シグムスとブレイクは必殺技を発動する。
「ハッ!」
シグムスポインターからポインティングマーカーが二つフェイトに放たれ、
「ブレイクインパルス!」
ブレイクザンバーはエネルギーの刃を伸ばす。しかし、
[sonic move]
フェイトはソニックムーブで回避し、
[lightning bind]
ライトニングバインドを発動し、シグムスとブレイクを拘束する。
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。プラズマランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイアー!」
更に、上空へ移動したフェイトはシグムスとブレイクに必殺技の魔法を放つ。
「これで、終わり!」
フェイトは最後にサンダースマッシャーを放つ。
「強くなったな、フェイト…」
「まさか、僕を相手に迷わずに戦えるとは、思わなかった…」
シグムスとブレイクはそう言い残して爆発し、ライダーカードに戻る。
「これで、もう追っ手は来ないんだよね、雅…」
フェイトは雅がいるであろう場所へ向かう。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「まあ、随分と大きくなりましたね、フェイト。」
「いい加減、私の前から消えなさい!」 
「そんな…どうして…」
【ATTACK RIDE-HAKUYOKU-】
「エンシェント…マトリックス!」
次回『最悪の試練』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーX:仮面ライダーXを召喚するためのカード。
仮面ライダーフォーゼ:仮面ライダーフォーゼを召喚するためのカード。
翠星石:翠星石を召喚するためのカード。
仮面ライダーブレイク:仮面ライダーブレイクを召喚するためのカード。
仮面ライダーゼロ電王:仮面ライダーゼロ電王を召喚するためのカード。
仮面ライダーマディクス:仮面ライダーマディクスを召喚するためのカード。
仮面ライダーシグムス:仮面ライダーシグムスを召喚するためのカード。 

 

第21話『最悪の試練』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「仮面ライダーフォーゼ、助太刀させてもらうぜ!」
「僕達が最後の追っ手だ。」
「ねぇ、私達に勝てるの?」
「フェイトはとても優しい。それが一番の長所でもあり、弱点でもある。」
「強くなったな、フェイト…」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「やっぱり、ここにいたんだね、雅。」
フェイトはついに雅を見つける。
「よく僕の追っ手を退けた。頑張ったな、フェイト。」
「あとは、雅を捕まえれば、全てが終わる。」
「そういうわけにもいかない。この世界を救う為にも、フェイトには消えてもらう。」
【SUMMON RIDE-RINITH PRECIA TESTAROSSA-】
雅はサモンライドを使ってある人物を召喚する。
「まあ、随分と大きくなりましたね、フェイト。」
「どうしてあなたがいるのかしら。邪魔よ、消えなさい。」
「リニス?それに…母さん?」
雅が召喚したのは、プレシアと、プレシアの使い魔であり、フェイトの師匠でもあるリニスであった。
「フェイト、これが最後の試練だ。この試練を乗り越えられないようでは、僕には勝てない!」
戸惑うフェイトに雅は言う。
「ミヤビさん、事情は分かりませんが、フェイトの為に本気で行っていいんですね?」
「リニス、あなたはどこまであれに拘るの?」
「アリシアに拘っているあなたに言われたくありません。とにかく、私だけでも行きますから!」
リニスは戸惑うフェイトにフォトンランサーを放つ。
「危ない!?」
フェイトは咄嗟に避けるが、
「いい加減、私の前から消えなさい!」
回避した先にいたプレシアのフォトンバーストがフェイトを襲う。
「ぅああっ!」
フォトンバーストを受けたフェイトは吹き飛ばされるが、
「フェイト、その調子では、勝てませんよ!ジェットスマッシャー!」
リニスの砲撃魔法によってフェイトは撃ち落とされる。
「そんな…どうして…」
フェイトは立ち上がる。
「フェイト、戦う相手にどうして戦うのか、理由を聞く必要はありません。ライトニングバインド!」
リニスはフェイトを拘束する。
「行きますよ、フェイト!プラズマセイバー!」
リニスは自身の魔導杖から砲撃魔法を放とうとするが、
「邪魔よ、消えなさい!」
プレシアはそんなリニスごとフェイトにサンダーレイジを放ち、フェイトに大ダメージを与えるが、リニスの攻撃も阻害した。
「…プレシア、何のつもりですか…」
「あら、あれを避けられないなんて、あなたも衰えたわね。」
「あの威力しか出せなくなったあなたには言われたくありませんよ。」
「…ふ、相変わらず口だけは達者ね。」
リニスとプレシアは啀みあっている。すると、
[lightning bind]
二人はフェイトの放ったライトニングバインドによって拘束される。
「リニス、母さん、ごめんなさい。雅を止める為に、私は戦わないといけないの。」
フェイトは魔方陣を展開する。
「リニス、リニスが教えてくれたこの魔法、ちゃんと使えているか、採点して。アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。プラズマランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイアー!」
フェイトはフェイトは、自身の長所を最大限に特化させた必殺の魔法をリニスとプレシアに放ち、爆風が晴れると、ボロボロになったリニスとプレシアがいた。
「…よくやりましたね、フェイト。百点ですよ…」
「アリシアは、こんなことをするような子じゃなかった。やっぱりあなたは…」
「プレシア、あの子はフェイトです。あなたが生んだ、二人目の娘ですよ。」
リニスとプレシアは消滅する。
「…雅、私はあなたを許さない。母さんもリニスも、もういない人も利用するなんて。」
フェイトはバルディッシュを雅に向ける。
「よく頑張ったな。ではまず、魔力を回復させてあげる。」
雅はディバイドエナジーを使ってフェイトの魔力を回復させる。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「まずはこれだ。」
【ATTACK RIDE-FORMULA ELTRIA SISTERS FLAME-】
ディロードはロードスラスターにカードをスキャンして、右手に青の、左手に桃色のハンドガンを持つ。
「あの武器は一体?」
フェイトは身構える。
「可能性の世界の力、見るといい。バルカンレイド!」
ディロードは青いフォーミュラエルトリアから小型のエネルギー弾を六発放ち、フェイトはラウンドシールドを展開しようとするが、
「ラピッドトリガー、ファイヤー!」
ディロードは更に弾速の速いエネルギー弾を放ち、ラウンドシールドの展開を阻害し、バルカンレイドによるダメージをフェイトに与え、フェイトが怯むと、
「行くぞ!」
そのまま走りながらフォーミュラエルトリアを合体させて大剣にモードを切り替えてフェイトを切り上げる。
「スラッシュレイヴインパクト!」
切り上げによって打ち上げられたフェイトに対して、ディロードはフォーミュラエルトリアを再びハンドガンに切り替え、巨大なエネルギー弾を精製してフェイトに叩きつけようとする。しかし、
「ソニックムーブ!」
エネルギー弾の着弾前にフェイトは高速移動で回避する。
「避けられたか。それなら!」
ディロードはフェイトが着地するタイミングにあわせて近づき、ハンドガンを短剣に切り替えて斬撃を放ち、フェイトに反撃の隙を与えず、
「これでどうだ。エンドオブデスティニー!」
ディロードは更にフォーミュラエルトリアをハンドガンに切り替えて大量のエネルギー弾をばらまき、トドメの一発を放つと、ばらまかれたエネルギー弾がフェイト目がけて放たれる。しかし、
「フォトンランサー、ファランクスシフト!」
その弾幕をフェイトはファランクスシフトで撃ち落とす。
「やるな。それなら、次はこれだ!」
【ATTACK RIDE-HAKUYOKU-】
ディロードはカードをスキャンし、背中に禍々しい赤い翼を出現させる。
「行くぞ。ナパームヘル、ブレス!」
ディロードは赤黒い魔力弾の弾幕をフェイトに放つが、
「ソニックフォーム!」
フェイトはソニックフォームに換装して回避する。しかし、
「甘い!ブラッディジャベリン!」
ディロードは血のように赤い魔力の刃をフェイトに投げ付ける。
「ハーケンスラッシュ!」
投げ付けられたブラッディジャベリンをフェイトは斬撃魔法で切り裂く。
「まだまだ!行くぞ、ヴェスパーリング!」
ディロードはドーナツ状の魔力弾を放つ。
「あの形なら、間を縫って撃てる!プラズマスマッシャー!」
フェイトは直射魔法を放つが、プラズマスマッシャーがヴェスパーリングに触れた瞬間、プラズマスマッシャーは消滅し、ヴェスパーリングはフェイトに向かう。
「ライトニングフォーム!」
フェイトはライトニングフォームに換装してヴェスパーリングを防ぎ、爆風が舞う。
「やるな。だが、その防御が隙になる!」
爆風が晴れると、ディロードが現れ、フェイトの胸部に腕を伸ばすと、魔方陣が展開され、フェイトの胸部を貫通する。
「ハッ!」
そのままディロードはフェイトを蹴り飛ばすと、ディロードの右手には、巨大な魔力の塊を形成した刃が握られていた。
「行くぞ、敵の闘志を刃に変えるこの一撃。エンシェント…マトリックス!」
ディロードは魔力の刃をフェイトに投げる。
「あれを受ける訳にはいかない。疾風迅雷、スプライトザンバー!」
フェイトは即効性のザンバーでエンシェントマトリックスを両断し、破壊する。
「なるほど。フェイトも強くなったな。手加減はこの位にしておこう。」
【CHANGE RIDE-V BUCKLE VERSION ODEON-】
「変身!」
ディロードは一度変身を解除して、仮面ライダーオーディンに変身する。
「あれは…オーディン!?」
最強のライダーがフェイトに立ちはだかる。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
【STEAL VENT】
「オーディンのファイナルベントが一枚だといつから認識していた?」
「雷鳴の勇者、キョウリュウゴールド!」
「雅、これで決めるよ!」
「よくここまで頑張ったな。」
次回『最後の軍神』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
フォーミュラエルトリア:ロードスラスターをフォーミュラエルトリアに変えるカード。ブルーフレーム、ピンクフレーム、両者を半々に持つシスターズフレームが存在する。
魄翼:魄翼を展開させ、砕け得ぬ闇の力を発揮する。

今回のフォーミュラと魄翼はゲームGOD登場版を使っています。 

 

第22話『最後の軍神』

「あれは、オーディン!?」
かつてローゼンメイデンの世界でディエンドが召喚したライダーとして、フェイトの記憶には残っているため、フェイトはバルディッシュを構えて警戒する。しかし、
【STEAL VENT】
オーディンは敵の武器を奪うスチールベントを使ってバルディッシュをフェイトの手から転移させて、構える。
「バルディッシュ!?どうしたの!?」
[コントロールの権限を奪取されました。こちらで魔法使用の制限をかけることは不可能になっています。]
バルディッシュはフェイトに状況を説明する。
「わかった。まずはバルディッシュを取り戻さないと。」
フェイトはオーディン目がけて走る。
「これでどうだ。ハーケンスライサー!」
オーディンはハーケンスラッシュを三つ放ち、フェイトを妨害しようとするが、
「ソニックムーブ!」
高速移動でハーケンスライサーをよけ、オーディンの懐に入るが、
「…消えた!?」
オーディンはフェイトの後ろに瞬間移動してフェイトの背中を蹴ろうとする。しかし、フェイトは咄嗟に回転してオーディンの蹴りをラウンドシールドで防ぎつつ、バルディッシュを掴み、高速移動をしてオーディンからバルディッシュを取り戻す。
「やるな。」
【CLEAR VENT】
オーディンはクリアーベントを使い、透明になる。
【SWORD VENT】
オーディンはそのままソードベントを使い、ゴルトセイバーを召喚してフェイトを攻撃しようとするが、
「そこ!」
フェイトはオーディンの攻撃を受け止め、プラズマランサーをオーディンに放つ。
「何故分かった?」
「雅、リンカーコアの仕組みを考えればすぐ解るよ。」
「そうだな。リンカーコアの反応で位置が予測出来るか。」
「雅、私は雅を止めて見せる。撃ち抜け、雷神!」
フェイトはジェットザンバーを放つが、
【CONFINE VENT】
オーディンはコンファインベントを使い、ジェットザンバーを無効化する。
「しまった!」
「今度はこちらから行くぞ。」
【FINAL VENT】
オーディンは必殺技を発動し、ゴルトフェニックスが現れる。
“クォォォォォッ!”
ゴルトフェニックスは咆哮をあげるとオーディンの背中に合体し、飛翔する。
「行くぞ!」
オーディンは灼熱のエネルギーを纏う突進を行う必殺技、エターナルカオスをフェイトに放つ。
「当たる訳にはいかない!」
フェイトはソニックムーブでエターナルカオスを避ける。
「…ファイナルベントはもう使った。これで大丈夫のはず…」
フェイトは呼吸を整えながら体勢を立て直す。しかし、
【FINAL VENT】
オーディンは再びファイナルベントをスキャンする。
「そんな!?」
フェイトは驚く。
「オーディンのファイナルベントが一枚だといつから認識していた?」
ゴルトフェニックスは再びオーディンと合体し、オーディンは低空飛行でフェイトに突進するが、
「ゴルトフェニックスを何とかしないと、勝ち目がない!スプライトザンバー!」
フェイトは スプライトザンバーでゴルトフェニックスの左翼を切り落とす。
「しまった!」
片翼を失ったことで、ゴルトフェニックスとオーディンは墜落し、烈火のエネルギーを持つ翼を失ったことで、ゴルトフェニックスはエネルギーを失い爆散し、オーディンはブランク体になる。
「ゴルトフェニックスがやられるとは。これではサポートカードも使えないか。」
雅は変身を解除し、
【CHANGE RIDE-GABURI CHANGER-】
ディロードライバーをキョウリュウゴールドの変身ブレスに変えて左腕に装着する。
「ブレイブ、イン!」
“ガブリンチョ!プテラゴードン!”
「行くぞ、キョウリュウチェンジ!」
雅はキョウリュウゴールドに変身する。
「雷鳴の勇者、キョウリュウゴールド!」
キョウリュウゴールドは名乗り、
「ブレイブ、イン!来い、プテラゴードン、アンキドン、パラサガン!」
キョウリュウゴールドは三体の獣電竜を呼び出す。
「カミナリ武装!完成、プテライデンオーパラサガンアンキドン!」
三体の獣電竜は合体する。
「一気に行くぞ!プテライデンオーパラサガンアンキドン、獣電ブレイブフィニッシュ!」
キョウリュウゴールドはプテライデンオーの必殺技を発動し、パラサガンからエネルギー弾がセットされ、それをアンキドンによって放つ。しかし、
「行くよ、雅。雷光一閃、プラズマザンバー!」
フェイトはプラズマザンバーを放ってプテライデンオーの必殺技をかき消しながら三体の獣電竜を撃ち倒す。
「ぐあぁぁぁっ!」
獣電竜から排出され、キョウリュウゴールドは地面を転がるが、ザンダーサンダーをすぐに構える。
「ブレイブ、イン!獣電池、二本連結!雷電衝撃波!」
キョウリュウゴールドはザンダーサンダーに獣電池を二本セットして雷の衝撃波を放ってフェイトを攻撃するが、
「ハーケンスライサー!」
フェイトはハーケンスラッシュを三発放ち、衝撃波を掻き消しながら残りの刃をキョウリュウゴールドに向かわせる。
「危ない!?ブレイブ、イン!」
“ガブリンチョ!グルゥモナイト!アロメラス!”
「雷電・火炎渦巻!」
キョウリュウゴールドは咄嗟に獣電竜の力を使い、炎の竜巻でハーケンスラッシュを防ぐ。
「これで決めるぞ!ブレイブ、イン!獣電池、三本連結!」
“ガブリンチョ!プテラゴードン!”
「獣電ブレイブフィニッシュ!雷電残光!」
“ザンダーサンダー!”
キョウリュウゴールドはプテラゴードンの雷のエネルギーを最大限に高めた斬撃を放つ。
「行くよ、雅!撃ち抜け、雷神!ジェットザンバー!」
ブレイブフィニッシュの斬撃とジェットザンバーはぶつかり合い、ジェットザンバーの斬撃がキョウリュウゴールドを切り裂き、雅の変身は解除される。
「雅、もう終わりだよ。」
フェイトは近づくが、
「まだだ!」
【ATTACK RIDE-ELECTRO MUSTER-】
雅はアタックライドを使い、全身に電撃のエネルギーを
与える。
「学園都市第3位の力、見るといい!」
雅は電磁誘導を駆使して荒野から鉄骨の残骸を引きずり出し、フェイトにぶつける。
「ソニックムーブ!」
しかし、フェイトはそれを高速移動で避け、
「ライトニングバインド!」
拘束魔法を使おうとするが、
「クイックバインド!」
雅は発生の速い拘束魔法を使い、それを防ぎ、
「くらえ!超電磁砲(レールガン)!」
雅はコインを取り出し、それを弾くと、コインはマッハ3の速度でフェイトに放たれる。
「ラウンドシールド!」
フェイトは放たれた超電磁砲をラウンドシールドで防ぐ。超電磁砲は高威力だが、それは瞬間火力であり、防がれれば徐々に火力は低下する。フェイトは防いだことで電撃使い(エレクトロマスター)の最強の一撃を防いだ。しかし、
「それなら、これの出番だな。」
雅は地面から大量の砂鉄を取り出し、それを鞭にする。
「さて、避けきれるか!」
雅は、バインドの解除されたフェイトに砂鉄の鞭を這わせるが、フェイトは華麗に避ける。しかし、
「甘い!」
砂鉄の鞭がフェイトの右足首を捕らえ、フェイトは動きを封じられる。
「行くぞ!超電磁砲(レールガン)!」
雅は再び超電磁砲を放つ。しかし、
「同じ手は使わせない!サンダースマッシャー!」
フェイトはサンダースマッシャーを放ち、超電磁砲をかき消す。
「なるほどな。強くなったな、フェイト。」
雅はフェイトの動きに感心する。
「雅、もう諦めて!もう私達が戦う理由なんてないはずだよ!」
フェイトは雅に訴えかける。
「やっぱり、どこまでいってもフェイトは優しいな。だが、それでは会計出来ないことはフェイトも解っているだろう。」
雅はディロードのカメンライドカードを取り出す。
「フェイト、よくここまで頑張った。僕を全力で相手になる。ディバイドエナジー!」
雅はフェイトの魔力を完全に回復させ、
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。雅とフェイトの、全力全開の最終決戦が始まる。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
【ATTACK RIDE-SONIC-】
「仮面ライダーディロード、ソニックフォーム!」
「やはり、お互い手を知り尽くしているな!」
「まさか、雅もソニックフォームを使えたなんて…」
「…これで、すべてが救われる…」
次回『高速の最終決戦!ディロード ソニックフォーム!』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
Vバックル(オーディン):ディロードライバーをオーディンのVバックルに変えて仮面ライダーオーディンに変身するためのカード。
ガブリチェンジャー:ディロードライバーをガブリチェンジャーに変えてキョウリュウゴールドにキョウリュウチェンジするためのカード。
電撃使い(エレクトロマスター):学園都市第3位の超能力を発揮させるカード。 

 

第23話『高速の最終決戦!ディロード ソニックフォーム!』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「もう、いい人でいるのは疲れたんだ。」
「凪風雅の国家代表資格を剥奪。凪風雅を指名手配します。」
「雅、仲間じゃなかったんかよ!」
「一緒に逝こうぜ、雅さん!」
「雅、あなたを国家反逆罪で逮捕します。」
「強くなったな、フェイト。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「ここまでよく頑張った、フェイト。最後の一踏ん張りだ。よく見るといい。」
【ATTACK RIDE-SONIC-】
ディロードはロードスラスターにソニックのカードをスキャンする。すると、ロードスラスターは二手に分かれ、ディロードの装甲は肩と手甲、足を残して弾け飛び、それらはエネルギーに変換されて二手に分かれたロードスラスターに装着され、二丁のロードスラスターになる。
「もし僕に勝てるなら、これを参考にソニックフォームを強化するといい。」
「雅、その姿は…」
「行くぞ、これがディロードの速さの真骨頂。仮面ライダーディロード ソニックフォーム!」
ディロードは二丁のロードスラスターを構える。
「雅もソニックフォームを使えたなんて…」
フェイトはバルディッシュを構える。

ディロードとフェイトの戦いは速攻で決着がつくと思われていたが、硬直状態になっていた。何故ならお互いにソニックフォームの運用方法を熟知しているため、下手な行動が命取りになることを理解しているからだ。
「やはり、なかなか動かないな。」
「雅の方だって。私、気付いたんだ。もしかして、雅のソニックフォームはロードスラスターで射撃する機能が発揮出来ないんじゃないかなって。」
「よく気付いたな。」
フェイトの刃はひとつ。対するディロードの刃は二つ。刃を構えた戦闘は、刃が多い方が不利になる。ディロードのブラストはそれを打開する力を持つが、それを使わないことでフェイトに悟られる。
「だが、これならどうだ!」
【ATTACK RIDE-BLARAUZER-】
ディロードはロードスラスターにブレイラウザーのカードをスキャンして、ブレイラウザーを二刀流で構えると、
[slash thunder lightning slash]
ディロードは二振のブレイラウザーから雷の斬撃を放つが、フェイトはソニックムーブでそれを回避し、
「サンダーレイジ!」
サンダーレイジを放つ。
「当たるか!」
ディロードはサンダーレイジを回避し、
【ATTACK RIDE-ONGEKI GEN RETURAI ONGEKI SINGEN RETUZAN-】
ロードスラスターを烈雷と烈斬に変える。
「音撃斬、雷電激震!音撃斬、雷電斬震!」
ディロードは二振の音撃弦から雷の衝撃波をフェイトに放つ。
「雷電一閃、プラズマザンバー!」
フェイトは衝撃波に対して必殺技を放ちかき消す。しかし、
「カルテットバインド!」
ディロードはカルテットバインドを使ってフェイトを拘束する。
「しまった!」
フェイトは驚くが既に遅く、
「フェイト、魔導師には最大出力(エクストラスキル)があるのは知っているだろう?」
「…うん。」
「僕の持つ最大出力(エクストラスキル)は資質変換。読んで字のごとく魔導師の資質を一時的に変異させるスキルだ。そして、僕が選んだ対象は砲撃魔導師。つまりなのはと同じ資質だ。当然、その最大出力(エクストラスキル)も発動出来る。」
「…まさか!?」
「そう、残留魔力の収集も行える。厳密には電撃のエネルギー全てを収集しているが。」
「もしかして、全部このために!?」
ディロードの言葉を聞いてフェイトは思い出す。キョウリュウゴールド、電撃使い、ブレイラウザー、音撃弦、そして自身がそれらを防ぐために使った魔法。全てが雷の属性を所持していることを。そして、ロードスラスターに収束されたエネルギーは巨大な魔力の刃になる。
「これで終わりだ、フェイト。疾風迅雷、スプライトザンバー!」
ディロードは右手の刃を振り下ろす。
「ラウンドシールド!」
フェイトはラウンドシールドで止めようとするが、
「刃はもう一つある!撃ち抜け、雷神!ジェットザンバー!」
ディロードは左手の刃を横一文字に放つ。放たれた刃はバリア、盾、結界を破壊する力を用いてラウンドシールドを破壊しながらフェイトを切り裂き、ラウンドシールドを失ったことで縦一文字の刃がフェイトを切り裂き、爆発が起きる。その威力は凄まじく、フェイトはバリアジャケットを失い、服の再精製も行う力を失う。
「フェイト!?」
ディロードは直ぐにフェイトに近づき、変身を解除して上着をフェイトに被せる。
「…雅?」
「意識はあるのか、フェイト。」
「…私、雅に負けちゃったんだ…」
「ああ。」
「…じゃあ、これで…」
「そうだ。これでみんなの世界を救える!」
「えっ?」
雅の言葉にフェイトは驚く。
「だって、雅はこの世界のために、私達を倒すって…」
「そうだ。この世界を救うことで、みんなの世界の歯車が元に戻る。今度こそ、みんなの世界を完全に救える。」
「待って、話が違う。」
「悪かった。だけど、この方法しかみんなをライダーカードに隔離する手段がなかったんだ。」
「それじゃあ、雅はずっと悪い人のふりをしていたの?」
「そうだ。だから安心していい。詳しい話はリンディ長官に聞くといい。だから今は、ゆっくり休むといい。」
「わかった。雅の言葉を聞けて、安心出来た…」
フェイトはそう言い残してライダーカードに変わる。
「……全ての世界…捕まえた!」
雅は歯を食いしばりながら宣言し、融合した35の世界は全てライダーカードに変わった。

「…漸く着けた。随分と離れてしまっていたのか。」
雅は、ディロードドラゴンを倒した場所にいた。
「待っていてくれ、みんな。すぐにそこから出してあげます。」
雅は35の世界のライダーカードを全て取り出す。すると、リィンフォースのカードが光り出す。
「リィンフォース、手伝ってくれるのか。」
雅はリィンフォースを召喚する。
「雅、一人では大変だろう。私も手伝うよ。」
「ありがとう、リィンフォース。」
雅とリィンフォースはライダーカードを使って魔法陣を作成する。
「あとは、これを起動させる術式だけか…」
雅は魔法の使用を開始しようとする。
「雅、今の君のリンカーコアの残量では、魔法の維持は難しいだろう。私のリンカーコアを使うといい。」
雅に対してリィンフォースは助言をする。
「駄目だ。そんなことをすればリィンフォースのカードはエネルギーを全て失い、消滅する。」
「君は装填の守護者だろう?私の運命は、あの日、クリスマスの日に終わりを迎え、私の物語は閉じたんだ。今まで、こうしていられただけでも、充分なわがままなのだよ。」
「そうだったな。僕は装填の守護者。既に消えたリィンフォースを、ここにつなぎ止めることはしてはいけないんだ。」
雅がそう言うと、はやてのカードが光り出す。
「はやて…」
雅ははやてのカードに近づこうとする。
「雅、我が主は私が消えることを止めようとしている。だから、そのままにしていてほしい。」 
しかし、それをリィンフォースは止める。
「…わかった。リィンフォース、儀式を始める前に、少し話をしよう。」
「何の話がしたい?」
「そうだな、思い出話なんてどうだ?」
「思い出と言われても、私は話せることなどあまりないよ。」
「いいんだ。この時間が大切なんだ。」
「そうかい。それなら、雅はよく頑張ったと思うよ。」
「どうしたんだ?」
「これだけの友と戦うことに、戸惑うこと無くひたすら一生懸命だっただろう?」
「ああ。これは僕にしか出来ないことだ。もしそれで憎まれても、それで世界が救えるなら、僕は構わない。」
「雅、やっぱり君は壊れているのだね。」
「それは、自分自身でよく理解している。」
「どうすれば、君はこんな風にならなかったと思う?」
「どうやっても、変わることは出来ない。」
「それは違うよ。私の運命はなのは達と、我が主が変えてくれた。」
「僕の世界には、あんなに優しくて心の強い子はいない。」
「それは、とても辛かったね。」
リィンフォースは苦い顔をしている雅を抱き寄せる。
「どうしたんだ、リィンフォース?」
「君はどうして、それを辛いと言えないんだ。」
「リィンフォースに言われたくないよ。リィンフォースだって、無理矢理呪われた本に作りかえられて、何人もの主を…」
「私は本の管理システム。人工知能のようなものだ。だが君は人間、生きているだろう。だから私のようになってはいけない。わかったかい?」
「…わかった、ありがとう。リィンフォース、そろそろ儀式を始めよう。」
「ああ、わかったよ。」
雅とリィンフォースは魔法陣の中央に立つ。
「-飛ばし繋げよ世界の道。渡るは次元、歩むは大地。集う世界を平穏に、思いと願いは永遠に。果てにある輝きとそれらを民に、いつか見た温かい思い出の為に、全ての祈りを今掲げ。全ての民を故郷へ。-」
雅が呪文を唱え終えると、魔法陣とリィンフォースは光り出す。
「雅、あとは私に任せるんだ。」
リィンフォースは自身のエネルギーを最大限に解き放つ。
「大丈夫か、リィンフォース?」
「ああ。もうすぐ、終わる。」
リィンフォースがそう言うと、ライダーカードは全てその場から消え、ライダーカードケースに戻る。
「リィンフォース?」
「無事成功したよ。これで、そのライダーカードはただ力を発揮するだけのものになった。雅、私ももう消える。」
リィンフォースはそう言うと、雅の頬に軽く口づけをした。
「…実に50年ぶりだな。」
雅がそう言うと、リィンフォースは顔を赤く染めるが、
「私との別れなのだ。我が主にからかわれるといい。」
そう言い残してリィンフォースのカードは消滅し、リィンフォースも雪のように消えた。
「…これで、全ての準備が整ったか…ッグ!」
雅は何かに腹部を貫かれる。
「まったく…久しぶりに合えばそれか…」
雅はその場に倒れる。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「みんなで雅を利用していたの!?」
「他に手段はありませんでした。」
「あれは…ディロードドラゴン!?」
「どうしたんだよ、シャマル!」
「…だって雅君…死んでいるんだもの!」
次回『装填の殲滅龍』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ソニック:ロードスラスターにスキャンすることで、ディロードをソニックフォームに変身させる。
ブレイラウザー:ロードスラスターをブレイラウザーに変える。
音撃弦 烈雷:ロードスラスターを烈雷に変える。
音撃弦 烈斬:ロードスラスターを烈斬に変える。
リィンフォース:幸運の追い風、祝福のエール、リィンフォースを召喚するためのカード。現在は消滅し、再入手不能。

新フォーム紹介
仮面ライダーディロード ソニックフォーム
身長:198cm
体重:75kg
パンチ力:4t
キック力:3t
走力:100mを0.0005秒で走る。
ディロードがロードスラスターにソニックのアタックライドをスキャンすることで変身するスピード戦士。変身時にロードスラスターを二丁に分断するが、剣術に特化した性能になる為、銃としての機能は完全になくなる。 

 

第24話『装填の殲滅龍』

それは、小さな奇跡でした。あの人はやっぱり私達の為に戦っていた。世界の平和を守る為に、自分を貶めてでも目的を成し遂げた。だけど、結果は残酷なもので………仮面ライダーディロード、始まります─

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「……ん…なんか変な夢だった。」
魔法少女リリカルなのはA′sの世界でフェイトは目を覚ます。
「おはよう、なのは。これからはやてのところに?」
「うん!フェイトちゃんも一緒に行く?」
「もちろん。」
なのはとフェイトははやてのところに行く。
時空管理局の保護施設にはやてはいた。本人は関与していないとはいえ、ヴォルケンリッターの主であるはやては、闇の書事件の重要参考人として隔離されているが、関係者との面会は許されている為、二人と会って話を始める。
「おはよう、なのはちゃん、フェイトちゃん。なんか今日すごく嫌な夢を見たんや。」
「はやてちゃん、どうしたの?」
「夢にリィンフォースが出てくるんやけど、そのリィンフォースが、知らないお兄さんに殺される夢なんや。せやけど、何故かリィンフォースは幸せそうな顔をしてたんや。まったく、朝から目覚めが悪いんよ。」
はやての話を聞くと、
「はやての夢にも出てきたの!?私も、夢の中で知らないお兄さんが出てきて、ソニックフォームと同じ運用の戦闘方法をしていた。だから、その運用が私のソニックフォームでも出来ないか、シャーリーに聞こうと思って。」
フェイトも反応する。
「それなら、フェイトちゃんはシャーリーさんのところに行ったら?私、もう少しはやてちゃんとお話したいから。」
「わかった。なのは、はやて、行ってくるね。」
フェイトは部屋を出る。

「フェイトちゃん、どこでその真ソニックフォーム理論を思いついたの!?」
フェイトはシャーリーことシャリノに言われる。
「真ソニックフォーム理論?」
「そう。今のソニックフォームだと、ザンバーが重くて機動力を低下させているでしょ。だから、バルディッシュを小型の二刀流、ライオットザンバーに移行させる真ソニックフォーム理論を考察していたの。」
「そうだったんだ…」
フェイトは深く考えていた。

「…という夢を見たんだ、立花さん。」
仮面ライダーの世界で本郷と一文字は藤兵衛に話していた。
「猛、隼人、それはきっと、お前達に仲間が欲しいと思っている部分があるんじゃないか?」
「仲間、ですか…」
「これ以上、悪の被害者が増えるのは、俺達は望んでいない。」
「だから、そんな小さな道具で変身する人間の仮面ライダーが夢に出てきたんだろ?」
「なるほど…」
藤兵衛の言葉に、本郷達は深く頷く。

「…始!?」
何処かの紛争地帯、剣崎は目を覚ます。
「…夢でも、始や橘さん、睦月、広瀬さん、虎太郎に天音ちゃんと会えたんだ。今日も頑張るか。」
[fusion]
剣崎はジョーカーラウザーを使ってイーグルアンデッドに変身し、紛争地帯へ向かう。

「先生、この分校って教育実習生とかは来ないんですか?」
朝のホームルームで圭一は知恵に質問する。
「圭ちゃん、教育実習生って何?」
「ああ、先生を目指している学生に、先生の替わりとして授業をさせて適正があるか見極める期間のことだよ。」
魅音の質問に圭一は答える。
「前原君はよく知っていますね。ですが、残念なことにここは分校だから教育実習生は来ないの。」
「そうなんですか…」
知恵の答えに圭一はがっかりする。
「ねぇねぇ、圭一君。どうしてそんなことを聞いたのかな?かな?」
レナは目を輝かせながら圭一に質問する。
「なんか、夢の中で俺達部活動メンバーと仲良くなってくれる教育実習生が来る夢を見てね。」
「圭一さん、寝言は寝てからお言いになられては?」
レナの質問に圭一が答えると、沙都子は圭一をからかうように言う。

「………変な夢…」
かなみは不思議な夢見た。
「誰だろう、あの人。でも、カズ君と劉鳳さんが仲良く出来ていたからよかったかな。」
かなみは一人、普段と変わらない日常を過ごし始める。


「……雅!?」
仮面ライダーディロードの世界でフェイトは目を覚ます。
「そうだ、早くチームディロードに伝えないと!」
フェイトは着替えてチームディロードを集める。
「…というわけで、リンディ長官は今回の雅のことで何か知っていることがあるみたい。」
「そうだな。みんなで警察庁へ向かおう!」
「そうですわね。」
「みんな、そこに羽入も居るわ。」
チームディロードは警察庁へ向かう。

「やはり、皆さんは来ましたね。チームディロード。」
警察庁の特別会議室には、リンディと羽入の他に、藤兵衛、烏丸、デンライナーのオーナー、大牙、ラプラスの魔がいた。
「リンディ長官達は知っているって雅は言っていたけど、どういうことですか!?」
「…ここまでに18日、当初より時間がかかりました。」
「どういうことですか?」
フェイトの言葉にリンディが答えると、圭一は質問する。
「雅君は本当に頑張った。融合した全ての世界の隔離と、それらを元の世界に転送する作業。それを一人で成し遂げたのだから。」
「何を言っているんですか…」
烏丸の言葉に圭一は困惑する。
「雅さんは言ったはずです。世界は、他の世界を引き受ける質量を持っていないと。それに対して、この世界は35の世界を背負っていました。当然、この世界は維持が困難になります。そして、雅さんはそれと同時にあるものを観てしまいました。」
「あるもの?」
「このモニターを観て下さい。」
リンディがモニターを展開すると、様々な世界がコマごとに映されているが、その一部が黒い半円状の何かで覆われていた。
「リンディ長官、これは?」
「これはこの世界と融合した地域です。雅さんが調べたところ、この黒い物体は虚数空間のようなものとのことです。」
「それって!?」
「はい。雅さんはこの虚数空間を埋める方法を独自に調べて、ある結論にたどり着きました。」
「…私達を、元の世界に戻す?」
「そう。融合した世界をライダーカードが持つ次元干渉エネルギーを介して元の世界に転送する方法よ。」
「それなら、どうして私達に言わなかったの!?」
「フェイトさん、一つ勘違いをしているみたいなので訂正させていただきますが、私達だけ納得しても、国民は納得しますか?」
「それは…」
「何も知らない民間人がいきなり元の世界に戻すからと言われれば確実に暴動が起きることは目に見えていました。そこで雅さんは自分が悪人になることで、国民に暴動を起こさせる前に悪を作って私達と戦い、国民に安心感を与えようと考えました。」
「そんな…何で雅を利用したの!?」
「ではフェイトさん、あなたは何か策を思いつきますか?この世界を含めた36の世界の消滅に、タイムリミットがある中で、誰も傷つかない。そんな方法を。」
「それは、みんなでどうにかして!」
「そんな具体性のないことでは今回の事件はどうにもできません。これ以外、他に手段はありませんでした。」
「ところで、羽入はなんでそっちにいるの?」
梨花は羽入に質問する。
「梨花、ごめんなさい。私が、雅に協力を持ちかけました。」
「どうしてそんな回りくどいことをしたのよ。」
「私が残っていれば、雅さんが私と戦う時に、私は確実に雅さんからロードスラスターを奪取します。そうなれば雅さんの行動に影響を及ぼします。ですから、私が先に捕まることで、行動の意図が読まれないようにしました。」
「まさか、羽入までそっち側だったなんて…」
「…話が逸れましたが、雅さんの安否が不安なので、現在捜索隊を送りましたが、フェイトさんはそちらに合流していただけませんか?」
「…解りました。」
フェイトは動こうとする。すると、巨大な地響きがなり、外を見ると一同は驚く。
「あれは、ディロードドラゴン!?」
かつて倒したはずのディロードドラゴンがそこにはいた。
「フェイトさん、早く雅さんのところへ!ディロードドラゴンは我々で倒します!」
リンディはフェイトを雅のところへ向かわせる。
「リンディ長官、俺達も戦います!」
圭一達はディショットシステムを使って圭一はオーズ タジャドルコンボに、梨花はドレイクに、沙都子はサソードに変身し、羽入もダークカオスに変身してディロードドラゴンと交戦する。
「こいつ、前より強くなっている!」
圭一達が手こずっていると、
「お前ら、どいてろ!テートリヒシュラーク!」
更に増援が現れ、ディロードドラゴンを攻撃する。
「こいつ、硬くなっていやがる!」
「こんな時、ディロードがいてくれたら。」
ゼロノスがそう言うと、
『我は、ディロード。全てを無に帰する装填の龍。』
ディロードドラゴンは喋る。
「そんな、いつの間に喋ることが!」
『元から出来た。』
「それよりも、ディロードは雅だ!お前はただの大きな怪物だ!」
ダブルがそう言うと、
『雅?あの偽りのディロードか。仮面ライダーなどと名乗っていたあれなら、我が葬った。』
ディロードドラゴンは答える。
「雅を葬った?何馬鹿なことを言っているんだ!」
[wild]
ワイルドカリスは必殺技を発動しながら言うが、ワイルドサイクロンは有効打とならず、
『真実を否定するとは、所詮は我が再装填すべき作品群か…』
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードドラゴンは呆れるように言い、ブラストの力を引き出してディメンションテールからエネルギー弾を放つ。
「リンディ長官、雅の捜索隊って誰ですか!」
「シャマルさんに南さん、津上さん、天道さんです。」
圭一の質問にリンディは答える。
「それなら、私がシャマルに聞くよ!」
ヴィータはシャマルに念話で連絡をとる。

「どうしたの、ヴィータちゃん?」
ヴィータからの念話を受けてシャマルは応答する。
『シャマル、雅は見つかったか!?』
「それが…見つかったことはは見つかったんだけど…」
ヴィータの質問に、シャマルは涙声で話す。
『どうしたんだよ、シャマル!雅がボロボロなら、得意の回復魔法で治せよ!』
「それが…もう手遅れなの…」
『なんで手遅れなんだよ!シャマルは回復魔法のプロだろ!』
「出来ないわ…だって雅君…死んでいるんだもの!」
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「このまま、悪人のままで終わらせない!」
「無駄だ!我が唯一のディロードだ!」
「決して何があっても諦めない。それが仮面ライダーだ!」
「集え、世界の願い!」
「今度こそ、決着をつける!」
次回『装填の守護者』希望を紡いで、全てを救え! 

 

第25話『装填の守護者』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「あなた達ヒーローには消えてもらいます。」
「こんな駄目な奴が仮面ライダーを名乗ってごめんなさい!」
「Jパワーが発動しない!?」
「仮面ライダーディロード ソニックフォーム!」
「全ての世界…捕まえた!」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

『だって雅君…死んでいるんだもの!』
シャマルからの言葉は受け容れがたいものであった。
「雅が…死んだ?」
「嘘だろ…」
「雅さんに限って、そんなことは…」
「あの雅君が…」
シャマルの告げた真実は混乱を招く。
「言ったはずだ。我の手で葬ったと。そして、漸く我も完全に覚醒した。まずはこの世界を再装填する。」
ディロードドラゴンはディメンションウィングを使って飛翔する。

一方、フェイトはシャマル達捜索隊メンバーと合流していた。
「雅!?」
フェイトは雅の姿を見てショックを受ける。そこにあったのは自分の知る誇り高き戦士ではなく、腹部を何かで貫かれ、体から血が滲み出て、蠅や蛆をはじめとした害虫に貪られていた醜い死体であったからだ。
「少なくとも死後三日は経っている。俺達も身に着けている布切れではじめて凪風だと判断出来たくらいだ。」
天道はフェイトに説明する。
「三日!?どうしてそんなに?」
「おそらく、カードから解放された俺達がこの世界に再召喚されるまでにかかったのがおよそ三日なのだろう。」
フェイトの質問に光太郎は考察を述べる。
「シャマル先生、どうにかならないんですか!?」
「無理よフェイトちゃん。私だって呪いを解いたり、死んだ人を蘇らせることは出来ないわ。」
「そんな…」
シャマルの言葉にフェイトはショックを受ける。
「それで、雅に致命傷を与えたものは何か解りましたか?」
「うん。刃の長さと厚みから、ロードスラスターと同じ形の刃で貫かれたみたい。」
フェイトの質問に津上は答える。
「…やっぱり、ディロードドラゴンが言っていたことは本当のことだったんだ…」
「どうしたんだ。向こう側はどうなっているんだ?」
「ディロードドラゴンが雅を殺したって…ロードスラスターが変化したディメンションテールで貫かれたなら、辻褄があうの。」
「やはり、雅はもうどうにも出来ない。今できることは、俺達でディロードドラゴンを倒すことだけだ。」
天道は諦めるように後ろを向くが、
「待って下さい!雅を…このまま悪人で終わらせない!」
フェイトは天道を止め、雅の死体からディロードライバーを取り、装着する。
「言ったはずだ。雅はもう死んでいるんだ。」
「天道さんも、雅に世界を救って貰ったなら、ディロードの奇跡を知っているはずです。」
「何をするつもりだ?」
「南さん、津上さん、天道さん。このカードを受け取って下さい。」
フェイトは三人の仮面ライダーに白紙のカードを渡す。
「これは…ワールドホープのカード!?」
「皆さん、そのカードに願いを込めて下さい。」
フェイトに言われ、三人の仮面ライダーは願いを込める。
「集え、世界の願い!」
フェイトの宣言により、BLACK RX、アギト、カブトの世界のタイトルロゴが書かれたワールドホープのカードが完成し、フェイトはそのカードをスキャンする。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER BLACK RX KAMEN RIDER AGITO KAMEN RIDER KABUTO-】
太陽の力で進化するBLACK RXとアギト、赤き太陽神と呼ばれるカブト、三人の太陽の仮面ライダーの力が宿ったワールドホープをフェイトは発動する。
「これって!?」
その時、不思議なことが起こった。雅の死体は光を放ちながら害虫達を消滅させ、破損した肉体は再構築され、生命活動を再開したのだ。
「…………ん…」
「雅!?」
フェイトは雅に抱きつく。
「フェイト、確か僕はディロードドラゴンに刺されて死んだはずだ。ここはもしかして死後の夢の類か?」
「ううん、違うよ。みんなが願ってくれたの。雅に生きていてほしいって。」
「そうだ、雅君。君はこの世界の仮面ライダーなんだ。」
「俺達には雅君が必要なんだ。」
「とにかく、まずはディロードドラゴンを倒すことが最優先だ。」
「皆さん…済みません!あの時…あんなことをしておきながら、また、皆さんの優しさに甘えて…」
「いいのよ、雅君。みんな解っているんだから。本当は雅君が一番辛いんだって。」
「シャマルさん、ありがとうございます。それでは、ディロードドラゴンを倒す為、行ってきます!」
雅は動こうとする。
「待て、雅。」
「そうだ。」
「俺達を置いて一人でなんて、水くさいですよ。」
「そうよ。私達だって戦えるんだから。」
「雅、なんでも一人で背負うのは、雅の悪いところだよ。」
「フェイト…皆さん…」
雅がフェイト達の言葉を聞いていると、
『感動の再会に水を刺して悪いけど、そろそろ救援が必要よ!』
リンディから連絡が入る。
「皆さん、行きましょう!」
雅達はそれぞれのバイクに乗り、フェイトはマシンディローダーの、シャマルはマシントルネイダーの後ろにそれぞれ乗り、ディロードドラゴンのいる所へ向かう。

「アクセルシューター!」
「トリガー、サイクロンブラスト!」
「ライダー爆熱フルバースト!」
「バッシャーフィーバー!」
なのはとライダー達はディロードドラゴンを射撃する。
「無駄だ。」
【ATTACK RIDE-BARRIER-】
ディロードドラゴンはそれらをバリアで防ぐ。
「絶影、倒竜斬!」
[Royal street flash]
「鬼神覚声!」
「電車斬り!」
「ライドルホイップ!」
劉鳳とライダー達はディロードドラゴンに斬りかかるが、
「諦めろ。」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードドラゴンはスラッシュを使って劉鳳達をなぎ払う。
「まだ抗うと言うか。お前達の救いの主は消えたというのに。」
ディロードドラゴンは見下すように言う。
「何を言っている!今天道から連絡があった!雅が蘇ったってな!」
ガタックがそれに反論する。
「まだそんな戯れ言を…」
ディロードドラゴンは呆れながら言うが、その時、
「戯れ言では無い!」
バイクの轟音を鳴らせながら雅達がやって来る。
「馬鹿な!?奴は我の手で確実に葬ったはず!?」
「お婆ちゃんが言っていた…お天道様は人の行いを見ている。俺達のために自分の人生をかけて戦った雅を、天は決して見捨てたりすることは無い。お前の悪行を見逃さないようにな。」
「何故だ!何故我が葬ったはずの偽りのディロードが生きている!?」
「俺達の、世界の願いが雅君に届いたんだ!俺達の運命は、ここで終わるわけにはいかないからね。」
「往生際が悪い!何故諦めぬ!?」
「助けを求める声が、危険が迫ってきている世界がある限り、何があっても決して諦めない!それが仮面ライダーだ!」
狼狽えるディロードドラゴンに天道、津上、そして光太郎が答える。
「ディロードドラゴン、今度こそ決着を着けるぞ!」
「雅、これを。」
雅の言葉を聞いてフェイトは雅にディロードライバーを渡す。
「ありがとう、フェイト。」
雅はディロードライバーを装着する。
「変身!」
「変身!」
「変身!」
[henshin!hyper cast off!change!hyper beetle!]
光太郎はBLACK RXに、津上はアギト シャイニングフォームに、天道はカブト ハイパーフォームに変身する。
「バルディッシュアサルト、セェーットアーップ!」
フェイトはライトニングフォームのバリアジャケットを纏う。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身する。
「馬鹿な!?そんなことが!?」
「行くぞ、ディロードドラゴン!」
ディロードはロードスラスターを構えてディロードドラゴンに向かって行く。
「あくまで我に歯向かうか。我こそが真のディロード。偽りに負けるものか。」
ディロードドラゴンは火球を吐きディロードを攻撃するが、
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはそれを切り裂いて破壊し、
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
ディロードはコンプリートフォーム サイドライトにパワーアップし、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
必殺技を発動する。
「みんな、雅に力を貸すんだ!」
カブトの言葉にクウガ、アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、電王、キバ、ダブル、オーズ、フォーゼは反応し、必殺技を発動する。
「ディメンションパーフェクトヒストリー!」
「無駄だ!」
ディロードドラゴンはクウガ アルティメットフォームをプラズマ発火能力で、アギト シャイニングフォームを水属性の矛で、龍騎サバイブを黄金の波動で、ファイズ ブラスターフォームを灰色の触手で、ブレイド キングフォームを緑色のエネルギーの刃で、装甲響鬼を呪符で、カブト ハイパーフォームを紫色の刃で、電王 ライナーフォームを巨大な鎌で、ダブル サイクロンジョーカーエクストリームをテラードラゴンで、オーズ プトティラコンボを緑色の雷で、フォーゼ コズミックステイツを炎の矢の雨でたたき伏せ、
「皆さん!?」
ディロードが驚くと、
「我こそが、唯一のディロードだ!」
ディロードドラゴンはディメンションテールからビーム砲を放ち、ディロードを撃ち落とす。
「雅!?」
驚くフェイトをよそに、ディロードドラゴンはディロードに近づき首を掴む。
「まだ抗うか!我を閉じ込め、縛めを解き、そしてまた閉じ込め、再び解く。これ以上ない屈辱であったぞ、凪風雅!」
ディロードドラゴンはディロードを地面に叩きつけ、雅の変身は解除される。
「…それでも、世界を滅ぼす時点で、お前は間違っている!だから僕の手で、今度こそ完全に倒す!」
「無駄な足掻きをするな。お前は所詮は偽りのディロード。その証拠に、お前の手は我に通じなかった。」
「それがどうした!?」
雅は立ち上がる。
「確かに、お前が本物のディロードかもしれない。僕は本来あるべきディロードではないかもしれない。だけど、これだけははっきり言える。たとえディロードでなくても、僕は仮面ライダーだ!」
雅がそう言うと、白紙のカードが一枚、光を放つ。
「集え、世界の願い!」
雅の宣言により、その一枚のカードはワールドホープのカードに変わり、雅はそれをディロードライバーにスキャンする。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER DELOAD-】
雅がカードをスキャンすると、そこには眩い銀色のディロードがそこにはいた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「ディロードドラゴン、これで終わりだ!」
「凪風雅、国家反逆罪の容疑で逮捕します。」
「あまりにも酷すぎです!」
「北岡さん、お願いがあります。」
「被告、凪風雅を…」
次回『凪風裁判』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーBLACK RX,仮面ライダーアギト,仮面ライダーカブト(ワールドホープ):太陽の力を持つライダー三世界のワールドホープ。太陽の光で雅を復活させる。 

 

第26話『凪風裁判』

「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER DELOAD-】
雅は自身の世界のワールドホープを発動する。すると、雅の体は光を放ち、眩い銀色のディロードに変身する。
「なんだ!その姿は!?」
「仮面ライダーディロード アルティメットフォーム。これが、この世界の希望だ!」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「行くぞ、ディロードドラゴン!」
ディロードは浮遊しながらディロードドラゴンに向かって行く。
「姿を変えたところで、我に敵うものか!」
ディロードドラゴンはビームを放つが、それはディロードの手前で歪曲しながらディロードを避けて着弾する。
「何故だ!何故当たらぬ!」
ディロードドラゴンは更に火球を放つ。しかし、それはディロードに吸収される。
「くらえ。」
ディロードは炎、水、雷、氷、光等の属性を込めた拳をディロードドラゴンに放つ。
「グゥッ!」
その攻撃は確実にディロードドラゴンにダメージを与える。
「おのれ!」
ディロードドラゴンは激昂し、ディメンションテールでディロードを切り裂こうとするが、
【FINAL ATTACK RIDE-ALL RI RI RI RIDER'S-】
必殺の斬撃でディメンションテールを切り落とす。
「グァァァッ!」
ディロードドラゴンは悲鳴をあげながらディメンションテールを拾い上げる。
【ATTACK RIDE-SCHWERT CREUZ-】
ディロードドラゴンは拾ったディメンションテールをシュベルトクロイツに変える。
「くらえ!」
ディロードドラゴンは弾魔法を放つが、ディロードはそれを避け、
【FINAL ATTACK RIDE-ALL RI RI RI RIDER'S-】
ディロードは再び必殺技を発動し、ディロードドラゴンの両腕とディメンションウィングを撃ち抜く。
「まだ抗うか!偽りのディロードよ!」
ディロードドラゴンは立ち上がる。
「それはこちらの台詞だ!」
【WORLD ATTACK RIDE-KAMEN RIDER DELOAD-】
ディロードは必殺技のカードをディロードライバーにスキャンする。
「これで終わりだ、ディロードドラゴン!ディメンションオールワールドヒストリー!」
ディロードは融合した36の世界の力をその足に宿し、渾身のライダーキックをディロードドラゴンに放ち、
「真のディロードである我が、偽りのディロードに敗れるものか!」
ディロードドラゴンは恨み声を言いながら爆発する。
「やった…」
雅は変身を解除する。しかし、
『おのれ!おのれ!』
爆発した場所にはエネルギー体となったディロードドラゴンがいた。
「…そういうことか。」
それを見た雅は何かを思うと、ディロードドラゴンに近づき、ディロードライバーを近づけてディロードドラゴンをその中に吸収させる。
『一体何のつもりだ!』
「ディロードドラゴン、お前を完全に倒すことは出来ない。それはお前が、ディロードライバーの、僕の一部だからだ。」
『それがどうした!?』
「だから、これからも、僕の一部として運命を共にしてもらう。」
『ふざけるな!』
ディロードドラゴンの言葉は虚しく、雅はディロードライバーを着ていたコートのポケットにしまう。すると、
「凪風雅、国家反逆罪の容疑であなたを逮捕します。」
リンディは雅に手錠をかける。
「リンディさん、どういうことですか!?」
「彼に対する指名手配は取り消されていません。これは順当な判断です。」
圭一の言葉にリンディは返す。
「そんな…」
「それでは行きますよ。」
嘆く圭一達をよそに、リンディは雅を連れて拘置所へ連行する。

「雅さん、本当に良かったのですか?」
リンディが運転する車の中で、リンディは雅に質問した。
「どうしたのですか?」
「この逮捕劇は確かにあなたの計画でしたが、そもそも私はあなたが逮捕されることは筋違いだと思うわ。」
「この世界では、逮捕されても無罪という可能性もありますから。」
「あなたの場合は無理でしょう。それなのにどうして?」
「僕がやったことは世界を救うことです。しかし、手段は卑劣極まりない犯罪行為です。感情で法を曲げてはいけません。」
「そうですか…解りました。あなたが使っていたものは全て判事に回るように手配しておくわ。」
「ありがとうございます。」
一通り話した雅とリンディは拘置所に向かうまで黙り続けた。

「北岡さん!?」
拘置所に着いた雅は待っていた北岡に驚く。
「何を驚いているんだ?俺は国選弁護士だから、今回はお前の弁護士として法廷に立つから、話がしたかったの。お前の裁判まで一週間しかないからな。」
「解りました。詳しい話は拘置所の中で。」
雅と北岡、リンディは拘置所の中へ入り、少しするとリンディは拘置所を出て何処かへ行ってしまう。

「まさか、北岡さんが受けて下さるとは。」
「仕方ないよ。誰だって負けることが解っている戦いはやりたがらないよ。」
「それなら尚更、何故僕の裁判に?」
「誰かが弁護側に回らないといけないだろ?だからついただけ。」
「そうですよね。」
「とりあえず、俺達の世界を救うためにやったことってのはリンディ長官から話は聞いている。だからそれを利用して法廷で争うつもりだけど、どうする?」
「北岡さん、そのことで一つお願いが…」
雅は北岡にあることを話した。

一週間後、雅の裁判が公開される。かつては仮面ライダーとして世界を救い、一国の主となったテロリストの裁判だ。当然、全てのテレビ局は入り、チームディロードをはじめ様々な世界出身の者達が傍観席にいた。
「静粛に。只今より、被告、凪風雅の第一審を開始する。」
ついに、雅の裁判が始まる。
「まず初めに、今回の次元保護国での国家反逆行為について、否定はありますか?」
「いいえ、事実です。」
裁判長の質問に雅は答える。
「それではまず、この書類に関してですが…」
裁判長は書類の1ページ目を開く。そこには、雅が使っていたメモが掲載されていた。
『襲撃優先順位一覧
変身忍者嵐
生徒会役員共
仮面ライダーオーズ
人造人間キカイダー the animation
仮面ライダー 剣
仮面ライダー555
仮面ライダーBLACK RX
生徒会の一存
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーX
仮面ライダーアマゾン
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダーV3
仮面ライダー
仮面ライダーカブト
仮面ライダー(スカイライダー)
仮面ライダースーパー1
真・仮面ライダー~ 序章~
キノの旅~the Beautiful world~
灼眼のシャナ
仮面ライダー電王
仮面ライダーJ
仮面ライダーW
スクライド
仮面ライダー龍騎
10号誕生!仮面ライダー全員集合
這い寄れ!ニャル子さん
仮面ライダーキバ
ローゼンメイデン-トロイメント-
仮面ライダーフォーゼ
仮面ライダーZO
仮面ライダーアギト
仮面ライダークウガ
ひぐらしのなく頃に 解
魔法少女リリカルなのはA′s』
「被告はこの資料の順にあわせて計画的に国民を襲撃しました。その理由を話していただけますか?」
「はい。そのリストは、この世界に融合した世界の中で、調和性が低く不安定な情報にある順を表記し、優先的にこの世界から隔離するための目安として製作しました。」
雅が理由を述べると、裁判官の一人が手を挙げ、意見のを述べ始める。
「裁判長、このように被告は自身の罪をまるで我々の世界を救うためとの如く偽る行為を平気で行っており、罪の意識を感じておりません!」
「異議あり!」
裁判官の弁論に北岡が異議を申し立てる。
「手段は認めざるを得ない行為でしたが、現実的にこの国を救ったことは事実です。」
「異議あり!その世界を救ったという事実、及び我々の本来の世界が危機に陥っていたという事実の確認手段はありますか?」
裁判官の発言は正当性が高く、北岡は反論が出来ずにいた。
「では、続きまして本来の世界の危機を調べた方法について、意見があればお願いします。」
裁判長は雅に発言の機会を与える。
「はい。日本国で販売が行われている映像媒体から次元保護国内の施設が消滅していることを調査し、確認しました。」
雅の発言に裁判官は手をあげて再び意見を述べる。
「なんと曖昧な理由ですか!このような虐殺を平気で行える男を野放しにするわけには行きません!」
「異議あり!仮にただの虐殺が目的ならば我々を解放することも、あの時ディロードドラゴンと戦うことも、その後に逮捕されることも拒むはずです。彼には償いの心と情状酌量の余地があります。」
北岡の異議に、今度は裁判官が反論出来なくなる。
その後も弁論は続き、その判決がついに決まる。
「それでは被告、凪風雅に判決を下します。被告は国家の存亡を脅かし、現に全ての国民を傷つけました。本来ならば死刑ですが、犯行の動機、その後の行動には情状酌量の余地があります。よって被告、凪風雅を懲役三年の禁固刑、並びに無期限の仮釈放期間を言い渡します。」
結果はかなり譲歩されたものの、雅の実刑判決は覆らなかった。
「なんでよ!」
「おかしいぞ!」
「私達の為に頑張ったのに!」
「こんなの、酷すぎです!」
チームディロードをはじめ、多くの傍観者から批判の声が投げかけられる。
「静粛に!被告、何か意見はありますか?」
「二つあります。一つは、今回の判決、ありがとうございます。二つ目ですが、この判決に野次を飛ばす方を法廷侮辱罪で捕らえていただけませんか?」
雅が言うと、傍観者は一斉に黙る。こうして、世界を救った救世主は世界を危機にさらした大罪人として裁かれた。

「お前の牢獄は特別だ。来い。」
裁判を終えた雅は看守に連れられて完全に密閉された空間にいた。
「いいか。お前はここで次元保護国の為に技術開発をしてもらう。わかったな。」
看守は雅の牢獄から出る。

テレビでは連日雅に対する裁判の結果で持ちきりだった。世論調査では半分が順当な判断、四割がもっと重くするべきといい、不当と言ったのはわずか4%しかいなかった。
「酷い…みんな雅に救ってもらったのに…」
「仕方ないぜ梨花ちゃん。雅さんのやったことの真意を理解出来る人は少ない。だから今じゃ、こうやって雅さんの話は小声で話さないといけないんだろ?」
「だからってやりすぎですわ。あまりにもやり口が卑怯ですわ。」
「仕方ないのです。テレビでは連日雅のことであることないこと言いたい放題言っています。ボクも抗議の電話をかけましたが、報道の自由と言われましたのです…」
「もしかして、それが原因で最近は私達のことも批判の対象にしているのかも。」
「どういうことだよフェイトちゃん。」
「たぶんテレビは雅を極悪人に仕立て上げて死ぬまで批判するつもりで、雅に味方する人も一緒に批判するつもりなのかも…」
「なんだよそれ!そんなの間違っているだろ!」
フェイトの言葉を聞いた圭一が言い返すと、
「いたわよ、あれが噂の犯罪組織でしょ。」
「あんな小さな子供がテロリストだなんてな!」
「きっと凪風雅に洗脳されているのよ!」
チームディロードを見つけた国民達はあることないことを言う。
「そんな!私達は!」
フェイトは必死に話そうとするが、
「まずいぞ、怒った!殺される!」
国民達は話を聞こうともせず逃げ出した。
「皆さん、大丈夫ですか?」
そのタイミングでリンディが現れる。
「リンディ長官!」
「今あなた達が外を歩くのは危険よ。ちょうど良い場所があるからほとぼりが冷めるまで隠れていなさい。」
リンディはチームディロードと転移魔法である施設へ向かう。もはやチームディロードにさえも居場所はなくなっていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「謝って許されないことは解っている。」
「顔をあげなさいよ。」
「雅、訓練所の手配は整っている。」
「フレイムアイズ!」
「スノーホワイト!」
「「セぇーットアーップ!」」
次回『償いの研究』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーディロード(ワールドホープ):融合し、一つの世界となった雅の世界のワールドホープ。ディロードをアルティメットフォームに変身させる。
オールライダー(ファイナルアタックライド):オールライダーの力を秘めたファイナルアタックライドのカード。
仮面ライダーディロード(ワールドアタックライド):ディロードの世界のワールドアタックライド。
シュベルトクロイツ:ディメンションテールをシュベルトクロイツに変える。

新フォーム紹介
仮面ライダーディロード アルティメットフォーム
身長、体重は基本形態と変化なし。
パンチ力、キック力、ジャンプ力、走力:測定不能
ディロードの世界のワールドホープの力でディロードが変身した姿。36の世界の力を宿して戦う。 

 

第27話『償いの研究』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「集え、世界の願い!」
「ディメンションオールワールドヒストリー!」
「凪風雅、国家反逆罪の容疑で逮捕します。」
「被告、凪風雅に懲役三年の禁固刑、及び無期限の仮釈放期間を言い渡します。」
「ここにいては危険よ。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「リンディ長官、どうにかなりませんか?」
「沙都子さん、私達だけではどうにもならないわ。複数の虚偽報道について摘発しようとしたら言論弾圧だと騒がれてね。」
「雅は、こうなることは解っていたの?」
「そうねフェイトさん。ある程度予測していたけど、皆さんまで攻撃の対象にされるのは予想外だったみたい。一応、OREジャーナルは事実の報道を行っているけど、それでも民営放送の数が多くて物量的に信用してもらえないわ。」
「気になったのだけど、民営放送で言っていたあの裁判を不当と言っていた割合は事実なのかしら?」
「梨花さん、残念なことにあれは事実よ。次元保護国警察を中心に、一部の理解者だけが、雅さんの肩をもっている状態よ。今日も北岡さんの事務所にどうして引き受けたのか、という旨の抗議の電話が鳴り止まないそうよ。」
「なんでそんなことが平気で出来るんだよ!」
「圭一さん、時代が変われば人の考えも変わるのよ。今の時代は、一つの悪を見つけたらよってたかって袋叩きにして、気が済んだらまるで何事も無かったかの如く忘れ去られる時代なの。」
「なんでそんなに無責任なんだよ!」
「それは私も解らないわ。恐らく、皆さんは後半年もすれば忘れ去られるわ。だからここで暮らせるように手配したの。」
「雅はどうなるの?」
「多分のテレビ局からは一生批判されて、一部の国民は悪ふざけの道具に使うでしょう。」
「なんで悪ふざけの道具に?」
「今のネット社会、様々な動画投稿サイトがあるでしょう?過去に犯罪を犯した人の映像やインタビュー、会見がおふざけ動画に加工されて投稿されているのは知っているでしょう?」
「うん。」
「雅さんも、きっとそれと同じ道をたどることになると思うわ。」
「随分とすさんでいるのね。」
「そうね。」
「あの、リンディ長官。」
「どうしたのかしらフェイトさん?」
「雅の仮釈放期間には、誰かの監視が必要ですよね?」
「ええ、そうね。」
「その役目、私達チームディロードで引き受けることはできますか?仮にも私達は警察庁に所属しています。その権利があるはずです。」
「…わかったわ。私の方で調整するわ。だから、今はここでゆっくりしているといいわ。」
リンディはチームディロードを落ち着かせて出て行った。
「雅さん、今頃大丈夫かな…」
「大丈夫だよ。専用の独房で雅にしか出来ない仕事をしているよ。」
心配する圭一にフェイトは答える。
「とにかく、今私達に出来ることはここで身を潜めることだけね。ニュースならここでも観れるわ。ほとぼりが冷めるまで待ちましょう。」
こうして、チームディロードの新しい日々が始まった。

それから半年後、アリサとすずかは雅に呼ばれて雅の独房に来ていた。
「久しぶりね、雅。」
アリサは機嫌悪そうに挨拶をする。
「僕が二人に、いや、この国に対して犯した罪は謝って許されないことは解っている。だけど、この場でもう一度謝らせてほしい。」
「…雅は相変わらずね。雅がこの半年でどんなことをしていたか、なのはから聞いているわ。アースラに搭載されていた次元転送ポートの改修、G5ユニットの高品質低コスト化、不完全だった次元干渉システムのジャミングシステム。はっきり言ってもう充分以上の働きをしているわ。」
「だけどアリサ、これではまだ僕自身が納得いかないんだ。」
雅とアリサは白熱した言い合いをしていると、
「あの…今日は私達にお話があったんじゃ…」
すずかが話を遮る。
「そうよ!私達を呼び出して何を言おうとしていたのよ!」
「二人に、渡したいものがあったんだ。」
雅は小さなトレーに二つのペンダントを乗せていた。
「まず、アリサにはこれを。」
雅はアリサに小さな剣型のアクセサリーがついたペンダントを渡す。
「すずかにはこっちを。」
雅はすずかに青紫色の宝石がついたペンダントを渡す。
「あの、これは何ですか?」
「それは僕の研究の一つ、エクシードデバイス。」
「デバイスって、リンカーコアの無い私達になんでこれを渡すのよ!」
「アリサ、よく聴いてほしい。そのエクシードデバイスは、リンカーコアの無い民間人の護身用に作った、デバイス自体にリンカーコアを搭載したデバイスだ。だから、リンカーコアの無い人でも魔法の運用が行えるようになるし、リンカーコアを持っている人が使えばその魔力を向上させる力を持っているんだ。それで、その二つは完成形だ。アリサに渡したのは爆炎の剣、フレイムアイズ。すずかに渡したのは爆氷の鏡、スノーホワイト。これからは、二人もなのは達と一緒に戦うことが出来る。」
「やっぱり、私達のことをしっかり考えているのね。」
「前にアリサが、魔導師になれなくてなのは達をサポート出来ないと言っていたことをヒントに作ったもので、今量産化の計画を立てている。」
「そうなんだ…」
すずかが関心を示していると、
「ねえ、早速だけど、模擬戦してもいいかしら?」
「大丈夫だけど。」
アリサが質問し、雅は答える。
「それじゃあ、早速行きましょう!」
アリサは雅に言う。
「いや、僕は収監されている身だ。そんなことは…」
雅が話していると、
「安心しろ雅、訓練所の手配は整っている。」
劉鳳が現れ、雅に告げる。
「劉鳳さん…」
「たまには体を動かせ。」
「これでも、朝起きてすぐに日課の運動は行っています。」
「そうではない。戦闘一つしていないと、体が鈍るだろう。だから彼女達の模擬戦の相手になれ。安心しろ。しっかり増援も呼んだ。」
劉鳳が話すと、
「雅君!?」
「ほんまお久しぶりやなぁ。」
「雅、元気そうでよかった!」
なのは、はやて、フェイトがやって来る。
「彼女達なら不足はないだろう。もし不安なら俺も参加する。」
「それでは、お願いします。」
こうして、聖祥大付属小仲良しメンバー+1と雅は訓練所へ移動する。

「凪風、本当に一人でいいのか?」
「大丈夫ですよ。」
劉鳳は絶影を纏い、雅はディロードライバーを装着する。
「レイジングハート!」
「バルディッシュ!」
「リィンフォース!」
「はい、はやてちゃん!」
「「「セぇーットアーップ!」」」
三人はバリアジャケットと騎士甲冑をそれぞれ纏う。
「すずか、私達も行くわよ!フレイムアイズ!」
「うん!スノーホワイト!」
「「セぇーットアーップ!」」
アリサとすずかもバリアジャケットを纏い、フレイムアイズは両手剣型のデバイスモードに、スノーホワイトは爪のついたグローブ型のデバイスモードに変化する。
「どうやら、うまくいったみたいだ。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
アリサ達のデバイスの発動を確認した雅はディロードに変身する。
「行きますよ!」
【SUMMON RIDE-AMITIE FLORIAN KIRIE FLORIAN-】
ディロードはロードスラスターにカードをスキャンし、フローリアン姉妹を召喚する。
「気合充填!全力でサポートさせてもらいますよ!」
「お久しぶりね、お嬢ちゃん。今日は私の方からデートのお誘いよ♪」
アミティエは劉鳳と、キリエはフェイトと戦闘を行い陣形を速くも崩す。
「まだまだ!」
【SUMMON RIDE-STERN THE DESTRUCTOR LEVY THE SLASHER ROAD DIARCH-】
ディロードは更にシュテル、レヴィ、ディアーチェを召喚する。
「王様、漸くボク達の出番だね!」
「おうよ!我が闇すべし力でこの地を沈めてくれよう!」
「傅け!この者こそが闇すべる王、ロード・ディアーチェ!今、この地に降り立った瞬間です!」
レヴィはキリエに合流し、フェイトを妨害する。
「ナノハ、このような形で貴女と再戦出来る喜び、感無量でございます。ですから、どちらかの心の炎が燃え尽きるまで、戦いあいましょう。パイロシューター!」
シュテルはなのはと戦う喜びを噛みしめ、なのはを攻撃する。
「ふんっ、そのような小さな欠片に縋るとは、小烏も塵芥に落ちぶれたか。我が引導を渡すとするか。」
「なんや、私のそっくりさんは随分と口が悪くて態度がでかいんやな。ちょいとおしおきや!バミューダACS!」
ディアーチェの態度が勘に障ったはやては魔力を込めた突進を放つが、
「甘いわ!?」
ディアーチェが本型のデバイス、紫天の書を開くとはやてはバインドによって拘束される。
「行くぞ。紫天に咆えよ、我が巨砲!」
ディアーチェが詠唱を始めると、闇属性の巨大な魔力の塊が四つ出現する。
「出よ巨重、ジャガーノート!」
ディアーチェの詠唱が終わると、魔力の塊は膨らむ。
「はやてちゃん、危ない!スノーホワイト、お願い!」
すずかは巨大な氷の楯を出現させてはやてに直撃するはずだったジャガーノートを打ち消す。
「ほう、なかなかやるな。」
ディアーチェはすずかの動きに関心を示す。
「だが、二人の相手は僕のはずだ!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはそんなすずかに斬りかかるが、
「させないわ!」
アリサがそれを防ぐ。
「やはり僕が作っただけあって、初心者でも充分に力を発揮出来るか。」
ディロードが体勢を立て直すと、
「今です!ルベライト!」
ディロードはシュテルの放ったバインドを受ける。
「シュテル、まさか!?」
「ええ、ミヤビ。そのまさかです。行きますよ、闇王(ディアーチェ)雷刃(レヴィ)。」
「おう!」
ディアーチェはリンカーコアレベルまで肉体を分解し、ディロードの体に入り込み、ディロードの抵抗がなくなるとシュテルとレヴィもディロードの体に入り込み、ディロードはトライユニゾンを黒と紫を基調にした姿に変わる。
「我はディロード マテリアルユニゾン。三つの闇と絆を手に、今立ち上がる!」
なのは達はディロードを前に体勢を整える。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード最終回
「その程度で、我らに敵うものか!」
「せぇーの!」
「それで気が済むなら、僕は迷わず受け入れよう!」
「雅さん!」
「雅さん!」
「雅…」
「雅。」
「雅…お帰り!」
『無間』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
アミティエ・フローリアン:アミティエを召喚するカード。
キリエ・フローリアン:キリエ・フローリアンを召喚するカード。
星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター):シュテルを召喚するカード。
雷刃の襲撃者(レヴィ・ザ・スラッシャー):レヴィを召喚するカード。
闇すべる王(ロード・ディアーチェ):ディアーチェを召喚するカード。 

 

最終回『無間』

「我はディロード マテリアルユニゾン。三つの闇と絆を手に、今立ち上がる。」
ディロードは戟型の武器、エルシニアバルニフィカス ルシフェリオンモードを握る。
「行っくよー!極光斬・重連破!」
ディロードはスカイブルーの魔力の刃を二つ放つ。
「ハーケンスライサー!」
「ストライクビート!」
フェイトとアリサは飛んでくる刃を相殺する。
「やりますね。ですが!」
【ATTACK RIDE-SONIC-】
状況を見て劣勢と判断したディロードは高速移動ですずかを掴みながらなのはに近づき、
「ディザスター…ヒーーート!」
エルシニアバルニフィカスのカートリッジを二つロードし、爆発性の直射魔法を三発放ち、二人にダメージを与える。
「あの戦い方、本当に凪風か!?」
劉鳳は驚きつつもディロードに向かおうとする。しかし、
「アクセラレイター!」
アミティエとキリエは高速移動でそれを妨害する。
「あら~、あなたもなかなか男前ね。どう、今度一緒にお茶でも♪」
「それは却下だな。」
「そう、残念だわ。なら、ラピッドトリガー、ファイヤー!」
「ちょっとキリエ!そんな理由で攻撃してはいけません!ただ、模擬戦という以上、私も本気をださせていただきます!バルカンレイド!」
フローリアン姉妹は別方向からエネルギー弾を放つ。
「…しまった!?」
劉鳳は避けようとするが思い止まり、その攻撃を受ける。
「大丈夫ですか!?」
「どうして避けなかったのですか!?」
はやてとフェイトが近づく。
「俺が避ければ、お前達に攻撃が当たっていた。それだけだ。」
劉鳳が説明していると、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ふん、よく集まってくれた。行くぞ!獄天の冥夜、この地に降りよ!持たざる者を塵へ帰し、闇と混沌に沈めよ!エクスカリバー…」
ディロードは必殺技を発動するエネルギーを溜め、
「トリニティー!!!」
黒紫、朱赤、水色の三本の直射魔法を束ねて発射する。
「行こう、スノーホワイト。ミスティックスノー!」
すずかは氷の粒を鱗粉のように放ち、ディロードが放ったエクスカリバー・トリニティーは拡散され、あらぬ方向に散ってゆく。
「何!?我が切り札を防ぎきるだと!?」
「行くよ、サンダー…」
フェイトはサンダーレイジを放とうとするが、
「待って!それほしい!」
ディロードはチャージされる魔力に自ら飛び込む。
「えっ!?」
フェイトは驚くが、次の瞬間にその答えが解る。何と、サンダーレイジのエネルギーを浴びてディロードのパワーが充電され、
「行っくよー!烈天破・雷神鎚!」
ディロードは吸収したサンダーレイジのエネルギーと自身のエネルギーを混ぜた水色の雷をフェイトに放つ。
「ぅあああっ!」
咄嗟の攻撃にフェイトは反応が遅れ、大ダメージを受ける。
「行きますよ。真・ルシフェリオン…っ!?」
ディロードはエルシニアバルニフィカスに魔力を溜めていると、突然その体が動かなくなる。
「おい、シュテル!何をしておる!む、体が動かぬ!まさか!」
『よくも人の体で好き勝手に動いてくれたな。』
雅の言葉で、ディアーチェ達は驚く。
『さて、出て行ってもらうぞ!』
雅は精神力を駆使して、ディアーチェ達を追い出し、ディロードは通常形態に戻る。
「おのれ、塵芥の分際で我らに逆らうというのか!」
「ディアーチェ、僕はあなたの道具ではないのです。」
怒るディアーチェにディロードは冷静な反応を見せる。
「さて、これだけの人数なら、あれの出番だな。」
【ATTACK RIDE-HAKUYOKU-】
ディロードは魄翼を展開する。
「貴様、ユーリの魄翼をよくものうのうと使う気になれたな。その行い、万死に価するぞ!」
「ディアーチェ、人の力と体を好き勝手に使っておいて、その発言ですか?ただ、僕の攻撃に巻き込まれないようにして下さいね。ナパームブレス!」
ディロードは赤黒の魔力弾を連射する。
「みんな、危ない!?」
フェイトは、かつてディロードが使った攻撃を見て注意を促し、
「プラズマランサー!」
プラズマランサーで迎撃する。
「アクセルシューター!」
「ブリューナク!」
それに合わせてなのはとはやても弾魔法で迎撃する。
「ディアーチェ、暴れるのは構わないが、僕の邪魔はしないでほしい。これは殺し合いではなく、エクシードデバイスの防衛性能の確認なんだ。」
「そのようなもの、貴様に必要か?貴様一人で全てを守れる力を持っておるだろう。」
「だが、多方面からの襲撃には対処ができない。それは今回僕が引き起こした事件で確認済みだ。だから、僕と同等以上の敵の襲来に備えて、こういった設備を作って、警察が駆けつける前に襲われても抵抗出来る方法を固めている最中なんだ。」
「ふん、やはり貴様の考えは理解に苦しむ。そのような民など切り捨てればよいだけであろう。」
ディロードとディアーチェが啀みあっていると、
「さっきから聞いていれば、私のそっくりさんは随分と身勝手なんやな。ちょいと懲らしめたるで。クラウソラス!」
はやてはディアーチェの態度に怒り、直射魔法をディアーチェに放つが、
「ぴーちくぱーちく煩いぞ、小烏。アロンダイト!」
ディアーチェも同様の直射魔法で相殺する。
「やはり、こうなりましたか。ではナノハ、私達も戦いあいましょう。パイロシューター!」
はやてとディアーチェの戦いを観てシュテルはなのはに弾魔法を放つ。
「あの、あなたのお名前は!?」
なのははディバインバスターでパイロシューターを破壊しながらシュテルに質問する。
「私は星光(シュテル)、位は殲滅者(デストラクター)。あちらの水色は雷刃(レヴィ)、そして我ら二人を束ねし王の名はディアーチェです。」
シュテルはなのはに自己紹介をする。
星光(シュテル)、塵芥に名を教える必要がどこにある!?」
「散りゆく者にも名を広める。それこそが覇道だと理解する能力すら無いのですか、闇王(ディアーチェ)?」
星光(シュテル)、やはり貴様は我に敬意を払っていないな。くらえ、破壊の剣!」
ディアーチェは弾魔法を扇状に展開して放つ。
「ですから、尊敬していると何度言えば気が済むのですか。」
シュテルは直撃の瞬間に離れ、対象を失った弾魔法はなのは達に襲いかかる。
「やっぱり、彼女たちに任せたのは間違いだったか…だけど、おかげでアリサとすずかに集中出来る。」
ディロードは魄翼を羽ばたかせてアリサ達に近づく。
「ぼーっとしていたら何もできないぞ!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはスラッシュを使ってアリサに切りかかるが、
「スノーホワイト、トライデントモード!」
すずかはスノーホワイトを三叉槍の形態に変えてロードスラスターからの一撃からアリサを守る。
「ありがとう、すずか!」
「大丈夫だよ。それより…」
すずかが庇っている相手にディロードは劉鳳に近づいていた。
「あなたがそちらにいて助かりました!」
ディロードは劉鳳の体を右腕を突き刺し、生体エネルギーの刃を取り出す。
「っぐ!」
劉鳳はその場で倒れてしまう。
「行くぞ!エンシェント・マトリクス!」
ディロードはアリサとすずかに向けて刃を投げる。
「行くわよ、すずか!インフィニットフレイム!」
「うん!フローズンバースト!」
アリサとすずかは炎と氷の斬撃を放ち、
「「せぇーの!」」
力を込めてエンシェント・マトリクスを破壊する。
「…二人とも、よく頑張った。試運転は成功だ。」
雅は試運転の結果に満足して変身を解除する。しかし、
「その程度で我らに敵うものか!」
ディアーチェ達は戦いを止めない。
「ああもう、王様ったら!はいはい。今日はもうおしまい!」
「シュテルとレヴィも落ち着いて下さい!」
フローリアン姉妹は拘束弾でディアーチェ達の動きを止める。
「アミタ、キリエ…」
「王様達には私達の方で説明しますので!」
「それじゃ、またね。」
アミティエは申し訳なさそうに、キリエは飄々としながら、ディアーチェ達は恨み言を言いながらライダーカードに戻っていった。
「劉鳳さん、それにみんな、迷惑をかける結果になってしまってすまない。」
雅は申し訳なさそうに言う。
「雅君、元気そうでよかったよ。」
「せやで。私達の為に戦っていた時は余裕がなさそうやったからな。」
なのはとはやては雅に言う。
「それより、北岡さんの言っていたことって本当?」
「北岡先生が?」
「うん。」
フェイトの回想に入る。

「負けるように頼まれた!?」
「一体どういうことですか!」
チームディロードは北岡に抗議していた。
「俺だって勝とうと考えていたさ。でも雅は俺に頼んだんだよ。罪を償う為に、罪を犯した自分が英雄として祭りあげられないように、国の信頼の為に、敗訴して罰を受けたい、ってね。いくら俺がパーフェクトな弁護士でも、相手の意見は尊重しないといけない。それが原因で国選弁護人の資格を失うわけにもいかないんだ。わかってよ。」
「そんなの、酷すぎませんか!」
「あのね、圭一君っていったっけ?酷すぎるのが世の中ってもんなの。確かに、君たちチームディロードは綺麗で輝いている。だけど、それだけが全てじゃないんだ。あのお人好しで馬鹿で単純な城戸だって、醜くて狡猾な部分があるんだ。俺はそれを地で生きているの。だから諦めてくれない?」

フェイトの回想は終わる。
「北岡先生、口外厳禁と言ったのに…」
雅は落胆する。
「まったく、本当にあんたらしいね。」
「本当です。」
アリサとすずかは呆れる。
「二人とも、どうした?」
「あんたは一度、ディロードドラゴンに殺されて、その時点で罪は消えたでしょう?」
「アリサ、生命活動を再開した場合はその範疇から外れる。これは法に明記してある。これが無いとオルフェノクがやりたい放題するからな。」
「そうなの…でも、これだけやったんだから、あんたはもうゆっくり休みなさい。」
「ということだ、凪風。今はあの独房で休め。」
劉鳳は雅を連れて出て行き、雅を独房に戻す。

雅の懲役刑は、雅自身の活動によって減刑され、本来より早い仮釈放となったが、無期限の仮釈放は無くならず、一生監視される生活となる。
「雅さん!」
「雅さん…」
「雅さん。」
「雅…」
沙都子、圭一、羽入、梨花が出所した雅を見て言う。
「みんな…」
雅を呟く。
「雅…お帰り!」
フェイトは雅に近づく。
「フェイト…みんな…ただいま。」
「あのね、雅の監視役、私達チームディロードで受けもつことになったの。」
「これからも、みんなで仲良く一緒に暮らせます!」
「ちゃんと私達の家も用意してありますわ。」
「だから、雅には帰る場所があるわ。」
チームディロードは雅に話し、チームディロードは歩いて帰路に向かう。すると、
「出て来たぞ!テロリストだ!」
「俺達の恨みを受け取れ!」
「簡単に許すと思うな!」
雅の出所を待っていた一般人が石を雅に投げつける。しかし、フェイトはラウンドシールドを展開してそれを防ぐ。
「雅、大丈夫?」
フェイトは質問する。
「大丈夫だ。だから守らないでいい。」
雅はフェイトの質問に答えると、そのまま石に当たりに行く。
「皆さんの憎しみ、伝わりました。僕が犯した罪は重い。それで気が済むなら、僕は迷わず受け入れよう!」
雅は石をぶつけられつつも自身の意見を述べる。当然、そんな意見耳を貸す人はいない。雅は石を投げつけられていた。しかし、
「やめよう。なんだか痛々しいよ。」
「そうだな、こんなことしても何も変わらない。」
「よってたかってこんなことしているのは卑怯だよな。」
少しずつ人々は離れていく。
「根性無し共が!あの極悪人には死に等しい償いが必要だ!」
それでも老人の一人がエクシードデバイスを取り出す。すると、
「あなた、みっともないわよ。それに、このエクシードデバイスだって凪風さんが考案したものよ。」
老人の妻と思われる老婆が宥めようとする。
「ふざけるな!こんなもの使ってられるか!」
すると老人はエクシードデバイスを地面に叩きつけ、踏みつける。
「あなた、いい加減にしなさい。皆さん、ごめんなさいね。」
老婆は老人をエクシードデバイスを使って拘束し、どこかへ連れて行った。
「まだまだ前途多難だけど、私達ならきっと、乗り越えられるよ!」
雅と手を繋いでいるフェイトは今までにない笑顔を見せていた。

『以上が、凪風事件の一連の流れである。世界を守ったヒーローの失墜によって、この事件は終幕となる。』
「これでいいか?」
「済まない、左。」
翔太郎は劉鳳に書類を渡し、それがファイリングされ、この戦いは終わりを迎えた。






 







ここは冷凍保存施設。流夜の遺体はここに安置されていた。しかし、その氷は突然溶ける。
「俺は…誰?ここは…」
流夜は一人、動き出す。

第一部 崩壊する楽園 END


戦いは終わらない!
次元保護国に様々な事件が迷い込む。
〝私の子を…返せぇぇえ!〟
怪獣王 ゴジラ出現!
「この反応は、ゲッター線!?」
真ゲッタードラゴン、落下!
そして…

「誓います。」
仮面ライダーディロード(凪風雅)、結婚!
しかし、
「我々はドラゴンロード!貴様の花嫁、貰って行くぞ!」
謎の組織、襲来
「今のディロードでは歯が立たない!」
「雅さん、あなたにこれを。」
守護者の戦いは、次のステージへ!
仮面ライダーディロード 第二部『雅、結婚騒動』
Coming soon. 
 

 
後書き
新フォーム紹介
仮面ライダーディロード マテリアルユニゾン
身長、体重、ジャンプ力に変化無し
パンチ力:56t
キック力:62t
走力:100mを0.2秒で走る
闇すべる王(ロード・ディアーチェ)星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)雷刃の襲撃者(レヴィ・ザ・スラッシャー)がディロードに強制的に取り憑いて変身する姿。トライユニゾンを超える力を持つが、雅による制御が効かなくなっている。 

 

第1話『凪風雅、23の誕生日』

凪風事件から既に六年が経過した朝のこと。
「…ん、ふぁぁ…」
朝の陽射しを浴びて雅は目を覚ます。
「おはよう、雅。」
雅が目を覚ますと、梨花が笑顔を見せながら挨拶をする。
「どうしたんだ?そんなに機嫌の良くなることでもあったのか?」
雅は尋ねる。
「俺達みんな思っているんですよ。すごい穏やかな顔をして寝ているなって。」
「圭一、そんなに穏やかだったのか?」
「本当に自覚が無いのですね、雅さん。」
沙都子は呆れるように言う。
「私達と旅をしている時は、まるでうなされているような顔だったよ。あと、はやてから聞いたけど、私達と戦っていた時も、今にも死にそうな顔をしていたってリィンフォースが言っていたみたいだよ。」
「そうだったのか…」
雅はしょぼくれるように言う。
「きっと、今こうして穏やかになったのは、今までの重責が降りたからなのです。」
羽入が言うと、
「そんなことは無い。結局、僕の望みは叶わなかった。」
雅さんは反論する。それは、雅が仮釈放されて少し後の出来事だった。

「国家の象徴…ですか?」
「そうです!雅さんは私達の世界や雅さん自身の世界を含めて36の多次元世界を二度に渡って救いました。それに、この世界との融合を阻止した世界は無数にあります。言わば、この国は雅さんがあって初めて成り立つのですよ!」
防衛大臣に就任したニャル子は雅に言う。
「しかし、仮にもテロ行為を起こした僕を国の象徴にした場合、対外的な問題が出ます。」
「おやぁ?雅さん、また刑務所に戻りたいのですか?」
「それを望んでいないのはあなた達の方でしょう?」
「よく解っていますね。」
「仮にも、元国家代表ですよ。」
「そういうわけで、是非とも国家の象徴になってもらいたいのです。」
「それは、防衛大臣の見解でしょうか?」
「いいえ、国家代表をはじめ、議会の九割の意見です。」
ニャル子の意見を聞き、雅は考える。
「……解りました。引き受けましょう。ですが、僕が象徴になった際に、国民からの不平不満はどうしますか?仮にも僕は元犯罪者。道を歩けば石を投げつけられるようなこともあった人間です。」
「大丈夫ですよ。雅さんが考えていた法改正案は今の与党で全て改正しました。当然、国民世論を煽る報道についても準テロ行為に法改正してあります。」
「そうでしたか。あとで現政府に御礼の手紙でも書かないと。」
「それにしても、雅さんが引き受けてくれて助かりましたよ。」

「そういえば、雅は祭りあげられたく無かったのよね。」
「とはいえ、国からの要望には応えない訳にはいかない。」
「相変わらず雅らしいわね。」
「そうだな。それで、これからその国家象徴の授受式があるのだけど、誰が僕に同伴するんだ?」
「心配する必要は無いわ、雅、外で赤坂達が待っているわ。」
梨花に言われて雅が窓を覗くと、赤坂達がいた。
「赤坂さんなら心強い。それじゃあ、今から行ってくるから。」
雅はスーツを着て外へ出て行った。
「さて、俺達も準備を始めるか。」
雅が出て行ったことを確認すると、圭一達は行動を開始する。

「やあ、雅君。お久しぶり。」
「富竹さん、こちらこそお久しぶりです。」
富竹と雅は会釈を交わす。
「移動の護衛は僕と赤坂さんに任されているから、安心してほしい。」
「そうですね。今、ディロードライバーはフェイトに預けています。何か起きても僕自身の自衛手段は限られています。本日は警護、お疲れ様です。」
雅は富竹に案内されて車に乗り、国家樹立の時に建てられた凪風雅記念ホールに案内される。

「凪風様、本日はお待ちしておりました。」
現国家代表が雅に挨拶をする。
「国家代表、並びに各省庁の大臣、本日はよろしくお願いします。」
雅は深々とお辞儀をする。
「これから国家象徴となられるお方がお気を遣わなくても。」
「いえ、礼には礼を以て尽くす。それが我が家系の慣わしですので。」
国家代表の言葉に雅は対応する。
「凪風様、それでは十時より、国家象徴授受式を行います。こちらの中央ホールへ。」
国家代表に案内され、雅は中央ホールへ向かう。


その頃テレビでは雅の国家象徴授受式が生放送で流れていた。
「とうとう雅さんも、この国の象徴になるのか。」
圭一は感慨深く言う。
『たった今、雅様が中央ホールに向かわれました。授受式はこの後十時に行われる予定です。それでは街頭インタビューに入ります。』
今回の国家象徴授受について、どう思う?とテロップが出る。
『はい、そうですね。この国は雅さんがいないと成り立たないので、いいことだと思います。』
『確かに、あの悲惨な事件を起こしたけど、それのおかげで今こんなに平和になったんだし、いいんじゃないですか?』
『理由があっても、悪人を擁護する政府は今すぐ解散しろ!』
『正直、国家象徴が決まっても、この国は変わりませんよね。』
『どんなことでも、おめでたい話はおめでたい話でしょう。』
インタビューでは様々な意見が流れる。
「それにしても、雅さんを使って政府批判とか、反対派は何がしたいんだよ。」
圭一は感想を言う。
『はい。街頭アンケートの結果ですが、半分近くの人が、今回の国家象徴授受に反対しているみたいですね。』
アナウンサーが表を出す。表の下には、『百人に質問』と書かれていた。
「百人にアンケートって、そんなのなんの統計にもならないだろ。」
「内閣府の世論調査だと、八割が賛成になっているのです。」
圭一の意見に羽入が答える。
『それではただ今より、国家象徴授受式が始まります。』

「雪面が広がる中、新たなる息吹がそれを突き破り強く生きる今日、凪風雅を次元保護国の国家象徴とし、国家の安寧と平穏をより一層築き上げることを願い、国家象徴の勲章を凪風雅に授受いたします。」
国家代表の言葉を受け、雅はその勲章を受け取る。

『たった今、国家代表によって凪風雅様に国家象徴の勲章が渡され、国家象徴となられました。』
雅の授受式は生中継で放送される。

「…以上をもちまして、国家象徴授受式を終了いたします。」
これによって、雅は国家象徴となった。
「それでは、国家象徴、国家代表、大臣の退室となります。」
雅達は中央ホールから退室し、外へ出ると再び赤坂と富竹が雅を車に案内する。
「雅国家象徴、ご気分はいかがですか?」 
赤坂は雅に質問する。
「かしこまらなくて大丈夫です。それよりも、緊張はしましたが、自分がこの国の象徴になったという自覚は既に芽生えています。」
「それはよかった。邸宅までの案内は再び私達で行います。ご安心して下さい。」
赤坂は運転手に指示を出して車を発進させる。


「赤坂さん、先ほどと道が違うようですが?」
「これは、説明が遅れてしまい申し訳ございません。本日より雅国家象徴には新邸宅にてお住まいになられることが決まっておりまして、既にチームディロードの皆様もそちらに待機しております。」
「そうでしたか。」
雅と赤坂が話していると、車はある屋敷に止まる。
「雅国家象徴、こちらへ。」
赤坂に案内され、雅は屋敷に入る。
「こちらが雅国家象徴の新邸宅になります。それでは、失礼いたします。」
赤坂は雅に一礼をすると屋敷を出て行く。
「ここが、僕の新しい家になるのか。」
雅は屋敷の中を歩き、扉の位置取りから広さが解る部屋に入る。するとそこには既に食事が並んでいた。
「お帰りなさい、雅国家象徴。」
圭一が出迎える。
「圭一、みんな。今までと同じ呼び方でいいよ。それより、この食事は?」
「津上さんや天道兄妹のお二人、翠屋に頼んで用意してもらったの。」
雅の質問にフェイトは答える。
「それにしても、どうしてこれだけ豪華に?」
「あら、忘れたのかしら雅?」
雅の質問に、梨花は質問で返す。そして、
「「「「「「雅、23歳の御誕生日、おめでとう!」」」」」」
チームディロードは隠していたクラッカーを鳴らす。
「…そうか、今日は僕の誕生日だったんだな。国家象徴授受式のことで頭がいっぱいだったよ。」 
雅は笑い顔で言う。
「本当は各省庁の要人との立食会が入っていたけど、明日にずらしてもらったの。」
「立食会の日程を変更させるなんて、どうやってやったんだ?」
雅は疑問に思う。
「あら、お忘れですか雅さん?私達チームディロードにはそれを可能にする方がいらっしゃるではないかしら?」
「それって…」
「私達の世界を知っているなら、『口先の魔術師』と言えば誰のことか解るわよね?」
「もしかして、圭一…この予定を?」
「予定どころか、これから三日間の日程決めまで俺が何とかしましたよ。」
「流石だな、圭一。だけど、公的な予定を変えて大丈夫なのか?」
「それについては、チームディロードによる雅さんへの監視の為と言えばどうにかなるんですよ。」
「…もしかしてみんな、僕の為に…」
「俺達は最初から、ずっと雅さんの味方ですよ。」
「それから雅、これは私達チームディロードからの誕生日プレゼント。」
フェイトは厳重に保管されているケースを取り出し、それを雅に渡す。
「フェイト、これは…」
雅はケースを開けて驚く。そこにはフェイトを通じて警察庁に保管されていたディロードライバーが入っていた。
「それは、雅が持たないといけない、この国の存在の証明だから。」
「でもいいのか?これを僕に渡して。」
「大丈夫だよ。もうリンディ長官に話は通してあるから。」
「…みんな、本当にありがとう!」
雅はケースの中のディロードライバーを手に取る。
「これで、仮面ライダーディロードの復活ですね!」
圭一は言う。
「これを僕に渡すということは、この国にまた何か異変が起きているんだな?」
「うん。実は、雅がエクシードデバイスの試運転をして半月くらい過ぎたころに…流夜の遺体が忽然と消えていたの。」
「何!?流夜が?それは本当か?」
「うん。警察庁でも捜索を行っているんだけど、未だに見つからなくて。もしものときは、雅に頼みたいの。」
「解った。流夜の件は僕の方でも調べてみる。任せてほしい。」
雅は再び仮面ライダーディロードとなり、新たな事件に参戦する。

その頃、次元保護国に向かって、海から巨大な何かが向かっていた。
“私の子を…返せぇぇぇ!”
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「この反応は…ゴジラ!?」
“お前達が攫ったことは解っている!”
「やめろ!ゴジラを迂闊に攻撃するな!」
「チームディロード、出動!」
次回『怪獣王の雄叫び』希望を紡いで、全てを救え! 

 

第2話『怪獣王の雄叫び』

「やはり、最近どうもこの国の放射線量が微弱だが上昇している。」
雅は調べ物をしながら言う。
「それって大丈夫ですか?」
「もし大丈夫じゃなかったら今頃緊急警報がしかれている。この程度の上昇率なら緊急警報を発令する必要はない。それより、この上昇率の原因を調べるべきだ。それに最近、原子力発電所の電力供給が落ちていると聞いている。」
「うん。それが、核燃料のエネルギーが忽然と消えているみたいなの。」
「核燃料の消失に放射線量の上昇…一つ心当たりがある。調査を任せてもらえないか?」
「解った。私達は消えた流夜の捜索を引き続き行うね。」
「ああ。……まさか、把握出来なかっただけで、あの世界も融合していたのか?」
雅は原子力発電所に向かった。

「お待ちしておりました、雅国家象徴。」
「それで、消失した核燃料の量はどの程度ですか?」
「それが、1週間前から決まった量が決まった時間に無くなっていまして。丁度、今くらいの時間にまた無くなるんですよ。」
職員が雅に話していると、小さな揺れが起きる。
「この揺れは?」
「いや、解りません!?今までこんな揺れは起きていませんでした!」
「とにかく逃げましょう!」
雅は職員を誘導して発電所から避難させる。そして、その揺れの原因が発電所を内側から破壊するように現れる。
「グゥアアアアッグゥウウォッ」
そこにいたのは体長50メートルの巨大な怪獣だったからだ。
「あれは…やはりゴジラ!?」
雅は驚く。
「雅国家象徴、ご存知ですか!?」
「あれは核を食べる怪獣、ゴジラです。とにかくここは危険です。すぐに避難して下さい。」
雅は残っていた職員を避難させる。それに合わせて防衛省直属の軍人が戦車と戦闘機を操縦しながらやってくる。
「雅国家象徴、ここは私達に任せてください!」
軍人が雅に言う。しかし、
「あの怪獣、ゴジラを迂闊に攻撃しないで下さい。あの怪獣の体内には、巨大な核エネルギー炉があります。奴を殺した場合、何十年もの間、地球上は高濃度の核で汚染されます。」
雅は攻撃しないように話す。
「それでは、どうすれば!?」
「僕に任せてください。ゴジラにはテレパシーで会話が行えます。」
雅は自身とゴジラを結界で覆う。

“聞こえていますか?”
雅は念話でゴジラに話しかける。
“私の子はどこだ!お前達が連れ去ったことは解っている!”
ゴジラは強い怒りを込めて雅に返答する。
“僕も今始めて知ったことで、事情が解りません。ですから、事情を教えて下さい。事情がわからないと、僕も探せません!”
“子供がいなくなって、そんな悠長なことを言っていられるか!”
“ですから、誰があなたの子供を連れ去ったかわからない以上、探すこともできません!”
“そんなの、邪魔なものを壊せばすぐ見つかる!”
“それであなたの子供が巻き込まれたらどうするのですか!?”
“…解った。話を聞く。”
“まず、あなたの子供がいなくなったのは?”
“あれは、七回空が暗くなる前のことだ。お前達が私の子供と共に姿を消したんだ。”
『フェイト、リンカーコアの所有者の中で生物学者を探してくれ。エクシードデバイスに転移魔法は登録していない。そうなれば元から魔力を所有している人が限られる。そして、ゴジラを調べたがるのは生物学者に絞られる。頼めるか?』
“うん、任せて!”
雅は外で待機していたフェイトに指示を出す。
“今、僕の仲間にあなたのお子さんを探しに向かわせました。”
“信じていいのか?”
“はい。なので、僕達を攻撃するのは少し待ってもらえませんか?”
“構わない。ただし、空が暗くなるまでだ。”
『皆さん、ゴジラの子供を夕暮れまでに探して下さい!』
雅は待機している軍人に連絡をとる。
“さっきから出てくるゴジラとは何だ?”
“失礼しました。我々は、あなたのことをゴジラと呼称しています。名前はありますか?”
“呼ぶ名前はない。ないと困るのか?” 
“はい。もしよかったらゴジラと呼んでも構わないですか?”
“いい。お前は何と呼べばいい?”
“雅といいます。”
“そうか、ミヤビ。”
“それで、どうして発電所を、エネルギーを作っている場所を攻撃したのですか?”
“あれは私が憎むもの。そして私の食べ物だ。”
“やはりそうでしたか。”

その頃、フェイトは生物研究所に来ていた。
「すみません、こちらで最近恐竜型の生き物を見ませんでしたか?」
フェイトは質問をするが、返事来ない。
「それでは、今回の事件の調査の為に、施設内の捜査をさせていただきます。」
フェイトは生物研究所に進入する。

“しかし、あれは僕達が生きていくのに必要なものなのです。それを勝手に食べることはどうなのでしょうか?”
“あれは本当に無いと困るものなのか?お前達が自分の都合で何かに迷惑をかけているだけではないのか?”
“あのエネルギーは確かに、僕達の都合で作っているものです。ですが、ここは僕達の住み処、言わば巣なのです。巣で暮らす仲間の為に何かを犠牲にすることは、咎められる理由にはなりません。”
“確かに、それは間違っていない。だが、それなら私が生きるためにお前達のエネルギーを狩ることもまた、咎められるものではない。”
“そうですね。その通りです。ですから、共存できる方法を考えたいのです。”
“…共…存?”
“はい。ただ奪い合うだけではない。お互いがより安心して生きていける、そんな方法を考えたい。だから、ゴジラも解ってほしい。”
“お前達は相も変わらず身勝手なものだ。私をこんな姿にして、灼熱に落とし、勝手に海に沈めて、身勝手に私をまたこの姿にして、雷を浴びせ、そして殺そうとした。”
1980年代に現れた個体であるこのゴジラは、水爆実験によって恐竜が変異した姿であり、活火山に放り込まれ、それを泳いで逃げれば、水爆実験が起きる前に海の底に転移させられ、その海域でゴジラになってしまうが、超ドラゴン怪獣キングギドラを倒すために再び水爆をぶつけられ、ショックアンカーによって高圧電流を浴びせられ、対G兵器スーパーメカゴジラによって一度は殺された。ゴジラが人間を憎む気持ちはもっともである。しかし、
“だがお前は私が今まであった奴らと違う。私を殺そうとしない。話そうと努力した。そんな奴は始めてだった。”
ゴジラは己の過去を振り返る。自身の細胞を使われた植物怪獣ビオランテと殺し合い、守護者モスラと破壊者バトラに封印されないためにバトラを倒し、何もわからないままキングギドラ、そしてそれを改造したサイボーグ怪獣メカキングギドラと戦わされ、そしてメカゴジラのショックアンカー作戦に一度は殺されたが、ゴジラの子を自身の子と思っていたラドンによって命を繋いでもらった。そして、自身が陸にあがる度に人類からの攻撃を受けていた。ゴジラの命は、常に戦火の中にあり、共存を考えるものはいなかった。
“共存なんてできるの?”
“できます。いや、させてみせます!”
“どうやって?”
“今、この国の近くに人工的に作った埋め立て島があります。そこは本来、使用不可能になった核燃料の廃棄場所として考案されていました。そこなら、敵に襲われる心配も、餌に困ることもありません。”
雅はゴジラに提案する。
“…あの子が無事に生きられるなら、問題は無い。”
“ありがとうございます。”
ゴジラの思考は、すでに穏やかなものになっていた。
『雅国家象徴、あの怪獣、ゴジラについて、詳しく教えていただけないかしら?』
雅とゴジラが念話をしていると、リンディから連絡が入る。
『リンディ長官、どうしたのですか?ゴジラのような災害級事件は防衛省の担当のはずですが。』
『それが、かなりやばい内容でね。フェイトさんが調べたゴジラの子供を連れ去った犯人、どうも他の危険生物や絶滅危惧種生物にも同じように盗難行為を行っているみたいなの。』
『解りました。このゴジラは、ゴジラザウルスという恐竜の生き残りが水爆実験によって怪獣になった姿です。他にも、ゴジラという種類は元からこの姿だった個体もいるので、あの姿がゴジラザウルスの成体とみる見解もあります。ゴジラは現れる年代によって姿に差異がありますが、共通点として核エネルギーと争いを憎む本能、その核を食料にしてそれを攻撃手段に使う知能、そして、種族の子供はたとえ自分が生んでいなくても命がけで守り抜く性質があります。』
『その核を攻撃手段に使うというのはどういう手段か、教えていただけないかしら?』
『主な攻撃手段として体内にある核エネルギー炉を活性化させて熱線にして放つ能力を持っていて、熱線の発射のサインとして背ビレが青白く発光します。』
『ありがとう。それで、ゴジラを無力化する方法はあるかしら?』
『完全な無力化は事実上不可能です。極めて高い回復能力を持ち、たとえ心臓を破壊しても、尻尾にある「第二の脳」と呼ばれる神経束が生体活動を再開させる電気信号を流して心臓を再生させます。また、危険なことに爆死させた場合、その放射能汚染は地球上で十年以上にわたって発生し続けるデータもあります。』
『そう、ありがとう。これは、早急に事件を解決する方がいいわね。』
リンディは目星をつけた研究所に更に刑事を向かわせた。

to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「私の魔法が、使えない!?」
「どうだね、このAMFは?」
「お前達、それが人間のやることか!」
「頭は生きているうちに使うものだよ。」
「君も私の研究材料の仲間入りだ。」
次回『狂気のプログラム』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
今回登場したゴジラはVSシリーズの中でVSメカゴジラとVSスペースゴジラの中間点にあたる時系列のゴジラです。なので、子供の方もベビーゴジラの形態です。 

 

第3話『狂気のプログラム』

雅がゴジラと約束を取り決めている頃、フェイトは生物研究所に潜入していた。
「なんだろう、すごく不気味…」
フェイトは薄暗い廊下を歩いている。
「これは…」
フェイトは『対象G 研究室』という看板を発見する。
「もしかして、ここにゴジラの子供が!?」
フェイトは研究室に入る。
“キュウオオウ?”
そこには鉄格子に閉じ込められたベビーゴジラがいた。
「もしかして、この子が!?」
フェイトは近付こうとする。しかし、次の瞬間フェイトのバリアジャケットは消失し、衣服の再構築を行えずに一糸まとわぬ姿になってしまう。
「いかがかね、我々が開発した特殊なAMFは?」
フェイトが驚いていると、白衣を着た男が数人現れる。
「AMF!?まさか!?」
AMF─正式名称“アンチマギリンクフィールド”は、魔導円環システムを妨害するシステムで、本来なら低ランクの魔法の運用を封じ、高ランクの魔法の運用に負荷を与えるものであり、今回のようにバリアジャケットの構築まで阻害する機能は備わっていないのである。
「本来、AMFはこのような機能は無いが、言っただろう?我々が開発した特殊なAMFだと。このAMFはAランク以上の魔導師の魔導運用を完全に遮断するシステムにプログラムを書き換えたのさ。勿論、この研究所の職員の魔導師ランクは私も含めて皆B+以下。我々には何の被害も無いのだよ。」
研究所の所長はストレージデバイスを構える。
「ッ!?」
フェイトはフォトンランサーを放とうとしたが、一切の反応がなかった。
「言っただろう。このAMFは魔法のランクではなく、魔導師ランクで機能すると。いやぁ、実に嬉しいよ。まさかプロジェクトFATEのサンプルの二つ目が手に入るとは。」
「二つ目?」
「ああそうさ。たしかに君はプロジェクトFATEの集大成として、プロジェクトの名前であったフェイトの名前が与えられた。しかし、その前にプロトタイプがいたのだよ。それがこれだ。」
所長は職員に指示を出し一人の少年を連れて来る。
「この実験材料の名前はエリオ・モンディアルと言ってね。君と同様にオリジナルと性格が真逆で、父親から棄てられたのを我々が貰ったのさ。この実験材料は実に素晴らしい。プロジェクトFATEの実情を把握するのにすごく役立つ材料だった。しかし、君が手に入ったからには、もうこれは用済みだ。」
「えっ?」
フェイトは驚く。
「廃棄しろ。」
しかし、所長は冷徹な一言を言う。エリオという少年はその言葉を聞くと獣のような形相に顔を変え、
「ぅぅううううぅぅっ……」
獣のような唸り声を立てる。
「全く、困った材料だった。」
所長はストレージデバイスをエリオに向ける。しかし次の瞬間、
「そこまでだ!」
「この施設を差し押さえさせてもらう!」
「勿論、お前達は逮捕ッス!」
「諦めて下さい。」
アクセル、G3-X、轟鬼、シザース、ガタックがやってくる。
「迂闊に動いていいのかな?」
所長はそう言い、フェイトにストレージデバイスを向け、職員の一人がベビーゴジラにストレージを向ける。
「この実験材料が死ぬのは、君達にとって困るのではないかな?」
「卑怯だぞ!」
ガタックは言う。
「たしか、クロックアップ、だったかな?それの対抗措置ならもう用意させて貰っているよ。いやぁ、ネイティブもいい実験材料になった。おかげでクロックアップを無力化するクロックダウンシステムの波形を作成出来たからね。」
「まさかお前達、ネイティブまで!?」
「それだけでは無いよ。我々には心強い番犬も用意してある。」
所長が言うと、鏡からベノスネーカーとマグナギガが現れる。
「さて、今ゴジラと話している国家象徴様に繋いでもらえるかな?」
研究所の職員達はフェイトとエリオ、そしてベビーゴジラを人質にしてライダー達を脅迫する。


『やあ、国家象徴様。』
所長は映像と共に雅に連絡を入れた。
「お前達、何のつもりだ!?」
『そうだな、そのゴジラを我々の研究材料として寄付してほしい。そうすれば、その研究材料は子供と一緒に暮らせる。』
所長はベビーゴジラを見せる。
“私の子供!?”
「お前達が今回の犯人か!」
『そうだよ。そして、こちらには新しい研究材料もある。』
所長は次に何も纏っていないフェイトを見せる。
「フェイト!?お前達、何をした!?」
『何、強い力を封じさせてもらっただけだよ。実験材料になるのはこれからさ。』
「実験材料だと!?」
『その通り。まずはリンカーコアを摘出し、次に内蔵、更には繁殖システム。こればかりは一つの材料では揃わなかったからね。』
所長はエリオを見せる。
「…そういうことか。」
雅は『リリカルなのはStrikers』の世界を知っているため、エリオを見てすぐに判断した。
『プロジェクトFATE…魔術を用いたクローニング式人造生命の研究。実に最高だよ!なんたって人間に近い化け物を解剖できるからね!』
所長の言葉に、雅で怒りと憎しみを交えた表情を浮かべていた。
『そんなに怖い顔をしないでくれたまえ。何も人間を殺すとは言っていないだろう。だからゴジラもこちらに渡してほしい。悪いようにしないさ。とは言っても即答は出来ないだろう。夕刻までまってあげよう。それでは、よい返答を待っているよ。』
所長は雅との通信を切る。
「…まさかフェイトが!」
雅の顔は憎とも怒とも言えぬ顔になっていた。すると、
“行きなさい。”
ゴジラは雅に言う。
“ゴジラ!?”
“彼女はお前にとって大切な者なのだろう?なら行きなさい。”
“しかし…僕は独断では…”
雅が言葉を詰まらせていると、
“大丈夫よ。ここは私に任せてもらえないかしら?”
リンディが現れる。
“リンディ長官!?”
“私もゴジラと話がしたかったの。だからここは私に任せて。その代わり、必ずフェイトとベビーゴジラを取り戻すのよ!”
リンディは雅に力強く言う。
“わかりました!凪風雅、行きます!”
“私の子も頼みます。”
雅は転移魔法を使って生物研究所に向かった。
“初めまして、ゴジラ。私はリンディという名前よ。”
“リンディ、どうして彼を行かせた?”
“さっきのあの女の子はね、母親に捨てられて、私が引き取って育てている子供なの。”
“ならどうして自分で行かないで彼に任せたの?”
“あの子は雅さんを心配していて、雅さんもあの子を心配しているの。だから、二人に任せる方がいいと思ったの。子供の為になることが何か考えるのも、親の役目でしょ?”
“そうね。リンディの言うとおりだよ。”
“だから、私達は彼を手助けしましょう?”
“わかった。どうすればいい?”
“私に考えがあるの。”
リンディはゴジラと打ち合わせを始める。

「なるほど。AMFを展開して魔法の発動を封印のか。恐らく、バリアジャケットの再構築さえ封じる力があるからフェイトはあの状態だったのか。」
【SUMMON RIDE-DESPAIR DRIVER-】
雅はディスペアドライバーを召喚し、所長達のいる部屋に乗り込む。
「そこまでだ!」
雅は力強く言う。
「おやおや、国家象徴様。実験材料は持ってきてくれたかな?」
所長は言う。
「命を命と思わないお前達に、渡すものか!!」
「そうか。ありがとう、これでこの実験材料を解剖できる。」
所長はフェイトにストレージデバイスを向ける。しかし、
「今だ!フェイト!」
〔ディスペア!〕
雅はディスペアドライバーを装着し、フェイトにディスペアドライバーが出現する。
「雅!?」
〔ブレイク!〕
フェイトはブレイクメモリをディスペアドライバーにセットし、その肉体は雅のディスペアドライバーに転送される。
「変身!」
〔ディスペア!ブレイク!〕
雅はディスペアメモリをセットし、仮面ライダーディスペアに変身する。
「翔太郎さん、この言葉を借ります…さあ、お前達の罪を数えろ!」
ディスペアはディスペアサイズを構える。
「よくも実験材料を!」
職員の一人は謎の灰を取り込みスパイダーオルフェノクに、別の職員はステンドグラスを取り込みスワロテールファンガイアに、別の職員は隕石を手に取りグラリスワームと、別の職員はライダーデッキを使ってオルタナティブに変身する。
「やりなさい。」
所長が指示を出すと職員達はディスペアに向かって攻撃を開始するが、
「今だ!」
〔トライアル!〕
アクセルはアクセルトライアルに変身し、エリオを救出し、ベビーゴジラを捕らえている檻を破壊する。
「轟鬼、ベビーゴジラを頼む!」
「解ったッス!」
轟鬼はベビーゴジラを持ち上げ、アクセルトライアルと共に戦線離脱する。
「私の研究材料を次々と奪っていくとは!」
所長は怒りをぶつけるが、
「命は物じゃない!お前の玩具じゃないんだ!」
ディスペアは反論しながら所長を蹴ろうとするが、スパイダーオルフェノクがそれを阻止する。
「邪魔するな!」
〔クレイドール… マキシマムドライブ!〕
ディスペアはクレイドールメモリをディスペアサイズにセットし、そのエネルギーの刃でスパイダーオルフェノクを切り裂き、撃破する。
「氷川刑事、加賀美刑事、私達も行きましょう!」
シザースはベノスネーカーと、G3-Xはマグナギガと、ガタックはグラリスワームと戦闘を開始する。
「プットオン!」
[put on!]
クロックダウンシステムによってクロックアップを封じられているガタックはマスクドフォームに戻り、ガタックバルカンをグラリスワームに放つ。グラリスワームは防御性も高いが、弾切れになるまで放たれたガタックバルカンに怯み、
「キャストオフ!」
[cast off!change stag beetle!]
「ライダーカッティング!」
[rider cutting!]
一瞬の隙をついてライダーフォームにキャストオフし、ライダーカッティングでグラリスワームを切断し、撃破する。
「これならどうだ!」
G3-Xはケルベロスにアタッチメントを付け、マグナギガに近づき至近距離でマグナギガを撃ち抜き、撃破する。
「マグナギガが!やれ、ベノスネーカー!」
オルタナティブは指示を出すが、
「そこか!!」
G3-Xはスコーピオンでオルタナティブのライダーデッキを破壊し、変身を解除させる。
「しまった!契約が!」
ライダーデッキが砕けた瞬間、ベノスネーカーはオルタナティブに変身していた職員を一瞬で丸飲みしてしまう。
「彼はライダーデッキを持ってミラーモンスターと契約する意味を理解していなかったのですか…」
【STRIKE VENT】
シザースはストライクベントをスキャンし、シザースピンチを装備してベノスネーカーに挑む。

「私の実験材料を次々に奪うな!」
所長は直射魔法をディスペアに放つが、ディスペアはディスペアサイズでそれを弾く。
「いい加減にしろ!」
ディスペアはディスペアサイズで所長を突こうとするが、スワロテールファンガイアがそれを妨害する。
「これで終わりだ!」
〔スミロドン!マキシマムドライブ!〕
ディスペアはスミロドンメモリを使い、高速で幾度にも渡ってスワロテールファンガイアを切り裂き、撃破する。
「あいつらめ。貴重な実験材料を使って失敗するとは!」
所長はストレージデバイスを構える。

「これで決めましょう!」
【FINAL VENT】
「ああ!ライダーキック!」
[one two three!rider kick!]
シザースのシザースアタックとガタックのライダーキックが炸裂し、ベノスネーカーは撃破される。
「おのれ、私の研究をどうして邪魔する!」
所長はディスペアに拘束魔法をかけようとするがそれディスペアはそれを避ける。
「お前がやっていることは実験でも何でもない!ただの猟奇的な虐殺だ!」
「化け物を解剖して何が悪い!」
「この国では彼らは国民として登録されている!お前の行為は殺人罪だ!」
「化け物に人権を与える必要がどこにある!君の仲間である実験動物だってそうだ!人として生まれていない、ワームやミラーモンスター、紅世の徒と何も変わらない化け物を何故人間扱いする!」
「いい加減にしろ!」
ディスペアは間合いを詰め、所長を掴むと地面に叩きつけ、そして殴ろうとする。しかし、
『雅、やめて!』
フェイトの言葉を聞きディスペアの動きは止まる。そして、
「ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい─」
ディスペアは後ずさりするようにおびえた声でうわごとのように呟いていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「凪風君は人をぶってはいけません。」
「どうして俺だけ…」
「お前を逮捕する。」
“ありがとう、ミヤビ。”
「嫌な事件だったわね。」
次回『ディスペア・リフレイン』希望を紡いで、全てを救え! 

 

第4話『ディスペア・リフレイン』

『雅、やめて!』
フェイトの言葉を聞き、ディスペアの拳は止まり、
「ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
ディスペアはうわごとのように呟いて後ずさりする。
『雅!?しっかりして雅!』
フェイトは訴えかける。しかし、
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
ディスペアはうわごとを言うのを止めない。
「ちょうどよかった。彼も解剖したかったんだ。この際、二人とも実験材料として活用させてもらうか。」
所長はストレージデバイスを構える。

─雅の脳内では、過去の記憶が蘇っていた。
「おめえ、気持ち悪いんだよ!」
小学校低学年の時のクラスメートは雅に言う。
「どこがだよ!言えよ!」
雅はクラスメートに殴りかかろうとする。すると、
「凪風君、やめて!」
担任が雅のことを制する。
「先生、なんでですか!こいつ、人に暴言を吐いたんですよ!」
「凪風君は人をぶってはいけません。それは凪風君が武術を学んでいるからです。」
担任は雅に説明する。
「そんな!どうして俺だけ…」
「クラスのお友達は武術を学んでいないでしょう?とにかく、凪風君はちゃんと謝りなさい。」
「あいつらだって俺の悪口を言ったのに!」
「それはちゃんと謝らせます。」
「わかりました。ごめんなさい。」
雅は頭を下げる。
「いいぜ。気にすんなよ!」
クラスメートはニヤニヤと笑っていた。

ある日のことであった。
「なんで俺の教科書を捨てるんだよ!」
雅は自身の教科書を捨てていたクラスメートに言った。
「だって雅はゴミでしょ。ゴミならゴミ箱に捨てないといけないでしょ?」
クラスメートは当たり前のように言う。
「俺はゴミじゃない!」
雅は拳を握る。
「雅は殴っちゃいけないんでしょ?」
クラスメートに言われて拳を解く。しかし、
「さっきは私達のことを脅したね!」
クラスメートはそう言うと、数人で雅を殴っていた。
「いい?そのアザは階段から落ちて出来たってことにしなさい。」
雅はただ泣いていた。

ある日雅は父、龍道に相談した。
「父上、学校でいじめにあっています。どうすればいいのでしょうか。」
「学校の教師は何をしているんだ?」
「みんなで仲良くしようと言っています…」
「ならお前が強くなれ。」
龍道は雅にそう言った。

中学に上がり、雅の生活環境は更に悪化した。
「痛い!やめてくれ!」
雅は叫ぶ。それを偶然通りかかった教師が発見する。
「お前達、何をしているんだ!早く凪風に謝れ!」
教師は怒鳴る。
「ふぇーい。ごめんなさ~い。はい謝ったからいいだろ?」
同学年の生徒はふざけるように言う。
「ほら、あいつらも謝ったんだから雅も許してやってくれ。」
「先生、あれで謝ったって言えますか。」
雅は反論する。
「俺たちだって真面目に謝ったんすよ。」
「ほら、あいつらもああ言っているんだ。凪風も理解してくれ。」
「…わかりました…」
雅は呟く。そして教師は去る。すると、
「お前が騒ぐから見つかっただろ!謝れよ。俺たちに謝らせて!」
生徒は再び雅に暴行を加える。
「嫌だ。」
雅は声を振り絞って言う。
「っざけんなよ!」
生徒達の暴行は続いていた。

「凪風、何階段から落ちてんだよ。」
「みっともなあい。」
「…お前達が突き落としたんだろ」

「うわぁ、凪風の机の中が丸まったティッシュでいっぱい!」
「もしかして凪風、この教室で…」
「サイテー。」
「なんで俺だけこんな目に…」

「なんで俺の机と椅子はちゃんと置かれていないんだよ…」
雅は無くなった机と椅子を探している。しかし、結局見つからず教室に戻る。
「何が無いだよ。あるじゃん。」
クラスメートは言う。確かにそこに机と椅子はあった。“死ね”“クズ”“ゴミ”等の言葉が彫刻刀で彫られていたことを除いて。


『雅!?気をしっかりもって!』
フェイトは必死に雅に呼びかけるが、呼びかけようとすればするほど、雅とフェイトの波長はずれてしまい、ディスペアの変身は強制的に解除され、フェイトはその反動で壁に叩きつけられる。
「雅!?」
フェイトは雅に呼びかける。しかし、
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
フェイトの言葉は雅に届かない。
「まったく、実験材料は手間をかけさせないでほしいものだ。」
所長はストレージデバイスに魔力をチャージする。
「クロックアップが使えれば!…ッ!?」
ガタックは何かに気づき、
「クロックアップ!」
クロックアップを宣言する。
「馬鹿め、クロックダウンが発動しているk」
[clock up!]
ガタックのクロックアップは発動され、ガタックは所長のストレージデバイスを弾き、その両手を抑える。
[clock over!]
クロックアップが終了し、所長は驚く。
「何故だ!何故クロックアップが使える!クロックダウンシステムで封じていたはずだ!」
所長が言うと、
「あなたの言っているクロックダウンシステムとは、あれのことですか?」
壁が破壊されリンディが現れると、リンディは指を指し折れた鉄塔を見せる。
「馬鹿な!何故破壊されている!あれはAランク以上の魔力攻撃でないと破壊できないはず!」
「どうやら、物理攻撃には対策していなかったみたいね。」
リンディが言うと、ゴジラが現れる。
「おのれ、実験材料の分際で!」
「さて、あなたには様々な容疑がかかっていますが、まずは危険生物不正所持及び隠蔽の現行犯で逮捕させてもらうわ。」
ガタックは所長に手錠をかける。
「フェイト、AMFも破壊が済んでいるわ。まずは服を再構築するといいわ。」
リンディに言われ、フェイトは衣服の再構築を行う。
「あとは、雅国家象徴の方ね…」
リンディが雅を見ると、雅は胃液をひたすら吐いていた。
「フェイト、雅国家象徴を安心させて。」
「わかったよ、義母さん。」
フェイトは雅を抱きしめて背中をさする。すると、雅は気を失ってフェイトにもたれかかる。
「きっと、精神的に疲れてしまったのね。雅国家象徴を家に運んだら、話を聞かせてもらえないかしら。」
「わかった。」
フェイトは転移魔法で雅と共に家に帰り、雅を寝かせて着替えると、警察庁に向かった。

「それで、雅国家象徴はどうしてあんな風になったのかしら?」
「それが、ディスペアに変身しているときに雅が所長を殴ろうとして、私がやめてって言ったら急にごめんなさいって呟きはじめて、私が呼び戻そうとすると拒絶されて、変身も強制的に解除されて…」
「その時の雅国家象徴の心象風景はどうなっていたか解るかしら?」
「子供の頃の雅が、クラスメートを殴ろうとしていて、先生がやめてって言うと、いろんな人が雅をいじめはじめていました…」
「おそらく、感情に任せた雅国家象徴が誰かを殴るタイミングでフェイトさんの言った『やめて』がトラウマのトリガーになって、旅を始める前のつらい記憶が蘇ってしまったのね。」
「それじゃあ、私のせいで…」
「そんなことないわ、フェイト。あんな状況、誰でも予測できないわ。だから自分を責めないで。」
「はい…」
「フェイトも大変だったでしょう。とにかく休むといいわ。」
「わかったよ、義母さん。」
フェイトは長官室を出た。
「嫌な事件だったわね…」
リンディはため息を吐く。

その頃、所長は取調室で取り調べを受けていた。
「研究所の資料を押収させてもらったが、どれだけの生物をお前の実験台に利用した。答えろ。」
「資料をみれば解るだろう。オルフェノクを10体、ファンガイアを6体、ネイティブワームを25体、イマジンと紅世の徒を8体、ミラーモンスターを12頭、あとは邪神を2頭かな?それよりも、私に早く新しい解剖をさせてくれ。新しい開発がしたいんだ。」
「そうか。お前のゴールはおそらく死刑になるだろう。」
「何故だ?私は化け物を解剖して未来に生かそうとしていたのだ。問題があるのかい?」
「当たり前だ!お前達のやったことはただの大量誘拐に虐殺行為だ。法的に許されない。」
「君たちだって、人を襲う化け物は殺しているだろう。私はそれと同じことをしただけだよ。」
「俺たちは国民からの要請を受け、法を乱す犯罪者と戦っている。お前のように害を放っていない国民は殺していない。」
「人間である私からみれば同じだよ。」
「そうか。犯行の肯定と動機が分かれば充分だ。取り調べは以上だ。このデータは裁判で使われるだろう。」
照井は最後にそう言い取調室から出て、所長を独房に入れる。

その日の夕方、雅は意識を取り戻す。
「っは!?」
意識を取り戻した雅は転移魔法でゴジラと出会った場所に向かった。
“ありがとう、ミヤビ。おかげで息子を取り戻せた。”
ゴジラは頭を下げた。
“よかった。それで、わが国の人工島で暮らす話についてですが。”
“いいよ。そこで息子を安全に育てられるなら。”
“わかりました。それでは、場所を案内します。”
“大丈夫!リンディが教えてくれたから。”
ゴジラはベビーゴジラを頭に乗せて海を渡る。
「よかった…」
雅は安堵する。
「雅、大丈夫だった?」
そこにフェイトがやってくる。
「フェイト!?奴らに何もされなかったか!?」
「うん。大丈夫。それで、あの時照井刑事が保護した子なんだけど…」
「彼の名前はエリオ・モンディアル。ベルカ人を使ったプロジェクトFATEの研究で生み出された子だ。」
「そうだったんだ…」
「それで、今なのは達が作っている機動六課の職員に採用する方法を考えているんだ。」
「機動六課に?」
「そうだ。エリオ君は史実でも機動六課のライトニングに所属している優秀な龍騎士だ。今から精神カウンセリングを行えば、きっと機動六課の職員になれる。フェイトに任せていいか?」
「任せて。私の方にはキャロもいるから、上手くいくと思う。」
「それにしても、フェイトが無事でよかった。」
「雅こそ、大丈夫だった?」
「…大丈夫。僕は装填の守護者だ。本来、あんな風になってはいけないんだ。」
雅は涙を堪えるように言う。
「ごめんなさい、雅。」
そんな雅をフェイトは抱きしめていた。

「それにしても、嫌な事件だったね。」
「そうだな。まさか雅があんな風になるなんてな。」
フィリップと翔太郎は書類を纏めながら言う。
「どうだ?書類は纏まったか?」
「悪いな劉鳳。今回の事件は実情把握に時間がかかりそうだ。」
「そうか。終わったら持ってきてくれ。俺達は引き続き研究所の施設調査を続行する。」
「ああ。書類は任せておけ。」
この事件が残した爪痕は、あまりにも深かった。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「最近現れるこいつらは何なんだ!」
「まさか、インベーダーが現れるなんて!?」
「奴らの目的は!?」
「機械と融合した!?」
「あれは…真ゲッタードラゴン!?」
次回『爆進!邪悪なる侵略者』希望を紡いで、全てを救え! 

 

第5話『爆進!邪悪なる侵略者』

『─それでは次のニュースです。ベビーゴジラを含め、複数の生物を誘拐し、違法な実験を行っていた罪で、生物研究所の所長に死刑判決が下されました。』
テレビのニュースは、先日起きた事件の裁判の様子を映し、その実刑判決を放送していた。
「当たり前だな。この結果は。」
「あら雅がそんなことを言うなんて珍しいわね。」
「奴は50人以上の人を虐殺したんだ。法的に死刑になる選択肢は避けられない。」
「そうだよね…」
雅の言葉にフェイトは悲しそうに言う。
「フェイト、確かに死刑制度は残酷かもしれない。だが、ああいう悪人を野に放つことはしてはいけない。」
「なら終身刑でも問題ないと思う。」
「それは違う。自分を奪われて死ぬまで牢屋で暮らすなら、あっさり死刑になる方が、犯罪者にとっても苦しくない。それに、終身刑になった囚人が獄中死をした場合、清掃や埋葬費でコストがかさむ。獄中死をしそうにない囚人を終身刑に、獄中死をしそうな囚人は死刑に、使い分けるしかないんだ。僕だって、あの男には終身刑を言い渡して死ぬまで何も出来ない苦痛を味合わせたい。だが、おそらくあの男の場合は解剖出来ない苦痛から、自身を解剖しかねない。」
「刃物がないのにどうやって?」
「資料を読んだが、あの組織は解剖の際に魔法を使って切断していたことが解った。そうなれば、それで自分を切ることなど容易い。だから、獄中死を起こさせないためにも、死刑しか方法がないんだ。」
「そうなんだ…」
フェイトは何ともいえない声で返事を返す。
「フェイト、そろそろあの所長の意見が聞ける。」
雅達はテレビに目を向けた。

『それでは被告、何か意見はありますか?』
裁判長は死刑を言い渡して所長に意見を求める。
『死刑ですか?この私が?いいでしょう。ただし─』
所長はそう言うと身体をモゴモゴと動かし、
『殺せるのならね!』
黒い身体に複数の黄色い目が付いた怪物に変貌する。

「あれは、インベーダー!?フェイト、僕が対応する!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのアタックライドを使って裁判所に向かった。

「素晴らしい!実に素晴らしい!やはり進化はとても甘美だ!この素晴らしさ、是非ともみんなに教えてあげたい!」
その怪物─インベーダーは身体を液体状にさせ、傍観者を含め、中にいた国民を全て取り込むと、数体に分裂する。
「遅かったか!」
そこに雅が着く。
「おや、君か。どうだい、進化とは、とても気持ちよく素晴らしいものだろう?」
インベーダーは分裂した仲間に聴く。
「ああ、なんて最高なんだ!」
「これこそ俺達の求めていたものだ!」
「雅国家象徴も来ましょう?」
インベーダーとなった国民は口を揃えて言う。
「それはお断りだ!」
【SUMMON RIDE-STERN THE DESTRUCTOR-】
雅はシュテルを召喚する。
「おや、お久しぶりですね、ミヤビ。」
「厄介な危険生物がいる。殲滅の協力を頼めるか?」
「それなら、闇王(ディアーチェ)雷刃(レヴィ)の方が適任ではないですか?」
「奴らに物理攻撃は効果が薄い。それに、奴らは砲撃に強い耐性とそのエネルギーによる進化能力を持つ。滅却するシュテルの方が相性がいい。」
雅はシュテルに説明をする。
「お話しは済んだかな?」
インベーダーは雅達に襲いかかる。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、インベーダーの攻撃を避ける。そして、
【ATTACK RIDE-LAEVATEIN-】
ディロードはロードスラスターをレヴァンティンに変えてカートリッジをロードする。
「飛竜一閃!」
ディロードは炎の斬撃でインベーダーを攻撃する。
「ぐっ、アアアアアッ!」
その斬撃を受けたインベーダーは悲鳴をあげながら爆発する。
「なるほど、ですから私の力が有効と。それなら行きましょう。パイロシューター!」
シュテルは爆発性の弾魔法を放ちインベーダーを爆破してゆく。
「所長、まさかそんな危険な研究までしていたとは!」
[schlangeform]
ディロードはレヴァンティンを連結刃形態に変える。
「危険なものではないさ!進化とは、生物が持つ必然なのだよ!」
インベーダーは右腕に融合しているストレージデバイスから直射魔法を放つが、ディロードはレヴァンティンを使って螺旋状の防護壁を作り、それを打ち消す。
「お前達の行為は進化ではない!進化というものは生態系に影響を与えずに適した変異を行うことで、お前達インベーダーの行為は外部の物質を取り込んだことによる環境侵食だ!」
ディロードはレヴァンティンに炎を纏わせて振るうが、インベーダーはラウンドシールドを使ってそれを防ぐ。
「インベーダーの生態系にとっては、これこそが進化なのだよ!」
「ただのエネルギーから生まれたバグの塊が進化と呼べるか!」
「君たち人間の手によって生み出されたのに、それをバグ扱いとは、いただけないね!」
「確かに、人間が作ったかもしれない。だがそれは、お前達の世界の人間で、この世界の人間とは無関係だ!」
「それは違うね!我々にとっては人間はどこまでいっても人間だ!」
ディロードとインベーダーは激しい攻防を繰り返すが、
「やはり話し合いは無理か。シュランゲバイセン・アングリフ!」
ディロードはレヴァンティンを使ってインベーダーを巻きつけると、それを引き寄せてシュテルの方へ投げる。
「シュテル、今だ!」
「はい。集え赤星、全てを掻き消す(ほむら)となれ。ルシフェリオォォォン…ブレイカー!」
シュテルはインベーダーが放っていた魔力を収束させて砲撃を放つ。
「読めていたよ!」
インベーダーはプロテクションを使ってルシフェリオンブレイカーを防ぐ。しかし、
「それはこちらの台詞です。ルベライト!」
シュテルは拘束魔法をインベーダーに放つ。
「走れ赤星、全てを掻き消す炎と変われ!真ルシフェリオンブレイカー!」
「駆けよ隼!シュツルムファルケン!」
シュテルとディロードの必殺技がインベーダーに直撃する。
「今さら、私一人をどうにかしたところで、何も変わらないよ。」
インベーダーはそう言い残して爆発した。
「何も変わらない…まさか…」
雅は変身を解除する。
「恐らく、残党が複数いるのでしょう。」
「それはありえる。警察庁と防衛庁に連絡が必要だ。」
「そうですね。」
シュテルはそう言い残してカードに戻る。
「まずはリンディ長官と八坂防衛大臣に連絡だな。」
雅はマシンディローダーに乗り防衛庁に向かった。

「今朝のニュースは見ていましたね?」
「はい。映像も残っていましたので確認しましたが、あの私達みたいなのは何ですか?」
ニャル子は雅に質問する。
「あれは『(チェンジ)ゲッターロボ-世界最後の日-』に登場するインベーダーと呼ばれる知的生命体です。」
「遅くなって済まないわね。」
雅が説明していると、リンディがやってくる。
「リンディ長官、わざわざ御足労ありがとうございます。」
「挨拶はいいわ、八坂防衛大臣。それよりも、インベーダーについて、雅国家象徴はなにかご存知ですか?」
「はい。奴らはゲッター線と呼ばれる放射線に近い物質から誕生した生命体で、有機物、または無機物と一体化することで独自の成長を行いますが、その中心核となるものは黒い液体状の身体に無数の黄色い目で構成されています。」
「それがあの時に見せた本体ね。」
リンディは所長が傍観者を飲み込む瞬間を指して言う。
「はい。インベーダーにエネルギー攻撃は効果が無く、逆に彼らを進化させてしまいます。」
「元がエネルギーの変異体だからですね。」
ニャル子は言う。
「その通りです。また、物理攻撃は有効打にならないわけではありませんが、その場合は奴らの目を全て潰さないと倒せず、別のインベーダーと合体した場合、その目は復活してしまいます。なので、一番有効打となるものは現状では炎属性での攻撃で爆発させて誘爆によって目を破壊するしかありません。」
雅は説明をした。
「わかったわ。各区域内に炎を扱える警官、または高い物理攻撃を行える警官を配備して、国民にはエクシードデバイスの利用を止めておくわ。」
リンディはすぐに行動に出て、その場は解散となった。

その日以来、インベーダーは次々と現れるようになった。
「こいつら、数が多い!」
「アンク、お前も手伝ってよ!」
「その前に、今日のアイスを渡せ!」
「私のエクシードデバイスなら、あいつらを倒せるわ!行くわよ、フレイムアイズ!ストライクビート!」
職員は総動員でインベーダーの駆除を行っている。すると、インベーダーの一体が重機を取り込み巨大なロボットのようなインベーダー、メタルビーストに変異する。
「機械と融合した!?」
「ここは僕に任せて下さい!」
【ATTACK RIDE-MAZINGER Z-】
雅は職員を逃がし、マシンディローダーをマジンガーZに変える。
「パイルダーオン!」
雅はマジンガーZに乗り込む。
「メタルビーストが相手なら、この一撃で倒せるはず。ブレストファイヤー!」
マジンガーZの放つ熱攻撃はメタルビーストの身体をみるみるうちに溶かしてゆく。
「これでよし。ッ!」
雅は驚く。なんと、新たに3体のメタルビーストが出現する。
「それなら、くらえ!ルストハリケーン!」
マジンガーZは酸性の突風を放ち、メタルビーストを酸化させて撃破する。しかし安堵したのも束の間、なんと更に5体のメタルビーストが出現する。
「これではきりが無い!」
マジンガーZは構えるが、メタルビーストはそれを気にせず空へ向かう。
「奴ら、何が目的だ!」
マジンガーZは身構えるが、そのすぐ後に破片となったメタルビーストの残骸が落下してくる。
「一体何が!?」
雅は驚くが、その理由はすぐに解った。なんと、上空から巨大な龍の骨組みのような機械が落下してきているからだ。
「あれは、真ゲッタードラゴン!?」
雅は新たなる脅威に、様々な思考を張り巡らせる。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
落下してきた真ドラゴン。中にいたのは歴戦のゲッターチーム。しかし、それ以外にも悪魔が潜んでいた。次回、『悪夢!復活の早乙女博士』お楽しみに 
 

 
後書き
新カード紹介
マジンガーZ:マシンディローダーをマジンガーZに変えるカード。 

 

第6話『悪夢!復活の早乙女博士』

「あれは、真ゲッタードラゴン!?」
雅は落ちてくる巨大な残骸に驚く。
「とにかく、安全に運ぶ方法は一つしかない!ロケットパンチ!」
雅はマジンガーZの両腕を発射させて、そのジェットエンジンを駆使して真ドラゴンの残骸を海上に落下するように位置を調整する。
「よし!」
そして、真ドラゴンの残骸は湾岸部に落下する。
「いてててて!もうちょっと安全に運んでくれねぇのかよ!」
「渓、そんなこと言ってもよ、見た感じこの世界は俺達の知っている地球とは違うみたいだぜ!まあ、どんな地球でも、久しぶりの地球だ!やっぱ大気がうまい!」
落下した真ドラゴンの残骸から二人の男女が現れる。
「あなた達は、渓さんと凱さんですね?」
雅は二人に質問する。
「確かに私は渓で、そいつは凱だ。で、何であんたが知っているんだ?」
渓は雅の質問に答え、逆に雅に質問する。
「その前に、この状態では会話も大変でしょう。僕の家で話しましょう。」
雅は提案する。
「どうする渓?インベーダーの罠かもしれないぞ?」
凱は渓と話している。すると、
「大丈夫だ。その男はインベーダーに寄生されていない。」
真ドラゴンの中から赤い服の男が出てきて渓達に話す。
「號、本当か!?」
凱は出て来た男、號に言う。
「間違いない。まずは話を聞く方が先決だ。」
「號さん、ありがとうございます。」
「話なら、真ドラゴンの内部の居住スペースで出来る。そこで構わないか?」
「大丈夫です。」
「そうか。来てくれ。」
號達は雅を案内する。

居住スペースで雅達は座る。
「それでは、初めまして。僕はこの世界に設立された次元保護国の国家象徴、凪風雅ともうします。」
『それから、このような形での面会で申し訳ありません。警察庁長官のリンディ・ハラオウンよ。』
雅と、モニター越しのリンディは挨拶をする。
「それで、この世界はどうなっている?どうもインベーダーの反応が最近出たように見えるが。」
「號さんの言うとおり、この世界は皆さんの住んでいた世界とは異なる世界です。それで、インベーダーが出た時期に関してですが、今から三日ほど前に初めて観測されましたが、インベーダーの研究をしていた科学者がいつから手をつけていたかまでは解りませんでした。」
「その科学者の身に何があった?」
「それが、その科学者は生物学者で、様々な生物の不正捕獲に虐殺行為を行って裁判をしていましたが、その土地で急にインベーダーに変貌したので、いつからインベーダーになっていたのかまでは把握出来ていません。」
「つまり、研究の途中でインベーダーに侵食されたってわけか。」
凱が考察を述べるが、
「いえ、彼のことですから恐らく意図的に取り込んだ可能性があります。」
雅が所長について説明していると、
『雅国家象徴、そのことについて、レポートが見つかったわ。』
リンディが捜査の内容を話す。
「リンディ長官、本当ですか?」
『ええ、それで解ったことだけど、あの所長はどうやら私達が逮捕する2ヶ月ほど前に意図的にインベーダーを取り込んだみたい。その時の様子がレポートにされて残っていたわ。最初は死骸を他の生物に食べさせて様子を見ていたけど、変化が無くて自ら生きたインベーダーを取り込んだみたい。』
「自分でインベーダーを取り込んだのかよ。なんてやつだ!」
渓は嫌悪感を抱く。
「渓さんが嫌悪感を抱くのは解ります。あの所長が號さんを見れば、恐らくすぐに解剖していたと思います。」
「おい、どういうことだよ!」
「凱さん、落ち着いて下さい。あの所長は人間と同じ生まれ方をしていない人型の生き物は化け物だから実験材料にして解剖しても構わないと思っているような男でした。」
「マジかよ。」
『そうね。だから死刑判決を受けたのだけど、そこでインベーダーに姿を変えたわ。』
「それで、その時の様子はどうだ?」
『資料が残っているわ。これはあなた達が観た方が解るかもしれないわね。』
リンディは裁判の様子とその後の雅の戦闘を観せる。
「なんて野郎だ。」
「ああ、まさかあんなゲスがこの世にいるとはな。」
渓と凱は意見を述べる。
「一つ気になったが、まさかインベーダーは人以外の生き物も取り込んだのか?」
「はい。恐らく既に三、四種類の生物種が取り込まれています。」
「そうか。ところで雅、お前に頼れる仲間はいるか?」
「勿論です。」
「それなら、後二人呼んでくれ。話がある。」
號は雅と話をし、雅はフェイトと圭一を真ドラゴンに呼ぶ。

「雅、どうしたの?」
「すげえ!ゲッターロボの中ってこうなっているんだ!」
雅に呼び出されたフェイトと圭一はそれぞれ異なった反応を見せる。
「確かに、いい目をしたやつらだな。」
「號、こいつらになら任せてもいいよな?」
凱と渓は號と話し、
「そうだな。雅、お前達に頼みがある。」
「何でしょうか?」
號は雅にある話を持ちかけようとし、雅はわかったうえで質問する。
「俺達はこれから真ドラゴンの改修作業を行いたい。だから、真ドラゴンが修復されるまでの間、お前達にこの真ゲッターロボを託したい。これを使ってインベーダーを倒してほしい。」
號は雅達に真ゲッターロボのパイロットになるように依頼する。
「フェイト、圭一、大丈夫か?」
雅の質問にフェイトと圭一は頷く。
「では頼むぞ。新しいゲッターチーム。」
號と雅は握手を交わす。すると、地響きがなる。
「雅、恐らくインベーダーだ!」
「はい!行こうフェイト、圭一!新生ゲッターチーム、出動だ!」
「うん!」
「はい!」
雅達は走り、雅は真イーグル号に、フェイトは真ジャガー号に、圭一は真ベアー号に乗り、真ドラゴンから離陸する。
「まずはゲッター1で様子をみよう。チェンジ、ゲッター1!スイッチ、オン!」
雅は真ゲッター1の合体スイッチを押し、真ジャガー号の後方に真ベアー号が向かうと、ゲッター線の分離と増殖機構によって連結し、胴体と手足が出現。コックピットは回転して人型の体制になる。そして、連結した真ジャガー号の先頭に真イーグル号は向かい、それが合体して真ゲッター1への合体が完了する。
「ゲッター、トマホーク!」
真ゲッター1は右肩から巨大な戦斧、ゲッタートマホークを出現させて構える。
「行くぞ!」
真ゲッター1はゲッタートマホークをインベーダーの首に引っかけてインベーダーを真ドラゴンから引き剥がす。
〝キュオォォォッ!〟
インベーダーは怒るように真ゲッター1に突進し強力なパンチを放つ。
「圭一、ゲッター1では分が悪い。ゲッター3で行こう!オープンゲット!」
真ゲッター1は合体を解除し、分離飛行を行う。
「わかりました!チェンジ、ゲッター3!スイッチオン!」
真ジャガー号は巨大なキャタピラに出現させ、真イーグル号はそれに刺さり、そこに真ベアー号が被さり、真ゲッター3に合体する。
「すげえ!まずはこれだ!ゲッターパンチ!」
真ゲッター3は拳を放つ。インベーダーはそれをよけるが、真ゲッター3は腕を延ばしてインベーダーを追尾し、インベーダーの腹部を殴る。
〝キュオォォォッ!〟
インベーダーは悲鳴をあげる。
「今だ!ミサイルストーム!」
真ゲッター3はキャタピラの上に搭載されたミサイルポッドを開き、ミサイルの雨をインベーダーに降らしてインベーダーはミサイルストームの中のゲッター線を取り込む。
「雅、インベーダーの様子がおかしいよ!」
「インベーダーは、ゲッター線を取り込んで進化する能力を持っている。」
「それじゃあ、ヤバいんじゃないですか!?」
フェイトの言葉に雅が答えると、圭一は新たな疑問を提示する。
「大丈夫だ。よくみているといい。」
雅は言い、フェイトと圭一はその様子を見ているが、突然インベーダーの動きが止まったかと思うと次の瞬間、インベーダーの肉体は目が潰れながら破裂した。
「雅さん、あれって?」
「インベーダーはゲッター線を取り込んで進化する能力を持っているが、吸収出来る量には限界がある。だがインベーダーは限界を気にせずにゲッター線を吸収し、その結果飽和状態を起こして進化する前に体組織が自壊してしまうんだ。」
「それじゃあ…」
「そうだ。ゲッター線による飽和攻撃を行えるゲッターロボはインベーダーの一番の天敵になる。」
雅は説明するすると、突然巨大な雷雲が発生する。
「なんだ、あれは!?」
號達は突然のことに驚き外へ出て様子を見る。すると、雷雲目がけ数体のインベーダーが向かい、更に真ドラゴンに付着していたと思われるインベーダーが一つその中に混ざると、雷雲は晴れ、空から恰幅の良い老人を中心に右側には細長い青ざめた肌の男、左側にはサングラスをかけたがたいのよい黒人が現れる。
「奴らは!?」
雅は驚く。
「地獄から蘇りやがったか…」
渓はそう言うと、
「随所と口が悪くなったな。我が息子、元気よ。」
恰幅のよい老人は渓に対してそう返す。
「元気って、まさか!?」
圭一は驚く。
「そうだ。奴は早乙女博士、の肉体を持つインベーダー。」
「じゃあ、元気って…」
「そう。渓さんは、早乙女博士に元気という男の子として育てられたんだ。真ドラゴンのパーツに組み込むために。」
「なんて奴だ!俺の知っている早乙女博士じゃねえ!」
圭一は怒りを露わにする。
「早乙女博士!私は早乙女元気じゃない!車弁慶の娘、車渓だ!」
渓は拳を握りながら言う。
「元気よ。例えお前がどう言おうと、わしの血を引く息子、元気であることに変わりはない。」
早乙女博士は呆れるように言う。
「早乙女博士、煽るのはそれくらいにしておきましょう。今は真ドラゴンの方が重要ですよ。」
「スティンガーくんの言うとおり。それに、我々は完全に貴方を信用しているわけではない。」
「貴方はかつて、我々を裏切った経験がありますからね。ね~、コーウェンくん。」
「ね~、スティンガーくん。」
細身の男、スティンガーと黒人、コーウェンはあざ笑うように言う。
「コーウェン、それにスティンガー、わしもそれは悪かったと思っておる。だからこうして強力しておるのだろう?」
早乙女博士はそう言い返し、三人は大口開けて笑う。最悪の敵が、この地で復活してしまった。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
早乙女博士達の狙いは真ドラゴンにあった!そして、次元保護国とインベーダーの戦いは更に激化する。
次回『戦慄!悪魔のメタルビースト真ゲッター』お楽しみに 

 

第7話『戦慄!悪魔のメタルビースト真ゲッター』

「まさか、早乙女博士達が蘇るとは…」
雅は早乙女博士達の消えていった空を見ながら呟く。
「雅、早乙女博士ってどんな人?」
フェイトは雅に質問する。
「早乙女博士はゲッターロボを開発した博士で、生体力学の研究も行っている人だった。」
「雅さん、俺の知っている早乙女博士とイメージが違うんですけど。」
「圭一、無理もない。圭一が知っている早乙女博士とは異なる世界の早乙女博士だからね。『ゲッターロボG』の世界と『真ゲッターロボ』の世界は別々の世界。世界が変われば性格も変わるのは、炎囲ミヤビさんの件でわかっているはずだ。」
「そうですね…」
雅の説明を聞き、圭一は納得する。
「早乙女博士の言うように、渓さんは早乙女博士の子供なのは事実だ。だけど、圭一の知っている世界では男の子、早乙女元気で、この世界では女の子なのを男の子と早乙女博士は偽っていた。それを弁慶さんが娘として引き取り、その時に渓という名前に変えたんだ。」
「渓さんにそんな過去があったんだ…」
フェイトは雅の説明に関心を示していた。

その頃、早乙女博士達は廃工場にいた。
「早乙女博士、何故こんな所に?」
コーウェンは早乙女博士に質問する。
「ここなら機材はいくらでもある。早速取り掛かるぞ。」
早乙女博士は各種機材にインベーダーを融合させてメタルビーストに変える。
「では、始めるか。」
早乙女博士は集めていたメタルビーストの残骸をメタルビーストに渡し、メタルビーストはそれを加工し始める。
「早乙女博士、これは!?」
加工される工程を見て、スティンガーは驚く。
「スティンガー、それにコーウェン、真ドラゴンの掌握も大事だが、それを奴らに奪い返されては元も子もない。ならば、先に奴らの戦力を奪う方が重要であろう。」
「その通りだ。ね~、スティンガーくん。」
「そうだね、コーウェンくん。」
「スティンガー、コーウェン、初代ゲッターチームの再結成だ。まずは各地のメタルビーストの残骸を集めるぞ。」
早乙女博士達はインベーダーの姿に体を変えて散らばる。

それから数日間、早乙女博士達の情報は見つからずにいた。
「どうして見つからないんだ。僕の時よりも防犯システムはしっかりしているはず。」
雅達ゲッターチームは真ドラゴンの内部で早乙女博士達の動きを探っていた。
「多分、雅の時と違ってあまり動かないから、カメラで追えないのかも。」
「なるほど。動かない相手にはカメラも機能しないわけか。やはり、エンジニア達が相手だと厄介だな。」
雅はカメラの映像をしっかりと確認している。すると、
「止めてくれないか!」
雅は何かに気づき、フェイトはカメラを止める。
「見つけた!」
そこには、メタルビーストの残骸を背中に乗せて進むインベーダーが映っていた。
「雅、早乙女博士達は?」
「ここにいるインベーダーが、早乙女博士達だ。」
「どうして解るの?」
「インベーダーは基本知性は低く、仲間の残骸を見ればそれを取り込もうとする。だがそれをせずに何処かに運ぼうとするのは早乙女博士達上級インベーダーに限られる。」
「それで、早乙女博士達はメタルビーストの残骸を運んで何をしようとしているの?」
「わからない。だがきっと、ろくでもないことだろう。」
雅は早乙女博士の目論見を考察し始める。

その日を境に、インベーダーはメタルビーストに進化した状態で現れるようになった。
「相手がメタルビーストだと、ゲッター2の武装じゃ不利になるから、雅と圭一に負担をかけるかたちになって、すごく申し訳ない気がする。」
真ジャガー号を操縦しながらフェイトは言う。
「それに関しては大丈夫だけど、明らかに様子がおかしい。まるで、あえて僕達に倒されるように戦っているように見える。」
「確かに、言われて見れば雅さんの言うとおりだ。けど、どうして早乙女博士はメタルビーストを俺達に倒させているんでしょうか?」
「問題はそこだ。もしかしたら、僕達は早乙女博士の手のひらの上で踊らされているだけなのかもしれない。」
「雅、どういうこと?」
「早乙女博士の目的が、僕達にメタルビーストを倒してもらい、その残骸を集めることだとしたら?」
「それじゃあ!?」
「ああ、僕達はずっと早乙女博士達に協力していたんだ!とにかく、今はすぐに號さん達にこのことを知らせよう。」
雅達は真ドラゴンに戻って號達に事情を説明した。
「確かに妙だな。早乙女達は真ドラゴンの奪取が目的のはずなのに、やっていることはゲッター線を使えばすぐに倒せるメタルビーストを小出しにしているだけ。明らかに様子がおかしい。」
號が話していると、凱が何かに気づく。
「待て、今ゲッター線を浴びせて倒すって言ったか!?」
「ああ。」
「號、渓、それに雅君達、早乙女博士の目的が解った!」
「凱さん、本当ですか!?」
「ああ、奴らの目的は、ゲッターを作ることだ!」
「凱、どういうことだよ。」
凱の考察に渓は疑問を投げかけるが、
「そういうことか!メタルビーストを使っていたのはゲッターのボディを作る為、それに対応させるためにゲッター線を吸収させていたのか!」
雅はついに早乙女博士の目論見に気づく。

その頃、廃工場では、早乙女博士は最終工程を行っていた。
「コーウェン、スティンガー、そろそろ出来上がるぞ。ワシらのゲッターが。」
早乙女博士がそう言うと、既にそこには3機のゲットマシンが出来上がっていた。

次の日、巨大なインベーダーが町中に現れる。
「このタイミングでインベーダー…様子がおかしい。みんな、行こう。」
雅は動こうとするが、なんとそれより速く3機のゲットマシンが現れる。
「あれは、ゲットマシン!?」
雅は驚くが、不信に思い現地に向かおうとするが、謎の3機のゲットマシンは真ゲッター1に合体し、インベーダーを攻撃する。
“キュオォォォ”
ゲッターカッターによって切り裂かれたインベーダーは悲鳴をあげる。しかし、謎の真ゲッター1はそのままゲッタービームを放ちインベーダーを撃破する。そこに雅達がゲットマシンに乗って現れる。
「お前達、早乙女博士にスティンガー、コーウェンだな!」
雅は謎の真ゲッター1に質問を投げかける。
「如何にも!これこそが我ら初代ゲッターチームの新たな戦力、メタルビースト真ゲッターだ!」
早乙女博士の宣言を聞き雅がよく見ると、ゲッター線が循環している場所には、無数のインベーダーの目が蠢いていた。
「まさか、これを作るためにメタルビーストを!?」
「その通り!全ては真ドラゴンを我が手に収める為!貴様らには消えてもらうぞ!」
早乙女博士はそう言うと、メタルビースト真ゲッター1はゲッターサイトを手に取る。
「雅、圭一、ここは私に任せて。チェンジ、ゲッター2!」
フェイトの宣言によってゲットマシンは真ゲッター2に合体する。
「馬鹿め、高速で動けばどうにかなるとでも思ったか!ゲッターバトルウィング!」
高速移動しながら突進する真ゲッター2を見てメタルビースト真ゲッター1は巨大な翼を出現させ、それを有機的に動かしてあえてゲッタードリルが当たるように見せかけて避けると、
「後ろががら空きだ!」
メタルビースト真ゲッター1はゲッターサイトで真ゲッター2を切り裂き、
「スティンガー、頼むぞ!オープンゲット!」
「解りましたよ、早乙女博士。ちぇ~んじ、ゲッター2!すいっち、おん!」
スティンガーは気の抜けたような言い方でメタルビースト真ゲッター2に合体させ、左手のゲッタードリルで真ゲッター2を攻撃しようとする。
「危ない!オープンゲット!」
フェイトは咄嗟の判断で合体を解除する。
「ここは任せてくれ!チェンジ、ゲッター3!スイッチ、オン!」
圭一の判断によって真ゲッター3に合体する。
「くらえ!ミサイルストーム!」
真ゲッター3はミサイルストームを放ち、メタルビースト真ゲッター2を攻撃するが、メタルビースト真ゲッター2はそれらを華麗に避け、
「スティンガーくん、私に代わるんだ。」
「わかったよ、コーウェンくん!お~ぷんげっと!」
「チェンジ、ゲッター3!」
メタルビースト真ゲッター3に合体しながら近づき、ゲッターアームで真ゲッター3を羽交い締めにし、
「ゲッターミサイル!」
インベーダーの目が付いた巨大なミサイルを放つ。
「やばい!オープンゲット!」
「行くぞ!チェンジ、ゲッター1!スイッチ、オン!」
ゲッターミサイルの着弾を避けてゲットマシンは再び真ゲッター1に合体する。
「ゲッタートマホーク!」
真ゲッター1はゲッタートマホークを取り出す。
「さて、遊びはここまでにしておこう。オープンゲット!」
コーウェンは合体を解除する。
「そうだな。初代ゲッターチームの結束力、今こそ見せる時!チェンジ、ゲッター1!スイッチ、オン!」
早乙女博士によって、メタルビーストは再びメタルビースト真ゲッター1に合体し、その両手に蛍光緑のエネルギーを溜める。
「まさか!?あれは!」
【ATTACK RIDE-BARRIER-】
雅は驚き、バリアのアタックライドを使って防御の体制に入る。
「ゆくぞ!」
「「「ストナー、サンシャイン!」」」
メタルビースト真ゲッター1の右手から高濃度のゲッター線のエネルギーが放たれ、真ゲッター1を包み込む。
「どうだ!我ら初代ゲッターチームの力は!」
煙が晴れると、そこにはボロボロになった真ゲッター1が倒れていた。
「さて、邪魔者は倒した。今こそ、我らインベーダーの真価を発揮する時!」
早乙女博士がそう言うと、地面から無数のメタルビーストゲッタードラゴンが出現し、真ドラゴンに纏わり付き、メタルビーストに支配された真ドラゴンは暴走状態となってしまう。
「まさか、奴らがここまで強かったとは…!」
新ゲッターチームは初めての敗北に唇を噛み締めることしかできなかった。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
暴走する真ドラゴンを止める為に乗り込む新ゲッターチーム!しかし、そこには恐ろしい罠が待ち構えていた!次回、『復活!恐怖の使者』お楽しみに 
 

 
後書き
新敵紹介
メタルビースト真ゲッターロボ
早乙女博士達が倒されたメタルビーストを駆使して構築した悪の真ゲッターロボ。本家ゲッターロボと同様にオープンゲットとゲッターチェンジ、各種武装を持つが、細かい部分に差異があり、ゲッター1の場合はゲッター線の流れている各部にインベーダーの目が蠢き、ゲッター2の場合はドリルとアームの着き方が逆に、ゲッター3の場合はゲッターミサイルにインベーダーの目が付いているといった違いがある。 

 

第8話『復活!恐怖の使者』

「まさか、あんなものを密かに作っていたとは…」
真ゲッター1は立ち上がり、雅は暴走する真ドラゴンを見ながら言う。

「久しぶりだな號、凱、それに渓。」
真ドラゴンに侵入した早乙女博士は言う。
「誰もお前達を呼んでいねえよ。」
凱は悪態をつく。
「つれないことを言うな。まあいい。お前達には出ていってもらう。」
早乙女博士はそう言うと、真ドラゴンの結合を一部だけ分離させて號達を地上に落としてしまう。
「號さん、渓さん、凱さん!大丈夫ですか!?」
真ゲッターの合体を解除して、雅は真イーグル号から降りて號達に近づく。
「俺達は大丈夫だ。それよりも、真ドラゴンが完全に乗っ取られた。」
「ええ、なので僕が今からあの中に向かいます。」
「頼めるか?」
「大丈夫です。いってきます!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのアタックライドを使って真ドラゴンの内部に潜入する。

「早乙女博士達はどこにいるんだ…」
雅はディロードライバーを装着し、ロードスラスターを持ちながら歩いている。すると、
「儂らは隠れる気はない。」
「それにしても、一人でここに来るとは。」
「勇敢なのか、愚かなのか。」
早乙女博士達が現れる。
「出たな!」
「生憎、お前の相手をする暇はない。こやつらが相手だ。」
早乙女博士はそう言うと、その後ろから鬼のようなインベーダーと爬虫類のようなメタルビーストが現れる。
「残念ですが、僕もあなた達にしか用はないので。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
【SUMMON RIDE-VIOLENCE JACK QUITY HONEY DEVIL MAN-】
雅はディロードに変身し、バイオレンスジャック、キューティーハニー、デビルマンを召喚する。
「雅、こいつらは俺達に任せろ!」
「お願いします!」
デビルマン達はインベーダー達を押さえて、ディロードを先に進ませる。
「あのトカゲのロボットは私に任せて!ハニーフラッシュ!」
キューティーハニーはアーマーハニーに変身し、その装甲でメタルビーストを殴る。
「俺達も行くか!」
デビルマンは触角から電撃を放ちインベーダーを攻撃すると、ジャックは弱ったインベーダーを持ち上げ、インベーダーを様々な場所に叩きつける。刺々しくなった壁はインベーダーの目を潰し、デビルマンの手刀によってインベーダーは息絶える。
「今ね!ハニーフラッシュ!」
アーマーハニーは再びキューティーハニーに変身し、シルバーフルーレでメタルビーストの関節を切り裂き、メタルビーストを撃破する。
「なるほどな。だが、こやつらならどうだ?」
早乙女博士はそう言うと、デビルマン達に付着していたインベーダーを別のインベーダーと融合させ、3体の人影を形成させる。そして、それの全貌が現れるとデビルマン達は驚く。
「久しぶりだね、明。」
「了!いや、サタン!」
「ジャックよ、再び相まみえること、嬉しいぞ!」
「スラムキング…」
「ハニー。今度こそ、空中元素固定装置をいただいて、あなたの皮で剥製を作らせてもらうわ。」
「相変わらず悪趣味ね、パンサーゾラ!」
そう、早乙女博士が用意したインベーダーはデビルマンを生み出したデーモンの神 サタンにバイオレンスジャックが崩壊した関東で倒した魔王 スラムキング、そしてキューティーハニーの父を殺害し、ハニーの持つ空中元素固定装置を狙うパンサークローのボス パンサーゾラのクローンだったのだ。
「奴らは!?」
新しく現れるインベーダーにディロードは驚く。
「彼らの世界のことは研究済みだ。無論、儂らの可能性の世界のことも。確か、先ほどの奴らはメカザウルスに百鬼帝国、だったか?」
「つまり、まんまと罠にはめられたというわけか。」
「如何にも!やれ!」
早乙女博士の号令により、サタン達はデビルマン達と戦闘を始める。
「ジャックよ、貴様の首を落とし、今度こそ儂が頂点であることを証明してみせる!」
スラムキングは2.5メートルにもおよぶ巨大な太刀、斬馬刀を軽々振り回してジャックを狙うが、ジャックはそれも避けてスラムキングの懐に入る。
「ジャックよ、その動きは読めていた!」
スラムキングは懐に入ってきたジャックを殴ろうとするが、
「終わるのはお前だ。」
ジャックはそう言い、40センチのジャックナイフを使ってスラムキングの首切り落とす。しかし、スラムキングはそのまま落ちた頭部を拾い上げて、それを再び首と接合する。
「どうだ、ジャック!インベーダーとなった儂の力は!」
スラムキングはそのまま走ってジャックに近づき、斬馬刀によってジャックを切り裂き、消滅させる。

「明、今度こそ私と一緒に暮らそう。あの戦いの悲劇を、もう繰り返してはいけない。」
「美樹を奪って、人としての俺を奪って、人類を滅ぼしたお前が今更何を言う!」
「デビルマンになったのは自分の意思で、彼女が死んだのも、人類が自滅したのも、彼らの心の弱さが招いた結果だろう。」
「そうなるようにたき付けて、仕向けたのはお前だろう!」
「弱い種族を散々滅ぼしていった人類に、それを言う資格があるのかな?」
「サタン、やはりお前は倒さなければならない敵だ!」
デビルマンとサタンは互いにビームを放ち、それを避けながら会話を繰り返していた。
「明、やはり君は、デビルマンは心は人間のままなんだね。それなら仕方ない。デーモンが過ごせる世界を作る為にも、私は戦う!」
サタンは念動波を放ち、デビルマンの動きを止めて高威力の光線を放ち、デビルマンを消滅させる。

「さて、ハニー。私はお前の悲鳴が聞きたくて仕方がないのだ!」
パンサーゾラは巨大な鉤爪でハニーを攻撃するが、ハニーはそれを避ける。しかし、
「小娘よ、もらった!」
スラムキングの斬馬刀がハニーの背中を狙う。ハニーは咄嗟に地面に倒れることでそれを避け、
「ハニー・レインボーイリュージョン!」
ハニーは七人に分身する。
「なるほど。なかなかに手強いロボットだな。」
サタンは分身したハニーを光線で一網打尽にする。
「しまった!」
ハニーは瞬時のことで驚き、
「これで終わりだ、キューティーハニー!」
パンサーゾラの鉤爪に身体を抉られて消滅する。
「まさか、明さん達が敗れるとは!」
早乙女博士達を追っていたディロードは驚く。
「どうだ。奴らの戦力さえ解っていればこんなものだ!」
早乙女博士は誇らしげに言う。
「なら、これでどうだ!」
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
ディロードはコンプリートフォーム サイドライトに変身する。
「津上さん、渡さん、翔太郎さん、フィリップさん、お願いします!」
【AGITO KAMEN RIDE-SHINING- KIVA KAMEN RIDE-EMPEROR- W KAMEN RIDE-CYCLONE JOKER GOLD EXTREME-】
ディロードはアギト シャイニングフォーム、キバ エンペラーフォーム、ダブル サイクロンジョーカーゴールドエクストリームを召喚し、アギトはサタンと、キバはスラムキングと、ダブルはパンサーゾラと戦闘を始める。
「なるほどな。本来の敵では勝てないから仮面ライダーで対抗しようというのか。」
「だが、それで勝てるのかな?」
「コーウェンくんの言うとおり!」
早乙女博士とコーウェンは考察を述べ、スティンガーは同調する。
「勝てるに決まっている!」
それに対して、ディロードは反論する。
「その通り!」
「僕達は、悪がある限り絶対に立ち上がる!」
「『それが俺(僕)達、仮面ライダーだ!』」
〔サイクロン!マキシマムドライブ!ヒート!マキシマムドライブ!ルナ!マキシマムドライブ!ジョーカー!マキシマムドライブ!〕
「『ビッカー、ファイルイリュージョン!』」
ダブルは自身が持つ全ての属性の力を切り札の力に込めて必殺の光線を放ち、パンサーゾラを撃破する。
「行くよ、キバット!タツロット!」
「オッケー、渡!」
「ハイハ~イ!ウェイクアップ、フィーバー!」
キバは飛翔態に変化し、ヘルブレイズ放ってスラムキングの鎧を破壊し、圧迫するスラムキングを翼で全ての目を潰して撃破する。
「人の未来を、お前達に奪わせない!」
「所詮は君とて神の子供。神の身勝手は知っているはずだ!」
「だったら、なんでそれと同じことをする!」
「私には、護るべきデーモンがいる!その為には、必要なことだ!」
サタンは、アギトのシャイニングカリバー ツインモードの猛攻を避ける。しかし、
〔プリズム!マキシマムドライブ!〕
「ガルル、フィーバー!」
「『ビッカー、ゴールデンチャージブレイク!』」
「ハァーッ!」
ダブルのマキシマムドライブとキバのエンペラーハウリングスラッシュによってサタンは翼を奪われる。そして、
「ウェイクアップ、フィーバー!」
〔エクストリーム!マキシマムドライブ!〕
「ハァァァ…」
ライダー達は必殺技の体勢に入り、
「『トリプルライダーキック!』」
アギトのシャイニングライダーキック、キバのエンペラームーンブレイク、ダブルのゴールデンエクストリームがサタンに炸裂し、インベーダーの本能でそのエネルギーを吸収し、進化しようとするが、そのエネルギーを吸収しきれずに自壊した。
「まさか!奴らを倒すとは!なら、これでどうだ!」
早乙女博士はそう言い、インベーダーに変化させたエルロード・ウォーター・アクエリアス、バットファンガイア、テラードーパントを出現させる。しかし、
「ドリル、ハリケーン!」
真ゲッター2のゲッタードリルが射出され、擬態怪人達は抉られるように撃破される。
「何ッ!?何故真ゲッターが!?」
早乙女博士は驚く。
「早乙女博士!俺達をここから出したことが間違いだったみたいだな!」
「その声、凱か!」
早乙女博士は真ゲッターの操縦者の声を聞き、驚く。
「さ、フェイトちゃん、今度はあんた達の番だよ!」
真ゲッターは分離する。
「雅、お前達のゲッターガッツ、みせてやれ!」
真イーグル号は雅に近づき、雅は乗り込む。
「おのれ!来い、メタルビースト真ゲッター!」
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
ついに始まる真ドラゴン奪還作戦。メタルビースト真ゲッターの前に、真ゲッターは勝てるのか!次回『決着!真ゲッター対メタルビースト真ゲッター』お楽しみに 
 

 
後書き
新カード紹介
キューティーハニー:キューティーハニーを召喚するためのカード
デビルマン:デビルマン(AMON-デビルマン黙示録-版)を召喚するためのカード 

 

第9話『決着!真ゲッター対メタルビースト真ゲッター』

「行くぞ!チェンジ、ゲッター1!スイッチ、オン!」
真ゲットマシンは合体し、真ゲッター1になる。
「チェンジ、ゲッター1!」
メタルビーストもメタルビースト真ゲッター1に合体する。
「ゲッタートマホーク!」
「ゲッターサイト!」
真ゲッター1はゲッタートマホークを、メタルビースト真ゲッター1はゲッターサイトを取り出して戦闘を始める。
「ふむ、少しはやるな。だが甘い!」
真ゲッター達は互いの武器でつばぜり合いをするが、メタルビースト真ゲッター1は合体を突然解除し、真ゲッター1はバランスを崩す。そして、
「チェンジ、ゲッター3!」
メタルビースト真ゲッター3に合体し、ゲッターアームを伸ばしてゲッタートマホークを奪い取り、ゲッターミサイルを真ゲッター1に放つ。
「くらうものか!オープンゲット!」
真ゲッター1は合体を解除し、メタルビースト真ゲッター3は地面に着地する。
「ここは私に任せて!チェンジ、ゲッター2!」
フェイトの判断で、真ゲットマシンは真ゲッター2に合体し、ゲッタードリルを地面に突き刺す。
「奴らめ、何が目的だ?」
コーウェンは疑問に思うが、真ゲッター2はそのままドリルを回転させる。回転したドリルは様々な管を巻き取って動かなくなるが、真ゲッター2はそれでも回転をやめようとせず、ついにドリルは固定され、真ゲッター2の方が回転を始める。そして、カポエラの体勢になると力づくでドリルを引き抜き、回転を維持したままドリルで移動を行う。
「行きます!ドリルトルネード!」
真ゲッター2は回転を早め、竜巻のようになり、メタルビースト真ゲッター3に向かう。
「馬鹿め!くらえ、ミサイルストーム!」
メタルビースト真ゲッター3はミサイルストームを放つが、真ゲッター2の回転に全て弾かれ、真ゲッター2の蹴りがメタルビースト真ゲッター3のキャタピラに炸裂する。
「スティンガーくん、任せたよ!」
メタルビースト真ゲッター3は合体を解除し、メタルビースト真ゲッター2に合体する。
「フェイト、ここは僕に任せるんだ!」
「うん!オープンゲット!」
真ゲッター2は合体を解除し、真ゲッター1に合体する。
「くらえ、ゲッタービーム!」
「お~ぷんげっと!」
真ゲッター1はゲッタービームを放つが、メタルビースト真ゲッター2は咄嗟に合体を解除し、メタルビースト真ゲッター1に合体すると、インベーダーを使ってそれを受け止め、インベーダーは真ゲッター1を呑み込む。

「よぉ、雅!なんでお前は生きているんだよ!意味の無い武術を使うお前がのうのうと生きていて、なんで将来プロのチームに入る俺達が死ななきゃいけねぇんだよ!」
雅は目の前の光景に怯えていた。なんと、目の前には7年前、大ショッカーの侵略で死んだはずの、かつて雅をいじめ抜いていた生徒達がいたからだ。
「それは…」
「ほら言えない!だからお前は生きている必要が無いんだよ!」
「そんなこと…」
「そんなことあるんだよ!お前の方が死ねよ!死ねないんだったらお前は俺達の玩具になれよ!」
「いやだ…いやだ…いやだ…」
雅は操縦席で怯えていた。

「そんな!どうして君が!」
圭一も同じく怯えていた。圭一の目の前には、圭一がかつて東京にいた頃にエアガンで撃ってしまった少女がいた。
「あのせいで私、目が見えなくなっちゃったの。どうして、あの時逃げちゃったの?」
「それは…」
「だからね、責任、とってくれる?」
「責任?」
「あなたも、目が見えなくなって。」
「い…嫌だ!」
「なんで?どうしてそんな都合のいいことを言うの?人の目を奪った癖に。本当は自分より弱いものをいたぶって楽しんでいる癖に。どうして、自分の番になったら手のひらを返すの?おかしくない?」
「それは…」
「ねぇ、だからさ、早く目が見えなくなって。」
圭一もまた、操縦席で怯えていた。

「どうしてフェイトは、ちゃんと私になれなかったの?フェイトが私になれていれば、母さんはおかしくならないですんだんだよ!フェイトが母さんを、おかしくしたんだ!」
「アリ…シア?」
「私になれないなら、私の記憶も、見た目も、全部返して!」
「どうしたのアリシア!」
「フェイトは私のことをお姉ちゃんだと思っているみたいだけど、それはフェイトの勝手な考え!私の記憶も、見た目も、生きる権利も奪ったくせに、私の妹とか言わないで!」
「そんな…だってあの時!」
「あれはフェイトにとって都合のいい夢でしょ!私の擬き品のフェイトは、誰も大切にしない!だって必要ないもん!みんなが欲しいのは本物の私で、偽物のフェイトはいらないもん!」
「アリシア…そんなこと言わないで…」
フェイトもまた、操縦席で怯えていた。

「奴らめ、大分苦しんでおるな。」
メタルビースト真ゲッター1を操縦している早乙女博士は真ゲッター1の首をゲッターサイトで絞めながら言う。
「これなら勝てるよね、スティンガーくん。」
「そうだね、コーウェンくん。」
メタルビースト真ゲッター1は絞める力を上げる。

「やめて、アリシア…そんなこと言わないで…」
フェイトは怯えている。すると、あるものにふと触れる。
「これは…」
そう、フェイトが触れたものは雅が自身の為に命を懸けて手に入れた、(プレシア)の言葉が録音されたレコーダーだった。
「そうだ。母さんは言ってくれた。私は愛されているって。私はアリシアの記憶も、見た目も持っている。だけど私はアリシアじゃない!私は、フェイト・テスタロッサ。アリシアの妹だ!」
フェイトはレコーダーを再生する。
『きっと、私を受け入れないでしょうね。アリシアの、ううん、私の幸せだけを考えて、アリシアの偽物を作って、あんなことをしていた。アリシアはそういうことを嫌う子だった。』
「やめて!うるさい!」
アリシアの幻影は苦しむ。
『そうですか。では、貴方が生み出して、貴方を救えなかったことを後悔しているフェイトのことは?』
『忘れていたわ。あの日、事故が起きる少し前、アリシアに頼まれていたお誕生日のプレゼント。』
『それって…』
『そう、アリシアは妹がほしいって言っていたわ。自分と同じできれいな金色の髪に赤い瞳。それでとっても素直な妹。きっと、フェイトはアリシアにとって、理想の妹だったわ。』
『そうですか。』
『でも、私はフェイトを愛せない。自分を痛めて産んでいないあの子は、やっぱり私の分身ではないわ。』
『それでも、フェイトは生きています。一体、誰の愛情を受けて生きて行けばよいのでしょうか?』
『貴方が愛しなさい。ううん、もう充分にいろんな人から愛されているわね。』
『貴方自身で愛してあげようとは?』
『無理よ。私はアリシアに縛られた亡霊のようなもの。あの子を愛する資格なんて…』
『人を愛するのに、資格なんて必要ない!その人大切に思えるかが重要なんだ!』
『そう…やっぱりあの子はもう、充分に愛されているわ。』
そして、アリシアの幻影は妹を思う優しい姉の笑顔をみせて消滅する。
「雅!圭一!しっかりして!自分を取り戻して!」
フェイトは雅と圭一に呼びかける。
「そうだ。確かに俺はあの時どうかしていた。謝っても許されないことは解っている。それに、同じ罰を受けろと言われても嫌だって言う。だって仕方ないだろ!それが俺なんだ!だから、これだけは言わせてくれ!ごめんなさい!あの時、怖くなって、怖じ気づいて、身勝手に逃げて、ごめんなさい!」
「よかった。やっぱりちゃんと謝れるんだね。」
少女の幻影は消えていった。
「雅さん、しっかりしてください!今の雅さんは、俺達の正義のヒーロー、仮面ライダーディロードだろ!」
圭一は叫ぶ。
「そうだ…僕は装填の守護者。もう、あの時の僕ではない!もう、怯えている暇なんて無いんだ!」
雅は幻影を振り払い、真ゲッター1を動かす。
「何ッ!?」
メタルビースト真ゲッター1はバランスを崩す。
「さて、どうやって倒すか…」
雅は考える。すると、
“ストナーサンシャインを使え!”
何者かが雅達の脳内に話しかける。
「あなたは!?」
“迷ってんじゃねえ!やり方は解ってんだろ。お前達のゲッターガッツを一つにあわせろ!やられんぞ!”
「ありがとうございます、竜馬さん!」
雅は、自身にヒントを与えたゲッターチームのリーダー、流竜馬に礼を言い、真ゲッター1にエネルギーを込める。
「奴らめ、あれを放つ気か!スティンガー、コーウェン、あれを使うぞ!」
「了解しましたよ、早乙女博士。」
「うん!」
メタルビースト真ゲッター1はゲッターウィングを展開し飛翔すると、ゲッター線のエネルギーを纏う。
「ストナァァァァァー…」
「くらえ!シャインスパーク!」
メタルビースト真ゲッター1は真ゲッター1に突進する。
「サァァァンシャイィィィィィィィン!」
真ゲッター1の拳から巨大なゲッター線のエネルギーが放出され、メタルビースト真ゲッター1はそれを吸収しようとするが、耐えきることが出来ず、機体は崩壊を始め、
「まさか、エネルギー切れになるとは!」
「どうしますか、早乙女博士。」
シャインスパークが競り負け、自身の肉体がストナーサンシャインを吸収しようとする様を見て、コーウェンとスティンガーは戸惑う。
「スティンガー、それにコーウェン。お前達は相変わらず同じ手に引っかかる。」
早乙女博士は笑いながら言う。
「早乙女博士、まさか!」
「また裏切ったのですか!?」
「お前達に不信がられていた時は不安ではあったが、儂が協力を始めた瞬間にあっさり信用しおって。さて、流石に今度はインベーダーの本能に駆られたな。おかげで上手く誘導できたわ!」
「おのれ、早乙女博士!」
コーウェンは恨み言を言う。
「これで、真ドラゴンに融合した全てのインベーダーは消滅する。號達も、元の世界に帰れるだろう。ではさらばだ、チームディロード!」
早乙女博士はそう言い残して、メタルビースト真ゲッター1は爆発し、暴走していた真ドラゴンは安定し、本来の姿を取り戻した。

「ありがとう、雅。おかげで俺達も元の世界に帰れる。」
「よかったです。」
雅達は互いに握手を交わし、號達は真ドラゴンに乗って宇宙に向かうと、ワームホールを作り、本来いた世界へ帰っていった。

「それにしても、まさかあの事件がここまで発展してしまうとはな。」
雅は警察庁へ向かう。すると、
「雅国家象徴、別の世界で歪みが現れているの。」
リンディが雅に話す。
「それで、その世界は?」
「『仮面ライダービルド』の世界よ。」
「わかりました。次元転送ポートで現地に向かいます。もしかしたら、消えた流夜と関係があるかもしれません。」
「わかったわ。それでは、気をつけて。」
雅は次元を渡る準備を始める。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
突然消えたスカイウォール。そこには恐るべき暗躍が!次回『ミスマッチな世界』お楽しみに 

 

第10話『ミスマッチな世界』

内海「装填の守護者、仮面ライダーディロードこと凪風雅は迫り来るインベーダーの脅威を退け…ってなんですかこれは!仮面ライダービルド第14話のアフレコじゃないんですか!なんですか、仮面ライダーディロード第10話って!」
難波「そうは言っても仕方ないだろう。確認しようにも肝心な桐生戦兎がいないんだし。」
内海「なんでいないのですか!」
難波「メモがあった。『このてぇんさいっ物理学者桐生戦兎と仲良し(一部髭は除く)御一行はゲスト出演が決まったんだ。いや~、人気者はつらいね。というわけで、今日のあらすじはモブキャラ達に任せるわ。あとよろしく♪』とかふざけたことが書かれていた。」
内海「おのれ桐生戦兎。私のことをサイボーグと呼ぶどころかモブキャラ呼ばわりとは!」
難波「このめちゃくちゃな展開の行方は、仮面ライダーディロード第10話にて!」

─火星で発見された、パンドラボックスが引き起こした、スカイウォールの惨劇から10年。わが国は東都、西都、北都の三つに分かれ、混沌を極めていた。


「リンディ長官、異変というのはどのあたりですか?」
次元転送ポートに乗った雅は質問する。
「仮面ライダークローズが誕生して間もない頃の話よ。」
「異変の範囲は?」
「スカイウォールがなくなるという状況よ。」
「確かに、大きな問題だ。スカイウォールは確かになくなるが、それはこのタイミングではない。それでは、向かいます。」
「お気をつけて。」
雅は次元転送ポートを起動して仮面ライダービルドの世界へ向かった。

「そう言えば戦兎、クローズってどういう意味でつけたんだ?」
仮面ライダークローズに変身する万丈龍我は仮面ライダービルドに変身する桐生戦兎に質問する。
「ああ、あれね。複数の言葉の造語だから簡単には説明出来ないの。ま、バカはカッコイイ名前だな、くらいに思っていればいいよ。」
「なんだよそれ。ってかバカって言うな!せめて筋肉バカって言え!」
万丈は戦兎にからかわれてキレる。
「そんなことより、内海の言っていた言葉が気になるんだ。」
「あいつ何か言っていたのか?」
「ああ。本物のナイトローグは氷室元徳だって。」
「どうせ、ただの罪のなすりつけだろ。第一、東都の首相補佐がファウストのトップなわけないだろ!」
戦兎の疑問に、万丈は普通ならだれでも考えることを言う。
「だけどもし、ナイトローグの正体が本当に氷室元徳なら、全ての可能性がつながる。」
「どういうことだよ。」
「そもそもなんでパンドラボックスがこの東都にあるのか、それが不思議だったんだ。だけど氷室元徳がナイトローグなら、ファウストが兵器の一つとしてパンドラボックスを持っていて、葛城巧に研究をさせて、用済みになったから殺害し、その罪を万丈に着せて、完成したビルドドライバーを俺に持たせて実験している。全てつながるんだ。」
「なるほど。じゃあ俺の冤罪を晴らすことが出来るのか!」
「可能性はある。」
戦兎と万丈は考察を続ける。

「まだスカイウォールは残っているか。」
『仮面ライダービルド』の世界に来た雅はスカイウォールを見上げながら呟く。
この世界では、10年前に火星から持ち去られた『パンドラボックス』と呼ばれる謎の物体によって日本が三つの国に分断されてしまっている。雅が現在いるのは、戦兎達のいる東都と呼ばれる地域。東都は米国と協力し、平和主義を貫く裏側で『ファウスト』という秘密結社が蠢いている地域となっている。
「まずはエボルトに接触する必要があるな。」 
雅はマシンディローダーを走らせる。

雅はある場所に着く。
「戦兎か?いや、違うな。お前、異世界の人間だな?」
中年の男性は雅を見るなりそう言う。
「そういうあなたも、この世界の人間ではないですよね。石動惣一郎さん。エボル…いや、今はブラッドスタークと呼ぶべきですか?」
雅が話すとその男性、石動惣一郎は歯車や管の装飾が施された銃、トランスチームガンを取り出す。
「俺のことを知っているとは、生かしておくわけにはいかないな。」
惣一郎は毒蛇の成分を内包する小型ボトル端末、コブラロストフルボトルを取り出す。
「おっと、あなたに大切な話があって来たのに、その態度ですか?」
雅はロードスラスターの銃口を向けながら話す。
「おいおい、それが人に話をする態度か?」
惣一郎はトランスチームガンを下ろす。
「このまま行くと、あなたがせっかく作ったスカイウォールは、後十日後に忽然と消滅します。」
「なら嬉しい話だ。あれは好きで作ったものじゃない。不完全に出来た欠陥品だ。」
「確かに、それは間違っていませんし、スカイウォールは確実にあなたが消し去ります。しかし、それは今から8ヶ月後の出来事で、今起こってはいけないことです。」
「そうか?俺の計画が速く進む可能性があるだろ?」
「残念ですが、そう都合よく進むなら、僕もわざわざこの世界に来ません。今スカイウォールが無くなると、氷室元徳が率いる東都の軍勢に北都と西都は制圧され、この世界は崩壊を迎えます。」
雅は状況を説明する。すると、
「はっはっは!面白い。俺がエボルトってことを知っているなら、星狩りの一族として、その崩壊を望むと思わないのか?」
惣一郎は笑いながら言う。
「もちろん、貴方達ブラッド族のことは知っています。ですが、あなたはどうやら僕が言っている世界の崩壊を理解していないみたいですね。」
「おいおい、どういう意味だ?」
雅の言葉に、惣一郎はからかうように質問する。
「ここで言っている世界の崩壊というのは、地球が消えるなんて小さなことではなく、この『仮面ライダービルド』の世界が無くなる。即ち、あなたの存在も消滅するということです。」
「なるほど。言いたいことはわかった。で、何が原因か解っているのか?」
「もちろん、調べてありますよ。犯人はかつて東都物質研究センターに所属していた最上魁星という男です。」
「なるほど、最上か。あのエニグマシステムを研究していた。」
「やはり存じていますか。」
「当然だろう。それで、死んだはずの奴がどうして関係しているのだ?まさか、実は生きていたとか言わないよな?」
「そのまさかです。そして、直にエニグマは完成し、彼はそれを制御するカイザーシステムを使ってこの世界を崩壊させようとしています。」
雅は事件の実情を伝える。
「それで、俺はその最上を殺せばいいのか?」
「いいえ、今最上魁星が死ぬことも、この世界の崩壊につながります。なので、仮面ライダービルド達と協力して適度に攻撃して、逃がす必要があります。」
「世界ってデリケートなものだな。」
「そうです。それから、そろそろ仮面ライダービルドが来る頃なので、説得をお願いします。僕の方はもう一人、話さないといけない人がいますので。」
「まさか、ナイトローグとか言わないよな?」
「そのまさかですが。」
「やめておけ。お前でどうにかなるような男ではない。」
「大丈夫ですよ。任せて下さい。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープを使って移動する。そして、それに合わせて仮面ライダービルドに変身する記憶喪失の青年、桐生戦兎がやってくる。
「どうして…どうしてマスターがブラッドスタークなんだ!」
戦兎は嘘であってほしいと思いながら惣一郎に言う。
「それか。そのことなら今話そうと思っていたんだが、ちょっと事情が変わった。」
「どういうことだよ!」
「俺たちの世界の行く末を知っている異世界の仮面ライダーが来た。」
「異世界の仮面ライダー?」
「なんでも、そいつが言うには今から10日後、スカイウォールが消滅し、西都と北都は東都によって壊滅し、世界が崩壊するらしい。」
惣一郎は雅から受けた説明を戦兎にする。
「待ってくれマスター。どうしてスカイウォールが無くなると東都が北都と西都を壊滅させるんだ!?」
「考えてもみろ。今スカイウォールが無くなれば、互いの国は自分達が覇権を握ろうと躍起になる。だがな、仮面ライダーを唯一持っているのは東都だけだろう。そうなれば、仮面ライダーの力だけで北都と西都を支配することは簡単だろう?」
「そんなの、俺と万丈が拒否すればいいだけだ!」
「お前、何か大切なことを忘れていないか?」
「大切なこと?」
「お前達は本来の記憶を失っている。本来の自分達が残虐非道な悪人でないと、何故言い切れる!今は愛と平和を守る正義の使者とか言っていられるが、その本性が邪悪でないと、何故言い切れる!?」
「それは…」
「だから、今はまだスカイウォールが必要なんだとよ。」
「それで、その異世界の仮面ライダーはどこにいる!?」
「落ち着け戦兎。そいつなら今、ナイトローグに話を着けに行った。」
「どうしてナイトローグに?」
「なんでも、ナイトローグの協力が必要なんだとよ。」
「それで、スカイウォールを消そうとしている犯人は解っているのか!?」
「ああ。あいつが言うには、東都物質研究センターに勤めていた、最上魁星という多次元時空理論を唱えていた科学者だ。」
「多次元時空理論…まさか!?」
「そうだ。奴は次元を破壊する兵器、エニグマを使ってこの世界を破壊し、この世界の王になろうとしている。」
惣一郎は戦兎に説明している。すると、
「はぁ、はぁ、はぁ…漸く追い着けた。」
惣一郎の娘でビルドが集めた成分を浄化する力を持つ少女、美空と万丈が追い着く。そして、
「惣一郎さん、ナイトローグの協力、確約がとれました。」
雅とナイトローグがワープの力で現れる。
「待っていたぞ異世界の仮面ライダー。こっちも戦兎に説明したところだ。」
惣一郎は雅に状況を伝える。
「おい戦兎、どうなっているんだよ!」
「わけ解んないんだけど。」
万丈と美空は戦兎に尋ねる。
「俺も何がなんだか解っていない。事情を教えてくれ。」
戦兎は雅に言う。
「その前に、自己紹介がまだでした。申し訳ありません。僕は凪風雅、仮面ライダーディロードです。」
雅は自己紹介をし、現状を説明した。
「なるほどな。雅以外のライダーに出会う為に、俺たちの未来の為に、協力してくれるんだな!」
戦兎は雅に握手を求める。
「勿論。世界のルールと正しい歴史の為、頑張りましょう!」
雅は握手に応じた。すると、
「漸く見つけたぞ、仮面ライダー!」
顔の左半分が機械になっている男性が現れる。
「最上魁星…」
雅は呟く。
「お前が最上魁星か!」
戦兎は言う。
「その通り。そして、新世界の帝王だ。」
〝リモートコントロールギア!〟
最上は変身銃、ネビュラスチームガンにギアリモコンをセットし、
「カイザー!」
〝ファンキーマッチ!ギアリモコン!〟
カイザーに変身する。
「行くぞ、万丈!マスター、ナイトローグ、それに雅、協力してくれるんだよな!?」
戦兎はビルドドライバーを装着する。
「仕方ないなぁ。今回だけだぞ?」
〝コブラ!〟
惣一郎はそう言うと、トランスチームガンにコブラロストフルボトルをセットする。
「皆さん、くれぐれも完全に倒さないようにして下さいね。」
雅はディロードライバーを装着する。
「まずは、あいつをやればいいんだな!」
〝ウェイクアップ!〟
万丈はサポートメカのクローズドラゴンをビルドドライバーにセットする。
「さあ、実験を始めよう。」
〝ラビット!タンク!ベストマッチ!〟
戦兎はラビットフルボトルとタンクフルボトルをセットする。
〝クローズドラゴン!〟
万丈はドラゴンフルボトルをクローズドラゴンにセットする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードのカードをスキャンし、戦兎と万丈はビルドドライバーのレバーを回転させる。
〝Are you ready?〟
「「「変身!」」」
〝鋼のムーンサルト!ラビットタンク!ィエーイ!〟
〝Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!〟
戦兎は仮面ライダービルドに、万丈は仮面ライダークローズに、雅はディロードに変身する。
「それじゃ、俺も行くか。蒸血!」
〝コブラ…コ…コブラ…ファイヤー!〟
惣一郎はトランスチームガンのトリガーを引き、ブラッドスタークに変身する。
「行くぞ、ライダー達!」
カイザーはネビュラスチームガンからエネルギー弾を放つ。
「なるほどな。それなら!」
【CHANGE RIDE-FORUZE DRIVER-】
ディロードはディロードライバーをフォーゼドライバーに変え、雅の変身は解除される。。
[three two one-]
「変身!」
雅は仮面ライダーフォーゼに変身する。
[ロ ケット オン]
フォーゼはロケットモジュールを装着し、ライダーロケットパンチを放つが、
「甘い!」
カイザーは回し蹴りを放ち、フォーゼの顔面に直撃。フォーゼは地面に叩きつけられて変身を解除させられる。
「それなら、これでどうだ!」
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
「変身!」
〔ライオン!トラ!チーター!♪ラタラター!ラトラーター!♪〕
雅はディロードライバーをオーズドライバーに変えて、仮面ライダーオーズ ラトラーターコンボに変身する。
「これならどうだ!」
オーズは縦横無尽に走る。しかし、
「遅い!」
カイザーはオーズを的確に撃ち抜き、雅の変身は解除させられる。
「俺たちも行くぞ!」
ビルド達も加勢するが、
「お前達がどれだけ集まろうと、カイザーシステムに敵うものか!」
カイザーはビルド達を軽々と退ける。
「諦めろ。お前達では、この世界の帝王には及ばない。世界が滅びる様子を、眺めているんだな。」
カイザーは言う。
「…崩壊なんて、させない!」
雅は立ち上がり、ディロードに変身する。
「皆さん、このカードに願いを込めて下さい!」
ディロードは美空とビルド達にカードを渡す。
「集え、世界の願い!」
ディロードは宣言し、ワールドホープのカードが誕生する。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER BUILD-】
ディロードがワールドホープを発動させると、ディロードから一本のフルボトルが出現する。
「戦兎さん、これを使って下さい!」
ディロードはライダーカードフルボトルをビルドに渡す。
「おい戦兎、これを使え!多分ベストマッチだ!」
クローズは変身を解除し、ドラゴンフルボトルをビルドに渡す。
「サンキュー!」
ビルドは二本のフルボトルをセットする。
〝ドラゴン!ライダーカード!ベストマッチ!〟
「おお!ベストマッチ!キター!」
ビルドはレバーを回転させる。
〝Are you ready?〟
「ビルドアップ!」
〝ディロード!KAMEN RIDE-DELOAD-〟
ビルドの変身は完了し、仮面ライダービルド ディロードフォームに変身する。
「行くぞ、雅。創造者と守護者のベストマッチ、みせてやろう!」
「はい!」
二人のディロードはロードスラスターでカイザーを攻撃する。
「馬鹿な!?カイザーシステムが圧されているだと!?」
「行くぞ、雅。勝利の法則は、決まった!」
「解りました!」
ディロードはファイナルアタックライドをスキャンし、ビルドはレバーを回転させる。
〝ボルテックフィニッシュ!〟
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
二人のディロードの同時キックが炸裂し、最上は変身が解除される。
「やるな、仮面ライダー。しかし、おかげで異世界のライダーのデータが手に入った。今は撤退させてもらおう。」
最上はネビュラスチームガンから蒸気を放ち、消える。
「これで、僕の役目は終わりました。皆さん、お騒がせしました。」
雅は頭を下げる。
「気にするな。それより、そのベルトを調べさせてくれないか?」
戦兎はディロードライバーに触れようとする。
「やめて下さい!」
雅は体を引いてよける。
「いいじゃん。すぐに返すんだし。」
それでも戦兎はディロードライバーに関心を示す。
「あなたはこの辺り一帯を焼け野原にしたいのですか!それなら渡しますが。」
雅がそう言うと戦兎は止まる。
「なんで、焼け野原になるんだ?」
「このベルトは、適合者以外が使用目的で触れれば、防御機能が働いて半径200メートルの命を根絶やしにする機能がついています。」
「わかった。諦める。」
雅の説明を聞いて、戦兎は諦める。
「それでは、僕はこれで。」
次元転送ポートが開き、雅は自分の世界に帰っていった。

【SOUL RIDE-KAMEN RIDER BUILD-】
雅が帰ると、ビルドの世界のソウルライドが発動される。
『雅、俺たちの世界を救ってくれてありがとう!これからも頑張れよ!それじゃあ、自身過剰な主人公、桐生戦兎が代表して発表させてもらいました!』
戦兎のメッセージを聞き、雅の世界とビルドの世界は繋がりが消えた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「まさか、平成ライダーの歴史を消そうとしているのか!?」
「果たして、君に商品価値はあるのかな?」
「神、本気で言っているのか!?」
「バグスターを、消させるものか!」
「俺たちの世界の運命は俺たちが変える!」
次回『Doctorの意地』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダービルド(ワールドホープ):ビルドの世界のワールドホープ。ディロードの成分の一つであるライダーカードフルボトルが出現。ビルドをディロードフォームに変身させる。

仮面ライダービルド ディロードフォーム
身長:198cm
体重:95kg
パンチ力:8t
キック力:6t
ジャンプ力:40m
走力:100メートルを6秒
ビルドがドラゴンとライダーカードのフルボトルで変身した姿。 

 

第11話『Doctorの意地』

次元保護国国家象徴、凪風雅は装填の守護者、仮面ライダーディロードとして、世界を救っていた。凪風流夜の失踪以降、世界に異変が発生し、雅は『仮面ライダービルド』の世界に向かい、その先で世界を救うことに成功したのであった。


「リセットの効果が発揮され、ビルドの世界は僕との繋がりが途絶えました。」
雅はリンディに言う。
「ありがとう。それで、今度はウィザード、鎧武、ドライブ、ゴースト、エグゼイドの世界に異変が起きているわ。」
リンディは雅に状況を伝える。
「まさか、平成ライダーの歴史を消そうとしているのか!?」
雅は驚く。
「雅国家象徴、どうしますか?」
「異変が起きた順を教えてほしい。」
「確か、エグゼイド、ウィザード、鎧武、ゴースト、ドライブの順だったはずよ。」
「ありがとうございます。すぐにエグゼイドの世界に向かいます。」
雅は次元転送ポートを使い、『仮面ライダーエグゼイド』の世界に向かった。

「ふっふっふ…これで終わりだ、人間達。クダケチール!」
邪悪な魔法使いの怪人、アランブラバグスターは伝説の最強魔法を唱える。しかし、
「AMF、作動!」
雅が現れ、AMFを展開して魔法の発動が封じられる。
「何故だ!?何故伝説の魔法が!?」
アランブラは驚く。
「残念だが、魔法の発動は封じさせてもらった!」
雅はアランブラに言う。そして、
「大丈夫ですか!?逃げて下さい!」
雅は逃げ遅れた人を避難させる。
「アランブラ、僕が相手だ。」
雅はディロードライバーを装着する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「AMFを使っている以上、ロードスラスターは使えない。そうなれば、これの出番だ!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードはブラストを使ってパンチ力を強化してアランブラを殴る。すると、
「あれは…仮面ライダー?」
「研修医、とにかくバグスターを切除するぞ!術式レベル100(ハンドレッド)!変身!」
《gashat!gachan!leave up!辿る歴史、目覚める騎士!TADOL LEGACY!》
飛彩は、変身ベルト、ゲーマドライバーに変身アイテムであるガシャットをセットし、仮面ライダーブレイブ レガシーゲーマー レベル100に変身する。この世界の仮面ライダーはゲームの力を使って変身し、そのゲームに合わせたレベルが設定されている。飛彩が使用したゲームは、最高レベルのロールプレイングゲームの力を宿したゲームである。
「僕も行きます!ハイパー大変身!」
《パッカーン!ム~テ~キ~!輝け、流星の如く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキ~!エグゼ~イド!》
ガシャットの中にはレベルで表記出来ない性能のガシャットも存在する。永夢は敵の攻撃を一切寄せ付けない無双系ゲームの力を使い、仮面ライダーエグゼイド ムテキゲーマーに変身し、アランブラを攻撃する。
「貴方達は!?」
ディロードは驚く。
「詳しい話は後だ!まずは目の前のバグスターが最優先だ!」
ブレイブは片手剣型の武器、ガシャコンソードに炎を纏わせようとするが、魔法で精製される炎は出現しない。
「何っ!?どういうことだ!?」
ブレイブは驚く。
「済みません!アランブラと戦うために、魔法の発動を封じてしまいました!」
ディロードはブレイブに謝る。
「ブレイブ、ここは俺に任せろ!ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」
《キメワザ!》
エグゼイドはムテキガシャットのボタンを押す。
「宝生先生、僕も協力します!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードも必殺技を発動し、
《Hyper CRITICAL SPARKING!》
エグゼイドは再びボタンを押し、100ヒットの必殺キックを放ち、
「ライダーパンチ!」
ディロードのライダーパンチがアランブラに炸裂し、アランブラは撃破される。
《gashuun…》
エグゼイドとブレイブはガシャットを外して変身を解除し、雅も変身を解除する。
「大丈夫ですか!?」
永夢は雅に近づき、人体にバグスターが潜伏しているか確認できる機材、ゲームスコープで雅を診る。しかし、
「あれ?バグスターに感染していない?」
バグスターに感染していない雅に永夢は不思議に思う。
「そんなはずないだろう。仮面ライダーに変身しているんだ。バグスターの反応があるはずだ。これだから研修医は。」
飛彩は呆れながら雅を診る。しかし、当然反応は無い。
「お前、どうやって仮面ライダーに変身している!」
飛彩は身構える。
「落ち着いて下さい。僕は凪風雅。こことは別の世界から来た仮面ライダー、仮面ライダーディロードです。」
雅は自己紹介をする。
「何でもいい。とにかくCRまで来てもらう。」
飛彩は雅の腕を引っ張り、基地である電脳救命センター、通称CRに連れていった。

「それで、彼がその異世界のライダーかい?」
仮面ライダーゲンムに変身する元人間であったバグスター、壇黎斗は雅に興味を示す。
「そうです、黎斗さん。」
雅は話す。しかし、
「雅君と言ったね。私は壇黎斗ではない。壇黎斗神だ!」
黎斗は高らかに言う。
「そうでしたか。済みません、黎斗神。」
雅は深々と謝る。
「雅君、話が解るね。」
黎斗は上機嫌になる。
「雅君、黎斗さんを調子に乗らせないで下さい。」
永夢は言う。
「そうだよ!クロトは何をしでかすか分からないんだから!」
雅の隣にリズムゲームのバグスターで、エグゼイド達の戦闘をサポートしている女性型怪人、ポッピーピポパポが現れる。
「私は壇黎斗神だ!」
黎斗は重ねて言う。
「おいおい、神のことで脱線しているぞ。それより、異世界のライダーが自分達の世界に何の用事で来たんだ?まさか、観光に来たって訳でもないだろう。」
仮面ライダーレーザーに変身する監察医で、かつてゲンムに倒されて消滅したが、バグスターとして蘇った青年、九条貴利矢は話の核心をつくことを雅に聞く。
「流石は洞察力の高い監察医、九条先生。この世界にとんでもない世界の改竄が発生しようとしています。」
雅は話す。
「世界の改竄とは、一体なんだ!?」
雅の言葉に飛彩は食いつく。
「落ち着けブレイブ。ディロードが話せないだろ。」
仮面ライダースナイプに変身する、かつてバグスターの撃破に失敗したことで医師免許を奪われた無免許医、花家大我は飛彩を落ち着かせる。
「ありがとうございます、花家さん。この世界の根本を破壊する世界の改竄とは、今から数日後、バグスターウイルスがこの世界から抹消します。」
雅は話す。
「バグスターが世界から根絶されるのか。なら問題ないだろう。」
飛彩は意見を言う。
「そんな簡単なことではありません。バグスターが消えると言うことは、ポッピーやパラドは勿論、九条先生や黎斗神もこの世界から完全に消えてしまうということです。」
雅は事態の深刻さを伝える。
「パラドやポッピーが…」
永夢は怯える。
「なるほどねぇ。自分達が消えて、この世界に不都合があるんだ?」
貴利矢は敢えて揺さぶりをかけるように言う。
「この世界は本来ならば後7年はバグスターが存在していることが確定している世界。それが本来より早く消えれば、歯車の外れた時計のように世界は動かなくなり、その存在は崩壊してしまいます。」
雅は事情を話す。
「それで、犯人は解っているんですか?」
永夢は雅に質問する。
「はい。犯人の名前は大園卓弥。かつてバグスターウイルスに感染し、花家さんが治療を施していた経緯のある男です。」
「大園…確かに受け持った患者にいたな。」
「彼はその時のデータを利用してバグスターウイルス専用のウイルスバスターをプログラミングして、それを使ってバグスターを消し去ろうとしています。」
雅は敵の素性を話す。
「それで、僕は今からある人物の協力を得られるように交渉してきます。」
「ある人物とは誰だ!?」
雅の言葉に飛彩は質問する。
「貴方達もご存知のはずですが、壇正宗社長の協力が必要です。」
「壇正宗だと?」
雅の言葉に黎斗は反応する。
「厳密には、妨害されると困るので、丸め込む必要がある、というのが正しいですが。」
「なるほど、社長さんの横槍は迷惑だしな。」
貴利矢は納得する。
「それでは、行ってきます。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのカードを使って正宗のいる幻夢コーポレーションに向かった。
「本当に異世界のライダーなんだな。」
大我は言う。
「どうやら、君たちの願いは叶わないようだね、ドクター諸君。」
黎斗は笑顔で言う。
「どういうことだ、壇黎斗。」
飛彩は言う。
「後7年は君たちと付き合うことになることは確実。ならば、君たちはそれまでの間は私の才能と、バグスターウイルスに頼り切りになるということだ。」
黎斗は自信に満ちた表情で話す。
「神、それ本気で言っているのか!?」
「どういうことだ、九条貴利矢?」
「医学の進歩は早い。7年もあれば、バグスターウイルスの根絶は出来る可能性がある。」
「君は何も解っていない。君たちが早くバグスターウイルスを対処しようとすれば、彼は私達を守る為に現れる。その時、君たちは彼と戦えるのかな?」
黎斗の言葉に、ライダー達は言葉を返せなかった。

「…それで話は解ったが、果たして君に商品価値はあるのかな?」
仮面ライダークロノスに変身する社長、壇正宗は雅に問う。
「僕自身に商品価値はありませんよ。ですが貴方は僕に協力せざるを得ない。」
「何故だい?」
「現在貴社で運営されている『仮面ライダークロニクル』の運用にはバグスターウイルスは必要不可欠。無くなれば当然反応長期に渡るメンテナンスが必要になる。そうなれば販売だって一時中止にしなければならない。株価も下落し、会社の信用も失われる。貴方の夢が叶う前に倒産しかねない。それを防ぐ為には、僕に協力してバグスター消滅の危機を脱する必要があります。」
「なるほど、中々のプレゼン能力だ。是非とも、我が社に欲しい人材だ。」
「お言葉ですが、残念ながらここに留まる訳にはいかないので、その話はお流れ、ということで。」
「君の商品価値、確かに見させてもらった。それで、私にしてほしい協力とは、何だね?」
「貴方には、今回の件はここに閉じこもって知らぬ存ぜぬを通していただきたい。」
「それくらいなら、別に構わない。」
「あとは、バグルドライバーのデータが欲しいところですね。」
「中々欲張りだね。」
「世界の消滅を防ぐのですよ。これくらいなら貴社の利益の方が大きいはずですよ。」
雅は正宗に書類を出す。
「これは何だね?」
「大切な取引ですよ。書面を通すのは必要でしょう。こちらに、署名と社印を。」
雅の言葉を聞き、正宗は契約を結ぶ。
「それでは、僕はCRに戻って敵を止めるように動かないといけないので、これで失礼いたします。」
雅はワープを使ってCRに戻った。

「皆さん、正宗社長との取引は無事成功しました。」
「それで、壇正宗はどこにいる?」
雅の言葉に飛彩は質問する。
「それですが、正宗社長に独断で動かれないように幻夢コーポレーションに縛り付けるのが目的なので、ここには来ません。」
「それじゃあ皆さん、行きましょう!」
雅の言葉を聞いた永夢は言い、雅の案内で一同は大園卓弥のいる場所へ向かった。

「待っていろよ、翔平。すぐにバグスターも、お前を殺したライドプレーヤーも根絶してやるからな。」
大園はフロッピーディスクのようなものを見ながら言う。すると、
「大園卓弥、お前の好きにはさせない!」
「バグスターを消させるものか!」
雅達が現れ、雅と永夢はそれぞれ大園に言う。
「邪魔をするな!第一、何で医者がウイルスをかばう!」
「仕方ないだろう。今の俺達には、必要なものだ。」
「花家先生まで…」
大園の言葉に大我は返し、大園は残念そうにする。
「仕方がない。これの出番だな。」
大園は旧型のパソコンを摸したベルトを装着する。
「あれは、ドライバー!?」
永夢は驚く。
「残機追加。」
大園はフロッピーディスク状のアイテムを起動させる。
《弾幕幻夢想!》
起動されたアイテムからゲームエリアが展開され、小型の妖精が至る所に現れる。
「先輩、それは一体?」
黎斗は言う。
「神、あいつが誰か知っているんか?」
「あの人は私の大学時代の先輩だ。だが、あれは一体なんだ?」
貴利矢の質問に黎斗は答える。
「こいつは俺がサークル活動で作ったゲームをインストールしたドーズフロップ。行くぞ、衛生省の犬達!変身!」
《ガ セット ロード… レベルアップ!♪~》
大園は出現したモニター画面の左を一度タッチし、弾幕幻夢想のモニター画面に切り替え、弾幕シューティングゲームの戦士、仮面ライダープロット 弾幕ゲーマーに変身する。
「行こう、パラド!」
「ああ!超協力プレーで、クリアしようぜ!」
永夢に感染しているバグスター、パラドは永夢の中に入り込む。
《Mighty Action X!》
《DANGEROUS ZOMBIE!》
「グレードX-0…」
黎斗はα版ガシャットとホラーゲームを起動する。
《爆走Bike!》
《JET COMBAT!》
「爆速…」
貴利矢はレースゲームとフライトシューティングゲームを起動する。
《BANG BANG SIMULATION!》
「第伍拾戦術…」
大我は戦艦シミュレーションゲームを起動する。
《TADOL LEGACY!》
「術式レベル100!」
《Hyper Muteki!》
「ハイパー大…」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
〝変身!〟
《Mighty jump!Mighty kick!Mighty Action X!agacha!danger danger!death the crisis! DANGEROUS ZOMBIE!》
《爆足!独走!激走!暴走!爆走Bike!agacha!ぶっ飛びjet do the sky!Fly!High!sky!JET COMBAT!》
《スクランブルだ~!出撃発進BANG BANG SIMULATION! 発進!》
《辿る歴史、目覚める騎士!TADOL LEGACY!》
《ハイパー無敵~エグゼ~イド!》
雅達は変身する。
「コンティニューしてでも、クリアする!」
「ノリノリで行くぜ!」
「ミッション、開始!」
「これより、プロット切除手術を始める!」
「俺達の世界の運命は、俺達が変える!」
エグゼイド達は口上を述べ、プロットに挑む。
「こちらも、本気で行くか。」
《ガシャコンスティック! ホーミング!》
プロットは杖を取り出し、エグゼイド達に追尾弾の弾幕を展開する。
「しまった。迂闊に近づけない!」
ブレイブ達は防戦一方になるが、一切の攻撃を受けないエグゼイドと防御の高いディロードは構わずプロットに近づき、攻撃する。しかし、ディロードの攻撃はプロットにダメージを与えるが、エグゼイドの攻撃はプロットにダメージを与えることが出来なかった。
「バグスター由来の攻撃は俺には通用しない!だが、別の世界のライダーが味方に着いている以上、やはり限界があるか。なら!」
《Dirtines rebirth!》
プロットは新たにドーズフロップより小さなUSBメモリを取り出す。
《ガ セット ロールアウト…ガ セット!》
「廃課金!」
《ガ セット ロード ロード ロード…リミットブレイク!♪裏切り上昇!蹴落としゲット!コングラチュレーション!》
プロットはソーシャルゲームの力を使って仮面ライダープロット コングラチュレーションゲーマーに変身する。
「さ、ゲームを楽しもうぜ!」
《扇動》
プロットはゲームライダーが使える強化アイテム、エナジーアイテムの一つを利用して攻撃をしてくるように挑発する。
「行くぞ、プロット!」
スナイプは砲門からエネルギー弾を放つがプロットにダメージは通らず、プロットの攻撃を受けて変身が解除される。
「やはり、ウイルスバスターがある限り奴に攻撃は効かないか。」
ゲンムは言う。
「それなら、このカードに願いを込めて下さい!」
ディロードは白紙のカードを渡してワールドホープのカードを完成させる。
「これならどうだ!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER EX-AID-】
ディロードはエグゼイドの世界のワールドホープを発動する。すると、プロットは奇妙な動きをみせる。
「なっ!?まさか!」
プロットの体は時々1ピクセル分変に伸びたりする。
「ゲームにバグはつきものだからな。ことソーシャルゲームなら、ブラウザやアクセス障害のバグがすぐに起きる。これでウイルスバスターも正しく機能しない!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはロードスラスターにスラッシュをスキャンしてプロットを攻撃する。
「これで俺達も攻撃出来るぜ!」
エグゼイドの高速連撃が炸裂し、ゲンムの攻撃を受けたプロットは麻痺状態になり、レーザーターボの絨毯爆撃がプロットを襲い、ブレイブの氷属性の剣がプロットを氷状態にする。
「ディロード、フィニッシュは必殺技で決まりだ!」
《キメワザ!Hyper CRITICAL SPARKING!》
「はい!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
エグゼイドのハイパークリティカルスパーキングが炸裂し、ディロードのディメンションインフェルノがプロットのベルトを破壊し、プロットの変身は解除される。すると、
「…そうだ…今日のログインがまだだった…」
そこにいたのは確かに大園だがまるで精気を失っていた。
「大園さん!?とにかく、衛生省まで来てもらいますよ。」
永夢は大園を捕まえる。
「雅さん、ありがとうございます!」
永夢は礼を言って立ち去り、雅も次元転送ポートでウィザードの世界に向かう。

雅がソウルライドを確認している頃、ウィザードは相棒の魔竜、ウィザードラゴンが倒され、絶体絶命の危機に瀕していた。
Go to next game.
次回、仮面ライダーディロード
「魔法が使えない!?」
「エェェェキサイティング!」
「残念ですが、あの指輪は必要なものなので。」
「厄介なことになった。」
「俺達が、最後の希望だ!」
次回『永遠の輝き』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーエグゼイド(ワールドホープ):エグゼイドの世界のワールドホープ。プロットのベルト、パーソドライバーに深刻なバグが発生する。

仮面ライダープロットについての詳しい情報は『仮面ライダーエグゼイド バグ技~仮面ライダープロット~』を参照して下さい。今回の話は仮面ライダープロットの前日潭になります。つまり、早い段階で永夢達と合わない場合、プロットはバグスターを根絶する方法にたどり着いてしまいます。そして、早く出会えば『仮面ライダープロット』の話のような展開になる、といった形になります。 

 

第12話『永遠の輝き』

【ATTACK RIDE-RESET-】
『仮面ライダーウィザード』の世界に着いた雅はエグゼイドの世界のソウルライドを確認し、リセットのカードが強制的に発動され、雅とエグゼイドの世界との繋がりは消滅する。その頃、仮面ライダーウィザード、操真晴人の心象世界、アンダーワールド内では激闘が繰り広げられていた。
「エキサイティング!実に素晴らしい!」
この世界の怪人、ファントムのレギオンはウィザードに魔力を与えているファントム、ウィザードラゴンと戦闘を行っている。
「てめえ、そのドラゴンより俺達を相手にしろ!」
仮面ライダービーストは相棒である合成獣のファントム、ビーストキマイラに乗りレギオンを攻撃する。
「つまらん!お前達は刺激的ではない!」
レギオンはビースト達を歯牙にもかけようとせずウィザードラゴンに禍々しい光弾を放つ。
「ぐっ…」
レギオンの光弾を受け、ウィザードラゴンは怯む。
「お前、俺のライバルに手を出すな!」
“シックス!ファルコ!セイバーストライク!”
ビーストはダイスサーベルのルーレットを最大値で止め、一撃必殺を狙うが、レギオンに傷を与えることすらできず、
「鬱陶しい!」
レギオンはビーストとビーストキマイラに光弾を放つ。
「危ない!」
ウィザードラゴンはビースト達を突き飛ばし、その光弾を受ける。
「お前達だけでも、脱出しろ…」
ウィザードラゴンはそう言い残して爆発し、撃破されてしまう。

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える。

「マジか…ドラゴンがやられるなんて…」
ビーストは驚きを隠せない。
「さて、操真晴人はこれからどうするのか、実に楽しみだ!」
レギオンは晴人のアンダーワールドから脱出し、何処かへ去って行く。そして、それに続くようにビーストが現れて、二藤は変身を解除する。
「二藤、何があった!」
晴人は言う。
「あのファントムに…ドラゴンがやられた…俺達を庇って…」
二藤は晴人に事実を話す。
「そうか…一度面影堂に戻ろう。」
晴人と二藤は、普段晴人が住んでいる面影堂に向かった。

「順調だな、と言うのは少し辛いな。」
一連の流れを見ていた雅は呟く。
「さて、僕も面影堂に向かうか。」
雅はマシンディローダーを走らせる。

「駄目だ!魔法が使えない!?」
晴人はウィザードリングを使って魔法を発動しようとするが、指輪は一切反応しない。
「これじゃあコヨミに魔力を与えられない!」
晴人は苛つく。
「落ち着いて、晴人。」
晴人が白い魔法使いから託された魔力で動く少女、コヨミは晴人を落ち着かせようとする。
「落ち着いていられるか!」
晴人は感情的になり、話を聞こうとしない。
「コヨミさんの言うように、落ち着く事が必要です。」
そこに雅が現れ、雅はカルテットバインドで晴人を拘束する。
「お前は!?」
晴人は雅を見て質問する。
「自己紹介が遅れて済みません。僕は凪風雅、仮面ライダーディロード。」
「仮面…ライダー?」
「仮面ライダーは人々と世界の平和を護る為に戦う正義の味方。そして、僕はこの世界の平和を護る為にはるばると別の世界からここにやってきました。」
雅は晴人達に説明する。
「それで晴人さんの魔法が消えた原因ですが、晴人さんのドラゴンがファントムに倒されたことで魔力の供給源が断たれてしまったことが原因です。」
「それじゃあ、晴人さんは今!?」
「はい、瞬平さんや大門刑事のように、中のファントムを失った元ゲートと同じような状態です。」
晴人の弟子を自称する青年、奈良瞬平は雅に聞き、雅は答える。ゲートとは、体内の心象風景にファントムを宿す人間のことで、ゲートは絶望することでファントムに肉体を奪われ、ファントムになる前に体内のファントムが倒されることでゲートではなくなる。
「晴人、ごめん!」
雅の話を聴いてコヨミは面影堂から出て行ってしまう。
「コヨミ!?」
晴人は追いかけようとする。しかし、
「カルテットバインド!」
雅は晴人を拘束する。
「コヨミさんのこと、任せてもらえませんか?晴人さんは今、休息を取ることが一番重要です。ドラゴンを失って、身体が不安定なのですよ。」
雅は二藤に後を任せてコヨミを追いかけた。

コヨミは、初めて晴人と本音で話し合った海辺にいた。
「晴人…」
コヨミは自身に着けられているプリーズウィザードリングを見る。
「やっぱりここか。」
雅はコヨミを見つけ出した。
「雅…貴方は私のことについて知っているんでしょ?」
「勿論。貴方の肉体は既に死んでいて、今は魔力をもらわないと動くことが出来ない。だから、魔法使いである僕が来た。ディバイドエナジー。」
雅はリンカーコアから魔力を出してコヨミに与えようとするが、プリーズウィザードリングはそれを弾き返し、魔力は雅に戻る。
「やはり、魔力の源が違うと駄目か!」
雅は残念がる。
「雅、貴方に聞きたい。」
「どうしたのですか?」
「晴人の魔法は、元に戻るの?」
コヨミは雅に質問する。
「合って1時間もしない人の言うことを、コヨミさんは信用できますか?」
「それは…」
「コヨミさんがほしい答えは、そうであってほしい願望です。それに、装填の守護者の使命は世界のルールを護ること。この世界の未来を話すことは出来ません。」
「そう…」
「重要なのは、誰が晴人さんの魔法を信じるか、だと思いますよ。今の晴人さんはコヨミさんとの暮らしを大切に思っています。そうなれば、コヨミさんが奇跡を信じないと。」
雅はコヨミに白紙のカードを渡す。
「これは?」
「そのカードに願いを込めて下さい。きっと、奇跡は起こります。」
雅が説明していると、晴人がやってくる。
「晴人!?」
「コヨミ、雅から連絡があって来た。安心しろ。何があってもそばにいてやる。」
「それより、いつ連絡を?」
「この世界ではなかなか使える人はいませんが、思念通話の魔法は魔法使いでは割と常識的なものですよ。」
雅はコヨミに説明する。すると、
「エェェェキサイティィィィング!実に素晴らしい!魔法を失っても失われない純粋な輝き!正に壊す甲斐があると言うものだ!」
レギオンの人間態、内藤が拍手をしながら現れ、レギオンの姿に戻る。
「レギオン!?」
晴人は身構える。
「見つけたぞ。」
そこに、晴人にウィザードの変身能力をコヨミを授けた白い魔法使い、仮面ライダーワイズマンが現れる。
「やはり現れたか、白い魔法使い。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、ワイズマンを晴人から離す。
「晴人さん、この戦いで、貴方の魔法が取り戻せるかが決まります!」
「分かった!」
「白い魔法使い、邪魔をさせるものか!」
ディロードの言葉に晴人は納得し、ディロードはワイズマンを掴んで何処かへ向かう。
「もはやゲートですらないお前に何が出来る!」
レギオンは構わずに晴人を攻撃する。
「魔法使いっていうのは魔法を持っているかじゃない…生き方そのものだ!」
晴人はそれでも立ち上がる。

その頃、ディロードとワイズマンの戦闘は続いていた。
「何故私の邪魔をする!早くしないと暦が!」
“コネクト!ナウ…”
ワイズマンは自身の武器、ハーメルケインを出現させてディロードを斬ろうとするが、ディロードはロードスラスターでそれを防ぐ。
「大丈夫ですよ。晴人さんは、再び魔法使いになれますから!」
「馬鹿なことを言うな!ファントムを失った者が再び魔法使いになるなど、あり得ない!」
「あり得ないことが起きることが、魔法ってものです!」
ディロードとワイズマンの攻防は続く。

「やはり素晴らしい!その美しき心!エキサイティング!」
レギオンは槍を出現させて晴人を攻撃する。
「ぐぁっ!」
生身の晴人にファントムの攻撃は大きなダメージとなる。それでも晴人は立ち上がる。しかし、
「晴…人…私は信じている…貴方が、また魔法を使えることを…」
そのタイミングでコヨミの魔力は切れ、コヨミは途切れ途切れになりながらもメッセージを残して倒れる。
「コヨミ!?」
晴人は崩れるように膝をつく。

「コヨミ!?」
ワイズマンも倒れるコヨミに反応する。
「今だ!集え!世界の願い!」
ディロードは白紙のカードをウィザードの世界のワールドホープに変えてスキャンする。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER WIZARD-】

晴人は自身の無力さに涙を流す。しかし、それは強い眩きと共に一つのウィザードリングとなる。
「これは!?」
晴人はウィザードリングを拾い上げる。すると、ただのベルト飾りになっていたウィザードライバーとしての力を取り戻す。
「俺の魔法は、まだ終わらない!」
晴人は立ち上がり、そのリングを着け、ウィザードライバーを起動させる。
“シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!”
晴人はそのリングを読み込ませる。
“イィィィンフィニティー!プリーズ!ヒースイフードー!ボーザバビュードゴーン!”
晴人の身体は金剛石の輝きに包まれ、竜が舞うとその結晶は砕け散り、仮面ライダーウィザード インフィニティースタイルに変身し、アックスカリバーを握る。
「さあ、ショータイムだ!」
ウィザードは走る。
「実に素晴らしい!」
レギオンはウィザードに光弾を放つが、ウィザードはものともせずレギオンに近づき、アックスカリバーでレギオンを切り裂く。
「雅が教えてくれた!魔法使いに必要なものは、強い魔法じゃない!人を思う気持ち!俺達が、最後の希望だ!」
ウィザードは今までの反撃と言わんばかりにレギオンを斬る。
「フィナーレだ!」
“ターンオン!”
ウィザードはアックスカリバーを握る方向を変え、ソードモードからアックスモードに切り替え、インフィニティーウィザードリングを一回読み込ませる。
“ハイタッチ!シャイニングストライク!キラキラ~!”
インフィニティーウィザードリングを読み込んだアックスカリバーは巨大化し、ウィザードはそれを振り上げて叩き落とす必殺技、ドラゴンシャイニングを放ち、レギオンはその攻撃を直撃で受ける。
「エキ…サイ…ティング…」
レギオンはは最後までその口癖を言いながら爆発した。
「これは、厄介なことになったな…」
その様子を見て、ワイズマンは呟く。
「あの指輪は、この世界に必要なものなので、諦めて下さい。」
ディロードはワイズマンに言う。
「つまり、お前の掌の上で踊らされていたのか…」
“テレポート!ナウ…”
ワイズマンはテレポートを使って戦線離脱した。
「これで、この世界も無事だ。」
雅は変身を解除してウィザードのところに向かう。
「晴人さん!」
「雅、ありがとう。」
ウィザードも変身を解除し、コヨミに近づき、コヨミの右手のリングをベルトに読み込ませる。
“プリーズ!プリーズ!”
晴人は自身の魔力をコヨミに与え、コヨミは再び動き出す。
「晴人!?私…」
「ああ、安心しろ。俺がいつでも傍にいてやる。」
晴人はコヨミを抱きしめながら言う。
「それでは、僕はこの辺で去らせていただきます。」
「もう行くのか?」
「あまりゆっくりとしていられませんので。」
雅は次元転送ポートを使って『仮面ライダー鎧武』の世界へ向かう。

「随分な荒れようだな。」
雅は呟く。
【SOUL RIDE-KAMEN RIDER WIZARD-】
『雅、俺の魔法を取り戻してくれてありがとう。俺が人の希望なら、お前は世界の希望だ!』
『晴人が魔法を取り戻せるなら、隠さないでほしかった。でも、ありがとう。』
『おい!魔法使いならお前もライバルだ!勝手に逃げるな!』
『雅君、貴方の魔法、今度しっかり見せるもらうわ。』
『でもいいな~。ゲートでもないのに魔法が使えて。』
それぞれのメッセージを聞き、ソウルライドの機能は終了する。
「さて、まずは生きて紘太さんに出会わないと!」
雅はロードスラスターを構え、迫り来る怪物、インベスを迎え撃つ。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「皆さんの安全は、僕が保障します。」
「もう、これしか口に出来ないんだ。」
「私は、何もできなかった…」
「戒斗!」
「葛葉、やはりお前は強いな…」
次回『オーバーロード対オーバーロード』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーウィザード(ワールドホープ):ウィザードの世界のワールドホープ。晴人の涙からインフィニティーウィザードリングが生成され、晴人が魔法を取り戻す。 

 

第13話『オーバーロード対オーバーロード』

「まずは生きて紘太さんに合わないと!」
雅はロードスラスターを構え、迫り来る怪物、インベス達に向かって行く。
「ここはこれで、一気に切り抜ける!」
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
「バルディッシュ・アサルト、セットアップ!」
雅はディロードライバーをバルディッシュ・アサルトに変えてバリアジャケットを纏い、ロードスラスターとバルディッシュの二刀流でインベス達を蹴散らす。
「決めよう、バルディッシュ。」
[zamber form!]
雅の言葉に反応し、バルディッシュはザンバーフォームに変形する。
「疾風迅雷、スプライトザンバー!」
雅は素早く動き、残るインベス達を撃破し、先に進む。

この『仮面ライダー鎧武』の世界は、ヘルヘイムと呼ばれる異世界の植物による侵略を防ぐ為に戦う世界である。ヘルヘイムの植物は、その実を食した者をインベスという怪物に変貌させ、本能的に行動するようになる。しかし、その実を食してもなお、その侵食に耐えた者はオーバーロードと呼ばれるヘルヘイムを操る者に進化する。ヘルヘイムとインベスは、普段はオーバーロードの統率によって管理されているが、そのオーバーロードは仮面ライダー鎧武達によって全て倒され、統率者を失ったヘルヘイムは再び地球への侵食を始めた。
「あと少しで、皆さんの所に!」
雅はバルディッシュ・アサルトを使いインベス達を倒しながら進む。すると、雅の横を白い服を着た少女が通り過ぎる。それを見た雅は立ち止まる。
「待って下さい!貴方は確か!?」
雅は白い服の少女を呼び止める。
「貴方は、この世界の人じゃないね。」
少女は立ち止まり、雅に返事をする。
「僕は凪風雅、仮面ライダーディロード。この世界の危機を救う為にやって来ました。貴方は高司舞さん…今は始まりの女ですね?」
雅は自己紹介をすると始まりの女に質問する。
「うん。サガラも言っていたけど、私は始まりの女。だけど、こんな戦いは止めたかった。紘太と戒斗が戦う必要は無いのに…」
始まりの女は言う。仮面ライダーバロンに変身する駆紋戒斗は戦いの中でより強大な力を求めヘルヘイムの実を食し、その侵食を乗り越えてオーバーロード、ロードバロンに変貌した。そして、戒斗は己の掲げる理想の世界を実現させる為、インベスとヘルヘイムを使い地球の文明を滅ぼうと行動を開始する。一方、仮面ライダー鎧武、葛葉紘太はヘルヘイムの王の力を宿す極ロックシードの使い続けた後遺症により、オーバーロードと同等の存在になってしまっていた。しかし、紘太は地球も、地球に住む人々を愛している。紘太は戒斗から人々の命と土地を護る為、戒斗と戦う決意を固めていた。
「私は、ただみんなと踊っていたかった。だから、みんなを止める為に、いろんな時間に行って、止めようとした。でも、私は、何も出来なかった…」
始まりの女は泣きながら言う。
「それは、仕方のない話です。貴方がやろうとしたことは、巡り巡って始まりの女になる運命を変えること。言わば自分を殺すことにも等しい行為。そうなれば、世界はそれを阻止する為に動きます。」
雅は離す。
「それで、貴方はどうして?」
「このままでは、葛葉晶さん達がインベスに襲われてしまいます。僕は、その護衛で来ました。」
「晶さん達を?お願い、雅!みんなを守って!私にはもう、出来ないから。」
始まりの女はそう言うと、雅に一枚のカードを渡した。
「これは!?」
雅は驚く。何故なら、渡されたカードは鎧武の世界のワールドホープだったからだ。
「これは、未来の貴方から預かっていたの。今の貴方が、みんなを守れるようにって、」
「ありがとうございます。それでは、行ってきます!」
雅は再び走り出す。始まりの女はそれを見送った。

「漸く着いた…」
雅は、紘太達のいるフルーツパーラー、ドルーパーズに着く。すると、入り口には紘太と、姉である晶がいた。
「紘太、行っちゃうの?」
「ああ、だけど、その前に見て欲しいんだ。」
紘太は晶の目の前でヘルヘイムの実をもぎ取る。
「紘太、それは!」
晶は声を荒げて言う。
「ずっと前から、これしかおいしそうに思えなくなっていたんだ。」
紘太はそう言いながらヘルヘイムの実を食べる。
「ほら、食べてもインベスになれない。もう、これしか口に出来ないんだ。」
「紘太…」
「ごめん…俺、もう姉ちゃんの手料理、食べられないんだ…」
紘太は涙声で言う。
「分かった…行ってらっしゃい!」
晶は悲惨な現実を受け入れて紘太を送ろうとする。
「漸く会えました!」
そこに雅がやってくる。
「雅、久しぶりだな、って前に会った時より若いけど、どうした?」
紘太は雅に質問する。
「おそらく、紘太さんが会ったのは未来の僕です。それで、ここに来た目的は晶さん達をインベスから護る為です。」
「そうか。姉ちゃん達を頼めるか?」
「はい。自衛隊のヘリが到着して、安全が確保されるまでは任せて下さい!」
「じゃあ、そっちは頼んだ。俺は行って来る。」
紘太はそう言うと、インベスの軍勢を率いてドルーパーズを離れる。
「紘太、いつの間にかあんなに立派になっちゃって…」
「弟の成長っていうものは、家族が思っている以上に凄いものですよ。」
雅は晶に話す。
「貴方にも弟が?」
「いた…と言うのが正しいですかね。弟は、世界を滅ぼす悪の組織の王になり、世界を侵略していて、(わたくし)はそれを止める為に…」
雅は自分の掌を見ながら言う。
「そうでしたの…」
晶はあえて追求をしない。
「ですから、紘太さんのことは安心して大丈夫ですよ。それより…」
雅が話していると、鎧武とバロン、どちらの軍にも属さないインベスが迫り来る。
「ここは任せて、早くドルーパーズの中へ!」
雅は晶を避難させる。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。

「来たか、葛葉。」
「戒斗!」
二人の主君はにらみ合う。
「決着を着けるぞ。」
〈バ ナァナ!〉
先に動いたのは戒斗。錠前型アイテム、バナナロックシードを解錠する。
「ここで終わらせる!」
〈オレンジ!〉
紘太もオレンジロックシードを解錠する。
〈〈ロック オン!〉〉
二人はベルト、戦極ドライバーにロックシードをセットし、紘太のドライバーからはホラ貝の音色が、戒斗のドライバーからはファンファーレが鳴り響く。
「「変身!」」
二人はドライバーのブレードでロックシードを起動させる。
〈ソイヤッ!オレンジアームズ!花道、オンステージ!〉
〈come on!バナァナアームズ!Knight of spear!〉
紘太は仮面ライダー鎧武 オレンジアームズに、戒斗は仮面ライダーバロン バナナアームズに変身し、それぞれインベスを戦わせあいながらぶつかり合う。
「やるな、葛葉!」
〈マンゴー!〉
バロンはマンゴーロックシードを取り出す。
「戒斗!」
〈レモンエナジー…〉
鎧武も負けじとレモンエナジーロックシードを取り出す。
〈ロック オン!come on!マンゴーアームズ!fight of hammer!〉
〈ロック オン…ソイヤッ!ミックス!オレンジアームズ!花道、オンステージ! ジンバーレモン!ハハーッ!〉
バロンはマンゴーアームズに、鎧武はジンバーレモンアームズに変身し、バロンは鎧武に仕えるシカインベス強化態を、鎧武はバロンに仕えるセイリュウインベス強化態を撃破する。

「数が多いな。それなら!」
【CHANGE RIDE-WIZARDRIVER-】
ディロードはディロードライバーをウィザードライバーに変えてインフィニティーウィザードリングを装着する。
“シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!”
「変身!」
“イィィィンフィニティー!プリーズ!ヒースイフードー!ボーザバビュードゴーン!”
ディロードの変身は解除され、雅は仮面ライダーウィザード インフィニティースタイルに変身し、
“チョーイイネ!フィニッシュストライク!サイコー!”
フィニッシュストライクウィザードリングを使い、インフィニティードラゴンゴールドにパワーアップする。
「行くぞ!」
ウィザードは飛翔し、胸部のドラゴンから火炎弾を放ち飛翔しているインベス達を焼き払う。
「これでどうだ!」
ウィザードは両腕の爪でインベス達を切り裂いて撃破してゆく。

「葛葉、これならどうだ!」
〈レモンエナジー…〉
バロンはレモンエナジーロックシードを起動させる。
「だったらこれだ!」
〈カチドキ! オオーッ!〉
鎧武も負けじとカチドキロックシードを起動させる。
〈ロック オン… ソーダァ…レモンエナジーアームズ!fight power!fight power!figh figh figh figh fififififi fight!〉
バロンはベルトを戦極ドライバーからゲネシスドライバーに取り換えてレモンエナジーロックシードをセットし、コンプレッサーを押し込みレモンエナジーアームズに変身し、ソニックアローで鎧武を射貫こうとする。
〈ロック オン!ソイヤッ!カチドキアームズ!いざ出陣!エイエイオー!〉
鎧武はカチドキアームズに変身し、その装甲でソニックアローの矢を防ぎ、火縄大橙DJ銃をスクラッチしてバロン目がけて乱射するがバロンはそれを避けて鎧武を切り裂こうとする。しかし、それを鎧武は両肩のカチドキ旗を使って防ぐ。

「あれは!」
ウィザードが上空のインベス達を倒すと、護送用のヘリがやってくる。
「あとは地上のインベス達だな!」
ウィザードは地上に降りて、ドルーパーズの付近で暴れるインベス達をドラゴテイルで倒してゆく。

「行くぞ、葛葉!」
距離を離されたバロンは両腕を広げ、走りながら最強最大の怪人態、ロードバロンに変身し、赤い霧に姿を変えて鎧武に纏わり付き、鎧武をビルに叩きつける。
「戒斗、これで決着を着けるぞ!」
〈フルーツバスケット!〉
鎧武は禁断の果実の力を宿す極ロックシードを起動させてカチドキロックシードに合体させ、トリガーをひねる。
〈ロック オープン!極アームズ!大!大!!大!!!大!!!!大将軍!!!!!〉
鎧武はカチドキアームズの装甲を排出し、最強形態の極アームズに変身し、
〈バナスピアー!マンゴパニッシャー!〉
バナナアームズとマンゴーアームズの武器を出現させて二刀流でロードバロンに挑むが、ロードバロンは自身の持つ長剣、グロンバリャムを使ってそれらを弾き飛ばす。
「ならこれだ!」
〈キウイ撃輪!メロンディフェンダー!ドンカチ!影松!ドリノコ!〉
鎧武は更に武器を召喚してロードバロンに射出するがロードバロンの号令によってインベス達が盾となり、その攻撃は通ることがなく、ロードバロンはヘルヘイムの蔦を使って鎧武を攻撃しようとする。しかし、鎧武も同じようにヘルヘイムの蔦を使ってそれらを防ぐ。

「これで終わりだ!」
ウィザードはドルーパーズの付近のインベス達を全て倒すと護送用のヘリを案内する。
「ありがとうございます!あちらのお店に救助を待っている人たちがいます!」
雅は変身を解除してヘリから降りてきた自衛隊員達を誘導すると、その場を離れる。

その頃、
〈火縄大橙DJ銃!無双セイバー!〉
鎧武は二つの武器を合体させて火縄大橙DJ銃を大剣形態に変えてロードバロンを攻撃しようとしていたが、
「無駄だ!」
ロードバロンは赤い霧に姿を変えて鎧武から火縄大橙DJ銃を奪い、グロンバリャムで鎧武を切り裂き、鎧武は地に伏せる。

「未来の僕、このワールドホープはこの時の為にあるんだな…」
雅はディロードライバーを装着する。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER GAIM-】
雅は鎧武の世界のワールドホープを発動させる。
「さて、ワールドホープを発動した以上、長居は出来ない。リンディ長官、お願いします。」
雅はリンディと連絡を取り、次元転送ポートを通って『仮面ライダーゴースト』の世界へ向かった。

「葛葉、これで終わりだな。」
ロードバロンはグロンバリャムを鎧武に振り下ろす。しかし、鎧武はそれを掴むと、グロンバリャムの刃先をへし折る。
「何っ!?」
ロードバロンは驚く。そして、鎧武は折ったグロンバリャムの刃先を握る。
「まさか!?」
グロンバリャムに力を込めていた為、バランスを崩したロードバロンは無防備となり、鎧武はグロンバリャムの刃先でロードバロンを貫く。その刃はロードバロンの心臓を捕らえており、戒斗は変身が解除されて鎧武に倒れかかり、鎧武は戒斗を抱える。
「葛葉…やはりお前は強いな…」
戒斗はそう言い残すと、息絶える。
「戒斗!」
紘太は変身を解除して戒斗の亡骸を地面にそっと置く。
「紘太、晶さん達は無事に沢芽市から避難出来たよ。」
始まりの女は紘太の心残りに答える。
「舞…」
「紘太、これをあなたに…」
始まりの女は、先代のオーバーロードの王、ロシュオから受け取っていた禁断の果実、知恵の実を紘太に渡す。
「ありがとう、舞。」
紘太はそれを食し、新たなヘルヘイムの主、始まりの男へと進化する。
「よぉ、すっかり変わったな、始まりの男よ。」
そこにヘルヘイムの意思でもある、二人を導いた知識の蛇、サガラが現れる。
「さあ、お前達はどんな世界を作る?」
「何の話だ?」
「生めよ増やせよ地に満ちよ。お前達は世界を一から作り上げる始まりの存在。まずは今の世界を壊して新しく世界を作る使命がある。創造は破壊からしか生まれない。」
サガラは始まりの男に説明する。
「俺達はこの世界を破壊する気は無い。」
「おいおい。それじゃあお前達の世界はどうするんだ!このまま混沌とさせたままにするのか!?」
サガラは焦る。
「そんなことは言わない。」
始まりの男はそう言うと空に巨大な裂け目、クラックを出現させてヘルヘイムとインベスをクラックへ向かわせる。
「おい、まさかお前達!?」
「ああ、俺達はこの世界から出て行く。そうすれば、この世界も壊さず、俺達の役目も果たせる。」
「まさか楽園から出て行くとは。だが、それがお前達の選択なら、俺は止めない。さらばだ、始まりの男よ!」
サガラは消え、始まりの男達は地球から数光年離れた惑星に移動する。こうして、戦極時代を戦い抜いた始まりの男達は地球という楽園(ほし)から出て行ったことで、この世界は救われたのであった。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
雅が向かった次の世界、一人の少女を救う為、雅は奔走する。次回『仰天!眼魔の奇跡』 
 

 
後書き
新カード紹介
バルディッシュ・アサルト:ディロードライバーをバルディッシュ・アサルトに変えるカード。
ウィザードライバー:ディロードライバーをウィザードライバーに変えて仮面ライダーウィザードに変身するためのカード。
仮面ライダー鎧武(ワールドホープ):鎧武の世界のワールドホープ。紘太の勝利を確定させる力を持つ。 

 

第14話『仰天!眼魔の奇跡』

俺は天空寺タケル。18歳の誕生日に眼魔に倒され、生き返る為に、仮面ライダーゴーストになって英雄の眼魂(アイコン)を集めている。もう一人の仮面ライダー、スペクターに変身しているマコト兄ちゃんの願いは、眼魂になってしまった妹、カノンちゃんを蘇らせることだった。俺とカノンちゃん、どちらかを選ぶと、もう片方が助からない中、異世界から仮面ライダーがやって来て…集めた眼魂は6つ。残る日数は、あと─

「次は『仮面ライダーゴースト』の世界か。」
雅はゴーストに変身する天空寺タケルが跡を継ぐ予定の寺、大天空寺の前に立つ。
「さて、入るか。」
雅は門を通り抜け、大天空に入る。
「申し訳ありません。天空寺タケルさんに会いに来たのですが。」
雅は住職代理の男性、御成に話す。
「タケル殿にお会いしたいですと?そなた、何者でございますか?」
「申し遅れました。僕は凪風雅、こことは別の世界から来た仮面ライダー、ディロードです。」
御成の問いに雅は答え、自己紹介をする。すると、
「仮面ライダー!?よもや、タケル殿の眼魂が目的ですか!?」
御成は雅に錫杖を構える。
「話を聞いてください。僕は天空寺タケルさんが無事か確認したいだけです。」
息を荒立てる御成に雅は説明をする。しかし、
「無事ならばタケル殿を殺めてでも眼魂を奪おうと。そのような考えなのですな!」
御成は雅に錫杖を振り下ろそうとする。しかし、
「どうしたの、うるさいよ御成。」
そこに仮面ライダーゴースト、天空寺タケルが現れる。
「天空寺さん!」
「タケル殿!こやつはタケル殿を狙っております!拙僧がお守りいたしますので、タケル殿は安全な場所に!」
「ですから御成さん、僕の話を聞いてください!」
「いいえ、悪魔の言葉など聞きませぬぞ!」
雅は必死に説得しようとするが、御成は話を聞こうとしない。
「仕方が無い。御成さん、天空寺さん、済みません!カルテットバインド!」
雅は仕方なしに御成をカルテットバインドで拘束する。
「少しは話をしっかり聞いてください。別の世界から来た僕が、眼魂を狙う理由もないですし、僕の世界では仮面ライダーは互いに手をとって世界の平和の為に協力しています。天空寺さんを傷付ける意思もありません。」
雅の話を聞いて、御成はようやく落ちつく。
「天空寺さんも、申し訳ありません。このお寺の住職代理にこのような手荒な真似をしてしまい。」
雅は深々と礼をする。
「大丈夫ですよ、元々は御成の早とちりが原因なんだから。それより、どうして別の世界のライダーの雅さんが、俺達の所に?」
「それについてですが、天空寺さんは今、悩んでいますね?眼魂の力で、自身の命を選ぶか、それとも幼馴染みの妹、深海カノンさんの命を選ぶか。」
雅はタケルに質問する。
「まさかそのようなこと、タケル殿はご自身のことを考えているに決まっているでしょう。」
雅の質問に御成は笑いながら言う。
「いや、雅さんの言うように悩んでいる。」
それをタケルは否定する。
「どうしてですか、タケル殿!?」
「当たり前だろう。だって、自分の命と同じくらい、カノンちゃんの命は大切だ。だって、命は命で、みんな同じだから。」
御成の疑問にタケルは答える。
「ですがタケル殿には、仮面ライダーになって人々を救うという使命が!」
「それならなおさら、目の前のカノンちゃんを救えなくてどうするの。」
「それは…」
「雅さん、俺、決断できました。カノンちゃんを蘇らせる為に眼魂を集めます。」
タケルの言葉を聞きたい、英雄の魂を宿すデバイス、眼魂は鼓動を打つ。その時、
「気配を感じる。もしかして眼魔が!?」
雅は敵の気配を感じる。
「雅さんには見えないの?」
「見えはしませんが、大体の位置は気配で分かります。」
雅とタケルは身構える。
「そこか!」
雅は何かを掴む仕草をして外へ出ると、タケルもそれを追う。
「ここなら大丈夫か。」
雅はディロードライバーを装着し、ディロードのカードを装填する。
【KAMEN RIDE】
「雅さん、俺も行きます!」
タケルはゴーストドライバーを出現させて、自身の魂を宿しているオレゴースト眼魂をゴーストドライバーにセットする。
{ア~イ!バッチリミナー!バッチリミナー!}
【-DELOAD-】
「「変身!」」
{カイガン!オレ!ォレッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!ゴ!ゴ!ゴ!ゴ!}
雅はディロードに、タケルはゴーストに変身する。
「命、燃やすぜ!」
ゴーストはガンガンセイバーを、ディロードはロードスラスターを構えて見えない敵を攻撃する。
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードはロードスラスターにブラストをスキャンさせ、見えない敵をペイント弾で撃ち、マーカーにする。そこに、タケルの幼馴染みの一人、月村アカリが霊体を目視可能にする機械、不知火を持って現れる。
「アカリ、あのペイントがついている奴が眼魔だよ!」
「タケル、ありがとう!」
ゴーストに言われてアカリは粒子を放つと、見えない敵は姿を現し、そこには忍者刀眼魔がいた。
「くっバレたか!」
忍者刀眼魔は両腕に仕込んでいた忍者刀を構える。
「天空寺さん、一気に決めましょう!」
「はい!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
{ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!}
ディロードとゴーストは必殺技を発動。ゴーストの斬撃に忍者刀眼魔は怯み、ディメンションボルケーノによって忍者刀眼魔は焼き尽くされて消滅した。
{オヤスミー}
雅とタケルは変身を解除する。
「あなたは?」
「紹介が遅れました。僕は凪風雅、別の世界から来ました。」
雅はアカリに自己紹介をする。
「別の世界から?信じられないわね。」
「おや、科学者ともあろうあなたが多次元世界論の研究どころか存在の否定から入るとは。」
「うっ、それは…」
「話を脱線させて済みません。それで、僕が来た理由ですが、僕の使命は世界の運命を守護すること。僕が来ないままでは、天空寺さんは眼魂を揃えて自身の命を優先し、カノンさんは眼魂のまま、マコトさんと和解することも出来ず、眼魔の驚異にさらされてこの世界は崩壊してしまう未来が待っていました。」
「でも、それがなくなったってことは…」
「アカリ、御成、ごめん!やっぱり俺、カノンちゃんを助けたい。どれだけ頑張っても、やっぱり自分の命を優先出来ない!だから」
アカリの言葉にタケルは自分の意見を述べる。すると、
「解っているわよ。だって、その方がタケルらしいじゃない!」
アカリはタケルの言葉を遮り、涙を拭いながら言う。
「そうですぞ。それも、タケル殿が先代に近づく一歩なのです。」
御成も励ますように言う。
「みんな、ありがとう!」
タケルが言うと、そこに仮面ライダースペクターに変身する深海マコトが現れる。
「マコト兄ちゃん!」
「タケル、お前の眼魂を渡してもらう。」
マコトはゴーストドライバーを出現させる。
「待ってくれマコト兄ちゃん!争う気はない。」
タケルはそう言うと、自身が持つ6つの眼魂を差し出す。しかしその時、轟音と共に巨大な地震が起き、一同が外へ出る。すると、そこには眼魔を利用して眼魂を集めていた男性、西園寺主税がいた。
「二人ともありがとう!私の為に、15の眼魂を集めてくれて!」
西園寺は印を結び、マコトが持つ全ての眼魂を引きよせる。
「西園寺、余計な真似を!来い、グンダリ!」
その光景を見ていた眼魔世界の軍人、ジャベルは巨大生物のグンダリを呼び出して眼魂を奪取しようとする。しかし、眼魂の力によって呼び出された3匹のグンダリは撃破されてしまい、願いを叶える紋章が出現する。
「おお、ついに!偉大なるグレートアイよ、私に、完全なる力を!」
西園寺は願いを叶えようとするが反応は無い。
「力を!私に力を!」
西園寺は願いを求めるが、それは叶わずに消滅してしまう。そして、突然タケルの体はその紋章に取り込まれてしまう。
「あれ、ここは?」
タケルは紋章の内部にある空間で目を覚ます。
「願いは、どうする?」
謎の声がタケルに話しかける。
「俺の願いはただ一つ!」
タケルは願いを言い、紋章から出てくる。
「タケル…」
マコトは呟く。
「マコト兄ちゃん!みんな!」
タケルはカノンを抱きかかえながら着地する。
「タケル…俺は…」
マコトは泣きながら言う。
「お兄ちゃん、タケル君はやっぱりタケル君だったんだよ!」
泣いているマコトをカノンは抱きしめる。
「見つけたぞ!我々の眼魂をよくも!」
{スペリオル!}
ジャベルは眼魔の眼魂の力で眼魔スペリオルに変身する。
「行こう、マコト兄ちゃん!」
「ああ!」
「及ばずながら、僕も助力します。」
{カイガン!オレ!}
{カイガン!スペクター!}
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「命、燃やすぜ!」
「俺の生き様、見せてやる!」
ゴースト、スペクター、ディロードは並び立ち、眼魔スペリオルと交戦する。そこに眼魂達は自らの意思でゴースト達の所にやって来る。
「行こう、ムサシ!」
{カイガン!ムサシ!決闘!ズバッと!大剣豪!}
{カイガン!ノブナガ!我の生き様!桶狭間!}
ゴーストはムサシ魂に、スペクターはノブナガ魂に変身する。
「行こう!」
「ああ!」
{ダイカイガン!ムサシ!オメガドライブ!}
{ダイカイガン!オメガスパーク!}
スペクターの絨毯爆撃とゴーストのエネルギーの刃に眼魔スペリオルは怯む。
「決めよう、マコト兄ちゃん、雅さん!」
{ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!}
「ああ!」
{ダイカイガン!スペクター!オメガドライブ!}
「はい!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ゴーストとスペクターは15の偉人のゴーストの力を受け、ディロードはクウガから鎧武までの14のライダーの力を受け、そのエネルギーを纏ったライダーキックを眼魔スペリオルに放ち、スペリオル眼魔眼魂は破壊され、ジャベルは撃破される。

「雅さん、手伝っていただき、ありがとうございます!」
「いいえ、大丈夫ですよ。それでは、こちらを使い切ってしまいます。」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER GHOST-】
雅はゴーストの世界のワールドホープを発動する。
『雅君、タケルの為に命をかけていただき、ありがとう。これでタケルもまた一歩、精進出来たはず。それに、雅君の戦いも、お終わりが見えたはずだ。』
それは、既に亡くなってしまったタケルの父、天空寺龍の遺していた言葉であった。
「父さん、ありがとう。」
「龍さん…」
「先代殿…」
タケル達は思いをはせる。
「それで、雅さんの方は?」
「これから仮面ライダードライブの世界に行かないと。あの世界もまた、多くの人の命が危機に瀕している。」
「わかった。仮面ライダーとして、お互い頑張りましょう!」
雅とタケルは最後に握手を交わし、雅は次元転送ポートと使って『仮面ライダードライブ』の世界へ向かった。

「いいか、こいつは12年前、お前の父を撃った銃だ。まさか親子共々、こいつのお世話になるとはな。これで泊進ノ介もお終い。つまり、お前の父親は犬死にだったのさ!」
仮面ライダードライブ、泊進ノ介は最低最悪の事態に直面していた。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
「泊進ノ介の死亡を確認しました。」
「人間は皆怪物になるのさ!」
「馬鹿な!彼女は私の毒で確かに!」
「仮面ライダーとロイミュード。どっちが勝つか、見届けさせてもらうぜ。」
次回『人の悪意はなぜ消えないのか』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーゴースト(ワールドホープ):ゴーストの世界のワールドホープ。天空寺龍の遺志を聞く。 

 

第15話『人の悪意はなぜ消えないのか』

「雅国家象徴、『仮面ライダードライブ』の世界に到着しましたか?」
「はい。」
「それで、実はもう一つ、世界の崩壊の危機に瀕している世界があるの。」
「どこですか?」
「それは『仮面ライダーアマゾンズ』の世界です。」
「アマゾンズの世界か…解りました。こちらの事件を解決し次第、すぐ向かいます。」
雅はリンディと連絡を取り、久留間運転免許試験場に向かう。

雅がリンディと会話をしている頃、仮面ライダードライブに変身する泊進ノ介は危機に瀕していた。
「仁良光秀!何のつもりだ!」
進ノ介が所属している『特殊状況下事件捜査課』、通称特状課の事務室に進ノ介がたどり着くと、この世界の怪人、ロイミュードと結託して仮面ライダー、ひいては泊進ノ介とその父親の名前を地に堕とそうと画策している悪徳刑事、仁良光秀がいた。
「よく来たな、泊進ノ介。今、丁度緊急ニュースをやっている。その情報を見るか?」
仁良は特状課のテレビをつける。
『緊急ニュースです。警視庁特殊状況下事件捜査課の刑事で仮面ライダードライブの泊進ノ介容疑者は現在、仁良光秀 警視庁捜査一課課長を人質にしてこの久留間運転免許試験場に立て籠もっております!』
「どうだ?今のお前は正義のヒーローではなくただの犯罪者だ!ぎゃはははは!」
仁良は大口開けて笑いながら言う。
「仁良光秀、あんたに刑事としての誇りは無いのか!」
進ノ介は仁良に話しかける。
「お前も父親と同じことを言うんだな。なら教えてやるよ!刑事としての誇りだ?正義感だ?そんなもの、端っからありましぇ~~~ん!」
仁良は進ノ介の言葉を馬鹿にするように答える。
「いいか?人間ってのはな、自分の欲望のためならな、いとも簡単に怪物になれるのさ!」
仁良は爆笑しながら言う。
「いいか?そしてお前はこれから俺に正当防衛で撃たれて終わる。刑事でありながら刑事を人質にした犯罪者としてな!」
仁良は進ノ介に銃口を向ける。
「ッン゙!?」
すると、進ノ介は笑いを堪えるような仕草をみせる。
「おいおい、どうした?」
「いや、後悔しているのさ。もし、次元を越えられるなら、あの時の俺を救ってやりたいってな。」
「それは残念だったな!」
仁良は構わず進ノ介を撃ち抜く。その音は外にいたニュースキャスターや野次馬達にも聞こえた。
「あばよ、泊進ノ介。」
仁良は立ち去る。そして、
「ここから出て行きましたよ。」
雅が倒れている進ノ介に言う。
「君は?」
「僕は凪風雅。別の世界から来ました、仮面ライダーディロードです。」
「それじゃあ、神様が言っていた仮面ライダーは君のことか。」
「神様?もしかして紘太さんのことですか?」
「えっ?神様ってそんな名前だったの!?さて、これで証拠は手に入った。」
進ノ介は立ち上がり、仁良は置いていった拳銃を袋に入れる。
「それではこちらも。」
雅はバインドで動きを止めた弾丸を袋に入れて進ノ介に渡す。
「それにしても、笑っている理由がバレたらどうするつもりだったんですか?」
「仕方ないだろ。あんなふざけた動画を送られたら。あれは笑う方が無理だって。」
「確かにそうですけど。とにかく、まずは証拠を固めましょう。こちらの方で、一連の会話は録音しておきました。」
「ありがとう。」
「それでは、外を出歩くと怪しまれます。僕の方でワープを行いますので、一緒に行きましょう。」
「ああ!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのカードを使い、進ノ介と共に科捜研に向かった。

「霧子、本願寺さん、みんな!?」
「泊さん、無事でよかった!」
「ありがとね、凪風君。」
進ノ介は集まっていた特状課のメンバーに驚き、進ノ介の相棒の詩島霧子は喜び、特状課の課長、本願寺純は雅に礼を言う。
「それで、なんでみんながここに?」
「実は、凪風君に進ノ介ちゃんのピンチを教えて貰ってね。あらかじめここで待機して進ノ介ちゃんに証拠を持ってきてもらう算段を立てていたの。」
「そうですか。では、早速これを渡してきます。」
進ノ介は研究員に証拠の拳銃と弾丸を渡してくる。
「いや、本当に助かったよ。」
「いえいえ。この世界の改竄を防ぐことが僕の使命ですから。」
「世界の改竄?何ですか?」
本願寺と雅の会話に霧子は疑問を持ち、雅に質問する。
「この世界は本来なら仁良とブレンロイミュードの策略を破ることが正しい歴史なのですが、どうも2019年になって、様々な仮面ライダーの歴史に歪みが生まれ、この世界では正しい歴史が改竄され、『泊刑事が仁良の弾丸によって銃殺され、ブレンロイミュードに仮面ライダーマッハとチェイサーが敗れる』という歴史になってしまう危機に瀕していました。ですが、これで第一の危機は去りました。後はブレンを倒せば、問題は解決します。」
雅は説明をする。
「なるほどね。あなた、多次元世界から来た仮面ライダーなのね。」
雅の説明を聞き、特状課の研究員、沢神りんなが興味を示す。
「はい、僕の世界は現在複数の世界の文化が融合した独自の世界で、僕はそこで国家象徴をやらせてもらっています。」
雅はりんなに説明をする。
「教えてくれてありがとう。とにかく、もうそろそろ結果が出ると思うわ。」
雅とりんなは話を終わらせ、12年前に起きた泊英介殺害事件の銃弾と進ノ介を撃った銃弾の一致を確認すると、雅と特状課は警視庁へ向かった。

その頃、警視庁ではブレンロイミュードが擬態した姿であるエンジニア、能見壮が仁良と共に会見を開いていた。
「この度は、大変残念なお知らせがあります。まずは、仮面ライダードライブこと泊進ノ介が少女一人を誘拐し、私を人質にして立て籠もりを起こした事件につきまして、同じ刑事として、大変残念に思います。」
仁良は泣きながら言う。
「泊進ノ介は、私を人質にし、機械生命体ロイミュードと共謀し、人々を恐怖に陥れようとしていました。私は人質となり、度重なる説得を試みましたが、彼は最後まで抵抗し、あろうことは私に銃口を向けました!そして、私は咄嗟に彼の腕を狙いましたが犯人は動き、心臓を貫いて、亡くなりました。惜しむらくは、あのような極悪犯を逮捕させ、罪を償わせることができなかったことです。」
仁良は更に泣きながら言う。
「それで、犯人が誘拐していた少女は?」
ジャーナリストの一人が質問をする。
「その少女は、犯人によって毒殺されておりました。」
能見は答える。すると、
「そいつは大嘘だな!」
そこに進ノ介と雅、更に特状課の一同と仮面ライダーマッハに変身する詩島剛、仮面ライダーチェイサーに変身する正義のロイミュード、チェイスが現れる。
「泊進ノ介だ!?」
ジャーナリスト達は驚く。
「馬鹿な!お前は確かに殺したはず!?」
仁良は思わず口走る。
「こら、言ってはダメでしょう。」
能見は呆れるように言う。
「仁良光秀、俺はあの時言ったはずだ。次元を越えられたらと。それに気づいてくれたディメンションキャブが俺の心臓に飛んでくる銃弾を別の場所に飛ばした!」
「そして、その弾丸は僕は受け止め、すぐに診断してもらった。あなたが言ったように、確かにこれは12年前に泊刑事の父親を銃殺したものと同じもので、使われた拳銃にはしっかりとあなたの指紋がついていました。それ以外にも、特状課での会話は録音させてもらっている!」
進ノ介の言葉に雅は付け足し、レコーダーを起動させる。
『仁良光秀、あんたに刑事としての誇りは無いのか!』
『お前も父親と同じことを言うんだな。なら教えてやるよ!刑事としての誇りだ?正義感だ?そんなもの、端っからありましぇ~~~ん!』
『いいか?人間ってのはな、自分の欲望のためならな、いとも簡単に怪物になれるのさ!』
『いいか?そしてお前はこれから俺に正当防衛で撃たれて終わる。刑事でありながら刑事を人質にした犯罪者としてな!』
雅はレコーダーの音声を流し終える。
「録音されていたとは!?」
仁良は驚く。
「だが、お前達が連れて言った少女はどうした!見殺しにしたと言うのですか!」
能見は言う。すると、
「私は無事です!」
ブレンロイミュードによって毒を注入されていた少女、ゆかりが現れる。
「馬鹿な!彼女は私の毒で死んだはず!?」
「お前も言うなよ。」
今度は能見が驚いて口走り、仁良が呆れるように言う。
「あのタイミングでこんな映像を見せられれば誰だって笑いを堪えるのは大変だよ。おかげで誤魔化すのに時間がかかった。」
進ノ介は仁良との会話の時に見えていた映像を再生する。そこには剛とチェイス、そしてゆかりが満面の笑みで手を振りながら様々なテロップが流れていた。
「更に言えば、そこに言う能見壮という男の正体はロイミュードの幹部、ブレン!仁良光秀と共謀した目的は仮面ライダーの信用を貶める為だ!」
進ノ介はジャーナリスト達の前で能見の正体を暴露する。
「どうする、ブレン?」
「仕方がない。融合しますよ!」
能見はロイミュードの肉体を形成するバイラルコアを取り出し、赤いバイラルコアを仁良に渡して融合し、仁良はブレンロイミュードに変身する。
「うわー!出た!」
ジャーナリスト達は驚く。
「くらいなさい!」
ブレンロイミュードは毒を放つ。しかし、
「サークルバリア!」
雅はジャーナリスト達の前に立ち、バリアを展開してその毒を防ぐ。
「皆さん、逃げてください!」
雅はジャーナリスト達を避難させる。
「仁良光秀、それにブレン!お前達はここで決着を着けさせてもらう!剛、チェイス、それから雅君!行くぞ!」
「オッケー!」
「平和を守る達に戦うことが、俺達仮面ライダーの使命だ。」
「助力させていただきます!」
《行こう!Start your engine!》
ドライブドライバーの人工知能、クリムは気合いを込めて言う。
《シグナルバイク!シフトカー!》
《シグナルバイク!》
剛をチェイスはマッハドライバー炎に変身用のアイテムをセットする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
“(レッツ)変身!”
《ドラァイブ!タ~イプトライドロン!》
進ノ介は仮面ライダードライブ タイプトライドロンに、剛は仮面ライダーデッドヒートマッハに、チェイスは仮面ライダーチェイサーに、雅はディロードに変身する。
「ひとっ走り付き合えよ!」
ドライブ達とブレンロイミュードを掴んで外に出る。
「まさか私の策を突破するとは!だが、これならどうです!」
ブレンロイミュードは仁良を排出し、超進化体も進化する。
「ブレン、何のつもりだ!」
「あなたは私が超進化する為のいい手駒でした。ですが、もう用済みです!」
ブレンロイミュードは笑いながら毒の触手を放つ。
「ブレン!お前の魂胆は読めていた!だから俺は既に別のロイミュードと契約していた!」
仁良は別の赤いバイラルコアを使い、ロイミュード041と融合し、シーフロイミュードに変身する。
「馬鹿な!?」
ブレンロイミュードは驚く。
「泊刑事、あちらは僕に任せて下さい!」
ディロードはブレンロイミュードとの戦闘から外れ、シーフロイミュードと1対1に持ち込む。
「あっちは任せよう!俺達はブレンをやるぞ!」
ドライブ達は引き続きブレンロイミュードと戦闘を行う。
「おのれ、仮面ライダーめ!」
シーフロイミュードはがむしゃらに攻撃をするが、ディロードは華麗に避ける。
「久しぶりに使うか。」
【ATTACK RIDE-SONIC-】
【FORM RIDE-DELOAD SONIC-】
ディロードはロードスラスターにソニックをスキャンして、ディロード ソニックフォームに変身し、高速移動でシーフロイミュードを翻弄しながらロードスラスターで切り裂く。
「これで決める!」
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
ディロードは二丁のロードスラスターをバルディッシュアサルトに変える。
「ハーケンスライサー デュアルインパクト!」
ディロードは二つのバルディッシュから魔力の刃を放ち、シーフロイミュードを攻撃する。
「ぐぁっ!」
シーフロイミュードは怯む。
「これで終わりだ!疾風迅雷、スプライトザンバー!撃ち抜け、雷神!ジェットザンバー!」
ディロードはバルディッシュからそれぞれ斬撃を放ち、ロイミュード041のコアを破壊してシーフロイミュードを撃破し、仁良は無傷のまま倒れる。
「向こうは片付いたみたいだ。こっちも決めるぞ!」
《ヒッサ~ツ!フルスロットル!トライドロン!》
「オッケー!」
《ヒッサツ!バースト!フルスロットル!デッドヒート!》
「ああ!」
《ヒッサツ!フルスロットル!チェイサー!》
ドライブ達はジャンプし、ドライブのトライドロップ、デッドヒートマッハのキックヒートマッハー、チェイサーのチェイサーエンドによるトリプルライダーキックが放たれる。
「馬鹿め!これならどうですか!」
ブレンロイミュードは無数の毒の触手で攻撃するが、
「今だ!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER DRIVE-】
雅はドライブの世界のワールドホープを発動し、ドライブ達のキックはブレンロイミュードの毒を押し切り、ブレンロイミュードにそれぞれのキックが炸裂し、ブレンロイミュードは爆散。肉体を失い、コアだけになり泣きながら逃げて行った。
《オツカーレ…》
《Nice drive.》
進ノ介達は変身を解除し、仁良の所へ向かう。
「仁良光秀、15時32分、殺人容疑で逮捕!」
進ノ介は仁良に手錠をかける。
「仮面ライダーとロイミュード。どちらが勝つか、この目で見させてもらうぜ!ひっひっひっ!」
仁良は笑いながら言い残し、現場にいた警官達に連れられて行く。
「泊刑事、お仕事お疲れ様です。」
雅は言う。
「雅君は、これからどうするの?」
「そうですね。この世界の危機は去りましたので、すぐに別の世界に向かわないと行けません。」
「そうなると、俺達とはお別れか。」
剛は残念そうに言う。
「ですが、仮面ライダーの絆は不滅です。」
「絆は…不滅?」
チェイスは疑問を浮かべながら言う。
「はい。絆は、心がある限り、決して無くなることがありません。」
雅はチェイスに説明する。
「なるほど、俺と雅にも絆があるのか。」
チェイスは感心する。
「それでは、僕はそろそろ行きますので。」
雅は右手を出す。
「ああ、頑張れよ!」
進ノ介は雅と握手を交わす。
「んじゃ、俺も!」
剛も雅と握手をする。
「こういう時は、握手を交わすのが、人間のルールか。」
チェイスも雅と握手を交わす。
「それでは。お元気で。」
雅は一礼をして次元転送ポートを使って『仮面ライダーアマゾンズ』の世界に向かう。

「ここがアマゾンズの世界か…」
ドライブのソウルライドの発動を確認した雅は辺り一面に漂ってくる陰鬱な気配を感じ、身構える。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
「俺は、イユと一緒に生きていたい!」
「溶源性細胞は危険だ。」
「マモルは、俺達の所に戻ってきたんだ!」
「ア~マ~ゾ~ン!」
「この世界は、どうやって救えばいいんだ!?」
次回『Zone of lost hope』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダードライブ(ワールドホープ):ドライブの世界のワールドホープ。熱き心でブレンの毒を退ける。 

 

episode16『Zone of lost hope』

「ここが、アマゾンズの世界か…」
雅は陰鬱な空気を感じ、身構える。この『仮面ライダーアマゾンズ』の世界には、アマゾンと呼ばれる生物種が存在する。アマゾン達は様々なパターンがあるが、種族に共通している部分は人間のタンパク質を好んで捕食しようとする本能があることであり、それに抗うアマゾンも中には存在する。アマゾン達の種族は大きく分けて5種類あり、一つは最初に作り出された、アマゾン細胞を培養して生み出された純度100%のアマゾン細胞生命体。彼らは7年前に生み出され、その際に研究施設を脱走し、4,000体が人間社会に潜り込む。しかし、現在は殆どが駆除され、現在生存が確認されている唯一の個体は、かつてアマゾン狩りを行っていた駆除班の元メンバー、コードネームMのみとなっている。2種類目は、アマゾン細胞の研究を行っていた科学者、鷹山仁が自身の肉体にアマゾン細胞を注入して誕生した後天性のアマゾン。アマゾン細胞生命体と異なり、ベルト、アマゾンズドライバーを使って本能を抑止することができ、仁はアマゾンズドライバーを使って仮面ライダーアマゾンアルファに変身し、アマゾン達を根絶させる為に戦う。3種類目は、アマゾン細胞研究の責任者、水澤令華がアマゾン細胞に自身の細胞を配合させて生み出された培養生物、水澤遥。遥は長い間、薬物でアマゾン細胞の本能を抑制していたが、薬物の摂取を拒んだことでアマゾン細胞の本能に目覚めてしまうが、仁との出会いによって、仁の協力者である泉七羽からアマゾンズドライバーを受け取り、仮面ライダーアマゾンオメガになり、最初は自分が守りたいものを守る為に戦っていたが、現在は人から離れ、アマゾン細胞生命体達を守っていた。しかし、新しく生まれた新種のアマゾンの危険性を考え、再び仲間達と手を組む。新しく生まれた4種類目のアマゾンは、仁と七羽との間に生まれた子供、千翼(ちひろ)。彼はアマゾンと人間のハーフである為、人間が持つアマゾンの弱点が効かず、アマゾンの持つ食人衝動を持つ危険な存在となってしまう。そして、一番新しいアマゾンが溶源性アマゾン。仁と子供を作ったことでアマゾン細胞に感染した七羽の肉体の一部が用水路に投げ込まれたことで、アマゾン細胞を含んだ飲み水が出回り、それを飲んだ人々がアマゾンに変貌した姿が溶源性である。この溶源性アマゾンは千翼と七羽がオリジナルであるため、人類はこの二人の駆除を最優先とする。
「おっと、早速来たか。」
雅が散策していると、クワガタアマゾン、ヒョウアマゾンが現れる。
「いきなり2体か。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「ここは、一気に片付けるか。」
【SUMMON RIDE-YAGAMI HAYATE-】
【ATTACK RIDE-UNISON-】
「ユニゾン、イン!」
【FORM RIDE-DELOAD SAINT SNOW RAIN-】
ディロードははやてを召喚して、ユニゾンを使いディロード セイントスノーレインに変身する。
「はやて、奴らの肉体が残れば、どんな形で利用されるか解ったものではない。跡形も無く消し去るぞ。」
『解った!』
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「『響け終焉の笛、ラグナロク!』」
ディロードは迫ってくるアマゾン達を広域砲撃で消し去る。
「ありがとう、はやて。」
雅は変身を解除して仁に接触を図るために行動を開始した。

「イユ、今俺がどうにかするからな。」
その頃、千翼はアマゾン細胞を使った生体兵器、通称シグマシステムに改造された少女、イユと共に自身の研究を行っていた組織、4Cに向かっていた。
「千翼、私はいいから、あなただけでも。」
イユは千翼に言う。しかし、
「嫌だ!俺は、イユと一緒に、この世界で生きていたいんだ!イユのいない世界なんかで、生きていたくない!」
千翼はバイク、ジャングレイダーを走らせて4Cの本部にたどり着く。

千翼が4Cに向かっている頃、雅は仁と出会っていた。
「なるほどな。アマゾン狩りに協力するって話か。」
「はい。鷹山さんは、僕がアマゾンではないことはわかりますね。」
「ああ、お前からはアマゾンの匂いも、気配も感じられない。間違い無く人間だな。」
仁は現在、視力を失い、嗅覚と気配を頼りに動いている。
「それで、アマゾンになってしまった七羽さんをどうしますか?」
「どうするも何も、アマゾンになった以上、この手でやるしかないな。」
雅と仁は浜辺を歩きながら話している。すると、そこに七羽が変異した姿であるクラゲアマゾンが現れる。
「ははっ。いやあ、初めて、目が見えなくてよかったと思えた。見たく無いからな!」
仁はニヤつきながら言う。しかし、
「だけど、匂いは解る!」
泣きながらそう言い、アマゾンズドライバーを装着し、グリップをひねる。
〔アルファ…〕
「ア~マ~ゾ~ン!」
〔wild!wi wi wild!〕
仁はアマゾンアルファに変身する。
「僕も行きます!」
【CHANGE RIDE-IXA BELT-】
雅はディロードライバーをイクサベルトに変える。
[レ ディ イ? フィ スト オ ン]
「変身!」
雅は仮面ライダーイクサに変身し、
[ラ イ ジ ン グ]
イクサライザーを起動させてライジングイクサに変身する。
「行くぞ!」
アマゾンアルファとライジングイクサはクラゲアマゾンに向かって行く。すると、そこにかつてアマゾン狩りを行っていた駆除班がコードネームM、通称マモルの真の姿であるモグラアマゾンと交戦しながらやってくる。
「お前ら、俺と一緒にアマゾンと戦っている奴の邪魔はするな!」
事情が解らない駆除班のメンバーにアマゾンアルファは言う。
「解った!お前ら、鷹山と協力者の援護を行うぞ!」
駆除班のリーダー、志藤が指示を出し、それぞれクラゲアマゾンへの射撃とモグラアマゾンの抑止を行う。
「マモル、あの時は呼び止めもせず、駆除もせず、ただ現実から目を背けて悪かった!」
「何の解決も行おうとしないで、逃げて先送りにして、それがこんな結果になったんだ!」
「だから駆除をするとしてもしないとしても、今度はちゃんと、向き合うから!」
駆除班達はモグラアマゾンに話しながらモグラアマゾンを押さえ込む。
「だったらなんで、それを5年前に言ってくれなかったの!」
モグラアマゾンは激怒しながらそれを振り払う。
「だめだ、攻撃が吸収される。」
ライジングイクサはイクサライザーとイクサカリバー ガンモードでクラゲアマゾンを射撃するが、弾力性の高い体によって衝撃は吸収されてしまい、クラゲアマゾンは触手を使ってアマゾンアルファとライジングイクサを攻撃する。
「フク、圧裂弾を使え!」
「だけど…」
志藤は警官時代からの仲間である福田にアマゾン細胞を完全に撃破する弾を使うように指示を出す。しかし、福田はそれに戸惑う。
「対象はマモルじゃない!オリジナルだ!」
「解った!」
それに対してクラゲアマゾンを狙うように志藤はいい、福田は圧裂弾をセットし、それを放つ。
「あれは!」
放たれた圧裂弾を見たモグラアマゾンはそこに飛び込み、腕でそれを弾くが、圧裂弾はそのままクラゲアマゾンにも当たる。
「マモル!」
駆除班達はモグラアマゾンの行動に驚く。
「これで…よかったんだ…」
モグラアマゾンは圧裂弾の薬剤によって爆散し、クラゲアマゾンもその影響を受ける。
『七羽さん!?』
クラゲアマゾンはアマゾンアルファに幻想を見せる。
『仁、あの子をお願いね。』
『やっぱり、七羽さんは七羽さんだ。俺の天使だ。』
仁はにこやかに言う。そして、
『行って、仁。』
クラゲアマゾンはアマゾンアルファを突き飛ばし、圧裂弾の力によって爆散する。そして、その煙が晴れると駆除班達はモグラアマゾンのいた場所に行き、
「マモルは、俺達のところに帰ってきたんだ。」
モグラアマゾンがかつて駆除班に作った5円玉のペンダントを志藤は広いあげ、
「マモルの駆除を確認しました。これで、4,000体の実験体全ての駆除が完了しました。」
志藤は令華に連絡をした。

アマゾンアルファとライジングイクサが戦闘を行っている頃、4Cでは遥の変身するアマゾンニューオメガと千翼が変身するアマゾンネオは交戦していた。
「俺は速くイユを助けないといけないんだ!」
「イユはもう死んでいる。速く眠らせてあげよう!」
アマゾンネオとアマゾンニューオメガの戦闘は互いの肉弾戦での戦闘経験の差から、アマゾンネオの方が不利になるが、
「俺がイユを…守るんだ!」
アマゾンネオはその装甲を破り、アマゾンネオ素体に変貌し、再びアマゾンネオに変身することで装甲の完全回復を行う。
「ちっ、仕方がねぇ。総員、オリジナルの駆除を優先しろ!」
4Cの1実働班の隊長、黒崎は隊員に援護射撃をさせて、アマゾンネオは怯む。
〔ニューオメガ・ソード〕
アマゾンニューオメガはその隙に生体武装の剣を装備してアマゾンネオを切り裂き、アマゾンネオは変身が解除され、千翼は地面に転がる。
「俺はなんとかしないと、イユは!」
千翼は必死に地面を這いながら4Cの入り口に向かうが、黒崎隊からの銃撃についに倒れる。すると、そこに千翼の友人である長瀬裕樹がやってくる。
「もう充分だろ!千翼達だって必死に生きているんだ!だからもういいだろ!千翼、逃げろ!」
裕樹は千翼を撃たせんと前に立ち、4C達から千翼を庇う。そして、千翼はイユを連れて逃げ出す。
「美月、千翼は任せてもらえないかな。終わったら必ず、戻ってくるから。」
遥は変身を解除し、自身の義妹とある美月に自身の駆除を頼んで千翼を追いかける。

「恐らく、千翼が今逃げています。」
「あいつの行く場所なら解る。俺が責任もって狩る。」
「それですが、協力してもよいですか?」
「構わない。どうせあいつも来ているだろうし。」
「あいつ?」
「水澤遥、アマゾンオメガ。お前も俺達のことを調べていたなら知っているだろう?」
「もちろん。ですが、遥さんと今更共闘できますか?」
「できるかじゃない。やるしかないんだ。あいつだって解っているはずだ。」
「なら、千翼の向かう場所に行きましょう。」
雅と仁は話し、雅は仁と共にワープのアタックライド使って千翼の隠れ家に向かった。

「イユ、大丈夫?」
既に体が融解しかけているイユに聞く。
「♪やぁがてぇ、星がふる 星がふる」
イユはどこか上の空で歌いながら石と砂で遊び始める。
「そうだね。一緒に遊ぼうか。」
千翼もイユと遊び始める。それは短くも長いように時は流れる。そして、イユは倒れて、遥と仁、そして雅が現れる。
「千翼、生きていたい気持ちは解る。だけど、やっぱり溶源性細胞は危険だ。」
「千翼、七羽さんが、母さんがあんな風になったのは、こんな惨劇を引き起こしたのは、全部俺の責任だ。だから、俺の手で後始末をつける。」
「世界のルールを守るため、倒されてください。」
雅と遥はアイコンタクトで意思疎通をし、協力の姿勢を示す。
「それでも、俺はイユと一緒に生きていたいんだ!」
〔ニュー・オ・メ・ガ…〕
〔アルファ…〕
〔ネ・オ…〕
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「「「アマゾン!」」」
「変身!」
遥はアマゾンニューオメガに、仁はアマゾンアルファに、千翼はアマゾンネオに、雅はディロードに変身して交戦する。
〔needle loading〕
アマゾンネオは右腕にアマゾンネオニードルを装備する。
〔sword loading〕
対するアマゾンニューオメガもニューオメガソードを展開する。
「こちらも援護いたします!」
【ATTACK RIDE-RAISING HEART EXELION-】
ディロードはレイジングハートエクセリオンのカードをロードスラスターに使う。
【FORM RIDE-DELOAD STAR LIGHT-】
ディロードはスターライトフォームに変身し、アクセルシューターを放ってアマゾンネオを攻撃する。しかし、
「ゥワアァァァッ!」
アマゾンネオは素体に変貌して触手を使ってアクセルシューターを破壊し、再びアマゾンネオに変身する。
「邪魔しないでくれ!」
アマゾンネオはアマゾンネオニードルをディロードに放つが、ディロードはそれをラウンドシールドで防ぐ。
「別に邪魔していないだろ!」
アマゾンアルファはアームカッターでアマゾンネオを攻撃するが、アマゾンネオはそれを受け止め、アマゾンアルファの腕を掴んでアマゾンニューオメガにぶつけ合わせる。
「ディバインバスター!」
ディロードはレイジングハートから砲撃魔法を放ち、アマゾンネオにダメージを与える。
「だから、邪魔だ!」
アマゾンネオは再び素体に変貌し、無数の触手を展開してディロードとアマゾンアルファ、ニューオメガを攻撃する。
「千翼はそれで満足なの!?」
アマゾンニューオメガはその触手をニューオメガソードで切り裂き、攻撃を防ぐ。
「レストリクトロック!」
ディロードは拘束魔法を使って触手の動きを止め、
「アクセルシューター!」
弾魔法で触手を破壊する。
「父さんも、あんた達も!どうして俺が生きるのを邪魔する!」
素体は再びアマゾンネオに変身してアマゾンネオブレードを展開し、アマゾンニューオメガに斬りかかる。
「生きていたい気持ちはみんな同じだ!だけど、僕達にも守りたいものがある!」
「俺にはやらなきゃいけない使命がある!」
「世界の歪みは正さないといけない!」
ディロードはアマゾンネオを拘束魔法で捕らえる。
「行くぞ、遥!」
「仁さん!」
〔バイオレントスラッシュ!〕
アマゾンアルファとアマゾンニューオメガは必殺技を発動し、アマゾンアルファは相手を切り裂くバイオレントスラッシュを放ち、アマゾンニューオメガは必殺キックのアマゾンストライクを放ち、アマゾンネオは怯む。そして、アマゾンネオが立ち上がると、イユの肉体は限界値を超え、融解して粘液質の物質に形を変えて消滅してしまう。
「イユぅぅぅっ!?」
アマゾンネオは泣き崩れる。
「今だ!これで終わらせる!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードはファイナルアタックライドをスキャンする。
[A.C.S drive!]
「エクセリオンバスター!フォースバースト・ゼロ!」
ディロードはエクセリオンバスターのゼロ距離砲撃を放ち、アマゾンネオを撃破し、アマゾンネオがいた場所にはネオアマゾンズドライバーが落ちていた。
「これで、オリジナルの撃破は確認できました。」
雅はそう言ってアマゾンズの世界のワールドホープを発動させる。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER AMAZONS-】
しかし、発動したが何も起きない。
「それじゃあ、僕は美月の所に戻るから。」
遥はそう言って去る。
「結局、俺は死ねなかったか。七羽さん!」
仁も叫びながら去る。
「それでは、僕も戻ります。」
雅は次元転送ポートを使って、次元保護国に帰還した。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
「仮面ライダーの世界の異変の余波が起きていたとは。」「凪風雅、行きます。」
「ノイズでは…無い!?」
「たった一度の敗北で許されると思って?」
「アルカノイズ!何するものぞ、シンフォギア!」
次回『奇跡への反逆』 
 

 
後書き
新カード紹介
イクサベルト:ディロードライバーをイクサベルトに変えて、仮面ライダーイクサに変身するためのカード。
仮面ライダーアマゾンズ(ワールドホープ):アマゾンズの世界のワールドホープのカード。しかし、この世界に希望は存在しない。 

 

EPISODE17『奇跡への反逆』

一人の男性が十字架に貼り付けられている。
「パパ!?」
一人の少女が叫ぶ。
「キャロル、もっと世界を知りなさい。」
男性は微笑む。そして、男性は炎の中に消えて行く。
「パパぁぁぁっ!?」
キャロルと呼ばれた少女は泣き叫ぶ。そして…
「…はっ!………夢か…」
キャロルは目を覚ます。
「あらあら?随分と寝汗が酷いようですね、マスター。そんなに汗まみれですと、風邪を引いちゃいますよ?あっと、ホムンクルスなら風邪は引きませんね。ガリィ勘違い☆」
青を基調とするゴスロリ系衣装に身を包む機械人形、自動人形(オートスコアラー)のガリィは煽るように言う。
「相変わらず鬱陶しいぞ、ガリィ。」
「おやおや。これは心外です。まあ、マスターのその汗を集めれば、案外欲しがる物好きが集まってぇ、思い出の回収も捗るかもって、思ったりしていてぇ?」
「ガリィ、どうしてお前はそうも性根が腐っているのだ?」
「お忘れですかマスター?私達の感情はマスターの思考を基準に作られていますぅ。だからぁ、ガリィの性根は、マスターの考えと同じなんですぅ。っていうことはぁ、マスターは自分の寝汗に価値があると思ったり?」
「する訳無いだろう!いいからさっさと思い出を集めてこい!」
「はぁ~い!ガリィ、行ってきまーす。」
ガリィはキャロルのいる広間から出て行く。

「凪風雅、ただいま戻ってきました。」
雅は次元転送ポートを通り抜け、警察庁管理のアースラに帰還する。
「お帰りなさい。それで立て続けで申し訳ありませんが、こちらをご覧にいただけますか?」
リンディは雅に挨拶をすると、ある映像を観せる。
「これは、この世界と接点の無い『戦姫絶唱シンフォギアGX』ですか?」
「はい。それで、問題はここからなのですが。」
リンディは映像を飛ばしてあるシーン、観せる。
「♪燃えろ!G-beat!激しく!限界なんて いらないッ!知らないッ!絶対ッ!繋ぎ離さない!」
主人公である立花響は撃槍 ガングニールを纏い、その拳でキャロルを倒し、キャロルの肉体は崩壊する。
「あれ?」
雅はその光景を疑問に思う。
「確か、この時はイグナイトモジュールを起動させていたはず…」
「はい。このように別の世界に新しく歪みが生まれていまして。」
「仮面ライダーの世界の異変の余波が起きていたとは。」
「私達も予測出来なかったわ。」
「つまり、ここに行く事が、僕の次の使命ですね。」
「身勝手なことを言ってしまい、申し訳ありませんね。」
「いえ、大丈夫です。」
雅は次元転送ポートに乗る。
「それでは、凪風雅、行きます!」
雅は『戦姫絶唱シンフォギアGX』の世界に向かう。

「ファラ、レイア、お前達も行け。」
キャロルの指示を受け、ファラとレイアの2体の自動人形(オートスコアラー)も起動し、行動を開始する。
「さて、オレもそろそろ始めるか。」
キャロルは立ち上がる。すると、そこに雅が現れる。
「何者だ?」
「そうだな、協力者、とでも言っておくか。」
キャロルの質問に雅は答える。
「協力者?何が目的か答えてみろ。答えによっては命までは奪わぬ。」
キャロルは疑いの姿勢を崩さない。
「僕は魔導師、と言っても魔導科学と呼ばれるものを基準としていてね。人々の記憶を自身のエネルギーへと変換し、現代科学の限界を超えた力を発揮するディーンハイム式錬金術。そして、自然のエネルギーを自身の核を結合させて様々な現象を発揮する魔導科学。これら二つが協力すれば、万象黙示録の完遂の難度は低下する。と思いませんか?」
雅はキャロルに共闘の意を示す。しかし、
「魔導だと?ふざけるな!オレは奇跡の殺戮者、魔法などオレが跡形もなく破壊する!」
キャロルは『火』の元素を用いた錬金術によって業火の火柱で雅を攻撃する。しかし、
「仕方がない。こうなれば!」
【CHANGE RIDE-WIZARDRIVER-】
「変身!」
“ウォーター!ドラゴン…”
雅は仮面ライダーウィザード ウォータードラゴンに変身し、
“チョーイイネ!ブリザード!サイコー!”
極低音の氷で炎と消し去る。
「ふんっ、どうやら奇跡とかでは無いようだな。」
キャロルは戦闘体勢を解く。
「どうです?味方につけておく方が有意義だと思いませんか?」
「そうだな。だが、お前の目的は万象黙示録の完遂以外にもあるな?言ってみろ。」
「そうだな。キャロルは万象黙示録の完遂の為、いずれ意図的にシンフォギアの装者達に敗れる。」
「ふっ。奴らに話していないことまで見通しているか。それがどうした。」
「もしそれが叶わなかったら?」
「つまりお前は、オレが奴らに倒される為に来たといいたいのか?」
「ドヴェルグ=ダインの負の遺産。それが鍵となってこのチフォージュ・シャトーは真価を発揮する。」
「そこまでお見通しか。」
「だが、このままでは君はダインスレイフの力を使われずに敗れる。そうなれば、この世界は崩れ落ちる。それを防ぐ為には、君に万象黙示録の完遂をしてもらう必要がある。」
「何を言っている?世界はオレがバラすのだぞ。」
「バラされた世界を直すことくらい、僕には簡単さ。」
「なるほどな。気に入った。レイアの所へ行け。エルフナインを上手く逃がせ。」
「了解しました。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのカードを使って移動した。

その頃、イギリスでは絶刀・天羽々斬の装者、風鳴翼はキャロルの放った刺客、“風”のオートスコアラー、ファラ・ユーフスの襲撃を受けていた。
「どうしたのかしら?早く歌ったら?」
ファラはその大剣を使って翼を切り裂こうとするが翼は軽々と避ける。すると、
「翼、乗りなさい!」
かつて、響とは異なるもう一つのガングニール、烈槍・ガングニールの装者であった現在の翼のパートナー、マリア・カデンツァヴナ・イヴが車でファラを轢き飛ばし、翼はその隙にマリアの車に乗って撤退する。
「あらあら、今度は鬼ごっこかしら?」
ファラはすぐに立ち上がり走りだす。

装者を標的にした事件は日本でも起きていた。
「ちくしょぅ!なんだよこの火災は!」
魔弓・イチイバルの装者、雪音クリスは湾岸部で燃える一面に見て驚愕する。
「チッ、こうなったら!」
クリスは赤い結晶のついたペンダントを制服から出す。
「♪Killter Ichaival tron」
クリスはイチイバルを起動させ、アームドギアを纏う。すると、
「あの、あなたは!」
クリスの所になんとも言えない衣装を纏った、キャロルと瓜二つの顔立ちの少女がやってくる。
「えっ!?えぇと…私は怪傑☆うたずきん!お嬢ちゃん、危ないよ!」
クリスは咄嗟に誤魔化そうとする。しかし、
「大丈夫です、イチイバルの装者、雪音クリスさん。僕はエルフナイン。このドヴェルグ=ダインの遺産を皆さんの所へ届けることが目的です!」
エルフナインと名乗る少女はクリスに説明する。すると、どこからか、一枚のコインがクリスの足元に放たれる。
「下がっていろ!何者だ!」
クリスはエルフナインを物陰に隠れさせてコインが飛んできた方を向く。そこには派手なポーズをとる女性がいた。
「ワタシに地味は似合わない…」
その女性、“土”のオートスコアラー、レイア・ダラーヒムはコインを連続で射出する。
「なるほどな。あんたらがそいつを狙っていることは解った。」
クリスはイチイバルをショットガンに変えてコインを撃ち落とす。すると、
「おやおや、なかなか手を焼いているみたいですね。」
そこに雅が現れる。
「お前は何者だ?」
「君のマスターの支援者。今回はレイアに助力しろと命を受けてきた。ドヴェルグ=ダインの遺産の回収、それを円滑に行う為にも。」
雅は仮面ライダーG4のライダーカードを取り出し、ディロードライバーにスキャンする。
【KAMEN RIDE-G4-】
雅はディロードG4にカメンライドする。
「行くぞ、シンフォギアの装者。」
ディロードG4はGM-01を使ってクリスを射撃する。
「なんだなんだ!後からぞろぞろ出やがって!」
クリスはイチイバルをガトリングに変えてディロードG4の放った弾を撃ち落とし、ディロードG4にダメージを与える。

その頃、イギリスでファラから逃走していた翼達はファラに先回りされていた。
「これでどうかしら?」
ファラはその大剣でマリアの運転する車を真っ二つに切り裂き、二人は飛び降りる。そして、
「マリア、ここは任せてもらえないか?」
翼はペンダントを取り出す。
「♪Imyuteus amenohabakiri tron」
翼は天羽々斬を起動させる。
「♪邪鬼の 遠吠えの 残音が 月下に呻き狂う 今宵 の我が牙の 切れ味に同情する」
翼は太刀を振り翳してファラを狙う。しかし、ファラはそれらを避け、テレポートジェムを地面に投げつけて自律兵器の一種であるノイズを呼び出す。

「これならどうだ?」
ディロードG4もテレポートジェムを投げつけてノイズを召喚する。
「へっ!今更ノイズかよ!」
クリスはガトリングでノイズ達を蹴散らす。

「♪其方 の戒名に 記す字を どう彫るか明示せよ 断末魔の 辞世の句は 嗚呼、是非も無し」
翼はカポエラの要領で敵を足に装備している刃で切り裂く逆羅刹を使ってノイズ達を切り倒してゆく。
「♪所詮はケモノと 変わらぬのか?錆に折れゆくのか?迷い惑い尽きぬ日々よ されど!今は!外道に哀の一閃をぉぉ!悪行即瞬殺…」

「ほらほら!さっきまでに威勢はどうした!」
クリスも次々とノイズを撃破してゆく。

「♪餓狼の光る牙は自らをも 壊し 滅す 諸刃のよう 歯軋りながら血を噴く事も 知り得て 尚も喰う」
翼は武士の如き太刀筋のノイズと戦闘になる。
「♪剣は剣としか呼べぬのか?違う!友は 翼と呼ぶ 我ぁが 名ぁは 夢を羽撃く者也!」
武士型のノイズは剣の太刀筋を見切り、その隙をかいくぐると、その刃の如き腕を天羽々斬のコンバータギアに突き刺す。

その頃、同じくクリスもディロードG4が放った武士型ノイズにイチイバルのコンバータギアを突き刺される。本来ノイズはそのような事をすればノイズの方が炭化して崩れる。しかし、天羽々斬とイチイバルのギアは確実に赤い塵と化して消えてゆく。
「ノイズだと、括ったたかが、そうさせる。」
レイアは言う。
「たった一度の敗北で許されると思って?」
ファラもにこやかに言う。
「ノイズでは…無い!?」
翼達の所属する組織『S.O.N.G.』のリーダーで翼の叔父、風鳴弦十郎は驚愕する。
「アルカ・ノイズ。何するものぞ、シンフォギア!」
そう、雅やファラが放ったものはかつて装者達が倒したノイズでは無く、錬金術によって構築された派生形、アルカ・ノイズであり、シンフォギアの優位性は失われる。
「さて、ドヴェルグ=ダインの遺産を回収するか。」
ディロードG4はギガントを取り出してクリスとエルフナインのいる建物を爆破しようとする。そして、
“イチイバルの装者、今は上手く逃げてください。”
雅はクリスに念話を行う。
「あんた、一体!?」
クリスは叫ぶ。そして、
「黙っていろ。」
ディロードG4はギガントのミサイルを全て放ち、建物を爆破した。
      仮面ライダーディロード
         奇跡への反逆

次回予告
砕かれた剣、撃ち抜かれた弓。敵が次に狙うものは、撃槍・ガングニール。次回『己の歌』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーG4:ディロードライバーにスキャンすることで、1分30秒の間ディロードG4にカメンライドするためのカード。 

 

EPISODE18『己の歌』

「ノイズだと、括ったたかが、そうさせる。」
「ノイズでは…ない!?」
「たった一度の敗北で許されると思って?」
「アルカ・ノイズ。何するものぞ、シンフォギア!」

「黙ってろ。」
ディロードG4はギガントからミサイルを放つ。そのミサイルはクリスの頭上の瓦礫を破壊し、それらはクリスとエルフナインに降る。
「間に合った!」
はずだった。
「きたのか。ガングニールの装者。」
ディロードG4はそう言うと、時間切れで変身が強制的に解除される。雅達の前には撃槍・ガングニールの装者にしてこの世界の主人公、立花響がいた。
「貴方達は何者ですか!?」
響は構える。
「レイア、ここは退こう。彼女を狙うのはもう少し後だ。ガリィとミカの仕事だからな。」
雅はレイアに伝える。
「了解した。ではここは退こう。」
レイアは転送の術を使い、雅はワープのアタックライドを使い、それぞれチフォージュ・シャトーに帰還する。
「クリスちゃん、大丈夫?」
響はアームドギアが消失して一糸まとわぬクリスに近づく。
「ああ、問題ねぇ。けど、こいつが!」
クリスは気絶しているエルフナインを見て言う。
「とにかく、一旦戻ろう。」
響はクリスに衣服を渡してS.O.N.G.に戻る。

「とりあえず、第一段階はこれで問題ないですね。」
雅はキャロルに言う。
「ああ、よくやってくれた。」
雅の言葉にキャロルは返す。
「マスター、ところでこいつ何?」
ガリィは露骨に嫌そうな顔をして言う。
「こいつは協力者だ、今のところはな。」
「なるほど、協力者というのは事実でしたか。」
レイアはキャロルと雅の顔を交互に見ながら言う。
「それで、彼の思い出は貰ってもいいのかしら?」
ファラは興味深く雅を見る。
「僕の記憶なんて、不味いと思いますけど、それでもよければ。」
雅は言う。
「へぇ~、それなら貰っちゃお。」
ガリィは雅は記憶を受け取る為に口付けをする。そして、数秒経つと、
「うぇっ!?何、こいつの思い出!こんなのなら熟れ寿司やシュールストレミングの方がまだマシだっつーの!」
ガリィは唾を吐く仕草をして普段の甲高い声とは全然異なる声で言う。
「だから言ったでしょう。僕の記憶なんて不味いって。」
「てかマスター。こいつ、強化されたシンフォギアにマスターが負ける思い出を持っていましたけどどういうことですか?」
「ああ、それについては、エルフナインを意図的に逃がしたことにも関係している。」
ガリィの質問にキャロルは答える。
「意図的に逃がした…とは?」
レイアは質問する。
「このチフォージュ・シャトーはダインスレイフの呪いを受けて初めて真の力を発揮する。故に、今のシンフォギアで勝てない奴らはダインスレイフの力を使うだろう。それがオレの狙いだ。」
キャロルは自身の作戦をオートスコアラー達に告げた。

その頃、S.O.N.G.によって保護されたエルフナインは敵の正体とその目的を説明していた。
「今回クリスさん達を襲撃した者達はディーンハイムの錬金術師の操る自動人形達です。その目的は万象黙示録と呼ばれる世界の解剖にあります。」
「世界の解剖って?」
響はエルフナインに聞く。
「言葉の通り、世界を分解してその核を調べることです。」
「それって、世界が無くなっちゃうんじゃ!?」
響は驚く。
「それで、そのクリス君を襲撃した自動人形に協力している者が誰か、君は知っているか?」
弦十郎は質問する。
「いいえ、僕はあの男性のことも、あの力が何なのかも解りません。ですが、この世界の力では無いことは解ります。」
エルフナインはわからないなりに考察を述べる。
「どうしてそう言い切れるのだ?」
「はい、シンフォギアにしても、ディーンハイムの錬金術にしても、必ず特定の波形が存在していますが、あの人の使う物にはその波形が一切存在しません。それが、この世界とは無関係な力であることの証拠です。それで、僕がここに来た理由を話していませんでした。」
「それで、君が来た理由は?」
「僕が来た理由、それはあの子を、キャロルを止める為です。」
「キャロルって、あの子を?」
エルフナインの言葉を聞いて響はびっくりする。響はクリスを救出する前に、キャロルと会っているからだ。
「はい。それで、キャロルの目的を止めるために、僕はあるものを持ち出しました。」
エルフナインは自身が抱えていた細長い箱をあける。その中には、黒く禍々しい剣が入っていた。
「これはドヴェルグ=ダインの遺産、魔剣ダインスレイフ。これをシンフォギアに搭載して暴走状態を意図的に引き起こして、その力を制御。ブーストされたシンフォギアでキャロルとオートスコアラー達を叩く。作戦名、プロジェクト・イグナイト。」
キャロルは自身の目的を説明した。

翌日、雅は探索魔法を展開している。
「…ん?ガングニールの装者が動き始めた。ガリィ、行くぞ。」
雅は言う。
「何でてめえが仕切ってんだよ。」
ガリィは露骨に敵視する口調で言う。
「行ってやれ、ガリィ。」
「は~いマスター。ガリィ、行っきまぁす☆」
ガリィは急に態度を変えて雅と共に響のいる所に向かった。

「どうしたの、響?」
響の見せる暗い顔色を見て、響の親友である小日向未来は響に聞く。
「うん、実は…」
響が話そうとすると、
「おやおや、ごきげんよう。」
「この間はどうも。」
ガリィと雅が現れ、
「行け。」
雅はテレポートジェムを投げてアルカ・ノイズを呼び出す。
「あいつらは!?」
響は未来の手を引いて雅達から逃げる。
「おいおい、どうした?」
しかし、逃げた先には雅達が先回りして待ち構えており、アルカ・ノイズの攻撃が響に向けられる。響は咄嗟に避けるが、靴が攻撃を掠めてしまい、響の靴は塵になって分解される。
「どうした、戦わないのか?」
雅の指示でアルカ・ノイズ達は動き出す。すると、突然黒い車が乱入し、その中からマリアが飛び出す。
「マリアさん!?」
響が驚いていると、マリアは響からガングニールのペンダントを取り上げ、
「Granzizel bilfen gungnir zizzl」
ギアを起動させ、かつて自身が纏っていた武装、烈槍・ガングニールを纏う。
「なるほど、これは予想外だ。」
「何が予想外だよ。全部知っているくせに。」
「こういう時はそう言うのがルールみたいなものだ。」
雅の言葉にガリィは文句を言いつつも、仕方なく共に行動する。
「♪この 胸に宿った 信念の火は 誰も 消すことは出来やしない 永劫のブレイズ」
マリアはガングニールのアームドギアを振るい、アルカ・ノイズ達を倒して行く。
「♪今 たとえこの身を 焼きつくそうと 信ず我が道のためなら 天になってもいい」
「仕方ないな。」
【CHANGE RIDE-MEGA URUOUDER-】
雅はディロードライバーをメガウルオウダーに変える。
{stand by?}
雅はネクロムゴースト眼魂を起動させ、メガウルオウダーにセットし、メガウルオウダーに認証させる。
{yes sir!loading…テンガン!ネクロム!メガウルオウド…crash the invader!}
雅は仮面ライダーネクロムに変身し、構える。
「♪絶対に譲れない 夢が咆え叫ぶよ~ 正義の為に 悪を貫けぇ!」
マリアはネクロムとガリィに向かって突き進む。
「♪涙などいらない 無双の一振りよ!」
マリアの覇気を見たネクロムはグリムゴースト眼魂を取り出す。しかし、
「♪覚悟を!今かまえたら!誇りと~ちぎ…ッグァァァッ!」
マリアのガングニールはネクロムに届くことは無く、適合値の限界を迎えてマリアの装備は自壊してしまう。
「っく、ここまでか!」
ギアを失い地面に伏せたマリアは立ち上がる。しかし、
「歌う事すら出来ない槍に戦えない槍。わざわざ分解する必要は無いだろう。ガリィ、今回は退くか。」
「私もすっかり興ざめだよ。まさかどっちもハズレ装者だったなんてな!」
雅は変身を解除し、ガリィと共に去って行く。
「大丈夫か?」
マリアは響を案じて近づく。しかし、
「返してください!それは私のガングニールです!」
響は近づくマリアからガングニールのペンダントを取り返す。
「…ああそうさ!それはお前のガングニールだ!あの時ガングニールが認め、私から奪っていった、お前のガングニールだ!」
響の態度を見たマリアはそう言い返す。かつて、マリアが敵であったころ、響はガングニールのギアの破片が体に取り込まれている状態で戦っていた。しかし、ある理由で体に呑み込まれたガングニールは消え、響は一度装者では無くなった。しかし、マリアとぶつかり合い、当時マリアが使っていたガングニールのペンダントはマリアの元を離れ、響の方に行き、響は今はそれを使って戦っている。マリアにとって、自分をも認めさせたはずの響が戦わないことに憤慨していた。こうして、響とマリアとの間に溝が生まれてしまう。

「さて、これで響はいやがおうでも戦わざるをえない。」
雅はキャロル達と話していた。
「で、どうやって戦わせるんだ?」
キャロルは関心を示す。
「彼女は今まで、自分の守るべき場所の為に戦っていた。それが奪われるともなれば、彼女は戦うだろう。」
「そうか…」
「さて、動き出したようだ。キャロル、ミカを動かしてもいいか?」
「構わん。ガリィ、頼む。」
「は~い、わかりました!」
ガリィはまだ動いていない赤いオートスコアラーに口づけをして、そのオートスコアラー、“火”の属性を司る最強の機体、ミカ・ジャウカーンを起動させる。
「…ん、眠いゾ?あれ?ガリィだゾ!起こしてくれてありがとうだゾ!」
ミカは嬉しそうに言い、
「そいつはなんだゾ?解剖したいゾ!」
雅に興味を示す。
「待て、ミカ。そいつはオレの協力者。バラされると困る。」
「分かったゾ…」
「ミカ、ガリィ、雅と共にこいつを狙え。」
キャロルが見せた映像には未来が映っていた。

「響、本当に大丈夫?」
「うん。平気、へっちゃらだよ!」
響は自分が元気であるようにみせる。すると、
「見つけたゾ!よし、これから解剖タイムだゾ!」
ミカが現れ、未来にその刃の爪を放つ。
「未来、こっち!」
響は未来を連れて逃げる。
「ん?鬼ごっこなら負けないゾ!」
ミカは走り出す。
「未来、大丈夫?」
響は走りながら未来に質問する。
「私は大丈夫。それよりも、響の方が変だよ。」
陸上部である未来にとっては走ることくらい何ともないが、響の様子を不審に思う。すると、
「追い着いたゾ!犬も、猫も、みんな解剖しちゃったゾ!だから今度は、お前達の番だゾ!」
ミカは響達の隠れていたビルを崩すように分解して行く。そして、ついにビルは崩れ、未来は落下してしまう。
(そうだ!もう迷っちゃいけない!もう失うかもなんて、思っちゃいけない!)
響は飛び降りる。そして、
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
響はついに撃槍・ガングニールを纏う。
「ついにきたか。」
雅はガリィと遠巻きに眺めていた。
      己の歌

次回予告
ついに槍も折られる。しかし、それこそが修復の始まり。守護者達の誇りが試される。次回『抜剣』 
 

 
後書き
新カード紹介
メガウルオウダー:ディロードライバーをメガウルオウダーに変えて仮面ライダーネクロムに変身する為のカード 

 

EPISODE19『抜剣』

「故に奴らはダインスレイフの力を使うだろう。」
「作戦名、プロジェクト・イグナイト。」
「歌うことすら出来ない槍に戦えない槍。」
「Balwisyall Nescell gungnir tron」

「ついに覚悟を決めたか。僕も行く。ガリィ、水たまりを作ってくれ。」
雅はガリィに指示する。
「ちっ、分かったよ。」
ガリィは嫌そうな顔を見せつつ、水たまりを雅の足下に生み出す。
「ありがとう。」
【CHANGE RIDE-V BUCKLE VERSION RYUGA-】
雅はディロードライバーをVバックルに変える。
「変身。」
雅はカードデッキを装填し、仮面ライダーリュウガに変身し、響とミカの戦闘に参加する。
「♪一点突破の決意の右手 私と云う音響く中で!」
響はミカが放つ爪を華麗に避けて拳を放って行く。
「っぐ!痛いゾ!」
「♪何故?どうして?の先を 背負える勇気を!」
響は更に拳を放つが、ミカはそれを避ける。
「♪迷いは、ないさ!拳に包んだ 勇め!Let's shout!どんなんだって一直線で!届け!Let's shout!ありったけファイト一発ダイブ!」
響は壁に隠れたミカに対して壁ごと攻撃する。
「ぶち抜く!壁を!ぶっこむ!ハート!胸の歌がある限り!正義!信じ!握り!締めて!自分色に咲き立つ花になれぇ!HEROじゃなく!」
響は飛びかかる。
「君は紛れもなく正義のヒーローだよ。」
リュウガはベントカードを取り出し、ブラックドラグバイザーにベントインする。
【STRIKE VENT】
リュウガはドラグクローを装備して飛び降り、
「待っていたぞ。」
がら空きとなっていた響の背中にドラグクローで殴る。
「っぐ!あなたは!」
「ミカ、大丈夫か?」
「平気だゾ。」
手を差し伸べるリュウガを相手にミカは自力で立ち上がる。
「ミカ、一気に行こう。」
「分かったゾ!」
リュウガとミカは連携プレーで響を攻撃するが、響はそれに耐える。
「♪高鳴れ!G-beat!メーターを ガンと!G-beat!振り切れ!この両手で!この歌で!守りきぃってやる!」
「守ることの強制…僕もそう思われていたのかな…」
リュウガはドラグクローで響の猛攻を防ぐ。
「♪貫け!G-beat!信念を 燃えろ!G-beat!激しく!」
「これで決めるか。」
【FINAL VENT】
リュウガは必殺技を発動し、ドラグブラッカーが出現し、リュウガは宙を浮く。
「限界なんて!いらないッ!知らないッ!絶対ッ!繋ぎ離さない!」
響の拳はリュウガに向かうが、それに合わせてリュウガはドラゴンライダーキックを放ち、それは響の拳に直撃。響は地面に転がり落ちるが、それでも気合いで立ち上がる。しかし、
「ミカ、今だ。」
リュウガの指示でミカが接近する。
「そこだ!」
響は接近するミカの腹部を殴り、ミカは吹き飛ぶ…
「えっ!?」
ことはなく、水となって崩れ落ちる。
「な、ガリィ。上手くいっただろ?」
リュウガが言うと、ガリィとミカが現れ、ミカはバランスを崩した響のコンバータコアを破壊し、ガングニールは分解されてしまう。
「これでいいだろう。ガリィ、ミカ、撤退だ。」
雅は変身を解除してガリィ、ミカと共に去って行く。
「…そんな!」
響は泣くことしか出来なかった。

「さて、これで主要なシンフォギアは破壊出来た。そろそろ総攻撃をかけるか。」
キャロルは言う。
「そうですね。そろそろダインスレイフの力が彼女達の力に加わる頃でしょう。おそらく、今回の僕達の総攻撃にイガリマとシュルシャガナの装者が対応すると思うが、それは僕に任せてもらえないか?」
「いいだろう。行くぞ、雅。ガリィ達は待機していろ。」
雅とキャロルは港に向かった。
「ところでガリィ、あの雅とかいう男、信用してよいのか?」
「確かに、それは私も気になっていたわ。」
レイアとファラはガリィに質問する。
「なんでも、マスターの悲願が達成出来ないと、この世界が消滅するから私達に協力しているみたいだけど。」
ガリィ達はしばらく話をしていた。

港に着いた雅とキャロルはアルカ・ノイズを召喚して警備員達を襲撃していた。その様子を見た鏖鋸・シュルシャガナの装者である月読調は獄鎌・イガリマの装者である暁切歌を連れてオペレータールームからこっそりと出て行く。
「切ちゃん、みんなのギアはイグナイトモジュールの設置の為に修理中。今動かせるのは私と切ちゃんしかいない。」
「でもでも、LiNKERがないと、私達は歌えないデスよ!」
切歌は慌てる。ギアとの適合率の低い彼女達は、強制的に適合率を上昇させる薬、『LiNKER』を使わなければギアを起動させることが出来ない。
「だから、今からLiNKERを調達する。」
調は桃色の縁の眼鏡を取り出してかける。
「それは、何時ぞやの眼鏡美人潜入捜査官デスか!」
切歌はテンションがあがる。
「これは切ちゃんの分。」
調は切歌にも眼鏡を渡してS.O.N.G.で保管しているLiNKERを調達し、S.O.N.G.の基地から出て行く。
「どうした。まだ戦えないのか!」
雅はアルカ・ノイズ達に指示を出す。すると、
「Zeios igalima raizen tron」
「Various shul shagana tron」
二つの声が響き渡り、ギアを纏った切歌と調がいた。
「キャロル、あの二人はこちらで引き受ける。」
「ああ。」
雅は切歌達の所に向かう。
「どうして人を襲っているのデスか!」
切歌は雅に言う。
「こちらにもいろいろ事情がある。それより、君達には余計な力が入りすぎている。少し落ち着こうか。」
【CHANGE RIDE-GAMER DRIVER-】
雅はディロードライバーをゲーマドライバーに変える。
「さて、少し遊ぼうか。」
《DUAL GASHATT!the strongest fist!what the next stage?》
雅はガシャットギアデュアルをセットする。
「マックス大変身。」
《GACHAAN!MAZAL UP!赤き拳、強さ!青いパズル、連鎖!赤と青の交差!PERFECT KNOCK OUT!》
雅は仮面ライダーパラドクス パーフェクトノックアウトゲーマー レベル99に変身し、ガシャコンパラブレイガンを構える。
「行くぞ。」
《分身!》
パラドクスは分身のエナジーアイテムを使い二人になる。
「これで、1対1になるな。」
《高速化!高速化!》
パラブレイガンのアックスモードで戦うパラドクスはスピードを上げて切歌に向かって行く。
「歌う隙など与えない!」
《高速化!ジャンプ強化!》
パラブレイガンのガンモードで戦うパラドクスは高所からの狙撃で調を攻撃する。
「シンフォギアは歌う事でその力をブースト出来る。」
「ただ、逆を返せば歌えないと満足な力も出せない。」
パラドクスの高速戦法に切歌と調は手出し出来ず、歌うことすら封じられる。
「終わりだな。」
パラドクスは分身を解除し、本来なら仮面ライダーエグゼイドが持つマキマムマイティXガシャットをパラブレイガンにセットする。
《MAXIMUM GASHATT!MAXIMUM MIGHTY CRITICAL FINISH!》
「残念だ。」
マキマムマイティXには敵の能力を初期化するリプログラミング能力がある。LiNKERで強制的に適合率を上げている切歌達はその攻撃を受けて適合率が0となって動けなくなり、
「やれ。」
武士のようなアルカ・ノイズによって二人のコンバータギアは破壊されてしまう。それによって、二人の装備は失われ、一糸まとわぬ姿になる。

「男共は見るな!」
オペレータールームにいたマリアは男性職員達に言う。
「しかし、それではオペレーションが…」
「いいから見るな!」
オペレーターの一人、藤堯は任務の為に必要だと言うが、マリアに拒否される。

「終わりだな。」
パラドクスはパラブレイガンを振り上げる。しかし、
「Imyuteus amenohabakiri tron」
「Killter Ichaival tron」
そこにギアを纏った翼とクリスが現れる。
「ついに来たか。」
雅は変身を解除し、
【CHANGE RIDE-YUUKI BELT-】
【KAMEN RIDE-G4-】
ディロードライバーを幽汽ベルトに変えて、ロードスラスターから仮面ライダーG4を召喚する。
「変身!」
[hijack form.]
雅は仮面ライダー幽汽 ハイジャックフォームに変身し、サヴェジガッシャーを構える。
「キャロル、そろそろ出番だ。」
「ああ、そうだな。」
キャロルは幽汽の隣に立つ。
「ふっ、そんな小さな子供を相手にするのは少々気が引けるな。」
翼は余裕を見せる。
「ほう、大きくなればよいか?」
キャロルはワインレッドの琴を取り出して奏でる。するとその琴、殲琴・ダウルダヴラの武装、ファウストローブが展開されて、キャロルの少女の如き体躯は一気に成人女性の体躯に変わる。
「これくらい大きくなればよいか?」
キャロルは翼に対して自身の胸を見せつけるように挑発する。
「くっ、大きくなったところで!」
翼はその挑発にのってしまい突撃する。
「キャロル、この程度なら僕で十分だ。」
幽汽は翼の攻撃を受け止める。
「先輩!」
クリスは咄嗟に叫び、イチイバルをガトリングに変えるが、
「その程度か。」
G4はGM-01を使ってクリスを狙撃する。
「なんなんだ、てめえ!」
「俺は戦いの中で多くの大切な者を失った。俺はその死を背負って生きている。お前は何を背負う?」
G4は攻撃を続ける。
「私も戦地で親を失った。だけど、パパとママが残してくれたこと声で、この歌で!沢山の人を救いたい!」
「そうか。お前も生を背負って戦うのか。なら、話は早い。」
G4はギガントからミサイルを放つが、クリスも巨大なミサイルを放つMEGA DEATH FLAREで応戦し、
「確かに、死んじまった人達の思いは大切だ!けど、それに囚われたら、目の前の命は救えない!」
クリスはG4の背部バッテリーを破壊してG4を撃破する。
その頃、翼はキャロルと幽汽の遠近両方からの連携に苦戦していた。
「どうした、その程度か?」
キャロルは挑発する。
「雪音、行くか?」
「ああ!」
翼とクリスはコンバータギアがを取り外し、両端のトリガーを押す。
[ダインスレイフ…]
「「イグナイトモジュール、抜剣!」」
コンバータギアから結晶の刃が現れ、二人に突き刺さる。
         抜剣

次回予告
意図的な暴走。その果てに装者は絆を紡げるのか。その弱さは、己の強さと認められるのか。次回『水面』 
 

 
後書き
新カード紹介
ゲーマドライバー:ディロードライバーをゲーマドライバーに変えて各種仮面ライダーに変身する為のカード。他の共通ドライバーと異なり、変身時にライダーがセレクトされるため、個別カードは存在しない。
幽汽ベルト:ディロードライバーを幽汽ベルトに変えて、仮面ライダー幽汽に変身する為のカード。
仮面ライダーG4:仮面ライダーG4を召喚するカード。カメンライドにも使用する。 

 

EPISODE20『水面』

「君は紛れもなく正義のヒーローだよ。」
「…そんな!」
「切ちゃん、みんなのギアはイグナイトモジュールの設置の為に修理中。今動かせるのは私と切ちゃんしかいない。」
「「イグナイトモジュール、抜剣!」」

コンバータギアは結晶の刃を生成して翼とクリスに突き刺さる。すると、二人は黒いオーラに包まれる。

「ッ!ここは!?」
精神空間の中で翼は驚く。翼の目の前には、かつて戦死した撃槍・ガングニールの初代装者にして翼の親友であった少女、天羽奏が手を振っていたからだ。
「奏!?」
翼は近づいて抱擁する。しかし、翼が抱きつくと奏は切り裂かれたようにバラバラになって落ちる。
「…そうだ…私は(つるぎ)。剣は人を愛することなんて出来ない…」
その身を護国の刃と例える翼は刃故の苦悩に怯えてしまう。

「パパ!ママ!」
クリスもその頃、精神空間の中でかつて戦地に連れて来られた時の悪夢を見せられていた。たとえ叫んでも争いは止まらず、目の前の人は血を流して動かなくなる。
「やっぱり、私は独りなんだ…私は誰かと一緒にいちゃいけない。私は…幸せになっちゃいけないんだ…」
クリスは子供のように体育座りをして泣いてしまう。

「なんだ、結局使えないのか。」
ダインスレイフの悪夢に呑み込まれる二人を見てキャロルは言う。
「あれが、独りで全てを救おうとする結果なのか…」
幽汽は言う。すると、翼とクリスは黒いオーラが消えてしまう。
「くっ、我々では使えないのか!?」
翼は言う。
「どうした!その程度か?」
キャロルは火の錬金術を使って翼とクリスを焼き払おうとする。しかし、
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
一つの起動の歌、聖詠が聞こえ、ガングニールを纏った響が現れる。
「来たか。」
キャロルと幽汽は構える。
「立花!?」
「ったく、おせーぞ!」
翼とクリスは立ち上がる。
「二人ともごめん!もう一度、やってみよう!」
響達はコンバータギアを外す。
「「「イグナイトモジュール、抜剣!」」」
響達は黒いオーラに呑み込まれる。
「ぅぅうっ…ぅがあぁぁぁっ!」
響達は暴走する力に呑み込まれ、唸り声をあげる。
「まるで昔の僕だな。」
「どうした、雅。」
「今から何百年も前、僕の能力は誰かとの繋がりがあって初めて真価を発揮するのに、それを無視して自分の手で全てを救おうとしていた。まったく、みんなが見ていられないって言っていたのは、こういうことだったのか…」
幽汽はキャロルに言う。そして、
「どうした!お前達は隣にいる誰かを頼ることすら出来ないのか!そんなことで目の前の命を救うことが出来るのか!それでよく仲間とか言えるな!」
幽汽は煽るように言う。
「仲…間…」
響の口は開き、翼とクリスの手に握る。
「「「…始まる歌 始まる鼓動 響き鳴り渡れ希望の音」」」
響達は歌い出す。
「「「♪生きることを 諦めないと」」」
「♪示せ!」
翼は立ち上がる。
「♪熱き夢の」
「♪幕開けと!」
クリスと響も立ち上がる。
「♪爆ぜよ!」
「♪この」
「♪奇跡に」
「「「♪嘘は無い!」」」
響達のギアは黒く染まり、イグナイトモジュールの力をその手中に収める。
「キャロル、脇の二人は僕が引き受ける。キャロルは響を。」
「ああ。オレは奇跡の殺戮者。奇跡を歌う奴は、焼き消す!」
キャロルと幽汽は動き出す。
「♪その手は 何を掴む為にある?」
「♪たぶん 待つだけじゃ叶わない!」
響はキャロルの砲撃を避ける。
「♪その手は 何を守る為にある?」
クリスと翼は幽汽が放つ独楽の弾幕を避ける。
「♪伝う」
「♪熱は」
「♪明日を」
「「「♪輝かす種火に」!」」
響達はキャロルと幽汽の弾幕を避ける。
「♪さあ新時代への銃爪を引こう!」
「♪伝説の未来へとカウントダウン!」
「♪羽撃きは一人じゃない!」
響の猛攻をキャロルはガードし、クリスと翼の連携プレーに幽汽は怯む。
「♪過去を!」
「♪越えた!」
「♪先に!」
「「「♪創るべき歴史が 咲き燃えてる!」」」
響達の攻撃にキャロルと幽汽は怯む。
「まさか、ここまでだとは!」
[full charge.]
幽汽は必殺技を発動する。
「「「♪絆 心 一つに束ね 響き鳴り渡れ希望の音」」」
「くらえ!ターミネートフラッシュ!」
幽汽はエネルギーの刃を放つ。
「「「♪信ずことを 諦めないと!」」」
「♪唄え!」
「♪可能性に」
「♪ゼロはない!」
幽汽の刃は翼とクリスによって砕かれる。そして、
「♪飛べよ!」
「♪この!」
「♪奇跡に!」
「「「♪光あれ!」」」
響の渾身の一撃がキャロルの胸部に直撃し、キャロルは数メートルも吹き飛ぶ。
「魔剣ダインスレイフ…まさか、ここまでとはな…」
キャロルはそう言うと、人造人間(ホムンクルス)としてのその肉体は炎の中で崩れ落ちる。
「まさかキャロルが敗れるとはな。」
雅は変身を解除する。
「待て!」
翼は小刀を投げる。
【ATTACK RIDE-WARP-】
しかし、雅はワープを使ってチフォージュ・シャトーに戻り、その小刀は地面に突き刺さる。

「さて、キャロルは予定通り敗れた。ガリィ、次は君の番だ。狙いは銀腕・アガートラーム。マリア・カデンツァヴナ・イヴだ。」
「ああん?あの満足に戦えないハズレ装者をなんで?」
「数合わせだ。キャロルがガングニールに敗れたことで、もうそれを回収する必要はない。なら、新しく一つ用意するなら丁度いいだろう?」
「ちっ、分かったよ。」
雅とガリィは準備を整える。

数日後、S.O.N.G.の一同は海辺の研究施設で聖異物の研究と装者達の休暇を行っていた。
「あの、マリアさん。」
エルフナインはマリアに話しかけ。
「どうしたのエルフナイン?」
「マリアさんはとても強い方です。どうすれば、僕もマリアさんみたいに強くなれますか?」
エルフナインはマリアに純粋な質問をする。
「エルフナイン、あなたは一人でキャロル達から出て行き、私達に全てを話した。」
「はい。」
「それに、自分の弱さに気付けている。あなたは十分に強いわ。私よりもね。」
マリアはエルフナインの頭を撫でながらいい、林道を進む。すると、
「よぉ、ハズレ装者。」
「この間はどうも。」
ガリィと雅が現れる。
「お前達は!?」
マリアはペンダントを取り出す。
「Seilien coffin airget-lamh tron」
マリアは聖詠を歌い、かつて自身の妹が使っていた、一度は失われたシンフォギアである銀腕・アガートラームを纏う。
「なるほど。」
【CHANGE RIDE-ANCK POINT-】
「変身…」
雅はディロードライバーをアンクポイントに変えてアナザーアギトに変身する。
「行くぞ。」
アナザーアギトは素早くマリアに近づき連続パンチを放ち、マリアは左腕の篭手で防ぐ。
「ほらよ!」
ガリィは更にアルカ・ノイズを呼び出す。
「囲まれた!ここは一か八か…イグナイトモジュール、抜剣!」
“ダインスレイフ”
マリアはイグナイトモジュールを起動させてその身は黒いオーラに呑み込まれる。
「ぅゔゔゔゔっ……」
マリアは前傾姿勢をとり、唸り声をあげる。
「ダインスレイフの呪いに呑み込まれたか。」
「ほら、結局こいつはハズレ装者なんだよ!」
アナザーアギトとガリィは呆れるように言う。
「ぅがぁっ!」
マリアは力任せにアルカ・ノイズを蹴散らしていく。
「さて、これでは話にならないな。」
アナザーアギトは力をためて飛び上がる。
「アサルトキック!」
そして、アルカ・ノイズを倒しきったマリアに必殺のキックを放ち、マリアを気絶させる。
「隠れているのだろう、エルフナイン?」
変身を解除した雅が言うと、エルフナインが現れる。
「そいつの看病をしてやれ。刃にも、足裁きにも、イグナイトモジュールを使う前の戦闘スタイルにも、迷いが見えた。」
「それって!?」
「ガリィ、今回は退こう。」
雅とガリィはエルフナインの言葉に返事を返さずに去る。

「…ここは?」
浜辺でマリアは目を覚ます。
「マリアさん!?よかった…ガリィ達に…」
「そう…みっともない所を見せたわね…」
マリアは悔しそうに言う。
「マリアさん」
「いい!本当はわかっているの。私は調や切歌のように支え合える人はいない。響やクリスのように高い適合率もない。翼のように経験豊富でもない。私では、限界があることを。」
マリアは弱音を見せる。
「マリアさん、一度、ビーチバレーをしませんか?」
エルフナインは言う。
「わかったわ。」
マリアは引き受ける。
「行きますよ!えいっ!」
エルフナインはレシーブすら満足に上手くいかない。
「エルフナイン、力が入り過ぎているわ。」
見ていられないと思ったマリアはエルフナインに力の入れ方を教える。

二人で一生懸命練習し終えると、空はすっかり夕暮れになっていた。
「おやおや、随分お楽しみのようでしたか?」
そこに再び雅とガリィが現れる。
「エルフナイン、隠れていなさい。」
マリアはアガートラームを纏う。
「いくぞ。変身!」
【CHANGE RIDE-ANCK POINT-】
雅はアナザーアギトに変身する。
「これなら、どうだ!」
マリアは篭手から短剣を大量に展開してそれらを放つINFINITE†CRIMEを使うが、ガリィが水を使って生み出した分身しか撃ち抜けず、アナザーアギトはその間に間合いを詰めてマリアを殴り飛ばす。
「どうした!お前の強さはその程度なのか!」
アナザーアギトは煽る。
「…そうだ…結局私は…」
マリアは砂を握り締める。すると、
「マリアさんは、強いです!」
エルフナインが言う。
「エルフナイン!?」
「確かに、力では劣るかもしれません!でも、自分の弱さを認めて、自分を人一倍知る強さを持っています!」
エルフナインははっきりと言う。
「そう…私は弱い。あの子達と違って、適合率は低い。戦闘経験も少ない。支え合える人もいない。だけど!それでも、私は弱いままでも戦う!イグナイトモジュール、抜剣!」
マリアはイグナイトモジュールを起動させ、その力をコントロールする力を得る。
「ついに来たか。ガリィ、後は任せた。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープを使ってガリィを置き去りにする。
「♪真の強さとは何か? 探し彷徨う 誇ること? 契ること? まだぁ見えず」
マリアは短剣を蛇腹剣に変える。
「♪想い出の微笑みに問いかけ続けたぁ まだ残る 手の熱を 忘れはしない~」
マリアはその斬撃を利用してガリィの分身を撃破していく。
「♪惑い 迷い苦しむことで罪を抉り 隠し逃げずに あるがぁままの自分の声で 勇気ぃを問え 決意ぃを撃て そぉれが私の聖剣!翳せぇぇぇ!」
マリアはガリィとの間合いを詰めていく。
「♪弱くてもいい!涙を流してもいいさ!絶対 負けなぁい歌!それがぁ心にあるのなら」
マリアは短剣からビームの集中砲火を放つEMPRESS†REBELLIONを使うが、マリアが狙いを定めていたガリィもまた、分身であった。
「♪運命(さだめ)も過去も 嘆きも記憶も愛もぉ!ぐっと握って今 足掻きもがきぃそしてぇ立つ!」
「そこだ!」
ガリィは後ろから奇襲をかけようとするが、マリアは後ろを振り向き、
「♪わたしらぁしさを見ぃつけた 胸にぃ 今日を刻んでぇぇぇ!」
マリアは篭手を巨大な剣に変えてそのままブースターで加速し、高出力で切り裂く必殺技、SERE†NADEを放つ。
「あひゃひゃひゃひゃっ!これで…私が一番乗りぃぃぃ!」
ガリィは笑いながら砕け散る。
「エルフナイン、ありがとう。」
ギアを解除したマリアはエルフナインに抱きつく。

「さて、ガリィが敗れた。」
「ガリィ…ガリィがいないと、ミカは寂しいゾ…」
雅の言葉にミカは寂しそうな顔を見せた。
        水面

次回予告
偽善者と吐いたあの言葉は?突き進むだけのレールは?それらは間違っていなかったのか?二人で一緒に強くなるために。次回「アンサーソング」 

 

EPISODE21『アンサーソング』

「もう一度やってみよう!」
「そんなことで、目の前の命を救うことができるのか!」
「自分の弱さを認めて、自分を人一倍知る強さを持っています!」
「ガリィがいないと、ミカは寂しいゾ…」

「お二人のギアの修復、完了しました!」
エルフナインは切歌と調にペンダントを渡す。
「ありがとうデス!」
切歌と調はそれを受け取る。
「おっ、お前達のギアも直ったのか!」
そこにクリスが二人の首に腕を絡めるようにやって来る。
「先輩、びっくりしたデスよ!」
切歌は慌てふためく。
「ん?調の方は随分と大人しいじゃんか!どうしたんだ?」
「…なんでないです。」
クリスの質問に調は明確な答えを返さない。
「ならいいけどよ。あんまり無茶すんなよ?」
クリスの言葉に調は言葉を返さずにS.O.N.G.から出て学校に向かう。

「調、どうしたのデスか?」
「切ちゃんには話してもいいかな。私は迷っている。あの時、初めて響に会った時に言った言葉。」
「偽善者…デスか?」
「うん。本当は、間違っていたんじゃないかなって。だけど、まだどこかで自分のやり方は間違っていなかった。響のやり方は間違っている。そう思う自分もいる。」
調は歩きながら切歌に言う。
「それで、悩んでいたのデスか。でも、それは調べれば分かるんじゃないデスか?」
調の言葉に切歌はそう返すすると、
「見つけたゾ。ミカにはもう後がないんだゾ。だから、お前達だけでも、分解するんだゾ!」
「さあ、始めようか。」
【CHANGE RIDE-LOST DRIVER-】
ミカと雅が現れ、雅はディロードライバーをロストドライバーに変える。
〔エターナル!〕
「変身!」
〔 エターナル!〕
雅はエターナルメモリをロストドライバーにセットし、仮面ライダーエターナルに変身する。
「今は私と切ちゃんしかいない。みんなを避難させる為にも、私達で食い止めよう。」
「そうデスね!」
「Zeios igalima raizen tron」
「Various shul shagana tron」
二人は聖詠を歌い、切歌は獄鎌・イガリマを、調は鏖鋸・シュルシャガナを纏う。
「さあ、死神と自動人形のパーティータイムだ。」
エターナルはエターナルエッジを構える。
「まずはこれだ!」
〔アイスエイジ!マキシマムドライブ!〕
エターナルはマキシマムスロットにアイスエイジT2メモリをセットし、地面を殴る。すると、地面は凍てつく。
「切ちゃん、大丈夫!?」
調はヘッドギアを展開して非常Σ式・禁月輪を発動して氷上を走る。しかし、移動手段に乏しい切歌は立つことすらままならない。
「ん?どうしたんたゾ?」
ミカは動きの鈍る切歌を攻撃しようとする。
「危ない!」
調は走る。しかし、
「甘い!」
〔ルナ!マキシマムドライブ!〕
〔トリガー!マキシマムドライブ!〕
エターナルはマキシマムスロットにルナT2メモリを、エターナルエッジにトリガーT2メモリをセットする。
「ルナ、フルバースト!」
エターナルはエターナルエッジから複数のエネルギーの刃を放ち、調を追尾して調の非常Σ式・禁月輪を破壊する。
「次はこれだ。」
〔ヒート!マキシマムドライブ!〕
〔メタル!マキシマムドライブ!〕
エターナルは今度はマキシマムスロットにヒートT2メモリを、エターナルエッジにメタルT2メモリをセットする。
「ヒートブランディング!」
エターナルはエターナルエッジに炎を纏わせて氷上を溶かしながら移動し、炎の刃を調に叩きつける。しかし、
「させないデスよ!」
切歌が鎖で拘束する断殺・邪刃ウォttKKKをエターナルに放つことでその攻撃は当たらない。しかし、
「がら空きだゾ!」
調を守ることに夢中になっていた切歌はミカの爪を受けてしまう。
「さて、まずは手負いでは無い調からやるか。」
〔サイクロン!ジョーカー!プリズム!エクストリーム!マキシマムドライブ!〕
エターナルは4本のT2メモリをセットする。
「終わりだ。エターナルプリズムエクストリーム!」
エターナルは風の力で高く舞い、連続キックを調に放ち、調は地面に倒れ伏せる。
「調!?」
「次は君の番だ。」
〔アクセル!マキシマムドライブ!〕
困惑する切歌をよそに、エターナルはマキシマムスロットにアクセルT2メモリをセットする。
「行くぞ。アクセルグランツァー!」
エターナルは切歌に必殺の逆回し蹴りを放つ。
「まだだ!」
〔ファング!ジョーカー!マキシマムドライブ!〕
エターナルは2本のT2メモリをマキシマムスロットにセットする。
「これで決まりだ。ファングストライザー!」
エターナルは更に回し蹴りを放ち、
「さあ、地獄を楽しみな…」
エターナルがエターナルローブを翻すと、二人のギアは負荷によって爆発し、シンフォギアの装着が解除される。
「君達は二人でないとそんなものか?そんなことでは、永遠に弱いままだ。いざバラバラになったらどうする?考えられなかった結果がこれだ!ミカ、退こう。こんな奴らと戦ってもガリィの意志は継げない。」
「わかったゾ。今度はもっと、強くなるんだゾ!」
雅は変身を解除し、ミカと共に去って行く。切歌と調は、ただ泣くことしかできなかった。
「おい、大丈夫か!?」
そこにクリスと弦十郎がやって来る。
「私は大丈夫。それよりも、切ちゃんが…」
ボロボロな体を無理に起こして調は切歌の方を見る。最強のオートスコアラーであるミカの一撃、そして加速の記憶のマキシマムドライブを受けていた切歌の傷は凄まじいものがあった。
「おい、何があった!言え…」
クリスは調の胸ぐらを掴んで言う。
「ミカと交戦して、分断されて、負けた…」
調は言う。
「だから言っただろ!無茶をすんなって!私はマリアからお前達を頼むって言われているんだ!そのお前達がこんなんじゃ…」
クリスは調の服を離して言う。すると、
「調の所為じゃないデス…私がもうちょっと調のことを気にかけていられれば、こんなことにはならなかったのデス…」
切歌はそう言う。
「そんなことはない!私が切ちゃんも守らないといけない!だから!」
切歌の言葉に調は反論する。
「おい、それでよくあのバカに偽善者とか言えたな…」
調の言葉にクリスは拳を震わせながら言う。
「先輩…」
「あのバカはな、今のお前のその言葉と、同じ思いでずっと戦っていたんだぞ!それを偽善者とか言って、結局お前も同じじゃないか!ちっとは考えろ!」
クリスは怒って何処かへ行く。
「クリス君!…まったく、お前達も少しは冷静に考えたらどうだ?クリス君は、響君と出会ったことで、助けられたんだ。それに、翼も響君と出会ったことで、生きていく決意を固めるきっかけができたんだ。だから」
「それでも、私は!」
弦十郎が話していると、調はその言葉を遮って何処かへ行ってしまう。
「ごめんなさいデス…調は、少し頑固な所があるのデス。普段は、私がそれを止められるのデスが…」
切歌はしょぼくれるように言う。
「どうした、喧嘩でもしたのか?」
「違うデス。私が、もっと調を見ていれば!」
「それは違うな。」
「どうしてデスか?」
「それは、互いに互いの事を心配しているから、起きたことではないのか?」
弦十郎の言葉を聞き、切歌は納得する。

手当てを受けた切歌は、再び学校に行き、下校時間になると、調の所に行く。
「どうしたの、切ちゃん?」
調は冷たく言う。
「近くで縁日を開いているみたいデスから、調と一緒に行きたかったデスよ。」
「…わかった。」
調は短く言い、二人は近くの神社で開かれている縁日に行く。

「調、朝はごめんなさいデス。」
「切ちゃんが謝ることじゃない。悪いのは私だから。」
二人は再び口論を初めてしまう。すると、
「助けて!」
「逃げないと!」
叫び声が聞こえて二人は振り向く。すると、そこには人々を襲撃しているミカとエターナルがいた。
「ほう。もう動けるのか。」
〔スカル!マキシマムドライブ!〕
エターナルはエターナルエッジにスカルT2メモリをセットする。
「スカルパニッシャー!」
エターナルは骸骨のエネルギーをエターナルエッジから放ち、爆風が巻き起こる。それが晴れると、ギアを纏った切歌と調がいた。
「ミカ、行くぞ。本気で行こう。」
エターナルは言う。
「分かっているゾ。ミカにはもう、後がないんだゾ。だから、こいつらだけでも、解剖するんだゾ!」
ミカは自身のエネルギーリミッターを外す。
「4分間、踊り続けるといいんだゾ!」
ミカは真紅の石柱を生成し、炎を纏わせて切歌達に投げる。
「危ない!」
調はヘッドギアから二枚の巨大な丸鋸、γ式・卍火車を展開してそれらを防ぐ。
「僕を忘れてもらっては困る。」
〔ヒート!ジョーカー!マキシマムドライブ!〕
「ヒートグレネイド!」
エターナルは両腕に炎を纏わせて調を攻撃し、γ式・卍火車を粉砕する。
「まだだ。」
〔ルナ!マキシマムドライブ!〕
〔メタル!マキシマムドライブ!〕
「ルナイリュージョン!」
エターナルはエターナルエッジを鞭のようにしならせて攻撃を放つ。
「させないデス!」
しかし、それを切歌はイガリマの刃を飛ばす切・呪りeッTぉを放って防ぐ。
「大切なものを積み上げ、それを僕は壊しながら、今ここにいる。君達だってそうだろう?その結局が、二人が出会い、愛しているから、傷つけあったのだろう!?だから、本当は分かっているのだろう?二人で歌った、忘れられないメロディが、この先の未来に響く可能性があることを!」
〔アクセル!マキシマムドライブ!〕
「ダイナミックエース!」
エターナルはエターナルエッジからAの形のエネルギーの刃を放ち、それは地面に当たる。
「切ちゃん、私、素直になれなくてごめんなさい!」
「調、こっちこそ、自分の所為だと思いこんで、ごめんなさいデス!」
二人は互いに謝る。そして、
「「だから行こう!イグナイトモジュール、抜剣!」」
二人はダインスレイフの力を解放する。
「さて、二人ともダインスレイフの力を使いこなしたか。ミカ、後は任せた。こちらは最終調整に入る。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は変身を解除し、ワープを使ってチフォージュ・シャトーに帰る。
「任せるんだゾ!」
ミカはカーボンロッドを射出しながら言う。しかし、その攻撃は連携を取り戻した切歌と調の攻撃によって破壊される。
「♪拝啓敵のみなさまへぇ 黒歴史へとヨウコソDeath!」
切歌は断殺・邪刃ウォttKKKを使ってミカを拘束するが、ミカは力ずくで破壊する。しかし、
「♪デリートは出来なくもせめて償いたい」
調はヘッドギアから小型の鋸を大量に展開するα式・百輪廻と使ってその弾幕でミカを攻撃するが、ミカはカーボンロッドでそれを相殺する。
「「♪私たちの過去も 罪も傷も全て 越えて行こう!」」
調は巨大な丸鋸を上下に展開して巨大なローターに変化させる緊急φ式・双月カルマを、切歌は肩アーマーから刃を展開する封伐・PィNo奇ぉを使ってミカを攻撃する。
「「♪進め“明日へ”〝命賭して 後悔乗り越えて〟“絶え間なく”〝描け夢を〟ちょっとずつ“答えの道は”〝求める答えならば〟きっとこの先にあるはず!」」
ミカは二人を見失うが、その隙に二人の拘束攻撃を受けてがんじがらめになる。
「「♪紡ぎあった〝情熱  絶対の信頼 わかつ〟“一生分の”〝一生分の〟大好き!君が〝いるそれだけでいい〟“なら”調べ歌“える”〝いたい〟Just singing!」」
身動きを封じられたミカに対して、二人は互いの武器を合体させて放つ突進攻撃、禁合β式・Zあ破刃惨無uうNNをミカに放つ。
「まだだゾ!せめて、お前達だけでも、巻き込むゾ!」
ミカはあえてエネルギーをバーストさせて巨大な爆発のエネルギーが発生する。しかし、その爆発も虚しく、調が展開した非常Σ式・禁月輪に切歌は乗せてもらい、既に脱出していた。
「お前達、大丈夫か!?」
ギアの装着を解除した二人の所にクリスと弦十郎がやって来る。
「先輩、ごめんなさい。」
調は頭を下げる。
「んなことぁいい!何があった!?」
「オートスコアラー、ミカの撃破に成功したデスよ…」
切歌は疲れた声で言う。
「そうか。立てるか?」
弦十郎は言う。
「私は平気。」
調はそう言って立ち上がろうとするが、すぐに崩れるように倒れる。
「無茶はするな。お前達二人くらい、俺一人で運べる。」
弦十郎は切歌をおぶり、調を抱きあげる。
「後で、響にも謝らないと…」
調は前を向く決意を固めた。
       アンサーソング

次回予告
その身を剣と思わなければ生きて行けなかった少女。彼女はどこまでいっても剣でしかないのか?違う。彼女は夢に向かって羽ばたいて行く翼。次回『防人の歌』 

 

EPISODE22『防人の歌』

「偽善者…デスか?」
「うん。本当は、間違っていたんじゃないかなって。だけど、まだどこかで自分のやり方は間違っていなかった。響のやり方は間違っている。そう思う自分もいる。」
「本当は分かっているのだろう?二人で歌った、忘れられないメロディが、この先の未来に響く可能性があることを!」
「まだだゾ!せめて、お前達だけでも、巻き込むゾ!」
「オートスコアラー、ミカの撃破に成功したデスよ…」

チフォージュ・シャトーに戻った雅はファラとレイアに最後の作戦を伝える。すると、広間から蒸気が発生し、キャロルが現れる。
「キャロル、大丈夫か?」
「…ん?お前は…っ!」
キャロルは雅を見て不思議そうに首を傾げるが、次の瞬間には頭を抱える。
「大丈夫か!」
雅は近づく。
「雅か。オレは平気だ。思い出のバックアップをインストールした負荷が来ただけだ。」
キャロルは言う。
「そうか。こちらもガリィとミカが順調に、というのは少々辛いが、ダインスレイフの呪われた旋律の回収に成功して敗れた。後は、天羽々斬とイチイバルだけだ。」
「そうか。雅、ファラと動向してレイポイントの要石の破壊を頼む。オレはレイアと共にヤントラ・サルヴァスパを狙う。」
ヤントラ・サルヴァスパとは、S.O.N.G.が管理する書物型の聖遺物で、シャトーが万象黙示録を完遂する際に解析機器として利用することが、キャロルの狙いである。
「解りました。向こうが動いたら教えてほしい。僕とファラはすぐに動く。」
「ああ。」
キャロルは、不敵な笑みを浮かべた。

その頃、S.O.N.G.の司令室では、
「キャロルはきっと、世界の解剖の妨げになるレイラインの要、風鳴邸の要石を破壊しにくるはずです。」
エルフナインは話す。
「風鳴邸か…」
弦十郎は呟く。
「その使命、私が引き受けます!」
翼は力強く言う。
「大丈夫か、翼?」
「この身は(つるぎ)、剣に守れないものはありません。」
翼は立ち上がる。
「なんだか不安ね。司令、私も動向していいかしら?剣のことも知りたいしね。」
それを見てマリアが手を挙げる。
「いいだろう。要石は翼とマリアに任せよう。」
「翼、行きましょう?」
マリアは翼と、そのお付きである忍者、緒川に合図を出して移動する。
「それから、一つ気になることがあります…」
「気になること?」
「はい。おそらくファラ達は、万象黙示録の完遂の為に、ヤントラ・サルヴァスパという聖遺物を狙うはずです。」
エルフナインは弦十郎に話す。
「何だ?そのなんちゃらサラダスパって?」
クリスは言う。
「ヤントラ・サルヴァスパ。書物型の聖遺物で、事柄の記載も、言語の解読も可能な物体。奇跡の否定を書き記すキャロルの目的に、一番最適なもので、キャロルはこの本をずっと調べていました。」
エルフナインはクリス達に詳しく説明する。
「なるほど。ヤントラ・サルヴァスパは、確かに我々の施設、深淵の竜宮に保管してある。そちらは俺とクリス君で対応しよう。」
「私達も行くデス!」
「うん。」
弦十郎の言葉を聞き、切歌と調も同行の意思をみせる。
「済みません。私…」
響が悩むように言うと、
「未来君から話は聞いている。お父さんとの話、上手く行くといいな。」
弦十郎はサポートするように言う。
「ありがとうございます。」
「そうと決まれば、すぐに行くぞ!」
弦十郎の指示によって、クリス達は移動を開始する。

「ここが翼の家ね。」
マリアは言う。
「私にとっては、あまり良い所ではないがな。」
翼は俯くように言う。
「何があったのか分からないけれど、行くわよ。」
マリアの発言もあり、翼は門をくぐり風鳴邸に入る。
「風鳴翼、只今到着いたしました。」
翼は父親である八紘に余所余所しい態度をみせる。
「ふん、随分と早く到着だな。部屋はそのままにしてある。好きにしろ。」
八紘は冷たく言うと、そのまま去ってしまう。
「何なの!?あれが父親の態度!?」
マリアは怒る。しかし、
「マリア、その話は私の部屋でしよう。」
翼はマリアを宥めて部屋に案内する。
「ここだ。」
翼は扉を開ける。すると、そこは家探しされた跡のようになっていた。
「翼、何か盗まれたものはない!?」
マリアは慌てる。すると、
「あの男、本当に私が出て行った時のままにしていたのか。」
翼は私物の埃を払いながら言う。
「じゃあ…」
「ああ。私が片付けていないだけだ。」
翼はアルバムを片付けながら言う。
「それより、さっき翼は父親のことをあの男って言っていたけど、どういうこと?」
マリアは率直な疑問をぶつける。
「その事は、いずれ話そうと思っていた。私とあの男は、直接的な親子関係は無い。私の本当の父親は、あの男の父親だ。血縁上は、あの男は私の父では無く、私の兄に当たる。」
「えっ…」
翼から話される真実にマリアは唖然とする。
「私の血縁上の父、風鳴訃堂は護国を考え、自身の血を濃く遺すことを考え、あの男の妻に自分の種を仕込み、そうして生まれたのが私だ。」
「なんて外道だ!」
マリアは怒る。しかし、そんなマリアの怒りも突如として起きた轟音で冷める。
「行くぞ、マリア。」
「…ええ。」
マリアは、平然としている翼に驚きつつも二人で外へ出る。
「あら?あの時以来ね?」
「違う所は、僕が同伴していることか。」
外にはファラと、雅の変身したアナザーアギトがいた。
「行くぞ、マリア!」
翼とマリアはギアを纏う。
「ファラ、マリアはこちらで引き受ける。ファラは翼を頼む。」
「ええ。任せてちょうだい?」
アナザーアギトはマリアと翼を引き剥がす。
「くっ、見事に分断されたか!」
翼は天羽々斬を構える。
「あなたの歌、しっかり聴かせてね?」
ファラは刃を振るう。
「イグナイトモジュールは、使いこなせるようになったか?」
アナザーアギトは挑発する。
「いいだろう。イグナイトモジュール、抜剣!」
マリアはダインスレイフの力を纏う。
「こちらも、本気で行こう。」
アナザーアギトは拳を放つが、マリアは左腕の篭手で防ぐ。しかし、
「右ががら空きだ!」
アナザーアギトは回し蹴りを放ち、マリアは怯む。
「ふふっ、そんな細い剣で私が斬れるのかしら?」
ファラはフラメンコの要領で翼の攻撃を躱す。そして、
「これでどうかしら!?」
ファラが翼の刃を剣で防ぐ。すると、翼の刃は一方的に砕けちる。
「何っ!?」
「あら、案外しょぼい歌なのね。」
ファラは笑う。
「貴様、何をした!?」
「私の哲学兵装、剣殺し(ソードブレイカー)は、原理を無視して相手の剣を壊す能力があるの。」
ファラは高らかに説明する。
「翼!?」
マリアは、アナザーアギトの猛攻を躱して翼の所に向かい、アガートラームでファラを斬り付けようとするが、ファラはそれを剣殺しで防ぐ。すると、本来は義手型の聖遺物であるアガートラームは破壊される。
「あら?アガートラームって剣だったかしら?」
ファラは砕けたアガートラームを見て不思議そうに言う。
「くっ、翼を守る刃が!?」
マリアは驚く。剣殺しは、その物体の形状では無く、その物体の在り方を参照する武装。マリアは、翼を守る剣としてアガートラームを使ったことで、剣殺しの力が発揮したのだった。
「ファラ、今の歌で踊れるか?」
「いいえ、こんな安っぽい歌では満足出来ないわ。だから、今は退きましょう?」
ファラは移動手段の風を展開して雅と共に去る。
「ふん、せっかく風鳴から離れたくせにその体たらくか。」
その様子を見ていた八紘は言う。
「あんた、それが父親として娘に言う態度!?」
マリアは言う。
「そいつは醜く穢れた風鳴の血。歌で世界を救いたいから、そんな戯れ言を言うから家から追い出したというのに、その程度とは…」
八紘は呆れるように言う。
「いくら何でも言い過ぎよ!」
マリアは言う。
「やめてくれ、マリア。私が、腑甲斐ないのがいけないんだ…」
翼は泣きながら言い、マリアはその場を去る。

夜になり、突風が巻き起こる。
「はぁい、また来たわよ?」
「要石、今度こそ砕く。」
[hijack form]
ファラと、幽汽に変身した雅が再び襲撃する。
「マリアがいない。だが、私一人でも、守ってみせる!♪Imyuteus amenohabakiri tron」
翼はギアを纏う。
「ファラ、ここは見物していてほしい。少々、面白い演劇を思いついた。」
【ATTACK RIDE-BEAT GAME-】
幽汽は、ロードスラスターからビートゲーマを召喚する。
「さあ、奏でろ!」
幽汽はビートゲーマのディスクをこすり、音楽を再生する。
「意趣返しってやつね。楽しみだわ。」
ファラは遠くから高みの見物を始める。
「♪静かに 耳を澄ませば 聞こえる 流星の残響!届け!カンパネラ 生命のRond」
幽汽は刃を放ち、翼は防戦一方になる。
「♪決意に 追いかけたHeart tail 禁じた (ツルギ)を掴んで!弱くていい 君の定義!想い込めて往こう…」
幽汽の攻撃によって、翼は剣を落としてしまう。
「♪感じてぇ 僕の声を!聖なる インフィニティ 誓えるぅ 愛の為に 今は 小さな 火花でいい!いつか!大きな!炎へと変われぇぇぇ!」
幽汽は大量の独楽を上空に放ち、それらが爆発して翼は吹き飛ぶ。
「♪イカズチでも 壊せない その絆の限りRise!新時代の 福音(ゴスペル)よ 夢追い人を照らせ!」
[full change]
幽汽は必殺技を発動する。
「♪もう 迷わないさ!風のままにぃ!未来はまばゆく輝いて君~を待~つよ~!」
幽汽のターミネートフラッシュが翼に直撃し、翼は地面に転がる。そこに八紘が現れる。
「翼、立ち上がりなさい!そして、夢に向かって羽ばたきなさい!」
八紘は翼を叱咤する。
「えっ…」
翼は困惑する。しかし、
「今さら、父親面するつもりですか!何故もっと早くしなかった!?折れる剣は、そんなに不要ですか!」
翼はすぐにそう返す。すると、
「何時までそんなことを言っているつもりなの!いい加減目を覚ましなさい!このわがままっ子!」
そこにマリアが現れる。
「娘の心配をしない父親が、この世のどこにいるの!いるわけないでしょう!」
マリアは翼を叱る。
「翼、お前が私をどう思っているかは分からない。だが、これだけは聞いてほしい。翼という名前は、私とお前の母さんの二人で、考えた名前だ。風鳴の血に囚われないように、風鳴の家から旅立ち、夢へ向かって羽ばたけるように、その名前をつけた。」
八紘は深々と言う。
「父さん…ありがとうございます。イグナイトモジュール、抜剣…」
翼はダインスレイフの力を纏う。
「遂に来たか。ファラ、僕はキャロルと合流する。ここは任せた。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は変身を解除し、ワープで移動する。
「♪邪鬼の 遠吠えの 残音が 月下に呻き狂う 今宵 の我が牙の 切れ味に同情する」
「これは楽しめそうね!」
ファラは剣殺しを振るう。しかし、それでは翼の刃は砕けなかった。
「何っ!?」
「♪其方 の戒名に 記す字を どう彫るか明示せよ 断末魔の 辞世の句は 嗚呼、是非も無し 所詮はケモノと 変わらぬのか?錆に折れゆくのか?迷い惑い尽きぬ日々よ されど!今は!外道に哀の一閃をぉぉ!悪行即瞬殺…」
翼の猛攻に、剣殺しは遂に砕ける。
「どういうこと!?あなたの武器はこの剣殺しで確実に封じることが出来るはず!?」
「この身が剣?違う。この身は未来へ向かって羽ばたくもの。翼だ!剣殺しでは、この翼を折ることは出来ない!」
剣殺しはありとあらゆる剣を破壊出来る。しかし、それは剣の持ち手が剣と認識したものだけである。剣では無く、翼と例えることで、剣殺しは機能しなくなる。
「♪今の 我に 何も斬れぬものは無いぃ!悪行即瞬殺…餓狼の光る牙は自らをも 壊し 滅す 諸刃のよう ただ生きとし生けるものならば 過去だって 飛び立てる!」
翼はファラを上空に打ち上げる。
「♪剣は剣としか呼べぬのか?違う!友は 翼と呼ぶ!我~が~ 名~は~ 夢を羽撃く者也!」
翼は炎を纏いながら回転し、上昇。そのエネルギーで切り裂く必殺技、羅刹・零ノ型を放ち、ファラの躯体に大きな損傷を与える。
「ふふふ、しっかり聴かせてもらったわ。ダインスレイフの呪われた旋律。これであと一つね。」
ファラは笑う。そして、剣殺しを掴んで、それを要石に投げて要石は砕けちる。
「しまった!?」
ファラは全ての目的を達成し、笑顔を見せていた。
         防人の歌 
次回予告
呪われた旋律の意味。最後の一つが遂に整う。そして、禁断が解放される。次回『英雄の凱旋』 
 

 
後書き
新カード紹介
ビートゲーマ:ビートゲーマを召喚するカード。 

 

EPISODE23『英雄の凱旋』

「雅か。オレは平気だ。思い出のバックアップをインストールした負荷が来ただけだ。」
「あら、案外しょぼい歌なのね。」
「さあ、奏でろ!」
「翼、立ち上がりなさい!そして、夢に向かって羽ばたきなさい!」
「この身が剣?違う。この身は未来へ向かって羽ばたくもの。翼だ!剣殺しでは、この翼を折ることは出来ない!」

「ふふふ、しっかり聴かせてもらったわ。ダインスレイフの呪われた旋律。これであと一つね。」
ファラは不適な笑みを浮かべる。
「呪われた旋律?どういうこと!?」
マリアは言う。
「私達が負けることに、何の意味も無いと思ったのかしら?」
「どういう意味だ!」
ファラの言葉に翼は質問する。
「そうね、いい歌を聴かせてもらったお代に教えてあげるわ。イグナイトモジュールによって歌われる旋律。それを私達が受け止めることでチフォージュ・シャトーは真の力を発揮するのよ。さて、彼がそろそろ最後の一人を引きだそうとしているでしょうから、私はここら辺で退場させてもらうわ。」
ファラはそう言って爆発し、辺りに粉塵が舞う。
「翼、クリスに連絡を!」
マリアはギアを装着している翼に言う。
「駄目だ!通信が妨害されている!」
翼は通信を遮られてしまう。

その頃、深淵の竜宮ではレイアと、雅がカメンライドしたディロードG4を相手にクリス、切歌、そして調は苦戦していた。
「どうした?イグナイトモジュールは使わないのか?」
ディロードG4はGM-01で威嚇射撃を行う。
「行こう、切ちゃん。」
「わかったデス!」
「「イグナイトモジュール、抜剣!」」
切歌と調はイグナイトモジュールを起動させる。
「どうした?一人だけイグナイトモジュールを使っていないな。もしかして、まだ使いこなせないのか?もうお前一人だけだぞ。使いこなせないのは。」
「うるせえ!」
クリスはがむしゃらに撃つが、ディロードG4は軽く避ける。
「結局お前は一人孤独の身。頼られても、温かい場所を貰っても、それが受け容れられない。何時まで経っても独りなんだ。」
ディロードG4は挑発する。
「言ってくれるじゃねぇか。イグナイトモジュール、抜剣!」
クリスはイグナイトモジュールを起動させる。しかし、クリスはその黒いオーラに蝕まれ、もがき苦しむ。
「アタシハ…アタシハ…」
「結局、一人で戦う覚悟も無いのか。」
もがくクリスを見てディロードG4は言うが、
「先輩は、一人じゃない!」
「私達が付いているデス!」
調と切歌がクリスの手を握る。
「ソウダ…アタシは…一人じゃねぇ!私には、もう沢山の人がいるんだ!」
クリスはダインスレイフの呪いに打ち勝ち、その力をコントロールする。すると、
「漸く使えるようになりましたか、クリスさん。あなたが最後でしたよ!」
ディロードG4は変身を解除し、ロードスラスターでレイアを撃つと、クリスの方につく。
「おい、なんのつもりだ!?」
「詳しい話は後で話します!僕は奴らの味方の振りをして、皆さんがイグナイトモジュールを使えるように助力していました。ですが、これで全員イグナイトモジュールを使えるようになりましたので、もう奴らと行動する理由はありません。」
【KAMEN RIDE-LAZER X-】
雅は仮面ライダーレーザーXを召喚する。
「どういうつもりだ!?」
レイアは驚く。
「おいおい。こいつは他所の世界の為に自分の命をかけられるような奴だ。もしかして、知らないのにノせられちゃった?」
レーザーXは煽るように言う。
「貴利矢さん、クリスさんと協力してレイアの撃破をお願いします。僕はキャロルを…」
雅が話していると、
「オレをどうするつもりだ?」
キャロルが現れる。
「君の悪事を砕くことが、僕の本当の使命だ。君を倒させてもらう。」
【CHANGE RIDE-BUGGLE DRIVER Ⅱ-】
雅はディロードライバーをバグルドライバーⅡに変える。
《KAMEN RIDER CHRONICLE》
「変…身!」
雅はガシャットを起動させて手を離すと、ガシャットはドライバーに自動でセットされる。
《ガシャット…バグルアップ!♪天を掴めライダー!ウォー!刻めクロニクル!今こそ時は、極まれり!ウォー!》
雅は仮面ライダークロノスに変身する。
「行くぞ!」
クロノスはガシャコンキースラッシャーとガシャコンパラブレイガンを出現させてキャロルに斬りかかる。しかし、キャロルは土の錬金術を使って盾を展開し、それを防ぎきる。
「これならどうだ!」
クロノスはガシャコンマグナムを出現させて撃つが、キャロルは風の錬金術を使い、エネルギー弾を弾く。
「仕方がない!」
《PAUSE…》
クロノスは戦闘区域の時間を停止させるポーズ機能を使い、キャロルに近づく。
《KIMEWAZA…CRITICAL CREWS-AID》
クロノスは必殺の逆回し蹴りをキャロルに放ち、
《RESTART…》
時間停止を解除する。すると、キャロルは水になって消える。
「やはりそういうことだったか。」
広間からキャロルが現れる。
「キャロル!?」
「ヤントラ・サルヴァスパ、確かに頂いた!」
キャロルはヤントラ・サルヴァスパを高らかに見せる。
「へぇ、それがあんたにとって必要なものなんだ?」
レーザーXはそう言うと、ガシャコンスパローの矢でヤントラ・サルヴァスパを破壊してしまう。
「くっ!」
キャロルはレーザーXを睨みつける。
「キャロル、大人しくしてもらおうか。」
クロノスはガシャコンブレイカーを構える。
「レイア、いけるか?」
キャロルはレイアに聞く。
「少々派手にやりましょう。妹よ!!!」
レイアが叫ぶと、深淵の竜宮の入り口から巨大な腕が伸びる。
「ちっ!ちょせぇんだよ!」
クリスはキャロルが逃走することを察知してミサイルを放つMEGA DETH PARTYを発動し、キャロルのいた所の壁は完全に粉砕される。そして、その煙が晴れると、左手から、言葉通りクリスの放ったミサイルを捕食している男性がいた。
「久しぶりの聖遺物。とても甘くて癖になる。」
その男はミサイルを捕食しきるとそう言う。
「まさか…」
「嘘でしょ…」
切歌と調は驚く。
「ノンノンノン。嘘じゃない。そう!僕こそ、真実の人。英雄!ドクターウェル!」
目の前にいた男は、かつてマリア達に助力しつつも、己が英雄になるという野望を掲げて聖遺物の一つと融合したマッドサイエンティスト、ウェル博士であった。
「なんでてめえがここに!」
クリスは銃を向ける。
「なんでも何も、君たちは僕が世界を救ったフロンティア事変を無かったことにした!そして、ネフィリムと一体化している僕は、ネフィリムにくっついている付属品として、この深淵の竜宮の中に幽閉されていた!」
ウェル博士は事実を言う。
「ドクターウェル、話は知っている。オレに協力しないか?」
キャロルはウェル博士に質問する。
「なにやら面白そうだね。どうせここにいても退屈だ。ここは派手にやろうではないか!英雄の凱旋を!」
ウェル博士は高らかに言い、謎の巨大な腕はウェル博士とキャロルを掴むと、消えてしまう。
「取り逃したか!」
クロノスは悔しがる。
「ま、とりあえず目の前のあいつを片付けよう。」
レーザーXはガシャコンスパローを鎌モードに切り替えてレイアに斬りかかるが、レイアはジャズダンスの動きで避ける。
「ここは私に任せろ!」
クリスはそう言うと、イチイバルをロングライフルに変える。
「ここでライフル!?」
レイアは狭い場所に適さないライフルを握るクリスに驚く。すると、
「撲るんだよ!」
クリスはイチイバルをレイアに叩きつけ、レイアは地面に転がる。
「あんた、中々おもいきりがいいじゃん。んじゃ、ウィニングランを決めようぜ!」
《KIMEWAZA!BAKUSOU!CRITICAL FINISH!》
レーザーXはガシャコンスパローを弓モードに戻して必殺技を発動する。
「オッケー!」
クリスもイチイバルを弓に変える。そして、二人のエネルギーの矢の弾幕、CRITICAL GIGA ZEPPELINがレイアを撃ち抜き、レイアは撃破される。すると、深淵の竜宮は異様に揺れる。
「皆さん、恐らく海流に呑み込まれます!脱出しましょう!」
変身を解除した雅はクリス達に言う。
「あんた、何者だ?」
「紹介が遅れました。僕は凪風雅。次元保護国という異世界からこの世界を救いに来ました!」
雅は軽い自己紹介をし、クリス達と脱出する。すると、海上にはレイアと同型の巨大なヒトガタ、レイアの妹が雄叫びを上げていた。
「おい、まじかよ…」
クリスは唖然とする。しかし、
「一気に行きますよ、クリスさん!」
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
雅はディロードライバーをオーズドライバーに変え、オーズ タジャドルコンボに変身すると、赤いコアメダルを3枚セットして空を飛ぶ。
「お、おう!」
クリスは巨大なミサイルに2機セットする。
〔ギガスキャン!〕
オーズはタジャスピナーのメダルをスキャンし、必殺技のマグナブレイズを放ち、クリスはオーズによってレイアの妹に作られた風穴に巨大なミサイル、MEGA DETH FUGAを放ってレイアの妹を撃破。これによって、全てのオートスコアラーは撃破される。
「今まで、敵の振りをして、済みませんでした!こうでもしないと、皆さんがイグナイトモジュールを使える未来が確定しなかったので!」
雅はクリス達に事情を話す。
「何がなんだか解らねえけど、とにかく本部に来てもらうぞ。」
クリスに言われた雅は、装者達に連れられてS.O.N.G.の司令室に入る。
「お前は!?」
翼は警戒する。
「風鳴司令、この度は貴方が抱えている優秀な戦士達に危害を加え、事件の進行を進めたこと、ここでお詫び申し上げます。」
雅は深々と礼をする。
「それで、君は一体何者なんだ?」
弦十郎は質問する。
「僕は凪風雅。世界の歴史を護る為に戦う、仮面ライダーディロードです。」
「仮面ライダー?」
雅の言葉を聞き、一同は困惑する。
「それで、世界の歴史というのは、一体なんだ?」
「僕の世界は、今は本来あるべき歴史から外れた世界を観測し、それを元に戻す使命があります。この世界は、皆さんがイグナイトモジュールを使えないと、この世界は未来が紡がれることが無く崩壊してしまいます。その為にも、僕が一芝居打つことにしましたが、これでこの世界は正しく進む準備ができました。」
「だからか。初めて私と会った時に、逃げるように言っていたのは。」
クリスは納得する。
「じゃあ、あの時に私達に言った言葉は…」
「私達に大切なものを気づかせる為だったんデスね!」
調と切歌も納得する。
「雅、あの歌の真意はそういうことだったのか…」
翼も納得する。
「ちょっと、私だけ仲間外れ!?」
マリアはショックを受ける。その時、司令室に俯いた響が入ってくる。
「ッ!あなたは!?」
響はペンダントを取り出す。
「響君、彼は敵ではない。それよりも、大丈夫か?」
弦十郎は響の表情を見て心配する。
「えっと…」
響は言葉に詰まる。話は、少し遡る。

クリス達がレイア達と交戦している頃、響は失踪していた父親、晄に会っていた。
「なあ、やっぱり元には戻れないか…」
晄は言う。
「そう思うなら、なんで一番大切な時に逃げたの!?」
「それは…あっ、それよりお願いなんだけど。」
「何?」
「実は今お金が無くて、払っておいてもらえるかな?」
晄は響にずうずうしく言う。
「…もう知らない!」
響はそう言って喫茶店から出ていってしまう。

「いや、深くは聞かないでおこう。」
弦十郎は言う。
「凪風さん、私達の歴史を護るなら、私と父さんの再会も、護られるべきものなの!?」
「響さん、守護者である僕からは、答えることは出来ない。これから起こる大きな事件は全て。もし話せば、きっとこの世界は歪んでしまい、崩壊してしまいます。ですが、会って傷ついたのなら、それはきっと、響さんにとって必要な経験のはずです。響さんの始まりの為にも。」
雅の言葉に、響は泣くことしか出来なかった。
        英雄の凱旋

次回予告
全ての舞台は、きっとこの日の為にある。少女の嘆きを、終わらせるために。大切なものの手を、掴む為に。次回『終焉の追走曲(カノン)』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーレーザーX:仮面ライダーレーザーXを召喚する為のカード。
バグルドライバーⅡ:ディロードライバーをバグルドライバーⅡに変えて、対応するライダーに変身する為のカード。使用ガシャットによってライダーが自動でセレクトされるため、個別のカードは無く、共通のカードで変身する。 

 

EPISODE24『終焉の追走曲』

「ソウダ…アタシは…一人じゃねぇ!私には、もう沢山の人がいるんだ!」
「おいおい。こいつは他所の世界の為に自分の命をかけられるような奴だ。もしかして、知らないのにノせられちゃった?」
「ノンノンノン。嘘じゃない。そう!僕こそ、真実の人。英雄!ドクターウェル!」
「紹介が遅れました。僕は凪風雅。次元保護国という異世界からこの世界を救いに来ました!」
「凪風さん、私達の歴史を護るなら、私と父さんの再会も、護られるべきものなの!?」

「それで、雅君はこれからどうするのだ?」
「皆さんがイグナイトモジュールを使えるようになったことで、殆ど安定しましたが、肝心のキャロルとの決着がまだついていません。なので、最後まで助力させて下さい。」
「わかった。それで、何か手は決まっているのか?」
「はい。キャロルの目的である万象黙示録を止める手段があります。」
「それは何だ?」
「ウェル博士の存在です。」
弦十郎の質問に雅は答える。
「なんだと!?」
「おい、正気か!?」
「それは危険よ!」
「あいつと手を組むなんて、正気の沙汰じゃないデース!」
雅の言葉に弦十郎をはじめクリス、マリア、切歌は反論する。
「勿論、理由はあります。世界を救うことで英雄になろうとするウェル博士と世界を解剖して全て終わらせようとするキャロルはいざこざを起こします。そうなれば、世界を救う未来を交渉材料にすれば、万象黙示録を止める手立てはあります。」
雅は、装者達に説明をする。
「なるほど、話はわかった。それで、誰が交渉に向かう?」
弦十郎が聞くと、
「その役目、私達に任せてもらえないかしら?」
マリアと切歌、調が立候補する。
「わかった。頼んだぞ。」

「それで、世界を解剖した後はどうするつもりだい?」
「どうするも何も、考えていないが。」
S.O.N.G.で会議が行われている頃、チフォージュ・シャトーでキャロルとウェル博士は言い争っていた。
「何もしないだって!?世界が無くなる危機を救えば英雄になれるんだ!そのチャンスを見逃すつもりかい!?」
「何の話だ?」
「かつて世界は幾度となく危機に瀕した。そして、それは一人の閃きが全て救った。その導き手は未来に英雄と呼ばれた。君だって英雄になれば、父親の不名誉を払拭できるではないか!」
ウェル博士は持論を力説する。しかし、次の瞬間ウェル博士はダウルダヴラによって貫かれていた。
「…楽器をそんな風に使っちゃ駄目じゃないか…」
ウェル博士はそう言い、体を支える力を失って排気口から落下する。

数日後、響は再び晄と会っていた。
「どうしてちゃんと話そうとしないの?」
「俺だって、職業柄立場ってものがあるんだ。あのコンサートが、俺達の人生が狂った原因なんだ。わかってくれよ。」
晄は、響がかつてガングニールの一部と融合する切っ掛けとなったコンサートの、偶然にも響が生還したことで世間から批判された出来事を引き合いに出す。
「どうしてそんなことを言うの!?」
響は、自分に世界を護る力をくれた一件を批判され、怒る。すると、巨大な地響きが起きて、二人が窓から外を観ると、キャロルの牙城たるチフォージュ・シャトーがそこには鎮座していた。
「あれは!?」
響は驚いて外に出る。すると、シャトーからキャロルが降りてくる。
「キャロルちゃん!」
「立花響、オレは今日、奇跡を殺す!」
キャロルはダウルダヴラを取り出す。それを見て響もペンダントを取り出す。すると、
「いいのか?その男の前でシンフォギアを使って?」
キャロルは言う。響が後ろを振り向くと、携帯のカメラモードを開いて響の姿を録画しようとしている晄がいた。
「その男はお前のことを子供とすら思っていないようだな。」
キャロルは煽る。その言葉に響は戸惑う。すると、
「響さん、ここは僕に任せて下さい!」
【CHANGE RIDE-AMAZONS DRIVER TYPE ALPHA-】
アマゾンズドライバーを装着した雅が現れる。
「雅か。よくもオレを騙してくれた。」
「これが、僕の使命なので。」
〔アルファ…〕
雅はアマゾンズドライバーのグリップを捻る。
「アマゾン。」
〔wild!wi wi wild!〕
雅は赤い炎に包まれ、仮面ライダーアマゾンアルファに変身する。
「…パパ!?」
その様子を見たキャロルはかつて父親が火刑にされた時のことを思い出し気が動転してしまう。
「行くぞ。」
アマゾンアルファは素早く動いてキャロルに近づき、殴りかかるがキャロルはそれを避け続け、キャロルは防戦一方になる。
「凪風さん!」
響は話しかける。すると、
「話しかけてこないでほしい!」
アマゾンアルファは反応する。
「えっ…」
「僕が今使わせてもらっているこの力は、確かに強い。だけど、一つだけ困った部分があって、その代償で食人衝動にかられてしまう。だから、今は黙っていてほしい。」
アマゾンアルファは強い精神力で本能を押さえ込んでキャロルとの戦闘を続行する。
「なかなかやるではないか。だが、これならどうだ!」
キャロルはそう言うと、響目掛けて火焔弾を放つ。
「しまった!」
アマゾンアルファはそれを追いかけようとするが、それをキャロルが妨害する。すると、晄はそれを庇うように響を抱きながら飛び込んで避ける。
「お父さん…大丈夫!?」
「ああ。平気、へっちゃらさ。」
晄は笑顔で答える。
(そうだ。私が普段言っていたあの言葉、お父さんが私にくれたものだったんだ!)
響は、自分の普段の口癖を思い出す。
「ところで、どうして響さん達の行動が全て解っていた!」
「何の話だ?」
「とぼけるな。クリスさんと翼さんを分断したあの作戦。まるであたかも最初からあの二手に分かれることが解っていたかのように行動していた!」
「そこまでわかっているなら言うしかないな。ご苦労だったぞ、エルフナイン!」
キャロルは笑顔で言う。
「えっ…」
エルフナインは驚く。
「どういうことだ!?」
弦十郎はエルフナインを睨む。
「僕には、なんのことかわかりません!」
エルフナインは言う。
『そのはずだ。お前とオレは五感をリンクさせているが、オレとお前のリンクは行っていない。勿論、ダインスレイフを奪わせるのも、作戦の一つだ。本当に、よく頑張ってくれた。』
キャロルは笑う。
「皆さん、早く僕の活動を停止させて下さい!」
エルフナインは自責の念にかられてその身を破壊するように頼む。すると、
『逃げようとしちゃ駄目だ!』
晄は言う。
『ずっと逃げ続けてきた奴が言っても、説得力がないかも知れないけど、逃げても何も変わらない!だから、生きて、認めてもらうんだ!』その
晄は説得する。すると、そこに装者達が集結する。
「緒川さん、彼を頼みます。」
「はい。さ、本部まで避難しましょう。」
翼は緒川に指示を出して緒川は晄を誘導する。
「待ってくれ、響が…」
「大丈夫!平気、へっちゃらだよ!」
響は晄に笑顔を見せ、晄は納得して避難する。
「翼、シャトーは私達に任せて!」
「マリアさん!皆さんの道は、僕が作ります!」
雅は変身を解除し、マリア達の手をとると、ワープのカードを使ってシャトーに突入し、雅は帰還する。
「やってくれるな。」
キャロルはダウルダヴラを奏で、ファウストローブを身に纏う。
「♪嗚呼終焉への追走曲(カノン)が薫る!殺戮の 福音に血反吐と散れぇ!」
キャロルは歌うことでダウルダヴラの出力を上げる。
「♪微分子レベル まで解剖して 反逆を 永劫に断つ!」
「これは…シンフォギア!?」
一同は驚く。
「♪奇跡など殺すと誓ったのだ!思い出など微塵と焼き消してぇ!狂い酔えば柔きあの笑顔も!世界ぃを壊す歌が忘 却へとぉ!愛など見えない!愛などわからぬ!愛など終わらせる!」
キャロルのエネルギー波を受けて一同は怯む。
「この攻撃…まるでシンフォギアの絶唱と同じ威力だ!」
翼は言う。
「シンフォギア?そんな奇跡と一緒にするな!それに、オレの力はお前達一人一人のちっぽけな力ではない。人類70億のフォニックゲインをシャトーに集めて使っている。レベルが違う!さあ、始まるぞ!万象黙示録の完成だ!」
キャロルが宣言すると、シャトーからエネルギーのラインが地球にめぐる。しかし、次の瞬間には開かれた地球の表面は再び閉じてしまう。
「一体何が起きている!?」
キャロルは驚く。

その頃、シャトー内部ではウェル博士が管制システムを制御していた。
「マリア、これで世界の解剖は止まる。」
ウェル博士はネフィリムを使ってシャトーのシステムを停止させていた。

「馬鹿な!」
キャロルは怒り、チフォージュ・シャトーの核を破壊する。

「っぐ!?」
シャトーは瓦解し、ウェル博士はマリアを突き飛ばして瓦礫の下敷きになる。
「ドクターウェル!…どうして…」
マリアは近づく。
「愛故に…ですよ…」
「何故そこで愛!?」
「マリア、君達が欲しいものはこれだろう?」
ウェル博士は隠し持っていたLiNKERのデータが入ったチップを渡す。
「マリア…僕は今度こそ…英雄になれたかな?」
ウェル博士はそう言い残して息絶える。
「…ああ。最低最悪のな!」
マリアはウェル博士の亡骸にそう言って脱出する。

時を同じくして、S.O.N.G.本部ではキャロルとリンクしているエルフナインが、キャロルのエネルギーのバックファイアを受けて肉体の限界に近づいていた。
「キャロルに…言わないと…」
エルフナインは立ち上がる。
「キャロル…父、イザーク・マールス・ディーンハイムに代わり、命題の答えを言います!」
「パパの命題?」
『キャロル、もっと世界を知りなさい。』
キャロルはイザークから言われた言葉を思い出す。
「その答えは…『赦し』です。」
エルフナインは答える。
「赦しだと?ふざけるな!」
キャロルは思い出を焼却し、翠の獅子機を錬成し、乗り込む。キャロルが燃やした思い出は優しきあの日々。憎しみにキャロルは駆られる。
「それじゃあ、なんのためにパパは!?」
キャロルは嘆く。しかし、次の瞬間キャロルの脳裏には偶然にも残っていた父親(イザーク)の微笑みが過る。
「パパ…邪魔しないでくれ!」
しかし、憎しみに呑み込まれたキャロルは己の唯一の行動理念となっていた父親との日々(もの)さえも焼き消して力に変える。
「ああ…何故オレはここにいる?解らない…だけど…これだけは解る。オレはお前達を破壊する!」
翠の獅子機は咆哮を上げる。
「さて、僕も本領発揮だ!」
雅はディロードライバーを装着し、ディロードのカードをスキャンする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「また別の姿に!?」
翼は驚く。
「これが僕の、仮面ライダーとしての本当の姿です。それで、このカードに願いを込めて下さい。」
ディロードは事前に渡していた白紙のカードに願いを込めてもらうように言う。
「俺達も、雅君の為に協力しよう!」
弦十郎達も渡されたカードに願いを込める。
「集え、世界の願い!」
ディロードの宣言により、ワールドホープのカードが完成し、ディロードはスキャンする。
【WORLD HOPE-SENKI ZESSYOU SYMPHOGEAR GX-】
その力により、響達のギアは限定解除され、XDモードになる。そして、ディロードの手には、一枚のカードが握られる。
「これは!?」
ディロードはカードをスキャンする。
【ATTACK RIDE-PHONIC GAIN-】
カードの力により、ディロードにフォニックゲインが宿る。
「響さん、行きましょう!」
ディロードは拳を構える。
「はい!」
ディロードと響は翠の獅子機に向かう。
「我々はこいつらを片付けるぞ!」
翼達は翠の獅子機の咆哮によって溢れ出るアルカ・ノイズ達を撃破してゆく。
「キャロル、目を覚ますんだ!」
「キャロルちゃん!」
「煩い!目障りだ!全て焼き消す!」
もはやキャロルには、目の前に映る二人(雅と響)が誰なのかも解らなくなっていた。
「ダメだ!僕達の声が届かない!」
ディロードと響はバックステップを踏んで攻撃を避ける。
「こうなれば、仕方がない!」
【WORLD ATTACK RIDE-SENKI ZESSYOU SYMPHOGEAR GX-】
ディロードはワールドアタックライドを発動する。
「立花と雅に力を貸してくれ、天羽々斬!」
「イチイバル!」
「シュルシャガナ!」
「イガリマ!」
「アガートラーム!」
翼達は自身のギアのエネルギーを響に集約させ、響はアームドギアで構築された巨大な拳となり、ディロードはそれを蹴ることで拳は速度を上げて翠の獅子機を貫く。(コア)を破壊された翠の獅子機は爆発し、キャロルは上空から落下する。
「キャロルちゃん!」
それを見て響は手を延ばす。
「パパ?」
それを見たキャロルはそう呟くが、その言葉を残して爆発に巻き込まれる。

「それでは、世界を救う為とはいえ、ご迷惑お掛けいたしました。」
事件が終わり、雅は弦十郎に頭を下げる。
「いや、こちらこそ世界を救う協力をしていただき、ありがとうございます。」
弦十郎は雅の手を握る。
「ありがとうございます。それでは、世界が救われた以上、僕という異物はすぐに帰らせていただきます。」
雅はそう言い、次元転送ポートによって、次元保護国に戻り、ソウルライドの発動が行われて、リセットのカードによって雅とシンフォギアの世界との繋がりは消え、この事件は幕を下ろした。

次回予告
突然舞い込んだ雅の見合い話。雅との思い出の話。次回『二人の思い出』 
 

 
後書き
新カード紹介
アマゾンズドライバー(アルファ):ディロードライバーをアマゾンズドライバーに変えて、仮面ライダーアマゾンアルファに変身する為のカード。
戦姫絶唱シンフォギアGX(ワールドホープ):シンフォギアGXの世界のワールドホープ。装者達のギアを限定解除し、ディロードはフォニックゲインのカードを入手する。
フォニックゲイン:ディロードにフォニックゲインが宿り、歌の力で能力が上昇する。
戦姫絶唱シンフォギアGX(ワールドアタックライド):シンフォギアGXの世界のワールドアタックライド。合体したギアを響とディロードの力でぶつけるGlorious Break RIDEが発動される。 

 

第25話『二人の思い出』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「アルカ・ノイズ。何するものぞ、シンフォギア!」
「僕の記憶なんて、不味いですよ。」
「「「イグナイトモジュール、抜剣!」」」
「その答えは『赦し』です。」
「それでは、僕所いう異物は立ち去らせてもらいます。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─
「雅国家象徴、そろそろお嫁さん探しは初めていますか?」
エイミィは雅に質問する。
「エイミィさん、僕はまだ23ですよ?」
「何言っているんですか。クロノ君…じゃなかった。あの人は私と19で結婚しているんですよ。」
エイミィは雅の質問に左薬指の指輪を見せながら言う。
「それはそうですが…」
雅が戸惑うように言っていると、
「そうですよ。国家象徴ともあろう方が、早い段階から子供もいないなんて、将来的に不安な要因になりますよ。」
クロノが現れて雅に言う。
「クロノ刑事まで。僕は装填の守護者。世界を救うことが使命の僕と結婚したら、相手の女性に迷惑がかかってしまいます。」
雅は言う。
「そう言われると思いまして、既にこちらの方でお見合いの準備は進めておきました。明日の正午に、雅国家象徴に相性の良い女性を一人、連れてきますから。」
クロノはそう返す。
「クロノ刑事がそこまで段取りを整えているのなら、信頼しても大丈夫でしょう。わかりました。明日の正午ですね。場所はどこですか?」
「場所はこの国家象徴宅の特別室です。」
「わかりました。お二人の面子、つぶさないようにします。」
「国家象徴、そこまで堅苦しくならないで。お見合いって、そんな状況でやってもうまくいかないですよ。」
「エイミィの言う通りですよ。とにかく、明日は任せ下さい。」
エイミィの言葉にクロノはフォローを入れて二人は国家象徴宅から出て行く。

「義母さん、私のお見合いって?」
その頃、警察庁でフェイトはリンディに呼び出されて話をしていた。
「私だって、フェイトとそんなに年が変わらない頃には、結婚相手を探していたわ。だから不安なのよ。このまま婚期を逃したらって。それでね、丁度いいお見合い相手を見つけたの。だけど、フェイトには国家象徴宅から出てもらう訳にはいかないから、お見合い相手の方に国家象徴宅まで来てもらうことにしてもらったの。だから、明日は頑張って。私も応援しているから。」
「うぅ…わかりました…」
いざなると押しに弱いフェイトは、リンディの勢いに飲まれて承諾してしまう。

次の日、雅はクロノ達と支度をしていた。
「これで大丈夫ですか?」
「うん!ばっちり!」
「こら、エイミィ。国家象徴相手に言葉を選びなさい。似合っておりますよ。」
「クロノ刑事、エイミィさん、ありがとうございます。あれ?扉の向こうにいるのはフェイト?まあ警護の仕事もあるから普通か。」
雅は納得している。
「似合っているわよ、フェイト。」
「恥ずかしいよ、義母さん…」
フェイトは、自身の着ているドレスを見て言う。
「あれ?雅の反応?でも、雅の家だし、当たり前だよね。」
フェイトは納得し、
「それじゃあ、扉を開けるわね、フェイト。」
「それでは、扉を開けます。」
リンディとクロノは扉を開ける。
「えっ、雅?」
「フェイト!?どうして?」
「それはこっちのセリフです。どうして雅がそこにいるの?だって、今日は私のお見合いだって…」
「僕だって、クロノ刑事達からお見合い相手の紹介だって言われて…」
雅はフェイトの言葉に返し、
「クロノ刑事、リンディ長官、どういうことですか!」
リンディ達に質問する。
「見て分からないかしら?今目の前にいる人が、貴方達のお見合い相手ですよ。」
雅の質問にリンディは答える。
「あとはお二人で…」
エイミィもにこやかに言う。
「フェイト、ここにいたら何があるか分からない。ここから脱出するぞ!」
雅はフェイトの手を握り、ディロードライバーを装着する。
「う、うん!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
「とにかく、どこか落ち着ける場所に!」
雅とフェイトは国家象徴宅からワープする。

「ここって…」
フェイトは目の前に広がる一人部屋を見て呟く。
「ここは、僕の住んでいた部屋だ。思えば、全てはここから始まった…」

「我を呼ぶのはお前か?」
「なるほど、本物だったのか。」
「願いを叶えるらしいが、その前に何らかの代償はあるのか?」
「用心深いな。もちろん願いに釣り合う対価を失うことになる。かつて、全ての世界を破壊する力を求めた男は記憶をなくし、いくつもの多元世界をさ迷った。当然、その程度の代償はついて来る。だが、本来は叶えられない願い。それくらいはどうともないだろう。」
「なるほど、なら僕の願いは決まった。僕は、この世界に居たって自分の実力の所為で虐められ、もう限界だ!だから、別の世界に行く力が欲しい。そして、そこで友を作りたい!」
「先程の内容を聞いてもなおそれを求めるか。ならば良かろう。この堕天一族のバァルの名の下に、この少年の願いを叶えよ!」
「それはディロードライバー。使用者を装填の守護者ディロードに変身させる物。カードを読み込ませることで戦う力を使える。現在はカードは10枚程度だが、その中の撮影機能を使えばカードは増える。ではさらばだ。装填の守護者ディロード!」
「何故!どうして大ショッカーが!?」
「まったく、この世界の人間は弱すぎる。俺に簡単に褒美を与えようとしているのか?それにしても今殺したこの女はつまらなかったな。何が『兄と父の道場を守る』だなど、俺には関係無い事なのに。」
「雅、本来は戒に反することではあるが、今は非常事態だ。よって、今をもって雅を凪風流十七代目当主に継承させる。さあ、頭首はお逃げ下さい。あとは我々にお任せを。」
龍道は雅を裏口から逃がす。しかし、雅は立ち止まり、
「父よ、無礼をお許し下さい。」
【-DELOAD-】
「変身!」
「大ショッカー!お前達の悪事もここまでだ!」
「何!この世界に戦士は居ないはず。貴様、何者だ!」
「僕はこの世界を救う装填の守護者、ディロード!」

「そういえば、旅を始めた頃は、まだ仮面ライダーじゃなかったんだよね。」
「ああ、そうだった。」
【-WARP-】
雅達はワープする。

「ここは、チームディロードを結成した…」
「古手神社の境内だ…」

「みんな、よく聞いてくれ。大層な事を言っていたが、今の僕では大ショッカーを倒せない。だから僕はこれから別の世界へ渡る。そして、力を取り戻して大ショッカーに挑む。そうすれば、世界は元に戻る。みんなは、僕の旅に協力してくれるか?」
「俺達が生きていれば、世界は無事なんですか、雅さん!」
「ああ。」
「なら、俺達の考えはただ一つだ!」
「俺達は雅さんの旅について行きます。ここに居るより、俺達が生き残る方が重要ですから!」
「そうか。なら決定だ。今から僕達は、世界の希望を紡ぐ装填の騎士団、チーム・ディロードだ!」
「お前か、地獄大使を倒したって奴は!」
「ああ!その通りだ!」
「どうせ死ぬ前だ。名前くらい聞いてやる。」
「確かに、今の僕では、お前たちを倒せない!だが!やがて力をつけ、お前たちを倒す者の名を聞け!僕の名は凪風雅!装填の守護者、いや!仮面ライダーディロードだ!変身!」

【-WARP-】
「でも、そのディケイドの正体は、雅の弟、流夜だった…」
「…ああ。そして、流夜を僕は…」
ディケイドとの決戦の地で二人は呟く。

「ちっ、やっぱり兄貴もカード補充の為に変身を解除したか。」
「流夜、どうしても 避さけられないのか。」
「当たり前だ!邪魔な大ショッカーも消えた。俺を否定した奴らも殺した。後は兄貴、お前を殺せれば全てが俺のものだ!」
「…父上が言っていた流夜は凪風ではないという意味。理解が出来た。」
「雅、本当に戦うの!?」
〝ディケイドライバーさえ破壊すれば、きっと大丈夫だ。〟
「行くぞ、変身!」
【KAMEN RIDE-DECADE-】
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「ディケイド、この世界で決着をつけて見せる!変身!」
「まずはこいつだ。」
【FORM RIDE-AGITO BURNING-】
「なら!変身!」
【CHANGE RIDE-J SPIRIT-】
「なんだ?アギトが相手だからそれに変身したのか?」
「そんなくだらない理由な訳ないだろ!」
「今度は避けられると思うな。凪風流、白虎咆哮!」
「それが狙いだ!凪風流、朱雀炎突!」
【FORM RIDE-HIBHKI KURENAI-】
「やばい!?」
「…これが、闇風の力……」
「だが負けるわけには、いかない!凪風流、奥義!」
「凪風流、奥義・始祖!」
「始祖だと!?だが、負けるものか!凪絶つ風!」
「天馬牙突!」
「そんな……」
「どうだ!これがお前達が否定していた闇風だ!」
(やはり、流夜には、闇風には勝てないのか……)
【ATTACK RIDE】
「…しまった!このカードをスキャンするわけには!?」
「なんだ?面白そうだな。」
【-BEAST-】
「ッガァァァアッ!グァアアアッ!」
「よぉ、流夜。お前は俺の逆鱗に触れた。殺すには充分な理由だ。」
「おっ、ようやくその気になったか!」
「やべえ、すげぇ楽しいぜ!」

「そして、僕は…」
雅は呟く。

「みんな!ディロードが暴走する前に、僕を殺してくれ!」
【WORLD HOPE-JIGOKU SYOUJO HUTAKOMORI-】
「鬼狩流桜が!」
「何なんだよこいつ!雅さんはどこへ!」
【SOUL RIDE-DELOAD-】
「雅!」
「ついに、この時間でもこの姿になってしまったのか。」
「雅さん、今助けに行きます!」
「それは不可能だ。こいつは装填の邪龍、ディロードドラゴン。激情態となったディロードが目的を達成した時に覚醒する。みんな、ディロードドラゴンの心臓部を見てほしい。透明な存在の炎があるはずだ。」
「ありますけど…」
「その炎が尽きた時、ディロードドラゴンは自壊し、ディロードは始まりの夜に戻される。」
「雅さんの旅が、振り出しに…」
「それだけならいい。本当に辛いのはここからだ。その存在の炎を消費する際、ディロードドラゴンは自身が関わった世界のエネルギーを使って肩替わりする。」
「それって!?」
「ああ、死ぬ前に僕が関わった全ての世界を滅ぼすということだ。このまま放置すれば、みんなの世界も滅ぼして、僕は死ぬ。そこで、そうなる前に、チームディロードのリーダーとして、最初で最後の命令を与える。この命令には従ってほしい。現在、ディロードドラゴンは完全覚醒していない。そこで、完全覚醒する前に弱点である心臓を破壊するんだ。この際、ディロードドラゴンに囚われている人質の生死は問わない。」
「できるわけないよ!」
「雅、他に方法は無いの!?」
「フェイトちゃんと梨花ちゃんの言うとおりだ!」
「そうですわよ!」
「雅、みんなで手を考えましょう。」
「それは不可能だ。かつて、72年前に初めてチームディロードを作った時、ディロードドラゴンに挑んだみんなは、ディロードドラゴンの圧倒的な力の前に敗れ…」
「でもそれって、戦うからでしょう?私たちは雅を助け出したいの!」
「その時も、みんなはそう言って、何も出来なくて、結局完全覚醒したディロードドラゴンと戦い、そして僕の目の前で僕によって殺された。もう時間が無い!今ディロードドラゴンを倒せば、みんなと、僕が救った世界は守られる!頼む!僕を邪悪な怪物にさせないでくれ!」
「もう…手遅れだ……みんなの世界を…これ以上傷つけたくないのに……」

「だけど…」
フェイトは思い返す。

「雅、ごめん!」
[jet zanber.]
「ッ!みんな、もしかしたら、雅を救えるかもしれない!」
フェイトは希望を見出す。
「本当かフェイトちゃん!」
「うん。まず、誰かディスペアドライバーを出して。」
「わかりました。」
【SUMMON RIDE-DESPAIR DRIVER-】
羽入はディスペアドライバーを召喚する。
「それから、私達で全力でディロードドラゴンの左腕を破壊して、雅の左手を自由にさせる。あとは私がディスペアに変身すれば、きっと雅を救えるはず。すぐに始めよう。」
「オッケー!」
【FORM RIDE-OOO TAJADOL-】
「わかったわ。」
【FORM RIDE-FROZE MAGNET-】
「スプライトザンバー!」
【FINAL ATTACK RIDE-O O O OOO-】
【FINAL ATTACK RIDE-FRO FRO FRO FROZE-】
「雅、ブレイクディスペアで行くよ!」
〔ブレイク!〕
「あ、ああ!」
〔ディスペア!〕
「「変身!」」
〔ブレイク!ディスペア!〕
“フェイト、ありがとう。”

「フェイトのおかげで、僕は戻ってこれた。あの時は、ありがとう。」
雅はフェイトの手を掴みながら言う。
「大袈裟だよ、雅。私達、友達だよ。」
フェイトはそう返す。二人の回想は終わらない。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「確かそれから、この世界に奇跡が起きて…」
「あの時は、ここがこんな風になるとは思っていなかったよ。」
「だけど、雅は…」
「あの時は、もう手段がなかった。」
「雅が帰ってきて、本当に嬉しかった!」
次回『溢れる思い出』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
カード紹介
装填の守護者 ディロード:覚悟の足りない雅が変身に使用していた、ディロードの変身用カード。
仮面ライダーディロード:仮面ライダーになる決意を固めた雅が変身に使用する、ディロードの変身用カード。
ワールドホープ:各世界(作品)の希望をデータ化した力。雅が世界の危機を救うと消滅し、雅との関わりを断ち切る。
ビースト:ディロードの危機を感知し、ディロードを激情態に変えるカード。 

 

第26話『溢れる思い出』

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「あの時は、ディスペアドライバーの機能を覚えていてくれたフェイトに感謝している。」
「感謝だなんて、大袈裟だよ。」
「だけど、この世界に奇跡が起きて…」
雅とフェイトは、その後の戦いを思い返す。

【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
“グゥゥゥグオォォォォォウ!”
「そんな!なんてパワーだ。」
“グオォォォォォウ!”
「ねぇ、雅。この世界に、ワールドホープってないの?」
「あるにはあるが、対象は7人で、それに主人公もわからない。」
「雅、私ずっと考えていたんだ。雅の世界は、元から平凡な世界じゃなくて、雅が仮面ライダーになって、困っている世界を救う。そんな世界なんじゃないかって。」
「まるで、僕がこの世界の主人公みたいな言い方だな。」
「私は、そのつもりで言ったよ。きっと、この世界は雅が主人公なんだよ。そうじゃなかったら、雅は仮面ライダーになって、私達を救うなんて出来ないよ。」
「仮にそうだとしても、この7枚のカードはどう説明がつく。僕達チームディロードは6人しかいない。」
「多分、その最後の一枚は、流夜の分だと思う。」
「流夜の分だとすると、もう使うことが出来ないだろう。だって、流夜はこの手で殺してしまったんだ。」
「雅、死者にワールドホープを叶える力ってないの?」
「一度もそんな事態に陥ったことがないからわからない。それに、そんなことは、死者への冒涜になる。」
「その願いを叶えるなら、それは冒涜じゃないと私は思う。」
「フェイト……わかった。みんな、このカードに、願いを込めてくれ。そうか、僕が主人公か…集え!世界の願い!このカードに、全てを賭ける!」
【WORLD HOPE-ALL WORLD-】
「何故このタイミングで、次元のオーロラが!?」
「ここは、一体?」
「一体何がどうなっているんだ?」
「フィリップ、事態が解らない。検索してくれ。」
「おや?どうやら別の国に着いたみたいだ。」
「どうも、アリスゲームは一時中断する方がいいみたいね。」
「本郷さん、翔太郎さん、それにみなさん!」
「君は何故、私の名を?そうか!思い出したぞ。ここが、雅君の言っていた未来の世界か。」
「本郷さん!その通りです。」
「フェイトちゃん!」
「なのは!?はやて!?それにシグナム達も!」
「テスタロッサ、無事か。」
「はい。ただ…」
「なんじゃありゃ!?」
「あれが、このディロードライバーに封印されていた怪物です。あれさえ倒せればきっと、みなさんも安全に帰れると思います。」
「水臭いぜ、雅。お前は俺のダチだ。よし、今度は俺達が、雅を助ける番だ!」
「弦太朗君の言う通りだ!私も力を貸そう。」
「そうだな。どうやら、ここにはモノリスも来ないようだし。始と一緒に戦えるみたいだ。」
「仕方ないわね。」
「みなさん……ありがとうございます!」
【ATTACK RIDE-UNISON-】
[device unison]
【LOAD BARDICHE ASSAULT THRUSTER】
[貴方達二人で変身をして下さい。]
「そうか!僕とフェイトは互いにディロードの変身者。二人が一緒に戦えば、きっと勝てる。フェイト、一緒に戦おう。僕達二人の、本気の全力全開で!」
「うん!」
【FINAL WORLD HOPE KAMEN RIDE-DELOAD LAST HOLY KNIGHT-】

「あの時は、まさか二人で一緒に変身するなんて思ってもいなかったよ。」
「それは僕もだ、フェイト。」
二人は当時の感想を言う。

「行こう、フェイト。このカードで、ディロードドラゴンを倒そう。」
「うん!」
【FINAL WORLD HOPE KAMEN ATTACK RIDE-ALL WORLD-】
「「人を想いを!世界に願いを!未来を繋ぐ、架け橋となれ!ディメンション……」」
【all loading!dimension spinning】
「「スピニング!」」

「あれで、ディロードドラゴンを倒すことはできたけど…」
雅は回想に入る。

「これから、皆さんを元の世界へ帰したいです。僕の所為で、皆さんを巻き込んでしまったので。それでは、行ってきます。」
【ERROR】
「そんな!これでは皆さんを元の生活に戻せない!」
「別に、仕方ないんじゃないのか?」
「クロノ執務官!?」
「先程、日本政府からの声明で、この切り離された土地は、日本領から外すと宣言された。雅、どうやら僕達は帰ることも出来ず、この土地に残らないといけない。それなら、ここを僕達の居住地域にしないかって、様々な世界から提案されている。あとは、この世界の住民である雅が承諾すれば、全て解決だ。」
「もうそこまで話が進んでいたなんて。」
「クロノ君が、国連にも話を持ち込んでいたの。どうする?」
「もし、ここを一つの国家にするとして、政府はどうしますか?」
「無論、雅には初代国家代表になってもらいたい。」
「わかりました。暫定で可能な限りの政府を設立します。それから、第一公用語は日本語のままとして、国家樹立用の紙幣、及び貨幣の製造を行うにあたって、鴻上会長。確か造幣局はありましたね?」
「勿論あるとも!」
「では、通貨に関しては今後詳しく検討を。まずは、書類の提出が最優先です。国家の印鑑も製造する必要があります。それから、融合した世界の確認も行いますので、時空管理局の皆さん、住民の確認を。特に出身世界は慎重にお願いします。さて、もう高校生には戻れないか…」

「あの時は、ここがこんな風になるとは思っていなかったよ。」
「そう。だけど、雅は…」

「あの魔力、消えにくいのか。そうだ、今回皆さんを襲撃している反逆者は僕だ。」
「どうして…なんで私達を襲うの!?」
「皆さんの世界は危険だ。この世界はあなた方ヒーローの存在に耐えることは出来ない。だから、消えてもらう!」
「でも、今までの雅はそんなことしなかった!」
「もう…いい人でいるのは疲れたんだ。」
「えっ…」
「今まで僕は、皆さんの世界を救ってきた。」
「そうだよ。だからなんでその私達を!?」
「今まで救ってきたのは、僕の世界を救うため。だが、今のままでは皆さんの世界は救われて、僕の世界は崩壊を迎える。これは自衛手段なんだよ。」
「そんなの間違っている!」
「間違っているのは百も承知だ。だが、皆さんに消えてもらわないと僕にとっては都合が悪い。だから…」
「雅、どうして……どうして無関係な人達まで!」
「無関係なものか。彼らはこの世界にいてはならない異端。攻撃の対象だ。」
「さて、本当はこれだけいれば大量に手に入るチャンスだが、如何せん多勢に無勢だ。なら、今は撤退して体勢を立て直すか。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
「そんな…雅が、本当に犯人だったなんて…」
「至急、各放送局へ連絡を。次元保護国国家代表、凪風雅の国家代表資格を剥奪、第一級指名手配犯に指定します!」

「あの時、私は本当に悪い人になったと思っていたんだよ!?」
「そうでもしないと、あの時は意味がなかった…」
雅は、フェイトが自身を捕まえようと追いかけて来た時のことを思い返す。

「あとは、雅を捕まえれば、全てが終わる。」
「そういうわけにもいかない。この世界を救う為にも、フェイトには消えてもらう。」
【SUMMON RIDE-RINITH PRECIA TESTAROSSA-】
「まあ、随分と大きくなりましたね、フェイト。」
「どうしてあなたがいるのかしら。邪魔よ、消えなさい。」
「リニス?それに…母さん?」
「リニス、母さん、ごめんなさい。雅を止める為に、私は戦わないといけないの。」
フェイトは魔方陣を展開する。
「リニス、リニスが教えてくれたこの魔法、ちゃんと使えているか、採点して。アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。プラズマランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイアー!」
「…よくやりましたね、フェイト。百点ですよ…」
「アリシアは、こんなことをするような子じゃなかった。やっぱりあなたは…」
「プレシア、あの子はフェイトです。あなたが生んだ、二人目の娘ですよ。」
「…雅、私はあなたを許さない。母さんもリニスも、もういない人も利用するなんて。」

「雅、私はあの時のこと、まだ怒っているんだよ。」
「解っている。人の心を抉るような、あんな卑劣なことが赦される訳がない。それに、だからと言って、生者相手になら、何をやっても、いいわけではないことも…」

【ATTACK RIDE-SONIC-】
「もし僕に勝てるなら、これを参考にソニックフォームを強化するといい。」
「雅、その姿は…」
「行くぞ、これがディロードの速さの真骨頂。仮面ライダーディロード ソニックフォーム!」
「雅もソニックフォームを使えたなんて…」
「カルテットバインド!」
「しまった!」
「フェイト、魔導師には 最大出力があるのは知っているだろう?」
「…うん。」
「僕の持つ 最大出力は資質変換。読んで字のごとく魔導師の資質を一時的に変異させるスキルだ。そして、僕が選んだ対象は砲撃魔導師。つまりなのはと同じ資質だ。当然、その 最大出力も発動出来る。」
「…まさか!?」
「そう、残留魔力の収集も行える。厳密には電撃のエネルギー全てを収集しているが。」
「もしかして、全部このために!?」
「これで終わりだ、フェイト。疾風迅雷、スプライトザンバー!」
「ラウンドシールド!」
フェイトはラウンドシールドで止めようとするが、
「刃はもう一つある!撃ち抜け、雷神!ジェットザンバー!」
「…私、雅に負けちゃったんだ…」
「ああ。」
「…じゃあ、これで…」
「そうだ。これでみんなの世界を救える!」
「えっ?」
「だって、雅はこの世界のために、私達を倒すって…」
「そうだ。この世界を救うことで、みんなの世界の歯車が元に戻る。今度こそ、みんなの世界を完全に救える。」
「待って、話が違う。」
「悪かった。だけど、この方法しかみんなをライダーカードに隔離する手段がなかったんだ。」
「それじゃあ、雅はずっと悪い人のふりをしていたの?」
「そうだ。だから安心していい。詳しい話はリンディ長官に聞くといい。だから今は、ゆっくり休むといい。」
「わかった。雅の言葉を聞けて、安心出来た…」
「……全ての世界…捕まえた!」

「雅は、私達をまた救ってくれた。」
「あの時は、もう手段がなかった。だけど、手段が悪であったことに変わりは無い。」

「凪風雅、国家反逆罪の容疑であなたを逮捕します。」
「リンディさん、どういうことですか!?」
「彼に対する指名手配は取り消されていません。これは順当な判断です。」
「そんな…」
「それでは行きますよ。」
「雅さん、本当に良かったのですか?」
「どうしたのですか?」
「この逮捕劇は確かにあなたの計画でしたが、そもそも私はあなたが逮捕されることは筋違いだと思うわ。」
「この世界では、逮捕されても無罪という可能性もありますから。」
「あなたの場合は無理でしょう。それなのにどうして?」
「僕がやったことは世界を救うことです。しかし、手段は卑劣極まりない犯罪行為です。感情で法を曲げてはいけません。」
「そうですか…解りました。あなたが使っていたものは全て判事に回るように手配しておくわ。」
「ありがとうございます。」
「静粛に。只今より、被告、凪風雅の第一審を開始する。まず初めに、今回の次元保護国での国家反逆行為について、否定はありますか?」
「いいえ、事実です。」
「それではまず、この書類に関してですが…」
「それでは被告、凪風雅に判決を下します。被告は国家の存亡を脅かし、現に全ての国民を傷つけました。本来ならば死刑ですが、犯行の動機、その後の行動には情状酌量の余地があります。よって被告、凪風雅を懲役三年の禁固刑、並びに無期限の仮釈放期間を言い渡します。」

「だけど、雅が帰ってきて、本当に嬉しかった!」
「どうして?」
「だって、こうして、雅と一緒にいられるから。」
「それは僕も同じだ。まさか、誰かと一緒にいられることが、こんなにも暖かくて、幸せなことだとは思わなかった。だから…」
雅はフェイトを見る。
「一緒に過ごそう。チームディロードや、監視対象とか、そういうものを捨てて。これは、クロノ刑事やリンディ長官達の考えではなく、凪風雅として、フェイト・T・ハラオウンさんに言いたい。」
雅は言う。
「やっぱり、雅はそう言うんだね。義母さんに、しっかり相談してみる。」
「リンディ長官には、僕も話す。」
雅とフェイトは、互いの気持ちを知り、新たな道を選び始める。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「行こう、フェイト。」
「うん、雅。」
「我々はドラゴンロード!凪風雅、花嫁は頂いた!」
「我々に、お前の攻撃は効かぬ!」
「今のディロードでは…勝てない!」
次回『新たな敵!その名はドラゴンロード』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
カード紹介
オールワールド(ワールドホープ):雅の世界に応えた全ての世界の希望。それらの世界が雅の世界の危機を救う。
仮面ライダーディロード ラストホーリーナイト:雅とフェイトを希望の力で合体変身させるカード。
オールワールド(ファイナルワールドホープカメンアタックライド):ディロードと全ての世界の希望を束ねた必殺のカード。
ソニック:ディロードをソニックフォームに変身させるカード。
仮面ライダーディロード(ワールドホープ):一つの世界として固定された、ディロードの世界のワールドホープ。雅を仮面ライダーディロード アルティメットフォームに変身させる。
仮面ライダーディロード(ワールドアタックライド):ディロードの世界の力を宿した一撃必殺のカード。
リィンフォース:世界と戦う雅をサポートした初代祝福の風。ディロードをスノーレインフォームに変身させる力を持つが、今は失われてしまっている。 

 

第27話『新たな敵!その名はドラゴンロード』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「雅国家象徴、そろそろお嫁さん探しは初めていますか?」
「フェイト、ここにいたら何があるか分からない。ここから脱出するぞ!」
「確かに、今の僕では、お前たちを倒せない!だが!やがて力をつけ、お前たちを倒す者の名を聞け!僕の名は凪風雅!装填の守護者、いや!仮面ライダーディロードだ!変身!」
「感謝だなんて、大袈裟だよ。」
「一緒に過ごそう。チームディロードや、監視対象とか、そういうものを捨てて。これは、クロノ刑事やリンディ長官達の考えではなく、凪風雅として、フェイト・T・ハラオウンさんに言いたい。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

雅の婚約速報はあっという間に次元保護国中に広まる。
「国家象徴、おめでとうございます!」
「お幸せに!」
雅が歩く度に声援が聞こえる。
「これは、恥ずかしいな…」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は照れるようにワープを使って移動する。
「失礼します。」
雅はリンディの所に行き、チャイムをならして入る。
「あら、いらっしゃい。」
リンディとクロノは座って待っている。
「それじゃあ雅、一緒に行こうか。」
フェイトが玄関に来て、雅とフェイトは部屋に入る。
「それで、本日はどのようなお話ですか?」
リンディは聞く。
「本日お二人の所に来ましたのは他でもありません。お義母様、お義兄様、娘さんをいただきたく思います。」
雅は頭を下げる。
「頭をお上げください。フェイト、話があります。」
「はい、義母さん。」
「あなたももう一人で生きていける年です。今日までは引き取り人として、あなたの母として接してきましたが、それも今日までです。あなたを、ハラオウンの籍から外します。今日からは再び、テスタロッサの人間として、生きていきなさい。もちろん、雅さんの件は私も、クロノも賛成しています。ですが、雅さんの未来を考えますと、これが一番幸せな選択です。」
「…解りました。今まで家族として私に接していただき、ありがとうございました。リンディさん、クロノさん。」
フェイトは、リンディの気持ちをくみ取り、納得する。
「なので、雅さん。フェイトさんをよろしくね。一応、保護者としての最後の甘やかしとして、式場とドレスの用意だけはしておいたわ。」
「ありがとうございます。フェイト、これからのことを考えるために、一度僕の家に戻ろう。」
「うん。」
雅とフェイトは国家象徴宅に向かう。

「出て行く!?」
「はい。」
国家象徴宅に戻ってきた雅達に、圭一、沙都子、梨花、羽入は言う。
「正しくは、出て行くというより本来の家に帰る、だけどね。」
「雅さんは、これからフェイトさんと幸せな暮らしをなされるのですから、私達は去らせていただきましてよ。」
「まあ、俺も後3年で、魅音と結婚するから、園崎の家に住まないといけないしな。」
「雅、そういうことなのです。」
「みんな…すまない。」
「雅さん、何謝っているんですか。」
「そうですわ。私達、チームですわよ。」
「私はそろそろ、古手神社の再興もしないといけなかったから、丁度がいいのよ。」
「雅、確かに私達はチームなのです。でも、いずれは別の道を進まないといけないのです。それが、今なのです。」
羽入は古き者として助言する。
「みんなの気持ち、しっかりと受け取った。たとえ共に過ごすことが出来なくなっても、互いを思う気持ちに、終わりはない。」
「ああ!」
「そうね。」
「もちろんですわ。」
「そうなのです。」
雅はチームディロードの言葉を受け取り、圭一達は国家象徴宅から出ていった。
「すっかり広くなったね…」
「うん…」
雅とフェイトは式の準備を始める。

数日後、雅とフェイトの結婚式が開かれる。場内には警備のために仮面ライダーは少数と、フェイトの保護者であったリンディ達のみがいる。
「それでは、新郎新婦の入場です。」
扉が開き、雅とフェイトが入る。
「行こう、フェイト。」
「うん、雅。」
雅とフェイトは足を止める。神父から祝福の言葉が述べられる。
「それでは、誓いの…」
神父の言葉は、凄まじい爆発音によって掻き消され、式場には巨大な穴が開き、そこから怪人達が現れる。
「ショッカーにデストロン。更にはアンデッドにヤミーまで!?お前は何者だ!」
雅はフェイトをかばうようにしながら言う。すると、そこに仮面ライダーアビスが現れる。
「仮面ライダーディロード、凪風雅!我々はドラゴンロード。貴様の夢を奪う者だ!」
アビスの指揮により、怪人達は式場にいた放送局員達を襲う。
「お前達の野望、止めてみせる!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身し、襲ってくる怪人達を引き剥がし、放送局員達を避難させる。
「早く逃げて下さい!」
「雅、私も行くよ。バルディッシュ・アサルト、セェーット、アーップ!」
フェイトもバリアジャケットを纏う。
「お前達二人で、我々に敵うものか!」
【ADVENT】
アビスは契約モンスターのアビソドンを召喚し、爆撃を放つが、フェイトはそれを防ぐ。そして、
「プラズマランサー、ファイヤー!」
フェイトは弾魔法を放ってサメヤミー達を撃破しようとする。しかし、プラズマランサーはサメヤミーに着弾する寸前に障壁のようなもので掻き消される。
「AMF!?」
「馬鹿め!高ランクの魔導師を相手に対策をしていないと思ったか!」
アビスは高らかに言う。
「それなら、これでどうだ!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはロードスラスターにスラッシュをスキャンしてハンマーヘッドアンデッドとシャークファンガイアに斬りかかるが、
「無駄な足掻きだ!我々に、お前の攻撃は効かぬ!」
シャークファンガイアがそう言うと、ロードスラスターが直撃した瞬間、スラッシュによって具現化していたディメンションプレートは消滅し、刃の本体はピッケルシャークの攻撃によって弾かれてしまう。
「次元干渉遮断システムだと!?」
ディロードは、かつてカズマ達との戦いの時に使われたシステムの完成版を見て驚く。何故なら、その次元干渉遮断システムを完成させたのは、他でもない雅自身だからだ。
「それなら!」
【CHANGE RIDE-DRIVE DRIVER-】
雅はディロードライバーをドライブドライバーに変える、シフトフォーミュラをセットする。
「変身!」
《ドラァイブ!タ~イプフォーミュラ!》
雅は仮面ライダードライブ タイプフォーミュラに変身し、超高速でギリザメスとサメ奇っ怪人を攻撃するが、次元干渉遮断システムによってダメージが通らない。
「攻撃が通らない!?それなら!」
【CHANGE RIDE-GIN WAN AIRGET LAMH-】
「Seilien coffin airget-lamh tron」
雅はディロードライバーをアガートラームのペンダントに変えて聖詠を唱え、アガートラームのギアを纏う。
「♪真の強さとは何か? 探し彷徨う 誇ること? 契ること? まだぁ見えず」
雅は篭手から引き抜いた剣でツノザメ怪人を攻撃するが、それも次元干渉遮断システムによって防がれてしまい、ゴ・ジャーザ・ギの剣が雅を襲う。
「しまった!」
雅は咄嗟に篭手で防ぐが、次元干渉遮断システムによって篭手は打ち消されてしまい、雅はプロテクションを展開して攻撃を防ぐ。
「♪運命も過去も 嘆きも記憶も愛もぉ!ぐっと握って今 足掻きもがきぃそしてぇ立つ!」
雅は右の拳でシャークファンガイアを攻撃するが、ただの拳になってしまい、大した攻撃にはならなくなってしまう。
「終わりだ、仮面ライダーディロード!」
【FINAL VENT】
アビスは必殺技を発動する。
「危ない!?」
【ATTACK RIDE-RAISING HEART EXELION-】
雅は再びディロードに変身し、レイジングハートエクセリオンのカードをロードスラスターに使う。
【FORM RIDE-DELOAD STAR LIGHT-】
ディロードはスターライトフォームに変身するが、アビソドンから放たれる突撃、アビスダイブの直撃を受け、装甲は一瞬で砕け散り、
【SWORD VENT】
アビスはソードベントを発動してアビスセイバーを一振り召喚。一刀両断でディロードの変身を解除してしまう。
「雅!?」
フェイトもハーケンセイバーで怪人達を攻撃するが、強力なAMFによって掻き消されてしまい、
「これでどうだ!」
【STRIKE VENT】
アビスはストライクベントを発動。アビスクローを右手に装着し、強力な水流の一撃、アビススプラッシュをフェイトに放ち、フェイトのバリアジャケットも解除されてしまい、サメヤミー達にフェイトは捕らえられてしまう。
「フェイト!?っぐ!」
這い上がる雅を、怪人達は蹴り飛ばして転がす。
「雅!?」
フェイトは叫ぶが、
「こっちへこい!」
サメヤミー達によってアビスの所に引っ張られてしまう。
「残念だったな!よく覚えておくといい、凪風雅。我々はドラゴンロード。貴様の花嫁はもらっていくぞ!」
アビスはそう言うとアビソドンからミサイルを放ち、式場を完全に破壊し、海の彼方へ消えていった。
「次元干渉遮断システムにAMF…今のディロードでは…勝てない!?」
雅は、ただ苦汁を飲まされるだけだった。

「マスター・ドラゴンロード。目標を捕らえてきました。」
アビスはフェイトを引っ張りながら、一人の男の所に行く。
「よくやった。お前達海軍隊は引き続き海岸部の警備をしろ。あいつのことだ。すぐにこいつを取り戻しにくるはずだ。返り討ちにしてやれ。」
「はっ!」
アビスは引き下がる。
「ようこそ、我らがドラゴンロードに。俺は首領のマスター・ドラゴンロード。俺の目的は二つ。この島を俺達の土地にすること。そして、その妨げになる仮面ライダーディロードの討伐だ。」
「それを、どうして私に!?」
「決まっているだろう。お前達次元保護国への宣戦布告だ。」
マスター・ドラゴンロードは笑いながら言った。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「国家象徴、これを。」
「何度やっても同じことだ!」
「それでも、決して諦めない!」
[今こそ、起動して下さい。]
「バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ!」
次回『覚悟と決意!ソニックブレイブ』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
銀腕・アガートラーム:ディロードライバーをアガートラームに変えて、アームドギアを纏うためのカード。
ドライブドライバー:ディロードライバーをドライブドライバーに変えて、仮面ライダードライブに変身するためのカード。 

 

第28話『覚悟と決意!ソニックブレイブ』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「行こう、フェイト。」
「うん、雅。」
「雅、確かに私達はチームなのです。でも、いずれは別の道を進まないといけないのです。それが、今なのです。」
「残念だったな!よく覚えておくといい、凪風雅。我々はドラゴンロード。貴様の花嫁はもらっていくぞ!」
「次元干渉遮断システムにAMF…今のディロードでは…勝てない!?」
「決まっているだろう。お前達次元保護国への宣戦布告だ。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「というわけだ。魔導師を通じて、凪風雅に伝えろ。」
「えっ!?」
「お前達には、離れている相手にも連絡を取る方法があるだろ?それを使え。」
マスター・ドラゴンロードはフェイトに催促する。
「それなんですけど…」
「どうした?早くしろ。」
「このAMFのロープで捕らえられているから、念話を行えません。」
しかし、フェイトは自身を拘束しているロープの都合で念話を封じられているため、連絡をすることが出来ない。
「マジか!?これはしくじったな。まあ、凪風雅がこちらに来る口実があることに変わりは無い。その線で行くか。」
マスター・ドラゴンロードは作戦を練り直す。

「申し訳ありません!」
雅はリンディ達に謝っていた。
「あれでは仕方がないわ。」
「ああ、AMFと次元干渉遮断システムを搭載されていたら、露骨な対策としか言えない。」
リンディとクロノは雅をフォローする。
「それより、敵はどうやって次元干渉遮断システムを入手したか、ですよね。」
エイミィはパソコンを片手に話す。
「とにかく、フェイトを救い出さないと!」
雅は立ち上がる。
「どこに行くつもりですか。」
「フェイトの居場所は、調べがついています。ディロードの力は通じず、僕の魔法ではダメージをあたえられません。ですが、凪風流なら、もしかしたら通るかもしれません。」
雅は拳を握りしめて言う。
「解りました。雅国家象徴、これを。」
リンディは二等辺三角形二つの頂点同士を接合した形の金の宝石が埋め込まれた装飾品を雅に渡す。
「リンディ長官、こちらは?」
「それは雅国家象徴のために開発していましたエクシードデバイス、バルディッシュブレイヴァーです。」
「リンディ長官、ありがとうございます。行こう、バルディッシュブレイヴァー。」
雅の言葉に、バルディッシュブレイヴァーは反応しない。
「それでは、行ってきます。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのカードを使って、ドラゴンロードの根城である無人島に向かう。

「来たぞ、仮面ライダーディロードだ!」
ギリザメスは雅を発見する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「フェイトを返してもらう!」
ディロードはロードスラスターを構える。
「無駄なことだ!何度来ても同じことだ!」
「それでも、決して諦めない!無駄かどうか、やってみないとわからない!」
【ATTACK RIDE-SONIC-】
【FORM RIDE-DELOAD SONIC-】
ディロードはソニックフォームに変身し、高速で動き、ロードスラスターでサメ奇械人を攻撃するが、素体の力が不足しているソニックフォームの攻撃では大したダメージにならない。
「威勢がよいのは言葉だけか?」
【SWORD VENT】
アビスはソードベントを発動してアビスセイバーを構える。
「そんなこと、あるものか!バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ!」
ディロードはバルディッシュ・ブレイヴァーを掲げるが、バルディッシュ・ブレイヴァーは反応しない。
「バルディッシュ・ブレイヴァー、反応してくれ!お願いだ!バルディッシュ・ブレイヴァー!」
ディロードの言葉にバルディッシュ・ブレイヴァーは一切反応しない。
「なんだ、虚仮威しか。」
アビスはアビスセイバーでディロードを攻撃するが、ディロードはロードスラスターでそれを防ぐ。
「これならどうだ!凪風流、奥義!凪絶つ風!」
ディロードは凪風流の奥義で怪人軍団を攻撃するが、ツノザメ怪人やシャークファンガイア等、生身の怪人には多少の傷が入るが、ゴ・ジャーザ・ギとハンマーヘッドアンデッドは傷をすぐに回復させてしまい、改造人間型の怪人には一切傷を与えることが出来なかった。
「どうした。お得意の凪風流とやらも、その程度か?」
シャークファンガイアはディロードを煽る。
「くっ!これでどうだ!」
ディロードは高速で動いてゴ・ジャーザ・ギに近づき、ロードスラスターで切り裂こうとするが、ゴ・ジャーザ・ギは俊敏性を活かしてその攻撃を受け止め、剛力態にフォームチェンジして大剣でディロードを攻撃し、ディロードは吹き飛ぶ。
「ぐはぁっ!」
「仮面ライダーディロード、これが貴様の最後だ!」
ピッケルシャークはディロードに突撃するが、ディロードはピッケルシャークの突進の中で懐に潜り込み、ロードスラスターでピッケルシャークを貫く。
「おのれ、仮面ライダーディロード!ドラゴンロードに、栄光あれぇぇぇ!」
ピッケルシャークは大爆発を起こし、ディロードは燃え盛る炎の中で立ち上がる。
「まさか、我ら怪人を倒すとは!?だが、たかだか怪人を一体倒すことにこれだけの疲弊。果たして、どこまで保つかな?」
アビスは言う。
「確かに、僕の力では限界があるのかもしれない。だけど、フェイトを、僕の大切な人を取り戻すまでは!何があっても決して倒れたりしない!」
アビスの言葉にディロードは答える。すると、
[その言葉を待っていました。]
バルディッシュ・ブレイヴァーは反応する。
「バルディッシュ・ブレイヴァー!?」
[主には、世界を救う覚悟は持っていました。ですが、それだけでは人として不完全です。一人のために戦える決意、それも時には必要です。]
「ああ。もう大丈夫。今はフェイトを救い出すために、この刃を振るう。」
[解りました。それでは、起動の詠唱を。]
「わかった。 風は覚悟に、雷は決意に。覚悟と決意はこの胸に!バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ!」
ディロードはバルディッシュ・ブレイヴァーを掲げ、起動させる。ディロードはディロードライバーのコアを外し、そこにバルディッシュ・ブレイヴァーをセット。外したコアをライダーカードケースに接合し、ディロードの数少ない装甲は排出される。
【FORM RIDE-DELOAD SONIC BRAVE-】
ディロードはソニックフォームからソニックブレイブに強化変身する。
[主、ライダーカードをロードスラスターに。]
「わかった!」
【ATTACK RIDE-MEDAJARIBER-】
ディロードはロードスラスターにメダジャリバーのアタックライドをスキャンする。
[ooo bash!]
しかし、ロードスラスターはメダジャリバーに変化せず、バルディッシュ・ブレイヴァーが技の発動を認証する。
「これならどうだ!セイヤー!」
ディロードは空間をも切り裂く斬撃を放ち、サメヤミーの軍団を一網打尽に撃破し、メダルが飛び散る。
「何!?ディロードの攻撃は遮断しているはず!?」
アビスは驚く。
「もしかして、バルディッシュ・ブレイヴァーが使うことで、魔法として扱えるのか。」
ディロードは状況の考察を行い、次のカードをスキャンする。
【ATTACK RIDE-BANASPEAR-】
[spear victory!]
ロードスラスターはバナスピアーの力を読み込み、バナナのエネルギーでサメ奇械人を貫き、撃破する。
「次はこれだ!」
【ATTACK RIDE-GARULU SABER-】
[hauling slash!]
ディロードはガルルセイバーのカードをスキャンし、疾風の斬撃をシャークファンガイアに放ち、撃破する。
「ええい、あっさりやられて情けない!怪人としての誇りが無いのか!」
ツノザメ怪人はディロードに突撃する。
[銃のカードを使ってください。]
「ああ!」
【ATTACK RIDE-VORTEC SHOOTER-】
[hard shot!]
ディロードはボルテックシューターをロードスラスターに読み込ませ、一撃必殺の射撃でツノザメ怪人を撃破する。
「これは、なかなか面白そうなことになったね!」
ゴ・ジャーザ・ギは大剣を二刀流で構えてディロードを攻撃しようとするが、ディロードは超高速で移動し、ゴ・ジャーザ・ギの攻撃を避けきる。
【ATTACK RIDE-PEGASUS BOGAN-】
[blast Pegasus!]
ディロードはペガサスボウガンの力を使い、ロードスラスターから封印のエネルギーをゴ・ジャーザ・ギに放つ。
「ディロード…ディロード…ディロードォォォ!」
ゴ・ジャーザ・ギは断末魔を上げて撃破される。
「まさか、ゴ族の優秀な戦士まで敗れるとは!?」
アビスは驚く。
「次はこれだ!」
【ATTACK RIDE-KING LAUZER-】
[royal street flash!]
ディロードはキングラウザーの力を使って、ハンマーヘッドアンデッドを斬り、完全に消滅させる。
「とうとう俺の番か。偉大なるショッカーの死神博士が生んだギリザメス様の力を見せてやる!」
ギリザメスは火炎放射でディロードを攻撃するが、ディロードはいとも容易く避ける。
【ATTACK RIDE-IXA CALIBER-】
[ixa judgement!]
ディロードはイクサジャッジメントを放ってギリザメスを撃破する。
「なかなかやるな。こい、補給隊員!」
アビスの言葉によって、サメアマゾンが現れる。
「これでどうだ!」
【ATTACK RIDE-AXE CALIBER-】
[plasma dragon singing!]
ディロードはロードスラスターを投げ、上手くコントロールしてサメアマゾンを斬り倒す。
「こうなれば、一気に片をつけてやる!」
【FINAL VENT】
アビスは必殺技を発動し、アビソドンを召喚する。
「こっちも決める!」
ディロードは二振りのロードスラスターの持ち手を合体させる。
[sonic drive.get set.]
ディロードはロードスラスターを右足に装着する。
[主、ストロンガーの必殺技のカードを使ってください。]
「ああ!」
【FINAL ATTACK RIDE-S S S STRONGER-】
ディロードは必殺技を発動し浮遊すると、雷が鳴り響く。
「くらえ!ソニックドライブ!超電稲妻ドリルキック!」
ディロードは雷を纏いながら、スピンキックを放ち、アビソドンと仮面ライダーアビスを貫き、アビソドンは爆発する。
「おのれ…仮面ライダーディロードめ!」
仮面ライダーアビスは爆発し、ディロードは変身を解除して、先に進む。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「ここは一体?」
「まさか、騙していたのか!」
「全ては、僕が英雄になるために。」
「君のことも、殺してあげる。」
「見せてやる。信頼しあう力を!」
次回『虎勇の策略』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
メダジャリバー:ロードスラスターをメダジャリバーに変えるカード。
バナスピアー:ロードスラスターをバナスピアーに変えるカード。
ガルルセイバー:ロードスラスターをガルルセイバーに変えるカード。
ボルテックシューター:ロードスラスターをボルテックシューターに変えるカード。
ペガサスボウガン:ロードスラスターをペガサスボウガンに変えるカード。
キングラウザー:ロードスラスターをキングラウザーに変えるカード。
イクサカリバー:ロードスラスターをイクサカリバーに変えるカード。
アックスカリバー:ロードスラスターをアックスカリバーに変えるカード。
仮面ライダーストロンガー(ファイナルアタックライド):ストロンガーの必殺技を発動するためのカード。

新フォーム紹介
仮面ライダーディロード ソニックブレイブ
身長:198cm
体重:70kg
パンチ力:2t
キック力:1.5t
走力:100mを0.0001秒で走る。
ディロード ソニックフォームがエクシードデバイスのバルディッシュ・ブレイヴァーを使って強化した姿。ロードスラスターにアタックライドをスキャンした場合、部分を変化させずに必殺技を放つ能力を持ち、ソニックフォームの時は剣系のカードしか対応しなかったが、ソニックブレイブになることで、全てのライダーカードで効果を発揮する。必殺技は二振りのロードスラスターを合体させ、ストロンガーのファイナルアタックライドを使って放つ『ソニックドライブ 超電稲妻ドリルキック』。

新アイテム紹介
バルディッシュ・ブレイヴァー
区分:エクシードデバイス
マスター:凪風雅
リンディ達の考案で雅のために開発されたバルディッシュの兄弟機にあたるエクシードデバイス。ディロードライバーとの互換性を基準に開発されている。 

 

第29話『虎勇の策略』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「それより、敵はどうやって次元干渉遮断システムを入手したか、ですよね。」
「それは雅国家象徴のために開発していましたエクシードデバイス、バルディッシュブレイヴァーです。」
「無駄なことだ!何度来ても同じことだ!」
「風は覚悟に、雷は決意に。覚悟と決意はこの胸に!バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ!」
「おのれ…仮面ライダーディロードめ!」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「ソニックブレイブだと!?俺が入手した情報には無かったぞ!どういうことだ!嬢ちゃん、何か知っているか!?」
ディロードの戦闘をモニター越しに見ていたマスター・ドラゴンロードは驚き、フェイトに聞く。
「いいえ。私も、初めて見ました。雅、自分用のエクシードデバイスを開発してもらっていたんだ…」
しかし、フェイトも初めて見る姿であるため、事実と異なる考案を述べる。
「まさかディロードの力を魔法に変換して発動するとは。あいつらに組み込んだ次元干渉遮断システムが機能しないどころか、低品質のAMFを貫通する魔力ダメージとはな。」
「あなたは、どこで雅の情報を?」
フェイトはマスター・ドラゴンロードから情報を得ようとする。
「刑事さんらしく、事情聴取か。別に、今話した所で嬢ちゃんは身動きが取れないからいいだろう。俺の組織は再生怪人達や、雅が直したことで安定した世界に残った怪人達を引き寄せて結成した。その中には、一度は消えた歴史の怪人達もいる。」
「それが一体?」
「つまり、かつて仮面ライダーの敵だった奴を、忍ばせていたんだ。ちょうど、そいつと雅が接触する。AMFで身動きの取れない無力なまま、雅の最後を観ていろ。」
マスター・ドラゴンロードはモニターを見続ける。

その頃、雅は長く続く通路を走っていた。
「妙だ。怪人はおろか、戦闘員すら出てこない。」
雅は走り続ける。すると、通路で倒れている一人の青年を見つける。
「あなたは!?東條さん!しっかりしてください。」
倒れていた人物は、仮面ライダータイガに変身する青年、東條悟であった。
「…君は?」
東條は記憶があやふやな様子を見せる。
「僕です。仮面ライダーディロード、凪風雅です。」
「雅君?」
「もしかして、ドラゴンロードの奴らの襲撃に遭ったのですか?それなら安心してください。僕がついています。」
「君も、僕に親切にしてくれるんだ…」
東條は言う。
「はい。ですから、東條さんは安全な場所へ。」
「ううん、僕も一緒にいきますよ。」
東條は雅と共に先に進む。
「雅君は、どうしてここにいるの?」
東條は雅に質問する。
「フェイトが、ここに囚われています。」
「フェイト?」
「はい。初めて見つけた、僕が護りたい、一緒に幸せになりたいと思えた女性(ひと)です。」
次元保護国に入っている世界は、国民の全てが理解出来ている訳ではない。雅は素直に東條に話す。
「そうなんだ…それで、雅君はフェイトさんをどうするの?」
「どうすると言われましても、ここから救い出して、ちゃんと結婚式を開き直すだけですけど。」
「雅君は、この世界を救った英雄でしょ?それなら、結婚しようとしているくらい大切な人は自分の手で殺さないと。ちゃんとした英雄になれないよ?」
東條は突然、不自然なことを言う。
「東條さん?」
「僕も、つい最近また大切な人を倒して英雄に近づいたんだ。雅君も、僕の世界を知っているなら解ると思うけど、仮面ライダーインペラー、佐野満。」
東條は意気揚々と語り、雅は気付く。
「あなたは、僕の世界と融合した時間軸の東條さんじゃ無い!?」
雅は警戒する。
「どうして解っちゃったのかな?君は僕に優しくしてくれた。だから君を殺せば、また一歩英雄に近づけると思ったのに。」
東條は広間に雅を案内し終えると、雅の方を向く。
「やはり、ライダーバトルが行われている時間軸の東條さん、仮面ライダータイガ!」
雅は警戒を強める。
「雅君、僕は更に英雄に近づくために、新しい契約モンスターを沢山貰ったんだ。」
東條がそう言うと、ムカデタイガー、タイガーネロ、クレイジータイガー、タイガーロイド、メ・ガドラ・ダ、タイガーアンデッド、タイガーオルフェノク、カザリ、ワータイガーが現れる。
「まさか、僕を騙していたのか!?」
雅は驚く。
「雅君、君は僕に優しくしてくれた大切な人だ。だから君のことも、殺してあげる。全ては、僕が英雄になるために。」
東條はライダーデッキを鏡に向けてVバックルを出現させ、変身のポーズをとる。
「変身!」
東條はライダーデッキをVバックルにセットし、仮面ライダータイガに変身する。
「東條さんは生身だろうけれど、怪人達はドラゴンロードの改造怪人だろう。そうなると、あそこにいるカザリさんも、次元保護国の国民ではない、別の時間軸のカザリか。バルディッシュ・ブレイヴァー、力を貸してくれ。」
[yes,sir.]
雅の言葉にバルディッシュ・ブレイヴァーは反応する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
【ATTACK RIDE-SONIC-】
「バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ。」
[exceed device,standby lady?sonic brave get set.]
【FORM RIDE-DELOAD SONIC BRAVE-】
ディロードはバルディッシュ・ブレイヴァーの力でソニックブレイブに変身する。
「行くぞ!」
【ATTACK RIDE-DICE SABER-】
[saber strike.]
ディロードはロードスラスターにダイスサーベルのカードをスキャンさせ、ハイパー セイバーストライク6をワータイガーに放ち、撃破する。
「次はこれだ!」
【ATTACK RIDE-FIZE BLASTER-】
[photon buster.]
「これで決める!」
ディロードはロードスラスターにファイズブラスターの力を付与させ、フォトンブラッドの一斉掃射をタイガーオルフェノクに放つ。
「くっ!再生が追い着かない!」
タイガーオルフェノクは青い炎の中で灰となって崩れ落ちる。
「次はお前だ!」
【ATTACK RIDE-ENGINE BLADE-】
[dynamic ace.]
「絶望がお前のゴールだ!」
「ええい、やられるものか!」
ディロードはロードスラスターにエンジンブレードの力を付与させてムカデタイガーに狙いを定める。ムカデタイガーも負けじと突進するが、ディロードは素早く回避し、
「そこだ!」
ディロードはムカデタイガーを切り裂き、ムカデタイガーは『A』のエネルギーによって撃破される。
「次はこのカードだ!」
【ATTACK RIDE-RENGEL RAUZER-】
[blizzard venom.]
「あれは、睦月の…」
タイガーアンデッドはディロードの発動した必殺技を見て動きが止まり、ブリザードベノムの直撃を受けて撃破される。
「今度はこれだ!」
【ATTACK RIDE-TITAN SWORD-】
[calamity titan.]
「うおりぁぁぁ!」
ディロードはロードスラスターにタイタンソードのカードをスキャンし、カラミティ・タイタンをメ・ガドラ・ダに放つ。
「ディロード…ディロード…ディロードぉぉぉ!」
メ・ガドラ・ダは封印のエネルギーによって爆散する。
「ふぅん、やっぱり強いね。」
カザリは特徴的な鬣を使ってディロードを攻撃するが、ディロードは超高速移動でそれを避ける。
「これでもくらえ!」
【ATTACK RIDE-MEDAGABURYU-】
[grand of lazy.]
ディロードはロードスラスターにメダガブリューのカードをスキャンし、紫色のエネルギーの刃を3回、カザリにたたき込む。その力によって、カザリの肉体を維持させている9枚のコアメダルは全て砕け散る。
「ディロード…僕のコアを…破壊しないでくれ!」
カザリは爆発し、セルメダルが飛散する。
「ふん、惨めな奴だ。この虎拳のマスター、クレイジータイガー様が相手になってやる!」
クレイジータイガーは構える。
「なら、一気に倒すまで!」
【ATTACK RIDE-LUCIFERION-】
[luciferion breaker.]
「集え、赤星。全てを焼き消す焔となれ。ルシフェリオン…ブレイカー!」
ディロードはルシフェリオンの力を介して収束魔法を発動し、自身が放った必殺技の残留魔力をかき集め、爆炎の砲撃魔法を放つ。その威力は凄まじく、クレイジータイガーだけでなく、タイガーネロも巻き込まれて爆散する。
「ちっ、俺だけが残っちまったか。ならば見せてやる。時空魔法陣、展開!」
タイガーロイドは自身とディロードを異空間に転送し、大砲からの爆撃がディロードを襲うが、ディロードはそれを華麗に回避する。
「それなら、これでどうだ!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
[dimension inferno.]
ディロードはスラッシュのカードをロードスラスターにスキャンし、ディメンションインフェルノをタイガーロイドに放つ。
「おのれ、ディロード…バダンに栄光あれ!」
タイガーロイドは爆発し、時空魔方陣は解除され、ディロードはドラゴンロードの基地に転送される。
「まさか、全員負けるなんて。」
【STRIKE VENT】
タイガはストライクベントを発動し、両腕に巨大な爪、デストクローを装備する。
「さすがに、東條さんには次元干渉遮断システムを埋め込んでいないだろう。それなら!」
【ATTACK RIDE-RAISING HEART EXELION-】
ディロードはソニックブレイブの変身を解除し、通常形態に戻ってレイジングハートエクセリオンのカードをロードスラスターに使う。
【FORM RIDE-DELOAD STAR LIGHT-】
「アクセルシューター!」
ディロードはスターライトフォームに変身し、アクセルシューターを放つが、タイガのデストクローの前に全て砕かれる。
「これならどうだ!ディバインバスター!」
【FREEZE VENT】
ディロードは砲撃魔法を放とうとするが、タイガは自身が持つ専用カード、フリーズベントを発動してレイジングハート エクセリオンを凍結させる。
「しまった!それなら!」
ディロードは再び通常形態に戻り、ロードスラスターの凍結が解除される。
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
ディロードはロードスラスターをバルディッシュアサルトに変えて、ライトニングフォームに変身する。
「ブリッツアクション!」
ディロードは高速移動でタイガの後ろに回り込み、
「ハーケンセイバー!」
魔力の刃を放とうとする。しかし、
「読めていたよ。」
【RETURN VENT】
タイガはアドベントカードを再利用するリターンベントを発動し、フリーズベントを回収する。
【FREEZE VENT】
タイガはフリーズベントを再度発動し、バルディッシアサルトを凍結させる。
「バルディッシュアサルトが!?だけど、これでフリーズベントは使い切った。バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ!」
【FORM RIDE-DELOAD SONIC BRAVE-】
ディロードは再びソニックブレイブに変身する。
「くっ、速い!?」
タイガは超高速で行動するディロードを捕捉しきれない。
「ライトニングバインド!」
ディロードは拘束魔法でタイガの身動きを封じる。
「東條さん、あなたにも見せてやる。信頼しあう力を!」
【ATTACK RIDE-RAISING HEART EXELION-】
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
[blast calamity.]
ディロードは片方のロードスラスターにレイジングハート エクセリオンのカードを、もう片方にバルディッシュ アサルトのカードをスキャンし、魔力エネルギーがロードスラスターに収束される。
「N&F中距離殲滅コンビネーション!ブラストカラミティ!ファイヤー!」
ロードスラスターから桜色と金の砲撃がタイガに放たれ、タイガの変身は強制的に解除される。
【CHANGE RIDE-KRALWIND-】
雅は変身を解除し、ディロードライバーをクラールヴィントに変えて東條を拘束する。
「何をする気だ…」
「東條さんを元の世界に返します。長距離転送。目標、仮面ライダー龍騎の世界、転送!」
雅は空間転送魔法を発動して東條をこの世界から龍騎のライダーバトルが行われていた時代に転送する。
「待っていてくれ、フェイト!」
雅は走り続ける。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「会いたかったぜ、雅?」
「何故お前が!?」
「こっちの世界の方が狩り甲斐があるってもんだ!」
「負けるものか!」
「エボルト、フェーズ4…」
次回『邪悪の進化』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ダイスサーベル:ロードスラスターをダイスサーベルに変えるカード。
エンジンブレード:ロードスラスターをエンジンブレードに変えるカード。
レンゲルラウザー:ロードスラスターをレンゲルラウザーに変えるカード。
タイタンソード:ロードスラスターをタイタンソードに変えるカード。
ルシフェリオン:ロードスラスターをルシフェリオンに変えるカード。 

 

第30話『邪悪の進化』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「あなたは、どこで雅の情報を?」
「AMFで身動きの取れない無力なまま、雅の最後を観ていろ。」
「雅君は、この世界を救った英雄でしょ?それなら、結婚しようとしているくらい大切な人は自分の手で殺さないと。ちゃんとした英雄になれないよ?」
「バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ。」
[exceed device,standby lady?sonic brave get set.]
「N&F中距離殲滅コンビネーション!ブラストカラミティ!ファイヤー!」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

長く続く螺旋階段を雅は登り続ける。
「長いな。だがそろそろ次の階のはずだ。」
雅は走り階段を登り終えると広間に出る。
「ここには一体誰が…」
雅が警戒していると、一人の男性が現れる。
「よ、久しぶりだな、装填の守護者。」
「エボルト、何故お前がここに!?」
そこにいたのは石動惣一郎に憑依しているエボルトであった。
「おいおい、そう睨むなよ。あっ、さては挨拶が無愛想だったことを気にしているんだな。だったら会いたかったぜ、雅?」
惣一郎は言う。
「どうせ、それは上っ面の笑顔でしょう。」
「仕方ないだろう。俺にはそういう感情がないんだ。」
「そうでしたね。それで、なぜここにいる?ビルドの世界は融合していないはず。」
「あぁ、それだけどな、ここの偉い奴に呼ばれたから、遊ぶために来た。こっちの世界の方が、狩り甲斐があるってもんだ!」
惣一郎は雅は見ながら言う。
「お前も、別の時間軸から来たのか。」
「そうだ。俺はお前が最上魁星を追い払ってから、エグゼイドの世界に行くまでのわずかな間から俺は来た。だからほっておいてもすぐに消える。けど、せめて消える前に楽しめることは楽しんでおきたい。ついでだ。俺の仲間を紹介してやるよ。」
「君か、私の一番の失敗作、剛を手助けした愚か者は。」
「ゴルドドライブ!?」
「私のルールに則ることが出来ない君は、絶版だ。」
「仮面ライダークロノス!?」
「翼に歌など必要ない。あれには風鳴の全てを引き継いでもらう必要がある。邪魔しないでもらいたい。」
「風鳴訃堂…」
雅は次々と現れる面子を前に警戒する。
「君はフェイト・T・ハラオウンに愛情を注いでいるようだが、どうだい?私の子供にならないか?」
更にそこに、魔導師のバリアジャケットを更に発展させたような衣服を纏った男性が現れる。
「あなたは?」
「私はフィル・マクスウェル。ある惑星のテラフォーミング計画の所長を任されていた者だ。」
「それで、僕を引き取って何がしたいのですか?」
「決まっているだろう。君には最強の生体兵器として頑張ってもらいたい。私は自分の子供には、最大級の愛情を注ぎたい。そして、愛情が注がれれば人は限界を超えたエネルギーを発揮出来る。だから私の子供になってほしい。」
「愛情がエネルギーだと?ふざけるな!」
雅はディロードライバーを装着する。
「雅、本気でこい。そいつらの次元干渉遮断システムとAMFは邪魔だから外した。せいぜい俺を楽しませろ。」
惣一郎はそう言うとエボルドライバーを装着する。
「エボルドライバー!?どうしてあの時点でのお前が!?」
「これか?俺を呼んだ奴が作った紛い物だ。機能は劣るが、まあ問題はないだろう。」
〝コブラ!ライダーシステム!エボリューション!〟
惣一郎は2本のエボルボトルをセットし、EVレバーを回転させ、EVライドビルダーを出現させる。
〝Are you ready? 〟
「変身!」
〝コブラ!コブラ!エボルコブラ!〟
惣一郎はEVライドビルダーからのエネルギーを受けて仮面ライダーエボル コブラフォームに変身する。
「それなら!」
【CHANGE RIDE-MACH DRIVER HONOO-】
雅はディロードライバーをマッハドライバー炎に変えて装着する。
《シグナルバイク!シフトカー!》
雅はシフトシグナルデッドヒートをセットする。
「レッツ、変身!」
《ライダァー!デッドヒート!》
雅は仮面ライダーデッドヒートマッハに変身する。
「行くぞ!」
《バースト!キュウニ デッドヒート!》
デッドヒートマッハはシフトアップをかけて最大出力でゴルドドライブに突進し、ゴルドドライブを突き飛ばす。
「これの出番だ!」
《シフトカー!タイヤコウカン!マザール!》
デッドヒートマッハはマッハドライバー炎にシフトスピンミキサーをセットする。
「おのれ、デッドヒートマッハにそこまでの力があるわけがない!何故だ!」
ゴルドドライブは立ち上がる。
「決まっているだろう!お前達のような悪を討つ為、みんなが平和に過ごせる為、その為に戦っているからだ!」
デッドヒートマッハはゼンリンシューターを取り出す。
「愚かな!」
ゴルドドライブはイグニッションキーをひねろうとする。
「今だ!」
デッドヒートマッハはスピンミキサーの力が付与されたコンクリート製の弾丸を放ち、ゴルドドライブの腕を固める。
「しまった!」
「これで決める!」
《ヒッサツ!バースト!フルスロットル!デッドヒート!》
デッドヒートマッハは必殺技を発動する。
「させるか!」
《PAUSE…》
クロノスはポーズ機能を発動するが、デッドヒートマッハは止まらない。
「何故だ!」
「特異点の僕に、時間に関する力は通用しない!」
デッドヒートマッハはクロノスの言葉に答えると、ポーズによって無防備となっているゴルドドライブのバンノドライバーめがけてキックヒートマッハーを放つ。
「仕方がない。」
《RESTART…》
クロノスはポーズを解除する。しかし、ゴルドドライブにキックが直撃する運命は変わらず、
「私こそが、世界を支配する頭脳だぁぁぁ!」
ゴルドドライブは爆散する。
「クロノス、次はお前だ!」
【CHANGE RIDE-GAMER DRIVER-】
雅はディロードライバーをゲーマドライバーに変える。
《GOD MAXIMUM MIGHT X!》
「グレードビリオン、変身。」
《MAXIMUM GASHATT!GACHAAN!不~め~つ~!最上級の神の才能!クロトダ~ン!クロトダ~ン!ゴッドマキシマ~ムX!》
雅は仮面ライダーゲンム ゴッドマキシマムゲーマー レベルビリオンに変身する。
「デンジャラスゾンビの力を使うか。」
「デンジャラスゾンビ?」
「我が息子のことだよ。黎斗は我が社の貴重な商品。版権料を支払わずに使用することは認めない!」
「お前、それでも父親か!父親なら、子供のことをもっと大切にしろ!」
ゲンムはクロノスを殴る。その威力は凄まじく、クロノスは数メートル単位で吹き飛ぶ。
「だから大切にしているではないか。黎斗の才能を伸ばし、商品価値を高めたではないか!」
クロノスは立ち上がりながら言う。
「そういうのは子供を大切にしているとは言わない!子供を子供として見ることの出来ないお前に、親を語る資格はない!ハイパームテキ、起動!」
《GACHOON!KAMIWZA!GACHAAN!GOD MAXIMUM MIGHTY CRITICAL BLESSING!》
ゲンムはレバーを開閉させて必殺技を発動する。壮大なピアノの音色と共に放たれる高速100連撃のキックがクロノスに炸裂する。
「おのれ…私が…ルールだ!」
《Game over…》
クロノスは断末魔をあげて爆発する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!バルディッシュブレイヴァー、セットアップ!」
【FORM RIDE-DELOAD SONIC BRAVE-】
雅はディロード ソニックブレイブに変身する。
「これで行く!」
【ATTACK RIDE-PHONIC GAIN GEKISOU GUNGNIR-】
ディロードはフォニックゲインを発現させ、撃槍 ガングニールを装備する。
【ATTACK RIDE-AMENO HABAKIRI ICHAIVAL-】
更に、2丁のロードスラスターに天羽々斬とイチイバルの力をそれぞれに付与させる。
「♪始まる歌、始まる鼓動 響き鳴り渡れ希望と!生きることを諦めないと!示せ!熱き夢の幕開けと!爆ぜよ!この奇跡に嘘はない!」
ディロードは響、翼、クリスの三人の力を一気に引き出して訃堂を攻撃するが、訃堂はそれらを全て避ける。
「どうした?歌の力はその程度か!」
訃堂はディロードめがけて拳を放つが、ディロードは超高速で回避する。
「♪切り裂け!まだ見ぬ日に行くために!不可能なんて何一つない こんなに心強い事はない 絶対!絶対!絶対信じ合いぶっちぎる!」
ディロードはロードスラスターから蒼ノ一閃とcat in cat outを放つが、訃堂は拳でそれらをかき消す。
「♪例え闇に吸い込まれそうになって 涙さえ血に濡れて苦しくても 帰る場所が待っている!集え!守れ!契れ!勇気の結晶が 奇跡なんだぁぁぁぁぁ!」
ディロードは天ノ逆鱗を放つが、訃堂は腕を交差させて受け止める。しかし、それでも後ろに圧される。
「何故だ!何故そこまでの力が!?」
「翼さんは一人ではない!共に共鳴しあえる人達がいる!平和は、一人の力で作れるものではない!人々の、優しい心が、築き上げるんだ!」
【ATTACK RIDE-SACRIST D-】
[Synchrogazer.]
ディロードはロードスラスターに完全聖遺物デュランダルの力を宿し、光の光線を放ち、訃堂はエボルの前に転がる。
「どうした?お前の護国とやらはその程度か?」
エボルは毒の触手を訃堂に突き刺し、消滅させてしまう。
「おお、これは怖い。こちらも本気で行こう。アクセラレイター!オルタァァァァ!」
マクスウェルは薄紫色のオーラを纏ってディロードに接近し、その武器でディロードを切り裂き、変身を解除させる。
「しまった!防御の低さが裏目に出たか。だが、負けるものか!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅は再びディロードに変身する。
【ATTACK RIDE-FORMULA ELTORIA BLUE -FLAME】
ディロードはロードスラスターをフォーミュラ・エルトリアのブルーフレームに変えてマクスウェルに切りかかるがマクスウェルはそれを回避する。
「それなら、バルカンレイド!」
ディロードは高速の弾丸を放つがマクスウェルはそれを全て切り裂いて破壊する。
「君の力は素晴らしい。ユーリに次ぐものがある。」
マクスウェルは笑いながら言う。
「ユーリを!?」
【SUMMON RIDE-STERN THE DESTRUCTOR LEVY THE SLASHER ROAD DIARCH-】
ディロードはシュテル、レヴィ、ディアーチェを召喚する。
「ディアーチェ、奴はユーリのことを兵器としか思っていないらしい。力を貸してもらえないか?」
「ユーリを…兵器に?そのような野望、我が絶望で飲みほしてくれる!シュテル!」
「はい。ルベライト!」
ディアーチェ達はディロードと融合し、ディロード マテリアルユニゾンに変身する。
「我はディロード マテリアルユニゾン。三つの闇と絆を手に、今立ち上がる!」
「スプライト、ゴー!」
ディロードは高速移動でマクスウェルに近づき、
「ディザスター…ヒーーート!」
爆発属性の放射魔法を放つが、マクスウェルはそれを避ける。
「なかなかやるね、子猫達。だが、これならどうだい?」
マクスウェルはゴルドドライブの残骸に手で触れると、それらを分解してヴァリアントモジュールを接続させてキャノン砲を作り、ディロードに放つ。
「待っていたぞ!」
ディロードはそれを紫天の書で吸収し、マクスウェルを拘束する。
「っぐ!しまった!」
マクスウェルはもがく。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「我らの盟主をよくも無粋な兵器扱いしてくれたな!その償い、死を持って払ってもらうぞ!獄天の冥夜、この地に降りよ!持たざる者を塵へ帰し、闇と混沌に沈めよ!エクスカリバー・トリニティー!」
ディロードは闇、雷、爆発の魔力を束ねた砲撃魔法をマクスウェルに放ち、爆散。機械の部品が飛び散る。
「塵芥よ、我らは疲れた。後は貴様に任せるぞ。」
ディアーチェ達はディロードから出て行き、ディロードは通常形態に戻る。
「おみごと!さすがは装填の守護者だ!だが、これを使うとどうなる?」
《オーバーザエボリューション!》
エボルはエボルドライバーにエボルトリガーを装着し、レバーを回す。
《ブラックホール!ブラックホール!ブラックホール!レボリューション!》
エボルは最強形態のブラックホールフォームに変身する。
「あれがエボルト、フェーズ4…ブラックホールフォーム…」
ディロードは身構える。
「どうした?そっちが動かないなら、こちらから行くぞ!」
エボルは瞬間転移を用いてディロードに近づき、殴る。
「っぐ!」
ディロードは吹き飛ぶ。

「どうだ?結局、あれが凪風雅の限界だ。」
マスター・ドラゴンロードはモニターを観ながらフェイトに言う。
「どうして平然をしていられるのですか!?だってあなたは…」
「悪いが、それは言わない御約束って奴だ。こりゃ、いよいよもって終わりかな。」
マスター・ドラゴンロードはフェイトの言葉を遮りながらそう言った。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「どうした!お前の愛とか平和も、所詮その程度か!?」
「一つ、聞きたいことがある。」
「さあ、知らねえな。」
「よくぞ、ここまでたどり着いたな。」
「何故…どうしたあなたがここに…」
次回『恐るべきマスター・ドラゴンロードの正体』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
マッハドライバー炎:ディロードライバーをマッハドライバー炎に変えて、仮面ライダーマッハ、チェイサーにの両ライダーに変身するためのカード。
撃槍 ガングニール:ガングニールのアームドギアを纏うためのカード。
天羽々斬:ロードスラスターを天羽々斬に変えるカード。
イチイバル:ロードスラスターをイチイバルに変えるカード。
サクリストD:ロードスラスターを完全聖遺物デュランダルに変えるカード。
フォーミュラエルトリア ブルーフレーム:ロードスラスターをアミティエが使うフォーミュラエルトリアに変えるカード。 

 

第31話『恐るべきマスター・ドラゴンロードの正体』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「ついでだ。俺の仲間を紹介してやるよ。」
「愛情がエネルギーだと?ふざけるな!」
「雅、本気でこい。そいつらの次元干渉遮断システムとAMFは邪魔だから外した。せいぜい俺を楽しませろ。」
「おのれ、デッドヒートマッハにそこまでの力があるわけがない!何故だ!」
「どうだ?結局、あれが凪風雅の限界だ。」


装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「どうした!仮面ライダーディロードってのは、その程度の力でなれるのか!そんな程度の力で、よく俺達の世界を救うとか言えたな!」
エボルはふらつきながら立ち上がるディロードに対して言う。
「たとえ力が及ばなくても、何かを守るのに必要なのは、相手を想う強い意志だ!」
【CHANGE RIDE-SENGOKU DRIVER VERSION ZANGETU-】
ディロードはディロードライバーを戦極ドライバーに変える。
〈メロン!〉
雅はメロンロックシードを解錠し上に投げ、それを掴み戦極ドライバーにセットする。
〈ロック オン!〉
「変身!」
〈ソイヤッ!メロンアームズ!天!下!御免!〉
雅は仮面ライダー斬月に変身し、無双セイバーを抜刀する。
「何が強い意志だ!知っているぞ、雅。本当のお前は臆病者だ。人に傷つけられ、怯え、そして逃げるためにその力に手を延ばした!」
エボルは瞬間転移を駆使しながら斬月の攻撃を避け、パンチを放つが、斬月もメロンディフェンダーを使ってそれを防ぐ。
「それは…」
斬月は無双セイバーを振るうが、エボルに攻撃は当たらない。
「お前がやっていることは、ただの仮面ライダーごっこ。それも、桐生戦兎よりも質の低い!」
エボルはブラックホールのエネルギーを凝縮したエネルギー弾を放ち、斬月がそれを防ごうとすると、メロンディフェンダーは砕け散る。しかし、それでも斬月は立ち上がる。
「何が仮面ライダーごっこだ!仮面ライダーは人々が平和に暮らせるように!たとえどう言われようと、みんなのために戦う存在!お前のような平和を乱し、世界を傷つける奴に仮面ライダーを語る資格も、仮面ライダーを名乗る資格もない!」
「何を言うかと思えば!それはお前が言えたことか!世界を救うとかいう大義名分を利用して、この世界に融合した世界の奴らをライダーカードに閉じ込めたお前が!今更そんなことを言って、誰が認めるんだ!」
エボルは無防備な斬月にキックを放つが、斬月は無双セイバーで防ぐ。しかし、その無双セイバーはエボルの強力なキック力を前に折れてしまう。
「確かに、僕が行ったことは人の道を外れたことだ。それでも、僕のことを救いのヒーローと言ってくれた人たちがいた!僕を仮面ライダーと呼んでくれる人はまだいる!だから僕は!まだ仮面ライダーディロードなんだ!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅は変身を解除し、仮面ライダーディロードに変身する。
「今更ディロードに変身して、俺に勝てるとでもいうのか!」
エボルはディロードに近づきパンチを放つが、ディロードはそれを避け、
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ブラストのカードでパンチ力を上げてエボルの無防備になった背中を殴る。
「中々、いい一撃だな。だがまだまだだ!この仮面ライダーエボルの力で、消し去ってやる!」
「世界を滅ぼそうとすることしか考えていないお前が、仮面ライダーを名乗るな!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはロードスラスターにスラッシュをスキャンする。
「忘れたか!俺達の世界では、このライダーシステムを使って変身する者は皆、仮面ライダーだ!俺も勿論仮面ライダーだ!」
エボルはエネルギー弾を放つが、ディロードはロードスラスターで切り裂いて攻撃を防ぐ。
「面白い!俺はそれを待っていたんだよ!」
エボルは腹を抱えて笑う。
「エボルト!お前はこの世界にいてはならない。だから僕が、この世界から叩き出す!」
「あくまで殺す気はないのか。」
「確かに、今お前を倒しても、リセットの効果で元に戻る。だからと言って、今殺していいことにはならない!お前を倒すのは、戦兎さん達の使命だ!」
ディロードはロードスラスターでエボルを斬ろうとするが、エボルはそれを避ける。
「甘っちょろいな!そんなことで俺に勝てると思うな!」
エボルのパンチがディロードに直撃する。
「勝ってみせる!それが、今僕がやるべきことだから!バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ!」
【FORM RIDE-DELOAD SONIC BRAVE-】
ディロードはソニックブレイブに変身する。
「エボルト、いくつか聞きたいことがある!」
「いきなりどうした?」
ディロードとエボルは高速で動きながら攻防を繰り広げる。
「地下帝国バダンという組織に、聞き覚えはあるか!」
「バダン?ああ、今から30年くらい前にあったあの組織のことか。それがどうした!」
「それなら、時空破断システムか、メガリバース装置を知っているか!」
「なんだそりゃ?知らんな。」
「いや、ドラゴンロードという組織から、連想できるものを聞いている。」
「なるほどな。だとしたらそれは見当違いだ。これだけ楽しませて貰ったんだ!一つヒントをくれてやる。」
「ヒントだと?」
「お前の本当の敵は、案外よく知っている奴かもな。まあ、深く考えないで、もっと単純に考えてみろ!」
「もっと、単純に…」
エボルの言葉を聞き、ディロードは考える。
「っと、どうやら、時間切れみたいだ。中々楽しめたぜ、仮面ライダーディロード!」
エボルは次元のオーロラをくぐり抜け、仮面ライダービルドの世界に帰ってしまう。
「ドラゴンロードを、もっと単純に…」
雅は変身を解除し、考える。そして、
「まさか、ドラゴンロードって!?」
雅は何かに勘付き、走り出す。

「雅の奴、ようやく解ったみたいだな。」
マスター・ドラゴンロードは走り出す雅をモニター越しに観る。
「そろそろここにたどり着くか。」
マスター・ドラゴンロードは雅の動向を確認している。すると、その扉が開く。
「見つけた。」
開いた扉から雅が入ってくる。
「雅!」
フェイトは言う。
「よくぞ、ここまでたどり着いたな。」
マスター・ドラゴンロードは雅に言う。
「何故…どうしたあなたがここに…いや、何故あなたがドラゴンロードを率いているのですか。凪風流先代当主、凪風龍道!だってあなたは、今から7年前に!」
「7年前のあの新月の日、まさかお前と流夜だけが、あの契約をしていたと思うか?」
「まさか!」
「そうだ。あの日俺は、メデューサという悪魔を契約した。雅、お前は凪風流の人間としてはあまりにも心が弱い。だから俺は、この手で凪風流を存続させるために蘇った。誤算があったとしたら、あの日の惨劇を引き起こしたのが、流夜だったことだ…」
龍道はエクシードデバイスを起動させて薙刀を一振り出現させる。
「雅、俺が蘇ったからには、お前は今日限りで凪風流の当主の座から降りてもらう。ついでに、この嬢ちゃんも俺がもらう。」
「父上…」
「もし嫌なら、力づくで取り戻してみせろ!」
龍道はエクシードデバイスを振るう。
「父上!何故父上がエクシードデバイスを!?」
「こいつは、俺が潜入させていた奴が持って帰ってきてくれたやつだ。名前はカタナというらしい。中々にいいだろう?凪風流槍術、奥義!牙突哮!」
龍道は風を引き裂くような突きを放つが、雅はバックステップで距離をとる。
「仕方がない。バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ!」
雅はディロード ソニックブレイブに変身する。
「ちっ、それになられると次元干渉遮断システムも、AMFも約にたたなくなるんだよな。」
龍道はカタナを振るうが、ディロードは超高速で回避する。
「これで、どうだ!」
ディロードはロードスラスターで挟み込むように龍道を斬ろうとするが、龍道はディロードの腹部を蹴り飛ばし、ディロードは吹き飛ぶ。
「っぐ!」
「それはこっちの妨害を無視するし、動きは素早いが、攻撃の時は隙だらけだ。雅、それでも凪風流の当主か!そんなんだから、俺から当主失格だと言われたんだろう!凪風流剣術、奥義!殲甲!」
龍道に向かって突進するディロードに、龍道は居合の要領でカタナを振るい、ディロードを切り裂く。その一撃を受け、雅の変身は解除される。
「雅!」
フェイトは叫ぶ。
「…大丈夫だ、フェイト…このくらい…っ!」
雅はよろめきながら立ち上がる。
「雅、もう無理するな。このまま戦っても無駄に体力と筋肉を疲弊させるだけだ。お前はもう、世界を2度も救ったんだ。父親として、誇らしい限りだ。だから…」
「だから、救うべき人を見捨てろ、と言いたいのですか。」
雅は龍道の言葉を遮る。
「嬢ちゃんは確かに救われるべき命だ。だけどな、俺は別に命をとる気はない。ただ、俺と一緒に暮らしてもらうって話だ。勿論、会いたくなったらいつでも会いに来ていい。俺達は親子だ。親子でこうして傷付けあい、殺し合う必要はないだろう。」
龍道は雅を諭すように言う。しかし、
「それは、本心ですか?ロードスラスター、モードアウト。セイクリッドグリッター、セットアップ。」
雅はセイクリッドグリッターを起動させる。
「カルテットバインド!」
雅はカルテットバインドで龍道を拘束しようとするが、
「遅い!」
龍道は構築される魔力のリングをカタナで切り裂いて脱出する。
「ドレインバリア!」
雅はドレインバリアを龍道に展開し、カタナの魔力を吸収しようとする。
「なんだ、一体?」
龍道は気になってカタナを見ると、出力ゲージが減少していく様を見る。
「なるほど、さすが、エクシードデバイスを開発しただけのことはある。だが、その程度か!」
龍道はカタナでバリアを十字に切り裂いてバリアを破壊し、脱出する。
「さすがは、僕の師範。」
「どうした?お前が手にしたかったものは、その程度か?」
龍道はにやけるように言った。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「凪風の奥義は、お前にはまだ早かったんだ!」
「流夜の思いに気付けなかった時点で、僕も、父上も、家族失格だったんだ!」
「雅、負けないで!」
「凪風流、新奥義!」
「それが、雅の答えか。」
次回『雷と風』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
戦極ドライバー(斬月):ディロードライバーを斬月用の戦極ドライバーに変えて、仮面ライダー斬月に変身するためのカード。 

 

第32話『雷と風』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「何が強い意志だ!知っているぞ、雅。本当のお前は臆病者だ。人に傷つけられ、怯え、そして逃げるためにその力に手を延ばした!」
「確かに、僕が行ったことは人の道を外れたことだ。それでも、僕のことを救いのヒーローと言ってくれた人たちがいた!僕を仮面ライダーと呼んでくれる人はまだいる!だから僕は!まだ仮面ライダーディロードなんだ!」
「お前の本当の敵は、案外よく知っている奴かもな。まあ、深く考えないで、もっと単純に考えてみろ!」
「雅の奴、ようやく解ったみたいだな。」
「何故…どうしたあなたがここに…いや、何故あなたがドラゴンロードを率いているのですか。凪風流先代当主、凪風龍道!」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「どうした?お前が手にしたかったものは、その程度か?」
「まだだ!ロードスラスター、再構築!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、レイジングハートエクセリオンのカードをロードスラスターにスキャンし、スターライトフォームに変身する。
「レイジングハート、エクセリオンモード、リリース!」
[exelion mode standby ready.]
ディロードはレイジングハートをエクセリオンモードに変える。
「凪風流槍術、奥義!牙突哮!」
ディロードはレイジングハートを槍として扱い、槍術の奥義を放つ。しかし、
「凪風流弓術、奥義!一点破!」
龍道はディロードの右肩をエクシードデバイスから放たれる魔力弾で撃ち、攻撃を到達させない。
「凪風流は守りの力!無闇に傷つけることができると思うな!」
龍道の言葉を聞き、ディロードは立ち上がる。
「それなら!」
【CHANGE RIDE-NEO AMAZONS DRIVER VERSION NEO-】
雅は変身を解除し、ディロードライバーをネオアマゾンズドライバーに変えて、アマゾンズインジェクターをセットする。
[ne・o…]
「アマゾン!」
雅は仮面ライダーアマゾンネオに変身し、アマゾンネオソードを展開する。
「凪風流剣術、奥義!殲甲!」
アマゾンネオは剣術の奥義を放とうとする。
「その程度で奥義を使えると思うな!」
龍道はアマゾンネオの太刀筋を見切り、それを避けるとエクシードデバイスでアマゾンネオを払い飛ばす。
「だったら!」
【CHANGE RIDE-FAUSTROBE-】
雅はアマゾンネオへの変身を解除し、キャロルが纏っていた錬金術の鎧、ダウルダブラのファウストローブを身に纏う。
「♪星々を見上げてると 己の小ささに嗤う…」
雅はダウルダブラが奏でる旋律に力を込めて龍道を殴ろうとするが、龍道は軽く躱す。
「♪亡くなる命の 終の煌めきよ!その目に 焼き付け 重ねよ…」
雅はダウルダブラから70億のフォニックゲインを解き放とうとするが、身体に負荷がかかる。
「雅、みんなを救おうとすることは素晴らしい。だけど、その所為で自分が傷つき、それが切っ掛けで周りの人が悲しんだら意味がないだろ!」
龍道は止めようとする。
「たとえそうだとしても、僕の力は、みんなを救えなければ意味がないんだ!♪只、武器になれるなら!只、盾になれるなら!死に堕つまで…!魂すら くれてやろう!」
雅はフォニックゲインの波動を放つが、その反動は凄まじく、ファウストローブは自壊してしまう。
「だから言ったんだ。無茶をするなって!」
龍道は雅にそう言うが、雅はそのまま立ち上がり、構える。
「凪風流、奥義!」
「やめろ、雅!無理に身体を動かすな!」
「凪絶つ風!」
雅は自身を止めようとする龍道の言葉を無視して凪風の奥義を放つ。
「仕方がない。凪風流、奥義!凪絶つ風!」
龍道は同じ奥義を放ち、相殺する。
「凪風の奥義は、お前にはまだ早かったんだ!」
龍道は雅に対して言う。
「だとしても…今の凪風を受け継いだのは、僕だ!」
「いいや!お前に凪風は早い!それに、流夜は凪風を学ぶべきではなかった。だから、ここに宣言する!凪風流は、俺の代をもって断絶にする!最初から、こうするべきだったんだ。これなら、雅が凪風の重責に悩む必要も、流夜が大ショッカーの首領になり、世界の破壊者になることもなかった。」
龍道は雅に対して言う。
「確かに、僕は責任を重く考え過ぎていました。それに、流夜もそのことで闇風に手を染めることもなかったかもしれません。ですが、それはあくまでも流派の話です!家族として、流夜の思いに気付けなかった時点で、僕も、父上も、家族失格だったんだ!だから、いくら凪風を終わらせても、未来は変わりません!それなら、僕が凪風を、引き継ぎます!」
雅はそう龍道に返す。
「そうか。俺の知らない400年で、すっかり大人になったな。だが、今の雅の凪風では、俺は継承を認めるわけにはいかない。雅の凪風は、何のためにある!それに自分が気付けないようでは、俺を認めさせるには及ばないぞ!」
龍道は雅の成長を喜びながらも、鋭い目を向ける。
「今のままでは…それなら!僕は僕のまま、未来を、自分らしさを貫き通す!」
雅は覚悟を決める。
「雅、負けないで!」
そんな雅をフェイトは応援する。
「凪風流、新奥義!」
雅は右手を手刀の形にし、左手は拳を握る。
「新奥義ときたか。それも凪風の基礎である拳。まるで昔の俺みたいだ。やっぱり、雅も俺の息子だな。だが、雅が新奥義を放つというなら、俺も手加減はしない!凪風流、奥義!龍道式!」
龍道はエクシードデバイスを雅に向け、辺り一帯の空気をエクシードデバイスに集め、真空状態を作り出す。
「凪絶つ風・斬ノ型!」
龍道はエクシードデバイスを振るい、風の刃を雅に放つが、
「雷!風!堂!々!」
雅は右手を使って縦一文字に風の刃と龍道のエクシードデバイスを砕く。
「何!?」
「ハアッ!」
そして、スナップを効かせながら左手の拳を龍道の心臓目掛けて放ち、それが龍道に直撃し、龍道は倒れる。
「父上!」
雅は倒れた龍道を抱える。
「雷風堂々…雅の風と、嬢ちゃんの雷。自分だけじゃなく、大切な何かと共に進む。それが、雅の答えか。確かに、雅らしさが出ている。いいだろう。凪風流の正式な17代目当主として、雅を認めよう。」
「父上、ありがとうございます。」
「よかった。これで、俺の二つ目の願いも、無事に叶った…」
「それが、父上の二つ目の願い…」
「ああ、俺はメデューサと契約する時、後継者がしっかり決まる前に死んだ時に蘇ること、それから、時期当主をしっかり決めることを願った。自分で子供を作っておきながら、どっちにするかきめられなくて、悪魔の力を頼って、結局俺も、まだまだ半人前だったってことだな…だから雅が、チームディロードなんて作って、それこそこの世界と融合していない世界を含めれば50を超える世界を救ったこと、世界を救うために一人汚れ役を買って出たこと、すごく立派だと思えた。戦わなくていいって言ったのは、俺の本心でもあった。だけど、これだけしっかりしているなら、俺も安心だ。さすがは、次元保護国の象徴なだけある。俺も、父親として嬉しいよ。」
「父上…」
「だけどな雅、俺には流夜だって大切な息子だ。確かに、凪風から離れてもらったが、俺のことを親父って気軽に呼んでくれていたことは、父親として嬉しかった。俺は、本当は雅にも、そう呼んでもらいたかった。まあ、雅にそれが出来ないことは解っている。っと、そろそろ、限界か。」
龍道の身体が光の粒子に変わろうとしている。
「父上!?」
「願いが叶ったんだ。今度は、代償を支払う番だ。フェイトさん、うちの息子を、頼みます。こいつは誰かを救うためなら、自分の命に価値を見出せなくなることがある。フェイトさんが、雅を大切にしてやってほしい。」
龍道はフェイトに向かって言う。
「…はい、わかりました。」
「それじゃあ、これでドラゴンロードは壊滅だ…」
龍道はそう言い、消滅する。
「父上ぇぇぇ!」
雅は嘆く。すると、
「…ここは?」
一つの人影が、雅達の前に現れる。
「そんな!?」
フェイトは驚く。
「やはり、生き返っていたのか…」
雅はその人影、凪風流夜に向かって言う。
「…俺は、誰?あなたは、どうして俺のことを?」
流夜はたどたどしく言う。
「もしかして、記憶を失っているのか?」
雅は近づきながら言う。
「…っ!」
流夜は近づく雅を見て頭を抱える。
「大丈夫か!?」
雅は心配して流夜に触れる。すると、流夜はそんな雅の手首を握り締める。
「…ああ、大丈夫だ。全部思い出したよ。会いたかったぜ、兄貴。」
流夜は雅の手首をひねりながら言う。
「流夜、記憶が戻ったのか!?」
「お蔭様でな。それにしても、随分と老けたな。」
「そうだな、あれから7年も経っているからな。」
「そうか…7年も経つのか。楽しかったぜ、あの時の殺し合いは。まさか兄貴にも、あんなに醜い部分があったなんてな!」
流夜は笑いながら言う。
「流夜…」
「さあ、俺も蘇って身体が鈍っているけど、その無様にボロボロな状態の兄貴を殺せるくらいには身体が動くからな。」
流夜はディケイドライバーを装着し、ディケイドのライダーカードを取り出す。
「変身!」
【KAMEN RIDE-DECADE-】
流夜はディケイドに変身する。
「まずは、これでも試してみるか。」
【KAMEN RIDE-GAIM-オレンジアームズ!花道、オンステージ!】
ディケイドはディケイド鎧武にカメンライドする。
「ここからは、俺のステージだ。」
【ATTACK RIDE-DAIDAIMARU-】
ディケイドはアタックライドのカードを使ってライドブッカーを大橙丸に変える。
「流夜、もう争いあうことはやめよう。流夜だって、本当は解っているはずだ!僕を殺したって、凪風流の当主になれないことを!僕を殺すことに、本質的な意味がないことを!」
「煩い!俺はずっと、兄貴のそういう綺麗事が嫌いだった!だから、兄貴を殺して、凪風流を終わらせる!」
ディケイド鎧武は大橙丸を構える。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「待ってくれ、流夜!」
「今更何を言っている!」
「愉しませてもらったぜ。」
「お前は…バアル!?」
「行こう、フェイト。」
次回『凪風流の未来』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ネオアマゾンズドライバー(ネオ):ディロードライバーをアマゾンネオ用のネオアマゾンズドライバーに変えて仮面ライダーアマゾンネオに変身するためのカード。
ファウストローブ:ディロードライバーを殲琴ダウルダブラのファウストローブに変えるカード。
仮面ライダー鎧武:ディケイドをディケイド鎧武にカメンライドさせるカード。
大橙丸:ライドブッカーを大橙丸に変えるカード。

流夜が変身するディケイドは、ビルドまでの仮面ライダーに対応していますが、ドライバー自体は旧バージョンのままです。 

 

第33話『凪風流の未来』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「凪風流は守りの力!無闇に傷つけることができると思うな!」
「だったら!」
「雅、みんなを救おうとすることは素晴らしい。だけど、その所為で自分が傷つき、それが切っ掛けで周りの人が悲しんだら意味がないだろ!」
「それじゃあ、これでドラゴンロードは壊滅だ…」
「…ああ、大丈夫だ。全部思い出したよ。会いたかったぜ、兄貴。」

世界の破壊者、ディケイド。いくつもの世界を巡り、その瞳は何を見る─

「待ってくれ、流夜!」
「誰が待つかよ!」
雅の言葉を無視してディケイド鎧武は雅を攻撃するが、雅はそれを回避する。
「仕方がない。」
【CHANGE RIDE-GHOST DRIVER VERSION GHOST-】
雅はディロードライバーをゴーストドライバーに変える。
{ムゲン進化!}
雅はムゲンゴースト眼魂をゴーストドライバーにセットする。
「変身!」
{チョーカイガン!ムゲン!Keep on going!ゴ!ゴ!ゴ! ゴ!ゴ!ゴ! ゴ!ゴ!ゴ!ゴースト!}
雅は仮面ライダーゴースト ムゲン魂に変身する。
「随分すごい見た目だな!こっちもやり甲斐があるぜ!」
【FINAL ATTACK RIDE-GA GA GA GAIM-】
ディケイド鎧武は必殺技を発動し、大橙一刀を放つが、ゴーストはガンガンセイバーのハンマーモードでそれを防ぐ。
「落ち着け、流夜!」
{イノチダイカイガン!ラブボンバー!}
ゴーストは必殺技を発動しハンマーにエネルギーを纏わせてディケイド鎧武を攻撃する。しかし、
「兄貴は相変わらずだな。」
【ATTACK RIDE-ILLUSION-】
ディケイド鎧武はイリュージョンを使って分身し、カメンライドを解除してゴーストの攻撃を回避する。
「「「これならどうだ?」」」
三人のディケイドはそれぞれ別々のライダーカードをスキャンする。
【KAMEN RIDE-EXーAID- Mighty jump!Mighty kick!Mighty mighty action X!】
【KAMEN RIDE-DRIVE-】
【KAMEN RIDE-BUILD-鋼のムーンサルト!ラビットタンク!ィエーイッ!】
三人のディケイドはそれぞれディケイドエグゼイド、ディケイドドライブ、ディケイドビルドにカメンライドする。
「さあ、これならどう動く?」
ディケイドドライブはライドブッカーをゴーストに向ける。
「それなら!」
【CHANGE RIDE-EVOL DRIVER VERSION EVOL-】
〔オーバーザエボリューション!〕
「変身!」
〔ブラックホール!ブラックホール!ブラックホール!エボリューション!〕
雅はディロードライバーをエボルドライバーに変え、仮面ライダーエボル ブラックホールフォームに変身する。
「なかなか楽しめそうだな。」
【FINAL ATTACK RIDE-E E E EXーAID-】
【FINAL ATTACK RIDE-D D D DRIVE-】
【FINAL ATTACK RIDE-BUI BUI BUI BUILD-】
ディケイドエグゼイド、ディケイドドライブ、ディケイドビルドはそれぞれクリティカルストライク、スピードロップ、ボルテックフィニッシュを放つが、
「一気に終わらせる!」
〔ready go!ブラックホールフィニッシュ!チャ~オ~!〕
エボルは逆回し蹴りを放ち、カメンライドしていたディケイド達を纏めて攻撃し、分身は消滅してディケイドの変身は強制的に解除される。
「今だ、フェイト!」
「うん!ライトニングバインド!」
エボルはフェイトに支持を出し、フェイトは流夜を拘束する。
「ちっ、今の俺は…いいや、何時まで経っても俺は兄貴に勝つことすら出来ないのか。闇風を極めても、ディケイドの力を手に入れても、兄貴は必ず俺を嘲笑うように上をいく。なんだよ!結局当主になれば何でも思う通りになるんかよ!」
流夜はそう言うと雅を睨む。
「流夜、その当主の件で、話がある。」
「なんだよ。」
「僕には次元保護国の象徴として、国民のために生き続けないといけない。もう、この身は凪風流のためだけに生きていくことは出来ない。そこで、先代当主、龍道の次男である流夜に、凪風流の18代目の当主になってもらいたい。」
雅は流夜のバインドを解き、流夜に目線を合わせて言う。
「凪風流の当主だ?ふざけるな!人のことを勝手に破門にしておいて、今更何を言っている!」
流夜は怒りを雅にぶつける。
「その破門についてだが、これを見てほしい。」
雅はある巻物を流夜に見せる。
「それは?」
「これは凪風流門下一覧。歴代の凪風流の門下生の名前が記されていて、破門になった者は黒塗りで潰されるようにしてあるものだ。これをよく見てほしい。」
「…これって!?」
流夜は目を疑う。流夜の名前は黒塗りで潰されていなかったのだ。
「おそらく父上は、流夜に一時的に凪風から離れてもらうことで、闇風を学ぶ危険性、凪風の意味、それらを学んで欲しかったのだと思う。そして、闇風を凪風として扱えるように昇華させた流夜にこそ、凪風を継ぐのに相応しい人はいない、それが17代目当主としての、僕の考えだ。」
雅は自身の考えを流夜に伝える。
「闇風を、昇華させた…?」
「流夜は、独学で闇風を学び、それを人に危害を加えない形に作りかえた。すなわち、無殺の闇風は闇風ではなく立派な凪風。だから、それを未来に繋げてほしい。」
雅は言う。
「兄貴…いや、当主。それで本当に構わないのか?」
「もし何かあるなら、最初からこんなことは話さない。だから、凪風の拳に誓って、信じてほしい。」
「…わかりました。当主の考え、この流夜が受け継ぎます。」
「それでは、家を頼むぞ、流夜。」
雅は握手を求める。
「任せてくれ、兄貴。後からやっぱり返してくれなんて言うなよ?」
流夜は、その握手に応じる。すると、
「なんだよ。つまらねぇな。」
そんな声が響きわたる。
「誰だよ!」
流夜は警戒する。
「この声、どこかで聞き覚えが…」
雅は声の主にどこか違和感を感じる。すると、黒く禍々しい光と共に一角の異形が姿を見せる。
「どこかで聞き覚えがあると思えば、お前は…バアル!?」
そう、異形の正体は雅にディロードライバーを渡し、装填の守護者にした張本人、バアルであった。
「久しぶりだな、装填の守護者。お前と父親の戦い、見てよかった。本当、愉しませてもらったぜ。それに引き換え、弟相手に温情をかけて、情けない。」
「バアル、ディロードの力をどう使うかは、全て僕は決める。」
雅はディロードライバーを装着する。
「馬鹿め。ディロードライバーは我々堕天一族の宝具。その力、返してもらうぞ!」
バアルは剣を向ける。しかし、
「何故だ!何故ディロードライバーが戻ってこない!」
バアルは慌てる。すると、
『何やら騒がしいと思えば、堕天一族の中堅騎士か。我はすでに自由の身。お前達に支配など出来ぬ。』
ディロードライバーからディロードドラゴンが語りかける。
「まさか、よく見ていなかったうちにディロードドラゴンが解放されていたのか!?だとしたらヤバいぞ!」
バアルは慌てふためく。
「バアル、僕達家族のこと、よくも笑ったな!」
雅はディロードのライダーカードを取り出す。
「兄貴、協力してやるぜ。俺も馬鹿にされて腹が立っている。」
流夜もディケイドライバーを装着してライダーカードを取り出す。すると、
「皆さん、その必要はありません。」
穏やかな男性の声が聞こえると、禍々しい暗黒の魔法陣が出現し、そこから12枚の翼を持つ騎士が現れる。
「あなたは…?」
雅は騎士に質問する。すると、
「ルシフェル様、どうしてここに!?」
バアルは驚く。
「バアル、あのディロードライバーがどうしてこの人間界にある。いや、お前が楽しみ半分で持ち出したことは知っている。あれはかつて人間界で大ショッカーという組織が能力の模倣を図ったことで門外不出の封印指定をかけた。」
騎士はバアルに対して言う。
「皆さん、バアルがご迷惑おかけしました。私は堕天一族の騎士王、ルシフェルといいます。ただいまバアルを裁きますので、お待ちください。」 
ルシフェルは雅達に名乗り、抜刀する。
「ちっ、このまま殺されてたまるか!こうなったら、お前達、蘇れ!」
バアルはドラゴンロードの再生怪人軍団を更に再生させる。
「ルシフェルさん、怪人達は任せてください!フェイト、行ける?」
「うん!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身する。
【ATTACK RIDE-UNISON-】
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING BRAVE-】
ディロードはフェイトとユニゾンし、ライトニングブレイブに変身する。
「この数だ。兄貴、俺も手伝うぜ。変身!」
【KAMEN RIDE-DECADE-】
流夜もディケイドに変身して加勢する。
「あれはディロードと、ディロードの技術の模倣物!?そうか。まさか、ディロードの弟がディケイドになっていたとは…バアル、お前は我ら堕天一族の掟と誇りを忘れたのか!」
「忘れてなんていないさ。ただ、守る必要が無いだけだ!」
バアルはルシフェルに刃を向けて突進するが、
「やはり、誇りを捨てた魔族は、討たねばならないか…」
ルシフェルは凄まじい超能力の波動を放ち、バアルを粉砕してしまう。
「フォトンランサーファランクスシフト!打ち砕け、ファイヤー!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DECADE-】
ディロードのファランクスシフトとディケイドのディメンションブラストが放たれ、再生怪人軍団は撃破される。
「皆さん、ご無事ですか?」
ルシフェルは変身を解除した雅達に訪ねる。
「はい、大丈夫です。」
雅は答える。
「元々、そのディロードライバーは世界の運命をも変えてしまう力。私の力で厳重に封印をしていましたが、バアルによって持ち出されてしまった物。もしよろしければ、私の方で完全破壊を行いたいのですが。もちろん、お持ちになられたいのならば、私には止める資格はありません。」
ルシフェルは雅に提案をする。
「ルシフェルさん、お気持ちはありがたいですが、やはりディロードはもはや僕の一部みたいなものなので、お渡しするわけにはいきません。それに、仮面ライダーディロードの存在を、必要としている人もいます。」
雅はルシフェルの提案を拒否する。
「わかりました。どうやら貴方には預けても安心ですね。それでは、バアルがご迷惑おかけしました。私は、これで失礼します。」
ルシフェルは再び魔法陣を展開して魔界へ帰っていった。
「さて流夜、どうするか。うちの国の法では、蘇った以上法律の適用範囲になって、逮捕しないといけなくなる。」
「いいさ。仮面ライダーゾルダがいるんだろう。兄貴からお願いすれば、もしかしたら…」
「悪いが、今の僕は次元保護国の国家象徴。司法に口出しをすることも出来ない。」
「それなら私が!」
「いや、僕と結婚する以上、難しいだろう。」
「わかった。兄貴の力を借りずに、なんとかしてみる。」
「大丈夫だ。流夜はかつて大ショッカーを率いるほどの力をみせたんだ。頑張れ。」
「ああ!」
雅達はワープのカードを使って次元保護国に戻り、流夜は警察庁で自首し、留置所に搬送された。

それから一週間後、雅とフェイトの結婚式は改めて行われた。
「雅、俺が撮ってやる。」
始はカメラを取り出す。
「雅、チームディロードは集める?」
「そうだな。圭一、沙都子、梨花、羽入!」
雅は特等席に座っていた圭一達を集める。
「それじゃあ、撮るぞ。」
始はシャッターを押し、記念の一枚が現像される。こうして6月2日、雅とフェイトの結婚式は無事に完了した。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
「雅がよそよそしいの。」
「ウラタロス、どうしたらいいか教えてほしい。」
「フェイトちゃんも、俺のハーレムの一員にならないか?」
「勝手にノロケんな!」
「やっぱり、自分の気持ちを伝えないといけないか。」
次回『すれ違う二人』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ゴーストドライバー(ゴースト):ディロードライバーをゴーストドライバーに変えて仮面ライダーゴーストに変身するためのカード。
仮面ライダー鎧武(ファイナルアタックライド):仮面ライダー鎧武の必殺技を発動するカード。
イリュージョン:ディケイドが分身技、ディケイドイリュージョンを発動する。
仮面ライダーエグゼイド:仮面ライダーエグゼイドにカメンライドするためのカード。
仮面ライダードライブ:仮面ライダードライブにカメンライドするためのカード。
仮面ライダービルド:仮面ライダービルドにカメンライドするためのカード。
エボルドライバー(エボル):ディロードライバーをエボル用のエボルドライバーに変えて仮面ライダーエボルに変身するためのカード。
仮面ライダーエグゼイド(ファイナルアタックライド):エグゼイドの必殺技を発動するカード。
仮面ライダードライブ(ファイナルアタックライド):ドライブの必殺技を発動するカード。
仮面ライダービルド(ファイナルアタックライド):ビルドの必殺技を発動するカード。 

 

EP.EX01 2019:アナザーワールド

『この本によれば、常磐ソウゴ、彼は魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。カブトウォッチを見事入手し、残るウォッチはあと一つ。電王ウォッチのみとなったが、我々にとって予想外の出来事が起こる。なんと、ジオウと相反する、この世界には存在出来ない世界のライダーが現れ─おっと!これはまだ、私達さえも知らない話でした。』

「……ん…フェイト、おはよう…」
時は2019年6月3日。原っぱの真ん中で、一人の青年が目を覚ます。
「あれ?おかしい。昨日はフェイトと一緒に寝ていたはず。もしかして、僕達の世界とは別の世界で異変が起きて、誰かが時空間転送を行ったのか?」
青年は辺りを見渡すが、何も無いため遠くに見える市街地に向かった。

─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─

青年は市街地を捜索している。
「見た所、何か特別な世界には見えないな。」
青年が広場を見る。すると、
「助けてくれ!」
男性の悲鳴が聞こえる。
「あっちか!」
青年は走って広場に向かう。
「そこだな!」
青年は人だかりを見つけ、たどり着く。すると、
「いいぞ!」
「頑張れ!」
「負けるな!」
様々な人々の応援が聞こえる。
「一体、どうなっているんだ?」
青年は人の中を縫って進み、その中心部に行くと、一体の異形が、如何にもがらの悪そうな男性を殴っていた。
「ありがとうございます!」
その様子を見て一人の少年が感謝の言葉を述べていた。
「とにかく、なんとかしないと!皆さん、危険ですから、逃げて下さい!」
青年は人だかりを解散させる。
「そこまでだ!」
青年は異形の攻撃を止める。
「大丈夫ですか!逃げて下さい!」
青年は殴られていた男性に言う。
「おい!なんでミヤビが二人いるんだよ!わけわかんねえよ!」
男性は怯えながら逃げて行く。
「えっ!?どうしてあいつが!?」
青年は驚く。そして、異形は青年を見る。
「何故逃がした!あいつを倒さないと、また被害者が生まれるだろ!」
異形は言う。異形の右胸には“DELOAD”と、右肩には“0624”、左肩には“0603”と記されていた。異形の正体はこの世界の怪人、アナザーライダーと呼ばれるものであった。
「ディロード?どういうことだ?だけど、ここは僕がなんとかしないと!」
青年はベルトを装着し、カードをそのベルトにスキャンする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
青年はベルトとカードの力を使い、仮面ライダーディロードと呼ばれる戦士に変身する。
「あれ?ロードスラスターが無い!?」
ディロードは武器が無いことに驚くが、そのまま謎のアナザーライダーと戦闘を開始する。
「お前はなんだ!?なんで俺と同じ顔をしている!」
謎のアナザーライダーはディロードを殴ろうとするが、ディロードはそれを避ける。
「僕は仮面ライダーディロード!世界の平和を守る戦士だ!」
「何を言う!仮面ライダーディロードは俺だ!」
謎のアナザーライダーは主張する。すると、そこにソウゴ、ゲイツ、そしてウォズの3人がやってくる。
「ねぇ、あれってどういうこと?」
ソウゴはウォズに質問する。
「いや、私にも何が起きているか解らない。」
ウォズはソウゴの質問に答える。
「とにかく、どちらかがアナザーライダーだ。自分がアナザーライダーだと思う方を攻撃すればいい。」
ゲイツは提案する。
「ゲイツの言うとおり、今はあの戦いをどうにかしよう。」
“ジオウ!Ⅱ!”
“ゲイツリバイブ!剛烈!”
“ギンガ!ファイナリー!アクション!”
ソウゴはジオウⅡライドウォッチを、ゲイツはゲイツライドウォッチとゲイツリバイブライドウォッチをジクウドライバーにセットし、ウォズはギンガミライドウォッチをビヨンドライバーにセットする。
「「「変身!」」」
“ライダータ~イム!仮面ライダー!ライダー!ライダー!ジオウ!ジオウⅡ!”
“仮面ライダーゲイツ!パワードタ~イム!リ!バ!イ!ブ!剛烈!剛烈!”
“投影!ファイナリータイム!ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー! ウォズギンガファイナリー!ファイナリー!”
ソウゴは仮面ライダージオウⅡに、ゲイツは仮面ライダーゲイツリバイブ 剛烈に、ウォズは仮面ライダーウォズギンガファイナリーに変身し、ジオウⅡとウォズは謎のアナザーライダーと、ゲイツリバイブはディロードと戦闘を行う。
「えっ!?ゲイツそっち!?」
ジオウⅡは驚く。
「こんな醜い顔の奴が、仮面ライダーなわけあるか!」
ゲイツリバイブはディロードを殴ろうとするが、
【ATTACK RIDE-BARER-】
ディロードはバリアを展開して防ぐ。
「醜くて悪かったですね!」
【CHANGE RIDE-SENGOKU DRIVER VERSION MARS-】
ディロードは戦極ドライバーを装着し、変身が解除される。
〈ゴールデン!ロック オン!〉
「変身!」
〈come on!ゴールデンアームズ!黄金の果実…〉
青年は戦極ドライバーのカッティングブレードを押し、仮面ライダーマルスに変身する。
「お前、仮面ライダーだったのか!?」
ゲイツリバイブは驚く。
「ゲイツ、だってこっちには名前と数字が入っているじゃん!」
ジオウⅡはゲイツリバイブに的確なことを言う。
「しかし、私が知る歴史に、あのライダーもアナザーライダーもいない。一体何者だ?」
ウォズは未知の敵に疑問を持つ。すると、謎のアナザーライダーは蜘蛛の頭部のようなベルトに手を翳す。
“アナザーライド…”
ベルトからおどろおどろしい音声が鳴り響く。そして、
「ブレイド!」
謎のアナザーライダーは宣言し、アナザーブレイドに変身する。ただし、その姿には一つの違和感があった。
「えっ!?顔が、仮面ライダーブレイド!?」
ジオウⅡは驚く。そう、変身したアナザーブレイドの顔は本来の頭部ではなく、仮面ライダーブレイドの頭部であったのだ。
「ジオウ、トリニティで行くぞ。アナザーブレイド相手ならそれで勝てる。」
「ああ!」
“ジオウトリニティ!”
ゲイツリバイブに言われ、ジオウⅡはジオウトリニティライドウォッチを取り出し、ジクウドライバーにセットする。
“トリニティタ~イム!三つの力!仮面ラ~イダージオウ!ゲイツ!ウォズ!ト~リ~ニティ~!トリニティ!”
ジオウはゲイツ、ウォズと合体しジオウトリニティにパワーアップする。
「一気に決める!」
“ライダーフィニッシュタイム!トリニティタイムブレーク!バースト!エクスプロージョン!”
ジオウは必殺技を発動し、アナザーブレイドに必殺のトリニティタイムブレークバーストエクスプロージョンを放つ。しかし、アナザーブレイドはマルスに対して高速で突進し、それを避ける。
「何っ!?」
必殺技が不発に終わったジオウは着地する。
「お前達、何故人に危害を加えようとするんだ!」
アナザーブレイドは叫び大剣を地面に突き刺し、ジャンプする。
「ハァッ!」
アナザーブレイドは雷を纏ったキックをジオウに放とうとする。
「危ない!」
マルスはジオウの前に立ち、アップルリフレクターでアナザーブレイドのキックを受け止め、アナザーブレイドは着地すると、謎のアナザーライダーに戻る。
「ここは退く方がいいな。」
“アナザーライド…”
「サソード!」
謎のアナザーライダーはアナザーサソードに変身する。
「クロックアップ!」
“クロックアップ…”
アナザーサソードは高速移動してその場から離れてしまう。
「貴方達は一体?」
青年はディロードの変身を解除する。
「俺は常磐ソウゴ。」
「俺は明光院ゲイツ。」
「そして私はウォズ。我が魔王の忠実な家臣。」
ソウゴ達は自己紹介をする。
「魔王?」
青年は疑問を投げかける。
「ウォズの言うことは聞かなくていいから。それより、あんたは?」
ソウゴは青年に質問する。
「僕は凪風雅。仮面ライダーディロードだ。」
青年、雅は自己紹介をする。
「ウォズ、ディロードってライダー知っている?」
「いや、私の知る歴史に、ディロードという名のライダーも、雅という人物もいない。」
「そうなると、未来から来たのか?」
ウォズの言葉を聞き、ゲイツは考察する。
「ねぇ、雅はいつの時代でライダーになっているの?」
「いつから、ですか。僕は2012年からこの2019年までディロードとして戦っています。」
ソウゴの質問に雅は答える。
「えええっ!?ウォズ、どういうこと!?」
「どういうことにも、ディロードなんて仮面ライダーは私の知りうる歴史にはいない。」
「なるほど。どうやら、僕は自分の歴史と相反する世界に来てしまったのか…」
雅は考察する。
「どういうこと?」
「この世界にディロードがいないように、僕の世界にはジオウというライダーはいません。」
ソウゴに雅は説明する。
「とにかく、あんたも平成ライダーなら、ウォッチを渡してよ。」
ソウゴは手を出す。
「ウォッチ?」
「これだよこれ!」
雅の質問にソウゴはジオウのライドウォッチを見せて話す。
「それで、そのウォッチを渡すとどうなる?」
雅は警戒しながらも質問する。
「俺が王様に近づく!」
「そうではなくて、ディロードはどうなりますか?」
ソウゴの答えに雅は困惑し、質問を変える。
「ウォッチはそのライダーの力そのもの。ウォッチを渡せば当然、ディロードの力も、その歴史も無かったことになる。」
ソウゴに代わってウォズが説明する。
「ディロードの歴史が…消える…なるほど、よく解りました。」
説明を聞き雅は納得する。
「えっ!?じゃあ渡して!」
「これを貴方達に渡してはいけないことが。」
ソウゴの言葉に対して、雅はディロードライドウォッチを見せながら言う。
「なんで!」
「ディロードの使命は世界の運命の歯車を正すこと。ディロードの歴史が消えれば、多くの世界が崩壊する。それに、ディロードの歴史が消えれば、僕は貴方達に会うことはなくなってしまう。っと、またさっきの怪人だ。」
ソウゴ達の前に、謎のアナザーライダーが現れる。
「アナザーライダー!?」
「アナザーライダー?」
「あれは仮面ライダーの力を暴走させた危険な存在、アナザーライダー。言うなれば、あれはアナザーディロードと言った所だ。」
ソウゴの言葉に雅は疑問を持ち、ゲイツは説明をする。
「何をごちゃごちゃ言っている!みんなを守る邪魔をするお前達を、まずは倒す!」
アナザーディロードは拳を構える。
「行こうゲイツ、ウォズ。それから雅。」
ソウゴ達は変身する。
「これならどうだ!」
“アナザーライド…”
「雷纏!」
ディロードはアクアブルーのマントを装着し、高速で移動する。
「ならこっちも!」
“スピードタ~イム!リバイリバイリバイブ!リバイリバイリバイブ!リバイブ疾風!疾風!”
ゲイツはゲイツリバイブ疾風に変身し、高速移動を行う。しかし、
「ボルテックダガーショット!」
アナザーディロード雷纏態はアクアブルーのエネルギーの刃を放ちゲイツリバイブを攻撃し、動きを止める。
「まるでディロード ライトニングフォームみたいだ。」
【ATTACK RIDE-SONIC-】
ディロードは高速移動を行いアナザーディロード雷纏態を攻撃する。
「これで決める!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードは必殺技を発動する。しかし、本来なら平成ライダー達が出現するはずの場所にはジオウのライダーアーマーが現れる。
「どういうことだ!?」
ディロードは驚きながらも、必殺技のディメンションヒストリーをアナザーディロード雷纏態に放ち、アナザーディロード雷纏態は爆発。青年の体からアナザーディロードウォッチが排出され、砕け散る。そして─
to be continued.

次回、仮面ライダージオウ
「アナザーライダーを倒すにはウォッチの力が必要だ!」
「どう?ジオウの力じゃ決して倒すことのできないアナザーライダーは?」
「俺がこの手で、傷付けられる人を守り抜く!」
「ディロードの歴史が消えることの意味を、貴方達は解っていない。」
「これで、終わらせる!」
次回『2019:ふたつのセカイ』 
 

 
後書き
突然予告とまるきり違う内容を投稿し、申し訳ありません。こちらは意図して行いました。前回の話は2019年6月2日。そして今回の話は6月3日の出来事。この2019年6月3日は新月。即ち、ディロードが誕生した月です。アナザーディロードはこのタイミングで誕生し─

アナザーディロード誕生による歴史改変
・ディロードが50にも及ぶ世界を救った歴史の消滅。
・ディロードの敵である大ショッカーの侵略も、ディケイドである実弟、流夜の存在も無かったことに。
・それに伴い、次元保護国の建国、それに関する事件が無かったことに。
・『ひぐらしのなく頃に解』、『魔法少女リリカルなのはA′s』の両世界に行った歴史が無いため、ロードスラスターが無いことに。
・『仮面ライダーオーズ』の世界に行った歴史が無いためマシンディローダーが無いことに。
*ただし、雅自身は特異点であるためディロードである歴史は変わらず、例外的に平成ライダーのライダーカードは使用が可能になっている。 

 

EP.EX02 2019:ふたつのセカイ

『この本によれば、常磐ソウゴ、彼は魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。我々とは異なる世界からやってきたと自称する青年、凪風雅こと仮面ライダーディロード。そしてそれと対をなす存在であるアナザーディロードが現れる。ディロードは自身の力でアナザーディロードを倒すが、時間が巻き戻り、我々は再び凪風雅と─おっと!これはまだ、私達さえも知らない話でした。』

「……ん…フェイト、おはよう…」
時は2019年6月3日。原っぱの真ん中で、雅が目を覚ます。
「あれ?おかしい。昨日はフェイトと一緒に寝ていたはず。もしかして、僕達の世界とは別の世界で異変が起きて、誰かが時空間転送を行ったのか?」
雅は辺りを見渡すが、何も無いため遠くに見える市街地に向かった。

─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─

雅は市街地を捜索している。
「見た所、何か特別な世界には見えないな。」
雅が広場を見る。すると、
「助けてくれ!」
男性の悲鳴が聞こえる。
「あっちか!」
雅は走って広場に向かう。
「そこだな!」
雅は人だかりを見つけ、たどり着く。すると、
「いいぞ!」
「頑張れ!」
「負けるな!」
様々な人々の応援が聞こえる。
「一体、どうなっているんだ?」
雅は人の中を縫って進み、その中心部に行くと、アナザーディロードが、如何にもがらの悪そうな男性を殴っていた。
「ありがとうございます!」
その様子を見て一人の少年が感謝の言葉を述べていた。
「あれ?この光景、何処かで─」
雅は頭を抱える。すると、雅の脳内にアナザーディロードとの戦いの記憶が過る。
「─そうか!思い出した。もう、こんなことを28回も繰り返していることを。そうなると、ディロードに変身してはいけないか。生身でアナザーディロードを抑えないと。皆さん、ここは危険です!早く避難して下さい!」
雅は自分が何故『仮面ライダージオウ』の世界にいるのか思い出し、人だかりを解散させる。
「大丈夫ですか!逃げて下さい!」
青年は殴られていた男性に言う。
「おい!なんでミヤビが二人いるんだよ!わけわかんねえよ!」
男性は怯えながら逃げて行く。
「そういうことか。ディロードの歴史がこの世界に無いから、あいつも生きているのか。」
雅はアナザーディロードを前に構える。
「どうしてあいつを逃がした!あいつを野放しにしたら、また被害が拡大する。」
「だとしても、お前が暴れることを止めないといけない。それが僕の使命でもある。」
雅はアナザーディロードの攻撃を避け続ける。すると、そこにソウゴ、ゲイツ、そしてウォズの3人がやってくる。
「ねぇ、あれってどういうこと?」
ソウゴはウォズに質問する。
「いや、私にも何が起きているか解らない。」
ウォズはソウゴの質問に答える。
「未知のアナザーライダーか。ジオウ、ウォズ、気をつけろ。」
ゲイツは言う。
「とにかく逃げて!」
ソウゴは雅を逃がそうとする。しかし、
「それには及びません。」
雅はディロードライバーを装着し、ディロードに変身する。
「もしかして、仮面ライダー?」
「はい。僕は仮面ライダーディロード。今はあの怪人、アナザーディロードを追っています。」
「仮面ライダーディロード?とにかく俺達に協力してくれるなら、いける気がする!」
ソウゴ達も変身する。
「後から集団で襲ってくるなんて。」
“アナザーライド…”
「アマゾンネオ!」
アナザーディロードはアナザーアマゾンネオに変身する。
「ウォッチ無しで別のアナザーライダーに変身しただと!?」
ゲイツは驚く。
「あれはディロードと同じ変身能力。相手がアマゾンネオなら、ここはこれだ。」
【CHANGE RIDE-NEO AMAZONS DRIVER VERSION NEW OMEGA-】
「アマゾン!」
〔ニュー・オ・メ・ガ…〕
ディロードはディロードライバーをネオアマゾンズドライバーに変えて仮面ライダーアマゾンニューオメガに変身する。
「なんでお前がディロードに変身しているんだ!?ディロードは俺だ!」
アナザーアマゾンネオはニューオメガを殴ろうとするが、ニューオメガはニューオメガソードを展開してそれを防ぐ。
「何を言っている。仮面ライダーディロードは僕だ。」
ニューオメガはニューオメガソードを使ってアナザーアマゾンネオの腕を切り落とすが、それはすぐに再生し、アナザーアマゾンネオはアナザーディロードに戻る。
“アナザーライド…”
「雷纏!」
アナザーディロードは雷纏態に変身し、撤退する。
「逃げられたか…」
雅は変身を解除する。
「ねえ、あんた、事情を知っているんでしょ?詳しく教えて。」
ソウゴ達も変身を解除し、ソウゴは雅に話しかける。
「あの怪人はアナザーディロード。この僕、仮面ライダーディロードの力を持つ怪人で、ソウゴさん達の力ではウォッチの停止も行えませんでした。そして、僕が倒すと…」
「倒すと?」
「特定の時間に時間が巻き戻ってしまっています。」
「なんだと?」
「ゲイツさん、落ち着いて下さい。アナザーディロードで一番厄介な能力はこれで、時間の干渉を受けない僕ですらこの能力の効果を受けていました。」
雅はアナザーディロードについて説明している。すると、
「ねえ、アナザーディロードには二つの数字が書いてあったけど、雅がそのディロードになったのって624年?それとも603年?」
「いいえ、僕がディロードになったのは2012年です。勿論、あの数字の意味は見当がつきます。あれはきっと、僕がディロードになった6月24日。そして、今日を意味する6月3日を表しています。」
「どういうこと?」
「おそらく、この世界に存在しないディロードを維持する為に6月24日の、そしてアナザーディロードの誕生を意味する6月3日が印されているのだと思います。」
「なるほど。それじゃ、ウォッチを渡してよ。俺がディロードの力でアナザーディロードを倒すからさ。」
ソウゴは雅の説明を聞き、ディロードのライドウォッチを渡してもらうように言う。
「悪いですが、これを渡すわけには行きません。」
雅はディロードライドウォッチを見せながら言う。
「なんで?」
「ディロードの力は危険だ。僕が管理しないと、どんな被害が起きるかわからない。」
「大丈夫。ウォッチには力しか宿っていないから。」
ソウゴはそう言い雅からディロードライドウォッチをもぎ取る。
「危ない!」
雅は咄嗟に伏せるが、何も起きず、
「あれ?ウォッチが雅の所に戻っている!」
ソウゴが手に取ったディロードライドウォッチは雅の手にあった。
「どうやら、完全に力をコピーしているわけではないのか。ソウゴ君、君はなんて危険なことをしてくれたんだ!誰も死ななかったからよかったものを。」
雅はソウゴに言う。
「えっ?もしかして、ディロードって誰かを殺す力があるの?」
「ディロードは正しい者以外が使用目的で触れれば、半径200メートル範囲の生物を爆破性のリアクティブアーマーで殲滅しながら使用者の基に戻る。もしディロードのウォッチにその力も宿っていたら、君の迂闊な行動の所為で多くの人が死に、土地は荒廃していた。少しは未知の力の危険性を考えるといい。」
雅は説明する。すると、
「本当にそうか?本当は自分がディロードになれなくなるのが嫌で、渡したくないだけではないのか?」
ゲイツが雅に言う。
「なれなくなる、というより、ディロードの歴史が完全に失われたくないだけだ。」
「なら話は早い。俺と戦え。俺が勝てば、そのウォッチを渡してもらう。アナザーライダーを倒すにはウォッチの力が必要だ!」
「…解りました。納得させる必要がありますね。」
雅とゲイツはドライバーを装着する。
【CHANGE RIDE-GASHATT GEAR DUAL-】
〔KNOCK OUT FIGHTER! ♪the strongest fist! round1…〕
雅はディロードドライバーをガシャットギアデュアルに変え、ノックアウトファイターを起動させる。
「「変身!」」
〔DUAL UP! The Expressions Hit!KNOCK OUT FIGHTER! 〕
雅は仮面ライダーパラドクス ファイターゲーマー レベル50に、ゲイツはゲイツリバイブ剛烈に変身する。
「ハァッ!」
パラドクスは地面を殴り、地面から爆炎を放ち、ゲイツリバイブの接近を防ぐ。
「それなら!」
ゲイツリバイブは剛烈から疾風に変わり、高速で近づいてパラドクスを殴り飛ばす。
「ノックアウトファイターでは厳しいか!」
〔PERFECT PUZZLE!〕
「大変身!」
〔DUAL UP!Get the glory in the chain! PERFECT PUZZLE!〕
パラドクスもパズルゲーマー レベル50に変わり、
「ここはこれだな!」
〔発光!高速化!〕
パラドクスは眩しい光を放ちながら高速移動を行い、ゲイツリバイブの視界を遮る。
「そして、こうだ!」
〔風船化!混乱!ギャグ!〕
更に、パラドクスは3つのエナジーアイテムをゲイツリバイブに与える。本来風船化は体を膨らませることで回避能力を上げるエナジーアイテムであるが、高速移動を得意とするゲイツリバイブ疾風にとってはデメリットにしかならず、高速移動が封じられ、混乱状態にされ、口を開けてもギャグを言うことしか出来なくなる。
「これで、終わらせる!」
〔終末!終末!終末!〕
〔KIME WAZA DUAL!PERFECT CRITICAL COMBO!〕
パラドクスは必殺技を発動し、天変地異のフルコースでゲイツリバイブを攻撃し、ゲイツの変身は解除される。
「僕だって、伊達に400年も戦っているわけではないんですよ。」
雅も変身を解除する。すると、
「お前達が、人の歴史を奪う邪悪な存在か。俺がこの手で、傷付けられる人を守り抜く!」
雅と同じ顔の青年が現れ、アナザーディロードウォッチを取り出す。
“アナザーライド…”
「変身!」
“ディロード!”
青年はウォッチを体に埋め込み、アナザーディロードに変身する。
「行こう、みんな!」
ソウゴ達は変身し、アナザーディロードを攻撃し、アナザーディロードは圧されていく。
「これならどうだ!」
“アナザーライド…”
「炎着!」
アナザーディロードは肩装甲が赤紫の肩装甲に変わり、右手に巨大な爪が装着された炎着態に変わり、ウォズを切り裂くと、ウォズの切り裂かれた部分が爆発する。
「行こう、ゲイツ!」
“ライダー!フィニッシュタ~イム!トゥワイズタ~イムブレーク!”
「ああ!」
“フィニッシュタ~イム!疾風!百烈タ~イムバースト!”
ゲイツリバイブの連続キックとジオウⅡのキックがアナザーディロード炎着態に放たれるが、アナザーディロード炎着態は一切のダメージを受けない。そして、アナザーディロード炎着態は巨大な爪から爆破性の高いビームを三発、ジオウⅡをゲイツリバイブ、ウォズギンガファイナリーに放ち、変身を解除させる。
「まさか、あの力はシュテルの力か!?」
ディロードが驚いていると、
「どう?ジオウの力じゃ決して倒すことのできないアナザーライダーは?」
一人の少年が現れる。
「ウール!」
その少年はアナザーライダーを生み出す組織、タイムジャッカーのウールであった。
「スターライトフォームになれない今は分が悪い。皆さん、僕に掴まって下さい。」
ディロードの言葉を聞きソウゴ達はディロードを掴む。
【ATTACK RIDE-WARP-】
ディロードはワープを使って撤退する。
「雅、とにかくウォッチを渡して。あれがないとアナザーディロードを倒せない。」
ソウゴ達の住んでいるクジゴジ堂でソウゴでき雅に言う。しかし、
「ディロードの歴史が消えることの意味を、貴方達は解っていない。これを渡して、ディロードの歴史が完全に消えれば、僕が君達と出会う未来はなくなる。」
「生きていれば、きっと会えるって。」
「生きていれば、の話です。ディロードの歴史が消えれば、2012年6月25日には僕はいない。それが、歴史が消えるという意味だ。」
雅はソウゴに説明を始めた。
to be continued.

次回、仮面ライダージオウ
「ウール、何故あんなアナザーライダーを作った?」
「向かう時間は、2012年6月25日。」
「お前もアナザーライダーなら、ウォッチを渡してもらう。」
「この力は、傷付けられる人を守る為にあるんだ!」
次回『2019:アナザーディロード』 
 

 
後書き
新カード紹介
ガシャットギアデュアル:ディロードライバーをガシャットギアデュアルに変えて、仮面ライダーパラドクスに変身する為のカード。 

 

EP.EX03 2019:アナザーディロード

『この本によれば、常磐ソウゴ。彼は魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。しかし、アナザーディロードは我々では止められず、仮面ライダーディロード凪風雅をもってしても苦戦を強いられる。そんな中、タイムジャッカーにも動きがあり─失礼しました。そんな歴史、この本には記されていませんでした。』

「生きていれば、の話です。ディロードの歴史が消えれば、2012年6月25日には僕はいない。それが、歴史が消えるという意味だ。」
「いないってどういうこと?」
「ここまで言って解らないですか。」
「怪人に殺される心配をしているのか?なら安心しろ。怪人も存在しなかったことになる。」
「ゲイツさんもそう考えているとは。僕が言っているのは、そんな単純な話ではありません。あの日…ディロードになれなければ、きっと僕は…自殺していた。それが、歴史が狂うという意味だ。」

─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─

「自殺していた?」
ソウゴは戸惑う。
「自殺?一体どういう意味だ。この世界は平和なはずだ。どうして自ら死ぬ必要がある?」
ゲイツは雅に言う。
「僕がディロードになるきっかけは、とても小さな、些細な出来事だった。僕は学校で虐められていた。君達は、泥や砂を食べさせられたことがあるか?理不尽に20人から殴られたことがあるか?机に彫刻刀で死ねって彫られたことがあるか?給食のスープを、意図的に溢されたことはあるか?」
「酷い…」
「こんなものはほんの一握りだ。」
「どういうことだ?この時代は平和なのではないのか!?」
「平和…確かに平和ではあります。ですが、その中で生きる理由を奪われて、心が壊れて、自分の命を終わらせようと思う人が数多くいる。僕だって、ディロードを手にしなければ、きっとその一例になっていた。ゲイツさんは、未来で人口が減少しているから解らないと思いますが、この現代で、どれだけの人が虐め、いや迫害、人格否定、集団暴行を苦に自殺しているか解りますか?」
「さあな。そんなの、ごく少数だろう。」
「日本だけでも年間でおよそ4万3千人前後、その三分の一が未成年です。」
「何故だ?」
「平和になった分、平和を望まない人も増えました。そういう人は、穏やかに暮らしたい人の人生を壊して、楽しみ、そしてそれを廃棄物か何かと勘違いして捨てる。それがこの時代だ。この時代では、怪人よりも目の前の人間の方が、よっぽど脅威になる可能性がある。そして、それがアナザーディロードの誕生にも関係してくる。」
「どういうことだ!?」
「アナザーディロードの変身者は、僕と同じ顔をしていた。だからすぐに解った。アナザーディロードの正体は、この世界の…ディロードになる歴史が失われた僕だ。」

時は2018年9月2日。既に異変は起きていた。
「決めた!俺は、魔王になる!ただし、なるのは最低最悪じゃない。最高最善。優しい魔王だ!」
“ジオウ!”
「変身!」
“ライダータ~イム!仮面ライダージオウ!”
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろ示す時の王者。その名も仮面ライダージオウ!まさに生誕の瞬間である。」
ジオウが誕生した時、別の場所でディロードは財団XのXガーディアンと戦っていた。しかし、
「あれ?力が安定しない?」
ディロードの存在は不安定になっていた。そして、月日は進み、
“アーマータ~イム!3!2!1!フォーゼ~!”
ジオウはアナザーフォーゼとの戦闘で初めてフォーゼアーマーを纏う。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろ示す時の王者。その名も仮面ライダージオウ フォーゼアーマー。」
ウォズによる祝いが行われている頃、
「行くぞミヤビ、流星!理事長の暴走を止めよう!」
[リミット ブレイク]
「ああ!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「これで決める!」
[meteor storm! meteor limit break!]
フォーゼ、ディロード、メテオストームのトリプルライダーキックがサジタリウスゾディアーツに放たれようとしていたが、フォーゼ達の変身は突然解除されてしまう。
「いってぇ!流星、大丈夫か?って、お前誰だ?」
弦太朗はミヤビに質問する。
「お、お、お前達こそ誰だよ!」
ミヤビは怯えながら走り去って行く。

雅がソウゴ達に話している頃、タイムジャッカーの間でも口論が起きていた。
「ウール、何故あんなアナザーライダーを作った?」
タイムジャッカーの中でリーダー格の男性、スウォルツはウールに質問する。
「スウォルツってさ、本当にジオウに代わる時の王者の擁立を考えているの?」
「何?」
「あのアナザーライダー、アナザーディロードはジオウの誕生によって失われた歴史の仮面ライダー、ディロードの力を使っている。つまり、存在しない歴史の力でないと倒せない。時の王者の擁立にこれほど丁度いいものはない。スウォルツは、本当は時の王者の擁立以外に別の目的があるんじゃないの?」
ウールは確信に迫る質問をする。すると、
「ウール、お前の意見は求めん。」
スウォルツはウールの質問に答えずに去ってしまう。

「とにかく、仮面ライダーディロードの歴史が消えた瞬間を確認する必要がある。」
「でもどうやって?」
雅の言葉にソウゴは質問する。
「今は何時だ?」
「今は12時11分だけど。」
「ありがとう。それでは、行って来る。」
12時12分12秒に雅はクジゴジ堂の扉を開け、時の砂漠に向かう。
「ウォズ、雅はどこに行ったの?」
「我が魔王、おそらく彼は時の砂漠に向かった。」
「時の砂漠?」
「この本によれば、仮面ライダー電王の活動拠点である時の列車、デンライナーが走る時の通路と記されている。」
「なるほどな。電王ウォッチはまだ入手していない。電王の歴史が残っているから、電王の力にアクセスしたということか。」
「その通りだ。ゲイツ君にしては冴えているね。」
「一言余計だ。」
「二人とも落ち着いて。今は雅の帰りを待とう。」
ソウゴはゲイツをウォズの喧嘩を止める。

「待っていれば、来ないわけでもないが、今は緊急事態だ。」
【CHANGE RIDE-ZERONOS BELT-】
雅はディロードライバーをゼロノスベルトに変える。
「変身!」
[altair form.]
雅は仮面ライダーゼロノスに変身し、ゼロライナーを呼び寄せる。
「どうした。何故止まった!?」
仮面ライダーゼロノス、桜井侑斗がゼロライナーから降りてくる。それを見て雅も変身を解除する。
「誰かと思えば雅か。一体どうした?」
「桜井さん、向かってもらいたい時間がありまして、ここに来ました。」
「お前なら、自分の力でいけるだろ?」
「それが、この世界に転送されたことで、殆どのカードを失ってしまいまして。それに、この世界に仮面ライダーオーズの歴史が無いことで、僕のマシンディローダーもなくなってしまいました。それで、一番融通の利く桜井さんに相談しに来ました。」
「事情は解った。どこに行けばいい?」
「向かう時間は、2012年6月24日の深夜から6月25日。」
「その日に何がある?」
「この世界では、ディロードの歴史はジオウという魔王の誕生で消滅してしまっています。なので、この世界の僕はその時にどんな行動をするのか確認が必要で。もしかすると、今僕が関わっている事件のヒントが見つかるかもしれません。」
「解った。すぐに行こう。」
雅と侑斗はゼロライナーに乗って本来ディロードの契約が行われる時間に向かった。

その頃、アナザーディロードに変身する青年、水土(みなと)ミヤビは一人の青年に絡まれていた。
「お前、アナザーライダーだな?」
「お前は誰だ!?」
「俺か?俺は加古川飛流。もう一人のジオウだ。」
“ジオウ…”
青年、加古川飛流はアナザージオウに変身する。
「お前もアナザーライダーなら、ウォッチを渡してもらう。」
アナザージオウは剣を振り回してミヤビを襲う。
「この力は、傷付けられる人を守る為にあるんだ!」
“アナザーライド…”
「変身!」
“ディロード!”
ミヤビもアナザーディロードに変身する。
「俺は常磐ソウゴから全てを奪われた!それを取り戻すためには、お前の力を奪う必要がある!」
“ビィルドォ…”
アナザージオウはアナザービルドウォッチを使い、アナザービルドに変身し、バスケットボール型の火球でアナザーディロードを攻撃する。
「人から奪い合う世界なんて間違っている!人と人は確かに発展するためにぶつかり合うこともある!だからって、人から何かを奪うために力を使うのは間違っている!」
“アナザーライド…”
「ビルド!」
アナザーディロードもアナザービルド(以下アナザーDビルド)に変身する。
「煩い!家族を奪われた悲しみが!当たり前だった日常を奪われた怒りが!それを招いた奴が平和に過ごしている憎しみが!お前に解るか!」
アナザービルドは火球の弾幕を展開する。
「恐竜!F1カー!ベストマッチ!」
アナザーDビルドは2本のボトルを飲み込み、その力を開放。高速移動で弾幕を縫って進み、右手と左足で噛みつくような攻撃を放ち、飛流の変身を解除させる。
「確かに、それはつらいことかもしれない。でも、それを理由にして人から奪って、傷付けていたらお前もそいつと変わらない!」
ミヤビも変身を解除し、飛流に言うとミヤビは去って行く。
「なんなんだよ!俺が常磐ソウゴと同じ?ふざけるな!俺は奴に全てを奪われた。俺は奴の被害者だ!」
飛流は叫ぶ。すると、アナザージオウウォッチに変化が起きる。
“ジオウ…Ⅱ…”
アナザージオウウォッチはアナザージオウⅡウォッチに進化する。

「…やっぱりそういうことか。」
「雅、どういうことだ?」
「アナザーディロードは、紛れもなく仮面ライダーディロードそのものだ。いい意味でも、悪い意味でも。」
「雅、何の話だ?まさか、この惨状が今回の事件に関係していると言いたいのか?」
「はい。それから、もう一つ行ってほしい時間があります。」
to be continued.

次回、仮面ライダージオウ
「もう…限界だ…」
「君が正義のヒーローになるんだ。」
「俺がみんなを…守るんだ!」
「歴史が変わって、今日から君が、仮面ライダーディロードだ!」
次回『2012うしなわれたハジマリ』 

 

EP.EX04 2012:うしなわれたハジマリ

『この本によれば、常磐ソウゴ。彼は魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。凪風雅から語られたアナザーディロードの正体、それはこの世界でディロードの歴史を失った、この世界のディロード、水土ミヤビであった。雅は、アナザーディロード誕生の秘密を探るため時の砂漠へ。そして─もちろんそんな歴史、この世界には存在しません。』

“俺の名前は水土ミヤビ。城南大学付属高校に通う16歳。俺の世界一つだけ、不思議な都市伝説があります。その名前は新月の悪魔。何でも、6月の新月の夜に月に鏡を当てると悪魔が出現し、願い事を2つ叶えてくれるということです。しかし、月の見えない新月でどうやって月に鏡を向けるのか気になり俺は今日、実行します。しかし、俺の家は柔術、水土流の本家で現当主の龍道はとても厳格な性格なので慎重に行わなければなりません。”

─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─

ミヤビは普段通りの学校生活を終え夜も0時になる手前、ミヤビは鏡を取り出し、準備していた。
「やはり、所詮は都市伝説。信用するだけ馬鹿馬鹿しい内容だよな。」
見えない新月に鏡を向けることなど、不可能であるため時刻は6月25日の0時になる。
「結局、噂も嘘だった。俺はどうして生きて…違う、動いているんだろう…俺はこれまで、どんなことを学んだんだろう…もう、限界だ…学校へ行ったって、机が無いくらいならまだマシな方だ。ゴミで汚されていたり、机の中が荒らされているよりは。休み時間だってそうだ。暴れることが出来ない図書室に逃げないと殴られる。だけど逃げると教科書やノートが捨てられたり、破かれていたりする。先生も、俺をストレス発散の道具としかみていない。親に相談しても、強くなれとしか言ってくれない。なんだ、俺が動いている理由なんて、無かったんだ。」
そして、朝がくる。
「ミヤビ、いつまで寝ているの?もう朝よ。」
ミヤビの母、藍音はミヤビの部屋の扉をノックする。しかし、反応がない。
「ミヤビ、入るよ。」
藍音は部屋に入り、ミヤビから布団を剥ぐ。すると、
「撲らないで!」
怯えながら縮こまっているミヤビを藍音は見つける。
「ミヤビ、何をしているの?」
「ごめんなさい許して下さいこれからもみんなのサンドバッグとして動き続けますだから命だけは奪わないでくださいごめんなさい…」
ミヤビは錯乱状態に陥っていた。
「お父さん、来て!ミヤビが!ミヤビの様子が!」
藍音はミヤビの父、龍道を呼ぶ。
「藍音、どういうことだ。」
「わからない。ミヤビが起きてくるのが遅いから起こしに来たら、こんな風に。」
「わかった。丁度この近くに精神科の病院がある。ミヤビを今日連れて行こう。藍音、学校に連絡を。」
「わかりました。」
藍音はミヤビの休みを学校に伝え、龍道と藍音はミヤビを車に乗せて、病院に向かった。

「お父さん、お母さん。これまで、ミヤビ君に何か変化はありましたか?」
「いえ、わかりません。」
「お父さん、ありがとうございます。結果からお話ししますと、ミヤビ君は対人恐怖症です。」
「そんな…」
「薬とかで、ミヤビを治せませんか?」
「落ち着いてください。今ミヤビ君に薬を使うのは極めて危険です。おそらく、薬を見ただけで、毒殺されると思ってしまいます。今は自宅療養を行って、お父さんお母さんのお二人で経過をお教えください。」
「わかりました。ありがとうございます。」
龍道達は自宅に帰る。
「藍音、俺、この道場を畳もうと思っているんだ。」
「お父さん、本気で言っているの?」
「俺達は、ミヤビに強く育ってほしいと思って育てた。だが、その結果が今だ。ミヤビには水土流を継ぐことは出来ない。それに、これからはミヤビのことで係がかかる。なら、ここで道場を畳んで、ミヤビの回復に専念する方がいいだろう。」
龍道達の生活は難が続いた。
「ミヤビ、ご飯出来たよ。大丈夫、ほら、食べても安全だから。」
藍音は一口ずつ食べて毒が無いことを証明する。ミヤビは藍音が出て行くことを確認すると、料理に手をつけ始める。そんな日々が始まる。誰かが毒味をしないとミヤビは食べようとしなかった。そして月日は流れて2019年6月3日になる。
「ミヤビ、ご飯出来たよ。」
藍音は扉を開ける。しかし、そこにミヤビはいなかった。
「お父さん、大変!ミヤビが!ミヤビがいないの!」
藍音は混乱した。

「やはり、そうなるか。」
「雅、どういうことだ?」
「ミヤビは、本当にこの世界での僕そのものだ。」
「雅とあいつは違う。雅は俺達の世界を救ってくれただろう。」
「それは、僕がディロードになれたからです。それに、僕が変われたのは、いろいろな世界を知れたからです。キノの旅を知って、まだ生きてみようと思えた。梨花達の奔走を見て、友達の大切さを取り戻せた。なのはとフェイトを見て、もう一度、誰かを信じてみようと思えた。だけど、ミヤビにはそれがなかった。だから、壊れるしかなかったんだ。桜井さん、これを見てください。これは、今僕が追っている怪人、アナザーディロードが誕生しない今日の新聞です。」
雅は侑斗に新聞の一面を見せる。そこには“23歳無職、観光客巻き込み自殺”と書かれていた。
「これは!?」
「ミヤビは、本来の歴史では今日、観光地で投身自殺をするはずだった。しかし、ミヤビはこの世界で存在出来ないディロードの力を手にしたことで、この世界は崩壊の危機を迎えています。とにかく、行きましょう。」
雅と侑斗はゼロライナーに乗る。

ミヤビは、観光地にある高層ビルの屋上にいた。
「もう…限界だ…怖い、何もかも。」
ミヤビは飛び降りようとする。すると、辺りの時間は停止し、ウールが現れる。
「本来にそれでいいの?」
「だ、だだだ、誰だ!」
ミヤビはウールに怯える。
「僕は君の味方さ。」
「ううう嘘だ!どうせ俺を騙して利用して、それで最後には捨てるんだろう!」
「君は、本当にそれでいいの?君はそれでいいのかもしれない。でも、君をこんな風にした奴らは、きっとそれを何とも思わずに新しい被害者を増やすだろう。それでいいのかい?」
「それは…」
「僕が君に悪と戦う力をあげる。君が正義のヒーローになるんだ。」
「俺が…俺が…俺がみんなを…守るんだ!」
ミヤビは決心する。
「その調子だ。」
“アナザーライド…”
ウールはアナザーディロードウォッチを起動させると驚く。
「どういうこと!?」
ウールが驚くのも無理がない。話は1時間ほど前に戻る。
「君に力をあげる。」
“ディロード!”
ウールは男性にアナザーディロードウォッチを入れる。
“ディロード!ジェノサイド…”
すると、男性は破裂し、アナザーディロードウォッチはウールの手に戻っていた。
「まさか、アナザーウォッチが人を選ぶなんて…」
ウールは様々な人を試し、ミヤビの前でアナザーディロードウォッチは完全覚醒したのだ。
「これを使えばいいんだな!」
ミヤビはウールからアナザーディロードウォッチを取る。すると、ミヤビは頭を抱える。
「…そうか…思い出した。俺は…変身!」
ミヤビはアナザーディロードウォッチを取り込む。
「歴史が変わって、今日から君が、仮面ライダーディロードだ!」
“ディロード!”
ミヤビはアナザーディロードに変身する。
「俺は、仮面ライダーディロードだったんだ!ずっと、前から…」
アナザーディロードは立ち去る。

「お邪魔します。」
雅は時の砂漠から帰還し、クジゴジ堂に入る。
「雅、どうだった?」
「やはりアナザーディロードの正体はこの世界の僕、水土ミヤビだった。」
ソウゴの質問に雅は答える。
「そんなことはわかっている。動機や襲う人間の傾向は判ったか?」
「初めてアナザーディロードと遭った時点で、大方の予想は出来ている。そうなると、事実上こちらは確実に後手に回る。」
「どういう意味だ?」
「ミヤビが襲う相手は、イジメの現行犯だ。」
ゲイツの質問に雅は答える。
「そんなの、探しきれないじゃん。」
「だから後手に回っているんだ。おそらくミヤビが戦おうとしている相手は学校内だけではなく、会社でのパワハラ、町中でのゆすり、差別、そういったもの全てだ。」
「つまり、この広い世の中、何処に現れてもおかしくない、というわけだね。」
ソウゴの言葉に雅は答え、ウォズがそれを纏める。
「だけど、ディロードのウォッチがないとアナザーディロードは倒せない。」
「わかったか?自分の所に戻るなんて細工をしないで、さっさと俺達にウォッチを渡せ。」
ソウゴとゲイツは言う。
「僕は細工なんてしていません。これは、ディロードの防衛システムがこのウォッチに宿っているだけです。」
「ディロード、もう一度俺達と戦え。今度こそ、認めさせてやる。」
「ゲイツ、俺も手伝うよ。」
ソウゴとゲイツは変身する。
「なんでわかってもらえないのだろう…」
【CHANGE RIDE-BUGGLE DRIVER-】
雅はディロードライバーをバグルドライバーに変える。
《DANGEROUS ZOMBIE!》
「グレードX、変身!」
《バグルアップ!danger danger!ジェノサイド!death the crisis! DANGEROUS ZOMBIE!ウォ~…》
雅はデンジャラスゾンビガシャットをバグルドライバーにセットし、仮面ライダーゲンム ゾンビゲーマー レベルXに変身する。
「仮面ライダーゲンム、レベルXの力を知っているかな?」
ゲンムはガシャコンブレイカーとガシャコンスパローを構える。
「ゲンム、ということはこれの出番だな。」
「ならこっちも!」
““ア~マ~タ~イム!レベルアップ!エグゼイ~ド!”ゲ!ン!ム!”
ジオウはエグゼイドアーマーを、ゲイツはゲンムアーマーを装備する。
「ジオウ、一気に片をつけるぞ!」
““フィニッシュタ~イム!エグゼイド!ゲンム!クリティカルタ~イムブレーク!”バースト!”
ジオウとゲンムは必殺技を発動し、それはゲンムに命中する。
「やったか!」
ゲイツは喜ぶが、次の瞬間ゲンムは何事も無かったかのように立ち上がる。
「効かないだと!?」
「ゾンビゲームのゾンビは不死と無限増殖がつきもの。そして、レベルXのゲンムは如何なるダメージも受け付けない。」
《GASHATT!KIMEWAZA! GIRIGIRI DANGEROUS CRITICAL FINISH!》
ゲンムはガシャコンブレイカーにギリギリチャンバラを、ガシャコンスパローにデンジャラスゾンビをセットし、一刀両断の刃でゲイツを、腐食性の矢の雨でジオウを攻撃し二人のアーマータイムを解除させる。
「こうなったら!」
ジオウはジオウⅡに、ゲイツはゲイツリバイブ疾風に変身する。
【CHANGE RIDE-GAMER DRIVER-】
雅はディロードライバーをゲーマドライバーに変える。
《GOD MAXIMUM MIGHT X!》
「グレードビリオン、変身。」
《MAXIMUM GASHATT!GACHAAN!不~め~つ~!最上級の神の才能!クロトダ~ン!クロトダ~ン!ゴッドマキシマ~ムX!》
雅はゲンム ゴッドマキシマムゲーマー レベルビリオンに変身する。
「ソウゴ君達は何も解っていない。ゴッドマイティノベルX、起動。」
ゲンムは新たなゲームを起動させる。すると、辺りは2000年の幻夢コーポレーションに変わる。
「マイティノベルXは、仮面ライダーエグゼイド、宝条先生の人生を綴るノベルゲーム。そしてこのゴッドマイティノベルXはもう一つの始まり、壇黎斗神の人生を綴るノベルゲーム。」
「黎斗って…あの王様のこと!?」
「王様?黎斗さんは神のはず。もしかして、エグゼイドの歴史がなくなったことで、黎斗神は、救われない人生を歩むことになったのか?とにかく、まずは始まりの第1ステージだ。今から選択肢が表示される。正しい答えを選べなければ、即刻バッドエンド。ソウゴ君達には死が待っている。それから、僕にダメージを与えることも不可能ですよ、ゲイツ君。」
ゲイツリバイブはゲンムを攻撃しているが、全てMissの判定になる。
「大人しく、あの魔王の人生を見るしかないか。」
“黎斗、お前にファンレターが届いている。”
正宗は黎斗に永夢から送られてきた手紙を渡す。その中には、永夢の考えたゲームを商品化してもらいたいという内容の文章と、永夢が考案したキャラクターが入っていた。そこで選択肢が現れる。
“僕の才能を侮辱するなんて。そうだ、こいつでバグスターウイルスの実験をしてやろう。” “世界には、もっといろいろなアイディアを持つ人がいるんだ。お礼に開発中のゲームをプレゼントしよう。” “その他”
「さあ、どれが答えか解りますか?」
「決まっている!人が人を実験の道具にするなんて間違っている!」
ジオウⅡは二番目の選択肢を選んだ。
to be continued.
次回、仮面ライダージオウ
「歴史が消えるというのは、こういうことだ。」
「君の髪はとても綺麗だ。」
「私が、美しき終末を与え、貴方を完成させてあげます。」
「どうなっている!?」
「その一部を、見せてあげます。」
次回『2019:いびつなひずみ』 
 

 
後書き
新カード紹介
バグルドライバー:ディロードライバーをバグルドライバーに変えて、仮面ライダーゲンム ゾンビゲーマーに変身するためのカード。 

 

EP.EX05 2019:いびつなひずみ

『この本によれば、常磐ソウゴ、彼は魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。アナザーディロードの誕生によって、平成ライダーの歴史が歪に復元されようとしている。そして─おっと!これはまだ、私達さえも知らない話でした。』

“僕の才能を侮辱するなんて。そうだ、こいつでバグスターウイルスの実験をしてやろう。” “世界には、もっといろいろなアイディアを持つ人がいるんだ。お礼に開発中のゲームをプレゼントしよう。” “その他”
「さあ、どれが答えか解りますか?」
「決まっている!人が人を実験の道具にするなんて間違っている!」
ジオウⅡは二番目の選択肢を選んだ。
《Game clear!》
盛大なファンファーレが鳴り響く。

─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─

「これくらいは簡単に答えられたか。」
ゲンムは言う。
「当たり前だ!人にウイルスを感染させるなんて間違っている!」
ジオウⅡは返す。
「それでは、答えの意味が無い。続きが始まる。」
ゲンムはストーリーを進行させる。
“世界には、もっといろいろなアイディアを持つ人がいるんだ。お礼に開発中のゲームをプレゼントしよう。そして、バグスターウイルスの可能性を確かめるんだ!”
黎斗はプログラミングを始める。
「どうして!?」
「これが本当の歴史。黎斗神は自身の才能と、命の未来を考え、バグスターの安全利用を考えていた。さて、第2ステージだ。」
《Stage select!God mighty nobel start!》
“何を言っているの?”
“そんなことに興味など無い。私が興味あるものは、私自身の才能のみ!”
黎斗はアナザーパラドを収集したバグヴァイザーⅡを取り出す。そして、選択肢が現れる。
“そのアナザーパラドを吸収する。” “バグヴァイザーⅡを使って邪魔者を消し去る。” “その他”
「そんな!どれも間違っている!」
ジオウⅡはその他を選ぼうとする。しかし、
「それでは間違いだ!」
《Kimewaza!Tank!Legacy!DOUBLE CRITICAL FINISH!》
ゲンムはバンバンタンクとタドルレガシーの2本をガシャコンキースラッシャーにセットして必殺技を発動。巨大な戦車と白き勇者はエネルギーの砲撃をジオウⅡとゲイツリバイブに放ち、二人を変身解除にする。
《Gassyuun…》
ゲンムも変身を解除し、ゴッドマイティノベルを終了させる。
「どうして!?」
「本来の歴史では、黎斗神はあのバグスターを体内に取り込んで、神の力を発現し、この世界をゲームと完全にリンクさせます。しかし、黎斗神の因縁の深い宿敵、仮面ライダーレーザーが黎斗神を倒して、世界に一時的な平和が戻るのが、この世界でした。それが、この世界ではめちゃくちゃになっています。あの壇正宗が生きて、黎斗神を道具のようにしか思っていない。いや、それは本来の歴史でも同じか。でも、神は最低限、本来の歴史では生き地獄から解放された。戦いが無くなれば、全てが幸せになるとは思わない方がいい。」
雅は去ってしまう。
「どうしようゲイツ?」
「とにかく、俺達だけで、アナザーディロードを何とかするしかないだろう。」
ソウゴ達は立ち上がり、クジゴジ堂に戻る。
「ソウゴ、あの仮面ライダーとアナザーライダーは何?」
ソウゴに味方する未来人、ツクヨミはソウゴに質問する。
「なんでも、こことは別の時間軸から来たライダーと、その力をもったアナザーライダーなんだって。」
「どういうこと?」
「俺もよくわからない。ツクヨミ、この水土ミヤビって人のこと、調べられる?」
「できないわけじゃないけど…」
「頼まれてくれないかな?俺は仮面ライダーの方の雅を追いかけるから。」
ソウゴはツクヨミに調査を頼み、クジゴジ堂から出て行く。

その頃、
「世界は何故、こうも醜く壊れてしまうのでしょうか。」
鴻上生体研究所の所長、真木清人は宗教画を見ながら呟く。すると、
「…そうでした。良き終末を。」
真木は何かを思い出し、行動を開始する。

「ソウゴに知らせないと!」
ツクヨミは調べたことを伝える為に外へ出て探している。すると、一人の男性にぶつかってしまう。
「すみません!」
ツクヨミは謝る。すると、
「こちらこそ、よそ見していました。ごめんなさい。もしよければ、僕の方で髪、切ってあげましょうか?一応、プロの美容師だからさ。しっかりサービスしてあげるよ。」
その青年、滝川空は名刺を渡す。
「ありがとう。好意に甘えるわ。」
空はツクヨミを自身の個人サロンに連れて行く。
「でも本当にただでいいんですか?」
「大丈夫、一人くらいならなんとかなるから。それにしても、君の髪はとても綺麗だ。」
空は鋏を取り出す。
「あ、ありがとう。」
「いえ、本当に綺麗ですよ。あの人みたいに…」
「あの人?」
「僕は昔、君みたいな人と付き合っていたんだ。だけどね、彼女は僕に嘘をついていたんだ。」
「そう、それはつらかったですね。」
「つらかった?何を言っているの?」
空は鋏を捨てる。
「えっ?」
「裏切ったのは…捨てたのは…僕の方だ!」
空はファントム、グレムリンに変身する。
「アナザーライダー!?」
ツクヨミはライダーのことは知っているが、怪人のことは殆ど調べていないため、ファントムを初めて見て困惑する。
「君にも消えてもらうよ。」
グレムリンは双剣、ラプチャーを取り出す。
「そこまでだ!」
そこにミヤビが現れる。
「逃げてください!」
ミヤビはツクヨミを逃がす。
「何をしているの!?」
「グレムリン、何故この時代にお前がいる!?お前は確か晴人さんが!」
「だから、僕はソラだって!それから晴人って誰?」
「なるほど、晴人さんと出会っていないから、野放しになっていたのか。」
“アナザーライド…”
「変身!」
“ディロード!”
ミヤビはアナザーディロードに変身する。
「あいつは、アナザーディロード!?」
隠れていたツクヨミは驚く。
「あいつの速度を考えると…」
“アナザーライド…”
「雷纏!」
アナザーディロードは雷纏態に変身し、グレムリンと高速戦を行う。
「ソラ、お前は本来この時間にいてはいけない。俺の手で倒す!電刃衝(ボルテックダガーショット)!」
アナザーディロード雷纏態は雷のエネルギー弾を放ち、グレムリンの足止めをする。
「これで終わりだ!エターナルサンダーソード!」
アナザーディロードは7本のボルテックダガーショットを放ち、それらはグレムリンを追尾。グレムリンに突き刺さると、雷のエネルギーをグレムリンに流し込みながら爆発し、グレムリンを撃破する。
「何故だ?何故怪人達がこの時代に蘇っているんだ?」
アナザーディロードは去ってしまう。
「とにかく、ソウゴに連絡しないと!」
ツクヨミはソウゴに連絡をする。

「私が、美しき終末を与え、貴方を完成させてあげます。」
真木は恐竜グリードに変身し、屑ヤミーを召喚して町を破壊する。
「真木博士まで、蘇っているか。変身!」
“ディロード!”
ミヤビはアナザーディロードに変身して恐竜グリードと交戦する。
「ミヤビ君ですか。何故私の邪魔をするのです。君も、この世界の醜い人々に絶望しているはずです。」
「それでも、弱く戦えない人だっている!そんな人達を守る為に、俺は戦っている!」
“アナザーライド…”
「ゲンム!」
アナザーディロードはアナザーゲンムに変身し、口から毒の霧を噴出して屑ヤミーを撃破し、そのまま恐竜グリードを攻撃。恐竜グリードは麻痺してしまう。
「これでトドメだ!」
アナザーゲンムは自身の分身を出現させ、恐竜グリードに纏わり付かせると、それを爆発させる。
「再び、私が完成するのですね…」
恐竜グリードは爆発を受けて撃破される。

アナザーディロードが怪人達と戦っている頃、ソウゴとゲイツは雅と合流していた。
「雅、そろそろ教えてよ。ディロードって一体何なの?」
ソウゴは雅に言う。
「わかりました。僕が歩んだ400年、その一部を、見せてあげます。」
“ディロード!”
雅はディロードライドウォッチを起動させる。すると、ソウゴ達は光に包まれた。

『雅なら、僕の言っていることがわかるはずだ。今いる美鳥が西園さんじゃなくて、あの木陰で本を読んでいた、美魚さんが、本当の西園さんだって。』
『ああ。俺も自分の記憶がしっかり残っているからわかる。今いるのは西園美魚の幻影、美鳥だ。』
『リトルバスターズ!』の世界で、美魚のことで悩む理樹に雅は助言する。すると、世界は崩れ始める。
「どうなっている!?」
ゲイツは驚く。
「これは、僕が旅を初めてから31年目のことだった。この世界は、9人の子供達で、困難を乗り越えなければ、世界が終わってしまう世界。だけど、当時の僕は、自分の手で全てを幸せな未来にしようと躍起になっていて、物事の本質が見抜けなかった。だから、この世界は崩壊してしまった。さて、次の歴史だ。」
雅が話すと、場面は変わる。
『ハルヒさん、キョンさん、このカードに願いを込めてください!集え、世界の願い!」』
雅は『涼宮ハルヒの憂鬱』の世界でワールドホープのカードを完成させてディロードライバーにスキャンするが、世界は崩壊を始める。
「懐かしいな。これは今から280年前の出来事だ。僕だって、失敗と後悔まみれの人生だった。だけど、それがあるから今がある。」
『皆さんのおかげで我が国家、次元保護国は平常に国家機能しております。特に、物質の提供を行って下さった日本、そして米国には感謝だけでは、語れません。現在は物価も安定せずにいる為、国内需要で留めておりますが、まずは後進国として進ませていただきます。』
場面は、次元保護国の建国3か月のパレードに変わる。
「僕は7年前、世界を救い、複数の世界が融合した統合国家、次元保護国を建国し、その代表になった。」
「じゃあ、王様になったってこと!?」
ソウゴは興奮する。
「わかりやすく言うと、そうだね。」
「すごい。名前だけじゃなくて、本物の王様だったなんて。」
「もっとも、新しく生まれた僕達の世界を救う為に、僕はそんな地位を捨てたけれどね。」
『凪風雅、国家反逆罪の容疑であなたを逮捕します。』
『リンディさん、どういうことですか!?』
『彼に対する指名手配は取り消されていません。これは順当な判断です。』
『そんな…』
『それでは行きますよ。』
場面は、逮捕される雅に変わる。
「どうして!?雅は世界を救ったんだろ?」
「確かに救った。だが、その方法に問題しかなかった。僕はみんなを救う為に、みんなを倒してライダーカードに閉じ込めた。それは、国民を傷つけた行為だ。たとえ世界を救うためでも、世の中は結果だけをみる。出所してからも、国民からは石をぶつけられた。」
「待て。よく死刑にならなかったな。」
「それは、素晴らしい弁護士が味方になってくれましたので。仮面ライダーゾルダ、北岡秀一先生です。」
「ゲイツ、ゾルダってライダー知っている?」
「ゾルダ、確か龍騎と戦ったライダーだったか?」
「ゲイツ君、間違っていません。北岡先生は本来、無罪放免にしようとしていましたが、僕は罪を償いたくて拒否しました。」
「どうして?」
「人を傷つけた奴が英雄として祭りあげられ、何をしても許されるなんて、子供達に思わせたくなかった。まあまあ、それも叶わなかったけれど。さて、そろそろ戻るか。」
雅はライドウォッチの起動を解除する。
to be continued.
次回、仮面ライダージオウ
「帰って下さい!」
「雅は、全部知っていたの!?」
「僕の役目は、世界の歴史を守ること。」
「祝え!」
「今、外史と正史が結びつきし瞬間だ!」
次回『2019:カメンライドタイム』 
 

 
後書き
新カード紹介
涼宮ハルヒの憂鬱(ワールドホープ):ハルヒの世界のワールドホープ。調和のとれていないタイミングで発動したため、効果は不明。 

 

EP.EX06 2019:カメンライドタイム

『この本によれば、常磐ソウゴ、彼は魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。ジオウとディロード、相反する存在の擁立は、世界に綻びを生み出す。そして、凪風雅はついにジクウドライバーを手にし─失礼、そんな歴史は存在していませんでした。』

「雅はどうして、ウォッチを渡してくれないの?ライダーの歴史がなくなれば、雅が失敗した歴史だって、なかったことにできる。」
「それが渡せない理由だ。あれは僕が犯した罪の数々。罪を犯した僕が、それを背負わないで、自分の目先の欲の為に、それを手放すことは、してはいけない。それは水土ミヤビの方もそうだ。ジオウが誕生したことで彼はディロードになる歴史を失ってしまい、アナザーディロードになってしまった。無くなれば、全て幸せになると思わないでほしい。」
雅はソウゴに背中を見せる。
「それから、アナザーディロードはディロードのウォッチを使わないと倒せないが、そのウォッチをソウゴ君は持つことが出来ない。でも、それでもアナザーディロードを倒す方法は一つだけある。考えてみるんだ。」
雅は歩いていく。

─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─

「ソウゴ!」
ツクヨミはソウゴと合流する。
「ツクヨミ、何かわかった?」
「ええ。未来のことを、教えたくないけれど…」
ツクヨミはタブレット機器をソウゴに見せる。そこには、『23歳無職の男性、観光客巻き込み飛び降り』と書かれていた。
「ツクヨミ、これって!?」
「そう。水土ミヤビは今日の夕方、自殺する可能性があるの。」
「じゃあ、それをやめるためにアナザーライダーに…」
「可能性があるわ。とにかく、水土ミヤビの家に行って、家族の方に話を聞きましょう。ここからなら近いわ。行きましょう。」
ソウゴはツクヨミと一緒に水土流柔術道場跡地に向かう。
「ここがミヤビの家か…ってあれ!?雅も来ていたの?」
ソウゴは雅を発見する。
「ソウゴ君も来たか。さて、この世界でも使えるか、試すか。」
雅は透明な魔法陣を展開し、10代半ばの少年に変身する。
「えっ!?魔法!?」
ソウゴは驚く。
「これでも、ウィザードとは別形質の魔法を扱えるので。さすがに、ミヤビと同じ顔ではいると親御さんが驚かれるだろうからな。それにしても、特異点でよかった。なのは達とのリンクが無いから不安ではあったが、特異点によって、歴史が保護されていた。さあ、行こうか。」
雅はベルを鳴らすと藍音が出てくる。
「どちら様でしょうか?」
「お忙しい中申し訳ございません。僕は、10年前に困っていた所ミヤビさんに助けてもらったので、そのお礼が言いたくて来たのですが。」
雅は理由をでっち上げて藍音から話を聞こうとする。
「そう、ミヤビが…お茶でも飲んでいって。そちらのお二人も。」
藍音はソウゴ達を案内する。
「それで、ミヤビさんはどこにいますか?」
「それが、今朝から見つからなくて…」
藍音は暗い表情を浮かべる。
「解りました。僕に手伝わせてください。今度は、僕がミヤビさんのお手伝いをする番です。」
雅はそう言うと、
「俺たちにも手伝わせてください。」
ソウゴも続く。
「あら、ありがたいわ。」
藍音の表情に若干の笑みが戻る。
「俺、王様になるのが夢なんだ。だから、困っているなら、俺が解決します。」
ソウゴは胸を張って言う。すると、
「なんなんですか、貴方達…私を、私達家族を馬鹿にしているのですか?帰ってください!」
藍音は機嫌を損ねる。
「そうだった、母上は優しいけど、警戒心の強い性格でもあった。ソウゴ君、どうしてあんなふざけたことを言ったんだ!王様になる?冗談のつもりか!?」
「俺は本気で言ったんだ。俺はこの力で、王様になって、世界を良くしたいんだ!」
「悪いが、そんな考え方で王は務まらない。そういえば、ソウゴ君の隣にいる女性は?」
「貴方が、仮面ライダーの方の雅ね?私はツクヨミ。ソウゴの協力者よ。」
ツクヨミは初めて雅に自己紹介をする。
「ツクヨミさん、ソウゴ君は普段から、この性格なのですか?」
「そうよ。ソウゴなら、きっと王になって、世界をより良くできるわ。」
「そうですか。」
雅はため息を吐いた。

その頃、ミヤビは取り逃がしたイジメグループの犯行現場にいた。
「赤也、そいつを離せ!」
ミヤビが言うと、イジメグループのリーダー、赤也は少年の首を掴んでいた手を離して地面に落とし、蹴り飛ばしてミヤビの所に渡す。既に少年に意識は無かった。
「赤也、どうしてこんなことが出来るんだ!」
「だって、金なんて稼がないで、こうやってサンドバッグを殴ればドロップしてくれるんだぜ。その方が楽しいじゃん。」
赤也は笑いながら言う。
「お前!」
ミヤビはアナザーディロードウォッチを取り出そうとするが見つからない。
「これのこと?」
赤也の隣にいた女性は雅にアナザーディロードウォッチを見せる。
「緑!」
緑と呼ばれた女性は赤也にアナザーディロードウォッチを渡す。
「サンキュー、姉ちゃん。あとで愛してやるよ。さてミヤビ、あん時はよくもやってくれたな。確か、こうするんだよな?」
“ディロード!”
赤也はアナザーディロードウォッチを起動させ、体内に埋め込む。
「変身w」
赤也は笑う。しかし次の瞬間、
“ディロード!ジェノサイド…”
赤也の身体はパァンと景気よく破裂し、肉片が飛び散り、ミヤビの手にアナザーディロードウォッチが戻ってくる。
「これは俺にしか使えないんだ。忘れるな。今の俺は仮面ライダーディロード。弱き者の味方だ!」
“アナザーライド…”
「変身!」
“ディロード!”
ミヤビはアナザーディロードに変身し、イジメグループを襲撃する。

「現れたな。行くか。」
雅は、アナザーディロードの存在を察知する。
「俺も行く。多分、ゲイツとウォズも来ている。」
ソウゴ達は現場に向かう。
「酷い…」
ツクヨミが言うのも無理は無かった。既にイジメグループのメンバーは全員、血塗れで倒れていた。そして、アナザーディロードは少年の所に向かう。
“アナザーライド…”
「ゲンム!」
アナザーディロードは、アナザーディロードゲンムにアナザーライドし、少年の傷を癒すと、アナザーディロードに戻る。
「大丈夫か?悪い奴らはやっつけた。もう安心だ。」
アナザーディロードはイジメグループが少年から巻き上げた金を渡す。
「あ…ありがとう…」
少年は去って行く。
「またお前らか。そこのお前、何故俺と同じ顔をしている!」
アナザーディロードは雅を指して言う。
「僕は、こことは違う世界、ジオウが誕生しない世界の君自身だ。」
「パラレルワールドの俺自身…通りでディロードに変身出来るわけだ。」
アナザーディロードは納得する。そこにゲイツとウォズがやってくる。
「ゲイツ、ウォズ、行こう!変身!」
ソウゴ達は変身する。
「雅、貴方はいかないの?」
「彼らの力では、アナザーディロードは倒せない。かといって、僕が倒すと、時間が巻き戻る。唯一、それを打開する方法があるのだが、ソウゴ君達は気付けなかったみたいだ。」
“アナザーライド…”
「アギト!」
アギアナザーディロードはアナザーディロードアギトに変身する。
「何っ!?まさか、この世界では木野さんは怪人扱いされているのか!?それなら!」
【CHANGE RIDE-ANCK POINT-】
「変身!」
雅はアナザーアギトに変身し、アナザーディロードアギトを殴り飛ばす。
「大丈夫か?」
アナザーアギトは言う。
「アナザーライダーに変身した!?」
ジオウⅡは驚く。
「まさか、この世界にアナザーアギトというライダーは存在しないのか?」
アナザーアギトが言うと、
「もしや、その姿、伝説の戦士、仮面ライダーアナザーアギトか!?」
ウォズが反応する。
「えっ?木野さんが変身したアギトは、アナザーアギトという名前で、仮面ライダーはつかないはず。まさか、歴史をねじ曲げた所為か?」
アナザーアギトがそう言うと、
「ふざけるな!」
アナザーディロードアギトは双剣を出現させてアナザーアギトを斬り、変身を解除させる。
“アナザーライド…”
「雷纏!」
アナザーディロードは雷纏態に変身し、ゲイツリバイブを攻撃しようとするが、ゲイツリバイブもそれを回避する。しかし、電刃衝(ボルテックダガーショット)を放ち、怯ませる。
「しまった!」
ゲイツリバイブは反応するが既に遅く、
「エターナルサンダーソード!」
7本のボルテックダガーショットがゲイツリバイブに炸裂し、ゲイツは変身を解除され、ジクウドライバーは外れる。
「炎着!」
アナザーディロードは炎着態に変身し巨大な爪、殲滅爪(ヒートクロー)でウォズを引き裂き、爆破させると、爆破性のビームを3発ウォズに放ち、ウォズはその直撃を受けて変身が解除される。
“アナザーライド…”
「獄装!」
アナザーディロードは腰に黄金の鎧を出現させ、獄装態に変身する。
「また変わった!?」
“ライダーフィニッシュタ~イム!ジオウサイキョウ!覇王斬り!”
ジオウⅡは必殺の斬撃を放つが、アナザーディロードに向かうエネルギーの刃は歪曲して、当たらない。
「これで、終わりだ!」
アナザーディロード獄装態は三角形のオーラを出現させ、そこから紫色のビームを放ち、ジオウⅡの変身を解除させる。
「どうして、なんで勝てないんだ!」
ソウゴは叫ぶ。そこに雅が近づく。
「雅!?」
「結局、答えは解らなかったか。」
雅はゲイツのジクウドライバーを拾い上げ、装着する。そして、ディロードライドウォッチを起動させる。
“ディロード!”
雅はジクウドライバーの右側にあるD′9スロットにウォッチをセットし、ドライバーは斜めに傾く。それを雅は左側を押し、ジクウドライバーにウォッチを認証させる。
“カメンライドタ~イム!ディ!ロ!ード!”
「変身!」
雅はジクウドライバーを装着したディロードに変身する。
「まさか、あのようなおぞましいものが生まれてしまうとは。しかし、生まれた以上は祝わざるをえない。名付けるならば…」
「必要ない。名なら既に決まっている。」
「して、その名は?」
「仮面ライダーディロード ジクウバースト。」
「いいだろう。祝え!全ライダーの思いを紡ぎ、次元を越え、過去と未来を繋ぎ止める時の守護者、その名も仮面ライダーディロード ジクウバースト。今、正史と外史が結びつきし瞬間だ!」
ウォズはいつも通り祝う。
to be continued.
次回、仮面ライダージオウ
「お前も俺なら!」
「ああ解るさ!自殺しようと思ったことがあるくらいには!」
「あれは…ディロードドラゴン!?」
「雅は知っていたの!?」
「やはり、チームディロードは離れ離れにはなれないか…」
次回『EP.EX07 2019:セカイのひみつ』 
 

 
後書き
怪人紹介
アナザーディロード
身長:198cm
体重:95kg
能力:アナザーライドによる他のアナザーライダーへの変身、アナザーライドによるフォームチェンジ、特殊な時間逆行
2019年6月3日の水土ミヤビがかつて自身が変身していたが、ジオウの誕生によって失われた仮面ライダーディロードから作られたアナザーディロードウォッチを使って変身したアナザーライダーの一体。本家ディロードと同様、フォームチェンジと、他のライダーへの変身を戦況に応じて臨機応変に使い分ける。ジオウと相反する歴史を宿したその装甲はジオウⅡが持つマゼンタリーマジェスティを含む、ウォッチ無条件破壊を無効化する力を持つ。また、ディロードライドウォッチを使用せずに撃破された時、例え同じライダーの力であっても、アナザーディロードが契約した瞬間に時間が巻き戻ってしまう。

アナザーディロード炎着態
能力:堅牢な防御力、巨大な爪、爆発性の攻撃
アナザーディロードがフォームチェンジした姿でモチーフは仮面ライダーディロード スターライトフォーム。両肩の装甲は防御性能を高めた殲滅甲(ヒートテクター)となり右手に巨大な爪、殲滅爪(ヒートクロー)が装着される。スターライトフォームと同様、高い防御力を持ち、ジオウⅡ、ゲイツリバイブ、ウォズの三ライダーのキックをものともしない頑丈さと爆発性の攻撃を得意とする。必殺技に爆発性のビームを3発放つ『ディザスターヒート トライヒートエンド』を持つ。

アナザーディロード雷纏態
能力:高速戦闘、雷の刃
アナザーディロードがフォームチェンジした姿でモチーフは仮面ライダーディロード ライトニングフォーム。高速戦闘を得意とし、動きを制御するために背中にマント、襲撃衣(スラッシュローブ)を纏う。遠距離戦のためにアクアブルーの雷の刃、電刃衝(ボルテックダガーショット)を武器に持つ。必殺技はこの電刃衝(ボルテックダガーショット)を7本射出し、敵を串刺しにしてエネルギーを流し込み、爆発させる『エターナルサンダーソード』。

アナザーディロード獄装態
能力:闇のエネルギー砲撃
アナザーディロードがフォームチェンジした姿でモチーフは仮面ライダーディロード セイントスノーレイン。強力な闇属性のエネルギー砲撃を得意とし、その威力は計り知れない。必殺技は高純度の闇属性エネルギー砲撃を放つ『ダークネクスカリバー』。 

 

EP.EX07 2019:セカイのひみつ

『この本によれば、常磐ソウゴ、彼は魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。凪風雅はついにジクウドライバーを手にし、仮面ライダーディロード ジクウバーストに変身。ついに、アナザーディロードと戦闘を始め─失礼、そんな歴史は存在していませんでした。』

「祝え!全ライダーの思いを紡ぎ、次元を越え、過去と未来を繋ぎ止める時の守護者、その名も仮面ライダーディロード ジクウバースト。今、正史と外史が結びつきし瞬間だ!」
ウォズはディロードを祝う。
「ウォズさん、僕が繋ぐのはライダーだけではありません。全ての世界です!」
ディロードはアナザーディロードを殴る。
「それなら!雷纏!」
アナザーディロードは雷纏態に変身する。

─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─

「だったら!」
ディロードはゲイツリバイブと同型のウォッチ、フォームライドウォッチを取り出し、起動させる。
“スターライトフォーム!”
ディロードはウォッチを装填し、認証させる。
“フォームライドタ~イム!drive ignition!スターライト!”
ディロードはスターライトフォームに変身し、レイジングハートでボルテックダガーショットを防ぐと、必殺技を発動する。
“フィニッシュタ~イム!スターライトフォーム! エクセリオン!ファイナルアタックライド!ディ ディ ディ ディロード!”
「エクセリオン、バスター!」
ディロードは必殺の砲撃を放つが、アナザーディロードはそれを避ける。そして、通常形態になりディロードと殴り合いを始める。
「何故邪魔をする!お前も俺なら!傷付けられる人の苦しみが、限界を迎えた人達の無念が、理不尽な世界への嘆きが、解るはずだ!」
「ああ解るさ!それこそ、自殺したくなることがあったくらいには!」
「だったら何故!」
「それは、僕が仮面ライダーディロードだからだ。ディロードの使命は崩壊する世界を救うこと。個人の感情のために、使ってはいけない!」
ディロードはフォームライドウォッチを外し、再びボタンを押す。
“トライユニゾン!”
ディロードは再びセットし、認証させる。
“フォームライドタ~イム!三つの絆!仮面ラ~イダーディロード!スターライト!ライトニング!セイントスノーレイン!トライユニゾン!ユニゾン!”
ディロードはトライユニゾンに変身し、アナザーディロードを殴る。
「そんなことは出来ない!目の前の命を、俺は無視出来ない!」
アナザーディロードはディロードを殴ろうとするが、ディロードはプロテクションを展開してそれを防ぐ。
「まだだ…まだ終われない!」
アナザーディロードはウォッチを取り出し、再びウォッチを体内に埋め込む。すると、アナザーディロードは2.5メートルの竜型の怪物に変化する。
「あれは、ディロードドラゴン!?」
アナザーディロードはアナザーディロードドラゴンに変わり ディロードを攻撃する。ディロードはそれを避け、フォームライドウォッチを何回も連続で押す。
“オールワールド!”
ディロードはそれを認証させる。
“ファイナルワールドホープ!カメンライドタ~イム!ディ!ロ!ード! クウガ!アギト!龍騎!ファイズ!ブレイ~ド!響鬼!カブト!電王!キバ!ダブ~ル!オーズ!フォーゼ! 紡げ!仮面ライダーディロード!ラストホーリーナイト!”
ディロードはラストホーリーナイトに変身し、ロードバルディッシュ・アサルトスラスターを構え、ラストホーリーナイトの力で復活したライダーカードをスキャンする。
【ATTACK RIDE-PHONIC GAIN BEAT GAME-】
ディロードはビートゲーマのテーブルを擦る。
「♪聖なる星 それぞれの歴史が 輝いて… 星座のよう 線で結ぶ瞬間!始めるLegend…」
ディロードはロードバルディッシュでアナザーディロードドラゴンを攻撃する。
「♪オーロラ揺らめく時空越えて 飛びぃ込む 迷走するparallel worjd… On the road 誰も旅の途中!本当の自分自身 出逢うため!新しい夜明けへと続く道に変わるのだろう!目撃せよ!Journey through the decade…」
ディロードはフォニックゲインの力で威力を上げた攻撃を放つが、アナザーディロードドラゴンに対して決定打にならない。
「まだか…それなら!」
ディロードは次の曲を歌い始める。
「♪一瞬で掴み取るのさare you ready?are you ready?新しい歴史はそこにfeel it!feel it!feel it!feel it!」
ディロードはディロードの歌はジクウドライバーと呼応して力を増してゆく。
「ライダーの歴史が、我々の力と呼応している!?」
ウォズは驚く。
「♪ (ひかり)を糧に加速して このままshout it out!shout it out! 現在(いま)を進めよう惑う日も 幾度なく 明日の扉叩け!見つめたその先に飛び込んでみたらbelieve yourself!NowOver "Quartzer"時の雨すり抜けて 共に!YouOver "Quartzer"未来を超えよう! 過去の意思は嘘では欺けない!感じろ!そうnexus future!NowOver "Quartzer"目映い世界 魅せて…」
ディロードの攻撃についにアナザーディロードドラゴンは怯む。
「これで、終わりだ!」
“フィニッシュタ~イム!ワールドホープカメンファイナルアタックライド!ディ ディ ディ ディロード!”
ディロードは必殺技を発動する。
「人を想いを!世界に願いを!未来を繋ぐ、架け橋となれ!ディメンションスピニング!」
ディロードの必殺の砲撃はアナザーディロードドラゴンに直撃し、アナザーディロードドラゴンは撃破され、ウォッチはミヤビから排出されると、砕け散ってしまう。すると、ミヤビは怯えるように去って行く。
「これが、正解だ。これで、この世界の歴史は守られた。ゲイツ君、勝手に使ってしまって済みません。」
雅は変身を解除し、ゲイツにジクウドライバーを返す。
「歴史は、これでよかったのか?」
「勿論。これで問題が無いんだ。僕は後少しだけこの世界に残るから、もしかしたら逢えるかもしれませんね。」
雅は去って行く。
「そうか、俺達が使えないなら、雅にベルトを渡せばよかったんだ。さ、俺達も帰るか。」
ソウゴは納得し、クジゴジ堂に戻る。

「ただいま。」
「ソウゴ君お帰り。お客さん来ているよ。あの髪の長い男性。」
ソウゴが帰宅すると、叔父の順一郎が出迎える。
「お客さん?」
ソウゴがリビングに向かうと雅がいた。
「雅!?どうしてここに?」
ソウゴは驚く。
「夕方のニュースは見たか?」
「ニュース?」
雅に言われ、ソウゴはニュースを見る。
『続いてのニュースです。本日午後、池袋で飛び降り自殺をし、そのその衝撃で六人の観光客を圧死させた男性の身元が、判明いたしました。自殺をした男性は、現在無職の23歳、水土ミヤビだと判明しました。』
「ああ、このニュースね。随分可哀想だよね。対人恐怖症になっていて大切な心の支えがなくなっちゃったんでしょう。」
順一郎は悲しそうに言う。
「叔父さん、俺、この人と大事な話があるから、席を外してくれないかな?」
「わかったよソウゴ君。今日は叔父さんが買い物に行くよ。」
順一郎は出て行く。
「雅は、全部知っていたの!?ミヤビが、アナザーディロードじゃなくなったら自殺するって!」
「言ったはずです。僕の役目は、世界の歴史を守ること。そして、彼の自殺は、この世界では必要不可欠な出来事です。もし彼がアナザーディロードでいつづければ、君たちはアナザーディロードによって殺され、オーマジオウだか、ゲイツリバイブ云々以前に、この世界は崩壊する。それが、世界を守るということ。仮面ライダーを背負うということだ。」
「でも、だからって、人が死ぬことはよくないし、死なせるために戦うのもよくない!」
「そんな綺麗事は、仮面ライダーの世界では通用しない。僕は平成の前、昭和の仮面ライダー達とも共に闘った経験がある。原初のライダーも、御学友が怪人になった時、1度は説得した。しかし、その怪人はライダーへの逆恨みで殺そうとしてきた。それに、平成の世にだって、人でありながら人の道を外れて怪物になった者は数多くいる。君の力では、王になることも、人を導くことも出来ない。今のままでは。」
『また、今回亡くなられた被害者は、フェイト・テスタロッサさん、前原圭一さん、古手梨花さん、北条沙都子さん、古手羽入さんの五名になります。』
「やはり、チームディロードは離れ離れになれないのか…」
「どういうこと?」
雅の呟きにソウゴは反応する。
「この被害者達は、こことは別の世界では、僕の作ったチームのチームメンバーだった。水土ミヤビはこの世界の僕。だから、僕が死ぬ時に、仲間も供に巻き込まれた。」
「雅、どうして他人事のように言えるの?ミヤビはこのこの世界の雅自身なら、自分が自殺したんだよ!それなのに、どうして平然としていられるの!?」
「世の中、たとえ嫌なことでも、それを平然と受け入れなければならない時もある。それに、言ったはずだ。僕の使命は、崩壊する世界を救うこと。そのために僕は多くの犠牲を見てきた。」
「じゃあ俺は、その犠牲を作らない世界のために、王様になる!」
「そんなことはしてはいけない。この犠牲者の一人、フェイトは別の世界では過酷な運命を背負っている。彼女は、ある科学者の死んだ娘のクローンとして生み出された。だけど、生まれたフェイトは、個の人格を持ち、クローンと呼べるものではなかった。だから、フェイトは母親に願いを叶えるための道具として利用され続けてきた。フェイトは、それでも母親を救おうと努力したが、フェイトの母親は全てから逃げ出した。フェイトと向き合うことからも、母親としての命からも。もっとも、仮にそうならない未来に変わりそうなら、僕が全力でそれを防ぐけれども。」
「そんなの間違っている。そのフェイトの母親だって、生きていないといけないだろ。」
「君は歴史を知らないから言える。フェイトは、母親を失ったことで、法的で無罪を勝ち取ることが出来て、事件の時に出会った女の子と友達になれて、その経験を活かして警官になれた。僕はかつて見てきた。母親を救われたフェイトがどうなったか。フェイトは母親と供に逮捕され、独房の中で孤独だった。そして、本来フェイトの友達になる女の子は、別の事件の被害者になって、世界は崩壊した。」
「そんなのおかしい。そんな事件が起きなければ、平和になる。」
「なるほど。それが君を、オーマジオウに変えた理由か。」
to be continued.

次回、仮面ライダージオウ
「俺はオーマジオウにならない!」
「オーマジオウが悪だといつから錯覚していた!」
「大丈夫ですか、雅国家象徴!」
『以上が、僕がこの世界で体験した出来事の全てである。』
『2019:セカイのシンジツ』 
 

 
後書き
オリジナルライダー紹介
仮面ライダーディロード ジクウバースト
※基礎スペックは省略
凪風雅が、ジクウドライバーにディロードライドウォッチをセットして変身した、ジオウの世界に対応したディロード。見た目はディロードライバーからジクウドライバーに変わっている以外の違いはなく、ディロード基本形態の力を発揮出来る。

仮面ライダーディロード ジクウバースト スターライトフォーム
ディロードがフォームライドウォッチの力でスターライトフォームの力を引き出した姿。ディロード スターライトフォームと同様、なのはとレイジングハートの魔法を扱える。

仮面ライダーディロード ジクウバースト トライユニゾン
ディロードがフォームライドウォッチの力でトライユニゾンの力を引き出した姿。本来のトライユニゾンと異なり、雅単身での変身であるため、リンカーコアの魔力量は落ちている。

仮面ライダーディロード ジクウバースト ラストホーリーナイト
ディロードがフォームライドウォッチの力でラストホーリーナイトの力を引き出した姿。フェイトとの融合変身ではないため、戦闘能力は大幅に減少しているが、アタックライドを力を他者に与える力は健在。

オリジナル怪人紹介
アナザーディロードドラゴン
身長:250cm
体重:520kg
能力:再生怪人の復活、飛翔能力、自爆
アナザーディロードが負の感情で進化した姿で、モチーフは装填の邪龍 仮面ライダーディロードドラゴン。ミヤビ一人の負の感情で具現化しているため、本来の身長であり、能力も大幅に弱体化している。 

 

EP.EX08 2019:セカイのシンジツ

「俺は決めたんだ。オーマジオウのような王にはならない。俺が目指すのは最高最善の王だ。」
「そうか、やはり君とは、分かり合うことは出来ないみたいだ。僕は、オーマジオウと話をしたことがある。」
雅は、少し前の出来事を振り返る。

─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─

「侑斗さん、もう一つ、行ってほしい時間があります。」
「何処だ?」
「2068年、仮面ライダージオウが、オーマジオウとして君臨している時間軸です。」
「わかった。俺もその魔王に興味がある。行こう。」
ゼロライナーに乗って、雅と侑斗は2068年に向かう。
「随分と荒廃しているな。」
侑斗は言う。
「その原因を調べるために、僕は今からオーマジオウに会いにいきます。侑斗さんはもしものために待機してもらえますか?」
「わかった。雅、無茶はするなよ。」
「はい。」
雅は当てもなく歩き始める。それから少し歩くと、荒野の中に不自然に存在する玉座を発見する。
「あれは…」
雅は呟く。すると、
「珍客が来たようだな。」
威厳のある声が玉座から聞こえる。
「あなたが、この時代の常磐ソウゴさん、オーマジオウですか?」
「如何にも。私は、かつて世界を救った最高最善の王、オーマジオウだ。」
「お会い出来て光栄に思います、オーマジオウ。」
「ほう、私を前にしてそのようなことを言えるとは。」
「仮にも、こことは別の世界で国家象徴となっていますので。」
「そうか。お前は、別の世界の王か。ならば話は早い。何が聞きたい?」
「まず、あなたは何故、世界を救っていながらも、今の状態を維持しているのですか?」
「この世界が、仮面ライダーの世界であることは、お前も周知のはずだ。」
「はい。」
「明光院ゲイツとか言ったか。仮面ライダーの世界には、正義と平和を取り戻す仮面ライダーと、それを妨げる悪が必要不可欠。それが失われれば、この世界という時計は壊れ、止まってしまう。故に、私はこの状態を保ち続けなければならない。それが、王になったせめてもの償いだからだ。」
「そういうことでしたか。では2019年、あなたが王になった年、どのようなことがあったのですか?どうも、あなたがオーマジオウになられる前後の時間に、向かうことが出来なくて。」
「あれは、悲惨な出来事だった。今でも時々夢に見る。ダイマジーンが6体現れ、この世界を消し去ろうとした。私は力を欲した。その時、ウォズが私に、この力を授けた。私はこの力を振るい翳し、ダイマジーンと、それを護衛するカッシーンを破壊し、世界の消滅を防ぎ、それを促していた3人の仮面ライダーを倒した。しかし、何時の頃からか、あれらを操っていた諸悪の根源が私だという話が出回っていた。私は、それを否定する術を知らず、全てを受け容れた。」
「そうですか。最後に一つ、この時代で、飢餓や疫病は流行っていますか?」
「そのようなこと、起きるはずがない。」
「そうですか。貴重なお話、ありがとうございます。勿論、過去のあなたに話すつもりはありません。」
「そうか。王との会話、実に楽しめた。早く向かうといい。」
雅はオーマジオウと別れて侑斗と合流し、現代に戻る。

「君は確かに強い正義感を持っている。だが、その強すぎるまでの正義感が、君をオーマジオウに変える。」
「そんなことはない。雅、俺と戦って。それで、俺がオーマジオウになるかどうか、見定めてよ。」
「…わかった。いいだろう。」
ソウゴの提案に雅は乗り、外へ出る。
「始めようか、雅。」
ソウゴはジクウドライバーを装着する。
「ジオウ、俺達も協力してやる。」
ゲイツとウォズもベルトを装着する。すると、
「なにやら、面白そうなことが起きているみたいじゃないか。俺も混ぜろ。」
仮面ライダーディケイド、門矢士が現れる。
「ディケイド…あなた達に、僕とソウゴ君の一騎打ちを邪魔させません。あなた達には、こいつと戦ってもらいます!」
【SUMMON RIDE-ZETUMU-】
雅はロードスラスターから『電撃学園RPG Cross of Venus』のラスボス、絶夢を召喚する。
「けっ、何故俺を召喚した、雅!エンターテイナーの戯れ言に従い、それを守り抜くお前が!」
「適材適所なだけです。あなたが持つ夢を絶つ力が、そこにいる世界を破壊する男に敵うと思っただけです、」
「ほう、確かにそこにいる男は、俺と同じくエンターテイナーのただの創造物というわけではないみたいだな。そこの貴様、何故貴様はその世界を破壊する力を無駄づかいする!?」
「決まっているだろう。俺は全てを破壊して、全てを繋ぎ、仲間を作る為だ。」
絶夢の質問に士は答える。
「言ってくれるね、士。だけど、忘れたわけじゃないだろうね?僕の方が、ずっと昔から通りすがりの仮面ライダーだってこと。」
そこに海東が現れる。
「海東大樹!?どうしてここに!?」
「久しぶりだね、雅君。絶夢の力、そのお宝は僕がいただく。士、協力してあげるよ。」
「海東、足を引っ張るなよ。」
士達は絶夢と戦う意思をみせる。
「仕方がないな。こちらも本気で行くか。」
絶夢はそう言うと、黒い靄に包まれて、禍々しい真の姿をみせる。
「いいだろう。さあ、スペシャルマッチといこうじゃないか!」
「お前達、行くぞ!」
士達は変身し、真・絶夢と戦闘を始める。
「ソウゴ君、これを渡してあげよう。」
雅はそう言うと、ディロードライドウォッチに電王のライダーカードを翳し、ディロードライドウォッチをディロード電王ライドウォッチに変えてソウゴに投げ渡す。
「これなら、なんか行ける気がする!」
ソウゴは20のライドウォッチをグランドジオウライドウォッチに変え、ジクウドライバーにセットする。
「では、僕達も始めよう。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「「変身!」」
〝グランドタ~イム!クウガ!アギト!龍騎!ファイズ!ブレイ~ド!響鬼!カブト!電王!キバ!ディケイ~ド!ダ~ブ~ル!オーズ!フォーゼ!ウィザード、鎧武、ドラ~イ~ブ~!ゴースト~!エグゼ~イド~!ビ~ルド~! 祝え! 仮面ライダー!グ!ラ!ンド!ジオウ!〟
雅はディロードに、ソウゴはグランドジオウに変身する。
「まずはこうだ!」
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
雅はディロードライバーをオーズドライバーに変えて仮面ライダーオーズ スーパータトバコンボに変身する。
「だったらこっちも!」
〝クウガ!カブト!ウィザード!〟
グランドジオウはクウガ ペガサスフォーム、カブト ハイパーフォーム、ウィザード インフィニティスタイルを召喚する。
「その程度で、止められるものか!」
オーズは時空間移動を行う。
「向こうもやっているな。なら見せてやる。これが俺の世界だ…」
真・絶夢はゲイツリバイブの辺り一帯を歪な闇、ユメノナイセカイで包み込み、連続攻撃を放つ。
「ぐあぁぁっ!」
ゲイツリバイブは吹き飛ばされる。
「だったらこっちも!」
ゲイツリバイブは必殺技を発動しようとするが反応しない。
「何っ!?」
「俺の世界にそんなものは必要ない。この攻撃、耐えられるかな?」
真・絶夢はユートピアドーパントに化けるとエネルギー波を放つ。
「ここは替われ!」
ディケイドはゲイツリバイブを突き飛ばし、その攻撃を受ける。すると、真・絶夢はン・ダグバ・ゼバに姿を変えて、炎を纏わせた拳でディケイドを殴りつけ、真・絶夢は更にロードバロンに姿を変えてグロンバリャムでディケイドを切り裂く。
「今がチャンスだね!」
【KAMEN RIDE-ACCEL BRAVE-】
【ATTACK RIDE-CROSS ATTACK-】
ディエンドはアクセルとブレイブを召喚し、連撃を真・絶夢に放つ。
「ありがとう、海東!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DECADE-】
ディケイドは怯んだ真・絶夢にディメンションキックを放つ。
「ぐぅっ!」
「私も行かせてもらうよ!」
〝ファイナリービヨンド・ザ・タイム!超銀河エクスプローション!〟
ウォズも銀河系のエネルギーを纏ったキックを真・絶夢に放つ。
「ゲイツ君、今だ!」
「わかった!」
〝フィニッシュタ~イム!剛烈! 一撃!タ~イムバースト!〟
ゲイツリバイブの一撃必殺のパンチが真・絶夢に炸裂する。
「おのれ…自分の意思を持たない…創造者の、作り物の分際でぇぇぇっ!」
真・絶夢は変身を解くと、そう言い残して爆散した。
「さて、一気に決めるか!」
オーズは時空間移動を行い、クウガのアークルをトラクローソリッドで破壊し、カブトのオオヒヒイロノカネを打ち抜く攻撃を行い、
〔スキャニングチャージ!〕
スーパータトバキックをウィザードに放ち撃破すると、雅は再びディロードに変身する。
「これならどうだ!」
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
ディロードはライトニングフォームに変身し、バルディッシュアサルトをハーケンモードに変え、
「ハーケンセイバー!」
魔力の刃をグランドジオウに放つ。
「だったら!」
〝龍騎!ブレイド!フォーゼ!〟
グランドジオウはドラグシールドを構えた龍騎、メタルを使ったブレイド、シールドモジュールを展開したフォーゼを呼び出し、攻撃を防ぐ。
「ライダーを道具扱いするなんて…」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ!バルエル・ザルエル・ブラウゼル。フォトンランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイア!」
ディロードは必殺の弾魔法の弾幕でグランドジオウを攻撃するが、グランドジオウはその攻撃を耐えきる。
「俺はオーマジオウにならない!」
グランドジオウは立ち上がる。
【CHANGE RIDE-ARCL-】
「超変身!」
雅はディロードライバーをアークルに変えて、クウガ アルティメットフォームに変身する。
「オーマジオウが悪だといつから錯覚していた!」
クウガは超自然発火能力を使いグランドジオウを燃やす。
「なんだと!?」
〝キバ!〟
グランドジオウはキバ バッシャーフォームを召喚し、アクアフィールドを展開してもらい、炎を消す。
「確かに、人は減っているのかもしれない。だが、今の世の中みたいに人と人とが争うことも、飢餓に苦しむ人もいない。この地球という星は、人間が生息出来る許容範囲は35から40億が限界なんだ。人が減ることで、世界は安定している。理不尽に人が人に殺されることもない。少なくとも、今の世の中は満ち足り過ぎているから、水土ミヤビのような悲劇が生まれる!」
クウガはグランドジオウを殴る。
「でも、雅がアナザーディロードを倒さなければ、ミヤビは自殺しなかった!」
「何故そんなことを言う!」
「だって、ミヤビは自殺しないために、アナザーディロードになったんだろう?」
グランドジオウも負けじとクウガを殴る。
「それは違う。ミヤビは、そんなことのためにアナザーディロードになったわけではない!」
「じゃあどうして!?」
「ミヤビが願ったことはただ一つ。ただ、平和に生きていていいよって、言ってもらいたかったからだ。」
「どういうこと?ミヤビは普通に生きていたじゃん!」
「人に怯え続け、自らその命を終わらせようと思う人を、平和だと思えるのか!」
クウガは右足にエネルギーを溜め、必殺のアルティメットキックをグランドジオウに放ち、グランドジオウの変身は解除され、ディロード電王ウォッチが砕け散ると、グランドジオウウォッチは消滅する。
「確かに、僕は国を束ね、法を整備した。その結果イジメが原因の自殺者を三分の一に減らせた。」
「そんなに!?」
「だが、その犯行の九割が子供、その八割が人間によるものだ。結局、人の心が何時だって人を殺める。みんなで仲良くなんて言っている間は、君は王にはなれない。」
雅はその言うと、突然意識を失った。

「…やび!雅!」
雅が目を覚ますと、隣にはフェイトがいた。
「フェイト?」
「大丈夫ですか、雅国家象徴!」
不思議がる雅の所にリンディがやってくる。
「リンディ長官、僕の身に一体何が?」
「雅国家象徴はラプラスの魔に頼まれてNのフィールドを調査しているうちに、その空間に飲み込まれてしまっていました。」
リンディが雅に説明をする。
「雅さん、申し訳ありません。雅さんを飲み込んだ空間はNのフィールド第202018番世界、〝19の墓標〟という場所でした。歴史が消え、全てが束ねられた空間は、一つの歴史を区切り、それを墓標に見立てる。そんな空間でした。」
「ありがとう、ラプラスの魔。リンディ長官、今回の出来事を資料にさせてもらっていいでしょうか?」
「はい。大丈夫です。」
雅はパソコンで事件の詳細を入力し始める。
『─以上が、僕がこの世界で体験した出来事の全てである。』
「リンディ長官、これを資料として、参考にして下さい。」
雅は資料をリンディに渡すと、雅を残して全員部屋から出て行く。
「それにしても、随分に悲しい世界だった。」
雅はポケットからフォームライドウォッチを取り出すが、それはすぐに砂となって消えてしまい、この事件の幕は降りた。

『かくして、凪風雅は次元保護国に戻り、我々の歴史は元に戻りました。めでたしめでたし。しかし、水土ミヤビは、それで本当に幸せになったのでしょうか?』
仮面ライダージオウ ディロードライドウォッチ編 完 
 

 
後書き
アイテム紹介
ディロードライドウォッチ
ディロードの力を宿したライドウォッチ。ディロードが持つ適合者の選定能力を持ち、雅以外の人間は触れることが不可能になっている。

ディロード電王ライドウォッチ
ディロードライドウォッチが電王のライダーカードによって変化したライドウォッチ。電王ライドウォッチとしての機能を果たし、ディロードライドウォッチの機能は失われる。

フォームライドウォッチ
砂時計型のライドウォッチでディロードのフォームライドの力を宿す。

アナザーディロードウォッチ
水土ミヤビから奪った仮面ライダーディロードの力を宿すアナザーウォッチ。ディロードの適合者の選定能力を持ち、非適合者が使用する場合、その人物を爆死させる。 

 

第34話『すれ違う二人』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「随分すごい見た目だな!こっちもやり甲斐があるぜ!」
「流夜は、独学で闇風を学び、それを人に危害を加えない形に作りかえた。すなわち、無殺の闇風は闇風ではなく立派な凪風。だから、それを未来に繋げてほしい。」
「久しぶりだな、装填の守護者。」
「わかりました。どうやら貴方には預けても安心ですね。」
「それじゃあ、撮るぞ。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心はなにを思う─

「どうしたの、フェイトちゃん?」
「なのは、最近雅がよそよそしいの。」
雅とフェイトが結婚して一週間が経つ頃、フェイトはなのはに相談していた。
「なんや?早くも倦怠期ってやつなんか?」
「はやては羨ましいよ。もう平和な家庭を持っているなんて。」
「フェイトちゃん、シグナム達は確かに家族やけど、意味はちゃうよ。」
「そうだよね。変なことを言ってごめんね、はやて。」
「フェイトちゃん、私達だけだと出来ることに限界があるから、もっといろんな人に聞いてみたら?」
なのははフェイトに提案する。
「そうだね。ありがとう、なのは。」
フェイトはなのはに礼を言って出て行く。
「フェイトちゃん、上手くいくといいね。」
「せやな、なのはちゃん。」
出て行くフェイトをなのはとはやては笑顔で見ていた。

「─というわけなんだ。ウラタロス、どうしたらいいか教えてほしい。」
その頃、雅もウラタロスに相談していた。
「そう言われてもねぇ、そういう問題は夫婦間の問題だから、僕の範囲外なんだけど?」
「それは承知のことだけど、女性との向き合い方は、ウラタロスが一番詳しいと思って相談しているんだ。」
「国家象徴は何も解っていないみたいだね。」
「何がですか?」
「人っていうのは教科書じゃないんですよ。心があって、意見がある。簡単に解決しようとしても、かえってこじれるだけ。国家象徴は、もっと心に素直になった方がいいんじゃない?」
「心に…素直…」
「そっ。僕から言えることはこれくらいかな。もし結果が出なかったら、僕がフェイトちゃんを釣っちゃおうかな。」
ウラタロスは冗談を言う。
「そんなことは絶対にさせない!」
雅はむきになる。
「やれば出来るじゃん。その調子だよ。頑張りな。」
ウラタロスは雅を励ます。
「ありがとうウラタロス。」
雅は一言言って出て行く。

「それで、鍵さんはどうやってみなさんと上手くやっているの?」
フェイトは杉崎達と会っていた。次元保護国には重婚は禁止という法律は無く、杉崎は碧陽学園生徒会のメンバー全員と結婚している。
「そりゃあもちろん、俺がハーレムのトップとしてみんなを…って深夏!いきなりソバットキックをかますな!」
「そりゃあ放つに決まっているだろ!いきなり変なことを言えば!まったく、鍵は何時まで経っても進歩がないな。」
「あら?そういう深夏ちゃんもキー君にそういう態度をとる所、全然変わっていないわよ?」
「うっ…知弦さん、それは…」
「あーもー!とにかく杉崎…じゃなかった。鍵はみんなにちゃんと謝ること!会長命令!」
「会長さんはもう、生徒会長じゃないでしょ?」
「真冬ちゃんは少し黙っていて。話がややこしくなるから。」
「どうせ真冬なんて、オタク知識だけが取り柄の腐女子系薄幸美少女です…」
「真冬ちゃん、さすがに23で美少女は無理があるよ…」
「先輩、少し、頭冷やそうか?」
「やめて真冬ちゃん!なんか怖い桜色の光を放つ悪魔が見えるから!俺が悪かった!調子にノってすみません!」
杉崎は怯えながら謝る。
「みなさんは、普段からこんな感じなのですか?」
「そうね。みんなキー君を目いっぱい愛しているから全力でぶつかれるし、全力で笑い合えるの。」
フェイトの質問に知弦は答える。
「全力でぶつかれる…杉崎さん、ありがとうございます。私、もう少しいろいろな人の意見を聞いてみます。」
フェイトは頭を下げる。
「えっ!?もう帰っちゃうの?なんだったらフェイトちゃんも、俺のハーレムの一員にならないか?」
「おい鍵、いい加減にしろ!フェイト、鍵はあたしらで抑えておく。早く逃げろ!」
「あ、ありがとう深夏さん。」
フェイトは、杉崎を羽交い締めにしている深夏に礼を言って出て行く。

「あっ!雅国家象徴、お久しぶりです!」
かなみは雅に挨拶をする。
「けっ、なんの用だよ雅。」
カズマはぶっきらぼうに言う。
「今日はかなみさんに用事がありまして。」
「じゃああがってろ。俺は朝倉と会う約束がある。」
「カズ君、あんまり変な付き合いは持っちゃダメだよ?」
「解ってるよ。じゃあな!」
「もう!『じゃあな』じゃなくて、『行ってきます』でしょ!」
「悪い悪い。行ってきます。」
カズマは嫌そうに言いながら出て行く。
「随分大変そうですね。」
「あれでも、かなり丸くなった方ですよ。」
「そうですか。かなみさんには、まだ謝っていませんでした。6年前のこと、あの時、かなみさんのアルター能力を利用して、あのようなことをしてしまい、申し訳ありませんでした。」
雅は頭を下げる。
「雅国家象徴、頭を下げないでください。雅国家象徴が、私達のために一生懸命だったのはわかっていますから。それに…」
「それに?」
「あの時のこと、いろいろと参考にしてますから。もう少し経ったら、カズ君にしてあげようかなって。」
「それは、何か悪いことをしてしまったみたいで申し訳ありません。それで、かなみさんに相談があるのです。」
「私に相談ですか?」
「はい。実は─」
雅はかなみに悩みを打ち明ける。
「なるほど…よくわかりました。でも、それを言う相手は私じゃなくて、フェイトさんじゃないですか?」
「それができないから悩んでいるんです。もしそれを言って、フェイトを傷付けたらどうしようと思うと…」
「雅国家象徴、人は知らず知らずのうちに誰かを傷付けていると思います。それは、私も知らないうちにカズ君のことを傷付けているみたいに。でも、それが人して生きていることだと、私は思います。それに、そのことで悩むほど、フェイトさんは弱くないと思います。」
かなみは、自分の意見を雅に話す。
「…そうですね。かなみさん、ありがとうございます。」
雅は礼を言って出て行く。
「また何時でもいらしてくださいね!」
かなみは手を振りながら言った。

「俺に相談って言われても、相談料は高いよ?」
「あの、今日は弁護の件で来たわけではありません。」
「えっ、そうなの?ゴロちゃん、お客さんにちゃんとお茶を出してよ。」
「はい、先生。」
フェイトは北岡弁護士事務所に来ていた。
「それで、弁護の件以外で相談って何よ。」
「雅のことなんだけど…」
「ああ~、それね。ウラタロスから話はちょろっと聞いてはいたけど。うちはそういうのは専門外だから、他を当たって。俺もこれから玲子さんとデートなの。今日こそは絶対に堕としたいの。がきんちょのおままごとに付き合っていられないから。用が済んだら帰ってちょうだい。」
「…わかりました。お忙しい中、失礼しました。」
フェイトはそのまま立ち去る。

「ウラタロスから聞いてるぞ。そんなことで悩むなよ。らしくないぞ。」
「どうしたの、真司?って、雅国家象徴が来ていたなら言いなさいよ。」
雅は真司に相談にいっていた。真司は先月美穂と結婚した新婚夫婦である。同じ状況なら相談しやすいと雅は考えていた。
「なるほどね。国家象徴は女心が解っていないわね。」
「ってか、人んちで勝手にノロケんな!」
「いいじゃない、真司。それより、そんな風に避けていることが、一番フェイトちゃんを傷付けているって、まだわからないの?」
美穂ははっきりと言う。
「やっぱり、自分の気持ちを伝えないといけないか。ありがとうございます、おかげで何をするべきかわかりました。」
雅は礼を言って出て行く。

「なんだ、フェイトか。あがっていいぞ。」
フェイトは津田家に行くと、シノが招き入れる。
「タカトシ、客が来たぞ。」
「どうしたんですか…ってフェイトさんがどうして?」
津田は驚く。
「その、タカトシさんとスズさんに相談がありまして。」
「その相談って、もしかして杉崎一家にしたのと同じ?」
フェイトの言葉にスズは質問で返す。
「えっ、どうしてそれを?」
「フェイトだけじゃなくて雅国家象徴もいろんな人に相談しているみたいだから、もう既に結構有名よ?」
「雅も、やっぱり何か隠し事をしているんだ…」
フェイトは深刻な表情を見せる。
「ん、なんだ?子宝に恵まれる方法か?それなら…」
「七条さん、会長を黙らせておいてください。」
「とりあえず、亀甲縛りに猿轡でいいかしら?」
「普段なら引っぱたいているかもしれませんが、今はそれでいいです。」
「ツッコミ放棄だと!?」
「萩村、さすがに真剣に悩んでいるんだから真面目に聞かないと。」
事情をまったく知らないシノはいつも通りの反応をするが、津田の頼みを聞いたアリアがシノを連れ出す。
「やっぱり、そういうのはちゃんと聞かないといけないと思う。もしそれでも話してくれないなら、それは言いたくないことだと思って、言える日が来るまで待つしかないんじゃないか?」
「なるほど…ありがとうございます。」
フェイトは津田家から出て行き、雅を探しはじめる。

「きちんと話す、か…」
雅は歩いている。すると、
「ちっ、どいつもこいつもあいつばっかり褒めやがって、ちょっと財閥の令嬢として生まれたからって、いい気になりやがって!」
一人の少女が飲んでいた缶をゴミ箱に投げ捨てると恨み言を言う。すると、
「くそっ…たれが!」
少女はゴミ箱を蹴り飛ばし、缶が散乱する。
「君、何をしているんだ!」
缶が当たった雅は少女に言う。
「うるせえ、どうせお前もあいつに媚びへつらうんだろ?あいつの財閥と繋がりを持つために!」
少女は雅のことを一切知らないようで、喧嘩腰で話す。そして、
「だけど、こいつがあれば…あいつはもう終わりだ!」
〔セレクト!〕
少女はガイアメモリを取り出す。
「あれは、ガイアメモリ!?」
少女はガイアメモリを髪で隠れた首に挿して、セレクトドーパントに変身する。
「ドーパントが相手か。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身し、セレクトドーパントと戦闘を始める。
「なんだよ、お前仮面ライダーだったんかよ!」
セレクトドーパントは左右から氷の弾を放つ。
「これなら!」
ディロードはロードスラスターで弾を破壊する。すると、散らばった破片はディロードの脚に纏わり付き、ディロードの脚を凍らせる。
「何っ!?」
ディロードは敵の能力に驚きを隠せずにいた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード最終回
「お前達が犯人か。」
「雅、教えて?」
「ずっと、怖かったんだ。」
「はじめよう、私と雅の、本気の真剣勝負。」
「これからは、悩みを抱え込まない。」
次回『新たな種』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
オリジナル怪人紹介
セレクトドーパント
身長:182cm
体重:95kg
能力、力:対象の選択肢によって効果が変わる氷の弾
ある読者モデルの少女が選ぶ記憶〈select memory〉を首に挿して変身した姿。ライバルに対する深い嫉妬心によって変異した能力は、氷の弾を相手がどう対応するかで、結果が変わる選択肢をより増やす力に変わった。 

 

最終話『新たな種』

「くっ、ドーパント相手にディロードで戦うのは早計だったか。なら!」
【CHANGE RIDE-LOST DRIVER-】
ディロードはディロードライバーをロストドライバーに変える。
〔エターナル!〕
「変身!」
〔 エターナル!〕
ディロードはエターナルに変身する。
「てめえもガイアメモリを使えるんかよ!?」
セレクトドーパントは激昂する。
「まずはこれだ!」
〔ウェザー!マキシマムドライブ!〕
エターナルはウェザーの力を使い、強い陽射しによって凍らされた脚を溶かす。
「これでもくらえ!」
セレクトドーパントは更に氷の弾を放つ。
「悪いが、それはもう終わりだ!」
〔エターナル!マキシマムドライブ!〕
エターナルは腰のマキシマムスロットにエターナルメモリを装填し、セレクトドーパントの機能を停止させる。
「ちくしょう!なんで、なんで使えねえんだよ!」
セレクトドーパントは突然の出来事に混乱する。
「これで決めさせてもらう。」
〔ゾーン!マキシマムドライブ!〕
エターナルはエターナルエッジにゾーンT2メモリを装填し、全てのT2ガイアメモリを全身のマキシマムスロットにセットし、エターナルメモリを再びマキシマムスロットにセットする。
〔エターナル!マキシマムドライブ!〕
「これで決まりだ。エターナルネバーレクイエム!」
エターナルは26のT2ガイアメモリの力を纏ったキックを無防備となったセレクトドーパントに放ち、
「さあ、地獄を楽しみな…」
エターナルの決め台詞と共に、セレクトドーパントは爆発し、セレクトメモリはメモリブレイクされる。そこに、照井がやってくる。
「大道克己!?」
照井はアクセルドライバーを取り出す。
「照井刑事、待ってください。」
エターナルはロストドライバーを外し、雅は変身を解除する。
「凪風国家象徴か。」
「照井刑事、お勤めご苦労様です。彼女、ガイアメモリの不正所持、及び国家象徴襲撃の現行犯で只今メモリブレイクをしていた所でした。」
「そうだったか。とにかく、署に来てもらうぞ。」
照井は少女の身柄を確保し、風都署に連れて行く。
「あんな少女がガイアメモリを買えるわけがない。こちらでも調べるか。」
雅は動き出す。

「それで、どうして君のような子供がガイアメモリを所持していた、答えろ。」
「っせーな。さっきから言っているだろ、貰ったんだよ。」
「貰った?一体誰からだ?」
「だから言っただろ。集まりがあった時に貰ったって。」
少女は適当に答えていた。

「…というわけで、この少女が所属している芸能事務所は一度調査をした方がいいかもしれません。」
雅は鳴海探偵事務所で翔太郎に事情を説明していた。
「その件は俺達に任せろ。雅…いや、凪風国家象徴は御自身のお悩みを先に解決して下さい。」
「既に翔太郎さんの耳にも入っていましたか。」
「ああ。このくらいの事件は風都ではよく起きている。凪風国家象徴はフェイトとのことを考えて、この事件は俺達に任せてほしい。事件は一瞬だが、女性との付き合いは一生ものだ。」
「それは、鳴海荘吉元所長の言葉ですか?」
「いや、俺の言葉だ。どうだ、似合っているか?」
「いえ、どこか無理して背伸びしているように思えまして。」
「はぁ、ハードボイルドな探偵には、まだ遠いか。」
「翔太郎さん、それに拘っているうちは、何時まで経ってもハーフボイルド探偵のままですよ。魅力というものは、なりたくてなるものではなく、生きていく中で自然と身につくものですよ。」
「なるほどなぁ…ま、一応預かるが捜査は出来なくなるだろう。ドーパント関係の事件は全て風都署の案件になるからな。」
翔太郎が話していると、
「翔太郎、一応出来る限りやってみたらどうだい?」
フィリップが翔太郎に話しかける。
「そうは言ってもなぁ…」
「そんなことだから、最近ではペットの捜索すら満足に来ないで、観光援助申請を受けている生活なんだ。君の半熟な正義感を取り戻したらどうだい?」
「そうだな。フィリップ、久しぶりに頑張るぞ。凪風国家象徴はフェイトとの件、頑張るんだ。」
翔太郎は出て行く。
「すっかり翔太郎さんらしくなりましたね。それでは、失礼します。」
「雅国家象徴も、頑張るといい。」
雅もフィリップに挨拶し、鳴海探偵事務所を後にする。
「おっ!雅国家象徴だ!今、外出しているってフェイトちゃんから聞いていたから探したんですよ。」
外を歩いていると、杉崎が雅に話しかける。
「杉崎さん、皆さんとご一緒ではないのですね。」
「ああ。雅国家象徴と面と向かって話したかったから、今は家にいてもらっています。」
「僕と話ですか。」
「フェイトちゃん、国家象徴のこと不安に思っていて、俺達に相談しに来たんだ。」
「フェイトが不安に…そうか、やはり僕には…」
「そういう話じゃない!女性を不安にさせる男になったら駄目だろ!」
「杉崎さん、ありがとうございます。」
「えっ、ありがとう?」
「ずっと悩んでいました。自分には、一人の女性を幸せにしてあげることなんて出来ない、きっと傷つけてしまう、そんな風に。だけど国民のいろんな人に相談して、そんな考えを持つこと自体、フェイトを傷つけている原因だとわかりました。今日、フェイトと話し合ってみます。」
雅が話していると、携帯電話に着信が入る。
「どうですか、翔太郎さん?」
『凪風国家象徴の睨んでいた通りだった。例の少女のプロダクションのオーナー、元ミュージアムの販売員だった。』
「そうでしたか。僕も向かいます。」
『そうか。そのオーナーは今、風都旅館で取引を行っている。現地で合流しよう。』
「わかりました、失礼します。」
雅は通話を切る。
「杉崎さん、僕はこれで失礼します。お話していただき、ありがとうございます。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は杉崎に礼を言うと、ワープを使って風都旅館に向かう。
「来たか。」
「ここで間違いないですね。」
雅と翔太郎は話している。すると、そこに照井とフェイトがやってくる。
「おい照井、どうしてお前が来ているんだ。」
「俺に質問をするな…と、言いたいがフェイトから頼まれた。凪風国家象徴が今回の被害者の一人だから、捜査をしていれば会えるはずだと。」
照井は珍しく説明する。
「フェイト…」
「雅、大丈夫だった?」
「無事じゃなかったら、こうして捜査していない。僕は大丈夫だ。」
雅はフェイトに話す。
「凪風国家象徴、ここは俺と照井に任せろ。国家象徴はフェイトとしっかり話し合うんだ。」
翔太郎は照井と共に旅館に乗り込む。
「みなさん、頼もしい国民だ。もう、ディロードになることもなくなりそうだな。」
雅はどこか寂しげな表情を浮かべる。
「雅、悩んでいるなら、私に相談して。」
すると、フェイトは雅に話しかける。
「そうだな。僕も一日、いろんな人に相談して、フェイトに話そうと思っていた。ここはこれから翔太郎さん達が戦闘を始める。だから避難しよう。」
雅はワープを再度発動して、海鳴市に向かう。

「お前達が犯人か。元ミュージアム ガイアメモリ販売員、甘城劣!」
翔太郎はガイアメモリ不正取引の現場を押さえる。
「やはり来たか、仮面ライダー。だが、これならどうする?」
〔ボイス!〕
販売員の甘城は喉仏にガイアメモリを挿し、ボイスドーパントに変身する。
「照井、久しぶりの共闘だな。」
〔ジョーカー!〕
「言われてみれば、そうだな。」
〔アクセル!〕
「変身!」
〔サイクロン!ジョーカー! エクストリーム!〕
「変…身!」
〔アクセル!アップグレード!〕
翔太郎はフィリップと一体化して仮面ライダーダブル サイクロンジョーカーエクストリームに、照井は仮面ライダーアクセルブースターに変身する。
「俺は捕まるわけにはいかないんだ!」
ボイスドーパントは声を刃にしてダブルに放つが、ダブルはプリズムビッカーでそれを防ぐ。
「翔太郎、検索が完了した。奴の能力は声の刃、声に注意すれば対処は簡単だ。」
「オッケー、フィリップ。照井、一気に決めるぞ!」
〔エクストリーム!マキシマムドライブ!〕
「ああ!」
〔アクセル!マキシマムドライブ!〕
「「「ライダーツインマキシマム!」」」
「させるか!」
ボイスドーパントは声の刃で防ごうとするが、二人のライダーによる必殺キックに容易く砕かれ、そのキックはボイスドーパントに炸裂する。
「絶望がお前のゴールだ。」
ボイスドーパントは爆発し、ボイスメモリはメモリブレイクされる。
「甘城劣、ガイアメモリ不正所持、及び取引の現行犯で逮捕する。」
照井は甘城に手錠をかける。

「雅、教えて?どうして私を避けていたの?」
なのはとフェイトがリボンを交換した思い出の場所でフェイトは雅に聞く。
「ずっと、怖かったんだ。」
「怖かった?」
「僕は、本当は人が怖い、それは過去のことが忘れられないんだ。」
「うん…」
「だから、女性の扱い方もわからない。もし傷つけてしまったらどうしようって悩み続けていた。それは普段の会話だけじゃない。夫婦としての生活もそうだ。」
「雅、私なら大丈夫だよ。だって私、強いから。だからはじめよう、私と雅の、本気の真剣勝負。」
フェイトはバルディッシュを取り出す。
「だけど、そんなことをしたら、僕はフェイトを傷つけてしまう。」
「雅、私達が互いから逃げないように、全てを捨てないように、今は全力でぶつかり合おう?」
雅はフェイトに言われて少し考える。そして、
「わかった。これからは、悩みを抱え込まない。だから、今はフェイトと向き合うために、その真剣勝負に応じる。」
雅もディロードライバーを装着する。
「バルディッシュアサルト、セーットアップ!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
フェイトはバリアジャケットを纏い、雅はディロードに変身する。
「まずはこれだ!」
【ATTACK RIDE-RAISING HEART EXELION-】
【FORM RIDE-DELOAD STAR LIGHT-】
ディロードはスターライトフォームに変身し、アクセルシューターを放ってフェイトの妨害を行う。
“blitz action.”
フェイトは高速移動を行いディロードの背後に回り、
「撃ちぬけ、雷神!」
ジェットザンバーを放つが、
「読めていた!レストリクトロック!」
ディロードはフェイトを拘束魔法で捕らえる。
「これでどうだ!ハイペリオン・スマッシャー!」
ディロードは凄まじい砲撃を放つが、フェイトはバインドブレイクを使って拘束魔法から解放され、砲撃を避ける。
「やはり防御重視のスターライトフォームは僕と相性が悪いか。なら、」
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
ディロードはスターライトフォームからライトニングフォームに変身し、間合いを詰める。
「プラズマランサー!」
ディロードは弾魔法を放つが、フェイトも同一の魔法を放って相殺する。それによって煙がたつが、それが晴れるとディロードの既にソニックフォームに変わり、二丁のロードスラスターでフェイトを切り裂こうとするが、フェイトはライトニングバインドでディロードを拘束する。
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。フォトンランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイアー!」
フェイトはディロードの装甲の薄さを利用し、短期決戦を仕掛ける。
「バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ!」
ディロードはソニックブレイブに変わり、装甲の排除を利用して無理矢理バインドを破壊してファランクスシフトの射程距離から離れる。
「しまった!」
「ファランクスシフトの使用でもう余力は無いな。今度は、僕が短期決戦を仕掛ける番だ。」
[sonic drive.get set.]
ディロードはロードスラスターをソニックドライブモードに変え、足に装着する。
【FINAL ATTACK RIDE-S S S STRONGER-】
「行くよ、フェイト!ソニックドライブ!超電稲妻ドリルキック!」
ディロードの高速スピンキックはフェイトを擦るように当たり、フェイトのバリアジャケットは崩壊する。
「…やっぱり雅には勝てないね。」
フェイトは笑っていた。

そして1年後─
「しまった!今日は一ヶ月健診の日だった!」
雅は起きると急いで着替え、ワープを使ってフェイトと自身の子供がいる病院に向かった。
「すまない、フェイト。昨日の公務で夜遅かったんだ。」
雅はフェイトが謝る。そして、
「それで、了の様子はどうだ?」
「今授乳を済ませて寝たところだよ。」
「よかった。本当に可愛らしい寝顔だな。」
「そうだね。了も体に異常が見られないみたいだって、お医者さんは言っていたよ。」
「そうか。了のことを考えて、これからはフェイトのことはお母さんって呼ばないとな。」
「だとしたら、私も雅のことをお父さんって呼ぶよ。」
「そうだな。これからは家族三人で、頑張っていこう。」
「うん!」
雅とフェイトは幸せな笑顔を見せていた。
















雅とフェイトの子供、了は目を閉じながらも、生後一ヶ月とは思えない考え事をしていた。
(ようやく解放された。私は、今度こそ…そのためにも、まずは知識からだな。)
了の口は笑っていた。

仮面ライダーディロード第2部 ~雅、結婚騒動~─完─



   ─物語は交差し、渾沌を生む。

「ファントムじゃない敵か。」
「なら、あれはキマイラの新しい餌だな!」
「俺が、最後の希望だ!」
絶望から立ち上がった希望を与える魔法使いがいた。

「どういうこと!?魔女以外の脅威なんて聞いていないわ!」
「ファントム狩りもいいけれど、魔法少女の敵は魔法少女だってーの!」
「あたしって…ほんとバカ…」
希望を得る代償に絶望に呑み込まれて終わる魔法少女がいる。

        そして─
「フェイトは仮面ライダーウィザードの世界へ!魔法少女 まどか☆マギカの世界には僕が行く!」
「知らないのか?次元保護国とかいう凄い所のお偉いさんの奥さんだぞ。」
「まどかを魔法少女にはさせない。」
交差した世界を戻すため、守護者は降り立つ。
「見るといい。ファントムの力を持つ最強最悪の魔女を!」
観測者の狙いとは─
仮面ライダーディロード 第3部~希望と絶望の宝石~
近日スタート 

 

第1話『新たな混濁』

一人の少女が非常口へ向かって長い階段を走る。その階段の長さは世間一般の建設物では考えられない長さであり、少女の息遣いは徐々に荒くなるが、それでも少女は走ることを止めず、ついに非常口にたどり着き、その扉を開ける。
「えっ…」
少女は唖然とする。建物から出る為に非常口を開けたのだから外へは出られるのは当たり前だが、そこは既に異常気象を起こしており、黒く綺麗な髪を延ばし、左腕には砂時計の装飾が施された盾を着けた少女がミサイルランチャーを片手に下半身が何かの歯車のような、上下逆さの巨大な何かと空中戦を繰り広げていたからだ。黒い髪の少女は地対空ミサイルを使って巨大な何かを爆撃するが、巨大な何かは何事も無かったかのように笑っている。すると、走っていた少女の所に、白い動物らしきものがやってくる。
「君には、この絶望を打ち砕ける力がある。さあ、僕と契約して、魔法少女になってよ。」
白い動物は少女に語りかける。
「駄目!そいつの言うことを聞いちゃ駄目ぇぇぇーーー!」
黒い髪の少女は涙を流しながら叫ぶ。

─装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「ドラゴンロード事件からもう1年半だね、雅。」
「そうだな、フェイト。」
了を抱えるフェイトの言葉に雅は答える。
「あれから大規模の事件は無くなり、僕が直接動く程の事件も無くなったな。」
「それは、この国の防衛技術が進歩して、雅の手を煩わす程でも無くなったってことだよ。」
「それもそうだな。最近は各ライダーとG5ユニット部隊の連携も上手くとれているようだし、元管理局武装局員もエクシードデバイスの扱いに慣れたらしい。それに、次元干渉遮断システムの性能はなんの皮肉か、ドラゴンロード事件で身をもって実感しているからな。」
「それだけ、この国も安定し始めたってことだよ。」
雅の言葉にフェイトは優しい口調で返す。すると、雅達のいる次元保護国国家象徴宅にエマージェンシーコールが鳴り響く。
「フェイト、どうやらのんびりする時間は終わりみたいだ。リンディ長官からのエマージェンシーはそうそう無い。おそらく、次元規模の問題だろう。行こう。」
「うん。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのアタックライドを使い、フェイト達と共に次元保護国警察庁長官室に向かった。
「リンディ長官、一体何事ですか?」
「それが、まるで照らし合わせたみたいに二つの世界でそれぞれ別の敵が出現して、困っているのよ。」
雅の質問にリンディは答える。
「二つの世界と、それぞれに現れている敵は一体何ですか?」
「異変が起きている世界はそれぞれ『仮面ライダーウィザード』と『魔法少女まどか☆マギカ』の世界で、ウィザードの世界にはまどか☆マギカの世界の敵の魔女が、逆にまどか☆マギカの世界ではウィザードの世界の敵のファントムが現れているわ。」
「また厄介な状況だな…」
リンディの説明を受けて雅は呟く。
「どうしたの雅?」
「ウィザードの世界は既に一度救い、ワールドホープも発動している。おそらく、ジオウ事件以上の危機が迫っている可能性が高い。何より、もう一つの対象が…」
「雅、その『まどか☆マギカ』の世界が問題なの?」
「ああ。フェイトは仮面ライダーウィザードの世界へ!魔法少女 まどか☆マギカの世界には僕が行く!」
雅は雅はかつてチームディロードのリーダーであった時のような力強い号令をかける。
「待って雅。魔法少女なら、同じ魔導師の私が行く方がいいんじゃないの?」
「フェイト、この世界の魔法少女達は、互いにテリトリーを持っていて、他所から来た魔法少女を敵と認識して命を奪おうとする。フェイトを守るためにも、フェイトにはウィザードの世界を任せたい。」
「わかった。雅も気をつけて。」
雅とフェイトは次元転送ポートに乗る。
「これより、フェイト・テスタロッサ並びに…」
「次元保護国国家象徴、凪風雅、行きます!」
「安心してね、フェイトさん。了は私の方で預かっておくわ。」
リンディは二人の次元転送を行う。

「これが今の見滝原か。半月後に災厄が来ると思えない程には穏やかだな。もっとも、ファントムが現れている以上、呑気なことは言っていられないか。」
まどか☆マギカの世界の舞台となる見滝原に転送された雅は言う。すると、
「僕達ファントムのことを知っているとは、放置するわけにはいかないね。」
「そうだな。上手く絶望してくれれば新たなファントムを生み出してくれるかもしれない。」
2体のファントムが現れる。
「さっそく出て来たか。」
「如何にも。俺はファントムのオルフェウス。」
「僕はエノク。さ、早く絶望してファントムを生み出してくれないかな。」
2体のファントムは雅を攻撃しようとする。
「そういうわけにはいかない。僕にはやるべきことがある。」
【CHANGE RIDE-FAIZ DRIVER-】
雅はディロードライバーをファイズドライバーに変え、ファイズフォンに認証コードを入力する。
[stunning by?]
「変身!」
雅はファイズフォンをファイズドライバーに装填する。
[complete.]
雅は赤いフォトンブラッドに包まれ、仮面ライダーファイズに変身する。
「貴様、仮面ライダーだったのか!」
オルフェウスは右手に持つ書物から光弾を放つが、ファイズはそれを避ける。
「それがどうした!」
[ready?]
ファイズはファイズショットにミッションメモリーをセットし、右手に装着してオルフェウス目掛けて走りながらファイズフォンのエンターキーを押す。
[exceed charge!]
「これでもくらえ!」
ファイズは必殺パンチのグランインパクトをオルフェウスに放ち、オルフェウスは怯む。
「オルフェウス!?」
エノクは光の鞭を出現させてファイズ目掛けて走る。
「まだいたな。」
[ready?]
ファイズはファイズポインターにミッションメモリをセットして右足に装着すると、ファイズアクセルのミッションメモリーをファイズフォンに装填する。
[complete.]
ファイズのフォトンブラッドは銀色に変わり、ファイズはアクセルフォームに変身する。
「一気に決めるか。」
[start up.]
ファイズはファイズアクセルのボタンを押し、超高速で動きオルフェウスとエノクに対して同時とキックとパンチの連撃を放ち続け、ファイズフォンのエンターキーを押す。
[exceed charge!]
[step2!5…]
ファイズが必殺技を発動すると、ファイズアクセルは制限時間のカウントをはじめる。
「これで…終わりだ!」
ファイズの必殺キック、アクセルクリムゾンスマッシュがオルフェウスとエノクにそれぞれ5発ずつ直撃する。
[2…1…time out.reflection.]
ファイズはアクセルフォームの時間制限に到達し、通常フォームに戻る。
「馬鹿な!」
「そんなことが!」
オルフェウスとエノクはアクセルクリムゾンスマッシュの威力に耐えきれず、爆散する。
「いきなり2体がかりでの襲撃か。これは、8年半ぶりに警戒を強める必要があるな。」
雅は変身を解除する。すると、
「ファントムをいとも容易く倒してしまうなんて、貴方は何者かしら?」
盾を左腕に装着した黒い髪の少女が、雅に拳銃を向けながら歩いてくる。
「驚いたな。この国にも銃刀法というものがあるはずだが?」
雅は無抵抗の意思を見せながら少女に話す。
「それは生きている人にしか通用しないわ。」
雅の言葉に少女はそう返す。
「まるで君は生きていないみたいな言い方だね。」
「…こっちの話よ。」
雅の言葉を聞き、少女は口を滑らせたと思いながら答える。
「隠す必要はない。僕もこの世界に来るにあたって、ある程度勉強はしてある。君達、魔法少女と呼ばれる者達がどういう存在なのか、その結末がどんな悲劇かを。」
「貴方、一体何が目的?」
「僕がこの世界に来た理由はただ一つ。君も解っているだろうが、本来この世界に存在しないファントムがこの世界に現れ始めた。そして、別の世界に魔女が現れている。僕の目的は、その二つの世界の歴史を正しく直すこと。今、僕の妻が本来ファントムのいた世界に向かって、向こうの対処に励んでいる。」
「それで?」
「僕としては、協力者をいち早く作って事件の解決を急ぎたい。君も君の成すべき事を成し遂げたい。つまり、僕と共闘しないか?」
雅は少女に共闘を持ちかける。
「私は、そんな簡単には甘言に惑わされないわ。」
少女は盾に備わっている時間停止の魔法を発動する。しかし、
「悪いが、時間の特異点である僕に時間を止める君の魔法で通用しない。」
雅は平然としている。
「…どうやら、分が悪いみたいね。」
少女は拳銃をしまう。
「私は暁美ほむら、貴方は?」
「僕は凪風雅。よろしく頼みます、暁美さん。」
「ほむらでいいわ。」
少女、ほむらと雅は協力関係を結び、互いに自己紹介をする。すると、
「またあなたね、私が見つけたファントムを倒したのは?」
ドリルヘアの金髪の少女が、二人の少女を引き連れてやって来る。
「その件だが、ファントムを倒したのは僕だ。」
雅は名乗り出る。
「あら、どうして暁美さんの肩を持つのかしら?」
「肩を持つわけではなく、事実だ。ファントムは本来この世界にいてはならない存在。僕はそれを退治する為にわざわざこの世界に来た。」
「そう、つまり私達魔法少女の敵というわけね。」
少女は黄色い宝石を取り出し、その宝石から光が放たれ魔法少女の姿に変身する。
「なるべく戦闘は控えたいが、簡単には逃がしてもらえそうにないな。」
【CHANGE RIDE-V BUCKLE VERSION SCISSORS-】
雅はディロードライバーをシザースのVバックルに変え、
「変身!」
雅は仮面ライダーシザースに変身する。
「そっちもその気みたいね!」
少女、巴マミはマスケット銃を出現させてシザースを狙撃する。
「ここは、一応使っておくか。」
【GUARD VENT】
シザースはガードベントを発動し、シェルディフェンスを出現させて、弾丸を防ぐ。
「暁美さん、ここは一旦引きましょう。」
【ADVENT】
シザースはボルキャンサーを召喚し、マミに向かわせると、ほむらの手を引いて逃走した。
to be continued.

次回予告
「俺達の世界にいないはずの敵を相手にするには、どうすればいいかわからない。だけど、俺達はそれでも戦わないといけない。次回『新たなる絶望』」 
 

 
後書き
新カード紹介
Vバックル(シザース):ディロードライバーをシザースのVバックルに変えて、仮面ライダーシザースに変身するためのカード 

 

第2話『新たなる絶望』

「暁美さん、ここは一旦退きましょう。」
【ADVENT】
シザースはほむらの手を引きながら逃走する。
「それなら大丈夫よ。」
ほむらは時間停止の魔法を発動する。
「確かに、その方が有効だな。」
雅も変身を解除し、二人はその場から撤退した。

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いは、その輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える─

「ここが、仮面ライダーウィザードの世界…」
ウィザードの世界に到着したフェイトは辺りを見渡す。
「見たところ、問題は無さそうだけど…っ!?」
フェイトが探索していると空間が歪曲し、フェイトはいつの間にか不気味な空間に迷い込んでいた。
「この空間、もしかしてこれが資料で読んだ魔女の結界?」
フェイトは魔女の結界の中を歩き続ける。すると、
「これが…魔女…」
フェイトの目の前に結界の主である異形、星占いの魔女が現れる。
「ゥアアアーーー!」
星占いの魔女は悲鳴にも聞こえる叫び声をあげると、星型の小さな異形の軍勢、使い魔を召喚する。
「バルディッシュ、久しぶりの出番だね。」
フェイトがバルディッシュを取り出すと、
“エンゲージ!プリーズ…”
エンゲージウィザードリングの力を使い、晴人と仁藤が結界の内部に入って来る。
「おい、仁藤!人が囚われているぞ。速く片付けるぞ!」
“ドライバーオン!プリーズ…”
「おい!皆まで言うなよ!ってかあいつ、どっかで見たことがある気がするんだよな…」
“ドライバーオォン!”
晴人と仁藤はベルトを出現させる。
「変身!」
“フレイム!ドラゴン…ボー!ボー!ボーボーボー!”
「変~身ッ!」
“L!I!O!N!ライオーン!”
晴人はウィザード フレイムドラゴンに、仁藤はビーストに変身する。
「さあ、ショータイムだ!」
「さて、食事の時間だ!晴人、解っているよな!」
「ああ、グリーフシードはお前にくれてやる。」
二人は武器を構えると、使い魔達を撃破してゆく。
「私も加勢します!バルディッシュ・アサルト、セぇーットアーップ!」
フェイトはバリアジャケットを纏い、バルディッシュをサイズモードに変えて使い魔達をなぎ倒してゆく。
「あんた、魔法使いだったんか!?」
ウィザードは驚く。
「おまえ、あの魔女のグリーフシードが狙いか!?やらせねえぞ!」
ビーストはフェイトにダイスサーベルを向けるが、
「危ないっ!プラズマランサー!」
フェイトはビーストの背後に迫ってきていた使い魔を弾魔法で撃破する。
「使い魔は私に任せてください。お二人は魔女本体をお願いします!」
フェイトは共闘の姿勢を示す。
「だってよ、よかったな仁藤。それじゃ、そろそろフィナーレだ!」
“チョーイイネ!スペシャル!サイコー!”
「オッケー!さあ、メインディッシュだ!」
“キックストライク!”
「行くよ、バルディッシュ。雷光一閃!プラズマザンバー!」
フェイトのプラズマザンバーが使い魔を殲滅し、無防備となった星占いの魔女にビーストの必殺キック、ストライクビーストが放たれ、弱った所にウィザードのドラゴフレイムが放たれ、星占いの魔女は撃破され、星占いの魔女はその核であるグリーフシードを残して撃破されると、主が消えたことで結界は消滅する。
「さてキマイラ、いつもの食事だ!」
仁藤はグリーフシードを拾い上げ、グリーフシードをビーストドライバーに近づけると、ビーストドライバーに封印されているファントム、ビーストキマイラはその中の魔力を捕食する。
「あの、それは危険なものですので…」
フェイトは仁藤に注意しようとするが、
「ああいい!皆まで言うな!言いたいことは解る。けど、このグリーフシードってやつに残っている魔力は俺が飼っているキマイラの食料としてすごく役立つんだ。だから、こいつは渡せない。たとえ次元保護国のお偉いさんでもな。」
仁藤はフェイトの素性を知りながらもそれを拒絶する。ビーストのシステムはウィザードの基礎となるアーキタイプであり、ファントムと契約することで契約者にビーストキマイラの魔法と力を与えるが、代償としてビーストキマイラに魔力を与え続けなければその命が尽きてしまう諸刃の剣と言えるシステムである。
「あの、私のことを知っているのですか?」
「おい仁藤、次元保護国ってなんだ?」
仁藤はフェイトと晴人から質問を受ける。
「待て待て、まずは晴人の方から答えるが、次元保護国ってやつは確か数年前に出来た複数の世界の統合国家だって記憶している。俺もその頃はまだキマイラと出会う前で、なんかのニュースでちょろっと聞いて、その時にあんたが優秀な警官だって聞いた。今回も、この世界からファントムが消えて、代わりにこの魔女とかいうのが出てきたことで捜査しているんだろ?」
仁藤は二人の質問を上手く纏めて答える。
「はい。それで、状況を詳しく知りたいのですが。」
「俺は今から7年半くらい前にオーガっていうファントムを倒して、これまで世界各地に散らばったファントムを倒して回っていた。それが一週間くらい前に、凛子ちゃんから連絡があった。なんでも、突然人が行方不明になる事件が多発しているって。俺と仁藤は急いで帰国し、公安0課と連携を取り、何とかその発生源を発見し、そこで初めて魔女と出会った。」
晴人は説明しながら回想する。

「なんだあれ?今までに見たこともないファントムだな。」
晴人が驚いていると、
“晴人よ、奴は我らファントムとは異なる者。むしろお前達魔法使いに近い。どのようなことを行うか我にも検討がつかない。”
晴人の心象世界(アンダーワールド)に巣くうファントム、ウィザードラゴンは晴人に忠告する。
「ヒャハハハハハ!」
目の前の魔女、虐殺の魔女は奇声のような笑い声をあげると使い魔を呼び出す。
「仁藤、ぼーっとしている余裕はないみたいだな。」
“ドライバーオン!プリーズ…”
「そうみたいだな!」
“ドライバーオン!”
「変身!」
“ウォーター!プリーズ…スイ~スイ~スイ~スイ~!”
「変~身っ!」
“L!I!O!N!ライオォン!”
「さあ、ショータイムだ。」
「さあ、ランチタイムだ!」
“ドルフィ!ドドッドッドッドルフィ!”
ビーストはドルフィマントを装備する。
「だったらこっちも!」
“コピー!プリーズ…”
ウィザードは分身する。
「こいつら、結構手強いな!」
ウィザード達は使い魔を必死に倒してゆくが、虐殺の魔女が笑うと使い魔は次から次へと現れる。
「仁藤、お前はあのデカい奴をやれ!」
“ウォーター!ドラゴン…バシャバシャザバーン!ザブーンザブン!”
ウィザードはウォータードラゴンにスタイルチェンジする。
「フィナーレだ。」
“チョーイイネ!スペシャル!サイコー!”
“チョーイイネ!ブリザード!サイコー!”
ウィザードはスペシャルの魔法でウィザードラゴンの尻尾、ドラゴテイルを出現させ、それに凍結効果のあるなぎ払い、ドラゴンブリザードを放ち、使い魔達を一掃しつつ、虐殺の魔女を凍結させる。
「仁藤、今だ!」
「オッケー!さあ、メインディッシュだ!」
ビーストはダイスサーベルのルーレットを回転させ、ドルフィウィザードリングをセットしてルーレットを止める。
“シックス!ドルフィ!セイバーストライク!”
「ぅおらあっ!」
ビーストのセイバーストライクによって、六つのイルカ型のエネルギーが虐殺の魔女を貫き、虐殺の魔女は撃破され、結界は消滅する。
「結界が、消えた?」
晴人達は不思議に思いながら変身を解除する。
「ん?なんだこれ?」
仁藤は虐殺の魔女のグリーフシードを拾い上げる。すると、
“仁藤攻介、その魔力の塊、何やら美味しそうだ!食べさせてもらえぬか?”
ビーストキマイラはグリーフシードに興味を示す。
「どうする晴人?」
「とりあえず、これの形さえ残れば、後は食ってもいいんじゃないか?」
「だってよ、ほら!」
仁藤はビーストキマイラにグリーフシードを与えると、グリーフシードの殻を残して内部の魔力を吸い取る。
“これ以上は食い切れん。あとはくれてやる。”
キマイラは今まで倒したファントムの魔力を食べ残したことはない。かつてヘルヘイムの果実を食べた時も、全て平らげていた。
「どうしたキマイラ?お前が食い残しをするなんて珍しい。」
“その中の魔力、どうにも我らファントム以上の深い絶望の力で構成されているようだ。いざという時のために残しておけ。それまでの間に研究でもなんでも好きにするがいい。”
ビーストキマイラはそう言うと眠ってしまう。

「それから、俺達の町に魔女と暫定的に名付けられた奴らが現れるようになった。」
晴人はフェイトに説明した。
「確かにあの敵の種属は魔女と呼ばれています。実は、本来魔女のいた世界にファントムが現れて、代わりにその世界から魔女が消えました。」
フェイトは晴人達に事情を説明する。
「つまり、俺達の世界のファントムを何者かが魔女のいた世界に送り込んで、魔女を代わりにこの世界に連れ込んだってことか。」
「はい。魔女がいた世界に現れたファントムの方は、現在私の夫が対処しています。」
「そうか、それは心強そうだな。で、君の名前は?」
「私は、フェイト・テスタロッサ。次元保護国警察警部です。」
「俺は操真晴人。フェイトちゃん、よろしく。」
「俺は仁藤攻介。魔法使いってことは俺のライバルがさらなる増えたってわけか。」
三人が自己紹介をしていると、それを遠巻きに見ている影が一つあった。
「なるほど、グリーフシードの魔力はファントムの魔力以上。だとしたら僕達がファントムと協力する利点は無かったわけだ。でも、一応彼との契約もあるから、ここは少し様子見をしよう。何より、海鳴市で戦闘を行った魔法少女がわざわざ来てくれたのはいい誤差だった。もっとも、僕達の世界に行くことは自殺行為か。これで少しは変化のある結果が見られるといいな。」
その白い動物、キュゥべえは足音一つ立てずに去って行った。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「そういうの、いじめられっ子の考えよ。」
「このケルビム様に勝てるものか!」
「仮面ライダーは、決して諦めたりしないんだ!」
「マミさぁぁぁん!」
「この現実が受け入れられないなら、この件から手を引く方がいい。」
次回『もう何もこわくない』 

 

第3話『もう何もこわくない』

「この空間、もしかしてこれが資料で読んだ魔女の結界?」
「おまえ、あの魔女のグリーフシードが狙いか!?やらせねえぞ!」
「それが一週間くらい前に、凛子ちゃんから連絡があった。なんでも、突然人が行方不明になる事件が多発しているって。俺と仁藤は急いで帰国し、公安0課と連携を取り、何とかその発生源を発見し、そこで初めて魔女と出会った。」
「俺は操真晴人。フェイトちゃん、よろしく。」
「俺は仁藤攻介。魔法使いってことは俺のライバルがさらなる増えたってわけか。」
「これで少しは変化のある結果が見られるといいな。」

─装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「リンディ長官、現地での協力者の確保に成功しました。対象は本来の世界で起きる災厄、『ワルプルギスの夜』について確かな情報を持っているため、この事件の黒幕の撃破に貢献してくれる可能性が高いです。そこでお願いがあるのですが…」
“何でしょうか?”
「対象と共に行動するために、マシンディローダーをこちらに転送していただけませんか?」
“解ったわ。少し待っていてもらえますか?”
「はい。了の面倒までみてもらっているのに、その上こんなことまで頼んでしまってすみません。」
“いいのよ。それじゃあ、転送の準備が出来たらまた連絡するわ。”
「ありがとうございます。それでは、失礼しました。」
雅はリンディとの連絡を切る。
「貴方、ワルプルギスのことまで知っているのね。」
「言ったはずです、調べてから来ていると。当然、この事件を裏で操っている奴らのことも。」
ほむらの部屋で雅とほむらは話している。
「そう、それでその黒幕とやらは何者かしら?」
「暁美さんも大方予想が出来ていると思いますが、黒幕の正体はインキュベーター、この星でキュゥべえと名乗り行動している地球外生命体です。」
「やはりね。目的は恐らくより多くの絶望のエネルギーを集めることね。」
「暁美さんもそこまで掴んでいましたか。ただ、どうしても解らないことが一つありまして。奴はどうやって、多次元世界とアクセスすることが出来たのか。」
「そうね、それは私も気になっていたわ。」
ほむらが話していると、雅の携帯にリンディから連絡が入る。
「はい。」
“凪風国家象徴、マシンディローダーの準備が出来ました。”
「わかりました。僕のいる座標に直接転送してください。」
“わかりました。”
リンディはマシンディローダーを雅の所に転送した。
「ありがとうございますリンディ長官。マシンディローダー、転送が完了しました。」
“それでは国家象徴、お気を付けて。”
リンディは通話を切る。
「それで、さっきから出ている国家象徴って何かしら?」
「自己紹介が遅くなくってすみません。僕は凪風雅、こことは違う多次元世界、多次元統合国家の次元保護国の国家象徴になっている者です。」
「あら、国の象徴がわざわざ危険な場所に来るのかしら?」
「これが、僕の仕事みたいなものだから。っと、ファントムが現れたみたいだ。行こう、暁美さん。」
「わかったわ。」
雅はマシンディローダーに乗り、ほむらも後部に乗る。
「しっかり掴まっているんだ。」
雅はマシンディローダーを走らせて現地に向かった。

「私はファントムのケルビム、貴様らのような下劣な者共は絶望し、偉大なファントムの餌となるのが一番だ!」
鳥と獅子の意匠を持つ天使のようなファントム、ケルビムは杖を振るい、人々を攻撃している。
「見つけたぞ、ファントム!」
【CHANGE RIDE-ALTERING-】
雅はディロードライバーをオルタリングに変える。
「行こう、暁美さん。変身!」
雅は仮面ライダーアギト バーニングフォームに変身し、ほむらも戦闘態勢に入る。
「このケルビム様に勝てるものか!」
ケルビムは杖を使って応戦する。
「ハッ!」
アギトはオルタリングからシャイニングカリバーを出現させ、シングルモードに変えてケルビムに斬りかかるが、ケルビムは杖でそれを押さえるとアギトを蹴り飛ばす。
「さて、そこの魔法少女には絶望して新たなファントムを生み出してもらおうか!」
ケルビムはほむらにエネルギー波を放つが、ほむらは時間停止を行ってそれを避ける。
「ええい、ちょこまかと避けやがって。まあいい、そこの仮面ライダーもゲートみたいだ。お前に絶望してもらおうか。」
ケルビムは対象をほむらからアギトに変える。
「これでどうだ!」
ケルビムは杖を振り下ろすが、アギトはシャイニングカリバーでそれを防ぐ。
「何っ!」
「悪いな!仮面ライダーは、決して諦めたりしないんだ!」
アギトの装甲は光を浴びて剥がれてゆき、アギトはシャイニングフォームに変化する。
「一気に決めるぞ!」
アギトはシャイニングカリバーを双剣のツインモードに変える。
「くらえ!シャイニングクラッシュ!」
アギトはシャイニングカリバーを振り翳す。
「くらうものか!」
ケルビムは杖で防ごうとするが、シャイニングカリバーを一閃に杖は完全に破壊され、シャイニングカリバーの斬撃を見事にくらい、
「暁美さん、今です!」
「わかったわ。」
ほむらは時間停止を行い、ロケットランチャーでケルビムを狙撃すると、時間停止を解除し、ケルビムは爆散する。
「これで、穢れが祓えるわ。」
ケルビムの粒子はほむらのソウルジェムに蓄積された穢れを祓う。この世界の魔法少女達は戦えば戦うほどそのコアであるソウルジェムに穢れが溜まり、限界まで迎えると魔法少女として活動出来なくなるのである。
「どうやら、出遅れちゃったみたいね。」
そこにマミが現れる。
「あら、あなたはこの間の。そう、暁美さんと合流したのね。」
「一番事の重大性を理解していますので。」
「あら、本当にそうかしら?ファントムを一人で倒せないから、ファントムの魔力を必要としない人に頼りきりになっている。そういうの、いじめられっ子の考えよ。」
マミは余裕な表情を見せる。
「いじめられっ子の考えね…君は何も解っていない。人は誰だって何かに頼る。案外、そこの民間人を連れているのも、自分が孤独だと思いたくないからなんじゃないか?だとしたら、そんなことに巻き込まれた民間人はいい迷惑だな。」
雅は挑発する。
「言わせておけば!マミさんはお前達とは違う!」
青い髪の少女、美樹さやかは反論する。
「美樹さん、暁美さん達と同じレベルで話しちゃダメよ。それより、ファントムが倒されたなら用はないわ。今日のところは帰りましょう。」
マミはさやか、そしてこの世界の主人公である鹿目まどかを連れて去る。
「暁美さん、彼女が暁美さんの守りたいまどかさんですか。」
「まどかは迷っているだけ。きっと解ってくれるはずよ。まどかが魔法少女になると、多くの悲劇が生まれるってことに。」
「今は見守るしかないか。」
雅とほむらもの帰る。

翌日、新たなファントムの反応が現れる。
「少し遠い、すぐに向かおう。」
雅とほむらは現場に向かう。
「おお~、ここはこのキルケ様の実験場に相応しそうだ。」
魔女のような出で立ちのファントム、キルケは笑いながら爆発性の薬物をばら撒く。
「そこまでだ!」
そこに雅とほむらが現れるが、
「あら、あのファントムを最初に見つけたのは私達よ。」
既にマミがいた。
「君か。何故共闘しようと考えることが出来ないんだ?」
「ソウルジェムを持たないあなたには解らないと思うから言っておくわ。ファントムを倒して、ソウルジェムの穢れを祓えるのは一人だけなの。恩恵を得られない方はただの徒労に終わるの。」
「なるほどね、ファントムや魔女を倒すのは、人々の平和や安全のためではなく、個人の我欲でしたか。」
雅は呆れながらロードスラスターを構える。
「目の前で泣き叫ぶ人々のことが見えない君に、正義を名乗る資格は無い。」
雅はキルケに向かおうとするが、
「あれは私の獲物よ!」
マミは雅とほむらを拘束魔法で捕らえる。
「くっ!」
「見ておくことね。私は暁美さんと違って、一人でもファントムを倒せることをね。」
マミはマスケット銃を出現させてキルケに向かいながら突進する。
「待て!一人では危険だ!」
雅は止めようとするがマミはいうことを聞かず、キルケを攻撃する。
「マズいな。いや、本来あるべき歴史通りではあるが…」
「どうしたの?」
「おそらく、巴マミはこの戦いで死ぬ。その実力が慢心を生んで。」
「なら、ますますもって止める必要があるはずよ。」
「いや、巴マミが死ぬのはこの世界において必要なこと。言ったはずだが、僕の使命は歴史を正しく進ませ、邪魔になる要因を排除すること。今は、例え嫌でも巴マミが死ぬまで待つしかない。」
雅とほむらが話している頃、マミはキルケに善戦していた。
「ちっ、これならどうだ!」
キルケは複数の石を投げ、下級魔族のグールを召喚する。
「その程度かしら?」
マミはグールをマスケット銃で狙撃し、撃破してゆく。
「体が軽い。もう、何もこわくない!」
マミはあっという間にグールを殲滅し、魔法で巨大な砲台を出現させる。
「ティロ・フィナーレ!」
マミは必殺の砲撃を放ち、キルケに直撃する。
「馬鹿な!そんな!」
キルケは断末魔をあげて爆発する。
「ほらね、私一人でもファントムは倒せるの。解ったら…」
マミは自信満々に言うが次の瞬間、爆炎の中から何かが現れ、マミ目掛けて走り出す。
「マミさん、後ろ!」
さやかが気付きマミに知らせるが既に遅く、マミが振り向いた瞬間にその何かはマミの頭部を丸呑みし、首を食いちぎってマミの体を骨一本残さずに捕食してしまった。
「嘘…マミさんが…マミさあぁぁぁん!」
さやか達が怯えていると、雅達を捕らえていた拘束魔法は、使い手を失ったことで溶けて消えてゆく。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「行くぞ、暁美さん。変身!」
雅はディロードに変身し、ほむらも戦闘態勢に入ってさやかに襲いかかろうとするキルケの残滓、キルケ・レムナントの横腹を攻撃して突進を妨害する。
「一気に片付けるか。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディメンションヒストリー!」
ディロードはディケイドを除くクウガからフォーゼまでの12人のライダーと共に必殺キックを放ち、
「暁美さん、今だ!」
「解っているわ。」
ほむらはキルケ・レムナントの口に大量の手榴弾を投げ込み、キルケ・レムナントを撃破させ、その魔力でソウルジェムの穢れを消し去ると、雅とほむらは変身を解除する。
「待て!さっきの魔力はマミさんのだ!」
去ろうとする二人にさやかは怒りをぶつける。
「現実を受け入れるんだ。巴マミはファントムのキルケによって殉死した。」
「けどマミさんは、お前達と違って正義のために戦っていた!」
「彼女のどこが正義だ?」
「みんなが平和に暮らせるように、ファントムと戦っていた!」
「それは僕達も同じだ。だが、彼女は自分が倒すことに拘り、その結果ファントムに捕食された。」
「それは、あいつが卑怯な手段を使ったから!」
「いいかい、この戦いはスポーツじゃないんだ。最終的に敵を殺すまで続く。ソウルジェムの回復を確認しなかった彼女の慢心が、自身の死を招いた。この現実が受け入れられないなら、この件から手を引く方がいい。」
雅とほむらはさやかとまどかから去って行った。
to be continued.

次回予告
「ウィザードの世界で漸くファントムと出会えたけど、何か様子がおかしい。次回、『蛇と火の鳥』」 
 

 
後書き
新カード紹介
オルタリング:ディロードライバーをオルタリングに変えて、仮面ライダーアギトに変身するためのカード 

 

第4話『蛇と火の鳥』

「待て!さっきの魔力はマミさんのだ!」
「現実を受け入れるんだ。巴マミはファントムのキルケによって殉死した。」
「けどマミさんは、お前達と違って正義のために戦っていた!」
「彼女のどこが正義だ?」
「みんなが平和に暮らせるように、ファントムと戦っていた!」
「この現実が受け入れられないなら、この件から手を引く方がいい。」
雅とほむらはさやかとまどかから去って行った。

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える─

「リンディ長官、リンディ長官!駄目だ、連絡がとれない。」
フェイトは経過報告を行おうとするが、フェイトの連絡がリンディに繋がることは無かった。
「どうやら、何者かが魔法による通信の妨害をしているみたいで、現状の報告ができません。」
「そうか。さすがに世界が違うから、電話で連絡も厳しいか。まあ、俺達は俺達で魔女を倒しながらファントムを見つけ出そう、フェイトちゃん。」
状況を説明するフェイトに晴人は軽く言う。
「それより、どうしてファントムが見つからないんだ?キマイラも困っているぜ。グリーフシードの魔力はご馳走だけど、食べ過ぎが怖いって言っている。」
「仁藤さん、そう言う話では…っ!魔女の反応が出ています。バルディッシュ、ここからどれくらい?」
[南西に約20kmの距離に反応あり]
「20キロならそんなに遠くないか。行きましょう。」
フェイトの索敵魔法が反応し、フェイト達は反応のある場所まで向かう。

「またすごいことになっているな。」
“ドライバーオン…プリーズ…”
「さて、さすがにそろそろ処理方法を考えないとな。」
“ドライバーオォン!”
「行くよ、バルディッシュ。」
[yes sir!]
三人は目の前にいる擬態の魔女を前に変身の準備を整え、
「変身!」
“フレイム…プリーズ…ヒー!ヒー!ヒーヒーヒー!”
「変~身っ!」
“L!I!O!N!ライオーン!”
「バルディッシュ・アサルト!セぇーットアーップ!」
晴人はウィザードに、仁藤はビーストに変身し、フェイトもバリアジャケットを纏う。
「さあ、ショータイムだ。」
「さあ、食事の時間だ!」
「フェイト・テスタロッサ、行きます!」
三人は武器を構える。
「ゥワァァァァァ!」
擬態の魔女は叫び声をあげると使い魔を呼び出すが、使い魔達はすぐさま体をぐねぐねと動かし、かつてプレシアが使役していた傀儡兵に姿を変える。
「あれは、母さんの傀儡兵!?使い魔は私に任せてください!」
「ああ、わかった。行くぞ、仁藤!」
“ドラゴライズ…プリーズ…”
「オッケー!さあ、メインディッシュだ!」
“キマイライズ!ゴー!”
ウィザードとビーストはそれぞれ契約しているファントムを召喚して騎乗し、擬態の魔女に向かってゆく。
「行くよ、バルディッシュ。プラズマランサー!ファイア!」
フェイトはプラズマランサーを放ち、傀儡兵達を撃破してゆく。
「向こうも派手にやっているな!こっちも暴れようぜ、キマイラ!」
「うむ!」
ビーストキマイラは凄まじい速度で突進するが、擬態の魔女は巨大ファントムのウロボロスに擬態してその突進を避ける。
「ドラゴン、俺に力を貸せ!」
“ドラゴタイマー!セットアップ!ファイナルタイム! オールドラゴン!プリーズ…”
ウィザードはかつてウロボロスを倒した時と同様にドラゴンの力を解放してオールドラゴンにスタイルチェンジする。
「晴人さん達も頑張っているんだ。私達も頑張ろう。サンダーレイジ!」
[thunder raze.]
フェイトはサンダーレイジを放ち、広範囲の傀儡兵達を纏めて撃破する。
「どうやら順調みたいだな。っと!」
ウィザードはフェイトの戦況を観て体勢を整えていると、擬態の魔女は不利と認識してウロボロスから巨大ファントムのジャバウォックに擬態する。
「よし晴人、あいつは俺に任せろ!」
“キックストライク!ゴー!”
ビーストはかつてジャバウォックを倒した時と同様に必殺技を発動し、ビーストキマイラは獣の足を彷彿させるストライクモードに変形。ビーストはビーストキマイラで敵を踏みつけるバイティングビーストを放ち、擬態の魔女は撃破される。
「やった!」
魔女が倒されたことで使い魔達も結界と共に消滅する。
“晴人よ、我々も撤退させてもらう。”
“仁藤攻介、グリーフシードはいつものようにドライバーを通せ。あれはそのまま食べるのは体がキツい。”
召喚されたドラゴン達も晴人達のアンダーワールドとビーストドライバーの中に戻る。
「それにしても、グリーフシードは本当に謎だらけだよな。」
仁藤はグリーフシードを広い、キマイラに食べさせる。
「確かに。本来魔女は魔法少女のソウルジェムの穢れにあわせて生まれるはずなのに、この世界でこんな大量に生まれるなんて。」
「フェイトちゃん、そのことについては面影堂に戻ってから話そう。」
「はい。」
晴人達は状況整理の為に拠点である面影堂に戻る。

「おっちゃん、ただいま。」
「おお晴人、お帰り。」
晴人達が帰ると、面影堂の主である輪島繁が出迎える。
「晴人君、お帰り。久しぶりね。それで、隣にいる女性は何方かしら?」
「あっ、仁藤さんもいるんですね。って、その隣にいる女性は誰ですか!?」
凛子と瞬平は久しぶりに晴人達に会い、嬉しそうに挨拶するが、横にいるフェイトを見て驚く。
「知らないのか?次元保護国とかいう凄い所のお偉いさんの奥さんだぞ。」
驚く二人に対して仁藤はあっけらかんとした表情で答える。
「次元保護国って、確か数年前に出来た統合国家よね。」
「はい。私は次元保護国の警察庁警部、フェイト・テスタロッサと申します。」
フェイトは自己紹介をする。
「こちらこそよろしくお願いしますテスタロッサ警部。」
「あ、フェイトで大丈夫です。」
「わかったわ、フェイト警部。」
凛子はフェイトに対して他の警察官に対する対応と同様の対応をするが、フェイトが名前で呼ぶように促し、凛子はそれにあわせた対応に変える。
「それで、どうしてフェイトはここにいるんですか?もしかして、晴人さんに憧れて魔法使いになりたいんですか!?」
瞬平は事情が掴めておらず、フェイトに質問する。
「いえ、この世界の仮面ライダーは魔法使いという情報を基に、魔導師の私が適材適所と判断され、今回の事件の担当になりました。」
「えぇー!?フェイトさんも魔法使いなんですか!?」
瞬平はフェイトの言葉を聞き、驚く。
「それよりも、ファントムじゃない敵か。」
「ああ、確か呼び名は魔女で問題ないんだよな?」
「はい。私も詳しく聞かされてはいませんが、魔法使いの女の子の絶望のエネルギーによって生まれると聞いています。」
輪島と晴人の会話を聞き、フェイトは補足する。
「絶望のエネルギーか。なら、あれはやっぱりキマイラの新しい餌だな!」
フェイトの話をしっかり聞いた仁藤は魔女がファントムの替わりの食料になると納得する。
「それで、晴人さんのために新しい指輪を作ってきました!」
瞬平は晴人にあるウィザードリングを渡す。
「これって…ディロード…」
そのウィザードリングはディロードの頭部を象った見た目であり、フェイトは反応する。
「ディロード?フェイトちゃんは何か知っているのか?」
「はい。それはおそらく、私の夫が変身する仮面ライダーの力を宿していると思います。」
「なるほどね。」
“シャバドゥビタッチヘンシーン…シャバドゥビタッチヘンシーン…”
晴人はディロードウィザードリングをウィザードライバーの変身用モードでスキャンする。
“ギャクサイド!”
しかし、ディロードウィザードリングは変身用のリングではなかったため、ウィザードライバーから発動を拒否される。
「なるほどね。」
“ルパッチマジックタッチゴー!”
晴人はウィザードライバーの手、ハンドオーサーを魔法発動用に切り替えて再びディロードウィザードリングをスキャンする。
“エラー!”
しかし、スキャンしたリングの効果は発動されない。
「瞬平、これ失敗作だろ。」
晴人は言う。
「いや、そんなこと無いはずだぞ?俺も隣で見ていたから、これが完成品だってわかる。もしかしたら、魔女が現れたことと何か関係があるのかもしれない。」
輪島は推測する。すると、偵察に行っていた晴人の使い魔、プラモンスターのレッドガルーダが帰還し、発見したものを報告する。
「みんな、どうやら魔女だけじゃなくて、ファントムも現れたらしい。行くぞ。」
晴人達はレッドガルーダに案内されて目的地に向かう。

「ちっ、また生まれたのは魔女か。」
「もしかして、私達はあいつに騙されているんじゃないの?」
晴人達が目的地に着くと、二体のファントムが新しく生まれた魔女、記憶の魔女を見て残念そうに見ながら撃破する。
「お前達、フェニックスにメデューサか!?」
晴人達は警戒する。
「誰かと思えば、指輪の魔法使いか。まったく、僕をあんな脳筋野郎と一緒にしないでほしいな。」
「私の方こそ、あんな性悪女と一緒にしないでもらえる?」
「僕はファントムの朱雀。」
「私はファントムのゴルゴン。私達もファントムが生まれなくて大変なの。あなた達の相手をしている余裕はないわ。」
二体のファントム、朱雀とゴルゴンは呆れるように言う。
「それで、今は何を?」
フェイトはバルディッシュを構えながら朱雀達に質問する。
「僕達はあいつの口車に乗せられて、魔女のいた世界にファントムを送り、その代わりに魔女をこちらの世界に連れてきてもらった。その結果、ゲートになるのは常に子供なうえ、絶望させてもファントムが生まれずに魔女しか生まれない。僕達はあいつに騙されたんだ!」
朱雀は苛つく。
「それで、そのあいつとは、一体誰のことですか?」
「僕達を騙して、この世界の絶望のエネルギーを独り占めしようとしている奴はキュゥべえだ。あいつの所為で、僕達ファントムは壊滅状態だ!しかも、ファントムを向かわせた世界でも仮面ライダーがどんどん僕達を倒していっているらしいじゃないか!」
朱雀は話をはじめた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「やっぱり、知っている人が戦死するのはつらいですか?」
「私にはもう関係ないことよ。」
「ほむらちゃんも、もっと仲良くなってくれればきっと!」
「君はもう、関わらない方がいい。」
「この見滝原は、このさやかちゃんに任せなさい!」
次回『望みと我欲を間違えないほうがいい。』 

 

第5話『望みと我欲を間違えないほうがいい』

「本来魔女は魔法少女のソウルジェムの穢れにあわせて生まれるはずなのに、この世界でこんな大量に生まれるなんて。」
「次元保護国って、確か数年前に出来た統合国家よね。」
「それで、晴人さんのために新しい指輪を作ってきました!」
「僕達を騙して、この世界の絶望のエネルギーを独り占めしようとしている奴はキュゥべえだ。あいつの所為で、僕達ファントムは壊滅状態だ!」

─装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「やっぱり、知っている人が戦死するのはつらいですか?」
雅は俯いているほむらに尋ねる。
「私にはもう関係ないことよ。」
ほむらはきっぱりと答える。
「それは、心の底から思っている本心ですか?」
「あなたもしつこいわね。」
「それは失礼しました。それで、これからどうしますか?」
「決まっているわ。まどかを説得する。彼女は今ならまだ引き返せる。今度こそ、まどかを魔法少女にさせないわ。」
ほむらは立ち上がる。
「そうか。それより、そろそろ学校の時間だ。行こう。」
「行こう?どういうことかしら?」
「この世界での僕の職業は、見滝原中学の国語の教師。とはいえ、暁美さんと一緒に登校すれば怪しまれる。僕は先に向かわせてもらう。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は既にスーツに着替えており、ワープのアタックライドを使って見滝原中学に向かった。
「彼の目的は一体何かしら。」
ほむらも着替えて見滝原中学に向かった。

「あんた、なんでここにいるのさ!」
ほむらが登校すると、雅はさやかにからまれていた。
「ここの教師なんだからいて当然でしょう。それより、早く教室に入らないと、遅刻するぞ。」
雅はさやかにそう言うと職員室に向かう。
「それで、一体僕達に話とは何かな?」
放課後になり、まどかは近くのファーストフード店に雅とほむらを呼び、会話をはじめる。
「えと、その…あの時はありがとうございます…」
「礼はいいわ。それより鹿目まどか、貴方はもう魔法少女の件から離れた方がいいわ。」
「ほむらちゃん、どうしてそんなに余所余所しいの?」
「事実、貴方と私は他人よ。」
「そう…なのかな…前にも言ったと思うけど、私は夢の中でほむらちゃんに会ったことがあるの。だから」
「だから何?」
「私がみんなにほむらちゃんをちゃんと紹介する。そうすればほむらちゃんも、もっと仲良くなってくれればきっと!」
「私にはそんなもの必要ない。」
「でも…」
「必要ないって言っているでしょ!いい加減にして!」
ほむらは怒りとも嘆きともとれる声でまどかを怒鳴る。
「えと…あの…」
まどかは怯えた表情でほむらを見る。
「ごめんなさい、取り乱してしまって。」
それを見たほむらは咄嗟に謝る。
「鹿目さん、とにかく君はもう、関わらないほうがいい。」
「はい…わかりました…」
雅は宥めるように言い、まどかは頷く。
「それでは、失礼いたします。」
雅は飲んでいたアイスティーの入っていた紙コップを廃棄してファーストフード店から出る。
「鹿目まどか、私もこれで失礼するわ。あなたは今のままでいい。これは警告よ。」
ほむらは睨むようにまどかを見て、そう言うと出て行く。
「どうしてわかってもらえないんだろう…」
まどかは一人俯きながら呟いた。
「大丈夫ですか?」 
「まどか…どうして解ってくれないの…あなたが魔法少女になることで、悲しむ人もいるのに…」
ほむらは俯く。
「ファントムが現れた。今日は僕一人で片付ける。暁美さんのソウルジェムはまだ汚れていない。今日はゆっくり休む方がいいでしょう。」
「…解ったわ。あなたに任せようかしら。」
ほむらは帰路に向かう。
「さて、そろそろ確認したいこともあるからな。」
雅はマシンディローダーを走らせる。

「さあ、貴方の希望をこのヴァンパイア様に渡し、新たなファントムを生み出しなさい。」
ファントムのヴァンパイアは女性に対して近寄り、巨大な翼を広げる。
【ATTACK RIDE-BLAST-】
「そこまでだ!」
雅はロードスラスターをマシンディローダーにセットし、貫通性の低い弾でヴァンパイアを撃ちながら現れる。
「ちっ、仮面ライダーか!」
「今です、逃げて下さい。」
「ありがとうございます!」
雅は女性を安全な場所に逃がす。
「よくもゲートを逃がしたな!」
「悪いが、人々の平和を守るのが仮面ライダーの使命だからな。」
【CHANGE RIDE-KIVATT BELT-】
「よっしゃー!行くぞ、雅!ガブッ!」
「変身!」
雅はディロードライバーをキバットベルトに変えて仮面ライダーキバに変身する。
「キバット、バッシャーフォームで行こう。」
「オッケー!来い、バッシャーマグナム!」
キバはキバットにバッシャーフエッスルを噛ませ、召喚されたバッシャーマグナムを右手で持ち、バッシャーフォームに変身する。
「ハッ!」
キバはバッシャーマグナムでヴァンパイアを撃ち続ける。
「ぐぅっ!来い、グール!」
ヴァンパイアはグールを召喚する。
「出て来たか。」
「お前達、後は任せた!」
ヴァンパイアは翼を広げると、羽ばたいて逃走する。
「逃げられたか!とにかく、グールはどうにかしないと!」
キバはバッシャーマグナムによる射撃でグール達を一掃する。
「今ならまだ間に合うか。」
【ATTACK RIDE-MACHINE KIVA-】
キバは予め取り出しておいたライダーカードをマシンディローダーにスキャンし、マシンディローダーをマシンキバーに変えてヴァンパイアを追跡する。しかし、目の前に現れた人影を見てキバは止まる。
「待ちなさい!あんた、あの転校生の仲間だろ!」
人影の正体、さやかはキバを止める。
「邪魔しないでもらいたい。今ファントムを逃がせば、どれだけ被害が広がるかわからない。」
「それが何!あんたも、ファントムの魔力が狙いでしょ!」
「美樹さんは勘違いをしている。僕はこの世界の人間ではない。この世界にファントムが現れるということは、言わば異常事態だ。僕はその異変を解決するためにこの世界に来た。本当なら、魔導師である僕の妻に任せたかったが、この世界の魔法少女は何かと攻撃的だから、危険だと認識して僕が来た。」
「当然でしょ!ファントムを倒さないと、ソウルジェムが!」
「そのソウルジェムが何か知らないのに、そんなのことを言わない方がいい。」
「だったら、魔法少女になれば言ってもいいってことだよね。」
「そうではない。とにかく、美樹さんも今の幸せを失いたくないなら、この件は不幸な事件だったと思って忘れてほしい。僕も魔法少女と戦いたくはない。なるべくならこの世界の歯車がズレる前に事件を解決して魔女が現れた世界に向かいたい。」
「ちょっと、魔女が現れている世界ってどういうこと!?」
「言葉通りの意味です。本来ファントムのいない世界にファントムが現れたとなれば、ファントムのいた世界に魔女が現れてもおかしいことではない。そちらの方は妻が現地の協力者と解決に向かっているはずだ。」
「はずってどういうこと!?」
「本来、捜査の情報は話してはいけないが、美樹さんの安全のためにも言うしかないか。本来ファントムのいた世界、『仮面ライダーウィザード』の世界にいる妻と連絡を取ろうとしても、向こうの世界に何らかの通信妨害の結界が張られているらしく、連携がとれなくなっている。どうやら黒幕は、二つの世界で情報共有されることが不都合らしい。敵はそれくらい危険な奴だ。だから、この件は僕に任せてもらえないか?」
「そう言って、あの転校生にファントムの魔力をあげたいだけでしょ?」
「彼女は最低限、この世界の異常事態にいち早く気づいて行動していた。僕としては理論的に考えることの出来る現地協力者という認識だ。」
「どうだか。なら私が魔法少女になったら、私と協力してくれる?」
「何を言っているんだ。少しは自分の身体を大切にしろ!」
「ほら、やっぱりそう言う。言っとくけど、私は本気で魔法少女になるから。」
「そうか。それなら一つだけ忠告しておく。願いと我欲を間違えないほうがいい。」
「何よそれ。」
「それが打算の無い純粋な願いなら自分を見失わない。だけど、心のどこかに少しでも願い以上の打算があれば、その打算がズレた時に人の心は簡単に折れる。だから」
「それでも、私は叶えたい願いがあるの。邪魔しないで!」
さやかはキバの言葉を遮りを去ってしまう。
「まったく、僕達の邪魔をしないでもらえるかな。」
そこにキュゥべえが現れる。
「お前の策略ということか、インキュベーター。」
キバは変身を解除し、雅はキュゥべえを切り裂くと、キュゥべえの肉体は一瞬のうちに肉片になる。しかし、
「君も僕達のことを調べているなら、こんなことに意味が無いことは解っているだろう?」
キュゥべえは新たに現れ、先ほど雅が切り倒したキュゥべえの肉片を捕食して証拠を隠滅する。
「ファントムをこの世界に呼び寄せ、ウィザードの世界に魔女を送ったのはお前だな?」
「流石は装填の守護者だ。そうだよ。」
「何が狙いだ!」
「僕はただ、確かめたいんだよ。ファントムと魔女、どちらがよりエネルギーの回収に適しているか。」
「そんな下らないことのために、二つの世界を滅茶苦茶にさせるものか。」
「残念だけど、もう止められないよ。」
キュゥべえはそう言うと、去って行く。
「こっちにも逃げられたか。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープを使いほむらの家に向かう。
「暁美さん、やはりこの世界にもキュゥべえはいた。」
「そう。予想通りね。目的はやっぱりファントムが生まれる時に発生するエネルギー?」
「ええ。」
「相変わらずね。それで、ファントムの方は?」
「美樹さんの妨害にあって逃げられてしまいました。」
「彼女らしいといえばらしいわね。」
「彼女が道を踏み外さないといいが…」
「残念だけど、もう諦めるしかないわ。」
「そうですよね…」
雅は残念そうに呟いた。

翌日、再びヴァンパイアは現れる。
「むむっ!こやつは最上級のゲートだな。」
ヴァンパイアは偶然にも見つけたまどかに狙いを定める。
「えっ、私がゲート?」
まどかは怯える。
「さあ、死への恐怖で絶望して新たなファントムを生み出しなさい。」
ヴァンパイアはまどかに手を伸ばす。しかし、
「はっ!」
雅が横からヴァンパイアを蹴り倒す。
「また出たな、仮面ライダー!」
「今度こそ決着をつける!」
雅はキバットベルトのカードを取り出すが、
「そいつは私の獲物よ!」
そこにさやかが現れる。
「美樹さん、結局あなたはその道を進むのですね…」
「もうこれ以上、あんたと転校生に好き勝手させないんだから!」
さやかは青いソウルジェムを取り出し、魔法少女に変身する。
「この見滝原は、このさやかちゃんに任せなさい!」
さやかは剣を出現させて引き抜いた。
to be continued.

次回予告
「ついに見つけた黒幕の正体。掴むことの出来ない真実。魔法使い達は…次回『植え付けられた絶望』」 
 

 
後書き
新カード紹介
マシンキバー:マシンディローダーをマシンキバーに変えるカード 

 

第6話『植え付けられた絶望』

「今度こそ決着をつける!」
「そいつは私の獲物よ!」
「美樹さん、結局あなたはその道を進むのですね…」
「もうこれ以上、あんたと転校生に好き勝手させないんだから!」
さやかは青いソウルジェムを取り出し、魔法少女に変身する。
「この見滝原は、このさやかちゃんに任せなさい!」
さやかは剣を出現させて引き抜いた。

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いは、その輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える─

「僕達はキュゥべえに騙されていたんだ!」
朱雀は叫ぶ。
「キュゥべえ、なんだそりゃ?」
仁藤は聞く。
「キュゥべえ、確か資料によりますと、魔女の存在した世界で特定の少女の願いを叶えて魔女と戦う戦士、魔法少女を誕生させる魔法少女共通の相棒のはず。」
仁藤の質問にフェイトが解説する。
「あらあら、そのキュゥべえが私達に取引を申し込んできたのよ。」
「どういうことだ?」
「そのまんまの意味さ。」
朱雀は数週間前におきた出来事を話し出す。

「君たちがこの世界に存在する絶望から生まれた存在、ファントムかい?」
キュゥべえは朱雀とゴルゴンの前に現れる。
「あんた、ファントムとは違うね。一体何者だい?」
ゴルゴンは頭部の蛇を使いキュゥべえを包囲する。
「やめてくれないかな。ボクは基本的に戦いたくはないんだ。ただ、ちょっとした取引をしたいんだ。」
「取引?」
「そうさ。ファントムは人間の絶望によって誕生する。」
「正しくは、ゲートの持つ希望を絶望に変換させることでゲートの結界を解く、といったところだけどね。」
「その希望から絶望に変換される時、そしてゲートがファントムに変換される時、その二つのタイミングで、熱エネルギーが発生していることを、君たちファントムは知っているかい?」
「それは初耳だ。」
「僕達の世界にも、魔女と呼ばれる人間の絶望をトリガーに誕生する存在があるんだ。」
「なるほどね、君の言いたいことはわかった。僕達ファントムとその魔女とやらを交換しないか、ということだろう?」
朱雀はキュゥべえに尋ねる。
「察しがいいね。僕達の世界にはファントムを積極的に倒そうとする仮面ライダーは存在しない。それに、ファントムというのはこの世界の固有のものだろう?ボクとしては、別の世界で魔女を生み出せるのか疑問に思っていてね、同じ実験を行うとしても、似た条件で行いたいんだ。」
「それで、実験をするのは勝手だけどあなたの最終目的は何かしら?」
「ボク達はこの宇宙の存続に必要なエネルギーの補充が目的さ。ボク達は様々な方法で効率の良いエネルギーの回収方法を探していてね、この感情の燃焼というものはずば抜けて高いエネルギー効率を持つんだ。そこで、ボク達はゲートから発生する絶望のエネルギーを使わせてもらいたいんだ。」
「宇宙の存続?一体何のことだい?」
「宇宙も一つの生命体だ。活動を続ければエネルギーを消耗して消滅してしまう。それを阻止するために、ボク達は活動しているんだ。この宇宙が消えることは、生命体である君たちファントムにとっても都合が悪いんじゃないかな?」
「確かに、それは都合が悪いね。どうするゴルゴン?」
「この状況で断れる雰囲気?ここは取引に応じておく方がいいわ。」
朱雀とゴルゴンはキュゥべえの持ちかけた取引に応じる。
「物わかりがよくて助かるよ。それじゃあ、この魔女を君たちにプレゼントするよ。」
キュゥべえは異空間で待機させていた願いの魔女を呼び寄せる。
「こいつが魔女ってやつか。」
「私達ファントムより純粋な魔力を持っていそうね。来なさい、リビングデッド!」
「ゴルゴン様、何でしょうか?」
「あいつと一緒に異世界に行って新たなゲートを見つけて、ファントムを生み出してきなさい。」
「わかりました。」
ゴルゴンはファントムのリビングデッドを呼び寄せ、『まどか☆マギカ』の世界に向かわせた。

「それが実際はどうだ?魔女がこの世界に現れてから、ゲートは子供しか見つからない。その上、ゲートを絶望させてもファントムは生まれずに魔女しか生まれない。」
「まさか、私達の仲間を増やしたいって考えにつけ込んで騙してくるとはね。」
朱雀とゴルゴンは人間態になり怒りをみせる。すると、
「別に、騙したわけじゃないんだけどな。」
そこにキュゥべえが現れる。
「おい、あれだけのことをしておいてしらばっくれるつもりか!」
朱雀はキュゥべえを怒鳴りつける。
「騙したも何も、君たちファントムは取引に応じたじゃないか。」
「じゃあどうして魔女が生まれてファントムが生まれないのよ!」
「当たり前じゃないか。この世界には君たち以外のファントムが存在せず、魔女がこの世界の脅威になっているんだ。この世界は今、『仮面ライダーが魔女と戦う世界』に変わっているんだ。」
「ならどうして最初に言わなかった!」
「聞かれなかったからさ。君たち感情を持つ生物は何時だってそうだ。一時の感情で契約に応じておきながら、〝こんなはずじゃない〟〝話が違う〟〝聞いていない〟と言って憤慨する。契約を結ぶからには、予め聞くべき内容はしっかり聞くべきだ。自分にとって有益となる情報、不利になる情報をしっかり聞かないで契約を結んだんだから、その結末に文句を言われても困るね。」
怒りをぶつける朱雀とゴルゴンにキュゥべえは冷たく答える。
「んな、あいつ身勝手じゃないか!」
キュゥべえの態度に仁藤も怒りをみせるが、
「仁藤さん落ち着いてください。キュゥべえに感情的な会話は通用しません。それよりも、まずは!」
フェイトは仁藤を落ち着かせ、バルディッシュをアックスモードに変えるとキュゥべえを一刀両断する。
「おい!なんでそいつを殺した!」
フェイトの行動に朱雀は驚く。
「落ち着いてください。」
フェイトが言うと、
「まったく、夫婦揃って同じことを繰り返す。ボクの肉体を壊すのはいいけど、新しい肉体を用意するエネルギーはゲートから発生するエネルギーを使っているんだ。エネルギーの無駄遣いをさせないでほしいな。」
キュゥべえが現れて先程出来た肉塊を捕食する。
「どういうことだ…」
晴人は目の前の光景にただ驚く。
「ボク達にとって、肉体や意思なんてものは些細なものでしかない。それを大事にしているこの星の命にはまったくもって共感できない。」
キュゥべえは肉塊を食べきると自身が幾度も現れる理由を説明する。
「待って。夫婦揃ってっていうことは、雅も向こうの世界でキュゥべえを?」
「その通りさ。彼はイレギュラーな魔法少女と結託してファントム狩りもしている。」
「雅が!?でも、どうしてキュゥべえがその情報を?」
「ボクは両方の世界を行き来しているからね。そのくらいのことは知っているよ。」
「もしかして、雅と連絡が取れないのは、キュゥべえが何か結界を?」
「別に隠すことじゃないから話すけど、君の推測通りさ。君達に連絡を取られると都合が悪いからね。特に、この世界は今回の実験の要なんだ。邪魔されると困るんだ。」
キュゥべえはフェイトの質問に対して無関心そうに答える。
「待て!向こうの世界に仮面ライダーは現れないんじゃなかったのか!」
「それは通常の話さ。本来の歴史から外れた所謂外史と呼ぶべき世界に関してはボク達の管轄外だ。」
「なんなんだよ!さっきからただ言葉を発しているだけで。お前には心が無いのか!」
「また心か。生憎、ボクの星では心と呼ばれるものは邪魔なものでね、そんなものは持ち合わせていないんだ。それより、そろそろ向こうでの実験の結果を観測したい。ここら辺でおさらばさせてもらうよ。」
キュゥべえはそう言うと、駆け足で去ってしまった。
「待て、まだ話が…」
晴人はキュゥべえを呼び戻そうとするが、
「駄目です。反応が完全にロストしています。」
フェイトの探知魔法の範囲からキュゥべえの反応は消えていた。
「仮面ライダー、それから魔導師。頼める義理では無いが、共闘しないか?」
朱雀は提案する。
「共闘?一体何を企んでいる?」
「僕達だって、あいつに騙されて腹が立っているんだ。せめて全ての魔女を消し去りたい。そうしないと、僕達ファントムも存在できない。」
「本当か?そう言って後ろからザックリなんて言わないよな?」
晴人と仁藤は今までのファントムの傾向から、朱雀達を疑う。
「とにかく、疑っている余裕は無いみたいよ。」
ゴルゴンが言うと、晴人達の後ろから魔女結界が広がり、悪戯の魔女が現れる。
「どうやら、ここは共闘する方がよさそうだな。変身!」
「まっ、晴人が言うんならそうなんだろうな。変ん~身っ!」
晴人達は変身し、悪戯の魔女と交戦する。
「キャハハッ!」
悪戯の魔女は笑いながら使い魔を仕向けるが、
「プラズマランサー!」
フェイトのプラズマランサーが貫き、
「食らいなさい!」
ゴルゴンが頭部から放った蛇達が使い魔を穿つ。
「こいつでどうだ!」
“スペシャル ラッシュ…プリーズ…”
ウィザードはスペシャルラッシュウィザードリングを使い、紅に染まったオールドラゴン、ウィザード スペシャルラッシュにスタイルチェンジする。
「んじゃ、俺も!」
“ハァーイパー!ゴー!ハイハイハハイ!ハイパー!”
ビーストもハイパーウィザードリングを使ってビーストハイパーにパワーアップする。
「さあ、フィナーレだ!」
“チョーイイネ!キックストライク!サイコー!”
「さあ、メインディッシュだ!」
“キックストライク!ゴー!ハァーイパー!”
ウィザードとビーストハイパーは必殺技を発動し、ダブルライダーキックを放つ。しかし、
「キャハハッ!」
悪戯の魔女は笑うと、自身の前にバリアを展開する。
「くっ!」
「マジか!」
ウィザードとビーストのキックはバリアに妨げられそうになるが、
「行くよ、バルディッシュ。撃ちぬけ、雷神!」
[jet zanber!]
「ハァーッ!」
フェイトはジェットザンバーを放ち、悪戯の魔女のバリアを粉砕し、ダブルライダーキックは悪戯の魔女を貫き、悪戯の魔女は撃破されグリーフシードが落下する。
「仮面ライダー、それから魔導師、魔女に関しては僕達もどうにかしたい。情報を共有できないか?」
朱雀は変身を解除した晴人達に頼み事をした。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「あんたには関係ないでしょ!」
「ファントムを倒すのは、本来仮面ライダーが行わないと、歴史が大きく歪んでしまう。」
「ファントム狩りもいいけれど、魔法少女の敵は魔法少女だってーの!」
「お願い、二人を止めて!」
次回『だったら殺すしかねぇじゃん!』 

 

第7話『だったら殺すしかねぇじゃん!』

「キュゥべえ、確か資料によりますと、魔女の存在した世界で特定の少女の願いを叶えて魔女と戦う戦士、魔法少女を誕生させる魔法少女共通の相棒のはず。」
「あらあら、そのキュゥべえが私達に取引を申し込んできたのよ。」
「物わかりがよくて助かるよ。それじゃあ、この魔女を君たちにプレゼントするよ。」
「まさか、私達の仲間を増やしたいって考えにつけ込んで騙してくるとはね。」
「仮面ライダー、それから魔導師、魔女に関しては僕達もどうにかしたい。情報を共有できないか?」

─装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「この見滝原は、このさやかちゃんに任せなさい!」
さやかは剣を出現させて引き抜く。
「そういうわけにもいきません。ファントムは本来は僕達仮面ライダーの世界の怪人。その為にも僕はこの世界に来ているのですから。変身!」
【CHANGE RIDE-KIVATT BELT-】
「キバって、ゴー!」
雅はディロードライバーをキバットベルトに変えてキバに変身する。
「今度は逃がさないぞ!」
キバはガルルフエッスルを取り出し、キバットに噛ませる。
「ガルルセイバー!」
キバットがガルルフエッスルの音色を奏でたことによりガルルセイバーが召喚されキバはそれを右手で握り、キバはガルルフォームに変身する。
「さやかさんが魔法少女になったのなら仕方ありません。ヴァンパイアの動きはこちらで抑えますので、さやかさんはトドメをお願いします。」
疾風の剣士とも呼ぶべきガルルフォーム、その速度はキバの最強フォーム、エンペラーフォームをも超え全フォーム中最速である。縦横無尽に駆け回るキバにヴァンパイアは翻弄され、その最中でもキバは着実に斬撃をヴァンパイアに放ってゆく。
「ガルルバイト!」
キバはガルルセイバーをキバットに噛ませて必殺技を発動。キバのエネルギーの源である魔皇力によって辺りは暗闇に変わり、三日月が浮かび上がる。
「えっ!?一体どういうこと!?」
さやかは驚くが、キバはガルルセイバーを咥えながら高く跳びあがり、急降下。必殺の斬撃、ガルル ハウリングスラッシュが放たれ、ヴァンパイアの喉と心臓を切り裂き、
「さやかさん、今です!」
「あっ、あんたに言われなくても!」
キバに呆気をとられていたさやかはキバの言葉にハッと我に返り、キバに悪態をつきながら無数の剣で斬撃を放ち、ヴァンパイアを撃破。その魔力によってさやかのソウルジェムの汚れは祓われる。
「ファントムを倒すのは、本来仮面ライダーが行わないと、歴史が大きく歪んでしまう。出来ることならこの件は僕に任せてほしい。これ以上歴史が改竄される前に。」
雅は変身を解除し、さやかに話す。
「あんたには関係ないでしょ!これは私達魔法少女の問題!あんたこそ関わってこないで!あんたとあの転校生が突っ込んでこなかったら、マミさんだって!」
「いつまでその事を引っ張るつもりですか。あれは彼女の慢心からおきた出来事です。現実から目を背けないでください。」
さやかの感情的な言葉に雅は冷静に話す。
「そうやって言い訳をして逃げているのはあんたたちでしょ!」
「言い訳なんてしていません。」
「いい加減にして!とにかく、もうあんたは出て来ないで!行こう、まどか。」
さやかはまどかを連れて去って行く。その様子を展望台の望遠鏡で除いている一人の少女がいた。
「ふ~ん、あれがあんたの言っていたイレギュラーに協力している危険な奴?」
ショートデニムを履き、ミントカラーのパーカーを着た少女、佐倉杏子はキュゥべえに聞く。
「ああ、彼はこの世界の人間では無い。この世界において、どれだけ被害を出すかまだ不明だ。被害が大きくなる前にイレギュラーな魔法少女と一気に倒してほしい。」
キュゥべえは杏子に言う。
「いいじゃんいいじゃん。イレギュラーまみれだけど、その方がやり甲斐があるってもんだ。楽しくなってきたよ!」
杏子はチョコレートをコーティングしたプレッツェルを食べながら楽しそうに雅を見ていた。

「ただいま。」
雅はほむらの家に戻る。
「それで、美樹さやかは?」
ほむらは気がかりになっていることを雅に尋ねる。
「やはりさやかさんは魔法少女になりました。無闇矢鱈と争って面倒事が増えるのは行動に支障を来すのでヴァンパイアの撃破を手伝っておきました。」
「そう。それで、もう一つのことだけど…」
ほむらはまるで結果が分かっていたかのように関心を示さず、雅に新たな質問を行おうとする。
「今から約十日後に来るとされている舞台装置の魔女、ワルプルギスの夜のことですね。それについてですが、索敵の魔法を発動しても、ファントムの反応があっても魔女の反応が一つも出ません。まるで、ワルプルギスの夜も仮面ライダーウィザードの世界に行ってしまっているみたいに…」
「そう。それならそれで対策を考えましょう。それより、まどかは美樹さやかから離れたかしら?」
「難しい話ですね。鹿目さんはさやかさんに守ってもらうつもりのようです。」
「なんで分かってくれないの、まどか…」
雅の言葉を聞いてほむらは呟く。
「とりあえず、索敵に引っかかったファントムを倒してきます。ほむらさんはワルプルギスの夜との戦いのために魔力を温存しておくのが得策でしょう。」
雅は一人出て行った。
「さて、この辺りのはずだが…」
雅が探していると、突然何者かが素早く近づいて来る。
「誰だ!」
雅は振るわれる槍を避けながら襲撃してきた敵を確認する。襲撃者は、
「ちっ、まあ簡単に避けてもらわないと、あたしもやる気にならないからいいけど。」
既に魔法少女の姿に変身した杏子であり、雅を相手に悪態をつく。
「あなたがどうして僕の命を?」
雅はディロードライバーを装着する。
「キュゥべえから頼まれたんだ。邪魔者には消えてもらうよ!」
杏子は雅の喉を狙うように突進する。
「槍使いに剣や銃は不利だな。」
【CHANGE RIDE-SENGOKU DRIVER VERSION BARON-】
雅はディロードライバーを戦極ドライバーに変える。
〈バ ナァナ!ロック オン!〉
雅はバナナロックシードを解錠し、戦極ドライバーにセット。ファンファーレが鳴り響き、
「変身!」
〈come on!バナァナアームズ!Knight of spear!〉
雅はカッティングブレードを倒して仮面ライダーバロンに変身し、バナスピアーを構える。
「悪いことは言わない。そのまま立ち去ってくれないか。」
「それは無理な相談だね!」
バロンは杏子の槍をバナスピアーで防ぐ。
「くっ!仕方がないか!」
〈come on!バナァナスカッシュ!〉
「くらえ!スピアビクトリー!」
バロンは必殺技を発動し、地面からバナナ型のエネルギーを放ち杏子を牽制しようとするが、杏子は五人に分身する。
「そうか、確か彼女には幻術を扱える力があったはず。だとしたら!」
【CHANGE RIDE-V BUCKLE VERSION KNIGHT-】
雅は杏子の猛攻を避けながら変身を解除し、ディロードライバーをナイトのVバックルに変え、粗大ゴミとして廃棄されている鏡を使って仮面ライダーナイトに変身する。
【SWORD VENT】
ナイトはウィングランサーを召喚して振り回し、杏子と距離をとる。
「これならどうだ!」
【TRICK VENT】
ナイトはトリックベントを使い五人に分身する。
「やるじゃん。そうでなくちゃ!」
杏子はそれぞれナイトと交戦するが、ナイト自身に攻撃の意思自体は存在しないため、徐々に杏子に押されてゆく。
「このままだと危ない。なら!」
【NASTY VENT】
ナイトはナスティベントを使い、ダークウィングが超音波を発声し、杏子は苦しむ。
「ここは上手く撤退するか。」
【CHANGE RIDE-RENGEL BUCKLE-】
雅は変身を解除し、ディロードライバーをレンゲルバックルに変える。
「変身!」
[open up!]
雅は仮面ライダーレンゲルに変身する。
「悪いが、少し動かないでほしい。」
[blizzard]
レンゲルはブリザードを使い杏子の槍と、それを持つ右手を凍らせる。
「それでは、失礼。」
[screw]
レンゲルはスクリューを使って地中に逃げ、撤退に成功する。
「ちっ、なかなかやるじゃん。」
杏子は変身を解き凍りついた右手の氷も溶ける。
「ほむらさん、佐倉杏子が活動を始めました。」
帰還した雅は杏子の出現と襲撃をほむらに伝える。
「そう。そろそろだと思っていたわ。」
ほむらは読めていたかのような反応をする。
「そうですか。それで、今後はどのようにするつもりですか?」
「佐倉杏子は味方につけるつもりよ。彼女は最低限愚かではないわ。」
「そうですか。今までの傾向から考えますと、明日の夕方あたりに佐倉杏子がさやかさんと交戦を開始するでしょう。」
「わかったわ。明日向かいましょう。」
ほむらと雅は作戦を練る。

翌日の放課後、さやかは一体のファントムを追いかけていた。
「こら!待ちなさい!」
「誰が待つか!俺はゴルゴン様から使命を授かってこの世界に来たんだ。お前達魔法少女と仮面ライダーに仲間を殺されている中で俺も倒されたら誰がゲートをファントムにするんだ!」
この世界に初めて現れたファントム、リビングデッドはさやかから裏路地に入り逃走に成功する。
「あいつ、どこに行った?」
さやかが探していると、
「ファントム狩りもいいけれど、魔法少女の敵は魔法少女だってーの!」
上から杏子がさやかに向かって槍を突き刺すように攻撃を仕掛ける。
「危なっ!あんたもあの転校生や仮面ライダーの仲間?」
さやかも剣を向ける。
「あいつらもぶっ潰す対象だけど、あんたみたいな甘ちゃんなら、初心者のうちに倒してこの地域の縄張りを貰っちまう方が効率的ってやつ!」
杏子は自身満々に言う。
「ふざけるな!マミさんが守った見滝原をこれ以上好きにさせない!」
さやかは剣での猛攻を行うが、杏子は軽々と槍で受け止める。
「うっさいなぁ…っと!」
杏子はさやかをいなし、その首に槍で打撃を与え、その隙に更に右腕と左脚に打撃を与える。
「うぐっ!」
さやかは倒れるが、すぐに立ち上がる。
「あれ、おかしいなぁ?全治三か月はかかる骨折にしたはずなんだけどな?」
杏子は不思議に思う。
「さやかちゃん、どうして?」
まどかが疑問に思っていると、
「そこの外野、邪魔だなぁ。部外者は黙っていてくれない?」
杏子はまどかの存在を鬱陶しく思い格子状の結界を展開してまどかを隔離する。
「まどか、さやかの回復が早いのは彼女の願いが大切な人を癒すことだからさ。」
そこにキュゥべえが現れてまどかに説明する。
「へぇ、そんなくだらないことのために魔法少女になったんだ。」
杏子は笑いながら言う。
「何がくだらないのよ!」
「だって、叶えられる願いは一つなんだよ?なら、自分のために使わないと勿体ないじゃん!」
杏子は素早い動きでさやかを翻弄する。
「ふざけるな!」
さやかは剣を振るって杏子の槍を早いしようとするが、槍はチェーンで分割されて、棍のようになり、それを使って杏子はさやかを拘束する。
「やめて!これ以上やると、さやかちゃんが死んじゃう!」
まどかは叫ぶ。
「だから、殺すためにやってんの!言っても駄目。痛めつけても駄目。だったら殺すしかねぇじゃん!」
杏子は槍の切っ先をさやかの首に近付ける。
「お願い、二人を止めて!」
「君が魔法少女になれば、それも出来るかもしれない。」
まどかの叫びに、キュゥべえは淡々と答える。
「二人を止められるなら、私…」
まどかはキュゥべえとの契約に応じようとする。
to be continued.

次回予告
「ファントムにも立場ってものがある。このままキュゥべえにいいようやられっぱなしっていうのも癪に障る。次回『ドリームチーム』」 
 

 
後書き
新カード紹介
戦極ドライバー(バロン):ディロードライバーをバロンの戦極ドライバーに変え、仮面ライダーバロンに変身するためのカード
Vバックル(ナイト):ディロードライバーをナイトのVバックルに変え、仮面ライダーナイトに変身するためのカード
レンゲルバックル:ディロードライバーをレンゲルバックルに変え、仮面ライダーレンゲルに変身するためのカード 

 

第8話『ドリームチーム』

「ふ~ん、あれがあんたの言っていたイレギュラーに協力している危険な奴?」
「ああ、彼はこの世界の人間では無い。この世界において、どれだけ被害を出すかまだ不明だ。被害が大きくなる前にイレギュラーな魔法少女と一気に倒してほしい。」
「槍使いに剣や銃は不利だな。」
「だから、殺すためにやってんの!言っても駄目。痛めつけても駄目。だったら殺すしかねぇじゃん!」
「二人を止められるなら、私…」
まどかはキュゥべえとの契約に応じようとする。

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える─

晴人達が朱雀とゴルゴンの両ファントムとの共闘を持ち掛けられてから早くも三日が経つが、願いの魔女に対する情報は掴めずにいた。
「晴人君、この二人の素性が解ったわ。朱雀の方は二年前から失踪届けが出されている弁護士の南スザクさん、ゴルゴンの方は四年前に行方不明になっているフリーター、蛇倉サナさんだったわ。」
凛子は晴人達にゲートの情報を伝える。
「へぇ、僕達のゲートってそんな名前だったんだ。」
「ま、だから何って話だけどね。」
スザクとサナは興味なさそうに言う。
「仮にも、お前達が殺したゲートだぞ。自覚がないのか。」
晴人は静かな怒りをぶつけるが、
「これでも、このゲート達には感謝しているさ。こいつらがいなければ、僕達はこの世界に顕現出来なかったからね。」
「それには私も同意見ね。私達って、ゲートの中から自由に出られるわけじゃなくて、決まったゲートの中からしか生まれることが出来ないからね。」
スザクとサナはあえて挑発するような口調で言う。
「お前達!」
晴人は二人の口車に乗りそうになる。
「皆さん落ち着いて下さい。スザクさんとサナさんも不必要な挑発は控えて下さい。」
フェイトは晴人を抑え、スザクとサナに警告する。
「こわいねぇ、流石は刑事ってところかな。」
スザクは笑うように言う。
「それで、この世界に来て一つ気になったことがあるんです。」
「どうした、フェイトちゃん?」
「この世界には、私と雅が連絡出来ないように結界が張られているみたいですが、それを壊せないかです。」
「なるほど、それで結界を破壊する方法はあるのか?」
「私のバルディッシュには、結界破壊の効果を持つ魔法があります。それを使えば、もしかしたら雅と連絡が出来るというなるかもしれません。」
フェイトは説明する。
「わかった、やってみよう。おそらく結界が張ってあるのは俺達が行動出来る範囲だ。それなら近くに海辺がある。そこなら被害は無いはずだ。」
適切な場所を晴人は説明し、フェイト達は移動する。
「行こう、バルディッシュ。」
[yes sir.]
既にフェイトはバリアジャケットを纏い、バルディッシュ・アサルトをザンバーモードに変形している。
「疾風・迅雷!」
[sprite zamber!]
「スプライト…ザンバー!」
フェイトはありとあらゆる設置型魔法を破壊する斬撃、スプライトザンバーを放つ。放たれた斬撃は海辺の先にある何かに当たり、ミシミシと音をたてる。
「やっぱり、何か結界がある。それなら!」
フェイトは振るう力を更に強くし、通信遮断の結界を完全に粉砕する。
「雅、聞こえる!?」
フェイトは雅に連絡をする。
〝フェ…ト、よう………がっ…!…なり大…な…〟
フェイトの通信に雅は応えるが、結界の力が残留しているためか、雅の声はノイズが入っている。
「雅、こっちでは仮面ライダーとファントムの両側と連携をとることに成功したけど、雅の方はどう?」
〝さっ…も…し……れど、こっ…、は既に……模の歴史…竄が…われてい…〟
雅は『まどか☆マギカ』の世界におきている歴史改竄を伝えようとするがノイズによって正確に伝わらない。
「まったく、この世界の情報を装填の守護者に知られると計画に大きな支障をきたすんだ。やめてもらいたいね。」
キュゥべえは物陰からフェイト達を見ていたが、フェイトが雅を通信を行うことを良しとせず、グリーフシードを取り出す。
「さて、仮面ライダー達の活躍の結果、この世界で生まれた魔女は全て倒されてしまった。そうなれば、このグリーフシードを使った実験が、この世界で行える最後の実験だ。ファントムから集めたこの絶望のエネルギー、効率良く使わせてもらうよ。」
キュゥべえは前脚でグリーフシードに触れ、ファントムのエネルギーをグリーフシードに流して絶望のエネルギーを満たし、貪欲の魔女をグリーフシードから孵化させる。
「どういうことだ!?あの魔女は僕達が倒したはず!」
スザクは驚く。
「スザク、その時にグリーフシードは回収しましたか?」
「グリーフシード?一体なんのことだ?」
「魔女には核となるグリーフシードが存在して、それを処理しない限り再び魔女が孵化します。」
フェイトはスザクに説明する。
「それじゃあ、今度こそ倒しましょう。」
スザクとサナはファントムの姿に戻る。
「仁藤、フェイトちゃん、俺達も行くぞ!」
晴人と仁藤も変身し、貪欲の魔女に向かってゆく。しかし、
「ア゙ァァァァ!」
貪欲の魔女が叫ぶと使い魔だけでなくグールも同時に出現する。
「こいつ、僕達ファントムの力で孵化したのか!?」
本来ではあり得ない光景に、朱雀は臆測をたてる。
「どういうことだ?」
「グールは僕達ファントムでしか使役出来ない。逆に返せばあの魔女にはファントムの力が宿っているからグールを使役出来るということ。間違いなくキュゥべえの策略だ。きっと、僕達を始末するのが目的のはず!」
朱雀は火炎弾を放ち使い魔とグールを一掃するが、数は一向に減少しない。
「こういう時は、これだ!」
〝ランド…ドラゴン…ダン・デン・ゴン・ズ・ド・ゴ~ン!ダン・デン・ド・ゴーン!〟
〝チョーイイネ!グラビティ!サイコー!〟
ウィザードはランドドラゴンにスタイルチェンジし、超重力の魔法を発動し、周囲を重力波で押し潰し、呼び出されたグールと使い魔を殲滅する。
「んじゃ、もう復活出来ないように俺が食ってやる!」
〝キックストライク!ゴー!〟
ビーストはストライクビーストを放ち、貪欲の魔女を撃破し、ビーストキマイラはグリーフシードからその魔力を捕食する。
〝仁藤哮介、今回の魔力はやはりファントムの魔力が入っていた。気をつけろ。〟
ビーストキマイラは仁藤に忠告する。
「やっぱり僕達の力を利用していたか。」
朱雀とゴルゴンは人間態になり、分かったことを言う。
「とりあえず、これで雅と連絡が…」
フェイトが連絡を行おうとするタイミングでキュゥべえが現れる。
「残念だけど、そうはさせないよ。」
キュゥべえはそう言うと、記憶の魔女のグリーフシードを踏み潰して砕く。すると、魔女の欠片のようなものが辺り一面に舞い、風に流れて散ってゆくと、フェイトの通信は遮断されてしまう。
「この結界、もしかして!?」
「流石は次元保護国の刑事、鋭いね。通信遮断の結界は魔女達の落とすグリーフシードを使っているのさ。」
キュゥべえは結界のからくりを明かす。
「あなたは解っているのですか、グリーフシードを砕くということが、どういう意味か。」
フェイトは静かにキュゥべえに言う。
「当然じゃないか。このソウルジェムとグリーフシードというシステムを作ったのは僕達なんだから。まあ、グリーフシードの方は偶発的に出来たものだけど。だけど、僕達が作ったものであることにかわりはない。」
「ならどうして!」
「言ったはずだけど、僕達にとって命とはただのエネルギーでしかないんだ。エネルギーは有効活躍しないと、勿体ないだろう?僕達は君達のような感情という欠陥を持つ生物と違って、エネルギーの無駄遣いはしたくないんだ。」
フェイトの怒りにキュゥべえはおかしなことなど無い、さも当然のことと言わんばかりに答える。
「キュゥべえ、お前の目的はなんだ?俺達の世界を実験場と言っていたな。」
晴人はウィザーソードガンを向けながら言う。
「この世界にはワルプルギスの夜を超える魔力の塊があってね、それを復活させる時のエネルギーが目的さ。あのエネルギーがあれば、鹿目まどかの絶望を使わなくてもエネルギーの回収率は100%になる。僕達も安心してこの星から帰れるんだ。」
キュゥべえは目的の一部を明かす。
「待て、俺達の世界のファントムと魔女はどうするんだ!」
「そんなものは君達人間の問題さ。僕達には関係ない話だ。」
「魔女はお前達が勝手にこの世界で作ったものだろう!」
「何を言っているんだい?君達人間が絶望なんて不可解なものを発生させなければ生まれないものだ。自分達の不注意を棚に上げて話さないでほしいな。」 
「本当に、俺達とは根本的に違うみたいだな。」
「僕にとっても、君達と同じと思われるのは心外だ。」
晴人とキュゥべえが話していると、
「スプライトザンバー!」
フェイトはスプライトザンバーを放ち結界を破壊する。
「これで雅と通信が出来るはず!」
フェイトは雅と連絡を行おうとするが、結界は破壊されているにも関わらず通信が出来ないままであった。
「流石に僕達だって学習するさ。こちらで実演したのはただの時間稼ぎ。今度は僕達の世界の方に通信遮断の結界を展開させてもらったよ。」
キュゥべえは仕掛けを説明する。
「だけど、雅もライトニングフォームに変身すればスプライトザンバーを使える。」
「確かに、使えるだろうけれども凪風雅は使うことが出来ないだろう。」
「どういう意味だ。」
「ただでさえ同じ魔法少女同士で争いあう彼女達だ。凪風雅が魔法を使えると知れば美樹さやかと佐倉杏子だけでなく暁美ほむらも彼を倒そうとするだろう。本当、この星の人間の、特に少女と呼ばれる年代には感謝してもしきれないよ。こちらが親しそうに近寄れば疑うことを知らず、生物として当然である警戒心を見せる相手を敵と認識してくれる。おかげで計画は順調だよ。さて、僕は忙しいんだ。そろそろ去らせてもらうよ。」
キュゥべえはそう言うと姿を消す。指輪の魔法使い達は、事件の核心に近づきつつあった。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「本当に倒せるのか?」
「駄目じゃないか、まどか。友達を投げちゃ。」
「じゃあ、あたし達騙されていたの…」
「自分の気持ちに嘘をついていませんか?」
「あたしは…」
次回『あたしって、ホント馬鹿…』 

 

第9話『あたしって、ほんと馬鹿…』

「私のバルディッシュには、結界破壊の効果を持つ魔法があります。それを使えば、もしかしたら雅と連絡が出来るというなるかもしれません。」
〝フェ…ト、よう………がっ…!…なり大…な…〟
「こいつ、僕達ファントムの力で孵化したのか!?」
「流石は次元保護国の刑事、鋭いね。通信遮断の結界は魔女達の落とすグリーフシードを使っているのさ。」
「おかげで計画は順調だよ。さて、僕は忙しいんだ。そろそろ去らせてもらうよ。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「二人を止められるなら、私…」
まどかはキュゥべえとの契約に応じようとする。しかし、
「それには及ばないわ。」
「悪いが、キュゥべえの好きにはさせない。」
上空からさやかと杏子を遮るようにほむらと、レンゲルに変身した雅が現れる。
「出て来やがったなイレギュラー、それにその協力者!」
杏子は槍で攻撃をしようとするが、レンゲルはレンゲルラウザーを使ってそれを受け止める。
「あんた、一体何のつもり!」
さやかはほむらに剣を向ける。
「私は、聡明で賢い人の味方で、直情的は愚か者の敵。佐倉杏子、あなたはどっち?」
ほむらは瞬間的に時間停止を行い、さやかを気絶させると杏子に近づいて時間停止を解除した。
「確かに、こいつぁとんでもないイレギュラーだ。ま、手の内の解らない奴とは戦わないようにさせてもらうわ。」
杏子は身軽な動きで建物を登ってゆき、姿を消す。
「ほむらちゃん、ありがとう…」
まどかは安堵する。
「どうして私の忠告を無視するの。このままでは、貴方は取り返しのつかないことになるわ。だから、もう関わらない方がいい。」
ほむらはまどかを睨む。
「また君か、人の権利を奪うのはよくないなぁ。」
キュゥべえは呆れるように言う。
「私はまどかを魔法少女にしたくないだけよ。」
ほむらはキュゥべえに拳銃を向けながら言う。すると、
「どういうことだ!通信が繋がらない!」
リンディに経過を報告しようとしていた雅が騒ぎ出す。
「残念だけど、通信遮断の結界を張らせてもらったよ。君が何を考えているのか解らない以上、僕としても最善策を使うしかないからね。」
「くっ…」
雅は唇を噛み締める。
「あなたならこれくらいどうにか出来るんじゃないかしら?」
ほむらは冷静に返す。
「出来ないわけでは無いが…」
「さあ、みせるんだ。君が魔法を操れる、その証を。」
キュゥべえは煽るように言う。
「魔法ですって!?」
ほむらは驚く。
「言われてしまったなら、仕方が無い。」
雅はディロードライバーを装着し、ディロードのライダーカードをディロードライバーにスキャンする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、そのタイミングでさやかな意識を取り戻す。
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
ディロードはロードスラスターをバルディッシュ・アサルトに変えてライトニングフォームにフォームチェンジする。
「バルディッシュ…ザンバーフォーム!」
[zanber form]
ディロードはバルディッシュ・アサルトをザンバーフォームに変える。
「スプライト…ザンバー!」
ディロードは結界破壊の斬撃魔法を放つ。しかし、結界に触れた途端ザンバーフォームを構成していた魔力刃は一瞬のうちに消滅してしまった。
「まさか、次元干渉遮断システム!?それなら!」
雅は一度変身を解除し、バルディッシュ・ブレイヴァーを取り出す。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
【ATTACK RIDE-SONIC-】
雅はディロードに再変身し、ソニックフォームにフォームチェンジする。
「バルディッシュ・ブレイヴァー、セットアップ!」
【FORM RIDE-DELOAD SONIC BRAVE-】
ディロードはソニックブレイブ強化変身する。
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
[spirit zanber]
ディロードは次元干渉遮断システムに阻害されない形で再びスプライトザンバーを放つが、今度は何かの障壁にぶつかり、ザンバーはかき消される。
「AMF!?しかも高ランクの!」
雅は変身を解除する。
「君にこれ以上動かれると困るんだ。行こう、さやか。」
「そうね。それにしても、まさかあんたも魔法が使えたなんてね。ファントムの魔力は必要ないとか言っていたのに、嘘つき!」
さやかは去り際にそう吐き捨てて、キュゥべえと共に去って行く。
「どういうことかしら。魔法を見せなかったのは、私の油断を誘う為?それとも、ただの余裕?」
ほむらは、拳銃を雅につきつける。
「魔法が使えたからといって、何か変わることでもありますか。」
「何を言っているのかしら。魔法使いである以上、ファントム狩りの妨げになる可能性があるわ。」
「確かに魔法は使える。しかし、僕の魔法はこの世界由来のものでは無い。ですからわざわざあなた達の生命線を奪う気はありません。」
「それも本当かしら?」
「僕にほむらさんの魔法は効きません。もし本当に敵なら、最初の時点でほむらさんを消しているはずです。ですから信じて下さい。」
雅は頭を下げる。
「そこまで言うなら、様子見させてもらうわ。」
ほむらは拳銃を盾の中にしまい去る。
「大丈夫?」
雅は腰を抜かしているまどかに手を差し伸べる。
「あ、ありがとうございます。」
「礼にはおよびません。まどかさん、君には魔法少女になるよりも、重要な使命があるはずです。」
「重要な?」
「今の平穏を、続けることです。」
「はい…わかりました。ありがとうございます。」
まどかは雅の言葉に納得し礼を言うと家に帰る。
「さて、こうなると野宿生活か。多分ほむらさんは家に入れてくれないだろう。」
雅はかつて映司から習った野宿の方法を実践し、夜が明ける。

翌日、ほむらはゲームセンターでリズムゲームに興じている杏子にある取引をし、杏子はそれに応じて二人が外へ出ると空は既に暗くなっていた。
「約束通り、来たよ。」
陸橋の上、さやかはまどかを連れて杏子とほむらに会いゆく。
「美樹さやか、残念だけど貴女には消えてもらうわ。」
既にほむらは魔法少女服に変わり、戦闘態勢を整えている。それを杏子はプレッツェルを咥えながら、
「なあ、本当にこれを食い終わる前に勝てんのか?」
ほむらに質問する。
「とうとう始まるのか。」
それを雅は遠巻きから観ている。
「ええ、それだけあれば充分よ。」
ほむらは杏子の質問に軽く答える。
「随分その気じゃない!」
さやかもソウルジェムを取り出す。しかし、
「駄目ぇぇぇっ!」
突然まどかはさやかのソウルジェムを掴み橋の下に投げる。投げられたソウルジェムはトラックの荷台に乗り、そのままさやかから離れる。
「まどか!あんたなんてことを…」
さやかは突然倒れる。
「ッ!」
ほむらは急いで時間停止を使い、トラックを追いかける。
「おい!どういうことだよ、これ…」
杏子はさやかの肌に触れ、驚く。
「こいつ…死んでるじゃねぇか!」
杏子は驚愕の一言を言う。
「駄目じゃないか、まどか。友達をなげちゃ。」
その光景をキュゥべえは淡々と言う。
「おい…どういうことだよ…」
杏子はキュゥべえの首を捕まえて問いただす。
「まさか、君達みたいな脆い肉体で魔女と戦えだなんて言うわけないだろう。君達と契約する時、君達の魂は僕がソウルジェムに加工して、肉体から切り離させてもらっているんだ。」
キュゥべえはソウルジェムの秘密を明かす。杏子のキュゥべえを掴む手に力が入る。
「なんだよそれ…それじゃああたし達、ゾンビにされてるってことかよ!」
杏子は激怒する。
「君達に魔女と戦う力と願いを与えているんだ。そんな言い方は心外だ。」
「もしかして、あいつは知っているのか!」
「追いかけたんだ。きっと知っているのだろう。」
キュゥべえが答えると、杏子はキュゥべえを地面に叩きつける。
「はぁ…はぁ…」
その頃、ほむらは時間停止を駆使してさやかのソウルジェムを追いかけていた。そこに、ソニックのカードを使った雅が合流する。
「協力しますよ。」
二人はトラックにたどり着き、さやかのソウルジェムを回収すると、すぐに戻りさやかにソウルジェムを握らせる。
「あれ?」
さやかはすぐに起き上がる。その光景はその場にいた者達の心に突き刺さり、皆無言で解散していった。
「じゃあ、あたし達騙されていたの…」
さやかはキュゥべえに質問する。
「騙していないさ。ただ聞かれなかったから言わなかっただけさ。」
キュゥべえはしれっと答え、さやかのソウルジェムに触れる。
「これが肺が破裂する痛みだ。」
さやかはもがき苦しむ。
「君達にこんな思いをさせない為に、僕は魂をソウルジェムに変えてあげたんだ。君の魔法は癒し、その気になれば痛みを消し去ることだって出来る。それをどう使うかは君次第だ。」
さやかは一睡も出来ずに夜がふける。

翌日、さやかはクラスメイトの志筑仁美に会う。
「美樹さんおはようございます。上条さんの左手、治ってよかったです。それで、いつ告白なさるつもりですか?」
「それは…」
「自分の気持ちに嘘をついていませんか?私、明日の放課後、上条さんに告白します。」
「えっ…」
仁美の言葉にさやかは言葉を失う。
「それでは。」
仁美はそう言って去る。

夕刻、さやかは以前取り逃がしたリビングデッドと交戦していた。
「おい、大丈夫か!」
「無茶するな!変身!」
【CHANGE RIDE-BLAYBUCKLE-】
[turn up]
そこに魔法少女の姿になった杏子と、ブレイドに変身した雅が現れる。
「邪魔しないで…」
「本当に勝てるのか?」
さやかは憎悪の混ざった声で言うと、ブレイドの言葉を無視して素早くリビングデッドに近づき切り裂く。
「馬鹿め!俺の体は死んでいるから、痛みなどない!」
リビングデッドは平然と立ち上がる。
「へぇ~、あんたもなんだ。」
さやかは自身の関節も壊れるであろう勢いでリビングデッドを攻撃する。
「本当だ。その気になれば、痛みなんて感じないんだ。」
さやかは壊れたような笑みを浮かべながらリビングデッドを何度も斬り付ける。
「やめろ!怖い!やめてくれ!」
自ら壊れながら攻撃してくるさやかに、リビングデッドは恐怖を覚える。しかし、さやかは攻撃の手を止めず、ついにリビングデッドは核を破壊されて撃破される。その光景を杏子とブレイドはただ見ていることしか出来ず、さやかはそのまま去ってしまう。
「…」
自室に入ったさやかは机に伏して泣きじゃくる。
「うぅ…馬鹿だ…あたしって、ホント馬鹿…」
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「力を持つことの本当の意味はなんだろう。ただ強ければいいのだろうか。次回、『見え始める危険』」 
 

 
後書き
さやかちゃんが魔女化すると思った?残念、ただの心境でした。でもきっと、さやかは劇中で描かれていないだけで、何度も自分の行動に後悔していると思って、今回のシーンを作りました。 

 

第10話『見え始める危険』

「私は、聡明で賢い人の味方で、直情的な愚か者の敵。佐倉杏子、あなたはどっち?」
「さあ、みせるんだ。君が魔法を操れる、その証を。」
「自分の気持ちに嘘をついていませんか?私、明日の放課後、上条さんに告白します。」
「本当だ。その気になれば、痛みなんて感じないんだ。」
自室に入ったさやかは机に伏して泣きじゃくる。
「うぅ…馬鹿だ…あたしって、ホント馬鹿…」

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える─

〝ようやく繋がった!フェイト、大丈夫!?〟
通信遮断の結界が破壊されたことで、フェイトはアルフから連絡を受ける。
「アルフ、私は大丈夫。それより、リンディ長官はいる?」
〝今代わるね。〟
〝フェイト、無事でよかったわ。状況はどうかしら?〟
「はい、今までキュゥべえにに通信遮断の結界を張られていて連絡が出来ませんでしたが、ある程度の調査が済みました。まず、この世界に魔女を、まどかの世界にファントムを送り込んだのはキュゥべえで、ファントムの誕生の際に発生する絶望のエネルギーを集めることが目的でした。」
〝なるほどね。つまり、今は雅国家象徴に対してキュゥべえは通信遮断の結界を使用しているわけね。〟
「ですが、雅も結界破壊の魔法を持っているはずです。」
〝それがね、どうも雅国家象徴に対して使われているものはただの結界ではないみたいなのよ。〟
「どういうことですか。」
〝フェイトの時にはこちらからの通信は行えたのだけど、雅国家象徴の方にはこちらからの通信も行えないわ。恐らく高ランクのAMFか次元遮断システム、あるいはその両方が使われている可能性があるわ。〟
「わかりました。それから、キュゥべえは集めたエネルギーをこの世界で利用しようとしていますが、この世界にそれほどの膨大なエネルギーがあるのか調べてもらえますか?」
〝わかったわ。他に何かあるかしら?〟
「キュゥべえが言っていたワルプルギスの夜について何か分かりますか。」
〝雅国家象徴が向かった世界に存在している史上最強の魔女のことね。数多の少女の無念によって構築されている存在で、人類が作り出したあらゆる質量兵器が通用しないという記述があるわ。〟
「ありがとうございます。こちらの世界に魔女が現れている以上、この世界にワルプルギスの夜が現れる可能性を考えておきます。」
〝そう、ありがとね。〟
「それで、雅の方からはどこまで報告がありました?」
〝それがね、向こうの世界ではキュゥべえは殆ど動きをみせていないみたいで、情報が殆ど無いのが現状よ。〟
「わかりました。こちらでは引き続き捜査を続行します。」
フェイトは通信を終了する。
「あれがフェイトちゃんの上司?」
「上司、というより母さんと言った方が近いかもしれません。今から10年くらい前に、ある事件で母を失った私のことを、養子としてしばらく引き取ってくれていたんです。」
フェイトは晴人に説明する。
「それで、最初に映っていた子供は?」
「アルフは、ずっと昔からの私の使い魔で、今はあんな可愛い姿ですけど、昔は今の私より大きかったんです。今はもう、魔力の消費量を減らすためにあの姿をとっていますけど、またいつか昔みたいにおっきなアルフと一緒に事件を解決したいと思っています。」
「なかなか、使い魔想いな主なんだな。」
スザクはアルフの存在に興味を示していた。すると、
「ようやく見つけたぜ、ファントムの裏切り者!」
「なんでも、願いの魔女を倒そうとしているんだってな!」
「指輪の魔法使いと協力している以上、お前達には死んでもらう!」
「俺達も新しい力を試したいんだ。」
「お前達にはその実験台になってもらう。」
ブギーマン、トレント、ウィルオウィスプ、ベルゼビュート、フランケンモンスターの五体のファントムが現れる。
「なるほどね。仮面ライダー、それから魔導師、こいつらはどうやらキュゥべえに利用されていることにすら気付けず、ファントムとしての誇りを失っている。こいつらが残っていたら魔女を倒しても意味がない。やるぞ。」
スザクとサナはファントムの姿に戻る。
「行くぞ仁藤、フェイトちゃん。変身!」
晴人達も変身し、加勢する。
「お前達、何が魔法使いに味方する裏切り者だ!キュゥべえに唆されて異質な力を取り込んだお前達こそ、ファントムの風上にも置けない!」
朱雀は大剣を振り回してウィルオウィスプを攻撃するが、
「やるじゃないか!ここはこいつの出番だ!」
ウィルオウィスプは魔石を投げると、グールではなく眼魔コマンドが現れる。
「なんだこつら!グールではない!」
朱雀は困惑する。
「ウィルオウィスプの奴、先走りやがって!」
「こうなりゃあ、俺達も行くぞ!」
ブギーマンは初級インベスを、トレントはプレーンロイミュードを、ベルゼビュートはバグスターウイルスを、フランケンモンスターはアーマータイプファウストガーディアンを魔石から召喚する。
「くっ、ファントムと魔女以外の敵と戦うのはどれくらいぶりだ仁藤!?」
「さあな!何年も前のことだから忘れちまったよ!」
「俺はドクターパックマンの事件が最後だから5年前か。」
「おいおい、こんなこと言ったら俺なんてあのデカい花の化け物の時が最後だぜ!」
ブギーマンと戦っているウィザードはトレントと戦っているビーストとお互いの思い出を振り返っている。
「ガーディアン、確かビルドの世界の機械兵士。なら!プラズマランサー!」
フェイトは雅がかつて纏めていた情報を頼りに、直射魔法を放ってガーディアンを撃破してゆく。
「やっぱり。行くよ、バルディッシュ。サンダーレイジ!」
フェイトは広範囲にわたってサンダーレイジを発動し、ガーディアンを一掃する。
「俺の新たな力を封じてくるとは!」
フランケンモンスターは力に身を任せて突撃するが、その戦法はフェイト相手に通じる筈も無く、フランケンモンスターはフェイトのブリッツラッシュに翻弄される。
「ぐぅっ!どこに行った!」
フランケンモンスターはフェイトの描く軌跡を頼りに予測到達地点を割だそうとするが、自身の動きの遅さが仇となり、
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。フォトンランサー・ファランクスシフト!撃ち砕け、ファイアー!」
フェイトの必殺の射撃魔法がフランケンモンスターに全弾命中し、フランケンモンスターは爆散する。
「ちっ、次から次と厄介な奴らだな!」
朱雀は火炎弾の弾幕を展開して眼魔コマンドを撃破してゆくが、ウィルオウィスプは倒される度に補充を続け、朱雀の魔力を奪ってゆく。
「どうだ朱雀!今までよくもこき使ってくれたな!これからは俺達の時代だ!」
ウィルオウィスプは光弾を放ち朱雀を攻撃する。
「さっきから言わせておけば、随分な物言いだな。この程度、ウォーミングアップにしかなっていないっての!僕がどうしてお前達に指示を出せるくらい強いのか、その目で見ておくんだな!」
朱雀はそう言うと大量の火の玉を出現させて自分にぶつける。
「なんだ!最後は潔く自滅ってか!」
ウィルオウィスプはケラケラと笑う。
「流石は強い奴の腰巾着。状況が解っていないみたいだな。」
しかしウィルオウィスプの目の前には全ての傷を癒し、万全の状態の朱雀がいた。
「おい!どういうことだ!」
ウィルオウィスプは慌てる。
「悪いな。僕は炎を浴びれば全ての傷と消費した魔力を回復出来るんだ。当然、僕自身の炎でも!」
朱雀は体に炎を纏う。
「おい!なんだよそれ!冗談だと言ってくれ!」
ウィルオウィスプは更に眼魔コマンドを召喚する。
「手遅れだ。僕を愚弄した罪、その命で償え!」
朱雀は炎を纏ったままウィルオウィスプに突撃する。
「お前達、俺を守れ!」
ウィルオウィスプは眼魔コマンドを盾にするが、
「その程度、全て燃やし尽くしてやる!」
朱雀は眼魔コマンドを蹴散らしても尚その炎は消えること無く、ウィルオウィスプを消し炭に変える。
「ふん。愚か者が。」
朱雀はゴルゴンの加勢に向かう。
「ちっ、こいつら、俺の動きを遅くしてきやがる!」
一方ビーストはプレーンロイミュードの発する重加速に苦戦していた。
「仁藤さん、私に任せてください!ソニックフォーム!」
フェイトはソニックフォームにバリアジャケットを換装し、重加速を超える速度で動く。
「撃ち抜け、轟雷!」
[plasma smasher!]
フェイトはプラズマスマッシャーを放ちプレーンロイミュードを一掃。効果の発動者が消失したことで重加速は解除され、ビーストはトレントに跳びかかる。
「さっきはよくもやってくれたな!」
ビーストはビーストハイパーにパワーアップし、ミラージュマグナムをゼロ距離で打ち続ける。
「さあ、メインディッシュだ!」
“シックス!ハーイパー!セイバーストライク!”
ビーストハイパーはハイパーウィザードリングをダイスサーベルにセットしファルコン、バッファロー、カメレオン、ドルフィンを6体ずつ召喚し、トレントに総攻撃を仕掛け、トレントは為す術も無く撃破され、ビーストキマイラの食料となる。
「ハッハッハ!我が剣技の前ではお前の蛇などただのトカゲとかわらぬ!さあやれ、バグスターウイルス達よ!」
武士のような衣装を纏ったバグスターウイルス達はゴルゴンを攻撃しようとするが、
「ウイルスなら、熱に弱いよな!」
加勢に来た朱雀はバグスターウイルス達を焼き払い一掃する。
「自慢の剣技とやらも、これで終わりだな!」
朱雀は大剣を使ってベルゼビュートの剣を粉砕する。
「我が命をよくも!」
ベルゼビュートは空へ逃げようとするが、
「さっきはよくも私の蛇をトカゲ呼ばわりしてくれたわね。さっさとくたばれ!」
ゴルゴンは頭部に集まる無数の蛇でベルゼビュートを睨むとベルゼビュートは石化し、飛行が行えずに落下し、その衝撃で砕け散る。
「散々邪魔されたが、これでフィナーレだ!」
“ファイナルタ~イム!ドラゴンフォーメーション!”
ウィザードは全てドラゴン形態を召喚し、連携攻撃で初級インベスを殲滅するとグラビティによってブギーマンの動きを封じ、サンダーを発動して電撃でダメージを与え、ランドドラゴンのドラゴクローとウォータードラゴンのドラゴテールがブギーマンに襲いかかり、フレイムドラゴンのドラゴスカルから放たれるドラゴンフレイムによってブギーマンを完全に撃破する。
「あいつら、よりにもよって魔女から力をもらうなんて。」
「一刻も早く願いの魔女を見つけ、撃破しましょう。」
スザクの言葉にフェイトは応える。
「それさえ倒せば、私達の共闘も終わりだしね。」
サナも疲れた声で言う。事件は、大きく動き初めていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「魔法少女になっていないくせに。」
「このままだと貴女は破滅するわ。」
「こうしていりゃあ、その変な術も使えないんだろう。」
「やっぱり、あいつの言うとおりだった。」
「実に興味深いデータがとれる。」
次回『君はまだ信じられるのか?』 

 

第11話『君はまだ信じられるのか?』

「キュゥべえが言っていたワルプルギスの夜について何か分かりますか。」
〝雅国家象徴が向かった世界に存在している史上最強の魔女のことね。数多の少女の無念によって構築されている存在で、人類が作り出したあらゆる質量兵器が通用しないという記述があるわ。〟
「やるじゃないか!ここはこいつの出番だ!」
「なんだこつら!グールではない!」
「一刻も早く願いの魔女を見つけ、撃破しましょう。」
「それさえ倒せば、私達の共闘も終わりだしね。」

雅はさやかを探していた。
「美樹さん、学校に顔も出さないで何処に行ったんだ?」
雅はさやかがかつてまどか達や、さやかの思い人である恭介と出歩いていた場所を手当たり次第探すが、それらしい人影は見つからない。
「ここのところファントムの反応すら消えている。魔女だってこの世界から晴人さんの世界に移動しているんだ。このままだと手遅れになる。」
辺りは夜空になり雅は独り言を呟きながら走る。すると雅はついにさやかを見つけることに成功する。
「美樹さん、こんな時間にどうして歩いているのですか。親御さんが心配しますよ。」
雅はさやかに声をかける。
「何?あんたには関係ないでしょ。」
さやかは雅を睨みつける。
「仮にも僕は美樹さんのクラスの教育実習生。教師が生徒の心配をするのは当たり前です。」
「ほっといてよ!親が心配する?あんたにわかるの?既に死んでいて、動く死体になっている私の気持ちが!そんな事実を知らない父さん達の気持ちが!」
雅の言葉にさやかは激昂し、変身して剣を引き抜き雅を攻撃する。
【CHANGE RIDE-ZETTOU AME NO HABAKIRI-】
「♪Imyuteus amenohabakiri tron」
雅はディロードライバーを天羽々斬に変えてアームドギアを纏い、剣を抜刀してさやかの剣を防ぐ。
「解らないです!だって僕は…ずっと昔に親を無くしているから!」
「親が既にいないなんて、随分気楽じゃない!」
既にさやかの攻撃には自身を守るという太刀筋ではなく、目の前の憎い者を壊すために自壊すら省みない戦法に変わっていた。
「♪一つめの太刀 稲光より 最速なる疾風(かぜ)の如く 二つめの太刀 無の境地なれば 林の如し~」
雅は逆羅刹を放ってさやかの攻撃を弾こうとするが、さやかは構わずに雅を攻撃する。
「くっ、♪百鬼夜行を恐るるは己が未熟と水鏡 我がやらずて 誰がやる!目覚めよ!蒼き破邪なる無双!」
雅は体勢を整えて天羽々斬を振るうがさやかはそれを払い除ける。
「♪幾千幾万、幾億の命!すべてを握りしめ振り翳す その背も凍りつく 断破の一閃!散る覚悟はあるか?」
雅は千ノ落涙を放つが、痛覚を断ち切っているさやかは痛みなど感じることもなく雅に向かってつき進んでゆく。
「♪今宵の夜空は刃の切っ先とよく似た三日月が香しい!伊座、尋常に!我がつるぎの火に!消え果てよ!」
雅は巨大化させた天羽々斬を用いたキック、天ノ逆鱗を放つが、さやかに軽々と避けられてしまう。
「うっさいって、言ってるでしょ!」
さやかは剣を振り上げる。
「今だ!」
雅は脚部ギアに収納してある小刀を取り出し、さやかの影に投擲。シンフォギアの世界で学んだ緒川直伝の現代忍法、影縫いを使ってさやかを拘束すると雅はロードスラスターを出現させてセイクリッドグリッターと鬼狩流桜に分離させる。
「出来るか解らないが、やるしかないか。ディバイドエナジー!」
雅はさやかが抱えている負の魔力と自身の新鮮な魔力を取り換え、さやかのソウルジェムの穢れを祓う。
「何が目的!?」
さやかは動けないまま雅に質問する。
「どうして自らソウルジェムに穢れを溜め込むのですか!」
「うるさい!あんたには関係ない!これは私の問題!」
「そういうわけにもいきません。鹿目さんは美樹さんを心配しています。」
「まどか?キュゥべえから聞いたよ、私を超える最強の魔法少女になれるんだってね。随分呑気なこと言ってるんだ、魔法少女になっていないくせに。」
「そういう言い方はないでしょう。世の中には心配してくれる人がいない人もいる。心配してくれる人がいるだけ、美樹さんは恵まれています。」
「黙れ!」
雅の言葉を聞き、さやかは更に怒りの感情を強める。すると、
「彼の言うとおりよ。美樹さやか、これ以上不用意に穢れをため続けたら、このままだと貴女は破滅するわ。」
既に魔法少女の姿に変身したほむらと杏子が現れる。しかし、
「さやか、今だ!こいつらから逃げろ!」
杏子はさやかの動きを封じていた影縫いの小刀を引き抜き、さやかを逃がす。
「貴女、なんてことを!」
ほむらは時間停止の魔法を発動しようとするが、杏子はほむらを羽交い締めにする。
「こうしていりゃあ、その変な術も使えないんだろう。」
ほむらの魔法は彼女が触れているものには無効であることを杏子に見抜かれておりほむらは一瞬止まるが、すぐにスタングレネードを取り出し、安全ピンを引き抜いて落とし、スタングレネードは閃光を放ち杏子は目を瞑るが、ほむらはその隙に魔法を発動して雅と共に戦線離脱する。
「見事に逃げられてしまいましたね。」
「ええ。彼女にある程度の事情を話したのはミスだったわ。」
「暁美さん、佐倉さんにはどこまで話しました?」
「近いうちにワルプルギスの夜が襲来することと美樹さやかが消えることよ。」
「おそらく、それを聞いて佐倉さんは美樹さんを守ろうとしたのだと思います。」
雅がほむらに話していると、公園のベンチでキュゥべえと話しているまどかを発見する。
「キュゥべえ、今度は何を企んでいる!」
雅はロードスラスターを取り出してキュゥべえを斬ろうとするがキュゥべえはさっと離れ、そのまま去って行く。
「鹿目さんも鹿目さんで、どうしてキュゥべえに近づくのですか。」
「それは、その、さやかちゃんのことで何か解るかもって思って…」
「それで言われたのだろう、知りたいなら契約して魔法少女になれと。」
「うん…でも私!」
「鹿目さん、よく聞くんだ。美樹さんは今、人として大切な体の痛みを捨ててしまっている。それを促したのは他でもないキュゥべえだ。それでも、君はまだ信じられるのか?」
「でも、キュゥべえがそうしたなら、キュゥべえはきっと、さやかちゃんのことを知っているはずです。」
「もし知っていても、キュゥべえは話さないだろう。奴は自分達に都合のいい話、理解出来る話だけは必要以上に話すが、自分達にとって都合の悪いことは決して話さない。そして、それを盾に人の心を追い詰める。現に見ただろう。魔法少女にはもう命がないこと、その命を肉体から奪ったのは他でもないキュゥべえ自身であることを。そして今も、友達を心配する心を利用して契約を迫っていただろう。」
「まどか、彼の言うとおりよ。貴女はもう関わらないでちょうだい。貴女が、貴女のままでいられるように。」
ほむらはまどかに話すと去ってしまう。
「鹿目さん、今日はもう遅いんだ。僕の方で親御さんには連絡をしますので、帰りましょう。」
雅はまどかの家に連絡をする。
〝はい、鹿目です。〟
雅の電話にまどかの母の詢子が電話口に立つ。
「夜分遅く申し訳ございません。見滝原中学、教育実習生の凪風と申します。娘さんのことでお話が…」
雅は詢子に現在まどかが外出し、その先で自分が見つけて保護していることを伝える。
〝お電話ありがとうございます。私の方で迎えに行きます。お忙しい中、わざわざ娘の為に申し訳ございません。それでは、失礼いたします。〟
雅は詢子との電話を終える。
「鹿目さん、お母さんがすぐに迎えに来ますから、ここで待っていましょう。」
雅とまどかがベンチに座って20分程経ち詢子がやって来る。
「鹿目さんのお母さんですか。」
「はい。娘がご迷惑おかけいたしました。まどか、あんたも謝りなさい。」
「はい、凪風先生ごめんなさい。」
詢子に言われ、まどかも謝る。
「こういう時、早乙女先生の方がよかったのかもしれませんが。ちょうど変なセールスに騙されそうになっていた所を見つけて保護しました。詳しいことは、鹿目さん自身から直接聴いてください。それでは、本日はもう遅いので、気をつけてお帰りください。」
雅は詢子にまどかを渡す。
「娘の方には、私の方から注意いたします。娘を見つけていただき、ありがとうございます。それでは、失礼いたします。」
詢子とまどかは帰路に立つ。
「さて、そろそろ限界か。」
雅は物影からまどかを見ていたキュゥべえをロードスラスターで撃ち抜く。

翌日、まどかはさやかに呼ばれてある駅のホームにいた。
「さやかちゃん、大丈夫?」
「まどか、やっぱり、あいつの言うとおりだった。」
「あいつって?」
「あの転校生の仲間。」
「雅先生のこと?」
「そう。前に言われたんだ。願いと我欲を間違えるなって。私、最初は上手くやれるって、マミさんみたいな正義のヒーローになれるって、ずっと思っていた。だけど、やっぱり私はどこかで見返りを、願い以上のものを求めていた。」
さやかはまどかに仁美が恭介に告白したこと、恭介がそれに応えたこと。自分はそれが怖くてできなかったこと。そして、それに強い憎しみと絶望を覚えてしまったこと。
「おいさやか!雅から話は聞いた!無茶するな!」
そこに杏子もやって来るが、杏子はある異変に気づく。
「おい…なんだよ、その(ひび)…」
さやかの顔には、紫色の罅が現れていた。
「あたし、もう駄目みたい…」
さやかの大切な規模となる思い出がさやかに過る。
『恭介、奇跡も魔法もあるんだよ。』
その思い出は紫色の罅と共に砕け散る。
「あたしって、ホント馬鹿…」
そして、さやかのソウルジェムは濁りの頂点を越えて砕け散る。
「実に興味深いデータがとれる。ファントムが生まれる世界で魔法少女が絶望した時、どうなるか。」
物影からキュゥべえが観察する。
「キュゥべえ、最初からそれが狙いか。」
キュゥべえの隣に雅がやって来る。
「ここは今や仮面ライダーの世界の一部となっているんだ。ここはこう言うべきかな。さあ、実験を始めよう。」
砕け散ったソウルジェムはグリーフシードとなり、辺りに魔女結界が展開される。
「ゥオオオオオォッ!」
さやかのソウルジェムだったグリーフシードから人魚の魔女が生まれ、
「美樹さやかの魂は死んだ。今の私はファントムのマーメイドだ!」
さやかの肉体はファントムのマーメイドに変貌する。
「おい、どういうことだよ!どうしてさやかが魔女になったんだよ!」
杏子は狼狽えた。
to be continued.

次回予告
「ついに見つけた願いの魔女。それが罠だとは知らずに…次回『決戦の日』」 
 

 
後書き
新カード紹介
絶刀・天羽々斬:ディロードライバーを天羽々斬に変えてアームドギアを纏う為のカード 

 

第12話『決戦の日』

「どうして自らソウルジェムに穢れを溜め込むのですか!」
「うるさい!あんたには関係ない!これは私の問題!」
「こうしていりゃあ、その変な術も使えないんだろう。」
「まどか、やっぱり、あいつの言うとおりだった。」
「ここは今や仮面ライダーの世界の一部となっているんだ。ここはこう言うべきかな。さあ、実験を始めよう。」
「美樹さやかの魂は死んだ。今の私はファントムのマーメイドだ!」
さやかの肉体はファントムのマーメイドに変貌する。

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える。─

「皆さん、見つけました。おそらく、願いの魔女は近くに来ています。」
結界が無くなったことで、フェイトの索敵魔法は正常に機能し、願いの魔女の消息を探知した。
「行くか。」
晴人達はフェイトの案内について行き、願いの魔女の所にたどり着く。
「こいつを倒せば、全ての魔女を倒したことになるのね。」
「はい。」
「さあ、始めるか。」
晴人達は変身し、不死鳥のような巨大な怪物、願いの魔女に立ち向かう。
「キャハハッ!」
願いの魔女は使い魔を呼び出す。
「晴人さん達は使い魔を。魔女本体は私が対処します!」
[haken form]
フェイトはバルディッシュをハーケンフォームに変える。
[haken saber]
「ハーケン…セイバー!」
フェイトは斬撃魔法を放ち、使い魔達を蹴散らしながら願いの魔女に向かってゆく。
「おい、ズルいぞ!」
ビーストは文句を言う。しかし、
「仁藤、フェイトちゃんは俺達の為に本体を叩きに行った。魔女を倒したら次は朱雀とゴルゴンが待っている。」
ウィザードは冷静に説明する。
「あっ、そうか。頑張れよ!」
ビーストは納得し、魔力を使わない戦い方で使い魔達を倒してゆく。
「サンダーブレイド!」
フェイトはサンダーレイジの発展型の魔法を放つが、願いの魔女は軽々と避ける。
「行こう、バルディッシュ。ソニックフォーム!」
[sonic drive.get set.]
フェイトはバリアジャケットをソニックフォームに換装する。
「プラズマランサー!」
フェイトはプラズマランサーを放ち願いの魔女を攻撃しようとする。
「キャハハッ!」
しかし、願いの魔女は炎の竜巻を展開してプラズマランサーを焼き払ってしまう。
「向こうも苦戦しているみたいだ。仁藤、一気に片をつけるぞ!」
“コピー…プリーズ…”
ウィザードは分身して使い魔達の撃破に向かう。
「攻撃パターンは読めた。サンダーレイジ!」
フェイトはサンダーレイジを放ち、願いの魔女は避けることが出来ずに攻撃は直撃。飛翔していた願いの魔女は落下する。
「行こう、バルディッシュ。」
[zanber form.]
フェイトはバルディッシュをザンバーフォームに変える。
「雷光一閃!プラズマザンバー!」
フェイトは最大級の砲撃攻撃を願いの魔女に放ち、願いの魔女を撃破する。それと同時に結界は崩壊する。
「さて、これで邪魔な魔女は全て倒した。仮面ライダー、次はお前達だ。」
朱雀は大剣を出現させる。
「そうだな、そういう約束だった。」
“ドライバーオン…プリーズ…”
“ドライバーオォン!”
一度変身を解除していた晴人達は再びドライバーを出現させる。
「変身!」
“イィィンフィニティー!プリーズ!”
“ハァーイパー!ゴー!”
晴人はウィザード インフィニティースタイルに、仁藤はビーストハイパーに変身する。
「さあ、ショータイムだ!」
「さあ、ランチタイムだ!」
ウィザードは朱雀と、ビーストハイパーはゴルゴンと交戦する。
「晴人さん、仁藤さん、幸運を祈ります。私は、今回の情報を調べてみます。」
「オッケー。頼んだぞ。」
フェイトは戦場を離れ、次元保護国警察庁に集めたデータのやりとりを始める。
「あらあら、ワイルドな男は好きだけど、ちょっとがっつきすぎよ!」
ビーストハイパーはミラージュマグナムから弾丸を放つがゴルゴンは槍、フォールダウンでその弾丸を弾き落としてゆく。
「それがどうした!キマイラも久しぶりの狩りで楽しんでいるんだ!」
それでもビーストハイパーは躊躇うこと無くミラージュマグナムを撃ち続ける。
“チョーイイネ!フィニッシュストライク!サイコー!”
ウィザードはフィニッシュストライクウィザードリングを使い、インフィニティードラゴンゴールドにスタイルチェンジする。
「これでどうだ!」
ウィザードはドラゴクローで朱雀を引き裂き、ドラゴテールでなぎ払い、朱雀をビルに叩きつける。
「魔法使いのくせに、随分と力技なんだな。」
朱雀は蹌踉めきながら立ち上がると炎でその身を焼き払って回復する。
「そういえば、それがお前の力だったな。」
ウィザードは朱雀と空中戦を繰り広げる。
「リンディ長官、これが今までの魔女の出現地です。何か解ることはありますか?」
フェイトはウィザードの世界に現れた魔女についての情報を纏めた資料をリンディに見せる。
『ありがとうフェイトさん。資料は解析班が総出で調べているわ。それで、一つ気になることがあるのよね。』
「気になることですか?」
『今まで現れた魔女の出現地点、その全てが海鳴市の付近なのよ。』
「海鳴市ですか?」
『そう。本来ならこの世界に存在していないはずの海鳴市。』
「どういうことですか?」
『海鳴市は、本来私達の世界の固有の土地で、他の世界には存在していないはずなの。』
「気付きませんでした。」
『仕方ないわ。自分達の世界にその地名があれば、他の世界にあっても疑問に思わないのが普通よ。』
「申し訳ありません。それにしても、海鳴市でないといけない理由…っ!リンディ長官、一つ気になることがあります。」
『何かしら?』
「私達、と言っても雅の世界から、何か無くなったものってありませんか。海鳴市や、海辺付近で。」
『フェイト刑事、ビンゴです。数日前、海鳴市の海底から闇の書の闇の残骸が何者かによって盗まれていました。』
『そう、わかったわ。フェイトさん、聞こえていたかしら。』
「はい。海鳴市と聞いて、もしかしたらと思いましたが、キュゥべえの狙いはおそらく闇の書の闇を復活させることかもしれません。」
『なんやて!?リンディ長官、私も現地入りします。リィンフォースを静かに眠らせてあげたいんです!』
モニター越しにはやてが言う。
『解りました。闇の書の対策なら、はやてさんが適任です。出動を許可します。』
『解りました。次元保護国警察庁警部、八神はやて、行きます!』
はやてはウィザードの世界に転送される。
「ほらほら坊や!さっきまでのがっつき具合はどこにいったのかしら!」
ビーストハイパーはゴルゴンの巧みな槍捌きに苦戦する。
「なめんなよ!」
“4!ハイパー!セイバーストライク!”
ビーストハイパーはダイスサーベルにハイパーウィザードリングをセットし、動物達を召喚してゴルゴンを攻撃するが、
「その程度じゃなめられても文句言えないわ!」
ゴルゴンは頭部の蛇を展開して動物達のエネルギーを破壊する。しかし、
「こっちが本目だ!さあ、メインディッシュだ!」
その隙にビーストハイパーはゴルゴンの懐に潜り込んでミラージュマグナムをゴルゴンの腹部につきつける。そして、
“ハァーイパー!マグナムストライク!”
ビーストハイパーは必殺砲撃のシューティングミラージュを放ち、ゴルゴンを撃破。ゴルゴンの魔力はビーストキマイラによって捕食される。
「あっちも片がついたみたいだな!」
ウィザードは胸部のドラゴスカルで朱雀の翼に噛みつき、朱雀は落下する。
「こいつでどうだ!」
“ハァイハァイハァイハァイハァイタッチ!プラズマシャイニングストライク!キラキラ~!”
ウィザードは下降しながらアックスカリバーを用いた必殺技を発動。アックスカリバーを魔力で遠隔操作して朱雀を切り裂こうとするが、朱雀も負けじと大剣、アポカリプスを用いてアックスカリバーを弾き落とす。
「これで、フィナーレだ!」
“チョーイイネ!ブリザード!サイコー!”
ウィザードはすかさずブリザードウィザードリングを発動。ドラゴスカルから放たれる冷凍光線によって朱雀は凍結し、ウィザードの切り返しのアックスカリバーによってその体は砕け散り、回復させることなく撃破される。
「フェイトちゃん、そっちはどう?」
晴人達は変身を解除し、フェイトと合流する。
「今、こちらから増援を呼びました。多分、近いうちに来ます。」
フェイトが話していると、
「フェイトちゃん、お久しぶりやな。」
はやてが手を振りながらやってくる。
「はやて、久しぶり!」
フェイトははやてを迎え入れる。
「その子がフェイトちゃんの言っていた増援?」
晴人は質問する。
「初めまして、次元保護国警察庁警部、八神はやてと申します。今の所は、フェイトちゃんの上司ってことになります。」
「今の所?」
「はい。フェイトちゃん、近いうちに検察官に転職するんです。」
はやては晴人の質問に答えると、すぐに表情を変える。
「それで、事情はテスタロッサ刑事から聞いています。キュゥべえは、この世界に存在しない海鳴市を作り出して海域に今から8年くらい前に倒した闇の書の闇の残骸を転送。その残骸で何か悪さを企んでいる。そこまでは情報が来ています。」
はやては事情を説明する。
「お見事。さすがはあの凪風雅が率いている次元保護国。そこまで調べたなら、わざわざ隠す必要も無いね。だけど、これには気付かなかったみたいだね。」
そこにキュゥべえが現れ、キュゥべえは公安0課で保管していた、既にキマイラが魔力を捕食しきり空っぽの器になっているグリーフシードを見せる。
「どういうことだ!何故お前がそれを!」
晴人はウィザーソードガンでキュゥべえを撃つが、新しいキュゥべえが現れる。
「グリーフシードは本来僕達の世界のものだ。回収させてもらったよ。それからありがとう、フェイト・テスタロッサ。君がこの世界に来てくれたおかげで、必要なものは回収出来た。」
キュゥべえはそう言うと、グリーフシードの中にフェイトが使った魔法の残留魔力を収集する。
「なるほど、最初からフェイトちゃんの魔力が狙いか。」
「別に、闇の書の闇に順応出来る魔力なら誰でもよかった。勿論、見滝原で雅が使った残留魔力も回収させてもらったよ。それだけなら、別に僕達の世界で事足りる。それで、ここからが本題だ。この世界にある闇の書の闇、魔女の力を残しているグリーフシード、そしてそろそろここにやってくるワルプルギスの夜。これらを使って最強のファントムを作り出す。」
「ファントムだと!?」
「それはあくまでも通過点さ。別に僕はそんな無駄だことに興味はない。僕達の目的は、そのファントムを使ってこの星を一つのエネルギー炉にすることさ。この星の感情のエネルギーを効率良く使えば、宇宙はあと数兆年は維持出来る。君達的に言えば、それだけ親孝行が出来るんだ。」
「そんなことのために、魔女も、ファントムも、俺達も利用していたのか!」
「一体何が問題なんだい?僕はただ、エネルギーにすら変えず、無駄に無くなる命をエネルギーに変えて宇宙の存続に死力を尽くしているんだ。批判される筋合いでは無いはずだ。とにかく、ワルプルギスの夜を倒せない君達では、この計画を止めることなんて、できないだろう。せいぜい頑張るんだ。」
キュゥべえはそう言うと去って行く。
「最初から、全部計算通りだったってことか…」
事件は、核心に迫ってゆく。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「お前、知っていたのか!」
「ああなったら、もう無理だ。」
「無駄遣いされるのは迷惑だ。」
「何が正しいか、ではありません。」
「独りぼっちは寂しいもんな…いいよ、一緒にいてやるよ。」
次回『君のしたいことを』 

 

第13話『君のしたいことを』

「晴人さん達は使い魔を。魔女本体は私が対処します!」
「キマイラも久しぶりの狩りで楽しんでいるんだ!」
『リンディ長官、私も現地入りします。リィンフォースを静かに眠らせてあげたいんです!』
「どういうことだ!何故お前がそれを!」
「一体何が問題なんだい?僕はただ、エネルギーにすら変えず、無駄に無くなる命をエネルギーに変えて宇宙の存続に死力を尽くしているんだ。批判される筋合いでは無いはずだ。とにかく、ワルプルギスの夜を倒せない君達では、この計画を止めることなんて、できないだろう。せいぜい頑張るんだ。」


─装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「おい、どういうことだよ!どうしてさやかが魔女になったんだよ!」
「佐倉さん、相手は目の前です!狼狽えている余裕はありません!」
【CHANGE RIDE-NEW DEN-O BELT-】
慌てる杏子を余所に雅はディロードライバーをNEW電王ベルトに変える。
「変身!」
[ストライクフォーム!]
雅はライダーパスをタッチして仮面ライダーNEW電王 ストライクフォームに変身する。
「行くぞ!」
NEW電王はロードスラスターを構え、マーメイドと交戦する。
「佐倉杏子、私に掴まりなさい。」
そこにほむらが現れる。
「お、おい!」
「いいから、早く。」
「わ、わかった。」
杏子はほむらの差し伸べた手を掴みほむらは時間停止の魔法を発動しほむらと、ほむらの手を握っている杏子、そして特異点であるNEW電王を除いて世界は静止する。
「暁美さん、鹿目さんは任せてください!」
「頼んだわ。」
NEW電王はまどかを抱えて、ほむら達と共に戦線離脱する。
「おい!一体何がどうなっているんだ!」
「詳しい話は後でする。とにかく今は脱出するわ。」
ほむら達は結界から脱出し、雅は変身を解除してまどかをベンチに座らせると、再び結界に向かう。
「あなた、一体何を!」
ほむらは驚く。
「今なら、まだ間に合うことをするだけです。」
雅はそう言って結界の内部に進入する。
「マーメイド、さっきは人を逃がすことで必死だったが、お前が使っている美樹さんの肉体、返してもらうぞ!」
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
「変身!」
〔ライオン!トラ!チーター!─♪ラタラタ~!ラトラーター!〕
雅はディロードライバーをオーズドライバーに変え、仮面ライダーオーズ ラトラーターコンボに変身する。
「時間が無いんだ。一気に終わらせるぞ!」
オーズは高速でマーメイドに近づき、マーメイドに掴みかかると、チーターレッグでマーメイドを蹴り続けマーメイドの生体装甲を破壊すると、内部に眠るさやかの死体を見つけ出し、オーズはそれをつかんでマーメイドから引き剥がす。
「ぐっ!そんなもぬけの殻が欲しかったのか!それくらいならいくらでもくれてやる。私がこの世界に生まれた時点で、それに用は無いからな。」
「一応、この世界の維持に必要なので。それでは。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は変身を解除し、ワープのアタックライドを使って結界から脱出する。
「お前、知っていたのか!」
雅が結界から脱出した先で、杏子はほむらの胸ぐらを掴んでいた。
「ええ、知っていたわ。」
ほむらは淡々と言う。
「じゃあなんで言わなかったんだ!わかっていれば…」
「あなたは信じたかしら?最低限、美樹さやかは信じなかったでしょうね。」
杏子の言葉にほむらは答える。
「それは…じゃあ、さやかは!」
「ああなったら、もう無理だ。ソウルジェムがグリーフシードに変わることがあっても、グリーフシードはソウルジェムに戻ることはない。」
杏子はさやかの死体に近づくが、雅が現実を話す。
「とにかく、今は美樹さんから生まれたファントムと魔女をどうにかすることが大切だ。今日は一度解散し、明日話し合おう。」
雅は一度全員を落ち着かせるために解散を提案する。
「そうだな。だけど、さやかは私が連れて帰る。」
杏子はそう言うと言うさやかの死体を持って去って行く。
「鹿目さんも、早く帰るんだ。」
雅とほむらも去り、まどかは一人、公園の方へ歩きベンチに座る。
「どうしたんだい、まどか?」
そこにキュゥべえが現れる。
「キュゥべえ、全部知っていたの?」
「勿論。」
「知っていたならなんで、それを教えてくれなかったの!」
まどかは泣きながらキュゥべえに言う。
「聞かれなかったからだ。それに、真実を話した所で、君達は契約してくれるかい?」
「それは…」
「それに、僕達だって好きで魔法少女を魔女にしているわけでは無いんだ。勿論、君達の願いを叶えることも僕達のノルマの一つだ。まどか、君にはどんな願いも叶えられる。」
「どんな願いでも?」
「そうさ。君は自分の命を差し出してでも、叶えたい願いはあるかな?」
キュゥべえはまどかの選択肢を奪うように近づきまどかに迫る。
「それなら私…」
まどかが何かを言いかけたその時、ほむらの放ったショットガンの弾丸がキュゥべえの体を蜂の巣にする。
「まどか、騙されては駄目!」
「そいつの卑劣さを知っているなら、何故自ら近づく!」
ほむらと雅はまどかの前に現れ、まどかを叱る。
「でも、殺す必要はない!」
まどかは反論し、去って行く。
「まったく、幾らエネルギーが無限にあるといえど、無駄遣いされるのは迷惑だ。」
キュゥべえは再び現れ、自身の亡骸を食べ、証拠隠滅を行う。
「相変わらず薄気味悪いな、自分の亡骸を食べているその姿。」
「こんな廃棄物、残される方が君達にとって迷惑だろう?僕だって、資源はリサイクルしたいからね。」
「いつ聞いても理解できないな。それより、お前の本当の狙いはなんだ?わざわざワルプルギスの夜を晴人さん達の世界に送って。」
雅はキュゥべえに質問する。
「あなた、どういうこと!?」
ほむらは雅の言葉に驚く。
「暁美さんの情報を頼りに僕は独自にワルプルギスの行方を追っていた。だが、この日本はおろか、世界のどこを探してもその痕跡が半月前から消えている。つまり、何らかの手段でこの世界から姿を消したというわけだ。そして、それと同時期に別の世界で魔女が現れれば、その世界にワルプルギスも移動していると捉えるのが自然な流れだ。」
雅は自身の仮説を説明する。
「その通りさ。僕は君達の世界にあった闇の書の闇の残骸とワルプルギスの夜を使い、最強のファントムを生み出す。あの世界は、宇宙全体のエントロピーの低下のためのエネルギー炉になってもらう。AMFで君の世界移動は妨害させてもらっている。邪魔はさせないよ。」
キュゥべえは雅に目的を話すと何処かへ去って行く。
「闇の書の闇、リィンフォースを利用する気か。何処までも腐りきっているな。とにかく、まずは目の前の件だ。美樹さんから生まれたファントムと魔女を倒さないと。僕は佐倉さんの所へ行きます。」
「そう、わかったわ。」
雅はこれからの行動を説明し、雅はワープのカードを使って杏子の活動拠点に向かう。

その頃、杏子はさやかの死体に魔力を込めて鮮度を保っていた。
「佐倉さん、そこにいましたか。」
「なんだ、あんたか。あんたも、魔女の正体は知っていたんだろう。」
「はい、調べた上でこの世界に来ています。」
「なあ、もうさやかは二度と笑わないんだよな。」
「そうですね。その通りです。」
「じゃあ、私達がしていたことって、かつての仲間を殺して生きていたってことなのか…」
「はい。」
「もう、何が正しいのかわからねえ!」
杏子は叫ぶ。
「何が正しいか、ではありません。佐倉さん、君のしたいことをする。それが、佐倉さんのするべきことだと思います。」
雅は優しく杏子に言う。
「そうか。押してくれてありがとう、と言っておいてやるよ。さやかの件は私に任せろ。あんたは、ファントムの方を任せる。」
杏子は立ち上がる。
「わかりました。任せてください。」
雅も立ち上がり、二人は別方向に向かう。

翌日、杏子はまどかと合流し、廃工場に入る。
「ここだ、ここにさやかはいる。」
「本当にさやかちゃんなのかな?別の魔女の可能性は?」
「いいや、魔力の反応が昨日と同じだ。行くぞ!」
杏子は魔法少女の姿に変身し、まどかと共に結界に進入する。
「見つけたぞ、マーメイド。」
【CHANGE RIDE-DEN-O BELT-】
【ATTACK RIDE-DEN KAMEN SWORD-】
その頃、雅もマーメイドを発見し、ディロードライバーを電王ベルトに、ロードスラスターをデンカメンソードに変える。
「しつこいな!」
マーメイドは右手に長剣を、左手にダガーナイフを握る。
「変身!」
[liner form!]
雅は仮面ライダー電王 ライナーフォームに変身する。
「行くぞ!」
電王は駆け抜ける。
「おい、さやか!お前言っていたよな!自分の魔法はみんなを守るため!正義のためだって!それなのに、そのお前が魔女になってどうする!」
杏子は人魚の魔女の攻撃を必死に避ける。
「ウオオオオオオッ!」
人魚の魔女は攻撃の手を緩めること無く杏子を追い詰める。
「これでどうだ!」
[full charge!]
「必殺、電車斬り!」
電王は必殺技のフルスロットルブレイクを発動する。
「甘い!」
しかし、マーメイドは四本の長剣によって各デンライナーのオーラエネルギーを破壊し、発動を不発にさせる。
「それなら!」
[charge and up!]
電王はそのままマーメイドの懐に潜り込む。そして、
「デンライダーキック!」
電王は必殺技の回し蹴りをマーメイドに放ち、マーメイドは撃破される。
「ちっ、さやか!いい加減目を覚ませ!」
杏子は使い魔を撃破してゆくが、それに伴いソウルジェムは穢れてゆく。
「佐倉杏子、なんのつもり?」
そこにほむらが現れる。
「おい、まどかはお前に任せる。後は、私とさやかの問題だ。」
杏子はまどかにほむらが近づくのを確認すると、結界を展開して二人の脱出を促し、ほむらはまどかを抱きかかえて結界から脱出する。
「それでいいんだ。」
杏子はそう言う髪留めを外す。
「独りぼっちは寂しいもんな…いいよ、一緒にいてやるよ。」
杏子はソウルジェムに全魔力を注ぎ込んで自爆し、人魚の魔女をグリーフシードごと破壊する。そして、残る魔法少女はほむらのみとなってしまった。
to be continued.
次回予告
ついに、全ての条件が整ってしまった。それを止めるためには…次回『二つの世界』 
 

 
後書き
新カード紹介
NEW電王ベルト:ディロードライバーをNEW電王ベルトに変えて仮面ライダーNEW電王に変身するためのカード
デンカメンソード:ロードスラスターをデンカメンソードに変えるカード 

 

第14話『二つの世界』

ウィザード達は史上最強の魔女、ワルプルギスの夜を前に地に伏していた。
「なんて堅さだ!」
「俺達の魔法がまるで通じない!」
「リィン、大丈夫か!?」
「はい大丈夫です、はやてちゃん!」
「これが、ワルプルギスの夜の力…」
ウィザード達は立ち上がろうとするが、既にその魔力も消え晴人達の変身、ユニゾンは解除されてしまう。

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いは、その輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える─

遡ること数時間前のこと。それは面影堂で開かれていた会議から始まる。
「リィン、どうや?」
「はい、やっぱりこの世界に先代祝福の風と同じ魔力反応を感じます。」
リィンフォースの後継機であるリィンフォースⅡ、通称リィンははやてに状況を伝える。
「リィンフォースの遺したものまで利用するなんて。」
フェイトは静かな怒りをみせる。
「それで、はやてちゃんの言っていた闇の書の闇って一体何かな?」
晴人ははやてに質問する。
「はい、その前に闇の書について説明します。」
はやては夜天の書を取り出す。
「私が所有しているこの融合型デバイス、夜天の魔導書はかつてこことは異なる次元で作られたロストロギア、所謂オーパーツの一種です。夜天の書は本来の用途は各時代の様々な魔法を書き記す為の魔術辞典として作られたのですが、いつかの時代の所有者がプログラムを改竄して、使う人を蝕み、破壊の力にしか使えないように作り替えられてしまいました。作り替えられたそれは、闇の書と呼ばれ、様々な時代の主を蝕み、その時代の栄えた都市を滅ぼしいきました。時には、国さえも。私が生まれた時に来た時も、この子は闇の書の状態で来ました。それからしばらくは何もなかったんですけど、今から10年前のことでした。この子の力は再び暴走して、私を蝕み始めました。その時にフェイトちゃんとフェイトちゃんの友達に助けてもらって、その時に夜天の書から改竄された暴走防衛システムを切り離すことに成功しました。」
「つまり、その切り離された防衛システムが…」
「はい、闇の書の闇です。」
晴人の質問にはやては答える。
「つまり、その防衛システムを破壊すれば、キュゥべえの作戦は止められるってわけだ。」
仁藤は言う。
「仁藤さん、話はそんな簡単なことではありません。」
フェイトは仁藤に説明をしようとする。
「いい!皆まで言うな。話はわかっている。そのでっかい魔力の塊、俺とキマイラで食い尽くしてやる。」
仁藤はフェイトの言葉を遮る。
「それよりも、キュゥべえがどうして雅国家象徴とフェイトちゃんの残留魔力を集めていたのか、そこが気がかりなんです。闇の書の闇にはもう、核となるリンカーコアは存在していません。今魔力を与えても動かないはず。」
「はやて、もしかしたらキュゥべえが呼び寄せたワルプルギスの夜が関係しているのかも。キュゥべえは、ワルプルギスの夜と闇の書の闇を使ってファントムを生み出そうとしている。だとしたら、グリーフシードに私達の魔力を使ってファントムを生み出す為に利用するのかも。」
「なるほど、フェイトちゃんの言うとおりなら、充分あり得る話やな。」
はやて達が話していると突然扉が開き、服の至る所に穴が開き、傷だらけになった凛子がやってくる。
「晴人君、国安0課がキュゥべえに襲撃されたわ。」
「凛子ちゃん、大丈夫か!?」
「私の方はなんとか。だけど、私を庇う為に真由ちゃん達が…」
凛子の言葉を聞き仁藤は立ち上がる。
「おい、譲は無事なんだろうな!」
仁藤は叫ぶように言う。
「三人とも今は病院で手当を受けているわ。キュゥべえはあえて攻撃の手を緩めていた。仮面ライダーも貴重なゲートだって。」
「そうか…」
仁藤は自分に弟子入りした少年、飯島譲の安否を確認すると落ち着く。
「初めまして、大門刑事。私は、テスタロッサ刑事の上司に当たります、警部の八神はやてです。それで質問なんですが、キュゥべえの襲撃方法を教えていただけませんか。資料では、キュゥべえ自身に戦闘能力は皆無だったはずです。」
はやては自己紹介を軽く済ませると、凛子に質問する。
「八神警部、よろしくお願いします。それで、キュゥべえの襲撃方法だけど、キュゥべえは女の子の姿をした黒い影のような使い魔を連れて私達を攻撃してきたわ。」
凛子は回想を始める。

「君達が預かっているグリーフシードを回収させてもらうよ。」
キュゥべえは魔法少女の影、舞台装置の魔女の使い魔を複数連れて現れる。
「あなたがグリーフシードを悪用することは解っている。譲君、山本さん、行きましょう!」
「「「変身!」」」
“チェンジ…ナウ…”
国安0課に協力している三人の魔法使いはワイズドライバーにメイジウィザードリングをスキャンし、仮面ライダーメイジに変身する。
「キュゥべえの方は私に任せて!フェイトちゃんからの情報で、こいつには実弾が通用することは調べてあるわ!」
凛子は所持している対ファントム用の拳銃を用いてキュゥべえを撃つが、その弾丸は槍を持つ使い魔によって弾かれてしまう。
「アハハッ!」
マスケット銃を持つ使い魔は笑いながらメイジ達に対して射撃の手を緩めない。
「くっ!こいつ、強い!」
「だけならいいんだけど!」
“イェス!スペシャル!アンダースタン?”
真由の変身したメイジは紅蓮の魔法で使い魔を焼き払い右手の武器、スクラッチネイルで引き裂き、使い魔の右半身は引きちぎれる。すると、
「キャハハッ!」
長剣を持つ使い魔はマスケット銃を持つ使い魔を回復させてしまう。
「駄目だ、きりが無い!」
一児の父親、山本が変身するメイジはなんとか立ち上がろうとするが、くじけてしまう。
「さあ、君達も絶望してファントムを生み出すんだ。」
キュゥべえは使い魔を盾にしながらグリーフシードの保管庫にたどり着き、前脚を翳すと保管されていた全てのグリーフシードを抜き取る。
「ああっ!グリーフシードが!」
「君達に戦力が残っているとこの先の計画に支障をきたす。悪く思わないでほしい。」
メイジ達は使い魔の合体攻撃を受けて変身が解除されてその場に倒れ、その余波を凛子にもおよび、凛子は壁に強くたたきつけられる。

「その後、私は三人を病院に連れて行って、今は休んでもらっているわ。」
「そうか、俺達が朱雀達と戦っている間にそんなことが…」
晴人は表情を重くする。すると、二階から輪島は降りてくる。
「大変だ!海上から巨大な竜巻が向かって来ているらしい。」
「巨大な竜巻…もしかしたら、ワルプルギスの夜が来たのかもしれません。ワルプルギスは、魔法を扱えない人には巨大な竜巻に見えるという資料があります。」
「いよいよ、大物のお出ましか。」
リィンの説明を受けて、晴人達は立ち上がり、ワルプルギスの夜の迎撃を始める。そして─
ウィザード達はワルプルギスの圧倒的な強さの前に倒れてしまう。

その頃、ほむらは雅に拳銃を向けていた。
「あなた、やっぱり私を騙していたのね。」
「騙してはいません。僕は、この世界が本来あるべき歴史になるように修復しただけです。」
「佐倉杏子が消え、ワルプルギスに対抗できるのがまどかだけになることが、本来あるべき歴史だとでも言うのかしら?」
「その通りです。そもそも考えてみてください。どうして今まであらゆる時間軸の中で、あの一例を除いて鹿目さんは必ず何かを守るためにキュゥべえと契約していたのですか。それに、唯一の特例も、鹿目さんが謀殺されたからこそ発生したこと。事実上、鹿目さんは大切なものを守るために必ず魔法少女になることが、運命づけられている存在なのです。」
「それじゃあ、私がやってきたことは無駄だったって言うの!?」
「いいえ、無駄ではありません。その証拠に、世界をやり直す度に事態は変化したはずです。」
「そうね、全て悪い方向に。」
「本当に悪い方向だと思いますか?」
「悪い方向よ。まどかはどんどん強くなる。ワルプルギスを倒せるほどに。だけど、それでまどかが魔女になったら意味がないわ。」
「それで、一人で倒そうとしているのですね。」
「そうよ。」
「ですが、おそらく明美さんではワルプルギスに勝つことは出来ません。」
「それはやらなければ分からないわ。」
「残念ながら、結論は出ています。」
「どうして!」
「鹿目さんがこの世界の特異点であるように、ワルプルギスの夜もまた、この世界の特異点なのです。明美さんも気づいていたはずです。世界をやり直す度にワルプルギスが強くなっていると。」
「それは…」
「明美さんがやり直せばやり直すほど、鹿目さんの因果律はより高次元に向かい、ワルプルギスは少女の無念をその身に取り込む。対して、明美さんの能力には限界があります。おそらく、後数回が限界なのではないですか。」
雅の言葉にほむらは黙り込む。
「無論、明美さんが更に繰り返す中で鹿目さんの因果律がワルプルギスを超えて、ワルプルギスの夜を倒しても魔女にならないレベルになるかもしれませんが…」
「それだけはさせない。まどかは魔法少女にさせないわ。」
「それは出来ない相談ですが、ワルプルギスはおそらく向こうの世界にいる指輪の魔法使い、仮面ライダーウィザードと僕の妻が協力して戦っているはずです。」

「まさか、あそこまでの強さとは…」
晴人はなんとか立ち上がる。すると、ディロードウィザードリングが光を放つ。
「晴人さん、その指輪を使ってください!今ならきっと、大丈夫なはずです!」
それを見たフェイトは晴人に言う。
「わかった。やってみよう。」
晴人はウィザードライバーを魔法発動モードに変える。
“ルパッチマジックタッチゴー!ルパッチマジックタッチゴー!”
晴人はディロードウィザードリングをスキャンする。

雅とほむらの前に突然、ウィザードの魔方陣が出現する。
「これは!明美さん、向こうの世界で僕の力が必要になりました。おそらく、ワルプルギスに勝てなかったのかもしれません。僕は向こうの世界に向かいます。明美さんも来ますか?」
雅はほむらに質問する。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「ほむらちゃんって、格好いい名前だよね!」
「行きます!」
「ソウルジェムが魔女を生むなら、みんな死ぬしかないじゃない!」
「初めまして、晴人さん。」
「さあ、ショータイムだ!」
次回『交わした約束は忘れない』 

 

第15話『交わした約束は忘れない』

「あなたに何が解るっていうの!まどかに助けられて、まどかのために今まで戦ってきた私の何が!」
晴人達が作戦会議をしていた頃、ほむらと雅は互いの意見で衝突しあっていた。
「あなたには絶対に解るわけがない。私の中の、まどかのためだけの、私の思いは…」
ほむらは時間を巻き戻していた日々を回想する。

─私は元々病弱で、入院と退院を繰り返していた。ある日、私の入院期間は終わり、見滝原に引っ越して新しい生活が始まった。
「今日は皆さんに転校生をご紹介します。暁美さん、入ってきて。」
私は先生に言われて教室に入る。先生は黒板に私の名前を書き、
「明美さん、皆さんに自己紹介を。」
笑顔で私に言う。
「暁美ほむらです。よろしくお願いします…」
自分に自身の無かった私は、最後は尻すぼみになるような自己紹介をした。
「明美さんは体が弱いので、皆さん無理はさせないでくださいね。それから、保健委員の鹿目さん、暁美さんに保健室の場所を教えてあげてね。それじゃ、今日のホームルームはこれで終わりね。」
先生は出て行き、まどかは私に近づく。
「初めまして、私は鹿目まどか、まどかって呼んでね。それで、ほむらちゃんって呼んでもいいかな?」
まどかは優しく私に話しかけて、笑顔を見せてくれた。
「はい、大丈夫です…」
「それじゃあ、保健室の場所を教えるね!」
まどかは私の手を引いて保健室に案内しようとする。私は、突然のことで手を引っ込めてしまい、まどかはキョトンとしたが、すぐに納得して歩きはじめ、私はそれに着いて行った。
「ほむらちゃんって、とってもカッコいい名前だよね!」
保健室に向かう途中でまどかはふと、そんなことを言った。
「そんなこと、ないです。女の子なのに、ヘンな名前で…」
「そんなこと無いよ。なんかこう、もえあがれ~!って感じでカッコいいよ!だからさ、ほむらちゃんもカッコよく変わっちゃおうよ!」
実際に可笑しな名前だと思っていた私の名前を、まどかは受け入れるどころか、私にアドバイスをしてくれた。だけど、当時の私はそれに怯えていた。そして、放課後になり、帰宅途中の道で、私は初めて魔女に出会った。
「何…あれ…」
怯える私は、ここで終わりなのか、こんな面白みの無い自分には相応しい最後だと思っていた。その時、魔法少女に変身したまどか達に救われた。丁度、今のまどかのような状態だった。
「突然驚かせちゃってゴメンね!クラスのみんなには、ナイショだよ!」
まどか、さやか、マミは素晴らしいチームプレーで芸術の魔女を瞬く間に倒してしまう。
「すごい…」
それから私は、まどか達に着いていきある日、それはやってきた。まどか達はワルプルギスの圧倒的な力に敗れてしまった。その時にキュゥべえは何時ものように現れた。
「君はどんなことを願う。君なら、どんな願いも叶えられる。だから、僕と契約して、魔法少女になってほしいんだ。」
「私、鹿目さんとの出会いをやり直したい!彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守れる私に!」
私はキュゥべえと契約して、時を遡った。
「鹿目さん!私、魔法少女になりました!」
私はまどかに話したが、流石に学校で話したこともあって驚かれた。それでもまどか達は優しく私を受け入れてくれた。そして、巴マミと美樹さやかの犠牲の中でワルプルギスに勝利した。だけど、まどかは苦しみの中で魔女に変貌した。
「キュゥべえ、どういうこと!?私、何も聞いていない!」
「君たちからは何も聞かれなかったからね。」
私は再び時間を遡った。みんなキュゥべえに騙されている。私がどうにかしないと。だけど…
「はぁ?キュゥべえが嘘を吐いている?それであいつに何の得があるんだよ!」
「暁美さん、悪戯に人を混乱させないで。」
「てゆうか、それ自体こいつがグリーフシードを独り占めするための嘘なんじゃないの?」
誰も私の言葉に耳を傾ける人はいなかった。それでも、現実が変わることなんてない。美樹さやかは魔女になり、私達は魔女になった美樹さやかを倒した。
「こんなのって、あんまりだよ…」
まどかは泣き崩れる。そんな中で巴マミは佐倉杏子のソウルジェムを撃ち抜き、彼女を消滅させてしまう。そして、次は私を標的にして私を拘束する。
「ソウルジェムが魔女を生むなら、みんな死ぬしかないじゃない!」
「あなたも?」
私は巴マミの嘆きに疑問を投げかける。
「私も!」
巴マミは迷わず答えるが、まどかは私を助けるために巴マミを撃ち倒す。
「まどか…」
私はまどかに泣きつく。
「一緒に、ワルプルギスの夜を倒そう。」
まどかと私は必死の思いでワルプルギスをなんとか倒す。だけど、二人のソウルジェムは限界を迎えていた。
「まどか、グリーフシードは?」
「ううん、もうない。このまま、二人で魔女になっちゃう?」
「それでもいいかも。」
私がまどかの言葉にそう返すと、まどかは美樹さやかのグリーフシードを使って私をソウルジェムを回復させる。
「ほむらちゃん、一つだけお願い。ほむらちゃんは過去に戻って。それで、こんな馬鹿な、キュゥべえに騙される私を守って。」
「うん、約束する。」
私は、その言葉を頼りに何度も時間を遡る。その度にまどかはワルプルギスを倒し、魔女になる。
「どうしたんだい?戦わないのかい?」
「私の戦場は、ここではないわ。」
もはや何故時を遡るのか、その目的を忘れていた。それでも、交わした約束は忘れない。それだけが、最後に残った道しるべだから─

「なまじ時を戻れるだけ、つらいことは解る。僕だってそうだった。」
「あなたに何が解るの!」
「解りますよ。僕の持つディロードライバーも、僕の目標を達成するまでは何度でも時間を繰り返す。今から10年ほど前に、目標を達成するまで、実に400年もかけてしまった。」
雅は言う。すると、既に消えたはずのディロードライドウォッチが雅の手に出現する。
「これは、ディロードウォッチ!?もしかして…」
“ディロード!”
雅はディロードライドウォッチを起動させる。

『どっちがいい?』
場面は、王蛇が龍騎にトドメを刺そうとしているシーンになる。
『そんなことはさせない!』
【ATTACK RIDE-BLAST-】
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
『ライダーパンチ!』
ディロードは王蛇の隙を狙って王蛇のバックルに必殺のライダーパンチを放ち、王蛇を倒す。しかし、
『何故だ!どうして世界が!』
本来あるべき世界の道筋から外れた龍騎の世界は崩壊してしまう。
「最初は失敗続きだった。みんなを救おうとすれば、世界のルールが乱れて崩壊してしまう。」
場面は、グランザイラスの攻撃をディロードが受けているシーンに変わる。
『消えるがいい、仮面ライダーディロード!』
ディロードはグランザイラスの爆撃を受けて倒されてしまう。
「僕が倒される度に時間が戻り、人々との出会いはやり直しになった。」
雅が話していると、場面はディロードドラゴンとチームディロードが戦うシーンに変わる。
『雅さん、しっかりしてください!』
『ダメだ!体の制御をディロードライバーに奪われている!』
『皆さん、世界がどんどん消えていますわ!』
『みんな、早くディロードライバーを破壊してくれ!ディロードライバーを破壊しないと、世界が全て崩壊して、ディロードのエネルギーにされる!』
『そんな、雅を倒すなんて出来ないよ!』
【FINAL WORLD ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
雅の言葉にフェイトは反論するが、ディロードドラゴンは必殺技を発動する。
『ダメだ…全てが終わってしまう…ディメンションオーバーヒートエンド…』
ディロードドラゴンは自爆し、世界は全て崩壊する。

「あなたは、どれだけ繰り返したのかしら?」
ほむらは雅に拳銃を向けながら聞く。
「大体820回は。」
「あなたはどうして、平気でいられたのかしら?」
「平気だったわけがない。たとえ苦しくても、自分が選んだ結末なら、それを受け入れるしかない。それが、僕の罪の償いだから。」
「そう。それであなた、やっぱり私を騙していたのね。」
そして話は現在に戻る。
「ほむらちゃん…」
そこにまどかが現れる。

「晴人さん、その指輪を使ってください!今ならきっと、大丈夫なはずです!」
それを見たフェイトは晴人に言う。
「わかった。やってみよう。」
晴人はウィザードライバーを魔法発動モードに変える。
“ルパッチマジックタッチゴー!ルパッチマジックタッチゴー!”
晴人はディロードウィザードリングをスキャンする。
“ディロードォォォ!プリーズ…ライダーライダーライダー!”
ディロードウィザードリングは効果を発揮する。

「暁美さん、この魔法陣の先にワルプルギスはいるはずです。行きましょう。」
雅とほむらは魔法陣を通り抜け、仮面ライダーウィザードの世界に向かう。

「あんた達は?」
晴人はウィザードの世界にたどり着いた雅達に質問する。
「初めまして、僕は凪風雅。フェイトの夫で、仮面ライダーディロードをやらせてもらっています。」
「暁美ほむら。彼の協力者ってところね。」
雅とほむらは自己紹介をする。
「それで、君は?」
晴人はある方向に視線を向ける。そこには、まどかが地面に座っていた。
「鹿目さん、どうしてここに!」
「だって、見ていられなかったから。何も出来ないかもしれないけど、それでも誰かの役に立ちたいもん!」
雅の言葉にまどかは反論する。
「あなたは何時もそうね。とにかく、ワルプルギスは今までの魔女やファントムとはレベルが違うわ。逃げなさい。」
「暁美さん、君も鹿目さんと一緒に行くんだ。鹿目さんを護れるのは、暁美さんしかいない。」
雅はほむらに言う。
「わかったわ。まどか、行きましょう。」
ほむらとまどかは戦場から離脱する。
「ディバイドエナジー!」
雅は晴人達の魔力を回復させる。
「行きましょう晴人さん、仁藤さん、はやて、それからフェイト。」
雅の言葉で晴人達は立ち上がり、一斉に変身する。
「さあ、ショータイムだ!」
ディロード達は最強の魔女に立ち向かう。
to be continued.

次回予告
「勝てないことはわかっている。止められないことはわかっている。それでも、成し遂げなければならない。それが僕達の使命だから。次回『究極のファントム』」 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーディロード(ファイナルワールドアタックライド):ディロードドラゴンの必殺技を発動させるためのカード。 

 

第16話『究極のファントム』

「フェイト、ユニゾンで行こう!」
ディロードはユニゾンのカードを取り出す。
「うん、わかった!」
フェイトが了解すると、ディロードはカードをディロードライバーにスキャンする。
【ATTACK RIDE-UNISON-】
「「ユニゾンイン!」」
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING BRAVE-】
ディロードはフェイトとユニゾンし、ライトニングブレイブにフォームチェンジする。

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を希望に返る─

「『フォトンランサー・ファランクスシフト!打ち砕け、ファイア!』」
ディロードは舞台装置の魔女の使い魔達を一掃する。
「アーテム・デス・アイセス!」
“チョーイイネ!ブリザード!サイコー!”
はやてとウィザードは凍結魔法を使ってワルプルギスを凍結する。
「ユニゾンアウト!フェイト、はやて、トリプルブレイカーで決めよう!」
【ATTACK RIDE-RAISING HEART EXELION-】
【FORM RIDE-DELOAD STARLIGHT-】
ディロードはフェイトとのユニゾンを解除し、スターライトフォームにフォームチェンジする。
「わかったよ、雅。バルディッシュ…」
「ならこっちも!シュベルトクロイツ…」
「「リミッター解除!ブラスター2!」」
フェイトとはやてはデバイスの制御リミッターを解除する。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「全力全開!スターライト…」
「雷光一閃!プラズマザンバー…」
「響け、終焉の笛!ラグナロク…」
「「「ブレイカー!」」」
ディロード達は直射魔法のコンビネーション技、トリプルブレイカーをワルプルギスの夜に放つ。
「これで、どうだ…」
ディロードは呟くが煙が晴れると、そこには無傷に等しいワルプルギスの夜がいた。
「んな!?」
「トリプルブレイカーでも無傷なんて…」
その光景にはやてとフェイトも驚きを隠せない。
「さすがは耐久力の塊とする呼ぶべきワルプルギスの夜。一筋縄ではいかないか。」
ディロードはアクセルシューターでワルプルギスの夜を攻撃するが、ワルプルギスの夜にダメージを与えることが出来ずにいた。
「雅、ワルプルギスの夜を倒す方法はないのか?」
ウィザードもウィザーソードガンをガンモードにして射撃を行いながらディロードに質問する。
「無いわけではないですが…」
「どういうことだ?」
「全ては、ある人の決意次第です。」
ディロードの脳裏にまどかがよぎる。

その頃ほむらはまどかを連れて安全地帯を探していた。
「ほむらちゃんはどうして私のためにここまで?」
「それが、約束だから…」
「約束?」
「そう。私は繰り返す中でいつかの時間で、まどかと約束した。キュゥべえに騙されないように、騙されるまどかを守るように。だけど、繰り返せば繰り返すほど、私とまどかの距離は離れていった。それでも、私は諦めなかった。それだけ、私の中ではまどかのことが大切だったの。」
「ほむらちゃん…」
ほむらとまどかは立ち止まる。
「まどか、ごめんね…急にこんなこと言って、気持ち悪いよね…」
ほむらはまどかに泣きつく。
「ほむらちゃん…」
「まどか、行ってくるね。まどかはここを離れないでね。」
ほむらは来た道を引き返す。
「ようやく行ったか。」
ほむらが去ったことを確認すると、キュゥべえが現れる。
「キュゥべえ、どうしてここに!?」
「こちらには何度も行き来をしているからね。それより、君は命をかけて友達を助けようとはしないんだね。」
「ほむらちゃんが教えてくれた。」
「そうか。それならそれで仕方がないか。」
「どういうこと?」
「僕も向こうに参戦させてもらうか。」
キュゥべえはそう言うと、ほむら達が来た道とは別の方向へ走って行く。

「石化の槍、ミストルティン!」
はやてはミストルティンを唱え、ワルプルギスの夜を石化させる。石化したワルプルギスの夜は海上に落下する。しかしそこにキュゥべえが現れる。
「ありがとう、僕の為にここまでやってくれて。」
キュゥべえは淡々と言う。
「どういうことだ!」
ディロードが言うと、キュゥべえはグリーフシードを取り出す。
「君達が過剰な攻撃をしたことで、ワルプルギスの夜は更に絶望のエネルギーを蓄えた。これで全ての条件は揃った。」
キュゥべえは海底に沈んでいた闇の書の闇とワルプルギスの夜を浮上させ、自身が所持している五つのグリーフシードをそこへ投げ込む。するとワルプルギスの夜の石化は解除され、闇の書の闇と共に禍々しい光に包まれる。
「一体何がおきているんだ…」
「あれは究極のファントムを生み出す為の繭さ。」
ウィザードの言葉にキュゥべえは返答をする。
「究極のファントムだと!そんなもの、誕生させるわけにはいかない!」
“ターンオン!”
ウィザードはアックスカリバーをアックスモードに移行させる。
「悪いけど、邪魔をされるわけにはいかないから、ここは僕も妨害させてもらうよ。」
キュゥべえはそう言うと、別のグリーフシードに保管していたファントムの魔力を吸収し、二足歩行の禍々しい怪人に変化する。
「だったらお前ごと倒すまで!」
“ハァイタッチ!シャイニングストライク!キラキラ~!”
ウィザードはアックスカリバーを巨大化させて振り下ろす一撃、ドラゴンシャイニングを放つが、キュゥべえ怪人態は片手で軽々と受け止める。
「その程度かい?」
キュゥべえ怪人態は右手からビームをウィザード目がけて放つ。
「危ない!」
【ATTACK RIDE-SPLIT-】
ディロードはウィザードを守る為に盾となり、スプリットを使って攻撃を受け止め、分裂してビームを防ぎきる。
「雅君!」
「雅、大丈夫!?」
はやてとフェイトはディロードに近づく。
「僕は大丈夫。それより、キュゥべえにここまでの戦闘能力があったとは。」
ディロードは立ち上がる。
「キュゥべえ、いや孵卵器(インキュベーター)、まさか魔法少女達のエネルギーを自分の為に使うなんて、らしくないわね。」
そこにほむらが合流する。
「暁美ほむら、君のおかげで鹿目まどかの因果律は限界を超えてくれた。僕の目的の為に動いてくれてありがとう。」
キュゥべえ怪人態はほむらを見ながら言うと、右腕に紫色のエネルギーを溜める。
「だけど、最強のファントムが生まれる今、君の必要性は消えた。」
キュゥべえ怪人態はそのエネルギーを刃に変えてフェイトとほむらを切り裂く。その攻撃を受けた二人は倒れ込み、ファントムが誕生する兆候である紫色のヒビが顔に現れる。
「キュゥべえ、フェイトに何をした!」
ディロードはキュゥべえ怪人態を攻撃しようとするが、キュゥべえ怪人態はその攻撃を軽々と避ける。
「ファントムは魔女と同様多様性に富んでいる。その中でもレギオンというファントムはゲートのアンダーワールドを強制的に切り開く力がある。そこに無理矢理ファントムの魔力を送り込めばどうなるか、わからない君ではないだろう。」
「まさか!」
「そう、彼女達の絶望を利用して新たなファントムを生み出すのが目的さ。さ、早くアンダーワールドに行かないと、君の大切な人と、唯一の魔法少女はファントムと魔女を生み出して消えてしまうよ?」
キュゥべえ怪人態は敢えてディロードに言う。
「くっ、晴人さん。フェイトと暁美さんのファントムを倒しにいきましょう!」
ディロードはフェイトに、ウィザードはほむらに近づく。
「雅、こいつを受け取れ。」
ウィザードはディロードに一つのウィザードリングと、手甲型のアイテムを投げ渡し、ディロードは受け取る。
「晴人さん、これは?」
「輪島のおっちゃんが作ったやつだ。早く行くといい。」
ウィザードはほむらの右薬指にエンゲージウィザードリングをはめる。
「約束する。俺が、最後の希望だ。」
“エンゲージ…プリーズ…”
「晴人さん、暁美さんの中の魔女は倒さないでください。魔女の正体は魔法少女の魂。魔女を倒したら暁美さんは動けなくなってしまいます。」
「わかった。」
ウィザードはディロードから説明を受け、ほむらのアンダーワールドに突入する。
「フェイト、必ず救ってみせる!」
ディロードはウィザードから渡された専用のエンゲージウィザードリングをフェイトの右薬指にはめ、その手をディロードライバーに近づける。
“エンゲージ…プリーズ…”
ディロードはフェイトのアンダーワールドに突入する。
「さて、これで君達の戦力は著しく低下した。君達に、僕の計画を止められるかな?」
キュゥべえ怪人態は光弾を放つ。
「ブリューナク!」
はやては弾魔法でそれを相殺するが、その隙にキュゥべえ怪人態に距離を詰められてしまう。
「しまった!」
「君の近接戦闘能力は把握している。これでどうかな?」
キュゥべえ怪人態は力を込めてはやてを殴ろうとし、はやては目を瞑る。しかし、その攻撃がはやてに当たることはなかった。何故なら、
「させねえよ!アタシらがいる限り!」
ヴィータのグラーフアイゼンがその拳を受け止めていたからだ。
「夜天の主は傷つかない!」
ザフィーラの牙獣走破が放たれ、キュゥべえ怪人態は咄嗟に回避する。
「私達は夜空を守る雲!」
シャマルの回復魔法によってはやてとビーストの体力と魔力は完全に回復する。
「守護騎士ヴォルケンリッター、常に主と共に!」
シグナムの飛竜一閃がキュゥべえ怪人態に的確なダメージを与える。
「まさか、ヴォルケンリッターが増援で来るとは。」
キュゥべえ怪人態は立ち上がる。
「言っておくが、そいつらだけじゃねぇぜ!」
キュゥべえ怪人態は声の聞こえた方角に目を向ける。そこにはクウガからダブルまでの平成主役ライダーが勢揃いしていた。
「流夜、お前ホントモンスターの使い方が荒いなよな。」
「まさかドラグレッダーに全員乗せてくるなんてな。」
龍騎とブレイドは呆れながら言う。
「次から次と。だけどもう手遅れさ。」
キュゥべえ怪人態はワルプルギスの夜を包み込む光に顔を向ける。すると光はひび割れ、砕け散ると中から女性のような上半身に巨獣の身体、左右にはそれぞれ異形の頭部が三つずつ生えた怪物が現れる。
「これが究極のファントム、幻肢痛の魔女 スキュラだ!」
キュゥべえ怪人態はその存在に名を与える。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「無駄さ、君達ではスキュラに傷一つ与えられない。」
「これが、魔法少女の真実…」
「こんな失敗作にかまけているなんて、ばっかみたい。」
『偽りのディロードよ、本当に使うのか?』
「ディロードドラゴン…」
次回『例え朽ちて消えても』 

 

第17話『例え朽ちて消えても』

ウィザードはほむらのアンダーワールドに突入する。
『ほむらちゃん、グリーフシードは?』
『ううん、まどかは?』
『私ももう無い。このまま、二人で魔女になって暴れちゃう?』
『それもいいかも。』
ほむらが自暴自棄に言うと、まどかはほむらのソウルジェムをグリーフシードを使って浄化する。
『まどか!?』
『ほむらちゃん、一つだけお願いを聞いて。ほむらちゃんは戻って。キュゥべえに騙される馬鹿な私を守って…』
まどかのソウルジェムはグリーフシードに変わり、救済の魔女に変貌する。
「これが、魔女の真実…」
ウィザードが呟くと、アンダーワールドの風景は砕け、兎のような巨大なファントム、ラプラスと共に此岸の魔女が現れる。
「確か、魔女は倒すなって雅は言っていたな。さあ、ショータイムだ!」
ウィザードはウィザードラゴンを召喚する。

『フェイト、はい。』
アンダーワールドの内部でアリシアはフェイトにバルディッシュを渡す。
『アリシア、これ…』
『フェイト、行ってらっしゃい。私はもう何処にもいないけど、それでも、フェイトのお姉ちゃんだもん。』
アリシアは笑顔を見せ、フェイトは泣きながらアリシアに抱きつく。
『ごめんね、アリシア…』
『いいよ。それより、優しい友達が待っているんでしょ。』
アリシアはフェイトの頭を撫でる。
『現実でも、こんな風でいたかったな…』
アリシアの幻影は消滅する。そして、アンダーワールドは砕け散り、虚像の魔女と共にアリシアの姿をしたファントムが現れる。
「何者だ!」
ディロードはロードスラスターを構える。
「私はファントムのドッペルゲンガー。さあ、私を楽しませてね。おにいちゃん♪」
ファントム、ドッペルゲンガーはバルディッシュを構える。

ウィザードとディロードがアンダーワールドで戦闘を繰り広げている頃、現実世界でも仮面ライダー達がスキュラとの戦闘に苦戦していた。
「なんなんだ、あのバリア!」
「もしかしたら、闇の書の闇が持つ複合バリアが復活しているのかもしれません!」
ブレイドの言葉にはやては答える。
「仕方がない。こいつでいくか!」
【FINAL KAMEN RIDE-DECADE-】
ディケイドは最強コンプリートフォームに変身し、その能力でライダー達も最強形態にパワーアップする。
「んじゃ、こいつの出番だ!」
【FINAL FORM RIDE-ALL RI RI RI RIDERS-】
ディケイドはオールライダーのファナルフォームライドを発動する。
「ちょっ、流夜!いきなりやめてよ!」
クウガは驚くが既に遅く、
「伍代さん、ちょっと、くすぐったいですよ。」
アギトによってクウガはライジングアルティメットゴウラムに変化し、
「翔一、ちょっとくすぐったいぞ!」
龍騎はアギトをシャイニングトルネイダーに変化させ、
「城戸、ちょっとくすぐったいぞ。」
ファイズは龍騎をサバイブドラグランザーに変化させ、
「巧、ちょっとくすぐったいぞ!」
ブレイドはファイズをクリムゾンブラスターに変化させ、
「一真、ちょっとくすぐったいからな。」
響鬼はブレイドをキングブレードに変化させ、
「響鬼、ちょっとくすぐったいぞ。」
カブトは響鬼をアームドハガネタカに変化させ、
「おい、ちょっとくすぐってえぞ!」
電王はカブトをゼクターハイパーに変化させ、
「すみません。ちょっとくすぐったいですよ。」
キバは電王を超クライマックスモモタロスに変化させ、
「ちょっと、くすぐったいぞ。」
ダブルはキバをエンペラーアローに変化させ、
「ちょっとくすぐったいぞ。」
ディケイドはダブルをサイクロンサイクロンとジョーカージョーカーに分裂させ、超クライマックスモモタロスはキングブレードを、サイクロンサイクロンはクリムゾンブラスターを、ジョーカージョーカーはエンペラーアローを手に取る。
「ヴィータ、シグナム、私達でバリアを破壊しよう!」
「オッケー!そういうことなら、行くぞアイゼン!」
[gigant form!]
「轟天爆砕!ギガントシュラーク!」
ヴィータはギガントシュラークを放ち対魔法バリアを破壊する。
「フェイトちゃん、この魔法を使わせてもらうで!サンダースマッシャー!」
はやては夜天の書からフェイトの砲撃魔法を引き出し、対物理バリアを破壊する。
「レヴァンティン、ここは我らの出番だ。」
[bogen form!]
「翔けよ、隼!」
[sturm falcen!]
シグナムはシュツルムファルケンを放ち、対魔法バリアを破壊する。
「今よ、はやてちゃん!」
「解ってるで、シャマル!響け終焉の笛!ラグナロク!」
はやてはラグナロクを発動し、スキュラの最後のバリアを破壊する。
「無駄さ、君達ではスキュラに傷一つ与えられない。」
その光景を見てキュゥべえは平然としていた。

ほむらのアンダーワールドでラプラスと交戦しているウィザードは苦戦を強いられていた。
「くっ、ファントムだけならどうにかなるが、魔女が邪魔する!」
此岸の魔女に手出し出来ないウィザードはラプラスの攻撃を受ける。
“晴人、魔女の動きを封じろ!そうすれば魔女を気にせずに戦えるはずだ!”
「解った!」
“バインド…プリーズ…”
ウィザードはウィザードラゴンの指示を受け、炎の鎖で此岸の魔女を拘束する。
「フィナーレだ!」
“チョーイイネ!キックストライク!サイコー!”
ウィザードは必殺技を発動し、ウィザードラゴンは巨大な足、ストライクモードに変形する。
「はぁっ!」
ウィザードはウィザードラゴンで敵を踏み潰す必殺技、ストライクエンドを放ち、ラプラスを撃破する。
「ふぃ~。」
ウィザードは此岸の魔女に掛けていた拘束を解き、ほむらのアンダーワールドから撤退する。

「ほらほら、どうしたの!」
ディロードはドッペルゲンガーの攻撃に苦戦している。
「これならどうだ!」
【CHANGE RIDE-DARK KABUTO ZECTOR-】
「変身!」
ディロードはディロードライバーをダークカブトゼクターに変え、仮面ライダーダークカブトに変身する。
「クロックアップ!」
ダークカブトはクロックアップし高速移動を行うが、
「無駄だよ!」
ドッペルゲンガーも対応するように高速移動を行い、バルディッシュでダークカブトに的確な斬撃を放ち、変身を解除させる。
「だったら!」
【CHANGE RIDE-WISE DRIVER-】
「変身!」
“チェンジ…ナウ…”
雅はディロードライバーをワイズドライバーに変え、仮面ライダーワイズマンに変身する。
“エクスプロージョン…ナウ…”
ワイズマンはエクスプロージョンを発動し、ドッペルゲンガーの周囲を爆発させるが、
「だから、そんなことしたって意味ないんだよ。」
ドッペルゲンガーは上空へ回避し、バルディッシュからエネルギー弾を放ちワイズマンを攻撃する。
「ぐっ!」
エネルギー弾はワイズマンに直撃し、ワイズマンは怯む。
「それなら!」
【CHANGE RIDE-BUILD DRIVER VERSION SINOBU-】
雅は変身を解除し、ディロードライバーを桐生戦兎の父、葛城忍が使用したビルドドライバーに変える。
〝ラビット!タンク!〟
雅はボルテックレバーを回転させる。
「変身!」
〝Are you ready? 鋼のムーンサルト!ラビットタンク!ィエーイ!〟
雅は仮面ライダービルドに変身する。
「これで、どうだ!」
ビルドはドリルクラッシャーでドッペルゲンガーを貫こうとするが、ドッペルゲンガーは軽々と回避する。
「っていうかさ、こんな失敗作にかまけているなんて、ばっかみたい。」
ドッペルゲンガーは笑いながら言う。
「失敗作だと?」
 「だってそうじゃん。フェイトなんて名乗っているけど、結局は私になれなかった出来損ないの失敗作じゃん。」
ドッペルゲンガーはバルディッシュをビルドに叩きつける。
「違う!フェイトは生まれたときからフェイトだ!アリシアの失敗作でも、代用品でもない!お前を生み出すゲートでもない!」
ビルドは立ち上がる。
「綺麗事を言っても無駄だよ!母さんは全部私のためにあるの!このバルディッシュだって、リニスが私のために作ったものだもん!」
ドッペルゲンガーはバルディッシュでディロードをなぎ払う。
「ぐはっ!」
ビルドは吹き飛び、変身が解除される。
「どう?母さんも、バルディッシュも、アルフも、なのは達も!全部私のための、私のものなの!出来損ないの失敗作のものじゃない!」
ドッペルゲンガーはバルディッシュを振るうが、雅はそれを間一髪で回避する。
「あなただって、チームディロードだって、本来なら私の居場所のはずだった!」
ドッペルゲンガーはバルディッシュで雅を攻撃しようとするが、雅はバルディッシュの柄を掴んで攻撃を防ぐ。
「さっきから聞いていれば!お前はそもそもアリシアですらない!」
「そんなこと言っても、あなたじゃ私には勝てないよ。だから、このまま諦めて私と一緒に暮らそ?」
ドッペルゲンガーは和やかに言う。
「勝てないかどうかは、まだ決まっていない!」
雅はディロードに変身し、晴人から渡されたアイテム、ディロードドラゴタイマーを起動させる。
“ディロードドラゴタイマー!セットアップ!スタート!”
ディロードドラゴタイマーは一分のカウントを確認する。
“ファイナルタイム…”
「これにドラゴタイマーと同じ機能が備わっているなら、きっと!」
ディロードはディロードドラゴタイマーをディロードライバーに翳す。すると、ディロードは黒い光に包まれる。
『相も変わらずだな、偽りのディロードよ。』
「ディロードドラゴン…」
光の中、雅の精神世界の中で雅はディロードドラゴンと向き合っていた。
『お前は我に何を求める?』
「ディロードドラゴン、お前の力を、僕のディロードとして使わせてほしい。」
『冗談はほどほどにしておけ。ただの小僧が調和を司る我を力として使いたいだと?』
「同じ調和でも、僕とお前では本質が違う。お前は破壊された状態の調和を、僕は創造の調和を、それぞれ担っている。」
『ならなおさらやめておけ。有と無の融合の果てにあるものは混沌。それは我自身も望まぬ。』
「だとしても、今僕達のいる世界は既に混沌となっている。それを打開するには、どうしても必要なんだ。」
『偽りのディロードよ、本当に使うのか?我を使おうものなら、お前は確実に命を落とす。』
「それでも、向こうの戦力の増強を、何より大切な人を失うことは防げる。この身が例え朽ちて消えても、僕は成し遂げてみせる。」
雅はディロードドラゴンの目を見て言う。
『…そこまで言うのなら止めはしない。せいぜい我に飲み込まれて滅びよ!』
ディロードドラゴンは雅と一体化する。そして、黒い光は晴れる。
“ドラゴフュージョン!プリーズ!”
そこには、ディロードドラゴンの手足、ディメンションウィング、ディメンションテールを生やしたディロードがいた。
「仮面ライダーディロード ドラゴフュージョンスタイル…この力で、フェイトを救う!」
ディロードは飛翔し両手の爪、ディメンションクローで虚像の魔女を引き裂き、撃破するとそのままグリーフシードを粉砕する。
「なんなの!仮面ライダーは何でもありなの!?」
ドッペルゲンガーはバルディッシュからエネルギー弾を放つが、ディロードはディメンションウィングを羽ばたかせてそれらを防ぐ。
「これで決める!」
ディロードがディロードライバーを開くと、ファイナルアタックライドのカードが自動的にスキャンされ、ディロードは読み込ませる。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
カードのスキャンに合わせてディロードの胸部にディロードドラゴンの頭部が出現する。
「えっ!ちょっ!」
ドッペルゲンガーは慌てる。
「終わりだ!ディメンションストライク!」
ディロードは急降下しながら突撃し、ディロードドラゴンの頭部がドッペルゲンガーを飲み込み、そのまま爆発させる。
「さて、変身を解除したらそれまでか。」
雅は変身を解除するが、何も起こらない。
『偽りのディロードよ。お前に死なれては我も復活出来ない。今はその命、奪わずにいてやろう。』
ディロードドラゴンは雅に話し、姿を消す。それを確認した雅はフェイトのアンダーワールドから撤退した。
to be continued.

次回予告
「ただ力をぶつければいいわけではないことは解っている。後は、少女の勇気だけ。次回『救済の願い』。」 
 

 
後書き
新カード紹介
ダークカブトゼクター:ディロードライバーをダークカブトゼクターに変えて、仮面ライダーダークカブトに変身するためのカード。
ワイズドライバー:ディロードライバーをワイズドライバーに変えて、仮面ライダーワイズマンに変身するためのカード。
ビルドドライバー(葛城忍):ディロードライバーをビルドドライバーのプロトタイプに変えて、仮面ライダービルドに変身するためのカード。派生形態には変身出来ないが、ベストマッチ形態の戦闘能力を加味して雅は使用した。

新フォーム紹介
仮面ライダーディロード ドラゴフュージョンスタイル
身長:198cm
体重:105kg
キック力:30t
パンチ力:推定40t
ディロードがディロードドラゴタイマーのファイナルタイム状態をディロードライバーに翳すことでディロードドラゴンと融合した姿。二つのケータッチはディメンションウィングに、ロードスラスターはディメンションテールに変化し、両手両足のディメンションクローと共に装備される。本来のディロードが可能としているロードスラスターを駆使した戦術、ディロードドラゴンが可能としているディメンションテールを用いた戦術の両方が不可能となるが、有り余る戦闘能力がそれを補う。 

 

特別編『ヒストリー オブ ディロード~エピソード・ゼロ 繋いだ絆~』

「新年、明けましておめでとう御座います。僕は凪風雅、またの名を…」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「仮面ライダーディロード。今日は皆さんに、僕の戦いの日々を一緒に振り返ってもらいたいと思っています。それでは、まずは僕が変身する仮面ライダー、ディロードについてお話しします。」
「ディロードの基本形態はディロードのライダーカードをディロードライバーにスキャンして変身した姿です。やや高めの防御を活かして、バランスの良い格闘術を駆使して戦うんだ。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「必殺技は、平成の先輩ライダーの皆さんと一緒に放つ必殺キック、ディメンションヒストリー、強化したパンチを放つライダーパンチ、鋭いチョップを放つライダーチョップと、自分の身体を活かした技を使うんだ。」
【LOAD THRUSTER】
「ディロードの武器はロードスラスター。七支刀とライフルを合わせたような性能で、ディロードの戦闘をより円滑に進めてくれるんだ。それだけではなく、ロードスラスターにはもっと凄い使い方があるんだ。」
【ATTACK RIDE-RAISING HEART EXELION-】
【FORM RIDE-DELOAD STARLIGHT-】
「仮面ライダーディロード スターライトフォーム。僕が『魔法少女リリカルなのはA's』の世界で繋いだ絆のひとつ、高町なのはの武器、レイジングハートエクセリオンをロードスラスターに使って変身した姿。元から堅いディロードの装甲は更に強固なものになり、強力な砲撃で反撃するカウンター型の姿です。なのはが扱う魔法を使い、海をも引き裂く必殺砲撃、スターライトブレイカーが必殺技だ。」
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
「スターライトフォームが防御に特化した姿なら、この仮面ライダーディロード ライトニングフォームは素早さに特化した姿。ライトニングフォームはディロードが持つ高い防御を捨てる代わりに風をも切り裂くような素早さを発揮し、一気に決着を着ける短期決戦型の姿だ。」

「ロードスラスターには、別の武器に変化する以外にも、様々な戦士を呼び出すことが出来る。中には、この力で呼び出したあの人の力で変身する姿もあるんだ。」
【SUMMON RIDE-YAGAMI HAYATE-】
【ATTACK RIDE-UNISON-】
「「ユニゾン、イン!」」
【FORM RIDE-DELOAD SAINT SNOW LAIN-】
「仮面ライダーディロード セイントスノーレインは、八神はやてさんの力、ユニゾンではやてさんと融合変身した姿。はやてさんの持つ魔導書、夜天の書が記した強力無比な魔法を扱うディロードの攻撃特化形態だ。必殺技は、光と闇が入り交じる砲撃、ラグナロクだ。」

「ディロードには絆を繋ぐ力、ワールドホープがある。ワールドホープには、ディロードに新たな力を与えてくれたものもあった…」
【KUGA AGITO RYUKI FAIZ BLADE HIBIKI KABUTO DENーO KIVA FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
「ディロードのコンプリートフォームの片翼、サイドライトは仮面ライダーフォーゼ、如月弦太朗さんの世界で絆を紡いだことで誕生した姿。ディケイドのコンプリートフォームと違って、呼び出したライダーに自我があることが特徴だ。そして、光があれば闇もある…」
【RISING BLACK ANOTHER RYUGA XIA GRABE SYUKI DARK NEGA DARK FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE DARK-】
「ディロードには、ダークライダーの力を束ねたサイドダークというもう一つのコンプリートフォームもあるんだ。これもサイドライトと同様にライダーに自我があり、僕の戦闘をサポートしてくれるんだ。」

「ワールドホープで繋がりあったものはライダーの絆ではないんだ。」
【WORLD HOPE-MAHOU SYOUJO LYRICAL NANOHA A's-】
「仮面ライダーディロード トライユニゾンは、なのはとフェイト、そしてはやての三人と同時にユニゾンすることで変身を可能にした姿ですが、その発動にはただ一度のワールドホープを必要とするんだ。武器も三人の杖が一体化した万能武器、レイジングバルディッシュ シュベルトモードになる。スターライトフォームの防御、ライトニングフォームの素早さ、そしてセイントスノーレインの攻撃能力を併せ持つ超パワーの戦士だ。必殺技は、三人の最強魔法を束ねて放つ収束砲撃、ディメンショントリニティブレイカーだ。」

「ディロードの力は強力だが、それだけに使う時に力に飲み込まれない心を要求されるんだ。」
【ATTACK RIDE-BEAST-】
「ディロードが怒りと憎しみ、そして本能に飲み込まれた姿、激情態。この姿になると、かつてヒーロー達に立ち塞がった敵達の力を自由に使いこなせるようになるが、理性を失い、感情と本能の赴くままに破壊を行うようになってしまうんだ。そして、このディロードの行き着く果てが…」
【SOUL RIDE-DELOAD-】
「装填の邪龍、仮面ライダーディロードドラゴン。この邪龍としての姿が、ディロードの本来の姿で、全てを無にする力を持つ。その力は、自分の意思とは関係なく。だけど、仲間に救われた僕に、聖夜の奇跡が訪れた。」
【FINAL WORLD HOPE KAMEN RIDE-DELOAD LAST HOLY KNIGHT-】
「仮面ライダーディロード ラストホーリーナイト。聖夜を飾る、最後の聖騎士。僕とフェイトが融合変身した姿で武器は僕のロードスラスターとフェイトのバルディッシュが合体したロードバルディッシュ アサルトスラスター。ラストホーリーナイトが使うカードの力は、仲間全員に付与される、聖夜の名に恥じない強さを持つ。必殺技は、僕の下に集まった世界の力を集めて放つティメンションスピニング。この力で、ディロードドラゴンを倒したんだ。」

「ディロードの戦いはまだまだ続く。これからも応援、よろしくお願いします!」 

 

第18話『救済の願い』

「フェイト、大丈夫か!?」
通常形態に戻ったディロードはフェイトの右手を握りしめる。
「大丈夫だよ。それより…」
フェイトは視界を逸らし、ディロードはそれを追う。すると、スキュラに苦戦しているディケイド達が目に映る。
「あれから流夜達が応援に来たけど、スキュラの防御力に太刀打ち出来ていないの。それに、キュゥべえはシグナム達が戦っているけど…」
フェイトは状況を説明する。
「わかった。」
雅は変身を解除し、ディロードライバーをレイジングハートエクセリオンに変えてバリアジャケットを纏うと、ライジングアルティメットゴウラムに掴まって空中戦を行っているディケイドの所に向かう。
「兄貴、どうした?」
ディケイドは雅に気づき反応する。
「流夜、伍代さん達と強力してキュゥべえの方を頼みたい。スキュラは僕と晴人さんと仁藤さん、それから暁美さんで倒す。」
「了解。みんな、兄貴の声が聞こえていたか!」
雅の言葉を聞き、ディケイドはしきる。
「流夜、なんでお前がしきっているんだよ!」
サバイブドラグランザーはツッコミを入れるが、
「とにかく、国家象徴が言っているんだ。俺達も行くぞ!」
ジョーカージョーカーはサイクロンサイクロンと合体してダブルに戻りながらキュゥべえ怪人態に向かって行く。それに合わせて他のライダー達もファイナルフォームライドを解除してダブルに合流する。
「さて、まずはこれだな。ディバイドエナジー!」
雅は自身の魔力をウィザード達に渡し、魔力を回復させる。
「ありがとう、雅。仁藤、お前も大丈夫か?」
「ああ、勿論!」
殆どの魔力を使い果たしていたウィザードとビースト、そしてソウルジェムの限界で動けなくっていたほむらは雅の魔力を受け取ったことで立ち上がる。するとそこに、まどかがやって来る。
「まどか、どうしてここに!?」
ほむらは驚く。
「まどか、命を捨てる覚悟が出来たようだね。」
キュゥべえ怪人態はまどかの願いを聞こうとする。
「今の私なら、どんな願いも叶えられる、そうだよね。」
「その通りさ。さあ、その命を対価に、君は何を願う?」
キュゥべえ怪人態はまどかの質問に答え、その上で質問する。
「だめ…やめて…」
ほむらは泣きながら、かすれた声で言う。その中でまどかは一度深呼吸をする。そして、
「私の願いは、過去と今と未来、全ての魔女を生まれる前に消し去ること。さあ叶えて、インキュベーター!」
まどかはキュゥべえ怪人態と契約を結ぼうとする。
「待つんだ。その願いは!君はなんて事を願おうとしているんだ!そんなことをすれば、因果律の改竄なんてものでは済まされない!君は、神にでもなろうというのか!」
キュゥべえ怪人態は慌てる。
「みんなの希望が絶望や悲劇で終わるなんて納得出来ない。そんな世界なら壊してみせる、変えてみせる!その為なら私、神にでもなる!」
まどかの意志は揺るぐことなく、キュゥべえ怪人態は半ば強制的にまどかと契約し、まどかは魔法少女の力を手に入れる。
「これは危険だ。スキュラ、今すぐ鹿目まどかをファントムにするんだ!」
キュゥべえ怪人態はスキュラに指示を出し、自身も合流しようとする。しかし、
「お前の相手は俺達だ!」
「お前の計画の為に、子供達の笑顔を奪わせはしない!」
ディケイドの最強コンプリートディメンションスラッシュとクウガのカラミティアルティメットがキュゥべえ怪人態を切り裂き、キュゥべえ怪人態は撃破される。しかし、キュゥべえ怪人態は集めていたエネルギーを消費して再び現れる。
「こんなことにエネルギーを使うのは勿体ないけれど、ここさえどうにか出来れば!」
キュゥべえ怪人態は更にエネルギーを使い自身を大量に増殖させる。
「それなら!」
「ウェイクアップフィーバー!」
キバはタツロットを回転させて飛翔態に変身する。
「まとめてどうにかするだけだ!」
【ADVENT】
龍騎サバイブはドラグランザーを召喚し、キバ飛翔態と連携してキュゥべえ怪人態を焼き払い撃破してゆく。
「僕らが今まで集めたエネルギーを甘くみない方がいい。君達は所詮生身の肉体。それに対して僕らはただのエネルギー。能力の差は歴然。大人しく諦めるんだ!さもないと、君達は死んでしまうよ?」
「俺はジョーカー、不死のアンデット。それでも、俺は戦い続ける!だって俺は、人々の平和を守り抜く、仮面ライダーだから!」
ブレイドはマッハのラウズカードの力を常時発動し、高速の斬撃でキュゥべえ怪人態を撃破してゆき、
「俺は既に二度死んだ。人として、そしてオルフェノクとして。何度経験しても死ぬことは怖い。だけどな、仲間が死ぬことは、もっと怖い!俺は戦いの中でかけがえのない仲間を失った。草加も、木場も。だから言える!仲間の大切さが!それを持っていない、お前の脆さが!」
ファイズは背中のブースターで空を飛び、ファイズブラスターの爆撃を浴びせてキュゥべえ怪人態を撃破してゆく。
「何故だ。何故君達は諦めない?」
「俺達が諦めたら、救える命も救えない!人を救えるのは、同じ人間だから!」
アギトはシャイニングカリバーから放たれる斬撃、シャイニングクラッシュをキュゥべえ怪人態に放ち、撃破する。
『ボク達は簡単には諦めない!』
『だって、人に言われて諦めるなら、最初から願わないでしょ?』
『人の一番の強さは、その意志や!』
「『僕(俺)達は、積み重ねた過去と一緒に、未来を目指す為に、今をまっすぐに行きている!』」
電王はガンフォームのデンカメンを解放し、超ボイスターズロアーを放ちキュゥべえ怪人態を撃破する。
「どうしてこれだけの力が!君達の力は僕に劣っているはず!」
キュゥべえ怪人態は更にエネルギーを消費して自身を増産するが、生成した瞬間にハイパークロックアップを発動しているカブトのマキシマムハイパータイフーンによって撃破される。
「お前には解らないだろうな。互いを想う人間の真の強さを。」
「俺達はその心を常に鍛えている。だからお前には負けない。」
響鬼の拳はキュゥべえ怪人態を的確に撃破する。
「っ!もうエネルギーが殆ど残っていない。まさか!」
キュゥべえ怪人態は慌てふためく。
「どうやら、その怪人の姿で復活するのには、普段とは比べ物にならないエネルギーが必要だったみたいだな。」
その状況をディケイドはキュゥべえ怪人態に告げる。
「それでも、君達さえ倒せば、後は回収は容易だ。」
キュゥべえ怪人態は残るエネルギーを費やして巨大化する。
「なんて大きさだ!ウェイクアップ!」
「鬼神覚声!」
「ビッカーファイナルイリュージョン!」
キバ達は必殺の斬撃を放つが、巨大化キュゥべえ怪人態はそれを右手で振り払う。
「なんて強さだ。俺達の攻撃がまるで効いていない!」
フォトンバスターを撃ち続けていたファイズは言う。
「君達仮面ライダーが相手なら、この巨体で戦えばよかったんだ。」
巨大化キュゥべえ怪人態はディケイド達を踏み潰そうとするが、ディケイド達はそれを回避する。
「それなら、あれの出番だな。みんな、行くぞ!」
ディケイドの号令でライダー達は輪になり、右手を重ねる。
「ライダーシンドローム!」
ディケイド達はエネルギーを集中させ、巨大化キュゥべえ怪人態に放ち、怯ませる。
「今だな!」
ディケイドはクウガからダブルまでの11のライダーズクレストが書かれたライダーカードをスキャンする。
【FINAL ATTACK RIDE-KU KU KU KUUGA A A A AGITO RYU RYU RYU RYUKI FA FA FA FAIZ B
B B BLADE HI HI HI HIBIKI KA KA KA KABUTO DE DE DE DEN-O KI KI KI KIVA DE DE DE DECADE DO DO DO W-】
ディケイドのカードによってクウガ達の前にファイナルアタックライドの幻影が出現する。
「行くぞ!」
ディケイドの号令でライダー達はジャンプし、ライダーカードを通り抜ける。
「11ライダーディメンションキック!」
11人のライダーのキックが巨大化キュゥべえ怪人態に直撃する。
「こんなことで…僕の計画がぁぁぁ!」
巨大化キュゥべえ怪人態は爆発と共に完全に撃破される。
「向こうは上手くいったみたいだな。鹿目さん、今です!」
「はい!」
まどかは自身の弓から光の矢を放つ。それは幾多にも分散し、ある矢は世界各地へ、またある矢は既に戻る術があるはずもない過去へ、またある矢はまだ未確定な未来へ、そしてある矢はほむらが諦めた既に存在しない過去と向かってゆく。その矢がどんなものなのか、ほむらは怯えながら見ているが、その効果はすぐに判明する。一つの矢がスキュラに直撃すると、スキュラはもがき苦しみ、その体からワルプルギスの夜の反応が消滅する。
「もう苦しまなくていい。みんなの願いを、悲劇で終わらせたりなんてさせない。もう、休んでいいんだよ。」
今まで魔女となっていった魔法少女達のソウルジェムはグリーフシードに変わることなく光となって消えてゆく。
「鹿目さん、晴人さん、仁藤さん!これに願いを込めてください!」
ディロードはまどかとウィザード達に白紙のカードを渡し、まどか達は願いを込める。
「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-MAHOU SYOUJO MADOKA☆MAGICA KAMEN RIDER WIZARD-】
ディロードは二つの世界のワールドホープを発動する。すると、スキュラの上部にまどかの魔法陣が、下部にウィザードの魔法陣が出現し、スキュラは拘束される。
「雅さん、今です!」
「フィナーレを決めてやれ!」
まどかとウィザードは右腕と左腕を組み合わせ、ジャンプ台のようにさせる。
「はい!ホップ!ステップ!ジャンプ!」
ディロードは二人が組んだ腕をジャンプ台にしてジャンプし、ロードスラスターを構え、
「魔法陣アタック!」
ロードスラスターをスキュラに突き刺し、ミッドチルダ式の魔法陣が出現すると、スキュラは爆発し、破片すらも消滅する。しかし、ウィザードが安心していると、まどかの姿は消え、空に巨大な隕石のような魔女が現れる。
「なんだ、あれは!」
ウィザードとビーストが警戒すると、その隕石はまどかの姿に変わる。
「私の願いは、姿の魔女を生まれる前に消し去ること。それが叶うなら、私が魔女になることも無い。」
まどかの姿はか弱い魔法少女の姿から全てを包み込む女神、アルティメットまどかへと昇華していた。
「もう、元の生活には戻れない。家族に別れを言うことも、母親に叱ってもらうことも、弟の泣き声を聞くことも、父親の手料理を食べることも、もう出来ない。」
変身を解除した雅はアルティメットまどかに言う。
「うん、大丈夫。だってこれは、私が決めたことだから。後悔なんて無いですよ。」
アルティメットまどかは笑顔で言うが、そんな中でほむらは泣いていた。
「そんな…そんなのってあんまりよ!」
ほむらは悲しみを露わにするが、アルティメットまどかはほむらを抱きしめる。
「私が魔法少女になったとき、ほむらちゃんが私の為にどれだけ頑張っていたか私、全部思い出したよ。こんな私の為に、ありがとう。」
アルティメットまどかは自身が生前に所持していたリボンをほむらに渡す。
「私はみんなの所にいられないけど、ほむらちゃんだけは私のことを忘れないでね。」
アルティメットまどかは笑顔で言う。
「うん…私だけは絶対、まどかのことを忘れない!」
ほむらは涙声で言い、まどかのリボンを受け取る。
「それじゃあ、さよなら。」
アルティメットまどかの言葉で世界は光に包まれ、その光が晴れると既にまどかの世界とウィザードの世界は切り離されており、雅達はウィザードの世界にいた。
「あれ?一体何が起きたんだ?」
変身を解除した晴人は疑問を抱く。
「鹿目さんが願いを叶え続けたことで、あの世界に本来あった概念は作り変えられました。魔女という概念モデル世界から消えたことで、ファントムと魔女の二つを融合させる為に世界を繋いで融合させるキュゥべえの計画そのものが消滅しました。ですから、この世界に魔女は存在せず、晴人さん達の敵は今まで通りファントムや、悪の組織だけになりました。」
雅は説明する。
「まどかはどうなった?」
「鹿目さんは、新しい世界の概念へ昇華しました。限界を迎えたソウルジェムが魔女になる前に消滅させ、光に導く円環の理に。」
「そうか。とにかく、雅達のおかげで助かった。ありがとう。」
「こちらこそ、世界を救う為に協力していただき、ありがとうございます。」
晴人と雅は握手を交わし、雅達はアースラの次元転送ポートでディロードの世界に帰還した。

世界の概念が書きかえられる少し前、ボロボロになったキュゥべえは何者かに遭っていた。
「これでよかったのかい?」
「ああ。貴重なデータが手に入った。」
「それにしても、どうしてこんな回りくどいことをするんだい?君の力をもってすれば、君のいる世界の一つくらい、簡単に掌握出来るはずだ。」
「仮面ライダーの限界を甘くみないほうがいい。それに、これはただの揺動さ。この状況で、凪風雅は変に勘ぐってくれるだろう。」
「まったく、君達地球の生命体の感情というものは、まったく理解が出来ないよ。それじゃあ、約束はこれまでだ。さようなら、悪魔神サタン。」
キュゥべえは概念構築に飲み込まれて消える。

「凪風雅ほか、無事帰還しました。」
アースラに帰還した雅達は状況を報告する。世界は、底知れぬ驚異にまだ気付いていなかった。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「ユーノ君、久し振り!」
「キャロ、大丈夫?」
「私はもう、次のステップに進んでもいいはず!」
「ティア、あまり無茶しないで!」
次回『新世代、爆走』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
11ライダー(ファイナルアタックライド):11人の平成ライダーの力を宿したファイナルアタックライドのカード。
魔法少女まどか☆マギカ&仮面ライダーウィザード(ワールドホープ):融合した二つの世界のワールドホープ。ディロード、ウィザード、まどかの三人による魔法陣アタックが発動する。 

 

第19話『新世代、爆走』

ウィザードとまどかの世界が融合した事件、通称『魔法世界事件』から早くも1年が経過し、かつての騒がしさはなりを潜めていた。
「フェイト、機動六課の育成は順調か?」
「うん、明日のレリックの移送の時になのはのスターズと私のライトニング、それぞれから二人、同行させる予定。」
「確かライトニングの一人はエリオ君だったっけ?」
「うん。ゴジラ事件の時に雅が言っていたのを覚えていたから。」
「そうか。それで、もう一人のキャロさんはどうだ?」
「キャロの方も、私が引き取ったときから比べて大分落ち着いたかな。年齢が近いからだと思うけど、最近はエリオとも上手く話せている。竜騎士の適性があるエリオと一緒なら、キャロの竜召喚も安定すると思うんだ。」
「確かに、いい判断だ。二人にはどんな訓練をさせているんだ?」
「キャロはコントロールが安定していないから基礎訓練から。エリオの方は回避と高速戦闘の訓練をさせている。」
「それで、スターズの方はどうだ?」
「今はまだ基礎訓練だって。」
「二人とも陸士訓練学校は卒業しているはずだけど、そんなに基礎が出来ていないのか?」
「それなりに出来るとは思うけど、なのははあの時の一件を考えていて、基礎訓練を疎かにしたくないって。」
「確かに、基礎訓練は大切だ。ただ、相手はなのはと対して変わらない歳なんだろう?背伸びしたい年頃の子にそのやり方で反感を買わないのか?」
「スバルもティアナも真面目で素直な子だから大丈夫だと思う。」
「そうか。それじゃあ、明日のレリックの移送、頑張るんだ。」
「ありがとう、雅。それじゃ、おやすみ。」
機動六課、それははやてを隊長としてなのはをリーダーとするスターズ、フェイトをリーダーとするライトニングの2チームを有する特殊部隊のことである。その目的は、上層部からの承認を待機する余裕のない大規模犯罪に隊長の一存で行動を可能にすることの重要性を確認する為の試験部隊である。現在機動六課が請け負っている案件はレリックと呼ばれる複数の宝石型ロストロギア群の収容及び解析であり、フェイトはライトニングのメンバーの成長度合いの確認の為に現場に赴くことになっていた。

翌日、移送ヘリにスターズ、ライトニングの両チームの新人達は搭乗していた。
「これから私達の初任務が始まるんだ…」
新人チームの纏め役でもあるスターズ所属の少女、ティアナは気持ちを引き締めようとする。
「ティア、そんなに緊張しないで、落ち着こう?」
ティアナのコンビであるスバルはヒリつく空気を和ませようとする。そして、
「お前達、出動だ。頑張れよ!」
ヘリを操縦している陸曹、ヴァイスからの号令を受けスバルとティアナはハッチから飛び降りる。
「スターズ3、スバル・ナカジマ!」
「スターズ4、ティアナ・ランスター、行きます!」
「マッハキャリバー!」
「クロスミラージュ!」
「「セットアップ!」」
二人のデバイスの起動により、二人はなのはのバリアジャケットを簡略化させたような上部、軽快な足回りを意識したようなホットパンツタイプのバリアジャケットを纏う。
「キャロ、大丈夫?さあ、行こう。」
スバルとティアナを見て気落ちしているキャロを落ち着かせる為にエリオは左手を差し出すとキャロはそれを握り、二人で飛び降りる。
「ライトニング3、エリオ・モンディアルと!」
「ライトニング4、キャロ・ル・ルシエと飛竜フリードリヒ、行きます!」
「ストラーダ!」
「ケリュケイオン!」
「「セットアップ!」」
エリオとキャロの二人もデバイスを起動し、白を基調としたバリアジャケットを纏う。
「対象はリニアレールの内部に侵入したガジェットドローン1機。スバルは経路の確保を、私とエリオはガジェットドローンの対応、キャロは後方支援を!行くわよ!」
ティアナは作戦を立て、スバル達は納得し行動を開始する。
「ウィングロード!」
スバルは飛行能力を有していないため、移動経路の確保の為に魔力で構成した道、ウィングロードを展開する。
「行くよ、リボルバーナックル!」
スバルはガジェットドローンが潜伏している車両に対して右手の拳で穴を開け、ティアナとエリオは突入する。
「さて、みんなの初任務か。」
その光景を雅は自室のパソコンで確認している。すると、
「待て、なんだこのガジェットドローンの大軍は!?」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は上空に出現したガジェットドローンの大軍を見て現地へ向かった。
「くっ!このAMFさえなければ!」
ティアナとエリオはガジェットドローンが扱うAMFによって魔法が無力化されて苦戦していた。そして、ガジェットドローンに捕らえられたエリオは車両から投げ出され崖に落とされる。
「エリオ君!」
キャロは驚く。そして、彼女の脳裏には過去の記憶が過る。
『白銀の竜を操る者は災いを呼ぶ。出て行ってくれ。』
フリードと共にいることで一族から捨てられた記憶。
『例え強いスキルを持っていても、すぐ暴走するのでは単独で殲滅戦にしか使えませんよ。』
たらい回しに引き取られては放り出された記憶。
『私は、今度は何処へ行けばいいのでしょうか?』
フェイトに引き取られた後も戸惑い続けた記憶。そして、
(エリオ君!)
エリオと過ごした笑顔溢れる日々。それを思い出したキャロは崖から飛び降りてエリオに抱きつく。
「ちょっと、何やっているの!」
“あえてAMFの範囲から離れて魔法を使えるようにしたんだね。見られるよ、フルパフォーマンスのキャロの魔法。”
ティアナは驚く。しかし、そこになのはから連絡が入る。
「蒼穹を走る白き閃光。我が翼となり、天を駆けよ。来よ、我が竜フリードリヒ。竜魂召喚!」
キャロの召喚魔法により、小さな飛竜のフリードは本来の姿である体長10メートルの巨体に変わる。
「エリオ君、もう大丈夫。」
キャロは回復魔法を使いエリオの傷を癒やすと、エリオは意識を取り戻す。
「ありがとう、キャロ。」
エリオはストラーダを構える。
「行くよ、フリード。ブラストレイ!」
フリードはキャロからの指示を受け、高出力の火球をガジェットドローンに放ち、AMFの発生装置を破壊する。
「僕も見ていられないな。」
【CHANGE RIDE-BUILD DRIVER-】
雅はディロードライバーをビルドドライバーに変える。
“GREAT!” “ALL YEAH!”
““GENIUS!””
雅はビルドドライバーにジーニアスフルボトルをセットし、ボルテックレバーを回転させる。
「変身!」
“完全無欠のボトルヤロー!” “ビルド ジーニアス!”
“スゲーイ!” “モノスゲーイ!”
雅は仮面ライダービルド ジーニアスフォームに変身しフェニックスボトルの力を使い炎を纏いながら飛翔し、その突進を駆使してガジェットドローンを次々と撃破してゆく。
“逆サイド!” “ジーニアスブレイク!”
ビルドは分身しながら様々な属性エネルギーを集約させたキックを放ち、ガジェットドローンの大軍を撃破する。
「これで、どうだ!」
エリオもリニアレール内のガジェットドローンにストラーダを突き刺し、撃破する。
「目標、撃破に成功です!」
エリオは外で待機しているメンバーに伝える。
「レリックの確保も無事完了です!」
更に別の車両からレリックのケースを抱えたリインフォースⅡが現れ、機動六課の初任務は完了する。
「雅国家象徴、ありがとう。」
なのはは久しぶりに遭う雅に挨拶をする。
「なのは、久しぶり。あの子達が機動六課の精鋭か。」
「うん、とは言ってもまだ危なっかしいけどね。」
「それでも、入隊してそれなりの時期が経過したんだ。そろそろ基礎訓練を終わらせないと、そろそろ不満も生まれるだろう。」
「大丈夫だよ。二人共とっても素直だから。」
「だといいが、とにかく僕は家に戻らないと。公務も終わったからね。」
「うん、さよなら。」
雅はワープのカードを使って国家象徴宅に帰る。

それから数日後、ホテル アグスタにて開催されるロストロギアのオークションの護衛に機動六課はかり出された。
「ユーノ君、久しぶり!」
なのははユーノとの再開に喜ぶ。
「やあ、今日はよろしく。」
ユーノも握手をする。そしてしばらく経ち、オークションは開始する。
「雅国家象徴、久しぶりですね。」
警護にあたっていた雅を橘は発見し挨拶をする。
「橘さんこそ、お元気そうで。ロストロギア研究所主催ということは、剣崎さんもこちらに?」
「はい。機動六課だけでも充分ですが、念には念を。せっかく戦える人材がいるのに、そのままにするのはもったいないことですから。」
「そうですね。」
雅と橘が世間話をしていると、突然搬入口から爆発が発生し、会場は停電する。
「皆さん、こちらから安全な場所へ!」
会場に潜入していたなのはとフェイト、はやての3人は参加者を避難させる。
「スバル、エリオ、キャロ。行くわよ!」
ティアナ達はバリアジャケットを纏い、続々と現れるガジェットドローンと交戦する。
「あの数をティアナさん達では捌ききれない。橘さん、行きましょう!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身し、迫り来るガジェットドローンをロードスラスターで斬り倒す。
「橘さん!」
「剣崎、俺達も行くぞ!」
剣崎と橘は合流し、バックルを装着する。
「「変身!」」
[[turn up!]]
[[fusion jack!]]
二人はジャックフォームに変身し、空を飛ぶガジェットドローンの撃破を始める。
「数が多い。それなら!」
“ディロードドラゴタイマー!ヒストリーモード!セットアップ!スタート!”
ディロードはディロードドラゴタイマーを起動させる。
“ライトコンプリート!”
「これでどうだ!」
ディロードドラゴタイマーの力によってコンプリートフォーム サイドライトが召喚され、ロードスラスターの一閃を放つ。
“ダークコンプリート!激情態!ソニックフォーム!ソニックブレイブ!”
ディロードは更に4つの形態を召喚する。
“ディロードフォーメーション!”
ディロードは連携攻撃でガジェットドローンを撃破してゆく。
「コイツら、次から次と!」
一方ティアナとスバルはガジェットドローンの処理に苦戦していた。
「ティア、あまり無茶しないで!」
スバルは無謀な戦い方をしているティアナを気遣う。しかし、
「私はもう、次のステップに進んでもいいはず!」
ティアナは話を別の方向へ進めてしまう。そして、
「リミッター解除!ブラスター1!」
許可の出ていないリミッターの解除を行う。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
「プロジェクトFはまだ終わっていない…」
「てめえ、何やってんだ!」
「もう誰も傷つけたくない!傷つきたくないから、だから!強くなりたいんです!」
「少し、頭冷やそうか。」
「君は少しも、平凡ではないですよ。」
次回『新世代、失敗する』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ビルドドライバー:ディロードライバーをビルドドライバーに変えて仮面ライダービルドに変身するためのカード。 

 

第20話『新世代、失敗する』

「リミッター解除!ブラスター1!」
ティアナはクロスミラージュにかけられていたリミッターを独断で解除する。
「嘘!?何これ!?」
ティアナは目の前に出現した想定以上の魔力光を見て驚き、なんとか制御しようとするが、基礎から離れたその状況を制御など出来るはずもなく、弾の1つが機動を外れスバルのいる方へ飛んでいってしまう。
「スバル!?」
ティアナは目を瞑る。しかし、その弾はスバルに当たる直前にヴィータによって破壊される。
「てめえ、何やってんだ!」
全滅したガジェットドローンを見つつヴィータはティアナを叱る。
「それは…」
怒るヴィータを前にティアナは言葉が詰まる。そうして、ティアナの独断行動こそあったものの、ホテル アグスタへ行われたガジェットドローンの襲撃は食い止めることに成功し、なのはとティアナは面談をしていた。
「ティアナ、どうして許可の出ていないリミッター解除を勝手にしちゃったのかな?」
「それは、あの状況ではそれ以外手段が無かったから…」
「本当にそうだったのかな?賢いティアナなら解るよね。とにかく、今日はこれから報告書の作成ね。」
面談を終わらせて立ち去るなのはの後ろ姿を見て、ティアナは不安な目をしていた。

「なのは、丁度よかった。少し話しがしたかった。」
面談室から出たなのはを雅は呼び止める。
「はい、雅国家象徴。」
雅に呼ばれたなのはは二人で個室に入る。
「確かに、ティアナさんのしたことは魔導捜査課としては規則違反かもしれないが、機動六課の在り方としては個人的に問題だとは言えないかな。」
「どうしてですか?」
「基礎訓練しかしていないあの二人だけであの数のガジェットドローンを倒せ、だなんて無理難題を突きつけられれば、あの判断は仕方ない。相手は常にAMFを展開しているんだ。スバルの事情は知ってはいるが、二人共純粋な魔法しか使えない。スバルにはまだリボルバーナックルでの近接格闘が出来るが、実弾を扱えないティアナはあの状況ではAMFによって撤退することすら封じられている。当然、増援を待つ時間稼ぎも出来ないだろう。その状況でリミッター解除の許可をもらう時間や、なのは達が駆けつける時間があるか?」
「あの子達なら出来るはず。」
「どうやって?」
「それは、なんとかして!」
「なんとか、では駄目なんだ。あの時は僕だって全力を出したくらいだ。今の二人だけでは、ティアナさんがリミッター解除を行わなければ、今頃二人共殉職していただろう。」
「そんな…」
「いいかい?全員が高町なのはではないんだ。魔力量だって高いわけではない。魔法のクラスだって高いわけではない。そのことをきちんと理解していないと、上手くいっている歯車もいずれズレてしまう。僕から言えることはそれだけだ。」
そう言うと雅は部屋から出て行く。

ホテル アグスタでの一件から数日後、雅はフェイトに誘われてスバル、ティアナのコンビとなのはの模擬戦を観戦していた。
「あの二人、良くも悪くも基礎だけはしっかり出来ているな。」
「どういうこと?」
「良い部分としてはなのはが何度も教え続けた成果が実を結んで、戦闘の基礎は出来ている。それに連携も二人の持ち味を活かせている。ただ、機動六課ができてから相応の時間が経つのにまだあの程度なのかという疑問と、なのは自身が楽しんでいるように見える部分が不安点だ。教える立場なら、本来は私情は挟んではいけない。」
雅は戦況から成長具合を確認する。
「すごい、たったこれだけの戦闘でそれだけ分析できるなんて。」
エリオは感心する。
「これでも、昔はチームディロードのリーダーとして、戦況を見極める必要があったからね。」
雅はエリオに話す。すると、ティアナ達の戦闘に変化が発生する。
「行くわよスバル!」
「うん!」
ティアナは自身の分身を複数出現させる幻影魔法、フェイク・シルエットを展開してなのはに照準を合わせ、なのははティアナの幻影の中から本体を探そうとするが、その間にスバルはウィングロードを展開し、ティアナはそれを駆け上って飛び降り、クロスミラージュから防御破壊の効果を持つダガーブレードを展開して堅牢ななのはのバリアジャケットを破壊しようとする。
「なるほど、なかなかいい戦術だ。だが、一つだけ欠点があるとするなら…」
雅はティアナを評価しつつも問題点をあげようとする。その答えはなのは自身が証明する。
「レイジングハート…」
[floater.]
なのはは浮遊魔法をティアナに発動して落下しながら攻撃するティアナの戦術を封殺し、ダガーブレードを素手で掴む。ダガーブレードを掴んだ手はバリアジャケットが破壊され、血が流れる。
「おかしいな、こんなこと、教えていないはずなんだけどな。」
なのはは呟き始める。
「模擬戦はね、喧嘩じゃないんだよ。練習の時だけ素直に聞いて、本番で無茶されたら、練習の意味が無いじゃない。私の言っていること、私の訓練、何か間違っていたのかな?」
なのはの口調からは悲しみとも怒りともとれる感情があふれ出る。
「なのはにあの戦術は通用しない。」
雅はエリオとキャロに話しつつなのはの様子を見て警戒する。そんな中でティアナはダガーブレードを解除して後退し、距離を取る。
「もう誰も傷つけたくない!傷つきたくないから、だから!強くなりたいんです!」
ティアナはクロスミラージュのカートリッジを装填し、最大火力の魔法をチャージすると同時に胸の内を語る。
「少し、頭冷やそうか?」
なのはは呆れと憐れみを含んだ口調で射撃魔法の準備を完了させる。
「ティア!?」
スバルはティアナを庇いに行こうとするが、フープバインドによってその動きを封じられてしまう。
「ファントムブレ」
ティアナはチャージを済ませ、必殺の砲撃であるファントムブレイザーを放とうとするが、それを封じるが如く、なのはのクロスファイアシュートによって封殺し、ティアナの戦意と意識は消失する。それを見たなのはは追撃の準備を始める。
「どういうことだ、聞いていない!ロードスラスター、モードリリース!」
雅はセイクリッドグリッターを握る。
「ティアぁぁぁ!」
スバルは叫ぶ。そして、なのはは二発目のクロスファイアシュートを放とうとする。しかし、それは放たれる前に消失し、なのはとティアナは雅の発動したカルテットバインド・ダブルトラップで拘束される。
「高町教導官、ここは一体どういうことですか?」
なのはとティアナの間に立つように雅はトライフィンで浮遊する。
「それは、せっかく練習の成果を活かす為の場所を無茶苦茶にされたから!」
「なら何故二度目を撃とうとしたのですか?確かに、自爆特攻はさせてはいけない。それを実行しようとしたランスター、並びにナカジマ両仁藤陸士の行動は咎めるに値する事です。ですが、行為自体は過剰を超えています。あなたのしたことは、校則違反に対して体罰を行うことと何も変わりません。それから、練習通りの行動なら模擬戦ではなく演習にするべきです。」
雅はなのはに話す。
「高町教導官、貴方の方で教育しているランスター、ナカジマの両二等陸士の身柄はこちらで預からせていただきます。今の状態で教導官と共にするのは危険です。」
「…わかりました。」
雅はなのはとティアナ、そしてスバルのバインドを解き意識を失っているティアナを抱きかかえ、スバルに自身のコートの裾を握らせるとワープのカードを使って国家象徴宅に帰る。
「あれが、本気を出した雅国家象徴…」
キャロは唖然としている。
「あれは雅の一面なだけだよ。それより、二人のことで私も雅と話さないといけないから、二人共今日はここまで。部屋で待機していて。」
フェイトはエリオとキャロに言うと転移魔法を使って国家象徴宅に向かう。
「雅、どうするの?」
「とりあえず、ティアナさんには医務室で寝てもらって、スバルさんに付き添ってもらっている。それにしても、僕は言っておいたはずなんだ。全員が高町なのはではない、と。」
「それで、これからは?」
「二人には僕の下で学ぶべきことを学んで貰ってから返すつもりだ。すまないが、フェイトはしばらくの間は六課の寮にいてもらえないか。」
「わかった。丁度ガジェットドローンが出現したみたいだから私は向かうね。」
フェイトは転移魔法を使ってなのは達と合流し、ガジェットドローンを撃破してゆく。

「…そんなことが、なのはさんの過去に…」
その頃、シャーリーからエリオとキャロはなのはの過去に何が起きていたのか話していた。
「だからなのはちゃんは自分と同じ過ちを繰り返さないように、基礎訓練をしっかり受けてからステップアップして欲しかったの。」
シャーリーはなのはから了承を受けていたとはいえ、話すこと自体が辛く涙を流す。
「ありがとうございます。」
キャロは細々とした声で言う。

「……ん」
その頃、ティアナの意識が復帰する。
「ティア!雅国家象徴、ティアが目を覚ましました。」
スバルは防犯カメラに向かって言うと、雅はワープのカードを使って駆けつける。
「ティアナさん、具合はどうですか?」
雅はティアナの目を見て優しく聞く。
「雅国家象徴、お恥ずかしい所をお見せしてしまい申し訳ありません。」
ティアナは体を起こして謝る。
「そうですね、ティアナさんは一歩間違えればなのはさんの命を奪っていたかもしれませんでした。そこは、確かに改めるべきですね。あの時のなのはさんの怪我は、シャマルさんの魔法で完治して、今は海上に出現したガジェットドローンの撃破に向かっています。」
雅はガジェットドローンと戦うなのはを見せる。
「そんな!すぐに行かないと!」
ティアナは立ち上がろうとするが、なのはから受けたダメージが回復しておらず、立ち上がることが出来ずに倒れてしまう。
「今回の迎撃は、隊長と副隊長のみで行うことになっています。」
雅は状況を説明する。
「…やっぱり、隊長に逆らう、無能な平凡は要らないのでしょうか?」
ティアナは雅に質問する。
「それは違います。現にスバルさんだけではなく、モンディアル、ルシエの両隊員も今回は待機が命じられています。」
雅は説明する。
「そうですよね、個人であれだけ強い人達の集まり。成長途中の部下なんて邪魔ですよね。」
ティアナは焦るように言う。
「何故わざわざ死のうとするのですか。スバルさん、応接室で待機していてください。僕はティアナさんと二人きりでお話しがしたくなりました。」
「はい!ティアをお願いします。」
スバルは医務室を出て応接室に向かう。
「向こうも終わったみたいですね。それで、何がティアナさんを焦らせるのですか?」
「私は、なのはさんやはやてさんみたいに才能があるわけでも無い。スバルやエリオみたいに、特別な生まれでも無い。キャロみたいにレアスキルも無い。そんな平凡な私が機動六課でやっていくには、無茶を超える努力をしないと、着いていくことはできません。基礎訓練だけでは、限界があります。」
ティアナは胸に秘めた想いを話す。
「君は少しも、平凡ではないですよ。」
雅は優しく言った。

場面は変わり、謎の実験施設。そこにはガジェットドローンを運用している次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティ博士がいた。
「まさか、国立生物研究所に渡していた彼がFの下で働いているとは、なんとも素晴らしい偶然だ。」
スカリエッティは笑顔を見せる。
「プロジェクトFはまだ終わっていない…そう、君達が生きている限りね。」
スカリエッティの計画は、徐々に進行していた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「君達二人には、ここで訓練を積んで貰う。」
「なんて強さ!これが、仮面ライダーとしての国家象徴…」
「かつて、この国と戦った男と戦うんだ。半端な考えではすぐに撃墜されるぞ!」
「二人共、大丈夫かな…」
「なのはさん、ごめんなさい!」
次回、『新世代、学ぶ』希望を紡いで、すべてを救え! 

 

第21話『新世代、学ぶ』

「ティアナさん、あなた少しも平凡ではありませんよ。」
「そんなことありません!だって私は、機動六課でみんなに追いつく為に努力することしかできません。」
ティアナは涙声で言う。
「それは違いますよ。だってティアナさんは努力をし続けているではありませんか。努力を誰にでも出来ますが、努力をし続けることは誰にでも出来ることではありませんよ。」
「えっ?」
雅の言葉にティアナは驚く。
「普通の人はこれだけ頑張れば充分というラインを決めたらそれで止まってしまいます。ですがティアナさんは褒められてもそれで終わらせずに努力を重ねるティアナさんは、平凡ではありません。ある意味では、なのはさんと同じ、若しくはそれ以上の努力家かもしれません。」
「私が、なのはさんと…」
「ティアナさん、あなたのお兄さんのことは伺っています。次元犯罪者を追跡中に殉職なされたのですよね。そして、お兄さんの残した特別な術式、ランスターの弾丸を、事務仕事一筋で現場に立つことの無い方達に嗤われたのですよね。」
「はい。」
「でも、そのランスターの弾丸を扱えるのはもうティアナさんしかいないのですよ。ティアナさんが死んだら、誰がランスターの弾丸を教えられるのですか?」
「ですから私は、一刻も早く強くならないといけません。」
「そうですか、お話は分かりました。今後のことですが、ティアナさんとスバルさんには僕が稽古を着けることになっています。君達二人には、ここで訓練を積んで貰う。」
「国家象徴が?」
「はい。形式としては、模擬戦形式で僕と戦うシンプルなものですから、肩の力を抜いてください。その代わり、負けた場合には報告書を書いてもらいますよ。」
「ありがとうございます。是非、よろしくお願いします!」
ティアナは体を起こして頭を下げる。
「よし、そうと決まったなら、明日から訓練の開始だ。今日はもう遅い。明日に備えて今日はもう寝るといい。」
「その前に、スバルに合わせてもらえませんか。」
ティアナは雅に言う。すると、
「ティア、呼んだ?」
扉を開けてスバルが入ってくる。
「スバル、あんた応接室で待っていたんじゃ!?」
「いやぁ、あれから晩ご飯を食べさせて貰って、ずっとこの扉の向こうにいたよ。それで、雅国家象徴に話があります。」
「なんだい?」
「その訓練、私も混ぜていただけませんか!」
スバルは頭を下げる。
「構わないよ。君達は二人でチームを組むことを基準にスターズに選ばれたのだからね。それでは、今日はこれまでだ。お休みなさい。」
雅が医務室を出ると、スバルとティアナは医務室で眠り始める。

翌日、雅とスバル、ティアナの三人は国家象徴宅の戦技訓練施設に来ていた。
「さあ、まずは君達の今の実力を見たい。本気でかかってくるといい。その代わり、僕も全力で相手をする。二人の勝利条件は僕を変身解除させること。敗北条件は立ち上がることが困難とこちらが判断するまで。それで大丈夫かな?」
「「はい!」」
雅の言葉に二人は反応する。
「では、始めようか。」
雅はディロードライバーを装着し、ディロードのライダーカードをスキャンする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「マッハキャリバー!」
「クロスミラージュ!」
「「セットアップ!」」
二人はバリアジャケットを纏う。
【ATTACK RIDE-HAKUYOKU-】
ディロードは魄翼を展開する。
「本気で行きますよ!ナパームブレス!」
ディロードは弾幕を展開する。
「なんて強さ!これが、仮面ライダーとしての国家象徴…」
ティアナは驚く。それを見ながらディロードはディロードドラゴタイマーを装着する。
「かつて、この国と戦った男と戦うんだ。半端な考えではすぐに撃墜されるぞ!」
“ディロードドラゴタイマー!マジックモード!スタート!”
ディロードはディロードドラゴタイマーを起動させる。
“スターライト!”
「アクセルシューター!」
ディロードはスターライトフォームを召喚し、スターライトフォームはアクセルシューターを放って攻撃する。
“ライトニング!”
「ハーケンセイバー!」
“セイントスノーレイン!”
「クラウソラス!」
“スノーレイン!”
「穿て!ブラッディダガー!」
“トライユニゾン!”
「ハイパーリミットオーバーアクセルクロックアップ!」
ディロードは更にライトニングフォーム、セイントスノーレイン、スノーレインフォーム、トライユニゾンを召喚する。
“ファイナルタイム!ディロードフォーメーション!”
ディロードは必殺技を発動する。
「来る!?」
ティアナはカートリッジを装填しようとする。しかし、
「サンダーレイジ!」
「バルムンク!」
ライトニングフォームとセイントスノーレインの攻撃によってスバルと共に動きを封じられてしまい、
「「「「ディメンショントリニティブレイカー!」」」」
「スターライトブレイカー!」
トライユニゾンとスターライトフォームの砲撃が二人を襲い、その隙にディロードはティアナから魔力を奪い取る。
「ディロード雷填キック!」
「エンシェントストライク!」
ディロードとスノーレインフォームのダブルライダーキックはスバルとティアナに直撃し、二人は立ち上がることが出来なくなる。
「そこまで!今日の訓練は二人の敗北だ!」
ディロードは戦闘の続行不可能を確認し、変身を解除する。
「二人共、立てるか?」
雅は二人を手を差し伸べる。
「ありがとうございます…」
二人は雅の手を借りて立ち上がる。
「今日はここまでだ。後は反省会の時間だ。まずはお昼ご飯を食べて、一休みしてから、負けた原因を考えよう。」
雅達はシャワーを浴びて食事を取る。
「すごく美味しい!雅国家象徴、これってビストレ・サルのランチですよね!」
「そうですよ。ひよりさんに頼んで作って貰ったのですよ。」
スバルは凄まじい食欲で食事を食べきってしまう。
「「「ご馳走様。」」」
雅達は食事を済ませると、事務室に向かう。
「さて、二人にはまだ話していなかったね。」
「何を、ですか?」
「何故高町教導官が基礎訓練にこだわり続けるのか。彼女は今から5年前にあるガジェットドローンの襲撃を受けて全身不随の重体になり、二度と魔法は扱えないと診断されたことがあった。無論、教導官はその時期で既に今と変わらない実力を持っていた。しかし、教導官は偶然に魔法を手に入れた少女。戦闘の基礎訓練を一切してこなかった結果、魔導師生命が絶たれる一歩手前になった。教導官はその過去を深く受け止め、自身の教え子には基礎訓練をしっかり行うことを決めたのですよ。」
雅は何故なのはが基礎訓練にこだわり続けるのか説明をした。
「なのはさんに、そんな過去が…」
スバルとティアナはその言葉を深く受け止めた。
「さて、今日はこれから反省会だ。今日の模擬戦での失敗点を二人で相談して報告書に纏めるんだ。完成したら僕に渡して、僕がその内容を確認して、明日の模擬戦の参考にする。わかったかな。僕はしばらく部屋を離れるから、二人で相談して作るんだ。」
雅は部屋を離れる。スバル達は相談を始め、3時間かけて報告書を作成し、雅を呼んで提出する。
「…なるほど、つまり今回の敗因は人数的な不利が原因と?二人共、それは本気で言っているのですか?貴方達機動六課が追う対象は大規模な犯罪組織、当然あれより大勢を相手にしなくてはならなくなります。その中で6人相手に人数差を理由に負けたと言っていてはこれから先やっていけません。とにかく、これが敗因と考えているなら、明日の模擬戦は1対2やろう。それでは、今日はもう自由時間にしよう。」
雅は反省会を終わらせる。

翌日、再び模擬戦が始まる。
「では、予定通り僕は一人で行こう。」
【CHANGE RIDE-GAMER DRIVER-】
雅はディロードライバーをゲーマドライバーに変える。
「ハイパー大変身!」
《パッカーン!ム~テ~キ~!輝け、流星の如く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキ~!エグゼ~イド!》
雅はエグゼイド ムテキゲーマーに変身する。
「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」
エグゼイドは高速移動でティアナに近づき、高速10連攻撃を放つ。
「だったらこれで!」
ティアナはクロスファイアシュートをエグゼイドに放つが、一切の攻撃を受け付けないムテキの力でダメージを受けることなくエグゼイドは攻撃を続行し、
「フィニッシュだ。」
《キメワザ!Hyper CRITICAL SPARKING!》
エグゼイドは必殺技を発動し、100連攻撃を受け倒れる。
「この模擬戦も、君達の負けだ。今日も午後から反省会だ。僕は少し家を離れるから、二人で相談するといい。」
雅はワープのカードを使って離れる。

「二人共、大丈夫かな…」
なのははティアナ達を心配する。
「二人共、まだまだ考えが甘いかな。」
なのはの後ろに雅が現れる。
「雅国家象徴!?」
「驚かせてすまない。二人共元気に頑張っている。だけど、基礎ばかりで応用が利かない。今のままでは、とても戦力になるとは言えない。二人がなのはの所に戻りたいと言った時に、考えるといい。僕は二人の所に戻るよ。」
雅は再びワープを使って自宅に帰った。
「どうだ、出来たか?」
雅は事務室に入る。
「国家象徴、これが私達の出す最後の報告書です!」
スバルは報告書を渡しながら言う。
「やはり、今の私達は力不足です。なのはさんの所で、もっとしっかり勉強したいです!」
ティアナが言うと、二人は頭を下げる。
「合格だ。戻るといい。教導官には、僕の方で連絡する。」
雅はスバル達を見送る。
「なのはさん、ごめんなさい!」
ティアナは帰ってすぐ、なのはに謝る。
「大丈夫だよ。お帰り、ティアナ。」
なのははティアナに笑顔を見せる。二人には、互いへの疑念と不安は消えていた。

その頃、スカリエッティ博士の研究所にスマートブレインのイメージガール、スマートレディがいた。
「こちら、頼まれていた剣崎一真と相川始の遺伝子になりまぁす。」
スマートレディはスカリエッティ博士に試験管を二本渡す。
「ありがとう。協力に感謝するよ。」
「それでは、当初の契約通り、我らの王を改造実験体として、蘇らせていただけるのですね?」
スマートレディはスカリエッティ博士を見る。
「そんなこと、私の眼中に無いね。」
スカリエッティ博士はスマートレディとの約束を反故にする。
「そういうことを言うのですね。おねぇさん、お仕置きしちゃいますよ?」
スタートレディはオルフェノクに変身する。しかし、紫色の光が通り過ぎると、スマートレディの体は真っ二つとなり灰になる。
「これは、面白い研究が出来そうだ。」
スカリエッティ博士は笑みを浮かべた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「そろそろ、次のステップに進もうか。」
「こんな地下に、女の子!?」
「人は、人であればいい。」
「世界は、完成されて初めて価値が生まれます。」
「こいつらは一体!?」
次回『新世代、保護する』 

 

第22話『新世代、保護する』

互いへの不安が晴れスターズ隊が仲直りしてから数日後、機動六課は久し振りの休日を満喫していた。
「やっぱりここのアイスは美味しいね!」
スバルとティアナは移動販売店のアイスを食べている。すると、スバルは既に食べているある人物に近づく。
「火野さん!どうしてここに?」
スバルが声をかけた相手は映司であった。
「スバルちゃん、お久しぶり。今日はアンクの命日だから、と言ってもアンクはこんな豪華なアイスは好きじゃないけどね。アンクは、普通のアイスキャンディが好きだったから。」
映司と面識のあったスバルはティアナも交えて映司と話を広げる。

その頃、羽入と梨花はあることで話していた。
「梨花、フワラズの勾玉を何処へやったのですか!」
「ああ、あれならセットで指輪に加工して富竹に渡したわ。」
「渡した!?仮にも宝具なのですよ!」
羽入が慌てている原因である宝具、フワラズの勾玉は紅白一対の宝具であり、赤い勾玉の所有者は白い勾玉の所有者を好きになる効力を持った恋愛成就のアイテムである。
「そろそろ鷹野の出所の日でしょ?富竹が鷹野に婚約指輪を渡したいそうだけど、どういうものが喜ばれるのか、私に聞いてきていたから、どうせ埃を被るくらいなら、必要な人に渡した方がいいと思っただけよ。」
「ぁぅぅ…」
梨花の言葉を聞いて羽入が慌てふためいていると、そこに雅がやって来る。
「久し振りだな梨花、羽入。調子はどうだ?」
「あ、お久しぶりなのです、雅。」
「あら、国家象徴様がこんな古ぼけた神社に何の用で?」
雅と羽入は互いに挨拶を交わすが、梨花は嫌味のようなことを言う。
「今のこの『勝ち取った世界』において、初めて渡った世界が梨花達の世界だっただろう。次元保護国が出来て、雛見沢症候群は梨花の女王感染も含めて全て投薬治療で死滅した。鷹野だって、その影響もあってテロ行為の未遂犯として逮捕出来た。」
「それにしても、同じテロ行為に対して雅の方は早く出所出来たわね。」
「僕の場合は模範囚でもあったからね。さ、そろそろ彼女のいる留置所に行くか。」
雅は立ち上がる。
「私はやめておくわ。仕事も忙しいしね。」
「ベルンカステルの短編集、楽しく読ませてもらっているよ。」
「そう言って貰えると作者冥利に尽きるわ。」
梨花はパソコンに向き合う。
「ボクは雅と一緒に行きますです。」
「そう、好きにすればいいわ。いってらっしゃい。」
梨花は無関心そうに言う。
「では、行ってきますです。梨花、ボクがいないからって、お酒は飲まないでほしいです。流石に、人前でいきなり酔っぱらいたくはないです。」
羽入は梨花に念を押して雅と一緒に出かける。
「…何か、嫌な予感がするわね。」
梨花はパソコンの電源を落とすと、圭一達を集める為に外出する。

「富竹さん、お久しぶりです。」
雅は留置所の前で待つ富竹に挨拶をする。
「国家象徴、お久しぶりです。お二人も、三四さんのお迎えを?」
「そうですね。」
富竹の質問に雅が答えると、丁度鷹野が出所する。
「…ジロウさん!?」
鷹野は富竹に抱きつく。
「待っていたよ、三四さん。これから、二人で始めよう。本当の君を、田無美代子としての君を!」
鷹野改め田無は無言で頷く。
「田無さん、ご出所おめでとうございます。」
雅は挨拶をする。
「…あら、国家象徴様がわざわざお出迎えなんて、珍しいわね。」
田無は身構える。
「田無さんには、お世話になりましたので。」
「それは皮肉かしら?」
雅と田無は警戒しあう。
「とりあえず、僕達はこれで失礼するよ。さあ行こう、美代子さん。」
富竹は田無を連れて立ち去る。
「…そう、田無さんがいたから、チームディロードに出逢えたんだ。」
雅は呟く。

「さあ、今日は美代子さんの出所祝いだ。ここで食事をしよう。」
富竹はレストランAGITOΩに田無を連れていく。
「富竹さん…ありがとう!」
田無は富竹の腕に抱きつく。
「喜んでもらえて何よりだよ。さあ、入ろう。」
富竹は扉を開けて店内に入る。
「いらっしゃいませ。お待ちしていましたよ、富竹さん。ささ、どうぞ!」
翔一は富竹達を出迎え、予約席に案内する。
「ありがとう。それじゃあ、頼んでいたコースで。」
「かしこまりました。それでは、お待ちくださいね。」
翔一は愛想良く笑い、料理の準備を始める。
「お待たせしました。翔一シャイニングスペシャルコースです!」
暫くして翔一は富竹達に特別なコースメニューを提供する。
「ありがとう。」
「それでは、ごゆっくりしてくださいね。」
翔一は下がる。
「美代子さん、今日はとても大切な話があるんだ。」
富竹は真剣な眼差しで田無を見る。
「何かしら?」
富竹はフワラズの勾玉を加工した指輪を田無に見せる。
「美代子さん、僕と結婚してください。」
富竹は田無に言葉を贈る。
「ジロウさん…こんな私で、いいの?」
田無は泣き出す。
「勿論だとも。君以外に考えられない。」
富竹は田無の左薬指に指輪をはめる。
「ありがとう、ジロウさん!」
田無は笑顔で返答する。店内はすっかりお祝いムードになるが、突然扉が何かによって破壊されると、店内に複数の水球が放たれる。
「皆さん、こっちに避難してください!」
ウェイトレスの真魚が富竹達を含めて客を非常口から避難させる。
「誰だ!」
翔一は身構える。
「人は、人であればいい。進化の必要など、何処にもない。」
店内に鯨のような見た目の怪人が現れる。
「お前は!?」
翔一はかつて戦った水のエルに近い気配を感じる。

「見つけましたよ、それでは良き終末を。」
その頃、映司の前にも、恐竜のような姿の怪人が現れる。
「行くよ…って、アンクはもういないんだ。」
映司はオーズドライバーを装着し、鳥類のメダルを三枚セットする。

その頃、翔一も謎の怪人の攻撃を避けながらオルタリングを出現させる。
「「変身!」」
〔タカ!クジャク!コンドル! ♪タ~ジャ~ドル~!〕
翔一はアギト バーニングフォームに、映司はオーズ タジャドルコンボに変身する。
「人ならざる者よ、消えるがよい。」
謎の怪人はアギトに対して鯱のような怪人の軍団を出現させてけしかける。
「はぁっ!」
アギトはシャイニングカリバーを出現させてシングルモードに変換して怪人の軍団を撃破してゆく。
「世界は、完成されて初めて価値が生まれます。」
一方、もう一体の謎の怪人もプテラノドンのような怪人の軍団を出現させてオーズに向かわせる。
「コイツらは一体!?」
オーズはタジャスピナーから放たれる火球で怪人の軍団を撃破する。

その頃、ハカランダに集まっていた剣崎達の前にも、ヘラクレスオオカブトとカミキリムシを混ぜ合わせたような姿をした怪人が現れる。
「こいつ、俺と始の気配を感じる。」
剣崎はアンデッドの察知能力が働く。すると、
「まさか、あのベルトは!?」
橘は怪人のベルトを見て驚く。そのベルトは二枚のプレートが組み合わさりスライドして開く機能が備わっていた。
「あれは、トライアルシリーズ!?」
睦月もそれを見て驚く。
「だが、BOARDは既に解体されたはずだ。それに、アンデッドの遺伝子は何処から流出したんだ?」
始の言うように、人類基板史研究所・BOARDは次元保護国が建国される頃には組織が機能しなくなったことで解体されていた。その際に研究データの大半は廃棄処分されている。
「俺が…人々を…マモル!」
謎の怪人は大剣を構える。
「とにかく、こいつを何とかしよう!」
剣崎達は変身し、謎の怪人を迎え撃つ。

「ドクター、新開発のネクストライアルの試験運転に異常は見られません。」
スカリエッティ博士の秘書、ウーノはモニターを観ながら状況を説明する。

「これで、どうだ!」
アギトは謎の怪人の槍をシャイニングカリバーで弾くと、必殺技のバーニングボンバーを謎の怪人に放ち、謎の怪人は爆発を起こしながら倒れ、バックルのプレートが開く。

〔タカ!クジャク!コンドル!ギン!ギン!ギン!ギン!ギガスキャン!〕
オーズタジャスピナーにコアメダルをセットしてスキャンし飛翔。炎を纏いながら突撃するマグナブレイズで謎の怪人を攻撃し、謎の怪人は倒れ、バックルのプレートが開く。

「これなら…」
アギトもオーズも何とか怪人の動きを止めることが出来て一安心するが、謎の怪人、ネクストライアルのバックルのプレートが閉じると二体は再び活動を始める。

ライダー達が戦闘を行っている頃、エリオは地下水道で何かが助けを求める声を察知する。
「キャロ、今地下水道で誰かの声が聞こえた。行こう!」
出かけていたエリオとキャロはそれを中断し、地下水道を降りる。そこには、小学生になっているかも怪しい年齢の童女が脚に重いケースを足枷で着けられながらも歩いていた。
「こんな地下に、女の子!?ティアナさん、スバルさん、A-29地区で身元不明の子供を発見、すぐに応援をお願いします!」
エリオはティアナとスバルを呼び、情報を整理する。
「問題はこの子の脚に着けられたケースの中身よね。」
ティアナは注意深く童女を見る。無理も無い。童女に着けられたケースの中には、起動前のレリックが入っていたからだ。すると、
「みつけた。」
エリオよりやや年上にみえる少女が現れる。しかし、
「あなたは、この間の召喚士!」
少女の正体はホテル アグスタでキャロと交戦した虫を操る召喚士であった。
「なぁルールー、そんな奴ら、さっさと蹴散らしてさっさとお嬢を連れて帰ろうぜ?」
召喚士、ルーテシアに対して小型の融合機デバイス、烈火の拳聖アギトは言う。
「なるべくなら、傷つけることはなく終わらせたい。」
ルーテシアは黒いボディに紫のマフラーを着けた人型の召喚獣、ガリューを召喚する。

「そろそろ、次のステップに進もうか。ディエチ、オットー、出番だ。」
スカリエッティ博士はモニターを観ながら二体の少女に指示を出す。悪意の思惑は、着実に次元保護国を蝕み始めていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「スマートブレインが倒産!?」
「俺は…オルタディロード!」
「オルタディロードだと!?」
「お名前は?」
「…ヴィヴィオ」
次回『新世代、護る』 

 

第23話『新世代、護る』

「戦闘機人達が活動を開始したか。」
雅は立ち上がる。
「クロノ長官、出撃の許可をお願いできますか?」
雅は電話を利用して記録が残るようにクロノに連絡を取る。
〝相手は戦闘機人と判明しているならば、こちらとしても拒否の理由はありません。次元保護国国家象徴、凪風雅の出動を許可します。〟
「ありがとうございます。それでは、行きます!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのアタックライドを使い、現場へ向かった。

「行って、地雷王。」
その頃、現場ではルーテシアの操る地雷王の電撃にフォアードメンバーは苦戦を強いられていた。
〝みんな、安心してほしい。これから救援が来るから。〟
そんな中、ティアナに雅からの念話が入り、状況の好転を確認する。
「さあ、隊長さん達が来るまで、もう一踏ん張りよ!」
ティアナの号令で、フォアード達は体勢を立て直す。

そして、雅の現地入りをモニター越しに見ていたスカリエッティはウーノにある指令を出す。
「ウーノ、彼の出番だ。」
「しかし、彼はまだ調整中です。実践導入までには準備が必要かと。」
「調整中だからこそ、だよウーノ。この実践で得られるデータを元手に最終調整をすればいいだけのことさ。」 
「畏まりました。それでは、彼を今回の作戦に導入させます。セインには、データのサンプルを取るように指示を出しておきます。」
「物わかりが早くて助かるよ、ウーノ。」
スカリエッティの言葉を聞き、ウーノは別室へ向かうと、一体の異形に話しかける。
「さあ、私達のお願い、聞いてもらえるかしら?」
「本当に、俺のことを守ってくれるんだよな?」
異形は少年のような声で質問する。
「勿論ですよ。ですから、私達のことも手伝ってくださいね。」
「わかった。あいつをやっつければいいんだろ?」
異形はモニターに映る雅を指さす。
「はい、お願いしますね。」
「うん。」
【アタックライド-ワープ-】
異形は腰部の器具を使い、雅の前に転送する。
「ええ、お願いしますよ。ドクターの夢のために、ね。」
ウーノは不敵な笑みを浮かべた。

雅はティアナ達と合流するために急ぎ足で向かうが、目の前に現れた人影に立ち止まる。
「えっ、ディロード?」
そう、目の前にはディロードと同じ姿の存在があったのだ。
「一体何者だ!」
雅はディロードライバーを装着しながら言う。
「俺は…オルタディロード!」
「オルタディロードだと!?」
その名前を聞き、雅は驚く。
「スカリエッティ博士を助けるために、お前を足止めする。」
オルタディロードと名乗る異形は戦闘の構えを取る。
「分断が狙いか。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅もディロードへ変身して応戦を始める。
「お前は何者だ!どうしてスカリエッティに味方する!?」
ディロードはオルタディロードにパンチを放ちながら言う。
「スカリエッティ博士は、俺のことを守ってくれる。父上や、母上と違って!」
オルタディロードは右手の拳と右足の回し蹴りを同時に放ち、応戦する。
「この技、凪風流だと!?それなら、ライダー、変身!」
【CHANGE RIDE-TYPHOON VERSION 1-】
ディロードはオルタディロードの使う技に驚きつつも、仮面ライダー1号に変身する。
「それなら、俺だって!」
【カイジンライド】
オルタディロードはディロードライバーと同型の器具を展開し、端のボタンを押す。そして、
「イカデビル!」
そう宣言すると、オルタディロードの姿はイカデビルに変わる。
「ディロードの能力まで擬似的に再現されているのか。」
「これでもくらえ!」
オルタディロードイカデビルは触手状の鞭を振るい1号を攻撃する。そして、一号が怯む姿を見ると、再び腰部の器具を展開し、今度は内側のボタンを押す。
【ファイナルアタックライド】
「イカデビル!」
オルタディロードが宣言すると、隕石群が1号目がけて放たれる。
「あれを食らったらひとたまりもない!変身!」
【CHANGE RIDE-SUNRISER-】
ディロードは1号への変身を解除すると同時にBLACK RXに変身する。
「だったら!」
【カイジンライド】
「ジャークミドラ!」
オルタディロードも負けじと、今度はジャークミドラへカイジンライドする。
【アタックライド】
「ミドラー剣!」
オルタディロードジャークミドラは長剣のミドラー剣を出現させて、手に取り、RXを切り裂く。
「くっ、キングストーンフラッシュ!」
RXはサンライザーから光線を放ち、足止めする。そして、そのままジャンプする。
「くらうか!」
【カイジンライド】
「バトルレイダー!」
オルタディロードは今度は仮面ライダーゼロワンのバトルレイダーにカイジンライドする。
【ファイナルアタックライド】
「バトルレイダー!」
オルタディロードバトルレイダーは必殺技を発動し、防御態勢に入る。
「RXキック!」
RXは必殺キックを放つが、オルタディロードバトルレイダーの必殺技、インベイティングボライドによって防がれてしまう。
「僕が行っていない世界の力まで使えるとは。」
RXへの変身を解除したディロードは体制を立て直しながら言う。
【カイジンライド】
「デザスト!」
更に今度は仮面ライダーセイバーの世界の強敵、デザストに変身し、
【ファイナルアタックライド】
「デザスト!」
オルタディロードデザストは長剣、グラッジデントを手に取り、走りながら近づき、螺旋を描きながらディロードに突撃する。
「カラミティ・ストライク!」
デザスト必殺の一撃がディロードに直撃するが、ディロードの防御力により、攻撃を受けきる。しかし、手を変え品を変え攻撃を繰り返すオルタディロードの攻撃を受け続け、ディロードは立つのが精一杯になっていた。
「これでどうだ!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードは必殺技を発動し、平成ライダーを召喚する。しかし、
「それなら、俺も全力で倒す!」
【ファイナルアタックライド-ディ ディ ディ ディロード-】
オルタディロードも同じ必殺技を発動し、ゴ・ガドル・バ、水のエル、ガルドサンダー、ホースオルフェノク、エレファントアンデッド、コダマ、スコルピオワーム、レオイマジン、マンティスファンガイア、ナスカドーパント、ロストアンク、リブラゾディアーツが召喚され、召喚された平成ライダーの幻影を撃破する。そして、キックを放っていたディロードをオルタディロードは回し蹴りで迎撃し、雅は変身解除される。
「お前を倒せば、スカリエッティ博士は俺を守ってくれるんだ。」
オルタディロードは雅に近づこうとする。しかし、
「そうはさせないぜ!」
「ボク達もいるです!」
ダークカオス、そしてディショット龍騎、ディショットブレイド、ディショットダブルがオルタディロードに攻撃を放つ。
「嫌な予感を感じて正解だったわ。」
ディショットブレイドに変身している梨花は雅に手を差し出す。
「ありがとう。」
その手を取り雅は立ち上がる。
「ここは撤退しましょう!」
「しかし、向こうではまだ戦闘が。」
「大丈夫です。今、ヴィータさんから撤収作業に移ったと連絡がありましたです。」
「解った。ここは退こう。」
ダークカオスは自身の持つ時間停止の力を駆使して、チームディロードを撤退させた。
「逃げられた。スカリエッティ博士に怒られる。」
オルタディロードは一人で怯えている。すると、スカリエッティから通信が入る。
〝大丈夫だよ。それより、初めての戦闘で大変だっただろう?チンクに迎えに行くように頼んだから安心して帰るといい。〟
「ありがとうございます。」
オルタディロードは安心したような雰囲気を出していた。

「みんな、助けに来てくれてありがとう。」
「それより、あのディロードの偽物はなんですか?」
圭一は雅に質問する。
「奴は自身をオルタディロードと名乗っていた。」
「オルタディロード、ねぇ…それで、どんな奴か見当でもついているのかしら?」
「ああ、その正体に心当たりがある。」
「心当たり?」
「オルタディロードの正体は、子供の頃の僕だ。」
雅の口から驚くべき正体が明かされる。
「子供の頃のって、どういう意味ですか?」
「数日前、遺伝子研究所から複数の遺伝子が盗まれた事件は知っているだろう?」
「はい。」
「大々的なニュースになりましたわよね。」
「そうだ。保管されていた僕の遺伝子も、どうやら盗まれたらしい。各地ではブレイドの世界で作られていない人造アンデッドが暴れているのも、そこから剣崎さん達の遺伝子が盗まれたからだ。」
雅は説明する。
「ならどうして、敵は子供の頃の雅を作り出せたのかしら?」
「おそらく、人造魔導師素体として僕の記憶を引き継がせて作ったんだろう。スカリエッティなら、そのくらいの技術力もある。そして、僕をベースにした人造魔導師に改造手術を施して、生み出したと考えるのが妥当だろう。」
梨花の質問に雅は答える。すると、テレビはニュース速報に変わる。
〝緊急ニュースです。ただいま入りました情報によりますと電子機器メーカー、スマートブレイン社が指名手配中のテロリスト、ジェイル・スカリエッティに物資及び資金の援助をしていた証拠が見つかり、無期限の経営資格停止処分を発表。その後正式に倒産手続きが施されました。〟
「スマートブレインが倒産!?」
圭一は驚く。しかし、雅はそのニュースを見て、
「スマートレディが入り込んで遺伝子を盗んだのか。それなら、セキュリティなんて意味がないな。」
自身の考察の確信を掴んだ。

雅達チームディロードがオルタディロードの対策に頭を悩ませている頃、機動六課本部では別の悩み事に直面していた。
「お名前は?」
「…ヴィヴィオ。」
なのはの質問に童女は答える。この出会いは、この後の二人の未来を変えるとも知らずに。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「兄貴、俺も協力するぜ!」
「あのトライアル達は?」
「さあ、調整は済んだよ。」
「これが、新しい力…」
次回『新世代、対策する』希望を紡いで、すべてを救え! 
 

 
後書き
 はい、一年も更新しなかった言い訳タイムになりますが、ここ一年で私の生活環境が大きく変わりまして、まずは転職して、その都合で引っ越しも絡み、新生活に慣れる必要がありました。それから、ようやく慣れたと思った矢先、持病というか、先天性の体質が見つかりました。現在は投薬治療で症状を抑え込んでいる生活をしていますが、医師からは最悪手術が必要とも言われています。期待して待っていた皆様、私的都合で更新が疎かになってしまい、申し訳ありませんでした。 

 

第24話『新世代、対策する』

ルーテシアとの戦闘の翌日、機動六課とチームディロードは警察庁の対策本部に招集されていた。
「あっ、火野さんさんに津上さん、それから剣崎さん達もいるんですね。」
スバルはびっくりした顔を見せる。
「みんな、忙しい中集まってくれてありがとう。今日集まってもらったのは、昨日起きたスカリエッティ一味による同時多発襲撃事件についてだ。チームディロードや火野さん達には証人としてきていただいている。」
クロノの言葉で会議が始まる。
「昨日、機動六課が少女を保護していた頃と同時刻、俺達の前に未知のトライアルシリーズが現れた。そのとき、トライアルシリーズはまるで剣崎のような言動を取っていた。」
橘はそのときの状況を説明する。
「俺の所に来た個体は真木さんみたいなことを言っていました。」
「俺の所に来たのは、あかつき号を襲ったアンノウンと同じ事を言っていました。」
映司と翔一も続けて説明する。
「すみません、トライアルシリーズってなんですか?」
スバルは剣の世界を知らないため、質問する。
「トライアルシリーズ、研究段階での名称は改造実験体。かつて俺と剣崎が勤めていた人類基盤史研究所、BOARDの理事長である天王寺が一人の研究者に極秘裏に依頼していた非人道的な研究の一つで、人間とアンデットの遺伝子を融合させて不死身の力を得る研究だ。トライアルシリーズの生成にはアンデッドの遺伝子と、融合させる人間の遺伝子が必要になる。」
橘はかつてトライアルシリーズの研究に携わっていたことから、その性質を説明する。
「橘さん、そうだとしたら俺を襲ったトライアルシリーズの説明がつきません。あのトライアル達は?」
「確かに、俺の所に来たトライアルはもうこの世にいない真木さんが元になっていますし、津上さんに関しては、そもそも怪人が元になっています。」
橘の説明に津上と映司が疑問を提示する。
「それについては、一つあり得ることがある。」
そこに雅が割り込む。
「雅国家象徴、知っているんですか?」
「おそらく、スカリエッティが用意したのは人造魔導師素体でしょう。生きた人造魔導師に剣崎さん達の遺伝子を移植して、それを改造したのなら、説明がつきます。」
映司の質問に雅は答える。
「それから、トライアルシリーズにはもうひとつやっかいな性質がある。それは、倒しても一定時間経過すると行動を再開するところだ。」
橘は説明を再開する。
「活動を再開って、どうやって倒せばいいんですか?」
「高威力の攻撃で消滅させれば、完全撃破が出来る。」
映司は更に質問し、橘は解決法を伝える。
「とにかく、スカリエッティにはトライアルシリーズを作れる技術力があること、それからトライアルシリーズを利用する目的は仮面ライダーへの妨害と考える事が出来る。」
雅は現状でトライアルシリーズに対する考察を述べる。
「俺達への妨害?」
「ええ、スカリエッティの有するガジェットドローンは魔法に対しては耐性を持っていますが、物理攻撃での撃破には弱いです。当然、戦闘機人以上の戦闘能力を持つ仮面ライダーの近接戦闘は計画の見直しになる可能性もある。それに対して、特定の威力での完全消滅以外に対策のないトライアルシリーズは相性がいいと考えての採用と思います。」
津上の質問に雅は答える。
「とにかく、スカリエッティが作ったトライアルは製作方法が異なることから、対策本部ではネクストライアルと命名することにした。それから、ネクストライアルの対処は剣崎さん達に任せたいが、大丈夫か?」
クロノは剣崎達に確認を取る。
「ああ、問題ない。」
クロノの言葉に剣崎は答える。
「次に、凪風国家象徴を襲撃したディロードと同じ姿をした怪人についてだが…」
「それについては、僕の方から直接説明します。」
クロノが次のページをめくりながら言うと、雅が説明を始める。
「あの怪人は自身をオルタディロードと名乗っていました。能力もディロードの能力を怪人用に調整したような仕様になっていました。そして、オルタディロードは僕の遺伝子を利用した人造魔導師を生み出して改造した怪人といえます。」
「凪風国家象徴、断言できる材料はありますか?」
「はい、オルタディロードは僕と同じく凪風流の武術を扱っていました。僕は構えや技を使うときに少しだけ我流の癖が出るのですぐに分かりました。それから、思考が子供の頃の僕と同じであることも、理由の一つです。」
クロノの質問に雅は説明しながら答える。
「それから、オルタディロードに関しては、僕に任せてほしい。」
雅は提案する。
「その件に関してですが、こちらで助っ人を用意しています。」
クロノが言うと、流夜が顔を見せる。
「兄貴、俺も協力するぜ。」
「流夜、どうしてここに?」
「こちらの方で以来要請しました。刑期の減刑と仮釈放を条件に。」
雅の疑問にクロノは答える。
「流夜が協力してくれるのは心強い。」
「そう言ってくれると嬉しいぜ。」
雅と流夜は拳をぶつけ合う。
「スカリエッティの目論見通りになるのは少々気に障るが、ネクストライアルの対処は剣崎さん達に、オルタディロードの対処は凪風国家象徴と流夜に、機動六課は引き続きレリック事件の捜査を。これで、今日の会議は終了だ。みんな、ご苦労だった。凪風国家象徴も、お疲れ様です。」
クロノの言葉で一同は解散する。
「それにしても、流夜が手伝ってくれるとは思わなかったよ。」
「俺だって、これからは真面目に生きようと思っているんだ。そのためならこれくらい構わないよ。」
廊下を歩きながら雅と流夜は話している。
「雅さんと流夜さん、仲が良いですわね。」
「まったくだ。あれが何年も前には殺し合うような関係だったなんて思えないよな。」
「家の跡継ぎなんてものが無ければ、本当はあれがあの二人のあるべき姿だったんでしょう。」
その後ろ姿をチームディロードは感心しながら見ていた。

ティアナ達が撤退していた頃、オルタディロードは戦闘機人ナンバー5、チンクと合流していた。
「チンクさん、俺なんかを迎えに来て大変でしょう?」
「気にするな、姉は好きでやっていることだ。一緒に帰還するとしても、おぶられるのと抱かれるの、どちらが良い?」
「どっも恥ずかしいです…」
「やらせてくれ、妹たちは恥ずかしがって避けようとするんだ。これも私に対しての手伝いだと思ってくれ。」
「分かりました。それなら、抱かれる方でお願いします。」
「そうか、姉に存分に甘えていいんだからな。」
チンクは小さな身体であるにも関わらず、オルタディロードを抱きかかえて、そのまま基地へ帰還する。

チンクとオルタディロードが帰還している頃、キャロからレリックの入ったケースを奪い取ったナンバー6、セイン達は通路を歩きながらレリックのことで話していた。
「ところでセイン、中身は無事だろうな?」
ナンバー3、トーレはセインに聞く?
「当たり前っすよ!」
セインはレリックのケースを開けるが、中身が入っていなかった。
「えっ、どういうことっすか!」
セインは想定外のことで驚く。
「もしかして、無機物潜行(ディープダイバー)を使ったときに落としたんじゃないの?」
ナンバー4、クアットロは馬鹿にするように言う。
「そんな器用なこと、出来ませんよ!それに、ちゃんと確認したんですから!」
セインは画像を見せながら怒る。
「ん?」
そんな中、トーレは一枚の画像を見る。
「馬鹿者!レリックはここだ!」
トーレはキャロの帽子の中のエネルギー反応を指さす。
「あっちゃー、そんなところに隠していたなんて。」
セインは平謝りでルーテシアに謝り倒していた。

凪風流の道場に着いた雅と流夜は向かい合う。
「刑務所に居て、鈍っていないよな?」
「兄貴こそ、平和ぼけしていないよな?」
雅と流夜は構える。そして、二人は変身すると組み手を合わせる。
「それにしても、よく稽古の相手に出てくれたな。」
「そりゃ、ディロードの相手を出来るのなんて、ディケイドである俺にしか出来ないだろ?」
「それもそうだな。」
二人は凪風流の武術をぶつけ合う。雅は事前に流夜に凪風流の武術を使うように話していた。オルタディロードが過去の自身であるということは凪風流の武術を扱えるため、積極的に使うように頼んでいたのだ。
「やっぱり、ディケイドは強いな。400年間で一度も勝てなかったからな。」
「おいおい、そう言っておいて人のこと殺したのはディロードだろ?」
「流夜はあれがディロードで、僕だと思うのか?」
「んなわけねーだろ!」
ディロードとディケイドは激しい攻防を繰り返す。
「凪風流、桃撃!」
ディケイドの攻撃をディロードは防御する。
「がら空きだ!凪風流、桜龍!」
ディケイドは続けざまにディロードに膝蹴りを放つが、
「その程度、ディロードの防御なら耐えられる!」
ディロードはその攻撃を受け止め、拳を放ってディケイドを攻撃する。

雅と流夜が稽古を組んでいる頃、オルタディロードは帰還して、スカリエッティの前に居た。
「頑張ったね、雅君。疲れただろうから少し休むといい。ウーノ、彼を寝かせてあげるんだ。」
「分かりました、ドクター。さぁ、こちらへ。」
スカリエッティの指示を受け、ウーノはオルタディロードを研究室に連れて行き寝かせる。そして、数時間経ちオルタディロードは目を覚ます。
「お体はどうですか?」
ウーノの穏やかな顔を見てオルタディロードは安心する。
「やあ、調子はどうかな?」
そこにスカリエッティもやって来る。
「博士、凄く動きやすいです。」
「君の戦闘データを元に、動きやすいように少し調整を加えたからね。」
「ありがとうございます。」
「まちたまえ、君にプレゼントがある。」
スカリエッティはオルタディロードに六枚のメダル状のアイテムと、そのアイテムを扱うのに必要な武装を渡す。
「それは君に、更なる力を与えるだろう。」
「これが、新たな力…」
オルタディロードは渡された武装、レリックゼットライザーを握りしめていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「次から次と!」
「ダメだ、倒してもきりがない!」
「二人がかりか…」
「「行くぞ!」」
「オルタディロード シータオルタライザー…」
次回『オルタライズフュージョン』希望を紡いで、すべてを救え! 

 

第25話『オルタライズフュージョン』

新たに現れたスカリエッティの戦士に対しての対策から一週間後、突如海岸沿いに大量のガジェットドローンの反応が現れ、フォワードメンバーと流夜はその地点に向かった。
「あれが、お前達の言っていたガジェットって奴か。如何にも兵器って見た目をしているな。」
流夜はディケイドライバーを装着する。
“言葉遣いが凪風国家象徴と全然違うね、ティア。”
“なんだか、国家象徴にはない荒さを感じます。”
流夜の言葉を聞いてスバルとキャロは念話で感想を言うが、
「お~い、俺もエクシードデバイスを持っているから会話が筒抜けだぞ?」
流夜は笑顔を見せながらいい、ティアナは呆れていたが、ガジェットドローンの攻撃を見てフォアードメンバーはバリアジャケットを纏い、流夜はディケイドに変身する。

「あれはディケイドですね。ドクター、彼を出撃させますか?」
その様子を見ていたウーノはスカリエッティに聞く。
「彼らは兄弟だ。互いに手を出せずにいる結果にならないといいが、彼の心構えの確認には丁度いいか。それに、新しいオモチャの性能チェックにはいいだろう。」
スカリエッティはウーノの提案をのむと、
「雅君、私の手助けをしてくれないか?」
オルタディロードに話しかける。
「なんですか?」
スカリエッティの言葉にオルタディロードは反応する。
「あそこにいるピンク色の…」
スカリエッティは説明するが、
「マゼンタですね。」
オルタディロードは色の訂正をする。
「そう、マゼンタ色の仮面ライダー、あれはディロードの仲間なんだ。足止めをしてもらえないかな?」
スカリエッティは要請の体をした命令をする。
「解りました。行ってきます。」
【アタックライド-ワープ-】
しかし、オルタディロードは疑問に思うこともなく出撃する。

「ダメだ、倒しても倒してもキリがない!」
スバルは自慢の拳で破壊しながらも体力を疲弊されていき、徐々に防戦に切り替えていく。
「チッ、次から次と!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディケイドもディケイドブラストで複数体一気に破壊していくが、次々に出現するガジェットドローンに悪態をつく。すると、どこかから青いエネルギー弾が飛んできてディケイドとフォワードメンバーを分断する。
「そっちか!」
ディケイドはエネルギー弾を放った対象を発見し、其方へ向かう。そして、ディケイドが向かった先にはオルタディロードローズオルフェノクがいた。
「ローズオルフェノク…じゃないな。そのベルト、お前が噂のオルタディロードか!」
オルタディロードはカイジンライドを解除する。
「その声、流夜か。流夜も仮面ライダーになっていたのか。」
オルタディロードは拳を握りしめる。
「なるほど、中学に入る頃の兄貴か。まさか、怪人になるまで抱え込んでいたなんてな。とにかく、お前を止めてみせる!」
ディケイドはライドブッカーをソードモードに変える。
【カイジンライド】
「メ・ガリマ・バ!」
オルタディロードはメ・ガリマ・バにカイジンライドすると、鋭い鎌でディケイドを攻撃するが、ディケイドは間一髪で回避する。
「ガリマが相手なら、こいつだ!超変身!」
【FORM RIDE-KUGA RISING TITAN-】
ディケイドはかつてメ・ガリマ・バを倒したディケイドクウガ ライジングタイタンにフォームライドし、モーフィングパワーでライドブッカーをライジングタイタンソードに変える。
「おらぁっ!」
ディケイドクウガはライジングタイタンソードを力強く振るうが、オルタディロードメ・ガリマ・バは持ち前の身軽さを駆使して攻撃を避ける。紫のクウガは重い一撃を放つことが出来るが、動きが鈍重になり、軽快な動きの敵には攻撃を当てづらい欠点がある。
「流石は兄貴、怪人の戦闘方法も完璧って事か。」
ディケイドクウガは軽快な動きに翻弄され苦戦する。すると、
【CHANGE RIDE-OUKYO SHUL SHAGANA-】
「Various shul shagana tron」
鏖鋸・シュルシャガナのアームドギアを纏った雅がα式・百輪廻を放ち牽制しながら現れる。
「大丈夫か、流夜!」
「ああ、なんとかな。」
ディケイドはカメンライドを解除して体勢を立て直す。
「流夜、これを使うんだ。」
雅はディケイドに一枚のライダーカードを渡す。
「これ…俺に使えるのか?」
ディケイドが渡されたカードはシュルシャガナの対となる武器、イガリマのカードだった。
「ゴセイカードも使えるんだ。それだって使えるはず。」
「わかった。使ってみる。」
【ATTACK RIDE-IGALIMA-】
ディケイドがカードースキャンすると、ライドブッカーはイガリマに変わる。
「流夜、聞こえてくるメロディに合わせて行くぞ。」
「オッケー!んじゃ、行くぜ!」
「二人がかりか…」
ディケイドと雅はオルタディロードメ・ガリマ・バとの間合いを詰める。
「♪警告メロディ 死に神を呼ぶ 絶望の夢デスサーティーン! レクイエムより 鋭利なエレジー 恐怖へようこそ!」
ディケイドは切・呪りeッTぉを放ち、オルタディロードはカイジンライドを解除して放たれた刃の片方を打ち落とし、もう片方の刃は回避する。
「♪DNAを 教育してく エラー混じりのリアリズム 人形のように お辞儀するだけ モノクロームの牢獄」
「「♪〝今すぐにjust sow now〟“だからこんな世界は”“痛む間もなく”切り刻んであげましょう!」」
ディケイドは封伐・PィNo奇ぉを展開し、雅もγ式・卍火車を展開し攻撃を仕掛けるが、オルタディロードは攻撃を防ぎきる。
「「♪〝信じ 合って 繋がる〟“誰かを守るためにも真の”強さを! 勇気と信じてく そう“夢”紡ぐ〝手〟“tales”」」
攻撃を防がれた雅は非常Σ式・禁月輪を、ディケイドは断殺・邪刃ウォttKKKを発動する準備を整える。
「「♪〝きっと きっと まだ〟“忘れかけた笑顔だけど”大丈夫まだ飛べる“よ”」」
それに対し、
【カイジンライド】
「ロード・オブ・ワイズ クオン!」
オルタディロードは仮面ライダーセイバーの強敵、ロード・オブ・ワイズ クオンにカイジンライドする。
「マズい!」
雅は驚くが攻撃の手を止めることは出来ず、
「「〝輝いた〟“輝く”絆〝だよ さあ空に〟“抱きしめ”調べ歌おう!」」
ディケイドと雅の合体技、禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSSを放つが、オルタディロード ロード・オブ・ワイズ クオンの放つ強化されたカウンター攻撃を受け、イガリマはライドブッカーに戻り、雅はシュルシャガナの装着が解除される。
「なんだ、あの怪人は!」
ディケイドはすぐに立ち上がり体勢を整える。
「あれは今、日本で放送されている仮面ライダーセイバーの怪人、ロード・オブ・ワイズ クオンだ。当然、この世界との繋がりはない。恐らく、スカリエッティがセイバーの世界を調べて、そのデータを落とし込んだんだろう。」
雅は立ち上がり、ディロードライバーを装着する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「流夜、行くぞ!」
「ああ、俺達ダブルライダーの力、見せてやる!」
ディロードとディケイドはパンチを放ち、カイジンライドを解除したオルタディロードはそれを受け止める。
「オルタディロード、お前はスカリエッティに騙されているだけだ!」
ディロードはロードスラスターを振るいながらオルタディロードに話しかける。
「そんなことはない!スカリエッティ博士は俺を守ってくれる!だから俺はスカリエッティ博士の手伝いをするんだ!」
オルタディロードも凪風流の拳でディロードに攻撃するが、ディロードはそれを避ける。
「じゃあ、今やっていることは何だ!兵器を使って、人々の平和を脅かす、ただの破壊工作だろう!」
「違う!みんなが俺を虐めるから、スカリエッティ博士は人が傷つけ合わない世界を作ろうとしているんだ!」
「そのために多くの人を犠牲にしたら、やっていることは虐殺者のそれと変わらないだろ!」
ディロードとオルタディロードは肉弾戦のぶつかり合いを繰り返す。
「オルタディロード、凪風の力は何の為にあるんだ!人を守る為だろ!教えてくれたのは他でもない兄貴じゃないか!その兄貴が、人を傷つける為に使うのはおかしいだろ!」
ディケイドもライドブッカーで斬りかかるが、オルタディロードはそれを避ける。
「流夜には解るはずがない!俺がどれだけ頑張ったか!どれだけ我慢し続けたか!それでも、傷つけてくる奴らは面白がって俺をオモチャにしてくる!だから俺は、俺を守ってくれる人達を守るために、この力を使う!」
オルタディロードはスカリエッティから渡された紫色のゼットライザーを取り出す。
「あれは、ゼットライザー!?」
「兄貴、あれが何か知っているのか!?」
驚くディロードにディケイドは質問する。
「そうか、流夜は知らないのか。あれはゼットライザー。最近まで日本で放送されていたウルトラマンゼットの変身アイテムだ。まさか、あんなものまで作られていたとは…」
ディロードの説明を聞きディケイドが納得していると、オルタディロードはゼットライザーにアクセスカードをセットする。
〝ナギカゼ アクセスクランデット!〟
アクセスカードの承認を確認したオルタディロードは三枚のオルタライズメダルをセットし、読み込ませる。
〝グレートボス オブ ゲルショッカー!ブラッククロスプレジデント!ゼットン!〟
オルタディロードがスキャンしたメダルの力はゲルショッカー大首領に黒十字総統、そしてゼットン。何れも初代の三大ヒーローの最強の敵の力を宿しているものであった。そして、オルタディロードはトリガーを引く。
〝オルタディロード!シータオルタライザー!〟
オルタディロードの姿は白と黒を基調とし、赤いマントが出現、更に頭部に銀色と赤の装飾が現れ、眼の部分は単眼のように変化した。
「オルタディロード、シータオルタライザー…」
オルタディロードは、強化形態にオルタライズフュージョンをした。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
「なんて強さだ!」
「攻撃が通用しない!」
「新たなネクストライアルか!」
次回『新世代、侵攻される』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダークウガ ライジングタイタン:ディケイドがクウガ ライジングタイタンにフォームライドするためのカード。
鏖鋸・シュルシャガナ:ディロードライバーをシュルシャガナに変え、アームドギアを纏うためのカード。
イガリマ:ディケイドが使用することでライドブッカーをイガリマの武装に変える。 

 

第26話『新世代、侵攻される』

「シータオルタライザー、だと…」
ディロードは身構える。
「なんだか知らないが、一気にいかせてもらうぜ!」
ディケイドはライドブッカーで斬りかかるが、オルタディロードに一切のダメージが入ることはなかった。
「一切の攻撃が聞かないということは、黒十字総統の力が働いているのか。それなら!」
【KAMEN RIDE-LAZER ANOTHER AGITO MARIKA-】
何かを察知したディロードはレーザー、アナザーアギト、そしてマリカを召喚する。
「流夜、ブレイドにカメンライドするんだ!」
「なんだか解らないけど、了解!変身!」
【KAMEN RIDE-BLADE-】
ディケイドはオリハルコンエレメントを通り抜け、ディケイドブレイドにカメンライドする。
「そして、こいつだ!」
【CHANGE RIDE-GORIDER CARD-】
ディロードはディロードライバーを超スーパーヒーローカードに変え、ディケイドブレイド達に渡す。
「これを使おう!」
ディロードが全員にカードを配り終えると、一斉にカードを上に投げる。
「変身!」
ディロード達は超スーパーヒーローカードの力で仮面戦隊ゴライダーに変身する。
「流夜の攻撃が通じなかったのは、黒十字総統の持つ、カシオペア座の光以外では倒せない防御を利用しているはず。ゴライダーハリケーンで決着をつけよう!」
アカライダーは作戦を伝える。
「解ったわ。行きましょう!頼むわよ、ミド!」
モモライダーはゴライダーハリケーンの元になるボールをミドライダーに投げる。
「行け、キライダー!」
ミドライダーはノーバウンドシュートでキライダーにパスを渡す。
「頼んだぜ、アオ!」
キライダーはヘディングでアオライダーに繋ぐ。そして、それをキャッチしたアオライダーはボールを地面に置く。
「兄貴、エンドボールを決めてやれ!」
「ああ!ゴライダーハリケーン・カシオペア!」
五人のパワーを収束させたアカライダーのキックによりゴライダーハリケーンはカシオペア座の光を放ちながらオルタディロードに向かってゆく。しかし、
「オルタライズシャッター!」
オルタディロードは自身の周囲を囲む強力なバリアを展開し、ゴライダーハリケーンを無力化し、
「オルタライズバインド!」
蛇型のエネルギー弾を放ち、アカライダー以外の四人は拘束されキライダー、ミドライダー、モモライダーはエネルギーを失い消滅する。
「ゲルショッカー大首領の力か。ここはシータオルタライザーの戦力を確認するか。」
【CHANGE RIDE-SPARKLENCE-】
雅はアカライダーへの変身を解除し、スパークレンスのカードを使って等身大のウルトラマンティガに変身する。
「兄貴、相手はゼットンの力を使っているんだ!危険すぎる!」
「だからこそ、相手の戦力を知る必要があるんだ。」
ティガはオルタディロードの放つオルタライズバインドを躱して近づき、エルボーシュートを放つが、オルタディロードは無傷のままティガを投げ飛ばす。しかしティガもスカイタイプに姿を変えて体勢を立て直す。
「これでどうだ!ランバルト光弾!」
ティガは速射性の高いエネルギー弾を放つが、オルタディロードはバリアで防いでしまい、不利と判断したティガはマルチタイプに戻る。
「それなら、くらえ!ゼペリオン光線!」
ティガは必殺の光線を放つ。しかし、
「オルタライズアブソープ!」
オルタディロードはゼペリオン光線のエネルギーを吸収し、ティガに反射する。
「危ない!」
ティガはカラータイマーへの直撃を防ぐために避けるが、攻撃は躱せずにそのまま変身解除してしまう。
「兄貴、無茶はよせ!一旦退くぞ!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディケイドはブラストを発動し、自身の周りを撃つことで煙を発生させて雅の手を引っ張り撤退する。

「逃げられたようですね。チンク、オルタディロードの回収を。」
ウーノはスカリエッティと共にモニターを見ながら支持を出す。指示を受けたチンクはラボから出ていく。すると、
「ここがDr.スカリエッティの研究所か。」
背後に何者かが現れる。
「何者ですか!」
ウーノが警戒すると、
「お前たちに協力してやるために来た。」
謎の存在はスカリエッティに手を貸すことを告げた。
「なるほど、これは楽しいことが起きそうだ。ウーノ、折角だ。新しい玩具も試しに動かしてみよう。」
スカリエッティは培養ポットに浮かぶ五人の男を見ながら笑みを浮かべた。

それから一週間が過ぎた。その間にも大量のガジェットドローンが出現し、ディロードが出動する度にオルタディロードによる妨害を受けた。だが、今回は普段と異なる緊急事態が起きた。町中で仮面ライダーたちが人々を襲っている、その報告を受けスカイライダー、スーパー1、ZX、シン、ZO、そしてJが向かうと、そこにはにせスカイライダー、リュウガ、ゴルドドライブ、ショッカーエグゼイドと、偽ライダー達が街を襲撃していたのだ。
「そこまでだ、俺達の偽物!」
スカイライダーが言うと、偽ライダー達は紫色のエネルギーとなって消滅する。突然の事態にスカイライダー達が困惑していると、
「来たか。」
そこに仮面ライダーセイバーそっくりな戦士が現れる。
「何者だ!」
スーパー1が身構えると、
「仮面パワー、トジルセイバー!」
戦士はトジルセイバーと名乗る。そして、
「イジルデ様の名を受け、ジェイル・スカリエッティに協力させてもらう!」
トジルセイバーは明確に敵意を見せる。

その頃、別地点に出現したガジェットドローンを追ってフォワードメンバーが駆けつけると、
「ゥオラァ!」
エリオは突然何者かの突撃を受けて突き飛ばされる。
「エリオ、大丈夫⁉」
スバルは敵の攻撃に備え拳を構えるが、鞭状の何かに捕らえられる。
「スバル、しっかり!」
ティアナもクロスミラージュのダガーを展開してムチを切ろうとするが、マゼンタのエネルギー弾に阻まれる。その光景を見ながらキャロが周りを警戒していると、
「どうだ、楽しめたか?」
男性の声が聞こえ、振り返る先には一人の男性と四体の異形がいた。
「お前達、新たなネクストライアルか!」
エリオはストラーダを構えながら立ち上がる。
「あんな実験体と一緒にするな。俺達はレリックウェポン。スカリエッティの兵器の一つの完成形だ。」
男性はエリオの言葉に反応し、正体を明かす。
「てことは、あんたにもそいつらみたいな姿があるってことね。」
ティアナは男性にそう言う。
「勿論だとも。」
男性はそう言いながら、ガッツスパークレンスと一本のガッツハイパーキーを取り出す。
“ウルトラマントレギア!ブートアップ!トレラシウム!”
男性は悪のウルトラマン、トレギアのキーをガッツスパークレンスに装填する。
「心を蝕む、虚無なる叡智!ウルトラマントレギア!」
男性はガッツスパークレンスのトリガーを引き、ウルトラマントレギア(GS)に変身する。
「さあ始めようか、俺達のデモンストレーションを!」
トレギア(GS)の指示を受け、スバルの動きを封じていた植物系グリード、オーガズはその蔓を引き戻してスバルと交戦する。
「弱い奴らを破壊するのは俺の趣味でな。精々いい悲鳴を聞かせてくれ!」
ティアナを妨害していたカメンライディングディケイドレイダーはティアナにエネルギーの斬撃を放ち、着実に追い詰めていく。
「キャロ、僕たちはそこまで距離が離れていない。背中合わせで行こう!」
エリオはキャロと合流しようとするが、
「おいガキ!お前の相手は俺だ!」
先ほどエリオを突き飛ばした人造アンデット、ケルベロスⅢのはなつ超音波咆哮により、遮られる。
「エリオ君!」
キャロはフリードを巨竜形態に変え迎撃の準備を整えるが、
「トレギア、派手に行っていいか?」
「いいだろう。好きなだけ暴れろ、ゴーカイワルド。」
ゴーカイレッドを歪に捻じ曲げたような怪人、ゴーカイワルドはゴーカイガンのような銃を連射しながらフリードに近づき、
「ゴーカイチェンジ!」
“デ〜スリュウジャー!”
ゴーカイワルドはキョウリュウジャーを苦しめた敵、デスリュウジャーにゴーカイチェンジし、ブーメラン状の投擲武器であるフルートバスターにエネルギーを込め、フリードを攻撃し、キャロの戦闘手段を奪う。
「キャロ!」
エリオはキャロのピンチに対応しようとするが、
「よそ見するな!」
ケルベロスⅢは右肩にある緑色の頭部から突風の如きエネルギー砲撃、インパクトブラストを放ちエリオを壁に叩きつける。
「二人とも大丈夫!?」
スバルはオーガズを殴りエリオ達の救援をしようとするが、
「甘い!」
オーガズはヤシの巨木の如き足でスバルをエリオのいる所まで蹴り飛ばす。
「このままじゃ、厳しいわね。」
ティアナは状況を整理しようとするが、
“カメンライディングボライド!”
「お前、中途半端に強くてつまらんな。」
ディケイドレイダーは必殺技を発動し、エネルギー弾でティアナを攻撃する。
「みなさん!」
そんなティアナ達の所にキャロ近寄る。
「集まってくれてありがとう。おかげで手間が省ける。トレラアルディガイザー!」
トレギア(GS)は必殺光線を放ちフォワードメンバーを戦闘不能にして市街地へ向かっていった。
「なんて強さだ!」
その自身の無力さにエリオとスバルは拳を握りしめていた。

「この世界の結末は、俺が閉ざす!」
“17バーン!ゴースト! 18バーン!エグゼイド! 19バーン!ビルド!”
トジルセイバーはギアトジンガーneoを使い、ダークゴースト、ゲンム 無双ゲーマー、メタルビルドを召喚し、スカイライダー達を攻撃する。
「こいつら、俺達の攻撃が通用しない!」
スーパー1達は防戦を余儀なくされる。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード!
「さあ始めよう!最高のショーを!」
「みんなが苦しまない世界のために!」
「ヴィヴィオ…無事でいて…」
次回『ブレイクダウン』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ゴライダーカード:ディロードライバーをゴライダーの超スーパーヒーローカードに変え、仮面戦隊ゴライダーに変身するためのカード。五人一組でいないと使用できない。