ハイスクールD×D 異界黙示録の機晶神


 

Analysis1:主人公

 
前書き
オリジナル主人公用の設定資料集です。 

 
名前:神無月進(かんなづきしん)イメージCV《FREEDOM WARS のデフォルトの主人公1ボイス》

年齢:ハイスクールD×Dの世界では戸籍上17歳。

容姿:FREEDOM WARS のデフォルトの主人公を頭髪を黒くした姿。

身長/体重:195cm/不明。

能力:戦闘形態、スレイヴ・バルバトスになれる。

種族:不明➡サイボーグ

所属:オカルト研究部

概要:本作のオリジナル主人公。自身が生まれた世界で、廃れた秩序を変えるために世界と戦った重要人物の一人。しかしとある決戦で世界が崩壊する事件が発生しそれを食い止めるため自身の命を投げ出して自身の世界を救った英雄。『革命の緋晶機神』と称えられるが、その前に死んでいるため本人は自身が英雄と呼ばれていることは知らない。そして死後その世界の『光の創造神ホルアクティ』によばれハイスクールD×Dの世界へと転生させられる。転生する際に『光の創造神ホルアクティ』に依頼という形で転生しているが詳しい依頼内容は不明。

性格は冷静でクール。しかし本人が学園生活を送っていたことで時々高校生らしい反応そして話し方を見せる。だが若干より臭い言動や同年代に対して小娘などの言葉を使う。戦闘では常に相手の行動や能力などを観察して対策を考えながら戦う。戦う際に慢心はしないが明らかに本人との実力の差が開きすぎている敵に対してはあえて慢心をして余力を残すようにしている。さらに一人暮らしや詳細は不明。だがとある仕事をやっていたおかげか家事に関しては一流の腕を持つ。特に料理の腕に関してはオカルト研究部全員やほかの仲間がベタ褒めするぐらい一流。

過去に関する情報はほぼ情報がなく。ハイスクールD×Dの世界の存在たちは彼が駒王学園の生徒であることしか知らない。だが『interlude1:使い魔ともう一人の来訪者』で赤龍帝ドライグが本人と『緋き結晶の英雄』と何か感づいていることに感づいているが、それでも本人の情報はほとんどない状態になっている。

種族は不明。悪魔側は一応シンのことは人間として分類しているが、現在の四大魔王は『計り知れないエネルギーを秘めている』『すべての生物が常に放つ生命の波動が全くない』と見解しているため少なくとも人間ではないことになっており、特殊な人外として分類されている。

追加項目でシンの体は機械で構成されるため種族として正確な分類はできないが一応サイボーグとしてカテゴリとして分類している

実力としては身体能力は原作9巻のイッセーと同等である。しかし戦闘技術、戦術、武器の扱い、状況判断は常識を覆すほど卓越されており、四大魔王のアジュカ・ベルゼブブと同等、もしくはそれをはるかに超えるセンスがある。しかし予想外なことに動揺することがありイッセーのドラゴンショットに微量ながら動揺していた。だが自身のカスタムを自力で行えたり銃器の整備などができたり開発面での頭脳も一流になっている。



―○●●●●○―



能力名:GS‐IC666 スレイヴ・バルバトス

全長:2.03m

重量:100kg

駆動源:不明

装甲:不明

武装:ウルトガ・メイス

   ストライク・ブレイス

固有兵装:ウェイスト・ヒート・ウェーブ

容姿:革命機ヴァルヴレイヴの火人の頭部にガンダムバルバトスの角になっており左右にあった蛍光色に輝くアンテナがなくなり、胸部装甲も同じくガンダムバルバトスの装甲になっている。そして脚部つま先部分は刃状の鉤爪が両脚部に付いている。

概要:シンがハイスクールD×Dの世界で発現した戦闘形態。しかし現在の戦闘形態は本人が自身の戦闘スタイルに合わせカスタムしたものでもあり、能力名(機体名)も発現時のものから変更している(スレイヴ・バルバトス補助システムスカーレットハートの意向で変更した)。戦闘形態になるために起動コードも変更されている。そしてカスタムの新規パーツはシンが生まれた世界での使用していたもの(形状のみ)がほとんど使われている。装甲の強度はイッセーの本気のドラゴンショットが耐えれないぐらいの強度、しかしダメージを受ければ受けるほど許容範囲を超えない限り強度は増していくようになっている。この状態の実力と身体能力もは旧魔王より二回り強くなっている。
だが致命的に弱点があり、戦闘形態のエネルギー運動が安定しておらず熱が過剰に生み出されてしまうためセーフティーが『熱累積率000/100』があり100を超えるとオーバーヒートが起こり緊急冷却のため666秒間動けなくなる。さらに戦闘形態解除もできなくなる。


兵装

ウルトガ・メイス:シンが自身で即時に構成した多数複合型特殊戦槌。カスタムされる前の武装を一部除いたものをすべて合体させたメイス。汎用性が向上し、近中遠距離のどの距離でも対応できる武器となっている。

フォルド・シックル×2:ウルトガ・メイスの両脇にそれぞれ一ずつ収納されている小鎌型の近接兵装で収納時は細めの直方体のような形になっている。用途はフォルド・シックルをクワガタのあごのように開き対象をはさんで拘束しそのまま絞め切り裂くような動きをする。

ジー・エッジ長刀・短刀:ウルトガ・メイスの上部に刃が知れじれ逆を向くように装備されている近接兵装。収納時はウルトガ・メイス本体の中に収納されている。用途は打撃しかできないウルトガ・メイスに切断攻撃を行うための武装であり厚さ10cmの合金を軽く切断できるほどの切れ味を持っている。現在未使用。

ボルク・アーム:ウルトガ・メイスの本体であり四つの近接兵装をつなげているいわば支柱のような存在。武装は先端に銃口があり特殊な光弾を発砲する。銃機構があるためもろいと思われるが実際は八つの近接兵装の耐久力が3倍になっているため事実、戦闘形態のスレイヴ・バルバトスの装甲よりも堅牢にできている。

ブレーデッド・バイケン:ウルトガ・メイスの下部に収納されている大型の鎖鎌。未使用時には鎌の部分がウルトガ・メイス先端のほうに回転しボルク・アームの銃口を守る役目をしている。用途は相手を射出する鎌の部分で衝撃を与えそのまま拘束し自身に地価つけさせ近接戦闘を行う。鎖の部分に刃は付いているが衝撃力に特化しているため切れ味はフォルド・シックルの数段劣る。だがその分他の近接兵装よりも頑丈にできており、射出時に出るワイヤーは鎌の部分と同格の堅牢さがあり最大60mまで伸びきる。さらにアンカーとしても使用可能。

ストライク・ブレイス:左湾部に装着される小型の盾。強度はボルク・アームと同等で先端に刺突当のニードルが三本付いており攻撃が可能。

緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン):手とかかとの部分の部分から発せられる特殊な結晶。攻撃を受けると簡単に壊れてしまうが、すべての攻撃を相殺できる能力を持っている。

固有兵装

ウェイスト・ヒート・ウェーブ:スレイヴ・バルバトスだけが使用できる固有兵装。概要は熱累積率の戦闘環境での急冷却が目的である。発動時にはスレイヴ・バルバトスの全身の廃熱ファンとファンに隣接している装甲が展開したまった熱をドーム上に放射する。範囲は熱累積率が多きけらば大きいほど広くなる。しかし周りへの影響はたった30程度で岩場を焦土にする威力を持っているため、見方がいる時は範囲が大きすぎるため使用できない。(シンが見方の被害を関係なく使用することは可能)


RASETU FORM

インフィニットストラトスを纏ったカテレア戦の際に発現したシステム。このシステムはシンの生前のちうからである生成能力を無理やり再現するシステム。一時的にシンの全盛期の力は戻るが、代償として言動部分にバグが起こりうまくしゃべれなくなる。そしてシンの体自体に負担をかけることになってしまう。
名前の由来はシン曰く前の力の最終形態の名前になっている。

システム発動時の詳しい武装は不明。


 
 

 
後書き
話が進むごとに更新していきます。


 

 

Analysis1.5:試験兵装




試験兵装:スレイヴ・T・火神鳴

全長:2.03m

重量:200kg

駆動源:不明

装甲:不明

武装:アームストロンガー・カノン

   チェーン・ソーサー

ダイ・アームズ

固有兵装:バーン・サテライトキャノン

容姿:革命機ヴァルブレイヴⅢの火神鳴にガンダムDXの廃熱ファンを足したもの。


概要:真なるスレイヴを完成させるためデータ取得を目的として作られた実験兵装の一号機。
主に遠距離と近距離特化の装備がつけられており スレイヴ・バルバトス比べると火力が数倍に跳ね上がっている。しかしその代償として熱累積率が上昇しやすいといった弱点がある。
用途としては、対象を圧倒する制圧を目的とした武装になっておりコビカエル戦では圧倒的な火力と手数で押し切っていた。たとえるなら阿修羅のように。それと緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)も使えるが色が緋色から黄色になっている(劇中未使用)
そしてスカーレット・ハートと主任の趣味によりなぞの男性ボイスがついている。
本人はそこまで嫌っていないが、二人に遊ばれている気がしてならないようだ。


アームストロンガー・カノン:本体に劣らない大きさを持つ巨大な兵装。強力な収束ビームが撃つことができさらに相手を殴ることもできる。さらに腕を左右合計八本に分裂させ機関砲のような拳打を相手に放つことが可能。しかし分裂させるとほかの兵装がうまく扱えなくなりチェーン・ソーサーとアームストロンガー・カノンの高出力ビームは使用負荷になる。

チェーン・ソーサー:火神鳴の肩部に装備され手いる武装。威力はアームストロンガー・カノンよりかは低めだがそれなりの威力はある。

ダイ・アームズ:ナイフ上の武器に銃口がついており斬・突・打・射すべての攻撃を行うことができる兵装。火神鳴の廃部コンテナに収納されており必要時にはコンテナからだし分裂したアームストロンガー・カノンと元のの合計十本に装備させることができる。


バーン・サテライトキャノン:火神鳴の固有兵装。アームストロンガー・カノンを変形させ二門の大きな砲門をつくりためた熱累積率を熱戦にして放つ兵器。火力は堕天使の幹部をも焼滅させる威力を誇る。砲門展開時は腕部装甲および脚部装甲が展開し大きな廃熱ファンが展開される。
ちなみに固有兵装は一度きりの緊急廃熱手段であり一度使用するとしばらくの間使用不可になる。

形態を変えてもその形態の固有兵装も使えなくなる。






―○●●●●○―








試験兵装:スレイヴ・T・火在輪

全長:2.03m

重量:150kg

駆動源:不明

装甲:不明

武装:スピンドルナックル

   マルチレッグ・スパイン

固有兵装:インフェルノ・アクセル

容姿:革命機ヴァルブレイヴⅣの火ノ輪


概要:真なるスレイヴを完成させるためデータ取得を目的として作られた実験兵装の二号機。コンセプトは『高速三次元戦闘』および強襲型である。スレイヴ・バルバトス比べると機動力と攻撃速度が数倍に上がっておりこの形態のシンに攻撃を当てることは難しい。しかし、機動性を重視しているため装甲強度が2~3割ほど減少している。カテレア及びはぐれ魔術師戦では圧倒的な力を見せつけて前線までに追い込んだ。しかしカテレアのとある攻撃で中破してしまう。緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)の色は緑色となっている。

スピンドルナックル:近接~中距離攻撃に特化した武器。通常の状態は型のほうに装備しており使用時に両手に装備する。ナックル部分は射出し中距離で近接攻撃を可能としており、また射出時から帰還時までは攻撃部分に緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)を纏わせ毎秒三千回転している。
射出後の状態は主にナックルガードとして使用し相手を攻撃し、攻撃部分は射出部と同じ毎秒三千回転している。

マルチレッグ・スパイン:主に『高速三次元戦闘』を可能にしている腰後部にについている四本脚のような装備。緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)で空間に小さな地面を作りその地面を蹴り上るという動作で圧倒的な変則起動を実現している。固有兵装を使う際には足の部分が無人自動近接武器になる。


インフェルノ・アクセル:火在輪の固有兵装。緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)発振部が変形しジェットブースターが出現しさらにほぼ全身にブースターがついている形態。通常時とは比べ約10倍の速度が出ており残像が見えるレベル。さらに分離したマルチレッグ・スパインと合わせて攻撃手数が四つから八つに変わり圧倒的攻撃手数を誇る。弱点として圧倒的な機動性とスピンドルナックルおよびマルチレッグスパインの高速処理能力を得て、ためた熱を一気に放出させるため最高限界時間は10秒。カウントは随時表示されている。
そして技ではないがシンはカウント五秒前から怒涛のストレートラッシュを繰り出す。






















 
 

 
後書き
随時更新します 

 

Analysis2:オリジナルキャラ

 
前書き
話が進み次第更新します。 

 
名前:テュール(イメージCV:原作と同じ)

年齢:不明

容姿:神姫PROJECTのテュール

身長/体重:不明/不明。

能力/使用武器:雷懐機拳ライニル/雷を自在に操る

種族:不明。

所属:シンの仲間

概要:第一章interlude1のときに出てきた謎多き少女。本人すら自身の書体過去について覚えていないがなぜか戦闘技術や一般的に作法などは身につけている。
近年、使い間の森に現れ記憶を失った状態で五大龍王の一角にして最強の天 魔 の 業 龍(カオス・カルマ・ドラゴン)ティアマット二拾われ真に出会うまで生活をともにしていた。
シンに出会う前はティアマットと先頭運連をしておりいつの間にか使い魔やほかの裏の業界から、
壊 拳 の 轟 雷 姫(インパクト・ライジング・クィーン)と称されるようになっていた。
性格は基本的に明るく温厚、周りのも溶け込めるほどのコミニケーショーン能力を持っている。
だがひとたび戦闘になるとまるで性格ががらりと変わったかのような戦闘凶や破壊衝動があるかのような言動を起こす。
本人としては『戦闘力よりも女子力アップがいい!!』といっているが強くなるのも好きなようで女子力か戦闘力のどちらかを高めようか悩んでいる。

シンに対して好意に近い感情を抱いている。経緯は自分勝手なお願いを全力で答えてくれたときからで、主人公が気づいているかは不明。そして新たに改造してくれた義手をもらったことによりシンに対する好意が上がっている。
そして主任によく煽られ、いじられる。







能力名/使用武器:雷懐機拳ライニル

全長:左手と同じサイズ~1.5m

重量:左手と同じ重量~50kg

駆動源:不明

装甲:不明

容姿:原作と同じ(ただし左手同じ生身の腕に変形させることができる)

概要:テュールが持つ唯一の武器であり右手の義手。元は巨大な戦闘用の義手でテュールをいろいろの意味で困らせていた武器。だがシンの助力によりそのまま左手と同じ生身の腕を変形させ再現することに成功した。
攻撃はテュール本人から雷の膨大なエネルギーを攻撃に転換し対象を灰になるまで感電させ灰化させる武器。さらに手のひらに埋め込まれた赤い利の宝玉状のパーツから雷を球体として遠距離攻撃ができるようになっている。そしてシンの武器とある意味融合しているためもとの義手よりも運用性そして攻撃力、耐久力が向上している。





―○●●●●○―




名前:主任(本名はハングドマン)(イメージCV:焼け野原ひろし)

年齢:不明

容姿:ARMORED CORE VERDICT DAYのハングドマン

身長/体重:200cm/不明。

能力/使用武器:カラサワ・威力型レーザーライフル・バトルライフル・中型ミサイル

種族:不明

所属:『永久雇用』されたシンの戦闘形態専属技術主任。

概要:第二章:interlude1の時に登場したシンの地下施設においてあったロボット。スカーレットハートが起動プロセスを行ったことにより目覚めた機会人形。
性格は原作と変わらずお調子者の皮肉屋でさらに女性の名前に『りん☆』などの萌え要素の語尾をつけて呼ぶ傾向がありシン以外をよく煽る。
テュールと同じく正体や経歴が一切不明な存在。声と言動からして一応男性となっている。
そしてハイスクールD×Dの世界でシンの過去を知っている数少ない人物の一人。






能力名/使用武器:不明/カラサワ・威力型レーザーライフル・バトルライフル・中型ミサイル

概要:原作と性能は同じ今後の戦闘によって詳しいスペックが明らかになる。





―○●●●●○―




名前:羽衣九狐(はごろもここね)(イメージCV:原作と同じ)

年齢:不明

容姿:ぬらりひょんの孫の羽衣狐

身長/体重/スリーサイズ:不明/不明/不明

能力/使用武器:斥力を操る

種族:羽衣狐

所属:シンの仲間

概要:コカビエル襲撃の際にイッセーたちを間一髪救った女性。表の顔はシンたちのクラスメイト、駒王学園の三大お姉さまの一人となっている。種族は羽衣狐でかつて太古の日本で絶大な力を持った妖怪だったが、原因不明の個体減少により現在では羽衣だけが世界にいる唯一の羽衣狐。
能力は斥力を操ることであり。操る斥力を様々な形に変えることで攻防一体の戦法をこなす。
斥力を操る能力を得た経緯は不明であるが本にの口から”絶望の果て”といっていた。
シンに対してかなり強い興味を持っておりシンの家にいるときは良くシンの観察をしている



能力名/使用武器:死舞/不明

全長:不明

重量:不明

駆動源:不明

装甲:不明

容姿:不明

概要:羽衣の斥力を操る現象の総称。主に羽衣が日本舞踊や舞などの動きを使い斥力を操っている。しかも羽衣が操る斥力は自然で発生した力であり『獅子の威壁(レオ・インウォール)』の効果を受け付けないものになっている。
イメージはブラックブレットの蛭子 影胤が使うイマジナリィ・ギミック

死舞の技


羽衣・黒斥壁:斥力を防御用に転じた技。波の攻撃ならびくともせずコカビエルの攻撃をいとも簡単に防ぐほどの強度を誇る。
イメージはブラックブレットの蛭子 影胤が使うイマジナリィ・ギミックのマキシマム・ペイン

羽衣・不可視鎌:斥力を攻撃に転じた技。斥力を鎌のような形で形成し攻撃対象に飛ばす技。しかも肉眼では見えないため常人なら攻撃されたことにも気づかず切り刻まれる。
イメージはブラックブレットの蛭子 影胤が使うイマジナリィ・ギミックのネームレス・リーパー







 

 

Change1:英雄の誕生と死去~Consideration of revolution~

とある世界・・・
その世界では、変革の戦争が終結しようとして、
そして・・・世界が滅亡しようとしていた・・・・・

「ボス!疑似衛星“有 罪 月(ギルティムーン)“の地球への落下が止まりません!」

とある士令室のオペレーターが焦ったような言葉でボスと呼ばれた眼帯の男に伝える。

「やられたな・・・あの貴族派の連中、思い通りにいかないなら今度はこの世界ごと消すか、奴等は何処まで性根が腐っているんだ!だがそれよりも・・・束!なんとかあの月にアクセスして止められるか!?」

「スネーク・・・ゴメンずっと前からやっているけどあの月外部と完全にネットワークを遮断しているからハッキング所かアクセスすら出来ないよ!・・・悔しいけどお手上げだよう・・・・・」

束と呼ばれた女性は悔しい声音で報告した

「破壊するにしても現状の戦力だと圧倒的に無理だ・・・手はないのか・・!?」

「ボス!束博士!月の地球落下まで後一時間を切りました・・・」

士令室が絶望に包まれる中、一本の通信が入った

『スネーク、束、皆・・・聞こえるか・・・・』

「「「進(君)(大尉)!?」」」

突然の通信に士令室の空気が一変した。

「生きていたのか!?」

「進くん?!大丈夫なの!てっきりあいつとの闘いで・・・」

『あんなので死にはしない・・・それよりも今の状況、なんとか打開できるかもしれん』

「そうなのか!?一体その方法は・・・「駄目だよ!進くんその方法は!」いったどうしたんだ?束」

スネークの言葉に言葉を突然、束が遮った

「進くん!君はあの月を止める為に犠牲になるのは駄目だよ!」

束の告白に士令室が騒然となる

「束の言っていることは本当の事なのか⁉」

忽然と黙り混む進。しかし彼は覚悟を決めたように発言した。

『ああ、束の言った通りだ今の状況を見ればそうするしかない』

進の決断に静寂になる司令室だが沈黙を解いたのは束だった

「それじゃあ!あの二人はどうなるの⁉あのふたりはあなたがいないと・・・それに私だって・・・!」

『彼奴らなら大丈夫だ・・・俺なしでも大丈夫だろ・・・』

進の覚悟は揺るがなかった。そして別れの時が来てしまった

『これ以上時間がない・・・スネーク、束、皆・・・ありがとう』

そして通信が切れた・・・・・

「止せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」

「行かないでぇぇぇぇぇぇ‼」

通信が切れた士令室にはスネークと束の叫びが虚しく響くだけだった。






通信が切れたすぐあと、ひとりの青年が迫り来る月の目の前にたっていた

「さて、最後の革命を始めようか・・・機 人 化(レボル・オン)

青年が一言呟くと青年の体が光だした。そして光が止むとそこには白と緋色を基調としたロボットの様な見た目の一体の機人がそこに立っていた。

『これで俺の戦いは終わる・・・か。世界を救うために死ぬのも悪くないな』

そして青年は落ちてくる終焉に向かい飛翔していった。




大戦の終結後、この青年・・神無月 進はその世界で起きた大戦の英雄として語り継がれていくことになった。人々は彼を“革命の緋晶機神“と呼んだ。


しかし・・・・・・

「ここは・・・たしか俺はあの時・・・・」

「目覚めましたか、大戦の英雄よ・・・」

彼、神無月 進の物語は終わっていなかった









 
 

 
後書き
どうもはじめまして‼作者の革命者です。

今回から執筆させて頂きます“ハイスクールD×D 革命の緋晶機神“どうでしたか?
これから連載させていただきます。
至らない点など多くありますが頑張っていきたいと思います。 

 

Change2:依頼の転生~Endless change~

「うっ・・・・ここは・・・・何処だ・・・」

俺は忽然と意識が覚醒し、真っ白な場所・・いや空間にいた。

「たしか俺はあの時、有 罪 月(ギルティムーン)の地球落下を止めるためにあの月へ言って破壊し彼奴らに見送られながら死んだはずだが・・・」

俺は慌てることなく自分が直前まで体験したことを頭で振り返り整理した。

「目覚めましたか先の大戦の英雄よ・・・」

「!?・・・誰だ?!」

突然聞こえた俺意外の声が聞こえ声のする方向に視線を向け構えた。
すると俺の目の前に神々しくそして明らかに人間ではないオーラを纏った独特の格好をしている存在がそこにいた。

「警戒することはありません、ただ私は貴方と邂逅しに参っただけです。」

「・・・解った」

俺は数秒間奴を疑ったが、敵意も戦意もないので警戒を解いた。

「それで、俺と邂逅しに来たと行ってきたようだが何者だ?その口振りからして俺の正体は知っているようだが・・・・」

「流石、大戦の英雄でありこの世界での実力者“神無月 進“殿ですね。おっと失礼しました、私はこの世界の創造者にして運命を見届ける存在・・・貴方人類で分かりやすくする言い方ですと“光の創造神ホルアクティ“と申します。」

「そうか、で俺に何の用だ?」

「おや、疑わないのですか?」

「見れば解るお前は嘘は言っていない」

「そうですか・・・まあいいでしょう。実は貴方に頼みがあって貴方を此処“転生の間“にお呼びしました」

ん・・・頼み?転生の間?一体なんのことだ?

「説明しますと貴方にとある世界に転生してもらいたいのです。」

転生?なんかいきなりファンタジー的なことを言われたんだが・・・

「疑うのも無理はありません。ですが私にはもう時間が残されていません」

ーーーーザッザ

目の前の神が数秒間ノイズがかかったように姿が薄れた
一体どゆうことだ・・それに時間がない・・・?!もしや・・・

「今貴方が考えている通りです。私は後、数分後に消えてしまいます。ですから説明している時間はないのです。ですから今は信じてもらえないでしょうか?」

実際こんな事言われても常人は信じないだろう・・・俺も先の話明らかに常識から外れている、だが俺もいろんな存在を観てきたが、こいつはうそを言っていない。まあ、信じてみるか、どうせ俺は死人だ。

「いいだろう。で、どの様な異世界に転生するんだ?」

「では、時間がないので簡潔に説明します・・・」

俺は目の前にいる神に簡潔に説明してもらった。
話を聞く限り、悪魔だとか天使、堕天使や伝説上の存在がはびこる世界らしい。
実際俺の世界は伝説上の怪物は居ないが、それを思わせる人間や怪物兵器があるからな。実際俺も見た目は人だが“中身は完全に人外のような物“だからな。

「まあ、大半は理解できた。あとは現地で行うから大丈夫だ」

「私の無茶な願いを聞いてくださり、ありがとうございます」

「まあ、別に構わない。俺は一度死んだ身・・・二度目の生に興味は無かったが、まあ、あんたが頼み“異世界を救う“のも悪くないからな、それに・・・また失った青春の時間が取り戻せるしな・・・」

「ありがとうございます。では貴方を転生します」

ホルアクティがそういった後俺の体が淡い光に包まれていった。」

「短い付き合いだったがじゃあな光の創造神ホルアクティ」

「はい、貴方の無病息災を祈っています」

こうして俺は異世界へと旅立った。

進視点終了



ホルアクティ視点

「これで私の役目は終わりました・・・うっ・・・」

どうやら私はもうすぐ消える見たいですね・・・今まで様々な人間を見てきましたが彼はどんな人間よりも特別な存在でしたね。後は彼と異世界の者達に託すとしましょう。私が予知した未来・・・・

「第一次異世界大戦が起きないように・・・・・」

そのまま私は倒れながら意識を失った










 

 

Change3:異世界に舞い降りる機人~Footsteps of change~

「此処は、そうか無事俺は転生できたんだな」

ホルアクティの邂逅から意識がなくなり、そして目覚めると、何処にでもある一軒家の玄関にいた。

「さて、まずは・・・ん?」

俺は辺りを探索しようとしようとすると目の前の一軒家の所におおきな荷物とその荷物の上に一通の封筒が置いてあった。

「宛名は、“神無月 進“俺宛てのか。」

俺は目の前にあった封筒をあけて中身を確認して見ると手紙が入っていた。

「これを出そそてきたのは・・・ホルアクティか、」

俺は手紙の内容を確認した。長い文章だったので俺は要所を頭の中でまとめる事にした。そしてまとめると・・・・・

俺がこの手紙を読んでいることは道やら転生は成功したらしい。
そしてこの大きな荷物と目の前の一軒家はどうやら俺の所持物でこの世界の戸籍や色々なデータはすでに登録してあるみたいだ。
だが、それよりも一番重要なことが書いてあった。

「全盛期の俺より力が落ちているか・・・」

どうやらホルアクティは俺を転生させる時俺の力が強すぎて、俺の力をおとしたらしい。まあ、仕方ない・・・こればかりはこの世界でがんばる他無いか・・・

「取り敢えず目の前の荷物を俺の一軒家に運んでから今後のこうどうを考えるか」

そして俺は作業に入った


一週間後・・・・


さて、俺は今現在住んでいる町の高校、駒王学園のとあるクラスにいた。
どうやら俺は戸籍年齢的に高校一年生年生位らしい。まあ、前の世界では学生生活なんてまともに送った事がないから俺的にはちょうどいい、まあ見た目年齢的には高校二年生位だから少し浮くがな。そしてどうやら俺は転校生扱いとして転入らしい。全くあの神はどこまで情報操作したんだ・・・
まあこれからこの世界で起きる災いに備えながらも学生生活を楽しむか。

「入ってきていいぞ。」

俺は目の前の扉を明け教室に入った

進視点終了


???視点

よう!俺の名前は兵藤一誠、高校一年生だ。今俺のクラスの担任がホームルームをやっているところだ。おれは女子率が高い元女子校の学校駒王学園に在学している
なぜ俺がこの学園に在学しているかとゆうと、美少女を集めまくってハーレム王になることが夢だからだ!

今日もいつもと変わらない学校生活かと思いきや、今日から俺のクラスに転校生が来るらしい。

「なあ、イッセーどんな美少女かな♪」

「きっとボッンキュボン!な人だろうなぁ~」

俺に話しかけてきたのは悪友であり親友の元浜と松田だ。こいつらとは中学の時からの付き合いで、同じ夢を目指すやつらだ。

「可愛い女の子がいいなぁ」

実際転校生が男か女かわからないが期待していいと思うぜ‼

「入ってきていいぞ。」

そして転校生が入ってきた。

イッセー視点終了


進視点

俺は先生の合図と共にクラスの入り教卓の横に立った

「今日からお前らの新しいクラスメイトの神無月 進だ。」

「神無月 進です。これからの一年よろしくお願いします。」

俺は今目の前の皆に軽く紹介をすると、

「「「キャアァァァァァァァァァ!」」」

女子生徒の甲高い声がクラスに響いた。いったいなんなんだ?

「イケメンよ!」

「しかも、黒髪クール系男子よ!」

「此処に来て二人目のイケメンよ!サイコー!!」

「私生きてて良かったぁ」

なんかよく判らないが歓迎されているの解釈でいいのかな?

「「「チッ!!!!」」」

どうやら、このクラスの女性には歓迎されて男性にはあまり歓迎されていないようだ。まあこれから此処に通う以上みんなとは仲良くしたいな。

こうして俺は軽く決意した後先生に言われた席についた。







 
 

 
後書き
今回の話で序章は終了となります。
次回は主人公の容姿や性格などの設定をあげようと思います。 

 

Change1:機人の日常~A breath of peace~

どうも、神無月 進だ。あれから一年後俺は高校二年生に進級した。俺が生まれた世界と比べれば平和に暮らしている。一応あいつから頼まれたこの世界の厄災に備えて。自分の実力と言うか力量を確認したが、かなり下がっていた。例えるなら全盛期の1/1000になっていた。他にも“機人化“しようと試みたが、Updatingと表示されるだけで“機人化“出来ずにいた。だがこの世界の上級レベルの異形や特異な能力者は倒すことが出来たからしばらくは問題ないだろう。

「「「待てぇぇぇぇぇ!」」」

俺が今後についてこの駒王学園の廊下で黄昏ていると茶髪の青年とメガネの青年とスポーツ刈りが特徴の青年三人組と、その三人組を追いかける柔道着を着ている女子がこちらに向かって来ていた。まあ、あの三人組は俺のクラスメイトなんだが、

またのぞきをしたなあいつら・・・・・

「ヤバイ!目の前にいるのシンじゃね⁉」

「くっ!仕方ない、シンには此処で我々の犠牲になって貰おう‼」

「ならば‼」

「「「シン覚悟ぉぉぉぉ!」」」

どうやら俺を盾にして逃げるつもりだろうが・・・

「力量を考えたらどうだイッセー、元浜、松田」

俺は襲いかかって来る三人組をの足を掬いそのまま転倒させた。

「「「ぎゃぁぁぁ!!!!」」」

三人組は走った勢いを残しながら転んでいった。

「全くいい加減に女子の着替えを覗くのはやめろよな。」

俺は廊下の隅にのびている三人組にそう言葉を残し教室に戻りにいく

「相変わらず常人とは言えない身のこなしじゃのう、シン」

「ん、羽衣か。まあ当然の事をしたまでだがな」

するとこの学園の三大お姉さまの一人羽衣 九狐(はごろもここね)がいた。
俺やイッセーと同じクラスメイト、そしてまあ友達だ。

「やはり面白い奴じゃ、ますますおぬし興味が湧いてきたぞ。」

羽衣いわく俺を一目見たときから俺自身に興味があるらしい。迷惑ではないがこんなやり取りをしていると・・・・

「あ、また進君と羽衣様がならんでいるわ‼」

「クールな騎士様に天下の姫様のツーショットだわ!」

「ああ、美しい・・・」

「萌の花が、萌の花が止まらないのー!」

と、このよな会話が始まってくる。特に女子受けがひどく多く疲れる。

「妾達はどうやらお似合いだそうじゃのう、シン」

「どうでもいいだろ、ほらもうすぐ授業だから教室に戻るぞ、羽衣」

「ノリが悪いのう、まあ進らしいから仕方ないのう」

羽衣は怪しい笑みを浮かべながら俺と教室に戻った。

















 

 

Change2:新たな力~The implicit beat that started to move~

数日経った日俺は買い物に出ていた。一応家の食材がなくなりそうだったしな
俺は近くにあった公園で一休みしようとしたとき

「あれはイッセーか、それにイッセーの目の前にいる女性はこの前イッセーが自慢していた、アイツの彼女か」

俺は二人の時間の邪魔をするのは無粋と思いそのまま帰路につこうとしたその時、
イッセーの彼女が放ったある言葉で立ち止まった。

「死んでくれないかな?」

彼女がそう言うと背中から黒い天使のような翼を生やし

ーーーードスッ!

そして光のような槍でイッセーの腹部を貫いた。

不味い!俺は持っていた荷物をその場におきイッセーのもとに駆け寄る。

「ゴメンね、貴方が私たちにとって危険分子だったから、早めに始末させてもらったわ。恨むならその身に神器を宿させた神様を恨んでちょうだいね」

イッセーを殺した女がなにかいっているが、俺は無視をしイッセーを怪我の影響を押さえるため応急措置をし、出血を止めた。そして俺はイッセーを貫いた本人に顔を向ける。

「そこの女、イッセーをなぜ殺そうとした」

「ッ!?」

女は俺の殺気に少し怯んだ。取り敢えずイッセーを俺の家に運びちゃんとした処置を施したいが、あの女は俺たち見逃す気はないだろう。

「人間?まあいいわこれを見たなら貴方にも死んでもらうわ」

翼を生やした女性は再び光の槍を手元に作り出すと、俺に向けて投擲してくる。
だが、

「この程度で俺を殺すだと、止まってみえるぞ」

俺は飛んできた光の槍を指一つで止め、槍を砕く。

「なっ!?素手!?しかも指一つで!?」

俺は目の前の女の言葉を聞かずにもう一度女に話しかけた。

「答えろ、なぜイッセーを殺した・・・」

「ふ、ふんきっとあれはまぐれよ!。人間の分際で至高の私の攻撃を受け止められるはずがないもの!」

俺は目の前の女が質問に答える気がないのを察し、俺は女を倒そうとしようと動こうとしたとき、

Update Complete(更 新 完 了)

突然目の前に文字が現れた。そして数秒たつとまた違う文字が表示された。

The start-up, scarlet six Slayer(起 動 開 始、緋 晶 機 人)
すると俺の目の前の景色が一瞬にして変化し夕焼けの公園からまるで機械や電子回路で出来たような光景が広がった。

「いったい何なんだこれは・・・」

突然の出来事に俺は混乱していた。
こんなこと今まで無かったぞ、それにこの空間は何だ。まるで機械や電子回路に入っているようだな。
俺は取り敢えず辺りを見回すと、目立つもの・・・いや黒と緋色の“機人“がいた。
そして俺はその機人に近かよった。そして俺は自然に懐かしさがあった。

「お前なのか、“機 人(レボル)“」

こいつは俺が前いた世界で俺の力を具現化した“機 人(レボル)“に似ていた。
そして俺は目の前の機人に触れるとまた新たな表示が出てきた。

《“666“ヲウケイレマスカ?》

そしてその表示の下に《承認》と書いてあるキーが出てきた。

“666“を受け入れる・・・?よく判らないが現在の状況を考えると、返答する他この状況を変える方法はないし、仕方ない。
俺は《承認》を押した。すると表示がまた変わる。

《“承認“ヲカクニン。緋晶機人スカーレット・シックス・スレイヤー。本起動しシマス。操者“神無月 進。アナタニタクシマス“無限の可能性“ヲ。》

表示が消えると周りの風景も徐々に変わり始め、そして俺の体も変化していった。俺の周りに黒い外装のような鎧が展開し俺の体に張り付き、すべての外装がつけ終わると同時に、一部の装甲の部分が緋色に変わり、そしてさっき俺の目の前にあった“機人“に俺がなっていた。

「なんなの⁉この人間・・・!仕方ないッ!」

目の前にいた翼を生やした女は逃げいった。
まあいい、それよりもイッセーを治療しないと。

俺はイッセーの所に向かうと、イッセーの体に。異変が起きていた。

『傷が治っている・・・』

俺は機人の状態を解除しながらイッセーの異変を見ていた。
そしてイッセーの容態を確認すると、イッセーの胸に一枚の手紙があった。
俺はその手紙を読んだ。

『そこにいる彼なら私が特別な方法で治療しといたわ。そして神無月 進君、
そこの兵藤一誠君に事情の説明と、貴方、神無月 進君に聞きたいことがあるから明日オカルト研究部に来てほしいの、使いを出しとくわ。三年リアス・グレモリー』

と、書かれていた。俺は一瞬疑念を抱いたが知っている人物の差出人だったので応じることにした。

「取り敢えずイッセーを家に帰さないといけないな。」

俺は明日の事を考えて気絶しているイッセーを抱えながら公園を後にした。


 

 

Change3:邂逅への時限~Soldiers who know the back~

あの騒動から翌日、自分のクラスに入ると周りの生徒に質問しているイッセーがいた。一体何があったのだろうか?
するとイッセーが俺の存在に気付き俺の方へ来た。

「なあ、シン。お前夕麻ちゃんの事を覚えているか?」

「覚えてるも何もお前が誇らしげに自慢していたお前の彼女だろ?」

俺はイッセーに聞かれたことに関して答えた。だがイッセーの質問の内容から推理すると、他の人間は、イッセーの彼女に関しての記憶はないのか?

「いやそれがさ、羽衣を除いて他の皆は、その子のこと聞いても覚えてないっていうんだよ、おかしいなぁ~」

どうやら俺の推理は適中したようだ。どうやらあの女、羽衣以外に何か特殊な方法を用いて、奴自信に関する記憶を周りの人間から消したようだな。羽衣が覚えているのは少し疑問だが、取り敢えず手紙の件をイッセーに伝えよう。

「イッセー、今日の放課後オカルト研究部にいくぞ。」

「いきなり何なんだ?」

「俺にもよくわからんが、お前の彼女関連の事らしい、放課後使いが迎えに来るから来てだとさ。」

「そ、そうか。ならまた放課後な。」

イッセーはそう言うと松田と元浜の所に行った。俺は自分の席に座り昨日の出来事について考えた。

取り敢えず昨日の女、あれはまるで聖書に出てくる堕天使看たいな奴だった。あの神からの説明を思い出す限りどうやら本当に伝説上の生物が存在しているな。
そしてあの堕天使のような女がイッセーを殺そうとした理由、恐らくあの女の趣味か、イッセー事態にあの女が不利になるような情報を持っているかだ。俺の見解だと恐らく後者の有力性が高いな。まあ、この事は放課後になってからでいいだろう。

そして俺が最も考えなければいけない事、俺の体の変化、“緋晶機人“だ。前々から体の異変は気づいていたが、あんなのになるとはな。
俺は目の前に例の緋晶機人のデータを表示した。ちなみに俺の目の前に目の前に表示している情報や構図等は俺の脳内に表示されているのでまわりの人間は見えていない。
そして緋晶機人についてはこう書かれていた。

Aircraft name:緋晶機人

format:火人

Equipment:バリアブル・バルカン
      ハンド・レイ
      フォルド・シックル
      ジー・エッジ
      ???
      ???
      ???
      ???
      ???
      ???

Special equipment:???
           ???

と、表示されていた。どうやら俺は前とは異なった“機人化“かできるようになっていた。???と表示された表示以外は閲覧可能らしいので昨日のうちに覚えた。
こうもいきなり非常識の連続だともしかしたら、もう“動く時“かもしれないな。
俺はそう思いながら授業を受けていった。


放課後、俺はイッセーと教室でリアス・グレモリー、いや一応先輩だからグレモリー先輩の使いを待っていた。
すると廊下の方から女子の叫び、いやまるで有名人が居るかのような叫びを上げていた。そして教室の入り口から一人の男性が入ってきた。

「「「キャァァァァァァァァァ!木場きゅん!!!!!」」」

クラスに残っている女子たちが興奮しながら入ってきた人物の名前を叫んだ。

そう、入ってきた人物は“木場佑斗“この学園でイケメン王子と呼ばれている。なの知れた人物だった。こいつは滅多にこのクラスに来ることがない。

「ちょっとごめんね。兵藤一誠くんと神無月進くんは居るかな?」

どうやら彼がリアス先輩の使いのようだな。

「ほらイッセーいくぞ」

「お、おい待てよシン!?」

半場強引にイッセーを連れ出し木場の元へ向かう。

「あんたがリアス先輩の使いのようだな。」

「話が早いね。なら僕に付いてきて二人とも。」

「お、おい全く話が見えないぞ⁉どうなっているんだ⁉」

「いいから付いて来い。時期に解る。」

こうして俺とイッセーはリアス先輩の使いの木場祐斗に付いて行った。




 

 

Change4:悪魔と機人~Those who changed their destiny~

俺とイッセーは今リアス先輩の使い、木場にオカルト研究部に案内されていた。
そしてしばらく歩いていると、この駒王学園の旧校舎が見えてきた。しかし旧校舎
は傷ひとつなく窓ガラスもまるで手入れがされているようなほど綺麗だった。

そして俺たちは木場に案内され二階にある一つの扉の前に止まった。

「オカルト研究部?」

イッセーが疑問を持ったような声で呟く。
まあいま、仕方ないこの学園にはオカルト研究部なんて部活存在しないからな。

「部長、二人を連れてきました。」

『わかったわ、入ってきて頂戴。』

リアス先輩らしき声が聞こえると木場が扉を開けて俺たちをオカルト研究部の部室に入れた。正直入ったとき俺は少し驚いた。部屋の壁、天井、床に謎の文字が書かれていた。そして魔方陣のような模様も描かれている。

「シンこれ・・・・・」

「言いたいことは解る。正直俺もよく判らない。」

全く呼び出されたと思ったら、こんな奇妙な部屋とは。
俺は部屋を見渡すとこの部屋にあるソファーに一人の女性が羊羮を食べていた。

確か一部の女子や男性の人気を持っている、搭城小猫だったか。
すると俺の視線に気づいたかことらに顔を向けてきた。

「ああ、どうも。」

それにしても、辺りを見回すとある意味凄いことになっているな。
学園のマスコット搭城小猫、学園の王子木場祐斗、そして三大お姉だったかな、その内の二人、姫島朱乃、リアス・グレモリー。

「ヤバい、心臓が止まりそう・・・」

この通りイッセーは緊張で固まっている。

「あらあら、緊張なさらずに、姫島朱乃と申します。以後お見知り置きを」

「はい、二年の神無月進です。」

「は、はじめまして!!兵藤一誠です」

そして俺とイッセーと姫島先輩との挨拶を見て頷くと立ち上がり、こちらに話始めた。まあ内容は大方この前の件だろうが。

「さてこれでメンバーは揃ったようね。兵藤一誠君、神無月進君、私たちは貴方たちを歓迎するわ・・・・・・“悪魔“としてね。」

さて、これからだが。

「は、はい?悪魔・・・ですか?」

「ええ、そうよ」

まあ、俺もイッセーと同じ気持ちだ。正直悪魔なんて一般常識から見れば空想が生んだ只の偶像だしな。

「話はするとして、立ち話もなんだからそこのソファーに座ってちょうだい」

「はい、失礼します。」

「は、はい、わかりました」

取り敢えず俺とイッセーは空いているソファーに腰を掛けた。

「単刀直入に言うわ。私達は悪魔なの、ちなみに兵藤一誠君貴方も悪魔よ」

取り敢えずリアス先輩がこの前の出来事や悪魔そして昨日の女の正体、堕天使について話してくれた。どうやらこの世界では天使、堕天使、悪魔が戦争しているらしい。まあ本格的な戦争ではなく現在は冷戦状態らしい。

取り敢えず俺はリアス先輩とイッセー達の会話を聞くことにした。


イッセー視点

「・・・・・・・と言うことなの。」

俺、兵藤一誠はリアス先輩からの説明を聞いて困惑していた。
夕麻ちゃんの事や、俺が本当に悪魔になってしまったこと。ただでさえ学園の人気者がこんなにいるのに、今度はオカルト見たいな事を言われて正直頭がイカれそうだ。

「さて、兵藤一誠君、貴方には今から“神器“を発現してもらうわ。」

「・・・神器?」

「ええ、さっき話したあの堕天使が貴方を殺そうとした原因よ」

俺はまたよく判らない単語を聞いて混乱しながらも。話を聞くことにした。

イッセー視点終了


進視点

「さて、兵藤一誠君、貴方には今から“神器“を発現してもらうわ。」

「・・・神器?」

どうやらイッセーの件はここからが本題のようだ。
それにしてもリアス先輩が言っていた“神器“は一体どうゆう代物だろうか。
実際イッセーが殺された原因が“神器“となると危険な代物みたいだが。

「ドラゴン波!」

イッセーが謎のポーズをとり叫んだ後イッセー左腕に緑色の宝玉が埋まった籠手が出現した。何だこの波動は、

「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

どうやらあれがイッセーが宿している神器みたいだ。
計測してみるがそこまで危険性が見当たらないが、なにか違和感を感じるな。

そしてリアス先輩がイッセーに説明し終わると俺の方に向いてきた。
どうやら、リアス先輩にとっては俺の話が重要らしいな。

「さて、次は神無月進君。貴方に聞きたいことがあるの・・・貴方は一体“何者“なのかしら?」

すると周りの皆が俺の方へ向いて来た。まあ軽く話すか。
俺は数秒間黙りそして喋る。

「俺は、只の兵士だ。それ以上でもそれ以下でもない。」














 

 

Change5:偽りと伝説~The change that started~

「俺は、只の兵士だ。それ以上でもそれ以下でもない。」

俺は自分の正体について話すと。イッセー以外の皆が俺に向けて警戒してきた。
どうやら、俺は悪魔にとっては少し危ないらしい。

「兵士?それはどっちの事を言っているのかしら?」

どうやら、俺は只の兵士か異形側の兵士かどうかを聞かれているな。
まあ、今のところ正体を明かすと厄介な事になりかねない。少しはぐらかすか。

「まあ、普通の兵士ですが少々俺は特殊でしてね。まあ解りやすく例えるなら、
“現代の科学技術を凌駕した超兵器を扱う兵士“でしょうか。」

「そうなの、少し特殊な兵士・・・まあ、今はそれでいいでしょう。
では、質問を変えるわ。“私たちの存在は知っているのかしら?“」

今度はそう来たか。まあこれは正直に話すか。

「いえ、知りません。ですがここにいるイッセーを除く“貴殿方が人間ではないことは、この学校に転入してから“解っていました。」

「「「「「・・・・・・・」」」」」

どうやら俺の回答に少し戸惑っているようだ。

「そうなのね・・・・では、貴方がこの学園に来た理由は何かしら?」

理由か・・・・リアス先輩の話している内容から言動を観察して見ると、まあ少なくとも害はなく、むしろ歓迎してくれそうだ。だが真実はまだ話せない。

「俺はさっき話した通り兵士です。だからか俺は平和な生活を送るために、戦場から離れ、平和な学園生活を送るためにこの学園に来ました。」

「・・・・・・・・・・」

どうやら俺について考えているようだ。
まあ、質問の仕方から話す内容は素人同然だが中々勘と洞察力が鋭いな。周りからの人望も多い様だし、指揮官や王の素質はあるな。

「どうやら貴方から敵対意思は無いようだし・・・どうする?神無月進君、オカルト研究部に入ってみない?」

ここで勧誘か。まあ俺も特にやるべき事は無いから入っても損はないだろう。
それにイッセーは悪魔になっているから強制入部だが学園の人気者が要るから断ることはないな。まあアイツとの約束もあるからな。

「その申し受けありがたく受け取らせて貰います。」

「これで決まりね。改めて二人とも、私たちオカルト研究部は二人を歓迎するわ。
これからは、私の事を部長と呼ぶこと。これからよろしくね。」

「解りました、部長。」

「お、オッス!!部長。」

こうして俺はオカルト研究部に入部することとなり、イッセーは悪魔生活の第一歩を踏み出した。

さて、これからどうなるか・・・・


オカルト研究部に入部してから数日が経っていた。俺はこの世界を知るために、
この世界で起きた昔の戦争についての書物を読んでいた・・・
そしてその書物にはこう記されていた。



 遥か昔、まだ人間の文明では18世紀頃、三つの大きな勢力が戦争をしていた。

天使、堕天使、悪魔この三つの勢力がそれぞれの主張のもとに争っていたのだ。

戦争の始まりは悪魔と堕天使の小さな領土争いだった・・・・・

しかし、争いは急激に肥大化し果てには、悪魔と堕天使の全面戦争が起こっていた。

そして、その争いを止める名目で天使の勢力が武力介入を行い、三大勢力の全面戦争に発展してしまったのだ。

そして戦争が泥沼の状況になっていた頃、三大勢力が思ってもいない事態が起きてしまっていた。

かつて、この世界で強者の部類に属していた龍、三天龍と呼ばれる龍達が三大勢力の戦場に現れてしまったのだ。

赤 龍 帝(ウェルシュドラゴン)ドライグ
白 龍 皇(バニシングドラゴン)アルビオン
歌 龍 姫(シンフォニックドラゴン)レイエル

突如としてこの三天龍が激突し戦場を混乱に陥れていた。

三大勢力はこの状況に危惧し、戦争を一時的に終結させ、三天龍を神  器(セイクリッド・ギア)に封印しようと団結した。

しかし、力の塊と称される三天龍に圧倒的に窮地に追いやられてしまい、当時封印に向かった、四大魔王、四大熾天使(セラフ)及び聖書の神、グリコリの四人の堕天使の幹部達が、大打撃を受けてしまい、この世の終わりと誰もが確信していたとき、三天龍と三大勢力の間に一人の戦士が舞い降りたのだ。

白き装甲に緋色の装飾を纏った戦士が立っていた。すると戦士は三天龍に攻撃を始めていたのだ。緋き結晶を操りながら。

満身創痍の三大勢力は三天龍と戦う戦士をまるで救世主を見るような目で見ていた。戦いは明らかに謎の戦士が不利に見えた。しかし戦士は三大勢力の常識を覆すような戦いを見せ、圧倒的な力で三天龍を倒したのだ。

そして謎の戦士は忽然と消えてしまい。それ以来姿を表す事はなかった。

そして三天龍は無事、神器に封印されて戦争は一時の終結を迎えた。

三大勢力はかの戦士を英雄と称え、感謝と尊敬を込めてこう呼ぶことにした。

“緋き結晶の英雄“と・・・・・・・


「あら、緋き英雄伝説を読んでいるのね。」

読み終わると同時にリアス部長は話しかけてきた。

「ええ、昔に起きた事を少し勉強したいと思いまして。」

「私もよく読んでるわ、会って見たいわね。緋き結晶の英雄にね」

「でも、もう100年以上前の話ですからね」

「そうよね。そういえばシンちょっと手伝って欲しい事があるから少しいいかしら?」

「はい解りました、リアス部長。」

俺は読んでいた本を片付けてリアス部長の手伝いに向かった。











 

 

Change6:はぐれ悪魔の討伐・前編~Sister and red dragon~

オカルト研究部に入部して丁度1週間がたった。
イッセーは、悪魔の仕事で召喚用のチラシを夜自転車で走りながら配っている。

ちなみに召喚用のチラシには『貴方の願い叶えます』と書いてあり、呼びたいときにそのチラシを持つと、チラシに描かれている転移型魔方陣だったか、それが発動して悪魔が呼ばれる仕組みになっているようだ。
魔法てのは随分便利なもんだな。

イッセーもそれに習って転移しようとしたんだが・・・イッセーの体内にある魔力だったか、それが無いに等しいらしい、だからか転移出来ないので、呼ばれたらその呼んだ主のところまで自転車で行くそうだ。

まあ、頑張るしかないだろうな。確か以前にイッセーが『ハーレム王に俺はなる‼』とか言っていたな。内容は少し変だが夢を持つことは良いことだと思う。

因みに悪魔の仕事や情勢等はリアス部長に習った。
後、俺は基本的にやることが無いので、旧校舎の掃除やリアス部長のチェスの相手をしている。チェスは中々面白いゲームだからな。

こうして俺はいつもの通り部室で異形に関する書物を読んでいる時・・・・

「二度と協会には近づいてはダメよ。」

「すみません、部長。」

どうやらイッセーが怒られているようだ。取り敢えず姫島先輩に聞いてみるか、

「姫島先輩、イッセーが何かしたんですか?」

「どうやらイッセー君が道に迷ったシスターを協会に連れて行ったそうなんです。
それと私の事は朱乃でよろしいですよ。」

「ありがとうございます。朱乃さん。」

確か前に読んだ書物に『悪魔は天使の領域である協会に入るべからず』と書いてあったな。まあイッセーも悪魔になったばっかりだからな仕方ないだろう。
だが、この町の協会は数年前に閉鎖されている。しかも一度入って見たが誰も住んでいる形跡なんて無かったからな。少しおかしいが、まあ大丈夫だろう。

「いつ、光の槍が飛んできてもおかしくはないのよ?まあ、私も説教しすぎたわ。
でもこれだけは覚えといて頂戴。悪魔の死は完全なる“無“だから。」

「ありがとうございます、部長。」

イッセー良い主を持ったじゃないか。やはりリアス部長には王の素質があるようだな。

「リアス部長、宜しいでしょうか?」

「どうしたの?朱乃」

「大公からはぐれ悪魔の討伐命令が来ました」

するとイッセーと俺以外の皆の表情が険しくなった。


はぐれ悪魔・・・主の眷属である悪魔が主を殺し無法に暴れる悪魔らしい。
今回はそのはぐれ悪魔の一匹がリアス部長が管轄しているこの町に侵入し、夜中潜伏している自分の拠点に人間を誘い込み、補食しているらしい。

今回はそのはぐれ悪魔を倒すため、目標の潜伏場所の廃墟に来ていた。

「・・・血の臭い。」

前にいる小猫が鼻を覆いながら呟いた。
確かにここには血痕や、酸化した血液、腐敗臭等がある。だがよくこの臭いに気づいたな、これも悪魔の能力の一部だろうか・・・

そして俺は自分の眼を赤外線モードに変えて回りを見ていた。
すると廃墟の奥に巨大な生物と思われる熱源があった。

「さて、イッセー、シン。貴方たちには悪魔の戦い方について教えるわ」

「ま、マジっすか!?お、俺、戦力にならないと思いますけど!でも頑張ります!」

「勉強させて頂きます。」

どうやら以前説明してもらった“悪 魔 の 駒(イーヴィル・ピース)の能力について説明してくれるらしい。少し楽しみだな。

悪 魔 の 駒(イーヴィル・ピース)の成り立ちについての説明は以前したからそこは省くわね。今回はそれぞれの駒の能力について説明するわ。」

確か悪 魔 の 駒(イーヴィル・ピース)は数百年前に起きた戦争で激減した悪魔を増やすために作られたもので、(キング)女 王(クィーン)騎 士(ナイト)戦 車(ルーク)僧 侶(ビショップ)兵 士(ポーン)があるらしい。そして王には、女王が一つ、騎士、戦車、僧侶が二つずつあり、兵士が八個あるみたいだ。

「そういえば部長、俺の駒は、役割や特性ってなんですか?」

「そうね、イッセーは・・・・」

リアス部長が話を突然止めた。まあ・・・ようやく本命登場か。

「不味そうな臭いがするぞ?不思議な臭いをするやつもいるな?」

どうやら今回の目的であるはぐれ悪魔が姿を現したようだ。それにしても怪しい声音、不気味なテンポで話しているな。すでに理性は無いと思ったほういいだろう。

「はぐれ悪魔バイザー、貴方を消滅しにきたわ」

部長の宣言と共にはぐれ悪魔が姿を現した。
上半身は全裸の女性だが、表情がすでに化け物になっており、下半身はまるで突然変異を起こしたかのような、獣のような四本足だった。
全長は5~6mはあるな。

「主人の元を逃げ、殺し、己の欲求を満たすためだけに暴れ回るのは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、貴方を消しとばしてあげましょう‼」

「こざかしい小娘ごときがぁぁぁ!その紅の髪のように、お前の身を鮮血で染めてあげてやるわぁぁ!うきゃきゃきゃ!!!」

どうやらこいつは俺たちを殺すみたいだが、このはぐれ悪魔は相手との力量の差がどうにも解らないみたいだな。

これからはぐれ狩りが始まった。

















 

 

Change7:はぐれ悪魔の討伐・後編~A desire into a desire~

「こざかしい小娘ごときがぁぁぁ!その紅の髪のように、お前の身を鮮血で染めてあげてやるわぁぁ!うきゃきゃきゃ!!!」

どうやらこいつは俺たちを殺すみたいだが、このはぐれ悪魔は相手との力量の差がどうにも解らないみたいだな。

「雑魚ほど洒落た台詞を言えるものね。祐斗!」

「はい、部長。」

木場がリアス部長の合図と共にバイザーに向かう。
中々いい早さだ、だが俺はしっかりと視認できるが。

「イッセー、シン。さっきの続きをレクチャーするわね。まず祐斗の役割は『騎士』、特性はスピード。『騎士』となった者は速度が増すの。そして祐斗最大の武器は剣よ。」

木場は黒い輝きを放つ長剣を鞘から抜き放ち次の瞬間、バイザーの悲鳴が木霊した

「うぎゃゃゃゃゃゃ!!!!!」

するとバイザーの腕が二本とも切断され、傷口から鮮血が飛び散っていた。
中々いい剣捌きだな。バイザーの腕が綺麗に切断されている。

「これが祐斗の力。常人じゃ見えないほどの速さと達人級の剣捌き。二つが合わさる事で、祐斗は最速の剣士になれる。次は小猫よ。あの子は『戦車』。特性は・・」

「小娘が!死ねェェェ!」

バイザーが近くにいた小猫を踏みつけるが、徐々にバイザーの足が浮き始めバイザーの足の裏には両手でバイザーの足を押し返す小猫がいた。

「『戦車』の特性はシンプル。バカげた力と屈強な防御力。あの程度の悪魔では小猫を潰す事は出来ないわ。」

「・・・吹っ飛べ。」

そして小猫はバイザーの足を完全に持ち上げ、投げ飛ばしバイザーの腹の部分を殴った。それにしても本当に馬鹿げているな、小猫の体格であの巨体を投げるとは、

「さて、次は・・・・」

リアス部長がそう言い掛けたその時、斬り落とされたバイザーの片腕ともう片腕が
突然動きだしリアス部長に向かっていた。俺とイッセーには見えているが、リアス部長からだと完全に死角になっており気づいていない。イッセーもわかっている素振りを見せていたので、

「イッセー、あの両腕を上に跳ね上げろ。機人化(スレイヴ)

「おう!来い神 器(セイクリッド・ギア)!」

『Boost!』

俺は以前発現した“緋晶機人“になりそのまま跳躍し、イッセーがリアス部長に襲いかかる両腕を上に殴り飛ばし、上に跳躍していた俺は腰にある装備《ジー・エッジ》を抜刀し跳ねあげられたバイザーの両腕を無数に切り刻んだ。

「あ、ありがとう二人とも・・・」

「い、いえ!体が勝手に反応しただけですし・・」

『俺もイッセーと同じだ。それにしてもとっさの指示とはいえ、よく動いてくれたな。いい動きだ、イッセー。』

「ああ!それにしてもこれがお前の操る兵器か・・・なんかかっこいいな‼」

俺とイッセーはそういいながらハイタッチをした。
それにしてもこれがカッコイイか、そんな感想久し振りに聞いたな。

「あらあら、部長に手を出そうとするなんて、そんな悪い子にはお仕置きですわ。」

朱乃さんは、怪しい笑みを浮かべながら小猫が殴ったバイザーの近くにより天井にてをかざした。すると朱乃さんがかざした手から稲妻が走りそして、稲妻がバイザーに落ちた。

あれが魔法か、便利そうだな。

「アガガガガガッ、ガガガガガガッッ!」

「あらあら。まだ元気そうね?まだまだいけそうですわね。」

「朱乃は『女王』、私の次に強い方に入るかしら。兵士、騎士、僧侶、戦車、全ての力を兼ね備えた無敵の副部長よ」

つまり王以外の駒の力を使えるわけか。悪 魔 の 駒(イーヴィル・ピース)てのはこんな事もできるのか。

さらに朱乃さんの手に稲妻が走りバイザーに再び落ちる。

「ぎゃぁぁぁぁぁっ!あ“ぁぁぁぁぁぁぁ!」

朱乃さんはそのまま、三回四回とバイザーに稲妻を落としていった。しかも表情は冷徹な瞳、そして冷たい笑顔、そして若干頬が赤く染まっていた。まるで何かを楽しんでいるような感じに見えた。

まさかとは思うが朱乃さん・・・・・

「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。雷や氷、炎などの自然現象を魔力で起こす力ね。そして何より彼女は超がつくほどの究極のSよ」

リアス部長が当然のように説明しているが、SはSでもこれは以上だな。

「・・・朱乃さんは絶対に怒らせないようにしておこう・・・・」

イッセーが怯えながら呟いた。俺もそうしよう・・・・

そして朱乃さんの攻撃が終わりリアス部長がバイザーの側に近づいた。

「最後に言い残す事はあるかしら?」

「殺せ」

「そう。なら消し飛びなさい」

リアス部長が冷淡な声音で言葉を返すと、リアス部長の手に紅と黒が混じったオーラが現れそのオーラの塊がバイザーに打ち出されバイザーは消滅した。

あの力・・・凄いな、あの巨体をほぼ一瞬で消滅させるとは、

「イッセー君、シン君あれが部長の力“滅びの魔力だよ。滅びの魔力は触れた対象を消滅させる力を持っているんだ。部長は別名“紅髪の滅 殺 姫(ルイン・プリンセス)と呼ばれているんだよ。」

消滅の魔力に、滅 殺 姫(ルイン・プリンセス)か、凄い主だなイッセー。

「終わりね、皆、ご苦労様」

部長が俺たちにそうゆうと、周りの緊張が解けた。
そんな中、イッセーが恐る恐る部長に何かを聞いていた。

「あ、あの、部長・・・俺の下僕としての役割ってなんですか?」

確かに一体イッセーはなんの役割の駒だろうか・・・

「『兵士』よ。イッセーは『兵士』なの」

その言葉とともにイッセーは落ち込むように、しゃがんでしまった。
駒の役割的にどうやらイッセーは一番下っ端らしい。

だが、リアス部長の表情を見るとイッセーは只の兵士じゃないらしいな。
頑張れよイッセー。
 

 

Change8:はぐれ神父とシスター~Berserk and philanthropist~

おう、兵藤一誠ことイッセーだ!
今俺は絶賛悪魔家業をやっているところだ。

「しかし、俺は兵士ですか・・・ハーレム王への道は遠いな・・・」

俺はどうやら眷属でゆうところのしたっぱらしい。悪魔と初めて認識したときは、ハーレム王なんて夢じゃないと思ったんだが、どうやらハーレム王への道は果てしなく遠くなってしまった・・・だが、俺は諦めない‼

「絶対にハーレム王に、なってやるからなぁ!」

俺はそう叫び今回の依頼主の自宅までチャリをこいだ。


俺は依頼主の自宅の前に自転車を停めて玄関に行った。

「ちわーす。グレモリー様の使いでーす。」

あれ?出ないな。それに玄関が少し開いているな、しかも何か胸騒ぎがするな。
さらにこの異様なまでの静けさ、人が住んでいる家でこんな空気はあり得ないぞ・・・

俺は胸騒ぎと異様なまでの空気を感じながら家に入った。
するとリビングらしき部屋が明るくなっていたので恐る恐る入る。

「すみませーん、グレモリー様の使いの者です・・・なんだ、この臭い・・・」

リビングらしき部屋に入った途端謎の臭い・・・いや、これははぐれ悪魔を討伐したときに嗅いだことがある臭いだ!
俺は恐る恐る周りを見渡すと、衝撃的物があった。

「ゴボッ・・・・!」

俺はそれをみた途端その光景に堪えきれずに口から込み上げてくる嘔吐物を吐いてしまった。無数に切り刻まれた体、傷口から一部出ている臓物、太い釘で両腕両足胴体が、逆十字架のように貼り付けされた、男の死体があったからだ。

どうみたって常人ができる行為じゃないぞ!何だよこれ・・・さらに床に死体の血で文字が隣の壁に書かれていた。

「“悪いことする人はお仕置きよー"って、聖なるお方の言葉を借りたもだよ~」

「誰だ⁉」

突然後ろから声が聞こえ振り向く。

「おやおや、これはこれは、悪魔くんではありませんかー!」

白髪の神父のような格好をした青年が出てきた。しかもあの服は協会関係者だ。
確かシンが読んでいた本に悪魔を殺す専門の“悪魔祓い(エクソシスト)“てのがいるって書いてあったな。部長も悪魔祓いには気よ付けろって言っていたしな。

「俺の名前はフリード・セルゼン!とある悪魔祓い組織に所属している末端でございますよ。あ、別に俺が名乗ったからって、お前さんは名乗らなくていいよ。俺の脳容量に糞悪魔くんの名前なんざメモリしたくないからなNA!大丈夫、俺が君を逝かせてあげるYO!最初は痛いかもしれないけど、すぐに泣けるほど快感になるから。新たな扉を開こうZE!」

おかしなポーズをキメながら自己紹介してきた。言動からして異常だなこいつ。
だが、この神父に一つ聞きたい事があった。

「あの死体はお前がやったのか。」

「えぇ!そうでございますよ~。だって糞な悪魔たちと釣り合っているだけで、悪でしょ‼人間としてO・U・Tですよぉ~。クズ、カス、ゴミ!悪人ロード一本道!ん~?理解できていないねぇ、あ、クズな悪魔くんには解るわけ無いよねぇ~!」

こいつ、狂ってやがる!

「てめえは俺が許さない‼」

俺はソッコーで神器を出しイカレタ神父に殴りかかるが、あっけなく避けられてしまった。
悪魔祓いだから運動神経もいいのかよ⁉

「いきなり危ないですな!なら僕ちんも君をKILL!させてもらいますねぇ!」

イカレタ神父が刀身のない剣の柄と、拳銃を取り出し、剣の柄からビームサーベルみたいな光の刀身を作り出し俺に斬りかかってきた。

俺は斬りかかってくる剣をかわしたが、突然両足に激痛が走った。

「どうですかぁ!僕ちん自慢の対悪魔銃の威力は!銃声音なんざ発しないぜぇ。達してしまいそうな快感が君を逝かせてるZE!」

マジかよ、悪魔祓いはこんな物まで持っているのかよ。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

其処へ聞き覚えのある女性の声が

その声に神父と俺は動きを止めて、視線だけを声のした方へ向ける。

ーーーっ

俺はその子を知っていた。

「……アーシア」

そう以前協会に案内したシスターの少女だった。

「おや?助手のアーシアちゃんじゃあーりませんかー。どうしたの?結界は張り終わったの?」

「イッセーさん?」

ど、どうしてアーシアがここに居るんだ・・・・

「アーシアちゃんはそいつと知り合いだったのかな?でも残念~!そいつは我々の敵糞な悪魔くんでございましたぁ!感動の再会からのバットエンド!僕ちん感動して興奮してきちゃったぁ~」

「イッセーさんが・・・悪魔・・・」

アーシアがその事実がショックだったかその場で言葉を詰まらせた。
俺はできればアーシアにこの事知られたくなかった。

「さて、感動の再会が終わったところで悪魔くんをKILLしちゃいましょうZE!」

イカレタ神父が俺に銃口を向けたときアーシアが俺を庇うようにし俺の前に立った。

「お願いです。フリード神父、この方を許してください、見逃してください」

「何言っているんだぁ?悪魔は全部滅ぼすって協会で習わなかったのが!せっかくいい雰囲気をダメにしてくれたなぁ!ならそこの糞悪魔ごと共々死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

俺はアーシアが危ないと思い降りかかる光の剣からアーシアを庇うように抱きしめもうダメかと思い目を閉じた。

ーーーパリィン!!!!

突如ガラスが割れるような音がした。俺はガラスが割れる音がしたあと、なにも起こらないのを不思議に思い、前を見ると、

「大丈夫か、イッセー。」

そこには神父の光の剣を片腕で受け止めているシンがいた。

「シン?どうしてここに。」

「偶然ここを通りかかってな、血の臭いがすると思ってこの家を見ていたらお前が殺されそうになっていたから、あそこの窓ガラス突き破って来た。」

シンは背中を向けたまま俺に返事をすると、そのまま腕を横に振り払う。神父は後ろに跳躍し、少し離れたところに着地する。

「あり?なんで光の剣が素手で受け止められちゃったんですか?君、人間だよね。」

「人間だがちょっと特殊でね、この程度の武器と腕力なら俺の体には傷一つつかないぞ。」

シンが神父の質問に答えると神父はシンhっdはに向かって殺意を向けていた。しかしシンはそれを意に介さず俺の方を向いていた。

「イッセー大丈夫か?どうやら足に銃弾を二発撃たれているようだが・・・成る程だがこの傷は、そしてこの状況だと・・・」

シンが俺の傷を応急措置をしながら何かを考えていた。

「ありがとなシン、正直もうダメかと思った。」

「お礼は要らん、だがもう安心しろ今は俺がいる。恐らくリアス部長達もこの異変を察知してもうすぐ来ると思うからな」

シンは俺の足の傷の応急措置を終えて表情を真剣にして神父の前に立った。

「この周りの状況から推測すると・・・お前が元凶の様だな。」

「おやおや、察しがいいですな~。でも悪魔とつるんでる人間は僕ちん的にアウトなんで、今すぐ君をバラバラにして殺してもいいスッか?」

「そんなことどうでもいいが、そこのイカレタ若造、もう少し実力差を考えたらどうだ?だが逃がしはしない、俺のクラスメイトを痛めつけた分お礼はさせてもらうがな。」

シンはこの前見せた姿に変身しながら構える。てゆうか⁉表情は見えないけど、シンから何かとんでもない重圧が出ている、しかも俺の体が自然に震えている。なんてプレッシャーを放っているんだよ‼シンは・・

そして2人のにらみ合いが数秒続いた後、床が赤色に光出した。

「何事ですか?」

『どうやら、援軍が来たようだ。』

これは部長たちがいつも使っている魔方陣だよな?もしかして‼

「シン君に先越されたけど助けに来たよ、兵藤君。」

「あらあら、大変なことになっていますわね。」

「神父・・・・」

オカルト研究部の皆が助けに来てくれた。く~感動するぜ!

「感動の援軍の悪魔の団体様に一撃プレゼントぉ!」

神父がどさくさに紛れて皆に光の銃弾を撃ってきたがその前に金属が叩きつけられるような音がした。

「あり?なんで?」

『仲間を殺そうとする前に、まずは俺を殺したらどうだ?若造。』

いつの間にかシンははぐれ悪魔討伐に使っていた刀を持っており、その刀から煙が上がっていた。
もしかしてあのクソ神父の撃った銃弾を全てあの刀で切ったのかよ⁉人間技じゃないぞ、あれは!

「お!仲間を守るてっやつですか‼ああ~僕ちん感動でヘドが出そうだよ。」

「神父とは思えない、下品な言い方だ。」

『同感てっ共感したいところだが、どうやら招かれざる客が四人こっちに来ているようだな。』

「そうね、本来なら負傷したイッセーを回収してさっさと私達の拠点に行きたいのだけれど、生憎私が使う転移魔方陣は私の眷属しか転移できないわ。そこにいるシスターはともかく、シンはどうしようかしら・・・」

そうなのかよ⁉アーシアとシンは一緒に逃げられないのかよ⁉一体どうすれば、

「あっひゃひゃひゃ!!!残念だねぇ~どうやら君は逃げられない様だなぁ。悪魔どもを逃がすのは、嫌いだが堕天使様と僕ちんで君を痛ぶれるZE!」

『・・・・』

シンの事を高笑いしている神父の顔面に、無言でシンの右ストレートがヒットした。

バキィ

「ボヘェア⁉」

神父はあられもない声をだし家の壁を突き抜けて吹っ飛んでいった。
てか、シンが顔面殴るとき気のせいか、骨が折れる音がしたぞ。

『とりあえずリアス部長、イッセーを連れて早く逃げて下さい。俺の事は大丈夫です、そこにいるシスターも俺が保護しますので。』

「貴方を信じていいのね・・・・」

「ちょっと待ってリアス!シン君は人間よ⁉いくらはぐれ神父を倒したとはいえ彼一人置いていくのは危険過ぎるわ!」

朱乃さんの言っている事は確かだ。いくら凄い兵器をシンが使っているとはいえシンは人間だ、だが俺は心のどこかで『シンなら大丈夫』と思っている。

『朱乃さんに他の皆も俺の事は気にせず先に撤退してください。この程度の人数なら余裕なので、それに・・・』

シンは再び俺たちの方に顔を向けてきた。シンのいまの姿で表情はわからないが、なぜだろうか・・・心の底から信頼できる感じがした。

『たかが井の中の蛙(上を知らない奴ら)に殺される気は毛頭ありません。』

そして俺はシンの悠々とした姿を見ながら転移の光に包まれた。























 

 

Change9:救出と動き出す運命~Raid of the fallen angels~

さて、イッセー達が転移した後、タイミングが良いのか悪いのか、堕天使がこの家の上空に来ていた。あまり時間がないな。

とりあえず、目の前のシスターをどうにかしないとな。イッセーにこのシスターを助けるって約束したしな。だがまずは・・・・

『あんた名前はなんて言うんだ?』

「アーシア・アルジェント・・です。」

アーシア・アルジェント、いい名前だ。

『アーシア・アルジェント今から君に選択肢を二つ用意する。選ぶのは君の自由だ』

まずは本人の意思を聞いてから決めるとしよう。

『では一つ、このままここに残り友達と一生会えない生活を送る。
二つ、ここから俺が君を連れ出し友達と再会し平和な日常を送る。
三つ、自力で逃げ出し逃亡生活を送る。
君は三つの選択肢のうちどれを選ぶ?どれを選ぶかは君の自由だ。』

この子、アーシア・アルジェントは恐らくあの堕天使やはぐれ神父だったか。あの集団に騙されている。推測すると元々は正規の教会にいたシスターだが、なんらかの理由で追放、そして現在に至った可能性が高い。だがあくまで可能性の域だから俺はこのシスター、アーシア・アルジェントとの意思を尊重したい。

そして目の前にいるアーシア・アルジェントは、何かを決意した表情で答えた。

「私は、もう一度イッセーさんに会いたいです。だから私をここから逃がして下さい!お願いします‼」

まあ、大方その答えを待っていたんだがな。

『わかった、君の望みを叶えよう。少し荒っぽくなるが我慢しろよ。』

「え?・・・きゃぁっ⁉」

俺はシスター、いやアーシア・アルジェントを両腕で抱き抱え俺が侵入したときに割ったガラスの穴から家を出た。だが予想通り堕天使が四人空中を飛びながらこちらを見ていた。

「あら、昨日の人間?じゃない。」

『チッ、この前はうちのクラスメイトがずいぶん世話になったな。堕ちた天使』

「あら、いきなり人間風情が私に向かって舌打ちなんて、許されない行為だわ。」

『だったらどうするんだ、堕落した天使』

すると、目の前のリーダーらしき堕天使が手元に歪な光の槍を手元に出しながら、俺に矛先を向けてきた。

「軽く貴方をいたぶって、殺してそこのシスターを返してもらうわ。アーシアこっちに来なさい、私達には貴方が必要なのよ。」

「レイナーレ様・・・・・」

なるほどあの堕天使はレイナーレとゆうのか、だが奴の言葉を聞く限りアーシア・アルジェントは普通のシスターでは無いらしいな。まあそれは追々本人に事情を話して貰うとして、

『とりあえず、貴様との会話をしている程俺は暇じゃないんでね、さっさとおいとまさせてもらう。』

俺はアーシアを抱えたまま浮遊し速度を上げながら飛行し逃げる。

「人間風情が調子乗っているんじゃないわよ‼貴方達、奴を殺しなさい。」

「「「御意」」」

すると俺を追わんとばかりにレイナーレの部下らしき堕天使が俺に向かって光の槍を投げてきた。

避けるのは簡単だがもしも民家に当たったら不味いな、攻撃を受けるにもアーシアを抱えている状況では流れ弾がアーシアに当たる可能性もあるな、どうする・・・・

《戦況を解析。"緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)"仕様可能になりました。》

俺がこの状況の打開策を考えていると俺の目の前に新たな装備とその概要が表示された。俺は装備についての概要を一瞬で読み上げた。

なるほど、この装備なら行けるな。

俺は装備を使用する前に抱き抱えているアーシアに話しかける。

『少し荒れるから捕まえられるところに捕まれ。』

「は、はい、わかりました」

俺はアーシアがしっかり捕まった事を確認し、新たに表示された装備を使う。
すると両腕の籠手と足のかかとの部分が澄んだ起動音と共に緋色に発光し始め、まるで飛行機雲のように足から、緋色の奇蹟が出てきた。

『こいつを食らえ。』

「きゃぁ!」

俺は飛んで来る光の槍の方向に体を向け足からまるで結晶化したような残光を鎌鼬ように打ち出す。

バキィィィィンッ!!!

そして俺が放った残光と三本の光の槍が衝突し堕天使達の視界が一時的に塞がる。
俺はそれを機に全速力でアーシアを抱えながら逃げた。


俺は堕天使を完全に撒いて自宅の玄関にゆっくりと着地した。だがアーシアがまだ俺の装甲にしっかり捕まっていた。

『もう大丈夫だ、離してもいいぞ。』

「は、はい!助けてくださってありがとうございます。・・・・」

そういえば俺はアーシアに自己紹介していないな忘れていたな。
俺は機人化を解いてアーシアに自己紹介をする。

「改めて、俺は神無月進。まあイッセーの友達と思ってくれればいい、シンと呼んでくれ。」

「は、はい先程はありがとうございました。シンさん。」

しばらくして、俺はアーシアを家に招き一息ついてもらい、俺の布団に寝かせた。

そして俺は事後報告のため部室に電話をかける。

『待っていたわシン。結局どうなったのかしら?』

「とりあえず、シスターを回収したあと堕天使の集団を撒いてきて今はシスターは俺の自宅で休んでいます。」

『二人とも無事で何よりだわ。こっちは負傷したイッセーの治療を終わらせたところよ。貴方がイッセーの傷の応急措置を取ってくれたお陰で治療が楽だったわ。でも大事をとって明日はイッセーには学校を休んで貰うことにしたから。』

「別に当然の措置しただけですよ。とりあえずイッセーにはアーシアを無事保護したって伝えといてください』

『ええ、わかったわ。それじゃあまた明日放課後で、』

「はい、では・・・」

俺はリアス部長が電話を切ったのを確認し電話を切った。そして俺は自宅の隅にある本棚に向かい、一冊の本を傾けた。すると本棚が奥に引っ込みリビングの壁が回転し多種多様の銃器や武器などが出てくる。

ここにある武器は全てあの神が用意してくれたものだ、弾薬などは使用した分が補給されるようになっている。一応この世界で用心警護や暗殺などの仕事をしている。もちろん断る依頼もあるし、偽名で活動している。

俺はその中から銃器を二種、携行武器を三種、その銃器や携行品を装備しやすくする。チョッキやホルスター、カモフラージュ用のバック、銃器の予備のマガジンを二つを取りだし壁を元通りにする。

俺は取りだした武器を点検しながら考えていた。

この状況や出来事裏の存在勢力・・・どうやら始まりそうだな、そして・・・・

「動き始めたな、神の知らずの運命が。」

そして俺は武器や携行品などの整備を終えて。リビングのソファーで眠りついた。
















 

 

Change10:反撃の余韻~Compensation for comfort~

「ん・・・もう朝の五時か。」

俺は武器の最終点検と調整が終わりカモフラージュ用のバックに武器をしまった後、時間を確認していた。

「もうこんな時間か、朝の訓練をしないとな。」

俺はそのままリビングを出て奥にあるトレーニングルームに入った。


「スゥ~・・・・・ハァァァァ~・・・・・ハッ!」

俺は今一人で色々な模擬戦をしていた。自分の視覚情報に色々な武器を持つ達人や、特殊能力を持ち合わせている人物像や、異形、怪物などを投影して訓練をしている。

俺は特定の武器や拳法などはないので、こうして様々な種類の敵を連想して戦闘訓練をしている。
理由としては、この世界には悪魔などの人形の異形や、人間が稀に宿す神  器(セイクリッド・ギア)などがあるからだ。
万が一、これらの存在が敵に回った場合直ぐに対応するためだから。
だが・・・一つだけ想定出来ない相手がいる。それは、
神器の中でも強力で、なおかつ神や魔王すら一時的に越える神器、"神滅具(ロンギヌス)"の所持者だ。
その中でも厄介なのが三種類ある。

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)
この神滅具の厄介な能力は、"所有者の力を十秒ごとに倍加"これは短期決戦なら問題ないが、長期戦になるとこちらが戦況的に不利に陥りやすくなってしまう。しかもリアス部長経由で深く調べると他にも厄介な能力が歴代所有者で確認されているようだ。

白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)
この神滅具は能力が少し特殊である。"対象に触れた存在を十秒ごとに力を半減し半減した力を所有者の力に上乗せする"これも赤龍帝の籠手と同じ用に対応すればいいが、それと同時に攻撃を完全に避けないといけない制約がついてしまうことだ。

歌龍姫の聖衣(シンフォニック・ヴェール)
俺が危惧している三つの中でもこの神滅具は一番厄介な物になる。"所有者の歌で自信の力を強化し能力を変化させる"これは正直対応の使用がない。何故ならこの神滅具の歴代所有者全員が異なる能力を発現しているからだ。なのでこの神滅具の所有者とはできれば敵対しないことを祈るだけだ。

そして一通り訓練を終えた後時間は朝の6時になっていた。

「さて、自分とまだ就寝中のアーシアの朝食を作るか。」

とりあえずまずは朝食を作らなければ。だが教会出身のアーシアだと簡素な料理しか食べてない用に見えるから、少し豪華な朝食を作るか。
そして俺はいつもより豪華で量が多めの朝食を作り始めた。

「ふぁ~あ・・・おはようございます、シンさん。」

朝食の盛り付けを始める頃にアーシアが起きてきた。丁度いい時間に来たな。

「おはよう。朝食が出来たからそこに座って待っとけ。」

俺は起きてきたアーシアをリビングの椅子に座らせ、俺は出来上がった朝食を運んだ。

「ほら朝食だ、食べときな。」

「は、はい!それにしてもこの豪華な料理は・・・・」

「ああ、まあアーシアは教会出身だからな。朝食のメニューは・・・・・」

サラダ:レタスとスライスオニオンの和風サラダ

スープ:ベーコンと茄子のミネストローネ

メイン:トマトと蒸し鶏の冷製パスタ

デザート:6種の果実のフルーツヨーグルト

「・・・・と、このようなメニューだ。何か食べれないものでもあるか?」

「い、いえ!好き嫌いはありません。ただ・・・この様な豪勢な朝食は始めてですので・・」

どうやら、この様な朝食は慣れていないようだな。まあ教会出身とゆう理由もあるからな。
だが嫌いなものがなくてよかった。

そして俺たちは朝食を食べ始めた。

俺は朝食を食べ終わった後イッセーの携帯に連絡をかけた。

〔お前から電話なんて珍しいな、シン〕

「ああ、ちょっとお前に用があってな。」

〔一体何なんだ?〕

「お前昨日の件で学園休ませて貰っているんだろう、だから今俺が保護しているシスター、アーシア・アルジェントと俺が学校にいる間見守ってくれないか?」

〔部長に聞いた通りちゃんと助けてくれたんだな、恩に着るぜ。〕

「別に構わない。まあ今回はお前がシスターを見ていてくれ。もしくはあのシスターとデートでもしてこい」

〔ああ!そうさせて貰うぜ。〕

「なら、8時に俺の家に来てくれ。俺は学校があるから玄関でシスターとお前を待っているからな」

〔おう!じゃあ8時に会おうぜ!〕

「ああ、またな」

俺はイッセーに用件を伝え丁度朝食を食べ終わった、アーシアに話しかけた。

「アーシア、出かける準備をしといてくれ。」

「どうしたんですか?」

「8時くらいにイッセーがここに来る。アーシアにこの町を案内したいんだとさ。」

「わかりました。」

「イッセーとのデート楽しんできな。」

「はぅ!?デ、デート・・・・」

10分後イッセーがうちに来てシスターを連れていった後俺は学校に向かった。
何せ俺は学生だからな、イッセーとあのシスターは心配だがまずは自分の事をやらなければな。

だが俺は今の自分の行動と判断を放課後悔やむことになるとは、この時の俺は知るよしも無かった。

・・・・・・・・・

放課後俺はいつも通りオカルト研究部の部室に入ると何やらイッセーとリアス部長が揉めていた。

パシン!

そして部長がイッセーに何故か平手打ちをしていた。何があったんだ・・・?

「何度言ったら解るの、あのシスターの救出は認めないわ。」

「ですが!部長!!!」

シスターの救出?一体何の話か・・・待てよこのイッセーの焦り様、そして部長が言っていたシスターの救出・・・・まさか・・・・!?

「イッセーもしかしてそのシスター、"アーシア・アルジェント"とゆう名前か?」

すると落ち込んだ表情を浮かべながら頷き、事の顛末を話始めた。


どうやらイッセーとアーシアが遊んでいる時、急にあの堕天使レイナーレが現れアーシアを拐っていったらしい。しかもイッセーの安全を盾にアーシアを誘拐している。
クソッ!!まさかイッセーとアーシアの二人の時に襲撃をかけるとは・・・予想できたはずなのに‼
まさかここで平和ボケがここに来るとは、相手を少々侮り過ぎた!!

俺は悔しさと慢心していた自分に怒りを覚えるが、今は抑えた。

「部長、俺は行きますアーシアを助けに。あの堕天使が言っていた儀式が気になります。それにあいつらはアーシアに何か危害を加える気がします。あいつらの所にアーシアが安全とゆう保証はないと思います。」

「何度言ったら解るの!?貴方があのシスターを助けに言ったら確実に無事じゃ済まないわ!それに貴方の身勝手な行動で私たちにも迷惑がかかるのよ、それを自覚して頂戴‼」

確かにこの世界の悪魔、天使、堕天使は過去に世界を巻き込んだ戦争をしている。今は落ち着いているとはいえ下手に悪魔と堕天使で争いを起こすと、問題が大きくなる可能性が出てくる。
俺が問題を解決すれば、何とかなるが……これはイッセーの問題でもある。

……こうなればリアス部長の判断に賭けてみるか。

俺は軽くそこにあった紙とペンを取りメッセージを書く。

「リアス部長、すみませんが俺はこれからすべき事があるので帰らせていただきます。」

「シン!まさかあなたも……」

「大丈夫ですリアス部長。俺はこれから`露払い`をするだけです。」

「……。」

「それでは、そしてリアス部長。」

「何かしら……」

「イッセーを信じやってください。」

俺はそういいイッセーに先ほど書いたメッセージを渡す。

「シンこれは……」

「覚悟ができたなら呼んで行け。」

俺は外に出て持っていた荷物から先日から準備していた銃火器と携行品を装備する。

「まさか`仕事`以外でこれらを使うことになるとな。まあこれがあいつの言っていた`始まり`だろうな。」

俺は装備をつけ終わると現状の確認と作戦を確認をする。

場所は駒王町外れの廃教会。ターゲット(抹殺対象)は、廃教会周辺の警護に当たっているはぐれ神父と堕天使の駆除、そして目的はイッセーが先日救出したシスターを救出の手助け、そして極力、機人化を使わないように遂行すること。まああの力は目立ちすぎるからな。

「神無月進、これより作戦を実行する。」

そして俺は町の闇に紛れ廃教会に向かった。

進視点終了


イッセー視点

くそっ!! 俺がちゃんとしていなかったせいでアーシアが拐われちまった!!
部長たちがどっかいっちまうし…だが部長、シンの言った去り際に行っていた意味は何なんだ?

俺はとりあえずシンに渡された手紙を呼んでみることにした。


イッセーこれを読んでいることは、覚悟が決まったかそれとも自分が何をしていいか迷っているかだな。もしも部長が何か意味のあることを言っていたことを言っていたらそれについてよく考えてみろ。そしてあのシスターを助けに行くなら正面から助けに行って来い。周りの余計な客は俺が方付けて置く。そして、自分の中の可能性…神  器(セイクリッド・ギア)を信じてみろ。


俺に救いに行けて言っているのか……それに部長が言っていたことをよく考えてみろ…か、
俺は部長が言っていた言葉を思い出してみる。

確か俺の中にある悪魔の駒の兵士は 確か敵陣地に侵入した時、(キング)以外の騎士(ナイト)戦車(ルーク)僧侶(ビショップ)、そして女王(クイーン)に成ることが出来る能力手言われたな。でもそれが一体何の意味が……いや待てよ、敵陣地…そうか!
つまり教会は悪魔にとって敵陣地、つまり部長は…

「どうやら部長の言いたいことがわかったようだね。」

すると木場が話しかけてきた。

「どうやらお前わかっていたな…」

「まあね、それで部長の心理に気づいた君は一人で助けに行くのかい?」

「ああ」

「無茶だ、敵は堕天使達だけじゃない、はぐれ神父だっている」

「止めても無駄だぜ、例え一人でも、俺はアーシアを助けに行く」

「止めるつもりは無いよ…… だって僕も行くからね」

「……… 本当か?」

俺は思わず聞き返してしまった。

「僕はそのシスターがどんな人か知らないけど、君は僕らの仲間だからね、それに個人的に教会は気に入らないんだ、それこそ憎いほどに」

「…… 私も行きます」

すると、小猫ちゃんも一緒に行ってくれるって言ってくれた。

「…… 二人だけじゃ心配です」

まったくこの二人が俺のわがままに付き合ってくれるなんて感動だぜ!

「そういえば進君はイッセー君がもらった手紙の内容と出て行った口ぶりから察するにもう敵の陣地に行っているようだね。」

そうだ!シンは手紙の書いてあるとおりだと俺たちが動きや吸うように動いてくれるんだった!
まったくあいつは意外とお人よしなんだな。

「行こう!! 木場、小猫ちゃん!! 」

こうして俺たちはアーシアを救うべく、そしてシンが作ってくれたチャンスに答えるために、教会へと向かった。

イッセー視点終了


三人称視点

「どうだ問題ないか?」

「大丈夫だレイナーレ様が結界を張っていてくださる。そう簡単には入れないだろう」

駒王町の廃教会の裏側の森、そこには警備のはぐれ神父数名が徘徊していた。

「まあ問題ないなら……ッ!!!???」

はぐれ神父は隣にいた同じはぐれ神父に話しかけると隣には喉から大量出血している亡骸のはぐれ神父がいた。

「まさか、侵入者!?……グァッ!!」

亡骸を発見したはぐれ神父が警戒するが何者かによって体制を崩される。

「動くな…」

「ヒィ!!」

はぐれ神父は倒された体制のまま何者かに拘束された。

「貴様!何者だ!?」

「貴様の問いに答えるつもりは一切ない…」

「待ってくれ!?せめて命だけ……」

――――パァァン……

はぐれ神父は命乞いをするが無慈悲な銃声が鳴り響き、そこにははぐれ神父の亡骸と一丁の銃を持った青年がいた。

「これではぐれ神父は全部か…後は堕天使か……」

青年は何かを確認を終えると森の闇にまぎれた。

そして青年が去った後には………

――――ヒュォォォォォ……

静寂と数人のはぐれ神父の死体があるだけだった。































 

 

Change11:赤き龍帝・緋の機人~The story that started~

進視点

今俺はもう敵地の廃教会の裏側の森にいた。とりあえずこの周辺のはぐれ神父をあらかた全滅させるためだ。状況の再確認として周りの生体反応を探ることにした。

「状況は…どうやらイッセーたちは無事に教会に侵入できたようだな。それとここから少し北西のほうにリアス部長、朱乃さんそれと、レイナーレ以外の堕天使が三人か……」

とりあえず俺はリアス部長たち画どうなっているか確認するために二人のほうに向かうことにした。案の定リアス部長と朱乃さんそして、レイナーレ以外の堕天使が三人いた・・・敵対しているなら三体と呼称すべきか。

「どうやらここに居たようだな、堕天使共。」

「シン!?あなたどうしてここに。」

「シン君ならイッセー君達の方に行くと思いましたが……」

どうやら二人とも俺がイッセーたちのところに行くと思ったらしいな。

「これはイッセーが自分で決着させる問題です。俺が言ったところで邪魔になるでしょう。なら俺はイッセーの邪魔をする自らの欲に堕ちた人間や薄汚いカラス駆除するために今ここにいます。」

「誰が薄汚れたカラスだ!!!!」

「下等な人間ごときが図に乗るな!!!!」

「そうっす!! 人間ごときが私達に勝てる訳ないっす!!!!」

うるさいカラスが怠慢を言っているようだが、俺にはうるさいカラス共が鳴いているようにしか見えないな。まあ所詮は堕ちた天使だな。

「それにしても傑作っすね~ 貴女方の眷属の小僧… レイナーレ様に騙されてまんまと殺されたんでしょ?」

「全くだ、あのような下種な男にレイナーレ様が惚れる訳が無かろうに」

イッセーが下種だと……確かにイッセーは性欲が過剰で劣っているところはあるが、あいつはひたむきにますっぐで誠実な男だ。お前らが軽蔑していい存在じゃないんだよ。どうやらこいつらは早死にしたいようだな。

「…… 私の可愛い下僕を笑ったな…?」

どうやらリアス部長も相当頭にきているらしい。よくわからないエネルギーが部長の体から赤黒くオーラが滲み出ている。

「フンッ!! そんなものレイナーレ様が儀式を成功させて至高の堕天使になれば恐れるに足らん!!」

「儀式?」

「ここまで来れば隠す必要はない、教えてやろう」

すると、男の堕天使が悠長に喋りだした。

「我々の計画は教会に捨てられた回復系神器所有者のシスターの神器、聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)を摘出しレイナーレ様に移植すると言う計画だ」

神器の移植だと、だが神器は人間に宿っているものと文献で書いてある。

「リアス部長、神器の移植は可能なことですか?」

「え、ええ。だけど」

「神器を抜かれた宿主は死に至りますわ…」

とゆう事は、こいつらあのシスターを犠牲にして奇跡とも言える神器の力を手に入れるつもりか。

「お前ら…人の命を弄んでいいと思っているのか…」

「下等な人間の命などとるに足らんわ、寧ろ我々の駒になれるのだから感謝して貰いたいものだ」

こいつらはイッセーの邪魔になるから一瞬で殺そうと思ったが…気が変わった。

―――苦痛と絶望とゆう名の地獄を味わってからさらに下に逝ってもらおう―――


《Updated to the latest function of all items》


こいつらに攻撃しようとした瞬間また例のごとく謎の完了メッセージが目の前に表示された。
いったい何なんだ、こんな状況で………


《コノ問イニ回答シテクダサイ・・・666ヲ本当二受ケ入レマスカ?》


しかも前回と質問が同じ・・・てことじゃないな。どうやら以前の回答が俺の本当の答えなのか聞いてきている。このら質問は答えないと動けないからな早めに答えることにしよう。

666、気になるが受け入れればこの世界をみんなを救う力が手に入る。現状は大丈夫だがいずれ俺を超える存在が現れてもおかしくはない。だから受け入れる…666をな!

俺は回答に受け入れると答えた。するとまるで機会演算が行われているような画面になり俺の頭に情報が入ってきている。

《最終認証ヲ確認。制御人格プログラム“電脳女神達の標(ゲイムズオブヴィーナス)“に今後の更新系統、制御ヲ全テ完全移行。内部エネルギー系統、機体骨格ヲ新規形態ヘト更新完了“無限の可能性“ソシテ“革命の666“改メテアナタニ託シマス。》

革命か、実際あの世界で俺たちの革命がどうなったかわからんが、まさに俺が目指すものをよくわからないプログラムに託されるとは…一体“俺の体はどうなっているか判らない“な。

《起動コード機人化・緋晶(スレイヴ・ギア S)

俺は自分の変化を確認した後、改めて目の前にいる三体の堕天使と対峙する。

「我等を前にして余所見か、ずいぶんとなめられたものだな。」

「人間風情が、たちばを判っていないようだな。」

「人間の癖に生意気ッス。」

弱い存在ほどよく吠える、まさにあいつらだな。

そして堕天使三体はそれぞれ光の槍を手元に形成し俺に向かって投擲してくる……が、


―――ババババババババァンッ!!!


持ってきたアサルトライフル《AAT-666》ですべて弾く。

「「「な、なに!?」」」


―――カチッカチッ……


どうやらちょうど弾切れのようだな。まあいいタイミングだろう。どうせなら新しくなっているであろう俺の力をこいつらに実験台として使ってみるか。

俺は堕天使共があっけに取られているを見計らい起動コードを発動させる。

機人化・緋(スレイヴ・ギア S)

起動コードを唱えると俺の周りに緋色の光が出現し俺の体を変化させていく。

装備していたものが”擬似表皮”ごと粒子変換されて金属骨格のようなものが露出する。そして金属骨格がまるで先頭向けのフォルムへと変形して瞳の部分が二つから四つへと顔の骨格も変形していく。

骨格が変形が終わったのと同時に六角形の薄い立体のホログラムが出現しそこから装甲であろうパーツ出現し変形した俺の骨格へと装着されていく。

俺は起動終わりに自分の体を見ていると、以前よりも無駄のないフォルム、黒を基調とした装甲に緋色と白色の装甲、蛍光色に光る腰にある翼と四つ眼のロボットのような者が立っていた。

「な、何だその力の波動は!?」

「クッ……!?」

「た、ただのこけおどしッス!」

堕天使共は俺の変化に驚きながらも再び光の槍を投擲してきた。俺はけん制で先日発現したばかりの
緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)を円弧上に投擲された光のやりにぶつける。

「「「グッ!!!???」」」

俺は堕天使三体がひるんだ隙にやつらよりも上空に飛翔して脇腹部分に収納されている近接装備、《フォルド・シックル》を小型の鎌状展開する。

「やつはどこにいる!?」

堕天使があわてて探そうとするが俺は容赦なく堕天使三体のところに降下しフォルド・シックルで三体の堕天使の翼をすべて切り裂く。

「「「グァ!!!」」」

翼を切られた三体はそのまま降下するが俺は追撃で三体をまとめて回し蹴りで地面に叩き落す。空中でそのまましとめていいが、どうやらリアス部長が滅びの魔力を練っているからこいつらのとどめは譲ろう。本命は別にいるからな。

「グッ……貴様ぁ!」

『堕ちた存在に飛ぶための翼は必要ないだろう。それに俺に注意を向ける前に自分の心配したらどうだ?』

「何を……」

するとリアス部長は魔力を練り終わったのか、堕天使三体に赤黒い滅びの魔力を放った

「消し飛びなさい。」

「「「ぎゃぁぁぁぁぁッ!!!」」」

黒い羽を散らしながらだ天使が赤黒いオーラに包まれながら消滅していく。


―――ガシャァァァァァァァン!!!!


それと同時に教会からレイナーレが吹き飛ばされて行くのが見えた。

『どうやら、決着は着いたようだな、イッセー』

俺は廃教会にいるであろうイッセーにつぶやいた。







堕天使三人を倒した俺達は教会に向かった。

そこには小猫に引き摺られて広場で気絶しているレイナーレと、イッセー、小猫、木場がいた。

そして長椅子に横たわっている女の子がいた。イッセーの表情や周りの雰囲気から察するにどうやらアーシアは手遅れのようだな。堕天使は倒せどもアーシアを救えていな以上結果はけして良いものではないだろう。俺がもっと叱り知っていればこんなことにはならなかったはずだ。

レイナーレの方を見ると丁度、部長と朱乃さんが魔法でレイナーレを叩き起こしていた。

「目覚めなさい」

「ゲホッ!! ゲホッ!! お前は!?」

「ごきげんよう、堕天使レイナーレ」

「リアス…… グレモリー…!!!!」

「貴女のお友達の堕天使は私たちが倒させてもらったわ」

部長はレイナーレの前に堕天使の黒い羽を見せた。

「バカな……!? だがまだ回りを警護している神父たちが……」

どうやら目の前の堕天使レイナーレは廃教会の周りを警備しているはぐれ神父対の応援を期待しているようだが、

『残念だが、そいつらは邪魔でしかたなっかからな。先に始末させてもらった。信じられないならこれを見てみろ。』

俺ははぐれ神父たちがつけていた鮮血汚れた装飾品をレイナーレの前に投げる。

「そ、そんな……」

同らこいつはこれで万策尽きたらしいな。それにしても部下の安否も把握できないとはな。
それにしてもあのときの戦闘中廃教会から異常な力の反応があったが一体…

「あら? イッセー、貴方その神器………」

「え? 俺の神器、なんか変なとこ有りますか?戦っているときに変化していたんですよね。」

確かにイッセーの神器前までは手甲だったのが今度はグローブと籠手が合体したような形状、そして何より先ほど感じた異常な力の反応がこいつから出ている。どう結うことだ……

「どうやら堕天使さんこの子の神器はただの龍の手(トゥワイス・クリティカル)なんかじゃないわ。それもはるかに龍の手を超えたものだわ。」

「何だと!? じゃあその神器は一体…!?」

「この神器は宿主の力を十秒ごとに倍加させていき、一時的に神や魔王を凌ぐ力を得られる十三種の中の神滅具(ロンギヌス)の一つ、赤龍帝の籠手、ブーステッド・ギア」

「な、何だと!?こんな小僧があの神滅具(ロンギヌス)を宿しているなんて……」

まさか俺が警戒していた危険リストのうちの一つがまさかイッセーが所持しているとは、これは喜んでいいのかわからないな。

「さて、そろそろ消えて貰うわ」

部長がレイナーレを消し飛ばそうとした時

「助けて!! イッセー君!!」

レイナーレが天野夕麻の姿になってイッセーに助けを求めた。

「悪魔達が私を殺そうとしているの!! 私は今でも貴方を愛しているわ!!!!ほら、あのときのデートのときに買ってもらったアクセサリー今でも大切に持っているわ!だから一緒にコイツらを倒そう!!!!」


『少し黙れ…醜いカラスが』


―――ザシュッ!


俺はとりあえずこいつを黙らせるためにレイナーレがイッセーに伸ばしていた片腕をジー・エッジで容赦なく切り落とす。痛みで叫んでいるが俺は気にせず冷静にレイナーレに近づく。

「シン!?あなた……」

『リアス部長こいつは人の…いや命をもてあそび過ぎた。消し飛ばすなんて楽な死に方俺が納得いきません。こいつ堕天使レイナーレはしかるべき罰…痛みを受けてから死ぬべきなんです。なので手出しは無用です。』

「……判ったわ。」

リアス部長が了承してくれたな。まあリアス部長がレイナーレを殺しても結末は変わらない。だが少なくともこいつは一応イッセーの初の恋人だ。まだ切れていない部分があるだろう。もしリアス部長がレイナーレを殺すとイッセーの頭に部長が彼女を殺したとゆう概念が生まれる。それにこの精神が底辺の底辺のクズの命ごときでみんなの手を汚したくないからな、汚れた部分は俺がすべて背負う。

『さて貴様には三つの痛みを受けてもらう』

「た、助けて……」

レイナーレ画命乞いをしているが関係ない。

『一つ目、人の心を汚した痛み』


―――ザシュッ!


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺はレイナーレのもう片腕を切る。

『二つ目、命を弄び軽蔑したこと。』


―――ブスッ!


「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

さらに腹部を突き刺し、刺さったジー・エッジを雑に抜く。

『三つ目、また人の心を利用し欺こうとしたこと。』


―――ザシュッ!ザシュッ!


そしてレイナーレに生えている両翼を切断する。

「あ、あああ……」

もう意識も保っているのも難しいレイナーレに最後の一撃を加える。絶命させるためにレイナーレ頭に刃を向ける。

『さあ、目の前の絶望()革命(抹消)する!》

そして俺の持っている刃がレイナーレ乃東部を突き刺し、レイナーレ葉その場で倒れるように絶命し消滅していった。そしてレイナーレがいたであろう場所に淡い緑色のやさしい輝きを放つ物体だけが残っていた。
俺はその物体を優しく拾いイッセーに渡す。

『悪いな、俺が浅はかな考えで、こんなことになってしまって・・・・すまん。』

「な、何でシンが誤る必要があるんだよ!?俺だってシンや、部長みんなにここまでしてもらってアーシアを救えないほうが、申し訳ないぜ……」

「二人とも勝手にしんみりさせた空気で終わらせない。まだその子、アーシア・アルジェントはまだ助かるわよ。」


『「え』」』

俺とイッセーは部長の発言にあっけに取られる。

「では二人ともこれは何だと思う?」

リアス部長がポケットから紅いチェスの駒……正確には” 僧侶(ビショップ)”の駒を持っていた。確かはあれは悪魔の駒で人間などを悪魔に転生………ッ!そうゆうことか。あのときのイッセーと同じことをするつもりなんだな。

リアス部長はなくなっているアーシアの胸にイッセーから渡された神器とともに紅い”僧侶”の駒を一つ置いた。そして、部長の体を紅い魔力が覆い、何かを詠唱し始めた。

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、アーシア・アルジェントよ。今再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が『僧侶』として、新たな生に歓喜せよ!」

駒が紅い光を、アーシアの神器が淡い緑色の光を発して、アーシアの胸へ沈んで行き、少しして、アーシアの瞼が開きその瞳には確かな光があった。

「悪魔をも回復させるその子の力が欲しかったからこそ、私は転生させたわ。ふふふ、イッセー、あとは貴方が守っておあげなさい。先輩悪魔なのだから」

部長はああいているが、イッセーのの願いを聞いてくれたんだな。悪魔について過去について文献で調べたがほとんどが邪悪だとか批判的なことが書かれていたな。こうしてみると悪魔って本当は優しいやつもいるのだろう。

最高の主の下僕になれってよかったな、イッセー。






あの堕天使騒動から数日後、俺はほかのみんなよりも一足遅く部室に向かっていた。まあ考え事をしていたら、いつの間にか時間がたっていたからな。

そして俺は部室のドアを開けた。

「こんにちは、シン君。」

「こんにちは、シン先輩。」

「ふふ、こんにちは、シン君。」

「ようやく来たか!シン。」

「こんにちはシンさん。」

「シンで最後のようね。」

アーシアはどうやら本人の希望もあるようでこの学園に俺とイッセーと同じクラスに編入することになった。編入したときのクラスの反応(特に男性陣)が大騒ぎしていたな。

まあ。学校がありそして部活がある俺は今あるこの平和な生活が好きだ。もうあいつが言っていた運命は動き出しているかもしれないが、俺はそれと同等にこの何気ない日常を守っていたいと思う。




そしてこの平和で何気ない日常を脅かすものは俺が全力で抹殺する………



俺はそう心に決め、今日も部活をこなしていく。




























 
 

 
後書き
どうも革命者です。
久しぶりのあとがきですね。正直執筆のほうに夢中であとがきにほとんど手を出していませんね。間これからもあとがきを書かないことがありますが、章の終わりや番外編にはあとがきは絶対に入れますのでご安心を。さて次回は番外編の使い魔編を投稿予定です。投稿日時は未定ですが、今月以内には投稿予定なので楽しみに待っていただけると幸いです。

ではまた次回のあとがきで会いましょう!

感想、リクエストなど遠慮なく書き込んでください、これだけでも執筆の励みになります!! 

 

interlude1:使い魔ともう一人の来訪者~Shrine princess involved in fate~

堕天使の騒動とアーシアの駒王学園の転入から数日が経った。堕天使の騒動以来大きな出来事は特に起きていない。まあもうあのことがないように俺は最低限の装備を付けながら学園生活を送っている。平和な学園に余計な代物だが、用心に越したことはないだろう。
ちなみにアーシアは、イッセーの家にホームステイしている。まあアーシア二取っ手はイッセーの家が一番落ち着くだろう。
まあ、俺は今のところ比較的平和だからオカルト研究部で平和に過ごしている。

そしてイッセーとアーシアが悪魔家業に慣れたころ

「「使い魔…ですか。」」

イッセーとアーシアが声を合わせてそう言っていた。

確かこの前読んだ悪魔の文献に使い魔について載っていたな。
内容は、悪魔と契約し、情報伝達や追跡、意思疎通が出来る便利な存在そしてパートナーだったか。まあイッセーたちも悪魔だから使い魔を持っても不思議じゃないからな。

「悪魔の大多数が自分の使い魔を持っているのよ。イッセーもアーシアも悪魔稼業に慣れてきたから、そろそろ持たせようと思ったのよ。」

なるほど、悪魔に名手からすぐにもてるのではなく、ある程度経験を積んで使い魔を持たせるのか。確かにいきなり新人に使い魔を持たせるのは危ないからな。

ちなみにアーシアの契約相手は大半が日々の疲れやストレスなどを溜め込んでいる人が多いそうだ。何でもアーシアと話していると癒されるらしい。まあ俺はアーシアらしい仕事だと思うな。

…今度俺もアーシアに何か相談してみるか。

「すみませんリアス部長。」

「何かしら?シン。」

「俺もアーシアとイッセーの使い魔探しに同行してもよろしいですか?」

「いいけれど…どうしてかしら?」

「悪魔がどのようにして使い魔を探して契約するのが興味があるんですよ。」

俺は個人的に使い魔と悪魔がどのようにしてパートナーとして契約するか興味がある。何せ前世ではなかったことだからな。

「判ったわ。あなたは人間だから転移する前に少し術式をかけさせて私の使う転移形魔方陣をあなたでも転移できるようにするけどいい?」

「ええ、大丈夫ですよ。」

まあとりあえず見学ができることになったな。これもこの世界を知ることだからできるだけ多く学んでいきたいな。

そして数秒で俺に術式を施し終わった部長は朱乃さんと、話した後魔方陣を展開した。

どうやら早速、使い魔との契約をするために行くみたいだな。

「というわけで、早速あなたたちの使い魔をゲットしに行きましょうか。」

そして俺たちオカルト研究部はイッセーとアーシアの使い魔を取りに行くために転移した。



転移魔法陣の光が止むと、そこは見知らぬ森の中だった。

「ここは悪魔が使役する使い魔や多種多様な魔物・精霊などがたくさん住み着いている森なのよ。ここで今日、イッセーとアーシアには使い魔を手に入れてもらうわ。」

「「はい、部長!」」

使い魔などが生息している森か。確かに人間が住んでいる森林地帯とはまったく違うな。どれに独特なエネルギーの本流や自然現象も発生しているようだな。

だが使い魔か…まああくまでない俺が言うのも何だが、俺も自分と行動してくれるパーートナーは欲しいな。まあ、今日は見学で着ているから今度リアス部長に相談してみるか。

「ゲットだぜ!」

「なっ!」

「きゃっ!」

突然の声にイッセーとアーシアは驚いていた。しかもアーシアはイッセーの後ろに隠れている。だが気のせいか判らないがイッセーの表情が一瞬いやらしい笑みを浮かべたような気がしたな。

周りの反応を見ると、どうやらあの人はこの森の案内役っぽいな。

「俺はザトュージ、使い魔マスターだぜ!リアス・グレモリーさんよ、その者たちが電話で言っていた新人悪魔と見学者の人間か?」

「ええ・・・そうよ、頼めるかしら?」

「問題ないぜ!・・・なるほど、そこの金髪美少女に茶髪で熱血的なな男前、そして、黒髪で目つきが鋭い男前だな。それにしても人間が悪魔の使い魔契約を見学したいとは、珍しいぜ!」

まあ、俺みたいな思考を持っている存在は珍しいからな。

「イッセー、アーシア、この人は使い魔のプロフェッショナルよ。今日はこの人の言うことを参考にして、使い魔を手に入れなさい。シンもしっかり見学するのよ。」

こうして使い魔を探すため俺たちはザトュージさんの案内の下森へ入っていた。



森に入ってから数分が経った。だがそれを気にする前にひとつ現状で気になることがある。

「ふきゅ~」

「ピィ。ピィ~」

さっきから俺の肩や頭の上に小さい魔物が寄ってきたり張り付いてきている。攻撃的な感覚はないが何で俺はこうなっているんだ……

「ほう・・・そこの黒髪さんは魔物に好かれる才能があるかもしれんな」

ザトュージさんは俺を見ながら、興味深そうにそう呟いた。

魔物にすかれる才能か……まあ嫌われるよりかはいいよな。そういえば仕事のときも潜入の依頼で進入ポイントの捜索に難航していたときに小さい小動物たちが絶好のポイントを見つけてくれたりしていたからな。もしかしてこうゆう事が関係しているのか。

「そういえばザトュージさん。俺は使い魔を持つことはできませんが。何かお勧めな魔物や最も強い魔物とかどんな感じですか?」

「おう!お勧めはあたくさんあるが、最強となれば二体いるぜ!まずは龍王の一角、そして龍王最強と謳われる伝説級のドラゴン!天 魔 の 業 龍(カオス・カルマ・ドラゴン)、ティアマット!
時たま姿を現しては暴れまわるらしいが、まあ手にれられた悪魔などはいないぜ!
そして最後の一体は、近年現れたなぞの人型魔物…いや正式には魔物かも判らないが、ティアマットに続く最強候補、壊 拳 の 轟 雷 姫(インパクト・ライジング・クィーン)だぜ!こいつは数年前からこの森で出現するようになっていて、どこから来たのかほぼ情報がない魔物だぜ。俺も一回見たことはあるがきれいなお嬢さんだったぜ!まあ戦っている時を、そのとき見たんだが用紙とは裏腹に凶暴な感じて戦っていたから恐ろしかったぜぃ。」

ザトュージさんはカタログのような本を俺に見せながら説明してくれた。
一つは蒼穹の様なうろこを持ち美しいフォルムの龍のような容姿をしている魔物、これが天 魔 の 業 龍(カオス・カルマ・ドラゴン)ティアマットだろう。まあ龍王と称されるぐらいだからこれぐらいの風貌は当然だろう。
だが俺はそのドラゴンよりも気になるのが、壊 拳 の 轟 雷 姫(インパクト・ライジング・クィーン)だな。出現率が低すぎるせいか、図ではなくザトュージさんが目撃したときにとった動画が流れている。橙色と紺色を基調とした服装蒼穹の野酔うな瞳に明るい表情にオレンジ色の髪に白くそして長いポニーテイルのヘアースタイルの少女だった。しかし俺が気にしていることはあの少女の腕だ。

両腕とも明らかに肉体的なものではなくまるで機械でできた義手、そして右手のほうの義手は左手よりも大きく、型やデザインが明らかに異なっておりまるで、戦闘用の義手だった。
明らかに自然発生する類の存在ではない。それに映像を見るからに実力は俺と同等か、それ以上。

とりあえず戦いにならないことだけを願おう。

「・・・赤龍帝に龍王・・・イッセー、ティアマットを使い魔にしなさい!!」

「ぶ、部長!?話聞いていましたよね!?完全、それ死ぬ方向じゃないですか!」

「だって見てみたいじゃない。赤龍帝と龍王のセット!」

まあ、うちの部長がロマンに走っているし、今のところ強大なエネルギー反応は今のところ無いから大丈夫だろう。

「・・・それにしても今日の森は静かすぎる」

するとザトュージさんは怪訝な顔つきになった。何か異変でもあったのだろうか?

「どうしたんですか?」

「ああ、いつもは魔物の咆哮や鳴き声が聞こえてくるはずなんだが・・・もしかしたら今の時期はドラゴンの時期だからも知れないかもな。」

するとザトゥージさんはページを探すようにめくり俺とアーシアとイッセーにそこに描かれている絵を見せてきた。

「ここにいるのはまだ子供なんだが、 蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)に ドラゴン族の中でも上位の強さをもつドラゴンになるんだぜ。」

「ふむ……」

「かわいいです。」

「へー、可愛いじゃん。」

俺とアーシアとイッセーはそう口々に呟く、どんなに巨大な存在な龍でも子供や未成熟の姿だとこんなにも印象が変わるものなのか。俺は興味ないがイッセーかアーシアの使い魔に丁度いいかもしれないな。

そのとき……

「あれは・・・蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)だぜ!」

ザトュージさんはそう言ってくる。

そしてその指の先には青く黄色い眼をを持つ小型のドラゴンが浮遊していた。

「どうやら早速二人の使い魔候補の登場らしいな。」

「イッセー、アーシア、がんばってそのドラゴンを使い魔にしなさい。」

「「わかりました部長」」

そしてイッセー、アーシアの二人は蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)のほうに向かい使い魔にしようと行った。何だがこう見ていると動物に好かれようとする人間みたいだな。…あ、イッセーが蒼 雷 龍(スプライト・ドラゴン)の雷にやられたな。どうやらイッセーの使い魔にするのは無理そうだな。

「がんばれ…ッ!?」

俺はここに強大なエネルギー反応が近づいていることに気づき警戒する。しかも二つひとつは魔力、そして二つ目は自然ではありえないほどの電気エネルギー反応だった。…いったい何が近づいているんだ?

そして辺りに凄まじい強風と落雷が嵐のように吹き渡り、轟きけたましい轟音が鳴り響く。

圧倒的なエネルギーの奔流、今でも続く強風もしかして……俺は嵐のような現象が起きた方向へ顔を向けると、図鑑に載っていた、蒼穹のように煌く鱗とサファイアのように輝く瞳を持つ巨大なドラゴン、そして全身に雷を迸らせ右手に巨大な機械でできた籠手を付けた少女がいた。

どうやらこの見学は平和に終わりそうにないらしいな。俺は皆よりも前へ出る。現状この二人に勝機…いや時間稼ぎができるのは俺しかいないからな。

『ほう…私を目の前にして前進するか…どうやらお目当てのものはこいつみたいだぞ、テュール』

「確かに私が感じ取った存在は彼で間違いないよ!」

何か会話をしているが、おそらくドラゴンはティアマット、女性のほうは壊 拳 の 轟 雷 姫(インパクト・ライジング・クィーン)で間違いないな。だが会話の内容を聞いているとどうやら壊 拳の轟雷姫…いや、ティアマットがテュールと呼んでいたな。テュールといえばギリシャ神話に出てくる軍神の名前か…本人とはおそらく違うが、いったい俺に何のようなんだ?

「そこの黒髪のお兄さん!名前はなんていうんだ?」

名前を聞かれてしまったな……まあ自己紹介ぐらい市といてもいいか。

「俺は、神無月進。まあ気軽にシンと呼んでくれ。」

「なるほどシンね、よろしく!実は早速で悪いんだけれど私と戦ってくれないかしら?」

「……え?」

自己紹介からいきなり戦ってくれって……どうしてそうなるんだ……

『すまないな、私から説明しよう青年よ。』

するとティアマットがこの状況に何でなるのかを説明してくれた。

『………とゆうわけなんだ。』

なるほど、とりあえず話を概略すると、この少女テュールは約一年前、ちょうど俺がこの世界に来たころに倒れている所をティアマットが拾ったらしいらしい。しかしその彼女は自分の名前と付けている武器、戦闘技術しか覚えておらず一種の記憶喪失の状態らしい。どうにかして記憶を戻そうと考えていたときに彼女、テュールが俺の存在を感知、何か近い部分があると感じそして、何か近い部分がある俺と戦うことで記憶が戻るかもしれないとゆう事で俺に戦いを挑んだらしい。

これらを推測するに彼女はこの世界の外…条件は俺とは異なるが、彼女も俺と同じ境遇らしいな。

「何とかならないかな?」

『私からも頼む。』

こうもお願いされるとは…しかもこの世界でトップクラスに入る龍王の一角に頭を下げられるとは。
まあ、ここは頼まれるか…

「いいだろう。その依頼受けさせてもらおう」

「ありがとう!」

『すまないな、私も事情があってテュールと一緒にいられんのでな。』

まあ、了承したからにはやるか。

『さて、これより青年とテュールとの戦闘を始める。青年…いやシンといったな、お前の仲間の悪魔は私が守るので存分に力を振るうといい。』

龍王の護衛か…これなら全力を出しても問題ないな。

「負けんじゃねえぞー!シン。」

「無茶だけはしないでくださいね。」

「オカルト研究部部長として命ずるわ、恥じない戦いをしなさい。」

「がんばってください……。」

「がんばってね。」

「怪我はしないようにしてくださいね。」

どうやらみんなから応援されているようだな。期待にか耐えるようにがんばってみるか。

そして俺と対戦相手のテュールはお互いに距離を一定の位置まで離れ対峙する。

「さてはじめるか…機人化・緋(スレイヴ・ギア S)

俺はすばやく緋晶機人(スレイヴ)となり戦闘態勢に移行するため構える。

「私の願いを聞いてくれてありがとう。このことに応えるために私は全力を出すよ!」

するとテュールから強大な轟雷のエネルギーが迸る。

『さあ、はじめるか。』

『お互い準備ができたようだな。では……はじめ!』

ティアマットの開始の合図とともに最初に動いたのはテュールだった。

「ぶっ飛ばすッ!!!」

俺はテュールの巨大な籠手から放たれる一撃を紙一重で回避して上空に跳躍しそのまま浮遊する。
あの大きな籠手を付けているから速さはそこまでないと思ったが、想像以上に早いな。しかも俺が意図ところに半径五メートルぐらいのクレーターができている。…あれを直で受けるのはまずいな。

「なかなかやるね!ならこれならどうだぁ!」

さらにテュールは籠手の手のひらをこちらに向けそこから雷の球体をこちらに撃ってきた。しかも一つ一つの雷の球体は確実に俺を狙っている。

だが俺も防戦に回っているだけじゃ埒が明かないな

俺は雷の球体を避け、避けられない球体は緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)を放射しながら回避し腰にあるジー・エッジを抜刀しテュールのほうに降下する。

『フンッ!』

「はあッ!」

俺はテュールに斬りかかるが、相手も反撃で籠手で殴ってきた。


―――ギイィィィィィンッ!!!!!!


俺のジー・エッジとテュールの大きな籠手がぶつかり、全体に金属の衝突音が轟く。そしてそのまま俺つばぜり合いになる。

やはりパワーは段違いに強い…。こちらが押されそうだ。

俺はそのままジー・エッジで籠手の拳打を受け流し距離をとる。

「すごいねシンは、私のパワーを受けてもひるまないなんてね。」

『すごくないさ、現にあのまま鍔迫り合いが続けばこちらが確実に押し負ける。』

「そう謙遜して、あなたは強いよ?…では続きと行きましょう!!!」

『そうだな』

そして俺はそのままテュールと戦闘を再開した。

進視点終了


???視点

俺は今宿っているこの小僧かを介してある戦闘を見ていた。最初は小僧ともまともに会話ができない暇つぶしとして観戦するつもりだったが、あの小僧の姿を見て俺の体…いや肉体がないから思念体のほうが正しいか、思念体に覚えのある戦慄が走った。

かつて白いの、歌姫との決闘で乱入してきたあの白い戦士と同じ戦慄だ。最初はただの勘違いと思ったが、明らかにやつが俺たちを倒したときとの戦い方が酷似している。しいて類似点がないところは、忌々しい緋色の結晶を使っていないところか。似たようなことをしているがあれは使い捨ての防御用だろう。

とりあえずこの小僧はマークしておこう。もしあの小僧があの"緋き結晶の英雄”なら今代の三天龍の戦いは、波乱が起きそうだからな。

だから早くこの俺と早く会話できるぐらいに強くなれ小僧。

―――三天龍と称されたこの俺、赤 龍 帝(ウェルシュドラゴン)ドライグとな。

???視点終了


進視点

あれから何度かテュールとの攻防の繰り返しが起きた。この世界に来てここまで俺と張り合って戦ったやつは始めてだ。しかも相手は何か楽しそうな表情を浮かべていた。

「はぁはぁ~、ここまで私と張り合ったのはティアマットと手合わせしたいらいだよ!」

どうやらあちらは、そろそろ体力がなくなるようだな。まあ俺も体の装甲に所々亀裂が入っているし、何より稼動限界が近くなっている。

俺は目の前に稼動限界を示すメーター目も前に写した。


熱累積率:85/100


これはあの堕天使騒動から判ったことでこれはどうやら俺の体の熱累積率を示しているらしい。この左の数字が100を超過すると一時的に冷却行動に体が強制移行してしまうため666秒間動けなくなる。

この状況で冷却行動に移行すると確実に的になる。だが相手も体力が限界のようで相当、息切れを起こしていた。

「どうやらお互いこれで最後の攻撃になるようだね。」

『お互いの状況を見ればそうなるな。』

一拍あけた後俺とテュールは最後の攻撃を仕掛けるために構えなおす。

「いっくよー!灰になるまで砕け散れ!」

テュールは先ほどと比べ物にならない雷の球体…ここまでくると高密度の雷弾丸を数発放ってきてた。

『くっ!』

俺は何とかすべて避けきるが攻撃が若干装甲に掠って一部が決壊する。だがこれでもやつはスタミナ切れ…………

「インパクト・フェリーレ!!!!!」

相手のスタミナ切れと思った刹那、テュールの右手についている籠手が飛んできた。
クッ!?油断した!しかもほぼ眼前に迫って来ており回避は難しい、
俺は上半身をひねり名が迫ってきた籠手の上側に飛ぶが……


―――バキィィィン!!

腰の羽が籠手に当り砕ける。しかし俺は籠手の勢いから逃れジー・エッジの刃の部分をひっくり返し、スタミナ切れのテュールの横腹に叩き込む。

『ハァッ!』

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

横張りに叩き込まれたテュールはそのまま近くの木に衝突した。

「も、もう体力が無いし立てないよ。どうやらこの勝負あなたの勝ちねシン。」

『そうだな。』

俺は勝利を確信するとその場でひざを地面に着ける。正直かなりぎりぎりの戦いだった。熱累積率も何とか98でとまっている。それに装甲の排熱フィンも熱により赤くなっているしな。

そして戦いが終わったのと同時にティアマットとオカ研のみんながこちらに来た。

「本当にあなたは何者なのかしら?こんな戦い始めて見たわよ。」

「うふふふ、すごいですねシンくんは」

「ははは、まったく君たちのスピードは僕のは見えなかったよ。」

「……凄過ぎます。」

「シンさん、こんなにもお強いんですね。」

「お前どんだけ派手な戦いをするんだよ…お前人間か?」

それぞれみんなから賞賛の感想をもらった。まあイッセーといっていることはあながち間違いじゃないな。ん、そういえばアーシアの方に俺を脅えた目で見ている小さいドラゴンが…

『アーシアもしかしてそいつは…』

「はい!どうやらシンさんが怖くて私のところに来たそうです!それでどうしてか気にいられて、使い魔にしました!」

俺が怖がられているとはな。まあ、あんな戦闘をしていたら普通の存在は脅えるだろう。

『大丈夫か?テュール。』

ティアマットは座り込んでいるテュールに話しかけていた。確かにあいつは大丈夫だろうか?

「いたた…大丈夫だよ。怪我もほとんどないしでも、もう戦う分の体力はないのよね。」

『ならよかった。そういえば何か戦いの中で思い出せたか?』

「いや、思い出せない。だけどわかったことがあるの。」

『何がわかったんだ?』

テュールは何か決意した表情を浮かべ俺を見ながら言った。

「彼に…シンについていけば、何か判る気がする…いやこれとともにいることで自分が何なのか絶対にわかる気がするの!」

……え?今なんて言ったんだ?

『そういうことか、ならあなたの好きな道に行きなさい、テュール。』

「うん!それに……///]

何でテュールは、頬を赤く染めながらこちらに向いているんだ?

『ほう……テュールあなたも恋する乙女なんだな……金属の戦士シンよ、どうやらテュールはあなたに預けたほうがいいみたいだな。これからテュールのことを頼むぞ。ではさらばだ!』

『お、おいちょっと……』

何がなんだかわからないが、どうやら俺はティアマットにテュールを預けたみたいだ。もう何が何だがわからなくなってきた。

俺はとりあえず緋晶機人(スレイヴ)を解除し人間の姿に戻る。だが戻ったとたん、俺の後頭部に二つのやわらかい感触があった。後ろを向けばテュールが後ろから抱き着いてきた。

「ま、そうゆうことだからこれから宜しくね、シン・・・いや、マスター!!」

「はぁ~もうどうにでもなれ…」

こうして使い魔一匹と、雷を迸らせる活発な少女を手に入れた?俺たちオカルト研究部だった。






























 
 

 
後書き
どうも革命者です。

どうでしたか?番外編。正直シンの使い魔?を当初はティアマットを予定していたんですが、ほかのハイスクールD×DのSSを書いている皆さんの多くが使い魔編でティアマットを使い魔にしている方が多いのと、原作19巻で重要なポストについていたことが判明していたときからティアマットの案は没になって今いました。ですがこの話の構成を考えている合間に、DMMのゲーム、神姫PROJECTをやっていたところガチャでテュールを当てたとき、この子だ!と思いまして近作のヒロインとして登場させることにしました。

まあこんなところですかね、一応一章の話は全体的に終わったので今度は第二章ですね。ライザー編、楽しみに待っていただけると幸いです。では次回のあとがきでお会いしましょう!

 

 

Change1:緋色の女神と不死鳥の来訪~Awakening true intention~

俺は今自分の中にあるシステムにいる。新たに目覚めた俺の機体をこれから調べるからだ。あるのは黒い空間に緋色の電子回路の流動が光っている風景、今の俺が使っている機体…確か正式な名前が……

第三形式:参核機構の緋晶機人(サード・スカーレット・スレイヴ)だったな。実はこの現象は前の世界で二度起きているが、あの二つは周りの協力で得た機体で、今回はまったく俺にもわからない形で発現している。

話がずれたが。そしてもうひとつこのシステムにあるものがある。緋晶機人と対立している形で女性をかたどった、それぞれ色が違う像が横一列に立っていた。緋晶機人と対立しているのは緋色で三つ編みのツインテール、機械的なデザインの刀を構えた女性の像だ。ほかにも武器のような像があるが今俺が見ている以外の像以外の目の前には、なにもなかった。なので今はこの緋晶機人の目の舞に立っている緋色の像を見ることにした。

「それにしても、この色が違う像とこの緋晶機人に一体、何の関係性があるんだ…?」

俺は一言つぶやきながら。緋色の像とこの緋晶機人を交互に観察していると急に緋色の像が光りだした。

「!!??……いったい何なんだ!?」

俺は警戒しながら構える。しかしさらに予想外な現象が起きる。

『あら、そんなにに警戒しなくていいわよ?』

光の奥から大人びた女性の声が聞こえる。そして光が止むとそこには黒い露出が少し多めの水着で緋色の光のラインが入ったような服装に先ほどの緋色の像と同じ髪型で緋色の髪をした女性がそこに立っていた。

「お、お前は……」

『だからそんなに警戒しないで欲しいわね。あなたこちらに敵意が無いのはわかっているでしょ?私が何者か全部話すから、警戒を解いて頂戴。』

どうやら敵意はなそうだな、それにここは俺の”システムの中枢”だ。攻撃行動をしてこない限り安全と見て問題ないだろう。
俺は警戒を解き改めた目の前の存在…緋色の女性に質問した。

「お前はいったい何者なんだ?」

『警戒をといてくれたわねありがとう。』

緋色の女性は一拍空けて話した。

『私は“電脳女神の標(ゲイムズオブヴィーナス)緋 色 の 女 神(スカーレット・ハート)”よ。私に役目は今あなたが発現したあの緋晶機人の制御サポートをしているわ。』

電脳女神の標(ゲイムズオブヴィーナス)“確かあの時これと同じ単語が表示に出ていたな。しかも、緋晶機人の制御サポート……今まではそんなシステムは存在しなかったが、いったいどうなっているんだ?

『どうやら半分理解できていないようね、なら説明するわ。あなたが使っていた今までの機体はどんなシステムかは私にはわからないけれど、これ以前の機体は、あなた単体でも制御できるように調整されていたの。でも今回の機体はそうもいかなくてね。あなたが使っていたものよりも基本性能やシステムが大きく向上した分、あなただけでの単体制御では、現在の機体…略称して緋晶機人の性能を完全に扱うのは難しくなってしまったの。だから私やまだ眠っているほかの子達がシステムとして組み込まれ、この機体の性能を完全に引き出すことになっているのよ。』

なるほど確かに今までの装備は使いやすかったが、緋晶機人はまだ解禁されたいなことや武装システムなどがある。これらを俺一人で受け持つのが厳しいと”判断”されたのか。
いったい俺の体の基礎とシステムを”作ったやつ”に会ってみたいな。

『どうやら理解できたようね。ならこれからよろしくね。え~と……』

「俺のシステムにいるのに俺の名前がわからないのか?」

『ごめんなさいね、私は必要最低限の情報しかもっていないの。』

まったく本当に俺の体はどうなっているんだか……まあ、相手が名乗ったからこちらも名乗ろうか。

「神無月進だ。気軽にシン手呼んでくれ。」

『わかったわシン。私のことはそのままスカーレット・ハートと呼んで頂戴。』

「ああ、これから長くなるがよろしくな。スカーレット・ハート。』

こうして俺の中に新しい仲間ができた。



――――――――――――


翌朝、俺は朝食を二人分作ったいた。まその理由は……

「マスター!ご飯まだなの?」

「もう少しでできるから待ってろ。」

使い魔習得のときに龍王ティアマットから、預けられた俺に類似した力を持つ少女テュールの朝ごはんを作っていた。実はあの日俺たちが帰ろうとしたら彼女もついてきてしまい。その場の成り行きとテュール本人の志願もあって、俺の家に住むことになった。まあ俺一人だとこの家は広すぎるし住人が増えたぐらいで問題はない。

「できたぞ。」

「やった!マスターの料理はおいしいからね!」

こうして今はこの家での食事がにぎやかになった。しかし何で俺のことをテュールは”マスター”と呼んでいるのかわからないな。とりあえず聞いてみるか。

「それにしても何で俺をマスターと呼ぶんだ?」

「ん?なんでって、私よりマスターは強いんだよ。それにマスターをマスターて、呼んだほうが私的にしっくりくるんだよね~。」

「そうゆうものなのか?」

「そうゆうことなの。」

俺の呼び方は、おかしいの以外は大丈夫だからいいか。軽い談笑をした後、俺は自宅の留守をテュールに任せ学園に登校した。



――――――――――――



放課後、俺は校舎裏にあるあまり知られていないベンチに腰をかけて休んでいる。すぐに部室に行ってもいいがたまには学園で一人でゆっくりしたいときもあるからな。

『あなたは不思議ね。』

すると先日話せるようになったスカーレット・ハートが話しかけてきた。

「おまえ今の状態でも俺と話せるのかよ。」

『そうよ。プログラムとして本格起動した私は、あなたが普通にしていても会話ぐらいはできるわ。』

こんな体験したことないから、いろいろと大変になりそうだな。

『そうゆうことだから、それと話は変わるけどあなたに報告があるわ。』

「何だ?」

『現在、緋晶機人のシステムが今まで空欄になっていた武装が今構築されているわ。』

ああ、確か第一起動のときに見た表示に一部空欄があったな。確か……

Equipment:バリアブル・バルカン
      ハンド・レイ
      フォルド・シックル
      ジー・エッジ
      ???
      ???
      ???
      ???
      ???
      ???

そうだった武装の欄が六つ空白の状態だったな。そゆうことは近い日この六つの武装ができることになるのか。

『そうゆうことになるわね。構築が完了したらこちらから連絡するわ。』

「ああ、わかった。」

まあ、この情報はうれしいな。武力があればみんなを守れるからな。それよりも最近気になることがひとつあるんだよな。

『もしかしてあなたのところの部活の部長さん?』

「ああ、」

最近、リアス部長は時々上の空の状態だったり、反しかけても一度では返事が返ってこない状態だった。しかも表情を見てみると何か思いつめているように見える…今度聞いてみるか。

『ま、それはいいとしてそろそろ部活に行ったほうが印じゃないかしら。あとこの学園内に強大なエネルギー反応・・・いや魔力反応があるから警戒しておきなさい。』

「大丈夫だ、とっくに気づいているしかも旧校舎あたりに反応がある時点でおそらくリアス部長関係か、それとも俺を調べにきた悪魔サイドの監視員だろうな。」

『まあ、おそらく前者でしょうね。』

「まあ、とりあえずいってみればわかることだ。」

俺はベンチから立ちそのまま部室がる旧校舎のほうに向かった。



――――――――――――



「ん?木場にイッセー、アーシアじゃないか、何反していたんだ?」

「おや、シン君。」

「お、シンじゃねぇか。」

「こんにちは、シンさん。」

旧校舎の入り口で木場、イッセー、アーシアの三人組と合流した。しかも俺と会うまで何か三人で会話していたようだな。

「ああ、最近部長の様子がおかしいんだ、シンも気づいているだろう?」

「ああ、確かに最近リアス部長の様子は変だと思っているが…木場、確かこの中でリアス部長と付き合いが長いのはお前だから何か知っているか?」

「うーん、僕は部長から聞かせれてもいないしわからないな。でも、朱乃さんなら何か知ってるんじゃないかな?女王で部直の懐刀だからね。」

木場でも判らないとなると、小猫もおそらくわかっていないみたいだな。まあ木場の言うとおりリアス部長と中が一番いい朱乃さんに聞いてみるのが一番だろうな。だが部長の伽かなしに聞くのもな……。

まあ、それは後々考えるとして、先ほど感じた魔力反応が部室の中から出ている。もしかしたらリアス部長の様子の変化と関係がありそうだな。

「・・・まさか僕がここまで来て初めて気配に気付くなんて・・・」

ようやく木場は俺が感じている魔力に気づいたようだな。まあ、当然の如くイッセーとアーシアはわからない表情をしているが……。

「とりあえず入って確かめるか…。」

「もしかしてシン君は最初から気づいていたのかい?」

「これぐらい強い魔力をもっている存在なら嫌でも気づく。とにかく入ろう。」

俺は木場の問いに答えると部室の扉を開ける。

部室にいたのは、不機嫌な表情を浮かべているリアス部長と、笑っていながらも静かな雰囲気を漂わせている朱乃さん、ソファーに座っている小猫、そして部長の前に立つ銀髪のメイドのような格好をした人がいた。

これらの状況を考察鶴とリアス部長の異変に完全に寒冷性があると見て間違いはないだろう。それにリアス部長の目の前にいる銀髪のメイドの格好をした女性…強大な魔力反応はこのメイドと見て間違いないだろうな。

実力は、おそらく今の俺よりも数百倍はあると見て間違いないだろう。

『あなたの考えている通りね。戦闘技術はともかく潜在力が桁違いにおかしいわ。』

確かにこの中でも一番魔力が強い部長でも天と地の差…いやそれ以上にかけ離れている。しかもおそらく何度も戦場を経験している目をしている。

「全員そろったようね。・・・でも部活を始める前に少し話があるの。」

「お嬢様、私がお話しましょうか?」

部長はメイドの申し出を断ると、席を立って何かを言おうとした。

「実はねーー」

部長が口を開いた瞬間、部室の床に描かれた魔法陣が光りだす。それと同時に魔方陣を中心に炎が舞い上がり魔方陣の紋様が変わっていく。

これはリアス部長が使っている魔方陣ではないな。しかもこの紋様…リアス部長から借りた悪魔についての書物に記されていた気がする。確か……

「・・・フェニックス」

木場がつぶやいた。そうだった、あれは確か元七十二柱の貴族悪魔、フェニックスの紋様だ。

そこに現れたのは、金髪で悪意スーツを着崩したホストのような格好をした男性が居た。そしてその男は、リアス部長を見るなり……

「愛しのリアス会いに来たぜ」

この男性いきなり目の前の女性をまるで恋人扱いとは…

「おい、あんた誰だよ?」

「おいおい、リアス、下僕の教育がなってないじゃないか?まさか、この俺を知らないとは・・・ちょっと待て、何でここに人間風情がいるんだ?」

「彼はこの部の部員よ、それにあなたのことはみんなに教える必要なんてないもの。」

「へー、まあ、別に人間がいても構わないさ。目障りだがな」

部長はそうキッパリと断言した。それにしてもこいつは俺に喧嘩を売っているのか知らんが、やけに人間を見下す発言があるな。

「お嬢様、こちらの男性は?」

「彼は、神無月進よ。あなたにも以前話したことがあるでしょう?」

「そうですか、彼が………。」

すると銀髪のメイドがこちらに視線を向けてきた。どうやら観察…いや警戒されているな。そして、銀髪のメイドは俺たちの前に来ていた。

「神無月進様、兵藤一誠様。」

「はい、なんでしょう?」

「は、はい」

「私はグレモリー家のメイド長をしております、グレイフィアと申します。それと、この方はライザー・フェニックス様。純潔の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であらせられます。」

グレイフィアさんは一拍あけて話を続ける。

「グレモリー家次期当主・・・つまり、リアスお嬢様の婚約者であらせられます」

………なるほどリアス部長の異変はこれが原因か…。俺は今の発言ですべての謎を理解した。

「えええええええええええええええええええっっ!!!」

どうやらイッセーには衝撃的な発言だったらしいな。



――――――――――――



「リアスの女王が入れたお茶はうまいな」

「痛み入りますわ。」

朱乃さんは笑顔で返すが、目や雰囲気で完全に嫌悪しているのが判る。

そして部長の隣に座るライザーはまるで自分の所有物のように、リアス部長の肩を抱いたり、太ももや紅の髪を触っている。

確かこいつは、純潔の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家の御三男、ライザー・フェニックスだったよな。しかも悪魔の世界では純潔の上級悪魔は貴族のような爵位だと聞いたが…俺はもともと貴族とゆう人種は好きではないし、嫌悪している。だが貴族は高潔で気高くいるものだと聞いたが、このライザーといったか、こいつの行動は明らかに気品のかけらもない、ゆうなれば下品だ。

『あなたの比喩の通りね。貴族として…いえ男性として彼はどうかと思うわ。もしもあの部長さんが私なら即、斬り倒しているでしょうね。』

どうやら俺のシステムにいる女神様も、ライザーに嫌悪感丸出しのようだ。正直同じ男して、俺もあの行動はどうにかしている。

「いい加減にして頂戴!ライザー。私は何度もあなたに言ったはずよ!私はあなたと結婚なんてしないし、したくもない!婿ぐらい自分で選ぶ権利はあるわ!」

部長はライザーを手を払いソファーから立ち上がりライザーを鋭く睨む。だがライザー本人は表情を変えないまま話し始める。

「しかしな、リアス、君は知っているはずだよ?先の戦争で純血悪魔である72柱の大半が断絶していること位は。戦争を一時的に終わっている今も、神と堕天使陣営とも拮抗状態なのは君にもわかるはずだ、だからこそ純血な悪魔を減らさぬよう、俺の父や君の父、君の兄上サーゼクス様の総意なんだ。それに君のお家事情はそんなことを言えるほど、余裕ではないことは君自身自覚しているはずだよ?」

「ええ、でもライザー、私は私がいいと思ったものと結婚する。古い家柄の悪魔にだってそれぐらいの権利はあるわ。」

ライザーにリアス部長はハッキリ言った、するとライザーは部長の目の前に立って睨み付けると舌打ちをする。

「・・・俺もなリアス。フェニックス家の看板背負った悪魔なんだよ。この名前に泥をかけられるわけにもいかないんだ。こんな狭くてボロい人間風情が多くいる人間界の建物なんかに本来なら来たくなかったしな。それに俺は人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては耐え難いんでね!」

その言葉と同時にライザーの周囲を炎が駆け巡り、火の粉が部室を舞い始める。

「俺は君の下僕を全部燃やし尽くしてでも君を冥界に連れ帰………」


―――パァンッ!!


俺はライザーが炎を拡大する前にやつの足元に拳銃でやつの足元に撃ち、そのままライザーに銃口を向ける。

「いくら貴族といえどもこれ以上騒ぐのも大概にしろ。それにみんなが大切にしている部室が燃えて火事にでもなったらどうするんだ?」

「人間風情が、この俺を知っていての狼藉か。」

「ああ、知っているとも。攻撃され傷を受けても即効で傷を再生できる特色を持ったフェニックス家の悪魔だろう?だがな悪魔でない俺が知ったことではない。後ひとつ忠告しておこう。」

俺は構えていた拳銃を戻し。緋晶機人に変形し全身から緋色のエネルギーを放出させる。

『俺の仲間に手を出し、殺すというなら俺は貴様を死ぬまで殺し続ける。そして相手と自分の戦力差を見てから言葉を選べ……温室育ちの鳥貴族が。』

「人間ごときが、生意気なんだよ!!!」

ライザーもまとっていた炎を勢いよく放出する。

俺も腰に装備されている、ジー・エッジを抜刀し構える。だが、それとは別の魔力の放出があった。

「おやめください神無月進様、ライザー・フェニックス様。」

どうやら、グレイフィアとゆうメイド長から出ているな。しかも感知していたとおり強大すぎる魔力の量と質だな。だが俺には関係ない。

「私は魔王サーゼクス様の命により、ここにいますが故、ことを荒げるようであれば私は一切の遠慮をせずあなた方を粛清します。」

「……冥界至上、最強の女王(クィーン)と称されたあなたに言われたら、俺でも怖いな。」

『残念だがそれは魔王の命令だ、悪魔でない俺には一切関係のないことだ。だから俺は矛を収める気はさらさらない。それとも俺が矛を収める納得のいく説明があんたができるか?』

俺はジー・エッジの刃を銀髪のメイドに向け言い放つ。

「実際、グレモリー家とフェニックス家の本人たちの意見の違いは予想していました。ですのでもしこの話し合いで解決しなかった場合、最終手段として、『レーティング・ゲーム』での勝負で解決してはどうでしょうか?」

『レーティング・ゲーム』……以前読んだ悪魔関係の書物で上級悪魔が自分の下僕とともに戦うゲームだったはず。だが本来なら成人した悪魔でしか行われるはずがないゲームのはずだが……。

「いいのか?俺は構わないが、ただ、俺はすでに成熟している上に公式のゲームも何度かやっている。後俺は接待戦闘以外で敗北は一切ない。それでもやるのか、リアス?」

「ええ、やるわライザー、あなたを消し飛ばしてあ……」

『おい、そこのメイド長……』

俺はリアス部長が了承する前に低く大きな声でその場を黙らせた。

「何でしょうか神無月進様?何か不満な点でも。」

『不満どころか、明らかに解決方法がおかしい。何だ、そもそもレーティングゲームはそもそも成熟した上級悪魔画やる狭義みたいなものだろう。だがリアス部長は悪魔として成熟しきっていない、それにレーティング・ゲームを一度も行っていないリアス部長に対して、相手はレーティング・ゲームを何度もやっていてなおかつ、勝ち星だらけの相手。明らかにライザー側が優位すぎる条件過ぎる。これを不満と言わず方がおかしいぞ。しうかもこの解決方法明らかにリアス部長とあの鳥貴族を結婚させるためゲームにしか見えない、これを不満といって何が悪い』

「ですが、これしか解決方法は無いのです。神無月進様。」

『ですが…ではない。これ以上納得のいく方法がない場合、あんたの妨害があっても目の前のライザーを俺は再生しようが死ぬまで殺…「シン!」…リアス部長。』

俺が実力行使に移行しようとした時にリアス部長が言葉で俺を静止する。

「シン、あなたの気持ちは判るわ。でもこれはこの状況を唯一解決できる方法なの。だからこの申し出受けさせて頂戴。それに私には可愛くて頼もしい下僕もいるわ。」

……リアス部長は知っていてあの勝負を受けるつもりか。俺としてはリアス部長にはあまり不確定要素なしで解決してほしかったが……だが実際俺が悪魔の事柄に口を出せる立場でもないしな。

『判りました、リアス部長がそうおっしゃるなら、俺はもう口を挟みません。』

俺はジー・エッジを下ろし、戦闘体制を解く。

「いいだろう、そちらが勝てばそちらの要望をすべて飲もう。俺が勝てばリアスは在籍している学園を即退学してもらい俺と即結婚してもらう。」

「承知いたしました。お二人のご意思は私グレイフィアが確認させていただきました。ご両家の立会人として、私がこのゲームの指揮をとらせてもらいます。よろしいですね?」

「ええ」

「ああ」

こうしてリアス部長とライザー・フェニックスの承諾により、リアス部長の将来が決まるレーティング・ゲームの始まりが決定された。俺としては容認したくもない解決方法だが。

「まさかリアス、ここにいるのが君の下僕だけなのかい?」

「ええ、そうだけど。」

「おいおい、これじゃあ話にならないんじゃないか?君の『女王』である『雷の巫女』ぐらいしか俺の可愛い下僕に対抗できそうにないそうだな。」

するとライザーが指を鳴らすとライザーが先ほど転移してきた魔方陣と同様の魔方陣が展開される。

そして魔方陣から炎の渦から15人の人影が現れた。

「見てみろ俺の眷属を、俺には15人の眷属…つまりフルメンバーいることになっている。君は俺の眷属を相手にたった数人で立ち向かうのかい?」

よく見てみるとライザーの眷属は全員女ばかりだ。

しかも俺の予想通りライザーは眷属を全員集めている。やはりこのレーティング・ゲーム圧倒的に部長たちのほうが不利だ。

しかし場の空気を読まない奴が一人隣で号泣していた。

「おい、リアス・・・。この下僕君、俺を見て大号泣しているんだが。」

「その子の夢がハーレムなの、きっとライザーの下僕悪魔たちを感動したんだと思うわ。」

よりによってこの状況で、私情をはさんできたのはイッセーだった。

「ほほう、ならいいものを見せてやるよ。下僕君。」

するとライザーは近くにいた眷属を抱き寄せディープキスと卑猥と思われる行為をを始めた。婚約者のいる目の前であの行為はもう怒りどころか、あきれてものも言えないな。だがとりあえず……

「シンさん前が見えませんよ?」

「……シン先輩、前が見えません。」

『二人には教育と今後の将来を考えるなら見ないほうがいいぞ』

俺はアーシアと小猫の視界を防いだ。この二人にこれは見せられないからな。

「お前にはしょうがこんなことできないだろう?下級悪魔君」

「うるせぇ!お前なんかに言われたくねえ!ブーステッド・ギア!」

イッセーはライザーに反論しながら神器、赤龍帝の籠手を出現させて構える。

「婚約者の目の前でそんな行為をする奴に、部長とは釣り合いが取れないんだよ!」

「おやおや、これがお前の夢じゃないのか?」

「う、うるせぇ!俺はこんな淫乱なハーレムを目指しているわけじゃない!お前と一緒にするな!」

内容は少しおかしいがまあ、いいこといったなイッセー。

『俺も少し言わせてもらおう、ライザー・フェニックス。お前は婚約者がいるのにその態度はまるで婚約ではなくいい女が手に入ればそれでいいと言っているようなものだぞ?道理でリアス部長がおまえとの婚約を嫌がるわけだ。これ以上、お前がここにいても仲間の機嫌が悪くなる。ささっとここから消え去れ、温室育ちの若造』

「お前俺をどこまで怒らせたいんだ………」

『聞こえなかったのか、消え去れ』

俺はみんなの前に立ち威嚇するようにライザーに言い放つ。

「人間風情が………。ミラ、奴を攻撃しろ」

「はい、ライザー様」

ライザーが近くにいた棍棒を持った少女に命令すると俺に向かって突撃してきた。普通ならここで避けるべきだが、


―――バキィっ!!!!


「何っ?!」

少女の攻撃は俺に当たったが逆に攻撃に使った棍棒が無残に折れた。正直この少女は力量も武器も強くない。それに相手との力量も測れない奴を俺を攻撃させるとはな。それに攻撃されてはこちらも反撃しないと状況的に悪くなりそうだな。

『素人がでしゃばるな』

「ガハァッ!?」

俺は少女を襟をつかみ腹部を殴りライザーの目の前にほうり投げる。

「き、貴様!!俺の可愛い下僕を!!」

『こいつを可愛がるなら最初から矛を収めるべきだったな。さて今度は誰が相手だ?一つ言っとくが今度は確実に息の根を止める』

「貴様!生きて帰れるとは思うなよ!!」

激情したライザーが手元に火炎の玉を出現させて俺に放とうとした時……

「おやめくださいライザー様」

「しかしグレイフィア殿!こいつは人間の分際で、上級悪魔である俺に刃向ったのですよ!」

「その事に関してはあなたがシン様に先に手を出したのが原因です。それにこれ以上ことを荒げるようでしたら、魔王サーゼクス・ルシファーの眷属としてあなたを粛清しますが?」

銀髪のメイドグレイフィアがさっきと魔力を開放しながらライザーを威嚇していた。どうやらこのメイドは相当の実力者のようだ。しかも俺以外のリアス部長たちとライザーたちは顔を青ざめながら供すしているな。俺との力量差はあるが、”勝てない相手ではない”。

「おい、そこの人間貴様もゲームに出ろ!そのとき貴様を俺の炎で焼き殺す!!」

ここで普通なら了承するのが筋だが、これはあくまでもリアス部長たちの問題だ。俺が出て後々俺で言い訳されたらリアス部長たちに迷惑がかかる。

とりあえず俺は緋晶機人から人の姿に戻りライザーに返事を言う。

「本来ならその申し出受けたいところだが、後々俺が出て『お前がいたから勝てなかった』『人間が出たから無効試合』と変な言い訳をされたら困るのでやめておこう」

ライザーは遠まわしに馬鹿にされたのを気付き表情を歪める。

それから、両家の婚約問題は悪魔のゲーム、レーティングゲームで決着をつける事になり、
部長は経験不足があるため、十日間の修行期間が行うことになった。











































 

 

Change2:山岳での修行~Devils informed of weakness~

「ちょ、ちょっとみんな待ってくれ~」

ライザーとの対面から翌日、俺たちオカルト研究部は山を登っていた。なぜこのようなことが起きていいるのかと言うと、ゲームまでの猶予の十日間を修行するためである。俺としては鍛錬や修行するとして山岳などはいいところだが一応リアス部長に貴意いてみたが、

『修行といえば山で決まっているわ。』

と、言っていた。少し引っかかるが気にしないことにした。ちなみに修行地に行くのも修行の一環で一般人なら絶対もてないであろう荷物を、俺、イッセー、木場、小猫で運んでいた。

「以外にきついね、重いものを持ちながらの登山は」

「別に俺はきつくはないな。俺としては修行するならこれの十倍ぐらいの荷物でも軽くいけるが」

「シン先輩は顔色ひとつ変わっていません。すごいです」

と、木場と小猫としゃべていた。これぐらい普通にできていないと現在やっている仕事なんてできやしないからな。

「君は本当に謎に満ちているね」

「まったくです」

どうやら俺はみんなからはいろいろな視点で見られているようだ。まあおれ自身があまり自分のことに関して語ってないことがが原因だがら仕方ないか。

「みんな、ここを上れば別荘よ。がんばりなさい!」

「おいしい湧き水もありますよ」

部長たちが応援している。だがそれは俺たちではなく。

「は、はい~」

少し後ろで行息を切らしているイッセーにだ。ある程度体力があると思ったがさすがに悪魔に成り立てのイッセーにはこれは辛いか。

「イッセーさん、手伝いましょうか?」

「だめよアーシア。イッセーの神器は性質と能力上からだが倍加についていける様な感じまで鍛えなくちゃいけないの、だから手出しは無用よ」

リアス部長の言っていることはおおむね正しいと思うが、イッセーは悪魔になったばかりだから少しはゆるくしてもいいと思うんだが。

「イッセー、大丈夫?」

今のところテュールがイッセーのフォーローに着いて問題ないか。ちなみになぜここにテュールいるかと言うと、修行に行くといったら自分もついていくと張り切っていたのでつれてきた。ある意味”あいつ”の修行相手にはちょうどいいからな。

「テュール、俺がイッセーをフォローするから先に目的地に行っていいぞ」

「いいの?なら先に言っているね、マスター」

俺は先にみんなを送り出しイッセーのフォローに入った。

「ほら、イッセーあともう少しだからがんばれ」

「お、おう」

こうして俺はイッセーを助けながら、合宿地に向かった。



数分後、合宿地に着いた俺とイッセーはいったんみんなで集合してそれぞれみんな動きやすい格好に着替えてきた。

「さて、これから修行を始めるのだけれど…シンお願いできるかしら?」

「わかりました、リアス部長」

俺はリアス部長の合図の下みんなの前に立った。

「さて、これから俺の監修の下で俺とテュールでみんなには修行してもらう」

「えーーーー!!??」

イッセーが驚いているが、かまわず話を続ける。

「とりあえずみんなの力量を判断したいから俺と手合わせをして・・・「ちょっといいかな?」どうした木場」

俺が話していると木場が質問してきた。

「何でシン君が僕たちの修行の監修をするんだい?」

「ああ、先日の件で俺の客観的な判断で俺とテュール以外はあのライザー・フェニックスに対抗するには力量と経験が圧倒的に足りないと判断し、リアス部長と相談して俺がみんなの修行の監修をすることになったからだ」

「シン君は修行はしないのかい?」

「俺は現状でもあのライザーの眷属に単騎で挑んでも勝てるからな。だいたい昨日のライザーの立ち振る舞いであいつの実力は数秒でわかる」

「なるほどね、でも僕たちよりも強いのかい?」

なるほど俺の実力がわからない以上修行相手として足りているのかを聞いているんだな。

「まあ、今から俺と一対一でみんなと手合わせするからそれから判断してくれ」

「わかったよ」



手合わせ一本目:木場

「じゃあ、始めようかシン君」

木場は剣道などで使われる木刀を構えた。

「そうだな」

俺は木製で刃がないコマンドナイフを右手に持ち構えた。

「シン君の持っているのは?」

「ああ、この形の武器はコマンドナイフといってな、長い木刀を使うよりこっちのほうが汎用性が高いから俺はこれを使わせてもらう」

そしてお互いが対面するように構える。木場は剣道の構え、俺はコマンドナイフを持ちながら近接格闘(C Q C)の構えを取る。

「行くよ!」

そして木場が先に攻撃をしかけてきた。しっかりと俺の頭部を狙っているが、

「動きが正直すぎるぞ木場」

俺は上から来る木刀を木製のコマンドナイフをクナイのような持ち方に変えてで木場の剣戟をを大きくそらし、再びコマンドナイフを持ち直し、そのまま木場の首元にに突きを繰り出す。

「くっ…!」

木場は俺の突きを紙一重でよけて、いったん距離を置いて先ほどの二倍の速さで俺に突撃してくる。よく見たことないからわからなかったが、これが悪魔の駒”騎士”の特性か。だが速さが変わっただけで動きは先ほどと同じだがな。

「甘い」

「な、何っ!?」

俺は木場の突撃を一歩ぐらいの距離でかわし木場の両手をはたき木刀を木場から離す。そして木場の右腕を拘束し木場の首下にコマンドナイフを突き立てる。

「ははは…降参だよ」

木場の降参を聞き俺は拘束を解く。

「驚いたよ、君の反応速度すごいね。動きが変則的過ぎてまったく手も足も出なかったよ」

「木場、手合わせしてわかったことだが剣術に関しては才能はある…だがすべての動きが単調で一定だ、そんな動きをしていると簡単に対抗策を取られて反撃されるぞ。そして一撃一撃が弱すぎる、俺はお前の攻撃を受け流してわかったがこの調子だと決め手に欠ける。だから木場に出す課題は、攻撃力の増強と攻撃、移動、防御すべての動きに変則的な動きを加えることだ」

「なるほど、一回の手合わせでこうも僕の弱点を見極めるとはすごいね」

「そこまで凄いものではない。さて次は小猫だ」


手合わせ二本目:小猫

「当たってください」

「そういって当たる敵はいないぞ」

今俺は小猫との手合わせ中だ。”戦車”の特性上当たれば大ダメージが入るが…

「木場と同じで動きが単調だぞ」

「・・・っ!」

小猫は俺に向かって的確な攻撃をしているが木場と同じ動きがわかりやすい。それに小猫の小柄な体格上攻撃の範囲が狭く回避しやすい。

「・・・すべての攻撃が受け流されるッ!」

「それぐらいプロの兵士なら簡単に見切れる。お前も木場と同じく動きに変則性がない。こんな攻撃を繰り返していると―――」

俺は小猫の右ストレートをかわしそのまま小猫の右腕をつかみ背負い投げで地面にたたきつける。

「このように簡単にカウンターで攻撃されるぞ」

「参りました・・・」

俺は小猫野右腕を放し小猫を立たせる。

「さすが祐斗先輩を倒した実力ですね」

「そんなことはない、それと小猫お前は物理的な攻撃力なら眷属一だろう。だが先ほど木場に教えたとおり動きが単調すぎる、もっとさまざまな動きで攻撃をしてみろ。それとお前は体格が小柄だからその短いリーチの克服転も見つけとけ」

「・・・はい」


手合わせ三本目:朱乃さん

「あたらないものですね」

今俺は朱乃さんがはなつ雷を避けているところだ。魔法を使う相手との戦いはこれが初めてだが、ある意味銃撃戦と同じようなものだな。朱乃産の狙いは正確だが、回避予測がまるでだめだな。しかも攻撃した後数秒隙ができている

「狙いは正確ですが回避先を読んでいないと避けられますよ」

再び数発の雷が俺に向かって放たれているが俺はすべて避ける。そろそろ決着を着けるか。

俺は掘るスターにしまってあるペイント弾式の拳銃をホルスターから抜き構える。

「これならどうでしょうか」

朱乃さんは先ほどと同じ雷撃を撃ってきた。俺はそれを回避し、朱乃さんの背後に回りペイント弾数発を朱乃さんの背中に当てた。

「負けてしまいましたわ」

「攻撃としての狙い、威力はいいですがただ狙っているだけではだめですよ。相手の回避先を相手よりも先読みして攻撃したほうがもっとよくなります。それと攻撃直後の隙がかなり目立っています。攻撃したらすぐに防御に徹するか、常に動くことをお勧めします」

「わかりましたわ」


手合わせ四本目:リアス部長

「まったく当たらないわ」

「朱乃さん同じ手法で攻撃しても同じ朱乃さんの二の舞になるだけですよ」

リアス部長も朱乃さん同じ状況だ。ただ魔力の性質が”消滅”とゆう属性である程度はいいほうだが。一発一発の規模がおきすぎてさらに避けやすくなっている。俺は分析を終えてリアス部長と決着をつけた。

「あなたわすごいわね。こうも私と私の眷属たちを圧倒的な実力差で倒してしまうなんて」

「それなりに自分は経験をつんでいます。それにみんなの動きを見てみると、センスや才能はありますがそれをほとんど活かしきれていません。単純な修行だけじゃみんなは強くなれませんよ」

「そうね、」

「それとリアス部長の攻撃は、一発の攻撃が大振りすぎます。それに打ってくる魔力の規模が大きいのと打った後の隙が、朱乃さんよりも目立ちます。まずは朱乃さんと同様攻撃した後の動きと、おそらく魔力は圧縮して撃てると思いますので、攻撃の規模を狭くし、滅びの特性を活かした攻撃方法をとることをお勧めします。」

「アドバイスありがとうね」



こうして皆との手合わせが終わりそれぞれ俺が出した課題をやって貰っている。

木場、小猫はお互いに体力がなくなるまでひたすら模擬戦、朱乃さん、リアス部長は俺が独自に持ってきた的を用いての射撃練習と回避・防御訓練をしてもらっている。アーシアに関しては神器の特性把握をしてもらっている。そしてイッセーは……

「死ぬ!死ぬーーーー!!!」

「ほら、避けているだけじゃだめだよ!」

テュールと模擬戦をしてもらっている。イッセーはほかの皆と比べ戦闘経験やさまざまなものが劣っている。さらにイッセーの神器・赤龍帝の籠手の性質上、倍加に耐えられる用に、身体能力を強化してもらわないといけない。なので総合的にイッセーの底上げとしてテュールと模擬戦をしてもらっている。
さらにテュールはイッセーと同じ籠手型の武器なので相性がいい。

「やられてたまるか!」

「いい反撃だけどまだまだだよ!」

こうして修行が本格的に始まった



































 

 

Change3:一幕の休息と改元のバルバトス~Unforgettable appearance~

修行開始から数日がたった。今は修行終わりの食事をしている。ちなみに料理はほかのみんなが修業で疲労しているため、俺が毎日担当することになっている。

「うぉぉぉぉぉ!!うめえ!!」

「でしょ!マスターの料理は絶品だよ!」

「すごくおいしいです!」

「シン君にこんな特技がありましたのね」

「シンの料理まさしく至高の一品ね。でも女性として何か負けた気がするわ」

「おいしいです」

みんな喜んでいるようだ。ちなみに食材はほとんど山にいる野生の動植物を使用している。メニューは猪のステーキ、山菜と川魚のカルパッチョ、川魚の粗で出汁をとった味噌汁そして鹿肉のロースト・岩塩を添えて、の計四品となっている。

「シンはこのプロ顔まけの料理技術をどこで習ったのかしら?」

「まあ、いつも一人暮らしでしたし、昔の俺が数少ない趣味のひとつでしたから。いつの間にかいろんな料理をできるようになりました」

まあ、実際は仕事の都合上料理を覚えなければならなかったのは言えないが。

「シンさん今度私に料理を教えてくれませんか?」

「あ、ああ」

「なら私もマスターに今度教えてもらおう!」

どうやら戦闘以外でも教えることがひとつ増えたみたいだな。

こうして食事はにぎやかに進んだ。




食事が終わり今はみんなでミーティングをすることになった。どうやら意見を交換し合うことで今後の修行に大きく役立てるためみたいだ。

「まずイッセー、アーシア今日あなた二人が修行して思ったことを言って頂戴」

「・・・俺が一番弱いと思いました」

「私は、皆さんの戦いに関する技術がすごいと思いました」

まあ、イッセーの意見はもっともだな自覚している分いいことだ。

「そうね、確かに今の状況じゃイッセーが一番弱いわね。朱乃、祐斗、小猫はゲームの経験がなくても実践経験が豊富だから、感じを掴めば戦えるでしょう。シンはゲームには参加しないけれども、もしゲームに出ることになっても、私たちより戦いなれているから大丈夫でしょうね。でもイッセーには赤龍帝の籠手、アーシアには聖母の微笑みがあるから敵は必ずあなたたちを狙ってくるから、シンとテュールさんに教えてもらうといいわ」

確かに強敵と出くわしたら逃走も戦術の一つだ。特に戦闘慣れしていないイッセーとアーシアは今後、強敵だらけになるからな。

「まあ、この件は後々相談してもらうとして、私もだけど朱乃、祐斗、小猫、イッセー、アーシアあなたたちはシンと戦ってみてどうだった?」

まあ、俺としては感想は知りたいものだな。

「はい、正直勝てる見込みがありません。僕はシン君が使っていたナイフよりもリーチが長い木刀を使っていたのにもかかわらず、僕の剣戟をあっさり流されていましたし、僕は激しく動き回っていたのにシン君はほとんど動いていませんでした」

「私も攻撃しても無力化されて、最終的にはカウンターをもらって負けました。されに戦車の特性を持っている私の力をものともしないで対峙していました」

「そうですわね、彼と撃ち合ってみて私の魔法が当たる機がしませんでした。もしシン君が使っている銃が実弾を発射するものであれば確実に殺されていますわ」

「私も朱乃と同意見よ。これが実戦だったらと考えてひやひやしたわ」

「俺はまったく相手になりませんでした。シンは殺気も放っていないのに、対峙するだけで腰が抜けそうになりました」

「私は手合わせはしていませんが、シンさんに回復についての特性や回復要員としての立ち回りなどわかりやすく教えてもらいました。本当にすごいお方です」

そしてテュールも感想を言う。

「まあ私はイッセー君としか手合わせはしてないけどみんなの言っていることは私も同じだったよ。彼とあの森で戦ったときに実力の違いというか…戦闘技術の大きな違いを感じたわ」

みんなは俺と戦った感想を言い合っていく。まあみんなが俺と戦った感想が聞けてよかったが。俺ってこんなにも過大評価されているんだな。俺としてはまだ力を取り戻せていないしあの”生成能力”も今じゃ失われているからな。

「確かにシンはこの中でも総合的に私たちより大げさにいえば天と地の差は確実にあるわ。おそらく私たちとが束になっても奇跡が起きても絶対にに勝てないでしょうね。どのようなことしたらあなたみたいに強くなれるのかしら?」

俺……みたいにか。みんな俺の強さを認めている。確かにうれしいが俺としては自分が強くないと思っている。それに――――

「俺はただ戦場で数え切れない戦いをしてきただけです。それに俺みたいな方法で強くなろうとすると失うものが大きいです。それに俺みたいなことはしないほうがいいですよ……必ず後悔と絶望が待っていますよ」

「ご、ごめんなさいね。あなたの過去に触れるようなことをいってしまって」

「大丈夫ですよ。それよりも今はライザーを妥当するためのことを考えましょう」

「ええ、そうねミーティングも終わったことだし、修行で書いた汗を流すためにお風呂に入りましょうか。ここは温泉だから素敵なのよ」

温泉か、まあ俺はまだやることがあるから後で入るが…

俺は念のためイッセーを見てみると案の定先ほどの疲労と悩みを抱えた表情から怪しい笑みを浮かべていた。大方女子風呂を覗くつもりだろうな……まあ一応言っておくか。

「イッセー、俺は後で風呂に入るから覗く気はないぞ」

「僕も覗かないからね」

「な、何で俺の考えていることがわかったんだ!?」

イッセーが俺と木場の発言に動揺しているが、お前の表情を見てればわかるぞ。

「あら、イッセーは私たちの入浴を覗きたいの?なら一緒に入る?私は構わないわ」

「わたくしもかまいませんよ?」

「い、イッセーさんが見たいならかまいません…」

………………どう反応していいかわからないんだが・・・

「小猫は同かしら?」

「嫌です」

「小猫がだめならだめね。残念ねイッセー」

まあ、これでみんなのお風呂は平和になりそうだ。もしリアス部長たちとイッセーが混浴で風呂に入ったら嫌な予感がするからだ。まあ、俺はもう女性の風呂を覗くみたいな”歳”でもないからな。

俺は食事を終わらせ皿洗いを終えた後ある確認をするために外に出た。




今俺は別荘から少し離れた平地にいた。実は数時間前、スカーレットハートから例の装備画完成したと報告を聞いたからだ。

「スカーレットハート」

『そろそろだと思ったわ』

俺が名前を言うと目の前に見える形でスカーレットハートが返事をした。

「まあ、内容はわかっているが、早速新しく追加された装備を見てみたい」

『ええ、わかったわ。とりあえず緋晶機人に変形して頂戴』

「ああ、機人化・緋(スレイヴ・ギア S)

俺は新しい武装を確認、試験運用するために緋晶機人に形態変形する。

『それでは始めるか』

俺は一拍空けて緋晶機人の装備リストを開く。


Equipment:バリアブル・バルカン
     ハンド・レイ
     フォルド・シックル――――
     ジー・エッジ―――――――
     ボルク・アーム――――――
     ブレーデッド・バイケン――    
     メテオール・プレート
     ストライク・ブレイス―――
          

     

俺は新たに追加された装備を確認することにした。まずは上から順番に確認してみるか。

まずは『ボルク・アーム』を展開した。すると片手にきれいな黒く無骨な形をした銃のような武器が出現した。

『説明するわね。これは遠距離弾質変換光学銃『ボルク・アーム』名前の通りあなたの主機関の光学エネルギーを銃弾のように射撃できる武器よ』

まあ、見た目で大体わかるが俺のエネルギーを撃つことができる武器か、試し撃ちしてみるか。

俺は『ボルク・アーム』を両手で構えそのままトリガーを引く、すると緑色のエネルギー弾がアサルトライフルのように放たれていく。すると目の前の岩が簡単ん砕け散る。なるほど普通のアサルトライフルよりは威力がある、それにエネルギー弾だからたいていの装甲は簡単に貫けそうだ。

『今のが、連射型のエネルギー弾よ。それとその銃の右側にスイッチがあるでしょ?それを上に切り替えて見なさい。弾丸の性質が変わるから』

俺は一回うなずくと『ボルク・アーム』の右側についているスイッチを上に切り替え再び構えトリガーを引く。すると今度は一発の大きく鋭いエネルギー弾がライフルのように放たれ、先ほど撃った岩の三倍もある岩に大きな風穴を開けた。
これは対物ライフルやアンチマテリアルライフルのような見たいな弾丸だな。連射ができない分、威力はすごいな。

『それじゃあ、次の武装の確認と行きましょうか』

俺は持っていた『ボルク・アーム』を戻し、『ブレーデッド・バイケン』を展開する。形は方手持ちの鎌のような武器の形状だ。『フォルド・シックル』よりも二倍程度大きい鎌だな。

『使い方は『フォルド・シックル』と同様な使い方ができるわ。そしてもう一つできることができてね。それは鎌状の刃をアンカーのように射出するこちができるわ。それで相手を拘束したりできるし、アンカーのように使って移動用としても使えるわよ』

俺は試しに『ボルク・アーム』を縦に振り数メートルはなれた大木に刃を射出すると、先端についている鎌刃がワイヤーにつながったまま射出され大木を切り裂く。これは近・中距離用の武器に使えそうだな。

『さて次は一気に二つ確認してもらうわよ』

俺は『ブレーデッド・バイケン』を元に戻し『メテオール・プレート』『ストライク・ブレイス』を展開する。右腕には手裏剣のような武器、左腕には立てのような物が装備されていた。

『この武装たちは見た目どおりの使い方よ。まあ使用確認は要らないと思うわ』

『ならいいが、それよりも武装がかなり多いな。正直どれも元の装備と使用方法が似ているから武器をいちいち交換しなければならないな。できれば今ある装備を組み合わせることができたらいいのだが』

どれも便利な武器だがこうも多すぎると先頭にし亜洋画出るなしかもほとんどが手で扱うものだからきついな。できればまとめたり本体にくっつけることができればいいのだが。

『その言葉を待っていたわ。あなたにいい提案があるの』

いったい何なんだ?

俺はスカーレット・ハートに疑問を投げかける。

『それはね今ある装備をひとつに組み合わせたり、あなたの機体(ボディ)に付けたりすることができるのよ。』

何だあるなら何で先に報告しないんだ?

『その理由はね、一度組み合わせたり、あなたの機体(ボディ)に取り付けると二度と元には戻らなくなるからよ。だからあなたには一度元の装備を見てもらう必要があったわけ』

なるほど、気遣ってくれてありがとうな。

俺はスカーレット・ハートに俺を言うと突如スカーレット・ハートの顔がほんのり赤くなる。

『べ、別にお礼なんていい大丈夫よ…///』

まあ、異常は無いみたいだから大丈夫か、まったく面白い相棒を持ったものだな。

『それでどうなの?もう一度確認するようで悪いけれど』

俺は人間の形態へと戻りながら、返答する

「決まっている、さっさっと俺と武器たちの改造を始めるぞ。」

『ええ、やりましょうか』






一時間後、俺は最終確認を済ませ再び緋晶機人に変形する。

武器は『ボルク・アーム』上部に、『ジー・エッジ』長刀・短刀を取り付け、左右のには『フォルド・シックル』を付ける下部には『ブレーデッド・バイケン』を装着。そして後部にメイス使われる柄を付けている。簡単に言えばメイスの柄頭に緋晶機人(スレイヴ)の近・中・遠距離の武器が融合したメイスのようなものだ。ちなみにトリガーはもち手の中間部分にあり、『メテオール・プレート』はそのまま盾として使用することにした。

機体(ボディ)は脚部のつま先に『メテオール・プレート』の刃を鉤爪のように装着、そして頭部は蛍光色のアンテナをオミットし、変わりに大きな二本の大型で角状のアンテナをつけることにし、胸部は装甲を多くし廃熱ファンを多く増設した。これは俺がこいつを発現する前に使っていた相棒の胸部装甲とアンテナと同じ形をしている。これは俺が、スカーレット・ハートに頼んだら変更してくれた。

『どうあなたがカスタムした機体(ボディ)と武器は?』

俺は軽くカスタムした機体で魚気回ったり目標物に見立てた岩や木に攻撃する。

以前よりも使いやすくなっているし何より俺が唯一無二の獲物メイスがが作れたことで俺なりの戦い方がようやくできるようになった。実際は剣のような形状がよかったんだがな。

『これで終わりね。それではあなたには改めてこのカスタムした機体(ボディ)と、武器に名前を付けてもらおうかしら?』

『機体名か…何で変えなければならないんだ?』

『まあ、単純に武器が変わったのと、外見も変化しているでしょう?それに参核機構の緋晶機人(サード・スカーレット・スレイヴ)なんて堅すぎる名前は個人的に好きじゃないの。』

俺にはそういったこだわりはないがないが、まあいい機会だから自分で付けるのも一興か。

『それと、機体名に《GS‐IC666》の型番が自動的につくようになっているからね』

まあ、型番は気にしなくてもいいだろう。それにしても名前か・・・そうだなどうせなら前の相棒のラストネームとこいつのファーストネームをくっつけたのにしてみるか。

『スカーレット・ハート、決まったぞ機体名が』

『どんなのか聞かせて頂戴』

『武器の名前は形状から、『ウルトガ・メイス』。機体名は……』

俺は一拍空けて決めた名前を発表した。

『《スレイヴ・バルバトス》だ。』

『いい名前じゃないの。これで決定ね』

こうして俺の機 体 名(ボディネーム)ガ決まり。俺は人間の形態へと戻りながら合宿所に戻った。




























 
 

 
後書き
主人公の詳しい情報は第二章が終わり次第発表します。 

 

Change4:修行の成果とそれぞれの覚悟~Still it does not reach~

イッセーたちの修行から九日がたった。今はそれぞれの修行の成果を俺と手合わせで発表しているところですでに、リアス部長、朱乃さん、木場、小猫は終わらせているところだ。みんな以前よりも動き、攻撃の制度、出力などのステータスがよくなっている。そして……

「さて最後はイッセーだな。」

「おう!成長した俺の姿見せてやるぜ!」

どうやらイッセーは自信満々のようだな。

「イッセー君、マスターに『あれ』を見せるときだよ!」

どうやらイッセーには何か秘策があるらしいな。確か二日前修行の節目のときに、疲れ果てたイッセーと服がボロボロになったテュールが帰ってきたな。しかもその日の夕方とんでもない爆音がしたから、聞いてみたが内緒の一点張りだったな。それが今日見られるのか。

「では、二人とも準備して頂戴」

「わかりました部長。来い赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)!」

『Boost!』

俺も構えを取り戦闘体制を取る。しかも神器を展開したイッセーから大きなエネルギーが見える。どうやら今回の成長株はイッセーのように感じてしまう。

「それでは……始め!」

リアス部長の開始の合図とともにイッセーが俺に突貫して来る。ッ!俺が予想していた速さよりも、三倍は早いな……

「おりゃッ!」

「おっと…」

俺はイッセーの予想外の速さに驚き回避が少し遅れ、きていた服が一部破ける。

「俺の想像を超えて成長したようだな、イッセー」

「当たり前だ!伊達にテュールさんと、死に物狂いで模擬戦を続けてきたわけじゃないからな!」

どうやら俺が与えた修行はイッセーを想像以上に成長させたようだな。

『Boost!』

『Explosion!』

「これで強化は終わったぜ!ここからだぜ、シン!」

「期待させてもらおう」

するとイッセーの動きがまた一段と早くそして複雑になり攻撃頻度が上がっていく。俺も負けないよう受け流し、時には防御する。動きとしてはまだまだだが、それでも以前より大幅に成長している。

「なら俺も少し本気を出させてもらう、『変 形・緋晶機人(トランス・スレイヴ)』」

俺はスレイヴ・バルバトスに形態変化し、ウルトガ・メイスを構える

「なっ!?お前そこまで本気出さなくてもよくねえか!?しかも依然と姿が変化しているじゃねえか!」

『イッセーが大きい成長を遂げてくれたことに敬意を表して俺も出し惜しみはしたくないと思っているんでね』

「くっ!!だがあれを試すにはちょうどいい!見て驚くなよシン!!!」

どうやらイッセーの新しい秘策が見れるみたいだな。俺はいつでも反撃できる体制を構えてイッセーを迎え撃つ。

するとイッセーが赤龍帝の篭手の手のひらに米粒サイズの魔力の塊を作り、それを拳で撃つかのように米粒サイズの魔力の塊を殴った、するとその塊は何十倍にも増大し俺に向かって飛んでくる。

『ま、不味いッ……!』


―――バゴォォォォォンッ!!!!


俺は予想だにしない攻撃に集中力を一瞬切らしてしまい。数秒回避行動が遅れ右肩の装甲に触れ一部が消し飛んだ。過ぎ去ったイッセーの魔力が後方にあった山の頂上に当たり山の一角が消し飛ぶようになくなっていた。
これは、すさまじい威力だな。しかも攻撃を掠っただけで方の装甲の端がえぐられたように消し飛んでいる。現代の兵器で例えると差し詰め小規模の核ミサイルだな。さすが神器であり神滅具(ロンギヌス)赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)といったところだな。

「イッセー、シン。今の攻撃は上級悪魔に匹敵するわ。イッセーあなたは今回のゲームでの攻撃の要よ。鍛えてくれたシン、私たちそして自分自身を信じて戦いに望んで頂戴!そしてみんな明日のライザーとのゲーム必ず勝つわよ!!」

「はい、部長!!!」

みんな明日に向けての心の準備はできているようだな。だが――――――

俺はみんなの成長の喜びと、予想しえる結果に焦燥を抱きながら、イッセーたちを見守った。







「ここなら、一杯やっても問題ないな」

俺は皆が寝静まったのを見計らい別荘の屋根に上りウィスキー持ってきたグラスに注いで飲んでいた。まあ、以前から酒は飲んでいたんだが、俺の現在の肩書きだと飲酒すれば少々ややこしくなるためこういった機会がないと飲めないからだ。

「イッセーたちには期待させるようなことを言ってしまったが・・・」

正直みんな以前よりも成長している。だが今のみんなの実力だとあの不死の特性を持っているライザーには勝てない。それにあっちはゲームに関してはベテランだ、たかが十日修行したところでその差は埋まるものじゃない。はっきりいってこのゲームリアス部長たちが負ける確立が高い。

俺は今後の焦燥をかき消すかのように注いでたウィスキーを飲み干す。

「マスター、私にも一杯頂戴」

俺がウィスキーを飲み干すのと同時にいつの間にかパジャマ姿のテュールが横に座っていた。

「お前年齢は?」

「私こう見えても二十歳超えているのよ?もしかしてまだ未成年だと思った?」

まあ、見た目的にまだ十八歳に見えるからな。

俺はもうひとつ持ってきたグラスにウィスキーを注ぎテュール渡す。

「ゴク…うぅ~ッ!!マスターって意外と度数高いの飲むんだね」

「まあな、もともと酒は飲まなかったんだが、昔ともに戦った仲間に勧めれられてな。今じゃウィスキーやいろいろな酒好きの酒飲みになってしまった」

「いいんじゃないの?お酒を飲むマスターなんだか渋くて大人っぽいよ?」

「そうか?………」

「マスター。もしかして明日のリアスさんたちのゲームで、リアスさんたちが負けることについて迷っているの?」

「あ、ああ・・・」

「悩むのも仕方ないよね、私も今までの修行を見てきたけどリアスさんたちが勝てる見込みはほとんどゼロに等しいんだよね」

どうやら彼女も俺と同じことを考えていたみたいだな。

「まあ、それも考えていたんだがそれよりも『勝てる見込みがない』とみんなにいえなかった自分が情けないと感じているんだ」

「マスター、…………」

昔の俺はどんなことでもはっきり言えたんだがな、どうやらこの世界の平和での環境で俺はだめになったみたいだな。

俺が自分の情けなさに深け込んでいるとテュールが突然後ろから抱き着いてきた。

「私はマスターの過去はわからない、どんな体験をしたのかどんな戦いをしてきたのか、そしてどんな悲劇を見てきたのか葉私にはわからない…でも私は今のマスターが素敵だと思う。だから今の自分を責めないでほしいんだよ」

「テュール・・・・」

俺はテュールの言葉を聴いた途端、なぜか少し心の暗さが晴れていくような気がした。

そうだな、俺はこんなことで悩んでいたら先へ…みんなを守ることなんてできないからな。まったく悩んでいた自分がおろかに思えてきたよ。

「ありがとうな…テュール」

その後、テュールはもう一杯ウィスキーを飲みそのまま屋根を降りていった。





俺はあの後、屋根から下りて別荘の庭を歩いていた。するとイッセーとリアス部長がガゼボで話しをしているのを見かけた。二人は何か話していたので、二人に気づかれないように気配を消して声が聞こえる位置まで近づいた。

「喧嘩を吹っかけた俺が言うのもなんですがなぜに婚約をかたくなに断ろうとするんですか?」

「私はねリアス・グレモリー、私がそんなにがんばろうともグレモリーがついてしまうのよ」

「……」

「私はグレモリー家次期当主として誇りを持っているわ。でもねライザーみたいに私を一人の女としてではなくグレモリーとしてでしか見てもらえないのよ。こんなことをいうのも矛盾しているけど、結婚するとしたらせめて私を一人の女性として愛してくれる殿方と結婚したいのよ。」

やはりそうゆうことか、今でも昔でも貴族は相手の気持ちよりもその家の誇りや血統を守ろうとする。
いつの時代、度に時代においても貴族ってものはどうしてゆがんでいるんだ…ッ!

「部長!俺は、俺はそんなの関係無く部長の事好きです。グレモリー家の事とか悪魔の社会とか正直、俺は馬鹿だからわかりません。ですが、今ここにいる…俺の目の前にいるリアス先輩が俺にとって一番ですから!!」

「ッッッ!?」

イッセーお前は俺に昔言っていたな・・・『お前が羨ましい!!』ってでもな、俺にとってはお前が羨ましい。お前は確かに何も考えもなしで動く馬鹿だが、その真っ直ぐで誠実な気持ちでいられるお前が今の俺にとってはうらやましい・・・いや憧れだよ。

リアス部長は予想外のことを言われて心を打たれた様な顔をしていた。

「部長どうかしました?」

「え!?な、何でもないわ!!それよりも明日のゲーム全力で勝ちに行きましょう!」

「は、はい部長!!」

確かに今のリアス部長たちじゃライザーに勝てないだろう。だけどおれ自身にも判らないが、奇跡ってものが何か起きそうな期がするな。

「がんばれよ…二人とも」

「?今シンの声が聞こえた気がしたような…」

「奇遇ね私もよ」

俺は二人に小さなエールを送り自室へと戻った



















 

 

Change5:会戦の始まりと四大魔王~Devil and transformationist~

修行開始から十日後イッセーたちはゲームが始まるまであのあの準備を始めていた。木場は自分の使う剣の具合の確認、小猫は戦闘用のフィンガーグローブを付けてのウォーミングアップ、リアス部長・朱乃さんは紅茶を飲んでいて、イッセーとアーシアはソファーに座り気持ちを落ち着かせていた。

俺はゲームに参加しないため部室で待機することに一応なっている。

「失礼します」

突然部室に生徒会長と副会長が部室に来ていた。どうしてここに…

「生徒会長と副会長?どうして?」

イッセーが二人の突然の来訪に驚く。

「レーティングゲームは両家の関係者に中継されるの。彼女達はその中継係を任せてもらうの」

レーティング・ゲームの中継係?なるほど会長たちはリアス部長たちと同じだったわけか。

「ぶ、部長もしかして…会長と副会長は・・・」

「そういえばあなたとアーシア、それにシンにはいっていなかったわね。彼女たちも私たちと同じ悪魔よ。両家の公平な中継をするために違う家の彼女たちに中継をお願いしてもらったの」

「「ええええええ!!!???」」

イッセーとアーシアは驚愕の表情を浮かべながら叫んだ。

「挨拶はまた後ほど。それと中継係は自ら志願したのです。リアスの初めてのゲームですから」

「ええ、ライバルのあなたに恥じないデビュー戦を飾って見せるわ」

「期待しているわリアス」

会長はリアスに軽い激励を言うと顔をこちらに向けてきた。俺に何か用事があるのか?

「あなたがリアスの言っていた生徒ね、支取蒼那改めソーナ・シトリーです、よろしくお願いします。神無月進君」

ソーナ・シトリー…確か元72柱の悪魔のシトリー家だったな。

「よろしくお願いします、会長」

「皆さま準備はよろしいですか?」

会長と副会長が退室すると、銀髪のメイドが転移してきた。

「ええ、いつでも開始できるわ」

「開始時間になりましたらこの魔方陣から戦闘用フィールドに転送されます」

銀髪のメイド…とりあえずグレイフィアさんがリアス部長たちにゲームにしよされるフィールドなどの説明をし終わった後。こちらに顔を向けてきた。

「神無月進様」

「はい、何しょうか」

「実は四大魔王様が是非あなたと一緒にゲーム観戦をしたいと仰っていますがどうしますか?」

魔王が俺と一緒にゲーム観戦?どうゆうことだ。

「私があなた様のことを魔王ルシファー様があなたに興味を持ったみたいで、さらにほかの魔王の方々も同様に興味を持ち是非一緒にゲーム観戦をしたいとゆうことです」

「…そう、お兄様や他の魔王の方々も見られるのね」

お兄様?…なるほどだから魔王もこのゲームを観戦するのか。

「ぶ、部長!?今お兄様って」

「リアス部長の兄は魔王様ってことだろう?」

「うん、シン君の言っているとおりだよ」

「なあッ!?」

「ええッ!?」

どうやら木場の返答にイッセーとアーシアは驚いているようだ。

紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)ことサーゼクス・ルシファー。この人が部長の実のお兄さんなんだよ。サーゼクス様は大戦で亡くなられた前魔王 ルシファー様の跡を引き継ぐ形で魔王になられたお方なんだよ」

なるほどな、だから長女であるリアス部長がグレモリー家の次期当主になっているわけだな。

「それでどうしますか?神無月進様」

まあ、いずれ魔王やセラ不などの存在には遅かれ早かれ会うことになるから、一緒に見てみるか。魔王とゆう存在がどんなものか、そしてどのようなじんかくを持っているのか実際にこの目で見てみたいからな。今後の俺の行動に関わるからな・・・

「お言葉に甘えさせていただきます」

まさかこんなにも早く幹部クラスの存在にあえるとはな。

「そろそろ時間です」

するとゲーム開始が直前まで迫っていた。

「行きましょう」

リアス部長の呼び掛けに従い、銀髪の女性、グレイフィアが用意した魔方陣の上にみんなが乗っていく。始まるのか、リアス部長の未来を決める戦いが。

「シン!お前は魔王様たちと一緒に俺たちの勇姿を見ていてくれよな!必ず勝ってやるからな!」

「ああ、この十日間で培ってきたものを存分に発揮して来い。応援しているぞ」

「わかったぜ!」

そしてリアス部長たちは転移方魔方陣の光に包まれ消えていった。

「神無月進様、案内するのでこちらの魔方陣に」

「わかりました」

俺も魔王様たちとゲームを観戦するべくグレイフィアさんの魔方陣で魔王様たちがいるところに転移した。





転移するとそこには会議室のような部屋にいた。そして会議氏であろう中央に長い机とそこに三人の男性と一人の女性が座っていた。おそらく席に座っているのが、現・四大魔王だろう。

「お連れいたしました。魔王様」

「お疲れグレイフィア、後はこっちで行うから戻っていたまえ」

「御意に」

赤髪の男性がグレイフィアさんに告げると転移していった。

おそらくあの赤髪の男性はおそらくリアス部長の兄、『サーゼクス・ルシファー』それにしてもこの四人がこの世界の魔王か、正直魔力やエネルギーの反応からしても明らかに常識を逸脱しているな。

「君がリアスが言っていた人間だね。そうかしこまらなくていい、こちらに来て座りたまえ」

俺はそのまま赤髪の男性に従いあいている椅子に座る。

「さて自己紹介からはじめようか、私はまあ見た目でわかると思うが、リアスの兄であり四大魔王の一人『サーゼクス・ルシファー』だ。よろしくお願いするよ」

「名前はご存知かも知れもせんが、神無月進です。リアス部長のサポートをさせてもらっています」

次は、緑色の髪で妖艶な顔つきのの人が話しかけてきた。

「次は私だな。私は四大魔王の一人、アジュカ・ベルゼブブだ。これからよろしくお願いするよ」

「どうも」

この人普通に見ればただ挨拶しているように見えるが、明らかに俺を観察しているな。やはり俺の正体を探ろうとしているのか。

「次は私だね!」

すると元気な声で、黒髪のツインテールの女性がこちらに顔を向けてきた。

「私は四大魔王の一人、セラフォルー・レヴィアタンです。レヴィアたんって呼んでね☆!」

「あ、はい。よろしくお願いします」

この人妙にテンションが高いな。しかもよくわからないがあの人か後ろにピンク色をバックに輝いている背景が見えるが気のせいか・・・。

「次は僕だね…同じく四大魔王の一人、ファルビウム・アスモデウスだよ」

この人妙に怠け者のような感じがするな。

しかし、こう実際に会ってみると威厳と結うものがあまり感じられないな。表現すれば、普通の一般人に見えるな・・・もちろんこの四人から発するエネルギーはあのグレイフィアさんとは比にならない程の反応を示しているな。まあこちらも一応自己紹介をしておくか。

「四大魔王の方々、どうもリアス・グレモリー様に協力させていただいている者、神無月進と申します。シンと呼んでかまいません。そして以後お見知りおきを」

俺は軽くお辞儀を済ませる。

「おや私達に敬語は無用だよ、いまの君は悪魔でないからね。第一わたしの自慢の女王(クィーン)に敵意を向けられるほどの実力者だ。普通に話してかまわないよ。」

・・・どうやら俺は只者ではないと四大魔王たちに知られているようだな。まああちらが普通に話してかまわないといっているなら俺もそうさせてもらおう。

「わかった。それで何で悪魔の頂点にいる四大魔王がわざわざ俺みたいな”人間”と一緒にリアス部長のゲームを一緒に見たいんですか?」

「君の事はリアスとグレイフィアから聞いていてね。最初はリアスから聞いたときは神器もちの人間と思っていたが、グレイフィアの報告を聞いてねますます興味を持ってねさらにほかもわたしの同僚もぜひ人目みたいといってねだから君にここに来てもらったんだよ」

「・・・そうですか。だからあの時アジュカ・ベルゼブブは、俺のことを”探ろうと”していたわけだな。」

「ほう、私の探りが気づかれていたとはね。見つからないように解析するつもりだったんだがね」

「アジュカちゃん、初対面の人にそんなことしちゃだめだよ~!」

「へぇ~アジュカの探りに気づくとはねぇ。すごいね君」

どうやらみんなは気づいていたようだな。

[四大魔王様、神無月進様。そろそろゲームの開始時間です。]

「そろそろ、始まるようだね。シン君リアスたちのゲームが始まるまでに一つ質問していいかな?」

「ええ、かまいません。俺が答えられる範囲であればですが」

「リアスたちはライザーに勝てると思うかな?」

おや、俺に対する質問ではないのか。

「正直に言いますとリアス部長たちが勝てる見込みは皆無でしょう。たかが十日間修行や鍛錬をしたところで負ける事実は変わらない」

「どうやら相当な辛口な評価だね。もし君が言っていることが事実になると大変なことになるがいいのかね?確か君が参戦する口実もあったはずだが?」

「俺はあくまで”負ける”とゆう事実を提唱しただけだ。あんなやつとリアス部長を結婚させるとは言っていない。」

「なるほど、君の考えがなんとなくわかったよ。これは面白くなりそうだな」

「・・・・・・・・」

どうやら俺の考えていることは魔王様には筒抜けらしいな。まあ今の所ここにいる是認から敵意は感じないから大丈夫だろう。

[それでは両陣営、レーティング・ゲームスタートです]

俺は軽く四大魔王全員を警戒しながらゲームを観戦することにした。


―○●●●●○―


俺、兵藤一誠はレーティン・ゲームのバトルフィールドらしきところに転移していた。

「あれ?さっきと景色がまったく変わっていないな?」

「そうですね?」

アーシアも俺と同じ感想の述べていた。するとグレイフィアさんの声が聞こえてきた。

[皆様、この度グレモリー家、フェニックス家に審判役を仰せつかりました、グレモリー家の使用人グレイフィアでございます。今回のバトルフィールドはリアス様とライザー様のご意見を参考にし、リアス様の通う人間界の学舎 駒王学園のレプリカを用意しました]

「すごいですね」

「本当に駒王学園そっくりにできていやがる・・・」

俺とアーシアは感嘆の一言をつぶやいた。とゆうか悪魔ってこんなこともできるんだな・・・。でも空がなんか不気味な紫色だな。

[両陣営、転移された先が本陣になっています。リアス様の本陣は旧校舎 オカルト研究部 部室、ライザー様の本陣は新校舎 学長室。よって兵士(ポーン)昇  格(プロモーション)は互いの校舎内に侵入を果たす事で可能となっています]

なるほどつまり俺の場合は新校舎に入ればプロモーションできるわけだな!なんかボス戦って感じがして少しワクワクしてきたぜ!

[それでは両陣営、レーティング・ゲームスタートです]

ついに始まったな、部長のレーティングゲーム…緊張してきた・・・・。

「祐斗、小猫、朱乃では作戦通りにお願いね」

開始とともに木場、小猫ちゃん、朱乃さんが部室から出て行ってしまった。いったい何しに言っているんだろう?

「イッセー、ちょっといらっしゃい」

「は、はい部長!」

すると部長が自分の太ももに手招きをしてきた。ま、まさかこれは伝説の!!!

「ここに横になりなさい」

「ありがとうございます部長!」

まさか、こんなとき部長の膝枕を堪能できるとわ、最高ですな。

「イッセー、今から貴方に施した術を少しだけ解くわ」

「え、部長?」

部長が俺の頭に手を向けると俺の中から不思議と力がみなぎるような感じがした。

「イッセー以前貴方を悪魔へと転生させるために兵士(ポーン)の悪魔の駒が八つ必要だった事は話したわよね?」

「は、はい。堕天使の騒動が終わったときに聞きました」

「でもね転生したばかりの貴方の体ではまだその力に耐えられなかった。だからいくつかの階層にして力の封印を掛けたの。でも修行後の貴方なら大丈夫だよ判断して封印の約7割を解いたわ」

だから、いまこんなにも戸からがみなぎっているのか。もしかして俺本当は強いんじゃないかな?

「これで終わりよ。もうたってもいいわよ」

「はい、部長」

「では、朱乃たちが戻って着たたら行動しましょうか。それにしてもイッセーよくわからないけれども気合がいつもと違うわね?」

「そうですか?でもこれは部長の将来が決まる戦いだら真剣にやらなきゃって気持ちがあるんですよ。それに・・・・」

「それに?」

俺はいまの気持ちを率直に部長に話した。

「シン、テュールさんがここまで鍛えてくれたんです。ここで勝たないと俺たちの面倒を見てくれた二人に顔向けできないですからね」

「そうね、未来のためにも…ここまで支えてくれたシンたちのためにもこのゲーム、勝ちましょう!」

「はい!部長」

こうして俺は部長の思い、シンたちの思いを背負いながらゲームに望む覚悟を改めて決めた。
































































 

 

Change6:悪魔の決闘・前編~Those who try to change~

ゲームが始まって数分がたった。現在イッセーと小猫が体育館でライザー側の戦車(ルーク)一名、兵士(ポーン)三名と交戦していた。

小猫は戦車の女と戦っており、ライザー側の戦車はどうやら足を使ったが得意なのか、足に炎をまとわせ小猫に攻撃を仕掛けている。だが小猫は全てそれを回避している。そして相手の蹴りをそのまま受け流し、その勢いを利用し足をつかみ上に投げタックルで吹き飛ばす。

『あ、貴方一体その強さ…何者なの…?』

『リアス・グレモリーの眷属です』

どうやら俺が教えた技術は十分、活かせている様だな。

小猫が勝負を決めかけているころのイッセーは、

『ちょ、ちょっと危ねえよ!!??』

『解体されてくださ~い☆』

『バ~ラバラ♪バ~ラバラ♪』

『逃げるな!』

先日俺が返り討ちにした棍棒を扱う女と、チェーンソーを楽しげに振り回す双子の少女に追い掛け回されていた。あの双子、幼い見た目とは裏腹にかなり物騒なことを叫んでいるな。主人であるライザーとこの双子の親はどんな教育をしいているんだ…。

イッセーはただ逃げ回っているが、うまいように三人の攻撃の攻撃を回避しており、余裕があるように見えた。だがイッセーの攻撃の回避の仕方よくわからん動きでが少々変な部分があるが。

『ああもう、当たらないしムカつく!!』

『こんなやつにどうして当たんないのよ!!』

『……掠りもしない』

攻撃している三人はイッセーに攻撃を当てられない事実に関して苛立ちと焦燥を浮かべていた。

『こんな攻撃当たるかよ!テュールさんのあの雷攻撃に比べたら、早くもないし威力もないぜ!』

テュールはイッセーに相当攻撃を仕掛けていたようだな。もしかしたらあいつ、イッセーを半殺し直後まで追い詰めたな…まあ、結果が今につながっているから結果的にいいが…少し複雑だな。

まあ、イッセーが攻撃をよけられている理由は修行の成果以外にも、まずあの双子が待っているチェーンソーはまず体格に合っておらず、『しかもチェーンソーの重量に右腕力が負けている』から力任せの攻撃になっているところとだな。棍棒の女に関してはイッセーのほうが早いから攻撃が当たらないからだろう。

『Boost!!』

『来たぜ!行くぜぇぇぇぇ!俺の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)ッ!!!!!!』

『Explosion!!』

『何だッ!?』

イッセーは貯めていた倍加を終了し、貯めていた倍加の力を身体能力に還元してそのまま三人に攻め入る。

『一人!』

『きゃ!?』

『二人目!!』

イッセーは双子ぼ攻撃をあっさりと避けそのままカウンターに双子を突き飛ばす。だが俺はイッセーが双子を突き飛ばす際に何か双子に仕掛けている動作が見えた。
イッセーは何をしようとしているんだ・・・

『隙ありです!!』

イッセーが回避したところに先ほどの棍棒使いの少女がイッセーにつきを繰り出すが、そのままイッセーは棍棒をつかみ右腕で棍棒をへし折った。

『な、何ッ!?』

『く~ッ!!痛てぇなぁ~。でもこれで条件は整ったぜ!』

イッセーは棍棒を破壊した痛みに耐えながら何かの発動を意味する言葉を放った。
やはりあれは、仕掛けるための動作だったのか…しかしイッセーはいったい何をしようとしているんだ…。しかも表情がいつも不純な考えをしているときの表情だな。

『私の棍が……』

『こ、こんな男に負けたら…』

『ライザー様に怒られちゃう…ッ!!』

兵 士(ポーン)三人が立ち上がる中イッセーは先ほどの表情を浮かべている。

『もう許さないッ!!!!』

『『絶対にバラバラにするッ!!!!』』

兵 士(ポーン)三人が再びイッセーに攻撃してくるが、イッセーは謎の構えと動作をしている。
いったい何をするつもりだ・・・・?

『俺の煩悩解放!!喰らえッ!!!必殺の・・・・』

煩悩?しかも条件に対象に触れないと発動しない・・・まさかとは思うが・・・

『ドレェェェス!!!!…ブレイク…』

パチン。

イッセーが指を鳴らした瞬間、起こった現象が・・・・

『いやぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?!?!?!?!?!?!?』

兵 士(ポーン)三人の着ている装束が弾け飛ぶ光景だった。

「・・・・・」

『・・・・・』

「おや、これは愉快な技だね」

「なんとも常識を覆す技だな」

「服が弾け跳んじゃった!!」

「なんともいえない技だね~」

四大魔王はそれぞれ感想を言っているが…まさかこんな技を発明するとはな、常識的に考えて女性にとっては最低な技だな。だがやりようによってはいい技なのかもしれないな。

『はははは!!!!どうだ!!見たか!!脳内で女の子の服を消し飛ばすイメージを永遠と…そう永遠と妄想し続け、俺は少ない魔力の才能を全て女の子を全裸にするためそして俺がそれを堪能するために使いきったんだぁッ!!!!これが俺の新たな必殺技ッ!!洋服破壊(ドレス・ブレイク)だ!!!!』

『シン…私はあの技に関しては、もう最低としか言いようがないわ…』

俺のシステムの女神様はどうやら最低とのコメントだが…

『最低!!』

『ケダモノ!!』

『女の敵!!』

まあ、一般的に考えればスカーレット・ハートとあの兵士(ポーン)の反応が感想が当然だな。イッセーにに関しては技が決まった満足か優越感か、周りの非難の声が聞こえていないようだ。

『イッセー先輩最低です…』

『ウッ・・・・』

どうやら仲間の非難の声はしっかり届いているようだな。

その後、二人は通信で部長から何かの支持を受けて了承し体育館から出て行く。

『ま、待て!?まだ勝負はついていないわ!!』

『ここはこのゲームの重要拠点になる場所よ!?』

逃げていくイッセーと小猫に驚いている兵士(ポーン)三人と戦車(ルーク)
まあ、二人が見たとおり重要拠点の確保を放棄したように見えるが、おそらく先ほどの通信による指示と今の行動から察すると…

ドゴォォォオオォォォン!!!!!!

二人が体育館から逃げ終わった途端、高出力の雷が体育館に直撃した。




―○●●●●○―




撃破(テイク)ですわ」

〔ライザー様の兵士(ポーン)三名、戦車(ルーク)一名。戦闘不能(リタイヤ)

俺―――兵藤一誠は部長の指示通りに俺達が囮になり、体育館に敵を集めて、重要拠点の体育館ごと朱乃さんが敵を撃破する部長の作戦は見事に成功した。

「それにしてもすげえな朱乃さん…」

そういえば以前木場から朱乃さんについて教えてもらったことがあったな。

『『雷の巫女(いかづちのみこ)』…朱乃さんの通り名であり二つ名だよ。部長はまだ悪魔として成熟してないから朱乃さんの名前を知る人は少ないけれど、それでも一部の悪魔には知られていて有名な人だよ』』

雷の巫女…あんなのにお仕置きされたら俺完全に終わるぞ!!!!!

………朱乃さん葉絶対に怒らせないようにしないようにしよう・・・うん。

「やったな、小猫ちゃん」

「……触れないでください」

洋服破壊(ドレス・ブレイク)のこと?大丈夫だよ見方には使わないから」

「……それでも最低な技です」

どうやらこの技で、小猫ちゃんに本格的に嫌われてしまったようだな。

「ま、待って小猫ちゃん!」

俺は先に行こうとする小猫ちゃんを追いかける。

ドオォンッ!!!!

突然の爆砕音が発生し付近に砂煙が舞う。俺は砂煙の発生源を見てみると・・・

「こ、小猫ちゃんッ!!!」

そこにはさっきの爆発でできたであろうクレータの中央に煙を上げながら倒れている小猫ちゃんがいた。
俺はすぐさま小猫ちゃんの下に駆け寄り抱きかかえる。
小猫ちゃんはさっきの爆発のせいか、きていた制服はあちらこちらぼろぼろになっていて、体の数箇所から出血している。

撃破(テイク)

突然、なぞの声がした。俺は声の主の方向へと見上げるとそこには悪魔の翼を出しながら人影が一つ…フードを被っており、まるでRPGに出てくる女魔導士の格好をした女性が浮遊していた。
確かあれは部室でライザーのやろうとディープキスをしていた奴だ。しかもあいつ確かライザーのところの『女王(クィーン)』だったな。いきなりライザー側のトップが出てきたのかよ!!

「ふふふ、獲物を仕留めやすい時それは獲物が何かをやり遂げた瞬間のときにしとめやすい。こちらの手駒を多少『犠  牲(サクリファイス)》にしてもあなた側のの駒を一つしとめれば十分だわ。ただでさえあなた方の陣営はメンバー不足でしょ、だからあなた側にはとても大きな大打撃だったでしょう?それに私たち眷属をすべて倒しきったとしても、ライザー様には勝てないわ。あなたの主を見て実に滑稽にそして惨めに見えたわよ」

愉快そうに笑うライザーの『女王(クィーン)』。だが俺はそんな声に耳を傾けず、小猫ちゃんの心配をした。

「……イッセー先輩……朱乃先輩…すみません……」

消えそうな声で小猫ちゃんが俺と朱乃さんに謝る。

「もっと、みんなのために…部長のために戦いたかった……」

そして小猫ちゃんは淡い光となって消えていった。

〔リアス・グレモリー様の『戦車(ルーク)』一名戦闘不能(リタイヤ)

くっ・・・・小猫ちゃんは死んだわけじゃないゲーム用の治療施設に送られただけだ。俺は頭で理解しながらも心では抑えきれない怒りが爆発した。

「チクショウッ!!!!よくも小猫ちゃんをッ!!降りて来やがれぇぇッ!!!!俺が相手だッ!!」

俺は部長に支持された次の作戦を無視してライザーの『女王(クィーン)』を挑発していた。頭の中ではこの行為自体がどれだけ馬鹿な行為かわかっている。
それでも……それでもッ!!俺はこいつが許せなかった。小猫ちゃんは消え入りそうな声で俺達に謝りそして無念に泣きながら消えていったんだ!!

「うるさい兵士(ポーン)の坊やね、あなたもあの『戦車(ルーク)』の子と同様に爆破されてみる?ふふふふ♪」

「あらあら、あなたの相手は私がしますわライザー。フェニックス様の『女王(クィーン)』の爆弾王妃(ボム・クィーン)ユベルーナさん」

突然朱乃さんが、俺とライザーの『女王(クィーン)』の間に割りいるように入ってきた。

「その二つ名はセンスがないから呼んでほしくないわね、リアス・グレモリー様の『女王(クィーン)』の『雷の巫女(いかづちのみこ)』さん。まあ、あなたとは一度戦ってみたかったからいいわ」

「イッセー君あなたは作戦通り祐斗君と合流してください。あの『女王(クィーン)』葉私が受け持ちますわ」

「で、でも!」

俺は朱乃さんの指示に食い下がろうとするが・・・・

「イッセー君。あなたには部長から…主から受けた役割があるでしょう?大丈夫ですわ、私が全身全霊を持ってあの『女王(クィーン)』を消し飛ばしますわ!!」

そうか俺には俺の役割があったんだ。なら俺はその役割をするだけだ。

「朱乃さん頼みます!」

俺は朱乃さんにライザーの『女王(クィーン)』を任せ木場と合流しに行くためその場を去る。去り際に大きな爆発音と落雷が落ちたような音が聞こえた。






























 

 

Change7:悪魔の決闘・中編~Unchanging path~

俺、兵藤一誠は木場と合流するために合流場所の運動場に向かう途中のところだった。

〔ライザー様の『兵士(ポーン)』三名。戦闘不能(リタイヤ)

ライザー側の『兵士』が三人も戦闘不能か、となると相手の『兵士』は部長の仕掛けた本当の罠に引っかかり木場に倒されたってところか。
これで相手は合計七人が戦闘不能、こっちは小猫ちゃんがやられて一人戦闘不能になっている。状況は思ったよりも拮抗していてまだ油断できない状態だ!

「――――ッ!?」

運動場に向かっている途中で突然何者かに腕に引っ張られる。敵か!?…と思ったら俺の腕をつかんでいたのは木場だった。相変わらずさわやかな表情をしているぜ。

「なんだよ、お前か」

「ごめんね驚かせってしまってね」

どうやら木場は運動場の北東の端にある用具倉庫の裏で運動場を見張っていたようだ。

「悪ぃ木場。小猫ちゃんは………」

「アナウンスを聞いていたから僕も知っているよ。無念だったろうね、小猫ちゃん罠を仕掛けているときや開始前のときも凄い気合を入れていたからね」

「………勝とうぜ、このゲーム」

「もちろんだよイッセー君」

木場は俺にとっては嫌いな存在だが、こうも先頭のときや堕天使の一件の時などでは心強い見方だぜ。でもやっぱり行け免は許せないけどな!
だが、オカルト研究部男子コンビといきましょうか。じゃなきゃ女の子に面目立たないからな!!

「それにしても木場よく三人同時に倒せたな?一応あいてはベテランの眷属なんだろ?」

「本来なら残っている残りの『兵士』三人もあの時点で倒すつもりだったんだけど三人しか斥候としてきていなくてね。どうやら相手は見方を少し犠牲にして僕の攻撃を様子見て痛んだと思う。どうやら相手は『犠 牲(サクリファイス)』をよく使う戦術のようだね。主であるライザーが不死身なのと、眷属が多いからこそ多用できる戦術かもね」

木場は口元で笑ってはいるが目は笑っておらず静かに嫌っているような感じがした。

「この運動上にいるのは『騎士(ナイト)』、『戦車(ルーク)』、『僧侶(ビショップ)』がそれぞれ一人ずつ計三人が今のところ確認できてるよ」

「結構いるな……」

「しかも僕たちがが眷属を約半数程度削っているからおそらく残っている『兵士』や他の眷属が造園としてくる可能性も高いね」

「マジかよ……」

「こちらが重要となる拠点体育館を壊したから警戒されているのさ。だからそれぐらい戦力を集中するのは当然だからね」

確かに部長から聞かされている新校舎の進入ルートは、体育館裏を経由しての進入と運動場裏をつっきてそのまま信仰者の裏口から侵入するルートなんだが、こちらが体育館を破壊したから跡は運動場を利用するルートになっている。この運動上に戦力を集中させるのは当然といえば当然だな。しかもこっちが体育館を利用する作戦を実行しちまって、ライザー側の『女王(クィーン)』が前線にでき来たわけだしな。
体育館のときよりも激戦になりそうだぜ。緊張して体が震えてきたな。

「イッセー君、緊張しているのかい?」

「あ、当たり前だ!俺なんて数週間前まで普通の男子高校生だったんだよ!!戦闘経験はお前と比べれば皆無に等しいから俺は雑魚同然なんだぜ?」

雑魚といっても俺には神を殺せる強力な赤龍帝の籠手(ブーステット・ギア)を宿している。本来なら手煮にとってはそれだけで十分脅威だが使うのが戦闘経験皆無に等しい俺だ。ある意味宝の持ち腐れがいいところだな。
それでも俺は部長のために何かしたい。してあげたいんだ!それに俺たちをここまで強くしてくれたシンやテュールさんの期待を裏切ることになってしまう。
たとえこのゲームで俺が一番弱いとしてもただでは倒れねぇ…倒れるなら一人でも多く相手を倒すぜ!

「イッセー君、ほら」

すると木場が手を見せてきた。俺と同様、手が震えていた。もしかしてこいつも………

「イッセー君は僕のことを戦闘経験豊富だといってくれている。確かに戦闘は幾度もしてきている。だけどね僕はゲームに参加することが初めてなんだ。しかも主である部長の将来が決まるゲームでもあるんだ。僕はねこのゲームに参加することに戴せて歓喜しているしそれと同じぐらい恐怖しているんだ。だからこのゲーム絶対勝とう、主である部長のためにもそして、ここまで僕たちを強くしてくれたシン君たちのがんばりを裏切らないように」

木場も俺と同じことを考えていたのか…

「それなら、ライザーの眷属の女の子達が興奮するようなオカルト研究部イケメンコンビネーションでも披露するか?」

「面白いねイッセー君!!それなら僕が『攻め』かい?」

「違うな俺が『攻め』なんだよ!!ッて変なこと言わせるんじゃねえ!!」

まったく。まんまと木場のペースに飲まれちまったぜ。
そんなやり取りをしていると突然勇ましい序英の声が聞こえてきた。

「私はライザー様に忠誠を誓っている『騎士』カーラマイン!!こそこそと腹の探りあいをするのはやめにしようじゃないか!!リアス・グレモリーの『騎士』よ、いざ尋常に一騎打ちで剣を交わおうではないかないか!!!」

グラウンドの中央で装甲が少なめの甲冑を着た女性が堂々と立っていた。てかなんつー大胆な女性だよ!あんなところに堂々とたっていれば『狙ってください』っていっているようなもんだぞ!

「あちらから名乗ってしまわれたら『騎士』としてとして、一人の剣士として隠れるわけにはいかないね」

木場は独り言つぶやくと隠れていた倉庫から出て運動場に向かった。

「まったく。しょうがないな俺も付き合うとするか」

俺も木場を追いかけるように隠れるのをやめ木場についていった。

「僕はリアス・グレモリー様の眷属『騎士』木場祐斗」

「同じくリアス・グレモリー様の『兵士』兵藤一誠だ!!」

俺と木場はそれぞれ自分の名を名乗る

「リアス・グレモリー眷属たちよ。私は思えた地のようなものがいて感謝しているぞ。ふつうなら堂々と正面からやってくるのは正気の沙汰じゃないからな」

まともじゃないって指摘されてもあんたには言われたくないぜ。

「だが、私はお前たちのようなバカが大好きだ。では…はじめようか」

「そうだね、『騎士』同士の一騎打ち。僕としてはすさまじい剣戟を繰り広げたいところだね」

「その言葉を持っていたぞ!!リアス・グレモリーの『騎士』よ!!!」

そして木場とライザーの『騎士』の一騎打ちが始まった。そういえば俺だけでたらでたでどうすればいいんだろう?木場の応援?でも少しはなれたところに、ライザーの『戦車』と『僧侶』がいるからあちらを相手すればいいってことだよな。
俺は木場を心で応援しながらライザーの『戦車』と『僧侶』向き、構える。

「おや、忘れられたと思ったがが」

「残念ながらこれは部長の将来がかかったゲームなんでね。敵のことは忘れるわけないからな」

ライザーの『戦車』と『僧侶』。おそらく格好からして顔の半分だけ仮面を付けているのは『戦車』だろう。もう一人の貴族みたいな格好をしているのは『僧侶』だろうな。
しかし。こう自分を見てみると洞察力か?それが自然と身についているな。これも二人の修行の賜物かもな。
俺が考えているとライザーの『僧侶』らしき女の子が文句を言いながらライザーの『戦車』の横に並ぶ。

「まったく頭の中で剣一色で塗りつぶされた同士、暑苦しくてたまりませんわ。まったくカーラマインったら、主である『(キング)』の策略である『犠 牲(サクリファイス)』で『兵士』を犠牲にしたときも納得のいかない表情をしてましたしあの人は下僕の自覚がないなんてついていませんね。しかもリアス・グレモリー様がかわいがっている『兵士』、あなたでしたね。まったくあの方は趣味が悪いのかしら」

見方を辛口評価しているな。しかもさらっと俺に悪口を言ってきたな!!失礼な女の子だな。

「まったく金髪お嬢様キャラかと思ったが毒舌のオプションつきかよ!!でも俺が戦って倒すことには変わりねえしな。ブースッテト・ギア、スタンバイ!!!!」

『Boost!!』

俺は赤龍帝の籠手を左手に装着し構える。しかし『僧侶』らしき女の子は、そのまま嘆息するだけでまるで戦う気がないように見えた。

「私は戦う気は毛頭ありませんわ。イザベラ、あの『兵士』のあいてをしてあげなさい」

イザベラと呼ばれた『戦車』が無言でうなずき前に出る。
てか、あのドリルロールの髪型のあんなの子は戦う気ないのかよ。

「元からそのつもりでいたからな。お互いこぶしで戦うみたいだ。ならば戦おうじゃないか」

「それはいいんだけどよ。そっちの『僧侶』らしきお嬢さんはバトらないのか?」

「そのことか、それなら気にしないでくれあの子は特殊でね。今回も観戦だけするそうなんで攻撃はしてこないから大丈夫だよ」

「はぁ?意味わからねぇんだが??」

てゆうか、お互いの主の将来が決まる戦いなのに観戦って普通ありえなくね?

「簡単に説明すると彼女――いや、あのお方はレイヴェル・フェニックス。ライザー様の実の妹で特殊な扱いでライザー様の眷属としているんだよ」

ええええええええええええええ!!!!????。は!?実の妹を自分の眷族にしているだと!!!!

「ライザー様曰く、『実妹を眷属に入れることに意義がある。ほら、近親相姦ってやつ。あこがれたり羨ましがるやつがいるだろう?まあ、残念ながら俺は妹萌えじゃなく巨乳お姉さんだから形として悪魔ってことだ』らしい。私にはまったくわからん趣向だが」

あの鳥野郎、本当に変態でバカだったのか…でも、妹をハーレムにいれたいって言うのは十分に理解出来るな。くっ…俺も妹がほしかったぜ!!!

「では会戦と行こうか…リアス・グレモリーの『兵士』!!」

「おっと危ねえ!?」

俺はライザーの『戦車』。イザベラの唐突なストレートを回避し後ろに下がり距離をとる。

「ほう、今の攻撃を回避するとはな。少し君を見くびっていたようだな。こっちもギアを二段…いや全開で挑ませてもらうとしよう!!」

「こっちも伊達に地獄の修行をやってきたわけじゃないからな。俺もお前を倒す気でいくぜ!!」





















 
 

 
後書き
次回、ゲーム終了です。 

 

Change8:悪魔の決闘・後編~A cruel endier~

〔ライザー様の『戦車(ルーク)戦闘不能(リタイヤ)

「よしゃぁぁぁぁぁ!!」

俺、兵藤一誠は今まで戦闘をしていた『戦車』をドラゴンショットで倒し呼吸を整える。しかし思ったより体力の消耗が激しい。しかも『戦車』イザベラとの戦いでドラゴンショットを2発、空撃ちしているためもともと魔力が皆無に等しい俺はもうドラゴンショットはよくて一発撃つのが限界だな。

「どうやらイザベラは本気を出していたようだが心のどこかで相手の『兵士(ポーン)』をいや赤龍帝の籠手(ブーステット・ギア)を持つ君を侮っていたようだな。イザベラみたいにならないように私は油断しないようにしよう」

敵にほめられたよ。喜んでいいのか悪いのかわからないぜ。

「しかし、あれはひどい技だな。まさか女性の衣服を下着ごと消し飛ばすとはな」

「それをいわれたら面目ないね。ごめんねうちの『兵士(ポーン)』がスケベなせいで変な技を使わせてしまって」

悪かったよ!スケベでね!!

「それにしても私は特殊な剣使いと戦う運命のようだな」

「どうゆうことかな?」

「以前、私は特殊な聖剣使いと戦ったことがあってね」

「――――っ!」

木場がライザーの『騎士(ナイト)』の言葉を聴いたとたん表情が先ほどと変わっていた。まるで何かを憎んでいるかのような表情。しかもあれでも感じられるくらいに木場から殺気が出ている。

「その様子どうやら私が話した者と因縁があるようだな」

「その聖剣について話してもらおうか…」

「答えたいところだが今は敵同士、それなら言葉で答えるのは無粋だ。私はその問いに剣で答えよう!」

「そうかい……口が利けるなら瀕死でもかまわないか………」

木場があそこまで感情的になるなんて・・・・って今はさきほど援軍に来たであろうライザーの眷属たちを警戒しなくちゃな。

「あれ?イザベラ姉さんは?」

「どうやら倒されちゃったみたいだね」

続々とライザーの眷属が集まっていく。『兵士』二人、『騎士』は木場が戦闘中のやつも含めて二人、『戦車』一名、『僧侶(ビショップ)』非戦闘員を含めて二人か…
女王(クィーン)』以外のライザーの眷属全員集合かよ。
正直勝てる気がしないけどがんばるしかないか!
それにしても部長とアーシアはいったいどうしているんだろう……。

ドゴォォォォン!!

すると新校舎から大きな爆発音がした。

「な、なんだ!?」

俺が突然の爆発音に驚くと通信が入る。

『イッセーさん!聞こえますか?』

「アーシア!?いったいどうなっているんだ?」

『はい、少し前にライザーさんから一騎打ちの申し出が出まして、リアス部長がそれを了承しまして今ライザーさんと部長の一騎打ちが始まっています!!』

まじかよ!?ってことは殺気の新校舎での爆発は部長とライザーの戦闘だってことかよ!?

「カーラマイン、そこの『騎士』はあなたに任せますわ。シーリス」

「御意」

すると大剣を携えたポニーテイルの女性が前にでる

「彼女はもう一人の『騎士』ですわ。カーラマインと違って騎士道うんぬんはありませんわ。彼女はただ相手を倒すだけですわ」

「でも彼女はまだ残しときましょうか、ニィ、リィ」

「にゃ」

「にゃ、にゃ」

「あの破廉恥な『兵士』を攻撃なさい」

すると猫娘のような格好をした二人組みが襲い掛かる。
クッ…こいつら体育館で戦った『兵士』の三人よりも攻撃が鋭いっ!

「女性の服を弾き飛ばす技なんて最低にゃ!」

「下半身のことしか考えていない男なんてキモイニャ!」

「うっせー!!男だから変態なんだよ!!」

「隙ありだぞ!」

「あぶねえ!!」

しかも『騎士』まで攻撃に参加してきてやがる。このままだと俺がジリ貧で負けちまう!!このまま負けちまうのか…いやだめだこのゲームは部長の将来がかかっているんだ!!なら戦うしかない……。

――――なあ、俺に宿っている赤い龍帝さんよ、聞こえるなら俺の声にこたえてくれよな、お前だってこのままの劣勢はいやだろう?

「だから俺に力をよこしやがれ!!ブーステット・ギア!!!」

『Dragon booster!!』

俺に応えるかのように赤い輝きを放つ俺の神 器(セイクリット・ギア)だが足りねえ…もっと力をよこしやがれ!!!

「足りねえよ…まだぜんぜん足りねえ!前はアーシアだった。でも今度は部長を助けなきゃならないんだ。だから俺に力をもっとよこせ!!ブーステット・ギアァァァァァ!!!」

『Dragon booster second Liberation!!!』

すると俺の神 器(セイクリット・ギア)が俺の叫びに応えるかのように籠手の形状が変化していく。全体的にフォルムが鋭利になり、宝玉も手の甲以外の部分にもひとつついていた。さらに俺の中に新しい力の情報が流れていく。

………………。

そうか、これが俺の新たな力か、ならば!!

「木場ァァァァァッ!」

俺は交戦している木場に声をかけ木場の下に駆け出す。俺の新しい力は協力者がいないと使えないからな。

「お前の神 器(セイクリット・ギア)を開放しろ!!」

木場が一瞬困惑した表情を見せるがすぐに俺のやりたいことを理解して地面に剣を突き立てる。

魔剣創造(ソード・バース)!!」

木場が神 器(セイクリット・ギア)を地面に開放し、地面から幾重のも魔剣が生えてくる。そして俺はタイミングを逃さず地面に拳を打ち込む。

「いくぜ!ブーステット・ギア!!第二の能力!!」

俺は先ほどまだためた力を地面を経由して木場の神 器(セイクリット・ギア)二流し込むそしてその力で強化するのは魔剣を創る能力唯一つ。
そしてこの技の名前は――――。

赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!!!」

『Transfer!!』

ギイィィィィンッ!!!

技の発動音声とともに俺と木場以外のグラウンド全体が魔剣の海となっていた。いたるところからさまざまな形状の魔剣の刃が点に向かい鋭く突き出していた。
これを創ったのはすべて木場だ。そしてこの大量の魔剣を創る力を与えたのは俺。

――――『赤龍帝からの贈り物』、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の第二の能力。その効果は俺が倍加ででためたエネルギーを他者えと流しその他者の能力を強化する能力だ。俺はこれを利用して木場の魔剣を創る能力を強化し結果がこのようになった。

「………バカな…」

「こ、これもドラゴンの力だと言うの…」

苦悶の声を上げながら次々とライザーの眷属たちが淡い光に包まれていく。それはそうだこの場にいたほとんどのライザーの眷属の胴体や四肢に木場が作った負けんが深々と突き刺さっているからな。リタイヤだな!

〔ライザー様の『兵士』二名、『騎士』二名、『戦車』一名、『僧侶』一名戦闘不能(リタイヤ)

しかしライザーの妹はギリギリで避けたな。まあ戦わないから大丈夫か。

「イッセーくんその力は……」

どうやら木場が俺の新しい力に驚いているようだな。だがそんな時間もつかの間、俺たちに信じられないアナウンスが流れる。

〔リアス・グレモリー様の『女王(クィーン)』戦闘不能〕

「ッ!?」

「なっ何だって!?」

嘘だろ!?俺と木場は同時に思った。あの朱乃さんが…俺たちの副部長が……。

ドゴォォォオオォォォン!!!!!!

俺は先ほどのアナウンスに困惑していると聞き覚えのある爆撃音が隣から鳴り響く。俺はその爆発の先を見ると煙を上げ所々出血している木場がいた。

「き、木場!!」

俺は木場に寄ろうとするがその前に淡い光となって消えてしまった。

〔リアス・グレモリー様の『騎士』戦闘不能〕

「くっ…木場……」

俺は木場をやられた悔しさに立ち尽くす。しかしそれもつかの間、聞き覚えのある女性の声が上空から聞こえる。

「『騎士』撃破(テイク)

ライザーの『女王』が冷笑を浮かべながら非常な言葉を口にした。俺はその言葉を聴き怒りの頂点が一気にマックスになった。

「朱乃さんと木場をやったのはてめえか!!」

あの爆発は間違いなく小猫ちゃんを戦闘不能似させたやつと同じだ、チクショウ!!小猫ちゃんと同様に二人ともやられたわけか!!

「降りて来いライザーの『女王』!!小猫ちゃんの、朱乃さん、そして木場の仇をとってやる!!今から俺がお前に神 器(セイクリット・ギア)の力をお前の体に叩き込んでやる!!」

俺はライザーの『女王』を挑発するようにやつに向かって拳を突き出す。しかしライザーの『女王』はそれを嘲笑うかのように一瞥しそのまま部長たちが一騎打ちをしている現場に向かう。

「クソッ!!待ちやがれ…クッ………」

俺は怒りに任せてライザーの『女王』を追うとするが愛が急にもたつき膝を地面に突いてしまう。
やっぱり先ほどのライザーの『戦車』と倍加の譲渡で体力がなくなっている。しかも体中が悲鳴をあげている。だが俺はリアス・グレモリーの眷属で『兵士」だここで立ち止まるわけにいかない!!他のぬからこのゲームが終わるまで持ってくれよ俺の体!!

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

俺は無理やり体を奮い立たせ部長が戦っている新校舎の屋上を目指す。

途中何かライザーの妹から話しかけられたが無視した。

イッセー視点終了



―○●●●●○―



シン視点

俺――神無月進は今、朱乃さんとライザーの『女王』の戦いを見ていた。本来ならイッセーの戦いを見ていく予定だが、映像越しにライザーの『女王』の表情に余裕……いや朱乃さんに確実に勝てる表情をしていた。

『ぐはッ!!!』

今のところ朱乃さんが状況的に有利になっている。だが何か引っかかるな……。

『さすが『雷の巫女』と言ったところのようね。でもさすがにあなたも魔力はないはず……』

『心配しなくてもよろしいですわ。少し休めば回復しますわ』

『残念ながらそうすることはできないわよ?『雷の巫女』さん』

怪しげな笑みを浮かべながらライザーの『女王』が胸部の谷間から小さな小瓶を出す。あれは確か――――

まずいなあれは以前悪魔の産業について書かれた書物にあった『フェニックスの涙』そう言うことか、だからライザーの『女王』は余裕を持っていた。

『まさか!?それは……』

『いまさら気づいても遅いですよ。かかりましたね『雷の巫女』さん』

そして小瓶に入っている液体をライザーの『女王』が使い先程の朱乃さんとの戦闘がなかったようにライザーの『女王』の外傷がすべて治っていきついには外傷がすべて消えた。

『くっ…まさかフェニックスの涙を使うとは……』

『あら、卑怯とは言わせませんよ?まずルールにフェニックスの涙の使用禁止なんてありませんし、それにそちらには回復の頂点に位置するともいわれる神 器(セイクリット・ギア)聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)がありますよね』

朱乃さんが痛いところを突かれた様な表情をしている。まあ誰もが同じ状況になればそう考えるだろう。

――――だがこの展開は最初から俺の組んだ予定通り進んでいる。そしてこの状況が起こったとなればこれで”不死鳥狩り”を最高の形で実行できる布石が九割そろった。

だが俺と同じ事を考えている奴が隣にいるが…まあそれはこのゲームが終わった後でも遅くはないだろう。

『〔リアス・グレモリー様の『女王(クィーン)』戦闘不能〕』

そして朱乃さんのリタイヤそして不意打ちの攻撃を受けて木場もリタイヤ、そしてイッセーも限界が近い体力を使いライザーに立ち向かうのも敵わず、そして結果は――――。

『〔リアス様の|投 了《リザイン」を確認……よって、今回のレーティングゲームはライザー様の勝利です〕』

俺の予想通り、リアス部長たちの敗北でゲームの幕を閉じた――――が、ここから俺の役割だ。もちろん今俺がやろうとしていることは俺と”彼女”以外は誰も知らない。

「さてゲームはライザー君の勝利で終わったたね。みんなゲームを見た感想を聞きたいんだがいいかね」

ゲームが終わり四大魔王の一人サーゼクス・ルシファーがゲームの感想の意見交換を切り出した。まあ一応聞いてみるのもいいかもな。

「まずは私からだ」

最初はアジュカ・ベルゼブブか。確かこの魔王は四大魔王の中でも技術・頭脳が群を抜いているだったな。さて冥界でも最上位の頭脳はどのような意見を切り出すか…。

「まあ、なんとなくこのような結果にはなると思ったが。サーゼクスの妹は輪t裸子の予想以上に奮闘していたな。特に赤龍帝の戦闘での進化そしてあの動きまさに今回のゲームのMVPは彼といったところかな」

ゲームの内容をしかっり見ている人の内容だな。しかしイッセーの話になったとたんなぜかこちらに視線を傾けてきたが………そうか奴も察しはついているのか。

「次は私だね☆」

この人は絶大な魔力と天性の力で魔王になったセラフォルー・レヴィアタンだな。

「私としてはリアスちゃんたちもほめたいところだけど今回はライザーくんの先方に対して少しがっかりさせられたね。確かに犠 牲(サクリファイス)は戦術としてしっかり有るけど、あれはあくまで劣勢を強いられたときの非常策のはずなんだよね。あんな戦法で勝ってきたライザー君に対して戦術の甘さと、(キング)としての資質に少々がっかりだったね」

この人初対面が少々あれだったからあまり期待していなかったが、存外しっかりとした感想を述べるな。考えてみればしっかりしてないと王の称号なんてもらえないからな。

「次は僕だね~」

ファルビウム・アスモデウス…この人は旗から見れば怠け者に見えるが魔王の照合を得ている以上そうでもないだろう。

「まあ~戦いの面を見ると上級のプロ相手にサーゼクスの妹ちゃんはありえないぐらい善戦していたね~。それに比べてライザー君は油断しすぎでもしこれがプロとのゲームだったら確実に負けていたね~~。結果としては満足できないけど」

「みんなそれぞれの感想をありがとう。私は特に妹、リアスの『兵士』君に賛辞を送りたいね、ところどころ私情に駆られたり、妙な技などが出たが私もアジュカと同じ意見だ。しかもセラフォルーとファルビウムの意見も私としては同感といいたい。確かにライザー君はリアスに勝ったが試合の内容的には少々辛口な評価をせざる終えない。何せゲームを経験したことないリアスたちにフェニックスの涙を使って勝ったからね」

まあ、四大魔王がいっていることはすべて正論だな。はっきり言えば戦場は常に結果が求められそのためにしてきた功績などは意味を成さない。だがこの常識はあくまで戦場・戦争で使われるものだ。今回はあくまでも魅せる戦い、戦術はもちろん立ち回り・状況判断・駒の使い方、つまりそれにいたるまでも経緯も観点に入っている。

要約すればライザーは勝負には勝って評価でリアス部長たちに負けたって所だな。

「さて君はどうだね?リアスの協力者『神無月進』君?」

魔王サーゼクス・ルシファーの一言でほかの四大魔王、そしてアナウンスを終えた銀髪のメイドのグレイフィアさんもこちらに転移してきた。

おそらくは感想を述べさせるのは建前だろうおそらく俺がやろうとしていることについて俺から話させたいんだろう。だが俺もあちらの真意を聞いてから交渉したい。ならこの質問逆に利用させてもらおう。

「あなた方と同じ意見ですよ。それよりも魔王サーゼクス・ルシファー、どうやらあなたは俺に違う発言を求めているようだが、素直に言ったらどうだ?」

「………」

俺の発言により観戦部屋に静寂が訪れる。さてこの言葉にどう出る………

―――――四大魔王の一角紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)と称されるサーゼクス・ルシファー。

「どうやら我々の探りは失敗に終わったようだな、サーゼクス」

「そうだねもう話していいんじゃない?サーゼクスちゃん?」

「そうだね~でもアジュカとサーゼクスが考えた探りを不成功にするなんてすごいね~~君」

この様子だと四大魔王全体が絡んでいるな。

「みんなの言うとおりだ。私たちの負けだよ」

どうやら俺が勝ったようだな。しかしもしほかに違う言い方や話し方だとこっちが計画を話さなければならないからな。まずは四大魔王の真意を聞かない事には始まらない。

そして一息つきサーゼクス・ルシファーが話す。

「率直言わせてもらおう。うちの妹を奪い返してくれないだろうか?」

―――――どうやら勝利の女神は俺に傾いてくれたようだな。

「俺もあんたにそう言われなくともそうするつもりだ。まあそれならこの日にこの用紙に書かれていることを実行してもらおう。後はこちらがすべてやる」

俺はこのことを予期して魔王サーゼクス・ルシファーにやってもらうことを書いてある用紙を準備していた。これが無駄にならなくってよかったが。

「…………ほう、なるほど君のやりたいことが大体わかったよ。なら当日の”パーティ”は妹の『兵士』君が目覚めるころに行いそして迎えを送るよ」

「理解が早くて助かる。では俺が準備があるのでオカルト研究部に戻してもらいますか?」

「そうだね。グレイフィア、彼を妹の部室に戻してやってくれ」

「御意。ではシン様こちらへ」

俺はグレイフィアさんが展開した転移魔方陣の上に乗る。

「では、これにて失礼します四大魔王の方々。サーゼクス・ルシファーあなたは当日会いましょう」

「ああ、わかったよ。君とのゲーム観戦なかなかよかったよ」

「そうだなサーゼクス。私としては今度あったときはチェスの勝負でも挑みたいところだな」

「私はいつでもあにきて歓迎よ☆」

「んじゃ、またね~~~」

こうして俺は転移の光に包まれた。


 
 

 
後書き
どうも革命者です。ある意味久しぶりにあとがきを書きました。そして投稿が遅れてすみません!!なかなかどのようにしてライザー編の最終局面を盛り上げるための文章を考えるのに時間がかかりました。
ですが第二章の最終局面は必ずいい感じに仕上げたいと思います。

それでは次回でお会いしましょう!!

感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で登校されているSS作品でもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!!
 

 

Change9:不死鳥狩り:前夜~One piece of instinct~

三人称視点

「さて、みんなどうかね『彼』と実際にあってみた感想は?」

「そうだな…私としては只者ではないのは確かだと思う」

「そうね~私は高校生にしては雰囲気や見た目が大人びているところかな」

「僕は考えやここにいるときの意識が普通とは思えなかったね」

シンが去った後、四大魔王全員が『神無月進』とゆう存在とあってどのように感じたかの話し合ってていた。

「私もみんなの意見と同意権だ。それにみんなもおそらく共通で同じ事を”二つ”あると確信してる。おそらくあって我々全員がすぐに感じ取ったことだと思うが」

「私も今同じ事を考えたところだ、それで一体それは何だサーゼクス?」

「確かに私も『彼』とあった瞬間二つすぐに気づいたことはあるよ」

「みんなそうなんだ~」

神無月進と邂逅した四大魔王足しがあってすぐに会い感じたこと。これは次のサーゼクス・ルシファーの言葉で観戦部屋の空気が一瞬にして変わる。

「ならはなさせてもらおう。我々が『彼』―――神無月進と会い感づいたこと。一つ目は人間では到底保有できないほどの異質な『計り知れないエネルギー』。そして一番重要である二つ目……
――――すべての生物が常に放つ生命の波動が『全くない』とゆうことだ」

「「「…………。」」」

サーゼクス・ルシファーの発言でほかの四大魔王達が表情が一瞬にして鋭いものへとかわる。

「沈黙とゆうことはみんな同じ事を感じたようだな」

「セラフォルーもファルビウムも私やサーゼクスと同じ事を感じたのか…」

「アジュカちゃんの言うとおりだよ」

「僕も同意見だよ」

「確か妹リアスの報告では、彼、神無月進に関して『現代の科学技術を凌駕した超兵器を扱う兵士』本人の口述をそのまま報告していた。だが彼の身辺や経歴などをアジュカに調べてもらったところ…」

「彼の経歴はなぜか彼が駒王学園に転入してからの経緯しかわからなかった。家族や親類などの経緯を追ってみたが彼の過去の情報が皆無といってもいいほど何もなかった」

「しかも彼の使う力を移した映像があるんだが……とりあえず見てくれ」

サーゼクス・ルシファーが空中に魔方陣を展開し映像を出す。そして映し出された映像にサーゼクス・ルシファー以外の全音が驚愕することになる。

「「「!!!!????」」」

『少し黙れ…醜いカラスが』

―――ザシュッ!

映像の堕天使の片腕が両断される

『シン!?あなた……』

『リアス部長こいつは人の…いや命をもてあそび過ぎた。消し飛ばすなんて楽な死に方俺が納得いきません。こいつ堕天使レイナーレはしかるべき罰…痛みを受けてから死ぬべきなんです。なので手出しは無用です。』

『……判ったわ』

『さて貴様には三つの痛みを受けてもらう』

『た、助けて……』

『一つ目、人の心を汚した痛み』

―――ザシュッ!

もう片方の腕が両断される。

『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!』

『二つ目、命を弄び軽蔑したこと。』

―――ブスッ!

映像の堕天使の腹部に刃が刺さり刺さった刃が傷口を抉るように抜かれる。

『ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

『三つ目、また人の心を利用し欺こうとしたこと。』

―――ザシュッ!ザシュッ!

映像の堕天使の黒い翼が切り落とされる。

『あ、あああ……』

『さあ、目の前の 絶望()変革(抹消)する!》

堕天使の頭部に刃が刺さり堕天使は倒れるように絶命した。

映像は終わり観戦部屋の空気が重くなる。

「サ、サーゼクス…まさかこれが……彼の力なのか……」

「サーゼクスちゃん!!!”これが本当に彼”なの!?」

「先程の彼を見ているから、にわかにはこれは信じがたいな」

「みんなの気持ちはわかる。私も最初に見たときは驚きを隠せなかったからな」

四大魔王が映像で見たものは神無月進の使う緋晶機人ではなく………。

―――歪な人型の形をしており禍々しい瘴気を溢れさせる化け物が映っていたのだ。

「この映像を観て一度リアスに彼の戦っていたときの姿を確認したのだが―――『緋色の軌跡を描き卓越的な戦闘を魅せるアニメのようなロボットだった』と報告していたんだ。先に彼と会っていたグレイフィアもリアスと同じ報告をしていたからね」

「なるほどだから、彼と我々を直接顔合わせをする機会を設けたのか」

「それに彼がこちら側の敵でないとしたら今回のリアスとライザー君の婚約問題を解決に利用できると思ってもいたからね」

「それでさっきの会話の様子だとサーゼクスちゃんは彼が私たち側の敵もしくは脅威でないことがわかったから彼にお願いしたのね」

「その通りだよセラフォルー」

「いい結果が見れるといいね」

「期待している……いやそもそも彼なら確実に成功させるだろう、何せ」

「私の最強の『女王(クィーン)』に啖呵を言えるほどの存在だからね。期待しているよ…………
―――正体不明の妹の協力者『神無月進』君」

サーゼクス・ルシファーが観戦部屋の窓を開けて紫色の空を見ながらまるで誰かに語りかけるように話していた。

三人称視点終了




―○●●●●○―




シン視点

レーティングゲームから数日後、俺は今自宅でこれから行う計画の準備をしていた。本来武器はリビングにある隠してある装備を使うのだが、あそこにある武器はあくまで対人用。今回は人ではなく悪魔を相手にするので違う武器を持っていくため廊下の奥にある地下へとつながっている階段を降りる。そこにある武器が俺がよく使っていた武器なのだが。

そして会談を降りるとそこには大型船を収納できる面積ぐらいある地下室がある。ここに俺専用の特殊銃火器がある。

そこには何かを作る巨大な工作設備と銃の射撃場・出撃用のカタパルト、そして俺専用の二つの銃火器がおかれているショーケースや色々な物がおいてある。この武器はこの世界に来てから一度も使用していない。なぜなら表の世界では強力すぎるからだ。だが今回は相手が人間ではないので今回から使うことにした。

ショーケースには銃身が長方形の形をしたリボルバー式拳銃と中央に髑髏のを模した銃把がある巨大な十字架があった。

「まさか、こいつらを早く使う時が来るとはな」

俺は二つの武器をショーケースの暗号ロックを解除し取り出す。

『なかなか個性のある武器ね』

「まあ、もともと俺が扱うために作られたから物だからな。しかも形に関してはこれを作った当事者の趣味らしい。」

スカーレット・ハートが俺の武器を見て珍しそうに感想を言う。実際こんな武器普通の兵士にしてみればこんな武器は普通扱えないとか、欠陥品としてみるしかないからな。

俺は二つの武器の整備と弾丸の装填を行っていく。本来なら弾丸の装填などは行わなくてもいい武器などだがこのシステムは俺が”生成能力”を持っている前提のシステムなので制限つきになる。拳銃のほうは予備の弾丸を持っていけるが、十字架型のほうは規模が大きすぎるので装填しただけの弾丸しかもって行くことしかできない。まあこの二つの銃火器はあくまで目的地に行くための抱け煮使うだけだがからな。

『とゆうことは、あなたの本番は早速カスタムした《スレイヴ・バルバトス》の初陣にするつもりなのね?』

「そうゆうことになるな」

俺は武器の整備を終え、隣にあるクローゼットから戦闘用の衣装を出し着替える。薄暗い黒を貴重とした戦闘服そして腰の右側に黒と灰色のグラデーションの片翼の装飾品をつけている。

『まるでファッションのような格好ね。客観的に見るとモデルみたいよ』

「しかたないだろう…これをデザインした本人が『シンくんは普段ファッションに無関心だからせめて戦闘服で見た目をかっこよくしないと駄目だよ!!』とか何とかでこうなっているから仕方ない」

今考えれば俺の武器は武装の設計者はどこかずれていた気がする。まあ、いまさら考えても遅いと思うから考えないようにしよう。

俺は拳銃用の予備の弾丸を3セット装飾品の部分に収納し拳銃は右足のホルスターにしまい、十字架型の武器は灰色の布で巻きベルトで巻いた布を固定して背中に背負う。

「さて…俺の準備は終わった。あとはイッセーお前の覚悟次第だ………」

俺は机においてあるサングラスをかけながら地下室を後にする。

シン視点終了




―○●●●●○―




イッセー視点

赤い―――赤く燃える夢を見ている。俺の中に何かが俺に訴えかけている……。

―――お前が揮っている力は本来の力ではない―――

誰が…俺の神 器(セイクリット・ギア)か?俺に渦巻いている本能なのか?

灼熱に燃える炎の渦の中語りかけてきた声の主が口の端を吊り上げる。

『今のお前のままだと、どんなに努力しようと鍛錬を積もうと強く離れない』

俺の頭の中にそんな感じの声が流れてくる…。俺の思っていることでも、本能でもない……心の奥底から……いや俺の左腕から流れてくる。

『お前はドラゴンを宿した異常な存在。無様な戦いを見せるなよ?そんなことじゃ『白いの』や『歌姫』に笑われるぞ』

お前は何者だ………。もしかしてあのときの新しい力もお前が俺に与えたのか………。

『ああ、その通りだ。お前が望み、俺も望み『白いの』『歌姫』も望んだ。だからお前の力は新たな段階へと進化した』

俺が…望んだ?言ったにないを言っているんだ。つーかさっきから『白いの』『歌姫』とかいったい誰なんだよ!!!

『いずれ奴等は、お前の前に現れる。そうさ、俺とお前は奴等と戦う運命にあるからな。そうだなこうして話せるようになったんだ。俺の力、お前が宿している力の使い方を教えてやろう』

いったいお前は何が言いたいんだ……。つーかお前はいったい誰なんだ?

赤い龍の帝王(ウェルシュドラゴン)、ドライグ。かつて三天龍と呼ばれたドラゴンの一角だ』

三天龍と呼ばれたドラゴン…ドライグ。それがお前の正体なのか……。

『負けるのも良い。戦い死なずして敗北すればそれらは新しい力の糧となる。敗北しそして勝利し、勝ち続けろ。その先にはきっと奴等が自ずと現れる』

俺がどうなるって言いたいんだ?

『なあに。お前が強くなれば自然にわかってくる。そのためなら俺はお前に惜しみなく力を与えよう。だがこれだけは覚えておけ。力には必ず大きな犠牲が伴うことを。お前が犠牲を払う価値尾だけの力を俺はいつだって与えてやるさ。お前は嘲笑い、さげすんだ連中に思い知らせばいい。力の塊である『ドラゴン』とゆう存在。そしてどこかで見ている『緋き結晶の英雄』にな』

イッセー視点終了




―○●●●●○―




シン視点

俺は今テュールと一緒にイッセーの家にいる。今回の計画の主役はイッセーだからな。ちなみに俺の計画を事前に知っているのはテュールだ。

「マスター。強化が決行日だね。でも肝心のイッセーはどうなっているのんだろう?」

テュールが若干不安そうになっている。

「それに関しては大丈夫なようだ。さっきイッセーの部屋があるところでイッセーの力が変化したのが確認できた。後は俺たちがイッセーに合流しサーゼクス・ルシファーの使いが手筈通りに目的地まで送ってくれるはずだ」

「でも、もしも魔王の協力が得られなかったらどうするつもりでいたの?」

そうゆうことか、実際その問題がないからどうでもいいんだが。一応言っとくか。

俺とテュールはイッセーの自宅に入りながら話す。

「テュールが言ったケースの場合、パーティーに参加する形でイッセーも連れて行く予定だった。だが魔王が家族のことを心配するのは元から判っていたことだ。少なからずあの魔王は俺が行動を起こさずとも何か対策はしてくるのは確実だったからな」

「マスターは戦闘技術もすごいのに、作戦とか計画とか頭もいいんだね!」

「そこまでほめても何も出ないぞ?」

そして俺とテュールはイッセーの自室の前に立ちサーゼクス・ルシファーの使いがイッセーの前に再び現れたのでイッセーの自室に入る。

「グレイフィアさん準備はできました……って!?何で個々にいるんだ?シン。それにテュールさんも……」

突然の入室に驚いているようだな。

「お前と同じ理由だ。それとテュールはこのことを話したらついて行くと言ってな。だから戦力増強として連れてきたんだ。そうだろう?テュール、グレイフィアさん」

「う、うん!!」

「そうでございます。兵藤一誠様」

今イッセーに言ったことは嘘だ。あくまでもこの計画は魔王サーゼクス・ルシファーが起こしたことにしなければならない。俺が企てた計画だとほかの悪魔に知られたらいろいろと問題が起きるからな。
それにしてもテュールの演技はなんと言えばいいか……下手だな。

「どうやらイッセーも準備ができたみたいだな。その様子だと力を得て、覚悟を決めたようだな」

俺はイッセーの左腕を見ながら言った。どうやら一世ーの右腕は力を得た代償なのか悪魔の肉体ではなく別の肉体になっているな。これなら大丈夫だろう。

「準備はできましたか皆様」

「ああ、俺とテュールは準備できている」

「俺もできました」

「それでは皆様を目的地まで転移させます」

グレイフィアさんが俺たちの立っている床に魔方陣を展開する。次第に光が強まっていき転移が始まる。


「あくまでこれは私の私情なのですが言わせてもらってもよいですか?」

「何ですか?」

イッセーが突然の言葉に驚く。

「お嬢様をどうか頼みます」

そして俺たち三人は転移の光に包まれた。







 
 

 
後書き
どうも読者=サン。革命者デス。
さてさて今回の話はどうでしたか?今回の話でライザーを色々な意味で叩きのめすにする布石が整いました。そして次回ライザー編最終回です。そして最終回で意外な人物が登場するかも知れません!

それでは次回でお会いしましょう!!


感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で投稿されているSS作品でもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!! 

 

Change10:取り戻した紅髪姫~Prohibition brought by consideration~

 
前書き
すみません次回で最終回です。詳細はあとがきで話します。 

 
転移の光がやみあたりの景色が鮮明になった。すると正面には大きな城の様な建造物とその入り口であろう大きな門があった。まあお決まりのごとく門番が数人いるようだがな。

「転移成功のようだな。二人ともいるか?」

「大丈夫だよマスター」

「お、おう!俺も大丈夫だぜ!」

どうやらテュールとイッセーも無事に転移できたようだな。―――ここが大半の死者がたどり着くといわれる『冥界』…か。

不気味に光る紫色の空、そいして人間たちが生きている人間界とは異なる空気。大気などは人間界とはまったく変わっていないが、通常よりも魔力だったか…そんなエネルギーが人間界よりも多く漂っている。まあ。今はそんなことはどうでもいいか。

「さてここに転移してきたとゆうことは、目的の場所はあの城の中のようだ」

「そうだね。さっさと突撃しちゃおうか!」

「おう!それにしてもシン…なんだその背中に背負っているやけにデカイ十字架は?」

イッセーが俺が持ってきた武器に興味があるようだ。あまり説明している暇はないが…目の前の門番と城門を片付けるついでに披露するか。

「まあ、今から使うから見ときな」

俺は二人を物陰に隠れさせ門番が俺を視認できる距離まで近づく。すると門番と衛兵数名が俺の存在に気づいたかのように槍と魔法の杖のようなものを構える。

「貴様、悪魔ではないな、何者だ!!」

「ここはお前みたいな人間が来るところじゃない、立ち去れ」

まあ、当然の反応だな。だがこっちに目的ががあるからさっさと片付けるか。

「ちょっとここの城でおきているパーティーを『変革』しにきた『人間』だ」

俺は背負っている十字架形の武器を前に立てかけベルトの固定を解除し、周りに巻いてある布を剥ぐ。

「十字架だと!?貴様、エクソシストか!!」

「総員攻撃開始!!魔法班はエクソシストに向けて魔力を放て!!!」

魔法の杖を持った門番と衛兵が俺に向けて魔力の波動を放つ。

俺は十字架の武器、『Wolf Wood Punisher(ウルフウッド・パニッシャー)』をそのまま立てかけまま盾にして魔力の攻撃をすべて弾く。

「な、何!?我らの魔法を弾き返しただと!!」

「う、うろたえるな!!ならば近接線でしとめればよい!!」

槍を構えた衛兵と門番が俺に向かって突撃してくる。俺はWolf Wood Punisherの中心にある骸骨を模した銃把を握り十字架の長身部分を開き機関砲の銃口を展開させ突撃してくる槍兵に向かって引き金を引く。

「な、何だ、これは!?ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

「こ、これは銃弾!?うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

突撃してきた槍兵とついでに広報にいる魔法兵も全員急所を外し討ち抜く。

「うぐっ」

「足が……動けん」

「急所は外した。下手に動かなければ大丈夫だ」

カチッ……。門にいる衛兵たちを全員無力化したと同時に弾切れになる。やはり通常弾だとすぐに弾切れになるな。後残っているのはミサイルランチャーが一発だけか…これはあの門を破壊するのに使うしかないか。

「す、すごいな…その十字架みたいな銃……。」

「マスターって過激なところがあるね!!」

敵の無力化が終わったのを感じて二人が来ていた。まあ俺も驚いていることはあるんだよな。いくら通常弾とはいえ普通の人間がこれを食らったら衝撃で普通死ぬが、こうして悪魔の衛兵たちは生きているな。悪魔って本当に人間よりも頑丈にできているんだな。

「そうか、だが今はリアス部長を助けるのが先だ。とっとと会場に行くぞ」

俺はそのままWolf Wood Punisherを肩に担ぐように構え短身の部分から先ほどと同じように砲門を展開させそのまま門に向かってミサイルランチャーを発射し門を破壊する。

「さて、目的地まで走るぞ」

俺はWolf Wood Punisherを再び背中に背負い二人に急ぐことを促す。

「シンって意外とハチャメチャなことするんだな」

イッセーが何かを言ったが気にせず二人を連れてパーティー会場へと向かうため城の中に進入した。

シン視点終了





―○●●●●○―





木場視点

僕―――木場祐斗は今日行われている部長の婚約パーティにいる。本来なら参加したくないんだけど部長のパーティであるから眷属である僕や朱乃さん、小猫ちゃんは参加しなくちゃいけないからね。

すると奥からライザーの妹と上級貴族の会話が聞こえてきた。

「お兄様ったら。レーティングゲームでお嫁さんを手に入れましたのよ」

どうやら僕たちとのレーティングゲームを自慢げに話をしているようだ。

「勝利はゲームをする前からわかっていたようなものですけど、見せ場は作ったつもりですのよ」

「言いたい放題だね、ライザー氏の妹さんは」

「中継されていたことを忘れているのでしょう」

「ソーナ会長」

僕が一言つぶやいていたらソーナ会長が着ていた。

「結果は結果ですが、勝負は拮抗……いえそれ以上乃ものは誰が見ても明らかでした」

「ありがとうございます。でもお気遣いは無用ですわ」

「どうゆうことですか?」

会長が疑問を浮かべながら朱乃さんの言葉を考える。

「ええ、まだ終わっていませんから」

「……そうです」

「よくわかりませんが?その根拠は一体どこから?」

会長がさらにわからない表情をしている。僕が答えるか・

「『彼』が言っていましたからね。『パーティの途中で何が当ても手を出すな』…と。僕たちを鍛えてゲームで優勢な戦いを僕たちにできるようにしてくれたオカルト研究部『最強』である彼がですよ」

「なるほど、そゆうことですか。なら私も見届けることにしましょう」

するとライザー氏が派手な登場を繰り広げ会場をざわめかせた。

「冥界に名だたる貴族の皆様!このたびお集まりいただきフェニックス家を代表して恩名申し上げます!本日、皆様方にお出で願ったのは、この私、ライザー・フェニックスと名門グレモリー家の次期当主、リアス・グレモリーの婚約と言う歴史的な瞬間を共有していただきたく願ったからであります!それでは!ご紹介致します!我が后、リアス・グレモリーです!!」

ライザー氏の高々名発言と共にまるでウェディングドレスの様な純白のきれいなドレスを着た部長が現れた。

バゴォォンッ!!!

が、それと同時に聞こえた突然の破壊音に会場の人達は一斉に音の発生源の方を見た。するとそこには
倒れた衛兵らしき人達と衛兵を倒したであろう三人組がいた。

「あらあらうふふ。いいタイミングで来てくれましたね」

「そうですね。少し遅いと思いますが」

「……遅いです」

そう、倒れた衛兵の集団に悠々とたっている僕たちと同じ仲間でもあり眷属でリアス部長の唯一無二の『兵士(ポーン)』のイッセー君と……。

「まだ、部長が結婚するとは決まってないぞ温室育ちの鳥貴族」

「そうだよ!!」

僕たちを鍛えてくれたオカルト研究部『最強』のシン君とテュールさんがいた。

木場視点終了





―○●●●●○―





シン視点

さて、イッセーの要望で派手に登場してみたが。周りの上級悪魔対はあっけにとられていた。おくのステージのところにライザーとリアス部長がいるな。それにしても何だリアス部長の格好、まるで花嫁がウエディングドレスみたいだな。

「イッセー!」

「部長!」

リアス部長が真っ先にイッセーの名を叫び、イッセーはその呼び掛けに応えた。

「おい貴族ら、ここをどこだと…」

ライザーがもの申そうとするがイッセーはそれを遮り、高々と叫んだ。

「俺は駒王学園オカルト研究部の兵藤一誠!部長…リアス・グレモリー様の処女は俺のもんだ!!」

…主を助けに来たやつが言う事か・・・?まあこれで相手側に十分インパクトが伝わったな。まあ俺も名乗るとするか。

「同じく駒王学園オカルト研究部の神無月進。リアス部長を奪還させてもらう」

「なっ!?貴様か!!それにあのときの生意気な人間!!!!取り押さえろ!!」

ライザーの指示で会場内にいた6人の衛兵達が俺達の目の前に立ちはだ駆るように前に現れた。

俺はホルスターから銃身が長方形の形をしたリボリバー式の拳銃……
Vash the Stampede(ヴァッシュ・ザ・スタンピード)』を構えそのまま衛兵全員の太ももの内側を撃つ。

バッバッバッバッバッバッァン!!!!!

「うがぁ!!」

「か、体が動かない!?」

「我々全員を同時に撃ち抜く…だとッ!!!」

俺は衛兵全員を無力化する。さきほど衛兵の一人が全員を同時に撃ち抜いたと言ったが。これは西部時代にはやっていた銃技『シックス・オン・ワン』の原理を応用した技『シックス・オン・オール』意味としては『六発の銃弾を目標物すべてに命中』ってところだ。だがこれで持ってきた全ての銃弾を使いきってしまった。まあここまできたならもう銃は必要ないからな。

「これはいったい!?」

「リアス殿!いったいどうなっているのだ!!」

俺たちの突然の来訪で周りがざわつく中、俺はひときわ目立つ赤髪の長い男性が、ちょうどリアス部長に近づいて行くのを見た。どうやら手はずどおりにやってくれるようだな…『魔王、サーゼクス・ルシファー』。

「私が用意した余興ですよ」

「さ、サーゼクス・ルシファーさま!?」

貴族の一人が慌てた表情と声で、その名を呼んだ。まあ悪魔のトップに君臨する魔王がいるから当然の反応か。

「サーゼクス様!このようなご勝手は困ります」

「・・・いいではないか、ライザーくん」

・・・サーゼクス・ルシファーはライザーの言葉を止める。

「この前のゲーム、私も含め魔王全員で拝見させてもらったよ。しかしゲーム経験もなく駒も半数に満たないリアス相手に、随分と興味深い代物を使って勝利したじゃないか」

「ッ!!・・・・・・それはサーゼクス様、貴方様はあのゲームを白紙に戻せとおっしゃるんですか?」

「いやいや、そこまでは言っていない。魔王である私がゲームに口を挟めばゲーム自体の存在意義を失ってしまう。しかも今回は事情が事情だ。それにゲームを内容を周りの上級悪魔に知られたら旧家の顔もたたないだろう?」

「……ッ。判りました」

どうやらうまくライザーを言いくるめてくれたようだな。

「かわいい妹の婚約パーティ、せっかくなら派手な趣向もほしいところだ。それで私はこのような趣向を要してみたのだが見てくれたまえ」

すると会場の空中に魔方陣が現れ日本語と悪魔文字で書かれた文章が載っていた。そしてこうかかれていた。


《婚約パティー記念。レーティング・ゲーム》

《一回戦。ライザー・フェニックスVSリアス・グレモリーの『兵士』兵藤一誠》

《二回戦。ライザー・フェニックス眷属VSリアス・グレモリーの『協力者』神無月進》




と書かれていた。まさかこんなに派手に演出してくれるとはな。しかしメインがイッセーじゃなくて、なぜ俺なんだ…なるほどどうやら間王様は俺の本質を直に見たいってところか。

「さてみなさん、ここにあるとおりの婚約パーティ記念のレーティング・ゲームをしようと思う」

俺はその声明とともにイッセーと同じ立ち位置に立つ。

「これはなかなか面白余興ですなサーゼクス様。最初は私と赤龍帝の小僧との決闘だと思ったんですがまさか私の眷属とあの人間と戦わせるとは驚きです。サーゼクス様も酷な事をおっしゃられる。人間一人とわが眷属を戦わせるなど」

どうやらライザーは乗る気らしい。それにしてもずいぶんと軽く見られたものだなまるで自分達が勝利することが確定しているような言い草だ。

「さて、ドラゴン使い君。リアスの協力者、お許しが出たよ。ライザー君とその眷属の諸君今一度リアスと私にその力見せてもらえるかね」

「いいでしょう。結婚して身を固めればレーティングゲームにはあまり出られなくなる。ましてや魔王サーゼクス様の希望となっては断る理由もない。このライザーとその眷属身を固める前の最後の業火を見せましょう。お前たちもそれでいいな」

「「「「はっ!!ライザー様の仰せのままに」」」」

これでイッセーの活躍の舞台と俺の裏での活動の舞台はこれで整ったな。

「ドラゴン使い君、リアスの協力者。さて、もしライザー君達に勝利したときの対価は何が言いかね?」

「サーゼクス様!?」

「下級悪魔のどに対価など……」

「ましては只の人間なんぞに……」

サーゼクス・ルシファーの突然の進言に異を唱える上級悪魔たち。確かに貴族であるやつらにしてみればたかが下級悪魔、自分たちよりも弱い人間だからな。まったくどの時代殿世界においても差別者会話なくなる気配がないな。

「悪魔なのですから何かをさせる以上それなりの対価を提示するのは当然。それにリアスの協力者に関しては私が彼の力を見たいとゆう私情につき合わせてもらっているから対価のひとつは提示しなければならないでしょう。さて二人とも何を望むかね?爵位かい?それとも絶世の美女かい?何でも言いたまえ」

「リアス・グレモリー様を返して下さい」

「わかった。君が勝利すればリアスを連れて行くといい。さて気味は何を望むのかなリアスの協力者くん?」

望むものか…正直俺にはもう欲しいものなんてないんだが……そうだな、今後のことや俺が動きやすい環境があったほうが今後とも楽になるだろう。それならば……。

「そうですね。勝利してから言わせてもらいましょう。それなら面白みが増すでしょう」

「わかったよ。君が勝利したときにでも聞くとしよう」

まあ、これなら不満藻なくかなえられる願いだろう。

「さて、これで舞台は整った。これより《婚約パティー記念。レーティング・ゲーム》を開始する。一回戦は見てのとおりライザーフェニックスと伝説の龍を宿した赤龍帝の勝負。両者は目の前にある転送用魔方陣で特設フィールドに行くように」

さてゲームが始まるのだが、隣にいるイッセーが明らかに緊張している。まったくここぞとゆう時は点でだめだな。

「シン…今更だけど俺、勝てるかな」

まったくここに来る前の覚悟はどこにいったんだが…まあ、激励の一つや二つ掛けてやるか。

「何いっているんだ?お前はライザーに勝ち、リアス部長を助けるために来たんだろう。なら簡単なことだ勝てるかじゃない、やつを、お前をあざ笑ったやつを倒せばいい。その左腕を代償にしてやつをたおせる力を手に入れたんだろう。それならお前は大丈夫だ。だからいって来いそして十日間の修行やその代償が無駄じゃなかったところを見せ付けてやれ」

「シン……そうだな。今更不安になっても仕方ねえ!!お前のおかげで吹っ切れたぜ。ありがとうな親友!!」

元気が出て何よりだな。

そしてイッセーは専用のフィールドに転送され同じタイミングで転送されたライザーと対峙する。

『一回戦、開始してください』

開始の合図とともにイッセーが駆け出す。

『部長!!プロモーションの許可をお願いします』

イッセーの申請に無言の了承を送るリアス部長。

『プロモーション『女王(クィーン)

イッセーが『兵士』の特性の昇 格(プロモーション)を使い『女王』の特性を得る。

『部長ぉぉぉッ!!!!』

「ッ!!!!」

『部長!俺には木場みたいな剣術の才能はありません、朱乃さんみたいな魔力の天才でもありません、小猫ちゃんみたいなバカ力もないし、アーシアの持ってるような素晴らしい治癒の力もありません!それにシンみたいな常識を覆す戦闘技術もありません。ですが俺は最強の『兵士』になります!!そして!部長の為なら俺は神様だってぶっ倒してみせます!!』

イッセーの叫びとともに赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の宝玉が輝きだす。

さあ、見せてやれイッセーお前が左腕を代償にして手に入れた『禁じられた手法』を。

『輝きやがれ!オーバーブーストォォォッ!!』

『Welsh Dragon Over Booster!!!!』

その音声が発せられた瞬間、イッセーを赤い閃光が包み込んだ。光が止みその場にいたのは、全身に赤い鎧を身に纏っていたイッセーだった。その全身鎧(プレートアーマー)はまるでドラゴンの姿を模しているようだった。

『これが龍帝の力!禁 手(バランスブレイカー)ッ!! 赤 龍 帝 の 鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)だ!』

「こ、これは禁じ手!!イッセーはなぜそんな力を」

リアス部長がイッセーの力に驚いている。

「リアス部長。これがイッセーの覚悟です」

「どうゆうことなの?」

「イッセーはここに向かう途中俺にこう言ってきました。『今の自分では勝てない』と。ですがイッセーはそれでもライザーに勝ちたいその思い出あいつの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に眠るドラゴンと取引をし、自身の左腕をそのドラゴンに払い今の力を得たそうです」

「イッセー……」

リアス部長がイッセー心配していた。

「今は信じましょう。イッセーが勝つことを」

イッセーとライザーの攻防が続きがついよいよ戦いは終盤に差し掛かっていた。
途中イッセーの禁 手(バランスブレイカー)が解除して劣勢になりかけたが、アーシアにもらっていたであろう聖水と十字架を使い窮地を脱した。


『くっ、しぶといなリアスの『兵士』…ッ』

『お前のほうこそ…俺の神 器(セイクリット・ギア)で高めた聖水を喰らいながらもまだたっていられるのかよ…ッ』

見たところイッセーは後一回の攻撃が限界のようだな。

そしてライザーは無言で片手に炎を貯めイッセーにめがけて放つ。

『木場が言っていた!!!視野を広げて相手を見ろと!』

イッセーは着地すると、十字架に残りの聖水をかける。

『Transfer!!』

『朱乃さんが言っていた!!!魔力は体全体を覆うオーラから流れるように集める!意識を集中させて、魔力の波動を感じればいいと!!』

十字架と聖水を同時に強化し、腕を前に突き出す。この一撃で決めるようだなイッセーは。

『小猫ちゃんが言っていた!打撃は中心線を狙って、的確に抉り込むように打つんだと!』

イッセーは木場達が合宿で教られたことを高々と復唱する。

そしてイッセーの復唱に木場達は笑みを浮かべていた。
うれすうだろうな、自分たちがイッセーに教えてきたことが今の戦いにつながっているからな。
するとイッセーの気迫に恐れたかライザーは焦り出す。

『ま、待て!?分かっているのか!この婚約は悪魔の未来の為に必要で、大事なものなんだぞ!!お前のように何も知らないガキが、どうこうするようなものじゃないんだ!!』

説得のように見えるが、あれは完全に命乞いのようなものだった。

『難しい事は分からねえよ!!そして俺の親友であり俺たちグレモリー眷属を強くしてくれた親友とテュールさんが教えてくれた。強さは力じゃない、自分の信念を貫くのが強さだと!!!』

ん?俺そんなことイッセーに言った覚えがないんだが…。

「ごめんマスター。イッセーがね手合わせの途中でめげそう二なっていたからマスターの名前を借りてさっきの言葉言っちゃった!!」

「まあ、そんなことだと思ったよ。でもこれはいいほうに向かっているから別に誤る必要はない。むしろ感謝しているくらいだ、テュール」

だが木場たちの視線が少し気になるが。

『だけどなこれだけは言わせてもらうぜ!お前に負けて、気絶した時、うっすらと覚えてた事がある……部長が泣いてたんだよ!!俺がテメエを殴る理由は、それだけで十分だぁぁぁっ!!!!』

ドゴォォッ。

『がっ!?あ!?ああぁっ!?』

イッセーの全力の左アッパーが、ライザーの腹部にめり込む。ライザーは悲鳴を上げる事なく、腹部を押さえながら、後ずさる。

『………こ…こんな事で……お…俺が……』

ライザーはそのまま、前のめりに倒れ込む。どうやら勝負ありってところだな。

『お兄様!!』

ライザーの妹が乱入し、ライザーを庇うように、イッセーの前に立ち塞がる。イッセーは拳をライザーの妹の前に突き出し、高々と告げる。

『文句があるなら俺の所に来い!何時でも相手になってやる!!!』

こうして一回戦目は逆転劇でイッセーが勝利した。

そして次は俺とライザーの眷属の勝負。これはイッセー以上の戦いを魅せなければ笑われるな。













 
 

 
後書き
ど、どうも革命者です。
まず前回のあとがきで今回が最終回といいましたがすみません後一話続きます。
予定では今回で最終回にするつもりだったんですが、真の見せ場が想像以上に地味だったので急遽次回の話で作りました。予告詐欺してすみません!!

ですが次回で本当に最終回です!!

ではまた次回のあとがきで会いましょう!!

感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で投稿されているSS作品でもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!!
 

 

Change11:戦現・スレイヴ・バルバトス~Machine hunter~

「ライザーとの一線お疲れ様イッセー」

「ああ、約束どおり勝ってきたぜ…シン」

イッセーとライザーも一戦はイッセーの逆転勝利…。正直これで終り…ではなく、最後にライザーの眷属と俺の一戦がある。

「イッセーッ!!!」

「部長・・・俺、勝ちました!!これで部長はあんなやつと結婚しなくていいですね」

「ありがとう、ありがとうッ!!私のイッセー」

「ちょっと!?部長急に抱きつくと……でも、これはこれで……えへ…」

まったくイッセーのやつはあんないい戦いをしたのに部長に抱きつかれるとすぐ表情がゆるくなるな…でもまあイッセーの努力の報酬でいいのかもな。

「お疲れイッセーくん」

「お疲れ様ですわ」

「・・・お疲れ様です。あと表情が下品です」

「みんな!!」

木場たちと会長がこちらに来た。みんなイッセーをねぎらっている。でも、イッセーの左腕に関してリアス部長がイッセーに問いただしているな。まったくさっきまでの緊迫した空気はどこにいったのやら。

「ドラゴン使いくんおめでとう。リアスを連れて行ってもかまわないよ」

サーゼクス・ルシファーもこちらに来ていた。どうやら俺を次の二回戦に出すためだろう。

「さて次はリアスの協力者…いやすでに自己紹介はお互い済ましているからシン君と呼ばせてもらおう。もうすぐ二回戦が始まるから転送用魔方陣に向かってくれないかな」

「はい、わかりました」

「おや、てっきり断られるつもりでいったんだが…」

なるほどあれは断れる覚悟でだしたものか、確かに普通ならことわるのだが今回は目の前の魔王サーゼクス・ルシファーをふくめ俺に対して警戒心がある。ならここの戦いで危険性がないことや、俺が悪魔側につくメリットを戦うことで証明ければならない。それにサーゼクス・ルシファー画いって勝利の対価も実際ほしいところだな。

「まあ、俺はあなた方悪魔に信用してもらうためにそちらの以降を飲んだだけですよ。それに対価がもらえるなら俺としては一石二鳥のチャンスなので。でsがライザーの眷属側のほうが参加するかどうかが心配ですが」

何せ主が咲きに倒されたから、士気が落ちている可能性がある。正直戦う気がない相手と勝負して勝っても俺の優位性がデメリットになりかねないからな。

「それに関しては大丈夫なようだ。あちらをみてみたまえ」

俺はサーゼクス・ルシファーの指差す方向を見ていると、すでに戦闘服を着て準備ができているライザーの眷属たちがいた。

「ライザー様…仇はとります!!」

「ここであいつに勝たなければあのときの雪辱が果たせない!!」

どうやら俺の予想は大きく…そしていい方向に外れたらしい。これなら俺の初の裏舞台の門出がいけるな。さて先のイッセーの奮闘に恥じないようにいくか。

俺はそのまま転移型魔方陣のほうに向かう。だかここで俺に声を書けるものがいた

「シン!!」

「何だイッセー」

「お前にこういうのも尺なんだけどよ…勝って来いよ!!」

「なら私からも言わせてもらうわ…オカルト研究部部員として恥じない戦いをしなさい!!」

「君が負けるとは思わないけど、応援しているよシン君」

「頑張って来てくださいね、シン君」

「……シン先輩、がんばってください」

ここまで激励をもらうとは、これは全力を出して魅せる戦いをしないとだめなようだ。だが加減はするのには変わりないが。

「了解」

俺は一言だけみんなに返事を言い。ゲームフィールドに転送されていった。




―○●●●●○―




転送が完了し、イッセーと同じゲームフィールドにいる。まあ見た目はコロッセオのようなもので隠れる場所おろか遮蔽物もないに等しい。おそらく相手のライザー眷属はメンバーを分割して俺に攻撃を仕掛ける方法をとるどろう。

「お前たちこれはライザー様の敵討ちになるゲームですわ。やつの実力は未知数しかし身らを軽く倒せることはわかっているわ。ですが勝機が無いわけではありません。だから是やつに全力でいどみ私たちを…ライザー・フェニックス眷属を敵に回したことを後悔させましょう!!!」

「「「はい」」」

さてあちら輪すでに武器や獲物を構えている。こちらも準備するか。なあスカーレット・ハート。

『ええ、魅せて上げましょう。貴方を…私たち力を!!』

変 形・緋晶機人(トランス・スレイヴ)

俺が起動コードを唱え。『スレイヴ・バルバトス』へと変形する。そして背中に装備されている『ウルトガ・メイス』を取り出す。

『二回戦、開始してください』

「ミラ、イル、ネル。行きなさい」

「「「はッ!!!」」」

開始とともに三人の女が俺に突撃してくる。確かイッセーがレーティングゲームで相手にしていた三人組…確か全員『兵士(ポーン)』だったな。

「ライザー様の無念ここで晴らす!!だからバラバラになれー!!」

「バラバラにしてやる!!」

「あのときの雪辱ここで果たす!!」

『兵士』三人組が左右と正面から攻撃を仕掛けてくる。俺はそのままウルトガ・メイスを構えすべての攻撃を受け止める。

「「くっ!!」」

「やはり硬い!!」

双子のほうは受け止められたのを驚きながらも力をさらにこめ、棍棒使いの女は予想通りなのか表情をゆがめていた。

『その程度か?お前らが蔑んだイッセーのほうがもっと強力な攻撃が出せたぞ?』

「うるさい!!」

「お前はおとなしく解体されちゃえばいいんだよ!!」

「そうだバラバラになっちゃえ!!」

そして俺はそのまま力任せに三人の攻撃を弾き右からウルトガ・メイスを横殴りに三人組を地面に叩きつける。

「「「ぐはッ!!」」」

そして地面にたたきつけられた三人は血まみれになりながら淡い光に包まれていく。

『ライザー眷属『兵士』三名リタイヤ』

俺はそのまま緋色の軌跡を描きながらライザー眷属のほうに飛翔し攻撃を仕掛ける。

「!!??シュリヤー、マリオン、ビュレント!迎撃なさい!!」

「「「了解!!」」」

俺の進路に立ちはだかる『兵士』の三人組。確か木場に倒されたやつらか。

俺はウルトガ・メイスについている二本のフォルド・シックルをクワガタの顎のように開き迎撃してきた『兵士』三人を掴む。

「これ…何!?」

「捕まった!?、しかもこれ刃になっているだと!!」

「は、離せ!!人間」

『残念ながらお前らはここで終わりだ』

俺はフォルド・シックルの高速を強くしそのまま『兵士』三人を上半身と下半身が分裂しない程度に挟み切り裂く。

ザシュ……

「「「きゃぁぁぁ!!!」」」

鮮血を飛び散らせ俺の体に付着する。そして同じように淡い光に包まれる。

『ライザー眷属『兵士』三名リタイヤ』

「「「きゃあぁぁぁぁぁッ!!」」」

ライザーの『僧侶(ビショップ)』と残りの『兵士』が俺に恐怖を抱いたのか叫びながら逃げる。

『逃がすと思うか』

俺は逃げる『僧侶』にウルトガ・メイスの銃口を向けそのまま逃げる『僧侶』を撃ち抜く。

『ライザー眷属『僧侶』一名、『兵士』二名リタイヤ』

これで残るは、『騎士(ナイト)』、『戦車(ルーク)』それぞれ二名ずつと、『女王(クィーン)』一人。このまま押し切るか…。

『ちょっと待ってもらえるかしら』

『どうした、今戦闘中なんだが』

『実は、今さっきこれができたのだけれど、見てもらえないかしら』

すると視界に《Unique weapon(固有兵装)》表示されその使い方発動条件などが載っていた。しかもこれは面白くそしてこの場で疲労するにうってつけの代物だな。

「余所見とは!!」

「なめられたものだな!!」

確認している途中に『騎士』が攻撃を仕掛けてくるがそのまま攻撃を回避しライザー眷属と距離を離す。

『スカーレット・ハート。現在の熱累積率はどれぐらいだ』

『現在の熱累積率は10/100よ。残りの敵を殺さず倒すなら後10~20は欲しいわね』

『そうなると……。あいつらの攻撃を飛翔しながら回避して累積率を稼ぐしかないな。「スカーレット・ハート累積率30になったら報告してくれ。これから飛行出力を前回に、緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)をすべて防御に転用して高出力にして稼ぐ』

『わかったわ』

そして俺は発動条件を満たすためあえて攻撃せず。残りのライザー眷属のほうに飛翔する。

さて”準備”が整うまでの間がんばるか。






―○●●●●○―





「攻撃がすべてよけられる!!」

「あの緋色の結晶…邪魔だ!!」

あれから俺は一切攻撃せずに空中でライザー眷属の攻撃をよけ続けている。正直緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)を使わなくても普通によけられる、しかも連携もそこまで洗練されておらず同時攻撃をされてもすぐによけられる。

「なめているのかしら、反撃をせずによけてばかりなんて」

どうやら俺の回避ばかりの行動でライザーの眷属たちは気が立っているようだ。まあ、素人の反応だな。普通の兵士やらはこんな行動してればなにか仕掛けてくることは普通に気がつくはずだが。

『シン。累積率30を超えたわ。これでいけるわよ』

やっと溜まったか。本来なら累積率はあげるものじゃなくて下げるものなんだが、相手が相手だとやはりこうするしかなくなるな。まあ別にあれを使わなくても倒せるんだが、俺が使うといった以上文句を言っても仕方ないか。

「あたれ!!」

俺はライザーの『女王』の爆撃をよけてフィールドの中央に下りる。

「残念だわ、どうやら避け続けてもう体力が無いようね。貴方たちやつが逃げないように囲みなさい」

ライザーの『女王』の指示でライザーの眷属たちは俺を囲うようにして攻撃態勢をとる。どうやらこれで俺を追い詰めたらしい。これから是認同時にリタイヤするとは知らずに。

『ウェイスト・ヒート・ウェーブ発動開始』

俺は起動を音声で発動させる。するとスレイヴ・バルバトスの廃熱ファンおよび廃熱ファンと隣接している装甲が展開、そして俺の周りに陽炎が生まれ始める。

「さあ、これで終わりよ。人間が私たちに歯向かった事を後悔しながら消えなさい!!」

「「「「はぁ!!」」」」

囲んでいた四人が同時に攻撃をしかけ、上空にいるライザーの『女王』も爆撃の準備をしている。だが俺はそのまま起動させた兵装を使用する。

『ウェイスト・ヒート・ウェーブ発動』

俺の合図とともに展開された部分から熱波がドーム状に放出される。

「こ、これは…うわぁぁぁぁ!!!」

「ま、まずい間に合わない…きゃぁぁぁぁ!!!」

俺が出した熱波に飲み込まれるライザーの眷属たち。そしてあたりが焦土と化し残っていた眷属たちはリタイヤの淡い光に包まれていく。

それと同時に展開していた廃熱ファンと装甲が元に戻る。

それにしてもなかなかの威力だ。しかも累積率が上がれば高くなるこの兵装見方がいると使えないが孤立しているときは最強の兵装だな。

『ライザー眷属、『戦車』二名『騎士』二名『女王』一名リタイヤ。そしてライザー眷属の全員のリタイヤを確認。よって二回戦、リアス・グレモリーの協力者『神無月進』様の勝利です』

こうしてパーティーで行われたゲームは俺とイッセーの勝利で幕を閉じ。俺は現れた転移形魔方陣でみんなの下に向かった。




―○●●●●○―




「シン!!勝利おめでとう!!」

「マスターおめでとう!!」

「おめでとうシン。貴方の戦い魅せて貰ったわ。いい戦いだったわよ」

俺が転移し終わりパーティー会場に戻るとイッセーや皆から勝利の賛辞をもらった。そしてイッセーとリアス部長はグレイフィアさんが念のため用意していたグリフォンという魔獣のって先に帰った。

「勝利おめでとうシン君、とてもよい戦いだったよ」

どうやら魔王のお出ましか。さて俺の願いを聞いてもらうとするか。

「さて気味は見事にライザー君の眷属に打ち勝った。さあ私に求めるのかな?」

「おれが貴方…あんたに求めるのは………」

俺はそのまま魔王サーゼクス・ルシファーの前に手を出す。

「友、として…対等な関係として四大魔王と友好的にしていくことが俺の望みです」

「…………?」

俺の対価を聞いたとたんあっけに取られた表情をしている魔王サーゼクス・ルシファー。どうやら俺の願いに戸惑っているようだ。まあ普通一勢力のトップの一角にこんな願いする俺が普通じゃないのがかんなことになっているだがな。

「で、ご返事は」

「…すまないね。少々君の願いが予想がいすぢてと惑ってしまったようだ。それでその君が提示する『対等な、友』としての関係はどこまで対等な意味だね?」

どうやら少し俺の願いに関して疑心があるようだ。まあ、単純に俺はある程度この世界で発言権を得るためと、この世界の重鎮たちと友好関係を築きたいだけだがな。

「いえ、ただあなた方と友好関係を築きたいだけです。まあほかにはあなた方魔王の友となれば『ほかの勢力』にもある意味リアス部長たちを守るため『魔王の親友』としての抑止力のためでもあります」

「……わかった。その対価、受けるとしよう。これから私たちは『友』であり『対等』な関係だ。これからは、サーゼクスと呼んでかまわないよ。シン君」

「ああこちらこそよろしく。『友』サーゼクス」

これでようやく終わったな。さて後は変えるだけだが……。

「マスターどうしよう!!私たち冥界から人間界に帰る方法ないよ~!!」

どうやら人間界に戻ろうと考えて自分にその方法がなくて混乱しているようだ。まったくおれと張り合った実力はあるのに、なんだろうかこの差は……。

「それにしてもシン君。彼女は噂の『壊 拳 の 轟 雷 姫(インパクト・ライジング・クィーン)』かな?」

「ええ、まあ…」

「噂に聞いたところ。かなり凶暴な存在と聞いたんだが……これはこれはずいぶんと噂とは違っておてんばな女性だね」

「まあ、噂だけが真実じゃありませんから」

「そうだね」

俺は混乱しているテュールを慰め、軽くサーゼクスと話した後グレイフィアさんに転移させてもらい帰路に着いた。

シン視点終了




―○●●●●○―




三人称視点



「ふふっ」

シンがパーティー会場を去った後。会場がある城の上空に一人微笑みを浮かべるものがいた

「やはりあやつは面白いのう。まさか悪魔のトップと友になるとのう」

その者は黒いセーラー服を着ている黒髪の女性。そしてところどころから黒いオーラが漂っている。

「そろそろ、おぬしに招待を明かしても良いころあいだな」

女性はひと事つぶやくとその女性の背中から吸うほんの狐のような純白な尻尾が生えてくる。

「裏としての童と会おうぞ。この羽衣九狐改め『羽衣狐』とな。早い出会いを待っておるぞ。神無月進よ」

女性は冥界の紫色の輝く空につぶやくと黒い瘴気のようなオーラをまとい消えていった。














 
 

 
後書き
どうも革命者です。
どうでしたかライザー編最終回。前回イッセーが活躍しすぎてシンがまったく活躍できなかったので思いっきり一騎当千させもらいました。そして次回はシンとクロスオーバーキャラクターについても設定を挙げようと思います。

ではまた次回のあとがきで会いましょう!!


感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で投稿されているSS作品でもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!! 

 

interlude1:ハングドマンと無限工房~New truth~

リアス部長の婚約騒動から数日たったころ。俺は三連休を利用して自宅の地下施設を見ていた。正直俺でも把握できていないところが大きい施設だ。しかもホルアクティの手紙にもこのような施設について記載がなかったからだ。

『あなたの家にこんなのがあるなんて、まさに秘密基地ってところかしら。なかなかいいわね』

それにスカーレット・ハートもこんな調子だ。どうやら『あなたはロボット好きにはたまらないほど浪漫の塊よ。私にはジャストポイントだわ』らしい。しかもイッセーも『シン、あの戦闘姿見せてくれ!!』なんて言ってくる。正直俺には理解しがたいものだな。

「マスター義手の整備装置ここに置いていい?」

「そこならいいぞ」

テュールが少し大掛かりな整備装置のようなものを俺の装備が入っているショーケースの前に置く。実は昨日家に訪問者が来ていた。しかも正体は使い魔のときにあった擬人化した龍王ティアマットだった。
あの時は少し動揺したな。いきなり龍王最強と称されるドラゴンが家に訪問してきたからな。
だが親切心でテュールが置いていったしまったあいつ自身の戦闘用の義手整備装置を丁寧にしかも包装と、なぜか食事券3万円分もいただいた。

理由は『テュールを預かってもらっているからそのお礼だ……ん?その表情足りないような顔だな。ならば私の鱗を三枚ほど…』なんて言っていたからな。ちなみに鱗はもらわなかった。さすが他人の体の一部をもらうのはちょっと罪悪感があるからな。

「まあ、それにしても。何でこんなのがあるんだろうか…」

現在俺は巨大な工作設備のような設備を調べていた。一見ただの倉庫のように見えるが左右の壁には工作に必要な器具やさらには材料までもがそろっていた。しかも材料は俺の戦闘形態の走行と同じ材質の材料が貯蔵されている。だがそれよりも気になるのが二つある。

「このロボットと大きな制御版はいったい…」

この巨大な工作設備を全体が見渡せるところに俺と同じ身長ぐらいで紺色二緋色の塗装がされている装甲が分厚いロボットと、制御盤のようなものだあった。実は一回制御版を触ってみたんだが反応がなかった。

『シン………』

「ん、どうしたんだ?」

俺が再び制御盤のようなを調べようと思った瞬間、スカーレット・ハートが俺の名前を呼んだ。いったいなんだろうか?

『シン。これに触れて頂戴。』

「どうしたんだ急に真剣になって…」

『わかるの…私にはこれを動かす方法が。そしてこの装置を起動させる方法とあのロボットを起動させる方法が』

この使い方がわかる…。スカーレット・ハートはこのようなことで嘘はつかないから本当みたいだな。しかし彼女が理解できるならこれは俺関連の装置ということか。

「そうかこの制御盤のようなものに触れればいいのか」

『ええ、そうすればこれを起動できるしあのロボットも起動できるわ』

俺はスカーレット・ハートの指示に従い制御盤のようなものに触れる。すると今まで触っても変化しなかった制御盤のディスプレイが明るくなる。

『起動プロセス開始。『無限工房』及びアシスト起動兵器『ハングドマン』を正式起動スタート。本体データ『スレイヴ』と『神無月進』の戦闘記録データを転送。設定を開始――――』

制御盤に触れた途端、スカーレット・ハートがなにやらいろいろな単語をつぶやいていた。まさか彼女が俺の中で目ざめる前提でこれがあったのか。しかも『無限工房』や『アシスト起動兵器ハングドマン』聞いたことがない単語が出てきている。

「マスター…って。何しているの?何か目の前の画面がよくわからない数字とか文字がたくさん出てきているけど……」

「俺にもよくわからない。何せお前に説明したと思うが、俺の中のサポートプログラム型の人工知能のスカーレット・ハートがこの工房みたいな装置とお前の隣にあるそのロボットを起動しているらしい」

「へぇ~そうなの。後、義手の整備装置設置終わったよ。後はやる事ないからマスターと一緒にこれの起動するところ見てていい?」

「ああ、大丈夫だ」

そして画面のウィンドウが落ち着きないやら六角形の紋章のようなものが映りそのままになる。

『起動プロセス再確認……確認終了。ふぅ…これで起動は終わったわよ』

どうやらスカーレット・ハートによる起動が終わった。すると近くから駆動音が聞こえ声のほうに振り向くと先ほどの紺色の重装甲ロボットのカメラの部分が起動した。

『外部による起動コード受信完了。これより『ハングドマン』正式起動~!!』

まるで甲高い三十台の男性のような機会越しの音声が重装甲のロボットから聞こえてくる。

「スカーレット・ハート。こいつはいったい何なんだ?」

『私にもわからないわ。私が知っているのはこの二つの機会を起動することだけしかわからなかったからこのロボットがどんな者か判らないわ』

起動した本人でさえ判らないロボット…だがここにおいてある以上害はないと思うが。

重装甲のロボットが動き出しあたりを見つめている。

「マスター。少し怖くなってきた」

テュールが少し警戒している。まあ俺でも得体の知れないからな。だが少なくともスカーレット・ハートが起動をしたこと、そして俺の施設にある時点で危害は加えないだろう。

そして重装甲のロボットがこちらの存在に気づいたか俺とテュールがいるほうへ向く。

『あーあ、え~と。聞こえてるかな?』

どうやら話せるようだ。

「ああ、聞こえているが。お前は何者だ?」

『すないねぇ、自己紹介しないとね。ご主人~』

どうやら攻撃の意思はないようだ。

『おじさんは『ハングドマン』…って名前だけど、個人的にこの名前好きじゃないから『主任』って呼んでねぇ~。俺のご主人神無月進君。それと隣にいるごつい義手をした女の子、テュルりん☆』

「テュ、テュルりん…?」

変わった性格のロボットだな。それになんていうか言葉の中にあおるような表現があるのは気のせいか……。

「で、主任。あんたは何が目的でここにいる」

『あ、ごめん言ってなかったけ。ギャハハハハ!!』

この人やけに性格がなんというかおちゃらけているな。まああくまでも普通の人が見たらそう思うだろう。

『それでおじさんの目的は、ご主人を完成させるために『永久雇用』されたご主人の戦闘形態専属技術主任で~す』

「俺専属の技術主任…?どうゆうことだ?」

『それはね。君の今使っている機体、名前は確か《スレイヴ・バルバトス》って言ったけ?その戦闘形態はあくまでも戦闘データおよび『真なるスレイヴ』を完成させるための実験機ってことなんだよ』

俺の戦闘形態を完成させるため……そして今使っている戦闘形態はあくまで実験機…。なるほど、どうしてこのような敬意になったかわからないが、性能が極端に落ちているのはこれが原因だったのか。

『おそらくご主人が考えていることは正解だと思うよ。だって詳しいことは判らないけどご主人、現在の戦闘形態の前に、これとは異なった完成された戦闘形態をおそらく壊しているよね』

すべてこの主任が言っていることは的中している。いったい主任は何を知っているんだ…。

『あーそれと。これはあくまでおじさんが予想した見解で今言った以上のことはわからないんだよねー。何せ雇われたのは覚えているんだけど、それ以前の記憶がないからね』

今使っている力は本来のものではない。あくまでも『真なるスレイヴ』を俺の本当の戦闘形態を完成させるための実験機……。正直自分の体のことなのだがまだブラックボックスが多すぎる。それを解明するには戦闘データを集めて『真なるスレイヴ』を完成させないといけないてことになる。

おそらく今後の戦いおそらく今の俺でも太刀打ちできないときが来るだろう。なら完成させて強敵と戦えるようにしないといけない。それにもともとこの世界に来た理由は、あの『神』の依頼で来ているからな。それに自分にあるこの力を『解明』したいしな。

「わかった。ならこれからよろしく頼む主任」

『オーケー、よろしくなご主人。それとご主人の友人、テュルりん☆』

「よ、よろしくね。それと何でテュルりんって呼び方なの?」

『だってそっちのほうが面白いからだよ。ギャハハハハ!!』

またしても、俺の家に住人が増えたな。まあ賑やかでいいか。

『それとご主人のサポートさん。おじさんを起動してくれてありがとうね!!そしてよろしく、スカりん☆』

『私までもその呼び方なのね…まあつっ込んでもどうせ意味ないからいいけど…』

すると主任は制御盤に向かい、まるで使い方がわかっているような動きで何かを入力していく。

「何をやっているんだ主任?」

『早速ご主人にデータを取ってもらうための武装を作る準備をしているところだよ』

「だが、実際に今使っている戦闘形態で戦闘データを取るんじゃないのか?」

『それ野戦闘形態だとぜんぜん足りないんだよねぇ~。ご主人が今使っているのは基本的なデータを取るためのものでね、おじさんが目ざめたからには、今使っている戦闘形態以外の武装や特殊武装そして固有兵装のデータも必要なんだよギャハハハハ!!』

「となると試験武装の設計はもう終わっているって事でいいのか?」

『正解だよ~!!ご主人さすがだね。とゆうことで第一試験兵装製作開始~。よーし!、おじさん頑張っちゃうよー?、ギャハハハハハ!!』

すると工房が動き出し何かを製作していく。

『さてこれで後はできるのを待つだけだから、ゆっくり休みながら休憩しようか、ギャハハハハハ!!』

こうして、俺に新たな仲間、戦闘形態専属技術主任『主任』が加わった。

『さあ、これから見せてくれご主人の可能性をさ…。ギャハハハハハ!!』

















 
 

 
後書き
どうも革命者で~す。

今回の番外編どうでしたか?次なるクロスキャラクターはACⅤで私がもっとも好きなキャラクター主任です。私にとっては主任がロボット関係の作品で一番好きなキャラクターです。

そして明かされるシンの力の真実の一端が今回の話で明かされました。この話は今後にかかわってくるので覚えてもらえれば幸いです。

そして次回から第三章です。さてコカビエルとの戦いシンはどのような戦いを見せそして、新しい出会いをするのか!!乞うご期待!!!!

ちなみに今回から次章予告あとがきではじめます。

ではまた次回のあとがきで会いましょう!!


感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で投稿されているSS作品でもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!!



次章予告……

「イッセーくん。これは聖剣だよ……」

「教会から派遣された、悪魔祓いのゼノヴィアだ」

「貴様…その戦闘スタイルどこかで見たことがあるな……」

「加勢にきってやったぞ、魔の者たちよ」

「お前でデータを取らせてもらおうコカビエル……。実験特殊兵装《火神鳴》の力をな」


次章。第三章:月光校庭のエクスカリバー/雷洸射の火神鳴
 

 

Change1:新たなる騒動~Beginning photos~

「ここか不具合もあるところは」

「うん、そこだよマスター。ごめんね御酒の整備手伝ってもらって」

今俺はテュールの武器である籠手…性格には戦闘用の義手の整備の手伝いをしていた。

本来ならテュールが持っている専用の整備装置があるんだが現在プログラムが不調らしく、プログラムが復旧するまで俺が整備の手伝いをしていた。

「それにしてもこんなにも複雑な構造を持ちながら、スレイヴの攻撃を受けても損傷がほとんどない。こんなもの作った開発者はどんな頭をしているんだ」

「私も不思議に思うんだよね。こんな武器いつ手に入れたのはわからないけど使い方どんな攻撃ができるかそれだけは手に取るように判るんだ」

こうしてみればテュールも俺と似たようなものかもな。まあこいつはまだほとんどが生身だからまだ人間でいられるのか。

そして、不調部分を修復し分解した義手のパーツを組み立てなす。

「これで不調部分は修正した。どうだ調子は」

テュールは自身の義手を動かし満足したかのように微笑む。

「ありがとうマスター。以前よりも使いやすくなったよ」

「それはよかったな」

それにしてもまあ、戦争などがあるが俺の生まれた世界よりかはまだ平和だな。実際俺も思うところがあるんだよな。目的を依頼を終わらせたらこの世界に俺は居ていいのかを……ッ!!??

俺が考えていた途端、強大な何かがこの町に駒王町に来たのを感じたそれも今までの敵とは比較にならないほどの力…おそらく魔王をよりも数段劣っているがそれでも強い実力を持っている存在二つほど感じた。

「マスター今!!」

どうやらテュールも同じ反応を感じたらしい。

『あーあ、ご主人。聞こえているかな』

「ああ、その口ぶりだとお前も感じたのか主任」

『そうそう、しかもこの反応かなりやばいんじゃない?』

「ああ、少し厄介だな。しかも感じ取れたのは一瞬で位置が特定できない。どうやらご丁寧に対感知用の魔法を使っている」

『それと、気づいているかもしれないけどご主人のデータからわかったことだけど聖なる力を持った大きな反応も三つ確認されているよ。あの二つの反応よりもゴミ虫程度に弱いけど』

これをリアス部長に報告するべきか…いや駄目だな。これを報告したところでこの状況が変わるだけじゃない、むしろみんなを危険なことに巻き込んで悪化する。ならこれは報告せずにこちらで対処していくしかない。

「主任悪いが、この問題俺たち三人で対処すことにする」

『了解ご主人。まああんなルーキーたちを巻き込んでも足手まといになるだけだからね』

「そうゆうことだテュール。すまないがこのことはみんなには内緒にしててくれ」

「判ったよマスター。それでどうしていくの」

「とりあえず俺はリアス部長とソーナ会長の拠点である駒王学園周辺を調べることにする。二人は目立つから夜間に索敵範囲を3ブロックに分けて策的および警戒を行うことにする。後見つけても接触及び戦闘はせずに拠点を見つけてから考えることにする」

「判ったよマスター」

『おK~ご主人。それともうすぐ『第一試験兵装』が完成するから一応覚えておいてね』

「判った。それでは頼むぞみんな」

こうしてまた新たな事件が起ころうとしていた。




―○●●●●○―




さて…謎の来訪者がここに着てから数日後、いつもどおりオカルト研究部部室ではなく、イッセーの自宅にお邪魔している。

理由としては現在オカルト研究部がある旧校舎は大掛かりな点検と掃除をしているため使えない。だからイッセー、リアス部長それとアーシアが在宅しているイッセーので部活の会議を行うことになっていたんだが………。

「こっちが小学生の時のイッセーよ~。かわいいでしょう」

「あらあら、裸で海に」

「朱乃さんっ!? つうか母さん!! そんなもん何で持ってきたんだよ!!」

なぜかイッセーのアルバム鑑賞会になっていた。

「(こうも緊張感がないとこっちまでもが調子狂うな)」

『なんというか、これがあの子たちらしい風景だわ』

「(いわれてみるとそうだな。戦っているみんなよりも学生らしいことをやっているほうがみんなの表情が充実しているようだからな)」

「幼いころのイッセー、幼いころのイッセー…」

「小さいイッセーさん、小さいイッセーさん…」

どうやらリアス部長とアーシアにはとても好評らしいな。こんな感じだが最近夜中の索敵行動で妙な報告を聞いている。

『ご主人~実は最近神父のような格好をした男性の死体が出てきているんだよね~』

『私も見たよ。しかもしたいが無残になっていてあまりみていい物じゃなかったよ』

そのような報告が来ている。しかも先日あった聖なる力の反応がまた二つ増えている。俺が考えている以上の問題になりそうな予感がする。だがこれ以上警戒の仕様がないからどうすることもできない。

現状できることをやるしかないな。

「アハハ、もっと見せてよ」

「あっ! 木場てめえは見んな!!」

「いいじゃないか。僕が見たって」

まったく相変わらず木場とイッセーはよく絡んでいるな。

「………ッ!これは、まさか」

するとアルバムを見ていた木場の表情が先ほどの笑顔から一転、目先が鋭くなり何かを凝視していた。

「イッセー君…… これに見覚えは…?」

「いや、小さい頃だからよく覚えてねえな」

「まさか… こんなところで… これはね、聖剣だよ」

木場の表情…いや目が明らかに何かを憎んでいる。それも並大抵の憎悪じゃない。まるで長年それをずっと勝てにして生きてきた瞳だな。

俺は木場が表情を変えた元凶の写真を見る。

そこにはおそらく幼少のイッセーとイッセーの友達であろう女の子。そして背後に教会のシンボルであるマークと一本の白と金色の西洋剣が写っていた。



―○●●●●○―



夜、天候は雨で21時を過ぎたころ俺は、以前感じ取った反応の現況を探るべく堕天使騒動があった廃教会方面を調べていた。今のところ神父の遺体などは見つかっていない。

ちなみにはぐれ悪魔討伐が今日あったが。俺はこの調査があるためリアス部長には適当な理由をつけて辞退した。そしてあの日から木場の様子が日に日におかしくなっている。

『こちら主任、今のところ異常な~し』

『こちらテュール、今のところ以上はないし神父の遺体などは見つかってないよ』

俺たち三人はこうして夜になると警戒のため駒王町を三ブロックに分けて調べている。

俺は駒王学園・廃教会方面、テュールは集合住宅方面、主任はデパート、駅方面を調べている。テュールと主任は体の特性上目立ってしまうためこうして夜中に調査を行っている。一般人に知られないため、テュールは住宅の屋根伝いに移動し、主任はなぜか標準装備されている光学迷彩を使い視認されにくいようになっている。

『了解こちらも異常はない。これから廃教会の方を調べる。引き続き調査を頼む』

『ハイ、ハーイ』

『気おつけてねマスター』

さて今のところここまでおきた異変は数日前の二つの強大な反応。そして今日まで確認された同系統の反応が五つ、そして数個の神父の遺体。おそらく聖なる力と神父おそらく教会が少なくともかかわっていることは間違いないだろう。

『そうね、それにしてもようやく落ち着いたところにまた新たな問題…休む暇がないわね』

そうだな。でもイッセーが凝らされる前の日まで十分休暇は得ているから問題ない。

そしてあの堕天使騒動があった教会についた。すると廃教会の中から二つの生命反応があった。

俺はその反応見つからないように無音で二回に跳び割れたステンドグラスから進入し二階から見つからないように二つの生命反応があったところ見る。するとそこには白いローブをかぶった人間が二人いた。しかもローブには教会のシンボルがついていた。それとここまで近づいて判ったが同類の反応…つまり先日確認できた聖なる力の反応が二つ確認できた。

『こちらシン。廃教会で怪しい人間を二人確認。それと同系統の反応の二つが確認できた』

『後天的にきたほうの反応か~どうするちょっと手伝いに行く?』

『いや俺一人で大丈夫だ。今のところあちらは気づいていない。一応居場所を随時判るように二人が廃教会を離れたときに発信機をつける』

『了解~。じゃあ、がんばってね!ギャハハハハハ!!』

『気おつけてねマスター』

俺が監視してから数分後。二人はローブを取り素顔が見えるようになっていた。一人は青髪の短髪の女性そして二人目は栗毛のツインテールの女性。それにしても栗毛のほうは今日見たイッセーのアルバムに写っていた子供にそっくりだな。

すると二人が会話を始めた。

「ずいぶんと荒れ果てているんだな」

「ずいぶんと前に堕天使と悪魔がここで人一騒動起こしたのは聞いていたけど」

おそらく堕天使騒動のことだろう。となるとある程度この町の情報が漏れているとゆう事になる。

「しかし遅いな。本当に待ち合わせ場所はここであっているのか?」

「間違いないわ。だってここは私と両親が一緒に暮らしていたところなのよ…子供のころにね」

すると栗毛の女性が写真を一枚見せるように出していた。

あれはイッセーのアルバムにあった写真。となると栗毛の女性はイッセーと昔面識を持っていたことになる。しかも雰囲気は変わっているが写真と栗毛の女性の顔がほぼ似ている。

そして二人は廃教会の奥に行こうとしたため俺は超小型のマイクロ発信機を栗毛の女性のローブに気づかれないように投げつけて廃教会を後にした。









 
 

 
後書き
どうも革命者です。

ようやくエクスカリバー編に入りました。ようやく書きたいところがかけます!それにしてもこんな作品に多くの人がお気に入り登録をしてくださり感謝です。これからもがんばっていきます!!それとタイトルを少し新しくしました。どんな感じか感想に書いてくれるとありがたいです。

ではまた次回のあとがきで会いましょう!!


感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で投稿されているSS作品でもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!!
 

 

Change2:強奪された聖剣~The arrogance of evil exorcism~

さて、あの二人を見つけてから翌日部長がなぜか俺も含めて全員に集まるように言われた。どうやら軽い顔合わせらしい。おそらく会長関連だろうな。

「少し遅くなってすまないわね、リアス」

「あらソーナ。ようやく来たのね」

入ってきたのは駒王学園の生徒会会長、支取 蒼那。いやここにきたってことは悪魔として来ているな。しかも副会長、それにもう一人生徒会書紀の、匙 元士郎もいた。おそらく彼も悪魔だろう。

「部長なんで生徒会がここに?」

「なんだ、リアス先輩、もしかして俺達の事を兵藤や神無月に話していないんですか?」

「匙、私達は基本『裏』の生活以外ではお互いに干渉しないことになっているの。それに彼は悪魔になって日が浅いし。神無月君も裏の世界に入って日が浅いのよ」

どうやらこの様子だとあの書紀…いや生徒会全員が悪魔、しかもソーナ会長の眷属のようだな。

「え?」

どうたらイッセーがいまいち理解できていないようだ。しかもソーナ会長は前に説明してくれたんだが。

「イッセー君。シトリーもグレモリーもフェニックス同様、生き残った七二柱の一つですわ。学園とこの駒王町はグレモリーが実権を握っているけれど、表の生活は生徒会… つまりシトリー家が支配していて、昼と夜で支配権を分けたのですわ」

「なるほど~」

朱乃さんがイッセーに説明し、イッセーがようやく状況を理解した。

「会長と俺達眷属悪魔が日中頑張っているから、学園の平和が守られているって事だけでも覚えておいてバチは当たらねえと思うぜ。俺は二年の匙元士郎、会長の兵士だ。よろしく」

「おお!! 俺と同じ兵士(ポーン)か!!」

「俺としては、変態三人組の一人であるお前と一緒なんてプライドが傷つくけどな」

「ま、何だと!!」

あってから早々印象が最悪になっているな。まあ俺も裏としての顔合わせは始めてだから自己紹介するか。

「とりあえず落ち着けイッセー。さて知っているとは思うが神無月進だ。今はリアス部長の協力者としてここに居る。よろしく頼む」

「協力者?どうゆう事だ」

もしかしてその辺のことはまだ身内には話していないのか。

「彼は堕天使と一騒動のときに知り合ったの。そして今わ私の協力者としてここに居るわ」

「そうですか。でも俺は転生する際に俺は、『兵士』の駒四つ消費してるんでるだぜ兵藤や神無月には、負けないぜ?」

『兵士』の駒を四つ消費か。それにしても自身があるように自慢しているがイッセーは『兵士』の駒を全部消費しているのを知らない…そうだったイッセーのことは今知ったんだっけな。

「おやめなさい、サジ」

「で、ですが会長!」

「今日此処に来たのは、同じ学園を根城にしている上級悪魔同士、最近眷属にした悪魔を紹介するためです。私の眷属なら恥を掻かせないこと」

「で、ですが会長…」

するとソーナ会長は俺とイッセー似に視線を移した。

どうやらイッセーや俺のことを話すようだな。

「サジ、相手の実力軽視にもほどがありますよ。兵藤君はあのライザー・フェニックスを一人で倒しています。それに神無月君はライザーの眷属を彼は一切攻撃を受けずにあっさりと倒したのです」

「マジかよ… てっきり俺は木場か朱乃さんかリアス先輩を助けたものと…」

まあ、普通ならそう思うのがだとうだな。だが実力軽視はあまりよくないな。

「すみませんね兵藤君、神無月君。うちの眷属が失礼なことを言ってしまって」

「大丈夫ですよ!!まだ俺は弱いですし」

「別にかまいませんよ」

「すまないな。兵藤、神無月」

どうやら無事に和解できたな。いいことだ。

「匙さん、これからよろしくお願いします」

「アーシアさん見たいな美女なら大歓迎さ!!」

どうやらある意味ではサジとイッセーは同類のようだ。




―○●●●●○―



「どこに行くつもりなんだ…」

俺は先日発信機をつけた二人組みの悪魔祓いを尾行していた。今朝から夕方にかけて動きがなかったが18時ぐらいに二人が動いたので現在尾行している。

『ご主人~どうよ、の二人のゴミ虫の様子は?』

「今のところ目立った行動はしていないがどうやら火と避けの魔法を使って住宅地帯を移動している。

『あ、そうなんだ。それじゃあ何かくぁったことがあったられんらくしてね。ギャハハハハハ!!』

まったく相変わらず口調が面白いやつだな。

『それを含めての彼じゃない。正直あの呼び方は少し納得いかないけど』

そうだな。もしかしたら、オカルト研究部女性全員に同じような愛称で呼びそうだな。

『十分ありえるわねその話』

「そうだな……ん?誰かの家に入っていった。確かあそこはソーナ会長の家だったか。しかも普通に出迎えられた様子だから恐らく話し合いか」

「主任、テュール。今例の二人組みがソーナ会長の家に入った。恐らくあちらから悪魔側に接触を図ってきた感じだ。今のところ俺は尾行を続けるがそっちの判断を聞きたい」

『そうだね~。まあ方針は変えずに今のところ危害はなそうだし。備考速攻でいいんじゃない?』

『私も主任と同意権だよ。マスター』

『お、気が合うね~テュルりん』

二人は俺と同じ意見か。まあ今日あたりソーナ会長に接触してきたなら少なくとも近日中にリアス部長の方にもいずれ接触してくるだろう。この様子だとソーナ会長経由で接触すると予測して間違いないだろう。

そして数分後。二人がソーナ会長の家から出てくる。すると二人がしゃべりだした。

「さて明日。グレモリーの時期投手とその眷属悪魔たちに会う予定だが」

「どうしたの?ゼノヴィア」

「イリナも聞いているだろう?最近現れたグレモリーの謎の協力者」

「確か任務に行く前に言われてたわね。その人物には気おつけろって」

何…?俺に関しての情報が漏れている。一体どこから……。

「ああ、聞いたとおり相当腕が立つ人間らしい」

「まあ、会うだけだし下手の言動しなければ大丈夫だよ」

「そうだな」

そして二人はそのまま廃教会に戻りそのまま動きがなかったため俺は尾行をやめ帰路に着く。

「二人ともある意味悪い情報だ」

『どうしたのマスター?』

『どうした~ご主人』

「実は教会側が俺の存在をどうやら薄々認識している」

『『え?』』

「先ほどあの二人の会話を聞いていて。『グレモリーの謎の協力者』といっていた。しかも警戒されている。」

『マスターって悪魔側以外ではそこまで目立った行動はしてないよね?』

「ああ、そこまで目立った行動はした覚えはないが…」

『もしかして、ご主人が魔王と接触したのが原因なんじゃない?』

「一体どういう……そうゆうことか」

今考えてみれば魔王…いや冥界に来ている時点である程度俺の存在が知れ渡っている。しかも広い悪魔社会、恐らくほかの勢力に話が漏れても不思議じゃない…が、まさか現状冷戦状態のような教会側にも届いているとはな。これは早くどうやって身分を偽るか考えないとだめだな。

「大体検討はついた。だがいまさらひらがったものは収集がつかないからな」

『まあ、できることがあったらお手伝いするからさっ!』

『私もできることなら手伝うよ?』

「すまないな」

こうして今後の未来に不安を持ちながら俺は自宅に帰った。




―○●●●●○―




翌日、俺の予測どおり俺含めオカルト研究部全員が部室に集められていた。まあ部長の表情を見る限り恐らくあの二人がここに来るのだろう。

正直俺の感性で教会をたとえると一見少しおかしな命令やアーシアの一件を聞いて正直組織としておかしいと思っている。だがあくまで教会側でその上位にある天使側がどうなっているかはわからない。正直この世界の勢力図はあまりはっきりしていないので判断材料がない。

そして例のごとく二人の白いローブをつけて女性が入ってきた。とりあえず今回の話でこの二人をどう対処するかこっちで決めさせてもらおう。

それにしても二人が入室したときから木場から明らかなる殺意に近いものが出ている。しかも木場以外はリアス部長の後ろで待機しているが木場だけは奥で壁にもたれかかっている。できれば面倒なことは起こしてほしくないが。

「この度、会談を了承してもらって感謝する。私はエクソシストのゼノヴィアという者だ」

「同じくエクソシストの紫藤イリナです」

「私はグレモリー家次期当主、リアス・グレモリーよ。それで、悪魔を嫌悪している教会側の人達が私達悪魔に何の用かしら?会談を求めてくるぐらいだからそれ相当の厄介ごとが起きたのでしょう?」

さてここからだな。恐らくあの二つの異常な反応恐らくこの二人画かかわっていることには間違いないだろう。

「数日前、・・・・教会側が所有しているエクスカリバーが、堕天使たちによって奪われてしまった」

なるほど、エクスカリバー。確かアーサー王伝説に出てくる伝説の聖剣。確か以前読んでいた書物にエクスカリバーは、裏の大戦中に折れて現在は七本に分けられていると記述があった。確か七本の内六本が協会側が保管しており残りの一本は所在が不明だったな。

「エクスカリバーそのものは現存していないわ」

部長が後ろにいるイッセーを見ながら言った。

「ごめんなさいね、私の下僕に悪魔になりたての子達がいるから説明込みで話してもらえるかしら」

リアス部長の言葉に紫藤イリナが頷く。

「イッセーくん、エクスカリバーは大昔の戦争で折られているの」

「折られた?」

「今はこのような姿さ」

布の中には一振りの両刃剣があった。

「これがエクスカリバーだ」

「…これが聖剣?」

恐らくあの同類の五つの反応がエクスカリバーの反応だったのだろう。恐らく主任はこのことを自然に感じ取って『ゴミ虫』といっていたのだろう。

「これは 破 壊 の 聖 剣(エクスカリバーデストラクション)、カトリックが管理している」

「私のは 擬 態 の 聖 剣(エクスカリバーミミック)。形が自由自在に出来るの。こんな風にエクスカリバーには一つ一つに特殊な力を有しているの。これはプロテスタントが管理しているわ」

どうやら七本に分かれたエクスカリバーはそれぞれに能力があるようだな。しかしこうも敵対している勢力に武器の情報を与えていいのかとおもうな。

しかもそんな伝説の武器を易々奪われるとはな。だが教会は大きな組織、そんな簡単に盗まれることはまずないと思うのが正しい。恐らく教会内部でエクスカリバーの強奪に関与した関係者がいるかだな。

「我々がこの地に来たのはエクスカリバーを奪った堕天使がこの町に潜伏しているという情報を掴んだからだ。我々はそれを奪取、もしくは破壊するためにここに来た」

破壊か…。まあ悪用されるなら破壊したほうがいいと判断したのか。

「堕天使に奪われるくらいなら、壊した方がマシだもの」

「それでエクスカリバーを奪い、それには飽き足らず私が管理するこの土地に潜伏しているはた迷惑な堕天使は一体誰かしら?」

リアス部長が二人に質問する。確か強大な組織でもある教会から聖剣を盗んだ堕天使はどういう存在なのかは気になる。だがあの反応恐らく幹部クラスのうち二人と見て間違いない。

「それは『神の子を見張る者(グ リ ゴ リ)』の幹部、コカビエル」

まさかここまで予想が当たってくれるとは。正直この予想はあまり的中してほしくないなかったんだがな。それにいきなり聖書でも有名な堕天使の幹部とはな。これは本気でいかないと最悪ここにいる全員が全滅…そしてこの町は吹っ飛ぶだろうな。

「・・・それで、貴方達は私達に何を要求するのかしら?」

「簡単だ。私達の依頼―――いや、注文は私達と堕天使のエクスカリバー争奪の戦いに悪魔が介入してこないこと。つまり、今回の事件で悪魔側は関わるなということだ」

まったく勝手な要求だな。現にリアス部長は表情こそ落ち着いているが雰囲気が先ほどとは一転して内心堪忍袋のが切れそうになっているな。

俺に関しても少々あの物言いは感心できない。一応この土地はリアス部長が管轄している土地そこでおきている事件に関して一切の関わりをするな。リアス部長に喧嘩を売っているのも同然の行為だとは知らないのか、この二人は。

「ずいぶんな言い方ね。私達が堕天使と組んで聖剣をどうにかするとでも?」

「悪魔にとって聖剣は忌むべき物だ。可能性がないわけではないだろう?」

埒が明かないな。

俺は部長の近くにより二人に聞こえないように話しかける。

「(リアス部長ここは俺に任せてもらいませんか?)」

「(いきなりどうしたの?)」

「(俺もあなたと同じあの二人の上から目線の物言いが気に入らないんですよ。それにここはリアス部長が管轄している町です。あなただって好き勝手にエクソシストや堕天使に暴れさせるのは本意ではないでしょう?)」

「(……ええ。そこまで言うのならあなたに任せるわ)」

「何を話しているんだ?」

「ごめんなさいね御二方。実はあなた方と話したい相手がいるのだけれど変わってもいいかしら?」

「……かまわない」

「二人の許可は出たわ、座って頂戴シン」

「ありがとうございます。リアス部長」

俺はリアス部長の隣に座り二人と対面する。

「さてまずは。はじめまして教会の使者の方々。俺はリアス・グレモリーに協力している神無月進だ」

「で、我々に話すことは何だ?」

さてここからは敬語はなしで話させてもらおうか。

「単刀直入に言わせてもらおう。お前らふざけているのか?『今回の事件で悪魔側は関わるな』だと自分勝手にも限度があるぞ信者ども」

「ふざけてなどはいない。これは堕天使と教会の問題だから悪魔は関わるなといっているんだ」

「これは教会と堕天使の問題?ふざけるのも大概にしろ。まずこの町いや…リアス・グレモリーが管轄している土地でもある。なら少なくともこちらには関わる権利があるはずだ。それを勝手にこの町で戦争をやるだと…迷惑にもほどがある」

「君は教会を敵に回したいのか?愚かだな」

「いい加減にしてほしいな小娘ども。いいか、今起きていることはこちら悪魔側そして俺の安全に関わることだ。ましてはお前らの争いの飛び火がきたらどうする。それにこの町には多くの人間がいるんだ。それになる脅威を見過ごせ?冗談にしては笑えないな。それにリアス部長が堕天使と組んでいる?ずいぶんと浅はかな憶測で言ってくれるな。自分たちの失態を棚に上げてその態度とはな」

「君とは話しにならないようだ。ならリアス・グレモリー。もし、そちらが堕天使と手を組んでいるなら、私達はあなた達を完全に消滅させる。たとえ、魔王の妹でもね」

どうやら交渉の余地は無いようだな。

「そう。ならば、言わせてもらうわ。私は堕天使と手を組んだりしない。決してね。グレモリーの名にかけて、魔王の顔に泥を塗るような真似はしないわ」

「それが聞けただけで十分だ。私も魔王の妹がそこまで馬鹿だとは思っていない。今のはあくまで上の意向を伝えただけさ。それでは、そろそろお暇させて貰おうかな。行こうイリナ」

「ごめんなさいね。それでは」

二人が出ていこうとすると、その場にいたアーシアを見る。

「…… もしや、魔女アーシア・アルジェントか?まさかこの地で会おうとは」

「貴女が噂の元聖女さん?追放されたと聞いたけどまさか悪魔になってるなんて」

「わ、私は…」

いきなり初対面の人に向かって魔女か…どうやらアーシアの過去を知っているようだな。

「悪魔か… 堕ちる所まで堕ちたものだ。まだ神を信じているのか」

「ゼノヴィア。悪魔が我が主を信じてるわけないでしょう?」

「いいや、その子から信仰の香りがする。そういうのに敏感でね」

ゼノヴィアがアーシアを睨む。それに合わせてイリナがアーシアを見つめる。

「そうなの?」

「……捨てきれないだけです。ずっと信じてきたのですから…」

そこまで言ったアーシア。

「なら今すぐ私に斬られるといい。我らの主なら救いの手を差し伸べて下さる筈だ」

今こいつはなんて言った?斬られるといい?だと……。

「ふざけんな!! 自分達で勝手に聖女にしておいて、求めていたものと違ったら切り捨てるのか!! そんなの… そんなのってねえよ…ッ!!」

だがゼノヴィアは布に巻かれた聖剣をアーシアに向ける。

「神は愛してくれていた。何もなかったとすれば彼女の信仰が足りないか、偽りだったからだろう」

「アーシアの苦しみを誰も理解しようとしなかったくせに!!……ってシン!?」

俺はイッセーの言葉をさえぎるようにアーシアに向けられた聖剣をつかみ強引に矛先を下に向ける。

「どうやら上からの忠告は本当のようだな。まさか私が力をこめている聖剣を片手で抑えるとは」

「そんなことはどうでもいい…。後いい加減にしてもらおうか。何聞いてみればあんたら教会の身勝手にしか…。いや、お前らの神がいかに自分勝手で傲慢な存在かわかったよ」

「今の発言は教会への宣戦布告か?」

「いやただ俺はお前らの神がいかにくだらない存在かをい言ったまでだ」

「ほう、たかが悪魔の協力者ごときが我々の神を愚弄するか……」

ゼノヴィアが俺に向けて殺気を放ってきた。

「丁度いい… 僕が相手になろう」

すると木場が俺の前に立つ。

「誰だ君は?」

「君達の先輩だよ…… 失敗作だったけどね」

部室には無数の魔剣が出現した。

「木場、喧嘩を売られたのは俺だ。それに個人的にこいつらみたいな信仰心によっている連中は気に入らないんでね」

「そうもいかないのは君だって知っているだろう?目の前に追い求めた物があるんだ、みすみす見逃す訳にはいかない」

「…解ったが所持者は殺すな。後々リアス部長たちに迷惑がかかる」

「…わかたよ」













































 
 

 
後書き
どうも革命者です。

さて今回の話の展開…正直すごく迷いました。まあ何とかかけたのでよかったです。

ではまた次回のあとがきで会いましょう!!


感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で投稿されているSS作品でもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!!
 

 

Change3:復讐の疑戦~A case of sudden change~

現在、木場と俺は今旧校舎の裏側にある広い場所で、ゼノヴィアとイリナと対峙していた。

それとリアス部長たちが回りに消音と視界遮断の結界を張ってもらっている。まあ一般人にこんな戦いは見せられないな。

「いい?戦うなら勝つのよ二人とも」

「アーシアのためにも一泡吹かせてやれ!!木場、シン!!」

「うう… 私のせいで…」

皆が応援してくれている。そしてアーシアすまないな。これは俺が望んだことでもあるからな。

「木場、お前はどっちを相手にする。俺は個人的にゼノヴィアを潰したいんだが」

「なら…イリナさんとやらせてもらうよ。僕にしてみればどっちでもいいんだけどね」

「そうか。すまないな俺のわがままを聞いてもらって」

そして俺と木場はそれぞれの相手と対峙した。

「さて、一応上から君に対して注意するように言われている。だから全力で貴様を斬らせてもらおう」

「御託はいい。さっさと来い」

「では、こちらから行くぞ!」

ゼノヴィアが聖剣を構えながら突撃してくる。

「人間であるお前に、この破 壊 の 聖 剣(エクスカリバーデストラクション)の一撃にはひとたまりもあるまい!!」

確かに威力は高そうだな。攻撃を直接受けるのは回避するべきだろう。だがあくまでも脅威はその攻撃力だけだ。剣筋、それに攻撃が遅い。

俺は突っ込んできたゼノヴィアの攻撃を必要最低限の動きで避ける。

「フン、逃げるのは得意のようだなだがいつまで持つかな?」

俺が攻撃を避けたところでどうやら相手は慢心している。まあこっちとしては都合がいい。

さて木場はどうなっているんだ。

「くっこの悪魔なかなかやるわねッ!!」

「僕の頭が復讐でいっぱいだと思った?残念ながら戦うときは冷静でいるんでね」

復讐心で焦った戦いをしていると思ったが。意外と冷静に戦っているらしいな。

「余所見とはなめられたものだな!!」

俺はゼノヴィアの連続の攻撃を避ける。

「何故だ!何故攻撃があたらないいんだ!?」

どうやら相手は焦りだしたようだな。それならこっちは早く決めさせてもらおう。

俺はゼノヴィアの大振りな攻撃をさっきと同じ要領で回避しそのまま聖剣の腹の部分を蹴り持ち手から叩き落とす。

「な、何!?」

そして動揺している隙を見逃さずにゼノヴィアの片足をけり転倒させ片腕を背中に回し拘束する。

「それで、まだ続けるか?」

「悔しいが降参だ」

俺はそのままゼノヴィアの拘束を解く。

さて、後は木場だが……。

ガギィィン!!

「剣が…!!」

「僕の勝ちだね」

どうやら木場が勝ったようだ。

「さて、先ほどの話はどうするつもりだ」

「いやそれに関してはこちらは意思を変えるつもりは無い」

「……そうか。だが俺はその件に関して関与させてもらおう。あくまでもお前たちが言っていたのは悪魔であって俺じゃないからな」

「…ッ。好きにしろ」

「木場すまないが。この二人を少し見逃してくれないか?」

「何でだい…やっと復讐目的が目の前にあるんだ」

まったくまた目の前が見えなくなっている。ここで理解してくれるのがいいのだが仕方ないな。

「もし今ここでこの二人の力が無くなったら、今起きている異変が解決できなくなる可能性がある。それに今はお前だけの問題じゃない。ここにいるリアス部長も対処せざる負えない状況なんだ。お前だってリアス部長に迷惑がかかるのは本位ではないだろう」

「………」

木場がしばらく黙りこむ。もしこれで木場を止められなければ最悪気絶しても止めるしかない。

「わかった。二人は見逃すよ。だけど僕は独自で行動をとらせてもらうよ」

「ありがとうな。了承してもらって」

そして木場は立ち去ろうとしているが呼び止める声が聞こえた。

「待ちなさい!祐斗!」

リアス部長だった。

「私のもとから離れることは許さないわ。あなたは私の大切な『騎士(ナイト)』なのよ!はぐれになんて絶対にさせないわ!」

「・・・・部長、僕を拾っていただいたことにはとても感謝しきれないほど感謝しています。だけど、僕は同志達が身を挺したおかげで悪魔の研究所から逃げ出せたんです。だからこそ…僕は彼らの怨みを晴らさないといけないんです・・・」

「祐斗!」

リアス部長が木場を追いかけようとするがその間に俺が入る。

「何をしているのシン」

「今は木場を一人にしてあげてください。今の木場の心情は復讐しかありません。今の木場を拘束しても余計に禍根が残るだけです。だから木場を放って置いてください」

「……っ」

どうやら退いてくれたようだ。

そして木場は無言で立ち去っていった。





―○●●●●○―





夜21時が過ぎたころ。俺、テュール、主任は地下施設で今回の事件について整理していた。

「実際それ相応の覚悟をしていたんだがまさか堕天使の幹部とはな。それも以前読んだ、堕天使関連の本の記述が正しければコカビエルは堕天使の中でも戦闘狂だったな」

『マジで、ねぇこれやばいんじゃない?』

「確かに、あのときの感覚でわかるけど実力は相当なものだよ。正直相手にして勝てるかどうかわからないよ」

『あれれ、まさかテュルりんビビッちゃった?ギャハハハハハ!』

「もう!主任は何でいつも私を煽るの!!」

『だって面白いからさ、テュルりん煽るの。ギャハハハハハ!』

「主任さすがにこういうときは少し控えてくれ。今は緊急事態なんだぞ」

まったくこんなときも相変わらずブレないな主任は。まあ下手に緊張するよりもいいが。なるべくこうゆう非常事態の時はは控えてほしい。

「それで本題に戻るが、もうひとつの強大な反応だ。しかもコカビエル以上の反応を持った奴の情報がいまいちつかめない」

『それに関してはお手上げだ。駅周辺を探してもどこにもそんな反応は無かった』

「私もだめだったよ」

二人も手がかり無しか。正直その反応があってから今のところその反応に関しての事件は無い。

「それにしてもその反応の持ち主は一体何しにこの町に来たんだろう?」

『さあ、何もしてこないから不明だね』

何もしてこない…となると二つの仮定が生まれるな。一応二人の意見を聞いてみるか

「これはあくまで俺の仮定に過ぎないが、恐らくそいつは傍観もしくは潜伏が目的なのかもな」

「う~ん。考えてみればそう判断するのが正しいよね」

『そうだね~』

まあ、今のところ何もしてこない傾向を見てもうひとつの反応は除外していいか。

『そうだご主人。実は完成したよ例の『第一試験兵装』がね。とりあえず兵装内容のデータご主人のほうに送っとくね』

「できていたのか」

完成したのか。まあとりあえずコカビエルのことを考えるついでに見とくか。

「あの…マスター」

「ん?どうしたそんな深刻な表情。どうかしたのか?」

俺は『第一試験兵装』のデータを見ているとテュールが深刻そうな表情で話しかけてきた。

「実はマスターのことで聞きたいことがあるんだけど……」

「まあ、答えられる範囲でなら答えるが…」

テュール葉深呼吸をし質問してきた。

「そういえばマスターの体ってもしかして」

「ああ、そのことか」

そういえばまだ誰にも説明していないな。一応イッセーたちを混乱させないように説明したことは無いからな。まあテュールには話しても大丈夫だろう。

「聞きたいか?俺の体がどうなっているか」

「う、うん」

俺は完成した『第一試験兵装』の概要を見ながらテュールに自分の体について説明する。

「まあ、この体になった経緯は話せないが、俺の体は人間いや生命体じゃなく…”機械”で構成されている。まあ一応、元生命体だけどな」

「やっぱりそうだったんだ…」

「どうやって気づいたんだ?」

「実はマスターの変身前の姿と変身後の体格や骨格がどうにも不自然だったんだよ」

まさか、それだけで気づかれるとはな。

「まあ、いつか気づかれるとは思っていたが。まさか一番最初に体の正体をテュールに見破られるとはな。まったくすごいなお前は」

「でもマスターはそんな体で大丈夫なの…?だってマスター生まれたときは生身の人間だったよね?その体になって後悔はしたこと無いの…」

なるほど機械の体では人間の五感が感じられなくて不安かどうか聞いているのか。

「べつに大丈夫だし後悔もしていない。それに人間として感じる感触、温度感知、味覚などはこの体になってもあるからそこまで不便でもない」

それにこの体になったからこそあの月落下を食い止めることができている。むしろこの体になってからこそ救えたものあるからな。

「そういえば主任もスカーレットさんも、マスター体のこと知っているんでしょう?」

「それは当たり前だろう。そうじゃなければ俺専用の技術主任なんてできないだろう?それにスカーレット・ハートは俺の中に宿っているようなものだからな」

「それもそうだね」

「それでほかにこの体で聞きたいことは何かあるか?」

俺は他に質問が無いか聞いてみると、突然テュールが顔を赤くした。

「大丈夫かテュール?」

「な、なんでもないよそれでマスターに聞きたいことが後、一つだけあるんだけど……」

「まあ、そこまで俺の核心に迫ることが無ければ」

「マスターってさっき説明してくれたとおり機械の体だよね」

「ああ、そうだが」

「じゃあマスターの体についているの…。その『アレ』」

なぜか恥ずかしそうに聞いてくるが何のことを言っているんだ?

「『アレ』?一体何のことを言っているんだ?もっと詳しく説明してくれ」

「え、えーと、そのー///。男性が下半身にある大事なもの…だよ///」

男性が下半身にある大事なもの……ああ、そういうことか。だから恥ずかしがるわけだ。

「まあ、あるぞ。それとしっかりと機能するぞ。男性器として」

「そ、そうなの……(よかったぁ。もし無かったら正直ちょっと辛かったかも。いろいろな意味で)」

なぜか安心しているようだが……何かあったのか?

『ご主人~早速出悪いんだけど、『第一試験兵装』の装備とインストールをやってもらってもいいかな。なるべく早くデータ取りたいからさ』

俺が主任に向かおうとしたその時だった。

「「『この反応』」」

俺たちの言葉が重なった。そうこの場にいる全員が感じ取った。あの時感じた強大な反応、しかも堕天使と同じ反応をしているが、あのはぐれ堕天使たちとは比べ物にならないくらい強大な反応…恐らく奴が出てきたのだろう。堕天使の幹部『コカビエル』が。

『そうねあなたの予想通りで間違いないわ』

しかもそこに木場と教会の二人組みの反応もある。これは一刻を争うな。

「主任。悪いが『第一試験兵装』の装備は後回しにする。あんたならわかっているとは思うがついに出てきた。だがいつでも装備とインストールをできるように準備しててくれ。おそらく亜yつとの戦いに必要になってくる可能性がある」

『了解~ご主人。じゃあ、いっちょ行きますか!!』

スカーレット・ハートお前もいつでもその作業ができるようにしてくれ。

『わかったわ』

そうしたら念のためテュールも同行させよう。

「テュール。お前は俺と来てくれ。先ほどの反応があった場所に木場とあの二人組みの反応があった。それにもう戦闘している可能性がある」

「了解マスター!!」

そして俺とテュールは反応があった場所に急いだ。




―○●●●●○―




反応があった地点底は駒王町の少し外れにある山道だった。

盲点だったなここまでの範囲は調べていなかった。だがここは夜中ほとんど人間が立ち寄らない場所だ。どうやらここの山道は夜になると長髪の幽霊がでるとゆう噂のおかげだ。

今回限りはその噂話のおかげで被害は最小限に抑えれそうだ。

「あ、あれは……」

山道を登った中間地点にある休憩所付近に栗毛の女性、紫藤イリナが倒れていた。しかも着ている戦闘服はところどころ破けており何より全身にできた傷から出血している。さらに彼女が所持していた聖剣もどこにもない。

とりあえず応急処置をしないと命にかかわる。

俺は紫藤イリナ

「おい、聞こえるか!聞こえるなら返事をしろ」

「う…ッ。あ、あなたは…確かリアス・グレモリーの協力者の…」

「そんなことは後だ、いったい誰にやられた?それにお前と一緒に来たゼノヴィアはどうしたんだ」

「最初は…ゼノヴィアとリアス・グレモリーの『騎士(ナイト)』君と一緒に行動していたんだけどあ、”あいつ”が現れて…二人は逃げたんだけど……私だけ逃げ送れて……気おつけて……あいつはまだここに…い…る……」

くッ!おそらく出血による気絶だろう。だが木場がここにいたとなると、おそらくイッセーも少なからず関与しているだろう。

とりあえず俺は紫藤イリナの怪我の応急処置を終らせた。

「マスター危ない!!」

俺が応急処置が終わらせた途端、上空から光のよりが飛んできたがテュールが俺の前に出て光の槍を弾く、おそらくこの槍は上空にいるあの反応だ。

「すまないなテュール。―――それとずいぶんな挨拶だな堕ちた天使の幹部『コカビエル』」

俺は空中に浮かんでいる十枚もの黒い翼を広げている堕天使コカビエルに言い放つ。

「ほう…。俺の正体に一瞬で気づくとはなかなかの洞察力。それに加減したとはいえ俺の槍を弾くとは中々いい腕を持っている小娘じゃないか」

ここまで近くにいるといやでもわかることがある。明らかに今までの敵が弱く思えるほど強い。しかもやつの攻撃をテュールは防御していたが。明らかにテュールは俺と戦っていた時よりも力を出していた。おそらく俺でもこいつの相手は辛い。

俺は紫藤イリナを安全とはいえないが遠くの木陰に移し。そのまま戦闘形態スレイヴ・バルバトスになる。

「ほう、感じたことが無い……いやこの感じ覚えがあるな……だが思い出せないな」

何か考えているようだな。それよりも今はあいつに聞きたいことがある。

『どうやらずいぶんとこの町で好き勝手やってくれたようだな。お前はエクスカリバーを教会から強奪し何でこんな土地に来た?返答しだいでは殺す』

俺はウルトガ・メイスをそのまま地面に叩き付ける。その衝撃で周りの木々が折れコンクリートの地面に三メートルのクレータができる。

「ほう、この殺気、それにその力。貴様相当の実力者だな」

『御託はいい。聞こえてないならもう一度聞くぞ。お前はエクスカリバーを教会から強奪し何でこんな土地に来た?』

「そうだな。ここの土地の管理者リアス・グレモリーの根城であるこの町で少し暴れさせてもらおうと思ってな。そうすればあの魔王サーゼクスが出てくるだろう?」

サーゼクスが出てくる…?なるほどこいつは魔王サーゼクス・ルシファー二用があるのか。だがなぜこんな最悪の方法で呼びだす?そうすればまた、過去に起きた神と堕天使、悪魔の戦争が再び勃発する可能性が……まさかあいつの目的は!!

『お前まさか再び神と堕天使、悪魔の戦争を起こすつもりでいるのか…』

「まさか一言教えただけでここまで察しが着くとは恐ろしい限りだな貴様の洞察力。そう、お前の言ったとおり俺は戦争がしたい。戦いたいんだ殺し合いとゆう名の戦いをな!!あの三つ巴の戦争が終わってから俺は退屈してたんだよ!!アザゼルもシェムハザもほかの奴らも次の戦争に消極的でな。神器なんぞ集め始めて訳のわからない研究に没頭し始める始末。悪魔も天使奴らも誰も戦争を起こそうとしない。なら自分で戦争の火種を作ればいいと思ったんだよ」

折れは奴の一言に久しぶり怒りを覚えた。

戦争を起こすだと……こいつは何を言っているんだ。退屈しているから戦争起こして自分が楽しむだと……ッ!!!

そんな自分勝手で戦争を起こす行為……まるであの『帝王共』のクズと変わらないことをする奴がこの世界にいたとはなッ!!!

あんな奴らがいるせいで俺の世界はクズの塊が支配する腐敗した世界を作った。それをこいつはこの世界に実現しようとしているのか!!!!

『貴様は、決して口にしてはいけない言葉を俺の前で言ってくれたな。お前はこの世界に腐敗をもたらす歪み。お前はこの俺が倒す……いや殺すッ!!!』

俺は殺気、そして自身のエネルギーを放出する。だがコカビエルは笑みを浮かべる。

「ハハハッ!!!面白いぞ貴様は。なら俺はこの町にある学園を中心に破壊活動を行う。止めたければいつでも向かってくるのだな!!貴様との戦い楽しみにしているぞ!!」

コカビエルは魔方陣を展開しこの場から去ろうとする。

『逃がすか!!』

俺はウルトガ・メイスのボルク・アームを展開し最大出力の光弾を撃つ。だが防御されてしまう。

「貴様…その戦闘スタイルどこかで見たことがあるな……だがまあいい。では待っているぞ」

そして転移を許してしまう。

くッ!!このままだと駒王学園にいるイッセーたちが危ない。だがこの戦闘形態の火力じゃ奴にダメージを与えるのは難しい……いや、あれならできるな。完成したばかりの『第一試験兵装』なら今の戦闘形態の装備よりも火力と手数が大幅にあるからな。

『テュール。お前は先に駒王学園に行ってくれ』

「どうしてマスター?早く向わないと皆が」

『この戦闘形態だと奴にダメージを与えるのは難しい。さらに戦闘が長引けばイッセーたちにも被害が出る。だが先日完成した『第一試験兵装』ならいける。だから俺がそれを装備、インストールする時間でいいイッセーたちを守ってくれ』

「わかったよ。でもなるべく早めに来てね。私もイッセー君たちをかばいながらあいつと戦うのはかなりきついからね」

『ああ、わかった』

こうして俺は『第一試験兵装』を装備しにそしてテュールはイッセー達がいる駒王学園に向った。


































 
 

 
後書き
どうも革命者です。

さてエクスカリバー変も終わりが見えてきました。さて次回はイッセーたちを中心の話しになります。

ではまた次回のあとがきで会いましょう!!


感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で投稿されているSS作品でもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!!
 

 

Change4:駒王学園決戦~The power of the reached knight~

 
前書き
~~~視点の切り替えを廃止にしました。

理由としてはなるべく物語を自然に見せるためです。

それでは本編をどうぞ!! 

 
「学園全体に結界を張りました。これでよほどのことはない限り外部への被害は食い止められるはずです」

「ありがとう。助かるわソーナ」

俺、兵藤一誠は今駒王学園の校門にいた。なぜなら堕天使の幹部、コカビエルが急に宣戦布告をしてきてこの学園にいるからだ。

実は木場とシンがイリナたちと戦った後、部長たちに内緒で俺、小猫ちゃん、木場、そして匙と一緒にイリナたちと協力してエクスカリバーの行方を追っていたんだけど途中でフリードのやろうが出てきたんだ。

しかも木場がエクスカリバー恨む元凶、パルパー・ガリレイも出てきておかしなことになっちまった。そしてその二人は逃げて木場とゼノヴィアとイリナが追っていったんだが行方不明になっちまっている。

俺も木場たちを追おうとしたんだが部長たちに見つかって今に至るわけだ。

しかも勝手な行動をした罰として尻たたき1000回もやられて尻がまだ痛いぜ。

今は会長が部長に結界についての説明と現状がどうなっているかを説明している。相手は聖書や様々な書物に出てくる堕天使の幹部だ。何が起きてもおかしくない状況だ。

「この結界はあくまで外部への排外を最小限に食い止めるものです。正直言ってコカビエルがその気になればこの学園どころかこの地方都市自体が壊滅します。さらにいえば、恐らくコカビエルはその準備に入っている状況です」

何だって!?そんなにすごい存在なのかよ、コカビエルって奴は。

なんて迷惑な堕天使の幹部様だよ!!宣戦布告時にコカビエルが戦争を起こすために俺らの町を破壊すのかよ!!冗談じゃないぜ。

「本当にありがとう、ソーナ。後は私たちが何とか食い止めてみるわ」

「リアス、相手はケタ違いの化け物なのですよ?正直あまり言いたくないのですが、今のあなたたちでは確実に死ぬわよ。しかもシン君も今そばにいない状況なのに」

そうなぜかシンとも連絡がつかないでいた。木場と同じタイミングで連絡が途絶え、部長はシンにコカビエルを抑えてもらいたいと言っていたからな。

どこに行っちまったんだよ……シン…。

「分かってる。シンも居ない状況だからこそお兄様に連絡するよう朱乃に言っておいたわ。・・・朱乃、お兄様はなんと?」

朱乃さんが前に出てきた。

「一時間弱で到着する予定ですわ」

「一時間弱……わかりました。分かりました。その間、私達シトリーで結界を張り続けて見せます」

会長が決意を示す。

するとそれと同時に俺たちの目の前に轟雷とともに一人の女性が現れた。

「よかった、まだみんな無事ね!!!」

その人は使い魔のときにシンと戦って、今はシンのところにいるテュールさんだった。

「テュールさん!?何でここに」

「細かい説明は省くけど私はマスターの指示でみんなの助けに来たの」

シンが!?そしたらシンは一体どこにいるんだ……。

「テュールさん。シンは今どこにいるのかしら?シンならこの状況はもう察知しているはずよ?」

「リアスさんの行っているとおりだよ。マスターは実際あの教会から派遣されたあの二人が来る前からコカビエルがこの町に来ていたことは気づいていたの。それでコカビエルが私たちの前にあらわれて子の学園から破壊活動を始めるって言われて私を先にここに寄越したの」

そしてシンがこの状況になり、今までやってきた行動や調査の内容を聞かされた。

「まさか、シンがそこまで気づいているとはね。しかも私たちに余計な迷惑をかけないように小数で行動していたなんて。まったく……」

内容の全貌を聞いたんだが。まさかシンが俺たちの知らないところでがんばってくれたのか…。

「それでシンはなぜこないのかしら?」

そうだ何でシンはこないんだ?俺たちではコカビエルに勝てないことはシンがよく知っているはすなのに一体……。

「マスターは今コカビエルを倒すために準備をしているんだよ。マスターは『今の俺の持つ火力じゃ勝つのが難しくなる。だから火力をあげるため強化をしているんだが時間がかかる』とゆうことなの」

シンはまさかコカビエルを倒す気でいるのか!?

だがあいつならそうできるってなぜか信じられる。なぜなら”勝てない”と言っていないからだ。あいつは知り合ってから、必ず口にしたことを絶対に曲げないやつだからな。

「なるほど、わかったわ。ならシンの到着時間も考慮して行きましょう。さて、私のかわいい眷属たち!!今回はライザーの戦いとは違い『死戦』よ!!でも死ぬことは許さないわ!!それにテュールも参戦してくれる、生きてまたこの学園に通いましょう!!」

「「「はい!!部長」」」

「兵藤!後は頼んだぜ」

「ああ、任せろ! 匙も結界の維持、よろしくな!」

俺と匙は拳を合わせる。

さて、いよいよ決戦だ!!もしシンや魔王様が間に合わない場合は……。

『任せろ相棒。相手は聖書に記されしコカビエル。不足はない、見せてみろドラゴンの力をな』

ああ、ドライグ見せてやろうぜ。神と魔王、堕天使に逆ギレしたドラゴンの力をな。




―○●●●●○―




「フフフッ、まったく面白いのう、この学園は」

駒王学園殻数メートル離れたところに一人の女性笑みを浮かべながらがたたずんでいる。

「まさか、このような古く劣化した大物が降臨するとはこの学園…いやこの”土地”はどうなっておるのか不思議なものだな」

女性は腰から吸うほんの狐のような尾を生やしそこに座る。まるで一国の姫君のように

「だが、それよりも。あの堕天使よりも強き者が二人いるのう。しかも片方は三天の一角、白と来たか。これは不思議な運命かのう……イッセーよ」

その女性は自分とは反対の方向に視線を向ける。

「さて、見させてもらうぞ紅の眷属とその主、そして雷の姫よ。おぬしたちの戦を」

しかしすぐに違う方向へと視線を変える。そこはシンの自宅だった。

「なあに、心配せんでもよいぞ。あの者たちが危うくなっていたら手を貸してやろう。だから安心しておぬしの機の力を強めて来い……」

女性は不適な笑みを浮かべながらつぶやいた。

「――――シンよ。フフフ…」





―○●●●●○―




正面から駒王学園に入る俺たち。

「何だ… コレ…」

校庭に出ると、エクスカリバーを中心に魔方陣が発生していた。そこの中心にパルパーガリレイらしき人物がいた。

いったいこの学園で何をする気なんだ!?

「パルパーガリレイ!!お前いったい何をするんだ!?」

「四本のエクスカリバーを一つにするのだよ」

パルパーは面白おかしそうに笑みを浮かべる。

「パルパー。後どのくらい時間がかかる?」

「もう五分も要らんよ」

「ッ!!!」

空中から聞こえてくる声。俺たちは上を見るとそこには月光を浴びるコカビエルの姿があった。

宙で椅子に座りこちらを見ているコカビエル。あのでかい椅子を浮かべているのは堕天使の力か?クソッ!!余裕そうに足なんて組みあがって!!!

コカビエルは視線を俺たちから部長に向ける。

「やって来るのはサーゼクスか? それともセラフォルーか?それとも先ほどあったあの小僧か?」

「貴方の相手は私達よ!!」

部長が答えた瞬間、閃光が走り、体育館が吹きとんだ。

そして体育館のあった場所を見ると、そこには体育館はなくあったのはどデカイ光の槍が一本刺さっていた。

「お前たちではつまらん。まあいい余興くらいにはなりそうだ」

おいおい…嘘だろう。まじか体育館が一瞬で吹き飛んだぞ!!あのはぐれ堕天使たちの比じゃねぇ!?

『ビビッているのか相棒?』

それはそうだろう!?あんなもの見せられたら規格外なんてものじゃねぇ!!次元が違うレベルだぞ!!

『それはそうだ。相手は聖書にしるされている堕天使の幹部コカビエルだぞ。しかも先の大戦で先代魔王や神と戦いに意気の勝った強者だ』

勝てる?……俺はあいつを相手にして生き残れるか?

『なあに。いざとなったらお前の体をほぼドラゴン化させてでも勝たせてやる。少なくとも一時間は動けないほどのダメージは負わせられる。あとはあの小僧か魔王に任せればいい』

マジか全身ドラゴン化かよ……できればそうしたくないな。

「さて、俺のまずはペットと遊んでもらおうか」

パチンッ

コカビエルが指を鳴らす。

すると、魔法陣がいくつも展開され、十メートルはあるであろう三つ首の犬が出てきた。

「ケルベロス!!」

ケルベロスって… あの伝説の!?

「不味いわね… イッセー、あなたは神 器(セイクリッドギア)で譲渡の準備をして頂戴!!」

「はい部長!!行くぜ俺のセイクリッドギア!!」

『Boost!!』

俺は部長たちに力の譲渡をするために倍加を始めていく。

「あなたの相手は私だよ、堕天使さん!!」

「ほう、あのときの小娘か、面白い相手をしてやろう!!」

テュールさんはコカビエルと戦い始めたようだ。

さて俺はあの三つ首ワンコにしつけをやりますか!!

「いくわよ、朱乃」

「はい、部長」

部長たちがケルベロスに攻撃態勢を取る。

するとケルベロスのひとつの頭から炎が吐かれる。

「甘いですわ!!」

朱乃さんが魔法でケルベロスの炎を凍らせ…

「喰らいなさい!!」

部長が滅びの魔力でケルベロスに一撃を加える。さすがうちの部長と副部長だ!!

「キャァァァァァ!!!!!」

「ッ!? アーシア!!」

まずい!アーシアが取りこぼしたケルベロス二匹に襲われている!!

だめだ俺じゃ間に合わない!!

だがケルベロスはアーシアに攻撃できずに地面から生えた魔剣に串刺しされておりもう一匹は体を立てに両断されていた。

「遅くなってごめん!!」

「助太刀するぞ、グレモリー眷属」

するとアーシアの目の前に木場とゼノヴィアがいた。まったく遅いぜイケメン王子!!

そして突然俺の籠手が輝きだす。いったいなんだこれは?

『戦闘に必要な適正な倍加ができた合図だ』

そうなのかよ。手かこんな便利機能化までついているのかよ!?

『神器はおまえとともに日々成長する。おまえが望むことをただ神器が実行しただけだ』

だがこれで部長たちに譲渡できる!!

「部長!! 朱乃さん!! 譲渡します!!」

俺はブーステットギアに貯まった力を二人に譲渡した。

『Transfer!!』

そして部長と朱乃さんの力が跳ね上がる。

「いけるわ朱乃」

「いきますわよ、部長!!」

二人は大規模な滅びの魔力と雷をここにいるケルベロスに放ちケルベロスを消滅させる。

さすがうちの部長と副部長だぜ!!

「―――完成だ」

するとバルパーの嬉々とした声が聞こえた。

その瞬間神々しい光が校庭を覆う。あまりの眩しさに俺を含めた全員が顔を手で覆った。

そして光がやむとそこには異形の形をした聖剣が宙に浮いていた。

「エクスカリバー・・・・・ッ!」

木場が憎々しく呟く。

エクスカリバーが統合されたことで笑みを浮かべるバルパー。

「エクスカリバーが一本になった光で下の術式も完成した。あと20分程度でこの町は崩壊するだろう。早く逃げることをオススメするぞ。悪魔の諸君」

「「「ッ!!??」」」

マジかよ!!崩壊しちまうのかよ…この町が俺たちの住んでいる町が……。

だがこんな状況の中木場は手元に自分で作った魔剣を握りパルパーに近づく。

「バルパー・ガリレイ。僕はあなたの『聖剣計画』の生き残りだ。いや、正確にはあなたに殺された身だ。今は悪魔に転生しそしてエクスカリバーとあなたに対する復讐で生きながらえてきた」

冷静な口調で言う木場。だが木場の瞳には俺でもわかるような憎悪に染まっていた。

「ほう…。あの計画の生き残りか。あの時すべて搾り取って処分したと聞いていたが、それもこんな極東の国で会うとは数奇なものだ」

するとパルパーは木場に近づきしゃべりだす。

「だが、君達には礼を言うよ。おかげで計画は完成したのだからな」

「・・・・完成?」

「君達、あの時の計画にいた被験者にはエクスカリバーを操るほどの因子はなかった。そこで私は一つの結論に至った。被験者から聖剣に適応する因子だけを抜き出せば良い、とな」

「因子を抜き出す…?」

そしてパルパーはこの段階にいたった経緯を話し始める。しかもどうやら教会側もパルパーの技術で聖剣に適合できる人間を増やしていたそうだ。だがパルパーとは違って因子を抜き出した人間は殺していないらしい。

しかもパルパーの隣にいるフリード以外にもパルパーの手によって因子の結晶を与えられた人間がいたらしいんだが、その因子の力が体についていけなく死んでしまった…フリードが面白おかしくいっていた

「そして、私は因子を結晶化することに成功した。これはあの時に出来たものだ。だが私かこれより純度の高い結晶を生み出す段階にきている。これはもういらないから君にくれてやる」

木場は結晶を手に取って呆然と見つめた。

結晶を握り締めて、体を震わせる。

悲しそうに、愛おしそうに。そして懐かしむように涙を流しながら。

「皆………」

木場の頬に涙が流れる。その表情は悲しくそして憤怒んい歪んでいた。

そのとき木場の涙が木場の持っている結晶に零れ落ちたときその結晶が淡い光を放ち始める。

そしてその光は木場全体に広がり光は人の形を形成していく。

これはいったい?

「この戦場に漂う様々な力が因子の球体から魂を解き放ったのですね」

朱乃さんが言う。

そんな現象も起きるのか…まあ悪魔や天使などがいるんだこんなことがおきてもおかしくはない。

木場は彼らを見つめる。

哀しそうな、懐かしそうな表情を浮かべた。

「僕は……僕はッ!……ずっと、ずっと思っていたんだ……。僕が、僕だけが生きていいのか?僕よりも大きな夢を持った仲間だっていた。僕だけが平和な暮らしをしていいのかって…」

そうか木場はずっと悩んでいたんだな。みんなを犠牲にして、そして自分だけが平和な暮らしをしているこがいいのかって…。

すると光で形成された霊魂の少年が何かを言っている。俺には読唇術なんて持ってないからわからない。

すると朱乃さんが俺たちにわかるように代弁してくれた 。

「『自分達のことはいい。君だけでも生きてくれ』。彼らはそう言ったのです」

それが伝わったのか、木場の両眼から涙が溢れる。

そして木場の周りの人型の霊魂がまるで歌うかのように口を動かしその歌が俺たちに聞こえてきた。

「――聖歌」

アーシアがそう呟いた。

彼らは歌っている聖歌を…。木場も涙を流しながら聖歌を口ずさんでいた。

こんなバカな俺にでもわかる。この歌は木場たちが苦しい実験で唯一の希望。

そして過酷な生活で手に入れたただひとつの生きる糧。

それを歌う木場と彼らは泣きながらそして懐かしむように歌っていた。

「あ、あれは…ッ!!」

木場の周りにいた人型の霊魂が青白く輝きだしその光を中心に眩しくなっていく。

『大丈夫』

理由はわからない。だけどなぜか彼らの声が聞こえる。

『僕らは、独りだけでは駄目だった――』

『私たちでは聖剣を扱える因子は足りなかった――けど―――』

『けれど、皆が集まれば、きっと大丈夫だよ―――』

部長とアーシアから以前、聞いたことがある。

悪魔は聖歌を聴けば苦しむと。

だが今この場に様々な力が漂っている力の聖なのかまったく苦しくない、いやむしろ俺たちの心までに暖かい気持ちが流れ込んできた。

そして俺やほかの皆も自然と目から涙がでていた。

『聖剣を受け入れよう――』

『怖くないよ――』

『たとえ、神がいなくとも――』

『神が見ていなくたって――』

『僕たちの心はいつだって――』


「『ひとつだ』」


彼らの霊魂がやさしい光となって木場に降り注いでいる。

そしてその光が木場をやさしく抱くように包んだ。

『あの『騎士(ナイト)』は至った』

何だよこんな感動的な場面で何に至ったんだよ!!

神 器(セイクリットギア)は本来所有者の想い、願い、欲を勝てに成長していく。だが神器にはそれとは別に新たなる領域が存在する。所有者の想いが、願い、欲それぞれがこの世界に漂っている『流れ』に逆らうほど劇的な変化をしたとき神器は至る』

そしてドライグは楽しそうな声で言う。

『それがあの『騎士』が至った力―――禁 手(バランス・ブレイカー)だ』

俺は再び木場を見ると木場の回りに白と黒色のオーラが漂っているのが見えた。




 
 

 
後書き
どうも革命者デース!

さて今回の話はどうでしたか?実は冒頭の部分でこの日とどうしようか~と二時間迷っていました。すみません。ですが自分なりにかけたと思います!!そして木場きゅんが禁 手(バランス・ブレイカー)に至るシーン。原作でもアニメでも当時の私はなぜか感動して涙を流しました。皆さんはどうでしたか?できれば感想にて教えてください!!

さて次回は怒涛の急展開!!そしてついにあの人が登場します!!

それでは次回でお会いしましょう!!

感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で登校されているSS作品でもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!!

 

 

Change5:暴かれた真実~The advent of the bigger armor~

僕――木場祐斗はこの温かなぬくもりを感じていた。

同志達の暖かい、そして優しい気持ちと想いが僕に流れ込んでくる。

僕はこの感覚を感じてようやくわかった……。

同志達は僕に復讐なんて望んでいなかった。ただ僕に平和に生きてほしいと願っていたんだ。

「だけど、これで終わるわけにはいかない」

そうここで終わらせるわけにはいかないんだ。目の前の悪意をここで倒さない限りきっと第二、第三の僕たちが生まれてしまう。だからここで終わらせないといけないんだ。

「パルパーガリレイ。あなたを滅ぼさない限りあなたはまた僕たちが体験した悲劇を繰り返していくだろう。だけどそれは阻止しなくてはならない。これ以上犠牲者を増やさないためにも」

僕は再び魔剣を一振り創る。

「ふん。研究に犠牲はつき物だとなぜわからんのかね?」

やはりあなたは邪悪すぎる!!

「どうやら素直にひいてはくれない様だな愚か者め。フリード!」

「はいな!」

融合したエクスカリバーを持って僕の目の前に立ちふさがるフリード。

「木場ァァァァァァァァ!フリードの野郎とエクスカリバーをぶっ叩けェェェェェ!!」

イッセーくん。

「おまえはリアス・グレモリー眷属の『騎士(ナイト)』で俺たちの仲間、そして俺のダチなんだよ!!だから勝って来い木場!!おまえの同士たちの思いを無駄にするんじゃねえぞォォォ!!!」

君はどうしようもない僕に協力して貰った。君には何も得はなかったのに。そして主から罰を受けるかもしれなかったのに……。

「そうよ祐斗!戦いなさい!!あなたら必ずできるわ!!私の自慢の『騎士』はエクスカリバーごときに負けはしないわ!!」

「祐斗くん。信じていますわよ!」

「……祐斗先輩!!」

「木場さん!負けないでください!!」

皆がこんな僕でも応援してくれる。なんていい仲間にめぐり合えたんだろうか僕は――。

「あぁ~あ”!!!。なぁに、感動シーン作っちゃってんすかぁ。聞くだけで吐き気が出そうで気持ち悪くなっちゃう!!あ~、とっととキミ達、刻み込んで気分爽快になりましょうかねェ!!」

フリード・セルゼン。その身に宿した同志達の魂。これ以上悪用させたりしない!!これは僕の意思だけではない。僕の魂と同志達の涙の意思だ!!

「―――僕は剣になる」

僕と融合した同志たちよ、一緒に超えよう―――。あの時果たせなかった思いを、願いよ。

「僕は部長たちの剣となるそう決めたんだ。だから今こそ僕の思いに答えろ!!魔剣創造(ソード・バース)!!』

僕の神 器(セイクリット・ギア)と同志達の魂が混ざり合い、同調していき形を成していく。

僕の魔剣創造(ソード・バース)の魔の力と同志達の聖なる力が融合していく。

同志たちが心の中で語りかけるように教えてくれる。これは新たな力の昇華だと。

そして神々しいオーラと禍々しいオーラを放ちながら僕の手元に一振りの剣が現れた。

―――完成したよ皆。僕たちの剣が――。

「―――禁 手(バランス・ブレイカー)、『『双覇 の 聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』。聖と魔を有する剣の力、その身で受け止めるといい」

僕はフリードに向かい駆け出す。

フリードは僕の攻撃に対して天閃 の 聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)の力であげたスピードとフェイントを織り込んだ攻撃で迎撃してくる。

ギィィィィン!!

だけど僕はそれでも受け止めた。しかしある意味おかしいよあの『はぐれ悪魔祓い』は、正直ここまでの動きをするとはね。だけど、どうやら僕の剣でフリードの持つ聖剣の力がかき消されているようだ。

そして僕は体制を変えるためいったん後ろに引く。するとゼノヴィアが僕の隣に現れた。

「リアス・グレモリーの『騎士』。まだ共同戦線が生きているか?」

「そうだと思いたいね」

「ならば、共に破壊しよう。あのエクスカリバーを」

「いいのかい?」

「あれは聖剣であって聖剣でない。あれは異端者によって醜い姿になった異形の剣だ」

「そうだねなら、破壊しよう悪意の元凶を」

すると、ゼノヴィアは自身が持っている『破壊 の 聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』を地面に突き出し右手を何もない空間に突き出す。

「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」

何かの言霊を発し始めている。すると手を突き出した空間が歪みだし鎖に巻かれた大きな大剣…いやこのオーラ聖剣がでてくる。

「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。―――デュランダル!!」

ゼノヴィアの叫びとともに聖剣にまかれた鎖が砕けそこから一本の大剣のような聖剣がゼノヴィアの手に握られていた。

デュランダルだって!?確かエクスカリバーに並ぶ伝説の聖剣。その力は触れるものをすべて切り裂く聖剣と聞いたことがある。

「貴様、エクスカリバーの使い手では無かったのか!?」

パルパーが驚きを隠せないでいた。

「馬鹿な! 私の研究ではデュランダルを使える領域まで達していなかったはずだ!」

「私はそこの異端者やイリナと違って、数少ない天然物でね」

「完全な適性者、生まれたときから祝福された真の聖剣使いだと言うのか!」

なるほど彼女は完全なる聖剣の適合者。紛い物ではなく、そして神に祝福されて生まれてきたようだね。

「デュランダルは触れたものは何でも斬り刻む暴君でね。私の言うこともろくに聞かない。だからこうして異空間に閉じ込めていないと危険極まりないんでね」

デュランダルの刀身を見てみるとその周りは鈍い光を放ちながら歪んでいた。しかもフリードの持つエクスカリバー以上のオーラを放っている。

「そんなのアリですかぁぁぁぁぁ!?ここにきてのチョー展開!クソッタレとクソビッチどもがぁぁぁ!!そんな展開いらねぇんだよぉぉぉぉ!!」

フリードが叫びながらゼノヴィアに殺気を向けた。目には見えないが擬態の能力で聖剣の刃を枝分かれさせて彼女に放っているのだろう。

ガキィィィィン!

しかし枝分かれさせた刃はデュランダルの一薙ぎでであっさりと砕かれてしまう。しかもその余波で地面が抉れていた。

「こんなものか…。所詮は折れた聖剣。このデュランダルの相手にもならないか」

ゼノヴィアは落胆しながらつぶやく。

すさまじい威力だ。あの『破壊 の 聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』の切れ味威力が段違いすぎる。

「マジですかぁぁぁ!!伝説のエクスカリバーちゃんがこんなに簡単に負けるなんて!!これはひどすぎる!!まったく折れた贋作なんて再利用するからいけなかったのでしょうか!?」

僕はフリードのさっきが弱まったのを見逃さず彼に一気に詰め寄る!!

しかも彼は対応できいない!!これでチャックメイトだ!!!

彼は何とか僕の聖魔剣をエクスカリバーで受け止めようとするが――――――。

バキィィィンッ!!!!

「折れたぁ!?」

儚い金属音が鳴り響く。僕たちを縛り続けたエクスカリバーが砕ける音だ。

「見ていてくれたかい? 僕らの力はエクスカリバーを超えたよ」

そしてその勢いで彼を切り払った。




―○●●●●○―




俺―――兵藤一誠は木場の闘いを見てうれしくなっていた。

だってついにやりあがったんだ!!木場はあいつは自分の因縁を自分自身で断ち切りやがった!!

しかも聖と魔が融合した剣かよ!かっこいいじゃねえか

木場が深呼吸をするとバルパーに迫る。

どうやらこれで決着をつけるようだな。いって来い木場!!

「バルパー・ガリレイ。覚悟を決めてもらおう」

木場がパルパーに向かい迫るが、パルパーはそんなことを気にせずに何かを呟きだした。

「なぜこのような現象が起きる……。そうか!!わかったぞ!!聖の力と魔の力、それらをつかさどるバランスが大きく崩れているのならば説明がつく!!つまり先の停戦で魔王だけではなく。聖書の神も―――」

ドゴォォォン!!

パルパーは何かの結論にたどりついたそぶりを見せた瞬間俺たちの近くで何かの衝突音と砂埃が舞う。

「なっ何だ!?」

俺は砂埃が舞っている中心に視線を移し砂埃が収まるとそこには―――。

「うっ……グフッ……」

そこには全身傷だらけのテュールさんが苦しそうに倒れていた。

「テュールさん!?アーシア!!テュールさんに治療を!!」

「しっかりしてくださいテュールさん!!!」

すぐさまアーシアがテュールさんの治療をしている。見ればあちらこちら傷がありいたるところから出血している。たしかテュールさんは確かコカビエルの相手をしていたはず、もしかして―――。

ズンッ!

今度はバルパーがいつの間にか光の槍で腹部を貫かれていた。

そしてパルパーは何もいわずに地面に倒れ消えていった。

「バルパー。おまえは優秀だったよ。そこに思考が至ったのもそれ故だろう。―――だが、俺はおまえなどいなくても最初から一人でやれる」

俺は声の主の方向に顔を向ける。するとそこにはコカビエルが宙に浮きながら俺たちを見下していた。だがテュールさんと戦っていたせいか服は焦げていて翼や皮膚などがところどこ火傷していた。

「フン、なかなか楽しめたぞそこの雷の小娘。だが残念だったなお前がそこにいる枷たちがいなければ勝負はわからなかったがな」

テュールさんの枷?いったいどうゆうことだ……。

「コカビエル!!どうゆうことなのかしら!!」

「おや?気づいていないのかリアス・グレモリー。なら教えてやろうお前たちなんで俺がここにいる状況で無事に入れれると思う?おかしいとは思わないのか?今まで俺の横槍がなかったことに」

確かに今まで何で俺たちはこんな大物と退治しているのに何の妨害もなく木場が戦えて俺たちは木場を応援することができた……まさか!?

「まさか!?」

「どうやら気づいたようだな。そう今まで俺が入れようとした横槍の攻撃やお前たちに対しての攻撃はあそこの雷の小娘が身を挺してすべて受け止めていたんだよ。だがそれも長く続かずついには力尽きて今の状態に至るわけだ」

今まで…俺たちはテュールさんに守られていたのか……。

「そしてお前たちとがこの場にいなければあの小娘は私と満足に戦うことができたんだよ。そう、お前たちは俺を討てるチャンスをお前たちが小娘の枷となりそれを無くしたんだよ。哀れだなグレモリー眷属と聖剣使いその慢心愚かだなぁ!!ハハハハハ! カァ八ッハッハハハハハハハハハッ!!!」

そ、そんな――。俺たちはテュールさんの邪魔をしていたのか……。チクショウ!!

そしてコカビエルは不適な笑みを浮かべて俺たちに言う。

「限界まで赤龍帝の力を挙げてだらかに譲渡しろ」

自身に満ちた表情で相手を見下しているような物言いをし、部長が激昂する。

「私たちにチャンスを与えるというの!?ふざけないで!!」

「ふざけないでだと?ハハッ!!ふざけているのはお前たちのほうだ。所詮そこの小娘の足かせになるよううな弱者どもが俺を倒せると思っているのか?笑える冗談だな」

くっどうする…。部長か朱乃さん…それとも伝説の聖剣をもっているゼノヴィア?それとも禁 手(バランス・ブレイカー)に至った木場か?どうすれば……。

「イッセー私に任せて頂戴」

すると部長が手を握ってきた。どうやら部長が俺の譲渡を受け取って攻撃してくれるようだ。

「わかりました部長」

『Boost!!』

俺は倍加を貯め始める。

そして俺がためれれる限界の倍加を知らせるように籠手が輝きだす。

「きました部長!!では行きます!!」

「ええ!!イッセー」

『Transfer!!』

そして部長の魔力がありえないほど濃密で強力になっていく。近くにいるだけで肌が焼けそうな勢いだ。

だかコカビエルは―――。

「いいぞ!!いいぞ!!その魔力の波動!!リアス・グレモリー今のお前は最上級悪魔に匹敵するほどの魔力だ!!お前も兄に負けず劣らずの才能に恵まれたようだなァァ!!!!」

「減らず口を、消し飛びなさい!!!」

部長から両手から最大級の滅びの魔力が撃ちだされる。そしてその一撃をコカビエルは真正面から受ける。

「フハハハッ!! 中々の威力たが…… まだまだぁ!!」

しかしあっさりと打ちだされた魔力は霧散してしまう。

「これでもだめなの……」

部長が悔しそうにひざをつく。確かにあれだけの魔力を放てばもう部長の魔力は無くなっていてもおかしくない。しかも譲渡によるからだの負担も大きいだろう。

「なら、僕たちが!!」

「加勢する!!」

すると木場とゼノヴィアが加勢に入り両側からコカビエルを攻撃する。

「その程度か」

コカビエルはゼノヴィアを魔力で弾き飛ばし、木場の聖魔剣を片手で受け止めていた。

「フン、所詮はこの程度… 期待はずれだな……」

「それは…… どうかな!!」

木場は身を引きながら、再び聖魔剣を作りを口に咥えてコカビエル顔面を切り裂いた。

「グッ!?なかなかやるな、リアスの『騎士』!!」

だが木場もそのままつかまれた聖魔剣を投げ飛ばされてしまう。

「天雷よ、響け!!」

朱乃さんも攻撃を加えるがやはり歯が立たない。

「俺の邪魔をするのか、バラキエルの娘よ!」

「私をあの者と一緒にするなァァァァ!!!!」

朱乃さんはコカビエルの発言で激昂しさらに雷を強めるがすべて片手で霧散されてしまう。

「フン… しかし仕えるべき主を亡くして、お前達神の信者と悪魔はよく戦う」

突然、コカビエルが話し始めた。

いったい何を語るつもりなんだ?

「おっと、口が思わず滑ってしまったな。―――いや、良く考えてみれば戦争を起こすのだ。黙っている必要もないか」

「どういうこと?」

「なら話してやろう!!お前たちの冥土への土産にな!!先の大戦で四大魔王だけでなく、神も死んでいたのだ!!」

神が死んでいた?いったいどういうことなんだ……。

「「「なっ!?」」」

俺とテュールさん以外が驚愕の表情に包まれていた。

「知らなくて当然だ。この世界を創りそして今まで奇跡を起こしてきた神が死んだなど誰に言える?人間は神がいなくては心の近郊が保てなく自分達が定めた法が機能しない不完全な存在の集まりだぞ?あの戦争で悪魔は魔王全員と上級悪魔の多くを失った。天使も堕天使も幹部以外の多くの純潔の存在をだ。どこの勢力も人間に頼らなければ種の存続が出来ないほど落ちぶれいたのだ。だから、三大勢力のトップどもは神を信じる人間を存続させるためにこの事実を隠蔽したのさ」

「嘘だ…… そんなの嘘だ……」

「そんな…… では… 私達に与えられる愛は、一体……」

「!? アーシア!! しっかりしろ!!」

それを聞いたゼノヴィアは戦意を失いかけ、アーシアはショックで意識を失いイッセーに支えられていた。

しかも突然のコカビエルの真実にみんなが驚愕しそして繊維を失いかけていた。みんな先頭で疲弊しているのにこんな情報を与えられたらこうなる…。今動けるのは俺だけか。

「フン。こんなことでほとんどのやつらが戦意を喪失したか。ならもう生かす価値などない。さっさとこの町とともに消えろ悪魔とグレモリー眷属、そして雷の小娘」

コカビエルは退屈そうに先ほど体育館を吹き飛ばしたのと同じ位の光の槍を生み出す。

あいつ!!ここにいる俺らを殺す気だ!!

みんな動けない!!なら俺が守るしかない!!

俺はみんなの前でて防御の姿勢をとる。だが俺と同じ行動をしていた人がいた。

「ま、守らなきゃ…みんなを…」

満身創痍のテュールさんが俺の隣に立っていた。

「テュールさん!?そんな傷じゃ危ないですよ!!」

俺はテュールさんに逃げるように促すがテュールさんは息を上げながら答える。

「最初に…言ったでしょ。みんなを守りにきたって。マスターにお願いされたんだ…。『イッセーたちを守ってくれ』って。だからどんな状態でもでも守らないといけないんだ!!こんな私を普通に向か入れてくれたマスターの…恩返しのためにも!!」

「仲間思いは結構なことだ…。ならその仲間と共に死ね!!」

コカビエルの巨大な光の槍が放たれる。

だめだあの威力…俺や今のテュールさんんじゃ受け止められない…。

俺は目の前を脅威に目を閉じた。

「『羽衣・黒斥壁』」

しかし一向に何も来ず俺は目を開けた。

するとそこには俺の顔から数センチあたりでとまっているコカビエルが放った巨大な光の槍があった。

「こ、これは……!?」

「一体!?」

俺とテュールさんハ目の前の状況に混乱していた。言ったどうなっているんだ!?

俺たちが混乱していると上空から聞き覚えのある声が聞こえる。

「加勢にきってやったぞ、魔の者たちよ」

すると上空から黒いセーラー服を着た和風の狐のお面をかぶった黒髪の長髪の女性が黒いオーラを漂わせながら俺たちの目の前に降りてきた。

それに足してこの場にいる全員があっけにとられていた。

「あ、あれ?かっこよく台詞を決めたのだが、リアクションがないのう……」

「あんた誰だ?なんとなき聞き覚えのある声だが……」

俺は突然現れた女性に何者かを聞く。

するとこちらに体を向け、かぶっていた仮面をとる。

て、あの顔は!?

「って羽衣!?」

「気づいてくれたか。さすが妾のクラスメイトじゃな。イッセー」

うそだろ!?何でこんなところに俺のクラスメイトで部長や朱乃さんと並ぶ学園の三大お姉さまの一人『羽衣九狐(はごろもここね)』がなんでこんなところにいるんだ!?

「な、何でこんなところに!?」

「詳しい説明は後でするのでな。少し待っておれ」

そして羽衣は体を反対側に向けとまっているコカビエルが放った巨大な光の槍二触れそしてそれを霧散させる。

「貴様何者だ?俺の槍を霧散させるなどただ者ではないな」

コカビエルが羽衣に質問しているが羽衣はコカビエルに視線を配らずに虚空を見つめて言い放つ。

「おぬし、そんなことよりも後ろに気おつけないのか?」

羽衣が妖艶な笑みで言い放つ。

バリィィィンッ!!!

「お前、話を――グハァァァァァッ!?」

するとコカビエルが何かが砕けた音と共にまるで何者かに撃たれたかのように地面に激突する。

「な、なんだ!?今のは……」

コカビエルが嗚咽を漏らしながら驚いている。

「やっときたか…。少し遅いぞ―――シン」

俺は羽衣が見ている方向へと視線を向ける。

するとそこには。

『遅れてすまないな…みんな』

二つの大きなアームを背中に生やした黄色いロボットが空中に降臨するかのように宙に浮いていた。




 
 

 
後書き
どうも革命者ダ!

さて今回の話はどうでしたか?今回の話で久しぶりに登場した羽衣九狐ちゃん!彼女の派手な活躍は今回の章ではありませんが正体が明らかになります!!ちなみにイメージキャラクターは皆さんは冊子がいいので気づいていますが”あの妖怪”です!!

そして次回ついにシンが新たな装備で大暴れをしてコカビエルを叩きのめします!!

乞うご期待!!

それでは次回でお会いしましょう!!

感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で登校されているSS作品とのコラボでもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!! 

 

Change6:雷洸射の火神鳴~Encounter with white~

イッセーたちがコカビエルたちと交戦している今。俺―――神無月進はいま『第一試験兵装』の装備及びインストールの最終段階魔で終わっていた。

ちなみに装備とインストールを行う際に装甲の換装とデータと換装して出たパーツをインストールするため
スレイヴ・バルバトスに変形し行っている。

それにしても、あいつらが心配だ。特にテュールとイッセーあたりが無茶をしそうだ。

『ご主人~。装備及び装甲の換装が終わったよ。ギャハハハハ!!』

『こっちも専用プログラムもインストールと最適化が終ったわよ』

俺は表示された装備の概要を確認する。

なるほど。スレイヴ・バルバトスより射撃能力と総合的な火力そして手数を増やした形態か。

これならあいつを簡単に倒す事ができるな。

『これで確認は終わった早くイッセーたちに合流しないと』

俺は上へ戻り駒王学園にいくため戻ろうとするが。

『……。何で戻らないんだ?』

『あ、ごめん、ご主人説明してなかったけど。実験兵装を初めて装備した場合一定時間、所有者のことを考慮して戻らなくなるんだった。ギャハハハハ!!』

嘘だろう…これじゃみんなの下にいけないな。

仕方ない天井を壊していくか。

俺が地下施設の天井を壊そうとすると主任が呼び止めてきた。

『ちょっと待ってご主人。天井を壊さなくてもみんなのところにいけるいい方法があるよ』

その方法があるなら早く言ってほしいな。まったく。

『それじゃあいくよ。ほいーっと』

主任が制御盤を操作するとそこにはカタパルトのような滑走路とその先に円形のワームホールが出現した。

『これは…なんだ?』

『俺も詳しいことは判らないけど、説明には『急襲用カタパルト形転送装置』って書いてあって要するにご主人が行ったところや、座標がわかっているところにすぐさま送ってくれる便利な物ってこと』

ざっくりとした説明だが、わかりやすいな。

『要するにこれで天井を壊さずにみんなのところに行けるんだろう?なら早く準備してくれ』

『オッケー。ならご主人、そこにご主人専用のカタパルトがあるからそこに乗ってくれ。座標はこっちで指定しとくから』

『わかった』

俺は滑走路の一番後ろにあるカタパルトに足を乗せ位置でも出撃できるように準備をする。

『準備完了~!座標固定および空間テレポート異常なし!!滑走用リニアボルテージ良好!!射出タイミングご主人に任せるよ~』

『あら、シン?まだ足りないものがあるわよ?』

『ん?何だ一体…』

『ほら出撃前に名前と機体名を言ってからやるやつよ』

それやらなきゃ駄目か?

『うん、駄目』

こんな非常時に…まあみんな今のところ生命反応に以上はないから良いか。だがテュールが少々危ないな。まあやるぐらいなら問題ない。

俺は腰を少し落とし射出体制になる。

『判った。―――神無月進、『スレイヴ・T・火神鳴』出撃する』

そしてカタパルトが花火を散らしながら進み、俺はテレポートのゲートをくぐった。




―○●●●●○―




『遅れてすまないな…みんな』

現在俺は駒王学園の結界の中にいた。転送された瞬間コカビエルが後ろを向いておりみんなに敵意を向けていた簿で背中に俺の両肩に装備されている『チェーン・ソーサー』で撃った。

そして詳しい状況を把握するため俺はみんながいるところに降り立つ。

みんなを一通り見たがあまりよくない状況だ。

アーシアとゼノヴィアが精神的にダメージを受けている状態。そしてテュールは重症を負っていおり、ほかのみんなは中傷のダメージと疲弊が見られる。

だがある意味木になることがある。

『何でここにいるんだ。羽衣』

そう。なんでこの場に羽衣がいるかだ。只者ではないと思っていたが…。

「おや、その物言いはないと思うぞシン。妾がここに駆けつけていなかったら今頃こやつらはあのカラスに消滅させられていたんだぞ?」

『そうなのか?イッセー』

「ああ、やしかに羽衣に助けてもらわなかったらどううなっていやかわからない―――ってその声シンなのか!?一体どうなっているんだ!?姿が前よりもごつくなっているしその巨大なアームみたいなのもそうだが、何で黄色いんだ!?」

『ああ、説明したいところだが今は時間が残されていないようだ。イッセーこの学校に妙な反応があるがこれは一体何の魔術なんだ?』

「やばい忘れてた!!シン、実は―――」

イッセーからの説明を聞くと、どうやらこの学校を中心に崩壊の術式がかかっており後十分程度でその術式が発動してしまうようだ。

まあ悪いことばかりではなく。木場が持つ神器が禁 手(バランス・ブレイカー)に至りエクスカリバーとの因縁に決着をつけたようだ。

『大体状況と顛末は理解できた。それにすまないなテュール。来るのが遅くなってしまって』

俺は重症を追ったテュールに謝る。

「まったく……遅いよマスター。でも必ず来てくれるって信じてた」

『本当にすまないな。今度お前の言うこと二つ聞いてやる。だから今は休んどけ』

「え、本当なの?頑張ったかいがあったな~」

テュールは、うれしそうに微笑む。まったくとたんに元気になるな。

「くっ!!あのときの小僧か!!まったくやっときたか」

コカビエルはいつの間にか立ち上がっており宙に浮いていた。

『さて、敵がお目覚めのようだが、羽衣頼みたいことがあるんだがいいか?』

「何が望みじゃ?」

『あのカラスとは俺が戦う。だからその間みんなを戦いの余波から守ってほしいんだが、行けるか?』

「判ったシンよ。じゃが妾にもあのものと同じ褒美が欲しいのう」

普通なら嫌と言いたいんだが、こいつにはみんなを救ってもらった礼があるから仕方ないな。

『判ったよじゃあみんなを救ってくれたお礼と今から作る貸しでテュールと同じく言うこと二つ聞いてやるよ』

「ありがとうなシン。なら妾はそれに見合う以上の働きをしようかのう。――『羽衣・黒斥壁』」

すると羽衣を中心に黒いオーラと透明なドームがみんなを包んだ。これは一体

『これは恐らく斥力と魔力とは違ったエネルギーで作られているわ。それにこのドームはかなり頑強だから少しはでに戦っても大丈夫だわ』

それなら大丈夫か…。

「いくがよいシン。さっさとあのものを消滅させて来い」

『ああ、すぐに終わらせてくる』

俺はコカビエルものとに飛翔した。




―○●●●●○―




「やはりきたか。やはり俺を楽しませてくれるのはお前のようだな」

今改めてこいつを見て感じたことがある。おそらく奴は戦いを人殺しを楽しむタイプの戦士、そう俺は感じた。

『御託はいいからだからかかって来い。カラス』

「その殺気、素晴らしいぞ!!やはり俺の目に狂いは無いようだな!!」

コカビエルは自身よりふた周り大きな光の槍を右手につくり投げてきた。

『その程度の威力ならこれでかき消せるぞ』

俺は肩装甲についている右側の『アームストロンガー・カノン』の発射口を槍の前にかざしそこからコカビエルが投げた同等の大きさの蛍光色のビームを放つ。

ギュィィィィン!!

「ま、まずいッ!!」

俺の放ったビームは奴が放った槍をかき消しそのままコカビエルに命中する。

「く、なんて威力だ!!面白いぞ小僧!!!」

だが直前に防御用の魔方陣を展開されたか無事、とも行かず魔方陣を展開していた腕が焼けている。

『口走っている余裕があるのか?』

俺はそのままやつに飛翔し『アームストロンガー・カノン』の銃口を拳に変えて近接戦闘を仕掛ける。

「減らず口を!!」

ガゴォォォン!!

そのまま俺とコカビエルは光の槍とアームストロンガー・カノンの拳がぶつかり鍔迫り合いになる。

「グッ!?…なんてパワーだ!!本当に面白いぞ!!俺が力で押されそうになるなんてな!!」

俺は奴の言葉に耳を傾けず左側の『アームストロンガー・カノン』で地面に殴りつける。

「ゴハァァァァッ!!!」

コカビエルは盛大に吐血しながら地面にたたきつけられる。

だが俺はその隙を見逃さず。両方の『アームストロンガー・カノン』『チェーン・ソーサー』でコカビエルにエネルギーを一斉掃射する。

ドゴォォォン!!

コカビエルがいた地点が強大な爆発を起こす。

「う…グッ…!!貴様……ァッ!!」

俺のエネルギーの一斉掃射を受けても立ち上がるコカビエル。さすが聖書に名を残す堕天使だと思ったが予想以上に弱い。いくらテュールとイッセーたちと戦ったとはいえど、さすがにここまで弱いとあそこまで警戒していた自分が愚かに見えてくる。

『まだ立ち上がるか。ならこれで終わりにしようか』

俺は両方の『アームストロンガー・カノン』を左右四本に分裂さる。

「腕が増えた!?かっけぇ!!」

イッセーがなにやら興奮しているようだがまあいいか。

『スカーレットハート。『ダイ・アームズ』のコンテナをすべて開放しろ。

『了解』

俺の背部についているコンテナがすべて開き合計十本の銃口つきナイフが出現する。

俺はそれをすべてのアームに持たせコカビエルに突撃する。

「く……させるかァ!!」

コカビエルは叫びながら立ち上がり俺に100本近くの光の槍を掃射してきた。

後ろの方で焦る皆の声が聞こえてくる。

普通ならこの数見たtだけで絶望を覚えるのだが、俺のいた世界じゃこんな芸当ができる存在などいくらでもいる。

『その数なら凌げる』

バキッ!キィンッ!!!

俺はそのまま全ての光の槍を『アームストロンガー・カノン』のアームを含めた合計十本のアームと『ダイ・アームズ』を使いながら全て弾くか砕いていく。

「そうか……やはりお前はそうか!!!」

コビカエルは何かの確証を得た課のような叫びを挙げる。

俺はそんなのを無視して同時にやつの十枚の翼に全ての『ダイ・アームズ』を突き刺す。

「グゥッ……!!!」

コカビエルは苦悶の表情を浮かべながら抵抗なのか片手に光の槍を作るが俺は間髪いれずに突き刺した『ダイ・アームズ』で奴の十枚の翼を全て切り裂く。

ブチッ!!ブチィッ!!!!

「貴様ァァァァッ!!!」

『堕ちた存在に天を舞う翼など要らないだろう』

俺は翼を引き裂かれた反動で動けなくなったコカビエルを持ち上げ『ダイ・アームズ』を背部コンテナに仕舞いそのまま全てのアームで機関砲の連射ように奴に殴りつける。

コカビエルの苦悶との声、そして骨が砕ける音が鳴り響く。

『シン。こいつの止めは『火神鳴』の『固有兵装』で刺さない?ちょうど熱累積率が66だから』

俺はコカビエルを殴るのを止め首をつかみながら自信の熱累積率を確かめる。

《熱累積率66/100》

確かにこれならこの装備の『固有兵装』でいけるな。

「や…やはり。俺の目に狂いはなかった……。お前はあのとき――――だな」

コカビエルは満身創痍になりながらも俺に質問する。

仕方ないかならこいつの死に土産に教えてやるか。

『――――――やる。その―――だ。――――。コカビエル』

「は、ハハハハッ!!やはりそうだったか!!だがお前を倒せば再び戦争ができるぞ!!」

俺はそのままコカビエルを上空に投げる。

『バーン・サテライトキャノン発動開始』

そして俺は両方の『アームストロンガー・カノン』を前方にスライドさせ、そして二つの長身、大口径の二門のキャノン砲に変形させる。

《―――Eternal Farewell Mode―――》

なぜか変形が終わると男性のシステム音が聞こえた。

なんだ、これは…。

『私が導入してみたものよ。だって必殺技みたいなものだし発動音があってもいいでしょう?それにあなたはロマンが欠けているわよ?』

そんなことだと思ったよ。まあやることには変わらないからな。

俺は二本の砲門をコカビエルが空中で落下する地点に向け標準をあわせる。

すると腕部装甲と脚部装甲が展開し大型の排熱ファンが露出する。

そしてコカビエルが射程圏内に入利俺は『固有兵装』を使用する。

『バーン・サテライトキャノン発動』

そして二本の砲門から強大な熱線が照射される。

「おのれぇぇぇぇぇぇ!!!”―――――”めー!!!」

コカビエルが絶叫を阿賀ね柄俺の放った熱線に飲まれていく。

《――THREE――TWO――ONE――》

そして先ほどの謎の男性の音声のカウントが始まり。

《―――Excessive destruction―――》

音声とともに熱線の照射が終わり、俺が撃った先の結界に大穴が開いていおり、そこにいたコカビエルは跡形もなく焼失していた。

そして俺の体から余剰エネルギーが展開された廃熱ファンから蒸気となって放出され、装甲や『アームストロンガー・カノン』も元の状態に戻った。

『これで、終わり…といいたいところだけど…』

そう実際これで終わりたいところだがまだ俺たちを…否。正確には俺を観察している奴がいる。それにこいつはコカビエルよりもはるかに強いエネルギーだ。

「シーン!!やったな!!」

イッセーが来ているが問題ないか……。

『そこにいる奴。さっさと降りてきたらどうだ?』

俺は『アームストロンガー・カノン』を俺を観察している存在に向けた。





―○●●●●○―





『まさか……コカビエルがああも簡単に殺られるとはな……』

『あぁ、聖書に記された堕天使を倒すとはな……どうする?アザぜルに連れてくる用に言われたのではないのか?』

『今代の赤龍帝を観察するつもりだったが、思わぬ結果になっていしまったな』

『(それにしてもあの青年の力の波動…どこかで感じたことがある…いや気のせいか?)』

『どうしたアルビオン、考え込むとは珍しい』

『いや……なんでもない』

『それにしても、回収対象のパルパーとコカビエルは遺体すらない状況。仕方ないあのエクソシストだけでも回収するか』

『どうする?回収したのがエクソシストだけではアザゼルになんていわれるか分からないぞ』

『ありのままの事実を伝えるしかないだろう……。とりあえず途中から映像として記録しているから問題ないと思うが。さて降りるぞ……』

『待て!あの男……様子が変だ』

『ん?どうしたんだ……』

『そこにいる奴。さっさと降りてきたらどうだ?』

『『!?』』

『もしかして我らの事を指しているのか!?気配は消しているはずだが―――』

『そうだろう。何せここにいる俺を寸分違わずに狙っているのだからな』

『……どうする』

『実に面白い!―――どうせなら彼のご要望どおりに姿を晒すさ』




―○●●●●○―




『降りてきたか』

「ん?急に何言ってんだ、シン?」

イッセーは気づいていないようだな。回りを見ればテュールと羽衣以外もどうやら上にいる存在には気づけていないようだ。

『ハハッ、参ったな。気配を消しているのに気づかれているとは』

「「「!!!???」」」

俺と羽衣、そしてテュール以外が突然の声に驚いていた。

「う、ぐっ…… 左腕が… 熱い…」

イッセーの神器が突然出現し輝きだす。そして学園に張ってあった結界が破れ、そこから白い鎧を纏った人物が現れた。

あの鎧の形状とイッセーの神器が反応したこと。そして何より鎧よりも目立つ背中の青に輝く翼おそらく白い龍だろうな。

『そこの白いあんたは、白い龍《バニシングドラゴン》か?それと何しにきた…』

『ほう、そこまで見抜くとは…、さすがコカビエルを簡単に倒した実力を持っていることはあるな。そうだ、アザゼルに頼まれてね、コカビエルを回収しに来たんだが……君が焼失させてしまったのでね。せめてそこのはぐれ神父を回収させてもらうさ。それとその腕、下げてもらえないかな?俺は先ほど君の問いに答えたように彼を回収しに来ただけだからね』

まあ、今のところ戦意はそこまで感じられないからいいか。それにアザゼル・・・。確か堕天使の総督の名前が出てくるとは、おそらくコカビエル以上の反応の持ち主はそいつで間違いないだろうな。

まあ、今のところは考えても仕方ないか。

俺は白い龍び向けた『アームストロンガー・カノン』を下げた。

そしてフリードを回収している。このまま帰ってくれると嬉しいんだがな。

数秒の沈黙が流れる。だがこの沈黙は思いがけない人物によって破られる。

『無視か、白いの』

イッセーの籠手の宝玉が光そこから男性の声が聞こえた。

『起きていたか、赤いの』

どうやら三天龍のうちの赤と白との会話が始まるようだ。

『せっかく出会ったのにこの状況ではな』

『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういうこともある』

『しかし、白いの。以前のような敵意が伝わってこないが?』

『赤いの、そちらも敵意が低いじゃないか』

『お互い、戦い以外の興味対象があるということか』

『そういうことだ。たまには悪くないだろう?また会おう、ドライグ』

『それもまた一興か。じゃあな、アルビオン』

赤龍帝と白龍皇の会話が終わった。以外に淡白に済ませるものなんだな。、もっと来い会話かと思ったんだが。

「おいまてよ!!」

立ち去ろうとする白龍皇をイッセーが引き留める。

「お前… いったい何なんだよ!?」

『…… 全てを理解するには、力が必要だ。強くなれよ赤い宿敵君。それと歌姫はもう目覚めているから用心することだね。それと……』

すると白龍皇が俺のほうに向く。

『君といずれ戦ってみたいね。いや、もしかしたら俺たち三天龍の運命の渦に君はすでにかかわっているのかもしれないな』

そう言って白龍皇は、光の筋を作りながら夜空に消えていった。

それにしてもまた唐突に現れたな神滅具(ロンギヌス)の所有者が。まったくこうも自体が急変するとこっちが対応に困るんだが、運命に文句を言っても仕方にか。

「シン、お前ついに伝説のコカビエルまで倒すなんてすごいぜ!!」

みんなが俺に駆け寄ってきた。まあ奴を倒したことがすごいのかどうかは判らんがな。

「シン、やはりお主は只者ではないのう。さすが妾が見込んだ男じゃ」

『そうか、俺はただ当然のことをしただけだが』

俺たちは他愛もない会話をしているとおくから会話が聞こえてきた。

「祐斗、よく帰ってきてくれたわ。それに禁手だなんて、主として誇らしいわ」

木場はその場に膝まづく。

「部長。僕は部員の皆を、何より命を救っていただいたあなたを裏切ってしまいました。お詫びする言葉が見つかりません・・・・」

「でも、あなたは帰ってきてくれたでしょう?それたけで十分よ」

「部長・・・・。僕はここに改めて誓います。僕はリアス・グレモリーの『騎士(ナイト)』として、あなたと仲間たちを終生お守りします」

木場がそう言うと、部長は木場の頬をなで、抱き締めた。

「ありがとう、祐斗」

どうやら木場が抱えていた問題はこれで終わったみたいだな。

「く~ッ!!部長のおっぱいに抱かれている木場がうらやましいぜ!!!」

イッセーも何時もどおりで何よりだな。

「シンさん。これでテュールさんの治療が終わりました」

『助かる、アーシア』

テュールがアーシアとともにこちらに来ていた。

「いや~、アーシアちゃんの治療のおかげで体がだいぶ楽になったよ」

『よかったな。でも帰ったらお前のその右腕修理するからな』

「助かるよ、マスター。それと何でもいうこと聞く約束ちゃんと叶えてもらうからね」

『ああ、判った』

「妾もだからな」

『そうだったな』

「なんか妾の反応だけ淡白ではないか?」

『気のせいだよ…って何んで木場の尻を叩いているんだ?リアス部長は……』

見ればさっき今でのリアス部長と木場のやり取りが嵐のように去っていて、今は木場の尻をリアス部長が盛大に叩いていた。しかも魔力を込めて叩いているな。

「「ッ!!」」

なぜかイッセーと小猫が尻を隠すような動作をしていた。もしかして……。

『お前ら、まさか勝手に行動した罰でリアス部長に尻を叩かれていたのか?』

「………」

「や、やめろシン!!そのワードは出さないでくれ!!もう千回はゴメンだ……」

どうやら図星らしいな。

「さて妾は、一旦帰らせてもらうのでな」

『なら、今度聞かせてもらうぞ、お前のことについて』

「判っておる。ではまたな、紅の眷属と雷の姫、そしてシンよ」

そして羽衣は黒いオーラをまといながら消えていった。

『シン』

何だ?スカーレット・ハート。

『もう戦闘形態解除できるわよ』

そうなのか。

俺は試しに自身を戻し手見ると人間の姿に戻れた。

「よし、俺たちも帰るぞテュール」

「うん!マスター」

こうしてコカビエルが起こした聖剣騒動は終わりを告げた。

これは余談だがコカビエルの一戦の数日後ゼノヴィアが駒学園の制服を着ていおりそのときリアス部長からゼノヴィアがリアス部長の『騎士(ナイト)』として悪魔に転生したそうだ。







 
 

 
後書き
DO☆U☆MO☆革命者です!!

さて今回の話でエクスカリバー本編が終了しました。どうyでしたか本編最終回は?自分なりにいろいろと付箋をたくさん混ぜておきました。

そしてシンの新しい装備『火神鳴』これはもう皆さんは察していますが、革命機ヴァルヴレイヴに出てくる火神鳴そのものです。まあいろいろと強化はしてありますので、詳しい設定はオリキャラの設定やクロスキャラクターの設定とともにあげようと思います。

そして次回とその次回は番外編二本立てです。ちなみに戦闘はもっぱら無しの予定です。

それでは次回でお会いしましょう!!

感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で登校されているSS作品とのコラボでもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!!  

 

interlude1:突撃!心霊スポット!!~A new fellow is a fox~

「シン……やっぱり怖えーよ」

「まったく悪魔なのに、何暗闇を怖がっているんだ?」

さて、俺――神無月進は今イッセーと共に駒王町の外れにある山の山道に来ていた。

なぜここに二人で夜中に来ているかと言うと、今から二時間前のことだ。




―○●●●●○―




「心霊スポットの探索?」

「ええ、今日はイッセーの悪魔家業は終わっているから頼もうと思ってね」

コカビエルの騒動から数日後、何時もどおりに部活をしているとイッセーとリアス部長が話していた。

「もしかして噂のあの山ですか?」

「ええ、イッセーも知っていたのね。そうこの町の外れにある山道に夜中長髪の幽霊がでるとゆう噂があるから調べてきてほしいの」

コカビエルと最初に対峙したあの山道か、うわさは知っていたがあの時はそんなものは見なかったな。

「でも何で調べに行くんですか?」

「イッセー私たちは一応オカルト研究部なのよ。まああくまでそれは表の顔だけなのだけど、たまにはオカルト研究部らしいことをしないと、ソーナがうるさいのよ」

まあ、オカルト研究部なのにオカルト研究していないと周りからの生徒から変な噂が流れて生徒会が対処しないといけないからな。

それにしてもリアス部長はなぜオカルト研究部にしたのだろうか?

今度聞いてみるか。

「わかりました部長!!男!!兵藤一誠、部長のために幽霊調査にいってきます!!」

そしてイッセーは早速部室を出て行った。

「ん?電話。イッセーからか」

なぜかイッセーが部室を出て行った瞬間そのイッセーから急に電話がかかってきた。

〔シン!!単刀直入で悪いが幽霊調査一緒に来てくれ!!〕

「―――え?」




―○●●●●○―




といった経由で急遽、イッセーの幽霊調査に付き合うことになった。

ちなみにリアス部長には適当な理由をつけて帰るといったが。リアス部長はわかっていたのかどうか判らないが苦笑しながら許可してくれた。

「やっぱりお前を誘ってよかったぜ」

二時間前は『男!!兵藤一誠、部長のために幽霊調査にいってきます!!』なんて言っていたがあのときの宣言はどこに言ったのか……。

ガサガサ……

「うぉッ!!??」

見事に風に揺れた葉の音ですらビビッている。確かにもともと人間なのはわかるが一応、三天龍の一角を宿した存在だから多少はしっかりしてほしい。

そして山道を歩いていくと例の幽霊が現れるスポットについた。

「で…具体的にどう調査するんだ?イッセー」

「そ、そ、そ、そうだな……。まずは…そこのベンチで休もうぜ…」

「どれだけビビッているんだ…さっきも言ったが仮にもお前悪魔なんだろう?」

「う、うっせー。怖いものは怖いんだよ!!」

俺たちは一応スポットにある屋根付きのベンチがあるところに腰を下ろした。

改めて静かなときにここにくると静かだな。まあ伝統ひとつに右側は森になっているから一般人の目から見ると確かに幽霊でも出そうな雰囲気だな。

「それにしても、ここって夜中になるとこんなに気味悪くなるのかよ…ここランニングコースや有名なデートスポットなのによ」

「確かにそうだな特に祝日になると家族連れが多くなるところだしな」

「それにしても噂の幽霊でないな。もしかしたらただの酔っ払いが見た幻覚かもしれないな」

「イッセー…幽霊の噂の第一発見者は俺たちと同じ学生だぞ…。もしかして怖すぎて現実逃避に至ったか?禁 手(バランス・ブレイカー)に至る前に」

「う、うっせーよ!こんな空気で普通に保っていること自体きついんだよ!!それにその言葉明らかに悪意がこもっているぞ!!」

「フッ…そうかな?」

「クッ…。まったくお前本当に変わったよな」

「何が?」

「いや、転入当時のお前はまるで感情を表に出さず、クール一直線手感じがしたんだけどよ。二年にあがってから冗談や面白いことを言ってくれるし…それによ―――」

イッセーがやさしい笑みを浮かべながら語る。

「―――お前本当に笑うようになったよな」

笑うようになったか、か。

確かに昔の自分を思い返せば、感情なんてめったに表に出していなかったし楽しむや笑うなんて事をほとんどしていなかったからな。

もしかすると、イッセーや学園のみんなとの出会いで変わったのかもな俺が…。

「!?……ア、アアァァァァァァァ……。シ、シン……」

「お、おい…どうしたんだイッセー?」

俺がかんがえにふけこんでいると、急にイッセーがまるで幽霊でも見たかのような青ざめた表情をしていた。

「いったいどうしたんだ?そんな青ざめた表情をして」

「う、後ろ見てみろ……」

「あ、ああ」

俺は後ろを見てみるがそこにはただの木々の森林しか見えなかった。

「何も見えないが…。もしかしてからかっているのか?」

「からかってねえよ……!?ほ、ほらお前のすぐ後ろに、あばばばばばばば……」

「はあ~、わかったよ。もう一回見てみればいいんだろ」

俺はもう一度後ろを振り返るが、先ほどと同じように人影すら見えなかった。

「やっぱりいないじゃないか。まったくお前が怖いから俺を恐怖させたいのはわかるがさすがに程度があるぞイッセー」

「……………」

俺が改めてイッセーの方に振り向くとなぜか白目になっていて気絶していた。

正直、何かいるのはわかっていて普通に正体を把握していた、ため気付かないフリをしていたがイッセーが気絶したとなると対処しなくてはならない。

「そろそろ普通に出てきたらどうだ……?羽衣」

「やはり、おぬしは気付いていたとはのう。正直それなりの反応を期待していたが…まあ、イッセーが良い反応を見せてくれたからいいかのう」

森の茂みから俺の言葉に返答しながらクラスメイトの羽衣が出てきた。

なぜか格好が白装束だが。

とりあえずイッセーはベンチに横にならせた。

「まったく、何でこんなことしているんだ?それにこんな時間に何でこんな人気のないところにいるんだ?」

「それはのう…実は―――」

羽衣がなぜこんなことをしているのかというと。

どうやら羽衣は妖怪でもともとこの山に住んでいた狐妖怪で、かなり昔に一回この山を出て行きそして数年前に帰ってくると人が通りやすいように開発されてしまっていたらしい。

最初は夜中になれば静かに暮らせていたのだが、最近ここがデートスポットとして有名になったことでやるでも五月蝿くなってしまい羽衣自身が静かに暮らしたいがために危害が加わらない程度に人間を恐がらせて追い出していたようだ。

ちなみになぜ駒王学園に入学しているのかと聞いたら。

『女子高生と言うものを経験したかったのじゃ』

と、返答してきた。

「それにしても、イッセーが気絶するほどの恐怖ってどんな怖らがせ方したんだ?」

「乙女の秘密じゃ♪」

「そうか……」

今考えてみれば、日常的に女性は『乙女の秘密』っていえばたいていのことは言い逃れできているような気がする。

それはいいとして。この状況、俺はどうすればいいんだろうか。正直俺はイッセーの補助できたんだが…、そのイッセーが気絶しているからどうしたものか……。

「そうじゃ、折角ここでおぬしとあったんじゃ。どうせならあのときの約束を叶えてもらおうとするかのう」

「いきなりだな…。まあ約束は約束だ、で何がいいんだ?」

俺は嘆息しながら羽衣の願い事を聞く。

「まず一つ目じゃが。おぬしの家に住みたいのじゃ」

「……え?何でだ」

「実はな。最近、妾がすんでいる祠の雨漏りがひどくてのう。それに夏は暑く、冬は寒くてのう、だが妾は妖怪。正直今の時代は家が入手しづらいのじゃ。だからおぬしに家に住まわせてもらいたいのじゃ」

「そうか。まあはやはまだ余裕あるからいいが、おまえって妖怪だったのか」

「そうじゃ。妾は妖怪、『羽衣狐』じゃ。どうだ驚いたか?」

「なんて反応すればいいのかわからないな」

「そ、そうか。本当におぬしは面白いのう」

「で、もうひとつは何だ」

「そうだのう…なら、おぬしの仲間に、妾を紹介とオカルト研究部への入部を手伝ってくれるか?」

「わかった。なら明日にしようか」

「ありがとう。では明日あおうぞ」

「ああ、それと引越しも明日するから荷物まとめとけ」

「了解じゃ」

そして羽衣は暗闇にまぎれながら姿を消した。

「イッセーまだ気絶しているのか……」

俺は恐怖のあまり気絶したイッセーを担ぎながら帰路に着いた。




―○●●●●○―




「―――と、いうわけで羽衣九狐の紹介は以上だ。リアス部長是非こいつを入部させてくれないか?」

そして翌日。俺は羽衣を放課後オカ研に連れて行き、みんなに事情を話していた。

「ええ、コカビエルの攻撃を受け止めた羽衣さんがこちらの仲間になってくれたのはいいけれど……まさかあの有名な『羽衣狐』とわね。正直驚きで頭が混乱してきたわ…」

「そんなに有名なんですか?部長」

イッセーが部長に質問する。

実際俺も知らないな。いったいどんな妖怪なんだろうか?

「羽衣狐はね、昔から存在する稀少な妖怪のひとつなのよ。しかも最近じゃ数が激減していてもう絶滅しそうな妖怪の一種でもあるの」

「リアス先輩の言ったのとおりじゃ。それに妾以外の羽衣狐はもういなくなっておる」

「そ、そうなの!?」

「そうじゃ。妾が子も町からいったん姿を消した理由も仲間探しや生存の確認なのだったが、すでに確認したときは妾以外の羽衣狐はみな亡くなっていたのう…」

そうなのか…。羽衣はずっと一人だったのか。

「わりぃな…羽衣」

「すまないな。野暮なことを聞いてしまって…」

「大丈夫じゃ、それに今は学園で得たくらすめいとも居るし――何よりシンと居ると寂しさも消えるのでな。そこまで辛気くさくなっては妾が困るではないか」

「そうね、いまさら辛気くさくなっても仕方ないわね。では羽衣九狐さんあなたをオカルト研究部の一員として認めます」

「よろしくな!羽衣」

「よろしくお願いしますわ」

「……よろしくお願いします、羽衣先輩」

「よろしくね羽衣さん」

「よろしくお願いします、羽衣さん」

「改めて、これからよろしくな羽衣」

こうしてオカルト研究部に『羽衣狐』改め羽衣九狐が入部した。





























 
 

 
後書き
ど、どうも革命者です。

まず、投稿期間を大幅にあけてしまい申し訳ございませんでした!!!

理由としては、仕事中に貧血で倒れまして3日間入院していました……。しかも退院してからもまともに動けず執筆作業がまったくできませんでした。ですが体調は完全に戻り通院も終わったのでこれからできれば三日のペースで投稿していけるようにがんばりますので応援よろしくお願いします!!

それでは次回でお会いしましょう!!

感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で登校されているSS作品とのコラボでもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!!

 

 

interlude2:託される手~A way to go~

「これで最後か」

俺は今、羽衣の引越しの手伝いをしていた。

「されにしても着物とかが多いな…さすが日本の妖怪って言うところか?」

「まあ、妾は現代の服よりもやはり着物などがすきなのじゃ。じゃが、今の時代これを着て歩くと目立ってしまうので最近ではいまどきの生娘が着てるような服もきている」

「そうか、俺の家にいるときは好きな格好をしていいから大丈夫だぞ」

「ふふ、優しいのうシンは…」

「そうか?当然だと思うが…」

こうして俺と羽衣は引越し作業を続けていった。





―○●●●●○―





「新しいここの住人の羽衣九狐だ。みんな仲良くしてくれよ」

「羽衣九狐と申す。以後よろしくお願いする」

引越しの作業を終えた俺は羽衣をみんなに紹介していた。

「よろしくね羽衣さん。それとコカビエルの件ではみんなを護ってくれてありがとうね」

『ご主人が女を連れてきたねぇ…。いいじゃん!盛り上がってきたねぇ!!』

主任とテュールも優しく歓迎してくれた。

「それにしても。まさか、西洋のからくりまでもがシンの仲間とはのう…おぬしは本当に面白いのう」

「そうか?まあこんな存在自体が珍しいのは同感だが…」

『もしかしておじさん褒められてる?ありがとうね、はごりん☆』

「は、はごりん…?妾のことか?」

『はごりんもその反応とはね、やっぱりいいね!』

なにがいいのやら、まあこれでやるべきことは後ひとつだけだな。

「それで…だ。テュール約束どおり何か俺にお願いしたいことは何かあるか?」

「そういえばそんな約束してたね。いろいろあって忘れてたよ」

とりあえずやるべきことは必ず早く済ます。まあ実際は早くテュール二恩返しをしたいのが俺としての本音だが。

「そうだね…う~ん。有るけど…でもなぁ~」

テュールが自身の右手を仰視しながら考えている。もしかして……。

「もしかして思えの義手に関して何かあるのか?」

「え!?何でわかったの?」

「いや、ずっとお前が右手の義手を仰視していたからわかるぞ」

「確かにわかりやすかったのう」

『そうだねぇ~』

「みんなして…まあ。マスターに考えが見透かされたし素直に言ってみるよ」

若干照れながらテュールは俺に言う。

「実わね…。前からこの義手大きすぎて不便だなって思って。なんとか小さく折りたたむことできないかな~って思って。一応食事のときは義手を外して左手使っているけどやっぱり違和感があるんだよね」

なるほどな。

まあ考えてみればあんな体に合わない義手をつけていれば不満もでる。それにテュールは女性、見た目も気にしてもおかしくない。

「それでね、そのぉ~みんなと同じような生活ができるような義手がほしいなぁ~なんてね」

「なるほど…主任。あの工房を少しの時間借りたいんだが、いいか?」

『攻防自体は問題ないよ。現在作成中の第二試験兵装の作成には影響は出ないし。だけど材料はご主人の装備作成しか出てこないようになっているから材料までは提供できないな~』

「そうか…」

「む、無理なら無理でいいんだよ?できればマスターに迷惑はかけたくないし……」

材料か…。俺の装備製作用の材料は使えないとなるとどこからか引っ張る…もしくはここにあるものを分解して作るしかない。

俺は材料の構成について考えていると視界にあるものが移った。

Wolf Wood Punisher(ウルフウッド・パニッシャー)……」

俺が生前いた世界で主に人として戦っていたときに使っていた武器。今はこの世界での扱いが困難となったため、使わないつもりでケースに保管している。

こいつを材料として使えば小型の義手にさらに本来の義手をより強化できるかもしれない。

それに、ただあるだけではこいつにとっても虚しくだけになるからな。

「いや材料はあれを使う。早速工房を使わせてもらうぞ。主任」

『ハイ、ハーイ。でもいいの?それ使って。その武器ご主人が持っている数少ない遺産だよ?』

「いいさ。こいつはもともと俺の例の力を前提に考えられたものなんだ。それを失った俺にそいつはもう使うことができない。ならせめて使えるやつに渡したほうがいいだろ?」

『まあ、主人がいいならいいか!なら工具一式と分解用の工具を工房の入り口付近に設置しとくから好きに使ってね』

「ちょ、ちょっとまって!?マスターの大事なものを使ってまでいいよ!!それなら違うことにお願いするからさ」

早速俺がWolf Wood Punisherの分解作業に移ろうとしたとき、テュールが俺を呼び止める。

「大丈夫だ、テュール。こいつはもう俺の他に余る代物。それにさっきも言ったが使えるやつに渡したほうがいいんだ。それにこいつもそれが本望だろう」

俺は持っているWolf Wood Punisherを眺めながら説明する。

「マスター……。」

「それに、お前ならこいつをしっかり使ってくれると思うんだ。理由は特にないがこいつはお前がしっかり使ってくれるって信じられるんだ」

正直テュールと会って日は浅く他人からみれば信頼するには普通では全然足りない。だがこいつは本来の実力を抑えみんなを護ってくれた。

そもそもWolf Wood Punisherは見方を護るための武器でもある。こいつは命をかけてみんなを護ってくれただからこそこいつをテュールに預けられる

「そこまで言うならこっちもお願いを撤回できないからないね。わかったお願いするよマスター!!」

「ではさっそく作業に取り掛からせてもらう。それとテュール。お前用の義手を作るから後でお前の体のデータを取りたい。十分後、ここになるべく身体測定しやすい格好で来てくれ」

「し、身体測定……。う、うん。わかったマスター///」

なぜかテュールの反応が少しおかしかったな。なぜだろうか?

「シンよ。おぬしさらっと衝撃発言をするのう」

『ご主人。大胆だね~』

「??」

なぜか二人に暖かい雰囲気でつっこまれる。

そして俺はWolf Wood Punisherを分解する為、工房に向かった。





―○●●●●○―





「ここの部品がこうなって、そして組み合わせが少し複雑だからここを持ち上げて……。よし全部外れた」

現在工房でWolf Wood Punisherを分解し終えた。

ここにある工具やスキャナーが優秀でどこに何があるのかがわかりやすく2~3分程度でできた。

しかし分解してみるとこの武器を作った開発者がどんな頭をしているかを見てみたいな。

俺の能力に合わせて完全調整された機構。そして消耗品が一切使用されていないパーツの数々。すべて新品同様の輝きを放っている。

正直俺はそこまで武器の開発にはあまり得意な分野ではないが一目見ただけでこれを設計し作り上げた存在がいかにすごいかがわかる。

だが明らかにこの武器とは関連性がない銃器のパーツ、そして不思議なメモリーカードが複数隠されるようについていた。

気になるが今はテュールの生活用の技手を作るのが優先だから後回しでいいか。

「マスター。きたよ…」

「ああ、俺もちょうど分解作業終わった……。え?」

俺はテュールの格好に絶句していた。

なぜなら下着姿だからだ。

「いや別に下着にならなくても別にいいんだぞ?お前の普段着以外は」

「私あの服しか無いからこうなるしかないの」

「そ、そうか。まあそこにいすがあるから座ってくれ」

「うん。マスター」

「さて、でははじめるぞ」

こうして俺はまずテュールの腕の重量を測った。これをしないと左右のバランスが崩れテュールの将来的に障害が残る危険性があるためだ。

「ん…はひっ!!」

そして体の体系や心音そして義手と生身を検査していくが驚くべきことがわかった。

実際は腕だけ機械化されているのではなく脊髄および心臓も機械化されていた。しかも体の傷を見る具合だと相当無茶な手術をしている。

と、考えているが、俺がテュールに触るたびになぜか妖艶な吐息がテュールから発せられる手いるためなんとなく集中できない。

そう考えながら検査を進めていった。

「はぁはぁ…、あふぅん……」

「さてこれで検査は終わりだが…なんで表情が崩れるんだ……」

「いや…男の人に体触られるのは、は、初めてだから…///」

そうだった。テュールは女性だったのを忘れてた。

「すまないな。その…今までこんなこと意識したことが無くてな」

「だ、大丈夫だよ!!それにマスターの触り方気持ちよかった……」

「ん?最後なんていったんだ?」

「な、なんでもないよ!!」

「そうかならいいんだが」

それにしても昔は補正を異性と認識していなかったからこんなことになってしまったな。次からは意識していかないとな。

「終わったからもういいぞ。それとまだいろいろとやることがあるから服着たら来てくれ」

「うん。任せたよマスター」

こうして俺はテュールを軽く見送った後、早速義手の製作を始めた。






―○●●●●○―






「よし、後は本人が試すだけだ」

夜中の二時を回ったころ。俺はテュールの義手を作り終えた。

実際物を一から作り出すのは困難だったが、彼女の義手のデータを見せて貰い完成が驚くほど早まった。本来なら一日の予定だったが六時間ですむことができた。

ちなみにデータ提供してくれた本人は…。

「すぅ~すぅ~。ましゅた~~」

机に頭を乗せてご就寝中だ。

それにしてもあのテュールの義手といいあの義手の整備装置といいとんでもない技術で作られている。

そして何より彼女のエネルギー源、あきらかに未知のものだ。しかもこの装備は見た目と状態から見ると何百年前に作られたかわかる。しかも傷の修復状況から見ると、この義手が作られたときに何か大きな戦いがあったこともわかった。

本人は覚えていないといっているがあの戦闘技術を見れば推測が確定に変わる。

「いったいこの少女に何を背負わせたんだこれを作った奴は」

俺はテュールと完成した義手を見ながらつぶやく。

「まあ、考えても仕方ない。それよりもこの銃のパーツとメモリーは…」

俺は分解した際に出てきた火器のパーツや移動補助パーツそして複数のメモリーカード。

なぜこんなものが隠されていたんだ…。

『おや、ご主人。もしかしてテュルりんのやつ完成したの?』

「主任か。ああ、完成した。後は彼女が実際に使って微調整するだけだ」

『さっすがー、ご主人。仕事が速いねぇ!!ってその火器のパーツどうしたの?』

「ああ、これはな……。」

俺はこのパーツについて一通り主任に話した。

『そうなんだ。実はご主人そのメモリーカードもしかしたらこの工房のセンターCPでわかるかもしれないよ?その読み取り口の端子もしかしたら読み取れるかもしれないからね』

「そうなのかなら早速試してみよう」

こうして複数のメモリーカードをセンターCPに読み取らせた。

すると――――。

《データインストール完了。これより神無月進のアップグレードに入ります。神無月進、手前のパネルに両手をつけてください》

「これ大丈夫か?」

『大丈夫だと思うよ。このシステムはご主人専用に作られているから』

「主任がそういうならいいが…」

そして俺が両手を先ほど出てきたパネルに添えると突然手から肘まで機械に覆われそこで俺に何かが流れ込んでいった。





―○●●●●○―





「これだよ!!私がほしかったこの腕!!」

朝、早速できた義手をつけて喜んでいるテュール。つけたときから好調でどうやら微調整の必要はないようだ。

「しかもこれちゃんと私の皮膚まで再現されているしちゃんと感覚まであるよ~!!本当にありがとう!!マスター」

「気に入ってくれて何よりだ。それとその腕にもうひとつギミックがあるんだ」

「え?まだ何かあるの?」

「ああ、テュール。お前がいつもつけているあの大きな義手をイメージしてみろ」

「わかったやってみるよ」

テュールがイメージした途端、右手が変形し何時もの戦闘用に義手になった。

「こ、これって…」

「実はな。俺の変形機構をベースに作った変形機構だ。いちいち付け替えるのも不便なのといつ戦闘になっても対応できるようにした。それと耐久度および攻撃力の向上にも成功している。以前よりも使いやすくなっている」

「本当にありがとう…っ!!マスター!!」

するとテュールが俺に飛びつきそのまま抱きついてきた。

まあ、それほどうれしかったのだろう。

「それで、もうひとつは何だ?」

「今はいいかな。これだけでうれしいよ!!」

「ならいいが、まあ何時でも言ってくれ」

「うん!!本当にありがとうマスター」

こうしてテュールは新しい手を手に入れより日常を楽しく過ごせるようになった。



















 
 

 
後書き
どうも革命者です。

すみません三日に一回投稿できればよかったんですが、急な仕事で更新が偉く遅れました。

最近自分に仕事が舞い込みすぎて第三者の介入があると思い始めてきました←(現実逃避しているだけ)

ですが失踪は絶対にしませんのでこれからも応援よろしくお願いします!!

ちなみにある意味予定なのですが原作三巻から、八巻目を除く原作十二巻間での章の話数が減ることがあります。

それでは次回のあとがきで会いましょう!!

ちなみに次はシンを取り巻くオリジナルキャラクターとクロスキャラクターの設定を挙げます。

次章予告はここでしますが…。


―○●●●●○―


「どうも異質な戦士殿。俺は堕天使の総督アザゼルだ」

「僕は、ただの臆病者ですぅ…」

「私は熾天使の一人ガブリエル。あなたと話したくて参りました」

「お前は一体何者なんだ?―――神無月進」

「もう、シンに頼ってばかりじゃいられないんだ!!だから…答えろ俺のセイクリットギアァァァァァァッ!!!」

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』

『この力があれば私は堕天使の総督すら簡単に倒せるわ!!』

『貴様…その装備どこで手に入れた……』

『RASETU FORM』


次章。第四章:停止教室のヴァンパイア/転螺拳の火在輪






 

 

Change1:修行する赤~Malice beating~

「まだだ…もう一度お願いするぜ!!」

「大丈夫なの?もう休んだほうがいいと思うよ?」

「いや、この程度でへばっていたら俺は無力のままなんです!!なのでもう一度お願いします!!」

俺の地下にある施設の訓練用の一室で現在イッセーがテュールに稽古をつけてもらう形で手合わせをしていた。

「わかったなら今以上に力を出すからがんばってね」

「オッス!!」

何でこのような状況になっているのかというと、それは約三週間前…俺がテュールに義手を与えた数時間後にさかのぼる。




―○●●●●○―




「ありがとう~マスター~~」

「ああ、礼は十分伝わったからそろそろ離れてくれないか?動きにくい……」

「えへへ~」

まったく俺がお礼を返したのになぜか逆に感謝されてしまったな。しかもかなり歓喜に満ちており、しかも周りのこえが聞こえなくなるぐらいだ。


―――ピンポーン♪


俺が困り果てているいると、急に自宅のインターホンの音が鳴った。

「いったい誰なんだ…?」

俺は確認のためテュールをどかし玄関を開けるとそこには深刻そうな表情をしたイッセーが立っていた。

「どうしたんだイッセー?」

「シン…実は頼みたいことがあるんだ」

「まあ、そんな表情ならよほど大事な願いなんだろうな。まあここで話すのもあれだからあがれ」

「わかった」


「で、頼みって何なんだ?」

俺はとりあえずイッセーをリビングへと連れて行きお茶を出しながらイッセーに先ほどの言葉の内容を聞く。

「実は俺に修行をつけてほしいんだ!!」

「修行…か。何でそんな考えに至ったんだ?」

「俺はあの時…コカビエル襲来のときに何もできなかったんだ…。そうただ俺が高めた力をためてみんなに譲渡しかできなかったんだ。そして挙句の果てにはテュールさんにさえ迷惑をかけてしまったんだ」

力のなさを実感…か。

「だから俺は強くなりたい。もう守られてばかりじゃいやなんだ。だから頼む俺に修行をつけてほしい…みんなより強いお前にしか頼めないことなんだ!!!」

守られてばかりでは嫌…。なるほどイッセーはみんなを守るために強くなりたいのか…。

なら答えは決まっている。

「いいぞ、その以来受けさせてもらう」

「いいのか、本当に!?」

「ああ、だがひとつだけ確認したいことがある」

「なんだ?」

「いっておくがお前に今からつける修行は合宿以上の過酷なトレーニングをするつもりだ。それでもやるか?」

「ああ、やってやるさ!!みんなを守れる力を手に入れるならどんな地獄にもたえてみせらぁ!!」

「なら明日の朝から修行開始だ」

「おう!!」





―○●●●●○―





といった経緯になっている。

最初は学業を疎かにさせないため軽くしたんだが、イッセー自身がもっと厳しくしてほしいとの要望があったので今ではテュールと手合わせをしている。

やはり籠手タイプの武器…それに片側だけの戦闘になると俺よりもテュールのほうが適任だ。

しかも合宿のときよりも身体能力や戦闘時の判断力反射神経が急激な成長を遂げている。

「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」


―――ドゴォォォン


そしてイッセーが壁に激突しそして体力が尽きたか仰向けになりそのまま地面にたおれていた。

「手合わせ終了。テュールもお疲れ様」

「はーい。それにしてもすごい成長だよイッセー!!あのときよりも加減を減らしたけど私の動きにほとんどついてこられるなんてね」

「ぜぇぜぇ…。まだ加減してるのかよ…だが正直テュールさんもそうだがそれを倒したシンはいったいどんだけ強いんだよ……」

俺って強いほうなのか?確かに今までの敵は普通に倒せたがあの時と比べるとぜんぜんだめなんだよな。特にパワーと速度が俺の反射についていかないから辛いところだが。

『それでもこの世界じゃあなたは強者の部類に入るほうよ?何せ聖書に記されている強者を倒したのだから』

俺としてはあまり自覚ができないんだが。

「だけどこれで一歩ぐらい『禁 手(バランス・ブレイカー)』に近づけた気がするな。もっとがんばらないとな!!」

そう。イッセーはこの修行を通して『禁 手(バランス・ブレイカー)』に至りたいといっていた。

確かライザー・フェニックスとの一線で一時見せたあの鎧が赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の禁 手らしい。

まあ、あのときの力はおそらく本来の禁 手の力を三割も出し切れていないみたいだが。

『まあ、その調子ならお前も近日に至れるかもしれないぞ?小僧』

「「!!」」

するとイッセーの籠手がの宝玉の部分が点滅しそこから聞きならない声が発せられた。

だが、イッセーの籠手から声が出てるとなると……。

「ちょっ!?急に出てくるんじゃねえよ。ドライグ!!」

やはり『赤 龍 帝(ウェルシュドラゴン)ドライグ』。三天龍の一匹赤き竜の帝王と称されたドラゴンか。

この声は、確かあの時……。

『別によかろう。ここには裏の事情を知っている存在だけだ。それにお前との会話だけじゃつまらないからな』

なんというか。さすが己の欲望に忠実なドラゴンってところだな。

「まあ、いましょべっているのが伝説の三天龍の一匹『赤龍帝ドライグ』です」

「へぇ~これがマスターが言っていたイッセーに宿っているドラゴンか~。私はテュールよろしくねドライグさん」

「こやつがあの三大勢力の戦を停戦まで追い詰めてドラゴンか。妾は羽衣九狐じゃ。まあイッセーをとして知っているとは思うが」

それにしてもまさか赤い龍からコンタクトを取ってくるとはな。少々驚いたな。

『まあ、こんな小僧だがこれからもよろしくな』

「そういえばドライグいったい何なんだ?近日中に至れるって?」

確かに気になるが、もしかすると―――。

『文字通りの意味だ。お前はあの雷娘との修行で急速に成長している。そしてお前は現在進化の分岐点に立っている状態だ』

なるほど。イッセーは今、禁 手と違った成長の道の分岐点に立っているということか。

『分岐は二つ。禁 手に至るか、又違った力の進化がある。それを決めるのは小僧の心構えしだいだ。よく考えておけ』

「確か禁 手に至るためには劇的な変化が必要なんだよな……。う~ん」

それにしてもまさかもうその領域に達しているとはな。あのドラゴンと同じく驚きだな。まあこちらとしては皆の成長は大歓迎だが。

『そこにいる貴様』

「俺か?」

突然、赤龍帝に呼ばれた。

『そうだ、お前に聞きたいことがあるんでな』

俺に聞きたいことか…もしかして気づかれているのか……。

『おまえはいったい何なんだ?』

「「「ッ!」」」

赤龍帝の一声に真剣な表情になるイッセー、テュール、羽衣。

おそらく声音と声紋からはまだばれていない様子だな。

「何ってイッセーを介して聞こえてなかったのか?言っただろう、俺は現代を超越した兵器を操る兵士だ」

『本当にそれだけか?俺としてはお前にそれをはるかに超越するものがると勘が騒いでいる。本当にそれだけなのかお前は?』

勘が鋭いな…。さすが三天龍といったところか。

でもまだしゃべるわけにもいかないんでな。”すべてがわかってない今は”。

「それだけだ。俺にはあんたが言っている様な大層な存在でもない。ただすべての歴史の裏の闇から生まれた存在と思っていただければ結構だ」

『………。お前がそういうのならば仕方ない。なら待とう、お前の真実を』

そしてイッセーの籠手の宝玉から点滅が消えた。

「ごめんなシン。ドライグが変なこと聞いちまって…」

「別にかまわない。俺の力を見たら誰もがそう思うのは当然だ」

「でも、私は少し気になるなぁ~。マスターがその力をどうやって手に入れたのか」

「妾も同感じゃ」

まったく変なことで注目が集まるな。まあこれも仕方ないか俺がイレギュラーである限りは・

「まあ、機会があったら少しは話してやるよ」

そして今日の修行は終わり、解散した。






―○●●●●○―






「『禁 手(バランス・ブレイカー)』に至るか……」

俺―――兵藤一誠は自室の布団で仰向けになりながら考えていた。

どのような変化があればあの力に成れるのか…。

所有者の劇的な変化…木場は自分の過去と真剣に向き合いそして覚悟を決めて至った。

俺にはこの世界に流れに逆らえるような覚悟ができるだろうか…。

『ほう…性欲の権化とも言われているお前がそこまで考えているとは驚きだな』

「!?って…ドライグかよ。驚いたぜ」

最近こうして俺の宿っている伝説のドラゴン、ドライグがよく話しかけてくる。

「しかも性欲の権化って相変わらず失礼だな…」

『別に嘘ではないだろう?学園では異性の更衣室を覗き、先頭では女性の服を弾き飛ばす技まで持っているんだぞ?それを性欲の権化以外でどうたとえる?』

うぐ…。正論過ぎて反論できない………。

『だが今はこうして俺の力と真剣に向き合いそして『禁 手(バランス・ブレイカー)』のこともしっかりと考えている。今までほとんどの所有者はただ己の欲求を満たすためだけに力を求め俺の力に真剣に向き合おうとしなかったからな』

「え?そうなのか」

『そうだ例外は三人ほどいるが、ほとんどの所有者は俺の力におぼれ自滅したか、白やつや歌姫の所有者それとほかの神器所有者に滅ぼされたからな』

まじかよ…もしかして俺もそうなっちまうのかよ……。

『それはないだろう。今代…お前はほかの所有者たちと比べて俺との会話を真剣にしてくれる。そして何より尾間は自分自身の力を欲求よりも他人のために使おうとしているからな』

「そうか……」

俺は自分の左手を見つめる。

俺はこの力をみんなを守るために使いたい。そして願わくばシンの隣で恥じないような力がほしい。

もう守られるだけなのは嫌なんだ。

だから俺はみんなを守るためにこの力を高め、そして俺の手に届く範囲の人たちを助けたいんだ!!

「ドライグ…俺決めたよ」

『ほう…。いってみろ』

「俺はお前の力に真剣に向き合いそして高めていく。そしてこの力はみんなを守るために使うぜ!!」

俺は自分の左手に向かって決意を言うと……。

『ククッ…。ハッハハハハ!!』

なぜか笑われた。

「ちょっ!?笑うなよ俺がまるで滑ったみたいじゃねえか!!」

『すまない…別にお前を馬鹿にしたわけではない。ただそんなこと言った所有者がお前が初めてなのでな。少々取り乱してしまった』

まったく。とんだ天龍さまだぜ…。

『それにしても面白いぞ小僧…否、兵藤一誠。その覚悟確かに聞き届けたぞ。ならこの三天龍と称された『赤 龍 帝(ウェルシュドラゴン)』ドライグ。お前が強くなるため俺もお前に尽力して見せよう!!』

「おう!!よろしくな相棒」

こうして俺と俺に宿った伝説のドラゴンとの約束が生まれた。





―○●●●●○―




―――とある施設。

そこではある組織が何かの作戦に向けて準備をしていた。

そしてその奥にある極秘エリアに一人の女性と男性三人と中央の男性の傍らに女性が一人いた。

「この異形の鎧は一体…。それにこのよりから感じる力計り知れないわ…」

褐色の肌に露出の多めな服を着たの女性が極秘エリアにある異形のよろいを見ながらつぶやいた。

『喜んでいただけましたかな、カテレア・レヴィアタン殿』

するとカテレアと同じ褐色の肌をした男性がつぶやく。ただし仮面をかぶっているため顔はわからないようになっている。

「本当にこの力を私にくれるのですか?」

『ええ!!我々とあなた方の理想は一致している。古きよき貴族の伝統を取り戻そうとしているあなたがたをぜひ支援したいのでな!!』

褐色の肌の男性は元気そうな声で話す。

『それで、ためしに使ってみてはどうでしょうか?』

そして声が40代後半の男が前に出る。

「ええ、では早速試してみるわ」

カテレアはその鎧に触れる。鎧の外見は黄色と黒を基調とした蜘蛛を模した異様な容姿。そし触れたとたんそのよりが光だしカテレアの身を包んでいく。

『これは…一体……。でもなぜかすぐにわかる。これをどのように扱えばいいか。そしてこの鎧が秘めている力を全身から感じられる』

『お気に召して何よりです。カテレア殿』

『ありがとうございます。I殿、R殿、J殿、G殿』

左から肌が褐色なのがI、声が40代男性声がR、その男性の傍らの女性がJそして全身フルフェイスのマスクを被った男がGという名前になっている。

『この力なら勝てるわ。あの忌々しい偽りの魔王たちに!!この無限の宇宙の名を持つ鎧『アラクネ』の力で!!フフフフッ…ハハハハァァァッ!!!!!!』

そして異形の蜘蛛の鎧を着たカテレアは盛大な高笑いをしていた。





























 
 

 
後書き
こちら革命者だ!!今最新話を投下したぞ!!!


…………。


はい、すみません。最初からフザケマシタ…。

ってことで、どうも皆さん!!革命者です。

最近仕事が落ち着き執筆に集中しようと思っていたんですが友人にタイタンフォール2を勧めてもらいましてやっていたら投稿が遅れました…!!
すみません!!市場で遅らせたしまって!!ですがしっかりとこの小説は続けさせていただきますのでこれからもよろしくお願いします!!

それではまた次回のあとがきでお会いしましょう!!

感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で登校されているSS作品とのコラボでもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!!
 

 

Change2:水着乙女は恐ろしい。byシン&イッセー~Governor-General and aircraft~

『それでは、新しい歩兵時の装備のテスト『ガントレット』をはじめるわ。準備はいいかしら?』

「ああ、はじめてくれ」

今俺は、新しく作った歩兵時…つまりスレイヴ変形外の戦闘装備のテストをするところだ。この日は学校が臨時急行だったため行うことができた。

『ますは新しく追加されたヘッドユニットの使用からよ』

新しく追加された装備のひとつ『ヘッドユニット』俺の頭の左右についている高感度センサーユニットだ。このユニットは普通の視点に加え、熱感知、赤外線、放射線および放射能、そして魔力検知を可能にするユニットだ。

そして俺はヘッドユニットを顔の正面にもって行きフルフェイスマスクにする。

するとあたりの景色の配色が少なくなり壁や建物と背景が緑色になる

『しっかりと動作しているようね。次はジャンプキットとウォールランを試して頂戴』

「了解」

俺の返事とともに訓練施設の床が変形し複雑な地形が形成される。

そして俺はスタート地点からその地形を翔ける。

俺はジャンプキットとウォールランを駆使し普通の人間では移動できないところを移動していく。

そして無事ゴールに着いた。

『記録は25秒66ね。なかなかいい記録じゃない。次射撃と軍需品の訓練よ』

そして景色と地形が変わり森林をバックにしたさy劇場が展開される。

『装備はアサルトライフル『R-201カービン』一丁、サブマシンガン『オルタネーター』二丁、対魔物兵器『チャージライフル』、軍需品『ファイアースター』4個、『電気スモークグレネード』4つよ。それでは初めて頂戴』

俺はまずアサルトライフル『R-201カービン』で的を早撃ちしていく。

精度と威力のバランスがよく中距離線では大いに使えるな。

次にサブマシンガン『オルタネーター』二丁を使っていく。

威力は『R-201カービン』だが精度が悪い。特に横ブレがあるな。しかもサイトを覗いての撃ち方に適していないな。だから二丁なのか。

次に対魔物兵器『チャージライフル』。これは、アサルトライフル及びサブマシンガンでの対処に困ったときに使うレーザー式のスナイパーライフル。

チャージすればするほど威力が上がるようになっており何より俺から直接エネルギーを供給しているためリロードがないのがいい。だが遅めのセミオートなので乱戦時には使えにくくなる。

まあ狙撃か強襲用だな。

『重火器については問題ないわね。次は軍需品よ。さそっく試して頂戴』

電気スモークグレネードは、まあ文字通り煙幕として使える代物。そしてさらに電撃がスモークと同じ時間発声し相手を殺傷することができるのでかなり使い勝手がいい。

ファイアースターはどうやら新し化学反応で起こしたテルミットを発生させる手裏剣状のもので投擲もグレネードよりも飛距離が稼げる。しかも時限雷管がついており衝撃発生以外で発動させることができる。

『これでガントレットは終了よ。どうだった?新しい装備の使い心地は』

「かなりよかったな。これならあいつの変わりどこらかそれ以上の結果が出そうだ」

『あら意外とあさっりしているのね?てっきりまだあの十字架のついて未練があると思った他のだけれど・・・』

未練…か。

そういえば、あいつらは今どうしているのだろうか…。

「……」

『ご、ごめんなさいね…。変なこと思い出させてしまって』

「いや…別に大丈夫だ。それにこのキットや銃たちはあいつから出てきたものだ。別に乗り換えたわけじゃない、受け継いだんだ」

『へぇ~以外にロマンチストなのねあなたは』

「以外って…こんな体しているが一応思考は人間のままだぞ?」

『そうだったわね。それで一応テストは終わったけれど、まだ続ける?』

「ああ、それにまだ試していないやつがひとつだけあるからな」

『わかっわ。では付き合いましょう』

こうして俺は今日一日訓練に没頭した。





―○●●●●○―




「どうイッセー?私の水着は」

「あらあら、私のも見てください。イッセー君」

さて現在俺は駒王学園のプールにいる。

なぜかというと昨日ソーナ会長がオカルト研究部に来てプール掃除の以来をしてきた。

正直俺たちオカルト研究日は、何でも屋みたいなことはしていないのだが掃除が終わったらプルを使って良いの一言でぶちょうが完全に乗り気で承諾してしまった。

ちなみに掃除は終わり今はみんながそれぞれプールを楽しんでいるところだ。

違ったイッセーだけはリアス部長と朱乃さんの相手をしている。

「木場君、泳ぎで勝負してみない?」

「ええ、望むところですよテュールさん」

ちなみに俺が作った義手のおかげでこうしてテュールは普通に生活できている。

今では買い物も行くようになり。よく俺と出かけたりする。ちなみにこのプール清掃にも手伝いに参加してくれている。

なぜか木場と競泳を始めてしまったようだが…。そして水着は白のラインが入ったオレンジ色のビキニだ。

ちなみに羽衣も来ている。

「シンさん。隣座ってもいいですか?」

「ああ、大丈夫だ」

俺がプールサイドでみんなを見ているとアーシアがとなりで座ってきた。

まあ、イッセーがリアス部長と朱乃さんに挟まれていたら入る隙間はないからな。

ちなみに俺はウエットスーツを着ている。

「シンさんは泳がないんですか?泳げない私が言うのもなんですが…」

「あ、ああ。別に俺は泳ぐ気はない。それに俺が泳いだところで誰も得にはならないからな。特にイッセーからは妬まれそうだしな」

「そうですか…それにしてもシンさんの水着は変わっていますね。イッセーさんのとは違い全部の部分を隠す水着なんですね」

はやり変か…。でもこれしか着れないんだよな。特に上半身は見られたくないからな。俺のある意味秘密が露見する可能性があるからな。

「まあ、あまり人前に俺の体をさらすのは抵抗があるんだ。それに俺の体はあまり見ていいものじゃないからな」

「あ、すみません!!気に障るようなことを言ってしまって・・・」

おっと、つい辛気臭くしてしまったな。

「別に気にしなくていいさ。ほら小猫がアーシアのこと呼んでいるぞ。行ってきな」

「ありがとうございます。シンさん」

アーシアはそのまま小猫のほうに向かった。

「どうやらあいたようじゃのう。隣失礼するぞ」

すると今度は羽衣がアーシアに変わるように隣に来た。

というか、俺の隣は電車の席かよ…。

羽衣は普通にビキニでもなくこの学校の指定のスクール水着を着ている。

「お前は泳がないのか?」

「何を言っておる。知っているだろうおぬしは。妾は基本水泳の授業は休んでいたろうが」

「ああ、そうだったな。すまんな羽衣。」

確か俺が一年のとき、羽衣は一度も水泳の授業を見学していたな。明確な理由が本人の口から出てこないとなると俺と同様に見られたくないものでもあるのだろう。

「それにしてもやはりここは平和じゃのう」

「そうだな…と言いたい所だが………」


ドゴォォォォォォォンッ!!!!


ドガアァァァァァァン!!


「イッセーはあげないわ。卑しい雷の巫女さん」

「可愛がるぐらいいいじゃない。紅髪の処女姫さま」

「あなただって処女じゃない!」

「ええ。だから今すぐにイッセー君に貰ってもらうわ」

「だめよ!!先に私がプレゼントするのよ!!」

現在進行形でリアス部長と朱乃さんがイッセーの取り合いで大暴れをしています。

イッセーも顔面蒼白にしている。

「あら?一緒に住んでそしてキスまでもしたあなたが彼に手を出せていない処女姫様がそんなことできるのかしら?私なら○○プレイや○○の処女だってあげられますわ」

「私だってそんなこと余裕でできるわよ!!それに私はそれ以上の野外○○○や○○プレイだってやってみせるわ!!この淫乱巫女」

・・・・・・。

「羽衣…正直に言っていいか?」

「同感じゃな。妾もちょうど一言もうしたいところだ」

そして一拍あけて…。

「「会話と格好下品すぎる(のじゃ)」」

まったく持って喧嘩の内容はくだらないわ、口喧嘩の内容はイッセー並みに下品過ぎる。しかも部長と朱乃さんの格好は上の水着を着ていない状況だった。

これが三大お姉さまといわれている二人か?下級生の羽衣のほうが今の状況を見る限り一番お姉さまっぽい気がするぞ……。

『乙女はね…。恋になるとときに己を捨てて下品にも淫乱にもなるのよ』

そうなのかスカーレット?

『ええ、同じ乙女だもの』

ロボットがロマンとか人の先頭装備に余計なものをくっつけるお前がか?

『趣味と乙女心は別よ』

そうなのか……

それにしても女って怖いな…。

「だいたい、朱乃は男が嫌いだったはずでしょう!」

「そう言うリアスだって男なんて興味ない、全部一緒に見えるって言ってたわ!」

「イッセーは特別なの!」

「私だってそうよ!イッセー君は可愛いのよ!」

ついに魔力を使った喧嘩に本格発展したな……。

しかも心なしか俺が前みた二人の攻撃力が上がっている気がする…。

「すいません、部長、朱乃さん!」

ついにその場の殺伐とした状況に耐えれなくなったイッセーが二人に一応の形で断りを入れてその場から逃げ出した。

「こうしてもきりがないわね…」

「確かにそうですわね…」

どうやら喧嘩が最終局面を迎えたらしい。できれば掃除したばかりのプールはか…汚してほしくないものだな。

まあ、すでにジャンプ台が三個ほど半壊しているが…。

「こうなったらどちらがイッセーにふさわしいか、イッセーの親友でもあるシンに答えを出してもらいましょうか」

―――――え?

「そうですわね。イッセー君とこの中で一番付き合いが長そうなシン君に答えを出してもらったほうが確実ですはね」

は?―――何で今までイッセーの取り合いをした二人が何で俺を唐突に巻き込む!?

そして今まで恋戦争という空中戦を繰り広げていた二人が俺の元に降下してくる。

「「私たちのどちらがイッセーに処女をあげるのはどちらがふさわしい?」」

二人とも普段の先頭や日常ではありえないほどの剣幕を張っている。

できればその気合を戦いのほうにまわしてほしいものだがな…。

だがそれよりも…。

「そんなの本人から直接聞けばいいじゃないですか…。それと俺は先に帰らせてもらいます」

俺そのまま帰ろうとするが二人に肩をつかまれる。

「だめよシン。答えが出るまで返さないわ」

「そうですわ。これは私たちにとっては死活問題ですわ。だからシンくんが答えを出すまでかえしませんわ」

どうすべきか…。

正直俺が帰ろうと思えば帰れるのだが、後々地獄を見るそうな気がするな。

だが俺には色恋沙汰とか性癖なんてもの興味はないから何もいいようがない。

ならここは羽衣に……。

「アーシアその調子じゃがんばれ」

「はい!がんばります羽衣さん!!」

あいつこれを予測して先に逃げたな…。

ならここは……。

「俺そういうの興味ないんで帰らせていただきます。それといつまで半裸でいるんですか?イッセーならともかく俺の目の前ですよ?」

「「いいから答えなさい」」

救援を求むスカーレット、主任。

『がんばりなさい。男の見せどころよ!!』

『いやいや、ご主人の今の状況が面白いから助けないよ?ギャハハハハッ!!』

こうして俺はリアス部長と朱乃さんに俺にとって平和の中にある地獄を体験させられた。

そしてイッセーもなぜかゼノヴィアに押し倒されるところをテュールと羽衣以外の参加女性に見られお仕置きという代名詞の地獄を味わったそうだ。

そして俺とイッセーはこの日をさかえにこう思った。

「「水着乙女は恐ろしい。そしてプールはこりごりだ」」

と、共感してイッセーの気持ちが少しわかった気がする。

ちなみにテュールと木場の競泳はテュールの圧勝だったようだ。






―○●●●●○―





プールの日から数日。俺は今公園のベンチでくつろいでいた。

いや…性格にはくつろいでいる風に装っていて隣の男性を警戒しているの方が正しいか。

「いやーいい天気だね、青年」

「そうですね」

俺は今隣にいる男性としゃべっていた。

着物を着ており金と黒の髪の用紙の…まあイッセーの言い方ならワイルドなイケメンだな。

人目見たときはただの物好きな外国人の男性と思ったがその考えはすぐになくなった。

「それにしてもこの公園子供がいないねぇ~」

「珍しいですね。いつもこの時間帯は子供たちが遊んでいるんですがね」

そう…。この公園イッセーがあのレイナーレとかいった堕天使に殺されるときに張られていた人避けの結界と同質のものが感じられた。

しかも先ほど俺が言ったとおりこの時間帯は本来なら書学生や幼稚園せいたちがまだ遊んでいる時間帯のはずだ。

そして何より一番この人から感じられる反応明らかに堕天使と同質、そしてあのコカビエルとは比にならないほどの魔力が感知できる。おそらく他の幹部クラス…いやそこまで幹部のクラスは大差ないはずだ。なら考えられるのは総督……か。

一応敵意はないみたいだが警戒しておくことには変わりない。

何せ今まで俺が見てきた堕天使乃イメージは最悪といっていい。

「それにしてもこんな人気がいない公園にいるなんて物好きなんだね君?」

「それはあなたもですよ。それに俺に何の用ですか?堕天使のお偉いさん?」

俺が言葉を返すと同時に本題に切り替えると、隣の男性は驚いた表情をしていた。

「おや~まさかもうばれているとはね。恐れ入ったよ青年…いや兵士のほうが会っているかな」

すると隣に座っていた男性はベンチから立ち上がりそして背中に漆黒の翼を駄科が俺の前に立つ。

「どうも異質な戦士殿。俺は堕天使の総督アザゼルだ」

どうやらまた一波乱が起きそうだな。



 
 

 
後書き
どうも革命者です。

さて更新が遅れてしまい申し訳ございません!!

最近また仕事の量が増えてなかなか執筆作業に入れずにいました。

後ギャグ展開は私は苦手な部門なんで今回の話はかなり難航しました。

ですがこれからも更新はしっかりしていくのでがんばります。

次回はかけなかったクロスキャラの設定と次回を連続投稿乃予定です。


それではまた次回のあとがきでお会いしましょう!!

感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で投稿されているSS作品とのコラボでもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!! 

 

Change3:白き戦闘狂~Trial test for class attendance~

「どうやら俺に会いに来たようだが、何のようだ?」

俺は今、目の前の堕天使の総督、アザゼルと対面している。

正直あちらからコンタクトを取ってくるのは予想外だったが、俺はとりあえず目の前の堕天使の総督の目的を聞き出す。

「別にお前さんをどうするつもりはないさ、ただ一目見に来ただけさ、あの俺の部下コカビエルを圧倒的な力でねじ伏せたお前さんに」

「なるほど白い龍が言っていたな『アザゼルに頼まれてね』と、だから俺のことを知っているのか」

「そういうことだ。それに今回はお前さんを見て、俺が探している例の英雄『緋き結晶の英雄』の所在についても何かつかめるかと思っていたからな」

なるほど、確かにあの戦争の三大勢力のうちの総督は直接『緋き結晶の英雄』を見ているからな。まあ俺を見てその思考にいたるとはさすが堕天使の総督といったところか。

まあ、その言動だとそこまで探し物には近づけていないようだが。

「で、どうだった俺と実際に見ての感想は?」

「どうもこうも、まあ雰囲気は確かに普通の人間じゃねえな。それにおまえさんからは底知れないエネルギーとそして無に近いものを感じる以外なんもねえよ」

底知れない……か。

まあ、俺も自分自身この力の本質がどんなものか知らないが。

「さて…俺は帰るわ。とりあえず目的を果たせたのでね」

「そうか…できれば、厄介事はもうこれ限りにしてもらいたいものだな」

「ハッハハハ!それだけの力を持ちながら平穏を望むとはずいぶんと変わったやつだな」

こうして堕天使の総督アザゼルは魔方陣らしきものを展開しそして光に包まれ消えていった。

『あれが堕天使の総督アザゼルね。私が想像していたのよりも髄便とイメージが違ったわ』

そうなのか?

『ええ、だって聖書に大きく記されている大物で堕天使の総督と聞いていたからもうちょっと厳格な雰囲気かと思えば見た感じ普通のおじさんね』

まあその感想には同感する。

『もしかしたらまた新しい事件の予兆かもね』

出来ればそんな不吉な発言しないでくれ。本当におきたらどうするんだ……。

『あら、もしかして私フラグ立てちゃった?でもそっちのほうが面白そうじゃない?』

「いっておくがが俺の目的はまったく別だからな。出来ればみんなを今の俺を倒せるレベルまで成長させておきたい。”例の戦い”に備えてな……」

『そうだったわね。出来れば無病息災を祈りたいわね』

だからそんな事を事件の前に言うのは不吉だろうが…。

『フフフッフ。そうね』

こうして俺はそのまま帰路についた。







―○●●●●○―







「では主任。有事の際は遠慮なくやってくれよ」

『了解だよ~!ご主人。そのときはおじさんがんばっちゃうね!ギャハハハハ!!』

「よし、羽衣行くぞ」

「了解じゃ」

今日は授業参観の日。損らいなら俺と羽衣は普通に登校するのだが、どうやら学校の校門にあまり着てほしくない客が来ているのを早朝から感知したため警戒をして登校する所だ。

念のためその客が暴れたときの対処として主任にスナイパーとして後方に援護に入ってもらうかたちで出迎える。

「それにしても本人は気づかれていないつもりかのう。まるで戦意や敵意が感じられんな」

「さあな。だが一応警戒はしておこう。なぜならある意味イッセーと因縁がある存在だからな」

「そうじゃのう。出来ればイッセーと会う前にお主わらわと接触をしたいところじゃが」

まったくだ。よりによって授業参観の日に来るとは迷惑極まりない。

恐らく…いや確実にこの日リアス部長とソーナ会長関連でVIPが確実に二人来るしな。

「俺と同じ時間に登校なんて偶然だな!!」

イッセーと途中で会ってしまった。

正直俺としたことが忘れていたな。今日はイッセーが日直だった事を。

仕方ない。正直あまりイッセーを奴と邂逅させたくはないんだが、この状況じゃ仕方ないな。

一応イッセーも以前と比べればコカビエルといい勝負ぐらいには強くしているからな。まあ、『禁 手(バランス・ブレイカー)』に至ればだが……。

そして俺と羽衣、イッセーは校門に着くと校門に寄りかかるように銀髪の男性が立っていた。

「やあ、いい学校だね」

「えっと……まぁね」

イッセーがぎこちない表情で挨拶を交わす。

俺は単刀直入に言わせてもらうが。

「いったいこんな時間そしてこの場所に何のようだ今代の白龍皇」

「なにッ!?」

「……」

俺の発言に驚きを隠せないイッセー。

何せある意味自分と因縁がある相手の名前を聞いたら驚くのが普通だろう。

羽衣は最初からわかっていたため沈黙しているが。

「気づいてたのか?」

「コカビエルの一件の時は鎧を着込んでいたが、エネルギーの波長と声紋ですぐにわかる。それに前回とは違い気配を隠す気ないだろう?」

そう、俺が感じ取ったあのときの反応にこいつの波長も混ざっていた、微量だがな。

「たいした洞察力だな。さすがコカビエルを跡形もなく消し飛ばした実力はあるな。名前を聞こうか異質な兵士殿」

「名前を尋ねるときはまず自分から名乗ったらどうだ。それが初対面の人間に会う礼儀か?」

「おっと、これはすまないことをした。では、改めて自己紹介しよう。俺の名前はヴァーリ。今代の白龍皇だ」

「神無月進。兵士だ」

そしてイッセーが名乗る番だが、状況が飲み込めていないかあたふたしている。

「ほら、お前は今代の赤龍帝だろう。さっさと名乗ったらどうだ」

「お、おう…。俺は兵藤一誠だ!!」

「羽衣九狐じゃ。まあ種族は羽衣狐じゃ」

俺たち四人はは軽く挨拶を交わす。

「さて、単刀直入に聞くぞ。こんな日にどんな用件で来たんだ?大方今代の赤龍帝のイッセーの様子でも見に来たのか?」

「まあ、それもあるがもう一つ。君、神無月進の様子も見に来たのさ」

俺か?まったく堕天使の幹部の次は伝説の白龍皇かよ…。

「なんで俺もか…と言いたいが、大方俺がコカビエルを倒したのが原因だろうな」

「ほう…まさか自覚しているとはね。さすがと言ったところか…」

「ま、その白龍皇の意見には妾も同意じゃ。シンは見ていて飽きないからのう」

まったくこうも伝説の存在に目をつけられるとはある意味迷惑だな……。

「なんか、シンもいろいろと大変だな…」

お前のあの修羅場に比べれば幾分かましに思えるからお前も大変だと思うぞ?

まあとりあえず…。

「お互いがんばろうか…イッセー」

「ああ、シンもな…」

こうして考えると生前もこんな気苦労があったような気がするな…。

いや、思い出すのをやめよう。これ以上考えるといやな予感しかしない。

すると、ヴァーリが挑戦的な笑みを浮かべて尋ねてきた。

「神無月進、兵藤一誠、羽衣九狐。君達は世界で何番目に強いと思う?」

「ちょっ!?いきなりそんなこと言われてもなぁ。まあかなり下じゃね?」

「妾はそのようなことには興味は持たぬのでな」

世界で何番目…か。

「さぁな。俺は自身の強さがどのくらいかなんて判らん。それに俺は目の前の敵を、仲間に危害を与える存在、そして俺の目的を妨げる存在がいたら殺すだけだ」

「そうか…。それにしても兵藤一誠。君は自分のことを過小評価しているようだが少し違うぞ」

「へ?どういうこと?」

「君は確かにコカビエルとの戦いのときは何もできていなかったが今の君はそのときよりも強いオーラを感じる。しかもあれからの時間から考えるとイレギュラーすぎるほどの成長だ。今の君ならコカビエル相手にいい戦いができるだろう」

「お、おう。なんかありがとうな…」

イッセーはぎこちない笑顔で返す。

まあヴァーリのいったとおりイッセーは短期間で急激な成長を遂げている。まあ、これはあの修行を耐え抜いた精神とイッセーの覚悟の強さの賜物だな。

「それに羽衣九狐。君はコカビエルの一撃をいとも簡単に防ぎあまつさえ神無月進とコカビエルとの戦いの余波殻仲間を守ったほどの実力だ。君はおそらく強者の部類に入るだろう」

「お褒め頂感謝するぞ。白龍皇」

確かに羽衣はかなり強い。正直に言うとおそらくテュールと同等ぐらいだろう。

まあ強い部分がおそらく根本的に違うが。

「そして、神無月進。はっきり言って君は世界でも強者の部類…いやむしろ超越者と並べられられても問題ない実力を持っている」

「やけに俺だけ過大評価だな…。なぜだ?」

「基本俺より上の強者でもそこはある程度見えると自負している。アザゼルの底さえある程度把握できる。だが君はほかの強者とは圧倒的に違うことがある」

いったい何なんだ…?

「君には底が見えない。むしろ気味自体が理解そして解析してもほとんどが謎のままだ。そして君はおそらくコカビエルのときの戦いで全力を出していないだろう?」

「な、何!?」

「なんと…」

横にいた二人が驚いていた。

まあ、得点をつけるならまあ説明点を足して及第点レベルだな。

実際本気を出していないのは事実……いや、出し切れないのが正解に近いか。

とりあえずこのことは後回しでいいだろう。

「それがどうしたんだ?結局何がいいたい…」

「いや、ただ君を見たときこれまでにない武者震いが起きたのでね」

「・・・つまり、俺と闘いたい。そう言いたいのかヴァーリ」

「ああ、そうだね。できれば君と命のやり取りレベルの戦いをしたいぐらいだよ…ッ!!」

どうしてこうも戦闘や戦いが好きなやつが俺の前に現れるのかね。

俺が先ほどの発言に呆れているとヴァ―リの首元に二つの剣が向けられていた。

「そういう言動は冗談でも止めてくれないかな」

「ここでシンやイッセー、羽衣狐闘わせるわけにはいかないな白龍皇」

ヴァーリに向かって言うのは聖魔剣を向ける木場とデュランダルを向けるゼノヴィアだ。

禁 手(バランス・ブレイカー)で創られた聖魔剣そして聖剣ではトップクラスの力を持つデュランダルを向けられているにも関わらずヴァーリは依然として平然としている。

こいつにとったら、獲物は危険でも使い手が弱ければ大したことはないと思っているのであろう。

まあ、その勇気は認めるが勇敢と特攻は別物だぞ…まったく。

俺はとりあえず二人の手から聖魔剣とデュランダルを取り上げる。

「なッ!?」

「なぜ君がもてるんだ!?」

俺は取り上げた二本の剣を地面に置き理由を説明する。

「おまえら。一般人がいるところでそんな物騒なものを出すな。それに一般人がいなくともお前ら二人が相手でも目の前の白龍皇では相手にならないぞ」

俺が理由を言うと二人は俺が地面に置いた剣をしまう。

「それにこいつは今は俺と戦う気はない。その通りだろう?」

「そうだな。今は戦わないがいずれ…いや近日中に戦うことになるかもな」

「それにリアス部長も来たみたいだしな」

俺が視線を後ろに向けるとリアス部長を先頭にオカ研のメンバーが揃っていた。

そしてヴァ―リは視線をリアス部長に向ける。

「三天龍と称されたドラゴン。『赤い龍』と『白い龍』そして『歌龍』に関わった者はろくな人生を送らないらしい。君達はどうなんだろうね?」

「……」

「言いたい事とは言えた。それに俺もやることがあるからな……また会おう神無月進そして兵藤一誠、羽衣九狐」

ヴァーリはそのまま裏路地に消えるように去っていった。

あまりいい予感がしないな。







―○●●●●○―






今日はいつもと教室が騒がしい。

まあ、今日は学校行事の定番中の定番、授業参観の日だからだ。

イッセーの両親も来ている。まあ大方アーシアを見に来ただろうがしっかりと持っているビデオカメラでイッセーのことも撮っていた。

それだけなら問題ない。

そうこれだけなら……。

「マスター、来たよ!!」

「テュールが一緒に来てほしいといってきてな。私も来たぞ神無月進」

なぜかテュールとティアマットが授業参観に来ていた。

どうしてこうなった…。

「実はマスターのかばんの中身を拝しゃ…整理していたら授業参観のプリントを見つけてねティアと一緒に来たんだよ」

「まあ、テュールの言っているとおりだ。まあ私もこのような行事に興味があって、私もお前の参観目的で来たというわけだ」

そうなのかよ……。

てか、今テュール、拝借って言いかけなかったか?

「気のせいだよマスター」

「何で俺の考えがわかった…」

「乙女の力だよ!!」

まあ、いいか。おそらく親がいない俺に気を使ってくれたのだろう。

それにしても……。

「シン君はあんなきれいな人たちと暮らしているの!?」

「くっ・・・!!全国の腐女子には要らない情報がはいってしまったわ。野獣イッセー×シンのネタを組みなおさなければッ!!」

「なるほどシンはあんな女性たちと暮らしているのか!!これは今年のコミケの本の題材は『シンと三人の美女』で決まりだな」

「あいつだけ美少女に囲まれやがってッ!!」

「羽衣さんだけではなくあんな美女二人と同棲しているだとぉ!!」

「許さん…許さんぞぉぉぉぉ!!」

周りのやつらがさまざまな意味で騒がしくなった。

てか、勝手に人を漫画の題材にするのはやめてくれ…。

こうして変な幕開けで授業が始まった。

そして一時限目の俺達のクラスでは英会話の授業の筈なのだが、正直俺は回ってきた物体に少々困惑していた。

俺の目の前にあるこの紙粘土の塊はなんだろう英語の授業に必要なのか?

「今日はその紙粘土を使って自分の感性と本能の赴くままに作品を作って下さい。そういう英会話もあります。さあ!!第一回粘度製作選手権の幕明けだ!!!」

…なんだろうこの教師。間違っても、紙粘土の作品で表現する英会話なんてどうなったらその思考に至る?

とは言ったものの……。

他の奴等を見るとアーシアは何とかやっていた。

ゼノヴィアも何とか形にしようと試行錯誤をしていたが、イッセーはまだ手付かずだった。

『何を作るの?シン』

それを今考えているところだ。

『ならあなたが一番身近に思うものを作ってみたらどうかしら?ほら、あなたの銃とか…』

俺の身近なものか…。

そうだな……。なら、

すまないが俺の視界に移っている粘土の横にお前の姿を写してくれないか?

『え?どうして』

身近なものがお前だと思ったからだ。

『そ、そうなのわかったわ///』

そして俺の視界に40cmぐらいになったスカーレットハートが映し出された。

手か、なぜ照れているんだ?

『いや…だってこんなことされたの初めてだから……』

そうか、できれば動かないでくれよ。

『わかったわ』

そして数分後、最後の仕上げを終えたとたんイッセーの席のあたりから騒がしい声が聞こえた。

「すばらしい!! よもや君にこんな才能があったとは!! 兵藤一誠君!!」

イッセーの席を見てみるとそこには、イッセーが作ったと思われる部長の完璧な裸体像があった。

すごいな…本物のリアス部長みたいだ。

「これってリアスお姉様よね!!」

「イッセー! この像を五千円で売ってくれ!!」

「いや!! 俺は一万出す!!」

なぜかイッセーの作品をめぐるオークションが始まった。

これって授業参観だよな?

「みんな見て!!シン君のもすごいよ!!」

なぜかイッセーの周りと同じレベルくらい俺の周りに人が集まってきた。

俺が作ったのはスカーレットハートの等身模型なんだが、別にそこまでがんばってくくったわけでもなく、完全再現しただけなんだが…。

「シン君にこんな才能があったとは!?ぜひも軽侮に入ってくれないか!!」

「私はこれを二万で買うわ!!」

「私はこれに三万だそう!!」

なぜか俺までオークション会場を作ってしまった。

俺は一応羽衣のほうへ見てみると。

「これはまさに数千年に一度の才能の持ち主の腕じゃ」

「この曲線や模様あの有○焼以上の作品じゃ!!」

「ぜひ焼き物研究会に入ってくれないか!!」

羽衣も高年齢層を中心にオークション会場を作っていた。

そして昼休みにリアス部長の家族、サーゼクス・ルシファーとその父親そしてジオティクス・グレモリーさんと顔合わせをした。

そしてソーナ会長の姉セラフォルー・レヴィアタンも来ていたが、なぜかコスプレをして学校に来ておりソーナ会長を泣かせるほど困らせていた。






















 
 

 
後書き
どうも革命者デース!!

さて今回は白龍皇との開港を中心に書いて見ました。

正直ギャグありの日常を書くのが難しいです。

なぜ俺は『ゆるゆり』や『のんのん日和』『ディーふらぐ』が好きなのになぜギャグが書けないんだ!!

誰か俺にシリアスブレイクやギャグセンスを分けてくれ!!!



それではまた次回のあとがきでお会いしましょう!!

感想、お待ちしています。それと『この作品とクロスして欲しい』などのリクエストがありましたら。感想に書き込んでくさい。またこのサイト『暁』で投稿されているSS作品とのコラボでもかまいません。そして誤字報告などもありましたらどんどんください!! 

 

Change4:臆病なヴァンパイア~Governor of the future~

授業参観から一日たった頃俺たちオカルト研究部メンバーは急行者のある一室の扉の目の前に集めれれていた。

確かリアス部長が『開かずの間』と言っていて、この部屋の入室を禁止していたな。

まあ、その証拠に『KEEP OUT』のテープが扉に厳重に貼られている。一応俺の脅威になる存在の可能性があったため周りを調べてみた結果、魔法や呪術などの封印処置も施されていることがわかった。

そして部屋の中にはイッセー達と同じ悪魔の生命反応があった。

恐らくリアス部長のアーシアに続く『 僧侶ビショップ』がいる部屋だと思うが。

「ここに部長のもう一人の『僧侶』が?」

「ええ。そうよシン。その子の能力が強すぎるため私では扱いきれないと考えたお兄様の指示で、ここに封印しているの」

力が強すぎるか・・・。

しかも魔王の直々指示となると厄介な能力だろう。

どのような能力か少々気になるところだな。

「一応ライザーの件やコカビエルの件を通して、もう封印を解除してもいい頃合いと、昨日お兄様から言われたの。┉┉でも、ほとんどシンが解決したから正直解放していいか迷っているのだけれど」

「迷う必要ないと思いますよ。リアス部長」

「!?┉┉どういう事かしら┉┉」

「あくまでこれはリアス部長の功績です。なぜなら貴方はイッセーやアーシアといった最高の眷属に出会いそして俺やテュール、羽衣と出会った、これはリアス部長貴方の持つ"引き寄せる"才能があったからこそです。それに皆以前より異常な成長スピードで強くなっていますよ」

そう、確かに客観的に見れば俺が全てやった様に見える。だがこれもリアス部長やイッセーと出会った結果だ。

もし俺と皆が出会わなければ最悪の結果になってしまっていたからな。

「ありがとうシン。それにしても貴方って本当に私の一つ年下なのかしら?言動や言葉遣いを見てきているけどどうしても年上にしか見えないわね」

「そうですわね。シンくんからはどこか大人の様な雰囲気が感じられますわ」

「シン先輩は大人って言われても納得します」

「そうだね。シンくんからどこか年期を感じるよ」

「何言っているんですか、貴方の方がこの世界で俺より長生きしているじゃないですか。それにこうして俺が敬語使っていますし」

全くリアス部長や皆は戦闘関連では洞察力は普通だが日常的な言動には敏感だな。

正直俺の正体もバレるのも時間の問題か。

まあ、それもリアス部長や皆の成長ってやつなのかもな。

「そうね。悪かったわ。皆開けるわよ」

リアス部長が封印されている扉に手をかざすと魔術や呪術などの封印が解かれ『KEEP OUT』のテープが消える。

一体どれ程の能力を持ったリアス部長の眷属がいるのだろうか?

俺がそんなことを考えているとリアス部長が扉を開ける。

「イヤァァァァァアアアアアアッ!!」

リアスが扉を開けた瞬間まるで恐ろしい物を見たかの様な女性の様な叫びが聞こえた。

イッセー、アーシア、ゼノヴィアが驚いていた。

だが木場と小猫はまるでいつもの光景を見ているような表情で、リアス部長と朱乃さんはまるでいつもの反応に呆れているようにため息をつき例の部屋に入っていった。

どうやら部屋の住人は少々難があるようだな。

『ごきげんよう。元気そうで良かったわ』

『な、な、何事なんですかぁぁぁ!?』

部屋からリアス部長たちと例の『僧侶(ビショップ)』の会話が聞こえてきた。

正直普通に突っ込ませて貰えば、こちらが何事と言いたい。

何で扉を開けた位で狼狽するんだ?

俺の知り合いも少し状況と境遇が違ったが┉。

『ようやく出所か、迎えるのが遅えんだよ。調子のってるのか?あ"?』

なんて言っていたからな。

『あらあら。もう封印が解けたのですよ? もう自由にお外に出られるのです。さぁ、私達と一緒にここを出て新しい仲間に挨拶でもしましょう?』

朱乃さんが今の状況を簡単に説明して叫び声の主をなだめようとしている。

『いやですぅぅぅ!ここがいいですぅぅぅ!別に僕なんて会わない方がいいんですぅ!!お外怖いです!!!』

おいおい┉。

優しく教えてもらっているのに部屋から一歩も出ないとは。

これは俗に言う重度の引きこもりとコミュ障ってやつだな。

とりあえず声の主、もといリアス部長のもう一人の眷属の『僧侶』が気になった俺は部屋に入り中の様子を見てみると、一般の女子高校生のような部屋で所々フリルの装飾がされていた。

しかし部屋は薄暗く、さらに部屋の中央に棺桶があった。

もしかしてリアス部長のもう一人の『僧侶』は俗にいう吸血鬼なのか?

そしてリアス部長達がいるところに視線を移すと、そこには金髪で赤い双眸の小柄な女性だった。

だが、あくまで見た目だけだ。

「リアス部長。今リアス部長の目の前にいる人物がもう一人の『僧侶』で見た目は一見女性ですが、実際は男性ですよね」

「あら、流石シンね。そうよこの子がアーシアに続くもう一人の私の『僧侶』よ。そして見た目は完全に女性だけど実際は男の子よ」

リアス部長の説明に驚くアーシアとゼノヴィア。だがイッセーは何故か涙を流していた。

「チクショウ・・・てっきりアーシアとのダブル金髪美少女かと思っていたのに・・・」

どうやら一番衝撃を受けたのはイッセーのようだ。まあ、イッセーの性格上これが正当な反応か。

俺は見ただけですぐに目の前の『僧侶』が男だとわかった。

まあ、理由としては言動や容姿は女性だが、体格をよく見れば身長に相応の女性特有の変化がない。それに体格が若干男よりだ。

でも、部屋に引きこもる性格の奴が何故女装をしているのだろうか?見せる相手がいないのに。

「なんで、引きこもりが女装してるんだよッ⁉︎」

俺が質問しようとしたらイッセーが先に質問してくれた。

「だ、だって女の子の服の方が可愛いんだもんッ!」

「もん、とかいうなぁぁぁ‼︎」

そして、女性らしい返答にイッセーはまた嘆いていた。

男子高校生って色々大変だと思った。

そして…。

「人の夢と書いて儚いんだよな」

「シン‼︎小猫ちゃんみたいなこと言わないで!」

「そうですシン先輩。それは私が言うセリフですから盗らないで下さい」

「お、おう…」

俺ってもしかして余計なことしたのか?

『まあ、小猫ちゃんの役割を奪ったのは事実ね』

そうなのか…よくわからんな色々と。

「まあ、とりあえず改めて紹介するわ。この子の名前はギャスパー・ヴラディ。アーシアと同じ私のもう一人の『僧侶』よ。そして、元人間と吸血鬼のハーフなの」

「「吸血鬼⁉︎」」

吸血鬼か。いや確か人間とのハーフだから、確かデイウォーカーと言ったか?

そしてもう一人の『僧侶』ギャスパーの口元に小さな八重歯が小さくきらめいた。




ー◯●●●●●◯ー




「外に出るのは嫌ですー‼︎」

「はあ、困ったわね」

あれから数分経ったがギャスパーはリアス部長と朱乃さんの説得を聴いても部屋から一方的に出ようとしなかった。

正直二人は優しく説得しているのに当の本人は出たくないの一言。正直ここまで重症の引きこもりは見たことはない。

とりあえず訳を聞いてみるしかない。

「確かギャスパーとかいったな、そんなに自分の部屋から出たくないのか?」

「そ、そうですぅぅぅ…。あ、あのすみません貴方は……」

「おっと自己紹介がまだだったな。俺の名前は神無月シン。今の所はリアス部長の協力者をしている。以後お見知り置きを」

「同じく妾もリアス部長の協力者、羽衣九狐じゃよろしゅうな」

そしてイッセー達も自己紹介を済ませる。

「話が逸れたが、何故お前は頑なに外に出ようとしたんだ?もう出で良いと許可は下りたんだぞ」

「魔王様の許可が下りても嫌ですぅぅぅぅ‼︎お外怖いですぅ‼︎それに僕が外に出れば皆さんに迷惑が掛かるですぅぅ‼︎」

迷惑?もしかしてリアス部長が言っていた危険な能力の事か……?

俺がさっきの発言の意味を考えているとイッセーが前に出てきた。

「男のくせに何駄々こねているんだよ‼︎ほら部長達が言っているんだ、部屋から出るぞ!」

しびれを切らしたイッセーが強引に連れ出そうとギャスパーの肩を掴んだ時ーーーー。

ーーーー周りの景色が灰色になった。

いや、正確には時が止まっているの方が正しいか。

「おやおや、時間停止とわのう。中々趣な芸をするのう」

「ど、どうなっているんだ⁉︎シンと羽衣以外みんな動いていないぞ⁉︎」

イッセーは状況が飲み込めていないようで困惑しており羽衣は俺と同じく今の状況を把握している。

それにしても状況から推測するに恐らくこれがギャスパーの能力か、当の本人はいつの間にか移動したか部屋の隅で怯えている。

それにしても時間停止能力か。確かに厄介極まりなくそして危険な能力だな。

しかもこの状況恐らくギャスパーは自身の能力を制御しきれていない。

とりあえず話が進まなくなるので能力を解除してもらおう。

「ギャスパー、そろそろ能力を解除してもらえないだろうか?」

「な、何で動けるんですかぁぁぁぁ!?」

どうやら本人にですら状況が飲み込めていないようだ。

そして停止の効力が切れたか、部屋の景観の色彩が元に戻り停止していたみんなも動ける様になった。

「あれ?今何かされたような気がします…」

「そうだな…確かに何か術を掛けられた様な…」

ゼノヴィアとアーシアはイッセーと同じく状況が呑み込めておらず、木場や朱乃さん、小猫はまるでいつものことのようにあきれた表情をしていた。

「怒らないでください!!怒鳴らないでください!! ぶたないでくださぁぁぁぁいっ!」

当の本人はまるで虐待を恐れているような言動をしていた。

そうまるで、過去に本当に虐待を受けていたかのような。

「大丈夫じゃ。妾たちはおぬしに危害を加えるつもりわない。それに面白い体験をさせてもらったのでな、むしろ感謝しておる」

「ほ、ほんとですか?」

「そうだ、みんなに危害を加えていないし敵意も感じない別にお前を咎めたりしない」

まあ、こんなメンタルだ。能力が暴発するのも仕方ない。だが放っておくのも問題だな。

どうするべきか…。

「この子の能力神 器(セイクリッドギア)の名前は停 止 世 界 の 邪 眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)名前の通り視界に移した相手の時間を停止させる能力よ。でもシンと羽衣さん。そしてイッセーには効果が薄いから大丈夫よ」

「なぜですか?部長」

確かになぜ俺たちに効かなかったのか気になる。

「おそらく宿主と実力が離れすぎている対象には効果がないみたいなの。これはお兄様とグレイフィアが証明してくれたわ」

なるほど。おそらくギャスパーはサーゼクスとグレイフィアさんの目の前で力を暴発させたのか。

「それでね。シン、イッセー。あなたたちに頼みたいの」

「もしかしてギャスパーの件ですか?」

「さすが察しがいいわね。私と朱乃はこれから数日後に行われる三大勢力の会談の打つ合わせとその準備に向かわなければならないの」

三大勢力の会談?初耳だな…。

「いつの間に大きな話が話が進んでいたんですか?」

「ああ、あの時はシンは部活に来てなかったわね。実はコカビエル襲撃の件で三大勢力が現状の整理や今後の在り方について会談することになったのよ」

なるほど。それなら納得だな。

しかし三大勢力となると、天使…神の勢力も来るのか。

「わかりました。ギャスパーはこっちで何とかします」

「よろしくね。それと祐斗あなたも同行して頂戴。お兄様があなたの禁 手(バランスブレイカー)について話がしたいみたいだから」

「了解です部長。シン君、イッセー君。ギャスパー君のことは頼んだよ」

「ああ」

「おう!!任しとけ!!」

「それと会談であなたのシン。あなたに出席して欲しいと三大勢力の代表者全員から打診が来ているからかが得て頂戴。ではまたね」

「え?ちょっと・・・・・・」

そして三人は魔法陣で転移していった。

まさか魔王と堕天使の総督に続き今度は天使のお偉いさんまでこんなに早く邂逅することになるとは本当にこの世界…いや俺の運命はどうなっているのやら。

それに三大勢力の幹部クラス全員の打診かよ…。

まあそれはあよで考えることにしよう。

さてギャスパーをどうしましょうか………。






ー◯●●●●●◯ー





あれからギャスパーのコミュニケーション障害とメンタルの弱さを改善するためにいろいろやっている。

現在は…。

「疲れた体にはニンニクが良いよ」

「に、ニンニクぅぅぅ!?」

小猫がニンニクを持ちながらギャスパーを追いかけていた。しかもどこか楽しそうだ。

しかもさっきまでゼノヴィアがデュランダルを片手にギャスパーを追いかけておりその時もゼノヴィアもどこか楽しそうだった。

「愉快じゃのう、シンよ」

「ノーコメントだ」

「俺もシンと同じく」

「はわわわ…私はどのようにコメントすればよいのでしょうか?」

「おー、やってるなオカ研」

すると匙がこちらに来ていた。

大方封印されていたギャスパーの見学にでも来たのだろう。

「よっ!!二人とも。噂の眷属を見に来たぜ。今どこにいるんだ?」

「小猫ちゃんに追い回されているのがそうだよ」

「おお!!金髪美少女じゃねえか!!」

あ、まさか…。

「だけど引きこもり女装男子だがな」

「嘘だぁ!!んなの詐欺じゃねぇか・・・・つーか、引きこもりが女装って・・・・誰に見せるんだよ!!」

「わかるぞ!!わかるぞ!!匙よ!!」

まあ、こうなるわな。まったくいまいち現代の男子高校生の完成に追いつけないな。はあ~。

『どうしたのいきなり爺むさくなちゃって』

別に。ただなんというか少しもどかしくてな。

それと、またあの客人が来たようだな。

しかも。

「ん?あそこにだれかいるような……」

「フフッ…。面白い者が来たのう」

羽衣とイッセーはどうやら客人に気づいたようだな。

イッセーに関してはとんだ成長だな。まったく

まあ、とりあえず―—――――-。

「堕天使の総督はなんでここに来たんだ?木場ならここには居ないぞ?」

「「「えっ!?」」」

「気配は完全に消していたんだけどな。さすがコカビエルを倒した存在とその攻撃を軽く受け止めた羽衣狐のことだけはある。だが赤龍帝までに気配を察知されたのには驚きだな」

「気配を消しても場の空気やわずかな音。それにあんたみたいな強力な存在ならいやでも近づくのを感じるぞ。アザゼル」

俺と羽衣以外は俺の向いている方向に一斉に視線を向けそれぞれ自身の武器を構えアーシアはイッセーの後ろに隠れた。すると視線の先にある森林からアザゼルが出てきた。

「お、おい!!シン。アザゼルってあの堕天使の…」

「ああ、その通りだが」

「なんで羽衣とお前は警戒しないんだよ!!」

「別に警戒の必要はないだろう?敵意もないしのう」

「同じく」

とうのアザゼルは笑っている。

「やる気はねえよ。ほら、戦闘態勢を解けって。そこの奴と羽衣狐以外を除いて俺に勝てる奴がいないのは普通にわかるよな。まあそこの赤龍帝なら手負いまでには追い込むことはできるだろうが」

どうやら俺を除いて他の奴らの実力を数秒で見抜くとは。堕天使の幹部は伊達じゃないってことか。

「ま、それに今回はお前さんと赤龍帝にお詫びに来たんだよ。まあ聖魔剣使いに会えないのは残念だがな。すまなかったなうちのヴァーリが勝手に接触して」

「いえ、”今回は”何もなかったので大丈夫だ。だが一つ忠告だアザゼル」

「ん…なんだ?」

「あいつは危険だ」

「…………」

そう、奴はある意味危険だ。しかもおそらく近い将来おそらく俺たちに対してよろしくない行動をしてくるのはほぼ100%に近いだろう。

「ご忠告ありがとさん。じゃあ俺は帰るわ」

まったく人騒がせな堕天使の総督だな。

「それと会談の件、考えといてくれや。ぜひ出席してくれることを祈るぜ」

「考えておく」

そしてアザゼルは森の奥へと消えていった。







 
 

 
後書き
どうも革命者です。

投稿がかなり遅くなりすみません。何とか仮のノートパソコンを手に入れ早急に執筆作業をしていました。何とか作業が円滑に進んだのでこれでいつも通りのパースで書けそうです。

それと投稿ペースを一週間に一話を目指したいと思います。

では次回のあとがきで
 

 

Change5:語る兵士~A changing fate~

ギャスパー更生?作戦から数日が立った。

実はあれから匙の神 器(セイクリッドギア)の能力を聴いてギャスパーの力を制御しつつなるべく停める対象を限定的に絞れるようにしていたのだ。

内容はイッセーがばれボールを投げてそのボールをギャスパーが停めるという修行だ。

さっき言った通り匙の協力能力のコントロールの修行は順調に進んでいた。

そして今度は対人関係の修行でリアス部長の提案でアーシアと同行する形で実際に現地で悪魔家業をしてみることにしていたのだが…。

「ギャスパー、出てきてちょうだい。無理に仕事に同行させた私が悪かったわ」

『いやですぅぅぅぅ!!』

この考えが裏目に出てしまい対人関係がより言いそう悪化してしまった。

ギャスパー事態に非があるのではなく、アーシアのお得意さんがギャスパーに興奮して触ろうとしてそのきっかけで案の定ギャスパーの能力が暴発、迷惑をかけてしまった。

「眷属の誰かと一緒に仕事をすれば何か良い方向に変わると思ったのだけれど…」

『ふぇええええええぇぇぇぇぇえええんっっ!』

リアス部長が必死に謝罪をし説得を続けるが一向に泣き止む気配がない。

正直ギャスパー自身の抱えている問題がイレギュラーすぎてかなり苦戦している。

とりあえず昨晩イッセーの家に訪問しリアス部長からギャスパーのことに関する経緯や過去を教えてもらった。

ギャスパーは吸血鬼の中でもかなり名門の家の生まれらしいが、母親が人間なため生まれたハーフだったため純血ではなかった。

しかも俺が予測していた通り吸血鬼は血統などの時代遅れの考えを深く重視するらしく実の親兄弟にですらギャスパーを軽視し、侮蔑してきたと言う。

しかも兄弟や親よりもたぐいまれな吸血鬼としての才能、そして神器停 止 世 界 の 邪 眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)を持ち合わせたため嫉妬、そして恐怖から友達もほとんどできていなかったらしい。

そして親に家を追い出されそしてヴァンパイアハンターに襲われたところをリアス部長が救ったらしい。

それにしてもこんな世界にでも貴族思考の被害者に会うとはな。

結局どこに行っても貴族は好きになれん。

『ぼ、僕は・・・こんな能力なんていらない! だ、だって皆停まっちゃうんだ!皆、僕を嫌がる!僕だって嫌だ!僕を救ってくれた人や仲良くしてくれる人が止まった顔なんて見たくないんだ!!』

「困ったわ・・・。この子をまた引きこもらせるなんて・・・・・・『王』失格ね・・・・」

正直この問題はリアス部長やギャスパーに原因は全くない。

これは古い考えと不要な傲慢そして時代が生み出したものだ。

俺が何とかしてみるか…。

「リアス部長。ここは俺に任せてください」

「シン?」

「リアス部長はもうそろそろ三大勢力の会談の打ち合わせはあるのでしょう?」

「そうだけど…」

「いいですからここは俺に任せてください。なぁに大丈夫ですよ、ここにはイッセーやアーシア、羽衣がいます。それにリアス部長は今自分に与えられた役割(ロール)をやるべきです」

「そうですよ、部長!!ここは俺たちに任せてください」

「はい、ここには頼れるお方が沢山います」

「それに妾の長年得た知識も役に立つはすじゃ」

まあ、俺がだめでもイッセーなら何とかしてくれるような気がするからな。

「・・・・分かったわ。みんなギャスパーをお願いね」

「「「「はい、(リアス)部長」」」」

そしてリアス部長は心配そうにギャスパーの部屋を一瞥すると、魔法陣で転移していった。

「で、そうするのじゃ?シンよ」

「まあ、任せな。それと今から俺が話すことは特にイッセーやアーシアも重要な話になるから二人も聞いていてくれよ」

「わかったぜ」

「はい、シンさん」

こうして俺たちはギャスパーが泣き止むのを待ち俺は扉の前に座った。




―○●●●●○―





あれから数分ようやくなきやんでこの辺りが静かになった。

俺――兵藤一誠はシンを見守っていた。

シンが任せてほしいといったので俺、アーシア、ゼノヴィア、小猫ちゃん、羽衣はシンに期待を抱きながら見守っている。

「ギャスパー、シンだ。頼む少しだけでいい、少しだけ扉を開けてくれ。絶対に外に出したりしない」

「うえ?」

「お前と話がしたい。だからまともに会話できるように扉を開けてはくれないか?」

「うぅぅ…… 本当ですか…?」

「ああ。ほんの少しでいい」

シンの優しい問いかけのお陰か、少しだけ扉が開いた。

「話って何ですか?」

「まあ話を聞いてくれ。お前言っていたなお前自身の持っている力がいらないと」

「は、はい」

「それとお前は自分自身の力が怖いそうも思っているな」

「そうです。こんな力今はまだ僕の周りだけで済んでいます。ですがいずれこの力が大きくなり関係ない人たちまで巻き込むと考えると怖くて仕方ないんです…」

シンは一体何を聴こうとしているんだ?

「それはいいことだ」

「え?」

「「「「「――ッ?」」」」」

この場にいる全員がシンの予想外すぎる返答に驚きを隠せなかった。

そしてシンは続けて語る。

「自身の力を恐れているこれは自分の力の恐ろしさと危険性を十分理解している」

シンは一体ないが言いたいんだ?

そしてギャスパーが話し始めた。

「先輩は…シン先輩は自分の力が怖いんですか?」

「そうだな怖いさ、自分の力が、簡単に人間を殺せたりやろうとすれば町を一瞬で消し飛ばせるこの力が。だが――――」

するとシンがいつもの日常では見せない真剣な表情になりながら続きを話す。

「―――怖いと思ったのはこの力を得てからかなり後だったがな。」

「どうゆうことですか?」

「俺はなこの力を得てからそのかなり後も出自分の力に愚かに酔いしれていたんだ」

「え……」

シンは表情をまるで誰かを恨んでいるような表情に変えながら話す。

「最初はな、俺もイッセーと同じただの一般人だったんだ」

「そうなんですか?」

するとギャスパーが扉から少し体を出してきた。

「ああ、だがある時俺にこの戦いの道に進む羽目になった出来事があってな。最初はただ家族を助けたいがために力を得て戦いの道に身を投じたんだ」

シンも最初は俺と同じだったってことなのか!?

「だが消して綺麗とは呼べない戦いだった。当然人も殺した。だが最初はまだ使命という名目で戦っていたんだ。だが俺は戦いを重ねていくうちに持ってはいけない感覚を得てしまったんだ」

さらにシンの表情が深くなった。

「俺は人を殺すことにためらいや情を一切持たなくなりそして…”人を殺すこといわば戦いに快楽を得てしまったんだ」

「え!?」

この場の全員が驚愕の表情を見せた。

だ、だって!あの学園でも人にやさしく冷静で何より争いを好まないシンが人殺しと戦いに快楽を持っていたなんて!!

「なんで、そうなったんですか!!??」

ギャスパーが聞き返す。

「戦いを続けていくうちに殺しが日常の一部になってきてな、しかもその時の俺は戦いしかなかった。言い訳はあまりしたくないんだがあの時の自分は殺す以外の楽しみ以外の感情以外なかったんだ」

シンは顔を下に向けた。

しかもこれは俺の勝手な思い違いかもしれないけど、どこかシンの声音が悲しそうに震えているように聞こえた。

「まあ、だがある事件がきっかけでッそんな感情が一切なくなり、自分の力の大きさとその責任を知り今の俺がいるんだ」

シンの力の真実の一端……。

実は一回ライザーの件以降眷属のみんなでシンの力について議論したことがある。

その時はシンは鍛錬の果てに強くなった、ということで決着がついたが、まさかこんな過去を持っていたなんて……。

「だからギャスパー、お前は大きな力を持つにふさわしい心構えを持っているんだ。自身の力を己の欲求にしよせず仲間を守るために自らを孤独にする、だからお前は大きな力を持つ存在として決して間違っていないんだ」

「シン先輩…」

気づけばギャスパーは完全に部屋から出ていてシンの目の前に座っていた。

そしてギャスパーの変化を見たシンはさっきの表情から一変優しい微笑みを浮かべながらギャスパーの頭をなでていた。

「すまないな。こんなくらい話をしてしまって。だがこれでお前がいい方向に変わってくれるなら、俺は満足だ」

案だけ心を閉ざしてギャスパーを部屋に出すなんて……。

さすがシンだな。

「みんなもすまないな、こんなくらい話をしてしまって。だがこれを言っとかないとイッセーとギャスパーの将来が危うくなる可能性があったからな」

「なんかわりぃな、全部お前に任せて…」

「別に、俺がやりたいからやったことだ。できれば俺みたいな”咎人”は増えていくのは嫌だからな」

そして、シンはそのまま立ち上がり帰ろうとする。

俺はシンとの付き合いはあまり長くはないが、学校ではよく話すしよく俺たちが変態行為に走った時に止めてくれる。

俺にとってはもう友人…いや親友に等しい存在だ…だけど―――。

シンについて俺は何も理解できてないんだ。

「さてと、俺は役目を終えた。あとはお前の心のしだいだ」

だけどまだ理解できなくていい。

いずれシンから自分を話してくれる時まで。

「そうだ、もしギャスパーの話し相手がイッセーなら『時間停止なんて女の子の下着が見放題な能力だぜ!!うらやましいぜ!!』なんていうかもな」

「ちょッ!?なんでわかったんだ!!」

「イッセーさん…そんなことを考えていたんですか?それな私のものを……」

「イッセーは相変わらずだのぅ。フフフッ」

「イッセー先輩もすごいですね!!僕も見習いたいと思いますぅ!!」

って!!せっかく人が真剣に悩んでいたのに!!

まあ、シンがこんなことを言えるなら大丈夫だろうな。

「くっ!!シンお前爆弾を投下してどうするんだよ!!今日こそお前を倒してやる!!」

「フッ、出来るものならやってみろ。イッセー」

こうして俺はばか騒ぎをしてそして四人で一緒に帰路についた。








―○●●●●○―







「さあ、こちらの準備は整った。あとはあの忌々しい偽りを倒すだけだわ」

カテレアは山奥の施設で準備を終えていた。

『どうやら決行の予定は決まったようですなカテレア殿』

「あらR殿どうしましたか?」

カテレアがいる一室に仮面を正体不明のRが入室していた。

『いやあの他の様子を見たかっただけですよ。アラクネの力を得たあなたの様子をね』

「そうなんですか?私はいたって大丈夫ですよ。このアラクネを得てからむしろ自分の力が上がり心地よいくらいです」

『それは良かった』

「まさかあの大きな力を持った鎧がこのような美しい装飾品に変わるとは、まさに真なる魔王の私にふさわしいものですね」

カテレアは自分の首に着けている紫と黄土色の模様が入った蜘蛛形のペンダントを愛でるようになでる。

するとカテレアはRに話しかける。

「そういえばあなたに耳に挟んでおきたいことがあります」

『ほう、その情報は何ですか?』

「実は、悪魔側に正体不明な存在がいましてね。つい数日前、堕天使の幹部コカビエルをそのものが一人で倒したそうですわ」

『それは興味深い情報ですな』

「映像は一つしか在りませんがこれを……」

カテレアは魔法陣を展開するとシンとコカビエルが戦っている映像が流れている。

するとRのまとっている雰囲気が急に変わった。

そして映像が終わり、カテレアはRの変化に気づく。

「どうしました?この映像に心当たりがあるのですか?」

カテレアの質問にRは少し遅れながら答える。

『いえ、ただ見たことあるような、ないような力だったのでね。少々見入ってしまっただけだ』

「ならよいのですが…。それと例の装備、あれで本当に魔王を一撃で屠れるのですか?」

『ええ、あれは一撃必殺の力です。どんなに強大な存在でもこの『裁きの鉄杭』一度放たれたら必ず相手を屠ることができましょう』

「信頼していますよ、まあこれで屠れなくとも私にはアラクネがありますからね」

『では戦火を期待していますよ、カテレア殿』

「はい。私は計画の段取りがあるのでこれで……」

カテレアは部屋を去った。

『まさか、あの者までこちらに来ているとは』

Rは先ほど流れた映像を脳裏で何度も再生する。

『だが、今度はこちらが目的を果たさせてもらおう。この世界から人間を糧としかみなしていない異形を排除する大義と我々に二度目の生を与えたあの者の目的のためにのためにな』

そしてRは上を向き言い放つ。

『――――革命の悪魔(レボル・バルバトス)――――』
















 
 

 
後書き
どうも革命者です。

すみませんまた更新が大幅に遅れてしましました。
これでも仕事の合間に執筆していたのですがなかなか進まずこの状況です。

ですが失踪はしないのでこれからも応援よろしくお願いします。 

 

Change6:熾天使~Is it a lie or the truth?~

とある天界にある一室、そこには天使の中でも最上位に位置する『熾天使(セラフ)』が集まっていた。

「会談は護衛を連れて私が行くことでいいですね」

「異議なしです。ミカエル」

「拙者も異議はないでござる」

そこでは三大勢力の会談に参加する人員の会議が行なわれていた。

会議の結果『熾天使』のリーダー核であるミカエルが護衛をつけていくことになった。

「それにしてみミカエル。アザゼルから渡された例の映像、あれは一体”何者”なんだ?」

「拙者も気になっているでござる。あのコカビエルをいとも簡単に、しかも肉片を残さず倒してしまうとは…」

熾天使たちは会合前にアザゼルに渡されたコカビエルとシンの戦闘映像を見ていた。

「その答えに関しては会談の時に本人が会談に参加しそしてその者から直接聞くしかありません」

「そうか、なら吉報を待っていますミカエル」

「そうでござるな、それに会談がうまくいけばこちらの陣営にも良い影響があるでござる」

「そうですね後の話は会談の後にしましょうか、それではこれで話し合いは終わりですね」

話し合いが終わりかける、だがそれを止める者がいた。

「少し待ってください、ミカエル様」

「どうしましたガブリエル?」

それを止めたのは熾天使の中で唯一女性のガブリエルだった。

「その会談に私も同席してよろしいでしょうか?」

「別に良いですが……、どうしてなのですガブリエル?」

普通なら断るミカエルだがガブリエルの表情を見ると了承せざる終えなかった。

「あの者…いえ、あの人に会ってみたいのです」

「彼のことですか?―――。なるほどガブリエルなたは彼にもしかして“緋き結晶の英雄“の面影を感じているのですか?」

「はい、あの姿…そして戦い。あの映像を見たとき私はすぐにあの方“緋き結晶の英雄“を思い浮かべました」

「私も同意見だ、ガブリエル。あの戦いどこかあの英雄の背中を連想させる」

「拙者も同じでござる」

この場にいる全員が同じような意見を言っていた。

それもそのはず彼らはあの“緋き結晶の英雄“に助けられた張本人だからだ。

「わかりました、ガブリエル。それならあなたも同行しましょう。その間の天界の護衛はメタトロン、ウリエル、任せましたよ」

「「御意」」

こうして天界の話し合いが終わった。

そしてまた運命は変わっていく。





―○●●●●○―





ギャスパーの説得から次の日。俺――神無月シンとイッセーは駒王町にある神社の鳥居の前にいた。

リアス部長からここに来るように指示されたのだが…。

「ここって神社だよな…。俺ここにきて大丈夫かな……」

「わからん。だがリアス部長の指示だ何かあるに違いないだろう」

それにしてもなぜ神社なのかは俺も疑問に思っている。

以前リアス部長から『悪魔は神聖な場所には立ち入れない』と説明してもらったばかりだからな。

二人で考えていると鳥居の向こうから巫女服を来た女性の影が見えた。

「いらっしゃい。イッセー君、シン君」

「朱乃さんも来ていたんですか?」

女性は朱乃さんだった。モコ服をきているという事はおそらくこの神社と関係があるのだろう。

「朱乃さんの巫女姿すごく似合っています!!」

「うふふ、ありがとうございます」

「そういえば、朱乃のさんはなぜここに?普通ならリアス部長と会談の準備をしているはずでは…」

「あちらはグレイフィアさまがいます。それに今回の打ち合わせは会談の最終確認みたいなものですから大丈夫ですわ。それよりも私は重要なある御二方をお迎えしなければならないので」

重要な御二方。まあ迎えがいるということは幹部みたいなやつが来るのだろう。

それよりもイッセーがここをくぐって大丈夫なのだろうか?

「イッセー君。心配はご無用ですわ。ここは裏で特別な約定が執り行われているので、悪魔でも入ることはできます」

「よかったぁ~」

どうやら心配は無用なようだな。

それにしてもさっきからこちらに接近するアザゼル並みの二つのエネルギー反応。

もしかしてその二人かもな。

そして俺とイッセーは朱乃さんの案内のもと、鳥居をくぐりしばらく歩くと立派な神社の本殿が建っていた。

年期は感じるがしっかりと定期的に掃除や手入れがされているので綺麗だ。

「朱乃さんはここに住んでいるんですか?」

「ええ。先代の神主が亡くなった後、無人になったこの神社をリアスが私のために確保してくれたのです」

なるほど。

そして俺は先ほど感じた二つの気配がこちらについたのを感じる。

「そちらの方々。一人が赤龍帝でもう一人がコカビエルを倒した青年ですか?」

「その様ですね。ミカエル様」

空を見上げるとそこには端正な顔立ちをした青年と誰もが見たら思う絶世の美女がいた。

その二人はローブを着ており頭部に天輪を浮かばしていた。

そして、背には十二枚の黄金の翼。

どうやら四大熾天使の二人のようだな。

しかも計測するにアザゼルと同格なのが分かる。

しかし女性のほうをイッセーは鼻の下を伸ばしながら見ていた。

まあ、おそらく胸が大きいのが原因だろうが…。

「はじめまして赤龍帝、兵藤一誠君。コカビエルを倒した青年神無月シン君。私はミカエル。天使の長をしている者です。そして―――」

「私は熾天使の一人ガブリエル。あなたと話したくて参りました」

予想通り天使の幹部クラスだった。

しかしにガブリエルと名乗った女性のほうは、どうやら俺に目的があるらしい。





―○●●●●○―





さて、今俺は神社の一室で熾天使の一人ガブリエルと相席している。

イッセー、朱乃さん、ミカエルはどうやらイッセーに渡すものがあるらしく本殿へと行った。

おそらく反応から察するに聖剣の類だろう。

しかもエクスカリバーとまではいかないがかなりの上位に力を宿した聖剣のようだ。

まあ、これは置いといて今は―――。

「で、俺にどのような用件で来たのでしょうか?天使でも最上位に位置する熾天使ガブリエル殿」

本来ならミカエルがイッセーにものを渡す用件だけだったのだが、どうやらあの堕天使の総督が俺の情報を天使側に送ったららしく、そしてその情報を見てガブリエルが俺に興味を持ったようだ。

まったく余計なことをしてくれるあの総督は。

てか、こっちから話しかけているのになんで相手は沈黙しているんだ?

あっちから用件を持ってきたのに……。

すると、ようやくガブリエルの口がうごいた。

「あなたにある用件は一つだけあります」

そして一拍開けて話し始めた。

「あなたは、あの時の三天龍を倒した『緋き結晶の英雄』なのですか…?」

その”件”か。

まったくどうしてこの世界の頂上の存在たちはこうも変なところを突いてくるのか―――。

まあ、相手の考えがどうあれ俺は『今の俺が出せる答え』を出すしかない。

「その答えに関しては否定させていただきます。何せあの英雄が現れたのは100年以上前の出来事です」

「――では、あの力は一体何なのですか?どうにもあの『緋き結晶の英雄』の力と戦い方が酷似しています。これはあの時私は間近で英雄を見ましたから」

「この力は…『願い』」

「え…?」

「これは、俺が自分の欲望を現実にするために得た力です。その自分の願いを叶えるために得た力です。まあ、今じゃそれも叶い平和に生活していたんですが……」

「そ、そうですか…。その失礼なことを聴いてしまってすみません」

まあ、あまり聞くもんじゃないしな。しかも俺が17歳とわかっていてあの質問。

だがまだ話すわけにはいかない。

―――目的である元凶を見つけ出すまでは。

それにしても先ほどから質問を聴くとえらく『緋き結晶の英雄』にこだわっているな。

もしかして―――。

「もしかしてガブリエル殿は『緋き結晶の英雄』に好意を持っているんですか?」

「えっ!?―――。それはそのぉ~~~////」

俺の質問に急に顔を赤くするガブリエル。

まったくリアス部長やイッセーみたいにわかりやすい反応だな。

まあ、彼女も天使とは言えど女性だからな。恋心を持っていても不思議ではないだろう。

てか、先ほどのまでの厳格な雰囲気から急に空気がおっとりし始めたぞ…。

「まあ、どの時代英雄に行為を抱くのは当然ですからね。それにあなたは『緋き結晶の英雄』の雄姿を直接見ていましたからね」

「う~。なんでわかったんですかぁ~、今までミカエル様以外に気づかれたことはなかったんですよ~」

まったく…。どうして俺の周りは緊張した空気を濁す存在が多いだろうか。

まあ、これはこれでいいか。

「とりあえず話がこれ以上ないなら俺は帰りますね。今日は予定があるので」

「すみません。私の私情であなたの時間を奪ってしまって」

「いえ、熾天使の一人と会話できただけでも俺にとってはいい思い出でしたよ」

「そ、そうですか…」

俺は立ち上がり部屋を出ようとすると…。

「あなたは、今回の会談に出席するんですか?」

出席…か。

一応俺にとっては三大勢力の力を一気に知れるまたとない機会だが、正直ここまでの経緯だとほとんどの上級クラスが俺の存在を知ろうとしている。

はっきり言って現状まだ”元凶”がはっきりしていない今俺の本当の情報が露見するのは極力避けたい。

とりあえず主任とスカーレットと考える必要性があるな。

「それは当日わかることです。では、また逢う日まで」

そして俺はそのまま神社を後にした。

しかし帰り道イッセーがリアス部長に耳を引っ張られながら帰っていたのが途中見えたが一体何があったんだ?














 
 

 
後書き
どうも革命者です。

さてまた更新が遅れてしまいました…。

実は私の上司が熱中症で倒れてしまい私と同僚と部下たちで上司が野化した分の仕事をしていてなかなか時間が取れずにいました。

私の上司はしっかりと仕事をこなす人で面倒見がよくとてもいい人なんですが、頑張りすぎるところがありまして今になっています。

ですが何とか仕事がひと段落付き明後日には上司が復帰するので何とか更新スピードをあげれそうです。

これからも応援よろしくお願いします。


 

 

Change7:彼は何者か?~Compensation for strength~

「さて…明日の会談参加するべきかどうかだが…。二人の意見を聞きたい」

今俺は地下施設の隅っこに主任を呼んで、スカーレットハートと計三人で愛s他の会談について意見交換をしている。

正直予想以上三大勢力の幹部たちが俺について情報を探し回っている。

俺には目的があるため俺自身に関する過去の情報や技術が流出するのは極力避けたい。

実際最も俺が恐れているのは俺の世界の技術の流出だがな。

まあ、この話はあとにして、まずは二人の意見を聴こう。

『そうだね~。正直ご主人の経緯を聴く限り三大勢力以外にもご主人の情報を知りたがっている勢力は多くいそうだしね~。だが、こちらはこの世界についてあまりにも情報不足なとこらがあるからね~。正直俺だけじゃ判断がつかないな。ギャハハハハ!!』

『そうね、あまり私たちの情報が露見するのは露見するのは嫌だけど、こちらもこの世界情勢について知らなすぎる点が大きいわ。正直私も答えは出せないわ』

どうやら二人は俺と同じことを考えていたらしい。

だが、こちらの技術情報に関しての露見は手段を選ばなければ何とかなる。

そしてこの世界の情報はどうしてもあちらの異形側に聞くしかない。

それなら……。

「二人の意見を聞いて、考えが固まった」

『決まったのかい?なら聞かせてくれと。御油人の進む道を』

『ええ、あなたはこの会談に参加するのかしら?」

「俺は今回の会談、参加しようと思う」

『参加するに至った理由は何だい?ご主人』

「万が一こちらの情報が流れても、俺らが手段を選ばなければ何とか流出の抑制は何とかできる。だが今の世界の情報はこちらで独断で集めるのは正直難しい。なら三大勢力の幹部たちと友好関係を結び情報を集めたほうがいいと思ったからだ」

『なるほどね。確かにそれならこちらが対処すれば早い話で済むし、なおかつ三大勢力のお偉いさんと友好関係を結べればこちらが危うくなっても助けてくれる可能性が上がるからね』

「そういう事だ。それと主任、あんたはどうする?」

『おじさんかい?そうだね~俺としては今回は遠慮させてもらうよ。できればおじさんの登場は派手な戦場でお披露目と行きたいからね~。ギャハハハハ!!』

「そ、そうか…。なら会談中外側からのフォローは頼んだぞ」

『オーケー、ご主人。それと例の二つ目の試験兵装の使い心地はどうだった?』

「ああ、なかなか”機動性に優れた装備”だな。かなりいい」

『よかった!!なら今後戦闘するときはその装備でごみ虫どもを殲滅しちゃってね。ギャハハハハ!!』

「ああ。できる限り期待にそえるよ」

こうして俺は会談に参加することにした。






―○●●●●○―






会談が行われる深夜、コカビエル襲撃の件に関係しているみんながオカルト研究部部室に集まっていた。

ちなみにテュールは急な義手の不調により家に留守番となっている。

ちなみに会談が始まる前だが会談場所である学園の周りに強力な結界が張られていた。

どうやらリアス部長によると会談が終わるまで誰一人として中には入れなく、そして結界外から出られないようになっているらしい。

更には悪魔、天使、堕天使それぞれの幹部の護衛たちがそれぞれこの学園前に待機していてる。

だが、それよりもあの結界に何か細工がしてあることが気になる。

一応、結界を見たときにある程度解析をしてみたのだがわかりにくいように…いや巧妙に隠された細工がしてあるのが分かった。

だが正直この細工がどのようなものかがわからない。

まあ、頭に停めておこう。

「ギャスパー、今日の会談はとても大事な行事なの。時間停止の神器を制御できない貴方は参加することはできないの。ごめんなさいね」

ギャスパーは神器が暴走する恐れがあるため部室で残る残る事になっていた。まあ、当然といえば当然だが。

「ぎゃすぱーといったな。大丈夫じゃ、この妾がついておるからのう」

「ギャー君、大丈夫。私もいるから」

まあ、羽衣と小猫がいる限り大丈夫だろう。

「なんか、色々と心強すぎて逆に緊張してきましたぁ~」

ギャスパーが不安そうにしているとイッセーがギャスパーに穴あき紙袋を被せた。

穴の開いたところから怪しい赤い輝きを放っている。

何だろうか、イッセーに昔借りたバイオレンスゲームに出てきたチェンソーを持ったキャラクターに一瞬デジャブを感じた。

「なんだか落ち着きますぅ~」

まあ、本人が満足しているなら満足だろう。

「それにしてもシン?なんであなたはうちの制服じゃないのかしら?」

リアス部長が俺の服装見て質問してきた。

そう、今の俺の服装は駒王学園の制服ではなく、ライザーの件の時に来ていった服装だ。

もちろん主任と初めて会った時に追加された装備を付けているが。

「まあ、俺は学園の制服よりもこっちのほうが落ち着くので。それに万が一襲撃者にでも襲われたらこっちのほうが対応しやすいですから」

「そう…ならいいのだけれど」

この格好違和感が変なのか?一応ちゃんとした戦闘服なのだが。

『まあ、普通の人から見ればコスプレイヤーに見えるわね。でも私は嫌いじゃないわよあなたの格好。むしろ私の趣味と合致しているわ』

そうなのか…?

まあ、ほかの人から異論はないようだしいいか。

「―――さて、行きましょうか」

そして俺たちは三大勢力の会談がある会議室へと向かった。








―○●●●●○―






「―――失礼します」

リアス部長が会談の会場となっている会議室のドアをノックし、入室する。

開けた先には、階段用に特別に用意したであろう中世の豪華絢爛なテーブルを囲むように各陣営のトップが真剣な表情で座っている。

しかし一つ席が空いているのは何のためだろうか?

悪魔側は、ザーゼクス・ルシファー、セラフォルー・レヴィアタン、会談用のお茶の給仕係のグレイフィアさん。

天使側はミカエル、ガブリエル。

ガブリエルに関しては俺と顔があった瞬間顔を赤く染めてしまった。

堕天使側はアザゼルと白龍皇ヴァーリがいた。

………。なるほど結界の細工は奴の仕業か。さて何を仕掛けるか、警戒をしておこう。

「さて、さっさと会談を始めるぞ…って言いたいところだが、神無月シンお前さんは空いているこの席に座ってくれ」

「ん?なぜ俺が…?」

「お前さんはどこにぞ属していない人間だ。しかも今までの戦績を見ればその席に座るのが妥当だろう?」

まったくそういう事か…。まあ、質問されるであろう内容は変わらんからいいか。

「ではお言葉に甘えさせてもらおう」

俺はそのままアザゼルがさした席に座る。

「では、会談を始めよう」

こうしてサーゼクス・ルシファーの一言で会談が始まった。





―○●●●●○―




「この会談の前提条件として、この場にいる者達は『神の不在』を認知している」

サーゼクス・ルシファーはそう言うと会場にいる皆を見渡す。

まあ、これを知らない人間がここにいるわけないからな。

俺を除き神の不在を知ってしまったみんなが参加させられているのだから。

そして三大勢力の話が徐々に進んでいく。

「と言う様に我々天使と教会は……」

「そうだな、その方が良いかもしれない。このままでは確実に三勢力とも滅びの道を言いてしまうだろう……」

「ま、俺らには特に天使や悪魔を嫌う根本的な理由はないけどな」

悪魔、天使、堕天使のトップたちが現状の確認や今後どのようになっていくかを話し合っている。

まあ、最初はアザゼルが作ったコカビエル襲撃の件についてののレポートがひどすぎる、などの会話などがあった。

だが会話のワードに『緋き結晶の英雄』や俺の名前が挙がっている。

どうやら尊大勢力のお偉いさんにとっては俺はかなり注目の的らしい。

そして話が進み三天龍の内、赤龍帝と白龍皇の二人はこの現状で何をしたいのか?という質問に変わっていた。

「「さて俺達、三竦み外側にいながら世界を動かし壊せるほどの力を持つ三天龍のうち、赤龍帝、そして白龍皇。お前らはこの状態で何をした以下聞きたい。まずはヴァーリ、おまえの考えは?」

「俺は強いやつと戦えればそれでいいさ。彼のような強者ならなおさら戦いたいね」

俺を見ながら答えるヴァーリ。

「たく、お前は…… 長生き出来ねえ奴の考えだぞ?それは」

「別に長く生きるつもりは無いさ、戦えればそれでいい」

正直、俺としては不用意な戦いは避けたいところだ。

正直奴は力を持て余しているタイプだ。

こうゆうやつが何をしでかすかわからないところが質が悪い。

まったく…またいらんものに好かれたな。

「はぁ……赤龍帝、兵藤一誠。お前はどうだ?」

「俺ですか…?そうですね、できれば争いたくはないですね。俺は仲間と平和に過ごせればいいです」

イッセーにしては珍しい回答だな。

てっきり、質問に戸惑うかと思ったがなかなか肝が据わった回答だな。

まあ、三大勢力の会談中に女性陣の胸部を鼻の下を伸ばしながら見ていたから根本的なところは変わっていないがな。

しかも熾天使ガブリエルの胸部に対して拝んていたし。

まあ、そこはイッセーらしいか。

「ここで話を脱線するようで悪いが俺はこの会談で一つ質問したいことがある。まあ、大方悪魔側と天使側も俺と同じような疑問を持っているはずだがな」

いままでの気の抜けた態度とは違い急に真剣になるアザゼル。

「ええ、ここにいる皆さんが一番気になることのようですしね」

「アザゼル、言ってみてくれ」

この状況と三大勢力の意見の合致…どうやら質問されるのは確定みたいだな。

「ああ……。神無月シン、お前は一体”何なんだ?”」

アザゼルの一言に会場にいる全員が俺へと視線を向ける。

正直予測はしていたが、まさかこんな直球に聞かれるとはな。

「ヴァーリから話は聞き、映像を見た。正直コカビエルを追い詰めるならまだしも肉ごと消し去るなんて芸当、正直人間の神滅具(ロンギヌス)所持者でも相当な鍛錬を積まなければできないことだ」

「そうですね。私も報告を聞いて驚きました。サーゼクスいわく『“現代の科学技術を凌駕した超兵器を扱う兵士》”』と聞いていましたが、いくらそのような不明な力でも厳しではずなのに…神無月シンあなたは一体―――。」

「そうだ、確かに君はライザーの眷属をあっけなく全滅さあ得た事実はあるがコカビエルまで倒してしまうと、正直君の存在を疑わざる負えない」

三大しい力のトップが俺に質問を投げかかる。

「一応お前さんに先に謝っておく。一応ヴァーリの報告を聴いたあたりからお前さんの身辺や経歴について少し調べさせてもらった。だが出た結果は、親はおらず孤児、だが奇跡とも呼べる才能を国から認められ一人暮らしを許された未成年者、しかもその力を手に入れた経歴、形跡、情報すべてに関して不明。それなのに、お前はこの学園した時からザーゼクスの妹が人街であることを知っており、しかもあのコカビエルを倒すほどの実力・・・・おまえはどうやって、そこまでの力を手にいれた?」

おやおや、まさか俺の経歴が洗われているとは。しかも俺が一人暮らしをしている理由まで…。一応国家機密なんだがな。

しかし、こうまで言われると何か一つでも答えない限り三大勢力との信頼関係を結ぶのはいささか厳しくなったな。

さてこの状況同のように打破するか…。

『なら体のことだけ話せばいいじゃない?』

スカーレット?

『目的が言えない現状、ならあなたの状態を少しは開示するしかない。なら一番デメリットが少ないのはあなたの体について説明することよ』

成程。それは考えもしなかったな。

確かに目的や自分が扱っている技術が開示できないならせめて自分がどんな存在かを見せればそれで納得するはずだな。

この体なった経緯を聞かれたら適当なごまかしを入れるか。

「わかった。なら俺がどのような存在か話そうか…」

「「「っ!!」」」

俺が沈黙を破り話し始めると周りがより一層、真剣な表情になった。

「まあ、話すよりも見せたほうが早いな……よいしょっと……」

俺は来ていた装備の上着の部分だけを脱ぎ始める。

「「「え?」」」

「まあ、証明するには邪魔だからな上着だけ脱がさせてもらう。まあ見たくないなら見なくてもいいが」

俺は説明を入れて脱いでいるが……。

「はうぅぅぅ~///」

「うわぁぁぁ」

アーシアとガブリエルがなぜかほほを赤く染めた。

まあ、二人とも男性への耐性がないということでいいだろう。

そして脱ぎ終わるとみんなの視線がより一層俺に向けれれた。

俺の上半身には筋肉がよくついているのだが、おそらく注目したのはそこじゃないだろう。

「おいおい…これは一体なんだよ……」

アザゼルが言葉を漏らす。

そう俺の上半身には人間にはついていないものがある。

まずは方と腕と胴体と首の付け根に機械的な処置をほどかされたかのようなライン、そして胸の中央は六角形の機械部品が露出している。

そして俺は上半身の皮膚を消す。

すると……。

「「「なッ!!!!????」」」

この場のみんなが驚くのは無理ないだろう。

人間の形を見せるための最小限の機械骨格、ほとんどの部品がない腹部、そして緋色に輝く瞳のようなカメラアイ人型機械人形のような頭部なのだから。

「見ての通り、俺は超越した兵器を扱うため体の100%を機会に変えた存在。まあ言いやすくするなら人型兵器って解釈でいい」

俺は腕を広げながら説明する。

みんな俺の正体を見てそれぞれの反応をしていた。

三大勢力の幹部たちはなぜか納得しているが驚いており、ほかのみんなは開いた口がふさがらないような感じだった。

まあ、当然といえば当然か。

幹部たちを除けば、ほかのみんなは俺を人間として見ていたからな。

「おまえ、その体は一体……」

「先ほどサーゼクス・ルシファーが言っていてでしょう。『“現代の科学技術を凌駕した超兵器を扱う兵士”』と。当然そんな代物、生身の人間が扱えるわけがない。なら簡単なこと人間自体を改造すればいい―――。まあ、その結果がこれです」

「君はいつからその体に……」

「いつか…か、残念ながら俺がいつこうなったかは記憶がないんでね」

「「「………」」」

この場にいる全員が沈黙する。

まあ、少なからずこれを見たってことは、みんなの精神はかなり乱れているだろう。

何せ見た目だけなら殺人ロボットのような姿なのだからな。

さてこの姿を見て、ここにいる皆はどう思うのか………。

すると意外な人物が沈黙を破った。

「俺は…あいつを……。神無月シンを親友だと思っています」

イッセーだった。

そしてイッセーにみんなの視線が行きイッセーはそのまま話し始める。

「シンがどんな存在でも俺にとっては親友です!!だって、今までの事件はこいつが全部解決してくれたようなものです。本来なら助ける義理もない俺や部長やみんなを脅威からたびたび救ってくれたのは紛れもないこいつなんです!!!だから俺はシンがどんな存在だろうと、どんな姿であろうと、俺はこいつの親友です!!」

周りのみんなが驚いた表情をする。

いや……、正確には一番驚いているのは俺だ。

こんな姿を見ても一切の不信感も出さずに、こんななりの俺を”親友”だと言ってくれた。

なぜだろうか…。イッセーの言葉を聞いた途端なぜか少しうれしいと思ってしまった。

「そうね。イッセーのいう通りです。彼――神無月シンは私たちグレモリー眷属の危機を何度も助けてくれました。彼には何も得るものがないのにです。だから私グレモリー家次期当主、リアスグレモリそして眷属一同は神無月シンをかげないの仲間と思っています!!」

リアス部長の一言でオカルト研究部の面々が真剣な眼差しで三大勢力の幹部たちに訴えかける。

「そうです。彼は学園生活においても、また裏の活度においても様々なところで助けられました。私シトリー家次期当主、ソーナ・シトリーも彼を大切な仲間と思っています」

ソーナ会長まで……。

なぜだろうか…この人たちは悪魔と称されているのに、俺にとっては暖かい人間のように思えてしまう。

成程…もしかしたら俺はこの人たちに自然と引き寄せられていたのかもしれな。

「さて、これを聴いてサーゼクス、セラフォルー、ミカエル、ガブリエル?」

「アザゼルまったく人が悪いな。これを聞いたら私たちは信じるしかないじゃないか」

「そうよ!!ソーナちゃんが信頼しているもの!!悪い人ではないわ☆」

「そうですね、ここまで多数の人から信頼を得ているのですから認めざる負えませんね」

「その通りですね。彼はここまで多数の皆さんに信頼されています」

「まったくそろいもそろって…まあ、俺も同じ意見だけどよ」

すると幹部たちは俺に視線を向け頭を下げる。

「すまないな。こんなことを聴いてしまって。本来なら言いたくないことだとわかっていたんだがな、ここにいる幹部たちを代表して謝るぜ、神無月シン」

アザゼルが謝罪を述べた。

まったく、ここには善人しかいないのか?って思ってしまうな。

それにここにいる幹部たちがなぜそれぞれのトップに立っているのかが理解できる。

「別に謝罪なんていいです。あくまで質問したのはそちらで答えたのは俺だ」

正直感謝しているが、今この場で表すようなことじゃない。

そして俺は再び姿を戻し装備を装着した後席に座り会談が再開した。

それから、三大勢力の和平の件がアザゼルの口から出された。

まあ、それを出したのはアザゼルであったため少々会場がざわついたが、話は順調に進んだ。

それと、アーシアが教会から追放された真実もミカエルから話されたがアーシアはそのことpに関してはあまり未練はないようだ。

そして……。

「アザゼル、貴殿は神 器(セイクリッド・ギア)を集めているようだが?」

サーゼクスがアザゼルに問いかけていた。

「まぁな。神器の研究は俺の趣味だからな。・・・だがな、神器を集めていたのはとある存在を危惧してのことでもある」

「とある存在? それは、まさか――――」

サーゼクスが言いかけたとき……。

「やはり……か」

俺はそのまま席を立ち上がり窓に駆け寄る。

もちろんこの行動にこの会場のみんなが驚いていた。

まあ、この状況現在の以上に気づけているのは俺だけ―――、いや一人だけ一際冷静な奴がいるな。

しかもあの時の細工につながっている人物とはな。

「シン!? 突然窓のほうへ駆け出してどうしたの?」

とりあえず俺は俺が感じた以上を簡潔に話す。

「簡単に言います――――敵襲だ」

俺がそう言い放った瞬間、本来なら感じるはずがないある攻撃を感じとった。

そう――”この世界にはありえない攻撃”を。

「――――ッ!?」

俺は動揺しながらも振り向く。

「どうしたんだ!?皆ッ!!!」

会場にいる一部の奴らが虚ろな目をしながら倒れこんでいた。







―○●●●●○―





現在、会談の会場では倒れている者と動けて居るも者に分かれていた。

とりあえず三大勢力の首脳陣とグレイフィアさん、ヴァーリは動けている。

そしてオカルト研究部とソーナ会長のほうは―――。

「無事なのは、私とイッセー。それと祐斗とゼノヴィアだけね」

リアス部長が確認を取っていた。

ちなみに倒れた者は、アーシア、朱乃さん、同席しているソーナ会長と真羅副会長だ。

「上位の力を持った俺たちはともかく、リアス・グレモリーの騎士二人は聖魔剣と聖剣がこの現象から防いでくれたようだな、そして、リアス・グレモリーが動けるのは例の現象が起こる寸前、赤龍帝に触れていたからだろうな」

アザゼルが今の状況を説明する。

窓の外を見ると黒いローブを着こんだ魔術師みたいな連中が次々と現れている。しかもローブの中央に獅子のエンブレムが彫られた機械を付けていた。

あの機械も本来ならこの世界にはないものだがな。

しかしこうも状況が状況だ。

さらにはなぜ、あの世界の兵器をなぜ所持して使っているのかがわからない。

そして、あの機会が本物であればこの場のほとんどの皆が抵抗できないまま殺される。

だが、冷静にいられる俺だが、一瞬にして切り替わる。

―――だれだ…この世界に『貴なる兵器(ルイ・ウェポン)』を持ち込んだクソどもは……ッ!!

俺は久しぶりに堪忍袋の緒が切れていた。

なぜ、あの兵器が…この世界において持ち込んではならない兵器が持ち込まれているッ!!

「シン…?どうしたんだよそんな怖い表情をして」

どうやら今の俺は表情まで歪んでいるようだな。

「どうやら、その表情この現象に覚えがある…いや知っているようだな、神無月シン」

アザゼルが俺を見ている。

知っているも何も…これは俺がいた世界にあった兵器だ。

だが…それよりも―――。

俺は高速である奴に攻め入る…。

そいつの名は―――ヴァーリ。

「――――ぐはぁぁッ!?」

俺はヴァーリに攻め入ったまま背後を取りそのままヴァーリの背中に蹴りを入れた。

――バギィィィィィンッ!!!

そのままヴァーリは窓を突き破り学園の校庭の中央に吹っ飛んだ。

「な、なにをしてるんだ!!神無月シン!!!」

アザゼルが動揺していた。

そして俺は今の状況を簡潔に話す。

「白龍皇は、十中八九この会談の詳細を今俺たちを襲撃している敵に教えていた」

「何故、そう言い切れるのですか?」

ミカエルが質問する。

「確証は二つ。まず会談が始まる前にこの結界に巧妙に仕組まれた出入り口が仕込まれていた。その仕込まれた痕跡をたどると白龍皇が当たった。まあ出入り口に関しては今わかったことだ。そして二つ目はこのわけのわからない状況下で明らかに冷静すぎる。以上だ」

「なるほど…な。まさかあいつが裏切るなんてよ……」

「まさか会談前から仕組まれていたとは」

「どうやら敵にいっぱい食わされたようだね」

幹部たちは話し合っていた。

それと旧校舎のほうは無事の用だな。

反応を見る限り三人とも健在のようだ。

なら…俺がやるべきことは一つ。

「三大勢力の幹部、今から協力して全力でこの場にいる全員を守るように防御結界を張れ」

「今そうするところだが…ってちょっとお前どこに行くんだ?」

俺は先ほど蹴り破ったところに移動する。

そして俺は一言告げる。

「あの軍団を全員――――」




「――――肉片残らず、駆逐する」







 

 

Change8:覚悟を決めた至りし赤龍~Fire rolling wheel~

「――――肉片残らず、駆逐する」

「おいおい、さすがのお前さんでもあの数は気つだろうよ…。地上の敵と合わせてざっと500はいるぜ?」

「そうだシン君。私たちが加勢しよう」

実際加勢はありがたい。

だが、奴らがつけているあの装置…あれがあるとなると、ほとんど三大勢力の攻撃はすべて無効化される。

「いいから、あんた達は皆の護衛を優先してくれ。それに一つ言っていくが、今の敵に魔力、光力を使った攻撃は一切効かないぞ」

「「「ッ!?」」」

俺の発言にこの場の全員が驚愕している。

そしてその驚愕しているにも関わらず、アザゼルは冷静な態度で俺に質問する。

「ん?どういうことだ…」

「奴らがつけている獅子の紋章を模った装置…あれはエネルギー系統の攻撃をすべて無力化する装置だ。しかもいくら魔力や光力の密度、量、術式、性質でも無力化される。信じられないなら奴らに撃ってみろ」

するとアザゼルが大規模な光の槍を作り出しそのまま敵の軍団に放つ。

しかし――――。

―――パァァァァァァァァァン。

「「「「何ッ!!!???」」」

その強大ともいわれる光の槍は簡単に霧散し。俺以外のこの場にいる全員が驚愕していた。

やはり無力化される。

あの装置の名前は『獅子の威壁(レオ・インウォール)』。

先ほどの現象の通り、エネルギー系統の攻撃を全て無効化する装置そして魔力や光力の密度、量、術式、性質それらがいかに特殊であっても無効化される。

弱点は単純な物理攻撃のみか、俺の生前使っていた力か今俺が使っている遠距離兵器だけだ。

正直エネルギー攻撃が無力化される以上物理攻撃特化の奴じゃないと戦うのはきつい。

しかも三大勢力の幹部のほとんどはおそらく『ウィザードタイプ』。

魔力を使っての攻撃に特化した奴らばかりだろう。

あの装置がある以上、万が一三大勢力の幹部の一人でも失われれば、おそらく…いや必ずこの世界のバランスが崩れ去る。

ならば三大勢力が協力して堅牢な防壁を張ってもらったほうがいい。

さらに、あの軍団…いや恰好からして魔術使いか…一人一人の戦闘力はほとんどたいしたことはない。

それなら俺が一人で前線を張ったほうがいい。

それにこの数なら第二の試験兵装が生かせる絶好の機会だ。

「これでわかっただろう。現状あんたたちが加勢してもほとんど役に立つことはない。まあ、強力な防御と物理攻撃特価の攻撃ができるなら別だがな」

「―――そうだな。正直俺の傑作を試せるかと思ったんだが、まだ持続ができないからな。ならお前さんのお言葉に甘えさせてもらうぜ」

「そうですね、私たちのたちの攻撃が無力化される以上私たちは防御に回っていたほうが賢明ですしね」

「なら君に任せよう。シン君」

さて、これで場はほとんど整った。

あとは羽衣たち三人を皆のところに移動させて、俺が奴らを殲滅すればいいだけだ。

しかも先ほど蹴り飛ばした白龍皇はもう起き上がって戦闘準備万端のようだしな。

さて早速―――殲滅するか。

『ええ、見せなさい。あの愚か者どもにあなたの強さを』

そのつもりだ、スカーレットハート。

変 形・緋晶機人:火在輪(トランス・スレイヴ・カザワ)

そして俺は新たな試験兵装へと姿を変える。

素体となる緋晶機人をベースにまず緋色の部分のカラーと緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)発振部を緑に変更。

そしてラインカメラの形状を変更され特殊なな腰装甲により下半身のフォルムが大きくになっている。

「また、違う姿だ!!」

「おお!!これが!!!」

イッセーとアザゼルが違う姿に驚く。

まあ、こんな感じの姿は現代の男にとってはロマンだったか、そんな思いを抱いているんだろう。

まあ―――。

『いい感じのフォルムね!!』

まあ、こいつも興奮しているがいいだろう。

さあ、行こうか。

『―――神無月進、『スレイヴ・T・火在輪』敵を殲滅する』

俺は敵陣へ緑の軌跡を描きながら飛翔した。





―○●●●●○―





「来たぞ!」

「あれはカテレア様が言っていた例の戦士か」

「あのコカビエルを倒した奴か―――」

「臆するな!!われらにはあのアザゼルの一撃をも無効にしたこの装備があるのだ!!奴に集中砲火すれば簡単に屠れる!!総員、魔力による攻撃を奴に一斉照射!!」

俺の接近と同時にはぐれ魔術師の魔力による光線が一斉に放たれた。

百を超える弾幕。恐らくホーミング性能はないと見える。

なら―――。

俺は魔力の弾幕をそのまま急上昇しやり過ごす。

「くッ!!奴はどこに行った!!」

はぐれ魔術師たちは俺を見失う。

俺はそのすきを見逃さず、両肩に装備しているホイール形状の武器『スピンドルナックル』を装備する。

そして俺はそのままスピンドルナックルに自身のエネルギーをまとわせ敵に向けて射出する。

―――ジャギィィィィン!!!

射出したスピンドルナックルは転螺回転しながら高速に移動しながらそのまま敵が絶叫をあげる前に体をあらゆる方向から寸断していく。

「な、なんだこれは―――」

「撃ち落とせ―――」

「なぜ、奴の攻撃は無効かでき―――」

「いや、にげ―――」

―――グシャッ!!!

次々とはぐれ魔術師は血しぶきをあげながら地面に落ちていく。

俺はその光景に目もくれず、ひたすらスピンドルナックルを操りはぐれ魔術師を殲滅していく。

それと俺は敵に攻撃する際、例の『獅子の威壁(レオ・インウォール)』を巻き込む形で殲滅している。

万が一、この技術が知れればこの世界に最悪なことが起きる。

一応、残すのもこの敵の本体を知るきっかけになるが、今は被害を最小限にとどめるのが最優先だ。

そして俺は半数を片付けたところで腰装甲についているこの試験兵装のメイン装備『マルチレッグ・スパイン』を稼働させる。

するとそれぞれの可動部が独立し四本の脚になる。

俺はそのまま敵陣に突っ込みスリンドルナックルのナックルユニットではぐれ魔術師を殴っていく。

そして、マルチレッグ・スパインで緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)で独自の足場を作り、そのままジャンプ台として蹴り上げありとあらゆる方向にいる敵を殴り殺していく。

この試験兵装の主な目的は、『高速三次元戦闘』をテーマにしている。

なので三次元戦闘をし、この機体の戦闘データを効率よく集められる。

それにこの装備はある意味強襲型。集団戦にはもってこいの装備だ。

そして敵の大半を殲滅し射出したスピンドルナックルを戻し周りの様子を見る。

すると上空からから大きな魔法陣が出現し、次々とはぐれ魔術師が現れる。

しかもよそでアザゼルと悪魔の本能を持った女性が戦っている。

そして俺がアザゼルの加勢に入ろうとしたとき地上から巨大な魔力の塊が俺に放たれた。

俺はそれを回避そのまま魔力の発射地点を見つめる。

『ハハハハ!!!すごいじゃないか!!俺の想像以上だ神無月シン』

すでに禁手化(バランスブレイク)の白い鎧をまとった白龍皇がいた。

どうやら奴は俺と戦う気満々らしい。

まあ、いい。

―――敵はどのみち殲滅するのみだ。

俺はそのまま白龍皇に向かい飛翔しようとした時―――。

――――ボォォォォォォォッ!!!!!!!

皆が避難しているところからいるところから強大な赤いオーラ―の渦が立ち上っていた。

そして、そこにいたのは赤い龍のようなシルエットの鎧の人物がいた。

そう、そいつは――――。

『白龍皇ヴァーリ!!お前の相手は俺がやる!!!!』

イッセーだった。






―○●●●●○―





俺――兵藤一誠は三大勢力の皆が作ってくれた防御壁の中でシンの戦いを見ていた。


「な、なんだこれは―――」

「撃ち落とせ―――」

「なぜ、奴の攻撃は無効かでき―――」

「いや、にげ―――」

シンの動きは俺にはとらえきれずいつの間にか敵が死んでいく。

あの堕天使の総督アザゼルの攻撃をかき消すチート級の装備を持った奴らに対して、まったく不利な状況を作らず圧倒的な力で敵を倒していく。

だが、この光景を見ている中で俺の中にある気持ちが渦巻いていた。

―――また、シンに頼ってしまっている―――

そう、またシンに助けてもらっている。

決して自分がシンのように戦って英雄みたいに格好つけたいわけじゃない。

―――ただ、頼ってばかりの自分が情けないと感じてしまった。

なぜ自分は伝説の龍の力を持っているのに何もできない―――。

所詮、俺は一か月前まではただの男子高校生だったんだ。

「く、手強いな―――」

「どうしました?アザゼル、あなたの実力はそんなものですか!!」

しかも、先ほどこの襲撃の計画者、旧魔王派のカテレア・レヴィアタンが俺たちのところに襲来してきて、今アザゼルさんが迎撃している。

さらに若干アザゼルさんがおされてている。

こんな時に何もできな自分がとことん悔しい…。

俺が自分指針の弱さに悔しがっていた時・・・・。

『ほう…それは本当か?―――成程。それにしてもお前が表に出るなんて珍しいな』

ドライグが神 器(セイクリッドギア)の中で誰かと話していた。

そして話し終わったかのようにドライグが俺に話しかけてきた。

『小僧、どうやらお前と話がしたいお客がいるようだ』

こんな時に何なんだよ、今俺は―――。

『だからこそ、そいつがお前と話がしたいと言っているんだ。なあにすぐに終わる。だから行ってこい』

おい、ちょっと待っ―――。

すると俺の意識が何かに呑み込まれた。





―○●●●●○―




「――――ここは、一体?」

俺は呑み込まれた瞬間いつの間にか真っ白い空間にいた。

「てか、ここどこだよドライグ!?」

ドライグに呼びかけても返事がない。

しかもここは地面が認識できるだけで何処も彼処も真っ白な空間。

正直どうしようもないのでとりあえずまっすぐに歩いてた。

するとすぐ目の前に誰かがいた。

白い机があり二つある椅子の一つに座っていた。

俺はどんな感じの人か気になり近づくとその人物がまるで俺が来ることが知っていたかのようにこちら振り向き、そして手招きをしていた。

俺はとりあえずその人と会話できるところまで近づいた。

見た目は三十代のおじさんで髪型は黒のシャギーショートが特徴の人だ。

「ようやく来たか、待っていたぜ俺の後輩君、兵藤一誠」

「!?…なんで俺の名前を知っているんだ!?」

「まあ、とりあえず向かいの席に座りな、話はそれからだ」

とりあえず、俺は目の前のおじさんの向かい側の席に座る。

「さて、まずは自己紹介と行こうか。俺の名前は『鏑木・T・虎徹』まあ、コテツって呼んでくれ」

「は、はい…コテツさん」

なんか結構フラットな人だな。

「あ、それと一応先代の赤龍帝でもあるぜ」

「は、はい―――え?先代の赤龍帝……えぇぇぇぇぇぇぇ!!??」

え、どういうこと!?この人が先代の赤龍帝だと!!??え、なんで先代の人がこんなところに!!

いや、待てよ……確かドライグが神 器(セイクリッドギア)の中で誰かと話していたな。

もしかしてこの人と話していたのか?

だけど、なんで俺なんかに…しかも今の状況で一体……?

「どうやらお前さんをここに読んだ理由がわからないって考えているだろう?」

「え!?なんでわかったんですか?」

「いや、それはわかるさ。誰だってこうなったら十中八九そう思うぜ」

「は、はぁ~」

「さて、そんなことは置いといて、本題に入ろうか兵藤一誠」

すると先ほどまで緩やかな表情だったコテツさんが、から真剣な表情になった。

「お前さん、自分が何もできなくって悩んでいるだろう?」

「ッ!!??」

俺が悩んでいたことが一発で見透かされてしまった。

「まあ、お前が悩んでいたことは俺はわかる。何せお前さんが『神 器』を本格的に覚醒させてからすっと見てきたからな」

……。

「まあ、お前さんが言いたいことはわかる。だが時間がないから手短にアドバイスしてやる」

時間がない。

確かに。こうしている間にシンやアザゼルさんは戦っている。

だが今の俺にアドバイスだけでどうにかなるものなのか?

俺は疑惑を浮かべながら聞いた。

するとコテツさんが俺の胸に人差し指を当てながら言った

「お前はすでに力を持っている。あとは兵藤一誠、お前がどのように覚悟してその力を覚醒させるかだ。」

「それは一体、何ですか?」

「あとは自分で考えるんだ、俺がすべて教えては意味がない。それにもうお前はとっくにその答えを知っている筈だ。あとは兵藤一誠、お前が考えていけ」

すると急に目の前に景色が薄れていく。

「ま、待ってください。俺は何も―――」

「さてここからはお前の覚悟の問題だ。気張れよ」

そしてまた俺の意識は何かに呑み込まれた。







―○●●●●○―





「戻ったのか」

再び目を覚ますと戦場と化している駒王学園の景色だった。

立ったまま目覚めたってことは恐れく俺は立ったままコテツさんさんと話していたのだろう。

―――。

『お前はとっくにその答えを知っている筈だ』…か。

俺は先ほどのコテツさんの言葉の意味を考える。

おれは一体どうすれば強くなれる。

どうすればシンと同じところに行ける?

自問自答してもその答えは出なかった。

それに覚悟…一体どうすればいんだ―――。

『どうやらまだ悩んでいるようだな兵藤一誠』

俺が再び考えている時に、またドライグが話しかけてきた。

「そうだよ。まだわからねぇんだよ。どうすればみんなを守れる力が手に入るか」

『おいおい、奴があんな大ヒントを与えたのにまだわからないのか?ここまで馬鹿となるとあきれるぞ、兵藤一誠』

うっせー、茶化しに来たら引っ込んでろ!!

『フン、まあいい。なら俺からも特別にアドバイスしてやろう』

まさかお前まで回りくどい言い方をするのか?

『まあ、聞け。俺から言える事はただ一つ。お前は仲間を守るために全てを敵に回す覚悟、そしてあとはお前がその守ろうとする意志だ。これ以上は奴に口止めされているんでな。あとはお前次第だ』

俺の皆を守ろうとする意志。そして『仲間を守るために全てを敵に回す覚悟』。

―――ッ!!そうか、わかったぜ!

俺ただシンと並びたい思いが強かった。

だが俺が力を望む理由は仲間を守りたい…。ただそれだけだったんだ。

だけどそれだけじゃ足りない。だけど仲間を守るためには自分自身が悪になることも覚悟しなきゃいけねい。

守るとはそういう事。

それに覚悟は自分自身に劇的な変化をもたらすこと。

俺は防壁外へと出るため歩き出す。

「イッセー?」

「イッセー君、どこに行くんだい!?」

「待ちなさいイッセー防壁から出ては―――」

皆が俺を止めようとする。しかし意外な人物がみんなを止めた。

「リアスたち待ちたまえ」

「サーゼクス様!!」

「今のイッセー君は何か覚悟を決めた雰囲気だ。なら今はイッセー君の好きにやらせたほうがいい」

「「「…」」」

皆が止まってくれた。

ありがとうございます。サーゼクス様。

俺は心でサーゼクス様に感謝しながら防壁外へと出て赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出現させる。

『どうやら決まった――いや覚悟を決めたようだな兵藤一誠』

「ああ、今から俺の覚悟そして今の自分をこの時を持って超えてやるぜ!!!」

俺の周りに赤色のオーラが立ち上りそれが渦になっていく。

そして俺は叫ぶ自分の覚悟を。

「俺はみんなを守れる力が欲しい。この世界にあるありあらゆる脅威から守れる力を世界を敵に回しても守れる力を、そして――――」

俺は深呼吸をして叫ぶ。

「もう、シンに頼ってばかりじゃいられないんだ!!だから…答えろ俺のセイクリットギアァァァァァァッ!!!」

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』

俺の体に猛々しい赤色のオーラが集まり、鎧を形成していく。

『ついに至ったか、兵藤一誠!!!そうこれがこの神滅具(ロンギヌス)禁 手(バランスブレイカー)だ。お前の覚悟を受け取ったぞ!!お前を本当の相棒と認めよう、兵藤一誠ッ!!!』

ライザーの時とは違う。

あの時よりも純粋でなおかつ強いとおもえる力を感じる。

これが本当の禁 手(バランスブレイカー)か。

俺は今の力を確かめていると地上から巨大な魔力弾が放たれた。

発射地点を見てみるとそこにはすでに白い鎧をまとったヴァーリが顔だけ収納してシンに挑発していた。

『丁度いい。今の状態ならあの白いのと同格の状態で戦えるだろう』

え!?確かに禁手化(バランシブレイク)してけどいきなりヴァーリと戦うのかよ!?

正直負けそうな気がするぜ…。

『何を言っている、兵藤一誠―――いや相棒。お前はあの白いのよりも、もっと上位の二人と修行してきただろう?しかもそれに耐えてきている。なら今のお前なら問題ないはずだ』

そうか、俺はシンやテュールさん相手に修行してきたんだ。

せっかく禁 手(バランスブレイカー)になれたのに何弱気になっているんだ俺!!

俺は再び気合を入れなおす。

『せっかくなら白いのに宣戦布告でもしてやれ、そっちのほうがおもしろいだろう?それに神無月シンにお前の成長した姿を披露するにはいい序幕じゃないか』

そうだな、ナイスアイデアだ、ドライグ!!

そして俺はヴァーリに向かって指をさしながら高らかに叫ぶ。

『白龍皇ヴァーリ!!お前の相手は俺がやる!!!!』

そして俺はシンがいるところへ飛んだ。


 

 

Change9:羽衣の死舞~Unlikely reaction~

『白龍皇ヴァーリ!!お前の相手は俺がやる!!!!』

赤い鎧を纏ったイッセーはそう言い放ち俺のところに飛んでくる。

だがまだ禁手化(バランシブレイク)したてなのか少し飛行がおぼつかないように見える。

そして俺の目の前に来た。

『遅れてすまないな、シン!!』

『まさかこの状況で禁 手(バランスブレイカー)に至るとはな、正直お前が鎧姿で現れたときは、驚いたぞ?』

『まあな、これは俺の覚悟の体現みたいなものだからな!!だけど―――』

イッセーは白龍皇のほうに向き戦意を放つ。

『ほう、君のついに至ったか。兵藤一誠』

『ああ、おかげさまでな。さて、さっき俺が言った通りお前の相手は俺だヴァーリ!!』

イッセーがヴァーリに対して構える。

まあ、この状態のイッセーは俺が行っても止まらないだろう。

正直心配はあるが、今のイッセーなら目の前の白龍皇相手でも優勢に戦えるはずだ。

とりあえず――――。

『イッセー』

『なんだよシン。一徳がお前に引っ込んでろと言われても俺はこいつと戦うぜ、みんなを守るために』

イッセーらしい発言だな。

なら俺から言う事はこれだけだ。

『周りの雑 兵(はぐれ魔術師)どもは俺が二人の邪魔にならないようにつぶす。死ぬなよイッセー。そして奴の戦意が消えるまで徹底的に叩きのめせ』

『――ッ!!おう、任せとシン!!!』

そしてイッセーは再び構え。

『俺が相手だヴァァァリィィィ!!!』

『面白いぞ、兵藤一誠!!!』

そして俺は再び現れたはぐれ魔術師に集中する。

「くそ…先行した奴らは全滅か!!しかし奴はおそらく体力を消費しているはずだ!!」

「そうだ、今なら奴をやれる」

「行くぞ!!」

再びはぐれ魔術師乃軍団が俺に向かって魔力を撃とうとするが―――。

―――キュィィィィィィィン!!!

「なんだ…これ…は…」

その前に俺はスピンドルナックルを射出し造園の三割を全滅させる。

『さあ、お前らがどこでそれを手に入れたかはわからん。だがこれだけでは言わせてもらおう―――。貴様らに慈悲などない、一瞬で殺してやる』

そして俺は再び飛翔しはぐれ魔術師を蹂躙し始めた。






―○●●●●○―






「くっ!!!ここまでお前がやるとはな…カテレア」

「そちらが弱くなったのでしょう?アザゼル」

アザゼルは襲撃してきた旧魔王派のカテレア・レヴィアタンと戦っていた。

しかし俺の予想外のことに奴はそうそう以上に強くそして追い詰められていた。

アザゼルは自分の不利な状況を理解し懐から金色の短剣を出す。

「金色の短剣?今更そんなものがあってこの状況が変わるとでも?」

「フンッ好きに言ってろ。これはな俺が大好きな神 器を研究していてな、ついには自作神器を創ったりしちまった。まぁ、そのほとんどがガラクタ、機能しないような贋作でよ。こんな結果を出してくと神器を作った『聖書の神』はすさまじいと思える。俺が唯一、奴を尊敬するところだ。まぁ、禁手なんて神を滅ぼす力を残して死んでいったことに関しては判らないがそれがあるから神器は面白い」

「そんなもの、新世界では神器なんてものは残さない。そんなものがなくとも世界は動きます。いずれはオーディンや『あの方々』にも動いてもらい、この古き世界を変動させなくてはなりません」

「笑えるぜ、どのみちオーディーンに全部持っていかれるじゃねえかよ。しかもお前が言った『あの方々』どうやらそいつらがお前やあの魔術師どもに力を与えた張本人ってことか。まぁ、どのみちこれを使い確実にお前を屠る。俺から楽しみを奪うやつは――――消えてなくなれ」

アザゼルは短剣を逆手に構える。

「こいつは『堕 天 龍 の 閃 光 槍(ダウン・フォール・ドラゴン・スピア)』。俺が今まで作ってきた人工神器ののかでも最高傑作だ。そしてこいつが―――」

短剣が形を変えアザゼルの周りが黒と金色のオーラで輝きだす。

そしてアザゼルは唱えた。

禁手化(バランス・ブレイク)・・・・ッ!」

一瞬の閃光が辺りを包み込む。

そして、その光がやむとそこにいたのは竜のような容姿の黄金の全身鎧を身につけた者。

そして十二枚にも及ぶ漆黒の翼を広げ、手に巨大な槍を作り出す。

「『堕 天 龍 の 閃 光 槍(ダウン・フォール・ドラゴン・スピア)』の禁 手(バランス・ブレイカー)―――『 堕 天 龍 の 鎧 (ダウンフォール・ドラゴン・アナザーアーマー)

凄まじいドラゴンのオーラを放ちながらアザゼルは自身の力を名乗った。

アザゼルはこの力を使いカテレアを一気に射止めようと考える。

―――しかし。

「フフフッ!!成程。五代龍王のファーブニルの力を宿したもののようですね」

カテレアは余裕層にただアザゼルを見下ろすだけだった。

『チッ!!これを見てもそんな減らず口を叩けるとはな、一体お前はどんな力をもらったんだ?』

「まあ、一つくらいなら教えましょうか。この指輪が分かりますか?」

カテレアは自分の人差し指に着けた赤くそして不気味に光る指輪を見せつけた。

『その指輪から出てる奇妙なエネルギー……。ッ!成程そいつで俺たちの部下たちが妙な意識不明になったわけか』

「ええ、これは『擬覇王の威光(ギング・パステージ)』といいましてね。使用者と実力がかけ離れているものに対して強制的に意識を停止させるものです」

『どうやらお前の言動から察するにまだ俺たちが知らない未知の力があるようだな』

「そうですよ、あの方たちは私たちに神に匹敵する力をくれました。ならそれを行使して私たちが望む世界に変革するだけです」

『チッ…!まだあるのかよこんなテクノジーが。正直、興味はあるがそれがお前たちが今の平穏を脅かす以上、保有しているのなら壊しお前を倒すしかない』

「フン、いいでしょう。あれはこの戦いを楽しみ終わったときに披露しましょうか」

『御託はいらねぇんだよ!!』

そして旧魔王の末裔と龍の力を纏った堕天使の総督の戦戟が再び始まった。







―○●●●●○―






『これで一回目の増援は最後か…』

―――ドサッ。

俺―――神無月シンは現在の状況を把握しながら最後の一人のはぐれ魔術師の亡骸を地面に投げ捨てた。

――熱累積率67/100―――

少々、動きすぎたせいか俺の予想以上に累積率が上がっている。

だが、先ほどまでいた敵はは全滅させて、しばらく魔法陣からの増援の気配がないので心配に越したことはない。

とりあえず旧校舎にいる羽衣が気になる。

反応から羽衣達は健在だが実際に状況を確かめないとわからないな。

俺は旧校舎に向かい飛翔する。

そして旧校舎につくと天井から二階までが全壊し一回だけが残った旧校舎があった。

途中はぐれ魔術師の死体が数百が切り刻まれたようなものが旧k視野の森林に多数転がっていた。

俺が下を見ていると、羽衣が俺の存在に気づき俺を見ながら手招きをしていた。

そして俺は羽衣がいるところに降りる。

「随分とおそい迎えじゃのう、シン」

『おや、この状態で俺だとわかるのか?』

「それはそうじゃろう。こかびえるとか言った堕天使の幹部の時もそれによく似た姿をしていたからのう。それにそんな姿をするのはシン以外おらぬ」

『まったく妙な洞察力だな』

「これでも、無駄に生きておらんからのう」

まあ、とりあえず無事で良かった。

それに小猫とギャスパーは近くのソファーで横になっている。

まあ、少なからずあの二人消耗兵無効化装備、そして『貴なる兵器(ルイ・ウェポン)』の一つ『擬覇王の威光(ギング・パステージ)』の影響を受けていることは予想していたからな。

『そういえば、ここに来る際に切り刻まれたはぐれ魔術師の死体がかなりあったが、あれはお前の仕業2か?』

「フフッそうじゃ。まあ、最初はは”退け”と忠告したのだがところかまわず攻撃してきたからのう。正当防衛として殺めただけじゃ」

まったく笑顔で恐ろしいことを言っている。

最初あったときは普通の女子高生に見えたがこうしてみるとこいつ異形だとはっきり認識できるな。

『そうか、ならどうやってこいつらを―――また来たか』

羽衣がどのようにして敵を倒したか聞こうとしたとき上空の魔法陣が光だし先ほどの倍の数が転移してきた。

相手の戦術を先読みすればおそらく雑兵はこれが最後のはずだ。

俺は再び構えると羽衣が前に出てきて手で待てとサインされた。

『どうしたんだ?何か以上でもあるのか』

「いや、まったく大丈夫じゃ。それよりも妾の戦い方をおぬしに見せようと思ってな」

一体何の風の吹き回しだ?

「おぬし先ほど、妾がどのようにして敵を殲滅したか気になるのであろう?ならちょうどよい機会じゃ。見せようぞ―――」

俺はとりあえず構えを解きギャスパーと小猫の護衛をすることした。

そして羽衣は腰ら九本の白毛の尻尾を生やし、手から黒くそして綺麗な文字の装飾が入ったセンスを開きまるで舞を披露するかのように構えをとる。

すると羽衣を中心としたところから黒いエネルギー……いやこれは自然で生まれるエネルギーのようなものが発生する。

「あいつだ!!我々に対抗できる奴は」

「奴をつぶさない限り三大勢力の首が打ち取れん。総員総攻撃だ!!」

はぐれ魔術師たちがこちらに向かってくる。

そして羽衣の雰囲気が急に冷たいものになった。

「妾を無下にするとは、いい度胸じゃのう。なれその心意気に見せよう”絶望の果て”に手に入れた舞を。じゃがお主たちはその舞を見たときはこの世にはいないじゃろうがな」

「貴様に要はない!!」

「お前ごとき妖怪など私たちで瞬殺してくれるわ!!」

そしてはぐれ魔術師は射程内に入ったか魔力による攻撃をこちらに放ってきた。

しかし―――。

『羽衣・黒斥壁』

黒いオーラが混じったドームが形成されはぐれ魔術師たちの攻撃があっさりと防がれた。

あれはコカビエルの時にイッセーたちを守った防壁と同じだ。

しかもこの防壁の特質―――斥力に見えるが何かが違う。

「くっ!?しかし奴の攻撃は我々には効かない!!このまま消耗戦に持ち込めば勝てるぞ」

「ほほう、周りをよく見ていないようじゃのう。まあ、油断してくれるならありがたいのう」

「ふざけたことを、たかが絶滅寸前の妖怪ごときが!!」

「その言葉は飽きたのじゃ、もうしゃべらんでもよい」

そして羽衣は持っている扇をまるではぐれ魔術師たちに仰ぐように舞を踊りだした。

『羽衣・不可視鎌』

「ふん何かといえばただのおど…り……」

はぐれ魔術師たちのリーダ核が言葉を返そうとした瞬間―――。

―――バタ……。

そのリーダの胴体と下半身が真っ二つに分かれていた。

「隊長!?」

「一体何…が…・…」

次々と切られていくはぐれ魔術師たち。

よく見ると、はごろが持っている扇子…いや手から斥力でできた鎌状の刃が放たれていた。

だがあの装備はエネルギー攻撃を一切無効化するもの……一体………。

「何故だ!!我々には魔力などの攻撃は通じない…は・・・・ず・・・グホァ・・・・…」

「どうして奴の攻撃は防げない!?」

「最初はのう。これが通じるか妾も心配じゃった。しかし一度放ってみれば普通に攻撃が効いておる。どうやらその怪具、”純粋な自然現象”までは防げないようじゃのう」

成程。確かあの装備エネルギー攻撃は無効化するが、純粋な自然現象――竜巻や津波、引力、落岩、溶岩などは防げない。まさか羽衣は自身で純粋な自然でできた力の斥力を操れるとはな。

魔法でも自然現象は起こせるが、あくまでも誰かの手によって手が加わっているためそれはエネルギー攻撃となってしまう。

まさか、あの『獅子の威壁(レオ・インウォール)』にこんな弱点があったとはな。

しかし冒頭で”絶望の果て”の末に手に入れたと言っていたが何かあるようだな。

まあ、今はこの現状を何とかするしかないから考えないでおこう。

「これで最後じゃ。さらばじゃ…哀れなはぐれの軍勢よ」

―――バタッ・・・・。

そして先ほどのいたはぐれ魔術師たちの軍勢は5分もかからずバラ死体となっていた。

流石、伝説の妖怪、羽衣狐といわれることだけはあるな。

ある意味、羽衣戦うときは苦戦しそうだ。

「どうじゃった?妾の舞は?」

「よかったと思うぞ。それにしてもあんな芸当ができるとはな。まったく驚かされる」

「良いのならいいのじゃが、正直おどかされるのはこっちのセリフじゃよ」

「そうか…・?あ、もしかして会談を遠くから見ていたな。お前」

「正解じゃ。まさかおぬしの体は絡繰りで出来ているとはな。正直見たときは空いた口がふさがらなかったぞ」

まあ、あんなもの見たらそうなるよな。

これではぐれ魔術師は今のところ出てきていない。

ならあとはイッセーと例のアザゼルが戦っている相手だけだが―――ッ!!??

俺は現状を整理しようとしたとき、あるものが起動した反応を感じた。

俺はすぐさま反応があった方向に全力で飛翔する。

―――何故、この世界でこの反応が感じられる…あれはもう彼女しか作れないはず……なぜあの反応が感じられるんだ!!



――――インフィニット・ストラトスが…ッ!!!




 

 

Change10:旧き女王蜘蛛VS火在輪の機人~ RASETU of resentment

「やりますね、さすがまがい物であれど神 器(セイクリッドギア)といったところでしょうか」

『チッ…この状態でも力量は同格かよ…一体どんなドーピングをしたんだよ』

アザゼルとカテレアが交戦してから数分が経った。

戦況は拮抗―――否、アザゼルが体力や魔力などをカテレアよりも多く消耗していた。

『こうなれば、命を懸ける覚悟を決めるしかないな……ったく』

アザゼルは考えていた。

本来なら旧魔王の末裔とはいえど、前魔王クラスほどの実力ないことを。

実際なら生身でも十分圧倒できるはずだが、明らかに魔力や身体能力などが跳ね上がっていることに。

短期間で自信を強化する手段は二つ。

一つは、体の負担や今後の生活を無視した圧倒的な過剰ドーピング。

二つ目は、身に着けるだけで強大な力が手に入る規格外の武具。

アザゼルはこの考えにおいて後者の説が強いと考えていた。

カテレアの今までの動きを見る限り体に負担がかかっているところが見受けられない。

そして、おそらくあのはぐれ魔術師達がつけているものよりも上位のものだと推測していた。

「さて、そろそろそのまがい物には見飽きました。本来ならあの忌々しいセラフォルーに見せつけたかったのですが、時間も惜しいので見せましょうか」

『どうやら、お前がそこまで強化された理由が見えるってわけだな…。ったく正直こっちは現状で手一杯なのによ』

「フンッ。あなたの意見など聞いておりません。では見せましょうか、偽りの魔王を撃ち滅ぼすための力を。刮目してもらいましょうか」

カテレアは自身が武器に使っていた武器をしまい。結んでいた髪を解く。

するとカテレアの胸のあたりから黒く濁った黄色のエネルギーが放出されていく。

『これは相当やばくなってきたな』

アザゼルが身構える。

「来なさい、偽りを蹂躙せし雲の女王の名を冠した無 限 の 宇 宙(インフィニット・ストラトス)――――『アラクネ』ッ!!!!」

カテレアが先ほどのオーラに包まれる。

するとオーラが徐々に鎧のような形状になっていく。

そしてオーラの塊から黄色と黒を基調とした8つ機械的な昆虫脚が現れる。

そしてその足が点に向かい一転に収束し、そしてオーらを取り払うかのように展開し、その姿を現す。

『おいおい・・・・これは何なんだ?神格とは違うがそれと似た力の波動だぜこれは…』

そのオーラから出てきた存在は――――。

黒と濁った黄色を基調としたカラー、脚部であろう部分にそれぞれ独立した8本の機械的な昆虫脚、そして容姿全体が蜘蛛を模した異様フォルムの人型であろう存在がいた。

『なんだ、この異様な姿は……』

『どうですこれがあなた方を圧倒的に超える力。『無 限 の 宇 宙(インフィニット・ストラトス)』アラクネです!!』

アザゼルは今のカテレアの姿に絶句していた。

まずカテレアから感じられる力の波動…。

これはこの世界において感じたことがない波動。

悪魔でも、天使でも堕天使でも神でも龍でもないまったく異質な力。

そしてその異様なフォルム。まるで本当にいるアラクネのような姿。

アザゼルはこの時点であることをふたつ悟った……いや、確信した。

まず、この世界とは別の何かが存在していることを。

そしてこれらのありえない力に必ず『神無月シン』が深く関係していることに。

『どうしました、アザゼル。まだ戦いは終わっていませんよ?早くかかってきなさい』

『クッ……!?言われなくてもそうするさ!!!』

アザゼルが巨大な光の槍を構え異形の姿となったカテレアに攻撃を仕掛ける。

『これでも喰らいな!!!』

アザゼルの渾身の一突きが異形のカテレアを襲う。

そして攻撃が当たった瞬間、あたりに砂塵が舞う。

『これでどうだ……』

アザゼルが手ごたえを感じ目の前を見る

しかし―――――。

『こんなものですか?アザゼル』

『クッ…』

確かにアザゼルの一突きは当たっていた。

しかし異形となったカテレアではなく――――。黄色く濁ったトリオンの集合体ような防壁に当たっていた。

さらに―――。

―――パリィィン……!!

攻撃に使った巨大な光のよりが儚く砕け粒子となって消えた。

『なッ…何!!??』

『どうやらこれで終わりのようですね。ではこちらも攻撃としましょう』

『―――くっ!?』

アザゼルは急いで距離を取ろうとする。

『一体何なんだこいつは…。どうしてここまで規格外の力が使える!?』

アザゼルは困惑しながら動揺していた。

ここまで自分の力が通用しない相手、しかも本来なら安易に勝てるはずの存在。

そんなアザゼルの施行状態を気にせずに異形のカテレアは8本の機械昆虫脚を動かしその足先から何かを打ち出すかのような砲門が現れる。

『これがよけられるかしら!!』

八つの砲門からビームが一斉に乱れ撃たれる。

『クッ…この量よけきれる…ッ!?』

『どうしましたアザゼル?この程度の弾幕ならあなたは余裕でよけられるのでしょう?フフフッ』

本来ならアザゼルがよけられるはずの弾幕。

しかしアザゼルはよけきれず少しずつ被弾していった。

『くっ…。体力もそうだが、一発一発がこちらの動きをまるで未来予測しているかのように撃ってくる。しかも一髪が重いぜ…ッ!!』

よけていても徐々に被弾してく。

纏っている黄金の鎧も全身にひびが入り、崩壊個所も大きく目立っていた。

ついには―――――。

「クッ……!?ここにきて限界時間かよ!!」

『どうやらその禁 手(バランスブレイカー)も時間切れのようですね』

「フン…神 器(セイクリッドギア)ガだめでもまだ俺自身が戦えるんだよ!!!」

このような絶望的な状況でもアザゼルは手に光の槍を作りカテレアに攻撃していく。

『この力があれば私は堕天使の総督すら簡単に倒せるわ!!』

しかし、先ほどと同じように防壁に防がれ。または機械昆虫脚によっていなされ、アザゼルの攻撃は一向にアラクネを纏ったカテレアにダメージを与えられていなかった。

「はぁ…はぁ……。状況が一向に解決しないな…まったく」

アザゼルの体は傷だらけであり光力、魔力、スタミナがとうに限界が来ていた。

「アザゼルちゃん!?待って私も今すぐ応援に…」

アザゼルの先頭を見てセラフォルーが援護に入ろうとする。

だが―――。

「く、来るな…セラフォルー…。お前が防壁組から外れると若いやつらが危ない…それに俺はまだ大丈夫だ…」

「アザゼルちゃん…」

「アザゼル無理をするな!」

「そうです、私たちも戦闘に参加します!!」

援護に回ろうとするサーゼクス、ミカエル。しかしアザゼルは首を横に振った。

「いいから防壁を張ることだけに集中しろ!!俺は大丈夫だ…・・」

『仲間思いもいいことですが、どのみちあそこにいる全員にはどのみち死んでもらいます。それに空元気もやめたほうがいいですよ?アザゼル』

カテレアの言っている通りアザゼルの体は満身創痍。実際のところ他んでいるのが精一杯状態だった。

しかしアザゼルはミカエルやサーゼクスたちがなくなることを恐れていた。

サーゼクスやミカエルは悪魔、教会の勢力にとっては重要な存在。

あの二人が死ぬぐらいなら自分が死んだほうがまだデメリットが少ないと考えていた。

『さあ、アザゼル。もうあなたとの戦いは飽きました。これ以上戦っても時間が無駄ですので、これで最後にしましょう』

満身創痍のアザゼルに、無慈悲に襲い掛かるアラクネを纏ったカテレア。

アザゼルは回避しようとするが―――。

『逃がすものですか!』

「クッ!!しまった」

アラクネを纏ったカテレアは機械腕から雲の糸のようなワイヤを射出しアザゼルの左手に巻き付ける。

『逃がしませんよ!!』

「これで俺を捕まえたと思うなよ、カテレア!!」

するとアザゼルは右手で光の槍を作り、そして―――自分の左腕を切断した。

『クッ!?まさか自分の腕を切断するとは……』

「こうでもしなければ危ないんでね、明日を生きる希望のためなら片腕くらい安い!!」

『まあ、いいでしょう。それにその頑張りはすぐに無駄だったとわかるでしょうから』

「今は距離をとって回避するしか……。グッ!?」

アザゼルが距離を置こうとしたとき先ほ腕についていたワイヤーが胴体に巻き付いた。

「いつの間に…」

『いったでしょう?無駄になるって。それにこれであなたを確実に拘束します』

そしてその巻き付いたワイヤーを基点にアザゼルの全身にワイヤーが絡まりだし、最後にはまるで蜘蛛の巣に捕まった蝶のような姿になってしまった

「グハァッ―――。クッ…これじゃ身動きが取れない」

『これで最後です。それではさようなら、堕天使の総督アザゼル。

八つの砲門がアザゼルのほうにむけられる。

「「「「アザゼル!!」」」」

この場の全員がアザゼルの最後を悟った。

だが――――。

『これで最後―――ぐぁ…!!??』

今、攻撃が放たれそうなときに、急にアラクネを纏ったカテレアが斜め下に吹っ飛んでいった。

「一体何が…起こったんだ?」

アザゼルは、状況が呑み込めないままカテレアがいた方向に視線を向ける。

そこには―――。

『大丈夫かアザゼル』

「「「「シン!!!!」」」」

そこには緋晶機人・T・火在輪(スレイヴ・カザワ)の姿の神無月シンがいた。





―○●●●●○―





俺―――神無月シンは今インフィニット・ストラトス・・通称ISを纏った敵を吹っ飛ばし、アザゼルの救援をしている。

取り合えず相手が油断しているところに一撃を送ったので一分は稼げるだろう。

「神無月シンか…?はぐれ魔術師とヴァーリは…どうしたんだ?」

『はぐれは殲滅済みだ。白龍皇に関しては禁 手(バランスブレイカー)のイッセー斗交戦している。あと一応だが羽衣をフォローに行かせている』

それにしても堕天使の総督がここまでやられるとは…どうやら専用機クラス、しかも記憶が正しければこのワイヤーの装備…どうやら第三世代型のアラクネのようだな。

とりあえずアザゼルをサーゼクス・ルシファーたちのところに運ぼう。

あの中なら最低限の治療は受けられるはず。

俺はアザゼルを拘束していたワイヤーを解き、そのままみんなのところに持っていく。

「アザゼル!!リアス、治療を」

「はい!!サーゼクス様」

サーゼクス・ルシファーの指示でアザゼルの治療を始めるリアス部長。

そしてこれまでの皆の周りで起こった経緯を説明してもらった

さて、これで一命は取り留めただろう。

俺は再びISを纏った敵、カテレア・レヴィアタンに向かおうとする。

「待ちなさい、シン君」

サーゼクス・ルシファーが俺を呼び止めた。

『どうしました?あまり時間がないので手短にしてほしい』

「君は、カテレアがもとっているものを知っている…そうだろう」

『………』

「話せない事情があるならこちらも深く追求しない。だが、いずれ話してもらいたい」

実際のところ細かいな用を話して被害を最小限に抑えたい。だが、まだ話せない。

早めにこの現況を突き止めないといけない。

だから今は―――。

『話せる状況になったら話します。敵が使っているものについて…そして俺自身のことについて、だから今はまだ話せません』

「いずれ話してくれるならいい。あとわたしからいえることは一つだけだ――――死なないでくれ。君は私の妹や眷属たちの大事な存在なのだら」

『了解』

そして俺はカテレアのもとに飛び立った。








―○●●●●○―






カテレアを吹っ飛ばしたあたりに飛んでいるとすでに空中に浮遊している『アラクネ』を纏っているカテレアがいた。

『先ほどは、やってくれましたね。アザゼルを殺すのに夢中であなたの存在を忘れて忘れていました』

アラクネを纏ったカテレアが話しかけるが俺覇気にせず、再びスピンドルナックルを射出し臨戦態勢をとる。

やつへの返答はしない。

ただ俺が問いかけることは一つだけある。

『貴様…その装備どこで手に入れた……』

この世界で初めてドスの効いた声で俺は、カテレアに質問する。

『この鎧ですか?これはですね我々『禍の団(カオス・ブリゲード)』に快く協力してくれる方々が私に与えてくれたすべてを超える力です。どうですこの高貴な姿まさに魔王を象徴している”力”でしょう?』

力…?こいつは今彼女の夢を力といいたのか…?

『この力…いやまさに高貴なる私に相応しい武具です。この力があればコカビエルを倒したあなたといえど簡単に屠れ―――グッ!?』

俺はカテレア…いや、目の前のアマガ話し終わる前に間髪入れずスピンドルナックルで殴っていた。

『い、いきなりですね!!ですがあなたの脆弱な攻撃など聞きません――ッ!?』

アマが何かに気づいた様子で俺から距離をとる。

どうやらISの特性であるシールドが俺の攻撃で削れているのに気づいいたらしいな。

だが、俺はその思考真っ先に打ち消すほどの怒りがこみ上げていた。

奴は……彼女の(インフィニット・ストラトス)を武具―――つまり兵器と呼称した。

彼女は…兵器目的でISを作ったのではない。

ただ、宇宙に行きたいという夢を叶えるために作ったものだ。

それを兵器だと…ッ!!

正直あの敵はとらえる予定だったが、変更だ。

―――奴には苦死と絶望いう名の死を与えることにする。

『あなたの事情は私にもわかるわ。だから私もあのク ズ(カテレア)は許せない。だから思う存分暴れなさい。あと固有兵装もいつでも発動可能よ』

すまない。スカーレットハート。

俺は殺意と戦意を全開にしながら目の前の敵…カテレアに言い放つ。

『貴様には苦しみと絶望を与えよう』

『フン世迷言を、たかが私を引かせて調子に乗らないでもらえないかしら!!』

そして俺とカテレアの攻撃ががぶつかる。

『クッ…やはりシールドが削れている。どうやら貴方とは戦う価値はありそうですね』

『うるさいぞ』

俺は容赦なくカテレアに攻撃を加える。

どうやら俺の攻撃だと奴のシールドは削れるようだな。

しかし、こちらの兵器が此処の世界では明らかに強すぎる。

聖書にも名をあげているアザゼルがあそこまでやられるとはな。

しかし、今は目の前のクズを殺すことだけを考えよう。

『これならどうです!!』

カテレアがアラクネの八本の機械脚から砲門を展開しレーザーを一斉照射してくる。

『マルチレッグ・スパイン展開』

俺はマルチレッグ・スパインを使い変則的な機動力で一斉照射されたレーザーを避ける。

―――バシュッ!!

趙劇は避けているもののさすがにIS全てに搭載されている戦闘プログラムの擬似未来予測で攻撃が掠ってしまうな。

本来ならこの程度の威力なら歯牙にもかけないが、この試験兵装は機動力をフルに生かし切るために装甲の強度が2~3ほど減少している。

しかもあちらのシールドはまだ七割弱残っていると感がてていいだろう。

それなら固有兵装で行くしかない。

『スカーレット・ハート』

『わかっているわ。熱累積率98/100。これなら最大出力で発動できるわ』

『了解』

『何を考えているんですか?なたにそんな余裕などありませんでしょう!!』

『貴様少しは黙ることを覚えてたらどうだ?―-フンッ!!!』

『ぐッ!!!』

俺はカテレアを再び地面に突き飛ばす。

『固有兵装起動――インフェルノ・アクセル』

《―――Eternal Farewell Mode―――》

固有兵装の起動音とともにそう装甲が変形していく。

脚部の緋 晶 残 光(クリスタル・フォトン)発振部が変形し小型ブースターに変わる。

それと同時にマルチレッグ・スパインの刺突部が分離しそこからさらにブースターが出現。

分離部は俺の周りを囲うように浮遊していく。

そして肩装甲、胸部装甲、背部装甲が変形しブースターが次々と出現していく。

変型が終了し、すべてのブースターが点火しスタンバイさせる。

『クッ…姿を変えたところで一体何ができるのです!!』

カテレアが突貫してくる。

俺はそのまま固有兵装を発動させる。

《START UP――Ten seconds》

俺はカテレアに瞬時に詰め寄り殴る。

『グっ…!!!???何ですかそのスピードは…』

『黙れ…お前は何も知らないまま蹂躙されるだけでいい』

俺はさらに瞬時にカテレアの背後に回りストレートを食らわせる

『な、なんですっ――――グアッ!!!』

『先ほどまで余裕はどうしたんだカテレア』

『減らず口を!!!』

カテレアが近接攻撃を仕掛けるが、俺は瞬時に移動しそこから攻撃を与える。

『グッ・・・クッ!!!、残像!?速さに目が追い付けない…ッ!!!』

俺はそのまま攻撃しては移動し攻撃しては移動するを繰り返し。射出したスピンドルナックルとマルチレッグ・スパインの刺突で攻撃していく。

この固有兵装の名は『インフェルノ・アクセル』

能力は簡単。ためた熱を自身の推進力へと変える兵装。全身に追加されたブースターにより先ほどとは比べもにならない機動力とスピードになっている。

ただし圧倒的な機動性とスピンドルナックルおよびマルチレッグスパインの高速処理能力を得る代わりに、ためた熱を一気に放出させるため最高限界時間は10秒。

《―――Five seconds ago》

そしてあと五秒…これで決める。

俺はカテレアの正面に移動しすべての攻撃兵装をカテレアに矛をむけ構えすべての兵装でラッシュを叩き込む。

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!』

『防御を…クッ!!!』

俺のストレートラッシュに防御しかできないカテレア。

そして俺の攻撃でシールドが限界か防御に使っていた八本の機械昆虫脚が徐々に崩壊していく。

『まずいッ!!私の高貴なる武具が…グハァッ!!』

八本の機械昆虫脚ガ完全に粉砕しシールドがなくなったかそしてラッシがカテレアの本体に到達する。

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!』

《――THREE――TWO――ONE――》

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ――オラァァッ!!!!!』

そしてカウント一秒前で全装備を右手に収束し最大出力の右ストレートの一撃をカテレアに放つ。

『グハッァァァァッ!!!!』

俺の全装備を右手に収束した最大出力の右ストレートを喰らい全身から血を噴出して体育館まで吹っ飛ぶカテレア

《―――Time out―――》

《―――Reformation―――》

音声とともに全身のブースター収納され元の装甲も元の姿に戻る。

アラクネの装甲崩壊…カテレアの出血量を見れば奴は死んだだろう。

そして俺は周りの状況を確かめようとする。

だが―――。

―――ガギィィィィンッ!!!!!!!!!!!

『グッ…これは……』

俺が一瞬気を抜いた時、俺の左腕および胸部装甲の間に何かが突き刺さっていた。






―○●●●●○―




『グッ…これは……』

シンが何者かの攻撃を受けうつぶせになり倒れる。

シンはうつぶせに倒れながら自身に起こったことを確認するため左側の部分を見ると左腕の付け根部分に巨大な鉄杭のようなものが突き刺さっていた。

『あの…や、野郎……グッ……体が……ッ衝撃で動けない…視界もノイズ…だらけだ……』

『フハハハハハッ!!!油断しましたね!!!まだこの武具が砕けようとも、このすべてを貫く裁きの一撃―――『裁きの鉄杭(ダイン・スレイヴ)』があるのですよ!!』

重傷を負いながらも勝ち誇るカテレア。

「「「「シン(くん)(さん)!!!』」」」

避難している三大勢力の面々も驚きと心配で焦っていた。

こんな中、本来のこのような重傷を受けた人間なら悔しがりながら朽ちていく。

しかし…シンは――――――。

『(あの兵器は…なぜあれまである……あなぜ『―――』から強奪し手生まれた忌々しい兵器がある…!!奴もそうなのか……奴も――――ッ!!!)』

先ほどの怒りよりもさらにキレていた。

『(許さん…許さん…ッ!!奴は必ず今…ここで俺がぶちのめし引きちぎり殺シてやル)』

―――ヴォォォォォォン……ッ!!!――――

するとシンの怒りが最高潮を超えたとき駒王学園に圧倒的な何かの波動が放たれた。

「…この波動は…手が震えている!?」

「お兄様これは…」

「こんな恐ろしい波動…今まで感じたことないぞ…ッ!!」

「同感だ…ッ」

「この波動は一体…私たちガ震えるほどの恐ろしい波動これは一体誰が―――」

三大勢力の幹部及びリアスグレモリー眷属たちはこの波動を感じとり思考ではなく体全体が恐怖していた。

さらに―――十数秒前。

『はぁはぁ―――くっ強いなヴァーリ』

『お前こそ強いぞ土壇場で禁 手(バランスブレイカー)に至りそしてこの俺の全力斗対等に戦っている。最高だな兵藤一誠ッ!!』

イッセーとヴァーリの一騎打ちが続いていた。

お互い体力などがそろそろ限界に近付いていた。

『そんなこと思ってもいないんだよ!!』

『その意気だ兵藤一誠ッ!!』

再び二人がぶつかろうとしたとき


―――ヴォォォォォォン……ッ!!!――――


『『ッ!!??』』イッセーヴァーリも圧倒的な何かの波動を同時に感じとり途中で踏みとどまる。

『なんなんだ…この波動みたいなものは…』

『なんだこの異質の波動は…』

両者が突然の圧倒的な何かの波動を感じとったとき――。

『相棒、今すぐこの場から逃げろ…この波動は…少し違うが奴だ……奴がこの場にいる』

『どうしたんだドライグ?』

『ヴァーリ、すぐにこの場から退け。奴が再びわれらの目の前に現れるぞ』

『どうしたんだアルビオン?お前がそこまで動揺しているとは』

赤龍帝ドライグと白龍皇アルビオンは気づいていたこの波動の正体を。

そしてそれから数秒後

――――ゴォォォォォォォォォォォォッン!!!!――――

校庭に緋色と蒼が混じった強大なオーラの柱が立ち上る。

『な、なにが起こっているんだ!?』

イッセーが困惑する中、駒王学園に突然変化が起こる

―――バキィッ!!!バキバキバキィィィン!!――-

『いたるところから緋色の結晶が生えてきている?』

ヴァーリが驚く中、蒼が混じった強大なオーラの柱の奔流がやむ。

そしてそのオーラがやんだところにいたのは―――。


『RASETU FORM』


《貴様ハ殺シテヤル…カテレア・レヴィアタン…。ウヴォォァァァァァァァアッ!!!》


『あ、あれは…シンなのか……?』

低くそして冷たい獣…いや悪魔のような咆哮をあげる化け物に変わり果てたシンの姿があった。


 
 

 
後書き
どうも革命者です。

さてなんでこんなにも長くなってしまったのだろう。

できれば6500時程度で区切りたがったのが約9000時になってしまった。

ですが短いよりかはマシと考えます。(`・ω・´)

そして次回最終回です。

シンは一体どうするのかお楽しみください!!!

感想どんどんください!!アドバイス、リクエストなども受け付けています!!


 

 

Change11:羅刹機人~Peace and doubt~

『RASETU FORM』


《貴様ハ殺シテヤル…カテレア・レヴィアタン…。ウヴォォァァァァァァァアッ!!!》


駒王学園に今、現れた悪魔のような咆哮をあげる化け物に変わり果てた『緋晶機人(スレイヴ)』が現れた。

人型から、変化し脚部はまるで狼の脚のようになり、腰には緋色と蒼色のような剣のような尻尾のようなものは現れ腕部はまるで獲物を借るかのような巨大な腕へと変化し手の部分には刺々しい凶器のような爪が生えていた。

そして頭部はまるで歌舞伎の緋色と蒼が混じった鬣が生え、角の変化はまるで鬼のような角が三本生えている。

さらに頭部に当たる口の装甲部分に亀裂が入りそこから獣ような牙が生えていた。そして四本のラインカメラは黒みを帯びた緋色になっている。

『クッ…その見た目まるで汚らしい獣よう…いくら姿を変え様が『裁きの鉄杭(ダイン・スレイヴ)』を持った私に勝てるはずないのよ!!』

再び裁きの鉄杭をシンに打つカテレア。

しかし―――。

《『裁きの鉄杭(ダイン・スレイヴ)』ヲ持ッタ私ガナンダッテ?》

裁きの鉄杭を右手でつかんでいた。

そしてテック委を握りしめまるでガラスのように儚く粉々になる。

『そ、そんな…これは髪だろうとすべてを射抜く武具のはずッ!?』

《少シダマレ…悪魔…》

―――ヒュンッ!!!

風を切る音が一瞬、鳴った。

『キャァァァァァッァッ!!!う、腕が、私の腕がぁぁぁぁ!!』

「一体何が…カテレアの左腕が尻尾に貫かれている?一体…しかも予備動作が見えなかったぞ!?」

サーゼクスが疑問を浮かべる。

しかし今のシンは誰にも見えない速度で剣のような尻尾を射出し一瞬でカテレアの左腕を貫いた。

そしてシンはまるで獲物を追いかかる獣の前屈乃用あ構えをとる。

《サアァ…始メヨウ。破壊ト革命ヲ》

―――ガアァンッ!!

地面を抉る様に蹴り上げカテレアに向かい疾走していくシン。

『クッ…下級種族風情がぁぁぁぁ!!』

向かってくるシンに魔法陣を展開しようとするカテレア。

しかし――――。

『ゴハァァァ……ッ!?いつ…の…間に』

シンはすでにカテレアの背後に回り、凶器にような腕で上空に殴り飛ばしていた。

《ウヴォォァァァァァァァアッ!!!》

さらにシンは上空に飛ばされたカテレアに次々と攻撃を加えていく。

『グッ…グァッ!!…』

カテレアは何もできないまま攻撃されなすすべもない。

今、シンの姿を見ているほとんどの者たちが共通して思っていることがあった。

―――強い…けど、あの者の背中はどこか悲しく見える。

シンはアザゼルを圧倒したカテレア相手に善戦…否、勝ちがきまっている戦いをしている。

それはシンが強いという証である。

だが、この場にいる者たちはシンの戦う姿を見て、シンが悲しんでいるように見えていた。

理由はわからない、だがこの場にいるほとんどいる全員がそれを感じていた。

そして――――。

『ア…アァグァァァァァァァ……』

全身がガ血だらけになり全身が穴だらけになったカテレアが地面に倒れていた。

もはや生きているのが奇跡という状態。

《コレデ終ワリダ…。肉片…ソシテ魂ノ一欠ケラノコサズ死ネ》

そして、獣となったシンの無慈悲な死刑宣告。

シンはそのままカテレアに向かい攻撃を加える。

《ウヴォララララララララララララララララララララララ!!!》

爪を立てながらカテレアに無慈悲で残酷なストレートラッシュが繰り出される。

―――グシャッ!!バキィィィイッ!!!

もはやカテレアの悲鳴はなく、ただ肉がつぶれ引きちぎれ、骨が砕ける音しかしなかった。

「「「「……」」」」

この場にいる者がただ彼を見ているしかなかった。

カテレアに同情などしていない、ただこの場にいる全員はシンの戦いを見ていた。

《ラララララララララララララララララララ、ヴォラァッ!!!》

そしてラッシュの最後に両手による強烈な一撃が放たれる。

―――バゴォォォォォォォォォォォンッ!!!

あたりに砂塵と暴風が舞う。

「クッ…止んだのか…」

サーゼクスが砂塵と暴風が収まるのを確認する。

そして周りの者も全員シンがいたであろう場所へと近寄る。

「こ、これは…一体……」

「このクレーター、まるで隕石が降ったかのような規模です!!」

そこには半径54mぐらい大きなクレーターガできていた。

そして、そこにはカテレアはおらず――――。

―――バギィィィンッ!!

『………お前は俺を怒らせた。そう…彼女の夢を兵器として扱い、そして『―――』のを強奪し、生まれた忌々しい兵器を使った』

左腕が爆発し隻腕となった『緋晶機人・T・火在輪』が一人たたずんでいた。








―○●●●●○―







『………お前は俺を怒らせた。そう…彼女の夢を兵器として扱い、そして『―――』のを強奪し、生まれた忌々しい兵器を使った』

俺―――神無月シンは姿も形もないカテレアに捨て台詞を吐いていた。

久しぶりだ…あんなに激怒したのは。

正直、紛い物だがまた『機人(レボル)』に戻れるとは予想外だった。

俺は周りを見渡す。

あたりはすでに瓦礫の山で俺を中心とした半径54mのクレーターができていた。

……。

『やっと正気に戻ったのね!?まったくあなたあの攻撃を喰らってから私の言葉にまったく応じないんだから心配したわ』

スカーレットか…。すまないな俺は目の前が見えなくなるほど激怒していたらしい。

『まあ、暴走しているわけじゃないからいいけど、あなた今の体の現状わかっているの?』

俺は自身の体の損傷率を見てみると、あちらこちらに過重負荷の危険信号が出ていた。

『一時的とはいえあなたの全盛期の力を無理やり出したのだから当然でしょう>何せあなたが全盛期使っていたよりもスペックはだいぶ型落ちしているのよ?』

そうか…だがまさか俺の怒りが頂点に達したときに発動した力。

今思い出せば、『機人(レボル)』に羅刹ってサイドネームがあったな。

まあ、それはいいだろう。

それにしても……。

俺はカテレアがいた場所であろう場所を見つめる。

『あの女は、消えたわ。文字道理あなたが肉片残さず吹き飛ばしたわ』

いや、カテレアが生きているかの問題じゃないんだ。

―――ただ、俺はカテレアに対して決して嫌悪してはいけないと思っただけだ。

『どうしてかしら?俺ほどあの女に憎悪をぶつけていたのに?』

そうだな…なぜそう思ったのか理由はな、カテレアも世界に歪められたある意味被害者なんだよ。

『それは一体…?』

人…いや、知性と感情を持ち合わせた存在は必ず等しく平等に価値がんが同じなんだ。

そして価値観や、正義と悪それらは生まれた環境によって左右される。

『もしかして…』

そうだ、カテレアは魔王の血筋という価値観を植え付けられた被害者なんだ。

そう、もし魔王の血を受け継いでいるものが静観を望めばこんなことは置きはしない。

ましてはイッセーがこちら側に来た理由を作った張本人…レイナーレだってそうだ。

レイナーレも人に尽くしたい、もっと強大ない力を得て尽くす人に褒めてもらいたい…そんな純粋な一心があの事件を生んでしまったんだ。

だから、敵としては排除もしくは殺す。

だが、決してそいつの生き方は否定してはいけない。

俺はそう心に誓っている。

例外を除けば、この世には悪や正義なんて境界線はない。ただの一個人で人の生き方を否定してはいけないんだ。

『なるほどね…でもその例が言って何かしら?』

まあ、今はいいだろう。それよりもみんなの安全の確認と白龍皇ガどうなっているかが気になる。

『まったく。みんなは大丈夫よ、さっき私が確認したわ。それと白龍皇さんはとっくのとうに逃げていったわ』

そうか、白龍皇を逃がしたのは少し痛手だが、みんなが無事であればいいだろう。

俺はとりあえずクレーターから出るとそこにはイッセーたちや三大勢力の幹部や無事だった護衛兵、羽衣がいた。

三大勢力の護衛兵たちは壊れた学園を直しているところだ。

正直あとで謝ろう、おそらくほとんど壊したのは俺だからな。

だが、サーゼクスたちが結界を維持してくれたので駒王学園以外は被害はないらしい。

しかし、俺のあの姿を見られたことでおそらく俺への疑心が三大勢力の幹部たちにとって大きくなった居るのは間違いない。

それに『貴なる兵器(ルイ・ウェポン)』にインフィニット・ストラトス…正直、俺の世界の技術がこの世界に流れていたのは予想外すぎる…どうやらカテレア乃バックにいる奴らは少なからず一人は俺がいた世界の科学者の一人だろう…しかもかなり有能の。

まあそれに関しては、状況の変化次第ってところか。

今は、校庭の中央でサーゼクス、セラフォルー、ミカエル、ガブリエル、アザゼルが部下の人に指示を出しながら話し合っていた。

恐らくあの会話の中に俺の件が入っているだろう。

どう言い訳したものか…。

「彼女、カテレアの件は我々、悪魔側にあった。本当にすまない」

サーゼクスがそう言うとアザゼルは手を振る。

「俺もヴァーリが迷惑をかけた。未然に防げなかったのは俺の過失だ」

そう言うアザゼル。しかしその瞳はどこか寂しげのように見える。

どうやら、ヴァーリとの間に何かあったのだろう。

「さて、シン君。君にはいろいろと聞きたいことがある…と、言いたいところだが、その雰囲気から察するにまだ話せないようだね」

どうやら俺の考えが読まれていたようだ。

「そうですね。今回の事件が起こったからにはカテレアや襲撃者が使っていたものについて話してもらいたいところですが…あなたにもちゃんとした理由があるのでしょう」

「そうだな。俺としては今すぐ聞きたいところだが、まあ無理に聞き出してお前さんを敵に回すのは勘弁したいしな」

『すまない。本当は話したいところだがいえないんだ。だが俺の目的は今はなせる』

「それは一体…」

俺の目的…まだ一部しか話せてないがこれだけは言っておこう。

『俺はある存在たちを抹消するために動いている。その存在はこの事件に少なからず関与している。俺が今言えるのはそれだけだ』

「そうか、ありがとよ。神無月シン」

『別に礼はいらない。それよりもアザゼル体のほうは大丈夫なのか?』

「ああ、お前さんがカテレアを倒してくれたことでグレモリーの癒しの嬢ちゃんに直してもらったから大丈夫だ。まあ、さすがにもう戦う体力はないけどな」

だが、これでわかったことが一つある。

先ほど、イッセーがこの襲撃団体の名前や俺が知らないことを教えてくれた事でわかったのだが…

禍の団(カオスブリゲード)』奴らにと接触すれば必ず俺の目的の存在たちにつながる重大な情報がつかめるはずだ。

本来なら情報だけではなく所在も欲しいことだが、『禍の団』ガ俺の情報を知っていた以上おそらく存在たちは俺ガこの世界にいることを知っているだろう。

まあ、情報だけでもありがたいんだがな。

「さて、私は一度天界に戻り、和平の件を伝えてきます。『禍の団』についての対策も講じなければなりませんしね」

「ミカエル殿。今回このようなことになってしまい、申し訳ない」

「サーゼクス、気になさらないで下さい。私としては三大勢力の和平が結ばれることに満足しているのですよ」

「ま、納得出来ないやつも出てくるだろうがな」

アザゼルが皮肉を言う。

まあ、アザゼルの言っていることもあるだろう。

「長年憎み会ってきたのですから、仕方がありません。しかし、これからは少しずつ互いを認め合えば良いでしょう。・・・・問題はそれを否定する『禍の団』ですが」

「それについては今後連携をとって話し合うことにしよう」

三大勢力の幹部達が全員うなずく。

「それと…」

「そうだな、これはしないとな…」

「そうですね、あれだけあれだけ助力してもらっていましたかからね。

すると三大勢力の幹部全員が俺の前に整列し、頭を下げた。

『おいおい…一体なんで俺に頭を下げるんだ?』

「あなたには感謝してもしきれない恩ができてしましました」

「そうだ、もし君がこの場にいなかったらきっとカテレアに全滅させられていただろう」

「そうだ、それにお前さんはカテレアとの闘いで右腕をなくしてしまっている、本当にすまない神無月シン」

『別に、俺はあんたらが頭を下げることを期待してあんた達、三大勢力を助けたわけじゃない。ただ俺はやりたいことやっただけに過ぎない』

「しかし…」

幹部たちは納得できていないようだな。

さて、どうするべきか………。

俺は周りを見渡しながら考えていると、すぐそこでミカエルに視線を送っているイッセーがいた。

確か…イッセーはミカエル言いたいことがあったって言っていたな。

それなら―――。

俺はイッセーを手招きでこちらに呼び、そしてイッセーに指をさしながら話す。

「なら、あんた達三大勢力を守ったことに関しては俺の隣にいるイッセー…赤龍帝の願いをミカエル、あんたが受領することでいい」

「へ?…シン!?お前なんてことを!?」

「そうですか、なら赤龍帝、兵藤一誠。私に頼む願いとは何ですか?」

イッセーが若干同様するがすぐに立て直し、願いを言う。

「アーシアとゼノヴィアが祈りを捧げてもダメージを受けないようにしてもらえませんか?」

へぇ…なるほどな。

元信徒でありながらアーシア、ゼノヴィアは悪魔になっても、神がいないと知っても毎日祈りを捧げていた。

もちろん二人は悪魔だからダメージを受ける。

そんな二人を見ていていつも不憫に思っていたんだろう。

まあ、俺も思っていたがあまり口にできなかったからな。

「―――っ」

イッセーの願いを聞き、ミカエルが驚きの表情を見せる。

すぐ傍にいたアーシアとゼノヴィアも驚いている。

「二人分ならなんとかできるかもしれません。二人は既に悪魔ですから教会に近付くのも苦労するでしょうが。二人に問います。今の神は不在ですがそれでも祈りを捧げますか?」

その問いにアーシア、ゼノヴィアは姿勢を正す。

「はい。主がいなくてもお祈りは捧げたいです」

「同じく、主への感謝とミカエルさまへの感謝を込めて」

「わかりました。本部に帰ったらさっそく調整しましょう」

「やったな!!アーシア、ゼノヴィア。これでまた存分に祈れるぞ!!」

「イッセーさん!!」

イッセーにアーシアガ抱き付く。

まったくほほえましい風景だな。

「ミカエル様。例の件、よろしくお願いします」

木場が何やらミカエルにお願いしていた。

「ええ。あなたからいただいた聖魔剣に誓って、聖剣研究で今後犠牲者が出ないようにします。大切な信徒をこれ以上無下には出来ませんからね」

成程、そちらのほうも手を講じるのか。

なかなか良くなってきているじゃないか。

まあ、これでこの件はようやく一幕を終えてってことでいいのか…。

それにしても、今回の一件でどうやら奴らが間接的にこちらに干渉してきたな。

とりあえず出方がわからない以上で迎えるしかないか。

「すまねえな…。本当はお前の功績なのによ…」

『お前だって功労者だろう?何せあの歴代最強と言われる白龍皇を退けたんだからな』

「ああ、でも禁 手(バランスブレイカー)に慣れてもまだ一時間が限界だけどな。それにシン思えの腕……」

『別に大丈夫だ。行っただろう機械でできっているって。とれた片腕は修理して直すから安心しな。あとそろそろこの形態解除指定から少し離れていてくれ』

「ああ、すまねえな」

俺は戦闘形態を解除する。

やはり方から左腕がなくなっているな。

帰ったら早めに修理しなければ―――ん?

俺は自分の現状を確認していると、周りの皆がなぜか俺を凝視していた。

しかもアーシアと小猫はなぜか顔を赤くしており、ガブリエルは顔を背けながら金色の翼を黒に点滅させていた。

確か天使って堕天仕掛けると黒に点滅するんだっけ。

何故に今の状況で堕天しかかっているんだ?

するとイッセーが近くに寄ってきて話しかけた。

「シ、シン…その……見えているぞ…アレが………」

イッセーが下をさしてくる。

俺はそのまま下をみると……。

俺の男の大事な部分がさらけ出されていた。

―――は?

なんで、俺の下半身に来ているものがなくなっているんだ!?

『あ、あの…シン』

な、なんだよスカーレット…。

『そのぉ~ごめん。言い忘れていたんだけど、あの携帯であなたの粒子変換領域乃データが少し壊れてね。その壊れたデータが靴屋らズボンの部分で…戦闘形態解除すると…見えちゃうの…てへ♪』

てへ、じゃねえだろ!!まったくこういうことは先に言え!!!

俺は近くにあったがれきで前を隠す。

「まったく…お前さんにはいつも驚かされるぜ…いろんな意味でな。ハハハハハハッ!!」

「シン君はいつも斜め上のことをしてくれるな。フフフフッ」

「ま、まあ。故意ではないでしょうが…あとガブリエルそろそろ正気に戻りなさい」

「は、はぅぅぅぅ///堕天しちゃう……」

「シン…中々いいサイズだったぞ。桐生から見せても資料よりも大きいな…」

もう勘弁してくれ……。

こうして俺が起した変な異常に笑いながら会談は成立し、この学園の名前にちなんで『駒王協定』と名づけられた。








―○●●●●○―






あれから数日後。

「てなわけで、今日からこのオカルト研究部の顧問になることになった」

「私はここの天界スタッフとして駒王学園の教師兼オカルト研究部の副顧問になりました」

着崩したスーツ姿のアザゼルとしっかりとスーツを着たガブリエルがオカ研の部室にいた。

「・・・・ガブリエル様はともかく、どうしてアザゼルがここに?」

額に手を当て、困惑している部長。

「なに、この学園に滞在したいって言ったらセラフォルーの妹に手の目って言われたからよ。頼んだらこの役職になったのさ」

部員全員の視線がソーナ会長に集まる。

「でなければ、姉を代わりに連れてくると脅され・・・・せがまれまして・・・・」

ソーナ会長…そこまでセラフォールの事を……。

まあ、似たような仲間がいたからわからんでもないが……。

『シンくんに、愛のニンジンロケット、アタァァァァック!!』

いやな思い出が頭をよぎった。

「ようするにオカ研を売ったわけね」

リアス部長が苦笑いしながら言う。

「で、ガブリエルはこの地の天界スタッフとしてきたってことでいいのか?」

「はい、そうです。それと、ミカエル様斗堕天使の幹部のシェムハザ様からアザゼルの監視を任されましたので」

シェムハザって幹部にはあっていないが、二人ともナイスアイデアだ。

「アザゼルさん、その左腕は?」

イッセーがアザゼルのなくなっていた片腕が生えていることに気づく。

「これか? これは神器研究のついでに作った万能アームさ」

アザゼルが袖を捲ると左腕が機械的な音を出しながらドリルやらドライバーみたいな形に変えていった。

この世界ではそこまで義手の開発が進んでいるとはな。

「まぁ、そう言うことだ。こいつ共々よろしく頼むわ。リアス・グレモリー」

「ガブリエル様はともかく…はぁ……」

リアス部長がため息をついている。

しかもどさくさに紛れてソーナ会長ガ逃げた。

「そう嫌そうにするなよ、リアス・グレモリー。この俺がおまえらを鍛えてる条件でここに来たってこともあるんだからよ」

「…その件に関してはシンに頼もうと思ったのだけれど……」

「だが、神無月シンはあまり神器については詳しく知らないだろう? 俺の研究成果を叩き込んでやるよ。そうしたら、おまえ達はもっと強くなれるぜ?」

するとオカ研のみんなの表情が険しくなった。

どうやらみんな強さに関して思うところがあるようだな。

まあ、神器についての博識以上の知識があるアザゼルが指導してくれるのはありがたい。

「神器に関してはアザゼルに任せるが戦闘面では俺が指導しますから安心を」

「まあ、話しがまとまったところでいいか、今後俺のことは『アザゼル先生』と呼べよ」

アザゼル先生か…。

なんか微妙だな

『それならいい案があるわよ』

いい案?

『アザゼル先生(笑)って呼べばいいじゃない?』

そうだな今度言いてみるか。

「あー、そうだった。言い忘れるところだったぜ。サーゼクスから伝言があるんだった」

「お兄様から?」

アザゼル先生(笑)…アザゼル先生が頷く。

「以前、赤龍帝の家に泊まった時に眷属のスキンシップの重要性を感じたんだと。『魔王サーゼクス・ルシファーの名において命ず。リアスグレモリーの眷属女子は兵藤一誠と生活を共にすること』、だとさ」

「えええええ!?」

イッセーが盛大に驚いていた。

まあ、大体わかっていたが…気張れよイッセー。

「すみません、少しよろしいでしょうか?」

「ん?どうしましたガブリエル先生」

「実はここのスタッフになったのはいいのですけれど家がきまっていないんですよ…」

「は、はあ…」

「で、差し支えなければあなたの家に住まわせてもらってもいいでしょうか?」

お、俺の家か……。

まあ。まだ部屋の空きは十分あるが…。

「お、神無月シンはガブリエルと同居か…うらやましねぇ」

「あのガブリエル様と同居…すごいですよシンさん!!」

なんか決まった雰囲気になっているが…。

まあ、いいか。

家がにぎやかになるのはいいことだしな。

「いいですよ。あとで家に案内するんで荷物は持ってきてくださいね」

「ありがとうございます!!」

すごい喜んでいるな…。

まだ色々と不安は残るがにぎやかになることはいいことだな。


まあ、『犯罪者』レッテルを張られている俺だが、この日常は守らないとな。


 
 

 
後書き
四章完結しました!!!

ようやくシンの実力の断片を出せました!!

あのシンの形態については設定で上げる予定です。

さて次回は五章になります。

恐らく五章だけ短くなる可能性がありますのでその時はご了承お願いします。


―○●●●●○―


「冥界に行くわよ」

「お前さんは『旧王殺しの機兵』って名前で有名になっているぜ」

「私はお姉さまのところに…」

「さて、兵士としての実力を見せるか」

次章:第五章:冥界合宿のヘルキャット/導き手のスレイヴ
 

 

Change1:夏休みの始まり~Not deformable~

 
前書き
今回は戦闘など事件がほとんどないため文章は少なめです。 

 
和平会談から数日が経った。

現在は夏休み期間で俺は自分の体のメンテナスを主任と一緒にやっている。

『ほい、これで左手の修復は完了だよ~どこか違和感はないかい?』

俺は修理された左手を動かし様々な動作をさせる。

「大丈夫だ、違和感はない」

『なら大丈夫だね。それにしてもご主人随分と体に負担をかけたんだね。変形後の関節部分や回路部分がめちゃくちゃになっちゃってるよ、ギャハハハハハハッ!』

「ああ、どうやらあの形態は今の俺の体にかなり負担をかけるようだ。おれの『コア』のエネルギーについていけていないようだしな」

『まあ、仕方ないよね。『真なるスレイヴ』が完成するまで無理だし。それに元々の体と、生成能力は失われているからね。しかも負荷の原因は生成能力を無理に再現したのも大きいからね、ギャハハハハハハッ!』

それに関しては仕方ないか…まあ『真なるスレイヴ』がどんなものか楽しみに待っとくか。

「それじゃ、俺は上に戻るからあとのことは頼んだぞ」

『ハイハーイ。了解だよご主人。あ、ご主人に言い忘れてたことが一つだけあったよ』

「ん、なんだ主任?」

『しばらくは『緋晶機人(スレイヴ)』には変形できないからそこのところよろしくねぇ~』

「そうか、まあ原因は大方あの姿になったからだろ?」

『まあ、そゆこと、あの形態は機体とデータにひどく悪影響を及ぼすからね。まあ、第三試験兵装が完成するころにはできるようになるから大丈夫だよ。ギャハハハハハハッ!』

「まあ、できるまではあまり使わなかったこいつらを使うから大丈夫だ」

俺は机に置いてある武器を装備する。

主任が目覚めてから作った装備。

これを機会によく使ってみるか。

「じゃあ、主任。あとは任せたぞ」

「了解~ギャハハハハハハッ!』

俺は地下施設を後にした。





―○●●●●○―




「さて、なにを作るか…」

体のメンテナンスを終え、俺は今朝食のメニューを考えていた。

とりあえず今は午前4:30。まあ、そろそろテュールが起きてくるころだな。

「ふぇ~あ~。おはひょう…ましゅたぁ~」

まあ、この通り寝起き感浅海で起きてくる。しかも――――。

「また、その格好で寝たのか…まったく、個人の自由だが流石に裸にワイシャツだけ着て寝るのはやめたほうがいいぞ?」

そう、今の流行でいうとテュールは裸ワイシャツという格好でいつも寝ている。

正直イッセーみたいに鼻の下を伸ばしたり興奮とかしないのだが、注意してしまう。

しかもまだ普通の裸ワイシャツならまだしも、テュールの場合ワイシャツの前を全開にしているので女性の胸部の大事な部分が見え隠れしている。

しかも一切下着をつけていないので下半身のほうは普通に見えている。

もし同居人がイッセーなら最大にイッセーは鼻血を出していただろう。

俺がテュールの格好を見ていると―――。

「そんなにじろじろ見てどうしたの~?まさか、私の体に興奮しちゃったの~?うれしいな~」

「まったく…そんなわけないだろう…。いいから着替えてこい」

「めんどくさいよ~この格好で朝食たべりゅ~」

「はぁ~。まったくならおとなしく机で持ってろよ」

「ふぃ~わかった~」

まあ、いつもこんな感じでテュールと朝のやり取りをやっている。

それにしてもこの世界に来てもこのような状況があるとはな。

そういえば彼女もそうだったな。

『この格好?裸白衣だよシン君!!どう?興奮した?犯したい?いや、私がシン君を犯しちゃうZE!!』

彼女のほうが大概だったな。

「まったく。てゅーるは相変わらずだのう」

「お前のその格好で説得力はまったくないぞ」

「妾は良いのじゃ」

羽衣起きてきたが、なぜか羽衣は裸浴衣、しかも帯を締めておらず前が丸見えの格好だった。

まあ、羽衣の場合は下にふんどしを着ているからいいが。

それにしてもなんでうちの家の女性はこんな格好をするのだろう。

まあ、最近来たガブリエルは何とか普通の格好で来てくれるのでいいが。

「おはようございます皆様…テュールさんと羽衣さんはその格好…は、破廉恥ですよ!!」

いつもこのような朝を迎えている。

正直かなり騒がしいが嫌いではない。

「ほら、朝食で来たからテーブルに集合だぞ」

こうして、また俺の日常が始まる。








―○●●●●○―








「冥界に帰る。ですか?」

俺は今、イッセーの家にいた。

リアス部長が冥界に帰るといった話をしているが俺は今の状況を少し呑み込めずにいた。

「イッセーの家が豪邸になっているとはのう」

そう、リアス部長からイッセーの自宅に来るように招集がかかり来てみるとイッセーの自宅があったであろうところに豪邸がったっていた。

そして玄関にいたイッセーの説明を受けて現在に至っているが…。

流石にここまで常識はずれな現象が起きると困惑する。

まったくこの世界の建築技術はどうなっているんだ?

いや、崩壊した駒王学園が一晩で直ったところを考えればそこで気づくべきだったな。

まあ、いずれなれるだろう。

「私は毎年、実家に顔を見せるために夏には冥界に帰っているのよ」

成程、それならオカルト研究部の活動は夏休みの間は無しってことになるのか。

俺としては去年までは予定があったが今は引き継いでくれる奴がいるからいいとしてどうすればいいか…。

「羽衣は何か予定はあるのか?」

「妾か?決まった予定はないのう。学園の宿題も終わらせてしまっているからのう」

「…そうか。なら俺は久しぶりにあいの家に行くとするかな」

「どこかに行くのか?」

「ああ、ちょっとアメリカのニューヨークに親友がいるんでな」

「なら妾も同行して良いか?」

「別にいいが…パスポートは持っているのか?」

「それなら問題なしじゃ。学園に入学するときにいろいろな証明書や書類などはあらかた申請済みなので大丈夫じゃ」

「ならいいぞ」

「私は、お留守番だな~。パスポートなんて持ってないしな~」

「まあ、落ち込むな。お土産を買って帰るから安心しろ」

「ありがとうマスター!!」

出発予定はあとで考えるとして…まったく―――。


「アザゼル先生はなぜここに来たんだ?」


俺の一言でテュールと羽衣以外が振り向く。

振り向いたん先には、渋い色の和服を着た堕天使の総督もとい、オカ研顧問のアザゼル先生がいた。

「ど、どこから、入ってきたの?」

リアス部長が驚きの表情でアザゼル先生に訊く。

「うん? 普通に玄関からだが?」

「……気配すら感じませんでした」

木場がそう言葉を漏らす。

まったく少しは成長したとはいえ、まだ幹部クラスの普段の気配をとらえるのは今のきばじゃ難しいか。

「そりゃ修行不足だ。俺は普通に来ただけだからな」

「なんとなく誰かが来ているのは気づいていたんだけどまさかアザゼル先生だとはな…」

「まったく、シンや、羽衣、テュールはともかくイッセーは正体に気づかなくとも俺の気配を感じとっていたぞ…それ以外の奴らはまだまだ修行不足だな」

イッセーは正体は気づいていなくとも感じることはできていたとはな。

今のところ俺が修行をつけているのはイッセーだけだからまあ、しょうがないな。

「それよりも冥界に帰るんだろう?なら、俺も行くぜ。なにせ俺はお前らの顧問であり『先生』だからな」

アザゼル先生はそういいながら懐から予定が書いてあるような手帳をめくっていく。

「冥界でのスケジュールはリアスの里帰りと、現当主に眷属悪魔と協力者の紹介。例の若手悪魔達の会合、それとあっちで例外を除くお前らの修業だ。俺は主に修業に付き合う訳だがな。お前らがグレモリー家にいる間、俺はサーゼクス達と会合か、ったく、面倒くさいもんだ」

本当に面倒な顔をしている。

まあ、仕方ないだろうアザゼル先生の本懐は堕天使勢力の総督だからな。

ん?まてよ…今アザゼルは『現当主に眷属悪魔と協力者の紹介』って言わなかったか?

もしかして…。

「アザゼル…先生。もしかして俺や羽衣テュールも冥界に行かなければいけないのか?」

「あ、そうそう、それ。シンとテュールそして羽衣。お前たち三人にも冥界に行ってもらう。まあ、詳しい事情の説明は現地で聞くとして、グレモリーの現当主や若手悪魔二人にお前さんに会ってみたい要望があってな。すまんが同行してくれないか?」

そうゆう事か…確かに自分の娘を助けてくれた恩人に会ってみたいという事か。

正直俺は恩はあまり売る気はないが…まあ、実際に会いに行ってみるのもいいだろう。

だが若手悪魔の二人が俺に会いたいってどうゆうことだ?

まあ、行ってもればわかるだろう。

「どうする羽衣?」

「別に妾は暇がなければどこへでもよいぞ。それにてゅーるも一緒に行けるのならそちらのほうが良いと思うぞ?」

「そうだな。なら予定を変更して三人まとめて冥界に行きますか」

「やったー!!マスターと一緒だ!!」

まあ、これで予定はできた。

正直冥界はライザーフェニックスの一軒で詳しく見ることができなかったから正直楽しみでもある。

実際に冥界…死者の徹ところなんて常識的に考えて行けるわけないからな。

「あ、それとガブリエルもつれて来いよ。サーゼクス達と会合に北欧の大物も参加するしミカエルとガブリエルも参加予定だしな」

「わかった。アザゼル」

「それにしてもシンはなんでリアス同様俺にタメ口なんだ?一応お前の先生でもあるんだが…」

「まあ、俺にもそこのところよくわからないんだ」

「答えになっていないぞ……」

「別にいいだろうアザゼル先生?まだ”生徒”なんだからな」




 

 

Change2:冥界へ~Tried upset~

 
前書き
今回も短いです。 

 
冥界に行く当日、最初に向かったのは駒王学園から徒歩五分のところにある駒王駅だった。

俺とテュール、羽衣、ガブリエル以外のオカルト研究部のメンバーは駒王学園制服を着ている。

どうやらリアスグレモリー眷属は駒王学園の制服が正装らしい。

俺たちは、あくまで協力者の立場であるため制服を着る必要はないそうだ。

しかし、なぜにこの駅なのだろうか?

以前この街を調べたときこの駅で大きな空洞のようなところが検知できたが入ったことはない。

少し考えているとリアス部長についていくと少し大きい駅のエレベーターの目の前についた。

「まずは、イッセーとアーシアとゼノヴィア、それとシンが乗って頂戴。私と先に降りるわ」

「降りる?ですか…」

「ここに地下はないはずですが…?」

イッセーとアーシアが疑問符を浮かべる。

確かにここのエレベーターに地価に行くボタンはない…。

もしかして、あの大きな空洞と関係しているのか?

とりあえず俺はエレベータへと入る。

「ほら、イッセー、アーシア。疑問符を浮かべないでで入りなさい」

リアス部長の指示に従い呼ばれた全員がエレベーターへと入る。

「朱乃、後のメンバーについては任せたわよ」

「了解ですわ」

リアス部長がエレベーターのボタンを操作しそこでエレベーターの扉が閉まる。

すると、リアス部長がスカートのポケットからカードらしきものを取り出すと電子パネルに当てた。

電子カードの認識音のような落ちが鳴るとエレベーターが降下していった。

そしてエレベーターたの窓を見るとそこには人工的に作られた空間…いやまるでイギリスにある大きな駅があった。

成程、あの時反応した地下空間はこれか…。

まさかこの街のこんな地下駅があったとはな。






―○●●●●○―





皆がエレベーターから乗り終える。そして後半組も地下駅に着いた。

「全員が揃ったところで、6番線の電車に乗るわよ」

「イッセー君。行きますわよ♪」

「うわぁ!?」

「あっ!ちょっと、朱乃!私のイッセーよ!!」

「ずるいです!私もイッセーさんと一緒がいいです!」

リアス部長は朱乃さんとイッセーを取り合い、それをアーシアが涙目になりながら追って、列車の中に入っていった。

「大変そうだねイッセー君は……」

「あはは… もう名物のような物かもね…」

苦笑いしながら木場とテュールは列車へと乗車し…。

「ほら行くぞ、お前ら」

「じゃあ、私も行くとするか」

「イッセー先輩大丈夫かな…」

「妾も乗るとするかのう」

アザゼル先生、ゼノヴィア、ギャスパー、羽衣も列車に乗車した。

あとは小猫とガブリエルと俺だけなのだが……。

「どうしました?小猫さん」

「大丈夫か…?」

小猫の元気が無いのだ。最近こんな調子で、上の空になっていることが多い。

「…… 大丈夫です」

その一言だけを答えて、小猫は列車に入っていった。

イッセーやほかの皆も声をかけているがなかなか原因を言ってくれない。

正直明日から修行があるのだが大丈夫だろうか?

まあ、小猫から言ってくれるのを待つしかないか。

「あ、あの……」

「ん?どうしたんだガブリエル」

「わ、私こういうの初めてなのでそのぉ~」

成程…悪魔のルートでしかも冥界に行くのはあまりないから緊張しているのか。

なら…。

「ほら、いくぞ」

俺はガブリエルの右手をつなぎ誘導する。

「は、はひっ!?」

「どうかしたか?」

「な、なんでもありません…い、行きましょう…///」

ガブリエルがなぜか顔を赤くしていたが俺は気にせず、そのままガブリエルを引き連れて列車に乗った。







―○●●●●○―





列車の汽笛が鳴り発射の合図が出る。

列車に入ってみてわかったことだが、内装がかなり豪華だったまるで一泊数十万はくだらないホテルのような内装でしかもバーカウンターや4K対応液晶テレビ、様々な娯楽があった。

まあ、貴族というぐらいなら当然の内装だろう…。

―――。

『あら…どうしたの?急に考え込んで…』

いや…何でもない。ただちょっとな…。

『そうならいいのだけれど?』

まあ正直貴族に対して少し思うところが俺にはあるが、今はいいだろう。

とりあえずリアス部長は列車の一番前の車両に座っていて、眷属であるイッセーたち、そして俺を含めた観光と用事もち合わせた四人そしてアザゼルは中央から一両後ろの車両にいる。

まあ、一応悪魔としての仕来りやルールがあるらしい。

俺たち四人とアザゼルは悪魔ではないので当然の待遇だろう。

それにしても……。

「そうですね…イッセー君の場合、主への性的接触で罰せられるかもしれませんわね」

「なんですと!?」

「ですが眷属同士のスキンシップなら問題ありませんわ」

「ちょっ…朱乃さん!?なんで俺の膝の上に!!!」

「ほらぁ~もっとスカート中に手を入れてくださいな」

「『もっとスカート中に手を入れてくださいな』素敵な言葉があったのかーー!!!」

「もっと奥に・・・・」

朱乃さんがイッセーの手を自身のスカートの中に誘導する。

「イッセーさんが変態さんになってしまいます・・・・」

するとそれを阻止するかのようないアーシアがイッセーの腕を止めていた。

「あらあら。男性は変態なぐらいな方が健康ですわよ?」

「・・・・朱乃、何をしているのかしら?」

するとリアス部長が俺たちの様子を見に来ていた。

まあ、御覧の通りイッセー関連でまた何か起きそうだが…。

「あらあら、私の体は嫌だったかしら?」

「あ、朱乃、いい加減にしなさい!!」

イッセーたちはいつもの通りだった。

「まったくイッセー君や朱乃さんたちはブレないね」

「私もあの中に入るべきか…」

「ある意味修羅場だねぇ~」

「よいではないか…。若者の青春はいつ見てもあきないのう」

「羽衣さん…さすがに高校生でその発言は…」

正直このようなことがマンネリ化してきているのだが…。

まあ、俺が介入する余地はないしほっといていいか……。

『ふふっ』

なんだ急に笑って?

『いえ、ただいずれって思っただけよ』

はぁ~なんか俺の周りでいろんなことが起きてるが…。

「リアス姫。下僕とのコミュニケーションもよろしいですが、手続きをしませんと」

そう言いながらリアス部長の後ろから見た目50歳のおじいさんが現れた。

恰好から察するにおそらくこの列車の車掌さんだろう。

「ご、ゴメンなさい、レイナルド・・・・」

「ホッホッホッ。あの小く天真爛漫だった姫が男女の話とは。い~やこのレイナルド、長生きはするものですな」

レイナルドと呼ばれた男性は楽しそうに笑う。

そして改めて俺たちのほうに向かい挨拶をしてきた。

「はじめまして。姫の新たな眷属の皆さん、姫の協力者の皆さん、そして天使、堕天使の幹部の御二方。私はこのグレモリー専用列車の車掌を務めさせてもらっているレイナルドと申します。以後、お見知りおきをお願いします」

「ど、どうも!!アス・グレモリー様の『兵士(ポーン)』をしている兵藤一誠です。よろしくお願いしまッス!!」

「アーシア・アルジェントと申します!『僧侶(ビショップ)』です!よろしくお願いします!」

「『騎士(ナイト)』のゼノヴィアです。今後もどうぞよろしく」

新人のイッセー、アーシア。ゼノヴィアが挨拶をする。

イッセーは相変わらず初々しいな。

「妾は羽衣九狐斗申す。よろしくたのむ」

「私はテュールだよ!!!よろしくねレイナルドさん」

「どうも熾天使の一角のガブリエルです。このたびは素敵な列車に乗せていただ帰ありがとうございます」

俺が最後だな。

「どうも。リアス・グレモリーに協力させてもらっている神無月進だ。よろしくたのみます」

「あなたの話は姫から聞いております。姫が大変お世話になっているようで。今後とも姫へのご助力よろしくお願いします」

「ああ、そうさせてもらう」

そして一通り挨拶を済ませると冥界の入国時に行われるといわれている検査をイッセーたち新人悪魔が受けることになり検査が終わった。

なぜか検査が終わると同時にアザゼル先生も起きたが。

「では、私は用事があるからこれでね」

「俺もちょいとリアス話があるんでな」

そしてリアス部長とアザゼル先生は先頭車両へ向かった。

―――。

そうか…なるほど。

『どうやらあの堕天使の総督さん(笑)は変なこと思いつくとはね』

ああ、まったくだ。

だが確認としてはちょうどいいんじゃないか?

まあ、実物は見ていないが相手が加減してくれればの話だが。

『そうね』

まあ、とりあえず二人にこのこと話しておくか。

「テュール、羽衣。ちょっとこっちに来てくれないか」

「んどうしたのマスター?」

「なんじゃ?」

「実はな―――――」

俺はあらかた二人に事の事情を説明した。

「うわっ。あの総督さんも結構えぐいね」

「まったくじゃ。万が一のことを考えての考えじゃろうか?」

「まあ、仕方ない。だから俺たちはイッセーたちが気づく前にカタをつけよう。正直俺は乗せるのは好きだが乗せられるのは好きではないんでね」

「わかったよマスター!!」

「よかろう。たまには興に反するのも一向だのう」

さて、とりあえず戦闘準備するか。

おれは来ている服に武器をつけるアタッチメントや展開型のフェイスマスをつけ始める。

「どうしたんだ、シン?それにテュールさんや羽衣まで…」

イッセーが俺たちの行動に反応する。

「まあ、準備ってやつだ。やつに乗せられるのはごめんなんでな。まあ、イッセーたちはいつも通りにしていればいいさ」

「そうそう!!まあ、すぐに終わるかもしれないけどね」

「その通りじゃ。気にするではない」

『まもなくグレモリー領に到着します。まもなくグレモリー領に到着します』

「皆さんそろそろ着きますよ」

「お、もうつくのか。なんか緊張してきた~」

「私もです~」

「冥界か…信徒とか堕ちた私にはふさわしい場所か…」

俺たち以外は気づいていないようだ。

すでにこの列車にリアス部長とアザゼルがいないことに。

――――キィィィィンッ!!!

そして列車が急停止した。

「ん?どうしたんだ」

『ただいまトラブルが発生しており列車を急停止しました。少々お待ちください』

「トラブルですか…」

「まあ、よくあるんじゃね?」

さて、始まるぞ…。

俺が確信したとき…それが起こった。

「うわっ!?列車が消えてぇぇぇぇぇぇ」

「キャァァァァァッァ!?」

「なんだこれは!?」

車両が消え俺たちは地上へと落下していった。









―○●●●●○―







「さて、イッセーはこれでいいか…」

「こっちもみんな寝ているから大丈夫だよ!!」

「こちらも大丈夫じゃ。皆よう寝ておる」

さて、突然列車から落とされ岩の崖が幾重にもある渓谷に落ちた俺たちだが…まあ俺とテュール、羽衣は何が起きたのか把握している。

まあ。俺はリアス部長とアザゼル先生の話を聞いた…いや正確には盗み聞きしたほうが正しいか。

「まったく…あの堕天使の総督の考えは突拍子もないことを思いつくのう。まさかいきなりイッセーたち眷属悪魔や妾たちを試そうなどと」

「まったくだよ…特にギャスパーやアーシアさんあたりが怖がりそうなのにね」

そう、あの総督は冥界に入る直前でイッセーたちと俺たちを図ろうとしていた。

まあ、提案を受けたリアス部長は最初に断っていたが、あの総督の口車に大きく乗せられて了承したからな。

まあ、さすがに緊張が抜けたイッセーたちをいきなり戦わせるわけにはいかない。

実際そこのところ修行しなければならないがイッセーたちにはまだ早い。

さて…

『グオァァァァァァァァァァァ!!』

「出てきたのう。五大龍王」

「わーあ…結構大きいね」

怪獣のような大きな雄たけびの中渓谷の間から大きな紫色の鱗と金色の二本角の二足歩行のドラゴンが現れた。

『………?……』

目の前のドラゴンが困惑したかのような言動をとる。

まあ、今ドラゴンの目の前にいるのは俺たち三人であり肝心のイッセー達はいないからな。

だが俺たちには関係ない。

「さて、今の俺たちがこれを相手にどこまでいけるかやってみるか…。準備はいいか二人とも?」

「準備オーケーだよ!!初リハビリ戦、頑張るよぉ!!」

自身の機械義手を戦闘形態にして雷を全身から放出するテュール。

「妾もよいぞ。さてこの龍に舞を見せるかのう」

舞うように仮面と扇子を出現させ九本の尻尾を生やし黒い朧なオーラを出す羽衣。

俺もアサルトライフル『R-201カービン』を持ちフェイスマスクを前面に出しジャンプキットを起動させる。

「では行くぞ!!」

「了解!!」

「よかろう」

『ゴァァァァァァァ!!』

目の前のドラゴンもこちらの雰囲気を察したか戦闘態勢に入った。






 

 

Change3:巨龍VS異能の三人~Rias family~

「いくよー、スターンレイザァーッ!」

『グァ!?』

テュールが初手の攻撃を目の前の龍に当てる。

「やるのう…なら妾も…『羽衣・不可視鎌』」

『グオォォォォ』

羽衣が不可視の斥力でできた鎌を龍に当てるが防御が薄い関節部にしか攻撃が通っておらず他の部位あったた鎌は、鱗に傷をつけることしかできなかった。

「さすがに龍の鱗は硬質だのう…関節部しか攻撃が効いておらんのう」

「羽衣、お前は遠距離で鱗が少ない部分を攻撃、テュールは近接戦でヒットアンドアウェイを繰り返せ。俺はそのまま遊撃に回る」

「「了解」」

二人に指示を送り戦況をこちらに優先させる。

「えぇい!」

「ゆくぞ!!」

テュールは自身の巨大な機械義手で龍に打撃を与え羽衣は斥力で作り出した不可視の鎌で龍を攻撃していく。

「喰らえ」

俺はアサルトライフル『R-201カービン』を構えそして移動しながら目の前の龍に撃つ。

『R-201カービン』。あの時の設計図に記されていた最新型のアサルトライフル。フルオートかつ高い射撃精度を有しており射程距離は70m。

反動はあまりなく扱いやすくそして威力も高いほうだ。

―――バババババッ

『R-201カービン』を龍に向かい発砲する。

『グッ1?…グオォ……』

どうやら効いているようだな。

しかし、あの龍に効いていることはこの武器は相当威力があるようだな。

とりあえず威力を調整しとくか。

あくまでこれは本気の殺し合いではないからな。

「雷のミサイル行くよー!!!」

―――ドドドドッドゴォォォン!!!

テュールが生み出した無数の雷のミサイルが龍に襲いかかる。

「妾も行くぞ…。『羽衣・黒斥牙槍』」

羽衣も斥力で生み出した槍で龍を攻撃する。

『グッグォォォ…』

どうやらあの龍も先の攻撃で相当ひるんだようだな。

さて、どこでこの戦いを終わらせるかだが…。

『グオァァァァァァァ!!!』

目の前の龍が突然強力な咆哮を挙げた。

どうやら目の前の龍はまだ戦うらしいな。

「さすがにすごいね…。ティアと同じ龍王なだけはあるね」

「流行すごいのう龍はこれは妾も本気を出したくなってきたぞ」

俺たちはいったん同じ場所へと集まる。

二人が先ほど言った通り、さすが元龍王なだけはある。

一応アザゼルの話を疑っていたわけじゃないが、まさかこれが龍王だとは…。

まあ、お互い手加減していることには変わりないが。

「相手はまだやる気のようだ。それなら提案者からストップがかかるまで存分に戦うか二人とも」

「オーケーだよマスターなんか滾ってきたよー!!」

「妾も久しぶりに楽しむとするかのう」

『グォァッ!!』

そして龍は巨大な火炎放射のようなブレスを放ってくる。

「面白ぞ、妾の盾と勝負じゃ。『羽衣・黒斥壁』」

―――グォォォン!!

火炎と斥力でできたブレスがぶつかる。

「アチッ!!…さすがにこの量の火炎は守られていても熱いね」

「だな…。まあ羽衣のお陰で威力まではこちらに来ていないようだがな」

「さすがにここまでやるとは楽しくなってきたぞ」

そして龍はブレスをやめ今度は右ストレートでこちらに襲い掛かる。

「近接攻撃なら私が迎え撃つよ!!…えぇい!!」

―――ドォォォォォン!!

互いの拳がぶつかり衝撃波が戦場に舞う。

さらにその衝撃波の影響で周りの岩や木々が砕け折れていっている。

「やるね、ドラゴンさん!!」

『グォォォォ!!』

そして互いに拳を引き龍は一歩下がる。

ここまで来たら俺も何かやらないとダメなようだな。

―――タァンッ!!!

俺は素早く目の前の龍に向かい駆け出す。

そして移動しながら二丁のサブマシンガン『オルタネーター』を構え、龍に向かい発砲する。

『グッ!!!グ、グググググ』

どうやら先ほどのアサルトライフル『R-201カービン』よりも効いているな。

この『オルタネーター』は高威力の弾を放つツインバレルのサブマシンガン。

弾速や精度を犠牲にして威力をあげている。

まあ、効いているがこれは大体二秒ほどで打ち切ってしまうので、使うときは敵との緊急遭遇時に使うのが本来の使い方だ。

まあ、今回はテストを兼ねて使っているだけだからな。

『グオッ!!』

そして俺が近づくと今度は反撃か尻尾でこちらを薙ぎ払おうとする。

俺はその薙ぎ払いをジャンプでかわす。

『グォン!!』

空中で無防備になった俺に龍は自身の頭部の角を伸ばしこちらに突き刺してくる。

「いい判断だ。だが甘い」

俺は右腕に取り付けられたワイヤーを射出しそして近くの岸壁にワイヤーの先端を括り付けそのまま角による刺突攻撃を回避する。

『グォォ!!』

「な、その状態から尻尾の攻撃か…!!」

回避したつもりが俺の進行方向から龍のしっぽによる薙ぎ払い攻撃が迫る。

「この状態では会費はできな…チッ!!」

俺はあそのまま腕をクロスさせ防御の姿勢をとる。

「マスター!?」

「シン!?」

二人がフォローに入ろうとするが間に合わない。

俺は攻撃の直撃を覚悟したとき…。


―――ズィィィィンッ!!


俺の前から何かが出現し龍の攻撃を受け止めた。

『…?…』

龍はとっさに後ろに下がる。

俺もワイヤーを戻し岸壁に捕まる。

俺は出現した何かを見てみるとそこには。

『ふぅ~間一髪だったわね。シン』

まるでこの世にあらわれたかのように俺の隣にスカーレットハートがいた。

って…よく状況が呑み込めないんだが……。

「何故、お前が個々に…いや実体としているんだ?」

『え~まぁ~…。なんとなく気合でやったら出てこれたわ』

気合って…そんなんでできるものなのか……。

『できるわよ』

まあ、それはいいとしてとりあえず…。

「ここは何処…って、なんか巨大なドラゴンいるし!!しかも周りがめちゃくちゃだ!?」

「はわわわ…言った何が何だか……」

「あらあらこれは一体…」

「もしかしてシン君たちが目の前のドラゴンと戦ったのかな?」

「……」

どうやら本来の御一行のイッセー達が起きたらしいな。

「おいおい…様子を見に来てみれば…この惨状は何だ」

「大丈夫みんな!!」

どうやら雰囲気的に戦闘は終わりらしいな。







ー◯●●●●●◯ー





「まったく…本来はイッセーたちを戦わせるはずの予定が、なんでお前たちがタンニーンを相手にこんな激戦繰り広げているんだよ…」

「あなたがあんな提案したからでしょう!!それにシンの洞察力と身体機能の良さを知らなかったの?あんな離れた場所でもシンは貴方の無茶苦茶な提案は聞聞かれているわよ…」

「ゲッ…まじかよ……」

さて、アザゼルとリアス部長が来てから事態はまあ収まった。

俺はあらかじめ盗み聞きしていたからわかっていたがどうやら先の戦いは、本来ならイッセーたちが戦うはずの予定のようだ。

そしてフォロー要員に俺とテュール、羽衣というわけだ。

「え!?このドラゴンが悪魔!!!」

『久しいなドライグ』

『ああ、懐かしいなタンニーン』

「って…しゃべったぁぁぁ!?ってかお前知っていたのかよ…」

イッセーが若干戸惑っている中アザゼルが説明する。

「こいつはこのドラゴンは『魔 龍 聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)』タンニーン。元龍王の一角でちょっとした事情で悪魔に転生したもの好きさ」

『魔龍聖』ブレイズ・ミーティア・ドラゴン、またの名をタンニーン。

これがあのティアマットと同じ二つ名で称された五大竜王の一角か……。

「ドラゴンで悪魔…ですか」

「どんだけ最強なんだよ…」

「お前らの修行のためにちょいと来てもらったんだよ」

「修行…つまり特訓か!!」

ゼノビアが修行と聞いて何かに燃えている。

すると目の前の龍―――『魔 龍 聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)』タンニーンがしゃべりだす。

『フン…サーゼクス殿の頼みだから来てやっていることを忘れないでほしいな堕天使の総督殿』

「とりあえず、タンニーンとの手合わせで今後の修行方針を決めるつもりだったんだが……」

「俺たちが邪魔したって事だろアザゼル先生」

「そうだよ…まさかお前らがタンニーンとドンパチやっているとは予想外だったぜ」

アザゼルの意見にタンニーンが続く。

『まったくだ。まだ昇進の若者たちと限りなく加減して戦ってくれと聞いていたのだが…現れたのは異能の三人と来た。しかもその三人の実力はアザゼルから聞いていたよりも大幅に違っていたぞ。おかげでこちらは傷を負ったしまったぞ』

「悪いな。それ達としてはアザゼル先生にただで乗せられるのは納得いかないものがあったからな」

「…結局俺のせいかよ…まあいいか。とりあえずリアスからお前たちの実績を聴いて今後の修行のメニューを考えておくからそこのところよろしくな」

とりあえずこの茶番は終わりか…。

まったくこんなことじゃみんなの今後の修行が思いやられるな…。

あとでアザゼル先生乃ところに行って修行のメニューを見ておこう。

『それにしても本当に規格外だな、この三人は…。今や絶滅寸前の伝説の妖怪『羽衣狐』に去年から噂されていたティアマットと行動を共にしていた『壊 拳 の 轟 雷 姫(インパクト・ライジング・クイーン)』。そして―――」

俺のほうに向いてくるタンニーン。

『あの堕天使の幹部コカビエルを倒し、異形の力を纏った旧魔王のカテレア・レヴィアタンを倒した青年―――まったくお前たちには恐れ入ったよ…いくら手加減しているとはいえこちらに傷を負わせるとはまいったな』

「そんなに強かったのかな?私たち…」

「まあ、龍王のお褒めの言葉だからのう。強者の部類にははいるのではないか?」

そこまで噂されているとは…正直情報の出回りがすごいな。

「とりあえず、イッセーたちは私の家にそのまま向かうとして…シン、羽衣さん、テュールさんあなたたちは身なりを少し整えて頂戴…服がボロボロよ」

俺たち三人は自分の身なりを見てみる。

俺は砂ぼこりや煤がついただけでほかには何ともないが―――。

羽衣とテュールはところどころ服が燃えて肌が露出されておりきわどい格好となっている。

「なんでその格好をして平然としていられるのかしら…仮にもイッセーや祐斗、シンがいるのよ…」

「「い、いやーん?」」

「棒読み過ぎない?」

とりあえず俺たちは身なりを整えてリアス部長の実家に向かうことにした。








ー◯●●●●●◯ー






『お帰りなさいませ、リアスお嬢様!』

「うわっ!?」

リアス部長の家に近付いたか、急にあちこちで花火が上がり、並んだ兵隊達が空に銃を放ってる。

そして楽器隊のような集団が一斉に音楽を奏で始めていた。

流石貴族…このお出迎えとはな。

「ありがとう、みんな。帰ってきたわ」

リアス部長がお出迎えしてくれた人たちにお礼を述べる。

それに反応し出迎えの人たちがみんな笑顔になった。

どうやら個々の貴族は領民に愛されているようだな。

流石情愛深いグレモリー貴族といったところか。

そしてその勇断から銀髪のメイドグレイフィアさんが現れた。

「お帰りなさいませ、リアスお嬢さまお速いおつきでしたね」

「ただいま、グレイフィア。元気そうで何よりだわ」

そして俺達は使用人達に自分の荷物を預け、用意されていた馬車で、グレモリー邸へ向かった。

ちなみにアザゼル先生とガブリエルは対テロリスト会談の準備があるため魔王領にある会談会場へと向かっている。

「ほう…なかなか風情がある光景じゃな」

「きれいなお花畑」

俺が乗る馬車には羽衣、テュール、イッセー、アーシア、ゼノヴィア、リアス部長が乗っている。

「本当にきれいですね」

「そうだなアーシア…あのでかい城は何なんだ…」

「あれが私とお父様やお母さまが住む本邸よ。今から向かう場所よ」

成程…それにしても大きいな。

貴族ってよりもまるで王族が住んでいるような建物だな。

「着いたわ」

リアス部長が言うと馬車の扉が開かれる。

そして俺たちに続きほかの皆も降り始め全員がが揃った。

すると俺達が歩く道であろうところに豪華なレッドカーペットが敷かれておりその両脇に大勢の執事やメイドが並んでいた。

ここまで派手なお出迎えとは少々驚いたな…。

「皆様、どうぞお入りください」

グレイフィアさんに案内され、俺達がそのままついていき、屋敷に入った時小さな人影がこちらに走って向かっていた。

「リアスお姉さま! おかえりなさい!」

紅髪のかわいらしい少年がリアス部長に抱きついていた。

「ミリキャス!ただいま。随分と大きくなったわね」

「部長さん、その子は?」

アーシアが聞くと、リアス部長はその少年を紹介してくれた。

「この子はミリキャス・グレモリー。お兄さま、サーゼクス・ルシファー様の子供なの」

成程、この紅色の髪色にこの少年から感じられる魔力サーゼクス乃魔力に似ているようだな。

「ほら、ミリキャス。あいさつをして」

「はい。ミリキャス・グレモリーです。よろしくお願いします」

「…グレモリー?」

イッセーは疑問符を浮かべていた。

どうやら魔王についての知識に関しては知らないようだな。

「イッセー。いちおう説明だが、現在の魔王は襲名性…つまり魔王と任命された者…『ルシファー』つまり魔王と襲名されたもの以外は魔王の性を名乗ってはいけないんだ」

「ああ、だからグレモリーなんだな!!」

まったく悪魔ならそれぐらいの知識はつけてほしいな。

「初めまして。俺は兵藤一誠。リアス様の下僕で『兵士(ポーン)』です」

「私はアーシア・アルジェントです同じリアス様の『僧侶(ビショップ)』です」

「同じくゼノヴィアだ。リアス様の『騎士(ナイト)』だ。よろしくお願いする」

イッセーたちは自己紹介は終わったようだな。

次は…。

「こんにちは、私の名前はテュールだよ!!よろしくね!!」

「妾は羽衣狐の羽衣九狐じゃよろしくなリアス殿の甥っ子よ」

「はい、いつもリアスお姉さまへのご助力感謝しています!!」

どうやら最後は俺になってしまったようだな。

「俺の名前は神無月進だ。リアス部長の協力者をやっている。気軽にシンと呼んでくれ」

俺が自己紹介をすると、ミリキャスは驚きながら瞳を輝かせていた。

どうしたんだろうか?俺が何かしたのか?

「貴方があの会談の英雄の神無月進さんですね!!貴方の武勇伝を聴いた時からファンになりました!!ぜひ握手をしてください!!」

俺の武勇伝?それに俺のファン…か?

俺、ファンが出来るようなことなんてした記憶はないんだが…。

しかも会談の英雄って…。

どうやら俺の知らないところで何かが動いているようだな…。

とりあえず握手をしたが…。

「やったー。握手で来たー!!」

喜んでいるようだな。

正直この幼年が俺に熱中する理由を聞きたいところだがまあ、それは後々聞くとしよう。

そしてリアス部長に案内されとある一室に入ると…。

「リアスお姉さまがお帰りになりましたー!!」

「こらこら走らないのミリキャス」

ミリキャスが部屋にいる女性に抱き付いた。

亜麻色の髪と若干鋭い目・・そして雰囲気がリアス部長に似ている。

「きれいだな~」

イッセーがその女性に向かって視線を送る。

「イッセー。私のお母様に熱い視線を送っても何も出ないわよ?」

「へ…?えぇぇぇぇぇっ!?お、お母様ぁぁぁぁあああ!?どう見ても部長と同い年くらいの美少女じゃないですか!」

まあ、イッセーの意見はごもっともだな。

確かに見た目はリアス部長と同じ年くらいだが、実際はもっと年は上だろう。

「あら、美少女だなんて、うれしいことをおっしゃいますわ」

どうやらイッセーの意見に少しうれしいか微笑んでいる。

この人がリアス部長の母か…。

本当に似ているな。

「さて、リアスの新しい眷属の皆様と、リアスにご助力していただいているお三方。私はリアスの母のヴェネラナ・グレモリーです」

リアス部長の母――ヴェネラナさんが自己紹介をする。

そしてミリキャスの時と同様にほかの皆の自己紹介を済ませ俺の番になった。

そしてイッセーの時はライザーの件で少し慌てていた

まあ、『リアス・グレモリー乃処女は俺のものだ!!』なんて公衆の面前で言っていたからな。

そして俺の時になるとなぜかヴェネラナさんが俺のことを見て近づいてきた。

「貴方が神無月進君でいいわね」

「はい、私の名前をご存じで光栄です」

「いいえ。むしろ光栄なのはこちらですわ。兵藤一誠君と婚約パーティーに乗り込み圧倒的な差でライザーの眷属たちを圧倒していましたから。それに今やあなたは銘菓全土ではかなりの有名人…むしり英雄に近い扱いをされていますわよになっていますわよ」

「有名人?…英雄…?」

心当たりがまったくないのだが…。

するとヴェネラナさんは手元に魔方陣を浮かべて映像を流し始めた。

『今回のニュースは!!三大勢力の会談!!しかもそれに多く貢献しその立役者となった人物はリアスグ・レモリーの協力者であり、あの魔王サーゼクスル・シファー殿とセラフォルー・レヴィアタンのご友人であられる神無月進だ!!』

え…?

『我々はこの真相を探るべく会談に出席してくれた魔王のサーゼクス様とセラフォルー様の御二方にインタビューしてきました!!』

するとサーゼクスとセラフォルーが映像に出てきた

『サーゼクス様、会談の件に大きく貢献した神無月進についてどうぞ!!』

『ええ、彼はわがリアスを窮地から救いさらにはあの堕天使の幹部コカビエルを倒した人物だ。それにあの会談でテロリストが襲撃したときにすぐさま裏切り者の白龍皇を見つけ出しそして襲撃の主犯である異質な力を持ったカテレアを倒してくれたから人物だよ。さすが私の友人だよ』

『おおー!!いきなりの高評価!!セラフォールさまはどのような感じですか』

『彼は会談の際にあの堕天使の総督んおアザゼルをカテレアちゃんの魔の手から救った英雄よ!!それに彼の―――神無月進君の戦う姿はまるで正義のために戦うロボットのようだったわ!!』

そして再び映像はニュースのスタジオに戻る。

『いきなりの魔王様からの高評価!!しかも今回、神無月進の希少な戦闘映像を我々が入手しました!!それではどうぞ!!』

そして俺が今まで戦った、ライザーの眷属やコカビエル、カテレアとの一部の戦闘シーンが流れ出したた。

そして映像は俺の戦闘シーンが終わったところでで終わった。

―――ちょっとまて…。

何故ここまで俺の情報がここまで出回っているんだ…。

しかもこんなまるで英雄みたいな扱い…。

一体何がどうなっているんだ…ッ!?

いまいち状況が呑み込めない俺にかまわず、今度はヴェネラナさんは近くにいた執事さんに何かを持ってこさせた。

あの執事が持っているものは新聞か?

まさか……。

「ほら、この新聞の大きな見出しにあなたのことが載っていますわよ。『三大勢力トップ会談成功!!、その和平の立役者は名門グレモリー家、次期当主リアス・グレモリーの協力でありサーゼクス様とセラフォルー様のご友人、神無月進!!あの堕天使の幹部コカビエルと前魔王の血を引くカテレアを倒す!!』ほら、このことであなたの雄姿や武勇伝覇今や冥界全土に知れ渡っていますわよ?」

新聞をよく見るとスレイヴ・バルバトス姿の俺移った写真がが記事の大きな見出しに飾れれていた。

「シンすげえな!!」

「すごいです!!シンさん」

そして周りの皆から拍手をもらった。

だが…俺は……。

「…え?…」

状況が呑み込めてないでいた。


 
 

 
後書き
さて、今回は物語の後半でシン君を違う意味で追い詰めてみました。



 

 

Change4:若手悪魔の会合~There is nothing terrible as sullen~

さて、俺は今リアス部長の実家にある庭にあるベンチに座っている。

今イッセーたちは食事中で恐らくリアス部長の親御さんと楽しく食事をしているだろう。

なぜ俺は食事していないのかというと、

まあ、せっかくイッセーたちが楽しく食事をしているからな…。

俺があの席に混じるのは野暮だろう。

ちなみに羽衣は自室で休んでおりテュールはそのまま自室で寝ている。

まあ、羽衣はともかくテュールにとっては久しぶりの戦闘だから精神的に満足して疲れたのだろう。

……。

タンニーンとの模擬戦で俺は楽しんでいたな…戦いを。

正直平和な暮らしにあこがれていた自分もいるがやはり元人間でも力を持てば戦うことが楽しくなってしまうのだろう。

だが、あの時…最初に手に入れたときの俺とは違った。

殺しに関しては浸っていなかった。

やはり…俺は自分が何を本当に望んでいるのかはわからないものだな。

『どうしたの?そんな考え込んで』

また実体となって出てきたスカーレットハート。

「まあ、色々とな…それにしてもどうして実体化ができるんだ?」

『初めて現れたとき言ったでしょう?気合で何とかなったって。それに詳しいことは私にもわからないのよ』

「そうか…。まあ実体化で来た要因は後々追及するとしよう」

『まあ、私にわからないことを聞かれても返答できないわよ?ここは『俺の中の美少女が実体化したぜイェェェェィ!!』ぐらいの勢いを見せて頂戴?』

「そこまで俺は子供ではないさ…やれやれだな」

それにしてもここまで事態が急に進むとはな…。

『確かにね…さすがにあなたの世界の兵器がこの世界にあることが分かったときは私も驚いたわ』

貴なる兵器(ルイ・ウェポン)』がこの世界のテロリストに流出している。

恐らく二つもこちらに出してきたということは『擬覇王の威光(ギング・パステージ)』、『獅子の威壁(レオ・インウォール)』を含め計八つの『貴なる兵器』が全て敵が所持しているとみて間違えないだろう。

この予測があっていればこの世界においてはかなりの力になるだろう。

こうなれば早急にイッセーたちには強くなってもらわねばならない。

あとは『真なるスレイヴ』の完成とこの異常事態と『貴なる兵器』を持ち込んだ犯人、もしくはISを作った本人の正体を知る必要がある。

『そうね、だから変えましょう。敵の運命を…』

「ああ、変えていこうイッセーたちの不幸な運命から幸せな運命へと」

俺は改めて目的の確認と覚悟を確認しそのまま自室に戻った。








―○●●●●○―







翌日…俺は一人でグレモリー領の観光をしていた。

羽衣、テュールを含めた女性陣は集団で観光している。

ちなみに木場とギャスパーは学校の宿題をやっており、イッセーは悪魔関係の勉強をしている。

イッセーに関してはおそらくリアス部長の両親がイッセーとリアス部長をくっつけるために遣っている策略の一つだろう。

まあ、イッセー頑張ってこい。

それはいいとして俺は今グレモリー領にある少し大きな町に来ていた。

西洋的な雰囲気を出しながらも近代的な街並み。

そしてその街を闊歩する悪魔の人たち。

あまり人間界と変わらないもんだな。

「あそこに歩いている男性…」

「確か三大勢力の会談で窮地を救った人だよね」

「あれが噂の英雄さん?いい男じゃない♪」

俺を見ると視線を向けながら話している悪魔の人たち…視線が刺さるな…。

どうやら俺の想像以上に悪魔の人たちに浸透しているらしい。

正直俺はただ観光しているからやめてほしんだがな…。

「あ、あの!!」

「ん?…子供」

俺が歩いていると悪魔の子供が俺に話しかけてきた。

「お兄さんがあのカンナヅキシンさんですか?」

どうやら子供にまで名前を知られているようだな…やれやれ。

「ああ、神無月進は俺の事だが」

「本物だ!!!お母さん、この人本物のカンナヅキシンだよ!!」

「こら!?人様に急に話しかけないの。…すみませんうちの息子が…」

するとその子供の母親らしき人がこちらに来た。

正直俺としてはそのままやり過ごしたいところだが……。

「別に大丈夫ですよ。でボク、俺に何ようかな?」

俺は子供に用を訪ねると手をお出してきた。

「僕と握手してください!!ニュースを見たときからあなたのファンになりました!!」

まさかここまで名前が知られているとは…。

まあ、断る理由はないし握手ぐらいならいいだろう。

そして俺は子供と握手をした。

「ありがとう!!これからも頑張ってね!!」

「ありがとうございました」

そして親子は去っていった。

それにしても俺がこんな扱いをされるとはな…。

俺はまたその場から歩き出す。

すると―――。

「す、すみません!!カンナヅキシンさんですよね?」

このパターンは…。

「はい、そうですが……」

「私あなたのファンなんです握手してください!!」

俺は『またか』ッと思いながらも握手をする。

さらに―――。

「お、俺もあなたのファンなんです!!握手お願いしまッス!!」

「ニュースで見たときからあなたのファンになりました!!握手してください」

「私もあなたのファンですの。握手お願いしますわ」

先ほどの女性との握手をきっかけに次々と集まる悪魔の人たち。

まったく、あとでサーゼクスに文句を言おう。

俺はそのままこの場に集まった人たちと握手をした。



「まったく疲れたな。こんなのはもうこりごりだな」

全員と握手をした後俺はため息をつきながら独り言をつぶやいていた。

正直一目見ただけで俺へに対する見方があんなになるなんてどうなっているんだ冥界は。

『そんなこと言っておきながら全員の要望に対応していたじゃないの?』

仕方ないだろう…ああも迫られては断るには断り切れないからな。

『へぇ~…。なるほどあなたは押しに弱いのね…。覚えておきましょう♪』

何かよからぬ一言が聞こえたが今は無視しよう。

そして数分街を歩いていると……。

「どうしよう…あうぅぅ~」

数メートル先で何かを探している小学生くらいの女の子がいた。

どうしたのだろうか?

見たところ何かなくした様子だが。

いちおう声かけてみるか。

俺は女ののほうへ近寄り話しかける。

「どうかしたか?お嬢ちゃん」

「ふぇ?」

少女がこちらの声に気づき振り向き俺を見上げる。

純粋な黒髪のストレートヘアー、それと同じ色の瞳それと少し変わったゴスロリの格好をした少女だった。

……。

『―――ちゃん』

……ッ!?

なんだ今のは…。

この少女を見た途端、俺の脳裏になぜか知らないがノイズがかかった聞き覚えのない声が響いた。

「あ、あの…」

お、おっと今はこの少女の話を聞かなければいかなかったな。

「すまない…それでそんなに慌ててどうしたんだ?」

「じ、実はこの辺で財布を落としてしまって…」

財布を落としたのか…。

だから焦っているわけだな。

「なら、俺も一緒に探そう二人のほうが早く見つかるだろう」

「え…いいんですか?」

「別にかまわない。それに俺から慌てていたわけを聴いて手伝わないわけにも行かないしな」

「あ、ありがとうございます!!」

こうして俺は少女の財布探しを手伝うことにした。

『それにしてもあなたから直接厄介ごとに首を突っ込むなんてね。さっきはあれだけ『こりごりだ』って言ったのにね』

別にいいだろう。

それに俺自身が乗りかかった船だ手伝うさ。

そして数分後、俺は電柱付近を捜しているとそこに黒いものが落ちていることに気づいた。

「これか?」

俺はそれを拾い上げ確認する。

黒い小さい財布、そして少女が好みそうな刺繍が施されている。

俺は拾い上げた財布を少女に見せる。

「お前の財布はこれか?」

「ああぁ!!これです。これが私の探していた財布です!!」

俺は財布を少女に渡す。

少女はその財布を道大喜びをしていた。

よほど大事なものだったのだろう。

「見つかってよかったな」

「ハイ!!ありがとうございます!!」

これで解決か…。

俺は近くにあった時計を見る。

あ、もうリアス部長が言っていた集合時間だな。

「それじゃ、俺はこの後用事があるんでな。じゃあな」

「え、あの!!」

「今度はなくすなよ」

俺はそのまま人ごみに紛れてリアス部長の実家へと帰っていった。








―○●●●●○―






俺―――兵藤一誠は今みんなと一緒に冥界にある電車で魔王領に向かっている。

なんで俺たちが魔王領に向かっているのかというと、そこで若手悪魔…sかもその中でもずば抜けた者たちの会合が開かれるそうだ。

俺たちグレモリー眷属は部長の付き添いとして同伴しており。

シンに関しては会談の功労者として若手悪魔に顔を出せとの事らしい。

それを聞いた時のシンはなぜか少しめんどくさそうにしていた。

確かシンはあまり上級階級やら王族やら貴族に関してあまりいい考えを持っていなかったよな?

まあ、今はいいだろう。

ちなみに羽衣とテュールさんはあくまで観光に来ているため部長の実家で留守番をしている。

しかし、みんながのんきに観光している間俺だけは部長のお母さんから悪魔社会についての勉強や悪魔文字の練習をさせられていた。

正直覚えることが多すぎて脳みそが行かれそうになったぜ…。

だがシンは帰ってきたから少しの間疲れたよう雰囲気を出していたが何かあったのだろうか?

まあ今はいいか。

そして電車に乗ってから数時間後。

到着したところは西洋的な外観を残しつつ近代的な建物がある都市部だった。

俺たちが普段いる人間界とは若干違うデザインの建物だけどそこまで変わりはしないな。

しかもファミレスやコンビニみたいなところもあるし……。

「ここは魔王領の都市ルシファード。旧魔王ルシファー様がおられたと言われる冥界の旧首都なんだ」

木場が説明してくれた。

成程…ここはサーゼクスさんが魔王をやる前の前任の魔王様とその家族が住んでいたところになるのか。

ってことは、ヴァーリの血縁者もここに住んでたってことになるのか…。

ちょっと複雑だな…。

まあ、ここは平和そうだしいいか!!

「表から向かうと大きな騒ぎなるし目立つから地下鉄で行くわよ」

部長がそう言う。

大騒ぎ?目立つなんでだ…?

「きゃぁぁぁぁぁぁああ!!!リアス姫様ぁぁぁぁ!!!!!」

「ウェッ!?」

急に来た黄色い感性に思わず変な声で驚いてしまった。

声がした方向へと振り向くとそこにはたくさんの悪魔の人達がいた。

まるで海外の有名歌手や俳優が来たみたいな感じになっているな。

「リアスは魔王の妹であり、容姿端麗そして情愛深さ。下級、中級悪魔から憧れの的なのですよ」

ほへー成程、だからあんなに歓声が鳴り響くのか。

「朱乃様ァァァァァァァァ!!」

って、今度は朱乃さんのへの歓声かよ!?

「まあ、朱乃さんは『雷の巫女』意外にも『冥界の大和撫子』ていわれるほど人気なんだよ。まあ多くのファンは男性角間だけどね」

まあ、部長が有名なら朱乃さんもそうだよな…。

あれ?…このパターンだともしかして…。

「キャァァァァァッァ!!木場きゅうん!!!!!!」

やはり木場もそうだったか。

とりあえずイケメン死すべし!!

くぅ~俺も木場や部長みたいに女性ファンが来てほしいぜ!!

ぜってぇ、ハーレム王になってやる!!

俺はそう願望に燃えていると―――。

「あれ?もしかして、リアス姫様たちとその眷属の後ろにいる男性って…」

「まさかあの和平会談の功労者にして魔王様を救ったカンナヅキシンか!?」

「間違いないわ!!あの姿、ニュースや新聞に載っていた姿と同じ顔をしているもの!!」

「何よりリアス姫様たちと一緒に行動していることが何よりの証拠だわ!!」

すると―――。

「カンナヅキシンさんありがとう――!!」

「魔王様やリアス姫様たちを守ってくれたありがとう!!」

シンにまで声援が来ていた。

当の本人は…。

「はぁ~勘弁してくれ」

非常に疲れ切った表情と困った雰囲気を出していた。






―○●●●●○―





あれから俺たちは地下鉄で移動した後、都市で一番大きい建物の地下にあるホールに到着した。

途中まで、ボディーガードの人たちがいたがホールには入れなしく入り口で別れた。

正直シンがいるからあまりボディーガードが俺たちにに必要かどうか少し感がてしまう。

まあ、その時はその時だな

それにしても部長と同じ世代との会合か…緊張してきたぜ……。

俺は落ち着こうと呼吸を整えていると必死に落ち着こうとしているアーシアがいた。

まあ、俺だって緊張しているからな…。

「アーシア、大丈夫か?」

「き、緊張はしていますが、だ、大丈夫です!」

なんか大丈夫じゃなそうだな。

「まあ、俺も緊張しているからお互い頑張ろうや」

「そ、そうですねい、イッセーさん!」

なんかアーシアを見たら自然と緊張が解けたな…。

こうしてアーシアをサポートしながらも目的のにホールにつき若手悪魔用の待機室へと案内されている。

そうやらシンも同じところで待機らしい。

そうして俺たちは専用の待機室に向かっていると、通路の先の一角に複数の人影が見える。

「サイラオーグ!」

部長がその内の一人に声をかけた。

名前を呼ばれたであろう人もこちらに来る。

どうやら部長とあの人は知り合いのようだな。

見た目は俺たちとはあまり変わらない歳みたいで何より黒髪の短髪で瞳は珍しい紫色の野性的なイケメンの様だった。

しかも体格もよく身長も俺より大きい。

もしかしてシンと体格や身長でため張れるかもな。

「久しぶりだな、リアス」

男性は部長とにこやかに握手を交わす。

「ええ、サイラオーグ。元気そうでよっかたわ。そういえば初めて会う者もいるわね。彼はサイラオーグ・バアル。バアル家の次期当主で私の母方の従兄弟に当たるの」

従兄弟なのか。

確かに見てみればどこかサーゼクスさんの面影を感じるな。

「リアスに紹介してもらったが、改めた自己紹介をしよう。サイラオーグ・バアルだ。バアル家の次期当主だ」

たしかヴェネラナさんが授業で元七十二柱について教えてくれた時にバアル家の事も言っていたな。

確か…魔王の次に偉い『大王』だったけ?

するとサイラオーグさんの視線が俺に移った。

「ほう、お前が今代の赤龍帝でリアス唯一の『兵士(ポーン)』か」

「は、はい!!どうもリアス・グレモリーの『兵士』の兵藤一誠です!!」

「ほう…なかなか元気がよくそしてお前から感じるオーラなかなか強いな。これからよろしく頼む、兵藤一誠」

「はい!!」

なんかすごく話しやすい人だな。

そして次にサイラオーグさんはシンを視線にとらえていた。

「君がリアスの協力者の神無月シンだな」

するとシンも反応し自己紹介を始める。

「どうもバアル家の次期当主殿。俺は神無月進だ。まあご存知の通り、リアス・グレモリーの協力者をやらせてもらっている」

二人は握手を交わす。

てか…今まで知ってはいたがサイラオーグさんとシンが並ぶといかにもシンのガタイの良さと高身長がわかるな。

「なるほど、やはりおまえがそうだったか。その体格…身にまとう雰囲気、そして一見すきがあるように見えるのに実際は一切すきがない…。成程、あのコカビエルを圧倒し旧魔王のカテレア・レヴィアタンを倒した力は本当のようだな」

「俺はそこまで評価されるようなものではないですよ」

「そんな謙遜するな。もし君と俺が戦ったらおそらく勝てないだろう。それに眷属も参戦したところで勝てるかどうかも怪しいところだ」

なんか、こうシンといろいろな人たちの会話を聞いているとシンは一体どんだけすごいんだ?

正直あの時シンと肩を並べたいとか言っていたがさらにその道のりが遠くなった気がするぜ。

すると、部長がサイラオーグさんに尋ねた。

「それで、サイラオーグはこんな通路で何をしていたの?」

「ああ……あまりにもくだらんから出てきただけだ」

「・・・・・くだらない?もしかして他のメンバーも来ているの?」

「ああ、アガレスとアスタロトもすでに来ている。しかも、ゼファードルもいる」

「…そういう事ね。なんとなくわかったわ」

なんか部長は察したようだ。

もしかして待機室で何かあったのかな?

俺が考えていると―――

――――ドゴォォォォォン!!!

突然通路の奥から巨大な破砕音が聞こえてきた!

なんかか猛烈に嫌な予感がするぞ…。

部長とサイラオーグさんがあきれながらながら破砕音が聞こえた部屋に入り、俺達もそれに続く。

「はあ~今日は厄介ごとがよく起こる」

しかもシンも嘆息しながらついて言っていることは何が起こっているかはわかっているのだろう。

部屋の中を見てみると、部屋全体がボロボロで、テーブルや椅子、装飾品などが全てが破壊つくされている。

部屋の中央には会場を絶対にそうしたと思われる人物が二人いた。

それに二人の後ろにはそれぞれの陣営に別れた悪魔達が強いオーラを発しながらにらみ合いをしていた。

しかも武器を構えているから明らかにやばい状況だ。

「ゼファードル、こんなところで戦いを始めても仕方なくては?あなたは馬鹿なのかしら?いや馬鹿から低能になったのかしら?いっそのことこの場で殺してやろうかしら?」

「ハッ!言ってろよ、クソアマッ!処女臭ぇからこっちが気を利かして別室で女にしてやろうとしてんのによ!アガレスのお姉さんはガードが堅くて仕方ねえな!そんなんだから未だに処女やってんだろう?俺が素敵な貫通式をしてやるって言っているのによ」

メガネをかけた美少女と顔に魔術的なタトゥーを入れたヤンキーみたいな男性が言い争っている。

てか、悪魔にもヤンキーはいたんですか…。

しかも言葉がすごく汚い。

いくらスケベ三人衆の一人である俺でもあんな言動はとらないぜ?

「アーシア、俺の後ろに下がりな」

「はい?シンさん」

…ん?

シンが急にアーシアを庇い出した。

確かにあの戦闘乃余韻がアーシアに来るかもしれないが部長が魔方陣張っているから問題ないはずだし…。

よく見ればシンの目線の先にはあの二人ではなく部屋の隅にただ図んでいる一人の美少年に向けられていた。

しかもシンの目は若干警戒しているようだった。

「ここは若手悪魔が軽く挨拶を死友好を深める場だったんだが・・・血気盛んな若手悪魔を一緒にしたとたんこの様だ」

なんか、大変だな若手悪魔も。

「サイラオーグ・バアル殿」

「どうした神無月進?それと俺のことはサイラオーグでいいぞ」

「ではサイラオーグさん。少しこの女性の傍に立っていてください」

「ん?何をする気なんだ…」

「あのくだらない喧嘩を止めとてきます」

え?!

何言ってんだシン!!

「いやここは俺が止めよう。ここで間に入るのも大王家次期当主の仕事だ」

「すみません。正直今日はいろんな意味で不機嫌でしてね。正直ゆっくりしたいところにこんなくだらない理由で始まった喧嘩を見ているとキレそうなんですよ。だからここは俺は行かせてください」

「…いいだろう。この目で君の実力を見るのもいいだろう」

そしてシンがあの睨み合う二人の元へと歩を進める。

「そこの女と問題児、これ以上やりたいなら俺が相手をしよう。できればこのままお互い矛を収めることを収めることを収めるのお勧めするぞ」

するとシンから物凄いプレッシャーが放たれた。

やばい、あれシンかなりキレているぞ。

「誰だてめぇ!!って、ニュースや新聞でちやほやされている脆弱な人間かよ」

「あの人は…」

ヤンキーのほうは変わらず殺気を放っており、美少女のほうはシンを見ていた。

「もう一度言ってやる。矛を収めろ女、問題児」

「誰が問題児だ!ただの人間風情が!!!」

ヤンキーが真に殴りかかる――――

だが、

「遅い…」

「な、なに!!」

シンはあっさりと攻撃をかわしそしてそのままヤンキーの両腕をつかみそれぞれの腕の関節を逆方向に曲げる。

――ボキィィィィ

「ああーーーいてぇぇぇぇ!!腕がぁ!!腕がぁ!!!」

ヤンキーはそのまま腕をぶらぶらさせながらジタバタする。

「言わなかったか?俺が相手をすると」

「おのれ!」

「人間が!!」

ヤンキーの眷属であろう悪魔が飛び出しそうになる。

「これから大事な行事が始まるんだ。まずは主を回復させろ。それに彼は魔王様の大事なご友人だ下手に危害を加えるとどうなるかわかっているな」

『ッ!』

その一言にヤンキーの眷属たちは動きを止めて、倒れる主の元へと駆け寄っていった。

しかし…シンの動き明らかに普通じゃなかった…。

まるであの攻撃が来ているのをわかったかのような動き。そして一瞬であのヤンキー悪魔を無力化させた。

本当にシンはスゲェぜ!!

「なあ、リアス」

「どうかしたサイラオーグ」

「君はとんでもない存在を味方につけたのだな。彼ともぜひ戦ってみたいよ」

「ええそうね。シンのポテンシャルは規格外だからね」


 

 

Change5:夢は誰にも汚せない~Mysterious girls~

ヤンキーが起した喧嘩から数時間が経った。

今はボロボロになった壁は修復され会長たちも来ていた。

「私はシーグヴァイラ・アガレス。大公アガレス家の次期当主です。先程はお見苦しいところをお見せして申し訳ございませんでした」

先ほどヤンキーとけんかしていたシーグヴァイラ三が改めて挨拶をしてくれた。

確か、大公は魔王と大王の間を取りまとめるのが役割だったけ?

それと俺たち人間界にいる悪魔にはぐれ悪魔討伐や調査依頼などの命令を魔王の代わりに伝えるもの仕事だったよな。

なんかヴェネラナさんのお陰で悪魔についての知識がすごく深まった気がする…。

まあ、あれだけ勉強すればそれに身につくよな。

「ごきげんよう。私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主です」

「私はソーナ・シトリー。シトリー家の次期当主です」

「俺はサイラオーグ・バアル。大王、バアル家の次期当主だ」

「僕はディオドラ・アスタロト。アスタロト家の次期当主です。皆さん、よろしく」

シーグヴァイラさんに続き、若手悪魔の主達があいさつをしていく。

ちなみに俺達、眷属悪魔は主の後ろで待機している感じだ。

確かあのヤンキー悪魔も次期当主だったよな?

失礼だと思うが、あんなのが名門貴族の次期当主でいいのか?

正直不安しかないと思うが…。

「どうしてゼファードルが家の次期当主かわからないようだな?」

「ええ、まあ」

「まあ、不安になるのは仕方ないことだ。実は、グラシャラボラス家は先日、お家騒動があってな。次期当主とされていた者が不慮の事故で亡くなったそうだ。だからその弟である先程のゼファードルは新たな次期当主候補となったのだ」

サイラオーグさんが丁寧に説明してくれた。

実際、有名貴族でも色々大変なんだな。

確かヴェネラナさんの授業で習ったがグラシャラボラス家は元々今の魔王様…名前は忘れちまったけどその人が本来なら次期当主のはずが、魔王になってしまったため次期当主の座が変わったらしいな。

金持ち生活にあこがれていたけどこんな問題があるなら今の暮らしでいいかな。

てか、この面々で会談をやるのかよ…。

俺また緊張してきたかも…。

「よっ、兵藤」

「匙か」

俺が緊張気味の中、匙が俺に話しかけてきた。

「もしかして緊張しているのか?」

「ああ、正直元一般市民の俺にとっては今の空気だけでも緊張するぜ」

「て、おいおい…。いくら下級悪魔とはいえど甘えは赤龍帝なんだぜ?少しは堂々としていないとリアス先輩の評価につながるぜ?」

「まあ、それはそうなんだが…緊張するものは緊張するんだよ!!」

「まあ、お互い主たちに迷惑かけないように頑張ろうや」

「ああ、なんかお前のお陰で緊張がほぐれたぜ」

「それは良かったな」

まあ、部長の迷惑にならないように頑張るぜ!!

「皆様、長らくお待ちいただきました。会場の皆様がお待ちです」

こうして俺たちは使用人の案内され会談の会場に向かう。






―○●●●●○―





会場に入るとそこは異様な雰囲気の会場だった。

まるで記者会見のような場所になっており、俺穂含めたそれぞれの眷属たちは主を先頭にして一列に並んでいる状態だ。

俺たちが立っている斜め上の方に席がいくつも並んでおり、そこには上級悪魔と思われる初老の男性が数人座っている。

さらにその上、一番上の席にはサーゼクスさん、セラフォルーさん、アジュカさん、それからもう一人、魔王らしき人が座っている。

てか、あの人すごいあくびをしているよ…。

そういえばシンの姿が見えないな…。

確か会場入りするときにシンは別ルートで案内されていたな。

どこに行ったんだろう。

あと気になるんだけど、魔王様たちが据わっている席がひとつ開いている。

しかも魔王様たちは五個ある席の内、中央の一隻に座っていなかった。

すると魔王様の席がある会から人影が見えた。

って……シン!?

そして魔王様が据わっている席の中央の開いている席にシンが座った。

シンがどうして魔王様と同じ席に座っているんだ!?

てか、よく見ると会場にるほとんどの悪魔の人たちがシンを見ていた。

確かに魔王様と同じ席に座るってすごいことだよな……。

まあ、シンはいろいろと有名だし、しかも和平会談でみんなの窮地を救ってくれたからな。

てかこうして、魔王の方々とシンを見ると違和感がなぜかないな…。

魔王様たちの見た目年齢自体も若いというのもあるが、シンから漂っている風格が魔王様たちに負けていないように見える。

ほんと、同じ年かどうか疑うぜ。

そしてお偉いさんみたいな初老の男性の一人がしゃべりだした。

「よくぞ集まってくれた、次世代を担に悪魔の未来を託された若き悪魔たちよ。この場を設けたのは一度、この顔合わせで互いの存在の確認、更には将来を競う者の存在を認知するためだ」

「まぁ、早速やってくれたようだがな」

まあ、その件に関しては反論のしようがないな…。

まあ、大方の原因はあのヤンキー悪魔が原因だけだよ。

そしてサーゼクス様がしゃべりだす。

「君たちは家柄も実力も共に申し分ない。だからこそ、デビュー前に互いに競い合い、力を高めてもらいたいと考えている」

その時、サイラオーグさんが挙手をした。

「我々、若手悪魔もいずれは『禍の団(カオス・ブリゲード)』との戦に投入されるのでしょうか?」

禍の団(カオス・ブリゲード)』…か。

「私達としては、できるだけ君たちを戦に巻き込みたくはないと思っている」

サーゼクス様はそう答えた。

しかしサイラオーグさんはあの返答にいまいち納得が一定なようだ。

「どうしてですか?この場にはテロ組織と戦って、生きて帰った者達もいます。我らとて悪魔の一端を担うもの。冥界の未来のため――――」

「その気持ちは魔王として私としてもとても嬉しいよ。だが、無謀だ。なにより君達ほどの有望な若手を失うのは冥界にとって大きな損失となるだろう。しかも『禍の団』は我々が知らない技術を使いかなり夕に立っている。だから理解してほしいんだ。君達は我々にとって宝なのだ。だからこそ、じっくりと段階を踏んで成長してほしいと思っている」

「…わかりました」

確かに会談襲撃時の時正直かなり不利だった。

あの時はシンがいてくれたからこそ、何とかなった問題だ。

だけど……。

『《―――ウヴォォァァァァァァァアッ!!!》』

あの時のシンは…どこか……。

「どうかしましたか?イッセーさん」

「…あ、いや、なんでもないよアーシア」

おっと…今は会談中だったな。

今は目の前のことに集中しないとな。



そしてそのあとは悪魔のお偉いさんたちの話難しい話や魔王様からの今後のゲームや方針についての話が続いた。

まあ、俺にとっては難しい話はよく分からないな。

まあ、ここで居眠りやあくびをすると部長への評価がよくなくなるから、我慢するぜ!!

シンを見るとあまり表情を変えていないようだがあまりいい表情をしていなかった。

シンにとってあまりこうゆう人たちはあまり好きになれないだろうな。

「さて、我々の長話に付き合わせてしまって申し訳なかった。すまないな、それだけ君達に夢を見ているのだよ。さて最後に君たちの目標を聞かせてくれないだろうか?」

すると最初に答えたのはサイラオーグさんだった。

「俺は魔王になることが夢です」

いきなりすごいこと言ったな…。

まあ、サイラオーグさんみたいな人ならそういいそうだよな。

「大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな」

「俺が魔王になるに相応しいと冥界の民が感じれば、そうなるでしょう」

なんかすごいなこの人は…。

しかもシン歯先ほどからずっと表情を硬くしていたが、サイラオーグさん乃発言を聞いた途端少し笑っていた。

俺も、サイラオーグさんみたいになってみたいな。

そして次は部長が答えた。

「私はグレモリーの次期当主として恥ずかしくないように生きていき、いずれレーティングゲームの覇者…つまりは頂点となる。それが現在の私が目指すべき目標ですわ」

おお!!マジですか…!!

レーティングゲームの頂点…。

そういう事なら俺も今以上に修行を頑張らないとな。

そのあとはアスタロト、アガレスもいい終わり最後にソーナ会長の出番が回ってきた。

「私の目標は冥界にレーティングゲームの学校を建てることです」

レーティングゲームの学校か…。

でも確かレーティングゲームの学校はあったはずだな?

ヴェネラナさんの授業で確かそう聞いた気がする。

するとお偉いさんの一人が口を開いた。

「レーティングゲームを学ぶ学校ならば、すでにあるはずだが?」

「それは上級階級を持った悪魔や特例の悪魔のための学校です。私が建てたいのは平民、下級悪魔、転生悪魔、全ての悪魔が平等にレーティングゲームに関して学ぶことのできる学校です」

成程…。

確かに授業でレーティングゲームの学校は上級階級の悪魔や特例を持った悪魔しか入れないって言っていたな。

そう考えると下級悪魔や平民悪魔、俺みたいな転生悪魔でも学べるのはありがたいな。

会長もすごい夢を持っているな!!

だが―――。

『ハハハハハハハハハハッ!!』

お偉いさん達はまるで可笑しなものを聞いたかのように笑う。

俺は意味が分からなかった。

なんで笑うんだよ…。

「成程、これは傑作だな!!まるで夢見る乙女といいたところか」

「若いというのは良いな。しかし、シトリー家の次期当主よ、ここがデビュー前の顔合わせの場で良かったというものだ」

なんだよ…まるで会長の夢を馬鹿にしているような物言いだな。

「今、冥界は変革していっていますわ。ですが上級や下級といった差別は存在しますわ。それが当たり前だと思っている者も多いんです」

確かに冥界は上級などの爵位が存在するな。

だからお偉いさんはそれが当たり前だからお偉いさんは会長の夢を馬鹿にしているのか…。

だけどよ…人の夢を馬鹿にするのは間違っているぜ…ッ。

「私は本気です」

会長は真正面から自分の夢を本気というが、お偉いさんは冷徹な言葉を口にする。

「ソーナ・シトリー殿。そのような施設を作っては伝統と誇りを重んじる旧家やあなたのお家の顔を潰すことになりますぞ?いくら悪魔の世界が変革期に入っているとは言え、たかだか下級悪魔や転生悪魔…ましては平民風情に教えるなどと―――」

すると匙が急に会長の横に立ち口を開いた。

「なんで・・・・なんでソーナ様の夢をバカにするんですか!?こんなのおかしいですよ!!叶えられないなんて決まった訳じゃない乃になんでそう言い切れるんですか!!」

「口を慎め、転生悪魔の若者よ。ソーナ・シトリー殿、躾がなっておりませんぞ」

「……申し訳ございません。後で言い聞かせます」

会長は表情を一切変えずに言うが、匙は納得出来ていないか発言を続ける。

「会長!!どうしてですか引き下がるんですか!?この人達は会長の、俺たちの夢をバカにしたんすよ!!どうして黙ってるんですか!?」

匙のその叫びを聞いてお偉いさんはどうでもいいような態度をとる。

「全く、主も主なら下僕も下僕か…。これだから人間の転生悪魔は」

こいつら…人の夢を馬鹿にするなんて……。

こうなったら俺も!!

俺も匙に続いて発言しようとしたとき―――。


―――バギィッ!!!


まるで気が折れれたような音が会場を駆け巡った。

会場の人たちが音の発生源へと顔を向けるとそこには……。

「調子に乗っているんじゃねえぞ…老害どもが……」

椅子の手すりをいとも簡単に破壊していたシンの姿があった。

しかも表情は完全にキレており、先ほど微笑んでいたシンの面影など一切なかった。

「誰が貴様の発言を認めた?魔王様の友人とは言えど貴様はたかが人間…この場でも発言は認めていないぞ」

「黙ってろ、権力に縋りつくしか能のない老害どもが…。今からお前らに質問する。てめぇ等に会長…いや、ソーナ・シトリーの夢を否定する権利があるのか?」

シンの言葉にお偉いさんたちは怒りの形相を見せる。

「立場をわきまえろ、若僧!貴様消されたいのか!!」

「ほう…やってみるものならやってみやがれ。ただし俺は非常に根に持つんでね。やったからにはそれ相応の報復があることを覚悟をしてもらおうか」

シンが発言したとき、シンからとてつもない殺気が放たれる。

会場のほとんどの人たちが青ざめる。

「な、なんだこれは…!?」

「いいか?俺はあんたらとは戦う気もないし冥界を攻め落とすみたいなバカげた考えはしていない。…だがな…俺の仲間の夢…いや人の夢を馬鹿にするような奴はどうにも許せなくてね。今はサーゼクスたちの顔を立てるために我慢はしているが…。これは忠告だ…俺の仲間や人の夢をこれ以上バカにするのなら容いくらサーゼクスたちが止めようとも次は容赦しない。よく覚えておけ…老害ども」

「そうよそうよ!!おじ様たちはよってたかってソーナちゃんを苛めるんだもの!!私だって我慢の限界があるのよ!これ以上言うなら、彼と一緒におじ様たちをいじめちゃうんだからね!!」

セラフォルーさんが涙目で訴える。

しかも涙目とは逆にセラフォルー様からとんでもない魔力発している。

まぁ、セラフォルー様はソーナ会長をものすごく溺愛してるから、切れるのは当然か。

しかも上からとてつもない殺気と魔力にお偉いさんは怯えている。

そういえば高校一年ころ現代文の授業で夢についての作文の時に元浜の夢を発表した際にクラス名とに一人にヤンキーがおもむろに馬鹿にしていたとき…。

『おい…てめぇ……』

なんてことを言ってシンがキレ始めて。それに反応するかのようにキレたヤンキー煽りながらシンに殴りかかったんだが、そのヤンキーは徹底的な返り討ちにあったそうだ。

しかも放課後、そいつの仲間の不良グループがシンに襲い掛かったんだが、また返り討ちに会って全員いまだに病院から出てきていない。

あいつは正直わからないところが多いがいいやつなんだよな。

しかも俺が言おうとしたこと言ってくれた。

ありがとうな、シン。

「セラフォルー、シン君。二人の気持ちはよく分かるが落ち着きたまえ。皆さま方も若者の夢を潰さないでいただきたい。どんな夢であれ、それは彼らのこれからの動力源になるのですから」

サーゼクス様が仲介に入った。

「…すまなかった」

セラフォルーさまは魔力を止めてシンも殺気を抑えお偉いさんたちも先ほどの発言に関して謝罪した。

しかし表情は変わらなかった。

「そうだ! ソーナちゃんがレーティングゲームに出場して勝てばいいのよ!!ゲームで好成績を残せば叶えられることも多いもん!!」

「それはいい考えだな、セラフォルー」

セラフォルー様の提案にサーゼクス様は感心したような表情を浮かべ、俺達に提案してきた。

「リアス、ソーナ。二人でゲームをしてみないか?」

マジですか!?先ほどの流れでいきなりゲームの話になるのかよ!!

しかも部長と会長は顔を合わせた驚いており。シンも表情を一変させて驚いていた。

「もともと、近いうちに君達、若手悪魔対向のトーナメントゲームをする予定だったのだよ。アザゼルが各勢力のレーティングゲームのファンを集めてデビュー前の若手の試合を観戦させる名目もあったからね」

マジか!!

しかもアザゼル先生も考えていた居たのか!

しかも公式戦での初戦はソーナ会長たちになるなんてな!!

部長は挑戦的な笑みを浮かべ、会長も冷笑を浮かべる。

「公式ではないとはいえ、はじめてのレーティングゲームがあなただなんて運命を感じますね、リアス」

「そうね。でも、やるからには絶対に負けないわよ、ソーナ」

二人ともかなり燃えているぞ。

だが俺もやる気が出てきたな!!

「対戦の日取りは人間界の時間で八月二十日。それまでは各自好きなように過ごしてくれてかまわない。詳しいことは後日送信しよう」

サーゼクスさんの決定により、部長と会長のレーティングゲームの開催が決まった!!

こうなれば俺も修行をとことんやるぜ!!







―○●●●●○―






シンが観光を終えてから数分後の出来事―――。

「あーあ、お礼言い損ねちゃったな~」

シンが探し物を手伝った黒髪の少女はしゃべる。

少女は今待ちのはずれにある森にいた。

「お、来たかな。こっち、こっちだよ」

少女は何かを感じとったか森の闇にむかって手を振る。

するとそこから黒とオレンジ色のローブを纏った女性が現れた。

『彼とは会えた?』

ローブを纏った女性が少女に質問する。

「うん!久しぶりに会えて思わず抱き付きそうになったよ~」

『まったく…。でも仕方ないね。彼と君は僕以上に関係しているからね』

「そうだけど…あなたもそうでしょ?彼とかつてしっよに戦ってきたあなたならね?」

『…そうだね。彼…いやシンとは共に同じものを背負い戦ってきたからね。まあ、私が先にいってしまったけどね』

「でもこうして会えることができるじゃない?しかも彼ととも戦った時の力とこの世界の紙をも滅ぼす神の器を持っているんだからね」

『まあ…あの時の力は残っていたのはわかったけど、まさかこんな体のボクに『神 器(セイクリッドギア)』が宿るなんてね』

「私も、あの子に肉体を作ってもらってもしてや力までくれたしね」

『まあ、あの子はある意味この世界ではやばいからね』

「それでわかった?奴らの拠点」

『正直難航しているよ。うまいように本丸は姿をくらましているようだし…いくつかの拠点みたいのは見つけたけど、はずれだったよ。まあ、一応壊滅させておいたけど』

「そうか~。まあ頑張るしかないね」

『それで僕たちの正体はいつシンに明かすの?』

「まあ、それは奴らが本格的に表に出てきたところかな?」

『わかったよ』

「ならしばらく冥界に滞在するよ。しばらくはここで騒ぎが起きそうだし」

『わかったよ』

「それにあの子が『ふかふかの布団で寝たい』とか『冥界の名物食べたい』ッて言っているしね」

『それを聞くとあの子は本当にやばいのかどうかわからなくなるよ』

「私も同感」

『じゃあ、あの子を連れていきますか』

「いこー!!」

そして二人はそのまま冥界の街に入っていった。





 

 

Change6:キャラじゃないこそ需要がある…と、思う~Beginning of training~

「ようやく帰ってきたなお前ら」

グレモリー家に帰ると、アザゼル先生が待っていた。

どうやら俺たちが会場で起こったことに関してはもう知っているらしい。

「それにしてもリアスのレーティングゲーム初戦乃相手がソーナとはな。まったくある意味運命を感じるところだな」

「そうね…確かにソーナとは昔から乃付き合いだけどゲームになったら容赦はしないわよ」

「対戦まで約二十日間か…そうだな……」

先生が何やら計算を始めた。

「修業ですか?」

俺が尋ねると先生は頷く。

「当然だ。今回のゲームのこともあるが、『禍の団(カオス・ブリゲード)』の件もある。サーゼクスは若手を巻き込みたくないと言ったそうだな。これには俺も賛同している……が、敵にとってはそんなことどうでもいいと思っている。それに思ったより『禍の団』の戦力が過剰といえるほど戦力が上昇している。今は何とかシンが対処してくれるがいずれ限界が来るからな」

確かに…はっきり言って相手に魔法が効かなくなるのはまずい。

ある程度肉弾戦できる奴もいるがそれでも遠距離攻撃が封じられているのは明白だ。

それに対して準備しておくのは当然の事だろう。

「修業は明日から始めるぞ。すでに各自のトレーニングメニューは―――」

「待ってくれアザゼル」

アザゼル先生が修行内容を言い出そうとしたときシンが口をはさんだ。

「ん?なんだシン」

「すまないがそのトレーニングメニューを見せてはもらえないだろうか?」

「いいが…?」

シンはアザゼル先生からトレーニングメニューを受け取り見始めた。

一体何を考えているのだろうか?

そしてシンガある程度メニュー内容に目を通したみたいでふたたび俺たちのほうに顔を向ける。

「アザゼル先生…すまないがこのトレーニングメニューではだめだ」

「「「「!?」」」」

この場の全員がシンのダメ出しに驚いた。

一体シンは何を考えているんだ?

「どうしてだ?こいつらの修行メニューとしてはいい具合にできているのだが?」

「確かにいい具合にできている…だがこのメニューではイッセーたちのスキルアップや、戦闘能力向上には望めない」

「一体何がだめなんだ?」

「それに関しては俺の修行メニューの発表時にアザゼルと俺が作った修行メニューと比較して伝える。とりあえずみんな会合で疲れている今は休ませるのが先決だ」

「そうか…ならお前さんの修行メニュー楽しみにしているぜ」

「ま、そういうわけだ。。明日からアザゼル以上の修行を発表するつもりだ。だから今日は休んでほしい。だがその代わりアザゼル以上の成果を期待していてかまわない」

とりあえず修行に関してのミーティングはこれでお開きとなった。

それにしてもシンが考える修行メニュー…。

正直想像がつかないな。

俺は今までの修行はテュールさんとの手合わせだけだったからな。

まあ、今までの修行のお陰で俺は禁 手(バランスブレイカー)に至れたから期待は大きいけどな!!

そこへグレイフィアさんが現れた。

「皆様。温泉のご用意が出来ました」

温泉きたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!







―○●●●●○―






「あ~…。温泉は最高だな~」

俺は今アザゼル先生と木場と一緒に温泉につかっている。

「ヒュ~ヒュッヒュ~~♪」

アザゼル先生は口笛を吹きながらのんきに熱燗を飲んでいた。

この光景を見てみるとアザゼル先生は温泉が大好きなようだ。

いや…もしかしたら日本文化にも興味がありそうだな、最初に出会ったときに浴衣着てたし。

まあ、俺としてはどうでもいい。

正直隣の女子風呂を除くのが温泉の鉄則だが俺にとってはそれと同等に大事なイベントがあった。

―――ガララララ。

すると男湯の扉が開きそこには……。

「温泉なんていつぶりだろうか…」

なんとシンが初締めた集団で温泉に入るのだ!!

なんかホモっぽいことを言っているが俺のはそんな趣味はない。

まあ、湯につかる前に木場が……。

「イッセーくん。背中を流してあげるよ」

なんてことを頬を染めながら言ってきた。

まあ、丁重にお断りしたがな!!

正直シンは俺が悪魔になる前から自分の素肌を晒そうとしなかった。

プールの時はサーファーが着ているようなウェットスーツだし、一年の修学旅行の時も入浴時間終了間際に入っていたりなどだった。

まあ、会談の時の事情を知ったときは俺自身納得いったがな。

まあ、それはいいとして、これでシンと男の友情が深められるぜ!!

ん?そういえばギャスパーもシンと一緒に来るはずだが…どうしたのだろうか?

よく見てみればシンの後ろに隠れてウロウロしてる。

しかもタオルを胸元まで巻いているし…。

「ギャスパー、いい加減に俺から離れてくれないか?」

「で、でも~みんなと一緒に入るなんてはずかしいですぅ」

するとしびれを切らしたシンがギャスパーの腕をつかみ強引に前に出す。

「キャッ!」

なんて女々しい声をあげるんだ…。

そしてシンはそのままギャスパーを引きずり温泉に引きずりこむ。

―――バシャァァァ

「いやぁぁぁぁぁん!熱いじゃないですか!!」

「お前がうだうだしているからだ。これでお前も湯につかれただろう」

なんか、シン本当に変わってきているな…。

まあ、俺としてはより親しみやすくていいがな。

「ふぅ~」

シンも湯につかった。

まあ、修学旅行とは雰囲気はあまり変わらないが…。

シンの胸の中央にある六角形の機械部品が気になってしまう。

悪魔になった俺が言うのもなんなだけど、シンは人間じゃないって改めた判るな。

「なあ、シン」

「なんだアザゼル先生」

するとアザゼル先生がシンに話しかけてきた。

「お前さんのその胸部の中央にある機械部品は一体何なんだ?」

シンの胸部中央にある部品について質問していた。

俺と木場も気になってシンのほうに近づく。

「これか…?そうだな」

「おっと…話したくないならいいんだぜ?無理に話すことはないからな」

「別に話したくないとかそういうのじゃないんだが…まあ、簡単に説明すると”自分が何であるか”というものだな」

「どうゆう意味だ?」

アザゼル先生が再び質問する。

「まあ、会談の時にも行ったが俺は『“現代の科学技術を凌駕した超兵器を扱う兵士”』と説明したよな。それが答えだ」

「……。そういう事か…なるほど自分自身への戒めってやつか」

「え?どういうことですか?」

「俺たちにはさっぱりわからないんですけど…」

う~ん。俺にはさっぱりわからないな…。

「まあ、イッセーと木場はいずれわかる時が来る。それまでは自分で考えるんだな」

「お、おう…」

なんか、シンって自分のことになると妙にはぐらかすというか、言い回しが結構遠かったりするんだよな。

まあ、むやみに人の過去にずかずか入るのもなんだしな。

そしてシンは俺たちから離れそのまま一人でゆっくりしていた。

すると、先生が俺に尋ねてきた。

「ところでイッセー。おまえ、女の胸が好きなんだって?」

「はい!!大好きです!!」

そんなこと当たり前だぜ!!

おっぱいは俺にとって生きがいだぜ!!

「じゃあ、お前。女の胸を揉んだことはあるのか?」

先生は両手の指をわしゃわしゃさせながら聞いてくる。

「ええ!!もちろんです」

俺は右手で揉む仕草をする。

悪魔に転生してから部長やアーシア、朱乃さんのおっぱいをもんできたな~。

「そうか、じゃあ、こう―――」

頷く先生は、人差し指を横に突き立てて言う。 

「女の乳首をつついたことはあるか?」

先生が指で宙を押すようにする。

女性の乳首をつつく……。

……………………………。

「う~ん」

「どうしたんだイッセー?」

「確かに女性の乳首をつつくのも興味あるんですけど、正直俺としては正統派としておっぱいをもむだけで充分ですね」

「……」

俺の回答に黙り込むアザゼル先生。

何かおかしいことでも言ったのかな?

「あの…先生?」

「いや、そのなんだ…。予想外の返答で少し驚いてな。てっきり『そんなおいしい楽しみ方があったのか―!!』って言うのかと思ったのでよ」

「俺、確かによく周りから変態って呼ばれているけど最近はTPOをわきまえているんですよ?」

「そうか…お前聞いていた噂とはなんか少し違うな…」

「そうですか?」

まあ、TPOをわきまえるがおっぱいと美少女が好きなのは絶対に変わらないがな!!

それに『洋服破壊(ドレスブレイク)』も使わないようにしているし。

せめて戦いのときはまじめに戦うぜ!!

俺がそう考えていると女性の風呂から会話が聞こえてくる。


『リアス、またバストが大きくなったのかしら?』

『そ、そう?ぅん・・・。ちょっと、朱乃、触り方が卑猥よ。そういうあなたこそ、ブラジャーのカップが変わったんじゃないの?』

『前のは少々苦しかったものですから』

『はうぅ、皆さんスタイルが良いから羨ましいです・・・』

『そうか…わたしとしてはアーシアのほうがバランスがきれいに撮れているからいいと思うが。アーシアのだってほら』

『はぁん!?ゼノヴィアさん、ダメですぅ!!あっ・・・・そんな、まだイッセーさんにもこんなことされて……』

『ふむ。アーシアのは触り心地が良いな。なるほど、これなら男も喜ぶのかもしれないね』

『でも、テュールさんのスタイルが一番いいと思います』

『確かに胸の大きさ、くびれの細さ、ヒップライン、そして足。見事な黄金律に見えるな…』

『確かにそうよね…テュールさんのスタイルは女性から見ても素敵だと思うわ』

『ん?私の体を何でみんな見てるの?』

『ちょっと触ってみましょう』

『そうですわ』

『って…!?なんでみんな私の体を?…ひゃん!!はぁん!?ぅん・・・』

やばい…この会話を聞いているだけで鼻血がとめどなく出てくるぜ…。

オカ研の女子部員はみんなエロすぎるぜ!!

なんだろうか…無性に女子風呂を覗きたくなってきたな……。

どこかにのぞき穴はないのか!?

「なんだ、覗きたいのか?」

アザゼル先生がいやらしい笑みで聞いてきた。

「わかりましたか…。さすがアザゼル先生」

「堂々としてるな。いや、それこそ男だ。温泉で女湯を覗くのはお約束だ。たがなお前や俺が女子風呂を覗くのはある意味ベタすぎる。どうせなら―――」

するとアザゼル先生はひそひそ声で俺に話した…。

ふむふむ…なるほど……。

…ッ!?

成程この考えはなかった!!

「フフフッ…アザゼル先生中々面白いことを考えますね」

「だろ…?なら俺はあっちをやるから、お前はこっちをやれ」

「わかりました」

俺はアザゼル先生の秘密の指示を実行するためにシンのもとに向かう。

やべ…考えているだけで顔がにやけちまう…。

「なあ、シンちょっといいか」

「どうしたんだイッセー?」

シンは怪しむ気配を出さずこちらに向く。

「ちょっと右手いいか?」

「右手…?まあいいが……」

そして俺はそのままシンの右手をつかみ―――。

「どっせぃぃぃぃい!!!」

女子風呂へとシンを投げた。

「イッセー⁉何をするんだ!!!」

「お前もたまには自身の性欲を開放してこい!!」

俺はそのまま飛んでいくシンを見守る。

そして…。

「アザゼル先生何を!?」

「木場…お前も男なら女性との混浴を楽しんで来い!!」

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

どうやら木場もアザゼル先生に女子風呂へと投げられたようだ。

これはアザゼル先生発案…『覗かない奴には混浴強制プレゼント作戦!!』だ!!

この作戦は普段性欲を抑えているような奴やまる性に関することがきゅみなそうなやつに強制的に女の子たちとのガチの混浴をプレゼントする作戦だ。

俺やアザゼル先生のような元から変態キャラが覗いてもベタなだけだからな。

シンや木場のような普段からHなこと関することに興味ない奴らが女子と混浴したほうが面白い!!

まあ、俺も混浴してみたかったが、今回はアザゼル先生の提案が面白そうだったので作戦を優先させてもらったぜ!!

さて…どうなりますかな~。







―○●●●●○―







―――ドッボォォォォォォン!!

俺―――神無月進は盛大にお湯にダイブしていた。

イッセーが突然『ちょっと右手いいか?』と言って右手を出したら投げられた。

正直温泉に久し振りに浸かっていたから油断していた。

俺は温泉の底に手を着き、顔をお湯から出す。

「ぶはぁ!!一体何なんだ…」

俺がお湯から顔を出すと木場も同時に顔を出したようだ。

「お前もか…木場」

「うん…アザゼル先生に投げ飛ばされたよ」

まったくあの二人は何を考えているんだ。

てゆうかここは温泉の源泉あたりか…。

俺はそのままたち周囲を見回すと……。

「あら?シンに祐斗いきなりこっちに飛び込んでどうしたの」

「あらあら…イッセー君かと思いましたわ」

「はぅぅぅ‼シンさん木場さん!!」

「シンに木場じゃないかこの二人で女子風呂に来るなんて珍しいな」

「ほぇ?マスターと木場君?どうしてここに…」

目の前には一糸まとわぬオカ研女性陣とテュールがいた。

おいおい…嘘だろ………。

木場はこの状況に気づき全速力で脱衣所に向かった。

…あ、俺もしかして脱出のタイミングを逃したのか……?

「改めてみるとシンの体なかなかいい筋肉がついているわね…触ってみようかしら」

するとリアス部長が俺の体を触りはじめた…。

てか…まず男に裸を見られていることに気づいてくださいよ。

「あらあら…どうせならイッセー君の体を知る前にシン君の体で予行練習しようかしら。ウフフフ」

朱乃さんまで触ってきた。

「こっちを見ないでください!!…で、でもシンさんの体触ってみたい…かも…」

「なるほど。朱乃さん飲みう通りイッセーを知る前にシンの体を知るのもいいな…どれ…」

「え!みんなマスターの体を触っている…なら私も触ろーう」

そして俺はオカ研女子たちとテュールに迫られていた

そして俺は女湯の女性たちにいろいろとされた。

正直イッセーが隠し持っている本みたいなことは起きなかったが……。

俺の中で何かが減った気がする。

そして俺はいろいろされた後俺は元凶である二人に説教をした。

イッセーの修行メニュー…。

二倍くらい厳しくしようかな……。







―○●●●●○―







温泉から次の日。

俺―――兵藤一誠は俺達グレモリー眷属とシン、テュールさん、羽衣はグレモリー家にある広い庭に集まっていた。

まあ、シンから修行のメニューを聴くためだ。

だからシン、テュールさん、羽衣さん以外は皆ジャージ姿でいる。

だが…それよりも……。

「う…ぐ…」

「くっ…」

俺とアザゼル先生は疲れていた。

理由?

きまっている…。

シンのお説教だ。

あの後俺らが温泉から上がった瞬間シンに捕まりそのまま星座をさせられ説教を喰らった。

時間自体は短かったがなんか重さが違った。

まあ、自業自得なのはわかるが…あれはきつかった。

内容は……思い出したくないな……。


メンバーが揃ったことを確認したシンは口を開き修行メニューの説明に入る。

「さて、全員集まったところで説明をするが、今変態堕天使と変態龍帝が疲れ切っているが自業自得なのでほっとく。さて…まず修行内容に入る前に…朱乃さん小猫ちょっと俺の前に来てくれるか」

シンが急に重い口調で朱乃さん斗小猫ちゃんを呼んだ。

一体二人に何があるんだろう。

「さて二人について少し考えることがあってな…。俺も二人の事情は聞いて知っているがそれでも俺はこうしないと気が済まないのでな―――」

すると伸は大きく右手を出し

――――パァンッ!!パァンッ!!

二人のほほを叩いた。

「「え!?」」

って、いきなりするんだシンは!?

「この意味がわかるか…それはフェニックス戦の時自分自身の力を出さずにあの結果を招いた二人の罰だ。正直二人の事情を聴いたときは少し間を置こうとしたが、この罰でチャラにする」

「「……」」

すると二人は重い表情しながら黙っていた…。

あの行為…正直シンに抗議しようと思ったが、シンは意味なくあんなことはしない。

しかもリアス部長や木場、アザゼル先生が黙っているところ見ると何かあるらしい。

アーシアとゼノヴィアも何か言いたそうだが部長に手で止められていた。

朱乃さんに関しては俺は知っている。

だが小猫ちゃんにもないかあるんだろう。

「さて、気を取り直して修行の話をします。先に説明するがこれはあなた方の先を見据えた上と、俺が見てきた皆の可能性を考慮したものです。アザゼル先生のメニューもいいがそれだと伸び悩む確率が大きくなるからです。さて最初はリアス部長です」

最初にシンが指名したのは部長だった。

「リアス部長。貴方の才能、魔力、身体能力はどれをとっても一級品です。仏にあなたが暮らしていてもいずれ最上級悪魔にもなれるでしょう、ですが今すぐにでも強くなりたい。そう思っていますね?」

シンの問いに部長が強くうなずく。

「ええ。私は皆の王として相応しい者になりたい」

「ならまず私がアザゼルの考えたリアス部長のメニューに少し手を加えたメニューをこなしてください。詳細はこの用紙に全部書いてあります」

シンからメニューの詳細が書いてあるメニューを受け取る。

部長は一瞬不思議そうな表情を浮かべたがすぐに納得した表情になる。

「なるほどね…まずは『(キング)』としての資質を高めつつ判断力や戦術などの知識を深めていくのね」

「そういう事です。そしてそれを毎日続けつつもう一つの修行をやってもらいます」

「もう一つの修行?」

部長が不思議そうな顔をしている。

「そのもう一つの修行に関してはグレイフィアさんにやってもらうことにした」

「グレイフィアに?」

「そう、この修行のテーマはリアス部長の強みである『滅びの魔力』を俺がみて、その魔力でできるであろう可能性を全て詰め込んだものです。詳しい内容はすべてグレイフィアさんに伝えてありますので説明が終わり次第確認しに行ってください」

シンが部長の『滅びの魔力』を見て見出した可能性か…。

なんだか俺も楽しみになってきたな。

「次に朱乃さん」

「……はい」

シンが呼ぶも思い返答を返す朱乃さん。

まだ先ほどのシンの言葉が堪えているようだ。

「貴方には自分自身に流れている血と力を受け入れてもらいます」

「ッ!」

ストレートに言われたせいか、朱乃さんは顔をしかめる。

「先ほども言いまし他の出詳細は省かせてもらいますが、確かに朱乃さんは着実に強くなってきています。ですがこれから出会う強敵には現在の”ただの雷”だけでは限界がきます。それももうあなた自身気が付いていますよね。それなら自身の力と血を受入れ光に雷を乗せ『雷光』にならなければ、いつかこの眷属の足を引張ることになります。過去のことを忘れろとは言いません。ですが自分の中にあるものを受け入れてください。おれからいえるのはこれだけです。このことに関して俺を恨んでも構いません。ですが今後リアス部長や眷属に迷惑をかけないでください」

「………」

シンの容赦ない言葉に朱乃さんは応えなかった。

ただ、拳を強く握り、唇を噛んでいた。

俺は信じています。

朱乃さんが変わるのを。

「次は木場だ」

「はい」

「まずは『禁手(バランスブレイカー)』を戦闘を踏まえて三日は持たせろ。それでないとせっかくの『禁手』も持続しなければ意味がなくなる。そして剣術のほうは師匠に習うことでいいんだよな?」

「まあ、一から鍛え直してもらうつもりだからね」

木場には使用がいたのか。

どんな人だろう…。

「そして木場の可能性については俺がマンツーマンになって教え込むつもりだ」

木場にも何かあるのか…。

「次はゼノヴィア。おまえはデュランダルを今以上に使いこなせるようにしろ。今のおまえはデュランダルに振り回されている所が多く目立つ。そしてデュランダル乃ような大剣系統の扱いは俺が可能性とともに教え込むつもりだ」

「分かった。指導感謝する」

そして次にシンはギャスパーのほうに向く。

「次、ギャスパー」

「は、はいぃぃぃぃぃ!!」

うわ無茶苦茶ビビっているよ…。

序盤からこの調子で大丈夫か?

「おまえはまず、そのコミュニケーション能力の低さを改善する。そうでなければ話が進まない。あと心の弱さを除けばお前のスペックはかなりのものだ。まずは短期間でコミュ障が治るプログラムを三日でクリアしてもらいそれから思えの可能性についての修行に入る」

「はいぃぃぃぃ!!当たって砕けろの精神で頑張りますぅぅぅ!!」

何故だろうか…。

ギャスパーは当たって砕けるどころか、当たって消滅しそうな気がする。

「続いて、アーシア」

「は、はい!シンさん」

どうやらアーシアはいつも以上に気合が入っているな。

「とりあえず以前ライザー戦前の強化合宿で言った通りのことをやってい帰。そのまま魔力と精神力、身体能力の向上を目指してもらう。そしてアーシアあkん連の可能性に関してのメニューはかなり濃いものとなっているから覚悟して挑むようにしてくれ」

「が、頑張ってシンさんの期待に応えます!!」

まあ、あ基本的な修行は大事だからな。

頑張れ!!アーシア。

「次に小猫」

「・・・・はい」

やはり朱乃さん同様にシンの言葉が堪えているようだ。

「お前はかなり『戦車(ルーク)』の才能はある。強化合宿乃時に俺が教えた体術もよくできている」

まあ、コカビエル襲撃の際にケルベロスを吹っ飛ばすほどのものはあるからな。

戦い素人が言うのも俺だけど小猫ちゃんもレベルアップはしていると思う。

「だが…リアス部長の眷属にはイッセーを中心に木場やゼノヴィアのようなオフェンス人がいて、力や体力とともにお前夜上な奴が多い」

「……それは…承知しています」

「だから俺が与えるのは基本的な身体機能斗戦闘能力の向上を見越したトレーニングメニュー。そして自分自身の力をさらけ出せ。出なければお前はどんどんイッセーや木場たちにおいていかれるぞ」

「……」

シンの言葉に何も答えない小猫ちゃん。

いや…答えないんじゃない答えられないんだ、きっと…。

恐らく何かがある様子だけど俺からは何も言えない。

俺ができるのはただ、頑張れと心の中で応援するしかない。

「最後にイッセー」

ついに俺か!!

「イッセーに関してはこの時点でも驚くぐらいの成長を遂げている。会談襲撃の際に『禁手』に至りそして至ったばっかなのに歴代最強と称される白龍皇を退ける。現時点で魔力以外の観点では総合的に眷属の中でもお前が一番強いといえるだろう」

「そ、そうなのか…。なんか照れるな」

「だが、今後『禍の団(カオス・ブリゲード)』と戦うのはそれでも足りない。だからお前にはほかの皆よりも管理濃い修行のメニューにした」

なるほど…。

たしかに会談襲撃の際のあの鎧や武器には圧倒的に強い。

それに『禁手』至ってもまだ足りないのは今の俺もわかっている。

「そしてお前にはほかの皆と違い戦闘経験がまだ浅い。だから今回はアザゼルのメニューを少々流用してコーチを俺含め四人についてもらうことにした」

シン以外に三人コーチがつくのか…一体…。

「まずはここいるテュール、そして羽衣だ」

テュールさんと羽衣か…。

テュールさんとは毎日手合わせっしkているからわかるけど羽衣とか…なんか少し怖くなってきたな。

だってコカビエルの攻撃をいとも簡単に防ぐ実力の持ち主だし。

「さて、もうそろそろ来てもらう時間なのだが…」

シンは上を見ながらつぶやく。

四人目のコーチなのかな……。

俺は空を見上げた。

すると、俺の視界にデカい影が!

こっちに猛スピードで向かって来ている!!

―――ドオオオオオオオオンッ!

そのでかい影は地響きを鳴らしながら俺の目の前に着地した。

デカい!

十五メートルはあるんじゃないか!?

これは――――ど、ドラゴン!?

「すまない少々遅れてしまった」

ドラゴンがしゃべりだした。

てか、このドラゴン…確か冥界入りしたときにシンたちが相手にしていた五大龍王乃元一角のタンニーンさんじゃないか!!

え、もしかして四人目のコーチって…。

「そしてイッセー四人目のコーチの『魔 龍 聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)』タンニーンだ」

まじかよ…よりもよって龍王なんて…。

「サーゼクス殿とそこの会談の英雄に頼まれてな。まさかドライグの宿主を鍛えることになるとはな。長生きをするもんだ」

「イッセー君、ファイト」

木場が俺の肩に手を置いて爽やかなイケメンフェイスで言ってきやがった!

殴りてぇ~!!

「さてこれにて、修行の内容の発表は終わりだ。イッセー以外は俺ぞれ修行場所を伝えるから聞き終わったらすぐに修行に取り組むように。そしてアザゼルにはみんなお修行経過を見てもうことになっている」

やべぇ~。

なんか俺だけ死亡フラグがビンビンに立っている気がするぜ…!!

「あ、リアス部長。青子にある四つの山に囲まれた敷地内すべて借りていいですか」

「そうね。好きに使ってちょうだい。イッセー、絶対に生きて帰ってくるのよ?」

「…はい……」

そして俺は地獄よりも恐ろしい修行に身を投じるのであった。


 

 

Change7:それぞれの修行~Still crying cat tears~

さて…俺―――兵藤一誠は今考えていた。

高校二年生の夏…いや夏休み、本来なら今年こそ彼女を作って青春を謳歌するはずだった。

それに松田や元浜と紳士の交流会や色々馬鹿をやって楽しむはずだった。

まあ、敵がかなり強く修行しないといけないのはばかな俺でも十分にわかっている。


だがな――――。


―――バガォォォォォン!!


俺はすんでのところで特大の火炎弾をよけその火炎弾が落ちたであろうところは完全に以前の自然の景観が消えていた。

『修行にも限度があるだろうがぁぁぁぁぁぁ!!!』

俺は『禁 手(バランスブレイカー)』の状態のままタンニーンさんの攻撃を避けたりしていた。

「ほう…手加減しているとはいえ俺相手にここまで持つとはな。さすが今代の赤龍帝だ」

俺は今巨大な龍王と絶賛スパーリング中です。


いや…少し語弊がありました。


なぜならですね――――。


「攻撃を避けてるばかりじゃ話にならんぞ?イッセー」

「そうだよ、私たちに反撃ぐらいわしないとね!!」


そう…龍王+テュールさんと羽衣もいました。

「ほら…行くぞイッセー」

羽衣が不可視の鎌を俺に放ってくる。

俺はすかさず背部のブースターで寸でのところでよける。

「ほらほら、休憩する時間は与えないよ!!」

そして追い打ちをかけるように無数の雷のミサイルを放ってきた。

「やべぇ!! こうなったら新技!!『放射の龍弾(イミッション・ドラゴンショット)』ッ!!』

俺は前々から開発していた新技のドラゴンショットの派生技で、テュールさんの雷のミサイルを何とかやり過ごす。

この技は敵が圧倒的な密度の弾幕を張ってきたときにその弾幕を打ち消すためにドラゴンショットを放射状にしたもの。

これ以外にもまだバリエーションはたくさんあるが、今はいいだろう。


正直これが現在五日目の修行です…。

なんか泣きたくなるけど、これぐらい死ぬ気でやらないと今の自分より見強くなれないと思ってしまっている自分もいる。

シンから伝えられたこの修行の意味は三つある。

まずは基礎的な身体能力の強化。

これは俺の『禁手』の持続時間を延ばすためのものであり今後成長していくうえで新しい力に目覚めたときに、ある程度その力に対応できるようにするためらしい。


二つ目は、俺の戦闘経験の蓄積。

俺はオカ研やシンやテュールさん、羽衣などに対して戦闘経験が圧倒的に不足している。

正直、いくら強い力を習得しても戦闘経験がないんじゃ宝の持ち腐れと言っていた。


最後の三つめは俺の新たな進化の可能性を見出す。

シンはどうやら従来の歴代の赤龍の進化よりも俺にはまた違った進化の可能性があるらしい。

だがこのことに関しては俺はよくわからなかった。

ただ、シンは…『自分が強く思っているイメージを自分自身で体現しようとすればいい』と言っていた。


それにしてもいまだに俺は逃げてばかりじゃだめだ…。

何とか反撃しないと…。

こうなれば新技をもう二つ一気に披露しますか!!

『『散弾の龍弾(スプレッド・ドラゴンショット)』ッ!!』

俺は右手にためたエネルギーを散弾の様な形で発射する。

「そのようなもの俺には効かんぞ!」

タンニーンさんは俺が放った『散弾の龍弾』を容易に弾く。

だが…俺の狙いはそこじゃねえんだよ!!

俺はタンニーンだんのほうに近づき―――。

『喰らえ本命!!『閃光の龍弾(スタン・ドラゴンショット)』ッ!!』

俺はふたたび右手にためたエネルギーを貯めそれを閃光弾のようにはじけさせる。

「グッ…!?視界が……」

よっしゃ!ひるんだぜ!!

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

俺はタンニーンさんの視界を奪い渾身のストレートをかます。

『オラァッ!!』

「グッ……グ、グオ……」

俺の一撃が効いたのか苦悶の声を上げるタンニーンさん。

よっしゃ!!反撃成功だぜ!!


だが―――。


「タンニーンさんばかりに気おとられるのは良くないよイッセー?」

「妾たちもいることを忘れるでないぞ?」


背後からテュールさんと羽衣の声が聞こえ振り返る瞬間…。

『アガガガガガガッ!!??』


―――ドゴォォォォォン


電撃と強烈な打撃を喰らい地面に吹っ飛ばされた。

や、やばい…いくら『禁手』の鎧を纏っているとはいえかなり痛い…。

『龍王とあの二人を相手にしている相棒のほうがやばいと思うが…』

うっせー!!

修行は修行だ!!だが正直俺…こんなことやってよく生きているな…。

しかし、こうも実戦に近い修行だと自分が作った技がどこで有利になるかがわかりやすいな。

それにだんだんと『禁手』の扱い方もわかってきたしいい感じだな。

だけどシンが修行の意味で三つ目の新たな進化の可能性を見出すってのがいまいちつかめないでいるけどな。

『それもそうだろう。古今東西、どのような生物でも自分に眠っている可能性などはそう簡単に見つけられるものではない。それゆえに奴が言っていたことは強力なのだ』

まあ、それなら自身とちゃんと向き合っていくしかないか。

「赤龍帝の小僧?もうギブアップか?」

タンニーンさん、テュールさん、羽衣が上空から見下ろしてくる。

まあ、まだ体力もあるし頑張るか。

俺は反動をつけながら状態を起こしふたたび立つ。

『いや、まだまだだ!!よろしく頼みます!!』

俺は背中のブースターを吹かしながら再び一体と二人に突貫していった。







―○●●●●○―







それから数時間たった。

『も、もう…ダメ…動けない……』

「だ、大丈夫?イッセー…」

「す、すまないのう…」

『禁手』は解けていないがなぜか体が言うことを聞かなかった。

てか、あれだけ電撃や打撃を喰らいまくれば正直スタミナよりも体力が削られる。

「ここまでやるとはな…ここまでガッツがあるとは驚きだな」

『あ、ありがとうございます…』

俺は『禁手』を解きながら倒れている状態から地面に座る。

「おー、やってる……って、どうやったらこうなるんだよ…」

すると近くの木陰からアザゼル先生が姿を現した。

確かアザゼル先生はみんなの修行経過を見ていることになっていたな。

「アザゼル先生じゃないですか。俺の修行経過を見に来たんですか?」

「そういう事だ。それと差し入れを持ってきたんだがどうしたらこんな惨状ができるんだ」

先生は周囲を見渡して苦笑いしながら言う。

俺も周囲を見回してみると、以前の自然あふれる山々の面影はなくなりあちらこちらにクレーターができており山もまるで巨大なスプーンにでもえぐられたかのように三個ほどなくなっていた。

ッて、いつの間にこうなっていたのかよ…。

あとでグレモリーの土地関係の人に怒られないかな…。

まあ、おそらく部長がなんとか融通を利かせてくれるだろう。

するとタンニーンさんが口を開いた。

「そろそろ、休憩にしたらどうだ?頑張るのもいいが、休息するのも修行のうちだぞ?」

「そうさせてもらいます…ていうか、今の俺に戦うほどの気力はもう残っていませんよ…イタタッ……」

「そうじゃのう…。それに妾も腹が減ったしな」

「私もおなかすいたかも」

そして俺は休むことにした。







―○●●●●○―






「うみゃい!!うまいぜ‼‼」

俺はアザゼル先生の差し入れを食べていた。

「おまえが食ってるやつがリアス、そしてこれが朱乃、そしてこれがアーシアだ。しっかり食ってやれよ。特にリアスと朱乃は火花散らしながら作ってたからな」

「もちろんっすよ‼」

修行の間はシンから自給自足の生活って制限があったからみんなの手料理はありがたいぜ!!

しかも部長たちが作ってくれた料理、まずいわけがないぜ!!

この時だけは修行してもよかったと思うぜ。

「それにしてもよく龍王やあの二人相手にして未だに無事なのはすごいぜ。もしかしたらそこらへんで伸びているのかと思ったぜ」

先生は俺の肩を叩いて言う。

「それを言わないでくださいよ…。正直シン乃修行は良くやっていたつもりですが、正直ここまでナイン度がカンストしていると何度も帰りたいと思ったことかわかりませんよ……」

特にタンニーンさんの火炎弾なんて恐ろしくてたまったもんじゃないぜ…。

「まあ、そう思うのが当然だろうよ。何せタンニーンが吐く火炎は隕石の衝突に匹敵するからな!」

え…その情報今更感半端ないんですけど……。

俺ってもしかしてとんでもないドラゴンとあの二人と相手していったのか!?

今更あの一体と二人を相手にしていて無事な俺をほめたいぜ…。

「確かに、我とあの小娘二人を相手にしているお前の実力はかなりのものだぞ?」

貴方はそうほめてくれるけどみんな手加減しているからでしょう…。

あなた方が本気になったら俺は数秒でチリになっていますから……。

「それでシンの課題は直着とこなせているか?」

「まぁ~…『禁手』の持続時間と戦闘経験の蓄積は手ごたえありって感じですけど、最後の新たな進化の可能性を見出すってのがいまいち掴めないんですよね…」

「そうか…まあ、発表を聴いたときは俺も驚いたぜ。まさか未来を見越した基礎能力の強化にお前らグレモリー眷属の新しい力の可能性まで見出すことも考えているなんてな」

「そうですね…。正直同年代とは思えないほどのすごさですよ」

正直まだシンに関しては不明なことが多すぎる。

なんでそんなに強いのか…家族はどうしたのか…様々なところに関してシンの出生や生い立ちは謎のままだ。

だけどここまで俺たちにしっかりと向き合ってくれるのはうれしい。

それと会談の時、今代の白龍皇、ヴァーリ・ルシファー斗初めて戦った時…。正直何とか退ける…いや運よく引いてくれたがまだあいつは実力を隠していた。

確か美猴ってやつに連れ去られる寸前まで何か唱えていたな…。

一体あれは……。

『あれは『覇龍』正確には『覇 龍(ジャガーノート・ドライブ)』というものだ』

するとドライグが話しかけてきた。

ジャガーノート・ドライブ?いかにも危険そうな名前だな…。

『ああ、危険だ。あれは一時的に神や魔王を超える力を得る力を持っている…。だが―――』

するとアザゼル先生が話しに割り込む。

「『覇龍』を使う代償として所有者の命を削るんだ。しかもそれを使った本人は自我をなくし自身の命が枯れ果てるか、別の介入者によって殺されるまで破壊と蹂躙を続ける危険な代物だ」

「でもヴァーリはそんな危険なものを発動しようとしていたんですか?自分の命が危険にさらされるのに?」

「ああ、あいつは自身が持つ膨大な魔力を命の代わりとすることで『覇龍』を使える。使用時間はその時の具合によっても変わるが、最後にあいつが言っていた証言だと大体数十分程度だったな」

そうなのか…。

もしあの時使われていたなら俺は今頃ここには居なかっただろう。

恐らくシンもあの時以上の致命傷を負っていたかもしれない。

もしもシンでも危なくなった場合は…。

『相棒、お前の強くなりたい気持ちはわかる。だがあれは―――『覇 龍(ジャガーノート・ドライブ)』だけは使わないでくれ。相棒には『覇龍』を使ってほしくないんだ…』

「なーに。そんな危なっかしい力こっちから願い下げだぜ。それに俺はそんな力に頼る気はないし、シンと肩を並べるまでのパワーアップは自分自身の力でなきゃ意味ないしな」

『相棒…』

「それでこそイッセーだな!!まあ、お前自身のパワーアップ期待しているぜ」

「そうじゃ。イッセーは真っすぐがイッセーらしいからのう」

「そうだよ!!だから私たちに追いつけるように頑張ってね、イッセー!!」

今思うが俺ってみんなに…仲間に恵まれているよな…。

だからこそ俺はみんなを守れるような強い男に変わって見せるぜ!!

「それでだな…話は変わるんだが、おまえ、朱乃のことはどう思う?」

本当に急に変えてきたな…。

朱乃さんか…。

「優しく良い先輩だと思います!!」

「そうじゃない。異性として…一人の女性としてとしてだ」

「とても魅力的で、彼女にしたい一人です!」

まあ、時にSの時の朱乃さんは怖いけど皆に明るくふるまう朱乃さんはいい女性だぜ!!

「良い答えだ。俺はなダチの代わりにあいつを見守らなければならないんだ」

先生のダチ?

ああ、もしかして―――。

「バラキエルさんって人のことですか?」

「そうだ。バラキエルのやつは俺とシェムハザと同じ大昔からの親友でな。天使だった若い頃は一緒にバカをやってよく聖書の神に怒られたもんだぜ」

先生たちにもそんな時代があったのか…。

てか堕天使になる前からそんなことしていたんですか…。

もしかしたら先生が堕天した理由て案外軽いものかもな…。

「まあ、そういうわけで俺は奴ぼたった一人の家族の朱乃のことが気になるのさ。あの親子にとっては余計なお世話だろうがな」

「なんか先生って世話好きですよね。シンと同じ」

「暇なだけだよ。それにシンのほうは世話好きってよりもオカンだろ」

シンがオカン…やべ当てはまる点しかないぜ。

「まあ、とにかく朱乃のことはイッセーお前に任せるからよろしくな」

「任せるといわれましても…」

う~ん。

戦闘の時になった守れ?かな……。

「おまえはバカだが、悪い男じゃない。誰とか種族や出生関係なく分け隔てなく接してくれそうだ」

「なんか先生が言いたいことがよくわからないんですが?」

「それでいんだよ。お前ならあの親子の関係をどうにかできるって信じてるぜ」

「なんかよくわかりませんが、頑張ります!!」

まあ、いつものように頑張っていくしかないか!!

「まあ、朱乃に関してはこれでいいが……」

すると先生が考え込んでしまった。

ほかの皆に何かあったのだろうか?

「先生ほかの皆に何かあったんですか?」

「まあな。木場、ゼノヴィア、アーシア、リアス、ギャスパーに関しては問題ないんだがな…小猫が少し問題でな……」

「小猫ちゃん?小猫ちゃんがどうかしたんですか?」

先生がため息をつきながら答える。

「どうにも焦っているみたいだ。どうやらシンの言葉と周りの成長で過度に修行メニューに取り組みすぎてしまってな。今朝、倒れた。完全なオーバーワークだ」

「倒れた!?」

後輩の悪い知らせに俺は驚いた。

しかも、オーバーワークって。

一体どこまで自分を追い詰めたんだよ…小猫ちゃん。

「怪我に関してはアーシアがなしたが体力まではどうにもならなくてな。とりあえずシンが今、小猫を診ている」

そこまで…。

だけど今の俺が小猫ちゃんのところに行ったところで何も変わらない。

どうすれば…。

「とりあえず一度修行を中断してグレモリー家に戻るぞ。二人に連れ戻すように言われているからな」

「連れ戻す?二人?一体誰なんですか…」

「シンとリアスの母上だ」

意外な二人から俺は呼び出されたようだ。






―○●●●●○―






「さて、少し休みましょうか」

さて俺は修行を一時中断して部長のお母さんとさっきまで社交ダンスンを練習をしていた。

なぜかいきなり部長の実家に来たら部長のお母さんがいて会うなり、案内されて、そのまま社交ダンスの練習をさせられた。

正直いきなりのことで練習に身が入らなかったが今はしっかりと練習している。

「あの~すみません……」

「何かしら?」

「どうして俺だけなんですか?木場とギャスパーは?」

あの勉強会から疑問だったが、このダンスレッスンもそうだ。

社交界のマナーを教え込むならあの二人もいるじゃないか。

「祐斗さんは既にこの手の技術は身に付けています。ギャスパーさんも吸血鬼の名家の出身だけあって、一応の作法は知っています。問題は人間界の平民の出である一誠さんです。まあ最初のほうは少しダメな点がちらほら出ましたが今ではだいぶできています」

どうやら部長に迷惑は掛からないようだな。

だけど練習中も修行中もずっと俺には引っかかっていたところがある。

どうせなら聞いてみよう。

「すみませんヴェネラナさん。し越し聞きたいことがあるんですがいいですか?」

「ええ、私で答えられる範囲でしたらいいですよ」

「シンが修行の説明に入る時に、朱乃さんと小猫ちゃんを叩いたときにシンが言っていたことが引っかかるんです『フェニックス戦の時自分自身の力を出さずにあの結果を招いた』ってことがひかかったんです。朱乃さんに関しては以前本人から聞いたのですが小猫ちゃんは一体何を…自分の力を何で封印しているんですか?」

俺の質問に対しヴェネラナさんは軽く息を吐き。俺の隣に座り語りだした。

「少し昔の時、白色と黒色の猫の姉妹がいました」





―○●●●●○―





ある昔…。親がいない二人の猫の姉妹は一生懸命に生きていました。

寝るときも、食べるときも、遊ぶ時も一緒で生活は苦しいながらも幸せな生活を送っていました。

そこでそのしまいに転機が訪れたました。

ある日、二人の姉妹はとある上級悪魔に拾われることになりました。

姉はその悪魔に条件をいわれその悪魔の眷属となることで、姉妹はまともな生活を送れる条件を出してきました。

当然姉は妹の居合わせを優先し眷属となり姉妹はまともな生活を送れるようになり、幸せな日々を過ごしていった。

しかしその生活は長くは続かなかった。

ある日、転生悪魔となった姉猫は秘められていた力が一気に溢れだし、急速な成長を遂げ、ついには主である悪魔をも超える力を持ちました。

さらにその猫は妖術に長けた妖怪で、さらには仙人のみが扱える『仙術』も扱えるようになりました。

そしてその姉猫は力にのまれそのまま主である悪魔を殺害して今しました。

そしてそのまま姉猫は行方をくらましはぐれ悪魔のレッテルを張られることになりました。

はぐれ悪魔の殲滅部隊は『はぐれ』となった姉猫を追居ましたが、ことごとく返り討ちにあい、壊滅してしまいました。

これを知った悪魔達はその姉猫の追撃を一旦取り止めたという。



そして悪魔の上層部はこの責任を妹猫に押し付けるかのように―――。

『妹も姉と同じように暴走するに違いない。今のうちに始末した方が賢明』だと。





―○●●●●○―




「私が知る話は以上です」

話しを聞く限りおそらく白猫が小猫ちゃん…そして黒猫が小猫ちゃんのお姉さんなんだろう。

だけどこの半紙を聴く限り引っかかる点がある。

「だけど白猫…昔の小猫ちゃんには罪はないですよね?」

「そうです。ですが上級悪魔の上層部は何とか功績を立てようと妹猫殺害に移ったのでしょう。ですがあなたが言ったようにサーゼクスが妹には罪は無いと、悪魔の上層部の面々を説得したのです。そして、サーゼクスが監視することで処分は免れました」

「だけど昔の小猫ちゃんが負った心の傷は……」

「ええ、かなり大きいものとなっています。ですから、サーゼクスは笑顔と生きる喜びをその妹猫与えてやってほしい、と妹猫をリアスに預けたのです。妹猫はリアスと接していくうちに少しずつ心を開いていったのです。そして、リアスはその猫に名を与えたのです。今あなたがその名前を言った通り―――小猫と」

そうか…だからあの時はシンは『フェニックス戦の時自分自身の力を出さずにあの結果を招いた』と言っていたのか…。

「そして彼女…塔上小猫の正体は猫の妖怪、猫又。その中でも最強の種族、猫魈の生き残りです」

妖怪…か。

だけどあんな辛い小猫ちゃんの過去をを知ってなんでシンはあんなことを…。

「ですがなんでシンはあの時小猫ちゃんの辛い過去を知ってあんなことを…」

「まあ、彼はおそらくただの罰として叩いたわけではないでしょう。おそらく言葉の内容を察するに彼にも何か力の出し惜しみに関しての辛い過去があったのでしょう」

なんだかよくわかんなくなってきたな。

だけど俺が今すべきことは…。



小猫ちゃんと話すことだ。






―○●●●●○―






俺―――神無月進は現在グレモリー邸の病室にいた。

理由は俺が与えた修行のメニューに対して小猫が基礎能力向上のメニュー向上に対して過度に取り組みすぎて体調を崩したからだ。

正直俺は小猫の潜在能力…いや、生れ持った妖怪の本質、猫魈の力を引き出す手目に与えたメニューだ。

それを証明するかのように寝ている小猫の頭部に猫耳が生えている。

だが小猫の修行経過を見てみれば、すべて基礎能力の向上メニューしかやっていなかった。

俺はアザゼルの資料やヴェネラナさんとリアス部長から小猫の過去については聞いている。

確かにあんな過去があったとしても本人が今のままじゃダメなことはわかっている。

だが―――。

「……何をしに来たんですか」

どうやら本人がお目覚めのようだ。

「何って…お前が俺が与えたメニューに対して過度に取り組み倒れたと聞いてな。お前のバイタルを見に来ただけだ」

まあ、アーシアの治療と此処の設備が整ったお陰でもう心配はないが…。

「ひとつ聞く…なんで基礎能力向上に過度に取り組み、そして俺が与えた二つ目の潜在能力の引き出す修行に関してはやらなかった…」

「……なりたいんです」

「ん?」

俺がもう一度質問すると目に涙を溜めながら、ハッキリとした口調で言った。

「強くなりたいんです……裕斗先輩やゼノヴィア先輩、イッセー先輩、朱乃さん…そしてシン先輩のように精神も体も強くなりたいんです。ギャーくんも強くなってきています。アーシア先輩のように回復の力もありません……。このままでは眷属の中で私が役立たずになってしまいます。リアス部長の『戦車(ルーク)』なのに…私がお役に立てないのは嫌なんです……」

「……………」

「だけど…自分に眠る力を…猫又の力を使いたくないんです……。使えばお姉さまのようになってしまいそうで怖いんです…あんなのはもう嫌……」

普段感情を表に出さない小猫がここまで感情を出すとはな……。

だが、俺は―――。

―――甘くない。

「それなら尚更だ。自分自身が強くなりたいなら自分自身の力を受け入れないといけない。誰にだってトラウマはある…そう誰にも……。だがなどんな奴でもそれは必ず克服しなければならないことだ。それに無理な修行をしても自身の将来を奪うだけだ。そして小猫…お前自身お前の姉のようになると誰が一体決めつけたんだ?そして最後に頼れるのは結局自分自身なんだぞ?」

「…あなたに何が分かるんですか?」

俺の答えに小猫が睨む。

「シン先輩に何がわかるんですか!シン先輩は心も体も強いらそんなことが言えるんです!!……あなたは強いから……弱い私の気持なんてなんて分からない!」

「小猫ちゃん…」

「……イッセー先輩」

どうやらイッセーが来てくれたようだな。

それと朱乃さんとリアス部長も来てくれたようだ。

それなら……。

俺は座っている椅子から立ち上がり部屋を出ていこうとする、

「シン…どこに……」

「イッセー、あとはお前に任せた。おれでは小猫と話すとどうしても平行線になってしまうからな。あとは小猫のことを任せたぞ」

そして俺は病室から出ていく瞬間、小猫に一言告げた。

「小猫いいか……最初から心も体も強い奴なっていないんだよ…それに俺はお前が単にうじうじしているからあの時叩いたわけじゃない。ただお前の迷いで周りに…お前自身の恩人に迷惑をかけたから俺はああしたんだ……」

そして俺は病室を出ていった。


 

 

Change8:修行の終わり~Beginning of fate~

修行最終日、俺―――兵藤一誠は最後のスパーリングをしていた。

相手は―――。

『喰らえ!!』

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

「なかなかいい攻撃だが、まだ狙いが甘いなイッセー」

シンと模擬戦をやっていた。

正直『禁 手(バランスブレイカー)』や、『昇格(プロモーション)』そして、変化をつけたドラゴンショットなどを駆使しているが攻撃が当たる気配が微塵もない気がするぜ…。

だが、俺はまだ数日前に発現した新しい力をまだシンに教えていないからな…。

あれならもしかしたらシンに攻撃を当てられるかもしれない。だからシンが俺から距離をとるのを今は待つぜ!!

『くっ…攻撃が当たらねえな…やっぱりシンはすげえぜ!!』

「だがお前もなかなかやるようになったな。だがこれぐらいならば俺に攻撃を当てることは難しいぞ」

『くっ…それなら意地でも当ててやるぜ!!喰らえ『連撃の龍弾(マシンガンドラゴンショット)

俺は左右ににためた小さい魔力に倍加した力を譲渡しそれをマシンガンのように放つ。

「なるほど…先ほどのお前のドラゴンショットのバリエーションの数々…どうやら相当俺の予想以上にトレーニングに取り組んだようだな」

くっ…かなりの弾幕を張っているのに軽々とよけながらこっちに向かってくるぜ。

流石、重火器を扱っているみたいか、遠距離系統の攻撃を熟知しているな…。

なら、近づいた瞬間に何とか隙を作って”アレ”を使うしかないな…。

「ほら、もっと弾幕を濃くしないとふと心に入り込まれるぞ?」

気づけばシンは俺から二メートルのところまでに接近していた。

だが、今の俺の狙いはシンを俺の目の前切りひりに来させることだ!1

『来るなら来い!!』

「フッ…面白い。ならお前の策に乗ってやるイッセー」

シンが先ほどとは比べ物にならないスピードで急接近してくる。

そしてシンが俺から一メートルのところに来た瞬間…。

『喰らえ!!『閃光の龍弾(スタン・ドラゴンショット)ッ!!!』

「……クッ」

シンが目を隠してひるんだ!!

俺は全速力でシンから距離をとる。

「なかなか面白いバリエーションのドラゴンショットだな…。まさか閃光弾と同じものを作り出すとはな恐れ入った」

くっ…やはりシン、あの閃光から視界の復帰が早いな。

いや…元から奴は機械で構成されているから閃光も元も子もないか…。

だが距離は取れた…。

アレをやるぞ、ドライグ!!

『応、見せてやれ…お前がこの二十日間で生み出したあの姿を!!』

ああ―――。

『シン見てろ!これが俺がこの修行で編み出した新しい姿だ!!』

俺は全身に力を込める。

すると全身から赤いオーラが噴き出すそして俺は叫ぶ。

『ハンドレット・チェンジ!!』

『Change Armor Hundred Astray!!!!』

発動のサウンドが鳴り俺の『禁手』の鎧が変化していく。

鋭利な部分がすべてなくなり全体的に角ばった鎧へと変化していく。

籠手も大きい龍をイメージした姿から変化し機械的な形へと変化していく。

そして頭部もより人型へと変化していく。

「なるほど…それがイッセー。お前が出した可能性の答えか…まさか鎧自体を変化させるとはな…まったくうれしい誤算を出してくれるなイッセーは」

シンが戦闘用に着けているバイザー越しから笑みを浮かべる。

そうこれは数日前に自分が強いと思うものを連想しまくってそれを組み合わせてその姿を強く長いながら発言した新たな鎧。

あの時の鎧の面影は一切なくなり、全体的に機械的なデザインになっており簡単に言えば人間サイズのロボットのような姿だ。

正直これを生み出したときはドライグやタンニーンさん、テュールさん、羽衣がかなり驚いていたからな。

そしてこの姿の名前は…。

『これは俺が自分自身で強いものをイメージしまくってたどり着いた姿、名付けて―――』

俺は一拍開けて言い放つ。

第一次以降(ファースト・ドライブ)―――『王道を外れた百式龍帝鎧(アストレイ・ハンドレット・メイル)』だ!!』

この名前の由来は…本来の進化の過程…つまり赤龍帝としての進化の王道から外れ、俺自身が生み出した進化の過程、そして俺がこれから見出していく可能性の百式を掛けたものだ。

まあ、ほとんどドライグ考案だけどな。

だがこれなら今のシンと互角とはいかないが先ほどよりかはましに戦えるだろう。

「お前がここまでやるなら俺も銃を抜かざる負えないな」

シンは俺の変化に警戒したかライザーの件の時に使っていた拳銃を取り出す。

『相棒…引き締めて行け、いつのの奴との手合わせとは違うぞ』

ああ、やってやるぜ!!死なない程度にな!!

『シン!!行くぜぇぇぇぇぇ!!!!』

「来い、イッセー!」

そして俺とシンは再び闘いを始めた。






―○●●●●○―






「クッ…アストレイでもダメなのかよ…畜生……」

俺は今、地面にダイノジで息を切らしながら倒れていた。

正直、倒せなくてもある程度ダメージを与えられると思ったんだが、まったく攻撃が当たる気がしない。

良くて、シンに銃を使わせたくらいかな……。

どんだけ強いんだよ…シンは……。

「ここまでやるとはな…正直銃がなかったらダメージを負っていたな」

やっぱりシンにはまだまだ敵わないな……。

「だが、先ほど使った新たな力、あれには我々も驚かされたぞ」

「そうだね、まさか私たちがイッセーを追い詰めたあたりで発現するなんてね…」

「しかもシンに影響されているか、同じ機械人形のようあ容姿だったからのう」

まあ、俺が最初強いものをイメージしたとき最初に浮かんだのはシンだからな。

それにロボット関係のアニメや漫画は昔から好きだしな。

『まあ、俺も驚いたからな。正直あんな『禁手』変化をさせる奴は歴代で二人めだからな』

俺以外にもいたのかそんな先輩が?

『ああ、まあお前はすでにあっているがな』

会っている………?

もしかして!?

『ああ、相棒の明察通りだ。そう先代の赤龍帝をしていたコテツだ』

まじか…そういえばなんであ俺がアストレイを発現させたときに虎徹さんは何も反応しなかったんだ?

『奴はあくまでもこの『赤龍帝の籠手』にある残留思念だ。しかも歴代の怨念もあるせいかあまり表に出たがらないんだ』

そうか…なら今度話せるときにアドバイスでもしてもらおうかな。

「さて…そろそろ戻るぞ、イッセー」

すると腕を差し出してきた。

「ああ、すまないなシン」

俺はシンの力を借りて立ち上がる。

今感じたんだが全力で戦ったが、スタミナの回復が早いな。

前の俺なら立つことすらままらなかったのに今は普通に立てるし、軽く走れるぐらいだ。

これも修行のお陰なのか…。

まあ…細かいことは今考えなくていいか!

「それではな赤龍帝いや、兵藤一誠。…強者の三人組よ、俺も魔王主催のパーティーに出席する予定だ。また会おう」

そしてタンニーンさんは飛んで行った。

「よっしゃ帰ろうぜ!!みんな」

「「「ああ」」」

俺たちもグレモリー本邸にむかった。






―○●●●●○―






グレモリー本邸前についた俺たち。

すると先についたか、木場たちがすでに門の前に立っていた。

「やあ、イッセー君、シン君。テュールさん、羽衣さん。お疲れ様」

どうやら俺たちが最後みたいだな。

「どうやらイッセーも相当強くなったようだな。以前よりもオーラが濃密になっているな」

すると木場の横にいた全身包帯でくるまれたミイラの様な奴がしゃべりだした。

「え…誰?」

俺が誰か質問するとミイラが答えた。

「失礼な…私だイッセー、ゼノヴィアだ」

うそん…。

「まあ、声と口調で代替わかったよ…でもどうやったらそうなるんだよ…」

「修行して怪我をして包帯を巻いて、また怪我をして包帯を巻いたらこうなったんだ」

「ほとんどミイラじゃねえかよ!!」

「失礼な、私は永久保存されて石棺に入るつもりはないぞ?」

「そういう意味じゃないんだが…」

しかも隣にいるシンもあの姿にあきれているご様子だった。

「ゼノヴィア…怪我したからって、全身に包帯を巻くもんじゃないぞ…」

「仕方ないだろう?お前の修行が予想以上にハードで機能を合わせてほぼ全身に怪我を負ったからな」

「…はぁ……まぁ、いいか」

まあ、木場やゼノヴィア乃館時から察するにみんな修行の性かはあったみたいだな。

だけどゼノヴィアに関してはやりすぎだと思う。

「イッセーさん、木場さん、ゼノヴィアさん、それに皆さんお帰りなさい!!」

するとグレモリー本邸からシスター服のアーシアが出てきた。

く~!!久しぶりのアーシア、癒されるぜ!!

「おや…アーシア、もう体力のほうは大丈夫なのか?」

「はい、シンさん。昨日は少し張り切りすぎただけなので大丈夫です」

「ならいいんだが無茶は禁物だからな?アーシアはリアス部長の眷属でも重要な存在だからな」

「はい!!無茶をしないように頑張ります」

なんかシンとアーシアを見ていると先生と教師に見えるな…。

「なんか、アーシアさんとシン君をいていると師弟関係のような感じに見えるね」

「私も木場に同意だな」

どうやら木場とゼノヴィアは俺と同意見らしい。

まあ、ある意味シンはみんなの先生みたいなものだからな。

主に戦闘関係に関してだがな。

『お前に関しては勉学のほうでもそうだろう?』

うっせー!!どうせ俺は馬鹿ですよ…!!

…………。


とりあえず夏休みの宿題、残りはわからないところだけだからシンに教えてもらおう…。







―○●●●●○―






今俺たちはシンが泊っている部屋にいた。

どうやら修行の成果の発表を行うらしい。

ちなみに修行の発案者であるシンは用事があるといってテュールさんと羽衣を連れて行ってどこかに行ってしまった。

まあ、シンいわく…。

『イッセー以外の修行の成果はれーてキングゲームの際に見させてもらう』

って、言っていたしな。

今は、みんなが実際のどのような修行をしていたかを報告しあっていた。

皆、シンが与えた修行に対しては俺も含めて『地獄だった』っといっていた。

まあ、アザゼル先生の修行メニューも見させてもらったがあれとは比較にならないほどシンのメニューはやばかったらしい。

木場はシンの可能性の修行で何回気絶したかわからないって言っているし、ゼノヴィアは何度自分が怪我をしたかがわからない…などみんなその時だけは遠い目をしていた。

それを見ていたアザゼル先生は苦笑を浮かべていたけどな。

「それで肝心の成果のほうはどうだった?」

アザゼル先生がそれぞれの修行に対する成果を具体的に聴いてきた。

最初に話したのは木場だった。

「僕はまず基礎的な部分は師匠に改めて鍛えなおしてもらえました。そしてこの修行で得た成果は『聖魔剣に属性を付与する』ができました』

「なるほど木場は聖魔剣のバリエーションそ増やしたと…なるほどな聖魔剣に属性を付与できるなら今後の戦いに関して有利に進められるだろうしな」

次にゼノヴィア。

「私は主にデュランダルをより一層使いこなせるように主にシンと模擬戦をした。まあそのおかげで以前よりか扱えるようになった。そしてこの修行の成果は『デュランダルの性質を違う方法で運用する』ができるようになった」

「ほう…それは興味深いな。今すぐ見させてもらいところだが、まあ明日は魔王主催のパーティーが控えているからそのほうに関してはレーティングゲームで見させてもらうぜ」

「承知した」

ゼノヴィアの新しい戦い方か…。

ゲーム当日が楽しみだな!!

次に部長。

「私は主にグレイフィアに滅びの魔力の制御と命中精度に関して鍛えさせてもらったわ。それに『(キング)』としての能力はシンと…まあ、仮想的なレーティングゲームで戦術や戦況把握について鍛えて貰ったわ。あと修行で得た成果は『滅びの魔力を応用した使い方』を習得することができたわ」

「なるほど…いろいろな面できっちり『王』としてまたはろ日の魔力を扱う悪魔として鍛えられたんだな。まあ具体的な成果はゲームで見させてもらうとするよ」

部長はどうやらいろいろな面でシンやグレイフィアさんにたっぷり鍛えてもらったみたいだな。

どんな感じにゲームを動かしてくれるのかが楽しみだな。

「つ、次は僕です!」

どうやらギャスパーが名乗りをあげたようだな。

どうやら臆病な面に関してはかなり改善したようだな。

「僕は、シン先輩にまず他人とのコミュニケーション能力を鍛えてもらいました!!かなり厳しいものでしたが無事クリアできました!!そして修行の成果では吸血鬼の能力を行使することができて、時間停止のほうも時間が伸びて広範囲ににできるようになりました!!」

「それは良い進歩だな。まだ若干おどおどしているが人の目を見てしっかり話せるようになっているな。ゲームでの活躍楽しみにしているぜ」

ギャスパーがここまでできるようになったとは…。

これは今後が楽しみだな。

「で、アーシアお前さんのほうはどうだった?」

次はアーシアか。

「はい。私はシンさんに改めて回復薬についての講習と、衛生兵としての役割を教えてもらいました。そして修行の成果としては『回復の遠距離化と回復方法の多様化』を出来る様になりました」

アーシアも頑張ったな…。

「そして、朱乃、小猫に関してだが……」

「「……」」

どうやらまだ過去についてまだしがらみが解決していないようだ。

俺は小猫ちゃんの容態を見に行った後に小猫ちゃんがなぜオーバーワークをしたのかを聞いて、それで俺にこたえられる範囲で答えた。

どうやら小猫ちゃんが少し錯乱していた理由はシンの言葉がどうしてもうまく納得できていなかったらしい。

その時は俺が小猫ちゃんをフォローして、落ち着いてくれた。

「まあ、お前らに関しては基礎能力の向上には成功しているから、あとはお前たち次第だな」

「…はい」

「………」

まあ、あんまり本人たちを責めるのはだめだしな。

俺は信じていますからね、二人が過去を乗り越えてくれることを。

「それで最後にイッセーお前のほうはどうだ?」

ついに俺の出番ですか。

まあここはあえて……。

「はい。『禁手』の持続時間と基礎能力の向上はかなり大きくなりました。それに戦闘関係に関しても以前よりましになったと思います。それと修行の成果はみんなと同じくゲームで見せたいと思います!!」

「かなり自信があるようだな。それなら安心だな」

「はい、任せてください!!」

早くゲームが待ち遠しいぜ。

それにシンガかんがえてくれた俺に対する相手が考える対抗策もあるしな。

「さて、まだ成果が出ていない奴がいるがまあ、いいだろう。とりあえず明日の魔王主催のパーティーがお前らに控えているから今日は各自休むように」

「「「「はい」」」」

そして俺たちはそれぞれ休むことにした。

それにしてもシンたちは一体何をしに行ったんだろう?

まあ…戻ってきてから聞くとするか。

宿題のわからないところも教えてもらわないといけないしな。







―○●●●●○―






「さて、ここの店か」

俺―――神無月進は今、魔王領の都市ルシファードにテュールと羽衣と一緒に来ていた。

実は修行開始前に連絡が入ってある人っていうか、まあ最近一緒に暮らし始めている人と合流するために来ていた。

まあ、連れ添いの二人は堂々としているが、俺は元々来ていた戦闘服のフードをかぶり来ている。

またあんな集団サインや黄色い歓声を浴びせられるのはたまったもんじゃないからな。

「ほへ~ここがサーゼクスさんがいるところか~なんか人間界とあんまり変わんないね」

「まあ、冥界も近代化しているからのう。それに四大魔王全員が現代の人間界の娯楽に意外と興味を持っているようだしのう」

とったわいもない会話を続けてながら目的地まで歩く。

「さてここの店でいいのか…」

そして数分歩いていると目的地に着いた。

そこには『STRONG HIDEOUT』といういかにもBARの様な店についた。

まあ、地図には堂々とBARって書いてあったが、もしかして俺が年齢査証しているのがばれているのか?

とりあえず俺たちはそのBARに入店した。


入り口から下へと続く階段がありそこを降り、扉を開くと落ち着いた店の内装が見受けられる。

「来ましたか、皆さんこちらです」

すると俺たちを招待した人がテーブル席に座りながら俺たちを呼んだ。

「ああ、ありがとうガブリエル」

そう、俺たちをここに呼んだのはガブリエルだった。

そして俺たちはその席に座った。

「まったく俺が高校生なのを知っていてここに呼んだのか?」

「ええ、まああなたの家にあった嗜好品の数を見ればあなたがすでに成年だったことはわかっていますよ?」

あ~すっかり片付けるの忘れてた。

まあ、ガブリエルは俺の事情を知っているから高校生の身分である俺に対して何にも話さなかったんだろう。

「さて、集まったことですし飲みながら、楽しみながら話しましょうか」

すると此処の店のマスターが察したかこちらに来ていた。

「ここは、転生悪魔のマスターがいとなむ店なので天使である私や、あなた方は言っても大丈夫な店なんですよ。それにここは人間界の酒類を扱っていますし、喫煙も大丈夫な店なんですよ」

「ほう~それはありがたい」

羽衣が喜んでいた。

もしかして羽衣は喫煙者タイプなのか?

「お客様、ご注文は何になさいますか?」

そしてマスターが早速注文を受け取ってくれるようだ。

「じゃあ~…私はレモンのチューハイをもらおうかな」

「私は度数控えめの白ワインで」

「妾は日本酒をお願いする。あと灰皿を所望する」

「俺はハイボールで、それとつまみで枝豆をお願いする」

そして四人で軽い雑談をしていると注文した酒やつまみなどが来た。

「さて、私がここに呼んだ理由はずばり、大人の世間話をするために集めました」

大人の世間話?

「シンさんやテュールさん、羽衣さんたちは普段リアスさんや赤龍帝さんと接しているので嗜好品の類を楽しむこともできませんし、ちょっとして大人の会話も必要だと考えてこの場を設けました」

なるほど…普段からイッセーたちを相手にしているからこの場を設けたと…。

まあいいんじゃないか?

「そうだよね~イッセー君は毎日私たちに言えに来て特訓するからこういうことに関して気を使わなきゃいけないしね」

「そうじゃのう…最近では煙管を楽しむ機会も少なくなったしのう」

すると羽衣はセーラー服から煙管を取り出し火を着け吸い始めた。

「てか、羽衣は煙草じゃなくて煙管なんだな」

「昔からこれがいいのじゃ。何せ煙草よりも使い勝手がいいからのう」

そうか羽衣はかなり昔からいるから煙管のほうが慣れているのか。

まあ、羽衣は煙管が似合うだろうしな。

そして雑談が始まった。

「それにしてもシンは時々年寄り臭い発言をするのう」

「あ~わかるよ羽衣さん。マスターは時々年長者っぽいこと言うからね」

「そうか?」

俺としてはそこらへんは意識していないのだが…。

「まあ、シンさんならそうなるのも当然でしょうね。まあ、私の推測ですがシンさんは一部を除いて人生経験豊富そうですから」

俺ってそこまでとし食っているように見えるのか?

いちおう高校生でも通るような見た目なのだが…。

「そういえば、ライザーと始めてあったときも、ライザーのことを『若造』って言っていったよ」

「それに高校生とは思えない雰囲気を出していますからね」

え、え………。

そこまで俺って高校生に見えないのか…。

てか、さっきから聞いてみれば俺が人生経験豊富とか…。

言った周りの皆は俺をどういった目で見ているんだ?

「てかさっきからなんで俺に関する話なんだ?」

俺はとりあえず会話の方向性を変えるために聞いてみると……。

「マスターは話のネタの宝庫だから?」

「シンは面白いから?」

「シンさんは未知ですから?」

なんか俺って変なのかな…。

こうして雑談は俺のことで盛り上がり数時間後に解散した。

どうしてだろうか、こう平和な時はやけに俺が疲れる気がする。







































 

 

Change9:魔王のパーティー~Determination~

魔王主催のパーティー当日。

俺は駒王学園の制服を着ながら客間で待機していた。

正直これからお偉いさんが集まるパーティーとなると緊張して仕方ない…。

「イッセー君、緊張しているのかい?」

「木場か…ああ、正直元一般人の俺にとってはきついぜ?」

「そうかい?でも今後こんな感じの催しが増えるから慣れとかないとこの先きつくなるよ?」

「わーってるよ…」

やっぱり木場はこんな感じのは慣れているのか…。

クーッ!!イケメンで何でもできるなんてまったく完璧すぎてすごいぜ。

俺やシンみたいになれるように頑張っていかないとな。

「兵藤と木場じゃないか」

俺たちは声の主のほうに向くと匙がいた。

あれ?なんで匙がグレモリー本邸にいるんだ?

「おう、久しぶりだな匙。どうしてここにいるんだ…?それに会長は?」

「なんか会長はリアス先輩と一緒に会場に向かうらしくてさ、それでグレモリー本邸に集合して西遊的なおめかしを済ませる話になっているんだよ。だけど男の俺は特にないからそこら辺を歩き回っていたらお前らが居たわけだ」

なるほどな、だから匙がここにいるのか。

まあ、考えてみればおれたち男はあまり顔づくりなどの事柄はやらなくていいからな。

そのことを考えると男ってちょっと得だよな。

「そういえばどうだった兵藤?修業の方は?」

「ああ、俺としてはかなりベストを尽くせたぜ。あとまなぜることは学べるだけ学んだしな」

「なるほどな。兵藤たちはかなり頑張ったみたいだな。だけど俺や会長たちもかなり鍛錬をやってきたんだぜ?だから今回のゲーム、全力で勝ちにいくぜ!!」

匙もかなり頑張っていたのか。

それなら俺もゲーム当日は匙以上に頑張らないとな。

「ああ!!だけど俺も全力で勝ちにいくぜ、ここまで俺やみんなを見てくれた人たちのために…そしてゲームの王者を目指す部長のためにもな!!!」

「イッセー君の言う通り。僕たちも全力で行かせてもらうよ」

「いったな!!なら頑張ろうぜ敵同士だけどな?」

「「「ああ!!」」」

俺たちは約束をした。

すると―――。

「なかなか、青春を感じさせるなイッセー、木場、匙」

「シン?!!いつからいたんだ?」

「さっき入ってきたばかりだ。それにしても敵同士になるというのに中々いい友情を見せてくれるな」

まさか、シンに見られるとはな…。

「それにしても匙も中々実力をあげてきたようだな」

「まあな!!入れだってだてに修行したわけじゃないぜ!!」

「その意気なら大丈夫だな。イッセーたちとのゲーム楽しみにしてもらうぞ」

そんな会話の中部長たちもドレスアップの姿で部屋に入ってきた。

「お待たせ…って私たち以外は全員ここにいるのね」

皆ドレス姿が似合っているなぁ…まるでおとぎ話や童話に出てくるお姫様のようだ。

でも、どうしても俺としては少し問題になっている奴がいる…。

「ギャスパー…なんでおまえまでドレスなんだ?」

「だ、だって、ドレス着たかったんだもん」

もん―――って、なんか本格的にこいつは女性を目指しているのか?

正直複雑だな……。

「サジもここにいたのですね」

同じくドレスアップしたソーナ会長や生徒会役員面々がいた。

「会長ぉぉぉぉぉ!!素晴らしくかわいいです!!!!」

匙は会長のドレス姿を見て盛大に興奮していた。

まあ、会長がドレス姿は想像しにくいから匙にとっては興奮するんだろう。

だけど鼻血を出してまで興奮するか?

『お前がそれをいうか?リアス・グレモリーの裸を見たときはお前もあんな感じだぞ?』

うっせー男は再世はああなるんだよ!!

といっても制服姿の俺たちや、ドレス姿の部長たちとも引けを取らないのがシンだ。

シンの格好話いつもの戦闘服だがライザーの一件でつけていた大鷲の翼をほうふつとさせるような腰飾りに、整えた袖や丈。そして耳にはシンプルな銀色のピアスを二個つけている。

しかも胸ポケットにサングラスまである。

正直この場の全員がシンを見ていた。

「どうした?みんな俺なんかを見て…」

「シン……あなたはこの中でも一番の大物よ……」

「は、はぁ…そうですか……」

部長がシンの姿を見て一言つぶやくとシンが不思議そうに反応していた。

…今思ったんんだが、シンには自覚症状がないのかな?シン自身が思いっきり目立っていることに?

「皆様お迎えが来ました」

そして俺たちは執事さんの言葉とともにパーティー会場に向かった。









―○●●●●○―







今俺たちはパーティー会場の入り口にいた。

お迎えが来た後に会長たちシトリー眷属と俺たちグレモリー眷属そしてシンがそれぞれの馬車に乗せられ会場に向かったんだ。

正直なぜシンも俺たちと一緒じゃないかというと、特例で参加しているためシンはVIPとして扱われるため別の馬車に乗せられたようだ。

まあ、会場の入口で合流できたからいいけどな。

「それにしても何とも豪華な建物だなぁ~」

俺は目の前の建物に驚いていた。

いかにも数百階以上はありそうなホテルだな。

しかも入り口には武器を持った兵士の人達がいるなぁ。

まあ、魔王様や墓の勢力のお偉いさんも参加しているから警備が厳重だろうな。

それから俺たちは建物内に入り受付でチェックを済ませた後、専用のエレベーターで魔王主催のパーティー会場に向かった。

そしてエレベーターから降りて目の前の扉が開くとまるで一国の王様の誕生会のようなきらめく空間だった。

フロアにはたくさんの悪魔やテーブルに並べられた豪華な料理。

壁には豪華な装飾、天井には豪華なシャンデリラなどがあった。

『おお!!』

すると俺たちがが言ってきたのを感じた悪魔たちがこちらを向いてきた。

どうやら視線は部長に向いているようだ。

「リアス姫…ますます美しさに磨きがかかっておられますなぁ」

「サーゼクス様もご自慢になるのがわかりますな」

部長はどこでも人気なんだな…。

流石だぜ!!

「あれは……」

すると部長に移っていた視線が急に外されある方向に向く。

「あの容姿…あれが今噂の男か……」

「若手会合の時、上層の方々に怒りをぶつけた奴か…」

「良い姿ですわ…」

どうやらシンもかなり有名のようだ。

まあ、婚約パーティーの一件からコカビエル襲撃…そして、旧魔王派の幹部の一人を倒し和平会談に大きな貢献をしたからな。

「さて、イッセー、シンあいさつ回りに行くわよ」

「へ…?シンはともかくなんで俺までなんですか?」

「貴方は赤龍帝なのよ…シンみたいにはいかないけどあなたもそれなりには有名なのよ?」

そうなのか…?

まあ、とりあえず部長についていけばいいか。

「正直俺は断りたいんだが」

「だめよ、あなたわこのパーティー会場内でもかなり名が知られているわ。そんな人物が挨拶もせずにいるなんてだめよ」

「どうしても断れないか」

「ええ」

「……わかった」

なんかシンはこのパーティーに乗り気ではないようだな。

確かシンは貴族とかそうゆう類が嫌いだったからな。

まあ、この場にいるのなら仕方ないか。

こうして俺とシンは部長の後につきながら挨拶回りを始めた。






―○●●●●○―






「はぁ~……。疲れた……」

部長とのあいさつ回りを終えて、俺とシンはロアの端にある椅子にアーシアとギャスパーとの三人で座っていた。

部長と朱乃さんは少し離れたところで女性悪魔の人達と談話してる。

木場は女性悪魔の人たちに囲まれていた。

正直、本来なら『イケメンは敵だ!!』とか俺ならいうが最近そんな感情が出ない。

なんか、『禁手(バランスブレイカー)』に至ってからすっとこんな調子だ。

それに今更思い返してみると『洋服破壊(ドレスブレイク)』なんて技を開発した自分が今更恥ずかしくなってきているし……。

『確かに変わったな相棒は。俺と話せるようになる前から威勢の胸部や様々のところに興味津々の小僧だったからな』

そうだったな…。

『今じゃ多少は性欲はあるものの、今では俺の力と真正面から向き合い力をつけているからな』

まあ、そうでもしなきゃみんなを守れないし、それにシンと肩を並べられないからな。

でも部長たちの裸はいつ見ても最高だけどな!!

『まあ、それはそれとして俺にはお前に対して一つ疑問があってな』

ん?なんだドライグ?

『まあな、ここまでのお前を見ていると早すぎる…いや、急激すぎるんだ相棒自身の成長が…』

え…?

俺の成長が……?

『俺は今まで歴代の宿主を見てきた。だがお前は異例どころでは収まらないほどの急激な成長を遂げている』

そんなに早いのか俺の実力の上昇が…。

『ああ、数か月前までただの人間…しかも未成年のお前が、いくら師に恵まれているとはいえ俺自身の力の対応や真価、成長が早すぎるんだ』

確かに……。

俺は数か月前まではただの男子高校生だった。

親もただの人間だし、ヴァーリも戦いの途中の時……。

『君の経歴を調べさせてもらったよ親もその祖先もただの人間…。特殊な存在にも会ったわけでもなく魔術なども関連性はない。君には『赤龍帝の籠手(ブーステットギア)』以外に価値は無い』

確かに俺には特殊な存在は部長たちに会うまではあったこともない。

しかし…少し気になることだけあった。

子供のころあれは自分のおばあちゃんやおじいちゃんに会ってみたいと思い、母さん父さんに相談したら…。

『ごめんね…もういなくなっちゃたの』

と…返事をした。

だけどあの時だけ明るかった母さんと父さんが表情を暗くしていたんだ。

その件に関してはあれ以来言っていないが…。

まさか…な……。

『まあ、今のところ相棒自身に異常はないから大丈夫だ』

そうか…。

まあ…今は暗いことを考えていてもしょうがないな!!

今は今の俺にできることをやるだけだ。

だから今後とも頼むぜドライグ。

『ああ、俺も尽力を尽くそう』

そういえばあいさつ回りの時にほとんどの悪魔がシンを眷属にしていって言っていたな。

正直あの時部長と俺は焦ったが、シンは丁重に断っていた。

まあ、シンが悪魔になる以前に主がシンより弱いから無理だろうけど。

確か…悪魔が『悪魔の駒(イーヴィルピース)』を使って転生させる際に主が転生させる対象と力量が過度にオーバーしているとできないって習ったからな。

『まあ悪魔は本来、欲が強い存在だ。それゆえに奴の様な、強者を自分の配下にしたいという者も出てくるのは当然だな』

確かにシンとためを張れる存在なんてこの世にあんまりいないだろうしな。

「イッセー、アーシア、ギャスパー、シン、料理をゲットしてきたぞ、食え」

ゼノヴィアが料理が乗った大量の皿を器用に持ってやってきた。

「サンキュー、ゼノヴィア」

「このくらいお安いご用だ。ほら、アーシアも飲み物くらいは口をつけておけ」

「ありがとうございます、ゼノヴィアさん。・・・・私、こういうのは初めてで、緊張して喉がカラカラでした・・・」

「ぼ、ぼくも何とか人としゃべれるようになったとは言えこんな集団きついですぅ~」

「まあ、こうゆうのは慣れだからな。俺も昔はこのような社交場に出ていたからな。あと俺はいいからアーシアたちに料理をあげてくれ」

流石シン…。

いくら嫌いな人たちでも姿勢を崩さないな…。

「やはりシンはすごいな」

「はい、どんな時でもいつもの状態でいられるシンさんはすごいです」

「やっぱりシン先輩は僕の想像をはるかに超えています!!」

皆、シンをほめていた。

「そこまで過大評価しても何も出てこないぞ?」

シンは苦笑いを浮かべながら返答する。

そして俺はゼノヴィアが持ってきた料理を食べているとドレスを着た女の子がこちらに来た。

「お久しぶりですわね、赤龍帝」

久しぶり…?

金髪でドリルの形をしたツインテール………あ!

「確か焼き鳥野郎の妹の……」

「レイヴェル・フェニックスですわ!!まったくこれだから下級悪魔は……」

そうだったな…。

いーやー…数か月ぶりというか、ライザーの件の時あまりコンタクトをとっていないから名前なんて覚えていなかったぜ。

だけど婚約パーティーの時にシンにぼこぼこにされていたけどなんかこう突っ込まれると元気そうだな。

「元気そうだな。そういえばお前の兄貴の焼き…ライザーさんは元気か?」

ライザーのことを聞いたら、レイヴェルは盛大にため息をついた。

何かあったのか?

「あなたに敗北してから塞ぎ込んでしまいましたわ。負けたこととリアス様をあなたに取られたことがショックだったようです。しかもあなたの協力者さん…神無月進さんに対して恐怖心を持っていましたわ」

あらら…。

部長から少し聞いたときふさぎ込んでいるのは聞いたけど、まさかシンに恐怖心を持っているとは…。

でも、ライザーとシンは直接対決していないのになんで真に恐怖心があるんだ?

「なんでライザーさんはシンに恐怖心を抱いているんだ?」

「貴方に敗北してから色々と思い返していたところ、シンさんがお兄様に向かって放った殺気を今いなって怖いと感じたようです。まぁ、才能に頼って調子に乗っていたところもありますから、良い勉強になったはずですわ」

妹なのに手厳しいなぁ~。

兄貴もバッサリ切りますか。

「容赦ないな。一応、兄貴の眷属なんだろう?」

「それなら問題ありませんわ。今はトレードを済ませて、お母様の眷属ということになってますの。お母様はゲームをしませんから実質フリーの眷属ですわ」

そうか…。

そういえば、ライザーはともかく眷属はどうなったんだろう?

「そういえばライザーさんはともかく眷属たちはどうしているんだ?確かシンに思いっきりやられていたけど?」

「そのことに関しては大丈夫ですわ。むしろあの方に倒されたことによって自分たちの弱さを知って今は各自鍛えていますわ。まったくお兄様も時分の眷属を見習ってほしいですわ」

あらら…まさか眷属のほうは逆に強くなろうとしているなんて…。

正直そこは俺はレイヴェルに同情するぜ。

「と、ところで赤龍帝・・・・」

「あのさ…その『赤龍帝』ってゆうのはやめてくれないかな?普通に名前で呼んでくれ。皆からは愛称で『イッセー』って呼ばれてるしさ」

「お、お名前で呼んでもよろしいのですか!?」

「お、おう…」

なんで嬉しそうにしているんだ?

「コ、コホン。ではイッセー様と呼んで差し上げてよ」

「様付けも勘弁してもらいたいんだが…」

「いえ…これは重要なことなので!!」

そ、そうなのか…。

まあ、彼女なりに何かあるのだろう。

すると俺たちのところに顔半分を隠す程度の仮面をつけた見覚えのある女性が来た。

「レイヴェル嬢。旦那様のご友人がお呼びだ」

確か俺が倒したライザーの『戦車(ルーク)』のイザベラさんだったけ?

「分かりましたわ、イザベラ。では、イッセー様、私はこれぁら用事ができてしまいましたのでこれで失礼します。今度お会いできたら、お茶でもどうでしょうか?わ、私でよろしければ手製のケーキをご用意してあげてもよろしくてよ?」

そしてほほを赤く染めながらこの場を立ち去ってしまった。

「やぁ、兵藤一誠。会うのはゲーム以来だ」

「は、はい。イザベラさんでしたっけ?」

「私の名前を憶えてくれいてのか?赤龍帝に名を覚えられるとは光栄だな」

「別に俺はそこまで偉くないぜ?」

「赤龍帝は謙虚だな…。そういえば神無月進殿はいらっしゃるか?」

「シンか…?あそこにいる筈…あれ?さっきまであそこにいたのに…」

俺がシンがいた場所を見るとなぜかシンはいなくなっていた。

「そうか…なら神無月進殿に伝言を伝えてくれないか?『貴殿のお陰で人たちの無力さに気づけた』…と」

「ああ、伝えておくよ。それとお茶の件はOKだと言っておいてくれ」

「本当か?それはありがたいな。レイヴェル嬢も喜ぶ。では、私覇用件を済ませたのでこれにて失礼する。兵藤一誠、また会う機会があれば会おう」

イザベラさんはこちらに手を振って去っていった。

俺は再びアーシアたちのところに戻ろうとするとある人影が視界に移った。

「小猫ちゃん?しかもあんなに急いで…」

しかも表情後何処となく焦っている。

心配だな…。

「アーシア、ゼノヴィア、ギャスパー。俺、ちょっと用を思い出したから少しここを離れるわ」

「わかりました。私たちはここで待っています」

俺は三人に断りを入れてから小猫ちゃんを追いかける。

そして小猫ちゃんは下の階へと進むエレベーターに乗っていってしまった。

だが隣のエレベーターが開き俺も乗り込んだ。

すると、俺に続いてエレベーターに乗ってきた人がいた。

「部長?」

「イッセー、私も行くわ。小猫を追いかけているのでしょう?」

「部長も気づいたんですね」

「当然よ。私はいつでもあなた達のことを見ているのだから」





 

 

Change10:黒猫…そして彼だけが知る男~A lie and a shadow~

俺と部長はエレベーターから降りた後、会場の裏にあるくらい森を進んでいた。

今は部長が使い魔を出して、小猫ちゃんのいる位置を探し出しているところだ。
急ぎましょう部長

そして数分後部長の使い魔が戻ってきた。


「イッセー、小猫の場所がわかったわ。ここから西の方向にいるわ」

「なら、急ぎましょう部長!!」

「ええ、小猫が心配だわ」

俺と部長は小猫ちゃんの大まかな位置を知れたのでそこに向かって走りぬく。

幸い森はある程度手が加えられているため走りやすく、ドレス姿の部長でも問題なく走れている。

そして森を進むこと数分。

視界に小猫ちゃんが映ったが他にも誰かいるようなので近くの茂みに隠れることにした。

そしてその誰かが姿を現した。

「久しぶりじゃない、白音。元気してた?」

聞き覚えのない声。

着崩れた着物を着て頭部に猫耳そして腰に猫のしっぽ…。

待てよ…確かヴェネラナさんの話で小猫ちゃんおお姉さんは黒猫って言っていたな。

まさか―――――。

「黒歌姉さま・・・・!」

驚くようにその女性の名前をいう小猫ちゃん。

姉さま…なるほどあの女性が小猫ちゃんのお姉さんか…。

どことなく雰囲気や顔立ちが似ている。しかも瞳の色も同じだ。

それにあの小猫ちゃんのお姉さんは小猫ちゃんのことを白音と言っていたな。

もしかすると小猫ちゃんの本名は『白音』って言うのかな…。

「まさか私が会場に少し気を送っただけでここまで来るとはね、お姉ちゃん感動しちゃうにゃー」

なるほど…俺たちは感じとれなかったが小猫ちゃんはあの女性の気配をたどってきたのか。

まて…となると、シンもそうゆうのには気づくよな…。

まさかシンが会場が消えたのって…。

「……姉さま。一体どういうつもりですか?明から指名手配されているあなたがここに来るなんて」

「そんな怖い顔しないでほしいにゃ。まぁ、悪魔さんのパーティーを見に来たって感じかにゃん♪」

手を猫みたいにしてウインクするお姉さん。

うむ…元浜あたりが見たら悶死しそうだな。

あいつ確か猫耳にも興味があったし。

でもロリコンだからわからんな。

「ハハハハ、こいつ、もしかしてグレモリー眷属かい?」

そう言って姿を表したのは古代中国の鎧みたいなのを着た男。

会談の時にヴァーリを迎えに来た孫悟空の末裔、美候。

あいつがいるってことは小猫ちゃんのお姉さんもヴァーリの仲間とみて問題なさそうだな。

「それにしてもそこの茂みにに隠れているお二人さん出てきたらどうだい?俺っちや黒歌みたいに仙術しってると、この流れの少しの変化でだいたいわかるんだよねぃ」

ばれたか……。

仕方ない見つかった以上姿を出すしかないか…。

そして俺と部長は姿を現した。

「・・・・イッセー先輩、リアス部長」

「会談襲撃の時以来だな…、お猿さん。ヴァーリは元気かよ?」

「ああ、ぴんぴんしているぜ。それにお前さんとここにいないあのロボットともっと戦いたいとか言って修行しているぜ」

うそん…。

これ以上ヴァーリが強くなったら俺が困るわ。

出来れば平和に過ごしていきたいしな。

「もしかしたら、ヴァーリがどちらかに挑みにいくかもしんねぇけど、その時はよろしく頼むわ」

「そんなのはいらないって伝えといてくれ…。そんなことよりなんでお前がここにいるんだ?まさかパーティーを習ったテロか」

俺は赤龍帝の籠手を出しながら構える。

「いんや、そういうのは俺っちらには降りてきてないねぃ。今日は俺も黒歌も非番なのさ。したら、黒歌が悪魔のパーティ会場を見学してくるって言いだしてねぃ。なかなか帰ってこないから、こうしてある奴と迎えに着てってわけ。まあ俺と一緒に来た奴は今後ろにいるけどねぇ」

美猴が親指で後ろで刺すとそこには古フェイスマスクをした人が立っていた。

何もしてこないけど不気味だ…。

「コツも来たの?まったく面倒ね…。それにしても美猴、この子が赤龍帝?」

小猫ちゃんのお姉さんが俺を指差して美猴に尋ねる。

「そうだぜぃ」

「へぇ~これが土壇場で『禁手|《バランスブレイカー》』に至って、しかもヴァーリと互角に戦った現赤龍帝なのね」

お姉さんがマジマジと俺を見てくる。

まあ、あの時は俺は死ぬかと思ったけどな。

しかも互角に戦えたのはヴァーリが若干油断していたのもあるし。

美猴はあくびをしながら言う。

「黒歌~、早く帰ろうや。どうせ俺っちらはあのパーティに参加できないんだしよぅ」

「そうね。でも、白音はいただいて行くにゃん。あのとき連れていってあげられなかったしね♪」

「勝手に連れ帰ったらヴァーリが怒るかもだぜ?」

「この子にも私と同じ力が流れていると知れば、ヴァーリもあのうさん臭いおっさんもも納得するでしょ?」

「そりゃそうかもしれんけどさ…」

お姉さんが目を細めると、小猫ちゃんはそれを見て体をビクつかせる

今の小猫ちゃんは怯えている。

しかも小猫ちゃんを連れて行く?

そんなことはさせねえぜ!!

すると、部長が間に入る。

「この子は私の眷属よ。指一本でも触れさせないわ」

この行動を見て、美猴もお姉さんも笑う。

「あらあらあらあら、何を言っているのかにゃ?それは私の妹。上級悪魔様にはあげないわよ」

「それによぅ、俺っちと黒歌、それにこいつがいるから、いくら赤龍帝がいても相手には出来んでしょ? 今回はその娘もらえればソッコーで帰るからさ、それで良しとしようや?」

くっ…確かに今の状況じゃ完全に負ける…。

アストレイを使えば美猴と小猫ちゃんのお姉さんくらいならなんとかできたが…。

正直後ろに控えている男がやばい…。

恐らくヴァーリ…、いやシンぐらいに実力があるんじゃないかっと思うぐらいに俺の本能が言っている。

だが小猫ちゃんを渡すわけには…。

俺がこの状況を何とかしようと考えていると―――――。


―――ヴォォォォォンッ!!!


後ろから一線の熱線のようなものが飛んできた。

「うぉい!?」

どうやら美猴に向かって飛んできたらしいがすんでところで避けていた。

一体何なんだ?

後ろの男以外が突然起こった攻撃に混乱している。

「こんなところで人さらいとはな…随分とこちらをなめてくれたようだな『禍の団(カオス・ブリゲード)』』

話ながら空中から降りてくる人影。

いや…あれは――――――。

「「シン!!」」

そこに現れたのは少し武骨な形をした銃のようなものを持ったシンだった。

シンはそのまま俺たちの前に立つ。

「一つ言っておくがお前らがここに来たのはすぐにわかった。残念ながら気配を完全に消せるとか言っているが、赤外線レーダや空間認識レーダを持っている俺にとっては無意味だ」

シンは持っている銃を持ち換えて美猴、小猫ちゃんのお姉さんとにらみ合う。

周囲の空気が変わりピリピリとした空気が流れる。

だがそこに美猴の後ろにいた男が二人の前に出た。

「なるほど…その仮面。どいうやらこっちにお前も来ていたようだな」

シンが仮面の男に話しかける。

『……そうだ、神無月進―――いや、『革命の悪魔』』

その男もシンの問いかけに反応するようにシンに返答した。

機械的な音声がみじっているような音声だった。

「ちょっと…貴方は引っ込んで頂戴。今は私とこいつらの問題なのよ」

『残念ながら、あいつがいる以上そんなことは聞けないな…黒猫』

「ちっ…まあ…いいわ。んどいから殺すにゃん♪」

その瞬間周りの景色が一変した。

冥界の紫色の空が歪みだし黒色の空になった。

「……黒歌、あなた、仙術、妖術、魔力だけじゃなく、空間を操る術まで覚えたのね?」

部長が苦虫を噛んだ表情で言う。

「時間を操る術まではむりだったけど、空間はそこそこ覚えたわ。結界術の要領があれば割かし楽だったり。この森一帯の空間を結界で覆って現実の外界と遮断したから、ここでド派手な事をしても外には漏れないし、外から悪魔が入ってくる事もない。あなた達は私達に此処であっけなく殺されてグッバイにゃ♪」

おれたちはまんまとここに閉じ込められたってわけかよ。

「ほう…俺たちを簡単に殺せるようなことを言ってくれるようじゃないか、嘘吐きの黒猫」

「嘘吐き?…どういう意味だにゃん?」

「その時点でうそをついているんだ。まあ、だからこそイッセー」

「え…俺!?

すると伸は急に俺を呼んだ。

「だからあそこの嘘吐き黒猫の相手はお前に任せる。俺はあそこのモンキーと鉄仮面を相手にするからよ」

まじかよ!!確かに小猫ちゃんのお姉さん一人なら何とかなるけど…。

シンがあの二人を相手にするって…。

まあ、シンに任せられたならやるしかないか!!!

「『禁手化(バランス・ブレイク)』ッ!!」

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』

俺は素早く『禁手(バランスブレイカー)』になりシンの横に立つ。

だが俺とシンの目の前に小猫ちゃんが急に飛び出し叫んだ。

「……ダメです!!私が一番お姉さまの力を知っています。姉さまの力は最上級悪魔に匹敵するもの。いくらイッセー先輩でも幻術と仙術に長ける姉さまを捉えきれることは無理です。しかもシン先輩はあの二人を相手にするなんて無理です!!だから―――――」

小猫ちゃんが泣きながら言った。

自分のために誰かが傷つくのが嫌なのだろう。

「私はお姉さまのところに…」

だけどね小猫ちゃん俺は……。

「小猫あなたは私の眷属、私の家族よ、勝手に私から去ることは許さないわ!!」

すると小猫ちゃんが言う前に部長が話した。

「言っておくわ黒歌、あなたははぐれになる前に自分の主を殺しそして小猫を見捨てた。そのあと捨てられた小猫は何を見てどのような経験をしてきたと思う?最初は行く当てもなくさまよい続け、処分命令だって出されそうになったのよ!!私がお兄様から小猫を預かる際初めて小猫を見たとき驚いたわ。まるで感情がない虚ろのような目をしていたわ。…だから私は小猫を眷属にする際決めたの、楽しいものをたくさん見せてあげよって。…そしてここまで感情をとりもどしてくれた。あなたは小猫に何かしてあげた?いいえしてない。だから今更小猫を連れて行こうなんて冗談にもほどがあるわ!この子は白音じゃない。搭城小猫よ。そして私の眷属の『戦車(ルーク)』であり私の大切な家族よ!!!」

流石部長この状況でも一切取り乱していないぜ!!

なら俺も言わせて貰うぜ!!


『小猫ちゃん、小猫ちゃんは一体何がしたいんだ、なにが望みなんだ?今のコネkちゃんは自分を押し殺そうとしているようにしか見えない!!だから小猫ちゃん…今自分がどうしたいか何うが望みなのか言ってみろ!!』

すると小猫ちゃんは俺と部長の言葉を聞いて下を向いた。

そして急に前を向き時分の姉に言い放つ。

「行きたくない…私はお姉さまのもとへは行かない…私は搭城小猫、リアスグレモリー様の眷属です!!」

小猫ちゃんの言葉に驚く小猫ちゃんのお姉さん。

小猫ちゃんよく言ったな!!

そして部長、最高ーです!!

「さて…イッセー行くぞ。仲間を守るために」

『ああ!!行くぜシン!!』

「へぇ。私達を同時に相手にしようだなんて、言ってくれるじゃない。よっぽど自信があるのかしら?」

「いんや、黒歌。赤龍帝はヴァーリと互角に戦い、そして奴はあのこの世のものとは思えない鎧をまとったカテレアを倒したんだぜ?正直あいつがいてもこっちが舐めてかかるとこちらが負けるぜ?」

美猴は何処からか取り出した棍棒を取り出し戦闘態勢に入る。

そして――――。

「行くぞイッセー」

『ああ!!』

それぞれの戦いが始まった。






―○●●●●○―






「おらよっと!!」

俺―――神無月進は今、美猴とフルフェイスマスクの男と戦っていた。

いや・・・正確にはフルフェイスマスクの男はこちらの戦闘に来ているだけで傍観していた。

まあ、大体素性は把握できているから納得できるものがある。

取り合ず今はあの美猴ってやつを何とかしないとな。

「喰らいな」

俺は走りながら『R-201カービン』を構え美猴に発砲する。

美猴は自身が持っている棍棒で銃弾をはじく。

だが威力に若干押されたか少し苦薬をかんだような表情をしている。

「クッ…ただの銃かと思いきやかなりやばい威力を持っているじゃねえか…」

それはそうだろう。いちおう龍王をひるませるだけの威力はあるからな。

とりあえずこいつをささっと無力化しないと奴と話そうにも話せない。


俺は片手で戦闘服のポーチにの中に入っている『ファイヤースター』を取り出しに美猴投げつける。


「こんなちゃっちい手裏剣なんざ俺っちには何にも意味はなさないぜ?」


美猴は俺が投げたファイヤースターを軽々とはじく。

すると、手裏剣はそのままはじけ黄色く光る液体が飛び出した。

「なんだこれ…………って!?あちぃぃぃぃ!?なんだこれ俺っちの鎧が簡単に溶かされているし!!」


『ファイヤースター』。

見た目はただの手裏剣に見えるが実際は強力なテルミット反応を起こし対象を燃やし尽くす軍需品。

俺が投げたと同時に対象に当たるか衝撃を与えるとテルミット反応を起こす。

どうやら人の位置を探る便利な仙術でも超科学で作られた武器は察知できないようだ。

そして隙はできた…。

「しばらく戦闘不能になってもらう」

俺そのまま美猴の背後に回りこう飛ぶに蹴りを入れる。

「ぐはぁ!!」

そして森の奥に向かって美猴が吹っ飛んでいく。


いくら妖怪とはいえどかなり力を入れてけりを入れたから数分は気絶しているだろう。

さて…。

「これで邪魔はいなくなった。さて、今のお前は何手呼べばいいんだ?」

俺はフルフェイスマスクの男に問いかける。

『……ヴィダールでいい。革命の悪魔…』

「さっきも聞いたが懐かしいなその名で呼ばれるのは」

まあ、この世界ではまず知られていない名前だがな。

まあどうでもいいから置いとくとして俺はこいつヴィダールに聞かなけらばいけないことがある。

「あまり時間がないから単刀直入に聞く、ヴィダール。奴らに…この世界に『貴なる兵器(ルイ・ウェポン)』、そしてISを持ちかんだのはお前か?」

俺は今気になっていたことを聴く。

『…俺ではない。しかも俺はその二つを製作する頭脳を持ち合わせていないからな。だが……』

ヴィダールはフルフェイスマスクのカメラ部分を緑に発光させながら言う。

『今の俺の立場では詳しくは話せないが四将皇の一人と言っておこう。まあこの時点でお前にならわかるはずだ』

……ッチ。

まさか奴がいるとはな…。

だが奴がいるってことはあの貴なる兵器(ルイ・ウェポン)の量やISがあることに合点がいく。

それにしても厄介な相手が判明したものだ。

早々に対策しないと、いずれ『疑似機兵』や『殺戮天使』がこちらの世界に危害を加えるのも時間の問題か。

「それにしてもただ聞いただけなのに随分と悠長に話してくれるな?お前は何で『禍の団(カオス・ブリゲード)』にいる。あの時本当にお前は”解ったのか”?」

『……ああ、それを踏まえて俺は見極めるつもりだ。彼の思想が正しいのか…それともこの世界の理が正しいのかを』

彼―――。

なるほど奴も来ているのか。

そうなると彼女も来ている可能性もある。

正直あの愚か者までは来てほしくはないが。

さて…。

「話は聞けた。それでお前は今俺と戦うつもりか?ヴィダール」

『いや…あくまでも様子見で着いてきたにすぎない。今回はお前が降ったばした奴を連れ帰るとするよ』

「俺がそうやすやすとテロリストを逃がすとでも?」

俺はヴィダールに銃口を向ける。

『今の状態のお前では厳しいことは一番お前がわかっているはずだ。革命の悪魔』

どうやら今の俺の状況を知っているようだな。

まあ、今の奴はおそらく大丈夫だろう。

「なら早く連れて帰れ」

俺は銃口を下ろしながらイッセーたちのもとに向かう。

『さらばだ…親友の同士よ』

俺はヴィダールの独り言を聴きながらイッセーたちのもとに向かった。









―○●●●●○―






「くっ…やるわね。それに美猴の気配が薄くなったわね…」

俺―――兵藤一誠は小猫ちゃんのお姉さんと戦っている。

しかも小猫ちゃんのお姉さんがさっき言ったことが本当だとシンがやってくれたようだな。

あとはあの仮面の男と目の前の小猫ちゃんのお姉さんだが…。

「なあ、出来ればあんた達にはこのまま帰ってほしいんだ。正直小猫ちゃんの目の前であんたを殴るのは少々気が引けるんだよ」

すると黒歌は目を細めて俺目掛けて殺気を放ってくる。

「へぇ、悪魔になりたての子供がずいぶん舐めたこと言ってくれるじゃない。私に帰ってほしいなら白音を渡しなさい。あの子は私の妹よ」

「さっき部長が言ったはずだぞ?あんたが小猫ちゃんのを張ったら菓子にしてなんで今され連れ戻しに来たと…。正直俺もある意味じゃ同じことを思っている。それに今小猫ちゃんは自分自身の力に真剣に向き合っているんだ。だから今はそっとしておいてくれないかな?」

「それなら、連れていかないわけにはいかないわね。白音の力は私が一番分かってるのよ?私があの子の力を見てあげるのが一番だとは思わない?」

「本人にさっき拒絶されてもか?」

「それがあの子のためよ」

くっ…さすがに聞いちゃくれないか。

しかしさっきから黒歌の言葉を聞いていると、とても妹を簡単に見捨てるような奴の話し方じゃない。

しかも戦闘前にシンが黒歌のことを『嘘吐き黒猫』といっていた。

いろんな考えがごちゃごちゃしてわけわからなくなりそうだ…。

やっぱり強制的に逃げてもらうしかないか…。


「イッセー、そっちも片がつきそうだな」

「シン!!」


俺が強行手段に出ようとしたらシンが俺の横に現れた。

「シン、お前のほうは大丈夫だったのか?」

「ああ、美猴っていうやつは無力化した。それともう一人のほうはなぜか美猴を連れてどこかに行って行ってしまったのでね。とりあえずお前がいるところに戻ったってことさ」

やっぱりシンはすげえや…。

あんな奴らをたった一人で撃退するなんてよ。


「くっ…美猴もやられてあいつもひいちゃったのか…不利になったわね」

「まあそういう事だ。それにこの厄介な結界も邪魔なので消させてもらおう」

するとシンは左手にアニメに出てくるような入力デバイスみたいなものを出しいじり始めた。

そして――――。

周囲を覆っていた結界に亀裂が入り、崩れ去る。


「結界が・・・・っ!?」


「ああ、ここに張っていた空間結界を強制的に解除させてもらった」

「なんで…魔術や仙術を一切知らないが一瞬で私の結界を解除できたの!?」

「なあに、結界の発動原理やプロセス、仕組などは現代のパソコンに使われているプログラムとさほど変わりない。まあ魔術の原理は修行の時にリアス部長やグレイフィアさんに聞いた」

「それでもなんで仙術でできた結界を…」

「言っただろう?結界の発動原理やプロセス、仕組などは現代のパソコンに使われているプログラムとさほど変わりないって。あくまで仙術でできた結界でも使っているエネルギーが生命力か魔力の違いだけだ。それにお前が組んだこの結界のプログラムは至極簡単にに理解できた」

「くっ…常識はずれにもほどがあるわ……」

「ま、世界はひろってことだ…。これを名付けるなら解析と強制を掛けて『解析強制解除(アナフォース・キャンセル)』といったところか」

シン……。

「シン…あなたって…」

「突っ込みどころがありません」

「常識はずれにもほどがあるぜ…」

正直味方である俺たちは驚きを通り越してもう何言っていいかわからん。

まあこれで黒歌にもかえってもらえることを祈るしかないな。

だがそう思った時、黒歌の後ろから空間に裂け目が生まれた。

今度はなんだ?

「援軍か…」

シンが銃を構えた

俺が疑問に思っていると裂け目から一人の若い男が現れた。

背広を着て、手には極大のオーラを放つ剣が握られている。

あの剣・・・・しかもこの肌がヒリヒリする感覚は聖剣か?

「そこまでです。黒歌。会場の悪魔たちが気づきました。それに美猴も無力化されてヴィダールには小ばれました」

眼鏡をした男性はそう言う。

口振りからするに黒歌やあの二人の仲間か?

「何しに来たのよ…。ヴァーリの付き添いじゃなかったの貴方は…」

「貴方が遅すぎるのと美猴があの人物に簡単に無力化されたのでね。まったく、何をしているのやら」

ため息をつく男性。

「イッセー万が一あの男と戦闘になった場合逃げろ。あの聖剣…文献で見たことないがおそらく、聖王剣コールブランド。またの名をカリバーンだったか。まさかそんな厄介な代物がテロリスト側にあるとはな。現実は非常なものだ」

「シン…あなたがそんなこと言っても説得力ないわよ」

「え?なんでです?」

「貴方のほうがよっぽど敵に回したくない人物だわ」

「は、はぁ…?」

シンって本当に自覚症状がないんだな…。

主に自身の強さに関して。

「流石噂のお方ですね。見ただけでこの剣に正体を見破るとは…。それならこの剣もあなたならもうわかっているでしょうね」

「ああ、エネルギーの波長で簡単にわかった。おそらくそれが行方不明扱いになっている七つに分かれたエクスカリバーの最後の一本だな」

「やはり当てられてしまいましたか。これは最近見つけ出した最後のエクスカリバーにして、七本中最強のエクスカリバー。『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』ですよ」

この男かなり悪魔特攻の武器のオンパレードじゃねえか!!

本当にこいつと戦いになったらやべぇ!?

「そんなに話して平気なの?」

黒歌の言葉に男性は頷く。

「ええ、実は私もそちらのお仲間さんに大変興味がありましてね。そちらのお方…いや、『旧王殺しの機兵』殿。聖魔剣の使い手さんと聖剣デュランダルの使い手さんによろしく言っておいてくださいますか?いつかお互い一剣士として相まみえたい―――と」

なんかこいつもヴァーリとおんなじみたいだな。

あの二人がこんなこと聞いたらおそらく快く受領するだろうけど。

だけどあの男いまシンの事変な名前で言わなかったか?

「ちょっとまて、その『旧王殺しの機兵』ってのは俺の事なのか?」

「知らないのですか?貴方はその名でかなり有名ですよ?」

なんか俺たちの知らないところでシンにを中心になんか変なことが起きているな…。

「さて、逃げ帰りましょうか」

男性が手に持つ聖剣で空を斬ると空間の裂け目が更に広がり、人が数人潜れるほどの大きさになる。

そしてその男は先にその裂け目に潜り黒歌もその男に続く。

「おいそこの黒猫」

しかしシンが呼び止めた。

「なによ?」

「そろそろ嘘をつくのをやめてあげな。その嘘が自分の家族に迷惑をかけていることぐらい自分でわかっているんだろう?」

黒歌は先ほどの表情から一変し驚いた表情をしたがすぐに黒歌は軽く笑みを浮かべた。

「…なんのことかわからないにゃん」

そして黒猫は裂け目に潜りその裂け目も消えていった。



それから悪魔の人たちが来て保護された。


 

 

Change11:開始直前~twilight~

「失態ですね」

俺―――アザゼルは今、『禍の団(カオス・ブリゲード)』の襲撃により今三大勢力で緊急会談をしていた。

よりにもよって襲撃者は、冥界指名手配中のSS級はぐれ悪魔『黒歌』と闘戦勝仏の末裔、美猴にかマンをつけた謎の男、それと聖王剣コールブランド所持者ときた。

っつ、たく…。ヴァーリの奴もとんでもないメンツを集め始めたな。

正直今回の襲撃の件はイッセーとシンが相手を撃退したところで最終的に丸く収まっている。

でもパーティーで虚を突かれあっさりと侵入を許してしまったことに関しては他の勢力にとって、悪魔の警戒心の有無を疑うものだろう。


まあ先ほどうちの隣にいる副総督のシェムハザが随分とご立腹だ。

本来なら俺もここで管理問題について進言すべきだが黙っておくか…。

まあ、パーティー中に酒を飲みながらギャンブルにはまっていたなんて言えないからな。

そのことがシェムハザにばれでもしたら、あとでなんて言われるかたまったもんじゃない。


「相手は『禍の団(カオス・ブリゲード)』独立特殊部隊『ヴァーリチーム』の孫悟空の孫『美猴』と猫魈『黒歌』、更に聖王剣コールブランド所持者…そしてヴァーリチームではありませんが未確認の仮面の男。一人一人が危ない力を有する者を四人も侵入を許すとは…。だいたい悪魔の管理能力は―――」

あーまた始まったよ。シェムハザの小言交じりのお説教。

こいつが一回口走りはじめると長いんだよな…。


それにしてもヴァーリの奴はまたとんでもないメンツをチームにいれたもんだ。

確認されているメンバーは全員少なくとも最上級悪魔クラス、しかも全員まだ若い。

ヴァーリ自体も結構やばい実力を持っているときた。


まあ正直そのメンバーの一人美猴を簡単に無力化し、黒歌がつく言った仙術の空間結界をあっさりと解除するシンはそれ以上にやばい。

しかもシンに近い実力を持つ『壊 拳 の 轟 雷 姫(インパクト・ライジング・クィーン)』テュール。

伝説の妖怪の羽衣狐の羽衣九狐。

シンたちのメンツもおそらくは最上級悪魔をとんでもないな。


まあ、シンたちを敵とは思っちゃいな相手にできるほどの猛者ぞろい、いがいざ敵に回ったとなると末恐ろしい。

あとイッセーも黒歌相手にかなり善戦したっていうしな。

しかも進化形態を使わずに。

イッセーは禁手(バランスブレイカー)を進化させ、ヴァーリはある意味ほぼノーリスクで覇龍を使えると来た。

しかもシンに関しては今の時点でも実力は少なくとも最上級悪魔を超えているのは確かだが、あいつの限界がいまだに不明と来たもんだ。

まあ、歌姫に関しては存在は確認されているが詳しい素性は不明、だが実力はかなりあるらしい。

それに報告にあった仮面の男…。

奴に関しては何もわからないままだしな。


正直今回の若い世代はとんでもない猛者が勢ぞろいだ。


これはかなり近いうちに世代交代になるか?


それと会談にタンニーンも参加している。

タンニーンはイッセーたちがいなくなったのを察知し追いかけたみたいだが数手遅れて黒歌が作った結界に阻まれたらしい。

話していた時は悔しそうだったが、今はほかの上役達ともうすぐ開かれるリアスとソーナ・シトリーの戦いに関しての話で盛り上がっている。

「それにしても今回のゲームは面白いことになりそうだな」

「ああ、何せあの青年が鍛えたリアス嬢のチーム。それぞれがおもしろいことになっているそうだしな」

「そうですね、彼がグレモリー眷属にもたらした物、大変楽しみにしています」

「ええ、あの御方はリアスさんたちにかなり尽力しているのでできれば勝ってほしいですね」

なんか同盟組んでからこいつら緊張感がまるでなくなったな…。

つい数十日まえまでは冷戦状態だったのによ。

ま、俺が言えたことじゃないしな。

こうしてゲームに関して雑談していると部屋の扉が開かれる。

しかも入ってきた人物が相乗以上のものでこの場の全員が度肝を抜かれた

「ふん。若造どもは老体の出迎えもできんのか」

古ぼけた帽子をかぶり片目に水晶のような目の隻眼の爺さん。

白く長い髭を生やしており、それは床につきそうなぐらい長い。

服装は質素なローブで、杖をしている。

「―――オーディン」

そう、現れたのは北欧の神々の主神でありリーダー核ともいえる、オーディン。

鎧を着た戦乙女のヴァルキリーを引き連れてのご来場だ。

「おーおー、久しぶりじゃねぇか、北の田舎クソジジイ」

「久しいの、悪ガキ堕天使。長年敵対していた者と仲睦まじいようじゃが、また何かよからぬことでも考えているのだろう?」

「うっせーな。変なしきたりや過去にしばれれた考えで古臭い縛りを重んじる田舎神族と違って、俺ら若輩者は思考が柔軟なんだよ。煩わしいい古い考えや他勢力の敵対意識よりも、同盟組んで各々の発展のほうがいいのさ」

「弱者どもらしい負け犬の精神じゃのう。所詮は親となる神と魔王を失った小童の集まり」

やっぱこのジジイ相変わらず嫌味と口数だけは幾年月を経てもも変わらねえな。

「まったく…若者の成長とかほかにもことばはあるだろうよ」

「こううるさいガキどもの遊びにしか見えんのでのう」

まったくらちが明かないぜ。

「お久しゅうございます、北の主神オーディン殿」

「……サーゼクスか。ゲーム観戦の招待来てやったぞい。しかし、おぬしも難儀よな…本来の血筋であるルシファーが白龍皇とは。しかもテロリストとなっている始末、悪魔の未来は容易ではないのぉ」

「まそうですがこちらには頼もしい配下や眷属、それにとても心強い友人がいるのでね、そう簡単にはテロリストには屈しませんよ」

流石サーゼクス。

ああいう皮肉を言ってくるタイプには相当手馴れているな。

そしてオーディーンのジジィの視線がセラフォルーに移る。

「時にセラフォルー。その格好はなんじゃな?」

そうだった今のセラフォルーの格好は日本のアニメの魔法少女のような格好だった。

あいつパーティーが中止になったと聞いた瞬間即着替えたからな。

さらにはコスプレ好きでよくあの格好でうろついている始末。

そのせいで妹のソーナが苦労しているしな。

「あら、オーディンさま、ご存知ないのですか?これは魔法少女ですわよ☆」

ピースサインを横向きにしながら魔法少女がとるようなポーズをとっていやがる。

「ふむぅ。最近の若い者にはこういうのが流行っておるのかいの。なかなか、悪くないのぅ。ふむふむ、これはこれは。こういうのは我が北欧でも取り入れていこうかのぅ」

うわ、このジジイ…。ポーズの途中であらわになるパンツや足や揺れるおっぱいをまじまじと見ていやがる。

てか、この魔法少女を北欧でも取り入れるのか?

それを知ったヴァルキリーどもは即ストライキを起こしそうだが…。

そこにお付きのヴァルキリーが介入する。

「オーディンさま、卑猥なことはいけません!ヴァルハラの名が泣きます!」

「まったく、おまえは堅いのぉ。そんなんだから彼氏ができんのじゃ」

オーディンのその一言にヴァルキリーは泣きだす。

一体どうしたんだ?

「ど、どうせ、私は彼氏いない歴=年齢の戦乙女ですよ!私だって、か、彼氏ほしいのにぃ!うぅぅ!」

オーディンは嘆息する。

「すまんの。こやつはわしの現お付きじゃ。器量は良いんじゃが、いかせん堅くての。男の一つもできん」

なんか、ジジイもジジイで、御付きのヴァルキリーもあれだな。

正直北欧の主神があれでいいかたまに迷うことがあるぜ。

「おぬしも人のことをいえんじゃろう?アザゼル」

ちっ…さり気に心を読むなよ…まったく。

そして再び話はレーティングゲームの話題に移った。

「それにしても聞いたぞサーゼクス、セラフォルー、おぬしらの妹が戦うそうじゃな?まったく大事な妹たちが親友同士というのにぶつけおってからに。流石悪魔、考えることがタチが悪いのぉ」

「これぐらいは突破してもらわねば、悪魔の未来に希望が生まれません」

「うちのソーナちゃんが勝つに決まっているわ☆」

魔王様は自分の妹が勝つと信じているようで。

まぁ、この二人は究極のシスコンだからな。


「まあ俺にはすでに勝敗は見えているけどな」


『??!!』

すると俺たちの後ろから突然声が聞こえてきた。

そして全員が後ろを向くとそこには歩いていたシンがいた。

「シン君、どうしてここに?」

「いや、侵入現場を少し調べていただけだ。それにしても事件があったのに直ぐにゲームのダービーとはな」

てか、俺たちが接近に気づかないってどういう移動方法しているんだよ…。

「それにしてもシン君、ゲームの勝敗はすでに見えているとは一体どういうことだい?」

「言った通りさ。まあ、当日見ればわかることだがな。それでは、会話の邪魔をしてすまなかったな」

そしてシンは扉を開きどこかへ行ってしまった。

「あ奴なんというかどこかつかめない男だのう。しかもわしを見て怖気ずく気配も微塵もない。しかも挨拶もしないとはとんだ奴よのう」

ジジイの言葉に全員が苦笑する。

まあ、こんなことで起こるような爺じゃないしな。

「まあ、奴とは今度じっくり話してみるがのう…。それとわしはレーティングゲームを観に来たんじゃよ。日取りはいつか聞いてもいいかの?」



そして俺はオーディーンのジジイと一通り会話した後サーゼクスとと共に近くの椅子に座り休んでいた。

やっぱりえらい奴との会話は方が凝って仕方ないぜ。

隣に座っているサーゼクスなんて首を回しているしな。

「アザゼル、君は今回のリアスとソーナのゲームをどう見ている?リアスに関しては正直シン君に頼っていた部分が多くあるが…?」

「まあ、たいていリアスの周りで起こった厄介ごとはシンがほとんど片付けているのが事実だしな。だが今回はシンは一切関与できない戦いだ、別の視点をとればシン抜きでリアスたちがどこまでやれるかが気になるってところか」

「まあ、確かにそうだが私はどうしても気になっていることがある」

「ん、もしかしてシンのあの言葉か?」

「ああ、『俺にはすでに勝敗は見えている』…。シン君は一体どこまで今回のゲームを予想しているのか…。正直我々には理解できない」

確かに奴は戦いの強者でありながら、策士でもある。

「まあ、シンがどこまで先を見据えているのかなんて俺らにはいいじゃないか、それにしてもどうやら『禍の団(カオス・ブリゲード)』の連中はシンの事を奇妙な二つ名をふたつ言っていたそうだな?」

「ああ、リアスの報告だと一つ目は『旧王殺しの機兵』そして『革命の悪魔』だったな」

「ああ、正直一つ目はおそらく会談襲撃に関して旧魔王派のカテレアを殺したことで着いた二つ名だろう。だが二つ目の『革命の悪魔』は…」

「ああ、シン君になぜその名前が付いたのかはわからない。だが『革命の悪魔』おそらくシン君の正体を確かめるキーワードになるのはまず間違いないだろう」

「まあ、そうだな。だがそれしか情報がないんじゃ今はどうにもできないさ。だから今はゲームにお互い集中しようや」

「そうだな」







―○●●●●○―







「す~う…。はぁ~」

俺―――神無月進は今グレモリー本邸の裏庭にある森の近くにあるベンチに座り煙草を吸っていた。

イッセーたちは明日行なわれるゲームの最終確認、テュールと羽衣は自室でゆっくり休んでいる。

正直、リアス部長から最終確認に俺も参加してほしいと言われたが俺は断った。


今回のレーティングゲームはリアス部長たちの実力が試されるゲーム。

部外者の俺が最後に口出ししては意味がないからな。

まあ、結果に関しては99%きまっているものだがな。


『それにしても、こうも事態が早く進んでいるわね』

俺が黄昏ているとスカーレットハートが実体化して話しかけてきた。

以前まではあまりなれなかったが今はもう慣れた。

「ああ、しかもあいつ…今はヴィダールだったか、奴がこの世界にいることはおそらくあの二人も来ているだろう」

『確か以前見せてもらったあの二人?貴方の話を聞く限りだと結構あの二人は手強いわね』

「ああ、しかもあの愚か者までいる可能性まで出てきている。正直ここまで事態が進みすぎるとこっちの対応が間に合わない」

『まあ、そこは同感ね。だけど敵さんは私たちが望むとおりに動かないわ。だから今後の展開を見て相手の真意と動きを予測するしかないわよ?』

「ああ、わかっている。だから早く完成させなければならないな。『真なるスレイヴ』を」

『ええ、今のところデータ収集率は60%ってところね、あとは残り二つの試験兵装の運用とデータ、そして基礎的な戦闘データね』

まあ、折り返し地点は過ぎたってことか…。

とりあえずあと数日過ぎればようやく試験兵装を運用できる。

頑張っていくしかないか。


それはそれとして…。

「今更なんだが、お前がこうして俺の目の前にいる…。だが、イッセーたちには見えていなかった。一体なぜなんだ?」

そう、あの時スカーレットハートが俺の体から実体化したときイッセーたちとテュールや羽衣はスカーレットハートの実体が見えていなかった。

『言ったでしょう?私には一切わからないわ。正直実体化した理由もわからないのよ?』

「そうだったな……」

正直俺も自分自身の体のことはすべて把握していない。

しかも俺は自分が生まれたときの記憶がない。

自分が元生身の人間だってことは分かっているがその後の記憶が思い出せない。

おそらく主任も知らないだろう。

あくまでも雇用されただけ。

だが、今は自分自身の目的を果たすほうが先決だ。

まあ、力の謎はおいおい探求していこう。

『その考えが妥当だと思うわ。あとあなたも気づいているでしょうけど…』

「ああ、『禍の団(カオス・ブリゲード)』の美猴と戦っているとき明かに第三者に見られていた」

そう、あの時確かに誰かに俺は見られていた。

しかもそいつがいたであろう場所を調べたがあったのは気に掘られた一つの英文だけだった。

「―――Thank you for yesterday. So, until the day we can meet you ...(先日はありがとう。では、あなたと邂逅できる日まで)―――」

先日はありがとう…もしかして俺はもうこの堀置きを残した人物にに会っているのか?

『まあ、文章から察するに敵じゃないわね』

「確証は持てないがな。まあ、今回話はイッセーやリアス部長たちの晴れ舞台を見ようじゃないか」

『そうね、それとあなたの予想通りにゲームは決まるのかしら?』


「まあ、99%の確立で当たるってことは確かだがな。この世には100%なんて存在しないからな」


 

 

Change12:リアスVSソーナ:序盤~Start game~

レーティングゲーム開催日当日。

俺―――兵藤一誠は今、専用の待機室でウォーミングアップをしていた。

部長と朱乃さんはゲームのシミュレーションを、木場とゼノヴィアは自身の武器の確認、小猫ちゃんはアーシアとギャスパーの三人で雑談している。

まあ、アーシアとギャスパーに関しては心を落ち着かせるのがいいだろうし、まだ若干迷っている小猫ちゃんは誰かと話ていたほうがいいのだろう。

今日は部長の初のレーティングゲームの公式戦、俺が足を引っ張らないように頑張らないとな。


「イッセー先輩少しいいですか?」

俺がウォーミングアップを終わらせたところに小猫ちゃんが話しかけてきた。

「ああ、いいよ。おtれも丁度ウォーミングアップ終わったところだし」

俺と小猫ちゃんは近くにあった長椅子に座る。

ちょっとした沈黙が続いたが小猫ちゃんが再び話しかけた。


「イッセー先輩、私は決めました」

小猫ちゃんは一拍開け話始める。


「今回のゲーム…このゲームを機に私は・・・・・猫又の力を使います」

「小猫ちゃん…」

俺は踊ら数に話の続きを聴いた。

「やはりこのままでは私は皆のお役に立てないかもしれません。だから使おうと思います」

小猫ちゃんが真剣な眼差しをしながら俺に言った。


正直俺は人を見る目はあまり良くないけど、今の小猫ちゃんの目で俺は分かった。

小猫ちゃんはついに決意したんだ。

いままで否定してきた自分自身に流れている血と力を受け入れることに。

「だ、だから…私が私が猫又の力を使うところを見守っていてくれますか?」

ほほを少し赤くしながら言う小猫ちゃん。

やっぱり小猫ちゃんはかわいいぜ!!

しかも若干上目使いで俺としては保護欲が出たしまうぜ!!


まあ、今はそんなことは置いといて…。

「わかった。ちゃんとは見守れないけど、しっかりと見守るぜよ」

「・・・・はい!」

おお!!小猫ちゃんの気合の入った返事。

これは期待できそうだ。


う~ん。

俺としては小猫ちゃんが覚悟してくれたのはいいけど、少し気になることがある。

いちおう聞いてみるか。

「小猫ちゃん」

「はい、なんでしょうか?」

「小猫ちゃんはこの修行でシンの事をどう見てどう思っているんだ?」

「っ!?……」

小猫ちゃんが急に表情を変えた。

やっぱり小猫ちゃんはシンに対して何かあるようだ。

「いやなら話さなくてもいいんだけど…」

「いえ…そんなことはありません。ただ……」

小猫ちゃんは誰かを心配しているような顔をしていた。

「ただ、私がオーバーワークしすぎて倒れたとき、シン先輩が私に注意しているときなんですが…」

確か、俺とすれ違いになったときか。

あの時、シンと小猫ちゃんが何を話していたのかはわからないが、なにかあったのか?

「あの時シン先輩の顔がまるで後悔しているような表情をしているようでした」

「後悔…?」

「はい、確か…『お前自身の恩人に迷惑をかけたから俺はああしたんだ……』の時遠くでしたがシン先輩はまるで自分を責めているようにも見えました」

シンが後悔……。

正直シンは謎だらけの存在だ。

自分の事に関してはあまり話そうとしないし、家族のことを聴くとうまい形ではぐらかせてしまう。

シンの言葉や行動には必ず意味がある。

今までそうだったから。


「それで、私あれから考えて、思い出したらシン先輩に失礼なことを言ってしまっ他ことに気づいて、それで……」

小猫ちゃん…。

俺はシンと小猫ちゃんの会話を詳しくは聞いていないけど、小猫ちゃんの顔を見るとかなり罪悪感があるみたいだ。

それなら……。

「なら小猫ちゃん、このゲーム勝とう」

「イッセー先輩…」

「どうせならここまで俺たちに尽くしてくれたシンたちに報いるためにも絶対このゲーム勝とう。それも誰もリタイヤせずに。それとゲームが終わったらちゃんとシンに謝りに行けばいいよ」

「……はい、イッセー先輩。このゲーム勝ちましょう」

「おうっ!!やってやろうぜ小猫ちゃん!!」







―○●●●●○―







ゲーム開始数分前。

俺たちはゲームフィールドに転移する専用の魔方陣の上にいた。

ちなみにアーシアとゼノヴィア以外は駒王学園の夏服だ。

アーシアはいつものシスター服で、ゼノヴィアはエクスカリバーの一件の時の戦闘服を着ている。

どうやら二人ともそっちのほうが落ち着くようだ。

そして見送りには、部長の親御さんとミリキャス、アザゼル先生、そしてシン、テュールさん、羽衣が来ていた。

「初めての公式戦、頑張りなさいリアス」

「次期当主としてグレモリー家の一員として恥じない戦いをしなさい」

「頑張ってくださいリアス姉さま‼」

「まあ、あまり修行には関わっちゃいないが、俺ができることはした。あとはお前ら自身だ」

部長の親御さんとミリキャス、アザゼル先生が声援を送ってくれる。

しかも部長はこの声援でさらに気合が入ったような気がした。

そして……。

「皆、頑張ってね‼」

「イッセーたちの奮闘、楽しみにしておるぞ」

テュールさん、羽衣も声援を送ってくれた。

俺、二人と手合わせして手に入れた力全力でふるって勝ちに行きます!!

「まあ、俺絵からいえることは一つだけです・・・・。出し惜しみは一切するな…です。頑張ってください」

「ああ、シンが鍛えてくれたことに対して全力でやってやるぜ!!」

俺がシンの声援に対して返事をするとシンがこちらに近付いてきた。

「イッセー、俺から言える最後の助言だ。―――匙はきっとお前を狙ってくる最初にな、だから匙には気おつけろ、おそらくあいつはどんな方法を使ってもお前を倒しに来る」

「ああ、あいつはきっとおれを狙ってくる、奴は誰よりもこのゲームに真剣だからな。だから俺も匙に負けることがないように奴を最大限に警戒するつもりだ」

「その意気だ。この様子なら俺の助言は余計だったようだな」

「いや、有難いぜ。改めて再確認することができたしな」

そして魔方陣が輝きだした。

どうやらそろそろらしいな。


「皆行ってくる‼」

そして俺たちは魔方陣の光に包まれた。








―○●●●●○―







「皆行っちゃたね」

「そうじゃのう」

「ああ、あとはみんな次第だ」

「それにしてもマスターの今の表情から察するに、どうやらこのゲームの行方はもう予測済みってことなのかな?」

「確かに、明らかに何かを確信した表情をしておるな」

「そうか…?まあ、テュールたちが言っていることはあながち間違いじゃないからな」

「そうなの?…で、マスターの予測はどうなの?」

「気になるのう…」

「別にいいが聞いたらゲーム観戦があまり面白くなくなるぞ?」

「大丈夫!だって様相は決して当たるものじゃないんでしょ?」

「そうじゃ、結局はその場の動き次第だからのう」

「そうか…なら俺の予想は『――――――』だ」

「へぇ~。まあ、聞いたら当然だと思うね」

「まあ、そうなる確率はかなり高いのう」

「まあ、見ようじゃないか。俺の予想が当たるか、それとも相手が上か…」








―○●●●●○―







魔方陣で転移して到着したのは、かさつきのテーブルが沢山あるところに来ていた。

てかここ見覚えがあるぞ…?

「まさか今回のゲームフィールドが駆王学園近くのデパートが舞台とはね。おおむね私たちが知っている場所が来るかと思ったけどまさかこことは、予想外だったわ」

隣にいた部長がそうつぶやく。

確かにここは俺らが通っている駒王学園の近くにあるデパートだ。

まさかこことはな…。

俺としてはてっきり駒王学園だと思っていたな。


するとアナウンスが鳴りはじめる。

〔皆さま、この度はグレモリー家次期当主リアス・グレモリー様と、シトリー家次期当主のソーナ・シトリー様の『レーティングゲーム』の審判役(ジャッジ)をさせて貰う、ルシファー眷属『女王(クィーン)』のグレイフィアでございます〕

アナウンス役はフェニックス戦の時と同じグレイフィアさんか…。

まあ、慣れた人だから落ち着いてゲームに集中できそうだ。

〔我が主、四大魔王の一角であるサーゼクス・ルシファーの名のもと、ご両家の戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願い致します。早速ですがゲームフィールドの説明に入らせていただきます。ここはリアスさまとソーナさまの通われる学舎「駒王学園」の近隣に存在するデパートをゲームフィールドとして異空間にご用意しました。これにより互いの地の利を均等に致しました〕

「なるほどね、僕たちと会長側で地理関係で優劣がきまらないようにしたわけだね」

確かにそうだな。

駒王学園だと生徒会しか知らない場所とかで奇襲とかありそうだし。

〔両陣営、転移したところが本陣となっています。リアス様は北側の一階、ソーナ様は南側の最上階のとなっております。『昇格(プロモーション)』を行う『兵士(ポーン)』の方は本陣まで赴いてください〕

なるほど俺が『昇格』するときは南側の最上階までいかないといけないのか。

まるで戦略ゲームのルールみたいだな。

まあ、これも戦略ゲームみたいなものなんだけど。

だけど俺ら側は『昇格』できるのは俺しかいない。しかし会長側は匙と後輩の仁村さんが居るから不利だな。

まあ、部長ならこっちの不利を考えて戦術を組んでいくと思うけど。

〔それと今回のゲームには特別ルールがあります。詳細は各陣営のところにありますので確認をお願いします。それと回復品である『フェニックスの涙』は各陣営に一つずつ支給されています。そして作戦時間は30分。それまでは両チームも接触は禁止となります〕

そしてアナウンスが終わり作戦時間が始まる。

「今回のゲームは屋内戦を想定したゲーム。目立った特別ルールは『バトルフィールドとなるデパートを破壊しつくさないこと』要するに範囲攻撃やキビがある攻撃は禁止ってことね」

部長が資料を見ながら言う。

「私が特に不利になるルールだな。初手の波動攻撃ができないな」

確かに、俺たちは木場とギャスパー、戦闘要員出ないアーシアを除くほとんどが範囲攻撃を得意としている。

ゼノヴィアのデュランダルによる波動攻撃は朱乃さんの雷による攻撃がルール的にアウト。

正直攻撃の要が二つ無くなったことになるな。

「しかも資料を僕も見たけどギャスパー君の神 器(セイクリッドギア)の規制が入って使用禁止が来ているね。まあ、主催者側からしたらまだギャスパー君の神器でゲームがハチャメチャになるのを回避する意味だろうね」

「す、すみません。修行してある程度扱えるようになったのですが、まだうまく制御できた居ません」

「大丈夫よギャスパー。あなたが謝ることじゃないわ」

それにしても今回のゲームは俺たちにとってはものすごく不利なルールだな。

さて、部長達はどう考えてくれるんだろうか?

「まあ、みんなも確認した通りこのゲームは”以前の私たち”ではかなり不利なゲームでしょう。だけど皆の修行の成果を聴いているからこのゲーム決して不利じゃないわ。むしろ修行の成果をシンたちに見せつけるいい機会よ」

部長が不敵な笑みを浮かべながら言う。

「あらあら、ずいぶんと燃えてますわね」

「ええ、当然よ。地獄ともいえる修行をしてその成果をシンに見せつけてやれるのだから。朱乃も…いや、おそらくこの場の全員がが同じ気持ちのはずよ」

部長の言葉に全員が頷いた。

シン君に与えられた地獄ともいえるメニューを僕たちはこなしそれぞれ成果を出せたんだ。

決して無様な姿を見せるわけにはいかない。

そんなことしたらシン君に恩を仇で返すようなことになってしまうからね。

しかも一番このことに関して燃えているのはイッセー君だしね。

「さて、とりあえずまずは周りの状況把握から始めましょう。最少はいけるところまで戦場把握と罠の設置が先決だわ。祐斗と朱乃、私が行くわ。二人ともついて着て頂戴」

そして部長、朱乃さん、木場は偵察と罠設置に行った。









―○●●●●○―







「戻ったわ」

部長達がこちらに戻り地図を確認しながら罠の設置場所やどれくらい障害物があるかなどを確認した。

そして、

「とりあえず相手に本陣に向かうために皆にはツーマンセルで攻めてもらうことにするわ」

二人組での行動か…。

俺と組むのは誰になるんだろう?

「まずは左側からは朱乃、木場二人で行ってちょうだい」

「わかりました。よろしくお願いしますわ木場君」

「はい、朱乃さん」

朱乃さんと木場か、木場が前衛で朱乃さんが後衛って形だな。

「次に西側からゼノヴィア、ギャスパーでお願い」

「わかった。よろしく頼むギャスパー」

「は、はい!!頑張ります!!」

「ちなみにギャスパーはヴァンパイア乃能力で蝙蝠に変化してゼノヴィアと進みながら戦場の状況方向句をお願いするわ。あと戦場状況方向で行っては行けないところがあるからあとで私のところに着て頂戴」

「はい!!」

なるほど確かにゼノヴィアは修行の成果で単独でほとんど行動しても大丈夫だしな。

それに蝙蝠に変化ギャスパーは偵察に向いているしな。

となると俺のパートナーは―――。

「そして中央からはイッセーと小猫に任せるわ。小猫は猫又の力を使いながらイッセーと攻めて頂戴」

「了解しました!!頑張ろうな小猫ちゃん‼‼」

「はい、リアス部長、イッセー先輩」

小猫ちゃんと攻めるのか。

丁度、見守るって約束したから頑張るぜ!!

「そして最後に私とアーシアで状況に応じて移動するわ」

「わかりました部長」

こうして俺たちは序盤の作戦を練り終え、ゲーム開始まで待つことにした。


 

 

謝罪と活動を完全停止

 題名の通りこの日をもちまして執筆活動を完全に停止いたします。

理由としては、社会人の私は今まではかろうじて活動を行っていきましたが、昇進の影響で執筆活動ができなくなりました。

誠に勝手ながら申し訳ございません。

応援してくださった皆様本当に申し訳ございません。


大会はこれを投稿してから一時間後に致します。



今までありがとぅございました。