仮面ライダーエグゼイド バグ技 仮面ライダープロット


 

第1話「孤独なJudgementer」

 仮面ライダークロニクル─既に全国で数多くの参加者がいる現実(リアル)参加型サバイバルゲーム。人々はライドプレイヤーと呼ばれる戦士に変身し、かつて制作会社である幻夢コーポレーションが商品展開したゲームの敵を倒してゆくというゲーム。しかし、その実態は敵キャラクター、バグスターに圧倒的な優位性があり、ゲームを一度起動させれば最後。バグスターのウイルスに感染し、指定されたバグスターを倒さない限りウイルスは消滅せず、敗北した場合、ペナルティーとしてプレイヤーの肉体は消滅してしまう悪魔のシステムであった。

 「また、日記を付けているのかプロット?」
オフィスのような場所で、二十代後半の男性が今時古いタイプのパソコンとにらめっこをしている三十代前半の男性に話しかける。
「まあな。それより、予算は足りそうか?」
プロットと呼ばれた男性は先程の男に聞き返す。
「それって、今度のc92の話?それとも計画の方?」
「両方だ。」
「前者に関しては、一般版は3万、成人指定版は1万5千に抑えたから平気。後者に関しては、もうプログラムも済んでいる。あとはデバッグ処理だけだ。」
プロットの質問をしっかり聞いた男は、詳しく説明した。
「そうか。いつも悪いな、レイズ。これが終わったら、打ち上げ会でも開くか。」
「俺は構わないけど、他はどうするのさ?」
プロットの提案に、レイズは質問する。
「決まっているだろ。もう連絡はしてある。来るってさ。まあ、俺達はそういう奴らだからな。」
レイズの質問にプロットは答える。すると、
「プロット、湾岸近くで複数のライドプレイヤーとガットンバグスターが戦闘を行っているみたい。」
二十代半ばの女性がプロットに話す。
「ありがとう、助六。それじゃ、いつもみたいに行ってくる。」
プロットはそう言い、出かける支度し、外へ出る。
「さ、俺達はプロットのサポートだ。今日も忙しくなりそうだ。」
レイズはそう言うと、今開いているのとは違うもう一台のノートパソコンを開いた。



 プロットが湾岸に着くと、十人のライドプレイヤーがゲキトツロボッツのラスボスの姿をしたバグスター、ガットンと戦闘していた。
「今日も派手にやっているなぁ。」
プロットは歩きながらそう言い、コートの内側から直方体状の物体を取り出し、腰にセットする。すると、帯が現れて、仮面ライダーの変身ベルトとなる。その時、
「あれ、あの人ってプロットさん?」
ライドプレイヤーの中の一人がプロットの存在に気づき近づく。
「お前は?」
プロットは近づくライドプレイヤーにそう尋ねる。無理も無い。変身しているライドプレイヤーはプロットの事は解るが、仮面で顔が解らないライドプレイヤーをプロットが知るはずも無い。
「プロットさん、俺ですよ、アリコンですよ!あの同人サークル『ザーサイ汁ブッシャー』の!」
尋ねられたライドプレイヤーはそう答える。
「ああ、アリコンさんでしたか。まあ、敵は俺が今から倒しますので。」
プロットはそう言うと、コートのポケットからフロッピーディスクのような物を取り出す。そして、その起動ボタンを押す。
《弾幕幻夢想!》
そのディスクには仮面ライダーやライドプレイヤーが使用するライダーガシャットのようにゲームの力を身に付けるプログラムが入っていた。それにより、弾幕幻夢想のゲームフィールドが展開。エナジーアイテムのシンボルマークとして射撃行動を行う雑魚敵が現れる。
「あれって、弾幕幻夢想のEXステージ!もしかして─」
ライドプレイヤーの一人はそう言う。そして、
「変身!」
プロットはフロッピーディスクを先程の変身ベルトにセットする。
《レッツゲーム 滅ゲーム ゴートゥヘル ネクストヘル? レッツゴー仮面ライダー》
プロットは全身が銀色に覆われた仮面ライダー、プロット ナウロードに変身する。更に、
「残機追加。」
プロットはベルトについているマウスに近いパーツのカーソルを下にスライドさせ、端についているボタンをダブルクリックする。
《ガ セット ロード レベルアップ!♪~~》
プロットのベルトはフロッピーディスクを読み取りプロットの正面にスライド画面が出現。プロットはLを一度押し、弾幕幻夢想をセレクト。そのアーマーをマテリアライズし、仮面ライダープロット 弾幕ゲーマーに変身する。
《ガシャコンスティック》
プロットは弾幕ゲーマーに変身した事でガシャコンウェポンのガシャコンスティックを手にし、能力で浮遊。ホーミングモードの力でエナジーアイテムシンボルを攻撃し、破壊してゆく。
「そこか。」
プロットは破壊したエナジーアイテムシンボルから出現した高速化のエナジーアイテムを取得する。
《高速化》
その効果で、プロットの速度は速くなり、バグスターウイルス達を撃破してゆく。
「さて、残りはガットンだけか。なら、火力勝負だな。」
《レーザー》
プロットはガシャコンスティックのLを押してレーザーモードに切り替え、ガットンに集中砲火を浴びせ、
「これで終わらせる。」
ベルトからディスクを取り出し、ガシャコンスティックにセットする。
《ガ セット キメワザ! 弾幕幻夢想 クリティカルスペル!》
プロットは必殺技を発動。ガシャコンスティックに光が収束され、
「弾幕シューティングゲームは、火力が一番だ!」
そう言いながら大火力のレーザーを放ち、ガットンを撃破する。
《ステージクリア リザルト》
撃破完了の音声と共に、ガットンを倒した証であるゲキトツロボッツのガシャットロフィーが出現し、プロットは入手すると、
「次はお前達だ。」
《ホーミング》
プロットはガシャコンスティックをホーミングモードに変えてライドプレイヤーを攻撃、その一撃で数人のライドプレイヤーはライダーゲージがゼロとなり、
《Game Over……》
その肉体は消滅してしまう。
「プロットさん、一体何を?」
ライドプレイヤーAはプロットに話を聞こうとするが、
「こっちが本命だ。」
プロットはそう言い、新しいフロッピーディスクを取り出す。
《トゥルー アドベンチャー!》
どこか力強い女性の声で発せられたディスクにより、弾幕幻夢想のゲームフィールドは消滅。代わりに複数の選択肢が出現する。
《ガ セット》
「ネクストステップ。」
《ガ セット ロード レベルアップ!♪未来目指し 前を向いて 今 こそ 見つけ出そう True adventure!》
プロットはスライド画面を更にLを一度クリックしトゥルーアドベンチャーをセレクト。アドベンチャーゲーマーにレベルアップする。
「プロットさん、何かの冗談ですよね?」
ライドプレイヤーAははそう言うが、
「アリコンさん、このトゥルーアドベンチャーは、今度のc92で出す予定の新作ゲーム。そして、俺達のサークル、『バグスターウイルス研究所』初の、一般版と成人指定版を出すゲーム。」
プロットはそう言いながら選択肢のひとつを選ぶ。
《マッスル化》
プロットはライドプレイヤーAの言葉など聞く気も無いかの如く、殴り続ける。
「ちっ、仕方ねえ。レアキャラは俺達(ユーザー)様に危害を加えるな!」
ライドプレイヤーAは流石にキレて、プロットを攻撃し、プロットのライダーゲージは三分の一程減る。
「そうか、お前も屑達(あいつら)と同じだったわけか。」
《硬質化》
プロットは選択肢を更にグッドセレクトし、硬質化で肉体を金属質にし、更にトゥルーアドベンチャーの力で、ライダーゲージを完全に回復させる。
「そんな─チートかよ!」
ライドプレイヤーAはプロットとの圧倒的な実力差に我を失って攻撃するが、硬質化したプロットを攻撃しても、反射ダメージが入るだけに終わり、
「さて、イベントシーンに入れるな。アリコンさん、貴方の作品、イラストもストーリーも好きでしたよ。」
《ガ セット ロード キメワザ! トゥルーアドベンチャー!クリティカルフィニッシュ》
プロットは必殺技を発動。右腕に力を溜め、ライドプレイヤーAの腹部を殴り飛ばす。
《トゥルーエンド エンドロール》
最大火力の必殺技により、ライドプレイヤーAのライダーゲージはゼロになる。
「そんな、どうして。どうして俺達を攻撃するんだよ!同じ人間だろ!」
データになりかけているアリコンはプロットの脚にしがみつくが、
「同じ人間だからだ。だからお前達ライドプレイヤーが許せない。こんな生きていること自体が害毒な奴らがのさばっている事が。」
プロットはまるで脚についた害虫を振りほどくかのように脚をはらう。
「ふざけるなよ………ふざけるな!」
《Game Over……》
アリコンは怨み言を言い残し、消滅した。それと入れ違いで電脳救命センター、通称CRのライダー達が現れる。
「患者はどこだ。」
ブレイブに変身する鏡飛彩はライドプレイヤーを探すが、
「あいつらならもう現実世界にはいない。」
プロットはそう言い、
《デッドリィ トゥルース》
別のディスクを起動させ、バイクを出現させ、乗る。
「貴方は一体、何なんですか!」
エグゼイドに変身する宝生永夢はプロットにそう叫び、
「俺は、仮面ライダープロット。癌細胞の抹殺者だ!」
プロットはそう返すと、そのまま去ってしまった。
「仮面ライダー…プロット?癌細胞の抹殺?一体あの人は?」
永夢は、プロットの言葉を考えていた。
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次回、仮面ライダープロット
次の標的はニコ。明かされるプロット誕生の秘密。次回『Revengeの理由』 
 

 
後書き
仮面ライダープロット能力設定1
アドベンチャーゲーマー
身長:197cm
体重:92kg
走力:100mを3秒
ジャンプ力:一跳び50m
パンチ力:90t
キック力:85t
ゲームジャンル:社内恋愛&会社経営アドベンチャーゲーム
プロットのメインフォーム。起動時に五人のパートナーからランダムで一人セレクトされ、それに合わせてエナジーアイテムの出現傾向が変化する。本来のライドアイはエメラルドグリーンと真紅のオッドアイだが、この形態のみライドヘアーによって隠れおり、確認が出来ない。また、エナジーアイテムシンボルの選択肢を取る結果でライダーゲージが増減、更に戦闘をサポートするナビゲートセクレタリーとの高感度も変動。これにより、必殺技の威力にも変化が生じてくる。

弾幕ゲーマー
身長:202cm
体重:85kg
パンチ力:65t
キック力:60t
ゲームジャンル:弾幕シューティングゲーム
プロットがバグスターとの戦闘においてメインで使う形態。現状では唯一専用武器のガシャコンスティックが存在している。ゲームフィールドに点在するエナジーアイテムシンボルはゲーム内の敵と同様に攻撃を行い、プレイヤーを狙う。この形態ではエナジーアイテムシンボルの攻撃をよけつつ敵と戦う高度な技術が要される。また、ライダーゲージの減少は固定で20%となっている。
専用武器のガシャコンスティックはホーミングとレーザーのモードが存在し、ホーミングは指定した相手への追尾、レーザーは高火力と、敵に合わせた使い分けが出来る。


真の後書き
この作品の時間帯は、現在は檀黎斗が復活する少し前、まだポッピーが敵だった頃の話です。 

 

第2話「Revengeの理由」

「キメワザ!ニコ!クリティカル~、キック!」
ライドプレイヤーニコは高所から急落下しながら、キックの姿勢をとり、カイデンバグスターを蹴り飛ばす。
「無念、也!」
カイデンバグスターは撃破され、ライドプレイヤーニコの手にギリギリチャンバラのガシャットロフィーが現れる。
「よし!」
ライドプレイヤーニコがはしゃいでいると、
「お前が、ライドプレイヤーニコだな。」
バイクに乗ったプロットが現れる。
「おっさん、誰?」
ライドプレイヤーニコは質問する。
「そんな事はどうでもいい。衛生省に媚びていれば逃げられると思ったら大間違いだ。」
《トゥルーアドベンチャー♪》
プロットはトゥルーアドベンチャーを起動。どこかいたずらっ子のような声が響き、
「ネクストステップ。変身!」
《ガ セット ロード レベルアップ!♪未来目指し 前を向いて 今 こそ 見つけ出そう True adventure!》
プロットは、仮面ライダープロット アドベンチャーゲーマーに変身する。
「何、この仮面ライダー!?」
ライドプレイヤーニコは驚く。
「ボサッとしているな!」
仮面ライダープロットは問答無用にライドプレイヤーニコの腹部を殴る。
「痛ぇな!」
ライドプレイヤーニコは仮面ライダープロットに殴り返そうとするが、
《発光》
仮面ライダープロットは発光のエナジーアイテムで体を光らせ、ライドプレイヤーニコの視覚を奪い、反撃を許さない。
《液状化》
更に仮面ライダープロットは液状化のエナジーアイテムでライドプレイヤーニコに纏わり付き、武器を奪いとり破壊する。
「さて、どう戦うのかな?」
仮面ライダープロットはあえて挑発するような口調で話す。
「っざけるなよ!」
ライドプレイヤーニコはその挑発にまんまと乗ってしまい、殴りかかるが、
《風船化》
仮面ライダープロットは風船化を使いバウンドしながら回避し、
《分身》
分身のエナジーアイテムを取得して五人に分身。そして、
「俺にトゥルーエンド。お前にバッドエンドだ。」
《ガ セット ロード キメワザ!トゥルーアドベンチャー♪クリティカルフィニッシュ》
仮面ライダープロットは必殺技を発動。右手にピコピコハンマーのようなエネルギーが現れ、
「終わりだな。」
五人の仮面ライダープロットは一斉に攻撃しようとするが、
「どけ!」
仮面ライダースナイプが現れ、ライドプレイヤーニコを突き飛ばし、仮面ライダープロットの攻撃をその身に受ける。
《トゥルーエンド エンドロール》
《Gashuun!》
スナイプは仮面ライダープロットの攻撃によって変身が解除される。すると、
「花家先生!」
仮面ライダープロットはそう言い、大我に近づこうとするが、
「見つけたぞ、この間の仮面ライダー。」
仮面ライダープロットの動きはエグゼイドとブレイブによって封じられてしまう。
「ちっ、しくじっちまったか。」
仮面ライダープロットはそう呟く。
「とにかく、貴方には一度CRに来てもらいます!」
エグゼイドはそう言い、仮面ライダープロットを連れて行く。


プロットは変身を解除させられ、CRの待合室に括り付けられる。
「まず、貴方のお名前と年齢、職業を教えて下さい。」
宝生永夢はプロットにそう質問する。
「大園卓弥。年齢は34、職業は電脳救命センター機材開発部主任。」
プロットは素直に答える。
「それなら何で、何故あんな事を、人の命を奪うようなことをしたんですか!」
更に永夢はプロットに質問する。
「質問には答える。ただ、あんた達末端とまともに話す気は無い。衛生省審議官、日向恭太郎に取り次いでもらいたい。この際、モニター越しでも構わない。」
プロットは永夢に条件を突きつける。
「院長、飛彩さん、どうしましょう?」
「話が進まないのは時間の無駄だ。繋いでもらおう。」
「飛彩の言うとおりだ。」
永夢の質問に飛彩と、父親で院長の灰馬はそう答える。
「分かりました。卓弥さん、少々お待ちください。すぐ取り合います。」
永夢はそう言い、日向審議官に取り次ぐ。
「宝生君、話は聞いたよ。ところで、大園君、君は何故こんなことをしたのだね?」
日向審議官はプロットに質問する。
「…全ては…復讐の為だ。」
プロットはそう言う。
「復讐?何故だい?」
「友人が、ライドプレイヤーに殺されたからだ。」
プロットは答える。
「それって、貴方の友人も仮面ライダークロニクルに参加を?」
永夢は横槍を入れるように質問する。
「いいや、あいつは、水無瀬翔平は仮面ライダークロニクルのゲームフィールドに紛れ込んだ一般人だった。あの現場の監視カメラを見せてもらった。偶然通り掛かった翔平を邪魔に思ったライドプレイヤーの一人が翔平を斬りつけ、翔平はその場で倒れた。」
「でも、その中で救急通報した人はいたんじゃ!」
プロットの説明に永夢はそう言うが、
「勿論、それだけなら救急通報で助かった。でもな、問題はここからだ。翔平は近くのライドプレイヤーに必死にしがみついて助けを求めた。だが、そのライドプレイヤーはあろうことか翔平を踏みつけた!仮面ライダーに変身しているお前達なら分かるだろ!人間を遥かに超える脚力で何度も腹部を踏みつけられればどうなるか!翔平は病院に運ばれる頃には内蔵の八割は損傷。心停止寸前の状態だった。しかも、それを唯一治療出来る可能性のあったドクターはリスクが高いからと言ってオペを拒否した。そのドクターが誰か解っているよな、院長?」
「まさか、私の院内にそんなことをするドクターがいるとでもいうのか!」
「ああ、そうだ!あんたの大切な大切な息子だよ!」
灰馬の言葉にプロットは怒鳴る。
「飛彩、それは本当か?」
「ああ、あの時点で、オペをしても破裂した内蔵の修復は不可能だった。出来ないオペを行わないのは、ドクターの鉄則だ。」
「そうだったのか、飛彩。」
灰馬は飛彩に確認を取る。
「だからって、何で復讐をするのですか!亡くなられた翔平さんは、きっとそんなこと望みません!」
永夢はプロットにそう言う。
「そんな事、言われなくても解っているよ、お前以上にな。翔平は昔から争いが嫌いだった。あいつの奥さんも、翔平のそういう所が好きで翔平と結婚したからな。でもな、それでも俺が、俺達が復讐しようと思った理由はただ一つ。あいつは、四カ月後にお父さんになるはずだったんだ。」
「えっ?」
プロットの言葉に永夢は驚く。
「ここの産婦人科に通っている水無瀬綾歌は、翔平のかみさんだ。翔平は、半年前に漸く一軒家を買えたってたのしそうに話していた。そんな幸せな家庭が、こんな糞下らない屑の遊びの所為で破壊されて、憎しみがわかないわけ無いだろう!」
「でも、だからってやっていい事と悪い事があります。残された方は、亡くなられた方の分まで生きていかないと」
「んなこと簡単に言うな!世の中そんな綺麗に出来ていない。契約者が死んだ一軒家は?シングルマザーとして生きて子供を産んで育てないといけない綾歌さんは?その子供は?簡単に言うな!」
「それはみんなで協力して…」
「出来ると思っているのか?ホントおめでたいな。そんな境遇の親子を、世の中は受け入れない。それに、俺達はそれだけで復讐を決意したわけでは無い。俺のもう一つの顔は、同人ゲームサークル『バグスターウイルス研究所』のサークル主で、翔平もそのメンバーだった。」
プロットがそう話していると、
「大丈夫か、プロット!」
「衛生省に捕まったって本当!?」
レイズと助六がやってくる。
「お前達、どうしてここに!?」
「忘れたか、プロット?パーソドライバーには認証アカウントが入っている。それをたどってここに来た。」
プロットの質問に、レイズは答える。すると、
「えっ!?じゃあ、あのサークル主ってあんただったの!?」
ニコは驚く。
「そうだが。」
ニコの言葉にプロットは答える。
「何か知っているの、ニコちゃん?」
永夢はニコに質問する。
「知らないの?五年前、突如として現れて、参加から二年でシャッター側サークルに登り詰めたゲームサークルの長だよ!」
ニコが永夢に説明していると、
「てめえ等、どこでバグスターの事を知った?五年前にはバグスターの事なんて世の中に広まっていなかっただろ。」
大我はプロット達に質問する。
「花家先生、私達の事を忘れちゃったの?」
助六はそう言い、
「五年前の事だ、俺達もすっかりあの頃と違う。俺達が何故バグスターの事を知ったか話そう。五年前、俺達はバグスターウイルス感染症にかかった。その時、初めて仮面ライダーになったドクターに治療してもらったおかげで、俺達はこうして生きている。そのドクターが誰か、日向審議官なら一発で分かるよな?」
プロットは語る。
「花家…大我君か…」
「ああ。花家先生は俺達の命の恩人だった。しかし、ある事件をきっかけに医師免許を剥奪され、この世界から追放された。この病院の院長の子息の恋人を救えなかった。そんな理由で。」
「そんな理由とはなんだ!ドクターたる者、一度のミスも許さない!」
「失敗するオペから逃げる奴が言うな!そんな事言ったら医療過誤を起こしたドクターはどうだ!今でものうのうと医療活動をしているだろう!唯一無二のドクターを、個人の怨恨で追放した所為で、未だにバグスターがのさばっているんだろ!」
プロットは飛彩の態度に怒る。
「プロット、落ち着け。確かに衛生省とCRはどうしようも無い奴らの集まりだ。でも、ここで全てが水の泡になったらどうする。殺された翔平の敵をとる事も、仮面ライダークロニクルを終わらせる事も出来なくなるんだぞ!」
激昂するプロットをレイズは叱る。
「仮面ライダークロニクルを、終わらせる?」
その言葉に、永夢は食いつく。
「ああ、俺達バグスターウイルス研究所は元々バグスターウイルスの抹消の為に集まったグループ。それぞれ仕事の合間を縫って集まり、バグスターウイルスの調査と研究をしていた。中でも、翔平は科学技術に長けていて、プロットが変身に使うパーソドライバー、ゲームフィールドを展開させるドーズフロップの製作は翔平の役目で、クロニクル攻略も翔平の頭脳のおかげで間近に迫っていた。だが、あの事件の所為で研究は振り出し近くに戻された。俺達は別の方面、つまりプレイヤーを消し去る事で仮面ライダークロニクルを終わらせる計画に変えざるを得なくなった。全ては、衛生省の対応が悪すぎる所為で!」
レイズは永夢に説明する。
「どうして、衛生省の対応が悪いのですか。一生懸命頑張っているじゃないですか!」
「一生懸命で許されるのはガキまでだ。もっと方法があるだろう。プレイヤーはウイルステロの共犯にするとか、幻夢コーポレーションを差し押さえるとか。それに、俺の行動だって利用出来たはずだ。衛生省も幻夢コーポレーションもその存在を把握出来ていない仮面ライダーがライドプレイヤーを襲撃しているため、直ぐさまゲームを辞めろって。」
永夢の言葉にプロットは反論する。
「それに、テレビで放送したって無駄。そもそもゲームをやる連中はテレビのニュースなんて観やしない。ネットニュースの方がよっぽど伝えられる。だから無能だと言っているんだ。助六、どうだ?」
「プロット、うまくいったよ。」
助六はプロットを縛っていた縄を解いていた。
「ありがとう。さて、話はこれで全部だ。それじゃあ、帰らせてもらう。」
プロットはそう言うと、テーブルに置かれていたパーソドライバーを手にして、装着する。
《デッドリィ トゥルース!》
「推理開始。」
《ガ セット ロード レベルアップ!   デッドリィ トゥルース………》
プロットはスライド画面のRを二度クリックしてデッドリィトゥルースをセレクト。デッドリィトゥルースの力で仮面ライダープロット ディテクトゲーマーに変身する。
《ステージ セレクト》
「じゃあな。無能でくそったれなドクターさん。」
仮面ライダープロットはレイズと助六を連れてゲームフィールドに消えていった。
「復讐なんて間違っている。僕が、止めないと。」
永夢は決心した。
go to next game.


次回、仮面ライダープロット
ぶつかり合う2人。天才ゲーマーは敗北を知る。次回『解き放つJoker』 
 

 
後書き
仮面ライダープロット能力説明2
ディテクトゲーマー
身長:197cm
体重:85kg
パンチ力:70t
キック力:70t
ゲームジャンル:推理ゲーム
推理ゲーム《デッドリィ トゥルース》で変身する姿で、逃走、又は追跡に使用するのが主な役割。起動時には専用バイクのライドブレイカーが出現する。


アイテム説明1
パーソドライバー
プロットの変身ベルト。旧式コンピュータを改造した物で変身するにはアカウント情報が必要。左にドーズフロップ(後述)をセットするスロットが、右にはセットしたドーズフロップを選択するためのマウス状のシステム、マウスカーソラーがあり、変身、必殺技の認証を行う。音声は助六が担当している。本来は仮面ライダークロニクル攻略の為に開発していたが、開発者の水無瀬翔平の死によって、用途が変更される。

ドーズフロップ
プロットが変身に使うフロッピーディスク型の変身アイテム。ゲームはかつてバグスターウイルス研究所がコミケなどで販売したものが組み込まれている。

トゥルーアドベンチャー
恋愛アドベンチャーゲームのフロップ。このゲームはc92で販売する予定のゲーム。起動時に五人のキャラクターからランダムで選ばれた一人がプロットの戦闘のサポートを行うナビゲートセクレタリーとなる。また、ナビゲートセクレタリーによってエナジーアイテムの出現傾向が変更する。戦闘では散らばっている選択肢を取得し、トゥルー、グッド、バッドセレクトでライダーゲージが増減する。以下はナビゲートセクレタリーの種類。
・一ノ宮涼子:メインヒロイン。エナジーアイテムの出現傾向は均等的。必殺技は敵向かっての回し蹴り。
・シャノン=御劔:強気な女性。エナジーアイテムの出現傾向はマッスル化、ジャンプ力強化などの近接戦闘強化。必殺技はストレートパンチ。
・菱盾 零:クール系ボクっ娘。エナジーアイテムの出現傾向は硬質化、伸縮化などの防御型。唯一回復のエナジーアイテムが出現する。必殺技はカウンターアタック。
・喜来万里:天性の悪戯っ子。エナジーアイテムの出現傾向はギャグ、逆転などの補助型。必殺技はピコピコハンマーのエネルギーで出現させてぶっ叩く。
・錦宮百合:ヤンデレ。エナジーアイテムの出現傾向は混乱、暗黒などのマイナス要素。このナビゲートセクレタリーはエナジーアイテムを相手に付与して戦う。必殺技は刃物による滅多刺し。 

 

第3話「解き放つJoker」

「最近、クロニクルのプレイヤーも減って来たな。」
プロットは呟く。
「まあ、俺達が消しているのが結果として出始めたんじゃないかな?それよりも、ジョーカーズストライクのデバッグ処理、済んだぜ。」
プロットの呟きにレイズは答え、新たなドーズフロップをプロットに渡す。
「済まない、いつもお前達に頼ってばかりで。」
プロットはレイズと助六に感謝の意を告げる。
「そんな事言わないで下さいよ。」
助六はいち早くそう言い、
「そうだプロット。パーソドライバーを一番使いこなせたのも、一番戦闘が上手いのもプロットだ。俺達はプロットの戦闘技術がなければこうしていられなかった。だから、感謝しているのは俺達だ。」
レイズもそう返す。
「だけど、お前達には悪い事をしたと思っている。あの一件で、お前達は今の職場を辞めざるを得ない状況になって、そのうえ衛生省のお尋ね者になった。あの時、俺が花家先生を前に変身を解除しなければ─」
「よせ、プロット。過ぎた事だ。おっと、エグゼイドがソルティと戦闘している。」
「ありがとう。あの小僧は一度完膚無きまでに叩きのめされて、痛い目に合わないと解らないみたいだ。行ってくる。」
「気をつけろよ~。」
プロットはマシンライドブレイカーに乗り、現場に向かった。


「ソルティ、何度も何度もしつこいぞ!だ~い変身!」
《Gashaan!double up! ♪俺がお前で~ お前が俺で~ mighty mighty brothers!hey!XX(ダブルエ~ックス)!》
エグゼイドはゲーマドライバーのレバーを開閉し、ダブルアクションゲーマー レベルXXにレベルアップする。
「『超協力プレーで、クリアしてやるぜ!』」
《ガシャコンキースラッシャー!》
《ガシャコンブレイカー!》
エグゼイド ダブルアクションゲーマーLはガシャコンキースラッシャーを、ダブルアクションゲーマーRはガシャコンブレイカーを取り出し、ソルティバグスターを攻撃してゆく。
『フィニッシュは必殺技で決まりだな!』
「はい!」
《Double gashatt!》
《Double mighty》
《Robot action》
《《Double Critical finish!》》
ダブルアクションゲーマーLはガシャコンキースラッシャーにマイティブラザーズXXを、ダブルアクションゲーマーRは分裂したガシャコンキースラッシャーにゲキトツロボッツとマイティアクションXをセットし、必殺技を放つ。
「吾輩にはこのような役回りしか無いのか~!」
ソルティは謎の断末魔を挙げて爆散する。そして、
「少し遅かったか。」
プロットがやってくる。
「卓弥さん。どうしてここに!とにかく、衛生省に来てくれますね?」
エグゼイドは近づこうとするが、
「やっぱり甘っちょろいな。」
プロットはそう言い、パーソドライバーを装着し、起動させる。
《パーソドライバー起動 ロード完了》
「小僧、お前にお灸をすえに来た。」
《トゥルー アドベンチャー》
「おっと、今回はメインヒロインか。ネクストステップ。変身!」
《ガ セット ロード レベルアップ!♪未来目指し 前を向いて 今 こそ 見つけ出そうTrue adventure!》
プロットは仮面ライダープロット アドベンチャーゲーマーに変身する。
「あなたがやる気なら、僕も!」
《Maximum mighty X!》
エグゼイドはマキシマムマイティXを起動し、ゲーマドライバーにセットする。
「マックス大変身!」
《Gachaan!Level max!♪最大級のパ~ワフルボディ ダリラガーン!ダゴスバーン!マキシマ~ムパワ~ エ~ックス!》
エグゼイドはマキシマムアクションゲーマー レベル99にレベルアップする。
「じゃ、まずはここだ。」
仮面ライダープロットはエナジーアイテムをトゥルーセレクトでゲットする。
《高速化》
仮面ライダープロットの動きは素早くなるが、
「待て!」
エグゼイドは腕を伸ばして仮面ライダープロットを捕まえ、地面に叩きつける。それによって、仮面ライダープロットのライダーゲージは三分の一になってしまう。
「やばいな。」
仮面ライダープロットはそう言い、エナジーアイテムを再びトゥルーセレクトでゲット。トゥルーアドベンチャーの能力でライダーゲージは最大値の半分を回復する。そして、
《硬質化》
硬質化のエナジーアイテムで防御を固める。
「何っ!ライダーゲージが回復した!?」
エグゼイドは驚く。
「トゥルーアドベンチャーはゲームの進行に合わせた選択肢を選ぶ事で、ライダーゲージを回復させることができる。今度はこっちの番だ!」
仮面ライダープロットは硬質化した拳で殴ろうとするが、エグゼイドはマキシマムゲーマから一度離脱し、ダメージを無効化し、再びマキシマムゲーマに合体し、仮面ライダープロットを殴り飛ばす。
「どうした?お灸をすえるんじゃないのか?」
エグゼイドはそう言う。
「これは予想外だったな。」
《透明化》
仮面ライダープロットは透明化で隠れながらライダーゲージを完全に回復し、
「レイズ、ジョーカーズストライク、早速使っていいか?」
仮面ライダープロットはレイズに連絡する。
『ああ、大丈夫だ!存分に発揮してくれ!』
「ありがとう!さて、始めるか!」
《Joker's strike!》
仮面ライダープロットはレイズの了解を得てジョーカーズストライクを起動。トゥルーアドベンチャーのゲームフィールドは消滅し、仮面ライダープロットは姿を現す。
《ガ セット ロールアウト》
仮面ライダープロットはトゥルーアドベンチャーを取り出し、ジョーカーズストライクをパーソドライバーにセットする。
「メインフェイズ!」
《ガ セット ロード レベルアップ!♪天辺めざせ!最強バトラー!Joker's strike!》
仮面ライダープロットはカードゲーマーに変身する。
「さて、行くぞ。」
仮面ライダープロットはそう言うと、エグゼイドから逃げるように走り、カードダスのようなエナジーアイテムシンボルに向かい、エナジーアイテムを取得する。しかし、その効果は現れない。
「どうした?エナジーアイテムが使えないのか?」
エグゼイドは向かってくる。
「そんなわけ無いだろ!」
仮面ライダープロットはそう言い、パックのようなエナジーアイテムシンボルに着く。
「よし、当たりだ!」
仮面ライダープロットは着実にエグゼイドの攻撃をよけながらエナジーアイテムを取得する。そして、
「さて、デッキも出来た事出しまずは、出でよ、俺の切り札!召喚、紅蓮竜フリーディア!」
仮面ライダープロットがそう宣言すると、深紅の巨竜が出現し、
「さて、アタックフェイズに入る!」
《ガ セット ロード キメワザ!Joker's strike クリティカルフィニッシュ!》
仮面ライダープロットが必殺技を発動すると五枚のカードが出現する。
「まずはマジック、ジェノサイド・バーサーク!相手は可能ならばアタックしなければならない!」
《挑発》
仮面ライダープロットがカードの発動を宣言するとエナジーアイテムとなり、効果が発揮される。
「そっちがその気なら、やってやるぜ!」
エグゼイドは仮面ライダープロットに向かってゆく。
「フリーディアでブロック!マジック、一致団結!フリーディアの防御をこのターンのみ2倍に!」
《硬質化》
エグゼイドは攻撃を繰り返すが、ダメージが一向に通らず、
「小僧、お前のターンは終わりだ!次は俺のターンだ。ドロー!よし、マジック、双天の連携!二枚ドロー!フリーディア、エグゼイドにアタック!マジック、デュアル・ソニック!フリーディアは二度、攻撃が可能に!」
《高速化》
「更にマジック、飽食する暴擊!フリーディアをパワーアップ!更に、対象がフリーディアの時、効果を2倍に!」
《剛力化》
エグゼイドは紅蓮竜フリーディアの攻撃を受け続け、
「トドメだ!マジック、バレット・ストーム!このバトルの間、相手を倒した時に貫通ダメージを与える!」
《終焉》
エナジーアイテムの力で強化されたフリーディアをエグゼイドは倒せず、その力によってダメージに耐えきれず変身が解除される。
《ワンショットキル》
仮面ライダープロットはエグゼイドとの戦いに勝利する。
「言っただろ。お前のような奴に、俺達は止められないと。」
仮面ライダープロットは倒れる永夢を見下ろす。
「なんで、僕達は人間でしょう。なんで話し合おうとしないんですか!」
「これだけの目にあってまだ解らないのか?人間の中にある復讐心は諭されて消える程綺麗で暖かいものじゃない。一度持つとな、自分が破滅しても構わない、許せない奴を殺さないと終わらない。いや、仮に復讐が済んでも心は虚ろなまま。それが復讐心。人の心だ!」
「だったら僕は、卓弥さんを救って、卓弥さんの笑顔と、心を取り戻して見せる!」
「んな奇麗事を言うな!」
《ガ セット ロールアウト シャットダウン…》
プロットは変身を解除し、永夢の腹部を蹴り飛ばす。
「っぐ…」
「俺の笑顔を取り戻す?ふざけた事を言うな!俺の笑顔はな、翔平が殺された時に死んだ!例えどれだけ頑張っても、幸せになっても、俺の笑顔も、心も戻ってこない!だからそれを解らせる為に戦ったのに、こいつには人の心が無いのか!」
プロットは怒鳴り散らす。
「そんな…」
「どうやら、時間の無駄だったみたいだな。じゃあな、この偽善者!」
《デッドリィ トゥルース》
プロットはライドブレイカーに乗り去って行く。
「なんで、なんであの人は─」
永夢は一人、悩み続けた。


「ただいま。」
プロットは基地に帰る。
「おかえり、プロット。珍しいな。プロットがあそこまで感情を見せるなんて。」
レイズはそう言う。
「俺だって、好きであんな事をしたわけじゃない。あのガキが許せなかっただけだ。」
「それは俺も同感。」
「私も。」
プロットの言葉にレイズと助六も頷く。
「それよりも、ありがとうレイズ。流石は俺達の中で一番のプログラム能力だ。」
「やめてくれよプロット。翔平には適わないんだから。」
「いや、それでもやっぱり凄いもんは凄い。」
「まあ、確かに元々翔平は一枚のメモリデバイスに全てのシステムを入れてパーソドライバーに使えるように考えていた。でも俺達にはそこまでの能力、知識、技術がなかった。その結果、ゲーム一つ一つをフロッピーディスクに移し込まないと起動すら満足に行えない容量になったからな。」
「だが、それでもレイズの頭脳があってはじめてこのドーズフロップは完成した。これからも、よろしく頼む。レイズ、助六。」
プロットはレイズと助六を抱き寄せた。
go to next game.

次回、仮面ライダープロット
プロットの涙。そして、狙われるパラド。次回『哀しきegoism』 
 

 
後書き
仮面ライダープロット能力説明3
仮面ライダープロット カードゲーマー
身長:210cm
体重:89kg
パンチ力:85t
キック力:87t
ゲームジャンル:カードゲーム
プロットがカードゲーム『ジョーカーズストライク』で変身した姿。エナジーアイテムシンボルは多数設置されている替わりにハズレも出やすいガチャ機と出現率が低い替わりにレアアイテムが出やすいパックの2種類。必殺技はカードゲームをプレイしながらエナジーアイテムの効果で召喚モンスターの紅蓮竜フリーディアを強化させて攻撃する。

アイテム説明2
ジョーカーズストライクドーズフロップ
カードゲーム『ジョーカーズストライク』のゲームシステムを組み込んだドーズフロップ。エナジーアイテムは獲得してもすぐ効果が発揮されず、必殺技の時のフリーディアに効果が付与される。ジョーカーズストライクはバグスターウイルス研究所が初めて販売したゲームである。 

 

第4話「哀しきegoism」

プロットがエグゼイドを倒してから数日、プロット達はオフィスに隠ってドーズフロップのインストールを研究していた。
「調子はどうだ?」
プロットはレイズに質問する。
「だめだめ、スクロールスィーパーは容量が重くてインストール出来ない。」
レイズはプロットに結果を話す。
「やっぱりパズルゲームは無理があったかなぁ…」
プロットは呟く。
「そんな事を言ったらパラドクスのパズルはどうなる?」
「いや、あれはパズルじゃなくてお取りよっせ~だから。」
「確かにw」
「そうだな。」
プロットの言葉に助六とレイズは笑う。そして、少し経ち、
「それじゃ、行ってくる。」
プロットは出て行く。
「俺達の分まで、よろしく頼む。」
レイズはそう言った。

プロットはライドブレイカーに乗り、翔平の墓がある寺に到着する。
「まだ、綾歌さんは来ていませんか?」
プロットは住職に訪ねる。
「まだ、お見えになられておりません。」
住職は質問に答える。
「有難う御座います。では、綾歌さんが来る前に私の方は済ませてしまいます。」
プロットは翔平の眠る墓に向かう。

「翔平、あれから、仮面ライダークロニクルは少しずつプレイヤーが減少している。いずれ、バグスターウイルスを消し去り、みんながバグスターウイルス感染症に感染しない未来に出来る日も近づいている。待っていてくれ…」
プロットは翔平の墓を洗い、花を供える。すると、
「来ていたのですね。」
後ろから女性の声が聞こえプロットが振り向くと、一人の妊婦が居た。
「綾歌さん。」
プロットはそう言う。
「あの人も、さぞ喜んでいることでしょうね。あんな危険な世界に連れ込んだ張本人に来ていただいて。」
その女性、水無瀬綾歌はプロットにそう言い、
「あなた達があんな怪しげなチームに引き入れなければ、今頃このような事にはならなかったでしょうね。」
露骨にプロットを非難する。
「その件に関しましては─」
プロットは話そうとするが、
「そもそも、葬式の会場で話した筈です。墓参りには来ないで下さいと。」
綾歌はプロットの言葉を遮る。
「しかし、私がする事に関しては翔平さんの遺言でございまして、その意思は尊重したいものでして─」
「それがどうしたというのです?遺言状にはこうとも書かれていたはずです。『私の意見はあの人の意思である』と。つまり、私が拒否するということはあの人の意見でもあるということをお忘れなく。それでも来たいというのであるならば、2時より前に来て下さい。それから、本日は有難う御座いました。本日はこちらにてお引き取り下さい。」
綾歌の言葉によってプロットは帰される。

プロットが寺から出ると、レイズから連絡が入る。
『だいぶ酷く言われたな。』
「まあ、解ってはいたよ。レイズも見ただろ、葬式の時のあの顔。俺達のことを露骨に嫌な目で見ていただろ。まるで汚物を見るかのようなあの目。」
『翔平も、まあ運の無い奴だったよな。まさか、礼儀作法もしっかりしていて、才色兼備、良妻賢母と謳われた女性の正体があれとはな。女ってつくづく怖いもんだ。なぁ~、助六?』
『それ、どういう意味!?』
「まあ、二つとも落ち着いて。ところで、何か情報でも入ったか?」
『ああ、パラドクスが出現した。場所は後で送る。奴は逃げ足が速いから頑張れよ。』
「ああ、連絡ありがとう。」
プロットはそう言い、連絡を切ってパラドクスの出現した場所に移動する。

プロットが現場に着くと、数人のライドプレイヤーがパラドクスと戦闘を行っていた。
「もう始まっていたか。残機追加。変身!」
《ガ セット ロード レベルアップ!♪~~》
プロットは、弾幕ゲーマーに変身し、ガシャコンスティックのホーミングモードでライドプレイヤーを攻撃。既にパラドクスとの戦闘でライダーゲージの減少していたライドプレイヤー達はその攻撃によってゲームオーバーとなり消滅する。
「お前か。人間のくせにライドプレイヤーを倒す白ける事をしている奴は。」
パラドクスは仮面ライダープロットにそう言う。
「ああ、俺は仮面ライダープロット。俺にとってはライドプレイヤーもバグスターとなんら変わらない。いいや、むしろバグスター以上の害悪でしかない。そして、人類に危害を加えるバグスターウイルスは俺達が滅ぼす!」
仮面ライダープロットはそう言いながらパラドクスを攻撃しているが、レベル99のボディにはホーミングモードの一撃ではダメージが入らない。
「ワケの解らないことを言ってないで目の前のゲームを楽しめよ。俺のレベルは99。心が躍る展開だろ?」
パラドクスはダメージを受けないことを確認すると、そのまま突進する。
《ズ・ゴーン!》
そして、ガシャコンパラブレイガンのAボタンを3回押して仮面ライダープロットを攻撃する。
《3連打!》
パラドクスの攻撃を受けて仮面ライダープロットのライダーゲージは20%減少する。
「やはり、装甲の堅い相手には分が悪いか。」
《Joker's strike!》
仮面ライダープロットはジョーカーズストライクを起動する。
「メインフェイズ!」
《ガ セット ロールアウト… ガ セット ロード レベルアップ! ♪天辺目指せ!最強バトラー!Joker's strike!》
仮面ライダープロットはカードゲーマーにレベルアップする。
「なかなか楽しめそうだ。」
パラドクスはそう言いながら仮面ライダープロットを攻撃しようとするが仮面ライダープロットは見事に回避し、着実にエナジーアイテムを入手してゆく。
「こっちは遊びで戦っているんじゃない。常に命をかけて戦っている!いや、戦い以外もそうだ!人間はお前達みたいに命は一つしかないし一度死んだらそれまでだ!」
「何が言いたい!?」
「命の重みも知らないただのバグデータが生き物の命を奪うな!」
「んな白ける事を言ってないで、効果も出ないエナジーアイテムなんかとっていないで真面目に戦えよ。」
パラドクスはそう言いながら仮面ライダープロットを攻撃し、仮面ライダープロットはすんでのことで回避する。
「これが、このゲームの戦い方だ。それからな、命の重みを知らない奴が心って言葉を使うな!」
「そんな事どうでもいいだろ!」
「それ以外にも言いたい事はある!別にこのゲームに参加した屑は死んだって構わない。所詮は命の重みも知らないバグスターと変わらない奴らだ。でも、無関係な人を巻きこむな!仮面ライダークロニクルの所為で、俺の友人はライドプレイヤーに殺された。その意味がお前に分かるか!」
「そんな雑魚キャラのことなんて分かるわけないだろう。」
「そうだろうな!けどな、殺された俺の友達には子供がいた。きっとその子供は将来、学校でいじめに遭うだろう。雑魚キャラの子供ってな!」
「そんなどうでもいいことを言う為に俺の攻撃を避けているのか?別にどうだっていいだろ。人間はこのゲームで俺達に滅ぼされるんだから。それよりも、エナジーアイテムはこうやって使うんだ!」
《分身 高速化》
パラドクスは仮面ライダープロットの言葉を気にも止めず自身の能力で二つのエナジーアイテムを使用。パラドクスは5人に分身し、猛スピードで仮面ライダープロットを攻撃。仮面ライダープロットのライダーゲージは残りわずかとなってしまう。
「終わりだな。不法なキャラは仮面ライダークロニクルにはいらないんだよ!」
パラドクスはその腕を振り上げる。
「そうかい。やっぱりバグスターにこんな話をしても無駄だったか。でもな!」
仮面ライダープロットはパラドクスから間合いを取り、
「今から俺はお前を倒す!このカードはアタックフェイズの前に発動出来る。マジック、カウンターエナジー!俺が受けたヒットの数だけ、俺はこのターンはモンスターをコストを払わずに召喚できる!」
《分身》
「ヒットの数?俺はあいつに7回攻撃した…まさか!」
「そう!最初からこれが狙いだ!まずは一体目、俺の切り札、紅蓮竜フリーディア!続いて、極みの天使アルティエル!アルティエルの効果、このターンは相手の防御はゼロになる!続いて、深淵邪神ガタノア!ガタノアの効果!俺の手札が無い時、受けたヒットの数だけカードをドロー!まだまだ!機神帝サレム!更に、宵山の襲撃者ブラックリッパー!そして、フリーディアを対象に爆神召喚!フリーディアを破壊して紅蓮神聖龍フリーディア・ノヴァを召喚!効果発揮!フリーディアを破壊して召喚した時、ライダーゲージを完全回復!」
《全快》
仮面ライダープロットはモンスターの効果でライダーゲージを回復する。
「行くぞ、アタックフェイズ!」
《ガ セット ロード キメワザ!Joker's strike!クリティカルフィニッシュ》
「行け、総攻撃だ!」
仮面ライダープロットは召喚したモンスター達に指示を出す。
「心が躍る。やってやるよ!」
パラドクスはモンスター達に立ち向かうが体格差がある為、まともな戦闘が行えるわけもなく、攻撃によってライダーゲージはあっという間に削られる。そして、
「とどめだ!フォースインパクト!フリーディア・ノヴァ以外のモンスターを破壊!そして、そのパワーをフリーディア・ノヴァに!」
モンスター達はエネルギーとなり一つに集約される。
「行け!」
フリーディア・ノヴァは満身創痍のパラドクスに向かう。しかし、
「超絶奥義、ドドドドド・紅蓮爆龍剣!」
グレングラファイトが現れ、フリーディアの攻撃を相殺する。
「大丈夫かパラド!」
グレングラファイトはパラドクスに肩を貸す。
「ああ。」
「無理をするな。お前はレベルが99になったばかりなんだ。ここは退こう。プロット!この決着はいずれ着けよう!」
グレングラファイトはそう言い、パラドクスとともに去っていった。
《ガ セット ロールアウト…シャットダウン》
プロットは変身を解除する。
《デッドリィ トゥルース》
《ステージ セレクト》
プロットはデッドリィ トゥルースのゲームフィールドに消えてゆく。


「ただいま。」
「お帰り。」
「お帰りなさい。」
オフィスに戻るプロットにレイズと助六は挨拶をする。
「俺、間違っているのかな…」
「どうしたプロット?らしくもない。」
呟くプロットにレイズは質問する。
「今日の綾歌さんの言葉。あれって翔平が死んだ時間には来るなって事。つまり、墓参りに来るなって事だよな。」
「プロット、悩む必要はないよ。」
「それでも、俺達のやっている事が原因の一部でもある。俺達が、仲間だと思って、引き入れなければこんなことには…」
「プロット、それは違う。こう考えるんだ。俺達と出会えたから、綾歌さんと出会えたって。」
「その結果がどうだ。翔平があれだけいい方だと喜んでいた人の正体はああだった。綾歌さんの言うとおり、俺には墓参りする権利は無いのかもな。」
「違う!そんなプロットだからこそ、行かなければならない義務がある!違うか!」
プロットの言葉にレイズは反論する。
「俺達のリーダーとして、学生時代からの友人として、お前には行かなければならない義務と理由がある。それは、誰にも止められないし、止めちゃいけないんだ。」
「レイズ……そうなのかもな。例え誰になんて言われようと、俺は俺の為に動かないといけない。ありがとう、レイズ。悪い、少しの間一人にさせてくれ。」
「ああ、構わない。少し休むといい。」
「ありがとう。」
プロットはオフィスの仮眠室に向かう。目から流れる一筋の涙を拭って。
go to next game.

次回、仮面ライダープロット
新たなる試み、現れる伝説の戦士達。次回『世界を照らすHappy maker』 
 

 
後書き
登場人物紹介
プロット
本作の主人公。本名は大園卓弥。年齢は現在34歳。五年前にゲーム病に感染し大我に助けられる。それをきっかけにCRの機材開発部に入るが、大我の追放を気に衛生省への信用を無くし、当時同じ病室にいたレイズ、助六、翔平とともに独自にバグスターウイルスを根絶する研究を進める最中で資金調達の為に同人ゲームサークルの活動を行う。
翔平とは高校時代からの友人で大学でも同じサークルに入る仲であり、その翔平がライドプレイヤーに殺された事でライドプレイヤーへの復讐を決意する。実は、檀黎斗の大学時代の先輩である。
普段は試作品のゲームスコープを常備して、バグスターの動きを探っている。同人サークル『バグスターウイルス研究所』での役割はサークル主、シナリオ担当、イラストサポート。

レイズ
本名は仲里竜城。年齢は28歳。プロットが使うパーソドライバー、ドーズフロップの開発を行う。本職はゲーム会社の社員であったがCRとの邂逅以来職を失う。プロットの数少ない理解者で翔平の開発したシステムを図面通りに開発するテクニックを持ち合わせている。しかし、翔平が考えていたパーソドライバーの完成品は図面にする前に消えたため、初期案を無理して製作したためドーズフロップに出来ないゲームがあるのが現在の悩み。サークルでの役割はサブプログラマー、デバッグ処理。

助六 平九
本名は西原香野子。年齢は24歳。本職はデパートのアナウンサーであったがCRとの邂逅以来職を失う。ドーズフロップの音声、エフェクトを担当している。また、プロットのシステムで確認しきれない場所の把握とアナウンスを行う。レイズの事を密かに想っているが、プロットには気づかれている。サークルでの役割は音楽、CV担当。 

 

第5話「世界を照らすHappy maker」

「見つけたぞ、モータス。」
仮面ライダープロットはモータスバグスターを追いつめる。
「ちくしょう。俺のマシンさえあれば!」
モータスはハンドルを武器にして仮面ライダープロットに向かって行く。
《トゥルー アドベンチャー》
仮面ライダープロットがトゥルーアドベンチャーを起動させると、大人しく淡々と読み上げられた。
「ネクストステップ。」
《ガ セット ロールアウト…ガ セット ロード レベルアップ!♪未来目指し 前を向いて 今 こそ 見つけ出そうTrue adventure!》
仮面ライダープロットはアドベンチャーゲーマーにレベルアップする。
「そこ。」
《硬質化》
仮面ライダープロットはトゥルーセレクトで硬質化を獲得。モータスの攻撃をものともせず殴り飛ばす。
「まだまだ!俺には走り屋の脚がある!」
それでもモータスは諦めず仮面ライダープロットに向かうが、
「これ。」
《伸縮》
伸縮のエナジーアイテムでモータスの攻撃を避けてしまう。
「てめえ、この野郎!」
モータスは諦めず攻撃するが、
「いい加減諦めろ!」
仮面ライダープロットはモータスを殴り、距離をとる。
「さて、イベントシーンに入れる。俺にトゥルーエンド。お前にはバッドエンドだ。」
《ガ セット ロード キメワザ!トゥルーアドベンチャー クリティカルフィニッシュ》
仮面ライダープロットは必殺技を発動し、構えるが、
「待ちなさい!」
どこか若い女性の声が聞こえたと思うと次の瞬間、五人組の大学生くらいの女性が仮面ライダープロットとモータスの間に入る。
「バッドエンドにはさせへんで!」
その中の一人が仮面ライダープロットにそう言い、
「そこをどいてくれ!早くしないと逃げられる!」
仮面ライダープロットは女性達にそう返すが、
「誰かをバッドエンドにさせる方の言うことはきけません!」
もう一人の青い髪の女性がそう返す。そうしていると、
「おっ?何が何だか知らねえが、これはチャンス!あばよ~…」
モータスは走って逃げてしまった。
「よかった~。これでバッドエンドは回避出来た。」
その中のリーダーらしき桃色の髪の女性がそう言うと、
「だめだ、逃げられた。このままじゃこの人が死んでしまう!」
《ガ セット ロールアウト…シャットダウン》
プロットは変身を解除し、そう言う。
「えっ?だってあなたバッドエンドにするって…」
プロットの言葉に緑の髪の女性は返す。
「この人を観てみろ!」
プロットは試作品のゲームスコープで倒れている男性を診る。すると、男性はモータスのゲーム病に感染していた。
「これって、先程の変な服装の男性の絵ですが、これは一体?」
青い髪の女性はプロットに質問する。
「これはバグスターウイルスと言われる特殊なデータウイルスの感染症。該当する人型ウイルスを撃破しないと治らず、時間が経てば死んでしまう。だから追っていたのに、とんだ邪魔が入った所為でまた一から探さないといけない。」
プロットは説明をする。すると、
「えええええ~~っ!!」
桃色の髪の女性はオーバーリアクションで驚く。
「あなた、悪い人じゃなかったの!?」
「その逆、悪い奴らを退治している。」
桃色の髪の女性の質問にプロットは答える。
「悪い奴や無いゆうなら、なんでバッドエンドなんてゆうたん?」
「そんなの、決め台詞だよ!悪かったな、ダサくて!」
プロットは大阪弁で喋る女性の質問に恥ずかしそうに答える。
「とにかく、俺は一旦帰る。」
《デッドリィ トゥルース》
《ステージ セレクト》
プロットはデッドリィトゥルースを起動してゲームフィールドに去る。

そして、オフィスに戻ると先程の五人組が居た。
「ああ~っ!あなたはさっきのおじさん!どうしてここに!?」
「そりゃあ、ここが俺の帰る場所だから。それで、どういう事か説明してもらうぞ、レイズ。」
桃色の髪の女性の質問にプロットは答え、プロットはレイズに質問する。
「ほら、前に話をしていたレジェンドヒーローフロップの話、覚えているか?」
「ああ、いずれ来る、強大な敵に備えて、かつて有名だった強いヒーローの力をドーズフロップにする計画だろ?」
「そう。その試作品として、ハッピーメイカープリキュアを製作していたんだけど……」
「だけど?」
「デバッグ処理の最中にデータが暴走して、中からスマイルプリキュアのメンバーが出て来てしまったんだ。」
レイズはプロットに説明する。
「じゃあ、せめてそのことを電話で伝えてくれ。こっちはその所為でモータスを取り逃がしちまったんだぞ!しかも、モータスの感染者もその所為で不安定な状態だ!」
「悪かった。勝手な事をして!お詫びとして、それで許してくれ!」
レイズはプロットに一枚のドーズフロップを渡す。
「レイズ、これって!」
「ああ、デンジャラスフロンティア。なんとか早急に作れた。それで勘弁してくれ。」
「ありがとう。今まではバグスターが動かないと戦闘出来なかったが、これで能動的に戦える。とりあえず、今回の件はこれで帳消しだ。ところで、一つ気になったんだが…」
「どうした?」
「なんで、こいつ等こんな背丈なんだ?確か、彼女たちは中学生だったはずだ。」
プロットはレイズに質問する。
「何を言っているんだ?あれから何年経った?彼女たちだって大学生くらいになるだろう。」
プロットの質問にレイズは平然と答える。
「お前、そんな理由かよ!あの外見の所為で初見誰だか分からなかったぞ。」
プロットは呆れる。しかし、気持ちをすぐに切り返す。
「さて、こうしていられない。早速、モータスを倒しに行く。」
《DANGEROUS FRONTIER!!》
プロットはデンジャラスフロンティアを起動。壮大な音楽が鳴り響きながらプロットの正面にクエスト受注のパネルが展開される。
「さて、行くか。」
プロットはその中のモータスが出現するクエスト、『疾走する本能』を選択する。すると、
「あの、私達にも行かせて下さい!」
桃色の髪の女性、スマイルプリキュアのリーダー、星空みゆきはプロットにそう言う。
「どうした?今の君たちに変身能力は無い。その証拠に、スマイルパクトが無いだろう。」
「それでも、私達の所為で逃がしたのなら、お手伝いしたいんです!」
みゆきは真剣な目でプロットを見る。
「…分かったから。そんな目で見られると断れないだろう。よし、ギルドで入ればなんとかなるな。レイズ、ハッピーメイカーのドーズフロップを渡してくれ。」
「言うと思っていた。はい。」
レイズは、プロットにプリキュアのドーズフロップを渡す。
「みんな、行くぞ。」
プロットはクエストを受注する。


「ここは?」
ゲームエリアに転送されたみゆき達は驚く。
「ここはモータスのゲーム、爆走バイクのゲームエリアだ。さて来るぞ!」
プロットが説明していると、モータスが現れる。
「お前達の方から来るとはな!いいぜ、相手になってやるよ!」
モータスはプロットを挑発する。
「いいだろう。クエスト開始。変身!」
《ガ セット ロード レベルアップ!♪~》
プロットはパーソドライバーにデンジャラスフロンティアをセット。セレクトモニターを下にスライドさせ、盛大なファンファーレと共に仮面ライダープロット フロンティアゲーマーにレベルアップする。それと同時に、専用武器のガシャコンカルテットが出現する。
「さて、みんなに奇跡を与えよう。」
仮面ライダープロットはガシャコンカルテットにハッピーメイカープリキュアのドーズフロップをセットする。
《ガ セット ロード キメワザ!ハッピーメイカープリキュア!クリティカルフィニッシュ》
その発動により、みゆき達の手元に、変身道具のスマイルパクトが出現する。
「さ、俺は一足先に戦っているから、変身するんだ。」
仮面ライダープロットはそう言うと、ガシャコンカルテットを二丁拳銃に変えてモータスと戦闘を行う。
「プロットさんがせっかくチャンスをくれたんだ。みんな、行こう!」
みゆきの言葉に、メンバーは頷く。
《レディ?》
『プリキュア!スマイルチャージ!』
《ゴーゴー レッツゴー!》
みゆき達はスマイルプリキュアに変身する。
「なんだ、てめえ等?」
モータスは驚く。
「キラキラ輝く未来の光、キュアハッピー!」
「太陽燦々、熱血パワー!キュアサニー!」
「ピカピカピカリンじゃんけんぽん!キュアピース!」
「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチ!」
「津々と積もる、清き心、キュアビューティー!」
『五つの光が未来を照らす!輝け、スマイルプリキュア!』
プリキュアは名乗りを上げる。
「ハァ~?知らねえな!」
モータスは構わず突進するが、プリキュアは回避する。そして、
「こっちだ!」
仮面ライダープロットはガシャコンカルテットを大剣に変えてチャージ技でモータスを攻撃、大ダメージを与える。
「プロットさん、避けて下さい!プリキュア!マーチシュート!」
「ほんなら、私も行くで!プリキュア!サニーファイヤー!」
キュアマーチの風の玉とサニーの炎は合わさり、炎の竜巻となってモータスを襲う。
「くそ、なかなかやるな!」
「終わりませんよ。プリキュア!ビューティーブリザード!」
「よ~し、プリキュア!ピースサンダー!」
キュアビューティーは氷柱の雨を出現させ、ピースはそれに雷を纏わせ、モータスに落とす。
「ぐあぁぁ!」
プリキュア達の追撃にモータスはボロボロになる。
「みゆき、決めるぞ!」
《ガ セット ロード キメワザ!DANGEROUS FRONTIER!クリティカルフィニッシュ》
仮面ライダープロットは大剣にエネルギーを溜める。
「プリキュア!ハッピーシャワー!」
キュアハッピーは特大のビームを放ち、仮面ライダープロットはモータスを横から切り倒し、モータスを撃破する。
《クエスト クリア》
モータスを倒したことで仮面ライダープロットは爆走バイクのガシャットロフィーを入力。感染者のゲーム病も完治する。しかし、それと同時にハッピーメイカープリキュアは砕け散ってしまい、みゆき達はまるであたかも最初からいなかったかのように消滅してしまう。
「みんな!どうした!とにかく、レイズに聞こう。」
《ガ セット ロールアウト シャットダウン…》
《デッドリィ トゥルース  ステージ セレクト》
プロットは変身を解除し、オフィスに戻る。

「レイズ、どういうことだ。説明してもらうぞ。」
「ドーズフロップが砕け散っただろう。彼女たちはゲームのキャラクターだ。本体が消えれば、キャラクターは消えるだろう。」
「そんなことは解っている!なんで解っていてドーズフロップを渡した!」
「俺だってプログラマーだ。デバッグ処理は完璧に行いたい。その過程で、完成しない作品は断念する。今回はそのいい例だ。おかげで分かった事がある。」
「なんだ?」
「レジェンドヒーローフロップはヒーローを召喚してもその力は使えない。あくまでもパーソドライバーでゲーマーとして起動することしか出来ない。それを踏まえて、この三つのレジェンドヒーローフロップを渡す。使い方は自分で決めてくれ。」
レイズはプロットに、『化身忍法帳 嵐』『アンドロイドゴーゴー キカイダー』『絶叫ソニック ボイスラッガー』のレジェンドヒーローフロップを渡す。
「これは…」
「あれから研究して作ったドーズフロップだ。どうするかはプロットが決めてくれ。」
「ああ、分かった。ところで、あのガシャットは?」
プロットはレイズの机に置かれたガシャットについて質問する。
「あれか?あれは『ダーティネス リバース』の為の試作品だ。まあ、レジェンドゲームガシャットだけど。」
「そうか。いよいよ、ここまで来たんだな。翔平、必ず、バグスターウイルスを根絶して見せる。見守っていてくれ。」
プロットは、『戦姫絶唱シンフォギアXD』のレジェンドゲームガシャットを見ながらそう言った。
go to next game

次回、仮面ライダープロット
帰還するゲームマスター、そして明かされるプロットシステムの秘密。次回『プレーヤーVSゲームマスター』 

 

第6話「プレーヤーVSゲームマスター」

「後はポッピーピポパポを倒せば中級は全て終了か。」
《Dangerous Frontier》
「クエスト開始。」
《ガ セット ロード レベルアップ!♪~》
プロットはフロンティアゲーマーに変身し、ポッピーの登場するクエスト、『清めの音』をセレクトし、ポッピーのゲームエリアに転送されるが、
《クエスト クリア》
入った瞬間にドレミファビートのガシャットロフィーが出現し、仮面ライダープロットは手に取る。
「何故だ?まだ一度も戦闘を行っていないにもかかわらず。」
仮面ライダープロットが疑問に思っていると、
「ポッピーは仮面ライダークロニクルの攻略対象から除外された。詫び石ならぬ、詫びトロフィーといったところさ。」
仮面ライダープロットの後ろからゲンムが現れる。
「それよりも、久しぶりですね、先輩。」
「そうだな、五年ぶりだな黎斗。」
「先輩、私は檀黎斗という名は捨てた。今の私は─」
「今度は何にしたんだ?」
「新・檀黎斗だぁ!」
「またそれに戻したのか。」
仮面ライダープロットは呆れていた。
「あれ?前に名乗ったことありましたっけ?」
「忘れたのか?俺と黎斗が初めてあった時のこと…」

回想
『大学に入り、私は生まれ変わった!そう、今の私は、新・檀黎斗だ!』
『そうか、よろしくな黎斗。』
『新・檀黎斗だ!』
『だから黎斗だろ?新は檀にかかっているんだから。』
『しまった~!』
『お前面白い奴だな。』
『面白い?神の如き才能といってもらいたいのですが、先輩。』
『凄い凄い。』
回想終わり

「懐かしい話ですね。それで、このゲームエリアは何ですか?説明してもらいますよ。」
「わかった。俺達のラボに来てもらおうか。俺達も、黎斗に話したいことが幾つもあるからな。」
《デッドリィ トゥルース  ステージ セレクト》
仮面ライダープロットとゲンムはデッドリィトゥルースのゲームエリアに入る。

《ガ セット ロールアウト シャットダウン…》
《Gasshuuun…》
プロットと黎斗は変身を解除する。
「それで、私が開発していないゲームエリアとゲームをガシャットにするとは、神の才能を愚弄する気か!」
「黎斗、このゲームエリアと、俺達が使っているゲーム。それらは全て幻夢コーポレーションのゲームと無関係だ。そんなこと、バグスターになっている黎斗ならすぐ解るだろ。」
「先輩、何故私の体がバグスターだと解った?」
「見ろ、このエリア内でバグスターの反応が出ている。そうなれば対象は黎斗以外あり得ないだろ。」
「なるほど、それで、どうして先輩が仮面ライダーに変身しているのですか?」
「五年前、俺達がバグスターウイルスに感染し、花家大我先生が、命をかけて俺達を救った。それはゲーマドライバーシステムの開発者で、あの時病室を訪ねてきた黎斗は知っているはずだ。」
「ええ、懐かしい話ですね。」
「そして俺は電脳救命センターの機材開発の仕事に入り、奴らに協力していた。だがグラファイトとの戦いに敗れ、不安定なガシャットに手を出したことで、花家先生は医学界から追放された。記憶に新しいだろう。」
「そんな話もありましたね。」
「俺達は、奴らに見切りをつけて独自でバグスターを滅ぼす研究をし、その最中でバグスターと直接戦闘できるようにゲームを作って資金とデータを集めていた。」
「しかし、先輩が使っているゲームは、私が見たこともない物ばかりだ。本当に販売したのですか?」
「やはり、そういった方面は見ていなかったか。」
「そういった方面?」
「ああ、俺達はコミケで販売していた。サークル名は、『バグスターウイルス研究所』と名乗ってな。最初に作ったカードゲーム、『ジョーカーズストライク』は大好評だった。そうして、2年が経つ頃にはシャッター際を陣取れる大型サークルになっていた。それから、俺達が扱っているのはガシャットでは無い。このドーズフロップを使っている。」
プロットはトゥルーアドベンチャーのドーズフロップを黎斗に見せる。
「まさか、こんなものが作られていたとは…しかし、何故先輩のシステムで私が作ったゲームエリアに入れ、エナジーアイテムを使用出来るのですか?」
「その質問をしてくれたか。あれを見てくれ。」
プロットが指を指した方向に黎が目を向けると、パソコンに繋がれたガシャットホルダーに紫色のガシャットが刺さっていた。
「あれはなんだ!?」
「あれは買った市販の仮面ライダークロニクルを分解してバグスターを取り除き、オンラインで常に仮面ライダークロニクルに参戦出来るように作り替えたクロニクルフェイクだ。」
「クロニクルガシャットを、改造しただと?」
「ああ。仮面ライダークロニクルを終わらせる為には、参加しないといけない。しかし、俺達から被害者を出すわけにはいかない。そこで、俺達は仮面ライダークロニクルをひとつのアカウントに作り替えた。」
「仮面ライダークロニクルを、アカウントに?」
「ああ。俺達はライドプレイヤー兼仮面ライダープロットとして仮面ライダークロニクルに参加し、中級までの全てのバグスターの撃破の証を手に入れた。後は、上級だけだ。」
「既にCRのメンバーと同じ位置にいるとは、流石は先輩ですね。」
「黎斗に褒められても嬉しくねえよ。それから、黎斗に渡したいものがあるんだ。」
プロットが話していると、
「プロット、本当に渡すのか?」
レイズが不安そうにプロットに話す。
「ああ。必要なデータは揃っているんだ。別に構わない。」
レイズの言葉にプロットが返答すると、プロットはスーツのポケットから一本のガシャットを取り出す。
「先輩、そのガシャットは?」
「これは俺達が仮面ライダークロニクル攻略の切り札として開発していたゲームのプロトタイプで、レジェンドゲームガシャットの一種。中身は、『戦姫絶唱シンフォギアXDU(エクスドライブアンリミテッド)』。使用するキャラクターに歌を装備して戦うソーシャルゲームのガシャットだ。」
プロットはガシャットを黎斗に渡す。
「なるほどなぁ。」
《戦姫絶唱シンフォギア!エクスドライブアンリミテッド!》
黎斗は受け取ったシンフォギアのガシャットを起動させる。
「何のつもりだ、黎斗。」
「ガシャットを生み出すのは私の特権。それを冒すならば、先輩とて削除する。」
《MIGHTY ACTION X!》
黎斗は更にプロトマイティアクションXオリジンガシャットを起動する。
「グレードエクスドライブ-ゼロ…変身!」
《Gashatt!Level up!マイティジャンプ!マイティキック!MIGHTY ACTION X!アガッチャ!Granzizel bilfen Gungnir zizzel!》
黎斗は、二つのガシャットの力で仮面ライダーゲンム ガングニールゲーマーとなり、ガシャコンウェポンとして裂槍ガングニールを握る。
「やっぱり黎斗に渡せばこうなるか。推理開始、変身!」
《ガ セット ロード レベルアップ!   デッドリィ トゥルース…》
プロットは仮面ライダープロット ディテクトゲーマーに変身し、戦闘ステージを変えて戦闘を開始する。
「どうした、黎斗。裂槍ガングニールの力はそんなものじゃない!レベルゼロの力はバグスターに強いのは知っている。だがな、バグスターウイルスへのウイルスバスターを利用して変身している俺に、その手は通用しない!」
《発光!》
仮面ライダープロットは発光のエナジーアイテムでゲンムの視界を奪って攻撃してゆく。
「先輩、貴方は私を怒らせた。ならば聞くといい、神の賛美歌を!」
ゲンムはすさまじいオーバーリアクションをとる。
「♪falling to pieces,a shattered dreamland,nothing but shadows now」
ゲンムは脳内に流れるリズムに合わせて歌いながら裂槍ガングニールを振るい仮面ライダープロットを攻撃してゆく。
「だんだん当たるようになってきたな。」
《回復!》
仮面ライダープロットは先ほどのダメージを回復する。
「♪entwined in darkness the light starts tofall. 」
ゲンムは裂槍ガングニールからビームを放ち仮面ライダープロットを攻撃する。
「危ないっ!」
《硬質化!》
仮面ライダープロットは防御を上げて攻撃を抑える。
「あと一つでこちらも行けるが…あれは!」
仮面ライダープロットはエナジーアイテムのシンボルを発見し飛びつく。
《高速化!》
「よし、探していたアイテムだ。それじゃ、アリバイ崩しの時間だ。」
《ガ セット ロード キメワザ!デッドリィ トゥルース  クリティカルサーチ!》
仮面ライダープロットは必殺技を発動する。
《gashatt!キメワザ!戦姫絶唱!CRITICAL STRIKE!》
ゲンムもキメワザスロットホルダーにシンフォギアのガシャットをセットして必殺技を発動する。
「♪fate will never begin to bind us in dark oblivion…」
ゲンムは裂槍ガングニールを振りかざすが、仮面ライダープロットはそれを高速で回避し硬質化した拳でゲンムを殴り、ゲンムの変身が解除される。
《証明完了》
仮面ライダープロットはゲンムとの戦いに勝利し、変身を解除する。
「さ、帰ってもらおうか、黎斗。」
ステージは元に戻り、プロットは部屋に設置されたウイルスバスターを起動させる。
「バグスターである私にこれは苦痛だ。さようなら、先輩。先輩が私のゲームをクリアすること、期待していますよ。」
黎斗はそう言い残してウイルス状態に変化してプロットの部屋から出て行く。
「プロット、檀黎斗からシンフォギアのガシャットを回収するのを忘れているのだけど…」
「レイズ、黎斗のことだ、きっとCRの奴らに渡すさ。あいつは、自分の力は自分の手で創らないとプライドが許さない。昔からそんなやつだ。」
「だといいけど。それより、中級バグスターの撃破データは揃った。これで上級バグスターに挑めるな。」
「そうだな。いよいよ、こいつの出番か。」
プロットは、『Dirtynes Rebirth』と書かれた小型メモリを握りしめていた。
go to next game.

次回、仮面ライダープロット
ついに始まる最終決戦。ラヴリカに挑むプロットの秘策とは…次回『CHRONICLE FAKEの真実』 
 

 
後書き
設定紹介
絶唱シンフォギアXDUガシャット:ソーシャルゲームのガシャット。各ライダーの使用によって姿に変動あり。
エグゼイド:ガングニール(擊槍)
ブレイブ:天羽々斬
スナイプ:イチイバル
レーザー:イガリマ&シュルシャガナ
ゲンム:ガングニール(裂槍)
ゲンム(バグルドライバー):アガートラーム
スナイプ(プロト):ガングニール(奏版擊槍)

プロットのオフィス
一見何の変哲も無いオフィスだが、正体はデッドリィトゥルースのゲームエリア。これにより、衛生省はプロット達を探せなくなっている。

プロットの変身システム
プロットの身体にはバグスターウイルスへの感染を排除、及び個々の撃退性能を発揮するウイルスバスターが埋め込まれている。これがアカウントとなってパーソドライバーの使用が可能となり、現存する全てのバグスターウイルスに感染しなくなっている。 

 

第7話「CHRONICLE FAKEの真実」

「ついに上級バグスターとの戦いだが、ときめきクライシスのラヴリカには俺達の切り札は通用しない。」
「それじゃ、どうすんのよ?」
「助六、落ち着け。目には目を。恋愛ゲームには恋愛ゲームを、だ。」
プロットは助六にトゥルーアドベンチャーを見せる。
「どうするの?」
「まあ、見てろって。クエスト開始、変身!」
《ガ セット ロード…レベルアップ!♪~》
プロットはフロンティアゲーマーに変身し、ラヴリカのいるクエスト、『青春スイッチ、オン』をセレクトし、ゲームエリアに入り込む。

「あなたですか、我が社の商品を違法に改造してプレイする悪質ユーザーはっ!?」
仮面ライダープロットの前に、ラヴリカバグスターの人間態で幻夢コーポレーションの現社長、天ヶ崎恋が現れる。
「それを言う前に、バグスターウイルスが内包してある衛生省の認可が下りない不正ゲームを違法に販売している御社にも問題があるかと。」
「あなたも嫌味な方ですねぇ。それじゃ、僕も容赦しないよ。培養!」
《レッツゲーム!バッドゲーム!デッドゲーム!ワッチャネーム…ザ バグスター!》
天ヶ崎はラヴリカの姿になり、
「おいで、愛しのハニー達!」
取り巻きのラヴリーガールズを呼び出す。
「こっちも行くぞ。ネクストステップ!」
《トゥルー アドベンチャー…》
《ガ セット ロールアウト…ガ セット ロード レベルアップ!♪true adventure!》
フロップはどこか上の空のような声で起動し、仮面ライダープロットはアドベンチャーゲーマーに変身する。
「恋愛シミュレーションと恋愛アドベンチャー、どちらが強いか決着を着けてあげましょう!」
ラヴリカは仮面ライダープロットに向かって突き進んでゆき、花を纏わせたビンタを仮面ライダープロットに放ち、ライダーゲージの四分の一が減少する。
「その程度か?」
仮面ライダープロットは選択肢をトゥルーセレクトで取得する。
《暗黒》
しかし、出てきたエナジーアイテムは自身の周囲を靄で見えなくする暗黒であった。
「馬鹿だねぇ、そんなハズレのエナジーアイテムを取るなんて!」
ラヴリカは笑うが次の瞬間、ラヴリカの視界は暗黒の効果で遮られる。
「何が!一体何がどうなって!」
ラヴリカは突然の事態にパニックを起こしてがむしゃらに攻撃する。
「そこだね!」
ラヴリカはHitモーションを確認してそこを重点的に攻撃するが、靄が晴れたとき、ラヴリカは驚いた。何故なら、そこにいたのは仮面ライダープロットではなくラヴリーガールズ達であったからだ。ラヴリーガールズに暴力を振るったことでラヴリカの好感度は急下落してしまう。
「君、一体何をした!」
「今俺がプレイしているルートは特殊で、俺が取得するエナジーアイテムは全てお前に発揮されるんだ。だから…」
仮面ライダープロットは更にエナジーアイテムを取得する。
《混乱》
「これを使うと、どうなるかなぁ?」
エナジーアイテムはラヴリカに付与される。
「メス供など必要あるもんか!ええいっ、どこかに!どこかに僕好みの可愛らしい男の娘はいないのか!」
ラヴリカの言葉にラヴリーガールズ達の好感度は最底辺を下回り、ラヴリーガールズは消えていってしまう。そしてラヴリカは目を醒ます。
「あれ?ラヴリーガールズ!どこに行ったの!?みんな!」
「このタイミングを狙っていた!」
ラヴリーガールズのサポートを失ったことでラヴリカに攻撃が通るようになり仮面ライダープロットはラヴリカに攻撃を仕掛ける。
「なんて暴力的なんだ君は!」
「世の中には、暴力的な恋愛系ゲームがいくつあると思っているんだ!」
《ガ セット ロード…キメワザ!トゥルーアドベンチャー…クリティカルフィニッシュ!》
仮面ライダープロットは必殺技を発動し、その手に刃物が現れてラヴリカに馬乗りになる。
「俺にノーマルエンド、お前にはデッドエンドだ。」
仮面ライダープロットは刃物でラヴリカを何度も突き刺し、ラヴリカは花弁を散らしながら撃破される。
《ノーマルエンド エンドロール》
仮面ライダープロットは変身を解除し、オフィスに戻る。
「それにしても、混乱していたラヴリカは凄まじかったな。」
「ああ、だがラヴリカは一つ失敗したことがある。腐女子をメンバーに入れていれば、話も変わっていただろう。奴は自分の能力に胡座をかいていたんだ。それより、そろそろログインするか。」
プロットはスマホを取り出しアプリを起動する。

数日後、ニコもプロットと同じアプリを起動していた。
「ニコちゃん、何をしているの?」
「はあ?知らないの?最近有名なソシャゲ、《DIRTYNES REBIRTH》だよ!」
永夢がニコと話していると、
「大変、グラファイトとパラドが現れたって!」
明日那から連絡が入る。
「分かりました。すぐ行きましょう。」
明日那の言葉を聞き、永夢達は出現地点に向かう。

「弱い!初級もクリア出来ていないお前達が、レベル99の俺に敵うと思ったか!」
グラファイトバグスターの攻撃でライドプレイヤーは撃破されてゆく。
「そこまでだ、グラファイト!パラド!」
そこに永夢達が現れる。
「グラファイト、てめえの相手はこの俺だ!」
大我がグラファイトに叫ぶと、
「いいえ、俺が相手です、花家先生。」
プロットが現れる。
「卓弥さん!」
「ラヴリカをよくもやってくれたな!」
永夢とパラドは反応するが、
「グラファイト、自分から出向いてくれて助かった。おかげですぐに倒せる。」
プロットは無視してグラファイトに話す。
「レベル99の俺に本気で挑むのか!」
「ああ。こちらも完成したからな。決戦用ドーズフロップが!」
《DIRTYNES REBIRTH!》
プロットはダーティネスリバースを起動させる。
「何であんたがそのゲームのデータを持ってんのよ!」
「配信会社を見てみろ。」
ニコの言葉にプロットは返し、ニコが利用規約を読むと、下にはしっかりと『配信会社 バグスターウイルス研究所』と書かれていた。
「そういうことだ。いくぞ。変身、ログイン!」
《ガ セット ロード レベルマックス!》
プロットは仮面ライダープロット ソーシャルゲーマー レベルマックスに変身する。
「レベルマックス?レベルは99か!」
グラファイトは驚くが、
「違うな。マックスというレベルだ!おっと、今日のログインボーナスは回復か。なかなかいいエナジーアイテムだ。」
仮面ライダープロットは大剣型の武器、クロノスフェイタルプレートを持ちグラファイトに挑む。
「僕達はパラドを倒しましょう。」
永夢達はパラドクスに挑む。
「レベルマックスなだけのことはあるな!だが、あまい!」
グラファイトは素早い斬擊で仮面ライダープロットを攻撃する。
「やるな。」
《回復》
仮面ライダープロットはエナジーアイテムで回復する。
「それじゃ、無料ガチャでも回すか。」
仮面ライダープロットはエナジーアイテムのシンボルに触れる。
《マッスル化 硬質化 硬質化 高速化 マッスル化 ジャンプ力強化 挑発 マッスル化 高速化 回復》
10個のエナジーアイテムが仮面ライダープロットに付与され、目にも止まらぬ速さで動き、凄まじい攻撃をグラファイトに浴びせ、
「変な能力がない戦闘特化のグラファイトの方がやりやすいな。」
《ガ セット ロード キメワザ!DIRTYNES REBIRTH!クリティカルフィニッシュ!》
仮面ライダープロットは凄まじい斬擊をグラファイトに放ち、グラファイトを撃破する。
《ステージクリア!》
仮面ライダープロットはグラファイトのガシャットロフィーを入手する。
「後はパラドクスだけか。」
プロットが呟いていると、
「残念だが、君の冒険はこれで終わりだ。」
クロノスが現れる。
「ついに現れたか。クロノス!」
「仮面ライダークロニクルを違法に改造した君は、社長である私の手で絶版にする!」
「それはどうかな!」
プロットはバグルドライバーを装着する。
「何!何故バグルドライバーを!」
黎斗が驚くと、
「悪い黎斗。お前のパソにちょっとハッキングしてパクらせていただいた。」
プロットは答え、ポケットからクロニクルフェイクを取り出す。
《クロニクルフェイク…》
「変身!」
《ガシャット…》
プロットはクロニクルフェイクをバグルドライバーにセットする。
《バグルアップ!未来守れライダー(ジェノサイド!)掴めクロニクル!今こそ時は…(ウォ~)極まれり…》
プロットは紫のクロノス、仮面ライダークロノスアインスに変身する。
「いくぞ、クロノス!」
クロノスアインスは地面からクロノスフェイタルプレートを出現させてクロノスに挑む。
「これならどうかな?」
《ポーズ…》
クロノスは自身以外を止めるポーズを発揮するが、
「クロノスである俺に通用しない!」
クロノスアインスは迷わずクロノスを攻撃し、
「ソルティスマッシュ!」
追撃する。
「何!」
「シビレール!」
クロノスが立ち上がるのに合わせてクロノスアインスは雷撃魔法を放つ。
「おのれ、麻痺状態か!」
「くらえ!激怒龍牙!」
動けないクロノスにクロノスアインスはグラファイトの技を放つ。
「何故だ!何故貴様がバグスターの技を!」
「このクロノスアインスは改造コードの仮面ライダー。クロノスにゲムデウスのデータをかぶせただけだ!」
「だったら、これでもくらえ!」
クロノスはバグスターウイルスをクロノスアインスに放つが、
「ウイルス対策が施されている俺に利くものか!」
《CRITICAL END!》
「シビレール!剣技、黒龍剣!」
クロノスアインスは再びクロノスに麻痺をかけてダークグラファイトの必殺技で攻撃する。
「まだまだ!やられるものか!」
クロノスは立ち上がる。
「それなら、こっちも殺す覚悟で行く!」
《CRITICAL DEAD!》
「いくぞ!秘奥義、紅蓮爆龍連斬!」
クロノスアインスはクロノスフェイタルプレートを縦、横、斜めの三段に振り、紅蓮の龍が三体、クロノスに食らいつき、クロノスの変身は解除される。
「おのれ…トゥルーアドベンチャーさえ、トゥルーアドベンチャーさえいなければ!」
正宗は諦めずクロノスアインスにバグスターウイルスを放つ。
「言ったはずだ。俺には通用しないと。」
「それは君自身の話。君の持つゲームはどうかな?」
「なっ!まさか!」
「君のゲーム全てにバグスターウイルスを仕込んだ。さて、どうなるかな?」
正宗はそう言い残して去る。
《リスタート…》
ドーズフロップで培養されたバグスターウイルスはクロノスアインスに侵食する。
「グッ!ゥグッ!グァァァ!」
《ガッシューン…》
クロノスアインスの変身は強制解除され、プロットはバグスターウイルスに感染する。
「卓弥さん!」
永夢が近づこうとした瞬間、プロットの体から七体のバグスターが現れる。
「へえ、あんたが私の創造者なの?」
「シャノン…」
「楽しい宴が始まりそうだね。」
「ブラディア伯爵…」
「裁いてやろう。全人類は死罪だ。」
「メントル…」
「くだらん。何をはしゃいでいるのやら。」
「ミスタージョーカー…それに三壊竜デルタドロス…」
「我は漸く復活出来た!今こそ、進行の時!」
「ダーティネス…」
プロットのゲームキャラがバグスターとなりプロットを蝕む。
go to next game.

次回、仮面ライダープロット!
プロットを蝕むバグスター。攻略の鍵は信頼、そしてレベル(クエスチョン)。次回、『対なるDoctor』 
 

 
後書き
設定紹介
仮面ライダープロット ソーシャルゲーマー
キック力:105t
パンチ力:103t
ゲームジャンル:ソーシャルゲーム
プロット達が開発したソーシャルゲーム『DIRTYNES REBIRTH』で変身するプロットの最強形態。エナジーアイテムのシンボルは無料ガチャで10個のエナジーアイテムが同時に発揮される。また、その日の初変身に合わせてエナジーアイテムがひとつプレゼントされる。ソーシャルゲームと言えば課金。当然このフォームにも課金システムがあり…

仮面ライダークロノスアインス
キック力:150t
パンチ力:130t
ジャンプ力:一跳び60m
100mを0.2秒で走る
ゲームジャンル:改造コード(厳密にはゲームソフトとは異なるが、現在でも一部家電量販店で販売されているため、暫定的に設定)
プロットがバグルドライバーにクロニクルフェイクガシャットをセットして変身する改造コードの仮面ライダー。ゲムデウスのデータを上にかぶせているためバグスターの技が使用出来、その威力は20倍にパワーアップしている。クロノスとの見た目の違いはスカートが無い代わりに飛翔ユニット『クロノスヘルウィング』が搭載されている他に、武器としてクロノスフェイタルプレートが設定されている。また、通常のクロノスはメタリックグリーンがパーソナルカラーであるのに対してクロノスアインスはメタリックパープルとメタリックバイオレットがパーソナルカラーとなっている。 

 

第8話「対なるDoctor」

「何故だ!何故俺達の攻撃が通用しない!」
《TADDLE CRITICAL SLASH!》
ブレイブはクリティカルスラッシュでメントルバグスターを攻撃するがmissの判定で攻撃が通らない。
「それより、今は撤退する方が最優先だ!」
スナイプは辺りに弾を放ち、エグゼイド達はプロットを連れて撤退する。

「患者は大園卓弥さん34歳、現在無職。」
「お前達のおかげでな。」
「皮肉が言えるくらいには元気なんだな。」
「花家先生、変わりましたね。」
「そうかもな。」
永夢の言葉にプロットは皮肉を言い、大我は素直に言う。
「やっぱり、症状不明のウイルスが六種類、卓弥さんの中にいます。」
「ああ、おかげで…」
プロットはトゥルーアドベンチャーを起動させようとするが反応しない。
「この通り、俺のウイルスバスターが誤作動を起こしていてドーズフロップの起動すら行えない。」
「だとしても、何故俺達の攻撃が通用しなかった!」
「多分、俺達のウイルスバスターのデータを引き継いでいることで、バグスター由来の仮面ライダーの攻撃が通用しないんだろう。」
「そんな…どうやって攻略すればいいんですか。」
プロット達が話していると、
「大丈夫か、プロット!」
「バグスターウイルスに感染したって本当?」
レイズと助六がやって来る。
「二人とも丁度いいタイミングで来てくれた。あのバグスターを倒せる可能性は一つだけある。ただ、黎斗の許可が必要となるが…」
「ほう、神の才能が必要になったか。」
「いや、そうじゃない。方法は一つ。お前達のガシャットの内部に一時的に俺達のドーズフロップのデータをインストールさせる手段だ。もっとも、黎斗が了承してくれるか、だがな。」
「いいでしょう。不正なバグスターは一体も残さず削除してやろう。」
「ありがと、黎斗。レイズ、早速準備を初めてくれ。」
「ああ、わかった。」
レイズはパソコンを開き、ガシャットのデータを確認し始める。

一方、プロットから抜け出したバグスター達はパラド達と合流していた。
「お前達もバグスターなんだ。俺達のゲームに参加するんだ。」
「お断りします。私達は貴男方と馴れ合う為に趣いたわけはございません。」
「さっきから何なんだこいつら。バグスター同士、腹を割って話せないのか。」
「大変残念ながら、私達は単独で行動させていただきます。今後、私達の妨害を行うのであるのならば、攻撃対象と認識いたします。」
パラド達と話していたシャノンバグスターは話の解決が見えないと判断し、話を切り上げて去って行く。
「御劔さん、よかったのでしょうか?」
「何のことです、ブラディアさん。」
「彼らを野放しにして。」
「構わないです。彼らに私達は倒せませんので。」
「そうですね。余計な心配でしたか。」
シャノン達は根城で話し合っていた。

舞台は再びプロットの病室。
「卓弥さん、何をしているんですか?」
「わからない?ゲームだよ。」
プロットはダーティネスリバースで遊んでいる。
「いやあ、今やっているブラディアのイベント『暗闇の動力王』が今日までだったのを忘れていたから。」
「それはいいですけど、やっぱり卓弥さんのゲーム病の原因はライドプレイヤーの増加ですか?」
「小僧、今まで俺を追い回していてまだ解らないのか。俺のバグスターが活性化する原因は、バグスターウイルスが根絶出来ないことそのものだ。バグスターウイルスは存在そのものが悪である、根絶やしにしなければならないものだ。そんなんだから、十歳しか歳が離れていないのに俺に小僧って呼ばれるんだろう。それより、お前達は俺のゲームで戦うんだ。俺のゲームを一通りプレイして、慣れておく必要があるだろう。」
プロットはかつて販売したディスクを渡す。
「わかりました。まずトゥルーアドベンチャーからプレイしてみます。」
永夢達はプロットのゲームをプレイする。

五時間後、しょぼくれている永夢がいた。
「どうした小僧?天才ゲーマーじゃないのか?」
プロットは呆れるように言った。無理もない。いざプレイしてみたら殆どがノーマルエンドかバッドエンド。百合のルートに関してはデッドエンドという結果。ゲームが苦手な飛彩ですらシャノンのルートはトゥルーエンドであったからだ。
「卓弥さん、どうしてこんな酷いシナリオなんですか。」
「シナリオが酷いんじゃない。お前の選択が悪いだけだ。第一、ルートに突入しているのにどうして方のキャラの所に行く?」
「みんなを幸せにしようとして、何がいけないんですか!」
「いけないさ。現実はな、自分を幸せにすることすら出来ないで死ぬ奴が殆どだ。こんなの、ゲームだから美化しているだけだ。俺達のゲームが何故人気が出たか教えてやる。現実に近いシナリオ、シビアなシステム、感情移入しやすいキャラクター、それらのバランスがしっかりとれているからだ。小僧、トゥルーアドベンチャーの中で感情移入出来るキャラはいたか?」
「いいえ。いませんでした。」
「それはお前が空っぽな証だ。とにかく、お前にトゥルーアドベンチャーは無理だ。他のゲームをあたれ。」
「おいプロット、弾幕幻夢想のEXステージ、ノーコンティニューでクリア出来たぞ。」
プロットが永夢と話していると、大我の声が聞こえる。
「花家先生、それから仮面ライダーブレイブ、ガシャットの調整が済みました。タドルクエストにはトゥルーアドベンチャーが、バンバンシューティングには弾幕幻夢想がそれぞれインストールされています。仮面ライダーブレイブ、あなたの相手はシャノン。ゲームの時の感覚を思い出せば簡単に倒せる。ゲームエリアへは、こちらで転送する。」
「行くぞ、無免許医。」
「言われなくてもな。」
《ステージ セレクト》
レイズによって飛彩と大我はそれぞれゲームエリアに転送される。
「永夢、大変!バグスターが出現したって!」
「僕とニコちゃんで対処します。行こう、ニコちゃん!」
「言われなくても、行ってやるし。」
ポッピーの言葉を聞き永夢達はバグスターを倒しに向かう。
「黎斗、あいつらが迷惑をかけたようだな。」
「何の話ですか。」
「ポッピーピポパポの正体、檀櫻子さんのことだ。普通、いい歳こいた大人が、自分のお袋を助けたくてバイオテロを起こしたなんて言えるわけないだろう。花家先生まで一緒になって、何をしているのやら。」
「先輩、私はただ、私の才能を具現化し、失われないように守る為、ああしただけです。」
「だとしたら、別に他の人でもよかっただろう。」
「それは…」
「別に言わなくていい。それにしても、トゥルーアドベンチャーの全ルートのトゥルーエンドで終わらせたプレイヤーはお前とニコだけだったな。」
「あのゲーム、いかにも先輩らしい思考で造られていますね。」
「いや、あれを作ったのは翔平だ。」
「水無瀬先輩が?」
「ああ。要するに、あれは翔平の形見ってことだ。まあ、それは置いておいて、ニコってプレイヤーはすごいな。初対面なのにトゥルーエンドの選択肢を見抜くとは。流石、プロゲーマーといったところか。」
「そうかもしれませんね。」
「さて、花家先生達が戦闘を始めるみたいだ。」
プロットはモニターを見る。

「あなたの運命は既に決まっています。そう、私に倒され、消滅するという運命が。」
「そいつはどうかな!」
大我はバンバンシューティングを取り出す。
「どんなガシャットを作ろうとも、バグスター由来であるあなたの攻撃は私には通用しない。」
「そいつはどうかな。」
《BANG BANG SHOOTING!弾幕幻夢想!》
大我はガシャットから二つのゲームを起動させる。
「何っ!私の登場する弾幕幻夢想だと!」
「特殊戦術、変身!」
《gashatt! gachaan!level up!ババンバン!バンババン!yeah!BANG BANG SHOOTING!agaccha!ドドーンドン!ドドーンドン!弾、幕、幻夢想!》
大我はスナイプ 弾幕シューティングゲーマー レベル?に変身し、ガシャコンスティックを手にする。
「ミッション、開始!」

一方、飛彩もシャノンと対面していた。
「特殊術式、変身!」
《gashatt! gachaan!level up!辿る巡る辿る巡るTADDLE QUEST!agaccha!選ぶ決める進むゴールtrue adventure!》
飛彩もブレイブ アドベンチャークエストゲーマー レベル?に変身する。
「これより、バグスター切除手術を始める!」
ブレイブはいっさいの武器を持たずにシャノンに向かってゆく。
「そんなんで、あたしに勝てるかよっ!」
シャノンは凄まじい蹴りを放ち、ブレイブは吹き飛ばされるが、エナジーアイテムをトゥルーセレクトで取得し、ライダーゲージを完全に回復する。
《マッスル化》
腕力を上げたブレイブはシャノンの胸ぐらを摑んで投げとばす。
「なかなかやるね、あんた。」
シャノンは綺麗に回転して着地し、ブレイブに殴りかかる。
「やはり、一筋縄ではいかないか。」
《マッスル化》
ブレイブとシャノンの拳はぶつかり合う。

一方、スナイプはブラディアの弾幕を避けながら着実にダメージを与えていた。
「これで、雑魚は全部消えたか。」
《分身》
スナイプの追尾弾は二手に分かれる。
「ぐっ、なかなかやるようですね。ですがっ!」
ブラディアは弾幕を強化する。
「こちらの必殺弾幕は避けられないでしょう!」
ブラディアはスナイプを狙うが、
「甘いな。弾幕ってのはこういうのをいうんだ!」
スナイプはバンバンシューティングガシャットをガシャコンスティックにセットする。
《キメワザ!BANG BANG 弾幕CRITICAL SPEll》
スナイプは必殺技を発動。ブラディアの弾幕はスナイプのエネルギーに転換される。
「何っ!」
「終わりだ!」
ガシャコンスティックから巨大な弾がブラディアに放たれ、ブラディアに着弾すると、凄まじい爆発を放つ。
「馬鹿な、この私の運命が覆るとは!」
爆撃によってブラディアは撃破される。
《ステージ クリア!  リザルト》
スナイプはブラディアとの戦いに勝利する。

「あんたみたいな一直線な男、嫌いじゃないよ!」
シャノンは右ストレートを放つがブレイブは片手で受け止める。
「言ったはずだ。バグスターは切除すると!」
《剛力化》
エナジーアイテムのトゥルーセレクトで強化された脚を使い、ブレイブはシャノンに回し蹴り放つ。
「うぐっ!あたし、強い男は好きよ。今まで何度か見合い話はあったんだけど、みんなあたしより弱いし、頭も悪かった。でも、あんたは珍しく強くて頭もキレる。悪くはないよ!」
シャノンも負けじと回し蹴りを放つがブレイブは避ける。
「だが、お前には相手が決まっている!」
《gashatt!キメワザ!TADDLE true CRITICAL ENDING!》
ブレイブは必殺技を発動。シャノンの心臓に拳を放つ。
《true end!》
「あいつ程じゃなかったけど、悪くなかったわ。小姫ちゃんとの未来、頑張りなさい!」
ブレイブの必殺技によってシャノンは撃破される。

「2体は撃破されたか。」
《トゥルーアドベンチャー。》
《弾幕幻夢想》
プロットはドーズフロップが起動出来ることでバグスターの撃破を確認する。
「二人のガシャットのインストールもすぐに終わる。」
レイズは黎斗に告げる。
「残りは5体か…」
プロットのバグスターウイルス感染症は少しずつ解消されていった。
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次回、仮面ライダープロット
次の敵はデッドリィトゥルースのメントルとジョーカーズストライクのミスタージョーカー。次回『Mightyパニック』
 

 

第9話「Mightyパニック」

「鏡先生、花家先生、ありがとう御座います。」
「ドクターとして、当然の事をしただけだ。それに、研修医の言うとおり、お前にはライドプレイヤーを消滅させた罪を償ってもらわないといけない。それだけだ。」
「消滅させた罪か…ライドプレイヤーに襲われ、倒さなければ消滅していた方は罪人で、自ら進んでウイルスに罹り、ゲーム感覚で人間が変身している仮面ライダーを襲撃したライドプレイヤーは可哀想な被害者か。随分とライドプレイヤー様は偉い立場にいるんだな。」
「おめえ、いい加減にしろ!」
「花家先生も、何時までこんな奴らと手を組んでいるのですか?先生が衛生省にされた事はただの不当解雇です。先生は本来被害者なのですよ。それなのに、どうして!……っぐ!」
プロットが大我に自分の意思を伝えていると、体内のバグスターウイルスが活性化し、プロットを苦しめる。
「卓弥さん、安静にして下さい。」
「…一番何も出来ない奴が何を言っている。」
プロットは横になりながら永夢に言う。
「何も出来ないって何ですか。竜城さん、僕のガシャットの調整はまだですか。」
「出来たよ。お前のマイティアクションXにジョーカーズストライクのデータをインストールした。それから黎斗さんのデンジャラスゾンビにデッドリィトゥルースのデータをインストールしておきました。」
「やはり私の所には、デッドリィトゥルースのデータが来たか。」
「まあな。デッドリィトゥルースを最速でクリアしたのは黎斗だったからな。こういうのは適材適所だ。」
「ではどうして、僕にはジョーカーズストライクのデータだったんですか!」
「残ったのがそれしかなかったんだ。天才ゲーマーなんだろ?なら問題は無いだろう?」
「ええ。やってみせます。」
「期待しているぞ。天才ゲーマー。」
「プロットも、仮面ライダーエグセイドも、くだらない言い争いをしていない。それよりも、プロットは黎斗さんに渡す物があるんだろ?」
「そうだったな。黎斗!」
「新檀黎斗だ!」
「これを黎斗に渡そうと思っていた。」
プロットはクロノスアインスに変身するのに使用していたバグルドライバー一式を黎斗に渡す。
「先輩、これは…」
「多分俺はもう使わないことになる。だから、黎斗に譲る。デッドリィトゥルースとデンジャラスゾンビの両方をフルコンディションで扱うにはゲーマドライバーよりバグルドライバーの方が機能する。これは俺達バグスターウイルス研究所の総意だ。使ってくれ。」
「いいでしょう。先輩、あなたに神の恵みを与えてあげます。」
「話は決まったようだな。それじゃあ、ゲームエリアに転送する。来てくれ。」
レイズに呼ばれて永夢と黎斗はそれぞれのゲームエリアに移動した。

「ほう、私に挑戦するとは、命知らずなのですね。」
「君は不正に生み出されたバグスター。その存在は私が削除する。」
《ガッチョーン!》
黎斗はバグヴァイザーをバグスターバックルにセットし、バグルドライバーの準備を終える。
《DANGEROUS ZOMBIE! DEADLY TRUTH…》
「ほう、自ら私の土俵で戦いに来るとは、命知らずですね。」
「グレードクエスチョンエックス…変身!」
《Gashatt!バグルアップ!Danger Danger!ジェノサイド!Death the crisis!DANGEROUS ZOMBIE!ウォー…推理!捜査…真実見つけろ!デッドリィトゥルース…》
黎斗は仮面ライダーゲンム ディテクトゾンビゲーマー レベル?-Xに変身する。
「不正なバグスターは、削除する。」

「挑戦者か。俺を楽しませてくれよ?」
「お前を倒して、卓弥さんの笑顔を取り戻してみせる!変身!」
《MIGHTY ACTION X! JOKERS STRIKE!》
《Gashatt!Lets game!mettya game! muttya game!what're name?-I'm a KAMEN RIDER…》
「だ~い大、変身!」
《Gachaan!LEVEL UP!Mighty jump!Mighty kick!Mighty MIGHTY ACTION-X! agaccha!カードゲット!デッキ構築!目指せ最強JOKERS STRIKE!》
永夢は仮面ライダーエグセイド カードアクションゲーマー レベル?に変身する。
「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」
「ほら、デッキを組めよ。今回のステージはブースタードラフトではない。好きなカードを使っていい。もっとも、勝つのは俺だが。」
「こっちのデッキも出来ている。始めようぜ!」
「わかった。始めようか。」
「「バトル、スタート!」」
《キメワザ!MIGHTY JOKERS CRITICAL COMBO!》
「俺から先攻だ。カードを引いてターンは終了だ。」
ジョーカーズバグスターはカードを引いてターンをエグセイドに渡す。
「手札事故か?俺のターン。まずは軽くランサードラゴンを召喚してプレイヤーに攻撃だ!」
「所詮は付け焼き刃で覚えた戦術。崩すのは簡単!マジック、奈落からの迎撃!低レベルモンスター、ランサードラゴンを破壊し、その防御だけ回復!」
《回復》
ジョーカーズバグスターはエグセイドのモンスターを破壊してライダーゲージの追加を行う。
「やられたか、ターンは終了だ!」
「行くぞ!俺のターン。来たれ、メインモンスター!破滅騎神 アルマ・ラグナ!」
ジョーカーズバグスターは白銀のように輝くモンスターを召喚する。
「今はターンを終了する。」
「なんだ、見かけ倒しか!俺のターン!来い、俺のメインモンスター!滅煉獄聖龍 フリーディア ノヴァフェルノ!」
エグセイドは禍禍しい色のフリーディア・ノヴァを召喚する。
「行け、フリーディア ノヴァフェルノ!アルマ・ラグナに攻撃だ!」
「その攻撃は読めていた。アルマ・ラグナの効果!炎闇(えんあん)の防壁!炎と闇の効果と攻撃は受け付けない!」
「何っ!」
「その攻撃は俺のライダーゲージで受ける!」
ジョーカーズバグスターはその攻撃でライダーゲージの20%を失う。
「ターンは終わりだ。」
「俺のターンだな。来い、氷擊竜 アイセスフリーディア!」
ジョーカーズバグスターは氷像のようなフリーディアを召喚する。
「行け、アイセスフリーディアでエグセイドを攻撃だ!」
「待っていた!マジック!トリック・ディメンション!全てのモンスターの攻撃状態、守備状態は逆転する!」
《逆転》
エグセイドのマジックによってフリーディア ノヴァフェルノは防御が可能になり、アルマ・ラグナは攻撃不能になる。
「アイセスフリーディアを迎撃しようと思っても無駄だ!マジック、スクラッチ・ペイン!フリーディア ノヴァフェルノの防御を減少!」
《縮小化》
「かかったな!マジック、フリーディア・カウンター!フリーディアがいる時、相手の中級モンスターを破壊!」
《反射》
エグゼイドのマジックによってフリーディア ノヴァフェルノは空へ火球を放ち、それらは流星の如くアイセスフリーディアを貫き、アイセスフリーディアを破壊する。
「天才ゲーマーの名は伊達では無いようだな。ターン終了だ。」
「俺のターン!マジック、スケルトンクライシス!フリーディア ノヴァフェルノの属性、闇を消滅!」
《透明化》
「フリーディア ノヴァフェルノ、アルマ・ラグナに攻撃!」
アルマ・ラグナの防御をすり抜け、フリーディア ノヴァフェルノはアルマ・ラグナを攻撃しようとするが、
「甘い!マジック、透明防壁!アルマ・ラグナに透明の護りを付与!フリーディア ノヴァフェルノの指定攻撃を無効化!再びその攻撃をライダーゲージで受けよう!」
《透明化》
ジョーカーズバグスターはアルマ・ラグナを守る為に攻撃をあえて受ける選択肢をとる。
「もらった!マジック、飽食する暴擊!フリーディア ノヴァフェルノの攻撃を2倍に!」
《剛力化》
「何っ!」
「更にもう1枚発動!」
《剛力化》
エグゼイドのマジックにより攻撃力が4倍になったフリーディア ノヴァフェルノがジョーカーズバグスターに向かう。
「それが狙いか!ならば、アルマ・ラグナの効果を発揮!自身を破壊することで、お互いの手札と場のカードを全てデッキに!」
《終焉》
ジョーカーズバグスターはアルマ・ラグナの効果を使い、ダメージを回避する。
「…ターン終了だ!」
エグゼイドは一撃のコンボが不発に終わり、ターンを終了する。
「俺のターン。このままターン終了だ。」
「チャンス!俺のターン!マジック、装填の連携。二枚ドロー。紅蓮竜フリーディアを召喚。攻撃だ!」
「ライダーゲージで受けよう!」
フリーディアの攻撃でジョーカーズバグスターのライダーゲージは減少する。
「ターン終了だ!」
「俺のターン。来い、ストップキーパー。召喚時効果、次のターン、フリーディアは攻撃に参加不能!」
《停止》
「ストップキーパーで攻撃!マジック、ツインブレード!このターン、ストップキーパーの攻撃は二度行われる。」
《高速化》
ストップキーパーの攻撃によってエグゼイドのライダーゲージは減少する。
「ターン終了だ。」
「俺のターン!マジック、装填の連携!二枚ドロー。そしてマジック、カウンターエナジーを発動!来い、宵闇の襲撃者ブラックリッパー!召喚時効果、相手の墓地のモンスターをこのターンのみ俺のモンスターとして復活させる。来い、アルマ・ラグナ!」
エグゼイドのフィールドにアルマ・ラグナが現れる。
「そして、フリーディアを破壊して紅蓮神聖龍 フリーディア・ノヴァを爆神召喚!バトル開始!フリーディア・ノヴァとブラックリッパーで攻撃!」
ジョーカーズバグスターは防御出来ず、ライダーゲージが減少する。
「トドメだ!アルマ・ラグナでトドメ!」
「見事だ。楽しいバトルをありがとう。」
アルマ・ラグナの攻撃でジョーカーズバグスターはライダーゲージがゼロになり撃破される。
《Game clear!》
「よし!」
エグゼイドはジョーカーズバグスターに勝利する。

一方、ゲンムはメントルのアリバイを崩せずにいた。
「君に私は裁けない。私が君を名誉毀損で裁けるが。」
「ふざけるな!もう証拠は揃っている!貴様の罪、曝いてみせる!」
《CRITICAL END》
ゲンムは必殺技を発動する。
「今回の事件、君は大きなミスを犯した。それは、あの死刑囚の血痕が付着した君のネームが印字されたペンを落としたことだ。その血痕のデータを調べた結果、日本で入手不能な薬物が使用されていることが判明した。更に、君の経歴に虚偽も発覚した。そう、君と死刑囚は同じ高等学校を卒業した。今回の事件、君が死刑囚を死刑執行に見せかけて殺害した理由は死刑囚に自身の本当の経歴を明かされないように自身の殺人を死刑囚に擦り付けて口封じの為に死刑執行を行った。反論はありますか?」
「よく調べましたね。では、その殺人の真実は?」
「それも君の経歴関連でした。被害者は君や死刑囚の同級生で現在は三流ゴシップ誌の記者だった。そして、君の経歴詐称をネタに強請りをしていたが君の経歴詐称が原因で法的手段にでられなかった。故に己の手で殺めた。違いますか?」
「…見事です。百点の答えです。」
メントルバグスターはそう言って爆発。ゲームはクリアされる。

「黎斗、ありがとう。」
《デッドリィ トゥルース》
《Jokers strike》
プロットは二枚のゲームの起動を確認する。
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次回、仮面ライダープロット
デンジャラスフロンティアの調整に悩むレイズ。それぞれの束の間の休息。次回『それぞれのpray』 

 

第10話「それぞれのpray」

「デルタドロスの動きは無いようだな。」
ベッドで寝ているプロットは残るバグスターの動向を確認しベッドに座る。
「黎斗、俺のバグスターについてわかったことがある。」
プロットが言うと永夢達も集まる。
「まず、黎斗達も戦ったから解っていると思うが、奴らにはガシャットによる医療戦闘を遮断するシステムが組み込まれているが、俺達のドーズフロップシステムを搭載することで医療戦闘を可能に出来る。」
「それがどうかしたんですか?」
「話を聞け小僧。本題はここからだ。何故ガシャットの力が通用しなかったのか。理由は奴らの肉体構造に秘密があった。本来バグスターは個々のウイルスが纏まることで一つの肉体となり、そのウイルスデータを培養して強化と増殖をしている。だが、奴らを構成しているウイルスは一つ。即ち、単細胞で肉体を構成している変異個体だ。故に、ウイルスの培養、増殖が行えない一代限りの劣化遺伝子だ。」
「なるほどな。道理でプロットのバグスターで被害者が出ていないわけだ。」
「大我、どういうこと?」
「グラファイトの時もそうだったが、バグスターが倒してもレベルアップして現れる理由はウイルスが培養と増殖を繰り返し、その過程で倒された時の状況を親株から受け継ぐから撃破に合わせたレベルアップが起きる。それから、グラファイトがプロトガシャットを奪って使った時、奴はプロトドラゴナイトハンターZのウイルスを散布して小規模のパンデミックに近いことをした。だが、プロットに感染しているバグスターは倒されればレベルアップもしない。それになにより、あのバグスターによる感染被害の例が一切ない。つまり、あのバグスターは一度倒せばそれで終わりってことだ。」
「つまり、めっちゃ強いけど、ライダークロニクルに参加しているバグスターみたいに、湧き潰しをする必要がない、中ボスみたいなもの?」
「お前に分かりやすく言うとそうだ。」
大我の考察に対して医学知識のないニコは質問し、大我は説明する。
「流石です。やはり花家先生は凄い方だ。」
プロットは望む答えを出してくれた大我に頷く。
「やめろ。それより、デンジャラスフロンティアの調整はまだか?」
「今ドラゴナイトハンターZにインストールしている最中です。」
「そうか。終わったら教えてくれ。」
大我は病室から出て行く。
「悪いが、俺も席を外させてもらう。」
飛彩も追うように出て行く。
「なあ、黎斗」
「新檀黎斗だ!」
「どうしてバグスターにプログラムとはいえ感情を、心を与えたんだ?」
「どうしてそんなことを?」
「俺は、死にかけの人間にバグスターの肉体を与えることには反対する気は無い。データとしての保管も。」
「あなたは、なんてことを言うんですか…ここは病院なんですよ!命の保管なんて、出来る訳無いじゃないですか。それは、翔平さんを亡くした卓弥さんなら解っているはずです。」
「煩いな、粋がるなよ小僧。んな奇麗事を言うなよ。」
「奇麗事じゃない。あなたは命が大切じゃないのですか。命の保管なんて、間違っています。」
「なら、今の医療の半分以上を否定することになるな。」
「どうしてですか!」
「一部の大病院では仮死状態の冷凍保存が行われている。それは何故か。今の医療で治せない病、損傷を未来に託す為だ。それに、肉体の一部保存なら、臓器提供で保管されている臓器、死んだ胎児から切除して培養されて保管されている卵細胞、胎内受精が不可能であることを理由に作られる試験管ベビー、一部の男性が行っている精細胞の冷凍保存。それらとバグスターを利用した肉体のデータ保存。一体何が違うんだ?」
「ですが、やっぱり間違っています。黎斗さんは、自分の母親を危険な実験の被害者にしたんですよ。それが、本当に正しいのですか?」
「それ、本気で言っているのか?世界で初のワクチンは母親が自分の息子に打ち込んで作られた。それに、その桜子さんも、お前達医師が見殺しにしようとした命だ。違うか?」
「見殺しだなんて…当時のドクター達は必死に医療活動を行っていました。そのデータも残っています。」
「なら何故、余命宣告をした。結局、自分達で救えないから見捨てて、見殺しにしようとしたではないか!」
プロットが怒りを露わにすると、
「…もう、やめて下さい、先輩。私はただ、私の才能の為に一番手近にいた被験体を選んだだけです。」
「…悪かったな、黎斗。見当違いな考察を、お前の考えのように並べて。」
「私も席を外させてもらう。」
黎斗はドレミファビートの筐体に入る。
「ニコちゃんゴメン、僕も外の空気を吸ってくる。」
永夢は苛つくように出て行く。
「なんか、聴いちゃいけないことは聴いちゃった気がする。」
「気にするな。それより、敵の心配する余裕があるのか?このウイルスが全て消えれば、俺は再びお前達ライドプレーヤーを狙う。」
「負けねえし。私には大我が着いているし。」
「お前は、いい医師に巡り逢えたな。翔平も、あの次期院長が担当医にならなければ、きっと未来も変わっていただろうな…」
「でも、だからって何で無関係な私達を狙うわけ?別に、その友達を殺した奴を倒せば、それで終わりじゃん。」
「…そのライドプレーヤーが、既にバグスターによって消されていてもか?」
「えっ?」
「あの屑達は翔平のことを邪魔だと言って瀕死にして、自分達はバグスターとの戦闘でそのまま消滅。衛生省がまともに動かないのは職員だった俺がよく解っている。そうなれば、自らの手でバグスターと、ライドプレーヤーを滅ぼさないと、翔平の無念を晴らせない。」
「それを敵に言っちゃうんだ?」
「まあ、お前は俺達が無名の頃から買ってくれていた客だったからな。ファンサービスみたいなものだ。」
「あっそ。じゃあさ、ファンサービスの一環で、このパッケージにサイン頂戴。」
ニコはデッドリィトゥルースをプロットに渡す。
「何のつもりだ?」
「あんたのゲーム、結構シナリオもゲームシステムも凝っていて楽しかったから、ファンになったの。まさか命を狙われるなんて思っていなかったけど。」
「でもどうしてデッドリィトゥルースなんだ?初めて出したジョーカーズストライクや現在新作のパーフェクトスナイパーなら解るが。」
「あんた達、デッドリィトゥルースのゲームエリアを隠れ処にしていたでしょ?だから。」
「何でそう思うんだ?」
「だって、今まで作っているゲームで基地に出来そうな場所ってこれしかないし。」
「よく解ったな、天才ゲーマーN。これは俺達のゲームで楽しんでくれているサービスだ。」
プロットはサインを書いてニコに返す。
「ありがと。あんた達のこと、あいつらに黙っといてあげる。」
ニコは走りながら出て行った。
「…さて、ダーティネスはあいつらでは倒せない。仕方がない。ライダークロニクルを終わらせることが出来なかったが、最終段階に入るしかないか…」
プロットはダーティネスリバースを見ながら呟いた。

その頃、幻夢コーポレーションの社長室では、正宗がプロトガシャットを眺めていた。
「ライダークロニクルの流れは順調だな。だが、彼らの力を甘く見ない方がいい。それならば、彼を私の右腕に付ける以外ないか。」
正宗はプロトタドルクエストを見ながら言う。
「黎斗…いや、あれはもう私の息子ではない。あれは死を司るゲーム、デンジャラスゾンビだ。そうでなければ桜子を殺すような真似はしない。」
正宗はガシャットをしまう。
「この中にはタドルファンタジーの恋人、バンバンシューティングの友人、そして爆走バイク。彼の力も、いずれ必要になるか…彼らの運命は私の手でジャッジする。」
正宗はプロト爆走バイクを握りしめる。
「安心してほしい、桜子。君を苦しめる事も悲しませることも私はしない。私が生きている限り。絶対に。」
正宗はプロトドレミファビートを撫でながら呟いた。

時を同じく飛彩と大我はプロットのことで話していた。
「あのバグスターのウイルスはお前のお得意の切除では倒せない。」
「だが、お前の攻撃では致命傷を与えられない。」
「そうなれば、答えは一つだな。」
「チーム医療か。だがどうやって!俺達のガシャットのデータを纏める手段は無い。」
「だからあいつが頑張っているんだろう。デンジャラスフロンティアのバグスターをぶっ潰す為にドラゴナイトハンターZのガシャットにデータをインストールしているんだ。待つしかないだろう。」
飛彩と大我は別れる。

数時間が経ちデンジャラスフロンティアのデータ搭載が完了し、ライダー達は集められる。
「ついに完成したんですか。」
「ああ。細かい微調整もばっちりだ。」
レイズは永夢にドラゴナイトハンターZを渡す。
「使用する際にはそのガシャット一本で変身してくれれば問題はない。それから、各ライダーガシャットに入れたドーズフロップのデータを削除するから貸して欲しい。この手段は一時的な応急処置のようなものだから、いつどんな誤作動が起きるかわからない。」
永夢はレイズからガシャットの説明を受けて起動し、4人プレイモードに切り替える。。
「それでは、ゲームエリアに転送する。」
レイズは永夢達をデンジャラスフロンティアのゲームエリアに転送する。
「さて、ガシャットからドーズフロップのデータを上手く破棄出来るかが腕の見せ所だが…」
「データの完全除去は不可能だ。それこそ、ガシャットを破壊しない限りには。」
「ああ。だから、データの初期化と構造の異なる複数のロック。その上でデータを削除する。」
「まあ、黎斗には意味が無いだろうが。」
「それでも、しないよりはマシだ。」
「それもそうだな。任せたぞレイズ。助六、悪いがなんか甘いものを買ってきてくれ。」
プロットが助六に買い物代を渡すと、
「私が行ってくる。あんた達はここに隠れていな。衛生省の指名手配を受けているでしょ。」
助六が渡された買い物代をニコがかっ攫い買い物に向かった。
「大丈夫だろうか…」
「…まあ、どうにかなるだろう。」
レイズ達は呆れ、レイズはガシャットの内部データの削除を始めた。
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次回、仮面ライダープロット
現れる巨竜、デルタドロス。エグゼイド達の運命は─次回『史上最大のhunting』
 
 

 
後書き
たまには珍しく一切戦わない話でしたがいかがでしょうか。次回からは戦いのラッシュです。それでは、次回をお楽しみに。 

 

第11話『史上最大のhunting』

「ここがデンジャラスフロンティアのゲームエリアか…」
「随分荒れた場所だな。」
永夢と大我はゲームエリアを見渡している。
『そこはストーリークエストのラストステージ、通称“神域”だ。デルタドロスの行動パターンはゲームをプレイしたから解っていると思うが、気を抜かないで欲しい。』
ゲームエリアにアクセスしているレイズから通信が入る。
「当たり前だ。さっさとオペを終わらせるぞ。」
飛彩が先導し永夢達はドラゴナイトハンターZのガシャットを起動させる。
《ドラゴナイトハンター!Z! デンジャラスフロンティア!》
《ブレイカー!》
《スラッシャー!》
《シューター!》
《クラッシャー!》
「特殊術式…」
「特殊戦術…」
「グレードクエスチョン…」
「だ~い大!」
「「「「変身!」」」」
《gashatt!gachaan!Level up!Drago knight~ drago knight hunter!agaccha!デ!ン!ジャラスフロンティア!デン!ジャラス!フロンティア!》
《エグゼイド!ブレイブ!スナイプ!ゲンム!》
4人は変身し、エグゼイドは巨大なハンマーを、ブレイブは大剣を、スナイプは二丁拳銃を、ゲンムは巨大な銃剣を装備する。
『クエストが始まった。気を抜くな。』
レイズの言葉通り、デルタドロスバグスターが現れ、エグゼイド達に咆哮し、エグゼイド達の聴覚にダメージを与えるが、聴覚保護のカスタマイズをしていたゲンムは怯まずデルタドロスに斬り掛かる。
「いくぜ!」
ゲンムの攻撃によってデルタドロスバグスターが怯んだことでエグゼイド達は一斉に攻撃を始める。
「くっ、硬い!」
ブレイブの斬擊は確かにデルタドロスバグスターに攻撃として入っているが、デルタドロスバグスターの甲殻は硬く、弾かれてしまう。
「こいつでも喰らえ!」
スナイプはデルタドロスバグスターの頭部に徹甲榴弾を直撃で放ち、デルタドロスバグスターを怯ませる。
「なら、俺も頭を狙うぜ!」
エグゼイドはハンマーにエネルギーを溜めてデルタドロスの頭部を攻撃。その攻撃がクリティカルヒットし、デルタドロスバグスターはめまいを起こして棒立ちしている。
「神のぉぉぉ、一撃ぃぃぃぃ!」
ゲンムは銃剣にエネルギーを溜め、めまいが治ったデルタドロスバグスターの足下に強力なエネルギー弾を放ち、デルタドロスバグスターはその爆発で倒れ、ゲンムとブレイブはデルタドロスバグスターの尻尾を切り落とそうとしてそこに斬擊を放つ。

「あいつら、上手くやれているな。」
「ああ。まあ、エグゼイドと花家先生は上手くあっていないみたいだけど。」
病室でプロットとレイズが話している。
「俺の中から出てきたバグスターは全部で7体。だが、俺達が使うドーズフロップは6つ。確実にどれかのゲームから二体のバグスターが生まれたことになる。そうなれば、おそらくこのゲームで、あのモンスター…起点龍 オリジオスだろう。」
「プロットも同じことを考えていたか。」
「まあな。唯一の救いは、グラファイトのように人型にならず、ただ暴れまわるドラゴンのままだったことだな。」
プロットとレイズは自分達の状況の考察をしていた。

「俺のメスで切って見せる!」
ブレイブの溜め斬りによってデルタドロスバグスターの尻尾が切断される。
「こっちもいくぜ!」
エグゼイドのハンマーによるラッシュでデルタドロスバグスターの2本目の角が破壊される。
「喰らえ!」
スナイプはデルタドロスバグスターの足下に爆撃弾を放ち、デルタドロスバグスターの足下が爆発。そのダメージでデルタドロスバグスターは再び倒れる。
「よっしゃ、今だ!」
エグゼイドはデルタドロスバグスターの背中にハンマーで何度ダメージを与え、背中の甲殻を破壊する。
「こっちも終わりだ!」
スナイプは再び徹甲榴弾を放ち、デルタドロスバグスターの最後の角を破壊する。
「フィニッシュは、必殺技で決まりだ!」
「お前を切除する!」
「こいつで終わりだ!」
「不正なバグスターは削除する!」
《Dragoknight dangerous critical strike!》
「ぅおら!」
「はぁっ!」
「喰らえ!」
「フッ…」
4人の攻撃がデルタドロスバグスターに直撃し、デルタドロスバグスターは爆散した。
「よし、ゲームクリアだ!」
ファンファーレを聞いたエグゼイドが喜ぶと、突然警戒音が鳴り響く。
『待て、まだ終わりでは無い!乱入クエストだ…』
レイズの連絡で場の空気が緊張する。そして、細長い体でありながら二足歩行で前足から翼の生えた龍が現れた。
『奴はミッションクエストの乱入ボスの中の隠しボス…起点龍 オリジオスだ。』
「オッケー。ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」
「これより、オリジオス切除手術を始める!」
「ミッション、開始!」
「コンティニューしてでも、クリアする!」
4人はポーズを取り意気込むが、
〝グアァァォオウゥゥッ!〟
オリジオスバグスターは凄まじい咆哮をあげ、大地が轟き、エグゼイド達はその衝撃波で吹き飛び、聴覚保護を着けたゲンムですら耳を塞ぐ。
「やはり奴の超咆哮には私の聴覚保護も無意味か!」
それでもいち早く戦線復帰したゲンムはエネルギー弾をオリジオスバグスターに放ち続ける。
「俺達も行くぞ!」
吹き飛ばされたエグゼイド達も立ち上がり、戦闘に参加するが、
「何ッ!攻撃が通らない!」
「駄目だ!立ち上がっているからめまいを狙えない!」
「弾がよけられる!」
3人のメインの戦闘方法がオリジオスバグスターに通らずダメージを上手く与えられない。しかし、
「どうしたオリジオス!君の力はそんなものか!」
ゲンムはエネルギー弾の発射とリロードを繰り返し、微弱なダメージを確実に与えてゆく。
〝グアァァォオウゥゥッ!〟
オリジオスバグスターは尻尾の薙ぎ払いでゲンムを吹き飛ばそうとするが、ゲンムは武器でガードし、再びエネルギー弾の発射とリロードを繰り返す。
「とにかく、間合いに入り込むしかないな!」
エグゼイドは走りながらエネルギーを溜めてオリジオスバグスターを攻撃するが、その攻撃にゲンムも巻き込まれしまい、ゲンムが怯んだ瞬間、オリジオスバグスターの尻尾の薙ぎ払いがゲンムとエグゼイドを襲い、弾き飛ばされる。
「これの出番だな。」
《全快》
ゲンムは近くにあったエナジーアイテムを使い、残りわずかであったライダーゲージを完全に回復する。
「しばらく退いてろ!俺がやる!」
スナイプはある限りの徹甲榴弾を全てオリジオスバグスターの脚に打ち込み、辺りは爆発を起こしてオリジオスバグスターの後脚の爪が破壊される。するとオリジオスバグスターは再び咆哮をあげ、ゲンム以外はその咆哮でダメージを受ける。
「なんて強さだ!」
ブレイブは必死に立ち上がるが、オリジオスバグスターは飛び、ブレイ立ち上がったブレイブに突進で大ダメージを与える。
「今だ!神のぉぉぉ一撃ぃぃぃ!」
ゲンムは着地したオリジオスバグスターにチャージしたエネルギー弾を放ち、怯ませる。
「今がチャンスだ!」
オリジオスバグスターが怯み、地面に倒れると、エグゼイドはすかさず頭部に向かってハンマーで叩き続ける。その間にもゲンムはエネルギー弾の発射とリロードを行い脚にダメージを与えていた。
「それなら、こっちはこれだ!」
スナイプは爆撃弾を使い、立ち上がっているオリジオスバグスターの上半身と翼を攻撃し、エグゼイド達を巻き込まないように撃つ。
「どうやら、こいつの尻尾は切れないようだな。それなら!」
ブレイブはオリジオスバグスターの右の後脚に張り付くように位置取りをして攻撃を続ける。
「鏡先生、そちらに行きますよ!」
ゲンムは再びチャージしたエネルギー弾を放ち、オリジオスバグスターはブレイブのいる方に倒れ、もがき、エグゼイドのハンマーによってオリジオスバグスターの角が破壊される。すると、オリジオスバグスターは怒るように空を飛び、口からエネルギー弾をエグゼイド達のいる一帯に放つ。ゲンムとブレイブはそれぞれガードしているが、ガードのないエグゼイドとスナイプは回避を繰り返していた。そして、オリジオスバグスターの攻撃が終わり、降りてくる。
「今だ!」
《発光》
エグゼイドは発光のエナジーアイテムでオリジオスバグスターの視界を奪いオリジオスバグスターを墜落させ、エグゼイド達は一斉に攻撃を仕掛ける。
「これでどうだ!」
「ここを押し切れば!」
エグゼイドとブレイブはチャージ攻撃でそれぞれ翼を攻撃し、翼膜がボロボロになる。
「なら、こいつでどうだ!」
スナイプは貫通弾で胴体の細長いオリジオスバグスターに複数にわたってダメージを与える。ゲンムは変わらずエネルギー弾の発射とリロードを繰り返している。そして、オリジオスバグスターは立ち上がり、再び咆哮でエグゼイド達を攻撃し、ゲンムはガードで防ぐ。
「まだ勝てないのか。」
「だが、こっちの攻撃は確実に通っている。あと一歩だろう。」
スナイプは後脚の中央を、ブレイブは右の後脚をそれぞれ陣取り、攻撃を続けている。すると、立ち上がっていたオリジオスバグスターは急に4足歩行に切り替え、スナイプは下敷きとなりダメージを受ける。
「大我さん!」
「無免許医!」
エグゼイドとブレイブは心配するが、
「気にするな!ゲームに集中しろ!」
スナイプは回転しながら回避して貫通弾でダメージを与えながら2人の言葉に返答する。
「そろそろもう一度、神のぉぉぉ一撃ぃぃぃ!」
再びゲンムがチャージ攻撃を放ち、オリジオスバグスターは倒れ、もがく。
「今度こそ、押し切ってやるぜ!」
エグゼイドは背中に対して何度もハンマーで叩き、ブレイブはボロボロになっている翼に更にダメージを与え、スナイプは貫通弾を出来る限り撃ち、ゲンムは斬擊に攻撃を切り替える。
「そろそろいけるか!」
《Dragoknight dangerous critical strike!》
4人は必殺技を発動し、オリジオスバグスターの胸部に一斉攻撃を仕掛ける。
《QUEST CLEAR!》
その音声とともにオリジオスバグスターは爆撃し、エグゼイド達はデンジャラスフロンティアのバグスターに完全に勝利した。

「よくやってくれたな。」
《Dangerous frontier!》
プロットはデンジャラスフロンティアの起動を確認する。
「さて、残るはダーティネスだけだが、あいつは俺の手でやるか。」
「大丈夫なのか、プロット?」
「ああ。ダーティネスリバースだけは最初から起動出来ていた。」
「そうじゃなくて、そんな身体で大丈夫なのか!」
「問題ない。それに、あいつらの力では、ダーティネスには勝てない。だから、俺がやる。」
プロットはダーティネスリバースのドーズフロップを握りしめながら言った。
go to next game.

次回、仮面ライダープロット
最強最大の敵、ダーティネス。プロットは、最後の戦いに挑む。そして─次回『壊れ行くbrain』 

 

第12話『壊れ行くbrain』

「花家先生をはじめ、皆さんのおかげで残るバグスターはダーティネスのみとなった。」
「それで、ダーティネスのゲーム、ダーティネスリバースは誰のガシャットにインストールするのですか?」
「落ち着け小僧。ダーティネスは俺がやる。」
「卓弥さんこそ落ち着いて下さい。ゲーム病の身体では無茶です。」
「馬鹿なことを言うな。ダーティネスはお前たちでは絶対に勝てない。」
「どうしてそんなことがはっきり言えるんですか!」
「ダーティネスは元々課金することで倒せるように作られている。お前たちでいう所のゲムデウスみたいなものだ。同じダーティネスリバースの土俵で戦う以外の選択肢は無い。そして、終わりのないゲームで戦うなら、制作者である俺がやるしかない。」
「ですが…」
「大丈夫だ。ダーティネスのデータは俺達で作った。観ていろ。」
《ステージ セレクト》
プロットはダーティネスのゲームエリアに移動した。

「漸く相見えた、我が創造主。」
「漸くって、本気で言っているのか?」
「無論、その為に我がゲームを使用出来るように仕組んでおいた。」
「だったら、前置きは要らないな。変身、ログイン!」
《ガ セット ロード  レベルマックス》
プロットは仮面ライダープロット ソーシャルゲーマー レベルマックスにレベルアップする。
「行くぞ!」
《マッスル化 マッスル化 マッスル化 ジャンプ強化 回復 マッスル化 硬質化 伸縮 伸縮 高速化》
仮面ライダープロットは超強化した拳をダーティネスバグスターに放つがダーティネスバグスターはまるで何事も無かったかのように仮面ライダープロットを剣で切り裂く。
「グッ!」
若干の防御上昇など焼け石に水がごとく仮面ライダープロットは大ダメージを受け、変身が解除される。
「やはり無課金で勝つのは不可能か。仕方ない…課金開始、変身!」
プロットはダーティネスリバースをセットし、マウスカーソラーを2回スライドさせてダブルクリックする。
《ガ セット ロード ロード  ランクマックス ♪どんどん注ぎ込め運営膨らめトップランカー!》
プロットはソーシャルゲーマー ランクマックスにパワーアップする。
「これならどうだ!」
《剛力化 金剛化 神速化 神速化 剛力化 全快 分身 風 火 剛力化》
仮面ライダープロットは更に強化した拳に速度と属性をのせてダーティネスバグスターを攻撃するが、ダーティネスバグスターは剣に力を込めて分身した仮面ライダープロットを薙ぎ払い、仮面ライダープロットの本体が放つ拳を受け止め、捻りあげる。
「グァァァッ!」
「どうした?そのようなせこせこした戦術では我に勝てぬぞ!」
ダーティネスバグスターは仮面ライダープロットの拳を掴みながら蹴り飛ばす。
「グッ!」
仮面ライダープロットはすかさずガチャを回す。
《全快 金剛化 金剛化 タカ 透明化 金剛化 ジャンプ強化 高速化 マッスル化》
仮面ライダープロットは姿を消して上空からダーティネスバグスターに向かい、クロノスフェイタルプレートでダーティネスバグスターを攻撃しようとする。しかし、
「そこか!」
ダーティネスバグスターは風の音で仮面ライダープロットを察知し、クロノスフェイタルプレートによる攻撃を剣で受け止め、暗黒の魔法を唱え、仮面ライダープロットを吹き飛ばす。
《ガ セット ログアウト…》
吹き飛ばされた衝撃でプロットの変身は解除されてしまう。
「やはり、創造主といえど我には敵わぬか…」
ダーティネスバグスターはプロットに近づく。
「それは無いな。」
倒れ込んでいたプロットは軽いステップでよける。
「何を愚かな。あれほどのレアエナジーアイテムを使いなお我に歯が立たなかった。これ以上の恥の上塗りは見るに耐えん。」
「ダーティネス、お前は一つ勘違いをしている。」
「何?」
「俺は確かにお前を最強に作り上げた。だが、勝てないように作ってはいない。」
「何が言いたい?」
「お前を倒せるインチキのような技が、俺達プレイヤーにはある。それは─」

「やめろプロット!それは使うな!」
CRにいるレイズが通信でプロットを止めようとする。
「竜城さん、どうしたんですか?」
「プロットは、あのゲームの正当な、最も卑劣な方法を使おうとしている。」
「一体、何ですか?」
「少しは考えろ。ダーティネスリバースはソーシャルゲーム。だからこそ出来る魔法のようなパワーアップはたった一つだけだろ?」
永夢が悩んでいると、
「分かった!課金でしょ!」
ニコが大きな声で言った。
「…そうだ。ダーティネスリバースにはソーシャルゲームの醍醐味であり麻薬のように危険な一面のある課金システムをドーズフロップに搭載している。現にプロットは既に課金システムを微量使った。」
「でも、あれの危険な部分って何ですか?」
「無論、課金というからには支払うものがある。あのドーズフロップによって支払われる代償は、正常な大脳皮質だ。」
永夢の質問にレイズは答える。
「それって!」
「ああ、微量でも危険なものだ。プロットはフルパワー、つまり廃課金をしようとしている。だから止めようとしたんだ!」
「でも…どうしてそんなものを作ったんですか!」
「あれは元々全てのバグスターを消し去る為に作ったドーズフロップ。プロットがバグスターウイルスの根絶の為に命を賭けていた証だ!俺達だって止めた。けど、プロットはお前たち無能な衛生省に出来ない代わりに自分でやると言って聞かなかった。」
『…レイズ、助六、悪い。こいつを倒さないとバグスターが増え続ける。だから、こいつは俺が倒す。あとは、2人に任せる。』
「…お前の覚悟、よく解った。存分にやれ!俺達バグスターウイルス研究所の、本気を見せてやれ!」
「ちょっと、竜城さん何を言っているんですか!」

「─課金だよ、課金。それが、お前を倒す切り札だ!」
《Dirtiness Rebirth》
「廃課金、変身!」
《ガ セット ロード ロード ロード………リミットブレイク ♪裏切り上昇!蹴落としゲット!コングラチュレーション!》
プロットは禁断の力を使い仮面ライダープロット コングラチュレーションプレイヤーに変身する。
「まずは、これを購入!」
《友情》
仮面ライダープロットは超レアエナジーアイテムを使用。五種類のガシャコンウェポンを出現させる。
《フェイク シンフォギア Double critical finish!》
仮面ライダープロットは音のエネルギーを纏った紅蓮の龍でダーティネスバグスターは攻撃。
《Kimewaza!戦姫絶唱critical finish!》
仮面ライダープロットはガシャコンソードから蒼い雷を放つ。更に、
《Kimewaza!戦姫絶唱critical finish!》
ガシャコンマグナムから赤い矢を複数放ち、
《Kimewaza!戦姫絶唱critical finish!》
ガシャコンスパローから緑色のエネルギーの刃を放つ。しかし、ダーティネスは正面からぶつかり、それらをかき消す。
「これならどうだ!」
《正義》
仮面ライダープロットは更に超レアエナジーアイテムを使用しダーティネスバグスターに猛ラッシュをかける。
「んじゃ、課金ガチャでも回すか!」
《暴走 終焉 終焉 終焉 液状化 神速化 神速化 逆転 幸運 幸運》
「チッ、ハズレかよ!」
液化した仮面ライダープロットはダーティネスバグスターと互いの防御、ライダーゲージを逆転させ、無数の天変地異の中で悪態をついていた。無理もない。ダーティネスバグスターはそんな中をまるで舞うように回避していたからだ。
「仕方が無い。もう1回回すか。」
《破壊者 記憶 欲望 希望 戦極 フルスロットル 開眼 先輩 分身 剛力化》
仮面ライダープロットはエナジーアイテムの複合効果が発揮され、ディケイド最強コンプリートフォーム、ダブル サイクロンジョーカーゴールドエクストリーム、オーズ スーパータトバコンボ、ウィザード インフィニティードラゴンゴールド、鎧武 極アームズ、ドライブ タイプトライドロン、ゴースト ムゲン魂が出現する。
「いいねぇ。がんばれ。」
出現した平成最強フォームの仮面ライダー達はダーティネスバグスターを攻撃してゆく。

「見ろ。あれが、ゲームに取り憑かれた姿だ。衛生省、お前たちは花家先生に散々誹謗中傷したが、どうだ。」
レイズの言葉に永夢達は黙ってしまった。

そんな中でも仮面ライダープロットはダーティネスバグスターとの戦いを楽しんでいる。
「どうしたどうした!最強のバグスターじゃねえのか!?」
「馬鹿な!(われ)が圧されるなど!」
「次はこいつだ!」
《停止 平面化 暴走 剛力化 剛力化 切り札 蠍座 天才化 金剛化 金剛化》
仮面ライダープロットはダーティネスバグスターの攻撃をかいくぐりダーティネスバグスターの動きを止めて強力なキックを放つ。
「くっ、このような輩に!」
「なんだっ!大したことねえな!」

「あの力…レベルでいうと50万といったところか…」
モニターを観て黎斗など呟く。
「レベル50万!?そんなんレベルなんて無いようなものじゃん!」
黎斗の言葉にニコは驚く。
「それでも、ダーティネスは互角に戦っている…」
「研修医、俺達は今はサークル主を観ているしか出来ない。」
飛彩の言葉を聞き、永夢はモニターを観ることしか出来なかった。

「さて、こいつで終わりだ!」
《ガ セット ロード ロード ロード……リミットブレイク Dirtiness Rebirth!クリティカルフィニッシュ!》
仮面ライダープロットは必殺技を発動する。それにより、仮面ライダープロットの両足が金色に光り、
「トドメだ!」
見事な両足蹴りをダーティネスバグスターに放つ。
「…馬鹿な!これは…何かの間違いだぁぁぁ!」
ダーティネスバグスターは最後まで己の敗北を認めないまま撃破される。
《ストーリーモード クリア》
渇いた効果音がゲームエリアに響き渡る。そして、ダーティネスリバースのドーズフロップはオーバーフローを起こし、破損。プロットの変身は強制的に解除され、ゲームエリアから追放される。

ゲームエリアから戻ってきたプロットを見てレイズ達は驚いた。そこにいたのは、目の焦点が定まらず、髪はグレーになり、何か譫言を呟いているプロットがいたからだ。
「どうしてこんな…」
「言ったはずだ。プロットは人生を課金したんだ。廃課金ともなれば、変身しただけで真っ当な脳神経は死滅する。」
「どうしてそんなことが言えるんですか!」
「プロットが言っていただろ。後は俺達に任せると。だからだ。」
「…そうだ…イベント回さないと。」
レイズと永夢のやりとりなど眼中に無いプロットはダーティネスリバースを開く。
「ちょっと、プロット!あの2人止めなくていいの?」
「うるせえ!今ランキングを上げているんだ!黙ってろ!」
近づくニコをプロットは突き飛ばす。
「無駄だ。今のプロットにまともな脳神経は残っていない。ゲームの為の神経が残り、プロットはゲーム中毒とゲーム依存症の末期状態だ。救いようが無い。」
レイズが説明していると、
「見つけたぞ!仲里竜城、西原香野子、そして大園卓弥!衛生省にまで来てもらう!」
衛生省の役人がCRに入ってくる。
「お前、やっぱり俺達の居場所を!」
レイズはニコを睨む。
「ちょっと!私じゃないんだけど!」
「じゃあ誰が!」
レイズとニコが口論を広げると、
「私が伝えた!」
ドヤ顔をした灰馬がやってくる。
「親父!?」
飛彩は驚く。
「彼らが、バグスターウイルス研究所に属する犯罪者です。」
灰馬は役人達をレイズ達に向かわせる。
「ちょっと待って下さい。」
永夢は止めようとするが、
「宝生君。君はCRを潰すつもりかい?」
灰馬に嫌みったらしく言われた永夢は抵抗を辞める。すると、
「仕方がない。どうせデッドリィトゥルースも調べられているだろう。助六、新設のオフィスに行くぞ!」
レイズはプロットからパーソドライバーを奪い装着。そして、
《トゥルーアドベンチャー♪ ステージ セレクト》
トゥルーアドベンチャーのゲームエリアに逃げる。
「やべえ、全然ランキングが上がらねえ。」
そこには、自分の行動に誇りを持っていたプロットなど、何処にもいなかった…
go to next game.

次回、仮面ライダープロット 最終回
終わらないバグスターウイルスによる被害。レイズはプロットの意志を継ぎ─次回『終わり向かうGame』 

 

最終回『終わり向かうGame』

8月15日、コミックマーケット92の三日目、レイズ達バグスターウイルス研究所はサークル参加者として配布作業に勤しんでいた。
「こちら三人の列になって下さい!こちら三人で並んで下さい!」
助六は係員と一緒に列の誘導をしている。
「New work for fifteen please.」
「okay,¥60,000yen please.」
レイズは売り子に任せず、自ら販売している。
「ジョーカーズストライクを一つ下さい。」
「はい、2,500円になります。」
一般参加者はお金を渡す。すると、
「お客様、こちら五百円ではなく500ウォンです。」
レイズが呼び止めると一般参加者の一人は逃げ出す。
「待って下さい!あの抱きつかれティーシャツを着て今年の公式のバッグを持ったあの人、料金詐欺しています!」
レイズが係員に言うと、係員はすぐにメガホンでアナウンスする。すると、他のサークルの列に並んでいた一般参加者達が料金詐欺をした一般参加者を囲い、取り押さえた。
「お客様、困ります。」
レイズが言うと、一般参加者はしぶしぶ支払った。
「ただいまグランドランナー売り切れました!」
そんな中でも、配布物は着実に売れていた。
「あ、レイズさん。お久しぶりですね。」
「あぁ、ドライアイスさんこそ、前回は落選したと聞いて残念でした。」
「そんな、言っていただきありがとう御座います。スクロールスイーパー、なかなか難しく作ってありますね。僕4面までしか行けませんでした。」
「いえいえ、あれを全面クリア出来るには運も絡んできますから。あ、そうだ。こちら、今回の新作です。」
レイズは成人指定版のトゥルーアドベンチャーを一つ渡す。
「あ、すみません。ではこちらも。」
知り合いのサークル参加者もレイズに新作の配布物を渡す。
「ありがとう御座います。」
レイズ達が話していると、
「新作、全て完売です!」
助六の声にレイズは驚いた。
「これなら、早めに撤収出来そうだな。」
レイズは時間を見る。
「あ、僕の方はまだ回る所がありますので。ここら辺で。」
「お疲れ様です。」
レイズと知り合いのサークル参加者は分かれて配布作業戻る。

その日、バグスターウイルス研究所は過去最大の売り上げを出した。
「今年もやっぱり海外からの転売屋がたくさんいたね。」
「ああ。だけど、日本で売らず、そいつが海外で知人に売る分には目を瞑ってやるつもりだ。売れた時点で俺達の売り上げは確定する。それに向こうで俺達の名前も広まる。向こうだって、会社員とかで必ず休みが取れるわけじゃない。そうなればそういう仕入れする奴がいる方がいいだろ?俺が嫌なのは、むしろあの料金詐欺をする輩だ。」
「ホント、こっちはわざわざお品書きを載せているんだから、払う気がないなら来ないでほしいよね。」
「まったくだ。さて、次回の冬コミ用に向けて、新作の制作に入るか。」
レイズはトゥルーアドベンチャーのゲームエリアにあるパソコンを開く。
「ねえ、レイズ。プロットはもう戦えない。そろそろ、終わりにしましょう?」
「助六、俺はあの日、プロットの意志は俺が継ぐって言った。これはプロットの戦いでもあり、俺の戦いでもあるんだ。」
「でも、ドーズフロップは全てプロットしか使えない。」
「だから、冬コミ用の新作を作る。そうすれば、それは俺のアカウントで変身出来る。」
「…わかった。応援しているよ、レイズ。キャラクターが決まったらいつも通り台詞の収録だね?」
「ああ、頼んだぞ。」
レイズ達は、新作のドーズフロップの制作に入った。

それから1週間後、カイデンバグスターの出現情報を確認し、レイズは向かう。
「己が名はカイデン。位、99段也。」
「レベル99。中級とはいえ、かなりレベルアップしているな。こっちも、新作の力、みせてやる!」
《パーソドライバー起動……ロード完了》
「アナザーステップ!」
《トゥルーアナザー!》
「変身!」
《ガ セット ロード レベルアップ!♪底辺からの逆転劇!決めろ!true another!》
レイズはアーマーカラーが異なるアドベンチャーゲーマー、仮面ライダーレイズ アナザーアドベンチャーゲーマーに変身する。
「行くぜ!」
仮面ライダーレイズはカイデンバグスターに向かってゆく。
「甘い!」
カイデンバグスターは二刀流をマスターしていることでレイズの軌道上と回避する可能性のある位置に刃を放つ。しかし、仮面ライダーレイズはあえてダメージを受ける覚悟でカイデンバグスターの懐に入りキックでカイデンバグスターにダメージを与える。
「んで、ここでベストセレクト!」
《回復》
回復のエナジーアイテムと、トゥルーアナザーの効果で仮面ライダーレイズのライダーゲージは完全回復する。
「次は、確か─」
仮面ライダーレイズが触れたセレクトは、バッドセレクトであった為、ライダーゲージの四分の一を失い、更に、
《挑発》
バッドステータスのエナジーアイテムを取得してしまう。
「おぬし、愚弄しておるのだな!」
カイデンバグスターは乱れ斬りで仮面ライダーレイズを攻撃し、仮面ライダーレイズのライダーゲージは大幅に減少してしまう。
「ここでベストセレクトを取らないと…」
仮面ライダーレイズはエナジーアイテムのシンボルに飛び込む。しかし、
《混乱》
バッドセレクトであった為、ライダーゲージは減少し、エナジーアイテムの効果で意識が混沌としてしまう。
「今が好機!居合の太刀、一閃!」
カイデンバグスターの攻撃を受けて仮面ライダーレイズのライダーゲージはゼロになってしまう。
「まさか!馬鹿な!」
仮面ライダーレイズの身体がデータになり始める。
「まさか…中級バグスターに…負ける…なんt…」
仮面ライダーレイズの身体は完全に消滅してしまう。

「竜城ぃぃぃ!」
ゲームエリアにいた助六は叫ぶ。

装着者を失ったパーソドライバー落下し、
《バッドエンド ゲームオーバー…》
渇いた音声が鳴り響いた。

「こんな時、プロットが無事だったら…」
助六は、ショックで泣き崩れる。

その頃、プロットは電脳救命センターの特殊隔離病棟に閉じこめられていた。
「…よっしゃ、今回もランキング1位だ。」
プロットは既に誰もログインしていないダーティネスリバースのイベントで1位になりはしゃいでいる。あの時、置いていかれたプロットは衛生省に捕獲されるが、ゲームに手を出せないとすぐに自殺しようとする為、衛生省も会話が行えず、飛彩の案により、ゲーム医療関連である為、電脳救命センターに特殊隔離病棟を設置し、プロットを隔離して、プロットにゲームをさせ続けている。
「ゲンム、プロットをどうにかできねえのか。」
「花家先生、あなたも見たでしょう。先輩の大脳皮質は、ゲーム関連の用語のみのわずか6%を残して機能が壊れてしまっていた。いくら神の力をもってしても、出来ることと出来ないことがある。」
「無免許医、かつて自分が治した患者の一人であるサークル主があんな姿になって、悔やむ気持ちは分かる。だが」
「そうじゃねえ。これだけ医療が進んでいるのに、あいつが治せないのが悔しいんだ。」
「卓弥さん…僕は、あなたの笑顔を取り戻すって言ったのに…」
「永夢、君は勘違いをしている。先輩はある意味、あの状態の方が幸せだとも言える。」
「どうしてですか、黎斗さん!」
「考えてもみたまえ。先輩はどの道あの力に手を出していた。君は、ポッピーを失いたいのかい?」
「それは…」
「そうなれば、我々とも戦うことになっていた。君はドクターとして、先輩の命を奪わなければならない。違うのか?」
「それは…」
「それならば、自分で選んだ選択肢を楽しみ、全てから閉ざされた世界。その方が、先輩の、君たちの幸せと言うものだ。」
黎斗の言葉に、返せる者はいなかった。

冬になり、助六は支援してくれた人を売り子にしてトゥルーアナザーを販売。しかし、バグスターウイルス研究所の赤字は過去最大を記録し、バグスターウイルス研究所は解散となった。
This game is bad end equal true ending. 
 

 
後書き
この度は、当作品を閲覧いただき、誠にありがとう御座います。作品内では転売屋は人によりけりと書きましたが、筆者自身は、他の購入者の妨害にしかならない為、断固否定です。
内容的に納得出来ない方も多々いらっしゃるかと思いますが、筆者がこの作品で描きたかった内容は、エグゼイド本編で語ることがなかった『精神性の病』、『オペを拒否された患者の未来』です。読者の皆様に伝わったか分かりませんが、楽しんでいただけた方、憤慨なされた方、是非感想を送って下さい。
最後に、もう一話だけ、トゥルーエンディングを用意いたします。興味のある方は是非、そちらも閲覧して、この作品の真のページを閉じて下さい。本編を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 

 

true ending

「……ここは?確か俺は、カイデンに敗れて…」
レイズが目を覚ますと、アルファベットと数字、微量の記号が羅列する空間にいた。
「一体何なんだ、ここは?」
レイズは当てもなく歩き続ける。その中であるものを見つけた。そこには扉があり、『http://www.wikisoku,KAMEN,RIDER,CHRONICLE.co.jp』と書かれていた。
「これって!」
レイズは扉を開ける。扉が開くと、更に小分けされた扉が現れる。レイズはその中の『http://www.wikisoku,KAMEN,RIDER,CHRONICLE.Cronus.co.jp』を開く。そこには、レイズも見慣れた文章があった。
『仮面ライダークロノス
ライドプレイヤーが変身可能な最強形態。以下の手順で入手が可能。
①ポッピーピポパポからバグルドライバーⅡを入手
②ゲムデウス以外の全てのバグスターを撃破
以上の条件が揃うことでクロノスへの変身が可能となる。
ポーズ機能
仮面ライダークロノスには全ての時間を停止させるポーズと呼ばれる機能が存在している。本来なればポーズが発揮された時点でクロノスを含む全てのものが停止するが、クロノスは両肩に搭載されているクロノブレードショルダーによって影響を受けないが、このクロノブレードショルダーを破壊された場合、自身もポーズ機能で停止してしまうため、注意が必要。
セイヴァーファイトグローブ&シューズ
クロノスは物理でダメージを与えた場合、それらに対応したパンチ、またはキックがパワーアップする。これは長期戦を想定したゲムデウスに極めて有効となる。
これら以外にもクロノスには特定数値以下のダメージを無効化する機能、全てのガシャコンウェポンを使用出来る機能が備わっている。』
「これって…」
レイズが眺めていると、
「そうだ、俺達が作った仮面ライダークロニクルの攻略ウィキだ。」
「プロット!どうしてここに!」
後ろからプロットが現れる。
「お前こそ、どうしてここに来た!俺の意志を継ぐのはいいが、こんなことまで継ぐな!」
「それよりプロット、これは一体どういうことだ。」
「ここはネットワークの空間。パソコンがベースとなっているパーソドライバーのデータベースの一部だ。」
「俺達は何故ここにいる。」
「パーソドライバーを使って敗北した使用者の為の冥界のような場所としてここを設定したからだ。」
「プロットはどうしてここに。」
「廃課金してもなおバグスターを仕留めきれなかった場合、この電脳空間にいるバグスターを駆除するためにあらかじめプログラムしていたからだ。」
「プロット、一緒に現実世界に戻ろう。」
「嫌だ。俺はようやくこっちでバグスターと戦う方法を作った。それに、どうせ戻っても俺は隔離病棟にいる。衛生省が何も出来ないのをただ観てろというのか。それなら俺は、こっちで生きる道を選ぶ。そんなに連れ戻したいなら、力ずくで連れ戻してみせろ。」
《戦姫絶唱シンフォギア!エクスドライブアンリミテッド!》
「そう言えばプロット、黎斗に渡したはずのそのガシャットを何故持っている?」
「黎斗に渡したのはコピーデータ。これはオリジナルデータのガシャットだ。変身!」
《バグルアップ!  ジェノサイド!  ウォ~!》
プロットはバグルドライバーにガシャットをセットし、仮面ライダープロット ダウルダヴラゲーマーに変身する。
「仕方がない。アナザーステップ!」
《トゥルーアナザー!》
「変身!」
《ガ セット ロード レベルアップ ♪底辺からの逆転劇!決めろ!true another!》
レイズも仮面ライダーレイズに変身する。
「♪殺戮の 福音に血反吐と散れ!」
仮面ライダープロットは殲琴・ダウルダヴラのリズムで戦う。
「くっ、リズムゲームは苦手なんだよ!」
仮面ライダーレイズは防戦一方になる。
「♪微分子レベルまで解剖して 反逆を 永劫に絶つ!」
仮面ライダープロットの攻撃は続く。
「♪血液 一滴 残らず 憎悪と 力で 掻き毟る!狂え堕ちよ世界 崩れる love song…」
仮面ライダープロットは機械仕掛けの獅子を呼び、乗り込む。
「♪奇跡など殺すと誓ったのだ!思い出など微塵も焼き消して」
機械仕掛けの獅子はページを破壊してゆく。
このままじゃヤバい!
仮面ライダーレイズは現在のページからブラウザバックし、
『http://www.wikisoku,KAMEN,RIDER,CHRONICLE.GATTON.co.jp』
に入り、左手にロボットアームを装着する。
「♪世界を壊す歌が忘却へと!」
「プロット、目を醒ましてやる!」
「♪愛など見えない 愛など解らぬ 愛など終わらせる!」
機械仕掛けの獅子は仮面ライダーレイズに飛びかかるが、仮面ライダーレイズはロボットアームを射出、それによって機械仕掛けの獅子は破壊される。
「やるな。」
「プロット、諦めてくれ!」
「無理な話だ!とっておきをみせてやる!」
《零アフター。》
仮面ライダープロットはドーズフロップを起動させる。
「何っ!」
《パーソドライバー起動……ロード完了 ガ セット ロード レベルアップ》
「アフターステップ!」
《♪未来はきっと 見えてる 答え 信じ進むだけ》
仮面ライダープロットはドライバーをバグルドライバーからパーソドライバーに換えてドーズフロップをセット。仮面ライダープロット アフターアドベンチャーゲーマーにレベルアップし、ガシャコンカルテットを取得する。
「何だ、そのドーズフロップは!」
「これは俺がこっちで作ったドーズフロップ。ゲーム内容は、零とのアフター5を描く恋愛アドベンチャーゲームだ。」
「なんだか分からないが、プロットを止めてみせる!」
仮面ライダーレイズはがむしゃらに向かうが、
「こいつだ。」
《金剛化》
仮面ライダープロットはエナジーアイテムを取得する。その防御を上げ、仮面ライダーレイズに反射ダメージを与える。
「やっぱり零ルートの続編だけあって防御が堅い!」
「こいつでどうだ!」
《キメワザ!戦姫絶唱!CRITICAL FINISH!》
仮面ライダープロットはガシャコンカルテット 大剣モードにシンフォギアガシャットをセットし、必殺技を発動。仮面ライダープロットはジャンプしガシャコンカルテットは巨大化。仮面ライダープロットはガシャコンカルテットの柄に足を添えて刃で仮面ライダーレイズにキックを放つ。しかし、技が大振りである為、仮面ライダーレイズは簡単に回避する。それに合わせて仮面ライダープロットはガシャコンカルテットを二丁拳銃に換える。
《キメワザ!戦姫絶唱!CRITICAL FINISH!》
仮面ライダープロットは再び必殺技を発動。ガシャコンカルテットはそれぞれガトリングに変わり仮面ライダーレイズを狙うが、仮面ライダーレイズは回避。その弾丸は仮面ライダークロニクルの攻略ウィキを破壊する。
「プロット!俺達の仮面ライダークロニクル攻略ウィキを破壊するつもりか!」
「仮面ライダークロニクルは終わった!もう必要ない!それに、仮面ライダークロニクルはバグスターの攻略法ではない!」
プロットの攻撃によって、ガットンの攻撃ページは破壊されてしまう。

「あれ?なんで入れないんだ?」
現実世界で仮面ライダークロニクル攻略ウィキを開いていた男性は、表示されないページに苛つく。

「危なかった!」
間一髪、仮面ライダーレイズはガットンのページから脱出していた。
「あれを奪わなければ危険過ぎる。」
仮面ライダーレイズはダメージ覚悟で仮面ライダープロットに突進する。
「何のつもりだ!」
仮面ライダープロットはガシャコンカルテットを銃剣モードに換える。
「こういうことだ!」
《マッスル化》
仮面ライダーレイズはマッスル化でパワーアップして突進。力任せの攻撃でガシャコンカルテットを奪い取る。
「やるな。」
《煽動》
仮面ライダープロットはエナジーアイテムを取得する。
「なんだ?ハズレのエナジーアイテムを取って。行くぞ!」
《キメワザ!戦姫絶唱!CRITICAL FINISH!》
仮面ライダーレイズは必殺技を発動し、銃剣の刃を回転させて突進する。しかし、
「待っていた!俺が何の考えもなくエナジーアイテムを取ると思うか!俺にトゥルーエンド、お前は永遠のリプレイだ!」
《ガ セット ロード キメワザ!零アフター。クリティカルフィニッシュ!》
「しまった!」
仮面ライダープロットは必殺技を発動。仮面ライダーレイズは思惑に気づくが、時既に遅く、ワイヤーのようなものが仮面ライダーレイズを取り押さえる。そして、
「終わりだ。」
多方向からくる凄まじいレーザーによる砲撃と爆撃が仮面ライダーレイズを蹂躙する。
「ガァァァァッ!」
その攻撃は、満タンであった仮面ライダーレイズのライダーゲージを一瞬にしてゼロにしてしまう。そして、その余波で仮面ライダークロニクル攻略ウィキのトップページは崩壊する。
「プロット…どうして…」
「バグスターウイルスを相手に、人間が勝てるわけがない。そうなれば、バグスターと似通った肉体が必要だった。だが、俺はバグスターにならなかった!だが人間にも戻れない。そう…俺は仮面ライダーだ!」
プロットは仮面ライダークロニクル攻略ウィキの扉を開けて出て行き、取り残されたレイズはホームページの崩壊に呑み込まれる。
「なんで……なんでこんなことになるんだよ!」
レイズは嘆き、そして、
《バッドエンド ゲームオーバー…》
レイズ自身のURLとともに、仮面ライダークロニクル攻略ウィキはURLが削除される。
「レイズ、許してくれなんて言う気はない。だがな、見つけたんだ。全てのバグスターを滅ぼす方法を!何年、何十年かかるか分からない。だが、俺は決してくじけない!俺自身のURLが残っている限り!」

「あれ?いつの間にこのサイト無くなったんだ?」
仮面ライダークロニクル攻略ウィキを開こうとした男は疑問に思う。
『このページは存在しません
URLが変更されたか、削除された可能性があります。』
This game is bad end equal true ending.