『LIFE』


 

『抹消』


心の隅から隅迄総て吐き出したところで何にも成らない。

そう何にも成り得ないなら殺すしかない。

お互い理解出来てないところなんて当たり前に有る。

脳味噌ぐっちゃぐちゃに掻き廻して心臓は捻り潰そう。

総ての痛みや怒り,憎しみすら消えてしまうように。

いっそ誰かが抹消してくれたら楽なのに。

生まれ代わったらなんて言うけど,生きるだけで面倒臭い[人間]なんかには二度と成りたくもない。

誰の記憶からも消えてしまいたい。

君の記憶にも残らなければ悲しませずに済む。

人生のやり直しなんて甘っちょろい事は無い。

失ってくものが多く在るのに得るものなんて僅か。

代償ばかりが増えてくだけの人生。

生き甲斐なんて何処に在るんだろうか。


 

 

『夢の機械』



握り潰してきた塊がいつの間にか頑丈な鋼に成る。

心臓に蔓延る其れは重くて苦しくて痛くて,それでも消えてくれない。

胸を切り刻めば消えるかな。

ハラワタ抉り出せば無くなるかな。

紙屑みたいに簡単に塵と成ればいいのに。

粉々にしてくれる機械が在れば此の躰ごと飛び込むのに。

そんな夢の様な処理機は何処かに在るかな?


 

 

『糸』



糸が切れた。
其れは何の糸なのか誰にも理解の出来ない糸。

今はもう此の世には居ない唯1人だけが解り得た糸。

其れは何が在っても切れてはならない糸だった。

其れが切れてしまえば理性は勿論、心なんてものも欠片すら無くなるから。

だから切れた糸を歪でもどうにか結んでみる。

失いたく無いもの唯1つ此の世にまだ在る。

此の躰、此の心、此の人生の長い時間...そんな犠牲だけで済むなら安いものなのかもしれない。

何を犠牲にしてでも守るべきものが在るうちは救いなんだろう。

そう思えるうちはまだ大丈夫なのかもしれない。

それでもカウントダウンは始まってることに変わりはない。


 

 

『終われない』



悩むより逆らうより我慢することに慣れたつもりでいた。

口に出したって変わらないなら意味がないから。

厄介なだけだし時間が無駄になるのは嫌だから。

そうやって何年も蓄積されてった。

命ある限り終われない日々。


 

 

『アレ』



顔の判別もつかない。

性別すら解らなくなってる。

骨格も曖昧な感じ。

何もかもが砕けて粉々で赤の世界に居た。

きっと此の物体はアレに違いない。


 

 

『生死』



目を瞑ればいいだけ。

耳を塞げばいいだけ。

口を開かなければ...。

心ごと殺せば...。

そんな窮屈な処で息はできない。

死んだ方がマシなレベル。

自由で完璧な居場所なんて無い。

解ってる。

求めちゃ駄目なこと。

解ってる。

もう自由を求める事自体諦めなきゃってこと。

解ってる。

此処でしか生きれないんでしょ。

言い聞かせるから。

解ってる、だから待って。

今、息をして半分だけ生き還るから。

でも、後半分は殺したまんまでいさせて。