世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!


 

第一話 ジライヤ参上

第一話 ジライヤ参上

七色ヶ丘中学校

「ほへ~」

ある晴れた昼休みの教室、健全な学生たちなら勉強にスポーツに励んでいるであろう青春の貴重な時間にあかねが何やら無気力で机に突っ伏していた。

「あれ?あかねちゃんどうしたの?」

みゆきが心配になって尋ねてみると・・・

「いやな~何か父ちゃんがアルバイト雇ったんや」

「え?アルバイト?」

あかねの話にやよい、なお、れいかも集まる。


日野家にて

「山地闘破?変わった名前やな」

「はい!」

茶色のジャンパーに身を包んだ青年山地闘破が大吾の面接を受けていた。

どうやら家の家計を助けるためにアルバイトに来たらしい。

それを聞いた皆の反応はというと・・・

「普通じゃない?」

至って普通のアルバイトの面接に対し、特に闘破の素性が怪しいとも何とも思わない、なおだが・・・

「それがな・・・」

どうやらあかねは闘破を怪しいと思っているらしく、その理由を上げてみる・・・

それは・・・


「いってらっしゃい!!」

「はぁ・・・」

お好み焼き屋のアルバイトであるはずの闘破にお弁当作ってもらったあかね。

更に・・・

「闘破!朝飯まだか!?」

「闘破!洗濯物お願い!」

「闘破!遅刻する!」

「はあい!!」

日野家の面々によって炊事・洗濯・送り迎えなど家事全般で散々こき使われてもけろりとしている闘破。むしろ慣れた様子でこなしていく。完全にお好み焼き屋さんのバイトの範囲を超えて家政婦化している。

「・・・あれじゃお好み焼きのバイトやのうてお手伝いさんや」

「けど何でもやってくれるんじゃ良い人なんじゃ」

「まだやて!車も持ってるんやけどな」




日野家にて

「いってらっしゃ~い」

ブーンパラリラパラリラ!!

黒いスポーツカーから独特の音共に発進する闘破。





「・・・もしかして暴走族?」

「まぁ・・・悪い奴じゃなさそうなんやけど・・・」

みゆきの言葉にあかねは闘破手作りのお弁当を開けた。

「・・・何やこれ?」

とても男が作ったとは思えないほどのカラフルな今風のお弁当である。

そして材料などもある物をやりくりしている生活環溢れるお弁当に目が点になるあかねだった。

「うわ~美味しそう・・・」

「けど味は・・・」

恐る恐る箸を進めて一口食べてみるあかね。

すると

「美味しいし・・・」

働いて家事ができて料理も美味い闘破に更に疑惑がわくのだった。


一方

「へっくしょん!!」

店の前を掃除しながら暢気にくしゃみする闘破。


「ねえあかねちゃん。闘破さんってただの良い人なんじゃないの?」

「い~や!絶対何かたくらんどる!」

みゆきの言葉を頑なに否定するあかね。

「どうしてそこまで意固地になるんだ?」

「・・・だってな・・・」

実はあかねが怪しいと思っている理由は闘破との買い物の最中だった。

「重いよ~」

「男なら我慢や!」

闘破に大量の荷物持ちさせているあかね。

「ちょっと待って!!あかねちゃんだって充分こき使ってるじゃん!」

「みゆき・・・話の腰を折らんの」

気を取り直して大量の荷物持ちをしている闘破とあかねが大通りを歩いていると風船を持った子供がトラックに気付かず道路に入ってしまった。

「あ!危ない!」

あかねが叫んだその時。

「危ない!!」

闘破が持っていた荷物を上に投げるとすかさず駆け出した。

「ちょ!闘破!!いい!?」

あかねが闘破の姿を見ると仰天した。

途轍もない身体能力で子供を抱き上げこちら側までジャンプしてきたではないか。

しかも衝撃で子供の持っていた風船が空に飛ぶと闘破が再び跳躍し風船をキャッチして子供の前に降り立った。

「飛び出しは危ないぞ!・・・ほら」

そう言って子供に風船を渡す闘破。

「闘破!上上!」

「ん?」

闘破が上を見ると降ってきたあかねの荷物にプレスされてしまうのだった。

「あんな身体能力普通やないって!!」

「まぁ・・・確かに怪しいかもな」

あかねの話を聞いた、なおは頷いた。

「けど!ひょっとしてその人秘密のヒーローだったりして!」

目を輝かせながらやよいが言うがあかねにはそんな風には見えない。


そんなこんなで、あかねが帰宅すると弟がいないことに気付いた

「ん?げんきは?」

「ああ~げんきなら」

「ただいま~」

戸を開けて入ってくるげんき。
 
「げんき何してたん?」

「ん?闘破がバイト代貰ったからってゲーセン行こうって誘ってくれたんや~」

ニカっとしている、げんきに、あかねは再び目が点になるのだった。

(怪しい・・・ウチの家族を騙くらかしてなんかやるつもりか!?)

とあかねは闘破への疑惑を募らせるのだった。




バッドエンド王国

「ぐうるるるる!!プリキュアの奴らあああ!!」

ウルフルンが頭に筋を浮かべながら打倒プリキュアの意思を固めているとマジョリーナがいらっとしたのか答えた。

「お前馬鹿だわさ!何で毎回毎回5人同時に相手するだわさ!!」

「え?」

ウルフルンの頭に電球が浮かんだ。

「そうだ!毎回毎回5人同時に相手にする必要はねえ!だったら一人ずつ倒しゃあ良いんだ!!」

そう言いながら打倒プリキュアに向かうウルフルン。




翌日・路地

「・・・・・・・」

日野家の夕飯の買い物に向かった闘破を物陰からサングラスをかけたあかねが着けていた。

(こうなったら闘破の正体をバッチし突き止めたるわ)

そう言ってあかねは闘破の後をつけるのだが・・・

「お!闘破君闘破君!!」

「ん?誰やあの怪しいおじさん」

道で闘破とすれ違ったいかにも変なおじさん。

するとおじさんは水晶玉を掲げた。

「闘破君!君誰かにつけられてるんじゃないか?」

「え~誰?」

(ギク!!)

変なおじさんの言葉にギクッとしながら物陰に隠れるあかね。

「けどなぁ~楽珍さんの占いは当てにならないからな~」

「む!闘破君!なんて失礼な!いいもんいいもん!!」

そう言って闘破からとっとと帰っていくおじさんは隠れているあかねを見つけた。

「ん?お嬢ちゃん占いどう?」

「へ!?あ!いえ!結構です!!」

おじさんの誘いを断って逃げていくあかねは闘破にぶつかってしまう。

「うげ!!」

「ん?あかね?」

ぶつかってきたあかねに特に気にした様子の無い闘破。するとあかねは気まずそうに誤魔化しを決め込んだ。

「あ!いや!闘破・・・その・・・これは散歩や!!」

「とか何とか言って俺の正体でも探ろうとしてたんじゃないの~?」

ズバリ図星を言われてしまい汗だくになるあかね。

「ま良いや。まだ時間もあるし、ちょっと付き合えよ♪」

「へ?闘破!」

暢気な闘破に手を引っ張られ何処かへ向かうあかね。

その姿を何処からか見つめるウルフルン。

「お~お~ちょうど良いところに一人でいるじゃねえか~」

あかねが一人でいることにニヤリとしたウルフルンがあかねと闘破の後を追った。




七色ヶ丘の一角の忍者ランド。

忍者アトラクションなどのテーマパークに連れてこられたあかねが闘破に誘われるままにアトラクションで遊んでいる。

「よっと!!」

おもちゃの手裏剣の的当てをやっているあかねと闘破。

あかねはストライクをはじき出していた。

「お~あかね手裏剣上手いな」

「へっへ~んこれでもバレー部で鍛えとるからな~」

当初の目的をすっかり忘れてしまったのかガッツポーズで応えるあかね。

「よし!今度はあっちのアスレチックで勝負だ!」

「よっしゃ!負けへんで!」

等と言って闘破と遊んでいるとウルフルンが追いついてきた。

「おうおう!プリキュア!」

「げ!ウルフルン!?」

突然のウルフルンの登場に仰天するあかね。なお闘破はウルフルンの登場を見ても特にリアクションが無い。むしろ見慣れた様子でもある。

「なんのようやねん!」

「こういう時は先手必勝なんだよ!!」

あかねの文句を押しのけ絵本を構えるウルフルン。

「世界よ!最悪の結末!バットエンドに染まれ!白紙の未来を黒く塗りつぶすのだあああ!!」

ウルフルンが黒い絵の具で染める絵本を染めるとバッドエンド空間が発生した。

「な!?何だ?」

別世界と化した空間で闘破が周囲を見回すと人々が次々と無気力状態になっていった。

だがあかねにはもっと気になる事があった。

「へ?闘破何で平気なん?」

バットエンド空間でも無傷な闘破に仰天するあかね。

すると

「出でよ!アカンベェ!」

ウルフルンが青っ鼻を投げると近くに置いてあった忍者像に憑依した。

「アカンベェ~」

姿を現す巨大な忍者アカンベェ。

「妖魔一族?それとも新手の世界忍者か?」

忍者アカンベェが闘破の方をじっと見つめると・・・

「え?」

「闘破!危ない!!」

「うわ!!」

忍者アカンベェが闘破を掴み取ろうとするとあかねが闘破を突き飛ばし自らがアカンベェに掴み上げられてしまった。

「あかね!」

掴み上げられたあかねに向かって叫ぶ闘破。

「ウールフッフッフッ!!」

「貴様!!」

「何だ!?お前そいつを助けようと思ってんのか?」

ウルフルンの言葉に神妙な顔をやめ闘破ニヤ~っとして答えた。

「いやいや♪生憎俺は頭が柔軟なんだ~あかねの事なんてどうでもいいね~」

「へ?」

お気楽な様子の闘破の言葉に目が点になるあかね。

「あかねは俺に炊事~洗濯~掃除~荷物持ちまでぜ~んぶ俺に任せる性格ブスだしな~」

「むっかあああ!!なんやねん!!闘破」

「こら暴れるな」

折角助けたのに散々な言われようだったため忍者アカンベェの手の中であかねが暴れたその時だった。

「!!」

一瞬の隙を見逃さなかった闘破はウルフルンに飛び掛かり蹴り飛ばすと忍者アカンベェの手からあかねをいとも簡単に救出した。

「あかね!逃げるぞ!」

「え?あ・・・うん!!」

とりあえずここは闘破の言うとおりにする事にしたあかね。

「闘破!何やねん!今の言葉!」

「そう怒るなよ♪敵を欺くには口も達者じゃなきゃいけないんだ♪忍法の基本だよ」

「へ?忍法?」

闘破の口から語られた「忍法」という単語に引っかかるあかねだが素早くウルフルンが追いついた。

「おのれ!俺様に恥をかかせやがって」

「ここは俺に任せろ!あかねは逃げろ!」

「へ!ちょっと闘破!?」

あかねがパニックになると闘破がウルフルンに飛び掛かった。

「え?うわああああ!!」

飛び掛かられ投げ飛ばされるウルフルンは起き上がり殴りかかろうとすると懐から何かを取り出す闘破。

闘破が懐から取り出したものを見たあかねは仰天した。

「手裏剣!!?」

何で闘破がそんなものを持ち歩いているのか理解できないあかね。

「は!!」

「うげええええええ!!」

闘破の投げた手裏剣がクリーンヒットし後ずさるウルフルン。

「く!てめえ!いったい何者だ!?」

「俺は・・・」

ウルフルンの言葉に答えようとする闘破だが次の瞬間。

「うわ!!」

「!!」

あかねの背後に忍び寄っていた忍者アカンベェがあかねを捕獲してしまった。

「あかね!!うわ!!!」

闘破が一瞬あかねに気を取られると忍者アカンベェの投げた縄が闘破の身体を雁字搦めにされた。

「へ!おらよ!!」

「うお!!」

身動きの取れない闘破をウルフルンが蹴り飛ばし気絶させた。

目をつぶり倒れ込む闘破。

「闘破!うわああ!!」

忍者アカンベェに投げつけられあかねだが上手い具合に闘破の身体に当りクッションになった。

「この!」

スマイルパクトにキュアデコルをセットするあかね。

「プリキュア!スマイルチャージ!!」

指をスマップさせ炎を着火すると己の身体に纏わせた。

コスチュームが変わり髪型が変わり頬に光を当て覚醒する。

「太陽サンサン!熱血パワー!キュアサニー!!」

忍者アカンベェと対峙するサニー。

「アカンベェ~」

すると忍者アカンベェの姿が消えた。

「へ?うぎゃあああ!!」

いきなり背後を取られ殴り飛ばされてしまうサニー。

「何や!今日のアカンベェめっちゃ強いやん!!」

巨体の割に早い忍者アカンベェに翻弄されるサニーは掴み上げられてしまい握られてしまった。

「うわ!!!」

「なああっはっはっはっはっは!!いつもは5人のプリキュアも一人だと大したことないなあ」

「なんやてええ!?」

ウルフルンの罵倒に怒りマークを浮かべるサニー。

すると

「・・・・・・・」

忍者アカンベェに捕獲されたサニーを実は変身の時から見ていた闘破。

「あかね・・・そうかあかねがプリキュア・・・よし!!」

何やらもぞもぞと動き始める闘破。

するとどうやったのか縄からスルリと抜け出た。

「待ってろあかね!」

自由になった闘破は忍者アカンベェと共に戦うサニーの元へかけた。

「くう!!」

再び忍者アカンベェに握り締められているサニーは握力に潰されそうになる。

その時だった。

「!!」

空中から手裏剣が突き刺さった。

「闘破!?」

「あかね!大丈夫か!?」

「え?うちの事あかねって!闘破?」

忍者アカンベェに飛び掛かる闘破を仰天するサニー。

「馬鹿な!どうやって抜けた!ていうか!起きてたのか!?」

「敵を欺くことや縄抜けは現代忍者の基本だぜ!!」

ウルフルンの言葉を返す闘破はあかねを救出するべく忍者アカンベェに飛び掛かった。

「え!?何で!何で闘破アカンベェと互角やねん!!?」

日頃人間離れしている闘破だと思ったが流石に忍者アカンベェとまで戦えてしまうとなると怪しい。

すると

「あかね!!今助けるぜ!!」

闘破が手首に手甲を・・・胸にプロテクター・・・顔にマスク・・・背中に刀と次々と装着していき・・・

「何やねんあれ!?」

闘破の姿に仰天するサニー。

「テメエ何もんだ!?」

ウルフルンの怒鳴り声に闘破がアカンベェの目の前に立ち両腕をL字に構え大きく広げ独特の印を組んだ。

磁雷矢(ジライヤ)!!」

「い!?」

「ジライヤだと!?」

ジライヤと名乗った闘破に目を丸くするサニーとウルフルン。

ジライヤはすぐさまサニーに駆け寄りアカンベェの腕から解放する。

「あかね!大丈夫か!?」

「え?闘破?何で闘破がそないな格好を?」

闘破とサニーのやり取りが始まるとウルフルンが割って入った。

「あんだお前は!!」

「戸隠流忍者の力!見せてやるぜ!!!」

俊敏な動きで忍者アカンベェを翻弄する闘破は磁光真空剣を抜き斬りかかった。

「アカンベェエエエエエ!!!」

忍者アカンベェが腕を振り下ろすが闘破が磁光真空剣で叩き斬った。

気を取り直したサニーがこの状況を受け入れ・・・

「よっしゃ!いくで闘破!本日二度目の名乗りや!」

「よし!」

開き直って闘破と並び立つサニー。

「太陽サンサン熱血パワー!キュアサニー!!」

「戸隠流正統!ジライヤ!!」

名乗りを上げ忍者アカンベェに飛び掛かる闘破とサニー。

「あかね!耳かせ!」

「ん?」

何かを思いついた闘破がサニーの耳元でささやき始めた。

「コショコショ・・・」

「うんうん・・・」

闘破に作戦を聞かせされて・・・

「よっしゃ!まかしとき!」

サムズアップするサニーと闘破。

そして闘破が懐から煙幕を取り出し辺り一面を煙だらけにした。

「べえええ!!げほげほ!!!何だああこの煙!?」

現代忍者特製の煙幕は効くらしくウルフルンに多大な効果を与えていた。

すると煙幕の真ん中に印を組んで立つ闘破の姿が・・・

『バットエンド王国!貴様たちに利用され!絶望の淵に立たされた人々の怒りの声を聞け!!ふん!!』

周り中煙だらけの中で声が響く闘破が印を結ぶと辺り一面から稲妻と閃光が鳴り響いた。

「ぎゃあ!何だこれ!?え?ええええええ!!」

閃光に怯んだウルフルンだが、次の瞬間巨大な人型の怪物の影が覆いかぶさった。

「な!何だあれ!!」

『ふん!!』

『ヌオオオオオオオオオオオオオ』

闘破が再び印を結ぶと人型の影は両腕を挙げ唸り声が響き渡った。

「な!なんだそりゃああ!!」

『ヌオオオオオオオオオオオオオ』

影は段々ウルフルンに迫ってくる。

「うわ!来るな!来るな!あっち行け!!来るな!!」

闘破の術にかかったウルフルンはパニックに陥っていたが・・・

実は・・・

「ぬおおおおおおお!!」

煙幕と大型のライトの前で両腕を挙げているサニー。

しかも声色を変え、マイクとスピーカーを使って呻き声まで上げている。

実は先ほどの影はサニーの影である。

忍者ランドに置いてあった忍者アトラクション用機材を失敬し煙幕に隠れながら闘破のそれらしい言葉でサニーの影をあたかも闘破が召喚した人々の怨みの影のように演出したのだ。

つまり



敵を惑わし脅えさせる忍法を使ったのだ。



闘破のセリフに合わせて煙幕の中から影を動かしているサニー。

その姿は実に楽しそうである。

「にひひひ・・・ぬおおおおおおお!!」

今度はライトに腕だけを翳して腕のアップでウルフルンに迫る。

すっかり闘破の忍法だと思い込んでいるウルフルンは得体のしれない影の手が迫ってくることにパニックになっている。

「ひいいいいいいいいいいいいブクブクブク・・・・・」

パニックに陥ったウルフルンはとうとう泡を吹いて気絶してしまった。

「うわぁ・・・忍法って便利なんやな」

等と言って忍法に感心するサニー。

すると

「アカンベェ~」

忍者アカンベェが刀を抜き闘破とサニーに斬りかかった。

「く!!」

背中から磁光真空剣を抜刀し応戦する闘破と格闘戦で応戦するサニー。

「わ!危ないやんけ!!」

流石に素手で剣と戦うのは不利と思っているサニー。

「あかね下がれ!!」

「うわ!!」

忍者アカンベェは闘破を差し置きサニーに斬りかかると闘破無理な体制でサニーへの一閃を防ぐが、衝撃で磁光真空剣を落としてしまった。

「しまった!ぐ!!」

忍者アカンベェの一撃を受けて吹き飛ばされる闘破。

そのまま追撃が来ると・・・

「闘破!このおお!!」

落ちた磁光真空剣を拾い上げたサニーが忍者アカンベェに飛び掛かり闘破への攻撃を防いだ。

「あかね!」

「ぐうううおおおっりゃああああああああああああ!!」

力任せに磁光真空剣を振って忍者アカンベェを押し返すサニー。

「あかね」

「ぜぇ・・・ぜぇ・・闘破!」

力を使い切ったのかヘロヘロで闘破に磁光真空剣を渡すサニー。

「あかね!!く!!」

磁光真空剣を納め忍者アカンベェを睨むジライヤは印を組んだ。

「・・・許さん!!!」

紫の闘気と共に磁光真空剣を引き抜くと光り輝くレーザー刀となり正眼に構えた。

「磁光真空剣!!」

磁光真空剣を肩に担ぎ歌舞伎のような構えを取るジライヤ。

「あかんべ~」

アカンベェがジライヤに飛び掛かると・・・

「真っ向両断!!」

両腕で正眼に構え磁光真空剣を振り下ろし一刀両断しアカンベェが後ずさると横一閃で薙ぎ払った。

「アカンベエエエエエエエエエエエエエエエ!!」

七色の光に包まれながら消滅する忍者アカンベェにジライヤは振り返り磁光真空剣を納めた。


「んあ?げ!」

気絶から目を覚ましたウルフルンはアカンベェが倒されたことに唖然とし・・・闘破とサニーにジーっと睨まれていた。

「今日はこのくらいで勘弁してやる!!」

と言って退却した。

無気力状態の人々が解放され忍者ランドに平穏が戻ると闘破とあかねが変身を解き一安心していた。

「いやぁ~まさか闘破が秘密のヒーローだったなんて~」

「いやぁ~俺別に秘密にしてるわけじゃないけど」

闘破の返しに目が点になるあかね。ヒーローは正体を隠すものだと思っていたらしい。

するとあかねは何やら思いつき闘破にある提案をした。

「闘破!ウチに忍法教えて!!」

「え?何で?」

「だって忍法って便利そうやん!」

「だけど忍者の修業ってきついぞ~」

「ド~ンと来いや」

胸を叩いて言うあかね。やれやれという事で闘破の正式な一番弟子となった。

するとあかねは何かを思いついた。

「あ!そや!家でバイトしてる間は闘破自分がジライヤって言うたらあかんで!」

「え?何で?」

「闘破がジライヤってわかったらウチがプリキュアってばれるやろ」

「そっか。そっちは秘密のヒーローなのか」

別に正体を隠している訳じゃない闘破は秘密のヒロインのうんうんと苦労に頷いた。

「ヒロインや」

「あ!悪い悪い!それじゃ帰るか!送ってくよ」

そう言って闘破の忍者カー・ブラックセイバーに乗り込む闘破とあかね。

ブーン!!パラリラパラリラ!!

「どうでもええけどこの発信音何とかならへん?」

翌日

騒動がひと段落したあと、不思議図書館にてみゆき達とババ抜きしているあかねは全戦全勝であった。

「ひっひ~んまたウチの勝ちや~」

「あかねちゃん強い」

「敵を欺くのも忍法の基本や~」

「え?忍法って」

「ん?闘破に教えてもらったんや~」

「・・・怪しい」

「うん・・・怪しい」

こうしてあかね以外の4人から怪しいというオチで終わってしまった闘破だった。

 

 

第二話 奪われた磁光真空剣!!

前回の戦いの後大悟がぎっくり腰で入院してしまい正子も看病の為に忙しくなってしまった。

結果、闘破が住み込みでバイトすることになり、父・哲山からも「プリキュアのサポートをするなら近くに居た方が良い」という事で居候に同意した。

お好み焼きあかねの前にて

「♪~♪~」

鼻歌を歌いながら闘破がほうきと塵取りで店の掃除をしている。

「ええっと~我が家の家計はこれだから~・・・ああ~もっとバイト増やさないとダメかな~・・・ん?」

と愚痴を言いながら掃除をしていると何かに気付いた。

路地裏にてウルフルンが腹を空かせて徘徊している。

「くっそ~プリキュアだけじゃなくてジライヤとか言う奴まで現れやがって~おかげで俺様の面子丸つぶれだぜ!」

腹の虫がなるウルフルンが石ころを蹴ると見事に跳ね返り自分の脳天に直撃した。

「ぐぬぬ・・・はぁ~腹減ったぁぁ・・・ええい!それもこれも全部ジライヤのせいだ!!世界よ!「コラ!!」ん?」

やけくそでバットエンド空間を発動させようとしたウルフルンにほうき持って駆け付ける闘破。

「俺のせいで悪かったな!!」

「げ!ジライヤ!ううう!撤収!!」

「待て!!」

逃げるウルフルンをほうきを振り回して追いかける闘破。

こうしてほうきを持った闘破にウルフルンは七色ヶ丘中追い掛け回されて撤収するウルフルンだった。

尚、闘破はサボったとみなされてしまい給料を下げられてしまうのだった。


第二話 奪われた磁光真空剣!!


近所のグラウンド

「おりゃああああああああああああああああああああ!!」

グラウンドで走り込みしているあかね。

前回のノリで闘破の戸隠流忍術の修業を始めた用である。

「どや!?」

「まだまだ!昔の忍者はもっと速く走ったんだぜ」

中々速く走ったつもりだがストップウォッチを持った闘破はまだまだだという。

「くぅ!やったろうやないの!」

「その意気だ♪」

あかねの根性に感心した闘破は今日の訓練を終え帰宅するのだった。


日野家

「うぐぐぐ・・・」

闘破とあかねが帰ってくるとげんきが玄関先で何やら唸っている。

「?げんきどうした?」

「闘破!今日の朝ご飯用意してなかったやん!」

「え?ちゃんと用意してったよ?」

「炊飯器のスイッチ入れ忘れてたで!」

「あ!悪い悪い!すぐ作るからな!」

そう言って磁光真空剣を部屋にしまう闘破。

するとあかねが・・・

「これが磁光真空剣?」

アカンベェを一刀両断した磁光真空剣を見つめ手に取ろうとすると・・・

「その刀に触るな!!」

闘破に見つかってしまいぎょっとするあかね。

「すぐ朝ご飯作ってやるからな♪」

と言って何事もなかったかのように朝ごはん作りに行く闘破。

「これが朝ごはん?」

厚い食パンとパック牛乳という学園ドラマのような朝ごはんを持って玄関から出てくるあかねとげんき。




七色ヶ丘中学校

英語の授業中にもかかわらず忍者の修業のせいで疲労したあかねは居眠りしていた。

「あかねちゃん・・・起きて・・・あかねちゃん」

みゆきがあかねを起こそうとするが先生に気付かれてしまった。

すると

「ええっと次の問題は・・・日野さん!」

「は!・・・はいい!?」

英語の和訳を求められ飛び起きたあかね。

混乱に混乱をすると・・・

「あ・・・あ!あ!アイアム偽物などノーセンキュー!!」

「あかねちゃん・・・」

「流石にそれは無いぞ」

と言った感じにクラス中から呆れらてしまった。






放課後

「ただ今~」

帰ってくるとげんきが出迎えた。

「あ~姉ちゃんおかえり~」

「ん?闘破は?」

「今父ちゃんの手伝いでおらん」

「へぇ~」

よからぬ事を思いついたあかねは闘破の部屋に忍び込み・・・

「罠解除の方法は知ってるんや~♪」

と言って磁光真空剣の警備システムを解除し持ち出してしまった。





河原に来たあかねは磁光真空剣を見つめて・・・

「これが磁光真空剣・・・アカンベェを真っ二つにした・・・戸隠流正統!ジライヤ!・・・な~んちゃって~♪」

前回見た闘破の物まねをやってみるあかね。

流石に抜くのは危ないので磁光真空剣を構えてみると・・・

「見ただわさ~」

「ん?」

磁光真空剣を構えていたあかねは背後から何者かに襲撃されてしまった。

「うぎゃあああああああ!!」

衝撃で磁光真空剣を落としてしまうあかね。

すると

「フッフフ~これが磁光真空剣だわさ~」

磁光真空剣を拾うマジョリーナ。

「ちょ!返して!!」

「嫌だわさ~これよさそうだから貰ってくだわさ~」

「あ!!」

間髪入れずに消えてしまったマジョリーナ。

「・・・どないしよう」

途方に暮れてしまうあかね。

すると日が暮れてしまい・・・

「お~いあかね~」

河原まであかねを探しに来た闘破。

「ん?どうした?あかね」

「闘破・・・ごめん!ごめん!!」

「?」

泣き出したあかねをただ見る事しか出来ない闘破。

一通り泣いたあかねは闘破に事情を話すのだった。





日野家闘破の部屋

「!!」

何処から持ち出したのかあかねが死に装束を纏い切腹しようとしている。

「と!止めんやない!ウチはとんでもない事してもうたんや!死んで詫びるしかない!!」

「・・・別に止めないよ」

あっさり言う闘破。

「え?止めてくれへんの?」

てっきり止めてくれることを期待したあかねは目を丸くした。

「あかね・・・切腹は文字通り死ぬほどの苦しみを伴う・・・相当の覚悟じゃなきゃできない・・・わかった・・・俺がその決意と覚悟を見届けてやる!!」

じっとあかねを見る闘破。

「う!うわあああああああああああああああ!!」

その行為に、あかねはたまらず飛び出してしまった。

考え無しに表に出てしまったあかねは考えに老けていた。

「どうしよう~闘破の大切な磁光真空剣」

死んで詫びる前に戸隠流としてどうするか・・・

それは

「だったら・・・ウチがこの手で磁光真空剣を取り返す!!」

死んで詫びる前に生きて落とし前をつける事にしたあかね。

荷物一式を持ち出しあかねが家を飛び出すとその姿を静かに見送る闘破。

磁光真空剣を奪われた河原に辿り着いたあかねは叫んだ。

「やい!マジョリーナ!ウチと勝負や!!」

誰も居ない空間を叫ぶあかね。

「それとも・・・ウチが怖いか?戸隠流忍法を体得したウチが・・・奇襲やなきゃ何にもできへんのか!?」

明らかに挑発するあかね。

すると

「望み通り出てきてやっただわさ!!」

あかねの挑発に登場するマジョリーナ。

「受けて立ってるだわさ!世界よ!最悪の結末!バットエンドに染まれ!!」

バットエンド空間を発生させあかねの挑戦を受けるマジョリーナ。

「今日は皆も闘破もおらへんし・・・やるしかない!!」

と言って緊張するあかね。

因みにその頃の闘破

「♪~♪~♪~」

磁光真空剣を探しながら何者かに後を追われていた。

「あれがあかねちゃん家に来たアルバイトの闘破さんだね」

「やっぱり怪しいのかな~」

サングラスかけて闘破の後を着けているみゆきとやよい。

それを感じた闘破は・・・

「逃げろ!!」

すたこらさっさと走って行ってしまった。


そして場面は戻り

「プリキュア!スマイルチャージ!」

スマイルパクトが輝くとあかねの身体が発火し姿が変わった。

「太陽サンサン!熱血パワー!!キュアサニー!!」

名乗りを上げマジョリーナに向かって構えるサニー。

「返せ・・・闘破の磁光真空剣!!」

「ほぉ~これがそんなに大切だわさ?・・・じゃあ・・・出でよ!アカンベェ」

マジョリーナが青っ鼻を投げつけると持ち出した磁光真空剣に憑依し刀アカンベェが誕生した。

「アカンベェ!!」

「げえ!!よりにもよって磁光真空剣に取り付くなんて!!」

アカンベェが刀を振るうと斬撃があかねを襲った。

「ひゅああああああ!!」

咄嗟に避けるあかねだが毛先が数ミリ待っている。

「さ・・・流石、磁光真空剣を基にしただけあるわ・・・て!泣きごと言ってる場合やない!」

襲い掛かってくる刀アカンベェの攻撃を回避し拳と蹴りを入れるがあまり効果がない。

「行くだわさ!そのまま髪ちょん切って丸坊主にしてやれだわさ!!」

「いい!そんなんごめんや!!」

丸坊主になった自分を想像したサニーは刀アカンベェから逃げ回る。

逃げるサニーを追いかけるアカンベェ。

するとサニーは懐を探り何かを取り出し地面に巻いた。

『アカンベェ!!』

踏んでしまったアカンベェは足の激痛に涙を流している。

「な!なんだわさ!!」

「へっへ~ん!今日はいつもと違うで~闘破の部屋から持ってきたマキビシ撒いたんや~」

闘破の部屋から忍者道具一式を拝借してきたらしいサニー。

『アカンベェ~』

足の裏を吹いているアカンベェは逆鱗に触れたのか余計に俊敏な動きでサニーを追いかけた。

「うわ!せえの!!」

アカンベェの一撃を跳躍してかわしたサニーは懐から鉤縄を取り出しアカンベェに投げつけた。

『アカ?』

「うおりゃあああああああ!!」

縄ブランコの要領でアカンベェの背後を取ると蹴りを入れ更に縄でグルグル巻きにし発火させた。

『アカンベェ~~~』

サニーの奇抜な攻撃にアカンベェが混乱する。

そして

「いやぁ~闘破に教えてもらった忍法が役に立つとは思わなかった」

なお今までの忍者アイテムは闘破の部屋から無断拝借した物である。

『アカンベェ!!』

サニーの攻撃から解放されたアカンベェは再びサニーに襲い掛かろうとするが・・・

『ア?アカ?アカンベェ~』

急にお腹を押さえ悶絶し始めた。

「ど!どうしただわさ?」

「な?なんや?」

マジョリーナとサニーも何が起きているのかわからない。

すると

『アカン・・・ベェ!!』

と言った瞬間口から磁光真空剣を吐き出してしまった。

「な!何だわさ!!?」

何やら混乱するマジョリーナ。

その隙を逃さず磁光真空剣を拾い上げ背中に背負うサニー。

「どうやら磁光真空剣はお腹に悪いみたいやな・・・!!」

「くぬぬ!!」

サニーの言葉に額に筋を浮かべるマジョリーナ。

するとアカンベェが怒りのあまりサニーに飛び掛かった。

「うっひゃあああああああああ!!」

媒体を失っているのに磁光真空剣と同じ斬れ味の刀アカンベェ。

「て!危ないやろ!!どないしよ・・・」

その時脳裏に何かの意思が伝わってきた。

「え・・・ええの?ようし!!」

背中の磁光真空剣を抜刀するサニー。

「アカンベェエ!!」

「磁光真空剣!おりゃあああああああああああああああ!!」

刀アカンベェと互角に斬りあいをするサニー。闘破から戸隠流の剣術を習ったのか様になっている。

サニーが上段を取ろうとすると刀アカンベェは受け止めサニーに向かって突きを放ってくる。

そのまま横なぎで刀アカンベェを払うとサニーは磁光真空剣を納め戸隠流の印を結んだ。

「へん!お前ではレーザー刀にならないだわさ!!」

「確かにウチでは磁光真空剣をレーザー刀にする事はできへん・・・けどな!!気合やああああああああああああ!!!」

サニーがスマイルパクトに気合を込め磁光真空剣を抜刀すると刀身が発火した。

「ファイヤー刀には出来るで!」

「て!それただ刀身発火させただけだわさ!!」

「問答無用や!一度やってみたかったんや~♪・・・許さん!」

闘破と同じように肩に担ぎ歌舞伎のような構えを取るサニー。

『アカンベェ~!!』

「真っ向両断!サニースペシャル!!」

磁光真空剣を振り下ろし向かってくるアカンベェを一刀両断真っ二つにするサニー。

「!!」

アカンベェが消滅すると振り返り磁光真空剣を納めた。

「くうう!覚えてろだわさ!!」

そう言ってマジョリーナが撤退すると周囲を見回すあかね。

「て!もう夜やん!はよ帰らな!!」

そう言って急ぎ帰路に着くが・・・・





コケコッコー





無情にも夜が明けてしまった。

「はぁ~何とか磁光真空剣は取り返したけど夜が明けてもうたし父ちゃんめっちゃ怒るやろうな~」

磁光真空剣を背中に背負いながらトボトボと帰路を歩くあかね。

完全に家出少女状態である。

「ただ今~」

と言って店の戸を開けるあかね。

みゆき達が遊びに来ていたようでありお好み焼きの焼ける匂いがする。

すると

「え!?」

みゆき達にお好み焼きを焼いていた人物に唖然とするあかね。

何とみゆき達と一緒に居るあかねをあかね自身が見ていた。

「えええええええええええ!!?あかねちゃん!」

あかねに気付いたみゆきはあかねが二人いることに仰天した。

「あ!あかねが二人いるクルーー!!」

「お化けええええええ!!」

キャンディとなおも仰天していると・・・

「うわあああ!あかねちゃん!ドッペルゲンガーに会った!」

何故かウキウキしているやよい。

「これは・・・一体?」

ただ一人状況を冷静に見ているれいか。

「ななななな!なんやねん!!?」

口を震わせながらあかねがあかね?を指さすと・・・

「あ?帰ってきたんだ本者さん」

あっさり自分が偽者と認めるあかね(?)

その反応にあかねを初めとする面々も仰天している。

「あそうそう。これから皆で遊園地に行く約束になってるから楽しんできて♪」

あかねの肩に手を置いたあかね(?)はそのまま笑顔で去って行ってしまった。

するとあかねは・・・

(た・・・多分・・・闘破の知り合いやろうな・・・)

と言って自分を納得させるのだった。
 

 

第三話 プリキュア&ジライヤの鬼退治!


ある日の七色ヶ丘

「♪~♪~」

バイトの給料が入った為ルンルン気分で街をぶらつく闘破。

だがその後方には5人の追跡者の姿が・・・

「今日は何処に行くのでしょう?」

「まさか・・・悪の本拠地とか?」

「・・・ひょっとしたら何かをしでかしに行く気じゃ・・・」

電柱に隠れながられいか・やよい・なおの順番で各々の考えを述べるとあかねが口を開いた。

「な・・・なぁ・・・皆・・・闘破の正体なんてどうでもええやん?」

「何言ってるの!?あかねちゃんが最初に怪しいって言ったんだよ!」

みゆきの言葉にウンウンと頷くメンバー。

闘破の事を怪しいと思っているみゆき達。

この間闘破が連れてきたあかねのクローン人間ともいえるほどのそっくりさんがトドメになり、みゆき達は闘破の正体を探ろうと躍起になっていた。

あかねはあの後闘破から事情を聞き心配させないために替え玉で連れてきたのだが、闘破に対する疑惑がさらに強くなってしまうのだった。

闘破怪しい人説の言い出しっぺのあかねは申し訳なさそうにタジタジになってしまう。



第三話 プリキュア&ジライヤの鬼退治!




七色ヶ丘

街に繰り出た闘破は久しぶりの休日で浮かれていた。日々重労働をしている身としては今日は久しぶりの休日。何をしようか考えを巡らせると・・・

まず喫茶店でコーヒーを飲み

ゲームセンターに立ち寄り

スーパーで今夜の日野家の夕飯の材料を買っていた。

背後では探偵のようなコスプレをしたみゆき達が手帳に闘破の行動を記録していた。

「う~ん・・・」

特に怪しい行動をしていない闘破。

するとあかねが・・・

「な?闘破は何処にでも良そうな普通のアンちゃんやろ?」

「けどわざわざ居候してるって事は怪しい」

「何で?」

「あかねちゃんにへんてこな英語教えたり家事労働を引き受けたり・・・これは何かをたくらんでいる証拠だよ!」

「は・・・はぁ・・・」

そんなにもっともらしい理由などは毛頭無く、両親が不在の時に日野家に散々こき使われて結果居候する羽目になった闘破なのだが黙っているあかね。

(ううん・・・闘破がジライヤって明かした方がええのかな?闘破は別に正体隠しているわけでもないし~けどみゆき達にばれた瞬間うち等がプリキュアってばれてもあかんし・・・)

と自問自答していると公園に辿り着いた。

「ZZZZZZZZ・・・」

あかねの考え事を余所に公園のベンチで暢気に昼寝している闘破。

すると

「闘破君闘破君!良い若い者が昼間っからなんですか!」

「ん?」

偶然にも公園で占いをしていた楽珍が闘破を見つけ語りかけてきた。すると闘破が起き上がり楽しそうに談笑する。

「・・・怪しい人だね」

「・・・うん」

「怪しい」

「怪しいです」

楽珍の事を見てやはり怪しむみゆき達。

もうあかねは何も思わないことにした。

「そう言えば闘破君!この辺に赤鬼が出るって知ってる?」

「赤鬼?」

楽珍の言葉に闘破は胡散臭さを感じる。だが楽珍は必死に言った。

「僕はこの目でしっかり見たんだもんね!!」

「わかったよ~で?どこに居るの?その赤鬼?」

「この先のビルだよ?」

そう言って楽珍は去っていくと・・・

「はぁ・・・またバッドエンドかもしれないし」

といって休日返上して調査に行く闘破。

するとみゆき達が闘破の後を着けた。


ビル街に辿り着いた闘破は宇宙開発事業のビルの目の前でビル清掃員の格好をし周囲を見回しながら壁を見つめた。

「!」

ちょうど開いている二階の窓があった為、ひとっ跳びしビルの中に潜入した。

するとみゆき達は・・・

「嘘!あの人泥棒?」

「もしかしてスパイ♪」

闘破の身体能力に唖然とするみゆきとウキウキするやよい。

「それにしてもどうやってあたし達も入るかだけど」

「皆さんちょっと」

「ん?」

潜入方法を検討するなお、すると、れいかがある事に気づき手招きした。

「何々・・・『宇宙見学 参加無料』・・・これだ!」

ちょうど会社で行なっていた見学会に参加するあかね達。



一方

「はぁ・・・やっぱり楽珍の言う事は当てにならないのかな?」

と言いながら清掃作業をしていると・・・

「居たあああ!!」

「ん?」

みゆき達に発見されてしまった闘破。すると一瞬で詰め寄られてしまう。

「え?なに!?」

「あかねちゃんをどうするつもりですか!!」

「悪の道に誘うつもりなんですか!!」

「素直に白状しろ!!」

「あなたは一体何者なんですか?」

「え?ええ?」

みゆき達の疑問になんのこっちゃの闘破。事の発端であるあかねは両手を合わせて謝るしかない。

「あ・・・あのさあかねもしかしてこの子たち・・・」

「まぁ・・・察して・・・」

あかねの言葉にみゆき達がプリキュアと察する闘破。

すると何やら物音が聞こえた。しかも明らかに人間の足音ではない。

「待って・・・」

「え?」

「この部屋に誰か居るぜ」

闘破がドアノブを回すが開かない。すると闘破は靴ひもの間から一本の糸を取り出し口に含んで転がし取り出すと一本の針が生成された。

「・・・・・」

鍵穴に差し込みあっさりとドアを破る闘破。

「「「「嘘」」」」

闘破の芸当に目を丸くするみゆき。

(ウチもあれ出来るようにならなあかんの?)

闘破の忍法を修行しているあかねとしてはあのジャンプ等の忍法をやらなければならないらしい。

すると闘破がドアを開けると・・・

「オニ?」

何故か居たアカオーニ。それに仰天するみゆき達。

「何でアカオーニがここにおんねん!!?」

「それはこっちオニ!プリキュア!!」

みゆき達に見つかった瞬間バッドエンド空間を発動させるアカオーニ。

そして

「出でよ!アカンベェ!!」

大量の青っ鼻を投げつけ無数のアカンベェを生成する。

「みんな!逃げろ!!」

「「「「え?」」」」

「とりあえず~逃げる!!」

何故闘破に指示されなくてはならないのだろうか取りあえずあかねが先導し屋上に逃げていく闘破達。尚、みゆき達は闘破がすぐ近くに居る為変身できずあかねが離れようとしない為とりあえず逃げることにした。

「!!」

「待つオニ!!」

屋上に出た闘破達を追いかけてきたアカオーニは棍棒を振り回してきた。

「く!!」

アカオーニの一撃をくぐった闘破は懐を探りある物を投げつけた。

「ぬがあああああああああ!!」

闘破の投げた爆薬の一撃でアカオーニが後ずさってしまう。

「やっぱり怪しい」

「「「うん」」」

「・・・・・・」

懐から爆薬投げつけたことに疑惑が深まる闘破に何も言えなくなるあかね。

(どないしよう~闘破が戸隠流の忍者だって言った方がええんかな?)

とりあえず変身の機会があれば良いのだが闘破自身も自分の正体を明かすなと、あかねに言われている為忍者スーツを装着できない。

するとある事を思いつきアカオーニの攻撃に吹き飛ばされる闘破。

「うわあああああああああああああああああああああ!!!」

アカオーニの攻撃で屋上から落下してしまう闘破。

「うわ!闘破!「オニー!!」いやああああああああああ!!!」

「「「「ええええええええええええええええええ!!!」」」」

あかね達も続けさまにアカオーニに突き落とされてしまう。

「く!!」

落下の最中闘破は鉤縄を取り出し落下と同時に数階下の手すりにひっかけ宙づりの状態になった。

だが

「よしこれで「あれえええええええええ」い!!」

あかね達が目の前から居なくなった為、闘破が一息つき変身しようとするが上を見るとあかね達が降ってくるではないか。

咄嗟に腰のベルトに縄をひっかけ左手でれいかを掴み、右手でなおを掴み、両足でやよいを挟み込んだ。

「「「「ホッ・・・」」」」

と全員がしたのも束の間。

「闘破ああああ!!ウチもウチもおおおおおおお!!!」

「えええええ!あ!!」

もう掴める部分が無い闘破は最後の手段であかねの襟首に噛み付いた。

「むぐうううううううううううううううううううううう!!!」

人間4人を空中で支えている為か物凄く辛そうな闘破。

「あの闘破大丈夫?」

あかねが心配そうに声をかけると・・・

「あがげがぎぎがんごごいい!!」

「ええっとあかねが一番重いって言ってます」

れいかの通訳にあかねが顔面を真っ赤にし怒鳴った。

「な!なんやてええ!!闘破!女の子に失礼やろ!!」

「いや・・・歯であんたの体重を支えてる身にもなれよ」

なおのツッコミももっともである。

闘破はあかねの体重を歯で支えているのだ。並の人間なら折れてしまう確実に・・・

「・・・現代忍者は歯も丈夫なんやな」

「あれ?何か忘れてるような」

やよいが何かに気付き上を見ると・・・






油断大敵






詰めが甘いという言葉がぴったりな状況になる。

「うわああああああああああああ!!!みんなああああ助けてええええええ!!!」

かなりの時間差で最後に落下してくるみゆき。今度という今度は本当に受け止める場所が無い闘破。

「「「「「‘&%%&%$#&’&%$&&%$&’&%$&‘%」」」」」

5人がパニックになっていると・・・

「は!!」

今のところ自由なあかねがみゆきを掴み取る。

結果

「むぐうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!」

人間二人を歯で支える羽目になった闘破は涙目になりながら余計に辛そうになった。

「むぐぐむぐむぐううううう!!!!!」

「あ!はい!やよいさん!闘破さんの背中に上ってください!そうすれば降りられるって言ってます」

「は!はい!」

「どうでも良いけどよく通訳できるな」

闘破の言葉を通訳するれいかに感心するなお。すると、やよいは闘破の足から背中によじ登ると開いた足で縄を操作して降りていく闘破たち。

「し・・・死ぬかと思った」

無事地上に降りると口を押えながら涙目になっている闘破。

そしてれいかがご苦労様の如く闘破の肩に手を置いていた。



そして

「オニいいいいいい!!」

ビルから大量のアカンベェと共に出てきたアカオーニ。

「みんな!下がれ!!」

「「「「ちょっと!!」」」」

取りあえず闘破は自分が何処かに行けばみゆき達が変身できると思い飛び掛かった。

「く!!」

アカオーニの一撃を避ける闘破。棍棒の一撃を掻い潜り闘破が着地した瞬間姿が消えた。

「オニ!?」

「「「「え!?」」」」

闘破の姿が消えたことに驚くアカオーニとみゆき達。

すると

ザバーン!!!

「!!」

アカオーニの背後の地面から飛び出てきた闘破が蹴りを入れた。

「オニ!!」

怒り狂ったアカオーニが闘破に一撃を入れると吹き飛ばされる闘破。

それを見ていたみゆき達は・・・

「何だろうあの人・・・忍者みたい」

「うん・・・忍者だね」

「・・・忍者だ」

「・・・忍者です」

といって忍者の姿を闘破に連想するみゆき達。

(・・・い・・・言えへん・・・闘破が本物の忍者って)

「!」

あかねのつっこみを余所に闘破は懐に手をやり爆薬を投げつけた。

「!!」

アカオーニに投げつけられた爆薬が煙幕になり何も見えなくなる。

すると

「チャンスや!皆!!」

「あ!そうか!!」

あかねに先導され全員スマイルパクトを取り出した。

「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」

スマイルパクトにキュアデコルをセットすると光り輝き姿が変わった。

「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!」

「太陽サンサン熱血パワー!キュアサニー!」

「ピカピカピカリン!じゃんけんぽん!キュアピース!」

「勇気リンリン直球勝負!キュアマーチ!」

「深々と降り積もる清き心・・・キュアビューティ!」

「「「「「五つの光が導く未来!輝け!!スマイルプリキュア!!」」」」」

スマイルプリキュアが名乗りを上げると・・・

「な!何だ!?ここは!?」

「バッドエンド空間クル!!」

「なぬ!?」

通りかかった楽珍とキャンディ。実は楽珍とキャンディは友達関係にあり遊んでいる最中だったのだ。

「ぐ!あの男が居ないオニ!!?」

「な!うち等が相手じゃ不満なんかい!!」

アカオーニの言い分に頭に筋を浮かべるサニー。

「ええい!!やれ!アカンベェ!!」

「「「「アカンベェ!!」」」」

無数のアカンベェが一斉に飛び掛かり電磁波を張った。

「!?何やこれ?」

「体が・・・痺れる・・・」

特殊な装置に憑依したアカンベェ達は電磁波を放ちサニー達の動きを封じた。

「アカンベェええええ!!!」

「「「「「うわあああああああああああああああああああああああ!!!」」」」」

電磁波のエネルギーを強めプリキュア達を苦しめるアカンベェ達。

それを見た闘破は・・・

「あかね!みんな!!」

人知れず遠くに離れ見ていたが溜まらず様子をうかがう闘破。

すると闘破の脳裏に思い出が蘇る。

それは闘破とあかねが戸隠流の修業をしていた時の話であり、ある事を聞いてみた。

(あかねって何のために戦ってるんだ?)

(何を藪から棒に?)

(いやさ・・・ちょっと聞いてみたくてさ)

(う~ん・・・皆の笑顔を守る為・・・かな?あはははは)

何気ない会話

「じゃあ・・・誰があかね達を守る?・・・!!」

あかねの言葉を思い出した闘破はプリキュアたちに向かって駆け出した。

その姿・・・まさに疾風の如く!!

「うううううううううううううう!!」

「くううううううううううううう!!」

アカンベェの電撃に苦しむサニーとハッピー。

「ガッハッハッハッハッハ!!」

アカオーニが勝利を確信したその時闘破が駆けつけた。

「みんな!今助けるぜ!!」

闘破が手首に手甲を・・・赤いマスクを・・・胴体に赤い胴を・・・背中に磁光真空剣と次々に装着していき・・・

「アカンベェ!!」

「「「「「ぐうううううううう!!」」」」」

「待て!!」

アカンベェの攻撃で苦しむハッピー達の元にジライヤスーツを身に纏った闘破が現れた。

「貴様誰オニ!?」

「俺の名は!!」

両腕をL字に印を組み両手を広げ独特の印を組み構える闘破。

磁雷矢(ジライヤ)!!!」

名乗りを上げる闘破を見たアカオーニは・・・

「お!お前がジライヤオニ?」

「プリキュアを離せ!!俺が相手だ!!」

磁光真空剣を抜刀しアカンベェに飛び掛かる闘破。

「ふん!!」

「アカンベェ!」

闘破の一閃でアカンベェの攻撃を遮りハッピー達を開放した。

「とう・・・じゃなくて!ジライヤ!」

闘破をジライヤと呼ぶサニー。今はまだ秘密にしておこうという事らしい。するとサニー達の元に駆け寄る闘破。

「あかね!みんな!大丈夫か!?」

「「「「え?」」」」

何故ジライヤが自分たちの本名を知っているのか疑問になるハッピー達。するとサニーが誤魔化し始めた。

「えあああ!細かい事は後でさっさとアカンベェをやっつけよう!」

「え?」

サニーの誤魔化しにとりあえずアカンベェを倒すことにするハッピー達だった。

「ぐう!!行くオニいいいいい!!!」

「アカンベェ!!」

「「「「「「うわあああああああああああああああああ!!!」」」」」」

アカンベェの一撃に吹き飛ばされる闘破とサニー達。だが着地の瞬間みんなの姿が消えた。

「!?またオニ?」

「アカンベェ!?」

ザバーン

背後の地面から次々と抜け出てくる闘破達はアカンベェを奇襲する。

「「はああ!!」」

ハッピーとピースの蹴りがさく裂しアカンベェが後ずさると・・・

「!!」

闘破の磁光真空剣の一閃がアカオーニを吹き飛ばした。

「ぐ!!」

「アカオーニ!子供をこんな目に合わせやがって!!」

「う!うるさいオニ!!」

アカオーニの棍棒と闘破の磁光真空剣が交差する。

「忍法!稲妻落し!!」

「オニ!!」

磁光真空剣から発せられた稲妻で黒焦げになるアカオーニ。

「ぐう!まだまだオニ!!」

アカオーニが腕を振り上げると無数のアカンベェが闘破とプリキュアに襲い掛かる。

「うわ!」

「ぎゃ!!」

無数のアカンベェは闘破達を隔離してしまう。現在・闘破とサニー・ハッピーとピース・マーチとビューティのペアに分かれてしまった。

サニーをフォローしながら戦う闘破だがサニー来る攻撃をカバーしきれず食らってしまう。

無数の青い鼻のアカンベェに囲まれる闘破とサニー。

「闘破・・・もうええ!ここはうち等に任せて逃げるんや!」

「え?」

サニーの言葉に驚きを隠せない闘破。

「闘破は世界の平和を守る使命があるやろ?だから!「なら誰が君たちを守る!?」え?」

「君たちにだって人々の笑顔を守る使命があるはずだ・・・俺は人々の笑顔を守って君たちも守る!」

「・・・闘破」

「俺達友達だろ♪」

だが無数のアカンベェが闘破とサニー達に襲い掛かろうとしたその時だった。

「こっちや~♪」

聞き覚えのある声に振り返る闘破とサニー。ハッピー達も気付くとそこに居たのは・・・

「あかねちゃんのドッペルゲンガー!!」

いつぞやに現れたあかねのそっくりさん。

「ん?何でキュアサニーが二人いるオニ?」

突然の事にパニックになるアカオーニ。

「へっへ~んそっちのウチは偽物や♪本物はこっちや~♪」

といって今回は自分が本物だと主張するあかね?に感づいたサニーは・・・

「あ・・・そや!あんたを油断させるためのウチは偽物や!騙されてやんの~♪」

以前闘破がやった騙しのテクニックを使うサニー。

「じゃああっちが本物オニ?オニ!!」

アカオーニがあかね?に向かって行ったときサニーはあかね?を助けようとするが身動きが取れない。

すると

「!!」

俊敏な動きでアカオーニの一閃を避けるあかね?はそのまま平手で二撃加えていった。更にバックステップで後方に飛ぶと懐から爆薬を投げつけアカオーニを焦がした。

「お?オニ?」

「・・・嘘」

予想外のあかね?の戦闘力に目を丸くするサニー。

「それじゃ!後は任せたからね♪」

そう言って地面に煙幕を叩き付け帰っていくあかね?

「あれは・・・やっぱり闘破の知り合いやったか」

やってる事が忍法なので闘破の知り合いであることが確定したあかね?

「よっしゃ!みんな!!ジライヤの目の前にアカンベェを集めるんや!!」

「「「「おう!!」」」」

サニーの指令で目の前のアカンベェ達を闘破の目の前に投げつけるハッピー達。

すると

「許さん!!」

印を組み闘志を高める闘破が磁光真空剣を抜刀した。

「磁光真空剣!」

正眼に構えると光り輝くレーザー刀に変化する。

「真っ向両断!!」

闘破の一閃が無数のアカンベェを飲み込み・・・

「!!」

【あかんべぇえええええええええ!!!】

横一閃で薙ぎ払うと七色の光に包まれ消滅するアカンベェ達。

そして納刀する闘破。



戦いが終わりあかね達が屯している。

「それにしても何だったんでしょうね?」

ジライヤに疑問を持つれいか。

「ま~正義のヒーローって奴じゃない?」

「うん!あれは正義のスーパーヒーローだった♪」

冷静に判断するなおとウキウキするやよい。

「かっこ良かったクル♪」

「ねえ~」

キャンディとみゆきも満面になると・・・

「え?君たちあれとう「うわうわうわうわ!!」

ジライヤ=闘破という事実を言ってしまいそうになった楽珍の口を慌てて塞ぐあかね。

「お~い皆~」

といってジライヤスーツを解除した闘破が駆けつけた。

するとみゆき達の目つきが変わった。

「闘破さん!あなたいったい何者なの?」

「何者なの!?」

打って変わって怪しい人扱いのままの闘破。

すると

「いけねえ!もう夕飯作んないと!!」

といってみゆき達から逃げる闘破。

「「「待てえええええ!!」」」

闘破を追いかけるみゆき達を見ながらあかねは思った。

(やっぱり闘破がジライヤって言った方がええのかな?)

正体がばれてしまっては元も子もないのかあかねはやっぱり黙っておくことにするのだった。

 
 

 
後書き


ジョーカーに導かれ突如闘破の目の前から消えたあかね!救出に向かった闘破に操られたあかねが襲い掛かる!あかねと戦う事の出来ない闘破は無事あかねを取り戻すことができるか!?

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

激突!ジライヤ対キュアサニー

みんな見てね♪

 

 

第四話 激突!ジライヤ対キュアサニー

本日あかねは闘破の実家戸隠流武神館を訪れていた。

「!!」

「!!」

道場内で闘破と父・山地哲山が組み手を行っていた。かなり実戦的な稽古の為闘破はあっさり投げ飛ばされている。

「・・・うわ・・・あの闘破があっさり投げ飛ばされてる」

闘破と同じ戸隠流の道着に身を包んだあかねが正坐してマジマジと見ていた。

闘破の実家に招待されたあかねは闘破の一番弟子と聞きで哲山から「見るのも稽古の内だから見ていきなさい」と言われ闘破の修業を見学するのだった。

「兄ちゃんしばらく離れてから弱くなったんじゃないの?」

闘破の弟・山地学が腕を組んで辛口のコメントを繰り出す。

「そうなん?」

「それにしても兄ちゃんに教わるくらいなら父ちゃんに教わればよかったのに」

あかねを見ながら学が言う。あかねは闘破が個人的に教えている為闘破の弟子扱いのようだ。

そして

「ただ今~あら?」

道場を訪れた闘破の妹・山地ケイがあかねに気付いた。

「あ!こんにちは!初めまして」

ケイに丁寧にあいさつするあかねだが・・・

「ん?別に初めてじゃないけど?」

「へ?」

「あ!ごめん!闘破の一番弟子よね?」

あかねの素性を知っているような素振りのケイだが慌てて言い換えたので?マークを出すあかねだった。

そして

「ふん!ふん!ふん!!」

三つの火の上で反復横跳びをしている闘破。かなり大変そうである。

「あの~あれウチもやらんと」

「ま~そのうち?」

「・・・・・・」

炎の上で反復横跳びする己を想像するあかね。かなり大変であろう。





第四話 激突!ジライヤ対キュアサニー





「疲れた~」

日が暮れ始めたころあかねが一人七色ヶ丘へ帰宅していた。闘破が家の夕飯を作ってから帰るというのであかねは先に帰る事にしたのだ。

「それにしても闘破って物凄い修行してるんやな~はぁ・・・けどあれだけやってるから強くなったんやろうな~」

トボトボと帰っていると・・・

「果たしてあなたに耐えられますかね?」

「!?」

あかねが振り返るとジョーカーの姿が・・・

「ジョーカー・・・あ!!」

ジョーカーに人差し指を額に向けられるあかね。

「な!なんや!?」

「辛いでしょうね~だったら逃げてしまえばいいのでは?」

「!!」

ジョーカーの指から発せられた音波にあかねの瞳から徐々に光が消えていった。

山地家

「♪~♪~」

実家で夕飯の用意をしている闘破。すると電話が鳴り受話器を取った。

「もしもし?」

電話の相手は日野家の大黒柱の大悟からであり次の言葉に驚愕する闘破。

「なんだって!?わかりました!すぐ探しに行きます!!」

夕飯の支度を放り出し慌てて上着を羽織る闘破。

すると雑誌を読んでいたケイが尋ねた。

「闘破?どうしたの?」

「あかねが帰ってないんだ!探しに行ってくる!!」

そう伝え家を飛び出す闘破。



「わん!わん!!」

忍者犬クロを連れて夕焼けの七色ヶ丘中を走り回る闘破。

「クロ!頼むぞ!あかねの匂いを何処までも追ってくれ!!」

あかねのハンカチを拝借した闘破はクロに匂いを覚えさせ追跡する。

すると

目の前を通り過ぎるあかねの姿が・・・

「あかね!」

闘破が名前を呼ぶがあかねは振り返らずに角を曲がっていく。

後を追う闘破だが追いつくたびにあかねは角に立ち姿をくらますように移動する。

「これは一体・・・「わんわん!!」?」

クロが闘破に何かがある事を伝えている。するといつの間にか山道の入り口に辿り着いていた。すると山道を上るあかねの姿が・・・

「・・・・・あの様子はただ事じゃない・・・クロ・・・」

闘破がクロの首輪に手紙を仕込み山地家に向かわせると闘破警戒しながらあかねの後を追った。

「・・・・・・・・・・・・・」

そして闘破の後姿を見つめる男の姿が・・・・・







「あかね!何処だ!!?あかね!!」

あかねの名前を叫びながら闘破が山道を登っていくと・・・

「・・・・・」

闘破の背後の林からからぬっと出てくるあかねの姿が・・・

「あかね!心配したじゃないか!!」

俯いているあかねの両肩に手をやり闘破が叱るとあかねは顔を挙げた。

「あかね?」

あかねの顔を見て不審に思う闘破。その瞳に光が無く生きている気配のない・・・意志の無い目だったからだ。

すると

「!!」

急にあかねが闘破の首を両手で絞め始めた。

「ぐ!!」

咄嗟にあかねの腕を掴み手を外すが今度は闘破に蹴りを放った。

「ぐあ!!・・・やめろ!どうしたあかね!!」

「!!」

何も言わずにあかねは闘破に向かって拳を放つがバック転で回避する闘破。あかねの力が尋常ではないまるでプリキュアに変身した時に勝るとも劣らない力だからだ。

「ジライヤ!!」

「何者だ!!」

あかねの攻撃が一旦止むと周囲から声が響き渡った。

闘破が周囲を見回しながら叫ぶと道化師のような姿の人物が舞い降りた。

「貴様!バッドエンドか!!」

「ええ~私はジョーカー・・・ピエーロ様直属の部下」

「あかねに何をした!!?」

「なあにちょっと心に鍵をしただけですよ?嫌なことを忘れるように♪まぁ意志の無い身体の方はただの操り人形になってもらいましたが?」

飄々と答えるジョーカーに苛立つ闘破。

「良いですか?キュアサニーを返してほしければデコルデコールを持ってきなさい」

「デコルデコール?・・・まさか」

あかね達が集めているキュアデコルを納めているケースであるのだが、すべて集めようとするとジョーカーに毎度奪われているという。

「貴様!!」

「おや?私を倒しますか?キュアサニーごと私を倒しますか?」

「何!?」

闘破が振り返るとジョーカーの盾になるように立つあかね。

更に

「プリキュア・・・スマイルチャージ・・・」

スマイルパクトを使い変身するあかね。そしてあかね・・・いやサニーが闘破に向けて構えた。

「卑怯な奴め!」

闘破がジョーカーに向けて構えようとするとサニーが飛び掛かり闘破を抑え込んだ。

「く!!」

林に向かって走りサニーと一対一を狙う闘破。

すると

「!!」

ジョーカーが闘破の背後を取ろうとした時

疾風の如く駆け抜ける男の姿が・・・

「!!」

ジョーカーに飛び掛かる男は拳法のような動きで闘破への進撃を阻止した。そしてジョーカーと対峙する男。

「何者!!」

「!!」

男・飛鳥竜が上着を脱ぎ捨てると紫の装束姿になり・・・

「槍忍!突破!!」

と名乗った。

「突破?ジライヤとは違う世界忍者?・・・ですが邪魔はさせません!」

「!!」

巨大な槍を構えジョーカーに飛び掛かる突破。

一方

相手があかねである為戦えない闘破は逃げ回っていた。

「!!・・・あかね!!」

「死ね・・・ジライヤ!!」

サニーの拳が闘破にヒットし吹き飛ばされると闘破は木の葉を投げつけた。

「!!」

木の葉を顔に被ったサニーがすぐにひっぺかすとすでに闘破の姿は無い・・・

・・・だが

「そこ」

サニーの炎が地面を這うと飛び出てくる闘破。

「がは・・・うあ・・・」

火達磨になりながら闘破が身体の炎を鎮火させるとサニーが再び殴りかかってきた。

「ぐ!うあ!!」

サニーの攻撃がクリーンヒットし闘破が悶絶すると再び跳躍した。

「!!・・・!!・・・!!」

連続でバック転しながら闘破が距離を置くと後ろに向かって走り始めた。それを追うサニー。

「!!」

サニーの手から炎が放たれると闘破が火達磨になるが・・・

「!!」

焼け跡から出てきた丸太。するとサニーの背後の地面から出てくる闘破。

「やめろ!あかね!!」

「!!」

闘破の言葉に耳を傾けずキックを入れるサニー。あまりの脚力で吹き飛ばされる闘破は空中でバランスを整えながら木の上に着地する。

「!!」

するとサニーが闘破の居る木を殴り飛ばし木ごと闘破を地面に叩き落とした。

相手はあかねだ。ジライヤスーツを装着して闘うわけにはいかず焦る闘破。

「やめろ!あかね!!」

サニーの攻撃を受け続けながら逃げ回ると、とうとう断崖絶壁まで追い詰められてしまった。

「!!」

闘破が振り返ると足元の小石が真っ逆さまに落ちていく。するとサニーは完全に標的を定めスマイルパクトに気合を入れた。

「プリキュア・・・サニーファイヤー・・・」

「うわああああああああああああああああああ!!」

サニーから放たれる炎の球が直撃し断崖から火達磨になりながら真っ逆さまに落ちていく闘破。

「!!?」

「!!」

その様子にジョーカーを食い止めていた突破は後方に飛び撤退した。

「・・・」

サニーが崖下を覗くとそこには闘破の上着だけが浮いていた。

「・・・山地闘破・・・死んだ」

死んだような眼のサニーが崖から背を向けて去ると・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

断崖の影にへばり付きサニーが去ったのを確認する闘破。だがサニーの攻撃をもろに受けた為ダメージが大きかった。





武神館

「・・・ぐ・・・あ・・・」

道場でケイの治療を受けている闘破。

「闘破・・・どうするの?」

「ジョーカーの目的はデコルデコール・・・だが・・・何故あかねを?」

闘破の言葉に全員が考え込むと・・・

「!!危ない!!」

哲山が何かに気付き全員が後に飛ぶと窓が割れ床にトランプが刺さった。

哲山がすかさずトランプを取ると書かれていたメッセージを読んだ。

「キュアサニーを返してほしければデコルデコールを持って七色ヶ丘スタジアムまで・・・ジョーカー」

「デコルデコールを?何故だ!?」

「恐らく・・・ジョーカーの目的は我々への精神的攻撃だ」

「なんだって?」

「ただデコルデコールを奪うだけならプリキュア達だけを襲えば済む・・・だがそれをせずに敢えてあかねを使い、闘破にデコルデコールを奪わせるという事は闘破に対する精神的揺さぶりをかける手段だ」

「・・・ジョーカー・・・どこまでも卑怯な真似を!!」

握り拳を作り怒りに燃える闘破。

「親父!何故ジョーカーは執拗にデコルデコールを狙うんだ?」

「うむ・・・目的はおそらくミラクルジュエル」

「ミラクルジュエル?なんだいそれは?」

「私も詳しくは知らないが・・・どんな願い事でも一つだけ叶える秘宝だ・・・おそらくジョーカーはその力を使い皇帝ピエーロを復活させようと企んでいるのだろう・・・そしてその手掛かりとなるのが恐らくデコルデコールの中に納められているキュアデコル・・・闘破・・・あかねはジョーカーの何かによって操られている・・・それを絶たない限りあかねは・・・」

哲山の言葉に全員が黙りある決断をするのだった。


不思議図書館に訪れたあかね?は本を読んでいるキャンディを見つめた。

「?あかね?どうしたクル?」

「ねぇキャンディ・・・デコルデコールを見せてくれない?」

「え?良いクル♪」

あかね?に気付かずキャンディがデコルデコールを見せるとあかね?が掌から花吹雪を出した。

「クル?」

あかね?の花吹雪に目を奪われたキャンディは気を失ってしまった。

「・・・ごめんなさい」

キャンディからデコルデコールを回収するあかね?はそのまま不思議図書館から出るのだった。



翌日


山地家

「・・・・・・・・」

デコルデコールを懐にしまいブラックセイバーに乗り込む闘破は無言でキーを回した。

ブーン・・・パラリラパラリラ

山地家から闘破が出ていくのを見つめる哲山。

すると

「頼むぞ」

「はい!」

哲山の背後に構えていたあかね?が闘破の後を追った。

そして

「!!・・・・・!!・・・!!・・・!!!・・・!!!!!」

決戦に備え両腕に手甲を・・・腰にベルトを・・・赤い胴を・・・赤いマスクを・・・そして磁光真空剣を背負った。




七色ヶ丘スタジアムに辿り着いた闘破は周囲を警戒しながら階段を上りスタジアム内に侵入した。

「・・・・・」

物音ひとつ聞こえず不気味な空気を漂わせるが闘破は恐れずに踏み出すとたまらず叫び声をあげた。

「何処だジョーカー!!俺は来たぞ!!」

周囲を見回すと遥か彼方のスコアボードの上に立つジョーカーの姿が・・・

「ジョーカー・・・」

「ほう~あなたは?」

ジョーカーの問いに闘破L時に印を組み両手を広げ独特の印を結んだ。

「戸隠流正統!磁雷矢(ジライヤ)!!」

「で?デコルデコールは持ってきましたか?」

「ここだ!!」

ジョーカーにデコルデコールを見せつける闘破。

「それでは・・・こちらに渡してもらいましょうか?」

「その前にあかねを返せ!!」

「出来ませんね~彼女には私の手駒になってもらいます」

「だったら・・・」

ジョーカーの言葉にデコルデコールを持ったまま腕を振り上げる闘破。

「な!何をするのです!」

「決まってる!あかねを返さないのなら・・・デコルデコールを粉々に砕く!そうしたら中のキュアデコルは粉々に砕け・・・ミラクルジュエルの手掛かりは無くなっちまうぞ!!俺は別にキュアデコルがどうなったって知らないしな」

「な!」

闘破の言葉に唖然とするジョーカー。

「ピエーロが復活しないならこういう手もありだって事だな」

「おのれ小癪な!!」

飄々とした態度ジョーカーに怒りの様子が見えると闘破は・・・

「良いのか!?あかねを出さないのなら・・・本当に!!」

デコルデコール粉々に砕こうとしたその時。

「ま!待ちなさい!・・・!!」

ジョーカーがスナップすると死んだ目をしたサニーが闘破の背後に現れた。

「!?あかね!!」

「さぁ・・・デコルデコールを渡しなさい!!」

要求に応えたジョーカーに闘破は・・・

「ぬかせ・・・デコルデコールが欲しかったら・・・堂々と盗れ!!」

「では・・・遠慮なく!!」

闘破に向かって跳躍するジョーカー。

「走る事なら・・・誰にも負けねえぜ!!」

「逃がしません!!」

ジョーカーに背を向け走る闘破。一通り走ると壁にぶち当たるが闘破は壁を駆け上がりジョーカーの背後を取った。

「な!」

「はあ!!」

磁光真空剣を抜刀しジョーカーに一撃入れる闘破。

すかさずジョーカーは闘破に向かってトランプを投げつけてきた。

「!!」

磁光真空剣でトランプを叩き落としジョーカーに斬りかかろうとすると、サニーがジョーカーの盾になるように立ちはだかった。

「あかね!」

今ジョーカーに攻撃を入れればサニーも巻き込むことになり磁光真空剣を納めざるを得なくなった闘破。

「さぁ・・・どうします?形勢逆転ですね~早くデコルデコールを渡しなさい・・・それとも彼女ごと私を攻撃しますか?」

勝利を確信した態度のジョーカーに闘破は・・・

「そんなに欲しけりゃくれてやるぜ!ほらよ!!」

デコルデコールを大空の彼方に投げ飛ばす闘破。

「な!キュアサニー!ジライヤを倒しなさい!!」

デコルデコールを追うジョーカーはサニーに闘破抹殺を命じた。

「・・・・・死ね・・・ジライヤ」

光の無い目で闘破に飛び掛かるサニー。

「あかね!止めろ!!」

サニーの攻撃を受け止めながらバックステップする闘破だが回避し切れず直撃してしまった。

「!!」

壁に叩き付けられる闘破。

「ぐ・・・すげえ力だ!」

溝を抑えながらサニーの攻撃力に驚愕する闘破は改めて伝説の戦士プリキュアの力を肌で感じるのだった。

「!!」

容赦なく襲い掛かってくるサニーの攻撃を掻い潜りながら闘破が周囲を飛び回ると天井に鉤縄を引っ掛け跳躍した。








一方

「ふふふふふ・・・ん?」

スタジアムの外で闘破の投げたデコルデコールを拾い上げたジョーカーは何か違和感を覚え開いてみると・・・

「これは!!」

デコルデコールそっくりの箱にへのへのもへじでアカッンベェしている模様が描かれている真っ赤な偽物だった。

「おのれえええええ!!ジライヤああああああ!!」

騙されたことに腹を立てるジョーカーが闘破の元へ向かおうとした瞬間とある人物が立ちはだかった。

「馬鹿ね!プリキュアが大切にしている本物のデコルデコールを持ってくるわけないじゃない!!」

「あなたは!!」

「!!」

ジョーカーの目の前に立ちはだかるあかね?の姿。

因みに本物のデコルデコールは・・・

「?・・・クル?」

不思議図書館で目を覚ましたキャンディ。そこには正真正銘のデコルデコールが・・・

「あれ?あかねは?」

取りあえず眠っていただけと考えるキャンディだった。

実は偽物をを作成するために実物がどういう物か見る為だった。

そして現在

「馬鹿な!キュアサニーが二人いるのです?」

「残念・・・私は偽物よ!!」

あかね?言葉にジョーカーは・・・

「く!この私をここまでコケにするとは・・・戸隠流!!」

あかね?に飛び掛かるジョーカー。するとあかね?は跳躍しジョーカーの背後を取ると自分の顔に手をやり・・・

「!!」

あかねの顔を脱ぎ捨てた。

そして純白の忍者スーツに身を包んだ少女の姿が・・・

「あなたは!!」

「姫忍!恵美破!!」

姫忍・恵美破・山地ケイの忍者スーツの姿である。

「なるほど・・・他人そっくりになれるようですね」

「闘破の邪魔はさせない!私が相手よ!!」

背中から刀を抜刀し構えるケイ。





そして

「ぐあああああああああああ!!!」

サニーの攻撃を浴び吹き飛ばされる闘破。

「あかね・・・自分を取り戻せ!」

「!!」

サニーの攻撃を受け止めながら闘破が後ずさるがサニーの追撃は止まない。

緊張の中闘破とサニーが対峙する。

果たして闘破はあかねを救うことができるのか!?そしてジョーカーを倒すことが出来るのか!?

そしてあかねの容赦のない攻撃・・・闘破の脳裏に『敗北』の二文字が浮かび上がった。

 
 

 
後書き
あかねの攻撃を受け続ける闘破!このままでは己の命を失ってしまう!!

果たしてあかねを救う方法はあるのか!?

その時!闘破の危機に次々と駆けつける仲間たちそして正規の秘宝!パコの姿が!!

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

戻ってきたパコ!怒りの闘破!真っ向両断!!

みんな見てね♪

 

 

第五話 戻ってきたパコ!怒りの闘破!真っ向両断!!

戸隠流武神館

「・・・・・」

哲山が忍者鳩・シロに手紙を仕込んでいる。

「シロ・・・頼むぞ・・・闘破の仲間たちにこの事を知らせてくれ・・・」

哲山がシロを離すとシロは闘破の仲間たちの元へ飛び立った。





第五話 戻ってきたパコ!怒りの闘破!真っ向両断!!





「「・・・・・・・・・」」

闘破とサニーの間に沈黙が流れ一定の距離を保っている。

だが先手を取ったのはサニーだった。

「く!!」

サニーの拳を受け闘破が吹き飛ぶと続けて空中蹴りを浴びせられる。

「あかね!目を覚ませ!!」

サニーの攻撃を受けながら闘破が必死に叫ぶがサニーは聞く耳持たず攻撃を続ける。

「がは!!」

壁にめり込むほど叩き付けられる闘破はそのままサニーの追撃を食らい壁を貫通した。

すると

「ああ!!」

闘破の元に吹き飛ばされたケイ。

「ケイ!」

「闘破!」

ケイはすぐさま立ち上がり闘破の元へ駆け寄る。するとジョーカーの姿が・・・

「戸隠流・・・散々私をコケにしてくれましたね!!」

サーベルを抜き闘破に襲い掛かろうとするがケイが刀で阻止するがジョーカーになぎ倒されてしまう。

「う!!」

「ケイ!があ!!」

ケイを心配するあまり闘破がよそ見するとサニーの拳をもろに浴びてしまう。

「く!・・・あかね!!」

「・・・・・・・・・・」

無表情のサニーが闘破に止めを刺そうとしたその時。

「!!」

闘破の目の目で止まるサニーの拳。

すると

「サニー!どうしたの!?」

サニーの拳を受け止めているハッピーの姿が・・・

すると次々と駆け付けるピース・マーチ・ビューティー。

「どうしてここに・・・」

「鳩さんが来て手紙を置いてったんです!」

「・・・シロか」

哲山の要請した応援に心強さを感じる闘破。

「!!」

構わずハッピーに回し蹴りを浴びせ吹き飛ばしてしまった。

「みゆき!!」

吹き飛ばされたハッピーを抱き留める闘破。

「あ!ジライヤさん!ありがとう!サニーは一体!?」

「ジョーカーに操られているんだ・・・あかねとの繋がりを断たない限りあかねは・・・」

闘破が立ち上がるとジョーカーがスコアボードの上に立っていた。

「戸隠流・・・プリキュア・・・私に恥をかかせてくれましたね・・・出でよ!!アカンベェ!!」

大量の青っ鼻を投げつけたジョーカー。するとスタジアムの数々の機材に憑依し無数の青っ鼻アカンベェが誕生した。

一斉に囲まれる闘破とプリキュア達とケイ。

「・・・この数」

「・・・総力戦ですね」

余りの数に焦るマーチとビューティー。

「!!」

ジョーカーが手を振り下ろしアカンベェの群れが一斉に闘破に襲い掛かろうとしたその時!!

『!!』

馬の咆哮が響き渡ると白馬にまたがる仮面の男が十字の剣を抜刀しアカンベェ達を一太刀で消滅させた。

「何者ですか!!」

ジョーカーの言葉に男は答えた。

「世界忍者・城忍!フクロウ男爵!!」

「フクロウ男爵!?「こっちにもいるぜ!!」!?」

フクロウ男爵の登場に驚くジョーカーすると別方向からの声に向くと三人の戦士が立っていた。

「あなた方は!?」

「世界忍者!風忍!馬風破!!」

「世界忍者!雷忍!ワイルド!!」

「世界忍者!爆忍!ロケットマン!!」

更に・・・

「槍忍!突破!!」

ジョーカーの背後を取る突破そして純白の忍者スーツの女性の姿が・・・

「貴忍・・・麗破!!」

闘破の危機に駆けつけた正義の忍者そして闘破の戦友たち。

流石のジョーカーも世界忍者達の登場に驚きを隠せない。

「くぅ!アカンベェ!!」

アカンベェ達を世界忍者達に向けるとフクロウ男爵が闘破に向かって叫んだ。

「ジライヤ!雑魚は引き受けた!ユーはそのガールを取り戻せ!!」

「みんな・・・ありがとう!!」

心強い仲間たちの加勢によりコンディションを回復する闘破はサニーに向かって構えた。

(・・・どうする・・・どうやってあかねを助ける!!)

葛藤する闘破。

すると・・・

「・・・とう・・・は・・・」

力無く口を開くサニー。

「あかね?まさか正気に!!」

「・・・とう・・は・・・ごめん・・・しゅぎょう・・・ぶそく・・・やった・・・ウチごと・・・ジョーカーを倒して!!」

サニーから放たれる言葉に闘破は怒った。

「ふざけるな!諦めるな!!あかね」

「・・・けど・・・つながりを見つけられへんなら・・・ウチごと」

「!!」

その時闘破が自分の仮面を脱ぎ捨てた!!

闘破の行動に驚きを隠せないサニー。

「あかね!俺を信じろ!!」

「闘破?」

「言ったはずだぜ!俺は世界の平和を守って君たちも守るってな!!だから何があっても君を助けてみせる!!」

仮面を通さず嘘偽りのない自分自身の顔を見せながら言う闘破。

すると

「サニーを元に戻して!!」

闘破とサニーが戦っている間ジョーカーに飛び掛かるハッピー達。

「猪口才な!」

ハッピー達四人を同時に相手しながらジョーカーが帽子の球体の一つを輝かせると再びサニーが正気を失い闘破に襲い掛かる。

「あれだ!!ふん!!」

「う!!」

サニーの溝に拳を当て気を失わせるとジョーカーに手裏剣を投げつける闘破。

「な!!」

ジョーカーの球体の一つを見事に切り落とし仮面をつけると球体めがけ磁光真空剣を振り下ろした。

真っ二つになる球体が黒く不気味な影を放ちながら消滅するとサニーが目を覚ました。

すかさず駆け寄りサニーを抱きかかえる闘破。

「闘破・・・ウチ・・・」

「あかね!良かった・・・これで遠慮なく戦えるぜ・・・ジョーカー!!」

「く!!」

闘破の本気の目を見たジョーカーはアカンベェの一体に黒の絵の具を塗りつけハイパーアカンベェへと進化させた。

「どうしよう!サニーが居ないとプリンセスフォームになれない!!」

突破口が見つからない事に焦るハッピー。今サニーは解放されたとはいえかなり消耗し倒れている。強引にプリンセスフォームに参加させることが出来ない。

その時だった!!

「!!?」

凄まじい地響きが起き闘破の背後に『地雷神』と書かれた巨大な岩が現れた。

「あれは・・・地雷神!!パコが戻ってきた!!」

巨大な岩の中からハイパーアカンベェと同等の大きさの鎧武者が現れサニーを抱きかかえたままの闘破と一体化する。

『行くぜ地雷神!!』

ハイパーアカンベェに向かって構える地雷神。

「ジライヤさん・・・あんなロボットも持ってたんだ」

「・・・流石世界忍者」

もうジライヤが何を持っていても驚かないハッピー達。

『金剛地雷剣!!』

『ハイパーアカンベェえええ!!』

ハイパーアカンベェに向かって金剛地雷剣を抜刀する地雷神。

そして

『!!』

『ハイパーアカンベエエエエエエ』

一太刀でハイパーアカンベェを真っ二つにし消滅させた。

さらに

「!!・・・!!・・・!!」

集まった世界忍者達により残りのアカンベェの群れが一掃されジョーカー一人になった。

地雷神から降りる闘破はジョーカーに向かって磁光真空剣を構えた。ジョーカーもレイピアを召喚し闘破に斬りかかるが闘破はジョーカーの一閃を払いのけ更にジョーカーのレイピアを目にも止まらぬスピードで三つの棒に切り落としてしまった。

「な!!」

余りの力の差に驚愕するジョーカー。

「ジョーカー!俺は正々堂々戦う!!だが!卑怯者のお前には容赦しない!!許さん!!!」

磁光真空剣を納め闘破が印を組み紫の闘気を駆け巡らせ磁光真空剣を抜刀すると光り輝くレーザー刀となった。

「磁光真空剣!!」

正眼に構え刀身を輝かせる闘破。

「くう!!」

闘破の気迫に押されて後ずさるジョーカー。

「真っ向両断!!!」

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

闘破の一閃がジョーカーにヒットすると・・・

「!!」

闘破の横一閃で薙ぎ払い七色の光に包まれ消滅するジョーカー。

「!!」

ジョーカーが消滅したことにより磁光真空剣を納める闘破。

だがスタジアム外で

「ぐぅ・・・やってくれますねジライヤ・・・咄嗟に影を使って逃げなければ確実にやられてました」

そう言って去っていくジョーカー。

(・・・何故か手ごたえがしっくりこなかった・・・奴は影か?)

ジョーカーを仕留め切れていない事に闘破が呆然とするとサニーが目を覚ました。

そしてフクロウ男爵が駆け寄った。

「ジライヤ・・・」

「フクロウ男爵。礼を言うぜ!」

「なぁに・・・ユーの大切な弟子を助ける為だ!!」

馬風破・ワイルド・ロケットマンも頷きその場を後にした。

「さらばだ!グッドラック!!」

フクロウ男爵も白馬にまたがり闘破を後にした。


そして

「ジライヤ・・・パコは戻ってきたわまたあなたに力を貸すようね」

「麗破・・・」

「じゃあな!ジライヤ!!」

麗破・突破もそう呟き闘破の元から帰っていった。

そして

「あ~あ・・・闘破のせいで大変だったんだからね」

「ケイ」

「よっと」

忍者スーツのマスクを取り再びあかねの顔を被るケイ。

「皆に心配させないようにこの姿で日野家に先に帰るから・・・しっかり送り届けるのよ!!」

ケイに念を押されサニーの元に駆け寄る闘破。

「あかねちゃん!大丈夫!!」

みゆきに抱き着かれ正気に戻ったあかねは四苦八苦していた。

「く!苦しいって~」

「あかね」

ジライヤスーツを装着したままの闘破が駆け寄ると・・・

「あ!とう「ジライヤさん!」

どうせもうばれたと思ったあかねが闘破の名前を呼ぼうとすると、やよいが「ジライヤ」と叫んだ。

「「え?」」

ばれたと思った闘破とあかねはぎょっとするあかねは質問してみた。

「あの~みんなジライヤがマスクとったの見たんですよね」

何故か敬語になるあかね。

「いや~あの時ジョーカーと戦うことに夢中で~」

「良い瞬間を見逃しました~」

ジョーカーと戦っていることを優先した為闘破がマスクを取ったのを見てなかったらしい。

「まぁ・・・あの状況でしたし」

「誰かさんは白黒はっきり見たんだよな~」

れいかが冷静に言うと、なおが嫌味を言ってきた。

だが元々正体を知っているあかねにとっては得した気分ではないのだが・・・

(闘破があそこまでしたのに何で気付かへんのや!?まぁ~ジョーカーにとっ捕まったウチが言えた義理やないけど)

と思っていた。

すると

「ああ!もうこんな時間!どうやって帰ろう!!」

気が付くと日が暮れていたのであかねが・・・

「んじゃ闘破に迎えに来てもらう?」

と提案した。

「「「ええ!?闘破さん!?」」」

まだ闘破の事を信用してないらしいみゆき達である。

「まぁ~闘破さんは悪い人ではないと思いますよ?この間の事考えると・・・」

と言ってれいかだけが信用したらしく闘破は外でジライヤスーツを脱ぐとブラックセイバーで駆けつけた。

帰り道

「それにしてもあかねが世界忍者の弟子になってとは・・・」

なおが腕を組んで考えるとある事を思いついた。

 
 

 
後書き
あかねに嫉妬してしまったなおは単身世界忍者を探しに出てしまった。果たして!なおは誰の弟子になるのか!?

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

なおの忍者オリンピック

皆!見てね♪
 

 

第六話 なおの忍者オリンピック

七色ヶ丘中学校

「えええええ!あかねジライヤの弟子だったのか!?」

なおの絶叫と共に顔面を突き付けられるあかね。

「近い!近いって!まぁ・・・成り行きでそうなったんやけど・・・」

「という事はあかねちゃん今度っから忍法も使えるって事!?」

「凄い!けどジライヤさんの弟子って羨ましい~」

みゆきとやよいにも感激されタジタジになるあかね。

(い・・・言えへんそのジライヤは闘破やって・・・)

「へっくしょん!!」

あかねに噂されてクシャミする店内掃除中の闘破。

「闘破!それ終わったら出前やで!」

「はぁい・・・て何でお好み焼き屋が出前なんだろう?」

闘破が入ったから出前を始めたらしい。

すると、なおが何やらプルプルと震えている事に気付いたれいか。

「あら?なおどうしたんですか?」

「・・・羨ましい・・・あたしも世界忍者の弟子になる!!」

「「「「えええええええええええええええええええ!?」」」」

なおの突然の宣言に絶叫するみゆき達。





第六話 なおの忍者オリンピック





夜の緑川家でなおが世界忍者の事を考えていた。

「あかねに負けてたまるか!」

どうも運動部に所属しているせいかはたまた闘争心を煽られたのか世界忍者の弟子になろうと決意したなお。だが誰の弟子になるかで悩んでいた。

この間のサニー救出作戦の時の世界忍者達の戦い方を見ていたなおは思い出してみた。

「・・・・・・」

瞑想するなおが寝転がりながら数々の世界忍者の姿を想像する。

脳裏の暗闇でジライヤ・フクロウ男爵・馬風破・ワイルド・ロケットマンの姿が出てくると戦い始めた。

「まずジライヤはあかねの師匠だからパス」

あっさり削除されたジライヤ。残りの世界忍者がなおの脳裏で格闘している。

「剣術と鞭・・・それに馬術ならフクロウ男爵・・・けどあの投げナイフとマグナム銃のワイルド・・・それに火薬術と狙撃の名手ロケットマン・・・」

各々の特性を考えながらなおは世界忍者の技をイメージしていくが・・・

「ダメだ・・・あたしの戦い方じゃ・・・ううん・・・あ!」

するとなおは最適な忍者を選んだ。

風のように目にも止まらぬ速さで駆け抜け敵の背後を取る世界忍者の姿が・・・

「そうだ!馬風破だ!あの疾風の術!風を使ったのならあたしにぴったり!よっしゃ!あたしは馬風破の弟子になる!!」

と大声を上げ、なおの脳裏で馬風破が勝利を収めた。

尚、夜中だったため父に怒られたのは言うまでもない。





翌日

「馬風破あああああ!どこおおおおお!?」

馬風破の名前を叫び砂塵を上げながら七色ヶ丘中を走り回るなお。それはもちろん出前の最中の闘破とあかねの目の前も突っ切っていった。

「どうしたんだ?なおの奴」

「おおかた馬風破の弟子になろうとしてるんとちゃうか?」

あかねの冷静にな分析に闘破は言った。

「なぬ!?どうして俺の弟子じゃないの?」

「そりゃ~世界忍者で闘破が一番頼りなさそうやからやないの?」

「むう!」

あかねの一発にいじける闘破。だが、なおは闘破がジライヤである事は知らないのでその線は無いであろう。

そんなこんなで、なおは嵐を起こし地を駆けまわりながら七色ヶ丘を超え・・・隣町を超え・・・更にその隣町を超えながら馬風破を探すのだが、町はずれの神社に辿り着いた時点で肝心な事に気付いた。

「馬風破って何処に居るんだ?」

弟子になる世界忍者を決めたはいいが肝心の馬風破の居場所がわからない・・・そして七色ヶ丘に留まっているかと言う事であった。

それに気づかずにただ馬風破の弟子になる事だけ考えて街を二個超えたなお。

「て・・・ここは何処!?」

更に今思いっきり自分が見知らぬ場所に来たことに気付いた。

「はぁ・・・どうやって帰ろう・・・」

帰る方法に途方に暮れているとある気配が・・・

「てめえ!こんなところで何やってやがる!?」

現れたのはウルフルンだった。今日は七色ヶ丘以外の場所を攻め込もうとしたらしく町はずれまで来たところ、なおを目撃したのだった。

「え!ウルフルン!」

「テメエはキュアマーチ!ちょうど良いぜ!あの鬱陶しいジライヤや他の奴がいないうちに始末してやるぜ!!」

ウルフルンがなおに襲い掛かろうとした瞬間。

凄まじい風が巻き起こりウルフルンの背後を取った。

そして・・・

背中の仕込み杖でウルフルンの首筋を取った。

「テメエは!ひ!!」

仕込み杖の先端から金属の突起物が突出しウルフルンの鼻に突き刺さった。

「え?」

果たして何者かなおが確かめてみると・・・

「・・・去れ」

馬風破だった。

「ひえええええええええええええええ!!」

馬風破の勢いに押されて撤収するウルフルン。すると馬風破は仕込み杖を背中に納めなおの方を向いた。

「・・・無事か?」

「え・・・あ・・うん」

突然の馬風破の登場で混乱しているなお。

「・・・そうか・・・たまたま通りかかっただけだが・・・まぁいい」

そう言って馬風破がバイク・シャドーマッハに乗り去ろうとするとなおが止めた。

「何だ?」

「馬風破!あたしを弟子にしてください!」

「なに?」

なおの突然の言葉に疑問を抱く馬風破。

「本気か?」

「本気だ!あたしも強くなりたい!だからあんたの弟子になりたい!!」

「馬鹿な・・・俺の技は生半可な修行で身につくものではない・・・諦めろ」

そう言って馬風破が去ろうとするのだがなおは食いつきシャドーマッハの前に立った。

「どけ」

「嫌だ!弟子にしてくれるまではどかない!!」

「・・・・・・・」

なおの本気の目を見た馬風破は・・・

「・・・それほどまで言うのなら・・・好きにしろ」

「いやったああああああああ!!」

と言った感じに強引に馬風破の弟子になるなおだった。

こうして馬風破の訓練が始まった。それはまさに血と汗と涙の結晶である程どぎついも訓練だった。

「く!あかねはいつもこれをやってんだ・・・負けるもんか!!」

といって闘争心を奮い立たせて向かって行くなお。元々馬風破は妖魔一族の訓練をしてきた成果訓練そのものはきついようである。

因みにあかねの訓練は・・・

「それじゃ精神の訓練だ!」

「よっしゃ!」

武神館で正坐して経文を唱える闘破とあかね。まだ武術的なことは実践的な領域までやっていないらしい。





兎に角、馬風破に修行を受けながらなおは馬風破の修業メニューをこなしていくと途端に日が暮れてきた。

「はぁ・・・はぁ・・・これで本当に強くなれるのかな」

今更ながら馬風破の物凄い修業メニューに息を切らせながら神社の境内でへばるなお。

すると

「見ただわさ!!」

「「?」」

何者かの声になおと馬風破が振り返るとそこにはマジョリーナの姿が・・・

「マジョリーナ!」

「貴様・・・誰だ?」

マジョリーナの存在など眼中にない馬風破。だがマジョリーナは・・・

「ふん!今日の目的は馬風破!あんただわさ!!」

「俺だと?」

「おうよ!馬風破!ここであんたを倒すだわさ!!」

そう宣言しマジョリーナはマジョリーナタイムで若返り構えた。

「・・・面白い」

馬風破が腰からピストルを抜きマジョリーナに向かって構えた。

「ちょっと待って!あたしも!!」

なおが割って入りスマイルパクトにキュアデコルをセットした。

「プリキュア!スマイルチャージ!!」

凄まじい風と共になおの姿が変わり・・・

「勇気リンリン!直球勝負!キュアマーチ!!」

プリキュアに姿を変えた。だが馬風破は・・・

「どいてろ」

「え?」

「こいつは俺が倒す」

マーチをどかすとマジョリーナに向かって跳躍する馬風破。マジョリーナも分身し応戦すると・・・

「土遁の術!!」

馬風破が土にもぐり姿をくらませた。

「何処へ行った!は!!」

マジョリーナが振り返ると馬風破が現れ己の姿を樹に変えた。

「木遁の術!!」

大木となりマジョリーナに体当たりし分身を消すと・・・

「火遁の術!!」

手から炎を発射しマジョリーナの分身を次々と消し・・・

「!!」

残りのマジョリーナの分身をピストルで破壊した。

「く!流石世界忍者・・・」

「水遁の術!!」

一体になったマジョリーナに高圧水流を浴びせ後方に吹っ飛ばした。

「えああああああ!!」

マジョリーナが吹き飛ばされると・・・

「・・・・・疾風の術!!」

馬風破が仕込み杖を抜き風のように目にも止まらぬ速さで駆け抜けマジョリーナの背後を取った。

「・・・もらった」

「そうはいかないわよ!!」

マジョリーナが手を翳すと凄まじい風の音が響きわたった。

すると馬風破の様子が変わった。

「!!・・・!!風の音!!・・・うううううわああああああああああああ!!!」

両耳を抑え脅え始める馬風破。

「なに!?どうしたの!?」

突如戦意喪失し始めた馬風破を見たマーチも驚いている。

「ふん・・・やはり・・・私の調べたとおりね・・・お前は風の吹く日に家族を失った・・・それ以来お前は風の音を聞くと戦えなくなる!!」

「ううう!!ううううう!!」

両膝を付き、両耳を抑え脅える馬風破。

「世界忍者もこうなるとみじめね・・・!!」

マジョリーナが馬風破に止めを刺そうとしたがマーチが阻止した。

「じゃまするな!」

「うるさい!馬風破はあたしの師匠だ!あたしの師匠を馬鹿にするな!!」

マジョリーナのキックを押し返したマーチは馬風破に振り返った。するとマジョリーナが吹っ飛ばされた事で風の音が止んだ。

「馬風破・・・」

「・・・情けない所を見られたな・・・」

「ううん・・・世界忍者も心に傷があったってわかったから」

馬風破を優しい目で見つめるマーチ。

すると

「このおおおおおお!!」

「危ない!!」

怒りをあらわにしたマジョリーナがマーチに襲い掛かった瞬間馬風破が壁になりマーチを守った。

「馬風破!」

「く!」

肩を斬られ中の金属がむき出しになる馬風破。

「へぇ・・・あんたサイボーグだったの?」

見下したように見つめるマジョリーナ。するとマーチの怒りが頂点に達した。

「ジライヤ風に言えば・・・許さん!!」

「なに!?」

「馬風破に教えてもらった技・・・疾風の術!!」

馬風破と同じように構えるマーチは身体に竜巻を纏いそのまま目にも止まらぬ速さでマジョリーナの背後を取り一撃を入れ吹き飛ばした。

そして・・・

「プリキュア!マーチシュート!!」

風のボールのシュートがマジョリーナに向かって放たれた。

「いいいいいいいいいいいいいいいいああああああああああああああああ!!」

馬風破の修業により攻撃力が上がったシュートがマジョリーナに突き刺さり吹き飛ばされるとマジョリーナの姿が元に戻った。

「ぬいがああ・・・くう!覚えてろだわさ!!」

そう逃げ口上を述べマーチの前から去っていくマジョリーナ。

「馬風破!」

マーチが馬風破に振り返ると何も言わずに頷く馬風破。


その夜

シャドーマッハでなおを自宅まで送り届ける馬風破。

「あのさ・・・ありがとう・・・勢いで出て来ちゃって帰る方法に困ってて」

「・・・ふ」

シャドーマッハから降りたなおが馬風破に礼を言うとある事に気が付いた。

「馬風破・・・その傷」

肩から斬られた馬風破の機械がむき出しになった傷に馬風破はメットを取り人間の素顔を出して答えた。

「・・・気にするな・・・俺はサイボーグだ・・・この程度の傷どうという事は無い」

「・・・馬風破」

「じゃあな・・・次に会う時まで腕を磨いておけよ・・・弟子」

そう言い残し馬風破はなおを後にした。

「・・・馬風破」

翌日、なおのサッカーのスピードが異常に上がったとか上がらなかったとか。



 
 

 
後書き
バッドエンド王国との連戦連勝に調子に乗ったあかね。その時あかねの前に立ちはだかったのは何とキュアサニー!?キュアサニーによりあかねのスマイルパクトが奪われた!立てあかね!今こそ闘志を奮い立たせろ!

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

笑劇!?あかねの敵はキュアサニー!?

みんな・・・見てね♪
 

 

第七話 笑劇!?あかねの敵はキュアサニー!?

ある七色ヶ丘中学校

「「「「ワイワイガヤガヤ」」」」

みゆき達が何やら楽しそうに談笑していると・・・

「何やってるんや~?」

「「「「え?」」」」

あかねが会話に入ってくるのだがあかねの顔を見たみゆき達の表情が硬直した。

どう見てもあかねの鼻が天狗になっていたのだ。

「なんや~みんなけったいな顔して~まぁ~バッドエンドの襲撃でも考えてたんやろうけど・・・ウチには戸隠流の忍法があるねん♪もう怖い物なんてあらへんで」

ケラケラと笑いながら言うあかね。ここ最近連戦連勝だったうえに戸隠流忍法もそれなりに強くなった為相手を下に見ているのかもしれない。

「完全に天狗になってますね?言った方が良いのでは?」

「いやぁ・・・ああいう場合は自分が痛い目に合わないとわからない口だな」

れいかはあかねに天狗になっている事を伝えようとするが、なおの意見ももっともである。

「へっへ~んバッドエンド王国だろうが何だろうがいつでもこいや!お尻ペンペンしたるわ♪」

「大丈夫かな~あかねちゃん」

完全に調子に乗っているあかねをみゆきが心配する。

その様子は学校の外で犬の散歩をしていたある人物の目にばっちりと映っていた。





第七話 笑劇!?あかねの敵はキュアサニー!?





日野家

「ただいま~」

元気よく戸を開けて帰ってくるあかね。すると店内にすごく見慣れた後姿が・・・

「え?」

あかねが目を凝らしてよぉおっく見て見るとオレンジのコスチュームにオレンジの纏めた髪の少女。とても見覚えのあるあかねは思わず叫んだ。

「あんた誰やねん!!?」

仰天したあかねに少女は振り返り応えた。

「キュアサニーや♪」

振り返って飄々と答えるキュアサニー。クローン人間を思わせる瓜二つの姿にあかねは冷静に考え・・・

「あそうか!ケイさんが化けとるんやな?」

「こんにちは~」

「ええええええ!!」

あかねがまたケイの変化の術だと思うが偶然食べに着たケイの姿を見て仰天した。目の前のキュアサニーはケイではない。

「あ!あんたいったい誰やねん!!??」

「だからキュアサニーやて♪」

再び仰天するあかねに飄々と答えるキュアサニー。なお同席しているケイもついていけないようだ。

「・・・!!」

するとキュアサニーはあかねに向かって蹴りを放ってきた。

「んぎゃ!!」

咄嗟に受け止めるあかねはそのままキュアサニーに拳を繰り出すが受け止められてしまい投げ飛ばされてしまう。受け身を取ったあかねは起き上がり近くに置いてあったモップで戸隠流棒術を繰り出すがキュアサニーは目をつぶって無駄な動きの無い回避を披露していく。

「う!嘘やろ!うげええ!!」

攻撃が通用しないことにあかねが仰天するとモップを奪い取られ顔面に突きを食らう。

「いいいだいいだい~」

鼻を押さえて悶絶するとスマイルパクトを落としてしまった。

「あ!」

「?・・・!!」

あかねがスマイルパクトを拾い上げようとするが、キュアサニーに先に拾い上げられてしまう。

「ウチのスマイルパクト!」

「へっへ~ん♪貰ってくで~♪」

「させるかあああああ!!」

ニカっとして言うキュアサニーにあかねが飛び掛かるとキュアサニーはあかねの背後に回り込み蹴り飛ばしてあかねのバランスを崩すと炎の球を作り出した。

「プリキュア!サニーファイヤー!!」

「嘘やろ!?うわあああああああああああああああ!!!」

自分の技まで使われたことに仰天すると足元に直撃し爆風で吹き飛ぶあかね。

「うげ!」

「も~らい♪」

スマイルパクトをあかねに見せつけるようにキュアサニーは持って行ってしまった。

「あ!返して!!」

だが無情にもキュアサニーの姿は消えてしまいスマイルパクトを奪われてしまったあかね。

そして見事に天狗になっていた鼻をへし折られた。

それを見たケイは・・・

「あれ?・・・前にもこんな事があったような」

といつぞやの記憶を呼び覚まそうとする。





あかねの部屋

「どうないしよう~スマイルパクト奪われてもうた~」

うつ伏せになりながらみゆき達にどう説明するか考えているあかね。

「せや!泥棒が入って盗まれた事にしよう!て!そんなん通じ訳があらへん!!」

頭を抱えてこのピンチを乗り越えようと考えていると投げ文が飛んできた。

「な!なんや!?」

あかねが投げ文をみるとこう書かれていた。

「スマイルパクトを返してほしかったら明日正午岬で待つ・・・キュアサニー」

キュアサニーからの挑戦状であった。

だが先程の戦いを思い出した。

「戦力は向こうの方が上や・・・悔しいけどスマイルパクトの無いウチでは勝てへん」

あかねが頭を抱えていると突然目の前に一冊のノートが渡された。それを持って来たのは・・・

「闘破?」

「話は聞いたぜ。あかね」

そう言って闘破があかねに渡したのは『プリキュア勝利の日記』と言うノートだった。闘破が加わった時期から今までの戦いを闘破が日記に着けておいてくれたらしい。

「て!いつの間にそんなもん作ったんや!?・・・凄い詳細やな・・・」

パラパラと捲ってみると細かく書かれていた闘破のまめな日記に感心するあかね。

だがそんなツッコミを余所に今までの戦いを振り返ってみた。

ハッピーを助けたりマーチと協力したりとお互いの欠点を補いあいながら戦い常に皆と協力して闘っていた。

「そうや・・・バッドエンドが弱いんやない・・・皆と協力して闘ってたから強くなれたんや・・・なのにウチ自分だけ強くなったつもりで・・・」

皆で協力して強くなっていった者を自分だけ強くなった気になったあかねは自分に喝を入れた。

「よっしゃ!眼覚めたで!待ってろキュアサニー!!」

「おお!やる気になった!」

思いっきり闘志を奮い立たせたあかねを見て拍手する闘破。


翌日あかねが学校から帰り決戦に行くと闘破が日野家の自分の部屋に入った。

「よし!しっかり応援しなきゃな!」

あかねを応援するために武神館の道着を用意する闘破。するとある事に気が付いた。

「あ!無い!!」

隠しておいた磁光真空剣が再び消えていた。





七色ヶ丘の岬に向かうあかね。

・・・その背中には磁光真空剣が・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

強敵と戦う為に今一番強い武器・磁光真空剣を持ち出したのだ。





「あかねぇ~・・・」

なお闘破の部屋にあかねの脱ぎ捨てた制服があったので犯人は丸わかりだった。

この後闘破は隠し場所を変えようと考えたらしい。





「・・・・・・・・・」

鬼気迫る雰囲気であかねが岬に向かうとそこには腕を組んで堂々と待ち構えているキュアサニーの姿が・・・

あかねは自分に打ち勝つためにキュアサニーの目の前に立った。

「へぇ~どうやら怖気づかなかったようやな~♪」

明らかに馬鹿にした笑顔のキュアサニーの言葉にあかねは反論した。

「黙りや!ウチのスマイルパクト・・・返してもらうで!!」

背中の磁光真空剣を抜刀し構えるあかね。それを見たキュアサニーはあざ笑うかのように見つめた。

「へぇ~武器に頼るとはな~」

「なぬ!?」

「しかも持って来たのは磁光真空剣・・・剣が冴えてもあんただとな~」

「なんやて!?」

キュアサニーの馬鹿にしたような言い分に激怒するあかね。

「真の達人は素手でも相手を凌駕する・・・どんなに凄い名刀でも・・・使い手がダメならただの棒切れって事や」

「何ならためしてみるか?棒切れかどうか・・・これでも闘破の一番弟子やからな!!」

磁光真空剣を正眼に構えたあかねは一気に踏み込んでキュアサニーとの間合いを詰め一閃を浴びせるが、空を斬り草木が舞った。

「な!?」

完全にとったと思ったあかねだが、キュアサニーはあかねの背後を取っていた。

「ほいっと♪」

キュアサニーが手から炎を放つと咄嗟に磁光真空剣で受け止めるあかね。

するとキュアサニーはあかねの至近距離に急接近し溝を殴り飛ばした。

「ぐ!」

突然の奇襲にあかねが悶絶するとキュアサニーは人差し指でクイクイッとあかねを挑発した。

「くうううう!馬鹿にするなあああああああ!!!」

あかねがキュアサニーに向かって磁光真空剣を振り回すが、無駄な動きの無い見切りで避けられてしまう。

表情に常に余裕があるキュアサニーに憎らしさを感じるあかね。

「くう!自分の顔にムカつく~!!」

「カモ~ン♪」

あかねのイラつきを余所に終始笑顔でキュアサニーは攻撃を誘う。

そしてあかねは磁光真空剣で次々とキュアサニーを攻撃するが常に当たりそうで当たらない距離を笑顔のまま見切りで避けられてしまう。

「こんのおおおおおおおおおおおおおお!!」

あかねが大振りで磁光真空剣を振り下ろすとキュアサニーはあかねの手首を片手で掴み取り、そのまま開いている手であかねから磁光真空剣を奪い取った。

「しまった!!」

「・・・終わりやな?」

距離を置こうとするが首筋に磁光真空剣を突き付けられてしまうあかね。キュアサニーとの圧倒的な力の差であった。

だがあかねはこの状況でも諦めずに逆転の一手を考えている。

(・・・どうする・・・どうすれば勝てる!?)

「終わりや!」

絶体絶命のあかねにキュアサニーは容赦なくとどめの一撃を繰り出そうとする。

その時闘破に教えられたある言葉が蘇った。

(忍びの心を忘れるな!敵は常に自分の中だ!!)

(せや!目の前の敵は二の次や!勝とうと思うな!!)

その言葉通り目の前のキュアサニーではなく自分の中の恐怖に打ち勝とうとするあかね。

キュアサニーの磁光真空剣の一閃をあかねは刃を受け止め防ぎ、更に勢い殺さずにキュアサニーを投げ飛ばした。そして衝撃で磁光真空剣をキュアサニーが離し刃から持ち替え再び構えた。

「!!」

だが構えを解き、しかも力無く立つあかねにキュアサニーはクナイで次々と一撃を入れようとするがあかねは勝とうと思っていないのか余計な事を考えずに身体に染みついた避け方でキュアサニーの攻撃を避け続ける。

「!!」

まるで紙にでもなったかのようにヒラリとあかねは避け続けキュアサニーを蹴り飛ばした。

無駄な事を考えないあかねは面白いようにキュアサニーの攻撃を予測し的確に回避した。

「!!・・・!!・・・!!」

先程と違いキュアサニーの表情から笑顔が消えた。本気であかねにクナイを当てようとしているが今度はあかねが流れるように見切りで避けていく。

すると

「はぁ・・・はぁ・・・」

キュアサニーの息が上がってきた。体力ではあかねの方が上のようだ。

「!!」

するとあかねは目を見開きキュアサニーに向かって突きを放った。

「く!しまった!!」

突然の奇襲でキュアサニーが避けようとするが避けきれずに磁光真空剣が頬を掠める。

「!!」

キュアサニーがバランスを崩すとあかねはそのチャンスを逃さなかった。

「!!・・・!!」

磁光真空剣を納め戸隠流の印を組んだ。

「許さん!!」

あかねが自分の闘志を最大限に燃やし磁光真空剣を抜刀し正眼に構えた。

レーザー刀にはならないがその構えは闘破そのものだった。

「受けて立つ!!」

キュアサニーも強引にバランスを起こし炎の球を作り出しあかねに向かって飛んだ。

「プリキュア!サニーファイヤー!!」

キュアサニーから放たれた炎の球があかねに襲い掛かると・・・

「真っ向両断!!」

歌舞伎のような構えになり両腕で磁光真空剣を振り下ろしサニーファイヤーを真っ二つにした。

「な!」

技が破られたことに驚愕するキュアサニー。

すると

「でええええええええええええええあああああああああああああああ!!」

あかねは渾身の横一閃を放ちキュアサニーにヒットさせた。

凄まじい剣圧に押されて後方に吹き飛ぶキュアサニー。その反動でキュアサニーが持っていたスマイルパクトが宙を舞いあかねの手の中に納まった。

「はぁ・・・はぁ・・・勝った・・・」

体力と集中力のすべてを使い切ったあかねは磁光真空剣を地面に突き立てへたり込んでしまった。

するとあかねの攻撃を受けたキュアサニーが立ち上がりあかねの元まで歩み寄った。

「あ・・・あんた!」

「ふぅ~私もまだ修行が足りないって事かな?」

キュアサニーが自分の顔に手をやるとキュアサニーの顔を脱ぎ捨てた。中から出てきたのは自分とは似ても似つかぬ少女だった。

「あ!あんた誰?」

「驚いた?」

オレンジのかつらを外し自分の髪を降ろす少女は素性を語り始めた。

「私は紅葉。戸隠流よ♪」

「戸隠流って!何しに来たんや!?」

紅葉と名乗る少女は自分が来た理由を話し始めた。

「う~んっと最近あかねが天狗になってるから鼻をへし折って鍛え直してやれって哲山先生に言われて♪」

「哲山先生に!?」

どうも最近のあかねの天狗ぶりを見かねた哲山があかねに喝を入れる為に刺客を頼んだらしい。

しかも紅葉の年齢はあかねと同い年らしく同年代の戸隠流の中では1・2を争う実力者である。

因みに必殺技は忍法の応用でそれらしく演出していた。

「て・・・哲山先生・・・なんちゅう相手を選んだんや」

「まぁ~闘破さんじゃ何もしないからね~」

「ま・・・闘破やし・・・て!さっき言いたい放題言うてくれたな!」

「何言ってるの~口も達者なのが忍者なのよ~」

紅葉の飄々とした態度に呆れるあかね。

「そう言えば闘破もこんな調子やったな・・・」

「あはははは・・・まぁ~闘破さんも一回ジライヤスーツと磁光真空剣を持ってかれちゃったけどね~」

「て!闘破も同じことあったんかい!?・・・てことは闘破も『ジライヤ勝利の日記』というのあったりして・・・帰ったら見せてもらおう」

あかねの気合の入った様子に紅葉は安心した。

「良かった。これならもう天狗になる事は無いかな・・・それに負けっちゃったし。もっと腕を磨いてくるから今度は私から挑戦させてもらおうかな」

「いい!?それはもう勘弁や!!」

紅葉の言葉に仰天するあかね。

この後紅葉をバス停まで送ったあかねは闘破に磁光真空剣をちゃんと返したのだった。

 
 

 
後書き
やよいがさらわれた!捜査にあたったセントラルシティ警察署の刑事。絶体絶命のやよいの前に鋼鉄の戦士が現れた!

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

機動刑事現る!

みんな・・・見てね♪

 

 

第八話 機動刑事現る!

七色ヶ丘中学校

「ふ~終わった~」

ちょうど下校の時間になり学生たちが次々と下校している。やよいも今日は用事があった為皆とは違い早めに帰路に居た。

すると後ろからクラクションが鳴らされやよいが振り返ると・・・

「やあ♪」

「あ!直人兄ちゃん!」

車の中から青年・田村直人がやよいに声をかけた。


第八話 機動刑事現る!




直人の車に駆け寄るやよい。すると直人は気さくにあいさつした。

「やよいちゃん!もう学校は終わり?」

「うん!直人兄ちゃんは今日はお休み?」

「いや。今終わったところ」

直人はセントラルシティ警察署に勤める刑事であり、ちょっとドジなお巡りさんに見えてしまう。

「良かったら送るよ♪」

「うん!」

直人の車に乗るやよい。

すると

「良いお天気だね~」

「そうだね~」

「直人兄ちゃんに会ったのもこういう日だったね~」

直人との出会いを思い出すやよい。直人が非番で野球のコーチをしている時にスケッチをしているやよいと偶然出会ったことがきっかけだった。

それ以来やよいと直人は仲のいい友達になり時間が合えば話をしたりする間柄になった。

「そういえば最近友達と一緒に居る事が多いみたいだね」

「うん・・・けど最近闘破さんって言う変な人もいて~」

「ふ~ん」

やよいの闘破に対する言葉を聞くと・・・

「へっくしょん!」

店の前を掃除しながらくしゃみする闘破。

「闘破~今日の夕飯は?」

と言った具合に夕飯の献立を問われてしまう闘破だった。




「あ!そうだ!直人兄ちゃん!ちょっと寄って欲しい所があるんだけど」

「ん?」

するとやよいに頼まれた直人がやよいの父・勇一との思い出の場所を通りかかった。

そして降りて周囲を散策してみる

「どうしたの?」

「ちょうどここで泣いてるとき・・・直人兄ちゃんに慰めてもらったよね」

「そうだっけ?」

「もう直人兄ちゃん!」

「はははは」

そう言ってやよいの頭を撫でる直人。

「もう!いつまでも子ども扱いして~・・・あれ?」

直人の行為にやよいが膨れると何かに気付いた。角を曲がる男性の後姿・・・それは・・・

「・・・パ・・パ」

「え?」

やよいの言葉に驚く直人するとやよいは父・勇一が曲がったと思われる角を曲がった。直人も後を追いかける。

「パパ・・・どうしてパパが」

「やよいちゃん!待って!」

直人の制止を振り切りやよいが勇一の後姿を完全にとらえた。

「パパ!!」

やよいの叫びに勇一は足を止め振り返り笑顔を向けた。その笑顔に一瞬我を忘れそうになるやよい。

「やよいちゃん!騙されるな!!勇一さんは天国に行ったんだ!!」

「は!」

追いついてきた直人に正気に返るやよい。

「あなたは・・・誰なの?」

「・・・・・」

やよいの言葉に勇一は邪悪な笑みを向けた。

「まさか・・・バイオロン」

「え?」

直人の言葉にやよいが疑問を向けると直人の背後にアカオーニが現れた。

「オニいいいいい!!」

「ぐあ!!」

アカオーニの一撃に殴り飛ばされた直人。

「何者だ!」

「お前こそ誰オニ!?ていうかバイオロン!お前失敗だオニ!」

「!?」

「きゃああああああああああああ!!」

アカオーニの言葉に勇一はやよいを無理矢理抱き上げた。

「やよいちゃん!」

「邪魔するなオニ!これでキュアピースはあの世生きオニ!!」

「うわああああああああああああ!!」

アカオーニの攻撃を受けた直人が気を失ってしまう。

「!直人兄ちゃん!直人兄ちゃん!!」

直人の名前を叫びながら勇一にトラックに引き込まれるやよい。するとトラックは走り出してしまった。

「く・・・う・・・」

相手が人間ではない事を思い知った直人。だがダメージを追いながらも立ち上がった。

「・・・やよいちゃん」

直人が何かを決意し周囲を警戒しながら物陰に隠れると・・・

「!!」

鋼鉄のボディの戦士が姿を現した。

戦士は手帳を取り出しコードを入力し・・・

「レゾン・・・レゾン!!」

戦士の指令で秘密基地から一台のパトカーが発進すると秘密基地のモニタールームから一人の少女が現れ戦士からの通信を聞いた。

「真由美ちゃん!黄瀬やよいちゃんがさらわれた!」

「やよい姉ちゃんが!?」

「バイオロンのトラックを追う!真由美ちゃんはトラックの現在地を追跡してくれ!」

戦士の言葉に考える真由美。

「困ったわ・・・いくらモニターがあっても」

『衛星を使いましょう!』

「衛星?」

ボーイの言葉に考える真由美。

『衛生にアクセスしてバイオロンのトラックを追いかけましょう現在はこの衛星が上空を観察しています』

「ボーイは頭が良いのね♪すぐに分析するわ」

モニタールームの機材を操作し七色ヶ丘上空を飛んでいる衛星にアクセスした。

数々のトラックの映像が映し出されていく。

「バイオロンのトラックはどれかしら?」

『拡大してみましょう!』

ボーイの指示で真由美がトラックの拡大映像を見ていくがよくわからない。

すると

『この映像をレゾンに送って見破ってもらいましょう』

「わかったわ!」

「OK!!」

レゾンを脇に止めた戦士はモニターを見るとバイオロンの姿を見つけた。

「真由美ちゃん!バイオロンのトラックを発見した!」

「よかったわね!頑張って!」

「ああ!必ずやよいちゃんを取り返す!」

戦士は再びレゾンを走らせるとバイオロンのトラックに向かって行った。


廃工場に止められたトラックの中からやよいが放り出された。

「誰なの!・・・あなたは・・・」

勇一とアカオーニがやよいにじわじわと詰め寄る。

「おいバイオロン・・・キュアピースは俺が倒すオニ・・・だから邪魔するなその為にわざわざ手を組んだんだから」

アカオーニの言葉に勇一はただ黙って頷くと再びやよいに詰め寄った。言い知れない恐怖感に包まれたやよいは変身する事も忘れしまった。

「!!」

やよいがアカンベェ達に追い詰められると・・・

ガシャーン!!

シャッターを突き破った鋼鉄の戦士がやよいの元に駆けつけた。

「え!?」

突然の出来事に目を丸くするやよいとパニックに陥るアカオーニ。

その一方勇一は銃を取り出し戦士を撃つが、戦士は両腕を広げるとその特殊合金性の身体がすべて防いだ。

戦士はやよいの元へ駆け寄った。

特殊合金性の身体が弾丸をすべて弾き飛ばした。

「お!お前何者オニ!!?」

アカオーニの言葉に腰から手帳を取り出し見せつける戦士。

「警視庁秘密捜査官警視正・・・機動刑事ジバン」

戦士・いや機動刑事ジバンの胸に星のエンブレムが光る。

「ジバン!?」

「対バイオロン法第一条・・・機動刑事ジバンは・・・いかなる時でも令状なしに自らの判断で犯人を逮捕することが出来る!」

「ジバン!?」

ジバンの登場に目を丸くするアカオーニ。

それはやよいも同じだった。

ジバンが自身の銃マクシミリアンガンを構えると勇一がやよいを人質に取った。

「銃を捨てろジバン!!」

「パパ?」

突然の事に戸惑うやよい。するとジバンの瞳が赤く光り勇一をスキャンすると勇一の姿をまねたバイオノイドである事を見破った。

「捨てろ!!ジバン!こいつがどうなっても良いのか!?」

「!!・・・!!」

やよいの安全の為にマクシミリアンガンを捨てるジバン。

「さあ!やよいちゃんを離せ!」

「断るオニ!出でよ!アカンベェ!!」

「!!」

アカオーニがやよいを掴んでいる勇一に青っ鼻を投げつけると勇一の鼻が青くなったがあまり効果がないようだ。

「パパ?」

「ふふふ!!今回はジバンを倒す為に手を結んだ・・・だがついでだ・・・プリキュア・・・お前の命も貰う」

勇一がやよいに手を出す瞬間。

「ぐう!!であああああああああああ!!」

アカオーニの金棒をまともに食らうジバンは吹き飛ばされると鉄骨の下敷きになった。

「ジバンさん!!」

「!!」

やよいの叫びにジバンは鉄骨を持ち上げ投げ飛ばすと右手からマルチワーカーを放ちアカオーニを後ずさらせた。

そしてマクシミリアンガンを拾い上げ・・・

「許さん!バイオロン!サーチバスター!!」

マクシミリアンガンから放たれた光線を浴びた勇一。すると姿が変わりピエロの仮面をかぶった怪物が現れた。

「・・パ・パ・・」

「ぐえええええええ!!」

「やよいちゃん!!」

アカンベェノイドがやよいに襲い掛かろうとした瞬間ジバンがやよいの盾になった。

「!!」

突然の事に驚くやよい。だがジバンはやよいの目の前で立ち上がった。その姿にある人物を重ねるやよい。

「まさか・・・直人兄ちゃん?」

「・・・・・・・・・・」

やよいの言葉に振り返らないジバンはそのままアカンベェノイドに立ち向かっていく。

「食らえオニ!!」

「!!・・・!!・・・!!」

アカオーニとアカンベェノイドに攻撃されるジバンは一撃食らうごとに身体から火花を散らせるがアカオーニに向かってパンチを放つ。

「・・・であ!!」

マクシミリアンガンをマクシミリアンスティックに変化させアカオーニに殴りかかると電気ショックで後ずさるアカオーニ。

そしてジバンはアカンベェノイドの方を向いた。

『グエエエエ!?』

「第二条・・・機動刑事ジバンは・・・相手がバイオロンと認めた場合・・・自らの判断で犯人を処罰することが出来る!!」

マクシミリアンガンをアカンベェノイドに向けて放つを余りのエネルギー量に怯むアカンベェノイド。

「俺も忘れるなオニいいいい!!」

アカオーニがジバンに向けて金棒を振り下ろすと・・・

「プリキュア!ピースサンダー!!」

「オニイイイイイイイイイイ!!」

電撃がアカオーニを黒こげにした。そしてジバンの元に降り立つピース。

「君は?」

「えっと・・・通りすがりのスーパーヒーローです!!」

ジバンの問いかけにピースがそう呟くとジバンの瞳が赤く光り正体がやよいであることを判明させる。

だがそれを言わずに立ち上がるジバン。

ピースもアカンベェノイドの方を向いた。

「許さない・・・パパの姿を!!」

アカンベェノイドに向かってピースが蹴りを入れるとジバンもパンチを入れた。

「グエエエエエエエエエエエ!!」

二人の攻撃にアカンベェノイドが膝をつくと・・・

「第二条補足・・・場合によっては抹殺することも許される!!」

アカンベェノイドに向かってマクシミリアンガンを放ち怯ませると必殺形態に変化させた。

「マクシミリアンソード!!」

刀身をエネルギーが駆け巡りアカンベェに向かって駆けすれ違いざまに横一線を入れるジバン。

「アカンベェえええ!!」

アカンベェノイドの叫びと共にジバンの足が火花を上げながら踏みとどまり・・・

「ジバン!エンド!!」

振り返り縦一閃を放つジバンの一撃を浴びたアカンベェノイドは絶叫を上げながら消滅した。

そしてアカオーニが撤退するとジバンはピースの元へ歩み寄りバイザーを上げた。

「あの・・・その」

「・・・・・」

ジバンは何も言わずにやよいの頭を撫でた。それは直人に頭を撫でられている時と同じ感覚だった。

「・・・直人兄ちゃん」

ピースがそう呟いたとき背後から何かの気配を感じ取った。

「ほ~ジライヤの他にも変なのが居ましたね~」

「ジョーカー!」

廃工場の片隅で立つジョーカーの姿が・・・だが臨戦態勢ではない。

「今日はあいさつ代わりに来させていただきました。しかし・・・私たちはバイオロンではありませんあなたが手出しを「第九条!」!?」

ジョーカーの飄々とした言葉にジバンは言葉を遮った。

「機動刑事ジバンは・・・あらゆる生命体の平和を乱す者を・・・自らの判断で抹殺することが出来る!!」

「く!では戦いますか?・・・私たちと」

ジョーカーの言葉に頷くジバン。するとジョーカーは協が冷めたように去っていってしまった。

そしてジバンはそのままピースを背にし去っていくがピースにとっては心強い仲間が増えた瞬間でもあった。

すると入れ替わりに・・・

「やよいちゃ~ん!!」

直人がやってきた為ピースは慌てて変身を解いた。

「やよいちゃん!大丈夫!?」

「え?ああうん・・・」

駆け付けた直人はまるで何もなかったかのようにやよいに接していると、やよいもその意思を読み何も知らないふりをした。

「さ・・・帰ろう♪」

「うん!」

直人に送られながらやよいは無事に家に着くのであった。


 
 

 
後書き


あかねと出前の最中にバッドエンドの罠に落ちた闘破はゲームの世界にとらわれてしまった。三幹部を相手に闘破は勝つことが出来るか?そして出前は間に合うのか!?

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

闘破とあかねのゲーム対戦!

みんな見てね♪

 

 

第九話 闘破とあかねのゲーム対戦!


ある日の日野家

「いってきま~す」

闘破を雇ってから始めた出前。今日も闘破が自転車をこいで向かうのだが・・・

「待って闘破!ウチも行く~」

「いきなりダメだよ!!」

慌てる闘破を余所に後部に乗るあかね。寄りたい所があるらしく出がけの闘破によいしょするのであった。






第九話 闘破とあかねのゲーム対戦!


「ぬおおおおおおおおお!!」

「おお~闘破気合入ってるな~」

あかねを後ろに乗せて必死に自転車をこいでいる闘破。あかねの体重と中身がいっぱいのの岡持ち2つを合わせると結構重いらしい。女の子に対して思いは禁句であるのか絶対に言おうとしない。

すると

「ん?」

出前の途中の公園で何やらサイコロのような物を見つける闘破。

「何だこれ?」

闘破が拾い上げるとあかねが気付いた。

「それまさか!闘破あかん!」

「うわ!」

あかねの叫び声に驚いた闘破がサイコロを落とすと何やら不思議な空間に包まれた。

「何だこれ!?」

「やっぱし・・・ゲームニスイコマレールやった・・・」

頭を抱えるあかねに闘破がチンプンカンプンでいると・・・

「げえっはっはっはっは!罠に落ちただわさジライヤ」

「ん?マジョリーナ」

闘破の元へ現れるマジョリーナ。

そして

「俺達も居るぜ」

と言った具合にウルフルン・アカオーニの姿もあった。

「バッドエンド!」

「やっぱり」

あかねが頭を抱えると闘破は・・・

「一体何のようだ!今忙しいんだ!」

そう言って出前に行こうとすると見えない壁に激突する闘破。

「どうなってるんだ?」

「ふふふ!ここから出たかったらゲームに勝つことだわさ!」

脱出条件に闘破は・・・

「冗談じゃない!今日は出前がたまってるんだ!遊んでられるか!」

今日は景気よく既に出前が重なっている為急がなければならない。

「だったら勝負して勝つことだわさ~」

「しょうがない・・受けて立ってやるぜ!」

マジョリーナの言葉に気合を入れる闘破。

そしてあかねも・・・

「プリキュア!スマイルチャージ!」

キュアサニーに変身するのだが・・・

「今回のゲームはキュアサニーの参加は認められないだわさ!」

「え!何でや!!」

折角変身したのに出ばなをくじかれるサニー。

その理由は・・・

「一回やった奴の参加は認められないだわさ!」

「そんな!」

頭を抱えるサニーは・・・切り替えた。

「こうなったら!闘破!ウチがしっかり応援するから頑張りや!負けたら父ちゃんの逆鱗にふれるで!」

「よし!」

サニーの言葉に気合を入れる闘破。

「ふふふ・・・健闘を祈るだわさ!」

そう言って空間内のアトラクションの中に消える三幹部。

「ようし!行くぞ!あかね!」

「よっしゃ!!」

そう言って階段を上ると第一ステージ・・・

「なに!?ゴーカート!?」

何故か第一ステージがゴーカートの今回。

「あれ?おかしいな前はモグラたたきやったのに」

とサニーが頭を捻らせると・・・

「うるっふっふふ!俺様に勝てるかな!?」

といってゴーカートに乗るウルフルンの姿が・・・

そして

「「何であるの?」」

何故かゴーカートのところに用意されている闘破のブラックセイバー。因みに本当だったら日野家近くの駐車場に止めてあるはず・・・

「おい!何でブラックセイバーがここにあるんだよ!」

「何だと!お前!わざわざ持ってきてやった俺様にいう事か!?」

「ムカ!!」

と言いつつもブラックセイバーに乗る闘破とゴーカートに乗るウルフルン。

「フレーフレー!闘破あああ!!」

今回参加が認められてないサニーは一生懸命応援に専念する事にした。

(ウルッフフフ・・・その車のことは隅々まで調べたぜ・・・何の変哲もない車で勝てるかな?)

ウルフルンがたかをくくりシグナルが青になるとスタートした。

両者互角のデッドヒートが繰り広げられるが・・・

「へん!その程度で俺様に勝てるかよ!!」

ウルフルンが叫ぶとゴーカートがロケットに変形し猛スピードでゴールに向かった。

「な!そんなのありかよ!!」

「うるせえ!勝てばいいんだよ勝てば!!」

「ああそうかよ!!」

ウルフルンの身勝手な言い分に激怒した闘破はブラックセイバーのスイッチを押すとボンネットからウィーンっと巨大なミサイルが現れウルフルンに向かって放たれた。

「げ!攻撃なんてありかよぎゃああああああああああ!!」

見事に撃墜されたウルフルンはブラックセイバーに追い抜かれるがボロボロの状態でもゴーカートモードで食らいつこうとするが・・・

「何だ!?」

突然パンクした。辺り一面を見て見るとマキビシが撒かれておりそれはブラックセイバーのリア部分から次々と発射されていた。

「ちきしょう!そんなのありかよ!!」

と言いつつも周り中マキビシだらけなので動けないウルフルンだった。

それを見ていたサニーは・・・

「うわ・・・流石忍者カー・・・」

と言っていた。

そして次のステージ

「ボウリングオニ!!」

アカオーニの待つボウリング場で対峙する闘破。

「よっし!どっからでもかかってこい!!」

「オニいいい!!」

緑鼻のアカンベェのピンが現れるとアカオーニは巨大なボールを転がすが・・・

「!!」

ボールに当たる前に自ら倒れるアカンベェピン。

「やった~ストライクオニ~」

「またインチキを・・・」

アカオーニの姑息な作戦呆れるサニー。

すると

「今度は俺の番だ」

巨大なボールを構える闘破はピンに向かって転がすとアカンベェピン達はバリケードを張ってきた。

「嘘!そんなのありか!?だったら!ジライバスター!!」

闘破はボールがピンに当たる瞬間ジライバスターでピンを狙撃し全て『破壊』した。

それを見ていたサニーは・・・

「何ちゅう勝ち方を」

流石にピン破壊を想定してなかったサニー。

「く!サドンデスオニ!」

といってアカオーニがボールを投げようとすると闘破が再びジライバスターを用意していたことに気付いたアカンベェピン達は・・・

「!!」

何故かアカンベェピン達はアカオーニのボールを防いでしまった。

流石に破壊されたくは無いようである。

なお次の闘破の番にアカンベェピン達はなったらボールを投げる前に自ら撃墜されていったのは言うまでもない。

第三ステージ

「陸上だ!!」

そう言って体育館のような場所で待ち構えるウルフルン。

「よっし!走る事なら誰にも負けねえぜ!!」

闘破とウルフルンがスタートラインに立つとピストルが響きスタートするが・・・

「あれ?闘破何で動かへんの?」

といってサニーが闘破のラインを見ると闘破の位置だけマグマになっていた。

「おっさきに~」

といってウルフルンが闘破の前方を走る、

「どないするんや闘破!!」

そう言うと闘破は・・・

「下がダメなら上だぜ!!」

そう言って闘破は体育館の天井にへばり付いた。そのまま天井を地にゴールに向かって走り始めた。

「うわ・・・流石忍者・・・天井に張り付くなんて朝飯前やな」

忍者の技に感心するサニー。赤い閃光のような闘破のスピードがウルフルンのスピードを超え見事に逆転した。

第四ステージ

「射的だわさ!」

マジョリーナがピストルを持って待ち構えているとアカンベェ型の的が現れた。

「よし!」

「武器は自由。ただし!今回は当たった場所を判定するから破壊は無しだわさ」

「「い!?」」

マジョリーナの言葉に今回はジライバスターを使えない闘破。必殺武器としての殺傷能力は無いがそれでもあれ位のアカンベェであれば十分破壊することが出来る。

「あたしからだわさ!」

そう言ってマジョリーナがピストルを撃つとアカンベェ型の的は自ら辺りに行った。ペイント弾の為はっきりくっきり的がわかり、中心に近い高得点の場所にヒットした。

「闘破・・・どないすんの?」

「こうなったら・・・」

サニーが不安そうに見るが懐から手裏剣を取り出す闘破。

「一番得点が高いのは・・・」

アカンベェの鼻である。が素直に当たってくれるようなアカンベェではない。

「!!」

闘破が狙いを定め手裏剣を投げた。

「アカンベェ!!・・・?」

アカンベェ的が闘破の投げた手裏剣を回避し得意になっていると鼻に何かが刺さっている事に気付いた。

「アカンベェええええ!!」

見事に刺さった闘破の手裏剣。実は手裏剣を一度に二枚投げ片方を見せ球にしてアカンベェの気をそらし避けるであろう方向に向かって本命の手裏剣を投げたのだった。

「そんなのありだわさ!」

闘破の戦い方にアングリかえるマジョリーナだが・・・

「俺の勝ち!」

「おっ先♪」

「え!」

マジョリーナをしり目にさっさと先に進んでしまう闘破。

その後も綱引き・相撲・剣道・柔道・組手と何故か体力を使う一対一の勝負ばかり持ちかけられる闘破は持ち前のガッツで勝ち進み。

「ぜぇ・・・ぜぇ・・休み無しで九連勝したぜ・・・」

単品参加の為休み無しで戦う闘破。

「ドンマイや闘破・・・」

見ているだけでも闘破が疲れている事がわかってしまうサニー。

そして

「よくぞここまで来ただわさ!最終ステージ!」

そう言って最終ステージの観覧車の前立つマジョリーナ。

だがウルフルンとアカオーニは身体に包帯を巻いてギブスまでしていた。

その理由は・・・

「やい!何でジライヤとの組手は俺達だけなんだよ!!」

さっきから闘破と戦っていたのはウルフルンとアカオーニだけだったようだ。

「やかましい!肉体労働は男の仕事だわさ!!」

「そう言う問題やないんじゃ」

マジョリーナの言葉を唖然として見ているサニー。

「やかましい!最終ステージの課題は何だ!?」

闘破の言葉にマジョリーナはイラつきながら・・・

「この観覧車に乗ってウルトラハッピーって言えたら勝ちだわさ!!」

「それだけかよ!簡単じゃないの!」

といって観覧車に乗る闘破。

「うわ!闘破あかんって!!」

経験者であるサニーも慌てて乗る。

「くう!早く終わらして出前に行かないと!」

「せやな~・・・」

と言った感じに観覧車で、ある事に気付くサニー。

「て!もう1時やん!!」

世間的には1時・お昼のピークである。

すると

「ん?・・・え!?」

闘破が外を見ると自分の幻が映し出された。

「何だあれ!?」

闘破が目を凝らしてみてみるとお好み焼きあかねにて大悟に怒られている映像でありそのまま追い出されてしまった。

「まさか・・・」

「クビ?」

サニーの言葉にガーンとなる闘破。そう今は1時であり出前の時間をすっぽかしてしまったのである。

当然お客さんから苦情があり闘破が怒られクビになると言った映像だった。

それを見ていたサニーは・・・

(闘破がクビ?ああ・・・ありえへんありえへん絶対ありえへん)

と言った感じに白けて見ていた。

そして勝ち誇った笑みを浮かべながらマジョリーナの元へ観覧車が止まるとよろめきながら闘破が現れ・・・

「う!ウルトラハッピーだぜ!!」

物凄い苦笑いしながら闘破が大人の意地を見せる。それを見たマジョリーナは・・・

「ふん!強がりを言うなだわさ!!ジライヤ!お前だって嫌な事はあるだわさ!!」

「うるせえ!俺は絶対に絶望なんかしない!!たとえ身近な事であっても!!」

「そうや!!闘破は頑張ってる!ウチがそれを保証するわ!!」

といって闘破の前に立つサニー。

その行為が心強いのだがサニーは・・・

「それにな・・・闘破がクビになる事なんて絶対ありえへん!!」

「「「「何で!?」」」」

高々と宣言するサニーに闘破・ウルフルン・アカオーニ・マジョリーナが理由を聞いてみると・・・

「闘破が居なくなったら・・・誰がウチの炊事・洗濯・掃除・家事やるんや!!」

・・・既に日野家の家事担当と化している闘破。

「そんな理由かよ・・・」

日野家の闘破の扱いを言うサニーのどうしようもない発言に目を丸くするウルフルン。

「あかね・・・バッドエンド!お前たちの勝利条件とおりで俺は勝ったぜ!」

闘破はサニーの応援?に開き直り喝を入れて立ち上がった。

「ぐう!!出でよ!アカンベェ!」

負けを認めたくないマジョリーナはアカンベェを召喚し闘破とサニーに向かわせる。

「!!」

すると闘破がジライヤスーツを装着した。

「戸隠流正統!ジライヤ!許さん!」

闘破が磁光真空剣を抜刀すると光り輝くレーザー刀に変化し正眼に構える。

「磁光真空剣!」

更に

「勝負が終わったからウチの参加も有効や!闘破!受け取って!!」

サニーが指で着火すると磁光真空剣の刀身が炎に包まれた。

「!!」

そして闘破が磁光真空剣を肩に担ぎ歌舞伎のような構えを取る。

「真っ向両断サニースペシャル!!」

「アカンベェえええええ!!」

アカンベェが襲い掛かると闘破の縦一閃がアカンベェを真っ二つにし・・・

「!!」

薙ぎ払うとアカンベェは七色に輝き消滅した。すると三幹部たちも撤退し闘破とサニーだけが残った。

「あかね!」

「!!」

闘破がサニーに向かってサムズアップするとサニーもブイサインで返す。

「て!闘破!早く届けな!」

「いっけね!!」

闘破はジライヤスーツを解除し、あかねも変身を解除し自転車に乗ると急いで出前を届けるのであった。




本日のオチ

「「ただ今~」」

結局お客さんに謝りまくった闘破とあかねは溜まりに溜まった出前を配り終え遠出もしたため帰ったのは夕方になってしまった。そして日野家に帰ると良い匂いがしてきた。

「ん?良い匂い♪」

「闘破!あれあれ!」

あかねが指を指すとかつ丼を食べているげんきの姿が・・・

「うわ!良いな~どうしたのそれ!?」

「闘破がおらんかったからな~今日は出前とったんや~」

「「へえ~で!(ウチ)のは?」」

げんきに自分たちの分を訪ねてると・・・

「無い!」

「「ええ!何で!?」」

「どうせ外で食べてくるやろって言ってたから頼んでへんで~」

「「ガーン!ウルトラハップップー!!」」

といって落ち込みながらも闘破とあかねは顔を見合わせ、二人で冷蔵庫を見て野菜炒めを作るのであった。

頑張れ闘破!めげるなあかね!






 
 

 
後書き
再びなまけ玉の効果で心を失ってしまうあかね。そして自分を奮い立たせるためあかねはあるとんでもない立ち直り方をする!そして今発動するジライヤの真の力とプリキュアの力!

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

熱血!ぶっ飛ばせなまけ玉!

皆!見てね♪
 

 

第十話 熱血!ぶっ飛ばせなまけ玉!


バッドエンド王国

「く・・・ジライヤ・・・」

ジョーカーが黒い球を見つめながら以前恥をかかせた闘破の事を思っていた。

「いかにジライヤとはいえ・・・このパワーアップした怠け玉に耐えられますかね?」

そう宣言し力を増幅させた怠け玉を持ち闘破の元へ向かうのだった。




第十話 熱血!ぶっ飛ばせなまけ玉!




お好み焼きあかねにて・・・

「「ふん!!」」

何やら闘破とあかねが背を向けあって怒っているようである。

その理由はおやつの時である。

「闘破!ウチのプリン食べたやろ!!」

「て!あかねだって俺のヨーグルト食べたじゃないか!」

「むうう%&‘()%&$#&’()(‘&%$」

と言った感じに喧嘩になってしまったのだ。

尚、みゆき達がご馳走になるべく遊びに来ていたのだが闘破とあかねの喧嘩に気まずくなってしまう。

そんなこんなで夕飯の買い物に向かう闘破と何故かついてくるあかね達。

「闘破!ウチの前を歩くな!」

「なに!?」

両者の喧嘩にみゆき達は・・・

「ねぇ~二人とも喧嘩なんてやめてよ・・・」

「しかも原因はプリンとヨーグルトまるで兄妹喧嘩みたい・・・」

「兄弟喧嘩は犬も食わないって言うけど」

「・・・やよいさんそれは夫婦喧嘩です」

と言った感じにやり取りが続くと・・・

「!?」

闘破が立ち止まり凄まじい気配を感じ取った。

「とまれ!!」

「「「「「!?」」」」」

闘破の突然の言葉に足を止めるみゆき達。すると空が曇り始めた。

「あれは・・・」

嫌な予感がするその時だった。

一つの玉が闘破の元へ舞い降りるとそれに気づいたあかね。

「あれは!まさか!闘破!危ない!!!」

「!?」

闘破を突き飛ばして何かの玉に囚われてしまうあかね。突然の奇襲にみゆき達が仰天すると玉は宙に浮いていたジョーカーの元へ納まった。

「あかね!・・・貴様ジョーカー!!」

「これはこれは・・・またキュアサニーを捕えたようですね・・・」

飄々と答えるジョーカー。

「貴様!あかねをどうするつもりだ!!」

「まぁまぁ・・・本当はあなたを捕えるつもりでしたが・・・怠け玉の中でまた悩みや苦しみの無い世界に行くだけですよ♪もっとも効果は前よりも格段に上がってますがね♪」

以前あかねから聞いたことのある怠け玉の効果あの時はみゆきが立ち直らせてくれたと言っていた。

「どうします?こうして問答している間にもキュアサニーはこの何倍にも増した怠け玉の中で心が死にはじめてますよ?」

ジョーカーの明らかな罠に・・・

「あかね・・・俺の為に・・・ひどい目に合うってわかってて・・・今助けるぜ!!」

そう言って強引に怠け玉の中に飛び込む闘破。

「うわ!ちょっと!闘破さん!!」

「待ってえええ!!」

みゆき・やよいと続き・・・

「て!あかねが心配だ!」

「行きます!!」

なお・れいかも怠け玉の中へ飛び込んだ。

「ふふふ・・・プリキュア・・・ジライヤ・・・纏めてこの世界の餌食になりなさい!」

今度こそ自らの勝利を確信するジョーカー。




「!!」

怠け玉の世界に舞い降りる闘破が地面に着地すると周囲を見回した。

「ここは・・・七色ヶ丘?」

周囲を見るとまごうことなき七色ヶ丘だが様子が違った。すると何処かから気配が迫り闘破が臨戦態勢に入った。

「なんだ?どっからでもかかってきやがれ!・・・え!?」

闘破が上を見ると衝撃が・・・

「ぎゃう!」

みゆきが頭の上に落ち仰向けに倒れると・・・

「がは!!」

やよいがお腹の上に落ち・・・

「ごほ!!」

更になおが・・・

「ぐえ!!」

トドメにれいかが降ってきた。

今回この世界に来る際は落下方式だったらしいが、みんな闘破がクッションになって怪我一つなかった。


だがその分闘破のダメージが甚大になった。

「いてて・・・」

「大丈夫ですか?」

悶絶している闘破の肩に手を置いてれいかが慰めている。

だがそうこう言ってられないので立ち上がってあかねを探し始める闘破達。

「ここ何処だよ~」

七色ヶ丘を散策するがあかねの影も形も見当たらない。現在は住宅街の様な場所を探している。

「あかねちゃ~ん」

「どこ~?」

みゆきとやよいも周辺を見回すが同じような道ばかりであった。

しばらく散策してみるが本当に道なき道を歩いているような気分になる闘破達。

すると突然場面が変わった。

「・・・何で?」

突如目の前に現れたお好み焼きあかねの姿が・・・先程まで住宅街に居たはずなのに突然お店に居るからだ。

「これは・・・混乱するのを狙っているのでは・・・」

「考える隙を与えないって奴か?」

れいかの分析になおが納得すると息を飲んで闘破が戸に手をかけ・・・

「!!」

開けた。

するとそこにはカウンターに伏せながら眠るあかねの姿が・・・

「「あかね!」」

「「あかねちゃん!!」」

「あかねさん!」

闘破達が眠っているあかねに駆け寄ると既に力無く眠っていた。

「これは・・・」

怠け玉の効果にやられてしまった。

そう考えるが何が原因か分からない。

するとみゆきがあかねの横に置かれていたお好み焼きを見た。

誰かが食べた跡が残っている。

「あかねちゃん・・・これを食べちゃってこうなったんじゃ・・・」

「・・・・・・・・」

闘破が考えるとジョーカーが姿を現した。

「あなたもこの世界の物を口にすればそうなれますよ?」

「何だと!?・・・!!」

明らかに罠と言っているジョーカーの言葉に闘破はあかねの目の前に置かれていたお好み焼きを口に居れた。

「闘破さん!」

闘破の行動に仰天するみゆき。すると闘破は・・・

「確かにこの世界は便利かもしれない・・・けどな!この世界のお好み焼きよりあかねの作ったお好み焼きの方が何倍も美味いぜ!」

正気を保っていた。それを見て面白くなさそうなジョーカー。

「く・・・ならキュアサニーはどうでしょうね?・・・それに皆さんも・・・」

ジョーカーの言葉にみゆき達の様子が変になってきた。

「う・・・何これ・・・」

「気持ち悪い」

空間そのものに押しつぶされそうになってるみゆきと口を押えるやよい。

「どうして・・・いるだけなのに・・・」

「これは・・・空間そのものに効果があるのでは?・・・長くいれば私たちもあかねさんのように・・・」

なおの疑問をれいかが冷静に分析し時間制限を考える。

すると闘破はカウンターにもたれ掛っているあかねの元に駆け寄った。

「あかね!おい!しっかりしろ!・・・ふん!!」

眠っているあかねを闘破が背中を起こして喝を入れるとあかねは力なく目を覚ました。

「・・・・・・」

死んだように目の光の無く何も答えないあかね。すでに心が閉じられようとしているのか闘破はあかねの目の前で人差し指を立て左右に振るがあかねの反応がない。

「どうしよう!あかねちゃんがまたなまけ玉に・・・」

「・・・前よりもひどい」

みゆきが頭を抱えなおが状況の不味さをいうと闘破はあかねの目の前に手を翳し・・・

「かあああつ!!」

闘魂を注入した。

「!!」

するとあかねの身体がビクンとしなり目に光が戻った。

「あれ?闘破?ウチこんなところで何してんねん?・・・てかここウチのお店?・・・ええっと誰もおらへんからとりあえずウチのお店に入って・・・それでお腹空いたからお好み焼き食べて・・・う~んっと」

と言った感じにあっさり怠け玉から立ち直ったあかね。戸隠流は催眠の類なら立ち直らせやすいらしい。

するとみゆきは・・・

「闘破さん・・・一体何者?」

以前身体を張った身としては少々悔しいようである。

兎に角!

「あかねちゃん!ここは兎に角一緒に戦ってジョーカーをやっつけよう!」

「ほえ?おう!!」

みゆきのやけくそに空気を読んだあかねは変身しようとすると・・・

その前に・・・

「あ!闘破!あんな所でワニがリボン付けてが空飛んでる!!」

「え!?どこどこ!?」

といってあかねに指を指された闘破が見ると・・・

「今や!!」

「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」

闘破が変な方を向いている隙に変身するみゆき達。

どうやら正体がバレてないという設定なので変身シーンは見るなという事であるらしく空気を読んだ闘破。

「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!」

「太陽サンサン熱血パワー!キュアサニー!」

「ピカピカピカリン!じゃんけんぽん!キュアピース!」

「勇気リンリン直球勝負!キュアマーチ!」

「深々と降り積もる清き心!キュアビューティ!」

「「「「「五つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!!」」」」」

名乗り終えると振り返る闘破。

「あれ?皆何処に行ったんだ?」

わざとらしく変身が終わると振り返る闘破。

「く!出でよ!アカンベェ!!」

ジョーカーが黄色っ鼻を投げるとアカンベェが召喚される更に空間を操作しハッピー達に怠け空間の効力を押し付けた。

「く!なんやこれ!?」

脳裏に響き渡るような何かに悶えるプリキュア達。

「これは・・・」

「嫌な事から逃げたくなる!」

「やる気が・・・吸収されます・・・く」

空間の催眠効果に押しつぶされそうになるプリキュア。

以前の怠け玉よりも格段に効果が上がっていた。

「このままじゃ・・・またさっきの状態になる・・・く!」

闘破から注入された闘魂まで吸収されそうになるサニーは知恵を振り絞った。

(嫌な事・・・不幸な事・・・・・・そうや!!)

この空間を破るべく立ち直る方法を思い当たったサニー。

「どうですか皆さん・・・嫌な事から逃げちゃえばいいじゃないですか?」

「へん!・・・ウチは絶対嫌な事から逃げへん!!・・・どんなに辛くったって・・・闘破に比べれば全然ましや!!」

「「「「「え?」」」」」

サニーの宣言に目を丸くする面々だが構わず説明を続けるサニー。

そして今明かされる日野家の闘破の扱い・・・

「闘破はな・・・バイトやから安月給でこき使われて!ウチの炊事!洗濯!掃除!家事全部やって!おまけに忍者の修業やいうてシゴキには合うし!(縄抜けの術の修業の為)縄でグルグル巻きにされて木に逆さ吊りになるわ!毎日毎日家計簿やりくりしてお金無いから努力して忍者エアロビックス初めて哲山先生に滅茶苦茶怒られて!それでもめげずに闘破は生きてるんやで!どんんんんなに辛い事があってもどんんんんんんんなにバッドエンドな日々でも・・・闘破に比べたらウチなんてまだまだウルトラハッピーや!!」

・・・何とも闘破に失礼な立ち直り方をするサニー。

「そうか・・・」

それを聞いて立ち上がるハッピー。

「私だってそうだ!闘破さんに比べたら私なんてまだまだ!」

「そうだよ!闘破さんに比べたら私だって!」

「そうだ!闘破に比べたら!!」

ハッピーにピース・マーチと加わり口をそろえて「闘破に比べたら」と言って立ち上がり空間の脱力効果をはじき返した。

一方

「ウルトラハップップ~・・・」

といって落ち込んでしまった闘破。

「あの~皆さん自分を奮い立たせる為に言ってるので落ち込まないで良いと思いますけど」

出汁に使われた為か一生懸命慰めるビューティ。

すると

「そうだ!絶望は愚か者がする事だぜ!」

といってあっさり立ち直った闘破。それを見たサニーは・・・

(闘破って根っからポジティブなんじゃ・・・見習おう・・・けど今はアカンベェや)

サニーがアカンベェに向かって構えるとアカンベェは大きな手でプリキュア達を薙ぎ払った。

「「「「「あああああああああああああ!!」」」」」

吹き飛ばされるスマイルプリキュア。それを見ていたジョーカーは不気味にほほ笑んだ。

「ふふふふふ・・・どうせあなた達は孤独に戦ってるんです。あなた達を守る者などいません!「俺が居る!!」なに!?」

ジョーカーの言葉に闘破が・・・

「!!・・・!!・・・!!・・・!!・・・!!」

両手首に手甲を・・・赤いマスクを・・・腰にベルトを・・・胴体に赤い胴を・・・背中に磁光真空剣と次々に装着していきジョーカーの目の前に立ち両腕でL字を組み両腕を広げ独特の印を組み・・・

「戸隠流正統!ジライヤ!!」

名乗りを上げた。

『アカンベェええええ!!』

「ジライバスター!!」

闘破の銃撃がアカンベェにヒットし怯んだのを見るとプリキュアの元へ駆け寄った。

「みんな!」

「ジライヤさん!!」

闘破の登場に目を輝かせるハッピー。

「行くぜ!」

「はい!!」

闘破に引っ張られ五人はプリンセスキャンドルを掲げた。

「「「「「ペガサスよ!私たちに力を!!」」」」」

プリンセスキャンドルが光り輝くと五人は光を纏った。

「プリンセスハッピー!」

「プリンセスサニー!」

「プリンセスピース!」

「プリンセスマーチ!」

「プリンセスビューティ!」

「プリキュア!プリンセスフォーム!!」

真の力を開放するスマイルプリキュア!そして闘破も・・・

「よし俺も行くぜ!!!」

闘破が戦う意志を表した瞬間。

「!!・・・!!・・・!!」

両肩に金色の肩当てを・・・喉当てを・・・ゴーグルを・・・ジライヤパワープロテクターを第二装着し真の力を現した。

「磁光真空剣!!」

ジライヤサーチャーが輝き闘破がレーザー刀になった磁光真空剣を肩に担ぎ歌舞伎の様な構えを取る。

「あれが!ジライヤの真の力!?」

闘破の本気の姿に驚愕するジョーカーはアカンベェを向かわせると・・・

五人がペガサスのオーラに跨り

「届け!未来の光!」

「「「「羽ばたけ!未来へ!!」」」」

「「「「「プリキュア!レインボーバースト!!」」」」」

「斜め両断!!」

プリキュアの力がアカンベェを浄化し闘破の一閃が怠け玉の空間を切り裂き七色に光らせ消滅させた。

「輝け!」

「「「「「「ハッピースマイル!!」」」」」」

アカンベェが浄化されると闘破も五人に合わせるように闘破も叫び磁光真空剣を背に納めた。

「く!だがジライヤの力・・・見せてもらいました」

そう捨て台詞を残しながらジョーカーが撤退し、ジライヤスーツを脱いだ闘破が変身を解いたあかねの元へ駆け寄った。

「良かった無事で」

「せやな~て闘破!早く帰ってご飯や!!」

「わかったよ~すぐ作るよ」

と言った感じにいつものやり取りが始まると・・・

「「「「・・・・・・・・・」」」」

・・・何故か四人は深く考えていた。

翌日

「「・・・何でこんな事に?」」

闘破とあかねが状況についていけないと言った目でいる。それは何故か日野家でみゆき達に労わられているからであった。

「凝ってますね~」

「お茶入りましたよ~」

「お菓子どうですか~」

何故か肩を揉まれたりお茶を出されたりお菓子を振舞われたり・・・先日までとは違いものすごおおっくもてなされてる闘破。

「「「「闘破(さん)ウルウルウル」」」」

何故かハンカチで目元拭って何故か闘破に対して道場のまなざしで見ているみゆき達。

先日、あかねが暴露した日野家の闘破の扱いで闘破=怪しい人から闘破=苦労人になったらしい。

「「お願いだからみんな元に戻ってえええええ!!」」

闘破とあかねの絶叫が響きわたるのだった。




 
 

 
後書き
やよいに頼まれてイベントの順番取りに向かった闘破。バッドエンド王国の襲撃によりハッピーと共にロボットになっちゃった!そして闘破に乗り込むサニー!今こそジライヤとプリキュアの力を合わせる時だ!!

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

地球を救え!プリキュアとジライヤがロボニナール!?

みんな!見てね♪
 

 

第十一話 地球を救え!プリキュアとジライヤがロボニナール!?

深夜日の上らないあるイベント会場にて

「寒い~」

防寒具来て列に並んでいる闘破。

何やら物凄い人だかりで行列が出来ていた。




第十一話 地球を救え!プリキュアとジライヤがロボニナール!?




何で闘破がこんな事をしてるかと言うと数日前

「♪」

やよいたちに呼ばれた闘破が何やらロボッターについて熱く語られている。

その様子にあかねとなおは白けていた。

(まぁ~ふつうは男の子のロマンだからな~学も好きだし~)

と言った感じに闘破が考えていると・・・やよいが・・・

「あの・・・闘破さん・・・その・・・えっと」

「ん?どうした?」

何やら闘破に頼みごとがあるらしいやよいだが言う勇気がないらしい。

すると闘破は腕を組んでドーンと構えた。

「よし!泣くまで待とうホトトギス!・・・・・・・・・・・・・・・れいか!これ誰の事だっけ?」

「徳川家康です」

「そうだ!家康さんだ!」

といってれいかに意味を聞いて納得する闘破。

すると

「て!大の大人が中学生に意味聞くなああ!!」

ハリセンで思いっきり闘破の頭をひっぱたくあかね。

「いって~それなんだよやよい」

「あの・・・闘破さん!明日のロボッターの発売日なんですけど・・・先着100名に限定のゴールドロボッターがあるんです!闘破さんお願いします!!」

という訳で限定100個のゴールドロボッターを買うために日が昇る前から並んでいる闘破。

「ううう~さむ~」

持って来たザックから水筒を出して温かいお茶を飲もうとするが・・・

「・・・無い」

飲みきってしまったらしい温かいお茶。

すると

「どうぞ♪」

隣に居た兄ちゃんが闘破に水筒を渡した。

「あ!良いんですか!?」

「ええ♪困った時はお互い様です」

といって水筒の中の温かいコーヒーを飲む闘破。その様子に兄ちゃんこと田村直人も笑顔になっている。

「いや~助かったよ~あれ?折破?折破じゃないか!君はどうしてここに?やっぱりロボッターのファン?」

「誰ですか?折破って?いや~ある女の子をびっくりさせたくて♪」

「(・・・似ている人か)ふ~ん最近の女の子ってロボット好きなのかな~?」

と言った感じに徹夜組になっている闘破と直人だった。



そして

コケコッコ~

と日が昇ると・・・

「うわ~凄い列だな~」

比較的戦闘の方に並んでいる闘破が後ろを向くと余りの列に驚いているとやってきたやってきた達。

「あ!やよい~みんな~!」

「闘破さ~ん」

手を振って位置を伝える闘破に応えるやよい。

すると直人が顔を隠して隠れ始めた。

「あれ?どうしたの?」

「いえ~ちょっと~」

直人の行為にちんぷんかんぷんの闘破。

そしてやよいたちと合流しやたらとテンション高くロボッターについて話し始めていると・・・

「おらおらどけどけ!どけってんだよ!」

「今日発売のワルブッターの玩具は何処オニ!!」

突然現れたウルフルンとアカオーニ。するとズカズカと割り込み始めたではないか。

「おい!買うんだったら!割り込みしないで順番守れ!!」

ウルフルンとアカオーニの割り込みに激怒する闘破。

するとある事に気が付いた。

「て!お前達わざわざ買いに来たのかよ!暇な奴らめ!」

闘破がウルフルンとアカオーニに呆れていると・・・

「何だと!お前だって暇な大人オニ!!」

「なに!?「「$E%&#&%$#”$EWRTEDTF$%#%$W$W!!!」」」

といって大人げない争いが続き・・・

「シャアラアアアアアップ!!!」

あかねに怒鳴られるのだった。

そしてようやくあかね達に気付いたウルフルンとアカオーニ。

「!お前ら!さてはお前らもワルブッターのファンだな!?」

「なんでやねん!ちゃうわ!」

「そうだよ!ロボッターのファンだよ!」

ウルフルンの言葉に反論するあかねとやよい。

するとマジョリーナがやってきた。

「お前達!寄り道してないでプリキュアを探すだわさ!」

「プリキュアならここにいるオニ」

アカオーニが指差した方を見るとマジョリーナは誤魔化し始めた。

「こ!ここに居ると思っただわさ!」

「嘘つけオニ!」

「だが飛んで火に居る夏の虫だぜ!世界よ!最悪の結末!バッドエンドに染まれ!」

三幹部のやり取りが終わると闇の絵本を発動させる。

バッドエンド空間が形成され周囲の人々が絶望の淵に立たされる。

「大変!街の平和が!」

「プリキュア!今日がお前の最期だ!ついでにジライヤもな!!」

「え?ジライヤさん何処に居るの?」

「わああああああああわああああああああああ!!」

ウルフルンにジライヤが居ると言われてみゆきが周囲を見回すとあかねが止めた。

「そうはさせない!地球の平和を守るために・・・私たちは何度だって立ち上がる」

「「「「「「え?」」」」」」

やよいのテンションが頂点に達するとやよいが全員を引っ張り始めた。

「みんな!行くよ!!」

その前に

「あ!闘破!あんな所に空飛ぶイルカ!!」

「え!どこどこ!?」

変身の誤魔化しの為に闘破の気をそらすあかね。もちろん闘破も空気を呼んで引っかかるが・・・

「さあ!みんな変身や!て!何やってんねん!」

「いないね~空飛ぶイルカ~」

「そうだね~」

闘破に言った誤魔化しの一言を信じてしまったみゆき達が闘破と同じ方向を見て空飛ぶイルカを探し始めてしまった。

みゆき達も一緒にあらぬ方向を見ている為、流石の闘破もこのノリでは誤魔化されるわけにはいかない。

すると

「あ~今日はいい天気だな~」

といって別の方角を見た。

取りあえず変身する瞬間さえ見ていなければセーフである為必死に変身する瞬間を見ないようにする闘破。

そして

「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」

5人がスマイルパクトにデコルをセットすると光り輝き・・・

「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!」

「太陽サンサン!熱血パワー!キュアサニー!」

「ピカピカピカリン!じゃんけんぽん!キュアピース!」

「勇気リンリン!直球勝負!キュアマーチ!」

「深々と降り積る清き心・・・キュアビューティ」

全員が変身が終わると闘破も少し離れた所に行き・・・

「!!・・・!!・・・!!・・・!!・・・!!」

両腕に手甲を・・・腰にベルトを・・・顔にマスクを・・・身体に胴を・・・背中に磁光真空剣を装着し変身したプリキュアの前に降り立った。

「「「「「五つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!!」」」」」

「戸隠流正統!ジライヤ!!」

五人に合わせるように名乗りを上げる闘破。

「あれ?ジライヤさんいつの間に?」

「まぁ!細かい事はええやん!!」

突然のジライヤの登場に驚くピースを必死に誤魔化すサニー。

「プリキュア!ジライヤ!今日はこれで勝負だわさ!!」

「なにそれ?」

何やら光線銃を取り出すマジョリーナに質問するピース。

「あたしの発明!ロボニナールだわさ!この光線を浴びたら巨大ロボットになれるだわさ!さあ!お前達!」

「な何するんだ!?」

ロボニナールをウルフルンとアカオーニに向けるマジョリーナ。

するとアカオーニが・・・

「へっくしょん!」

クシャミしてしまってマジョリーナが吹っ飛ばされるとロボニナールをプリキュア達に向かって発射してしまった。

「「「「#$%&‘()(’&%$#%&‘()’&%$」)」」

大慌てで散る四人だがハッピーだけ乗り遅れてしまった。

「うわ!みゆき!!」

「や!や~ら~れ~た~」

ハッピーを庇う闘破だがハッピーごと変な光線を浴びてしまう。

「て!何ともないぜ!?」

「なぁ~んだ~」

といって闘破とハッピーが無事を確かめると・・・だんだん膨れ上がり・・・

「え!?なに!?どうしたの!?」

「え!なんだ!?」

外野が目を丸くすると・・・

『『ええええええええええええ!?』』

巨大な二頭身ロボットになってしまったハッピーと巨大なコンパチヒーローみたいになってしまった闘破。

「な!なんやあれ!?」

「ハッピーとジライヤが・・・」

「ロボットになっちゃった!」

「これは予想外の天界です」

仰天するサニーとマーチとウキウキし始めるピースとキョトンとするビューティ。

「ハッピーロボとジライヤロボクル!」

キャンディに命名されてしまうハッピーロボとジライヤロボ。

「プリキュアとジライヤが・・・ロボットになっちまった!」

「何するだわさ!ロボニナールが使えるのは一回きりなのに!」

「何だ使えねえな!まあいこっちにはこれがある」

「「ん?早い者勝ちだ(オニ)!」」

ウルフルンとアカオーニが黒っ鼻を掲げると・・・

「「出でよ!ハイパーアカンベェ!!」」

近くにあったワルブッターの人形に憑依すると・・・

『ハイパー!』

『アカンベェ!!』

ワルブッターの上半身と下半身のロボットアカンベェになった。

「こっちもロボットアカンベェだぜ!!」

「凄い凄い!映画みたい!!」

「・・・何がすごいのか」

「・・・さっぱりわからん」

身体中から星を放つピースにややついていけないサニーとマーチ。

「オイ!アカオーニ!おめえはすっこんでろ!」

「そっちこそ引っ込むオニ!」

登場早々もめ始めるウルフルンとアカオーニにマジョリーナが一喝した。

「どっちでもいいからハッピーロボとジライヤロボを倒すだわさ!!」

「ハッピーロボとジライヤロボを倒した方が勝ちな!」

「負けないオニ!」

ハッピーロボとジライヤロボに向かうウルフルンとアカオーニ。

「敵だけどかっこいい~♪」

『て!来た!』

「ええいこうなったら!行けえ!ハッピーロボ!ジライヤロボ!!」

『よ!よし!』

『こうなったら先手必勝だ!!』

と言ってウルフルンとアカオーニに向かって行こうとするハッピーロボとジライヤロボ。

だが

『ってあれ!?動けない!』

『い!?どうなってんだ!?』

何故か身体が動かないハッピーロボとジライヤロボは先手必勝され吹っ飛ばされてしまった。

「何してんねん!ハッピーロボ!ていうか!ジライヤロボ何やってるんや!!」

『わかんない!身体が全然動かないの~』

『う~ん!う~ん!!』

困った表情になってるハッピーロボと汗かきながら必死に動こうとしているジライヤロボ。

「て!何でロボットが汗かくねん!」

「それは置いておいて!誰かが操縦しないとロボットは動かないんだよ!地雷神だってそうじゃない!」

「それは困りましたねぇ」

ツッコミを入れるサニーを余所にピースがロボットについて説明するとビューティが冷静に困った表情をする。

「興味ないな~・・・」

「すこぶる興味ない!」

操縦する事に白けるサニーとマーチ。

「大変クル!ハッピーロボとジライヤロボがピンチクル!」

「行け!ハイパーアカンベェ!」

応援団二人が異常な盛り上がりを見せていると・・・

『誰かお願い操縦してぇ~』

『俺も俺も~』

困った表情のままのハッピーロボの胸の扉が開くと・・・

「おお~!あれは正しく操縦席!さぁ!みんな!早く乗り込むんだ!!」

身体中の星が更に輝きテンションが上がるピース。

「え?「ええええええええええ!!」」

「あら」
ピースの突然のノリに仰天するサニーとマーチにややちょっと驚いた程度のビューティ。

「我々が!地球の平和を守るのだ!ふん!」

物凄い鼻息を出すピース。

全員がハッピーロボに乗り込むとジライヤロボが叫んだ。

『ちょっと!俺は!?誰か俺に乗ってよ!!』

『ええい!男やったらなんとかしいや!!』

『男でもどうにもできないって!!』

ハッピーロボの中のサニーに激怒されて困った表情になるジライヤロボ。

そんなこんなでハッピーロボのコックピットに入った四人。

「何や此処?」

「ハッピーロボの操縦席のようですね?」

「狭いし機械だらけ」

三人がそれぞれの感想を述べると・・・

「すご~いロボッターそっくり!」

「よっしゃ!ピース!任せたで」

「え?」

サニーに降られてしまい操縦席に座るピース。

『ウルフッフッフッフ!行くぜ!ハッピーロボ!』

『来たよ!ピース!』

するとハッピーロボの目が光り立ち上がった。

『やった!』

『動いた!』

『立ち上がりました!』

だが変なポーズをとるハッピーロボ。

『なにしてんの!?』

アカンベェの攻撃を受けて吹っ飛ばされてしまうハッピーロボ。

『わああ!ピース避けてええ!』

ハッピーロボが慌てると中でピースが操縦席で唸っていた。

「え・えーっと・・・これ?」

ピースがスイッチを押すとハッピーロボのアンテナがクルクル回り始めた。

『回った?』

だがとくに意味があったわけではなく再び吹っ飛ばされてしまうハッピーロボ。

「ピースどうしたの?」

「私・・・操縦できない・・・」

「何で!」

「だって!ロボッターはかっこいいから大好きなだけで操縦なんてわかんないよ~」

「「ええええええええええええ!!」」

ピースの爆弾発言に仰天するサニーとマーチ。

『そんな~』

『というか!俺は!?』

再び困った表情になるハッピーロボとジライヤロボ。

「チャンスだわさ!」

「ハッピーロボ!ジライヤロボ!頑張るクル!」

「楽勝だぜ!」

「楽勝オニ!」

応援席では再び盛り上がりウルフルンとアカオーニが再び攻撃態勢に入った。

「どうしよ!どうしよ!」

涙目のピースがメンバーに振るが・・・

「ううちは無理や!ホンマ機械はアカンねん!」

「ああ!あたしだって!テレビの録画も一人じゃできないし!」

「操縦したいのは山々ですが操縦方法がわかりません」

各々操縦についてもめていると・・・

『ちょっと誰か何とかして~』

とハッピーロボが唸ると急に立ち上がった。

・・・そして踊り始めた。

選手交代

「サニー!?」

コックピット席でサニーがメッチャクチャにボタンを押しまくっている。

「わけわからんけどやるしかあらへん!こういうんはな!身体で覚えるんや!」

変に踊り続けるハッピーロボは自ら吹っ飛ばされて海にダイブしてしまった。

すると

「あああれええええええ!!」

コックピットの蓋が開いてしまい外に飛び出てしまったサニー。

「あかん!思ったより動かへん!自分で戦った方が早いわ!」

『ま!待ってよ!誰かが操縦してくれないと私が動けないよ~』

『ねえ!俺は!?俺!!』

ハッピーロボが水面に浮いていると先程から程よく放置されていたジライヤロボ。

(せや!闘破やったら壊しても怒られ無さそう!)

と言う不純な動機でジライヤロボの元まで泳ぐサニーは・・・

「とう・・・じゃなくて!ジライヤ!ウチが乗ったるからコックピットあけてぇ」

『よし!』

待ってましたと言わんばかりにジライヤロボがコックピットを開けようとするが・・・

「どないした?」

『コックピットが開かない!』

「えええええええええええええ!!」

乗り込めない事に仰天するサニー。

ハッピーロボ操縦不能・ジライヤロボ搭乗不能というロボット物では最悪の事態に陥ってしまった。

『ふん!木偶人形二体が!!』

完全にロボット物の悪役になり切ったウルフルンがハッピーロボに向かうと・・・

再び立ち上がったハッピーロボ。

すると足踏みし始めた。

選手交代

「おお!マーチ凄いやん!」

水面に浮いているサニーが驚くとハッピーロボの中でマーチが物凄く硬い表情をしながらレバーを動かしていると・・・

「マーチ!ハッピーパンチだ!」

ピースが司令官の如く指さすが何も起こらない。

「マーチ?」

「ごめん!今話しかけないで!集中してるから!」

『いつまでやるの~疲れてきたよ~』

「ロボットなのに疲れるんかい!!」

サニーのツッコミもっともであるが足が引きかかって転んでしまうハッピーロボ。

「だめ・・・これしか出来ないみたい」

笑って誤魔化すマーチ。

「こけおどしかよ!」

「踏み潰してやるオニ!俺はジライヤロボをやるオニ」

ウルフルンがハッピーロボにアカオーニがジライヤロボに襲い掛かろうとすると・・・

「ハッピーロボの大ピンチクル」

キャンディが叫ぶとサニーが頭を捻った。

「えっとどうやって乗ったらええんや~」

サニーがジライヤロボへの登場方法を考えていると思いついたが確信が持てない。

「物は試しや!闘気ぃぃぃぃぃ!!」

戸隠流の印を組むとサニーが炎となりジライヤロボの中に入ると地雷神方式で合身した。

すると何やら空間のような場所に立つサニー。

「え?ここってジライヤロボの中?」

『あかね!来るぞ!』

「い!!」

アカオーニが突撃してくると咄嗟に腕を交差させるサニー。

するとジライヤロボも腕を交差させアカオーニの攻撃を防いだ。

「もしかして・・・」

サニーが手をひらひらさせるとジライヤロボも手をひらひらさせポーズをとるとジライヤロボもポーズをとった。

ジライヤロボはモーショントレースらしい。

「なんや?モーショントレースって?」

早い話が乗ってる人が動いたとおりに動きます。

「よっしゃ!それなら簡単や!」

思いっきり拳を叩き合わせるとジライヤロボも拳を叩き合わせた。

「何だよアカオーニの奴だらしねえな!!」

ウルフルンもハッピーロボに襲い掛かろうとするとハッピーロボの目が光った。そして華麗な動きでウルフルンの攻撃を回避し蹴り飛ばした。

「何事だわさ!」

選手交代

「・・・!!」

「「ビューティ!!」」

マジョリーナが仰天するとハッピーロボのコックピット内でビューティが瞳を開いた。

ウルフルンが追撃してくるとハッピーロボは華麗に避け更に反撃する。

『私凄い!』

「何で操縦できるんや?」

サニーの質問にビューティ応えた。

「先程ピースからお借りした本を一読しましたので」

そう言ってロボッター大図鑑を見せるビューティ。

「嘘!あれ全部覚えたん」

「凄い!」

『人間業に凄みを感じる』

思わず感心してしまうジライヤロボ。

「よううっし!二人とも!正義の逆襲だ!!」

ピースのノリに並び立つハッピーロボとジライヤロボ。

『いくで!ジライバスター!!』

腰からジライバスターを抜いてアカオーニを攻撃するジライヤロボ。

「くう!動けるようになったら手ごわくなったオニ!」

ジライバスターを防ぎながらアカオーニが叫ぶとすかさず・・・

『磁光真空剣!!』

磁光真空剣を抜刀しジライヤロボが斬りかかると一閃で吹っ飛ばされるアカオーニ。

『はああ!!』

両拳のコンビネーションでウルフルンを攻撃するハッピーロボ。

行き成り形勢が不利になったウルフルンとアカオーニは・・・

『こうなったらとっておきだ!行くぞアカオーニ!』

『合点オニ!』

『『バッドエンド!ドッキング!』』

「ドッキング?」

『なんやそれ?』

サニーとマーチが白けると・・・

『行くぜ~』

ウルフルンが巨大な上半身となり・・・

『行くオニ!』

アカオーニが巨大な下半身となり一つとなった。

『合体!ハイパーアカンベェ!』

「合体したクル!」

「合体しただわさ!」

行き成り合体したことに目を丸くるキャンディとマジョリーナ。

「合体した~♪」

身体中の星を輝かせるピースに・・・

『合体したな』

「合体したね」

『ちょっと!二人とも白けてる場合じゃないぜ!こういう時あいつ等パワーアップしたんだぞ!』

白けているサニーとマーチにツッコミを入れるジライヤロボ。

更にハイパーアカンベェは大空を飛び始めた。

「飛んだクル!」

「飛んだだわさ!!」

「飛んだ~~♪」

物凄く盛り上がってる三名を覗き

『飛んだな』

「飛んだね」

やはり白けているサニーとマーチ。

『行くぜ!ハッピーロボにジライヤロボ!パンチで決めるぜ!』

『キックオニ!』

『『ん?』』

『チョップで決めるぜ!』

『回し蹴りオニ!!』

『『%&‘()(’&%$#&‘()’&%$#&‘()’&%$』』

何やらどちらが止めを刺すかでもめ始めたウルフルンとアカオーニ。上半身と下半身がバラバラに動き始めた。

『心がバラバラだと合体って意味がないんだな』

ウルフルンとアカオーニの行為に白けるジライヤロボ。

『何してるの勿体ない!合体のかっこよさが台無しだよ~ようし!こっちも!合体だ!!』

『合体?』

『まさか・・・』

『もしかして・・・』

超嫌な予感がするサニーとジライヤロボ&ハッピーロボ。

すると

『超!メルヘン合体!!』

『『ええええええええええええ!!』』

ピースの無茶ぶりにハッピーロボとジライヤロボがバラバラになりパズル合体を披露すると・・・

『スゥゥゥパァァァ!ハッピー!ロボ!!』

ロボッターの様な超ヒロイックなロボットになってしまったハッピーロボ改めスーパーハッピーロボ。しかもコックピットまで変形し四人が座る席まで現れた。

『て!何がどう合体すればこうなるんや!!』

突然合体したことに目を丸くするサニー。

すると

『な!あいつらも合体しやがった!!』

『行きます!!』

ビューティが操縦桿を動かすと飛翔するスーパーハッピーロボ。因みにメイン人格はハッピーロボらしい。

『もめてる場合じゃないようだな!』

こうして合体ハイパーアカンベェ対スーパーハッピーロボの戦いの火蓋が斬って落とされた。

『磁光真空剣!!』

スーパーハッピーロボが磁光真空剣を抜刀するとビューティが剣道の要領で一閃を放った。

『くう!ワルブッター!ダークサンダー!!』

『ジライバスター!ハッピーシャワー!!』

ジライバスターを媒体にしハッピーシャワーを放ち相殺させるスーパーハッピーロボ。

『くそ!』

『今度は俺の番オニ!ワルブッタービーム!!』

合体ハイパーアカンベェから破壊光線が放たれると・・・

『ハッピーバリア!』

ハッピーバリアを展開して完全に防ぐスーパーハッピーロボ。

『ハッピーバリアは無敵なのだ!!』

スーパーハッピーロボが合体ハイパーアカンベェに向かって飛翔すると・・・

「このままでは・・・?」

何かに気付いたマジョリーナ。

『ようし!最後はウルトラハッピーパンチだ!』

『必殺技ですね538ページに書いてありました!』

『そんなによんだん?』

『ハッピーエネルギー!フルパワー!!』

スーパーハッピーロボの右腕が唸りを上げた。

『ウルトラハッピーパァァンチ!!』

『ああ!私の腕があああ!!』

ロケットパンチが放たれると合体ハイパーアカンベェに直撃する寸前で止まってしまう。

するとスーパーハッピーロボが元のハッピーと闘破の姿に戻った。

「手あった!あれえええええええええ!!」

空中を飛んでいた為に当然落下するハッピーと闘破。

そしていつものパターンが・・・

「ぐえ!」

思いっきりにハッピーの下敷きになる闘破。普通に着地する四人。

すると

「一度しか使えないのなら最初っからこうしていれば良かっただわさ!」

マジョリーナがロボニナールを恐し効果を消した。ヒーローものでやってはならぬ必殺技の阻止をしたのである。

「そんな!スーパーハッピーロボが敵わないなんて・・・」

落胆するピース。

その時だった!!

「マクシミリアンガン!!」

『な!?なんだあああ!?』

凄まじいビームが放たれ合体ハイパーアカンベェを怯ませた。

その先に居たのは・・・

「ジバン!!」

「「「「「ジバン?」」」」」

ジバンの登場に目を輝かせるピース。

「第六条!子供の夢を奪い・・・その心を傷つけた罪は特に重い!!」

そしてジバンが叫んだ!

「やよいちゃん!諦めるな!!地球の人々を守るために・・・僕達は何度でも立ち上がる!そうだろ!!」

「・・・直人兄ちゃん・・・うん!!」

ジバンの激励に立ち上がるピースにハッピー達も気合を入れ直し合体ハイパーアカンベェに向かう。

すると闘破が・・・

「そうだ!正義のロボの力見せてやるぜ!!地雷しいいいいいいん!!」

闘破がヒロイックに地雷神を召喚すると地響きが起こり、地下で眠っている地雷神が緑の稲妻を起こしながらその姿を現した。

「「な!!」」

正義の巨人・地雷神の登場に目を丸くするウルフルンとアカオーニ。

「みんな!あの技で決めるよ!!」

「俺達の力を合わせるんだ!!みんな行くぜ!!」

ピースと闘破が叫びプリンセスキャンドルにデコルをセットするプリキュア達。

「「「「「ペガサスよ!私たちに力を!!」」」」」

プリンセスキャンドルの輝きと共にプリキュアの姿が覚醒する!!

「プリンセスハッピー!」

「プリンセスサニー!」

「プリンセスピース!」

「プリンセスマーチ!」

「プリンセスビューティ!」

「「「「「プリキュア!プリンセスフォーム!!」」」」」

プリキュアの真の力が覚醒すると・・・

「よし!俺も!!」

闘破が両肩に金色の肩当を・・・喉当てを・・・ゴーグルを・・・ジライヤパワープロテクターを第二装着し真の力を開放した。

「みんなの力を合わせるクル!!」

ロイヤルクロックにデコルをセットすると針が4を指しフェニックスの正坐を描いた。

「「「「「「闘気ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」」」」」」

全員が戸隠流の印を結ぶと闘気が最大限に高まり緑の炎となって地雷神と合身するとフェニックスが地雷神に宿りその背中から炎を翼がマントのようになびいた。

「「「「「「金剛地雷剣!!」」」」」」

六人の叫びと共に地雷神が金剛地雷剣を抜刀するとプリンセスキャンドルの七色の炎が刀身に宿り胸から5つのペガサスのオーラが放たれ一つとなり巨大なペガサスとなった。

「「「「「「はあ!!」」」」」

地雷神が巨大なペガサスに騎乗するとそのままアカンベェに向かって突進する。

「届け!希望の光!」

「「「「「羽ばたけ!未来へ!!」」」」」

「プリキュアとジライヤの合体技!」

「「「「「「ロイヤルレインボー・・・バァァァストォォォ!!!」」」」」」

地雷神の目が光りペガサスとフェニックスのオーラを纏った金剛地雷剣を・・・

「「「「「「バッドエンド!真っ向両断!!!」」」」」」

一気に振り下ろしアカンベェを一刀両断真っ二つにし・・・

「「「「「「!!」」」」」」

横一閃で薙ぎ払った!!

アカンベェが七色の光を放つと地雷神は金剛地雷剣の炎を振り払い・・・

「輝け!」

「「「「「「ハッピースマイル!!」」」」」」

六人の叫びと共に金剛地雷剣を納めると消滅するアカンベェ。

アカンベェの消滅と共にキュアデコルが納められた。

その光景をジバンは見届けた。





戦いが終わりロボッター人形を買いに行こうとするがここで・・・

本日のオチ

「しまった!」

バッドエンド王国と戦っていた為列から出てしまった闘破は限定百個のゴールドロボッターを買い逃してしまった。

「・・・闘破さ~ん」

「ごめんな~」

事態が事態だった為がっかりするやよいに謝りまくる闘破だがその時

「やよいちゃ~ん」

「あ!直人兄ちゃん!」

「はいこれ♪」

何やら紙袋を持って現れた直人。するとその紙袋をやよいに渡した。

「これって!」

ドキドキしながらやよいが紙袋の中を確かめると中に入っていたゴールドロボッターの姿が・・・

「やよいちゃんをびっくりさせようかなって思って」

「直人兄ちゃん!ありがとう!」

思わぬプレゼントに感激するやよい。

(ある女の子ってやよいの事だったんだ~)

すると

「ロボットってただの機械やないんやな~」

「そうですね。ロボットには子供達を笑顔にする魅力を持っているようです」

「それに立ち上がる勇気もくれた。あたしも少しだけ良さがわかったよ」

「みんな・・・」

ロボットの事を考えてくれたみんなに感激するやよい。

「みゆきちゃん!またやろうね!」

「ええ~」

大変だったのか仰天するみゆき。

そんな光景に笑顔になる闘破達だった。

 
 

 
後書き
大変だ大変だ!マジョリーナの発明で闘破とあかねが入れ替わっちゃった!七色ヶ丘中学に通う事になった闘破が起こす奇想天外ドタバタ騒動・・・さらにバッドエンドが来ちゃってプリキュアに変身できないからさあ大変!!その時闘破は・・・

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

闘破とあかねがイレカワール!

みんな・・・見てね♪
 

 

第十二話 闘破とあかねがイレカワール!

第十二話 闘破とあかねがイレカワール!


ある日の日野家で相変わらず電卓弾いている闘破とマンガ読んでるあかね。

「はぁ・・・今月の生活費これだけか~」

「何や闘破今月も赤字か?」

あかねが興味深そうに家計簿を覗くと千円札9枚広げてため息つく闘破。

「明るくいこうぜ♪・・・けどなぁ・・・う~ん宝くじでも買っちゃおうかな・・・いやいや!イージーな考えはダメだ!汗水たらして働いてこそ!尊いのだ!!」

「あ!闘破そろそろ出前やで」

「もうこんな時間か」

あかねに言われて電卓をしまうと闘破は準備する。

いつものように自転車に乗って闘破とあかねが出前に向かっている最中の住宅地の通り道だった。

「プリキュア!ジライヤ!」

「「ん?」」

突然声を掛けられた闘破とあかねが振り返るとそこにはマジョリーナの姿があった。

「なんやマジョリーナかい!」

「性懲りも無く現れやがって!」

闘破とあかねがマジョリーナの襲撃に応戦する構えを取るとマジョリーナがローブの中からカメラを取り出した。

「今日は写真を撮りに来ただけだわさ!はいチーズ♪」

「「いえ~い!」」

マジョリーナの突然のノリに乗ってしまった闘破とあかね。しかし何も起こらない。

「て!これはミエナクナールじゃ・・・て見えてる」

「何も起こんないじゃないか!」

前回の痛い思いを思い出すあかねだが闘破は特に効果がない事に驚いた様子はなかった。

「ふ!ふ!ふ!今に見てろだわさ!」

そう言って早々に撤退するマジョリーナに闘破とあかねは顔を見合わせながら両手を上げた。

「なんなんやろ?ハッタリ?」

「さぁ~・・・て!出前!」

「急げ~~!!」

慌てて出前に戻る闘破とあかね。

この時二人は気付かなかった。

これから来るであろう災難に・・・



「「ただいま~」」

出前が終わり闘破とあかねが帰ってくると一休みするべくリビングに座った。

「なんか慌てて行って疲れたな~」

「せやな~何か眠いし~」

何やら眠そうな闘破とあかね。出前自体は大した労力ではなかったのだが妙に眠かった。

「寝ちゃうか~」

「せやな~」

そう言ってリビングで居眠りし始める闘破とあかね。







数分後







「ふぁ~・・・ん?」

眠い目をこすりながらあくびをする闘破が時計を見た。

「いっけね!もうこんな時間だ!!」

気が付くと夕飯の時間になっていた為、慌てて買い物かごを持って行く闘破。

「あれ?何か靴が大きくなった気がする・・・まいっか!夕飯夕飯!!」

日野家の家事担当と化した闘破が自分の靴を履いて慌てて夕飯の買い物に出かけると妙な違和感を感じた。

「あれ~ずいぶんと今日は背が低く感じるな~靴もぶかぶかなような気がするし~」

特に気にした様子もなくバスケット片手に夕飯の買い物に出た闘破は商店街へ行き八百屋さんで材料を買って財布をとりだした。

「あかねちゃん今日は手伝いか~感心だな~」

「え?あかねが何処に?」

八百屋さんにあらぬ事を言われて首をかしげる闘破。行く先々であかねが居るように言われるが生憎連れてきていない。

そして帰り道に何気なく電気屋さんのショーウインドウを見ると映し出されたその姿に仰天した。

「え?・・・えええええええええええええええええええええええ!!!?」

映し出されたのはあかねになっている己の姿・・・

「あかねええええええええええええええええ!!」

「闘破あああああああああああああああああ!!」

慌てて日野家に戻るあかね(中身は闘破)と数分前に起きて家中駆け回る闘破(中身はあかね)。そして家に到着して対面するあかね(中身は闘破)と闘破(中身はあかね)。

「な!何がどうなってるんや!」

「きっとさっきのマジョリーナの変な機械のせいで中身が入れ替わっちゃったんだよ!!」

「がーん!何でよりによって闘破と入れ替わるんや!」

「俺と入れ替わって悪かったな!!」

「つうか!ウチの声で男口調やめい!!」

「・・・人の事言えないじゃないか」

闘破と入れ替わった事に嘆く闘破(中身はあかね)。

すると

「ただいま~」

タイミング良くげんきが帰ってきた。

「「げんきいいいいいいいいい!!」」

「な何や二人とも?」

「げんき~あんな!これこれ」

げんきに事情を話しはじめる闘破(中身はあかね)

するとげんきは・・・

「そうか~って!いきなりそんな事信じられるわけないやろ!大方二人でグルになって騙そうとしてるんとちゃうか?」

「なんやて!この目を見んかい!身体はこんなアンちゃんやけどこの目はあんたの姉ちゃんやろ!!」

ウルウルのお目目で見る闘破(中身はあかね)。するとげんきは深呼吸し・・・

「んじゃ~自称姉ちゃんに聞きます!姉ちゃんが隠しているへそくりは何処にあるか?」

「い!?何でげんきがそんな事しっとるんや!ええい!机の二段目の引き出しや!」

「おお~姉ちゃんしか知らない事を・・・んじゃ自称闘破に聞きます!昨日俺とゲーセンで対戦したゲームの名前は?」

「えっと昨日やったのは格闘ファイター10だ!」

「お!昨日姉ちゃんに言ってない話を・・・」

「て!闘破ウチに内緒でまたゲーセン行ったんかい!!」

「んべ!!」

闘破(中身はあかね)が背中から巨大ハリセンを召喚しあかね(中身は闘破)の顔面を思いっきり引っ叩いた。涙目になりながら鼻を抑えるあかね(中身は闘破)。

「おお!そのハリセンを召喚できるのは姉ちゃんしかおらん!まぁとりあえず信じたるわ!」

とりあえずハリセン召喚のスキルでげんきに納得してもらって安堵するあかね(中身は闘破)と闘破(中身はあかね)。

「ねぇどうしようこの状況~」

あかね(中身は闘破)ががっくしと肩を落としながらこの先の事を考えると・・・

「狼狽えるんやない!これでしばらく過ごすしかないやろ!」

「「おお!肝が据わった!」」

闘破(中身はあかね)の一喝に思わず拍手してしまうあかね(中身は闘破)とげんきだった。

そして

「とりあえず・・・闘破!ごはん!」

「あ!いっけね!!」

闘破(中身はあかね)に夕飯を催促され慌てて作りにいくあかね(中身は闘破)だった。


翌朝

「はぁ・・・自分の身体じゃないからやりづらい・・・」

といってキッチンで闘破のエプロン姿でフライパン片手に日野家の朝ごはんを作っているあかね(中身は闘破)。邪魔なのか髪は三角巾でまとめている。

「・・・何か・・・超新鮮な光景やな・・・」

物凄く珍しそうな視線で見つめるげんき。とう言う訳で何やかんやで朝食を済ませ、何やかんだで制服に着替えたあかね(中身は闘破)が出勤ならぬ登校するべくあかねの靴を履いた。

「んじゃ行ってきま~す♪」

「いってらっしゃ~い・・・くれぐれも目立つなよ~嫁入り前の身体やから絶対に傷物にすんなよ~」

「わかってるよ~」

あかね(中身は闘破)を見送る闘破(中身はあかね)。

「しっかし・・・あの闘破に女子中学生なんてできるんかい・・・不安や~・・・」

見送って早々がっくしと肩を落とす闘破(中身はあかね)。物凄く後悔しているらしい。

だが今日から闘破の日程をこなさなければならない為気合を入れて店に入った。





通学路にてカバンを担いで登校するあかね(中身は闘破)。

「しかし中学生なんて懐かしいな~♪」

突然戻ってきた学生生活にウキウキするあかね(中身は闘破)。

すると

「あかねちゃ~ん」

「ん?あ!みゆき!」

登校中にみゆきと落ち合ったあかね(中身は闘破)が手を振ってこたえた。そして何気ない会話をしながら一緒に登校すると・・・

「そう言えば今日はテストなんだよね~あかねちゃん勉強してきた?」

「へ!?テスト!俺聞いてないよ!?」

「え?『俺』?・・・そういえばさっきから口調が違うような」

「い!」

慌ててしまい地の口調が出てしまいみゆきが疑問を抱くとあかね(中身は闘破)が口を塞ぐと一呼吸を置き言い直した。

「う!うんん!!いや~うちぜんぜんべんきょうしてへんで~」

「なんか・・・変・・・」

あかね(中身は闘破)の胡散臭い言い回しに疑問符を抱くみゆき。そんなこんなで登校したあかね(中身は闘破)とみゆき。

という訳で一時間目はテストなのだが・・・

「えっとなんだっけ~・・・」

頭を抱えているあかね(中身は闘破)。久しぶり過ぎて答えをど忘れしたらしい。

そして何やかんだでテストを終えたあかね(中身は闘破)が一息つくと次の授業は体育だった。

「!!」

本日バスケの試合が行われており相手チームの要であるなおがガンガンシュートを決める。

「よっしゃ!!」

なおがガッツポーズを取ると今度はやよいが・・・

「あかねちゃんパス!!あれ?」

天高くボールを投げてしまい完全に標的を外してしまったやよい。ボールは真っ逆さまに相手チームであるれいかの元へ降ってくる瞬間。

「!!」

あかね(中身は闘破)が凄まじいジャンプ力で数メートルはあるであろう高さのボールをキャッチしてしまった。

「「「「へ?」」」」

あかね(中身は闘破)が繰り出した跳躍力に仰天するみゆき達。

するとあかね(中身は闘破)が空中で体制を立て直すとパスの態勢に入った。

「みゆき!!」

「へ!?」

あかね(中身は闘破)の放った急降下してくるパスをキャッチしようとするが顔面ヒットしてしまうみゆき。

「いだいぃぃ・・・て!ボール!」

鼻を抑えながらみゆきがボールの所在を確かめるとやよいが持っていた。すかさずなおがボールを奪いに走るとみゆきが叫んだ。

「やよいちゃん!あかねちゃんにパスして!」

「へ!よ~し!!」

やよいがあかね(中身は闘破)に向かってパスするとあかね(中身は闘破)が凄まじいドリブルを披露した。

「せいや!」

「な!!」

韋駄天の如くなおを抜くとスリーポイントラインからゴールに向かってジャンプした。

「ていあああああああ!!!秘儀!日野ちゃんスゥゥゥパァァァダアァァァンク!!」

豪快に片手でダンクシュートを決めるあかね(中身は闘破)。

すると物凄い歓声が響き渡った。

「やった!!」

ゴールにぶら下がりながらガッツポーズを決めるあかね(中身は闘破)。

「あかねちゃん凄~い!!」

「これは確かに」

余りの事に仰天するみゆきとれいか。

「どんなもんだい!」

ゴールにぶら下がりながらブイサインしていると・・・

「?」

行き成り後頭部に石が直撃するあかね(中身は闘破)が方角を見ると何者かの姿が・・・

「先生!俺!じゃなくてウチトイレに行ってきます!!」

そう言ってあかね(中身は闘破)が体育館を抜けるとそこには闘破(中身はあかね)の姿が・・・

「あかね!どうした?んべ!!」

身の丈以上はある巨大ハリセンの直撃を浴びるあかね(中身は闘破)。

「なんだよ~」

「目~立~つ~な!ってあれほど言ったやろ!あんたそれでも忍者か!!」

頭に筋浮かべながら言う闘破(中身はあかね)

「いてて・・・得点入れたじゃないか~」

「あんな超人的なジャンプしたら物凄く目立つって!!」

「そう言われても」

あかねの身体で普段の闘破の身体能力を披露するあかね(中身は闘破)。

普段から忍者の修行をしているせいか身体の使い方が凄まじいらしい。

するとあかね(中身は闘破)がある事に気付いた。

「あかね!そろそろ!お昼時のラッシュだぜ!!」

「は?なんやそれ?」

「とにかくすごく忙しいんだ!早く帰らないと俺のバイト代が!」

「わかったわかった!すぐ帰るわ!」

そう言ってやっと帰ってくれた闘破(中身はあかね)。

その後も理科の実験でボンを起こしたり、英語がスラスラと出来てしまったりなどあかねならざる事を次々とやってしまうあかね(中身は闘破)。

はっきり言って超目立っている。

そんなこんなで昼休み

「疲れた~・・・」

屋外で思いっきりダウンしているあかね(中身は闘破)

「自分の身体じゃなくなるとここまで不便とは・・・そういえばあかねは今頃どうしてるんだろうな」

そう言ってお弁当食べながら考えるあかね(中身は闘破)




その頃闘破(中身はあかね)はというと・・・

「闘破!早く仕込み終わらせろ!!」

「はいいいいいいいいいいいいい!!!」

大悟に思いっきりこき使われている闘破(中身はあかね)。お昼のラッシュに向けて材料を作っている最中だった。





すると

「あかねちゃ~ん一緒に食べよう~」

「うん!」

みゆき達が外に出てきたので一緒に食べる事にしたあかね(中身は闘破)。

「それにしてもあかねちゃん今日はやけに人が変わったみたいだよね~」

「ギク!そ・・・そう?」

いきなりみゆきに図星を指されてしまうあかね(中身は闘破)。

「ひょっとして・・・みゆきとキャンディの時に見たいに中身が入れ替わってたりして・・・」

「ギクギク!」

何故か今日に限って勘が鋭いなお。かなり惜しい所と言うか大体当たっている。

このままでは正体がばれてしまう。

その時だった!

「ふっふっふ・・・苦労してるみたいだわさ!」

突然襲来したマジョリーナの姿が・・・

「マジョリーナ!?」

「え?何で!?」

突然襲来したマジョリーナに仰天するなおとやよい。

その理由は・・・

「お前を泳がせておけばプリキュアをおびき出すことが出来る!残ったキュアサニーは後でじっくり始末すればいいだわさ!!」

「何言ってんの?」

あかねが居るのにキュアサニーの存在を除外する事に目を丸くするみゆき。

「え?いや~その・・・」

すると

「世界よ!最悪の結末!バッドエンドに染まれ!!」

マジョリーナがバッドエンド空間を発動させるとみゆきが発破をかけた。

「みんな!行くよ!」

プリキュアに変身しようとするが・・・

「あ!俺ちょっと用事思い出した!」

「ちょっとあかねちゃん何言ってるの!?」

取りあえず正体がばれないようにこの場を離れようとするあかね(中身は闘破)だがみゆきに止められてしまう。

「いや!そのトイレ!」

「なぬトイレ?」

なおが仰天しその一瞬の隙をついてトイレに駆け込むあかね(中身は闘破)。

するとみゆきがある事に気付いた。

「あかねちゃん・・・そっちは男子トイレだけど」

「あ!」

みゆきに指摘されて気付くと中間視点にある男女共用トイレに隠れるあかね(中身は闘破)。

「はぁ・・・危なかった!!ここで正体がばれたらあかねがお嫁にいけなくなる!」

闘破は闘破なりにあかねに対して気を使っているようである。

「今日はこれで充分だわさ!出でよアカンベェ!!」

マジョリーナが青っ鼻を投げると近くに置いてあったトカゲの玩具に憑依しトカゲアカンベェが誕生した。

「え!青っ鼻!どうしよう!」

「このメンバーでやるしかないだろ!」

戸惑うみゆきだが、なおに発破をかけられスマイルパクトを構えた。

「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」

スマイルパクトを発動させ変身するみゆき達。

「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!」

「ピカピカピカリン!ジャンケンポン!キュアピース!」

「勇気リンリン直球勝負!キュアマーチ!」

「深々と降り積もる清き心・・・キュアビューティ!」

プリキュアに変身が完了したハッピー達。

「それじゃ!みんな!行くよ!!」

アカンベェに飛び掛かるハッピー達。


一方トイレの中からハッピー達の様子を伺うあかね(中身は闘破)。

「とりあえずやってみるか!プリキュア!スマイルチャージ!」

スマイルパクトを起動させようとするが何も起こらない。

「だよな~」

前にあかねから聞いたのだが身体が変わっても覚醒した者でなければプリキュアになれないらしい。

そしてあかねは今自分の姿で店番をしている。

だが相手は青っ鼻である為あかねの居ないハッピー達では倒すことが出来きるかどうかわからない闘破。

「ああ~どうしよう~!!」

頭を抱えて戦う方法を考えるあかね(中身は闘破)。

「・・・・・あ」

そして思いついた!

「・・・みんな!今いくぜ!!・・・!!・・・!!・・・!!・・・!!・・・!!」

あかね(中身は闘破)が両腕に手甲を・・・腰に金のベルトを・・・赤いマスクを・・・身体に赤い胴を・・・背中に磁光真空剣と次々に装着していった。

「戸隠流正統!ジライヤ!!」

ジライヤスーツを装着しハッピー達の元へ現れるあかね(中身は闘破)。

「!ジライヤ!!?何故!?」

ジライヤの登場に唖然とするマジョリーナ。

闘破はすっかり忘れていた。

闘破がプリキュアに変身する事は出来ない。

だがその逆

あかねがジライヤに変身する事は出来たことに・・・

「!!」

手裏剣を投げてハッピーを助けるあかね(中身は闘破)。

「みゆき!大丈夫か!?」

「ジライヤさん!・・・あれ?いつもと声が違うような・・・」

「いい!気のせいだ!!」

とりあえず誤魔化して戦闘を続行するあかね(中身は闘破)。

『アカンベェえええええ!!』

アカンベェがみゆき達に襲い掛かるとあかね(中身は闘破)が磁光真空剣を抜刀し一撃を入れた。

『アカンベェ~』

あかね(中身は闘破)の一撃を食らったアカンベェが悶絶するが即座に自己再生を始めた。

「なに!?」

「どうして!?」

あかね(中身は闘破)とハッピーがアカンベェが再生されることに驚くとマジョリーナが宣言した。

「ふふふ!そいつは自己再生に特化したアカンベェだわさ!倒すには磁光真空剣の攻撃しかないだわさ!けど!今のジライヤはレーザー刀に変化させることは出来ないだわさ!!」

「く!今の俺じゃ・・・磁光真空剣の力を発揮できない」

磁光真空剣をレーザー刀にするには宇宙人の末裔でなければならない。従ってあかねの身体ではその能力を発揮することが出来ないのだ。

「どうしよう~」

「ていうか!サニーは何処で油売ってるんだ!?」

「ずいぶん長いトイレですね」

頭を抱えているハッピーとサニーの行方を考えるマーチ。更に先程のやり取りを覚えているビューティ。





その頃闘破(中身はあかね)はというと・・・

「闘破!まだまだくるからへこたれるな!!」

「ひええええええええ!!」

ちょうどお客さんのラッシュ時間らしく大悟に急ぐように言われる闘破(中身はあかね)。もう休む暇もなく小手返しを続けている。

お昼の時間の食堂はかなり忙しいらしい。

そしてこの後家の炊事・洗濯・掃除まである為かなりの重労働が控えているのであった。






このように闘破(中身はあかね)の苦労を置いといてこのピンチを乗り越えるべく考えるが策が浮かばない。

「うわあ!!」

「ジライヤさん!」

アカンベェの攻撃に吹っ飛ばされるあかね(中身は闘破)を受け止めるピース。

「ありがとう!」

「いえいえ!」

サムズアップして感謝するあかね(中身は闘破)にピースして応えるピース。

すると

「・・・もしかしたら・・・皆さん!!」

ビューティがある事を閃き全員に提案するとマジョリーナがじわじわと青っ鼻でつめよる。

「ふっふっふ!プリキュアもジライヤも最期だわさ!!」

勝利を確信したマジョリーナに全員が諦めずに構えた。

「皆さん!よろしいですか!?」

「やろうよ!みんな!」

「よっしゃ!こうなったら一か八かだ!!」

「うん!」

「よし!いつでも来い!!」

ビューティの考えた起死回生の一手に全てを賭けるメンバー。

そして全員並び立ち・・・

「「「「「スーパースマイル大作戦!」」」」」

プリキュア達があかね(中身は闘破)の四方を囲むように跳躍しスマイルパクトに気合を込めた。

ビューティの考えた策・スーパースマイル大作戦とはプリキュア達の必殺技のエネルギーをあかね(中身は闘破)の持つ磁光真空剣に集めその攻撃力を数倍化させる作戦であった。

だが少しでも標的を外せばそのダメージは磁光真空剣を持っているあかね(中身は闘破)に全て襲い掛かる。

友情と信頼がなければできない作戦である。

「プリキュア!ハッピーシャワー!!」

「プリキュア!ピースサンダー!!」

「プリキュア!マーチシュート!!」

「プリキュア!ビューティブリザード!!」

最大出力で四方から放たれたプリキュアの必殺技を磁光真空剣で受け止めるあかね(中身は闘破)。

「はあ!!」

そしてプリキュアの必殺技のエネルギーが一点に集められた事により磁光真空剣が光り輝くレーザー刀に変化した。

「そ!そんな馬鹿な!!」

プリキュアの力を使いレーザー刀の力を補った事に仰天するマジョリーナ。

「発想の転換だぜ!」

みんなの力が込められた磁光真空剣を構えるあかね(中身は闘破)が飛び掛かった。

「アカンベェエエエエエ!!」

アカンベェがあかね(中身は闘破)に突進すると・・・

「真っ向両断!スマイルスペシャル!!」

磁光真空剣が上段から振り下ろされ一刀両断されるアカンベェ。

更に

「!!」

横一閃で薙ぎ払われ七色に光って消滅するアカンベェ。

「くぅ!覚えてろだわさ!!・・・あ!」

マジョリーナが慌てて撤退しようとすると懐から新イレカワールを落としてしまった。

すると

「ジライバスター!!」

あかね(中身は闘破)に狙撃され新イレカワールが破壊された。

「しまった!けどジライヤ!これでお前は元に戻ることが出来ないだわさ!!」

そう言ってマジョーリナが撤退するあかね(中身は闘破)が焦ってしまった。

「しまった!」

元に戻る手段を失ったと愕然とするあかね(中身は闘破)。

その時

「あれ・・・何か眠くなってきたな・・・」

「あれ?ジライヤさん寝不足ですか?」

ピースに心配されるとあかね(中身は闘破)は大きくあくびをし・・・

「わからない・・・とりあえず皆またな!」

そう言ってプリキュア達と別れトイレに戻りジライヤスーツを解除すると・・・

「ZZZZZ・・・」

思いっきり寝てしまった。


そして

「ふぁ~・・・あれ?」

目を覚ました闘破は何故かお店に戻っている事に気づき自分の身体を確かめてみると・・・

「元に戻った!」

自分の身体に戻っていた闘破。

・・・今回のイレカワールは媒体を壊せば自動的に元に戻る様に出来ていたらしい。

という事で当然・・・

「元に戻った!!」

トイレで目を覚ましたあかねも元に戻っていた。何故か身体がかっかと熱くなっているが気にせずトイレから出るとみゆき達と合流した。

「みんな~お待たせ~♪」

「あ!あかねちゃん遅いよ~」

「いや~悪いな~あははははは・・・」

笑って誤魔化すあかねするとみゆきが気付いた。

「あ!あかねちゃん言い回しが元に戻った!」

「ホントだ」

やはり闘破の言い回しでは胡散臭いと思っていたらしく笑って誤魔化し午後の授業に参加するあかねだった。





本日のオチ

「ああ・・・がああ・・あああ・・・・・」

翌朝、通学路を油の切れたロボットみたいに歩いているあかねの姿。

その理由は・・・

「ああ・・・足が・・・腰が・・・腕が・・・腹筋が・・・背筋が・・・」

昨日の闘破の使い方が物凄く荒かったせいか全身筋肉痛になってしまったあかね。

あれだけ派手な動きをしていれば疲労も蓄積される。

更に・・・

「あかね!今日は負けないぞ!!」

本日サッカーで闘志むき出しにしているなおの姿が・・・先日闘破が決めたダンクがなおの闘争心を煽ったらしい。

「もう闘破と入れ替わるのはこりごりや・・・」

といって翌日まで筋肉痛は続いたらしい。






 
 

 
後書き
ジョーカーの罠に落ちてしまったれいかが光を失ってしまった。失われた光を元に戻すべく雷忍ワイルドと共に光龍山へ向かい立ちはだかるジョーカーに雷忍ワイルドが挑む。

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

道々寄り道回り道!

みんな!見てね♪

 

 

第十三話 道々寄り道回り道

ある弓道部の一日

「・・・・・・・・・・・・」

精神統一をしたれいかが弓を構えると弦を引き・・・

「!!」

的に向かって真っすぐに弓を射った。

矢は真っ直ぐな軌道を描き中心に刺さった。

「ふぅ・・・」

れいかが一呼吸置くと背後から拍手が聞こえ振り返るとある人物の姿があった。

「ワイルドさん?」

闘破の友、世界忍者雷忍・ワイルドだった。

「ブラボー・・・れいか」

「え?ワイルドさんどうしてここに?」

「なぁ~に・・・仕事の途中でたまたま通りかかってな」

れいかの質問に笑顔で答えるワイルド。

「お仕事ですか?・・・どうして?」

「なあに・・・ちょっとな。じゃあな」

そう呟くとれいかに挨拶しワイルドは愛用のギターを持って弓道部を後にした。





第十三話 道々寄り道回り道






翌朝

「はぁはぁ」

兄と共に早朝のランニングをしているれいか。いつもと違うランニングコースの公園を走っていると特設されたステージに何やら人だかりが出来ていた。

「あら?」

ふとれいかが足を止めるとそこにはステージ衣装を身に纏ったワイルドの姿があった。

「あれは・・・ワイルドさん?」

れいかが人だかりに向かってみるとステージ衣装を身に纏ったワイルドの姿が・・・

そして目にも留まらぬ早撃ちで久寿玉を撃ちぬくと歓迎の文字が現れた。

『いかがでしたでしょうか!?雷忍・ワイルドの早撃ちショー!!』

司会進行の声と共にワイルドが一例をするとステージの裏に降りた。

「ふぅ・・・またつまらない事にお前を使ってしまった」

愛銃のマグナムを見つめるワイルド。

するとステージ裏にれいかが居る事に気が付いた。

「ワイルドさん?・・・何やってるんですか?」

物珍しそうな目でワイルドを見つめるれいか。するとワイルドは口を開いた。

「ああ・・・旅費を稼ぐために俺はここで芸人をしているんだ」

「まぁ・・・それは大変ですね・・・」

「君は?」

「私はランニングを今日はコースを変えてみたのですが・・・」

新しい発見をしたれいかと少し照れくさいワイルド。

すると

「!?」

何かの気配を感じ取ったワイルド。

「れいか!何か来るぞ!」

「え?」

ワイルドの言葉に驚愕するれいか。

そして

「ほぉ・・・私の気配に気づくとは流石世界忍者・・・」

トランプと共に現れるジョーカー。すると手に何やら黒いオーラのような物を蓄えていた。

「貴様・・・確かジョーカー!」

「雷忍ワイルドさんですか?・・・ちょうどいいジライヤの前にあなたから始末させてもらいましょう!古の妖術を使って」

黒いオーラをワイルドに向かって放つジョーカー。

すると

「ワイルドさん!」

「!?」

れいかがワイルドを突き飛ばし黒いオーラを浴びてしまった。

倒れるれいかを見たワイルドは・・・

「貴様!よくもれいかを!!」

ジョーカーに向かってマグナム銃を抜きジョーカーに向かって放つワイルド。

「まぁいいでしょう・・・プリキュアの頭脳であるキュアビューティを無力化できただけでも良しとしましょう・・・」

「逃げるのか!?」

ワイルドがジョーカーを追いかけようとするが、れいかの方が心配になり駆け寄るワイルド。

「ワイルドさん?・・・何処に居るんですか?」

「れいか?」

目の前に居るのにれいかが自分の方を見ていない事に不審がるワイルド。

れいかは瞼を閉じたままワイルドを探している。

れいかの様子がおかしい事にワイルドが武神館に連れて行くと哲山がれいかの顔に手をやり状態を確かめた。

「・・・れいかは暗黒妖術にかかってしまったようだ・・・」

「妖術に?」

哲山の言葉に驚愕するワイルド。

「うむ・・・ジョーカーの使った妖術とは相手の視界を奪い暗闇に陥れるものだ」

「そんなものを・・・いつの間に・・・」

すると哲山は続けた。

「この妖術を解くには光龍山の洞窟にのみ生えている薬草を使った秘術しかない・・・だが薬草は光を浴びてしまうと効力を失ってしまい・・・実際にはその洞窟でのみしか秘術を使うことが出来ない・・・とてもじゃないが今のれいかを光龍山に連れて行く訳には・・・せめて闘・・・いやジライヤがここに居れば・・・」

光龍山とは古くから伝わる険しい山脈でありとてもじゃないが、目の見えないれいかを連れていけない。更に今闘破はあかねと共に修行に出ている為不在である。

するとワイルドが決意を伝えた。

「俺がれいかを連れて行く」

「ワイルド?」

「れいかをこんな風にしてしまったのは俺の責任だ・・・俺がれいかに光を蘇らせてみせる!!」

ワイルドの決意に哲山が頷くと早速光龍山へ向かい岩だらけの山道を登り始めるワイルドとれいか。

「足元に気をつけろ」

「はい」

れいかの手を取りながら慎重に登山をするワイルド。目が見えない事もあってれいかの足元もおぼつかない。

すると

「!?」

れいかが石を踏み外してしまいバランスを崩すがワイルドが抱き留めた。その事に安心するれいか。

「大丈夫か?」

「ええ・・・目の見えない登山は思った以上に大変ですね・・・」

傾斜としては大したことの無い山道であっても先を見ることが出来ない不安がれいかにあった。するとワイルドは己の身体とれいかの身体を縄で結んだ。

「これは?」

「こうしておけば離れない・・・この縄の先には必ず俺が居る♪」

れいかを安心させるために陽気に振る舞い残されている触覚で自分が近くに居る事を認識させるワイルド。

その事に安心したのかれいかも先に進む意志が強くなった。

しばらく進むがおぼつかない足では長い距離を歩くことが出来ずに夜になってしまいれいかの状態を考えるとキャンプをすることにした。

山の天気は変わりやすく冷える為体温を維持するためにたき火をし、コーヒーを煎れるワイルドはれいかに手渡した。

嗅覚でコーヒーの匂いを確かめカップに口をつけるれいかは呟いた。

「険しい道ですね」

「そうだな・・・この山はかなり険しい」

「いえ・・・そうじゃありません・・・今の私が険しい道を歩いてるような気がして」

再びコーヒーに口を付けるれいか。するとワイルドは考えた。

「道か・・・そういえば・・・俺は回り道をしているな」

「回り道を?」

「ああ・・・俺はもともと妖魔一族がジライヤにかけた賞金を手にするためにこの国に来た・・・」

「まぁ・・・」

「だが妖魔一族に騙され祖国に帰る資金も無くあそこで芸人として働いていた」

「・・・それは苦労されましたね」

「だが・・・俺は回り道をしたおかげでジライヤと言う最高の友を得ることが出来た。回り道も悪くないさ」

陽気にふるまうワイルドがギターを取り出すと演奏を始めた。それを聴覚で聞くれいか。

「明日は早い・・・俺が見張りをしているから君はもう寝な」

「はい」

ワイルドの奏でるギターの音に安心するれいかは寝袋に入りそのまま就寝するのだった。




翌朝




鳥の囀りの中山道を登るワイルドとれいかは苦労の末、哲山に教えられた洞窟まで辿り着いた。

「さぁ!もう少しだれいか!」

「はい!」

ワイルドがれいかの手を取り洞窟に入ろうとすると何かの気配に気づきれいかを突き飛ばした。

「危ない!」

「ワイルドさん!?」

突如、突き飛ばされたことに困惑するれいか。

すると

「おやおや?気付きましたか!?」

ワイルドの正面からヌッとあらわれるジョーカーの姿が・・・

「!!」

臨戦態勢に入りワイルドが構えた。

「貴様!邪魔はさせん!!」

「ワイルドさん・・・ナンバー1賞金稼ぎのあなたがそんな小娘一人助ける気ですか?縁もゆかりもないんですよ?」

「さぁな!だがジライヤの仲間だって言ってんだからそれでいいじゃねえか!!」

ジョーカーに向かってマグナムを放つワイルド。するとジョーカーはヒラリと回避し仮面に手をかけた。

「友の友は友ですか?ふふふ世界忍者とは揃いも揃って随分お人よしのようですね!!」

ジョーカーは手を合わせると剣を召喚しワイルドに向かって斬りかかった。

「!!」

ワイルドのマグナム銃がジョーカーに向かって放たれるがジョーカーは回避しながら突き進みワイルドの懐を取ると剣を薙いだ。

「!?」

ワイルドのマグナム銃が宙を舞いれいかの手元に落ちた。

だが拾う間もなくジョーカーの剣が繰り出されるとワイルドが背中の忍刀を抜刀しジョーカーの一閃を受け止めた。

「ふふふ!!」

ワイルドをおちょくる様にジョーカーがワイルドから離れるとれいかに向かい一閃を放った。

「!?」

「く!!」

何かの気配を察するれいかだが何処から何が来るか分からず避けられない。しかしワイルドが素早く回り込みれいかへの一閃を防ぎジョーカーを押し出しれいかから離した。

互角に斬り合いが披露されワイルドが崖下に転落してしまった。

「く!!」

ワイルドは空中で体勢を立て直すと岩の出っ張りに舞い降りすぐさま跳躍してジョーカーの元へ舞い戻った。

世界忍者の身のこなしに手こずるジョーカーだがれいかを守りながら戦っているワイルドに対して優勢だと思っていた。

「ワイルドさん」

目が見えずに戦う事の出来ないれいか・・・だがワイルドは自分の為に命を懸けて戦ってくれているれいかは逃げずにスマイルパクトを取り出した。

「プリキュア!スマイルチャージ!!」

瞼を閉じたままプリキュアに覚醒するれいか。

「深々と降り積もる清き心・・・キュアビューティ!!」

「れいか!?」

れいか・・・ビューティが変身したことに驚くワイルド。

するとビューティは手探りでワイルドのマグナム銃を拾い上げ気配のする方へ構えた。

「くぅ!」

「れいか!無茶するな「はあ!!」くう!!」

一瞬の油断でジョーカーに抑え込まれてしまったワイルド。

「さぁ!撃てますか?キュアビューティ!?目の見えない状態でワイルドさんを避けて私だけを撃てますか?」

グリップを握るビューティの手に力が入る。

すると

「私は・・・ワイルドさんと一緒に回り道をして気付いたことがあります・・・たとえ・・・目が見えなくても」

精神を統一するビューティ。

「面白い!さあ撃ちなさい!!」

「れいか!!」

ビューティの耳がジョーカーとワイルドの声を聞き取り声のする方へ向かいマグナムを構えた。

「・・・」

そして嗅覚に神経を全て使いワイルドとジョーカーを判別しジョーカーに向かって構えた。

「な!私がわかるのですか!?」

「いいえ・・・たとえ目が見えなくても私には聴覚と嗅覚があります!!」

「く!!」

ジョーカーがワイルドから離れビューティに向かって斬りかかると引き金を引くビューティだが・・・

カチン!!

「!?」

弾が入ってなかった。

「弾切れですか・・・こけおどしを!!」

ジョーカーの一閃がビューティに振り下ろされる瞬間。

「!!」

ワイルドが割って入りジョーカーの一撃を防いだ。

「れいか!撃て!君ならできる!!」

ワイルドの言葉にビューティは閃いた。

「弾が無いなら・・・作るまでです!!」

ビューティのスマイルパクトが輝くとワイルドのマグナムの銃身に氷の弾丸が形成された。

「プリキュア・・・ビューティブリザード・・・マグナム!!」

「うわああああああああああ!!」

マグナム銃から放たれた氷の弾丸がジョーカーを飲み込み遥か崖下まで吹き飛ばした。

「やった・・・のでしょうか?」

「わからない・・・だが奴があれで死ぬような奴じゃない・・・」

そう言いながらワイルドはれいかと共に洞窟に入るのだった。

一方崖下では・・・

「く・・・う油断しました・・・あれを急がねばならないようですね・・・」

五つの何かを掲げジョーカーは何かの策を練りながら撤退するのであった。

洞窟の中で薬草を見つけるワイルドとれいかは哲山に教わった秘術を施すとれいかがゆっくりと瞼を開けた。

「・・・見えます・・・見えます!!」

光が見えることに感動するれいか。それを見てワイルドも笑顔になる。

そして七色ヶ丘に戻るとワイルドはれいかに謝罪をした。

「すまなかったれいか・・・俺のせいで」

「いえ・・・目が見えなくなったおかげで新しい可能性に気が付きました」

ワイルドの言葉にれいかは笑顔で答えるとワイルドも笑顔になりギターを掲げながら去っていくのだった。
 
 

 
後書き
イラストヒーローコンテストに応募したやよい。その作品に目を付けたジョーカーがアカオーニを使いやよいを捕えた!

急げジバン!アカオーニの体内に閉じ込められたやよいを救ってくれ!!

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

本当のヒーロー!

皆見てね!
 

 

第十四話 本当のヒーロー!


七色ヶ丘公園

「まだかな~」

やよいが何やら手紙を持って待ち合わせをしていた。緊張しながら待っていると駐車スペースに車が止まりその人物が降りてきた。

「やよいちゃ~ん♪」

「直人兄ちゃん」

車から降りた直人がやよいに向かって手を振る。


第十四話 本当のヒーロー!


「どうしたの?急に?」

やよいに呼び出された直人。するとやよいは照れながら一枚の手紙を出した。

直人が受け取りその内容を読む。

「えっと?『黄瀬やよい様。この度イラストヒーローコンテストにご応募誠にありがとうございます。あなたの作品は当コンテストにて優秀賞を受賞致しました』え?凄いじゃないか!」

「えへへ・・・私優秀賞だって♪」

直人に向かってピースするやよい。

そして直人は続きを読んだ。

「『つきましては、最優秀賞のヒーローを立体化させていただきます』へぇ~ヒーローの立体化かどんなヒーロー描いたの?」

「これ・・・その名も『ミラクルカイザー』!!」

そう言うと直人にスケッチブックを見せるやよい。本物はコンテストに応募した為直人の為にわざわざ描いてきたのである。

詳しい設定を書き記し直人にわかりやすく必殺技や必殺武器を解説するやよい。

「これがどんな強敵でも一発で倒す!『ミラクルキャノン』」

「お!凄くかっこいい!!」

嬉しそうに直人に解説するやよい。

すると時計を見た。

「あ!もうこんな時間!直人兄ちゃん!私これから立体化の打ち合わせになってるんだ♪」

「そうか・・・よかったら送ろうか?」

「大丈夫!直人兄ちゃんをびっくりさせたいし!出来たら一緒に見てね♪」

「わかった」

そう言って公園から去るやよいを見送る直人も車に乗り帰路に着くのだった。





雑誌社

「ここか~」

やよいが指定された町はずれの雑誌社に入ると怪しげな男が迎え入れた。

「ようこそ・・・本日は我々のイラストヒーローの立体化にお越し頂きありがとうございます・・・」

慇懃無礼にふるまう男。するとやよいを奥に案内しやよいの考えた『ミラクルカイザー』の立体着ぐるみを見せる。

「おお!これは私の考えたミラクルカイザー!!」

目をキラキラ輝かせながらやよいが着ぐるみに触ると男は呟いた。

「よろしかったら被ってみますか?」

「ええ!?良いんですか!?」

という訳で早速ミラクルカイザーを被ってみるやよい。その時だった。

「オニイイイイイ!!」

男の背後からアカオーニが現れた。その事に驚くやよい。

「アカオーニ?どうして!?」

「こういう事ですよ・・・」

男が自分の顔に手をやり脱ぎ捨てるとその下にはジョーカーの姿が・・・

「ジョーカー?」

着ぐるみを着たままのやよいがスマイルパクトを取り出そうとするが思うようにいかない。

すると

「出でよ!ハイパーアカンベェ!!」

「え!?」

やよいに向かって黒っ鼻を投げつけるアカオーニ。

何とやよいを取り込んだままミラクルカイザーの着ぐるみをハイパーアカンベェへと変化させてしまった。体内に取り込まれてしまったやよいが脱出を試みようとするが効果が無い。

「アカオーニさん・・・これでジライヤは手も足もでませんよ?」

「おにいいいいいい!!待ってろジライヤ!!」

アカオーニの咆哮が周囲に響き渡る。





翌日

七色ヶ丘商店街でみゆき・なお・れいかの三人はやよいに誘われ編集社に向かっていた。

「楽しみだね~やよいちゃんのヒーロー♪」

「そうだな~しかしやよいの頑張ってる姿を逃すとはあかねも気の毒だよね~」

「何かの合宿と聞きましたが」

あかねはまだ戸隠流の合宿から帰ってきていない為不在である。

そして編集社に辿り着いたみゆき達は正面玄関で問答している直人の姿を目撃した。

「確かにここだと聞いたんですけど」

「いやぁ・・・そんな事言われてもね・・・」

「どうしたんですか?」

みゆきが直人に尋ねてみると編集社の人が答えた。

「ですから。何度も言うように私たちは頂いたヒーローを立体化するという企画はやってないんです」

「どういう事?」

「あたし達、確かにやよいから聞いたよ?」

みゆきとなおが首をひねると編集社の人が何かを思い出したかのように手紙を出した。

「そう言えば・・・女の子が尋ねてきたらこれを渡してほしいと頼まれましたね」

みゆきがそれを受け取り皆の前で広げるとこう書かれていた。

「『キュアピースを返してほしければジライヤを連れて来い・・・A』・・・これって」

「まさか!?」

バッドエンド王国からの挑戦状である事を確信するれいか。挑戦内容からみると確実にジライヤを倒す為の挑戦のようだ。

だが

「どうしよう・・・ジライヤさんと友達のあかねちゃんが居ない・・・」

「・・・私たちだけでやるしかないようですね」

れいかの決断に直人の耳と目が手紙の内容を聞き分けた。手紙には指定された廃工場までの地図が描かれているとその図面を記憶する。

「じゃあ・・・悪いけど僕はこれで失礼させてもらうよ?」

「あ・・・はい!(急いであかねちゃんを探さなきゃ!!)」

何も知らないように振る舞う直人とみゆき達が別れると、直人の表情が険しくなり車に乗り込んだ。





廃工場跡

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

機械音と共に周囲を警戒しながらジバンが指定された廃工場跡に辿り着くと何かの気配を感じ取り工場内に入った。

「やよいちゃんは何処に・・・!?」

ジバンが薄暗い工場内の気配に向かうと急にライトアップされ気配の正体が映し出された。

「あれは!やよいちゃんの考えたヒーロー!?」

やよいが考えた最強ヒーロー・ミラクルカイザーを目にしたジバンがサーチするとその体内には・・・

「!?やよいちゃん!!」

『!?直人兄ちゃん!?』

ジバンの声が聴こえたやよいが体内から叫ぶ。するとジバンの背後から現れるジョーカー。

「おや・・・ジライヤを呼んだつもりだったのですが・・・あなたが来ましたか・・・ジバン」

「ジョーカー!」

マクシミリアンガンをジョーカーに向けるジバン。

「貴様!やよいちゃんに何をした!?」

「簡単な事です・・・彼女をアカンベェの体内に取り込みました・・・アカンベェごと彼女を倒すことが出来ますかね~ジバン」

「何!?」

ジョーカーの挑発にジバンが怒るが背後からハイパーアカンベェに攻撃されるジバン。

「ぐ!!」

「おにいいいいいいい!!」

アカオーニのパワーがプラスされたハイパーアカンベェを抑え込むジバンだが徐々に足元が沈んでしまう。

咄嗟にマクシミリアンガンを放とうとするが内部に居るやよいにまで攻撃してしまい怪我をさせてしまう。

「く!!」

マクシミリアンスティックに切り替え電気ショックを与えるが効果が少ない。

するとアカオーニが跳躍しミラクルカイザーの必殺技を繰り出した。

「ミラクルカイザーキック!」

「ぐああああああ!!」

強烈なドロップキックを食らい火花を散らしながら吹き飛ぶジバン。そして追撃の必殺技を繰り出した。

「ミラクルサンダー!!」

「!?」

ハイパーアカンベェから放たれた電撃がジバンの身体を飲み込みエネルギーを放電させてしまった。

「ぐあ・・ああ・・」

〈DANJER・・・DANJER・・・〉

瞳が点滅を初め警告を告げる。

自分の作ったヒーローのせいでジバンが傷ついていく姿を内部から見せつけられるやよいがたまらずに叫んだ。

「直人兄ちゃん!私ごと倒して!お願い!もう直人兄ちゃんが傷つくのは見たくない!!「第三条!」直人兄ちゃん?」

やよいの言葉にジバンが立ち上がった。

「機動刑事ジバンは・・・人間の生命を最優先とし・・・それを顧みないあらゆる命令を排除することが出来る!!」

「直人・・・兄ちゃん・・・」

傷つきながらも立ち上がり絶対にあきらめないジバン。その姿にやよいも腹を決めた。だがアカオーニは構わずジバンに飛び掛かった。

「くたばるオニいいいいい!!」

アカオーニのパワーがジバンを締め付ける。

「どうすればいい!?どうすればやよいちゃんを助けられる!?コンピュータ!教えてくれ!!」

アカオーニの攻撃を受けながらジバンが蹲ると基地で真由美とボーイが必死に分析していた。

「ジバン!待ってて!今データを転送するから!!」

するとジバンにデータが転送されスキャン映像が送り込まれた。そして人間として決断をした。

「やよいちゃん!今からそいつの腹を斬る!出来るだけ身体を縮めて!!」

『うん!』

ジバンの言うとおり身体を思い切り縮めるやよい。するとサーチでそれを確かめるジバンはマクシミリアンソードを構えた。

「でああ!!」

『オニイイイイイ!!』

腹を斬られたアカオーニが蹲るとジバンが体内に手を入れやよいを引っ張り出した。

「でい!!」

飛び出たやよいを受け止めるジバンがその場に倒れ込んだ。衝撃でマクシミリアンソードを落してしまうジバン。

「な!直人兄ちゃん!!」

「やよいちゃん・・・無事か?・・・」

身体中から煙を上げるジバンの言葉に頷くやよい。それを聞いて安心したのかジバンは立ち上がりアカオーニに向かって構えた。

するとやよいも決断しスマイルパクトを構えた。

「プリキュア!スマイルチャージ!!」

ジバンの目の前で変身しキュアピースになるやよい。

「ピカピカピカリン!ジャンケンポン!キュアピース!!」

変身するとジバンの前に立つピース。

「やよいちゃん?」

「今度は・・・私が直人兄ちゃんを守る!!」

マクシミリアンソードを拾い上げアカオーニに向かって構えるピース。

「てあああああああああああ!!」

アカオーニに飛び掛かりマクシミリアンソードを振り下ろすピースだがその一撃を受け止められ吹き飛ばされてしまう。

「きゃ!」

バランスを崩すピースを受け止めるジバン。だが瞳が点滅は収まらない。

「く・・・う・・・」

〈DANJER・・・DANJER〉

ジバンの脳裏に警告表示がされると・・・

「直人兄ちゃん!」

「ぐ・・・エネルギーが・・・あ・・・ああ」

凄まじいダメージを浴びたジバンが蹲りエネルギー切れの警告が表示された。

「エネルギー・・・そうだ!!」

ピースが何かを閃きスマイルパクトに気合を込めた。

「待ってて・・・直人兄ちゃん!」

凄まじい電撃を纏うピース。

そして

「プリキュア!ピースサンダー!!」

ジバンに向けてピースサンダーを放った。

「!!」

ジバンの身体をピースサンダーが駆け巡るとピースは出力を上げた。

「うううえええええええええええいいいいいいいいいい!!!!!」

ピースの最大出力のピースサンダーを浴びたジバンは・・・

「力が・・・力がみなぎる!!」

立ち上がった!!

ジバンへの想いの込められたピースサンダーのエネルギーを吸収し真の力を開放する。

「!!」

背中に巨大なブースターを背負い右腕に巨大なドリルが左腕に巨大なハサミが装着された。

「!!」

ジバンの最強の姿パーフェクトジバンがここに光臨した。

「く!こいつもパワーアップしたオニ!!」

プリキュア・ジライヤに続きジバンの第二形態に驚愕するアカオーニ。

そしてジバンは腰から電子手帳を取り出すと額の紋章が輝き胸に星のエンブレムが輝いた。

「警視庁秘密捜査官警視正!機動刑事ジバン!」

「くう!!」


電子手帳を掲げながらアカオーニの元へ歩むジバン。

「対バイオロン法第一条!機動刑事ジバンは!いかなる時でも令状なしに!自らの判断で犯人を逮捕することが出来る!また・・・人の心に絶望を与えるバッドエンド王国に対し・・・機動刑事ジバンは同様の権限を持つ!!」

「!!」

ジバンの電子手帳の威圧感に後ずさるアカオーニ。

「第二条・・・機動刑事ジバンは相手がバイオロン・・・バッドエンド王国と認めた場合!自らの判断で犯人を処罰することが出来る!!」

「オニイイイイイ!!」

恐怖のあまりアカオーニがジバンに襲い掛かった。

「!!」

アカオーニの乗るハイパーアカンベェのパワーを真っ向から受け止めるジバン。地面を削りながら踏みとどまろうとすると背中のダイダロスが火を噴きアカオーニを完全に受けとめた。

「馬鹿な!!?」

「パワーブレイカー!!」

「おにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

ハイパーアカンベェを挟み込み万力の様に締め付ける。脱出しようにもあまりの圧力に脱出できないアカオーニ。

「第二条補足・・・場合によっては抹殺する事も許される!ニードリッカー!!!」

ニードリッカーでハイパーアカンベェを突き刺した。

「オニイイイ!!」

ジバンの猛攻に後ずさるアカオーニだが攻撃の姿勢を止めない。

「こうなったら奥の手オニ!?」

アカオーニの腕に巨大な大砲が召喚される。ミラクルカイザー最強の武器・ミラクルキャノンだ。

「がああっははっはっはっは!こんなのお前には無いオニ!!」

巨大大砲をジバンに向けて構えるアカオーニ。

すると

「オートデリンガー!!」

ジバンの手に巨大な大砲・オートデリンガーが召喚されアカオーニのハイパーアカンベェに向かって構えた。

「ぐ!お前も持ってたオニ!?撃ち合って勝負オニ!!」

アカオーニの大砲にエネルギーが充填されていく。

「エネルギーチャージ!!」

オートデリンガーのエネルギーがフルパワーになり・・・

「食らえええええオニ!!」

ミラクルキャノンが放たれると同時に・・・

「オートデリンガーファイナルキャノン!!」

ジバンのオートデリンガーから巨大な光が放たれると反動で下がるジバン。

二つの光がぶつかり合うが、いとも簡単にオートデリンガーに押し返されると直撃するアカオーニ。

「おにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

ハイパーアカンベェの爆発と共に爆風で吹き飛ばされ大空の彼方に消えていくアカオーニ。

するとハイパーアカンベェの爆発で工場内の至る個所で爆発を起こすとジバンがピースを抱きかかえ脱出を図る。

「ここだよ!」

あかねに連絡が取れなかったため自力で助けることにしたハッピー達が既に崩壊を始めた工場跡を目の当たりにした。

すると

爆炎と機械音と共にジバンがピースを抱きかかえて脱出をしていた。

「「「ピース!」」」

ハッピー達が駆け寄るとジバンの腕の中で目を覚ますピース。

「みんな・・・え!?うわわわわわわわ!!」

意識を取り戻した瞬間ジバンにお姫様抱っこされている事に気づきあたふたしてしまうとジバンのバイザーが開きピースを優しくおろした。

ピースのあまりの慌てぶりに思わず笑ってしまうハッピー達。だが無事で安心している。

そしてジバンがその場から去りハッピー達が変身を解くと入れ替わりにサイレンを鳴らして現れる直人の車。

「あ!やよいちゃんごめんごめん!今日道が混んでて♪」

「直人兄ちゃん!」

直人がジバンだという事を気づかれないように掛け合いをするやよい。その為かみゆき達もまさか直人がジバンだとは思わないようであり、皆で直人の車に乗りと廃工場を後にするのだった。


翌日、直人たちが雑誌社に働きかけ本当に心に思い描いたイラストヒーローが立体化することになり集まった子供たちが笑顔に包まれるのだった。





 
 

 
後書き
ジライヤの登場により自信喪失してしまったみゆき。すると遠くからジライヤを眺めることを提案された。危機に陥るジライヤを目の当たりにしたみゆきの行動は・・・

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

ジライヤの危機!立ち上がれハッピー!

みんな!見てね♪

 

 

第十五話 ジライヤの危機!立ち上がれハッピー!

七色ヶ丘中学校

「はぁ・・・・・・・」

机に伏せながらものすごおおおおおっく落ち込んでいるみゆき。そのただならぬ様子にあかね達も何事のように見物している。

「みゆき。どないしたん?」

勇気を出してあかねが尋ねてみるとみゆきが口を開いた。

「あかねちゃ~ん私たちの存在意義って何?」

「「「「は?」」」」

「何を藪から棒に?」

みゆきの言葉に首をかしげるあかね達。





第十五話 ジライヤの危機!立ち上がれハッピー!




この間闘破と共に戦っていた時。戦っている最中に些細なドジをしてしまい闘破に助けられるとハイパーアカンベェは闘破によって一刀両断されてしまい勝利するという物なのだが・・・

次のあかねのデリカシーの無い一発だった。

「いやぁ~ジライヤに任せておけば安心やな」

「ザックリ!!」

その言葉に自信喪失してしまったみゆきだった。

「別にジライヤさんがいれば私達なんて要らないし~私だけパートナー世界忍者やパートナーヒーローいないし~」

口先尖がらせながら指で机に「の」の字を書きまくってすねるみゆき。

それを見たあかね達。

「うわ・・・暗・・・」

「相当落ち込んでるね・・・」

「普段落ち込まない人が落ち込むと相当ですね・・・」

「ていうかあかねの一言でここまで落ち込むとは・・・」

言った張本人のあかねを筆頭に特に気にした様子の無いがみゆきにとっては大いに気にしているらしい。

そんなこんなで一日中ウルトラハップップー状態のみゆきが帰路に着くとカバンから出て来たキャンディが慰めた。

「みゆき!元気出すクル♪」

「キャンディ~キャンディだけだよ~」

といってキャンディを抱きしめようとするみゆき。

だが

「♪~♪~」

目の前から水晶玉を持って通りかかる楽珍の姿が・・・

「あらま?キャンディじゃないの?」

「あ!楽珍クル!」

楽珍を見つけるとみゆきの手から飛び移るキャンディ。

するとみゆきは・・・

「はう~キャンディにも居た~」

とさらに落ち込んでしまった。キャンディがコショコショと楽珍に事情を話すと楽珍は水晶玉を向けた。

「ようっし!それならみゆきちゃんにもパートナー世界忍者が現れるかどうか占ってしんぜましょう」

「え?本当ですか!?」

「あたしの占いは良く当たるんだわ」

水晶玉を掲げるとピカッと光り占い結果を出す楽珍。

「ふむふむ・・・あっちの土手のほうに世界忍者が居るよ」

「ホントに!?ようっし!行ってみる!!」

楽珍の指差した方向へ走るみゆきが住宅街を抜け、公園を抜け、路地を抜け、辿り着いたのは土手だった。

「うえ~・・・見つかんないよ~」

楽珍に一杯食わされたと思ったみゆきはがっかりしながら土手にへたり込むと・・・

「ぶるるるるる」

「?」

何やら馬の鳴き声が聞こえ振り返るみゆき。するとそこには白馬の姿が・・・

「?あなたは・・・」

「おお・・・君は」

みゆきが白馬を見上げると背に跨るフクロウ男爵の姿が・・・

「フクロウ男爵さあああああん」

「!?」

感激のあまり合って早々フクロウ男爵に泣きつくみゆき。

フクロウ男爵が兜を取りみゆきの隣に腰かけると事情を聞いた。

「なるほど・・・」

頷くフクロウ男爵。深刻そうな顔をするみゆきに対しフクロウ男爵は自分の考えを述べてみた。

「ユーはジライヤをパーフェクトなヒーローだと思っているのか?」

「え?けどジライヤさんがいれば・・・」

「それはユー達がいるからだ?」

「どういう・・・」

「一度ジライヤを離れた場所から見てみるんだ・・・」

そう言ってフクロウ男爵が白馬に跨り去って行ってしまった。

フクロウ男爵の言葉に疑問を抱くみゆき。


バッドエンド王国

「くそおおお!ジライヤの野郎ぉぉぉ」

ウルフルンが今までのジライヤに飲まされた煮え湯を思い出しイライラしているとジョーカーが背後に現れた。

「おやウルフルンさん?」

「げ!ジョーカー?」

「我々はどうやらジライヤを侮っていたようですね・・・今までジライヤには青っ鼻をぶつけていましたが・・・どうやら赤っ鼻が有効のようですね・・・何故なら」

ウルフルンの耳にひそひそと策を言うジョーカー。するとウルフルンの耳がピクリと唸り上機嫌で出陣するのだった。


七色ヶ丘商店街へ向かう道

「♪~♪~」

何やら幸せそうに夕飯の買い物に行く闘破の姿・・・完全に家政婦である。

「今日は~何しようかな「ジライヤ」ん?」

誰かに呼ばれて振り返るとウルフルンの姿が・・・

「ウルフルン!性懲りも無く出てきやがって!」

「うるせぇ!ジライヤ!今日はテメエを倒す秘策を用意してきたからな!」

バットエンド空間を発動させ赤っ鼻を構えるウルフルン。

「出でよ!アカンベェ!」

近くのゴミ捨て場に置いてあった恐竜の人形に憑依し恐竜アカンベェが誕生した。

「行くぜ!バットエンド王国!!」

闘破が手甲を・・・ベルトを・・・マスクを・・・アーマーを・・・磁光真空剣を装着し戦う姿となった。

「戸隠流正統!・・・ジライヤ!!」

「あ・・・ジライヤさん?」

フクロウ男爵と別れた帰り道に闘破を見つけたみゆき。

恐竜アカンベェを見てすぐに駆けつけようと思ったが、フクロウ男爵に言われたとおりに遠くから見て見ることにした。

闘破がアカンベェと対峙すると一気に勝負をつけるべく磁光真空剣を抜刀した。

「磁光真空剣!!」

レーザー刀となった磁光真空剣を振り下ろそうとした瞬間。

「ほぉ~お前キュアデコルを消滅させるつもりか?」

「なに!?・・・!」

闘破は気付いた。今まで自分が止めを刺してきたのは青っ鼻のアカンベェとその派生形のアカンベェだ。今のアカンベェは赤っ鼻・・・すなわちキュアデコルを元に作られている。

プリキュア達の様に浄化能力の無い闘破が倒してしまえばキュアデコルを消滅させかねないのだ。

「く!」

磁光真空剣を元の形態にする闘破はプリキュア達が来るまで時間を稼ぐことにした。

アカンベェが闘破の身体に巻き付き締め上げる。

あまりの力に唸る闘破だが咄嗟に縄抜けの術を繰り出し脱出する。

アカンベェが闘破の位置を探そうとすると・・・

「ジライバスター!!」

「アカンベェ!」

闘破の攻撃を受けるアカンベェだがすぐに持ち直し闘破に向かって尻尾を繰り出した。

「ぐあ!」

重い一撃を身体に浴びた闘破が吹き飛ばされ壁に打ち付けられ真っ逆さまに落ちる

だが立ち上がり必死に磁光真空剣を構える闘破。

それを見て気に入らなそうな表情をするウルフルン。

「何だよお前~お前じゃアカンベェは倒せねえだろうが~プリキュア達も来るとは思えねえしよぉ~」

ウルフルンの言葉に闘破は・・・

「皆は来る!!」

真っ向から反論した。

「なんだと?何でそんな事言えるんだよ?」

「俺は信じる!俺の力なんて・・・小さなものだ・・・だから俺には仲間がいる!・・・共に戦う仲間・・・かけがえのない仲間・・・プリキュアの皆が!!」

「・・・ジライヤさん」

闘破の言葉が胸に刺さるみゆき。だがそんな闘破をあざ笑うように見るウルフルン。

「へ!その減らず口・・・叩き潰してやるぜ!行けえアカンベェ!!」

ウルフルンが闘破を指さしアカンベェに攻撃させようとしたその時だった。

「うおおりゃあああああああ!!」

何処からともなく現れたサニーがアカンベェの身体を抑えつけた。

「あかね!」

「闘破!待たせたなぁ!!・・・たく・・・帰りが遅いから探しに来てみれば」

「面目ない」

サニーの登場に笑顔になる闘破。

すると

「プリキュア!スマイルチャージ!」

遠くで見ていたみゆきが溜まらなくなりプリキュアに覚醒し闘破の元へ駆けつけた。

「みゆき!?」

「ハッピー?」

ハッピーの登場に驚く闘破とサニー。

するとハッピーは何を思ったのか・・・

「ごめんなさい!」

闘破に向かって頭を下げた。

「な?どうしたんだよみゆき?」

「私・・・そのジライヤさんがいれば大丈夫って思ってた・・・けど違ったの・・・私はジライヤさんと一緒に戦ってたんだって・・・」

「みゆき・・・俺が戦えるのは・・・皆が一緒に戦ってくれるからなんだぜ?力を貸してくれるか?」

「はい!」

「ウチも忘れんな!」

闘破と共に並び立つハッピーとサニー。

するとウルフルンが怒りに任せてアカンベェを突進させてきた。

「よし!俺が引き付ける!隙が出来たら二人が決めてくれ!」

「はい!」

「よっしゃ!」

闘破が正面から迎えうちハッピーとサニーが両サイドに飛んだ。

アカンベェの猛攻を受ける闘破だが一人ではとても抑えきれない。

その時

「!!」

馬の方向と共に駆けつけるフクロウ男爵の姿が・・・

「フクロウ男爵!」

「ジライヤ!」

フクロウ男爵が鞭を構えるとアカンベェの身体を雁字搦めに捕え、闘破も磁光真空剣の峰で一撃を浴びせた。

そしてフクロウ男爵が叫んだ。

「ハッピー!今だ!」

「うん!行くよ!サニー!」

「よっしゃ!気合やあああ!!」

ハッピーとサニーがスマイルパクトに気合を込め・・・

「プリキュア・・・ハッピーシャワー!!」

「プリキュア!サニー・・・ファイヤー!!」

「アカンベェえええええ!!」

ハッピーとサニーの同時攻撃を浴びたアカンベェが浄化されキュアデコルを手にした。

「く!覚えてやがれ!」

その結末に撤収するウルフルン。

帰り道のあかねとみゆきの図

「えへへぇ」

「何や?にやけた顔して?」

あまりにもにやけた顔したみゆきに汗を流すあかね。

「私にもパートナー世界忍者が出来た~」

「フクロウ男爵のこと?」

「うん!それにジライヤさんがああいう風に思ってくれてたなんてこれはもう!ウルトラハッピー!」

体いっぱい使いながら幸せを表現するみゆき。

「何はともあれ・・・みゆきが自信回復してくれて良かった良かった!」

「はえ?」

「みゆきが元気ないとウチらも調子でぇへんからなぁ」

といって仲睦まじく帰る二人だった。

一方

本日のオチ?

「はぁ・・・大変だったなぁ・・・ん!?」

バッドエンド王国との戦いを終えた闘破が夕飯の買い物の為に商店街へ向かう途中、何やら後頭部に重量を感じ取った。

取りあえず頭の重量をはがし自分の目の前に出してみると・・・

「キュピ♪」

赤ん坊だった。

「何でこんなところに赤ん坊が?」

見た所、羽が生えた変わった赤ん坊に見えると後方から気配を感じた。

「どこだ!?あ!すみませーん!!」

何やら若い男性のようで闘破が振り返ると若者は息を切らせながら闘破の元に走ってきた。

「すみません!この辺で赤ん坊見ませんでした!?このくらいの大きさで羽が生えててキュピっていう赤ん坊なんですけど!!」

身体全体で表現しながら若者が尋ねると思い当たった闘破が抱っこしている赤ん坊を見せてみた。

「ひょっとしてこの子の事?」

「キュピ♪」

笑顔の赤ん坊を見つめた若者は安心したように闘破から赤ん坊を受け取った。

「アイちゃん!良かった~・・・もう!一人でどっか言っちゃダメ!」

「アイ♪」

赤ん坊とのやり取りを見る闘破が安心すると再び人がやってきた。

「ジャスピオンさーん!アイちゃん見つかった!」

「おお!マナ!見つかった!」

マナと呼ばれた少女にアイちゃんと呼ばれた赤ん坊を抱っこしながら駆け寄る若者。

すると若者は振り返り闘破に向かって叫んだ。

「ありがとう!」

手を振ってマナと帰路に着く若者だった。

それをポツーンと見送る闘破。

「なんだろう・・・あの若者と近いうちに友達になりそうな気が・・・て!いっけね!買い物買い物!」

若者の背を見送った闘破が何かの予感を感じながら時計を見るともう夕飯の時間だった為大慌てで買い物に向かうのだった。
 
 

 
後書き
マジョリーナが妖術を繰り出した!何とそれは一目ぼれの妖術!それを浴びたげんきがなおに恋しちゃった!?げんきの妖術を解くべく闘破とあかねは奮闘する!

世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!

決戦はデートの後で!

皆!見てね♪